1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
ここは筆力のある人・ない人がお題をもらって自由に小説を書き、それぞれの筆力を向上させるスレです
※※※お題をもらわないでの小説投下はスレの主旨と違いますのでご遠慮下さい※※※
各まとめ入口:
http://www.bnsk.sakura.ne.jp/ まとめwikiコラム:
http://www.bnsk.sakura.ne.jp/wiki/index.php?%A5%B3%A5%E9%A5%E0 初心者の方は上記のまとめwikiコラムの他、掲示板を一度ご覧下さい。
小説を書く際の禁則やテクニック等が具体例付で説明されています
(三行テンプレート)
1:お題をもらう(安価より「↓」を推奨)
2:もらったお題に沿った作品を書いて、完成させる。
3:「投下します」と宣言し、作品投下。メール欄は無記入、名前欄には「もらったお題」を表記する。タイトルは無くても可。
・1レスは30行、4096バイトまで、一行は全角128文字まで(読みやすさの為に50〜60文字推奨)
・書きながらの投下は禁止
・お題をもらっていない作品はたとえ投下されてもまとめサイトには掲載されません
詳細は
>>2-3辺りをご覧下さい
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 23:48:24.19 ID:ApvYoMd10
まずはお題をもらいましょう。基本的に過疎スレなので↓でもらうと良いです
→人のお題を使って書くのもありです。作品がたくさん投下されればスレも盛り上がります
▽投下の際の注意点
・投下宣言は「投下してもいいですか?」ではなく「投下します」。投下宣言が被らない限り、許可はいりません
・投下する人は最後に「終」「完」「了」など、投下完了の合図をお願いします
・名前欄 に『タイトル(お題:○○) 現在レス数/総レス数』 (例:『BNSK(お題:文才) 1/5』)を書いて下さい
・まとめる際にコピペがしづらいので、メール欄は空にして投下してください。
・作品を投下する際は、テキストエディタで仕上げてから、完成品をまとめて投下して下さい
▽読み手の方へ
・感想は書き手側の意欲向上に繋がります。感想や批評はできれば書いてあげて下さい
▽保守について
・創作に役立つ雑談や、「お題:保守」の通常作投下は大歓迎です
・落ちた場合は立てられる人が新スレを立てて下さい。人がいる時間を目安に
▽その他
・通常作品でもトリップを付けておくと、wikiで「単語検索」を行えば自分の作品がすぐ抽出できます
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 23:49:09.75 ID:ApvYoMd10
▲週末品評会
毎週木曜日の夜〜土曜日の午前中に、お題が出されます
作品は土曜日の0:00から日曜日の23:30までの間に投稿してください
その後それぞれに評価をして頂き、月曜日の0:00から火曜日の24:00まで投票を受け付けます
▽作品投稿
・ジャンルは自由、時間を過ぎての投稿も選考外ではありますがまとめサイトに掲載します
・スムーズな流れを保つため、メモ帳等の機能を使って全部書き終わってから投下するようにお願いします
・優勝時の本人確認のため、週末品評会参加者は出来れば酉を付けて下さい(酉は名前欄に#と自由な文字列)
→毎回同じコテや酉で出続けると周囲にわかりやすいです
・作品のタイトルは現在レス数/総レス数、酉を除いて、全角二十文字以内にしてください。
▽締め切り間際の作品投稿について
週末品評会では、投下締切時間の間際に集中的に投下が起こります。
それを無管理で放っておくと大変な事になるので、23時から「予約」という形を取り、運営の指示に従って順番に投下してもらいます。
予約締切は23:30で、以降は時間外の扱いになります
▽投票
・本スレへの書き込みでお願いします(複数選択可)
・ぜひ書き手の方も他の人への感想や投票を行って下さい
・簡単でよいので、感想、批評等書いて下さい。書き手の次への糧になります!
・投票は投票用テンプレを使うか、【投票】と書いて書き込んで下さい
▽優勝者特権
・投票で一番支持を得た作品の作者の方には、次回品評会のお題決定権が与えられます
・投票数が同数の場合は、気になった作品の投票数の差で決定します
・お題の発表時間は優勝者に一任されますが、遅くても土曜日の午前中には提示して下さい
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 23:53:16.78 ID:ApvYoMd10
推理小説が好きだ
恋愛小説が好きだ
仮想戦記が好きだ
時代小説が好きだ
伝記小説が好きだ
SF小説が好きだ
ライトノベルが好きだ
ケータイ小説が好きだ
この地上で綴られる、ありとあらゆる文章が大好きだ
No4の作者だけど、前スレの話より長い感想を書いてくれた人へ
深読みし過ぎww
本当は、主人公がゲームのロボットを大事にしているのと同じく
……だよという話のつもりで書いたんだ
ともかく感想ありがとう
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/21(火) 23:58:56.83 ID:LFhOt4hlO
7 :
投票:2008/10/21(火) 23:59:33.25 ID:3QfoDGpC0
>>1乙
全感は無理だが投票だけでも
******************【投票用紙】******************
【投票】: No.07 恋愛アドベンチャーゲーム ◇VrZsdeGa.U氏
―感想―
主人公に自我があるんだねw
もっとプレイヤーからの理不尽な命令があっても良かったかもしれない。
んで、僕はこんなことしたくないのにー!ってのが見たかった。
皆が言うようにベタかもしれないが、今回の品評会では一番楽しめました。
気になった作品:時間外 黒いゲームにご用心 ◇xyAZ5VvW6Y氏
―感想―
感想というか、ラスボスの技名が気になってしまった。
インペリアルクロスは陣形…インペリアルクロスは陣形…
あえて被せたのかもしれないが、無難な技名で良かったような?
話の方は、以前どっかで読んだ怖い話と似てたけど、わりと好みです。
**********************************************
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:01:00.79 ID:6DDPYclF0
ギリギリw
さて、優勝は誰さんかな
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:02:47.58 ID:IDw/j0Xf0
投 関
2 1 No.01 ゼットンに邪魔されて ◆fSBTW8KS4E氏
− 1 No.02 ゼンタイトマレ マワレミギ ◆8oWJCE.ZEc氏
1 1 No.03 王なる竜の戰い ◆SM.3wIRaLE氏
− − No.04 育成ゲーム ◆pxtUOeh2oI氏
1 1 No.05 うそゲーム ◆TQd9MjVDR6氏
− − No.06 囚人、チキン、スタグハント ◆DuoCt8/SKk氏
5 − No.07 恋愛アドベンチャーゲーム ◆VrZsdeGa.U氏
5 3 No.08 決闘場の作り方 ◆EA689E9oHk氏
− − No.09 考える儘に ◆1A151ox0A氏氏
− 5 No.10 レベル ◆syCIMhpZk6氏
− 2 時間外No.01 黒いゲームにご用心 ◆xyAZ5VvW6Y氏
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:09:22.95 ID:6DDPYclF0
>>7の投票は反映されてるのかな
ともかく◆EA689E9oHk氏、優勝おめでたう
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:10:31.51 ID:mReiQC1a0
◆EA689E9oHk氏に祝福を!
さあ、とっとと受賞の言葉とお題の発表時期を言いやがれです。
>>1乙
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:11:21.14 ID:GjXkGBN70
◆EA689E9oHk氏、優勝おめでとうございます。
◆EA689E9oHk氏オメー
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:30:17.65 ID:6DDPYclF0
ほ
◆EA689E9oHk氏おめ
投票しそびれたけど、優勝者に投じようと思ってたからいいか。
おめでとう。
17 :
◆EA689E9oHk :2008/10/22(水) 00:41:45.44 ID:4LsnDEmJO
おつかれさまでした
そして、ありがとうございました
ちょっと結果に動揺してます
では、お題です
18 :
◆EA689E9oHk :2008/10/22(水) 00:44:00.35 ID:4LsnDEmJO
くるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくるくる
第133回週末品評会 『まわる』
規制事項:五レス以内
投稿期間:2008/10/25(土)00:00〜2007/10/26(日) 23:30
宣言締切:日曜23:30に投下宣言の締切。それ以降の宣言は時間外になります。
※折角の作品を時間外にしない為にも、早めの投稿をお願いします※
投票期間:2008/10/27(月)00:00〜2008/10/28(火)24:00
※品評会に参加した方は、出来る限り投票するよう心がけましょう※
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:48:00.05 ID:6DDPYclF0
次は第134回だけどねー
今回は参加したいなー、毎回言ってる気がするけど
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:51:41.90 ID:LlMF03h10
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 00:57:02.04 ID:6DDPYclF0
>>20 いつもありがとうございます。お疲れ様です。
>毎週木曜日の夜〜土曜日の午前中に、お題が出されます
テンプレだとこうなってますが、早いと不都合があるのでしょうか
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 01:00:29.04 ID:NlaIRi+WO
>>17 おめ
>>20 おつ
まわるか……ゴクリ
これは輪姦ネタ書くしかないな
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 01:00:54.76 ID:LlMF03h10
>>21 2008/10/22 (水)
いえ、別に支障がある訳ではありませんよ。
ただ、品評会重視の傾向がどんどん強くなっているような気がしまして。
それが良いのか悪いのかは各自の判断ですが、通常作品が軽視されていくのならちょっと考え物かな、と。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 01:04:37.39 ID:IDw/j0Xf0
別に今は軽視されてるとは思えないけど
意味無くなったテンプレのほうをガスッと削るべきだと思うね
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 01:07:04.08 ID:NlaIRi+WO
優勝からお題発表の流れがスムーズすぎて品評会一辺倒の雰囲気に……
そう思わなくもないけど、毎回通常作品に感想つけてくれる人もいるし大丈夫だよ
あっ、こんなこと言うといかにも他人ごとみたいだけど自分も感想書いてるよ
たまにだけど
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 01:07:31.43 ID:7dcR781v0
無限ループ作品がいっぱいおっぱい
キラキラまわる
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 01:08:56.13 ID:GjXkGBN70
>>25 どっちかっていうとテンプレも読めない文盲の側頭部をガスっと削りたい
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 01:09:31.28 ID:LlMF03h10
んー……言葉で表すのは難しいですね。
何かと誤解を生みそうで困ります。
とりあえずは、BNSKをお楽しみ下さい。それさえ確かなら私は何も問題ありません。
>>25 それではお願いしますね
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 01:11:34.56 ID:IDw/j0Xf0
▲週末品評会
作品は土曜日の0:00から日曜日の23:30までの間に投稿してください
その後それぞれに評価をして頂き、月曜日の0:00から火曜日の24:00まで投票を受け付けます
▽作品投稿
・ジャンルは自由、時間を過ぎての投稿も選考外ではありますがまとめサイトに掲載します
・スムーズな流れを保つため、メモ帳等の機能を使って全部書き終わってから投下するようにお願いします
・優勝時の本人確認のため、週末品評会参加者は出来れば酉を付けて下さい(酉は名前欄に#と自由な文字列)
→毎回同じコテや酉で出続けると周囲にわかりやすいです
・作品のタイトルは現在レス数/総レス数、酉を除いて、全角二十文字以内にしてください。
▽締め切り間際の作品投稿について
週末品評会では、投下締切時間の間際に集中的に投下が起こります。
それを無管理で放っておくと大変な事になるので、23時から「予約」という形を取り、運営の指示に従って順番に投下してもらいます。
予約締切は23:30で、以降は時間外の扱いになります
▽投票
・本スレへの書き込みでお願いします(複数選択可)
・ぜひ書き手の方も他の人への感想や投票を行って下さい
・簡単でよいので、感想、批評等書いて下さい。書き手の次への糧になります!
・投票は投票用テンプレを使うか、【投票】と書いて書き込んで下さい
▽優勝者特権
・投票で一番支持を得た作品の作者の方には、次回品評会のお題決定権が与えられます
・投票数が同数の場合は、気になった作品の投票数の差で決定します
・お題の発表時間は優勝者に一任されますが、遅くても土曜日の午前中には提示して下さい
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 01:13:08.32 ID:IDw/j0Xf0
これで結果発表後すぐ発表しても、テンプレ的には問題ないよね
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 01:13:29.85 ID:6DDPYclF0
>>32 乙
削っても読まないやつはほんと読まないよな……
文章を書こうとする人間が、たった3レスのテンプレを何故読もうとしないのか
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 01:14:31.47 ID:LlMF03h10
>>31 ……一行しか削られていないように見えます。
>意味無くなったテンプレのほうをガスッと削るべきだと思うね
この表現だと相当削るように思えたんですが。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 01:16:42.39 ID:IDw/j0Xf0
>>34 現状意味を成してない部分を削るだけで十分だろ
ねこさん割と批判的だね
金曜から書き始める俺としてはどちらでもいいけど
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 01:22:14.12 ID:LlMF03h10
……何かもう、いいです。ごめんなさい(´・ω・`)
現状に文句を言っている訳でもありませんし、批判をしようとも何とも思っていないんですが、
どうにも発言するたび誤解を生むようです。
>>24の三行目が問題でしょうか。
考え過ぎなのかも知れません。
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 01:23:50.97 ID:6DDPYclF0
軽視という言葉が強すぎて、皆そこに目が向いたのではないか
とかのたまってみる
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 01:54:12.68 ID:6DDPYclF0
ほ
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 02:04:58.42 ID:9XT1r6ze0
殺劇舞荒剣! っていう保守
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 02:06:33.55 ID:RUvuQVEs0
プロットはできるけどそれを上手く文章にできなぃいいいい
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 02:10:07.20 ID:I0FLSLEf0
>>41 出来たプロットを更に細かいプロットにしていけば、
なんとそのうち文章に!
なったらいいなぁ
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 02:10:54.65 ID:uAYsBHDW0
まあ、軽視も重視も各々で違うしね
最初から品評会しか参加しないつもりって人も多いだろうし
お題発表の時間とそういう感覚は別物だと思うよ
猫は緊張が高まるとグルーミングをする。
これは、ただ自分を落ち着かせようというだけの行為ではない。
対象から視線を逸らすことで、不要なぶつかり合いを避けようとする意図があるという。
猫は社会性の乏しい自分勝手な生き物だとよく指摘されるが、僕はそうは思わない。
思いの外、猫というのは社交術に長けた生き物であり、こと場の空気を読むことに関しては、
時に我々人間よりも、遥かに優れた一面を見せてくれることがある。
目の前で繰り広げられる少し殺伐としかけたやり取りの中で、僕は只管そんなことを考えていた。
こうやって、ひたすら猫のことを考えていれば、どんな時でも僕の心には平安が訪れる。
グルーミングをするように、猫の洗練された性質をちょっと想像するだけでいい。
猫の視線、猫の空気、猫の社会。
これは現実逃避だ。
どこかでもう一人の自分がそう言っているような気がする。
僕を現実に押し戻そうとするその声に抗って、僕は無理やり猫のことを考え続けた。
猫の瞳、猫のおでこ、猫の前足。
いつか見た美しい猫のことを思い出しながら、そう心の中で何度も唱える。
猫のヒゲ、猫の肉球、猫のしっぽ。
僕は、ここではない何処か遠いところで猫となり、現実の僕はどんどん無色透明になっていく。
本当はそれが僕の望みに反する行為だと、心のどこかで気づいていながらも
僕はこの肩身の狭い空間で、そうやって己を保守せざるを得なかった。
そう、本当は僕はわかってる。
僕のこの臆病さは、猫の美しさとは対極にある。
僕は、猫のように我を通してみることもせず、ただ逃げて回っているだけの醜い人間なのだ。
美しくありたいのならば、恐れず本当の自分の望みを口にするべきなのだ。
たった一言、「お題をください」と。
保守。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 02:51:10.57 ID:lbhCf749O
>>44 逆転劇
ところで猫たちがカンヅメ食べ過ぎで食費がマッハなんだ……
>>45 把握
天高く猫肥える秋、奴隷、必ず痩せん
いつもながらの保守
寝る前ほ
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 04:25:47.83 ID:lbhCf749O
いまさらぜんかんですよ
だらだら5レス
まとめさまご迷惑おかけしますm(_ _)m
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 04:26:50.92 ID:lbhCf749O
No.01 ゼットンに邪魔されて ◆fSBTW8KS4E氏
>高台のベンチからは、座ってもこの町がよく見下ろせた。だから、というなにげない接続
詞と繋がっているのは完全なる物語の真っ最中、というその鮮やかな物語の導入の仕方が魅
力的ですらすら。
一レス目の
>ウルトラマンを待っているのだ、僕は直感で思う。というところでもうこの小
説がどういう小説かは明かされて、あとはその通りに話が進んでいくのですが、個人的にそ
の手の二つの枠組みのパラレルとか、投影というものが好きだということもあっておもしろ
かったにゃん。
でも今回一番面白かったのは、テーマ(お題)の扱い方だと思う。
>エキサイトバイクさながら、ゼットンの作った悪路を、飛び越える。
え、これだけ!? と一瞬思ったのですが、このカメオ的な使い方は見事としかいいよう
がない。とにかくもう一ひねりしろってことは文学科の創作コースなんかでもよく言われる
ことですが、この小説の場合はウルトラマンとの出会いから自分のすべきことを強く決意す
るという話をもう一ひねりする。彼もまた逡巡するヒーローだったのだ。
ヒーロー→ヒーロー→ウルトラマン→仮面ライダー→ライダー→ライド→エキサイトバイク
この流れを本当にカメオ的にさらっとやった瞬間、すでに一票投じていました。
No.02 ゼンタイトマレ マワレミギ ◆8oWJCE.ZEc氏
若い女の作家が書く等身大小説の書き方を思わせるにゃん。悩んで傷ついて成長する物語。
違うのは主人公が男の子ってことぐらい。それでやっぱりそうした小説同様、空気の色付け
なんかがうまいにゃん。
ふたりの関係もさっぱりしていて清爽、雰囲気のいい読書を愉しみました。
ケータイ小説っぽいレイアウトもこの小説世界を支えていたと思うし違和感なかった。
ゼンタイトマレ、マワレミギも悪くないよな。もしそこが行き止まりならマワレミギする
しかないじゃない。
アルバムを見ながら俺は泣いていた。は気に入らない。そこは説明じゃなく描写であらわ
さないと見ているこっちがうんざりしちゃう。
書き手と読み手の間の了解のために、もう少し埋めなければいけない溝があって、そこを
意識してもっといい小説書けますし読みたいと思いましたです。
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 04:29:05.49 ID:lbhCf749O
No.03 王なる竜の戰い ◆SM.3wIRaLE氏
>天使が通ったっていうのさ。
>頭の芯のとても深いところはひどく冷え切っている
>僕は全てを理解し、そして全てを諦める。
適当に抜き出しましたけど作品全編に渡ってどこか既読感があります。
結局場面にしろ感情にしろ言い回しにしろ既存のフレーズをうまく切り貼りしているだけ
なんじゃないでかしら。それを差し引いても叙述はしっかりしていると思うんですけどね。
なおさら惜しいわ!
作者様が本気で苦心して書いた小説という気がしませんし、〆は論外です。
全部借り物かよ!
本気で書いてまた読ませて欲しい。
No.04 育成ゲーム ◆pxtUOeh2oI氏
残念なことに読み手として、作者様との呼吸が合いませんでした。下記の
>なんで、大人はゲームが嫌いなんだろう。ゲームなんてしてる暇あったら、算数ドリルをしなさいとか漢字を覚えなさいとか、
つまらないことばかり無理矢理やらせようとしてくるのは何でだろう。
でも、まあ良くわからないから、考えるのは止めることにした。
というくだりを読んだときに、「短いは正義」の優秀な書き手が、なんでこんな手垢に
まみれた平凡で退屈な箇所を削らないんだろう、と怪訝に思ってしまった。そしたらな
んとそこが〆への布石というか、〆と対になっていたのでした。あー、そっちかと、直
前にアイコンタクトしておきながらパスの方向と真逆に走り出してしまったFWのよう
な気持ちで読了いたしました。
>僕は少しだけそう思って、またロボットをいじり始めた。
そこに大袈裟な感興がおこったわけじゃない、というドライな感じがたいへんリアルで
よい感じ。ゲームの説明のくだりと共に好きな箇所です。
52 :
【感想】3/5:2008/10/22(水) 04:31:32.80 ID:lbhCf749O
No.05 うそゲーム ◆TQd9MjVDR6氏
一瞬の白日夢か。
スーパーマーケットの回に投票しましたが、やはり叙述には独特の味があっていいの
です。うまい。ただ今作はちょっと……。出会う人物が読んでいてもみんな圧迫してこ
ない。たぶんそのせいで緊張感が生じてこないんですよね。書き割りみたいだ。
状況が非現実的だから敢えて? だとしたら失敗していると思う。
関係ないけど二階に上がった時、もしやスパルタンX? って思った。シルヴィアー!
No.06 囚人、チキン、スタグハント ◆DuoCt8/SKk氏
長編の序章ぽい書き方が特徴的な作者さん。今回は第四章『囚人のジレンマ』みたいな
感じの書き方でした。長編小説志向すなあ。どんどんやったったらええねん。
でも今回は叙述がアンフェアでした。やはり包丁出すまでには、何かしらごそごそし
てくれないと。わざと全体を隠されるのは困るにゃん。
No.07 恋愛アドベンチャーゲーム ◆VrZsdeGa.U氏
叙述が巧みで、微細な機微まで書ける人だと思う。だから逆に小説内部をベタなギャル
ゲーにしたことで良さが薄れたと思いました。ギャルゲというメタな大枠を維持したまま、
現実的な高校生の日常性をもって、小説世界を書ききってもよかったのではないかにゃん。
小説としての弱点はメタな状況をただ提出しただけで、なにもしていないところです。
それはギャルゲを醒めた目でプレイしているのとなんらかわらない。プレイしている
ぶんギャルゲーマーのが上かも知れんとさえ思う。
お題の消化の仕方など、はじめのうち、これが一番かもと思っただけにもったいない。
53 :
【感想】4/5:2008/10/22(水) 04:32:56.01 ID:lbhCf749O
No.08 決闘場の作り方 ◆EA689E9oHk氏
すごろくの制作過程を軸に必要な挿話をカットインする構成も叙述もきちっとしてい
て話そのものの雰囲気もいい。
個人的にはちょっと女の子をよく書きすぎて甘ったるく感じた部分もありましけど。
迷わず一票を投じました。
No.09 考える儘に ◆1A151ox0A氏
もうちょっと落ち着いて><
女の子のしゃべり方とかちょっと特徴的だし、もっと大事に書けばぐっとよくなるはず
です。
視点、といって「俺」がしゃべっている場合は他の人の心の声は書かない決まりになっ
ています。(No.08にも一カ所ありますが、ケアレスミスだと思い、見ないふり見ないふり)
また書いてほしい。
No.10 レベル ◆syCIMhpZk6氏
関心票。どことなくユーモラスなのに言い知れない凄みがある。秀逸な寓意を巧みに表
出していると感じます。
ぴんと張りつめたたるみのない構成で、次第に追いつめられていく主人公のとった行動
がラストの有名な一言へ収斂していく見事な掌編でした。
品評会間に合ってよかった! また読みたい。
54 :
【感想】5/5:2008/10/22(水) 04:34:10.62 ID:lbhCf749O
時間外No.01 黒いゲームにご用心 ◆xyAZ5VvW6Y氏
時間外&規制中のコンボでも参加する姿勢に尊敬の念をいだきました。見習いたい。
小説そのものもうまくまとまっていて、叙述も過不足なく上手な上に若さがあって、
それが魅力になっていると思う。
主人公の成長とか、ゲーム上の駆け引きなんかも愉しめました。
と、いいつつ全滅endではなく、そこでもうひとひねりあればなとも思う。そこから先が
作家の本当の技量なんじゃないかと。
全感おつおつ
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 06:36:48.87 ID:eM+Kl6umO
おつおはよう
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 07:32:33.19 ID:MMQYDWkjO
そういえば、前回の全巻まだ投下してなかったな……。
最後二品読んでないけど。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 10:01:17.42 ID:THoSjqL70
ほ
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 11:11:19.17 ID:tYgbrxJMO
ほ
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 11:50:54.31 ID:MMQYDWkjO
ほ
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 12:33:52.91 ID:Sgp42Uby0
ho
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 13:10:35.52 ID:Sgp42Uby0
ho
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 13:15:10.81 ID:X+jQaghr0
お題ください
節足動物
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 13:26:31.82 ID:X+jQaghr0
はあーく
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 14:21:33.01 ID:GMQPhm6oO
ほする
題
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 14:51:22.08 ID:vIZKlYfB0
コピー
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 15:51:46.19 ID:3F33bovqO
ho〈ニャー
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 15:54:07.10 ID:oQ69mao10
題をくらはい
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 15:57:45.26 ID:oiGVYfn00
空に鳥がいなくなった日
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 16:32:51.46 ID:MMQYDWkjO
お
だ
い
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 16:44:46.01 ID:oiGVYfn00
光の彼方
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 17:22:49.85 ID:oiGVYfn00
ほ
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 17:56:12.74 ID:vIZKlYfB0
週末品評会まとめについて
第130回 『老人』
NO.5 老人 ◆LBPyCcG946 氏
NO.6 段ボール、すわ ◆ML.K5wMH76 氏
上記がリンクは正しいけど中身が逆転しています
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 17:56:29.77 ID:vIZKlYfB0
ごめん誤爆
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 18:40:13.92 ID:pAjtvxmGO
ほし
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 19:09:47.83 ID:R9U55TdJ0
旧約聖書に登場し、その崩壊のおかげで現代高校生を苦悩させることになったバベルの塔。それが今、
目の前で再建されつつある。
ガンバルウェ〜! ガンバルウェ〜!
<リビルド・ザ・バベル 〜二人の少年少女がかけた青春の一日、そして〜>
僕たちは輝いていた。
夕陽が差し込む部室の中で、身を個にして、ひとつの偉業を成し遂げようとしているから。
窓からの冷たい木枯らしにいくら身を晒されようと、舞い踊る紙切れ群がいくら叩きつけられようと、
僕たちの熱は止まらない。
可愛い少女の声援もあるしね。
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 19:17:39.66 ID:R9U55TdJ0
始まりは、部長の頼み事からだった。
『放課後に郵便届くから、部室に運んどいてくれたまえ』
俺たち親友だよな? そう肩に置かれた彼の手からユートは逃れることが出来ず、是の意を示す首振り
をしてしまった。そして部長は学校を早退。
「で、これはなんなのかしら〜?」
「こっちが聞きたいよ、ったく……でかすぎだ!」
放課後、ユートが一般者用玄関から受け取った荷物を必死に運んでいると、副部長と鉢合わせになり、
親切にも彼女は、部室への搬入の手伝いをしてくれたのだ。
そして二人して郵便物とのにらめっこ。
「困ったもんですねぇ〜。私物を置くにしても、限度というもの……を!」
言いながら副部長は、自分の頭と、壁に立掛けられた縦長の搬送箱とのラインを手の平で結んだ。
「何してるんすか?」
「だってねぇー悔しいと思わない? 人より大きなボール紙が存在するなんて!」
「おっしゃることはわからんでもないが、副部長の場合は無理があ「何か言いまして〜〜っ!?」
ううん。今度は非の首振りをするはめになってしまった。
続きはしばらく後に
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 19:19:16.18 ID:v8tdIytq0
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 19:20:00.02 ID:hmowaNzZ0
てっきりギャグかと思ったけどガチだったのか
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 19:23:11.37 ID:R9U55TdJ0
すみません><テンプレ読み逃してました
とりあえず・・・評価していただけないでしょうか?
未完の作品を評価することはできない
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 19:29:29.12 ID:R9U55TdJ0
ストーリーではなく、表現とか書き方とか><
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 19:35:17.89 ID:wXdwPrxN0
続きが全く気にならない。
くだけた口語的の文体はとっつきやすさって利点があるんだけれど
物語を伝える意識を感じさせない文章なので逆効果的にだらだらしてしまっています。
読者に内容を伝えるようにがんばりましょう。
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 19:43:16.48 ID:lbhCf749O
>>88 なんかかわいい書き方じゃないか。
>僕たちの熱は止まらない。
熱は「おさまらない」じゃないかな。言い回しを工夫するのはいいことだけど、思いつき
じゃなしに、もそっと意識的にやるといいと思います。
次はぜひ手順を踏んで投下しておくんなまし。
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 19:45:35.14 ID:NlaIRi+WO
最初の一行しか読んでないが
バベルの塔は崩壊してないぞ
よく誤解されてるけど塔自体は壊れてなくて言葉ば乱されただけ
Wikipedhia調べるくらいはした方がいいよ
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 19:52:35.85 ID:n4jKX5gC0
会話を会話で遮ると、エロゲっぽいなと思ってしまう。
>旧約聖書に登場し、その崩壊のおかげで現代高校生を苦悩させる
なんで?言語の隔たりができたからかな
>可愛い少女の声援もあるしね。
この文体だと、「少女」よりも「女の子」の方がいい気がする
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 20:14:53.40 ID:pHT2/rd5O
ほ
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 20:21:52.62 ID:R9U55TdJ0
>>89-
>>92 礼儀も弁えていない私にアドバイス、本当にありがとうございました| ^o^ |
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 20:26:11.04 ID:UWdBiYeVO
流れ的にお題を
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 20:28:50.68 ID:/BlOKtLnP
フィッフィー
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 20:29:50.60 ID:/BlOKtLnP
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 20:43:10.66 ID:HTqQUxZhO
お題ください
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 20:48:37.57 ID:/BlOKtLnP
みんな一斉にフィッフィーにしようぜ
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 20:53:01.65 ID:Xuv+tba60
おお、あったか
というわけで書きやすいお題プリズ
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 20:55:20.14 ID:v8tdIytq0
おだいくれくれ
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 20:55:42.47 ID:R9U55TdJ0
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 20:56:43.84 ID:/BlOKtLnP
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 20:57:11.28 ID:Xuv+tba60
はあく
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 21:00:45.93 ID:v8tdIytq0
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 21:00:58.75 ID:/BlOKtLnP
たのむよ、誰かフィッフィー頼むよ
なんか今無性にベタベタの精液のように甘い恋愛物が書きたくなったのでおだいをください
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 21:15:26.91 ID:/BlOKtLnP
恋愛伝導士フィッフィー
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 21:18:33.12 ID:NlaIRi+WO
いい加減自重しろwww
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 21:19:02.60 ID:n4jKX5gC0
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 21:21:40.83 ID:R9U55TdJ0
愛のフィッ、それは憎しみのフィー
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 21:22:04.75 ID:t9miHlW/0
>>115 創作意欲がヌチョヌチョ湧きあがってきた把握
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 21:24:46.66 ID:/BlOKtLnP
途中で飽きるって。その点フィッフィーは素晴らしい永久期間
119 :
青の中(お題:青い光)0/2:2008/10/22(水) 21:42:59.27 ID:QUyzJafG0
通常作品投下します
順子は青、深海のような青に揺られていた。
町外れの海沿いにある古い水族館。三十年前に建てられた古めかしい外見とは裏腹に、中は改装され、まるで真
新しいように見える。
館内に入り、正面の赤絨毯の敷かれた階段を下りると、左右に二つの部屋がある。順路を書かれた立て札が示す
方とは逆の部屋に、順子はいた。
部屋はその半分以上が水槽が占めていた。水槽は天空へと吹き抜けになっていて、太陽の光が差し込んで来てい
る。水中を透過してきた鈍い青い光で、地下の暗い部屋の中は満たされていた。
今日は外に風があるらしい。煽られた水の表面は光の差す方を屈折させ、部屋中に波のような揺らぎを作っていた。
順子は、壁際に並べられたスツールの一つに腰掛け、うつむいて、青く染まった自分自身をぼんやりと眺めていた。
ファンデーションを塗りたくった白い両手も、左手の先にある結婚指輪も、グレイのタイトスカートも、真紅のハイヒ
ールも、青く色づいていた。
この中で染まらないものはスカートに通された黒いベルトと足元の非常灯だけ。みな青の光の中で揺られていた。
とても静かだ。
順子の他には誰も室内にいない。会社や学校の夏休みシーズン一歩手前の、ましてや平日午前中という時間帯に、
この片田舎にある水族館を訪れる人はほとんどいない。
戸口に人の気配を感じたときはひどく驚いたが、清掃員と分かるとホッとした。清掃員は順子に目をくれてやる
こともなく、台車に載せた掃除用具を持ってスタッフルームの中へと消えた。
この薄暗い水族館で、わたしに気づく人はまずいないだろうし、いたとしてもその覚悟は出来ている。そんな風
に考えていたが、やはり人の目に敏感になっている。当然だ。私は国民の敵なのだ。
人の気配が完全に消えると、青の部屋には再び静寂が戻った。
誰かに怯えるなんてわたしらしくもないわ。順子は強い自分を思い描くと、再び青の波に揺られる。麻酔めいた
心地よい感じ。
カチコチ。腕時計の秒針が動く微かな音が聞こえてくる。こんなものを意識したのはこの時計を買って初めてか
もしれない。
121 :
青の中(お題:青い光)2/2 ◆avpaJTR1Ho :2008/10/22(水) 21:45:15.33 ID:QUyzJafG0
順子は故郷に戻ってきて、友達に会うことも、町を散策することも、実家の両親を訪ねることもしなかった。
昨日は夕刻にこちらに着くと、駅前にあった新築のビジネスホテルに偽名で泊まり、ルームサービスで注文した
鮭のムニエルを夕食に食べた。テレビは見る気が全く起きない。FMをつけるとチム・チム・チェリーが流れてきた。
名画のテーマ曲を延々と流し続けるプログラムのようだった。冷蔵庫から一番高いボージョレを取り出すと、音
楽を肴に飲んで、夢心地のうちに眠りについた。
朝起きて、熱いお湯のシャワーを浴び、ホテルを出た。
東京に戻ることにした。
特に当てがあって故郷に戻ってきたわけではなかった。現実から逃げるようにして順子は列車に乗った。徒労に
終わる旅程になる事は分かっていたし、自分でも馬鹿げた行動をしていることは最初から自覚していた。故郷に戻
ったところで、帰る場所など何処にもないのだ。ここに来て、ようやく実感することが出来た。
入念に化粧をし、持ってきた衣服を抜かりなく着込んだ。
時刻表で上り線の時間を確かめると、今からだと午後一時のもので最初だった。時間までしばらくある。順子は
ホテルをチェックアウトし、タクシーを手配すると、水族館まで向かった。特に理由はない。時間を潰すなら、駅
前のカフェでもよかったし、ホテルのロビーでもよかった。図書館でもよかったし、博物館でもよかった。いくつ
もある選択肢のうちの一つに過ぎなかった。
順路を流し見程度に廻りながら、この部屋に落ち着いた。
そろそろよい時間か。蛍光色を光らせる腕時計の文字盤は正午を差している。
手提げバックを手に取ると、青い部屋を出た。
帰りがけに売店で絵葉書を買った。青い水槽の中を泳ぐイルカの写真がプリントされたものだ。さっきの部屋の
青と違い、ひどく人工的な色に思えた。
あて先に実家の住所を書き、自分の実名をサインした。エントランスの前に設置してあった郵便ポストに投函し、
待たせてあったタクシーで駅まで向かった。
駅のホームに着くと、夫の秘書に電話をした。今日の七時に東京駅まで迎えに来て欲しい。秘書は厳粛な声音で
はいと答えた。勝手にいなくなった順子を咎める様なことは一切言わなかった。
電車の到着時刻まであとわずか。
見上げると、空は青い。初夏の柔らかで澄んだ青空。
<了>
122 :
◆f5hVe2YV7Q :2008/10/22(水) 21:59:23.75 ID:8n68P5FVP
>>121 比喩が変。
深海は青くないし、まるで真新しいってのも、麻酔めいたとかも。その他もろもろ変。
順子とわたし が違う人物なのかと思ったら、どうやらそういうわけでもないらしい。
だとしたら人称も変。
話もイミフ。ストーリーとして成り立ってないんじゃね?
これで何を感じ取れというのだろうか?
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 21:59:44.35 ID:QUyzJafG0
ほ、ほしゅ
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 22:02:32.05 ID:QUyzJafG0
>>122 深海は青くないはその通りだなと……
でも、まるで真新しいってのも、麻酔めいたはいいような気がするんだけど
順子とわたしは同じ人物で書いたつもり
125 :
◆f5hVe2YV7Q :2008/10/22(水) 22:14:33.99 ID:8n68P5FVP
>>124 ちょっと言葉が足りなかったな。
新しいは形容詞、まるでは副詞。
だから「まるで新しい」の部分はそれだけ考えれば、間違ってはいない。
ただ、新しいという形容詞が修飾すべき名詞が無い。そこにとてつもない違和感を感じる。
まるで真新しい○○のように見える なら、まだ分かる。
麻酔めいたは、漠然とした違和感としかいえないが、参考までにググッたら該当0。
つまり、使われてないってことだ。間違ってるとは言わないが、変。
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 22:19:09.60 ID:oiGVYfn00
呪文めいたがありなら麻酔めいたもありじゃね?
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 22:22:19.00 ID:QUyzJafG0
>>125 >まるで真新しいように見える。
それはわかる。「まるで」がかかる部分は「見える」にしたつもり
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 22:23:29.11 ID:qUX0ZqUi0
空は良く曇っていた。
とぼとぼ俯いて歩く中学生にとっては、ちょうど良い天候だった。
夏服なのに黒を基調とした制服のせいか、少年は鬱々とした物語の主人公みたいに見える。黒いカッターシャツの少年は空の色を独り占めして、出口のない青い憂鬱感にため息をついた。
「……はぁ」彼の名前なんて、加藤、で充分だろう。
129 :
◆f5hVe2YV7Q :2008/10/22(水) 22:24:59.65 ID:8n68P5FVP
>>126 呪文めいた に続くとしたら「言葉」であるとか「会話」であるとかだろ?
つまり、呪文のような言葉、呪文に似た言葉 という意味だ。
で、それなら読んでる側にもイメージは何となく伝わる。
だが、「麻酔めいた」となると話は変わる。
麻酔のような心地よさ では合わない。
なぜなら、麻酔が心地いいのではなくて、麻酔を打った状態が心地いい(正直、麻酔が心地いいとは思えないが)からだ。
だから、呪文めいたとは用法が全く違ってる。
繰りかえすが、間違ってるとは言ってない。変だ、と言ってる。
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 22:28:27.35 ID:+ZHn1+cs0
>>120-121 物語の一部分という印象。
これだけを見せられてもどうしようもない。
◆f5hVe2YV7Q氏の言うあたりが同じく気になる。
>部屋はその半分以上が水槽が占めていた。
これもね。
で、麻酔めいたっていうのが意味が伝わらないと思う。
麻酔がどんなものか知ってる、体験した人の方が少ないんじゃない?
例えば、歯の治療で部分麻酔を打った人だったら、気持ち悪いだろうしね。
>>129 なるほど。
大麻めいた心地よさ、とかなら文法的に正しいわけだ
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 22:29:54.05 ID:QUyzJafG0
>>130 >部屋はその半分以上が水槽が占めていた。
これもね。
おかしい?
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 22:34:19.89 ID:NlaIRi+WO
部屋の半分以上を水槽が占めていた。
部屋は半分以上が水槽で占められていた。
こんな感じじゃないか
134 :
◆f5hVe2YV7Q :2008/10/22(水) 22:36:11.72 ID:8n68P5FVP
>>132 部屋の半分以上を水槽が占めている くらいの方が多分バランスは良い。
「が」が連続して綺麗に見えない上に、「その」の強調がちょっと邪魔臭くなってる。
後、「部屋は」だと主語が「部屋」だろ?
部屋は能動的には行動しないから、部屋はという書き方ならば「占められている」という受動の形にしないと違和感が残る。
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 22:37:57.56 ID:+ZHn1+cs0
>>132 「その半分以上が水槽で占められていた」
か
「その半分以上を水槽が占めていた」
のどちらかだと思う。
うまく説明できないんだけど、元の文だと主語が二つになっている状態なのかな?
「半分以上」と「水槽」と。
だからどっちかを主語にしないといけない。
>>134-136 なるほど……気をつけてみると確かにおかしい
文法からやりなおさないとな……
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 22:42:54.20 ID:MMQYDWkjO
お題
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 22:51:58.06 ID:BiMnvR0b0
ミクロ
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 22:52:11.75 ID:/BlOKtLnP
フィッフィーはじめてのおつかい(ジャンル:バトル)
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 22:52:32.75 ID:MMQYDWkjO
把握
あらびき団見ながら考えるわ
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 22:53:35.37 ID:QUyzJafG0
ちょっと落ち込んでる俺にもお題くれ
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 22:53:54.91 ID:MMQYDWkjO
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 22:55:53.12 ID:R9U55TdJ0
そういうこといっちゃだめ
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 22:56:16.49 ID:/BlOKtLnP
| ^o^ |ううっ
146 :
お題:フィッフィー、魚屋 0/3 ◆XnSHXsXstA :2008/10/22(水) 22:57:01.77 ID:v8tdIytq0
通常作品投下sます
147 :
お題:フィッフィー、魚屋 1/3 ◆XnSHXsXstA :2008/10/22(水) 22:57:38.22 ID:v8tdIytq0
久しぶりに近くの商店街を通りかかると、ダンボールが嫌というほど積み重ねられ、
窓は曇り、壁にはしみが浮き出した何の店なのかわからない店舗があった。
看板は剥げ落ちて、色あせた水色に赤く錆が流れ出している。
目を凝らしてよく見れば、その水色のトタンの看板に、「水」という文字が
辛うじて読めた。
水。
曇った蒸し暑い午後だった。水か。何屋だったんだろうか。隣のこれまた寂れた八百屋に目をやると、
店番らしい痩せて骨と皮ばかりの老人がこっくりと舟をこいだ。起こすのも気の毒で尋ねかねたので、
そのままそっと店先に詰まれたダンボールを観察した。
ダンボールとばかり思っていたが、半分ほどは発砲スチロールの白い箱が汚れすぎて茶色に、あるいは灰色になっていた。
よくわからない数字が流れるように書き込まれている。ダンボールにはもう剥げかけたインクで「銚子漁業」と読めた。
魚屋だったのか。
ぼんやりとその光景を眺めていると、突然ごそりと右手に積まれた箱が動いた。
人の動かす高さではない。下から二つ目の半ば潰れた箱が、ぼそぼそと不景気な音を立てて動いている。
猫か犬でも入り込んでいるのだろうか。
猫ならいいなと思ってそっと箱に手を伸ばし、ふたに手を触れるなり、風雨に晒されてもろくなった厚紙は
さくりと音を立てて破れてしまった。そして中からぬいぐるみが飛び出してきた。
「あたし、フィッフィー。かわいいでしょ」
電池仕掛けのぬいぐるみか。何かの拍子にスイッチが入ったらしい。ぬいぐるみはひどく汚れていて、
妙に胴体と手足が細長く、本人が言うほどにはかわいくはなかった。フィッフィーだって。ブルーナの絵本の海賊版だろうか。
「あたし、フィッフィー」
ぬいぐるみは再び自分の名を名乗ると、にゅうとその細長い腕を伸ばし、
ぬめるようにしてダンボール箱から這い出てきた。
「かわいいでしょ」
なんだこのぬいぐるみは。
「かわいいでしょ」
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 22:57:59.58 ID:lbhCf749O
149 :
お題:フィッフィー、魚屋 2/3 ◆XnSHXsXstA :2008/10/22(水) 22:58:17.18 ID:v8tdIytq0
となりの八百屋の店番のじいさんが竹箒を片手に鉄砲玉のように飛び出してきたのはその時だった。
「去ねっ! ばけもんがぁ!」
さっきまで椅子に腰掛けて転寝していたとは思えない機敏な動作でじいさんはうさぎのぬいぐるみに
手にした竹箒の柄を突き刺した。
見る間にぬいぐるみの体には丸い跡がつき、ぐちゃり、ぼきりと嫌な音が周りに響いた。それだけではない。
ぬいぐるみからは真っ赤な血が音にあわせて飛び散りだした。
呆気にとられてその光景を眺めていると、ひとしきりぬいぐるみのようなものを叩き潰したじいさんが
荒い息のままこちらを振り返った。
「あんた、こいつを見てなんとも思わんのかね? こんなもんに関わっちゃいかん。こいつを見たことは忘れちまうんだな。
でなけりゃあ、こんな風に殺しちまうことだよ」
じいさんの黄色く濁った白目と、渋皮のような肌ばかりが目に入った。じいさんのほうが正直恐ろしかった。
じいさんが嫌なものでも見たようにさっさと自分の店に入ってしまったので、私はそろりと地面に潰れている、
血にまみれたぬいぐるみ――フィッフィーを見た。
「わ たし かわいい でしょう」
驚いたことに、フィッフィーはまだ同じことを繰り返していた。
「わたし フィッフィー か わいい で しょ」
殴られ、路上に放り出されたその姿に同情した。ちょっと気味が悪いかもしれないけど、
こんなにひどく殴ることはないじゃないか。しゃがみこんでフィッフィーを覗き込んだ。
フィッフィーの血まみれの腕が、にゅるりと私の腕にまきついてきた。
「わたし、フィッフィー。かわいいでしょう? 」
フィッフィーの顔はどこにでもあるぬいぐるみと同じだった。ボタンみたいな黒い目。
ばってんのような口。殴られたせいで耳が千切れて破れている。そのプラスチックの黒い目は
どこを見ているのかわからない。血まみれの細い長い腕は、私の服や肌が汚れるのも構わずに、
つたのように私の腕に巻きついて這い上がってくる。
150 :
お題:フィッフィー、魚屋 3/3 ◆XnSHXsXstA :2008/10/22(水) 22:58:58.74 ID:v8tdIytq0
お前がフィッフィーだろうが知ったことじゃないよ
次の瞬間、私の頭の中には嫌悪感しかなくなっていた。
「わたし、フィッフィー。かわいいでしょ」
腕を引き剥がそうとしたが、剥がすそばから巻きついてきて離れない。焦燥感までもが湧き上がってきて、
私は思わずその紐のような腕を引きちぎってフィッフィーの体ごと道路に叩きつけた。
「わたし、かわいいでしょ? 連れて行ってくれるでしょ? 」
ぞっとした。私はあとも見ずにその潰れた魚屋の前から逃げ出していた。
「わたし、フィッフィー。かわいいでしょう?」
何度角を曲がっても、まだ耳にその声が残っていた。
家に帰り着いて電気をつけた。すっかり暗くなっていた。まるで悪夢のような出来事だった。
ひどく疲れて風呂に湯を張り、コーヒーを入れた。お湯が溜まるまでしばらくかかる。私は一抹の不安を覚えて
そっとカーテンをわずかに開け、窓の下を見た。ゴミ置き場が見えた。段ボール箱が積まれていた。
気のせいか動いたようにも見えた。
まさかな。
カーテンをぴったりと閉めなおした。今日のことは悪い夢だ。明日はこんな日にならないに違いない。
私は疲れて、蒸し暑かったのに冷え切っている自分の体を熱いシャワーで流すと、白い湯気を上げる湯船にそっと腰を下ろした。
何かが裸の尻に当たった。それはぐにゃりとして、生暖かく、生肉のような奇妙な弾力を持っていた。
「わたし、フィッフィー」
151 :
お題:フィッフィー、魚屋 4/3 ◆XnSHXsXstA :2008/10/22(水) 23:00:27.30 ID:v8tdIytq0
完
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 23:04:37.77 ID:/BlOKtLnP
こええええ
153 :
◆f5hVe2YV7Q :2008/10/22(水) 23:13:13.21 ID:8n68P5FVP
>>150 細かいことは言う必要は無いと思うので、あえて言わない。気になるほどでもないし。
〜さくりと音を立てて破れてしまった まではとても好きな雰囲気だった。
けれど、そこから文体も語り口調もがらりと変わってしまい、萎えた。
最初から最後までこの落ち着いたトーンで進めてほしかった。ばけもんがぁとか、もうね……。
以前、モッコスのフラッシュを見たがそれとほぼ同じ展開だ。
クレしんにも確か似たような話がある。人形が捨てても捨てても帰ってくるやつ。
ああいう「迫ってくる恐怖」みたいな物を映像と音楽抜きで表現するのは難しいと思った。
そういう意味で、書きたかったことは明瞭に伝わってくるので好感触。ついでに、俺もそろそろうざいとは思ってたのでGJと言いたい。
ただ最初にも書いたように、文章のテンションが酷く上下するので、後半にはポカンとしてしまった。
こんなことを言われても嬉しくないだろうが、最初7行くらいまでの落ち着いた文体で統一された話も読んでみたい、と思った。
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 23:32:31.96 ID:NlaIRi+WO
ほ
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 23:50:58.00 ID:Xmomo9TJO
し
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/22(水) 23:52:00.53 ID:WOrZ9Tjm0 BE:106624122-PLT(25100)
ひゅ
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 00:03:19.35 ID:Mdu0y1Od0
トリックとか思いつかねー!
いつもの書くからなんかお題を頂戴よ!
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 00:03:29.10 ID:ek18wi0M0
う
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 00:03:54.23 ID:ek18wi0M0
160 :
◆EqtePewCZE :2008/10/23(木) 00:13:13.69 ID:kbx5NkGD0
お題「スカートが短い」で投下します。
161 :
「ラズベリー」1/7(お題:スカートが短い) ◆EqtePewCZE :2008/10/23(木) 00:13:39.06 ID:kbx5NkGD0
「ちょ、ちょっと君、スカート短すぎるんでないか?」
「そうかなあ?」
校門から転がるように走り出てくる姿はまるでチョウのようだ。それもアゲハとかのど派手なやつじゃなくて、
もっとモンシロチョウみたいに小柄で、見てると妙に落ち着かんやつ。たぶんあれは羽の動きがせわしなさすぎるんであって……。
そんなことをぼんやり考えていたが、いざ目の前に現れたチョウはせわしない以前にスカートが短すぎる。
自分が高校生時代に生徒指導主任に散々うるさく言われていたことを棚に上げ、私はきちんとプレスされたであろう
プリーツスカートを睨め付けた。
ギターを背負ったチョウは夕日をバックにして、おじぎをするように丈の長さを見る。
ほら、どう見てもひざ上15センチ以上あるだろが。
15センチでもとっくに校則違反だって……アホ、そんなに屈み込んだら反対から見えるで……てなんで私がそんな心配せんといけんの。
最後はぼそぼそとつぶやくようだったので、チョウはぴょこんと目線をあげた。
「なに?」
ああもう、そんな顔された日にゃあ、夕日がいっそう綺麗に見えちゃうじゃないの。
はいはい、とびっきりの美少女ですよね、どう見てもサ。まったく。
今日の日の残光をこぼした大きな瞳を直視しきれなくなって、私はため息をついてぷいと視線をそらした。
「なんでもない。行くで」
はーい、と軽く返事をして、チョウがひらりと隣に並ぶ。ナナメ掛けしたギターケースの紐を両手で握っている。
「なあんか、ナオ、仕草までだいぶ女の子らしくなってきとるじゃん」
「え、そう?いま別に意識してなかったけど」
私はオーバーに両肩を抱いて震え上がる。「無意識だとしたら、なお恐ろしい」
「失礼だなあ、アカネさんは」くすくすと笑う。笑っとる場合と違うって、ほんとに。
正確には、ナオの名前はナオじゃない。ナオミだ。それも、直美とか、直実じゃなくて、直己。
そしてさらに言うなら、今ナオが着ている制服はこの学校の制服ではない。それは数年前には私が来ていたのだからよく知っている。
ナオが現在着ているのは、どこから仕入れたのか知らない、真っ白なスカーフが眩しいセーラー服だ。
しかしナオも一応この学校に通学しているから、ここの制服も持っている。
だが、それはれっきとした女子である私が着たことのない方、つまり、男子用の。
ヨークシャテリアとかイチゴとかモンシロチョウとか、どれも全部女の子に見える。
そう言ったらナオは、生物界において派手なのはだいたいオスの方だよ、と爽やかに可愛らしく微笑むのだった。
162 :
「ラズベリー」2/7(お題:スカートが短い) ◆EqtePewCZE :2008/10/23(木) 00:14:08.53 ID:kbx5NkGD0
「また新しい小屋が建ってる……」
入り口のアーチをくぐると、以前にはなかったライムグリーンの屋根が見えた。
「アーティスティックハウス メロンの樹」は年々といわず、日々その姿を変えていく。
美術をやってる学生中心の下宿所であることと管理人である梅さんが建築をかじっていたこともあり、
増設、解体を繰り返すうちに、原型を留めなくなっていったのだ。
しかし、アーティスティックハウスと銘打っているだけあって、旧式ながらも音響設備が一通り揃っている地下があり、
暗室があり、その他もろもろの作業室があったりして、それらを格安で借りられることから貧乏学生には受けがいい。
これらの維持費は使用料と下宿している学生の家賃から出ているらしいが、それだけにしては充実している。
飲み会の席では必ず誰かが梅さんに真相を問いただそうとするのだが、いつも適当にはぐらかされてしまう。
優秀な芸術家を輩出するための施設として国からお金をもらってるだとか、梅さんは実はどこぞの大富豪だとか。どれも信憑性がない。
ともかく私達は梅さんに挨拶をして、顔見知りに一通り声をかけてから地下へ入った。
「じゃあね、アカネさん。帰るとき声かけるから」
ナオは短い黒髪を軽やかになびかせ、スタジオに消えた。扉は無情な音を立てて閉じる。
ふん、私は幼稚園児でもましてや犬でもないんだぞう。ドアを蹴り飛ばす格好だけして、すごすご引き下がる。
んでもって、個室にこもって大人しくホフディランを弾く私……。いじらしすぎる。
ここに来たばかりの頃は私がナオにギターを教えてあげてたんだよな。
それが、バンドでやってみるのもいいだろうって。梅さんをうらまずにはいられない。
そうだ、ナオをここに初めて連れて来たとき、ナオは学ランだった。
それ以来ずっと、ナオは私に会うとき女の子の格好をしている。
163 :
「ラズベリー」3/7(お題:スカートが短い) ◆EqtePewCZE :2008/10/23(木) 00:14:35.19 ID:kbx5NkGD0
私が高校生の頃、よく旧校舎に忍び込んでギターを弾いた。
木造の校舎は埃っぽく、不良がたむろするには恰好の場所だったので、生徒はそこを避けて各々青春を満喫していた。
しかし不良といっても言葉が通じないような連中ではなかったので、私は一階を自分の居場所と定め、
高所は彼らが占拠――旧校舎が立ち入り禁止になるような真似はくれぐれもしないよう再三言い聞かせ――する形にして住み分けていた。
やがてその巣から出て、今のようにアルバイトをしながらギターを弾く毎日になった。
楽しいけれど、なんとなく心許無い思いをバイクの後ろに乗せて走っていた。
久々に学校の前を通りかかって、ほどよく傷心の私が行く場所といったら当然そこしかないわけで。
軋む廊下の窓から見える景色が変わらなくて、そういえばここで女の子から告白されたなんてことを苦笑いで思い出していたら、
ギターの音が聞こえたのだ。劇的にもホフディラン……ではなかったけれど。
勢いよく開けすぎたドアは静かな校内によく響いた。中にいた人物が反射的にこちらを見る。やけに目が大きい、そう思った。
そこからはまるで嵐だった。
強引に一曲弾いてもらって、筋がいいなと思って、腕を引っつかんで、後ろに乗せてたもやもやを蹴り落として、
代わりに彼を乗せた。そしてメロンの樹へと招待したのだ。
その日、メロンの樹は珍しく閑散としていて、詰襟姿の彼と言葉を交わしたのは梅さんだけだった。
だから、ナオが男の子であることを知っているのも、メロンの樹の住人の中では梅さんだけということになる。
ナオはしきりに「メロンって樹になるんだっけ」と繰り返していた。それなりに緊張していたのだろう。当たり前か。
彼をここに引っぱってきた経緯を友人に話すと、
「なんで誘拐してきちゃったのよ、その巣が一番心地いいことあんたが一番知ってるくせにさ」と笑われる。
私も「だあって、可愛いじゃない?愛でていたいじゃない?」と笑い飛ばす。
時々、一人で考える。本当に、なんで連れて来たんだろうって。彼を自分とダブらせたのは確かだ。
やっぱり、私も誰かに連れ出して欲しかったんだろうか。そんな甘ったれた幻想、抱いていたつもりはなかったけれど――。
否定ができないのが、答えかもしれない。
初めは、自分と似ていると思った。だけど、彼を見てるうちに私と彼は全く似ていないことが判然としてきた。
そもそも、彼は可愛い。最初は外見なんてあんまり気にならなかった。可愛い男の子だとは思ったけど。
二度目に会ったときに女の子の恰好をしていたのには驚いた。まあ驚いたおかげで、しげしげと観察することになったのだが。
それがそこらの女子高生より似合ってて、不思議なことにその場で言及する気にはならなかった。
「あれ、こいつ可愛い……か?」「いや、やっぱり可愛いよね……?」
「やばい!相当可愛いぞこれは!」「可愛すぎるんだよこんちくしょう!」
という段階を経ていくうちに、なんだか妙にどきどきするようになってしまったのだ。そっちのシュミはないはずなんだけど。
いや待て、ナオは健全な男子だ!この気持ちに後ろめたさなんかあってたまるかい!
164 :
「ラズベリー」4/7(お題:スカートが短い) ◆EqtePewCZE :2008/10/23(木) 00:15:00.22 ID:kbx5NkGD0
そう思いつつ、なんとなく人に言いづらいのは……。やはりあいつがあんな恰好してるからだと思う。
なんで女装なんか始めたん?メロンの樹に来るまでしてなかったんでしょ?
ひらりひらりと追求をかわすナオを問い詰めると、最終的につんとした顔なんかして「いいじゃない、似合ってる恰好すれば」と答えた。
思い出し悔しがりをして、一人ジャカジャカとギターをかき鳴らす。最後まではぐらかされたわけだ。いい度胸じゃないの。
そういう、普段は素直が売りのくせして、たまにわがままで、気難しいところが、好きなんじゃい!ジャカジャカジャカジャカジャカ!
「アカネさん、盛り上がってるね」
キサマ!いつからそこに居た!
ナオは妙にぐったりした私をいぶかしがりながら、梅さんに個室の鍵を返した。
日はすっかり沈み、星がひそかに主張を始める時間になっていた。
「どうしたの?アカネさん。疲れた?」ナオが覗き込む。くそう、やめてくれ。お姉さん悩殺されちゃうよ。
「いいんだ……、私のことはほうって置いてくれ。……それより、何の曲やるの?」
「えー、今更聞く?秘密だよ」
「あ、当てていい?ディラン?」
「違うよ、アカネさんの知らない曲」
「なんよそれ、じゃあ教えてくれたっていいじゃん」
ナオのバンドが練習してる曲は、来週末の飲み会でやるそうだ。楽しみだけど、はやくナオを返してくれ、とも思う。内心。
改札まで送る。ナオは道が覚えられないと言って私のバイクに乗ることを拒否するので、彼が来る日は学校からメロンの樹まで
私も電車通勤だ。まあ確かに判りづらい道ではあるけれど、私としては早くバイクの後ろに乗っけて連れまわしたいなあ。
うーん、と思い切り背伸びをすると、夜空がほんの少し近くなった気がした。
165 :
「ラズベリー」5/7(お題:スカートが短い) ◆EqtePewCZE :2008/10/23(木) 00:15:23.61 ID:kbx5NkGD0
時間が早く進んだり、やたら遅く進んだりしながら、その日はやってきた。
私の隣には、早くもほろ酔いの梅さん。まぶたが下がってきた目から放たれる眼光は鋭く、全てを見透かされているような心持だ。
私はグラスの氷をカラカラと言わせ、今ステージに立っているバンドに拍手を送った。
「ナオちゃん、もうすぐだね」
一瞬息が止まる。梅さんの声が、なんだかとても遠くから聞こえる。私はふうと息をついて、テーブルにグラスを置く。
「梅さん」酔いや動揺、その他もろもろをごまかすように呼びかけた。「メロンの樹はどうやってなりたってんの?」
梅さんはにやりと笑って、ステージに立つ若者を眺める。限りなく細められた目は、眩しそうにも見て取れる。
「ここには、才能があると認めたやつしか置かないよ。かつてここにいた、いわゆるあんた達の先輩が、この樹を支えてくれているさ。
私がすることと言ったら、こうやって才能ある若者を眺めることくらいだよ。
アカネもいつかこの樹を支えてくれるって予感が、私にはあるんだよ」
先輩達?そんな話、聞いたことない。だけど、そうなのかもしれない。多分、梅さんからそれぞれ答えをもらった人たちは、
仲間内では「嘘っぽい」と笑いながら、どこかでそれを信じているのだろう。
くすぐったい思いが身体中を駆け巡って、不意に私は泣きたくなった。
「梅さん、いま私最強かもしれないよ」梅さんの顔を見ずに、意識して真っ直ぐ前を見たまま言った。
隣からカラカラと、涼やかな音が聞こえた。
166 :
「ラズベリー」6/7(お題:スカートが短い) ◆EqtePewCZE :2008/10/23(木) 00:15:47.61 ID:kbx5NkGD0
そろそろ出番のナオに一声掛けるべく、私は席を立った。
ギターストラップを握り締めたナオは、いつもより一回り小さく感じる。ちなみに、本日も気合の入ったセーラー服姿。
丈はどんどん短くなる一方。
「やぁやぁ、緊張しとるかね、若者」
「アカネさん、酔ってるの?」肩を思い切り叩かれたナオは眉間にしわを作る。
「なーに言ってるの、今日は君の初舞台じゃないですかあ、ばっちりしっかりきっぱり起きてますよお。で、してるの?緊張」
急に目を伏せて、小さくうなずいた彼はやっぱり死ぬほど可愛かった。私はにんまり笑う。
「じゃあパワーをあげよう。アカネさんはいま最強だからね」
取った手は冷たかった。私の熱を送り込むように、ぎゅうぎゅうと握る。
「いってらっしゃい」ぱ、と手を離して拳を作る。彼ははにかみながら、ライトの下へ向かった。
学生お手製のステージは、上を歩くとあの廊下のようによく軋む。
私は梅さんの隣に戻って、マイクの高さを調節する彼を見つめた。周りからは「ナオちゃーん」と男女問わず声があがる。
そういえば、ナオが歌ってるのはじめて見る。意識したら、もうだめだ。ああ、どうしよう、息ができない。
一曲、二曲と続くうちに息は苦しくなる一方だ。さらに息つく合間合間にアルコールを摂取するのでくらくらは度を増す。
「ええと、次が最後です。・・・・・・酔っ払ってないで、ちゃんと聞いてね」今度はとても近くで、ナオの声がした。
裏での緊張が演技だったかのように、彼はのびのびと歌った。よく澄んだ、気持ちのいい歌声で。
うっとりと目を閉じてマイクに口付けするような仕草に、いちいち心臓が騒ぐ。細いのどの小さな突起が上下するのを見ていたのは、
多分私だけだろう。
いきなり、目が合った。よくライブとかでファンが勘違いするあれ?との思いが一瞬よぎった。
だけどナオがにこっと笑顔を見せたので、もうそんなことどうでもよくなって呟いていた。格好いいなあ。梅さんには聞こえたかな。
167 :
「ラズベリー」7/7(お題:スカートが短い) ◆EqtePewCZE :2008/10/23(木) 00:16:07.10 ID:kbx5NkGD0
大喝采に迎えられ、ナオはステージから降りた。彼の周りにはわいわいと人が集まっている。
「未成年は、おうちに帰る時間ですよ。送ってらっしゃい」梅さんが私の肩に手を置く。
意気込み一つ、ナイスな口実を引っさげて、すでにへべれけ状態の学生たちを押しのける。
「はいはい、ナオちゃんはお帰りですよ、皆様ごきげんよう」ざわめきの中心にいたナオの腕を引っつかんで人波を掻き分ける。
ナオちゃん、お父さんのお迎えだなと誰かがからかい、どっと笑いが起こる。誰がお父さんなんなら!
「ごきげんよう!」紅潮した顔で、ナオも手を振った。
夜風は火照った体を滑らかになでていく。
「気持ちいい」ナオが両手を広げて回る。スカートがふわりと膨らむ。
「ちゃんと聞いててくれた?」回転を止めずに尋ねる。
「聞いてたよ」白濁の息を吐く。「格好よかった」
ナオはぴたりと動きを止めた。スカートの裾だけが不器用に翻る。「本当?」
「嘘言ってどうするの」心音が悟られないように必死な私を尻目に、ナオは一人でなにやらぶつぶつ呟いている。
「そっかあ、じゃあ言っちゃおうかなあ……」
「さっきから君は何をぶつぶつ言っているんよ。お姉さんの話聞いてるん」
「僕ね、アカネさんが好き」
「え?」振り向きながら声を出すと、口の端から白が零れて、後方へ流れ消えた。
「アカネさんに格好いいって言ってもらえたら言おうと思ってたんだ」ナオは小首をかしげる。
「よう言わんわ……」声が震えそうになる。「だいいち君、そんな格好しとったら逆効果でないの」
「これ?」スカートの裾をつまむ。膝が赤くなって冷たそうだ。「だってこれはアカネさんのせいだ」
「初めて会ったときのアカネさん、むちゃくちゃ格好良かったんだもん。夕日バックにしてさ、バーンってドア開けて
一曲弾いてよなんて、反則だったもん。これはもう、絶対勝てないなって思ったから。それじゃあ僕が可愛くなるしかないじゃん。
……アカネさんすごかったよね、あの日。すごい勢いで僕を連れ出したよね」
「……私は、本当はあの場所がすごく居心地のいい場所だって知ってたよ。知ってた、けど」
「一緒に居たいと思わなきゃついていかないよ。これでも男だからね」そう言って自分でも可笑しいのか、くつくつと笑った。
私もつられて笑う。「短くなるばっかりのスカートがよく言うよ」
「だってこれで、ほら」その場でくるりとターンを決める。「アカネさんを悩殺しなきゃ」
「ばかばかしい」吹き出しつつ、私はナオに一歩近づいて、彼の喉元のでっぱりに口付けた。
終
168 :
「ラズベリー」終/7(お題:スカートが短い) ◆EqtePewCZE :2008/10/23(木) 00:18:03.49 ID:kbx5NkGD0
以上です。
長い上に、なんか、その、少女マンガ読みすぎですいません。
楽しかったです。
勢いで書いた色が強いので、指摘等謹んでいただきたいと思います。
お題お願いします
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 00:41:57.16 ID:kbx5NkGD0
桃色
171 :
◆f5hVe2YV7Q :2008/10/23(木) 00:42:52.21 ID:yEwI9ZHdP
>>168 少女マンガと書いているので、展開に関しては突っ込むのをやめておく。ナンセンスだし。
可愛らしい男の子が、不意にカッコよく見える瞬間というのは、そういう方面において永遠のテーマの一つだと思う。
そういう意味で男の子のキャラはまだいいんだが、女のキャラの方が自己陶酔気味でちょっと引いたw
これは多分、主人公が単なる腐女子にしか見えないせいだと思う。
アカネの内面描写を通じて、過剰にナオの可愛さをアピールしすぎているきらいがあって、好きというよりもアイドルに対するファンのような印象を受けた。
だから、最後のナオの台詞「カッコよかった」に説得力が出ない。
ナオを前にして惚気るのはいいが、一事が万事惚気っぱなしだと鬱陶しい。
メリハリを付けて、アカネにももう少し見せ場を作ってあげたら、最後の展開もきれいになったと思う。
あと、文章的なことでは1レス目の「そしてさらに〜」から始まる制服の描写。
ここが酷く分かり辛い。「それ」の使い方に多少の問題があって、どっちがどっちかサラッと読んでも伝わってこずに、読み直す羽目になった。
軽い文章なんだから、読み直させるっていうのは多分絶対にやっちゃいけないことだと思う。
あくまで読みやすさを意識して欲しい。
総じて、「やりすぎ」な印象が強かった。
テーマ的な意味で「さりげなさ」がもう少しあっても良かった気がする。
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 00:57:01.30 ID:NqPt3y+b0
>>170 ありがとうございます。
>>168 あんまりこういう文章を読んだことが無かったので新鮮だった。
少女漫画的な小説?っていうジャンルが一般的なのか知らないけど、需要はありそうと思った。
女装とか女の子はやたら好きだよね!
ただ、主人公の喋りがコミカル過ぎるってか、「可愛すぎるんだよこんちくしょう!」とか、
キサマ!いつからそこに居た!、みたいなキャラクターが馴染めなかったな。
少女漫画ならありかもだけど、小説ならもっと普通だったり知的な語りの方が読みやすいと思う。
あとは旧校舎のくだりがよくわからんかった。一番心地良いとか、誰かに連れ出して欲しいとか、
なんで?って思ってしまった。どうしてそんな感情を抱く場所なのか、読者にわかりやすいと良かったかな。
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 01:05:46.44 ID:kbx5NkGD0
>>171 感想ありがとうございます!
なるほど……。可愛さのアピールのしすぎは自分でも自覚があったことです。反省です。
アカネに見せ場を……。そうか、そうしたら話が完全一方通行なものから、物語へとワンランクアップしますね……。
描写ですね。読み直して「あれ?」と思って変にいじったのが逆によくなかったようです。
そうしたらだんだん自分でも何がどうしたら人に伝わるのか分からなくなって……。
こうして人に言ってもらえるのが何よりいい答えになりますね!
本当はこれらを踏まえて書き直すのが最も良い勉強になるんだろうとは思い出すが……。
あああ自分の作品ながらきついものがあるぜえ!
このテーマで「さりげなさ」を出せるような精神力を欲します。
涼しい顔していっそこういうの書いてみたいな。なんど悶絶したことか。
ご指摘ありがとうございました!
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 01:16:21.28 ID:kbx5NkGD0
>>172 感想ありがとうございます!
文語表現というやつですね、なるほどです。
大雑把で粗野な雰囲気をだすのに、手っ取り早い方法を安易に選んでしまった感があります。
文章でそういうのを表せるように、精進します。
旧校舎のくだりですね。どうしてそんな感情を抱く場所なのか、と。そうかー……。
確かに主人公のキャラクターと矛盾しますね。この感情を持たせるなら、もう一描写必要ですね。
長さを怖れずに書くべきだったのでしょうか……。
いやいっそここをカットしてもよかったですかね。
色々と考えるチャンスを下さってありがとうございました!
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 01:39:47.86 ID:l9YpKXDV0
浅き夢見て、酔えもせず……
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 01:40:39.22 ID:m6oZXr1x0
ほ
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 02:21:40.22 ID:BzBVutdp0
ほ
お題ある?
名詞一つ
疲労感
難しそうだけど考える!
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 03:03:51.00 ID:CWP2+Sc4O
ほし
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 04:01:16.20 ID:vWqxedAc0
ほ
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 04:07:56.17 ID:Rf+PgdTP0
保守
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 05:10:46.76 ID:3RfSBtClO
オレ、カッパ巻き。
いま現在とある回転寿司の店のベルトコンベアで待機中の寿司だ。
さて、もう何周ぐらいしたろう。そろそろ体がカピカピに渇いてきている。
いい加減うんざりしてると、前にいたトロの野郎がまたお呼ばれしやがった。
ちくしょう、アイツ本当に人気ものだな、俺は誰にいうでもなく一人つぶやく。
確かにアイツの外見は立派な物だった。その身は適度な光沢をおび、ほどよい厚さに切り込まれている。
もはや芸術と言っても過言ではないだろう。
一方の俺ときたら肝心のネタは適当。いっそ太巻きにでもなってれば、多少は喜ばれたのかもしれない。
まったくなんのためにここに居て、ぐるぐる回っているのかよく分からなくなってきた。
俺の存在価値ときたら、ただそこにいる、というだけの物だった。
だいたい何なんだ、カッパ巻きだと。名前からして適当すぎだろう、本当にふざけやがって。
この名前のせいで周りからはいじめられた。アイツには実際はカッパが入ってないらしい、だと?
そんな事で全否定されるだなんてまったくもって信じられなかった。あまりの悔しさに、海苔が涙で湿った。
でもその時、大将が言ったある一言のおかげで俺は救われた。
「……カーッパカッパ、カッパのマークのカッパ寿司、ってな」
それを聞いた瞬間に俺は堪えきれなくなり、海苔がぐちゃぐちゃになるまで泣き崩れた。
その時から自分の考え方が百八十度変わったのを感じた。自分に恥じない生き方をしよう、そう思えたのだ。
例えこの身が干からびようとも、しっかりと皿の上に立ち、一個のカッパ巻きとして誇りを持って回ってやるんだ。
俺はそう胸に誓いながら、約三時間ほど前にレールの上で寿司ライフのスタートを切った。
でもそれも結局はただの勇み足だったようだ。どうやらもう限界が近づいてきたみたいだ。
それまであれほどたぎっていた俺の中のカッパ巻きソウルの炎は、いまや消えかかっている。意識が遠のいてきた。
最後に、最後にもう一度大将のあれが……聞きたか……っ……た……。
「カーッパカッパ、カッパのマークのカッパ……」
!?
まさか……大将……。……ありが……とう……。
「やべぇ。いけねぇ、こいつは他の店のだった。つい口に出ちまっていけねぇな」
なん……だと!?
「えーっとオチは……、オチどうしよう。もうこれはあれでいいや。ほーしゅ、ほしゅ、しょうもない没作、晒しつつ保守」
保守、それを聞いた瞬間に俺の中にあったカッパ巻きソウルが解体され、何か別の物に再構築されていく、そんな音が――――
没作晒し保守
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 05:13:00.91 ID:q+oMM7ZUO
お題ください!
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 05:14:30.20 ID:q+oMM7ZUO
把握!
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 05:32:18.63 ID:vWqxedAc0
どうやらこのスレには185.5レス目があるらしいな…
今北産業
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 05:48:07.79 ID:vWqxedAc0
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 05:49:54.96 ID:v26eocdKO
お題ぷりーず
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 06:02:57.86 ID:v26eocdKO
把握
品評会かけなすぎてムカついてきた
194 :
◆XnSHXsXstA :2008/10/23(木) 07:08:15.85 ID:hBWngRic0
>>153 感想どうもです。
文章のテンションが上下するとのことですが、
ストーリー的にテンション上げないといけないのはどうしようもない気がするし、
最初のままの調子でフィッフィーに襲い掛かられるのを書くのは
正直どうしたらいいのかわからないんですけど(主人公の動揺をどう伝えればいいのかわからないので)
どうしたらよかったんでしょうか。
195 :
◆f5hVe2YV7Q :2008/10/23(木) 08:07:01.66 ID:yEwI9ZHdP
>>194 最終的に、どんな感じにしたかったかによると思う。
例えば、洋画(スクリームとか13日の金曜日)のパニックムービーのような恐怖を演出するのなら、最初の方(つかみ)の文章のテンションを多少上げてやった方がいい。
ある程度明るい、なんてことのない日常から、一変して恐怖が襲ってくる……みたいな。
邦画(リングとか)っぽい、じわじわと恐怖が盛り上がる感じにしたいのなら、物語の盛り上がる速度を若干遅くするべき。
いきなり、じいさんが怒鳴り声をあげて人形を襲っても、恐怖というよりも最初に書いたように読者を唖然とさせてしまうと思う。
この展開はどちらかといえば、前者(洋画的)の物であると思うけど、物語の入りは明らかに後者(邦画的)の静かで不気味な空気だった。
テンションを上げ下げするな、ということではなく、バランス配置を考えて欲しいということ。
ちなみに、落ち着いたトーンで進めて欲しかった、というのは俺の我侭。
最後にも書いたように、最初の方の雰囲気、文体をある程度維持した別の話も読んでみたい、という意味です。
196 :
◆f5hVe2YV7Q :2008/10/23(木) 08:15:20.72 ID:yEwI9ZHdP
補足
>>153でも書いたけれど、恐怖を文章のみで伝えるのは凄く難しい。
はっきり言って、俺が書いたことも役に立たないかもしれないし、そうしたからといって良くなるかは分からない。
>最初のままの調子で襲われるのを書くには
最初の空気を維持するのなら、主人公が直接襲われるのは最後まで避けるべきだと思う。
じわじわと距離が近づく、それだけでも話は盛があると思うしね。
さらに言うのなら、襲われるまで書く必要もないかもしれない。
最後、主人公が何かを見て、それで終わるというのも読者に「想像させる」効果は得られるかもしれない。
書いていて思ったけれど、不気味な空気、不気味な世界で、不可思議なことが起きる、というだけならば、もういっそ世界観を描くことに終始してもいいかもしれない。
何で人形がダンボールの中にあるんだろう? 何故それが喋るんだろう? 何故じいさんはそれに触るなと言ったのだろう?
全てに結論を出さないことで、この世界に漂う「不気味さ」を漠然と伝えることが出来るかもしれない。
好き勝手書いてごめんなさい。拙いながら、真剣に考えたけれど、まともにアドバイスが出来ない。
お題ください
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 09:49:22.38 ID:UilWOA9l0
うさぎ
200 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 10:05:01.04 ID:wZyMuilQO
これは読んでおけ。みたいな小説ない?
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 10:36:26.23 ID:w/3eUDEgO
夏目漱石『行人』
川端康成『山の音』
大岡昇平『野火』
202 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 10:42:53.43 ID:qtBnCViG0
便乗で質問
ラノベでこれは読んでおけ、ってあるかい?
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 11:06:37.26 ID:DuYClelw0
>>202 ジャンルにもよるけど、個人的には「人類は衰退しました」って小説が結構面白かった。
品評会やっと書けたー!
うっはコレやっべマジおもしれー優勝間違いなし!
という夢を見た。
むろん、テキストは依然として白紙である。
0. 無し
1. テキストは白紙である。
2. テキストは白紙状態である。
3. テキストは白紙のままである。
4. 依然として、テキストは白紙である。
5. 依然として、テキストは白紙状態である。
6. 依然として、テキストは白紙のままである。
7. むろん、テキストは白紙である。
8. むろん、テキストは白紙状態である。
9. むろん、テキストは白紙のままである。
10. むろん、テキストは依然として白紙である。
11. むろん、テキストは依然として白紙状態である。
12. むろん、テキストは依然として白紙のままである。
13. その他
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 12:01:00.52 ID:qtBnCViG0
>>203 d そういえば読んでなかった。図書館で借りてくる
207 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 12:13:31.77 ID:STH9UpDq0
>>202 よく名前が挙がるのは
イリヤの空、UFOの夏
半分の月が昇る空
ブギーポップ
キノの旅
文学少女
狼と香辛料
終わりのクロニクル
ミミズクと夜の王
好みで西尾維新とか
個人的には奈須きのこを推すけど批判的な人も多い
とりあえず一番上の二作は押さえておいて損はないと思う
208 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 12:47:09.12 ID:Nn5jaNk10
いまから『スーパー文才無いけど小説書くタイム』発動させる。
投げっぱなしジャーマン状態の未完成品を完成させるのでお題はノーサンキュー。
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 13:33:25.89 ID:Ax3Ur9agO
おだいくだしあ
210 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 13:39:32.20 ID:8F7gsTB30
天国への階段
211 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 13:44:12.82 ID:w/3eUDEgO
淫乱テディベア
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 14:06:27.56 ID:ek18wi0M0
兄貴
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 14:08:34.34 ID:STH9UpDq0
グリーン姉さん
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 14:21:14.56 ID:uET2n1u00
お題暮れ
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 14:33:27.68 ID:qtBnCViG0
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 14:35:41.56 ID:uET2n1u00
>>215 書海辞書引いても出なかった
造語はカンベン
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 14:41:00.32 ID:STH9UpDq0
218 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 14:52:56.63 ID:uET2n1u00
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 15:41:18.07 ID:ck8a+G6/0
素直にお題もらう……
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 16:12:05.22 ID:ck8a+G6/0
ありがとう
222 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 16:51:12.47 ID:STH9UpDq0
ほ
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 17:27:39.92 ID:STH9UpDq0
ほ
224 :
(お題:雨雲) 0/2 ◆IPIieSiFsA :2008/10/23(木) 17:43:31.01 ID:VBMdR1WP0
通常作品投下ー。
2レスー。
お題:雨雲ー。
225 :
(お題:雨雲) 1/2 ◆IPIieSiFsA :2008/10/23(木) 17:43:52.22 ID:VBMdR1WP0
屋上のフェンスにもたれて空を見上げる。見渡す限り一面の雲には夏に見られる白さはなく、どんよりとしたグレイ。先
ほど四時間目開始の予鈴が鳴ったばかりで、俺の他には誰もいない。今頃はみんな着席しているのだろう。
俺は、ここ一ヶ月くらいはこの時間は屋上にいる。いや、この時間だけじゃない。他にも週に四回、ここで一時間を潰し
ている。わかりやすく言うと、サボっている授業があるわけだ。
何をするでもなく雲を眺めていると、不意に屋上へ出てくる扉が開けられた。そこから出てきたのは、うちのクラスの委
員長。きょろきょろと左右に振られていた顔が、俺を見つけて止まる。そのまま無言で、こちらへと歩いてきた。
「何で授業サボるの?」
目の前に立つ委員長は、まっすぐに俺の目を見ている。俺は彼女の瞳から視線を逸らし、胸元のリボンタイを見つめなが
ら、何も答えない。
「それも現国の授業だけ」
彼女は視線を合わせようと、少しだけ体を前に、首を左に傾ける。それだけでまた視線が合う。今度は横を向いて、大き
く視線を外した。けれど、「こっちをみなさい」の言葉とともに、あさっての方を向いた顔を両手で挟みこまれ、無理矢理
に正面を向かされた。
彼女の両手が当たっている頬が熱い。多分、赤くなっているだろう。俺は、彼女のこういうところに惹かれたんだと思う。
こういうことを男子にする女子はほとんどいない。高校生ともなれば、男子と女子の間には明確な線が引かれているものだ。
けれど彼女はそんなものをあっさりと飛び越えてくる。いや、彼女にはそんな線なんて元々無いのだろう。少なくとも俺と
の間には。そんな、男女の差を感じさせない彼女のことを好きになるというのも、不思議な話かもしれない。
俺の顔から彼女の両手が離れる。少し、名残惜しい。
「あんたが来ないから、橋本先生が落ち込んでるのよ」
まるで彼女が橋本であるかのように、彼女の声は沈んでいた。これが俺が授業をサボる理由。気づいたのはやはり一ヶ月
くらい前。現国を教える橋本、その姿を見つめる彼女の視線。他の人に向けられているそれとの違い。彼女を見ていたから
こそ、それに気づいてしまった。そうなるともう、そんな姿を見ていられなかった。見ないようにしても、彼女が質問に答
えたり本を読んだりすれば、耳に入ってくる。どことなく、普段とは違う彼女の声が。そして俺は、次の現国の授業から屋
上へと逃げ出した。
「『あいつは俺のこと嫌いなのかな』って、ちょっと悲しそうに言ってるのよ?」
そういう彼女の顔は、とても辛そうだった。
橋本のことは別に嫌いじゃない。歳もそれほど離れていないし、気軽に話しかけられて、男子からも慕われている。どち
らかといえば好きな方だ。けれど『彼女が好きな相手』というだけで、嫌いではないけれど、敵であるのに違いはない。
「別に委員長には関係ないだろ。橋本がどう思おうが」
226 :
(お題:雨雲) 2/2 ◆IPIieSiFsA :2008/10/23(木) 17:44:16.64 ID:VBMdR1WP0
我ながら幼稚だと思う。彼女の気持ちを知っていながら、わざとこんなことを聞いているのだから。いや、幼稚というよ
りは酷いと言った方がいいかもしれない。
「私は、委員長として、みんなにちゃんと授業を受けてもらいたいのよ」
少し怒ったような、あるいは焦ったような、そんな風に思える彼女の口調。きっと本心だろう。彼女はそういう人だ。け
れど、素直にそうだと思えない自分もいる。
俺が話す言葉を迷っているうちに、授業開始の鐘が鳴った。
「授業、始まるぞ」
迷っていた言葉ではなく、それだけを口にする。
委員長は悲しそうに俺の顔を見た後、くるりと背中を向けた。彼女の瞳がにじんでいた気がしたけれど、俺は何も言えず、
そして彼女も何も言わないで、ゆっくりと歩き出し屋上から出て行った。
その姿を見送り、再び空を見上げた俺の顔に、ぽつりと雨粒が当たった。雨が強くなってくる。空を埋める雲は、どうや
ら雨雲だったようだ。まるで、彼女にとっての俺のようだった。
―完―
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 17:44:40.64 ID:VBMdR1WP0
では次のお題をプリーズ。
228 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 17:45:33.82 ID:MueM+C5D0
ドライブ
229 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 17:46:12.00 ID:nTNVQFVj0
オーバー
230 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 17:51:45.91 ID:VBMdR1WP0
波紋
231 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 17:52:01.41 ID:VBMdR1WP0
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 17:58:38.50 ID:MueM+C5D0
お題がやたらかっこよくて吹いたw
233 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 18:02:41.89 ID:VBMdR1WP0
まあ、自演なんだけどね……
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 18:27:32.10 ID:7BieqixEP
じゃあフィッフィーにしようぜ!
235 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 18:46:04.39 ID:STH9UpDq0
またかよ
236 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 18:54:48.29 ID:7BieqixEP
じゃあミッキー
237 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 19:01:43.31 ID:IfagEZs3O
>>224-226 お、これはうれしい。俺がいままとめで読んでる作家さんじゃないか。
ガイカク・ヒクメ・クロスファイア!
238 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 19:06:44.29 ID:nTNVQFVj0
Weblioの類語辞典が便利過ぎる
239 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 19:16:14.58 ID:VBMdR1WP0
>>237 君は何を恥ずかしいことを言っているのかね。
よし、フィッフィーもミッキーも把握した。
気が向いたら書くかもね。
240 :
◆XnSHXsXstA :2008/10/23(木) 19:43:50.74 ID:hBWngRic0
>>195-196 長文でのレスありがとうございます。
俺がこういうのもなんですが、お疲れ様でした。どうもすみません。
というわけで、お題くれくれ。フィッフィー以外で。
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 19:47:14.54 ID:7BieqixEP
野ネズミリッキーと風使い
242 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 19:47:21.50 ID:nTNVQFVj0
ヒッピー
243 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 19:47:33.27 ID:IfagEZs3O
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 19:48:08.55 ID:hBWngRic0
245 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 19:56:34.46 ID:8F7gsTB30
お題くれ
246 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 20:00:24.37 ID:801Ff0ks0
プロトン・フィッフィー
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 20:01:02.32 ID:8F7gsTB30
断る
248 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 20:01:24.78 ID:IfagEZs3O
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 20:09:34.34 ID:ek18wi0M0
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 20:42:16.37 ID:3RfSBtClO
ほ
251 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 20:42:22.20 ID:VBMdR1WP0
あらあら
252 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 20:42:47.58 ID:7FaUCDe60
二度死んだ少年って話のオチ教えてくんない
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 21:00:23.23 ID:3RfSBtClO
>>252筒井康隆の?
パフリカと虚構船団しか読んだことないから分からん
254 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 21:16:23.51 ID:nTNVQFVj0
ほ
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 21:48:04.43 ID:JuJDUpQd0
あらあら
256 :
お題:野ネズミリッキーと風使い・ヒッピー 0/4 ◆XnSHXsXstA :2008/10/23(木) 22:05:48.93 ID:hBWngRic0
ヘビーローテは入れられなかった。通常投下。
257 :
お題:野ネズミリッキーと風使い・ヒッピー 1/4 ◆XnSHXsXstA :2008/10/23(木) 22:06:38.79 ID:hBWngRic0
僕はゆっくりとその本を閉じた。幼い頃に読んだとても好きな物語だった。
「野ねずみリッキーと風使い」というのがそのタイトルだった。177ページの中に12ポイントの黒い文字と、
万年筆で描かれたようなざっくりとした挿絵。そして物語が入っている。
野ねずみのリッキーは風使いと一緒にいろいろな町へ旅をするのだ。
今の僕とは大違いだ。
就職して3ヶ月になる。そこそこいい大学を出たつもりだった。そこそこいい所にうまく潜り込めたと思った。
だけどそこまでだった。仕事は最初からものすごくハードで、一緒に入った同僚もみんな辞める話をしていた。
会社の体制がひどすぎる。上司が俺たちをいびりすぎる。一度説明したじゃないか。どうして覚えられないんだ。
あの大学を出ただって? ふん、成績がいいのと頭がいいのは違うんだよ。何度言ったらわかるんだよ。
そんなこと聞きに来るな。どうして自分で調べてやらないんだ。どうして聞きにこないで勝手にやるんだ?
俺に聞きたくないって言うのか? 今聞きに来るなよ、空気読めない新人どもだ。
休日は選べなかった。上司が人の薄い日に適当に入れるから、12日連続出勤で連休なしなんてざらだ。
それでも文句は言えない。書類を作るのだって自分でやれと言われたから、家で自分で資料を漁ってなんとか作る。
翌日は寝不足だ。それでもまた怒号は飛んでくる。おい、このペンはこの引き出しに入れるもんじゃないだろう、
どうして覚えてないんだ。この書類、三日前と体裁を変えたんだよ。どうして気がつかないんだ。
この書類を明日まで完成させろ。25人分作っておくんだ。え? 作ったのか?
議題が変わってもう資料がいらなくなったんだよ。無駄なことをするな。上司と俺のそんな様子を、
先輩たちが横目で眺めていく。後でそっと耳打ちされる。「お前は真面目すぎるんだよ。馬鹿だな」
大学のときに付き合ってた彼女とは本当に冗談みたいなつまらないことで別れてしまった。
休日は飛び飛びな上に毎日疲れ果てて、友達に会うこともできないしそんな気力もない。でも周りの人たちは
俺が聞こえのいい企業に入社したものだから、辞めるなんて少しも思っていないし、
俺自身この会社を辞めたって行くあてなんかないんだ。どうしようもない。
毎日泣きたいような気分で家に帰り、明日のことを考えて気を重くして眠る。
適当にやれればいいのに。でも力を抜けば抜いたで、ミスをしたときの後悔が半端じゃない。
適当に、なんて思うから、気を抜いたからミスしたんだってまた暗くなる。
258 :
お題:野ネズミリッキーと風使い・ヒッピー 2/4 ◆XnSHXsXstA :2008/10/23(木) 22:07:08.27 ID:hBWngRic0
手の中で野ねずみのリッキーが白い前歯を出して遠くを眺めていた。少し眠そうな目。
リッキーを肩に乗せた風使いは、ヒッピーのような長い髪を風に乗せてほんのちょっとだけ笑っていた。
小さいころよく想像した。僕もリッキーと風使いと一緒に旅をするんだ。風に乗って空を飛び、
船に帆を張って海を渡り、冬の寒い雪の中、庇いあって進むんだ。鳥にさらわれたリッキーを
風使いと助けに行くよ。ひもじくてもいいよ。砂漠の中、のどの渇きに泣いてもいいよ。
きっと乗り越えることができると。
そうだ。お話の中では僕はどんな辛いことだって耐えられるような気がしたんだ。一生懸命、力を振り絞って、
真面目に、必死にやれば乗り越えられると思ってた。
「お前は真面目すぎるんだ。こっちがやり辛いよ」
昼休みに先輩に言われた言葉を思い出した。もっと気楽にしてくれないとさあ、こっちだって
堅苦しくてしんどいんだよ。忙しいんだからさ、俺らに気使わせるなよ。
ぽたぽたと涙が表紙に落ちた。物語とは違うよな。ほんと。耐えられないよ。
こんな風な辛いことが起こるなんて、この本を読んでいた頃は少しも考えなかったな。今僕は本当に辛いよ。
海の上で漂うより、二人とはなればなれになるのより、ずっと本当に辛い。
涙はするすると頬を伝い、雨だれみたいに次々に「野ねずみリッキーと風使い」の上に落ちた。
僕は涙を拭ってそっともう一度その本のページを開いた。
259 :
お題:野ネズミリッキーと風使い・ヒッピー 3/4 ◆XnSHXsXstA :2008/10/23(木) 22:07:35.46 ID:hBWngRic0
“太陽は今日も東から顔を出した”
好きなシーンのページが開いた。
“太陽が半日かけて全ての生き物の世話をした後、今度は月がやって来た。
月と星はみんなが目を覚まさないように、白い優しい明かりで夜を守った。
野ねずみのリッキーと風使いは、月の手招きに従って引いてゆく波を見ながら
小さな声で星に尋ねた。
『どうして君たちはこんなに長いこと毎日同じに繰り返すんだい?
たまには木陰で休んだり、
風に吹かれてどこかに行ったりしないのかい』
『しないねえ、しないねえ。これがぼくらの仕事だものね』
『辛いことはないのかい? 』
『辛いこともあるよ。悲しいこともあるよ。ほんとうを言うとね、
今日は昇りたくないなって日もやっぱりあるよ。でもぼくらは昇るんだ』
『どうして? 真面目すぎやしないかい?
曇りの日や雨なんか君たちがもしさぼったって
みんなにはわからないんじゃないのかい? 』
星はきらきらと瞬いて言った。
『ねえ野ねずみさん、
風使いのお兄さん、ぼくらはぼくらであることを誇りに思っているんだよ。
誰かが空を見たときに、ぼくらが必ず、必ずだよ、雲の上にでもね、
冷たい雪が降ってもね、必ずその上にあるって、
みんな信じているからね、ぼくらは裏切るわけにはいかないんだよ。
たとえ地面からぼくらの姿が見えなくなっても、ぼくらはそこにいるんだ。
君たちがそれを知っていることをぼくらも知っているんだよ。
地上のものはせわしないものばかり。地上のものはいつか消えてしまうものばかり。
みんなそれを知っているよ。だからただ一つぼくらがここにいることだけは、
絶対に変わらないって信じてほしいんだ。
それは素敵なことじゃないかい。ぼくらはだから、
どんな日もここに来るよ。ぼくらはそれしかできないしね。
真面目すぎるなんて、これ以上の誉め言葉はないじゃないか』“
260 :
お題:野ネズミリッキーと風使い・ヒッピー 4/4 ◆XnSHXsXstA :2008/10/23(木) 22:08:26.56 ID:hBWngRic0
真面目すぎるなんて、これ以上の誉め言葉はないじゃないか。
僕は一つ大きくため息をついた。
僕のうまくできない不器用な真面目さで、もうしばらくやってみようか。
僕も空の星のように、信じられる分だけ真面目に生きてみようか。
曇りや雨の日が続いても、僕はそういう風にしかできないんだ。
僕はその色あせた表紙をそっと撫でた。
本の中みたいな冒険は、僕の世界にはなかったよ、リッキー、風使い。でも星はあるよ。
今日も、今日は曇りだけど、今夜もそこにあるよね。
<了>
261 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 22:12:20.18 ID:hBWngRic0
あ。改行の時開けたはずのスペースが全部ぶっとんでいる。
適当にやれればいいのに。でも力を抜けば抜いたで、ミスをしたときの後悔が半端じゃない。
適当に、なんて思うから、気を抜いたからミスしたんだってまた暗くなる。
262 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 22:36:52.95 ID:dGFbTDi80
ワードで書いた?
263 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 22:49:06.30 ID:D1zTUF6n0
書き込む時にプレビューも確認しない時点で適当ではないのかと
>>257-260 俺的にすごくよかった。
三レス目で星が長々と喋り出すまでは。
先が読めてても、読んでて気持ちのいい話ってあるけど
ちょっとテンポが崩れると、気持ちが途切れるっていうか
うまく言えないけど、急にしらけちゃうんだよね。
265 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 22:55:43.51 ID:6QELBlmq0
お題くれ〜
住所もくれ
住所不定無職
267 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 22:58:52.53 ID:6QELBlmq0
あしずり岬って本当にあるんだな
268 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 23:06:50.95 ID:6QELBlmq0
269 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 23:13:28.64 ID:7BieqixEP
お題は
フィッフィーとチンコ
270 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 23:15:43.19 ID:b/+5nM2p0
おだい なるたけ 簡単な
272 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 23:17:02.01 ID:801Ff0ks0
放射能を撒き散らす人造生物フィッフィーБ
273 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 23:17:37.28 ID:7BieqixEP
放射能を撒き散らす人造生物フィッフィーБを作る過程における足し算
274 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 23:17:46.89 ID:b/+5nM2p0
275 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 23:20:02.03 ID:801Ff0ks0
ふぃっふぃーべーだよ。初の分子生物学を応用して開発されるフィッフィーだよ
おだい
277 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 23:29:30.08 ID:b/+5nM2p0
歩く上半身
はくあ
279 :
◆XnSHXsXstA :2008/10/23(木) 23:33:29.16 ID:hBWngRic0
>>264 ありがとう。どうしても途中で白けさせるような話しか書けないらしいな。
「ここから白ける」って言われる部分も、話として必要だと思うから書いてるんだけどね。
どうしたものかねえ。文才がないってこういうことを言うんだねえ。
>>262 ワードで書いた
>>263 そうかも
280 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 23:34:34.33 ID:6QELBlmq0
白けたら、意味無いだろう
>>257-256がよかったので
>>146も読んでみた
これも面白い。
元ネタ的に考えて、いきなり殴られるのはアリだと思った。俺は。
さらに好みを言えば、ぬいぐるみなのかナマモノなのか、ハッキリしてほしかったかなあ。
この長さだと、フィッフィーのイメージがブレるというか。
これもうまく言えなくて申し訳ないんだけど
おもちゃの人形が殺人人形になるだとか、ギズモがグレムリンになるだとかの変化なら
受け入れられるけど、ギズモとチャッキーの間を行ったりきたりするのは苦しいかなと。
282 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 23:43:06.32 ID:EPEk//lrO
話として必要だから書く
→自分の満足いく作品を書きたいという面。嫌な言い方をすればオナニー
→話としての完成度を高めたい。読者を考えている面
表裏一体だよね。難しい。
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 23:46:33.22 ID:dGFbTDi80
>>279 多分、改行時に自動でインデントを挿入 とかなんとかいう項目をオンにしてるんだと思う
あれは、ワード上でスペースが挿入されたように見えるだけだから、
コピペしたらスペースが消えるんだよ
284 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 23:50:00.21 ID:wcbyCk2vO
どくしゃのことを姦蛙ということがかならずしも
よいとわかぎらんのでです
285 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 23:51:59.25 ID:EPEk//lrO
>>284 例えば、考えないことでそれが好結果に繋がることなんてあるの?
>>279 あ、ごめん。
不要だから削れだとか、この書き方が間違いだと言っているのではなくて
たまたま、その部分が俺に合わなかっただけだから気にしないでおくれ。
>>264も
>>281も批評ではなくて、感想だと思ってほしい。
287 :
◆XnSHXsXstA :2008/10/23(木) 23:54:02.04 ID:hBWngRic0
>>259を無くして、
「僕は涙を拭ってそっともう一度その本のページを開いた。
開いたページは好きなシーンのページだった。
野ねずみのリッキーと風使いは、永遠に続く冒険に
相変わらず身を投じていた。
そのページの一節が目に飛び込んできた。
”真面目すぎるなんて、これ以上の誉め言葉はないじゃないか”」
で
>>260に繋がったりすると、
なんか都合よすぎだろ本よー、て読んでる人思うんじゃね?と思ったわけよ。
でもそのほうがよかったのかな?
>>281 なんという前半しか読まれない俺の物語。
フィッフィーの生物っぷりを明言しなかったのは正直ミスったと
後で思ったけどなんか
>>153で特に指摘されなかったのでむしろびっくりした。
元ネタは実は俺もお題ふられて初めて見たので適当だった。
今でも「出会いがしらにすぐ殺されるミッフィーのパクリ」というのしかわからない。
長らくお付き合いありがとうございました。
>>279 あたりー!これをオフにしとくとよかったのかー
どうもありがとうございます。全レスうぜー俺。おやすみなさい。
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 23:56:02.72 ID:VqI+mDgv0
ちょっと小説を久しぶりい書いて自分がどこまでできるのか試したいからお題くれ
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 23:57:53.43 ID:IfagEZs3O
>>168 亀だけど読みました。
かわいくてよかった。
少女マンガがmother natureの俺としてはそんなのまた読みたいです。
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/23(木) 23:59:37.41 ID:IfagEZs3O
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 00:01:00.71 ID:QmMijHEU0
292 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 00:10:22.03 ID:vRC5WtPhO
たとえば、3妊の毒瀉にむかって姦替えておくといいとよくいわれますが、
もし姦変えすぎると、いちばん真摯な読者である慈分を、毒瀉としてみれないようになるなんつーことがあります。
毒射をうやまいすぎ、UFOにびびる丑のように牛ろにあとずさり、おそれてしまってはいけないと。
ギホーしかつかえない使わないといけない、なんて自分に強性的になってしまうときついとおもうんす。
まあつまり、考えてすぎるのもダメだよねって話。
意識的な必然性はあるべきだけれど、まあ、なくても楽しかったらいいのさ。
293 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 00:13:41.88 ID:PSim3u8EO
>>292 考えすぎるのは良くないってこと?
じゃあ、結局ある程度は考えなきゃいけないんじゃんw
考えることが必ずしも良くないっていう例にはならない。
スレタイに吊られてしまった。
なんか懐かしさこみあげた。
295 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 00:25:30.41 ID:vRC5WtPhO
小説書くに当たって、考えないといけない場面と考えないほうがいい場面があると思うんですね。
で、ナンでも感でも、『読者のことを考える〜』とかいうのはまあ変だなとちょっと感じたってだけだよ。まあ、なんとなくさ。
幼稚園の園長先生の、赤神号は渡っちゃだめとかみたいに、小説でこうしちゃだめはまあ無いし。
そういう意味でオレ、言っ箪笥よ。
あああと、Wの使い方ってむづかしいね。
ネット場上ではクールにいかないとな、もうすぐ寒い不愉ですし
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 00:26:22.57 ID:j5bWzvOh0
フィッフィーは原作でさえただの白ウサギだったり人造巨大生物だったりキャラメルだったりしてるし
概念のはっきりしないものは創作的にはやりやすいんじゃないか、とね
297 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 00:28:27.84 ID:PSim3u8EO
>>295 今度からよく読んでからレスしろよ。
それが全てなんて誰が言ってる?
ネット場上では(ry
298 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 00:31:01.24 ID:sftek2ii0
299 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 00:31:38.78 ID:qOaMuZWsP
まぁまぁ、結論としてはHTBのチョコうまい
300 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 00:33:57.41 ID:vRC5WtPhO
>>297 あーごめんなさい、ちゃんと良く読んでなかったよ。
ちゃんと読まずにつっかかったらだめだね。
こんどはちゃんと読むようにするよ。
読者に媚びないでオナニーに走った方が、むしろ味が出て
作家の意図しないところでファンにウケることがるという意味でなら
読者のことを考えすぎるのもよくないってこともあるかもしれないけどね。
まあ、それも思考錯誤した後で作風がある程度確立されてからじゃないと
あんまり意味もないから難しいよね。うーん。
302 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 00:41:20.28 ID:qOaMuZWsP
自分が楽しいと思う作品を作るのみだろ
そしたら書いてても楽しいだろうしね
303 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 00:52:15.33 ID:dHlLNvgD0
あらあら
まぁまぁ
305 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 01:02:42.38 ID:sftek2ii0
うふふ
306 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 01:02:43.24 ID:16qOxM9qO
>>301 意図しないとこで受けた時ほど複雑なもんだがね
309 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 01:14:20.51 ID:WprWjVdj0
井原?
>>308 いや、運だな
例えばゲームでいいスコア出そうと頑張ってノーミスクリアして結果が付いてきたら嬉しいだろ?
でも途中で微妙にミスを犯した筈なのに運良く最高スコア叩き出したら嬉しさ半減するよな?
それと似たようなもんだ
311 :
◆f5hVe2YV7Q :2008/10/24(金) 01:26:35.17 ID:+fh9QfH/P
>>225 屋上で寝ている少年→委員長の登場で授業がサボっていると明かされる→委員長のと会話で何故サボっているかが明かされる
という展開は、ベタながら綺麗に収まっていた。
屋上といえば青い空の下、というシチュエーションを想像してしまうが、この場合は主人公の心情と重ね合わされた曇り空だ。
悪くない、と思った。最後も良い……と最初は思った。
自分にとって、どうしようもない憂鬱な気持ちを起こさせる雨雲=委員長に対する主人公
とても自然に見える。
ただ、なんとなく納得がいかないので読み直してみる。
主人公をどうしようもなく憂鬱な気持ちにさせるのは、空ではなく委員長のはずだ。もっと言うなら、委員長を含めた人間関係だろう。
雨雲の存在は、どちらかといえば泣き面に蜂なだけで、そもそもの泣き面の原因ではないと思う。
しかし、彼女にとっての主人公はまさに泣き面を作っている原因だろう(彼女がそう思っているかいないかにかかわらず)
この辺の微妙な食い違いが、違和感として残った。
>>309 あー、ロム・ストール。
>>310 それを言ってしまったら、運こそ才能じゃないかな?
自分の才能があるものに早く気付けて育てられたって言う運が才能に感じた。
スレチだから帰るね。
313 :
(お題:ドライブ) 0/5 ◆IPIieSiFsA :2008/10/24(金) 01:34:19.49 ID:dHlLNvgD0
はいはい。無駄に長い作品ができましたよ。
5レスです。
お題はドライブ。あと、ミッキーも入れてもいいですよ。
314 :
(お題:ドライブ) 1/5 ◆IPIieSiFsA :2008/10/24(金) 01:34:37.48 ID:dHlLNvgD0
朝の静寂に包まれてまどろんでいた和泉は、間断的に鳴り響く呼び鈴に起こされた。
シーツを蹴飛ばしベッドから起き上がると、玄関まで歩いていく。寝起き+昨日の酒が彼女の足取りを覚束なくさせてい
る。その上、完全に目を覚ましていない思考回路は、何の躊躇いもなくドアを開けさせた。そこには小さめの段ボール箱を
抱えた配達員が立っていて、驚いた顔をしていた。それはインターフォンを待ち構えていたのが、突然ドアが開けられたた
めだったのだが、配達員は和泉の姿を見てさらに驚かされた。彼女は下着姿だったのだ。面積の少ない黒のショーツとブラ。
ブラの肩紐は左側がずれていた。
「あ、あの、お届けもの、です」
予想外の場面に遭遇しながらも、配達員は職務に忠実だった。
「あー、はんこ?」
明らかに寝起きとわかるような尋ね方と掠れた声。配達員は二度、三度と頷いた。
和泉は一度、奥の部屋に姿を消してハンコを手に戻ってきた。配達員は伝票に押印してもらうと、段ボール箱を和泉に手
渡し、「ありがとうございます!」と大声で頭を下げて去って行った。
その大声に顔をしかめた和泉は差出人と中身を伝票で確認して部屋に戻り、テーブルにおいて自身は再びベッドに倒れ込
んだ。せっかくの土曜日。早朝。しかも昨日は遅くまで飲んでいた。彼女にとって、二度寝するのにこれ以上の理由はない。
枕に顔をうずめ、目を閉じて思考回路を切断しようとしたところで、再び呼び鈴が鳴った。しかし今度は一度だけ。和泉
は思考回路を切断する方を選んだ。しかし明らかにドアノブが回されたとわかる金属音がし、続いて「おはようございま〜
す」という声が聞こえた以上、思考回路を再接続しなければいけなかった。彼女は玄関の鍵をかけ忘れていた。
「先輩、鍵かけとかないと無用心ですよ?」
声の主は遠慮なく廊下を通り、和泉のいる奥の部屋へと入ってきた。
「瑞樹……何しに来た?」
枕に顔をうずめたまま、視線だけをそちらにやる。すでに声の主――瑞樹はベッドの傍まで来てしゃがみ込んでいた。両
膝を立てて座っているためスカートはめくれ上がり、和泉からはショーツが丸見えだった。
「先輩が昨日振られたって聞いたから、励ましに来たんですよ」
その顔はニコニコと微笑んでいた。
「帰れ」
短く告げて顔を反対側に向ける。瑞樹からは見えないが、目を閉じていた。
「そんなこと言わないで、ドライブにでも行きましょうよ〜」
少し幼さの残る瑞樹の声は、自然と甘えを感じさせ、つい聞き入れてやりたくなる。けれど和泉は完全に無視して、瑞樹
の存在を意識の外へと排除しようとしていた。
「起きないとおっぱい揉みますよ〜」
315 :
◆f5hVe2YV7Q :2008/10/24(金) 01:34:51.54 ID:+fh9QfH/P
>>260 どうやら、感想をつけるタイミングを逃してしまったみたいなので、簡単に。
絵本を見返しただけで再び頑張れる気力が湧いてくるのなら、最初の方の苦しみが嘘臭く見えてしまう。
我慢して、我慢して、やっとリフレッシュにありつけた印象はもてなかった。
なぜなら、絵本自体は昔から存在しているはずで、いくらでも見れる機会があったはずだからだ。
端的に言えば、絵本に行き着いたきっかけが欠落している。
掃除していたら出てきた、とか。そういったことも無いので、展開に無理を感じてしまった。
316 :
(お題:ドライブ) 2/5 ◆IPIieSiFsA :2008/10/24(金) 01:34:53.17 ID:dHlLNvgD0
そう言った時には既に瑞樹は和泉の上にまたがり、背後から胸を揉んでいた。
しばらく放っておいたのだが、一向に瑞樹が手を止めないので、和泉はやむなく顔を上げる。
「わかった。起きる」
瑞樹は跳ねるように和泉の体から離れベッドの端っこ、足元のほうに膝をそろえて座る。和泉は反対側の端、頭側に胡坐
をかいてタバコをくわえていた。
「それで、何でドライブなんだ?」
「気分転換になりません?」
なるような気はする。けれど車を運転するのは面倒くさい。それが和泉の素直な気持ちだった。
「運転ならあたしがしますよ。車は先輩のですけど」
瑞樹がトンと自分の胸を叩いてみせる。きっと『任せろ』ということなのだろう。和泉は微かに笑みをこぼして、サイド
ボードのキーケースを彼女に投げて渡した。
長袖のTシャツにジーンズといった、色気も何もない格好に着替えた和泉は助手席に乗り込んだ。運転席に座る瑞樹は白
いワンピースに淡い色のカーディガンを羽織っている。
「それじゃ〜行きますよ〜」
気合の乗らない掛け声とともに車はスタートした。
「それで、どこに行きます?」
「任せる」
短い答え。
「え〜、そんなこと言わないで決めてくださいよ〜」
しかし今度は短い言葉すら返ってこない。
「先輩〜、せめて返事くらいはしてくださいよ〜」
瑞樹がちらりと隣を見ると、和泉は瞳を閉じて、規則正しく呼吸をしていた。
「先輩〜、寝ちゃったんですか?」
返事はない。
「そういえばさっき先輩の家に来る時、宅配便の人とすれ違ったんですけど、何かニヤニヤしてたんですよ〜。もしかして、
先輩のところに荷物持ってきたんじゃないんですか? テーブルの上に何か箱が置いてあったし」
返事はないが瑞樹は続ける。
「どうせ下着姿で出たんでしょ〜? ちゃんとパンツとか穿いてました? おっぱいとか出てたんじゃないですか?」
返事がないから瑞樹は続ける。
317 :
(お題:ドライブ) 3/5 ◆IPIieSiFsA :2008/10/24(金) 01:35:08.60 ID:dHlLNvgD0
「そんなことだから振られるんですよ〜」
「うるさい。黙って運転しろ」
目は閉じたままで答える。
「やっぱり起きてるじゃないですか〜」
「駄目、眠い。本当にどこでもいいから、着いたら起こして」
そしてそれきり黙ってしまった。本当に眠ってしまったようだ。瑞樹はちらりと横目で見て、嬉しそうに微笑んで運転に
集中した。
「着きましたよ。先輩〜」
肩を揺さぶられて和泉は目を覚ます。ゆっくりと開いたまぶた、眼前に瑞樹の顔があった。
「あっ、起きちゃったんですか〜? せっかくキスしようとしたのに」
残念そうに頬を膨らませる瑞樹の顔を押しのけて、窓の外を見る。そこには砂浜と、水平線が広がっていた。
「海か……」
「はい。海です」
満足げな顔の瑞樹。和泉は彼女の頭を撫でて、車から降りた。撫でられた頭に両手をやって、嬉しそうに顔を崩して、瑞
樹も車を降りた。
和泉は砂浜をゆっくりと歩く。カジュアルシューズを履いていたのだが、それがなんだか勿体無く思えて靴を脱いだ。一
緒に靴下も脱いで裸足になる。素足で踏む砂浜は、やはり気持ちよかった。
「あっ、靴脱いだんですね〜。確かに気持ち良さそうですもんね〜。あたしも脱ご〜っと」
言うが早いか瑞樹もミュールを脱いで、ポーンと放り投げた。彼女のミュールはバラバラに砂浜に落下する。そしてその
まま、海に向かって駆け出した。
「ひゃっ、冷たい。先輩、冷たいですよ〜」
今日は夏日に近い気温があるとはいえ、暦はもう十月。水辺で遊ぶ時期からは外れている。和泉は適当な場所に腰を下ろ
す。ジーパンで来て良かったと思った。
「ほらほら〜先輩も遊びましょうよ〜」
波打ち際でワンピースの裾をつまんで遊ぶ姿は、まるで映画か何かのワンシーンのように和泉には写った。彼女にはこう
いう姿が良く似合う。何となく、男に好かれるんだろうな、という考えが頭をよぎった。同時に、自分にはできないことだ
と、少し瑞樹をうらやましく思った。彼女みたいな性格だったら振られたりはしなかったのだろうか。
思考をめぐらせようとしたところで、「暗いですよ〜」という声とともに水がかけられた。顔面にジャストミート。瑞樹
が悪戯っぽい笑顔を浮かべている。
318 :
(お題:ドライブ) 4/5 ◆IPIieSiFsA :2008/10/24(金) 01:35:24.06 ID:dHlLNvgD0
「せっかく海に来たんだから、水で遊びましょうよ〜」
瑞樹は走り出した。少し離れると振り返り、両手を挙げて「早く〜」と和泉を呼んでいる。
和泉は小さく鼻で笑い、頭を軽く振ると、ゆっくりと立ち上がった。
「よし。今から全力で遊んでやるからな。覚悟しろ!」
宣言すると、瑞樹めがけて猛ダッシュを始めた。瑞樹は「いや〜」と悲鳴を上げながら波打ち際を逃げる。けれど身体能
力の差か、本気度の差か。すぐに和泉は瑞樹に追いついた。後ろから瑞樹に抱きついた和泉は、耳元で「ありがとう」と囁
いた後、「それじゃあ、行ってこ〜い!」と叫んで、彼女を海の中へと放り飛ばした。
「はい〜?」
高い声を上げたまま、瑞樹は海の中にすっ転んでいく。和泉からはそれがまるでスローモーションのように、完全に水の
中に落ちる瞬間に彼女が手を伸ばすのが見えて、それが何故か可笑しくて、声を上げて笑った。
全身びしょ濡れで腰から下を海に沈めて座り、声を立てて笑っている和泉を見て、瑞樹も嬉しくて笑った。そして立ち上
がると、和泉の右手を両手で掴んで、海の中に引っ張り込んだ。瑞樹もろとも和泉も海の中へと落ちる。
「これで先輩もお揃いですね〜」
笑う瑞樹を今度は和泉が下から引っ張り込んだ。浅瀬でお互いに引っ張り合い、水を掛け合って、そして笑い合っていた。
「びしょ濡れになっちゃいましたね〜」
「たまにはこういうのも悪くない」
海から上がったばかりの二人の体や服から、ポタポタと水滴が落ちる。
「お腹も空いてきたし、そろそろ帰ろうか」
和泉がそう告げると、瑞樹は慌ててミュールを取りに走る。二度ほどこけて、全身砂まみれになって帰ってきた。和泉も
笑いながらシューズを拾い、二人は笑いながら車へと戻る。
「しまった」
キーを差し込もうとした和泉が声を上げて動きを止めた。
「どうしたんですか?」
助手席側に回っていた瑞樹が顔を覗かせて訪ねる。
「シートが濡れる」
それはもちろん、濡れた服のまま車に乗ったらシートが濡れるということである。瑞樹にいたっては、泥まみれに近い。
「濡れたら拭いたらいいじゃないんですか?」
「私の車のシートは革じゃない、布だ」
「あ〜、そういえばそうですね〜」
319 :
(お題:ドライブ) 5/5 ◆IPIieSiFsA :2008/10/24(金) 01:35:40.63 ID:dHlLNvgD0
瑞樹が外から車の中を覗き込む。
「……仕方ないか」
和泉は小さくつぶやくと、やおらTシャツを脱ぎだした。濡れたシャツが張り付いて脱ぐのに手間取る。
「……何してるんですか先輩?」
しかし和泉はそれに答えず、Tシャツを脱ぎ終えるとジーンズを脱ぎにかかった。Tシャツ以上に濡れたジーンズは脱ぎ
にくい。立ったまま脱ぐのを諦めて砂浜に座り込む。やっとでジーンズを足から抜いて、お尻の砂を払いながら立ち上がる。
「ほら、瑞樹もさっさと脱ぐ」
和泉は後部座席のドアを開き、シートの足元にTシャツとジーンズを放り投げた。
「下着分くらいなら濡れるのも我慢するから、さっさとそのワンピースを脱げ」
朝と同じ上下黒の面積の少ない下着。今、和泉が身に着けているのはそれのみ。その状態で彼女は運転席に乗り込んだ。
突然のことに戸惑い、とりあえず助手席のドアを開ける瑞樹。中を窺おうとするが、逆に中から和泉に蹴られた。という
か、大股を開いた和泉のこの姿はあられもない事この上ない。
「痛いですよ先輩〜」
涙声で訴える瑞樹。蹴られたことにより尻餅をつき、余計に服が汚れる。
「さっさと脱げ。でないと、下着も脱がせるぞ」
真剣な目つきの和泉に、慌てて瑞樹はワンピースを脱ぐ。カーディガンを脱ぐのを忘れてスカートをまくったために、ご
ちゃごちゃと張り付いたりして、頭の辺りですべてが絡まっている。両手を上に挙げて頭で服がまとまり、無防備に下着姿
を晒している姿は、まるで何かの罰ゲームのようだ。
それでもなんとか服を脱ぎ去り、和泉に倣って後部座席の足元に放り投げる。ぐちゃぐちゃに絡まったまま。そしてやっ
と、瑞樹は車に乗ることを許可された。
「でも先輩。ホントにこのまま帰るんですか?」
瑞樹はシートの上で両足を引き寄せ、体育座りをしている。きっと、下着を隠そうという彼女なりの努力だろう。確かに
胸元は隠れているが、角度によってはお尻の当たりはより危険になっている。
「帰る。車に乗ってるから大丈夫だよ」
短く答えて車をスタートさせる。運転席に座るのは、下着姿に靴下と靴を履いているという、マニア垂涎の格好。
家に着くまでの二時間弱、瑞樹は丸まったまま、顔を上げることができなかった。和泉は平然としていたが。何とか羞恥
を乗り越えて家――和泉のマンションに辿り着いた。そこで瑞樹は、「面倒くさいからこのまま家まで行くか」と言って車
を出ていった和泉に更なる衝撃を受けつつ、ぐるぐるにまとまったままのワンピースとカーディガンを抱えて後を追いかけた。
エレベーターに乗りながら瑞樹は、こんな性格の和泉を励まそうとした事を、激しく後悔していた。
―完―
320 :
◆f5hVe2YV7Q :2008/10/24(金) 01:38:18.20 ID:+fh9QfH/P
321 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 01:43:00.37 ID:dHlLNvgD0
>>311 あ、あれかな、実はそんなの深く考えてませんでした! とか言っちゃってもいいのかな?
無意識的に言われたことを込めようとはしていたと思う。
でも、きちんと考えてやろうとしたわけではないので、その効果は予想外といえるだろう。
でも言われてみるとそんな気がしてくるよね。どことなく違和感あるような。
なんにしろ読んでくれてありがとう。
>>320 こればっかりはしょうがないよ。
それじゃあおやすみ。
>>310>>312 運でも才覚でもどちらでもいいんだけどさ
>微妙にミス
といわれると、ちょっと違うかな。
俺が言いたかったは、たとえ話にすると
監督の指示を無視して、点を取りに走った選手の個人プレー自体が
意図せずして試合を盛り上げるのに寄与して、ファンがすごく喜んだとかそういうこと。
ミスで喜ぶ読者、ミスで喜ぶ作家はあまりいないと思うよ。
323 :
◆f5hVe2YV7Q :2008/10/24(金) 02:11:14.85 ID:+fh9QfH/P
>>314 1レス目の途中までは客観的な描写、そこから先は三人称一元であるのに視点があっちこっちに飛んでいる。
加えて……
>間断的に鳴り響く呼び鈴に起こされた
例えばこれ。この中では「間断的」がやけに浮いて見えた。
全体的にラノベ的(ラノベの定義についてはさておき)でライトな書き方をしているのだから、もっと簡単に表現した方がいい。
そう思えた箇所がいくつかあった。漢字変換とかね。
物語で言えば、瑞樹と和泉の関係がイマイチよく分からない。
距離感が一定していないと思った。
例えば、胸を揉むだとかキスがどうこうというやりとりをしたかと思えば、最後先輩が立ち直っているのに後悔している点。
前者は百合っぽく、後者は明らかに単なる先輩後輩(あるいは友人)だ。
例えば、これが高校生であるとか中学生ならば、そういう百合ではない遊びもあるのは分かる。
ただ、この話の場合は車を運転しているので、ある程度年齢を重ねているということになる。
だから、百合っぽく見えてしまったのに、最後には友達関係で終わっていることで、ん? となった。
むしろ姉妹、くらいの方が説得力が出る気がする。
あと、失恋がどの程度のものが描かれていないので、ちょっと遊んだ程度でもある程度立ち直って見えたのは、新鮮だった。
これは書かなかったことが、プラスに働いていると思う。
324 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 02:23:30.13 ID:yZR6HnZz0
お題お願いします。
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 02:24:49.32 ID:16qOxM9qO
ぎりぎりOK
保守
ぐおお……まさかの誤爆
329 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 03:05:32.57 ID:WprWjVdj0
スレチ死ね
330 :
(お題:ぎりぎりOK):2008/10/24(金) 03:43:48.71 ID:yZR6HnZz0
投下します。
保守
332 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 03:45:35.22 ID:yZR6HnZz0
西日がさす教室、外に聞こえるは部活動の掛け声。
一人だけの教室というのは、どうしてこうも虚しさを投げかけてくるのだろうか。
昼に溢れる、生気に満ちた声の数々がなくなるからなのだろうか、いや、違う。
――この原因は俺の今の複雑な心境にある。
三十分前、俺はこの教室で今まで思いを寄せていた女子に告白をした。
罰ゲームでもない、ましてやこのまま高校生活が童貞のまま終わってしまうという危惧でもない。
俺は安定を求めたのだ。
『告白』という行為は安定を崩壊させ、日常を不安定にさせる要因と思われがちだ。
しかし、『誰かが好き』という感情は人を大きく不安定にさせるのではないのだろうか。
日々、その人の事を思い続け、行動に慎み、ぼーっとその人の事を考えてしまう。
それは安定とは呼べない。
返事が『OK』であれば、それに越したことはない。
しかし、たとえそれが『NO』であったとしても、今の感情を捨て去ることができる。
告白相手はクラスメイトの乃木菖蒲(のぎ あやめ)特筆して目立つことは無いけれども、特別地味な部類に入る女子でもない。
とにかく、順当に物事は進むはずだった。
「――ぎりぎりOKかな」
溢れる笑顔で俺にそう彼女は答えた。
その返事を聞いたと同時に俺の中の不安定はより大きな不安定へと変化した。
『ぎりぎり』の言葉が秘める意味、それがはたして何に向けられているのか、顔か、性格か、人間関係か。
頭の中が錯乱し考えが言語化ができない、よもや脳内がフリーズ状態。システムは完全にビジー状態。
次から次へとタスクが俺の頭の中に入り、頭の中は完全に錯乱状態を起こしていた。
どこまで攻撃性のある言葉なのだろうか、彼女は自分のことを最高の女性とでも勘違いしているのだろうか。
それならば、俺の恋愛感情は燃え尽きてしまう、マグネシウムの酸化反応のように華々しくはない、まるで線香花火が地面に落ち、その機能がなくなったときのように。
そんな錯乱状態の中で、頭の中の微力な力を振り絞り口を開いた。
「ぎりぎり……っていうのは…………いったいどういう意味なんだ」
本来ならば、告白に『OK』サインが出ているのだから歓喜している状況なのだろう、しかし彼女のある種皮肉めいた発言は俺に安定をもたらさない。
彼女は俺の目をまじまじと見た後、笑みを浮かべた。告白されての純粋な笑みなのか、それともシニカルな笑みなのか。
「『ぎりぎり』は『ぎりぎり』だよ、そして『ぎりぎり』であって『ぎりぎり』でしかない。栄治君は『ぎりぎり』なんだよ」
さも、それが当たり前かのようにキッパリと答えた。
「だから……それの意味がわからないと言っているんだよ」
不安定は限度を越した、宇宙人とコンタクトを取っているわけでもないのだ、せめて日本語はなしてほしい。
「じゃあ、それは、今度までの宿題にしよっか。あ、これから私のことは呼び捨てで読んでいいから、よろしくね栄治君」
完全に無視されてしまった。
「ちょっと待ってくれ、告白した側からこんなことを言うのもなんだが、このまま行くと俺はお前のことが嫌いになってしまいそうだ」
珍しく正論がいえた自分がうれしいものだ。
「え、そんなことない、栄治君の事はかっこいいと思っているし、栄治君の彼女という存在になれるなら、喜んでその存在になってあげたい」
何の迷いもなく、純粋無垢な雰囲気を全身から出し彼女は答えた。
「納得がいかないだろ、そんな中途半端な返答だと。俺自身イライラするし、何より俺が不安定になる」
「だから、ギリギリなんだよ。今度までの宿題にしてよね、ギリギリの意味」
「お、おい」
「ゴメン、これからバイトがあるんだ、付きあって早々悪いけど、今度遊びに行こうよ、ね?」
「それじゃあ、これ」
そう言って、彼女は俺に折りたたまれたメモを渡した。
俺はただ、それを受け取ることしかできなかった。
「じゃあね」
彼女はそう言って、颯爽と教室から出て行ってしまった。
「何なんだよ、全く……」
335 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 04:16:17.30 ID:mbMprFCp0
もしかして書きながら投下?
書いたつもりが、いろいろと文の推敲で時間を食っています。
すみません。
337 :
(お題:ぎりぎりOK 3/5):2008/10/24(金) 04:29:25.42 ID:yZR6HnZz0
きれいに折りたたまれたメモ用紙を広げ中身を確認した。
いかにも女子っぽいな便箋に、丁寧な文字でメールアドレスと電話番号をはじめ、住所、さらにはバイトのシフトの入り具合までが書かれていた。
「どういう事なんだ……一体……」
あの切り返し、そしてこの便箋からいって告白は成功したといって間違いはない。
しかし、状況は明らな異常であり、俺に不安定をもたらしている、いまだに頭の中の整理がついていない。
そして、一番の謎は『ぎりぎり』の意味である。
何が『ぎりぎり』なのか、何をもって『ぎりぎり』なのか、なぜ『ぎりぎり』なのか。
いずれにせよ、答えは宿題という形で流されてしまった。
幸いもらった便箋には明日のバイトのシフトは書かれていない、明日ファミレスなり喫茶店なりに誘ってゆっくりと話をするのもいい、とにかくこの不安定を取り除くべきだ。
「ピリリリリリリリリリリリリリリ」
静寂を打ち破る大音量で携帯電話が自らの存在を誇示した。着信音からして電話だ。さすがに電話に出ないのは失礼だろう。
「はい、栄治ですが」
「おーうぃっすー、栄治か?俺だ勝彦(かつひこ)だ」
「そんな事は、ケータイの液晶画面が何も言わずに表示してくれる。要件だけ簡潔に話してくれよ」
「いつにもまして釣れないな。まあそこがいいんだがー。簡潔に要件だけ言おう、明日暇か?」
なんでこうも、予定が入るであろう日に誘いを入れてくるのだろうか、勝彦は何も悪くないのだが。
「いや、今後予定が入る予定だ」
「なんだそりゃ、まあいい、明日連れと遊びに行こうって話になってたんだが、無理そうだな」
「俺はお前の連れの補欠メンバーか、まあ別にいいが、たぶん無理だぞ」
「そりゃあ残念だ。お前がいると、いろんな意味で助かるんだがな」
俺はいつお前の助成人になったんだよと。とりあえず少ない友人に彼女ができたことくらい報告しておくか。
「あ、そういえば、今日彼女ができたぞ」
「え?」
電話の向こう側で時間が止まっているのがわかる、受話器からは相手の吐息の音しか聞こえてこない。
「誰に告ったんだ?おいおい抜け駆けかよ」
「抜け駆けもお前にだけはそんな事言われたくないよ、同じクラスの菖蒲さんだ」
躊躇なんてしない。
「――――ッ」
受話器越しでもわかるぐらい、勝彦は同様していた。何故だ、別に同様するような要因は無いとは言わないが、無いに等しいだろう。
338 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 04:45:04.17 ID:16qOxM9qO
がんばれよ
339 :
(お題:ぎりぎりOK) 4/6:2008/10/24(金) 04:46:20.58 ID:yZR6HnZz0
「お前、菖蒲さんの噂を聞いたことがないのか?」
凍るような声色で受話器から音が発せられた。
「え?」
俺も同様、先ほどまでの陽気な会話が一転したことに正直動揺を隠すことができない。
「いや、あくまで噂なんだけどな……聞くか?」
何かに恐怖するかのように、まるで殺人狂に追われているかのように、目の前に恐怖が直面したかのように。
「彼女……菖蒲さんと付き合った彼氏は……皆……行方不明になっているんだ」
「………………は?」
俺の頭の中に生まれた感情は呆れだけだった。
そもそも、学校で行方不明者が出たら、学校関係者の耳に入らないわけがない。
「アホなこと言ってないで、さっさとほかの連れに当たるんだな、それじゃ」
相手の返事を聞かずして会話のキャッチボールを強制終了させた。
とりあえず、バイトが終わるまで待つか、現在時刻は夜の八時、バイトが終わるのは九時、一時間の辛抱だ。
意識は微睡に飲み込まれ、時間の感覚は完全に消失していた。
時刻の鱗片を示していたのはテレビ、すでに砂嵐だった。
朦朧とする意識の中で、何かをする途中で寝てしまっていたことに気付き、時刻を確認するためにケータイに目をやった。
「ん?」
液晶画面には着信履歴が10件。いずれも同じ番号であり、自分の携帯電話には登録されていない番号。
いや、そんなことはどうだっていい、とにかく菖蒲に電話をしなければいけない。
ベッドの上に転がっていたメモを拾い電話番号を入力、すぐさま電話をかけた。
勢いだけでかけてしまったのはいいものの、部屋の置時計を確認すると時刻は午前の二時迷惑電話になってしまうだろうか。
数回のコールの後、菖蒲は電話に出た。
「あ、もしもし、俺だ栄治だ」
まだ眠気が取れていない声で電話をかけてしまった。彼女に失礼かもしれない。
「あー寝起きだなー、絶対に電話掛けてくると思って待ってたのにー、寝ちゃったな〜?」
図星だ。
御免なさい、分母を増やしました。
340 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 05:05:57.13 ID:yZR6HnZz0
「悪い悪い、少しぼーっとしていたら、睡魔に負けてしまったんだ」
「いいよ、別に気にしてないし、それよりも明日、というよりも今日なんだけど、どこかに行かないかな?」
なんともかわいらしい声だ、俺に不安定をもたらした女子とは思えない程に安定を供給してくれる。
「俺も誘うつもりだったんだ、とりあえず駅前のファミレスでどうだ?いろいろ話もしたいし」
なんとも、藪から棒な提案をしてしまった。菖蒲の機嫌を損ねてしまわないだろうか。
「うん大丈夫、家から近いし、じゃあ11時くらいでいいかな?」
時間帯からすると、朝ごはんにしてもいいし、昼ごはんの前のおやつと考えてもいい、なかなかいい時間だ。
「もちろんだ、あーこの時間の長電話もあれだしな、それじゃあまた明日でいいか?」
なぜか急に恥ずかしくなってきてしまった。まだ純粋なんだな俺も、ある意味で。
「うん、それじゃあお休み、ばいばい」
「ばいばい」
電話が切れると、今まで上がっていた脈拍が嘘のように下がり、同時に俺の意識は再び微睡の中に消えていった。
十時四十分、ファミレスの近くで俺は待機をしていた。
季節は秋、茶褐色に染まった木の葉たちがものさびしげに、風に吹かれ行方もしれずにどこかへと行ってしまう。
空は、秋特有の雲が少ない晴れだ。
「あ、栄治君、おはよう……の時間帯かな?」
腰ぐらいまである亜麻色の髪の毛を風になびかせ、最近のトレンドを上手に取り込んだ服装で俺の前に菖蒲は登場した。
「ああ、おはよう」
予想外の早さ、そしてかわいさにに少々驚きを感じた。
いつも見る制服姿とは違い、私服というのはやはり新鮮な印象だ。
「それじゃあ、中に入ろうか」
――カラーン
目の前に並んだデザート達を目にして、目を輝かせている菖蒲。
適当にオーダーしたのはいいものの、菖蒲がデザートばかり注文するものだから、俺もデザートを注文してしまった。
これだったら、朝ごはんくらいまともに食べてきたのに。自分の判断ミスが悔やまれる。
342 :
(お題:ぎりぎりOK) 6/8:2008/10/24(金) 05:18:28.95 ID:yZR6HnZz0
目の前のパフェにスプーンを突っ込み、口に入れる、好きっぱらに甘いものは少々毒だ。
「なあ、昨日の事なんだけど」
「ん?なんのことかな?」
重い口を開くように、うわごとのように、ある種攻撃的な口調で。
「ぎりぎり……の意味だよ」
菖蒲は表情一つ変えることなく、頬にはクリームというある種レアアイテムをつけて、軽い口調でこういった。
「宿題っていったじゃーん。答え、見つけてきた?」
それは無理な要求だろう。ナゾナゾでさえもヒントをくれるご時世だぞ?
「いや、全く」
悪びれる様子もなく答える。
「わかったよー、それじゃあこれを食べ終わったら、答えをあげる」
「了解了解」
ふう、これで俺の中の大きな不安定の一つが消え去ってくれそうだ。
会計を済ませた後、俺は菖蒲の家に向かうこととなった。
「答えが知りたかったら、家に来て」
の一言に負けてしまった。いや俺だった思春期なんだぞ。
徒歩にして約5分、それまでは他愛の無い会話で時間をつぶした。
「それじゃあ入って」
それほど、大きな家でもない一般的な家庭。庭を見ると車が一台も止まっていない。
察するに両親は外出でもしているのだろう、祖父、祖母はしらないが。
「おじゃましまーす」
とりあえず、誰かがいても粗相がないように適当な挨拶をして、ご自宅訪問。
文章推敲してたら、どんどん文章が増えました……。
分母をまた増やしました。
343 :
(お題:ぎりぎりOK) 6/8:2008/10/24(金) 05:25:36.95 ID:yZR6HnZz0
「それじゃあ、この部屋に入って」
通されたのは、菖蒲の部屋、部屋のレイアウト、配色は皆暖色、随所にぬいぐるみが置かれ、見事に『女の子』といった部屋だ。
適当な場所に腰を下ろし、菖蒲が部屋に来るのを待った。
特にすることもない、部屋をぼーっと見ているくらいしか俺に出来ることはない。
「シューーーー」
換気扇の音だろうか、変な音が聞こえてくる。
ん?気のせいだろうか、眠気が……いや意識が……混濁しているように思える。
いや、これは思えるのレベルではない、目の焦点が合わない。
体はすでに動かない、あ……れ……?
気がつくと、見えるのは黒い天井。
朦朧とする意識の中で、周りの状況を把握しようとする。
「にゃ」
「うわあああああああああ」
いきなり、俺の目の前に菖蒲が顔を出してきた。
「おい、一体これはどうゆうことだ?」
体を起こそうと上半身に力を入れる、しかし体はびくともしない、さらに首までが動かない。
体が固定されている。
一体何が起きているのか把握できない、告白してOKされてナゾナゾみたいなもので俺が不安定になって、デートして、ご自宅訪問をしたらいきなりこの状況。
いやいや、おかしい、何かがおかしい。
「私の名前、菖蒲って言うよね」
俺の思考を停止させるほど、冷たい声が聞こえた。
「これね、私の家が花屋さんだから、菖蒲っていう名前がつけられたんだ」
彼女の会話は淡々と続く。
「菖蒲の花言葉は『あなたを愛します』とか『うれしい便り』っていうのがあるんだけどね、その中に『消息』っていうのがあるんだ」
345 :
(お題:ぎりぎりOK 8/8):2008/10/24(金) 05:35:32.66 ID:yZR6HnZz0
「さしずめ、消息を絶つってニュアンスで私は使っているけど」
悪魔のような笑みがそこに見えた気がした。
「なんで気付かないのかな、今まであったおかしな事に」
「不在着信、全部私からって気付かなかった?電話をかける時に気付かなかった?」
「気付かなかったなら、よっぽど抜けてるよ?」
もう、俺の口からは言葉が出ない。
「今まで、私と付き合ってきた人は、自分の学校以外の人、まさか同じ学校の人に告白されるだなんておもってもいなかったけど」
「『ぎりぎり』の意味はね……。『ぎりぎり』肥料のレベルかなってこと」
「お花ってね、栄養がいっぱいないと、育たないんだ。正直栄治君って体系的に普通でしょ?」
「ごめんね、これからは栄養たっぷりの肉塊になって、お花さんたちの肥料になってね」
「お骨はしっかりと、私の部屋のぬいぐるみに敷き詰めて、飾っておくから」
すべてがつながった。
もう、俺には死しか待っていないのか、全く馬鹿みたいだ、いや真正の馬鹿だったのだろう、俺は。
素直に勝彦の話を聞いていれば、さすがにこういった事態にはならなかっただろうに……。
あー、電話をしてくることも、すべて計算済みだったのか、だから起きていたのか。
「それじゃあ、私もおしゃべり疲れたから、バイバイ、栄治君」
――最後に見たのは、彼女の悪魔のような、笑顔だった。
――――いや、あれが本当の顔なのかもしれない。
御免なさい、グダグダでごめんなさい……。
346 :
(お題:ぎりぎりOK 8/8):2008/10/24(金) 05:41:33.55 ID:yZR6HnZz0
書き忘れてました、これで終わりです。
347 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 07:06:20.25 ID:jWgpi0jNO
ほ
348 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 07:30:50.39 ID:Q7DAnIOk0
お題下さい
350 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 07:48:53.26 ID:Q7DAnIOk0
351 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 08:37:03.33 ID:zI5hu8Gz0
保守
352 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 08:49:17.80 ID:Nm6ofQPX0
>>323 素晴らしいね。「間断的」というのはなんとなく変換してみたら綺麗に変換したんで、
単語としてあるのか、へー。とか思ったので使ってみただけ。
使い方は多分正しいと思うけど確かではないというあやふやさ。やっぱり目立つんだね。
話の内容はラノベ的で、けれど書き方はそうでなくて、というのを目指してるんだけど、
どうしても妥協しちゃう。面倒くさくなるんだよね。しかも話が飛んでいくからより手軽に書きたくなる。
この辺は精進だよね。
そうか。年齢的なもので百合とか判断されちゃうのか。これはちょっと新発見。
ここが更なる課題点。二人の関係性を気にさせないように書かなきゃいけないのよね。
読んでくれてどうもありがとう。
353 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 09:01:34.18 ID:Nm6ofQPX0
>>346 とりあえずアドバイスとして、書きあがったらまず推敲をする。
一語一語確認していけば、誤字や脱字は防げる。誤変換もね。
そしてその後で、落ち着いて30行ずつに区切る。
例えばワードなんかで書いてるんなら、一ページを30行設定にすれば勘定しやすい。
これできちんと総レス数がわかる。
ここまでできてようやく、投下の準備が完了。
ここで投下宣言をする。
そして慌てず騒がず速やかに投下。
それと大事なのは、例えば何かミスったりしたことがあっても、絶対に本編には余計なものは入れないこと。
これはすべてを台無しにすると思う。
謝りたいというなら、最後に謝ればいいだけの話。こんなことでせっかくの作品を台無しにするのは勿体無いです。
ようするに、落ち着いてってことです。
354 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 09:12:19.24 ID:Nm6ofQPX0
>>346 で、作品に関して。
俺が言うのもなんですが、なんか無駄に長いような。
それでいて必要なことがかかれていないような。そんな印象。
例えば冒頭に出てくる『安定』云々。これはなくても話は成立すると思う。
で、やっぱり一番は『行方不明』を知らされるところ。
こんな噂が流れて、実際にそのとおりなら、絶対警察に捕まる。
個人の行動や性格に関しては、作者が決めたものなのでそれが正義。
魔法を使おうが超能力を使おうが、変態だろうがそれが正しい。
けど、現実世界にある一般的な組織なんかをないがしろにすると、とたんに話がおかしくなる。
特に説明がない限り読者は一般的なものを想像するからね。
まあ、こんなことを言えた義理ではないけどねー。
355 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 10:40:33.90 ID:Nm6ofQPX0
保守もかねてお題ください。
356 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 10:40:52.17 ID:wr6/9TPpO
保守
357 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 11:13:48.36 ID:wr6/9TPpO
358 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 11:41:56.83 ID:Nm6ofQPX0
359 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 12:29:26.80 ID:fCiRqTsT0
ほ
360 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 12:37:29.99 ID:8WYfIQxb0
お題をよこせ
361 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 12:51:42.46 ID:zJOcKqLsO
黒い人
362 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 12:51:45.90 ID:mbMprFCp0
>>360 誰もいないようなので俺が
スターバックスコーヒー
363 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 12:59:21.76 ID:8WYfIQxb0
364 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 13:01:55.05 ID:DE+X3e1g0
じゃあ俺も書こうかな
お題くれ
365 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 13:08:56.53 ID:8WYfIQxb0
ラッパ
366 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 13:16:37.68 ID:DE+X3e1g0
367 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 13:16:40.91 ID:mbMprFCp0
ちょっと結婚してくる
368 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 13:17:18.83 ID:mbMprFCp0
:(;゙゚'ω゚'):
369 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 14:01:13.72 ID:fCiRqTsT0
370 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 14:30:53.28 ID:DE+X3e1g0
投下しますぜー。
ラッパほとんど関係ない気がしてきたうぇーいww
371 :
初雪(お題:ラッパ)1/6:2008/10/24(金) 14:36:11.66 ID:DE+X3e1g0
「なにそれ。おもちゃ?」
「拾った。なんか拾わなければいけない気がして。」
「…馬鹿じゃねえの?」
ラッパだった。青いラッパ。よく子供が無邪気に吹いてるような、安っぽいおもちゃ。
大した興味はなかったが、引き寄せられるように拾ってしまったのだ。
なんだろう、どこか懐かしい気がする。
「絶対コイツには何かがある。いやほんと直感で。」
はいはい、と軽くあしらわれる。
…まあいい。拾った人間にしか分からないものがあるだろう。
もしかすると俺は何かに選ばれた人間なのかもしれない。
何も入っていないポケットにそいつをしまい、先を行く友人に追いつくべく早歩きになる。
追いつき肩を並べ、一呼吸おいたところで切り出す。
「なあ、書店寄ってもいいか?」
「何買うの?エロ本?」
低レベルなボケに溜息で答える。
「冗談だ冗談。で、何買うんだ?」
「漫画。新刊の発売日だから」
あぁー、そういえばそうだったなー。
そこから会話が広がっていく。
今後の展開予想やここはこうの方がよかった、あれは要らなかったな、なんて批判。話してればあっという間に書店の前だった。
372 :
初雪(お題:ラッパ)2/6:2008/10/24(金) 14:37:05.17 ID:DE+X3e1g0
この小さな町は観光名所もなく、そんな町があるということを知らない人が圧倒的多数であろう、そんなところだ。
田舎、というにはアスファルトが多すぎる。けれど森林や遊歩道、自然公園などが沢山あるのだ。
大体1km歩けば一つ公園が見つかるくらいだろうか。多すぎるかもしれないがそれによって子供たちが遊び場に困ることはない。
今目の前にある書店の裏にも公園が一つある。日も良くあたり年齢関係なく人が多い場所だ。
結局新刊を見つけることは出来ず、俺たちは書店を後にした。
「なあ、公園よって行かないか?」
「へぇ?いいけど何で突然?」
そう聞かれて、答えに戸惑った。
自分でも何故かはわからなかった。ただ、寄らなければいけない気がしたのだ。
友人も訝しげな顔をしていたが、大して気に留めなかったようで、公園へと歩き出した。
平日の夕方近くのためだろうか。小さな子供が多く見られる。
それに伴って大人も何人かいるようだ。
373 :
初雪(お題:ラッパ)3/6:2008/10/24(金) 14:38:05.56 ID:DE+X3e1g0
友人はベンチに荷物を置き、
「俺飲み物買ってくるわ。お前は?」
烏龍茶。そう言って小銭を友人に渡してやる。
遊具は大して多くないが、走り回るだけでも十分楽しめる子供はどいつもこいつも満足げな顔をしていた。
だがその中で一人、悲しげに顔を俯けた少女がいた。
「…どうかしたの?」
俺が話しかけるとはっとしたように顔を上げ、
「………さがしてもみつからないの………。」
それだけ言って、また俯いてしまった。
俺はどうにか少女を元気付けてやりたくて、
「それ、どんなの?一緒に探してあげるよ。」
そう言ってしまった。
すると少女はぱっと笑い、
「あのね、らっぱなの!これくらいの、あかいの!」
両手を使ってこれくらい、と示した大きさは、俺が拾ったラッパと同じ大きさだった。
ポケットから出してみるが、色は青だった。
「これじゃないよね?」
念のため少女に聞く。
目を丸くして2秒ほど見ていたが、首を横に振る。
「そっか…よし、探しにいこうか!」
「うん!」
374 :
初雪(お題:ラッパ)4/6:2008/10/24(金) 14:38:43.27 ID:DE+X3e1g0
公園を隅から隅まで探し回った。
草むらの奥や自販機の下も探した。
人々に聞きまわり、池の中も覗いてみた。
それでも見つからずに、日が暮れた。
「はぁぁ……。ごめんな、見つけられなくて。」
「ううん。いいの。お兄ちゃんといっしょにさがせてたのしかったから。」
明るい笑顔でそう言ってくれた。何と無く胸の奥がムズムズする。
「うん。もう少しだけ、探してみようか。」
その呼びかけに、少女は首を横に振る。
「もういいの。見つからなくても。」
不思議だった。ラッパが見つからなくてあんなに悲しそうな顔をしていたのに、そのラッパはもういいって…?
俺の顔を見て意思を読み取ったのか、
「だってね。…お兄ちゃんといれたからだよ。お兄ちゃんといっしょに遊べた。
いっしょにおはなしできた。だから、もういいの。」
375 :
初雪(お題:ラッパ)5/6:2008/10/24(金) 14:39:25.40 ID:DE+X3e1g0
頭の奥がジンジンと痺れてくる。何かを思い出そうとしている。もう少し、もう少しなんだ。もう少しで思い出せる――。
「お兄ちゃん?」
パリン。
実際に聞こえたわけじゃない。ただ、そんな音がした気がしたのだ。
「お前…もしかして…………?」
少女はニッコリと笑って俺を見てる。その笑顔は、とても満足げだった。
「あのラッパね。お兄ちゃんが私のためにおこづかいあつめてかってきてくれたものなんだよ。でも私はそれであそべなかった。」
推理は確信へと変わる。涙が溢れる。
「泣かないで、お兄ちゃん。私今日いっしょに遊べて嬉しかったよ。ずっとあいたかったおにいちゃんにあえて、良かった。」
少女、いや、妹は俺の顔を持ち自身の顔を向かい合わせ、そっと唇を重ねた。
そっと放したとき、俺はポケットからラッパを取り出した。
「あ…?」
ラッパは赤かった。
拾ったときも昼に出したときも、確かに赤かったはずなのに。
「わあ…。あったね、お兄ちゃん。ありがとう。」
笑顔で礼を言った妹は、すっと光を帯びる。
「ま、待てよ!行くな!行かないでくれよぉっ!まだ、まだお前と遊んでやりたいんだ!まだお前といっしょにいたいんだよぉっ!!」
情けない格好だったと思う。それでも、妹を行かせたくなくて。
「ごめんね、お兄ちゃん。でもいかなくちゃいけないの。ありがとう、おにいちゃん」
ぱっ、と辺りに散るように光が舞う。
気づけば周りにいた子供とその親はいなくなり、空は闇と雲に覆われていた。
376 :
初雪(お題:ラッパ)6/6:2008/10/24(金) 14:40:02.61 ID:DE+X3e1g0
「あっいた!てめーどこいってたんだよ?!」
友人だった。
一人でどこかに行ってしまった俺に対して怒っているようだった。
「…?何泣いてんだよ。ったく、一人で何してたんだよ。」
「妹に、会ってた…。一緒に、探し物、してた…。」
やっとのことで出せた声は震えていた。
変な顔をして友人は眉間にしわを寄せる。
「妹って、お前。ゲームのやりすぎじゃねえ?」
何も答えられずにいる俺を気遣ったのか、
「まあいいや。寒くなってきたし、帰ろうぜ。」
確かに寒かった。
ふと、頬に冷たいものが触れる。
空を見ると、小さな白い粒が降りてきていた。
「うへぇ、雪かぁ。通りで寒いわけだ。」
うぅ〜、と唸って足踏みを始める。
頭の中に、妹が光として散った瞬間が再び浮かぶ。
きっとこの雪は妹なのだろう。
俺がいつまでも悲しんでいるから。
空から慰めに来てくれたんだろう。
俺は一度目を強くこすり、友人に一度謝ってから、帰路についた。
ポケットの中には、ラッパが一つ。
前は青くて、今は赤い。ラッパが一つ、入っていた。
了
377 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 14:42:08.04 ID:DE+X3e1g0
以上ですー。
なんか恥ずかしくなってきたww
>>377 全俺が泣いた。
けどウチの妹は可愛くない
379 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 15:06:01.68 ID:mbMprFCp0
>>377 うまいことまとめてるなぁ
俺なんて無駄に長くなって\(^o^)/
380 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 15:16:38.17 ID:+otxnNeD0
>>377 この妹の爪の垢を俺の妹にも(ry
保守ついでに小説書く練習したいんで、俺にもお題ください。
381 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 15:24:06.42 ID:8WYfIQxb0
382 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 15:26:10.66 ID:+otxnNeD0
383 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 15:28:18.92 ID:fwncy8Yg0
お題ください〜
384 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 15:29:26.73 ID:8WYfIQxb0
385 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 15:45:26.62 ID:fwncy8Yg0
386 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 16:25:13.12 ID:to/IFqaMO
ほしゅ
387 :
『住所不定無職(お題:住所不定無職) 0/2』 ◆mu0pZvSuJY :2008/10/24(金) 16:35:19.85 ID:3kcwtAH40
投下します
388 :
『住所不定無職(お題:住所不定無職) 1/2』 ◆mu0pZvSuJY :2008/10/24(金) 16:35:36.43 ID:3kcwtAH40
全うに生きていれば、いつか報われる。
しかし、僕は全然報われない。
なぜなら僕は、全うに生きていないからだ。
住所不定無職、それが僕の肩書き、いわゆるホームレスと言う奴だ。
そりゃ、こうなる前には全うに生きていたさ、でもこうなってしまった。
なぜかって、借金とか家庭事情とか仕事とか、いろいろあったわけだよ。
でも、僕は諦めていない、全うに生きなくたって頑張っていれば良い事があるはずだ。
「高橋さん、いい物が手に入ったよ」
この人は僕の先輩ホームレス、山下さんだ。大きな借金を作って家を失ったらしい。
「ほら、二丁目のパン屋で少しのジャムとパンの耳を貰ったんだよ」
「わあ、よかったですね、ではみんなを呼んできますね」
ここでのルールは『一人占め厳禁』だ、幸はみんなで分け合う物だからね。
「それでは、頂きますかね」
がやがやと朝食が始まった、いや、四人だけだけど。
山下さんと、事業が失敗して責任を負われ財産をなくした桑本さんと、
友人の保証人になって友人に逃げられた坂本さん。
そして、どうしてホームレスになったかはよく知らないけど石川さんの三人だ。
空腹には慣れたつもりだったが、やっぱりパンの耳だけではひもじいものである。
だけど僕は挫けない、日雇いの仕事を少しずつやって行ってお金をためるんだ。
「さて、僕は今日の仕事があるので行ってきますね」
みんなに挨拶をして僕はバイト先へと向かった。日雇いの荷物運びだ。
こう言う仕事は専門の知識が要らないからいい、ただの肉体労働に過ぎないのだから。
しかしパンの耳と公園の水で満たされた腹にはきつい運動だった。
でも、どうにかこの仕事を終わらすんだ。こんな所で倒れたらきっと給料が減らされる。
どうにか仕事を終わらせた僕は、帰り道をふらふらと歩いていた。
「うう、やっぱり辛いものだなぁ、でも挫けないぞ……」
漂ってくる食べ物のにおいを嗅ぐたびに僕の気力が失いそうになる。
というより、僕は地面に仰向けに倒れていた。
ああ、こんな所で倒れてしまったか、駄目だ、気を失っちゃ。
しかし、どんどん意識が遠のいていった。
389 :
『住所不定無職(お題:住所不定無職) 2/2』 ◆mu0pZvSuJY :2008/10/24(金) 16:36:22.58 ID:3kcwtAH40
「うう、僕はどうなったんだ」
視界は真っ白だった。もしかしてここは天国?
「なんてことだ、僕は死んでしまったのか?」
しばらくうろうろと歩き回っていたら、天使と思わしき人物が椅子に座っていた。
「あのう、ここは天国なんですか?」
「はい、その通りです。あなたは今日死んだ方ですね」
「僕は死んでしまったんですか?」
そう言うとその人はパラパラとファイルをめくり教えてくれた。
「はい、あなたは今日の夜、二丁目の商店街の裏で餓死しました」
「やっぱり死んでしまったんですね、まあ良いです、まさに報われましたから」
「それではこちらへ」
その人は僕を門へと案内してくれた、そして門の前に立ったときに。
「身分証明を出してください」
「え? そういうのがいるんですか?」
「はい、もしかして持ってないですが? それでは住所を教えてもらえますか、
係りの物が見つけますので」
「あの、住所が無いです。僕、ホームレスですから」
「それでは天国へは入れません、お帰りください」
ふっと目が冷めるとそこは、僕が倒れた場所だった
「そうか、住所がないと天国に行くことも出来ないのか」
僕は頭痛を抑え、みんなの待つ公園へと向かった。
しかしそこに公園は無かった、重機械が運び込まれ後援が取り壊しになっていた。
「あの、ここの公園潰してしまうんですか?」
「はい、ホームレスがいて子供が遊べないそうなんで」
僕は仮の住所も失ってしまった。
終
390 :
『住所不定無職(お題:住所不定無職) 3/2』 ◆mu0pZvSuJY :2008/10/24(金) 16:36:58.73 ID:3kcwtAH40
脱字があるかも知れないので、
そのチェックもしてくれるとうれしいです。
391 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 16:40:33.26 ID:8WYfIQxb0
392 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 16:42:01.52 ID:3kcwtAH40
使い方が間違ってるのは僕では判断できないんで……
説明不足ですいません
393 :
ツバメ:2008/10/24(金) 16:46:47.38 ID:fwncy8Yg0
投下します。
394 :
ツバメ 1/3:2008/10/24(金) 16:47:46.79 ID:fwncy8Yg0
僕の名前はつばめです。
毎日ご主人さまが帰ってくるのを家で待っています。
家の片付けと掃除、料理が僕のお仕事です。
僕はご主人さまに拾われたから、ご主人さまの「モノ」だってご主人さまが言っていました。僕はよくわからないけど、このご主人さまに拾われることにしました。
ご主人さまは毎日遅くまで仕事に出かけています。帰ってこない夜もあります。
帰ってこられる時も。とっても疲れた様子で帰ってこられます。
「ただいま」
ため息を着きながら本当に疲れた様子のご主人さまが少しでもくつろげるように家の中をきれいにしておくのが僕のお仕事。
「お帰りなさい。ヒロコ」
それがご主人さまの名前。ご主人さまはこう呼ばないと僕を叱ります。それ以外の呼び方や「ヒロコさん」と呼んでも僕を叱ります。
だから、僕はご主人さまをヒロコって呼んでいます。
「何も変わったことはなかった?」
ご主人さまは帰ってくるといつも同じことを聞いてきます。
「うん。特に何も」
僕はいつもこう答える。本当に何も変わったことのない毎日。
395 :
ツバメ 2/3:2008/10/24(金) 16:49:33.21 ID:fwncy8Yg0
「お風呂にする? ご飯にする?」
僕はいつものようにご主人さまに尋ねる。いつでもご主人さまがくつろげるように僕は御飯とお風呂を用意している。
たまに昼間に帰ってきたときには用意できてない時もあるけど、夕方にはちゃんといつものように用意する。
ご主人さまが帰ってこない日があっても。
「ううん、ちょっと横になるね。ありがと」
ご主人さまはそういうと、荷物廊下に落とし、寝室へと向かった。
「うん。」
僕はそういうと、テーブルの上に並んだご飯をラップし冷蔵庫にしまった。
後でご主人さまが食べるかもしれないし、食べなかったときは僕のご飯になるから。
机の上を綺麗に片づけると僕はご主人さまの寝室にそっと足を踏み入れた。静かに、静かに。ご主人さまが寝ているかもしれないから。
「大丈夫? 薬もってこようか?」
「ううん、いいの。大丈夫。熱はないみたいだから。」
ごろりと寝返りを打ってご主人さまが僕の方を向く。暗い中なのでよくは見えないが、いつもよりも元気がないようだった。
「なにかあったの?」
「ううん。いつものこと」
いつものこととはご主人さまのご家族のことだろう。ご主人さまはご主人さまのご家族と仲が宜しくなかった。
立ち入ったことを聞いたことはなかったけど、ご主人さまとご家族が電話で激しく言い争っているのを見たことがある。
『母さん、私絶対に帰らないからね!』
ご主人さまは受話器を叩きつけながら電話を切った。僕の様子に気がつくと
『なんでもないのよ』
そう、弱弱しく微笑んだ姿がなんだか痛々しかった。
僕は電話に出ることは許されていない。
だからご主人さまがいない時に時折思い出したかのように同じ番号から電話が掛ってくるのだけれど、
僕はただその番号を見つめるだけ。
396 :
ツバメ 3/3:2008/10/24(金) 16:52:30.30 ID:fwncy8Yg0
「そうなんだ」
僕はそういってご主人さまの枕元に腰掛け、ご主人さまの髪を撫でる。
ご主人さまがそう望むから僕はそういう自分を演じている。
こんな僕を拾ってくれたご主人さまに恩を返すために、僕はご主人さまを精一杯お慰めする。
「ツバメっ!」
ご主人さまが抱きついてくる。
僕を求めてくる。
僕はそれに精一杯答える。
同じ女だけど、ご主人さまは女の僕が好き。
僕は別にそういう趣味はなかった。
でも、粗暴な男たちよりはよかった。
普段と違う弱い顔をさらけ出すご主人さまの姿。
どこか庇護欲をかきたてるその姿。
精一杯慰めてあげたくなるその横顔。
だから僕は精一杯ご主人さまの望むツバメになる。
「おいで……ヒロコ」
そして僕は縋りついてきた彼女を今夜も慰める。
今夜も
また。
僕は彼女のツバメになる。
終了
397 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 17:58:01.05 ID:WdaeFawR0
ほ
>>314 だから何なの?というのが正直な感想。
キャラクターに魅力があるわけでもなければ、雰囲気がいいってわけでもないし
二人の女が寒々しくキャッキャしてるだけで、掛け合いにユーモアが感じられるわけでもない。
失恋っていうのも遊んでスッキリって程度のとってつけたようなものだし
この経験を通して、二人に何か変化が生じるわけでもない。
というか、この二人はいったいどういう関係なのかが、最初から定まっていないので
後輩の気配りで先輩が救われても、で?という風にしかならない。
>>332 地の文もそうだけど、台詞がくどい。言い回しもわざとらしくて冷める。
しかも、物語の雰囲気作りも、進行もすべてそのくどい会話頼みなものだから
全体的にグダグダになりすぎてる。もっと自然で簡単な言い方はできないものか。
それと、行動記録をしているわけじゃあるまいし
> 徒歩にして約5分、それまでは他愛の無い会話で時間をつぶした。
こういう文章って完全にいらないだろう。
場面が変わるごとにあったけど、特にこれが一番ひどかった。
あと、いくらなんでもオチが唐突すぎる。
やりたいことはわかるけど、見せ方が悪いし、説明の仕方も悪い。
主人公は「すべてがつながった」とかいってるけど、読者にしてみれば
>いやいや、おかしい、何かがおかしい。
の状態のままだよ。
少なくともこのネタばらしに持っていく前に、何かそれっぽい感じの描写をしなきゃ。
「ギリギリ」って言葉と、友達が「あいつやべーよ」っていうだけじゃ全然足りない。
ネタばらす以前に謎の提示が不完全すぎて、クイズ番組の司会者が、
うっかり問題と一緒に答え言っちゃったみたいな感じの終わり方だよ。これ。
103:美香(東京都) :2008/09/15(月) 10:23:38.24 ID:4M2IYIFz0 [じょうだんだもっ♪sage]
∋*ノノノ ヽ*∈
川´・ω・`川 多分ここの低能どもは、川端康成の書いたものでも
同じように的外れな煽りするんだろうね(ww
294:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(長屋) :2008/09/15(月) 11:28:56.01 ID:P7tCms620 [sage]
嘘のように多い星は、見上げていると虚しい速さで落ちつつあると思われるほど、あざやかに浮き出ていた。星の群が目へ近づいて来るにつれて、空はいよいよ遠く夜の色を深めた。
どうでしょ
302:美香(東京都) :2008/09/15(月) 11:32:02.40 ID:4M2IYIFz0 [じょうだんだもっ♪sage]
>>294 ∋*ノノノ ヽ*∈
川´・ω・`川 嘘のように、というのが陳腐。
虚しい速度って何。
星の群が目へ近づいてくる〜も意味不明。
304:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(長屋) :2008/09/15(月) 11:33:31.77 ID:P7tCms620 [sage]
>>302 川端康成 (雪国より抜粋)
川端先生を酷評ですか・・・さすがですねwwwwwwwwwwwwww
335:美香(東京都) :2008/09/15(月) 11:46:00.04 ID:4M2IYIFz0 [じょうだんだもっ♪sage]
∋*ノノノ ヽ*∈
川´・ω・`川 それが川端康成(笑)の文章だってうちは知ってたんだけどね。
400 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 18:37:35.67 ID:wIJ7MnY80
>>398 率直に聞きたいんだけど、これ読んで、失恋がスッキリしてるとか、立ち直ったって思った?
あと、どういう関係っていうところで、普通の先輩後輩ってだけでは駄目なんだろうか?
全体的には言うとおりなので、素朴な疑問として。
401 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 18:39:41.01 ID:wIJ7MnY80
402 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 18:46:43.45 ID:J6W6G4P60
青春っぽいお題くれ
403 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 18:47:41.50 ID:nQFkS9tT0
クリームソーダ
404 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 18:47:50.98 ID:fCiRqTsT0
405 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:21:10.16 ID:fCiRqTsT0
ほ
>>400 >失恋がスッキリしてるとか、立ち直ったって思った?
軽いって思ったね。
海で遊んで笑いあってそんでお終い。
そのあと特に何か触れられるわけでもない。
二人を絡ませるために存在した失恋という設定。
失恋して、後輩なりの慰めがあって、それを受けて傷心がどうなったんだっていうのが何にもない。
はっきりって、ペットの死でも、仕事の失敗でも何でもよかったわけじゃない。
これをさして「失恋っていうのも遊んでスッキリって程度のとってつけたようなもの」と言ってるわけ。
>普通の先輩後輩ってだけでは駄目なんだろうか?
先輩、後輩っていうのは、上下関係を示す言葉でしかないだろう。
君の中では、世の中の先輩と後輩は、全てこの物語にでてくるような関係なのかな?
ただの仲好しこよしでも、友達みたいな、恋人みたいな、姉妹のような、母子のようなっていろいろあるだろ。
他の人は距離感って表現してたけど、まさにそういうことだよ。
上との関連でいえば、ここからは立ち入らせないラインっていうのが見えないぐらいに仲が良いから
先輩の方の失恋に関する変化を書かないと、ただのノロケもどきにしかならないんだよね。
407 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:23:13.23 ID:P1flv1TG0
世のなかなんて糞くらえなお題ください
408 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:24:18.71 ID:2Ai5m5610
こころ
409 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:24:19.97 ID:WprWjVdj0
スカトロ
410 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:27:58.82 ID:nmAlnTmVO
>>406 横レスだけど上のは質問と答えがずれてないか
411 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:35:37.01 ID:d1WB3upc0
>>406 これで立ち直ったとかスッキリしたとか見えるんなら失敗ですね。
立ち直るとかそんな描写はしたつもりはなかったんだけど、そう見えてしまったのね。
というか、貴方が言うような仲が良い先輩後輩って思えてるなら、それでは駄目なのかな?
少なくとも恋人ってのは『振られた』という表現で排してるつもりだけど。
412 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:36:25.86 ID:axbm4yTbO
お題ください
413 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:37:24.90 ID:d1WB3upc0
414 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:42:16.02 ID:axbm4yTbO
>>410 立ち直ったと思うか、yesかnoかで答えろってこと?
それは困るな。
だって、どうなったのかが書かれてないんだもの。
少なくとも、海で遊んだ後で、心に何か引っかかったままであるようには見えない。
だけど、立ち直ったというだけの表現があるわけでもない。
とろうと思えば、どっちにだってとれるよ。
どうなっちゃったかがわからないから、「で?だから何なの?」って言ってるわけだが。
416 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:50:36.60 ID:qOaMuZWsP
普通は〜だとか常識的に〜ってのはちゃんと使うのが難しいけど
別の意味で心の深層を相手に露呈してるようなものだから、自己紹介にはちょうどいいかもね
417 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 19:57:41.22 ID:d1WB3upc0
>>415 どっちにだってとれるか。なるほど。
基本的に書いてない、匂わす描写がない、なら『それはない』という考えなんで、勉強になった。
つまり、そうだと思わせたくないなら、徹底したほうが良いかも知れないって事ね。
あと、「で?だから何なの?」って聞かれたら、「別に、何にも」としか答えられないです。
ごめんなさい。
長々とありがとうね。これからも頑張るぜ。
>>411 ただの仲好しこよしで良いと思うならいいんじゃないかな。
別に押し付けやしないよ。
419 :
乾杯(お題:缶ビール) 0/8:2008/10/24(金) 20:08:16.41 ID:Q7DAnIOk0
投下します
420 :
乾杯(お題:缶ビール) 1/8:2008/10/24(金) 20:09:03.84 ID:Q7DAnIOk0
開けた網戸の向こう側から、虫の声が聞こえてきた。
何ヶ月も敷きっぱなしの煎餅布団の上に胡坐を掻いて、プルタブを開けた。
ベランダと呼ぶのもおこがましいほどの物干し竿置き場に続くガラス戸を開いて、網戸の向こうに区切られた空と月を見上げながら一口飲んだ。
苦い酸味が口の中に広がり、炭酸に塗れたアルコールが喉を通る。
この味を旨い、と思うようになったのはいつの頃だろう。
最初に呑んだのは、幼稚園児の頃だったと思う。ジュースと勘違いして親父にせびって、酔っ払った親父が冗談半分にコップに少しだけ注いでくれた。
ジュースじゃないと気づいたのは、一気に喉に流し込んでからだった。
本当に馬鹿なガキだ。今もそれは変わっていないのかもしれない。
タンクトップにトランクスというおっさん丸出しの格好でちびちびと呑みながら、どこかから聞こえてくる虫の声に耳を澄ませていた。
何年経っても変わらないと思っていたそういうものは、それでも昔よりも少なくなっているような気がする。
月明かりだけを頼りにライターと煙草を探り当て、赤い小さな光を点す。
ふと、笑みが口の端に浮かんだ。
少なくもなるはずだ。俺がこうもオヤジっぽくなってしまっている。
見上げた月は、金色に丸く光っていた。
今の奴が、俺を見たら何と言うだろうか。
月に向かってビールを掲げる。
「乾杯」
残りを一気に流し込んだ。
421 :
乾杯(お題:缶ビール) 2/8:2008/10/24(金) 20:09:46.80 ID:Q7DAnIOk0
下駄箱を開けたら、手紙が入っていた。
春が来た、と喜ぶ事は一瞬すら出来なかった。
レターセットに包まれた可愛らしい『お手紙』などではなく、ノートを破り捨てたような『書置き』に等しい代物だったからだ。
こんなことをしてくる知り合いに心当たりは余りなく、また何かの悪戯だろうと捨てようと思ったが、捨てる場所が見当たらなかった。
仕方なく手にとって開いてみると、末尾に書き添えられた名前が目を引いた。
それは、中学時代に喧嘩別れした友人の名前だった。
二人の幼馴染がいた。
二人とも男で、そこそこ頭も良くて顔も良くて、運動も出来た。
俺はいつも、二人の後をくっついて歩いていた。
何をするにもいつも三人一緒で、幼稚園からずっとそうで、部活も彼らに進められて同じものに入った。
だけど、本当はずっと気づいていた。
『三人』じゃなくて、『二人と一人』だということに。
それでも、二人の幼馴染はそれなりに俺に気を使ってくれていた。正直頭も顔も悪くて運動も余り出来ない俺なんか、みそっかすもいいところだ。そんな俺と、いつも付き合ってくれていた。
その事が、年を重ねるにつれどうしようもなく苦痛になってきた。
だから、だろうか。
今となっては何がきっかけだったのかも良く分からないが、小学校の時に奴と出会い、仲良くなって、段々奴とばかり付き合うようになったのは。
勿論他にも友人がいなかったわけじゃない。けれど、そいつらは全て二人の幼馴染の方に傾倒していくか、二人を通じての付き合いでしかなかった。
自分一人の友人、と呼べるのは奴しかいなかった。
ゆっくりと時間をかけて二人は俺を裏切っていくように思えた。
本当は、ゆっくりと時間をかけて俺が二人を裏切っていった。
422 :
乾杯(お題:缶ビール) 3/8:2008/10/24(金) 20:10:19.04 ID:Q7DAnIOk0
中学時代、奴と大喧嘩をした。
その時の奴はファンタジー小説が好きで、俺は歴史小説が好きだった。
自然、二人で何か話を作ろう、という流れになって、ノートを買って二人の妄想と空想を思う存分叩き付けた。
楽しくて仕方がなかった。
奴も、普段は周りに小説やら漫画やらを読むことを隠していたから、捌け口が見つかったかのように書き連ねていた。
休み時間や昼休みに一目を忍ぶように会い、放課後になったらどちらかの家に赴いて、空虚で生産性など欠片もない夢想を語り合い、書きあう楽しい日々が続いていた。
原因は、本当にとてつもなく下らない事だった。
主人公が戦う時にどんな格好をしているか、確かそんなことだったように思う。
俺は鎧をがちがちに固めていると主張し、奴は軽装であると主張した。
お互いガキならではの意地っ張りと頑固さを発揮して、議論はいつまでも続くかに思えた。
最初に諦めたのは俺だった。
また裏切られた、そんなふうにさえ思っていた。
分かって貰えないのが寂しくて切なくて腹立たしくて悲しくて、捨て台詞を吐いて逃げるように奴の家から出て行った。
「やってられるか」
負け犬丸出しの台詞だと思う。
奴はとうとう、その言葉に何も言い返さなかった。
それから一度も顔を合わせていない。
同じ高校に入ったことは風の噂で聞き知っていたが、会おうという気にさえならなかった。どうでもいい、心の底から諦めていた。
人間なんてそんなもんだ、悟ったような事を本気で思っていた。
裏切られたふりをして、裏切っていた。
そして、俺は独りになった。
423 :
乾杯(お題:缶ビール) 4/8:2008/10/24(金) 20:10:46.58 ID:Q7DAnIOk0
書置きの内容に従って、指定された時間に指定された場所に行くと、奴がいた。
「よぉ、久しぶり」
「おぉ、久しぶり」
お互い突っ立ったまま片手を上げて、不器用な笑顔を浮かべた。
何となく、どうしたらいいのか分からないのは奴も同じらしい。
何を言うべきか迷って、何から話したらいいのか分からず、とにかく口を開いて、
「どうしたんだ、いきなり?」
そんなありきたりな言葉しか出なかった。
刺々しくはならなかっただろうか、と心配になる。自分ではそんなつもりはなくとも、聞いている方は『今更何だ』と言われたように思うかもしれない。
その事が、怖くて仕方がなかった。
「いや、特には。久しぶりに会って話してみたいと思って」
どこかぎこちなさの残る口調で奴がなんでもない風を装う。
俺も、奴から見たらこんなふうに映るんだろうか。
俺のいる場所と奴のいる場所が、酷くズレているような感じがした。
「そっか。今何してんだ?」
そこから先は、取り留めのない話になった。
424 :
乾杯(お題:缶ビール) 5/8:2008/10/24(金) 20:11:18.86 ID:Q7DAnIOk0
奴はいまだに隠れオタクを続けているらしい。外にはバレないよう、色々気を使っているらしかった。
だったら、今やオタクとして名が通ってしまっている俺などに関わらない方がいいんじゃないかとも思ったが、言わないでおいた。
おそらく、寂しいんだろう。
そういう事を周りに話せなくて、話してしまう事を恐れて、俺なんかともう一度関わろうと思ったに違いない。
それが証拠に、奴はこう言ってきた。
「お互いの交遊関係も違うしさ、学校じゃ今まで通りにしようぜ」
吐き気がする。
よくもまぁ、そんなおぞましくも身勝手な事を言えるものだ。
そんな内心はおくびにも出さず、俺はただ「そうだな」と頷いた。
とっくの昔に、人に期待することを止めていた。
寂しいというなら、適当に付き合って、満足したなら止めればいい。
須くどうでもいいことだ。
それから暫く話して、別れの挨拶をして帰路についた。
空には、丸くて金色に光る月が浮かんでいた。
寂しいのは、俺の方かもしれなかった。
425 :
乾杯(お題:缶ビール) 6/8:2008/10/24(金) 20:11:48.59 ID:Q7DAnIOk0
高校三年生の卒業式を間近に控えた三月。
学校も自由登校になって久しく、もっぱら家でごろごろする日々を過ごしていた。
特にこれといってやりたいこともなく、受験も終わった今となってはテレビを見るかゲームをするかしか暇を潰す方法がなかった。
奴とは、それなりの付き合いを続けていた。
中学時代のように頻繁ではなかったが、たまに互いの家で話したりすることもあった。
中学時代のように二人で話を作ろうとは、どちらからも言い出さなかった。
当たり前だ。
奴がどの面を下げて、俺に言えるというのだろう。
俺がどの面を下げて、奴に言えるというのだろう。
どちらにせよ、卒業したらもう会うことはない。大学も違うし、俺は上京して独り暮らしをすることを決めていた。
地元に未練なんて欠片もない。
適当に就職して適当に結婚して適当に生きていくなら、東京の方が多少なりとて都合がいいだろう。その程度の考えだった。
その程度の考えで、地元を捨てるには十分な理由だった。
見たくもないテレビを見て、もうやり飽きたゲームをして、いつの間にか時間が経って夜になった。
そして、奴が来た。
ビールの入ったビニール袋を片手に提げていた。
勝手知ったるなんとやらというやつで、俺の部屋まで上りこんで重そうな音を立ててテーブルにビニール袋を置いて、窓を開けた。
「おい、」
「月が綺麗なんだよ。見ながら呑もうぜ」
網戸から入り込んでくる風は冷たくて、それでもどこかから虫の声が聞こえてきた。
こんな時期にも虫なんているんだな、と思いながら耳を傾けていると、缶ビールを突き出された。
「俺の奢りだ」
サンキュ、と呟いてプルタブを開けた。
炭酸が抜けていく音と、アルコールの仄かな香りが部屋に漂う。
426 :
乾杯(お題:缶ビール) 7/8:2008/10/24(金) 20:12:18.50 ID:Q7DAnIOk0
「もうそろそろ卒業か。実感沸かねぇな」
一口飲んで、奴が呟いた。
「卒業ったって、大学に入ったって何が変わるわけでもねぇだろ」
所詮、今まで通り下らない毎日を続けるしかないのだ。
一口呷って、網戸の向こう側を眺める。
黒と藍色の空に、丸くて金色の月が光っていた。
「お前さ、夢とかある?」
突然何を馬鹿な事を。
横目で睨むように奴を見ると、真剣な顔で黒に飲み込まれようとしている金色の輝きを見つめていた。
途端、自分がどうしようもなく薄汚い人間であるように思えて、目を逸らした。
「さぁな。分かんねぇ」
ないと答えたら自分がどうしようもない人間のように思えて、さりとてあると答えるほどには子供ではなくなっていた。
中途半端な答えを返して、奴の反応を待った。
「だよな。俺も分かんねぇ」
横目で奴の様子を伺い見る。
自嘲するかのような、薄い笑みを顔に貼り付けて、泣いているように見えた。
なんだか、唐突に安心感が全身を包んできた。
気が付いたら、俺もニヤけたような笑みを顔に貼り付けていた。
奴と同じように、丸くて大きいくせに、どこか輪郭のぼやけた月を見上げた。
「なぁ、おい。夏休みとか正月には帰ってこいよ」
「なんでだよ」
缶ビールにちびちびと口をつけながら、編み殿向こう側から聞こえる虫の声を聞いていた。
「こうやって酒が呑めんの、お前ぐらいしかいねぇんだから」
「寂しい奴だな」
寂しいのは、俺の方だ。
暗い夜の中で、輪郭のぼやけた光を放つ月は、俺達の唯一の希望だった。
電気を消した。
427 :
乾杯(お題:缶ビール) 8/8:2008/10/24(金) 20:12:52.74 ID:Q7DAnIOk0
雲が時折月を隠し、その度に部屋の中は真っ暗闇に包まれる。
部屋の中には、世界の全てがあった。
「なぁ、知ってるか?」
俺が話しかけると、奴が反応するのが気配で分かる。
薄ら笑いを浮かべつつ、雲に隠れた月が姿を現すのを待つ。
「『乾杯』ってな、杯にある酒を全部飲み干すから『乾杯』っつーんだぜ」
奴は、そうか、とだけ呟いた。
雲が流れ、月が再び形を取り戻した。
部屋の中が、いきなり明るくなったようだ。
闇に慣れた目には、より一層そう見えた。
どちらからともなく、缶ビールを掲げる。
力の限りぶつけ合った。
「乾杯」
残っていたビールを全部飲み干した。
もうそろそろ正月になる。
今年の夏はバイトやら課題やらで結局帰れなかったから、正月こそは帰らなくてはならない。
未だに夢とやらは分からないままだし、下らない事ばかりが目に付く。
それでも、ビール如きでは全く酔わなくなったし、友人もそれなりに出来た。
そして、あぁやって酒が呑めるのはいつまで経っても奴だけだった。
奴もきっと、そうなのだろうと思う。
丸くて金色で輪郭のぼやけた光を放つ月を見上げながら、網戸の向こう側から聞こえる虫の声を聞きながら、空になった缶ビールを握り潰す。
秋の夜風が、アルコールで火照った身体を冷ましていく。
六畳一間の部屋の中にあるのは、世界の半分だけだった。
了
428 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 20:40:49.23 ID:fCiRqTsT0
ほ
429 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 20:58:44.29 ID:WdaeFawR0
ほ
430 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:04:51.53 ID:wWCJwNPBO
感想でからまれると地雷踏んじゃったなーって気分になるよな
431 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:06:39.84 ID:7ALBpaHK0
>>427 1レス目から推測するに、2レス目以降は回想なんだろう。
でも、1レス目っていらないような気がする。
そもそも主人公何歳だ。幼稚園児くらいでものすごく人生を悟ってるみたいな感じだし。
無駄に長い感じがして斜め読みだけどね。
(´ε`)
433 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:13:19.23 ID:jPDc+h220
規制解けてるし…。いつの間に。お題くれ。
435 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:17:17.72 ID:jPDc+h220
436 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:17:46.37 ID:Q7DAnIOk0
>>431 感想有難う御座います。
無駄に長くならないよう、今後とも精進致します。
437 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:17:47.06 ID:axbm4yTbO
>>412 甘酸っぱい話が苦手だから偽果と種、花言葉を柱に頑張ろうとしたけどうまく纏まりませんでした
申し訳ないけどもう一回お題をください
438 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:19:38.62 ID:WprWjVdj0
ラズベリー
439 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:29:45.82 ID:qOaMuZWsP
胴の長い白ウサギ
440 :
お題:スターバックス、黒い人0/5 ◆XnSHXsXstA :2008/10/24(金) 21:35:05.63 ID:8WYfIQxb0
投下します。通常
441 :
お題:スターバックス、黒い人1/5 ◆XnSHXsXstA :2008/10/24(金) 21:35:46.18 ID:8WYfIQxb0
それに初めて気がついたのは、スターバックスでコーヒーを買ったときだった。
「サイズはどれになさいますか?」
「トールで」
その時目の端に黒い人影が映った。客の少ない時間のはずだったので、
列ができたことに驚いた。私は支払いを終えて、後ろに並んだ人のために体をずらした。
「お席でお待ちください」
レシートを一枚受けとって振り向くと、誰もいなかった。さっきの人影は
気のせいだったのだろうか。
そんなこともあるのだろうとその時はあまり考えずにいた。
駅でsuicaの残金が少なくなっていたので、額面を足しに券売機に行った。
何台も並ぶ券売機にはほとんど人がおらず、私は何も考えずに一番左の機械に
一万円札をこじ入れた。
その時誰かが後ろに立つ気配がした。人間の存在が持つ圧迫感が確実に背後にあった。
なぜこんなにがらがらなのに私の後ろに並ぶのだろう?
気味が悪くなって、出てきたsuicaをひったくり右側に体をそらす。
どんなやつなんだと振り向くと
誰もいなかった。
今日は疲れているのかもしれない。早く家に帰って休もうと思い、ホームで
電車を待った。人がちらほらと黄色い線に従って並んでいる。
黒い人影がすっと私の隣に並んだ。私は特になんとも思わず、
轟音と共に滑り込んできた銀色の電車に乗り込んだ。
誰も私と同じ入り口から乗り込まなかった。隣にいた人物は
次の電車を待っているのだろうか?
扉が閉まり、私は先ほどまで自分が立っていた場所を振り返った。電車が動き出す。
誰もいない。私が立っていた、そしてその隣に誰かが確かに立ったその場所には、
ただれんがの赤い壁があるだけだった。
おかしい。
442 :
お題:スターバックス、黒い人2/4 ◆XnSHXsXstA :2008/10/24(金) 21:36:51.75 ID:8WYfIQxb0
首をかしげながら改札を出ると、日はすでに暮れかけていた。誰そ彼時とは
よく言ったものだ、行き交う人の顔は薄闇に沈んでよくわからない。
一つしかホームのない小さな駅から家まで10分ほどの距離になる。
私の家は住宅地の真ん中の古いアパートなので、ほとんど人の通らない道を
ひたひたと歩いてゆく。どこかの家から魚を焼くにおいがする。金木犀の香りがする。
ふと目を上げると、7メートルほど先の電信柱の横に黒い人影が立っていた。
電信柱の切れかけた街灯は、虫の死骸を閉じ込めて薄黄色く光っている。黒い人影は
こちらの様子を伺うように、じっと立ち尽くしている。男なのか。女なのか。
何をしているのか。街灯の明かりはその黒い人を照らし出すほど強くはない。
私はなるべくそちらを見ないようにして、さりげなく、足早に電信柱の傍を通り抜けた。
角を曲がるときにちらりとその場所を見ると、誰もいなかった。
ぐったりと疲れて、夕食と風呂を手早く済ませると、
そのまま布団に潜り込んでしまった。いつもの寝る時間よりもかなり早かった。
そのせいか、2時過ぎに目を覚ました。真っ暗な闇の中で、目覚まし時計の針の
蛍光塗料だけが薄緑色に光っていた。また眠らなくちゃ。こんな時間に起きても仕方がない。私は横向きだった姿勢を仰向けに整えようとした。
443 :
お題:スターバックス、黒い人3/4 ◆XnSHXsXstA :2008/10/24(金) 21:37:25.94 ID:8WYfIQxb0
誰かがいる
顔を真上に向けようとしたとき、私は急にそれを確信した。私の右手側に、
確かに誰かが立って、私を見つめている。
それは強烈な人間の気配だった。駅の券売機の前で感じた、
まるでのしかかってくるような、熱いほどの存在感だった。私を刺す、
体を焼き切りそうなほどの視線。私の一挙一動が注視されているという確信。
すくみ上がり、一気に早鐘のように打ち出した心臓の音まで聞かれているのではないかと思いながら、私はもう一度姿勢を横向きに、その人影に背を向けるように整え、
硬く目をつぶって眠った振りをしながら考えた。
泥棒だろうか? 一日中俺をつけていたのだろうか? どこから入り込んだんだろう?
私が起きていることを知られたらどうなるのだろうか? あるいはもうわかっていて、面白がっているのか?
考えてもわからなかった。私はただ身を硬くして、時間が過ぎるのを待った。
やがて新聞配達の原付のエンジン音が聞こえ、鳥がさえずりだした。
カーテンの向こうが白んできた。私はまるで寝返りを打つように、
さも眠りの続きのように体を返して薄目を開けた。
444 :
お題:スターバックス、黒い人4/4 ◆XnSHXsXstA :2008/10/24(金) 21:37:49.87 ID:8WYfIQxb0
「サイズはいかがしますか」
「トール」
後ろに誰かが並んだ気配がした。私はちらりと後ろを振り返った。
キャリアウーマンらしい上品なウォームグレイのスーツを着た女性が、背筋を伸ばして
メニューを眺めていた。私が釣銭を受け取って列を抜けると、女性はハスキーな声で
キャラメルマキアートのグランデを注文した。
熱く濃い香りのよいコーヒーをすすりながら街を歩く。ふとスターバックスの
ガラスの壁面を見ると、寝不足の自分の顔が映りこみ、その後ろに色とりどりの服を着た
何人もの人々が、せわしなく、あるいはのんびりと通り過ぎていった。
黒い人影はどうやらもういないらしい。
445 :
お題:スターバックス、黒い人5/4 ◆XnSHXsXstA :2008/10/24(金) 21:38:17.76 ID:8WYfIQxb0
<了>
446 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:39:43.67 ID:caSvIejU0
お題をくらさい
447 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:40:50.07 ID:q42ZRitJO
パイナポゥ
執事
449 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:42:11.11 ID:caSvIejU0
パイナップル手榴弾を構えた執事把握した
450 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:46:04.81 ID:caSvIejU0
>>441-444 ごめん。俺にはどういう話なのかわからない。
わからない故に面白くない。
結局黒い人影はなんだったの?
何の解決も解答も示されて無くて、投げっぱなしすぎる気がする。
あ、3レス目で一人称が俺になってるところがある。注意。
451 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:46:51.80 ID:40MDB63d0
>>445 読んでてチャパ王思い出した。
結局黒い人影は何だったんだろう。
ものすごく気になるんだけど。
改行もものすごく気になりました。
452 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:51:54.06 ID:fCiRqTsT0
今日は通常作多いな
453 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 21:56:44.13 ID:8WYfIQxb0
>>450-451 感想ありがとうございます。
なんか前の前に書いたやつで、すべてに結論を出さないことで、
漠然と「不気味さ」を伝えることができるかもしれない
という意見をもらったので、じゃ、やってみっかなあと俺なりに放り出してみたものです。
黒い人は最後まで黒い人影でいいや、みたいな。
改行は、妙に長い部分はワードで書いててペーストでミスったところです。
あと一人称もミスりました。今度から気をつけます。
チャパ王がわかりません。
454 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 22:02:52.85 ID:wr6/9TPpO
お題
455 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 22:05:11.09 ID:QWBAtQAQO
お題ください
457 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 22:06:32.52 ID:wr6/9TPpO
458 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 22:06:54.98 ID:wqc27G890
459 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 22:08:11.97 ID:QWBAtQAQO
460 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 22:11:22.90 ID:40MDB63d0
>>453 チャパ王
第22回、第23回天下一武道会において、悟空と予選で対戦した戦士。
インドの修行僧のような格好をしており、得意技は手が八本に見えるほどの速さで拳を繰り出す「八手拳」。
461 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 22:12:11.99 ID:caSvIejU0
>>453 漠然とした不気味さを伝えるなら、最後に主人公を日常へ
回帰させちゃ駄目なんでなかろうか。
物理的な不利益は何もない、だから「私」は普通の生活を
送っている。けれど、いつでもどこでも気配を感じ続ける。
振り返るとすぐそこにいる気がする、で終わっているなら、
怖さの原因が取り除かれないので、また違った印象を残せるのでは。
あとチャパ王は悟空に上とか後ろとか取られてやられてた人。
462 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 22:20:11.95 ID:hJ928vNL0
お題くれ
俺もお題もらうか
くだされ
464 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 22:21:05.06 ID:qOaMuZWsP
平和の象徴、フィッフィー・エルガミナ
465 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 22:21:28.42 ID:8WYfIQxb0
>>461 じゃあ、最後の一文を
「黒い人影が横切った気がした。」で終わらせたらよかったのかな。
ありがとうございました。
三個投稿して全部ダメって言われ続けると、さすがにへこむぜ。ふー
466 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 22:21:56.56 ID:j5bWzvOh0
孤高の胴長白ウサギ、独走のヒッピホップ野ネズミ
おじちゃん、おだいちょうだい
468 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 22:37:14.64 ID:0zXEjzCJ0
君に捧ぐ
469 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 22:37:55.12 ID:j5bWzvOh0
470 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 22:37:57.09 ID:hJ928vNL0
把握
フィッフィーってなんぞや
472 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 22:57:30.19 ID:fCiRqTsT0
ほ
>>471ぐぐったらvip由来のキャラらしい
把握すんのメンドイからまったくオリキャラで書いてるがwww
474 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 22:59:43.64 ID:wr6/9TPpO
475 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:01:14.37 ID:qOaMuZWsP
面白いとは思ってないだろ
476 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:02:04.69 ID:j5bWzvOh0
477 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:02:19.70 ID:WprWjVdj0
一時期のフィンガーチップ並みだな
478 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:04:33.04 ID:wr6/9TPpO
フィッフィーとやらは放置したほうが良さそうか
>>476なんだそういうのか・・・勝手に妄想してたのと違って創作意欲デラダウン(´・ω・`)
つーわけで誰かまたお題ください
ヴィトゲンシュタイン
482 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:12:51.54 ID:wr6/9TPpO
484 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:16:42.38 ID:j5bWzvOh0
フィッフィーを批判するやつが一人いるだけ
486 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:21:21.35 ID:wr6/9TPpO
>>484 ならお前フィッフィーが面白い、良いお題だと思ってんの?
>>485ごめんwwww気づかなかったwwww
えーと、哲学者の方でいいんだよね。「哲学者が空き地にインしたぉ」テラ難題wwwww
488 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:27:53.06 ID:WprWjVdj0
フィッフィー死ね
初めてでいきなり品評会に投下って傲慢ですかね?
意味分からない感じのが一本書けたのですが……。
490 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:30:26.73 ID:awrys6gs0
フィッフィーお題出されて書いてる途中っつかもうそろそろ書き終わるんだけど投下しないほうが良さげ系?
でもせっかくここまで書いちゃったしな
491 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:33:20.69 ID:fCiRqTsT0
>>489 テンプレ守ってくれるなら、大歓迎
そろそろ次スレ立ててくる
492 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:34:20.80 ID:WprWjVdj0
もう三日落ち佳代
日付変わるくらいまで持ちそう
493 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:34:55.09 ID:wpODSNMNO
>>491 どうもです。
日が変わったら投下します。
494 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:38:02.65 ID:fCiRqTsT0
495 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:41:07.19 ID:8WYfIQxb0
三日落ちの前にお題をもらえるかどうか?
496 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:41:29.83 ID:wr6/9TPpO
>>490 書いたものは勿体無いから投下した方がいいんじゃない?
これからもまだ馬鹿が連呼するようならほっとけばいい
497 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:42:36.75 ID:wr6/9TPpO
498 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:42:54.85 ID:fCiRqTsT0
499 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:44:25.49 ID:3kcwtAH40
じゃぁ、お題をください
500 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:45:05.05 ID:fCiRqTsT0
501 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:45:22.75 ID:8WYfIQxb0
502 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:45:49.58 ID:3kcwtAH40
決起ってなんぞや
503 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:46:40.27 ID:fCiRqTsT0
けっ‐き【決起/×蹶起】
[名](スル)ある目的のために、決意を固めて行動を起こすこと。「圧政に国民が―する」「―集会」
504 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:47:19.72 ID:wr6/9TPpO
505 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:47:21.38 ID:3kcwtAH40
サンクス
506 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:54:19.77 ID:wr6/9TPpO
最後なら俺作家テビュー決定
テビューとな
508 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/24(金) 23:59:10.95 ID:p6LPGbcR0
あらあら
509 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 00:00:18.33 ID:stu1eDVL0
これをこのスレの最後としよう
週末品評会開始
510 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 00:03:13.92 ID:r820ptRs0
小説なんて書いたことないけど書いてみてもいいでしょうか?
ここはもうじきDATの海に沈む…
次スレへ…
512 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 00:04:54.81 ID:stu1eDVL0
513 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 00:05:18.43 ID:D7/60Ayx0
最後なら作家でびょー
514 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 00:05:28.12 ID:wPpbyb+GO
>>510 そこにペンと紙(またはパソコン)があり、書きたいと思ったら書くべき
515 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 00:07:06.13 ID:i8G5XBqwO
最後ゲットだぜ!
516 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 00:07:18.71 ID:r820ptRs0
>>512 了解しました。
ありがとうございます。
>>514 わかりました、せっかく書きはじめたので最後まで書いて見たいと思います。
517 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 00:09:17.54 ID:Hfcb7jvN0
518 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 00:11:13.76 ID:D7/60Ayx0
519 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 00:11:40.98 ID:yreATCNf0
m9
最後ならおれ芥川賞受賞
521 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 00:14:04.93 ID:i8G5XBqwO
今度こそ、本当の本当に最後ゲットォオオオ!
522 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 00:15:06.78 ID:Hfcb7jvN0
だれが最後だっていいじゃないか
まったく子供なんだから……
最後ゲット!
524 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 00:16:59.62 ID:stu1eDVL0
実はこのまま落ちなかったりして?
525 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 00:17:10.87 ID:i8G5XBqwO
526 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 00:17:47.74 ID:sVQ4tWVz0
俺が最後なら妹が生き返る
つーか落ちなくね?
528 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 00:18:26.44 ID:CpzlkXyAO
おちんちんびろーん
529 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/25(土) 00:18:37.54 ID:stu1eDVL0
よし、落ちるまでに小説書く!
お題くれ!
プロローグ
531 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: