1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
クリスマス当日ですが代理
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 01:27:17.65 ID:FZpc2psZO
>>1 代理ありがとうございます
このご恩は今日一日忘れはしません
では、投下に移ります
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 01:29:56.03 ID:FZpc2psZO
U字の長机が何重にも均等に置かれ、間には背凭れがある椅子が綺麗に並んでいた。
その椅子は全て埋まっていて、先頭のU字机の前には、教壇がある。
「昨日の夜にさぁ……召喚師科のモララー君が……」
「暴走召喚……!? で、その大量のゴーレムは?」
「駆けつけたマモン先生と、召喚したモララー君が片付けたんだって」
「あははは……マモン先生だもんね」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「何だい? あたしの悪口かねぇ……」
「「ち、違います!!」」
筋肉隆々の女性教師は、最後尾の女子生徒に、冗談混じりで注意を促す。
ここにいる人間は、教師も生徒も性は女。
ここは、魔術科の女子クラス――通称『魔女クラ』である。
('、`*川「なるへそ……」
注意をされた二人の女子生徒の隣に着席していたペニサスだ。
何か考えるているのか、窓から見える塔を見詰めて、頬を掻いた。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 01:31:53.40 ID:FZpc2psZO
第三話 『ダイオード』
('、`*川塔の魔術師と爪゚ー゚)悪魔のようです
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 01:32:50.97 ID:2X02yJ2yO
支援だー
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 01:34:10.07 ID:FZpc2psZO
柔らかくて、窮屈で息苦しい。
そんな地獄で、藻掻き苦しむ。
柔らかさの中に妙な堅さが感じられると、更に息苦しさが増す。
そんな中、誰かに手を握られ、救い出された――
爪; Д )「グッ……?」
/;゚、。 /「起きたか!?」
カーテンで仕切られた空間にあるベッドで、勢いよく上半身だけを起す悪魔。
その横にある椅子に腰掛けていたダイオードも、悪魔に合わせるようにして立ち上がった。
爪;゚Д )「…………」
/;゚、。 /「そうだったな。 はい、紙とペンだ」
ダイオードが、ポケットから取り出したメモ帳とペンシルを悪魔に手渡す。
爪;゜ー゚)[あの変態は!?]
/ ゚、。 /「クーさんのことか? そうなら、もう大丈夫だ。
しかし泣きながら、『離しはしない!』と言われた時は流石に困った」
爪;゚Д゚)「ッ……!!」
悪魔の顔が、ゆっくりと淀んだ藍色に染まっていく。
どうやら、クー・スイエルの熱い抱擁に因って、トラウマを植え付けられてしまったようだ。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 01:36:16.36 ID:HdKu8S2FO
あれで死ねるならいいじゃないか
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 01:36:59.29 ID:FZpc2psZO
/ ゚、。 /「顔色が芳しくないな。 もう少し横になっていた方がいいんじゃないか?」
爪;゚ー゚)[構うでない。 ペニサスはどうしたのだ?]
/ ゚、。 /「授業に出ている」
爪;゚ー゚)[ならば貴様は、どうしてここにいるのだ? ここはどこだ?]
/ ゚、。 /「質問は一つにして欲しいものだ……今日は、私が専攻する学科は試験だけなんだ。
そして、ここは医務室だ」
爪#゜-゚)[そうか、礼は言わんぞ]
/ ゚、。 /「因みに、試験は午後からだ」
イマイチ噛み合ってるように思えない会話だ。
しかし、ナチュラルボーンなダイオードと、この性格に難がある悪魔の相性は、良さそうに思える。
/ ゚、。 /「すっかり元気になったようだし、もう出るか。
いつまでもベッドを占領していたら悪い」
爪#゚听)[別に悪いとは思わんが、出よう]
/*゚、。 /「ははははっ、君は面白いな」
爪#゚Д゚)「……!!」
馬鹿にされた、と思った悪魔はベッドから跳び降りて地団駄を踏んで見せた。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 01:41:36.39 ID:FZpc2psZO
医務室を出てから、ダイオードに連れられた悪魔は、学園の中庭までやって来ていた。
/ ゚、。 /「悪魔は、こういったものを感じられるのかは知らないが……綺麗だろ?」
爪゚∀゚)[綺麗かどうかさて置き、だ。
俺様は、人間の技術力だけは認めてやっている]
透明の屋根から光が射す円状の中庭は、まるで周りの校舎が迫ってくるような圧倒感があった。
細工も、うるさくない程度に豪華である。
学園内は、塔からなる街の景観を崩さない程度に小綺麗なものであった。
所々角などが欠けた薄緑色の石畳に至っては、街の道と同じものだ。
/ ゚、。 /「だけ、とは失礼だな」
爪゚∀ )[人間は、自分達の世界をぞんざいに扱う。
魔力が殆どなかったこの世界で、無駄に消費して枯らそうとする]
/ ゚、。 /「……だから今は『塔』がある」
爪#゚ー )[その塔が、無限に魔力を製造してくれると思っているのか?
そもそも今もあの『塔』に甘えて、寄り掛かっている時点で人間はダメなのだ!!]
/;゚、。 /「……悪魔は、私達の知らないところまで知っていると言うのか?」
爪#゚ー゚)「ふんっ……!」
珍しいことではないが、妙に感情を荒ぶらせた悪魔に、それ以上は突っ込んでいくことは憚られた。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 01:44:53.94 ID:FZpc2psZO
あれから無言続くこととなった。
時間は、螺旋状に、果てしなく長く感じられる。
爪#゚ー゚)「…………」
/;゚、。 /「ッ……私は――」
勇気を出して、この沈黙を破り裂いてみよう。
これだけ、これだけでいい。
この悪魔に、訊いておきたい。
/;゚、。 /「――私は、どうしたらいい……?」
爪゚ー )[さあな。 自分で考えろ、馬鹿者]
/*゚、。 /「……うん。 そうするよ」
ダイオードは、ゆっくりと指の一本一本を力強く折り曲げて、拳を握った。
爪 )(…………)
その姿を、悪魔がどんな顔で見ていたのかは、天井から降る光に因って隠された。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 01:48:09.14 ID:FZpc2psZO
どこか電子的なチャイムの音が響き、校舎から騒がしい声が重なって中庭に届く。
少しして生徒がちらほら流れ込み、談笑や読書を始める。
('、`*川「いたいた……せめて書き置きくらいしていきなさいよ」
/ ゚、。 /「ああ、ペニサス。 そこまで気が回らなかった」
疲れた顔をしたペニサスは肩を竦めて、いいわよ、と言いながら悪魔を見る。
爪#゚Д゚)[なんだ?]
('、`*川「なぁに怒ってるのよ」
爪#゚ー゚)「ふんっ……!」
('、`*川「ああ、おっぱいの感触はどうだった?」
爪;゚Д゚)[ ふ ざ け る な ! ]
顔を青くして、地団駄を踏む悪魔。
/ ゚、。 /「まだ年端も行かないというのに、女性恐怖症になってしまいそうだな……」
('、`*川「んー……巨乳恐怖症じゃない?」
/ ゚、。 /「私はセーフか……?」
('、`#川「黙れ、Cカッパー」
ドスの利いた声で発せられたセクハラ発言が、周りの男子生徒達を一斉に振り向かせた。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 01:51:53.70 ID:FZpc2psZO
気を取り直したペニサスは、中庭の中心に設置されている
リベルシャの塔を象った時計台に眼をやる。
('、`*川「じゃあ行きましょうか」
爪#゚Д゚)[どこにだ?]
('、`*川「モチノロンロン校庭」
爪#゚ー゚)[あのだだっ広い場所のことか?]
/ ゚、。 /「多分それだ」
('、`*川「それにしても悪かったわね。 もうウォーミングアップする時間が無いじゃない」
/ ゚、。 /「それは別にいいんだ。 貴重な話も訊けたし、な」
爪#゚ー゚)「…………」
('、`*川「……わーたーしーにもっ、訊ーかーせーろよー!」
爪#゚∀゚)「…………」
('、`#川「…………」
そっぽを向き合った二人は、先を行くダイオードに追い付くため小走りで急いだ。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 01:55:14.43 ID:FZpc2psZO
700ヘクタールもある校庭の周りには、何百人もの生徒が集まっていた。
白線で三分割された一つ一つのスペースで、戦闘が行われている。
('、`*川「うひゃー……結構激しいな」
爪#゚∀゚)「…………」
身の丈半の杖を地面に突き立て、白衣をはためかせながら魔法陣を展開する者の姿が目に入る。
(#-@∀@)「キタキタキタ――ッ! 揺れますよぉおおおおおおおお!!」
叫びと共に地面が揺れ、そして捲れ上がって、敵対する生徒達を一瞬にして包み込んだ。
(-@∀@)「……窒息してしまいます。 早く助けてあげてください」
厚い眼鏡掛けた生徒の後方に立つ教師は、暫く待って生徒達が出て来ないことを確認してから救助に入った。
(-@∀@)「雑魚が何匹束になろうが、私には勝てませんよ……アーッハッハッハッハッハッ!!」
生徒は、額に手を当てて心底可笑しそう笑い続ける。
/;゚、。 /「瞬殺……流石だ……」
爪#゚∀゚)「…………」
('、`*川「アサピー・グラウスよ。 まぁ、関わることはないから」
何やら良からぬことを考えていそうな悪魔に、そう言ってみるも効果の程は期待出来なそうだった。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 01:57:45.13 ID:FZpc2psZO
私が思うに、恐らくは、この悪魔は好戦的だ。
だからここで改めて釘を刺して置かなければならない。
保護者として、召喚した者として、責任を取るのは私なのだ。
('、`*川「悪魔。 解っていると思うけど、勝手な行動はやめてよね」
爪#゚ー゚)[解っている]
('、`;川「…………」
素直に、そう書き殴って見せて来た。
何故だかとても自分が情けなく、恥ずかしくなった。
爪#゚ー゚)[どこに行っていたのだ?]
/ ゚、。 /「そろそろ私は試験の時間なのでな。 先生ところに対戦相手の確認へ」
いつの間にこの場を離れていたのか、ゆっくりと歩きながらダイオードが戻って来た。
('、`*川「それで、相手は?」
/ ゚、。 /「どうやら召喚師のようだ」
('、`*川「となると、対複数になるわね。 頑張って」
/*゚、。 /「安心して見ていろ。 では、着替えて来る」
ぐっ、と拳を握って見せたダイオードは、校庭の端に建てれた更衣室へ向かって行った。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 02:00:37.23 ID:FZpc2psZO
スウェットスーツに着替えダイオードは、三分割された校庭の内の真ん中にあるスペースに立っていた。
/ ゚、。 /「…………」
少し距離を置いた対面には、
_
彡;゚A゚)「…………」
全体的に毛が濃い男が立っている。
ダイオードの後方、白線の外側から教師が声が響く。
「これより、両者の単位認定試験を執り行う――」
音声拡張器を使ったような機械的な声を合図に、
「――始めッ!!」
_
彡 ゚A゚)「――!」
/ ゚、。 /「…………」
戦闘が開始された。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 02:04:06.67 ID:FZpc2psZO
召喚師を相手にする時には、先手必勝が基本である。
それは、召喚詠唱に集中することが必要とさせれるためだ。
要するに、召喚する暇さえ与えなければ快勝出来るということだ。
/ ゚、。 /「…………」
_
彡;゚A゚)「……?」
しかしダイオードは、腰にあるホルダーに手を添えたまま動かない。
対する全体的に毛が濃い男も、懐に忍ばせた『何か』を握ったまま動かない。
ダイオードは、こう思う。
召喚師に対して先制攻撃は失礼に当たる。
召喚師は、召喚を使ってこそ召喚師なのだから。
若く甘い考えだ。
だがこれは、試験であって殺し合いではない。
この召喚師の全力に、魔闘士である私の全力ぶつけたいのだ。
彡#゚A゚)「ならさぁッ……ご希望どうりにやってやるよッ!!」
/ ゚、。 /「…………」
全体的に毛の濃い召喚師が、懐から『骨』を取り出し、それを掲げて詠唱を開始した。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 02:07:09.96 ID:FZpc2psZO
それ呼応するようにダイオードも、腰のホルダーから棒を抜いた。
/ ゚、。 /「――『ウェポンコード:α』」
棒の二つある突起から、生えるようにして刃が現れる。
一瞬にして棒は、鋼の『戦斧』へとその姿を変えた。
/ ゚、。 /「来い……!」
ダイオードが、戦斧を盾にするように構えたところで、
_
彡#゚A゚)「契約に基づき命じる――我に仇なす者を噛み殺せ!!」
詠唱完了を合図として、青白い光を放つ『骨』から、緑色の粒子が迸った。
( #@
/ ゚、。 /(四足歩行か……)
粒子が集まり、形を成しながらダイオードに突進を掛ける。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 02:10:14.01 ID:vg5fc6IqO
この作品まとめってある?
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 02:10:16.13 ID:FZpc2psZO
ダイオードの手前で、首を狙って飛んだ粒子の獣と激突。
/;゚、。 /「速い――ッ!」
盾として構えた戦斧に激突させた粒子の獣が、跳ね返るようにして後方へ跳ぶ。
(゚n゚*@「ガァルアッ!!」
完全に召喚を果たした獣型悪魔が、低い声で吠えた。
鶏冠のような真っ赤な鬣を持ち、黄色と白を基調とした身体だ。
黄色の部分には、黒い斑が散りばめられてある。
/;゚、。 /(豹か……?)
(゚n゚*@「グァルゥウウウ……」
2メートル程の身体を低くして、獰猛な瞳で睨み付けてくる。
隙が出たところを狙うつもりなのだろう。
/;゚、。 /(ん……? あの男は……?)
_
彡#゚A゚)「そぉらぁッ!!」
/;゚、。 /「ッ――!?」
横からの奇襲。 焦らず、獣型から眼を離さずにサイドステップを刻む
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 02:12:41.75 ID:FZpc2psZO
_
彡;゚A゚)「よぉく避けた……」
全体的に毛が濃い召喚師に、順手で握られているのはロングダガーだ。
獣型が突進を掛ける際に、アーチ状に疾駆を開始していたようだ。
(゚n゚#@「ジョージ! 早く離れろ!」
/ ゚、。 /(あの獣型……感情も知性も残されている。
と、いうことは……)
それ程の悪魔ではないということだ。
それか、このジョージと呼ばれた男が、相当な実力者であるかだが。
/ ゚、。 /(しかし名は訊かない……)
獣型が、その鋭い爪でダイオードを切り裂かんと向かって来る。
横にいるジョージも、ロングダガーを握り締めた。
/ ゚、。 /「――答えは前者であるッ!!」
(゚n゚;@「ッ――!?」
高速の三日月蹴り。
向かって来た獣型の顔面を捉えた。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 02:15:48.43 ID:FZpc2psZO
蹴りに因って弾き飛んだ獣型がから、斬り掛かろとするジョージに眼を移す。
_
彡#゚A゚)「ダラァッ!!」
/ ゚、。 /「ハァ――ッ!」
三日月蹴りの回転を利用して身体をジョージの方に向ける。
次の瞬間、戦斧とロングダガーの衝突に因り、火花が散った。
_
彡#゚A゚)「ぐっ……!!」
/ ゚、。 /「ハァァアッ!!」
ロングダガーは、ジョージは、弾かれるように後ろ跳んだ。
_
彡#゚A゚)「やるな……お嬢さ」
ん、と続けようとするジョージにダイオードの反撃。
/ ゚、。 /「喋る余裕があるのかッ!?」
_
彡;゚A゚)「ちょっ、喋らせろい!」
寸のところで、バックステップ。
びゅん、と空を斬った生々しい音がジョージに冷や汗を掻かせる。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 02:18:54.79 ID:vg5fc6IqO
支援
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 02:19:09.58 ID:FZpc2psZO
間髪入れずダイオードは追撃に移る。
振り切られた斧の刃を上に向け、下から上への逆一文字斬り。
/#゚、。 /「喰らっておけ……!」
_
彡;゚A゚)「うわぁあああっ!?」
しかし、ジョージを斬り付ける寸前、
(゚n゚#@「忘れてんジャネェッ!」
/;゚、。 /「忘れるわけが無い……ッ!」
脇腹に獣型の体当たり、頭突きに因って斬撃阻まれてしまう。
_
彡*゚A゚)「よくやった、ゲレ!」
(゚n゚#@「上から目線ウッゼ!」
_
彡;゚A゚)「ご、ごめん……一端離れるぞ!」
(゚n゚*@「おう」
/;゚、。 /(不安定な関係だな……)
脇腹を抱えるダイオードから、一人と一匹は距離を取った。
そして一人は、ロングダガーを逆手に構え変える。
隣に立つ一匹は、地面に爪を突き立て、体勢を低くして構えた。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 02:23:22.74 ID:FZpc2psZO
時が止まったかのように、並んだ一人と一匹は動かない。
ダイオードにとっては、好都合ではあるが。
_
彡#゚A゚)「…………」(゚n゚#@
/;゚、。 /(何のつもりだ……?)
ここは、脇腹へのダメージがある内に攻めるべきである。
しかし、何故か一人と一匹は動かない。
_
彡#゚A゚)「不思議そうな顔してるなぁ……」
/ ゚、。 /「ああ……」
_
彡#゚A゚)「誇り高き召喚師の俺に情けをッ……馬鹿にしたからさ!
俺もテメェに同じことをしてやってんだよッ!」
/ ゚、。 /「は……?」
(゚n゚;@「ハァ……?」
ジョージ言う『情け』とは、戦闘開始時の召喚待ちのことである。
ダイオードは、敬意を表した上でそうしたのであるが、
(゚n゚;@「あれ? なんかすんじゃねえの?」
_
彡#゚A゚)「ねーよ、バーカバーカ。 ざまぁっ見ろー!」
小さく、馬鹿な男である。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 02:27:22.27 ID:FZpc2psZO
しかしそんな彼の気持ちは、ナチュラルボーンなダイオードには全く伝わっていなかった。
/;゚、。 /(よく解らないが……いいか……)
脇腹の痛みも引いたところで、手を離して身構える。
/ ゚、。 /「あのー……」
_
彡#゚A゚)「うるせぇ! 俺の勝手だろ!?」
(゚n゚#@「あーあー、改めて思うわ。 こんなアホと契約すんじゃなかったわぁ」
一人と一匹は、戦闘中にも拘わらず喧嘩中であった。
/#゚、。 /「あのーッ!!」
_
彡;゚A゚)「あひぃ?」
/#゚、。 /「もういいので!」
_
彡;゚A゚)「あ、はい、すみません……」
(゚n゚*@「プヒャヒャヒャヒャ!」
_
彡#゚A゚)「うるせぇ!」
/;゚、。 /「…………」
喧嘩続行かと思われた一人は一匹は、改めて構え、ダイオードに眼を向けた。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 02:30:13.98 ID:FZpc2psZO
何故かふと、今朝の出来事がダイオードの頭を過ぎる。
/ ゚、。 /(アレって……)
と、思考に入ろうとした時、一人と一匹が動いた。
浅いアーチ状に、二手に別れて疾走する。
/ ゚、。 /(狙いは……)
対応は、ゲレと呼ばれる獣型からになる。
そして後からやって来るジョージが斬り掛かり、
/ ゚、。 /(しかしそれは、私に捌かれることを予想しているはずだ……)
そこをゲレが脇から、と言ったところだろうか。
(゚n゚#@「ガルァア!!」
/ ゚、。 /「やはりか……!」
予想通り、まずは牙を剥いたゲレが、突進からの跳躍。
/ ゚、。 /「だが爪だろう――」
(゚n゚;@「――!?」
明らかに焦慮が生まれたようで、動きが鈍った。
バックステップ。
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 02:30:34.32 ID:vg5fc6IqO
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 02:34:43.48 ID:FZpc2psZO
ダイオードがいた空間に、薙ぎに因る一閃が走る。
(#)n ;@「ガワァッ!?」
/ ゚、。 /「休んでろ……!」
後を継ぐように、ジョージがダイオードに迫る。
/ ゚、。 /(そうだ……アレは……)
_
彡#゚A゚)「テメッ……ゲレを!!」
逆手に因る薙ぎを狙ったロングダガーと、顔の殴打を狙った拳が握られている。
/ ゚、。 /「よく見てみろ」
_
彡;゚A゚)「えっ……?」
(#)n *@「クッ……!」
横に眼をやると、ゲレは斬られてはおらず、ひどく頭の脇を腫らして倒れていた。
/ ゚、。 /「ウェポンコード:γ――」
ダイオードの戦斧の刃が消え、溢れ出るように『水の刃』が現れた。
_
彡;゚A゚)「――!!」
そして、水の刃を持する斧振り上げられる。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 02:37:29.02 ID:FZpc2psZO
_
彡;゚A゚)(く、来る……ッ!)
振り上げの動作が遅く感じられる。
さっきの普通の斧は、どうやら刃が丸まっていたみたいだ。
けれども今度の水の斧は、解ったもんじゃない。
(#)n゚#@「待てや、グラァッ――!!」
_
彡;゚A゚)(ゲ、ゲレ……!)
ふらふら、とよろけながら何とか立ち上がったゲレが、ダイオードな向かって吠えた。
/ ゚、。 /「解除」
_
彡;゚A゚)「え……」
突如として、ジョージはずぶ濡れになった。
斧から、いや――棒から降って来たのだ。
まるで表面張力の限界が来たかのように、水が溢れ出たのだ
(#)n゚#@「ガラァアアアアアッ!!」
/ ゚、。 /「…………」
主から離れろ、と勇敢な獣の騎士がダイオードに跳び掛かったのは、
ジョージがずぶ濡れになって直ぐのことだった。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 02:42:26.36 ID:FZpc2psZO
ゲレの鋭い爪を、寸のところでだが、ダイオードは表情一つ変えずに躱した。
(#)n゚#@「大丈夫か、ジョージ!?」
_
彡;゚A゚)「あ、ああ……」
(#)n゚#@「アイツ……嘗めた真似しやがって……」
ぴちゃ、濡れた足を踏み出しながら、鋭い眼差しでゲレはダイオードを睨み付ける。
/ ゚、。 /「嘗めていたわけじゃない」
(#)n゚#@「斬れない斧で戦っておいてよく言うわッ!」
/ ゚、。 /「これは殺し合いではない」
ダイオードが、ゆっくりと二人に近付く。
手に握れた棒の二つ突起に、雷が走る。
_
彡;゚A゚)「ヤバイ――ゲレ、離れろ!!」
(#)n゚#@「え――」
/ ゚、。 /「受け取れ」
ダイオードが、己の『武器』をジョージに投げ渡した。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 02:49:31.42 ID:vg5fc6IqO
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 02:49:33.49 ID:FZpc2psZO
/ ゚、。 /「コード:δ――」
ダイオードの言葉と同時に、ジョージの腹部に『稲光する斧』が当たり――
_
彡; A )「ぐぁあああぁあああああああ」
(#)n ;@「ガァアアアア!?」
――一人と一匹は、ぶうん、と音を立てて感電すると、勢い良く倒れ込んだ。
/ ゚、。 /「……解除」
戦闘不能と取った教師と数人の生徒が、一人と一匹の救助に入った。
/ ゚、。 /「…………」
ダイオードは、今朝のペニサスの言葉を思い出す。
『理性がなかったら、あんなショボい攻撃すると思う?』
辺りからは、段々と歓声が上っていく。
そしてダイオードはそれに、
/; 、 /「ペニサァアアアアアアアアアアアアアアスッ!!」
応えることはせず、ペニサスの名前を叫んで、その名の人を捜し始めた。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 02:54:42.28 ID:FZpc2psZO
乙
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 03:14:39.11 ID:HdKu8S2FO
7×にまとめあったよ
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 03:16:28.26 ID:vg5fc6IqO
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 03:27:22.72 ID:FZpc2psZO
>>15の
>ダイオードの後方、白線の外側から教師が声が響く。
は、
『ダイオードの後方、白線の外側から教師の声が響く。』
>>17の
>詠唱完了を合図として、青白い光を放つ『骨』から、緑色の粒子が迸った。
は、
『詠唱完了の合図として、青白い光を放つ『骨』から、緑色の粒子が迸った』。
でした。
誠に申し訳ありません
>>35 なんと!?
ちょっと見て来ます
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 03:54:18.21 ID:FZpc2psZO
釣りかと疑っていた自分が恥ずかしい
本当にまとめられていて、感動しました。
これは筆が進む進む
教えてくださった方ありがとうございました
ショタっ子キターー!!
。
〉
○ノ イヤッホォォ!
<ヽ |
i!i/, |i!ii ガタン
 ̄ ̄ ̄ ̄
は!! これがクリスマスプレゼントか!!
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/25(木) 07:34:59.54 ID:IEMvwHPVO
よむ
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
乙!