1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
( ^ω^)「代理だにょーん」ノ(゚ー゚リそ
2 :
以上、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/19(月) 19:34:34.53 ID:gq9oqoSu0
ぱーぱらっぱーぱぷーぱぷー
3 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 19:42:40.55 ID:iLUnOlJiO
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/19(月) 19:44:06.43 ID:V+6r/Om60
うほ、今日このスレに初めて出会えたことをすごく喜びます
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/19(月) 19:44:26.02 ID:PrpP1grTO
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
支援
6 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 19:44:54.54 ID:iLUnOlJiO
マウスとブーンが港へやって来たのは、陽が傾き始めた頃だった。
ノ(゚ー゚リそ「へー、イワバタガニって言うんですかコレ。
塩ゆでしたの一杯貰おうかなー」
( ^ω^)(・・・・)
ノ(^ー^*リそ「あ、浜焼きも美味しそうー」
( ^ω^)(お前さっきから食い過ぎだ)
#5 南海の中心で愛を叫ぶ
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/19(月) 19:47:37.49 ID:OaQUcD9wO
わくてか
8 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 19:48:07.82 ID:iLUnOlJiO
ノ(^ー^*リそ「しぃらかばーぁあおぞーら、みぃなーぁみぃかぁーぜぇー」
( ^ω^)(お前幾つだYO☆)
マウスはどうも食い気に走っているが、本来の目的は港の下見である。
二人は今夜港から船を盗み、島から逃げる予定だ。
当然この辺りの海には詳しくないので、船乗り達から情報を集めておきたいと思っていたのだが。
( ^ω^)(見事に皆出払ってるお)
ノ(゚、゚リそ(昼間は船の上かぁ)
半ば途方に暮れながら、大量に吊された干物の間を歩いていると、
ふと見覚えのある男が視界に入った。
ミ,,゚Д゚彡
マウスがこの島に来て、初めて話した男だった。
男はこちらに気付くと、呼びもしないのにまたフレンドリーに近寄ってきた。
その後ろを猫がぞろぞろ付いてくる。
初対面の時も思ったのだが、この男は野良猫に餌付けでもしているのだろうか。
9 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 19:52:04.11 ID:iLUnOlJiO
ミ,,゚Д゚彡「よう、昨日の旅人さんじゃねぇかゴルァ」
ノ(゚ー゚リそ「どうも・・・・アレ?てっきり船乗りさんだと思ってたんですけど」
ミ,,゚Д゚彡「まぁ船乗りには違いねぇけどな。兄さん港に何の用だい」
ノ(゚ー゚リそ「船を見に。でも皆出ちゃってますね」
ミ,,゚Д゚彡「夕方になりゃ戻って来るさ。船に興味があるのかい?」
ノ(^ー^リそ「まぁ・・・・これでも男の子ですから」
ミ,,^Д^彡「そうかそうか」
マウスの言葉に船乗りの男は気を良くしたようだ。
彼から色々と聞き出せるかもしれない、そう思った時だった。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/19(月) 19:54:14.82 ID:PrpP1grTO
支援
11 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 19:54:58.91 ID:iLUnOlJiO
ミ,;゚Д゚彡
ノ(゚ー゚;リそ
( ^ω^)
マウスは背後から異様な殺気を感じた。
船乗りの表情が恐怖に凍り付く。
ノ( ― ;リそ(これは・・・・デジャヴ!?)
恐る恐る振り返ると、そこに居たのはやはりツンだった。
ξ#゚听)ξ
前言撤回、ツンの皮を被った鬼が立っている。
( ^ω^)(うわぁ・・・・)
ノ(゚ー゚;リそ(うわぁ・・・・)
12 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 19:58:09.25 ID:iLUnOlJiO
ξ#゚听)ξ「本っ・・・・当にもう勘弁して下さい!いくら大切なお客さまでも怒りますよ!」
ノ(゚ー゚;リそ「もう怒ってますけど」
城でツンの案内をすっぽかした事で、相当彼女を怒らせてしまったらしい。
あれはそもそも将軍の抜け駆けなのだから、不可抗力の筈だが。
ξ#゚听)ξ「私をからかって楽しんでらっしゃるんじゃないでしょうね!」
ノ(゚―゚;リそ「滅相も無い。そんな命知らずに見えますか?」
( ^ω^)(あっ、馬鹿)
ξ#゚听)ξ「・・・・」
気を落ち着けるように、ツンは大きく息を吐いた。
ξ゚听)ξ「・・・・マウス様、今度こそ私の言うことを聞いて下さいね」
ノ(゚ー゚;リそ「な、なんなりと」
ξ゚听)ξ「今夜はご夕食を接待するようにショボン様から言い付かっております」
そう言ってツンは、マウスの鼻先に一枚の紙を突き出した。
おお待ってた
リアタイ遭遇支援
14 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 20:01:32.45 ID:iLUnOlJiO
ξ゚听)ξ「夜七時五十分に、そのお店で予約を取ってあります。
お待ちしておりますので必ず来てくださいね。“か・な・ら・ず”ですよ!」
突き付けられた紙を受け取ってみると、手描きの地図のようだった。
ただしかなりアバウトな。
土地勘の無いマウスには、ちょっと場所がわかりにくかった。
ノ(゚ー゚リそ「あの、ツンさん、このお店にはどうやって」
ノ(゚ー゚リそ「居ない」
ぷりぷりと肩を怒らせて歩くツンの後ろ姿が、遥か彼方に見えた。
ノ( ― リそ「僕が何をした・・・・」
ミ,,゚Д゚彡「災難だな兄さん。まぁ頑張ってくれ」
ノ(゚―゚リそ「あ、待って」
立ち去ろうとした男の腕を掴んで引き止めた。
ノ(゚ー゚;リそ「コレ・・・・どこだかわかります?」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/19(月) 20:03:21.96 ID:PrpP1grTO
支援!
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/19(月) 20:03:33.34 ID:Hl3htYMnO
支援
17 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 20:04:23.98 ID:iLUnOlJiO
ツンから渡された地図を見せると、男はまず目を点にする。
続いて首を傾げ、地図に顔を近付けてしばらく唸っていたが、不意に顔を上げると、
ミ,,゚Д゚彡「これはひどい」
と一言呟いた。
ノ(゚ー゚リそ「ですよねー」
ミ,,゚Д゚彡「兄さんじゃーちょっとわからねぇだろうな。
案内してやるから、時間になったらまた来るといい」
( ^ω^)「お前何考えてるお」
男と別れた後、ブーンが呆れた口調で言った。
18 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 20:08:07.53 ID:iLUnOlJiO
( ^ω^)「今夜はもう島を出るんだお?女の子と楽しくお食事してる場合じゃねーお」
ノ(゚ー゚リそ「まぁまぁ、どうせ夜中なんだし、時間潰しにはいいだろ」
( ^ω^)「おま」
ノ(゚ー゚リそ「ツンさん、迎えに来るって言わなかったな」
( ^ω^)
この二日間彼女は律儀に、半ば強引にマウスの案内をしようとしてきた。
それがさっきの様子はどうだろう。
「必ず」と念押ししていったとは言え、マウスが必ず約束を守るとは限らないのだ。
むしろこれまでの経緯を考えれば、すっぽかす可能性の方が高いと判断するだろう。
にも関わらず、彼女はマウスに約束を取り付けただけで帰っていった。
ノ(゚ー゚リそ「・・・・どういう心境の変化かと思ってさ」
( ^ω^)「確かに、ちょっと様子は変だったおね。
でも約束したお?これ以上深入りしないって」
ノ(゚ー゚リそ「彼女に付き合ってあげられるのも、これが最後だから、ね?」
( ^ω^)「・・・・」
マウスが言い出したら聞かない奴だと言うことも、長年の付き合いでブーンはよく知っていた。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/19(月) 20:11:04.77 ID:Hl3htYMnO
支援!
20 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 20:11:27.16 ID:iLUnOlJiO
( ^ω^)「・・・・まったく、お前は女の子に甘すぎるお」
ノ(゚ー゚リそ「え、普通じゃないの」
夕方、船乗りの案内で、ツンに指定されたレストランまでやってきた。
ミ,,゚Д゚彡「じゃ、俺は帰るから、あとはうまくやりなよ。
どうもこの辺は小綺麗で落ち着かねぇや」
ノ(゚ー゚リそ「お世話になりました」
ミ,,゚Д゚彡「いいって事よ・・・・そうだ、兄さん今度は俺たちと飲まないかい」
ノ(゚、゚リそ「いいんですか?」
ミ,,゚Д゚彡「おう。俺たちは海から帰ってくるとな、船着場の近くの小屋でいつも飲んでるんだ。
こんな小綺麗な店で飲むより楽しいぞぉ。いつでも来てくれ」
ノ(゚ー゚リそ「じゃあ今度、お邪魔しようかな」
ひさしぶり〜支援♪
22 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 20:14:44.12 ID:iLUnOlJiO
じゃあな、と手を振り、船乗りの男は急ぎ足で港の方へ帰っていった。
ノ(゚ー゚リそ「船乗り達は夕方から酒盛り、ね」
どうやら船を盗むのは簡単そうだ。
店内に入ると、早速ウェイターが寄ってきた。
夕食時にも関わらず、他の客の姿は無い。
マウスが名乗ると、ウェイターは彼を二階へ案内する。
ttp://smu.me/0901/2dd2.jpg 二階へ昇ると、バルコニーに近い席にツンが座っていた。
テーブルの上にはリザーブを意味する花籠。
ツンはマウスの姿を見つけて立ち上がる。
その表情には安堵の色が浮かんでいた。
ξ゚听)ξ「良かった・・・・来て下さったんですね」
ノ(゚、゚*リそ「あ・・・・えと、お待たせしました」
23 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 20:18:06.15 ID:iLUnOlJiO
ツンはいつもの軽鎧姿ではなかった。
ちょっとおめかしした、という感じだろうか。
年頃の女性らしい服装に、よく見ると薄ら化粧もしている。
ξ゚听)ξ「今夜はこのお店、私たちの貸し切りです。
ゆっくり島の名産料理をご賞味下さい」
立ちっぱなしのマウスに対し、ツンが座るよう促す。
マウスは昼間と雰囲気の違うツンにどぎまぎしつつ、ブーンを椅子の脇に立て掛けて席に着いた。
ξ゚听)ξ「マウス様、ワインは」
ノ(゚ー゚リそ「あ、少しなら大丈夫です」
( ^ω^)(すwwwこwwwしwwww
カマトトぶりやがってwwwwお前笊じゃねーかwwwww)
程なくして料理が運ばれてくる。
やはり海に囲まれているだけあって、魚介料理が中心のようだ。
ノ(゚ー゚∩そ「あ、あの、キバアンコウは出ますか」
ξ゚听)ξ「キバアンコウですか?厨房にお願いしてみます」
ここまで来たら島を出る前に、噂のキバアンコウも味わっておこうとマウスは思った。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/19(月) 20:18:36.10 ID:Hl3htYMnO
支援
25 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 20:20:30.70 ID:iLUnOlJiO
ツンはマウスの質問に答える形で会話を進める。
話題がショボンの事に及ぶと、ツンは特に熱っぽく語った。
平民出身のツンを王室付き親衛隊長に取り立てたのも、ショボンであったらしい。
きっとそれが、彼女がショボンに熱を上げる事になったきっかけなのだろう。
ξ*--)ξ「実はショボン様は、このヴィップの出身ではないのです。
でも本当にこの島の為に、身を粉にして働かれまして・・・・」
ノ(゚ー゚リそ「へぇー、意外・・・・お姫様と結婚する位だから、てっきり島の名士の方かと」
ξ゚听)ξ
ξ*゚听)ξ「・・・・そう!街にモンスターが出なくなったのも、あの方がいらしてからなんですよ!」
ノ(゚ー゚リそ「?・・・・それはすごいなぁ。
ところでショボン卿はいつ頃からこの島の領主を?」
ξ゚听)ξ「それは・・・・」
言い掛けてツンが首を傾げる。
ξ゚听)ξ「・・・・五年・・・・いえ十年・・・・だったかしら・・・・ええと、ちょっと待って下さいね」
ノ(゚、゚リそ(・・・・ん?)
マウスはどこかで似たような台詞を聞いたような気がした。
26 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 20:24:04.44 ID:iLUnOlJiO
( ゚д゚)「私がこの宿屋を始めて十年・・・・あれ?三十年だったか・・・・な?
おかしいな・・・・何年経つんだろ・・・・?」
ノ(゚、゚リそ(あー、そうか、宿屋の親父だ。それに・・・・)
(‘_L’)「なにしろ・・・・そういう不安がいつから芽生えたのか、それすらもよくわからないのです。
昨日からのような気もすれば、何年も前からのような気もする」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/19(月) 20:27:03.73 ID:Hl3htYMnO
支援!
28 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 20:28:42.76 ID:iLUnOlJiO
ノ(゚、゚リそ「・・・・・・・・」
ξ゚听)ξ「・・・・マウス様、どうかされました?」
ノ(゚、゚;リそ「え、あ、なんでしょう?」
ξ゚听)ξ「先程からお顔の色がすぐれないようですが」
ノ(゚ー゚リそ「ちょっと酔ったのかも・・・・それより今度はツンさんのお仕事の話も聞きたいです」
ξ;゚听)ξ「え、わ、私の・・・・ですか?」
自分の事に話を振られるとは思っていなかったのか、ツンは慌てた素振りを見せる。
ξ゚听)ξ「お話するような事なんて・・・・私は王家の一介の護衛に過ぎませんから・・・・」
ノ(゚、゚リそ「えー・・・・」
ξ゚听)ξ「・・・・」
マウスはそれ以上聞こうとはしなかったが、がっかりしている事はツンに良く伝わったらしい。
相変わらず絵がうまいな…
しえん
30 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 20:31:26.17 ID:iLUnOlJiO
ξ゚听)ξ「・・・・本来、王室親衛隊には『巫女』と呼ばれる、
神事を行う女性達を訓練して就かせるのが習わしです。
でも私はちょっと違うんです」
ノ(゚、゚リそ「違う?」
ξ゚听)ξ「私はもともと『巫女』ではありませんでした。
・・・・なまじの男性より腕っぷしが強いのを買われて隊長に抜擢されたんです」
ノ(゚ー゚リそ(あー、たしかに)
マウスは東部海岸での、ツンのモンスターとの戦いぶりを思い出した。
女性であれだけの強さというのは、なかなか居ないかもしれない。
ξ゚听)ξ「私は自分の仕事に誇りを持っています。
・・・・でも・・・・女性としては、あんまり自慢にならないですよね・・・・」
ノ(゚ー゚リそ「え、えーと・・・・」
( ^ω^)(そこはフォローするトコだろ常考)
ノ(゚ー゚リそ「あ、そうだ。王室親衛隊って事はツンさん、クー王女とはよく会われますよね」
( ^ω^)(あっ、馬鹿)
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/19(月) 20:32:21.95 ID:Hl3htYMnO
支援
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/19(月) 20:33:39.05 ID:cPgzmqW2O
ノリソ?
33 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 20:34:04.66 ID:iLUnOlJiO
咄嗟にマウスの口を突いて出た、クー王女の名前。
こののほほん男は、また地雷を踏もうとしている。
ノ(゚ー゚リそ「僕は初日にお姿を拝見しただけなので。
・・・・どんな方ですか?クー王女って」
ξ゚听)ξ「クー様はこのヴィップ王家の唯一の後継者なんです。
先代様が早くに亡くなられてからは、お一人でこのヴィップを支えて来られました」
ノ(゚、゚リそ「へぇー、僕と大して変わらないみたいなのに」
ξ゚听)ξ「・・・・私達とは住む世界が違いますわ。
ですがとても聡明で、お優しい方です」
ノ(゚、゚リそ「優しい・・・・」
ξ--)ξ「・・・・そして・・・・とてもお美しい・・・・方・・・・
それはマウス様もご存じですよね」
ノ(゚ー゚*リそ「そうですね、でも昨日お会いしたときは、
何か冷たい感じがしたというか」
ξ゚听)ξ
34 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 20:38:05.69 ID:iLUnOlJiO
ノ(゚、゚*リそ「昨日はご機嫌が良くなかったんでしょうか。
・・・・その、かなり不躾でしたよね僕」
ξ )ξ
ノ(^ー^*リそ「ツンさんは王女とはよく話したりするんですか?
僕の事何か言ってたりとか、無いかなーなんて」
ξ# )ξ
半分以上中身の入ったワイングラスを、ツンが一息に呷る。
そして乱暴に椅子を引いて立ち上がると、何も言わずに外へ出てしまった。
ノ(゚ー゚リそ「・・・・え?」
テーブルに一人残されたマウス。
状況が飲み込めず、ぽかんとしている。
( ^ω^)「お前馬鹿だろ」
見兼ねたブーンが、椅子の脇から声を掛けた。
( ^ω^)「お前がお姫様の事をニコニコして聞くから、彼女のご機嫌を損ねたんだお。
自分で気付いてなかったのかお、ばーか」
KYですな
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/19(月) 20:40:06.64 ID:Hl3htYMnO
支援!
37 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 20:40:28.70 ID:iLUnOlJiO
デートの時に他の女性の事を聞くのはとっても失礼!
よい子の皆は気を付けようね!
これはお姉さんとの約束だゾッ☆
ノ( ― ;リそ「・・・・返す言葉もございません」
( ^ω^)「いい加減空気の読める子になれお」
気まずいがツンを放っておくわけにもいかない。
マウスは彼女を追って外に出た。
ξ゚听)ξ「・・・・はぁ」
ξ゚听)ξ あたしはブルー ほしいのは愛? にんにん
39 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 20:44:04.20 ID:iLUnOlJiO
バルコニーでツンは独りため息を吐いた。
ξ゚听)ξ「ショボン様に・・・・・・・・って言われてるのに・・・・私、何をやってるの」
ノ(゚、゚;リそ「あの、ツンさん」
ξ;゚听)ξ
いつの間にかマウスが後ろに立っていた。
今の独り言を聞かれたのでは、と一瞬狼狽えたが、
マウスの表情が芯からツンを気遣っている様子だったので、
ツンはホッと胸を撫で下ろした。
ξ゚听)ξ「ごめんなさい・・・・少し気分が悪くて」
ノ(゚、゚;リそ「大丈夫、ですか?・・・・その、僕が言ったことで気分を害したんだったら」
ツンは静かに首を振る。
ξ゚听)ξ「マウス様のせいではありません。私が悪いんです、私が・・・・」
言いながら、ツンはマウスに背を向けた。
40 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 20:48:04.08 ID:iLUnOlJiO
ξ )ξ「私みたいな女がクー様に対して、羨ましく思ったりすること自体恐れ多いんです。
あの人に・・・・勝てるわけなんかないのに・・・・」
ノ(゚、゚リそ「・・・・」
ツンの声は震えていた。
彼女に掛ける言葉が見つからず、マウスはただ立ち尽くす。
随分長いことそうしていた気がする。
実際にはもっと短い時間だったのかもしれないが、ともかくようやくツンがマウスの方に向き直った。
ξ゚听)ξ「今宵はずっとお付き合いをする予定でしたけど、
私がこれではきっとご迷惑を掛けてしまいますね」
ノ(゚、゚リそ「・・・・ツンさん」
ξ--)ξ「ここで・・・・お別れさせて下さい」
それだけ言うと、ツンは一人店内に戻っていった。
しばらくして一階の玄関から出ていくツンの姿が見える。
マウスはツンの姿が見えなくなるまで、バルコニーから見送っていた。
( ^ω^)(『今宵はずっと』ねぇ)
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/19(月) 20:48:27.77 ID:vS+UX/3bO
支援。
42 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 20:50:08.10 ID:iLUnOlJiO
ツンの様子がおかしかった理由が、ブーンにはなんとなくわかってきた。
ノ(゚、゚リそ「あ、結局キバアンコウ食ってないや」
こういった事情に疎いマウスにはわからないだろうが、教える必要も無いとブーンは思っていた。
( ^ω^)(・・・・こいつが聞いたら怒るに決まってるお)
ノ(゚ー゚リそ「何か言ったか?」
( ^ω^)「いや、そろそろ良い時間だと思うお」
そろそろ船乗り達は酔い潰れている頃だろう。
マウス達はレストランを後に、港へ向かった。
ノ(゚、゚リそ(明日・・・・宿にもどこにも僕が居なくなってる事を知ったら、ツンさんは)
がっかりするだろうか。
それともやっぱり凄く怒るんだろうか。
そんな事を考えながら。
支援
絵が書けるっていいな
44 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 20:53:03.63 ID:iLUnOlJiO
市街地を抜けて市場に入る。
人と会わないに越した事は無いので、人通りの無さそうな道を通っていたが、
それもあまり意味が無かったかもしれない。
昼間の賑わいが嘘のように、夜の市街は静まり返っていた。
( ^ω^)「曰く、田舎の朝は早く夜も早い」
ノ(゚、゚リそ「こらこら、本当の事を言っちゃいけません」
( ^ω^)「お前も大概失礼だお」
それで気が緩んでしまったのだろう。
路地から出てくる人影にマウス達は気付かなかった。
ノ( ― ;リそ「ぷぎゃっ!?」
そしてその人影とぶつかったマウスは、派手に転んでしまった。
('、`*川「おおっと失礼」
マウスがぶつかったのは三十代位の女性だった。
三十代・・・ベニサス?
46 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 20:55:06.77 ID:iLUnOlJiO
こんな時間に、と二人は一瞬訝るが、
ノ(゚ー゚リそ(酒くせぇ)
( ^ω^)(酒くせぇ)
その女性が異様に酒臭かったので、すぐに酔っ払いだと理解した。
しかしこれだけ酒の匂いをさせていながら、彼女はまるで素面のようにけろりとした顔で立っている。
('、`*川「大丈夫?ぼうや」
ノ(゚ー゚リそ「あ、はい・・・・あとコレ落ちましたよ」
女性が差し出した手の上に懐中時計を乗せ、マウスは一人で立ち上がった。
('、`*川「あら、ありがとう」
近くで見ると、女性はかなり整った顔立ちをしている。
紫の長い髪に、吸い込まれるような翡翠の瞳が印象的だ。
この酒臭い息が全て台無しにしているが。
ノ(゚ー゚リそ「それじゃあ、急ぎますんで」
('、`*川「あ、ちょい待ち」
ノ(゚ー゚リそ「はい?」
47 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 20:59:04.09 ID:iLUnOlJiO
マウスが振り返ると、何故か呼び止めた本人が首を傾げている。
('、`*川「・・・・やっぱなんでもない。呼び止めて悪かったわ」
へらっと笑って、女性は夜の闇に消えていった。
( ^ω^)「・・・・変な女だお」
ノ(゚、゚リそ「あの人だよ、噂の時計屋」
( ^ω^)「なんでわかるお?」
ノ(゚、゚リそ「あの人の時計合ってたから」
( ^ω^)「なるほど・・・・鉄の肝臓って噂も本当だったか」
ノ(- -;リそ「粕漬けがぶつかってきたかと思った」
気を取り直して、二人は港へやってきた。
さすがにここまで来ると、おしゃべりのブーンも無言になる。
48 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 21:03:03.78 ID:iLUnOlJiO
港は静まり返っていた。
船着場には見張りの姿が見えたが・・・・どうやらお休み中のようだ。
マウスは見張りを起こさないようにそっと船に近づき、一番小さい漁船に乗り込んだ。
ノ(゚ー゚リそ「・・・・前にもあったなぁ、こういう事」
船が港からある程度離れたところで、マウスが言った。
( ^ω^)「あー、あの馬鹿がドジ踏んで、三人して逃げた時かお?」
ノ(- -リそ「二人が喧嘩して煩かったよな」
( ^ω^)「騒がしい逃亡犯だおw」
ノ(゚、゚リそ「・・・・」
マウスが島の方を省みる。
色々あった所為か、やはり後ろ髪引かれているようだった。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/19(月) 21:03:42.45 ID:vS+UX/3bO
( ^ω^)支援
50 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 21:05:27.15 ID:iLUnOlJiO
( ^ω^)「そう名残惜しそうな顔するなお」
ノ(゚、゚リそ「・・・・してないっつーの」
マウスがぷいと顔を背けた。
( ^ω^)「触らぬ神になんとやら、これで良かったんだお」
ノ( 、 リそ「・・・・」
ブーンにも気になる事はあったが、マウスを関わらせたくは無かった。
そもそもこの相棒のやる事は危なっかしい。
一々付き合わされては、心臓が幾つ有っても足りないというものだ。
(もっとも楽器に心臓があるとは思えないが)
島を出るようマウスを説き伏せたのは、正しい判断だとブーンは思っていた。
( ^ω^)(これでマウスが危ない目に合うことも無いし、一安心だお)
本心は親心である。
ノ(゚、゚リそ「?・・・・もう寝るよ」
51 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 21:09:03.99 ID:iLUnOlJiO
翌朝。
海上で一夜を明かした二人は、信じられない光景を目の当りにした。
( ^ω^)「なん、だと・・・・?」
港が見える。
沖に出た筈が、船は再びヴィップ島へ戻ってきてしまったのだ。
川 ゚ -゚)(可哀相に・・・・また新しい人が来たんだな)
あの夜の王女の言葉が脳裏を過る。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/19(月) 21:10:57.43 ID:OF0EoTMp0
しえん
53 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 21:11:26.71 ID:iLUnOlJiO
ノ(゚、゚リそ「・・・・『檻の島』・・・・」
マウスの表情も、いつになく険しかった。
( ^ω^)「・・・・おほん、ところでマウス君」
ノ(゚、゚リそ「何」
( ^ω^)「アレ、やばくね?」
船着場に人集りが出来ていた。
見ればこちらに向かって何か怒鳴っているようだ。
ミ,#゚Д゚彡
その中には昨日の船乗りの姿もあった。
54 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 21:15:04.16 ID:iLUnOlJiO
ノ(゚ー゚;リそ「うわ、やっべ」
今戻ったら確実にフルボッコである。
さて、どうやって言い逃れるか。
しばらく思案した後、マウスは船着場に向かって大声で叫んだ。
ノ(゚―゚;リそ「・・・・助けて下さい!!」
#5 おわり
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/19(月) 21:15:44.00 ID:OF0EoTMp0
乙
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/19(月) 21:18:19.10 ID:Hl3htYMnO
乙
57 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 21:18:31.35 ID:iLUnOlJiO
ξ゚听)ξ にんにん
酒を入れたら電話の震えは治まりました。アル中か。
皆様ご支援有り難うございましたです。
何か質問ございましたらどうぞ。
ξ゚听)ξ ノ(゚ー゚リそ 〜♪
|)v)v ━┳━ (ω^)ψ/
 ̄l77 .┃ ≪| ̄|
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/19(月) 21:21:31.39 ID:vS+UX/3bO
乙ー。
60 :
◆LtLEF9zahg :2009/01/19(月) 21:22:22.58 ID:iLUnOlJiO
>>58 可愛いwwwwまじありがとうwwwwww
乙
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
乙!