新ジャンル「チャンバラごっこ」

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
女「ねぇねぇ」
友「ん、なに」
女「お前の血をこの刃に捧げるのだぁ」   ――ぶんぶん
友「丸めた新聞紙振り回すな」
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 17:44:43.43 ID:TI95SRNL0
女「血塗られた材質で造られた剣なので、血を求めるのはむしろ自然」
友「あー。一面はあの通り魔大量殺人かあ」
女「わかったら死んでね」   ――すぱぁん
友「いたっ」
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 17:44:43.84 ID:aBYHbuVX0
は?


























は?
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 17:44:56.70 ID:6Jr5hZ5P0
こ、これは・・・流行らないし面白くない
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 17:50:43.90 ID:TI95SRNL0
女「一千のごきぶりをほふって魔の力を宿した妖刀だぁ」   ――ぶんぶん
友「汚なっ。やめてっ」
女「鉄の刀だと人間をいくら斬っても汚いなんて言われないのに」
友「妙なことに平等感を持ち込まなくていいから」
女「ごめんね。ほんとは作り立ててまだごきぶりは叩いてないんだ」
友「ならいい。今後も叩かなけりゃなおいい」

女「剣がけがれたぁ」   ――すぱぁん
友「言ってから人を叩くなっ」
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 17:57:40.84 ID:TI95SRNL0
女「わたしが名字帯刀で君が素手なのは、なんか悪いなぁ」
男「丸めた新聞スカートに差してると、腰回りが伸びるぞ」
女「君の刀も作ってあげるね」
男「いらん」

 ――すぽっ

男「天地の有情の恵みで十分だ」   ――ぺしぺし
女「やめてよぉ。ねこじゃらしでぺしぺししないでよぉ」
男「わかった」   ――ぺしぺし
女「やめてよぉ、やめてよぉ」



友(なんなんだこの二人)
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 18:01:05.95 ID:yq5hr5U7O
女「せっしゃがおあいて仕るぅ〜」

男「なんだお前」

女「突きッッ!!」シュッ

男「へおっ!?」
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 18:05:23.52 ID:yq5hr5U7O
女「男よ、お前とは共に勉学に励みたかったぞ……」

男「いいからその新聞紙捨ててシャーペンを握れ」

女「我が剣は魔剣か…やるせなきかな〜」ブンッブンッ

男「さっき教えたヘロンの公式を使えば……な?できたろ?」

女「やるせなきかなっ!」

男「おりゃさ」ベコン

女「剣が、剣がぁー!」
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 18:05:25.35 ID:TI95SRNL0
女「おなかがすいたのです」
友「雨に打たれる捨て猫を見る飢えた野良犬みたいな眼でお弁当見ないで」
女「ころしてでもうばいとる」   ――ぺしぺし
友「新聞で人をぶつなとお母さんに言われなんだか」
女「おもにからあげをうばいとる」   ――ぺしぺし
友「ばかっやめろ。せめてシシトウにしろ」
女「峰打ちで済ませている内におとなしくよこしてよぉ」
友「え、その新聞、刃があるんだ」
女「わたしの、心の中に」
友「なんだ、ないのか」
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 18:11:29.87 ID:yq5hr5U7O
友「鉄棒って小学生で終わりかと思ってたわ」

女「大きく、厚く、粗雑で……それはまさに鉄塊だった!」

友「え?鉄棒苦手なの?マジで?」

女「そんな事言っていいのかな?お前も苦手なんだろう、流れからして」

友「逆上がり位はできるよ、あんたと違って」

女「……無明逆上がり流!ていっ」ベコン

友「馬鹿に見えるよ?」

女「正直鉄棒くらいなら切れると思ったんだよ……」

友「馬鹿に聞こえるよ?」
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 18:13:39.80 ID:TI95SRNL0
女「おなかすいたなぁ」
友「お弁当の量、増やしてもらったら」
女「刈田狼藉でも働いてこようかなぁ」   ――ぶんぶん
友「新聞で人を脅しておかずとるなよ」


男「きゅうり、いるか」
女「ありがとぉ」   ――すぱぁん
男「いらないのか」 
女「武士は人の施しなんか受けない」   ――すぱぁん
男「そうか。じゃあ力尽くで奪っていくがいい」
女「きゅうりはきらいだよぉ」   ――すぱぁんすぱぁんすぱあぁん
男「なるほど。俺も嫌いだ」



友(なに、このやりとり)
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 18:17:06.79 ID:yq5hr5U7O
男「剣道って男女混合じゃないよね、普通」

友「いいんじゃない?体育だし」

女「きゃー!きゃー!」ブンッブンッ

男「女が喜んでる」

友「木刀だしね、紙じゃないしね」

男「女、そんなに振り回すと危な」
女「きぇー!」
女「ちょー!」
女「へいっ!」
男「」

友「あれは剣道なんて生易しいもんやない……殺人剣や」
女「カァァァァ!」クルッ

友「へいっ!」ズンッ
女「」パタリ
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 18:21:46.26 ID:TI95SRNL0
女「おなかがすいたのです」
友「君は年中飢えてるな。成長期か、高度成長期なのか」
女「お菓子をください。なければ買ってきなさい」   ――ずいっ
友「新聞で人脅すのやめなよお。けっこう痛いんだぞそれ」
女「痛くなければ武器じゃない、優しくなければ友達じゃない」   ――ぺしぺし
友「とりあえずそろそろ反撃させてもらうよ」   ――がさごそ


友「そんななまくらでこの物差しセイバーに勝てるt」
男「子供の遊びに真剣を振り回すのは感心しないな」

 ――しゃらしゃら

友「小判草を持った少年がなにかおっしゃっている」
男「そんな危険なものはこれで私が買い取ろう」   ――ひょい
友「あっ。物差し返せっ」
女「ねぇ、おかしちょうだぁい。はやくぅ」   ――ぺしぺし
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 18:24:00.10 ID:yq5hr5U7O
女「メェーン!」
男「……」カンッ
女「む、メーン!」
男「……」パンッ
女「コッメーン!」
男「……」スッ

友「男うめえ」
先生「経験者?」
友「知んね」


男「……」ベチッ
女「いっ…!」
男「……」ズボッ
女「ぐっ!」
男「……」バンッ
女「いだっ!!」

友「キレてるキレてる」
先生「あれワザとだな」

男「……」スパーンスパーンスパーンスパーンスパーンスパーン
女「いたいいたいいたい!!」
男「……」ベッヂィーン
女「あ゛ーっ!うわぁーん!」

友「あ、泣いた」
先生「はい止めー」
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 18:30:48.55 ID:TI95SRNL0
女「それでねぇ、渡辺さんが」   ――ぺしぺし
男「新聞で人を叩きながらじゃないと話ができんのか」
女「君が武士の魂を失ったのが悪いんだよ」

友「お。ちょうど魂がいっぱい生えてるぞ」
男「ほう、ねこじゃらし」   ――ぶちっ

女「そんななまくらでわたしに勝てると思うたかぁ」
友「なまくら以前におまえが卑怯すぎると思うんだけどさ」
女「死ねぇ。死んでわたしの心の中の部屋済みの身となれぇ」   ――ぶうん
男「モーションが無駄に大きい」   ――ひょい

男「士魂注入」   ――くいっ、さわさわ
女「ひぁうっ、あうぅ、ふわぁっ」
男「うん。思ったとおり、ねこじゃらしの先を背中に入れてみるとおもしろい」
女「おもしろくないっ。なんかこそこそわさわさしてるぅ。とって、とってぇ」
男「ごめん。嫌だ」   ――ぺしぺし
女「やめてよぉ。ねこじゃらしやめてよぉ。人の刀よけないでよぉ」   ――ぶうんぶうん
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 18:39:53.97 ID:TI95SRNL0
女「今宵の魔剣は京都新聞。昨日のスポーツ報知と同じと思うなよ」
友「あんたんち、いろいろとってんだなあ」


女「新聞屋さんで押し紙をもらってるだけ」
友「新聞業界はマジでいっぺん滅んだ方がいいかもわからんね」
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 18:47:22.52 ID:TI95SRNL0
女「死ねぇ」   ――ぶうん
友「いきなりかっ」   ――がしっ
女「あっ。刀つかんじゃだめだよ」
友「真剣白刃取りじゃい」
女「だぁめぇっ。失敗して指すぱあーん。血ぃぶっしゅうー。死んだー」


友「おまえさん、今年で何歳になった」   ――がすっがすっ
女「やめてぇ。蹴っちゃいやぁ」
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 18:57:32.39 ID:TI95SRNL0
女「ちぇーすとー」   ――ぶぅん
女「よけちゃだめぇっ」
友「君は身勝手にもほどがあるよね」

男「相変わらず技量が武器についていっていない」
友「いえ。新聞紙相応の技量じゃないでしょうか」
女「だまれぇ。しょせんは徒手空拳、いつまでも逃げ回れると思うなよぉ」
男「では遠慮なく反撃させていただこう」   ――ひょい
友「あ。ドングーリ」
男「ロック、オン」   ――ひょい、びゅんっ
女「いたいっ、やめて」
男「矢弾を刀で叩き落とせばいいだろう。
  現実を無視した漫画みたいに」   ――びゅうん
女「やめてよぉ、やめてよぉ、いじわるっ。いたい、いたいよぉいたいよぉ」
友「おまえも手加減して投げてやれよお」
男「金を積まれたって親を呼ばれたってごめんだ」   ――びゅうんびゅうんびゅうん
女「うわぁん、うわぁん、うわあぁん」   ――たたたっ
友「新聞捨てて泣きながら逃げてったっ」
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 19:05:51.41 ID:TI95SRNL0
女「どんぐりはねぇ、こりっと景気よく踏み潰して音を楽しむもので、
  人にぶつけるものじゃないんだよぉっ」 
友「あ、泣きながら戻ってきた」
男「一理ある」
友「あるのか」
女「わかったら投げるなっ。なーげーるーなーあっ!」   ――ひゅん
男「むっ」
友「こいつ逃げたふりして自分もどんぐり拾ってやがったあっ」
女「飛び道具で動きを封じ刀で首を掻き取るのが戦場の手順です」   ――ひゅんひゅん
友「この女、どこまで卑劣きわまりないんだよ」

男「別にいいけど」   ――ぱしっ
女「あっ」
友「丸めた新聞で払い落とした、だと」
男「どうした」
女「ずるいっ。現実じゃそんなの無理っていってたくせにっ」
男「こうも秋が高ければ、たまにはそういう日もあるさ」   ――すぱぁんすぱぁん




女「ううぅ。どんぐり踏んでも踏んでもいい音が出ないよぉ」   ――ぐじゃっ、ずりっ
男「出るまで帰さない。叩くのもやめない」   ――すぱぁんすぱぁんすぱぁんすぱぁん
友「じゃあ先に帰るわ」
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 19:14:15.21 ID:TI95SRNL0
女「鉄の刀は目釘や金属の展性の問題で意外と叩いてくる力に弱い」
友「そうなの」
女「ぎゅっとぎゅっと巻いた新聞を使えば、達人ならきっと鉄の刀にも勝てるはずだよぉ」
友「当てかたによっちゃ、そうかもね」
女「よし、ちょっと練習してくるかぁ」
友「え」



女「うわあんうわあんうわああん。いたいよぉいたいよぉ」
友「ねこじゃらしにすら勝てんのにいきなり剣道部に挑む馬鹿がいるかっ」
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 19:21:55.13 ID:TI95SRNL0
女「昔の人は斬るまねをしただけでちゃんと死んでくれたのに」   ――ぶんぶん
友「何年前のお話ですか」
女「最近のお子ちゃまはその辺のノリがわかんないから、
  簡単にバカやって大けがしちゃうんだよねぇ」   ――すぱぁん
友「いたっ」
女「剣士も生きにくい時代になったもんだよ」
友「おまえさん、はなっからまねなんかしねえじゃん」
女「みんながちゃんとまねで死んでくれたらいいのっ」
友「そしたら唐揚げ奪われ放題じゃないですか」
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 19:32:41.91 ID:TI95SRNL0
友「落ちてる栗のイガかあ。
  一度も中身があった試しがないんだよねえ。何でだろ」
女「でもこれなら勝てるかも」
友「駄目っ。人にぶつけていいのはどんぐりまでっ」
女「これなら当たらなくてもさすがにひるむだろうし、
  そこを新聞刀で今度こそ泣かすんだからぁ」   ――ひょい
友「君たち二人の脳みそってさ、
  新皮質の外側あたりにもいっちょ未知の、何やら腐った皮質があるでしょ」


友「うわ、このタイミングであいつきやがった」
女「そのキレイな顔を吹っ飛ばしてやるっ」   ――ひゅん
男「あン」   ――ぱしっ

友「蒲の穂で払い落とした、だと」
男「こいつはやることがわかりやすいから。それと」



女「ううぅ。いたいよ。いたいよぉ」
男「棘をおそれ、こわごわ持って投げるイガが怖いわけないだろ」   ――ばしばし
女「もう投げないよぉ。もう投げないから、イガ投げ特訓はもうやめてよぉ」
友(いやこいつがうしろを向いたとたん投げつけて、
  自分から死亡フラグを立てるさまがありありと眼に浮かぶ)
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 19:41:41.97 ID:TI95SRNL0
女「剣王震空牙っ」   ――ぶうん
友「は、なに」
女「いまとてつもない衝撃波が飛んだ」
友「そうか」
女「本物の剣ではけして飛ばない真空波も、新聞刀だと思いのままに飛ぶからいいよねぇ」
友「まさにチャンバラごっこの真髄ですな」


女「アバンストラッシュ・アローっ」   ――ぶうん
友「まあそいつで直接ばかばか殴りつけてくるよりはマシか」
女「追いついて、アバンストラッシュ・ブレイクっ」   ――すぱぁん
友「いてっ。人の話を聞けっ」
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 19:49:16.72 ID:wCwsgEJT0
じわじわくる
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 19:50:55.18 ID:TI95SRNL0
男「たまには真正面から打ち込んで殺してやるか」   ――ぶちっ
女「やめてよぉ。蒲の穂は固いからあたったら痛いんだよぉ」
友「毎日のように固く丸めた新聞を振り回しといてなんて身勝手な」

男「死ね」
女「そうはいくか。この剣の先を見よー」
友「そ、総理の顔写真、しかもカラーっ」
女「この写真が載ってる新聞を探すのに苦労しました」


男「力が二倍湧いてきたよ。不思議だ」
女「君は愛国心がないね」   ――こそこそ
友「人を盾にするなっ。あんたには友情がないのか」
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 19:58:44.93 ID:TI95SRNL0
女「ひまなときはばらせば時間つぶしになるよぉ」   ――ぱさぱさ
友「新聞なんか読んでておもしろいの」
女「スポーツ新聞のおえろいコーナーだけで作った刀だからだいじょうぶ」
友「明日から株式欄以外で作ってきたら、汁したたらせたハゼの枝でぶん殴る」
女「またまたぁ。ほんとは自分も興味津々なくせにぃ」
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 20:07:26.74 ID:TI95SRNL0
女「めーん」   ――すぱぁん
友「どうして新聞で人を殴りたがるのかな君って娘は」
女「新聞じゃなくてネットで情報収集するのが君の流儀なら、
  ネットを丸めて対抗すればいいじゃぁん」
友「どうやって」
女「めーん」   ――すぱぁん
友「やめいっ」
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 20:14:38.95 ID:f3c+48+00
女「受けてみろ、臨月殺法!!」
友「妊娠してどうする」
女「産まれるー」
友「何がしたいのかよくわかんないんだけど」  ――ばしっ
女「苦しむ妊婦を心配する人の優しい心を逆手に取った非情な技、―それが臨月殺法‥」
友「刀握った妊婦なんて怪しくて近寄らんわ」
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 20:15:21.98 ID:TI95SRNL0
女「でね、そこでこの新聞刀でサイコガンの弾道を弾いt」
友「サイコガンは実体弾じゃねえよ。ん、どした」

女「おまわりさんがいる」
友「こそこそすんなよ。なんかしたのか」
女「してないよぉ」


女「してないけど、ほら、腰に提げたこの新聞刀を見とがめられやしないかと」
友「銃刀法とは違う意味でなら見咎められるかもね」
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 20:18:11.49 ID:wCwsgEJT0
このシュールな阿呆さ加減…。
新ジャンルというものは、萌えばかりでは無いということか…。
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 20:19:07.62 ID:i7WLvpVuO
書いてみたいけど今のSSがおもろい
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 20:24:33.65 ID:TI95SRNL0
女「死ねぇー」   ――ちゃりんちゃりいん
友「自転車に乗って突っ込んできやがったよこの騎馬民族っ」
女「うりゃあ」   ――ひょい
友「あぶねっ」
女「ぬ」   ――ぶうん
友「新聞刀振り回すなっ。あぶねえっつうに」   ――ひょい

女「よけちゃだめぇ」
友「ふざけんな」
女「自転車の勢いがプラスされてるのに、なんで当たんないんだよぉ」
友「小回り利かないじゃないですか」
女「じゃあこのトライチェイサーで直接はねとばせばっ」
友「やってみろ。横から蹴飛ばして転(こ)かすぞ」
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 20:30:16.59 ID:f3c+48+00
女「今宵の拙者は一味違うぞ…」
友「それはどうでもいいから箸で蠅捕まえようとするのはやめて、店の人みんな見てるし」
女「剣豪の嗜みじゃ」
友「現代では不潔なだけだ」
女「賊め、捕らえたぞ!」
友「どうするの?それ…」
女「食べる?」
友「それも剣豪の嗜みと言うのなら、どうぞ」
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 20:31:58.56 ID:TI95SRNL0
友「あ。鳩がいっぱい」
女「新聞刀で無双ごっこしてくる」
友「いってらっしゃい」

女「死ねや雑魚どもぉ」   ――ぶんぶんぶん

友「鳩は反撃してこないからなあ」



友「でも半年以内に調子こいて烏に喧嘩売って反撃喰らって泣くな、あいつは」
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 20:40:02.91 ID:TI95SRNL0
女「丸めた新聞紙で人死に起きないかなぁ」   ――ぺしんぺしん
友「起きてたまるか」
女「これって起きそうで起きないものベスト3に入るよねぇ」   ――ぺしんぺしん
友「入んないよ」
女「じゃあ起きなさそうで起こっちゃうものベスト3」   ――ぺしんぺしん
友「ますますありえねえ」


友「待て、殺す気で叩いてんのか貴様は」
女「ちゃんと手加減してるよぉ」   ――ぺしんぺしん
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 20:47:57.68 ID:TI95SRNL0
女「段ボールで兜作ってきたよ」   ――すぽ
友「やめろ。かぶせるな」
女「脳にくる衝撃さえ我慢すれば、日本刀程度じゃそうそう斬れるもんじゃないから」
友「あいつかお地蔵さまでやれ」
女「あ、あ、兜脱いだら危ないよぉ」   ――ぶうん、しゃっ
友「うをえあぁあっ」


女「だからぁ、よける必要ないんだってばぁ」
友「いやおまえ、いま、がら空きの顔面を突いてきたよね」
女「刀で鎧兜は斬れないから、すきまをねらう練習」
友「新聞刀没収っ」   ――さっ
女「ああっ、泥棒、どーろーぼーおー」
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 20:56:05.19 ID:f3c+48+00
友「何やってんの?」
女「修行の集大成をみせてやる。――この岩を両断する!」
友「ふーん」
女「とあ!」 ――ばしゃ!
友「ダメじゃん」
女「せい!はい!とああ!」 ――べし!ぼし!べし!
友「もう新聞‥新聞刀ボロボロじゃん」 ――べしべしべしべしべし!
女「‥これを何年続けたら本当に両断出来るんだろうね」 ――べしべしべし
友「…死んでも無理だろうね」 ――べしべしべし…
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 20:58:26.09 ID:TI95SRNL0
女「なんのぉっ」   ――ぶんぶん
男「いいからもう死ね」   ――びしんばしんべしん
女「新聞刀は無敵なりぃっ」   ――ぶんぶん
男「俺は一回斬られたら死ぬ設定なのに」   ――びしんばしんべしん
女「ふところに、ふところに入りさえすればあっ」   ――ぶんぶん
男「おまえもうかなり脳漿とはらわたが飛び散ってるよ」   ――びしんばしんべしん



友「意外と強えぇな、背高泡立草の槍。ああ、あいつが弱いだけか」
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:01:04.28 ID:TI95SRNL0
女「スポーツチャンバラ(笑)があるなら、新聞刀が部活になってもいいと思うんだ」
友「人数集まんないよ。絶対」
女「家で新聞をとってる人は強制入部」
友「近所に住んでるだけで強制的に氏子にカウントされるようなもんですか」
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:02:42.06 ID:TI95SRNL0
女「大作先生のお顔が見えるように作った聖教新聞の新聞刀だよ」
友「学会員に対し特効ですね、わかります」
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:12:21.55 ID:TI95SRNL0
女「ほかの人のお弁当はほんとうにおいしそうだなぁ」
男「親におかず増やしてもらえ」
女「特に唐揚げこそはお弁当の王者だよ」
男「明日から毎日入れてもらえ」
女「唐揚げをよこさないと、こっちにも覚悟があるぞぉ」   ――ぶうん
男「ならば刀なき庶民の闘いを見せてやろう」   ――ぎゅっ

友「いまなにを握りつぶした」
男「存分に熟した洋種山牛蒡の実こそはまさに庶民の原爆」   ――にぎにぎわきわき
友「手ぇ黒っ。手黒っ」

女「やめてぇ。制服についたらとれにくそうな気がするぅ」   ――ぶんぶん
男「おまえは刀を抜いてしまった。ならば決着はどちらかの死以外にあり得ない」
友「やっすい命のやりとりだなあ」

女「めーんっ、めーんっ。死んだ。これで死んだぁっ。もう動いちゃだめぇっ」
男「そう、死んだ」   ――べったあ
女「やめてぇっ。そのお手々でほっぺたさわっちゃいやぁ」   ――すぱぁんすぱぁん
男「死人は痛みを感じない」   ――つつつつつぅ
女「やめてよぉ。ううぇえ。ふあぁ」
友「やめとけよ。また泣くよそいつ」
男「俺の中では泣かせるとおもしろいものベスト3に入っているからやめられない」   ――べたべた
女「うわぁんうわあぁんやめてよぉやめてよおぉ」   ――すぱぁんすぱぁん

友「おまえら仲がいいのかなんなのか」
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:21:18.05 ID:TI95SRNL0
女「新聞刀に宿った精がそろそろ話しかけてくる頃」
友「どんな精さ」
女「記事を書いた人がランダムで精を務めてる」
友「記者も迷惑な」
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:30:05.43 ID:TI95SRNL0
女「おーい、帰ろぉ」
友「新聞読みながら歩くとこけるよ」
女「そう思って油断してるところを、いきなり新聞刀の一撃がっ」   ――ぱさぱさぱさ

女「あっ、あっ。新聞っ、新聞ー」
友「無理に急いで丸めようとするからばらけるんだ」
女「風で飛んじゃうっ。いっしょにひろってっ」
友「いま君、殴る気満々だったよね」
女「殴らないからぁ。うわぁん、みんなばらばらのほうに飛んでくよぉ」
友「そういって平然と殴ってくるからねえ君って娘は」
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:38:22.63 ID:TI95SRNL0
女「でね、だからねぇ」
男「まあそういうこともある」   ――ぺた、ぺた

友(話しながらひっつきむしを背中にくっつけてる)
友(しかもなぜか割れたハートマークに)
友(止めるべきか)
友(でもどこまで気付かないものか見てみたくもある)

友(それにしてもにぶい奴)
友(スカートに差した新聞刀は飾りか)
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:39:44.87 ID:V9+BsNXw0
漏れら極悪非道のageブラザーズ!
今日もネタもないのにageてやるからな!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ∧_∧   ∧_∧    age
 (・∀・∩)(∩・∀・)    age
 (つ  丿 (   ⊂) age
  ( ヽノ   ヽ/  )   age
  し(_)   (_)J
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:46:47.21 ID:TI95SRNL0
友「白粉花の種採ってどうすんの。まだ黒くなってないよそれ」
男「このほうが少し大きいし、土の上に落ちたらちょっと見にわからないし」
友「またあいつにぶつける気か」
男「あいつんちの犬とあいつは俺の中で
  種をぶつけた時の反応がおもしろいものの双璧だから仕方がない」
友「まあおもしろいのは認める」
男「あいつなら当てられてもよけられず、
  地面を探してもなにを当てられたかわからない」
友「たぶんねえ。あんまり泣かすなよお」
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:55:01.88 ID:TI95SRNL0
男「あ」 
女「え、なぁに」   ――ひょい
男「いや」   ――もぞぅん
女「ひぁふっ」

友「なにもないとこ指差されてつられて覗くなよお」
女「ちくちくっ、ちくちくするよぉ。背中になに入れたのぉ」
男「充実した準備を整えてから相手の不意を突くのが孫子の兵法の神髄」
女「ねえ、なに入れたの。なに入れたのぉ」   ――もぞもぞ
男「死んだ人間に死因を説いても始まらん」
女「斬るぞっ。言わんと斬るぞぉっ」   ――ぶんぶん


友(人は背中にアザミの花入れられたら死ぬのかぁ)
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:04:28.59 ID:TI95SRNL0
女「段ボールを刀の形に切ったんじゃだめなんだよねぇ」
友「そういうもんですか」
女「新聞紙は武器、段ボールは防具。このすみわけこそが美しい」
友「そういうもんですか」
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:13:22.20 ID:TI95SRNL0
男「長い、長い闘いに決着をつけよう」   ――ずぼ
女「また背高泡立草っ。ちょっと待って、新聞刀巻き直すっ。長めに巻くから」
男「好きにすればいい」   ――ずいっ

女「よっしゃあっ。死ねぇいっ」   ――ぶうん
男「いつまでたっても動きが大味だ」   ――ひゅん
女「おっと、くらうかぁ」   ――ぺしっ


 ――ぱらぱらぱら


女「ああああああなにこれ、なにこれぇっ」
男「かっこつけて受け止めたりせず、ひたすら逃げるべきだったな」
女「いやっ、ついたっ、くついたっ、ひいぃっ、いや、いやあっ」
男「アブラムシこそはまさに夏草を鎧うもの」   ――ぶうんぶうん、べしんべしん
女「やめてぇっ、アブラムシやめてぇっ」
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:14:09.34 ID:cAz7PBG5O
次はあれか。アカマンマとイノコズチか
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:21:33.99 ID:TI95SRNL0
女「新聞刀こそはまさに攻防一体の無敵陣」
友「新聞のインクが手のひら通して脳みそにでも回ったのか」
女「なんでもいいから投げてみて」
友「なんでも、ねえ」

友「お。ピラカンサ」
友「このぐらいの大きさならぶつかっても泣きはしないか」   ――ぶちぶち

友「いくよー」   ――ひょいひょいひょい
女「新聞バリ、あ、あ、いたっ、待ってっ、投げるのはやい、はやすぎっ」  
友「丸めた新聞広げて盾にする気だったのか。っつかおまえほんとにとろいな」
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:22:55.22 ID:TI95SRNL0
女「新聞紙がなかったころはみんなどうしてたのかなぁ」
友「どうもしてなかったと思うよ」
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:24:55.06 ID:TI95SRNL0
女「そろそろなにかに勝ちたいなぁ」
友「無勝だったのか。いやわかっちゃいたけど」
女「だってごきぶりすばやいもん」
友「いくら丸めた新聞紙でも持ってる人間のスピード以上にはならないしねえ」
女「ありんこでも虐殺してこようかなぁ」
友「剣士を気取るなら、そういうむなしいことはやめておけ」
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:33:22.22 ID:TI95SRNL0
女「唐揚げを、もしくは唐揚げを、ぜんぶ、またはぜんぶよこしなさい」   ――ぶんぶん
友「おまえは唐揚げ食わんと死ぬんかい。ならば死ね、死んでくれ」
女「よこさずば斬る」  
友「メシ食ってる最中に遊ぶなってお母さんに言われなかったの」
女「メシは遊びか、いいや、生きるための戦いだねっ」   ――すぱぁん
友「いてえっ。やめんかマジで怒るぞっ」
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:35:58.72 ID:V9+BsNXw0
  ∧_∧   ∧_∧    age
 (・∀・∩)(∩・∀・)    age
 (つ  丿 (   ⊂) age
  ( ヽノ   ヽ/  )   age
  し(_)   (_)J
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:42:19.82 ID:TI95SRNL0
女「そろそろ飛び道具をこの刀でかっこよくはじき返せるようになりたい」
友「体育でソフトボールすら打ち返せたことのない人がなにをおっしゃる」
男「それならばちょうどいいのがなってるぞ」
友「いちじくって」
女「あ、このぐらいの大きさだと打ち返しやすそう」
友「ああそう」
女「ゆっくり投げてね」
女「おまえを泣かすのが趣味の奴にそんなこと言っても」

男「いくぞ」   ――ひゅうん
女「こぉいっ」   ――ぶぅん、すかっ、べちゃっ

女「あ」
友「ああ思ったとおり。しかもあのスピードと大きさで打ち返せてないし」
女「制服が、制服がぁ」
友「あ、あ、泣くな泣くなっ」
男「いや泣け」
友「てめえわかっててやったなあっ」
男「当然だ。泣かさいでか」
女「うわぁん。制服がびちょびちょ、びちょびちょぉ。あーんあぁーん」
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:46:55.24 ID:TI95SRNL0
男「イネ科の雑草はいいな」
友「そうですか」
男「下手に白刃取りしようものなら葉っぱで手を切ってしまうところがいい」
友「ああ」
男「イネ科雑草こそはまさに庶民の魔剣」
友「頭に庶民の、をつけるとなんでもしょぼくなってしまう件」
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:54:22.27 ID:TI95SRNL0
女「めーん」   ――すぱぁん
友「新聞刀はもうやめなさい」
女「でも少年ガンガンはさすがに丸められないから無理だよ」
友「いやそこはヤングな方のガンガンでいいだろ。
  なんで普通のガンガンなんだよあの魔界の厚みが出てくるんだよ」
女「かといってフリーペーパーだとなんかしっくりこないし」
友「言い方が悪かった。ものを丸めて人を殴るなと言いたいんだ」
女「武士の魂がうずくからそれは無理ぃ。ごめんね、ごめんねぇ」   ――すぱぁん
友「こいつ、京都伊勢丹の魔界階段のてっぺんから転がしてやりてえ」
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:58:39.30 ID:U7rvWmp10
チャンバラバンバンバン
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:02:20.92 ID:TI95SRNL0
女「じゃーん。
  あいだにチラシをはさむことで格段に強度を増したネオ新聞刀だぞぉ」
友(そうか。あいつはこいつのこういう馬鹿なところが見てて楽しいんだ)
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:09:44.33 ID:TI95SRNL0
友「あ、あいつ新聞刀忘れていきやがった」
友「いや。忘れていったのか捨てていったのかよくわからんな」
友「しょせん古新聞だし」

友「ん」

友「名前書いてる。マジックで名前書いてるよあの馬鹿っ」
友「これはむしろ拾われたときに恥ずかしいっ」
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:09:52.36 ID:V9+BsNXw0
hoge
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:17:26.26 ID:TI95SRNL0
女「さあ、こいっ」
友「なんだこの部屋中に散乱した新聞紙は」
女「これなら新聞刀を折られても、新しいの丸めていくらでも反撃できるぞぉ」
友「どこの剣豪将軍のまねごとだよ」


友「じゃあわたしも新聞刀で」   ――くるくる
女「いっとくけど君はそれ一本しか使っちゃだめだからね」
友「相変わらず卑怯全開ですな。まあ一本で十分だと思うけど」


友「せりゃあっ」   ――ぶうん
女「あっ」   ――ずるっ、すてぇん

友「てっきり新しい新聞丸めるのに手こずってる間にぼこられるオチかと思ってたら、
  まさか足下の新聞で滑ってこけて自滅するとは」
女「うわぁんうわぁん、いたいよぉいたいよおぉ」
友「はいはい、血は出てないんだから泣くな泣くな高校生」
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:25:52.77 ID:TI95SRNL0
女「新聞紙を丸めては圧縮し、圧縮したものを束ねては圧縮していったら、
  きっと弾丸さえもはじき返せる無敵の剣ができると思うんだぁ」
友「豆腐を無数に圧縮して作った鉄下駄といい勝負かもね」
女「大学で研究するから、アイデア盗んじゃだめだよぉ」
友「全入時代はもう来ていたんだなとこの時始めて気がついた」
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:33:36.84 ID:TI95SRNL0
女「棒手裏剣っ」   ――びゅん
友「ぐぇあ」

女「これは、いけるっ」
友「なにが手裏剣だっ。丸めてねじった新聞刀まんま投げただけじゃねえかっ」


女「だって新聞紙で普通に手裏剣折っただけじゃ風圧で届かないもん」
友「そもそも人に投げんでよろしい」   ――すぱぁんすぱぁん
女「やめてよぉ。新聞で人をたたかないでよぉ。いたい、いたいよぉ」
友「ねえ。君はほんとに自分の言動になんの矛盾も感じてないんですか」
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:33:38.98 ID:V9+BsNXw0
                                             (´д`)
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:35:01.99 ID:TI95SRNL0
どうやらまたおま(ry
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:36:07.90 ID:V9+BsNXw0
            し
      り          ま
   断                 す
お         ま   す        お
       し         !
            ,ハ,,ハ        断
      り     ( ゚ω゚ )
         ((⊂ノ   ヽつ ))    り
      断    (_⌒ヽ
       ε≡Ξノノ `J    し
         お      ま
             す
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:38:32.73 ID:DXcIXpQHO
我輩の登場はまだかね?
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:39:46.05 ID:TI95SRNL0
>>68

         【     な     ら     ば     死     ね     】




    ドゴーン!!!!     
      △   ___。  \从/               ハ,,ハ 。・゚
      ●つ【〔ロ=:(∈(二(@ >(ry 
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:41:53.01 ID:TI95SRNL0
女「のびろ如意棒っ」   ――ばさばさばさ
友「伸びて、ばらけたね」
女「新聞紙重ねて軽く丸めただけだしねぇ」   ――すたすた

友「ちゃんと拾って帰れよ」
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:49:15.68 ID:TI95SRNL0
女「めーん、めーん」   ――すぱぁんすぱぁん
男「おい」
女「なに。素手とか刃物とか、わたしより強いのは禁止だよぉ」
友(なにさまだこいつ)
男「たいしたことじゃない」   ――どぴゅっ
女「うわっ」
男「蜜柑の皮こそはまさに庶民のクラスター爆弾」
友「頭に"庶民の"つけるの禁止」
女「武器とは卑怯だぞぉ。堂々と勝負しろぉ」
友「どの口で言ってんだこいつも」
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:53:58.97 ID:TI95SRNL0
女「リレーのバトンでチャンバラしたことのない奴なんかいてたまるか」
友「いると思うよ、いくらでも。それと新聞紙振り回すいいわけにはならないから」
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:02:22.48 ID:o3x4sL5m0
女「あれ、わたしの新聞刀どこいったの」
友「新聞紙なら濡らして窓拭くのにちょうどいいからもらっといたよ」
女「きさまっ、武士の魂をなんと心得るかあっ」
友「掃除道具の箒が刀になるんなら、新聞刀が掃除道具になってもいいじゃない」

女「新聞刀、新聞刀ぉ」   ――がさごそ
友「ゴミ箱漁んなよ」
女「うわあぁん。わたしの新聞刀、新聞刀ぉー。返してよぉ、返してよぉ」   ――ゆっさゆっさ
友「だから新聞紙なんていくらでもあんのに、なんで泣くんだよおまえは」
女「あれじゃないとだめなのぉ。あれじゃないといやなのぉ。うわぁんうわあぁん」
友(うちの五歳のイトコとまるで思考パターンが変わらねえ)
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:08:43.83 ID:o3x4sL5m0
女「火縄銃完成」
友「いつもの新聞刀に輪ゴム引っかけただけじゃないですか」
女「ていっ」   ――ひゅん
友「いてっ。なにしやがるっ」
女「相手が死にきれずおそいかかってきたら、接近専用の刀に早変わりする逸品です」
友「自分はいくら斬られても死なない卑劣設定のくせになに言ってんだこいつ」
女「競技エアガン部にちょっくら奇襲かけてくるねぇ」
友「変な部活あるなあ、うちの学校」



女「うわあぁん、BB弾撃ってきたほんとに撃ってきた。ひどいよひどいよぉ。えぇーんえぇーん」
友「ギャグマンガ日和の聖徳太子より弱いな君は」
76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:11:36.39 ID:o3x4sL5m0
女「お互い新聞刀同士ならわたしのほうが確実に勝てるかも」
友「だーかーらー。
  ねこじゃらし持たれても勝てん奴が同じ武器で勝てるかっての」
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:13:26.20 ID:HkB1Lw/e0
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|、∧
|Д゚) ジー
⊂)
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78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:16:21.20 ID:o3x4sL5m0
女「ついに、念願の、七支刀を作ったぞ」
友「新聞紙で作っちゃったのか」

女「銘文もばっちり再現」
友「字だけ切り抜いて貼るなよ。なんか犯行予告文みたいだ」

女「どこに飾っとこうかなぁ」
友「ぱっと見、ゴミにしか見えないから困る」
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:23:26.88 ID:o3x4sL5m0
女「かっこつけて新聞刀を背中に差してたら汗吸ってふにゃふにゃになったよぉ」
男「そりゃあ濡れた靴の水分をとるのに使うぐらいだから」
友(白いワンピースに文字が写ってるのは指摘したら泣くからやめといてやろう)

男「服に文字が写ってる」
女「え、うそ、どこ、見えない、どこぉ」
男「万歳して」
女「ん」   ――ぐい
友「脱がすなあぁっ」

男「ほら、割とくっきり」
女「ほんとだっ。どうしよう、おちるかな、おちるかなぁ。ううぅ」
友「気付いてえ。いま半裸状態なことにい」
女「え。あ。うわあああああ、あああああああああっ」
友「こいつの知能は何歳で停まってるんだろうほんとに」


女「かえせぇ、服かえせぇっ」   ――ふにょんふにょん
男「本当にごめんな。ものすごく嫌」
女「おまえなんかにこの身をけがされてたまるかぁ」   ――ぼすんぼすんぐにゃ

女「まがったぁっ。うわあぁん。新聞刀まがっちゃったよぉ」

友「どうしよう、この娘、服脱がされたより新聞曲がった方が泣き声大きいっ」
男「だがそれがいい」

女「うわあぁん、うわあぁん」
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:26:48.66 ID:HkB1Lw/e0
  ∧_∧   ∧_∧    age
 (・∀・∩)(∩・∀・)    age
 (つ  丿 (   ⊂) age
  ( ヽノ   ヽ/  )   age
  し(_)   (_)J
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:32:30.79 ID:o3x4sL5m0
女「ふぬぬぬぬぬぬぬぅ」   ――ぐぐぐ


友「新聞刀を振るのに砲丸でも持ち上げるみたいな気合い入れんでよろしい」
女「どおおおうりゃあああああああっ」

 ――ぶぅんっ、ぐりんっ、ずざあああぁ

友「無駄に力入れすぎて身体ひねってこけやがったあっ」
女「ああーんああーん、いたいよぉいたいよーぉ」
友「あーあー、ほっぺたすりむいて。
  そんな気合い入れて何に衝撃波を飛ばそうとしてたの」
女「ううぅ」


女「うわぁーんうわぁーん」
友「君は構うとよけい泣き出すタイプですか」
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:37:22.51 ID:Oi9XOGj8O
女「卍解覚えたぞ、卍解」

男「何を言ってるんだお前は」
友「馬鹿に聞こえるよ?」
女「…見てろ!」

ビリィビリィ
女「卍解!」
男「外側の新聞紙一枚破いただけだな」
女「ふふーん、甘いな、よりゃさっ!」パコンッ
友「あだっ!?、このっ」ビスッ
女「めがっめがぁー!!」

男「どうだった?」
友「きつく巻いた新聞紙だった」
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:40:34.74 ID:o3x4sL5m0
友「はー。朝露に濡れた土手がなんだか心地いいねえ」
男「早朝の土手こそはまさに庶民の宝剣庫」   ――すぽ
友「まあたなんか知らんけど長い草を抜く」

男「抜けば玉散る氷の刃。これなん、村雨丸」
友「ああ。朝露にほどよく濡れてるねえ。
  で、犬塚さんの刀、この土手だけで何百本あるんだよ」
男「里見家のため、お前には死んでもらうしかないようだ」   ――ぺしぃんぺしぃん
友「君はいつから女装侍になったのかな、かな」
84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:42:18.64 ID:Oi9XOGj8O
女「へいっ!へいっ!へいっ!へいっ!ワンツーワンツー!」カサカサカサカサ

男「何してんだ」
女「私'sブートキャンプだ」

男「……クス」
女「……なんで笑った」
男「いや」
女「なんで笑った?」
男「笑ってないし」
女「なんで笑った!?」
男「だから笑ってな」

女「ドゥー!!」ズンッ
男「ぐっは」
女「これが抜き胴だ……どうだ?」
男「……クス」
女「ん?」
男「“胴”が“どう”したっ」

女「御免っ」
男「」
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:46:39.57 ID:o3x4sL5m0
女「物差しみたいな危ないものを刀にするなんて無分別な小学生のやること」
友「新聞刀に目盛りつけんなよ」
86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:49:30.49 ID:Oi9XOGj8O
友「スポチャンセット買ってきたよ」

女「心の知世っ!」
友「抱き付かないで、痛い、私の巨美乳が押しつぶされて超痛い」
女「……おもてへでろ」
男「十分校庭だぞ?」
友「これ頭のやつ被んなきゃだ、ほれ、パスっ女!」ポイッ

女「保身の鎧を身に付け勝てるとおもうなー!きえー!」
友「おらっ」ベッチン
女「む゛っ!……か、顔はなしに」
友「おっら」ベッヂン
女「へぶっ!……か、顔は」
友「おらっ」ベッヂンッ
女「がっ!…………ご、ごめ」
友「はい、頭のやつ付けてね」
女「うん」
87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:54:15.55 ID:Oi9XOGj8O
ガガガガガガガ

女「!」

女「しょぉぉーぶ!!」スチャッ
男「!?」
女「抜けぇ!臆したかー!?」

作業員「どうしたんだい?」
男「すいませんすいませんすいません」

男「早く工事終わんないかな……」
友「また女が反応したの?」
男「うん、あのおじさんが振ってる赤いのに」
友「あぁ……赤いあれね」


女『こぉーい!』

男「……行ってきて」
友「おけ」
88以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:55:03.05 ID:o3x4sL5m0
女「唐揚げちょうだい」   ――ぶんぶん
友「またかっ」
女「よろしい。じゃあ侍らしく勝負して、負けたらおとなしく引き下がろう」
友「あ、そう」   ――ひょい、ぱしぃん
女「いたっ」
友「やっぱ握力十三からは新聞刀奪い放題だわ」

女「フフフ」
女「しかし北國新聞は十二神将の中でも最弱」
女「あと十一人倒さねば、余の新聞大魔城への扉は開かれぬぞ」

友「何度やっても勝てっこないんだからやめとけよお」
友「それと趣旨が思いっくそ変わってるよ」

男「こうも春がぬるい日にはそんなこともあるさ」   ――もぐもぐ
女「あーっ、わたしの唐揚げとったぁ。とったあっ」
友「いや待ていつおまえのものになった、でもって貴様が食うっ」
89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:59:04.84 ID:Oi9XOGj8O
……ペラ……

女「五輪の書……?」



女「今日の私は一味違う」
友「いつもより馬鹿に見えるよ?」
男「今日はワイシャツだな」
女「…〜んヴァカかっ!?」
友「バカって言うな」ペシーン
女「ごめっ」

女「二刀流だ!」
男「そうか、作るのがいつもより二倍大変だったな」
女「ちがう、そこは問題じゃない」
90以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 01:03:06.65 ID:o3x4sL5m0
女「たたくより突いたほうがなんかいたそうだね」
友「力が一点に集中するからね」
女「やっぱり刀は斬るより突くほうが正しいんだぁ」   ――ずいっ
友「危ないからやめなさい」
女「ねらうは、鎧のすきまっ」   ――もそもそ
友「こらっ。服のボタンの隙間に突っ込んでくるなっ」
女「すきまアターック」   ――つんつん
友「やめんかっ」   ――ぐじゃ

女「教科書の角でなぐったぁ」
友「今度やったら椅子の脚でどつく」
91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 01:04:02.83 ID:o3x4sL5m0
女「凍らせた新聞刀ならあるいは無敵、おそらく素敵」
友「うまく作れたとしても、たぶん折れやすくなるからやめた方がいいよ」
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 01:05:53.00 ID:Oi9XOGj8O
カーン

男「さあ始まりましたCHANBARA2008、注目のカードです、解説・実況の俺です、よろしく」

女「あぁぁぁかこうなぁぁぁぁ〜わぁぁぁぁたたたたたたたたたたたしぃぃぃぃぃぃやっ!!」

友「青コーナー、妃天美剣流あたしー」

女「せいやっ」カサッ
友「ほっ」パンッ
女「だが私にはまだもう一本刀ガっ!?」
友「とやっ」ゴキュ
女「」パタリ


男「友○鳩尾キック●女」
93以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 01:11:33.93 ID:o3x4sL5m0
女「二十四身合体超新聞剣を作ったよぉ」
友「新聞で折り紙しただけにしか見えんのですが」
女「この二十四個の折り紙どもを開いて重ねて丸めると、あら不思議、新聞刀がっ」
友「こうも変わることなく馬鹿だと将来が不安になると共になんとなく安心しちゃうよ」
94以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 01:18:55.99 ID:o3x4sL5m0
友「雨だねえ」
女「雨はいやだよぉ」
友「新聞刀濡れるしね」
女「男の子が傘振り回して危ないのなんの」
友「長いもの振り回してると危ないよね」
女「うん。危ないよぉ」
95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 01:24:16.13 ID:o3x4sL5m0
女「しょーりゅーけーんっ」   ――ぴょーん

友「昇竜拳やりたいんなら新聞刀はおいとけ」
女「天井裏の忍者には槍、という固定観念を、わたしから崩していきたい」
友「ジャンプしてもまるで届いてなかったよ」
女「ぬぅ」


女「かといって刀を振って衝撃波を出すと天井自体が崩れちゃうし」
友「そもそも忍者自体いないんじゃないですかね。
  この教室の上はたしか家庭科室だし」
96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 01:32:12.34 ID:o3x4sL5m0
女「そろそろわたし以上の技量を持つ新聞刀少女がライバルとして現れるころ」
友「それだと世界のすべてがあんたの敵になっちゃうじゃないですか」

女「じゃ、じゃあ、新聞刀で真剣をへし折れるほどの人っ」
友「そんな技量を持つほどの人なら
  最初っからこんなこっ恥ずかしいもの振り回さないと思います」
97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 01:40:22.63 ID:o3x4sL5m0

  文化祭の出し物案

喫茶店            10
「なにもしない」をする    11
たこ焼き            6
新聞刀屋さん         1
秋の山野草展           1
女装コンテスト            3
告白代行               4
殴られ屋            0 



女「うちのクラスの連中はなにもわかってないねぇ」
友「何円で売るつもりだったんだこのアホの子は」

男「まあ子供に山野草の美は理解できんだろうな」
友「あれおまえか」


友「でもってほんとにこれでいいのか、うちのクラス」
98以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 01:49:22.41 ID:o3x4sL5m0

 ――からからからからから

女「ううぅ」
女「ぶ、武士は、武士はこんなものおそれはしないぞぉっ」
女「ううぅ」

友(停めてる自転車の後輪回して何やっとんだ)

女「ええーい、ままよっ」   ――ずいっ
女「あ」
女「あああぁっ」

女「はぁーっ、はぁーっ、はぁーっ」


友(新聞刀を挿して止めてみたかったのか)
友(にしてもじかに手で止めるわけでもないのに、びびりすぎだあいつ)
99以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 01:55:30.93 ID:o3x4sL5m0
女「新聞紙で鞘も作ってみたよぉ」
友「丸めた新聞紙に丸めた新聞紙つっこんでるだけだよね」






女「といわれたので、鞘のほうは糊で固めて色塗ってニス塗って仕上げてみたよぉ」
友「小学生の夏休みの工作みたいだ」
100以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 02:02:11.98 ID:o3x4sL5m0
女「どうしよう」
友「どうもしなければいいと思うよ」
女「新聞刀が妖しく光ってくれない」
友「だからどうもするなって言ってるでしょ」

男「こうも雲がだるい日には刃に魂が籠もらないことだってある」   ――ぶんぶん

友「その銀の刃は、茅萱かっ」
男「この切れ味もまたねこじゃらしに勝るとも劣らない」   ――つつつつ

女「ひゃふぅっ」
友「うなじを撫でるな」
女「新聞刀だってっ」   ――つつつつ

友「気持ちよくも何ともねえ上に人で試すなっ」
男「そういうことだ」   ――つつつつ
友「うゎあぅっ。やめんかっ。おまえもっ」
101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 02:05:36.97 ID:o3x4sL5m0
女「ぬっ」   ――ぶんぶん
女「むっ」   ――ぶんっ
女「おおおおっ」   ――ついつい


友「新聞刀の影で遠くのもんつっついてねえで帰るよお。暗くなるのはやいんだからあ」
102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 02:12:59.38 ID:o3x4sL5m0
女「あけましておめでとう。新聞」
友「お正月の新聞ぜんぶ丸めやがったっ」
女「持ちにくいよぉ」
友「もう刀じゃなく棍棒の一種だね」
女「うわあ、落ちた、ばらけたぁ」
103以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 02:20:19.12 ID:o3x4sL5m0
友「よっし。そろそろメシにすっか」
女「うーい」   ――がさごそ
友「新聞刀広げて敷くなよそもそもピクニックにまで持ってくんなよ」
男「そう。ピクニックで振り回していいのは枯れ木の枝と決まっている」   ――ぶんぶん
友「それも振り回しちゃ駄目っ」
男「ふん」   ――ぽい


女「はっ、しまった。武器を敷物にしちゃったら、いま忍者に襲われたら殺されるっ」
友「いたとしても忍者にあんたを襲うメリットがないね」

男「花輪手裏剣」   ――びゅうん
女「いたっ」
友「アカツメクサで花輪作って投げんなっ」
104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 02:28:41.07 ID:o3x4sL5m0
女「今宵の刃は血を欲しておる」   ――ねじねじ
友「新聞刀ちぎって鼻血に詰めるなよ」



女「なんか血の吸いがよくない」
友「そりゃティッシュに比べたら新聞紙は新聞紙だし」

女「今宵の刃は血をそれほど欲しておらぬ」
友「その日の気分で吸血率が変わる妖刀ってのもいやだなあ」
105以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 02:36:48.12 ID:o3x4sL5m0
友「なぜ、たかがぼんち揚げ一枚でこんなことに」
男「のちに世界を動かした大事件も、当初はたいていささいな理由で起こったものだ」

友「冬の田んぼ、見渡す限りの枯れた稲株」
男「その殺傷力は青葉のころの切れ味をあるいは優に上回る」

民明さん「そう云えば聞いたことがあるわ」
ギャラリー1・2「知っているのか、民明さんっ」

民明さん「古代社会における呪術の基本は等価交換
      豊穣を祈願するにはそれに見合う【生命】をささげる必要があったわ。

      そのため、冬季の空気がよく乾燥した日、
      稲株がよく乾き尖りきった頃を選び、罪人や奴隷に田んぼで相撲をとらせたの。
      敗者は稲株に裂かれ血を流し、
      その生命の力が田んぼに染み渡って翌年のみのりにつながると信じられていたそうよ。

      この風習は明治になって西洋風の農業技術が導入されるにつれて
      自然と廃れていったものの、
      今でもまだ密かに青年団の度胸試しなどで続いている地方があるとかないとか」

民明さん「民明書房『知られざる日本の闇 第四章 農村の奇習異習』より」
      
ギャラリー1「お、おそろしいことじゃのう」
ギャラリー2「そこまでして戦わねばならん理由があの二人にはあるというのか」
民明さん「ええ。もうこうなったら誰にも止めることはできないわ」

友「止めろよっ。っつかおまえら誰だよ」
男「たかがぼんち揚げ一枚でねちねち文句をつけてくるからだ」
友「文句はたしかにつけたけど、なんでこういう話に発展したのかが未だにわからない」
106以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 02:43:03.79 ID:o3x4sL5m0
女「なんとか体育祭実行委員に潜り込んだよ」
友「新聞刀でなんかくだらん競技やらす気だろ、そうだろ、え」
女「新聞刀風船割り競走とかぁ」
友「わりとまともだっ」

女「まず記事内の文字を使って指定された、
  たとえば"あれれー、わたしのおべんとうがないよぉ"みたいな特定の文章を作って、
  それから丸めてたたく文武両道競技」
友「おまえらしくなってきたっ」
107以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 02:46:53.55 ID:o3x4sL5m0
男「体育祭実行委員になりかわってきた」
友「おまえもか」
男「裏庭の山際の茂みのひっつきむし群生地帯に飛び込んで
  服についたひっつきむしの数を競う競技を通してきたから楽しみにな」
友「通したのかっ」
108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 02:59:15.87 ID:o3x4sL5m0
女「唐揚げ徴収タイムだよぉ」
男「断る」
女「痛い目みてまでなんで唐揚げごときにこだわるのかなぁ」   ――ぶうん
男「肉を人に奪われるぐらいならば少年は戦うべきだ」
友「やっすい闘魂だこと」
女「いいからちょうだいよぉ」   ――ぺしぺしぺしぺしぺしぺし
男「痛い痛い痛い痛い痛い」   ――もぐもぐ
友「この男、どつかれながら唐揚げ食ってやがるっ」

男「ごちそうさま。痛かったよ。あと耳はやめろ」
女「ごめんね。どうしても唐揚げほしかったの。ごめんね、ごめんねぇ。
  いたいのふーふーしてあげるねぇ」
男「気にするな」


友「少年、戦えよ」
男「今日はなんとなくめんどくさかったから仕方がないさ」
友「自由を犠牲にしてまで自由を貫き通すなんて、恐ろしい子っ」
109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 03:07:55.03 ID:o3x4sL5m0
女「いっぺん時代劇を新聞刀でやってみてほしいなぁ」
友「なにそれ」
女「この刀一本で天下を取ったあかつきには、NHKを脅して大河ドラマでやらせてみたい」
友「それまであるといいね、NHK」
110以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 03:12:27.66 ID:o3x4sL5m0
女「どうもあいつにいつもいつもしてやられるのは、
  わたしに反射神経が足りないからじゃないかと思った」
友「何かが足りないんじゃなくて、君には何にもないんだよ。気付け」
女「そこで新聞紙で反射神経をきたえようと思う」
友「便利だねえ新聞紙」



 ――びりびり

女「うぅ。うまく破れないよぉ」
友「裂けにくい方向に裂くのがあんたの修行ですか。まあ気が済むまで頑張れ」
111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 03:16:02.46 ID:v+SCHaTq0
もうすぐ陽が明ける、今日は何の日?↓↓

【国籍法改悪反対】国籍法改悪 外国人が大量帰化【日本死守】
http://jfk.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1226945080/
112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 03:36:51.48 ID:NNhMC/iP0
追いついた支援
113以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 03:43:21.52 ID:o3x4sL5m0
友「妙心寺の中を突っ切るたびに怪しい歩き方になるのは何なんだ」
女「この石畳の上を歩いてるとどうにも落ち着かなくてぇ」
友「は」



友「ああ、ああ。そういや時代劇でよく見る道だわここって」
女「このカクカクした道を曲がるたびに
  敵の侍の集団に取り囲まれそうで取り囲まれそうで」
友「君はいったい誰と戦っているんだ」
114以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 03:50:55.96 ID:o3x4sL5m0
女「うわあぁん、うわあああぁん」
友「なに。まあたあいつに泣かされたの」
女「暑いからぱたぱたしてって新聞わたしたら、丸めて殴ってきたぁ」
友「いつも君がしてることじゃあないですか」
115以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 03:57:18.51 ID:o3x4sL5m0
女「ふむ」   ――くるくる

女「少ないがとっておきたまえ」   ――すっ
友「ありがとう」   ――すぱぁん


女「ぶった」
友「新聞なんか突っ込むなっ。
  人の胸の谷間に丸めて突っ込んでいいのはお札だけだっ」
女「突っ込んでほしいんだぁ。えろい子だなぁ」
友「ふんっ」   ――すぱぁん

女「またぶったっ」
友「飽きたんなら自分で捨ててこいっ。人に処分を押しつけるなっ」
116以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 04:04:38.09 ID:o3x4sL5m0
男「新聞刀の先に山椒の葉っぱを仕込めば無敵なのにな」
友「はいはいわかったわかった。おうち帰って趣味の園芸でも見てなさい」
男「あいつんちの犬、山椒の葉っぱを突きつけると鼻がめちゃくちゃ皺になる」
友「小学生か君は」
男「小学生は山椒なんか知らん」
友「じゃあ君は、その、なんなんだ」
男「さあな。ただ"しゃしゃぶ"が"ぐみ"の方言だと気付いたのはつい一昨日だってことさ」
友「そうか」
男「ちなみにあいつの鼻も同じように歪むから暇があったら試してみるといい」
友「あいつ、飼い犬に似たのか」
117以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 04:07:03.68 ID:o3x4sL5m0
女「電車の中で新聞を読むリーマンのうち
  何人が武士の魂をスーツの奥に隠し持ったもののふなんだろうねぇ」
友「スイッチが入ったら一斉に新聞丸めて振り回し出すのか、あの人たち。やだなあ」
118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 04:15:22.88 ID:o3x4sL5m0
女「新聞刀をラップで巻いてもそうそう長くはもたないなぁ」
友「どうしても新聞じゃないといかんのか」
女「源義朝は丸腰のお風呂で襲われて殺されて、
  木太刀一本でもあったらっ、って絶叫したっていうしね」
友「誰があんたなんかお風呂で襲うのさ」


男「俺だ」
友「おまえかっ」
男「海で採りためてきた、たまに漂っていて巻き付かれると気持ち悪いあのひもみたいな海草。
  頭を洗っているときなどにあれを不意に巻きつけるとおもしろい声を出す」
女「やめてよぉ。あれほんとに気持ち悪いんだから、もうやめてよぉ」
男「それが嫌だから俺も困っている」
友「そっかあ。たしかにあれ、気色悪いもんねえ」



友「ところで君たち、高校生の男女だよね」
女「そうだよぉ。どうしたの」
男「放っておけ。春の虫がこうも重苦しく啼く夜が続けば、色々と想うこともあるさ」
119以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 04:17:05.47 ID:o3x4sL5m0
女「新聞のはしっこでお手々切っちゃったこの痛み、
  誰かに味あわせずにすむものかぁ」
友「まさか自分の新聞刀で怪我する馬鹿がいたなんて」
120以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 04:25:45.93 ID:o3x4sL5m0
女「ふむ」

友「カーネルおじさんに新聞刀持たすなっ」
女「こやつ、この笑顔の裏で今までに何人の罪なきものをほふってきたのか」
友「この人が屠ってきたのは人じゃなく鶏だから」
121以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 04:31:13.00 ID:o3x4sL5m0
友(亀相手になにやっとんだあいつ)



亀「じーっ」
女「さ、先に動いた方が殺られるっ」


亀「ぼー」
女「う、ううぅ」


女「こなくそぉっ」   ――すぱぁんっ
亀 ――ひゅっ



女「お、恐ろしい敵だった」
友「先に動いたほうが負けなんじゃなかったのか」
女「試合に負けて勝負に勝つ、とはこういうことさ」
友「君のチャンバラフィルターではこの亀が何に見えてたんだ」



亀 ――にゅうっ
亀 ――のそのそ
122以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 04:42:07.58 ID:o3x4sL5m0
友「思ったんだけどさ。新聞刀をも一回折ったら、手頃な棍棒になるんじゃないの」
女「ミルウォール・ブリックだね」
友「名前あんのか」
女「でも武士はそんな隠し武器みたいな卑怯な武器は使わないのだ」
友「言っちゃなんだけど、君ってけっこう卑怯だよ」
123以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 04:44:50.74 ID:o3x4sL5m0
女「今宵の刃は水気を欲しておる」   ――もそもそ
友「刀で濡れた靴の水気とるなよ」
124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 04:52:25.17 ID:o3x4sL5m0
女「おーもーいー」
友「縛った新聞も持てんのか。どれ」   ――ぐぐっ

友「ああ、こりゃちょっと重いわ。あんたじゃ無理だね」
女「でもこれを振り回せるようにならないとぉ」
友「いつもの新聞刀でいいじゃん」


男「新聞刀じゃ無理なんだ」
友「そうか。またおまえ絡みか」
男「畑で抜かれたまま放置されて半ば腐った聖護院大根は、新聞刀で叩き落とせる重さじゃない」
友「あんたなにを投げとるんだぁっ」
男「畑で抜かれたまま放置されて半ば腐った聖護院大根」
友「そうか」
125以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 04:59:56.25 ID:o3x4sL5m0
女「無性に斬りたい」
友「新聞刀でどうやって斬るのさ」
女「具体的にいうと、新聞紙最大のライバル段ボールに籠もった臆病者を
  外から新聞刀でぼこすか殴ってびびらせてやりたい」
友「相手が反撃できないと強気になるってのがもうなんとも君らしくていいよね」
126以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 05:06:49.29 ID:o3x4sL5m0
女「鉄砲作った」
友「また輪ゴム飛ばすの」
女「ちがうちがう」   ――ぶうん、ぱぁんっ

女「ね」
友「紙鉄砲じゃないですか」
女「これもまた新聞紙が生みだしてしまった悪魔の兵器」
友「弾、飛んでないじゃないですか」
女「心の弾だよぉ」
友「いま初めて聞いた日本語だ」
女「ねぇ。あたったんだから死んでよ。死んでよぉ」   ――ゆっさゆっさ

友「貸せ」   ――さっ
女「あ」

友 ――ぱぁんっ

女「え、あ、ちょっとっ」   ――ぶうん


女「はい残念っ、弾は新聞刀でまっぷたつぅ」
友「明らかに弾が命中してから抜いても間に合うとはすごい剣法もあったもんだねえ」
127以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 05:14:10.52 ID:o3x4sL5m0
女「たんぽぽだぁ」
友「おー。見事に群生してるねえ。真っ白ー」
女「衝撃波で吹っ飛ばしてやるぅ」   ――ぶわあぁ

友「綿毛に新聞当たってるだろ」
女「あたってないよぉ。
  ちゃんと衝撃波だけで綿毛飛ばしてるよぉ。よぉく見ててね」   ――ぶうん、ぶわあぁ

友「いやあ。やっぱ先っぽ当たってるって」
女「あたってないのっ。新聞刀から出る衝撃波が綿毛とばしてるのぉっ」   ――ぶんぶんぶん
128以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 05:17:07.64 ID:NNhMC/iP0
深夜に保守スレになってない新ジャンルとか久々に見たわ
激しく乙
129以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 05:24:57.65 ID:o3x4sL5m0
女「無敵の新聞刀でねこじゃらしに勝てないのは、
  わたしの体力不足もあるかもしれないなぁ」
友「あるかもというか、ほぼそれだけが原因じゃないのかなあ」
女「新聞刀はばらして新聞紙にすれば体だって鍛えられるんだぞぉ」
友「ねじって引っ張って腕の筋肉を鍛えるとか」


女「おなかにのせてそのまま落ちないように走る特訓っ」
友「ああ。空気抵抗で」





女「落ちるー」
友「根源的に駄目な奴だこと」
130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 05:28:21.93 ID:o3x4sL5m0
女「新聞刀同士で殴り合って、先に折れたほうの負けって遊びを思いついたよ」
友「当然、新聞刀の枚数は一緒だろうなこの卑怯者」
女「うん。負けたほうが唐揚げを献上するルールね」   ――折り折り

友「はーいストップぅ。新聞刀を折ってミルウォール・ブリック作んな卑怯者」
女「わたしが卑怯だってんなら、君はもちろん正々堂々と新聞刀でくるんだよね」
友(あれ、こいつひょっとしたら自分の言動の矛盾を感知できるだけの知能が
  元々備わってないのかも知んないぞ)

女「いくぞぉ。唐揚げぇ」   ――ぶんっ
友「でもまあ」   ――すぱぁん
女「あっ」

友「おまえ握力ないから、簡単に叩き落とせるんだよね」
女「こ、この場合勝敗はどうなるのかなぁ」
友「ノーゲームだろ。とりあえず頭一発しばかせろ」   ――すぱぁん


男「いきなり俺の頭になにをする」   ――もぐもぐ
友「隙を突いて人の唐揚げを食うなと言ってるんだっ」
男「欲しかったんだ。おまえがなんと言おうと。卵焼きももらう」   ――もぐもぐ
友「言ってもしばいてもまったくわからんところだけはそっくりだな君たち」   ――すぱぁん
男「すまんな、ほんとに」   ――もぐもぐ
131以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 05:40:41.53 ID:o3x4sL5m0
友「あいつもさ、おまえが振り回す草、しょせんは草なんだから引っつかめばいいのに」
男「あいつが掴むより俺が引くほうが速い」
友「だよねえ」
男「それとときどきイネ科の葉をわざと掴ませ手を切らせて、トラウマを植え付けている」
友「最っ低だな。引っかかるあいつもあいつだけど」
男「それにもし掴めたとして、どうなるものでもない」   ――ずぼっ
友「本日の雑草刀は月見草ですか」
男「こんな具合に中程から先が派手に枝分かれしたものを使えばいい」
友「一本掴まれても強引にちぎって引き戻せばいいわけか」

男「この日より人間はとかげをうらやむことがなくなったのだ」   ――つんつん
友「やめろ」
132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 05:50:42.82 ID:o3x4sL5m0
女「ううううぅ。ミルウォール・ブリックならぜったい竹刀を折れるはずなのに、
  わたしの力じゃ証明できないよぉ」
友「君のかわりに証明してやる気はないよ。いっとくけど」
女「剣道部の人も誰もかわりにやってくれないよぉ」
友「そんなことして竹刀買い換えたりしたら部の予算削られるのは確実だもん」
女「嫉妬してるんだ。竹刀が新聞刀に負けるのを認めたくなくて嫉妬してるんだ」
友「だといいね」
133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 05:56:39.55 ID:o3x4sL5m0
女「はやくっ。はやく人を集めて、ほんとに新聞刀部作んないとっ」
友「どしたあ。敵でもきたんかあ」


男「敵ではない。俺だ」   ――さわさわ
女「敵だぁっ」
友「長っ。なんだよその葭だか竹だかわからんような三メートル級のおばけ草はっ」
男「秋の高さに挑む川辺の葮竹(ダンチク)の気概がわからんか」
友「ああ、あれか。すすきの西洋種かなんかじゃなかったんだ」

男「葮竹長柄隊の前では新聞抜刀隊など猫になぶられるごきぶりほどのものでしかない」
女「ええい、新聞刀でへし折ってくれるぅ」   ――ぶうん
男「やらせるか」   ――ぺしぃん
女「ぶはっ。ちょっとぉ、穂ではたかないでよぉ。回り込ませてよぉ」
男「駄目だ」   ――ぺしぃんぺしぃん
女「やめてよぉ。回り込ませてよぉ。ふところに入らせてよぉ」
男「嫌だ」   ――ぺしぃんぺしぃん
友「こいつもこいつでよくまあ次々といろんな雑草見つけてくるよ」


友「しかもちゃんと腰に蒲の穂差して、接近戦の備えもばっちりじゃん」
134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 06:05:16.89 ID:o3x4sL5m0
女「必殺の武器を手にした男の子には秘密基地が必要だよねぇ」   ――ぶんぶん
友「いつ性転換したの」
女「よい意味での"少年の心"を持った"美少女"だよ」
友「いつ整形手術したの」
女「びいしょーおーじょぉ」   ――ぱしんぱしん
友「はいはい。新聞配達屋で住み込みのバイトしてくりゃいいじゃないですか」
女「それだと秘密基地じゃなくただの苦学生のような気がするんだぁ」
友(ちっ。馬鹿のくせに鋭い)
135以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 06:15:11.59 ID:o3x4sL5m0
女「エクスカリバー・レーザー対艦刀ぉ」   ――ばしんばしん
友「先生の車、新聞刀で叩くなよ」
女「だいじょうぶ。敵艦はぜんぶ一撃で撃沈してるから反撃はされない」
友「いや、何一つ大丈夫じゃないから」



女「うわやべっ、先生来たっ」
友「人間一人踏みつぶせんのですかこのインパルスガンダムさんは」
女「モビルスーツでは生身の師匠に勝てないよぉ」
友「別のガンダムが混じってますがな」
136以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 06:20:23.28 ID:o3x4sL5m0
筒「ねぇ」
女「ん、なぁに」
筒「サイコガーン」
女「チップスターの筒でなにやってんの」


女「あっ」   ――ぶうん

女「はい、かきーん。新聞刀ではじきましたぁ」
友「相変わらず反応速度が異常ににぶい奴」
筒「ぐりぃんっ。
  サイコガンは精神力のビームだから軌道を自由に曲げられるんでーす。はじけませーん」
女「すぱぁーんっ。心の眼で軌道を読み切り、みごとはじきましたぁ」
筒「はじかれてもまだビームは生きてまーす。油断したところを命中しましたー」





友「どうしよう。うちの学校、バカが三人もいたっ」
男「傘でもマシンガン代わりにして乱入すればいいだろう」   ――ふにふに
友「やめろ。ねこじゃらしでつつくな」
137以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 06:27:37.24 ID:o3x4sL5m0
女「アバンストラーッシュ」   ――ぶうん
友「はいそこ、掃除さぼらなーい」
女「お。ほうき刀で新聞刀に勝てると思ってんのか」
友「誰がやるかっ。チャンバラごっこじゃなく掃除をしろと言っとるのよ」


男「箒だと形状的に牙突のほうがしっくりくるか」
友「はいそこ、掃いてるそばからねこじゃらしの種ぽろぽろこぼさなーい」
男「いや。むしろ槍か」
友「おまえらなんでそろって人の話聞いてくれないの」
138以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 06:34:44.42 ID:o3x4sL5m0
筒「食べてよし、腕にはめてよし。
  サイコガンに勝る武器がこの世にあろうか。いいや、ない」
友「それはサイコガンじゃなくチップスターの話だよね、となりのクラスのおばかさぁん」
筒「サイコガーン」
友「こいつも人の話を聞かんな」


男「食べてよし、振り回してよし。
  イタドリに勝る武器がこの世にあろうか。いいや、ない」   ――むきむき、しゃりしゃり
友「あんたはもう山に籠もって出てくるな」
139以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 06:43:53.66 ID:o3x4sL5m0
女「一度でいいから新聞紙をくしゃくしゃにしてプールいっぱいにして泳ぎたい」
友「新聞刀で切腹してハムスターにでも生まれ変わればいいじゃない」
140以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 06:45:44.92 ID:o3x4sL5m0
女「んんんんんん」


友「ミルブリ見つめてどうした」
女「松明にどうかなあって」
友「あっちゅう間にお手々まで燃えるからやめとき」
女「嗚呼」


女「やはり拙者、この血塗られた修羅の道を突き進むしかないというのか」   ――ぶんぶん 
友「振り回す以外の用途はほんとにないのかね」
141以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 06:51:42.42 ID:o3x4sL5m0
女「めーん、めーん」   ――ぶんぶん
友「振り回すなよ危ないなあ」
女「いつ敵が出てきてもいいように、剣士は用心をかかさないのだぁ」
友「ほんとに出てきたらまず泣くくせに」

男「あ、蛇」   ――かさっ
女「えっ、あ、うそっ、いやっ、ああっ、あっちけ、あっちけぇっ」   ――ぶんぶんぶん
友「いてっ。むやみに振り回すなっ。こっちに当たるっ」

友「ただのでっかいねじれた豆の実じゃねえか」
男「このサイカチの実を蛇と言うかでかいなめくじと言うかで最後まで迷った」
友「そうか」
女「け、剣士を愚弄したなぁっ」   ――すぱぁんすぱぁん
男「すまん。この実を拾ったらどうしてもやらずにはいられなかった」
友「豆の実で半泣きになれる人材なんて初めて見たわ」
142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:00:36.59 ID:o3x4sL5m0
筒「サイコガー」
筒「あ」


女「どしたの」
筒「力の加減を間違えて、街一つ吹っ飛ばしちゃった。どうしよう」
女「だから自分の扱いきれる武器にしとけといったのに。ばかだねぇ」   ――ぺしんぺしん
143以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:06:37.71 ID:o3x4sL5m0
男「ただいま」
友「あっつう」
女「冷房っ。冷房っ」
男「俺んちの冷房だぞ。27℃以下は許さん」
女「冷房いきわたるまでお風呂いってくるぅ」   ――ぱたぱた

友「お風呂って、ここ、あんたんちだよね」
男「ああ」
友「なんで完全に我が家気分なのさ、アレ」
男「一緒に行くか」
友「行かないよっ」
男「じゃあ行ってくる」
友「マジか」
男「冷房を27℃以下にしたら葛の蔓で縛り上げるぞ」   ――ぱたぱた

友「なんであんなに自由なのかなあ、あの人たちは」


女『ひゃふぅ、やめてぇっ。濡れた新聞ぺたぁってしないでぇ』
男『新聞は濡れたらおしまい。そうやって自ら限界を設けてしまったのがおまえの死因だ
  濡れてからこそがこのように本領発揮なのだ』
女『やめてよぉっ。へんなところにはらないでよぉ。うわああん、うわああああぁん』


友「なんか、飲み物でも入れてくるかあ」
144以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:13:53.45 ID:o3x4sL5m0
女「この剣にも名前があればもっと強そうに見えるのになぁ」
友「新聞刀は新聞刀じゃないですか」
女「童子切安綱とか長曾禰虎徹とかそんなやつだよぉ」
友「今日の新聞刀は毎日新聞だから、"変態という名の紳士"でいいじゃないですか」
女「唐揚げを奪い取った名刀ということで"唐揚げ丸"と名付けよう」
友「大半は失敗してるくせに」


男「じゃあこの蒲の穂は"ティファ"ってことで」
友「どこの不思議系ニュータイプですか」
男「蒲の穂の学名だけど」
友「あ。さいですか」
男「不思議系ニュータイプってなに」
友「気にしないで」
男「なに」   ――ぺしぺし 
友「わかってて言ってるだろてめえっ。やめろっ」
145以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:20:50.67 ID:o3x4sL5m0
女「めーん」   ――すぱぁん
男「いたっ」   ――ぴしぴしぴしっ
女「いたいいたいいたいっ。種は卑怯っ。種禁止。むしろ草に触っちゃだめぇ」   ――ぶんぶん
男「わかった」
友「わかったのか」

女「殴っても蹴ってもだめぇ。いたいの全般的にだめったらだめぇ」   ――すぱぁんすぱぁん
友「おまえ、それは卑怯を通り越してもう新しい日本語が必要だろ」
男「わかった」
友「わかったのかっ」

男「ほいっ」   ――ぐいっ、ころん
女「ふぎゃ」   ――ずさぁ
友「おもしろいように転がされる娘だなあ」
男「そのまま上を見てみろ」
女「んあぁ」   ――じーっ

女「ぎゃあああああああっ。芋虫っ。芋虫がっ。芋虫がいっぱいいいいいいい」
男「おっと」   ――ぐいっ
女「あーっ、あーっ、足押さえないでぇ。放してぇっ。芋虫っ。いやあっ。うわぁん、うわあぁん」
男「地面にたまった大量の黒い粒を見れば、
  このくちなし木立にどれだけ虫がついているかは一目瞭然」
友「ああ。こいつらは葉っぱの裏にばっかついてるから」
女「いやあぁ、ああぁ、ごめんなさい、ごめんなさいするっ。ごめんなさいするからたすけてぇっ」
男「ごめんな。もう俺自身にもどうしようもないんだ」
友「たしかに草木に触ってもいないし、痛くもしてはいない。こいつ、プロかっ」
146以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:28:36.93 ID:o3x4sL5m0
女「んしょ、んしょ」   ――ざくざく
友「新聞切ってなにしてんの」
女「細く切ってね、あいつの汗かいた背中に入れたら、
  くっついて、とりにくくて、うぎゃあってなるんだぁ」
友「そうか。まあ頑張れ」
女「うん。頑張る」   ――ざくざく
147以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:36:55.14 ID:o3x4sL5m0
友「はあ、はあ」
男「どうした。そんなものか」
友「まだだ、まだおわらんよっ」


友「ここまででこっちの攻撃は1675じゃらし。あいつは」


男「まだたったの15ひまわりだ」


友「いまさらだけどさ。なんであんたがひまわりでこっちがねこじゃらしなの?」
男「逆でもいいが、それで勝てるのか」
友「いやそれはさすがに。あれ、やっぱ勝てないかな。んん」
男「そういうもんさ、きっと」

友「そもそもなんでこんな状況になってんのさ。ねえ」
男「その話はまた今度な」   ――ぶぅん
148以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:37:49.93 ID:1a8MTrdN0
|ω・`)
149以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:44:20.95 ID:o3x4sL5m0
女「新聞を細く丸めてコブシで握れば、立派なメリケンサックぅ」
友「そうか」
女「飛び散れ脳漿〜」   ――ぶうん
友「おまえが散れ」   ――ぴこん
女「あだっ」

女「デコピンは危険だから今後一切禁止ぃ」
友「脳漿とか言いながら腹を狙ってくる奴がなにを言う」 
150以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:45:25.83 ID:T/Zn4yNs0
ツマンネ
151以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:53:08.95 ID:o3x4sL5m0
女「めーん、すぱぁん、ざしゅうぅ、どすっ」   ――ぶんぶん
友「空気相手になにやってんだ」
女「影縫いに対抗した影斬りを考えた」
友「そうか」
女「ねぇ。何回も斬ったり刺したりしてるんだから、そろそろ死んでよぉ」   ――ぺしぺし
友「うらっ」   ――ひゅうん

女「ずるいよぉ。死んでよぉ」   ――ぽんぽん
友「いまあんたの影のどたまを蹴り潰したのが見えなかったのかな、かな」
152以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:55:08.07 ID:siqeuo1CO
女にいちいち癒やしを感じる
153以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:59:37.34 ID:o3x4sL5m0
女「新聞サックは当たればすごいんだよぉ」
友「とりあえず動かないそこの壁でも殴ってろ」
女「弁償するお金ない」
友「壁が砕けるより天が落ちてくる可能性のほうがまだ高いから心配すんな」
女「教唆犯のほうが罪が重いんだから、ちゃんと弁償してね」
友「へいへい」
女「死ねぇ〜」   ――どがっ


女「うわあんうわあぁん、いたいよいたいよぉ、指が指がぁ」
友「固めて曲げた新聞紙の、皺の山になった部分が食い込んだか。愚かな」
154以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 08:07:54.86 ID:o3x4sL5m0
筒「ん」
筒「んん」


友「なにやってんの」
筒「サイコガンの軌道を微調整中」
友「妄想上の光線をどう微調整すんのさ」
155以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 08:12:00.52 ID:o3x4sL5m0
女「ミルウォール・ブリックで日本刀を居合い折りしたいなぁ」
友「新聞紙にほんとにそこまで強度があったとしても、
  テクニックの問題であんたが手を怪我するのが目に見えている」
156以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 08:19:27.77 ID:o3x4sL5m0
男「ん」   ――じーっ

女「なにしてるのぉ?」   ――ぺしぺし
男「密生する撓垂雀茅(シナダレスズメガヤ)を、
  ちらっと見ただけでどこまでが一株か見極める鍛錬」
女「斜面とかによくぶわぁって植わってるやつだよねぇ」
男「土砂崩れ防止とかにな」
女「見きわめてどうするの」
男「となりの株まで半端に掴んでしまうと、抜くのに手こずる」
女「そんなにすばやく抜いてどうす 男「こうする」   ――こしょこしょ


女「やめてよぉっ。いつの間にか抜いた草でこしょこしょしないでよぉ」   ――すぱぁんすぱぁん
男「動くな。転ぶぞ」   ――こしょこしょ
女「ひゃうぅっ、いや、やめてぇっ。スカートの中はやめてぇっ」   ――ぞくっ、びくっ
男「どうした。その剣は飾りか」
女「ほんとにやめてよぉ。そこだめなの知ってるくせにぃ。やめてよぉ、やめてよぉ」

女「うっ、うぅっ。ひぃっく。ふえぇ」
男「別名ウィーピングラブグラス、すすり泣きの恋草とはよくいったもんだ」   ――こしょこしょ
157以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 08:26:53.89 ID:o3x4sL5m0
女「新聞武芸道場の看板は
  やっぱり新聞紙から切り抜いた文字で作らないとダメなのかな」
友「なんだよそのこっぱずかしい道場」
女「新聞が売れなくなった新聞社が生き残りをかけて開く道場だよ」
友「ジャーナリズムに命をかけた明治の先人が聞いたら悶死しそうな話ですな」
女「月謝は三千円ぐらいが適当かな」
友「そこは購読料と一緒なのな」
女「道場にいる人の半分は講習生じゃなく企業の勧誘員だけど気にしない」
友「広告依存体質もまんまなのな」
158以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 08:33:02.17 ID:o3x4sL5m0
女「電話帳の角とほぼ同じ強度を持ちながら、新聞刀のこの持ちやすさはどうよ」
友「すいません。お弁当ぐらいおとなしく食わせてください」
女「だいたい電話帳は持ちにくくて困る」
友「あれはそんなつもりで作られたご本じゃないと思うよ」
女「karaage or die ?」
友「いいかげんにしろ」   ――すぽん
女「あ」

友「電話帳だろうと新聞刀だろうと、あんたレベルの握力だと奪い放題なんだから」
159以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 08:36:32.10 ID:POUfU7VN0
パンチラごっこに見えた俺は目がおかしい
160以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 08:45:53.75 ID:o3x4sL5m0
>>159
その少年のような素直な心をいつまでも忘れないでいてください
161以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 08:46:47.14 ID:o3x4sL5m0
女「唐揚げを最初に作った人ってお母さんよりすごいと思う」
友「君のお母さん、なんかすごいのか」
女「ふふふ、今日は新聞刀をするっととられないようにちゃんとゴム手袋してきたぞぉ」
友「そうか」
男「なるほど」   ――ぐい

女「こら、放せ。刃を持っちゃダメっ。指切れた。ぜんぶすぱぁんと切れて落ちちゃいましたぁ」
男「こうも雲が速く流れる日にはそんなこともないさ」   ――ずるずる


友「握力以前に本人がもろすぎるから引きずられ放題だなあ」   ――もぐもぐ
162以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 08:52:59.75 ID:o3x4sL5m0
友「こないだ小学生が振り回すプラスチックのバットに負けてなかったか」
女「子供相手に本気を出すこともあるまいと思い、勝ちを譲ってやりました」
友「本気を出しても負けるんだから死力をふりしぼらないと危ないよ」
女「新聞刀が強すぎるのがいけないのです。原爆はむやみには落とせないのです」
友「そうか」




友「新聞刀でプラスチックバットが割れて、破片が自分に飛んできたらと思うと怖くなったんだな」
女「黙りなさい。剣士におそれなどないのです」
友「安心しろ、おまえにそこまでの腕力はないから」
163以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 09:02:19.13 ID:o3x4sL5m0
男「ちなみにあいつは中学の卒業式の日、卒業証書丸めて振り回してて折ってちぎった」
友「バカの極みか」
164以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 09:05:29.89 ID:o3x4sL5m0
女「ミルブリの頑丈さは防具に転用できないものかなぁ」
友「普通に服の中に新聞紙入れるだけじゃ保温にしかならないしねえ」
女「ちょい小さめのミルブリをたくさん編んで、ミルブリかたびらにすれば」
友「うわ、かっこわる」
女「鎖帷子より軽いのが魅力的」
友「でも雨に濡れたら終わりだよ」
165以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 09:12:56.50 ID:o3x4sL5m0
男「さて。ねこじゃらしと力芝、どっちを毛虫と偽ってあいつを泣かせてみたものか」
友「好きにすりゃいいじゃないですか」
男「もっと毛虫にふさわしい草を求めて山に行くか」
友「行けばいいじゃないですか」
166以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 09:20:53.09 ID:o3x4sL5m0
女「"ミルウォールのレンガ"の異名を持つミルブリならレンガにも勝てると思った」
友「勝てなかったのね」
女「レンガより安全、ミルウォール・ブリック」   ――ぶんぶん
友「硬いことは硬いんだからそうやたらと振り回すな」
女「当てるまねした時に
  ちゃんと脳漿ぶちまけた擬音立てて死んでくれたらほんとには当てないよぉ」
友「チャンバラごっこってのはそこまでのグロさを追求するもんなのか」
167以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 09:21:46.47 ID:BgEghXDV0
女「チャンバーラー
  チャンバーラー」
男「古い歌唄うな」
168以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 09:26:46.14 ID:o3x4sL5m0
そいつが〜おとこたちぃの〜
169以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 09:27:12.56 ID:o3x4sL5m0
女『おーい、おーい』   ――ぴんぽーん、ぴんぽーん

友「こんな夜中になんだよ」
女「ライトセイバー作ったぁ」   ――ぶうん
友「新聞刀に蛍光塗料塗ったくっただけじゃないですか」




友「まさか用はそれだけか」
女「せっかく作ったから斬りに来たよ」
友「ぶん殴るぞ」
170以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 09:33:12.15 ID:o3x4sL5m0
筒「飛ばないビームサーベルはただの棒きれだ」

友「なんかよけいなのも来た」
筒「夜はあなたとわたしとサイコガンの時間」
友「帰って。二人とも」



筒「サイコガーン」   ――ぴっ
女「光線出たっ」
友「いや、それ、懐中電灯持った上から穴開けたお菓子の筒持ってるだけだから」


女「円・月・殺・法〜」
筒「サイコガーン」

友「おまえらだけでやれっ。なんで二人して人を殺そうとするっ」
171以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 09:40:46.28 ID:o3x4sL5m0
男「魔剣が生えている」
友「魔剣って生えてるもんなの」
男「これなん、アメリカセンダングサ。俗称ひっつき虫」
友「魔剣だっ」

男「ああ、魔剣だ」   ――ずぼっ
友「待て、ひっつき虫まるまる一本振り回すのはさすがに無しだっ」
男「すまん。俺の心はすでに魔道に堕ちた」   ――つんつん
友「やめろっ、あいつにやれっ」
男「すまん。謝って済むことじゃないが、本当にすまん」   ――べしい、べしい
友「なんかこの人、すっごい図に乗ってきてるっ」
172以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 09:47:56.82 ID:o3x4sL5m0
男「もう諦めてその団子を俺によこせ」   ――ひゅん、ひゅん

友「なんでこいつら食い物にこうも意地汚いんだ」
友「くそっ、奴のピラカンサは底なしかっ」
友「こっちも飛び道具をなにか」   ――きょろきょろ


友「南天っ、おめえの力を借りるぞ」   ――ぶちっ


男「南天の枝か。あいかわらず貧弱な実ぶりだ」   ――ずらぁっ

友「ピ、ピラカンサの枝、だと」
友「ちくしょうっ。なんて実の付きだ」
友「弾が、弾が圧倒的に足りねえ」
友「だが渡さんっ。このおだんごは死んでも渡しはせんぞおっ」

男「ピラカンサだけだと思ったか」   ――すっ

友「と、トウネズミモチッ」
友「人はっ。人はたかがおだんごのためだけにここまで残酷になれるというのかっ」
173以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 09:54:46.95 ID:o3x4sL5m0
友「ところでその新聞、中味読んでるの」
女「"新聞"の記事が"新聞紙"のお役立ち度を超えたことは
  わたしの経験上いまだかつて一度もないかな」
友「そうか」
女「新聞記者はわたしの身を守ってくれないけど、
  新聞刀はいつだってわたしを悪の手から守ってくれる」
友「そうか」
174以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 10:01:54.11 ID:o3x4sL5m0
男「晩秋は魔術の季節」
友「あたま大丈夫か」
男「ほどよく枯れて棒立ちになっている草がいいのさ」   ――ずぼっ
友「枯れてると折れやすいし刺さりやすくて危ないから武器には向かんだろ」
男「違う。杖だ」   ――かっ


友「なにそのポーズ」
男「そうか。杖の先から魔法が出ているのが見えないのか」
友「魔法かよっ」
男「むかし競エア(競技エアガン)部相手にこの魔法で孤軍奮闘し勝ったりもしたもんだが」
友「よく付き合ってくれたな、でもって負けてくれたな。っつかなんの勝負したんだよ」
175以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 10:08:59.44 ID:o3x4sL5m0
筒「サイコガーン」
男「【魔法障壁】っ」   ――ぶうんっ
筒「サ、サイコガンが吸い込まれたっ」
男「いや。はじき返した」


男「と、枯れ草の杖はこんなふうに使う」
友「若干の認識のずれがあるようですな」
男「多少のずれは問題ない」
176以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 10:15:51.75 ID:o3x4sL5m0
女「あっ。その棒きれはまた魔法かっ。卑怯者ぉ」
男「ごめん。悪魔と契約してしまったから仕方ないんだ」
友(この人たちはいったいどういうノリで生きてるんだろう)


女「しかし魔法使いは直接攻撃に弱いっ。春を迎えることなく死ねえっ」   ――ぶうん
男「【バリア】っ」   ――さっ
女「ぱりーん。バリア突破〜」
男「【落雷の術】っ」   ――さっ
女「雷を帯びた剣で、ライデインストラーッシュっ」   ――すぱぁん
友(まるでルールがかみ合っていないのに楽しそうだなあ)
177以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 10:23:54.12 ID:o3x4sL5m0
男「特につる草が絡みついたまま枯れてる背高泡立草などは質のいい魔法の杖となる」
友「ああ。魔法の蛇に見立ててるわけね。設定の細かい奴」
男「この杖ならではの魔術に【死霊操兵】がある」
友「あんたら遊びにお金がかからなくていいねえ」
男「死霊をあらかじめ用意しておく必要があるのが面倒なんだけどな」   ――ぶちっ


友「その栴檀の実をどうする」
友「なぜこっちに狙いをつける」
友「死霊って、オイ、コラ」
178以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 10:27:53.82 ID:4iAdpUYdO
支援
179以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 10:31:09.85 ID:o3x4sL5m0
女「ミルブリ殺人事件〜」
友「むかしあんた言ってたけど、たしかに起こりそうで起きんわな」
女「起きてるよ」
友「マジか」
女「新聞社が必死で隠してるだけ」
友「そうか」
女「ネット時代になって、そろそろ表沙汰になってくるころだよ」
友「いよいよ新聞が規制される時代の到来ですか」
女「ナイフが規制されるなら新聞紙だって規制されなきゃ」
友「そうか」
180以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 10:38:26.23 ID:o3x4sL5m0
筒「サイコガンに剣で勝てると思うたかあ」
女「今日のわたしは鬼眼の狂。サイコガンごときが無明神風流に勝てると思うたかぁ」
筒「じゃあわたしはフリーザ軍のザコー。ザコでも地球に来たナッパよりは強いぞー」
女「ふふーん。トランクスの剣はメカフリーザすら一刀両断だよぉ」


友「子供かおまえら」
181以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 10:44:43.97 ID:o3x4sL5m0
女「スナイパーの夢は大統領狙撃」
友「そうなの」
女「じゃあわたしはなにを夢にしようかなぁ」   ――ぶんぶん
友「池田屋にでも湖池屋にでも討ち入ってりゃいいじゃないですか」
女「じゃあちょっくら職員室に討ち入ってくるね」
友「やめれ」



女「うわあんうわあぁん」
友「やっぱり泣かされて戻ってきたか」
女「競エア部が調子こいてエアガン没収されて怒られてて、解放の条件にわたし襲ってきたぁ」
友「先生やるうっ」
女「坂本龍馬だって鉄砲持ってても斬られたのにずるいよずるいよぉ。えぇーんええぇーん」
182以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 10:48:36.30 ID:o3x4sL5m0
筒「これ、サイコガンじゃなく空気大砲のほうがよかったかな」
友「ドラえもんのほうがコブラより強いと思ったらそうすりゃいいんじゃないですか。
  まあどうせお菓子の筒はお菓子の筒だしさあ」
183以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 10:54:12.22 ID:o3x4sL5m0
女「お寺の観音さんが持ってる蓮を新聞刀にかえたら怒られたぁ」
友「あたりまえじゃないですか」
女「蓮より新聞刀のほうが強そうなのにぃ」
友「あれは観音さまの慈悲の象徴であって武器じゃないから」



男「そうでもない」   ――ひゅんひゅん
友「やめろ罰当たりっ。蓮の種を飛ばすなっ」
184以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:02:11.51 ID:o3x4sL5m0
友「なんですかそのでっかい真っ黒のスイカさんは」
男「ダイナマイトスイカ。そういう名前だ」
友「ダイナマイトですか」
男「ああ。ダイナマイトだ」



友「逃げてー。馬鹿二人、今日のところはこいつにちょっかい出さずおとなしく逃げてー」
185以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:08:06.66 ID:o3x4sL5m0
女「競エア部員がうっかり武器丸出しで歩いてて捕まって怒られてるそばを通る楽しさったら」
友「新聞紙だもんね」

男「競エア部員がつい武器丸出しで歩いていて捕まり怒られているそばを通る爽快感」
友「雑草だもんね」

筒「競エア部員がうっかり武器丸出しで歩いてて捕まって怒られてるとこを通る楽しさときたら」
友「実際はサバゲー部員よりおまえらのほうが脳みそ危ない連中なのになあ」
186以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:15:35.36 ID:o3x4sL5m0
筒「サイコガーン」

友「ガンだから直接殴ったり投げたりしてこないだけマシだと思った時点でもう駄目なのかもしれんね」
筒「あれ、死なない」
友「殺さないで」
筒「ガンの調子が悪いのかなあ」   ――がさごそ

筒「サイコガーン」
友「のりしお味のをコンソメ味のに換えて何がどう変わると思ってんだ」
女「いやいや。京都新聞と河北新報ではまるで剣の妖力がちがうよ」
筒「ねー」

友「ごめん。さっぱりわかんない」
187以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:20:05.02 ID:o3x4sL5m0
男「男なら腕にはめるのは菓子筒ではなく鉤フックと決まっていた」
友「クズでフック付き義手を編み上げるなんて、あんたどこまで器用なんだ」

女「フック船長かっ。ピーターパンが成敗してくれるわっ」
友「ああ。永遠のガキか。ガキだよなおまえ」
女「ぬ。じゃあ義経−。こいつ平家でここ壇ノ浦ね」
友「チャンバラごっこってやつぁ設定が自由すぎるから困る」

男「ふんっ」   ――くいっ
女「ああっ」
友「おお。うまいことフックで新聞刀を絡めとるもんだねえ」

女「ええーい、こうなったら続きは海の底でつけてくれるわー」   ――ぐいっ
友「待て。なんでこっちまでひっつかむ」

女「死出の山の供をせよー」
友「なんで義経からいきなり敵の教経になってんだよっ」
188以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:25:27.58 ID:o3x4sL5m0
女「競エア部のエアガンってエアガンぶん投げたほうが弾よりよく飛ぶよねぇ」
友「さすがにそれはないと思うけど、条例でパワーを規制されたからねえ。
  その上十八歳以下はさらに規制されてるし」
女「でも新聞刀の衝撃波は扇状に百数十メートルだからよゆうで勝てるねっ」
友「チャンバラごっこの自由すぎるルールでスポーツエアガンに闖入しちゃ駄目じゃないですか」
女「エアガンにすら勝てんようであのあほに勝てるかぁ」
友「競エア部も変な連中に絡まれてかわいそうに」
189以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:43:05.35 ID:o3x4sL5m0
女「落ち葉ー」   ――かさかさ
男「ふむ」
女「新技思いついた。秘剣・木の葉の舞い〜」   ――ぶゎさっ
男「おっ」
女「ははははは。新聞刀なら扇子みたいに広げて落ち葉をすくってぶつけるのもかぁんたぁん」

女「このまま無数の木の葉のごとき斬撃に切り刻まれて死にたくなかったら降参するのだぁ」
男「いや、すまん」   ――がさごそ
女「あ、手でひろって投げたらただの葉っぱで、斬撃にはならないからね」
男「葉っぱじゃないんだ」
女「ひっ。ぎ、ぎんなんっ。だめっ。投げてもただのぎんなんで、弾丸にはならないのっ」
男「投げないんだ」   ――ぐちゅ
女「うわ、うわ、うああああああつぶしたああああ」
男「銀杏の香りこそはまさに庶民の臭気弾」   ――にぎにぎわきわき
女「やめてよぉ。ほっぺたさわんないでよぉ。あっちいけ、あっちいけぇ」   ――すぱぁんすぱぁん
男「ついでだから服の中にもまんべんなく塗っておこう」   ――もそもそべたべた
女「うわあぁん、やめてよやめてよぉ。だいっきらい、ばかぁっ、うええぇんうええぇん」
190以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:45:40.94 ID:o3x4sL5m0
男「どんぐりで競エア部と各種競技で勝負して勝った」
友「どんぐりで勝っちゃ駄目じゃないですか」
男「ああ。次からは小豆にする」
友「それで負けたら競エア部の皆さんもう自害するしかないじゃないですか」
191以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:48:07.94 ID:o3x4sL5m0
女「死ねやガキどもぉ」   ――ぶんぶん、どたどた
女「あーっ、だめぇ。鬼平はわたしがやるのぉ」
女「ちぃちゃんは上様やってろよぉ」




友「しょ、小学生相手に役をめぐって喧嘩って」
友「しかも上様VS長谷川平蔵って」
友「っつうか暴れん坊将軍より火盗改めのほうがあいつの中じゃ上なのか」
192以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:55:29.30 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その1】


VIP商事

女「武士枠で入社したはずなのに、社内帯刀禁止令が出てしまいました」
男「初めて聞いたよそんな採用枠!!」
女「殿中だから、だそうです。考えてみればそうですよね」
男「外回りの時は持ってていいんだ!?」
女「でもどうにも腰が落ち着かなくて」
男「なるほど」

クルクル

男「ほら。なんなら丸めた新聞紙でも持ってろ」
女「貴方は武士を何だと思ってるんですか」
男「お江戸のお侍さんだってお仕事中は刀をおいてたと思うよ」
女「それは……そうですが……」
193以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:56:01.48 ID:o3x4sL5m0
女「じゃーん」   ――ゆさゆさ
友「おっぱいに新聞紙詰めんな」
女「新聞紙じゃなくおっぱいだよ」
友「新聞紙じゃないですか」   ――さわさわ
女「落語家の扇子と剣士の新聞紙は設定次第でなんにでもなることになってるから、
  これも本物のおっぱいでいいのだ」
友「世間さま一般ではそれ、反則っていうから」
女「いかにセンスある反則をやらかしみんなでそれに乗るかがチャンバラの醍醐味です」
友「あんた自分に都合悪いときはまるで乗らないじゃないですか」
194以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:59:50.23 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その2】


女「しかしこれではいざ敵国の手が我が社に及んだ際、ろくな働きもできません」
男「そういう時は討ち入りじゃなく普通に買収してくると思うから、刀の出番はないって」
女「あうぅ……」

195以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 12:02:43.26 ID:o3x4sL5m0
女「アルミホイルの芯は刀だっ」
筒「いや、サイコガンだっ」
女「じゃあはめてみろよサイコガーン」
筒「はめてやらぁっ。はまったときがおまえの最期じゃー」



筒「はまった」
女「指にはめてその上からお手々にアルミホイルぐるぐる巻きにしただけじゃん」
筒「でも形はこの方がサイコガンっぽーい」
女「うぬぬぬぬぅ」
筒「じゃあ心置きなく死ね。サイコガー」   ――すぽっ

筒「う。サイコガンの先っぽに新聞刀をっ」
女「くくく。撃ってみろサイコガン。死なばもろともよぉ」
友(挿すんじゃなく新聞刀の先を広げてすぽっと覆うってのが技量のないこいつっぽい)


男「こういう状態のところを襲うのを漁夫の利という」   ――すぱぁんすぱぁん
女「やめてぇやめてぇー」
筒「ちょっ、こら、卑怯者ー」
友「校庭の藤棚も実を刀にされるために植わってるんじゃないだろうに」
196以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 12:06:01.61 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その3】


キャーゴキブリー!!!


女「……」

スパァン!!

男「おお……潰さず生かさず、絶妙の叩き加減で息の根を止めるとは」
女「この程度のことならば、得物が何であれ、たやすいことです」

グシャグシャ ポイ

男「しかも使ったあとお手入れ不要でそのままポイ!!」
女「そういえば医療用メスなども最近ではそうだと聞きますね」



男「……なあ。これはもう新聞刀のほうがいいんじゃね?」
女「そそそそれとこれとはまた別の話です!」
197以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 12:09:27.32 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その4】


女「……」

スラリ

女「……」

ペロッ

男「舐めるなよ、新聞刀なんか」
女「うわあああああっ!?」



女「刃もないし、大豆インク使用で舐めても安心だと思いまして……」
男「舐めてみたかったんだ……でも新聞紙だしねえ」
女「なんかざらつきます……」
男「新聞紙だしねえ」
198以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 12:10:21.38 ID:o3x4sL5m0
女「体育の創作ダンスは剣舞でいいかぁ」   ――ぶんぶん
友「待て。あれはグループだろ。他人を新聞紙音頭に巻き込んじゃいけませんっ」
199以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 12:13:18.73 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その5】


女「丸めた新聞紙を曲げてみたら、思いもよらぬ強固な武器が産まれてしまいました」
男「ミルウォールブリックか」

ブンブン

女「打撃力は申し分ないのですが、どうも、こう、鋼の刀の安心感溢れる重さがないと一抹の心細さが……」
男「オフィスの愉快な仲間たちとしては鋼の刀持たれてる方が心落ち着かないんですがね」

200以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 12:17:37.32 ID:o3x4sL5m0
女「変位抜刀霞斬りぃ」   ――すぱぁん
友「あでっ」

女「なぜ斬られたかわかるか、未熟者よ」
友「メシ食ってる最中に新聞刀で殴るな」
女「なぐってんじゃないの。斬ってるのぉ」
友「斬られちゃったら、わかるかもクソもないじゃないですか」
女「安心いたせ。峰打ちじゃ」
友「なんでもありな上に後付けだらけって、もうどうかと思うわ」


女「おまえのほうが唐揚げが多かったから斬られたのじゃよ」
友「そんなくだらん理由でいちいち飯時に辻斬りにあってたまるかっ」
女「ふふふ。唐揚げの油を吸いたいと、この刀が哭いておる」   ――すりすり
友「そんな妖刀ねえよ」
201以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 12:21:31.09 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その6】


女「新聞刀では切腹もできません」
男「あれって腹に当てたところを介錯人が斬るんじゃなかったっけ? 実際に斬れなくてもいいじゃん」
女「もしもの時はわたしの刀で、貴方に、介錯を頼もうと思っていたのですよ」
男「もしもの時は始末書でいいから」


女「ではミルブリで撲殺、という形で介錯を……」
男「いざとなったら辞表でいいから」

202以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 12:24:54.66 ID:o3x4sL5m0
筒「サイコガーン」
女「おっと、新聞紙に飛び道具がないと思うなよぉ。紙鉄砲っ」   ――ぱんっ

筒「実体弾では精神力の弾であるサイコガンには勝てませーん」
女「南無八幡大菩薩と念を込めた弾はどんな化け物だって防げませーん」
筒「化け物じゃないから南無八幡大菩薩無効ー」
女「残念でしたー。神仏の加護は武芸者同士の勝負にも有効でーす」
203以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 12:31:30.69 ID:o3x4sL5m0
筒「サイコガンの射程なら競エア部にも圧勝できるからある意味つまんないよね」
友「お願い。
  あんたらの珍妙なチャンバラルールを
  あの人たちの世界に持ち込むのはもうやめてあげて」
筒「エアガンもサイコガンもそんなに変わんないよ」
友「そういや競エア部でサバゲーもやってる人、愚痴ってたなあ。
  最近はサバゲーでもチャンバラごっこなみに"オレルール"な人達が増えてきたって」
筒「その"オレルール"同士が期せずしてかちっと噛み合う瞬間、
  それこそがチャンバラごっこの醍醐味なのよー」
友「以心伝心はもっと高尚な場面のために取っとけって」
204以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 12:34:36.06 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その7】


女「大変です」
男「注文書でもシュレッダーにかけちゃったの?」
女「新聞刀を腰に差していたら、文字がブラウスにうつりました」
男「ああ、汗でにじんでついたんだね……白いから……」

205以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 12:37:59.23 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その8】


課長「ねー。この、雨の日用のビニール傘袋、うちの課に大量注文したの、誰ー?」
女「……」


男「(鞘か……? 鞘にするつもりだったのか?)」

206以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 12:39:30.49 ID:o3x4sL5m0
筒「隙ありっ。サイコガーン」
女「うっ」



女「あぶなかったぁ。胸にミルブリ入れてなかったら貫通だったよ」   ――がさごそ
筒「背中から撃ったのに」
女「胸に入れてたらどっから撃たれても大丈夫なのが
  胸にものを入れといた場合の鉄のルール」
筒「サイコガーンっ。はい、今のは貫通したー。油断して出しちゃったのが命取りー」
女「あまぁい。死ねぇ」   ――すぱぁん
筒「ちょ、なんで生きてんのっ」
女「武士の魂を失った者にはわかるまい」


男「本体はミルブリで、こいつは操られているだけのゾンビだ。本体を奪えっ」   ――ひょい
筒「本体かっ」
女「あうちっ。死んだ」   ――ぱたり
筒「なんと。恐るべし、妖刀ミルウォール・ブリックっ」



女「でも死んでから五分以内だとお菓子を口に入れてあげるたら生き返るよ」
友「死人がしゃべるな」
女「むしろ入れとかないと、死んだ人はミルブリの呪いで吸血鬼化するよ」


友「おい、ちょっとそのミルブリ貸せ。杭の代わりに打ち込んどくから」
女「打っちゃだめぇっ。おーかーしー」   ――ばたばた
207以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 12:44:45.21 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その9】


男「ねえ。そこにあった新聞立て、何で刀掛けになってんの? でもって新聞ぜんぶ丸くなってゴムで留められてんの?」

208以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 12:45:49.69 ID:o3x4sL5m0
筒「くらえ。無敵のサイコガーン」
女「ふぅん」

筒「サイコガンだよー」
女「へぇ」

筒「よけても防いでもいないんだからちゃんと死ねよー。サーイーコーガー」

筒「はっ」   ――がさごそ



筒「しまった、このサイコガン、賞味期限が切れてたっ」
女「ちゃんと筒の底は確かめとこうねぇ」   ――ぶんぶん
筒「で、でも消費期限じゃないから大丈夫っ。サイコガンはまだ生きているっ」
女「なにっ」
筒「サイコガーンっ」
女「ぐはあっ」   ――がらがらがしゃあーん

友「ぐぇあっ、なんだいきなりっ」
女「実は死んでた」
友「死んでまで人に迷惑かけたら駄目でしょっ」
209以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 12:51:03.33 ID:4iAdpUYdO
女がかわいいな
210以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 12:52:29.78 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その10】


女「派遣戦士は刀を持っていてもいいのに……」
男「山田のり子さんはほら、別格なお人だから」

211以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 12:53:05.83 ID:o3x4sL5m0
女「めーん、めーん」   ――すぱぁんすぱぁん
筒「おのれ痴れ者っ、サイコガーンっ」
男「この川を流れる梅花藻こそは
  まさに天地の有情の声を聞かぬ者どもを絡めとる造化の業」
女「うわっ、べとべときたぁ。なんかべとべとしたもんきたぁっ」
筒「鞭かっ、鞭使いかっ。うわっやめろ気持ち悪いっ。
  あ、しまった、サイコガン放しちゃったっ」



友「うわあ」
友「エアガンで遊ぶ連中を見るのとはまた違った眼でお巡りさんが三馬鹿を見てるう」
友「なんか言いたいんだろうけどなにを言えばいいかわかんないんだろうなあ」
友「わかるなあその気持ち」
212以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 12:55:18.79 ID:3vX5tC6c0
小学生時代を思い出す良スレw
213以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:00:30.26 ID:o3x4sL5m0
男「天と地の有情の声に素直に耳を傾ければ一銭もかからんというのに」   ――ずぼっ
男「競エア部員は何を好きこのんで万円単位のおもちゃに血道をあげるか」

友「その雑草、先っちょに毛虫ついてるよ」
男「エアガンでいうと改造エアガンに相当する」
友「そうか」
男「しかしエアガンと違い警察に捕まることはない」
友「あんまりあいつ泣かしてるとたまには捕まるかもよ」
男「だからといって、いまさらやめられんさ」
友「そうか」
男「業、だな」   ――つい
友「毛虫をこっちに向けるなっ」
214以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:07:23.92 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その11】


女「ふんっ」

バシィン

ウイィ〜ン

課長「あ、コピー機直った」
男「やっぱり新聞刀は便利だねえ」

女「普通の刀でも峰打ちすれば同じことです」
男「でも鉄の棒で機械の箱を殴ったら曲がらない?」
女「ん……まあ、それは、元々、真剣は峰で叩くようには造られていないから……」
男「新聞刀なら曲がろうが折れようが新聞に戻るだけだしね」
課長「どれほど歳月を経ようと、新聞刀の便利さは変わらんのー」

女「あうぅ……こんな数打ち(量産品)の刀……」
215以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:08:36.21 ID:o3x4sL5m0
筒「今宵のサイコガンはちと和の香りがいたすぞえ」   ――ずいっ


女「うわっ、お茶っぱくさっ。うぎゃあぁ、お茶ビームぅ」   ――ごろんごろん
友「転げ回るな、邪魔っ」

女「だが、なんの、今宵の新聞刀も新聞紙のかほりっ」
友「それ、いつもの新聞刀じゃないですか」
女「たいへんっ。新聞刀だと匂いはいつも一緒だよっ」
友「だから、新聞紙なんだからあたりまえじゃないですか」
筒「ハハハハハ。無様じゃのう。新聞紙、無様じゃのう」
女「ねぇ、おさつで、おさつで新聞つくってっ。でないと匂い的にもう勝てないっ」
友「はったおすぞクソガキャァ」


男「そこでこのくちなし一輪の枝でフェンシング」   ――ついつい


女・筒「ぎゃあああああああああああああああっ」


友「ああ、くちなしは相変わらずよく匂うねえ。
  でもって最終齢っぽい芋虫つけたまま持ってくるんじゃねえよ」
男「くちなしとオオスカシバの幼虫は深い縁で結ばれているから仕方がない」
友「不快な縁だ」
216以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:13:09.51 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その12】


ギャー!!

女「ふ、ふ。安心なさい。峰打ちですよ、痴漢さん」
男「峰打ちになってないよ、それ」
女「打ち据える寸前にきちんと刃を返しましたが?」
男「いやだから新聞刀はどこで叩いても同じなんだってば」


男「つか社外でも新聞刀なんだ」
女「……」


女「ロッカーに刀%
217投下し直し:2008/11/18(火) 13:14:34.89 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その12】


ギャー!!

女「ふ、ふ。安心なさい。峰打ちですよ、痴漢さん」
男「峰打ちになってないよ、それ」
女「打ち据える寸前にきちんと刃を返しましたが?」
男「いやだから新聞刀はどこで叩いても同じなんだってば」


男「つか社外でも新聞刀なんだ」
女「……」


女「ロッカーに刀忘れました……」
男「もう駄目かも知れんねこのお侍さん」
218以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:15:38.17 ID:o3x4sL5m0

 ――ふぁさふぁさ

友「あ。斜面によく生えてるやつ」 
友「シナダレスズメガヤ、だっけ」
友「たしかに柔らかいなあ」   ――なでなで

友「んしょっ」   ――ぐいぐい


友「さすがに抜きにくいわ」
友「そりゃ砂防用の雑草だしね」
友「でもむかしあいつが普通に抜いてるの見たような気が」






友「何者だあいつ」
219以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:21:43.01 ID:o3x4sL5m0
女「あ。花束だぁ」
友「この辺で事故でもあったんかねえ」

女「いただきっ」   ――かさっ
友「おいおい、とっちゃ駄目だって」
女「めーん」   ――しなっ
友「それはチャンバラに使っちゃいかーんっ」
女「おお。このたのもしいもろさ。あいつに花束を持たせたらわたしにも勝機がっ」
友「ねこじゃらしとかチガヤに負けてるくせになにを言ってるんだ」
220以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:22:22.27 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その13】


女「腰の物を新聞刀に換えてからというもの、電車内で新聞を読んでいる人が不意に新聞を畳むたびに身構えてしま

います」
課長「社名に泥塗るようなことさえしなかったら、怯えるぐらい好きにしてもいいよー」
女「おおおおお怯えてなどおりません!!」
221以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:23:31.04 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その14】


男「ところで新聞刀を持たせた身としてこういう事言うのもなんだけど、お宅の厳格なおじいさまはなんかおっしゃってましたかね?」
女「新聞など左右の違いはあれど、どれも国を売らんとする輩の読むものと、かなりご立腹です……」
男「ああ、怒るポイント、そこなんだ」

222以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:28:58.99 ID:o3x4sL5m0
友「また何かおかしなもの持ってきたよこの人」
男「BB弾が飛んだら芭蕉扇の風で扇ぎ返す。なにもおかしくはない」
友「どっから調達してきたのさ、このでっかいバショウの葉っぱ」
男「町内のどこに何がいつどう生え、咲き、実り、枯れるかぐらいは把握してるさ」
友「勝手に採ってもいいのかなあ」
男「このバショウは廃屋に生えているやつだから大丈夫だ」


友「BB弾って」
男「競エア部の弾をちょっと、な」
友「あんまり理不尽なチャンバラルールでいじめてやるなよお」
223以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:30:51.94 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その15】


女「弘法筆を選ばず。新聞刀しかないのならばそれなりに使いこなしては見せるのがもののふの意地」

スパァン

グニャ

女「ふむ」
課長「社のバレーボール部に乱入して何をしてるのかなー」
女「どの程度の物を、如何ほどの加減で斬れば刃が曲がるのか、詳細に知っておく必要があります」
課長「その熱意はおもに課長の分の仕事に向けてくれると、課長、嬉しいなー」
224以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:35:58.13 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その16】


社内大掃除 休憩室

女「ふ、ふ。今宵の刃は」

男「そこー。遊んでないで、畳の下、新聞紙敷いてー」



女「湿気を求めておる……」

225以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:36:32.19 ID:o3x4sL5m0
男「つまり」   ――ぶうんっ
友「へえ。けっこう風出るね。さすがバショウ」
男「いま四階の窓から狙撃してきた。ほら、そこにBB弾が落ちてる」
友「うそっ」


友「あ、ほんとだ。弾落ちてる」



友「オイ。狙撃って、誰が」
男「競エア部にスコープ無しで遠距離、といってもエアガンにBB弾だから
  無理して四十メートルぐらい届かせる腕のいいスナイパーがいる」
友「競技エアガン部なんだから人間撃っちゃ駄目でしょうに」
男「こないだリュウノヒゲの実を投げて砲身に入れてみてから何かと狙われている」
友「あんたもたいがい人間じゃないよね」
男「そうそう的を外すような奴じゃないし、今のも狙っていたのはバショウの先だ」   ――ずぼ
友「また姫昔蓬を丸ごと抜く」
男「じゃあ場所の割れたスナイパーにちょっと復讐してくるとしよう」
友「いってしゃい」




友「なんで四階から狙ってるのが分かるんだよあいつは」
226以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:42:10.39 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その17】


男「今日も弁当はクソでかいおにぎりに、焼き味噌と漬け物か……」
女「戦場でもこれで十分。オフィスワークではむしろ過ぎた食事です」
男「まあ質素倹約はいいことだよ」

男「で、刀はテーブルクロスに早変わりか」
女「(いけない……この新聞刀、普通の刀より汎用性がある……!)」
227以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:43:48.38 ID:o3x4sL5m0
女「えいっ」   ――ぱぁん

友「なになに。いきなり窓の外に紙鉄砲撃って」
女「ははは、おろかなスナイパーめぇ。自分が撃たれたことにも気付かずになんか狙ってるよぉ」
友「気付くかボケ」

友「あ。裏庭のあのちびこい子か」
男「揺れるオヒシバを的にしているな」
女「スナイパーごっこかなぁ、なんか寝そべって銃持ってるけど」
友「ごっこ扱いはやめてやれ」
男「真実は天地の中にのみ残されている」   ――ひゅっ


狙「いたっ」


友「当たったっ」
男「四階から下にクヌギは届いても、あの位置から四階にBB弾は届くまい」
友「いきなりよそさまにどんぐりなんかぶつけるなよ」
男「たまに俺を狙ってる競エア部員ってのはあいつだから」
友「そうか」


女「ねぇ。もうわたしに撃たれて死んでる死体にあててなにが楽しいのぉ」
友「あーあ。あのスナイパーさんも変な連中に眼をつけられたなあ」
228以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:48:55.94 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その18】


女「……」

スパァン シャッ

女「……」


課長「おーぅい。壁を斬って穴を開けるごっこはおうちでねー」
女「ひいいぃっ!?」

課長「でもわかるよー。真剣だと実際の機能に囚われちゃうけど、チャンバラ刀だと実際以上のことができそうな気がするんだよねー」
女「ち、ち、違いますっ!! ちょっと肩が凝ったので動いていただけです!!」
課長「んー。課長もチャンバラ眼を持つ者だからわかるよー」
女「ちゃんばら……がん……?」
課長「……」

ポン

課長「……ニタァ」
女「(な、な、な、何っ!?)」

229以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:49:54.41 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その19】


課長「で、チャンバラ眼はこの壁を斬ったむこうに何が見えたかな?」
女「だ、だから、何も見えていません!!」
課長「まーそのうち見えるようになるよー」
女「何がですか!?」

230以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:50:48.68 ID:o3x4sL5m0
狙(あと四つ)   ――がさごそ


女「なにやってんの」
狙「撃ったBB弾の回収」
女「ほっときゃいいじゃん」
狙「いちおう土に還る素材だけど、じゃあ生ゴミをその辺に捨ててもいいのかっていう問題」
女「ふうん。どこに落ちたかわかるんだぁ」
狙「一度に一発ずつしか撃たないから。拾える限りは拾っ」

女「スキありっ」   ――ぶうん
狙「無い」   ――ぱぁん
女「いたっ。なにっ」
狙「こういうときのための護身用の拳銃」

男「隙ありっ」   ――ばらばらばら

女「いたっ」
狙「また貴方。今度はなに」

男「白粉花の種こそは回収不要の庶民の散弾。来年生えれば庶民の新たな弾薬庫」
狙「BB弾への嫌がらせですか」
男「弾を拾うのがいやならBB弾の大きさと同じ草の種でも使えばいいだろう」
狙「それはさすがに」


女「あー。種っ、背中入ったぁ。とって、とってぇっ」
231以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:54:24.34 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その20】


女「あうぅ……武士の魂で尻を拭いてしまいました……もう死にたいです……」
男「ああ、紙、切れてたんだ。よかったじゃん、新聞紙持ってて」

232以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:57:25.80 ID:o3x4sL5m0
男「残念だ」
女「やめてよ、ほんとに、やめてよぉっ」
男「おまえは体育の授業中に俺の弁当から肉だけを食った」
女「おっぱいは高校生頃に成長が完成するから
  今のうちに脂肪をつけないとだめなんだよ」
男「それは切実だな」
女「うん」
男「だがすでに魔剣は解き放たれた。もはや誰かが死ぬしかない」
友「なんで鬼薊をまるまる一本引っこ抜いてくるかなあこいつは」
女「ええーい、いくら葉っぱがぎざぎざでもあたらなければどうということはないっ」   ――ぶんぶん
男「いつもながら遅いっ」


女「うわあぁんちくちく、ちくちくするよぉやめてよやめてよぉ背中入れないでよぉっ」
男「この魔剣さえなければ、俺たちももう少し違う関係になれたかもしれないのにな」
友「たぶんそんなに変わらなかったと思いますがね」
233以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 14:03:05.04 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その21】


ポピー

男「尺八にもなるのか、その新聞刀」
女「……みたいです」
男「これでよその社にも虚無僧のふりして産業スパイし放題じゃん! はっはっはっ」
女「あうぅ……武士なのに……武士なのに……」

234以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 14:05:11.87 ID:o3x4sL5m0
筒「右手にサイコガン、左手にロックバスター」
女「なんの、ならばこちらも産経・読売二刀流っ」
筒「ローエングリンっ、ってえぇーっ」
女「ちょっ、なんでサイコガンとロックバスターで宇宙戦艦の艦首砲にぃっ」
友「いつもながらルール無用だね」

女「ならばっ」

女「超銀河っ、グレンッ、ラガンッ」   ――ひゅうん
筒「うわあああ銀河投げんなあっ反則だあっ」
友「ただの新聞紙手裏剣じゃないですかしかも届いてないじゃないですか」
235以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 14:08:43.40 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その22】


女「ダンボールが空きましたが、何か使いますか? 使わないのなら潰して捨ててきますが」
課長「刀が新聞になったのなら、鎧もそれなりに合わせなきゃ、コーディネイトが狂うと思うよ課長は」
女「だ、ダンボールの鎧だなんて、そんな子供の遊びみたいな!!」
課長「ふ、ふ。チャンバラ眼が開いた者にとってダンボールは∞の可能性を秘めた素材」
女「捨ててきます!」
課長「あ、そう……」

236以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 14:13:40.20 ID:o3x4sL5m0
女「雨か。命拾いしたな、小僧」
友「また用もなく新聞で人を叩く気だったんですかあんた様は」

筒「馬鹿め。そっちに斬る気がなくともこっちは撃つ気満々よー」
女「金属の缶々っ。お茶筒かっ」
筒「サイコガー」  

 ――かんっ

筒「うわっ暴発したあっ」
友「よくとっさにいろいろ妄想設定ひねり出せるなおまえら」


狙「命中」


友「あそこの木陰か。
  雨降っててもこの程度の距離ならBB弾当てられるもんだねえ」




友「というか乗るなよこいつらに」
狙「雨の日の狙撃訓練だから」
友「ゴーグルつけてない相手に撃っちゃ駄目って説明書に書いてなかったの」
狙「大丈夫。的は外さないから」
友「どうしよう。こいつも言ってもわからん奴だったっ」
237以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 14:18:51.16 ID:Djkt37NY0
追いついてしまった……

支援
238以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 14:22:02.16 ID:o3x4sL5m0
筒「バァルカンッ、たたたたたたたたたたたたた」
狙「え、なに」   
筒「どうした、ヒイロ、そのバスターライフルは飾りかっ」
狙「いや。これは普通の対人狙撃銃だから」
筒「どうした、ヒイロ、そのバスターライフルは飾りかっ」
狙「いや。これは普通の対人狙撃銃だから」
筒「どうした、ヒイロ、そのバスターライフルは飾りかっ」
狙「いや。これは普通の対人狙撃銃だから」
筒「どうした、ヒイロ、そのバスターライフルは飾りかっ」


狙「きゅ、きゅいいいいいいいいぃん」
筒「おのれやらせるかっ。トールギスのドーバーガンを甘く見るなっ」


友「かわいそうに。
  でもBB弾を撃たず
  妄想のチャンバラごっこに使ってるほうがエアガンも安全っちゃ安全なのかもね」
女「でもこの150ガーベラストレートの敵じゃあないね」   ――ぶんぶん
友「別のガンダム混ぜんな」


筒「ぬ、新たなる敵っ。オルバよ、合体だ」   ――カムカム
狙「え、おるばって」
筒「おまえのほうがちっちゃいだろ−。
  はやくおんぶしてそのサテライトランチャーでダブルX撃って」
狙「さて、だぶる、え、は、なに」


友「違うガンダムは入り乱れるわ、敵味方はころころ変わるわ、ああ、もうこいつらは」
239以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 14:23:23.02 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その23】


男「なんで新聞で折った手裏剣が資料棚に挟まってるの?」
女「いざという時のためと、ちょっとそこから抜いたしるしに」
男「なんで手裏剣なの?」
女「手裏剣は武芸十八般の一つですよ?」



男「……なんか新聞紙になじんできてない?」
女「ききき気のせいです。そこにある物を使うのが戦場の掟ですから」

240以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 14:28:51.35 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その24】


パァン!!

「ひっ!?」
「うわぁあ!!」
「んがっ!」

女「鉄砲術もまた武芸十八般の……」
男「まあいいんじゃないの? 紙鉄砲で昼下がりの職場の眠気吹っ飛ばすぐらいは」
女「はい……まあ……ええ……」
課長「……」



課長「(ふ、ふ。わかるよ課長には。今のはさっきそこを通っていったいつものしつこい保険のオバチャンを撃ったんだね?)」
241以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 14:32:04.80 ID:o3x4sL5m0
男「非常に心苦しい」   ――ぬちゃっ
女「やめてよぉ。やめてよぉ」
男「食い物で人を攻撃するなど」   ――ひゅんっ
女「うわあぁん。ぬちゃぬちゃ、ぬちゃぬちゃあぁ」
男「しかしこの一面に広がる武器、また、武器。いやむしろ我らが母」   ――ひゅんひゅん


男「子たるもの、黙って通り過ぎてはならんと有情の声のかまびすしいこと」
友「あんたは親を人に投げつけるんか」

友「っつか食えるのか、雨上がりによく地面に大量発生してるこのぶにょぶにょ」
男「細菌の一種でイシクラゲという。このもどしたキクラゲっぽい形はその集合形態だ」
友「ほお」
男「味はないが軽くゆでて酢醤油系でしめると割といける」
友「そうか」

女「うわあぁん、ばかぁっ。やめろ、ばかあぁっ」   ――ぶんぶん、ずるりっ

友「あ。イシクラゲに滑ってこけた。あーあー、全身べちゃべちゃ」
女「あーんあーんうわーんうわぁーん」
男「本当にすまない。帰ったら風呂で洗ってやるから、今は耐えてくれ」   ――ひゅんひゅん
友「君は子供ができたらまず間違いなく橋の下橋の下と連呼するタイプだな」
242以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 14:35:20.79 ID:o3x4sL5m0
女「ミルブリ全国大会」
友「珍妙な野望は捨てなさい」
女「ミルブリでどこまでものを叩きこわせるかを競う崇高なる競技」
友「完全に子供の悪戯レベルじゃないですか」
女「でもあんまりはやっちゃったらミルブリが凶器になるってみんなに知られちゃうしなぁ」
友「あんたはたとえ光魔の杖を持ってたって弱いんだから、ミルブリはなんの優位にもならないよ」
243以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 14:38:27.86 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その25】


女「いたたたたた……」
男「まーた痣こさえて出社してくる」
女「出社前にいつも祖父と手合わせいたしておりますので」
男「新聞刀で?」
女「よく新聞刀はチャンバラごっこに最適とか言いますが、あれは嘘ですね。ちょっとした鈍器なみですよ」

男「おじいさん、新聞、嫌いじゃなかったっけ?」
女「中のチラシは嫌いでもないようです」
男「チラシ刀って……一応そっちに合わせてはくれてるんだ……いい人じゃん」
女「厳しくも優しく、優しくも厳しい方ですよ」
244以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 14:42:20.32 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その26】


女「武士たるもの、忠義の心がなくてはたんなる無頼の徒に過ぎません」
男「それで今日の新聞刀はうちの所属してる業界紙なの?」



男「というかそんな忠義を見せつけられても、会社だって困ると思うんだよ」

245以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 14:43:27.62 ID:o3x4sL5m0
女「光と闇、どちらか一方にかたよっていてもだめなのです」
友「今度は何に影響された」
女「むしろ光と闇のせめぎ合う中から産まれる葛藤、
  そのエネルギーこそが我が新たなる力となるっ」
友「新聞に光も闇もあるか」


女「朝日と産経を重ねがさねに巻いたこの光と闇の剣ならばっ」
友「確かにせめぎあってはいるけど光と闇じゃあねえな。
  どっちかっつうと文通友達だよ」
246以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 14:51:19.10 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その27】


女「はっ!!」

スパァン

女「次っ!!」

スパァン


男「うっわぁ……新聞刀でも固く丸めて達人が振れば、雑草をぶっちぎれるんだあ」
女「いくら経費削減で社内の草刈りも業者ではなく課ごとに分担してやることになったからとはいえ」

スパァン

女「まあこれも修行のうちですがね」

スパァン

男「いやでも結局根っこは手で抜かなきゃいかんのだけどさ」

ブチッ
247以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 14:51:43.18 ID:o3x4sL5m0
女「あ、ライトセイバー」
友「レーザーポインタじゃん。先生、忘れてったな」
女「でも物理剣と電子剣じゃ物理剣が圧勝しそうなイメージあるよね」
友「しかも銃より強い設定だよな、なぜか」

狙「デジタルシューティングね」

女「お、なんか来た」
狙「どれどれ」   ――ぴっ、ぴっ

狙「うん。だいたい"くせ"はわかった」
狙「的は黒板の上の時計の中心」   ――ぴっ

友「お、すげえ。一発命中」
狙「狙撃競技には赤外線の光線銃を的に当てるデジタルシューティングってのもあるから」
女「さすがだなそげキング」
狙「え、そげきん、なに」
友「知らんのなら知らんほうがいいよ」


女「ライトセイバーを銃にするとは貴様、だいぶわかってきたじゃないか」   ――ぽむ
狙「え、なに」
友「こらこら、人をおまえらのチャンバラワールドに引き込むな」
248以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 14:57:14.72 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その28】


女「でも鶏を割くにいずくんぞ牛刀を用いん、といいますし」
男「は?」
女「サバイバルゲームです。エアガンの弾なら真剣でまっぷたつにするより、ミルブリで叩き落とした方が早いのですよ」
男「いままで真剣でサバゲーに参加してたんだ……って、銃と刀って、どういうサバゲーっ!?」
249以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 14:59:15.31 ID:o3x4sL5m0
女「職員室で紙鉄砲連発して遊んでたら怒られた」
友「卒業するまでには脳みそをもうちょっと進化させといたほうがいいんじゃないかなあ」
女「先生はみんな撃たれて死んだはずなのに、
  誰がわたしに理科室の鉄砲魚の世話を命じたのだらう」
友「いくら脳内でもジェノサイドはほどほどにしときなよ」












鉄「どぴゅっ」
狙「あ、命中」
250以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 15:03:56.88 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その29】


女「商談は失敗でしたね」
男「もともとダメ元だったしね」
女「失敗に終わった以上は……」
男「切腹も介錯もしないよ?」

女「いえ。落ち武者狩りの危険があります。社に無事戻るまで、油断は禁物」
男「……新聞刀持つようになってから、なんか発想がますますチャンバラがかってきてない?」
女「落ち武者狩りは恐ろしいですよ?」
男「出会したことあるの?」
251以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 15:04:42.90 ID:o3x4sL5m0
女「剣よ、帰ろうか。ここでは食事に唐揚げもつきやしない」   ――ぽんぽん
友「新聞刀叩きながらなにゆうてはるんですか先生」
女「どれ。殿の代わりにわたしがちょっくら村人から唐揚げを取り立ててきます」
友「孟嘗君ごっこはやめい」 
252以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 15:09:06.39 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その30】


女「はいっ!!」

スパァン パチィン

男「おお。新聞刀一閃で、こんなにも分厚い書類に一発でホッチキスが通った」
女「いけない……なんだか日に日に新聞刀に習熟してきています……」
男「いいことじゃないの」

253以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 15:12:30.44 ID:o3x4sL5m0
女「めーん、めーん」   ――ぶんぶん

友「そこ、新聞刀で遊んでないで掃除しろ」
女「理科室の掃除は君に任せたっ。わたしは鉄砲魚の世話があるのだぁ」
友「それはそれで別っしょ」
女「ええい、おまえも剣士なら剣でわたしを止めてみよっ」
友「ほうきは剣じゃねえよ」

男「ならばマシンガン一斉掃射だ。構えろ」   ――すちゃ
友「あんたも姫昔蓬抜いてきてないで掃除しろ。ああっ、花がぽろぽろ落ちてるっ」
女「ふふ。銃が剣に勝てるのは現実だけだ、おろかものめっ」   ――ぐるぐる

 ――ぱさぱさ

女「ああ、ああっ、新聞落ちた、ばらけたぁ」
友「ゴミを増やすなあっ」
男「槍を回して矢弾をはじき返すアレのつもりだったんだろう」   ――ぺしんぺしん
友「ガンで殴んなっ。花と葉っぱが散る、散らかるっ」


女「殺されてしまったのでもう掃除できません」
男「ならばせめて墓標は俺が刻んでやろう」   ――だっこ
友「待て逃げるなめおとアホウ」
254以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 15:15:14.06 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その31】


女「お茶の缶が空きましたが。誰か、何か使いますか?」
課長「ああうん、じゃあ課長がペン立てにするよ。今のペン立てもだいぶ汚れてきたし」
女「はい」

課長「さて、と……」

キュッ

女「なんですか課長、お茶缶を腕にはめて」
課長「……サイコガーン!!」
女「……っ!?」

ブゥン

女「……はっ!?」
課長「迎撃したね? 見えたんだね、精神エネルギーの光線が!!!」
女「ち、ちが、違います! その、そ、邪気!! 邪気を感じたので反射的に!!」
課長「ふ、ふ」



課長「Welcome to Chanbara-world……」
255以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 15:16:01.29 ID:lltjugwM0
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1226634776/
↑このスレに

 ___イミフ
ノ  __ ノ
 UU  UU


↑このAAをコピペするとなんでも願いが叶います
恋人が欲しい、仕事が決まらないなど悩みがある人は是非一度お試しあれ
256以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 15:16:40.67 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その32】


女宅

女「ふんっ!! はあっ!! ふっ!!」

ブンッ

ブンッ

ブンッ

女「真剣を……この感触を……もっと……身体に刻み込んでおかないと……」

ブンッ

ブンッ

ブンッ

女「浸食……される……っ!!」
257以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 15:18:55.48 ID:o3x4sL5m0
女「じゃーん。ミルブリ二刀流」
女「回転剣舞・六連っ」   ――ぐるぐる

狙「え、ろくれ、え、なんでいきなり回って」

女「おうわっ」   ――がらがらがっしゃあん
狙(自分から勝手によろけてこけたっ)



女「うわあぁんうわぁん」
狙「よしよし」
狙「痛くない、痛くない」
258以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 15:22:29.32 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その33】


女「真剣なら蝿や蚊を空中で仕留められましたが、新聞刀だと迎撃してショックで落ちたところにとどめを刺さないといけないから
  不便です」
男「屋内で真剣振り回されるよりは安全でいいよ」

259以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 15:26:26.86 ID:o3x4sL5m0
狙「ねえ」
男「ん」   ――ぴー
狙「草笛はいいから」
男「なんだ」
狙「ちょっとこの銃を撃ってみてくれない」
男「断る。俺が使う鉄砲はスズメノテッポウとカラスノテッポウだけだ」   ――ぴー
狙「そう。かなりいい腕ありそうな気がするんだけど」
男「人間の技量などたいした差はない。
  決め手となるのはただ、天地の有情の声が聞こえるかどうか、だ」   ――ぴー
狙「そう」
260以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 15:29:32.92 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その34】


女「ふう……」

カチャカチャ

課長「いーけないんだいけないんだー。仕事中にネットしてたらいーけないんだー」
女「ひいぃっ!?」
課長「ほほう、スポーツチャンバラねー」
女「こ、これは、その」
課長「でもいくらエアーソフト剣でも、実体の剣で実体に殴りつけているうちはまだまだだねー」
女「は、はあ……」
課長「オレルールとオレルールのぶつかり合い、その中から産まれる調和、それこそが真のチャンバラだと課長は思うわけ」
女「いや、わたしは武士ですから、チャンバラというか真剣勝負を……」




男「仕事してください課長」
261以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 15:34:38.49 ID:o3x4sL5m0
狙 ――がしゃがしゃ

筒「なにー。その鉄砲、弾の詰め替え手動なのー」
狙「ボルトアクションだから」
筒「なるほどー」

筒「じゃあサイコガンも手動にしないとちょっと卑怯かなー」
狙「弾が出てないのに詰め替えって」
筒「精神力とか氣とか宇宙エネルギーとか、ちゃんと出てるよ」
狙「せいしんりょくとかきとかうちゅうえねるぎーとか」

筒「サイコガーンっ。ウウィーン、がしゃこんがしゃこん。装填っ」   ――しゃかしゃか
狙(筒を取り替えただけだ)


筒「これで互角だっ。正々堂々死ねえー」
狙「正々堂々って」   ――ぱぁん
筒「おぅちっ。そ、その短筒は」
狙「だから、ライフルだけじゃなく護身用の拳銃もいちおう持っているから」
筒「ひ、卑怯なっ」
狙「スナイパーってのはそもそも正々堂々じゃないから」
262以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 15:36:20.65 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その35】


女「……」

シャッ

女「……っ!」
男「なに。いきなり新聞刀振り回して?」
女「あ、いや、蚊がいたような気がして」
課長「(課長はちゃんとわかってるよ)」


課長「(実際の刀なら始めから届きやしないと身体でわかってるけど、新聞刀の衝撃波なら届く気がしたんだね? 天井裏の忍者に!)」



ガサゴソ

配管業者「えーっと、去年交換したところは……ああ、ここだここだ。異常なし、っと」
263以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 15:39:04.91 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その36】


女「日本刀は物理的な武具であると同時に、霊的な呪具でもあるわけです」
女「新聞刀でその需要がまかなえるのかどうか」

男「でも霊的呪具って、ようするにオカルト方面に特化したチャンバラごっこってことでしょ?」
女「……そういう言い方はやめてください。ますます新聞刀で何でもまかなえそうじゃないですか」
264以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 15:42:33.10 ID:o3x4sL5m0
狙「たき火ですか」
男「刈った雑草を」

 ――ぱちんっ

狙「うっ」   ――じゃきんっ
男「ソヨゴの葉が弾けただけだ。何も日本でそう過剰な反応をせんでもいい」
狙「ん」
男「たき火をしたならなにか弾ける植物も一緒に燃やす。これは正義だな」
狙「正義ですか」
男「不器用だからこんな形でしか天地の有情に正義を示せん」
狙「そう」
男「正義とはかくあるべきだと思わんか」
狙「わかりません」
男「スナイパーは任務のことしか頭にないか」   ――ぱちんっ
265以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 15:44:48.48 ID:o3x4sL5m0
女「新しい仮面ライダー考えた」
友「ライダーに新聞刀持たせたらおまえを殺す」
女「えっ」


女「やだよぉ。死にたくないよぉ、死にたくないよぉ」
友「うわっ、なんのひねりもなかったよこの娘っ」
266以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 15:46:37.30 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その37】


お花見

ブゥン

女「やっぱり桜は散ってこそ、ですね」
男「おおー。花には触れずに新聞刀の風圧だけで」
女「この手の剣圧は真剣よりこちらの方が起こしやすいで……あああああああああああ」
男「あ。新聞刀のあまりな便利さに自己嫌悪に陥った」
267以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 15:53:12.45 ID:o3x4sL5m0
女「ヘイヘイヘーイ。外野下がっとけ下がっとけぇ」   ――ぶんぶん
友「ソフトボールはちゃんとしたバットでやれ」
女「だいじょうぶ。五大紙刀五本を束ねて作られたこのバットはまさにホームラン製造器」
友「先生っ。この馬鹿なんとかしてください」


友「あ、別にいっか」
女「そこでわたしのハットトリックをよだれたらしながら見てろ凡打製造器」
友「ハットトリックはサッカーだよ」



女「あうちっ」   ――ぶうん
友「うん。思ったとおり、はなっからバットに球かすりもしねえなこの運動音痴」
268以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 15:57:04.16 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その38】


会議中

課長「あれ? ああ言ったけどやっぱあの資料は用意しといた方がよかったかなー」
女「どうぞ」

スッ

課長「ありがとう気遣いのもののふ」
男「(新聞刀と一緒に丸めて携帯してたのか……)」
269以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 15:58:21.55 ID:o3x4sL5m0
女「けえええええええええええぇっ」
筒「かあああああああああああぁっ」



狙「なに、してるの」
友「新聞刀とサイコガンから"氣"の刃を伸ばすごっこだって」
狙「そう」


友「あ、そうだ。
  銃から氣の刃が伸びてみても新しいんじゃないの。弾切れの時とか」
狙「氣の弾を撃つならともかく、そんな銃、いや」
270以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 16:00:54.36 ID:sB8qYZxy0
271以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 16:05:08.59 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その39】


課長「ところでやっぱアレが彼氏ってことでファイナルアンサー?」
女「はい?」
課長「おおっと、これはセクハラになりかねんなー。仕方ない、自発的に吐かせるかー」

スポッ

女「(またお茶缶を腕にはめた……)」
課長「自白光線照射ー。しびびびびー」
女「……」

スッ

女「破っ!!」
課長「おおぅっ!? 新聞刀を縦に構えて破邪の気合いとなっ?」


課長「でも課長の自白光線は破邪の気合いをよけてうしろに伸びてそのまま壁伝いに飛んでるんだよねー」
女「そんな何でもありな!」
課長「破邪の気合いも似たようなもんじゃーん」



男「課長ー。遊んでないではんこくださーい」
272以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 16:07:15.65 ID:o3x4sL5m0
女「お手々についた血の臭いが落ちないよぉ」
友「やめっ、新聞紙くせえお手々押しつけてくんなっ」
273以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 16:08:24.91 ID:o3x4sL5m0
筒「サイコガンに染みついた血の臭いが落ちんのだよー」
友「ポテトチップの匂いしかせんのですが」
筒「プリングルズの筒は中味がパックじゃなくそのまま入ってるからねー」
274以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 16:10:11.95 ID:o3x4sL5m0
男「両手に染みついた血の臭いが殺生の代償ならば、甘んじて受け入れよう」
友「お手々が草くせっ。
  また背高泡立草かその系統の雑草いじったなっ。さっさと石鹸で洗ってこいっ」
275以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 16:11:40.66 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その40】


女「株主総会の時だけ真剣許可というわけにはいかないでしょうか……? 総会屋対策に」
男「どっちがヤクザかわかんないからやめなさい」

276以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 16:12:23.24 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その41】


女「でもミルブリで冷凍マグロを粉砕したら総会屋もおとなしくなったのでよしということですかね……」
男「何で総会の前にそんなことするんー? っつか冷凍マグロどっから出てきたんー?」
277以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 16:16:19.97 ID:o3x4sL5m0
女「話は聞いたよぉ」
狙「は」
女「スナイパーには用心棒の先生がついてるんだってね」
狙「え、ひょっとして観測手のこと」
女「ここに唐揚げ一つでやとえる凄腕の浪人がいるんだけどどうよ」
狙「観測手はいらない。独りでいい」
女「ここに唐揚げ一つでやとえる凄腕の浪人がいるんだけどどうよ」
狙「それに狙撃の知識がないと観測手は務まらない」
女「なにを言う。銃術もまた武芸のうち。わたしが極めていないと思うたかぁ」   ――ぱあん
狙「それは紙鉄砲」
女「で、ここに唐揚げ一つでやとえる凄腕の浪人がいるんだけどどうよ」
狙「今日はパンで済ませるから、お弁当持ってきてない」
女「購買の唐揚げパンがあるじゃないか」
友「オイ」


女「あだだだだだだだだ放せ放せはぁなぁせぇっ」   ――すぱぁんすぱぁん
友「オホホホホごめんあさーせ。うちの残念な娘がすっかり迷惑かけちゃって」   ――ずるずる
狙「はあ」





狙「唐揚げパン、か」
278以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 16:20:00.42 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その42】


ニギニギニギニギ

女「……」
男「なに? 両手広げて右手わきわきして。肩凝り体操?」
女「え? あ、はい、まあ……」
課長「(そうだ、いいぞ)」



課長「(妄想の弓ならそうやって永久に連射速射可能なんだよ!)」
課長「(ふ、ふ。これは課長のサイコガンも安穏とはしてられないねー)」
279以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 16:27:21.39 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その43】


女「いにしえの弓の達人は愛弓をさすっただけで猿を恐怖で気絶させたといいます」
女「わたしもその域に達すれば、たとえ新聞刀であっても……」


男「わかったから、いまは会社の仕事でその域に達してくれ」
課長「知ってるー? 課長、残業代でないのに残ってるんだー」
男「%
280調子悪いなこんにゃろ:2008/11/18(火) 16:28:19.60 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その43】


女「いにしえの弓の達人は愛弓をさすっただけで猿を恐怖で気絶させたといいます」
女「わたしもその域に達すれば、たとえ新聞刀であっても……」


男「わかったから、いまは会社の仕事でその域に達してくれ」
課長「知ってるー? 課長、残業代でないのに残ってるんだー」
男「名ばかり管理職ならでる可能性はありますよ」
課長「部下が課長のやる気を削ぐことばかり言う……鬱だ死にたい……」
男「何のまねか知りませんが課長も仕事してください」
281以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 16:28:56.05 ID:o3x4sL5m0
筒「あ、宇宙怪獣っ」
女「え、どこどこ」

猫「にゃー」

女「猫の経立かっ。それがしが退治してくれようぞ」    経立:動物が年経て化けたもの
筒「おまえの腕では宇宙怪獣はまだ早い。サイコガンに任せておけ」
女「なんの、いまこそこの新聞銃で南無八幡大菩薩の弾丸を放つとき」
筒「あ、こらっ、宇宙怪獣を退治するのはわたしだー」


 ――ぱん、ぱん


女「いたっ」
筒「いてっ」
猫「にゃーん」   ――とととっ
女「ああ、気付かれた」
筒「無辜の民がまた襲われるっ。誰、いま邪魔したのっ」
女「どこだぁ。でてこーい」




狙「猫ちゃん、脅かしちゃ、駄目」   ――ちゃっ
友「人はいいのか。あ、いや、あいつらは人と紙の中間生命体だから別にいいけど」
282以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 16:33:29.13 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その44】


女「このままだとわたしが重役になっても、手柄をあげた部下に与える刀は丸めた新聞紙ですよ……」
男「普通に現金でいいんじゃないの?」

283以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 16:34:26.60 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その45】


男「バイトの指導役はいいけど、なんで紙鉄砲を合図に集合させるんだよ。いや音大きいけど」

284以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 16:35:23.21 ID:o3x4sL5m0
女「どっちが先に校長室で校長先生暗殺できるか勝負しようぜ」
狙「校長室は向かいに狙撃可能な場所がないから難しい」
女「へぇ。検証してみたことはあるんだぁ」
狙「あ」
女「よいよい、気にするな気にするな。偉人暗殺は人の夢、人の望み、人の業」
狙「いや、その」
女「ふふふ。遠くからこそこそするしか能のない奴はそこで我が元禄快挙を眺めてろぉ」
狙「げんろ、え、なに」


狙「行っちゃった」
友「新聞刀持ったのが四十七人もいたらそりゃたしかに怖いわな」
狙「ほんとにやる気なの、あの人」
友「恐れを知らない馬鹿だからねえ。やると思うよ」





女「討ち入りはみごと失敗し、
  切腹か理科室の鉄砲魚のエサ(虫)を自力で調達するか迫られたわけでございます」
友「あんた虫触れないんだから潔く切腹するしかないんじゃないの」




鉄「どぴゅっ」
狙「相変わらず上手いなあ」
285以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 16:41:56.28 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その46】


女「ん……っ!!」

バンッ

男「あ、そこそこ!! いま一瞬コンタクト浮いた!!」
女「目に入れるものなのだから落としたなら新しいものに替えればいいのに……」




女「(駄目だ!! この新聞刀、使い道がありすぎてだんだん便利になってきている!?)」

286以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 16:42:55.41 ID:o3x4sL5m0
女「死ねー」   ――すぱぁん
友「あたっ」

女「死んだか、化け物め」   ――がさごそ
友「今度の設定はなんだ。こら、服の中にお手々突っ込むなっ」
女「草薙の剣はどこだぁ」   ――もそもそ
友「わたしゃオロチか。あ、こら、弁当箱さわるな」
女「剣はっけーん」
友「唐揚げとるなっ」
287以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 16:47:42.34 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その47】


女「はあ……もうすぐ鏡開きですね」
男「去年は刀がお餅に負けたんだっけ?」
女「リベンジしたかったのですが……ミルブリだと普通に割れそうで、なんだか面白くありません」
男「アレは元々、斬るんじゃなくて割るものだったと思うけど」
課長「(ふ、ふ。いくらミルブリでもそう簡単に割れるかな?)」




課長「(課長が毎日サイコガンで老化光線を照射し続けていたからねー。かちんこちんだよー)」
288以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 16:49:56.01 ID:o3x4sL5m0
女「あ、あ、紙鉄砲マシンガンがーっ。ばらけるぅーっ」   ――ぱさぱさぱさ
友「一度に五十枚持って紙鉄砲鳴らすのはさすがに無理だろ」
289以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 16:57:22.90 ID:zpMaSBliO
>>241がわからん
290以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 16:59:38.01 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その48】


女「大将自身は本陣奥深くに構えているものなので、わたしも社長になれば必ずしも真剣に拘らずに済むのですがね」
男「最近は社長といえどそんな呑気はしてられないよ。信長みたいに身軽に動かなきゃね」
291以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:03:14.07 ID:o3x4sL5m0
>>289
見たことないですか、イシクラゲ。
あのぬちゃぬちゃしてて踏んづけたら滑りそうなあれ。
雨上がりによく砂利の上なんかに大量発生してる緑褐色のぷるんぷるんしたキクラゲもどき。

適当に検索してみてください。
292以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:04:52.78 ID:o3x4sL5m0
女「新聞紙は揚げ物の油取りにもよく、
  よって唐揚げはすべて新聞刀の正統継承者であるわたしのもの」
友「待て、その理屈はおかしい」
293以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:10:59.98 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その49】


女「一人だけ残業、か」
女「……」

ジャー ジャー

女「進め者どもー! 狙うは大将首唯一つー!!」


課長「(ふ、ふ。誰もいないと思ってキャスター椅子にまたがって騎馬武者ごっこかー)」
課長「(いいよいいよー。だいぶチャンバラ眼が開いてきたようだねー)」
294以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:16:12.27 ID:o3x4sL5m0
女「新聞刀道場っ」
友「まあた始まった」
女「新聞刀を素振りする少年らのかたわらでひたすらミルブリでブロックを叩く屈強な若者たちっ」
友「肉体より脳みそが心配な方々だ」
女「道場内の掛け声をかき消さんばかりにたえまなく響く紙鉄砲っ」
友「ご近所に通報されんようにね」

女「道場の隅にはうずたかく積まれた古新聞。上のほうはやや色あせてるけど下の方はだいじょうぶ」
友「なにそのリアルな生活感」
295以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:22:55.67 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その50】


会社一階エントランス(吹き抜け)

女「……」

スッ

男「なに? 新聞刀上段の構え? 来客があったらびびるからやめとき」
女「あ……はい……」


女「(あ、危ない……ビームライフルで最上階までぶち抜いたことに気付かれるところでした)」



課長「(……大丈夫。課長はぜんぶわかってるよ)」
296以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:23:31.54 ID:o3x4sL5m0
男「桜の下には蝉の児がいて、桜の上には天狗がいる」
友「蝉の幼虫は分かるけど天狗ってなにさ」
男「花のないあの絡まった枝は天狗巣病という」
友「あーあー、最近よく見るねえ」
男「手入れの悪い染井吉野によく見られる。有情の意志に背いた植え方をするからだ」
友「今度その有情さん、紹介してよ。いっぺん話があるからさ」


女「そうか、天狗か。天狗の仕業かっ」
友「まあた馬鹿が調子こく」
女「そういや天狗退治の武芸者の話ってあんまり聞かないね。よし、わたしが伝説になろう」
友「ああ、こら、新聞刀で花散らしちゃ駄目っ」


女「花〜、花ぁ〜」   ――ぺしんぺしん、はらはら
友「天狗のこと二秒で忘れてるっ」
297以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:26:04.92 ID:siqeuo1CO
女が泣くのに癒やされる
男の気持ちが理解できる
298以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:29:13.09 ID:o3x4sL5m0
女「はあ、はあ、はあ」   ――ばしんばしん

女「もう一息で」   ――ばしんばしん




女「できた」
女「究極の新聞刀の完成だ」



友「丸めた新聞紙をミルブリで叩いてなにをやっとんだ」
女「刀鍛冶ぃ」
友「なんか使い物にならなくなってるけど」
299以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:35:06.29 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その51】


モクモク

女「ああも開けっぴろげでは喫煙スペースの意味がないと思うのですが」
男「そのうちうちも全社禁煙になるんじゃないの?」
女「すると鉄ギセルを持っていたらかえって不審ということに……」
男「そんなお江戸の庶民武器、いまどき誰も使わないから」
女「けれどわたし一人が武器を所持というのも正々堂々という観点からは気が引けます」
男「あのさ。前々から言おうと思ってたけど、別に持たなくていいんだよ?」
女「それを思えば新聞刀というのも平民相手にはちょうどいいレベル合わせになっているのかも知れませんね」
男「人の話は聞きなさい?」
300以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:37:07.71 ID:o3x4sL5m0
友「お、なんか手頃な木の枝落ちてる」   ――ひょい

女「ぬ」   ――ぶうん
友「いや、なんとなく拾っただけで、付き合わないよ、チャンバラには」


女「お大師さまっ」
友「は」
女「その杖でつついたところから井戸を湧かす気だなっ」
友「なんだそりゃ」
女「まさか挿したその杖から花を咲かす気かっ」
友「だから何ごっこだよそれは」

女「くそ、高僧は武士を折伏できても、武士が高僧を斬れば祟られるという構図を知っての狼藉か」
友「よく一瞬でそこまでいろいろ夢が広がるなあんた」
女「ならばわたしが、高僧を切り捨て、かつ幸せになった武芸者第一号となってみせようっ」
友「誰が坊主だっ」   ――ぶうん
女「あてっ」
友「あ、ごめん、当たった。大丈夫」
女「へへっ。あんたも坊主なら唐揚げを供えてわたしをねんごろに弔いな。でないと村人に祟るぜ」
友「だから坊主じゃねえって」
301以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:44:45.05 ID:o3x4sL5m0
狙 ――ぱんっ


狙(んーと)   ――きょろきょろ

狙(南無八幡大菩薩っ)   ――ぱんっ


狙(うーん)
狙(もともと的は外さないから、
  あの人たちみたいに唱えてみても別に命中率は変わらない、か)


狙 ――ぱんっ


狙(あれっ)
狙(普通に撃ったらちょっと外れた)



狙(まさか、ね)
302以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:51:07.27 ID:o3x4sL5m0
女「天翔龍閃っ」   ――ぶうんっ
筒「なんの、サイコガーン」
女「この超神速の剣にそんなへなちょこビーム当たるかぁ」

男「しずまれえい」

女「ぬ」
筒「えーい、漢の勝負に口出しするなー」

男「この紋所が眼に入らぬかっ」

女「ああっ、あの超巨大松ぼっくりはまぎれもなく杉ぼっくりっ」
筒「なぜかいつも手の届かないところにしかついていない天空の秘宝がなぜ地上界にっ」

男「頭が高いっ。控えおろうっ」
女「ははぁ」
筒「へへー」


友「意外と安いよな、こいつらって」
303以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:57:42.72 ID:o3x4sL5m0
男「ねこじゃらしの光が変わったな」
狙「意味が分からない」
男「二三日中に一気に夜の温度が下がるぞ」
狙「空の色で天気を見分ける人はいたけど、ねこじゃらしって」
男「間違いなくあいつは夜間のクーラー設定を誤って風邪をひく」
狙「かもね」
男「すすきの時季にはちと早いが、幸いにして有情はいいものを用意してくれた」   ――すぽ
狙「これは。すすき、いや、違う」
男「いつまでも芒の前座に甘んじまいぞ西蛮蜀黍(セイバンモロコシ)」

狙「鼻でもくすぐる気なの」
男「仕方がない」
狙「鼻水垂れるよ」
男「それを見たいんだから仕方がない」
狙「そう」
304以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 18:04:32.28 ID:o3x4sL5m0
女「織田信長のお面作った」
友「なんかえらくシュールなんで、できればかぶんないでください」
女「信長といえば日本で初めてスナイパーに狙撃されて助かったお方」
友「君は馬鹿のくせに妙に片寄った知識だけはあるから困る」
女「信長公をお祀りした建勲神社のお守りも持てば、スナイパー対策は完璧だよ」
友「そのお面つけてポーズとるな気色悪い」
女「よおし。これでスナイパーを捕まえてのこぎりびきの刑に処してくれるわぁ」
友「いってらっはい。オレルールに付き合ってくれるといいね」



女「うわあぁんうわあぁん」   ――ぎゅうう
狙「あの、いったいどうすれば」
友「あ、いちおう捕まったんだ」
狙「正面から悠々と捕まえに来たからとりあえず撃てるだけ撃ってみたら、
  全部まともに当たりながら、当たってない当たってないって言いながら泣きだしたから」
友「思ってるより簡単に泣く奴だからその辺は気にしなくていいよ」
女「のこぎりびきだぁっ。人を撃つような悪い奴はみんなのこぎりびきの刑だぁ。うわぁんうわぁん」
狙「のこぎりって」
女「苦しめっ。苦しんで死ねぇ。ああぁん、あああぁん」   ――しゃっしゃっ

友「竹鋸にもなるのか、便利な新聞紙だこと」
305以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 18:12:13.64 ID:o3x4sL5m0
女「新聞刀の守護神がいないと、道場の神棚になにを祀ればいいのかわからないよ」
友「そんなの引き受けてくれる神さまなんていないでしょ」

筒「サイコガンの神さまは誰になるんだろう」
友「食べ物の筒なんだからお稲荷さんでいいんじゃないの」

狙「リュドミラ・パヴリチェンコ、いや、シモ・ヘイヘとか。んん」
友「誰か知らんけどたぶんキリスト教徒だろうから自分が神さまにされるのはいやだと思うよ」

男「草野(かやの)姫あたりでいいか」     草野姫:草花の女神
友「あんたに限ってちょうどいいのがいるってのがまた腹立つわ」
女「待て、草野姫はたしか人妻だっ」
筒「んまあ、人妻ですってー」


女「このエロ大臣、エロ大臣ー」   ――すぱぁんすぱぁん
筒「このどスケベランドー、どスケベランドー」   ――ぱこぽこ
男「すまない。本当にすまない」


友「相変わらずあほな連中だなあ」
狙「うん、源為朝でいいか」
友「あんたもずっと考えとったんかい」
306以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 18:19:03.33 ID:o3x4sL5m0
女「新聞刀は普段は四つに折った新聞として持ち運べる」

女「そのエアガンも何かのケースに入れてこそこそ運ばなくても、
  変形すれば不審がられずにお持ち運びできるんじゃないかなぁ」
狙「へんけいって」
女「ロボットとかに」
狙「ろぼっとって」
女「よくできた銃のおもちゃ持って歩いてたら危ない人に見えるけど、
  よくできたロボットのおもちゃ持って歩いててもおまわりさんには捕まらないよ」
狙「そんなライフル、嫌」
女「ゾイドでいうならガンスナイパーあたり。わお、スナイパーにぴったりじゃん」
狙「ぞいどって」
女「日本の技術力なら無理じゃないと思うんだけどなぁ」
狙「ブローニングとか、日本の会社でもたしかに造ってるけど。無理。っていうか、嫌っ」
307以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 18:22:41.00 ID:o3x4sL5m0
女「ない、ないよぉ」   ――がさごそ

友「どした。傘どっかいったのか」
女「新聞刀だよぉ。傘立てに挿しといたのに」
友「まあなんとなく挿しやすげなのは認めんでもないけど」

女「新聞刀。うぇ。新聞刀ぉ。うっ、うええぇ」
友「泣くなよ。別の新聞丸めりゃすぐできるだろ」
女「あの新聞じゃないとだめなのにぃ。うわあぁんわあぁん、新聞刀、新聞刀ぉ」
友「おまえはいったいどういうときに泣いてどういうときに平気なんだかはっきりしろ」
308以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 18:30:11.32 ID:o3x4sL5m0
狙「よ、っと」   ――かちゃかちゃ

女「あ、銃のお手入れかぁ」
女「そういやそろそろ刀のお手入れしとかなきゃねぇ」
狙(え。新聞紙のお手入れって)

男「どうぞ」   ――ひょい
女「うむ」   ――ぽんぽん

狙(ねこじゃらしで新聞刀をぽんぽんしてる)
狙(粉つけてはたいてるつもりなのかな)
狙(静かでいいけど)

女「ふふふ。そういえばこの刀も久しく血を吸わせておらんのう」   ――ぽんぽん
309以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 18:38:17.13 ID:o3x4sL5m0
女「とぉーりゅーけぇーんっ」   ――ぶうんっ

狙「え」

女「そんな。登龍剣がきかないなんてっ」
筒「ちょっとー。"〆の必殺剣"がきたら問答無用で死ぬのが礼儀だろー」
狙「〆のって、え、なに」

筒「あれ、ひょっとしたらこいつ、登龍剣知らんのかもしれん」
女「そっか。一刀両断エルディカイザーのほうがよかったかぁ」


女「もしくはラスボスかも」
筒「ラスボスっ」
女「そう、ラスボスに〆の必殺剣は利かないっ」
筒「そうか、こんなところにいたのかラスボスっ」
女「おまえを倒して世界に平和を取り戻すっ」   ――ぶんぶん

狙「え、ええーっ」
310以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 18:46:14.82 ID:o3x4sL5m0
女「ねえ、スコープ使わないんだったらちょうだい」
狙「え」
女「遠くに衝撃波出すときにスコープあったら便利かなあって」
狙「スコープは使わないから、元々持ってない」
女「そっかあ。じゃあ目視であてるしかないのかぁ」   ――ぶんぶん



狙(妄想の衝撃波を当てるのになぜスコープが)
311以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 18:47:00.37 ID:o3x4sL5m0
筒「ねえ、ちょっとゴーグル貸して」
狙「あ、うん」

筒「エネルギー充填120%突破。総員、対ショック、対閃光防御っ」   ――ちゃきっ
筒「波動砲、発射あっ。どおーんっ」



狙(対ショックのほうはいいのかな)
312以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 18:53:14.98 ID:WYEEaIhpO
書きたい…
313以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 18:56:21.43 ID:o3x4sL5m0
女「げっ」
友「どした」
女「おべんと、白ご飯なのにふりかけもなんにもない」
友「ふりかけないと食えんって、まるっきりお子ちゃまじゃないですか」

筒「ふふふ。この日を待っていた」

女「あ、唐揚げくれるんだぁ」
友「なんでストレートにそういう都合のいい発想が出てくる」
筒「喰らえ、サイコガーンっ、海苔」   ――ぽさぽさ
友「あ、海苔筒だ」
女「あ、海苔が落ちてきた」

筒「こら、拾うな貧乏人。おまえは見てるだけだ」   ――ぽかぽか
女「いたいいたい、ガンで殴っちゃだめぇ」
筒「この海苔は我がエネルギーとなるっ」
友「こんなしょうもない嫌がらせの機会をずっと待ってたのかこの哀れな生き物は」


筒「ねー、海苔の袋開けてー」
友「取れよそのサイコガンっ」
314以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 18:57:15.66 ID:o3x4sL5m0
>>312
どうぞ
存分に
315以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:02:57.11 ID:o3x4sL5m0
女「クラス対抗合唱コンクールの指揮者やりたかったのになぁ」   ――ぶんぶん
友「新聞振り回すの明らかなのに、やらせてもらえるわけないだろ」
316以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:07:08.45 ID:zpMaSBliO
>>291
ちがうんです><
橋の下><
317以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:08:00.98 ID:o3x4sL5m0
女「アメリカで紙鉄砲やったらさすがにやばいかなぁ」   ――ぱぁん
友「慣習のはずのハロウィンで強盗扱いされて殺される国だからねえ、あそこは」
女「やっぱりチャンバラは日本固有のすばらしい文化ってことだねぇ」   ――ぱぁん
友「すばらしいかどうかは知らんがいいかげんやかましいからやめて」
318以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:12:45.63 ID:o3x4sL5m0
>>316
「お前はうちの本当の子じゃなくて橋の下で拾ってきた子なんだよ」
と幼い子供に向かって言うのは父親の証のようなもの。

『男』もそういうノリで我が子を真顔でおちょくるような父親になるだろうな、ということです。
319以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:14:34.45 ID:zpMaSBliO
>>318
有難う
320以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:15:47.20 ID:o3x4sL5m0
筒「駄目だな、このスナイパーは」
女「うん。だめだめだねぇ」
筒「だから観測手を雇えと言ったのに」
女「唐揚げ一個を惜しむから」
筒「チップスター少量サイズを惜しむから」


狙「二人とも、邪魔」
女「うわぁ、この人、天井裏の忍者に気付いてないよぉ」
筒「ふふふ。まあチャンバラ眼を持たぬ者にはわかるまい」
女「自業自得だね。このまま忍者にやられるといいよ」
筒「うん。一人で狙撃する以上、自分でなんとかすりゃいいさー」
狙「天井って」



狙「ここ、外」
女「そういう問題じゃないんだなぁ」
筒「分かってないなー、なんのための鉄砲だよー」
女「知らないよぉ、狙撃に夢中になってるうちに忍者にやられても」

狙「だから、どこに忍者と天井が」
321以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:25:25.81 ID:o3x4sL5m0
筒「そろそろこの筒の中からなんか出てきてもいいと思う」
女「かぐや姫みたいなのとか」
筒「ちっこいプリングルズおじさんが出てきて、語尾に"ですじゃ"ってつけてしゃべる」
女「ほぅ」


女「新聞は登場キャラが多すぎるから何が出てくるかドキドキぃ」  ――ぶんぶん
筒「いいねー。振ると登場人物がランダムで出てくるとか」
女「戦争の記事だと軍隊が出てくるけど、事件記事にあたったら被害者の死体が出てくる」
筒「パルプンテみたいなもんだねー」


女「で、銃口から出てくる妖精だかかぐや姫状物体だかには線条痕がついてるんだよね」
狙「ついてない」


筒「線条痕がこう、うずうずと」
狙「ついてない」
322以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:34:06.28 ID:o3x4sL5m0
女「やっぱり聖地はいいねぇ」
友「聖地か、仁和寺って」
女「聖地だよぉ」
友「今は名物の御室桜の時季でもないのに」
女「わかってないなぁ」   ――ぶんぶん


女「仁和寺五重塔の裏の木立はチャンバラごっこの聖地だよぉ」   ――すぱぁん
友「ああ。そういや時代劇でこんな景色見たことあるようなないような」



友「外人さんが変な眼で見てるから、日本の恥さらす前にやめろ」
女「アメリカさんはちっちゃいころから本物の鉄砲持っちゃうから、
  チャンバラごっこできないんだろうなぁ」
友「外人さんもすんのかね、チャンバラごっこって」
323以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:42:28.79 ID:o3x4sL5m0
女「呪われたぁ」
友「そうか」
女「今のわたしの行動は呪われたすえの行いだから、法では裁けないのだぁ」   ――がさごそ
友「あいつがいない間に弁当箱あさるのが魔剣の呪いなのか」
女「違うよぉ」   ――ひょいひょい
友「唐揚げを新聞刀の中に入れていくのが呪いなのか」
女「だから、違うって」

女「これは剣じゃなくて、呪われた鞘なんだよぉ」
友「そうか」
女「この鞘の呪いで、わたしはむやみにものを鞘に収めたくなってしまったのだぁ」
友「たまに君って実は天才なんじゃないかと思うけどたぶんそんなことはないよね」



男「そうか、呪いか」
女「うん。ごめんね。呪いだからやめられなかったんだ」
男「呪いじゃ仕方ないな」   ――すぱぁんすぱぁん
女「仕方なかったんだよ。だからやめてよぉ、やめてよおぉ」
男「実は俺も有情の大いなる意志のせいで葛の鞭を止められんのだ」
女「有情の意志じゃ仕方ないよね。でもいたいよいたいよぉ、ふとももやめてよぉ」
男「すまん。本当にすまん」   ――ぺしぃんぺしぃん


友「この人たちはたまに何がやりたいのかまるで分からないから困る」
324以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:50:26.94 ID:o3x4sL5m0
女「死ねやぁ」   ――すぱぁん
友「いてっ。なんの脈絡もなく斬るなっ」
女「今日のわたしの気分は辻斬りだから別にいいのだ」
友「今日の運勢レベルで辻斬りに走るんかおまえさんは」

筒「サイコガーン」   ――ぼす
友「やめい。筒を押しつけるな」
筒「死人がしゃべるなー」
友「死人を撃つなっ」
筒「サイコガンは精神エネルギーの銃。同じ精神エネルギーである幽霊だって撃てるのです」
友「なんでわたし死んでまでそんな扱い受けんといかんの」

女「めーん」   ――すぱぁん
友「あてっ」
筒「こら、実体剣で霊体斬るなー。この悪霊はわたしの獲物だ」
友「え。しかも悪霊なの」
女「すでにジャーナリズムとしての魂を失ったマスゴミによって作られた新聞はまさに死の剣。
  霊体斬り放題なのだぁ」


友「おまえらいっぺん病院行ってその妄想源を摘出してもらってこい」
325以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:57:31.39 ID:o3x4sL5m0
女「今宵の新聞刀は十二大紙を微妙にずらして重ねて、刃にかさねの美しさを出してみたよ」
友「平安時代のファッションじゃないんだから」
326以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 20:06:00.69 ID:o3x4sL5m0
女「新聞刀のすばらしさを四百ページにまとめたけど、インテックスで場所とれなかった」
友「いやそれもまあ同人誌といや同人誌だけど。っつかジャンルは何になるんだ」
女「校門前で演武しつつ売ったほうがいいのかなぁ」
友「頼むから小学校前でやるなよ」
女「でももう刷っちゃったしなぁ」
友「そうか」
327以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 20:13:33.90 ID:o3x4sL5m0
女「週末に京阪で大阪まで行くたびに緊張するねぇ」
友「途中の淀の競馬場に行く人達はいきなりスイッチ入って
  競馬新聞でミルブリ作って暴れ回り出したりしないから」


友「あれ。いや、ひょっとしたら人種が人種だけにするかも知れない」
328以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 20:22:26.06 ID:o3x4sL5m0
女「おたがいどこまでチャンバラ世界を繰り広げられるか、
  ひたすら身の回りのもので技を出し合い、先にネタが尽きたほうが負けのスポーツチャンバラ」
友「スポーツチャンバラは実在するけど確かそういうもんとは違ったと思う」
筒「最高記録は三時間半だったっけ」
友「おまえら正一位太政大臣級の馬鹿だね」


女「あのときお母さんが桃切ってこなかったらもっと続いてたのに」
筒「あの記録は惜しかったねー」
女「あのときの奇跡的なテンションをもう一度再現するのはちょっと難しいよねぇ」
友「食い物で中断って、夏休みの小学生か」
329以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 20:30:17.24 ID:o3x4sL5m0
筒「サイコガーンっ、うし、撃沈っ」


狙「川でなに撃ってるの」
筒「息しに顔出したおたまじゃくし」
狙「ああ」
筒「撃ったらちゃんと沈んでくれるし、あいつら分かってるよー」
狙「駄目」   ――ぎゅっ
筒「駄目って」
狙「おたまじゃくしさん、撃っちゃ駄目」
筒「ほんとに撃ってんじゃないよー」



狙「でも駄目」   ――ぎゅうう
狙「ええい、放せっ。文字通り水際で止めんと、
  あいつらを一体でも地上にあげたら世界は終わりだと分からんかーっ」



♪「ちゃぷん」
330以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 20:38:25.47 ID:o3x4sL5m0
筒「んんんんー」


狙「何か買うの」
筒「ホームセンターをうろついてると、本物のサイコガンの一つも造れそうな気がしてくるよね」
狙「そう」
筒「でも食べ物とかの筒をサイコガンにするのはよくても、
  サイコガンのためのサイコガンはサイコガン道に反するからなー」
狙「変な道」
筒「そっちこそ何か買うの」
狙「銃とかをいじるのに、ちょっと道具とか」
筒「わたしの経験からすると、道具はあまり凝らないほうがいろいろできて楽しいよー」
狙「そう」
筒「エアガンって、現実の弾撃つだけでしょ。それって楽しいの」
狙「そんなの、こっちの勝手でしょ」
筒「いいけどさー。あ、この店、チップスター売ってるー」
331以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 20:46:26.39 ID:o3x4sL5m0
女「チャンバラごっこをゲーム化しようと思ったけど、どうも無理っぽいんだぁ」
友「あんたらのオレルールをプログラム化できる奴なんかいてたまるか」
女「いや、カードゲーム」
友「妄想果てないチャンバラごっこの世界は、
  たしかに追加版商法にはぴったりかもしれませんな」
332以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 20:53:09.19 ID:o3x4sL5m0
友「新聞刀をお菓子の筒に挿して何やっとんだ」

女「いや」
筒「何か産まれそうな予感がしたんだけどねー」
女「何も産まれなかったのか、はたまたとんでもないモンスターを産みだしてしまったのか」
筒「自分たちでもよく分からんのよー」
友「そうか」
333以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 20:55:53.95 ID:o3x4sL5m0
女「お馬さんになってぇ」
友「その新聞刀でケツ叩いて"はいよー"とか言うためだったら殺す」
女「えっ」


女「やだよぉ。死にたくないよぉ、死にたくないよぉ」
友「なんにひねりもなかったよこの娘っ」
334以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 21:05:22.04 ID:o3x4sL5m0
女「超人対鉄人」
筒「でもそれだとなんだかテレビの特番っぽい。しかもやらせの」
女「巨人対怪人ならどうかなぁ」
筒「うーん。あと一歩踏み込みが足りないって感じかなー」
女「奇人対変人」
筒「BOWって今もまだあるのかなー」
女「魔人対怪人」
筒「んー。今度は一歩踏み込みすぎた感が」


友「なんの話さ」
女「最近のチャンバラ源アニメやゲームに足りないものは何かって話」
筒「魔人対超人、みたいなフレーズって、なんかぐっとくるでしょー」
女「こう、新諸国物語的なドキドキ感っていうかぁ」
筒「人間ドラマ(笑)では絶対に表現できないアレよー」
友「ごめん。あんたらがなに言ってんのかまるでわかんない」


女「少年の心を持たなかった子供は成長しても大人にはなれないんだよ」
筒「つまり、おまえの哀れな未来だ」
友「ますますわからんけどおまえらにむかつけばいいってことだけは理解できた」

女「無礼者ぉ。そこに直れぇ。少年の心を注入してやるぅ」   ――すぱぁんすぱぁん
筒「その身に刻み込め少年のハートっ。サイコガーン」   ――ぼすぼす
友「やめんか幼児どもっ」


女「大人め(笑)」
筒「大人め(笑)」
友「いつにもましてむかつくなこいつら」
335以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 21:13:47.86 ID:o3x4sL5m0
女「新聞刀ってちょっと形を変えたらメガホンにもなるよね」
友「なるねえ」
女「スナイパーでも応援してくるかぁ」
友「いやあの人たちはできればそういうのないほうがいい人たちだと思うからやめとき」
336以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 21:21:47.22 ID:o3x4sL5m0
男「どれ。国でも産むか」   ――ずぼ
友「は」
男「天沼矛だ」   ――ずちゃっ
友「立ち枯れて棒になった背高泡立草じゃないですか」
男「この矛で渾沌たるものを混ぜてしたたり落ちたものが淤能碁呂島だ」   ――ぬちゃあ
友「うわきたねっ。藻の塊なんか引っかけんなっ」
男「だが現代にこの島は残されていない。つまりこういうことだ」   ――びゅうん
友「島を放り投げんなあっ」


 ――びちゃあ、がさっ


友「あ」
狙「見つかった」
友「潜んでたのか、スナイパー。って、なにやってんだあんた」
狙「茂みに潜みながら接近する練習」
友「川辺で物騒なことしないでよ」
狙「大丈夫。今回は撃たないから」
友「怪しい素行をすんなと言っとるのよ」
狙「気付かれるとは思わなかった」
男「天地の有情の眼から逃れることはスナイパーにも忍者にも不可能だ。諦めろ」


友「おいちょっと待て。どっちを仮想ターゲットにして這いずってたんだおまえ」
337以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 21:29:31.31 ID:o3x4sL5m0
筒「サイコガーン」
友「サイコガン禁止」   ――すぽっ
筒「あ、ガンとられた。しかぁしっ」


筒「このカイザーナックルがある限りわたしに負けはないのだよ」   
友「指にカールはめてたよこの馬鹿」
筒「しかもホタテ味」   ――ぽりぽり
友「カイザー食べちゃ意味ないじゃないですか」
筒「はっ」
友「はっ、じゃねえ」
338以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 21:38:04.28 ID:o3x4sL5m0
女「ヘイ」   ――つい
友「なんだ。自転車から新聞刀を人に突きつけて」
女「馬上筒」
友「竜騎兵気取りか。ほんと、なんにでもなるのな、その新聞」
女「この圧倒的機動力で狙撃兵を制圧してくれる」   ――ぶんぶん
友「チャリで乗り込めるようなとこに潜んでくれてるといいね」


 ――ぽんっ


女「ん、なに今の」
友「あ、BB弾だ。銃身弾かれたな」
女「あんにゃろっ。どこだ、どこから撃ってきやがったぁっ」
友「どうせ泣かされるんだから警告ですんでる内に諦めて帰りなって」
339以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 21:45:24.30 ID:o3x4sL5m0
女「夜中にふとお目々覚めたときに"弥七か"ってつぶやくために
  枕元に得物をおいておくのは武士のたしなみだよ」
友「弥七は敵じゃないよ」
340以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 21:52:13.49 ID:o3x4sL5m0
友「うわあ蜘蛛っ。蜘蛛出たあっ」
女「いやああ、あっちけ、あっちけぇっ」   ――ぶんぶん
友「うわ新聞刀についたっ」
女「ぎゃあああああげるこれあげるぅっ」
友「やめろっ突きつけんな殺すぞ貴様っ」
女「捨ててぇ、はやく捨ててぇ」
友「持ってるおまえが捨てろ馬鹿っ。捨てても惜しくねえだろ新聞紙ならっ」
女「うわああああこっち来たあっ」
友「いいから速く捨てろっ。なんのための新聞棒だよそれっ」
女「やだっ、動くとこいつも高速で動いてきそうっ」
友「だからこっち来んなアホウっ。そのまま別の次元にシフトして消え去れっ」
341以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 22:00:39.18 ID:o3x4sL5m0
筒「お、射的だ」
女「おまつりには欠かせない定番ですな」
筒「サイコガーン。うっし、命中っ」
女「なんの、すでに我が烈風の剣がすべてなぎ倒したわ」


友「どうでもいいけど妄想の弾じゃなく実際の弾ちゃんと撃ってやれよ」
女「だってあんな微妙な景品いらないもぉん」
筒「ねー」
友「まあそれはあるかも」
342以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 22:08:49.03 ID:o3x4sL5m0
女「新聞刀にもついにスコープついたよ」
友「虫眼鏡じゃないですか」
女「このスコープを組み合わせることで、新聞刀に炎属性がっ」
友「スコープの使い方じゃない上にそれだと大佐、曇りの日は無能じゃないですか」




友「っつかあぶねえから燃やすんじゃねえよ」
女「だいじょうぶだよぉ。そんなの怖くて持てないからぁ」
友「炎属性の意味ねえな」
女「武器とは抑止力です」
友「その割によく人を叩いてくるよね」
343以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 22:14:06.41 ID:o3x4sL5m0
係「位置についてー。よーぉい」

女 ――ぱあんっ





女「怒られたぁ」
友「紙鉄砲でスタートを乗っとるからだ」
女「音はちょうどいいしお金もかからないし、これははやると思ったんだけどなぁ」   ――ぱあん
友「反論できる余地が微妙にないから困る」
344以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 22:22:34.64 ID:o3x4sL5m0
女「東大路四条あたりで紙鉄砲鳴らして、観光に来た外人さんたちをパニくらせたいなぁ」
友「怒られるよ」
女「銃の国の人ならきっと素敵なリアクションを見せてくれると信じてる」
友「たしかあそこ交番あったはずだし、怒られるのは君の方だよ」
女「ここは日本だから本物の鉄砲で反撃されるおそれなしにできるってのは大きいよ」
友「怒られるのはあんたなんだから、やりたきゃ好きにすりゃいいじゃないですか」
345以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 22:29:54.20 ID:o3x4sL5m0
女「でも秋山小兵衛なら新聞刀でもけっこう強そうな気がする」
友「ああ。秋山小兵衛なら確かにそんな気もするねえ」
346以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 22:33:31.31 ID:o3x4sL5m0

        アンリミテッドブレイドワークス
女「あれは、 無 限 の 剣 製 っ」
友「新聞配達がどうしたの」
347以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 22:56:02.20 ID:vBe7OgCAO
348以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:00:00.74 ID:o3x4sL5m0
筒「サイコガーンっ、サイコガーン」
狙「なにしてるの」
筒「サイコガンのエネルギー波を極細に絞って、十メートル先の南天の実を一つだけ落とす練習」
狙「絞るって」
筒「こういうのは練習あるのみだからね。サイコガーンっ、くそ、サイコガーンっ」
狙「うんまあ練習は大事」   ――ぱんっ


狙「うん」
筒「うっわぁ、この娘、ほんとに撃って落としちゃったよー。ドン引きー」
狙「え。なんでそこで軽蔑されるの」
349以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:03:26.11 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その52】


女「ひぃ、ふぅ、みぃ……」

女「……はっ!?」

女「課の人数と課にある新聞の総数を数え合わせてもどうにもならないというのに、わたしは何を……」
350以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:04:27.32 ID:o3x4sL5m0
女「刃・馬・一体っ」   ――ぶんぶん
友「肩車して何やってんの」
女「この馬はわたしが右に曲がれと思えば右に曲がってくれますから、
  馬上で剣を振るうことだけに専念できるんですよ」
男「肩車しているとスカートの中を"これ"でつつきやすいんだがあいにく手が離せん。頼む」
女「え」
友「は」

男「頼む」
女「ば、ばかぁっ。放せっ。降りるっ、おーりーるーぅっ」   ――ぽかすか
男「叩かれ放題の顔面を防御できんのは辛いが足を持つこの手は離せない。さあ、頼む」
友「いや、頼むって、足で背高泡立草小突かれても」




筒「あんたもちっこいから肩車すれば強くなるんじゃないのー」
狙「そんなことしたらほかのスナイパーのいい的になる」
筒「でもいつもこそこそ撃ってるんだし、最後の最期に爽快かもよー」
狙「まだ死にたくないから、嫌」
351以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:07:26.04 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その53】


女「鏡とは光の反射」
女「鏡前の実像とは光速のレベルながら誤差があるはず」
女「なれば、鏡像の己よりも速く剣を振り抜くことは理論上は可能なはずではないでしょうか?」

男「新聞刀だから勢いあまって切っ先がかすっても割れはしないと思うけど、黄金聖闘士になった方が早いんじゃないかな」
男「つか武士以上に聖闘士なんて職場にいらないよ」
女「ぶ、武士を愚弄する気ですか!」
352以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:08:49.09 ID:o3x4sL5m0
女「かあぁーっつっ」   ――ばしいんっ


女「ははははは雪だるま。ははははははは手も足も出まい」   ――ばしいんっ
女「よぉし、この調子でどんどん辻斬りいくぞぉ」   ――ぶんぶん


友「片っ端から雪だるまを叩き壊して、むなしい奴」
353以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:12:54.44 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その54】


女「ううぅ……武士の魂が、雨の日の来客の靴の水気取りに……」
男「いや、だってちょうどそこに新聞刀持っていたから……」

354以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:17:11.83 ID:o3x4sL5m0
女「でさあ、そこで渡辺さんが。むっ」
友「どしたの」
女「俺のそばから離れるな」   ――しゃっ
友「何度も言うけどスカートに新聞刀差してたら、スカートの腰回り、伸びるよ」


小学生   ――しゃっ
小学生   ――すっ
小学生   ――ぶうん


友「え。このガキども、なんであんた見て笛だのサシだの木の枝だの構えるわけ」
女「ひとたび武人と武人が邂逅した以上、剣を交わさずにはすまされんのよ」
友「おまえが小学生低学年なみの馬鹿なのか、こいつらがおまえ並のアホなのか、判断に迷うなあ」




女「うわあぁんうわあぁん。ちぃちゃん本気でなぐったぁ。えぇーんえぇーん」
友「負けてるし」
355以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:18:34.53 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その55】


女「まさか接待チャンバラなどというものがあったとは……」
課長「本来は第二次性徴までには消滅するチャンバラ眼なんだけどねー。うっかりそのまま大人になっちゃう人けっこういるからー」

356以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:22:58.78 ID:o3x4sL5m0
女「夏休みの自由研究、あいつは押し花でほめられたのに、わたしは新聞の武器で怒られた」
友「惜しかったね。幼稚園の頃だったらほめられたかもしんないのにね」
357以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:24:37.58 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その56】


女「サバイバルゲームといっても実際は兵糧攻めや燻り出し、調略が主なので真剣でも新聞刀でもあまり関係ないのですがね」
男「ねえ。どこの誰とどんなサバゲーやってんの?」


358以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:30:11.31 ID:o3x4sL5m0
筒「ヘイ」   ――とす
狙「なに、筒なんか押しつけて」
筒「ライトニングバスターっ、ばきぼきべきっ」
狙「んっ、だから、なに」


筒「我が右腕からくりだすライトニングバスターはイオナズンと同等の力。
  直接触れねば効果はないが、骨が砕ける音がした。もはや助かるまい」
狙「いや、折れてないけど」
筒「まさか、回復魔法っ」
狙「まほうって」
筒「ガンナーは魔法使えないはずだろー。おまえ、もう完全にルール無用かよー」   ――ぺこぺこ
狙「ちょっと、叩かないで。ルールって」




狙「もう、どうしろと」
359以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:33:20.04 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その57】


女「新聞刀に切り替えてからというもの、かなり使い捨てにしてきたような気がします」
男「そこが安価な新聞刀の便利なところだよ」
女「そろそろ刀剣供養の一つもしておいた方がよいでしょうか?」
男「それは……別にいらないんじゃないかなあ」
女「でももし妖刀となって社に祟ったりでもしようものなら……」
男「使った本人じゃなく会社宛で祟るんだ」
女「この場合、鍛冶の神と、製紙の神のどちらを恃めば……」
男「うちの屋上にあるのはお稲荷さんだしねえ」
360以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:40:54.17 ID:o3x4sL5m0
女「ふっふっふっ。新聞刀とライフル、決着をつける日が来たようだ」
狙「なんで茶道部の茶室で」


狙「あ、ちっちゃい蜘蛛」
女「捕まえようとするたびにいつも二秒先の時間までワープすることで有名な蜘蛛だよ」
狙「そう。ちょっと近すぎてあれだけど、まあ」   ――ちゃっ、ぱんっ

狙「外れたっ、いや、逃げたっ」
女「さすがのスナイパーもお手上げだねぇ」   ――ぶうん
女「飛んでる蝿をお箸で捕まえたのはスナイパーじゃなく剣客だからね」   ――すぱぁん


女「あ、またキングクリムゾンで逃げたっ」
狙「このっ」   ――ちゃっ
女「ええい、無能なスナイパーはすっこんでろぉ。しとめるのはわたしだぁ」   ――ぶうん




女「そして茶室で暴れまくった罰として、
  理科室のテッポウウオの水槽に自費で水草を買い足すことになったのでございます」
友「しかもハエトリグモには逃げられた、と」




鉄「どぴゅっ」
狙(この子だったら、あるいは)
361以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:44:01.91 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その58】


朝礼

デアルカラシテコンゴワガシャデハー


女「……」

ニギニギ


男「(またひまを持て余したお侍さんがなにかのごっこに走った……)」
課長「(立ち並ぶ社員を柱に見立てて、三十三間堂の通し矢をやってるんだね? 課長はみんなお見通しだよ!)」
362以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:50:51.93 ID:o3x4sL5m0
筒「今宵のサイコガンはひと味違うぞー」
女「いつものチップスターじゃん」
筒「なんと今日のサイコガンは超合金だー」
女「ちょうごうきんっ」
筒「YESっ、超合金っ」


女「変形は」
筒「え」
女「ふっふっふっ。超合金なら変形か合体しなきゃねぇ」
筒「ぬぬっ」


筒「っと、こんなこともあろうかと合体対策は万全なのだよ明智君」   ――すぽ
女「ああ、サイコガン(C)の上からサイコガン(P)をっ」
筒「プリングルズはチップスターより一回り大きい。これまめちしきなー」
女「くそっ、新聞刀も超合金にして、合体、合体しなきゃ」
筒「遅いわー死ねー、合体超合金サイコガーンっ」
女「ぐはぁっ」





友「超合金だってさ。どうするよ」
男「ならばこちらは伝説の世界樹しかあるまい」   ――ぺき
友「うわっ、ハゼはやめろっ。かぶれるっ」
363以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:52:17.58 ID:vn2KOb4nP
【OL侍  その59】


女「祖父にミルブリで真剣をへし曲げられました」
男「ミルブリの固さなら叩きようによっちゃそうなるかも知れないけど……据えもの?」
女「いえ。わたしが真剣を持っての撃ち合いです」
男「相変わらずパネェじいさまだこと」
女「まあ元々数打ちの刀ではあったのですがね」



課長「(お馬鹿! チャンバラで現実のものを斬ってちゃ駄目なんだよ! はやく、こっちに戻ってくるんだ!!)」

364以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:53:06.59 ID:TYnOygtM0
山田のり子さんは有能すぎるwww
365以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 23:58:13.29 ID:o3x4sL5m0
狙 ――ちゃぷちゃぷ

狙「んんー」   ――ちゅる、ぴゅっ



女「なにお水飛ばしてるのぉ」
狙「ぶをっ」
女「あ、テッポウウオごっこだぁ」
狙「ち、違うっ、口にプールの水が入ったから出してただけっ」
女「あれってほかのテッポウウオがやってるの見て見取り稽古してるらしいよ」
狙「そう。やっぱり練習あるのみ、か」



女「練習してたんだぁ」
狙「だ、だから違うっ」
366以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:00:18.73 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その60】


女「新聞配達員は自分が必殺の武器を持ち運んでいるという自覚がなさげですね」
男「そんな覚悟を持ってる新聞配達員なんて来てほしくないよ」
女「どうも、すれ違うたびに、武士として無性に腹が立ってきます」
男「駄目だこの人……もうだいぶ新聞紙に蝕まれてる……」
女「そそそそそんなことはありません!!」
367以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:06:55.90 ID:/ECYqUt50
筒「地獄の爪ー」   ――こつんこつん
友「試験管じゃなく縦笛の先っぽを指にはめてそんなことする奴初めて見た」


友「誰の笛の先をかき集めてきたのか知らんけど、
  怒られる前にちゃんと返しとけよお」
368以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:07:53.49 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その61】


課長「駄目だよー。接待チャンバラでは相手に主役を譲らなきゃー」
女「はい……でも眠狂四郎とダイゼンガーとサー・ランスロットではいったい誰が主役を張ればいいのかいまいち……」
課長「んー。まあそこは慣れればわかるようになるよー」

女「それはそうと課長のお茶筒ロックマンはどちらかといえば性格的にDr. ワイリーに近かったような」
課長「チャンバラごっこならそれもまたよし!」

ロックバスター!!
369以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:15:29.85 ID:/ECYqUt50
女「えぇーんえぇーん、えぇーんえぇーん」

友「どした。そこのクズの茂みに十円玉でも落としたんか」
女「鬼まんじゅう半分こしようとしたらぜんぶとられたぁ」
友「あのクソでかい丹波土産か」
女「お父さんのお土産ぇ。ぜんぶわたしのぉ。ぜんぶわたしのなのぉ」   ――ぱしんぱしん
友「いま半分こって言ったのどこのどいつだ」

友「で、あの馬鹿はどこよ」
女「鬼まんじゅう持ってこの中に消えたぁ」
友「ちょ、待て、いくらクズが立体的に茂る雑草だからって、アホかあいつはっ」
女「まんじゅう返せ、まんじゅう返せぇっ」   ――ぱしんぱしん
友「もう諦めろ。茂みのはしっこ叩いてたってどうにもなんねえよ」
女「捕まえてきてぇ」
友「ふざけんな。河川敷いっぱいの雑草の茂みに誰が入るか」
女「うわあぁんうわぁん、鬼まんじゅう、鬼まんじゅうぅ〜」


男「一面に茂るクズこそはまさに庶民の熊本城。剣一本でなにができようぞ」   ――むしゃむしゃ


友「おまえもいちいち顔出して挑発せんでいい」
370以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:18:28.75 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その62】


課長「残業する人、はーいしてー。はーい」

シーン

課長「そうか。ならば致し方ない」

スポッ

男「(またお茶筒だ……)」
課長「残業代も出ないのに居残る課長のドス黒い精神力が産み出す残業光線を食らえー」

ビビビビビ

男「(ドス黒かったんだ……)」
女「どの方向から来?
371ま・た・か!:2008/11/19(水) 00:19:00.80 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その62】


課長「残業する人、はーいしてー。はーい」

シーン

課長「そうか。ならば致し方ない」

スポッ

男「(またお茶筒だ……)」
課長「残業代も出ないのに居残る課長のドス黒い精神力が産み出す残業光線を食らえー」

ビビビビビ

男「(ドス黒かったんだ……)」
女「どの方向から来ようとも、剣圧で土埃を立てれば光線も攪乱されて届きますまい!」

バババババ

男「こら! 書類を巻き上げるな!!」
女「いえ。これは廃棄する分です」
男「おまえもう残業決定」
372以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:21:39.60 ID:TCpn95FZ0
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1226634776/
↑このスレに
                  ,..-──-、
                 /. : : : : : : : : : \
                /.: : : : : : : : : : : : : : ヽ
               ,!::: : : :,-…-…-ミ: : : : :',
               {:: : : : :i '⌒'  '⌒' i: : : : :}
               {:: : : : | ェェ  ェェ |: : : : :}
            .   { : : : :|   ,.、   |:: : : :;!
               .ヾ: :: :i r‐-ニ-┐ | : : :ノ
                ゞイ! ヽ 二゙ノ イゞ‐′
                 入 ` ー一'´<
          _, 、 -― ''"::l:::::::\   ,、.゙,i 、
         /;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
        丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
       . i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
       ______∧________
       >>77 微妙に間違い ご苦労。
       俺がいいたいのは、正直全くぬらりスレとして機能していない
       このクソスレをどうして未だに残しているのかがわからない。
       どうせリクオもめらりにょんと同一人物だろ。くだらんよ。無理に続けんなよ
       こんなクソスレ。いいかげん現実見れ

↑このAAをコピペするとなんでも願いが叶います
恋人が欲しい、仕事が決まらないなど悩みがある人は是非一度お試しあれ
373以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:22:05.95 ID:/ECYqUt50
男「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」   ――じゃらじゃら
友「ジュズダマでほんとに数珠作ってるよこやつ」


女「くぅ、すぅ」
男「眠れ、安らかに」   ――じゃらり
友「かけるなよ、首に数珠」
374以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:22:49.94 ID:/ECYqUt50
男「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」   ――ぶちぶち
友「山牛蒡潰すなっちゅうに」


女「くぅ、すぅ」
男「眠れ、安らかに」   ――書き書き
友「書くなよ、デコに"阿"一文字」
375以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:27:07.15 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その63】


女「はいっ!!」

スパァン ガシャコーン

男「おお。新聞刀一閃で、こんなにも分厚い書類に一発でパンチ穴があいた」
女「剣技とは力と角度の総合芸術。ちょっと応用すればこの程度の……ああああああああ」
男「役に立ってるんだからいちいち自己嫌悪しなくていいって」

376以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:30:45.44 ID:/ECYqUt50
女「死ねぇ」   ――ぶうん、ぱぁん
友「うわっ」


女「新聞刀に紙鉄砲くっつけてみたよ」
友「痛い上にうるさいからやめろ」
女「銃剣なんだからしょうがないよぉ」


女「ね」
狙「たぶんそれ銃剣じゃない」
377以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:38:52.42 ID:/ECYqUt50
女「あ、おみこし」
友「ああ。今日お祭りかあ」
筒「ここはいっちょ、南無八幡大菩薩と一心に念じ、てっぺんの鳳凰を射落としてみたいもんよのー」
友「清盛じゃないんだから」
筒「南無八幡大菩薩っ」   ――くいっ

 ――こんっ

女「あ」
筒「当たった」
女「さすが八幡さま、武家の守護神」
筒「見てなかったら気付かないけど、っぽいのが確かに当たったねー」
友「いや待てっ、今のBB弾なんだっ。どっから飛んできたっ。あいつかっ」




友「っつかこのおみこしの行き先、そこの八幡宮なんだけど。八幡さまに祈って撃墜してどうすんの」
女「でも"南無八幡大菩薩っ"はお約束だしねぇ」
筒「ねー」
友「さすが日本の神さま、アバウトにもほどがある」
378以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:41:27.36 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その64】


女「旅行のお土産です」
男「お、ありがと」

ヤマブキイロー

男「……」
女「……? どうぞ」
男「おまんじゅうの底にびっしりと敷かれているのは……」
女「気分の問題です」
男「まあ用途としては間違っちゃいないけどさ……」

シンブンシノオサツー
379以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:47:29.75 ID:/ECYqUt50

 ――がたたん、がたたん

筒「あ、中身なくなった」   ――すぽっ
友「お菓子の筒はめるなよ、腕に、電車の中で」
筒「でもゴミを置き去りにしちゃ駄目だよー」
友「鞄に入れときゃいいじゃないですか」

筒「サイコガーン」
友「窓の外の何を撃った」
筒「忍者」
友「は、忍者、なにそれ」
筒「窓の外の忍者が見えないのか。君はダメダメ人間だな」
友「いや、意味が分かんない」
筒「あ、にゃろ、分身の術でかわしやがった」
友「こっち向いて話せよ小学生」
筒「一流のスナイパーと呼ばれた者はみな、この忍者との戦いで腕を磨いていたのですよ」
友「大嘘こくな」
筒「あ、あ、亜空間召喚してビーム吸い込んだっ」
友「それもう忍者じゃねえよ」



狙(だめ。せっかく飛んでるペンギンさんの親子、撃っちゃ、だめ)
380以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:50:18.77 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その65】


残業

女「最近、残業ばかりしているような気がします」
男「人件費削ってるからさー」
課長「課長は人件費ゼロで居残りだよー?」
男「課長のことはどうでもいいんです」
課長「課長のサイコガンは賞与査定低下光線も撃てんと思うての戯れ言かー?」
男「お茶缶で遊んでないで仕事してください」
381以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:53:47.44 ID:/ECYqUt50
筒「チップスターは中身が袋入りだけれど、筒がやや小さく耐久性に難がある」
筒「プリングルズは中身がそのままなので筒に手を突っ込むと油がつくけど
  筒のサイズに余裕がありやや頑丈」



筒「あれだ」
筒「ライフルで飛距離をとるか命中精度をとるかみたいなもんよー」
狙「たぶん、違う」
382以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:55:55.16 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その66】


残業

課長「ねー。机換わってよー」
男「ん? どうかしましたか?」
課長「一室だけ灯りがついている部屋で仕事してると、どうも敵鉄砲隊の的となるべく誘き寄せられたような気がしてさー」
男「たしかにそっちは窓際だけど、課長って暗殺されるほどの大物なんですか?」
課長「むかいのビルでやっぱ残業してる人がたまに羽根箒ライフルでこっち狙ってるー!!」
男「やる気出ないんすね、むこうさんも……」
課長「課長にはわかるよー。むこうさんもきっと残業代の出ない管理職ー」
男「課長はやる気出してください」


ホウケンコノキノシタニシセンー
383以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 00:58:52.31 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その67】


女「こうも使用済みボタン電池が大量に余っていると何かもったいないですね」
男「プリンのカップじゃないんだからさすがにもう使い道はないよ」
女「通りがかりに仕掛けて、うっかり触れた人が地雷に吹き飛ばされるさまでも想像するぐらいしか……」
男「……」


男「有給、まだあったよね……? 少し、休んだ方が……」
女「ししししし心配はご無用です!! ぶぶぶぶ武士はそんな卑劣な悪魔の兵器など使いません!!」
384以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 01:01:34.56 ID:/ECYqUt50
狙「んっ」   ――きゅっきゅっ
女「鉄砲になにつけてんのぉ」
狙「消音器」
女「ほぅ。さすがはスナイパー」   ――ぱぁん


女「わたしのニュースペーパーライフルにもつけといたほうがいいかなぁ」
狙「つけるって、なんのために」
385以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 01:26:47.95 ID:/ECYqUt50
友「ひでえな、台風」

 ――ぴんぽーん

友「誰だよ」

女「来たよぉ」   ――びちょびちょ
友「傘が無意味なのは分かるから、せめてレインコートぐらい着て来いや」
女「現実の弾丸もビームも、こんな嵐じゃ飛ばないからっ。こんな日こそチャンバラの本領発揮っ」
友「新聞ぐちょぐちょだよ」
女「む」   ――ぐにゅぐにゅ

女「死ね」   ――べしっ
友「出てけっ」


筒「はっはっはっ。缶々のサイコガンなら雨でも撃ち放題よー」
友「おまえも丸濡れかっ」
女「新しい新聞ちょうだぁい。遊ぼぉ」   ――ぺたぺた
友「あがるなあっ。っつか遊ぶって、外か、外でなのか」


女「天候に左右されないのがプロチャンバラごっこの魅力の一つです」
筒「想像力の刃と弾丸は雨嵐などものともしないのです」
友「おまえらマジでアホだったんだな」
386以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 01:27:36.55 ID:/ECYqUt50
女「唐揚ぎゃー」   ――ぱしんぱしん
男「いいよ。あげる」   ――ぱくぱく
友(あげると言いつつ普通に食ってるなあ。相変わらず会話がまるでかみ合っていない)


筒「フフン。馬鹿の一つ覚えの脅迫か」
友(相変わらずよく湧く馬鹿だ)
筒「もっとスマートにいきたまえ」


筒「牽引ビームっ」


筒「びびびびびびび」   ――ひょいひょい
友「オイ。人のウィンナー素手でつまむな。ビームはどうした。その茶筒は飾りか」







友「飾りだよなあ」
筒「ちゃんと出てるよー、牽引ビームー。チャンバラ眼でちゃんと見てみなー」   ――もしゃもしゃ
友「だから人のを食うなっ」
387以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 01:29:10.78 ID:/ECYqUt50
筒「喰らえ、太陽のエネルギー、ロックバスターっ」   ――ぴかっ


友「茶筒の底で光反射さすなっ」
388以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 01:33:59.34 ID:/ECYqUt50
友「音楽の楽器のテスト、どうすんの」
女「うーん。エーデルワイス禁止令が出ちゃったからなぁ」
男「草笛で十分だ」
友「好きにしなよ。怒られるのあんたなんだし」

女「なんかいいのないかなぁ」   ――がさごそ
友「けっこう変な楽器あるのな、うちの音楽室」
女「あ、サクソフォンだ」
友「吹けるのか」
女「吹けはしないけど」   ――すぽ

女「相手が音色で体を操ってくる前にこうして新聞刀を突っ込めばだいじょうぶだからぁ」
友「あんたのチャンバラ眼ではサクソフォンの彼方に何が見えとるわけよ」
389以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 01:35:01.50 ID:/ECYqUt50
友「あー。もう駄目ー。死んだあ」   ――ばたぁん
狙「そう」
友「元気だねえあんたー」
狙「学校のマラソン大会は軍装背負って走るわけでもないから」
友「君はいったいどういう環境下で育ってきやがったんですか」

友「あーもう動けんっ。お金出すからなんか飲むもん買ってきてよお」
狙「わかった」


男「そうか。動けないか」
友「おまえも元気そうでなによりだ」
男「途中で摘んだこの花二輪。とりあえず胸の上にでも置かせてもらう」   ――ちょいちょい
友「やめれ」
男「すまん。いつもながら本当にすまん」   ――ぱしゃ
友「撮るな」
男「許してくれ。許してくれ」
友(ああもう、振り落とす気力もねえ)



狙(どういう顔して戻ればいいんだろう)
390以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 01:38:42.08 ID:/ECYqUt50
友「掃除が長引いちゃったねえ。どっかの誰かさんたちがチャンバラごっこに興じるせいでっ。
  さっさと帰ろっかあ」

女「むむっ」   ――ぶうんっ

友「どした、いきなり廊下で新聞刀構えて。敵でも来たか」
女「いや、たそがれ時の誰もいない廊下ってさ、両端から刺客出てきそうじゃん」
友「幽霊じゃなくて刺客ってのがあんたらしいよ」
391以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 01:41:53.57 ID:/ECYqUt50
筒「あああああああああああああ」
筒「おおおおおおおおおおおおお」
筒「いやあああああああああああ」



友「おーい、あんたまで新聞で遊びだしたのか」
筒「新聞で筒作ってサイコガンにしたら、ガンなのか剣なのかわからんよなったー」
友「そうか」
筒「自分が、自分が何者なのかわからなくなっていくうううううううう」
友「馬鹿は毎日が楽しそうでうらやましいね」
392以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 01:47:36.79 ID:/ECYqUt50
筒「うにょろぉーん」

狙(変な動き。なにやってんだろ)

筒「敵艦補足、主砲、用意」

狙(うわ、こっち見て海苔筒向けてきた。一応撃っとくか)   ――ちゃっ、ぱんっ

筒「うにょろぉーん」

狙(当たったのに無視した。ゾンビじゃあるまいに)  ゾンビ:サバゲーで撃たれても無視する人

筒「ふふふ。さすがのヤマトも次元潜行艇ガルマンウルフには手も足も出まい」
狙「がるま、え、ヤマトって、宇宙戦艦の」
筒「主砲発射−、どーん、命中−。ヤマト撃沈ー。鹵獲じゃー。総統への捧げ物じゃー」
狙(ど、どうしよう。よくわからないけどノリ的には捕まったほうがいいのかなあ)




女「誰がオリオン腕方面に手を出せと言ったっ」   ――すぱぁんすぱぁん
筒「ああっ。申し訳ありません、総統っ」

女「久し振りだな、古代。正式に艦長に就任したそうじゃないか。おめでとう」
狙(ど、どう返せばいいんだろう。ヤマトにこんな話あったっけ)
393以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 01:56:49.29 ID:/ECYqUt50
女「職員室にあるんじゃないかなぁ」
筒「職員室だねー」
女「うっし、じゃあ行くか」
筒「敵にエンカウントしたら逃げまくって、武器だけ拾えばいいよね」


友「なんの話さ」
女「敵のダンジョンって、なんでかしらないけど強い武器おちてるじゃん」
筒「ちょっくら拾いに行ってくるわー」
友「ああ、そう、気をつけてね」





女「職員室の日経新聞を奪ったはいいものの、
  エンカウントした先生から逃げ切れず、パーティーは全滅したわけでございます」
友「せっかく拾った強い武器を使えばよかったじゃないですか」
女「"そうびする"よりはやく襲われたのです」
友「丸める間もなかったか」
筒「あいにくとこいつが装備できる武器しかおちてなかったのに、なぜか一緒に怒られたぜ」
友「そうか」
394以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 02:06:02.53 ID:/ECYqUt50
筒「サイコガン、ドリル、フック。いろいろあるけどやっぱ一番はサイコガンだね」
狙「そう」
筒「でも生クリームの絞り口も捨てがたい」
狙「生クリームって」
筒「ビームの代わりに、精神力が続く限り生クリームが出てくる特殊アタッチメント」
狙「それがなんの武器に」








狙(生クリームかあ)
女「どした、銃口のぞき込んで。なんか詰まったのぉ」
395以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 02:13:04.90 ID:/ECYqUt50
女「うあー」   ――ぶんぶん

狙「危ない。眼を閉じて新聞紙振り回さないで」
女「盲目の剣士です」   ――ぶんぶん
狙「危ないって」
女「剣盲・浮寝丸とはわたしのことだ」   ――ぶんぶん
狙「うきね、え、なにそれ」
女「浮寝丸もしらんのか最近のスナイパーさんはあさqっwでfrgtひゅjき」   ――がしゃあん


女「うわあぁんうわぁん」
狙「眼を閉じて暴れるから。ほらほら、痛くない痛くない。よしよし」
狙(前もこんなことをしていたような)
396以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 02:22:34.00 ID:/ECYqUt50
女「めーん、めーん」   ――ぽかすか
友「やはり浮いている風船は割れませんか」
女「これぞ活人剣の極意なり」
友「へたくそと活人はぜんぜん違うよ」
397以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 02:26:53.50 ID:/ECYqUt50
女「うちの学校にもNIEが来るっていうから期待してたのに、新聞刀の話、しなかった」
友「するわけねえだろ」
398以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 02:33:02.01 ID:/ECYqUt50
女「うううぅ。またこの木に実がつきはじめてるよぉ」
友「ああ。冬中ずっとわさわさなってるあの黒いの。トウネズミモチだっけ」
女「草も実も冬ぐらいぜぇんぶ枯れて無くなっちゃえばいいのにぃ」
友「これって実がやたら多い上にほどよく堅くてそこら中に植わってるからねえ」
女「ぜったい今年もぶつけてくるよぉ」
友「ぶつけてくるよなあ」
女「い、今のうちにぜんぶ摘んどけばっ」
友「無理だろ、物量的に」
女「いやだよぉ、いやだよおぉ。ぶつけられるのいやだよぉ」
友「いやですなあ」
399以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 02:38:53.42 ID:/ECYqUt50
女「盲目の剣士って強いよね」
友「お話の中ではね」
女「でも盲目のスナイパーってのは役立たずだよね」
友「だから盲目の剣士も現実では一緒だっての」


女「ということはそのままどっちも眼が見えるようになった場合、
  剣士のほうがスナイパーより強いままなんだよぉ」
友「ものすごい論理を操る娘だね君は。
  そもそも盲目の剣士もスナイパーも実際は成り立たないんだってば」


女「銃を固定しといて、ターゲットが通ったときに観測手の合図で引き金を引けば
  盲目のスナイパーも十分成り立つよ」
友「そんなやりかたならもうスナイパーじゃなくタラちゃんでもいいじゃないですか」
女「硝煙反応も撃ったほうにつくし、警察もまさかめくらが撃ったとは気付くめぇ」
友「そうか」





友「でも既出な、そのトリック」
女「マジっすか和尚」
400以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 02:46:36.08 ID:/ECYqUt50
筒「ロケットパーンチっ」   ――ひゅうん
友「茶筒すっぽ投げんな」



筒「やはり現実の弾は駄目だ。一発で終わってしまう。目に見えぬものこそが最強なのだ」
友「ちゃんと拾っとけよ」
筒「サイコガーン」   ――すぽ
友「おまえ何個筒を持って来てんだ」
401以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 02:47:49.66 ID:/ECYqUt50
友「なあ」

男「ん」
女「なぁに」

友「新聞刀とバショウ持ってついてくんなっ」


女「いえいえ、殿。城下の一人歩きは危険ですぞ」   ――ぶんぶん
男「玉座脇で扇いでいるアレだ。気にするな」   ――ふぁさ、ふぁさ

友「こっぱずかしいんだよっ。消え失せろっ」


女「殿の御身になにかあれば我が国はどうなります」
男「もはや俺の意志ではない。有情だ。天地の有情の意志なのだ。仕方がないのだ」




友「前も言ったけどさ。今度その有情さん、うちにつれてこいや。大事な話があるから」
男「天地の有情は呼びつけることも、ましてや従わせることもできやせんよ」   ――ふぁさ、ふぁさ
402以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 02:50:46.49 ID:/ECYqUt50
女「めーん」   ――すぱぁん
筒「うぐぇっ」


女「死んだか。ではカントリーマアムは遠慮なくいただくとしよう」
筒「そう貴様の思い通りにいくと思うなよ」
女「バカなっ。今の一撃は致命傷だったはず」
筒「ふふふ。胸ポケットに入れておいたプリングルズのふたがなければ危ないところだった」
女「だめぇ。ポケットに入れてて防げるのは鉄砲だけで、刀は防げないのぉ」   ――ぽかぽか



狙(銃弾が防げるのなら刀だって防げそうなものなのに、どういう理屈になってるんだろう)
403以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 02:52:59.32 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その68】


課長「おーぅい者どもー。労基署が来週来るから、やばいもん隠しとけよー」


男「毎度毎度だけど、労基署ってほんと意味ないよな」
女「予告付きの目付の影に隠れ、腕利きの隠れ目付が密かに内情を探っているかも知れませんよ?」
男「ないないそれはない」
女「そうですか」

女「もし隠れ目付に出会したなら、社内から生かして帰さぬよう、斬り捨ててみたかったのですが」
男「三百年前の薩摩藩にでも生まれればよかったのにね」
404以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 02:56:54.22 ID:/ECYqUt50
女「あ、ああっ」   ――ばさばさ
友「無理っしょ。新聞で背丈よりでっかい新聞刀作るのは」
女「見た目だけで相手をびびらすような剛剣は男の浪漫」
男「まったくだ」   ――ぺしぺし
友「三メートル葮竹で人を叩くな」

女「わたしがこの刀を軽々振り回して配下に指図しているのを見たスナイパーは
  おそれいって降伏してくるのだ」
友「あんまり長くすると曲がりやすくなるよ」
男「まったくだ」   ――ぺしぺし
友「へし曲げるぞ葮竹っ」




友「で、配下って誰よ」
女「あ、あ、またばらけたっ」
友「それと元ネタの盗賊さんは船の櫂を扇子みたいに軽々振ってるのを見ておそれいったんだよ」
405以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 02:57:34.11 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その69】


女「新聞紙で撒き菱を折ってみたのですが、意外と使い道がありません」
男「そこで意外なんて言葉が湧いて出る方が意外だよ」
女「デスクに小物として飾るにしては三百個もあると少々多いような気がするのです」
男「(こいつは妙なとこで凝るところがあるからなあ)」
406以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 02:59:31.46 ID:/ECYqUt50
女「おもしろい技思いついたよ」
友「そうか」
女「魔剣・松柏の舞いっ」   ――ばしいんばしいん

 ――ぶわっ

友「おぶうぇっ、ちょ、やめっ、なんじゃこらっ」
女「ふふふ。松花粉を甘く見たな。杉花粉の悪名に隠れてはいるが、これもまた凶悪の粉」



女「こないだあいつにやられたんで、仕返しに誰かにやってやろうと狙ってました」
友「なぜ負の連鎖を自分のところで断ち切ろうと思わなかったんだっ」
女「ふしぎと思わなかった。ごめんね、ごめんね」
友「そうか」   ――ずぼっ、こちょこちょ
女「やめてよぉ、松の苗でつつかないでよぉ。やめてよぉ、やめてよおぉ」
407以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 03:00:08.32 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その70】


バレンタイン

男「葱……」
女「うちの庭でいくらでも育っておりますので」
男「新聞紙でくるんで……なんか、なつかしい……」
女「刻んでタッパーに入れ冷凍しておくと重宝しますよ」


課長「課長は大根だー」
女「うちの庭でいくらでも育っておりますので」
課長「おお、この頼もしい固さと白さ。まさに冬の有情がくれた天与の武器」

ブンブン

女「喜んでいただけたようでなによりです」
男「誰を仕留める気ですか課長?」
課長「この課で一番使えぬ奴を」
男「(面白い自殺のしかた思いつく人だな)」
408以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 03:00:54.03 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その71】


ブンブン

女「真剣ではなく新聞刀でならば、念願の千人斬りも可能だと思うのです」
男「たしかに死にはしないだろうけど。斬る……っつうか叩くの? 誰を?」
女「バイトでも、新人でも、泥棒でも……」
男「うちの会社、千人も人いないよ」


課長「(ふ、ふ。課長はもう道行く人を窓からサイコガンで一万人近く撃ち殺してるけどねー)」


女「……使えぬ上司でも」
課長「(下克上される……ッ!!)」
409以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 03:02:37.01 ID:/ECYqUt50
女「先生がチョーク投げてきたら新聞刀で叩っ落としてやりたいのに投げないなぁ」
友「ほんとに投げたら折れてもったいない上に、モンスターなペアレンツがやかましいじゃないですか」
男「迎撃準備は万端なんだがな」
友「おまえならほんとにどんぐりで迎え撃てそうで怖いよ」
女「あれ。おまえ"なら"って、わたしは無視なの」
友「君には無理だと思うよ」
410以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 03:03:07.84 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その72】


女「新聞紙で折り溜めた紙鉄砲がずいぶんと増えてしまいました」
男「一度鳴らしても破れるまでは簡単に折り戻せるのに……」
女「ちょうどいいので作業構内をうろつく鳩や烏でも逐ってきます」
男「逃げるな。伝票チェック終わらせろ」
女「武芸の腕を磨くのも武士の仕事のうちで%8
411もうやだこれ:2008/11/19(水) 03:03:31.55 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その72】


女「新聞紙で折り溜めた紙鉄砲がずいぶんと増えてしまいました」
男「一度鳴らしても破れるまでは簡単に折り戻せるのに……」
女「ちょうどいいので作業構内をうろつく鳩や烏でも逐ってきます」
男「逃げるな。伝票チェック終わらせろ」
女「武芸の腕を磨くのも武士の仕事のうちです」
男「社員の仕事を済ませてからにしろ」
412以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 03:05:31.71 ID:/ECYqUt50
女「翔べっ、銀河を砕く一撃っ」   ――ぶううんっ

狙「は、えっ」
女「三百光年彼方の星をも砕く。これぞチャンバラの醍醐味よ」
狙「またおかしなことを」
女「我が烈風の気魄は光速を越えすでにかの星を打ち砕いたが、
  かの星からの光が途絶えるのは三百年後。おぬしが生きておる間に見せられんのが残念じゃ」
狙「そんな遠くの星を斬れるのなら」   ――ちゃっ


狙「そこのセンダンの実はもっと簡単に斬れるよね」   ――ぱん、ぽさっ
女「我が剣は婦女子に見せつけ自慢するための剣ではない」   ――すたすた
狙「そう」




狙(じゃあ今のはなんだったの)
413以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 03:07:04.57 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その73】


クリスマス

課長「クリスマスでもお仕事ですにゃー残業ですにゃー」
女「カレンダー上は平日ですから」
課長「予定ないのかー? 課長はない!! でも残業代もないからやっぱりむなしいー」
女「終いの天神には行きたかったですけどね」
課長「仕方ないから眼下の街行く腐れカッポゥどもをサイコガンで一撃ひっさあーつ」
男「(この人はなぜ課長になんかなれたんだろう?)」

課長「ほれほれー。そこの侍も新聞火縄銃で狙撃せんかーい」
男「外から見たら馬鹿丸出しなんでやめてください」
課長「ふん。チャンバラ眼を持たぬ者めー」
414以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 03:09:04.62 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その74】


女「その腰の大小は飾り物かと酔っぱらいに虚仮にされましたので……」
男「飾りでいいんだよ! よりによって小、ミルブリの方でぶん殴るこたあねえだろっ!!」
女「酔っぱらいは痛みを感じないので、なかなかに厄介でした」
男「オイ。さすがに殺しちゃったら相手がド平民で?%E
415まったく:2008/11/19(水) 03:09:54.08 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その74】


女「その腰の大小は飾り物かと酔っぱらいに虚仮にされましたので……」
男「飾りでいいんだよ! よりによって小、ミルブリの方でぶん殴るこたあねえだろっ!!」
女「酔っぱらいは痛みを感じないので、なかなかに厄介でした」
男「オイ。さすがに殺しちゃったら相手がド平民でも武士の方が分が悪いぞ?」



男「つか、つまりまた真剣の方を会社に忘れて帰ったのね?」
女「……」
416以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 03:10:22.63 ID:/ECYqUt50
女「わたしは父が好きだつた。
  正確に言ふと文旦を剥いて呉れる父の無言の手が好きだつた」
友「いつの時代の小説の出だしさ」
女「文旦むいて」
友「自分で剥けや」
女「仕方ないなぁ」


女「うりゃっ、ふんっ」   ――ぶうん、ひゅん


女「ふっ」
友「部屋の中で新聞振り回さないでよ」
女「いま、文旦の皮だけきれいに斬れたのが見えなかったか」
友「ぜんぜん」



女「いいからはやく文旦の皮むいてよぉ。すぱっと切れたんだからさぁ」
友「切れてんなら剥く必要ないし、
  あんた剥いたそばから人の分まで残さず全部食うじゃないですか」
417以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 03:11:09.07 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その75】


課長「社の売り上げは増えろ!! でも仕事は減れ!! 顧客死ね!! キリッ!!!」


男「この人はほんとに威厳もへったくれもない上司だな……」
女「甲冑でも着せておきますか? 見た目だけでも何とかなるかも知れませんよ」
男「武装は面の皮の厚さだけで十分でしょ、この人は」


課長「はんこで番天印!!」
418以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 03:14:29.40 ID:hax5jLsgO
ここすごいな、ほとんどがSSで埋まってるや



書き手頑張れ支援
419以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 03:15:41.97 ID:/ECYqUt50
女「む、これはミョウバンの結晶、いや、第五使徒ラミエルっ」
友「こらこら。授業で作ってるやつなんだから勝手にいじらない」
女「でもこのままじゃ化学教室の下の教室が襲われちゃうよ」
友「ミョウバンの結晶は下の教室なんて襲わないから」


 ――ちんっ


女「うわあっ」
友「なんか飛んできたあっ」


友「あ。BB弾だ」
女「ポジトロンスナイパーライフルの一撃。やはりこいつは使徒だったのか」
友「おまえが持ち上げてたから何となく撃ってみたくなっただけじゃないの」

友「にしても、どっから。今の、どっからよ」
420以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 03:16:53.39 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その76】


女「せ、千人斬り、達、成……」
課長「一千部ぶん切り抜き済んでもまだまだあるよー」

ドサッ

女「ううっ……手が、手がインクでなんだかつるつるに……」
課長「おわったらぜんぶデータ化しとくといいかもねー」
女「……」



女「斬るっ! すべて斬るっ!!」
男「おちつけ。新聞刀振り回すな」
課長「蝦夷地まで来てまーだ刀を振り回すか新撰組の残りカスがー」

サイコガーン

男「課長も! 新政府軍ごっこしてるひまがあるんなら新聞の切り抜き手伝ってください!!」
421以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 03:22:52.30 ID:/ECYqUt50
女「透明のBB弾ってないかなぁ」
狙「エアガンなんか撃たないくせに」

女「わたしがこの刀を遠くから振ったと同時にあんたが隠れて的を撃つ」
女「はた目にはわたしが衝撃波で的を倒したように見える」
女「そしてわたしは英雄となった」
女「いっちゃぽーんとさけた」
女「となむ、語り伝えたるとや」
女「フフン」


狙(この人は朝から晩までこういうことばかり考えているんだろうか)
422以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 03:24:06.92 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その77】


女「漫画やアニメで日本刀を持っている制服姿の女の子がいますよね?」
男「うん」
女「なんで大小両方をきちんと持たないのでしょうか?」
男「さあ……」
女「どこに佩びているのかも気になります」
男「吊り提げるためのベルトぐらいしてるんじゃないの?」
女「そういえばわたしも普段はそうしていましたね」


課長「課長のサイコガンも普段は食料だよー」

ポリポリ

男「チップスターかじった手でそのままパソコン触らないでくださいよ課長?」
課長「おまえ、お母さんかー」
男「服で拭いても駄目!」
423以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 03:28:05.97 ID:/ECYqUt50
狙(あ、オジギソウ)   ――そろり


女「れっぷうけえぇーんっ」   ――ばさばさばさばさばさー


狙「あっ」
女「うははははははははぁ。死んだっ。オジギソウぜんぶ死んだぁ」
狙「ああぁ」
女「女子供もみんな死ねぇ」   ――ばさばさばさばさばさー
狙(ああ、葉っぱがぜんぶ閉じていく)


狙「死んでない」   ――じゃきっ
女「お。なになにぃ。なんか撃つのぉ。あわれな獲物はどこだぁ」
狙「死んでないっ」   ――くいっ
女「え。なに、わたしのうしろなの。どこうか、ここ」
424以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 03:28:43.38 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その78】


女「実際の話、学生ならばジャージ、社会人ならば作業着姿の方が刀を振るには動きやすいと思うのですがね」
男「地味すぎて洒落にならないからじゃないのかな」
女「ではちょっと作業構内に行ってきます」

カポッ

男「行ってらっしゃい」


男「安全靴とヘルメットのOLが日本刀ってのもどうかと思うけどなあ……いまは新聞刀だけど」
425以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 03:34:11.27 ID:/ECYqUt50
狙「誰。BB弾を全部ワラジムシに替えたのは」
友「有情の人に決まってるじゃないですか」


狙「ダンゴムシですらないってのはどういうこと」
友「有情さんの考えることは凡人にはわかりかねますねえ」


 ――わさわさ
426以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 03:35:37.44 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その79】


外回り中

女「あ。蚊柱」
課長「課長に任せろ! サイコガーン!!」

課長「駄目だー。蚊に当たって攪乱されるー」
女「いや。当たったのならば蚊は死ぬでしょう。その光線が実在さえしていれば」
課長「サイコガンのエネルギーは人の精神力。そして蚊は人の精神力を乱すもの。ゆえに攪乱されるのです」
女「(この人は理屈だけはいっちょ前だから困る)」

女「仕方ないですね。わたしが血路を開きますから、全力でついてきてください!」

ブウゥーン!!

課長「おお。蚊柱が開いたー!」
女「さあ!」

タッタッタッタッタッタッタッタ


女「しまった! 外回りだから真剣の方も持っていたのに、つい新聞刀を広げて扇ぎ散らして……!」
課長「でもまあこの場合、真剣で蹴散らせたかといえば、ねー」

ポム

女「あうぅ……」
427以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 03:41:00.75 ID:/ECYqUt50
女「あかとんぼが群れてるね」
友「まだ八月なのに」
女「急に湧いて出たって感じ」
友「うん」
女「入れ食い状態だぁ」   ――ぶんぶん
友「無双ごっこはやめろ」



女「くそっ、田んぼの上ばっか飛んでるから刀が届かんっ」
友「直接ぶっ叩かなくても、安全圏からいつもの衝撃波飛ばしてりゃいいじゃないですか」
女「ここは武士と武士、純粋に力と力のみでぶつかってみたいのじゃよ」
友「相手が安全な虫ケラだと急に強気になるよなあ、この虫ケラさんは」
428以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 03:41:55.41 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その80】


課長「今度来た役員の、ホラ、あのメガネの……」

ヒュッ

課長「ぐゎっ!?」
男「課長!?」


女「いや、黒幕の秘密を漏らそうとしていたので、つい……」
男「つい、で課長に新聞手裏剣ぶつけて殺さんように」

課長「課長なのに三下の悪役扱いされた……課長こそが社長を操る黒幕なのに……鬱だ……仕事したくない……」
男「手裏剣ぶつけられたこと自体はいいんですか」
429以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 03:47:39.40 ID:/ECYqUt50
筒「死ねやあっ。サイコガーン」
女「なんのぉ、撃たせるかぁ」   ――ぱしぃんっ、ぐしゃ



筒「あ」
女「缶々叩いたらポテトチップがつぶれたような音がした」
筒「うああああああ、ガンの底を叩く奴がいるかあっ。
  エネルギーが、サイコガンのエネルギーがあ」
女「サイコガンのエネルギーって、精神力じゃなかったっけ」
筒「だから今ので精神力が砕け散ったー」
女「そんなとこに精神力入れとくからだよぉ」
筒「精神力が尽きたとき、いつでも補充できるようにーっ」
430以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 03:49:24.10 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その81】


女「課長。有給の申請用s……」
課長「 課 長 空 間 ッ !! 」

ドンッ!!

女「これは……っ!?」
課長「説明しよう! 課長空間とはすべてのシフトが課長の意のままになる絶対空間!! 有給申請も早退残業も課長の意のまま!!」
男「(この人は子供の頃もこうだったのかなあ)」

女「ううぅ……」
男「言ってるだけなんだからほっときなよ」
女「感じないんですか? 本当に領域(テリトリー)が展開されているんですよ」
男「マジっすか和尚」

課長「侍なだけに無駄に感覚が鋭敏だからねこの子は」
課長「だからいっぺん身体が慣れれば、チャンバラごっこ的なふいんきでも実感としてとらえちゃうのさー」
男「難儀な人たちだなあもう……」


女「でもまあ違和感があるだけといえばあるだけなんですけどね」
男「そりゃ人体に直接害のある空間なんか展開できたらもう課長じゃないよおばけだよ」
431以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 03:54:40.06 ID:/ECYqUt50
男「お、カントリーマアムか。全部もらっておこう」
友「湧いてんのかてめえ」
男「ほう。そう言うか」   ――がさごそ
友「うるせえ。白粉花の種の十や二十ぶつけられたところで誰が」



男「だが小蒲の穂こそはまさに庶民の噴進弾」   ――ずらあっ
友「が、蒲の穂っ。それ、何十本、おい、ちょっ、待てっ、それは待てっ」
男「洒落にならんかもしれんな、これは。悪い」
友「毎度のことながら悪いと思うんならやるなよっ」
男「さあ、俺が罪を犯す前に、そのカントリーマアムを」
友「い」


友「一個たりともやるもんかああああああああああああああああああっ」   ――たたたっ
男「逃がさん。噴進弾、全弾発射」   ――ひゅんひゅんひゅんひゅんひゅん
友「あでっ、いでっ、ぐえっ、おごっ、いぎゃっ」


男「悪いなあ。まったく、どう詫びればいいのやら」   ――がさごそ
友「せめて、穂の先の茎は、むし、っとけ」   ――がくっ
432以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 03:56:00.77 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その82】


課長空間内

女「ううぅ……」
男「どうしたの。課長空間がそんなに気になるの?」
課長「ふ、ふ。課長空間内では社長でさえ逆らえん。ましてやヒラ侍風情がー!!」

女「何日も洗っていない頭がかゆいような感じがつきまとって、無害とはいえ、どうにもやりづらいです……」
男「なにその嫌がらせみたいな空間」

課長「コラてめーヒラ侍ー!! 有給申請用紙隠すぞー!!」

433以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 04:02:01.40 ID:/ECYqUt50
筒「大変だよー」
友「どしたの。正気にでも戻ったの」
筒「サイコガンを耳に当てると、精神の奔流が聞こえるっ」
友「ただのお菓子の筒なのに」




友「それはひょっとして貝を耳に当てたときに聞こえるアレと同じものなんじゃないのかなあ」
筒「ハハハ。サイコガンに限ってそれはねーよ」
434以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 04:04:32.49 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その83】


引き続き課長空間内

男「チャンバラごっこ的な空間ならさ、チャンバラごっこ的に破壊できるんじゃないのか?」
女「え?」
男「空間のわずかなひずみや亀裂を刀で切り裂いて、そこから現実空間に帰還するとか」
女「やってみます……」
課長「ふ、ふ。課長空間は攻防一体の無敵陣! もはや休むことも定時に帰ることもできはしない!」
男「(そこはかとなくいやな空間だな……)」
女「亀裂、亀裂……あ」


チップスター


女「そこっ!!」

スパァン!!

課長「あっ! 課長の魂が!!」
女「押さえて!!」
男「あ、うん」

トッタドー!!

男「で、課長のチップスターを押さえたけど……」
女「ほんとに……課長空間が……消えました……」
男「やっすい空間だったね」
435以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 04:09:27.59 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その84】


作業構内

女「あ。ちょっと待てください」

ヒュン

男「え、なに? いま何を斬ったの?」
女「いえ。蜘蛛の糸がかかっておりましたので」
男「さっき通ったときはなかったじゃん」
女「構内ではよくあるのですよ」
男「不思議だねえ」
女「こういうのはこっそりおばけがこっそり糸を掛けているのだと祖母は言っていましたがね」
男「いるかもねえ、そんなおばけも」


男「本物の刀で蜘蛛の糸を払うのもなんだし、新聞刀のほうがほんとに便利な気がしてきた」
女「蜘蛛の糸は払えますが、真剣でなければ絡新婦の怪はさすがに斬れません」
男「いやあれは昔話にしかいない生き物だから」
436以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 04:13:10.99 ID:/ECYqUt50
女「新聞刀で窓ガラスを思いっきり叩いてみたい。でももし割れたら怒られるかもしれないっ」
友「かもしれないじゃなく確実に怒られるっての」



友(あ、いや。でもこいつならあるいはガラス窓にも負けるかも知れないぞ)
437以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 04:14:44.45 ID:/ECYqUt50
女「唐揚げ。おお、唐揚げ」
友「しつけえなあ」
女「どうあってもよこさぬというのなら、少し眠ってもらおうか」   ――ふぅっ
友「は、なに。新聞紙、今度は笛かなにかなわけ。音色で操る気か」


女「バカめ」   ――すぱぁん
友「いてっ。いいかげんにしろ」   ――ぐに
女「いひゃい」
友「そんなに唐揚げ好きならお母さんにもっと作ってもらえと」
女「奪えるお肉とお菓子はあまさず奪えと剣が命じるのです」
友「捨てろ、そんな剣」

女「だいたいせっかく穏便に吹き矢で眠らそうとしたのに効かないから
  仕方なく斬る羽目になったんだよぉ」   ――ぶんぶん
友「え、悪いのこっちなの。今のが吹き矢だってわからなきゃ駄目だったんですか」
438以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 04:15:46.84 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その85】


作業構内

課長「邪魔なとこにリフト停めてるなあー」
女「……」
課長「荷物取りに来た課長のことも考えて停めとけよー。なあー」
女「……」
課長「……おーい、どしたー?」


課長「ひょっとして、リフトに乗って抜刀して駆け回る想像でもしてたー?」
女「ししししししてませんよそんなこと!!」
439以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 04:19:33.84 ID:/ECYqUt50
女「サンタさんも袋に丸めた新聞紙入れときゃ肩凝りにならずにすんだのにね」
友「プレゼントはどこいったのさ」

女「大黒さんも袋に丸めた新聞紙入れときゃ肩凝りにならずにすんだのにね」
友「中のお宝はどこいったのさ」



女「新聞紙は宝物だよ」
友「そうかい。じゃあ今後おまえ関連のプレゼントはみんな新聞紙な」
女「やだよぉ。プレゼントはお菓子ぃ。お菓子がいいのぉ」   ――べしんべしん
友「どこまで身勝手にできとるんですか君たちの精神は」
440以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 04:20:51.26 ID:/ECYqUt50
筒「はーい。本日の狙撃シミュレーションは、
  かぐや姫を迎えに来た月の人を想定して行いまーす」
女「光り輝くその姿を見ただけで高野少将率いる二千の兵士が
  戦うまでもなく気を抜かれてまるで使い物にならなくなってしまったというあれかぁ」
男「いいだろう。空の有情に地の有情の意地、見せてやろうではないか」
狙(なぜこんなわけのわからない話に付き合わされているんだろう)
441以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 04:23:12.04 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その86】


課長「あんたの上司って、課長だよね?」
女「ええ、まあ」
課長「じゃあ次の会議で課長の意見にたてつく奴がいたら剣で脅してー」
女「そんな無茶な」
課長「あー。会議の時だけは真剣許可するからさー」
女「そんなことをしていたらよその課が対抗して騎士やスナイパーを雇い、泥沼化しかねませんよ」
課長「課長もシャーペン型仕込み銃で支援するからー」
女「課長が会議中によくおかしな方向にペンを向けていたのって、ひょっとして……」
課長「心のヴィームを撃ってたー」
女「ああ……そうでしたか……」
442以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 04:25:59.43 ID:/ECYqUt50
筒「サイコガンの力でプールに浮いてみせまーす」   ――ぷかぷか
女「浮きにくそうだね」
筒「本来背中につけるはずのヘルパーを強引に腕にはめて浮くにはいろいろと姿勢がきついのよー」
友「ひもを通す穴をむりやり押し広げるな」
筒「サイコガーあばう゛ぉえあqすぇdrftgyhぬjも、。;」


女「あ、バランス崩して沈んだ」
友「ちゃんと腕から抜けるのかなあ、あれ」
443以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 04:53:24.90 ID:/ECYqUt50
女「ねぇ、のび太と自分、どっちが射的うまいと思う」
狙「え」
























狙「のび太はほら、狙撃銃じゃなくだいたい拳銃を使ってるから、一概に比較は」
女「その前に寝そべって待ち伏せしてたら寝ちゃうよね、のび太なら」

友(今の"間"はなんだったんだオイ)
444以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 04:54:53.70 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その87】


女「備品庫に置いておいた陣太鼓がいつの間にか撤去されていました。無念です」
男「どこに討ち入りに行くつもりだったの?」
女「派閥抗争が武力抗争に発展した際とかにあるいは使い道もあるかと思って……」
男「そういうときは社の体面とか気にしなくていいから警察呼びなさい」
課長「陣太鼓なんてのはしょせん、熊本銘菓・誉の陣太鼓で十分ってことよー」

ムシャムシャ
445以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 04:55:37.95 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その88】


女「はいっ!!」

スパァン 

男「おお。ミルブリ一閃で、こんなにも固いボードに一発で押しピンが刺さった」
女「木槌でもできることです。ミルブリである必要はありません」
男「でもこれ、こんなにしっかり刺さっちゃあ抜くときはどうすんの?」
女「あ……」


課長「課長のサイコガンで牽引光線出そうか?」
男「抜けるまでずっと、ですよ?」
課長「うわーん木っ端侍ー。部下がセクハラするー」
女「木っ端……」
男「この場合はセクハラでなくパワハラです課長。それと上の者が下の者にやるから問題なんです」
446以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 04:56:20.57 ID:/ECYqUt50
筒「弘法筆を選ばず」   ――じゃきーん
女「ほう、水筒ですか」
筒「サイコガン・水筒っ」   ――ビシィッ
女「ならこっちもクラス新聞を使ってみるか」   ――びりっ


筒「うううぅ−。中で溶け残ってる麦茶氷が冷たいいぃー」
友「なぜに中味を残したままで腕にはめる」

女「やはりもろい、もろすぎるわっ」   ――ぐしゃぐしゃ
友「学級新聞勝手にはがしたあげく丸めて捨てちゃ駄目じゃないですか」
447以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 04:59:12.80 ID:/ECYqUt50
女「へんっ、しんっ」   ――くるくる

友「新聞を丸めただけじゃない」
女「説明しよう。わたしは新聞紙を丸めることによって
  正義の美少女、新聞仮面に変身できるのだ」
友(で、としか言いようがない)
男「コスチュームももちろん新聞紙だな」   ――くいっ
女「ひゃあっ」


女「服はいいのっ」
男「まあそういうな。脱げ」
女「やめてよぉ。やめてよおぉっ」   ――すぱぁんすぱぁん
友「一応ここに人目があるんですがね、お二人さん」
女「魔法少女だってスティックでできた服着てるわけじゃないでしょっ」
男「いや。実は着ている」
女「マジか」


友(これが四捨五入して二十歳になる男女の会話なのか)
448以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 05:01:08.31 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その89】


女「古墳から出土する埴輪みたいな感じの武人……あれも侍になるのでしょうか?」
男「現実逃避してないでこれと組みの伝票はやく探して」
女「将門や頼光はぎりぎりで侍でしょうね」
男「手を休めないで」
449以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 05:02:43.57 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その90】


男「あーそこそこ。新聞の短歌ページ見ながら辞世の句考えない」

男「こら、急に丸めて殴ってくんな! 痛い! おまえが本気で殴るとただの新聞紙じゃ済まないんだよ!!」

450以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 05:04:55.48 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その91】


忘年会

課長「ウラー! 課長命令じゃー! 剥けー! この蟹を課長が食いやすいようにみんな剥くのじゃー!!」
男「酔っぱらってもたいしてレベルの変わらない人だな……でもこれは俺の蟹です!」
課長「課内には! おしなべて課長こそあれ! しきなべて課長こそいませ!」
男「(酒臭い……)」

女「まかひぇてくらはい! 古来トラらいじはぶひぇんもにょのほみゃれ〜」

ブンブン

男「うわっ、こっちにも虎(酔っぱらい)がいる!! 宴会場でまで新聞刀を振り回すんじゃない!」

課長「おのれ士農工商の士〜。プロレタリアートにのみ許された究極光線を食らえー!!」


課長「キャンサーヴィィ〜ム!!」


男「だから、俺の蟹のハサミで遊ばないでくださいって!」

女「おろれれろうっ! ヒェメンロらるのながのこみゃいれにひてふれるわあ〜!!」

男「駄目だ! 酔っぱらってるせいか課長と同じレベルに堕ちてる!! 眼を覚ませコラ!!」

451以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 05:07:20.15 ID:/ECYqUt50
女「うーん」
女「エアガンで撃つと見せかけて新聞刀で一刀両断」
女「問題はどうやって新聞刀をエアガンで隠しながら接近するか」
女「遠距離攻撃がくると思って油断していた相手に直接攻撃っ」
女「これはいける」



狙「普通逆だと思うけど」
452以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 05:11:26.77 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その92】


女「(いつの日か、あの社旗に換わって我が家の旗を……)」
男「屋上に何か?」

453以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 05:13:09.05 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その93】


男「でも新聞刀だとさすがに野菜とかは斬れないよね」
女「元から斬りませんよ? 漫画じゃあるまいし」
男「あ、そうなんだ……」
女「プロ野球選手だってバットで釘は打たないでしょう」
男「(OLが会社に真剣持ってきてたのは漫画的じゃないんだ……)」

454以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 05:15:24.53 ID:/ECYqUt50
男「母恵夢をよこせ。ことごとくよこせ」   ――ひゅんひゅん
女「おまえに食わせる愛媛銘菓などうずしおパイ一かけさえもないわっ」
男「それでも奪わねばならぬ。奪わねばならぬわけがある」   ――ひゅんひゅんひゅん
女「草の実投げんなぁ。だが十万本の矢、確かにいただいたぁ。自分の武器で死ねぇ」   ――ぐっ



女「あー。あー、あー、ああーっ」
友「寄るなっその手で触ったら段ボールに入れて新聞紙で隙間詰めてオホーツクに送り捨てるっ」
女「投げ返そうとしたら山牛蒡の実だったぁつぶれたぁお手々びちゃびちゃぁ」
友「寄るなっつってるだろっ」
男「すべて計算のうちだ。使うか、背高泡立草」
友「ありがとう」


友「っつかおまえのせいな」   ――べしんべしん
男「それは悪かった」
女「あー。あー、あー、ああーっ」
455以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 05:17:14.02 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その94】


課長「だっるぅー」

ダラダラゴロゴロヌルヌルベトベト

男「この人はちょっと目を離すとすぐお菓子片手にとろけるな」
女「虫歯になりやすい食べ方ですね」
男「それは課長個人のことだからどうでもいいよ」
女「真剣帯刀さえ許されていれば、職場に気合いを入れられるのですが」
男「それは気合いじゃなく脅迫だね」


女「仕方がないので幔幕を張ってみました」
男「いまにも母衣に矢の刺さった使い番が駆け込んできそうだ!! なんという緊張感!!」
課長「ううぅー」
男「課長もサボりにくそうにしてる……」

課長「なんかおかしいと思ったらこの幕、おまえんちの家紋入りじゃねーかヒラ侍ー!」
女「……うっ」
男「ちゃっかり自分空間にしてたのか」
課長「課長んちの家紋入れて幟立てろよー」
男「そうしたら課長がくつろぐから駄目……って、なんで二人とも、社章を使うという発想が出てこないの?」
456以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 05:21:17.50 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その95】


男「モップ持った掃除のおばちゃんの前を歩いてても、槍持ち従えた気分にはなれないでしょ」
女「たたたたたまたま行く方向が同じだっただけです!!」

457以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 05:23:53.51 ID:/ECYqUt50
女「伝説の剣であればあるほど、弱点の一つもほしいものよ」
友「むしろ使い手が弱点の万国博覧会状態じゃないですか」
458以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 05:25:29.82 ID:/ECYqUt50
女「ほいやぁ」   ――ぶんぶんぶん
友「今度は新聞刀でなにを斬った」



友「つもりだ」
女「パンツ一枚残しておまえの服をぜんぶっ」



女「あ、勢いあまってパンツも斬れてた。ごめぇん」
友「そうか」   ――ぐりぐりぐりぐりぐり




女「いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい」
459以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 05:28:09.07 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その96】


女「課長のサイコガンの軌道だけは未だに我が心眼をもってしてもよくわかりません」
男「あれって心眼で見えるようなものなの?」
女「修練あるのみ、です」
男「鍛錬の目標にするならもっと高みを目指そうよ」
460以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 05:52:01.53 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その97】


社会科見学

女「思ったとおり、学生の中に間者が混じっておりました」
男「なにをした」
女「必殺の気合いで新聞刀を抜きはなってみたところ、反射的に向こうも新聞刀を……」
男「それ、間者じゃなくて同類」
女「しかしあの反応はとても素人のものとは……え? 同類ということは、武士?」
男「チャンバラごっこの、だ!」


課長「(ふ、ふ。プロチャンバリストのとっさの物語構築力を甘く見てると死ぬよー?)」
461以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 05:52:30.31 ID:/ECYqUt50
女「ちぇーすとぉっ」   ――ばしぃん
女「ちぇーすとぉっ」   ――ばしぃん


女「おかしいなぁ」
女「相手がススキなら新聞刀でもうまくフシのとこにあたったらぺしってちぎれとびそうなイメージしたのに」
女「このしなしなした茎が衝撃をすべて受け流しているからかっ」



友「いくらなんでも折れはするでしょ。あんたが非力なだけなんじゃないですか」
462以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 05:54:47.54 ID:/ECYqUt50
女「秘剣・乱れ雪月花っ」   ――ぺしんぺしん
友「やめれ」
女「剣がわたしに命じるのですわたしでは逆らえんのです」
友「剣さん、なんて言ってんの」
女「えっとぉ」




女「先の大戦において、戦地等に派遣され、戦時衛生勤務に従事された皆様に、
  内閣総理大臣名の書状を贈呈しています。請求期限は平成にじゅ」
友「見えてるとこの記事読んでるだけじゃないですか」
463以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 05:55:26.54 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その98】


女「この新聞刀は扱いに注意しないと精神が汚染され支配される呪われし刀」
男「朝日か! ……いや、いまどきの新聞ならどこも同じか!!」

464以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 05:56:22.44 ID:/ECYqUt50
女「生クリームこぼしてそのままにしといたら、剣の錆になるより先にカビになりました」
友「捨てろよそういうのはさっさと」
465以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 06:01:49.96 ID:/ECYqUt50
女「銃犯罪の増加なんて眼じゃないんですよ」
友「また何か言い出したよこの娘さんは」
女「依然として新聞大国の日本。ミルブリの脅威を思えば、銃大国アメーリカを笑えません」
友「とりあえずおまえのことを笑っといていいかい」
女「笑わば斬るっ」   ――すぱぁん
友「まだなんもしとらん」


女「この剣は、未来を斬る剣っ」
友「もうわけがわからん」
466以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 06:03:53.66 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その99】


女「茶室での密談こそが武士の浪漫だというのに、この会社にはなぜ茶室がないのでしょう?」
男「社長室と応接室が一緒くただからじゃないの?」
女「かといって屋形船があるわけでもなし」
男「料亭とかじゃ駄目なの?」
女「間者が店の者になりすましているのは常識です。安心して密談できません」
男「へえ……ところで密談するほどたいそうなネタ、あるの?」

467以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 06:06:29.29 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その100】


女「接待チャンバラとサバイバルゲームの予定とが入り組んでいて、たまに混乱することが」
男「……どっちも似たようなものだと思うんですが」


468以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 06:08:34.47 ID:/ECYqUt50
筒「サイコガンって、メジャーな武器じゃないよねー」
女「日本は刀の国だからねぇ」
筒「このサイコガンで何かやらかしても、
  ニュースじゃきっと"サイコガンのようなもの"とさえ報道されないんだよー。くそー」
女「はっはっはっ。その点、日本刀はメジャーだからねぇ。
  わたしが討ち入りしたらちゃんと"日本刀のようなものを振り回し"って報道されるよぉ」
筒「おのれー」
女「くやしいか。フフン。くやしいか」



友「クソくだらない心配なんかしなくても、
  どっちも"お菓子の筒""新聞紙"ってはっきり言ってくれると思うよ」
469以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 06:15:12.29 ID:/ECYqUt50
女「こらぁ。いま校舎ななめに斬ったんだから、落ちてきた校舎につぶされて死んでよぉ」
男「建造物と植物、最後に勝つのはいつだって植物。そういうことだ」
女「わけわかんないよぉ」




筒「フッ。下界の愚民どもめが、また愚かなことをやっておるわ」   ――ゆらゆら、ぱりぽり
友「お菓子の筒をワイングラスみたいに揺らして食いながらなにを悪のボスみたいなことを」












友「一階の窓辺でほざいてんだ、おまえ」
470以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 06:17:19.55 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その101】


女「しゅん……」

男「どしたの、えらく落ち込んで?」
女「伝来の鎧をサバイバルゲームで身代わり人形に使ったら祖父にえらく叱られました」
男「そらそうだ」
女「戦国期と現代の体格差の問題で、すでにわたしでも着られないような鎧ですよ?」
男「鑑賞用に甘んじず実用に生かそ?
471ほんまにもう:2008/11/19(水) 06:17:52.29 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その101】


女「しゅん……」

男「どしたの、えらく落ち込んで?」
女「伝来の鎧をサバイバルゲームで身代わり人形に使ったら祖父にえらく叱られました」
男「そらそうだ」
女「戦国期と現代の体格差の問題で、すでにわたしでも着られないような鎧ですよ?」
男「鑑賞用に甘んじず実用に生かそうとするあたり、戦国武士っぽいよおまえ」



472以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 06:22:17.12 ID:/ECYqUt50
狙「ねえ」
筒「なんじゃらほい」   ――ぱりぽり
狙「いま食べてるそれ」
筒「なんだよー。人のおかし狙うなよー。おまえのならそこにあるだろー」

筒「あー。もうからっぽかー。諦めろ、な」   ――ぱりぽり
狙「だから、それ。人の食べないで」
筒「ちゃうわぼけー。おまえのは我が魔法の筒の変化光線を浴びてからっぽの袋になっただけじゃー」
狙「そう」   ――ちゃっ


筒「まあ待て落ち着け。話ならこれぜんぶ食べてから聞くからさ」
狙「自慢の変化銃とやらで弾を空気にでも変えればいいじゃない」   ――ぱん、ぱん、ぱん
筒「いたっ、いてっ、やめろっ、穴が開くっ。アルミ缶の上にあるみかんみたいに穴開いて汁漏れるっ」
473以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 06:29:38.43 ID:/ECYqUt50
女「強くなると思って案山子さんにミルブリ持たせてみたら雨降ってとろけちゃった」
友「ちゃんと拾って捨てときなよ」

筒「案山子が本来持っていたのは飛び道具である弓矢。だから缶々の筒はめてみたよー」
友(やべっ。案山子がビームの鞭で稲の上の雀を薙ぎ払う絵が一瞬浮かんだっ。もう駄目かもしれん)

男「愚かな。田の神は山より来たる神。山の有情の祝福を受けぬものを持たせてどうする」
友「どんぐりの袋持たせるのは勝手だけど、烏に見つかったら全部持ってかれるよ」

狙「威銃(田畑でたまに鳴っている爆発音)はターゲットをスナイプするわけじゃないしつまんない」
友「だからって直接手を下しちゃいかーんっ」
474以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 06:36:31.77 ID:/ECYqUt50
女「この剣でしか斬れぬものがもっとあってもよいと思わぬか」
友「もっともクソも、何一つ斬れやしないじゃないですか」


女「さ、最初にパック開けて中の紙とったときの納豆の糸とか」
友「おまえ、お箸でうまく切れんのか、あれ」
475以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 06:37:52.37 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その102】


課長「うちの課にもカレンダーがいっぱいきたよー。全部はいらんからもってけ暦乞食どもー」
男「じゃあ二つほどもらっていきますね」
女「二刀流ですか」



男「……」
女「いいいいいいいいいえなんでもありません!!」
男「丸まったままのカレンダー見て思いつくのがそれか……」
女「きききき気の迷いです!」

ブンブン

男「新聞刀を振り回しながら言われても、ねえ」
476以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 06:43:51.64 ID:/ECYqUt50
女「ぬ」
女「あれに見えるはにっくき背高泡立草っ」
女「おのれ天地の有情の使徒め。いつもいつもあいつに味方する、人類の敵めっ」
女「おまえなんか新聞刀でこっぱミトコンドリアだっ」
女「めーん、めーんっ」   ――ばしぃんばしぃん

 ――ぱらぱら

女「あー、あーっ」
女「アブラムシっ。アブラムシいっぱいついてたぁっ」
女「たすけてぇ、たすけてえぇー」   ――ぶんぶん
477以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 06:50:48.11 ID:/ECYqUt50
友「あ、なにそれ。すげえふさふさ」
男「パンパスグラスの穂こそは、へたな毛皮をはるかに上回る大いなる徳」   ――ふぁさふぁさ
友「ほお」   ――つい
男「触るな」   ――ぐい

友「触らなきゃ意味ないじゃん」
男「なにを言う。ふだんは穂でつつくといやがるくせに」
友「こいつ、半端なくむかつくな」


男「じゃああいつにちらつかせてくるか」
友「おまえらのそういう情熱ってどっから湧いてんだろうね、ほんと」
478以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 06:57:56.05 ID:/ECYqUt50
鶏「こっこっこっこっ」


女「うわ出たぁっ」
筒「こ、コッカトリスだー」
友「飼育委員が散歩させてるだけじゃん。毎度毎度よくそうとっさに馬鹿なこと言えるね」


鶏「クルゥアアアアアァァァァァァァ」   ――ばさばさばさ


女「せ、石化光線っ、石化光線きたっ」
筒「畜生っ、反射ビームっ」
友「何にでもビームってつけりゃいいってもんじゃないでしょ」


筒「ふう。サイコガンがなければパーティーは全滅してたよー」
女「ちっ。よけいなことを」
筒「え、なに、命の恩人にその言いぐさは」
女「ビームなんかなくても、この刀身に映った自分の石化光線で石化してたのにさぁ」
友「新聞紙に何がどう反射するってのさ」


鶏「こおぉぉぉぉぉぉぉ、こっこっこっこっこっ」


友「反射されたわりに元気そうだよ、コッカトリスも」
479以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 06:58:26.72 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その103】


課長「課長のお土産だよー。群がれ、甘いものやあんむゎーいものに目のない下郎どもー」


女「甘いものは別腹というのなら、肉のつく場所も別の腹だとよかったのですが」
男「それ、腹じゃなくむしろ腫瘍」
女「その別腹を切腹用の腹として生かせば……」
男「死にたいのか死にたくないのかどっちさ?」
女「死にたいか死にたくないかといわれれば」

ムシャムシャ

女「太りたくない、というのが本音でしょうか」
男「うわあ、質問の答えにはなってないけどすっごい説得力だー」
480以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 07:05:09.00 ID:/ECYqUt50
男「ふむ」   ――ずぼっ

友「そうやって頭でも掻くみたいに気安く雑草抜くのやめなよ」
男「誰かを叩きたくなったんだ。仕方ない」   ――ぺしぺし
友「そんな理由で毎度毎度、雑草ではたかれてたまるかっ。やめろっ」

〜「うねうね」

筒「あ。サンドワームだー」
友「みみずじゃん。今ので出てきちゃったのかな」
筒「死ね。サイコガーン」

ノシ 「びたぁーん」

筒「いぎゃあああああああああああああああああああ」
友「あ。跳ねた」
筒「さ、さすがはこの運動場のヌシっ、無敵のサイコガンといえど一筋縄ではいかんのかー」
友「痛いから。しがみつかないで。っつか、みみずがのたうったぐらいで怯えんな」
筒「いいえサンドワームです。全長三十六メートル。これまで襲われた運動部員は数知れず」
友「えらく活動のせせこましいヌシですな」

〜「うぞうぞ」
481以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 07:12:07.47 ID:/ECYqUt50
女「ふいぃ。すっかりおそくなっちゃったねぇ」
友「下校時間ぎりぎりまで新聞刀振り回して遊ぶなんて、いまどき小学生でもどうかと思うよ」
女「と言ってるあいだに新たなる敵がっ」
友「チャンバラ眼で勝手に敵を作るな」
女「ほら、そこに巨大怪獣がっ」

 ――ずーん

友「うわっ」
女「出たな黄昏ドラゴンっ」   ――ぶんぶん
友「あ、ああ。樹に葛がめっちゃ巻き付いて、怪獣の影みたいに見えるだけか」
女「ドラゴン退治は古来より勇者のほまれ。我が剣の錆となるがよい」
友「オイ。馬鹿やってないでさっさと帰るよ。ほんとに真っ暗になっちゃうから」
女「でもこのままだとドラゴンが街を襲いに」
友「おまえが不審者に襲われる方が先だから。か、え、る、ぞ」
女「ああっ、街が、街がぁ」
482以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 07:12:37.79 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その104】


男「武士と騎士ってどっちが強いと思う?」
女「身分と身分をぶつけてどちらが強いかと問われても、答えようもありません」
男「じゃあ、武装の問題で……」
女「騎士や武士は武装で定義されるものではありません」
男「……もっと熱くなるかと思ったけど、意外と淡泊だねえ」
女「この手の話は、チャンバラごっこのレベルでいじるぐらいでちょうどいいんですよ」
男「でもそれだと課長次第って結論に……」
女「ああ。それはないです」


課長「有給封印光線撃つぞコラ木っ端侍」
483以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 07:19:02.63 ID:/ECYqUt50
女『そっちに逃げたぞぉ。逃がすなぁっ』
筒『死ねや白犬ー。サーイコガーンっ』
女『こら逃げるな犬ぅ。おとなしく犬追物の運命を受け入れろぉ』
筒『我が武芸の肥やしとなれー』


狙(あの二人は、またっ)   ――ちゃきっ
狙(しょうもないことでわんちゃんいじめてっ)


女「待てぇ、待てぇ。おとなしく我が剣の錆となれぇ」
筒「こやつ、なかなか素早いっ」


狙「あぁ」

狙(風で飛んでる白いビニール、か)
狙(もう、あの二人は、また)
484以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 07:19:35.10 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その105】


男「ひまだな……今日は仕事あんましないね」
女「では社内が派閥で割れた際の練習でもしておきますか」
男「相手の暗殺とか? 幕末の京都じゃあるまいに」
女「わたしと貴方で双方の閥につき、生き残った側についた方がもう片方をすくい上げるのですよ」
男「関ヶ原か!」
485以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 07:25:39.13 ID:/ECYqUt50
筒「オッ。今日の体育はサイコガンかー」
友「あたま大丈夫か」
筒「でもこの太さだと、ちょっと腕にはめにくいなー」
友「リレーバトンなんだから普通にリレーをやるという発想を持てばいいじゃないですか」
筒「あ。お手々を袖の中に引っ込めてバトンだけ出せば、サイコガンに見えるねー」
友「サイコガンはどうでもいいから。はやく準備しないと授業始まるよ」
筒 ――もそもそ


筒「三連筒サイコガン×2だー」
友「そんな持ち方してると落とすって。普通に持って運べや」
筒「むしろサイコガトリーンうわあ落ちる落ちるーっ」
友「あ、チャイム鳴った」
486以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 07:26:22.91 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その106】


女「でもあんがい、そのまま本当に相争うことになってしまうかも知れません……」
男「応仁の乱か!!」

487以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 07:32:41.79 ID:/ECYqUt50
狙 ――かちゃかちゃ

女「おー。また鉄砲のお手入れですかぁ」
狙「うん」
女「構造とかだいたいわかってるんだ」
狙「まあ、ね」
女「なるほど。ほう。いや、なるほど」   ――くるくる
狙「なに。いきなり新聞丸めて」

女「フフフ。貴様の娘はあずかった」   ――ぐいっ
狙「え」
友「こら、今度はなにを始めた。放せ」
女「その腕を見込んで仕事を頼みたい。いやとは言わせん」
狙「仕事って」
女「御禁制の鉄砲をつくってもらいたいのだ」
狙「いや、さすがに造るのは無理」
友「紙鉄砲のことじゃねえの」
狙「ああ」


女「職人をさらって監禁しむりやりつくらせて、幕府転覆をたくらんでこそー」
友「陰謀がバレて上様に斬られる前に諦めとけや」   ――ぐりぐりぐり
女「いたいいたいいたい人質があばれちゃだめぇ」
488以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 07:33:20.13 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その107】


女「都合に応じてあっちの派閥の頭に降ったり、こっちの派閥の頭を担いだりというのもありかも」
男「南北朝か!!!」

489以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 07:40:55.83 ID:/ECYqUt50
女「ええーい、こんなチンケなとりでの一つや二つぅ」   ――ぺたぺたぺたぺた
男「城の攻め手は守り手の最低三倍必要ということを知らんのか」   ――ついつい
女「おのれぇ、おのれぇっ」


狙「あの人たちは滑り台で何をしてるの」
友「有情の馬鹿が滑り台の上で滑り台を守り、
  新聞刀のアホが滑り台を逆走し攻め上がろうとしているものの
  そもそも片手に新聞刀持ってるからてっぺんまで登り切れていないという、まあ見ての通りの光景」
狙「高校生、だよね」
友「同じ学校に通っている以上そうでしょうなあ」


友「でもサバゲだって似たようなもんなんでしょ」
狙「極論するとそうだとしか言えないけど。言えないけど、ほら」
友「まあ気持ちはわかる」



男「狙撃隊、前へ」   ――ひゅんひゅん
女「あーっ。どんぐりはやめろっ。
  もう城中には食料も弾薬もなくて、たがいに我が子を取り替えて食らう末期状態なのぉっ」


友「お子ちゃまの遊びにしちゃなんつうエグい設定だっ」
490以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 07:41:37.26 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その108】


女「最終的には実際に戦った我ら平社員が擡頭して社の実権を握り、全部署の半数の人事権を掌握するように……」
男「保元平治の乱か!!!!」

491以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 07:48:21.02 ID:/ECYqUt50
狙「よくもまあ毎年毎年こんなに河辺いっぱいに育つこと」
男「これぞ有情の漲る力。草野姫の大いなる徳」
狙「葮竹だらけ。川の流れじゃなく、こっちの方が寝そべる龍みたい」
男「この見渡す限りが葮竹長柄の精兵だ。秋の兵だ。何人たりともかないはしない」
狙「んんー」



男「どうした」
狙(これだけ広くて高い茂みなら狙撃用に潜んでそのまま逃げるのに使えるかな)
男「葮竹なる有情の要塞からこちらを狙う銃口でも見えたのか」
狙(あ、でも茂みに潜む何千何万が、一斉に葮竹を抜いて動き出したら)
492以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 07:55:54.02 ID:/ECYqUt50
筒「サイコガーン、サイコガーン」   ――ぶんぶん

狙「どうせならお菓子の筒じゃなくホームセンターで材料買って似たようなの造ればいいのに」
筒「なにいってんだこの人は」
狙「え」
筒「そんな精巧なエアガンなんか使ってたら、
  そのうち本物の鉄砲から本物の弾しか出せないような駄目な子になっちゃいますよー。
  いいんですかー」
狙「えー」

筒「サイコガーン、サーイーコーガーン」   ――ぶんぶん
493以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 08:02:52.46 ID:/ECYqUt50
筒「日本神話における上筒之男命、中筒之男命、底筒之男命の三柱の神々こそが
  サイコガンの神であることはいうまでもない」

友「その人達ならたしか海の神様だよ」
494以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 08:09:51.98 ID:/ECYqUt50
男「これなん、理力の杖」
友「またえらく脳みそっぽい鶏頭ですな」
男「有情の力をそのまま打撃力に変換」   ――ぼいんぼいん
友「やめろ。真っ赤な脳みそが固くて痛い」
男「菓子一つ惜しむ愚か者の脳が血に染まるさまを現わしている」   ――ぼいんぼいん
友「お菓子一つに何でそこまで粘着できるんだよおまえらは」
女「だって、お菓子はみんなわたしのものだから」   ――べしんべしん
友「図に乗るな貴様らあっ」
男「違う。菓子は俺のものだ。そのすべてが、俺のために約束されている」
女「ちがうよぉ。みんなわたしのだよぉ」
友「人の話を聞けえっ」
495以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 08:12:11.30 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その109】


女「……」

ジーッ

男「天井に何か? 忍者?」
女「いえ。うちに血の染みついた板が何枚かあるのですが、破損箇所の修繕に使えないかと」
男「血天井はお寺さんだけで十分だよ」


男「血の染みついた板?」
女「ご乱心があったお屋敷のものだそうで、先祖が肝試しで持って帰ってそのままになっています」
男「なにやってんの。ご先祖さまもご子孫の方も」
496以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 08:18:41.93 ID:/ECYqUt50
筒「サイコガーン、サイコガーン。はあ、はあ」

友「妄想の弾撃って疲労してんなよ」
筒「さすがは四大天の一角を占める聖獣。サイコガンといえど容易に貫通はしないかー」


亀「ぼー」


友「いや。あれ、玄武じゃなくてクサガメだから」
筒「しかしっ」   ――ぐいっ
友「放せ」
筒「二人分の精神エネルギーをガンに込めればー」
友「手を放せっ。二本も入るかっ」
筒「そのぐらいの奇跡起こさんで、四大天を倒すという大奇跡を起こせるかーっ」
友「亀を倒したきゃ勝手に甲羅ひっくり返してろっ」
497以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 08:19:57.37 ID:/ECYqUt50
女「南無八幡大菩薩っ」   ――ぱぁん

烏「グヮ」   ――ばささささささささあっ

女「よし、いけるっ」
友「紙鉄砲で烏おどして楽しいかあ」
女「四大天の一角を甘く見るな。死ぬぞ」
友「朱雀じゃなくて烏だから。っつか朱くないよ。真っ黒じゃん」
498以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 08:21:02.47 ID:/ECYqUt50
男「敵とは倒すだけのものではない」   ――もそもそ
友「はあ」
男「たとえそれが四大天の一角であろうとも、我らと同じ有情の子」   ――もそもそ
友「その四大天ごっこって、いまあんたらの中で流行ってんのか」
男「有情をもって訴えかければ、青龍といえど手なずけるのはたやすいことさ」


←――――――――――――


友「ぎゃあああああああああああああああああああああああああっ」

←〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜「うねうね」

友「捨てろっ。コウガイビルなんか木の枝で拾ってんじゃねえっ。捨てろっ」
男「伸びるのに」
友「だからどうしたあっ」
499以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 08:22:47.11 ID:/ECYqUt50
猫「すりすり」

狙(あ、白猫さんだ)
狙「よしよし」   ――なでなで


女「あぶないっ。そいつから離れろっ」
狙「え」
筒「そいつは四大天の白虎だ。はやく逃げろ、食われるぞっ」
男「構わん。あやつごと斬れ。人里に出られては厄介だ」
女「隊長、そんな非情なっ」
筒「うう。友ごと撃たねばならんというのか」
男「おまえたちができぬというなら、我が葮竹にて斬り捨てるっ」

狙「また、この人たちはなにを」   ――ちゃっ


 ――ぱん、ぱん、ぱん


女「うわあああああ、撃ってきた、撃ってきたぁ」
筒「ええい、そいつはただの猫ではない。おそるべき魔獣だとまだわからんかあっ」

狙「猫ちゃん、いじめちゃ、だめ」

女「だめだ。完全に取り込まれちゃってる」
男「さすがは四大天一の狡猾なる獣。ああやって人をたぶらかしおるのだ」
500以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 08:24:26.51 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その110】


女「そういえばうちの会社は抜け荷とかしていないんですかね」
男「最近じゃ抜け荷というより産地偽装のほうが流行じゃないかな」
課長「おまえらもう少し自分の会社信用しろよー」

二人「(この人さえいなければもう少し信用できるのに……)」
501以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 08:31:14.62 ID:/ECYqUt50
女「ふふ。今宵の新聞刀はちと血を吸いすぎた」
友「だからスカートに差すなと。汗吸っちゃってるじゃん」
女「これは涙ではないっ。汗だっ」
友「オイ。セリフ間違えてる」
502以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 08:39:38.59 ID:/ECYqUt50
筒「あ。選挙カーだ」
狙(ここが日本、か。狙撃の可能性をまるで考えてない立ち方してる)
筒「あんな高いところに立って演説とは、的にしてくれといってるようなものよのー」
狙「えっ。あっ、うん、うん」
筒「ならば望みどおり撃ってやろう。サーイコガーンっ。よし、車ごと爆発大炎上ー」


筒「フフフ。おぬしのエアガンでは紛らわしすぎて街中で自由に狙撃もできまいて」
狙「そうね」

狙(ここが日本、か。筒の下に銃口を隠してると疑われもしないなんて)
503以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 08:45:13.64 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その111】


女「武士ならば一度ぐらいは討ち入ってきた上様や副将軍を討ち取ってみたいものです」

ブンブン

男「プレステの悪代官ってゲームでもやってれば?」


課長「やっほー。課長だよー。今日はお休みだけどおちょくりに来たよー。しかも手土産なしっ!」


女「ええーい、本物の課長が斯様な場所に居られるはずがない。課長の名を騙る痴れ者じゃあ! 斬れ、斬り捨てーい!!」
男「こら」
504以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 08:46:11.14 ID:/ECYqUt50
狙「撃っても、撃っても」   ――ぱん、ぱん


男「厭離穢土欣求極楽。厭離穢土欣求極楽」   ――ぶんぶん


狙「なんでこっちに来るの」   ――ぱん、ぱん


男「厭離穢土欣求極楽。厭離穢土欣求極楽」   ――ぶんぶん


狙「撃っても撃ってもすすきの穂で払われる」
女「一丁の狙撃銃じゃあなみの兵士の足止めはできても、
  死を恐れずに集団で突っ込んでくる一向宗徒には最終的に数で押し切られちゃうよ」
狙「いや、あの、数って、あの人、一人じゃあ」
女「フフフ。チャンバラ眼でよぉく見てみろ」
狙「はあ」


女「信長をも震え上がらせた数万の一向門徒と阿弥陀如来が見えてこないかい」
狙「すうまんって」
女「おとなしくそのお菓子をあけわたして降伏したほうがいいよぉ。
  いまなら和睦の仲介ぐらいしてあげるから」
狙「自分が食べたいだけでしょ」


男「厭離穢土欣求極楽。厭離穢土欣求極楽」   ――ぶんぶん
505以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 08:52:54.29 ID:/ECYqUt50
筒「サイコガンが抜けなくなったー」   ――ぶんぶん
友「ああそうですか」
女「今宵のサイコガンは缶々かぁ」


女「よし。家庭科室行こ」
友「ジャムのフタじゃねえんだから、ガスで炙ったら火傷するよ」
筒「バカめ。火傷するのはサイコガンを甘く見た貴様のほうだっ。死ね、サイコガーン」
友「うん、もう、楽しそうだし一生そのままでいなよ」
506以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 08:57:03.17 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その112】


カサコソ

女「……鼠っ!?」

……

ニンニン

女「ああ……忍者でしたか……」
男「いやいやいやいやいやいやいやいや。待て待て待て待て待て待て待て待て」
女「屋根裏の忍者など健康なときの体内菌のようなものです。いちいち槍で突く必要はありません」
男「そうなの!? っていうか現代にも忍者いるんだ?」
507以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 09:00:17.91 ID:/ECYqUt50
筒「サイコガン連弾発射ー」   ――カンカンカンカンカンカンカン
狙「お茶筒でよその柵をカンカンしてたら怒られるよ」

女「なんのぉ、こんな柵など我が剣の前ではあってなきがごとしぃ」   ――ぱすぱすぱすぱす
女「ぬぅ。いまいち切れ味が」
狙(斬るというか、自分も音を立てたいだけか)

女「ねぇ、ケースの中のエアガン貸して。使わないでしょっ」
狙「エアガンはカンカンするものじゃない」
女「貸してよぉ。いじわる。いじわるぅ」   ――ぐいぐい
狙「いやいじわるというかそういうんじゃなくて」

筒「あははははー」   ――カンカンカンカンカンカンカン
508以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 09:07:53.07 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その113】


女「新聞刀で一つ不便な点があるのですが」
男「ああ。じゃああとはそれで特に不便はないんだ」
女「そそそそういうわけではありません!!」

女「小柄や笄をつけておく場所がないのです」
男「刀本体以上に使い道ないと思うけど」
女「それはそうなのですが、いざ、無いと、それはそれでなんとなく落ち着かなくて」
男「化粧品と一緒に鞄に放り込んどきゃいいじゃん」
女「そうなんですけどね……」
509以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 09:10:58.51 ID:/ECYqUt50
女「エアガンってさ」
狙「なに」
女「ぶっちゃけ、マイクだよね」
狙「え、ええーっ」
女「なんで歌わないのぉ」
狙「そ、それは」


友「エアガンのライフルがマイクに見えるのか、チャンバラ眼を持ってる人たちには」
男「蒲の穂をマイクにするぐらいならばチャンバラ眼の有無に関係なく誰でもやるがな」
友「いや。やったことない」


狙「そ、狙撃のために潜んでいるのが見つかるから」
女「あぁ。じゃあ仕方ないかぁ」
510以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 09:20:01.90 ID:/ECYqUt50
女「うーん、う−ん」   ――がじがじ

友「そこ。人さまのロッカーを新聞刀でこじ開けようとしないように」
女「違うよぉ。先っぽよぉく見てよぉ」
友「いや。新聞刀はたしかに固いけど、先っぽ曲げてたってバールのかわりにはならないよ」
女「ノン。これはバールでも新聞刀でもなく"バールのようなもの"なのです」
友「まあ、たしかに、"ようなもの"ではある」

女「おっかしいなぁ。
  チャンバラルールだとバールのようなものは金庫だってこじ開けられるはずなのに」
友「そんなふざけたルールで鍵かかったロッカーこじ開けられてたまるかっ」
女「だってぇ。おべんと、ロッカーに隠すからぁ」
友「誰かさんが隙見て唐揚げとるんだよね。鞄に入れたままだとさあ」
女「ねぇ。唐揚げ食べたいからロッカー開けて。
  バールのようなものとわたしに恥かかせちゃだめだよぉ」   ――ぺしぺし
友「死ぬか、おまえ、いっぺん」
511以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 09:22:14.61 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その114】


女「破っ!!」

ブンッ

女「いやぁっ!!」

ヒュンッ!!

男「……」



男「残業はどうしたの?」
女「うわああああああああっ!?」
男「真剣じゃないから別に廊下で振り回しててもいいけど……あ、いや、よくはないけど」
女「いやそのこれは、まままま魔物がっ」
男「おまえはどこの川澄さんだ」


女「その、正直なところ、討ち入りしたりされたりした際のシミュレーションをば……」
男「うん、その心がけはいいとして、今は残業を終わらせたほうがいいんじゃないかな」
女「……あ、湖月堂のシュークリーム」
男「仕事が終わってからな」
女「顔を出したんなら手伝ってください……」
男「今日は休日だからそれはいや」
512以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 09:27:09.53 ID:/ECYqUt50
筒「はーい。本日の狙撃シミュレーションは、
  民家に侵入し油断顔でタンスや壷をあさっている勇者さまご一行を想定して行いまーす」
女「アメリカなら文句言えないよねぇ。
  それなりに武装した一団が人んちでものをあさってたりしたら、たとえ殺されても」
友「ある意味、下手な戦場よりよっぽどありえそうなシチュだから困る。アメリカでは」
狙(ドラクエっていつからアメリカのお話になったんだろう)
513以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 09:49:21.76 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その115】


課長「おーぅい、木っ端侍、ヒラ侍ー」
女「修善寺に押し込めて暗殺しますよ?」
課長「押し込めるんなら蛭ヶ小島にしてー」


課長「侍ならさー。給料はお金じゃなくお米の現物支給でいいよねー?」
女「は?」


課長「いや。会長の実家で卸価格の関係で売るに売れないお米
514斬る! すべて斬る!:2008/11/19(水) 09:50:03.22 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その115】


課長「おーぅい、木っ端侍、ヒラ侍ー」
女「修善寺に押し込めて暗殺しますよ?」
課長「押し込めるんなら蛭ヶ小島にしてー」


課長「侍ならさー。給料はお金じゃなくお米の現物支給でいいよねー?」
女「は?」


課長「いや。会長の実家で卸価格の関係で売るに売れないお米がいっぱい余ってて。希望者募集って……」
女「それは……その……」
515以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 09:53:37.02 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その116】


課長「課長死す」

ダラーン

男「課長。お昼休みは終わりました。起きてください。現実時間の再開です」
課長「エネルギーをガンに吸い取られて動けにゃい……」
男「プリングルズおじさんは人の精気なんか吸い取りません!!」
課長「チップスターの筒に比べて一回りおっきいじゃん? %
516もう、やんなっちゃう:2008/11/19(水) 09:54:04.18 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その116】


課長「課長死す」

ダラーン

男「課長。お昼休みは終わりました。起きてください。現実時間の再開です」
課長「エネルギーをガンに吸い取られて動けにゃい……」
男「プリングルズおじさんは人の精気なんか吸い取りません!!」
課長「チップスターの筒に比べて一回りおっきいじゃん? その分エネルギーを食われるのよー」
男「お昼休みの間に一本全部食べちゃったんなら逆にエネルギーを使わないと太りますよ! 課長!!」
517以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 10:03:25.12 ID:/ECYqUt50
女「この先に昇りたくばワシを倒していくがよい」   ――ぶんぶん
友「階段の踊り場で新聞刀ぶん回すな」   ――ぺちん
女「あうちっ」   ――たったったっ





女「ふふふ。一階の番人を倒したようですが、あれは我らの中でも最弱。
  あいつごときに手こずっていたようではまだまだですね」   ――ぶんぶん
友「上までずっとそれやる気か」
518以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 10:10:31.67 ID:/ECYqUt50
女「どれだけ固く新聞を丸めてもぜんぜん飛ばない」
友「だって新聞紙だし」
女「これだと直接叩いた方がはやいかなぁ」   ――ぺしぺし
友「待て。誰にぶつけるつもりだったんだ」
519以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 10:15:04.47 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その117】


男「んー」
女「どうかなさいましたか?」
男「このパソコン、つかディスプレイ、もう寿命かなあ」
女「ああ。画幅が狭まったり戻ったり……こういうのは案外叩けば直るものではないのですか?」

スパァン

プツン

女「あ」
男「お」
課長「あーあ……会社の備品壊しちゃった……」
女「しまった……軽くはたくつもりが、つい据えもの斬りの力加減で……」
男「まあある意味新聞刀でよかったよ」



課長「総務の備品台帳見てきたらもう五年経ってたから、寿命ってことで押し切っといたよー」
女「はい……すいません……」
男「課長が……なんかはじめて上司っぽいことしたような気がする!」
課長「残業と接待チャンバラが十日ほど入るからよろしこー」
女「はい……」
男「それが目的か!」
520以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 10:17:47.69 ID:/ECYqUt50
友「また積もったな、雪」
女「こういう日こそ我が秘剣、乱れ雪月花の出番っ」   ――ぱしぃん、どさっ
友「オイ」
女「雪にうずもれて優しく死ぬがよい」   ――ぱしぃん、どさどさっ


友「枝の雪を叩いて人の頭上に落とすなとお母さんにいわれなかったかな君は」
女「いわれなかったよぉ」
友「ところで雪はわかったけど、月と花はどうしたのかな」
女「寒いから出てこないんじゃないのかなぁ」
友「そうか」
521以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 10:24:17.64 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その118】


女「……」
女「……えいっ」

スポーン

バサァ

女「……ばらけた」
男「なにやってんの?」
女「うわあああああああああああ!!!」
男「いきなり新聞刀を肩の力だけで押し投げたりして」
女「なななななんでもありません! なんでもありませんったらありません!!」


課長「(刀の刃だけをぶしゅうって飛ばすごっこしたかったんだね? さすがに本物の刀じゃできないしねー。課長にはわかるよ!)」
522以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 10:24:51.26 ID:/ECYqUt50
女「ねぇ」   ――ぺしんぺしん
友「あン」
女「今日ね、お泊まりに行っていいでしょ」
友「いいかな、じゃなくいいでしょ、ときやがったか」
女「今度こそ新聞鉄砲で起こしてやるぞぉ」
友「今まで一度も人より早く起きれたことないくせに。まあ好きにしなよ」
523以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 10:32:13.17 ID:/ECYqUt50
女「もしわたしが神社に新聞刀を奉納しておけば数百年後、
  その記事から過去のできごとがわかって未来の人が助かるよね」
友「江田船山古墳ですか」

友「つか新聞紙が数百年ももつかアホウ」
524以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 10:35:16.47 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その119】


階段

女「階段の踊り場って」
男「ん?」
女「斬り合いが起こりそうで起こらない場所ベスト3に入ると思いませんか?」
男「起こりそうな気すらしないね」
女「そうですか……」

525以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 10:38:26.49 ID:/ECYqUt50
男 ――もしゃもしゃ
友「あれ。その枇杷、いつの間に」
男「さっきの橋のところに生えてるやつだ」
友「場所が場所だけに人の物でもないとは思うけど。いいのかなあ」
男「有情の恵みだ。受けざればかえって咎めを受く」
友「学校のサルビア、半分近く吸われてたの、あれ、お前の仕業だろ」
男「ぷっ」   ――すぽーん
友「種を飛ばすな種を」
男「正確に狙ってくる奴は正確に迎撃しやすくていい」
友「は」
男「いや。別に」





狙「枇杷の種で迎撃された」
筒「だからエアガンじゃなく軌道自在のサイコガンにしておけといったのに」
狙「何なのあの人。何者なの」
筒「有情さんちのお子さんちゃうのー」
526以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 10:39:20.12 ID:/ECYqUt50
友「自転車のサドルの代わりにミルブリ挿したの誰だあっ」
筒「えー。決まってんじゃーん」

友「ライトの代わりにハーフサイズのチップスターの筒を挿した馬鹿はっ」
男「あいつなら中のポテトチップを触った油まみれの手で自転車に触っていたぞ」

友「自転車のかごを葛編みのかごに取っ替えた奴、今すぐ名乗り出ろぉっ」
女「そういえばね、こないだ背高泡立草でおどされて、葛のつる集めるの手伝わされたぁ」


友「おまえら。ちょっと重要なお話があるから、三人ともそこに座れ」
527以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 10:41:27.33 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その120】


女「まさか新聞を丸めずに四つに折って持ち運ぶ習慣は廃刀令となにか関係が……」
男「ないと思うよ」


528以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 10:43:02.64 ID:/ECYqUt50
女「見えるか、我が全身から立ち上るこのオーラが」
友「お風呂上がりに湯気立てて何をしてるんですか君は服を着なさい服を」
女「今こそ見せん。銀河をも撃ち砕く聖剣の一撃をっ」   ――ゆらぁ
男「オーラ剥離っ」   ――ぶをぉん
友「家の中で芭蕉を扇ぐなっ」

男「ここは俺の家だ」
女「あんたんちじゃないんだから別に裸(ラ)でいたっていいじゃーん」
友「もう、どう言えばわかるのかなあ、この童心剥き出しのお馬鹿さんたちには」
529以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 10:48:42.46 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その121】


女「侍の家に生まれたならば、幕府ぐらいは開いてみたいものです」
男「それは支店長になって現地人員を自由に裁量したいってこと?」
女「最終的に本社をホールディングス化して形骸化させ、実権は我が支店が!!」
男「お前の野望って妙に現実的な割に根本がなにか間違ってる気がするから困る」
530以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 10:54:52.35 ID:/ECYqUt50
狙「うとうと」

筒「じーっ」

狙「んんっ」   ――ぱちっ




狙「人の枕元で何をしてるの」
筒「いやこれはまだおぬしの夢の中じゃよ」
狙「人の夢の中で何をしてるの」
筒「おぬしの日々の努力に感じ入った。よって神の銃を授けよう」
狙「はあ」
筒「ゆめゆめ疑うことなかれ」   ――さささささ



狙(逃げた)
狙(何だったのか、まったく)

狙「ん」

狙(お茶の缶々が落ちてる)
狙(まさか、神銃ってこれのことじゃ)
531以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 10:55:58.57 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その122】


エーデアリマスカラワガシャデハー

男「(いつにも増して長げぇな社長の話……)」
女「……」
男「(ん……?)」
女「……」

モソモソ

男「(なんだあの動き……便所行きたいのか?)」



課長「(ふ、ふ。課長にはわかるよ。小うるさい社長にエア国崩しを向けているんだね?)」
532以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 10:59:09.64 ID:/ECYqUt50
女「いざ、宇治川の先陣争いっ」   ――ざぶぅん
筒「させるかーっ」   ――ざぶぅん



友「このお馬鹿さんたちは
  二秒前までは想像もしていなかった挙にいきなり打って出るから困る」
友「しかし浅瀬とはいえ流れに足を取られて、とろいこととろいこと」


男「渡河半ばにして討つ。兵法の基本だな」   ――もぎっ
友「コラ。枇杷は投げるもんじゃねえ」

狙「上陸作戦を甘く見過ぎ」   ――ちゃっ
友「あんたも銃を構えないの」
533以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:00:26.09 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その123】


女「ちょっと冷房が効き過ぎではないでしょうか」
男「俺はこれでも暑いけど……その新聞でも服に入れとけば?」
女「刀は腰! 背中に入れるものではありません!!」
男「もう完全に刀なんだな、それ……」
女「あ……」

男「俺の上着でよけりゃ着とくかー?」
女「すいません…%8
534:2008/11/19(水) 11:00:48.71 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その123】


女「ちょっと冷房が効き過ぎではないでしょうか」
男「俺はこれでも暑いけど……その新聞でも服に入れとけば?」
女「刀は腰! 背中に入れるものではありません!!」
男「もう完全に刀なんだな、それ……」
女「あ……」

男「俺の上着でよけりゃ着とくかー?」
女「すいません……」

課長「おおーっと、それ以上の馴れ合いは課長のサイコガンの標的だー」
535以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:01:54.42 ID:/ECYqUt50
@「のたくた」


女「あれは伝説のシェルドラゴンっ」
筒「おもに雨の日に出現するといわれる、殻をまとった稀少種のドラゴンかー」
狙(あ、でんでんむしさん)

女「気をつけろ、あの角は戊辰戦争で会津若松城を穴ぼこにしたおそるべき角っ」
筒「フッ。こういうときこそサイコガーンっ」

筒「うわああああああああ構わずこっちに突撃してくるうううううう」
女「角さえ、角さえ何とかすれば、あの突進も止められるかもっ」

@「のそのそ」

狙「えい」   ――つん

@「しゅるしゅる」

狙(でんでんむしさん、引っ込んだ)


女「こ、こらあっ」
狙「え」
女「新聞刀で角を華麗に一刀両断しようとしたのにぃっ。邪魔すんなぁ」   ――ぺしぺし
狙「ちょっと、やめて、なんで」


@「もぞもぞ」
536以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:02:35.72 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その124】


女「もういっそ刀も刃物じゃなくミルブリみたいに折り曲げて鈍器にした方が刃こぼれの心配もなさげで便利な気がしてきました」
537以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:06:19.82 ID:/ECYqUt50
女「これ、弟子よ」
友「誰が弟子だ」
女「隙あらばいつでも襲ってくるがよい」   ――ばさっ

友「またそうやって余裕こいて新聞広げて。
  ほんとに襲ったら"新聞丸めるまで待つのがお約束ぅ"とかほざくくせに」


 ――こんっ


女「あだっ」
友「あ、BB弾。例によってどっから撃ってんだか」
女「ええい馬鹿弟子めぇ。銃が剣に勝っていいのは現実だけだと、何度いえばわかるっ」
友「あいつにもおんなじこと言ったの。あんたに勝ち目なんか無いのに」
女「でも撃ってきた以上は弟子入りを承諾したってことだよぉ。えへへぇ」
友「うわっ、屁理屈」
538以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:07:21.06 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その125】


女「……」
女「……」
女「……ブウウゥン」

課長「で、新聞刀の先からビームサーベルは伸びましたかにゃー?」
女「ちちちちち違います! ビームじゃなく氣です! 氣の刃です!!」
男「似たようなもんだろ」
女「いいいいいいですか、ビームは触れれば死にますが、この氣の刃は刃にして刃にあらず、
  その触れる範囲は実刃で斬りつけることのできる間合いであるということを示す一種の射程表示ででででで」
課長「無理すんな」

ポン

女「あう……あううぅ……」
男「(あーあ。もう完全に課長の同類扱いだ……)」
539以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:11:45.62 ID:/ECYqUt50
筒「精神力が相手より上回っていれば支配光線で自在に操れるのです」
狙「はあ」

筒「くらえ、サイコガン超極限秘奥義・支配光線ー。しびびびび」
狙(どうしよう。操られてあげないと、またあれこれ言うんだろうなあ)

筒「操られた者はみな、その腕にサイコガンをはめ、我が忠実なる僕と化すのだー」
狙(筒状のものなんか持ってないし)

筒「ほほう。我が支配を受け入れぬとは。おぬし、なかなかの精神力よのー」
狙(よかった。勝手に納得してくれた)

筒「よし、精神力を涵養するかー」   ――ぱりぽり
狙(あ。新しいチップスター食べ始めた)

筒 ――とん
狙(な、なんで空き筒をこれ見よがしに人の目の前に置くの)

筒「では改めて。精神充実支配光線ー。グギャアアアアアアァァァァァンッ」
狙(ど、どうしよう。なんか発射音の充実っぷりが半端じゃない)
540以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:12:22.00 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その126】


女「はあ……」
男「また接待チャンバラに駆り出されたの?」
女「体力的には別にかまやしないんですがね。知らないキャラになりきられるとどう対処したらいいのか」
男「課長はどうしてんのさ」

女「わたしの知らないキャラが、それもころころと入れ替わるというのに、ちゃんとついていってるんですよ……」
男「その才能がなぜ仕事にいかされないのかねえあの人も」

課長「んー。それは違うなー」

女「課長……」
課長「課長だって半分ぐらいは知らないキャラだったよ」
女「え? 嘘……」
課長「前後のつながり、ふいんき、既知の類似技等からの類推でどうにかなるもんよー」
女「だから、まるでつながってないんですって……」

課長「まー馬鹿にはできん遊びなのよ、チャンバラごっこはなー」
課長「チャンバラごっこをこなせる人間は、つまり、仕事でも使える人材!!」
課長「接待チャンバラの場で才能を見いだされ出世していった者は数知れず!!」
課長「君たちも精進するようにー」

男「……マジっすか和尚」
女「……わたしにはもうわからない世界です」
541以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:17:58.08 ID:/ECYqUt50
女「あっ」
狙「なに」
女「なんかヘンだと思ったら、
  大小二本差さなきゃいけないのに、いままで大しか差してなかったよぉ」
狙「大って、その、スカートに差してる」
女「よし、ミルブリ差しとこ」   ――ぐいぐい
狙(大丈夫かな、スカートの腰回り)


女「うおおおおぅ。骨盤に食い込むぅ」
狙「なんでそこまでして」
女「あんただってライフルとピストルの大小を両方持ってるじゃーん」
狙「それとこれとは」

女「あ。わかった」
女「フトモモにホルダーつけてピストル隠してるんでしょ。わたしの眼はごまかせないぞぉ」
女「そんなにチラ見せしたいんなら、いまこっちからのぞいてやるぅ」


狙「やめてっ。つけてない、そんなとこ、つけてないからっ」
542以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:20:57.60 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その127】


男「(こいつ、よく見たらケータイを根付でベルトに引っかけてるよ……しかもデザイン、ひこにゃんだ)」
543以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:24:10.97 ID:/ECYqUt50
筒「ビシっとした光線ばっか出してると、たまには、こう、ぬちゃっとした光線も出したくなるなー」
女「ああ、わかるわかる」
筒「バインドヴイィ〜ム」   ――ゆらゆらゆらぁ
女「うおおおおおおぅ、なんか鼻水が納豆の糸になったみたいな光線きたぁっ」
筒「フフフ。この光線はぬちゃぬちゃすぎて刀では斬ることも弾くこともできんぞ」
女「うわあああああぁ、新聞刀がねっちゃりとからめとられるぅ」


女「でもこの手の武器はこっちから引っ張れば勝てるんだよねぇ」   ――ぐい
筒「引っ張り合いになった場合は先に手を放した方の勝ちなんだよねー」   ――ぐい


女「放してよぉ」
筒「そっちが放せよー」
544以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:26:22.37 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その128】


外回り中

課長「課長死す」
女「よく死にますね」
課長「疲れたー。ジュースー」

パリポリ

女「歩きながらサイコガ……チップスターかじらないでくださいみっともない」
課長「じゃあじっとするー。ジュース買ってきてくれるまで課長動かないぞー!」
女「そんな無茶な……」
課長「だいたいおまえも侍なら、挟箱ぐらい担いどけー。中に甘ーいものやあんむゎーいものでも入れてー」
女「それはもっと身分の低い者の仕事です」
課長「あ。ちょうど外回りで真剣持ってんだから、それで課長の鞄引っかけて担ぎゃちょうどいいじゃん」
女「鞄ぐらい普通に持ちますよ」



女「……鞄持ちなら」
課長「(この下克上児、言外に自分は鞄持ちじゃないって言ってる!!)」
545以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:30:04.07 ID:/ECYqUt50
筒「接近戦に弱いのがサイコガンの困ったところよのー」
友「あんたらは基本的に何をどうしても弱々じゃないですか」
筒「というわけで、これを見よー」   ――じゃきーん


友「あほですかとしか言いようがないんですけど」
筒「右手のチップスター通常サイズが遠距離用、左手のハーフサイズが近距離用。
  これで懐に飛び込まれてももう怖くなーい」


男「ほぅ」   ――ひゅるん、ぐいっ
筒「おぅわっ」   ――びたぁん、ばしゃあん
友「いきなり草のつる引っかけんなよ。こいつ両手ふさがってて受け身とれないんだから」

友「おい大丈夫か」
筒「サ」
筒「サイコガンの使い手は泣かないっ」
筒「この強靱な精神力がガンをますます強くするーっ」
友「まあ鼻血拭けや」
546以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:32:05.68 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その129】


課長「好き好きビ〜ム」

シビビビビ

男「……は?」
女「課長っ! 冗談でもそういうビームはやめてください!!」
課長「クックックッ。刀はしょせん斬る壊すしか能があるまい。出せるか? 好き好きビーム?」
女「だ、大小一揃えあれば……」



女「館に火をかけて家族をみな先に斬ったあと、自分もあとを追えます!」
課長「ごめん……課長が悪かったよ……」
男「え? お前の愛ってそういう形なの!?」
547以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:32:43.60 ID:/ECYqUt50
筒「冬はあなたとわたしとサイコガンの季節」   ――ずぼ
友「長袖も手を引っ込めりゃサイコガンか。もう何でもありだな」
548以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:33:37.39 ID:/ECYqUt50
筒「レッグサイコガーン」
友「ズボンに足先引っ込めてなにをやっとるんだお前は」
筒「サイコガンは手からのみと思って油断していたのが貴様の死因だ」
友「妄想の光線で勝手に殺すなって」





友「それと無理にズボン伸ばした分、パンツ見えてる」
筒「見せてんのよ」
友「不快だからやめろ」
549以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:35:28.17 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その130】


課長「おーい木っ端侍ヒラ侍ー。もし課長より先に社長になったりしたらちゃんと課長を会長にしろよー」
男「(先に、ってことはいずれなる気なんだ、この人……)」

女「社長になったら馬で出勤してみたいですねえ」
男「社長というかお殿様の移動は輿だと思う」
女「課長は馬の糞拾いでどうですか?」
課長「なにその課長の脳内地位の驚異的な低さっ?」
女「いえ。公道上では当然のマナーです」
課長「なにひとつ、いえ、になってないよ?」
550以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:36:30.51 ID:/ECYqUt50
筒「エアガンの先っぽだけ貸して。うしろはいらないから」
狙「またわけのわからないことを」
筒「サイコガンの先っぽの形にちょうどいいんだー」
狙「トイレットペーパーの芯でもつけておけばいいじゃない」

筒「おまえ、"銃と会話"してるかい」
狙「え」
筒「実弾も撃てずちゃちいBB弾しか撃てないぐらいなら、
  サイコガンとなって自由自在の心の弾を撃ちたいと言ってるよー」
狙「言ってない」
筒「やれやれ。銃の声が聞こえないんじゃあ、村正の真の力は引き出せないなー」
狙「これ、ブローニング」


筒「プリングルズおじさーん。この人、へりくつばっか言うー」
狙「お菓子の筒の絵とお話しないで」
551以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:38:09.00 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その131】


バレンタイン

女「手作りです」
男「刀の鍔型かあ。うん、らしいっちゃらしいね……」



552以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:39:05.80 ID:/ECYqUt50
女「人はマスコミによってつくられた世論に流される。
  まさに新聞刀こそは人の心を操るおそるべき妖刀よのう」   ――ぺしぺし
友「殴るな」
女「ごめんね。わたしもいま妖刀に操られてるから、
  自分の意志じゃもうどうしようもないんだぁ」   ――ぺしぺし
友「もう一度言うぞ。やめんか」
女「心の中では泣いています」   ――ぺしぺし
友「テレビ欄と四コマしか読まん奴が何にどう操られるのか、言ってみろよオイ」
553以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:43:41.99 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その131】


バレンタイン

女「儀礼的贈答ということで、課長もどうぞ」
課長「おおすげー! 課長のが一番おっきいー。わかってるなお前、出世するぞー」
男「……」

ガサゴソ

課長「……こ、これは!」
女「信長が作らせたという浅井・朝倉のどくろ盃を模してみました」
課長「……」
女「盃だけあってウイスキーボンボンになっています」


課長「課長はいったいどうすればええんやろー……」
男「ホワイトデーにカステイラでも金平糖でも買っときゃいいんじゃないですか?」


554以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:44:44.13 ID:/ECYqUt50
友「あの馬鹿の新聞紙は振り回してりゃわかるけど、
  そのサイコガンは掛け声ないと何が何だかわかんないよね」
筒「ドラえもんの空気大砲だって掛け声ないと出ないよー」


筒「でもまあ努力はしてみる」
友「いいって。しなくて」
筒「握るときゅうって音が出るアレ。アレでも握った上からサイコガンはめとくかー」
友「そんな緊迫感のないサイコガンでいいのか」
筒「じゃあ痴漢よけのサイレン」
友「ああ。ビームっぽく聞こえないこともない音出すやつもあるよね」
筒「一番いいのは、みんながチャンバラ眼に開眼することなんだけどねー」   ――ぶんぶん
友「無茶言うな」
555以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:46:24.88 ID:/ECYqUt50
女「こ、これは選ばれし者にしか引き抜けぬ伝説の剣っ」
友「人んちの新聞受け見てなに言うてはるんですか」
女「南無八幡大菩薩っ」   ――すぽっ
友「よそさまんちの新聞勝手にとっちゃ駄目じゃないですか」
女「選ばれてしまった」
友「いいからさっさと戻せアホウ」
556以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:46:54.80 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その132】


女「残業の時は真剣を持っておきたいのですが」
男「ああ、夜だから? 不審者対策?」

女「円月殺法は月光を刀身で反射させることによる催眠術の一種。こればかりは反射のない新聞刀では……」
男「そういうチャンバラごっここそ新聞刀でやっときなさい」

ペチン

女「あうぅ……」
557以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:47:44.92 ID:/ECYqUt50
友「く、来るなっ。こらっ、来るんじゃねえっ」
男「どうした。なにゆえ死者を恐れる。真に恐ろしきは生あるものにほかならぬというに」
友「枯れ枝を振り回すんじゃねえっ。刺さったらどうするっ」
男「葉もしなりも失い、叩けば折れる背高泡立草の死骸を、そうも恐れることはあるまい」
友「折れるもクソも、牙突の構えじゃねえか。突く気満々だろてめえ」
男「死者に怯えるわ、カールは全部よこさんわ、まったく何を考えているんだか」
友「毎度毎度思うんだけどさあ」


友「少し分けて、ならともかく、なんで全部よこせってなるんだよおまえらはっ」
558以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 11:49:49.67 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その133】


課長「なにこの有給の申請理由? 相手が前日にサバゲー場所まで移動中を奇襲するからってのはー」
男「いくさとしちゃ正しいのかも知れないけど、サバゲーとしちゃどうだかねえ」

559以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 12:15:03.82 ID:/ECYqUt50
男「まあ、待て」   ――たたたたたっ
女「く、くるなあっ、くる」   ――ぶんぶん

女「うあああああああああああ」



友「新聞刀の奮戦むなしく敗れ去ったか」
友「にしても葮竹とかすすきとかで人をはたくにしても、普通は一本だろ」



友「いっぱいいっぱいに抱えるほど引っこ抜いて相手を押し倒す奴なんてはじめて見」

男 ――ぎょろ

友「こっちにロックオンすんじゃねええええええええええええええええっ」
560以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 12:16:04.62 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その134】


女「じーっ」

男「美術商の軒先で鎧兜でも見るならともかく、下着売り場でなにを凝視しとるんだ」
女「激しいスポーツでも揺れないブラ、というのがなかなか魅力的です……」
男「刀振り回してりゃ邪魔なのはわかるけど、そこはサラシで何とかするのがお約束じゃないの?」
女「実戦の場ではより手間のからないものを使うのが常識です」
男「このお侍さんは妙なところで合理的だからややこしい……」
561以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 12:17:28.12 ID:/ECYqUt50
狙「雪、か」
筒「オッなんだその鉄砲。白いじゃん」
狙「雪中迷彩仕様」
筒「なるへそー。かまくらの中で待ち伏せするんだなー」
狙「そんなスナイパーいない」
筒「じゃあ雪に埋もれて春になって発見されるじゃん」
狙「なんでかまくらか死か、なの」
562以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 12:25:55.34 ID:/ECYqUt50
狙 ――かちゃかちゃ

筒「ぬー。目隠しして何やっとんのー」   ――ぱりぽり
狙「銃の手入れ」
筒「おお。真夜中に灯りつけてやっとるといい的になるから、その練習かー」
狙「まあね」

筒「よし、プリングルズも食い終わったし、サイコガンもお手入れしとくかー」
狙(手を入れる箇所なんて新聞刀以上にないと思うけど)

筒「これは筒に直接ポテトチップ入っとったしなー」
筒「まずは乾いたティッシュで筒の中を拭いて」
筒「さらにウェットティッシュで拭き」
筒「最後にまたティッシュで拭いてメンテ終了ー」   ――すぽ
筒「サーイコガーン」   ――ぼかっ
狙「いたっ」

筒「まだまだ未熟よのう。
  そんなに時間がかかっておっては戦場で真っ先に命を落とすぞ」
狙「えー」
563以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 12:28:20.88 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その135】


課長「もし武士がみんなあんたみたいだったらさー」
女「はい?」
課長「一万対一万でぶつかったとして、うち何人が生理口実に後陣に引っ込んでんだろうねー」
女「それは……」
564以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 12:34:57.53 ID:/ECYqUt50
女 ――くんくん

友「新聞刀の臭いなんか嗅いだって新聞の臭いしかせんだろ」
女「刀をなめる人はいるけど、匂いかぐ人ってあんまり見ないよね」
友「あんまりもクソも、いっぺんも見たことないね」
女「万能無敵の新聞刀は匂いのかぎがいもまた天下一品じゃ」   ――くんくん
友「あんまり変なジャンル開拓しちゃ駄目だよ」

筒「鼻と頭がおかしい奴には何を言っても無駄無駄ー」   ――くんくん
友「お前もお菓子の筒を嗅ぐな」
筒「これは食べ物の匂いだから、むしろ嗅いで当然ー」
友「わかった。おまえらもう紛らわしいから動くな。死ぬまでじっとしてろ」


狙(うっ。エアガンはさすがに機械臭い)
男「香りとは有情の中にこそ漂うもの。まったくもって愚かな連中だ」
565以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 12:48:22.29 ID:/ECYqUt50
筒「思念波は頭から出てるよねー」
狙「はあ」
筒「ということはサイコガンも頭からだともっと強力なのが出るんじゃなかろうか」
狙「なんでまた掃除中にそんなことを」
筒「このバケツよー」   ――かぽ
狙(よくこんな汚そうなの平気でかぶるな)

筒「くらえっ、サイコガ、いや、サイコフレアーっ」
女「めーんっ」   ――すぱぁん、があぁん
筒「うわっ」
女「あははははぁ。めーん、めーん」   ――すぱぁんすぱぁん
筒「ちょ、やめ、おい、うわああああっ」   ――どんがらがっしゃあん

狙(そりゃあ前が見えないんだから、バケツごと殴られ放題に決まってるし)


筒「なるほど、サイコガンを頭ではなく腕にはめた先人の知恵はやはり正しかったのだ」
狙「鼻血出てるよ」
566以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 12:51:47.72 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その136】


作業構内

女「相変わらず散らかっていますね」
課長「ブツは? ブツはどこだー」
女「くっ……」 

ガシッ

課長「散らかった山を一刀両断しても中からブツが光り輝きながら出てくるわけでもないよー?」
女「そそそそそそんなつもりではありません!!」

課長「こういうと%
567ああもう:2008/11/19(水) 12:52:13.16 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その136】


作業構内

女「相変わらず散らかっていますね」
課長「ブツは? ブツはどこだー」
女「くっ……」 

ガシッ

課長「散らかった山を一刀両断しても中からブツが光り輝きながら出てくるわけでもないよー?」
女「そそそそそそんなつもりではありません!!」

課長「こういうときは牽引光線ー」

シビビビビ

男「課長も! そんなことして遊んでるひまがあったら、さっさと探してください!」
課長「探せ! 実体化した我が牽引光線どもよー!」
男「……」


男「もう斬っていいよ、その人……うしろからでも入浴中でも」
女「はい」
課長「こ、こら! 下克上はいかん! やめんかー!!」
568以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 12:57:38.93 ID:/ECYqUt50
狙 ――ぱぁん

女「お。めずらし。はずしたぁ」
狙「このライフルは初めてだから」
女「戦場では自分の武器がなくなったら
  拾った敵の武器もあるいは使わにゃならんというに、
  そんな贅沢なことをいっててどうする」
狙「一理ある」   ――ぱぁん
女「いかんのういかんのう。はずしまくりじゃ」  

女「その点わたしはたとえはじめて手にしたワシントンポストであっても
  いつもと同じ威力のアバンストラッシュを撃てるよぉ」
狙(どういえばいいんだろ、こういう場合)   ――かしゃこん

 ――ぱぁん

狙「よし」
女「あ、当たった」
狙「だいぶこの子の癖もつかめてきた」   ――ぱぁん
女「こ、こらぁっ。現実の銃のくせに、何回か撃っただけで当たるようになるなぁっ」   ――ぺしぺし
狙「そんな、無茶な」
569以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 13:00:06.03 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その137】


課長「おーい。ビンのフタ開けてー」
女「はい」

パシィン

課長「なんで新聞刀で叩くぅん?」
女「いや……叩いた衝撃で緩むかなと思って」
男「その前にビンが割れるから」
女「真剣ならビンの口できれいに斬れたものを……」
男「フタできなくなるじゃん」
570以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 13:05:07.24 ID:/ECYqUt50
男「厭離穢土欣求極楽、厭離穢土欣求極楽」   ――ザッザッザッザッ

友「や、やめろっ」

男「厭離穢土欣求極楽、厭離穢土欣求極楽」   ――ザッザッザッザッ

友「体中にひっつき虫くっつけたままこっち来るんじゃねえっ」

男「厭離穢土欣求極楽、厭離穢土欣求極楽」   ――ザッザッザッザッ

友「お前にやるポッキーなど一本もないといってるだろうがっ」

男「厭離穢土欣求極楽、厭離穢土欣求極楽」   ――ザッザッザッザッ、バッ

友「うわあああああああああっ。抱きつく気かあっ」   ――すたたたたたた

男「厭離穢土欣求極楽、厭離穢土欣求極楽」   ――グヲオンッ

友「加速して追ってくんなあああああああああっ」
571以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 13:07:31.49 ID:/ECYqUt50
女「あー。おそうじめんどくさぁい」
友「頑張ってね。ばいばい」

女「めーん」   ――すぱぁん
友「いてっ。何さらすっ」
女「臆病風に吹かれて逃げようとする味方を斬り捨てるのが督戦隊のお仕事です」
友「むしろ君が逃げようとしてるじゃないですか」
572以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 13:11:16.38 ID:/ECYqUt50
筒「コックさんの帽子は間違いなく思念波をエネルギーとするタイプのサイコガン」
友「わけねえ」
筒「アレで頭突きをかましたコックさんならいるかも知れんが、
  サイコガンを撃ったコックさんがいるならぜひ、サイコガン道について
  卓を囲みあつく語り合ってみたいものよ」
友「どっちのコックの店にも行きたくねえー」
573以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 13:18:09.16 ID:/ECYqUt50
女「ねぇ。下に丸めた新聞紙いっぱいしきつめて、二階から飛び降りてぇ」
友「ちょっとミルブリ貸せ。少年法で済むうちにぜひとも殺っときたい奴がいる」
女「無事だったらわたしもやりたいからさぁ。やってみてよぉ。ねぇ」   ――ゆさゆさ

友「体育倉庫行ってトランポリン持ってきて勝手にやれっ」
女「君はじつにばかだなぁ」
友「うわマジむかつくこいつ」
女「お皿を送るときすきまにつめるのは新聞紙であって、トランポリンじゃないんだよ」
友「わかった。もうお前を人間扱いはしない。今日から皿扱いすりゃいいんだな」
574以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 13:20:03.85 ID:/ECYqUt50
女「最初に新聞を丸めて剣にした人の正式な記録がない以上、
  いまわたしの名前で正式に登録しとけば、理論上は誰も反論のしようがないわけだ」
友「君はほんとにそんなことで歴史に名を残したいのかい」
575以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 13:20:26.96 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その138】


課長「おーい。お前の大小貸してくれ−。新聞じゃなくて真剣の方なー」
女「社内は真剣禁止ですが」
課長「商談相手が来るんでうしろに美術品みたいに飾ってちょいと箔でもつけようかと思うてのー」
女「それでしたら課の全員が白装束で出迎えた方が覚悟は伝わるかと」
課長「課長さー。それは死の覚悟だと思うんだ……」
女「死ぬ覚悟がないんですか?」
課長「雑兵より先に死ぬ大将がいてたまるかー!!」
576以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 13:34:00.61 ID:/ECYqUt50
女「くぅ、すぅ」

友「おーい。そんな油断顔で寝てると、また有情の人にいたずらされるよ」
女「くぅ、すぅ」

男「いたずらではない。有情の意志だ」
友「うわ、いたずらする気満々だこいつ」
男「花輪をかけるだけだ」   ――つい
友「おわっ。臭っ。なにこの花」
男「ヘクソカズラ」
友「まんまな名前だな。見た目はかわいい花なのに」

男「眠れ、安らかに」   ――ふぁさ
友「臭いつくよ。かわいそうに」
女「くぅ、すぅ」
577以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 13:37:29.37 ID:/ECYqUt50
男「あの二人を倒したか」
狙「なんでみんな狙撃ポイントごとにいるの」
男「狙撃ポイントの番人を倒さねば狙撃できないというのが
  今回のルールだからな」
狙「そんなルールに乗った覚えはないし、練習の邪魔なんだけど」
男「有情はいつだって無慈悲で気まぐれさ」   
狙(どうしてこの人達はこうおかしな遊びばかり思いつくんだか)
男「スナイパーが先に待ち伏せされた時点ですでに負けと知るがよい」
狙「あの二人なら排除に五秒とかからなかったけど」
578以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 13:39:42.84 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その139】


課長「刀貸して! 鉄でできた方!」
女「ロッカーにありますが、社内で抜いたら怒られますよ」
課長「大丈夫! 課長が磁石でこすっとくから! 刀じゃなく刀型磁石なら無問題!! これぞ課長思いやり!!」

女「……斬ってもいいですか?」
男「んー。いいんじゃないの?」
課長「じゃあせめて磁石くっつけさせて! いっぺん本物の刀でやってみたかった!」
579以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 13:42:26.93 ID:/ECYqUt50
女「そこだぁっ」   ――とすん

友「いきなり新聞刀で壁をつつくな」
女「今のは槍だよ」
友「わかるかボケ」

女「天井裏と床下はもう開拓されまくってるから、
  最近の忍者はもっぱら壁の中にひそんでるんだよ」
友「それはもう忍者じゃなく隙間女かなにかじゃないですか」
580以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 13:49:01.70 ID:/ECYqUt50
 ――とん

友「なんじゃい」
女「従者の肩に剣を置くのは騎士叙任の手順だよ」
友「へえ。じゃあ今まで従者だったんだ。ぶん殴るぞてめえ」

 ――とん

友「お、ま、え、も、か」
筒「ガンの底を従卒のデコに当てるのは銃士叙任の儀式だよー」
友「たいがいにしときなよ君たち」
581以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 13:53:49.78 ID:/ECYqUt50
筒「波動砲ー。ずがあああああああーん」   ――どんっ
友「いてっ。律儀に反動を再現してぶつかってこんでいいっ」
筒「重力アンカーがしゃべるな」
友「誰がアンカーだコラ」
582以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 13:58:38.25 ID:/ECYqUt50
女「お、おお」
女「おおおおお」

女「見える、見えるぞ」
女「この巨大な校舎の命脈を一太刀にて絶つことのできる"致死の線"がっ」
女「フフフ。これも四十年にわたる新聞刀修行の成果か」

友「その致死の線とかいうのはひょっとして、
  コンクリートにいくらでも走っとるこのひびのことでしょうかね」
女「そうか。おまえも"見える者"であったのか」
友「じゃあ」


友「"一太刀"でお願いしますよ先生」
女「ハッハッハッ。わたしにはこの校舎の命を絶つ理由がないんでね。
  そんなにやりたけりゃ君が勝手にやりたまえ。ハッハッハッハッハッ」
友「一太刀で泣かしたろかこいつ」
583以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 14:01:23.97 ID:/ECYqUt50
友「しかしどんだけ種類を替えても、エアガンはエアガンだし、
  実際問題、そんなに変わりないんじゃないの」
狙「本物に比べたら、ね」   ――ぱーん
友「おー。相変わらずよく当たること」
狙「銃の機能というより、銃を撃つ雰囲気の問題だから」
友「でもそれだとあいつらみたいに
  丸めた新聞でもお菓子の筒でもいいって話になっちゃわないかねえ」
狙「そのほうがよかった」
友「え?」


 ――ぱーん

狙「何でもない」
友「そうか」
584以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 14:03:41.57 ID:/ECYqUt50
女「なんで松の枝なんか持ってんの」
男「有情の怒りを買う覚えがなければ泰然としていればいい。気にするな」
女「有情さんはどうも気紛れっぽいからそうもいかなぁい」

男「ツボを刺激」   ――つんつん
女「つつかないでよぉ」

男「ジ・エンド・オブ・ヘアカット」   ――ぱさぱさ
女「襟足なでないでぇ」

男「正月擬人化」   ――とす
女「髪に挿しちゃいやぁ」
585以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 14:04:52.93 ID:H06lOqEZP
【OL侍  その140】


女「蛍光灯を替えるのでちょっと肩車してください」
男「ほい」

ヨッコラセッ

課長「え? そこは台か何かだろー? なにを課長の前でごくナチュラルに肩車なんかしてんのこの人達?」
男「別にいいじゃないですか」
女「……」

カチャカチャ

女「……ハイヨー」

男「こら。俺は馬じゃねえ」
女「なななな何も言ってません!!」
課長「おまえいま高いとこから課長のこと、モンゴル騎兵が連れてる替えの馬でも見るみたいな眼で見ただろー?」
課長「だがなんのー! 馬といえどモンゴル軍はモンゴル軍! サイコガンがてつはうにならんと思うたかー!!
   音にびびった駄馬に振り落とされて死ねー!! てつはう、どーん!!!」

男「(どうしてちょっとしたきっかけですぐ仕事にならなくなるんだここは?)」
586以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 14:06:43.32 ID:/ECYqUt50
筒「ダブルサイコガーン」   ――しゃかしゃか

友(こいつ、サイコガンの中に懐炉入れてやがるっ)
587以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 14:09:53.43 ID:/ECYqUt50
女「う」   

女「ううぅ」

女「うううううぅ〜」

女「めーんっ」   ――すぱぁん

友「やめんかアホの子っ」   ――ぱしぃん

女「いたっ」
友「金剛力士像ならともかく、お地蔵さんとにらみ合いして負けて怯えて切れるってなんだっ」
女「だってぇ、だってぇっ」
友「っつかお地蔵さんとにらみ合いせんでよろしい」
588以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 14:12:37.07 ID:/ECYqUt50
筒「風が相当きつくなってきたねー」
狙「うん」
筒「BB弾だとさすがにまともに飛ばんでしょー」
狙「まあ、ね」
筒「寝っ転がっててもしょうがないじゃん」
狙「でも伏射は伏射でまた普通とは違う技術と体力を使うから、
  全天候対応できるよう訓練しておかないと」
筒「ほほーう。じゃあサイコガンも風の日の伏射特訓しとくかー」   ――ごろん


筒「サイコガーン。あっ、風で精神力の粒子が攪乱されたー」
狙(想像上の光線なのに、なんて器用な)
589以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 14:17:48.28 ID:/ECYqUt50
友「あ。ヘリだ」
女「あぶなーいっ」   ――どんっ

友「おぶぉっ」
女「ヘリといえば狙撃兵が乗っているも同然っ。油断しすぎだぞぉ」
友「撃てるかあんなとっからっ」


狙「撃てるけど」
友「撃ったことあるんですかあなたは」
女「どーれ。どうせマスゴミのヘリだろうが、
  同じマスゴミによって作られた新聞の刀で墜とされるなら本望じゃろうて」   ――ぶぅん

女「よっしゃ」
友「なにがよっしゃだ」
女「油断顔さらしてた狙撃兵のそっ首は我が剣の衝撃波ですぱっと落ちた」
友「もうやりたい放題ですな」
590以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 14:20:34.61 ID:/ECYqUt50
女「はああああぁっ」   ――ぶぅんっ
友「踏切の上で新聞刀ぶん回して遊ぶな」
女「だいじょうぶ。
  向かってくる電車は我が裂帛の気合いでまっぷたつになって転覆したから」
友「電車もまさか斬られたとは思ってないだろうなあ」
591以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 14:23:40.34 ID:/ECYqUt50
狙 ――ぱんっ

男「ふん」   ――ひゅんっ、こんっ



狙「こちらが狙う点を推測して迎撃していたのかと思っていたけど、
  特に狙いをつけずに撃った弾でも木の実を当てられるのね」
男「心を澄ませばそんなもの、有情の声がいくらでも教えてくれる」
狙「でもさすがに本物の銃弾ならこうはいかないでしょ」
男「本物の銃弾にはそれなりの迎撃しようがあるさ」
狙「たとえば」
男「なんだ。本物の銃でも撃つのか」
狙「別に」
男「ならばどうでもいいだろう」
狙「そうね。ここは日本なんだから」
592以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 14:27:18.61 ID:/ECYqUt50
友「いただきます」
女「ちょっと待ったぁ」
友「また唐揚げかっ」
女「俵の中を改めさせてもらうぞ」

 ――ひょいひょい

友「人の唐揚げを堂々と新聞筒に突っ込まないでくれるかなあ。泣かすよ」
女「俵の中にちゃんと年貢米が入っているかどうか、
  斜め切りの竹筒で刺して確かめているのです。
  そしてその際に筒に入っちゃった分は役得となるのです」
友「そうか」



女「うわぁんうわぁん」
友「泣かすよといっといたじゃないですか」   ――ぱくぱく
593以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 14:41:35.40 ID:/ECYqUt50
女「よっこらせっぷく」   ――どすん
狙「人の上に座らないで」
女「だっていい具合に寝っ転がってるからぁ」
狙「寝てるんじゃなく待ち伏せ」
女「馬鹿者っ。雨が降っても槍が降ってもじっと我慢の子なのがスナイパーだろうがっ。
  羽根のように軽い女の子一人乗ったぐらいで弱音を吐いてどうするっ」
狙「まあ行軍装備よりは軽いから別にいいけど、手元がぶれるから動かないでね」
女「どれ。観測手でもしてやろうかいのぉ」
狙(狙撃手の上に座る観測手なんて初めてだ)

 ――こん

女「あうちっ」
狙「だから伏せているのに」



狙「で、身体のどこに当たったの」
女「観測手を的にして敵狙撃手の位置をつかむなんて、恐ろしい子っ」
594以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 14:44:18.93 ID:/ECYqUt50
筒「む。あれはイーカーロースっ」


とんび「ひょろろろろー」


筒「おのれ脱獄囚。太陽熱で羽根が融けるのを待つまでもない。
  我がサイコガンがこのまま貴様を死刑執行してくれるー」   ――さっ


狙「イカロスって」
筒「おおーっと。奴にかけられた賞金はおまえには渡さんぞっ」
狙「エアガンじゃそもそも届かない」
筒「ハハッ。現実の弾丸しか撃てん奴はそうやって一人また一人と死んでいくのさ」
狙「別に死なない」
筒「そこで見てなー」




筒「うぎゃあああああああああ。眼がー。眼がああー」
狙「真夏の太陽を直接見上げたりするから」
595以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 14:52:41.02 ID:/ECYqUt50
女「吹雪の剣を食らえぇ」   ――ぼさっぼさっ
友「こらっ。積もった雪を新聞刀で引っかけ投げるな」
女「フフフ。完全に凍り付いたか。ではこの一太刀で砕け散るがよい」   ――ぼかぼか
友「凍っとらんっ。でもって一太刀じゃねえっ」
596以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 15:00:44.92 ID:/ECYqUt50
女「衝撃波ぁ」   ――ぶぅん
友「もうそれ、剣じゃなくうちわじゃないの」
女「この剣は最高だぜ。いまの俺の気分ぴったりに形を変えてくれる」
友「蟻の行列を吹き飛ばして楽しいかい」
女「それが街を襲おうとした蟻型ゾイドの群れを
  剣の一振りで蹴散らした柳生十兵衛に向かっていう言葉かね」
友「そこはせめて話を合わせてブレードライガーとかにしておけよお」
597以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 15:08:41.36 ID:/ECYqUt50
狙「くぅ、すぅ」

友「あれ珍しい。スナイパーがよく陽の当たる場所で寝こけてる」
女「こういうとき観測手のいないスナイパーは哀れよのう」   ――すっ
友「こら、新聞刀を抜くな。寝かせといてやれ」
女「いいや限界だっ。斬るねっ」   ――ぶうんっ

 ――ぱんっ

女「うごっ」
狙「何か用」
友(上着に片手突っ込んで寝てると思ったら、拳銃持ってたよこいつ)

女「ざ、残像だっ」
友「残像じゃねえよ。それと人に新聞刀を押しつけんな。おまえの実体になった覚えはない」
598以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 15:17:47.10 ID:/ECYqUt50
女「あ。スナイパーが向こうの校舎からこっち狙ってるよぉ」
筒「なんのー。先手必勝、サイコガー」  

 ――こん

筒「おおうっ」
女「銃口を射貫かれちゃったねぇ」
友「器用に筒の底に当ててくること」
筒「なーに。ガンは大破したが、
  向こうの実体弾が届くより速く、こちらの光線が奴を蒸発させたわ」
友「人間は蒸発するのに同じ軌道上にあった弾丸は無事届くんすか」
女「チャンバラ眼のない者にはこの霊妙不可思議のことわり、永遠にわからんよ」




筒「バカなっ。上半身は蒸発したはずなのになぜ生きている」
女「まさか下半身から再生したというのかっ」
筒「このスナイパー、腕前からしてそうじゃないかとは思っていたが、
  やはり人間ではなかったのかー」
狙(例によってよくわからないけど、また勝手なこといってる)
599以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 15:24:03.44 ID:/ECYqUt50
筒「おーうい、木っ端スナイパヒラ狙撃手ー」
狙(何語だ)
筒「その腕を見込んで観測手を頼みたいんだけどさー」
狙「妄想光線を撃つのになんでそんなものがいるの」
筒「腕のいい狙撃手ほど観測手としても有能だってゆーじゃーん」
狙「まあ、ね」



筒「じゃあ精神エネルギーを充填する間、
  近づく敵を排除しといて」   ――ぱりぽり
蚊「ぷ〜ん」



狙「え。まさかチップスター食べてる間、この蚊を叩けと」
600以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 15:31:15.15 ID:/ECYqUt50
女「いいねぇ。一面の稲穂だねぇ」
筒「この国の黄金は金山じゃなく田んぼにあるということだねー」
狙「そうかもね」

女「さて」   ――しゃっ
筒「うむ」   ――すぽっ
狙「え。なに。いきなり構えて」

女「ばかものっ。きさま、それでも軍人かっ」
筒「どうやらチャンバラ眼のない者には
  稲田の中に潜む姿無き狙撃手が見えないらしいねー」
狙「姿のない者をどうやって見ろと」

稲 ――しゃわわわわぁ

女「そこだあっ」   ――ぶんぶん
筒「ちいっ、サイコガーンッ」   ――ぶぅん
狙「え、どこに、何が」

女「おまえの弾は姿あるものしか撃てんのか」
筒「そんなことでは戦場で真っ先に命を落とすぞ」
狙「風で田んぼが揺れただけなのをどうしろと」
601以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 15:39:54.93 ID:/ECYqUt50
筒「牽引光線ー」

狙「何をしてるの」
筒「サイコガンの牽引光線で雲を引っ張って動かしてるー」
狙「上空の風で動いてるだけじゃない」
筒「地上にいる身で上空の何がわかる」
狙「んん」

筒「飽きたー」   ――つい
狙「牽引やめても雲、まだ動いてるけど」
筒「おいおい、エアガン遊びもいいけど、ちゃんとお勉強もしないと親が泣くぞ」
狙「何の勉強をしろと」
筒「あの雲は今まで牽引光線で引っ張っていた慣性で動いておるのじゃよ」
狙「ああ、慣性」


 〜 雲「ふわふわ」


狙「そう」
602以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 15:44:07.32 ID:/ECYqUt50
筒「サイコガーン」   ――こん
友「こらこら。罪もないマンホールさん撃たない」
女「ぐはぁっ」   ――どんっ
友「いたあっ。なんで今ので吹っ飛んでこっちにぶつかってくるんよ」

筒「今のサイコガンの一撃は全下水を駆け巡り
  その衝撃で下水上すべてのマンホールを
  ライフルの初速にも匹敵する勢いで吹っ飛ばしたのだー」
女「油断したぜ。うっかりマンホールの上に立っちまった。へへっ」
友「打ち合わせもなしによくもまあ毎度毎度話が合うよな君たちは」
603以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 15:49:56.49 ID:/ECYqUt50

狙(ちぎれちぎれに全天を覆う雲の中に、月だけが見えている)

狙(月を中心に雲が渦を巻いているみたいで)

狙(なんだか誰かが)

狙(夜空を撃って、雲に穴でも開けたような)


 ――ちゃっ


狙「ぱぁん」





                    月「皎々」





狙(ふふ)

狙(馬鹿みたい)
604以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 15:54:02.01 ID:/ECYqUt50
女「んしょ、んしょ」   ――つんつん

男「ん」
友「ああ。あれは背が届かないとこの松ぼっくりを新聞刀で落とそうとしてるね」
男「手の届かないところの松ぼっくりほど、無性にいい形ぶりに見えて採りたくなる。
  採らずにいるうちが花だとなぜわからん」   ――ひょい
友「あんたも変な哲学持ってるねえ」
男「あんないい的、泣かさず無視するわけにもいかんなあ」   ――ひゅん
友「松ぼっくり投げるな」

女「いたっ」
女「ああーっ」
女「また君かぁっ」
女「こなくそぉっ」   ――ぶうん

友「あんなとこから振られても届かんっつうの」
男「いや。あれは先端から氣の刃がのびてる設定だから、俺たちはいま真っ二つだ」
友「え、そうなのっ。それと"たち"ってなにさっ」
男「しかし相変わらず馬鹿だ」   ――ひょいひょい、ひゅひゅん

女「いたっ」
女「一度に二つは卑怯だぞぉっ」
女「だいたい氣の刃で真っ二つのくせにぃっ」

友「ほんとにそういう設定だったあっ。仲いいなっ」
男「馬鹿が。真っ二つにされたら二体に分裂して二倍の勢いで襲ってくるのは常識だろうが」
友「おまえら自由だなあ」
605以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 16:04:15.37 ID:/ECYqUt50
友「あれ。これ、杉のくせに紅葉してるよ」
男「沼杉は冬に葉を落とすからな」
友「ヘンな杉」
男「だが今は紅葉よりもその実が重要だ」   ――ぶちぶち
友「実が見えた瞬間からこの時が来る予感はしていました」

 ――ひゅん

女「いたっ」

友「どんぐり拾いに夢中で気付いてなかったな、あいつ」
女「ええーい、愚か者めぇ。そんなに休眠前の木々の養分となりたいかぁ」
男「養分なら夏の間にもう蓄えている」   ――ひゅんひゅんひゅん
女「いたい、いたい、いたいっ」   ――よろよろ
男「おおっと気を付けろ。常に人の死を希(こいねが)う有情の罠が、それ、そこに」
友「ひどい奴っちゃな有情も」
女「あ、ああっ」

 ――すてーん、ばしゃーん

友「何もないとこでこけやがった上に池に落ちたよあの馬鹿」
男「いや。落ち葉と枯れ草で一見わかりづらいが、
  水辺に生える沼杉は呼吸用のこぶのような根を地上に出す」
友「あ、ほんとだ。よくよく見たらぽこぽこと。おもしれえな、この木」

女「うわぁんうわぁん」
友「あーあ。まーた泣ーかした」
男「ああ。持って帰って風呂で洗っておこう」   ――がしっ、ずーるずーる
友(うーん。冷静に考えたら一緒に風呂に入ってるってことなのに、
  汚れた体操服でも洗ってるみたいなイメージしか湧いてこないのはなんでだろうか)
606以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 16:08:29.90 ID:/ECYqUt50
女「おーい。帰ろぉ」   ――ぺしんぺしん
男「ああ」   ――こしょこしょ
女「やめてよぉ。葮竹の先っぽでこしょこしょしないでよぉ」
男「ああ」   ――こしょこしょ
女「いやぁ。やめて、やめてぇ。斬るぞぉこらぁっ」   ――すぱぁんすぱぁん
男「この痛みは甘んじて受け入れよう。だがこれは有情の意志だもう誰にも止められん」
女「あ、だからスカートの中だめぇっ、ふとももだめぇっ」
男「じゃあ顔だ」
女「顔もだめぇっ」   ――ぶんぶん
男「ははは。新聞刀のリーチで葮竹を防ぎきれるか」

男「ほらほら、スカートの中と顔を両方守りつつ新聞刀で牽制してこいよ無敵の剣士。ははははは」
女「やだぁ、やだあぁっ」   ――たたたたたっ
男「おっと逃げても無駄だ。
  ピラカンサ十分、どんぐり十分、
  有情の意志は家までお前を的にせよと告げているっ」   ――ひゅんひゅん


狙「好きね。あの人たちも。ほんとに、何でなんだか」
筒「チャンバラごっこの射程こそは、童心の届く距離だからよー」
狙「え」
筒「はっはっはっ。チャンバラ眼を持たぬ者には見えまいてー」


女「あぁーんああぁーん、うわぁーんうわぁーん。やめてぇ、やめてえぇっ」   ――ぶんぶん
男「そんなものを振り回したとて、有情の矢弾は必ず届くっ」   ――ひゅひゅんひゅん


友(団栗と新聞刀の届く範囲が、あの二人の、おたがいの、か)
友「さっさと帰ろっかあ。またアホどものチャンバラごっこに巻き込まれる前に、さあ」
607以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 16:12:15.23 ID:/ECYqUt50

参照

新ジャンル『サイコガン』
新ジャンル「スナイパー」
既出ジャンル「OL侍」
608以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 16:50:05.06 ID:de86lC37O
609以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 17:05:29.75 ID:de86lC37O
ああ、終わったのか
なんかすごい癒された。超乙
610以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 17:20:16.46 ID:/ECYqUt50
書きたい人は勝手にやってください
611以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/19(水) 17:36:17.23 ID:hax5jLsgO
終わり方がなんかいいな
612以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
今から読む保