1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :
2009/01/10(土) 14:09:18.51 ID:6RegHAXU0 派遣村 楼蘭 . . ................:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:........... . . . . ............ . . . . . . . . . . . . . . . . ..:.:...... . . . . . . . . ........... . . . . ...............:.:.:.:.:.:.:.:.:.:............. . . . .................... . . . . . .. . . . . . . . ....:.:.:.... . . . . . . . . . ...............:.:.:.:.:.:.:.::............. . . . . ............. . . . . ...... . . . . . . . ........:.:.:.... . . . . ...... . . . . . . .... . . . . . . . . . ........... . . . . . . . ................:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:........... . . . . ............ . . . . . . . . . . . . . . . . ..:.:...... . . . . . . . . ........... . . . . ...............:.:.:.:.:.:.:.:.:.:............. . . . .................... . . . . . .. . . . . . . . ....:.:.:.... . . . . . . . . . ...............:.:.:.:.:.:.:.::............. . . . . ............. . . . . ...... . . . . . . . ........:.:.:.... . . . . ...... . . . . . . .... . . . . . . . . . ........... . . . . . n . . . ....... . . . . ...... . . . . . ....................:.:.:.:.:.:.:.:.:.:............. |] p . _ . . . . . . ..........:.:.:.:.:.:::::::.:.:.:.:........ . . }| {} ,! | . . . . .....:.:.:.:::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:...... . -‐‐‐‐‐:‐‐‐.:‐‐‐‐‐‐‐‐'ー'‐‐‐‐‐‐┴┴‐‐- 、,,_ . ....:.:.:.::::::.:.:.:.:. __,,.. --- ''" _ [] .: .: ロ [| __ ロ `゙゙'''''ヾ、,, . ._,,. - ‐‐ ''"´ ::| .: .:: [] 卩 |::| ___ `゙'ヾ、___''_´_ _ 見捨てられ、放置された人々が、一時的に流れ込んで来る場所。 未来の見えない世界で、一息つける場所だった。
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 14:10:17.64 ID:6RegHAXU0
/)/ノ,> | lン.)っ |/ .〈/ l ) |iii|||||| |iii|||||| ';;;;;;,,,'':::::: |ii|||||||| ';;;;;;,,,'':::::::;; ';;;;;;,,,'':::::::;; ┌|ii||||||||| ';;;;;;,,,'':::::::;;'';;;;;;::::;;::;;;''::::;;;;;;; ';;;;;;,,,'':::::::;;'';;;;;;::::;;::;;;''::::;;;;;;; '';;;;;;::::;;::;;;''::::;;;;;;; ゝ::::::::::';;;;;;,,,'':::::::;;'';;;;;;::::;;::;;;''::::;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;イ::::::::</(ン';;;;;;,,,'':::::::;;'';;;;;;::::;;::;;;''::::;;;;;;; ;;:;:::;;;;;:::,,,;;;';;;;;;,,,'':::::::;;'';;;;;;::::;;::;;;''::::;;;;;;;;::;;;;;;;..''':;;;, ::::;;;;;;:;;;;;..,,,,;;';;;;;;,,,'':::::::;;'';;;;;;::::;;::;;;''::::;;;;;;;;;:'''''::::;;;;;;;:::::'';;:; ;;;;;:::;;;;;;;::::::''''';;;;;;,,,'':::::::;;'';;;;;;::::;;::;;;''::::;;;;;;;;;;;';;''::::::;;;;;;;;' ::;;;;;;;;:::;;;;;;;;;'';;;つ;;::::;;;''';;;;;;,,,'':::::::;;'';;;;;;::::;;::;;;''::::;;;;;;; しかし、そこに居る大半は、気の抜けた表情で空を眺めている者。 自分の運命に絶望して呆然としたまま雲を見ている者。 決して落ちてくるはずも無い幸運を,口を開けて待っている者。
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 14:13:54.13 ID:6RegHAXU0
r──────‐:┐ . | ,.へ、..___./ヽ. | . l / ==== ヽ.| . | F=‐-_ll L-‐=ゝ!.| r:|.l ==。=, =。== |.|.、 {(!|. `二.l. l.二´ ||).} 働く気がある人がいるのかね? ヽ|!/rー' L__」 ー 、`|!ソ 生活保護とか考えているんじゃないのか? . _/| l ー───一 | | ヽ._  ̄ | ト.、,. -‐==、 ,/| |  ̄ . | |/ ∠Hニニ、 ´/ |. | . | / ,r‐|.|==‐'<. | | | / ,' r‐|,|ー- ' \│ │ ある日、見上げた空の遥か雲の上からそんな言葉がふってきた。 実際、色々な人間が混じっている。 その意味では多くの派遣流民の心を突いた言葉だ。 だが、綱渡りしている人間にはきつい言葉だった。 誰もが努力していれば勝てるわけではない。 その発言は後日撤回させられていた。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 14:15:45.45 ID:6RegHAXU0
、N´ `ヽ、/ ゝ l 7二ニ7==‐-_、 イ l / // ̄\ /、`'‐、 "W._ヽ=-‐|/-──'-~、.._/ `'‐、 \  ̄, ̄7 ⌒ヽ / \.ヽ / ./ }. k \! / / |____| /‐┬f=i . / 7'''─r/ \. , ' .|_| ‖ . / / // //ヽ. // ‐''´ ,E! リ / f_/ .// / ヽ/.∠. -‐┬f=i / _,:=/ /'´ ,' / |_| ‖ ` / {三 ' _,ノ l _, -‐''´ ,E! リ ./  ̄ ̄ `ー-‐ ''"´ ゝー' どうにかして、どうにかしたい。 そんな事を秘めている人間もいる。 だが、そんな気持ちは、現実の前に簡単に砕けて散っていく。 しょせん、負け犬とゴミしかいない。 それが、この村の一般的な評価だった。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 14:16:52.06 ID:cT/lbfQJ0
よくわかんないけど支援
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 14:18:17.98 ID:6RegHAXU0
____ / \ / _ノ ヽ__\ /. (ー) (●) \. ・・・・・・。 | . (__人__) | / ∩ノ ⊃ / ( \ / _ノ | | .\ “ /__| | \ /___ / やる夫はテントの隙間から、某政党の人間が派遣流民に声を掛けている様を見ていた。 頑張ってください。 そんな事を言っているようだ。 村の中には色々な人間が混じりこんでいる。 どう見ても派遣流民でも浮浪者でもない人間もいた。 そういう人間の区別がつくようになってしまっていた。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 14:22:04.78 ID:6RegHAXU0
r' ./ `''‐ 、 ,. ‐'"´ ヽ. ゙i . i ./ ,. -‐- 、.`'ー--‐'´ ,. -‐- 、. ヽ. ! l ./ `''ー--‐''´ ヽ i {〈. ,.r''"⌒'ヽ、 ,r'"⌒'''‐、 〉} おい、テントの張りはもっと、こぉやんだよ! {.ヽ ´ ,. -‐- " -‐- 、 `,/ } i'⌒l│ ==。= =。== | l⌒i l i´.|.| `ー--‐'l lー--‐'´ .|.!r´ ! . !.r‐|| `‐--‐l. l‐--‐' || ヘ ! このボケナス共!! ヽ._|! ,r'⌒ヽ、_.ノl lヽ.__, -‐-、|!_,ノ │l. lヾi;、.,,,,,,,゙ー^ー'^ー',,,,,,,,.:ッ:;シ! ! . ! ゙、L工工工工工工工工工」ノ l ! ヽ、匚匚匚匚匚匚匚匚レ' l ./!、 ___ !\._ .-‐''"´/::┃::`'i‐ 、  ̄ ̄ ,. ‐i´::┃ヽ`''‐- 、.._ ::┃::::/::::┃:::::l;;ヽ `''‐ 、. ,. ‐'´ /;l::::┃::::i、:::::┃:: ::┃::/::::::┃:::::|;;;;;;\ `'' ー '"´ ./;;;;;;;|::::┃::::::i、:::┃:: ::┃/::::::::┃:::::|;;;;;;;;;;;;\ /;;;;;;;;;;;;;|::::┃::::::::i、:┃:: :::::/::::::::::┃:::::|;;;;;;;;;;;;;;;;;;\. /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::┃::::::::::i :┃:: テントを張っているボランティアに口やかましく何か言っているのがそうだ。 ついでに言えば、口を出すものの手助けする気はないようだ。 いわゆるプロ市民。 連中にしてみれば、攻撃対象が存在すればなんでもいい。 相手がいるから喧嘩するのではなく、喧嘩したいから相手を探す。 そんな連中にして見れば、派遣流民は格好の餌であり、火種だった。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 14:27:32.02 ID:6RegHAXU0
__、--..、、 _<⌒ヽミヽ ヾ !'⌒≧_ ,Z´r;=-‐- 、ヾ 〃′≦ 7,"/ __‐ 、`ー-'⌒ヾ.7 ! l ー‐- 、ヽ._`ー'´, u ! .l !!L、u __\  ̄ 〆"T 貧困は国の政策の責任!!!! l.r‐、ヽ 、‐。‐-、V/∠==、| ,' |.l´! | u`ミ≡7@ )゚=彡 ! 生活保護を受ける権利がある!!!! /,' l.l_|⊥%ニニソ(@u@ )ー-*| ,/〃',ゝ|/>rーrーrゞr<二二フ ∠ -:/ ト ヒ'土土土十┼┼ヲ;!  ̄:::l:::::::|、 !lヽ~U ~ __ ̄ ̄.ノl ::::::::l:::::::| \. ヽ.ll ヽ、 ___'/l/`iー- そんな中、自称派遣村の村長の講演会が始まった。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 14:30:26.36 ID:6RegHAXU0
/ ;;;, ,, ,,,,,;;;;;;;;;;;;;; _ ;;;;;, ヽ ./;; r- ...,__ ,.. -y ヽ  ̄`i ;;;;;;,,ヽ, ,i ;;; l / ノ ~l;'~ l ;;;;;;;;;; i i ;;;; i __, ...、 ! ,.- ., ___ .v ;;;;;;;; l !, ;; i'-,- '''ヾヽ ~`r' ー=-~` i r- 、i ヽ、i 'rーu-,i l t'~"uー,. l,lr' ll よう、やる夫・・・景気はどうだ? i, i ヽ、_,/,i ヽ, -'" リ j i i l :::. ..:::: ,/ l i_ ヽ ..:::::: r'"-.,_ i ..,__ _ _、 ::::::::: i ヾ\~"ヽ ,._,-'"-' ~`二 '" :::::: ,y ,i ヽ, ~_.ヽ '' ..::: ,-'" i /i _,.-=' /, ヽ、 ,.-' ,' ,r ,y l '" / i l丶,-ヽ- ='" ,' / ,' i テントの中からそれを聞いていると、酒瓶を掲げてオヤジが入ってきた。 追い出すことも出来たが、面倒なので酒の相伴にあずかる事にした。 本名は不明だが、いつからかこの村に居て、ただ、オヤジと呼ばれていた。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 14:34:48.11 ID:6RegHAXU0
____ / \ / _ノ ヽ__\ /. (ー) (●) \. | . (__人__) | ぼちぼちだお・・・。 / ∩ノ ⊃ / ( \ / _ノ | | .\ “ /__| | \ /___ / やる夫は正直、このオヤジがキライだった。 底辺連中のおこぼれを齧って生きている。 そんな”負け組”にはなりたくなかった。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 14:39:04.31 ID:6RegHAXU0
/ ;;;, ,, ,,,,,;;;;;;;;;;;;;; _ ;;;;;, ヽ ./;; r- ...,__ ,.. -y ヽ  ̄`i ;;;;;;,,ヽ, ,i ;;; l / ノ ~l;'~ l ;;;;;;;;;; i i ;;;; i __, ...、 ! ,.- ., ___ .v ;;;;;;;; l !, ;; i'-,- '''ヾヽ ~`r' ー=-~` i r- 、i ヽ、i 'rーu-,i l t'~"uー,. l,lr' ll i, i ヽ、_,/,i ヽ, -'" リ j i なんでも、生活保護を申請させて、 i l :::. ..:::: ,/ その上前を撥ねる算段が出来ているらしいぞ? l i_ ヽ ..:::::: r'"-.,_ i ..,__ _ _、 ::::::::: i ヾ\~"ヽここまで話題になると役所も無碍に出来ないモンな。 ,._,-'"-' ~`二 '" :::::: ,y ,i ヽ, ~_.ヽ '' ..::: ,-'" i /i ま、良く考えるものだよな。 _,.-=' /, ヽ、 ,.-' ,' ,r ,y l '" / i l丶,-ヽ- ='" ,' / ,' i 薄ら笑い浮かべてオヤジは酒を飲み干した。 視線の先には講演会で熱弁をふるう村長の姿。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 14:44:24.94 ID:6RegHAXU0
____ / \ / _ノ ヽ__\ / U (─) (─) \ | (__人__) | / ∩ノ ⊃ / ( \ / _ノ | | .\ “ /__| | \ /___ / オヤジが去って行った後も、講演会は続いていた。 聞いたところでどうなるものではない。 それでも、人間は何かに縋りたい。 かつては負け犬と笑ったその連中を、今のやる夫は笑えなかった。 だが、自分は負けてはいない。 まだ負けては居ない。 心の中だけで幾度繰り返したか? そうしないと、現実に潰されそうだった。 ・・・眠った時だけが、辛い現実から逃れられた。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 14:48:06.20 ID:6RegHAXU0
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: ____ /_ノ ' ヽ_\ /(≡) (≡)\ ふひひ、マリンちゃんいいお!! / (__人__) \ | |r┬-| | \ ` ー'´ / やる夫 特にとりえも無い一般人。 面倒な事はやらず、何とかなるとフラフラと生きて来た。 パチンコにハマリ、大学受験を諦めて高卒となるが、特に気にしなかった。 フリーターとして社会経験を培うという言い訳をした。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 14:52:48.93 ID:6RegHAXU0
____ /_ノ ヽ_\ /( ●) ( ●)\ ま、こんなの普通だお / ::::::⌒(__人__)⌒:::::\ |  ̄ | \ / 家に帰れば、食べるものもあり、寝る場所もある。 稼いだ金は、自分の趣味に使い込んでいた。 若干、家に食費を入れる事で、文句を言われる筋合いは無いと決め付けて。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 14:54:21.21 ID:6RegHAXU0
____. / \ / ─ ─ \ / (●) (●) \ 生活保護のやり方か・・・ | (__人__) | / ∩ノ ⊃ / やっぱ、将来に備えるのは必要だお。 ( \ / _ノ | | .\ " /__| | \ /___ / ある日、珍しく2ちゃん以外を徘徊していると、生活保護うめぇwwwと言う話が載っていた。 楽するという点を重視すれば、これは見逃せない情報だった。 早速、情報収集を開始する。 いつも通りVIPで。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 14:55:54.18 ID:6RegHAXU0
生活保護欲しいwwwお前ら金出せwww 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします どうやったら貰えるんだおwwwwww やり方おしえるおwwwwww 総レス数 1001 ____ / \ / _ノ ヽ__\ / U (─) (─) \ あっという間に罵倒レスで1000・・・ | (__人__) | スレ立て初の1000・・・ / ∩ノ ⊃ / ある意味、うれしいと言えばうれしいお・・・ ( \ / _ノ | | .\ “ /__| | \ /___ / 無茶苦茶叩かれた。 考えてみれば、他人の金を使って楽しようと言うのだから当然だった。 自分でも叩く。 何となく、嫌な予感が立ち込めていくのを感じていた。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 14:58:35.28 ID:6RegHAXU0
____ / \ / ─ ─ \ / (●) (●) \ ・・・・・・。 | (__人__) | \ ` ⌒´ / (こころがいたいお) 就職経験のなさは、時間と共に重たくのしかかってくる。 それに取り付かれると浮かぶのではなく沈むのだ。 それも、延々と社会の底辺へ向かって。 居心地の良かったVIPも自己責任という切り捨ての論調に取って代わった。 加えて、年老いた親の、懇願にも似た言葉・・・ 『お願いだからちゃんと就職して・・・』 これは効いた・・・。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 15:00:16.92 ID:6RegHAXU0
____ / \ / _ノ ヽ、_ \ / o゚((●)) ((●))゚o \ やる夫は・・・やる夫は・・・ | (__人__) | \ ` ⌒´ / いつしか、苛立ちと共に喧嘩の耐えない日常に疲れていった。 それを癒す為に、毎日VIPを巡回し傷を舐めあった。 だが、ベッドに入ると途端に不安が込み上げてくる。 いつかこの生活も終るのではないだろうか? そんな当たり前の事が見えなかった。 やる夫はやれば出来るんだお!! ・・・そんな自己欺瞞の言葉を繰り返していた。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 15:02:36.62 ID:eHFjWwY80
これは支援 派遣村とかよく分からんしプロホームレスについても教えてほしい
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 15:09:06.75 ID:6RegHAXU0
____ / \ / _ノ ヽ、_ \ / o゚((○)) ((○))゚o \ | (__人__) | \ ` ⌒´ / 親のリストラと、家計の悪化。 不況でバイトも首となる。 そんな出来事が人生を大きく変えていく。 他人に強要される人生の選択肢。 親と一緒にいるのがこれほど辛いとは思わなかった。 親がこれ程恐ろしいとは思わなかった。 やる夫は家に居ることができなくなっていた。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 15:14:10.97 ID:6RegHAXU0
___ / \ / _ノ ヽ__\ / U (─) (─) \ | (__人__) | / ∩ノ ⊃ / ( \ / _ノ | | 派遣・・・ .\ “ /__| | \ /___ / 派遣労働。 経験を積む事もできるし、給料もいい。 バイトなどよりも遥かに社会経験を積める・・・ なにより、寮があるので、家を出ることが出来る。 そんな謳い文句を無邪気に信じた。 マジ、やめておけ・・・というVIPPERの言葉は、もう聞いても仕方がなかった。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 15:20:46.66 ID:6RegHAXU0
____ / ノ \\ / (●) (●)\ / (__人__) \ (孤独だお・・・) | ` ⌒´ | \ / / \ 仕事先は、さして大きくない会社。 寮といっても、いまどき三畳一間の小部屋だった。 風呂トイレは当然共用。 疲れきった周囲の人間。 真面目に働いている人間がいる一方で、諦めきった派遣も多い。 やる夫は一人ぼっちだった。 まだ、派遣切りの横行していない時代の話である。
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 15:26:00.77 ID:6RegHAXU0
____ / \ / _ノ ヽ、_ \ / o゚((●)) ((●))゚o \ | (__人__);:;:;:;:#;:;:| \ ` ⌒┃ ;:#;:/ 先輩派遣に苛められる。 その先輩派遣も社員にいびられている。 弱い立場の者が、更に下を叩く。 どう見てもブラックといっても良い会社だ。 ただ、働き、食べて寝る。 もうパチンコなどする気も起きなかった。 VIPでクソスレを立てて他人を釣っていたあの頃の自分が思い出せなかった。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 15:32:35.80 ID:6RegHAXU0
、 ‐;、 _,..rー' ```ヾヽ`、ノ i,, 、 i、|` ⌒ヾ 、`、/ ノi ‐'ソ ト、/ =`ヽ ///__ ヽ  ̄ヽ 'ァl! / 、、 i 〃, ‐、 ヽ |‐、ヾ `) {i/,ノ | r=---‐ァ |__{. { 、、 il>′ {/ ,ノノ !|..:::. .:')ノ li; } l/ lヽ r''v‐'- .,,`_::__,. -‐''iノ 丶`ヽ |{i ト 、;::: :::::;>‐<:::::: ;ィ′`''i ヽ, l l>,i l  ̄ ,:::l;:' ̄l |、 ヽ |! | O'ri!l | 、;/ '/ `O ,!ノ / |\ヽ -===-‐ /ノ! く 」'′学生時代に打ち込んだものは? l``ヽ、\ 'T'' //! _ノノ |;;|``'〒,ヽ _,/'i'´ |、 ,. ィ|;;`;;,、_|;;;;;;;;;|||;;;;;| _,.|└;_ ____ / \ / ─ ─\ / (●) (●) \ 大海物語です。 | (__人__) | \ ` ⌒´ / ,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、. 開店から閉店まで3000回は回せます。 : | '; \_____ ノ.| ヽ i | \/゙(__)\,| i |
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 15:36:29.77 ID:6RegHAXU0
/ ̄ ̄ ̄ \ /::::::::::::::: \ /::::::::::::::::― ― \ |:::::::U ( ○) ( ○) | \::::::::::::::: (__人__) / また・・・不採用・・・ /::::::::::: ⌒´/ ̄/ ̄/ |:::::::::::::::: / / と) | :::::::::::::::::: / / / いつ契約を切られるか判らないと言う恐怖。 この情況から抜け出したいという焦燥感。 そういったものが、やる夫を就職活動に駆り立てた。 しかし、学歴も資格も経験もなく、履歴書すらまともに書いた事がないやる夫を取ってくれる会社は無かった・・・
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 15:41:13.50 ID:6RegHAXU0
〆 ̄TTTTTTTTTTTTTTT7 | =|  ̄ ̄ ̄┴┴┴ ̄ ̄ ∨ |=|  ̄ ̄――― ̄ | | =| 巛lllllllllllllllii ̄ ̄iillllllllllllll| | =| ___llll lll___| |=\人 o > / o フ< |i⌒i| へ ̄ ̄, \ ̄ ̄ , .| || |.|  ̄ \ ̄ | || ‖ // ( | ヽ | ・・・・・・。 | \| イ_ ^  ̄ ̄ | | ≡ ./| \王I王I王I王I王フ| /| =/ | | / |/ 人 =≡≡= ノ ― ̄| \ へ _ イ | \  ̄ ̄ ̄ 嘲笑にも似た面接官の表情。 なんでこんなのが面接に来ているんだよ? 面倒臭い・・・全く・・・身の程を弁えて欲しいものだね。 そんな表情が記憶から取れない。
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 15:42:16.15 ID:HgG+Xs370
sie
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 15:42:18.50 ID:AojBsk4r0
今現在派遣の俺には為になるスレなのか?
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 15:46:38.91 ID:6RegHAXU0
*ただのフィクションです。 ____ / \ / _ノ ヽ、_ \ / o゚((○)) ((○))゚o \ | (__人__) | \ ` ⌒´ / 何となく行き、そして無駄に負け続ける。 頑張っているという言い訳にしかならない行動だった。 勝ち組になりたい・・・ その想いだけが繰り返し頭の中を過ぎっていた。 その繰り返しの中で、やる夫は擦り切れていった。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 15:53:08.20 ID:6RegHAXU0
____ / \ / _ノ ヽ、_ \ ・・・・・・。 / o゚⌒ ⌒゚o \ | (__人__) | \ ` ⌒´ / 派遣労働に従事しているうちに、世界は不況になっていった。 徐々に、周囲の派遣労働者が消えていく。 先週まで居たあの人。 昨日までいた、仕事を教えてくれたおっさん。 そういった人たちが、いつの間にかいなくなっていった。 それが派遣切りだとは、この時あまり考えていなかった。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 15:57:47.16 ID:6RegHAXU0
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: じゃりーんどーん じゃりーんどーん ガバッ ! ! ______ /:υ::─ニjjニ─ヾ /:::li|.:( ○)三 ( ○)\ (:::||!.:υ::::: (__人__)):::: i| 〃 ):::::::::::. |r┬-| li::::/ /: : : : : : l\`ー '/j: : ::ヽ \ヽ :ヽ: : : : 7ヽ />: : : :r:\ 携帯電話が鳴り響く。 慌てて止め、周囲を伺う。 うるさいと壁を蹴飛ばされた事がトラウマになっていた。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 16:03:44.63 ID:6RegHAXU0
____ / \ / ─ ─ \ / (●) (●) \ | (__人__) | \ ` ⌒´ / 見た夢は鮮明に覚えている。 楽しかった頃があった。 しかし、派遣村に来てからと言うもの、徐々にその夢は現実の時間に近くなっていった。 いつか・・・楽しかった時間を見なくなるのだろうか?
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 16:12:06.38 ID:6RegHAXU0
______ ____.. ____ /:::::─三三─\ /::三三─\/::...三三─\ ‐=≡ ‐=≡ /:::::::::(○)三(○):\(○)三(○)\(○)三(○):\ ≡ ‐=≡ /::::::.:::::(トェェェェェェェェイ::::\ ェェェェェェェイ::::\ ェェェェェェェイ:::.:\ ≡‐=≡ ‐=≡ |:::::::::::::::::::\ェェェェェ/:::.. | ェェェェェ/:::.. | ェェェェェ/:::.. | ‐=≡ ‐=≡\:::::::::::::::::::::∪:::::::::::::::::/∪::::::::::::::::::./ ∪::::::::::::::::/ ‐=≡ >::::::::::::::::::::::::::::::::::< ::::::::::::::::::<. ::::::::::::::::::< ≡ |:::::::T○○○TA::::|..○○TA::::::..|.DENS○:::::| ‐=≡ ‐=≡..||::::::::::::::::::::::::::::/ | ::::::::::::/ |.. :::::::::::/ | ≡ ‐=≡ ||::::::::::::::::::::::::::/|| .::::::::::/||. ::::::::::/|| <三三|(_| r / ..(_)=|三ラ .(_)=|三ラ ....(_)=|三三ラ ヽ |/ ヽ |/. ヽ |/ >__ノ;:::.... >__ノ;.. >__ノ;.. 派遣先のテレビでは、派遣流民が暴れてる様が映し出されていた。 自暴自棄となった彼らは、役所に殴りこみ、強盗を働き、時に殺人までおかしていた。 そんな事件の数々が映し出されている。 やる夫も・・・ その先は考えたくなかった。
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 16:22:31.06 ID:b0wx3L4k0
支援 作りながら投下してる?
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 16:22:58.27 ID:6RegHAXU0
*サル回避です /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;Yヽ、 /;;;;;;┌--‐""""ヾ,ヽ /:::::;;;ソ ヾ;〉 〈;;;;;;;;;l ___ __i| /⌒ヽリ─| -・=-H -・=-|! / 海外の安価な労働力に対抗する必要がある。 | ( `ー─' |ー─'| < その為には日本の労働コストを下げるしかない。 ヽ,, ヽ . ,、__) ノ! \ 内需?外需でしょ、時代は。 | ノ ヽ | ∧ ー‐=‐- ./ /\ヽ / / \ ヽ\ ヽ____,ノヽ 偉そうな人がそんな事を言っている。 テレビの前では、無言のまま派遣達がそれを見詰ていた。 怒り、諦め、その他形容しがたい色を浮かべながら。 やる夫は、その言葉の意味するものがあまり判っていなかった。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 16:24:26.11 ID:b0wx3L4k0
支援
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 16:29:42.66 ID:6RegHAXU0
,..―――-- 、 ././^`''ー---‐^l | ,l ,. -‐ ‐-| | l_ ,. = = | |l^l ( o o )| し、知ってます?やる夫さん・・・ ||'l| l l | |`l|, u し' | z'" ̄`ri ∧;,. ⊂ニ⊃,! <;;;;;;;,...-‐l ヽ、,_, ~ ,./_ ,.‐'" ̄||:::::::::::::::ヽ、_  ̄_ノ::::::::`r‐-、 同時期に派遣された男だ。 そいつが言うには、派遣村が新しく出来るという事だった。 それは、派遣切りされた人間が増えている事を示している。 だが、同時に、派遣切りされた人間以外も混じっているのだろう。 テレビに映った映像には、赤い旗が見えた・・・
やる夫スレにしては文字が多いね
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 16:32:32.25 ID:8SOPxitwO
っていうかコミカルさが感じられないよね なんか殺伐とした世間の厳しさを感じるお…
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 16:33:00.33 ID:6RegHAXU0
*ずっとこんな感じです。 ____ / \ / _ノ ―\ / (─) (─) \ ・・・ | (__人__) | / ∩ノ ⊃ / ( \ / _ノ | | .\ “ /__| | \ /___ / ”落ちた”当初も考えていた事だが、その集団に交われば非難の的となる。 そして、そうなったら、多分・・・浮き上がれない。 VIPでの記憶がこんな所で蘇えった。 そいつらにくっ付いて行ったら、まずい・・・ だが、切羽詰った時どうなるか自信はなかった。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 16:34:53.81 ID:8SOPxitwO
>>39 の追記だけど支援
しかし心が痛くなる話だな…ひとごとじゃないわほんと
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 16:38:14.30 ID:6RegHAXU0
∬∬∬∬∬∬∬∬ //:: \ /::. _ノ ヽ_ ヽ |::〉 ─┰┬┘└┰─| なんじゃ?こいつ・・・ (⌒ヽ  ̄  ̄ |) ( __ ( ∩∩ ) | 財布の中に千円しかはいっとらんwwww | ヽ__人_ノ | ヽ \__(_ | \ l ' - , ____ノ 数日後、カツあげに遭い遅刻した。 金を持っていない事を嘲笑された。 真面目に生きているのに、こんなDQNにすら見下される。 金が欲しかった。 勝ち組になりたかった。
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 16:43:35.33 ID:6RegHAXU0
____ / \ / _ノ ヽ、_ \ / o゚((●)) ((●))゚o \ | (__人__);:;:;:;:#;:;:| \ ` ⌒┃ ;:#;:/ 遅刻したやる夫に対して、上司の裁定は事実上のクビ宣告。 時間も守れない奴はいらないと言う言葉に反論できない。 他人によって運命が曲げられていく。 全てが自分を否定していく悪寒。 それ以上に、自分の存在の軽さを思い知らされた。 なにより、その無価値さが自分自身を追い詰めていた。
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 16:51:51.19 ID:6RegHAXU0
____ / \ / ─ ─ \ / (○) (○) \ (・・・・・・どうすれば) | (__人__) | \ ` ⌒´ / 呆然として派遣村へ歩いて帰る。 長い道のりが更に長く感じた。 決して帰りたくないと思っていた、派遣流民の巣。 おそらく世間の連中は負け犬と嘲っている筈だ。 だが、もうどうでも良かった。 まじめにやっても、こんなザマだ。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 16:55:22.95 ID:b0wx3L4k0
支援
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 16:56:19.54 ID:6RegHAXU0
/: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : : : : : ヽ . /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ', /: : /: : : 斗--、 :|: : : : :|: : | ,ィT: ',: : :ヽ : ! |: : |: : : : : |: / \: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ト、:| |: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/ |:./⌒ヽV: |.: : : | V < : 」_: : / 〈 {} |/ レ {} }|:./ヽ: : | <:: |. 小{ _,,.. - 、-.,_ レ{: :.|ヽ:| 厶ヘ ハ 、 {ハ/ V いい儲け話があるんすよwww \_! _ ' ! ヽ / `t / ___,r| \ { / / /:/::::| \ ヽ `_⌒ ィ ´ /::::::/::::::| \ ´ ∧>、 /:::::::::::/::::::::| \ / !\::`ー- 、 ::::::::::::::/:::::::::∧ /二\ |::::::ヽ::::::::::::\ ::::::::::::/::::::::::::::∧ヽ /: : : : :}ヽ!::::::::::〉:::::::::::::::! その途中、何かの勧誘を受けた。 既に後がないやる夫は、それに応じた。 もうどうでもいい・・・ そう考えていた。 あのプロ市民でも何でも構わない・・・ あの負け犬の溜り場へ落ちる恐怖は、理性的な思考を奪い去っていた。
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 17:01:41.40 ID:6RegHAXU0
| . (__人__) | / ∩ノ ⊃ / ( \ / _ノ | | .\ “ /__| | \ /___ / 内容はやる夫の考えているものとは違っていた。 だが、一層危険を伴うものだ。 他人に恨まれる仕事だった。 まさに奴隷労働といっても良い仕事を斡旋する。 その上前を撥ねる為に・・・ その為に、真面目に働こうとする人間を食う。
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 17:06:04.11 ID:6RegHAXU0
/ \ / :::─:::::::─\ / <●>:::::<●> \ | (__人__) | なんだお?その目は? / ∩ノ ⊃ / ( \ / _ノ | | 嫌ならいいお! .\ “ /___| | \ /___ / 別の奴にやらせるお!!! 当たり前だが、そんな仕事をやりたい奴はいない。 それでも、生きる為にやらざるを得ない人々。 真面目な人間が馬鹿を見ている。 人々は恨みがましい瞳でやる夫を見る。 が、やる夫の視線を受けてオドオドとして視線を伏せる派遣流民たち。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 17:13:47.29 ID:6RegHAXU0
____ /\ /\ / <○> <○>\ 働くがいいお! / :::::⌒(__人__)⌒:::::\ この負け犬どもめwwww | |r┬-| | \ ` ー'´ / もう二度と、そんな連中と同じ場所に落ちたくなかった。 やる夫は、死に物狂いで弱者を叩き続けた。 自分は勝っていると思っていた。
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 17:17:51.91 ID:6RegHAXU0
____ /\ /\ /<○> <○>\ / :::::⌒(__人__)⌒:::::\ | |r┬-| | \ ` ー'´ / しかし、夢に見るのは忘れたい過去ばかり。 だんだん眠るのが怖くなっていった。 もう派遣流民ではない。 そいつらを食う弱肉強食の上位の立場だ。 そう言い聞かせても、夢の中ではやる夫は常に、あの派遣村に落ちていった日が繰り返し流れていく。
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 17:24:27.23 ID:6RegHAXU0
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: /  ̄ ̄ ̄ \ / ::::\ | :::::::| \.....::::::::: ::::, / r " .r / .|::| ::::| :::i ・・・・・・。 .|::|: .::::| :::| .`.|: .::::| :::|_ ..,': .::( :::} i `.-‐" 渡り歩いた派遣業。 どこも長くは続かなかった。 金が無い・・・そんな不安が纏わりついていた。 そんな中、契約更新をしないと言われたのは、寒風吹き荒ぶ11月だった。 寮も出て行けという内容だ。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 17:30:50.72 ID:6RegHAXU0
、、、,. ,._ ィ`'′ ヽ 〃/ノノ八レレ、. | ル三''′`三ヽ. | [ ≧|ニ|≦_]~|^)ト、 . | ,-L__」 -、u |ト:| |''‐- ...__ _.. -┬|l王l王l王l`/ .| | | . ∧ |├‐┬─‐''′/ || / l |.l-―|、___/-―┤ 社長が泣いて詫びている。 それを取り囲む派遣社員たち。 だが、彼らもわかっている。 もう、会社に余裕は無い事を。 だが、漠然とした不安が現実の恐怖になった時、そんな理性的な思考は消えてなくなった。 焦燥し騒ぎ立てる同僚達を無言で眺めていた。 雪がちらつく12月。 やる夫は宿無しとなった。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 17:37:33.53 ID:6RegHAXU0
/ ̄ ̄ ̄\ /::::ノ::::: ヽ、_ \ /:::::( ○)}liil{(○) \ |::::U::::::: (__人__) | \:::::::ヽ |!!il|!|!l| / / / | ̄|´ \ く ri_l ヽ \ >!、_彡 \ / 携帯電話に派遣の登録抹消の知らせが入り、 人員整理された。 問い合わせると、「登録者が多すぎる」・・・。 ネカフェで過ごし、公共職業安定所に通ったが、働き口は見つからない 蜘蛛の糸が切れたやる夫は、まっさかさまに落ちていく気分をリアルで味わった。 怖かった。 心の底から、怖いと思ったのはこれが初めてだった。
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 17:37:35.46 ID:Jkg3KEkj0
…
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 17:43:06.06 ID:cT/lbfQJ0
怖いよね
このスレヤバい ヤバいこのスレ
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 17:45:27.92 ID:6RegHAXU0
i :\゙ ̄|| ̄||\ |, , . . . . . lイ-i/ \ .: | ̄!! ̄!!\\|, , , , . . . . .i||-i/:/:/:/ i.\ |: : ii: : || ..:\|, , , , , , , . . . . . . . . .i||-i/:/:/ l :\| ̄|| ̄||\/|; ; , , ___ , , ,____. . . . . . . . . . ..i||-i \ .i | ̄!! ̄!!\\|\,,//: : : |___|\| |\..... . . . . . . . . . . . . . . . . , ,,l||-l i.\ |i : ii: : || ..:\| :\,, : : |___| \ (⌒))゙ | .|; ; , . . . . . . . . . . . . , , ; ; ;l||-| l :\| ̄|| ̄||\/|:\:\;.\...|___| |∠==_ | .|; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;l||-|/i/:/:/ \ .i | ̄!! ̄!!\\|;\;\;\;|,|____| |_____.| .|;; ;; ;; ; ; ; ; ;; ;; ;; ;; ;;ii ̄ ̄l||-l/i/i/ i.\ |l i iii i || ..:\|\;\;\i|..|,,,,,|\ |;;;;:::::::::|\|;; ;; ;; ; ; ; ; ;; ;; ;; ;;; ;|| l||-l : l i\| ̄|| ̄||\/|;\;\;\l|..|;,,,,|\\.|iii|\、| |;;; ;;; ;;; ;; ;; ;; ;; ;; ;;; ;;;||__|||-| : \ .l | ̄!! ̄!!\\|;\;\;\l|..|;,,,,|\\|iiil| \..|;;; ;;; ;;; ;; ;; ;; ;;; ;;; ;;; ;;;;l ;;; ; |||-| : : l.\ |l l iii i || ..i\|\;\i\l|..|;;,,,|\\|iiil| |\. \; ;;; ;;; ;;; ;; ;; ;;; ;;; ;;/|,-─|||-|/i/:/:/ l i\| ̄|| ̄||\/|;\i\l\l|:.|;;,,,|\\|iill| |..:: |\|; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;; ;;;|: i | ;;: . |||-l/l/i/ \ .l | ̄!! ̄!!\\|;\l\l\l|::|;;;,,|\\|iill| |.::; |.:..||;;; ;;; ;|iiiiiiiiiiiiiiiiiii| |/| ;;; : |||-l : l.\ |l l iil i || ..i\|\l\l\l|::|;;;,,|\\|iill| |::;; |.::;||lllllllllllllllllllllll| |: i |,-─|||-| : : l l\| ̄|| ̄||\/|i\l\l\l|::|;;;;;|\\|illl| |:;;; |:;;;||lllllllllllllllllllllll| |/| ;;; ; |||-| : : : \... l | ̄!! ̄!!\\|l\l\l\l|;;|;;;;;|\\|illl| |;;;; |;;;;||lllllllllllllllllllllll| |i l | ;;; ; |||-|/l/i/i/ l.\ |l l iil i || ..i \|llll llllllllllllllllll| |/|,-─|||-l/l/l/ l l\| ̄|| ̄||゙ / ̄ ̄ ̄/|. ̄|||\ __,,.∠ ̄ ̄/~ト, .,.,--──--、、| ;;; ; |||-l : : : ___....|___q_∠___p_/_|____||_|__i'ノOo-oOソ ̄l~,、! l.<______>l . ;; ; |||-| : : :: (()0)=ロ=(0()).-,.-、.l ー|,-、 j⊂口ニ⊃/.l-''~゙' .{iiiヽ,__=_,/iii} . \|||-| : : : :: ⊂ニ口ニニ⊃リ_/ l|ニニ_i l|_) ``´ ``´ / [___口___] \-|/l/l/ ヽゝ_ノ ̄~ヽゝ__ノ,,,ヽゝ_ノ''' / ;;!_.!;;;;;;;;;;;;;;;;;゚;!_.! \ 当てもなく彷徨う街は、とても広く感じた。
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 17:52:35.42 ID:6RegHAXU0
____ / \ / _ノ ヽ、_ \ / o゚((●)) ((●))゚o \ | (__人__) | \ ` ⌒´ / 未来の見えない事は、不安ではなく恐怖になっていた。 年末の街を忙しげに歩く人々。 そんな人々が、負け組の自分を笑っている・・・ 宿もなく仕事もない自分を笑っている・・・ そんな妄想に囚われ始めていた。
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 17:58:43.43 ID:6RegHAXU0
____ / \ / _ノ ヽ、_ \ / o゚((○)) ((○))゚o \ ・・・ | (__人__) | \ ` ⌒´ / 雨の日は橋の下。 風の日はビルの陰。 食べ物はコンビニの残りを貰った。 浮浪者と変わらない生活だ。 そんな時、派遣村と言うものが存在する事を知ったのは、幸運だったのだろうか?
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 18:03:04.07 ID:6RegHAXU0
____ / \ / _ノ ヽ、_ \ / o゚⌒ ⌒゚o \ く、食いもん・・・・ | (__人__) | \ ` ⌒´ / だから、判断をする余裕も無かった。 例え誤った選択肢だとしても、どうしようもなかった。 一時の寝る場所と食べ物。 それが全てだった。 今はそれだけでもありがたく感じていた。 自分が負け組かなんて考える余裕もなかった。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 18:11:05.59 ID:Jkg3KEkj0
支援
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 18:12:56.61 ID:6RegHAXU0
____ / \ /─ ─ \ / (○) (○)u \ (一緒にすんなお・・・) | (__人__) | / ∩ノ ⊃ / ( \ / _ノ | | .\ “ /__| | \ /___ / 遠くから食糧配給時間を知らせる声がする。 俺ら・・・家畜だな・・・ そんな初老の男の言葉が、やる夫を抉る。
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 18:17:41.92 ID:6RegHAXU0
____ / \ / _ノ ヽ__\ /. (ー) (●) \. | . (__人__) | (なんで護憲?) / ∩ノ ⊃ / ( \ / _ノ | | .\ “ /__| | \ /___ / 9条の会や護憲の旗が掲げられている。 あちこちから集まった派遣切り対象者とは別に、そんな派遣村を目当てにして色々な人間が行動している。 生活保護のやり方なども教えている。 派遣村民を前面に押し出してデモ行進をしている血色の良い男達。 何か変だと思いつつも、それを口にすることは出来なかった。 誰もが他人の顔色を伺っていた。
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 18:23:34.84 ID:6RegHAXU0
____ / \ / _ノ ―\ / (─) (─) \ | (__人__) | / ∩ノ ⊃ / ・・・・・・ ( \ / _ノ | | .\ “ /__| | \ /___ / 自分は負け組で終わりたくない。 とりあえず、住む所はある。 食べ物もある。 後は働けばいい。 そう考えていた。 なんとかなる・・・ そんな根拠のない希望だけがやる夫を支えていた。 が・・・
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 18:28:32.81 ID:6RegHAXU0
____ / \ / ─ ─ \ / (●) (●) \ ・・・・・・。 | (__人__) | \ ` ⌒´ / 当然、派遣村に来るだけ人が余っている。 仕事は日雇いレベル。 就職など望むべくもなかった。 そんな中で、デモやシュプレヒコールを挙げているだけの連中がいた。 それが報道されていくにつれ、派遣村の存在は人々が知るようになった。
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 18:34:57.17 ID:6RegHAXU0
____ /ノ ヽ、_\ /( ○)}liil{(○)\ ちょ・・・一緒にすんなお!!! / (__人__) \ | ヽ |!!il|!|!l| / | \ |ェェェェ| / 派遣流民と言う言葉が流行りだした。 浮浪者やプロ市民のデモ・・・ 怒り狂った表情がテレビに映され、政治家がその存在に疑問を呈す。 無関係な集団が煽り、色々な思惑が派遣流民不在で飛び交っていた。 働かずに利益を寄越せと騒いでいる・・・ 派遣村住人は労働政策の犠牲者・・・その事実は塗り潰された。
支援
やらない夫編のdatください
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 18:42:13.64 ID:6RegHAXU0
*やらない夫編です。
ttp://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1231321443/ -─ヽ ` v '⌒ ゝ
/ \
/ ∧. ヽ
i , ,イ/ ヽト、! N
│r‐、 ノレ'-ニ」 Lニ-'W
|.| r、|| ===。= =。==:!
│!.ゝ||. `ー- 1 lー-‐' ! なんか・・・いい年して甘えすぎちゃうん?
/|. `ー|! r L__亅 ヽ|
/ | /:l ヾ三三三三ゝ|
‐''7 | ./ `‐、, , , ,ー, , ,/ヽ_
7 ./K. ` ー-‐ 1 ヽ-
負け犬。
厄介者。
税金の無駄遣い。
権利を主張し、他人の善意をむさぼる姿だけがクローズアップされていく。
周囲の一般人の胡散臭そうに見る目が痛い。
派遣流民・・・それは一般人から見れば、居てもいなくてもいい存在だった・・・
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 18:45:09.43 ID:R1r7Boed0
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 18:49:17.17 ID:6RegHAXU0
____ / ノ \\ / (●) (●)\ (どうしたらいいんだお・・・) / (__人__) \ | ` ⌒´ | \ / / \ 見上げる空には何も無い。 何も降っては来ない。 遠い日常はもう永遠に消えてしまった。 普通だお・・・ そんな言葉が遠く残響のように消えていった。 普通が無くなった事を初めて理解した。
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 18:56:20.78 ID:6RegHAXU0
____ / \ / _ノ ヽ、_ \ / o゚((●)) ((●))゚o \ | (__人__) | \ ` ⌒´ / 外では、まだ、誰かが騒いでいる。 他人の手の上で踊る派遣流民。 自分が深く奈落に落ち込んでいく感覚を覚える。 やる夫は、新聞紙に包まって声を殺して泣いた。 派遣村の夜が更けて行った。
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 19:04:06.05 ID:6RegHAXU0
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: NVVVVVVV\ \ \ < `ヽ、 </ /"" \ .ノヽ. \ でぇーそうやってほしいんすけどー //, '〆 ) \ ヽ 〃 {_{ ノ ─ │i| レ!小§ (●) (●) | イ━ ああ、おっさんきいてるー? レ § (__人__) |ノ ┃┃ / ゜。 `ー'´ 。゜ ∩ノ ⊃ (受\ ∞ ∞ /_ノ .\ “ _∞∞_ノ∞/ \。____ / オドオドして、他人の顔色を伺っている派遣流民。 とろいおっさんに苛立ちを覚える。 かつての自分を見ている気分となり、ムカツキを覚えた。 もう自分はこんな負け犬とは違う。 だが、そんな自分も、正社員の前では大人しくしている。
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 19:09:59.49 ID:6RegHAXU0
NVVVVVVV\ \ \ < `ヽ、 </ /"" \ .ノヽ. \ ああん?おっさんきいてねーの? //, '〆 ) \ ヽ 〃 {_{ ノ ─ │i| レ!小§ (●) (●) | イ━ オレも暇じゃねーんすよ? レ § (__人__) |ノ ┃┃ / ゜。 `ー'´ 。゜ ∩ノ ⊃ わりーけどさ、そこのあんた (受\ ∞ ∞ /_ノ そう、あんた後で説明しといてくれないっすか? .\ “ _∞∞_ノ∞/ \。____ / 別にそこまで言う必要はなかった。 ただ、自分との違いを思い知らせたかっただけなのかもしれない。 もう自分はこいつらのような負け組みではない。 見下すように鼻を鳴らして、部屋を出る。 怒鳴りつけたおっさんは、青い顔をして立ち尽くしていた。 それが、更に苛立たしかった。
(´_ゝ`)
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 19:14:26.43 ID:6RegHAXU0
NVVVVVVV\ \ \ < `ヽ、 </ /"" \ .ノヽ. \ //, '〆 \ \ ヽ 〃 {_{ ─ 。─ │i| レ!小§ (●) (●) .| イ レ § (__人__) |ノ ・・・・・・。 / ∩ノ ⊃ 。/l ( \ / _ノ |. | .\ “∞∞/__ノ | \。/____ノ 順調に派遣流民を食い物にしていた。 今のやる夫は、派遣流民をシメる役目も負っていた。 自分は順調に勝ち組になっている・・・ 本気でそう考えていた。 その日も、とある派遣村に行って、負け犬を釣る仕事をしていた。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 19:20:22.35 ID:6RegHAXU0
/ ;;;, ,, ,,,,,;;;;;;;;;;;;;; _ ;;;;;, ヽ ./;; r- ...,__ ,.. -y ヽ  ̄`i ;;;;;;,,ヽ, ,i ;;; l / ノ ~l;'~ l ;;;;;;;;;; i i ;;;; i __, ...、 ! ,.- ., ___ .v ;;;;;;;; l !, ;; i'-,- '''ヾヽ ~`r' ー=-~` i r- 、i ヽ、i 'rーu-,i l t'~"uー,. l,lr' ll i, i ヽ、_,/,i ヽ, -'" リ j i i l :::. ..:::: ,/ ・・・変わったなぁ・・・やる夫・・・ l i_ ヽ ..:::::: r'"-.,_ i ..,__ _ _、 ::::::::: i ヾ\~"ヽ ,._,-'"-' ~`二 '" :::::: ,y ,i ヽ, ~_.ヽ '' ..::: ,-'" i /i _,.-=' /, ヽ、 ,.-' ,' ,r ,y l '" / i l丶,-ヽ- ='" ,' / ,' i 派遣村で流民を勧誘していると、オヤジが声を掛けてきた。 鬱陶しい・・・ 今のやる夫にとっては、オヤジは何の価値もない。
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 19:26:40.17 ID:6RegHAXU0
NVVVVVVV\ \ \ < `ヽ、 </ /"" \ .ノヽ. \ //, '〆 \ \ ヽ 〃 {_{ ─ 。─ │i| 人は変るもんだお。 レ!小§ (●) (●) .| イ レ § (__人__) |ノ やる夫は勝ち組。 / ∩ノ ⊃ 。/l ( \ / _ノ |. | ハッピーエンドってやつだお。 .\ “∞∞/__ノ | \。/____ノ もう昔のやる夫ではない。 負け犬を喰らって生きる狼だ。 そんな思いが、目の前の負け犬オヤジを見下していた。 這い上がった自分といまだに他人の善意に縋って生きる負け犬。 だが・・・
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 19:29:51.59 ID:Bvf//HA+0
しえん
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 19:33:38.91 ID:6RegHAXU0
/ ;;;, ,, ,,,,,;;;;;;;;;;;;;; _ ;;;;;, ヽ ./;; r- ...,__ ,.. -y ヽ  ̄`i ;;;;;;,,ヽ, ,i ;;; l / ノ ~l;'~ l ;;;;;;;;;; i i ;;;; i __, ...、 ! ,.- ., ___ .v ;;;;;;;; l !, ;; i'-,- '''ヾヽ ~`r' ー=-~` i r- 、i ヽ、i 'rーu-,i l t'~"uー,. l,lr' ll i, i ヽ、_,/,i ヽ, -'" リ j i ・・・。 i l :::. ..:::: ,/ l i_ ヽ ..:::::: r'"-.,_ i ..,__ _ _、 ::::::::: i ヾ\~"ヽ ,._,-'"-' ~`二 '" :::::: ,y ,i ヽ, ~_.ヽ '' ..::: ,-'" i /i _,.-=' /, ヽ、 ,.-' ,' ,r ,y l '" / i l丶,-ヽ- ='" ,' / ,' i ハッピーエンドってのは、死ぬ時決まるもんだろ? 本人が最期に幸せだと思えるなら、そうなんじゃねぇのか? まあ、良い人生だった・・・そう言える奴だろ・・・ お前はまだ、途中だろ・・・
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 19:37:18.75 ID:dtLqHsJDO
し
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 19:38:39.26 ID:6RegHAXU0
NNNNNN\ < `ヽ、 </ /" `\ ヽ \ </ '〆 \ ヽ 〃レノ§( ○)}liil{(○) \ 死ぬときの事なんて知らんお!!! 〃レノ§ (__人__) \ 川 ヽ |!!il|!|!l| / | \ |ェェェェ| ./l!| / `ー' .\ |i / ヽ !l ヽi ( 丶- 、 しE |そ `ー、_ノ 煤@l、E ノ < レY^V^ヽl オヤジの話は耳に入らなかった。 死ぬ間際にそんなこと感じてどうなる? 生きているからこそ意味があるんだろ? 負け犬が死に際に自己満足してハッピーエンドとか・・・笑える。 オヤジに背を向けると、やる夫は足早にその場を去った。 なんで自分がその場から出て行かなければならないんだ・・・? そんな思いと、一刻も早くオヤジの視線から逃れたい思いが交錯していた。
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 19:40:46.54 ID:0vjN1+FS0
やらない夫編のチョリーッス野郎はやる夫だったのか…やさぐれてんな支援
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 19:43:41.30 ID:dtLqHsJDO
紫煙
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 19:45:00.57 ID:6RegHAXU0
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: ____ / \ / u ノ \ / u (●) \ | (__人__)| \ u .` ⌒/ ノ \ かつての自分。 何もしなかったから何も出来ない自分。 後悔しても遅い事を認めたくないからこそ、全てから目をそらした。
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 19:49:23.49 ID:6RegHAXU0
___ / \ /ノ \ u. \ / (●) (●) \ | (__人__) u. | \ u.` ⌒´ / ノ \ 他人に誤解されるより、理解される事の方が怖い。 自分が透けて見えてしまいそうで。 だから、目立たなく暮らした。 根拠のない希望を抱えて。 それでも、食われる。 弱さゆえに。
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 19:51:09.96 ID:dtLqHsJDO
紫煙すくねー
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 19:52:17.45 ID:6RegHAXU0
i ゜ i | ゜ i | ゜ i l ゜ i 。 i l i l | l ゚ ;゜ ゜ : ; ; i l l ! : ゜ i ゚ i 、i;,| i, ゚,゜ ゜ i l ゚; l 。i | 。i l l ゜;/ ̄u ̄;j\。´ i ゚ | ! ゜ 。 .| i i :。/ :j :::::\:::/\;゚ !゜ ゜ i l | ゜ l ゜ ゚ 。゜ i / u 。<一>:::::<ー>。 ! ゚ i ゜ | |:j ° .:::。゚~(__人__)~゚j ゜ ゚ l 。i |。 ! i ! \、 u ;゜.` ⌒´,;/゜ ゜ i l ゜ i l ! l 。i /゚:j⌒ヽ゚ '"'"´(;゚ 。 ! ゜ 。i 。 ゚: ! ゚ l / ,_ \ \/\ \゜ ! ゜ i ゚ 、i;, 、|; 、i;, 。 ゜ ;゚ 、i;,と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;._ 。 l 。i ゜ ;゚ 、i;, ゜ ;゚ 、i;, 何もしなかったから何も起きなかった。 何も起きなかったから、転がり落ちるだけだった。 他人へ文句を言う事すら出来ない弱さ。 そうして追い詰められて初めて手に入れた”強さ”。
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 20:01:10.65 ID:7R5rgUl10
肝臓に悪いスレ
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 20:01:15.27 ID:6RegHAXU0
____ / \ / _ノ ヽ、_ \ / o゚⌒ ⌒゚o \ | (__人__) | \ ` ⌒´ / なのに、今のほうが辛い昔を思い出す。 思い出したくない過去なのに、”勝って”からの方がより鮮明に思い出してしまう。 眠れば落ちた時の夢。 DQN共に馬鹿にされる屈辱。
怖いスレだ・・・
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 20:11:08.69 ID:6RegHAXU0
____ / \ / _ノ ヽ、_ \ / o゚((○)) ((○))゚o \ | (__人__) | \ ` ⌒´ / 目を覚ませば、再び落ちる恐怖。 楽しくもない派遣流民を喰らう生活。
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 20:16:38.41 ID:6RegHAXU0
___ ____,./ \ ノ / \ ……。 / / \ | |::.. ...::::| ヽ `一ー――――-、;;;;::/`一ー―-、 ヽ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒)) もう絶対にあの頃には戻りたくなかった。 今の”勝ち組”の生活を失いたくなかった。 なのに繰り返し、繰り返し、もう一度落ちる恐怖が蘇えってしまう。 楽しい過去なんてものは、もう見えなかった。
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 20:20:17.80 ID:6RegHAXU0
i l :::. ..:::: ,/ l i_ ヽ ..:::::: r'"-.,_ i ..,__ _ _、 ::::::::: i ヾ\~"ヽ ,._,-'"-' ~`二 '" :::::: ,y ,i ヽ, ~_.ヽ '' ..::: ,-'" i /i _,.-=' /, ヽ、 ,.-' ,' ,r ,y l '" / i l丶,-ヽ- ='" ,' / ,' i オヤジの言葉が重くのしかかってくる。 自分は本当に勝っていると言えるのか? 死ぬ時、まあまあの人生だったといえるのか?
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 20:22:17.86 ID:d8uoEuKt0
しえん
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 20:25:10.05 ID:6RegHAXU0
____ / \ / ─ ─ \ / <○> <○> \ | (__人__) | \ ` ⌒´ / いまだ夜は明けない。 安アパートの薄暗がりの中で、やる夫は自分の人生を見返した。 今のルートはハッピーエンドに向っているのかどうか、判らなかった。
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 20:32:44.22 ID:6RegHAXU0
数日後、秋葉原 ,,、,、、,,,';i;'i,}、,、 /⌒ ⌒\ ホジホジ /<○> <○>\ /::::::⌒(__人__)⌒::::: \ | mj |ー'´ | アキバ・・・変わってないお・・・ \ 〈__ノ / ノ ノ 他人の目も怖くない・・・はずだ。 なんとなく秋葉原へ繰り出した。 やる夫にとって、もう一つの落ち着く場所だった。 派遣流民から”勝ち組”への時間を考えれば、随分と久しぶりだった。
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 20:33:15.64 ID:0vjN1+FS0
蜘蛛の糸が見えない生活か…何も作れない何処にも行けない支援
支援
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 20:36:02.31 ID:6RegHAXU0
. .. . Л_ .. //;;;;`-、_ .. .//ー-、;;;;;;;;;ヽ、 .. //_ ;;;;;;;;ヽ、 .. // ゙゙ー-、 ` ;;;;;;ヽ ヒャッハー・・・ ___ ..// `-、 ` ;;;;ヽ /⌒三 ⌒\..// \ `;;;;| /(◎)三(◎)// .ヽ ゙、;| ../:::::⌒(__人__)i⌒)、ヽ | i;| .| |r┬-|./フヽ.`i| . .| l/ \ `ー"// .ノ ノ . l/ 唐突に湧き上がる悲鳴。 振り返った瞬間、目の前にはあの・・・派遣流民・・・? 顔は覚えていた。 名前は知らない。 するすると近寄ってきたと思った瞬間、腹に熱い物を感じる。
誰かやらない夫編のdatもってる?
なん…だと…
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 20:40:52.65 ID:0vjN1+FS0
>>101 あるけど勝手にうpして良いんだろうか?
>>1 が許可してくれたらうpるよ。
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 20:41:33.40 ID:VC+UDfBR0
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 20:43:05.00 ID:6RegHAXU0
*
>>104 >>69 に書いてありますので、宜しければどうぞ。
____
/ノ ヽ、_\
/( ○)}liil{(○)\
/ (__人__) \ な、なんじゃあこりゃああああ
| ヽ |!!il|!|!l| / |
\ |ェェェェ| /
鈍い感触を覚えたが、感じたのは痛みではない。
熱さだった。
それも火傷するような熱さ。
同時に、空が一瞬で視界を覆いつくした。
仰向けに倒れたと気がつく前に、先ほどの熱さの中心から冷たいものが体に広がっていく。
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 20:44:27.90 ID:dtLqHsJDO
なにこのバッドエンド
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 20:44:52.34 ID:FnkiYX5D0
鬱
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 20:46:22.89 ID:6RegHAXU0
____ /ノ ヽ、_\ /( ○)}liil{(○)\ / (__人__) \ ・・・・・・・・・・ | ヽ |!!il|!|!l| / | \ |ェェェェ| / それは、今まで買った恨みを思えば、仕方ない事だろう。 底辺で食い合っている弱肉強食の世界では、負ける奴が悪、勝った奴が正義。 そう勝手に決めていた。 だが、他人を踏み拉く時、自分もまた相手の手の届く範囲にいると言う事を失念していた。
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 20:50:20.65 ID:6RegHAXU0
:::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, :::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, // // . / / __,‐⌒ヽ、 // / / / '─ \ / / //ノ ノ-、 (● \ / / // | (●) 、゚ ヽ, ヽ l l / ヽ ヽ__,,,トー'i )| | ノ ` ⌒'' ノ | | ( } ノ ノ ヽ // ヽ // :::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, ぐるぐる巡る光景は、自分の過去だ。 逃げ続けていた事 叩かれて生きていた事 怒りに震えて、でも何も出来ずに流民となった事 騙されない為、泣かない為に、他人を泣かす事を覚えた事 そんな事が記憶の奔流となってやる夫に降りかかる。
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 20:51:28.54 ID:VC+UDfBR0
\(^o^)/
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 20:53:09.53 ID:FnkiYX5D0
うわああああ・・・・
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 20:53:46.73 ID:0vjN1+FS0
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 20:57:09.17 ID:VC+UDfBR0
感謝
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 20:57:17.94 ID:6RegHAXU0
____ / \ / _ノ ヽ、_ \ / o゚((○)) ((○))゚o \ ・・・こんな終わり・・・いやだお・・・ | (__人__) | \ ` ⌒´ / 何も良かったと思える人生ではなかった。 楽しい人生ではなかった。 それでも・・・・・・あまりに空しい。 初めて死にたくないと思った。 しかし、急速に暗く寒くなっていく・・・ ・・・いい人生だったって・・・言えるのか?・・・ 誰かの言葉が残響のように響いていた。
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:01:16.51 ID:6RegHAXU0
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: /:υ::─ニjjニ─ヾ /:::li|.:( ○)三 ( ○)\ (:::||!.:υ::::: (__人__)):::: i| 〃 ):::::::::::. |r┬-| li::::/ /: : : : : : l\`ー '/j: : ::ヽ \ヽ :ヽ: : : : 7ヽ />: : : :r:\ ( ̄ ⌒⌒⌒⌒ ̄⌒ ⌒ ⌒ヽ ヽ \ 目を開けるとそこは、消毒液の臭いの立ち込める場所。 痛みが走り、自分が包帯だらけなのに気がついた。
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:01:29.32 ID:0vjN1+FS0
救いが無いな だがそれでいい支援
派遣社員じゃなくても堪えるスレだな…
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:01:56.86 ID:FnkiYX5D0
やる夫大丈夫だったか
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:05:56.34 ID:6RegHAXU0
___ く/',二二ヽ> |l |ノノイハ)) |l |リ゚ ー゚ノl| 気がついた? ノl ハ∨/^ヽ ノ::[三ノ :.'、 薄汚れた白衣を着た女が言った。 場違いな気がしたが、どうやらここの主のようだ。
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:07:39.98 ID:Bvf//HA+0
支援支援
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:08:05.20 ID:aWduu2pU0
私怨
4円
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:09:02.69 ID:6RegHAXU0
/ ;;;, ,, ,,,,,;;;;;;;;;;;;;; _ ;;;;;, ヽ ./;; r- ...,__ ,.. -y ヽ  ̄`i ;;;;;;,,ヽ, ,i ;;; l / ノ ~l;'~ l ;;;;;;;;;; i i ;;;; i __, ...、 ! ,.- ., ___ .v ;;;;;;;; l !, ;; i'-,- '''ヾヽ ~`r' ー=-~` i r- 、i ヽ、i 'rーu-,i l t'~"uー,. l,lr' ll よぉ、目ぇ覚めたか? i, i ヽ、_,/,i ヽ, -'" リ j i i l :::. ..:::: ,/ お前さん、ぶッ刺されてな。 l i_ ヽ ..:::::: r'"-.,_ i ..,__ _ _、 ::::::::: i ヾ\~"ヽ ,._,-'"-' ~`二 '" :::::: ,y ,i ヽ, ま、金の問題もあってこのヤブ医者ンとこに来た訳だ。 ~_.ヽ '' ..::: ,-'" i /i _,.-=' /, ヽ、 ,.-' ,' ,r ,y l '" / i l丶,-ヽ- ='" ,' / ,' i ドアを開けて入ってきたのはオヤジだ。 名前も知らない負け犬の一匹。
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:11:21.84 ID:VC+UDfBR0
生きてたか
しえん
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:18:40.11 ID:6RegHAXU0
___ く/',二二ヽ> ・・・ヤブ? |l |ノノイハ)) |l |リ゚ ー゚ノl| 刺されてから一週間が経っていた。 あれからどうなったのか聞いたが、女医はニヤリとした笑みを浮かべただけだった。 どうやら表の看板とは別に、ヤクザやら不法移民やらを診て金を取る事もある闇医者のようだ。 前にそんな話を聞いたことがあった。 やる夫はその手の医者に連れ込まれたようだった。
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:20:45.50 ID:d8uoEuKt0
やらない夫の方も読んできた 派遣じゃあないけど心にくるな…… 支援
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:22:54.14 ID:6RegHAXU0
___ く/',二二ヽ> |l |ノノイハ)) 金は払えるときで良いですよ。 |l |リ゚ ー゚ノl| 女医の意外な言葉に耳を疑う。 やる夫は聞き返すべきかどうか迷った。 命の代価は安くはない。 だが、そんな金はなかった。 金が無い奴がどうなるか・・・ 自分は嫌と言うほど知っていた。
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:23:50.22 ID:DgxbAIRx0
さてどうなるか? 支援
悪い事やってもそこまで稼げてなかったのか
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:25:50.25 ID:FnkiYX5D0
キツイ話だ
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:28:02.31 ID:6RegHAXU0
/ ;;;, ,, ,,,,,;;;;;;;;;;;;;; _ ;;;;;, ヽ ./;; r- ...,__ ,.. -y ヽ  ̄`i ;;;;;;,,ヽ, ,i ;;; l / ノ ~l;'~ l ;;;;;;;;;; i i ;;;; i __, ...、 ! ,.- ., ___ .v ;;;;;;;; l !, ;; i'-,- '''ヾヽ ~`r' ー=-~` i r- 、i ヽ、i 'rーu-,i l t'~"uー,. l,lr' ll i, i ヽ、_,/,i ヽ, -'" リ j i 金は持っている奴からふんだくれば良い。 i l :::. ..:::: ,/ l i_ ヽ ..:::::: r'"-.,_ ここはそういう所なんだ。 i ..,__ _ _、 ::::::::: i ヾ\~"ヽ ,._,-'"-' ~`二 '" :::::: ,y ,i ヽ, ~_.ヽ '' ..::: ,-'" i /i _,.-=' /, ヽ、 ,.-' ,' ,r ,y l '" / i l丶,-ヽ- ='" ,' / ,' i そんなやる夫を見てオヤジは素っ気無く言った。
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:33:00.47 ID:6RegHAXU0
____ / \ / ─ ─ \ / (○) (○) \ なんで・・・助けたんだお? | (__人__) | \ ` ⌒´ / (何を企んでいるんだお?) やる夫は疑わしいと言う声色を出さない様に言った。 命を助けられる意味なんて自分にはないはずだ。
捨てる神あれば拾う神有り、か…?
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:34:55.70 ID:FnkiYX5D0
支援
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:37:57.47 ID:6RegHAXU0
____ / \ / _ノ ヽ__\ /. (ー) (●) \. | . (__人__) | (どうせ、何か裏があるんだお?) / ∩ノ ⊃ / ( \ / _ノ | | .\ “ /__| | \ /___ / 感謝より先にそんな言葉が脳裏を過ぎる。 金が無いなら、闇金あたりに売り飛ばすとか? どうせろくな条件を出してこないはずだ。 そんな、擦り切れた薄暗い期待があった。 所詮、派遣流民なんてそんな程度だ・・・
支援
胃に悪いスレだな… だが見てしまう
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:40:47.35 ID:Xp8w1Kkb0
日陰者の群像劇か 支援
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:41:24.12 ID:p7p96Ay00
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:41:46.96 ID:6RegHAXU0
/ ;;;, ,, ,,,,,;;;;;;;;;;;;;; _ ;;;;;, ヽ ./;; r- ...,__ ,.. -y ヽ  ̄`i ;;;;;;,,ヽ, ,i ;;; l / ノ ~l;'~ l ;;;;;;;;;; i i ;;;; i __, ...、 ! ,.- ., ___ .v ;;;;;;;; l !, ;; i'-,- '''ヾヽ ~`r' ー=-~` i r- 、i ヽ、i 'rーu-,i l t'~"uー,. l,lr' ll ・・・死ぬってのは、悲しいモンなんだよ・・・ i, i ヽ、_,/,i ヽ, -'" リ j i i l :::. ..:::: ,/ でもよぉ・・・ l i_ ヽ ..:::::: r'"-.,_ i ..,__ _ _、 ::::::::: i ヾ\~"ヽ もっと悲しいのは、誰も悲しんでくれない事だろ ,._,-'"-' ~`二 '" :::::: ,y ,i ヽ, ~_.ヽ '' ..::: ,-'" i /i _,.-=' /, ヽ、 ,.-' ,' ,r ,y l '" / i l丶,-ヽ- ='" ,' / ,' i しかし・・・オヤジが言った言葉が胸の中を吹き抜けていく。 意外な言葉に、考えさせられた。 どうしてか判らなかったが、言葉が出なかった。
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:45:30.87 ID:VC+UDfBR0
しえn
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:51:29.39 ID:6RegHAXU0
____ / \ / _ノ ヽ__\ / U (─) (─) \ | (__人__) | ・・・。 / ∩ノ ⊃ / ( \ / _ノ | | .\ “ /__| | \ /___ / 憎まれ、恨まれる事に慣れていた。 いや、慣れる為に他人の心は無視した。 ・・・自分が死んで、誰か悲しんでくれるのだろうか? 両親ぐらいは悲しんでくれるか? だが、音信不通になって久しい・・・ 自分は孤独なんだと今更ながら気がついた。
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:52:38.14 ID:VC+UDfBR0
別れたとはいえやらない夫には嫁やエリートの思い出があったしなあ
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:54:55.78 ID:FnkiYX5D0
支援
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:55:22.68 ID:SapjdhKj0
持たざる者の居場所はどこに? 支援
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:56:20.68 ID:d8uoEuKt0
しえん
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:57:02.80 ID:6RegHAXU0
/ ;;;, ,, ,,,,,;;;;;;;;;;;;;; _ ;;;;;, ヽ ./;; r- ...,__ ,.. -y ヽ  ̄`i ;;;;;;,,ヽ, ,i ;;; l / ノ ~l;'~ l ;;;;;;;;;; i i ;;;; i __, ...、 ! ,.- ., ___ .v ;;;;;;;; l !, ;; i'-,- '''ヾヽ ~`r' ー=-~` i r- 、i ヽ、i 'rーu-,i l t'~"uー,. l,lr' ll オレは・・・死ぬ気だった事あるんだけどよ。 i, i ヽ、_,/,i ヽ, -'" リ j i ある人に言われたんだ・・・ i l :::. ..:::: ,/ l i_ ヽ ..:::::: r'"-.,_ i ..,__ _ _、 ::::::::: i ヾ\~"ヽ ,._,-'"-' ~`二 '" :::::: ,y ,i ヽ, ~_.ヽ '' ..::: ,-'" i /i _,.-=' /, ヽ、 ,.-' ,' ,r ,y l '" / i l丶,-ヽ- ='" ,' / ,' i そう言ってオヤジは遠い目をした。
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:57:47.88 ID:6RegHAXU0
. レ レ'|: :ヽ| , /: :/ノ |.: : : : : : : : :| l: :/∧ r-、 / ̄ ̄ ̄`ヽ、| : : : : : : : : | ∨/: /\ `ー'/ , -‐‐ \: : : : : : : | {.: |. `ト--{ / ヽ: : : : : :| ヽ| _,ノV´ ̄`T ヽ , -‐ l: : : : : | . , -‐──一'7´/ {. └‐ノ/ |: : : : .:| / , -‐─一'7 レ'{\─‐<_/ , -‐‐ ∧: : : : | ./ / { | .厂|\ ヽ/ / }: : : :| 死にたきゃ死ねってな。 でも、死ぬなら、1人分の命を救ってから死ねってよ。 帳尻合わせてから死なない限り、お前の命は無価値だってよ。 なんで他人にそんなこと言われなきゃなんねぇ? 頭にきたさ・・・
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 21:58:21.53 ID:6RegHAXU0
i l :::. ..:::: ,/ l i_ ヽ ..:::::: r'"-.,_ でもよ・・・ i ..,__ _ _、 ::::::::: i ヾ\~"ヽ何にも反論出来なかったんだわ・・・ ,._,-'"-' ~`二 '" :::::: ,y ,i ヽ, ~_.ヽ '' ..::: ,-'" i /i _,.-=' /, ヽ、 ,.-' ,' ,r ,y l '" / i l丶,-ヽ- ='" ,' / ,' i どうやって楽になろうか・・・ そんな事ばかり考えていた俺だったからな・・・ そんな意外な言葉を叩きつけられて、初めて考えちまったんだ。 別に意味のある人生なんて思えねぇんだけどよ・・・ 最期ぐらい自分を褒めてぇじゃねぇか・・・ せめて、自分の価値をプラマイゼロにする位は出来るんじゃねーかってな・・・
ここでなのはさんか…
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:01:07.66 ID:6RegHAXU0
/ ;;;, ,, ,,,,,;;;;;;;;;;;;;; _ ;;;;;, ヽ ./;; r- ...,__ ,.. -y ヽ  ̄`i ;;;;;;,,ヽ, ,i ;;; l / ノ ~l;'~ l ;;;;;;;;;; i i ;;;; i __, ...、 ! ,.- ., ___ .v ;;;;;;;; l !, ;; i'-,- '''ヾヽ ~`r' ー=-~` i r- 、i ヽ、i 'rーu-,i l t'~"uー,. l,lr' ll それによぉ・・・ i, i ヽ、_,/,i ヽ, -'" リ j i 生き死に位は・・・自分できめてぇよな・・・ i l :::. ..:::: ,/ l i_ ヽ ..:::::: r'"-.,_ i ..,__ _ _、 ::::::::: i ヾ\~"ヽ ,._,-'"-' ~`二 '" :::::: ,y ,i ヽ, ~_.ヽ '' ..::: ,-'" i /i _,.-=' /, ヽ、 ,.-' ,' ,r ,y l '" / i l丶,-ヽ- ='" ,' / ,' i やる夫は必死に生きたさ。 それが、他人に恨みを買ったからって・・・ 死ななきゃいけない事なんてねぇだろ? お前さんが今生きているのは、オレが助けたからじゃねぇ。 多分、まだ、やる事があるってことさ。
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:06:16.82 ID:6RegHAXU0
____ / \ / ─ ─ \ / (●) (●) \ ・・・・・・。 | (__人__) | \ ` ⌒´ / オヤジは淡々と言った。 やる夫には理解できなかった いや、考えたくなかった。 自分の歩いてきた道が、色褪せて思えてしまうから。 だが、オヤジは理屈ではなく経験を言っている。
支援
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:09:57.47 ID:6RegHAXU0
/ ;;;, ,, ,,,,,;;;;;;;;;;;;;; _ ;;;;;, ヽ ./;; r- ...,__ ,.. -y ヽ  ̄`i ;;;;;;,,ヽ, ,i ;;; l / ノ ~l;'~ l ;;;;;;;;;; i i ;;;; i __, ...、 ! ,.- ., ___ .v ;;;;;;;; l !, ;; i'-,- '''ヾヽ ~`r' ー=-~` i r- 、i ガラにもねぇ事を言っちまったな・・・ ヽ、i 'rーu-,i l t'~"uー,. l,lr' ll i, i ヽ、_,/,i ヽ, -'" リ j i まあ・・・自分の命だ。後は好きに使えや。 i l :::. ..:::: ,/ l i_ ヽ ..:::::: r'"-.,_ i ..,__ _ _、 ::::::::: i ヾ\~"ヽ じゃあな・・・ ,._,-'"-' ~`二 '" :::::: ,y ,i ヽ, ~_.ヽ '' ..::: ,-'" i /i _,.-=' /, ヽ、 ,.-' ,' ,r ,y l '" / i l丶,-ヽ- ='" ,' / ,' i オヤジはそれだけ言って振り返らず去って行った。 闇女医がオヤジの後を追って出ていった。 外で金払え、金はねぇと言うやり取りが聞こえた。
しえん
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:12:56.52 ID:wVpjkCCC0
シェン
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:13:50.49 ID:SapjdhKj0
支援
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:14:14.53 ID:ZW7W5bKt0
siren
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:14:43.20 ID:FnkiYX5D0
オヤジかっけぇ 支援
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:14:57.05 ID:6RegHAXU0
____ / \ / ─ ─ \ / (●) (●) \ なんなんだお・・・・・・。 | (__人__) | \ ` ⌒´ / 呆気にとられて見送った。 代価もなしに他人を救うなんて思考は無かった。 いや・・・普通だった頃は、ちょっとした美談だったか? 判らなくなっていた。 命を救うのが当然なのか、普通なのか、それとも異常事態なのか・・・
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:17:26.77 ID:ZW7W5bKt0
支援
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:19:56.06 ID:6RegHAXU0
:|: : : : : :|' | .|: :!: : : : :./ .リ レ ヽ::::::::} 〉:.:.| ヽ: :ヽ: : : :| :|: : : : : :| .| /´l: :|: : : : / ヽ `ー' ハ:.:j ト|: :|ヽ:.:.:| :|: : : : : :|/-、ヽ|ll:: : : :/ 三 ." ̄ V l ヽ| ヽ :j :|: : : : : :|{:::::::::ヽlハ: :./;; \ ゛' l }| V :ヽ: : : : :| \::::::ノ/V ヽ |_/j :: ::ヽ :: : lr‐、_,/ " . j |_ノ :: :: ::ヽト lT~ " , , j :: :: :: : | \l ;;; ,==ヾ、 / :: :: :: : | | | ;;; /_,-‐"^ヾ / r―― | | | ″ | | `ー-/ ヽ  ̄ヽ l | | | | / やる夫が入院している間、あいつらは警察に捕まっていた。 結局、あいつらも使い捨て。 所詮はトカゲの尻尾。 それに勧誘されたやる夫もまた同類。 勝ち組なんて幻だった。 ならば、自分は結局、派遣流民のままなんだろうか?
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:22:02.53 ID:ZW7W5bKt0
支援
しえん
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:26:39.37 ID:FnkiYX5D0
誠ざまぁと言えない不思議
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:26:43.42 ID:6RegHAXU0
____ / \ / ─ ─ \ / (○) (○) \ ・・・・・・。 | (__人__) | \ ` ⌒´ / 確実なのは、見下し、侮蔑していた派遣流民に救われた事。 言われた事を否定もできずにいた事。 自分を否定しかねない事柄に反論できなかった事。 そしてなにより・・・その事を内心認めてしまった自分がここにいた。 だが・・・不思議と心が軽くなった。
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:35:02.43 ID:6RegHAXU0
/ ̄ ̄\ / \ /:::::::::::::: ヽ |:::::::::::::: | ヽ:::::::::: / /:::::::::::: く -―――――|:::::::::::::::: \ -―,― |::::::::::::::: |ヽ ⌒) 負けた・・・ そんな思いは、しかし、苛むのではなく、包むように感じた。 同時にもう、あの夢は見ないだろうと思った。 視界が滲んでいる。 やる夫はそれが雨のせいだと思った。 多分、やる事があるんだろ? オヤジの言葉が過ぎる。 窓の内側に降る雨はいつまでもやまなかった。
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:35:07.26 ID:ZW7W5bKt0
しえん
支援
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:39:31.77 ID:6RegHAXU0
エピローグ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::::::::::::: -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、 /::::::::::、::::::::::::::/ て ∠/::::::::/'´ ̄ ̄`` ヽ ノ//::::/ シ .ヽ、ヽ | イ /: :从 (●)(●) レレ| |.ハ | (__人__) ./ノ イ| ` ⌒´ ノ。 やる夫さん!たまには合コンとか行かないっすかwww ヽ .川 .} ヽ_/ } . ノ /、 〈 く ハ ヽ Y`ー.、i { ヽ_ゾノ-‐1 `¨´┬' . | 薄っぺらい、軽い男が声を掛けてくる。 透けて見えそうな薄さだ。 それが、この一流といわれる大学に在籍する大半の学生だった。
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:40:39.57 ID:ZW7W5bKt0
|ハ,_,ハ |´∀`';/^l |u'''^u;' | |∀ ` ミ シエンシエン・・・ | ⊂ :, シエン スルナラ イマノウチ | ミ | 彡 | ,:' |''~''''∪ l^丶 もさもさ | '゙''"'''゙ y-―, ミ ´ ∀ ` ,:' (丶 (丶 ミ (( ミ ;': ハ,_,ハ ;: ミ ';´∀`';, `:; ,:' c c.ミ U"゙'''~"^'丶) u''゙"J /^l ,―-y'"'~"゙´ | もさもさ ヽ ´ ∀ ` ゙': ミ .,/) 、/) ゙, "' ´''ミ ハ,_,ハ (( ミ ;:' ,:' ´∀`'; '; 彡 :: っ ,っ (/~"゙''´~"U ι''"゙''u
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:43:17.04 ID:6RegHAXU0
____ / \ / ─ ─ \ / <●> <●> \ ・・・遠慮しておくお | (__人__) | \ ` ⌒´ / それだけ言って背を向けた。 相手も、それ以上は声を掛けることもなく、他所へ行ってしまう。
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:44:41.23 ID:ZW7W5bKt0
シエン
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:45:56.43 ID:SapjdhKj0
支援
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:46:54.76 ID:6RegHAXU0
____ / \ / ─ ─ \ / <●> <●> \ ・・・・・・ | (__人__) | \ ` ⌒´ / やる夫は孤独だった。 だが、全くといって良いほど辛くはなかった。 かつての孤独は周囲から隔離されたもの。 今の孤独は、クズを跳ね除けたもの。 自分の意思によって行なわれている。 似ているようで全く違っていた。
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:48:30.88 ID:ZW7W5bKt0
支援
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:49:09.77 ID:6RegHAXU0
____ / \ / _ノ ―\ / <─> <─> \ | (__人__) | / ∩ノ ⊃ / ( \ / _ノ | | .\ “ /__| | \ /___ / 勝ち組なんて幻だった。 結局、自力でどうにかしない限り、勝ち等ありはしない。 孤独でも、悲しんでくれる人が居なくてもいい。 それはオヤジに対しての負け惜しみかもしれない。 だが、自分は”勝者”になる事を諦めたわけではない。
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:51:54.34 ID:6RegHAXU0
____ / \ / _ノ ―\ / <─> <─> \ | (__人__) | / ∩ノ ⊃ / ( \ / _ノ | | .\ “ /__| | \ /___ / だから、決めた。 この国で必要な事は、妄想上の勝ち組になることではない。 底を這い回って手に入れた金を、躊躇いもなく自分自身に投資した。 弱者の生き血に塗れた汚い金だ。 だが、それに対して済まないと思う気持ちはなかった。 他人の嘲笑も、憎悪も、怒りも、明確な野心を持ったやる夫には、VIPの煽りのようなものだった。 今は昔の事を思い出しても、感傷はなかった。
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:54:19.60 ID:ZW7W5bKt0
支援
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:54:43.07 ID:6RegHAXU0
____ / \ / _ノ ―\ / <─> <●> \ | (__人__) | / ∩ノ ⊃ / ( \ / _ノ | | .\ “ /__| | \ /___ / 今までは、今日を生きる為の仕方ない苦労。 今はどんな苦労も、”過程”でしかなかった。 ここまで追い込まれなければ意識が変わらなかったとも言える 一度逃げた先にあるのは、更に不利な戦場だという話は本当だった。 底辺を這い回り、死の深遠を覗き込んだやる夫に、もう、怖いものは無かった。
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:55:29.31 ID:6RegHAXU0
/ ̄\ | | \_/ __|__ / \ / :::─:::::::─\ / <●>:::::<●> \ | (__人__) | / ∩ノ ⊃ / ( \ / _ノ | | .\ “ /___| | \ /___ / その時、遠くから派遣流民達の声が聞こえてきた。 権利を主張する彼らの怒りに満ちた声・・・ ・・・やる夫は自分の表情が険しくなったのを感じた。 汚泥の中を這い回って戦っている内に鋭くなってしまった視線。 それだけは、変わらない。
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 22:56:22.55 ID:SapjdhKj0
成り上がりENDかな? 支援
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 23:00:38.67 ID:6RegHAXU0
____. / \ / ─ ─ \ / <●> <●> \ | (__人__) | / ∩ノ ⊃ / ( \ / _ノ | | .\ " /__| | \ /___ / 鏡を見直し、表情を作る。 そこに立っているのは、無口で大人しく、人畜無害そうな大学生。 あまり感情の無さそうな表情の裏に隠されているモノを知っている奴は居ない。 シュプレヒコールに背を向ける。 あれはもう、やる夫にとっては遠い過去。 遥か先まで続く茨の道を、やる夫はしっかりとした足取りで進んでいった。 終わり
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 23:00:48.87 ID:ZW7W5bKt0
sien
乙
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 23:04:18.06 ID:d8uoEuKt0
乙
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 23:05:01.43 ID:6RegHAXU0
長らくのお付き合いありがとうございました
乙ー
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 23:07:24.27 ID:9tD6LonT0
乙
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 23:08:14.85 ID:0oqT8Z360
乙
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 23:08:54.01 ID:SapjdhKj0
乙 やる夫はタフになったな。 こういう終わり方好きだわ。
おつだぜ
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 23:09:43.74 ID:WZbI1MTBP
乙
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 23:10:00.41 ID:ZW7W5bKt0
乙
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 23:15:18.76 ID:R1r7Boed0
これは明らかに漫画じゃない
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/01/10(土) 23:27:19.21 ID:EA37jI9x0
乙
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :
2009/01/10(土) 23:27:20.02 ID:xviD6bVR0 なんだ結局、権力意志的なコケおどしENDか