1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
―――僕、柊かがみ・・・れっきとした男の子だよ。
女の子が欲しかったお父さんのせいで性別を隠して
女の子として育てられてるの。
お父さんは神社の神様が喜ぶのは女の子だからって言ってるけど・・・
本当なのかしら?
妹のつかさはこの秘密を知ってるけど幼稚園の頃から
誰にも喋った事がない。
だから僕はその内無自覚に女の子として振舞うようになっていたんだ。
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 00:15:16.97 ID:D+qrsypR0
「ふー熱い熱い・・・」
ある夏の日、こなちゃんが僕の横でゴロリと寝転びながら
下敷きを使って自分をあおいでる。
妹のつかさは隣のソファーでお昼寝中。
真夏の柊家は、クーラーが聞いてないせいか、かなり、熱い。
その温度実に39度。
団扇があおがれるたびにこなちゃんの甘い匂いが僕の鼻腔を
くすぐる。
「こなた?だらしない格好してるんじゃないわよ!!」
女の子として振舞うのが日常だから、いくらこなちゃんの胸がチラっと
見えたからって興奮なんかしない。だけど、この甘い匂いだけはどうにも
ダメだ。
早くいのりお姉ちゃんを出しなさい
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 00:17:49.76 ID:KmKNVd6TO
これは期待できる
支援
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 00:20:43.61 ID:D+qrsypR0
「かがみ〜あおいでよ〜」
こなちゃんが甘えた声で僕の方を見てくる。いつもの事だけど・・・。
こなちゃんの着てるノースリーブから、「チラリ」と、 腋 が見えて
僕は「クラリ」と来そうになった。
あぁ・・・この暑さのせいだろう。どうも良くない。暑さは体に良くない。
「はいはい、あおいであげるから〜まったくぅ・・・」
「う〜ん・・・気持ちいい〜・・・」
そう言って目を細めるこなちゃん。首筋に汗が伝わっている。
あれ?僕の心臓、なんでドキドキ言ってるんだろう。
あおぐたびこなちゃんの甘い匂いが鼻をくすぐる。
こんな近くて・・・体温が伝わりそうなほどの距離で・・・。
すぐ近くに甘い匂いのこなちゃんの・・・唇。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 00:27:24.34 ID:D+qrsypR0
・・・ゴクリ。
僕は自分が生つばを飲む音を聞く。
・・・オナニーってものがあるのは知ってるし、知識もある。
だけど、僕はまだいわゆる精通を迎えていなかった。
自分に性欲なんてないと、そう思ってた。
「気持ちいい〜もっとあおいで・・・近づいてさ〜」
こなちゃんは指でシャツをくいっとつまんでシャツの中にまで
風を取り入れようとする。
いつもなら「ずうずうしいわね」の一言で済ませたそんな
おねだりにも今日は黙って従うしかなかった。
だって・・・こなちゃんのシャツからチラっと見える
・・・膨らみかけの胸。
汗が伝わる様子から、綺麗な肌がちょうど桜色に染まり
かけている様子まで丸見えなのだ。
僕は・・・目が離せなくなる。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 00:38:35.91 ID:D+qrsypR0
「かがみ?」
「な、なによ?」
「かがみって男の子なの・・・?」
「はぁ何言ってるのよ・・・」
幼稚園の頃から女の子で通してきたし今だってバレてないんだ。
まさか本当にバレるなんて誰も思わない。
「だって・・・それ・・・」
こなちゃんが恐る恐る指差した先には僕のスカート・・・の・・・
「あ・・・」
僕のスカートをテントみたく張ったそれを見て一瞬何が何だか
わからなかった。でもすぐに聞きかじった知識を思い出して・・・。
「こ、これは・・・あの・・・その・・・」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 00:45:27.90 ID:D+qrsypR0
「じゃ、じゃあさ・・・私と一緒に寝たのも・・・」
「えーっと・・・えっと・・・」
「私の裸見たのも・・・全部男の子って事!?!?」
言うたびにどんどんこなちゃんの顔が赤くなっていく。
まるで、自分の言葉に恥ずかしくなってるみたい。
そんなこなちゃんの喧騒を聞いてつかさが目を覚ました。
「ふわ・・・お姉ちゃん・・・?ってこなちゃん!?
何で怒ってるの?」
「つかさ!!知ってて黙ってたでしょ!!」
「ふぇぇ・・・何のこと?!」
「つ、つかさは悪くないんだよぉ!!」
僕はとうとう本当のことを話すことにした。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 00:51:19.26 ID:/bEJ8ubMO
いいぞ
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 00:54:50.95 ID:WRHqqzWbO
仕事しろ
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 00:59:41.89 ID:D+qrsypR0
「それで・・・な、何で僕がこんな格好を・・・?」
「だって、約束した!!」
ぷくっと頬っぺたを膨らませてこなちゃんがそっぽを向く。
僕の格好はジーンズにTシャツ。・・・ブラをつけていないって言うのは
ちょっと心もとない感じだけど・・・。
こなちゃんは長めのジャンスカをはいて、いつもより女らしい格好だ。
約束って言うのは、僕が男の子ってことを黙ってもらう代わりに
こなちゃんとデートする事。
ただし、デートといってもキスはしちゃいけないんだそうで・・・。
「デートなんて言わなくても、買いたいものがあるならついてくわよ?
いつもみたいに」
「ほら、言葉遣い!!」
・・・おっといけない。男の子言葉にしないといけないんだ。
「・・・学校の人にばれないかなぁ?」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 01:06:48.72 ID:GyByqP9L0
支援
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 01:13:43.62 ID:D+qrsypR0
「かがみは男の子なんだから、その・・・なんだろ・・・」
「何よ?・・・じゃなくて、何だよ?」
「・・・むむむ」
こなちゃんは困った顔をしている。
―――何よこなた、言いたい事があるならはっきり言いなさいよ。
こんな台詞が浮かぶけど、今は男の子だから押さえつけて
しまっておく。
「・・・むぅ・・・あれ!」
こなちゃんが指差す先には名物のドネルケバブの屋台があった。
ドネルケバブっていうのは羊肉のハンバーガでとってもおいしい。
おいしいんだけど・・・
「・・・あれ、買うの?いいんじゃない?」
「・・・むむ」
・・・むむ、なんて言われても、こちらとしてはどう反応していいものやら・・・。
「・・・買って?」
あぁそういう事か。僕は二人分のドネルケバブを黙って買った。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 01:18:11.60 ID:D+qrsypR0
「・・・何だかわかんないんだよぉ」
ドネルケバブを齧りながらこなちゃんがぶつぶつ呟く。
「何が?」
「男の子だったら私と遊ぶ意味なんてないじゃん・・・ほら?
かがみ、可愛いんだし・・・いや、かっこいいんだし・・・もっと可愛い子
だっているんだしさ・・・」
それでこなちゃんが何でドネルケバブをねだったのか、納得がいった。
こなちゃんは要するに不安なんだ。
「・・・大丈夫だよ」
「ふぇ・・・?」
「僕達、ずっと親友じゃん?」
「・・・親友か」
そう言ってこなちゃんは私が二次元だったらなぁ、と独り言のように呟いた。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 01:45:41.67 ID:9/y9ioo8O
しえんの影武者
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 01:53:02.45 ID:D+qrsypR0
眠いので寝るお^^
支援ありがとうだお^^
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 02:01:52.18 ID:9/y9ioo8O
ほしゅ
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 02:06:07.68 ID:XXUBqPBy0
月華じゃねえのかよ
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 02:07:33.53 ID:6xQ5lC5p0
かがみが男の子って聞いてもおちんちんが収まらないんだけど
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 02:36:40.98 ID:9/y9ioo8O
お
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 02:49:31.99 ID:9/y9ioo8O
ま
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 02:55:54.65 ID:DmEZGjDoO
え
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 03:02:59.32 ID:9/y9ioo8O
は
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 03:09:01.35 ID:1IQ64gEqO
へ
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 03:13:52.59 ID:CcrOfjBl0
ん
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 03:24:17.75 ID:9/y9ioo8O
た
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 03:31:42.12 ID:6xQ5lC5p0
い
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 04:35:58.85 ID:9/y9ioo8O
王
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 05:06:21.68 ID:9/y9ioo8O
子
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 05:13:58.86 ID:9v+vwzMR0
様
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 05:57:06.98 ID:9/y9ioo8O
の
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 06:42:20.98 ID:9/y9ioo8O
お
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 07:21:08.67 ID:9/y9ioo8O
ち
34 :
みるく ◆milk..../. :2008/10/30(木) 07:48:37.60 ID:KZ0gglOTO BE:223757524-DIA(131000) 株主優待
ふむふむ
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 08:31:11.16 ID:9/y9ioo8O
ほしゅ
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 08:37:40.91 ID:41M6fZazO
ほっしゅ
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 08:38:54.96 ID:I2UTT1eCO
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 08:57:51.37 ID:yFGHrKuCO
wwwうwwっwwはwwww
wwww男の娘かwwwwがみんwwwwwwwwwwwとかwwwwwwwwwwwwwwwwwkwwwwwwwwtkすwwwぎるwwww
ポポポポポポポポポオオオオオオオオポポポポポポポポポポポポポポポポポポポ
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 09:02:08.55 ID:KmKNVd6TO
ほ
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 09:11:43.53 ID:egjpbjBKO
続きを書くのか かかねーのか
はっきりしやがれ
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 09:35:46.96 ID:KmKNVd6TO
ほしゅ
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 09:43:34.02 ID:YLjCAJo2O
ぬるぽ
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 10:27:28.50 ID:9/y9ioo8O
ガッ
男の子なら少年誌で乳首出してもOK
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 11:32:56.75 ID:CcrOfjBl0
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 13:33:00.66 ID:Og6u0jy10
僕にはよくわからない。
こなちゃんがどうしたいのか、そして僕自身がどうしたいのか。
幸運だったと思えるのは、こなちゃんが男であることを隠していた僕に理解を示してくれたことだ。
こうもあっさり認められるのならもっと早いうちに打ち明けておけばよかったのかな。
「ひょっとしてさ、悩んでたりする?」
少し感慨に浸っていた僕に、こなちゃんが不安げに語りかけてきた。
なんとも曖昧な表情だ。
「どういう意味で?」
「どういう意味って、そのままの意味だよ。だって18年近く女の子だったんでしょ?」
「そうだけど・・・それが?」
「ずっと女の子として頑張ってくるのって何か難しそうだし」
どうなんだろう。
小さな時から自然に振る舞ってきたわけだし、特に思い悩んだこともなかったと思う。
そりゃまあ、性別による体の成長の違いがはっきりと表れ出した時には、
それをどうやって誤魔化すべきかを試行錯誤したもんだけど。
でも、やっぱり。
「よくわかんないかな。こなちゃんがあまりにも自然な反応だったし、
今ではそんなものなのかなって感じてる」
私が本心を告げると、こなちゃんは再び、うんうんと唸り始めた。
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 13:46:40.14 ID:Og6u0jy10
今度は逆に質問をしてみる。
「もしかして悩んでたりする?」
オウム返し。
こなちゃん、わずかに頭を捻る。
「悩んでるってほどじゃないけど、正直言ってちょっとだけ混乱してるかな。
ずっと同性だと思っていた人に、急に男だって言われたら流石に誰だってね。
って、なんで本人より私のほうが動揺してるんだ!?」
いや、僕に聞かれても困るんだけど。
「うーん・・・腑に落ちないなぁ、なんだか。これが二次ならそういうルートもアリなんだけどさ。
実際に遭遇してしまうと妄想や創作の中とは違って色々と心の準備ってものが・・・」
あうあうあーと頭をシェイクしてみせた。
そういう仕草の一つ一つが、なんだかとっても落ち着ける。
やっぱりいい友達だな、こなちゃんは。
「あ、そうだ。かがみに一つだけ注文いいかな?」
「なに?」
「私のことは、こなたと呼ぶように。どうもしっくり来ないんだよね」
「そっ。わかったよ、こなた」
「うはー、これもこれで違った感覚がぁー!」
少しは落ち着け、と本日初となるツッコミを入れてみた。
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 14:03:11.23 ID:Og6u0jy10
軽食を終えると喉が渇いたので、二人割り勘で1本のジュースを買い求め、
人の流れの緩やかな場所に陣取り話を続けることにした。
僕は少しだけ辺りを窺ってみる。
真上から照りつけてくる夏の日差しは酷だというのに、行き交う人たちには一糸の乱れもない。
人も自然も建物も、そのなにもかもが元気一色。それこそが夏だと再認識させられるようだ。
その中で飲む冷たいジュースだからこそ、いつも以上に美味しく感じられるんだろう。
「ほら」
飲みかけのジュースを手渡す。
これまでも幾度となくやってきたことだ。
「う、うん・・・」
「どうしたんだ?」
「いや、まあ、別に」
こなちゃんは受け取っても口を付けずにじっと眺めていた。
さて、これからどうしようかな。
実は急場過ぎるデートプランだっために目的地がまだ定まっていないのだ。
漠然と、街の方へ、とだけしか決めていなかったし。
こなちゃんのする事やる事は基本的に無計画だから。
そんなときに備えて具体案を出すのが僕の役目なんだけど、昨日は動転してたからね。
まあ、ゆっくりと時間を掛けていけばいいかな。
デートとは名ばかりのお遊びなんだろうし。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 14:17:27.68 ID:Og6u0jy10
「あら、奇遇ですね」
聴こえた声に振り向くいた瞬間、僕は逃げだしたくなった。
みゆき、なんでこんな所に・・・。
「奇遇だね、みゆきさん。お買い物?」
「ええ、お母さんと一緒に。お恥ずかしながら、少し目を離した隙に逸れてしまいまして」
どうしよう。
他人のふり、他人のふり。
「こんにちは、かがみさん」
ですよねー。誤魔化せるわけないよねー。
しょうがない、僕も男だ。肚を決めよう。
「よう、みゆき」
「今日は心なしか勇ましいんですね。ボーイッシュ、というものでしょうか? お似合いですよ」
ほがらかな笑みを送られる。
あれ、まさかのスルー? それとも天然? 或いは気遣い?
そんなこんなで返答に窮す僕に代わって、こなたが代弁した。
「かがみんは元が男だからね、似合って当然」
嘘にはならない上手い運び方だなぁ。
と人知れず感心。
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 14:34:12.39 ID:mUEUdJwc0
見てはいる
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 14:34:28.96 ID:Og6u0jy10
ピンポンパンポーン。
『高良みゆき様、高良みゆき様。
都心からお越しの高良ゆかり様を待合所にてお預かりしております』
街中だというのにどこから放送してんだろう、これ?
そんな僕の疑問を振り切るように、みゆきが気恥ずかしそうに笑いながら言った。
「どうやら母をお迎えに上がらねばなりませんので、私はこれで。それでは失礼しますね」
僕とこなちゃんはその場で見送る。
みゆきの姿は小さくなり、やがて人波に埋もれていった。
それを確認したあとで、待っていたようにこなたが口を開いた。
「どうやらまだ、かがみは女の子として見られているらしいね」
「これは喜ぶべきなのか?」
「どうだろ?いっそ、もっと男らしい線で攻めてみたい?」
「私は・・・僕は別に、そんな風には思わないけど。元のままでいいし」
「あーでも敢えて、がちがちの女の子ルックスタイルで飾るのも楽しそうかも・・・」
「僕を着せ替え人形にでもするつもりかお前は?」
「ってことで、次の目的地が決まったわけなのだよ」
「でも、予定が急過ぎたんだし、僕には持ち合せがないよ?」
「だいじょーぶだいじょーぶ、私の趣味・・・じゃなくて親友の為としてだから私がなんとかしましょう」
はぁ。こいつのアップダウンが激しいのはいつものことか。
勢い余ってコスプレとかさせられなきゃいいんだけど。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 15:02:52.90 ID:Og6u0jy10
「かがみぃーん、次はこれ着てみてよぉー」
「まだ開けるなって!」
僕は試着室の中で一人、次から次へと運ばれてくるアイテムを消化していた。
外では普段のやる気のなさとは異を放つこなたが、働きアリのようにせっせと洋服を運んでくる。
しかも御叮嚀にメンズ用をだ。
「どれどれ・・・うっほぉ!」
「覗くな!」
「よいではないかー親友なのだからー」
ニヤニヤ顔が妬ましい。
こっちはブラがないので心許無くて仕方がないというのに。
こら、カーテンの隙間から外が見えちゃうじゃない!
「かがみんって男にしては細いし肌が綺麗だからさ、露出が多いと映えるよね。
いっそタンクトップにハーフジーンズみたいな思いっきりラフな格好でもしてみない?ついでに雪駄とかさ」
想像してみる。
・・・うわ、きつい。それは流石にきつい。
「あんたの選択に悪意すら感じるわね」
「口調に注意1回。3回溜まったら罰ゲームね」
「なに言って・・・やがるんだ。いつの間にそんなルールをお作りになられたのですか?」
「いま」
「悪びれもなくあっさりとこいつは・・・」
それからも暫く、こなたによる着せ替え遊びに付き合わされてしまった。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 15:20:43.41 ID:Og6u0jy10
結局は僕とこなたの押し問答となり、その場は冷やかしに終わった。
ごめんね店員さん、棚を荒しちゃって。
でも僕達はお客だから、あなた達が畳むのは当たり前なの。
なんて具合に自分を納得させつつ、注いでくる若い店員達からの視線を受け流して退店した。
その際、ありがとうございましたーの声がないことに僕は些か委縮するも、
こなたは全く気にも留めない様子で、あらぬことを口にしたのだ。
「じゃあ、次はロリータ的な方向で」
「ちょっと待て、おかしいだろ」
落差の激しさが尋常じゃなさすぎるという抗議を、
店員一同の心情を僕が受け継ぎ、こなたへと注ぐ。
「じょ、冗談だって、そんなに睨まないでよ」
どうだか。
「悪かったよ、ね?機嫌なおして?」
「別に怒ってねーよ」
「そうだ、ほら、ソフトクリーム買ってあげるから」
「物で釣る気?」
「いや、そういうわけでは・・・」
まったく、調子がいいんだから。
一番高い奴をねだってやるわ。
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/30(木) 15:24:10.83 ID:Og6u0jy10
案外難しいお^^
それじゃーまただお^^
乙