(　＾ω＾)の賭博黙示録のようです

2008年12月………。

ニートになって5年、ブーンは最悪だった。

高校を卒業してから進学もせず、びた一日も働いていない。

2chでしょぼい釣りスレと、しょぼい糞スレを立てる日々。

そんな毎日のうっぷん、イライラが募ると、mi○iでリア充の日記巡りをし、

犯罪まがいの話を見つけては、vipでスレを立て突撃以来をするという、

たんに非生産的なだけでなく、他人の足まで引っ張ると言う日々……。


(#＾ω＾)「お……またリア充が痛い日記書いてるお」

(#＾ω＾)「子供の頃の万引きを武勇伝のように語るなんてDQNもいいとこだお！」

(#＾ω＾)「vipで晒し者にしてやるお！」

(#＾ω＾)「退職に追い込んでやるお……家族もろとも不幸のどん底に落としてやるお……」


(#＾ω＾)「ククク……キキキ………」

何も積み重ねず、何も生み出さない。

いや、一応生み出している物はある。

いわゆる、うんこ製造機………。

そんなただ流れるだけの日々の中、ある日ブーンの部屋にノックの音が響いた。


ｺﾝｺﾝ


(#＾ω＾)「なんだおｶｰﾁｬﾝ！今忙しいんだから後にしてくれお！」


しかしブーンの声を無視し、部屋のドアは開く。

そこにはブーンの母親が立っていた。

J(；'ｰ`)し「ブ、ブーン……」

(#＾ω＾)「勝手に部屋に入るなって何度行ったらわかるんだお！！

(#＾ω＾)「今忙しいって言ってるのが聞こえなかったのかお！！」

J(；'ｰ`)し「ご、ごめんね………けどブーンにお客さんが見えているの……」

(#＾ω＾)「…………？」


母の開けたドアの後ろから、一人の男が姿を見せる。


　　　 ＿､―-､／└ ''Ｚ__　　　　　　
　　_.ﾆ‐　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　　
　　フ 　 　 　 　 　　　　　　 ヽ　　　
　　７ /|ハ/＾)ﾉヽ八ﾄ､ 　　 　 !　　
　　7ｲｰ ,,_ｰ---‐_,,. -ヽ　　　｜　　　邪魔するよ……
　　　｣ﾆ::-_'l___l''__-=二.|　r-､ |　
　　 .|::::::....,ゝｰ|:::::::::::::...｜|ｺ | |　　　　　　　キミが…ブーン君かい…………？
　　　`iｰ‐|　　_｀ー―‐' | ﾄ.| | ﾄ､　
　　 　 | /L　- '　ｰ-､　 V,,ン |　＼＿
　　　 /|　⊂ニﾆ⊃　|　∧　　|　　 ＼ ｀ー ､_　
_ -‐/　 |　 　≡　 　　/ 　ヽ.｜ 　　　|￣｀―､　
.-‐/ 　 └┼┴┴┴ ′　／l| 　 　 　|　　
　/　　 　 /l|＼　　　　 ／　 |:| 　 　 　|　　

(；＾ω＾)「おっ……」

(；＾∀＾)「は……はあ…そうですか……あの、何か……？」




　　　 ＿､―-､／└ ''Ｚ__　　　　　　
　　_.ﾆ‐　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　　
　　フ 　 　 　 　 　　　　　　 ヽ　　　
　　７ /|ハ/＾)ﾉヽ八ﾄ､ 　　 　 !　　
　　7ｲｰ ,,_ｰ---‐_,,. -ヽ　　　｜　　　　　　キミ、にちゃんねるを知ってるよね？
　　　｣ﾆ::-_'l___l''__-=二.|　r-､ |　
　　 .|::::::....,ゝｰ|:::::::::::::...｜|ｺ | |　　　　　　　　　
　　　`iｰ‐|　　_｀ー―‐' | ﾄ.| | ﾄ､　
　　 　 | /L　- '　ｰ-､　 V,,ン |　＼＿
　　　 /|　⊂ニﾆ⊃　|　∧　　|　　 ＼ ｀ー ､_　
_ -‐/　 |　 　≡　 　　/ 　ヽ.｜ 　　　|￣｀―､　
.-‐/ 　 └┼┴┴┴ ′　／l| 　 　 　|　　


(；＾ω＾)「にちゃんねる……？う…うん知ってるお……」

(；＾ω＾)「それがどうかした……し、しましたかお……？」

　　　 ＿､―-､／└ ''Ｚ__　　　　　　
　　_.ﾆ‐　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　　
　　フ 　 　 　 　 　　　　　　 ヽ　　　
　　７ /|ハ/＾)ﾉヽ八ﾄ､ 　　 　 !　　
　　7ｲｰ ,,_ｰ---‐_,,. -ヽ　　　｜　　　　　　フフ……
　　　｣ﾆ::-_'l___l''__-=二.|　r-､ |　
　　 .|::::::....,ゝｰ|:::::::::::::...｜|ｺ | |　　　　　　　　　部屋ん中あがらせてもらっていいかな？
　　　`iｰ‐|　　_｀ー―‐' | ﾄ.| | ﾄ､　
　　 　 | /L　- '　ｰ-､　 V,,ン |　＼＿　　　　　　ゆっくり話したいんだが
　　　 /|　⊂ニﾆ⊃　|　∧　　|　　 ＼ ｀ー ､_　
_ -‐/　 |　 　≡　 　　/ 　ヽ.｜ 　　　|￣｀―､　
.-‐/ 　 └┼┴┴┴ ′　／l| 　 　 　|　　


(；＾ω＾)「お………い、いいお……」


そう言うと男は母を下がらせ、ブーンと二人になった部屋の中、無造作に床に腰掛けた。

前回突然消えたな
まあ支援だ

>>6
前回鯖落ちて書き込めなくなってから諦めて寝てたZE

前楽しかったから支援

　　　 ＿､―-､／└ ''Ｚ__　　　　　　
　　_.ﾆ‐　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　　
　　フ 　 　 　 　 　　　　　　 ヽ　　　
　　７ /|ハ/＾)ﾉヽ八ﾄ､ 　　 　 !　　　　　おっと名乗るのが遅れちまったな…
　　7ｲｰ ,,_ｰ---‐_,,. -ヽ　　　｜　　
　　　｣ﾆ::-_'l___l''__-=二.|　r-､ |　　　　　　　俺はこういう者だ
　　 .|::::::....,ゝｰ|:::::::::::::...｜|ｺ | |　　　　　　
　　　`iｰ‐|　　_｀ー―‐' | ﾄ.| | ﾄ､　
　　 　 | /L　- '　ｰ-､　 V,,ン |　＼＿　　　
　　　 /|　⊂ニﾆ⊃　|　∧　　|　　 ＼ ｀ー ､_　
_ -‐/　 |　 　≡　 　　/ 　ヽ.｜ 　　　|￣｀―､　
.-‐/ 　 └┼┴┴┴ ′　／l| 　 　 　|　　


ブーンは男が差し出した名詞を受け取る。


(　＾ω＾)「帝愛グループの……遠藤さん…かお……」

(；＾ω＾)「あの…今日は一体どんな用事で……」

　　　 ＿､―-､／└ ''Ｚ__　　　　　　
　　_.ﾆ‐　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　　
　　フ 　 　 　 　 　　　　　　 ヽ　　　
　　７ /|ハ/＾)ﾉヽ八ﾄ､ 　　 　 !　　　　　ああ、さっきも言った「にちゃんねる」なんだが……
　　7ｲｰ ,,_ｰ---‐_,,. -ヽ　　　｜　　
　　　｣ﾆ::-_'l___l''__-=二.|　r-､ |　　　　　　　キミ………使用料金払っていないよね？
　　 .|::::::....,ゝｰ|:::::::::::::...｜|ｺ | |　　　　　　
　　　`iｰ‐|　　_｀ー―‐' | ﾄ.| | ﾄ､　
　　 　 | /L　- '　ｰ-､　 V,,ン |　＼＿　　　
　　　 /|　⊂ニﾆ⊃　|　∧　　|　　 ＼ ｀ー ､_　
_ -‐/　 |　 　≡　 　　/ 　ヽ.｜ 　　　|￣｀―､　
.-‐/ 　 └┼┴┴┴ ′　／l| 　 　 　|　　



(；＾ω＾)「し、使用料金……？」


突然の物言いにブーンは困惑した。

もちろんにちゃんねるは良く知っているし、長年にわたり愛閲してもいる。

しかし使用料金がかかるなんていう話を耳にするのは初めてだった。


(；＾ω＾)「い、意味がわからないお…！何かの間違いじゃないのかお！？」

　　　 ＿､―-､／└ ''Ｚ__　　　　　　
　　_.ﾆ‐　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　　　　　いや、残念ながら間違いの無い話だよ…
　　フ 　 　 　 　 　　　　　　 ヽ　　　
　　７ /|ハ/＾)ﾉヽ八ﾄ､ 　　 　 !　　　　　　　　1レス1円……
　　7ｲｰ ,,_ｰ---‐_,,. -ヽ　　　｜　　
　　　｣ﾆ::-_'l___l''__-=二.|　r-､ |　　　　　　　　　スレを立てるなら1スレにつき100円……
　　 .|::::::....,ゝｰ|:::::::::::::...｜|ｺ | |　　　　　　
　　　`iｰ‐|　　_｀ー―‐' | ﾄ.| | ﾄ､　　　　　　　　　キミがにちゃんねるを始めた日から今日まで…
　　 　 | /L　- '　ｰ-､　 V,,ン |　＼＿　　　　
　　　 /|　⊂ニﾆ⊃　|　∧　　|　　 ＼ ｀ー ､_　　　一切その料金が払われていない……
_ -‐/　 |　 　≡　 　　/ 　ヽ.｜ 　　　|￣｀―､　
.-‐/ 　 └┼┴┴┴ ′　／l| 　 　 　|　　　　　　　だから俺がこうして取立てにきたのさ



(；＾ω＾)「ちょっと待つお！掲示板に書き込むだけでお金がかかるなんて聞いた事無いお！」

(；＾ω＾)「一体いくら払えって言うんだお！？」

　　　 ＿､―-､／└ ''Ｚ__　　　　　　
　　_.ﾆ‐　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　
　　フ 　 　 　 　 　　　　　　 ヽ　　　
　　７ /|ハ/＾)ﾉヽ八ﾄ､ 　　 　 !　　
　　7ｲｰ ,,_ｰ---‐_,,. -ヽ　　　｜　　　　　　ブーン………、キミがこれまでに立てたスレの数は……3826スレ
　　　｣ﾆ::-_'l___l''__-=二.|　r-､ |　　　　　　　　　　
　　 .|::::::....,ゝｰ|:::::::::::::...｜|ｺ | |　　　　　　
　　　`iｰ‐|　　_｀ー―‐' | ﾄ.| | ﾄ､　　　　　　　　レス数は、と……こりゃすごいな……760495回か……
　　 　 | /L　- '　ｰ-､　 V,,ン |　＼＿　　　　
　　　 /|　⊂ニﾆ⊃　|　∧　　|　　 ＼ ｀ー ､_　　
_ -‐/　 |　 　≡　 　　/ 　ヽ.｜ 　　　|￣｀―､　
.-‐/ 　 └┼┴┴┴ ′　／l| 　 　 　|　　



(；＾ω＾)「れ、レス一つにつき1円でスレだと100円って事は……」

(；＾ω＾)「えっと………117万3095円……！？」

(；＾ω＾)「そ、そんな大金払えっこないお…！」

しえん

　　　 ＿､―-､／└ ''Ｚ__　　　　　　
　　_.ﾆ‐　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　
　　フ 　 　 　 　 　　　　　　 ヽ　　　
　　７ /|ハ/＾)ﾉヽ八ﾄ､ 　　 　 !　　
　　7ｲｰ ,,_ｰ---‐_,,. -ヽ　　　｜　　　　　　はははっ、また冗談を………！
　　　｣ﾆ::-_'l___l''__-=二.|　r-､ |　　　　　　　　　　
　　 .|::::::....,ゝｰ|:::::::::::::...｜|ｺ | |　　　　　　　　ブーン、キミはにちゃんねるを始めた5年前から今日まで、
　　　`iｰ‐|　　_｀ー―‐' | ﾄ.| | ﾄ､　　　　　　　　
　　 　 | /L　- '　ｰ-､　 V,,ン |　＼＿　　　　　一切料金を支払っていないんだ……
　　　 /|　⊂ニﾆ⊃　|　∧　　|　　 ＼ ｀ー ､_　　
_ -‐/　 |　 　≡　 　　/ 　ヽ.｜ 　　　|￣｀―､　　当然金利ってもんが付く、そんな額じゃあとてもとても……
.-‐/ 　 └┼┴┴┴ ′　／l| 　 　 　|　　


(#＾ω＾)「な、なんだおそれ！一体いくらになるって言うんだお！？」

ブーンが声をあげると遠藤は黙って一枚の紙を差し出した。

支援

┏━━━━━━━━━┓
┃2003 1月 .　　　　　　　┃
┃スレッド6　\600　　　　┃
┃レス1352　\1352　　　┃
┃2003 2月 .　　　　　　　┃
┃スレッド9　\900　　　　┃
┃レス4049　\4049　.　　┃
┃先月分利息　\195　　┃
┃2003 3月　　　　　　　　┃
┃スレッド21　\2100 .　　┃
┃レス8901　\8901 .　 　┃
┃先月分利息　\709　　┃
┃2003 4月　　　　　　　　┃
┃スレッド19　\1900 .　　┃
┃レス6321　\6321　.　　┃
┃先月分利息　\1880　.┃
┃2003 5月　　　　　　　　┃
┃スレッド23　\2300 .　　┃
┃レス7125　\7125　.　　┃
┃先月分利息　\2890　.┃
┃2003 6月　　　　　　　　┃　　　　　　　　 ∩00　　∩　　
┃スレッド20　\2000 .　　┃　　　　　　⊂ﾆﾆ　⊃ ⊂　ﾆ )-- ､
┃レス5686　\5686　.　　┃　　　　　　 ,. ---ゝ ) 　 | ﾚ'／⌒ヽヽ
┃先月分利息　\4178　.┃　　　　　. （ (´￣￣ 　 /　/ 　 　 ﾉ.ﾉ　○ ○　○ ○
┃半年分合計　\53647 ┃　　　　　　 ヽﾞニﾆ⊃　`'∪ ⊂ﾆ-‐'　　
┗━━━━━━━━━┛

　　　 ＿､―-､／└ ''Ｚ__　　　　　　
　　_.ﾆ‐　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　
　　フ 　 　 　 　 　　　　　　 ヽ　　　　　　　　それが最初の半年分だ
　　７ /|ハ/＾)ﾉヽ八ﾄ､ 　　 　 !　　
　　7ｲｰ ,,_ｰ---‐_,,. -ヽ　　　｜　　　　　　　　見ての通り未払い分は月10％の利息が発生する
　　　｣ﾆ::-_'l___l''__-=二.|　r-､ |　　　　　　　　　　
　　 .|::::::....,ゝｰ|:::::::::::::...｜|ｺ | |　　　　　　　　　　　まぁ、安いものだろう？
　　　`iｰ‐|　　_｀ー―‐' | ﾄ.| | ﾄ､　　　　　　　　
　　 　 | /L　- '　ｰ-､　 V,,ン |　＼＿　　　　　　　我々帝愛の貸付金額としては破格の安価な利子だ…････
　　　 /|　⊂ニﾆ⊃　|　∧　　|　　 ＼ ｀ー ､_　　
_ -‐/　 |　 　≡　 　　/ 　ヽ.｜ 　　　|￣｀―､　
.-‐/ 　 └┼┴┴┴ ′　／l| 　 　 　|　　


(#＾ω＾)「なっ…………！」

　　　 ＿､―-､／└ ''Ｚ__　　　　　　
　　_.ﾆ‐　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　
　　フ 　 　 　 　 　　　　　　 ヽ　　　　　　　　利子自体は安いし、使用料金自体も単体ならたいした額じゃないのだが…
　　７ /|ハ/＾)ﾉヽ八ﾄ､ 　　 　 !　　
　　7ｲｰ ,,_ｰ---‐_,,. -ヽ　　　｜　　　　　　　　如何せん使用頻度と滞納期間が問題でな……
　　　｣ﾆ::-_'l___l''__-=二.|　r-､ |　　　　　　　　　　
　　 .|::::::....,ゝｰ|:::::::::::::...｜|ｺ | |　　　　　　　　　　その最初の半月分はまだ可愛いものだが、
　　　`iｰ‐|　　_｀ー―‐' | ﾄ.| | ﾄ､　　　　　　　　
　　 　 | /L　- '　ｰ-､　 V,,ン |　＼＿　　　　　　一年半を越えた辺りから月数万レスを越えるのめり込みよう……
　　　 /|　⊂ニﾆ⊃　|　∧　　|　　 ＼ ｀ー ､_　　
_ -‐/　 |　 　≡　 　　/ 　ヽ.｜ 　　　|￣｀―､　
.-‐/ 　 └┼┴┴┴ ′　／l| 　 　 　|　　


(#＾ω＾)「だから最終的に一体いくらになるって言うんだお！」

(#＾ω＾)「能書きはいいからさっさと言うお！！」

これ前おれが書いたやつなんだが・・・

　　　 ＿､―-､／└ ''Ｚ__　　　　　　
　　_.ﾆ‐　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　
　　フ 　 　 　 　 　　　　　　 ヽ　　　　　　　フフフ………
　　７ /|ハ/＾)ﾉヽ八ﾄ､ 　　 　 !　　
　　7ｲｰ ,,_ｰ---‐_,,. -ヽ　　　｜　　　　　　　まぁそれはそうだ、
　　　｣ﾆ::-_'l___l''__-=二.|　r-､ |　　　　　　　　　　
　　 .|::::::....,ゝｰ|:::::::::::::...｜|ｺ | |　　　　　　　　　　過程はどうあれ最終的に払ってもらうのはその額なんだから…
　　　`iｰ‐|　　_｀ー―‐' | ﾄ.| | ﾄ､　　　　　　　　
　　 　 | /L　- '　ｰ-､　 V,,ン |　＼＿　　　　　　ブーン、お前の2ch使用料……その額は……
　　　 /|　⊂ニﾆ⊃　|　∧　　|　　 ＼ ｀ー ､_　　
_ -‐/　 |　 　≡　 　　/ 　ヽ.｜ 　　　|￣｀―､　
.-‐/ 　 └┼┴┴┴ ′　／l| 　 　 　|　　

　1205万　7327円　……………！


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∩00　　∩　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⊂ﾆﾆ　⊃ ⊂　ﾆ )-- ､　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. ---ゝ ) 　 | ﾚ'／⌒ヽヽ　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. （ (´￣￣ 　 /　/ 　 　 ﾉ.ﾉ　○ ○　○ ○
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽﾞニﾆ⊃　`'∪ ⊂ﾆ-‐'　　


　　　　　　　　　　　　　　　　(；゜ω゜)

　　　 ∩00　　∩　　
　⊂ﾆﾆ　⊃ ⊂　ﾆ )-- ､　　
　 ,. ---ゝ ) 　 | ﾚ'／⌒ヽヽ　　　
. （ (´￣￣ 　 /　/ 　 　 ﾉ.ﾉ　○ ○　○ ○
　 ヽﾞニﾆ⊃　`'∪ ⊂ﾆ-‐'　　

ざわ・・・・
　　　ざわ・・・・

(#＾ω＾)「ふ……ふざけるのも大概にするお……！！」

(#＾ω＾)「そんな暴利認められないお！！だいたいなんだお、使用料って！！」

(#＾ω＾)「そんな詐欺まがいの請求……絶対に払わないお！！！」



　　　 ＿､―-､／└ ''Ｚ__　　　　　　
　　_.ﾆ‐　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　
　　フ 　 　 　 　 　　　　　　 ヽ　　　　　　ははは………！
　　７ /|ハ/＾)ﾉヽ八ﾄ､ 　　 　 !　　
　　7ｲｰ ,,_ｰ---‐_,,. -ヽ　　　｜　　　　　　何ズレた事言ってやがる……！
　　　｣ﾆ::-_'l___l''__-=二.|　r-､ |　　　　　　　　　　
　　 .|::::::....,ゝｰ|:::::::::::::...｜|ｺ | |　　　　　　　　　お前が払うか払わないかじゃないんだよ…
　　　`iｰ‐|　　_｀ー―‐' | ﾄ.| | ﾄ､　　　　　　　　
　　 　 | /L　- '　ｰ-､　 V,,ン |　＼＿　　　　　　俺達が払わせるか払わせないか、それだけさ
　　　 /|　⊂ニﾆ⊃　|　∧　　|　　 ＼ ｀ー ､_　　
_ -‐/　 |　 　≡　 　　/ 　ヽ.｜ 　　　|￣｀―､　　
.-‐/ 　 └┼┴┴┴ ′　／l| 　 　 　|　　



(；＾ω＾)「…………！」

　　　 ＿､―-､／└ ''Ｚ__　　　　　　
　　_.ﾆ‐　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　
　　フ 　 　 　 　 　　　　　　 ヽ　　　　　　ブーン君ちは母一人子一人らしいな？
　　７ /|ハ/＾)ﾉヽ八ﾄ､ 　　 　 !　　
　　7ｲｰ ,,_ｰ---‐_,,. -ヽ　　　｜　　　　　　　お袋さん、だいぶ歳はいっているようだが……
　　　｣ﾆ::-_'l___l''__-=二.|　r-､ |　　　　　　　　　　
　　 .|::::::....,ゝｰ|:::::::::::::...｜|ｺ | |　　　　　　　　　　熟女ってのも結構需要があってな………
　　　`iｰ‐|　　_｀ー―‐' | ﾄ.| | ﾄ､　　　　　　　　
　　 　 | /L　- '　ｰ-､　 V,,ン |　＼＿　　
　　　 /|　⊂ニﾆ⊃　|　∧　　|　　 ＼ ｀ー ､_　　
_ -‐/　 |　 　≡　 　　/ 　ヽ.｜ 　　　|￣｀―､　　
.-‐/ 　 └┼┴┴┴ ′　／l| 　 　 　|　　



(#＾ω＾)「なっ…！ｶ、ｶｰﾁｬﾝに手を出したら承知しないお！！」

(#＾ω＾)「そんな脅迫まがいな事…！今すぐ警察を……」

　　　 ＿､―-､／└ ''Ｚ__　　　　　　
　　_.ﾆ‐　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　
　　フ 　 　 　 　 　　　　　　 ヽ　　　　　　
　　７ /|ハ/＾)ﾉヽ八ﾄ､ 　　 　 !　　
　　7ｲｰ ,,_ｰ---‐_,,. -ヽ　　　｜　　　　　　ブーン……！
　　　｣ﾆ::-_'l___l''__-=二.|　r-､ |　　　　　　　　　　
　　 .|::::::....,ゝｰ|:::::::::::::...｜|ｺ | |　　　　　　　
　　　`iｰ‐|　　_｀ー―‐' | ﾄ.| | ﾄ､　　　　　　　　
　　 　 | /L　- '　ｰ-､　 V,,ン |　＼＿　　　　
　　　 /|　⊂ニﾆ⊃　|　∧　　|　　 ＼ ｀ー ､_　　
_ -‐/　 |　 　≡　 　　/ 　ヽ.｜ 　　　|￣｀―､　
.-‐/ 　 └┼┴┴┴ ′　／l| 　 　 　|　　


ブーンの言葉を割り、一喝する遠藤。

気の弱いブーンの心臓は跳ね、言葉を失った。


(；＾ω＾)「ぅ………」

　　　 ＿､―-､／└ ''Ｚ__　　　　　　
　　_.ﾆ‐　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　
　　フ 　 　 　 　 　　　　　　 ヽ　　　　　　　　本意じゃねぇんだ………ブーン……！
　　７ /|ハ/＾)ﾉヽ八ﾄ､ 　　 　 !　　
　　7ｲｰ ,,_ｰ---‐_,,. -ヽ　　　｜　　　　　　　　子供抱えて女手一つ……苦労しながらもお前を育ててくれたお袋さんだろう……？
　　　｣ﾆ::-_'l___l''__-=二.|　r-､ |　　　　　　　　　　
　　 .|::::::....,ゝｰ|:::::::::::::...｜|ｺ | |　　　　　　　　　　　俺だって不幸になるとこなんて見たいわけじゃねぇ…
　　　`iｰ‐|　　_｀ー―‐' | ﾄ.| | ﾄ､　　　　　　　　
　　 　 | /L　- '　ｰ-､　 V,,ン |　＼＿　　　　　　　聞け……！ここからが俺の本意……！
　　　 /|　⊂ニﾆ⊃　|　∧　　|　　 ＼ ｀ー ､_　　
_ -‐/　 |　 　≡　 　　/ 　ヽ.｜ 　　　|￣｀―､　
.-‐/ 　 └┼┴┴┴ ′　／l| 　 　 　|　　



(；＾ω＾)「………………………！」

しえん

─────────。


ﾊﾞﾀﾝ


玄関のドアを閉め、部屋へと向かうブーン。

後ろから母の呼び止める声がした。


J( ；'ｰ`)し「ブ、ブーン？遠藤さんって方、お帰りになったの？」

(　＾ω＾)「…………。うん」

J( ；'ｰ`)し「なんだか怖そうな人だったけど、どんな用事だったの？」

(　＾ω＾)「たいした用事じゃなかったお。何も心配はいらないお」


そう言うとブーンは自分の部屋に戻り、ベッドに横になった。

そしてポケットから一枚のメモを取り出す。

『12月20日　AM2時　東VIP港』


(　＾ω＾)「………………」


メモには明日の日付と時間、そしてある港の名前が記載されていた。

いや、明日と言っても日をまたいで2時間後。

現在の時間からだとわずか5時間先の日時が記されていた。

それを眺めながら、ブーンはほんの十数分前の事を思い出す。


　　　 ＿､―-､／└ ''Ｚ__　　　　　　
　　_.ﾆ‐　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　　　　　　いいか、ブーン……
　　フ 　 　 　 　 　　　　　　 ヽ　　
　　７ /|ハ/＾)ﾉヽ八ﾄ､ 　　 　 !　　　　　　　　　お前のこの溜まりに溜まった延滞料金………
　　7ｲｰ ,,_ｰ---‐_,,. -ヽ　　　｜　　　　　　
　　　｣ﾆ::-_'l___l''__-=二.|　r-､ |　　　　　　　　　　もう働いて返そうなんて額じゃねぇんだ……
　　 .|::::::....,ゝｰ|:::::::::::::...｜|ｺ | |　　　　　　　
　　　`iｰ‐|　　_｀ー―‐' | ﾄ.| | ﾄ､　　　　　　　　　親が資産家でもねぇ、お前自身にもなんのとりえも無い…
　　 　 | /L　- '　ｰ-､　 V,,ン |　＼＿　　　　
　　　 /|　⊂ニﾆ⊃　|　∧　　|　　 ＼ ｀ー ､_　　　お前の人生は、もう詰んでると言っても過言じゃあない
_ -‐/　 |　 　≡　 　　/ 　ヽ.｜ 　　　|￣｀―､　
.-‐/ 　 └┼┴┴┴ ′　／l| 　 　 　|　　


(；＾ω＾)「ぅ……、な、なんなんだお！大きなお世話だお！」

お前らもちゃんと料金は払うんだぞ

　　　 ＿､―-､／└ ''Ｚ__　　　　　　
　　_.ﾆ‐　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　
　　フ 　 　 　 　 　　　　　　 ヽ　　　　　　
　　７ /|ハ/＾)ﾉヽ八ﾄ､ 　　 　 !　　　　　　フフ……まぁそう言うなって……
　　7ｲｰ ,,_ｰ---‐_,,. -ヽ　　　｜　　　　　　
　　　｣ﾆ::-_'l___l''__-=二.|　r-､ |　　　　　　　　　わざわざこうして家まで足を運んで…
　　 .|::::::....,ゝｰ|:::::::::::::...｜|ｺ | |　　　　　　　
　　　`iｰ‐|　　_｀ー―‐' | ﾄ.| | ﾄ､　　　　　　　　　お前にとって得な話を持ってきてやったんだ
　　 　 | /L　- '　ｰ-､　 V,,ン |　＼＿　　　　
　　　 /|　⊂ニﾆ⊃　|　∧　　|　　 ＼ ｀ー ､_　　
_ -‐/　 |　 　≡　 　　/ 　ヽ.｜ 　　　|￣｀―､　
.-‐/ 　 └┼┴┴┴ ′　／l| 　 　 　|　　


(　＾ω＾)「ど……どういうことだお？」

　　　 ＿､―-､／└ ''Ｚ__　　　　　　
　　_.ﾆ‐　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　
　　フ 　 　 　 　 　　　　　　 ヽ　　　　　　
　　７ /|ハ/＾)ﾉヽ八ﾄ､ 　　 　 !　　　　　　明日の晩………ある港から船が出る
　　7ｲｰ ,,_ｰ---‐_,,. -ヽ　　　｜　　　　　　
　　　｣ﾆ::-_'l___l''__-=二.|　r-､ |　　　　　　　　船の名はエスポワール……
　　 .|::::::....,ゝｰ|:::::::::::::...｜|ｺ | |　　　　　　　
　　　`iｰ‐|　　_｀ー―‐' | ﾄ.| | ﾄ､　　　　　　　　お前のような多額な借金を背負った債務者を救済する為に海を行く船……
　　 　 | /L　- '　ｰ-､　 V,,ン |　＼＿　　　　
　　　 /|　⊂ニﾆ⊃　|　∧　　|　　 ＼ ｀ー ､_　　
_ -‐/　 |　 　≡　 　　/ 　ヽ.｜ 　　　|￣｀―､　
.-‐/ 　 └┼┴┴┴ ′　／l| 　 　 　|　　


(　＾ω＾)「………？」

　　　 ＿､―-､／└ ''Ｚ__　　　　　　
　　_.ﾆ‐　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　
　　フ 　 　 　 　 　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　救済と言っても債務者全員無条件で救うってわけにはいかない…
　　７ /|ハ/＾)ﾉヽ八ﾄ､ 　　 　 !　　
　　7ｲｰ ,,_ｰ---‐_,,. -ヽ　　　｜　　　　　　　　　
　　　｣ﾆ::-_'l___l''__-=二.|　r-､ |　　　　　　　　　　その船で行なわれている事…それは………ギャンブルさ…………！
　　 .|::::::....,ゝｰ|:::::::::::::...｜|ｺ | |　　　　　　　　　　　
　　　`iｰ‐|　　_｀ー―‐' | ﾄ.| | ﾄ､　　　　　　　　
　　 　 | /L　- '　ｰ-､　 V,,ン |　＼＿　　　　
　　　 /|　⊂ニﾆ⊃　|　∧　　|　　 ＼ ｀ー ､_　　
_ -‐/　 |　 　≡　 　　/ 　ヽ.｜ 　　　|￣｀―､　
.-‐/ 　 └┼┴┴┴ ′　／l| 　 　 　|　　


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∩00　　∩　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⊂ﾆﾆ　⊃ ⊂　ﾆ )-- ､　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. ---ゝ ) 　 | ﾚ'／⌒ヽヽ　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　. （ (´￣￣ 　 /　/ 　 　 ﾉ.ﾉ　○ ○　○ ○
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽﾞニﾆ⊃　`'∪ ⊂ﾆ-‐'　　


　　　　　　　　　　　　　　　　(；゜ω゜)

　　　 ∩00　　∩　　
　⊂ﾆﾆ　⊃ ⊂　ﾆ )-- ､　　
　 ,. ---ゝ ) 　 | ﾚ'／⌒ヽヽ　　　
. （ (´￣￣ 　 /　/ 　 　 ﾉ.ﾉ　○ ○　○ ○
　 ヽﾞニﾆ⊃　`'∪ ⊂ﾆ-‐'　　

─────────。

ふとブーンは目を覚ます。

時計の針は丁度AM0時を指していた。

遠藤の話を反芻していて、いつの間にか眠ってしまっていたようだ。


(　＾ω＾)「…………………」

(#＾ω＾)「何が……」

(#＾ω＾)「何が勝って来いだお……！」

(#＾ω＾)「そんな胡散臭い話…誰が信じるかだお……！」

(#＾ω＾)「大体2chの使用料金の支払い義務なんてあるはずがないお！」


そう言ってブーンは不貞寝するようにベッドに倒れこんだ。

寝静まろうかというその直前。

意識も虚ろな半分夢見心地になった頃、ブーンの部屋のドアが音をたてずに開いた。


J( 'ｰ`)し「ブーン？もう眠っちゃったの？」


母だ。

いつものブーンなら勝手に入ってくるなと声をあげるところだが、

今日は思わぬ来客の存外な話に疲れ果てており、その気力も無かった。


(　＾ω＾)（めんどくさいお……寝たふりするお……）

J( 'ｰ`)し「また布団蹴り飛ばして…この子はいつまで経っても子供なんだから」


母は独り言を言うと、ブーンに布団をかけなおしてやった。


J( 'ｰ`)し「あんたには苦労をかけるね……」

J( 'ｰ`)し「ｶｰﾁｬﾝがもっとお金稼げたら、大学にも行かせてあげられたのに……」

J( 'ｰ`)し「そしたらきっと友達もたくさん出来て仕事もすぐ決まって、こうやって引き篭もる事も無かったはずなのにね…」


(；＾ω＾)（………！）

(；＾ω＾)（何だお……何言ってるんだおｶｰﾁｬﾝ……）


J( 'ｰ`)し「せめてブーンがちゃんと仕事見つけるまではｶｰﾁｬﾝが頑張るからね……」


一通り布団を整えると、母は部屋を出て行った。

(　＾ω＾)「…………………」

(　＾ω＾)「ち…違うお……」

(　＾ω＾)「ブーンが駄目なのはｶｰﾁｬﾝのせいじゃないお……」

(　＾ω＾)「ブーンが…………」


ふと、さっきの遠藤の言葉がブーンの頭をよぎった。


(　＾ω＾)「……………！」

(；＾ω＾)「まさかとは思うけど……もしブーンがお金を支払わなかったら、本当にｶｰﾁｬﾝを……？」

(；＾ω＾)「…………………………」

涙でてきた

幼い頃父を亡くしたブーンは、現在母と二人で暮らしている。

普段ブーンは、仕事をしない事で口うるさく言ってくる母を煙たがってはいるが、

女手一つで自分を育ててきてくれた事、成人して尚働きもしない自分を見放さず養ってくれている事、

それを感謝していないわけではなかった。

しかし……


(；＾ω＾)「……………。………………………。」

(；＾ω＾)「あ、あんなのはったりだお！」

(；＾ω＾)「もし本当にそうなりそうになったら警察に訴えてやればいいお……！」


踏み出せない……

踏み出さない…………！

長年の引き篭もり生活で養われてきた逃げの姿勢が、自身を前に進める事を拒絶した。

(　-ω-)「ｸｩ………」


船が出港するまで残り2時間。

ブーンは眠りについた。


ブーンは夢を見る。

昔の夢。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
2007年2月


ブーン、この時期はみんな就職活動頑張ってるよ。
きっとブーンなら若いし頑張れば良い仕事に就けるよ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿,
J( 'ｰ`)し　　　　　ｳﾙｻｲｵ! 　　 |　　　|
　（　　）　　　　　　　 　 　（ `ω)_|　　　 |
　｜｜　　　　　　　　　　（　 つ |￣￣￣|
　　　　　　　　　　　　　　　　ｶﾀｶﾀ

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　　　　　　　　(-ω-；)
　　　　　／⌒⌒⌒⌒⌒ヽ
　　　 ／／￣￣￣フ　／
　　／　（＿＿＿／ ／
　（＿＿＿＿＿ ノ

>>19
どゆこと？

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
2003年3月


ブーン、大学落ちちゃって残念だったね。
ごめんね、私立に行かせてあげられるお金が無くて………
そうだ、ｶｰｻﾝブーンにパソコン買ってあげるわ。
これからの時代、パソコンが使えると良い仕事に就けるよ。
大丈夫、パートの仕事増やせばそれくらいなんとかなるわ。

J( 'ｰ`)し　　　　
　（　　）　　　　　　　 　 　（ ；ω)
　｜｜　　　　　　　　　　（　 　）
　　　　　　　　　　　　　　

〜〜〜〜〜〜〜〜○〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
　　　　　　　　　　　 o
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　　　　　　　　(-ω-,　)
　　　　　／⌒⌒⌒⌒⌒ヽ
　　　 ／／￣￣￣フ　／
　　／　（＿＿＿／ ／
　（＿＿＿＿＿ ノ

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
2002年10月


ブーン、もうすぐ受験よ。
勉強はちゃんとやってるの？

J( 'ｰ`)し　　　　ちゃんとやってるお。今はちょっと休憩中だお
　（　　）　　　　　　　 　 　（ ＾ω)
　｜｜　　　　　　　　　　（　 つ□
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾋﾟｺﾋﾟｺ

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　　　　　　　　(-ω-　)
　　　　　／⌒⌒⌒⌒⌒ヽ
　　　 ／／￣￣￣フ　／
　　／　（＿＿＿／ ／
　（＿＿＿＿＿ ノ

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1995年8月



水族館楽しかったね
　　　　　　　J('ｰ`)し
　　　　　　　　(　 )＼(＾ω＾ ) 　うん！ｲﾙｶさん可愛かったお！
　　　　　　　　｜|　　 (_　_)ヾ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

〜〜〜〜〜〜〜〜○〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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　　　　　　　　(-ω-*)
　　　　　／⌒⌒⌒⌒⌒ヽ
　　　 ／／￣￣￣フ　／
　　／　（＿＿＿／ ／
　（＿＿＿＿＿ ノ

ｶｰﾁｬﾝ・・・

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1993年12月

オマエ……ブーン……父さんはもう駄目のようだ……
　　　＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　|　 　　 ＿＿＿　　｜
　　　|　　　[|　 _、_　|]　.｜　
　　　|　　　[|(；,_ﾉ` )|]　　|　(＾ω＾；)　ﾄｰﾁｬﾝ……
　　　|　|￣￣￣￣￣￣| | 　(_　_)
　　　|　|　　　 　　　　　.|｜
　　　|　|　　　 　　　　　.|｜ 　 J(；д；)し　ｱﾅﾀ…
　　　|　|　　　 　　　　　.|｜　　　 (　 )
　　　|　|　　　 　　　　　.|｜ 　　　｜|
　　　|　|　　　 　　　　　.|｜
　　　|　|＿＿＿＿＿＿|｜
　　　|＿＿＿＿＿＿＿_.|
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

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　　　　　　　　(-ω-　)！
　　　　　／⌒⌒⌒⌒⌒ヽ
　　　 ／／￣￣￣フ　／
　　／　（＿＿＿／ ／
　（＿＿＿＿＿ ノ

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ブーン……そこにいるか……？
　　　＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　|　 　　 ＿＿＿　　｜
　　　|　　　[|　 _、_　|]　.｜　
　　　|　　　[|(；,_ﾉ` )|]　　|　(＾ω＾；)　ﾄｰﾁｬﾝ！ここにいるお！
　　　|　|￣￣￣￣￣￣| | 　(_　_)
　　　|　|　　　 　　　　　.|｜
　　　|　|　　　 　　　　　.|｜ 　 J(；д；)し
　　　|　|　　　 　　　　　.|｜　　　 (　 )
　　　|　|　　　 　　　　　.|｜ 　　　｜|
　　　|　|　　　 　　　　　.|｜
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

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〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

父さんが居なくなってこれからお前たち二人、苦労する事もあると思う…
けどそんな時はブーンがｶｰﾁｬﾝの事助けてあげるんだぞ……ブーンは男の子だからな…
　　　＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　|　 　　 ＿＿＿　　｜
　　　|　　　[|　 _、_　|]　.｜　
　　　|　　　[|(；,_ﾉ` )|]　　|　(；ω；　)　わかったお！約束するお！ブーン頑張るお！
　　　|　|￣￣￣￣￣￣| | 　(_　_)
　　　|　|　　　 　　　　　.|｜
　　　|　|　　　 　　　　　.|｜ 　 J(；д；)し　ｱﾅﾀ……ﾌﾞｰﾝ……
　　　|　|　　　 　　　　　.|｜　　　 (　 )
　　　|　|　　　 　　　　　.|｜ 　　　｜|
　　　|　|　　　 　　　　　.|｜
　　　|　|＿＿＿＿＿＿|｜
　　　|＿＿＿＿＿＿＿_.|
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

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〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ｶｰﾁｬﾝの事……頼ん…だぞ
　　　＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　|　 　　 ＿＿＿　　｜
　　　|　　　[|　 _、_　|]　.｜　
　　　|　　　[|(；,_ﾉ` )|]　　|　(；ω；　)　ﾄｰﾁｬﾝ！ﾄｰｰｰﾁｬｰｰﾝ！！
　　　|　|￣￣￣￣￣￣| | 　(_　_)
　　　|　|　　　 　　　　　.|｜
　　　|　|　　　 　　　　　.|｜ 　 J(；д；)し　ｱﾅﾀｰｰ！！
　　　|　|　　　 　　　　　.|｜　　　 (　 )
　　　|　|　　　 　　　　　.|｜ 　　　｜|
　　　|　|　　　 　　　　　.|｜
　　　|　|＿＿＿＿＿＿|｜
　　　|＿＿＿＿＿＿＿_.|
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

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　　　　　　　　　　　　 o
　　　　　　　　　　　　 ﾟ
　　　　　　　　　　　　 　　　　 ／￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　�煤@(＾ω＾；):.　_　＜　はっ、夢かお！
　　　　　　　ｒ'⌒と､j ミ　ヽ　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿
　　ｶﾞﾊﾞｯ　ノ　,.ｨ'　 ｀ヽ.　/
　　　　 ／　　　　　　 i!./
　 　 　 （_,. 　 　 　 　 //
　 　　　 く.,_｀^''ｰ-､_,,..ノ/
　　 　 　　 ｀~`''ー--‐'

夢…………。

しかしブーンが見たもの、それは紛れも無く過去の現実。


(　＾ω＾)「……………………」

(　＾ω＾)「ﾄｰﾁｬﾝ……ｶｰﾁｬﾝ………」


この時、時計の針は1時を指していた。



深夜、世の中が寝静まった深夜1時。

ブーンは暖かいベッドから立ち上がり、母の寝室を訪ねた。

泣いた・・・身に積まされて胸が張り裂けそう・・・
俺もあの時大学受験合格してれば引きこもらなくて良かった・・・

(　＾ω＾)「ｶｰﾁｬﾝ……起きてるかお？」

J('ｰ`)し「あら、ブーン？どうしたの？」


深夜1時、母は当然のように起きていた。

内職の、刺身に載せるタンポポを作る作業の為。


(　＾ω＾)（ｶｰﾁｬﾝ………いつもこんな時間まで働いていたのかお……）

(　＾ω＾)（知らなかったお………）


J('ｰ`)し「ブーン？」

(　＾ω＾)（でも…もうこんな苦労はさせないお……！）

(　＾ω＾)（勝って……楽させてあげるお……！）


J('ｰ`)し「ブーン、どうかしたの？黙り込んで」

(　＾ω＾)「ｶｰﾁｬﾝ、ちょっとコンビニに行ってくるお」

(　＾ω＾)「帰ってくるの遅くなるかもしれないけど、心配しないでくれお」

J('ｰ`)し「コンビニ……？うん、いってらっしゃい」

J('ｰ`)し「でもこんな時間だし気を付けて、早く帰ってくるのよ」

(　＾ω＾)「うん、絶対に……絶対に戻ってくるお」

J('ｰ`)し「………？」


そういい残し、ブーンは家を出た。

(　＾ω＾)「もう出航の時間まで1時間も無いお……！」

(　＾ω＾)「急いで向かわないとだお……！」


船の出る港まで、ブーンの家からそう遠くは無い。

とは言え出航までは残り1時間、悠長に構えていてはとても間に合う時間じゃ無い。

ブーンは走った。

眠りに付いた街を横目に、真っ直ぐ真っ直ぐ、港へ向けて走り続けた。


(；＾ω＾)「ﾊｧ…ﾊｧ……っ」

(；＾ω＾)「ｩ……！」


しかし、5年も引き篭もり続けたブーンの体力は早くも限界を向かえ、

目的地までまだ数km残して座り込んでしまった。

(；＾ω＾)「ﾊｧ……困ったお……タクシーに乗るお金も無いし、このままじゃとても間に合わないお……」

(；＾ω＾)「お………」

(　＾ω＾)「…………あれは」


ふと、コンビニの前に停めてあるバイクに目が留まった。

ほんの数分の買い物のつもりだったのだろう。

都合よく鍵が刺さったままになっている。


(；＾ω＾)「は、犯罪はいけないけど………今は非常事態だお……」

(；＾ω＾)「朝までには返すんで許してくれお……」


そう独り言を残すと、ブーンは停めてあったバイクに手を伸ばす。

エンジンをかけようとしたその瞬間。


？？？「ちょっと！人のバイクに何してんのよ！」


(；゜ω゜)「！」

ξ#ﾟ�听)ξﾋﾞｷﾋﾞｷﾋﾞｷ


振り返るとそこには小柄な女の子が一人、ブーンを睨み付けながら立っていた。


(；＾ω＾)「ご、ごめんなさいだお……」

(；＾ω＾)「ものすごく急いでいたんだお……すぐ返すつもりで……」

ξ#ﾟ�听)ξ「そんなの言い訳になるわけないでしょ！私だって急いでるのよ！」

ξ#ﾟ�听)ξ「なんなの？自分以外はみんな暇人だとでも思ってるの？死ぬの！？」

(；＾ω＾)「おっおっおっ………」


早口で捲くし立てられ、ブーンは言葉を失う。

ξﾟ�听)ξ「もういいわ、本当は警察にでも突き出す所だけど」

ξﾟ�听)ξ「今私は忙しいの！さっさとどっか行って頂戴！」

(；＾ω＾)「ご、ごめんなさいだお………」


とりあえず許しを得られ、平謝りですごすごと引き下がるブーン。

しかし港まで辿り着けるだけの時間が無いのは変わらず、解決方法を模索する為その場をウロウロしていた。

そうしていると、背後で独り言が聞こえる。

ξ#ﾟ�听)ξ「まったくもうっ、道に迷って時間が無いっていうのに！」

ξ#ﾟ�听)ξ「あんなにの時間取られるなんてついてないわ」

ξﾟ�听)ξ「えっと、現在地がここだから……東VIP港へ行くには……」


(　＾ω＾)「！」


聞き耳を立てていたわけではない、ただ偶然耳に入った独り言の中に、

今ブーンが向かっている東VIP港の名前が挙がった。

人見知りの激しい社会不適合者な上、女の子となんてろくに口をきいた事が無いブーンであったが、

切羽詰っていた状況であった為、躊躇無く思わず声をかけていた。

(　＾ω＾)「あ、あの…貴方も東VIP港へ行くのかお……？」

ξﾟ�听)ξ「はぁ？何、あんたまだいたの？そうだったらなんだって言うのよ」

(　＾ω＾)「ブーンも今同じ場所に向かっていた所なんだお、ブーン……道知ってるお！」

(　＾ω＾)「だから……一緒に乗せて行って欲しいお！」

ξﾟ�听)ξ「え………」


女の子は一瞬戸惑うが、腕に付けていた時計と持っていた地図を交互に眺め、

溜め息を一つ付いて口を開いた。


ξﾟ�听)ξ「わ、わかったわよ、どうやら私もこのままじゃ間に合いそうも無いわ…」

ξﾟ�听)ξ「乗せて行ってあげるから、ちゃんと道案内しなさいよね！」

(　＾ω＾)「ま、任せてくれだお！」

そう言うと女の子はブーンを後ろに乗せる。

そして持っていた地図をブーンに手渡した。


ξﾟ�听)ξ「今日は絶対遅刻出来ない用事が有るの！」

ξﾟ�听)ξ「あんたの記憶だけじゃ不安だから、ちゃんと地図見てしっかり案内しなさい！」

(　＾ω＾)「お………わかったお」

(　＾ω＾)「…………」


(；＾ω＾)（これ…世界地図だお………）

(；＾ω＾)（この子どうやってここまで辿り着いたんだお………）


ξﾟ�听)ξ「さぁ、発進させるわよ」

(；＾ω＾)「おっ、まずはそこの通りに出てくれだお」


ブーンの一抹の不安を乗せたまま、バイクは夜の街を走って行った。

AM1時58分──────


(　＾ω＾)「つ、付いたお…！」

ξﾟ�听)ξ「ギッリギリじゃないの！まだ船は出てないんでしょうね！？」

(　＾ω＾)（お……？船……？）

(　＾ω＾)（もしかしてこの子も………？）


　　　 ＿､―-､／└ ''Ｚ__　　　　　　
　　_.ﾆ‐　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　
　　フ 　 　 　 　 　　　　　　 ヽ　　　　　　　　
　　７ /|ハ/＾)ﾉヽ八ﾄ､ 　　 　 !　　
　　7ｲｰ ,,_ｰ---‐_,,. -ヽ　　　｜　　　　　　　　いよう、お二人さん
　　　｣ﾆ::-_'l___l''__-=二.|　r-､ |　　　　　　　　　　
　　 .|::::::....,ゝｰ|:::::::::::::...｜|ｺ | |　　　　　　　
　　　`iｰ‐|　　_｀ー―‐' | ﾄ.| | ﾄ､　　　　　　　　
　　 　 | /L　- '　ｰ-､　 V,,ン |　＼＿　　　　
　　　 /|　⊂ニﾆ⊃　|　∧　　|　　 ＼ ｀ー ､_　　
_ -‐/　 |　 　≡　 　　/ 　ヽ.｜ 　　　|￣｀―､　
.-‐/ 　 └┼┴┴┴ ′　／l| 　 　 　|　　


(　＾ω＾)「！」

ξﾟ�听)ξ「！」

ざわ・・・

　　　 ＿､―-､／└ ''Ｚ__　　　　　　
　　_.ﾆ‐　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　
　　フ 　 　 　 　 　　　　　　 ヽ　　　　　　　　フフフ………
　　７ /|ハ/＾)ﾉヽ八ﾄ､ 　　 　 !　　
　　7ｲｰ ,,_ｰ---‐_,,. -ヽ　　　｜　　　　　　　　ギリギリじゃねえか………
　　　｣ﾆ::-_'l___l''__-=二.|　r-､ |　　　　　　　　　　
　　 .|::::::....,ゝｰ|:::::::::::::...｜|ｺ | |　　　　　　　　　　今日は逃すと一生ねえようなビッグチャンスの日だ
　　　`iｰ‐|　　_｀ー―‐' | ﾄ.| | ﾄ､　　　　　　　　
　　 　 | /L　- '　ｰ-､　 V,,ン |　＼＿　　　　　　気を引き締めていったほうがいいぜ……
　　　 /|　⊂ニﾆ⊃　|　∧　　|　　 ＼ ｀ー ､_　　
_ -‐/　 |　 　≡　 　　/ 　ヽ.｜ 　　　|￣｀―､　
.-‐/ 　 └┼┴┴┴ ′　／l| 　 　 　|　　


ξﾟ�听)ξ「わかってるわよ！さっさと船に案内しなさい！」

　　　 ＿､―-､／└ ''Ｚ__　　　　　　
　　_.ﾆ‐　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　
　　フ 　 　 　 　 　　　　　　 ヽ　　　　　　　　フフ………
　　７ /|ハ/＾)ﾉヽ八ﾄ､ 　　 　 !　　
　　7ｲｰ ,,_ｰ---‐_,,. -ヽ　　　｜　　　　　　　　ツン君乗船……と……
　　　｣ﾆ::-_'l___l''__-=二.|　r-､ |　　　　　　　　　　
　　 .|::::::....,ゝｰ|:::::::::::::...｜|ｺ | |　　　　　　　　　　それに……
　　　`iｰ‐|　　_｀ー―‐' | ﾄ.| | ﾄ､　　　　　　　　
　　 　 | /L　- '　ｰ-､　 V,,ン |　＼＿　　　　　　ククク、やっぱり来たな…ブーン…！
　　　 /|　⊂ニﾆ⊃　|　∧　　|　　 ＼ ｀ー ､_　　
_ -‐/　 |　 　≡　 　　/ 　ヽ.｜ 　　　|￣｀―､　
.-‐/ 　 └┼┴┴┴ ′　／l| 　 　 　|　　


(　＾ω＾)「……っ」

(　＾ω＾)「お、お前達なんかにお金を払う為に勝ちに来たわけじゃないお……！」

(　＾ω＾)「勝ってｶｰﾁｬﾝに楽させるんだお……！」

これは良スレ

　　　 ＿､―-､／└ ''Ｚ__　　　　　　
　　_.ﾆ‐　　　　　　　　　　｀ゝ　　　　
　　フ 　 　 　 　 　　　　　　 ヽ　　　　　　　　フフ、まぁなんでもいいさ…
　　７ /|ハ/＾)ﾉヽ八ﾄ､ 　　 　 !　　
　　7ｲｰ ,,_ｰ---‐_,,. -ヽ　　　｜　　　　　　　　さぁ、手続きは済んだ……
　　　｣ﾆ::-_'l___l''__-=二.|　r-､ |　　　　　　　　　　
　　 .|::::::....,ゝｰ|:::::::::::::...｜|ｺ | |　　　　　　　　　　乗りな………！
　　　`iｰ‐|　　_｀ー―‐' | ﾄ.| | ﾄ､　　　　　　　　
　　 　 | /L　- '　ｰ-､　 V,,ン |　＼＿　　　　　　別名『希望の船』……このエスポワール号に……！
　　　 /|　⊂ニﾆ⊃　|　∧　　|　　 ＼ ｀ー ､_　　
_ -‐/　 |　 　≡　 　　/ 　ヽ.｜ 　　　|￣｀―､　
.-‐/ 　 └┼┴┴┴ ′　／l| 　 　 　|　　


(　＾ω＾)「この？船はどこにあるんだお………？」

ξﾟ�听)ξ「あ、あれ！」


ブーンは目を凝らし、女の子が指を刺す方向を見つめる。

そこには闇に溶ける真っ黒な、大型の旅客船が佇んでいた。

これは良い

(；＾ω＾)「真っ黒で気付かなかったお……」

ξﾟ�听)ξ「………ねぇ、どうやらあんたもあの船に乗るようね」

(　＾ω＾)「お……そうだお、確かツンさんって言うんだお？よろしく頼むお！」

ξﾟ�听)ξ「馬鹿言わないでっ、あの船に乗る以上、私達は敵なの…！」

ξﾟ�听)ξ「私は絶対勝たないといけないの……あんただって容赦しないから覚悟してなさい！」

(；＾ω＾)「おっおっ………」


そう言うとツンはブーンより先を行き、乗船する。

暗い海と黒い船、その船に乗り込むツンの後姿は、

まるでブラックホールにでも飲み込まれていくように見えた。


(　＾ω＾)「………」

(　＾ω＾)（怖気付いてはいられないお…！）

(　＾ω＾)（ｶｰﾁｬﾝの為にも、自分の為にも、絶対勝つんだお……！！）


そしてブーンもまた、その全てを飲み込むブラックホールのような世界に足を踏み入れた。

ざわｗｗｗｗｗｗｗざわｗｗｗｗｗｗｗｗ

　　　　 　　　／_ノ '　ヽ_＼
　　　　　　／（≡） 　 （≡）＼
　　　　 ／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
　　　　 |　　　　　|r┬-|　　　　　|
　　　　 ＼ 　　 　 `ー'´ 　 　 ／
　　　　　／　　　　　　　　　　＼
　　　　 (　 |　　　　　　　　　 |　 )
　　　　　＼|　　　　э　　　　|／
　　　　　　 (　　　　,,,,　　　 ,ﾉ　　　　　　　第一話
　　　　　　　＼　 ､(Ｕ)ﾉ　ノ
　　　　　　　　 ＼／　 ／　　　　　　　　　　　　┼ヽ　 -|r‐､.　ﾚ　|
　　　　　　　　 ／　 ／＼　　　　　　　　　　　　ｄ⌒)　./|　_ﾉ　 __ﾉ　
　　　　　 ⊂⌒＿＿）＿＿）

なんでそのAAを持ってくるんだｗｗ

支援

続きは休憩挟んで今日中に後で再開する

普段はこういったストーリー物のスレは読まないが
これは面白い
福本漫画が好きなせいかもしれんが

いちおう保守

ほ

ほ　本当は高学歴なんだからね

し　しっこ行きたい

ゅ

hosyu

期待

ほしゅ

☆

ツンが船井になるのか！？

だが安藤

ほ

ほ

ら

こないだ書いてたな

ほしゅ

ざわざわ…

僕らは未来の手の中