走れメロス

このエントリーをはてなブックマークに追加
1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
喪女は激怒した。
必ず、かのモテカワスリムのスイーツ(笑)を除かなければならぬと決意した。
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:37:18.28 ID:sq4b/rT0O
喪女には流行がわからぬ。メロスは、田舎の地味女である。
マンガを読み、一人で遊んで暮して来た。
けれども陰口に対しては、人一倍に敏感であった。
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:37:36.15 ID:Vm7o950n0
喪女には恋愛がわからぬ。
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:38:13.05 ID:sq4b/rT0O
きょう未明喪女は家を出発し、野を越え山越え、電車で2時間はなれた此の駅前のユニクロにやって来た。
メロスには父と、母は在る。かのうじは無い。十六の、リア充な弟と4人暮しだ。
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:38:56.09 ID:sq4b/rT0O
この弟は、クラスの或る律気な一女子を、近々、かのめとして迎える事になっていた。
きっとギシアンも間近かなのである。メロスは、それゆえ、自分の衣裳やら自分の御馳走やらを買いに、
はるばる駅前にやって来たのだ。先ず、その品々を買い集め、それから駅前の大路をぶらぶら歩いた。
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:39:10.84 ID:Vm7o950n0
彼氏 かのうじww
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:39:58.43 ID:sq4b/rT0O
喪女には竹馬の友があった。セリヌンティウスである。
今は此の駅前のユニクロで、アルバイトをしている。
その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。
久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。
歩いているうちに喪女は、まちの様子を怪しく思った。
冷ややかとしている。もう既に日も落ちて、まちの暗いのは当りまえだが、
けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、市全体が、やけに冷たい。
のんきな喪女も、だんだん不安になって来た。
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:40:39.57 ID:9Bh9FoJQ0
支援wwww
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:40:41.64 ID:sq4b/rT0O
路で逢った同級生をつかまえて、何かあったのか、二年まえに此の駅前に来たときは、
喪女でも皆が歌をうたって、まちは賑やかであった筈だが、と質問した。
同級生は、首を振って答えなかった。しばらく歩いて老爺に逢い、こんどはもっと、
語勢を強くして質問した。老爺は答えなかった。喪女は両手で老爺のからだをゆすぶって質問を重ねた。
老爺は、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:42:12.91 ID:VfI4BwBwO
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:44:24.44 ID:sq4b/rT0O
「スイーツ(笑)は、ふわもてカールをモテカワスリム。」
「なぜなのだ。」
「自分へのご褒美、というのですが、誰もそんな、褒美をやる程のことはしては居りませぬ。」
「たくさんのかのうじをを(性的な意味で)殺したのか。」
「はい、はじめはスイーツ(笑)の妹婿さまを。それから、御自身の従兄弟を。それから、ホストさまを。
 それから、ホストさまのご友人さまを。それから、リア充さまを。それから、金持ちのボンボン様を。」
「おどろいた。スイーツ(笑)は乱心か。」
「いいえ、乱心ではございませぬ。決まった男に捕われない私ってステキ(笑)、というのです。
 このごろは、クラスの喪女達をも、お疑いになり、少しく地味な服装をしていぬ者には、
 一日1000円差し出すことを命じて居ります。御命令を拒めばスイーツ談話にかけられて、
 (陰口的な意味で)殺されます。きょうは、六人殺されました。」
聞いて、喪女は激怒した。「呆れたスイーツ(笑)だ。生かして置けぬ。」
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:45:22.98 ID:sq4b/rT0O
喪女は、単純な女であった。買い物を、背負ったままで、のそのそ隠れ家的スイーツのお店へ入って行った。
たちまち彼女は、スイーツ(笑)の取り巻きの美肌のカリスマ(笑)に捕縛された。
調べられて、喪女の懐中からはブランド物の下着が出てきたので、騒ぎが大きくなってしまった。
メロスは、スイーツ(笑)の前に引きずり出された。
「この下着で何をするつもりであったか。言え!」暴君スイーツ(笑)は静かに、けれども自分らしさを演出しながら問い詰めた。
そのスイーツ(笑)の顔は小悪魔系で、アイメイクは大人っぽくてちょっぴりセクシーだった。
「かのうじを暴君の手から救うのだ」と喪女は悪びれずに答えた。
「おまえがか?」スイーツ(笑)は嘲笑した。
「仕方の無いやつじゃ。お前には、わしの恋愛体質がわからぬ」
「言うな!」と喪女は、いきり立って反駁した。
「好いた男の心を裏切るのは、もっとも恥ずべき悪徳だ。スイーツ(笑)は、喪女の(孤独な)性活をさえ疑っておられる。」
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:45:36.67 ID:pb1mF9FuP
喪女になったり

メロスになったり

してる

みたいな
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:46:14.21 ID:sq4b/rT0O
「疑うのが、正当の心構えなのだと、わしに教えてくれたのは、他のスイーツ(笑)たちだ。
かのうじの心は、あてにならない。人間は、もともと性慾のかたまりさ。信じては、ならぬ。」
スイーツ(笑)は落ち着いて呟き、プチ鬱そうに溜息をついた。
「わしだって、さぁ自分磨きがんばろう!と思っているのだが。」
「何のための自分磨きだ。己の性欲を満たすためか」今度は喪女が嘲笑した。
「罪の無いかのうじを(性的な意味で)殺して、何が自分磨きだ。」
「だまれ、非モテ系。」スイーツ(笑)はさっと常に上目遣いになって報いた。
「口では、どんな清らかなことでも言える。わしには、人の腹綿の奥底が見え透いてならぬ。
おまえだって、いまに、男に捨てられてから、泣いて喚いたって、知らぬぞ」
「ああ、スイーツ(笑)は愚かだ。自立した大人の女性を気取っているがよい。
私には、かのうじなど1度もできたことが無いのに。捨てられる男などいない。ただ――」
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:46:20.57 ID:9Bh9FoJQ0
「自分へのご褒美、というのですが、誰もそんな、褒美をやる程のことはしては居りませぬ。」
wwwwwwwwwwwww
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:47:27.74 ID:sq4b/rT0O
と言いかけて、喪女は足もとに視線を落とし瞬時ためらい、
「ただ、私に情をかけたいつもりなら、処刑(陰口的な意味で)までに三日間の日限を与えて下さい。
お気に入りのアニメの最終回が明後日なのです。
三日のうちに、私は家でアニメを見て、必ず、ここへ帰ってきます。」
「アニメ。」と暴君は、カラオケで嗄れた声で低く笑った。
「とんでもない嘘を言うわい。お気に入りの番組を録画もしていないというのか。」
「そうです。録画していないのです。」喪女は必死で言い張った。
「私は約束を守ります。私を、三日間だけ許してください。弟は、別に私の帰りを待ってはいないが。
そんなに私を信じられないならば、よろしい。この市にセリヌンティウスというユニクロ店員がいます。
私の無二の友人だ。あれを、人質としてここに置いていこう。
私が逃げてしまって、三日目の日暮まで、ここに帰ってこなかったら、
あの友人をスイーツ談話にかけてください。たのむ、そうして下さい。」
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:48:14.34 ID:sq4b/rT0O
それを聞いてスイーツ(笑)は、ガーリッシュな気持ちで、そっとほくそえんだ。
生意気なことを言うわい。どうせ帰ってこないに決まっている。
この喪女にだまされた振りをして、傷ついて見せるのも面白い。
そうして騙された不幸な少女のふりをして、新しいかのうじの気を引いてやるのも気味がいい。
もう誰も信じられないよと、わしはツンデレ系でカレの気を引いちゃう!のだ。
世の中の非モテ系とかいう連中に、うんと見せつけてやりたいものさ。
「願いを、聞いた。その身代わりを呼ぶがいい。三日目には日没までに帰って来い。
おくれたら、その身代わりを、きっと(世間的な意味で)殺すぞ。
ちょっとおくれて来るがいい。お前の下着は、永遠にゆるしてやろうぞ」
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:49:10.56 ID:xDWi8KvDO
黙れ、非モテ系www
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:49:39.93 ID:sq4b/rT0O
「なに、何をおっしゃる。」
「はは。陰口が怖かったら、遅れて来い。お前の心は、わかっているぞ。」
喪女は口惜しく、地団太踏んだ。ものも言いたくなかった。
竹馬の友、セリヌンティウスは、深夜、アダルトなショットバーに召された。
暴君スイーツ(笑)の面前で、喪女と、キャンパスデビューに成功したらしい友は、二年ぶりに相逢うた。
喪女は、友に一切の事情を語った。
セリヌンティウスは露骨に嫌な顔をし、喪女が中学時代に書いていた夢小説のことをちらと匂わせ、
喪女に、帰ってこなければわかっているなと囁いた。
友と友の間には、お互い墓の中まで持っていくべき、消したい過去があった。
セリヌンティウスは、縄打たれた。
喪女はすぐに出発した。初夏、満天の星である。
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:50:44.29 ID:9Bh9FoJQ0
セリヌンティウスは露骨に嫌な顔をし

ワラタwwww
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:50:57.22 ID:sq4b/rT0O
喪女はその夜、終電を逃してしてしまい、村へ到着したのは翌くる日の午前、
日は既に高く昇って、両親たちは職場へ出て仕事をはじめていた。
喪女の十六の弟は、今日は家族が誰もいなかったので、部屋にかのめを連れ込んでいた。
始発で帰ってきた姉の、疲労困憊の姿を見つけて驚いた。
そうして、絶対にかのめのまえに顔を出すなと罵声を浴びせた。
「うるさい」喪女は、無理にでもかのめを一目見てやろうと努めた。
「頼むから、しばらく漫画喫茶かどこかへ出かけていてくれ。喪女のようなな姉がいると、かのめに知られたくないのだ」
弟はそう言って喪女に2000円を差し出した。
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:51:08.07 ID:CJ+hrBa+0
2時間で1000いったら生きてみようと思う
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1222600706/
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:51:56.22 ID:Vm7o950n0
これはwktk
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:52:19.49 ID:sq4b/rT0O
「うれしいか。綺麗なかのめを連れ込んで。
さあ、これから行って両親にこのことを知らせてやる。
弟が、他所の娘さんに手を出したと」
弟はしぶしぶ押し黙り、だったらせめて自分の部屋にいてくれと哀願した。
喪女は、また、よろよろと歩き出し、部屋へ帰って街で買った漫画を読みながらお菓子を食べ、
間もなく床に倒れ伏し、呼吸もせぬくらいの深い眠りに落ちてしまった。
目が覚めたのは夕方だった。喪女は起きてすぐ、弟の部屋を訪れた。
そうして、せっかくだからやっぱりかのめに挨拶させてくれ、と頼んだ。
弟は驚き、それはいけない、こちらにはまだ(喪女を)かのめに会わせる覚悟が出来ていない、次の機会まで待ってくれ、と答えた。
喪女は、待つことは出来ぬ、どうか今顔を見せてくれ給え、とさらに押してたのんだ。
リア充の弟も頑固であった。なかなか承諾してくれない。
5分ほど議論を続けたが、どうにも、弟を説き伏せることはできなかったので、喪女は壁越しに聞こえる物音に、全神経を集中した。
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:52:42.20 ID:5h5JtVL00
走れアヌス
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:53:28.66 ID:sq4b/rT0O
ギシアンは、日のあるうちに行われた。
弟とかのめの、(おそらくは)初めての儀式が始まったころ、たちまち黒雲が空を覆い、ぽつりぽつり雨が降り出し、やがて車軸を流すような大雨となった。
喪女は、何か不吉なものを感じたが、それでも一人で気を引きたて、狭い部屋の中でむんむん蒸し暑いのもこらえ、陽気な漫画を読み、お菓子を食べた。
喪女は、漫画のストーリーに没頭し、しばらくは、スイーツ(笑)とのあの約束さえ忘れていた。
ギシアンは、夜に入っていよいよ乱れ激しくなり、喪女は、外の豪雨を気にしているどころではなくなった。
喪女は、一生このままかのうじができないのか、と思った。
大学生にもなればかのうじのひとりもできるだろうと楽観していたが、いまも結局自分のからだには、膜がある。ままならぬ事である。
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:54:24.20 ID:9Bh9FoJQ0
弟カワイソス

原作じゃあ妹の結婚式のために奔走したというのに、この姉ときたら…
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:54:51.28 ID:sq4b/rT0O
喪女は、わが身に鞭打つことは考えず、気長にいこうと決意した。婚期を逃すには、まだ十分の時がある。就職したら、かのうじができるだろう、と考えた。その頃には、多少流行にも敏感になっていよう。
少しでも長く、この家に(パラサイト的な意味で)愚図愚図とどまっていたかった。
喪女ほどの女にも、やはり人恋しさの情というものはある。
喪女は今宵呆然、快楽に酔っているらしい弟の部屋にだしぬけに押し入ると、
「(童貞卒業)おめでとう。私は疲れてしまったから、ちょっとご免こうむって眠りたい。眼が覚めたら、すぐにアニメを見る。
大好きなアニメなのだ。お前の見たい番組があっても、お前にはもうかのめがあるのだから、我慢をしなければならない。
お前の姉の、一番嫌いなものは、アニメを見ているのを邪魔されることと、それから、漫画を勝手に処分されることだ。
おまえも、それは知っているね。私がアニメを見るのを、決して邪魔してはならぬ。お前に言いたいのは、それだけだ。
おまえの姉は、たぶん偉い女なのだから、おまえもその誇りを持っていろ」
弟は、呆然としながら全裸で肯いた。喪女は、それからかのめの肩をたたいて、
「リア充なのはお互い様さ。私にも、あなたのような時期があった。
かのうじは、今は無い。弟はあげよう。もう一つ、代わりに、カッコイイお兄さんがいたら紹介してくれ」
かのめはワザあり!下着(笑)を身に着けて固まっていた。
喪女は笑って二人に会釈して、部屋から立ち去り、布団にもぐりこんで死んだように眠った。
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:55:50.68 ID:sq4b/rT0O
眼が覚めたのはあくる日の薄明の頃である。
喪女は跳ね起き、南無三、寝過ごしたか、いや、まだまだ大丈夫、
これからすぐに居間に向かえば、アニメの放映時間までには十分間に合う。
今日は是非とも、あのアニメの大風呂敷がどう無理やりに畳まれるのかを見てやろう。
そうして笑って2ちゃんに書き込みをしてやる。
喪女は、悠々と階段を降り始めた。雨も、いくぶん小降りになっている様子である。
身支度はできた。さて、喪女はぶるんと両腕を大きく振って、テレビの、スイッチを入れた―――
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:56:11.75 ID:Vm7o950n0
>お前の姉の、一番嫌いなものは、アニメを見ているのを邪魔されることと
じゃましてるのはお前だろwwwwwwwwwww
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:56:17.75 ID:YJaSq+M70
なんだこれはwwwww
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:56:57.93 ID:sq4b/rT0O
―――家の、テレビが、故障していた。知人の家まで走るのだ。
最終回を見るために走るのだ。リアルタイムで見るために走るのだ。
走らねばならぬ。そうして、私はアニメを見る。
若い時から操を守れ(半ば意思に反して)。時間よ、止まれ。
それほど若くも無い喪女は、(主に体力的に)辛かった。
幾度か、立ち止まって休んだ。
えい、えいとiPODを聞きながら走った。
家を出て、道路を横切り、交差点をくぐり抜け、知人の家についた頃には昨日からの雨も止み、日は高く昇ってそろそろ暑くなってきた。
喪女は額の汗をハンカチでぬぐい、ここまで来れば大丈夫、アニメは目前だ。
今日は何か約束があった気がする、否、私にはいま、なんの気がかりもないはずだ。
知人に頼んでアニメを見せてもらえれば、それでよいのだ。
そんなにあわてる必要も無い、落ち着いて頼もう、と持ち前の呑気さを取り戻し、好きなアニメソングをいい声で歌いだした。
門をくぐり、知人宅の玄関に至り、チャイムを押したところ、振って沸いた災難、喪女の足ははたと、止まった。
見よ、眼前の扉を。玄関のドアは硬く閉ざされ、インターホンは沈黙し、
窓をのぞいても人の気配はなく、知人は一家揃って外出中のようであった。
彼女は呆然と立ちすくんだ。
あちこちと眺め回し、声を限りに家人を呼んでみたが、一家は残らず出かけており、愛犬の姿さえ見えない。
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:58:13.10 ID:sq4b/rT0O
刻限はいよいよ、迫り、OPが始まらんとしている。
喪女はその場にうずくまり、涙を流しながらゼウスに手を挙げて哀願した。
「ああ、帰宅させたまえ、友人の一家を!時は刻々に過ぎていきます。
リアルタイムで見ることができなかったら、インターネット配信を、待たねばならないのです。」
友人の一家は、喪女の叫びをせせら笑うごとく、一向に帰ってこない。
ドアは硬く閉ざされたまま、そうして時は、刻一刻と消えていく。
今は、喪女も覚悟した。勝手に見させてもらうより他に無い。
ああ、誰も照覧あるな!困難にも負けぬ愛と欲望の偉大な力を、いまこそ発揮してみせる。
喪女は、むんずと腕まくりし、庭に回りこんで鍵のかかった窓ガラスを相手に、必死の闘争を開始した。
満身の力を腕にこめて、しっかりと窓枠にはまったガラスを、なんのこれしきと枠から外そうとし、
めくらめっぽう獅子奮迅の見慣れぬ女の姿には、近所の人も不審と思ったか、ついに通報されてしまった。
おまわりさんこっちですという声に追われつつも、なんとか、官憲の手から逃れることが出来たのである。
ありがたい。喪女は腹にたまった脂肪を震わせ、すぐまた先を急いだ。
一刻といえどむだには出来ない。陽は既に西に傾きかけている。
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:59:08.11 ID:9Bh9FoJQ0
セリヌンティウス終了の悪寒
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:59:21.12 ID:hzwiF/g1O
面白いが携帯でこれだけ頑張ったことに何故目が向かぬ
萌えないことがあろうか
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 20:59:30.92 ID:sq4b/rT0O
ぜいぜい荒い呼吸をしながら峠をのぼり、のぼり切って、ほっとした時、
突然、目の前に一隊のハッピースピリチュアルメイクアップアドバイザー(笑)が躍り出た。
「待て。」
「何をするのだ。私は番組が始まるまでに別の知人の家に行かなければならぬ。放せ。」
「どっこい放さぬ。若い女性に人気(笑)なのだぞ。」
「私はスピリチュアル云々に興味は無い。間に合っている」
「春色フルーツカラー配色レッスン(笑)やホットヨガ(笑)も体験できるのだ」
「さては、スイーツ(笑)の命令で、ここで私を待ち伏せしていたのだな。」
ハッピースピリチュアルメイクアップアドバイザー(笑)たちは、ものも言わず一斉にキラキラ小物(笑)を振り上げた。
喪女はひょいとからだを折り曲げ、河馬の如く身近の一人に襲い掛かり、そのキラキラ小物(笑)を奪い取って、
「気の毒だが(自分の)正義のためだ!」と猛然一撃、たちまち三人を殴り倒し、残る者のひるむ隙にさっさと走って峠を下った。
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:00:27.40 ID:Vm7o950n0
セリヌンティウスのために走るんじゃないのかww
まだアニメに固執w
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:00:35.68 ID:sq4b/rT0O
一気に峠を駆け下りたが、流石に疲労し、折から午後の灼熱の太陽がまともに、かっと照ってきて、
喪女は幾度となく眩暈を感じ、これではならぬ、と気を取り直しては、よろよろ二、三歩あるいて、ついに、がくりと膝を折った。
立ち上がることが出来ぬのだ。天を仰いで、悔し泣きにないた。
ああ、官憲の手を振り切り、ハッピースピリチュアルメイクアップアドバイザー(笑)を三人も打ち倒し韋駄天、ここまで突破してきた喪女よ。
真の勇者、喪女よ。今ここで、疲れきって動けなくなるとは情けない。
愛するアニメを、お前が足を止めたばかりに、見逃さねばならぬ。
おまえは、リアルタイムならではのあの雰囲気を感じられない、ネット配信に頼ることになるのだぞと自分を叱ってみるのだが、
全身萎えて、もはや芋虫ほどにも前進かなわぬ。
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:01:37.13 ID:YJaSq+M70
殴り倒すとこだけは原作と同じかw
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:01:43.75 ID:sq4b/rT0O
路傍のベンチにごろりと寝転がった。
身体疲労すれば、精神も共にやられる。
もう、どうでもいいという、喪女に似合いの不貞腐れた根性が、心の隅に巣食った。
私は、これほど努力したのだ。
アニメを見逃して良いとは、微塵も思わなかった。
神も照覧、私は精一杯に努めてきたのだ。
動けなくなるまで走ってきたのだ。
私は(アニメファン的な意味で)不信の徒ではない。
ああ、出来るなら私の胸を断ち割って、真紅の心臓をお目にかけたい。
愛(キャラへの)とドロドロの血液(コレステロール過多による)だけで動いているこの心臓を見せてやりたい。
けれども私は、この大事なときに、精も根も尽きたのだ。
私は、よくよく不幸な女だ。私は、きっと笑われる。私の一家に(何でたかがアニメにそんなに必死なのと)笑われる。
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:02:48.61 ID:sq4b/rT0O
私はアニメを見られなかった。中途で倒れるのは、はじめから何もしないのと同じことだ。
ああ、もうどうでもいい。これが、私の定った運命なのかも知れない。
愛すべき二次元よ、許してくれ。君は、いつでも私を楽しませた。私も君に、かなりの金額をつぎ込んだ。
私たちは、本当に佳い友と友であったのだ。一度だって、Winnyなどの邪道に走ることはなかった。
今だって、君は無心に放映を待っているだろう。ああ、待っているだろう。
ありがとう、二次元。よくも私を楽しませてくれた。それを思えば、たまらない。
友(製作者)と友(視聴者)の間の真実は、この世で一番誇るべき宝なのだからな。
アニメよ、私は走ったのだ。君を欺くつもりは微塵も無かった。信じてくれ!
私は急ぎに急いでここまできたのだ。官憲の手を突破した。
ハッピースピリチュアルメイクアップアドバイザー(笑)の囲みからも、するりと抜けて一気に峠を駆け下りてきたのだ。
私だから、出来たのだよ。ああ、この上、私を誘惑するな。放って置いてくれ。ネット配信で、いいのだ。
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:04:04.12 ID:sq4b/rT0O
私は負けたのだ。だらしが無い。笑ってくれ。
先刻、自分の中の悪魔が、ネット配信でもいいじゃないか、囁いた。
TV放映されない地方の人間といっしょでも、いいじゃないかと誘惑した。私は、自分の弱さを恥じた。
けれども、今になってみると、私は悪魔の言うままになっている。私は、BIGLOBEに接続するだろう。
メッセの同好の志は独り合点して私を笑い、そうして私を軽蔑するだろう。
そうなったら私は、死ぬより辛い。私は永遠にファンとして裏切り者だ。
地上で最も、不名誉の喪女だ。喪女に名誉があるかはともかく。
二次元だけが私を裏切らなかったのに。いや、それも私のひとりよがりか?
ああ、もういっそ、アニメなど捨ててスイーツ(笑)として生きてみようか?
セリヌンティウスでさえキャンパスデビューできた。弟はリア充だ。
両親は、私がスイーツ(笑)になったところで追い出すようなことはしないだろう。
アニメだの、漫画だの、ゲームだの、考えてみれば、くだらない。
そんなものを卒業して色恋に現を抜かす。それがリア充社会の定法ではなかったか。
ああ、何もかも、ばかばかしい。私は、醜い裏切り者だ。どうとも、勝手にするがよい。やんぬる哉。
――四肢を投げ出して、うとうと、まどろんでしまった。
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:05:01.18 ID:K1s3pVdS0
良スレに出会えたこの巡り合わせを神に感謝します パーメン
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:06:13.77 ID:sd6ILoWcO
キャンパスデビュー(笑)した友は無視かw
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:06:16.22 ID:9Bh9FoJQ0
これ、ひどく赤面するところはどうするんだろうな…
wktk
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:07:43.62 ID:QKAqzKeq0
なんなんだこれは
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:09:01.76 ID:Vm7o950n0
>>1も、うとうと、まどろんでしまった。
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:11:10.20 ID:ESuykmE/0
これはwktk
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:11:47.33 ID:M/M3rNaO0
良スレ発見wwww
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:13:46.82 ID:GIcfb51Z0
wktk
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:15:09.28 ID:sq4b/rT0O
「今日は一つ合コンへ行ってみてやろう」そして私は居酒屋にずかずか入って行った。
 しかしどうしたことだろう、私の心を充たしていた幸福な感情はだんだん逃げていった。お兄さん系にもおっとりイケメンにも私の心はのしかかってはゆかなかった。
憂鬱が立て罩めて来る、私は周りがリア充だらけのせいだと思った。私は静かめの男の前へ行ってみた。無口な男と会話をするのは常に増してコミュ力が要るな! と思った。
しかし私は一言ずつ話題を振ってはみる、そして一言返事がくるのだが、胸キュンな気持はさらに湧いて来ない。
しかも呪われたことには隣の明るい男の前に座って見る。それも同じことだ。それでいて一度話しかけてみなくては気が済まないのだ。
それ以上は堪らなくなってそこから逃げ出してしまう。以前の席へ戻ることさえできない。私は幾度もそれを繰り返した。
とうとうしまいには座る場所がなくなって、テーブルの脇で突っ立っていた。
――なんという呪われたことだ。足の筋肉に疲労が蓄積する。私は憂鬱になってしまって、自分を抜いたまま盛り上がる合コン会場を眺めていた。
 以前にはあんなに私をひきつけた男どもがどうしたことだろう。一人一人に眼を晒し終わって後、さてあまりに尋常な周囲を見廻すときのあの変にそぐわない気持を、
私は以前には好んで味わっていたものであった。
「あ、そうだそうだ」その時私は袂の中の檸檬を憶い出した。料理の色彩をゴチャゴチャに混ぜ合わせて、一度この檸檬で試してみたら。「そうだ」
 私にまた先ほどの軽やかな昂奮が帰って来た。私は手当たり次第に料理を集め、また慌しく潰し、また慌しく混ぜた。
追加注文して食材をつけ加えたり、食べ去ったりした。奇怪な幻想的な城が、そのたびに赤くなったり青くなったりした。
 やっとそれはでき上がった。そして軽く跳りあがる心を制しながら、その城壁の頂きに恐る恐る檸檬汁を振りかけた。そしてそれは上出来だった。
 見わたすと、そのリア充はガチャガチャした声の会話をひっそりと打ち切ってしまっていて、カーンと静まりかえっていた。
私は埃っぽい居酒屋の中の空気が、その檸檬汁と檸檬の搾りかすの周囲だけ変に緊張しているような気がした。私はしばらくそれを眺めていた。
 不意に第二のアイディアが起こった。その奇妙なたくらみはむしろ私をぎょっとさせた。
 ――これをそのままにしておいて私は、なに喰わぬ顔をして外へ出る。――
 私は変にくすぐったい気持がした。「出て行こうかなあ。そうだ出て行こう」そして私はすたすた出て行った。
 変にくすぐったい気持が街の上の私を微笑ませた。合コンのテーブルへ黄金色に輝く恐ろしい爆弾を仕掛けて来た奇怪な悪漢が私で、
もう十分後にはあの居酒屋がリア充を中心として大爆発をするのだったらどんなにおもしろいだろう。
 私はこの想像を熱心に追求した。「そうしたらあのモテかわスリムでスイーツ(笑)なリア充も粉葉みじんだろう」
 そして私はエロゲーの看板画が奇体な趣きで街を彩っている秋葉原を下って行った。
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:15:47.02 ID:Qu44xgzT0
友(製作者)ってセリヌンティウスはどこに行ったんだよwwww
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:16:34.12 ID:9Bh9FoJQ0
ネタ切れしたからっていきなり小説変えるなよwwwww
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:17:18.23 ID:Qu44xgzT0
なんかおかしいと思ったら檸檬かよwwwww
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:18:25.96 ID:YJaSq+M70
途中から違うもんになってるwwwwwww
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:18:30.79 ID:Vm7o950n0
スイーツ(笑)との約束はどうなった?www
セリヌンは見殺しかww?
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:19:38.52 ID:GIcfb51Z0
セリヌンティウスオワタ
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:19:40.81 ID:xk+0RHQ8O
小説変わっとるwwwwww
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:21:19.24 ID:Qu44xgzT0
しかも丸善で画集集めて檸檬置くのが合コンの居酒屋で料理魔調合してレモン汁かけるとかwww
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:21:32.63 ID:JFgPTyMY0
途中から檸檬になっとるw
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:22:38.72 ID:9Bh9FoJQ0
面白かったからいいかw
携帯から乙
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:22:47.21 ID:pb1mF9FuP
もはや、自分は、完全に、リア充で無くなりました。
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:25:06.26 ID:sq4b/rT0O
親譲りの不器量で小供の時から損ばかりしている。
中学校に居る時分学校の二階から飛び降りて1週間ほど腰を抜かしたことがある。なぜそんな無闇をしたかと聞く人があるかも知れぬ。
別段深い理由でもない。休み時間に級友と話していたら、同級生の一人が冗談に、「喪女はキングボンビーに似ている」と言ったのを聞いた、当時淡い恋心を抱いていた男子が爆笑し、いたたまれなくなって発作的に窓から飛び降りたのだ。
担任に付き添われて帰ってきたとき、母が泣きながらなぜこんなことをしたのかと言ったから、この次に生まれるときは美人に生まれたいと言った。
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:25:25.11 ID:gUG0NjMQO
テラ檸檬wwwwwwww
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:26:07.08 ID:YJaSq+M70
今度は坊ちゃんかよwwwwww
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:26:41.03 ID:Qu44xgzT0
世界迷作文学集スレですねわかります
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:29:16.88 ID:9Bh9FoJQ0
この次に生まれるときは美人に生まれたいと言った。

切実ww
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:29:25.61 ID:uioIYuim0
おもしろすぐるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:29:27.41 ID:sq4b/rT0O
 何故こんな運命になったか判らぬと、先刻は言ったが、
しかし、考えようによれば、思い当ることが全然ないでもない。

少女であった時、己は努めて人との交を避けた。
人々は己を倨傲だ、尊大だといった。
実は、それが殆ど羞恥心に近いものであることを、人々は知らなかった。
勿論、成績だけは悪くなかった自分に、自尊心が無かったとは云わない。

しかし、それは臆病な自尊心とでもいうべきものであった。
己は男を求めながら、進んでアプローチを仕掛けたり、
求めて友と交って切磋琢磨に努めたりすることをしなかった。
かといって、又、己はお見合いに伍することも潔しとしなかった。
共に、我が臆病な自尊心と、尊大な羞恥心との所為である。
己のモテ子(笑)に非ざることを惧れるが故に、敢て刻苦して磨こうともせず、
又、己のモテ子(笑)なるべきを半ば信ずるが故に、恋愛結婚を諦めることも出来なかった。
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:30:07.27 ID:9Bh9FoJQ0
今度は山月記wwww
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:30:39.60 ID:Qu44xgzT0
最後は酒喰らって虎になるのか
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:31:58.26 ID:Vm7o950n0
カオスw
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:32:04.77 ID:xk+0RHQ8O
もはやカオスだなwwwwww
次はこころか?
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:32:26.78 ID:sq4b/rT0O
己は次第に世と離れ、人と遠ざかり、
憤悶と嫉妬とによって益々 己の内なる臆病な自尊心を飼いふとらせる結果になった。
人間は誰でも猛獣使であり、その猛獣に当るのが、各人の性情だという。
己の場合、この尊大な羞恥心が猛獣だった。虎だったのだ。
これが己を損い、両親を苦しめ、友人を傷つけ、果ては、己の外形をかくの如く、
内心にふさわしいものに変えて了ったのだ。

今思えば、全く、己は、己の、もっていた僅かばかりの若さを空費して了った訳だ。
人生は何事をも為さぬには余りに長いが、
何事かを為すには余りに短いなどと口先ばかりの警句を弄しながら、
事実は、魅力の不足を暴露するかも知れないとの卑怯な危惧と、
刻苦を厭う怠惰とが己のすべてだったのだ。
己よりも遥かに乏しい容姿でありながら、それを専一に磨いたがために、
堂々たる妻となった者が幾らでもいるのだ。虎と成り果てた今、己は漸くそれに気が付いた。
それを思うと、己は今も胸を灼かれるような悔を感じる。

己には最早夫婦としての生活は出来ない。
たとえ、今、己が心の中で、どんな熱い恋をしたところで、どういう手段で発表できよう。
まして、己の体は日ごとに 中年に近づいて行く。どうすればいいのだ。己の空費された過去は? 
己は堪(たま)らなくなる。
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:34:39.93 ID:pb1mF9FuP
('A`)
76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:35:31.71 ID:sq4b/rT0O
春は、のけもの。やうやう白くなりゆく髪ぎは
少し明りて紫だちたる頬毛の細くたなびきたる。

夏は、ハブ。学生の頃はさらなり。会社もなほ。悪口の多く飛び違ひたる。
また、喪女一つ二つなど、ほのかにうち光りてコミケに行くもをかし。
雨など降らすもをかし。

秋は、やさぐれ。夕日のさして、山の端いと近うなりたるに、
スイーツ(笑)の男の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、
帰り急ぐさへ哀れなり。まいてカップルなどの列ねたるがいと小さく見ゆるは、
いとをかし。日入り果てて、キャッキャッ、ギシアンなど、はたいふべきにあらず。

冬は、勤めていない。脛の囓りたるはいふべきにもあらず。
親の目のいと白きも、またさらでも、いと寒きに、ローターなど急ぎ出して、
それもてオナるも、いとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、
屑の籠も、白きティッシュがちになりて、わろし。
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:36:33.97 ID:xk+0RHQ8O
>>76
クソワロタwwwwww
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:36:56.03 ID:9Bh9FoJQ0
>>76
これはいいwww
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:37:03.12 ID:Qu44xgzT0
>>76
ワロシ
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:37:08.71 ID:sq4b/rT0O
雨ニモマケテ
リア充ニモマケテ
雪ニモスイーツ(笑)ノ暑苦シサニモマケテ
丈夫ナ脂肪ヲモチ
性慾ハ強ク
決シテ満腹セズ
イツモシヅカニニヤケテイル
一日ニオヤツ四回ト
牛丼ト多クノアイスクリームヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レテ
ヨクミキキシテモワカラズ
ソシテワスレテ
都会ノビルヂングノ林ノ隅ノ
小サナ厠ノ中ニイテ
プロフニ薄弱ノDQNアレバ
行ツテプギャーシテヤリ
スレニ老ケタ鬼女アレバ
行ツテソノ肌ノ張リヲ罵リ
板ニ死ニソウナ喪女アレバ
行ツテコハガラナクテモイヽトイヒ
ニュー速ニケンクワヤマツリガアレバ
オモシロイカラマゼロトイヒ
ヒデリノトキハオナニシ
サムサノフユハコタツデゴロネ
ミンナニキモイヨートイハレ
モテハヤレモセズ
アイサレ(笑)モセズ
サウイウモノニ
ワタシハナッチャッタ
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:38:30.11 ID:9Bh9FoJQ0
一日ニオヤツ四回ト
牛丼ト多クノアイスクリームヲタベ

このピザ野郎wwwwww
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:38:46.04 ID:Vm7o950n0
>プロフニ薄弱ノDQNアレバ
>行ツテプギャーシテヤリ

wwwwww
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:39:22.84 ID:xk+0RHQ8O
このクオリティは異常
84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:39:24.89 ID:gJgD6YcK0
>>80
ナッチャッタに笑ったwww
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:41:59.74 ID:sd6ILoWcO
羅生門とかお願いしたい
86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:42:59.00 ID:gJgD6YcK0
羅生門の下に一人の喪女が座っていた。

かw
87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:43:18.71 ID:gJgD6YcK0
雨止みか
88以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:43:35.20 ID:sq4b/rT0O
私は、その女の写真を三葉、見たことがある。
一葉は、その女の、幼年時代、とでもいうべきであろうか、十歳前後かと
推定される頃の写真であって、その子供が大勢の女のひとに取りかこまれ、
(それは、その子供の姉たち、妹たち、それから、従姉妹たちかと想像される)
庭園の池のほとりに、荒い縞のスカアトをはいて立ち、首を三十度ほど左に傾け、
醜く笑っている写真である。醜く? けれども、鈍い人たち
(つまり、美醜などに関心を持たぬ人たち)は、面白くも何ともないような顔をして、
「可愛いお嬢さんですね」
といい加減なお世辞を言っても、まんざら空お世辞に聞えないくらいの、いわば通俗の
「可愛らしさ」みたいな影もその子供の笑顔にないわけではないのだが、しかし、
いささかでも、美醜についての訓練を経てきたひとなら、ひとめ見てすぐ、
「スイーツ(笑)」
とすこぶる不快そうに呟き、毛虫でも払いのける時のような手つきで、
その写真をほうり投げるかもしれない。
89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:46:15.23 ID:jm81tjLH0
だざいにもどったwww
90以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:47:26.34 ID:sq4b/rT0O
まったく、その女の笑顔は、よく見れば見るほど、何とも知れず、イヤな薄気味悪いものが感ぜられてくる。
どだい、それは、笑顔でない。この子は、少しも笑ってはいないのだ。
その証拠には、この子は、両方の掌を少し内側に傾けて立っている。
人間は、わざわざ可愛く見えるように笑うものではないのである。
スイーツ(笑)だ。自分らしさを演出の笑顔だ。
ただ、顔に醜い皺を寄せているだけなのである。「もてカワスリムで自分らしさを演出」
とでも言いたくなるくらいの、まことに奇妙な、そうして、どこかけがらわしく、
へんにひとをムカムカさせる表情の写真であった。
私はこれまで、こんな不思議ちゃん系で彼のハートをゲットな表情の女を見た事が、いちどもなかった。
91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:48:04.28 ID:Oi9cea80O
そのうちレ・ミゼラブルとか岩窟王になるに7000ペリカ
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:48:56.08 ID:9Bh9FoJQ0
短いものを、全パロでやってくれると
もっとウケる、と思うぞ。
大変だと思うが、もし良かったらそうしてみてくれないか?
93以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:49:43.38 ID:sq4b/rT0O
第二葉の写真の顔は、これはまた、びっくりするくらいひどく変貌していた。学生の姿である。
高等学校時代の写真か、大学時代の写真か、はっきりしないけれども、とにかく、
おそろしく美貌の女である。しかし、これもまた、不思議にも、
自然に生きている人間の感じはしなかった。春色ミニワンピを着て、胸から赤い見せブラを覗かせ、
ベンチに腰かけて足を組み、そうして、やはり、笑っている。
こんどの笑顔は、もてカワスリムの笑いでなく、かなり巧みな微笑になってはいるが、
しかし、人間の笑いと、どこやら違う。血の重さ、とでもいおうか、生命の渋さ、とでもいおうか、
そのような充実感は少しもなく、それこそ、鳥のようではなく、羽毛のように軽く、ただ白紙一枚、
そうして、笑っている。つまり、一から十まで造り物の感じなのである。ぶりっこといっても足りない。
キッチュといっても足りない。ビッチといっても足りない。おしゃれといっても、もちろん足りない。
しかも、よく見ていると、やはりこの美貌の学生にも、どこかスイーツ(笑)じみた気味悪いものが感ぜられてくるのである。
私はこれまで、こんな不思議な美貌の女を見た事が、いちどもなかった。
94以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:50:40.18 ID:Qu44xgzT0
>>92
メロスもうちょっとで完結だったのにな
95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:51:01.39 ID:sq4b/rT0O
もう一葉の写真は、最も奇怪なものである。
まるでもう、としの頃がわからない。頭はいくぶん白髪のようである。
それが、ひどく汚い部屋
(部屋の壁が三箇所ほど崩れ落ちているのが、その写真にハッキリ写っている)
の片隅で、小さいストーブに両手をかざし、こんどは笑っていない。どんな表情もない。
いわば、座ってストーブに手をかざしながら、自然に死んでいるような、
まことにいまわしい、不吉なにおいのする写真であった。
奇怪なのは、それだけでない。その写真には、わりに顔が大きく写っていたので、
私は、つくづくその顔の構造を調べる事ができたのであるが、
額は整形、額の皺も整形、眉も整形、眼も整形、鼻もロも顎も、
ああ、この顔には表情がないばかりか、生まれ持った物さえない。すっぴんがないのだ。
96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:52:01.02 ID:sq4b/rT0O
たとえば、私がこの写真を見て、眼をつぶる。すでに私はこの顔を忘れている。
部屋の壁や、もてカワ系エセ北欧家具は思い出す事ができるけれども、その部屋の主人公の顔の印象は、
すっと霧消して、どうしても、何としても思い出せない。画にならない顔である。
ケータイ小説にも何もならない顔である。眼をひらく。あ、こんな顔だったのか、思い出した、
というようなよろこびさえない。極端な言い方をすれば、眼をひらいてその写真を再び見ても、
思い出せない。そうして、ただもう不愉快、イライラして、つい眼をそむけたくなる。
いわゆる「愛されメイク」というものにだって、もっと何か表情なり印象なりがあるものだろうに、
人間のからだにリラックマの首でもくっつけたなら、こんな感じのものになるであろうか、とにかく、
どこという事なく、見る者をして、ぞっとさせ、いやな気持にさせるのだ。
私はこれまで、こんな不思議な女の顔を見た事が、やはり、いちどもなかった。スイーツ(笑)
97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:54:00.12 ID:sq4b/rT0O
スイーツに対するふかいふかい嫌悪の情が一瞬ちらりと女のごつい顔をかすめた。
ついでにいっておくが、彼女はなかなかのブサイクで、すてきな黒ずんだ脇をし、
髪はボサボサで、腹は胸よりやや高く、体つきは小太りで、ずんぐりとしていた。
(略)
通りがかりにDQNが「やい、このデブスめ!」といきなりどなって、彼女を指さしながら
大声でわめきだしたときには、―――さすがの彼女もぴたりと足をとめて、
発作的に自分の腹に手をかけた。
腹というのは丈の高い丸い関取級なのだが、もうすっかり脂肪がたまり、
完全にへそ毛に覆われ、毛穴だらけ、しみだらけで、肉はゆるんでしまい、
ぶかっこうきわまるへそが一本の横線になっているような代物だった。
ところが、彼女をとらえたのは羞恥の気持ちではなくて、そんなものとはまったくちがった、
憤怒にも似た感情だったのである。
98以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:55:26.45 ID:sq4b/rT0O
「あたしだってそんなことはわかっていたよ!」と喪女はどぎまぎしながらつぶやいた。
「あたしもそう思っていたんだ!こいつが何よりもいけないんだ!
こうした、ちょっとした脂肪が、ちょっとしたくだらない些細な脂肪が、
愛されコーデ(笑)をすっかりぶちこわしてしまうものなんだ!
そうだ、この腹はめだちすぎる……滑稽だからめだちすぎるんだ……
このあたしのコーデには、よしんば古びた、エビちゃんみたいなかっこうのでもいいから、
どうしてもCANCAN系でなくちゃいけない、こんな腹じゃだめだ。
こんな腹はスイーツはだれももっちゃいないから、1キロ先からだって
人に気づかれて、pgrされちまう……
 第一、pgrされちまったが最後、立派なかれうじができるはずがないじゃないか。
今のうちはマイクロダイエットしていなきゃ……些細なことが、
些細なことが肝心なんだ!いつでもこういった些細なことからどんなフラグも
だめになってしまうんだからな……」
99以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:56:26.42 ID:sq4b/rT0O
ああいもうとよ、君を泣く 君モテたまふことなかれ
末に生まれし君なれば   親のなさけは まさりしか
親は愛をにぎらせて  人に恋せと をしへしや
我にはちゃんとしろよとて  喪女になるまで そだてしや
100以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:57:04.66 ID:sq4b/rT0O
しかし喪女ゆえ傷つきて
己の未来も憎みしや
十五、十六、十七と私の人生暗かった
どう咲きゃいいのさ、この私
夢はあるけど叶うことなかれ


嗚呼世知辛い世知辛い
101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:57:44.67 ID:xr5fMS7O0
>>99
> ああいもうとよ、君を泣く 君モテたまふことなかれ
ひでぇwwwww
102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:58:21.60 ID:sq4b/rT0O
「おい合コンさ行ぐんだで!」
二人はマクドナルドの座席に寄りかかって、河馬が背のびをしたように延びて、スイーツ(笑)で溢れる休日の街を見ていた。
喪女は指についたケチャップまで舐めた後、ビッグマックの包み紙をポテトの容器と一緒に捨てた。
包み紙はおどけたように、色々にひっくり返って、ゴミ箱の中へ落ちていった。彼女は身体一杯脂肪がついていた。
 赤い見せブラを胸元から覗かせたスイーツ(笑)や、デート最中らしく男の方袖をグイと引っ張るように、思いっきり抱きついているのや、
愛されメイク、大きな態度をしたモテカワスリム、南京虫のように男と男の間をせわしなく飛び回る恋愛体質、
わいわいとざわめいているリア充やセレビッチや愛され上手の織り成す、人の波・・・・・・。
風の具合ですれちがったスイーツ(笑)の、ムッとする香水の匂いを送った。
DQNのゲラゲラという笑い声が、時々人ごみの向こうから響いてきた。
 このマクドナルドのすぐ手前に、ペンキのはげかけた看板を、通りに向かって突き出しているメイド喫茶の入り口を、
美少女フィギュアをかかえた男が二人何度も機械人形のように、行ったり来たりしているのが見えた。
オタクらしかった。確かに、繰り返しメイド喫茶に「帰宅」しているのだった。
「おいらもう(合コンに)着ていく服が無え。――糞。しまむら」
103以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 21:58:38.00 ID:yjr5yoCQ0
良スレ発見
104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 22:00:04.27 ID:sq4b/rT0O
喪女丸は初めての航海漁をする実習生17名を含む546人で北の海を目指していた。
4月半ばに出航したものの、寮に慣れない実習生や天候不順の為か、6月に入っても予定の三分の一の釣果もない。
そんな現状のなか幹部は1日20時間労働を強いた。
当然喪女を含む実習生達は3日間のストを起こすのだが、スイーツ(笑)幹部達の容赦のない反撃をくらい
「お前達みたいな要らない人間におまんま食わして働かせてやってんだ!
感謝されても恨まれる筋合いはないのさ
お前達自分の立場を解って無いようじゃないか」
濡れた草鞋に海水が染み込む、服だって一枚切りをずっと来ている………。
暫くして革靴のコツコツした足音が聞こえてきた。
「さっきはよくいけしゃあしゃあと言ってくれたもんだ
少しは分からせるのも大切だ!」
そう言うと幹部は16になったばかりの喪子を丸裸にし、支柱に縛り付け棒で意識が無くなるまで叩かれ放置された。
もうひとりは髪を全部引き抜かれ松明を顔に押し付けた。
その後他の実習生は黙々と作業に打ち込んだ。
7日目に喪子が死んだ。
死ぬ前に喪子の父が幹部に「喪子が林檎を欲しがっている、1つでいいから欲しい」と頭を下げた。
105以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 22:00:54.47 ID:sq4b/rT0O
しかし幹部は働かない者にやる林檎はないと突っぱねた。
喪子の父は20時間働いた後、喪子の看病をして眠る。時に一睡もしないまま働く。
喪子に与えられる物は残飯の粥と良くておこげの粥。それに薄めた牛乳だけだった。
最期の日、喪子が父に牛乳うまいよぅ、父ちゃんありがとう…と目を閉じた。16年と2ヶ月の短い一生だった。
水葬の時には沈んでゆく喪子に向かい、絶対敵は打つからなと言った。
仕事を続けながらも、今は亡き喪子を思い皆泣いていた。
誰かが喪っちゃーんと叫んだ。
幹部が鞭を振るいながら、お前らも喪子みたいにならんように精出せ!!
こんな事態の中でも幹部に取り入った菓子や砂糖は仕事もせず、下の世話役に回っている。
106以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 22:02:09.90 ID:sq4b/rT0O
「おいらもう(合コンに着ていく服が無え。――糞。しまむら)」

そう云って身体をずらしてよこした。そしてもう一人の喪女に目配せをして、自分の腰のところへ視線を向けさせた。
上着を少しまくって、スカートの腰元を覗かせた。ホックは外されているようだった。
一人は黙って、その喪女の顔を見た。
「ヒヒヒ・・・・・・」と笑って「閉まらないんだよ」と云った。

歩きながら前を通りかかった隠れ家的お店で、「自分らしさを演出」したスイーツ(笑)が、自分へのご褒美と言いながらケーキを食べている。
口から出る話題はすべて、愛され上手(笑)な自分のことばかりで、喪女の耳は痛んだ。
両手に商品を乗せ、黒いエプロンをかけた店員が忙しく、テーブルと厨房を出入りした。
――用意はまったくできていないが、もう合コンへ出かけなければならない時間になった。
107以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 22:03:44.49 ID:sq4b/rT0O
――用意はまったくできていないが、もう合コンへ出かけなければならない時間になった。

リア充のいる店内を覗き込むと、薄暗い奥のボックス席に、いい男を逃すまいと猛禽のように目をぎらつかせるスイーツ(笑)が見えた。
皆、年のころ20、21の妙齢の者ばかりだった。
「夏色コスメ(笑)」「秋色ファンデ(笑)」
みんな同じだった。スイーツ(笑)的な話題ばかりだった。
そういうのは、それだけで一塊をなしていた。
「思い切って残業(笑)」「デキる女性(笑)」「自立した大人の女性(笑)」
スイーツ(笑)等は、喪女たちと価値観を違えていた。
「最近アタシ、読書にハマッててー」
隣に座ったスイーツ(笑)の一人で常に上目遣いの、キラキラ小物で身を飾ったのが、
「恋空とかチョー泣けたしよかったー!」と云った。
「恋空?」
「うん、マジ感動」
空気がムンとして、何か悪い冗談でも聞かされている気がした。
男を何十人もたらしこんだ子悪魔系(笑)がすぐ隣に座っていたので、愛されオーラ(笑)とやらも感じた。
108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 22:05:49.55 ID:sq4b/rT0O
もっじょじょ もじょうじょ もじょうじょ もじょう
青山のスイーツ(笑)も吹きとばせ
甘酸っぱい片思いも吹きとばせ
もっじょじょ もじょうじょ もじょうじょ もじょう
もっじょじょ もじょうじょ もじょうじょ もじょう
109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 22:06:25.88 ID:9J18yS8j0
つC
110以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 22:07:11.71 ID:pb1mF9FuP
もーじょもーじょもじょ哀れな子
111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 22:12:42.41 ID:GQJq9To20
もじょもじょ言うなwwwwwwwww
112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 22:14:48.06 ID:sq4b/rT0O
113以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 22:35:41.94 ID:Vm7o950n0
良スレあげ
114以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/28(日) 23:07:54.69 ID:Vm7o950n0
115以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
しゅ