【ショタ】ダメ…僕……男の子だよぉ……あ…んっ…【12月】
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『はるくんが大すき』 高松市牟礼小2年 多田裕紀 全国小中学校作文コンクールより:
「お母さんよりひろくんがすき。」大きな声で、弟がぼくにだきついてくる。これだからこまるんだ。こういわれるとぼくの心はにんまりしてしまう。
弟のわがままはすべてちょうけし。(まあいいか。)となってしまう。
ぼくは、弟がかわいくてたまらない。弟は四さいで名前は「はるき」。家ぞくみんなから「はるくん」とよばれている。はるくんは、ぼくに一ばんなついてるんだ。
ぼくは、四人兄弟の二ばん目で、上に四年生のお兄ちゃん、下に一年生の妹もいる。はるくんは、一ばん下の弟だ。お兄ちゃんはおつもいばってる。
「のけ。」とか、「あっち行っといてくれ。」と、えらそうにぼくに言う。ぼくは、(お兄ちゃんがのいたらええやんか!)と心の中で思う。でも、ぼくは言わない。
お兄ちゃんには、けんかも、やきゅうも、じゅうどうもかなわない。だから、だまっている。
妹はなまいきで、ちょっとしたことですぐなく。だから、めんどくさい。
このあいだ、ぼくは、一人で三十分もかけてつみ木でおしろを作った。ところが、となりのへやからはるくんが走ってきてけとばしてガラガラガッチャーン。
ぼくは、いつもはおこらないけど、その日は三十分もかけて作ったのでくやしくて、「こらー。」 とどなりながら、思いっきりおいかけた。
すると、はるくんはなぐられるとおもったのか、「いやー。」と言いながら、すごいいきおいでへやの中をにげまわる。
さい後は、りょう手で頭をおさえてソファーの上で小っちゃくなった。ぼくがうまのりになったら、
横目でちらちらぼくを見て「たたかないで。」の顔をしたので、ぼくはおかしくなってわらってしまった。するとはるくんは、「やったぁ。」といいう顔で、にたぁとする。
二人で大わらいして、もうなかなおりだ。
妹だと、きっとこうはいかない。 はるくんはしゃべり方がかわいい。 ぼくが車のぬり絵をやっていると、はるくんが横から言う。
「はるくんも、えろえんぴつでぬっていい。」 お兄ちゃんもぼくも口をあんぐりあけて、 「えろえんぴつー。」
「色えんぴつやろ。」と声をそろえて大わらい。 「もう一回、色えんぴつって言って。」というと、また大まじめな顔で、「えろえんぴつ。」と言う。
ぼくははっきり言えないのがおもしろくて、なん回も言わした。ちょっうしにのって、いつも言えない「キウイ」も言わした。そしたら、やっぱりいつものように、
「キュウリ。」 また、わらわれて、とうとうはるくんは、「もう言わん。」 とすねてしまった。 ごめん、ごめん。はるくん、ちゃんと言えるようになるといいね。
でも言えないままの方がおもしろいからいいかも。
はるくんといると、ハプニングでいっぱいだ。このあいだ、ぼくがじゅうどうのれんしゅうに行ったときのこと。
いつもはるすばんをしているはるくんが見にきた。わざをかけ合うれんしゅうをしていたら、はるくんはしあいとかんちがいして、「がんばれひろくん、がんばれひろくん。」
とりょう手をふって、なん回も大きな声でおうえんしてくれた。まわりの人は(あれー?)というかんじで見ている。ぼくは、うれしかったけど、ちょっとはずかしかった。
よるねるといも、ぼくたちはいっしょだ。 はるくんは、ふたりでふとんに入るとよく「ちんちん、かいて。」と言って、ぼくに体をすりよせてくる。「いいよ。」
と言ってかきはじめると、すぐにしずかになる。ねたかなと思っててをひっこめると「まだだよ」というふうにせなかでおしてくる。まだかと思ってかいてやるけど、
ぼくもねむくてたまらない。でも、はるくんがねるまでがまん。はやくねてくれよ、お兄ちゃんはつかれる。
お母さんはいつも、「はるくんんをあまやかしたらいかんよ。」と言う。ぼくは「あまやかす」のいみがよくわからない。だってぼくは、お兄ちゃんだもの。
してあげるのはとうぜんだ。 もし、はるくんがいなかったら、妹のことをかわいがっていたのかな。でもやっぱりはるくんがいないのはつまらない。
はるくんが、ぼくの弟でよかった、お母さんにわるいので、ぼくは小さい声で言うよ。
「お母さんより、はるくんが大すき。」