1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
どれ……試してみるかのぅ……代理を
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:13:15.83 ID:QdzzC8HxO
>>1 代理乙です
平日の夜にながらでだらだらと実験的な作品投下
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:16:12.10 ID:QdzzC8HxO
ドクオは旅人である。
('A`)「次の国は……ああもうすぐだな。」
この世界に旅人は珍しくない
('A`)「歴史博品館は役に立つ。五世紀前の地図もあるとは。」
彼が未来人であることを除いては―――
('A`)旅人ドクオとそれに纏わる話のようです
第一話「コオリノセカイ」
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:16:19.96 ID:f9g5ciOJO
ながらしね
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:17:39.85 ID:cjW+6hG7O
期待してやろうじゃねーか
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:19:39.22 ID:QdzzC8HxO
ドクオの生きている時代では時代旅行は一般的である。
だが世界各国の関係が冷え切っていた五世紀前の時代に来る者はそうそういない。
('A`)「うう寒。」
タイムトラベラーには一つの決まりがある。
それは『歴史を変えないこと』である。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:23:18.41 ID:QdzzC8HxO
歴史を捩曲げることによっての世界崩壊の危機は今まで幾度となくあった。
特に過去へのタイムトラベラーはなるべく
大きな事を起こさないように自重するべきだと言われている。
そんな状況で旅人をやっているドクオは、やはり異質な存在だろう。
('A`)「しっかし北国は寒いな。」
ドクオは雪の中を歩んでいく。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:24:11.03 ID:Iz2+bltiQ
これはwktkせざるえないな
がんばれ
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:26:28.01 ID:QdzzC8HxO
ドクオが向かっているのはずっと先の国なのだが、
途中で氷だらけの国があると聞き、そこにも寄るつもりだった。
('A`)「しっかし凄い雪だな。」
ドクオの視界は白で塗り潰されていた。
しかしかなりの時間歩いたところで段々と雪が止んでいき、そして―――
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:30:45.65 ID:QdzzC8HxO
('A`)「おお……」
ようやく開けた視界にその国はあった。
いや、国というよりは集落に近い規模だ。
頑丈そうなレンガ作りの家が国への入口である門から見えた。
('A`)「旅の者だ。しばらく滞在させてほしい。」
从 ゚∀从「こんなところに良く来たな。少し待っててくれ。」
門番らしき人物はそう言ってどこかに向かった
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:34:00.19 ID:QdzzC8HxO
やがて門番が一人の老人を連れ戻ってきた。
从 ゚∀从「こちらが長老だ。」
そう言って門番は自らの職務に戻る。
/ ,' 3「旅の人よ、わざわざご足労じゃったな。私の家に招待しよう。」
そう言って長老は返事も待たずに踵を返し進んでいった。
ドクオもそれに付いていく。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:38:09.23 ID:QdzzC8HxO
長老の家は門からあまり遠くないところにある、豪華なレンガ作りの家だった。
暖房が効いていたのでドクオは上着を脱ぎ、差し出された椅子にかけた。
/ ,' 3「商人以外の者が訪れるのは久しぶりだ。ゆっくりしていきなさい。」
そう言って長老は笑った。
('A`)「少し喉が渇いたのですが……」
/ ,' 3「そうか、それなら……」
そう言って長老は外に出ていった。
ドクオも上着を取り、追いかける
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:42:16.36 ID:QdzzC8HxO
/ ,' 3「ここじゃよここ。」
長老が指差しているのは一つの大きな水瓶だった。
口の部分に遠くから続くホースが挿されている。
/ ,' 3「雪や氷の解けた水を集めておるんじゃよ。」
('A`)「……溢れてますね。」
ドクオの言う通り、水瓶からは水が溢れ続けていた。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:46:21.90 ID:QdzzC8HxO
/ ,' 3「うむ……最近水の量が増えての。」
('A`)「…………。」
/ ,' 3「?どうかしたか?」
('A`)「いえなんにも。」
そう言ってドクオは水を飲んだ。
当然のように鋭い冷たさが口に響く。
('A`)「冷たいですね……。」
/ ,' 3「そうか?みんなこの水で身体を洗うぞ?」
慣れという物は恐ろしいものである
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:50:45.57 ID:QdzzC8HxO
長老の家に戻ったドクオは外の世界について幾つかの話をした。
その後で長老からこの国についての説明があった。
この国は海の上に出来た氷が地面代わりだということ
時々来る商人が食料などは持ってきてくれること
それらの食料を保存できるように加工するのが主な仕事だということ
そしてその商人が今日来るということ
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:54:18.72 ID:QdzzC8HxO
('A`)「その商人と話すことは出来ますか?」
四つ目の質問の後でドクオが聞いた。
/ ,' 3「構わんが……どうしてだね?」
('A`)「いえ少し興味があるだけです。」
/ ,' 3「もうそろそろ来るはずじゃ……おう、あれがそうじゃよ。」
門の方向から一人の人間が見えた。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:57:42.47 ID:QdzzC8HxO
/ ,' 3「取引もわしがやるから一緒に行くかい?」
('A`)「お願いします。」
二人は門の方向へと歩いていく。
lw´‐ _‐ノv「あ〜長老さんどもどもです。」
/ ,' 3「じゃあ今日もいつも通りで。」
lw´‐ _‐ノv「はい、毎度ありがとうございます。」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 20:58:23.88 ID:S3BsvNk10
ながらでもしえん
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:01:44.02 ID:QdzzC8HxO
僅かな言葉を交わした後、お互いの商品を交換する。
どちらも食料がそのほとんどだった。
/ ,' 3「おお、それとの。商人さんや。」
lw´‐ _‐ノv「はい?」
/ ,' 3「こちらの旅人さんがあなたと話がしたいそうじゃ……」
('A`)「…………」
何故かドクオは無言だった。
lw´‐ _‐ノv「………」
商人も無言で門から出ていこうとする。
それを合図と受け取りドクオも門を潜った
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:05:11.65 ID:QdzzC8HxO
門を出てからしばらくして商人は立ち止まった。
lw´‐ _‐ノv「君が何を聞きたいのかは良く分かるよ。」
おもむろに口を開く
lw´‐ _‐ノv「何故あんな意味の無い取引をするのか気になるんでしょ?」
('A`)「そうです。あの程度の加工ならどこの国でもやれるハズです。」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:08:36.05 ID:QdzzC8HxO
lw´‐ _‐ノv「……まあ君は旅人だから良いか。」
そう言って商人はとある一箇所の雪を払い始めた。
lw´‐ _‐ノv「これが理由だよ。」
商人の指差す先にはぽっかりと穴が空いていた。
大した深さでも無く、その向こうには海水らしきものが漂っている。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:11:55.67 ID:QdzzC8HxO
lw´‐ _‐ノv「これがこの辺にはいくつもある。」
('A`)「あんたまさか……」
lw´‐ _‐ノv「察しの通り、氷を採らせてもらってるのさ。」
lw´‐ _‐ノv「この辺の氷は非常に綺麗で、彫刻用などに非常に人気があり、高価なのさ。」
ドクオは歴史博品館で映像資料として見た氷で出来た鶴の彫刻を思い出した。
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:14:47.00 ID:QdzzC8HxO
lw´‐ _‐ノv「これが私の本業。まあ食料の方はショバ代みたいなものかな。」
言いながら商人は採氷作業にとりかかる。
lw´‐ _‐ノv「にしても最近氷が薄くなった気がするな……」
('A`)「っ!!」
商人の言葉でドクオはある言葉を思い出した。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:15:46.51 ID:pPyyQXFo0
支援
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:18:26.90 ID:QdzzC8HxO
惑星温暖化
いわゆる温室効果ガスの影響により惑星の温度が上昇する現象だ。
そしてそれが始まったのは……
('A`)「五世紀前だ……」
ドクオの表情は青ざめた。
そう考えると水の溢れ返った水瓶にも合点が行く。
ドクオの脳内に遠くは無いであろう最悪の光景が浮かび上がった。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:21:03.43 ID:QdzzC8HxO
('A`)「…………」
しかし、ドクオは特に慌てるでもなく静かに口を開いた。
('A`)「あなたの来た国は向こうですよね?」
lw´‐ _‐ノv「そうだよ。あまり遠くはない一本道だ。」
('A`)「ありがとうございます。それではお仕事頑張って下さい。」
そう言ってドクオは足早に歩き出した。
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:21:48.28 ID:pPyyQXFo0
しえん
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:23:58.73 ID:QdzzC8HxO
('A`)「…………。」
旅人ドクオはタイムトラベラーである。
彼に未来を変えることは許されないのだ。
('A`)(ああなる運命なんだ……。)
しかし、ドクオは一つの勘違いをしている。
『本当の未来』がどっちかなど彼には分かるはずも無いのである―――
第一話 了
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:26:30.59 ID:QdzzC8HxO
本日の投下は以上です。
読んでくれた方、支援して頂いた方ありがとうございました。
一応『少し長めのショートショート』といった感じなので短めですね。
次回投下は多分週末になるかと。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:27:34.51 ID:pPyyQXFo0
>>1乙!
期待してるぜ
こういう旅ストーリー大好きなんだ
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:36:52.46 ID:8RK4QiT60
ながらの割りに早かったなw
乙
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 21:38:37.70 ID:HzjA9lv20
乙