1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 16:19:15.70 ID:Ah6ORO7H0
\ / , -‐-、
丶 / / , _, --- ,ィ゙ ト、 __/|
丶 r_、 〈ヘ./| / _i, イ: :. :._;. イ:./ヽ / ヽ
\丶',丶!_i \/ー:.':. :./」/:. :. ト / \_
、 r_ 、 ヽ {l}、_ !:.|:.代〉'/厶!:.」_ | ーイ 待 ち /
丶 丶 二´ {l} |:l ̄ヽト i-、 ゞソ/l| | っ ょ /
r‐'´_r'jノ /:l: : : :〈ヽ Lノ_イ*|:.! / た | |
/\__, イ/:/: : : : :|刀ヽ__〉|*|:.| / | | |
ト-- ' |: :/ー┬一!i |{} ヽ. ト.!:.| / | | /
| ∨ l::::::〈 i | {} \!}」 7 | | |
/ す た 妄 \_ |::::::::| i | {}公 |」} | ぁ っ 「
| る い 想 /┴-、::\!/: :\ー' / ッ と 〈
/ で が も /: : ; : /l::::::::7: : :/ / /
〉 す い |//: :ヽ:∨V:\:| \ /
/ ! ! に /: : : : ヘ: : : \」 \ 〈
く |: :ヽ : : : \: : : :\_ > /`Y⌒ヽ
\ て: : : : : : : : :\: : : : ヽ / |
| /=x、: : : : : : : : : ヽ: /:ヽ 7 で 〉
l _/: : : : :ヘ: : : : : : : :i: : : : : : :ヘ l す 〕
/|/三´Y´三三丶: : : : : : :ヽ : : : : : i: : : : : : : ヘ ヽ ぅ 「
//三三三三三三三ヽ: : : : : : : \: : : :ヽ: : : : : : :ヘ 」,イ
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 16:21:55.34 ID:c88PGR280
_人人人人人人人人人人人人人人人_
> 頭痛い!!!!!!!!!! <
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
__
/r': : :└、 _r=ミ r 薔 ‐=r=ッ 、_,、
/ r┘: : : : : :乙 rァ^ゞ='ヘ-^ーヘィァミ/ヽヾ. _
r‐z- 、,イ ' { ̄`丶、: : : : 〕 __レ′/ l | } ノ l | ..Y´ ̄} }
に/r'/ / /」' l l ', l\: 」 { { ̄7/ ! | l | l| |、| _」...ム┤ ト、_ノノ
|ヽfこ /! ハ ハ ! iヾ_ノ ヽヽ/..i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i|´ ̄} }
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ // レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||、_ノノ
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ 〈/ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
ノ ! !'" ,___, "' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
ノ ( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 16:30:33.55 ID:D8wZfqw9O
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 16:31:20.02 ID:QvNn5l+kO
いちおつ
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 16:32:00.03 ID:Lm36O7g60
いちおつです
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 17:06:45.32 ID:dTNCrp4cO
いちおつ!
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 17:32:49.85 ID:Ah6ORO7H0
|
|
|
|-−―− 、
|-−―‐- 、\
|-−― -、 ヽ ヽ
|/.: :: :: ::イ::\. l ヘ、
|_,:/.:/!:: :: | |_/
|ミ:イ/ ーl‐:|::l |:l
|ソ イ::ツV:/ l::|
|'' 。 `∠:イ |::l このザマでは落ちるです
|>--r:: '´:: l {::l
|_\/` ー、| l::l
| ,小`ヽ /' l| l::|
|/il|└' / lL」::l
r―i:|.__/ |:: :: :i
T ∨::〈 r、 」:: :: ::i
ト、ノフ ̄l寸]:: :: :: ::',
|¨´ト、__ノ |、:: :: :: ::ヽ
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 17:55:03.77 ID:JDoD17DIO
週末ヤッホゥ
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 18:13:27.96 ID:Ly7LUtf1O
パソコン規制食らって人生オワタ\(^o^)/
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 18:40:59.91 ID:JDoD17DIO
起
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 19:03:47.45 ID:7WRyPezRO
床
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 19:21:26.33 ID:JDoD17DIO
直
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 19:33:09.41 ID:c88PGR280
後
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 19:49:31.15 ID:JDoD17DIO
レ
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 19:52:31.73 ID:Ly7LUtf1O
ン
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 20:01:39.09 ID:JDoD17DIO
ピ
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 20:23:20.03 ID:ilUERJ4P0
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 20:31:58.28 ID:7WRyPezRO
全員同じ顔に見える
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 20:35:04.35 ID:JDoD17DIO
乙GJ
この子達が百合るのですね興奮します
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 21:00:35.84 ID:JDoD17DIO
百
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 21:30:46.31 ID:c88PGR280
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 21:40:19.97 ID:c88PGR280
___
く/',二二ヽ>
|l |ノノイハ))
|l |リ゚ ー゚ノl|
ノl_|(l_介」).|
≦ノ`ヽノヘ≧
. ミく二二二〉ミ
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 22:09:03.01 ID:c88PGR280
ほ
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 22:30:54.39 ID:E/M93XP+0
お
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 22:42:23.97 ID:JDoD17DIO
に
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 23:15:07.43 ID:Yab3RCe2O
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 23:27:03.34 ID:JDoD17DIO
啄
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 23:50:58.26 ID:Yab3RCe2O
保守
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/10(金) 23:59:24.93 ID:zBKb8Xei0
アンチが規制されてもキムの嫌われっぷりは変わりませんね^^
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 00:06:21.21 ID:PSpno+/u0
___ お前みたいなゴミが翠星石の姉のはずないですぅ!
く/',二二ヽ> 翠星石の姉は水銀燈一人だけですぅ!!
|l |ノノイハ))
|l |リ゚∀゚ノl| バリバリバリバリバリ ,∵;,'゚; ̄`ヽ
ノl/l_介」 Lr○ュ"_ l_ ___,.,;:''''""`'';;;...,, - ̄‐― _,';;ノ '\@
ト--l∪r=tl[((三三((三((=(;;'', '',.:;,,,. '" .,. .,,..; "'`,.,, ‐― ,';;,,';.゚'Д゚ノ かしらー!
ヒ[冊冊冊ツヽ ̄ ̄!! ̄; ̄ll ̄||'':;:,.. ,...;:''" - ̄‐― ;;';kOi∞iミつ
ミく二二二〉ミ (,,( ),,)
じ'ノ'
___ #ミ まだ生きてるですか?
く/',二二ヽ># さっさと息の根を止めやがれですぅ!
|l |ノノイハ)) ミ
|l |リ ゚ヮ゚ノl| ヾ ヽ ∵: ガスッ
ノl_|| ]]つつ++#####.゚;・.,'`ヽ:, ゴスッ
≦ノ`ヽノヘ≧ _';;;∵\@v (,,( ),,)
ミく二二二〉ミ 'ヾ(i.゚'Д;;。;∵ か…し… ,;;∵;;,i∞iミつ じ'ノ'
___ トドメですぅ!!!
く/',二二ヽ>
|l |ノノイハ))ミ ,,-----、 グチャッ!!
|l |リ ゚ヮ゚ノl| ヾ. ヽ. |;:::: ::::|
ノl_|| ]]つつ二二二|;:::: ::::|⊃', ',・.,'`
≦ノ`ヽノヘ≧ ヽ.∴;;..|;:::: ::::|;* @';;;∵ (,,( ),,)
.ミく二二二〉ミ `.:,゙;~ヽ.''-----'';。,・';;; ,;;∵;;,i∞iミつ じ'ノ'
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 00:18:09.72 ID:zbfzK4IT0
(ヽ、00 ∩
⊂ニ、ニ⊃ ⊂ ⊃
,, -‐- \ | |/⌒ヽ 〇 〇
( ⊂ニニ / /⌒) )
`ー――'′ し∪ (ノ
(ヽ、00 ∩
⊂ニ、ニ⊃ ⊂ ⊃
,, -‐- \ | |/⌒ヽ 〇 〇
( ⊂ニニ / /⌒) )
`ー――'′ し∪ (ノ
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 00:27:30.30 ID:zbfzK4IT0
自動体外式除細動器hosyu
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 00:46:37.23 ID:Yma6c/SLO
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 01:12:30.11 ID:yW9Vby5pO
寝る保
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 01:16:50.51 ID:4sLr45Yi0
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 01:19:08.72 ID:HVx5yXxtO
寝込みを襲うですぅ!
ねぼけまなこな間に舌を捩込むのですぅ♪
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 01:44:10.90 ID:zbfzK4IT0
腐
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 01:59:24.75 ID:LVFeV4QWO
女
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 02:27:42.90 ID:LVFeV4QWO
真 寝る保守
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 02:49:29.46 ID:4sLr45Yi0
ホ
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 03:31:14.66 ID:4sLr45Yi0
ほ
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 04:05:04.35 ID:4sLr45Yi0
寝る保守
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 05:44:58.04 ID:Yma6c/SLO
保守。
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 06:29:40.63 ID:ZEKdLzwC0
保守お疲れ様だよですぅかしらなのだわぁ
hosiyu
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 08:14:48.37 ID:HVx5yXxtO
朝
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 08:26:43.42 ID:PSpno+/u0
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 09:16:30.09 ID:yW9Vby5pO
ほ
間違えて詰所に投下してました。こちらにも投下します。
詰所にいる人には重複になっちゃいますが・・・すみません。よろしこ!
『背伸び』
「・・・きるです。蒼星石。朝ですよ。」
薄ぼんやりとした頭に聞き慣れた声が響いてくる。少し高めの、透き通った声。
「蒼星石!」
目を開くと、見慣れた姉の顔。満面の笑みで僕の体を揺さぶり続けている。
ふと傍らに置いてある時計を見た。
8時。
「・・・休みの日くらいゆっくり寝かせてよ。」
姉の手を払いのけてもそもそと布団に戻る。平日ならまだしも、休日ならもう少し寝ていたい。
「蒼星石!今日の約束を忘れたですか!」
更に強く揺さぶられる。
約束。
約束?
そうだ。今日は翠星石と二人で少し豪勢に遊ぼうと約束していた日。
映画を見て、いつもより少し美味しいものを食べて、いつもより少し遅めに帰る。まるでデートみたいだけど、翠星石はそれを甚く楽しみにしていて、数日前から上機嫌だった。
昨晩もその上機嫌振りに振り回されて、布団に入る頃には既に2時を回っていた。だからこんなに眠いのか。
「そうだったね。ごめん、翠星石。」
「ひどいです。翠星石はずっと前から楽しみにしていたのに。」
先程の上機嫌振りが嘘のように悲しい顔をしている。
「ごめん。ちょっと寝ぼけてただけだよ。僕も楽しみにしてたよ。」
「本当ですか?」
「本当だよ。だからそんな顔しないで。ね。」
軽く頭を撫でると、先程の悲しい表情とは打って変わって、途端に笑顔が戻った。本当に感情がわかりやすい人だ。
頭の中で今日一日の行程を何となく考えてみる。
まず映画に行って。その後予約していたレストランに行って。ゆっくりと夜の公園を散歩して。
・・・あれ?
「ねえ、翠星石。」
「なんですか?」
「出かけるの、午後からの方がいいんじゃないの?夕飯まで時間が空いちゃうよ。」
「午後からでいいですよ。そのつもりです。」
「・・・じゃあなんでこの時間?」
午後から出かけるのに8時起きは早過ぎる。まだ寝ている時間があると思うと途端に瞼が重くなって来る。
「楽しいお出かけはまず美味しい朝ご飯から!基本です!」
「はあ?」
「折角いつもよりも豪勢に出かけるんですから、朝から気合を入れなきゃダメです。翠星石が朝ご飯を作ってやったですよ。」
「朝ご飯?翠星石が?」
よく見ると普段見慣れないエプロン姿。何となく良い香りも漂っている。
翠星石は僕よりも料理が出来る割に、面倒臭がってなかなか作ることはない。朝起きるのも遅刻ぎりぎりの時間だし、朝食なんてもっての他だ。
その翠星石がわざわざ作ってくれたというのだから、よほど今日の外出を楽しみにしていたのだろう。色々と理由をつけてもう少し寝ていたかったけれど、さすがに朝食まで用意されたとなっては二度寝するわけにもいかない。僕は覚悟を決めて布団から体を出した。
「翠星石が朝ご飯だなんて、何だか嬉しいな。ありがとね。」
「礼は食ってから言えですぅ。きっとほっぺたが落ちるほど美味しいです。」
「何作ってくれたの?」
「ご飯とお味噌汁と、ブリ大根と・・・。」
「ブリ大根!?わざわざ朝から?」
「圧力鍋で作ったから大して手間はかかってねぇですよ。あと、ほうれん草のおひたしです。」
「すごいね・・・。本当に気合入ってるね、翠星石。」
「勿論です。ほら、とっとと来るです。冷めちゃいますよ。」
ブリ大根は本当に美味しくて、結構な量があったというのに全部平らげてしまった。
翠星石が料理をするのなんて本当に月に2、3回くらいだけど、その度に腕を上げている気がする。
きっと良い奥さんになるんだろうな。
何となく翠星石の未来の夫婦生活を想像して、悔しいような、複雑な気持ちになった。
翠星石がこの美味しい料理を他の誰かに食べさせるなんて、何だか面白くない。娘を嫁に出す父親とはこんな感覚なのだろうか。
翠星石は朝食の洗い物を済ませた後、シャワーを浴びに行った。いつもより長めにシャワーを浴びて、出て来たかと思えば支度をすると言って部屋に篭ってしまった。
翠星石が部屋に入ったのが午前10時30分。
一体支度にどれだけ時間をかけるつもりなのだろう・・・。
僕は特別支度に時間がかかるわけでもないし、何だか手持ち無沙汰になってしまった。
ドア越しに翠星石に声をかけてみる。
「ねえ、何時に出るつもりなの?」
「お昼くらいに出るんでいいんじゃないですか?お昼ご飯は外で食べるです。」
「お昼って何時?」
「12時過ぎくらいですかねぇ。」
「・・・それまで何してるの?」
「支度ですよ。」
「やけに時間かかるね。」
「うるさいですぅ。蒼星石も少しはお洒落しろです。」
「お洒落ったって・・・。」
翠星石のように髪が長いわけでもないし、お洒落と言われても何をしたら良いかわからない。とりあえず外出するのはお昼を過ぎるようだし、それまで暇つぶしに本でも読んでいよう。
僕はパジャマから普段着に着替えて、自室で時間を潰した。
12時を5分ほど過ぎた頃、ドアの外から声がかかった。
「そろそろ行くですよ。」
読みかけの本にしおりを挟んで、財布だけポケットにねじ込んで部屋を出る。
「・・・翠星石?」
「はい?」
今日の翠星石はいつもより何だか大人っぽい。
見たことがない白いアンサンブルに、淡い緑色のスカート。ポシェットだって新しい物だし、普段穿き慣れないストッキングまで穿いている。髪もこれまでにない結い方で、まるで別人のようだ。
顔を見ると、うっすらと化粧をしているようで、思わず見とれてしまった。化粧をした翠星石なんて初めて見る。
「何だか今日、すっごく綺麗だね・・・。」
「なっ・・・。た、たまにはいいじゃないですか。」
翠星石が顔を真っ赤にして俯いている。
よほど楽しみにしてくれていたのだろう。そう考えると僕はいつもと変わらない服装で、少し申し訳ない気がする。
「ちょっと待ってて、翠星石。」
「え?」
「すぐだから。」
部屋に戻って、クローゼットを開ける。
確か、以前翠星石にすすめられて買ったはいいけど、ほとんど着ていないジャケットがあったはずだ。
大人が着る様なデザインのジャケットで、僕には少し早いような気がして、数回着ただけでその後はクローゼットの中で眠らせてしまっていた。今日は翠星石が大人っぽい格好をしているし、僕も少し背伸びをするくらいのほうが釣り合いが取れるだろう。
目当てのジャケットを見つけて、羽織ってみる。
鏡に映る自分の姿はそんなにいつもと変わりない気もするが、いつものジャンパーよりは格好がつくだろう。
「お待たせ、翠星石。」
再び部屋を出ると、翠星石が驚いた顔で出迎えてくれた。少し顔を赤らめてジャケットを見つめている。
何だかあまりじっと見られると少し恥ずかしい。
「へ、変かな。」
「そんなことないです!かなり、格好良いです・・・。」
翠星石に素直に褒められると何だかとても恥ずかしい。何と答えたら良いかわからなくて、思わず見詰め合ってしまう。何だかこれじゃ恋人同士みたいだ。
そう思うと異様に照れくさくなって、そそくさと玄関に向かった。
今日は待ちに待ったデートの日。
デートと言ってしまっていいのかわからないけど、私にとってはそのくらい重要な日だ。
以前から蒼星石と少し豪華に遊ぼうと計画していて、私はこの日のために新しい服や鞄まで用意していた。
お化粧の仕方も水銀燈に教えてもらって、何度となく練習してきた。
蒼星石に姉妹以上の感情を持つようになってからどれくらいの期間が経っただろう。
物心ついた時からずっと一緒に生活していたし、普遍的な生活を送っていただけなのに、中学に入って蒼星石が部活で忙しくなり始めた頃から、
もっと触れたい、片時も離れたくないと思うようになった。
それが特別な感情だとはすぐには気付かず、感情の赴くままに蒼星石に触れていたら、
ある日真紅に真剣な顔でこんなことを言われた。
「シスコンも度が過ぎると良くない噂が立つわよ。」
それ以来、妙に周囲の反応が気になってしまった。それでも抑えきれない感情と切なさに苛まれて、これが恋愛感情なのだと気がつく頃には中学を卒業する寸前だった。
高校に入学してからも蒼星石は相変わらず部活に忙しくて、会話の数も少しずつ減っていた。何とか家にいる間だけでも蒼星石の笑顔が見たくて、早めに帰宅しては料理の練習をした。作り過ぎて処理に困った分はお弁当にして、私の気持ちの唯一の理解者である水銀燈に渡す。
そして高評価が得られた料理を蒼星石に出す。たまに料理を振舞った時の蒼星石の笑顔がたまらなく嬉しかった。
そんな生活が数ヶ月続いた頃、水銀燈がふと真剣な顔で尋ねて来た。
「あなた、こんなこといつまで続ける気なの?」
私自身もこんなこそこそした生活を続けるわけにもいかないことはわかっていたが、他にどうしたら良いかわからなかったし、考えることを避けていた節もある。
「蒼星石のことが好きなんでしょ?」
改めて言葉にされると素直に頷けない程恥ずかしかったが、その気持ちが既に水銀燈の問いを肯定していた。
「でも・・・。蒼星石は、双子の妹です。」
「そうねぇ。」
「それに、女の子です。」
「それで?」
「許されるわけないじゃないですか・・・。」
言葉によりも涙の方が先に出てしまいそうで、私は必死に沸きあがる感情を抑えながら返答した。
「世の中には性別に関係なく恋愛する人もいるし、血縁に関係なく恋愛する人もいるわよ。そんな人が身近にいたとして、あなたどう思う?」
「どう思うって・・・。」
「私は別にお互いが好きで幸せなら、それでいいと思うけど。」
「でも、蒼星石は・・・私には・・・。」
こらえていた涙が溢れてきてしまって、私は思わず水銀燈から顔を背けた。水銀燈はそんな私を慰めるでもなく、失礼なことに笑い出した。
「なっ・・・。なんで笑うですか!私は真剣に・・・。」
「だったらその気にさせればいいじゃないの。」
「え?」
一瞬、水銀燈の言っている意味がわからなかったが、彼女の不敵な笑みから何となく意味は理解できた。
「こそこそ想うだけで振り向いてくれるなら誰も苦労しないわよ。全力でぶつかって好きにさせればいいでしょ。それとも、あんたの愛情はそんなことも出来ない程小さい物なわけ?」
その言葉を聞いた瞬間、重苦しかった気持ちが嘘のように晴れ、同時にほんの少しの勇気が生まれた気がした。
その日以来、ファッションから化粧の仕方に至るまで、持てる魅力を最大限に引き出す方法を水銀燈から教わった。
待ちに待ったその披露の日。今日の目標は、蒼星石に少しでも私のことを意識してもらうこと。単なる姉ではなく、一人の女性として認めてもらいたい。
勇気をくれた水銀燈の言葉を思い出しながら、気合を入れてドレッサーの前に座った。
下地・・・ファンデーション・・・チーク・・・アイシャドー。ここまでは練習通り。
(この、アイラインが・・・こ、怖いんですよねぇ・・・。)
やり過ぎて濃くなると悪魔のような顔になってしまうので、出来る限り細めに塗る。瞳のぎりぎりに筆を通すこの作業は何回やっても慣れない。ここで失敗してしまうとやり直しなので慎重に塗る。
こんなに手をプルプルさせながら、私は一体何をやっているのだろう。化粧の最中に我に返ると滑稽に思えて仕方がない。
「ねえ、何時に出るつもりなの?」
突然ドアの外から蒼星石の声がして、思わず瞼を真っ黒に染めるところだった。
「お昼くらいに出るんでいいんじゃないですか?お昼ご飯は外で食べるです。」
「お昼って何時?」
「12時過ぎくらいですかねぇ。」
「・・・それまで何してるの?」
ええ、化粧も恋もしたことがない蒼星石にはわからないでしょうね。
「支度ですよ。」
出来れば驚かせてやりたいのでそれだけ告げる。ドアの外から小さな溜息が聞こえる。あの様子だと蒼星石は全く意識していない。着飾ろうとか、髪型を変えてみようとか、そういうつもりは毛頭ないらしい。
(わかってはいましたけどねー・・・)
朝は約束のことを忘れていた様子だし、何だか悲しくなる。散らばった化粧品を見るとその思いは空しさへと変わってくる。
(その意識、今日こそ変えてやるです。)
しぼんでしまいそうな勇気を奮い立たせて、私は口紅を手に取った。
支度を済ませてから、蒼星石の部屋のドアの前に立つ。
どういう反応が返ってくるだろう。淡い期待を持って、声をかける。
「そろそろ行くですよ。」
出てきたのは全くと言っていいほど普段着の蒼星石。罵ってやろうかとも思ったけれど、何だかやけに私の姿をまじまじと見つめている。
「何だか今日、すっごく綺麗だね・・・。」
「なっ・・・。」
予想外の好反応に思わず声が上ずってしまった。
「た、たまにはいいじゃないですか。」
ああ。私の顔は今きっと真っ赤なのだろう。ファンデーションを塗っておいて良かった。
期待していた以上の反応に私までいつも以上にときめいてしまって、それ以上の言葉が出ない。静寂に、更に私の心は高ぶってしまう。
「ちょっと待ってて、翠星石。」
「え?」
「すぐだから。」
ほんの少し漂ったかに思えた甘い空気をばっさりと切り捨てて、蒼星石は部屋に戻ってしまった。
(ちょっとは空気を読めです・・・。)
日頃は必要以上に空気を読む割に、肝心なところで読めていないところが蒼星石らしいと言えば蒼星石らしいけれど。
「お待たせ、翠星石。」
しばらくして出てきた蒼星石を見て、今度は私が釘付けになってしまった。以前私が蒼星石にきっと似合うと思って半ば押し付ける形で買ったジャケット。
私が選んだ物を着てくれたこと事態も嬉しかったが、何よりその格好良さに見惚れてしまった。購入したあの頃よりも蒼星石は少し大人になった気がする。
「へ、変かな?」
「そんなことないです!かなり、格好良いです・・・。」
思わず口に出してしまっていた。
映画は、以前から翠星石が見たいと騒いでいた恋愛物、「単車男」。
バイクで引ったくりをすることで被害女性と知り合い、裁判所で互いの境遇を知ることで親交を深め、最終的には恋人となった青年の話を基にしているらしい。
二人の仲睦まじい姿に感激した裁判官が前科多数の青年に問答無用で執行猶予をつけたという奇跡の法廷恋愛ドラマだ。
僕自身は恋愛の経験なんてないし、ましてや他人の恋愛となると益々共感できなくなってしまって、恋愛物を好んで観ることはない。
興味がないわけではないのだけれど、テレビを見る時にはいつも翠星石が一緒だし、視聴後に必ずといっていいほど感想を聞かれてしまい、返答に困るので敢えて避けてしまっている。
とはいえ今回は翠星石がずっと楽しみにしていた機会だし、好きな物を見せてあげたい。
観始めれば楽しく感じられるかもしれないし、たまにはこういうのもいいだろうと思い、僕は快く翠星石の希望に応じた。
スクリーンの中では一見淡々と裁判の光景が繰り広げられていた。互いの愛は明らかなはずなのに、証言台という公式の場で想いを語れない男性の辛さが伝わってくる。
(そういえば・・・翠星石は好きな人っているのかな。)
長年一緒にいるはずなのにそんな話は一度も聞いたことがない。
僕と違って恋愛物のドラマを目をキラキラさせて見ているし、興味がないことはないのだろうけど、実際に好きな人がいるのか、恋人がいるのか、翠星石自身の話題には触れたこともない。
僕と同じく、全く経験が無いのか、スクリーンの中の男女のように語れぬ足かせがあるのか。恐らく前者なのだろうけど、少し気になってもいる。
最近妙に女性らしく魅力的になってきたし、浮いた話が出て来てもおかしくはない気がしていた。
スクリーンの中では、退廷直前の青年が傍聴席の被害女性に愛を叫んでいる。ちらりと翠星石を見ると、まるで自分が愛を叫ばれているかのごとく真剣に台詞を聞いている。
(いつまでも翠星石が独り身ってわけじゃないんだよね。)
そう思うと、何とも言い得ない重苦しい気分に包み込まれて、僕の神経は次第にスクリーンから離れていった。
優しい声で起こしてくれる翠星石。美味しいご飯を作ってくれる翠星石。ご飯を頬張りながら幸せそうに話しかけてくる翠星石。隣で映画に感動して泣き出しそうな顔をしている翠星石。
こんな翠星石の姿を見られなくなる。他人に取られてしまう。
そんな状況を想像すると、悲しくて寂しくて、単なる想像でしかないのに、突然孤独になってしまった気がして、僕はこらえられなくなって翠星石の手を握り締めた。
スクリーンに食いついていた翠星石が驚いて僕の顔を見る。僕はその顔を見返すことができないまま俯いていた。
「どうかしたですか、蒼星石。」
小声で翠星石が語りかけてくる。何も答えられないでいると、もう片方の手で柔らかく僕の手を包み込んでくれた。
暖かい。柔らかい。この手を他の人に取られてしまうなんて嫌だ。
「寂しいよ。」
胸の奥で重苦しく渦巻いている感情を思わず声に出してしまっていた。
スクリーンの中で、素直になれない男女が少しずつ愛を深めている。互いの気持ちを語れぬまま、時間ばかりが刻々と過ぎていく。
愛してはいけない人を愛してしまった女性の様々な葛藤がスクリーンを通して伝わってくる。葛藤を抱えた女性が愛を語れぬ場で男性の背中をじっと見詰めている。
きっとたった一言、言葉にしてしまえばすっきりするはずなのに。この気持ちに少しでも周囲の人が気付いてくれたら、ほんの少し幸せになれるはずなのに。
満たされない女性の気持ちが私の胸にひしひしと伝わってくる。証言台の上からでもいいから、男性がたった一言愛していると言ってくれれば、それだけで女性は満たされるだろう。
淡々と質問に忠実に答える男性に苛立ちまで覚えてくる。ついにその日の裁判は終わってしまい、男性は再び手錠をかけられ、縄で腰を縛られ、退廷を促されている。
思わず女性が傍聴席から立ち上がり何かを言いかけた瞬間、男性が彼女を見て愛を告げた。裁判官も、検察官も、弁護士も、傍聴人も、誰もが目を見張る中、女性だけがその気持ちを真っ直ぐに受け止めて見つめていた。
私はその光景に吸い寄せられていた。
その瞬間、私の手が少し冷えた蒼星石の手によって強く握り締められた。まるでスクリーンの女性と自分の姿が重なったかのような錯覚を覚えて、驚いて蒼星石を見る。
蒼星石の表情は暗かった。これまでに見たことがないような寂しそうな瞳で、じっと足元を見つめている。
「どうかしたですか、蒼星石。」
声をかけても無言のまま足元を見続けている。何か気に障るシーンでもあったのだろうか。何か昔の嫌な思い出でも思い出したのだろうか。
私は映画に求めていたときめきを忘れて、蒼星石の手を握り締めた。
「寂しいよ。」
蒼星石の口から、初めて聞いた言葉だった。
結局その後の映画の内容は全く頭に入って来なくて、僕は翠星石に手を握り締められたまま、ただ湧き上がる重苦しい気持ちを振り払えずにいた。翠星石は映画が終わるまで手を握り締めていてくれて、客席に明かりがついたと同時に優しく外へと促してくれた。
足は当初の予定通り自然とレストランの方角へと向かうが、上手く言葉を発することが出来ない。突然「寂しい」と口にしてしまったことへの言い訳をぐるぐると考えるのだがうまくまとまらずにいる。僕自身、この気持ちが何であるか、その本質を理解出来ていないのも事実だ。
翠星石は歩いている間もずっと手を握ってくれている。
「蒼星石。」
歩き出してしばらくして、翠星石が口を開いた。
まだ言い訳がきちんとまとまっていない。どうしよう。何と答えようか。
「翠星石は、蒼星石のそばから離れませんよ。」
「え?」
翠星石は僕の方を見ずに、しっかりとした瞳で前を向いている。
「蒼星石が望む限り、ずっとそばにいてやるです。」
今一番欲しかった言葉が優しい声で耳に響く。
僕自身も説明がつかない気持ちを、翠星石はわかってくれている。そして最も欲しかった言葉をくれる。
こうして考えてみるとこれまでもずっとそうだった。僕が不安な時は必ずそばにいてくれたし、笑顔が欲しい時には笑ってくれた。僕の望むことは、例え僕が口にしなくてもまるで先手を取るかのようにしてくれた。
「翠星石は僕の気持ちがわかるんだね。」
「何年一緒にいると思ってるですか。」
「僕は、僕の気持ちがよくわからないんだ。」
渦巻いていた疑問の答えを求めるように、僕の口は勝手に動き出していた。
「翠星石もいつかは結婚して家を出る。僕のそばからいなくなってしまう。そう思うと何だかとても寂しい気がして・・・。当たり前のことなのに。」
僕は何を子供じみたことを言っているのだろう。姉の旅立ちを家族として快く祝えないなんて。しかも現実にそれが迫ってきているわけでもないのに。
「ねえ、翠星石。大人になるって何だか少し寂しいんだね。」
少し大人びた雰囲気の翠星石に置いていかれたような感覚まで覚えていた。翠星石はじっと僕の顔を見つめていたが、しばらくすると僕の複雑な心境とは全く逆の、妙にすっきりとした笑顔を向けた。
「何笑ってるの。」
「蒼星石。私達は双子ですよ。大人になる時は同時になるんです。」
「そんな無茶苦茶な・・・。」
翠星石の言うことは時々少し理論に欠ける。そんな勢いに癒されることもあるのだけど。
「結婚はしません。するとしたら・・・。」
しばらくして、俯いて言った。
「同時にする以外有り得ません。」
「そんなに上手い具合に行くわけないじゃない。」
「行きます。」
翠星石の目はいつの間にかしっかりと僕を捕らえていた。
「私が、そうさせるんです。」
私は何を言っているのだろう。
蒼星石の寂しい気持ちが私に起因していることはよくわかった。それが姉妹としての愛情、甘えたいという愛情を超えている確証なんてないはずなのに、妙な自信に満ちてしまって、思わず勢いでとんでもないことを口走ってしまっている。
結婚なんかする気もないし、可能であるならば蒼星石とすることしか考えていないから思わず口にしてしまったけれど、蒼星石からすればやけに滅茶苦茶に人生のタイミングを合わせようとする我儘な姉の戯言にしか聞こえないだろう。
蒼星石が私を独り占めしたいと思ってくれていることはすごく嬉しくて、思わず水銀燈に
「あらぁ、蒼星石。それ、恋じゃない?」
と蒼星石に刷り込んで欲しいと思うほど心は躍っていた。
結局私も蒼星石も言いたいことが言えたのか言えなかったのかよくわからない複雑な状況だったけれど、とりあえず蒼星石の表情は少し明るさを取り戻してきたし、ここはやはり美味しく夕食を食べるのが一番だと思う。
レストランに着く頃には予約した時刻になっていて、お腹も良い具合に空いて来た。
コースは蒼星石が選んでくれたもので、季節の食材を使ったふんだんに使ったフレンチのコースだ。
前菜のパテから始まって、とにかく全てが美味しくて、自分の魅力を見せ付けるデートのつもりのはずだったのに、あまり綺麗とは言えないマナーで次々と平らげてしまった。
「美味しいですぅ!」
「良かった、喜んでもらえて。」
蒼星石はまだ完全に元気とは言えない様子だけれど、美味しそうに食事を楽しんでいる。
残るはデザートのみ。
「デザート、楽しみですねー。」
「うん。」
「何が出るですかねー。」
「うん・・・。」
「蒼星石?」
デザートの直前になって、急に蒼星石がぼんやりしてしまっている。また先程の不安がぶり返してきたのだろうか。手を伸ばして握ってやると、少し安心したような、困った顔でこちらを見ている。
「ごめんね。また寂しいって思ってるわけじゃないんだよ。」
「どうしたですか?」
「何だろうなあ。何かこう、食事に違和感が・・・。」
「もしかして、美味しくですか・・・?」
「いや、そういうわけじゃないよ。すごく美味しいよ。」
ウエイターがデザートを運んでくる。とても綺麗に盛り付けられたクレープ・シュゼットだった。思わず顔がにやけてしまう。
「ああ、わかった!」
蒼星石がクレープ・シュゼットを見ながら叫んだ。
ウエイターがいなくなった頃を見計らって、私の耳に顔を近づけてこう言った。
「僕、翠星石のご飯の方が好きみたい。」
翠星石を独占したい気持ち。上手に言い訳できなかった気持ち。滅多に食べられないフレンチのコースを食べているにも関わらず何か物足りなかった気持ち。最後に出て来た白い膜のようなデザートを見て、翠星石のスコーンが食べたいと思ってしまった気持ち。
ここまで揃って、やっと自分自身の気持ちに答えが出た。僕はきっと翠星石が好きなのだろう。姉妹としてではなく、恋愛感情で。
日常生活の中では全く気付かなかったけど、翠星石が少し大人びた雰囲気の今日一日で、
どれだけ自分が翠星石に依存しているか、どれだけそれが当たり前だと思ってしまっていたか、色々なことに気付かされた。
双子の姉妹なのにとか、女同士のはずなのにとか、色々と考えなければならないことが沢山あるのだけど、好きなのだと気付いてしまった先程から何だか落ち着かなくて仕方がない。
レストランを出て、夜の公園を散歩して・・・という間中、翠星石の側の半身が異様に熱い気がして、自分を落ち着かせるのに必死だった。
「蒼星石。さっきからどうしたですか。」
「蒼星石。どうして黙ってるですか。」
「蒼星石。どうしてこっち向かないですか。」
と、色々と声はかけられているのだけど、その声にまで妙にドキドキしてしまって、やっぱり答えられない。
翠星石は溜息をついて、電灯の明かりも届かないようなベンチに腰掛け、隣をポンポンと叩いた。
「はい、座るです。」
僕は言われるがままに隣に腰を掛けた。少し距離を置いて。
「だーかーらー。さっきから何なんですか。」
「いや、その・・・ごめん。」
「ごめんじゃわからんです!」
翠星石は遠慮なしに距離を縮めてくる。これまで何度となく触れたことのある体なのに、今は少し触れられるだけで意識してしまう。少し肩をすぼめてやり過ごそうとすると、今度は手を握られた。
「ちょっと、翠星石・・・。今日はどうしたの?」
「どうしたって何ですか。こっちが聞きたいですよ。何でさっきから避けるですか?」
「避けてるわけじゃないけど。」
「じゃあ何ですか。」
「何で手握るの?」
「握りたいから握ってるんです。蒼星石は嫌なんですか?」
「嫌じゃないけど。」
「レストラン出てから変ですよ、蒼星石。」
「わかってるよ。わかってるけど。」
何だか見透かされている気がする。
本来であればこの気持ちに気付かれてしまったらこれまでのような姉妹としての関係にヒビが入るとか、そんな不安にかられるのだろうけど、何だか今の翠星石を見ているとそんな不安が持てない。
いつもより少し絡むように張り付いてくる翠星石を見る限り、まるでその気持ちを口にしてしまえと言われているような気分にさえなる。
考えなければならないことは山積みで、ドキドキしている暇なんてないのに、体はもう言うことを聞いてくれなくて、妙な熱を帯びたまま俯くしか出来なかった。
僕は熱を冷ますように大きく息を吐いた。
なんでそこで溜息をつくのか。
蒼星石が私を独り占めしたいと思っていることはわかった。レストランのデザートが出たあたりからその感情が単なる姉妹としての愛情だけではないことには私でも気付いていた。
(蒼星石がこんなに焦ってるのって見たことないです・・・。)
まさかとは思うが、妹の気持ちも自分の恋焦がれる気持ちと同類のものなのか。これまでそんな空気を感じたことは微塵もなかったのに。
私が毎日どれだけ蒼星石を想い、どれだけ愛しいと感じて来たか。受け止めてもらえるのならばその気持ちを滝のように溢れる言葉で伝えたいし、全身で表現したい。
それなのに蒼星石はまるで滝に打たれるお坊さんのように固まってしまっている。まだその気持ちが確信ではないのなら、後押ししたい。私は蒼星石が好きだと伝えたい。
そんな焦る気持ちをぐっとこらえて蒼星石に言葉をかけても、しどろもどろできちんと言葉にしてくれない。先程に至っては大きな溜息までついた。
(もどかしいです・・・。)
「蒼星石。言いたいことがあるならちゃんと言うですよ。」
ただ何か別のことで焦っている可能性だって捨て切れないのに、私は蒼星石の口から答えが出るのが待ち切れなくて思わず急かしてしまう。
「いや、今は・・・。ちょっと。」
「何で今は言えないですか。」
「まだ僕の中でもやもやしてて。」
「もやもやしたままでいいですから言うです。」
「それはちょっと・・・。もう少し自分の中ではっきりさせてから・・・。」
「思いつくまま言えば翠星石が解析してあげます。」
「うーん・・・。」
蒼星石から求めている言葉が出て来ないのがまどろっこしくて仕方がない。それでももしかしたら気持ちが繋がっているのかもと思うと嬉しくて体はぴったりと蒼星石から離れない。
蒼星石。
大好き。
大好き。
大好き。
私が口にしなければダメなのだろうか。私が一言言えば、蒼星石のもやもやは晴れるのだろうか。
言ってみようか。今なら言える気がする。その後のことなんて知らない。今はとにかく気持ちを伝えたい。
蒼星石の肩に顔をつける。お化粧が蒼星石の服についてしまいそうだけど、そんなのもうどうでもいい。さすがに顔を見ては言えないからこのまま言わせて欲しい。
「蒼星石・・・。」
口を開きかけたその瞬間。
「好きだよ。」
一瞬心臓が止まったような感覚がして、周りの音も、空気も、何も感じられなくなる。数秒して少しずつ感覚が戻って来て、蒼星石の言葉の意味を理解した。
私がずっと蒼星石に対して想っていた気持ち。たった今告げようとした言葉。
そして、何よりも蒼星石から欲しかった言葉。
溜めてきた想いが溢れ出して、私は涙をこらえることが出来なかった。
肩に顔をつけたまま、腕にしがみつく。いつもは着ないような少し硬い素材のジャケットの感触。少しいつもと違う私だけど、蒼星石も少し違う。
溢れる涙を蒼星石の指が掬った。そのまま優しく頬に手を添える。
「お化粧、取れちゃうよ。」
大好きな優しい声。大好きな優しい手。
「翠星石。」
頬に添えた手が、私の顔を肩から少しだけ離した。
見上げると、大好きな蒼星石の笑顔がそこにあった。
ゆっくりと顔が近付いてきて、唇が軽く触れ合う。
どうしたら良いかわからなかったけれど、少し啄ばむ様にして押し付けたら、蒼星石も同じように返してくれた。
離した時に見えた蒼星石の顔は、少し赤くて、少し大人びていた。
終わりです。長文でご迷惑をおかけします。
ありがとうございました!ノシ
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 09:56:18.87 ID:gK4E4dduO
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 10:08:38.96 ID:ZI25YUQh0
朝からいいもの読ませてもらいました。
パー速の転載か
乙!
まぁパー速に投下してもまとめて貰えると思うぜ
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 11:10:22.62 ID:zbfzK4IT0
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 11:48:02.27 ID:4sLr45Yi0
ほ
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 12:26:56.99 ID:HVx5yXxtO
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 12:33:12.89 ID:NeEYIjpaO
そういえば二人の結婚式画像見たことあるな
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 13:07:54.47 ID:HVx5yXxtO
ほ
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 13:27:35.07 ID:bYMflF4mO
|
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 13:45:34.92 ID:HVx5yXxtO
り
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 14:14:40.07 ID:4sLr45Yi0
ほ
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 14:15:10.95 ID:HVx5yXxtO
え
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 14:56:55.35 ID:HVx5yXxtO
ほ
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 15:16:12.62 ID:yW9Vby5pO
保守
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 15:17:28.11 ID:NeEYIjpaO
ほ
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 15:56:31.51 ID:LVFeV4QWO
ほ
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 16:25:55.71 ID:4sLr45Yi0
ほ
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 16:50:25.30 ID:LVFeV4QWO
ほ
過疎?
>>70 長文なのに最後まで読めたよ!!!GJ!!!
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 17:33:16.55 ID:Yma6c/SLO
ほしゅ
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 18:02:40.06 ID:yW9Vby5pO
ほ
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 18:02:40.49 ID:HVx5yXxtO
水
力 いちもつ また投下沢山でうれしいなあ
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 18:30:05.11 ID:yW9Vby5pO
ひ
ある休日の朝、めぐは鼻歌を歌いながら着替えをしていた。
その顔は見るからに上機嫌で、嬉々とした様子で服を選んでいく。
「嬉しそうねぇ、めぐ」
水銀燈がその様子を見て声を掛けた。
それでめぐはその方を向き、嬉しさを隠すことの無い笑顔で口を開く。
「ええ。だって今日はのりとデートだもの」
上機嫌の理由はこれだった。
面倒だったテストも終わり、お預けだったのりとのデートも解禁されて久々のデートだ。
今日行く予定の水族館のことも、色々と昨日下調べしてあるし準備は万端。
後は着替え終えて待ち合わせの場所に行くだけだ。
それから程無くして着替え終わり、鏡台の前で身だしなみのチェックをしていると、不意にベッド上の携帯が鳴った。
この着信音はのりからのものだ。それに気付きめぐがその方を向くと、水銀燈がそれを取って渡してきた。
「はい、愛しののりからよぉ」
「ん、ありがと」
軽く礼を言ってから電話に出た。
「もしもし、のり?」
『けほっ、めぐちゃん…?』
まず返ってきたのは咳混じりののりの声で、めぐは何か異変を感じ取った。
「どうしたの?」
『その…言いにくいんだけどちょっと風邪ひいちゃったみたいで…』
「えっ、本当? 大丈夫なの?」
『大丈夫…って言いたいけど…寒気がするし、咳も止まらなくて…今日の水族館はちょっと無理みたい…』
電話越しでも声だけで大分参っているのが分かり、めぐの表情が心配そうなそれに変わる。
「…分かった。私の事は気にしなくていいから、ゆっくり休んでね」
『ほんとにごめんねぇ…久々のデートだったのに…」
「良いから。また良くなったら、一緒に行きましょう。…それじゃあ、おやすみ」
『うん…おやすみ…』
めぐは電話を切ると、鏡台からベッドに移ってそのままつまらなそうにベッド上へ倒れた。
それから溜息を吐いて寝返りをうつ。その様子の変わりように水銀燈も少し首を傾げた。
「何があったのぉ?」
「のりが風邪引いたから今日のデートは中止よ」
「そぉ。残念ねぇ」
「…なんで半笑いなのよ」
悪戯っぽく笑う水銀燈をジト目で睨む。しかしこれで今日の予定が無くなってしまった。
久々のデートで気合が入っていた分、こんな事になって一気に何もする気が無くなってしまった。
やることが無く適当に雑誌を読んだりCDを聴いたりしていたが、のりの事が気になってろくに手が付かない。
大丈夫だろうか、心細くないだろうか、そんな事ばかりが頭に浮かぶ。
「…のり…」
溜息混じりに名前を呟いてみたが、それは虚しく響いただけで終わった。
水銀燈はもう私用でどっかへ飛んでいって、部屋にはめぐ一人だ。
窓から見える雲一つ無い快晴の空が余計に恨めしく見えた。
絶好のデート日和、そんな空が気に入らない。
「…そうだ」
一人くすぶっていためぐはある事を思いつき、笑顔でベッドから立ち上がった。
―※―※―※―※―
「お見舞い行って驚かせちゃおう。弟のジュン君はあまり役に立ちそうに無いしね」
さり気無く酷い独り言を呟きながら、ハンドバッグと差し入れの袋を持ってのりの家へ向かう。
さっきまでクサクサしていたのが嘘のような笑顔だ。
驚くだろうか、そして喜んでくれるだろうか、そんな事ばかり考えているうちにのりの家のすぐ近くまで来ていた。
程無くしてのりの家に着き、玄関の呼び鈴を鳴らす。
それから少ししてから中から足音が聞こえてきて玄関が開き、中からジュンが出てきた。
「こんにちは、ジュン君」
「あれ、柿崎さんこんにちは」
「お見舞いに来たんだけど、どう? のりの様子は」
「今は翠星石たちが看てて、自分の部屋で大人しくしてるよ。上がってって」
ジュンに促されて家に上がり、そのままのりの部屋まで案内される。
のりの部屋に入ると、確かに翠星石達がのりのベッドの前にいた。
「あれ、水銀燈のミーディアムじゃないですか」
翠星石達がめぐに気付き、のりもめぐに気が付いて体を起こし、辛そうな表情から少し驚いたそれに変わった。
「…めぐちゃん…来てくれたの…」
「うん。心配になったから」
「…ありがとう、それとゴメンね…今日デートの約束だったのに…」
申し訳無さそうに頭を下げると、咳が出て翠星石がのりをベッドに寝かしつけた。
めぐも翠星石達の隣に来て、のりの顔を覗きこんだ。
赤くなった頬、潤んだ瞳、少し乱れた呼吸…どう見ても確かに完全な風邪だ。
額に貼られた冷却シートが一層哀愁感を漂わせている。
「もうそれは良いから。ゆっくりしてて」
「うん…」
優しい笑顔を浮かべて布団を掛け直してあげると、それでようやくのりの顔にも笑顔が浮かんだ。
「あ、そーだったですぅ、今日は蒼星石と出かける用事があったんですぅ」
いきなり大声でそんな独り言を言われ、何事かと思って翠星石の方を見る。
それから真紅と雛苺もワザとらしく手をポンと叩いた。
「そうそう。私も今日は午後からくんくん探偵スペシャルを見るつもりだったわ」
「ヒナもネコさんと遊ぶ約束してるのー」
口々に自分の予定を言い出した翠星石達に、ジュンはエッとでも言いたげに見回す。
めぐとのりもその様子を少し唖然とした様子で眺めていた。
「おいお前ら、朝言ってただろ、のりの看病するって…」
そこまで言ったジュンの足を翠星石が思いっきり蹴りつけ、激痛で何も言えなくなりそこを押さえて蹲った。
「ちったあ空気読めですこのチビ人間!! …それじゃ、後は若い者同士お任せするですぅ〜♪」
ジュンを怒鳴りつけると、今度は笑顔で少し唖然としているめぐとのりの方を向いて笑顔を作って見せた。
それから翠星石達三人は顔を見合わせると少し早足で扉へと向かう。
「…何するんだこの呪い人形どもー!!」
それに気付いたジュンが立ち上がり、その後を追いかけて行った。
開け放たれたままのドアの向こうからははしゃいでる声が聞こえてきて、のりとめぐは顔を見合わせると苦笑いを浮かべる。
「そう言えば体の調子はどう? ご飯とか食べれたの?」
「おかゆを三口ぐらい食べて…薬飲んで終わり…」
「それだけ? じゃあお腹空いてない?」
「…ちょっと空いてるかな…」
「分かった。リンゴ持ってきたけど食べれる?」
持ってきた袋からリンゴを取り出して見せると、のりはかすかに頷いた。
それを確認し、「お皿と果物ナイフ借りるね」と言って部屋を出て行った。
程無くしてキッチンから小皿と果物ナイフを持って戻って来て、のりの勉強机のイスをベッド近くまで引いてそれに座った。
「皮剥いて上げるから、ちょっと待っててね」
皿を太股の上に置き、リンゴの皮を剥き始める。…が。
「あれ…意外と難しい…」
皮が全部繋がって剥けていく様を想像していたが、皮は何度も途切れ皿の上に落ちて、身も少しくっ付いている。
何度も刃の向きを変えたり力加減を変えたりしてみたが、どうも上手く剥けない。
のりが容易くやっているものだから簡単かと思っていたが、意外と難しい。
しばらくしてようやくコツを掴んだ頃、めぐが懐かしそうな顔をして口を開いた。
「ねえ覚えてる? あなたが初めて私のお見舞いに来てくれた時も、こうやってリンゴ剥いてくれたよね」
「うん、そうだったね」
「あの時、どうして叩き出そうとしなかったんだろうって、時々不思議に思うわ。他の人だったら間違い無くそうしてたはずなのに」
その時の事を思い出し、フッと少し笑う。
「案外私も、のりに一目惚れしてたのかもね」
「ふふ…それは私もかも知れないわね」
目を見合わせて二人とも笑い合い、ようやくめぐがリンゴを剥き終わった。
あちこち歪んで、少し不恰好であるが。
「はは、のりみたいに上手く出来なかったね…」
「ううん、ありがとう」
照れ臭そうに苦笑いを浮かべて、皿の上でリンゴを切り分ける。
そこでのりがお皿を受け取る為に体を起こしたが、それを制してベッドに戻す。
「めぐちゃん?」
少し不思議そうに見るのりの顔を見ると、めぐは切り分けたリンゴを一つ摘まむ。
「あーん」
悪戯っぽい笑顔で摘まんだリンゴをのりの口元に持っていくと、のりは恥ずかしそうな表情を浮かべた。
「え、そんな、いいわよ事しなくても…」
「いいから、病人は寝てなくちゃダメよ。ほら、あーん」
台詞だけ聞けば良い台詞なのだが、その顔は明らかに楽しんでいる。
のりは最初恥ずかしそうにしていたものの、観念すると寝たまま口を開いた。
「それで良いのよ。はい、あーん」
摘まんだリンゴを口元に近づけるとのりはそれを一口かじった。
それを咀嚼して飲み込むと、のりは笑顔でめぐの顔を見た。
「…美味しい」
「良かった。はい、もう一口あーん」
満足そうな笑顔を浮かべ、リンゴをまた口元に持っていって食べさせた。
もう一口同じように食べるのりを見ていると何だかおかしくなってきて、めぐは少し笑う。
「どうしたの?」
「いや、何だか餌付けしてるみたいって思って」
「餌付けって…私はペットじゃないわよ」
「いいじゃない、小動物みたいで可愛いわよ」
「もう…私のが年上なのに…」
少し拗ねて見せるものの、のりはもう一口素直にリンゴをかじる。
その様子がおかしくて可愛くて、めぐはニコニコと上機嫌だ。
それから程無くしてリンゴを食べ終わり、のりは満足そうな笑顔でめぐの顔を見た。
「ごちそうさま。ありがとう、大分楽になった気がする」
「良かった、喜んでくれて」
めぐも頷き返し、ハンカチで顔の汗を拭ぐってあげるとのりは嬉しそうに目を細めた。
「…ね、もうちょっとこっち来て」
「え?」
のりに言われてイスごとベッドに近づくと、のりが体を起こして抱きついてきた。
いきなりの事で少し戸惑ったが、めぐものりの背と後頭部に手を回してこちらからも抱きしめ返す。
「めぐちゃんあったかい…良い匂いがする…」
「良い匂いって、ちょっと恥ずかしいわよ」
「それに…めぐちゃんの心臓の音が聞こえる。すごく元気に…力強く動いてる…」
めぐの胸に顔ごと耳を押し付け、愛しそうに目を細めるのり。
その台詞を聞いて、めぐも嬉しそうに抱きしめる力を少し強めた。
少し前までは欠陥だったこの体も、今では完全に異常が無い。
それもこれも、のりに会えたから…そう思うと、感謝の念でいっぱいだ。
「…のり、歌、歌ってあげようか」
「歌?」
「うん。私が昔発作を起こしたときに、よくお婆ちゃんが歌ってくれた歌。それを聴くと、不思議と安心したものよ」
「…それじゃあ、お願いしようかな」
「分かった」
めぐは頷き、のりを抱きしめたまま優しく囁くように歌い始めた。
その姿はまるで母親が子供に子守唄を歌ってあげているようだ。
――からたちのとげはいたいよ 青い青い針のとげだよ――
「…良い歌ね。私も何だか安心してきちゃった…」
めぐの歌声しか聞こえない、静かな部屋。
それが一層静かさを強調させて、のりの心を落ち着かせていく。
――からたちの花が咲いたよ 白い白い花が咲いたよ――
やがて歌い終わりのりを見てみると、めぐに抱き付いたまま寝息を立てていた。
安らかなその寝顔を見て、めぐは体勢を直してよりしっかりと抱きしめて顔を覗き込む。
「寝ちゃった…可愛い顔しちゃって、これじゃ本当にどっちが年上か分からないわね」
乱れて垂れている前髪を払ってあげると、くすぐったそうに、それでいて嬉しそうな表情を浮かべた。
それから顔を近付けてキスをし、抱きしめたままさっきの歌をもう一度静かに歌い始めた。
水族館はいけなかったけど、こんな日も良いかな、そんな事を思った。
―※―※―※―※―
「…良い雰囲気ですぅ…」
「二人ともラブラブなのー」
「紅茶を淹れて来てあげたけど…入らない方が良さそうね。私達はお邪魔だわ」
扉の隙間から中を覗き見た翠星石達がそう漏らす。
三人は顔を見合わせると頷いて、そこを後にした。
(末永くお幸せに…)
そんな事を思って。
終わり
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 18:47:28.91 ID:LVFeV4QWO
転載完了。
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 19:06:25.79 ID:LVFeV4QWO
ほしゅ
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 19:15:05.45 ID:yW9Vby5pO
乙!
本当にめぐのがお姉さんっぽいなw
ドールズの優しさにも和んだ!
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 19:15:28.82 ID:zbfzK4IT0
GJ!
めぐのりかあ…これもいいなあw
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 19:45:45.72 ID:pisXlILg0
この前蒼翠でハロウィンネタ投下した者だがポッキーネタも思いついたので即興で投下
「蒼星石…この前はよくもやってくれたですね…!今日はリベンジですぅ!」
11月11日、ポッキーの日。といってもキリスト教関連のハロウィンとは違い、ポッキーの日はお菓子会社の開いたキャンペーンであるが。
「ふふふ…蒼星石は呑気に本を読んでやがるですぅ…おっと、ここは早まってはいけません」
ドアをほんの少しだけ開け、ジュンの部屋で1人読書をする蒼星石の様子を隙間から伺う翠星石はまさに小動物のようだった
「よし…行くですよぉ……蒼星石!!覚悟ですぅ!!」
「わっ…翠星石!いきなりどうしたの?何かあった?」
ポッキーを片手にドアを思い切り開けた、というより開け飛ばした(齟齬)私をよそに余裕な妹ですぅ…
ですが!いつまで余裕でいられますかね?!
と、そう心の中で双子の妹をあざ笑う翠星石。
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 19:46:16.33 ID:pisXlILg0
「ふふ…よくぞ聞いてくれたですぅ!今日はポッキーの日!ポッキーの日と言えばポッキーゲーム!ということで!」
「と、いうことで……?」
いつもにも増して勢いのある翠星石に圧倒され、文脈からある予感を思い浮かべながら恐る恐る聞き返す。が。
「2人でポッキーゲームをするですぅ!」
その予想は勿論予感的中。
お馴染みの赤いパッケージをぴりぴりと開けながらルール説明をする翠星石はハロウィンのリベンジに燃え、輝いて見えた
「先に口を離したほうが負けですからね!」
「…うん」
「負けたほうには罰ゲームをやってもらうですぅ!」
「…うん」
「負けたほうは相手の口にちゅーするですぅ!」
「…うん…ってえぇ!?」
既知のルールというのもあるが、翠星石のテンションの高さに
おとなしく肯定の言葉を発していると思いがけない罰ゲームを提示された
「ちょ、待っ、それじゃあ意味無いんじゃ「姉の言うことは大人しく聞くモンですぅ!特別にチョコがかかっているほうを加えさせてあげるですよ!」
だからそういう問題じゃなふぎゃぁ!」
翠星石のリベンジは(一方的に)めでたく果たされたのであった
おしまい
おまけ
「そういえば蒼星石ったら、何の本読んでいたんですかねぇ?」
蒼星石が飲み物を取りに一階に戻った間に、机の上の置いてあった本をパラパラめくる
めくっていると、あるページからしおりが落ちてきた
「ん?なになに…合コンなどで盛り上がること間違いなしポッキーゲーム…?」
そこにはポッキーゲームの詳しいルール、そしてポッキーの日も記されていた
「くす…考えていることは同じだったんですね」
翠星石は微笑み、しおりを元のページに戻し、机の上にそっと置いた
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 19:52:22.60 ID:ZEKdLzwC0
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 20:13:02.42 ID:LVFeV4QWO
保守
なんという萌えるポッキーゲーム…GJ
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 20:50:06.30 ID:HVx5yXxtO
よみながらほ
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 21:01:57.06 ID:HVx5yXxtO
>>102 乙!
めぐとのりの抱き合いは絵になるぜ
のりは抱き心地が良さそうだ
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 21:05:17.58 ID:HVx5yXxtO
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 21:30:52.53 ID:zbfzK4IT0
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 21:34:06.50 ID:zbfzK4IT0
ちょwwやほおTOPにローゼンww
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 21:56:22.90 ID:Yma6c/SLO
ほしゅ
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 22:25:54.42 ID:Yma6c/SLO
保守
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 22:36:57.40 ID:yW9Vby5pO
投下します
甘い悪魔の囁き
ジャンルは一応エロ鬼畜ですので苦手な方はスルーお願いします
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 22:38:57.54 ID:yW9Vby5pO
「蒼星石はほんっとーーーにお馬鹿さんですぅ!」
「そ、そんなに怒んないでよ…」
夕食の席で、僕は遅れた理由を家族に話した
無論、嘘で固めた理由だ
ミーティングの日程を間違えて先生の元へ行ったが、ムダに話し込んでしまい遅くなって雨に合った…と
本当にありそうで単純な嘘
だけど、とても重い嘘
「ごちそうさま…すごく美味しかったよ」
「あったりめーです!」
胸を張りながらもちょっと嬉しそうな姉を見ながら、食器を流し台に運ぶ
明日の宿題でもしようか…と、部屋へ向かう僕を翠星石が呼び止めた
「どうしたの?」
「これ、雪華綺晶から預かってたです」
「ノート…渡しに来たの?」
「3時間ほど前です…礼を言ってたですよ」
雪華綺晶が渡しに来た…とすればバスケ部のミーティングがないことを、その時翠星石は知った?
さっき僕が吐いた嘘が、もしミーティングがあったという嘘だったら…
「どうかしたですか?」
「何でもないよ…ありがとう」
嘘を吐き続けることが、こんなに難しくて辛いなんて…考えたこともなかったよ
第五話『誰が誰かの所有物』
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 22:40:34.73 ID:yW9Vby5pO
次の日は、何ら変わらない日常だった
当たり前だろう…変わったのは僕だけなんだ
朝礼でも授業でも、まともに先生の顔を見れない
そういう挙動不審な態度をしていると、不意に雪華綺晶が声を掛けてきた
「…蒼星石」
「えっ?あ、何?」
「昨日は間違えたみたいですね」
「ミーティングの日程の事?…翠星石から聞いたの?」
「えぇ…まぁ…」
「あはは…恥ずかしいな…それより昨日ノート持って来てくれたんでしょ?ありがとう」
「借りてたのは私ですから、お礼を言うのは私の方です」
澄ました笑顔で軽くお辞儀をする
相変わらず何を考えているのかわからない
「今日はちゃんとありますから、忘れないでくださいね」
「うん…」
先生とは会いたくないけど、泣き言ばかりも言ってられない
普段は長く感じる退屈な授業も、この日だけはやけに早く過ぎた
「皆揃ったわねぇ?」
放課後の会議室
部員が集まった事を確認すると先生はプリントを配布する
そこには夏休みの合宿について簡単に記されていた
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 22:42:58.23 ID:yW9Vby5pO
「夏休み前にまたちゃんと説明するけど、とりあえず目を通しておいてねぇ」
3年の僕からすれば、このミーティングも3回目
適当に聞き流し、終わるのを待つ
「どんなとこかな?」
「旅館だし温泉もあるみたいだから楽しみ〜」
何も知らない1年が楽しそうに話しているを見て、無知っていいな…なんて考える
実際に行けば楽しさよりも苦しさが遙かに大きく、慣れるまでは吐きまくる部員が続出
温泉や食事を楽しむ余裕もなく、慣れる頃には帰省というのが通例だ
まぁそんな事、ここでは敢えて言わないけど…
そうこうしてる間にミーティングは終わり、みんな席を立ち始める
僕もカバンを持ち外へ向かおうとして…案の定というべきか、肩を掴まれて止められた
「あなたは残りなさぁい」
ミーティングの時のような明るさはなく、握力からは殺気に似たような感情が伝わって来る
…さっさと出て行けばよかったな…
そんな後悔をしているとみんな出て行って会議室は二人きりになった
「…何ですか?」
「今日、ずっと私の事避けてたでしょう?」
「気のせいだと思いますよ」
冷たく、そう言い放つ
あんな事されて普通に接するなんてできるもんか
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 22:44:19.76 ID:yW9Vby5pO
「そう?なら…」
「…あっ!」
引き寄せられ、後ろから抱き締められる形になる
ガッチリと回された腕は、逃亡を許してくれそうにない
「…やめてください」
「あらぁ、今更抱き締められたぐらいで嫌がるのぉ?」
「…生徒がいるかも知れないんですよ?」
まだ数分しか経っていない
忘れ物をした部員が戻ってくるのも、決して低くない確率で有り得る
「ふふ…Hまではしないから安心しなさぁい」
そう言うとポケットからピンク色の物体を取り出し、僕の目の前に持ってきた
「───!!」
それが何か理解すると同時に、嫌な予感に包まれる
「これが何かわかるみたいねぇ…最近の中学生ってお・ま・せ・さぁん」
「…」
「言ってみなさい。これが何か…」
「…ロー…ター…」
「正解よぉ。だったらどう使うのかもわかっているわよねぇ…?」
ゆっくりと頷いた
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 22:46:06.67 ID:yW9Vby5pO
「素直で可愛いわぁ…これはプレゼントしてあげる」
そのままローターを僕のカバンに滑り込ませる
正直、いらない
「着けて来いって言ったら着けて来なさい…わかったわねぇ?」
「…が、学校に…ですか…?」
「当たり前よぉ」
「…」
断れる立場じゃないことはわかっている
だけど…これはあまりにも…
「返事は?」
「…わかり…ました…」
涙を呑んで、承諾した
「そういうとこ…大好きよぉ」
「…苦しいです」
「いい匂い…」
より強く抱き締められる
先生の顔が背中に密着しているのを感じた
───密着?
「やっ!離してください!!」
「!?」
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 22:47:25.34 ID:yW9Vby5pO
腕を振り払い、急いで制服を脱ぎその部位を見る
すると、今度はシミというレベルじゃなく、ハッキリとしたキスマークが付けられていた
「どうしてくれるんですか!」
こんなの、さすがに着て帰れない
洗っても絶対落ちない気がする
動揺する僕とは相反し、先生は落ち着いて笑みを浮かべていた
「これ」
「え…?」
先生のカバンから、まだ袋に入った新品の制服が二着出される
それを僕に手渡した
「昨日の分と今日の分…これでいいでしょ?」
昨日の制服にも多少被害があったことを知っているのだろうか?
唖然とする僕に新品を押し付け、代わりに今キスマークが付けられた制服を奪った
「これはもらうわねぇ♪」
嬉しそうにカバンにしまう先生を見て、我に返る
「い、いきなり新品を渡されても…困ります。家族に…特に翠星石には怪しまれます」
双子でサイズが同じという事もあり、僕と翠星石の制服は区別をしていない
翠星石が新品を着れば、違和感に気付くだろう
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 22:48:45.84 ID:yW9Vby5pO
「キスマークの付いた制服よりはマシじゃなぁい?」
「ですが…」
「もう…めんどくさい事になったわねぇ…」
めんどくさい事にしたのは誰なのか、怒鳴りたい気分だった
「仕方ないわねぇ───きらきー、入りなさい」
「…えっ!?」
会議室のドアが開き、雪華綺晶が姿を現す
下着姿の僕には目もくれず、彼女の視線は先生だけを見ていた
「雪華…綺晶…?」
「きらきー、制服を脱いでこっちに」
「はい」
スルスルと、ごく自然に制服を脱いで、先生に手渡す
その制服を僕に投げた
「新品じゃないなら…これで問題ないでしょう?」
僕の中では、新たな問題が浮上した
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 22:50:06.56 ID:yW9Vby5pO
投下終了です
全然進まない…
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 23:09:57.86 ID:zbfzK4IT0
>>128 ぜひこのバスケ部に入りたいんですが
そしてきらきーwktk
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 23:21:28.20 ID:AdhKGkkuO
乙です
続きが気になるw
果たしてハッピーエンドかバッドエンドか・・・
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 23:22:46.41 ID:pisXlILg0
何故バスケ部w
乙!
このシリーズ大好き
ってかサイズ合うのか?
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 23:40:23.82 ID:yW9Vby5pO
>>132 どっちも中三女子の標準的な体格と思って書いてます
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/11(土) 23:43:23.90 ID:HVx5yXxtO
乙!嬉しそうに蒼星石の制服を鞄に押し込む先生の映像が脳内再生されたw
蒼星石と雪華綺晶の制服ハァハァ
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 00:05:15.11 ID:vhDQ4kW2O
お休みほ
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 00:20:33.68 ID:Ulxsw7ZGO
百合なのだわ
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 00:47:31.20 ID:u/FaeuvuO
保守
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 01:03:15.13 ID:6H958v/L0
ほ
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 01:34:16.89 ID:6H958v/L0
ほ
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 01:35:38.19 ID:Ulxsw7ZGO
ん
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 01:56:28.05 ID:6H958v/L0
ん
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 02:22:55.57 ID:6H958v/L0
寝るほ
このままだといつまでも前スレの雛蒼の続き(これから翠も混ざります)ほったらかしになりそうだ…
今から書き始めると乱文になりそうだけどいいんだろうか?
とりあえず挑戦してみます。
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 02:54:34.86 ID:Ulxsw7ZGO
おkおk
wktk
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 03:06:32.70 ID:kQielz7qO
バッチこいだが…もう寝る。
明日の朝楽しみにしてるぜ。
146 :
苺ばいきんぐ:2008/10/12(日) 03:13:00.86 ID:lQQlvKQb0
翠星石の思考が一瞬にして凍りつく。
目の前で何が起こっているのか理解できない。
蒼星石「翠星石ぃ…何してるの?早くぅ。」
身動き一つ出来ない翠星石を前にして雛苺が無邪気に微笑む。
雛苺「蒼星石もああ言ってるし翠星石も一緒にやるなの!」
蒼星石に絡み付いていた蔦が解け、返答を待たずに翠星石に襲い掛かる。
蒼星石の拘束が解かれてしまう事になるが、あの状態では何も出来ないだろうし、
それを気にかける以上に新しい玩具に心を奪われていた。
翠星石「やっ、やぁっ!やめるですぅっ!蒼星石っ、蒼星石ぃ!」
既に豹変してしまった妹の名を呼び続けるのは、反射的なものか、それとも姉妹の絆が成せるものか。
どちらにしてもその声は快楽に閉ざされた蒼星石の耳に届くことは無い。
雛苺「うふふ、無駄なのよー。それじゃあ、行くなの!」
うねる蔦が翠星石の肌の上を滑り、服の中へ潜り込んでいく。
翠星石は抵抗しようとしたが、両足首を絡め取られて尻餅をついてしまった。
そこへ雛苺が馬乗りになり、翠星石へ顔を近付けた。
雛苺「怖がることないのよ。すぐに蒼星石みたいに気持ちよくなれるの!」
翠星石は涙目になって首を振る。
翠星石「そんな…そんなの…」
雛苺は無視して翠星石の胸元をはだけさせ始めた。
自分の考えた遊びを否定する者に対して容赦は無い。
僅かに膨らんだ胸の上では既に無数の蔦が蠢いていた。
突然な出来事の連続で状況が把握できていなかった翠星石の目にもそれは飛び込んできた。
視覚的に入ってきた情報は現実味を帯びていて、
全身の表面を這い回る不快感と共に翠星石を現実へと引き戻しつつあった。
やばい。まとまらないってレベルじゃない。
考えなしなので(そんなに長くはならないと思うけど)間で適当にレスして頂けると助かります。
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 03:25:18.55 ID:Ulxsw7ZGO
試合観戦中に支援
ハ,,ハ
( ゚ω゚ ) ええい、わらわは服を脱いで待っておるのじゃ!
/^ `ヽ
/ 人 ・ ) ・) はようせい!
/ / ノ , ノ
⊂ソ ( ヽノ\
/~\ \ ヽ
し^ヽ. _ )._ 冫
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 03:36:06.28 ID:Z5WRsNkh0
>>148 !:::::::::::::::::::::/::::/ l l ,l | | l ! ! l l l::
!:::::::::::::::/!:::/ | ! ! | / ! !_!-‐ァ l | | | ! !:
!:::::::::/,-、∨ _!__, --、| ! | | ! |`r'´! l ! | | <
|::://:::::::!:! | { }`゙`ト!、 ! | | !/ ! ハ | ! !:
-、!'/:::::::::::ノノ! !ヽ!`T´! !| !`ト、 ! ! ! // ! ! ! |:
ヽヽ:::,、:::/ィ ト、|_ァ=ァ==ミ、トl ! l ,イヽ!,イ/ l ハ | !
〉!:/::ヽ/| | ヾ {っr⊂かミヽ| ! // /メ _// ! | ! | |::
_/∧::::::::) l! ! `┴-ニ、ノ V //〃 ヽ/'``ト、 l l l | l::
-' ヽ:/l |ヽ ! ` '´ /' _ /イ メイ ! l /::
-ヽ ヽl | l | 7っ`ヽ'´ l// j / / /レイ::
ヽ l ! | | _{ r⊂∧ ,.イ / ,イ /-イ !:: お断りなのだわ
\ ヽ! | ! ! / `ヽン ノ// , イ/彳 ! l:::
_`ニ=| | l | 、 '´ ,イ l イl l |:::! ! !:::
::::::::::::::! |\ ! l ` - /イ / l !| !::l l l:::/
⌒l:::::::| !--ヽ! | /´ !/! ! || !::| ! レ
、 ヽ´| ! | ! | _, '´ 〃 l l || l:::l! |
`´ | ! l | !` ト __ .. -‐=ニ´、 // ! l || !::|| !
', ', ! | ! Y´`ヽ‐、 \> //| l || ,ヽ! ! l
ヽ ヽヽl l Yrゝ〉ヽ} / \l l ! | ||' / l ',
150 :
苺ばいきんぐ:2008/10/12(日) 03:53:03.75 ID:lQQlvKQb0
雛苺が翠星石の首筋を舌で舐ると、そのまま鎖骨に吸い付き、何度もキスを繰り返した。
次第に蔦に自由を奪われていく翠星石は抵抗も出来ず、
ただきつく目を閉じて耐えるしか無かった。
雛苺はその翠星石の表情が気に入ったのか、攻めながらも上目遣いで始終観賞しているようだった。
しかしその時雛苺の肩に手が置かれ、強引にどかされた。
拘束されているから、翠星石のものでは無い。
雛苺が驚いてそちらを見る。そこには口の端からだらしなく涎を垂らした蒼星石がいた。
雛苺は怒りの眼差しを向けるが 蒼星石の目には翠星石しか映っていないようだった。
蒼星石は両手で翠星石の頬を包むと、迷い無く唇の間に舌を潜り込ませた。
驚いた翠星石が目を見開く。しかし唐突に現れた蒼星石の姿に更に混乱が深まった。
言葉を発しようにも口内を舌で嬲られ続け、くぐもった声しか出すことが出来なかった。
そして三分は経った後、ようやく翠星石の口から蒼星石の舌が引き抜かれた。
二人の唇の間で粘つく唾液が糸となり、まぶしく輝いていた。
翠星石「っくぅっ、はぁっ、はぁっ…蒼星石、どうして…」
蒼星石「さっきも言ったでしょ?翠星石にも、気持ちよくなって欲しくて。」
そう言う蒼星石の笑顔は蠱惑的というには余りにも淫靡で、
翠星石は言葉を返すことも忘れてしばし見惚れていた。
進まな過ぎて無駄にHDDの整理とか始める始末w
>>147 深夜に試合というとなぜかラグビーというイメージ。サッカーとかかい?
>>148 お断りします!ww
151 :
苺ばいきんぐ:2008/10/12(日) 04:34:22.94 ID:lQQlvKQb0
雛苺はしばらく興味深々といった様子で二人を見ていたが、
ようやく自分が蔑ろにされていることに思い至ったようで、
憤慨すると蒼星石の胴に抱きつき翠星石の上から動かそうとした。
非力な雛苺にそれは無理だったものの、蒼星石に存在を認識させるには役立ったようだ。
蒼星石「あ、いたのかい雛苺。」
雛苺「今日の主役は雛苺なの!蒼星石ははやくそこをどくの!」
蒼星石は一向に話を聞く気配が無い。
雛苺は怒ると翠星石を縛り付けていた蔦の一部を蒼星石に巻きつかせ、思い切り締め付けた。
蒼星石「んぁあっ!そっそれっ、すごいぃっ…ぅんっ!」
痛みを与えて蒼星石に言うことをきかせるつもりだったが、
今日一日で予想以上に蒼星石の体は蔦になじんでしまったらしい。
蒼星石は背筋を仰け反らせると、舌を垂らして声を上げた。
唾液が翠星石の顔に滴り落ちる。翠星石は小さく悲鳴を上げた。
翠星石「おっ、おかしいですぅ…こんなの…こんなの蒼星石じゃ無いですぅ…」
蒼星石「そんなに怖がることないよ。ただ受け入れれば気持ちよくなれるんだ。」
雛苺「ヒナを無視しちゃ駄目なの!」
まだ何か喋ろうとする蒼星石の口に苺が押し込まれた。
蒼星石は驚いて一瞬自分に抱きついたままの雛苺を見たが、
そのまま思いついたように翠星石にキスをした。
どう終わらせようか…
152 :
苺ばいきんぐ:2008/10/12(日) 04:49:03.98 ID:lQQlvKQb0
二人の舌の上で苺が転がされる。ふやけた苺の表皮は裂け、
赤みを帯びた透明な液体が二人の顎を伝って落ちた。
蒼星石がいきなり声を上げる。蒼星石の前にも後ろにも、次々と苺がねじ込まれていた。
しかし蒼星石はそれにも怯むこと無く、逆に指を挿し入れて掻き回し始めた。
蒼星石「これっ!これすごいよぉっ!」
ドロドロになった紅いペーストが蒼星石の指に纏わりつく。
蒼星石「雛苺にも分けてあげるよ。」
そういうと蒼星石は雛苺のドロワーズを引き抜き、雛苺の秘部に一気に指を突き入れた。
全身を駆け巡る激痛に雛苺の呼吸が止まる。
蒼星石「痛いの?雛苺。でもそのうち気持ちよくなるよ。僕も君にそうされたんだから。」
言葉を発することも出来ず、雛苺はただ首を振った。
翠星石は変わり果てた蒼星石の様子にただ恐怖を覚え、涙を流す雛苺の様子を見ていた。
蒼星石「翠星石も、ほら。一緒に気持ちよくなろう?」
翠星石の下着を脱がせると、誘うように陰部をさすりはじめた。
翠星石は首を横に振る。
蒼星石「翠星石。そんなに怖がらないで。愛してるんだ。一緒に気持ちよくなろうよ。」
翠星石「嫌ですぅ!こんなの、絶対嫌ですぅ!」
蒼星石「どうして?嫌いなの?…僕のこと。」
翠星石「そんなこと無いです…でも、でも翠星石は蒼星石にそんなことして欲しくないですぅ!
ただ一緒にお話して、笑い合えればいいんですぅ!」
蒼星石「ごめんね。でも僕はもうそっちには戻れないから。翠星石に来てもらうしかないんだ。」
翠星石「そんなのおかしいです。だって…」
蒼星石はそれ以上は何も言わず、翠星石の体に舌を這わせ始めた。
いくら考えてもちゃんとした終りが浮かばないぞ…
投げっぱなしで良いかなぁ…
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 05:15:20.76 ID:Win8Lvrx0
頑張れ、負けるな
そして俺は寝れない
154 :
苺ばいきんぐ:2008/10/12(日) 05:23:20.31 ID:lQQlvKQb0
変わり果てた蒼星石に対して戸惑いを露わにしていた翠星石だが、
少なくとも翠星石にできるだけ優しく接しようとしていることは窺えた。
そしてそれを受け入れることが出来ない自分の存在に頭を悩ませてもいた。
そうこうしている内に苺の果汁で湿り気を帯びてきた翠星石の秘所に、
蒼星石が指を滑り込ませてきた。初めての感覚に下半身が引きつる。
蒼星石はぐったりしている雛苺から指を引き抜くと、再び自分のものを弄りはじめた。
蒼星石「翠星石も気持ちよくなって?ね?」
とても頷けるような気分では無かったのだが、蒼星石の甘えるような顔つきを見て、
やはり蒼星石は蒼星石なのだと思い直し、無理矢理笑顔を作った。
翠星石「蒼星石も、ですよ。」
翠星石は蒼星石の首に腕を回すと、自分の胸のあたりで抱きしめた。
蒼星石の指の動きはどんどん早くなって行く。
蒼星石「あぁっ、翠星石ぃっ!翠星石っ!んぁああぅあっ!」
疲れて眠ってしまった蒼星石の頭を抱いて、翠星石は思索に耽っていた。
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 05:25:26.37 ID:lQQlvKQb0
蒼星石「ねぇ雛苺、またやろうよ。あれ。」
雛苺「蒼星石はヒナに痛くするからやなの。ふん!」
雛苺が半ば逃げるように去っていった。
それを見ていた翠星石が声をかける。
翠星石「なんなら、翠星石が…相手になるですよ?」
蒼星石「えっ?…でも翠星石、この前は…」
翠星石「いいんですよ。翠星石はお姉さんですから。
それに急でびっくりしたですけど、翠星石だって…」
翠星石はそう言うと蒼星石の頬に手をあて、優しくなでた。
俯いて少し照れたように笑う姿は、翠星石の大好きないつもの蒼星石のものだった。
(了)
>>153 起きててくれたのか。こんな駄文で申し訳ないw
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 05:28:38.02 ID:lQQlvKQb0
やっぱり考えなしで書くとろくなことにならないねww
結局雛苺もあんま絡ませらんなかったし。
次は銀紅でも書くかも。エロ無しで。
とりあえず寝ようかしら。そうしようかしら。
未だにキムシジャンのキャラが掴みきれてない俺。
そしてパー速でちょっと話題出てたけどどう見ても童貞なのは俺です。
おやすみなさい。
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 06:12:20.16 ID:Win8Lvrx0
>>156 あなたのお陰で黒苺×蒼×翠に目覚めました
乙やすみなさい
>>156 何の存在価値もないクズの名前出さないでください
スレの雰囲気が悪くなるだけなので
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 07:58:41.40 ID:mSpprfUcO
GJ!昨日から腹と喉が痛くてろくに寝れてなかった俺だが少し元気でたよめっちゃ久しぶりに丸一日空いたと思ったらこれだもんなorzという訳でみなさん外出できない哀れな子h…子豚のために今日は投下多めでお願いしますブヒ←
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 08:27:07.55 ID:cIdtY2xqO
おは
いい雛蒼翠だった…ぐっぢょぶ
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 09:40:41.79 ID:cIdtY2xqO
ほ
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 10:22:10.61 ID:kQielz7qO
おはよう保守
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 10:47:10.63 ID:6H958v/L0
ほ
>>158 相変わらず糞キムは嫌われてますねwwwwwwwwwww
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 11:21:16.08 ID:Ulxsw7ZGO
寝過ぎワロタ
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 11:49:54.01 ID:6H958v/L0
ほ
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 12:14:11.78 ID:Ulxsw7ZGO
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 12:59:14.44 ID:6H958v/L0
ほ
も
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 13:51:42.48 ID:Ulxsw7ZGO
嫌
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 14:38:54.49 ID:vhDQ4kW2O
保守
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 15:20:17.78 ID:Ulxsw7ZGO
あ
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 16:00:27.57 ID:vhDQ4kW2O
の
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 16:48:41.08 ID:vhDQ4kW2O
世
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 17:00:37.48 ID:kQielz7qO
は
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 17:30:25.68 ID:6H958v/L0
百
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 17:59:54.58 ID:CmeKizT80
合
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 18:39:17.08 ID:Ulxsw7ZGO
園
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 19:11:31.01 ID:Ulxsw7ZGO
ほ
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 19:48:28.05 ID:6H958v/L0
の
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 20:12:25.76 ID:5Ii0IR+AO
感想遅くなったけど、苺ばいきんぐ投下乙!
蒼星石がエロすぎて萌える
あとばいきんぐがばいきんまんに見えたのは私だけだと思うww
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 20:28:49.04 ID:oF8AFDIgO
エロ以外でお題くれ
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 20:40:50.95 ID:kQielz7qO
のり×巴のイチャラブ
たまには自分以外の人間×人間物が読みたいですぅ。
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 20:44:02.53 ID:oF8AFDIgO
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 21:04:24.29 ID:kQielz7qO
ワクテカですぅ
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 21:32:50.70 ID:zl/sk3azO
翠星石がロリ化して蒼星石の理性が崩壊するのが見たい
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 21:41:37.42 ID:b4P4gZ+h0
>>156 いやっほう乙!
蔦ってやっぱエロい
双子にいたずらする水銀燈かキチ紅が見たい
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 21:43:51.49 ID:b4P4gZ+h0
やっぱり金×紅カモーン
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 21:49:08.54 ID:b4P4gZ+h0
ローゼンの百合なら全部見たい
百合中毒wwwwwwwww
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 22:09:45.27 ID:Ulxsw7ZGO
蒼星石が赤ちゃん?みたいな同人ならみたことある
あれはどういうジャンルなんだろうか?
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 22:18:26.58 ID:aU/LbNfKO
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 22:19:57.42 ID:aU/LbNfKO
相手に、言いたかったけど言えなくなったことがあります。
だって、相手に言ったってもう理解してもらえない。
言えなかった、のではなく、言えなくなった。
だから、何も言わなかったのです。
──行かないで。君と離れたくなかったこと。
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 22:21:02.83 ID:aU/LbNfKO
>>194 寝耳に水。とはものすごく驚いたことに使われる形容詞表現である。
「私が……?」
ならば私のこの状況は正に寝耳に水である。
手元に渡された一枚の紙は私の常識の範囲を超えたものになっていた。
「そう、貴女を是非、とね」
「指定校扱いで?」
「いえ、あくまで公募扱いだそうだけれど、優遇ってことじゃないかしら?」
担任兼、進路指導兼、数学教諭である柏葉巴は私の持っているものと同じプリントを眺めながら言った。
「悪い話じゃないわ。有名な大学だし、貴女の学力なら着いていけるでしょう」
「はぁ……」
とは言われても今一ピンと来ないのが正直な感想だ。
まず何故そんな有名な大学が私なんかの一市民に目をつけたのかと言うこと。
「うちの理事長がその大学の教授と仲いいんですって」
「で、私を……」
「えぇ、知徳体全てにおいて優れてると仰ってたらしいの」
知育・体育ならば確かにトップクラスと自負しているが、徳育はどうだろうか。スカートなんか膝上10cmはあるのに。
「まぁ、貴女にとって悪い話ではないわ。でも優先すべきは貴女の意志。考えといて頂戴」
「でも、……先生ぇ」
私は柏原先生に向き直って言った。
「私、フランス語分からないんですけど」
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 22:21:57.33 ID:aU/LbNfKO
>>195 薬品の匂いが充満する廊下を歩く。すれ違う看護師が頭を下げてくれるので、私も下げる。
この病院で私は常連なのだ。と言っても患者としてではなく、見舞いとしてだ。
個人病室のドアを二回ノックすると、中からどうぞ、と声がした。
「おはよぉ、って時間でもないわね」
「あ……」
私を見た少女は大きな碧眼を更に丸くしてこちらを見つめる。
「具合はどう?真紅」
「だいぶ、良くなったわ。でも……」
決まり悪そうにそこで切ったのは彼女の脳に私の記憶がないから。
体調が安定してから、私のことを色々教えた。私の名前、私との関係。
でも、恋人であることは伝えなかった。
意識を戻してからすぐの日だった。私は真紅の担当の医者に一人で呼ばれた。
「真紅さんに貴方の記憶がないのは何か思い出したくない行為を貴方からされた可能性があります」
そう言うと医者はこちらに向き直り、心当たりはありますかと訊いてきた。
あります。とだけ私は答えた。医者もそれ以上は追及して来なかった。
私が真紅にしてしまった行為。それは「忘れる」ことだ。
私は、真紅との約束を忘れてしまったのだ。皮肉にもその「忘れる」という行為は、同じ「忘れる」という行為で返された。
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 22:23:16.92 ID:aU/LbNfKO
>>196 暖かな陽射しの射し込む窓近くの椅子を引き、腰かける。
「気にしないでいいのよぉ、仕方ないことなんだからぁ」
「でも……」
「あー、もう!それ以上言わないのぉ!思い出そうと焦ると、辛くなるわよぉ?」
それでも気まずげに俯く真紅の頬に手を当てて、無理やり仰向かせる。
「辛そうな顔しないでちょうだぁい」
そう言ってやるとぎこちなさげではあるが小さく笑みを浮かべてくれた。
その表情があまりにも愛しくて離しがたくなる。
「……すいぎん、とう?」
なかなか離さない私に疑問を持ったのか不思議そうに名前を呼ばれた。
「ぶさいく」
「…………はぁ?」
私の発言に対して機嫌悪そうに眉を釣り上げた。
「わ、私のどこがぶさいくだと言うのよっ」
「ふふ、全部よぉ」
からかうようにそう言ってやると、昔と変わらない反応を見せてくれる。
それが嬉しくもあり、悲しくもあった。
それからしばらく学校であった出来事などを談笑した。
楽しい時間はあっと言う間に過ぎて、いつしか外は綺麗な夕陽が射していた。
「じゃ、そろそろおいとまするわぁ。またね、真紅ぅ」
「えぇ、また来てちょうだい」
にこりと微笑む彼女を見ると何故か心がチクリと痛むのだった。
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 22:24:15.05 ID:aU/LbNfKO
>>197 睡眠の秋と謳ったものはいない。睡眠の季節は春、と銘打っている人は多いが、秋もなかなかだと思う。
「ふぁーあ」
真っ白のシーツの中で大きくアクビをするとクスクスと笑い声が聞こえる。
いつのまにか隣のベッドで寝転んでいたクラスメートの蒼星石だ。
保健室にいるからといって別に体調が悪いわけではない。強いて言うならば、授業だるい病である。
「何よ、蒼星石サボりぃ?」
「君は?」
お互い何も言わないがそこは暗黙の了解というものだろう。
「何?真面目に受ける気になった?」
ベッドからおもむろに起き上がった私に蒼星石はそう問いかけた。
「ねぇ、蒼星石……」
「何?」
「好きな人が自分だけを忘れたら、どうする?」
「…………真紅のこと?」
私は小さく頷いた。
「それでも君は真紅のことが好きなのかい?」
再び縦に首を振った。
蒼星石は私の方に近寄ってくると私の座っているベッドに腰かけた。
「そうだな、僕なら思い出して欲しくて必死になるかな」
蒼星石は少し俯いて、そう語り出した。
「ずっと一緒にいて、いっぱい話して、思い出のもの見せたりして」
ふと、蒼星石は私を見ると優しく頭を撫でてくれた。
「貴女は強いのねぇ……」
目から溢れた涙が真っ白なシーツにシミを作る。
「私は、もう……」
無理かもしれない。
そう言いながら、私はある一つの決心を固めた。
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 22:24:54.86 ID:aU/LbNfKO
>>198 こんこん、と扉をノックする音が響いた。
「どうぞ」
「調子はどう?」
「柏葉先生……」
お久しぶりです、と頭を下げるとにっこりと優しく微笑んでくれた。
「進路の話なんだけど、あなたは上の大学に進むってことでいいのかしら?」
「はい、お願いします」
そう言うと柏葉は何らかの書類にメモをし始めた。
「じゃあ、ここ、名前書いてくれる?本人の字じゃないとね……そう、その四角の欄に」
「うちのクラスで他大学受ける人ってどのくらいいるんですか?」
所定の欄に名前を書きながら真紅は尋ねた。
そうね、と柏葉は頭の中を探るように語り始めた。
「蒼星石と金糸雀、あと……あぁ、ありがと」
柏葉は受け取った書類を大切そうに分厚いファイルに挟んだ。
「あぁ、あとそうだわ
柏葉は一枚の書類を見てパッと顔をあげた。
「水銀燈がフランスの大学から逆推薦が来てね、随分悩んだみたいだけど昨日行くって決めたみたいよ」
それだけ言うと、お大事に、と頭を下げて柏葉は出ていってしまった。
200 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 22:28:01.51 ID:aU/LbNfKO
>>199 好きなことを好きなだけできるのは個室の特権であろう。もちろん、常軌を逸することは許されないが。
翠星石はお手製のクッキーを真紅と二人で頬張っていた。
「相変わらず美味しいわ。貴女のクッキーは」
そう微笑みながら呟いた真紅の顔に翠星石はズイッと近寄った。
「な、何?」
「何か変ですよ。今日の真紅」
その時、真紅が少し悩ましげな表情を浮かべた。
「何かあったですか?何でも聞くですよ?」
真紅はその言葉に思わず大粒の涙を一粒流した。そして、少しずつ小さな声で語り出した。
柏葉に水銀燈がフランスの大学に行くということを聞いたこと。話してくれなかったのがすごく悲しかったこと。
それから、離れたくないと感じたこと。
泣きながら真紅は語った。
「そうでしたか…」
真紅の話を聞いて翠星石は深く考え込む。
それにしても真紅が事故に遭ってから──即ち、水銀燈を忘れてから──数週間。
普通に喋るようになってはいるものの、端から見たら少しぎこちない面もあった。
それがどうだろう。この短い期間で離れるのが寂しいと泣くまで真紅は水銀燈と仲が深まっている。
「だったら言ってやるですよ!行かないでほしい、って……」
「でもね、翠星石」
と、真紅が翠星石の言葉を遮った。
「何でこんなに寂しいのか分からないの。意味も分からず言ったら、きっと迷惑でしょ?」
続く
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 22:28:48.56 ID:aU/LbNfKO
以上ですー。
何気200げと
百合スレもだいぶ安定して嬉しい
↑が痛すぎwwwwww
>>184 出来たですぅ
『秋色のマフラー』
秋も深まり、そろそろ冬の足音が聞こえる時期。いつもより少しだけ厚着の巴は、桜田家を訪れていた。
「こんにちは」
「あ、トゥモエー!」
「いらっしゃい、巴」
いつものように巴に飛び付く雛苺。本を読みながら迎えてくれた真紅。二人に親しみの笑みを向けると、誰かを探すように辺りを見渡した。
「あら、ジュンなら二階で翠星石と喧嘩してるわよ」
「そうじゃなくて……のりさん、いるかなぁって」
「のりを?」
真紅は微かに首を傾げた。巴がのりを指すなんて珍しかったのだ。
「のりなら、お部屋で何かやってたのよ」
「そっか、ありがとう。お邪魔します」
>>203 優しく雛苺の頭を撫でると、靴を脱いで玄関にあがった。そのまま階段を上っていき、のりの部屋の扉を軽く叩いた。
「こんにちは。巴です」
「あら、巴ちゃん。入って良いわよぅ」
声を確認し、扉を開く。のりはベッドの上に座って微笑んでいた。巴が来るのを知っていたかのようにも見えた。
「いらっしゃぁい。…あ、手貸して」
「? はい」
よく分からないまま、言われた通り両手をのりに差し出した。すると、のりはその手を取り、ギュッと握りしめた。
「…やっぱり。寒かったでしょう」
「…ちょっと、だけ」
「じゃあ暫く温めてあげるねぇ」
>>204 そう言うと、今度は体ごと抱き締められた。
「! の、のりさ…」
「のり、でしょう?」
「……の、のり…」
「うん。良くできました」
子供のように頭を撫でられ、段々恥ずかしくなってきた。けれど、巴を抱き締めるのりの腕は微動だにしない。
「え、えっと……さ、さっきまで何してたんですか?」
巴の視線は、のりが座っていた真横に向けられていた。そこには毛糸で出来た何かと、編み棒があった。
「そろそろ寒くなってきたでしょ?だからマフラー編んでたの」
一旦巴を解放すると、マフラーを手に取った。ふふ、と微笑み、それを巴に差し出した。
>>205 「さっき出来たのよぅ。…はい」
「………え?わ、私にですか?」
「もちろん。巴ちゃんの為に作ったのよぅ」
「あ、ありがとうございます…」
ベージュ色のマフラーを受け取ると、大事そうに抱き締める。ほんのりと頬を赤くして。
「あ、お姉ちゃんがいる時はマフラーしちゃ駄目よぅ?」
「え?どうしてですか?」
不思議そうに首を傾げる巴。そんな巴をよそに、のりはいつものにっこりとした笑みを見せながら言った。
「巴ちゃんを温めるのは、お姉ちゃん自身の役目だもの」
その後、呆然としていた巴の顔が真っ赤になったのは言うまでもない。
end
207 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 22:57:36.94 ID:oF8AFDIgO
>>203-206 投下終了
イチャラブになってるかな…?
お題ありがとう
……人間も良いものだなw
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 23:18:51.25 ID:Ulxsw7ZGO
210 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 23:21:20.64 ID:Ulxsw7ZGO
>>199 うわ…またクズの名前出したせいで貴重な百合スレが汚れた
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 23:33:28.38 ID:kQielz7qO
>>206 リク主だけど、GJ!萌えまくった、ありがとう!
巴を子供扱いするのりもそれを受け入れる巴も可愛いよ。
皆おつ!
のり巴は珍しくて萌えた
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/12(日) 23:54:25.37 ID:b4P4gZ+h0
投下ィパーィで歓喜
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 00:16:58.15 ID:0I7HSbkVO
らめええ
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 00:40:06.81 ID:0I7HSbkVO
ほ
休日、のりとめぐはデートで公園にて一休みしていた。
その前では子供達が遊んでいる。
「子供って可愛いわねぇ」
「のりって子供好きたっけ?」
「ええ。雛ちゃんとかと遊んだりするの好きよ」
「そういえばそうだったね」
それから視線を子供達に戻す。
しばらく眺めていると、不意にのりが口を開いた。
「…私とめぐちゃんの子供が出来たら可愛いだろうなぁ…」
いきなりの内容に驚き、のりの顔を見る。
「の、のり?」
「…なんてね、私達は女の子同士だから子供は出来ないか…ごめん、いきなりこんなこと言って」
少し笑ってめぐの方を見たが、その笑顔はどこか寂しそうだ。
「のり……」
その夜、めぐの部屋。
「…なぁに、この小さい服は…」
めぐがいくつも持ってきた服を、不審そうに見つめる水銀燈。
「ベビー服よ。水銀燈に似合いそうなのを選んできたわ」
「はあ!?」
「水銀燈、私とのりの子供になりなさい。ほら、そのドレスも脱いでこの服に…」
「…心臓が治ったら脳が病気になったみたいねぇ…そんなの着るわけないでしょう!」
「いいからほら、くんくん探偵の服に着替えて。あと、口調も赤ちゃん言葉に変えなさい」
「死んでもお断りよぉ! ち、ちょっとやめ、いやぁー!!」
終われ
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 01:12:10.61 ID:0I7HSbkVO
赤ちゃん言葉の水銀燈だと・・・
ウオオオオオオ
220 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 01:32:58.30 ID:VMnHis0K0
>>201 乙!真紅・・・水銀燈・・・(´;ω;`)
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 01:38:07.66 ID:VMnHis0K0
222 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 01:59:38.28 ID:LEVZcFf6O
巴×オディール書きたいがネタが浮かばない…
からお題ください。エロ、鬼畜なしで。
…まえにもみつのりでお題募集しててまだ書いてない…。
とりあえずもう寝ます
剣道vs.フェンシング
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 02:30:16.57 ID:0I7HSbkVO
面白そう
225 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 02:56:04.25 ID:VMnHis0K0
明日もやすみじゃねぇかあああああああああああああああああ
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 03:29:03.26 ID:9MqxDCTV0
ほ
>>225 明日もまた立てるのかな?
4時過ぎ落ちって判断しずらいな…
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 03:52:54.98 ID:9MqxDCTV0
ねるほ
228 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 04:28:27.86 ID:0I7HSbkVO
ほ
229 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 05:19:24.76 ID:WhEDYFJUO
双子の短編を投下します。
3レスほど頂きます。
それは、ある秋の夜のこと。
月明かりに誘われて僕たちは真夜中の散歩に出かけた。
静かになった街に僕と翠星石の話す声が響く――。
「最近、ちょっと寒くなってきたですね」
「そうだね、さすがに朝晩は少し冷えるようになったね」
「寒がりの翠星石には辛い季節がやって来るですぅ」
そう言うと、翠星石は小さなクシャミをした。
――少し冷えたのだろうか?近所を歩くだけだからと、
上着を羽織らずに出て来てしまったから…。
「大丈夫かい、翠星石?」
僕は何か彼女を暖められるようなものがないかと考えたけれど、
自分が着ているのは長袖のシャツ一枚だけだし、
カイロを買うとしてもコンビニまでは距離があるしで、いい案は浮かびそうになかった。
「風邪をひいたりしたらいけないから、散歩は止めて引き返そうか?」
僕が問いかけると翠星石は「大丈夫ですよ」と言って僕の手を取り、
「ほら、こうすれば少し温かくなるですぅ」と微笑んだ。
>>230 「あ、本当だ…。温かいね」
「ですですぅ。だから、もう少し歩くですよ」
僕の手を引いて、翠星石が歩き出す――。
「ねぇ蒼星石、こんな風に手をつないで、ずっと一緒に歩いていけたらいいですね」
振り向いた緋翠の瞳の眼差しは、とても優しくて…。
僕は今すぐにでも頷いて彼女を抱きしめたかったけれど、
何だか急に意地悪をしたくなって、答えとは違う言葉を投げかけてみた。
「どうしたんだい、急に?」
「べっ、別にどうもしないですよ。ちょっと言ってみたかっただけですぅ…」
翠星石はプイッと横を向いて、少しすねたような顔になる。
その表情がとても可愛らしくて、僕は思わず彼女を抱き寄せていた。
「ごめん、ちょっと意地悪したくなったんだ。
僕も君と同じ気持ちだよ。翠星石とずっと一緒にいたいと思ってる」
「酷いですぅ…。翠星石は真面目な気持ちで言ったのですよ。それなのに意地悪だなんて……」
僕の言葉に翠星石の不満気な声が返る。
>>231 ――これは、どうやら本格的に機嫌を損ねてしまったらしい…。
一体、どうしたらいいんだろう?
僕は少し考えてから、こう言った。
「僕はずっと君と一緒だよ。ずっと傍にいて、君を守ってあげる。約束するよ」
そして、彼女の手に誓いのキスをする。
「な、何するですか、いきなり?!」
顔を真っ赤にして慌てる翠星石。
「誓いのキスだよ。これで機嫌を直してくれるかい?」
僕が尋ねると、翠星石は「まぁ、許してやらんこともないですけど」と笑い、
「でも、誓いのキスはこっちの方が好きですよ」と言って僕の唇を塞いだ。
――何という不意打ち…。僕はやっぱり君には敵いそうにないよ。
小さく苦笑いをして、僕は翠星石をもう一度強く抱きしめた。
「大好きだよ、翠星石」
それは、ある秋の夜のこと。
僕たちを真夜中の散歩へと誘い出した月は、
その蒼い光で重なり合う二つの影をそっと優しく包んでいた――。
>>230 はぁん・・・朝からいいものをありがとう
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 06:06:17.82 ID:VMnHis0K0
>>233 ___
,;f ヽ
i: i ありがたやありがたや
| | ///;ト,
| ^ ^ ) ////゙l゙l;
(. >ノ(、_, )ヽ、} l .i .! |
,,∧ヽ !-=ニ=- | │ | .|
/\..\\`ニニ´ !, { .ノ.ノ
/ \ \ ̄ ̄ ̄../ / .|
235 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 06:07:11.82 ID:VMnHis0K0
236 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 06:07:57.30 ID:VMnHis0K0
間違えた
>>232 ___
,;f ヽ
i: i ありがたやありがたや
| | ///;ト,
| ^ ^ ) ////゙l゙l;
(. >ノ(、_, )ヽ、} l .i .! |
,,∧ヽ !-=ニ=- | │ | .|
/\..\\`ニニ´ !, { .ノ.ノ
/ \ \ ̄ ̄ ̄../ / .|
238 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 06:43:19.81 ID:VMnHis0K0
ほ
239 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 08:36:39.89 ID:In7GqbrfO
おはよ保守
240 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 09:58:35.11 ID:pfLAluFq0
ほ
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 10:57:33.35 ID:f1E1XZtCO
ほ
242 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 11:35:40.00 ID:pfLAluFq0
ほ
243 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 11:52:02.81 ID:LEVZcFf6O
>>223 把握。
投下は次スレになるだろうけど。
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 12:29:46.11 ID:pfLAluFq0
ほ
245 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 12:35:23.49 ID:YGLHVZeC0
自サイトで百合好きを告白できない俺ヘタレorz
246 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 13:00:00.54 ID:pfLAluFq0
ほ
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 13:20:40.57 ID:f1E1XZtCO
あと3時間か
248 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 14:02:35.76 ID:pfLAluFq0
ほ
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 14:41:24.65 ID:pfLAluFq0
ほ
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 15:11:05.76 ID:f1E1XZtCO
ほ
251 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 15:24:18.97 ID:0I7HSbkVO
252 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 15:31:30.45 ID:4N/jSIW9O
その通り
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 15:56:28.39 ID:f1E1XZtCO
保守
254 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 16:04:25.60 ID:0I7HSbkVO
次スレ立てる?
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/13(月) 16:08:29.32 ID:f1E1XZtCO
立てても保守だけで終わりそうな気がする
それに木曜に落ちても金曜立てるから個人的には立てない方がいいんじゃないかな…と思う
これが最後のレスなら次スレは500近く行く