1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
ここは筆力のある人・ない人がお題をもらって自由に小説を書き、それぞれの筆力を向上させるスレです
※※※お題をもらわないでの小説投下はスレの主旨と違いますのでご遠慮下さい※※※
各まとめ入口:
http://www.bnsk.sakura.ne.jp/ まとめwikiコラム:
http://www.bnsk.sakura.ne.jp/wiki/index.php?%A5%B3%A5%E9%A5%E0 初心者の方は上記のまとめwikiコラムの他、掲示板を一度ご覧下さい。
小説を書く際の禁則やテクニック等が具体例付で説明されています
(三行テンプレート)
1:お題をもらう(安価より「↓」を推奨)
2:もらったお題に沿った作品を書いて、完成させる。
3:「投下します」と宣言し、作品投下。メール欄は無記入、名前欄には「もらったお題」を表記する。タイトルは無くても可。
・1レスは30行、4096バイトまで、一行は全角128文字まで(読みやすさの為に50〜60文字推奨)
・書きながらの投下は禁止
・お題をもらっていない作品はたとえ投下されてもまとめサイトには掲載されません
詳細は
>>2-3辺りをご覧下さい
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 04:22:57.57 ID:2FzJlwOe0
まずはお題をもらいましょう。基本的に過疎スレなので↓でもらうと良いです
→人のお題を使って書くのもありです。作品がたくさん投下されればスレも盛り上がります
▽投下の際の注意点
・投下宣言は「投下してもいいですか?」ではなく「投下します」。投下宣言が被らない限り、許可はいりません
・投下する人は最後に「終」「完」「了」など、投下完了の合図をお願いします
・名前欄 に『タイトル(お題:○○) 現在レス数/総レス数』 (例:『BNSK(お題:文才) 1/5』)を書いて下さい
・まとめる際にコピペがしづらいので、メール欄は空にして投下してください。
・作品を投下する際は、テキストエディタで仕上げてから、完成品をまとめて投下して下さい
▽読み手の方へ
・感想は書き手側の意欲向上に繋がります。感想や批評はできれば書いてあげて下さい
▽保守について
・創作に役立つ雑談や、「お題:保守」の通常作投下は大歓迎です
・落ちた場合は立てられる人が新スレを立てて下さい。人がいる時間を目安に
▽その他
・通常作品でもトリップを付けておくと、wikiで「単語検索」を行えば自分の作品がすぐ抽出できます
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 04:23:11.26 ID:2FzJlwOe0
▲週末品評会
毎週木曜日の夜〜土曜日の午前中に、お題が出されます
作品は土曜日の0:00から日曜日の23:30までの間に投稿してください
その後それぞれに評価をして頂き、月曜日の0:00から火曜日の24:00まで投票を受け付けます
▽作品投稿
・ジャンルは自由、時間を過ぎての投稿も選考外ではありますがまとめサイトに掲載します
・スムーズな流れを保つため、メモ帳等の機能を使って全部書き終わってから投下するようにお願いします
・優勝時の本人確認のため、週末品評会参加者は出来れば酉を付けて下さい(酉は名前欄に#と自由な文字列)
→毎回同じコテや酉で出続けると周囲にわかりやすいです
・作品のタイトルは現在レス数/総レス数、酉を除いて、全角二十文字以内にしてください。
▽締め切り間際の作品投稿について
週末品評会では、投下締切時間の間際に集中的に投下が起こります。
それを無管理で放っておくと大変な事になるので、23時から「予約」という形を取り、運営の指示に従って順番に投下してもらいます。
予約締切は23:30で、以降は時間外の扱いになります
▽投票
・本スレへの書き込みでお願いします(複数選択可)
・ぜひ書き手の方も他の人への感想や投票を行って下さい
・簡単でよいので、感想、批評等書いて下さい。書き手の次への糧になります!
・投票は投票用テンプレを使うか、【投票】と書いて書き込んで下さい
▽優勝者特権
・投票で一番支持を得た作品の作者の方には、次回品評会のお題決定権が与えられます
・投票数が同数の場合は、気になった作品の投票数の差で決定します
・お題の発表時間は優勝者に一任されますが、遅くても土曜日の午前中には提示して下さい
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 04:23:27.87 ID:2FzJlwOe0
昼でもなければ夜でもない、そんな時間に何がある?
第137回週末品評会 『夕景』
規制事項:
・6レス以内
・作中で『夕景』という言葉を使わないこと(夕陽、夕方、夕焼けなど夕景以外は可)
・プロットを作ってから書くこと、また書き上げたら1回以上推敲する事(任意)
投稿期間:2008/11/15(土)00:00〜2008/11/16(日) 23:30
宣言締切:日曜23:30に投下宣言の締切。それ以降の宣言は時間外。
※折角の作品を時間外にしない為にも、早めの投稿をお願いします※
投票期間:2008/11/17(月)00:00〜2008/11/18(火)24:00
※品評会に参加した方は、出来る限り投票するよう心がけましょう※
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 04:41:39.66 ID:p6mPL6mCO
>>1乙
気を抜くとすぐに落ちる
それがBNSKクオリティ
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 04:54:33.54 ID:z1zqcuJg0
ほ
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 05:54:33.16 ID:MVCzH/R40
っ
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 06:57:28.76 ID:2FzJlwOe0
け
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 07:48:17.97 ID:NELZWfXuO
土曜日がきちまった
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 08:54:46.28 ID:2FzJlwOe0
ほ
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 08:55:50.13 ID:MVCzH/R40
久しぶりに書いたら書けな過ぎてビビった
一晩かけて二レスとかorz
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 09:20:39.32 ID:dx+fkqXp0
ほ
本格SFが読みたいな
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 09:46:43.78 ID:YMQLUt+rO
ほ
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 10:30:13.54 ID:dodUkvDQ0
ん
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 11:13:59.69 ID:vkbW7Yi60
だ
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 11:21:00.04 ID:2FzJlwOe0
オッス!オラ本田!
転載するよー
18 :
ハウスダスト1/1 ◇EDEDauxIdQ:2008/11/15(土) 11:21:23.50 ID:2FzJlwOe0
「ハックション!」
御主人様がくしゃみをした。最近は特にひどい。きっと僕の体についているノミのせいなのだろう。いわゆるハ
ウスダストとかいうやつだ。洗ってもらいたくても、この低家賃の文化住宅にはお風呂がないので、犬の僕には
どうしようもないのだ。
「ハックション! ハックション!」
またくしゃみだ。やれやれ。
翌朝、雨が降ってきた。御主人様は外に生えているの杉の木の手入れをしていたので、戸が開いていた。僕はノ
ミを取る絶好のチャンスだと思い、家を飛び出した。地面に体を擦りつけて、丹念にノミを洗い落とす。これで
もうくしゃみは出ないだろう。
家へ帰ると、
「ハックション!」
御主人様はただの花粉症だった。
19 :
◇EDEDauxIdQ:2008/11/15(土) 11:21:41.49 ID:2FzJlwOe0
規制のためレスはできませんが、感想よろしくおねがいします。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 11:22:08.24 ID:2FzJlwOe0
転載おわりー
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 11:54:30.13 ID:q2xZ3pusO
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 11:58:09.72 ID:AtbG5zhnO
あー、そうか。ジュリエッタか。
見覚えあっても、出てこなくて歯痒かった
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 12:08:31.48 ID:2FzJlwOe0
スレタイって結構悩むよね
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 12:10:30.05 ID:MVCzH/R40
文才欠乏者小説執筆中
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 12:29:10.97 ID:YMQLUt+rO
キモオタむき出しのスレタイはやめて欲しいな
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 12:30:48.87 ID:t1oxJ9YiO
制限:「文才」「小説」を文中に組み込むこと
すまんスレタイの何がおかしいのか俺に教えてくれ
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 12:41:44.42 ID:t1oxJ9YiO
いや、何もおかしくないだろう
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 13:01:54.00 ID:YMQLUt+rO
いや今回のじゃなくて、幼女がなんとか、令嬢がなんとかみたいなやつ。
スレタイ忘れて友達の女の子にこのスレ教えたら(「文才」で検索してみてって)
キモがられたんだ……
その程度でキモがられるなら
スレの中身みられてもキモがられてたよ、きっと。
だから負けるな
まあVIPだし
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 13:09:22.32 ID:P+elB6kR0
>>29 でも君がスレタイを覚えていたらその女の子に直接言わなきゃいけなかったんだぜ。
そっちよりはマシだったと思うんだ。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 13:14:47.17 ID:AtbG5zhnO
どうでもいいことかもしれんけど、むき出しよりも丸出しの方が良いと思うんだ。
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 13:15:25.59 ID:YMQLUt+rO
>>32 スレタイ覚えてたら教えてなかったよ……。うっかりしてたんだ。
スレタイが変わったころに教えてた。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 13:18:00.02 ID:tDXFEOO40
そもそも2chなんぞやってる時点でキモがられてもしょうがないと思う
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 13:19:16.91 ID:dodUkvDQ0
お題くれ
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 13:21:27.56 ID:t1oxJ9YiO
月光値千金
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 13:23:44.53 ID:YMQLUt+rO
>>35 その子も2ちゃんは見てる。VIPは見てないみたいだけど。
>>36 恥
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 13:37:14.68 ID:dodUkvDQ0
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 13:39:34.97 ID:2FzJlwOe0
幼女は気に入ってたんだけどな…
次は女の子が白目を剥くようなの考えとくわ
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 13:40:36.71 ID:V/kF3okw0
ここのところずっとキモイじゃん
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:14:11.72 ID:qOF3KSHG0
>スレタイ忘れて友達の女の子にこのスレ教えたら(「文才」で検索してみてって)
>キモがられたんだ……
けっ、リア充自慢かよ
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:20:53.66 ID:YMQLUt+rO
>>42 このくらいでリア充自慢に見えてしまうお前に心から同情する。
てかまあそろそろスレチだよな。
というわけでなんかお題くれ。
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:21:21.52 ID:AtbG5zhnO
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:22:29.09 ID:dx+fkqXp0
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:22:35.25 ID:AtbG5zhnO
と、思ったが普通に嫌な奴だったか。
世の中ってこんなものよね。
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:26:40.33 ID:YMQLUt+rO
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:47:59.01 ID:q2xZ3pusO
謝って済むなら警察はいらねぇんだよ
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:48:07.59 ID:uPQlGaKC0
今投稿していいですか?
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 14:53:34.29 ID:eo4h8Ua7O
青春バンド小説書いてたけど恥ずかしくなってやめた
51 :
◆/ks5Y92PHE :2008/11/15(土) 15:05:46.88 ID:uPQlGaKC0
今から投下します。
タイトル「螺旋」
お題「夕景」
52 :
螺旋1/5 ◆/ks5Y92PHE :2008/11/15(土) 15:09:38.51 ID:uPQlGaKC0
2階。
本郷達也は、息を震わせながら巨大な螺旋階段をじっくりと上っていた。
もともとはおしゃれなデザイン設計、新世代型ビルの一部だったはずのこ
の階段だが、結局そのビル自体がなかずとばずであっという間に捨てられ、
今ではすっかり埃をかぶっている。うっすらと、赤い手すりの上にはビニ
ールシートがかけられているが、誰かが定期的に直しているわけではなく、
半分ほどは剥がれ落ちていた。このビルが売りに出されてすでに半年が経
過するが、その中途半端な大きさと、客の収益を確保できない立地条件の
せいで、まだ買い手はなく、警備員なしで入り口を頑なに閉じたままだ。
本郷はそのビルの中にいる。進入経路は《あの男》と同じく、鍵の壊れた
非常口だった。たぶん、鍵を壊したのは《あの男》だ。このビルをいつも
隠れ蓑につかっていたのだろう。ほかの現場で捕まえられなかったのも、
ここと同じような隠れ場所があったからに違いない。
3階に到達したあたりで、上で物音がしたような気がし、かがんだ。吹
き抜けになった上部から外の光が届くのみで、薄暗い。窓という窓は、そ
の吹き抜け以外カーテンで覆われてしまっているからだ。目を凝らしてみ
るが、動いている影はなかった。しかし、本郷はしっかりとこの目で黒い
コートがこのビルの非常口に滑り込んだのを見ていた。《あの男》だ。警
察と距離を保っていたおかげで、その一瞬を見逃さなかった。コンクリー
トの壁を通して外の喧騒が聞こえる。今頃警察は道路を封鎖し、急ごしら
えの検問で血眼になっているだろう。ほんの3ヶ月前まで、本郷もその一
人だった。だが、今は違う。
53 :
螺旋2/5(お題:夕景) ◆/ks5Y92PHE :2008/11/15(土) 15:11:48.89 ID:uPQlGaKC0
ジーンズのポケットから拳銃を出した。中古品だが試し撃ちはしていた。
本当ならサイレンサーもほしかったが、贅沢はいってられない。どのみち
《あの男》を撃ち殺せば、もと同僚たちに捕まったって本望だ。本郷は脂
ぎった頭髪に手櫛をいれ、オールバック状にすると、階段をしっとりと上
っていった。4階から一段と暗闇が増した。目は慣れているが、薄暗い階
段は思いのほか恐ろしい。
一段一段を積み重ねていき、ようやく最上階の一歩手前までたどり着い
た。頭を最上階に突き出し、様子を探れるかぎりで探った。じっとりと冷
や汗が背中と額を湿らしている。物音はしない。いつのまにか、サイレン
の音も外から聞こえてこない。外の音が入りにくい構造に入り込んだのが、
それとも捜査を打ち切ったのか。前者を願った。そうであったら、銃声も
きっと外へは聞こえない。香苗に仇をうったことを報告できるだけの時間
が確保できる。そう思うと、脳裏に鮮烈なイメージが鈍い痛みといっしょ
にやってきた。アスピリンを食事前に噛み砕いたが、効果が薄れてきたよ
うだ。はやいとこすまそう。本郷は目を意識的に見開き、一歩を踏み出す。
真っ暗闇が、最上階を覆っていた。吹き抜けを見上げると、すぐ真上にあ
るガラス板の向こう側は、灰色の世界だ。もうじき夜になるのか。
銃を前に突き出し、腰を低めながらの不恰好な姿で進んでいった。ダン
ボールの箱は何箱か転がっている。その一つ一つに身を隠しながら、奥へ
奥へと進む。それほど広くはない。冷蔵庫を入れられるくらい大きなダン
ボールににじり寄り、じりじりと身を這うと、光が見えた。弱い光。ラン
タンみたいだ。顎が小刻みに震えた。ついに見つけたぞ。ランタンの弱い
光で移る薄い影があった。間違いなく、人間だ。
54 :
螺旋3/5(お題:夕景) ◆/ks5Y92PHE :2008/11/15(土) 15:13:43.33 ID:uPQlGaKC0
踏み込んだ。前に突き出された拳銃は正直にまっすぐを向き、《あ
の男》を捉える。溝鼠のように、黒いコートを着て、身をかがめてい
る《あの男》。突然のことに、動けなかったらしい。もしかしたら、
自分の出現に気づかなかったのかも。気づかぬうちに絶命したのかも
しれない。
本郷は3発を撃ちはなった。拳銃は中古ながら、優良商品だった。
試し撃ちと同じく、弾丸がまっすぐ弾道を描く。ぶちんぶちんと、
肉体を突き抜けていく音。思わず自分の心臓が凍りつく音だった。
《あの男》は小さく声をあげた。そして、崩れおち、ランタン型
の懐中電灯にのしかかった。
本郷も崩れ落ちた。下半身に力が入らない。わなわなと両手は
震え、銃はどこかへ落とした。ランタンの上に死体が乗りかかっ
たので、光がない。本郷は這うようにして窓際に進み、カーテン
を引っかいた。外の空気が死ぬほど吸いたかったのだ。そうして
いるうちに、指が粗めの繊維に捕らえられ、力まかせに引っ張る
と、カーテンがすとんと落ちた。光が目を焼いた。オレンジ色の
光。太陽は目前で沈みかかっている。曇り空が空の大半を埋めな
がら、沈みかけた太陽は神々しささえ放っている。本郷は嗚咽を
漏らした。涙で視界がにごる。息が荒くなり、喉がはりつく。
「やったぞ、ぶちころしてやった」
やっとの思いでそういった。
一応さる
56 :
螺旋4/5(お題:夕景) ◆/ks5Y92PHE :2008/11/15(土) 15:16:13.21 ID:uPQlGaKC0
少したち、本郷は窓に背を乗せた。死体は眼の前に転がっている。
横向きの状態で、顔は見えない。思い切りその肩を蹴飛ばした。ご
ろりと、死体がこちらを向く。見開かれた目とかち合った。
息を呑んだ。
香苗がそこに転がっていた。間違いなく、自分の妻だ。5年間の
同棲をへて、結ばれた、最愛の女性だった女が物体として転がって
いる。
ありえない。鼻腔に肉がぶすぶすと燃える臭いが満ちた。記憶の
中の臭いだ。あのとき、本郷は泣いた。まだ火傷するほど熱い、燃
えカスにひざまづいて。その燃えカスは彼と香苗との愛の巣だった。
《あの男》が焼き払った家だ。妻の香苗もろとも。
そのときも、香苗の死体は目の前にあった。ほとんど燃えてしま
った死体。骨ばかりになり、その一部から香苗と同じ手術痕がみつ
かったので、香苗の死体と断定された。が、しかし――。
別人だった。
空気を求め、本郷は全身を痙攣させる。
あの死体は別人だった。先入観があったのだ。普通、家が一軒焼
き払われ、そこの住人が行方不明となれば、焼け跡の中の焼死体が
その人だとと考える。だが、違ったのだ。あの死体は別人のもので、
香苗は生きていた。
死体から流れ出した血液がじっとりと本郷の投げ出された足に触
れた。赤い。生きていた人間の流す血だ。手で口を覆った。悲痛な
嗚咽がもれ、身をよじり、吐き気と闘った。非情な運命を与えてく
る神を呪う。二度も妻の死に涙するなんて。
57 :
螺旋5/5(お題:夕景) ◆/ks5Y92PHE :2008/11/15(土) 15:17:59.57 ID:uPQlGaKC0
もう一度、目を開くと、自分の顔のすぐ横に、広告用紙が落ちていた。
それがめくれた。何か書かれているぞ。
《it`s my turn》
背筋がぴんと、ひきつけを起こした。
まだ生きている。《あの男》はまだ生きている。生きていて、復讐を
宣言した。この自分に。
香苗を殺させたのは《あの男》だということだ。
よろよろと立ち上がる。オレンジ色の光が薄くなっている。振り返る
と、太陽が先ほどより小さくなっていた。いよいよ沈む。
「これから夜がはじまるってことか……」
いままでは昼だった。太陽にすべてを見透かされた真昼間だった。警
察とこの俺が常に《あの男》を追い続けていた。
《あの男》にとっては夜のほうが得意だろう。本当の地獄ははじまっ
たばかりだ。
目の前の夕焼けはやけに毒々しい。
終
よろしくお願いします。
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:19:53.59 ID:pvZrkQyb0
んがこっこ
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:23:00.09 ID:2FzJlwOe0
おっけー!
今回はミスをしていない自信がある。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:23:47.21 ID:YMQLUt+rO
素早いまとめ乙です
61 :
◆Ynwmyx27bQ :2008/11/15(土) 15:24:08.53 ID:dodUkvDQ0
投下しま
62 :
師教1/2 ◆Ynwmyx27bQ :2008/11/15(土) 15:25:00.47 ID:dodUkvDQ0
「近頃の若者は恥を知らんのか!」
電車で平気で座り込んだり、若いころから派手な化粧、無駄に肌の露出をして
みたり、漢字が読めず、かといって英語ができるわけでもない、努力することを
嫌いそのくせ自分の評価が低いと喚く、確かに近頃の若者は恥を知らないかもし
れない。
来年定年を迎えるA氏もそう思った一人であった、何より電車内での若者の自
己中心的な行動にほとほと困っていたのである。
「我々の世代はあんなことはなかった、何より『恥』という概念をもっていたか
らだと思う」
会社帰りによる酒場でそう漏らした。
「まったくですね、私を含め貴方ほどの年代の方は全員そう思っているんじゃな
いですか?」
マスターもそれに同調する。彼もA氏と同じく五十代の後半であった。
「我々の世代が『恥』を持つことの大事さを教えるしかない、若者に直接伝えよ
う、貴方とワシが賛同者を集めればいい」
こうして若者の『恥』のなさを問題視する者たちが集められた、彼らはまず何
をすべきかを話し合う。
「まずは電車の中、奴らも人間だ、声をかければ迷惑行動をやめるはず」
「しかし、奴らは何をするか分からんぞ」
「大丈夫、大人数で行けば反抗する気もうせよう」
かくして電車内の若者を注意することを始めた。
スーツ姿の男が大人数で若者を諭す。
反抗する者に対しては大声でまくし立て、抵抗しようものなら数で抑えた。
かくして電車内での迷惑行動は減少した。
次は路上の若者について議論がなされる。
「奴らは夜遅くまで町に残り恥ずかしくないのだろうか?」
「コンビニの前や路上に座り込む奴らは恥を知らん」
「我々が更生させるしかないようですな」
かくして彼等は夜の街へと繰り出した。
63 :
師教2/2 ◆Ynwmyx27bQ :2008/11/15(土) 15:25:18.24 ID:dodUkvDQ0
電車の時よりも大人数で若者に注意を促す。
喧騒にかき消されないように大音量のテープを使った、少々の苦情が来たが彼
らは気にしなかった。
路上に繰り出し若者を叱る、交通に多大の影響が出たが彼等は気にしない、彼
等はこの国の未来を創っているのだ。
相手が喚こうものなら彼らも喚く、断然数と覚悟が違うのだ。目標に向かって
突き進む集団が恐ろしいのは歴史が証明している。
かくして彼らの戦争は迷惑の減少とともに終わりを迎えた。A氏やその賛同者
は日本の未来を守ったということに満足し。幸せな余生を送った。
それから数十年後、A氏らの世代が安らかに眠り始めたころ。彼らに諭された
内の一人が言った。
「そういやあのおっさん達何だったんだろう?」
「なんのこと?」
「いやね、電車のなかとか町とかでさ『恥を知れ!』つって暴れてたおっさん達
が居たんだよ」
「ふーん」
「その姿見てさ、俺はこんな恥知らずな大人にはならないって思ったもんだよ」
「へぇ、反面教師ってやつ?」
「うん、人間あぁはなりたくないもんだよ」
完
64 :
◆Ynwmyx27bQ :2008/11/15(土) 15:26:12.04 ID:dodUkvDQ0
以上です、お題は『恥』でした。
では批評よろしくお願いします
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:50:42.21 ID:T538RwGtO
お題を下さい
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:52:47.01 ID:dodUkvDQ0
ポッキーゲーム
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:53:00.02 ID:T538RwGtO
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:57:31.75 ID:YMQLUt+rO
>>64 読んだ。
冒頭のセリフはA氏の発言でいいの?
内容は風刺だよね。ありがちな話といえばありがちだと思った。
自称世なおし集団がエスカレートしてく様子をもうちょい丁寧に書いてもいいんじゃないかな。
飛躍しすぎというか、はしょりすぎというか、そんな印象があった。
まああんまり詳しく書きすると%
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 15:58:17.68 ID:YMQLUt+rO
>>64 読んだ。
冒頭のセリフはA氏の発言でいいの?
内容は風刺だよね。ありがちな話といえばありがちだと思った。
自称世なおし集団がエスカレートしてく様子をもうちょい丁寧に書いてもいいんじゃないかな。
飛躍しすぎというか、はしょりすぎというか、そんな印象があった。
まああんまり詳しく書きすると、あっさりと要点を描くという風刺の効果が薄れちゃうんだろうけど。
でもまあまあ面白かったよ。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 16:00:50.34 ID:ZH0M0o7L0
>>64 >電車で平気で座り込んだり、若いころから派手な化粧、無駄に肌の露出をして
みたり、漢字が読めず、かといって英語ができるわけでもない、努力することを
嫌いそのくせ自分の評価が低いと喚く、確かに近頃の若者は恥を知らないかもし
れない。
さすがにこれは長すぎる。もう少し何文かに分けるかしないと最初からこれでは読む気が失せてしまう。
>来年定年を迎えるA氏もそう思った一人であった、
>路上に繰り出し若者を叱る、交通に多大の影響が出たが彼等は気にしない、
ここらへんは、じゃなくて。を使った方がいいんじゃないか
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 16:12:31.38 ID:mlofBwcx0
>>64 >>69氏と同意見だから特に言うことも無い。
世直し集団の恥知らずさを書いてみてもよかったかも。
それとは気づかずに。でもそれだと最後がアレか。
難しい。
とりあえず言えるのは、
「読む上で重要で無い限り、お題は名前欄に入れろよこのデコ助!」
ということだ。
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 16:15:25.48 ID:xj8Ch6uQO
>62
落ちてない
恥の部分も結局意識が変わったわけでなく
実際のネタであるエゴの部分も中途半端
読後感はよくないし、何かにぴんとくるわけでもなかった
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 16:21:01.78 ID:2FzJlwOe0
さらに言うならA氏という名前は浮いているように思える。
他の登場人物には名前が与えられておらず、違和感を感じた。
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 16:25:56.73 ID:dodUkvDQ0
>>68〜
>>73 批評ありがとうございます。
確かに描写にいい加減さがありました。
次から精進します。
あとお題はちゃんと名前欄に入れます
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 16:52:00.01 ID:zexcDycqO
ネタ思い付いたときに限って書けない保守
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 17:01:50.86 ID:z1zqcuJg0
ほ
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 17:13:14.44 ID:Qz7fM0un0
こんなスレがあったのか
ちゃんと書ききれるか分からないけどお題プリーズ
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 17:14:03.39 ID:2FzJlwOe0
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 17:42:55.08 ID:svOn0VmV0
保守
81 :
◆/ks5Y92PHE :2008/11/15(土) 17:45:12.53 ID:uPQlGaKC0
お題って夕景じゃないの?
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 17:47:20.14 ID:2FzJlwOe0
今週の品評会のお題のことなら、そうだよ
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 17:59:27.64 ID:qNeoIARK0
お題をください
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 18:03:59.03 ID:ZH0M0o7L0
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 18:04:46.73 ID:qNeoIARK0
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 18:32:45.18 ID:2FzJlwOe0
ほ
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 18:37:03.14 ID:KEPXEB+40
来週までにvipで小説を投稿せにゃならなくなった。一度も小説なんてものを書いたことが無かったから
どんな風に書けばいいかわからない。
一度書いてみたいのでなにかお題ください。
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 18:40:34.56 ID:xj8Ch6uQO
>88
処女○○
こっちにも御代たのむ
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 18:54:36.15 ID:JX1NLu8W0
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 19:09:01.25 ID:YMQLUt+rO
ポイズン
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 19:24:54.45 ID:Qz7fM0un0
ほ
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 19:36:13.10 ID:z1zqcuJg0
っ
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 19:42:17.44 ID:vkbW7Yi60
け
教
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 19:47:33.80 ID:YMQLUt+rO
ちょっとほっけ買ってくる
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 20:09:20.46 ID:Qz7fM0un0
ほ
品評会多いかなあ……
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 20:21:21.49 ID:YMQLUt+rO
あげ
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 20:42:53.17 ID:2FzJlwOe0
ほ
103 :
◆/ks5Y92PHE :2008/11/15(土) 20:46:55.00 ID:uPQlGaKC0
>>51から小説のせたんだが、これ品評会の対象になる?
まとめとか載せたほうがいい?
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 20:49:41.12 ID:2FzJlwOe0
>>103 品評会作品だと判断してまとめへの転載もすませてあります
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 20:57:35.25 ID:YMQLUt+rO
幸せな話を書いてると、なんか胸の奥がムカムカとしてこないか?
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 21:00:18.93 ID:t1oxJ9YiO
プロットが出来上がってるとそうなる
思うままに筆を走らせている時は話の出口見付けるのに必死でそれどころじゃない
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 21:26:14.55 ID:YMQLUt+rO
なんか全部ぶち壊したくなるんだよな〜
てかおれ今日一日中このスレに張り付いてるww
キメエwwwおれキメエwwwww
108 :
お題:古本屋 0/2:2008/11/15(土) 21:36:18.32 ID:qNeoIARK0
投下します
109 :
お題:古本屋 0/2:2008/11/15(土) 21:37:35.52 ID:qNeoIARK0
恋は人を盲目にさせる。しかし、恋をしていないと人は幻覚を見てしまうのだ。
「 こんにちは。あなたがこれを読んでいるということは、この本が読み終わったという
ことでしょう。私はこの本が大好きです。あなたがまだこの本を買っていなかったら、
よかったら感想を教えてくれませんか?感想を書いた紙は七十ページに挟んでおいてく
ださい。 二十年十月一日 」
佐藤はいわゆる純文学というものを読むような少年ではなかった。古本屋で気まぐれに
純文学と呼ばれる本を手に取り、なんとなくカバーをはがしたら、カバーの裏にそのメ
ッセージを見つけた。それは女の子が書いたようなかわいらしい字で記されていた。今
日の日付は二十年十月七日。最近書かれたものだった。
佐藤は本の結びをみた。そこには小さく、「 カバーをめくってください 」とメモ書き
がされていた。前の持ち主の女の子が書いたに違いない
佐藤の心臓は今にも破裂しそうなくらい脈打っていた。彼は花の高校生だが中高の五
年間を男子校で過ごしている。女の子との交遊は一切経験したことがない。そんな彼に
とって女の子とはテストの満点よりも貴重なものなのだ。彼はすでにこのメッセージを
書いたのは美少女だ、という幻覚を見ていた。
佐藤は早速その本を読み始めた。
二日間古本屋に通い、ようやく本を読み終えた。しかし、本の内容よりもそのメッセ
ージの主が気になってしまい、本の内容は全く頭に入っていなかった。仕方ないので佐
藤はネットに載っていた他人の感想を自分なりにアレンジして感想をかいた。そして感
想を指定の通り、七十ページに挟んでおいた。
110 :
お題:古本屋 2/2:2008/11/15(土) 21:38:23.11 ID:qNeoIARK0
返信は三日後に来た。佐藤が感想を書いた紙の裏にはかわいらしい字でこう記されて
いた。
「あなたは私と同じような感想を持っています。私と同じ感想を持つ人が身近にいて、
なんだか嬉しいです。あなたなら以下の本も楽しめると思うのでぜひ買ってください。
感想は前回と同じ様にしてください。楽しみにしています…… 」
手紙の最後には数冊の書名が書かれていた。佐藤は女の子とメールをしているような
気分になってしまった。いまは恋の崖っぷちだ。
もちろん彼は指定された本をその古本屋で買っていった。感想もしっかり書き、七十
ページに挟んでおいた。
自分は美少女と読書の話をしている。そう考えると佐藤の頭の中は幻の美少女でいっ
ぱいになってしまった。それはもう恋なのかもしれない。こうなってしまったらもう、
盲目だ。
その感想のやりとりを佐藤は何度も何度も繰り返した。結果として、彼は短期間で何
十冊もの本を購入した。
「 店長!すごいですねぇ。店長が本にちょこっと本に何かを書くだけで、今まで売れな
かった本がたくさん売れるなんて!いったい何を書いたんですか? 」
店長と呼ばれた男は苦笑いをして、「 いやさぁ…… 」と答えた。
面白半分でやったのにまさか本当に騙されるやつがいるなんて……。そろそろ可哀そ
うになってきたなぁ。
店長の目には顔を真っ赤にして本をめくっている少年の姿が映っていた。
了
111 :
お題:古本屋 3/2:2008/11/15(土) 21:39:35.41 ID:qNeoIARK0
以上です。
二つ目の名前欄を間違えました。1/2です。
批評お願いします。
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 22:04:03.22 ID:2FzJlwOe0
>>111 おもしろかった。地の文で所々テンポが悪いか、とも思ったけど特に変なところは見受けられなかった。
目立った荒がないと感想つけにくいね。
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 22:11:21.44 ID:qNeoIARK0
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 22:16:19.60 ID:ZH0M0o7L0
>>111 本好きとしては本に落書きするようなやつは許せない(´・ω・`)
しかし全体としては面白かった。
つまらないことだが「メールをしているような気分」ではなく「文通をしているような気分」にでもした方が雰囲気が出てよかったんじゃないかと思ふ
115 :
お題:葛藤:2008/11/15(土) 22:22:53.20 ID:Qz7fM0un0
俺も投下しようと思う。初めてだから突っ込み所満載だろうけどよろしく
岸夕菜は迷っていた。それは小学校からの親友伊藤綾奈
の朝の一言から始まった。「夕菜私好きな人が出来たの」
夕菜も所謂普通の女子高生。こういった話は大好きで当然食いついた。
「ん、綾奈おはよう。で綾奈の心を射止めた男は誰よ」
暫く綾奈は恥ずかしそうに口をパクパクしていたが、ようやく意を決し
たのか「えっとね、昨日一年生が友達を連れてきてね…」ゆっくりとだが
今の状況を語りだした。成る程、昨日一年が友達を連れてきて、その友達が
マネージャの綾奈を手伝ってくれたのか。「とっても優しい人だったの。
それで名前は沖雄太って言うんだけど」私の耳に聞き捨てなら無い名前が
出てきた。沖、沖ってあの人だよな。まさか私と同――ふとHRのチャイムが
鳴り響いた。焦った様に綾奈は「夕菜お願い。私を手伝って欲しいの」と
言い残し、自分の席に戻っていた。
少しして担任が教室に入り出席確認を取り他愛の無い話をし教室を出て行った。
その間私は綾奈が言った事を反芻していた。思いがけないことになったと夕菜は
考えた。まさか綾奈が私と同じ人を好きになるなんて。綾奈は手伝ってくれと
私に言った。それは(本人に悪気が無いにしても)私に諦めろということだ。
ふとため息が出た。あの子は物凄く良い子だ。あの子は私が沖君の事を知っていて
かつ沖君が好きなんて事は全く知らない。私が彼女に打ち明けなかったのが
いけないのだから。なら私に彼女の恋路を邪魔する権利は無いのではな――
「痛てっ」頭に丸めた教科書が降ってきて私は驚いて声を上げた。周りから笑い声が
沸き起こる。どうやら一限目になっていたようだ。現国の教師が尖った声で言う。
「どうした寝不足か、珍しいなお前が。まだ一限目だししゃっきとしてくれよ」
「はい、すいません」そして教科書を取り出し、再び綾奈と沖君の事を考え始めた。
一限目が終わり休み時間になったところで、綾奈は私のところへ来て
「夕菜が珍しいね、何を考えてたの」私は決心して「ん、綾奈の恋をこれから
どうやってサポートするのか考えてたの」綾奈は私の手を持ち「本当、手伝って
くれるの、ありがとう」と大喜びしてくれた。そこで私は改めて認識した。
私は私が如何こうよりこの子を喜ばせることに幸せを感じるんだ。
昼休み、周りが弁当やパンを取り出し、昼飯を取り始めた頃夕菜は
教室を出て三階へと向かった。1そして-3と書かれた教室へ行き沖を
廊下へと呼び出し尋ねた。「沖君久しぶり。ちょっとここじゃあれ
だから移動しない?」「・・・それで校舎裏かよ。こんな所で何を話す
ってんだ一体」「えっとねいきなりで悪いんだけど今週の土曜日は暇?」
怪訝そうな顔をしながら沖は答えた。「本当にいきなりだな、でデートの
誘いかよそれは。まあ暇だけど」「本当、良かった。いやたまたま遊園地の
チケットが二枚手に入ったんだけど忙しくて行けないからさ、私の友達の
沖君の二人で行ってくれると嬉しいな・・・なんて」「はぁ、何でお前が来ない
んだよ。つーか全くの赤の他人と二人かよ」「全くの赤の他人が嫌ならほら、
昨日沖君が手伝ってくれたマネージャーの女の子と一緒ならどう」沖は苦い
顔をして「お前なんでそのこと知ってるんだよ。というかどうせその
マネージャーの子に頼まれたんだろ」そして一呼吸置いて「良い機会だ。
この際言っておく。俺はお前とじゃなきゃ意味が無いんだ」
言葉の意味が理解できなかった。目を丸くしていた私に沖はさらに
畳みかけるように「大体、何でマネージャーはお前を頼ったんだ。
それはお前が俺の知り合いだと知っていてお前を利用し」私は即座に否定した
「それだけは無い、私とあの子は小学校からの親友なの。私に頼んだのだって
…きっと、私の事を心から頼りにしてくれていたからに決まっているわ」
沖は苦い顔をして「そうか・・・それは悪かった」小声で謝った。二人の間に
沈黙が下り、しばらくして昼休みが終わるチャイムが鳴った。
私は沖君と別れる際に告げられた発言を思い出していた「まあ…とにかく俺は
お前以外の女とは何処にも行かないんだ分かってくれ」そして口論の際の
「良い機会だ。この際言っておく。俺はお前とじゃなきゃ意味が無いんだ」
考えるまでも無い。私と沖君は両思いだったのだ。それ自体はとても嬉しい。
しかし綾奈はどうすれば…。「おい、岸」頭を叩かれた私は驚いて「痛てっ」
声を上げた。再び教室から笑い声が生まれ、私は先生に謝り教科書を取り出し
勉強する姿勢を取りつつ再び悩み始めた。
私は正直に言うことにした。沖君が私の方を向いているのならどう足掻いても
無駄だろうし何より綾奈を親友として信じたからだ。だがそこで沖の予想が
当たっていたことを知る。授業が終わり綾奈が私の机にまで来て「夕菜大丈夫?
今日はやけにぼーっとしてるけど」
「ん、大丈夫。ところで沖君の事なんだけど」「沖君がどうかしたの」綾奈が
即座に聞く。「そういえばお昼休み一緒にお弁当食べようと思ったらいなかった
んだけど何処に行ってたの?」「えっと・・・」私がどう切り出そうか悩んでいると
いつの間にか今にも泣きそうな顔をした綾奈が張り詰めた声で「御免ね。校舎裏での
やり取り・・・全部聞いてたんだ」私は「そう」としか答えられなかった。「ちょっと
トイレ行ってくるね」綾奈はトイレまで走っていった。とにかく謝罪しなくては、
その一心で綾奈を追ってトイレまで付いてきた夕菜だったが、トイレ一番の個室から
泣き声が聞こえてくるのを確認すると声をかけられなくなる。しょうがないので一旦
出て、綾奈が落ち着いたら謝ろうと思い、トイレから出ようとすると、綾奈が
「どうして、どうして夕菜なの!」夕菜を引き止めた。「綾奈、御免なさい。
私にも理由は分からない。中学校の時同じクラスだったことぐらいで」綾奈は激怒
して「ふざけないでよ。理由が判らない! どうせ貴方達始めから出来てた
んでしょう。私を馬鹿にして」さらにまくし立てるように「沖君が言ってたわね。
沖君に近づくために夕菜を利用したんじゃないかって。当たってるわよその予想。」
綾奈は信じられなかった「嘘よ。綾奈はそんな事する人じゃ無いでしょう。感情に任せて
嘘を言ってるだけなんでしょ」トイレから泣き声が消え、変わりに笑い声がトイレに響き渡った。
「そんな人じゃ無い。貴方が私の何を知ってるのよ。・・・いいわそんなに私の事を
思ってくれているのなら私か沖君のどちらかを選んで頂戴。沖君を選べば私は貴方と絶交。
私を選べば沖君に近づかないで頂戴、その場合は貴方が望めば元の関係に戻るよう私も頑張るわ。
さあ選んで頂戴」私は悩んだ。そして放課後のチャイムが鳴り、流石の綾奈も焦れ「まだなの」
と私に聞いてきた。「こんなの選べるはずがないわ」私は選ぶ意思が無いことを告げた。
その意思を受け取った綾奈は「そういえば夕菜も意地っ張りだったわね。
はっきり言うわ、選ばない選択肢は無い。選ばない場合貴方は沖君を選んだことになる理解して」
結局私は綾奈を取った。そして綾奈は沖君に告白し玉砕。その後私と綾奈は多少ギクシャクと
しているが冗談を言い合う位には修復した。私と綾奈は親友なんていう言葉で結ばれていない
のかもしれないが、今はこの絆を大切にして行きたいと思う私は甘いのだろうか。そして
綾奈を裏切っている私はもう本来そんな事を考えることすら許されないのかもしれない。
しかし新しい絆――沖君が綾奈を振った後私に告白をし、私はそれを受け入れた――を
私は大切にして行きたいと思う。
<了>
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 22:25:15.13 ID:eeNgTeur0
>>111 おもしろい。というか、佐藤が可哀想w
気になった点を二つ。
>佐藤は本の結びをみた。そこには小さく、「 カバーをめくってください 」とメモ書きがされていた。
この一文は、>純文学と呼ばれる本を手に取り、の後に入れた方がいいと思う。
すでに目的の物を読んだ後に出す意味が無くなってしまう。
もう一つは、>店長が本にちょこっと本に何かを書くだけで
本って二回出てきてる。まあこれだけ。
でもすっきりまとまってて良い感じでした。
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 22:25:55.78 ID:Qz7fM0un0
以上です。
感想の方よろしくお願いします
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 22:37:02.57 ID:ZH0M0o7L0
>>121 案外上手いじゃないかと思って読み始めたが、出だしは三人称で書かれてたのに途中でいきなり一人称に変わりやがった
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 22:42:42.57 ID:YMQLUt+rO
>>121 好きな人の名前をすぐに思い出せないのはないと思う
お題下さい
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 22:44:04.13 ID:YMQLUt+rO
と思ったら思い出せなかったわけじゃないな。スマソ。
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 22:45:05.96 ID:eeNgTeur0
>>121 とりあえず、段落であるとか字下げであるとか、その他諸々の文章を書く上でのルールというものを学んだ方がいい。
はっきりと言って非常に読みにくい。内容がどうこうではなく、単純に読みにくい。
内容としては言わんとすることはわかる。話としてはよくあるものなので、面白いということは無いけれど。
とりあえずは丁寧に文章を書くことを心がけたらいいと思う。
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 22:45:10.37 ID:YMQLUt+rO
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 22:48:24.40 ID:2FzJlwOe0
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 22:48:57.27 ID:Qz7fM0un0
>>122-123、
>>125-126 意見ありがとうございます
三人称→一人称は途中で気づいていましたが
ちゃんとした形に修正出来る自信が無かったので
現在の形にしてしまいました
文章の勉強等一切した事が無かったので次投下することがあれば
最低限のルールを学んでからにしたいと思います
どうもありがとうございました
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:14:35.42 ID:rv4sb6RH0
おちちゃうー
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:17:36.29 ID:KEPXEB+40
保守。投稿する前にwikiの文字数カウント使えば
文章が乱れたりしないの?
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:18:14.09 ID:qNeoIARK0
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:19:27.96 ID:aYWL3dc50
お題ください
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:20:06.86 ID:ZH0M0o7L0
ジャンヌ・ダルク
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:22:35.99 ID:2FzJlwOe0
>>132 事前に行数を知ることで変なところで文章が切れることはなくなると思う
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:23:15.78 ID:rv4sb6RH0
>>132 使ったこと無いから何とも言えないけど、あれって文字数カウントするだけじゃないの?
てか、文章乱れるかどうかは本人しだいじゃないかと。
丁寧な文章を心がければいいと思うよ。
で、本当に聞きたいのは改行とか字下げとか?
この辺も自分で調整するしかないけどね。
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:29:07.82 ID:OcHXU96f0
おだいをください
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:31:00.51 ID:ZH0M0o7L0
苺大福
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:31:00.80 ID:bbr0o29i0
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:31:22.26 ID:rv4sb6RH0
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:31:56.75 ID:yi3gYNHd0
お題ください。
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:32:35.11 ID:2FzJlwOe0
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:32:56.82 ID:bbr0o29i0
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:33:12.02 ID:OcHXU96f0
苺大福はあく
マドレーヌはあく
乱れた生活はあく
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:33:14.95 ID:rv4sb6RH0
147 :
品評会 『淡いシミと時間軸(0/6)』:2008/11/15(土) 23:33:56.37 ID:rrPnKJTyO
品評会、投げ下げます。
148 :
品評会 『淡いシミと時間軸(1/6)』:2008/11/15(土) 23:36:10.10 ID:rrPnKJTyO
午後四時半。座っている所、私が占めている空間を、この中庭から直方体に切り取ってしまう。
研究棟から駅へ走っていく男子、教授を囲んで夏目漱石とナショナリズムの関係について討論をしている団体、図書館から中庭へ手を繋いで出てくるカップル。彼らはもちろん、直方体の外側に居る。そして彼らはこの直方体を感知することも出来ない。
私がここに座っていて、直方体の中にすっぽり入り込んで、切り取ってしまったことを彼らは知らないからだ。ぽっかり空いた穴にも気づかない。そこに穴が初めから有ったのか、無かったのかもわからないからだ。
もちろん私は切り取った後の穴を、もぐらのようにわかりやすく提示したりはしない。ただ、一つ余分な空間を(「私」入りで)どけただけにすぎない。
こういう妄想をしているとき、もしかしたら君だけは直方体の中でキョロキョロしている私を見つけてくれるんじゃないかと思う。
ああ、でも知ってるでしょ?私はかなりのあまのじゃくだから、君が外側から手を振ってくれても、気づかないふりをしてしまうかもしれない。それか、直方体の面をペンキで塗ってしまうかもしれない。そしてその上からカーテンまでつけてしまうかもしれない。
けれど、それは本当に私があまのじゃくなだけで、本当に心の底からうれしくて、うれしくないふりをしてるだけなんだよ。いや、うれしくないどころか、すごく気分を害されたっていうような顔をするかもしれない。
まあ、でも君には全部わかってしまうだろうね。
というか、自分を空間から直方体に切り出すという行為自体が、君へのあてつけなんだろうと思う。誰にも気づかれず、誰からも知られず、私だけが現実から切り取られたという現実を君にあてつけたのだ。
好きとか、愛してるとか、そういう感情が私から君へ働いているからではない。私と君の間にのさばる無への抵抗なのだ。
君と別れてかなりの時間がたった。その間、私は君を避け、君は私を排除した。そうしてお互いが、お互いの間にある空間に否定を塗り重ねてきた。もうここにあるのは無以上の無と言っても良いだろう。
149 :
品評会 『淡いシミと時間軸(2/6)』:2008/11/15(土) 23:37:59.51 ID:rrPnKJTyO
そして正直に告白すると、その無は私に襲い掛かるようになったのだ。これは比喩表現ではない。本当に、無は私の前に立ち現れたのだ。私が自分を直方体に切り取り、君に当てつけた理由がそれなのだ。
ちょうど二ヶ月前の水曜日、私は裏門から出て空き地を突っ切り、あぜ道を通って帰ろうとした。いつもは絶対に通らない道だった。ただ、少し遠回りして帰りたいと思いその道を選んだ。
午後四時半。少し青みがかった風が冷たかったので、裏門の自販機で暖かいミルクティーを買った。缶を両手で包み、さて帰るか、と一歩踏み出した。踏み出したその時、 空き地と大学の敷地を区切る金網のフェンスに何かがへばりついているのが目についた。
午後四時四十八分。薄緑のペンキが殆ど剥がれ落ちて錆が大部分を食いつぶし、自然への回帰に完全に取り込まれたフェンスにしては、余りにも違和感のある、くっきりとした黒いシミだった。しかしそのシミは、明らかにこの世界の法則に従って存在しているものではなかった。
コラージュのように、景色の上に黒い折り紙をそのままぺたっと貼付けたようなシミ。周りと調和することもなく、ただ張り付いているだけに見えた。
私はその黒いシミに手を延ばして、指先で軽く触れた。するとシミはシュルシュルと指先から私の中に入って、腕を通り抜け肺にぺたっと張り付いた。
もちろんぺたっと張り付いたのが目に見えたわけでは無い。でも、そのシミはかなり冷たくてどう動いているのかははっきり感じた。
私はその時かなりパニックになってしまって、胸のあたりを引っかいたり、泣き出して喚き散らしたり、フェンスをがたがた揺らしたりしたのだけれどどうしても肺のあたりに冷たく感じるものはとれなかった。
その間、犬の散歩をしている人や、清掃会社の人達が裏門のあたりを通った。みんな怪訝そうに私を見たが、話し掛けたり、助けをよんでくれる人はいなかった。
小一時間ほど、私はそこで途方にくれていたが、そこにいてもどうしようもないと思ったので、一度家に帰ることにした。喚き散らしてほてった体とは対照的に、黒いシミは刺すような冷たさだった。
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:40:34.88 ID:T538RwGtO
猿
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:40:59.32 ID:rv4sb6RH0
るちゃ・りぶれ
152 :
品評会 『淡いシミと時間軸(3/6)』:2008/11/15(土) 23:41:07.50 ID:rrPnKJTyO
午後五時。家に帰ると、すぐにパソコンを立ち上げ、近所にある心療内科を探した。黒いシミは絶対に私の見間違いではない。 私は確実にそれを見たし、ひんやりとした感覚はずっと私の中にある。私は病気なんだ。医者に見てもらって薬を飲めば良くなる。そう思った。
私はわりと近い市立病院の心療内科に決め、電話をかけた。ちょうど非常勤の医師もいるからと、飛び込みでその日のうちにみてくれることになった。
自転車で病院に向かう十五分間、ペダルを踏み込む度に心拍数は上がり、シミは冷たくなった。血液は途方にくれたように私の中を走り回り、シミはその度にクスクスと冷たく笑った。その笑い声を聞いた血液は錯乱に陥り喚き散らした。
上昇する私の体温と、冷たいままの黒いシミ。時間はただ二つの間隔を広げるだけで、私の血液は狂気に囚われる。
ねぇ、これって私達が別れてしまった時みたいでしょ?私はずっと泣いていて、君はずっと困ったように眉をひそめて、口角だけは上がってた。
それから私はずーっと泣いて、写真立てやレコードを壁に投げ付けて壊してしまって、君は眉をひそめて口角を上げたまま帰ってしまった。
だから、あのシミは私達の関係そのものなんだと思った。失恋で狂う女なんて星の数程いるでしょう?でも私は本当に狂っちゃってたんだよ。
まあ、そう。自転車を漕いでる時にそう思って、とにかく病院に着いた。心療内科と精神科は、外科や内科とは別の建物にあった。敷地内の林みたいな所を奥まで行くと、小さな池があって、その脇に二階建ての古い洋館みたいなところがそうだった。
午後五時十八分。看護婦さんがちょうど玄関ではき掃除をしていたので、電話したことを伝えると、中へ通してくれた。待合室は古いホテルのロビーのようで、家具は深い色見の木目で統一され、ソファーはベージュ地の上品な小花柄だった。
そこには看護婦が三人いたが、患者は私しかいなかった。さっきの看護婦に窓際のソファーをすすめられ、そこに座った。保険証を渡し、ここに来るのは初めてだと伝えると、問診表を渡された。
153 :
品評会 『淡いシミと時間軸(4/6)』:2008/11/15(土) 23:43:38.00 ID:rrPnKJTyO
名前、薬のアレルギーの有無、既往症の有無、常用している薬と、普通の内科の問診表よりあっさりした内容だった。すぐに書き終わり、前のテーブルに置いた。
すると、看護婦が白いマグカップを私に渡した。暖かいミルクティーが入っていた。かなり濃いめに煮出したダージリンに、ミルクと砂糖を少しだけ入れた、変わった味のミルクティーだった。
私が口をつけたのを見ると、看護婦はにこっと笑い、問診表を持って奥に行った。そのミルクティーは本当に不思議で、喉を通る一瞬だけシミがふわっと肺から離れるように感じた。
それから五分くらい待つと、看護婦に名前を呼ばれ、ついて来るようにと言われた。階段を上がり二階の廊下に出た。廊下の両脇にはドアが三つずつあった。右側の真ん中のドアの前までいくと、看護婦は三回ノックした。何故か、シミが一段と冷たく締まった気がした。
看護婦がドアを開け、私に中へ入るように目で合図した。部屋には三十歳くらいの若い男が、繁雑にデスクに積んだ分厚い本の隙間からこちらを見て微笑んでいた。
看護婦は私の名前を彼に告げるとすぐに出て行った。男は立ち上がり、部屋の中央にあるソファーを私にすすめた。彼はグレーのVネックのニットに黒いスラックス、レペットのレザーシューズという、医者には見えない格好をしていた。
男は私の前に座り、私をまじまじと見た。男の腕時計には長針しか無かった。
「大学生かな?どうしてここに来ようと思ったのか話してもらえる?」
彼の声は本当に柔らかくて、部屋の中の空気をなぞるように響いた。シミは彼の声が気に入らなかったらしく、今やドライアイスのように冷え切っていた。
そう、それで私はまず彼に黒いシミの事を話した。シミは目の前の景色にぺたっと張り付いていて、指先が触れた瞬間に私の中に入ってきて、すごく冷たくて、パニックになっちゃって困ってたんだという事。男は微笑みをうかべたまま少しも動かずに聞いていた。
154 :
品評会 『淡いシミと時間軸(5/6)』:2008/11/15(土) 23:45:10.09 ID:rrPnKJTyO
私はちょっとそれがひっかかったので、彼にもう少し詳しく説明した。
シミに指先で触れた時にはなんの抵抗も感じ無かったけどほんとにつめたくて、するする動いてるのもわかったし、でもなんかすごい気持ち悪いし、今も肺にへばり付いたままで、
今も私はパニックで、でもシミはすっごい冷たいし、ほんとにどうしたらいいかわかんないし本当に私はパニックなんだ、と言った。
男は微笑んだまま言った。
「例えばここに一個のサイコロがある」
テーブルの上に転がっていた、サイコロをつまみあげた。私は突拍子もない言葉にとまどって何も言え無かった。
「世界はこのサイコロがいくつもくっついてできてるんだ。でも世界のそんな奥のほうの仕組みなんて太陽の光程度では知覚することができない。だから僕らにはサイコロの影しか見えない。
僕らの目に見えるものは全部サイコロのなの。そんな変な顔しないで真面目に聞いて。ねぇ、あなたはどうして、私を男の医者だと思ったの?」
男はいつの間にか看護婦になっていた。シミはケタケタと笑った。
「あなたはそのシミの正体は何だと思う?」
シミの正体。私はこのシミは君と別れて私が狂った証拠だと思っていた。
「そう、失恋したんだ、いつ頃?」
二年前。
「この二年間、ずっと失恋についてなやんでいたの?」
まさか。私には新しい彼氏もいるし、今はその人が大好き。
「じゃあなんで、シミの正体が前の彼氏と別れて君が狂った証拠になるの?」
二年間、私は混乱しているから。
「別れてしまったことに?」
違う。別れてしまって、君が居なくなって、自分がどこの誰なのかが解らなくなったのだ。名前も住所も、自分自身がどういうものなのか説明してくれない。
君という唯一絶対の座標が無くなって、自分の感覚が何処で働き、肉体が何処に存在するのかがあやふやになってしまったのだ。
155 :
品評会 『淡いシミと時間軸(6/6)』:2008/11/15(土) 23:46:08.86 ID:rrPnKJTyO
君は誰で、自分は何で、何処にいて、どっちがどっちで、なんでこうなったのか本当にわからなくなったのだ。今はもっと解らない。君はわかる?本当に解らない。
シミはなんで私の前に現れたの?どうやって私の中に入って来たの?シミはなんだったの?どうしてこんなに冷たいの?なんで笑うの?なんで医者なのにそんな格好してんの?なんで君は気づかないの?なんでこんなにわかんないの?
君は誰?何なの?何?わかんない。誰?あたしは?わかんない。何なの?医者は?看護婦は?わかんない?なんで?誰?自分?君?誰?誰?今、何時?
了
投下乙
出来れば酉を
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:48:01.70 ID:MVCzH/R40
取り付けれ
158 :
品評会 『淡いシミと時間軸』:2008/11/15(土) 23:48:04.20 ID:rrPnKJTyO
こんなに駄文に猿してくれてありがとう!
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:48:46.24 ID:yi3gYNHd0
160 :
品評会 『淡いシミと時間軸』:2008/11/15(土) 23:49:10.80 ID:rrPnKJTyO
とりのつけ方とか聞いたらおこる?
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:50:21.16 ID:2FzJlwOe0
半角シャープの後に好きな文字列(同じく半角)
いいか、半角だぞ!
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:50:40.12 ID:MVCzH/R40
>>160 ・優勝時の本人確認のため、週末品評会参加者は出来れば酉を付けて下さい(酉は名前欄に#と自由な文字列)
→毎回同じコテや酉で出続けると周囲にわかりやすいです
久しぶりに来た俺にお題をおくれやす
>>160 名前欄に半角の#つけて好きな文字ね
その文字を忘れないでね
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:52:03.24 ID:ZH0M0o7L0
167 :
品評会 『淡いシミと時間軸』 ◆FqHXIR7sz. :2008/11/15(土) 23:52:09.61 ID:rrPnKJTyO
これでできたかな
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:52:30.41 ID:JX1NLu8W0
周囲にわかりやすくてもなんの意味もない気がするな
あとコテ推奨してるのはどうなの。このテンプレ
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:52:48.48 ID:2FzJlwOe0
おっけーですよ
171 :
品評会 『淡いシミと時間軸』 ◆FqHXIR7sz. :2008/11/15(土) 23:54:14.63 ID:rrPnKJTyO
教えてくれてありがとう!
172 :
◆/ks5Y92PHE :2008/11/15(土) 23:54:34.45 ID:uPQlGaKC0
>>104ありがとうございます。質問にこたえていただき、安心してます
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 23:55:13.01 ID:cC9g9lPf0
174 :
お題:処女と雪1/2:2008/11/16(日) 00:00:25.61 ID:iM+GBZHF0
投下します。
私はこの町を去る。突然のことで両親は驚くだろうけれど、朝が弱い私をいつも起こしてくれるお母さんなんて特に…
お父さんは…どうだろうな。案外私の行いを許してくれるかもしれないし、もしかしたら家にいないことにすら気付かず仕事に行ってしまうかも。
書置きでも残しておけばよかったかな。ううんだめ。ここにはもう戻れない、戻らない、そう決めたのだから。
路上にはまだ雪が多く残っていた、その脇に植えてある背の高い木々は一枚の葉も付けてはいない、
目に残す景色といったら澄んだ空と陽に照り返された薄黒く潰された路肩の雪くらいだ。
「ここも後一カ月たたないうちにあの町…彼のいるあの町のような春が来るのかな」
そうだ私は彼に会いにこの町を出るのだった。両親との別れに悲しんでいるのはまだこの町に未練がある証拠だ
暖房のきいた車内の中で私は、彼のいる町は暖かい春がまだ続いているだろうか、
去年一緒に歩いた通りの桜は生まれ変わった私を町の住人として迎え入れてくれるだろうか。眠気を誘う暖かさ、私は彼との思い出に浸かり始めていた。
私が好きになった彼は、あまり人前で話す人ではなかった。それは私と二人でいたときも同様で彼と出会った初めの頃に私は躍起になって
自分との共通点や様々なシチュエーション――もし私が彼の家に押しかけてきたら彼はどうするのか――等、彼の腕を掴み幾度も訪ねた。
その時の彼はただ頷くばかりで私が掴んだ腕をやけに気にしていた。
私はそういった時の彼の顔が大好きだった、私より五歳年上なのにそれを思わせない幼い顔立ちと困った時に
耳と頬をほんのり赤く染めそっぽを向いてしまう仕草を何度も私は見たくて会う度に約束事のように彼に聞いたのだった。
彼との思い出に浸っていると冷え切った風が窓から入ってきて私の意識をもう何も無いこの土地に戻した。私はその風で頭を冷やし自分が
行ってきたことでよく彼に嫌われなかったものだ、と恥ずかしさと申し訳なさに頬を赤く染め、両手でそれを見られないようにしばらく隠していた。
隣に座っていた男が窓を閉めたので私はスッと手をコートの下に戻し両手をぎゅっと握った。
175 :
お題:処女と雪2/2:2008/11/16(日) 00:01:43.42 ID:iM+GBZHF0
もう両親に会うことも無い、この町に帰ってくることも無い。頭が冴えているうちに私は出ていく前、両親と話し合った最後の会話を思い出そうとした。
けれど車内は酷く暖房がきいており、さっき隣の男が窓を閉めてから温度は上昇するばかりで記憶が歪みねじれ、伸ばした手は縛られ上手に記憶を辿ることができない。
断片的に思い出せたのは、私は……私は酷く取り乱し両親にいかに彼を愛しているかを伝えようとしているところだった。
両親はその時の私の顔をどんな目で見ていただろうか。彼らに私はどんな風に映っていたのだろうか薄黒い汚れた雪が目の前で喚いている様に映っただろうか。
私は向かい合わせて座っていた椅子を立ち両親のすぐそばで小石と砂利が詰まった言葉を彼らに向けていた。
その後、その後私は……だめもうこれ以上思い出せない。
車が止まり男はドアを開き私に外に出るよう促した。強く握っていた両手を更にきつく握り外に出た。
雪が舞っていた…違う、舞っているのではなく降りた傍の植木にかぶさっていた雪が風で飛ばされただけだ。風と雪が私の全身に
かかる。歪んでいた記憶が、きつく握っていた両手が緩む。
大事なものを失った…人が失ってはいけないものを私は失った…もう私に春はやってこない。
「私は…私は……」
傍らに立っていた制服姿の男が前に進めと私の腕を掴んで引っ張る。硬く冷え切った目が男の方に……今まで通ってきた路上に向いた。
白いままだった雪の塊が車に潰され黒く濁っていった。
<了>
初めての投稿でした。感想、アドバイスよろしくお願いします
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 00:03:26.33 ID:gZe0s9l/0
なんで最終行の空白反映されないんだ……?
間違いなくスペースを挿入したのに
ものすごく申し訳ないわ
まとめスレのNo.02 淡いシミと時間軸
すいませんが権限持っている方修正お願いします
177 :
◆/ks5Y92PHE :2008/11/16(日) 00:07:31.46 ID:xf/N/yWO0
>>52がまとめから抜けてしまっている(一番はじめ。理由は、お題を書き忘れたからです 涙)
のですが、自分でまとめ掲示板にその箇所を入れておくべきですか?
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 00:10:44.31 ID:c8coJZDSO
>174
たぶんおれが出したお題、処女〇〇だな?
おれが初めて書いたのも人を殺して記憶が曖昧ネタだった
とりあえず違うネタでもう1本書くことをお勧めする
あと、「車内の中」は重複してるぜ
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 00:13:35.43 ID:3WsRHTCq0
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 00:14:51.33 ID:gZe0s9l/0
181 :
◆/ks5Y92PHE :2008/11/16(日) 00:21:04.03 ID:xf/N/yWO0
>>177 ありがとうございます。すいませんでした。はやとちりのようです。
>>178 そうです。処女が殺人ものになってしまいましたすいません
指摘ありがとうございました。車内と書いたり車内の中と書いたり…見落としてました
お題↓
183 :
159:2008/11/16(日) 00:33:16.26 ID:ysdp6spd0
教えてください。複数のお題をもらった場合、一つに絞ってもおkですか?
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 00:36:26.79 ID:gZe0s9l/0
186 :
159:2008/11/16(日) 00:43:19.52 ID:ysdp6spd0
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 00:48:03.72 ID:n92Ob+Yc0
投下します
188 :
誤差日常(お題:勘違い) 1/3:2008/11/16(日) 00:48:50.09 ID:n92Ob+Yc0
太陽が燦々とい晴れ渡る、夏の暑い熱い日曜日。私は引越しの準備に追われていました。女手一つではなかなかに重労働です。
どうでもいいですが、「太陽燦々、おはようさんさん」の惹句を考えた人は天才ではないでしょうか。
功を奏し閑散とした部屋で、私は大きくい気を吸いました。吐きました。
ふと目に付いたものがあります。それは大きな大きな熊のお人形です。私の腰くらいまでもあるのです。
愛着がわいてしまい、どうしても売れなかった一品です。私は考えるポーズをとって思案します。むむむ・・・・・・。
「そうだ。ナギちゃんにあげよう」
ナギちゃんとは私のお友達です。彼女はこの熊さんにご執心でした。これはいい案です。胸が空き、なんだか楽しくなってきました。
こうしてはいられません。熊さんを担ぎ、私は軽やかにドアを開けました。ナギちゃんの家までは歩いて10分とかかりません。
近道の公園をすたこら歩いていると、なんと、前方にナギちゃんを発見しました。今日の私はなんだか絶好調なようです。
あのショートカットの後ろ姿はナギちゃんに間違えありません。どうやら少し髪の毛を切ったようですが、彼女との何年にも渡る友達経験が
生かされ、ナギちゃんだと看破しました。鼻高々です。
これはチャンスです。驚かしてあげましょう!
私はうずうずする胸を必死に抑えながら、背後へこっそりと忍び寄ります。
そして熊さんを緩衝材に使い、体当たりをかましました。熊さん、ごめんなさい。
「がおおおおおお! 食べちゃうぞおおお!」
さてさて。反応が楽しみです。
ナギちゃんは野良猫のような俊敏さで振り返りました。
「な、なんなんですか!」
あれ?声が少し違うような・・・・・・。それになんだか、顔つきが・・・・・・。
――――勘違いでした。ごめんなさい。
思わず熊さんの影へ隠れてしまいます。
「ご、ご、ごめんなさい! 熊さんにも悪気があったんじゃないんです!」
「それはそうでしょう!」
おずおずと顔を出しました。見ず知らずの男の人は、なかなか優しそうな顔をしています。許してもらえるでしょうか。
男の人はかなりお怒りの様子です。顔が真っ赤になっておいでです。
「な、なんて美しいんだ!」
・・・・・・どうやら雲行きが怪しいです。
「君、名前は?」「マスク・the・ベアーです」「そうじゃなくて! 君だよ! 君!」「私ですか? 私は新渡戸稲子と申します」
「それ今思いついたよね!? あ、俺は綾埼ナギっていうんだ。」「それは、嘘です」「えぇ!?」
「ナギちゃんはもっとかわいいです。それに苗字は千原です」「知らないよ!」
ナギちゃん(偽)はころころと百面相をするおもしろい方でした。悪漢ではなさそうです。
それから主にナギさん(仮)さんの独壇場ですが、歩きながら会話を交わしました。
存外に面白い方でしたので、私も悪い気はしません。
そしてナギちゃん(本物)の家へと到着いたしました。ですがナギさん(オマケ)もイッショです。あと熊さんも。
家の中へと入ればナギさんとはお別れです。時間の流れはに無情に無常で、有象無象の苦情が浮上するものですじょー。
・・・・・・コホン。少し脱線しました。
私はナギちゃんの家のインターホンを押しました。この家のインターホンの音は可愛らしくて好きです。
ほどなくしてナギちゃんのお兄さんがひょっこり顔を出しました。
「いらっしゃい、ちょっと待ってね」
「では、ナギさんここでお別れです」
ナギさんはナギ兄を慄然たる面持ちで睥睨していました。心なしか震えております。
「こんなイケメンな彼氏がいたなんてえええええええ!!」
彼はすばやく踵を返し、脱兎の如く駆けていきました。なんだか心外なことを言われた気がします。
ナギさんの後塵から、ナギちゃんのおうちへと目を向けると、お兄さんがナギちゃんと入れ替わっていました。イリュージョンです。
「いらっしゃい。そのトラ太郎どうするの?」「トラじゃなくて熊ですよー。プレゼントです。」
「だれに? さっきの男の人?」「ちがいますよー。ナギさんじゃなくて、ナギちゃんにです。」
「へ? 私じゃないけど私? よくわかんないけど、なんで?」「なんと、引越しするのです」
「えぇ! さっきの彼の家?」「ナギさんは関係ないですよー。那岐(ナギ)まで引っ越すんです。」
「私の家!? だめだよ! そんないきなり!」「違いますよー、ナギさんじゃなくて那岐ですー。」
「やっぱ彼の家かー」
・・・・・・・・・・・・勘違いって恐ろしいです。
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 00:51:17.07 ID:n92Ob+Yc0
以上です
今回は落ちが弱くて自分としてはすっきりしませんが
感想頂けたら幸いです
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 01:13:36.78 ID:hq7dMZjs0
とうかします
マドレーヌ
苺大福
乱れた生活
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 01:14:20.97 ID:hq7dMZjs0
僕はいま二人の女性と同居している。
一人はマドレーヌ、もう一人は苺大福。
マドレーヌを一言で表すなら、大人の女性という単語が一番しっくり来る。
しっとりとした小麦色の肌には、若さゆえの瑞々しさは無いかもしれない。
だがその肉体は、僕を甘えさせてくれるだけの包容力に溢れている。
マドレーヌは粋も甘いも知り尽くした淑女の色香を漂わせ、僕を誘惑してくる。
苺大福は対照的に若さという武器を最大限に使ってくる。
白い弾力のある柔肌に隠された、甘酸っぱい新鮮さを覗き見るたびに
不覚にも背徳的な興奮を覚えてしまう。
幼さともとれる初々しいさわやかさが、いちご大福の魅力だ。
ああ。
こんな素晴らしい女性二人に囲まれて、乱れた生活を送らない男がいるだろうか。
いるわけがない。
それにほら、生ものですのでお早めにお召し上がりくださいって言うでしょ?
だから僕もそうしたんだ。
素晴らしい生活。
あとは紅茶と緑茶が女性になってくれれば言うことはないのだけれども。
おわり
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 01:37:46.60 ID:M1yLflHIO
御題をお願いします
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 01:40:26.02 ID:NkhMvxmI0
第四の壁
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 01:45:41.07 ID:aT2IkT6NO
またメタかよw
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 02:11:10.62 ID:OYFWb5Pw0
ほ
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 02:13:19.11 ID:rugTDfpv0
メタフィクションといえるほど、小説として完成しているわけでもないだろ
ネタがわからないというより、正直なところあまりに安直過ぎるから
裏があって欲しいと願ってしまうレベルだが
分からんという印象を抱かれても、それを完全に否定できるほどには
明確にオチででも、そのことを示しているわけでもないので
適当にでも乙と言えないなら、解無しと考える方が精神衛生上は正しいと思う
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 02:17:47.22 ID:341uGSkg0
200 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 02:18:56.44 ID:+Gq1lXuI0
私はその人を常に先生と呼んでいた
それ
は世間を憚る
遠慮と言うより
も
か
く
お題をください。
202 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 02:21:03.65 ID:2cls9Ref0
夜汽車
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 02:36:25.69 ID:BJLmaTGzO
204 :
159:2008/11/16(日) 03:16:53.04 ID:ysdp6spd0
投下します。
205 :
未確認飛行物体(お題:焼きそば) 1/3:2008/11/16(日) 03:23:03.65 ID:ysdp6spd0
少し、肌寒い秋の日。私は、パシパシと窓を打つ雨の音で、目を覚ました。
「風邪、ひいたかな?」
額に手を当てると、心なしか熱っぽい。
「何で、こんな日に……もう最悪」
そんなことを呟きながら、昨日干したばかりの”ふかふかだったはず”の布団に顔を埋める。
何故、”ふかふかだったはず”かと言うと、遡ること一昨日の夕方。
「明日のお天気は晴れ。降水確率は、午前、午後共に0%です」
テレビから、聞き慣れた気象予報士の声。私が、この言葉を信じたのが、間違いの始まりだった。
「今日も、いい天気」
次の日の朝、東の空から差し込む日の光を受けて、私は右手を腰に、左手で朝日を遮りながら、ベランダに立っていた。
今日は布団を干す。そう、固く心に誓っていたのだ。
私は、部屋から(私のコンプレックスのような)ぺったんこの布団を引っ張り出し、ベランダの柵にかけた。
布団叩きなど持っていないので、手で少し叩いてやる。すると、辺りは一面、朝日に照らされた、もうもうとした埃達に包まれた。
――その日の夕方、私は我が目を疑った。口をついて出た言葉が、
「あめ」
である。この「あめ」の後の私は、凄かった。何が凄いかと言えば、ビューン! ガチャ! ガラッ! ババババッ! ふぅ……
と、いった具合である。
しかし、この”私ってば、凄い”も空しく、布団の表面は湿り気を帯びており、私は隣の部屋の人に壁を叩かれながら、
夜遅くまで、泣く泣く、ドライヤー掛けをすることになったのだ。
――これが、本件の全容。見てのとおり、全てあの気象予報士の責任だ。あのマユゲめ。何が都知事の息子か。
206 :
未確認飛行物体(お題:焼きそば) 2/3:2008/11/16(日) 03:24:31.74 ID:ysdp6spd0
とまあ、そんなこんなで例の布団に顔を埋めていた私も、そろそろ起きなければいけなかった。何故なら、今日は大事な日なのだ。
ふと、時計に目をやると、七時四十七分。まだ時間はある。また布団に顔を埋める。しかし、襲い来る睡魔に負けるわけにもいかず、
起き上がった私は、布団の脇に置いてあるメガネをかけ、もう一度時計を確認する。時計の針は、九時三十八分を指していた。
「えっ? 何? 私? 今? 寝た? の?」
細切れの言葉が、疑問符と共に頭の中を駆け巡るが、そんなことには構っていられない。待ち合わせの時間は十一時なのだ。
寝起きでボサボサの髪。寝不足でガサガサの肌。起き抜けでペコペコのお腹。出発のタイムリミットは十時半と、戦う敵はゴマンといる。
しかし、そこは百戦錬磨の私。抜かりは無い。シャワー十分、お化粧十二分と脅威のスピードでこなす。今の私なら、あの男に、
「速さが足りない!」とは言わせない自信がある。
外見の支度を済ませたら、次は内面の支度だ。意気揚々と台所に向かった私は、まず、冷蔵庫を開けた。が、何も無い。
百八十度翻し、三歩進んで戸棚を開ける。が、何も無い。左向け左で二歩進み、地下収納の扉を開ける。何かある。
私は、地下収納の中から、”それ”を手に取った。赤、黄、黒のパッケージには、おいしそうな茶色の麺が踊っている。
ゴクリ……。私は、覚悟を決め、左舷四十五度の方向の電気ポットに向かう。
「残弾、よし」
上蓋を半分だけ開け、かやくを麺の下へ。そして、残弾全てを撃ち尽くす。ポットのモーターが苦しそうな音を出しているが、
そんなことお構い無しだ。
「こんな時の二分は、何でこんなに長いのだろう」
自称硬め派の私は、そんなことを考えながらひたすら待つ。待って、待って、待って、待って。ゲシュタルト崩壊を起こすほど待った。
――そして、時は満ちた。
十時十分。私は、時計が秒針単位でその時を知らせると共に、”未確認飛行物体”に手を掛ける。そして勢いよく、蓋に手を掛ける。
スピード湯切り。そんなものを私は信じない。蓋を湯切り口ごと、強引に剥ぎ取る。そして、用意してあったザルの中へ麺を放り込み、
返す手で元のカップへ。開封済みのソースは、香ばしく濃厚な香りを湛え、カップに吸い込まれていく。私の右手は、割り箸と言う名の指揮棒と共に
華麗かつ繊細な動きで、ソースと麺のハーモニーを奏でる。そして、同じく開封済みの特製ふりかけは、宝石のようにきらめき、茶色の麺に降り注ぐ。
その間、二十秒。完璧だ。
十時十分二十秒。私は”未確認飛行物体”口に運ぶ。食べ終わる。その間、五十秒。完璧だ。
十時十五分、空腹を満たした私は、十分な余裕を持って部屋を後にした。
207 :
未確認飛行物体(お題:焼きそば) 3/3:2008/11/16(日) 03:25:58.02 ID:ysdp6spd0
所変わって、都内某所。
一人の若い男が、そわそわしながら、立っている。誰かを待っているようだ。
そこへ、女がやってきた。よく言えば、スレンダー。悪く言えば貧しい乳の女だ。
「ごめん、待った?」「いや、今来たところ」
一時間も前に来ていた男は、事も無げにそう話す。親しげに話す二人は、おそらく恋人、もしくはそれに準ずる好意を持った仲なのだろう。
「じゃあ、行こうか」「うん!」
二人は、互いに寄り添うように歩き出す。男が女に笑顔を向けると、女も男に笑顔を向ける。
楽しげに笑う彼女の前歯は、エメラルドグリーンに光って見えた。
〈了〉
208 :
ガラス窓(お題:夜汽車)1/4:2008/11/16(日) 03:27:24.25 ID:YJSskLCN0
投下します。
ある日、午後9時前に珍しく父親から電話がかかってきた。
地方の大学に通っていて、一人暮らしをしている僕にとって、電話がかかってくることはそれほどないので、
「ひょっとしたらなにか不思議な物語でも始まるのではないか」なんて、そんな呑気な事を考えながら僕は受話器を取った。
「もしもし、タブチですが」
「俺だ」
父親だった。
「どうしたの、電話かけてくるなんて珍しいね」
「叔父さんが亡くなったんだ」
「……そう」「だから、帰って来い」
「わかった、今から支度するからそっちに着く時間がわかったら連絡するよ」
「わかった、気をつけてな。こっちは寒いからジャケットか何かを持ってくるといい」
「じゃ」「おう」
一人の身内の死が目の前に起こった時の反応としてはいささか、ドライだったかもしれない。
受話器から耳を話した瞬間そう思ったが、回線が切れる音とともにその考えは消えた。
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 03:28:04.80 ID:ysdp6spd0
以上です。
初めて書いたんで、基本など押さえきれてない所もあると思いますが、
感想等いただければ嬉しいです。
210 :
ガラス窓(お題:夜汽車)2/4:2008/11/16(日) 03:30:41.61 ID:YJSskLCN0
すいません、私のミスでかぶってしまいました。ごめんなさい。
気が付いたら僕はもう列車の中にいた。
荷物をベッドに置いて、ご丁寧に弁当とペットボトルのお茶まで買ってある。
景色が目の前を流れていく。でも僕は何も見ていなかった。
時刻はもう1時を過ぎていて、車内で起きている人間は僕だけだった。
消灯時間が過ぎ、薄暗くなった車内で携帯電話は蛍みたいに光った。
父親への連絡はもう済ませてある。
ペットボトルのお茶を口に含みながら、叔父のことを考えていた。
最後に話をしたのは、故郷を発つ前の日のことだった。
叔父さんは確かその日、何かの用事で僕の家に訪ねていた。
何の用で叔父さんがそこに来たのか、何を話したかはよく覚えていない。
でも、その時の叔父さんの笑顔と中指で鼻の横を掻くしぐさだけは鮮明に覚えていた。
不意に僕は背後に妙な目線を感じた。振り返ると、叔父さんがいた。
「眠れないんですか?」
幸い、叔父さんの幽霊ではなかった。缶ビールを片手に酔っ払っている幽霊なんて見たことがない。
それに、僕の叔父さんは酒に弱いから、すぐに赤くなって寝てしまう人だ。
「はい、ちょっと」
「隣に座ってもよろしいですか?」「どうぞ」
その男の人はよいしょ、と言いながら座席に腰掛けた。
僕たちはしばらくお互い静かに過ぎていく風景を眺めていた。
横目で何度かその男の人を見ている。顔の皺から、中指で鼻の横を掻く仕草までそっくりだった。
211 :
ガラス窓(お題:夜汽車)3/4:2008/11/16(日) 03:32:47.59 ID:YJSskLCN0
列車は暗い水底を切り裂くようにして走っている。列車のライトが闇を切り裂き、車両がそこに静かに流れ込む。
夜は暗闇に満ちているわけではない。夜にもきちんと色があふれている。
墨のような黒、煙のような紫、拒絶を示すかのような赤、激しい白と黄色。
遠くから見るから暗闇に見える、近くで見るとこんなに綺麗なのに。
「なぜ、ここにいんですか?」男の人は、静かに口を開いた。
「叔父が亡くなったんです、なので実家に帰ろうと」
「そうですか、失礼なことをお聞きしました」
「いいえ、気にになさらないでください」
「どちらの出身で?」「ヒシオカです」
「そうですか、そこの檸檬は有名ですね」
「そうですね、私は大好きです。豊潤で汁気があって。あなたは?」
「息子の葬儀のために」「あ、すいません」
「いやいや、お互いさまですよ」「ご出身は?」「ハガ地方の北の方です」
僕たちは当たり障りのない会話を続けた。特に抑揚もつけずに、ただ淡々と。
その間も列車は規則的に揺れ続ける。時おり、踏み切りや駅を通り過ぎた。
「あなたは私の息子によく似ていらっしゃる」ぼそりと男の人はつぶやいた。
「え?」「突然申し訳ありません」
「つい、申し上げたくなるほど似ていらっしゃったので。すいません、酔いがまわっているようで」
「どの辺が似ているのですか?」「顔つきといい、仕草といい、ほぼすべてです」
「奇妙な偶然ですね、実はあなたも私の叔父ととても似ていらっしゃるんです」
「奇妙な縁ですね」「そうなのですか、奇妙な縁です」
僕たちはしばらくお互いの亡くなった人物についての思い出話をした。
外見は奇妙なほど似ているが、どうやら志向や趣味は全く違ったようだった。
僕の叔父は確かクラシック音楽を聴くのが趣味で、体を動かすのが苦手だったけど、
その男の人はジムやプールに行って体を動かすのが好きで、趣味はゴルフらしい。
僕とその男の人の息子の志向や趣味も全く違った。
212 :
ガラス窓(お題:夜汽車)4/4:2008/11/16(日) 03:34:29.64 ID:YJSskLCN0
静かに揺れる車内で、僕たちはお互いにこの薄暗い車内でお互いの亡くした人物を投影し合っていた。
ぼんやりと見えるガラスに映った彼や、私を亡くした人物と重ね合わせていた。
僕たちはそのぼんやりとガラスに映る亡くした人物を見て、何かを感じていた。
見ることができなかった、亡くした人物の一部分のことを考えていた。
蝋燭の炎を、見つめるように。
男の人はしばらくして、ベッドの方に行ってしまった。
僕も眠たくなってきたので、もうベッドに入ろうと思う。
明日の5時46分に列車はヒシオカ中央駅に到着する。あと4時間ほどしか眠れない。
眠気覚ましに駅で檸檬ジュースを買おう。
そして父親に迎えられ、叔父の葬儀に参加するのだ。
…そういえば、弁当。買う必要なかったな。
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 03:35:39.24 ID:YJSskLCN0
以上です、ありがとうございました。
このような形で小説を書くのは初めてなので、何かアドバイスや感想を
頂けると非常に嬉しいです。
214 :
209:2008/11/16(日) 03:40:58.96 ID:ysdp6spd0
>>210 こちらこそ、よく確認せず書き込んでしまって、すみません。
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 04:15:40.25 ID:B7fFJcgyO
保守
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 04:17:07.53 ID:a2WWSnF50
品評会作品3レス投下します
ずっと前に書いたものをVIP用に改定しただけだけれども。
217 :
品評会「爆弾部」1/3 ◆ocoMPoZMZc :2008/11/16(日) 04:19:04.31 ID:a2WWSnF50
きっかけは何だっけ。小説の話だ。僕たちには作者の気持ちがどうしても分からなかった。
様々な示唆はあるが、どこかで途切れてしまう。彼は教えてくれたはずなのに
僕たちには見つけることが出来ない。道に迷ってしまったアヒルの雛のように。
それは寂しいことだ。
千切れた雲が街の向こうに消えていく。夏が通り過ぎてしまった。
窓際の僕の席に、時折風が冷たい空気を運んでくれる。
今日は紗智子が爆弾を作ってくる日だ。
「爆弾出来たよ。放課後、いつもの場所によろしく。」
簡潔な紗智子のメール。
フワリとした、親しみよりは所在の無さに近いものを感じる。でも距離を置く訳ではなかった。
食事の合間に目を通す。本当に目を通り抜けるようなドット。周りだけが普段どおりで、
引っかかることなく吹き抜けてゆく。
放課後になり、僕はいつもの河原に向かった。
紗智子は先に来て土手に座っていた。隣には運動部の高校生が持っていそうなボストンバックを
置いている。幸いにも、今日は野球や散歩で河原を使う人々もいない。爆破箇所を探して歩き回る
必要も無さそうだ。
はじめようか、
そうだね、
僕たちは爆弾をセットし始める。
218 :
品評会「爆弾部」2/3 ◆ocoMPoZMZc :2008/11/16(日) 04:20:32.42 ID:a2WWSnF50
誰かを傷つけるためにやっている訳ではない。
それだけは確かに言える。僕たちの気持ちは憎しみではなく寂しさから来ている。
寂しさがどこからくるのかは分からない。
寂しさがどこに辿り付くのかも分からない。
それを思うと、僕は少し不安で悲しい気持ちになる。
今日の授業のこと、最近あったこと、なんとなしに話をしながら準備は進む。
紗智子は手際よく僕に指示を出しながら、火薬部分と起爆装置を接続させる。
テレビの小さなリモコンで遠くから爆発させるらしい。
そういう知識はどこで知るのだろうか。僕には分からない。
ものの5分もしないうちに設置は完了する。
「今日はどこまで下がればいい?」
僕は尋ねる。紗智子は少し考えてから、
「土手までかな」
と答えた。いつもよりずっと遠い。
使っている人がいないとは言え、通りかかる人は頻繁にいる。犬の散歩をする人、自転車で走り抜ける人、ジョギングをする人・・
僕たちはそういう人たちがずっと遠くに行くまで、話をしながら待っていた。
最近読んだ本のこと。音楽のこと。彼女が来週から精神病院に通うこと。少なくとも3ヶ月は帰ってこないこと。
そうか、
僕は言った。
誰もいない僅かなタイミングを見計らって、紗智子がボタンを押した。
「音量・小」のボタンだ。不思議なボタンを起爆ボタンにしたものだ。
刹那のうちに、ドォン、と爆音が上がる。
2m程の爆炎と土煙。僕の体は震える。少し遅れて小さな風がやってくる。
耳が痛い。
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 04:24:06.55 ID:a2WWSnF50
やってしまった……。失礼しました……。
違う部分をコピーしてしまった。正しい2/3は次のレスです。ああ・・
220 :
品評会「爆弾部」2/3 ◆ocoMPoZMZc :2008/11/16(日) 04:25:03.92 ID:a2WWSnF50
誰かを傷つけるためにやっている訳ではない。それだけは確かに言える。
僕たちの気持ちは憎しみではなく寂しさを中心に廻る。寂しさがどこからくるのかは分からない。
寂しさがどこに辿り付くのかも分からない。
ただ不安だ。そして悲しい。ここは誰もが通る場所なのだろうか。踏み固められてしまった
場所なのだろうか。それにしてはあまりにも孤独で。
それでも今日の授業のこと、最近あったこと、なんとなしに話をしながら準備は進む。
紗智子は手際よく僕に指示を出しながら、火薬部分と起爆装置を接続させる。
テレビの小さなリモコンで遠くから爆発させるらしい。
そういう知識はどこで得るのだろうか。僕には分からない。
ものの5分もしないうちに設置は完了する。いつもながら、素晴らしい手際のよさだ。
「今日はどこまで下がればいい?」
僕は尋ねる。紗智子は少し考えてから、
「土手までかな」と答えた。
いつもよりずっと遠い。
普段は殆ど使っている人がいない河川敷とは言え、通りかかる人は頻繁にいる。
犬の散歩をする人、自転車で走り抜ける人、ジョギングをする人・・
僕たちはそういう人たちがずっと遠くに行くまで、話をしながら待っていた。
最近読んだ本のこと。音楽のこと。彼女が来週から精神病院に通うこと。
少なくとも3ヶ月は帰ってこないこと。
そうか。僕は言った。
ゆっくりゆっくり陽が落ちていく。赤と夜色のカーテンが僕達を包む。
誰もいない僅かなタイミングを見計らって、紗智子がボタンを押した。
「音量・小」のボタンだ。不思議なボタンを起爆ボタンにしたものだ。
刹那のうちに、ドォン、と爆音が上がる。2m程の爆炎と土煙。僕の体は震える。少し遅れて
小さな風がやってくる。
耳が痛い。
221 :
品評会「爆弾部」3/3 ◆ocoMPoZMZc :2008/11/16(日) 04:25:32.47 ID:a2WWSnF50
僕はぼぉっと小さな土煙を眺める。衝撃が思考を揺り落として、体のどこかにポッカリと
風穴が開いたようだ。
土煙。
紗智子を見ると、彼女は声を上げずに泣いていた。彼女にも風穴が開いてしまったのだろう。
僕も同じだよ。
悲しさが伝播して僕にやってくる。
紗智子との関係は不思議だ。恋でもなく、純愛でもなく、同情でもない。心が似通っているのだ。
仲間。
そんな言葉が思い浮かんできて、僕は少し笑ってしまった。
紗智子はそれを聞いて少し怒った。
いつものように僕は紗智子に確認した。この爆弾を決して悪用しないこと。
そうして僕たちは爆弾の残骸を拾い集める。後片付けだ。
夕焼けを粉にして、空を唸らせる無限の車の排気音。少し暖かさを失った風が
川縁の藪の背中を撫でる。
がさがさがさ。ごうごうごう。ずっと気が遠くなるみたいに。
ねえ、僕たちは支え合えたけど、お互いを助けることは出来なかった。
でも、別の形で共に生きることは出来るかもしれない。
今日起こった土煙がいつか集まって、君の胸を埋めればいい。
いまは何も起こるか分からずに撒き散らしている言葉でも。
その言葉に向かい合っていると、なぜだか涙が出た。そして僕達の涙の一粒一粒が無力だ。
土煙は風に運ばれて見つけられなくなってしまった。空が夜色に落ちて行く。
雲がゆっくり風に流れているのが見える。夏は過ぎ去ってしまった。
222 :
◆ocoMPoZMZc :2008/11/16(日) 04:28:13.96 ID:a2WWSnF50
大変失礼しました。2レス目は下の方が正しいレスです。
久しぶりに来たと思ったら即失敗とは……。
ようし!またしばらくROMに戻ろう!
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 04:31:15.00 ID:uVLPEc/+O
>>222 2ちゃんで糞作文書いてるやつなんざたかが知れてんだよ(笑)
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 05:28:33.21 ID:ysdp6spd0
ほ
225 :
黄昏時、あるいは逢魔が時 ◆7cy2QI8jBM :2008/11/16(日) 06:52:40.37 ID:4pml6frd0
品評会作品投下します
226 :
黄昏時、あるいは逢魔が時 ◆7cy2QI8jBM :2008/11/16(日) 06:53:32.84 ID:4pml6frd0
黄昏時だから。理由を尋ねた僕に彼女はそう言った。
二人の事は昔から知っているし、幼い頃は一緒に遊んだ仲だ。俗に言う幼なじみという
奴。尤も中学に上がってからは彼女、美弥とは疎遠になったが。思春期特有の気恥ずかし
さ、それが理由だったと思う。同じ高校に進学はしたが、会話を交わすことは無かった。
帰り道に見かけても話し掛けることは無かった。そんな期間が五年続いて、もう彼女と繋
がりを持つことは無いだろうと思っていた。
久しぶりに会話をしたのは、二ヶ月前。まだ桜が鮮やかに咲き誇っていた春の日だった。
模擬試験の帰りの事だ。太陽は傾き世界が赤に染められる時間。いつもより遅い帰宅に、
受験生なのだという事実を感じながらゆっくりと歩いていた。家の近くまで来ると公園が
見えた。この時間帯ならば子供達の賑やかな喧騒が聞こえてきそうなものだが、この場所
でそれを望むべくもない。年々進む少子化によりこの地区の小学校は、ついでに言うとそ
こは僕らが通っていた小学校なのだが、一つ向こうの街にある小学校と併合し廃校となっ
た。今では、この付近に住んでいる小学生は数人しか居ない。
閑静な住宅街に一抹の寂しさを覚えた。僕が小学生の頃には美弥と正志と一緒に日が暮
れるまで遊んだものなのだが。そんな事を考えていると、昔懐かしい気持ちになり少し公
園を覗いてみようかなという気持ちが芽を出した。
そこに、彼女はいた。目がくらむほどの赤に染まった公園。その中心に彼女は、ポツン、
と立っていた。
その時は声をかけられなかった。五年も会話をしていないのだ。中学生時代の気持ちと
は少し違った気恥ずかしさがあった。それだけではない。その時の――黄昏時に一人佇む
美弥はあまりにも儚い存在に見え声をかけたら消えてしまいそうだったから、声をかけら
れなかった。だから、翌日。勿論、居るとは限らないのだが。それでも少しばかりの期待
を胸に僕はまた黄昏時、公園へと足を向けた。
公園が視界に入ったとき、美弥が僅かに身じろぎしたように見えた。ゆっくりと歩を進
め、美弥の顔が見えるほどの距離まで来ると呟くような声が聞こえた。風にかき消されそ
うなほど小さな声だった。懐かしい音が耳に優しく響く。
227 :
黄昏時、あるいは逢魔が時 ◆7cy2QI8jBM :2008/11/16(日) 06:54:46.94 ID:4pml6frd0
「浩介……?」
「ああ、久しぶりだな。美弥」
「顔つきとか凄い変わってたから、誰だかわからなかったよ。久しぶりだね」
美弥の表情が柔らかくなる。その笑みと声で僕は幼い頃、世界がキラキラ輝いていた頃
に戻ったような気持ちになった。
「お前は昔から変わってないよな。時々見かけたけどすぐに美弥だって解ったし」
「声かけてくれれば良かったのに。ていうか、それは誉められてるのかな」
僕の軽口に美弥が拗ねたように笑う。それを見て僕も笑う。ここに正志がいればあの頃
の通りなのに。そう思ったが、口には出さなかった。
「それにしても、こんな所で何をしてるんだ?」
「こんな所って言ったら駄目だよ。思い出の公園なんだから」
口ではそう言いながら、僕の言いたいことは解っているのだろう。少しだけ顔を曇らせ
ながら美弥は言った。幼い頃遊んだ公園。三人だけの思い出が詰まった世界。花壇には色
とりどりの花が立ち並び、僕らの笑い声に包まれていた世界。それも今は失われた。花壇
は荒れ放題で雑草が自己主張し、静寂が公園を包んでいる。こんな所とも、言いたくなって
しまう。
「そうだな、悪い」
それでも、僕は謝った。素直にすまないと思ったし、自分の思い出を汚していたのだな
とも思ったからだ。
「ううん、しょうがないもの。それで、何でここに居るかだったね」
そういって美弥は俯いた。その様子はこれから放つ言葉を確認しているかのように、自
分に言い聞かせているように見えた。美弥が顔を上げる。そこには決意と、諦めと、悲し
さが混じっていて僕は思わず息を飲んだ。
「待ってるんだ。正志を」
あの表情を見てそれ以上深く聞けるような僕ではない。曖昧な返事を返しその場を後に
した。それでも昔を想う気持ちと、美弥に会いたい気持ちが湧き上がりそれから毎日のよ
うに公園へ足を運んだ。
228 :
黄昏時、あるいは逢魔が時 ◆7cy2QI8jBM :2008/11/16(日) 06:56:04.52 ID:4pml6frd0
黄昏時の僅かな時間を共にしていくうちに、様々な事を聞いた。中学に上がり僕と疎遠
になった後、正志と二人で遊ぶ機会が増えた事。そのうちにだんだん正志に惹かれていっ
た事。一年のバレンタインにチョコレートをあげた事。ホワイトデーにお返しを貰った事。
二年のクリスマスに告白して、恋人同士になった事。初めてのデートでは緊張して上手く
喋れなかった事。そして――――あの日を迎えた事。
あの日。今でもはっきり覚えている。十月二十九日。例年なら初雪が降るまで後二週間
はある、季節外れの白い雪が舞う凍えるような寒さの日だった。中学三年生の僕は自室で
受験勉強に勤しんでいた。午後十一時に英語の復習を終え、マンガを読み始めた。部屋に
父が入ってきたのは、二巻目も半ばに入った頃だったと思う。今日の分の勉強は十分やっ
たが、父にマンガを読んでいるところは見られたくない。そう思い慌ててマンガを隠し父
の言葉を待った。
「浩介、今日正志君を最後に見たのはいつだ?」
予想だにしない質問に僅かの間思考が停止した。何故今正史のことを聞くのだろう。し
かし聞かれたからには答えるのが道理。午後五時に、今思えば僕が最後に正史を見たのも
黄昏時だった、公園で別れを告げたと答えた。
「そうか。解った」
それだけ言うと父は部屋を出て行った。一体何だったのだろう。疑問は翌日の朝に解消
した。正志が、失踪したのだ。
「驚いたよ。学校に行くといつもは教室にいる正志君の姿が見えないんだもん。風邪でも
ひいたのかな、それなら帰りにお見舞いに行こうとか気楽に考えてた。事実を知ったのは
先生の口から。「昨日正志が家に帰っていないらしい。もし正志の事を見た人がいるなら、
後で先生に教えてください」だって。可笑しくなっちゃうよね」
あの時見た、感情の入り混じった表情の理由はこれだったのだ。昨日まで仲良く付き合
っていた恋人が突然失踪した。その帰りを待っている。しかしもう二年以上の時間がたっ
た。だから美弥は、決意と、諦めと、悲しさが同居した表情を浮かべていたのだ。
「そう、か……辛かったな。だ、だけど何で黄昏時に待ってるんだ?」
どのような言葉をかけるべきか解らなかったから、ありのままの疑問を口にした。
229 :
黄昏時、あるいは逢魔が時4/6 ◆7cy2QI8jBM :2008/11/16(日) 06:56:57.31 ID:4pml6frd0
黄昏時だから。理由を尋ねた僕に彼女はそう言った。
「黄昏時だから?」
「そう。黄昏時はね、人の顔が見えないの。特にこの場所からだと、ほら。こっちに向か
って歩いてくる人は背中に夕焼けを背負ってるから、顔に陰がかかって暗く見える。顔だ
けじゃない、全身が真っ黒に見える。本当に近くにくるまで、こっちに向かって歩いてく
る人が誰なのか解らないの。だから、黄昏時には公園で正志の事を待ってる」
――――そうしたら、誰が歩いてきても正志かもしれないって、期待できるでしょ?
最後の言葉は、僕の耳には入ってこなかった。僕はその時ただただ悲しんでいたから。
美弥の弱さと、それでも正志の事を待ちつづける決意に胸が一杯になっていたから。昔か
ら美弥はそういう子だった。弱いのに期待することを捨てず、それで傷ついていた。きっ
とあの日、僕が美弥に話し掛けた日も期待していたのだろう。もしかしたら正志なんじゃ
ないか、って。僕だと知って傷ついたことだろう。それでも彼女はまだ、その弱さ故に期
待しているのだ。
その後どうなって家路についたかは覚えていない。ただ悲しさだけが胸に広がっていた。
朝起きると雨の滴る音が響いていた。六月も中旬だ。ついに入梅したのだろう。
美弥とはもう一週間会っていない。美弥の弱さを思い出したあの日から、黄昏時の公園
に足を運ぶのは止めた。どういう態度で接すれば良いかわからなかったからだ。そう、美
弥と言えば。梅雨降りしきる寒空の下でも、黄昏時になったら正志を待ち続けるのだろう
か。太陽が雲に隠れている間くらい、美弥も屋根の下に隠れていてくれればいいのに。そ
んな事を思った。
学校は瞬く間に終わった。美弥の事を考えていたからだろう。梅雨を理由に会いに行っ
てみようか。正志が帰ってきたとき美弥が体を壊していたら悲しむだろう? 雨が降って
いる間くらい家の中に居ればいい。大丈夫。あいつなら戻ってきたら一番に美弥の所へ行
くだろうから。だから、梅雨の間くらいは家で待っていよう……授業の間中、空々しい理
由ばかり考えていた。
230 :
黄昏時、あるいは逢魔が時5/6 ◆7cy2QI8jBM :2008/11/16(日) 06:58:18.20 ID:4pml6frd0
しかし下校時間。天は僕を嘲るかのように晴れていた。雲の切れ目から差し込む夕方の
赤い太陽が眩しい。空を見るに僅かな晴れ間になりそうだが、日が沈むまでは雨も降らな
いだろう。この分では今日も美弥は公園で正志を待っているに違いないし、僕は一日中考
えていた理由も失って会いに行くことすら適わない。恨むような気持ちで家路についた。
商店街を通ったとき、聞いたことのある名前が耳に入った気がした。声が聞こえたほう
を見るとそこには家電製品を取り扱っている店のショーウィンドウがあった。飾られてい
るのはテレビだ。画面はローカルニュースを映している。あいにく僕の知り合いでテレビ
に出るような人はいない。同名の違う人の事だろう。そう思って顔を逸らそうとしたその
時だった。
正志の写真が、テレビ画面に写った。瞬間、世界から音が消えた。心臓の音だけが聞こ
えた。薄々そうではないかと思っていた。二年以上姿を見ていないのだ。生きていると信
じる方がおかしい。しかし心のどこかでは常に思っていた。もしかしたら、生きているの
ではないか。僕らの前にひょっこり顔を見せるのではないのか。
死亡 澤田正志(18)
ニュースは淡々と事実を羅列していた。
ふらついた足取りでテレビの前から離れる。途端、視界が真っ赤に染まる。太陽。黄昏
時だ。黄昏時?
はっとした。美弥。家が同じ方向だから、帰り道も一緒だ。まさか美弥もこのニュース
を見たんじゃないのか?
そう思ってからは早かった。足取りは決して軽くなかったが、脳の命令どおり動いてく
れた。走れ、という命令どおりに。
公園が視界に入った。その時の感情は言葉に表すことが出来ない。
美弥はやはりいた。最初に見たときと同じく、夕焼けに染められた公園の中央に一人ポ
ツンと立っていた。少し違っていたのは声が聞こえた事だ。美弥が誰かと会話する声だ。
しかし周りには僕と美弥以外誰も居ない。
美弥は、誰も居ない空間に向かって話し掛けていた。
231 :
黄昏時、あるいは逢魔が時6/6 ◆7cy2QI8jBM :2008/11/16(日) 07:00:14.96 ID:4pml6frd0
「おかえりなさい。私、正志の事ずっと待ってたんだよ?」
「本当に辛かったんだから。今年のクリスマスは一緒に過ごそうね。バレンタインにはチ
ョコも作ってプレゼントするから」
「デート……こんな所で言うなんて、恥ずかしいよ……でも、うん。色んなところに行こ
う。行きたい所が沢山あるんだ」
「ね、もう何処にも行っちゃやだよ?」
「ずっと、一緒だよ?」
見ていられなかった。俯いて視線を逸らした。そうか、二ヶ月前始めて此処で美弥を見
たとき感じた儚さはこれだったのか。
黄昏時。世界が赤くなる時刻を指す言葉。しかしそれだけではない。この時刻を表す言
葉はそれだけではない。
逢魔が時。夕焼けを臨む事が出来るこの時間帯は魔と逢う時間と呼ばれ、この時間から
世界に魔が溢れるとも言われる。
美弥は、魔に囚われた。こちらの世界から魔が跋扈する世界へ行ってしまったとも言え
る。この黄昏時に、暮れる日が見せた幻想に囚われたのだ。それは心地よい幻影だろう。
しかし僕らの世界のものではない。正気では辿り着けない。美弥は狂ってしまった。
いや違う。今日狂ったのではない。正志の死を伝える知らせはあちらの世界へ踏み出す
一歩を作ったに過ぎない。美弥はあの日、正志が失踪した日から狂っていたのだ。この正
しい世界で愛する人を失って、狂ってしまったのだ。
徐々に暗くなり行く世界の中で僕の目から涙が垂れ落ちる。今日ではない。僕が二人の
愛すべき幼なじみを失ったのは、今日ではなかった。彼らはもう随分と前に死んでいたの
だ。だからこの涙は今の悲しみにより溢れるのではない。二年前のあの日に死んだ彼らの
為に流すのでもない。ただ二年前、彼らのために涙を流せなかった自分の代わりに流すの
だ。
世界が滲んでいく。この日僕は夜の帳が降りた公園で、二年の歳月を経て過去とさよな
らした。
232 :
黄昏時、あるいは逢魔が時 ◆7cy2QI8jBM :2008/11/16(日) 07:02:52.01 ID:4pml6frd0
番号と終付け忘れてしまいました……ミスしてしまいすみませんでした
233 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 08:23:05.06 ID:FeiUbx7tO
ほ
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 09:26:11.24 ID:HOS4zm8h0
保守するか
235 :
昼の後、夜の前0/5 ◆4GBUmmG12I :2008/11/16(日) 09:35:49.80 ID:V7gfhBsN0
品評会投下します
236 :
昼の後、夜の前1/5 ◆4GBUmmG12I :2008/11/16(日) 09:36:31.33 ID:V7gfhBsN0
「お父さん早くー」
「暗くなっちゃう」
「すぐ洗い終わるから」
日曜日。午前中に、たまりにたまった洗濯物を片付け、家の掃除をし、昼食を食べ終わると庭の草むしりと落ち葉拾い。それがようやく終
わって、おやつを出し、今まさに、両脇から息子二人に川辺の公園へ連れて行ってとせがまれているところだ。小学校四年生の智の手にはサ
ッカーのスパイク、小学校五年生の友和はそれに加えてサッカーボールも脇に抱えられている。
「よし、終わった、さぁ行こうか」
陽の出ている時間帯はまだ暖かいが、沈むころには寒くなっているはずなので、中にシャツを着、長袖を一枚用意する。戸締りを確認し、
家を出る。二人はすでに十メートル程先まで進み、お互いの顔を見合わせたり、こちらを向き手を招いてる。
「おい、ちゃんと前を見ろよ」
公園までは十分ほどで到着する。まだ人が多く残っていたが、私たち親子は遊具を利用するわけでもないので、端の草むらに行き比較的草
の丈が短くボールが転がりやすそうな所に陣取る。
「お父さん、準備体操」
「いや、歩いてきたから準備運動は十分だよ」
「だめ、準備運動するの」
智に上着を引っ張られる。息子たちは、近所のサッカークラブに所属しているためか、準備運動はかかさない。手を頭の上で組み、腕をま
わして腰を回す。反対回り。何度か、繰り返した後、アキレス腱を伸ばしたり、屈伸運動をする。続いて、手首と足首を回す。と、そ
こで息子たちからオッケーが出た。準備体操終わり。
ふぅ、と一息ついて腰を下ろそうとする。
「お父さん、ランニング」
「えぇ、ちょっとお父さん休憩したいよ」
「まだ何もやってないじゃない」
二人揃って笑う。膝に手を当てて、疲れたことをアピールしてみるが、失敗らしい。
「分かった。じゃ、走ったら休憩するよ、いい?」
厳しい指導教官たちは笑いながら、いいよ、と頷く。
「お父さん、声!」
「はぁ、はぁ、いっち、にぃ、はぁ、はぁ......」
一周百メートル程の距離をもう七周もしている。
237 :
昼の後、夜の前2/5 ◆4GBUmmG12I :2008/11/16(日) 09:37:25.71 ID:V7gfhBsN0
「あと、三周だよ、お父さん」
前を行く二人は、後ろ向きなりながら元気いっぱいに言う。ええ、と言いたかったところが、息を吸いこんでしまって変な言葉になり、
智と友和がまた大笑いする。
「お父さん、がんばったね、少し休んでていいよ、僕たちパスの練習するから」
そう言って、かけていく。私はといえば、草の上に大の字になり、息も絶え絶えになり、返事をすることすらできない。来年で五十になる
体は昔のような体力は残っていない。毎日、パソコンの前に座り、業務をこなす。近場に転勤になったことから、当初徒歩で通勤を行ってい
たが今ではマイカー通勤だ。また、週に一度の約束だったこの公園での運動も、二週に一度になり、三週に一度になり、最近では月に一度来
るか来ないか、という状態だ。
息が次第に整ってくると、周囲の声が聞こえるようになり、息子たちが蹴るボールの音も聞こえてくる。
妻は五年前に亡くなった。
原因は癌であったが、彼女は最後まで闘った。苦しそうな顔をしながらも必死で笑おうと努め、自慢の黒く長い髪が全て抜け落ちてしまっ
た時でさえ
「あなたより早くはげるとは思ってもいなかったわ」
と笑って見せた。そんな彼女が亡くなる一か月前に初めて弱音を吐いた。いや、弱音というよりはない未来を嘆く言葉、の方が彼女に怒られ
なくてすみそうだ。
「せっかく子供を授かって、これからあの子たちが一番かわいい時期なのにね」
私たちが、結婚をしたのは遅く、私が三十八、妻が三十九の時であった。私は子供は諦めていたが、妻は子供を欲しがっていて、その思い
が通じたのか、結婚した年、翌年と立て続けに妊娠が分かった。最初の子供ができ、病院で入院していた時には、
「ね、やればできるでしょ」
と大声でいい、周囲を笑わせた。
二人目の子供を産んだ二年後、病気が発覚した。
「私はね、三歳の時の記憶があるの。おじいちゃんが苦しい顔をしながら真っ白な部屋に寝ていたの。それが一番古い記憶でおじいちゃんの
最後の記憶。だからね、私は笑っていたいの。もしかしたら、この子の最初の記憶になるかもしれないでしょ。二歳の子だって、もしかした
ら、テレビに出るような天才記憶少年かもしれないわ。そしたら、この言葉だって覚えているかもしれないわ。そうね、私が死んだことじゃ
なくて、私がいたことを覚えておいてほしいな」
「お父さん、まだいいよね?」
時計を見ると、四時二十分。影が伸び始め、公園で遊んでいた親子もちらほら帰り始めている。
238 :
昼の後、夜の前3/5 ◆4GBUmmG12I :2008/11/16(日) 09:38:20.69 ID:V7gfhBsN0
「あぁ、五時くらいに帰ろう」
「やったぁ」
「お父さんもやろうよ」
「もう少し休憩」
また笑い声が聞こえる。
「私はね、夕方が嫌いなの」
妻の口癖だった。
「あの昼のような黄色の太陽が、赤くなって地平線に近づくでしょ。まず赤くなるところが気持ち悪いわ。なんであんなに赤くなるのかわか
らない。太陽だけじゃないのよ、照らされる全ての物が赤くなる。あと、もしかしたら、そのまま地上に落ちるかもしれないでしょ。それが
少し怖い」
根本的な理由は分からないままであったけど、その冗談のような理由で、自称将来有望なバスケットボールを中学の時にやめ、自称天才ピ
アニストの練習は、その時通っていた教室をやめ、独りですることになったという。私たちのデートも夕方前にお開きになるか、陽が落ちて
からの待ち合わせとなっていた。また、結婚後も家事のほとんどを夕方までに済ませ、夕食を作るのみという大の夕方嫌いであった。
子供の名前を決める時も、「ゆう」という読みは絶対に入れない、というのが妻の考えだった。妻の名前から一文字とって「友哉」を考え
ていたのだが、却下され、「友和」に決まった。「ゆうや」って読まれたら困るから、そして私からも一文字とりたい、という理由からだっ
た。二人目の時は、せっかくだからもう一文字ずつも使っちゃいましょ、ということで「里志」になりかけていたが、縦に書いたら黒に見え
ない? 、の一言で「智」に変更した。
再び息子に呼ばれ、遊びに入る。二人がパスを行い、その間の一人がそのボールを奪うというゲーム。実際にはボールに触った時点で、パ
スを出した人とチェンジする。最初私と友和がパスする側であった。三回、四回と成功させるが、七回目のパスを出したときに智が出した左
足にボールが当たり、私のもとに戻ってきた。
「よし」
「お父さんが、間に入るのか?」
不安、というより、結果が見えているようなもので、嫌そうな顔をしてみたがこれもまた失敗に終わった。
間に入り、ボールを追うが、二人の両足に翻弄されるだけであった。今更だが、息子たちは両足を使ってうまくボールを扱うのに対し、私
はパスを出すのもカットしようと出すのもどちらも右足であった。計四十回、私の横をボールが通り過ぎたとき提案してみた。
「ふう.......なぁ、両足を使うのはやめにしないか? どちらか一本で勝負してくれよ」
「えー、そんなの駄目だよ。僕たちの練習にならないよ」
それはそうだ。もう一度時計を見る。
239 :
昼の後、夜の前4/5 ◆4GBUmmG12I :2008/11/16(日) 09:38:56.63 ID:V7gfhBsN0
「あと十分な」
時計を指差しながら、声をかける。
「駄目、お父さんが終わるまで」
友和も後ろで笑う。
「そうだよ、お父さんがボールを取ったら終わりにしようよ」
陽の色が妻の嫌いな色に変わり始め、公園に残っている人もあきらかに少なくなっていた。
「分かった、でもその前にエネルギーを溜めさせてくれよ」
「それって休憩ってこと?」
友和がそういうと、また二人で笑いだした。お前に似て、よく笑う子たちだよ。
「やっぱり私が、夕方を嫌っていたから、その仕返しだわ」
どういうことか、と聞き返すと、どうやら人生の時間の話らしい。
人の年齢を一日の何時であるか、という計算があり、一般的には年齢を三で割った数字が時間になるらしい。例えば、息子たちは十歳、十
一歳なので大体、朝の三時であり、私は十六時半を回ったところだ。
「今、私は十五時でしょ。これから夕方になるのよ、私の嫌いなね。でもこのままでいくと、夕方がなくて一気に日没だわ。これは夕方の復
讐としか 考えられないわ。あぁ、今まで以上に夕方が嫌いになりそう」
そう言って、瞼を抑えたことを私は忘れない。少しの沈黙の後、彼女は続けた。
「でもね、死んだら、星になりたいって人いるじゃない? 私はね太陽になるわ。星でも月でもなくてね。太陽だったらいつでもあの子たち
を見守れるでしょ。星だって月だって、昼間出ていることは知っているわ。でもね、私は、私があの子たちを見るだけじゃなくて、あの子た
ちにも私を見てほしいのよ。だから、星になったじゃなくて、太陽になった、って教えるのよ」
その終わりにこう綴った。
「そして、太陽が地球に衝突しないよう努力するわ」
この時期、陽が沈むのは早い。影は身長の倍はあろうか、というくらいに伸び、今まではっきり見えていた息子たちの姿も少し陰ってきた。
二人の息子とその間に太陽。細かい動きをする二つの影が時折手を振る。一瞬の静寂が笑い声をさらに盛り上げる。
「どうだ、悪くないだろう?」
「えぇ、悪くないわ。むしろいいくらいだわ」
「よかった」
「ええ。将来はサッカー選手ね」
240 :
昼の後、夜の前5/5 ◆4GBUmmG12I :2008/11/16(日) 09:39:12.62 ID:V7gfhBsN0
ある町の公園。
真っ赤な夕日をバックに大小三つの影。
まるで誰かが独り占めしているかのように、こちらからその姿は黒く映るだけであった。
241 :
◆4GBUmmG12I :2008/11/16(日) 09:39:30.75 ID:V7gfhBsN0
以上です
242 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 10:02:47.11 ID:MEvpE+fkO
保守
243 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 10:51:59.58 ID:s2x8Im380
なんか無駄にカオスってない?気のせい?
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 11:31:22.57 ID:s2x8Im380
品評会まとめようと思ったら早速ミスした\(^o^)/
権限ある方お願いします
245 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 11:32:55.63 ID:Gsm4cH9/0
無駄にカオスってる。住人が急に入れ替わった感じがする
246 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 11:36:31.40 ID:IYSjIpMK0
細かいミス気にしすぎじゃないの。読めりゃいいじゃん
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 11:42:13.09 ID:s2x8Im380
だって途中からちゃんと定位置にレス数があるのに最初だけヘンなとこなのもおかしいじゃないか
248 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 11:58:15.92 ID:58uF12YmO
というかNo.02の修正を待ってからまとめたほうがよくないか
レス番の位置とかどうでもいいな
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 12:02:24.04 ID:0mzeNtV00
No.2って何が問題なの?
251 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 12:06:27.51 ID:43BVynAn0
1、2、5レス目の最終行の空白が抜けてる
252 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 12:09:49.21 ID:B7fFJcgyO
必要なの?その空白
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 12:14:08.17 ID:0mzeNtV00
修正って、削除して再投稿以外の方法無いよね、多分。
No.の一レス目まで全部削除してやり直すことになるんだろうか。
254 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 12:14:25.10 ID:0mzeNtV00
No.2のね
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 12:17:36.94 ID:IYSjIpMK0
編集がいないとスレまわらないのは面倒臭いな
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 12:22:09.43 ID:MEvpE+fkO
もう、出来ないものとして考えれば良くね?
つか、細か過ぎだろ。
話に影響があるわけでも無いと思うけど。
拘りは悪いことじゃないけど、毎度こういうのあると鬱陶しい。
転載した人が可哀相だし、修正する人にも余計な手間だろ。
257 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 12:24:34.43 ID:0mzeNtV00
じゃあNo.4だけ削除で。
258 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 12:31:07.32 ID:43BVynAn0
修正乙です
こんな時間からカオスだと……!?
とりあえず品評会投下します
題名 夕焼けに合う服 全5レス
260 :
夕焼けに合う服 1/5 ◆8wDKWlnnnI :2008/11/16(日) 12:32:37.10 ID:iQlH2y/pO
すっかり日も暮れて夕焼けが鳴り響く時刻になりました。
町には今日もまた橙色が溶けこんで微笑んで、他の何よりもしゃんとしています。
でも誰もが気づいていない振りをして忙しそうに、だって本日も大変でしたからね。
とはいえ働き終えた皆のほがらかな顔や、その服を照らす茜色が綺麗なのは、それだけは本当だったのです。
「夕焼けに合う服が欲しいんです」
カペラさんの店に訪れた少女は、少し寂しそうに言いました。
少女はその幼い顔には似合わない暗い影を隠す術をまだ知らないみたいでした。
スカートの裾を握りしめる姿はどこか頼りなく、でも視線はカペラさんから背けませんでした。
その顔を見るだけでカペラさんの心が音を立てて鳴りました。
「夕焼けに合う服か……。なかなかどうして難しいオーダーだね」
その注文にカペラさんは少し弱音を吐いてしまいました。
でも長い経験のなかで変わった注文をするお客さんも珠にはいましたし、どんな要望でも大抵いくつか頭に浮かんでくるものでした。
――晴れの日ならふわふわ綿菓子の白いワンピースだろうし、雨の日には目が回るくらい明るい原色のレインコートがいいだろうか。
そこまではするすると動いていたカペラさんの頭の中で働くたくさんのドワーフ、いわゆるカペラーフ達が夕焼けと聞いた途端に少
しブルーになりました。
分からない、カペラさんの口からは思わず唸り声がでていましたが、それでも諦めずに答えを出すために回りが鈍くなった頭を必死
で捻って考えます。カペラーフ達はもうどこかへ隠れてしまいました。
――茜色の……茜色のドレス、いやそれは夜だろう。
――夕焼けの時に着る服か。でもみんなそれぞれの格好をするんじゃないだろうか。
するとカペラさんが何かを言おうとするより先に、少女の方がお辞儀をしてきました。
「じゃあお願いします、明日またこの時間に来ますから」
少女はとても礼儀正しい子で、そしてそれでもやはり少女でした。
名前も言わずに出ていってしまったので、これでは形式として注文をとった事にはなりませんからね。
そして一方のカペラさんはというと、注文の難しさと少女の様子に呆気にとられてしまっていました。
――とにかく明日までに何着かリストアップしてみよう、後は聞いてみないと分からないな。
カペラさんがそんな事を思いながら店を出ていく少女をカウンターから見送っている時でした。
ちょうど常連客の御婦人が入れ違いに店にやってきました。その御婦人はどうやら少女の方を目で追い掛けているみたいでした。
それを見たカペラさんは、御婦人への挨拶もそこそこに物はためしと訊ねてみる事にしたのです。
外はすでに暗くなり始め、それぞれの家の台所から夕げの白いもうもうとした煙がから立ち上り、窓から明かりが漏れています。
261 :
夕焼けに合う服 2/5 ◆8wDKWlnnnI :2008/11/16(日) 12:34:00.28 ID:iQlH2y/pO
「夕焼けに合う服はありましたか?」
少女が昨日と同じぐらいの時刻にやってきた時、一方のカペラさんはすっかり頭を抱えていました。
「カペラ服飾店へようこそ」
丁寧な言葉とは裏腹にカペラさんはひどくばつが悪そうに頭をかいています。
その仕草はまるでテストでいい点が取れなかった子供みたいでした。
やがて諦めたようにゆっくりと狭いカウンターから出ると、奥から服を何着か取り出してきました。
「いやお待たせしたみたいで誠に申し訳ないね。正直に言ってしまうとまるで分からなくて、この通り何着か選んでみたんだよ」
少女は黙ってその何着かを丹念に見ていました。並べられた服はどれも丁寧な作りの思わず着てみたくなる洋服ばかりでした。
でも少女はすいませんとだけ言って、すぐに店の中にある他の服を探し始めました。どうやら納得いかなかったようです。
すっかりお手上げになってしまったカペラさんは仕方なくカウンターに戻って、少女の様子を見守る事にしました。
やがて少女は店の中をほぼ一巡りしたところで顔をあげ、カペラさんに告げました。
「今の所ないみたいです。また明日きます」
もう用事が済んだというばかりにそう言って帰ろうとした少女を、慌ててカペラさんが呼び止めました。
少女は立ち止まると、その変わらない真っ直ぐな視線で見つめ返してきました。
それを見たカペラさんはまた頭を掻いて、上を見上げたり下を向いたりしてしまいました。
しばらくしてカペラさんがなかなか喋りださないのに業を煮やした少女が何か言おうとしたので、仕方なく言い難そうにカペラさん
が口を開きました。
「もしかして君の服を探す理由というのは、誰か他の人の為なんじゃないだろうか」
「何の事ですか?」
少女は首を傾げてまるで分からないといった表情を浮かべていて、それでも少女の手にはスカートの裾が強く握られていました。
それを見たカペラさんはこれ以上訊いていいのかどうか迷いました。
「たとえば……お母さんとか」
少女の手に入っていた力がふいに抜けて、スカートから手を離したのが見えました。
「誰かに聞いたんですね……」
「実はお客様の一人に君の事を知ってる方が居てね。余計な詮索だとは思ったのだけど、ついその人に尋ねてしまったんだ」
「そうですか、じゃあ母がいない事ももう聞いてますよね」
少女が肩を落としうつ向いてしまうと、カペラさんは何だかひどくそわそわしてしまいました。
――事故とはいえまだこんなに幼い子を残していくのは、親としてどんなに心残りだったろう。
262 :
夕焼けに合う服 3/5 ◆8wDKWlnnnI :2008/11/16(日) 12:34:57.08 ID:iQlH2y/pO
昨日カペラさんが御婦人から聞いた話では、少女の母が亡くなってから一年近くが経っていました。
やがて少女がその顔をあげた時、カペラさんは思わず言葉を失ってしまいました。
「あの日からずっと、自分でもどうすればいいか分からくなっているんです」
少女は窓から入ってくる夕日を眺めています。
そしてその二つの瞳からは一筋の涙がこぼれていました。
「母はいつも夕方になると私を迎えにきました」
眼からこぼれた涙はただ流れ、頬を伝い少女の服にぽとりと落ちました。
カペラさんは子供がそんな風に静かに泣くなんて合わないと思い、ひどく寂しい気持ちになりました。
なにせ少女の様子というのが涙を流しているところ以外はいたって普通に見えたからです。
「あの日も私はいつものように広場でぼんやりとして過ごしていました。母と私は特に約束はしていませんでしたが、それでも私は母
が来るのを待っていました。何だか夕焼けがいつもより長く長く感じました。まるで……。結局、母は来ませんでした」
そう言うと少女はまたうつ向いてしまったのでした。涙はぽとりと音をたて床に落ちていきます。
もうそうなると、カペラさんはただただ黙っていて少女の話を最後まで聞く事にしました。
「今でも夕方になる度に、まだ心のどこかで母が迎えに来てくれる気がしています。でもすぐにそうじゃないと気づいて……それが耐
えられないんです」
うつ向いている少女の声は、今にもどこかに消え入りそうでした。
無くした物があまりに大きすぎたのかもしれません、少女は支えの無くなった若い苗木の様に今にも倒れてしまいそうでした。
でもカペラさんにできる事と言ったら、少女の注文した洋服を探す事ぐらいしかなかったのでした。
それにどうもカペラさんには少女の抱えるその悲しみが、服で晴れる類の物ではないような気がしたのです。
「じゃあもし夕焼けに合う服が見つかったとしたら、それで少しは君の気持ちをは軽くできるのだろうか」
カペラさんはとりあえずそう聞いて見ました。でももちろん違うような気がしました。
少女はその質問にちょっと困ったようにカペラさんを見ました。
「分かりません……ただ」
少女はそこで口をつぐむと、自分の気持ちを確かめるように言葉を探しているみたいでした。
少女はこの店に始めて来た時から、どこかに後ろめたいようなある気持ちを隠していました。
なぜならそれをカペラさんに言ってしまったら、もう服は売ってもらえなくなかもしれない、少女はそう考えていたからです。
でももう何を隠しても無意味な気がしていたので、少女はすべて素直に話す事にしました。
「ただなんとなくですけど、見つかった時は燃やしてしまおうと思っていました。忘れてしまうために」
隠していたその事をあっさり言ってしまうと、少女は思ったより楽な気持ちになっていました。
秘密なんて案外そんな物かもしれません。
263 :
夕焼けに合う服 4/5 ◆8wDKWlnnnI :2008/11/16(日) 12:35:51.88 ID:iQlH2y/pO
さて、一方カペラさんはいよいよ困ってしまいました。
それを聞いた時にこの少女の抱える悲しみのほんの一部が、カペラさんにもようやく皆間見えた気がしたのです。
まるで砂を噛むようなやりきれない思いで一杯になっていて、それでいて同じくらいひどく擦りきれていました。
どうしたらいいのか分からないと言っていたさっきの少女の言葉が、直接耳に刺さるような針に変わり痛みました。
――あれも違うな。どう考えてもこれじゃない。どれを選べばいいんだろう。
結局しばらく悩んだ末に、カペラさんは何も言わずに戸棚から新品のエプロンを出して少女に手渡しました。
渡された少女は少し驚いてしまい、カウンターに戻っていくカペラさんと手にしたエプロンを交互に見比べています。
「これエプロンですか、なんでこんな物……。それにこれサイズが大きすぎます」
「サイズはそれで合ってるんだよ」
カペラさんは落ち着いてそう言いましたが、どう見てもそのエプロンは明らかに大きすぎました。
なにせ少女が着たら裾が床に着いてしまうほどでしたから、少女にはカペラさんがふざけているようにしか思えませんでした。
でもおかしな事に少女はなぜかこのエプロンが気に入ってしまいました。
夕焼けに合う服だとはとても思えなかったのですが、もはやそれはどうでもよくなっていました。
少女にとって夕焼けに合う服というのはけっして見つからない物であって、ただ探す事を目的とした蜃気楼みたいな物でした。
少女が嬉しそうにエプロンを広げて体に合わせているのを見守りながら、カペラさんはまだこの少女の気持ちを計りかねていました。
ただこの娘の母親の気持ちだったら、なんとなく少しは分かるような気がしてきました。
「こちらから質問したい事がいくつかあってね、訊いてもいいかな?」
もう少女はすっかり買うつもりになって、カウンターにエプロンを持ってきていました。
値段はいくらかなと思いながら少女がその問いに対して頷くと、カペラさんはレジを開けずに机に手を置きました。
少女の頬を伝った涙の跡はもうすっかり乾いていました。
それを見たカペラさんは、もしかしたら必要ない事を聞こうとしてるのかもしれない、そう思いながらエプロンを丁寧に畳みました。
「君のお母さんは優しかった?」
相手が軽い調子で聞いてきたというのにその質問はなぜか答え難くて、少女は言葉に詰まりました。
「……とても」
「いつも迎えにきていた時はどんな様子だったんだろう?」
少女が母親の姿を思い浮かべると、母親が着ていた物やその表情や話し方やしぐさの映像が次々と鮮やかに蘇りました。
今はもう少女の頭の中は母親で一杯です。
「夕焼けに染まった母は……買い物かごを提げていて……いつも笑っていました」
少女の記憶の中の母親はエプロンを着けていましたが、それは言いたくありませんでした。
ふいに少女はこの場から逃げだしたくなりました。でもその思いとは逆に足が動きません。
264 :
夕焼けに合う服 5/5 ◆8wDKWlnnnI :2008/11/16(日) 12:37:12.32 ID:iQlH2y/pO
少女が財布を持つ手が震えました。
カペラさんは相変わらず軽い調子で会話を続けます。
ただ本当は少し手は震えていたのですが、でも少女には気づきかせないほど微かでした。
「そう、じゃあそれだけを覚えておけばいい。なぜなら君もいつかは母親になるんだから」
カペラさんはエプロンを包み終わると少女に渡しました。
窓から入ってくる夕日が透明のビニールに包まれたエプロンを茜色に染めています。
「あ……」
その時、少女は自分が探していた服がこれであることを確信しました。なぜ気に入ってしまったのかも分かりました。
ただその降って湧いたような結論に、少女はまるで納得ができませんでした。
気づくと少女の口からは感情的な言葉が出ていました。
「なりたくない」
「今はね。とにかくこのエプロンは君の物です。あとお代は御婦人から余分に頂いているからいらないよ」
カペラさんがそう言うと、少女は手に持ったエプロンを見つめて黙りこくっててしまいました。
やがて手にしたエプロンが少女の腕に包みこむように掻き抱かれ、周りを包んでいたビニールの包装がぱりぱりと音を立てました。
店の中にしばらくはすんすんというあの聞くだけで心が擦りきれるような泣き声がただ響いていて、それでも窓からは優しく照らす橙の光りが入ってきていました。
外はすっかり茜色に染まり行き交う人々の影が長く延びていき、どこかで誰かが誰かを呼ぶ声がしていつもの様にせわしなく。
でもそれを照らしている夕日が綺麗なのは、それだけはやはり今日も本当だったのでした。
《終わり》
投下完了です
久しぶりに長いの書いたら疲れ果てた
266 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 12:44:36.97 ID:43BVynAn0
まとめの方乙です
まとめの人おつです
268 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 13:02:46.84 ID:58uF12YmO
まとめ乙
269 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 13:06:09.66 ID:IYSjIpMK0
結局修正なしか
270 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 13:37:53.06 ID:43BVynAn0
ほ
271 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 13:38:39.32 ID:2Kqpw0S6O
はじめまして
ケータイから失礼します
投下します
272 :
(夕景)『蜜柑』1/3 ◆Ei.Vm5YNKQ :2008/11/16(日) 13:41:19.78 ID:2Kqpw0S6O
結局、私の身体は、一つで、しかし、足はニつある。
右足が右を選ぶこと。
左足が左を選ぶこと。
おそらく、これらは、自然の摂理というものだ。
しかし、進むことができるのは、どちらか、一方。
神は余りに残酷である。
四つで歩く、犬になど生ろうものなら、
たちまち舌を噛み切ってしまうかもしれない。
いいや、一先ず、深呼吸。
ニつで歩く訓練をしよう。
そんなことは不要か。
おそらく、利きの良い鼻がある。
273 :
(夕景) 『蜜柑』2/3 ◆Ei.Vm5YNKQ :2008/11/16(日) 13:42:54.22 ID:2Kqpw0S6O
本題に戻ろう。
生憎、私の鼻は詰まっている。
そして、不運なことに地図を失くしてしまった。
そんなものが実在したのかさえ曖昧である。
もはや私は十一月の木の葉。
まるで葉っぱのフレディである。
ただ、彼と違って私は、ただの一度も十二単を纏うことなく、ただ、いつまでも死を受け入れられぬまま、ただ、死を恐れながら、ただ、死を待つばかり。
風さえ見えない。
274 :
(夕景)『蜜柑』3/3 ◆Ei.Vm5YNKQ :2008/11/16(日) 13:44:30.85 ID:2Kqpw0S6O
そこへ、一匹の蛇が、現れた。
「やぁ、お嬢さん。何か、お困りのようだね」
「ええ。地図を失くしてしまったの。右か、左か、どちらに進むべきなのか、分からないわ」
「何処に向かっているんだい」
「忘れてしまったわ」
「それは。それは。お嬢さんは地図よりも、もしかしたら財布よりも、失くしてはならないものを失くしてしまったようだ」
「だって、気付いてしまったの。私の、この、小さな手は、誰一人にも愛しては頂けない。海へ行こうが、山へ行こうが、関係ない。右も左も好ましくないわ。……待って」
蛇になろうと、地を這って生きる。
幸運なことに、足も鼻も失くしてしまった。
そんなものが実在したのかさえ曖昧である。
――プラットホームに転がっていた、この、潰れてしまっている蜜柑を、この、欠けた舌に攫って帰ります。
数時間後には、あの満月が叱りに来て下さることでしょう。
275 :
◆Ei.Vm5YNKQ :2008/11/16(日) 13:45:09.35 ID:2Kqpw0S6O
投下終了です
ケータイから失礼しました
276 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 13:56:22.18 ID:3zyigg6yO
>>275 不思議の国のアリスみたいななんとも不可思議なカンジだ
詩的というか…正直最初から最後までよくわからなかった
ちなみに品評会作品ですよね?
277 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 14:14:36.44 ID:43BVynAn0
転載するよー
278 :
◇zmMEjNb3Ok:2008/11/16(日) 14:15:01.59 ID:43BVynAn0
品評会投下
タイトル:幸せを紡ぐ夕べ
5レス
279 :
幸せを紡ぐ夕べ 1/5 ◇zmMEjNb3Ok:2008/11/16(日) 14:15:27.05 ID:43BVynAn0
私のおじいちゃんとおばあちゃんはとても仲がいい。私は大塚愛の『さくらんぼ』を聴いたとき、まっさきにおじいちゃ
んたちを思い出したくらいだ。いつも二人並んで、そして心の奥で結んだ手をはなさない、夢の国の夫婦のようだ。
七、八年くらい前、私が大学生だったころ、私はおじいちゃんにおばあちゃんとの馴れ初めを聞こうと思った。座敷で新
聞を読むおじいちゃんに尋ねたら、おじいちゃんはちょっと眉をひそめてみせて、「教えてやらん」とそっぽを向くように
新聞を手繰った。わずかに照れを帯びた、妙に若々しく見える仕草で、私はつい頬が緩んでしまった。
私はおじいちゃんの背にまわり、肩に手をあててマッサージをしながら(おじいちゃんにものを頼むときの、私の常套手
段だ)「ねえ教えてよ。参考にしたいからさ」とせがんだ。
おじいちゃんはしばらく無言で新聞に目を落としていたけれど、私がしつこく食い下がったら観念したように新聞を畳ん
で、「おばあちゃんには内緒にな」と小声に言った。そして私のほうに向き直った。
二人は幼馴染だったらしい。歳も一つ違いで、おじいちゃんはおばあちゃんの事をはじめ妹同然に思っていたのだという。
いつから異性として恋しく思うようになったのかはわからない。ただ「髭が気になり出した頃には」好きになっていたそ
うだ。
おばあちゃんと話すことや、それを友達に見られるのが気恥ずかしく思えてきて、つい意地悪をすることもあった。
「今の男の子も、多分そんな感じだよ。昔の子どもも今の子どももあんまり変わらないね。好きな子には意地悪をしちゃう」
「麻理子も男の子に意地悪されたことあるの?」
「あるよ。悪口言われて泣かされたり。まあ恋心の裏返しかどうかはわからないけどね」
「麻理子はおばあちゃんの若いころに似て美人だから、さぞもてたろう」
「ふふ。本当? 私は自分はおじいちゃん似だと思ってたけど。好きな男の子に意地悪したことあるしね」
私がからかうように言うと、おじいちゃんはやれやれとでも言いたげに苦笑した。
おじいちゃんたちは、つかず離れずの煮え切らない関係のまま大人になっていった。その間おじいちゃんは他の女の人と
交際したこともあったが、やはりおばあちゃんの事がしこりのように、胸に残っていたのだという。
そのうちお爺ちゃんは製鉄会社に就職し、おばあちゃんは街の茶道具店に勤めるようになった。長男だったおじいちゃん
は家を出ることができず、遠い仕事先まで朝早くに出勤し、夜遅くに帰ってきた。当然おばあちゃんと会う時間などありは
しない。おばあちゃんと同じ街に暮らしつつも、月の裏側の人のように感じられていたそうだ。今みたいに携帯電話やパソ
コンで簡単に連絡できる時代ではなかったのだから、あながち誇張した比喩でもないだろう。好きな人と離れているときの、
目がくらむほど大きな隔たりが二人の間に横たわっているような感覚は、私も身に覚えがある。
「夜に部屋で本を読んでいるときやら、レコードをかけているときやら、ふとしたはずみにおばあちゃんの姿や声が浮かん
できてね。目や耳の奥に浸み込むような、きれいな幻だった。真ん中で分けたまっすぐで長い髪や、黒いガラス玉みたいな
深みのある瞳がこう、ふわふわとね。朝仕事に出かけたとき、山のあわいにおばあちゃんの大きな幻が見えたのには、さす
がに僕は病気なんじゃないかと思った」
280 :
幸せを紡ぐ夕べ 2/5 ◇zmMEjNb3Ok:2008/11/16(日) 14:15:56.84 ID:43BVynAn0
「あはは。本当の恋の病だね」
「こら。おちょくるならもうやめるぞ」
「うそ。ごめんね」
おじいちゃんはふうと一息ついて、お菓子をつまんだ。
「おばあちゃんの噂にも敏感になっててね。誰それから言い寄られてるとか、お見合いをするとか、色々ね。聞きたくもな
いのに、妹たちやら、友達やらの口から勝手に僕の耳に飛び込んできた。……いやまあ、本当は僕が聞きたそうなそぶりを
見せていたんだろうね。後から聞けば、妹たちは僕を暗にせっついていたんだそうだよ。早くしないと手遅れになるぞとね。
嘘もまじっていたらしい。まんまとはめられたんだよ」
おじいちゃんの妹さんたちとは何度か顔を合わせたことがある。柔和だけどあまり口数の多い方じゃないおじいちゃんと
違って、二人ともお年寄りとは思えないかん高い声でよく喋る、やけにカラフルな服を着た人たちだった。あの二人ならお
じいちゃんの心情を察するなんてお手の物だろうし、もしかしたらおばあちゃんの気持ちも知っていたのかもしれないと、
私は思った。
悶々とした気持ちを堪えきれず、おじいちゃんはとうとう意を決したという。ある休日の夕時のことだ。
「家の窓から空を見ると、いい按配に夕焼けしていてね。今しかないと思った。思ったら、すぐに家を飛び出した。おばあ
ちゃんの勤め先に駆けて行った。おばあちゃんはちょうど帰宅しようとしていた所だった。それで僕はそのままおばあちゃ
んを公園まで連れていったんだ。公園には誰もいなかったね。小さな公園だよ。砂場すらないような。西の空が本当に燃え
ているような緋色で、山火事かと思えたくらいだ。掠れるように広がった雲が、山に沈みかけた日に赤く照らされて、火が
たなびいているように見えた。この空の様子なら想いを告げられると思った」
と、おじいちゃんは目を少し細め、時を振り返るような顔をする。予想外にロマンティックなシチュエーションに、私は
わくわくしていた。
「でも、夕焼けが告白するのとなんの関係があるの?」
「あるんだよ」
おじいちゃんは含みを持たせて言った。
「どんな?」
「顔が赤くなるのを誤魔化せるだろう?」
それを聞いて、私は思わず噴出してしまった。
「なにそれ? そんな土壇場で、そんなちっちゃなこと気にしてたの?」
「うん。気にしてたんだよ。そのときの僕からしてみれば全然ちっちゃなことじゃなかったんだ。まあ、男っていうのはそ
ういうもんだ」
281 :
幸せを紡ぐ夕べ 3/5 ◇zmMEjNb3Ok:2008/11/16(日) 14:16:21.97 ID:43BVynAn0
その気持ちがよくわからないのと、強いて自分を納得させるかのようなおじいちゃんが可笑しいのとで、私はくすくす笑
うのを抑えきれなかった。おじいちゃんは私の態度に少しすねたみたいだったけれど、ここまで話したら最後までとでも思
ったのか、話をやめようとはしなかった。
「率直に言ったんだ。みずきさん、結婚してくださいってね。お付き合いしてるわけでもないのにねえ。でもそのときはそ
の言葉しか頭になかった。冷静じゃなかったんだよ」
「それなのに自分の顔色は気にしてたんだ?」
「……まあ、たしかにおかしな話かもしれないね。それに結局、そんな心配しても意味がなかったんだ」
「どうして?」
「おばあちゃんの顔が赤らむのがはっきり見えたからだよ」
「ああ、それじゃあおじいちゃんも……」
おじいちゃんは「うん」と頷いて、困ったようにはにかんだ。
「ふうん。でも、素敵なエピソードだね。聞けてよかったあ。……でもさ、顔色を隠したかったんなら、夕方よりも夜の方
が確実だったんじゃない?」
「ばか、若い女性を夜の暗がりに連れ出すなんてあるか」
「あは、そうだね。おじいちゃん、男らしいね」
そして私とおじいちゃんは押入れに隠れる子どものように、声をひそめて笑い交わした。
もっと素敵なのは、何十年とたったあとも、それを真心から語れることだと思った。思いつきで聞いた話に、私は深く胸
をうたれていた──。
いま、オフィス近くの公園のベンチに座る私の前には、鮮やかな夕焼けの空が広がっている。青が溶けた天頂のあたりは
薄く透けるようで、西のふちに向かうにつれて、赤が強みを増してゆく。色の境界線が見事に覆われた、そのうつろいの美
しさに、私は心で嘆息をもらした。地平をさえぎる遠いビル群は、おとぎ話の巨人のようだ。その影に半分隠れた夕日から、
柔らかい光の筋が数本、先細りに走っている。雲はひとかけらも見あたらない。下に目をやれば赤茶色に色づいた芝生や土
に、木々の影が斜めにのびて、あちこちに黒く細長い橋を渡している。散らばった落ち葉をちりちりと転がす微風は、少し
肌寒くて、冬を抜け駆けしてきたのではないかと思えた。
私はぴくりと身震いした。手をコートのポケットに挿した。
隣に腰掛けた亮平は寒さなど気にもとめていないように、手を組んで背伸びをしたり、頭上高く旋回する鳥を目で追った
りしている。そうかと思えば風の通り道をさぐるように、手を中空に舞わせる。彼は普段とても落ち着いているけれど、こ
んな風に子どもっぽい仕草をみせることもある。こういう部分にも私は惹かれている。
282 :
幸せを紡ぐ夕べ 4/5 ◇zmMEjNb3Ok:2008/11/16(日) 14:16:45.96 ID:43BVynAn0
もちろん彼の顔立ちも好きだ。横顔をうかがうと長いまつ毛がぱちぱちと合わさる様が、蝶々の羽ばたきを思わせた。
彼は職場の同期で、付き合って五年ほどになる。お互い今日の仕事はまだあるけれど、小休止を装って彼をここまで連れ
て出た。
私は脇に置いていた飲みさしの缶コーヒーを手に取り、口に運んだ。全て飲みきった。
「俺全部いらないから、麻理子、残り飲む?」
と亮平は彼の缶コーヒーを差し出した。受け取るとあまり中身は残っておらず、三口飲んでなくなった。
「あの二人、恋人同士かな?」
亮平は少し離れた場所にある、水のやんだ噴水の方をあごで示しながら言った。石の柵に学制服を着た男の子と女の子が
もたれている。女の子はセーラーだけど、男の子はブレザーだ。おそらく別の学校に通っているのだろう。放課後にこの公
園で落ち合ったのだろうか。
私は「多分、そうなんだろうね」とややぼんやりした口調で答えた。亮平は「ふうん」とだけ呟いた。
私たちはしげくお喋りをして過ごすような仲じゃない。彼と一緒の沈黙はとても居心地が良い。耳を通り過ぎてゆく自動
車の音に、潮さいの雰囲気がある。
私は口下手なたちじゃないけれど、言葉を探すのに苦痛を覚えることがままあるから、彼のようにゆるやかに無言を赦し
てくれる人は得がたいのだ。彼はまるで防波堤のよう。ずっとそばにいたいと思う。
ゆっくりおじいちゃんの話を思い出し、勇気を溜める時間もできた。くすぶっていた最後の迷いももう消えた。
私はベンチに置かれた彼の手に、自分の手のひらを重ねた。彼は動かない。
「ねえ、亮平」
「何?」
「結婚しようよ」
亮平は「え」と言ったきり顔を固める。さすがに驚いたようだ。無理もないと思う。
じっと見つめる私に、ようやく彼は口を開いた。
「……それ、本気で言ってるの?」
私はうなずく。
「えっと、何で君が言うの?」
「何でって、何が?」
「いや、普通、プロポーズって男がするもんでしょう」
「私、おじいちゃんに似てるから」
283 :
幸せを紡ぐ夕べ 5/5 ◇zmMEjNb3Ok:2008/11/16(日) 14:17:12.58 ID:43BVynAn0
「なんだよそれ。答えになってないよ……」
亮平は呆れたように頭を垂れた。ふうと小さなため息をついて、独り言のように
「あのな、俺だってプロポーズのシミュレーションしてたんだよ。頭の中で。いつか言おうと思ってさ。それなのに君が言
っちゃったら台無しじゃないか」
と言ったあと、またため息をもう一つ。
「そうなの? それじゃあ……」
私は言葉に詰まる。亮平はきりりとしたまなざしを私にむけた。
「うん。俺も麻理子と結婚したい。いや……結婚しよう」
そうして亮平は穏やかに顔をほころばせた。私は嬉しくて、思わず亮平の首に縋りついた。亮平はそっと私の背中に手を
回してくれた。
「嬉しい。ありがとう……。ねえ、亮平はどんなプロポーズを考えてたの?」
「内緒」
「亮平は亮平で、またプロポーズしてくれてもいいよ。シミュレーションしてた通りに」
「気が向いたらね」
そのまましばらく抱き合って、ひねった腰が痛くなった。でも彼の温もりが惜しくて、離す気になれない。
「ねえ、さっき私、顔が赤くなってなかった?」
「え? ごめん、わからなかった。びっくりしてそんなの見てる余裕なかったよ」
「そう。それならいい」
「顔見せてよ」
「いやよ」
私は彼の首にかけた腕にぎゅっと、けれど優しく力をこめた。
顔を隠したかったというおじいちゃんの気持ちが今は少しわかる。顔の赤らみを隠したいと思うのは、大切な宝物を、秘
密の場所にしまっていたいと思う気持ちと似ているのだろう。
彼も私の温もりを、感じてくれているだろうか。せめて顔のほてりがとけるまでは、こうしていたいと思う。
おじいちゃんとおばあちゃんに負けない夫婦になるんだと、私は胸の中でささやいた。
<了>
284 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 14:17:32.18 ID:43BVynAn0
転載おわり
285 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 14:20:44.15 ID:AugBXTi+0
おつ
286 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 14:23:48.32 ID:2Kqpw0S6O
287 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 14:39:39.81 ID:KE7GPrSV0
よければお題ください
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 14:44:53.81 ID:58uF12YmO
ゆっくりと訪れる
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 14:47:00.01 ID:KE7GPrSV0
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 15:00:50.17 ID:B7fFJcgyO
もう八作か。今回多いかな。
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 15:47:14.50 ID:4D3TPTP30
in the blue
292 :
階段 0/1:2008/11/16(日) 15:48:23.25 ID:KE7GPrSV0
貰ったお題で書けたので投下します。
お題:ゆっくりと訪れる
293 :
階段 1/1:2008/11/16(日) 15:49:15.71 ID:KE7GPrSV0
自分の家はマンションで、自室は二階にある。
たかだか二階へ行くのにエレベーターなんて不必要。僕たち家族はいつも階段を利用していた。
小さい頃はその段の一つ一つが高くて、自室へ辿り着くまでに相当な苦労をしたものだ。
そこに家族が居れば「家までおぶってあげる」と言われたけれど、少し年上の兄に馬鹿にされるのが嫌で
意地っ張りと苦笑されながらも一段、まだ一段と上がっていったものだ。
さっさと先を兄に越されていかれると、置いていかれるという心配と闘争心が湧き上がって、
足が急いて踏み外した事がある。
その時は隣に母がいたから難を逃れたものの、あの時の恐怖は今でも忘れない。だから、
『ゆっくりでいいよ』
そう言われた時、そうしようと深く、心に刻んだ。
馬鹿にされようが、踏み外したりしないように、例え一日、一週間、一年かかったとしても。
僕はそんな気持ちでマションではない、目の前にある階段を上っていく。
時には駆け足せざるを得ない時がいくつもあったけど、転んだりもしたこともあったけど。
急く必要がなくなったこれから先は、ゆっくりと上っていこうと思った。
これから先に訪れるものが早々来ないように、ゆっくりと。
294 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 15:50:48.27 ID:KE7GPrSV0
以上。急展開・比喩過ぎての意味不明文でした。
295 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 15:56:32.16 ID:xeK20/d9O
おだい下さい
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 15:58:27.53 ID:glipoLF00
ワンカップ酒
297 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 15:59:03.11 ID:xeK20/d9O
ワンカップ酒把握
298 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 16:43:10.21 ID:AugBXTi+0
品評会あきらめたほ
299 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 17:13:52.20 ID:Xc5661DQ0
>>294 別に意味不明には感じなかった。
ただ、もう少しエピソードを盛り込んでも良かったかも。
受験とか結婚とか、そういうところで何かあってもおもしろいのかな、と思ったりしました。
300 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 17:29:40.23 ID:700jcAuQ0
オダイヲモラオウカ
301 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 17:35:34.47 ID:/75o9GckO
少年は一人荒野を行く
302 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 17:38:43.74 ID:700jcAuQ0
少年は一人荒野を行く 了解したぜ
具体的過ぎてわからんw
303 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 18:10:43.18 ID:43BVynAn0
ほ
304 :
【品評会作品】宵闇に月を笑う 0/6 ◆BLOSSdBcO. :2008/11/16(日) 18:16:13.41 ID:jSmsTT140
久々に参加しま
305 :
【品評会作品】宵闇に月を笑う 1/6 ◆BLOSSdBcO. :2008/11/16(日) 18:17:37.00 ID:jSmsTT140
ゆっくりと、世界は変わり始めていました。
熱く眩しい太陽は姿を消し、冷たく鋭い月の光が満ち。
ほんのひと時の静寂。
そして、背筋の凍るおぞましい呻き声と共に、次々と姿を現す亡者たち。
僕は取り残されて、取り込まれてしまったのです。
こちらの、昼の世界と。あちらの、夜の世界。
その狭間に存在する、逢魔ヶ時に。
「ずきゅーん、って。昔のアニメであったじゃん。ルパンのタイトルとかさ」
中條康越は指でピストルを作ると、誇らしげにかざした。
「アレを聞くと、疼いちゃって。なんつーか、ワクワク感? ……抑えられねぇんだよ」
そのピストル、人差し指をこめかみに突きつけた中條は「ばきゅーん」と仰け反り、スチールの机に突っ
伏す。しばらくの後、くつくつを喉を鳴らす笑い声と共に顔だけを上げた。
「分かるだろう? あんた等も、何かあるだろうがよ。
大好きなあの子とメアド交換した日の夜。ピッカピカの新車を納車待ちしてる半月。安っぽいAVのインタ
ビュー。女にゃ分かんねぇか。ああ、あんた等なら、でっけえヤマの犯人とっ捕まえて取調べしてる時とか?」
歪んだ笑みを浮かべた顔には嘲り。私達にではなく、恐らくは自分に向けた。
「これから何かが起きる。とんでもなく楽しい何かだ。期待に心躍る。そん時こそ、人は一等幸せなんだよ」
渦を巻いた妄執に濁った瞳は、雑多な感情が入り乱れながらも、至ってシンプルだった。
私は椅子を引いて立つと、無言のまま部屋を出た。最後まで中條は笑っていた。
短い廊下の端、鉄柵の扉で一度立ち止まり、パスカードをリーダにかざす。ぽんっ、と緑のランプが点り、
がじゃこん、と仰々しい音と共に扉が開いた。
「玩具の殺人鬼、その心中は如何に?」
微糖の缶コーヒーを啜りながら緒方が尋ねた。
「ただの臆病者。楽しいから、なんて自分を飾り立てる仮面に過ぎない」
その答えに苦笑した緒方は、私に甘いカフェオレを差し出した。ベンダーから吐き出されて時間が経っている
のだろう、やや温い。猫舌の私には有り難い心遣いだ。
緒方宗司。大柄で『いかにも』といった雰囲気を纏う、いつも同じスーツをだらしなく着た、無精髭と寝癖が
似合う男。一方でこの缶コーヒーのような他人への気遣いをさり気なくこなせる、動物と子供をこよなく愛する
三十七歳。やはり、どうにも。
306 :
【品評会作品】宵闇に月を笑う 2/6 ◆BLOSSdBcO. :2008/11/16(日) 18:18:24.18 ID:jSmsTT140
「『いかにも』ですね」
「ん? 何がだ?」
本当は甘いものが好きなクセに、それっぽく見せようとブラックコーヒーを飲み、やはり妥協して微糖。
きっと緒方も、中條と同じだ。ただそのベクトルが違っただけで。
「いえ。詳細は、報告書を待ってください」
不思議そうに首を傾げる緒方を後に、私は自分のデスクに戻り、パソコンを立ち上げた。
中條康越。通称オモチャの連続殺人鬼。
最初の被害者は、塾帰りの中学生だった。高校受験に向け遅くまで続いた講義の後、徒歩十五分ほどの自宅へ
帰宅途中、人気の無い公園を突っ切ろうとしたところで腹部に銃弾を受け転倒。何が起きたのか分からぬまま
激痛に呻く彼に向け、さらに至近距離から数発の銃弾が撃ち込まれた。
次の被害者は、近所のコンビニへ夜食を買いに出かけた女子大生。自転車で田舎道を走っている最中、頭部を
撃たれ昏倒。意思を失った自転車は少し進んで用水路に落ち、彼女は首を折った。
三番目、四番目と続き、計七人の被害者達。彼らに共通する知人や経歴は無く、無差別連続殺人と認定。
凶器としてマスコミに取り上げられたのは、エアガンだった。一口にエアガンと言っても、子供がガンマン
気取りで空き缶を倒す物から、サバイバルゲームに使われるような物、射撃競技用の物まで様々だ。
この事件に使われた物は、購入に一切の資格や身分確認が必要無い、純然たる玩具。それを人を殺し得る凶器
にまで仕立て上げたのは、エアガンの販売経路から特定され逮捕された中條の
「どうすればより強い弾が撃てるのか、どうすれば人を殺せるのか、銃を弄っている間は楽しかった」
という発言から伺える彼の異常性に集約された。
が、しかし。私の見た中條康越という男は、あまりに臆病な子供だった。
自分を守る、他人を従わせる、力が欲しい。そこに英雄願望が加わり『無敵のガンマン』へと変貌を遂げた。
彼の心象風景は映画館。隣の人の顔も見えない暗闇の中、スクリーンに煌々と映されるアメリカンヒーロー。
中條は、自分が作った世界で、自分のストーリーを眺めていただけだ。
「やっかいな野郎だぜ、全く」
『いかにも』な口ぶりで私の肩越しにモニタを覗き込む、緒方。
「で? どうするんだい、先生?」
言わずもがな。分かりきった答えを期待したニヤケ面に向かって、私は言った。
「助けますよ。……当面は一緒に映画でも見て、少しずつ、私と彼をキャストに加えていきましょうか」
緒方は「やれやれ」と、『いかにも』な素振りで肩を竦めた。
307 :
【品評会作品】宵闇に月を笑う 3/6 ◆BLOSSdBcO. :2008/11/16(日) 18:19:13.84 ID:jSmsTT140
私は他人の心の根底、単に心象風景と呼んでいるが、そこで隣に立てる。
つまり、他人の本心を暴き出し、私だけ一方的に好きな事を言える。そんな不平等な関係を強いる。
あまりに理不尽で反則的な特技ではあるが、だからこそ、何か世の中の為に使いたい。そう考えた私は、今
では犯罪者矯正のプロフェッショナルなどと呼ばれていた。
実際、大学で犯罪心理学を学び、この仕事に就いてから数年。私のクランケの再犯率はゼロだ。最も、未だ
収監されている者も多いが、彼らにしても模範囚になるほど素行が良いと評判だ。
慢心は、無かった。
むしろ怒りや憎しみ、復讐してやる、といった激情に満ちていた。
そこを付け込まれた。
「あのオジサン、『いかにも』って感じだったから」
十四歳の少年。警官殺しの犯人。その一言に、私は誤った。
「アンタみたいなガキに、あの人の何が分かるッ!」
立会いの刑事は止めなかった。きっと私と同じ気持ちだったのだろう。
私は少年の心に飛び込んだ。そのむき出しの心に、私の激昂をぶつけてやろうと、通常の観察段階を飛び越
して。そして見た。
――――何だ、コレは?
今まで、どんな人間でも、その心象風景にはパターンがあった。
当然だろう。いくら同時に裏タスクでいくつもの情報を処理している脳といえども、表面に出て本人が自覚
出来る思考は限られる。『考えている』と感じられる思考、それより深い部分は脳が本能や経験、推測から動
かすオートメーション作業だ。一つ一つの機構やプログラムの組み合わせは無限に近いが、単体では似たり寄
ったり。まして論理的かつ合理的に動かそうとすれば、俯瞰した全体像は自ずと限られる。
プラス、何を作るために何が必要か。それを数多くのクランケを相手にしてきた私の経験が導き出し、結果、
相手の心を風景に変える。
しかし。私は驚愕し、恐怖した。
どんなに凶悪な事件を起こした犯罪者とも心を通わせた私が、たった十四歳の少年に、怯えた。
永遠に続く夕闇の中、亡者達は彷徨い歩き、僕は逃げ惑います。
さっきまであった昼間の世界は遥か遠く、徐々に忍び寄る夜の世界に飲み込まれないように。
白い光は無限の地平の彼方へ沈み、赤から黄、ほんの少しの緑を経て、そして深い青と枯れた灰色。
灰色。月は黒い空に灰色の穴を空けていました。
308 :
【品評会作品】宵闇に月を笑う 4/6 ◆BLOSSdBcO. :2008/11/16(日) 18:20:17.66 ID:jSmsTT140
紅に萌える若草の草原を、暗い紫が這い回り、冴え冴えと突き刺さる月光。亡者達は狂喜乱舞します。
ここは違う。僕の居場所じゃない。
そう思い、必死で沈み行く太陽へ向かって駆けます。息が切れ、足が縺れ、わき腹が痛み、頭は真っ白になっ
て、それでも止まれません。止まってしまえば、亡者に捕まれば、きっと僕は。
「どうなると言うの?」
走り続けながら、僕は聞きました。
陽光の名残を背負い、僕が永遠に辿り着けない、あちら側からの声を。
「今更、どうなるのが怖いと言うの?」
疲れ果てた身体で、朦朧とする意識で、僕は見ました。
灰色の光を捕らえて落ちる滴の輝きを。そして、その目に映る、僕の姿を。
「――――うぁ、うううううううううぅぁああああああああああああああああああっぁっあぅっぅ!」
僕でした。
ドロドロに腐った肉体に、崩れ落ちた脳を溢し、飛び出した眼球で捕らえた姿。
僕が必死に逃れようとしていた亡者は、僕でした。
「嘘だ! ウソだっ、僕は、ボクハッ!」
腕を、頭を、掻き毟るたびに奔る激痛。肉を削ぎ、骨を砕き、腐臭を撒き散らします。
そんな僕を、悲しげな二つの眼が捕らえました。
「怖かったのね。逃げたかったのね。……自分が、自分じゃ抑えきれないほど、変わって行くから」
違う。僕は何も変わっちゃいない。僕は叫ぼうとしました。
でも、穴の開いた喉からはひゅうひゅうと風が抜けるだけでした。
「甘いことを言うつもりはありません。でも私には、分かるんです。君の心が。変わってしまうことを恐れる
気持ちが。だからこそ、どうして、どうして君が言えなかったのか、それが悔しい」
何を?
僕は見ました。きっと、縋り付くような目をしていたことでしょう。
強い意志に満ちた大きな瞳は、煌めいていました。
何故? どうして、あなたは泣いているの?
僕には分かりませんでした。僕がいくら泣き叫んでも誰にも伝わらないのに、僕のこんな醜い姿を見て、僕の
おぞましい正体を知って、それでも泣いてくれる人が居るなんて、分からなかったのです。
「言いなさい。君の口で、どうしたかったのか。どうして欲しかったのか、言いなさい!」
分からない。僕には、僕がどうしたいのかなんて、分かりませんでした。
309 :
【品評会作品】宵闇に月を笑う 5/6 ◆BLOSSdBcO. :2008/11/16(日) 18:21:17.09 ID:jSmsTT140
「逃げるな! 本気で逃げたいなら、『逃げる』ことから逃げんなッ!」
意味不明。理解不能。僕には、今の僕には、言葉すら分かりません。
「アンタは叫んだんだろ? そうせずにはいられなかったから、だから必死で伝えようとしたんだろ!?」
違う、ただ、あれは、僕が、怖かった、僕が、僕だから、こんな亡者だから。
「認めなさい。君一人じゃどうしようもないくらい、君は怖かったんでしょう。だから」
だから、僕は、あのオジサンに、『いかにも』って感じで、僕を。
「…………タスケテ。助けて、欲しかった」
「――――素直になりなさいよ。もっと、早く」
僕は泣いていました。空ろとなった目から涙を零し、崩れ落ちた鼻を啜り、裂けた口から嗚咽が溢れ、亡者の
ように彷徨い続けていた心で、泣いていました。
そんな僕に向けられた瞳が、ふっと和らぐと同時。
おぉおおん、と。月が叫びました。群青が滲み出しました。草の影が湧き出しました。
亡者達。僕の生み出した、僕を捕らえていた亡者が、僕を逃すまいとしているのです。
「大丈夫」
怯える僕の頭に、暖かい手が乗せられました。顔を上げると、優しい、そして悲しい瞳が微笑んでいました。
「あの人は、助けを求める人を絶対に助ける、『いかにも』って人だから」
くすり、と笑った瞬間。轟音と共に大地が裂けました。
影に蠢いたいた亡者は吹き飛び、替わりに炎が草原を揺らします。轟々と燃える炎は、宵闇の空をも照らし
出しました。
よれよれのスーツを纏い、磨り減った革靴を踏み鳴らし、無精髭を蓄えた、寝癖の似合うオジサン。
オジサンは一度こちらを向いて「ニヤリ」と笑うと、大きく身体を捻り、跳ぶような一歩を踏み込み、岩の
ような拳を振りかぶり、空へ、突き出しました。
あまりに不恰好な、無駄の多すぎるパンチ。子供のような、ただただ『強そう』な見た目のパンチ。
バゴンッ! と。自動車同士が正面衝突したような轟音。何も無い空中に打ち出された拳は、しかし一直線に
白い尾を引き、炎を飲み込んだ渦を巻き、空を埋め尽くす亡者を突き抜け、灰燼と化し、ついに月へ至りました。
「おい、ボウズ」
蜘蛛の巣のように割れた大地で拳を突き上げたまま、オジサンは言いました。
「強くなれ。誰にも、自分にも負けない男になれ」
『いかにも』な台詞を決めたオジサンは、懐から皺くちゃのタバコを取り出しマッチで火を点けると深く吸い
込み、思いっきりむせていました。
310 :
【品評会作品】宵闇に月を笑う 6/6 ◆BLOSSdBcO. :2008/11/16(日) 18:22:28.22 ID:jSmsTT140
あまりの可笑しさに笑い泣きする僕の横で、クスクスという笑い声と共に、大粒の涙が零れていました。
緒方宗司の葬儀には、大勢の弔問客が訪れた。
少年犯罪をセンセーショナルに取り上げ騒ぎ立てたいマスコミは別としても、同僚は元より、彼が携わった
事件の被害者・加害者、彼に世話になったという近隣住人まで延べ数百人が、彼の最後を見送った。
兄を殺した少年は、更生施設で自らの罪と向き合い、反省の気持ちが伝わる手紙を送ってきた。
両親の離婚、転校、受験。思春期の少年は、世界に翻弄されるだけの自分から逃げ出したかったのだ。
私は、彼の唯一の肉親として、喪主として、兄に別れを告げた。
私達は幼い頃に両親を亡くしていた。施設に入れられ、同じような境遇の子供達とすらも打ち解けることが
出来なかった私。塞ぎ込んで、いつも誰かに怯えていた。
そんな私を守り、支え、立ち直らせてくれたのは、歳の離れた兄だった。
腕白なガキ大将だった兄は、私の為に『ヒーロー』になり、私を助けた後は皆の『ヒーロー』を目指した。
それが兄の『いかにも』な所以。
「ありがとう、お兄ちゃん」
久しぶりに、仕事で顔を合わせるようになってから初めて、昔の呼び方をしてみた。
「…………お前も、強くなったな」
背けた顔が赤いのは、何も夕日のせいだけではあるまい。
「私のヒーローは、いつでもお兄ちゃんだから」
ざぁっ、と風の流れる草原。
私の心象風景は、いつでもここだ。
施設の部屋の片隅で、ずっと膝を抱えていた頃と同じ。
それでも私は怖くも、逃げ出したくもなかった。
あの時も、やっぱりお兄ちゃんが助けてくれたから。
「今度は、お前がアイツの『ヒーロー』だぜ?」
意地悪な目で言うお兄ちゃんに、私は笑って答えた。
「ヒーローにはなれないかな。私は『ヒロイン』だから」
「――――流石は俺の妹だ」
お兄ちゃんは『いかにも』な苦笑をしながら、私の頭を撫でた。
空には昔のまま、大きく凹んだ月が輝いていた。
【完】
311 :
◆BLOSSdBcO. :2008/11/16(日) 18:24:04.87 ID:jSmsTT140
以上、レス制限いっぱい。
拙作へ目を通して戴いた方からのご意見、ご感想、スパイスの効いた酷評を心待ちにしております。
312 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 18:38:16.06 ID:1raZLbag0
on the white
313 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 19:00:30.80 ID:43BVynAn0
ほ
314 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 19:22:06.76 ID:43BVynAn0
ほ
315 :
怪人の夕焼け 0/5 ◆LBPyCcG946 :2008/11/16(日) 19:34:24.95 ID:9SvNul230
品評会投下
316 :
怪人の夕焼け 1/5 ◆LBPyCcG946 :2008/11/16(日) 19:34:54.46 ID:9SvNul230
空にぱらぱらと火薬を撒いて、マッチをこすって放り投げる。これが一番簡単な夕焼けの作り方だ。ガスバ
ーナーを用いて丁寧に仕上げるやり方もあるが、何分空一面を焼き上げるにはかなり時間がかかり、夜は絶え
ずその速い足で迫ってくる。こんがりと良い出来の夕焼けを作るには、緻密な組み合わせと努力というよりも
、初期衝動と発想が大事だといえるだろう。
ビルの屋上、晴れの日。時刻は夕方6時半。日没まであと15分。この一帯では、一番背の高いビルだった。
そこに1人の少女と、1人の怪人がいる。少女は、ごく普通のありふれた一般的な頭の良いかわいらしい少
女だった。ここまで言葉で飾られると何が何だか分からないが、ようは少女という事だ。年齢は10代の前半
に見える。背は低いが髪は長い。夕日を見つめている。
怪人の方は、怪しい人だった。怪しい人でなければ怪人とは言わない。当たり前の事だが忘れがちな事だ。
格好はというと、背は高くコートに全身を包んでいて、足が長いのか短いのか、太っているのか痩せているの
か、いまいち見て取れない。この初夏に、どうしてコートを着込んでいるのか。答えは簡単、寒いからだ。そ
してその着ているコートというのが至極肝心。
それは、隙間なく言葉に埋め尽くされたコートだった。現在世界で使用されているあらゆる言語のみならず、
過去に使われたとされる象形文字の類まで、あらゆる言葉である1つの同じ文章が書かれていた。黒地に白文
字。遠くから見れば、どちらかというと白いコートだった。そしてその怪人は、少女を見つめていた。
「お嬢さん」
怪人の顔は見えない。薄暗く、裏路地のような顔だ。
「どうしてここにいるんだい?」
その問いかけは嘘の問いかけだった。怪人が少女をここに連れてきたのだから。
少女は夕日を見つめたまま、口を縛って怪人を無視している。怪人は少し間を置いてから、同じ質問を繰り
返すと、少女は怪人に気付き、答えた。
「分からない」
「おお! 分からないのか! そうか、そうか!」
怪人が少女の言葉を聞いて、歓喜した。長いコートを揺らし、小躍りでも始めそうだ。
「それじゃ、あれが何か分かるかな?」
そう言って怪人が指差したのは、その体をゆっくりと沈めていく夕日。
「分からない」
「よし! 完璧だ!」
317 :
怪人の夕焼け 2/5 ◆LBPyCcG946 :2008/11/16(日) 19:35:10.19 ID:9SvNul230
怪人がまたも声をあげた。
そうしている間にも、景色は段々と赤みを帯びてきて、夜の影がその口の前に指を立てて忍び寄ってくる。
しかし怪人は焦らず、緩慢な動きでここからの処置を行う。肝心要、怪人の怪人たる真の所以だ。
コートの中からすっと、白樺の枝のような腕が伸びる。右手だ。怪人はどうにか笑顔を取り繕うとするが、
様になっていない。そもそも影が濃すぎて顔は誰にも見えないのだ。怪人の不埒な右手が少女の頭に触れる。
より正確な表現ならば、少女の「左脳」にだ。
「怖がらないで、そう、良い子だ」
怪人の怪しい脳から発信されたパルスは脊髄から右腕の神経を通り、右手と少女の頭を通じて、脳にたどり
着く。少女の左脳は揺さぶられ、虐げられ機能を停止する。とはいえ、これは一時的なもの。昼と夜の間、僅
かな時間にだけ怪人に許される、恍惚の瞬間。
また左脳の機能を一時停止するだけで留まらず、今度はそこから右脳へも微弱な衝撃を送る。今度は停止す
る為ではなく、反対に活性化する為だ。少女の左頬が引きつり、笑えない笑顔がその顔に映される。
「もう少しだから、じっとして。我慢だ。あと少し……」
あと残り少しで夕日がどっぷりと沈む。ひどく疲れた日のように、ベッドにねっころがったまま次の日まで
帰ってこない。それでは困る。怪人が叫ぶ。
「これだ! そこ! 違う! そうじゃない! ああ! くそ! そう! 今だ!」
怪人から見れば格闘。少女から見れば葛藤。右脳の普段使っていない部分が無理やりに解放され、左脳の束
縛も無い。想像力がコップ一杯を満たすのは普通の人にも割とよくある現象だが、プールを満たし、海に零れ
る事はあまり無い。今、少女の頭の中では、まさしくそれが起きていた。
「あ……」
少女が言葉を発する。ごく短い感嘆。それによって、怪人の手は弾き飛ばされる。静電気のような、僅かだ
が確かな痛みを伴う衝撃が怪人の五指を伝い、怪人は一瞬苦悶の表情を浮かべる。だが今は痛がっている暇な
ど無い。
怪人が少女の頭を、今度は両手でしっかりと掴む。夕日がもうすぐ沈む! 怪人の体は急激にその存在感を
空にし、後ろの風景が見える程に薄くなる。怪人がぐっと少女の頭を自らの顔に引き寄せる。なるべく良い角
度で、なるべく夕日が映り込むように、なるべく美しい夕焼けが出来上がるように。怪人は何度もそう念じな
がら、少女の瞳を覗き込む。
そこには見事な夕焼けが映っていた。少女の無垢な瞳と、爆発的想像力の織り成す素晴らしい風景だった。
だが、しかし、けれど、でも、怪人は、満足できなかった。
318 :
怪人の夕焼け 3/5 ◆LBPyCcG946 :2008/11/16(日) 19:35:30.13 ID:9SvNul230
今度は左手をすっと伸ばし、空間に滑り込ませた。少女の脳の流れを操作するのと同じ要領で、時間の神経
を弄る。
「もう1度だ」
時間が撒き戻され、10分前。時計は針を縦に真っ直ぐ。日没まであと15分。そしてもう1度、少女の頭
の中に怪人が右手を突っ込む。
怪人の両手は特別だった。右手は肉体を無視し精神に介入する手。左手は常識を無視し時間に介入する手。
その2つがあるというのに、結局怪人の見たいのは、美しい夕焼けだけだった。
怪人が少女の脳にまた触れた。今度は記憶を操作し、今起きた事を無かった事にする。そして最初の質問。
「お嬢さん、どうしてここにいるんだい?」
「あなたは誰?」
これでは駄目だ。
「お嬢さん、どうしてここにいるんだい?」
「ここは……屋上?」
これでも駄目。
「お嬢さん、どうしてここにいるんだい?」
「うう、ああ」
駄目。
何度も何度も繰り返し、良い具合に持っていく。「分からない」という答えを引き出す為、試行錯誤。その
都度頭に手を入れたり出したりしながら、微調整していく。それと同時に左手で時間も戻す。とてつもなく忙
しい作業だ。
ふいに、怪人が何かに気付いた。それはこれまで触れた事の無い領域だった。人間の脳には身体の約9割の
神経が集中している。未開の密林よりも深く、光の届かない洞窟よりも入り組んでいるのだ。新しい発見があ
っても不思議な事じゃない。
一か八か。怪人が賭けに出た。その領域を解放し、新たな可能性を拾い上げようとした。ほんのちょっとし
た、戯れに近かった。
「お嬢さん、どうしてここにいるんだい?」
「その質問、17284回目ね」
予想外の答えだった。その数字は正確で、少女の瞳は怪人のそれに近い色を宿していた。
「これは驚いた。だが……」
319 :
怪人の夕焼け 4/5 ◆LBPyCcG946 :2008/11/16(日) 19:35:46.19 ID:9SvNul230
怪人の右手が弾き出される。そして再び空間に滑り込ませようとする怪人の左手を、少女の右手が止めた。
「待ちなさい」
大人じみた口調だった。それは少女の口から発せられたというよりも、少女を家で叱るヒステリックな母親
の言葉をそのまま転用したといった感じだった。天啓に近い高圧的な命令だが、少女の腕力程度なら、怪人に
も振り払う事が出来るだろう。しかし怪人はそうしなかった。少しだけ、興味を抱き始めたからだ。
「良い事教えてあげようか?」
少女の台詞とは思えない少女の台詞。怪人は目をパチクリさせ、次の言葉を待つ。
「夕焼けを見たいんでしょ?」
怪人が黙って何度も頷く。どちらが子供だか最早分からない。
「ならこうすればいいの」
少女の右手がゆっくりと、怪人の頭に触れる。正確には怪人の左脳に。そして怪人と全く同じ方法で、脳髄
弄りを始めると、あっという間にそれは完了した。少女の脳に隠されていた秘密は、怪人のそれと同期した才
能。開花させたのは、怪人自身だった。
「ほら、見て」
怪人が言われるまま、後ろを振り向く。風景が真っ赤だ。血にどっぷりと漬けた熟成リンゴを、低い温度の
真っ赤な炎でじっくり焼き上げ、トロトロになった所を赤い飴でコーティングする。そんな夕日、おいしそう
だった。
「……夕焼けだ」
怪人の口から出た言葉はそれだけだった、そして口を開けたまま、両手で仕上げを行う。少女の開いた怪人
の奥深く。想像力を大爆発させ、吹き上がった噴流の発想。奇跡奇跡奇跡。それは、左手で空間を乗り越え、
右手で神経を弄るのを、同時にしてのける事だった。
怪人の手が伸びていく。夕日はちょうど半分その体を沈め半円、まるで人間の脳のようだ。怪人が夕日に触
れる。強烈に熱い、だが気持ち良い。怪人は少女にしたのと同じように、夕日を弄り始める。自由自在だった。
「はは! どうだ! これは! すごいぞ! 素晴らしい! 最高だ!」
怪人が発狂する。暑くなって、ついにコートを脱ぎ捨て、駆け出す。夕日のもっと近く、もっと近くへと、
近づきたがる性を抑え切れなかった。少女はじっと、その後ろ姿を見つめている。悲しげな表情、嬉々を潜め
て。
瞬間、怪人が落下した。ここは屋上、地面までは約5秒の長い旅。その先に、生は待っていない。怪人がと
っさに、左手を伸ばし時間を戻そうとする。しかしもう遅い。怪人の才能は、枯れ果てていた。
320 :
怪人の夕焼け 5/5 ◆LBPyCcG946 :2008/11/16(日) 19:36:04.11 ID:9SvNul230
少女が怪人の脳に触れた時には既に、怪人はただの人になっていた。その後見た怪人のイメージは全て幻、
現世に残した後悔の塊のような物だった。今の怪人はといえば、アスファルトにキスし頭蓋骨を割って、中の
夕日を無残にも晒している。酷い姿だった。
少女が残されたコートを拾い上げる。文字の書かれたコート。英語、フランス語、ドイツ語……。少女に分
かる言語を探すと、隅っこにこう書かれてあった。
『お嬢さん、どうしてここにいるんだい?』
恐らく全ての言語で、同じ事が書かれているのだろう。どの場所に着て行っても、どの時代に着て行っても、
言葉が分かるようにとの下らない配慮だ。そして少女には、その問いの答えが今ようやく分かった。
「私は、夕日を見る為にここにいる」
そう呟いて、少女は怪人になった。急に寒くなって、コートを着たからだ。
遠くを見ると、夕日が既に沈んでいた。夜がやってくる。怖くなって、少女は駆け出した。そしていつか、
少女はまた今日と同じ夕日を見たがる事だろう。たった今得た真理に良く似た解答すらも、質問のコートを着
る事によって分からなくなってくる。何度も何度も同じ問いかけをされれば、いずれ精神は崩壊する。自分が
何なのか、何の為にここにいるのか、また、この両手をどうやって得たのか。分からないまま少女は旅をする。
また新たな少女を見つけるため、どこまでもいつまでも。やがてそこに辿りついた時、全ては過去のままにな
る。それは解放、崩落、楽観、感懐。延々と永遠に繰り返し、少女はもう戻ってこない。
この方法で、怪人はいつも素晴らしい夕焼けを作っている。
終
321 :
◆LBPyCcG946 :2008/11/16(日) 19:39:26.38 ID:9SvNul230
まとめ完了
322 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 19:51:02.58 ID:UxWafHl/0
オリジ小説評価してくれるところってあるの?何処に行けばいいか分からんのだが
323 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 20:03:55.65 ID:8MfjGadQ0
創作文芸板にならあるんじゃない?
324 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 20:04:13.41 ID:jnQaV7XgO
お題くれええええええええええええ
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 20:11:13.23 ID:8MfjGadQ0
326 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 20:13:26.69 ID:jnQaV7XgO
ありがと!
327 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 20:51:24.09 ID:6QmaNn9eO
ほ
328 :
女王様の夕暮れ0/6 ◆t5e3bWrwqQ :2008/11/16(日) 20:53:48.14 ID:IJMjqu3g0
品評会投下します
329 :
女王様の夕暮れ1/6 ◆t5e3bWrwqQ :2008/11/16(日) 20:54:43.37 ID:IJMjqu3g0
城の一室に、イスに拘束されている少女の姿があった。その部屋には天井がなく、満点の蒼い空が見えるのだった。
少女はそよぐ風と雲には目もくれず、ただ恐怖に戦いていた。
部屋にはもう一人女がいた。その女は無表情で、小形のナイフを握って少女のそばにいた。
「神よ。血を捧げます」
女は少女の頬を愛おしそうにさすったかと思うと、持っていたナイフを、ひじ掛けに縛りつけられた少女の手首に突き刺した。血が溢れる。
「女王様! やめて、死にたくない――」
少女に女王と呼ばれた女は、その名にふさわしい豪華な茜色のドレスに身を包んでいた。
女王は少女の苦痛の雄たけびを聞いたその時、初めて真一文字の口を緩めた。
「すぐに終わるわ。ありがとうね」
ナイフを抜くと、手首は小さな赤い噴水に変わった。
少女が声の限りに喚くが、ここには衛兵に誰も近づかせないよう言ってあるので、口を押さえる必要はなかった。
血が床を、壁を、女王を満たしていく。日光を受けた血は鈍く光っていた。
女王は椅子の反対側に回り込み、やはりためらいのない、むしろ慣れた手つきで、残った片腕にもナイフを突き刺した。噴水が二つになった。
「いやぁぁあ!」
次いで少女の首を掻くと巨大な噴水が前に向かって吹き、とうとう少女は痙攣したあと動かなくなった。
「神よ」
女王は長く続くこの儀式に一種の快感が芽生えていたが、この発言はそれによる副作用では決してない。事実、神はいるのだ。
「その血を確かに受け取った。今日も夕焼けが訪れるだろう」
遠くから鳴り響く鐘のような声。それはまぎれもなく神から発せられたものだった。
少女からあふれ、床に広がった血液が、ふわりと浮いた。女王は一歩退いて、天に向かってゆく少女の無垢な血液を見送った。
後に残ったのは、真新しい傷口を三つ携えただけの、絶命した少女の姿。血は一滴も残されていなかった。
「ありがとうございます」
女王は沈黙した少女に口づけした。これに関しては、快感が生じさせた副作用によるもので間違いない。
別に儀式は、このような少女に限定されたものではない。男でも、女でもいい。若さも関係ない。
血を捧げれば、神から取り上げられた夕暮れが訪れる。それは女王にとってこの上ないほど重要で、それに付き合わされる民衆には苦難の日々だった。
330 :
女王様の夕暮れ2/6 ◆t5e3bWrwqQ :2008/11/16(日) 20:55:34.67 ID:IJMjqu3g0
「サラが、死んだ」
茜色の景色が窓から見える。ここはとある村の酒場。
他にもいくつも村があり、酒場があるが、やけ酒に溺れる人々以外に、酒を飲みに来る者などいなかった。
女王が人を殺すと、夕暮れが訪れる。つまり夕暮れが訪れた時、衛兵に無理やり連れて行かれた人の死はすべての村、町に知らされるのだ。
夕暮れは、人々の悲しみを育むのには十分すぎる要素を持っていた。
「もう我慢ならない。あの子は、とても元気だった……無邪気で、この村も、あの子のおかげで少しは明るかったのに……」
村人の犠牲の果てに見る夕暮れなど、いらぬ。女王以外にしてみれば、この意見で全員一致するところだ。
「家族はどうしてる?」
「夕暮れが訪れた後、全員自殺したってよ。死体は衛兵が運んでいった。こんな世の中にもともと希望もなかったんだ。
そんな中で自分の娘が殺されたとあっちゃな。俺だって死ぬさ」
「……それじゃ、明日から数えて三日は誰も死なないか……くそっ」
神が人々から夕暮れを取り上げた時、それを真っ先に止めに入ったのが女王陛下だった。
当初は神になにかしらの要求をするなど、と民衆は恐れと尊敬の念を五分五分に持って女王を見守っていたのだが、
交渉の末の結果は、民衆に呆れと恐怖を起こさせるだけだった。
それは建国記念日、国中の者が集まる一大イベント。女王の演説の時だった。
「一日の夕暮れにつき、一つの命。夕暮れのために血をささげた者には、一生の名誉を与える」
命と引き換えに得られる一日分の茜色の景色。誰もが言う。そんなのいらない。
神の尊大なる御意志、栄誉ある死、などという言葉の影に隠れて、隠されたルールがあることも日を追うごとに民衆に筒抜けになっていった。
恐らく女王は神にこうも言っているのだ。捧げた者の家族の血も、夕暮れと引き換えにしてほしい、と。
女王によれば、引き換えの間という、城のどこかにあるという部屋で流れた血しか夕暮れと交換できないということだった。
引き換えの間に連れて行かれた者の家族が後を追うように死ねば、なぜかその死体は衛兵が取りに来る手はずになっている。
生まれ育った村の墓地で安らかに眠れることはない。
女王は人の感情さえも利用し、夕暮れを見ようと躍起になっていた。
「早く反乱を起こしたいぜ。もうサラのような存在を死なせたくない。あの女、てめぇの都合で俺たちの命を弄びやがって」
女王は血を捧げてくれる者へせめてもの償いにと――それはまるで人々の共感も納得も呼び起さなかったが――なぜ自分が夕暮れに固執するのかを話した。
私は早くに夫に先立たれ、もはや心臓が動くだけの、魂のない存在になり果てていた。
そんな中で彼に出会った。その町の青年に私は目を引かれ、女王という身分がありながら、その青年に恋をした。
だが彼も死んだ。神に、地獄への導きを受けた。私が女王という立場にありながら、王に対し一生の愛を注ぐ誓いを立てておきながら、
その青年に恋い焦がれてしまったからだ。私の罪は国の罪。
神は残った私から罰として、夕暮れを取りあげた。私の国の、私の夕暮れ。誰にも渡したくない。
331 :
女王様の夕暮れ3/6 ◆t5e3bWrwqQ :2008/11/16(日) 20:56:28.44 ID:IJMjqu3g0
民衆にしてみれば身勝手この上ない。というわけで、この演説が終わった後、民衆の間ではすぐさま、水面下での反乱計画が推し進められていた。
決行の日は近く、ある合図とともに始まる手はずになっていた。
みなぎる闘志をそのままに、村人たちの話題と言えば、もう女王以外になかった。
「女王がなぜあそこまで夕暮れに固執するか、知ってるかい?」
「いんや。元々わがままな性格が鼻につく女だった。あの日の演説の通りなんじゃないのか」
「それがどうも違うらしい。ある衛兵が話しているのを盗み聞いたのだが、どうやら女王は、
例の青年が生きていた時、そいつから魔法の宝石をもらったらしいのだ。
その宝石は手鏡ほどの大きさで平べったく、夕暮れの光を受けた時のみ、ある反応を示すという」
「それはどんなだ」
もったいぶる男を、他の村人は急かした。
「例の青年の姿が、その宝石に浮かび上がるらしい。どんなに遠く離れていても、その宝石を夕暮れにかざせば話せるということだ」
「つまり、例の青年もその宝石を持っているということか」
「そうらしい」
「その青年と話すために、関係ない人々の命を奪っていると、そういうことか」
「そうらしい」
「しかし、その青年はもう死んだろう」
それで宝石の話を持ってきた男は口をつぐみ、酒のつまみ話を打ち切った。
どんなに最もらしい噂話でも、どんなに胡散臭い噂話でも、もはや民衆にとってはどうでもよかった。
あの女が俺たちを苦しめている。それだけの事実がはっきりしている今、疑念も同情も湧く余地はない。
そして、決行の朝がやってきた。
「アレクラ・サンドロス。前へ」
衛兵が叫んだ。今、村の広場には村人が全員整列している。衛兵は数人で、いつものように、暗い雰囲気で名を呼んだ。
それはせめてもの、自分も女王陛下の横暴ぶりにはほとほと困っているのだという意思表示だった。
アレクラは村の老人だった。列を縫い、衛兵たちの前に出る。
「アレクラ・サンドロスだな。城へ連れていく。夕暮れのため、女王のため、果ては国のために、血を捧げるのだ」
衛兵が言い終え、後ろを向いて歩き始めた。ずきずきする胸は、アレクラという老人に対する謝罪の気持ちでいっぱいだった。
「おいっなにしてる――」
他の衛兵の叫びに、その衛兵は一瞬、なにが起こったのかわからなかった。アレクラは、腰に隠していた鎌を振り上げていた。
鎌が衛兵の頭を突き抜ける。その衛兵が最後に見たのは、アレクラの、憎しみにぎらついた視線。
反乱ののろしが上がった。
332 :
女王様の夕暮れ4/6 ◆t5e3bWrwqQ :2008/11/16(日) 20:57:10.82 ID:IJMjqu3g0
「女王陛下! 反乱の規模がみるみる広がっています。城へ民衆が侵入するのも時間の問題です。指示を!」
「できるだけ生け捕りにしろ。それ以外は勝手にしろ!」
アレクラ・サンドロスの一件から数時間、反乱は瞬く間に広がっていた。
城から遠い所にある村々は、手当たり次第に駐屯地にいる衛兵を虐殺していった。
城下町や城に近い村は、もちろん城へ攻め入る。民衆の武器は、おもに農具や包丁など、庶民的なものがほとんどだった。
人数でいえば、村人の方にわずかに分があった。しかし、王国側には包丁やくわなど足もとに及ばないほどの武力がある。
鉄砲や殺戮専用のために作られた剣も、すべて王国の衛兵がふだんから所持している。反乱はすぐに治まる……はずだった。
戦況は、民衆側の有利で進んでいた。
理由は単純。女王である。
夕暮れを見るために必要な血が、無駄に流れてしまう。それは女王にとって避けねばならぬ事態だった。
かといって、これという画期的な案が浮かぶわけでもない。事態は静かに悪化していった。
衛兵は守りに徹し、殺されていった。ついには逃げ始める者も出始め、
民衆の城への侵入は驚くほどスムーズに進んだ。民衆の雄たけびが女王の間まで届く。
自身の死。勝手から生じた報いが、間もなく訪れる。女王はそばに付いていた衛兵までも戦闘に送りだし、
自分は一人そそくさと引き換えの間へ逃げ込んだ。そこは、城で最も人目につかない、天井の開け放たれた部屋だった。
「追い詰めたぞ。女王!」
333 :
女王様の夕暮れ5/6 ◆t5e3bWrwqQ :2008/11/16(日) 20:58:02.07 ID:IJMjqu3g0
しかし、ついには見つかった。それは覚悟のことだった。民衆による反乱で、女王はようやく自分の行いを過ちと認めた。
悪いとわかっていてやめなかったことを、ようやく悔いた。
「貴様がこれまで無慈悲に奪ってきた者たちへの、謝罪の言葉はあるか」
女王は、あの椅子に座っていた。四日前に、あの少女が座っていたイス。いまは自分がそこにだらりと座って、手にはなにかを持っていた。
「なにも」
「そうか。つくづく救えない女だ。まぁ、言っても何も変わりはしないがな。それはなんだ!」
女王は手に持っていた物を掲げた。それは宝石だった。見ているだけで荒んだ心が癒されるような、無色透明の宝石。
手鏡ほどの大きさで、平べったかった。
「……彼との思い出の品。彼と話せるの」
民衆が徐々に椅子の周りを囲っていく。女王はその間も、ぼそぼそと喋り続けた。
「これはね。私と彼の魂を繋いでいるの。だから、彼が死んでも、地獄にいる彼の魂が、私に話しかけてくれるのよ。夕暮れ時に、ね」
女王を囲んだ村人たちは、耳の一切を女王に向けようとはしなかった。
憎しみの耳せんが、彼らの鼓膜を震わせることはしなかった。全員が、血の付いた各々の武器を固く握りなおす。
「でも、この後私も地獄に落ちる。そうすれば彼に会える。そうか。簡単なことだったのね。私も死ねばよかった。
そうすれば、夕暮れなどにこだわる必要はなかった。私もすぐにいく。待っててね」
武器が振りあげられた。そして――
「あ、言い忘れてたけど、一週間血を捧げないでいると、この国、滅ぶから」
振り下ろされた武器を止める暇が、この時の民衆のどこにあったといえようか。
334 :
女王様の夕暮れ6/6 ◆t5e3bWrwqQ :2008/11/16(日) 20:58:52.40 ID:IJMjqu3g0
反乱から数日が過ぎた。残された人々は思いを巡らせる。
最後のあれはウソだったんだ。死ぬ前に虚勢を張っただけだ。
だが、もし本当にあいつの言った通りだとしたら、あと数日でこの国は滅ぶ。それは、絶対にいやだ。
神に交渉しよう。
だめだ。断られた。そういうことができない契約を、女王と神はしていたらしい。
じゃあ、どうすれば……このまま誰も殺さず、賭けにでるしかないのか……。
様々な思いが人々を覆っていった。中には女王の言うことを恐怖心から信じ、秘密裏に血を捧げようとする輩もいた。
また一方では、国を滅ぼそうとする神と戦おうと唱える輩もいた。それは無理な相談だった。
夕暮れを取り上げてしまうほどの存在に、どう勝てというのだ。
いつのまにか、かつて団結していた人々は互いに疑心暗鬼になり、責任の押し付け合いから争いに発展する事態も多くなった。
こんな日々を招いたのは誰だ。女王を殺せば、平和な世の中が戻ってくると思っていたのに。これでは余計にひどいじゃないか。
そしてまたある人は、いけないと感じながらも、こう思うのだった。
女王がなにも打ち明けず、人々を殺し続けていたなら――。
お わ り
335 :
◆t5e3bWrwqQ :2008/11/16(日) 21:00:14.20 ID:IJMjqu3g0
初参加です
よろしくお願いします
336 :
夢夕日(品評会作品)0/6 ◆RlxBNHMmBo :2008/11/16(日) 21:04:39.18 ID:qVZhz28XO
品評会作品投下しまつ
337 :
夢夕日(品評会作品)1/6 ◆RlxBNHMmBo :2008/11/16(日) 21:06:16.04 ID:qVZhz28XO
翌日、太陽が西の空に沈むのを、河原に座りながらボーっと眺めていると、背中に夢がぶつかった。
「また一緒だね」と夢は笑った。背中のギターケースは夕日色だった
○
「夢はなくしたよ」
僕がそう言うと、目の前の名も知らない青年はケラケラと笑った。
「なくしたんですか」
「そうだ。なくしたんだ」
青年は手元のアイスコーヒーをストローで混ぜている。
夕方の喫茶店。西側に面しているこの席にすら、もう夕日が差し込んではいない。
「本当になくしましたか?」
「まあ、ね。僕があまりにも、馬鹿だったから」自嘲気味に微笑む。
青年はまだ、アイスコーヒーをかき混ぜていた。
「飲まないの?」
「アイスコーヒー、嫌いなんです」青年が悔しそうに呟く。
僕はメニューを取ると彼に渡して「じゃあ何か他のものを頼むといい」と彼に勧めた。
「いいです。自分で頼んだものですから」
「どうして嫌いなのに頼んだの?」
アイスコーヒー以外に飲み物が無いわけでは無かった。此処は普通の喫茶店なのだから当たり前ではある。
「夢なんですよ。カッコ良くアイスコーヒー飲むのが」青年がふざけた調子でそう言ったので、私は笑ってやった。
338 :
夢夕日(品評会作品)2/6 ◆RlxBNHMmBo :2008/11/16(日) 21:09:40.97 ID:qVZhz28XO
○
僕はなんともよく分からない、まるで心の中がミキサーにかけられたような、そんな気分だった。
そんな気分で街中を歩いていると、道の隅で猫が丸くなっているのを見つけた。そして、その猫を、じっと見下ろす青年がいた。
私は歩みを止めて、その青年をじっと見る。
「丸くなった猫を見る青年を見る僕」
状況を口に出してみると、とてつもない馬鹿馬鹿しさに愉快になった。
ふと西側の空を見ると、太陽が地平線に半分埋まっていた。もうすぐ夜かと思うと、少し寂しくなる。
再び青年を見る。彼にも夢のようなモノがあるのだろうか? と僕は考える。 考えても、答えは出ない。
青年はしゃがみこんで、丸くなっている猫を見ている。
まだ、じっと見ている。
こんな状況を彼女が見たらなんと言うだろうか、と考える。
「考えてばかりだな。僕は」ため息まじに愚痴のようなものが零れ出た。
僕は、青年に近づく。そして、後ろに立つと、青年に声をかけてみた。
「あそこの喫茶店で少しお話ししないかな?」
青年はこちらを見上げて、まばたきを数回した後で「あなたの奢りなら」と答えた。
なぜか、少しだけ幸福な気分になれた。
339 :
夢夕日(品評会作品)3/6 ◆RlxBNHMmBo :2008/11/16(日) 21:11:59.55 ID:qVZhz28XO
○
僕は少し、幸福な気分だった。
河原で夕日を、彼女と見ているということが、僕の体をカイロのようにホクホクと温める。
「ねぇ。私達が初めて会ったのもここだよね」彼女がそう言い、僕は小さく頷く。
「なんだかさ、そう思うと感慨深いよね」
「そうだね」
少しの間の沈黙。しかし、それすらどこか心地よかった。彼女といるだけで、世界は夢で溢れている。
「夕焼けが綺麗な冬でした」
突然、彼女が話し出す。僕は彼女の方に顔を向けて、何事か、と考える。
「考えることが好きな男と夢ばかりを追う女が出会いました」
ああ、と声に出していた。ああ、そうゆうことか。
彼女の言っていることは、僕と彼女自身の話しだった。
太陽はまだ、沈み出したばかりだったが、夕焼けが美しく、なんだか寂しげだった。
○
僕らの話しを終えた後だった。
「ねぇ。今日で会うのも最後だよね」と彼女が、元気を、レモンのように絞りだした声でそう言った。
「君が夢を拾いに行くなら」
「あなたは本当に来ないんだよね?」
彼女が、今まで幾度となくした質問をまたしてくる。
僕はため息を押し殺し、「うん」と言う。
340 :
夢夕日(品評会作品)4/6 ◆RlxBNHMmBo :2008/11/16(日) 21:13:18.21 ID:qVZhz28XO
僕は彼女に着いてはいけない。それは僕の夢じゃないから。僕の夢は此処にしか、今にしかない。
「……でも、それだと、あなたの夢はなくなるよね」
「仕方ないことだよ」
僕は投げやりに言う。でも、自分で投げやりになりきれていないことにも気づく。
どうでもいいわけ無かった。
「私の夢が叶った瞬間、あなたの夢は潰えました」
「そうだね」
夕日が、そのオレンジ色と赤色のグラデーションを僕らに見せつける。
「私、ずっと考えてたの。どうするか」
「うん」
だんだん、胸が苦しくなってきていた。僕はその胸の苦しみを、彼女の邪魔にならないためには仕方ないことだろ、と宥める。
「そしたら、知り合いの男の子が『考えてる場合じゃないでしょうに』って言ってきてね。
なんか、考えるのが馬鹿らしくなった」
「そう。それで、夢を追うのか」
そう。それで僕は夢をなくすのか。
「うん。追う」
そうか、とかすれた声で僕は返事していた。
悲しみと寂しさで胸が苦しかった。もう、早く終わらせたかった。だから僕は、そっけなく、だけどありったけの思いを込めてそれを言った。
「さようなら、夢」
その瞬間、夢はなくなった。
341 :
夢夕日(品評会作品)5/6 ◆RlxBNHMmBo :2008/11/16(日) 21:15:28.37 ID:qVZhz28XO
○
青年は笑った僕を見て、笑わなかった。
「あなたは、いいんですか?」
まるで全てを知っているようなことを聞いてくる青年に、僕はギョッとした。
「夢を、追わなくて」
「夢は、今から飛行機に乗って東京へ行く」僕は肩をすくめながらそう言う。
青年がため息をついた。僕は、じっと青年を見て、次の青年の言葉を待つ。
「考えてる場合じゃないでしょうに」青年の声が、急に、彼女の声と被さって聞こえた。
「夢は、逃げたりしないし、なくなったりしないんですよ。あなたが、捨てただけじゃないですか?」
それは、私の心の奥にある何かを揺らした。
何か、は私を鼓舞する。「走りだせ!」と叫び散らす。
「知ったような口を……」
「若造の戯言ですよ」
青年は、そう言うとアイスコーヒーをカッコ良く飲んだ。
アイスコーヒーを、カッコ良く、飲んだ。
夢の笑い声が聞こえた気がした。心の奥の何かが、雄叫びをあげた。僕の思考する脳は、白くなって行く。
「ここは僕の奢りでいいですよ」
青年はそう言うと、ニヤっと笑った。
「君は、何者だ?」
「夢の友達」
青年がふざけた調子で言った。
342 :
夢夕日(品評会作品)6/6 ◆RlxBNHMmBo :2008/11/16(日) 21:17:54.15 ID:qVZhz28XO
○
気が付くと駆け出していた。空港に向かって走っていた。夢を追って疾走していた。
間に合え! 間に合え! と、夢が僕にエールを送っている気がした。
空港が、見えてくる。
その時、聞き覚えのあるギターの音が聞こえてきた。
○
息をきらして、膝に手を当てている僕を見た夢が最初に言ったのは「これは夢だ」だった。
「君は夢だろ」と僕が荒い息を整えながら言う。
「夢みたい」
「だから君が夢なんだよ」
僕は腕時計を確認して、彼女に聞く。
「飛行機の時間は?」
「もうとっくに過ぎた」彼女が、夢から覚めていないような顔でそう言った。
「なにしてるんだよ。夢はいいのかよ?」と呆れた感じの声が出る。
「いいよもう。もう一つの夢は、今叶ったから」
「え?」
飛行機の空気を裂く音が聞こえてきた。そして、上空を飛行機が過ぎて行く、その瞬間に、世界はオレンジと赤のグラデーションによって着色されていた。夕日みたいだ、と僕は思った。
「あなたが、来てくれて良かった」彼女が、涙を流しながらそう言う。「来なかったらどうしようかと思った」
「来るに決まってるじゃないか」と僕は嘘をつき、「君は僕の夢なんだから」と真実を言う。
そして僕は微笑み、彼女に言う。
「また夕日を見よう」
糸冬
343 :
夢夕日(品評会作品)7/6 ◆RlxBNHMmBo :2008/11/16(日) 21:19:36.29 ID:qVZhz28XO
おしまいです。
今気づいたのですが、1/6の部分で主人公の一人称が「僕」なのに「私」になってる所がありました。
すいません。
344 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 21:23:49.62 ID:HOS4zm8h0
品評会諦めたからお題くれ
345 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 21:24:53.51 ID:CcX64Pqg0
346 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 21:25:47.63 ID:HOS4zm8h0
347 :
とある男子の影法師 0/2 ◆IPIieSiFsA :2008/11/16(日) 21:26:49.04 ID:CcX64Pqg0
思いついたので品評会に参加。
2レスいただきます。
348 :
とある男子の影法師 1/2 ◆IPIieSiFsA :2008/11/16(日) 21:27:04.96 ID:CcX64Pqg0
学校から帰宅中の俺の前を、一人の女子高生が歩いている。違う高校の女子で、もちろん名前も知らない。一ヶ月ほど前
から帰り道で見かけるようになり、俺は彼女の後姿を見ながらの帰宅を続けている。
彼女との距離は着かず離れず十メートル。初めて彼女を見た時は、もう少し近かった。五、六メートルくらいだったと思
う。どうして彼女との距離が離れているかというと、それはもちろん彼女に気づかれないためだ。偶然にも、俺たちの帰り
道は夕日を背にする。従って影は進行方向へと伸びる。だから伸びた影よりも彼女に近づいてしまうと、その影が彼女を追
い越し気づかれてしまう。この平穏で至福な時間を一日でも長く享受するために、俺は影が伸びるギリギリの距離で彼女の
後ろを歩くのだ。今、俺の影の先端――もちろん頭の影だ――は彼女の踵に重なるかどうかギリギリのラインにある。とい
うのも気づかれたら逃げられそうだからだ。しかも下手したらストーカーと呼ばれかねない。なにかと物騒な世の中だから。
けれど彼女との距離が遠くなるというのは正直、面白くない。ただでさえ変化があるわけでもなく、その上彼女の姿は見
えづらくなったわけだ。しかもそのうち寒さが増してくれば、さらに遠くなる上に彼女もコートを着たりするだろう。そう
なるとますますもって面白くない。
そんなネガティブ思考にとらわれていた俺の頭に、ある思いつきが閃いた。
彼女の真後ろを歩いていた俺はゆっくりと右手を上げて、頭の上に掲げていく。そうすると自然、右手の影は彼女の背中
に映り……っと、危うく彼女の身長を超えてしまうところで慌てて腕を引っ込める。今、俺の右手の影は彼女の背中に映っ
ている。できれば白いブラウスか何かだと見栄えも良かったのだけれど、冬も近いとあっては仕方ない。夕陽を受けてほん
のりと赤く染まる紺のカーディガンに、なんとか黒い影が見えた。
今度はゆっくりと右手を下げていき、僅かに修正。彼女の右足、紺のハイソックスとスカートの間、膝裏と下太ももに影
を這わせる。うまく手の形を変えて、彼女の足を撫でるように。
うっすら赤い白肌を黒い影が触る。その光景に少なからず興奮を覚える。
これは当たりだ。もしかすると新たなジャンルを開拓したかもしれない。歴史に残るかもしれない、俺の名前が。
左足。右足。また左足と対象を変えていき、彼女の足を犯していく。興奮は高まっていき、俺は右手を僅かに上げる。次
の目標は彼女のお尻だ。紺のスカートというのが残念ではあるが、致し方ない。ちなみにこれは探究心ゆえの行動であるか
らして、諦めて欲しい。
まずは影を彼女の右尻に這わせる。影である以上、上手から触れる格好だというのが残念だ。できることなら下手から揉
みたかった。だが、今は悲しんでいる場合ではない。この恍惚の瞬間を堪能しなければ。俺は右手を彼女のお尻の中心、股
間へと動かす。だが、思ったほどの興奮は得られなかった。やはり股間を触るなら下手だと思わされた。
仕方なく影を右尻へと戻したその瞬間、彼女が立ち止まり、くるりと振り返った。遅れて、俺も立ち止まる。
349 :
とある男子の影法師 2/2 ◆IPIieSiFsA :2008/11/16(日) 21:27:22.88 ID:CcX64Pqg0
道路の真ん中で対峙する俺と彼女。恐らくだが、左右の足に影を振っている時に、彼女の足の間から伸びる俺の影が見え
たのだろう。そして不審に思ったのに違いない。まったくもって迂闊だった。興奮のあまり我を忘れていたともいえる。彼
女は怪訝な表情をしていた。無理もない。背後に何かおかしなものを感じて振り返ってみれば、右手を中途半端に掲げた男
子がいるのだ。それは眉をひそめるというものだろう。
だが、今の俺は実はそれどころではなかった。彼女への対応を後回しにして、俺は右手の指を開いたり閉じたりしていた。
そしてその光景に感涙の涙を零しそうになるのを、なんとかとどめる。
右手の指を動かしながら、満足げな顔の俺を見つめる彼女の顔が、ますます険しくなっていく。そして一瞬、目を見開い
たかと思ったら、彼女は自分の胸元に視線をやった。どうやら、気づいたようだ。事の重大さに。
そう、それはまさに天の与えた幸運だった。彼女が振り向き、俺が一歩遅れて立ち止まったことで、右尻を揉もうとして
いた影は偶然にも、彼女の左胸に触れていた。この僥倖を逃すまいと、俺は右手の指を動かしたのである。そしてこの行為
は見事に、影によって彼女の胸を揉みしだくという成果を導いた。おっぱいは、上手から揉むのが良い。
彼女は慌てて両手を胸まで持ってきて、カバンで隠す。こちらを睨むようなその顔は羞恥、あるいは怒りを表すように、
赤く染められていた。そして彼女は一言「変態!」とだけ叫ぶと、踵を返して走り去っていった。
残された俺は影に残る余韻を楽しみながら、変態と叫べる彼女も変態だな、と思った。
―完―
350 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 21:31:15.42 ID:VM/OwghP0
/ / 前スレまでの通常作品、過去スレ、過去ログ、週末品評会、全て編集完了致しました。
__,____
/// |ヽヽ\ /
^^^^^.|^^^^^^
. / | ∧,,∧ / 総作品数:5416作品
|(・ω・`) 総スレ数 :555スレ
/ 0と ) / 現 在 :556スレ目
し─J 備 考 :通常作品にはお題……書いて下さい……お願いします……
351 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 21:37:41.04 ID:CcX64Pqg0
>>350 ねこさんねこさん! まけないで!
てか、前スレ555だったのか。
352 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 21:39:52.92 ID:CcX64Pqg0
353 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 21:44:28.05 ID:43BVynAn0
>>350,352
お疲れ様です。
まとめスレ53レス目、リロードを忘れて被らせてしまいました。
修正をお願いしてもよろしいでしょうか
354 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 21:45:58.08 ID:CcX64Pqg0
>>353 乙です。
555スレ目という節目のスレにポロリとか……
355 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 21:48:46.95 ID:BJLmaTGzO
356 :
【品評会】散歩に行き、帰ってきてコタツに入る 0/3 ◆/sLDCv4rTY :2008/11/16(日) 21:52:53.08 ID:cA8vziL90
きせいされてなきゃ品評会作品投下 三レス
357 :
【品評会】散歩に行き、帰ってきてコタツに入る 1/3 ◆/sLDCv4rTY :2008/11/16(日) 21:53:53.54 ID:cA8vziL90
◎◎◎◎◎◎
まだ雨は止みそうにないらしいと、すこし前、今は男性がニュースを読み上げているテレビのなかの過去の女性に、ぼくはそうきいた。夜。
外は、むこうにたぶんあった赤かった夕陽が、ゆっくりとしずんでからずっと暗いし冷たそう。
こっちの自分の部屋は“温かくもなく寒くもないし、たとえば感触つきのぬるさもなくて、
ただかべが白く普通に明るくて狭い”と僕は考えてた。
木の窓枠をした、カーテンのない窓。小さいな。窓ガラスのむこうに、黒い街、巨大なマンション、
マンションの、人工ホタルみたいな部屋の明かりが見えていたりする、ね。
それ以外にもいくつかの人がたとえば黒く見えていた。光るいっぱいの部屋の明かりのなかにも、人間の黒影がみえる。
窓に向かって、
――よるだ、雨夜だ、と僕はちいさい声で話しかけててみた。かぞえるのはすこしつかれるほどのがある。ほどの数の、明かりだよ。
明かりが雨粒ににじむのは、たとえばカエルの唾液のけはいがほんのりかおるようだねと、頭の皮あたりでちょっぴりそのとき想っていた。
窓ガラスには薄くはんしゃした、こちらの部屋と僕の顔と、そのあからんだ肌と赤いセーターが映っていたりしてる。
さらにその奥のキッチンと、キッチンにおかれた鉄の茶色のヤカンも、実はガラスに反射していて透けた色して映ってた。
そのそれらは、あめ降る曇りのそらにガポツと円い顔をだした、きいろい月をみえにくくする。
窓ガラスにひらいた両手をあてると、ひんやりして妙に、鼻と鼻につながる背骨がむずむずしたよ。
鼻をかんだら、かさをさして散歩にいこう。
僕は二三枚はこからひっこぬいた鼻紙で、かぜぎみの鼻をズルルズかんで、部屋のはしにぽいっと捨てた。
視界の外へわざとすてた。
玄関には赤茶色のぞうりがしまってある。
だから、かささして散歩にいこうよ。
(実はベランダにも、違う色したぞうりがある)
358 :
【品評会】散歩に行き、帰ってきてコタツに入る 2/3 ◆/sLDCv4rTY :2008/11/16(日) 21:55:00.12 ID:cA8vziL90
◎◎◎◎◎◎
夜道のなにもかもが、街のいちぶかも。左右の塀も道もです。
そのいちぶぶんのひとつを、僕は歩いていた。しろい息を吐き吐き、柄をもってビニール傘をずじょうに傾けながら。
ビニール傘はパタパタ鳴っているかんじがしている。
雨ふる道は冷たいような黒色にみち、実際につめたかった。
傘「パタパタ。」
つめたいことを意識すると身体のまだ暖かいしんがキュッと震えてさむくかんじて、また、まだ雨がまちには降っていて、
ぞうりを引っかけただけの裸足はぬれて血液が極端に冷えて凍ってしまい、
つま先は猛烈に紅くなっていた――たけれど、紅くなったことじたいは、痛いけどちょっと面白かったりしていた。つめたい。
――さむい、さむい、とぼくは呟いてみた。
――さむいな、さむいと、たとえばぼくは、そのぼくにこたえるように小さい声をだした。
(窓ガラスはなかったけれど。)
家の中にいたときに、赤いセーターとその上にまた一枚と、それら以外のものを着たり穿いたり履いたりしていた。
すこし前の、ちょっと過去のことだな。
いまはマンホールの上に雀が死んでいる夜の道歩いているけれど、着たのは明るい家にいたときのことだ、ね。
――さむいな、さむいと、じつはけっこう暖かいけどいったんだ。
“雨がやんできて雀の轢死体をみつけたから、家にもどろうかと思った。”
“家にもどろうかと思ったのは、鍵を閉め忘れたような気がしたからだ。”
359 :
【品評会】散歩に行き、帰ってきてコタツに入る 3/3 ◆/sLDCv4rTY :2008/11/16(日) 21:55:46.60 ID:cA8vziL90
◎◎◎◎◎◎
僕はポケットに手を入れて、あたたかい物を探しながら白い息をはいたりしてこういうふうに考えた。
――うーん。だね、こたつを出そうか。
ポケットのなかのカイロは、かじかんだ手をシャーベットみたいな感触であたためてました。
寒かったのです。
家の前までだずだずぼくは歩きつくした。鍵を差さなくてもノブを回せば、音はタキキシと、ドアはのっそりひらいてくれたりした。
やっぱり、部屋のなかのほうが重ねた服より温かいと考えながらそうかんじた。部屋は明るい。ラーメンみたいにあたたかい。
手を洗いながらでるとうめいな息に微妙におもしろさを想ったりした。
タンスから薄めのコタツ布団と電源コードを持ってきて、へやの低いちゃぶ台にくっ付けると、こたつはすぐ出来上がった。カイロはいまやゴミ箱のそこ?
こたつの電源を入れて中をこそりと覗き見してみると、いつか逆立ちしながら見た夕焼けみたいに赤くなっていて、
なんだか僕はふと嬉しくなっちゃったりする。
しせんの先には窓がある。窓ガラスと木の窓わく。
月はいまはもう見えないところに、ある、(ね)。
こたつはあったかい。外の寒さを考えながらじっと、冷たいからだをあっためた。
そうして夕焼けに両手をかざして、ぼくは窓に語りかけた。
「夜の本当の冬がいつか来るかも。」
◎?◎おわり◎◎◎
360 :
◆/sLDCv4rTY :2008/11/16(日) 21:56:34.05 ID:cA8vziL90
以上です
361 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 21:57:41.39 ID:s2x8Im380
なんか今まで少なかった分かなり多そうなヨカーン
今回は見送るか、出来てないし
362 :
朱墨の空 0/2 ◆EtV8DSf6go :2008/11/16(日) 21:59:14.35 ID:ePBC93yY0
品評会の作品を投下します
363 :
朱墨の空 1/2 ◆EtV8DSf6go :2008/11/16(日) 21:59:43.32 ID:ePBC93yY0
あなたはどなたと母が言った。
私がまだ幼き頃の、暮れなずむ秋空の下で、母は私にそう言った。
勘違いはしないで貰いたい。母は私を忘れた事などなかったし、決して当時の私を見
失っていた訳でもないのだ。今の私ならば、そうであったと断言できる。
母は幼き私を連れて、当時はまだ活気に満ちていた小さな町の商店街へと出向いてい
た。夕餉の支度の買い物と思ってのことだろう。その行動は常のことであった。
当時の私にとって、それは日頃の楽しみの一つであったし、当時の母にとっては日頃
の鬱屈の一つであったのだろう。愛されていなかった訳ではない。ただ、可愛いとする
だけで全てを許容するには、ごく一般の子供が無邪気にもそうであるように、私もまた
手が掛かり過ぎたのだ。
恐らくは彼女が優し過ぎたせいだろう。私が生涯のこれまでを振り返ってみても、母
は私を窘めることこそあれ、怒鳴ることも、小突くこともなかった。そのような母だか
らこそ、その手を離してそう言ったのだ。傲慢にも我が侭に、癇癪を起こして物をねだ
る。そんな私を諌める為に、母はあなたはどなたと言いつつその手を離したのだ。
掌の涼しさが、何よりもまず先に感じられた。別段、離された手が風に撫でられた訳
でもないのに、掌の内にあった温かさは消えた。
霧散した熱がまだ眼前の空間に漂っている錯覚に囚われて、私は咄嗟に握り拳を作り
上げた。あたかも逃げ行く温もりを追うが如く、何の手応えもない虚空を掴んだ。
やはり、そこに温もりは残されていなかった。
そうして遂に喪った事を知り、幼い私は身を打ち震わせた。温かさを失ったとの自覚
が、同時に寒さを自覚させたのも確かにあった。だがそれよりも、私は独りであること
に恐れを抱いてたように思う。
商店街は賑わっていた。
雑踏の中で母の温もりを見失った私は、寄る辺を持たぬ一人の幼児に過ぎなかった。
幾多の店構えから響く店主の声も、婦人達の品定めをする呟きやすれ違い様に掛け合
う社交辞令も、子連れの親子の賑やかなやり取りも、通り掛る女子達の嬌声も、全ては
私を素通りして雑踏の喧騒に溶けていくのだ。
364 :
朱墨の空 2/2 ◆EtV8DSf6go :2008/11/16(日) 22:00:00.32 ID:ePBC93yY0
あまたの買い物客は、私の横を通り抜ける時には、魚の生臭さや青菜の香り、揚げた
てのコロッケの油の匂いや、きんぴらゴボウの味醂の香りなどを残していった。いずれ
食卓に並ぶであろうそれらの香りはどれも、お節介にも夕餉の団欒を私に思い起こさせ
てくれた。
団欒の光景を思い起こせば、そこでの私は家庭の温もりに身を包まれていたと知る。
知ってしまったからには、温もりを喪失したままの団欒もまた有り得ないと理解した。
幼子であった私が、そう理詰めで答えを出せた訳ではなかったが、身近を通り過ぎる
食卓の香りに喚起されて次々と思い浮かぶ団欒の、そのどれからも母の存在を掴めず、
そのことに薄ら寒さを覚えていたのは、やはりその答えに辿り着いていたからだろう。
孤独に怖じて家に帰りたいと思い、次の刹那にはその思いにすら怖気が走った。家に
帰りついた私と、誰も居ない家ばかりが想像できたからだ。
勿論、私はそのまま母を見失ったままでいたくはなかった。だが、己が帰すべき繋が
りを求めて顔を上げても、明瞭に見て取れるものは無かった。
朱墨を煮詰めたような赤い色が空にあった。夕陽を背にした母を見上げても、そこに
あるのはただの黒い人型の影に見えた。
幼い私が孤独に震えながらも、それでもすぐに母に縋り付けなかったのは、母の表情
が判然としなかっただけが理由ではない。夕暮れの薄闇を、そこだけいや濃くしたよう
な見慣れぬ昏さは違和を感じさせ、私はこれは本当に母なのだろうかとの疑念を覚えて
しまったからだ。
母に似た誰かとも、人に似た何かとも、疑れば答えの出せない影がそこにあった。
だからこそ、私はそこで成す術なく立ち竦んだまま、母が私を抱きしめるまで、声も
出せずに怯たまま涙を流すことになったのだ。
抱きすくめられ、確りと母を感じることが出来て、ようやく私は声を上げて泣けた。
ごめんねと母も涙ながらに言うので、私は堪らなくなって更に泣いた。
誰ぞ彼とわれをな問いそ、と始まる一首の恋歌が万葉集に収められている。誰ともつ
かぬ人影の、正体が定かには見て取れなくなる薄闇の頃に人を待つ。その句に篭められ
ている思いとは、きっと絆の深さを意味するのだろうとは理解はできる。
だが、その句によって私が心温まる思いを抱くことはない。
私のとっての誰ぞ彼の頃――黄昏時はまさにあの時のことであったのだから。
365 :
◆EtV8DSf6go :2008/11/16(日) 22:00:36.09 ID:ePBC93yY0
以上です
366 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:10:40.29 ID:cA8vziL90
367 :
◆pkHvZT49GM :2008/11/16(日) 22:12:51.71 ID:2oyKQ9MP0
品評会、初参加作品投下します。
題 : 朱に染む
レス数 : 4
368 :
朱に染む(1/4) ◆pkHvZT49GM :2008/11/16(日) 22:13:32.80 ID:2oyKQ9MP0
赤い。
赤焼けというものを、ときおり血のようだとか比喩する者がいるが、
それは実に愚かしく、物事を純然たる事実と理解していないのだろう。
暮れなずむ紅とは、南瓜の煮つけである。
実の中心部、種の周りがほろほろに崩れるほどに甘く、
母が椀をちゃぶ台に運び置く昔日を想起するほど胸の裡がざわつくのである。
369 :
朱に染む(2/4) ◆pkHvZT49GM :2008/11/16(日) 22:14:09.32 ID:2oyKQ9MP0
私はそう考えている。
この部屋で。この、血にまみれた部屋で。
立ち尽くし、ひとつ思う。この血は甘いのだろうか。まるでトマトジュースのようだ。
濃厚にすぎる繊維の強いものではなく今はまださらりと、
フルーツトマトを絞ったかのような芳醇な香りが立ち上りそうだ。
まあ、すぐに赤黒く粘性の高い、まずそうな液体へと変わるのだろう。
窓外が黝く沈み込んでいく。
人々はよく勘違いをする。人が人を殺すのに、理由はいらない。
魚を捌くのに、理由がいるだろうか。鶏肉を切り刻むのに理由がいるだろうか。
豚を解体するのに理由が。羊を微塵にするのに。鹿を。鯨を。
食べるため、生きるため、というのはお為ごかしに他ならない。
私たちは食べること生きることを自覚するほど逼迫してはいない。
本質の間に二次的理由が介在し、転倒する。
想いを深めるためのセックスが、次第に想いを押しのけて快楽だけを求めるだけになるように。
食べるために人は殺さない。生きるために殺さない。
370 :
朱に染む(3/4) ◆pkHvZT49GM :2008/11/16(日) 22:14:57.92 ID:2oyKQ9MP0
二次的理由の介在の他に、形骸化がある。
世界各地に存在する祭りが、宗教的ドグマをなくし、ただの宴と変遷するように。
屠畜家は牛たちを、誰かが生きるために食べるだろうと思い馳せ、胸を熱くしない。
まったく、屠畜家自身が路頭に迷わないためだ。
その程度のことなのだ。
夢を抱き上京した若者が、零細企業に就職し、
恙ない生涯を終えていくように、志をもった者とて勢を削ぐ。
志、抱かぬ者は、そもそもより理由を求めない。
実に機械然とした作業的な生命体が、この世にはうようよと蠢いている。
この陰鬱たる木枯れの街にも、闇黒が世界を占めるように蛆の這うがごとくに犇めいている。
蛆は、存在意義を考えない。ただ、生きるのである。だから、ただ死ぬのである。
そこには感慨も思惟も存在しない。
371 :
朱に染む(4/4) ◆pkHvZT49GM :2008/11/16(日) 22:15:46.14 ID:2oyKQ9MP0
おそらく一般人には理解できないだろう。だからこそ、それが真理真実たりえるのだ。
この煩わしい世に、いったいどれほど有識の者があろうか。
さんざめく機械音の響く界隈に、私以外にいようものか。
赤く回るライトに景色づけられたこの建物に誰がこようと、私が間違っていることなどありえない。
ドアの向こう、廊下で騒がしい足音と怒号が響く。
「犯人は銃をもっている! 油断するな!」
警官たるもの、犯人に気安く情報を与えてはいけない。だから愚かだというに。
私が顳?に銃口を添えると同じくして、ドアが跳ねた。振り返る私は、ひどく破顔していたに違いない。
- 終 -
372 :
◆pkHvZT49GM :2008/11/16(日) 22:16:51.88 ID:2oyKQ9MP0
以上です。
不備がございましたら申し訳ありません。
373 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:18:22.00 ID:4pml6frd0
>>372 最後文字化けしてね?
あ、誰かお題お願いします。
3つくらい
374 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:19:55.56 ID:2oyKQ9MP0
>>373 あ、マジだ。
じゃまさにその言葉。
こめかみ
375 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:24:30.08 ID:CcX64Pqg0
>>366 そのまま続けてもいいんじゃない?
2レス目をちゃんと15にすれば。
377 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:26:43.70 ID:ePBC93yY0
378 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:27:24.58 ID:2oyKQ9MP0
最後さ、「終」「完」「了」とかじゃなくて
「満」にしたかったんだが、
わかりにくいからやらないほうがいいか?
379 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:27:45.12 ID:YJSskLCN0
380 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:27:54.10 ID:CcX64Pqg0
とか言ってたら修正されてたw
乙ですー。
381 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:28:27.55 ID:ePBC93yY0
とおもったら、消してもらってた……
382 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:29:10.25 ID:CcX64Pqg0
>>378 それも含めて作品なんだから、思うようにするといいと思うよ。
最後かどうかは本文とレス数でわかるだろうし。
383 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:32:15.66 ID:ePBC93yY0
取り敢えず、自分の分は貼ってきました
普段纏めてくださっている方、纏めようとして下さった方、修正してくださった方
みなさん、乙です
384 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:32:28.12 ID:43BVynAn0
修正ありがとうございます
385 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:34:38.93 ID:2oyKQ9MP0
>>382 そっか。サンクス。
とはいえ奇を衒うのもほどほどにしとく。
386 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:36:13.81 ID:4pml6frd0
387 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:36:14.96 ID:YJSskLCN0
品評会用の作品を投下します。
388 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:36:31.99 ID:cA8vziL90
修正どうもです
389 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:36:39.42 ID:CcX64Pqg0
またsage外し忘れとか……
とりあえずまとめ完了。
390 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:38:18.44 ID:YJSskLCN0
「なぁ、夕焼けの会に行かないか?」優太郎がそう聞いてきたのは、11月の肌寒い午後のことだった。
窓辺から見える空は抜けるように青かった。秋の青空は夏の青空のように濃厚ではなく、どこか霞んでいる。首元を冷たい風が吹き抜けていく。
「夕焼けの会?」「そう、夕焼けの会」「何するの?そこで」「わからん」
「なんだそれ」「でも、なんか面白そうじゃない?」「うーん…」
僕が言い淀んでいると、4時間目の開始を知らせるチャイムが鳴った。僕たちはまた後で、と自分の席へ着いた。
彼と僕が知り合ったのは今年の5月の頃だ。クラスに溶け込めず、本ばかりを読んでいる僕に彼から、声をかけてきたのだった。
「そういえば何で声かけてきたの?」と以前、聞いたときがあった。
普通の楽しい、明るい人なら僕みたいな人間にはまず声を掛けてこなかっただろう。
しかし、彼はまさにその僕に声を一番欠けてきそうにない奴だ。いつもクラスの中心にいて、楽しくて、聡明で、太陽みたいな。
彼は笑顔でこう答えた。「面白そうだったから、普通の人間ってなんか面白くないんだよね。」
放課後、優太郎は僕の席に飛んできた。日はだいぶ傾いて、もうすぐ夕焼けだ。
「さ、行こう。今日の夕焼けはきれいなりそうだ」「そうだな。で、どこでその会はあるんだ?」
「確か北校舎の屋上らしいよ」「北校舎、本当に?」
北校舎の屋上は普段は立ち入り禁止になっているところだ。入学式の日の校舎見学で一度だけ入ったことがあるが、そこは本当になにもない、淋しいところだ。
「まぁ、いいじゃないか。行こうよ」彼はそういった。
391 :
夕焼け 2/5:2008/11/16(日) 22:40:31.13 ID:YJSskLCN0
あ、タイトルその他を入れるのを忘れました。ごめんなさい。
僕たちは北校舎の屋上についた、錆ついてうらぶれた扉を開ける。3人、先客がいた。僕たちはその人たちのもとへ行く。
数学の吉岡先生と化学の西先生と、知らない女子だ。女の子は紺色のカーディガンを羽織って少し、寒そうにしていた。
西の方の空はもう色づき始めている。燃えるような美しい赤だ、炎とは違う悠々とした赤。
「夕焼け会はここですか?」優太郎が訊ねた。
「そう、でもちょっと、違います」吉岡先生が答えた。「なにがですか?」「夕焼けの会じゃなくて、夕景大学です」
「はい?」「夕焼けを見ながら、みんなで講義をうけるんですよ。毎回先生を決めて」
「あれ、緑閃光の会じゃないんですか?」西先生が口をはさむ。
「何をおっしゃるのですか、これは夕景大学ですよ。西先生も何度も講義をなさったではありませんか」
「そうなのですか、知りませんでした。でもなぜ、夕景大学なのですか?」
「夕焼け大学では、なんだか子供っぽいではありませんか」「緑閃光ってなんですか?」優太郎が口をはさんだ。
「緑閃光とは赤系統の光より大気中の屈折率が大きい青系統の光が浮き上がり、沈みかけた太陽が最後に放つ光が緑色に見える現象のことだよ。
つまり、日が沈むほんの一瞬だけ、太陽の上の方が緑色に光る現象のことなんだ」
「よくわかんないけど、すごいですね」「うん、生きてるうちに一度見れたらラッキーだね。僕はそれを見たいんだ」
西先生は眼を輝かせながらそう言った。
392 :
夕焼け 3/5:2008/11/16(日) 22:41:55.26 ID:YJSskLCN0
その日の講義は吉岡先生によるインターネットの話だった。全然数学に関係ないじゃないか、と優太郎は笑った。
「数学の先生は、数学で考えるだけの機械ではありません。確かに若かった頃の私はそうだったかもしれない。
でも、私は人間ですからいろんなことを感じたり、考えたりするのですよ。」
先生は熱心に講義をしていたが、僕は先生の話を聞かずに、ずっと夕焼けを見つめていた。
講義は一時間くらい続いた。途中優太郎が先生の話を聞け、と足を踏んだりしたが僕は気にしなかった。
その間に、夕焼けは燃え盛り、果てていった。僕は夕焼けに少し、心を奪われて感傷的な気分になっていた。
吉岡先生の講義が終わった後、僕たちは職員室でココアを御馳走になった。
温かいココアをすすりながら、優太郎は先生にいくつか質問をした。
夕景大学とよばれるその奇妙な集会はもう40年も続いてるらしかった。40年も続いているけど、その会の存在に気づいている生徒はあまりいない。
校舎建て替えの時に一時期途切れたらしいけど、今でもちゃんと、続いている。
2丁目の交差点で僕は優太郎と別れた。優太郎はそこからバスに乗って自宅に帰る。
僕はそのまま歩いて帰宅した。夜になって雲が出てきたせいで、その日の夜は濁っていた。
僕たちは年末までの間、夕景大学に参加した。都合が悪くなっていけなかった時もあったけど、そうでない日は必ず参加した。
毎回、来る人が違った。顔を知っている先生から顔の知らない上級生まで、用務員のおじさんが参加した時もあった。
そのたびに僕は様々な講義を受けた。吹奏楽についての講義、テニスについての講義、時刻表についての講義、科学についての講義、そして男と女についての講義。
どの講義も興味深く、面白かった。塞ぎ込みがちで無知だった僕にとって、それはいい刺激になった。
今年最後の講義は西先生の「バッハのフーガについての講義」で締めくくられた。
そして、大学は冬季休校になった。
393 :
夕焼け 4/5:2008/11/16(日) 22:44:00.04 ID:YJSskLCN0
優太郎が死んだと聞いたのは、1月の半ばのことだった。
交通事故だったそうだ。横断歩道を渡ろうとして信号無視のトラックに轢き潰された。文字通り、轢き潰されたのだった。
僕にとってそのニュースは致命的なまで衝撃的だった。いや、クラスにとっても致命的だったのかもしれない。
ひとつだけぽつんと空いた空席は、重たい声で彼の死を呟いていた。
しかし、その重たい声も数週間のうちに完全に他の生徒の耳には入らなくなって、以前と同じ穏やかな空気が流れるようになった。
僕だけはその空気から完全に取り残されていた。いつまでたっても優太郎のことを忘れることができなかった。
彼が最期にどんな顔をしてトラックに轢き潰されたのかが僕には分った。寝ている間に夢で彼の顔が引きつる瞬間を僕はありありと見ることができた。
トラックが静かに彼の体を、顔を引き裂いていくのが見えた。そして、彼の体が死の直前にぴくりと動いたその瞬間に目が覚めるのだった。
時計の薄緑の電光が薄暗く光った。
僕の精神は寝不足と疲労により、限界に達しようとしていた。眼の下の隈はどす黒くなり、体重は2キロほど落ちた。
僕はその日、ふらつく足取りで夕景大学へ向かった。そこにいけば何か、変わるかもしれない。そんな気がした。
初めて来た時と同じ人たちがそこにいた。吉岡先生、西先生、あと名前を知らない女子。
僕の顔を見ると吉岡先生が言った。
「だいぶ疲れているみたいだね」「はい、しんどいです」「顔色が良くない、このまま帰宅したらどうかね?」
「いえ、今日どうしても話したいことがあるのです」「優太郎君のことだね?」
「はい」「いいでしょう、今日はあなたが先生です」
僕は優太郎のことを話した。彼の外見のことを細かに説明し、クラスではどんな生徒であったかを話した。
そして、僕にとって彼がとても大切な友人であったことも。彼の轢き潰される瞬間が夢に現れることも。
途中冷たい風が何度か吹いた。野球部の掛け声やトロンボーンの音が地表を流れていく。
394 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:44:45.47 ID:ePBC93yY0
さ……さる?
395 :
夕焼け 4/5:2008/11/16(日) 22:45:19.20 ID:YJSskLCN0
僕が講義をしている間、3人はとても静かだった。
「これで今日の講義はおしまいです」、と僕が言おうとしたときだった。
どこからか僕を呼ぶ声がした。僕はフェンスの下を見下ろした。
優太郎がいた、優太郎が手を振って僕を呼んでいた。笑っている。
僕が気づいたのを確認すると、優太郎はある方角を指差した。
「君、御覧なさい!」
吉岡先生が声を上げた。僕は驚いて顔をあげた。
沈みかけた太陽の上部が緑色に輝いている。今まで見たこともないような神秘的な緑だ。
沈みかけた太陽の残り香、真紅の傷。
揺らめく緑はまばゆく輝き、そして果てていった。
僕たちはしばらく黙りこんで、その感動を反芻していた。
胸が暖かくなって、涙が出そうになった。この感動を優太郎に伝えたくなって、下を見た。
しかし、優太郎はもうそこにいなかった。
僕は声を上げて泣いた。
「優太郎君をみたのですね?」吉岡先生が優しく声をかけてくれた。
それ以来、僕は悪い夢を見ないようになった。彼が僕の悪夢を運び去ってくれたんて陳腐なことを言うつもりはない。
でも、彼は僕に緑閃光のことを知らせてくれたことは、確かだ。
終わり
396 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:45:54.72 ID:CcX64Pqg0
>>395 ID:YJSskLCN0氏はトリップをつけてね。
いらないなら、いらないと言ってください。
返事がないのは駄目です。
あと、本文以外は余計なものは入れないこと。
たとえそれが謝るものや断るものであっても。
話の中に入り込んでいるのに引き戻されてしまってマイナスになる。
397 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:46:52.71 ID:43BVynAn0
規制スレより転載
400 名前:文才無しさん[] 投稿日:08/11/16(日) 22:42:14 ID:0eee9+PP
朱に染む(4/4) で文字化けしたのは 顬 かと思う 本スレで作者に確認してほしい
ユニコードから &#x986C;(アンパサンドを半角にする) で書けるはず
作者に確認した上で、可能なら修正したほうがいいかと
398 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:48:56.97 ID:CcX64Pqg0
>>397 あ、これのことまったく失念してた。
ごめんなさい。
ちょっと落ち着いて風呂入ってくるわ。
399 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:48:58.34 ID:ePBC93yY0
お題下さい
400 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:51:49.58 ID:Gsm4cH9/0
今回の投稿者に多いから書くけど、
誰かが直してくれるから、投稿するときはとにかくぽんと送信しちまえばいいや
っていうやり方はやめなよ。
自分の作品なら自分でちゃんと責任持てよ。
人から面倒を見てもらうことを前提にするな。
401 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:53:08.50 ID:CcX64Pqg0
402 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:53:46.40 ID:YJSskLCN0
403 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:54:33.92 ID:ePBC93yY0
>>400 失敗しそうだから、普段は怖くてやらないチキンな自分にも耳に痛い orz
>>401 はあく
404 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 22:57:28.44 ID:CcX64Pqg0
◆pkHvZT49GM氏
件の文字化けをどうしますか?
ちなみに今はっこに投下されたまま転載されています。
>>397を参照して判断してください。
>>402 トリップはいるのかいらないのか、どちらか教えてください。
405 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:00:08.00 ID:VM/OwghP0
言いたい事は
>>404で述べて頂けたので、とりあえず……
適当に投下したのなら問題ですが、真剣にやって失敗したのなら……喜んで、修正しますとも。
____ さて、仏滅の夜も23時を回りました。
∧,,∧ /__ o、 |、 これ以降品評会作品を投下する方は、予約の上指示に従って投下して下さい。
(´・ω・`) | ・ \ノ 予約条件は「レス区切りまで終わり、後は投下するだけ」の状態であること。
( o旦o | ・ | 予約締切は23:30ですがかけ込み予約と予約キャンセルは危険ですのでご遠慮下さい。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
では、どうぞ。
406 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:01:55.86 ID:CcX64Pqg0
現時点でのこのカオスっぷり。
三十分後には何人死んでるの?
407 :
◆VrZsdeGa.U :2008/11/16(日) 23:06:13.27 ID:lIVFt1+50
投下します
408 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:06:56.83 ID:VM/OwghP0
◆VrZsdeGa.U氏、どうぞ。
【順番】
−−−
409 :
黒猫と鴉 1/5 ◆VrZsdeGa.U :2008/11/16(日) 23:07:41.94 ID:lIVFt1+50
西に目を向けると、日が今にも山影へ姿を隠していく様子が見えた。
辺りは夕暮れの短いひと時を味わうように茜色に染まり、秋の中に微かに残る暖かさが感じ取れた。
空にまばらに散る雲に遮られることなく、悠然と沈んでいく斜陽を眺めていると、
ふと、その円い光の中に黒い斑点のようなものを認めることが出来た。
それは後ろの光とのコントラストを強めながら、次第に大きくなっていくように見える。
いや、こちらに近づいてきているのだ。
鴉だ。しかも、群れではなく、たった一羽の。漆黒の体を茜空に泳がすように羽ばたいていたかと思うと、
鴉は目的を見つけたように瓦葺きで出来た家の屋根に止まり、羽を休ませ始めた。そして嗄れた声で鳴くと、
それに呼び寄せられたように家の縁側から、黒い体毛を備えた猫が姿を現したではないか。
「おや、久方ぶりですね」
「冬自宅で忙しかったものでね。まぁ、毎年のことだ」
慇懃な口調で声をかけると、猫は軽やかな身のこなしで鴉の止まる屋根へと上って行った。
「なんだね、そろそろ君もこたつの中で丸くなるころか」
「はぁ、おかげさまで」
そんな会話を交わしながら、猫は鴉の許へ近づいて行った。
猫はこの家に飼われており、かれこれ五年近く生きている雄だという。出自は判然とせず、
里親を求める中で引き取られたような覚えもあるし、捨てられていたところを拾われたような気もする、
とは、本人の述懐である。一方、鴉はもう十度程冬を越しているとのことであった。
彼らが出会ったのは今年の春頃、猫が屋根に上り日向ぼっこに心を任せていると、
突如この鴉が舞い降りてきた。猫が驚嘆のしたのは言うまでもなく、
何しろその羽をいっぱいに開いた時の姿と言ったら、己の体より一回りも二回りも大きく見え、
大きく突き出た嘴は威圧感がありありと窺えた。捕まえられどこかに連れて行かれては敵わん、と
すぐさま体を背け、今にも屋根からえい、と飛び降りようとしたその時である。矢庭に後ろから、
「ちょっと、ちょっと待ってくれ!」
という声が聞こえてくる。恐る恐る振り返ると、先程の印象はどこへやら。
弱り入ったような表情を浮かべる鴉の姿があった。
410 :
【品評会】黒猫と鴉 2/5 ◆VrZsdeGa.U :2008/11/16(日) 23:08:46.92 ID:lIVFt1+50
その後話を聞くには、群れからはぐれてしまって、術無く辺りをぐるぐると飛んでいたところ、
屋根の上で横になっていた猫が目に入ったから、降りてきた、とのことだった。
そして、群れに合流するまでしばらくここに止めてほしい、と聞いた時、鴉も寂しがる時があるものか、と
当初、猫は訝しむ目を向けていた。しかし、群れを待つ間、両者の間では思いのほか会話が弾んだのである。
やがて夕方になると、鴉は群れに見つけらて貰うことが出来、猫に礼を告げ去っていったのであるが、
味をしめたと見え、後日猫が屋根で日に当たっていると、先日の鴉が再び姿を見せた。
こうした経緯を以て、彼らは知己の間柄となったのである。
家の敷居に面した路地から、大きな声が聞こえたので、猫はそちらへと目を向けた。
主人の孫と、数人の友人と思しき子どもが肩を並べ歩いているのが見え、
何が楽しいのか、各々の顔には笑みが浮かんでいる。
「お宅の孫はいくつかね」
カラスの視線も、下に向いていたと見え、そう訊いてきた。
「今年で十歳になると聞きます」
「ほう、すると僕と同じくらいの歳か」
「そうはおっしゃいましても、人間のそれと我々のそれでは大分訳が違いますから……」
猫がそう補うと、鴉は何か思い当ったることでもあったのか、上を向いて、
「そういや、君の同族もそんなことを言っていたねぇ。人間と猫では知能の発達が違うとかなんとか」
そう言いながら、考えを巡らしているように見えた。
しかし、猫にとってはそう言われても、何も思い当たる節がない。はて、などとはぐらかしていると、
「ほら、あの小難しいことばかり書き連なっている、あの猫が語り手の本のことだよ」
と言われ、猫の思考は完全に繋がった。
「あぁ、夏目何某という作家の書いたあれでございますか」
「そうそう、吾輩はうんたらかんたらという本だ」
またこの手の話か、と猫はいささか飽き飽きした顔を表しそうになった。
411 :
【品評会】黒猫と鴉 3/5 ◆VrZsdeGa.U :2008/11/16(日) 23:09:35.59 ID:lIVFt1+50
この鴉、猫にとっては付き合いやすく、気の置けぬ性格を持っているのではあるが、
いかんせんインテリ振る悪癖があるのだ。ただ博識というだけなら年上ということもあり、
無償で敬意を払うこともできる。だが、話の流れに関わらずそうした話題を持ち出すだけに、
彼としてはいつ顰蹙の面持ちを表してもおかしくない事情があった。
「しかしあれだね、あんなに口の達者な猫がいるもんかね」
「さぁ……人間の書いたことではありますし」
とはいえ、相手の機嫌を損ねるわけにもいかず、彼は仕様がなくおもねる様な作り笑いを見せた。
「書いたものもけしからんなぁ。あれだけ猫に自身の不平を述べさせておきながら、
我々にはまともな扱いを用意しておらん。なんだ、“阿呆”、“阿呆”、“阿呆、阿呆”とは。
やはり人間は猫に姿を変えてでも自らを中心にしないと気がすまないと見える」
そういえばこれもあった、と猫は呆れたように視線を西方に向けた。
いつしか夕日は姿を半分ほど隠してしまい、その光もだいぶ弱まりつつあった。
鴉は相当な人間嫌いであった。なんでもその昔、街中で群れと共にごみの袋を漁っていると、
向こうからまるで鬼の形相をこちらに向けながら、猛然と走り寄ってくる人が見えた。
直ちに逃げ出そうと思い立ったはものの、一瞬遅く、その人の持つ棒のようなもので羽を強かにぶたれ、
数日の間は飛ぶこともままならなかった、ということがあったそうな。
「間違いなく骨が折れていた」、「元をただせば防護柵を設置せずごみの入った袋を放置するのが悪いのだ」、
などと恨み節を述べていたが、長い間人間に世話を受けた手前、猫は安易に首肯することもできず、かといって
「人間の出した生ごみとかいう下賤な物に群がるのも、どうかと存じますが」
などといい、逆鱗に触れるわけにもいかないため、その時は曖昧な言葉を返すことしかできなかった。
412 :
【品評会】黒猫と鴉 4/5 ◆VrZsdeGa.U :2008/11/16(日) 23:10:31.18 ID:lIVFt1+50
そんな彼を尻目に鴉は更に饒舌を強め、
「第一、自らの言語に該当するものがあるからと言って、それを出汁に他の生き物をコケにするなど、
あさましいにもほどがある。その点、君は恵まれているなぁ。“ニャア、ニャア”、なんて字面にして眺めると、
すこぶる愛嬌があっていい。僕なんかは“カァ、カァ”、とも鳴けるが、やはりどこか間抜けな気がする」
「いやぁ、私などは黒猫でありますし、少なからず人からそしりを受けることもありまして……」
我ながらよくこんな当たり障りのないことを述べることが出来たものだ、と猫は一瞬自分の舌を疑ったが、
何はともあれ良かったか、と安堵することにした。鴉の口、いや、嘴は良く動き、
「いや、君の場合は迷信に過ぎんことだろう? 魔女の使い魔とかいう、妙な言われで憎まれているの過ぎん。
その点僕なんかも、人間の勝手な創作で悪者にされている面もある」
「エドガー・アラン・ポーなどには、お互い悪者にされてしまいましたからねぇ」
猫の口にした人名に、鴉は返事が出来ず、思わず首を傾げてしまった。
「はて、江戸川乱歩? 乱歩の創作にそんな話あったかね」
恐らく聞き間違えているのだと思い、ただちに猫はそれを正しにかかった。
「いや、違います。エドガー、アラン、ポー。乱歩は、そのもじりと言いますか」
「エ、エドガァ、ランポォ? ううん、外人の名前は難しいねぇ」
わざわざ立腹させてまで正すような誤謬でもあるまい、という怠惰からくる諦めに引き止められ、
猫はそれ以上この話題に言及するのは避けることにした。鴉はともかくだ、と前おいた上で、
「人間の我々に対する敬意の無さは極端極まりない。ノアの方舟でも、最初の放たれたのは、
我等の先祖だったが、結局手柄は鳩なんぞに奪われてしまった」
といった。論理の破綻はおろか、とうとう他の鳥にまで悪態の矛先を向け始めている。殊人間のこととなると、
見境がなくなるのである。ひとまずここは鳩から話題を逸らそうと思い立ち、
「先祖様はもしかしたら、地面にたどりついていたのかもしれませんね。そして帰ってきて、
そのことをノアに伝えようと思っていたところ……」
「ふむ、我々の意思をノアは無視しおって、帰ってきたのだから陸地はなかったのだ、と早合点しおった」
猫の言葉の先を奪い、自己の良いように解釈した上で鴉は一人でさもありなん、とでも語るように
満足した表情をしていた。そうかと思うと、何かに気づいたように、ん、という声を出し、
「つい愚痴ばかり言ってしまった。いかんなぁ」
「いえいえ、それに気がつくということは、まだ幾分心が清らかであるという証拠ですよ」
多少皮肉の混じった言葉になってしまったか、と猫は思ったが、鴉はそれに気付く様子もなく、
下に見える往来を眺めており、猫はほっと胸をなでおろした。
413 :
【品評会】黒猫と鴉 5/5 ◆VrZsdeGa.U :2008/11/16(日) 23:11:33.80 ID:lIVFt1+50
いつの間にか日は完全に山に覆われ、辺りは薄青い色に包まれつつあった。
心なしか、寒気が身に染みいるように感じられる。四方山話に相槌を打ちながら、猫がふと下に目を向けると、
何やらこちらの方を指差し話し合う、二人の主婦が見えた。
大分大仰そうな声で話していたため、わずかながら言葉の要旨は聞き取ることが出来た。
「嫌ですわねぇ、鴉と黒猫が一緒になって屋根に止まっているだなんて」
「ほんとほんと、何か起こらないといいんですけど」
流石に今度ばかりは猫も顔をしかめた。その会話の内容は鴉にも聞こえたようで、
「ほら、まだ人間はあんな風にけったいな話を信じておる。ところでどうかね、君の家の様子は?
なにか、不幸なこととか」
こう尋ねてきた。猫はしばらく思案したが、思い当るようなことはまるでない。
「いえ、全く。主人も古希をとうに超えておりますが、到って健常そのもので、他の家族も同様でして」
猫からそんな返事を聞き、それ見ろ、というような目を主婦達に向けながら、
「はっはっは、さようか。やっぱり人間の迷信などはあてにならん。これだけ不吉な物が寄り集まっていると、
むしろ幸運の証になる、なんて迷信もあったりしてなぁ」
そう笑いながら言った。その後、さて、と付け加えながら、
「そろそろ日も沈んでしまったし、帰るとするか」
と、羽を広げた鴉に、猫は冗談めいた口調で、こう尋ねた。
「七つの子が待っておりますか」
「僕はそこまで盛んではないよ、やんちゃだったわけでもないし」
鴉がそう答えると、その諧謔を含んだやり取りが相当面白かったと見え、互いの間に大きな笑いが生まれてた。
「雪が降ったら会えなくなるかね」
「そうなりますね。恐らく初雪もそろそろでしょうし、次会うのは雪が解けた春でしょうか」
その返事を聞くと、ふむ、と呟いた後、鴉はそれまで足を乗せていた瓦から足を離し、
「ではくれぐれも健康には注意して、達者でいてくれたまえ」
そう言いながら、薄明に彩られた空に向けて飛び立っていった。
「そちらも冬の寒気にやられませんように」
猫は鴉を見送った後、軽い身のこなしで屋根から飛び降り、寒々とした空気から逃れるように
縁側から家の中へと姿を消した。
了
414 :
【品評会】黒猫と鴉 5/5 ◆VrZsdeGa.U :2008/11/16(日) 23:12:33.04 ID:lIVFt1+50
投下終了です。
415 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:14:01.52 ID:YJSskLCN0
416 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:16:59.02 ID:CcX64Pqg0
417 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:19:01.56 ID:W2X+NTIJ0
品評会ギリギリですが投下します
418 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:21:06.38 ID:VM/OwghP0
いえ、この時間帯は「投下します」じゃなくてですね
◇W2X+NTIJ0氏、トリップを確認しましたらどうぞ。
【順番】
−−−
419 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:23:57.96 ID:CcX64Pqg0
>>418 30分過ぎたらもうあのまま転載して行こうと思いますがどうでしょう?
420 :
【品評会】それでも僕たちから笑顔は消えない 1/2 ◆6FLkQ8nIO. :2008/11/16(日) 23:24:01.71 ID:W2X+NTIJ0
「見えているかい?」
僕の問いかけに、あの人はただ微笑みを返すだけだった。
さまざまな蝉の音に支配された風がこの寺を纏う。僕は一人、その空気を揺らす音に呑まれてしまいそうだった。だから僕はそれに抗うように唇を噛みながら、握った花束を抱き、花束に抱かれた。
そんな中、その波を掻き分けるように一台の白い車が現れ寺の横にある道に停車した。それを合図に僕は強く握っていた花に謝ると、その車に向かって歩いていった。車のエンジン音が消えると、再び蝉の音が辺りを支配する。
車からは黒と白しかない服を着た若者達が降りてきた。みな、僕の同級生たちだ。
「おー、お前か。久しぶりー。大きくなったなぁ。一人?」
運転席から出てきた金髪の旧友が僕の肩を叩き、そう言った。僕はついさっきまでの、今にも自分が壊れてしまいそうでいた場所を一瞥すると、
「うん。あ、これ。あいつの写真」
と答え、あの人の笑顔を友人達に見せた。
「笑ってるね」
車の後部座席から降りてきた、かつて僕が密かに心を寄せていた人が呟いた。そのすぐ隣にいた彼女の友達も
「よくまだ持ってたね、こんなに古いの」
と目を細める。僕はまた泣きそうになった。
421 :
◆EqtePewCZE :2008/11/16(日) 23:25:31.29 ID:jiVNl1JD0
予約
422 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:25:31.58 ID:qVZhz28XO
最近はテンプレとか読まない人多いね
猿
423 :
【品評会】それでも僕たちから笑顔は消えない 2/2 ◆6FLkQ8nIO. :2008/11/16(日) 23:25:40.77 ID:W2X+NTIJ0
「じゃ、これで全員?」
「もう少し待たない?」
「でも、もう日も沈んじゃうよ?」
僕たちは少しだけ話し合った後、先に僕らだけでもあの人に挨拶をしようということに決めた。
冷たい石の塔をオレンジの夕日が彩る。不器用に伸びた一本の松はその夕景の中に無粋なシルエットを刻んでいた。
―――まるで、僕らがあの人の心に刻んだ影のように。
僕たち加害者は、自責の中でもがき、人知れず覚悟をしてオレンジの空に飛んだあの人に花を添えた。
「見えているかい?綺麗な夕日だよ。あれが沈んだら、今より静かな世界がやってくるんだ」
雫と共にこぼれ出た言葉に、僕は自分自身の責任を変わることのないだろう社会へと押し付けていた。
了
424 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:26:26.53 ID:ePBC93yY0
カオスが面白くて作品が書けないw
425 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:26:41.82 ID:VM/OwghP0
お疲れ様でした。
◆EqtePewCZE氏、どうぞ。
【順番】
−−−
>>419 ひとまずそれで構わないと思います。
転載作業、誠にありがとうございます。
426 :
【品評会】それでも僕たちから笑顔は消えない 2/2 ◆6FLkQ8nIO. :2008/11/16(日) 23:27:46.06 ID:W2X+NTIJ0
以上です。
テンプレに従うの忘れてました、すみません。
427 :
うすぞらのすき間に ◆EqtePewCZE :2008/11/16(日) 23:28:34.77 ID:jiVNl1JD0
おにの声がする。もういいかい。
だいぶ離れたところから、「まあだだよ」というかすかな声が聞こえてくる。
大輔は、すべり台の下にしゃがみこんで、つめたい両手に息を吹きかけた。体がぬくもるには、まだ遊びははじまったばかりだ。
鉄ぼうの前に、だれかが片づけ忘れたサッカーボールが転がっていた。
おにである太一がふたたび声を上げる。
「もういいかい」
「もういいよ」
それを合図に、心臓がおおきく鳴りだして、大輔はぐっと息をつめた。
すべり台のかげからそっとのぞくと、おにはその場でしばらくきょろきょろしたあと、大輔とは反対側に向かってかけ出した。
ひとまずは安心だと、大輔は知らずに止めていた息を長くはいた。目の前がうす白くにごって、すぐにぴんと澄んだ空気にとけた。
「明夫みーっけ。佐恵子みーっけっ」
ひとり、ふたりと見つかっていく。つぎは、明夫がおにか。大輔はもう一度、手で口を覆い、息を吐いた。
先のとくに冷たい指先をこすり合わせ、ふと思いついたように右上を見やった。
「また、いる」
とうふのように白くて四角い建物の屋上に、いつもと同じ人影がフェンスにもたれていた。
放課後に、大輔たちがおにごっこやかくれんぼをしているのをながめている。そのとうふの建物は、小学校のすぐとなりにあった。
影は遠く、また光がうしろからさしているので、どんな顔をしているのかは分からなかったが、体つきからしてそれは男の人だった。
「大輔、みーっけ」
はっとしてふりむくと、太一がこちらをゆびさしてニカッと笑った。そしてまた、きびすを返して走っていった。
影が自分を見ていることを意識しながら、大輔はすべり台のしたからとびだしてグランドの中心へ向かった。
428 :
うすぞらのすき間に2/4 ◆EqtePewCZE :2008/11/16(日) 23:29:08.96 ID:jiVNl1JD0
おにが数回かわって、寒さも感じなくなってきた。
「これで全員だな」英樹が、最後までかくれていた明夫を連れてグランドの中心に歩いてきた。
「つぎのおにだれ?」大輔がきくと、
「ゆかり」と英樹が答えた。そのすぐあとに「あっ」と声を上げて、「うしろうしろ」とゆびでさした。
大輔たちがふりかえると、担任の景山ゆう子先生がこちらに向かってゆっくりと歩いてきていた。
もう帰りなさい、と言われることを予感した大輔たちは、すこしだけ身をこわばらせた。
「楽しそうね。先生もまぜてもらっていいかな」
近くまでやってきた景山先生は、ちょっと首をかたむけて、ふんわりとほほえむとそう言った。
景山先生は、ほんとうにやわらかそうに笑う。ちょうど、マシュマロのようなやわらかさだ、と大輔は思う。
予想外の展開に男子たちはおどろいたものの、女子たちはすぐ歓声をあげてよろこんだ。
こういうとき、あとになって大さわぎするのは男子だが、反応がはやいのは女子のほうなのだ。
それにしても、ほっそりとしていて、運動が苦手そうな景山先生がこういった遊びに参加しようとすることは意外だった。
大丈夫なのだろうか、と大輔は心のうちで思った。
ゆかりが「先生、いっしょにかくれよう」と景山先生の手をとったが、「って、あたしおにじゃん」と言ってうなだれていた。
そのとき、うら門から汗まみれの大沢篤彦先生が入ってきた。大沢先生は放課後に、毎日学校の周りをランニングしている。
そうでなくても、つねに動き回っていて、生徒からは陰で「かいゆうぎょ」と呼ばれていた。
グランドのまん中で生徒に囲まれている景山先生に目を止めると、あれえ、といつも通り大きな声を出した。
「景山先生、どうしたんですか」
「ええ、ちょっと、童心に帰ろうかと。かくれんぼです。ずいぶん、楽しそうでしたから」
大沢先生は、呼吸なのかあいづちなのか「ほう、ほう」と言いながら、首にかけたタオルで汗をふいた。
「大沢先生もする?」明夫がややしょうがないといった感じで言った。
大沢先生はむん、とうで組みをするとまんぞくそうに「おれの体力がつきて、ぶっ倒れても知らんからな」とごうかいに笑った。
429 :
うすぞらのすき間に3/4 ◆EqtePewCZE :2008/11/16(日) 23:29:36.47 ID:jiVNl1JD0
そろそろはじめようぜ、と明夫がそわそわしながら言った。
景山先生はそうね、とうなずき、「でもこれで最後にしましょう。冬は暗くなるのがはやいから」と言った。
みんなは少し残念そうな顔をしたものの、「はーい」と声をそろえて返事をした。
「じゃあ、数えるね」ゆかりはそう言うと、しゃがんで、いーち、にーい、と数え始めた。
大沢先生はだれより早くかけ出し、あっという間に背を小さくした。
女子たちは景山先生の手を引っぱり、「ゆう子先生、こっちこっち」ときゃあきゃあ言いながらかくれ場所を探しはじめた。
大輔たち男子は顔を見合わせてすこし笑ったあと、ほうぼうに散らばっていった。
大輔は、校訓がきざみこまれた石碑のうしろに身をかがめた。
顔を出してグランドをうかがうと、大沢先生はまだグランド中をかけ回っていて、大輔は思わずふき出した。
そのぐるぐるとグランドを周る姿は、水族館で見たマグロそのものに思えたからだ。
「もういーかーい」というゆかりの確認に、
「まーだだよー!」とまるで居場所を教えているかのような返事をするのもおかしかった。
ふと、上を見ると、建物の上にまだあの人影があるのに気がついた。大輔がかくれている場所は、ちょうどその建物の正面だった。
「もういーかーい」笑い声をふくんだ問いかけに、大輔は顔をひっこめて、身をちぢめた。
「もういーよ!」と大沢が返事をしたのとほぼ同時に、大輔のとなりに女の子がとびこんできた。
大輔がおどろいて声を上げそうになると、その子は「シッ」とひとさしゆびをくちびるに当てた。
「あんまり大人数でかくれてると、すぐばれるから」ひそひそ声で、ずいぶん真剣な顔をした少女は言った。
だが大輔はその少女に見覚えがなく、ただその迫力に気おされて、ぎこちなくうなずいた。
少女は石のすき間から、じっとグランドを見つめた。大輔も、それにおずおずとならう。
ゆかりは、笑いながら大沢の声がしたほうに向かって歩いていった。となりで少女がほうっと息をはく。
「たすかった。見られてたかと思ったの」そう言って、うしろに手を付いて、のけぞる体勢になった。
「ぎりぎりだったね」大輔は、そんなことが言いたいんじゃないと思いつつ、答えた。きみ、だれ?の一言が、なぜか声にならない。
少女は大輔の顔を見上げて、首をかたむけて、ふんわりとほほえんだ。
430 :
うすぞらのすき間に4/4 ◆EqtePewCZE :2008/11/16(日) 23:30:12.40 ID:jiVNl1JD0
だが、すぐに「そうだ」と言って体を起こすと、ふたたび石のすき間をのぞきこんだ。
「やっぱり、いる」少女はまた真剣な顔に戻っていた。
「大輔くん、病院のうえにいっつも人がいるのしってる?」
大輔は、そのことに気がついているのが自分だけだと思っていたので、内心すごくおどろいた。
その動揺を気づかれないようにああ、うん、と口のなかでもごもご言ったあと、少女と同じ体勢になった。
「あれ?」
すき間からは、影全体の姿を見ることができなかった。だが、大輔はその影が、なんだかいつもとちがっているように思った。
大輔はほとんどからだ全部を地面につけるようにふせて、影を見た。なんだか、いつもより小さいのだ。
背は中学生くらいだろうか。線も、ずいぶん細い。あいからわず顔は見えないが、それはずいぶん頼りなげだった。
「あの人、ずっとあそこに入院しているんだって」
気がつくと、少女も大輔と同じ姿勢で、ほとんどうつ伏せですき間から影を見ていた。
「いっしょに遊びたいのかな」
大輔はふうん、と返事をして「じゃあ、こんど声かけにいこうよ」と言った。もしかしたら、お医者さんもいいって言うかもしれない。
うん、と少女ははずむような声を出した。小さく足をバタバタさせていたが、やがて、
「やっぱり、よく見えないなあ……」とつぶやくと、おもむろに立ち上がった。
すぐさま「あっ」という少女の声がして、同じく立ち上がろうとした大輔を後ろ手に軽くつきとばした。大輔はバランスをうしなって、
うしろに転がった。景色もぐるりと転がって、大輔の目の中は一面うすむらさきの空ばかりになった。
「ゆう子、みーっけ!」足の方からゆかりの声がした。
鳥がきれいにならんで渡っていくのが見えた。少女がスカートをひらめかせて、大輔のそばから立ちさる気配がした。
大輔はしばらくそこにあお向けになって、視界のはしからはしへと、それが通りすぎるのを見上げていた。
「景山先生、なんでそんなに服がよごれてるんですか?」大沢先生の大声もした。
大輔はこみあげるくすぐったさに、ひとりでくすくす笑った。
五時のチャイムが、こぼれるように落ちてきた。
終
431 :
うすぞらのすき間に ◆EqtePewCZE :2008/11/16(日) 23:30:47.16 ID:jiVNl1JD0
最初「1/4」付け忘れてごめんなさいごめんなさい
以上です!
432 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:31:01.82 ID:VM/OwghP0
お疲れ様でした。
最後に、救済スレッドより ◆OxZbMIrvNA氏の作品を転載します。
【順番】
終了
433 :
◆pkHvZT49GM :2008/11/16(日) 23:31:45.74 ID:2oyKQ9MP0
434 :
ひだまり妖精 1/4 ◇OxZbMIrvNA:2008/11/16(日) 23:34:05.24 ID:VM/OwghP0
ひだまり妖精が僕のところにやって来たのは、美しい夕焼けが期待できそうな良く晴れた日の、午後の4時ごろのことだった。
それはあまりに突然の出来事で、僕は声がするまでその存在にはまったく気づかなかった。
「頼みがあるんだ」
と、ひだまり妖精は僕の下宿の窓枠にちょこんと腰掛けて言った。
僕は唖然として、絵を描く手を止めるざるを得なかった。一方の彼は何やら楽しげに体を小刻みに動かし続けていた。
彼の風貌にひどく興味を惹かれた僕は、しばらく彼のことをじっと観察していた。
ひだまり妖精は身長が30センチくらいの、言うなれば小人に近い外見だった。革のとんがり帽子を載せた頭以外の全身は、深い緑色のローブで包まれていた。
足には帽子と同じこげ茶色をしたブーツを履いていて、それが窓枠の下で、ぶらぶらと所在なさげに揺れていた。
「ただ、頼みといってもきみに拒否権はないけどね」
と言うと、ひだまり妖精は僕をまったく無視して、どこかからパイプを持ち出すと、同じくどこかからマッチを持ち出し、さもうまそうにふかし始めた。
「作業は続けていてくれてかまわない。ぼくの話はそこまで真剣に聞いてくれなくてもいいんだ」
初めにそう宣言したにもかかわらず、ひだまり妖精はひどくやかましくしゃべり続けた。
あげく僕が描きかけの絵に集中するそぶりを見せると、すぐに「ちょっと、聞いてるのかい」などと怒ったように言い出すのだった。
そのせいで僕は、結局作業を完全に中断して、集中力を注ぐ先を彼の話に変更することを余儀なくされた。
「頼みというのはとても簡単で、一見あまり意味が無いように見える。けれど、ぼくに――あるいはぼくらに――とってはすごく意味があることなんだ」
改めて僕に向き直ると、ひだまり妖精はあたかも前もって暗記していた台詞をそらんじるように滔々と話し始めた。
こうなると僕はこのひだまり妖精のことを、ここの下宿の気難しい老主人に通報する気もすっかり失っていた。
往々にして妖精というのはいたずら者だ、という話を僕は何かで読んだことがあるけれど、まさか自分が妖精に出会うとは思ってもみなかった。
それにこのひだまり妖精を見る限り、そこまで厄介事にはならないような気もしていた。
そもそも、ひだまり妖精という呼び名は僕がつけたわけではない。かといって正式な名前なのかというとまったく自信がない。
彼自身がひだまり妖精と名乗っているだけの話で、僕も素直にそれを信じることにしたまでの話なのだ。
435 :
ひだまり妖精 2/4 ◇OxZbMIrvNA:2008/11/16(日) 23:35:44.83 ID:VM/OwghP0
「頼みというのはね、一緒に夕日を見てほしいということなんだ」
そう言うと、ひだまり妖精は窓枠に腰掛けたまま、くるりと上半身を窓の外――太陽が低く落ちてきた西の方へと向けた。
この下宿は運河に面している。運河を挟んだ向こうにレンガ造りの歴史ある町並みが見え、その向こうには、ひだまり妖精のローブと同じくらい深い緑色をたたえた“西の森”が広がっている。
その広漠な深い森の上に、まだ赤みの薄い太陽がぽっかり浮かんでいた。
「きれいな夕焼けが見れそうだ」
ひだまり妖精がぽつりつぶやいた。あたりには、あと1時間もすれば、美しい夕焼けが訪れそうな気配が満ち満ちていた。
もっともその気配は、ひだまり妖精のつぶやきがもたらしたものかもしれないけれど。
「頼みっていうのは、一緒に夕日を見ることだけ?」
「今のところは、そうなる」
「……今のところは?」
「今のところは、だ。さて」
ひだまり妖精は僕に向き直ると、「話のつづきだ」とひとり言のように呟いた。
「きみも知りたいことがたくさんあるだろうからね」
よく見ると、彼のこげ茶色のとんがり帽子の端からは、栗色のちぢれ毛と、鋭くとがった小さな耳が見え隠れしていた。
僕がそれを注視していると、僕に気を使うつもりの全くなさそうだったひだまり妖精が、さも恥ずかしそうにもぞもぞと帽子を深く被りなおした。僕は小さくにやけた。
「……えへん、話のつづきをしよう」
ひだまり妖精はひとつせき払いをした。僕はこのひだまり妖精に、どういうわけか少しだけ好感を持ち始めていた。
「ぼくたちひだまり妖精の一族は、代々、とある夕日を探し求めて発見することを、一族全体の究極目的にしてきた。
とある夕日、それはぼくたちの13代前のひだまり妖精の王が、いたく感動して絵画に残させたという歴史的な夕日なんだ。ぼくたち一族はそれを“朝顔の陽だまり”と呼んでいる。まあそれは、些細な知識にすぎないね。
ぼくたちひだまり妖精には、それまで絵を描くという概念がなかった。けれど13代前のかの王には人間の友達、しかも画家の友達がいたんだ。
それまでは、ひだまり妖精と人間が仲良くすることなんて前例が無かった。ひだまり妖精は人間とは離れて、人間に一切干渉せずに暮らしていた。けれど王はそれを覆したんだ。
かの王とその友達は、ある日ある場所で一緒に夕日を見た。それはそれは綺麗な夕日だったらしいんだ。
その記念として王はその友達に、今見たばかりの夕日を1枚の絵にするように頼んだ。友達はそれに見事に応えた。その絵はいま、代々の王の住む館に大切に保管されている。
……そこで、改めて君への頼みが登場するんだ」
ひだまり妖精は、もう一度ひとつせき払いをした。そのせき払いはさっきのそれとは明らかに意味が違っていた。
僕は少しだけ身構えて、ひだまり妖精は僕の目をじっと見て言った。
「君には今から見る夕日の絵を描いてもらいたいんだ。どんな絵でもいい、写実的でも、抽象的でも、大きくても小さくても、油でも水彩でもいい。色をつけなくたっていい。
だけどとにかく、今から見る夕日の絵を描いてほしいんだ。
ぼくはそれを、館へ持ち帰る。館には、これまで世界中でそうやって描かれてきた膨大な数の夕日の絵がある。
それらは、ぼくたちひだまり妖精の一族が“朝顔の陽だまり”を――ぼくたちが探し求めている夕日を、それが見られる場所を、見つけ出すための手がかりになるんだ」
436 :
ひだまり妖精 3/4 ◇OxZbMIrvNA:2008/11/16(日) 23:36:46.86 ID:VM/OwghP0
そこまで話すと、ひだまり妖精は一旦言葉を区切った。
そして置いておいたパイプを手に取ると、ふたたびうまそうにふかし始めた。
ひだまり妖精は灰色の煙をひゅるると吐き、それは中空で散り散りになっていつしか消えた。どうやら今は、僕からの質問時間らしかった。
僕は頭の中を整理し始めた。わからないことはあまりに多すぎたけれど、このひだまり妖精が何を求めているのかは何となく理解はできていた。
そして僕には断る理由も特になかった。それに、何より僕はこのひだまり妖精に、今や一種の親近感すら覚えていたのだ。
「……わかった、その頼みは受けようと思う」
ひだまり妖精は心の底から感謝しているようだった。
「ありがとう、恩に着るよ。もし訊きたいことがあれば、今のうちに何でも訊いてほしい」
「そうだね……」
僕はひだまり妖精のパイプから立ち上る煙を見つめていた。
さまざまな考えが僕の中で飛び交い、やがてそれらはひとつのふしぎな――何かもやもやとしたひとつの疑問を形づくろうとしていた。
あるいはその疑問は、僕に何かが欠けていることに由来するのかもしれなかったけれど、僕はそれを何とか質問の形に整え、そしてそのつもりで、彼に対して尋ねた。
「ひとつだけ訊きたいんだ。僕にはそこまでして、その夕日の場所を探す理由がわからない。きっと想像もつかないくらい綺麗な夕日が見られるんだろう、けれど、一族の究極目的だなんて、ずいぶんと大仰だなと思ったんだ」
「大仰なんかじゃない」
ひだまり妖精は、僕の言葉を打ち消すように言った。あるいはそれは、ひだまり妖精自身に向かって語りかけるかのようでもあった。
「決して大仰なんかじゃないさ。ぼくたちは自分たちのルーツを知りたい、ただそれだけだよ、けれどとても大事なことだ。君たちの言葉ではそれを“歴史”っていうと聞く。
そしてぼくたちにとっては、“朝顔の陽だまり”こそが、一番大事な“歴史”なんだ。それがあったからこそ、ぼくはここにいるんだからね」
それから僕たちは、日が暮れるそのときまでずいぶんと色々な話をした。彼がこれまで出会い、夕日の絵を描いてもらった人たちの中には、後年歴史的にも著名になる画家が何人もいたらしかった。
その話の中には、僕でさえ知っている画家の名前を数多く見出せた。彼らは一様に僕と同じ質問をし、そしてひだまり妖精の答えにいたく感激したようだった。
「ところで、最初に、きみに拒否権は無いなんて言ったけどね」とひだまり妖精はふと言った。
「あれは嘘だよ。拒否権はあるし、拒否してくれてもぜんぜんかまわなかったんだ。なんというか、ぼくの癖みたいなもんなんだ」
けれどそんなことは僕にはもうどうでもよかったし、ひだまり妖精の性格的にも、だいたい想像はつきそうなことだった。
それから彼は、彼に気づくや否や動転してフライパンで彼を叩き潰そうとした画学生の話をした。
彼のとんがり帽子がえらく気に入って、何度も何度も譲ってくれと懇願してきた貧乏画家の女性の話もあった。
夕日を描いてくれといったのに、何故か目玉焼きの絵を描いた頭のイカれた中年画家の話もあった。
そうやって時間は過ぎていき、やがて日はすっかり傾き、気づけばあたりは、夕日のオレンジ色にすっぽりと包まれていた。
ひだまり妖精がひとりごとのように言った。
「やあ、ここは信じられないほどきれいだね……ぼくが見てきた中でも一、二を争うくらいだ」
437 :
ひだまり妖精 4/4 ◇OxZbMIrvNA:2008/11/16(日) 23:37:22.71 ID:VM/OwghP0
太陽は今やすっかり赤く色づいていた。その下で“西の森”はまるで夜の到来を待ちわびるかのように、影の中に闇をたたえていた。そしてそれだけが、見える範囲の唯一の闇だった。
太陽から発せられる、どこか濡れたような光の波は家々の屋根をオレンジ色に染めた。
そして道という道を染め、下宿の前の運河を濃い橙色に染め上げてなお、光を僕の下宿の窓に向かってはじき返すだけ力を持て余していた。
ひだまり妖精の顔もまた、その光ですっかり夕日の色に染まっていた。彼はもともと綺麗な肌色をしていたのだった。
「絵の準備はいいかい!?」
ひだまり妖精は叫ぶように言った。その口調には、気分の高ぶりが如実に表れていた。
僕は描きかけの絵を、イーゼルから床に敷いた新聞紙に降ろすと、手近にあった6号カンバスを備え付け、鉛筆で下絵を描き始めた。
「ところで」
僕はひだまり妖精に訊いた。
「この絵はいつまで仕上げればいい?」
ひだまり妖精は外の夕日にすっかり見蕩れた様子だった。ややあって、「いつでもいいさ」というそっけない返答が返ってきた。
「出来たときに取りに来る。それ以降は一切君の生活には干渉しない、それは君たちの神にだって誓おう。……ああ、きれいな夕焼けだ」
彼の頬は赤く染まっていた。けれどそれが何のせいなのかは、最後までわからなかった。
僕は目の前の絵に集中した。次に顔を上げたときには外はすっかり夜に覆われていた。そして、ひだまり妖精の姿はもうどこにも見えなかった。
絵はそれから3日後に完成した。完成したら取りに来るとはいえ連絡手段もないので、部屋の隅に置いたきりすっかり忘れていた。けれどある日、気づくと絵はなくなっていた。
気づいたときも、あのときと同様に夕方だった。僕は彼の言葉を思い出せる限り、一字一句漏らさず思い出そうとした。
そしてある一点で、僕は僕に欠けるものに一瞬だけ気づけそうな気がした。それは何か,
僕にとってすごく大事なもののような気がしていた。僕が僕であることに関わるような何か。
けれど、それが何か捕らえきれないまま、次の瞬間にそれは“西の森”の闇の中に逃げ去ってしまっていた。
<了>
438 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:37:25.64 ID:CcX64Pqg0
一応さる。
>>433とのことなのですみません。お願いすることになります。
439 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:38:28.97 ID:VM/OwghP0
現在、週末品評会137thの投票受付中です。今回の品評会お題は『夕景』でした。
投稿された作品は■まとめ
http://yy46.60.kg/bnsk/ -週末品評会137th- にてご覧頂けます。
投票期間は2008/11/18(火)24:00:00までとなっております。
感想や批評があると書き手は喜びますが、単純に『面白かった』と言うだけの理由での投票でも構いません。
毎回作品投稿数に対して投票数が少ないので、多くの方の投票をお待ちしております。
また、週末品評会では投票する作品のほかに気になった作品を挙げて頂き、同得票の際の判定基準とする方法をとっております。
ご協力ください。
投票には以下のテンプレートを使用していただくと集計の手助けとなります。
(投票、気になった作品は一作品でも複数でも構いません)
******************【投票用紙】******************
【投票】: <<タイトル>>◆XXXXXXXXXX氏
―感想―
<<タイトル>>◆YYYYYYYYYY氏
―感想―
気になった作品:<<タイトル>>◆ZZZZZZZZZZ氏
**********************************************
携帯から投票される方は、今まで通り名前欄に【投票】と入力してください。
たくさんの方の投票をお待ちしています。
時間外の方も、月曜中なら感想、関心票のチャンスがあります。書き途中の方は是非。
それでは、お疲れ様でした。
440 :
品評会137th『夕景』作品一覧:2008/11/16(日) 23:38:42.24 ID:43BVynAn0
No.01 螺旋 ◆/ks5Y92PHE氏
No.02 淡いシミと時間軸 ◆FqHXIR7sz.氏
No.03 爆弾部 ◆ocoMPoZMZc氏
No.04 黄昏時、あるいは逢魔が時 ◆7cy2QI8jBM氏
No.05 昼の後、夜の前 ◆4GBUmmG12I氏
No.06 夕焼けに合う服 ◆8wDKWlnnnI氏
No.07 蜜柑 ◆Ei.Vm5YNKQ氏
No.08 幸せを紡ぐ夕べ ◆zmMEjNb3Ok氏
No.09 宵闇に月を笑う ◆BLOSSdBcO.氏
No.10 怪人の夕焼け ◆LBPyCcG946氏
No.11 女王様の夕暮れ ◆t5e3bWrwqQ氏
No.12 夢夕日 ◆RlxBNHMmBo氏
No.13 とある男子の影法師 ◆IPIieSiFsA氏
No.14 散歩に行き、帰ってきてコタツに入る ◆/sLDCv4rTY氏
No.15 朱墨の空 ◆EtV8DSf6go氏
No.16 朱に染む ◆pkHvZT49GM氏
No.17 夕焼け ◆トリップ不要氏
No.18 黒猫と鴉 ◆VrZsdeGa.U氏
No.19 それでも僕たちから笑顔は消えない ◆6FLkQ8nIO.氏
No.20 うすぞらのすき間に ◆EqtePewCZE氏
No.21 ひだまり妖精 ◆OxZbMIrvNA氏
441 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:39:51.71 ID:CcX64Pqg0
>>439 本当にお疲れ様です。
まだ終わってはないけれど。
442 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:42:35.71 ID:0mzeNtV00
>>439 毎度頭が下がるぜ!参加してないけど!
…しかし夏でもないのにw
443 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:44:00.31 ID:CcX64Pqg0
ごめんなさい。
件のアレ。プレビューではちゃんと表示されてたんだけど、失敗しました。
本当にごめんなさい。
444 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:44:38.64 ID:CcX64Pqg0
ちょっと出直してきます。
445 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:45:03.15 ID:qVZhz28XO
446 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:45:09.21 ID:43BVynAn0
>>439 お疲れ様です。
まとめの方も、お疲れ様です。
みんなテンプレ読もうよー!
447 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:45:12.02 ID:lIVFt1+50
>>439 マジ乙です
21作品か・・・。今回も全巻できなさそうだなぁ・・・。
448 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:47:09.08 ID:ePBC93yY0
449 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:48:03.76 ID:W2X+NTIJ0
450 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:48:11.79 ID:ehZakmFW0
>>439 最近じゃ21でも多い方なのか……
一言でも全感想出来るように睡眠時間削るぜっ!
451 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/16(日) 23:56:14.85 ID:YJSskLCN0
>>439いつもおつ様です
さあ今週も週末唯一の楽しみになってるブンスコ読書タイムがきたな
453 :
◆pkHvZT49GM :2008/11/16(日) 23:57:35.44 ID:2oyKQ9MP0
454 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 00:01:02.17 ID:YUNcc3Sn0
455 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 00:04:31.32 ID:26Z4mEhi0
フフフ、どうして毎度毎度、投下したあと読み返すと間違いに気づくのかな……。
そんなことはさておいて、
>>439様おつかれさまです。ありがとうございます。
足向けて寝られないです。
456 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 00:04:34.17 ID:nNI30HRe0
>>439 まとめ乙。
品評会逃したので、今からまったりとお題作品書こうと思う。というこで、お題Please。
457 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 00:05:39.61 ID:YUNcc3Sn0
458 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 00:07:00.68 ID:Pe9TMjQhO
>>455 あるよな。投下してから間違えに気づくの。
一人称間違えたりとか俺はよくする。
459 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 00:07:21.23 ID:nNI30HRe0
>>457 把握。
そういや品評会にも爆弾でてくる話あったな。
460 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 00:12:46.19 ID:Fpi2w6JM0
461 :
◆pkHvZT49GM :2008/11/17(月) 00:14:40.14 ID:YaCzVXUz0
>>459 No.3 『爆弾部』だな。
ちょうど今、読了したとこだ。
462 :
◆EtV8DSf6go :2008/11/17(月) 00:30:13.22 ID:hs1CgIiF0
通常作、投下します
お題、お風呂
463 :
孤軍奮闘 1/1 (お題・お風呂) ◆EtV8DSf6go :2008/11/17(月) 00:31:21.42 ID:hs1CgIiF0
シャワーで済ますなんてのは邪道の極み。
まずは軽く汗を流して、湯船に浸かってゆっくり体を温めたなら、ゴシゴシ体を磨き
上げて垢を落とす。これが体を綺麗にするってこと。
膝や肘がガザガサになってから騒ぐ前に、湯船にじっくり浸かって死んだ細胞をゆる
ゆるにしてしまえば、角質層なんて簡単に剥がれ落ちてくれる。勿論、潤いを保たせる
必要があるわけだから、湯上りのサランラップは欠かせない。だけどそれでも、特別な
保湿クリームまで買う必要はない。
余計な脂肪分が気になるからって、アンチキャピトンジェルなんて買う人の気が知れ
ない。お風呂の前には軽いシェイプアップ運動をして、お風呂上りには柔らかくなった
体でストレッチ。カロリー消費に、新陳代謝の促進と、それを支える筋肉のケア。これ
が基本中の基本にして、絶対の法則。
それ以外は、ダイエットでもしない限り、そんなに簡単に脂肪が落ちるもんじゃない。
勿論、それが永遠に通用するわけはない。だけど、取り敢えず二十を過ぎるまでなら
これで充分。若者はお金がないのだ。お金をかけずに済むならそれに越したことはない。
それでもやっぱりコラーゲンは有用だ。だからといって、必死にコラーゲンばかりを
食べる必要はない。ビタミンCが足りないとコラーゲンが生成されなくなるのだから、
まずはビタミンCをしっかりと摂ること。あくまでも補助なのだから、ゼリーくらいで
充分とするべき。
ビタミンCを摂ったら、次は納豆だ。ビタミンCはないものの、ビタミンB2があり
余っているのは活目に値する。しかし、それよりムチン質が大事だ。これはお肌の潤い
を維持してくれる大事な戦友だ。
流行に流されて、化粧をしたって絶対に後で後悔するというのは母の言だけど、私も
それには同意だ。
お肌を敵に回しながら、お肌のケアをするなんてことが通用するのはそれこそ若い時
だけなのだ。
それに、そんなことをしなくても、基本をしっかり守っていれば、年頃の女の子って
のは可愛くなるように出来ているのだ。
その成果がここにある。どうだ、このスベスベ艶々でしっとり感のある見事な肌……って。
「見せる相手なんていねーーーーーーーーーよ!」
思わず絶叫。それでも私はお風呂で体を磨き続ける。 END
464 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 00:51:54.92 ID:7vuLlR7sO
くそなSFです!
『ミッドナイト・チェイサー』
ということで俺は最新式M78ターボの車両に乗り込み
行き先入力装置に「H・E・L・L」と入力した。
M78ターボはゆっくりと音の無い加速を始め
俺は運転席に腰掛けシートベルトとヘルメットを着用。
約10秒でM78ターボは時速8000キロに到達し
音速の壁を破るときの爆音で俺の鼓膜はフッ飛んでいた。
そろそろ地平線が薄ぼんやりとした朝焼けに照らされはじめ
俺を乗せたM78ターボは音速で高速を逆走し首都圏に突入。
何百台もの軽自動車や大型トラックが
新幹線に跳ねられたホームレスおやじみたいに粉々になって消し飛ぶ。
やがて時速は1億キロに到着し光速への道が強烈な
網膜への刺激となって俺に突き刺さるがその瞬間
M78ターボは目的地:国会議事堂に突っ込みその衝撃で
核爆発が起こり皇居はちょうどハメっこ中だった
皇太子ご夫妻ごとフッ飛ぶ。
465 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 01:07:53.99 ID:f5kb+nfu0
質問なんですが、作品投下した場合、ここ以外で感想とかもらえるんですか?
466 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 01:12:27.79 ID:nNI30HRe0
>>465 ここに投下したなら感想はここにしか書き込まれないしょ。
品評会の作品なら話は別だけど。
467 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 01:15:51.83 ID:f5kb+nfu0
>>465 やっぱそうですか。今朝方、早くに通常作投下したんですが、
人も少ない時間だったんで埋もれてしまって…
まぁ、面白ければ後々でもレスつくとは思うんで、仕方ないですね。
468 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 01:27:25.86 ID:Ja1H1A6n0
ああ、そういえば二作くらい感想なかったのがあったけ
読んで感想書こう思ってたけど外出してたからなーもう寝るので明日読む
469 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 01:34:21.30 ID:f5kb+nfu0
>>468 そう言ってもらえると、嬉しいです。
ありがとうございます。
470 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 01:44:19.28 ID:Ja1H1A6n0
>>463 とりあえずこっちは読んだので感想
前半はつらつらと情報の羅列とまでは言わないが盛り上がりにかけるというか…オチを
効果的にするためにここまで拘ってるんだ!ってことではよかったかも
ただオチもそこまでインパクトがない。しかしなかなかの滑稽さだw
わしも美肌になりたいのー
471 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 02:05:18.98 ID:+OPIjXcs0
保守ついでにおだいくれ↓
472 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 02:06:11.87 ID:Q58KwWH+O
学校
473 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 02:13:26.52 ID:+OPIjXcs0
学校把握した
474 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 02:17:21.54 ID:hs1CgIiF0
>>470 滑稽さを理解してもらえたのは嬉しいです
そして、その滑稽さを際立たせる位しか文の魅力が無いのに、その
大事なオチが弱かったというのは、反論も出来ないくらい自覚があったり……
確かに、文章のほとんどを犠牲にしていた割りには、ダメなところでした
……他にオチが思い浮かばないのは、我ながら致命的かもしれないですね
475 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 02:51:06.61 ID:Q58KwWH+O
保守
476 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 03:12:20.12 ID:Sv5vEvef0
どうすりゃ、文字書くスピード上がるんだろうか…・・・
今、エロを書いているが、一週間に11kbしか書けてない誰か助けて。
↓お題たのむ
桜
↓俺にもお題たのむ
479 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 03:21:01.34 ID:Q58KwWH+O
紅葉
480 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 03:26:47.04 ID:hs1CgIiF0
>>476 選択肢は二つある
書かないことと、書くことだ
481 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 03:31:51.33 ID:Sv5vEvef0
>>480 自分の担当を投げて敵線逃亡はしたくない、しからば書くしかないよね。
ありがとう。ゆっくり、牛歩だけど頑張るよ
482 :
◆zmMEjNb3Ok :2008/11/17(月) 03:56:29.79 ID:Q58KwWH+O
全巻投下します
483 :
全巻1 ◆zmMEjNb3Ok :2008/11/17(月) 03:58:51.34 ID:Q58KwWH+O
全感。煽り耐性低い人は読まない方がいいよ。
No.01 螺旋 ◇/ks5Y92PHE氏
稚拙な印象。
No.02 淡いシミと時間軸 ◇FqHXIR7sz.氏
テツガクですね。しょっぱなから意味の掴みにくい文章見るとそれ以降を読む意欲が一気に萎える。
No.3 爆弾部 ◆ocoMPoZMZc氏
中二。描写に写実性がない。情景も、心情も、なにもかもつかみどころのない小綺麗な言葉で飾り立ててるところが中二。
あらゆる表現が雰囲気作りのため「だけの」アイテムという印象。
No.04 黄昏時、あるいは逢魔が時 ◇7cy2QI8jBM氏
一行目と二行目のあいだが断絶してるね!思わせぶりな言葉で注意をひこうと下手な小細工やらかすとこうなるよ!
てか……はぁ。気取った表現はいいからさ、もっと素直に書こうよ。げんなり。
てか学校統廃合で町から小学生が消えたって、たかが隣町の学校に通うためにみんな引っ越ししちゃったの?すごいね。
No.05 昼の後、夜の前 ◆4GBUmmG12I氏
書きなれていない印象。ただ場面をきちんと考えて、描き出そうとしているのは伝わった。
その点は好印象。しかしやはり文章がイマイチで、褒めるまではいかない。
内容は、ちょっとお母さんが変わってるけど、まあよくある話。よくある話だけに、文章力の占めるウエイトは大きくなるよね。
484 :
全巻2 ◆zmMEjNb3Ok :2008/11/17(月) 04:00:29.85 ID:Q58KwWH+O
No.06 夕焼けに合う服 ◇8wDKWlnnnI氏
いきなり「頭大丈夫?」て聞きたくなるような文章。夕焼けが鳴り響く??? どんな音よ? もしかしてレトリック?
以降もずっと読みにくい。話が頭に入ってこない。で2レス目で読むのやめた。けっきょく頭おかしい人の話?
No.07 蜜柑 ◇Ei.Vm5YNKQ氏
でっていう。
No.08 幸せを紡ぐ夕べ ◇zmMEjNb3Ok
自作。
No.09 宵闇に月を笑う ◇BLOSSdBcO.氏
やべwwツボったww
え? 笑っちゃ駄目なのww無理ww笑うww
『やはり、どうにも。』ちょwwかっこいいww 俺も学校で使うwww
てかいつの間に殺されたのw展開が見えないwwしかもお兄ちゃんてwwなんでラストでしんみりしてんのwww
No.10 怪人の夕焼け ◇LBPyCcG946氏
意味わからん。言葉遊びが過ぎる。あと語り手の位置が謎。
最初の方で怪人のマントには様々な言語で同じ(意味)の言葉が書かれてると断定形に言ってるのに、終わりの方でそれが推測に変わってたり。
一人称っぽい語りだしかと思いきや神視点だったり。読み苦しい。
No.11 女王様の夕暮れ ◇t5e3bWrwqQ氏
ギャグでいいんだよね? 笑えなかったけど。あ、でも手首が噴水になるのは水芸みたいでちょっと面白かった。
485 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 04:01:30.51 ID:S0pqcyWG0
486 :
全巻3 ◆zmMEjNb3Ok :2008/11/17(月) 04:01:56.75 ID:Q58KwWH+O
No.12 夢夕日 ◇RlxBNHMmBo氏
文章がスカスカで読みやすかった。
No.13 とある男子の影法師 ◇IPIieSiFsA氏
いいね、面白い。男子が自分の後ろに人がいないかを確かめる描写があればなお生々しかったな。
てかみんなけっこういう妄想してんじゃないか?
No.14 散歩に行き、帰ってきてコタツに入る ◆/sLDCv4rTY氏
わからん。ただ比喩はいくつか面白いのがあった。
ラーメンみたいに暖かいとか。でもわからん。
No.15 朱墨の空 1/2 ◇EtV8DSf6go氏
題材はなかなか面白い。ふとした瞬間に走る母子間の亀裂というのは、社会的なものから人間動物の本性的なものまで色々託して描けると思う。
母親から手を離されて冷たかった、て件はまあまあ。でもその後がちょっとしつこい。
回想にしなくて、リアリタイムのものとして書けばいいと思った。子ども視点は使える言葉が限られて窮屈というなら神視点で書けばいい。
たぶんラストのたそがれの件を書きたかったからこんな形にしたんだろうけど。せっかくのいい題材なんだからもっとストレートにぶつかればよかったのに。
ごつごつした文体はマイナス。
No.16 朱に染む ◇pkHvZT49GM氏
難しい言葉が使いたかったの?
中二をやるならNo.9くらい突き抜けてくれないと。
No.17 夕焼け ◇YJSskLCN0氏
>「夕焼けの会じゃなくて、夕景大学です」
はいアウト。ちゃんと規制事項読んだか?誤字もあったし、推敲も不十分なんだろう。
まあつまんなそうだったから途中で読むのやめる大義名分ができて良かった。
487 :
全巻4 ◆zmMEjNb3Ok :2008/11/17(月) 04:04:10.28 ID:Q58KwWH+O
No.18 黒猫と鴉 ◇VrZsdeGa.U氏
本当にクロネコと鴉だけで終わった。お題ほとんど関係なし。冒頭に描写を入れただけ。会話も単に愚痴ってるだけ。
あ、鴉も淋しがるのかという感慨だけは良かった。
これ冒頭は一人称の文体だろ。あと一文が長い。
No.19 それでも僕たちから笑顔は消えない ◇6FLkQ8nIO.氏
はぁ?
No.20 うすぞらのすき間に ◇EqtePewCZE氏
三人称なんだから別にひらがな多用する必要ないでしょ。読みにくい。おかげで内容もよくわからなかった。
No.21 ひだまり妖精 ◇OxZbMIrvNA氏
さんざん夕日で引っ張っときながら肝心の夕景の描写がしょぼくてがっかりした。オレンジ色と橙色しか言ってねーじゃん。
〈総評めいたもの〉
読むたび読むたびがっかりした。
お題がお題だから、みんなどんな夕景を描いてくれるかとwktkしてたら、よく意味のわからん比喩や曖昧な主観的印象ばかり。
描写から逃げてるとしか思えない。客観描写ってみんな苦手なの?
俺は上手い文章よりも正直な文章が好きなんだ。正直かつ上手いなら文句なし。
今回の作品は気取ったうえに下手くそばかりだから目も当てられない。まあ文才ない人のスレだからね。上手さは求めてないよ。でも率直な文章は読みたい。
その中でもNo.5には率直さがあった。No.13は気合いが入ってた。
No.15、No.18はもっと別のやり方があったはず、と残念に思った。
まあそんな感じ。
488 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 04:05:45.94 ID:Sv5vEvef0
お題くれ!!
俺は、俺は書きたいんだ!!どんなにクソだって言われようとも俺にはそれが救いになる
ただ、ID:Q58KwWH+Oが何でこんなに否定的なのかがわかっらんぜ
ただし、せいぜい400〜1200のSSを今日の午後にでも書きなぐる予定。
流石に、眠いンで。
490 :
【投票】 ◆zmMEjNb3Ok :2008/11/17(月) 04:10:36.15 ID:Q58KwWH+O
******************【投票用紙】******************
【投票】:No.05 昼の後、夜の前 ◆4GBUmmG12I氏
No.13 とある男子の影法師 ◇IPIieSiFsA氏
気になった作品:No.15 朱墨の空 1/2 ◇EtV8DSf6go氏
No.18 黒猫と鴉 ◇VrZsdeGa.U氏
************************************************
491 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 04:13:25.98 ID:Sv5vEvef0
492 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 04:13:59.12 ID:Q58KwWH+O
指が疲れたわー。
>>488 > ただ、ID:Q58KwWH+Oが何でこんなに否定的なのかがわかっらんぜ
つまらないからだよ。
493 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 04:16:26.60 ID:Sv5vEvef0
>>492 そうか…でも、書くほうとすりゃ悪いとこだけでなくいいとこも指摘して欲しいんだがね
チラ裏だね、スマン
494 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 04:22:34.33 ID:Q58KwWH+O
>>493 良いとこあるやつは良いとこ指摘してるだろ。
贅沢いうな。
495 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 04:35:37.35 ID:S0pqcyWG0
ありきたりな展開や描写で埋められた文を読むのは退屈極まりない
オチが読めてるんだからなぁ
496 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 04:37:28.16 ID:1QTsVBThO
今がチャンス! お題ください
497 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 04:39:29.96 ID:/FipvJoC0
天井の偉人
498 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 04:43:32.32 ID:Q58KwWH+O
>>495 そう思うならそれでいいんじゃねーの?
ただ他人の感想に絡んでくるカスは死ねばいいと思うよ。
499 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 04:48:03.43 ID:7xKR+ChZO
全感&投票乙!
毎度のことながら、氏の口調は煽りというよりも中二に近いものを感じるなw
500 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 04:48:26.95 ID:1QTsVBThO
何をそんなにイラついているのか知らんけど、まぁそういう時はとりあえず寝ればいいと思うよ。
501 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 04:53:24.91 ID:LtiaG4K7O
このくどい展開が病み付き
502 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 05:14:28.73 ID:Q58KwWH+O
何度目だよこの展開……。まあ俺のせいか……。このくらい全く平気だと思ったんだけどなあ。別にイラついてもないし。
俺なんかM館でもっとボコボコにされてるとこなんだけどな。
前回の品評会のヤツを気持ち悪い、童貞こじらせた女装癖のあるオッサンみたいと言われて。それでももっとぶって!て感じなのに。
BNSKerて俺の予測以上にM属性が低いのか……。
まあ俺の感想が感じ悪いなら次からはちょっと考えるわ。
とりあえずジャンプ読んで寝るか。
503 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 05:29:04.52 ID:yWLnElbC0
全館おつ
まあ、悪い部分を率直に悪いと指摘することと、神経を逆撫でるような言い方をすることは全く別のことだからな
どうにもこれを勘違いしている人が多いらしく、何度目だよって嘆きたいのは周りも同じですぜ。
504 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 06:05:50.87 ID:Q58KwWH+O
ほ
505 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 06:29:18.80 ID:OrFplFk2O
全巻乙
個人的には「どこが悪いか」指摘されずに貶されてるから
煽られてるだけに見える、ってのはある。
でも結局は自分の作品の力不足だしね。
506 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 07:40:24.50 ID:OrFplFk2O
ほ
全感おつ!速いねー。
うはーww自分が書いたの気持ちいいくらいフルボッコされとるがなwwwサーセンwww
ほぅM館か、それは・・・早速行ってみようか・・・ゴクリ
508 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 07:54:36.99 ID:eWENx0V00
他の人に対する感想を読んで、その人がどういう部分を重視するかを読み取り、
それによって自分の作品のどこが気に食わなかったかを類推する。
そのくらいの努力は怠ったらダメなんだぜ。
509 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 08:01:14.24 ID:2eKHV2FQO
>>487 全感おつー。
別に答えなくてもいいんだけど、素直な文章ってどんなのー?
510 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 08:26:10.58 ID:2eKHV2FQO
あ、素直じゃなくて率直か
511 :
◆t5e3bWrwqQ :2008/11/17(月) 08:51:57.07 ID:01p3T1V70
ほ
聞きたいんだけど、投票と気になった作品は絶対にどっちも上げなきゃだめ?
気になった作品に一票いれて、投票はしないっていうのもあり?
512 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 08:55:51.62 ID:4ICFerDSO
白票でもおけ
513 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 08:56:21.15 ID:nNI30HRe0
品評会に作品出すくらいなんだから、ある程度の煽り・叩きは覚悟の上だと思うんだがなあ。
むかつく気持ちは分かるが、それに反論や逆切れってどうなのよ? 無償で感想書いてもらってんのに。
ちゃんとした指摘や指南が欲しいなら、M館に作品投稿すればいいと思うぞ。
514 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 08:57:16.66 ID:HKbeTRut0
>>490 全館乙
No.13ですが、>自分の後ろに人がいないかを確かめる描写
なんでこういう素晴らしいことを、俺が書く前に教えてくれないんですか?
全然思いつかなかったわ。
>>511 別に白紙投票でもいいよ。
悪いと言われたけど、どこが悪いか自分でわからないって人。
まあ基本的には自分で解らないんだけどね。解れば直すんだから。
そういう人は上にも出たM館に行ってみるといい。
ボコられはするけど、知りたいポイントを聞けばちゃんと教えてくれるよ。
辛くなるかもしれないけど。
◆ M館 ◆
http://yy46.60.kg/test/read.cgi/bnsk/1192185142/
515 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 09:07:53.10 ID:QQV4DAmwO
まあ、所詮は物好き達のたまり場なんだから素人ながら書いて叩かれでいいと思う
向上心のある、したいやつは伸びるし
ただ読んでほしいってやつもいるだろう
516 :
◆t5e3bWrwqQ :2008/11/17(月) 09:12:57.94 ID:01p3T1V70
>>512>>514ありがと
******************【投票用紙】******************
気になった作品:とある男子の影法師 ◆IPIieSiFsA氏
冒頭から引き込まれた
読みやすくて最後まで飽きなかった
けど、影が足元から覗いたくらいで振り返ったり、
右手を動かされただけで自分の胸を見たりしたのは不自然
女子高生が自意識過剰なスイーツでちょっと萎えた
男子が影で痴漢してたのは事実なんですけどね
**********************************************
517 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 09:32:55.22 ID:HKbeTRut0
>>18 花粉症ってホントつらいよね。
すっきりとまとめられている。
けれどもう一歩あっても良かったかも、雨の中外に出て地面と格闘だからドロドロのはず。
それを洗うとか。で、洗ってるときに花粉症が出て気づくとかね。
あ、お風呂ないのか。
字下げをするとより書き物らしくなる。もちろん強制ではないけれど、
小説を読もうと思っている人には間違いなく弊害をもたらす。
518 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 09:37:08.18 ID:rhMohhUGO
M館って未完の作品を置くところだと思ってた…
519 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 09:51:05.02 ID:nOegv7bz0
MiKan、未完か。うまいなwww
520 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 09:53:42.64 ID:HKbeTRut0
ミスった。
>>517に『ハウスダスト1/1 ◇EDEDauxIdQ氏』を追記。
>>174-175 お題:処女と雪
>突然のことで両親は驚くだろうけれど、朝が弱い私をいつも起こしてくれるお母さんなんて特に…
>お父さんは…どうだろうな。
読点じゃなく句点。お母さんのところの「…」の後に句点。これでスッキリするはず。
>澄んだ空と陽に照り返された薄黒く潰された路肩の雪くらいだ。
照り返されるのは光であって、雪は照り返す方。
>私より五歳年上なのにそれを思わせない幼い顔立ちと困った時に
>耳と頬をほんのり赤く染めそっぽを向いてしまう仕草を何度も私は見たくて会う度に約束事のように彼に聞いたのだった。
長い。句読点が欲しい。
粗い感じはするけれど、やりたいことは伝わってくる。
文章を書き続ければ慣れてくるから、以降の作品に期待。
あと、投下宣言やアドバイス募集などは別のレスでお願いします。
読む上でもそうだし、まとめの人が楽にもなるので。
521 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 10:09:01.57 ID:HKbeTRut0
>>188-190 誤差日常(お題:勘違い)
一行目で挫かれてしまっているので、推敲は大事。
>功を奏し とあるけれど、何が功を奏したのだろうか。
森見全開ですねわかります。なんだか悲しくなりましたけど。
ところで、落ちてないような気がするのは私だけでしょうか。
偽者と本物を間違えるのは勘違いといういはあまりにもな気がします。
本物のナギちゃんは一見すると男性的な少女なのでしょうか。
それならそういう描写があると良いように思います。
最後も勘違いというより説明不足という名の主人公の邪悪な意図が伺えます。
けれどそれすらも作者の手の内ならば、まんまと騙された私は大人しくするしかありません。ぐー。
ところで、「・・・」の中黒三つじゃなくて、「…」三点リーダを使った方がいいよ。文章なら。使う時は偶数個でね。
522 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 10:13:07.02 ID:HKbeTRut0
>>193 ID:hq7dMZjs0氏
とことなくまんじゅう怖いに通じるものがあるような。
もう少し上手く人っぽく見せられるといいかも。
マドレーヌは清楚なイメージ。苺大福はふくよかな大人の女性。
残念ながら君とは反対のイメージのようだ。
523 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 10:37:57.13 ID:YUJxmbrd0
自分の事は棚に上げて全感いくお!
読みづらいって書いてある奴は読んでないけど勘弁してね。だって横に長いんだもの。
って全部読んでないから全感じゃないか。半感?
No1.
所々わからない表現
>外の音が入りにくい構造に入り込んだのが、
>それとも捜査を打ち切ったのか。前者を願った。
表記間違い?
一文目からだと、外に音が伝わりにくい構造と主人公は理解している
二文目だと、理解していないがそうであることを願うという表現
>ダンボールの箱は何箱か転がっている
他に何か転がってるの?
>本郷は這うようにして窓際に進み
外に音が伝わりにくいはずじゃ?
窓があるなら音が伝わりそうなもんだけど
>生きていて、復讐を宣言した。この自分に。
復讐ってことは《あの男》が主人公に恨みがあると取れる。
けど特にそういう描写がなかったような
No.2
読みづらい
524 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 10:39:06.89 ID:YUJxmbrd0
No.3
綺麗な文だと思った。
ただ、最初の四行の意味が解らなかったのとどうしてそのオチになったのかの部分が見えなかった。
俺も人のこと言えた義理じゃないけど、これじゃ小説である必要ないよね。
No.5
読みづらいよママン
No.6
展開が急だったような。
特に初日、二日目でのカペラさん。
初日に少女の事を知ってた様子も無かったし。
No.7
難解すぎて俺には理解出来なかった。
No.8
>「麻理子も男の子に意地悪されたことあるの?」
最初おばあちゃんのセリフかと思った。
いや、上手いわ。
No.9
気ぃ悪くしないでくれ。
何か読む気力が起きなかった。
線がぐちゃぐちゃしてる気がした。
525 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 10:39:54.60 ID:YUJxmbrd0
No.10
怪人は怪しい人。言われてみたらそのとおりで、盲点を突いてた。
だから少女がコート着て怪人になるっていう下りは上手く伏線張ってるなとおもた。
まあ中盤飛ばし読みだったけどね!
読みづらい。長さ的な意味でなく。
No.11
>民衆にしてみれば身勝手この上ない。というわけで
ここでこの接続詞を使うことで急に俗っぽくなった気が。
>「あ、言い忘れてたけど、一週間血を捧げないでいると、この国、滅ぶから」
重い雰囲気でこういう台詞吐かれるとギャグにしか見えなくなるから困る。
後何か表現がごっちゃになってるような。
>あの女が俺たちを苦しめている
>それは絶対に嫌だ
視点がこの部分だけ移動してる。
え、ていうかギャグだったの?
No.12
解らん。
時間軸も解らん。
526 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 10:41:03.99 ID:YUJxmbrd0
No.13
>彼女との距離は着かず離れず十メートル
ここから始まる段落がやけに長い気がする。もうちょっと削ってもいいような。
っていうか何か重大な理由があるかと思って読んでたら結局ストーカーかよ。
変質者かよ。
面白かったぜ。読みにくかったけど。引き込む力があったから読めた。
No.14
散文詩のエッセンスが盛り込んであって面白いとは思った。
けど解らん。ストーリーの流れが解らん。何がどうなってるんだ。
No.15
綺麗な文だけどなんかオチが無いようにも思える。
あれだ。小説の一部分を切り出したような。動画じゃなく写真。
AがBになってCしたつー部分がすっぽり抜けてるようにおもた。
No.16
同上
最後のワンシーンっぽい。
No.17
あれ、夕景って使っていいんだっけ?
それとも夕景大学だから大丈夫なのか。
No.18
面白かった。
日常風?
特に夕景が必要なかったようにも思えたけど。
527 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 10:42:03.98 ID:YUJxmbrd0
No.19
悪が見えない。見えない悪?
黒と白しかないって所から葬式か何かだとは推測出来たし
加害者、自責、責任とかから何らかを罪を働いたとも読めるけど。
これもワンシーンぽい。よくわからん
No.20
飛ばし読みしたくなったのはひらがなの為か。
何で景山先生の服汚れてんのか。遊んだから?
俺が読み取れなかっただけかもしれんがよくわからなかった。
No.21
読みづらいよパパス
<一通り読んで>
とりあえず改行して欲しかった。横に長いのと反比例して読む気力が失せてくから。
後ワンシーンぽいのが多かったような。小説が読みたいです。文才無くてもいいから。むしろ無くていいから。俺だって無いし。
俺は綺麗な文が好きだけど、綺麗だから良い文では勿論無くて結局他人に解ってもらえるかどうかだと思う。
んで、他者からの理解が得られる綺麗な文書いてもそこに意味が無いと不可の評価になるんだとも。
つまりあれ。他の人が理解できる文かつ、そこに意味のある文。これが重要なんじゃね? 適当だけど。
それが綺麗なら尚良し。
以上のことをまとめて、No.8が一番良かったです。No.13は及第点。
個人的に好きだけど、もう少し頑張りましょうがNo.10とNo.18
528 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 10:44:29.53 ID:YUJxmbrd0
やべ、半感で作品名入れるの忘れてた。申し訳ない。
******************【投票用紙】******************
【投票】:No.08 幸せを紡ぐ夕べ ◇zmMEjNb3Ok氏
No.13 とある男子の影法師 ◇IPIieSiFsA氏
気になった作品:No.10 怪人の夕焼け ◇LBPyCcG946氏
No.18 黒猫と鴉 ◇VrZsdeGa.U氏
************************************************
529 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 10:46:36.25 ID:HKbeTRut0
>>205-207 未確認飛行物体(お題:焼きそば)
くどく感じられた。もう少しさらりと書いてもいいかも。
ふと浮かんだ疑問がきちんと落ちに使われていたので良かった。
綺麗に終わってる。
>>208-212 ガラス窓(お題:夜汽車)
冒頭で父親から電話がかかってきた、とあるのは違和感。
多分この一行だけが時間軸が違うのだろうけど。
祖父と孫ということなのかな。
ぼんやりとしたまま、終わってしまった感じ。
夜汽車という雰囲気は感じられた。
vipの中でならこれでいいと思うけど、小説としてきちんと考えるなら最低限のルールは知っておいた方がいい。
空白行に関してや字下げ、…の使い方などなど。
530 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 10:48:05.80 ID:4ICFerDSO
全館乙
規制スレに通常作の感想来てるよ
転載しようとしたら俺も規制食らってたorz
531 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 10:51:40.15 ID:WRIk2yB20
では転載するよー
532 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 10:52:24.20 ID:WRIk2yB20
408 名前:文才無しさん[] 投稿日:08/11/17(月) 09:47:30 ID:QuF5s1Sq
・レゴリス
綺麗に閉じられているような気もするが、弱い。なぜか。感情がまったく伝わって
こないからだ。幼い頃の曖昧な記憶ということだが、主人公と彼女のたったあれだけ
のやりとりでは充分な心情を汲み取ることができず、上澄みだけを舐めたような感じ
になってしまう。後述するが、秋と対比させて春のシーンがあれば、よくなるかもしれ
ない。
2レス目14行目「一遍」は「一片」の誤りか。また、1レス目の「朧月」という語だが、
確かに霞んで見える月の様子を指すのだが、この1語だけで春の月を意味する。
2レス目中盤で「春の月は朧で〜」という記述があるからこれは知っていてのことかも
しれないのだが、告白した日が9/15と読めるため、おかしいように思う。冒頭の指摘
と関連するが、春と秋の月の様子をうまく捉えているため、シーンとしても春秋両方
あったほうがより映えるだろう。
そうか、彼女は死んでいたのか…。それを踏まえれば違った読み方もできるが、
それならそれでもう少し「死」を匂わせる箇所があったほうがいいと思う。
・お題:味噌汁
鍵括弧の前後の半角スペースは一体…?
世界が味噌汁のメタファーなんじゃなくて、味噌汁が世界のメタファーだと思うが、
設定自体は中々面白い。しかしやはり、「あの男」に何をされたが気になってしまい、
ストーリーがちょっと尻切れトンボな感じ。またこれも既に指摘されているが、「田舎
の蕎麦屋」だけで説明を終えずに、もう少し内部の描写を加えた方がいいと思う。
逆にラストの、言葉少なに一気に片付けたのは、よかったと思う。
533 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 10:52:40.18 ID:WRIk2yB20
409 名前:文才無しさん[] 投稿日:08/11/17(月) 09:47:57 ID:QuF5s1Sq
>>19 ・ハウスダスト ◆EDEDauxIdQ
どうにも「文化住宅」という言葉により、わかるものもわからなくなっている。定義
によれば関東圏と関西圏とで意味合いが異なるようで、前者は西洋風のスタイル
を取り入れた一般向けの住宅、後者は木造モルタル2階建ての長屋状集合住宅
をいうらしい。自分がパッと思いついたのは後者の方であったし、風呂無し低家賃
という記述も合致するだろう。しかしながら一方で、犬を飼っている、庭がある、その
庭と一続きの戸がある、といった設定を後者のような集合住宅に当てはめるのは
難しく、撞着が生じる。このような理由から全体としての舞台状況を想像しづらく、
短い文量であるにも拘らず、すんなりと読みきれなかった。
またストーリーとしても、主人公が勘違いに至る前後の描写がないと、実は花粉症
だった、というオチが来てもあまり面白くはない。
あと自分は花粉症ではないので詳しくはわからないが、一般的に雨が降ると、宙
を舞う花粉の飛散量が減り、症状は和らぐんじゃなかったっけか?
>>64 ・師教 ◆Ynwmyx27bQ
台詞が永井一郎の声で再生された! ふしぎ!
ありがちといえばありがちであるが、うまく落ちていて小気味好い。しかしラスト
で、「あぁはなりたくない」とまで言わしめるほど、年寄り連中の行為が行きすぎて
いたという実感がない。賛否あるかもしれないが、前半部分はA氏を主人公にして
その一人称で進めた方がよかったかもしれない。彼らは(本来の意味の)確信犯
であったわけで、実際に電車内や路上で指導することを正義だと思っている。客観
的な語り口よりも、まさに当事者であるA氏が“正しいこと”をしているように書いた
方がいいと思った。
534 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 10:52:55.19 ID:WRIk2yB20
410 名前:文才無しさん[] 投稿日:08/11/17(月) 09:48:44 ID:QuF5s1Sq
>>191 ・誤差日常(お題:勘違い)
よもやBNSKで那岐なるローカル地名が出てくるとはww
なかなか面白い。ぶっ飛んだ性格の主人公もうまくできているし、やや尻すぼみ
だが、オチも考えられていると思う。しかし確かに弱い。前半には無駄な部分が多く
冗長なので、もっとラストの勘違いを中心に据えてのコメディ調にした方が「勘違い」
が活きてくると、個人的には思う。また主人公が難しめな言葉を使用しているのが、
引っかかる。勿論わざとそういった書き方をしたんだろうが、彼女のキャラに合致し
ないというか何というか。
最後に。これはひじょーーーに細かいことである上に、訂正されたところで俺の
自己満足にしかならないのだが、見知ったローカルな地名が出たのも何かの縁、
軽い気持ちで聞いてほしい。ナギという地名には鳥取県智頭町にある那岐と、それ
に県を越えて隣接する岡山県奈義町とがある。近くに那岐山があり、どちらもその
名の由来は同じなのだが、自治体としての規模は奈義町の方が圧倒的に大きい。
陸上自衛隊の駐屯地もあるしね。というか、実際には智頭町内の住所には「那岐」
としての地名はなく、駅名、小学校名などの固有名詞にしか残っていない。これらの
ことから、主人公の引越し先としては奈義の方が通りがいいかもしれない。
>>192 おっと涎が…
洋菓子と和菓子をそれぞれ対比させて描いた点はいい。しかしそれが「乱れた
生活」へ繋がるのが納得できない。召し上がった、ということはそれぞれをたった今
1個か2個ずつ食べたわけで、ほんの数分の出来事を「生活」とまで言ってしまう
のは強引な気がする。また擬人化するならするで、実際の女性が主人公を誘惑
しているような描写があった方が、面白いと思う。
6行目は「酸いも甘いも」の誤り。
535 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 10:53:36.62 ID:WRIk2yB20
>>209 ・未確認飛行物体(お題:焼きそば)
ドライヤ掛けたくらいで壁叩くとかw
やや面白かった。それなりに纏まっているものの、1レス目のシーンは特に必要
ではないように思う。そのシーンの記述自体は嫌いではないが、全体のストーリー
を見たときに、もっと簡潔に進めてしまった方がいいかと。このせいで、どこが見せ
場なのかわからなくなっているとも思う。
またそこから焼きそばを食べおわるまでのシーンも冗長だと思う。逐一時刻を併せ
ることにより緊迫感は出ているが、どうにも雰囲気としての“時間がない!”ことが
表せていない。描写自体はよくできているとは思うが、シーンに合致していないと
いうか。
以上どこを見ても「惜しい」というのが率直なところ。決定的に駄目なのではなく、
微妙にバランスを欠いているように感じた。3レス目は、視点の切り替わりが唐突
すぎるものの、オチへ向けてすっきりしていてよかった。
二重引用符については、何か拘りがあるというのでなければ、「“”」で1セットで使う
のがいいかと。この約物は色々と難しい問題を含むのであまり言及しないが。
>>213 ・ガラス窓(お題:夜汽車)
全体的な雰囲気が良い。特に3レス目から4レス目前半にかけての、淡々とした
静かなシーンが好き。とは言え余りにも単調であるため、もう少し車内車外人物の
描写は増やした方がいいと思う。またここに移る前段階のおじさんとの出会いの
場面で話の展開がやや急なので、ここももっとスペースを割いて書き込んだ方が
後の言動が活きてくると思う。
逆に1レス目のやりとりは受け入れられない。本人も「ドライだったかもしれない」
と述懐しているが、本当にその通りだと思う。ただし死に対する反応は、それこそ
千差万別であろうし、また叔父に持病があったとかそう長くないことを事前に知って
いたのなら、こういうものなのかもしれないが。かなり無粋な言い方になるが、むしろ
このシーンは実際の会話文とせずに何行かで済ませた方がいいと思う。そして更に
通常は電車が走らない深夜の駅から物語を始め、その説明として途中で父からの
凶報を数行挿む、といった構成にした方が、「夜」や「死」がより出てくるように感じた。
536 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 10:53:52.24 ID:WRIk2yB20
転載終わり
537 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 10:55:20.67 ID:HKbeTRut0
>>463 孤軍奮闘 (お題・お風呂) ◆EtV8DSf6go
そうなんだよ。そこで準備を怠るともう悲しいことにしかならないんだよ。
だから涙をこらえて努力するんだよね!
ただなんか、女の人のある日のブログ、みたいな感じがした。
538 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 10:55:30.07 ID:4ICFerDSO
転載乙
539 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 10:55:39.80 ID:YUJxmbrd0
540 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 11:01:19.62 ID:HKbeTRut0
>>528 全館乙
No.13です。
確かに長いよね。しかも説明説明している。
会話を使えればすっきりとできるんだけど、ひとり語りだと難しいね。
>>536 転載乙
541 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 11:08:50.66 ID:HKbeTRut0
>>516 逃してた。失礼。
確かに不自然だよね。せめて足元を見ながら歩いている、とか入れればよかったな。
もうひとつも表現不足だよね。
彼女は影を意識して振り向いた。対峙する主人公との間には伸びた影。自然とその先に目がいって。
というのを脳内だけで展開しちゃった。
542 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 11:29:49.35 ID:YUJxmbrd0
>>483 今読んだ。全感乙。
>一行目と二行目のあいだが断絶してるね!思わせぶりな言葉で注意をひこうと下手な小細工やらかすとこうなるよ!
言われるまで気が付かなかった。やべー。絶望。
>てか学校統廃合で町から小学生が消えたって、たかが隣町の学校に通うためにみんな引っ越ししちゃったの?すごいね。
うんにゃ、廃校になるほど小学生の数が少なくなったって、今では数人しかいないって書いた。はず。
しかし一行目と二行目は無いな。ご指摘どうもです。精進します。
543 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 11:59:57.35 ID:Q58KwWH+O
>>542 全感乙。
「年々進む少子化により〜」の部分だよね。
これ
少子化
↓
学校統廃合
↓
(小学校がなくなったから)さらに子どもが減った
っていう風にも読めるよ。少なくとも俺はそう読んだ。だから引っ越したのかと。
隣町の小学校に通ってるから帰りが遅くて子どもがみあたらないのかなと読んだ人もいるかも。
少子化
↓
子どもが数人しかいなくなった
↓
(そのせいで)小学校も廃校になった
という風にはっきり区切りながら書いてたらわかりやすかったと思う。
544 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 12:45:16.41 ID:WRIk2yB20
ほ
545 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 12:45:38.64 ID:VJC7rIgEO
>>543 なるほど。そういう風にも読めたのか。
盲点だったぜ。ありがとう。
546 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 13:40:55.63 ID:1QTsVBThO
ほ
547 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 14:03:39.63 ID:hoUywJzbO
お題をください。
548 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 14:10:47.83 ID:QQV4DAmwO
武士
549 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 14:11:08.41 ID:hoUywJzbO
把握
550 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 15:10:31.83 ID:clHOyNPX0
for the green
551 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 15:28:23.38 ID:yYL1BCb4O
保守することもあるでしょうが、保守しないこともあるでしょう。
552 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 16:18:43.93 ID:Q58KwWH+O
ほ
553 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 16:24:04.23 ID:W5ovcnBP0
お題
554 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 16:26:26.21 ID:YUNcc3Sn0
もっと光を
555 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 16:26:40.23 ID:4ICFerDSO
腰痛
スレタイって坂本ジュリエッタか?
557 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 16:36:09.40 ID:W5ovcnBP0
なんてやっかいなお題を……
把握
558 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 16:37:22.55 ID:WRIk2yB20
>>556 うろ覚えだったから微妙に違って恥ずかしいけどね
お題もらったのにどんなお題だったか失念した
だからこそおれはもう一度お題を催促するのだ
560 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 16:59:20.93 ID:/eeBQmCH0
561 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 16:59:28.88 ID:75WMEXjr0
562 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 16:59:34.33 ID:7hjmHR0r0
なにこの無茶振りの嵐
把握
564 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 17:03:22.48 ID:Q58KwWH+O
もちろんみんな全感書いてるんだよな?
565 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 17:04:31.92 ID:75WMEXjr0
書こうと思ったけど、上みたいに文句言われると面倒なのでやめました
567 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 17:20:55.19 ID:rhMohhUGO
書くつもり。
いまはまだNo.6を読み終わったとこだけど。ひとつずつちゃんと読みたいから。
未消化の三つも抱えてこういうのも何だが、
全然思いつかないからお題ください
569 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 17:31:44.49 ID:75WMEXjr0
571 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 17:57:59.37 ID:2V/lcqyw0
お題くださいな
572 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 17:59:17.07 ID:4ICFerDSO
走る
573 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 17:59:39.75 ID:rhMohhUGO
574 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 18:11:41.06 ID:LtiaG4K7O
遠雷
575 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 18:15:36.51 ID:2V/lcqyw0
把握 ありがと
576 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 18:24:04.41 ID:lTchYSi50
お題をおくれくれ
577 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 18:27:12.10 ID:R6YzQFoV0
578 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 18:27:57.77 ID:lTchYSi50
579 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 19:01:27.68 ID:WRIk2yB20
ほ
580 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 19:01:51.72 ID:7hjmHR0r0
over the red
581 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 19:10:38.19 ID:Ja1H1A6n0
他人の作品の感想って勉強になるよね、自分が読んでた時に気持ち悪いと感じた何かを
的確な言葉に表せてたり、なるほどそういう捉え方もあるなーとかなるほどそうすればスッキリするね!とか
ようは感想書こうと思ったら既に的確な感想なりアドバイスなりが付いてたw
もう書くことねーや、いい感想書きさんになれたら優れた物書きさんなれそうだ
582 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 19:53:47.81 ID:f5kb+nfu0
>>529 >>535を転載してくれたID:WRIk2yB20氏
感想ありがとうございます。
自分じゃ分からない、悪いところや、良いところを指摘してもらえるのは、嬉しいですね。
まだまだ未熟なので、今回のいただいた内容や他の方の文を元に、精進します。
てことで、早速どなたかお題ください。
583 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 19:56:01.47 ID:A0YAEQ4I0
584 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 19:59:11.79 ID:f5kb+nfu0
585 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 20:21:24.11 ID:Q58KwWH+O
ほ
586 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 20:28:30.24 ID:GFYz1Abt0
お題くれ
587 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 20:33:00.55 ID:YUNcc3Sn0
背水の陣
588 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 20:34:43.61 ID:GFYz1Abt0
把握
589 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 20:35:12.57 ID:OFK5kuc90
通常作の一行の文字数って品評会と同じくらいかな?
品評会と同じだと横に長くて読みづらい気がするけども。
590 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 20:53:37.45 ID:eWENx0V00
今回は20越えか。全感も多いといいネ!
>>589 何言ってんのか良くわかんないけど、どこで改行するかは作者の自由ですよ
591 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:00:21.01 ID:OFK5kuc90
品評会はまとめられたときに、一行五十〜六十文字だと読みやすいけれども、
スレで見る通常作品は一行何文字ぐらいがちょうどいいのかな、と思った。
592 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:07:26.42 ID:eWENx0V00
>>591 やっぱりよく分かんないけど同じだと思うよ。
掲示板の形式は大体同じになってた気がするし。
でもやっぱよく分かんないから分かる人教えてあげてね。
>>591 2chビュワー組としてはどっちも変わらない
594 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:26:38.29 ID:frnL29zJ0
>>591 右端で折り返し表示になっていればどれだけでも関係ないと思うよ。
反対に、なっていなければ長かったら読みにくいだろう。
50〜60推奨っていうのは、一般的なブラウザの大きさだとそれくらいって事だと思う。
ちなみに本スレだろうとまとめ掲示板だろうと見るのはその人のブラウザなので一緒のはず。
595 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:29:20.74 ID:frnL29zJ0
ということで全感投下。
読んでいる最中、あるいは読み終わりに感じたことを書いた一言全感。
全く何のためにもなりません。
2レスいただきます。
596 :
全感 1/2 ◆IPIieSiFsA :2008/11/17(月) 21:29:50.49 ID:frnL29zJ0
No.01 螺旋 ◆/ks5Y92PHE氏
超劣化スネーク。
No.02 淡いシミと時間軸 ◆FqHXIR7sz.氏
気がくるっとる。
No.03 爆弾部 ◆ocoMPoZMZc氏
火薬類取締法違反の疑い。
No.04 黄昏時、あるいは逢魔が時 ◆7cy2QI8jBM氏
ご冥福をお祈りいたします。
No.05 昼の後、夜の前 ◆4GBUmmG12I氏
夜は放ったらかし。
No.06 夕焼けに合う服 ◆8wDKWlnnnI氏
大人の絵本。
No.07 蜜柑 ◆Ei.Vm5YNKQ氏
詩+α。
No.08 幸せを紡ぐ夕べ ◆zmMEjNb3Ok氏
救われた。
No.09 宵闇に月を笑う ◆BLOSSdBcO.氏
いかもの探偵思い出した。
No.10 怪人の夕焼け ◆LBPyCcG946氏
ちょっと反応した。
No.11 女王様の夕暮れ ◆t5e3bWrwqQ氏
グロ注意。
No.12 夢夕日 ◆RlxBNHMmBo氏
中途半端ハゲ。
No.13 とある男子の影法師 ◆IPIieSiFsA
もちろんインデックスも小萌先生も可愛いよ。
No.14 散歩に行き、帰ってきてコタツに入る ◆/sLDCv4rTY氏
かわいい。
No.15 朱墨の空 ◆EtV8DSf6go氏
贈る言葉。
597 :
全感 2/2 ◆IPIieSiFsA :2008/11/17(月) 21:30:08.93 ID:frnL29zJ0
No.16 朱に染む ◆pkHvZT49GM氏
難読漢字。
No.17 夕焼け ◇YJSskLCN0氏
ご冥福をお祈りいたします。
No.18 黒猫と鴉 ◆VrZsdeGa.U氏
ねこさんがんばって。
No.19 それでも僕たちから笑顔は消えない ◆6FLkQ8nIO.氏
前園さんの言うとおり。
No.20 うすぞらのすき間に ◆EqtePewCZE氏
小さな恋の物語。
No.21 ひだまり妖精 ◆OxZbMIrvNA氏
何故かサッパリ妖精。
すべてを憎む思いで書かれているので、
作者の人は語尾に『死ねばいいのに』をつけてお読みください。
598 :
全感 0/4 ◆IPIieSiFsA :2008/11/17(月) 21:32:22.80 ID:frnL29zJ0
それでは引き続き通常の全感。
投票含め4レスです。
599 :
全感 1/4 ◆IPIieSiFsA :2008/11/17(月) 21:32:41.13 ID:frnL29zJ0
No.01 螺旋 ◆/ks5Y92PHE氏
気になる点が多すぎる。言葉の間違った使い方やおかしな表現。誤字など。
時間を置いて、冷静に文章を読み直してみる。そうすることで書く時には気づかなかったおかしな点が見えてくる。
つまりは推敲はとても大事ということ。
描写が命の作品になっているので、この点で残念なことになっている。
話はきちんと練れていれば面白そうだと思った。4レス目のあたりを押し出してもっと物語性を持たせて。
文章を書く練習をすれば面白い作品が読める、と思った。
No.02 淡いシミと時間軸 ◆FqHXIR7sz.氏
本当に解らないのはこっちだ。と思わず叫びたくなる。
俺と作者には想像センスに大きなレベルの差があるのだろう。次元が違うといってもいい。
「〜た」で終わる文が多いのが気になった。それの連続だと何か箇条書きでも見せられるみたいな気持ちになる。
それが狙いならばそれまでだけど。推敲は大事。
No.03 爆弾部 ◆ocoMPoZMZc氏
どかーん。主人公と同じものを感じさせたいのなら、主人公と同じだけの情報量を。
とまでは言わないけど、ある程度の情報は必要。
主人公の心象だけ並べられても何をどう理解していいのかわからない。
VIPや2chの中だけでいいのなら構わないが、それ以外と考えているのなら文章を書く上でのルールを読んだ方がいい。
No.04 黄昏時、あるいは逢魔が時 ◆7cy2QI8jBM氏
何で失踪して死んだの?
なんだかもやもやしたものが残る。
内容云々はともかくとして、最後の一文は綺麗ね。
No.05 昼の後、夜の前 ◆4GBUmmG12I氏
妻が病的に夕方を嫌うところとそれ以外とがいまいち同じ人だと一致しなかった。
人生を一日でたとえるので何か話が作れそうな気がした。
衝突しないように努力する、っていうあれは良かった。
多くないかもしれないけど「て、に、を、は」が気になった。
600 :
全感 2/4 ◆IPIieSiFsA :2008/11/17(月) 21:32:59.23 ID:frnL29zJ0
No.06 夕焼けに合う服 ◆8wDKWlnnnI氏
夕陽が鳴り響くとどんな音がするのだろうか。
カペラさんは女性じゃないの?これは名前名前詐欺だわ。
最後が読みきれなかった。結局どういうことだったのだろう。
少女の年齢具合があやふやな感じ。
No.07 蜜柑 ◆Ei.Vm5YNKQ氏
意味が解らない。足は身体じゃないのだろうか。飾り?ジオング?
小説を目指すのか詩を目指すのかによって違うが、字下げと段落と改行について知った方がいい。
No.08 幸せを紡ぐ夕べ ◆zmMEjNb3Ok氏
良い話だった。ほんわかしてくるよね。
>「顔が赤くなるのを誤魔化せるだろう?」 これが素敵です。
No.09 宵闇に月を笑う ◆BLOSSdBcO.氏
なんかよくわからない。4レス目と5レス目。いや、心象風景の中なのはわかるんだけど、
「怯えた」っていうのが何に怯えたのか解らない。その後は語り手が変わっているけど、そんな素振りもないし。
一番解らないのは『いかにも』のイメージ。
No.10 怪人の夕焼け ◆LBPyCcG946氏
なんという変態。
冒頭四行の綺麗さとその後の不可解さとその他諸々をすべて多い尽くす変態。
No.11 女王様の夕暮れ ◆t5e3bWrwqQ氏
何で夕暮れを奪ったのか。一応それらしい理由はあるが、何の問題解決にもなっていない。
ということは別の理由があるはずだ。何でだろう。
民主の反乱を起こそうという気持ちだけが理解できる。最後のアレを考えると女王も意味不明だし。
601 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:33:02.57 ID:OrFplFk2O
>>597 全巻乙
なんかあまり酷い事を言われた気がしない
602 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:33:05.11 ID:YaCzVXUz0
603 :
全感 3/4 ◆IPIieSiFsA :2008/11/17(月) 21:33:14.43 ID:frnL29zJ0
No.12 夢夕日 ◆RlxBNHMmBo氏
逆から構成されているのかと一瞬、思ったけれど違った。半分は正解みたいだけど。
時空間が捩れてる感じ。解りにくい上に、解りにくい。
No.13 とある男子の影法師 ◆IPIieSiFsA
漫画しか読んでないけど御坂可愛いよね。てか超電磁砲の方の女の子はみんな可愛い。
No.14 散歩に行き、帰ってきてコタツに入る ◆/sLDCv4rTY氏
なんとなく、なんとなくだけど3歳の子供が頭に浮かんだ。
ふんわりとほわほわほほえましい感じ。
この文章には多分、中毒性がある。そのくせ、本質は理解できない。
No.15 朱墨の空 ◆EtV8DSf6go氏
固い口調で語られる幼き心情。なるほど、うまいと思わされた。
けど最後。>私のとっての って。あう。
No.16 朱に染む ◆pkHvZT49GM氏
何か事があって、その締めくくり。こういう理論を持って小説とするのは無理がある。
理論は理論だから。多分言いたいのは、「人を殺すのに理由はない」じゃないかな。
理由はいるよ。人がそれを求める。あと「食べるため」じゃなくて「食べたい」から殺すんじゃない?
あれだったから読めたけど、通常だったらどうにもお手上げだったと思う。
いや文章から判断はできるかな?
No.17 夕焼け ◇YJSskLCN0氏
真っ向から規制事項に挑むその姿勢がカッコイイ。いや嘘だけど。
なかなかいい感じのお話だったけど、4レス目で萎えた。
緑閃光を知らせるのは西先生の方が良かったかな、と思ったけど、彼はそれどころじゃないか、とも思った。
字下げをすると小説としての体裁が整う。
604 :
全感 4/4 ◆IPIieSiFsA :2008/11/17(月) 21:33:35.62 ID:frnL29zJ0
No.18 黒猫と鴉 ◆VrZsdeGa.U氏
猫も大変だよね。というか、こいつらはどこで本を読んでるんだか。
たらたらと流れていった、とあるありふれた風景みたいな。
No.19 それでも僕たちから笑顔は消えない ◆6FLkQ8nIO.氏
寺を纏う風って、寺の中に風が吹き込んでるの?
「あの人」と「あいつ」っていうのは同じ人のこと? ややこしい。
ところどころ描写が怪しく感じられた。
会話文に字下げはいらないよ。
No.20 うすぞらのすき間に ◆EqtePewCZE氏
病院の人影はなんだったんだろう。
小さくなってるってことはこちらに何らかの影響があるのかと思って、謎の女の子かと思ったけど、
あれは先生だよね。なんかよくわからん。
字下げ、段落、改行。
No.21 ひだまり妖精 ◆OxZbMIrvNA氏
で、欠けてるものは何だったんだろう。
よく読んでよく考えれば見つかるのかもしれないけれど、そこまで読みたいとは思えなかった。
この手の話は最終結果を出せないけれど、主人公には前に進む何かを与えてあげて欲しかった。
そもそもひだまり妖精って何だ。
******************【投票用紙】******************
【投票】:なし
気になった作品:No.08 幸せを紡ぐ夕べ ◆zmMEjNb3Ok氏
No.10 怪人の夕焼け ◆LBPyCcG946氏
No.14 散歩に行き、帰ってきてコタツに入る ◆/sLDCv4rTY氏
**********************************************
605 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:34:57.11 ID:frnL29zJ0
以上で終了。
それでは引き続きBNSKってください。
606 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:44:31.93 ID:WRIk2yB20
ぜんかんおつ
607 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:51:35.34 ID:tWIA6+zGO
善管おつかれ。
ところでお題くれない?
608 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:53:13.75 ID:75WMEXjr0
609 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 21:58:17.69 ID:tWIA6+zGO
把握
610 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:00:36.31 ID:IzHpgAZmO
ところで俺にもお題くれるか
611 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:02:58.20 ID:75WMEXjr0
612 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:07:46.67 ID:LtiaG4K7O
踝
614 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 22:40:58.86 ID:JOGFCmJp0
615 :
全感 ◆7WkLLbSBnM :2008/11/17(月) 22:50:39.92 ID:tUqQgSGv0
通常作品にがんがん感想が付いているから、
俺は品評会に感想つけようと思った。9レスくらい?もらうます。
No.01 螺旋1/5 ◇/ks5Y92PHE
背景とか、読者が考えないといけないストーリーなのかな?
《あの男》の正体、妻のこと、男のこと、
なぜそのビルにいるのか、なぜ妻がいたのか、
全部意味ありげに放置されていて、俺としては
読んだ人に何をどこまで求めてるのかわからない話でした。
で、所どころ副詞やらてにをはやらがおかしい感じがした。
>螺旋階段をじっくりと上っていた
>階段をしっとりと上っていった
>じりじりと身を這うと
一番最初の「じっくりと」はまあ、ありえない使いかたとも言い切れない、
けど、その後の「しっとりと」はさすがにおかしいし、
「じりじりと身を『這わせると』」じゃないと文脈通らないし、
他にも助詞が怪しい部分がかなりあったので、
小説的な文体を作ろうとして失敗してるのかな、とも思ったけど、
ちゃんとした文章をもっともっと読んだほうがいいんじゃないかなあと感じました。
No.02 淡いシミと時間軸 (1/6) ◇FqHXIR7sz
なんでこれを書きたいと思ったの?
これは面白かったです。頭のおかしさがいい感じでした。
メトロノームの人?(笑)
ただ、時々ふいにまざる主人公の
読者に語りかけてくる部分が不要と思いました。
最初から全部語りかけてくるか、最初から最後まで
一人称の文章のまま最後の6/6に繋がってもおかしくはなかったんじゃないかな。
616 :
全感 ◆7WkLLbSBnM :2008/11/17(月) 22:51:24.36 ID:tUqQgSGv0
No.3 爆弾部(1/3) ◆ocoMPoZMZc
こういう、特に感想のわかない作品を読むたびによく考えるんだけど、
こういう話をたくさん集めて一冊の文庫本にまとまっていたとして、
それを読み終えたとして、この話を一体覚えているだろうかという。
でも、完成はされていると思いました。
大学生の自主映画のうちの一本みたいだった。
No.04 黄昏時、あるいは逢魔が時 1/6 ◇7cy2QI8jBM
あんた東北人だろ。
それはさておき、正志の死亡ニュースから美弥の発狂シーンに
もうワンクッション欲しかった気がする。
というか、せっかく「黄昏時に歩いてくる人の顔が見えないから、正志だと思える」
という伏線が張ってあるんだから、
道行く人を片っ端から正志だと思って語りかけたりとか、
発狂に至る生かし方があったんじゃないかなあ、という気がしました。
お話としてはまとまってて、ちゃんとお話を読んだなという気持ちになれました。
No.05 昼の後、夜の前 1/5 ◇4GBUmmG12I
これはできがいいなあと思いました。お話としてきちんと成立してて、いい話。
ただ一箇所だけ、夕方嫌いだから、バスケ部もピアノも辞めたっていうところ。
夕日を見る時間に外を歩いていたくないからだ、という説明がないので、
ちょっとぶっ飛んだ印象でした。たぶん、奥さんが夕日を見るのが
もっと真剣に嫌だ、ということがアピールされていれば気にならなかったかも。
617 :
全感 ◆7WkLLbSBnM :2008/11/17(月) 22:52:35.95 ID:tUqQgSGv0
No.06 夕焼けに合う服 1/5 ◇8wDKWlnnnI
なんだろう、すごく読みづらかったです。
童話的な文章の体なのに、なんでだろうなと考えてみると、
読点が少ないのと、読点が少なくて一文が長い文章の複合が辛いようでした。
例えばこれとか。
> しばらくしてカペラさんがなかなか喋りださないのに業を煮やした少女が何か言おうとしたので、仕方なく言い難そうにカペラさん
>が口を開きました。
で、少女の口の利き方が大人びているので、
エプロンが床に着きそうだとか、「こんな幼い子を残して」とかいう記述にものすごく違和感があったし、
このカペラさんのお店はどういうお店だったんでしょうか。
一日で何着か服を作ったのか?一着服をオーダーメードで作るのに
最低でも2,3日はかかるんじゃないでしょうか。
それともカペラさんは既製品の服の中でイメージにあうものを一日で買い付けてくるのでしょうか。
それとも実は魔法でどんな服も即座にできるとか?
そこらへんの想像がつかなかったので、どうにも居心地の悪い、中途半端な印象でした。
カペラさん本人、カペラさんのお店などの世界観が見えてこなかったということでしょうか。
No.07 蜜柑 1/3 ◇Ei.Vm5YNKQ
詩だな、と思いました。でも意味がわからない。
萩原朔太郎とか、中原中也とか、辻潤とか、
ダダ系の自由詩なのかなーと思うけど、
それでもそういう詩人の詩は、一読すれば短くても、どんなに比喩が過剰でも
その風景を感じることができ、言わんとする部分がわかったけども、
これはさっぱりわかりませんでした。
結局詩にしろ小説にしろ、作者が何に対してどう感じたのかを
読み手に伝えることができて初めて成り立つと思うのですが、
これはただかっこよさげで意味ありげな言葉をつらつらと並べて
詩の体裁にしただけのような気がしました。
618 :
全感 ◆7WkLLbSBnM :2008/11/17(月) 22:53:03.28 ID:tUqQgSGv0
No.08 幸せを紡ぐ夕べ 1/5 ◇zmMEjNb3Ok
あまーい!いい話だなその2。
俺が年取ったのかなと思ったのは、おじいちゃんの口調が若かったから。
60前後くらいの年齢の人までしかこのおじいちゃんの口調では想像できないのだけど、
作者は何歳くらいのおじいちゃんをイメージしていたんだろう。
No.09 宵闇に月を笑う 1/6 ◇BLOSSdBcO.
一読して、よくわかんなかったけど読み直すの面倒になってしまいました。
3/6から始まる「僕」の心象の中で「私」と会話してるわけですけど、
この「私」が犯罪心理捜査官の主人公なのか?
ただの心の声なのか?
で、葬式の後、主人公は「お兄ちゃん」と会話してるわけですが、
これがすでに死んでいる緒方宗司でいいのか?
たぶんもっと時間をかけて、主人公の能力をきちんと別のエピソードで
読み手に理解させたうえで、書かれるべきストーリーだったんじゃないかと。
6レスという制限のためか、すべてのパーツが浅く薄く説明不足で収束してしまった感じでした。
No.10 怪人の夕焼け 1/5 ◇LBPyCcG946
どう受け止めればいいのかわからない。
夕日を見るためにここにいる怪人がいて、少女を見つけては脳みそと時間をいじって
理想の夕日を見ようとする。何かの加減で怪人の能力が少女に移って
怪人が死に、少女が怪人になるっていうループなんですよ、
っていうのはわかりました。
619 :
全感 ◆7WkLLbSBnM :2008/11/17(月) 22:53:32.69 ID:tUqQgSGv0
No.11 女王様の夕暮れ 1/6 ◇t5e3bWrwqQ
>女王は長く続くこの儀式に一種の快感が芽生えていたが、この発言はそれによる副作用では決してない。
>城から遠い所にある村々は、手当たり次第に駐屯地にいる衛兵を虐殺していった。
投稿する前に落ち着いて読み直すんだ!
で、じゃあ女王は「血を捧げないと一週間でこの国は滅ぶんですよ!」って
最初から言ってればいいだけなんじゃね?と思った。
それも神との約束で言えなかったんでしょうか。
でも最後に言ったんだから言おうと思えば言えたんだよね。
だからなぜ?って感じでした。
お話のために作ったお話、という感じ。
No.12 夢夕日 1/6 ◇RlxBNHMmBo
最初の一段落を読んで、ああ、まーた抽象的心象風景小説かぁ、
すごい一生懸命読んで意味を考えても結局作者のオナニーだったりすることもあるから
読むの面倒だなあ、と思ってしまったけど違った。失礼しました。
アイスコーヒー青年と主人公の喫茶店に入る理由が
ご都合主義すぎるとは思いましたが、
アイスコーヒーと青年の使い方がすごく洒落ててよかったです。
No.13 とある男子の影法師 1/2 ◇IPIieSiFsA
面白かったけど、影のでき方がよく考えるとちょっと気になった。
620 :
全感 ◆7WkLLbSBnM :2008/11/17(月) 22:54:40.42 ID:tUqQgSGv0
No.14 散歩に行き、帰ってきてコタツに入る 1/3 ◆/sLDCv4rTY
砂漠で二匹の象が体育座りしてた人?
一人で寒い冬に考えることを見てるみたいな気になりました。
ただ、「夜道」と記述があったのに、ラストで「夕焼けに両手を〜」となっていて、
時制がちょっとおかしく感じました。
あと、赤いセーターでホッカイロなのに素足でわらじ?みたいな。
でも、わけわかんないけど悪くないなあ、と思いました。
No.15 朱墨の空 1/2 ◇EtV8DSf6go
なんかこう小難しい言葉を使う必要があったのかな?と思いつつ、
上手な小説だなあと感心しました。この小難しい文体だからこそ
最後の万葉集の引用がなじんでうまく生きてる感じ。
No.16 朱に染む 1/4 ◇pkHvZT49GM
すごい高尚な俺は一段高いところにいるんだぜ愚民ども
て思ってる自己愛の強い中二病の男の話みたいだ。
と思ったのは、「トマトジュース」とか「セックス」とか
これだけ読みづらい画数の多い非常用漢字を使ってる中で
ぽんぽんあって、「難しい漢字を使ってみたかっただけなのか?」と思わされてしまうからかなあ。
あと内容も最近ではありがちだったことも
そういう中二的雰囲気な原因かもしれません。
No.17 夕焼け 1/5 ◇YJSskLCN0
会話が一度始まると連荘で4つくらいカッコが続くのは
なんとかならないのかなあ、と思いました。わかるんだけども。
そのカッコの中身、せりふの部分がどうにも書き割りっぽい、
学芸会の台本を読んでいるみたい。
いい話なだけに、感情移入のしにくさ、
小説の中と現実世界の深い溝を感じて、もったいなーーーーーいと思いました。
621 :
全感 ◆7WkLLbSBnM :2008/11/17(月) 22:56:10.38 ID:tUqQgSGv0
No.18 黒猫と鴉 1/5 ◇VrZsdeGa.U
>猫が驚嘆のしたのは
>鴉は群れに見つけらて貰うことが出来、
>直ちに逃げ出そうと思い立ったはものの、
>最初の放たれたのは、
後半の二つは誤字脱字なんだか言い回しなんだか難しいところだけど、
やっぱり誤字脱字だと思った。
で、最初の二段落は誰の視線なの。
そしてまた、特になんということもなく話が始まって終わってしまった。
やおいだなあと。
あと烏がどうやって「我輩は猫である」を読めたのか。
猫なら主人の蔵書ってのもありかもしれないが、
野良の烏は読む機会なんかまずないのではないかなあ。
No.19 それでも僕たちから笑顔は消えない 1/2 ◇6FLkQ8nIO
いじめで自殺したクラスメイトを、成長したクラスメイトたちが
墓参りする、という話でいいのかな。
ラスト一行がぶっとんでると思った。ていうか、せっかくその二行前で
>僕たち加害者は、自責の中でもがき、人知れず覚悟をしてオレンジの空に飛んだあの人に花を添えた。
というのがあって、助けることもしないで死なせてしまった悔恨が
じわっと出てきてるのに、
ラスト一行で「俺のせいじゃないもん、悪いのは社会だったんだもーん」て
なっちゃうのかなあ。とすごく不思議な感じがしました。
もしそういう感情の錯綜、責任感と責任から逃れたいという両面性を
書きたかったのなら、レス数も余ってるんだから、
もう少し深く書ききって欲しかったかな。
622 :
全感 ◆7WkLLbSBnM :2008/11/17(月) 22:56:52.13 ID:tUqQgSGv0
No.20 うすぞらのすき間に 1/4 ◇EqtePewCZE
先生が体ごと童心に帰ってる、そしてなぞの人影。
どっちも放置、みたいな。
先生が子どもに返ってるのはアリだと思うのよ。不思議な思い出みたいな感じで。
で、その人影は・・・
ここまで放置するなら、いっそ出さなくても同じだと思うのよ。
No.21 ひだまり妖精 1/4 ◇OxZbMIrvNA
なんで夕方で夕日なのにアサガオの陽だまりなんだろう。
で、世界観がわからないかった。この現代社会の世界だったとして、
30センチの妖精を見つけたら大家に知らせようと思う前に
絵にするか写真に撮るんじゃないか。従ってこの小説の中の世界が
どんな世界なのかわからず(もしかして妖精が結構普通なのか?)、
「僕に欠けているもの」という表記が2,3回出ているけど、
特に最初から主人公がそれを問題にしているわけでもなく、
急にひだまり妖精とのやり取りの中でいきなり出てくるので、
その「欠けているもの」とやらの想像さえつかないまま
> そしてある一点で、僕は僕に欠けるものに一瞬だけ気づけそうな気がした。それは何か,
>僕にとってすごく大事なもののような気がしていた。僕が僕であることに関わるような何か。
> けれど、それが何か捕らえきれないまま、次の瞬間にそれは“西の森”の闇の中に逃げ去ってしまっていた。
こうきちゃって、
最後の最後まで課題の正体もわからないまま、主人公だけが解決しているという
何その究極の自己完結。みたいな。
たぶん、「友情」というものを人間のように理解しない妖精と、
人間が心を通じ合わせて見るということが最高の夕日を作り上げているんだよ
みたいなのが言いたかったのかなーとおもいつつ、
この文章じゃそりゃわからんよ。と正直思いましたことです。
でもね、文章自体はうまかったの。夕景を一番見事に書いたのはこの作品だと思いました。
もっと「欠けたもの」やらなんやらを形にしてほしかったなあ。
623 :
全感 ◆7WkLLbSBnM :2008/11/17(月) 22:58:01.02 ID:tUqQgSGv0
******************【投票用紙】******************
【投票】: No.05 昼の後、夜の前 1/5 ◇4GBUmmG12I氏
―感想―
よかったです。
No.14 散歩に行き、帰ってきてコタツに入る 1/3 ◆/sLDCv4rTY氏
―感想―
好き。これらの話が集まった文庫本なら、
2,3年周期で取り出して読んで寝そう。
気になった作品:なし
**********************************************
総評
全体的に、読者をこき使う作品が多かった。
一度読んでさくっと意味が理解できる作品がはっきり言って無かった。
それができたのはNo.3だけかもしれない。
読者にも考えさせることで確かに世界は深まるかもしれないけど、
それ以前にその作者の想定している世界観が示されていなさすぎるために、
読者としては真っ暗闇の中に放り出された中で
手探りで何がある部屋なのか探らないといけないみたいな作品ばかりでした。
世界観をきちんと読者に伝えないと、作者の世界の中で
読者が遊ぶことはできないと思います。入り込めない世界なら
人に読ませなくてもいいことになってしまうし。
624 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:00:19.58 ID:LtiaG4K7O
全感乙。今回賛歌してないけど
さて、お題くれ
625 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:01:05.77 ID:frnL29zJ0
626 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:01:28.29 ID:75WMEXjr0
やさぐれ女子中学生
627 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:02:02.88 ID:P4wUlZJ50
>>623 全館乙。
ようやっと、まともな感想がもらえた。
それだけ指摘通り「読者をこき使」って読む気にさせれなかったんだろうがorz
628 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:05:33.47 ID:aBzUUYBh0
なんかお題くれえ
629 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:06:49.23 ID:P4wUlZJ50
ささくれ
630 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:07:09.53 ID:frnL29zJ0
631 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:14:53.03 ID:WRIk2yB20
ぜんかんをつ
そこはかとなく賑わってるね
全館乙
次回は参加したい。
でもその前に「星を盗んだ女子中学生」をなんとかせねばならぬ
どうすんだこれ
633 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:22:41.34 ID:Pe9TMjQhO
全館乙
そしてお題をくださいな
634 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:23:04.71 ID:tWIA6+zGO
クラリネット
635 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:23:28.81 ID:WRIk2yB20
事件のホシ(犯人)を連れ去る少女を夢想した
636 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:24:16.15 ID:Pe9TMjQhO
637 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:27:22.98 ID:eWENx0V00
パッと思い浮かばなかったら一レスで下らない作品書いちゃうことにしてる。筆力は上がらない。
638 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:27:35.19 ID:aBzUUYBh0
みんなありがとう
全く思いつかないから今からお風呂が沸くまでにぱっと書いてしまうことにする
640 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:35:02.05 ID:Ja1H1A6n0
最近は女子中学生がはやってんのか?w
641 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:37:28.52 ID:frnL29zJ0
女子中学生は永遠だろJK
642 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:37:56.89 ID:tWIA6+zGO
思い付かないときはお茶を濁そうにもモチベーション上がらなくて書けない
643 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:38:56.99 ID:frnL29zJ0
そうだお題もらわなきゃ
644 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:40:19.92 ID:R6YzQFoV0
645 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:43:32.26 ID:tUqQgSGv0
あっ!「どーれ、全感まとめにはりつけて寝るか!」と思ってたら
貼ってくれた人がいる!ありがとうございます!おやすみなさい!
646 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:47:33.16 ID:YUJxmbrd0
あー何かお題貰ったから嬉しくてウオー! って考えてプロットまとめた後ガーッ!と書いたら
14kb位になっちゃったんだけど。230行近くあるし。
こういう場合ってどうすればいい? ゴミ箱にッポイしかないかな。
647 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:51:46.16 ID:R6YzQFoV0
どーせ明日になれば三日ルールでdat落ちだし
投下してもいいんじゃと俺は思うけどね
648 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:52:54.14 ID:z1zdYwn80
>>646 アプロダという手がある
あと、長編用のスレがあった気がする
探してみたけど、すぐには見つからなかった
649 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:53:15.70 ID:Sv5vEvef0
>>646 ぽいしないでください。
あー書く、書く言いながら書けへんかった……。
伝説=ガッツ石松を思い出したらもうね。
それしか思いつかなくなったwww
650 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:54:22.31 ID:GknwlVDG0
小説書いたことないけど書いてみたいな
651 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:54:46.06 ID:Q58KwWH+O
652 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:55:55.36 ID:frnL29zJ0
>>644 了解
>>646 230行って8レスくらいでしょ?
16レス投下した身としては投下したら、としか言えない。
>>647 また三日で落ちるようになったの?
653 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:56:23.53 ID:frnL29zJ0
654 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:57:08.33 ID:W5ovcnBP0
なってないよ
655 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:57:36.15 ID:Ja1H1A6n0
余裕で五日間生存している板がある
656 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/17(月) 23:57:55.72 ID:R6YzQFoV0
あれ三日ルールってもしかして消滅した?
657 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:01:04.60 ID:UL80DaZl0
ああ最近無くなったのかすまんかった
プロットってどうやって作ってる?
659 :
流行の最先端(お題:無欲、フローラル、こめかみ、見損なう):2008/11/18(火) 00:09:32.63 ID:Upmkb6YN0
>>652 あ、その程度なら全然大丈夫なのね。
通常作品だと2〜5レスくらいっていう印象だったから。
んじゃ投下します。
お題:無欲、フローラル、こめかみ、見損なう
660 :
流行の最先端(お題:無欲、フローラル、こめかみ、見損なう)1/8:2008/11/18(火) 00:11:09.37 ID:Upmkb6YN0
突然部屋に響いた気の抜けるような音に僕の意識は呼び戻された。音源は僕のお腹。そ
うしてやっと、脳が悲鳴を上げていることに気づく。
二年分の埃が積もった本の山を避けるようにベッドから降りる。その殆どが哲学書、専
門書で構成された一山二十冊ほどの本の山が十畳一間を埋め尽くさんとばかりに乱立して
いる。ふと、よくこれまで崩さなかったものだと考えた。
床に足をつけて気づく。まだ肌寒いままの大気は、僕からだけでなくフローリングから
も熱を奪っていた。辺りはまだ暗い。春の夜は命の躍動溢れる季節とは思えないほど、寒
い。
大体一時くらいだろうか。僕の部屋に活動している時計は無い。時間が意味を持たなく
なってから時計を見る機会は無くなり、ついに電池を切らせ動かなくなってからも必要と
しなかったものだからプラスとマイナスで出来た命を吹き込んでいない。だから時計はあ
るが、意味を成していない。
ドアを開けて廊下に置いてある夕食を取り上げる。今日はチャーハンか。無感動に事実
だけを捉え、食事を始める。冷え切ったチャーハン。世話をしてくれる親には頭が下がる。
とはいえ、僕のようなお荷物を養いつづける理由は金があるからの一点に収束するのだろ
う。幾ら息子と言えど穀潰し。金が無ければ放り出しているに違いない。引きこもりの末
路など親が死んで外に放り出されるか、見損なわれて外に放り出されるか、金が無くて外
に放り出されるかくらいなわけだし。
チャーハンが少しずつ減っていく。それと同時に僕の思考の的も少しずつ変わっていく。
もし仮に。我が家の家計が火の車になったとする。僕は放り出される。生きてゆく為に働
かねばなくなる。そうしたならば僕は、僕が引きこもる理由を解決することが出来るのだ
ろうか。
自分自身について百時間以上考え抜いた結論。僕が引きこもる理由。それは無欲だ。あ
まりに膨大な知識を溜め込みすぎたが故に来るニヒリズム的な、もしくは否定的な、並大
抵では無い無欲。およそ四桁を越すであろう書物から知識だけを抜き出しつづけた結果、
生理的反応から来る欲求以外を望んだ事は、記憶している限り一度もない。
この部屋にはパソコンと、無数の本、大量の服があるがそれは周囲に流されて購入した
もので自発的な欲求から買い求めた物など一つも無い。現に世界と僕とを遮る城門が閉じ
てからは一度も触っていない。あの埃の積もりようがそれを証明している。
661 :
流行の最先端(お題:無欲、フローラル、こめかみ、見損なう)2/8:2008/11/18(火) 00:12:16.50 ID:Upmkb6YN0
ではどうやって時間を過ごすのかと言えば……ただそこに居るだけだ。時折図書館と化
した頭を引っ掻き回し、くだらない事を思案したりなどするが、殆どの時間は無為に過ご
している。その究極的なまでの無欲。果たして解決することは出来るのか。
チャーハンが無くなった。味は特に覚えていない。栄養を補給したという面が強い。
急激に腹が膨れた事で、抗いようの無い睡魔に襲われた。抗うつもりも必要性も無い僕
は数分前までチャーハンが盛られていた皿を廊下に出し、ベッドの上で眠りについた。
カーテンの隙間から流れ込む僅かな陽光が仄かな暖かさを感じさせる朝だった。生きて
いるものなど僕しかない、ある意味では僕も死んでいるのかもしれないが、部屋の中に少
しばかりの甘さを伴った花の香りが漂っていた。奇妙なことだ。昨日までそんな匂いなど
しない、寧ろ埃臭くあるような部屋だったのに。訝しがりつつ体を起こした
そこには、こめかみがあった。こめかみだ。いや、事実だけ見ればそこにあるのは肌色
の皮膚で両端を覆われた棒なのだが、それを見た僕はこめかみとしか思えなかった。自分
の右手で左手を触り、今己は己に触れている、と直感するように肌色の皮膚で両端を覆わ
れた棒を見た僕はそれがこめかみだと直感した。
そのこめかみには、今まで見たことのない美しさがあった。相対的な美しさではない。
僕は他人のこめかみなど注視して、「この方のこめかみは美しい」などと言う人間ではな
いし、そもそも他人のこめかみに注意を払ったことなど一度も無い。そこにあったのは絶
対的な美しさだ。肌色の皮膚は瑞々しく少女の若々しい肌のようだった。色も申し分ない。
少し白みがかった肌色は貴族の令嬢を思わせる。埃にまみれた山が連なる僕の部屋。その
山と山の僅かな隙間に広がった、しかしやはり埃に溢れる荒野。こめかみは、そんな荒野
に咲く一輪の花を思わせる美しさを持っていた。
しかし何と不思議なことだろう。まずその存在が不思議だ。これは生きているのか。次
に何故ここにあるのか不思議だ。最後に……大前提として、何故こめかみなのか。
疑問を解消すべく近寄ってみると花の香りが強くなる。なんということだ。花のように
美しいこめかみだと思ったが、まさか花のような匂いまでするとは。また一つ疑問が増え
てしまった。何故花の香りがするのか。
662 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:13:03.50 ID:OM5+eylX0
お題くださいな
663 :
流行の最先端(お題:無欲、フローラル、こめかみ、見損なう)3/8:2008/11/18(火) 00:13:33.78 ID:Upmkb6YN0
僕はその、あらゆる意味でフローラルなこめかみを手に取り溜め込んだ知識と照らし合
わせた。植物学、動物学、生理学、生化学。フローラルなこめかみに関係すると思われる
ありとあらゆる科学的知識からアプローチをかけた。それだけではない。形而上学、認識
学、精神病理学という思いつく限りの哲学的考察も行った。このフローラルなこめかみの
為に、僕が保持している知識の大半をつぎ込んで検証した時間は三日間。解ったことはた
だ一つ。何も分からないという事だった。
正体不明。目的不明。解っているのは、それは花の香りがして、僕はそれをこめかみと
認識しているという事だけだった。物体の事なら答えることは出来る。重さは殆ど無く、
煙草の箱程度。長さは人のこめかみとこめかみの間程度。皮膚はどうやら本物。しかし、
それが何なのかは解っていない。
僕の持ちうる知識をもってしても理解出来ない存在。しかしそこに力が及ばない悔しさ
は無く、寧ろ正体を確かめたいという欲求があった。驚くべきことに僕はこの理解の外に
ある存在のことを知りたいと思ったのだ。予想外に沸き起こった欲求に、僕はまた驚嘆し
立ち上がり、本を崩してしまったほどだ。
兎に角、このフローラルなこめかみの正体を知りたい。そう思った僕は溢れ出す欲求そ
のままにパソコンへ近寄り、本当に久方ぶりに電源を入れた。起動時間が口惜しい。今は
一分一秒たりとも無駄にしたくない。騒音を吐き出して動き始めた電源ファン、しかしデ
ィスプレイに写っているのは無情な文字だった。
A disk read error occurred.
神の気まぐれか。それとも二年間放置していたからか。ハードディスクが損傷し、パソ
コンは使い物にならなくなっていた。失望を露に項垂れる。いや違う。今必要なのは悲し
むことではない。情報を集めることだ。もはやそのための手段は限られている。
埃が目詰まりしひらきの悪いクローゼットを勢いよく開け、ジーパンとYシャツを取り
出す。外は朗らかな陽気だったから、この程度の服装でも大丈夫だろう。寝巻きを脱ぎ捨
て久しぶりに外出用の服に身を包んだ。一応、フローラルなこめかみも持っていく事にす
る。さあ、行こう。
664 :
流行の最先端(お題:無欲、フローラル、こめかみ、見損なう)4/8:2008/11/18(火) 00:14:46.72 ID:Upmkb6YN0
二年の怠慢はしっかりと僕の体を蝕んでいた。勢いよく飛び出したのは良いが、二分も
すると息は途絶え途絶えになり歩みを緩めるより他無かった。澄んだ春の空気を胸一杯に
吸い込みながら道を歩く。二年は、長い。忘れていた大気の味、緑萌える清らかな匂いが
生み出すほのかな甘さを思い出した。少し風は強いが、天気も快晴。外に出るにはちょう
どよい日だったかもしれない。
自転車に乗ってくれば良かったと思い立ったのは息も整ってきた頃。家から出て十分は
たっていた。図書館までは後十分ほど。過ぎてしまったことはしょうがない。明日からは
自転車でこよう、そう思った。
図書館に着いた僕はまず脳科学の本から手をつけることにした。今解っていることは二
つで、フローラルなこめかみは花の香りを発していること、僕はそれをこめかみと認識し
ていることだ。前者については何から調べたものか検討もつかない。となれば、後者。僕
の認識から疑うのより他無いと考えるしかない。
誰も読んでいないのだろう。棚に収められている本を抜き出すと微量の埃が宙を舞った。
二十分足らずの間に僕は埃の匂いという物を忘れていたようで、少しばかり顔をしかめた。
結果を言うと、成果は無かった。花の香りがする何かをこめかみと認識したような事例
は無かったし、認識するような働きも無かった。
閉館時間を迎えていることにも気づかず本を読み漁っていたが、司書さんに注意を促さ
れ僕はしぶしぶ家路についた。司書さんはフローラルなこめかみに気づいたようだが何も
言わなかった。不思議に思わないんだろうか。となると、やはり僕の認識の問題なのだろ
うか。目も眩むような夕焼けの中、風に吹かれながらそんなことを考えつつ歩いていた。
その時、一際強い風が僕を襲った。思案していた僕は突然の出来事に立ち止まる。手の
力が緩んだのはそのときだった。
フローラルなこめかみが僕の手から離れた。重さが殆ど無いそれは風に乗って僕から離
れていく。マズイ、止めなければ。疲れた体に鞭打って脚を上げる。今フローラルなこめ
かみを失ったら、何も知らないまま決別することになる。絶対に後悔する。止まってくれ。
届いてくれ。
665 :
流行の最先端(お題:無欲、フローラル、こめかみ、見損なう)5/8:2008/11/18(火) 00:16:45.02 ID:Upmkb6YN0
願い適ってか、フローラルなこめかみを捕まえることが出来た。しかし随分と走った気
がする。何処まできたのだろう。自分が居る場所を確認しようとして辺りを見回す。四方
には空き地が広がる。土地は荒れ果て、雑草が生えていた。遠くには木が生い茂っている。
林の中に入り込んだようだ。この辺りならわかる。少し遠回りになってしまうが、家に戻
ることも出来るだろう。だがそのときの僕の意識は既にそこになかった。
桃色が空を舞っていた。何枚も何枚も。そのうちの一枚を手にとって見る。撫子色の小
さな花びら。桜の花びら。
季節としては、確かに今ごろだ。ちょうど満開の時期だろう。桜なら、小さい頃から何
度も見ている。親や友達と花見に行ったこともある。何本も桜の木が植えられた川沿いの
道。今以上に多くの花びらが舞い散っていた。その時みた桜は確かに美しかったが、それ
は寧ろ綺麗というべきで別段なんの感動も覚えなかったのを記憶している。
今、目の前に桜の木が咲いている。ただ一本、荒野に聳え立つ塔のようにそこにあった。
雑草ばかりが生える空き地で、ただ一本。夕日を背負った桜は寂しく立っていた。その様
子にぼくはフローラルなこめかみを最初に見たときの事を思い出した。積み上げられた書
物の山に囲まれ、埃という荒野の大地の上にただ一人あったこめかみ。雑草に囲まれて咲
く桜は僕が美しいと思った姿に酷く似ていて、勿論似ているからだけではないだろうが、
とても美しかった。
春の夕べ、フローラルなこめかみの事も忘れ、しばし佇んだ。
家に帰った僕が最初に行ったこと。それは検証でも思案でもなく、掃除だった。外の清
らかな空気を吸った後では、この部屋の空気は猛毒にしか思えない。疲れていてもう眠た
かったが、とてもこんな所で眠る勇気は無い。今までよく生活できたものだ。深い感慨を
持って掃除に取り掛かった。
ようやく掃除が終わったときにはもう日付が変わっていた。部屋はまだ少し埃臭いが、
我慢できないほどではない。何より体が休みを欲している。フローラルなこめかみをベッ
ドの横に置く。優しい匂いが漂ってくる。帰り道に見たあの桜を思いながら、安らかな気
持ちで眠りについた。
666 :
流行の最先端(お題:無欲、フローラル、こめかみ、見損なう)6/8:2008/11/18(火) 00:17:57.12 ID:Upmkb6YN0
それからは、図書館に通う日々が続いた。体力が戻っていないようで、眠りから覚める
と十時を回っていることが多いから朝食も取らずに図書館へ向かう。閉館時間になるまで
本を読み漁る。脳機能マッピングの本から小説まで。完全に手探りな現状、なりふりは構
っていられない。閉館時間になったら桜の木の所へ向かう。黄昏に染まる桜を少しだけ眺
め、家路につく。
家に戻った所でやっと食べ物を胃に入れる。殆ど掻きこむようにして詰め込む。食事が
すんだらフローラルなこめかみの観察。当然のことながら一般家庭である我が家に電子顕
微鏡などというものはない。よって肉眼で補足できる以上の事はわからない。なので観察
はこのフローラルなこめかみが何らかの反応、動作を示すかどうか。
十二時を回ったところで、寝床に入る。これを一週間繰り返した。しかし得られた結果
は無し。そのうち欲求も薄れ、ほぼ惰性で図書館へと通うようになっていた。個人の力で
出来る範囲は越えている。どこか研究施設に持っていくしかないのでは。諦めにも似た気
持ちが芽生え始める。フローラルなこめかみに変化が生じたのは、そんな時だった。
その日は、雷の音で目が覚めた。空気が湿っている。ここ一週間は晴れ続きだった。久
方ぶりの雨だ。
最初に気づいた変化は匂いだった。花のような香り。強く香るそれが、目を覚ますと一
番最初に飛び込んでくる匂いだった。今日はそれが薄い。寝ている間に遠くへ追いやって
しまったのだろうか。体を起こしてフローラルなこめかみの方へ目を向けた僕は愕然とし
た。
昨日まで強烈な存在感を持っていたそれは、明らかにその存在を朧にさせていた。まず
もって、はっきりとした輪郭が見えない。向こう側が透けて見えるのだ。何故このような
変化がおきたのかは、理解が及ぶはずも無かった。しかし結果は推測できる。このこめか
みが、好奇心を沸き立たせる美しい存在が消える。寒いはずなのに、顔に汗が浮かんだ。
何をすべきか考えすら浮かばなかった。焦燥感が募る。一瞬光が差し込んだ後すぐ、轟
音。突然の事に思わず目を瞑る。雷は近くに落ちたようだ。まさか自分の家じゃ。恐る恐
る目を開く。良かった。安堵は刹那に消えた。こめかみはさらに色を失い、透明度を増し
ていた。今の雷の所為だろうか。兎に角何とかしなければ。ここに居ても何も解決しない。
着替えることすら忘れ、フローラルなこめかみ片手に雷雨の中へ飛び込んだ。
667 :
流行の最先端(お題:無欲、フローラル、こめかみ、見損なう)7/8:2008/11/18(火) 00:19:05.49 ID:Upmkb6YN0
降りしきる雨の中を目的地すら解らないまま走る。そんな僕の努力を嘲り笑うかのよう
に、こめかみはどんどん透明になっていく。稲光。轟音。また雷が落ちた。近い。だけど
立ち止まってはいられない。僕は走りつづけた。雨が目に入り視界が滲んでも走りつづけ
た。
そのうちフローラルなこめかみの感触が曖昧になってくる。走りながら右手を上げると、
もうこめかみは殆ど見えなくなっていた。咄嗟に、僕は叫ぶ。
「消えるな!」
自分が家を飛び出した理由を思い出したときには遅かった。いや、本当にそれが理由だ
ったのかは解らない。だが叫んだ直後、フローラルなこめかみは跡形も無く、消えた。
「消えるなよっ……!」
「消えるなよぉぉぉぉぉ」
もうあの優しい匂いは漂ってこない。美しいフォルムを拝むことも出来ない。全て失わ
れた。
気づけば空には太陽が顔を出していた。それでもまだ視界は滲んでいる。
雨は止んだのではなかった。僕の瞳の中に入り込んだのだ。
ぼんやりとした頭で着た道を引き返す。結局あの、フローラルなこめかみの事は解らず
仕舞だった。そして失われた以上、これから先解る事も無いだろう。ひどく暗鬱な気持ち
で重い足を引きずり歩いた。失意のどん底とはこの事か。そう思いながら歩いていた時、
かすかに香る匂いに気づいた。焦げ臭い匂い。この付近に雷が落ちたのだろう。顔を上げ
るとここ数週間で急速に見慣れた光景が目に飛び込んできた。重い足に喝を入れ駆け出し
た。
そこには無残な姿があった。雷が直撃したのだろう。悠然と聳え立っていた桜の木は幹
を真っ二つに折られていた。撫子色の花びらは見る影もなかった。何てこった。今日僕は
この一週間の全てを、初めて心動かされた全てを失ってしまった。かけがえの無いものを
失ってしまった。自嘲気味に笑いながら思った。失意のどん底なんて言ったけど、あれは
嘘だ。
668 :
流行の最先端(お題:無欲、フローラル、こめかみ、見損なう)8/8:2008/11/18(火) 00:20:53.24 ID:Upmkb6YN0
俯き、また涙を流す。これこそが本当の失意のどん底なんだな、なんて事を考えていた。
だから目に入っていなかった。視界の上の方に輝く色鮮やかな紫が。気づいて、天を仰ぐ。
空には虹が掛かっていた。
果てた桜と鮮やかに光る虹。それは一つのイメージを喚起させた。荒れ果てた荒野、そ
こに咲く一輪の花。荒野に聳え立つ塔。そうだ、フローラルなこめかみ。雑草に囲まれ悠
然と咲き誇る桜。
確かにフローラルなこめかみは失った。だけど僕は、フローラルなこめかみの何に惹か
れた? その美しさじゃないか。そして美しさを今は亡き桜に見て、目の前に広がる虹に
も見たんじゃないか。フローラルなこめかみはもう二度と手に入らないかもしれない。け
ど、その美しさは今も世界のどこかに生きている。生まれている。そして、死んでいく。
なら、それでいいんだ。僕がフローラルなこめかみに見た美しさが無くなったわけじゃ
ない。今もどこかに荒野が広がって、そこには一輪の花が咲いているんだ。
恐らく、あのままフローラルなこめかみについて調べても何も解らなかっただろう。何
となくだけどそう思う。あれはそういう物だ。なら、僕が惚れこんだ美しさだけを見よう。
それは確かにあの場所にあって、今もどこかにある。それを探しつづけよう。知識という
枠で縛られない光景を探しに行こう。自分の殻に、城に閉じこもるのはもうやめだ。
そうやって僕は自分の世界を見限った。あの時見た美しさを、もう一度見るために。
了
669 :
流行の最先端(お題:無欲、フローラル、こめかみ、見損なう):2008/11/18(火) 00:21:47.74 ID:Upmkb6YN0
ありがとうございます。
見損なうとか一回しか使えなくて申し訳ないです。
フローラルなこめかみとかギャグにしか見えない気がするけど本人は至って真面目です。
ご指摘、ご感想のほどありましたら宜しくお願いします。
670 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:22:23.16 ID:6Glip5PO0
寝る前に御題を募集。仕事中に考える。
672 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:27:26.77 ID:OM5+eylX0
673 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:29:42.41 ID:wPxDCUtV0
674 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:29:46.48 ID:s6bGKtUD0
676 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 00:38:02.87 ID:AgXGMNj40
>>660 >そうしてやっと、脳が悲鳴を上げていることに気づく。
まで読んで、次の段落のはじめまで一応目を通して読む気が失せて
読むのを止めた。
以下理由らしきもの。
脳が<悲鳴>まで上げてる。大事だと自覚してるんだから、
それに続いて悲鳴とはなんぞやの文章が来るはずである。心理的に。
しかし文章が続かない。つまり、脳が悲鳴などという文の意味は、無意味。
だからこんなテキトウな文が3行目から登場しているんじゃ、
こりゃつまらんなとおもって読むのを止めた。
677 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 01:08:24.16 ID:BURWq3XzO
>>660 俺は
>>676よりもうちょい頑張って2レスまで読んでもういいやと読むの止めた。
文章がうざすぎる。大気が床から熱を奪っただのプラスとマイナスの命だの他人のこめかみをみてどうこうだの、
もっと少ない文字数ですむのをいらん要素足して薄っぺらく間延びさせて。「脳が悲鳴」も意味不明。こんなん8レスも読んでられるか。
678 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 01:10:47.39 ID:CP89yAqs0
いい具合にM館の片鱗が見え隠れしてるなw
もうちょい優しくしたれオマイラ
はじめてだけどお題求む↓
680 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 01:23:55.63 ID:hbN0jXG8O
山
兵法
683 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 01:44:49.65 ID:YPKRDntdO
お題をください。
684 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 01:51:53.22 ID:BURWq3XzO
電話
685 :
◆EtV8DSf6go :2008/11/18(火) 01:55:55.80 ID:H0hcACka0
全感投下します
投票まで含めて、6レス
686 :
品評会137th全感 ◆EtV8DSf6go :2008/11/18(火) 01:56:14.34 ID:H0hcACka0
No.01 螺旋 ◆/ks5Y92PHE氏
ハードボイルドなイメージだからか、なぜか夜の話かと勘違いしていました。
話全体のオチ自体は4レス目に来ているみたいに思えました。
No.02 淡いシミと時間軸 ◆FqHXIR7sz.氏
パニックを、パニックを起こしている本人の視点から、それでいて誰が見ても分かる様
に書ききる場合には本当に圧倒的な筆力が要りますよね。そんな難しいことによく挑戦
したなぁ……というのが感想です。
品評会の『お題』じゃなくて、この話で表現したい『主題』は自分の居場所の不確かさ
だったのかな。自分の作品と似たモチーフで描かれていながら、ここまで違う話になっ
ているの点で、個人的には面白かった。
No.03 爆弾部 ◆ocoMPoZMZc氏
1980年代でしょうか。
感情のやり場のない少年少女の、静かで密やかな爆発なんて内容は、みずみずしくてい
い感じ。
放課後なんだから『夕景』なんだろうし、きっと夕日に照らされ佇む二人を書きたかっ
たんだろうなとは分かるんだけど、分かるのとスムーズに理解できるのはまた別の話で。
……もうちょっと説明があったら、スムーズに余韻に浸れたのになという気がします。
No.04 黄昏時、あるいは逢魔が時 ◆7cy2QI8jBM氏
浩介が美弥に際会した時、もう既に彼女は魔に逢っていた。
だから、ラストで浩介が走っても、結局は間に合わなかったんですね。……え、違う?
No.05 昼の後、夜の前 ◆4GBUmmG12I氏
夕方の前に干して、洗濯物……乾くんですか?
そんな家事音痴な夫を含む、子供二人が夕日に照らされた顔は、太陽になったお母さん
が独占しているんですね。
筆者か、お母さんのキャラなのか、説明じゃなくて感性に任せた発言が多かったので、
合わない人には合わないかも。
687 :
品評会137th全感 ◆EtV8DSf6go :2008/11/18(火) 01:57:26.45 ID:H0hcACka0
No.06 夕焼けに合う服 ◆8wDKWlnnnI氏
夕焼けが鳴り響く時刻とあるから、夕暮れにカリヨンベルが鳴り響いているのかなとか
思って、勝手に描写を期待してたりしました。
語り口調で絵本のように、ゆったりと話を紡ごうとしているのかなと思いました。
このお話で連想したのはマーマレード。まだ蓋は開けられてない新品の瓶が一つ、その
味を予感させたまま、テーブルの上にコトンと置かれている。
そんな、甘酸っぱい「であろうと思わせる」為の、表現と文体と……物語の余韻かな。
No.07 蜜柑 ◆Ei.Vm5YNKQ氏
えと、満月ってね、地球を挟んで太陽の反対側にある時に見えるんです。太陽が地平線
の下に沈んで、それでも陽の光が残っている、いわゆる夕暮れ時には、既に満月が出て
います。なので、数時間後に満月が来るという時間帯は夕方じゃなくて、昼間の話にな
らないでしょうか。
ここは、お題に関する所なので、長々とツッコミ入れておきました。
お話自体は、自分を見失っちゃった話しかなとか思いました。
No.08 幸せを紡ぐ夕べ ◆zmMEjNb3Ok氏
ほのぼの。おじいさんが可愛くて、亮平がかわいそう。
二人の友達としての立場で、馬鹿っプルを突付いて遊べたら最高だろうな。
No.09 宵闇に月を笑う ◆BLOSSdBcO.氏
名シーンのパッチワークみたい。少しちぐはぐに見える。狙ってやったの
かな。設定の説明では多弁なので、世界観は分かりました。ただ、状況の
説明が少ないからかな。 話の展開に、すぐにはついていっていけなかった。
お兄ちゃん=緒方宗司=『いかにも』な死んだ刑事で、14歳の少年=中條
康越でいいですよね?
No.10 怪人の夕焼け ◆LBPyCcG946氏
少女と、マントを着た怪しい人の二人組みですね。
110番に通報しなければいけないかなと思いましたが違ってましたか。良かった、よかった。
688 :
品評会137th全感 ◆EtV8DSf6go :2008/11/18(火) 01:58:00.85 ID:H0hcACka0
No.11 女王様の夕暮れ ◆t5e3bWrwqQ氏
神々の黄昏と書いてラグナロクと読む。そういう話だと勝手に思っておきます。
No.12 夢夕日 ◆RlxBNHMmBo氏
話が二転三転しているのを、必死で追いかけたら追いつけた。
追いかけにくいものを追いかけて、最後に追いつくなんてのが演出だとしたら凄いけど、
読了という夢を諦めた人もいるかも知れない。
No.13 とある男子の影法師 ◆IPIieSiFsA氏
> 歴史に残るかもしれない、俺の名前が。
噴いたw
最初から最後まで、馬鹿っぽくて楽しい。いや、っぽいというより……(略
まさに、夕方でないといけない話ですね。
No.14 散歩に行き、帰ってきてコタツに入る ◆/sLDCv4rTY氏
比喩表現がいっぱい。凄い。もう、お話の中に比喩表現があるんじゃなくて、比喩表現
の為にお話しがある感じ。
とか感じてしまうのも、この文章は物語というよりも、切り抜かれた「その時」をどう
表現するか、という文章なのだと思ったからです。
No.15 朱墨の空 ◆EtV8DSf6go氏
拙作。
まず、最終行の誤字とかは反省するところ。
全感を見る限り硬い文体で、話ではなく思い出のワンシーンという印象を与えることに
成功しているっぽいので、それを確認できたのは悪くはない結果かな。
というよりむしろ、何か今回、皆さん優しい感想ばっかりで、凹まなかったから反省点
に気づけないだけではないのかと勘ぐってみたりしてみているのですが……。
689 :
品評会137th全感 ◆EtV8DSf6go :2008/11/18(火) 01:58:37.96 ID:H0hcACka0
No.16 朱に染む ◆pkHvZT49GM氏
こちらも比喩表現が凄い。暗喩の嵐。理屈の山。
ただ、こちらは物語としてのエッセンスである筈なのに、肝心の物語が4レス目に入る
までぜんぜん説明してもらえなかったから、ああ、終わっちゃったと思うばかり。
No.17 夕焼け ◆トリップ不要氏
緑閃光の薀蓄、まずはお見事です。ただ、彼が主人公に緑閃光を教えにやってくるほど、
彼や主人公が緑閃光を待ち望んでいたとは知りませんでした。もう一レスでも増やして、
彼と緑閃光についてのエピソードがあるか、いっそ緑閃光なんてない方が素直に読めた
かも。
No.18 黒猫と鴉 ◆VrZsdeGa.U氏
井戸端会議、明治風。小説家の名前添え。隠し味に童謡を入れてらっしゃいますね。
No.19 それでも僕たちから笑顔は消えない ◆6FLkQ8nIO.氏
物語の気配だけ散りばめて、物語そのものは語らない。
これも含めて、ワンシーンをどう描写するかという話が、多いお題でしたね。
No.20 うすぞらのすき間に ◆EqtePewCZE氏
子供達の夕暮れですね。
小学生の頃のクラスの一室。あれだけの子供を把握している担任の先生は偉大でした。
No.21 ひだまり妖精 ◆OxZbMIrvNA氏
夕焼けじゃなくて、朝焼け。夕日じゃなくて朝日という話でしょうか。
朝顔といいつつ、夕方に彷徨うなんて、妖精さんでなければ許されない失態ですね。
690 :
品評会137th全感 ◆EtV8DSf6go :2008/11/18(火) 01:59:03.31 ID:H0hcACka0
******************【投票用紙】******************
【投票】: No.06 夕焼けに合う服 ◆8wDKWlnnnI氏
最初の比喩は蛇足だったと思うけど、話自体は好きです。
気になった作品: No.08 幸せを紡ぐ夕べ ◆zmMEjNb3Ok氏
No.13 とある男子の影法師 ◆IPIieSiFsA氏
No.06に蛇足が多ければ、間違いなく繰り上がりしていただろう方々。
作風を乱さずに書き切ってくれていたので、読みやすくて、素直に楽しめました。
**********************************************
今回は、拙作も含めて、見事な誤字脱字選手権が開催されていたようですね。
691 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 02:00:00.70 ID:H0hcACka0
あれ? 5レスで終わった……
いや、これが6レス目ということで
692 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 02:17:30.24 ID:BURWq3XzO
全巻乙
どうしたら「際会」なんて誤字をやらかすんだろうかと気になった
693 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 02:18:10.59 ID:s6bGKtUD0
全感おつー
694 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 02:28:26.68 ID:xn7u3e5lO
ダレカオダイクダサイ
695 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 02:31:43.47 ID:H0hcACka0
筆おろし(書道的な意味で)
696 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 02:34:37.23 ID:xn7u3e5lO
書道ね!書道!
いただいていきます
697 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 02:45:37.87 ID:eCbNCvA30
通常作投下します。
698 :
『神様の仕業』(お題:じょうろ)1/2:2008/11/18(火) 02:47:21.81 ID:eCbNCvA30
とある街の、とある夏の日。本日は、晴天なり。
雲ひとつ無い、真っ青な空。蝉の声と、はしゃぐ子供たち。この夏を謳歌せんとばかりに、青々と茂る木々。
もちろん、太陽は真っ赤に輝き、木陰の黒がいつもより濃く見えるほどだ。
「お姉ちゃん、晴れてるね」「そうね」
木漏れ日の差し込む、涼しげな家。姉妹二人は、それぞれ好きなことをして暇を潰している。
小学一年生の妹は、空を見上げては、眩しそうに目を細める。小学六年生の姉は、部屋の隅で体育座りをして、本を読んでいる。
「お姉ちゃん、お姉ちゃん」「何」
妹の問いかけに、姉は無愛想に答える。
「太陽って、何であんなに眩しいの」「神様のおでこが光ってるのよ」「……へぇ」
妹は、納得したような、納得しないような顔を姉に向け、また空を見上げる。
少し時間が経った後、妹は思い立ったように告げる。
「じゃあ、雲は何?」「神様がタバコ吸ってるの」「お父さんみたいだね」「そうだね」
妹は、また納得したような、納得しないような顔を姉に向けた後、空を見上げる。
また少し経って、妹が口を開く。
「じゃあ……」「うるさいわね。姉ちゃん本読んでるんだから、静かにしなさいよ」
「ふぇ……」の2秒後、家中に「びえーー」という声が響き渡る。
姉が仕方なく、「ごめんごめん、聞いてあげるから、どうしたの?」と、切り出すと、先ほどと打って変わって、妹は満面の笑みを浮かべ、
「ひゃくえん」
これが、妹の精一杯の抵抗らしい。確かに今の妹にとっては、“ひゃくえん”は、何ものにも変え難い、価値あるものだ。
しかし、姉からすれば、この妹の言動は許されざるものであり、反射的にゲンコツ飛ぶ。そして、
「ふぇ……」の前置きさえ無く、先ほどより大きな「びえーーーー」がこだまするのだった。
姉も、この「びえーーーー」には、ほとほと困り果て、
「じゃあ、何が聞きたかったの?聞いてあげるから」と姉が告げると、妹は
「あ……あの……ね……雨は?って、聞こうとしたの」これに対し、姉は、
「うーーん……神様がね、じょうろ持って降らせてるのよ」と、(優しげに)告げた。
これを聞いて妹は「ホントに?」と、赤くなった目で、姉の顔を見上げると、姉は「ホントよ」と妹の右斜め三十度辺りを見ながら、告げる。
「嘘ついたら?」と妹。「ひゃくえんあげる」と姉。妹の目が輝く。
そして、「ホントに?」「ホントよ」をこの後三回ほど繰り返すと、妹は泣き疲れたのか、眠ってしまった。
699 :
『神様の仕業』(お題:じょうろ)2/2:2008/11/18(火) 02:47:59.48 ID:eCbNCvA30
――数年後
とある街の、とある夏の日。本日は、曇天なり。
雲だらけの、真っ灰色な空。雷の音と、はしゃぐ子供たち。いつもは元気な木々たちは、どこと無く元気がなさそうに見える。
もちろん、今日だって、あの雲の上で太陽は真っ赤に輝いているはずだ。
普段であれば木漏れ日の差し込む、涼しげな家。姉妹二人は、それぞれ好きなことをして暇を潰している。
小学六年生になった妹は、空を見上げては、うつらうつら。高校二年生になった姉は、部屋の隅で体育座りをして、携帯をいじっている。
妹が窓際で、こっくりこっくりしていると、突然、大降りの雨。
「お姉ちゃん、雨だね」「そうね」「凄いね、雨」「そうね」「あ、思い出した」「早く閉めなさいよ」
妹は、雨楽しいのに……と、しぶしぶ窓を閉める。その直後、雨は勢いを増して、窓の表面を滝のように流れ始めた。
「だから、閉めろって言ったでしょ」と姉が得意げに言うと、「たまたまでしょ」と妹が切り返す。
その言葉を言うが早いか、妹の頭に“なかよし”が飛んできた。が、妹は、それを素早くかわす。
「あっぶないなー……そういえば、さっき思い出したんだけど」「何」
妹の問いかけに、姉は無愛想に答える。
「雨って、神様がじょうろ使って降らせてるんだよね?」「そんなこと言った?」
「言ったよ。でもこれって、じょうろの勢いじゃないよね」「そうね」
「約束、覚えてる?」「何?」
「嘘ついたら、お金くれるって」「知らん」
「言ったよ」「知らん」
「お姉ちゃん嘘ついたから、今ちょうだい。一万円。」「百円だろ」
「覚えてんじゃん」「あぁ……」
妹は、初めて姉に勝ったと、ニヤリとする。それを見るやいなや、姉は妹に向け“ちゃお”を投げる。悶絶する妹。
「いったたー……つか、約束は約束じゃん。百円でいいよ。」「やらん」
あねの言葉に、「何で?」と赤くなった目で食い下がる妹。すると姉は、妹の目をまっすぐ見て、こう言い放った。
「先っちょが外れたのよ」
700 :
『神様の仕業』(お題:じょうろ)X/X:2008/11/18(火) 02:50:07.43 ID:eCbNCvA30
投下終了です(<終わり>入れるの忘れましたorz)
2回目の投稿になりますが、感想等いただければ、嬉しいです。
701 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 03:53:57.20 ID:Z7zTqlOmO
>>698 > とある街の、とある夏の日。本日は、晴天なり。
> 雲ひとつ無い、真っ青な空。蝉の声と、はしゃぐ子供たち。この夏を謳歌せんとばかりに、青々と茂る木々。
> もちろん、太陽は真っ赤に輝き、木陰の黒がいつもより濃く見えるほどだ。
> 「お姉ちゃん、晴れてるね」「そうね」
> 木漏れ日の差し込む、涼しげな家。姉妹二人は、それぞれ好きなことをして暇を潰している。
> 小学一年生の妹は、空を見上げては、眩しそうに目を細める。小学六年生の姉は、部屋の隅で体育座りをして、本を読んでいる。
> 「お姉ちゃん、お姉ちゃん」「何」
> 妹の問いかけに、姉は無愛想に答える。
> 「太陽って、何であんなに眩しいの」「神様のおでこが光ってるのよ」「……へぇ」
> 妹は、納得したような、納得しないような顔を姉に向け、また空を見上げる。
> 少し時間が経った後、妹は思い立ったように告げる。
> 「じゃあ、雲は何?」「神様がタバコ吸ってるの」「お父さんみたいだね」「そうだね」
> 妹は、また納得したような、納得しないような顔を姉に向けた後、空を見上げる。
> また少し経って、妹が口を開く。
> 「じゃあ……」「うるさいわね。姉ちゃん本読?
702 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 03:56:05.61 ID:Z7zTqlOmO
>>698 すまん、誤爆したorz
批評できるほどの実力がないからこれだけは言う
ワロタwwwwwww
703 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 04:56:32.02 ID:RxtgOpgY0
保守
感想書きたいが時間ないので勘弁
704 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 05:28:03.78 ID:6rFu6KYc0
転載
705 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 05:28:44.26 ID:6rFu6KYc0
2 名前:全感もどき 1/4 ◆ML.K5wMH76 [] 投稿日:08/11/18(火) 04:40:15 ID:vRYoGVAZ
No.01 螺旋 ◆/ks5Y92PHE氏
アラビア数字を使う理由はなんでしょう?
かと思えば「一段一段」は漢数字だし、訳が分からない。
面白くなりそうにないし、ここで読むのを止めました。
それと、言葉の置き方が上手くないなと思った。リズムが悪い。
No.02 淡いシミと時間軸 ◆FqHXIR7sz.氏
推奨が50〜60文字なのを考えると、横に長い。読む人の事も考えて。
最初がグダグダしてて、話が始まる前にギブアップ。
「君」にだけ言っててくれっていう気分になってしまった。
起承転結、どこに比重を置くのか、もう一度考えてみて。読み手は必ず起から読むよ。
No.03 爆弾部 ◆ocoMPoZMZc氏
文章というより、言葉と言葉の接続を磨けば、もっと化けるんじゃないかと思った。
ただ、下手するとキザったらしいというか、クサいだけになりそう。諸刃の剣だ。
でも上手くなられたら悔しいから、本音は「頑張らなくていいよ?」とかw
他の話も読んでみたい。この話は少し鈍かった。
No.04 黄昏時、あるいは逢魔が時 ◆7cy2QI8jBM氏
単純に、文章が合わなかった。
なんだか主人公? 文章? から、時々格好つけてるなっていう感じがして、
それが何だかダメだった。
他の人は違うと思うから、あまり気にしないでください。すいません。
No.05 昼の後、夜の前 ◆4GBUmmG12I氏
三点リーダーとピリオドの違いって分かりますかね?
分かるのだったら、なぜピリオドを使用したのか。変換ミス?
文章自体は当たり障りがないけれど、つまらないと思った。ゴチャゴチャしてる。
706 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 05:29:19.57 ID:6rFu6KYc0
No.06 夕焼けに合う服 ◆8wDKWlnnnI氏
> すっかり日も暮れて夕焼けが鳴り響く時刻になりました。
私はこの一文、好きだ。他にも光る表現がある。
けれど、文末や接続詞の置き方が悪くて、リズムが引っかかってしまう。
それが惜しい。修正できたらもっと読みやすい文章になるのに。
話は面白かったです。カペラさんシリーズとかやる予定ある? あったら読みたい。
でも世界観が安定してないと思う。
最初はファンタジー世界(あるいはヨーロッパ的街並み)を想像してたんだけど、
終盤はALWAYS三丁目の夕日みたいな昭和の風景になってた。
No.07 蜜柑 ◆Ei.Vm5YNKQ氏
小説が読みたい。
No.08 幸せを紡ぐ夕べ ◆zmMEjNb3Ok氏
1レスの馴れ初めがしんどい……。
ファンタジー小説とかの、世界観説明を読んでいるときの疲れとよく似てる。
疲れてるときには読みたくない部分でした。申し訳ないです。
No.09 宵闇に月を笑う ◆BLOSSdBcO.氏
1レス目で合わないなって思って、読んでません。ごめんなさい。
No.10 怪人の夕焼け ◆LBPyCcG946氏
> 怪しい人でなければ怪人とは言わない。
> 答えは簡単、寒いからだ。
なんだか乗り切れなくて、こういうところが寒々しかった。
もう冬なのに勘弁してくれ。
No.11 女王様の夕暮れ ◆t5e3bWrwqQ氏
1レス目から目が滑ってて、読めて無いなっていう自覚があったので、
大人しく止めておきました。すいません。
707 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 05:30:02.90 ID:6rFu6KYc0
4 名前:全感もどき 3/4 ◆ML.K5wMH76 [] 投稿日:08/11/18(火) 04:41:18 ID:vRYoGVAZ
No.12 夢夕日 ◆RlxBNHMmBo氏
字下げ、調べてみようね。
話は好きなタイプなのに文章へったくそで勿体無いぜひゃっふぅぅ!
て思いました。凄い損してる。あーあ、勿体無い。残念。次に期待してます。
何が書きたかったのかはあると思う。あとは伝えるだけ。今回は伝えられてない。
どうやったら伝わるのか、1週間後ぐらいに読み直してから考えてみるといいかも。
No.13 とある男子の影法師 ◆IPIieSiFsA氏
最初だけ読んで、「いや、ストーカーだろww」って言うところだったぜ、あぶねぇ…。
「変態wwwwwww」これだなwww愛すべきバカwwwwwアホの子wwww
No.14 散歩に行き、帰ってきてコタツに入る ◆/sLDCv4rTY氏
ちゃんと見れば面白いんだろうけど、それはまた次の機会にしておきます。
でも言葉のリズムは、嫌いじゃない。本当、それだけ。すいません。
No.15 朱墨の空 ◆EtV8DSf6go氏
あ、上手いって思った。何が起こって、ラストでどう繋がるかが。
うん、これを2レスでやるのは凄い。上手い。良いものを読んだ。
個人的には文章が堅苦しいと思うんだけれど、そこは個人差ですから。
ていうか、今回は作風なんだな。この文章だからこそ、風景とか心情が活きてる。
特に母親が手を離した瞬間の冷たさ、凄くいい。ウン十年経ってからでも、再現される。
温かくなることが想像出来るのに、決して温かくならない。上手い。
この作品は些細な話で、時間にしてもそんなに経ってない。しかも子供の頃の出来事。
でも、だからこそだ。だからこそ、主人公がそうじゃないって分かっていても残っている。
多分、いや絶対に消えない出来事だ。それが思い出したくないことでも、思い出すだろう。
本当に上手く切り出してしまった。読み終えて言葉が出なかった。やっぱり上手い。
あと綺麗過ぎないのがいい。綺麗過ぎないから、主人公が覚えている。
成長したから語れる話。それ以外でやられたら、最悪になってた。良かった。
708 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 05:30:47.75 ID:6rFu6KYc0
5 名前:全感もどき 4/4 ◆ML.K5wMH76 [] 投稿日:08/11/18(火) 04:42:02 ID:vRYoGVAZ
No.16 朱に染む ◆pkHvZT49GM氏
1レス目見て南瓜の煮付け食いたくなった。
2レス目で飛ばしていいかなって思った。ごめんなさい。
No.18 黒猫と鴉 ◆VrZsdeGa.U氏
1レス目で読みたいって思えなかったので、読んでません。申し訳ない。
No.20 うすぞらのすき間に ◆EqtePewCZE氏
大輔が出て太一ってきて、一瞬デジモンかと思ってマジで焦った。
話は分かりにくいなぁ…。回収しきれていないというか…。
先生が子供のときから病院の男は入院してて、(先生は)ずっとそれが気になっていた。
でも大人になってしまって、叶えることが出来ない。
なので、人影を知っている大輔に「声をかけにいこう」という想いを伝えた。
少女の頃に戻って(過去に時間軸を飛ばして)ってことなのかな? 分からない…。
No.21 ひだまり妖精 ◆OxZbMIrvNA氏
> 「頼みというのはね、一緒に夕日を見てほしいということなんだ」
何故だかここを読んで、とても「BNSKだなぁ…」って思いました。何でだろう?
目玉焼き書いた中年画家を頭のイカれたなんて言うのか…。
抽象的でもいいって言ってるし、その画家にとっては目玉焼き=夕日だったろうに、
酷いなぁ……って思ってるうちに話終わってた。
さっぱり意味が分からない。そして読み返す気にはなれない文章だった。
No.17 夕焼け ◆トリップ不要氏
No.19 それでも僕たちから笑顔は消えない ◆6FLkQ8nIO.氏
規則事項ぐらいちゃんと読んでくれないと困る。
No.17に関しては読みにくいことこの上ないです。読ませたくないのかな…?
No.19はタイトルのつけ方嫌いじゃないよ。話はちょっと気付きにくかったけど。
709 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 05:31:16.87 ID:6rFu6KYc0
******************【投票用紙】******************
【投票】
No.15 朱墨の空 ◆EtV8DSf6go氏
あれだけ書いて入れなかったら、どういうことって感じですよねー
No.13 とある男子の影法師 ◆IPIieSiFsA氏
こういうバッカだなぁって思えるアホの子、凄い好きなんだw
気になった作品
No.03 爆弾部 ◆ocoMPoZMZc氏
これからどうなるのか分からないから、期待も込めて。
No.06 夕焼けに合う服 ◆8wDKWlnnnI氏
安定と滑らかさが欲しい。でもこの雰囲気嫌いじゃない。
**********************************************
No.12も凄く気になるんだけど、今回は見送りで。でも話の空気は凄くいいよ!
今回は時間無い+思考働かないってので、チラ見の上結構飛ばしました。
読めなかった作品の作者さん、本当にごめんなさい。
ただその上で今回は「夕」があって「景」が無いなぁと思いました。
話も、展開を客観的に見ているようなのはあまり無かった印象。
規則事項には任意と書いたけれど、プロットも推敲も客観的に見ることが含まれる
作業だからたまには気にしてください。でも時間制限もあるもんねー。
それから規則事項も含めてテンプレとか、カオス時間帯の指示とかちゃんと読もうね。
今回は酷すぎじゃねーかなって思いました。
710 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 06:06:36.71 ID:d5K/gLpl0
朝だなも。朝ごはん食べて学校行くんだなも。
711 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:03:03.08 ID:9PqOo4JH0
前回優勝者の感想とはいえ、すごい上から目線だなあ。
上で全感叩かれてる人もそうだけど、文章うまいとこうなるのか?
712 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:09:38.89 ID:NN8lp7iYO
文才、もといお題くれ
713 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:11:09.53 ID:6rFu6KYc0
美意識
プロットの作り方とかわからん
715 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:22:06.73 ID:9va5fl8XO
>>711 ちょっと聞きたいんだが、君は本を読んで、感想を下手に出つつ遠慮がちに言うのか?
716 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:23:08.02 ID:0NOQIq7ZO
物語のテーマを決める、起承転結を決める、文才ないけど小説書くよ!でおkなんじゃね
お題くらはい
717 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:23:20.33 ID:coKAXO2y0
フレッシュなお題たのむ
718 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:27:47.22 ID:coKAXO2y0
719 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:33:53.44 ID:9PqOo4JH0
>>715 下手に出なくてもいいと思うけど、
修正できたらいい文章にできるのに とか
失礼なこと書いてるもんだと思っただけ
720 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:39:53.56 ID:6rFu6KYc0
上から目線が修正できたらいい感想になるのに
こういうことか?
721 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:49:49.79 ID:s6uVVLrKO
お題を下さい
722 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:57:24.60 ID:9va5fl8XO
>>719 君がどう思っているかなんてどうでもよくて、実際に君はどうしているかを聞きたかったんだけどね。
君自身の「上から目線を修正したら?」という意見もまた、随分と上からの物言いだと自覚しているだろうか?
読者に気を使うことを推奨しているのかもしれないが、君は感想を書いている人に気を使っているのかな?
出来ていないのなら、その言葉には重みなんて宿らないとおもうんだ。
723 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 07:59:21.70 ID:9va5fl8XO
724 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 08:36:32.34 ID:s6uVVLrKO
把握
マスター、お題を頂こうか。
↓
726 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 09:36:00.45 ID:zY/KelMOO
カフェ・ロワイヤル
把握しますた
728 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 09:52:07.38 ID:S5CPwPjl0
>>669 厨二病が厨二病を悪化させて死んだ話?
一般的な意見として。
冒頭というのは読み手を引き込む役割を持っているから、
関心を抱かせるというのは当然として、読みやすさを重視するのも一つの手だと思う。
中盤からラストにかけてどれだけ素晴らしい物語があったとしても、読まれなければ意味はない。
これを踏まえた上で、冒頭がうっとうしい。
もっとも、この主人公の特徴を考えるとこれでいいのだけど。
だってこういう主人公なのだもの。
話そのものも別に興味を引くわけでもなく面白いわけでもない。
流し読みだけどね。
でも、他人が読んでどうこうじゃないんだよねきっと。自分が書いてて楽しいんだから。
書いてる最中はきっとキーボードが止まらなくて、
ともすれば指が思考に追いつかなくてもどかしく思ったりもしただろう。
職業小説じゃないんだから、自分が書きたいものを書けばいいと思う。
ただ、それの発表に伴っては鋼の心がいるだろうけどね。
729 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 10:01:20.12 ID:S5CPwPjl0
>>700 上手い。綺麗な落ちに見事に笑わされた。
てかさ、なかよしとかちゃおとか致命傷級だと思うんだ。
せめて薄めのレディコミにしてあげようぜ。
会話文は独特の書き方。でも短い会話だとこれもいいかもと思う。
ただ、2レス目の「お姉ちゃん、雨だね」からは三つに分けてもいいかな。ちょっと見づらい。
字下げについても調べて修正するとスッキリ感が増す。
730 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 10:09:58.59 ID:rQyHo0NY0
お題くださーい
↓
731 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 10:14:22.04 ID:S5CPwPjl0
732 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 10:15:23.23 ID:rQyHo0NY0
odaiyokoseyagoruxa
殺人
******************【投票用紙】******************
【投票】
No.01 螺旋 ◆/ks5Y92PHE氏
No.02 淡いシミと時間軸 ◆FqHXIR7sz.氏
No.04 黄昏時、あるいは逢魔が時 ◆7cy2QI8jBM氏
No.07 蜜柑 ◆Ei.Vm5YNKQ氏
No.09 宵闇に月を笑う ◆BLOSSdBcO.氏
No.11 女王様の夕暮れ ◆t5e3bWrwqQ氏
No.12 夢夕日 ◆RlxBNHMmBo氏
No.16 朱に染む ◆pkHvZT49GM氏
No.17 夕焼け ◆トリップ不要氏
No.19 それでも僕たちから笑顔は消えない ◆6FLkQ8nIO.氏
No.20 うすぞらのすき間に ◆EqtePewCZE氏
No.21 ひだまり妖精 ◆OxZbMIrvNA氏
気になった作品なし
**********************************************
じゃあちょっと失礼して文章下手なのが上から目線の全感投下しますよ。
だって俺ってば読むときは読者さまだし。そこだけは無敵だし。
いや、お前らナイーブすぎだろwww
じゃあ5レス貰います
738 :
◆xL5hEvuGq. :2008/11/18(火) 10:51:08.34 ID:z6hKzDyKO
No.01 螺旋 ◆/ks5Y92PHE氏
まず話が完結してない。長篇の第一話だけ見せられても何も言えないよね。これからの展開しだいというか。
内容はなんかガンアクションゲームのシナリオ読んでるみたいだなと思った。小説だとちょっと。
No.02 淡いシミと時間軸 ◆FqHXIR7sz.氏
最後は逃げないで他の方向に持っていってほしかった。このオチだとそれまで書いた事が無意味にもなるんじゃないかな。
またその力量がないとは思えなかったので。
No.03 爆弾部 ◆ocoMPoZMZc氏
これは場所の選択ミスかな。河原よりもっと有効的な、この世界観を壊さない舞台があったと思う。
登場人物たちの魅力が生かしきれていないし、もっと展開していくだけの内容はあっただろうにと思った。
No.04 黄昏時、あるいは逢魔が時 ◆7cy2QI8jBM氏
いやー、文章全体が説明的かな。つくりは悪くないのに肝心な所でどこか白けてしまう文章なり展開があった。
そのせいでしっかりと話の世界観に浸れない。あと語り手の少年が、なんか魅力が出てない。
ラストで過去と決別するくだりもいきなりだなと。やっぱり地の文のせいかな、なんか変だって印象が拭えなかった。
No.05 昼の後、夜の前 ◆4GBUmmG12I氏
構造がわりとしっかりしているのに、その間に挟まれる親子の触れ合いが少し没個性的でそれが難点かなと。
あとはなんだろ。夕日になったオチのところが、綺麗ではあるんだけど、どこかが少し変だなって印象を受けた。
No.06 夕焼けに合う服 ◆8wDKWlnnnI氏
自分の。
自分なりの宮澤賢治っぽいのを書きたかったんだけどね。筆力発想力等、足りない物がありすぎてやっぱり今回も失敗失敗。
739 :
◆xL5hEvuGq. :2008/11/18(火) 10:52:02.41 ID:z6hKzDyKO
No.07 蜜柑 ◆Ei.Vm5YNKQ氏
詩みたいな言葉遊びみたいな童話みたいな、そこら辺をずっとふらふらしてる印象のままで終わってた。
で結局のところ内容はよく分からんかった。夢とかなの?読解力なくて申し訳ない。
No.08 幸せを紡ぐ夕べ ◆zmMEjNb3Ok氏
エピソードの組み立て方に筆者の強いこだわりを感じた。情報量が多い。
つくりがすごく丁寧だった。このくらい辺り前だろって言われそうだが。
あとこのお爺ちゃん礼儀正しそうだなと思った。
No.09 宵闇に月を笑う ◆BLOSSdBcO.氏
なんか角川コミック+熱血漫画って感じだった。それかあれだ惣領冬実のESだっけタイトル忘れた。
面白かったし幻想的な描写も良かったけど、本当にあり得るの?って首を捻る箇所が何個かあった。
あと特にもう一人がいつ死んだのかがよく分かんなかった。なので最後ちょっと置いてけぼり。
No.10 怪人の夕焼け ◆LBPyCcG946氏
むしろ化け物の類いじゃないかなと。妖怪じゃー、妖怪が出ーたぞーって展開じゃなくて良かった。
内容は筆者のいつものあの不思議世界で、全体的にハードボイルドで格好よくて、確かな読みごたえがあった。
怪人が綺麗な夕日を見たがる理由がラストで分かる仕組みとか、読みきれてはいないんだろうけどすごく凝ってるなと思った。
No.11 女王様の夕暮れ ◆t5e3bWrwqQ氏
本当は怖いグリム童話?とかかなと。血と宝石といけにえの位置、それに絡む登場人物との関係をもっと簡潔にしてほしかった。
物語の軸になってくる鍵だろうし、そこが散らばって曖昧になっているので話に締まりがないというか、損してる気がする。
あとラスト。終わってない。
No.12 夢夕日 ◆RlxBNHMmBo氏
ふわっとした印象。自分の文体を模索中なのかな、まだ少し粗い様な気がした。いや自分が言えた事じゃないけど。
夢って相手の名前なんだろうか、そこら辺がよく分かんなかった。雰囲気は好きだ。
740 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 10:52:48.54 ID:S5CPwPjl0
酉変わってるよー
741 :
◆8wDKWlnnnI :2008/11/18(火) 10:54:02.56 ID:z6hKzDyKO
No.13 とある男子の影法師 ◆IPIieSiFsA氏
ちょ、おまなんで俺の昔の暗黒妄想エピソードを知ってるのさ!
でも髪に触れたりするフェチっぽいのがないから変態的にはマイナスだ!
色が黒いって?影はコントラストだから色は関係ないんだよー!
No.14 散歩に行き、帰ってきてコタツに入る ◆/sLDCv4rTY氏
題名通りだなと。まあ内容はよくは分かんなかったんだけどね。
言葉の選び方で遊んでる感じかな。これが詩的なのか散文なのかは知識ゼロなのでよく分からん。
とにかく雰囲気は嫌いじゃないっす。読解力なくてすまん
No.15 朱墨の空 ◆EtV8DSf6go氏
子供の頃に体験するトラウマとかかな。でも結構共感できるのは似たような経験があるからだろうか。
ただ、うーん、母親泣いちゃったかーってなった。そりゃ最後みたいになるよなと思った。
No.16 朱に染む ◆pkHvZT49GM氏
分かんなかった。一人語りが続きすぎててくどい。そういった物は行動やエピソードで示して欲しい方なので。
なんか感想つけづらい。ストーリーと呼べる物がないと思うので、どこをどう読めばいいか分からんかった。
No.17 夕焼け ◆トリップ不要氏
夕景大学でもうね、一応縛りがあるんだからそこはちゃんとしようよ。トリもないしさ、どうでもいいとは思えない内容なのに。
緑閃光のくだりがよかった。途中少し中弛みもあったけど、全体的にまとまっていたので読みやすかった。
No.18 黒猫と鴉 ◆VrZsdeGa.U氏
やたら書きなれてる気がした。でも何も起こってないので、話としてはどうにも弱いかなって気がする。
落ち着いたいい雰囲気だった。でもこんな人間くさい動物はちょっと嫌だwwww
No.19 それでも僕たちから笑顔は消えない ◆6FLkQ8nIO.氏
この場面だけ切り取られてだされても、お墓参りしてるんだろうなってだけで終わってしまうよ。
これがラストだか最初だかはよくは分かんないけど、書く場面が足りなすぎる。時間が足りなかったのだろうか。
742 :
◆8wDKWlnnnI :2008/11/18(火) 10:55:03.84 ID:z6hKzDyKO
No.20 うすぞらのすき間に ◆EqtePewCZE氏
えっと、分かんなかった。多分最後の方の少女って景山先生が子供になったとかなんだろうなと思った。でも違ったらすまん。
それに屋上にいる人影も分かんない。読解力が欲しいのう。
No.21 ひだまり妖精 ◆OxZbMIrvNA氏
ほほう、妖精がかわいくて実にいいじゃないか。でもどこかで軸がぶれた気がする、ルーツっていってた所かな。
ひだまり妖精って種族がその時に生まれたってことなんだろうけど、探すのとかはいらなかったんじゃないかな。
夕日が象徴だからでいい気がするし、人間との関わりや絵を描いた事でどんな変化が起こるのかの方が読みたかった。
743 :
【投票】 ◆8wDKWlnnnI :2008/11/18(火) 10:56:10.41 ID:z6hKzDyKO
******************【投票用紙】******************
【投票】: No.08 幸せを紡ぐ夕べ ◆zmMEjNb3Ok氏
No.13 とある男子の影法師 ◆IPIieSiFsA氏
気になった作品:No.10 怪人の夕焼け ◆LBPyCcG946氏
No.21 ひだまり妖精 ◆OxZbMIrvNA氏
**********************************************
さてじゃあM館で派手に散ってくるか
746 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:00:50.36 ID:zY/KelMOO
全感乙
747 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:02:18.34 ID:s6uVVLrKO
全感乙だわ
748 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:04:41.48 ID:BURWq3XzO
749 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:08:54.36 ID:S5CPwPjl0
そういや忘れてた。
みんなに全感乙
750 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:09:22.20 ID:A5gUbrVj0
>つか0-0のやつ選んで投票して何の意味があるの?
◆ML.K5wMH76と◆8wDKWlnnnIはそういう投票してんんだ。最悪だな。
751 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:18:20.59 ID:BURWq3XzO
752 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:25:41.89 ID:A5gUbrVj0
冷やかしなのかね
753 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:26:16.28 ID:s6uVVLrKO
>>750 何で調べもせずにテキトーなことを言う?
754 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:28:21.52 ID:A5gUbrVj0
安価付いてるから
755 :
全感 ◆f5hVe2YV7Q :2008/11/18(火) 11:29:58.84 ID:vs88MuTpP
全感投下する。
我慢強くない奴は読むな。いいか? 読むなよ?
読んだ後で叩いてきたって、返事はしない。これだけ断っておいて読む奴が馬鹿なんだ。
あと、誤解して欲しくないが、煽るつもりは全くない。正直に書きたいことを書いてるだけだ。
素人だから間違ってることもあろうし、重箱の隅をつつくような細かいツッコミには、心の中で謝るだけで反応しないからな。
以下感想
No.01 螺旋 ◆/ks5Y92PHE氏
単語の誤用や、推敲不足に関しては多分もう散々言われているだろう。
ストーリーに関してはわけが分からなかった。
これは文章力の問題ではなく、単純にストーリー自体が完成していないからだ。
背景、状況の説明。主人公の心理描写、オチの意味不明さ。
問題点が山ほどある。
No.02 淡いシミと時間軸 ◆FqHXIR7sz.氏
悪いが、1レス目で真剣読むのをやめさせてもらった。
書いた本人にしか分からないような状況から展開するストーリーなら、読者を惹き付ける何かがないとイミフで終わってしまう。
少なくとも、この作品にそんな魅力は無い。
No.03 爆弾部 ◆ocoMPoZMZc氏
導入が情感過多な「自分語り」で始まると、読者はまず胸焼けする。
1度胸焼けした読者を、物語にもう一度引っ張りこむのはとても難しい。
その語りで共感させるか、物語の最中の伏線として用いることで「おっ」と言わせるか。
しかも、これは最初から最後までずっと自分語りに終始しているよね?
756 :
全感 ◆f5hVe2YV7Q :2008/11/18(火) 11:31:01.31 ID:vs88MuTpP
No.04 黄昏時、あるいは逢魔が時 ◆7cy2QI8jBM氏
陳腐でチープだ。
最初の展開から、過去を回想しながら今を生きている人間の、いわゆるノスタルジックをテーマにしたものかと思った。
けれど、正志という主人公とは別の男の名前が出た時点で、「あぁ、幽霊ものか」と察しがついた。
断っておくけれど、チープというのは必ずしも悪いことじゃない。
むしろ、読後に安心感というか「こうでなくちゃ」というカタルシスすらもたらせることもある。
けれど、陳腐は良くない。言い方を変えれば、ちゃちく見えるからだ。
何故陳腐か。それは多分、絶対的に作者の実力が足りていないからだろう。
というよりも、ジャンルとしてこういう作品が読者に感動を与えるためには、並の文章力ではだめだ。
どこまでいっても、「どこかで見た話」で終わってしまうからだ。
加えて、感情移入がしづらい設定。これについては5で書く。
No.05 昼の後、夜の前 ◆4GBUmmG12I氏
これまたチープ。
けれど、これは4とは違い、多少なりとも読者の感情を揺り動かすことが出来るんじゃないだろうか?
4との違いは、状況設定。これに尽きる。
はっきり言えば、こういう「病床の家族が健気にがんばる」という状況は、誰しも少しくらいは経験があるんじゃないだろうか、ということだ。
どうでもいいことだが、俺の祖父も癌にかかって、最後は3/4くらいに縮んで逝ったものだから、それを思い出してちょっと鬱になった。
幽霊とか幼馴染とか、そんなアニメにあるような設定よりは、家族の方が分かりやすいだろう。
4レス目の奥さんの語りは、かなり説明的ではあったものの、「夕方が嫌いだから、復讐される」という設定が魅力的だったので、良かった。
だが、やはり陳腐の域を出ているかと聞かれると厳しいと言わざるを得ない。
余談だけど、41歳とか42歳でしょ? 全然真昼間じゃね? 俺は問題なく食え……げふんげふん。
No.06 夕焼けに合う服 ◆8wDKWlnnnI氏
最初の4行で勘弁してくれ、となった。
言い方は悪いが「作家気取り」という言葉が相応しいんじゃないだろうか?
こういった、「書きたいことを好き勝手に叩き込んだ文体モドキ」あるいは「発展途上の文体の幼虫」という物に、限りない不快感を覚えるもので。
何というか、そういうことをやるのは才能がある人だけでいいと思っているから。
まあ、もし才能があって、いつか練習の果てに完成した文体として認められたら、その時は百回土下座しようと思う。
757 :
全感 ◆f5hVe2YV7Q :2008/11/18(火) 11:32:37.72 ID:vs88MuTpP
No.07 蜜柑 ◆Ei.Vm5YNKQ氏
中村紀洋の「ああ、そうでっかそうでっか。で?」のAAを貼りそうになった。
よく自制できたと思う。
これならいっそ、みかんの画像のURLでも貼ってくれれば、1レスで済むのに。
No.08 幸せを紡ぐ夕べ ◆zmMEjNb3Ok氏
回想シーンの語り口が良くない。
おじいちゃんたちはつかず離れずの〜 の辺りからひっかかってしまい、台無しだ。
特に、こういう内容なのだから、過去→現在の時間の行き来は最も意識しなければならないところだろう。
主人公が知っていること、知らなかったが今は知っていること、話しながら知りえていくこと。
一人称小説であるのに、これらの区別がとても曖昧で、内容は分かるが読んでいて何度も首をかしげた。
そして3レス目。状況設定から入るこの部分は、明らかに過去から現在そして未来えと展開していく部分だろう。
その導入が、5行近い情景描写で、しかもその説明が果たして必要なのかと疑いたくなるような状況説明。
場面転換と合わせて、安易な手段で雰囲気を作り直そうとしたようにしか見えないので、ここで話が千切れてしまっている。
流れを最も大切にしなければならないのに、その流れが最も蔑ろにされているようで、とても残念だった。
一冊の本ならこういう手法もありかもしれないが、5レス作品を真ん中から割ったらどうしようもない。
No.09 宵闇に月を笑う ◆BLOSSdBcO.氏
まぁ、これくらい突っ走っているのなら文句は無い。
好きにすればいいと思う。
No.10 怪人の夕焼け ◆LBPyCcG946氏
物凄く意味の分からない状況から、物凄く意味の分からない舞台装置が、物凄く意味の分からない方向に話を転がしていった。
遠慮なく、全力で斜め読みさせてもらった。
説明が客観的なのに、展開が幻想的なので、そんなの噛合うはずがないだろうと思う。
奇形のサナギを見せられている感じで酷く落ち着かない。
しかも、微妙に突っ走りきれてないのはどうなんだろう?
何というか、やりたいことをやりつつ、所々で票狙いの「上手さ」を出そうとしているのを感じると、溜息が出る。
758 :
全感 ◆f5hVe2YV7Q :2008/11/18(火) 11:34:46.10 ID:vs88MuTpP
No.11 女王様の夕暮れ ◆t5e3bWrwqQ氏
ドラゴンクエストの「ドラ」と「クエ」を取り出せば、ドラクエとして意味の通じるものになるだろう。
さしづめこれは、「ラゴ」と「スト」を取り出した、ラゴストといったところか。
ちなみに、ラブコメディの「ラブ」と「コメ」を取り出した、ラブコメは大好物だ。
No.12 夢夕日 ◆RlxBNHMmBo氏
今すぐ、手に持ったノートパソコンだかキーボードだかをギターに見立てて持ちつつ、かき鳴らしてみてくれ。
そしてその様を鏡で見て欲しい。
俺は君に、そういうものを見せられた気分だ。
前回だか、前々回だかに、そんな雰囲気の話を読んだ気がするが、あっちはエアギターの日本チャンピオンレベルのやかましさはあった。
良いか悪いかは置いておいて。
No.13 とある男子の影法師 ◆IPIieSiFsA氏
感想は投票用紙で述べるので一つだけ。
お前とは美味い酒が飲めそうだ。
No.14 散歩に行き、帰ってきてコタツに入る ◆/sLDCv4rTY氏
読んでいて、多分この人はまともに書いたら普通に文章上手いのだろうな、と思った。
あえてやっているのだろうから、指摘する必要は無いだろう。
読みながら、頭蓋骨にスプリングが埋め込んであるかのように、文字や単語が脳内でぶつかって跳ね回る。
どこまで読んでも、ジェットコースターに乗せられているのと同じで、周りの風景なんて全く見えてこない。
はっきりいえば、空間を把握できていないのだ。情景を把握させるために固定されるべき指標が無いので。
多分、広がりを抑えたくないということなのだろうが、これでは樹海だ。せめて、同じ所を回っていることを示すくらいの目印が欲しい。
自分で組み立てたわけではないと思うのだが、誰の文章を参考にしているのだろう? 正直分からないが、真似で終わっていないというのは賞賛したい。
ただ、絶対に票は入れないだろうけれども。
759 :
全感 ◆f5hVe2YV7Q :2008/11/18(火) 11:36:08.53 ID:vs88MuTpP
No.15 朱墨の空 ◆EtV8DSf6go氏
悪くない。
2レスでテーマを書ききっている。
回想のみの、どういった物が夕景であるか、という話なので、動きが無く票は獲り辛いだろう。
けれど、お題に真摯に取り組み、それを120%消化しているのは素晴らしい。
最初から最後まで一貫した書き方をしているが、書かれた内容がその書き方をある程度越えた所の「読者の主観」に訴えかける部分に足をかけているのが良い。
上手い というのはアマで書いている以上、どこまで行っても素人レベルの上手さでしかないが、「良さ」はプロアマ関係ないと思う。
そういう意味で、読めて良かった。
No.16 朱に染む ◆pkHvZT49GM氏
顳顬←読めない 取り出したら、コードでびっくりした。
>おそらく一般人には理解できないだろう。だからこそ、それが真理真実たりえるのだ。
>この煩わしい世に、いったいどれほど有識の者があろうか。
>さんざめく機械音の響く界隈に、私以外にいようものか。
ということなので、分からなくてもいいのだろう、と流すことに決めた。
No.17 夕焼け ◆トリップ不要氏
清々しいまでのお題無視っぷりにふいたw
>緑閃光とは赤系統の光より大気中の屈折率が大きい〜
>よくわかんないけど、すごいですね
この投げやりっぷりが良い。
他? えーと。
No.18 黒猫と鴉 ◆VrZsdeGa.U氏
猫と鴉が戦ったら、一体どちらが強いのだろう?
読んでいて、これは鴉ではなく烏、あるいはカラスだと思った。
カラスと鴉を書き分けているのは何故だろう?
まぁ、どうでもいいことかもしれないが、他に言うことが見当たらなかったもので。
760 :
全感 ◆f5hVe2YV7Q :2008/11/18(火) 11:38:19.49 ID:vs88MuTpP
No.19 それでも僕たちから笑顔は消えない ◆6FLkQ8nIO.氏
そうか! 頑張れ!
No.20 うすぞらのすき間に ◆EqtePewCZE氏
三人称一元で書く必要があったのだろうか?
崩した文章&漢字の開きをしているのだから、一人称で書くべきだろう。
ついでに、グランドとかマシュマロとか、いくら一元だからといって他に書き方は無いのだろうかと思った。
さらに何より思ったのが、台詞のぎこちなさ。例えば
>「童心に帰ろうかと」
こんな説明臭い言い方をするだろうか?
書こうとする対象をもう少し絞り込んで、それに対してベターな書き方を常に心掛けるようにすると、話の輪郭がはっきりしてくると思う。
これでは、うすくぼやけたままだ。
No.21 ひだまり妖精 ◆OxZbMIrvNA氏
>一方の彼は何やら楽しげに
オスかよ! 全俺が落胆した瞬間だった。
昨今のラノベにはありふれているとはいえ、男の子の前にやってくるのは女の子だろう、と。
極端な話として、やってきた時点で「男が男の前にやってくる理由」が必要になるくらいには、固定化されていると思う。
加えて、やってきたのが可愛い美少女ならともかく、ちんまい同性のガキだったらモチベーションにも関わるだろう。
円滑に物語を進める上で、これはマイナスでしかないと思った。ならいっそ、主人公がショタ好きだったら良かったのに。
読んだ限り、この偶然ともいえる出会いは必然たりえていない。
それは、そもそも出会いから別れから頼みを聞いた理由まで、分かりやすい説明がされていないからだろう。
強制的に考えさせられるのが嫌いな俺は、表面だけ拾って「へー」と思うしかない。
761 :
全感 ◆f5hVe2YV7Q :2008/11/18(火) 11:40:01.81 ID:vs88MuTpP
******************【投票用紙】******************
【投票】:No.13 とある男子の影法師 ◆IPIieSiFsA氏
―感想―
1レス目を半分まで読んだ段階で、多分これに入れることになるだろうなと思った。
まず導入が良い。分かりやすく、自然に物語が動くために話に入りやすい。
加えて、主人公の冷静さと、変態さと、行動がとても自然に見えるのは、心の中で「やるやるwwww」という感情が湧いたからだろう。
多分、主人公は触ることには大して興奮を覚えないのだろう。自分の体の延長上の存在である影が、彼女の体の(ryを好きにしようとする。
直接触らないもどかしさと、直接触れてはいないが彼女を明らかに侵食しているという恍惚感がたまらないのだろう。
多分、これはギャグ小説だ。お馬鹿な設定を大真面目に演じるキャラクターを見て「バカスwww」と言うべきものだろう。
だが、俺はあえてこれはギャグではなく「人類の半分が仲良く共感できる」作品として評価したい。
酒の席でこんな話題が出たら、俺は昨日まで俺をこき使っていた上司とだって仲良くなれる自信がある。
アメリカとイラクだって、おっぱいは男子の夢であることに変わりは無い。ノーベル平和賞だ!
あと、ついでと言っては何だが、6レス制限で2レスというのも、この少女に実った、たわわなおっぱいの揉み心地並に好感触。
気になった作品:No.05 昼の後、夜の前 ◆4GBUmmG12I氏
No.15 朱墨の空 ◆EtV8DSf6go氏
**********************************************
【まとめ】
13と15が良かった。5は素直な話として良かったので。他は……なんか書くのめんどくさいや。
もう、好きにすればいい って話が多すぎて疲れた。
これが小説なら、文章でオナニーしてみて! と言われたらどんなものを書くのか結構興味がある。
怖いもの見たさだけど。
何か、感想について色々と意見があるみたいだけど、見ている限りで「正直、これは流石に酷いなぁ」なんて思えるものは存在しなかった。
腹立てる人は何で怒ってるんだろう? そんなに自分の作品に自信があるの?
オーケイ。まずは落ち着いてスレタイを読もうか。
自分の自信ってやつが、過信であると気付かないかい?
スレ荒れるのがイヤなんで、一応頑張ってオブラートに包んではみたけれど、これが限界。
そもそも、人をいたぶるという目的に特化した文章を見たことがあるのだろうか? 煽り耐性が低いというより、心が狭すぎる。
ガキじゃないんだから、気に入らなきゃスルーしようぜ。
ちなみに、こうやって反応してる俺はガキで、まだ若いってことです。若さって良いよね!
762 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:42:49.51 ID:bVxy8+zi0
全館おっつー
763 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:43:44.65 ID:s6uVVLrKO
全感乙だよ
若狭っていいよね
764 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:45:24.35 ID:6rFu6KYc0
全館乙
若狭はすばらしい。羽二重餅さいこー
765 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:54:14.79 ID:S5CPwPjl0
全感乙
流行の小浜市もあの辺だしな
766 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 11:59:28.14 ID:BURWq3XzO
おっぱいもみてえええええよおおおおおおおおおお!!!!!!
767 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 12:00:38.24 ID:9va5fl8XO
つ豊胸手術
俺のピザおっぱいなら揉んでいいよ///
769 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 12:08:11.40 ID:J8JubHCZO
おっぱいはそんなこと言わない
770 :
投票 ◆LBPyCcG946 :2008/11/18(火) 12:41:52.64 ID:qlWXx3U10
******************【投票用紙】******************
【投票】: No.06 夕焼けに合う服 ◇8wDKWlnnnI
気になった作品: No.13 とある男子の影法師 ◇IPIieSiFsA
**********************************************
>>751 人の投票とか感想とかに一々ケチつけてくる奴ってなんなの?死ぬの?
772 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:39:45.88 ID:6iP65PFJ0
ちょっと待ってよ
かなり辛口の全感投下したから、誰か凹ましてしまっただろうなって
心配になって見にきたら
何か自分の作品が褒め殺しされてて……凹むよりツラいんですが
いや、嬉しいんですけど、足掻けなくなるじゃないですか
これでいいのかー、なんて油断と怠惰の誘いが、胸の内で這い回るんですが……
773 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:40:07.06 ID:6iP65PFJ0
あれ? ID変わってる……
774 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:41:16.63 ID:6iP65PFJ0
ま、いいや
775 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:41:58.90 ID:PVY9RHGdO
お題ぷりず
776 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:42:35.69 ID:DW+vAs9a0
777 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:44:18.00 ID:BURWq3XzO
>>771 ああ、普通に面白いと思って投票したのか
778 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:50:44.19 ID:PVY9RHGdO
779 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 13:58:01.36 ID:hbN0jXG8O
全館多くて羨ましい
参加しとくんだった
780 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 14:37:03.17 ID:xlwy543P0
ほ
781 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 14:46:32.77 ID:9va5fl8XO
ほ
782 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 14:47:09.98 ID:6iP65PFJ0
を
783 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 14:51:35.38 ID:lltjugwM0
784 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 15:39:33.43 ID:J8JubHCZO
誰の願いも叶いませんように
785 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 15:47:06.78 ID:hw3Wc0u80
誰の願いも叶わない世界だったら、世界は良い方向に向かうのだろうか。悪い方向に向かうのだろうか
786 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 16:13:31.59 ID:iEGk2+W80
誰の願いも叶わないを満たすには時間が止まるしかないかな。
787 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 16:15:51.36 ID:RMPwi2tVO
いずれにせよ人々は願わずとも叶うように努力せねばならなくなるのは不変の事実だろうて。
788 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 16:37:00.99 ID:BURWq3XzO
面倒くさい流れだな
いやちょっと待てよお前ら。誰の願いも、って事は本人のその願いも叶わなくなるんじゃね?
790 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:02:55.02 ID:fJPWXW+JO
別にそいつが願いが叶わないことを願ってなかったら矛盾しないけどな
みんな死ねばいいんだよ
791 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:08:17.03 ID:hw3Wc0u80
でもみんな死んだら世界が成立しないから三歩進んで三歩下がってるよな
792 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:10:27.24 ID:QZWliewk0
これからは動物の天下というわけか
793 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:13:00.43 ID:twiV+owg0
にゃー!
794 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:26:52.71 ID:hbN0jXG8O
全人類がある日忽然と消えてしまったら、って昨日テレビでやってたな
795 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:45:19.76 ID:sW7+zUC6O
>>772 今回が良かったからといって、次が良いとは限らないから
今回を活かしつつ、次をどうするのかが大事なんじゃね?
終わりなんてないんだし
796 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:49:34.80 ID:W9UkITjD0
おいくだれ
797 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:50:19.77 ID:QZWliewk0
799 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:52:56.77 ID:W9UkITjD0
800 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:53:10.68 ID:hw3Wc0u80
お題くれ
801 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:54:16.42 ID:YPKRDntdO
ドミノ倒し
802 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 17:55:05.13 ID:hw3Wc0u80
把握
803 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 18:00:20.61 ID:s3ehcbTT0
804 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 18:04:48.62 ID:zY/KelMOO
まだ品評会の書いてる
何してんだろ
805 :
小人 0/1 ◆BqgMEgxWzg :2008/11/18(火) 18:22:06.64 ID:hw3Wc0u80
お題ドミノ倒し投下。一レス。
806 :
小人 1/1 ◆BqgMEgxWzg :2008/11/18(火) 18:23:42.71 ID:hw3Wc0u80
夜になると親指ほどの大きさの小人が立ち並ぶのだった。小人が立ち並ぶのは久しぶりで、私はある種の懐かしさを覚えた。
親指ほどの大きさの小人は何万人といて、個人個人の向きが乱れることは無い。全員がただ前を向いているのである。小人の視線
は滑らかにスライドしていて曲線を描いていた。
小人は直立していて、卒業式の小学生のように背筋を伸ばし、両手の指先を伸ばして体の側面にぴったりと貼り付けている。
全員が男である。ほとんどの小人の目は自信に満ち溢れ使命に燃えているようであったが、時々うつむき震えている小人も居た。
小指の先っちょくらいしかない小人の頭を突付いてやると、その小人はひうぅ、と直立したまま激しく震えた。背筋を伸ばしたまま
顔だけ歪めて震えるのである。震えている小人を指で突付くと、みなそのような反応をした。ではまともな小人を指で突付いて
見ると、彼等はただ直立しているだけなのである。
私は小人たちの列はどこまで続いているのかとその列を目で追ってみたのだが、どこまでも続いている。小人たちの列は小山まで
続いていたのだが、山の中に入ると見えなくなった。
列の一番端の小人は私のつま先のところで直立していたので、その小人を親指ではじいてみた。小人はどんどん倒れていった。
立っていたときの姿勢を崩さず倒れていった。すぐに目で終えなくなるところまで倒れていったので、私は小人に合わせて歩いた。
小人の感覚が狂っていて小人が倒れなくなると、私は倒れなかった小人を倒してやった。はじかれた小人は表情をくずさず後ろの
小人にもたれかかり、もたれかかられた小人もまた倒れる。
小人は朝まで倒れ続けた。
807 :
小人 2/1 ◆BqgMEgxWzg :2008/11/18(火) 18:25:32.67 ID:hw3Wc0u80
以上。川上弘美には敵わん。感想とお題くれ。
808 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 18:26:09.04 ID:bVxy8+zi0
>>804 俺もだ。とっくの昔に諦めたはずなのにな
「小人」って多用しすぎじゃね
810 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 18:30:04.66 ID:hw3Wc0u80
彼等、ってのは何か違和感あったからあんまり使わなかった。使ったけども。
抽出したら二十四個あった。使った行数より多い。
811 :
全感0/6 ◆EqtePewCZE :2008/11/18(火) 18:39:55.90 ID:s6bGKtUD0
全感投下します。投票含め、全6レス。
まったく的外れなことを言っていたらスルーしてください。
なんか最近、ズレてんなあという自覚があるんです……。
812 :
全感1/6 ◆EqtePewCZE :2008/11/18(火) 18:40:25.14 ID:s6bGKtUD0
No.01 螺旋 ◇/ks5Y92PHE氏
読んでいる途中で、なんだか無理している感がある文章だな、と思いました。背伸びしているというか。
ならばこういう文章が得意な作家はどういう人なんだろうかと考えて、それはやはり「経験」なんだろうなと思い至りました。
もちろん主人公のような経験はできませんから、何度も同じテーマで書き重ねるという意味でです。
あ、あと「香苗」の謎が多く残されているなと。ある程度のことならいっそ切り捨てるのも手だと思いますが、
彼女のことは主人公の心情にも大きく関わっているので、もう少し見詰めなければリアリティがでない気が。
No.02 淡いシミと時間軸 ◇FqHXIR7sz.氏
今回の品評会は、脳内で縦書きに変換しながら読んだので、それほど気にならなかったのですが、
やっぱり画面の端から端までびっしり言葉が並んでいるというのはびっくりしますので、できればやめていただきたい。
文章は好きだと思いました。シミに支配されていくのも鮮やかだし、
オチが、バチンと照明が落ちて暗転するようなのも格好いいです。
あえて言うなら、主人公の性格が見えてこなかったことが気になりました。だけどそういう趣向かな?とも。
No.3 爆弾部 ◇ocoMPoZMZc氏
寂しい。なんだかとても寂しいです。登場人物が一度もこちら(読者)を見ていない感じですね。
まるで「僕」の日記のような。それならば最後の落涙のシーン、「なぜだか涙が出た」の箇所ですが、
無理をしてでも言葉を搾り出して欲しかったと思います。それはとても切実な言葉になるのではないでしょうか。
最初は「僕たち」ですが最後は「僕達」になっていたり、小さなことですが、統一されていないのが気になりました。
No.04 黄昏時、あるいは逢魔が時 ◇7cy2QI8jBM氏
これも寂しい話。三脚の脚が一本取れて、バランスを失って倒れてしまった、という印象を受けました。
結局、主人公はとても無力なのですね。最後の文で、これまでの「過去とさよなら」して、これから先に「美弥」とは
もう関わらないだろうことを示唆されているような感じがします。
身勝手なバッドエンドが、暗くなっていく景色とうまく同調しているなと思いました。
813 :
全感2/6 ◆EqtePewCZE :2008/11/18(火) 18:40:48.78 ID:s6bGKtUD0
No.05 昼の後、夜の前 ◇4GBUmmG12I氏
とても愛すべき物語ですね。温かい夕日です。
しかし私はどうにもなにかが足りないような気がしてならんのです。なんだろう……。
ずっと考えているのですが、ぴんとくる考えが浮かびません。ごめんなさい。
No.06 夕焼けに合う服 ◇8wDKWlnnnI氏
寂しい話が二個続けば、いい話も二個続く。ツーペアですね。
カペラさんはバイヤーみたいなもので、実際に作ってはいないのでしょうか?
服を作るなら翌日は厳しいぜ!といらないところが気になったのでした。
最初の段落の詩的なものが継続するのかな、と思っていたのでちょっと本編に入るのに時間がかかってしまいました。
でも最後にはすっかり浸かれたと思います。情景がきれいに想像できました。
No.07 蜜柑 ◇Ei.Vm5YNKQ氏
なんとなく、実際に作者がプラットホームに潰れた蜜柑を目撃してできた話ではないのかなと想像しました。
もしくは日常のどこかでそんな想像をしたか。それありきでできた話のような気がします。
No.08 幸せを紡ぐ夕べ ◇zmMEjNb3Ok氏
おじいちゃんの口調が統一されてない感じ。そんな違和を除いても素敵な話だなあと思います。
顔の赤らみをごまかすために夕焼けを選んだ、というのはやはりいいですね。そして全く意味がなかったところも。
タイトルにもあるように、幸せなお話ですね。「お幸せに」という言葉を贈りたくなるような。
No.09 宵闇に月を笑う ◇BLOSSdBcO.氏
おおー。叙述トリック。まさか来るとは思わなかったので、身構えずに楽しめました。
この設定、なんか映画でみたことあるような……と思ったんですが、違ったらごめんなさい。あれはやたらグロかった。
巧いなあ、と思ったんですが、好きにはなれなかった作品。感心のほうが勝っていたせいかも。
814 :
全感3/6 ◆EqtePewCZE :2008/11/18(火) 18:41:09.55 ID:s6bGKtUD0
No.10 怪人の夕焼け ◇LBPyCcG946氏
>空にぱらぱらと火薬を撒いて、マッチをこすって放り投げる。これが一番簡単な夕焼けの作り方だ。
すごい。一瞬で真っ赤に染まる空が想像できたとき、もうただすごいすごいという言葉しかありませんでした。
言葉の選び方って本当にセンスだなあ。そして、センスって才能だよなあ。
No.11 女王様の夕暮れ ◇t5e3bWrwqQ氏
女王のたたずまいに少し疑問が。ドレスは女王然としていたかもしれませんが、彼女自体はどうだったのかなあ。
高貴なのか、誇り高いのか、純真なのか、いまいち判然としなかったのが残念でした。
暮れない世界というのは、発狂モノですね。
No.12 夢夕日 ◇RlxBNHMmBo氏
みずみずしいという言葉が似合う作品。消えて、現れて、の繰り返しがきれいだと思いました。
ふと気がついたらそばにいて、次の瞬間には消えている。そんな儚さがあったかなと。
ただこの私の感想どおり、とらえどころがない作品でもありました。
No.13 とある男子の影法師 ◇IPIieSiFsA氏
大絶賛の嵐だったので、どんなもんかなと思ったのも事実ですが、それを差し引いても非常にライトな印象を受けました。
芥川、直木でいったら直木だなあ、と……。過去にこういう経験をした人なら共感できるんでしょうね……。
私的には、とくに深みがあるわけでもなし、あとに残るものがあるでもなし、な作品でした。
No.14 散歩に行き、帰ってきてコタツに入る ◇/sLDCv4rTY氏
>傘「パタパタ。」
かわいい。あとはダッシュを使ったり、カッコを使ったりと、なんだか絵みたいな楽しみ方ができる作品だと思いました。
見ているだけでなんか面白いという。だからなのかどうなのか、内容がどうにも頭に入ってこない。
ただ >◎?◎おわり◎◎◎ を見て「よかったな」と思わすことはできる。不思議な作品。
815 :
全感4/6 ◆EqtePewCZE :2008/11/18(火) 18:41:28.38 ID:s6bGKtUD0
No.15 朱墨の空 ◇EtV8DSf6go氏
文章が巧い。所作のひとつひとつが、実際に見ているかのように浮かんできました。それから音とか、力の入り具合なんかも。
なんだか、とても好きです。素直だと思いますし、伝えたいことが分かりやすくて。
「あなたはだれ」が交錯する瞬間。うまくとらえきってるなと思いました。
No.16 朱に染む ◇pkHvZT49GM氏
酔ってますなあ。思い切り残酷な気分のときに読むと良いかもしれない。
狂人然とした狂人というキャラクターがしっかりと立っていたと思います。
こんなこと書いといて作者が心底この作品どおりのことを考えていたら嫌だなあ。
No.17 夕焼け ◇トリップ不要氏
「夕景」が気になってしょうがなかったです。しかも頻発されたときには他人事ながらどうしようかと。
内容は悪くなかったように思います。というより、言葉が悪いですが、人が死ねば物語にはなるんです。
そういう意味で、「死」は卑怯なモチーフだと言っておきます。
No.18 黒猫と鴉 ◇VrZsdeGa.U氏
インテリジェンスでスタイリッシュ。かっこよくほのぼのしているんですが、可愛げはない作品!褒めてます。
黒猫と鴉のこんな会話を温かい室内で読めるなんて、人間ていいですね。と皮肉っぽく言ってみたり。
これは三人称だから面白い作品ですね。
816 :
全感5/6 ◆EqtePewCZE :2008/11/18(火) 18:41:47.18 ID:s6bGKtUD0
No.19 それでも僕たちから笑顔は消えない ◇6FLkQ8nIO.氏
短いけど深いですね。いろいろもやもや考えたあとふとタイトルを見て、何も言えなくなりました。
もうそこまで考えているなら、それでいいんだよね、としか思えないです。
No.20 うすぞらのすき間に ◇EqtePewCZE
自作。実はこの最後のかくれんぼの間は大人がみんな子供になっているという設定だったのです。まさかの!
「まわる」の回でも小学生を登場させたのですが、その時は三人称ならなにしてもいいだろうと自由にしまくったせいで、
「子供がこんな言い回ししねーよ」との意見をいただいた、その結果がこれさ!極端すぎるのか?!
No.21 ひだまり妖精 ◇OxZbMIrvNA氏
面白い終わり方だな、と思いました。寓話的なのに、最後に教えめいたものがないというのがその理由かもしれない。
タイトルからして萌キャラ的なものを想像していましたが、違っていてよかったです。
人によってはこの終わり方はもやもやするかもしれませんが、私は好きです。
817 :
全感6/6 ◆EqtePewCZE :2008/11/18(火) 18:42:07.27 ID:s6bGKtUD0
******************【投票用紙】******************
【投票】
No.10 怪人の夕焼け ◇LBPyCcG946氏
冒頭ですべて持っていかれた感じがした。綺麗だった。
No.15 朱墨の空 ◇EtV8DSf6go氏
素晴らしく綺麗というわけではないけれど、無視できないリアリティがあった。
気になった作品
No.02 淡いシミと時間軸 ◇FqHXIR7sz.氏
展開していく様が滑らかだったとい思います。
No.06 夕焼けに合う服 ◇8wDKWlnnnI氏
ラストシーンが好きです。
**********************************************
皆様お疲れ様でした。それぞれ意見はあると思いますが、
私は今回の品評会、なかなかバラエティに富んでいて良かったなあと思いました。チロルチョコのバラエティパックのような。
いっそ読み専に徹するのもいいかもなあ……。
818 :
◆EqtePewCZE :2008/11/18(火) 18:42:58.25 ID:s6bGKtUD0
以上です。
819 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 18:43:50.42 ID:xlwy543P0
ぜんかんおつー
820 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 18:47:35.72 ID:T76NJruQ0
>>807 なんかこう中途半端な感じがする。
川上弘美を目指しているのかは知らないが、彼女の小説の面白さは
結構、現実と虚構的な世界観がごちゃまぜになっているところにあった
りするんじゃないかなと思うので、そういう意味では
>>806の作品は
少し足りなかった。
>小人が立ち並ぶのは久しぶりで、私はある種の懐かしさを覚えた。
この文章が肝なのかもしれない。あざとくも感じる(否応なしの世界観の決定)
し、川上弘美の作品を好例とするなら、この部分はマイナスなのかなと。
ごめんねよく分からない
よっしゃぁお題ばっちこいやぁぁ
822 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 18:55:45.96 ID:gdt8ZRpC0
全感乙
>>807 確かに小人が多いな。
まあなんていうかドミノだよね。
823 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 18:56:10.83 ID:gdt8ZRpC0
824 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 18:57:47.86 ID:KzR9aFVEO
825 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:04:27.71 ID:70lC7PVY0
この中でお医者さんか私にお題をくれるかたは居ませんかー
826 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:06:01.61 ID:gdt8ZRpC0
827 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:08:21.41 ID:70lC7PVY0
>>826 「見習い」ってことは研修医さんですか、把握です
828 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:23:43.02 ID:gdt8ZRpC0
るーららー
829 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:31:09.48 ID:eCbNCvA30
>>702>>729 感想&アドバイス、ありがとうございます。
笑わせようとして、笑ってもらえるのは、嬉しいです。
作者冥利に尽きるといった感じです。(作者なんて大それたものじゃないですが……)
どなたかアドバイスいただければと思うんですが、
>>699の
>「いったたー……つか、約束は約束じゃん。百円でいいよ」「やらん」 の部分。
>「いったたー……つか、約束は約束じゃん。百円でいいよ」「やらん。嘘なんてついてない」 にした方が、
最後のオチに繋がり易いかなと、投下した後に思ったんですが、どうなんでしょうか?
830 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:37:04.96 ID:gdt8ZRpC0
>>829 上の方がいいと思う。
この落ちはすっぱりと切り伏せる力があると思うので、前準備は要らないと思う。
それにこの姉は大きくなってからはホントに必要最低限しか喋ってないしね。
831 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:45:48.35 ID:eCbNCvA30
>>830 アドバイス、ありがとうございます。
なるほど、そういう姉の人間性も注目すべき点ですね。
意識して無かったです……
832 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 19:57:38.26 ID:hw3Wc0u80
>>820 しまった。世界観を自分で決定してしまったのは失敗だった。気づかんかった。ありがとう。
お題くれ。
833 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 20:00:43.91 ID:s6uVVLrKO
天使の怖れ
834 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 20:01:28.04 ID:hw3Wc0u80
把握
835 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 20:27:35.16 ID:eCbNCvA30
ほ
836 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 20:28:14.88 ID:NN8lp7iYO
う
837 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 20:35:27.36 ID:d5K/gLpl0
なんかお題くれ
電話
839 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 20:39:14.20 ID:d5K/gLpl0
840 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 21:10:34.04 ID:BURWq3XzO
ほ
841 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 21:23:50.45 ID:gdt8ZRpC0
ね
俺も書いてみたい!
どなたかお題をplzです
843 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/18(火) 21:40:03.89 ID:UL80DaZl0