1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
かがみ「……はい?」
こなた「だから、選択と決断なんだって」
かがみ「またアニメやゲームやらに影響されたのか?」
こなた「フ、フ、フ。今日の私は一味違うのだよかがみん」
かがみ「どういう風に?」
こなた「やると決めたらやるのだ」
かがみ「やるって……一体、何をしでかす気なのよ?」
こなた「それはね……」
>>5
sage
?
仕事や学校ないの?
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 07:12:23.10 ID:FpasuGCSO
義務教育に従い、地道にキャリアを積み上げていく
おっぱい
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 07:12:51.58 ID:IjT6N7IsO
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 07:18:42.79 ID:EbJHRUod0
こなた「おっぱい」
かがみ「えっ……」
こなた「なーんてね、冗談だよ冗談」
かがみ「……」
こなた「さ、パンも買えたし教室に戻って食べよ」
かがみ「……そうね」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 07:20:49.95 ID:hXue/ZF0O
こなたすきだかわいいだきしめたい
__
/⌒ヽヽ
___ ,、__ |/
‐=ニ_ : : : : `Y: :`: : : : : : ` ヽ、
, イ: : : : : : : :l: : : : l: : : : : : : : : \
/;:/: : : : : : : |: l : : |、: l: : : : : : : : :ヽ
/// , : : : : :l_:_/|: l : : l l_:_|_: : : :ヽ: : : : l
/ /: : : :/ 'l:./`|: l: : { ´l: |、`ヽ: : l: : : : !
,' /| : : /: :/|{ l/l: : | ヽl \: : :l : : : l
|/ |: : /: :ハr┯┯ l : | ┯┯yl : |: :\l
. |: :lイ ;'ハ b::| ヾl b::! l l: l`l:`メゝ
ヽ| レ |: :l  ̄  ̄・ l l/ー': :l
l.:|: :ゝ、._ ー'ー' _,.ィ': : l:: : :|
|.:|: : : :__二7T ¨´lヽ、| : :l: : : |
|.:| ./ | |_ _| | \l: : : |
|.: | | | \ / | i |.: : : |
|.: |├┤ __|_/ ├┤|: : : |
|.: | |  ̄ ∧ ̄ ̄ | |: : : |
|.: | |. | |: : : |
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 07:24:24.95 ID:EbJHRUod0
昼休み/教室
こなた「お待たー」
つかさ「あ、おかえりー」
みゆき「意外と早かったんですね」
かがみ「……」
つかさ「お姉ちゃん?」
かがみ「……あ、なに?」
つかさ「どうかしたのかなって」
かがみ「別に。あとハイ、つかさの分のパン」
つかさ「……ありがと」
こなた「さてさて昼食の時間だね」
1.かがみと会話する
2.つかさと会話する
3.みゆきと会話する
4.誰かには絞らず、全員の観察に徹する
>>12
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 07:25:54.79 ID:hXue/ZF0O
2
5
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 07:29:19.06 ID:34IvCjf+P
3
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 07:30:32.82 ID:HNOdecp1O
3
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 07:35:42.26 ID:EbJHRUod0
※既定外の選択をとった場合は安価下
こなた「ねぇねぇ、みゆきさん」
みゆき「はい、なんでしょうか?」
こなた「何か面白い話とかないかな?」
みゆき「面白い話、ですか?」
こなた「うんうん、なんでもいいからさ」
みゆき「急に仰られましても……」
こなた「例えばさ、
1.「雑学じみた話とか」
2.「恋愛なんかの浮かれた話とか」
3.「学園に纏わる怖い話とか」
4.「取り留めのない話でもいいから」
>>19
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 07:39:31.84 ID:VSuw8h9rO
4
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 07:40:08.52 ID:hIeJ28kU0
3
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 07:40:18.84 ID:dq4+qvIe0
6
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 07:40:46.88 ID:VSuw8h9rO
4
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 07:41:02.03 ID:HNOdecp1O
2
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 07:41:51.28 ID:hXue/ZF0O
2
俺との恋愛
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 07:50:27.53 ID:EbJHRUod0
こなた「取り留めのない話でもいいから」
みゆき「取り留めのない話、ですか……」
こなた「うんうん」
みゆき「そう言われてみると、咄嗟には思い浮かばないものですね……」
こなた「期待」
みゆき「うっ……えーと、もうすぐ10月ですよね?」
こなた「そだね、そだね!」
みゆき「暦上では冬も間近ということになります」
こなた「そうなんだー」
みゆき「はい」
こなた「……で?」
みゆき「えっと、えと……コーヒーを淹れた後に絞り粕が残りますよね?」
こなた「そだね」
みゆき「あれって、消臭効果があるんですよ」
こなた「……で?」
みゆき「あぅあぅ……なんとなく悪意を感じます……」
1.もう少し話を続ける
2.切り上げる
>>26
2
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 07:51:41.06 ID:qfjdqbS30
2
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 07:54:56.34 ID:KjxzMU8BO
みゆきさんかわいいなw
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 07:57:06.72 ID:EbJHRUod0
こなた「気のせいだよ、ごめんね」
みゆき「お役に立てずに申し訳ありません……」
こなた「いーからいーからっ!」
みゆき「うぅ……」
その後、普段通りに昼食を終えた。
ただ、違うとすれば、かがみからの視線がキツく感じられたことくらいかな。
私の思い過ごしである可能性もあるけれど。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 08:11:20.51 ID:EbJHRUod0
5時間目/国語
「つまりだな、箱を開けるまでは箱の中にいる猫が生きているか――」
若い男性教師は千切れんばかりに腕と熱弁を振るっている。
ただし、その内容は思いっきり授業内容とは剥離してしまっているけどね。
シュレディンガーの猫、か。
箱を開けるまでは中に居る猫が死んでいるか生きているかは解らない。
つまり、第三者が箱を開けて観察するまでは、その両者が共存した状態にあるということらしい。
正直、意味がわからない。
さらに教師の話は、エヴェレットの多世界解釈がどうとかいう話にまで飛び火している。
開けた瞬間に生きている世界、死んでいる世界に確率分岐がナントカカントカ。
これも意味不明。
けれども、ただ一つだけはっきりと導き出された答えがある。
二つの世界が交わる事はない。
どちらかに分岐を行えば、それが真実だと確定してしまうということだ。
だからどうだと言われれば、それまでだけどね。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 08:15:44.93 ID:Li7Bh69PO
つかさとこなたは別世界に行ってそうな授業だな
つかさかわいいよ… つかさ…
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 08:21:57.99 ID:EbJHRUod0
放課後/教室
かがみ「よーし、それじゃあ帰りましょ」
こなた「相変わらず、うちのクラスに来るのが早いねぇ」
かがみ「行動はテキパキと、が基本よ」
こなた「ふーん」
かがみ「……な、なによ?」
こなた「てっきりハブられてんのかと」
かがみ「お生憎様。あたしには5年間を共に過ごした盟友が居るから大丈夫なの」
こなた「その割には、お昼も中休み放課後もこっちに居るじゃん?」
かがみ「それが何よ?」
1.「そんなにこのクラスが好きなのかい?」
2.「そんなに私の事が好きなのかい?」
3.「案外、心の底では疎まれてたりしてね」
4.「別に何も。ただ言ってみただけだよ」
>>35
2
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 08:28:25.85 ID:VSuw8h9rO
2
4
2
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 08:41:17.63 ID:EbJHRUod0
こなた「別になにも。ただ言ってみただけだよ」
かがみ「引っ張るだけ引っ張ってそれかい」
こなた「いや、ほらさ、アレだよアレ」
かがみ「アレじゃわかるわけないでしょ? 中年サラリーマンかよ、お前は」
こなた「違うよ、私は私だよ」
かがみ「はぁ?」
こなた「私だ」
かがみ「……?」
こなた「私だ」
かがみ「お前か。気付かなかったぞ」
こなた「反応が少し遅いぞ」
かがみ「気付かなかったぞ」
こなた「暇を持て余した」
かがみ「神々の」
つかさ「遊び」
みゆき「……わたくしには何の事やら……疎外感です……」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 08:41:56.88 ID:hIeJ28kU0
wwwwwww
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 08:47:07.35 ID:VSuw8h9rO
つかさwww
( >ヮ<)およよ〜
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 08:51:17.93 ID:EbJHRUod0
下校/学園近郊
陸上部A「陵桜〜ファイッ!」
陸上部B「ファイッ! エイソッ! エイソッ! エイソッ! エイソッ!」
陸上部C「ファイッ! エイソッ! エイソッ! エイソッ! エイソッ!」
つかさ「そういえば、部活動って大変そうだよね」
みゆき「そうですね。陸上部の方々は、夏でも冬でも薄着で励んでおられますからね」
こなた「野球部なんかだと夏に辛いんじゃない?」
かがみ「あと剣道とかもね」
つかさ「剣堂……?」
こなた「……」
つかさ「……」
かがみ「……」
みゆき「……」
こなた「臭いよねー」
つかさ「臭いよねー」
かがみ「臭いよねー」
みゆき「確かに蒸れそうですよね」
みゆき「……」
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 09:00:27.08 ID:EbJHRUod0
下校/市街地・駅という岐路
こなた「もうすぐ駅だね」
みゆき「そうですねぇ」
かがみ「ここまで来ると、もう少しで家に帰れるんだっていう実感が湧いてくるわね」
つかさ「えへへ……なんだか眠くなってきちゃったかも……」
かがみ「おいおい……」
こなた「それじゃあ、みゆきさんとはここでお別れかな?」
みゆき「ええ、それでは皆さんお気を付けて」
1.「じゃあ、また明日!」
2.「みゆきさんこそ気を付けてねー!」
3.「そういえば、どうしてみゆきさんは陵桜学園を選んだんだろう?」
4.「また……無事に会えるといいね……」
>>44
4
4
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 09:12:03.99 ID:EbJHRUod0
「また……無事に会えるといいね……」
人混みの中へと紛れ行く彼女の背中に向かって、私は呟いた。
どんな些細な言葉でもいいから今すぐに声をかけないと、消えてしまうような気がしたから。
「うふふ。会えますよ、きっと……」
長い髪を翻らせながら、振りむいての笑顔。
それは何時にも増して完璧で。
見るもの全てを惹きつけてしまうようで。
けれども何処か儚くて……。
「約束、だよ」
確かめるように、もう一度だけ言葉にする。
そして、みゆきさんは居なくなった。
駅のホームから。
4
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 09:18:10.29 ID:hXue/ZF0O
そしてこなたは俺のところへ現れた。
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 09:21:16.48 ID:EbJHRUod0
下校/電車内
こなた「席が空いてて良かったね」
かがみ「座れるのはありがたいんだけど……」
つかさ「すー……すー……」
こなた「宣言通りに寝ちゃうんだね、つかさ」
かがみ「読めてはいたけどさ、あたしに靠れて来るから重くて重くて……それに、あたしまで眠くなるし」
こなた「うーんとさ、」
1.「かがみも眠ってていいよ、着いたら起こしてあげるから」
2.「姉妹っていいよね、羨ましいかな」
3.「お昼の話なんだけどさ」
4.「特に意味の無い話なんだけど……」
>>50
3
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 09:24:24.99 ID:osKqa65/0
んじゃ3
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 09:29:34.57 ID:EbJHRUod0
こなた「お昼の話なんだけどさ」
かがみ「お昼?」
こなた「ほら、今日のお昼休みのことだよ」
かがみ「あー、それでどうかしたの?」
1.「おっぱい」について蒸し返す
2.「みゆきさんとの会話」について印象を尋ねる
3.「チョココロネ」について熱く意見を交わす
>>53
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 09:36:20.52 ID:hIeJ28kU0
1
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 09:38:52.47 ID:osKqa65/0
1
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 09:39:28.22 ID:VSuw8h9rO
1
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 09:49:44.17 ID:EbJHRUod0
こなた「おっぱい」
かがみ「なっ!?」
こなた「おっぱい、おっぱい」
かがみ「ちょっ、やめなさいよ! 人が見てるから!」
こなた「どうしてかなぁ? かがみんは何故こうにも動揺するのかなぁ?」
かがみ「き、急に訳のわからない事を口走ったアンタの頭が心配になっただけよ」
こなた「どうしてかな? かな?」
かがみ「その眼はやめろ」
こなた「何か私に隠しているんじゃないのかな?」
かがみ「……」
1.「誰にも喋らないから教えてよ、ねっ?」
2.「かがみん酷い……私なんかは蚊帳の外なんだねっ……ぐすっ……」
3.「話したくないのなら、無理には訊かないよ」
4.敢えてスルーしてサメの話
>>57
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 09:52:10.79 ID:VSuw8h9rO
3
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 09:53:27.50 ID:re7ujoVZ0
1
つまんね
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 09:58:52.92 ID:hIeJ28kU0
俺はわりと好きだ
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 09:59:17.17 ID:VSuw8h9rO
おもしろいけど
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 10:02:19.65 ID:n6DaGOXg0
おもしろそうだ
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 10:08:54.78 ID:EbJHRUod0
まだ世界の方向性すら決まっていない段階で酷な事を仰るものだ
日常、混沌、猟奇、怪談、素材が揃えばどれでもやるよ
出来までは保障しないけどね
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 10:10:10.90 ID:EbJHRUod0
こなた「誰にも喋らないから教えてよ、ねっ?」
かがみ「……」
こなた「駄目?」
かがみ「うー、わかったわよ」
こなた「それでそれで?」
かがみ「大したことじゃないけどね……ほら、つかさってあたしより胸が大きいでしょ?」
こなた「いや、知らないけど」
かがみ「大きいのよ。って、こんな場所でする話じゃないような……」
こなた「いいから続けて」
かがみ「いや、それで……なんとなくアレかなと思ってみゆきに……」
こなた「つまり、姉の威厳を保つ為、バストサイズに定評のあるみゆきさんに泣き付いたと」
かがみ「わざわざ嫌な言い回しに換えないでくれ」
1.「ふーん、本当に大したことないね。胸も話も」
2.「そっかそっか、胸の支えが取れてすっきりしたよ」
3.「……本当にそれだけ? まだ秘密があるんじゃない?」
>>65
>>62 やっぱ1〜4の数とかでベクトル決める気だったのか
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 10:10:18.81 ID:re7ujoVZ0
. r'ニ;v'ニ;、
_,!_(9i (9i:、
/ `ヽ,. ┘ヽ ふむふむ・・・
. i ′′ } なるほどなるほど・・・
l、 、 ,!
ヽ.____,ノ` ,∠!
`ーァ ヘ>
i′ ヾZ___/`i
| , ヾ;.、ヾ;、 !
l、 | |,.、ヾ二_)|
l ヽ.ヽ、`,! _,ノ
`ーヘ,.二i、 〈
./ニYニヽ
r、r.rヽ. / (0)(0)ヽ
r |_,|_,|_,|/ ⌒`´⌒ \ で?っていう
|_,|_,|_,|_,| , -) (-、.|
|_,|_,|_人 (^ iヽ__ ノ l |
| ) ヽノ | `ー'´ /
| `".`´ ノ
入_ノ
\_/
/
/
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 10:11:43.60 ID:re7ujoVZ0
3
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 10:12:46.42 ID:hIeJ28kU0
百合好きの俺としては
ベタだがこなた×かがみ・・・もしくわかがみ×こなた(誘い受け)で書いてもらいたい
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 10:23:26.48 ID:EbJHRUod0
こなた「……本当にそれだけ? まだ秘密があるんじゃない?」
かがみ「え……?」
こなた「もう少し詳しく」
かがみ「……」
こなた「ねぇねぇ、かがみーん」
かがみ「あのさ、私は思うんだけど!」
こなた「……なにさ、急に真面目な声を出して」
かがみ「そうやって無暗やたらと秘密を探りたがるのって、正直どうかと思うんだけど?」
こなた「えっとえと……かが、みん?」
かがみ「人には、それぞれにプライバシーってものがるの」
こなた「うぅ……ごめん」
かがみ「はぁ……まあいいけどさ、悪気は無かったようだし」
こなた「わたくしの思慮が足りておりませんでした」
かがみ「はいはい、わかったから目を潤ませない」
かがみ「色々あるのよ、たぶん。知らないでいい事や、知らないほうがいい事なんかもね……」
つかさ「すぅー……すぅー……」
かがみ「なんちゃってね、あははっ。少し、からかいたくなっただけの冗談よ冗談」
こなた「冗談だったんかい」
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 10:33:03.18 ID:EbJHRUod0
下校/自宅近郊
こなた「じゃあにー」
かがみ「うん、そいじゃバイバイ」
つかさ「ふぁ……また明日ー……」
かがみ「こら、シャキっとしなさいよ」
つかさ「あと5分だけぇー」
かがみ「うわ、重い、重いって!」
つかさ「よきに計らえぇー」
かがみ「ちょ……こ……寝る……」
遠くなっていく二人の声を見守り、
その姿が街角に消えた所で私は歩き出すことにした。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 10:47:33.78 ID:EbJHRUod0
途端に減った活気に圧され、何気なく携帯電話を開いてみる。
ディスプレイ上には着信もメールの知らせも無い代わりに、デジタル時計が堂々とその所在を主張していた。
現在時刻は17時30分過ぎ。
終業時刻が16時05分なので、校内に暫く居た時間を差し引くと大体1時間程度か。
なんて、計算してみたところで何の得にもならないけれど。
「……うん?」
いんや待てよ。
ということは往復にして考えてみれば、1日に約2時間の無駄を過ごしている訳だ。
ひと月を30日と置くと、60時間。
休日換算では2日と半日にもなる。
うーん、なんとなく損した気分になってくるな。
ま、考えたところで仕様がなく、変えようも無い環境だけど。
しかし仮に学校に住めば2時間がフリーになるのかー。
その時間をバイトに充てれば時給換算で……
とかなんとかやっているうちに、玄関まで辿りついていた。
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 10:59:08.24 ID:EbJHRUod0
夕刻/居間
こなた「ただいマントヒヒ」
ゆたか「おかえリンドバーグ」
こなた「あれ、お父さんは居ないの?」
ゆたか「叔父さんは……今さっき、仕事関係の人がやってきて……」
こなた「あらら、連れてかれちゃったの?」
ゆたか「うん。サングラスに黒スーツ姿の数人連れに……」
こなた「……ちなみに、その人達の頬に傷とかなかった?」
ゆたか「え? んーと……良くは覚えていないなー……」
こなた「そ、そう」
1.締切間近になると何時もこうだし、気に掛ける必要はないかな。
2.なんだかアブナイことになってたりはしないだろうな……。
3.そんなことより夕食はどうしようか?
>>73
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 11:01:19.21 ID:re7ujoVZ0
3
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 11:02:11.24 ID:aeJ7Jas9O
2
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 11:02:11.06 ID:re7ujoVZ0
3
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 11:03:02.01 ID:VSuw8h9rO
くれしんの流れワロタ
3
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 11:16:14.53 ID:EbJHRUod0
なんだかアブナイことになってたりはしないだろうな……。
お父さん、カメラ片手に高校まで乗り込んで来るくらいだし。
もしかすると見知らぬ女性にファインダーを向けて、
『資料の為だ!』
なんて、最早擦り切れて見苦しいほどの免罪符を、恥じらいもなく振り翳してそうだし。
で、その女性の知り合いがアブナイ人だったりして。
当然、浮かれ気分のお父さんが後をつけられている事などは察っせるはずもなく。
自宅まで泳がされ、その挙句……。
「という筋書きなんかどうかな?」
一通り、ゆーちゃんに掻い摘んで伝えた。
「……無いとは言い切れないのが、ちょっと怖いです」
うん。
全く以って同感だよ。
ま、そんなことより夕食の方をどうするのかが重要だけどね。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 11:46:07.38 ID:EbJHRUod0
晩/自宅(居間)
こなた「お父さんが居なかったので出前を取ってみた」
ゆたか「詳細希望です」
こなた「ヒント、インド料理」
ゆたか「カレーきたー」
こなた「カレー如きで騒ぐ奴は逝ってヨシ」
ゆたか「おまえもなー」
こなた「終了」
ゆたか「再開」
こなた「再開すな」
ゆたか「え、えと、ほらよ、タマネギ」
こなた「違うよ、そこは肉だよっ」
ゆたか「あ、ごめんなさぁーい」
こなた「それじゃあ最初からもう一度通しで」
ゆたか「うん、次は頑張るねっ!」
この流れを四度ほど繰り返した後で、出前が届いた。
ちなみに頼んだのはピザでした。
誠に美味しゅうございました。
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 11:47:16.84 ID:EbJHRUod0
夜中/自宅(自室)
さてさてと。
お風呂に入ったりテレビを見たり、ゆーちゃんと遊んでいるうちに、もうこんな時間となっていた。
なんだか今日はいつもより疲れた気がする。
まるで自分の体が自分のものではないような、そんな感覚すら覚えるほどに。
……などというのは、きっと気の所為だよね。
まあいいさ。
今日は早目に寝よう。
そしてまた明日一日。
学生生活を頑張ろう。
そう決めてパソコンの電源を落とし、軽く伸びをしたあと。
私は部屋の明かりを消した。
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 11:52:06.17 ID:hIeJ28kU0
80 :
1日目のメモ:2008/09/22(月) 11:53:12.30 ID:EbJHRUod0
【行動履歴】
昼休み/購買部 − かがみとの会話
→こなた「おっぱい」 → かがみが動揺を見せた
昼休み/教室
→みゆきと会話をする → 取り留めの無い話 → 話を切り上げ、みゆきが落ち込んだので謝った
放課後/教室 − かがみに対する言葉
→「別に何も。ただ言ってみただけだよ」 → 神々の遊び
下校/駅のホーム
→みゆきに「また……会えるといいね……」
下校/電車内
→かがみに「お昼のことなんだけどさ」 →さらに「おっぱい」について蒸し返す
→その上で「誰にも喋らないから教えてよ、ねっ?」 → 最後に、「詳しく秘密を聞き出す」で、かがみとの会話終了
夕刻/自宅(居間)
→そうじろうの不在に対し、『なんだかアブナイことになってたりはしないだろうな……。』と考えた
【世界観】 日常
【 変 革 】 特に目立った変化は見られないようだ。
【 メ モ 】 かがみの秘密に深入りし、怒られた。冗談だろうか? / つかさの影が薄い
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 11:55:37.16 ID:EbJHRUod0
暫く席を外します
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 12:02:25.45 ID:hIeJ28kU0
帰還を待つ
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 12:30:42.12 ID:tWLoydID0
まだかな
ほ
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 12:52:05.02 ID:hIeJ28kU0
ほっしゃん
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 13:03:47.23 ID:VSuw8h9rO
ほっほほほほほほーほー
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 13:28:55.91 ID:Li7Bh69PO
もってくれ
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 13:40:31.37 ID:Li7Bh69PO
昼間はすぐに下がるな
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 13:42:13.10 ID:EbJHRUod0
不明/不明
完璧な黒だった。
どこまでも続く世界。
いや、どこまで続いているのかすらも解らない世界、と云うべきか。
ひょっとすると目と鼻の先には鋼鉄の壁があって、四方を塞がれているのかもしれない。
しかし、それすらも見ては取れない。
或いは、自分が地面に立っているのか、それとも落ちているのか。
その感覚さえもがあやふやで、全てが不確か一色に染め上げられている。
けれども私は、確かにここに在る。
「先ずは状況を検めなくちゃ」
左足を前へ……出したつもりだった。
動けない。
力が入らない、と表現するには些か語弊がある。
そもそも力の入れ方がわからないのだ。
それもそうか、足が無いんだから。
と、今更ながらにして一人納得する。
そのまま暫くの間、観察を続けてみると、
どうやら欠けているのは足だけではなく、体全部を失くしていたということがわかった。
つまるところ今、私は剥き出しの状態らしい。
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 13:50:35.75 ID:hIeJ28kU0
今ニコニコでらき☆すたの感動系MAD見て泣いちまったよw
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 13:53:04.02 ID:EbJHRUod0
コーン……コーン……
唐突にして渇いた音が、遠くのほうで鳴り響いていた。
それは何処かへあたって幾重にも残響を孕み、私の元へと届けられているらしい。
何の音だろうか?
五感のうち、視覚・触覚・味覚・嗅覚が封じられている私にとって、
段々と迫りくるその音だけがこの場にある確かなものである。
コーン……コーン……
うまく正体を掴みとれない。
硬い地面を踏む足音のようでもあるし、何かを打ちつけているもののようにも聴こえる。
それでいて、それら以外の全く想像も付かない音のようにも思えてくる。
これは……
1.「足音に違いない」 何故だかその音が、酷く懐かしいものに思えた。
2.「足音に違いない」 私は追われている。悟ると同時に恐怖を覚えた。
3.「何かを打ち付けているようだ」 私はその音に耳を傾け続けた。
4.「……」 やがて、音は止んでしまった。
>>94
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 13:55:07.20 ID:ZogzgwM80
2
今更ながら胸の大きさって
かがみ>つかさだよな…
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 14:02:34.71 ID:ZogzgwM80
3
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 14:09:07.64 ID:wA8No8BIO
正午/官渡
曹操「この袁紹軍の大軍、これ以上支えきれないか……」
こなた「……そうそうさん、弱気になっちゃ駄目だよ!こういう時こそ強気でいかなきゃ!」
曹操「こなたん……すまん、少し弱気になっていたようだ。もうしばらく強気で粘ってみせよう!」
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 14:15:33.90 ID:EbJHRUod0
「何かを打ち付けているようだ」
私はその音に耳を傾け続けた。
そして判った事。
どうやら、その音は一箇所に止まった状態で聴こえてくるらしい。
同じ音量。
同じ位置。
同じ音色。
ただし、間隔だけには若干のバラつきがあるようだ。
一体なんなのだ?
気になる。
目を開けたい。
それが何なのかを確かめたい。
どうやればいいんだっけ?
目を開くにはどうすれば――
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 14:16:22.80 ID:aCBJVht60
目を開けるのが怖い
目を閉じるのも怖い
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 14:27:51.11 ID:EbJHRUod0
未明/自宅(自室)
コーン。
視界が戻って来た。
薄暗いなかに浮かび上がっているのは……
「天井?」
何の変哲も無い私の部屋だった。
パソコンがあって、雑多に積まれた雑誌の山があって、それらを豆電球が仄かに照らしている。
カーテン越しにはまだ光が差してきていない。
反射的に頭元の時計で確認してみると、時刻は3時丁度を指していた。
「……夢?」
多分、そうなのだろう。
最早どのような感触や形をしていたのかすら絡め捕れないが、
何かを見ていたのは間違いない。
それにしても、なんだか体が重い気がする。
とはいえ、このまま起きておいても仕方がない。
さっさと寝直すことにしよう。
私は長い溜息を残して、再び目を閉じた。
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 14:35:02.19 ID:EbJHRUod0
朝/自宅(台所)
ゆたか「お早うございまぁーす」
こなた「おはよ、ゆーちゃん」
ゆたか「何を作ってるの?」
こなた「雑炊だよ。味付けはインスタントのヤツだけど」
ゆたか「……えと、私も何か手伝った方がいいのかな?」
こなた「そいじゃ、お茶でも淹れててくれる?」
ゆたか「うん!」
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 14:47:28.95 ID:EbJHRUod0
朝/自宅(居間)
やや濃い味の卵雑炊をちびちびと頬張る。
ゆーちゃんも私と同じような息を吹きかけつつ口へと運んでいるみたいだ。
その小さな動作が可愛らしい。
やっぱり歩く萌え要素なだけはあるな。
うーん、実に癒されるねぇ。
「……はい?」
ゆーちゃんが首を傾げ、疑問顔を浮かべていた。
あ、顔を直視しちゃってたからか。
なんとなく、ぼーっとしている時を指摘されるのは恥ずかしい。
そう思った私は……
1.「そこにあるリモコンを取ってよ」 ニュースでも見ようと思った。
2.「昨日の深夜のことだけどさ」 当てもなく夢について訊ねてみた。
3.「いや、流石は歩く萌え要素だね!」 正直に勢いをつけて投げ返した。
>>102
3
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 15:02:56.53 ID:hIeJ28kU0
2
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 15:19:42.11 ID:r5a5INTtO
ほし
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 15:20:41.48 ID:EbJHRUod0
「昨日の深夜のことだけどさ、ゆーちゃんは変な音とか聴こえなかった?」
当てもなく夢について訊ねてみた。
「変な音って?」
「なんていうかさ、コーン、コーンって響くような、叩くような感じの……」
「うーん……私、寝てたから分からないかな」
やっぱり、人に聞いても分かる訳ないか。
そう思って話を切り上げようとした時だ。
「あの、どんな夢だったの?」
少しだけ興味を覗かせる声色で、引きとめられた。
「どんなって言われても、真っ暗で音だけしか聴こえなくてさ」
「追いかけられたり、その……撃たれたりとかは?」
「そういうのは特に」
「んー……解り易い夢診断程度なら力になれそうだけど。それについては、ちょっと無理みたいかなぁ」
「でも、気になるんだよねぇ」
「けど、夢は夢だし気にし過ぎるのもあんまり良くないと思うけど……」
「そうだよね、ありがと」
これで会話終了かと思いきや、更に一言。
「あ、雑学なんかだと案外、田村さんが頼りになるかも」
可愛らしい笑顔と同時の贈り物だった。
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 15:31:01.83 ID:EbJHRUod0
登校/電車内
こなた「おはよー」
ゆたか「お早うございます」
かがみ「ん? あー、おはよ」
つかさ「こばわー」
かがみ「珍しいわね、こなたと朝に乗り合わせるなんて」
こなた「まぁ、ちょっとだけ色々とあったからね」
かがみ「ふーん……」
つかさ「オヤスミー」
かがみ「こらつかさ、しっかりしなさい!」
つかさ「だいじょーぶだよー」
こなた「立ったままでも寝ちゃうのかな?」
ゆたか「流石にそれは無理なんじゃ……」
かがみ「まさかねぇ……」
つかさ「……」
こなた「……案外いけるような」
ゆたか「どうなんだろう」
かがみ「……」
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 15:43:44.52 ID:EbJHRUod0
登校/学内(下駄箱)
こなた「じゃあね、ゆーちゃん」
かがみ「またね」
ゆたか「はいっ!」
かがみ「……素直な子だなぁ」
こなた「と、素直になれない自分との対比で痛感した、かがみんであった」
かがみ「うるさいっ!」
こなた「わふっ、ツン期は怖い怖い!」
かがみ「……ったく。つかさ、行くわよー」
つかさ「……」
こなた「つーかーさー?」
つかさ「……」
かがみ「この子、目を閉じたまま歩いてるわよ」
こなた「……かがみを自動追尾してるようだね」
つかさ「んなこたぁない……」
こなた「明日来てくれるかな?」
つかさ「いいともー……」
かがみ「そこには食いつくのか」
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 15:49:25.71 ID:P0zp+3Ta0
このつかさで遊びたい
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 16:05:33.46 ID:EbJHRUod0
朝の課外時間/教室(3年B組)
こなた「おっはー」
つかさ「おーはー」
こなた「あれ? みゆきさんが居ない」
少年A「高良さんなら、風邪で休みらしいよ」
つかさ「あじゃぱー……」
こなた「む、そういえば”おっはー”と”おーはー”はどちらが先なんだっけ?」
つかさ「おーはーが先だよ」
こなた「そうだっけ? つかさってテレビネタに強いんだね」
つかさ「お笑い系の番組なんかだと、予習と復習もバッチリしてるから」
こなた「へぇー、ちなみにオススメのグループとかあるの?」
つかさ「ダチョウさん」
こなた「こりゃまた王道だね」
つかさ「わたしね、あれは正に完成された芸術だと思うんだ。
だって凄いんだよ? あの人達がスタジオに居るだけでまるで空気が変わっちゃうし。
それにネタで怒っているように見せかけて、実は相方が本気で怒ってたりっていうフェイクも完璧だし、
そのうえ――」
どうやら、つかさにスイッチが入ったらしく、
朝のチャイムが試合終了を告げるまで細かい演技指導が続きましたとさ。
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 16:07:29.90 ID:P0zp+3Ta0
つかさは面白くもなんともないギャグを意味もなく連呼してそう
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 16:09:17.30 ID:EbJHRUod0
サーセン
数時間ほど離れます
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 16:27:24.89 ID:eUx3KiWa0
ho?
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 16:29:21.40 ID:wtx396TE0
ほ
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 16:40:00.75 ID:wtx396TE0
ほ
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 17:26:10.44 ID:wtx396TE0
ほ
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 17:44:34.25 ID:wtx396TE0
ほ
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 18:16:18.08 ID:eUx3KiWa0
ほ
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 18:41:18.74 ID:VSuw8h9rO
wtx396TE0
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 19:15:46.27 ID:VSuw8h9rO
このままおちるよかんがするのはおれだけ?
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 19:32:18.36 ID:wtx396TE0
1いなくなったな
支援
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 20:35:57.15 ID:hIeJ28kU0
ほしゅ
とりあえず
>>1を待つ
と、言いたいが出勤してきます
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 20:58:22.80 ID:lebTNeqk0
なにこの痛いスレ
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 21:31:19.72 ID:eUx3KiWa0
戻ると願って保守しとく
期待保守
無知なお前等に教えてやる。
こなたとかがみとつかさとみさおとゆい姉さんは俺の彼女だから。
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 22:02:57.77 ID:EbJHRUod0
申し訳ない
色々やってたら寝ちゃってた
という訳で、細々と再開
おかえり
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 22:17:04.92 ID:EbJHRUod0
二時間目の中休み/教室(3年B組)
かがみ「おっすー」
こなた「めっすー」
つかさ「バルサミコ酢ー」
かがみ「……あら? みゆきは?」
つかさ「ゆきちゃん、風邪ひいちゃったんだって」
かがみ「風邪? 昨日は全然元気そうだったのに?」
こなた「昨日の花は今日の夢って言うじゃーん」
かがみ「どういうことよ?」
こなた「我々は激動の時代を生きているのだ」
かがみ「意味が分からん」
1.「ともかく、季節の変わり目には気を付けないとねぇ」
2.「ただの風邪だろうし、明日にはきっと元気になっているはずだよ」
3.「もし良かったらさ、みんなでお見舞いにでも行ってみようよ」
4.「案外、昨日私が言った言葉でフラグが立っちゃってたりして……」
>>130
おう、おかえり
安価なら4
4
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 22:18:29.59 ID:bsKT1gm9O
3
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 22:31:52.03 ID:EbJHRUod0
こなた「案外、昨日私が言った言葉でフラグが立っちゃってたりして……」
かがみ「まーた始まった」
つかさ「コンセントに刺すんデスカー……?」
こなた「いやさ、良くあるじゃん? 願望を実現する能力があるっていうやつ」
かがみ「ねーよ、何処かの団長さんじゃあるまいし……」
こなた「私、バイトで団長さんのコスプレとか結構やるからさ。もしかすると、知らぬ間にそういう力が備わってたりとか」
かがみ「たかがコスプレ」
こなた「されどコスプレ、だよ。形から入っているうちに、下学上達しちゃうってのが有り勝ちなパターンだね」
かがみ「どこで統計を取ったパターンだ」
1.「っていうのは冗談だけどね」
2.「という訳で、キョン役はかがみんに任せるから」
3.「願いの力ってのは絶対にあると思うよ」
>>134
3
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 22:34:29.85 ID:M9QmHEcsO
2
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 22:50:28.50 ID:EbJHRUod0
こなた「という訳で、キョン役はかがみんに任せるから」
かがみ「キョン役って何をすんのよ」
こなた「取り敢えず、私の命には絶対服従」
かがみ「ねーよ」
こなた「次に独り言を四六時中呟く」
かがみ「怖ぇーよ」
こなた「最後に、私を抱きしめながらキッス」
かがみ「しねーよ」
こなた「……ノリが悪いなぁー、かがみんはー」
かがみ「あんたの冗談を逐一真に受けていたら、世界が何回も崩壊しちゃってるわよ」
こなた「夢がないんだからぁ」
かがみ「それにさ」
こなた「うん?」
かがみ「何でも思い通りになっちゃうのって、結構辛そうだとは思わない?」
1.思う
2.どちらとも言えない
3.思わない
>>137
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 22:57:26.66 ID:re7ujoVZ0
3
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 22:58:12.43 ID:re7ujoVZ0
3
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 23:16:06.44 ID:re7ujoVZ0
ほ
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 23:18:16.56 ID:EbJHRUod0
こなた「思わないよ」
かがみ「どうして?」
こなた「だって楽しそうじゃん、毎日が」
かがみ「楽しそうって……今は楽しくないのか?」
こなた「今は普通」
かがみ「また当たり障りのない回答ね」
こなた「だからさ、この普通な日常を揺るがす出来事とか大事件とかが――」
かがみ「ハイハイ、そこまで」
こなた「む?」
かがみ「休み時間も終わっちゃうし、あたしは教室に戻るから。じゃあね、つかさも」
つかさ「うん」
こなた「……ちなみに、つかさはどう思う?」
つかさ「え、何のこと?」
こなた「思い通りになるか、ならないかの回答」
つかさ「わたしは、そうだなぁ……」
つかさ「今のままが丁度いいと思う、かなぁ?」
こなた「なんでー?」
つかさ「やっぱり自力で頑張りたいから?」
こなた「ふーん……そう思うんだ」
つかさ「あ、でも面白いネタが湧いてくる手帳なんかは欲しいかも」
こなた「つかさは、のび太くんタイプだったか……」
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/22(月) 23:31:13.77 ID:VSuw8h9rO
あーつかさかわい
寝たのかな
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 00:00:03.77 ID:ox4FBnhWO
支援の決断
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 00:00:20.37 ID:QpFH6/wA0
書きこめるかな?
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 00:00:51.49 ID:QpFH6/wA0
昼休み/教室(3年B組)
こなた「今日は二人ともお弁当なんだ」
つかさ「昨日はお母さんが起きるの遅かったらしくて」
かがみ「そういうこと」
こなた「……」
つかさ「どうしたの?」
こなた「なんでもない。それじゃ、購買部にでも行ってくらぁ」
かがみ「いってらっしゃい、待ってるわね」
支援
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 00:06:24.65 ID:QpFH6/wA0
昼休み/購買部
こなた「まーた混んでるなぁ……」
ひより「押さないでくださいッス〜!」
こなた「あれ、ひよりん?」
ひより「あ、先輩じゃないッスかー」
こなた「ひよりんも弁当忘れたんだ」
ひより「そうなんですよ、慌ててたら鞄に入れ忘れちゃって……」
1.一年生のクラスと、ゆーちゃん達の様子について世間話
2.早い所パンを購入し、教室へと戻る
3.夢のことについて訊ねる
>>148
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 00:07:17.56 ID:13UoyUyA0
1
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 00:07:38.24 ID:ZdLYurZlO
>>145 Identificationが綺麗に見えるのは俺だけ?
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 00:09:04.75 ID:ZdLYurZlO
3
ほ
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 00:26:41.67 ID:QpFH6/wA0
「些細な事なんだけどさ」
昨夜の夢を朧げに反芻しつつも、手短に説明を終えた。
ついでに、ひよりんに訊ねるのはゆーちゃんの案であることも付け加えておく。
こんな事をいきなり訊ねる自分もどうかと思うが、
ひよりんはというと、意外にも真面目に耳を傾けてくれていたようだった。
「音だけの夢、ですかぁ……」
自身の記憶を探るように俯き、そして回答。
「漫画のネタとして使えるのかと思って、それなりに齧ったことはあるんですけど……少々難しいッスね。
そもそも、夢というものは深層心理と深層記憶、果てはDNAレベルでの習性まで係ってくるという話もありますし。
例えばですけど、誰かに追われている夢なら、日常での焦りとかが抽象化されたものだと言われていたり……。
あ、でも逆にやる気に満ち溢れている人でも、その心意気からか同じように逃げ廻る夢を見たりするとか書いてあったような」
結論から言えばアテになんないと思います、とのことらしい。
「やっぱり、夢は幻なのかな?」
「あくまでも科学的というか、一般論的には同感ッスね。
けど、夢って見た事もないような風景をみたり、前もって予知しちゃう……デジャビュって言うんですか? そんなことがありますよね?
ああいうのを重ねて経験すると、とても意味の無いものだとは言い切れなかったりするんですよ私は」
ほ
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 00:43:29.88 ID:M2QyB2c0O
こおいうゲームあったら是非やりたい
混沌ルートが気になる
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 00:46:53.73 ID:QpFH6/wA0
「あくまで一同人漫画家のネタとして受け取ってください」
淡とした前置きを据えてから、ひよりんは語り出した。
私は常日頃から不思議に感じているんですけど、昔から”謂れ”というものがありますよね?
そうです、夜中に爪を切ると親の死に目に会えないだとか、蟲の知らせがどうだとかいう奴ッス。
アレって何の根拠も無い、ただの風説なんでしょうか?
そこが気になって仕方がないんです。
いや、何処が引っ掛かっているのかというとですね、
大昔からあちらこちらの全く離れた大陸で似たような話が数多く残っているという点なんです。
代表格的なものでは神様だとか精霊だとか妖怪だとか。
他にも、月は満ちては欠けまた満ちていく、を延々と繰り返す不死の象徴だとか、
鏡には魔力が宿るだとか、長生きした動物は神通力を帯びるとか、他にも数えきれないほどの謂れがあります。
ピラミッドだとかアンコールワットだとか神社だとかはこの際置いておきます。
それでですけど、科学という概念を持ち得なかった昔の人達は、
今の私達には直接視ることのできない何かを見通していたんじゃないのかと……まあ、何となくですけどね。
そう言えば、体に良い薬草だとか、逆に猛毒を持つ毒草だとか、昔の人はどうやって見分けたんでしょうね?
片っ端から食べてみたんでしょうか?
……って、これは今は関係ないッスね。
それでちょっと言い難いんですけど……
先輩の話の中に少しだけ気に掛かるワードが有ったんですよね。
後味が悪くなるかもしれませんが、言っちゃってもいいでしょうか?
なんか寒気がしてきた
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 00:52:24.47 ID:QpFH6/wA0
『ネタとして受け取ってください』
そう前置きした筈のひよりんは、
言葉とは裏腹に鋭い眼差しを携えている。
それだけに、
『後味が悪くなるかもしれない』
の一言が嫌に気に掛かってしまう。
――どうするべきだろうか?
1.話の続きを聞く。
2.話を切り上げることにする。
>>158
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 00:53:25.93 ID:d+FNrl2L0
1
1
ほ
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 01:18:27.04 ID:QpFH6/wA0
そうですか、それじゃあ続けさせて貰うッス。
長々と前置きをしましたが、実は夢にも様々な謂れ伝えがあるんですよね。
例えばエロゲ……っとと、購買部でこりゃ不味かった。
えーっと……一部の大人的ゲームの題材としても用いられている、サキュバスやインキュバス。
これらは人の夢の中へと化け出て、精気を奪っていくものとして伝えられています。
バクなんかも夢を食べるだとか云われてますし、他にも色々ありますが割愛させて頂くッス。
で、それらとは全く違う見解でオカルト地味てはいますが、
例えば他の世界を覗いている状態が夢だとか、誰かの意識と混ざり合った状態で見るのが夢だとか、
果ては、肉眼や感覚では捉え切れない何かを夢という形に変えて伝えてくれているとか……
まあ実に色々ですよ。
それで、突然話が変わるんですけど――
泉先輩、誰かからの怨みを買った憶えはありませんか?
いえ、大したことじゃないんです。
ただ、何かを打ちつけるような音と、目を覚ました時刻が午前3時丁度であるという点。
それから起きた直後に体が重かったという要素。
今どき古い話かもしれないッスけど、丑の刻参り……なんてものを直感しちゃいまして。
勿論、実際に藁人形をゴッスンゴッスンやっていると断定した訳じゃあないんです。
ただ、”怨みを買ったという本人さえ知りえない事実”が、または同等に値する誰かの”強い怨恨”が、
”夢という形”で先輩の元へと届けられている……
なんてことは考えられないのでしょうか?
怖いwwww
眠れないwwwwwwwww
ほ
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 01:32:38.84 ID:QpFH6/wA0
「なーんていうのは、私の勝手な真偽風説ごちゃ混ぜ理論によって導かれた答えッス」
早口で論説を捲し立てていたひよりんは、
極めて軽く締めくくると息を整えるように胸元を正していた。
「それ、何処から手に入れた知識なの?」
「えっと……何処でしょうかね?
ソースは、おばあちゃんだったり書物だったり漫画だったりネットだったり人伝の噂だったり……
明確には探れないかと思われます」
「そうなんだ」
根拠は無しとも有りとも言い切り難い。
いや、そもそも謂れなんてものが有る訳……
ないのだろうか?
バッサリと切り捨ててしまおうにも、腑に落ちない点が残ってしまい、それに躊躇してしまう。
「ま、小早川さんに泉先輩のことを聞かされた上で用意・脚色していたものですから、
あまり気にし過ぎないで欲しいッス」
明るく笑った彼女は、丁寧なお辞儀を残すと、
人波がやや引いた購買部の中へと突っ込んでいった。
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 01:42:24.10 ID:QpFH6/wA0
昼休み/教室(3年B組)
つかさ「こなちゃん、おかえり」
かがみ「遅いわよーっ!」
こなた「ごめんごめーん、ちょっと話し込んでてさ」
つかさ「誰と……?」
こなた「ひよりんと」
かがみ「ふーん……で、何について?」
こなた「えっとね」
1.「他愛もない世間話だよ」 誤魔化した。
2.「実は、風説と謂れについて……」 正直に話した。
3.「ううん、別に大したことじゃなかったよ」 軽く受け流した。
>>166
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 01:45:25.09 ID:13UoyUyA0
3
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 01:46:39.90 ID:d+FNrl2L0
3
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 02:03:43.38 ID:QpFH6/wA0
「ううん、別に大したことじゃなかったよ」
軽く受け流すことにした。
すぐさま、かがみが口を開く。
「その割には、随分と熱心に話し込んでいたみたいだったけど?」
言い終わるなり、見せつけるように紙パックのコーヒー牛乳を啜っている。
それが意味するところは。
「あれ、かがみんも購買部に来てたの?」
「喉が渇いちゃったからよ」
それからトン、と机の上に置くなり指を突き出して、
「あんたは人の秘密を探りたがるくせに、自分の事は隠すのね」
「えっ……」
ああ、昨日の一件を根に持たれているのかな。
「いや、あのさ、本当にどうでもいい話だったから態々しなくてもいいかなと思ってそのさ……」
「くっくっく……」
「ん、かがみん?」
「あっはっは、ちょっと言ってみただけよ!」
ちくしょう。
「あんたって不意を衝かれると案外弱いのね。いい事を知れたわ」
ヒッヒッヒ、と魔女のように笑い狂うかがみんであった。
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 02:03:49.63 ID:cBLkTt5gO
世界はなんてことないのであるの人?
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 02:18:04.90 ID:QpFH6/wA0
放課後/教室(3年B組)
かがみ「うーい、それじゃあ帰るわよー」
こなた「あーい」
つかさ「ほーい」
かがみ「子供かお前等は……」
つかさ「うーんとね、わたしは思うんだけどさ」
こなた「どったんだい?」
つかさ「ゆきちゃんが居ないと、なんだかしっくり来ないよね」
かがみ「確かに何かが足りない心持があるわね」
こなた「そだね、なんかこうフォロー的なものがなくて棘しいというか……」
つかさ「お姉ちゃんが怖いというか……」
かがみ「うーるさい!」
こなた「……」
つかさ「……」
こなた&つかさ「……ね?」
かがみ「何が『ね?』よ」
こなた「みゆきさんなら、『まあまあ、かがみさんったらぁー』と窘めてくれるはず」
つかさ「優しく手篭めてくれるはず」
かがみ「なんか、みゆきが神格化されてないか?」
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 02:20:11.20 ID:gXr363ALO
支援
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 02:35:12.45 ID:QpFH6/wA0
下校/学園近郊
つかさ「最近、だいぶ日が短くなってきたよね」
かがみ「冬至までは、まだまだだけどね」
つかさ「でも、今だと18時過ぎくらいから暗くなっちゃうよね」
こなた「7月だと20時くらいまで明るかったような……?」
かがみ「逆に真冬だと、家に帰り付く頃には夕陽が射しているし……」
こなた「季節は順調に巡っているんだねぇ……」
つかさ「もう、3年生だしねぇ……」
かがみ「そうだねぇ……」
つかさ「第一回、こたつパーティ」
かがみ「却下」
こなた「第二回、掘りごたつパーティ」
かがみ「掘っても駄目」
つかさ「じゃあ、第十八回クリスマスパーティ」
かがみ「……悲しいけれど、却下する権限があたしにはないわ」
こなた「そう卑下しない卑下しない、需要はあるさ」
かがみ「うるさいっ……」
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 02:49:18.66 ID:gXr363ALO
わくてか
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 03:10:11.30 ID:QpFH6/wA0
下校/市街地・駅
かがみ「そういえば不意にどうでもいいことを思い出したんだけどさ、大禍時ってのがあってね」
つかさ「オーマガトキ?」
かがみ「こなたには悪いんだけどさ」
こなた「むお?」
かがみ「昼休みに購買部へ行った時、チラっとだけひよりちゃんの話が聞こえちゃって」
こなた「それで?」
かがみ「昔、耳にした怖い話というものを色々と思いだしたりしちゃったから」
こなた「実は、巫女衣装を着込むと霊能力に目覚――」
かがみ「ハイハイ、妄想おつ」
つかさ「それで?」
かがみ「具体的にそこにどんな話が絡んでいたのかは忘れたんだけど、
その昔、草木も眠る夜というものは奇々や物の怪達の時間だと畏怖されていて、
その変遷期間でもある夕暮れ時、つまり大禍時っていうのは、様々な厄災が降りかかるとかナントカカントカ……」
つかさ「うん、よく解んない」
かがみ「だから、どうでもいいことだって言ったでしょ?」
こなた「そういうのに、ムラサキカガミとかもあったよね」
かがみ「それは都市伝説だから、ちょっと違わない?」
こなた「でも、風説や謂れにも、確かなものがあるかもしれないよ? って、ひよりんの受け売りだけど」
かがみ「謂れねぇ……」
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 03:15:28.78 ID:gXr363ALO
支援
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 03:19:32.26 ID:QpFH6/wA0
かがみ「正直、信じちゃいないんだけどねそういうの」
こなた「本当に?」
かがみ「うん、本当に」
こなた「そう、だったら――」
1.「それでいいと思うよ、あくまで噂だろうからね」
2.「確かめてみない? この眼で実際に」
>>これ以降で多かったほうに分岐
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 03:20:26.45 ID:kjlDOS7q0
2
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 03:21:30.81 ID:QpFH6/wA0
眠いので寝ます
遅筆ながら保守して頂いた方々に感謝致します
続きは残っていたら分岐点から書くということでおやすみなさい
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 03:22:11.65 ID:kjlDOS7q0
乙
乙
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 03:22:41.51 ID:gXr363ALO
乙。2。
あの怨みの夢の怨みってみゆきか
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 03:36:55.45 ID:c81s+O/KO
>>125 ま た お 前 かwww
>>181 KOEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!
1乙。安価は2
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 04:19:54.36 ID:13UoyUyA0
1
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 04:51:27.21 ID:RQEN5a3bO
ほ2
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 05:30:10.43 ID:RQEN5a3bO
寝る
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 05:52:32.23 ID:9uWVTgUc0
保守 2
俺ももう寝る 起きたら続きがうpされてることを願おう・・・
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 06:07:46.29 ID:yY8vqGX+O
ほ2
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 06:08:38.59 ID:UfWV4O5J0
1
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 06:09:48.31 ID:Hiieo7FIO
2
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 06:18:30.39 ID:M2QyB2c0O
1かなぁ
もっと日常の中に潜む混沌な感じがみたい
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 06:22:44.85 ID:xOeSZMSB0
1
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 06:23:04.87 ID:d+FNrl2L0
どっちも見たいけど2
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 08:43:21.90 ID:q7hgEpGlO
ほし
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 09:08:20.17 ID:ZdLYurZlO
みゆきさんにもう2度と会えない希ガス(´・ω・`)
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 09:08:39.32 ID:ZdLYurZlO
2
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 09:40:51.28 ID:YEYCm/OVO
2
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 10:26:21.92 ID:9uWVTgUc0
1
今沖田保守
安価は2
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 11:46:43.66 ID:9uWVTgUc0
保守!>>1復活を待つぞ俺は
ほ
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 12:55:03.77 ID:9uWVTgUc0
ほ
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 13:05:15.00 ID:ZdLYurZlO
ぬるほっしゅ!!
1
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 13:34:38.13 ID:gXr363ALO
保守
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 14:03:24.36 ID:xOeSZMSB0
1−!早く来てクレー!
207 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 14:13:36.74 ID:ZdLYurZlO
みゆきと同様、
>>1とももう2度と会えない予感…
w
208 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 14:45:56.11 ID:PzYG9xSXO
ほ
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 15:13:06.25 ID:IWrKVSa2O
保守
210 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 15:17:54.76 ID:kjlDOS7q0
ほす
211 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 15:20:58.57 ID:QpFH6/wA0
保守感謝
選択肢は2からということで続けていこうと思います
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 15:23:34.49 ID:QpFH6/wA0
「そう、だったら確かめてみない? この眼で実際に」
好奇心も当然ながらにあった。
けれどもそれ以上に、私自身の考えを頭ごなしに否定された事へ対する不満が、この提案を行う決定打となったのだ。
「実際に確かめるって、どういう意味?」
「だから確かめるのだよ、この眼で」
かがみが固まっていると、その隙を衝く様に、つかさが横やりを入れた。
「えっと、それって実際に怖い場所へ行くってこと……?」
「うむ!」
「えー……」
ホラー映画すらも苦手とするらしい彼女は、反対票を呻きに変えて投じたようだ。
さてさて妹が困る、ともなれば姉の出番到来のはず。
「ほら、つかさもこう言っていることだし――」
「かがみはどう思うの?」
「え、別にあたしは……」
「かがみは怖いの? 怖くないの?」
かがみの性格を曲がりなりとも把握している私にとって、彼女がこの後どういう決断に至るかは手に取るように判る。
それに前後の遣り取りから考えても、今さら『行かない』という手は打てない詰み状態。
つまりこの質問は、単にかがみへ意地悪をしてみたいような、という衝動に駆られた上でのものなのだ。
以上の思惑により私が内心での含み笑いを堪えていると、ようやくにして、かがみが結論を下した。
「あたしが怖がるわけないでしょ?」
その言葉や態度とは相容れないほどに、弱々しい声で。
大禍時とも書くのか
俺は「逢魔が時」しか知らんかった
2
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 15:40:58.23 ID:9uWVTgUc0
>>1帰ってきたああああああああ
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 15:44:06.74 ID:QpFH6/wA0
「決まりだね! それじゃあ心霊スポット突撃隊、略してSST団と、」
「ちょっと待ってよ、あたしはその……」
「やっぱり、かがみんはお姉ちゃんだけあって強いんだね!」
「ぐっ……」
囲め囲め。
獲物が逃げだせないように。
「かがみんの、ちょっと良いとこ見てみたい」
折った指を下唇にあて、何やら真剣な表情のかがみん。
大方、頭脳をフル回転させて”湧いて出た急用”でも探っているのだろうな。
ともならば有無を言わさず話を纏めるに限る。
「じゃ、今夜早速、記念すべき一回目の探索という方向で」
「うぅ……あ、あのさ、そんなに急に決めちゃっても目的地なんかがまだでしょ?」
そりゃー御尤もな意見だね。
「それにさ、折角行くならみゆきも一緒に……ね?」
どうやら巻き添えを増やして、自分一人に圧しかかる重みを減らそうという魂胆らしい。
そこには、さり気無く日程を後回しにして私が飽きるのを待つ、という浅ましい算段も見受けられるし。
まあいいさ、どっちみち今日は木曜日だから。
要するに、今日やるよりは休日を翌日へと控えた、金曜夜に行う方がより脳j密な時間を過ごせる筈。
「うん、それじゃあ”良さげな場所”を頑張って探してくるね!」
良さげな場所にアクセントと皮肉を込めて、それを別れの挨拶とした。
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 16:02:02.36 ID:QpFH6/wA0
夕刻/自宅(居間)
「おかえり、ゆーちゃん」
私にやや遅れて帰宅した彼女に声を掛ける。
「突然で悪いんだけどさ、怖い話だとか心霊スポットだとかは知らない?」
「しんれースポット?」
聴き慣れない為か、妙なイントネーション。
ふと、訛り過ぎて日本語なのに聞き取れない、という地方住まいの御老体方を思い起こす。
なんて私の思考が逸れている間に、ゆーちゃんが首を捻った。
「わかんない、かなぁ。叔父さんに訊ねたり、インターネットで調べたりするほうがいいのかも?」
「そっかい、ありがとね」
その後は私が夕食当番を担い、普段通りにくつろぎの一時を過ごしていった。
特に滞りもなく、変わりもなく。
ただ、お父さんは相変わらず帰ってはこなったようだけど。
218 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 16:17:48.49 ID:kjlDOS7q0
オカルティックな展開ww
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 16:20:27.53 ID:QpFH6/wA0
夜中/自宅(自室)
”心霊スポット” と ”私が住む県名” で検索を行ってみたが、
期待した結果と情報は得られなかった。
確かにそれらしいものが出てきはするが、すべてが何処となく胡散臭い。
それが結論となったのだ。
ならばいっそ逆転の発想で、胡散臭い男ナンバー1を頼ろうと思い、こうして電話を掛けた訳だ。
「あ、お父さん?」
『なんだー、どうしたー?』
「って、やけに余裕そうな声色なんだね。編集の人にしょっ引かれたんじゃなかったの?」
『しょっ引かれるっておまっ……』
「まあ、無事ならいいや」
『勝手に大事にはしないでくれよー』
「合点承知之介ってんだい」
お父さんの現状も気にはなるが、それはこの際置いておこう。
そして本題へと入ることにした。
220 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 16:24:30.62 ID:PzYG9xSXO
わっふるわっふる
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 16:28:45.23 ID:QpFH6/wA0
うーむ、心霊関連ねぇ……。
ちょっと待ってろよ、小説家のボキャブラリーの広さというのを見せつけてやるからな。
えっーと……あーっと……
ほむーっと……
え、早くしろ?
焦らない焦らない、一休み一休み。
おいおい切るなって、一日ぶりの娘との会話くらい楽しませてくれよ!
あ、要らない?
そうか……こうやって娘は親から遠くなっていくんだな……。
わかった、わかったから切らないでくれっ!
よし、それじゃあ始めるぞ。
語り部、泉そうじろうイキマース。
222 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 16:46:31.52 ID:QpFH6/wA0
ほら、学校っていうとさ、新校舎があって旧校舎があるだろう?
あ、陵桜には無いんだっけ。
そうか……諸行無常というものを感じちゃうなぁ。
古い校舎の耐久性が疑問視されてからは、全国各地で取り壊されたもんなぁ。
まあいい。
兎も角、俺の生きていた時代には戦前戦後の産物である旧校舎と、
新しい時代へ向けて建てられた新校舎とが混在しているケースが常識だったんだ。
で、旧校舎な。
これがまた不気味なんだよなぁ……。
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 16:48:54.16 ID:QpFH6/wA0
新校舎はコンクリート製なので、その無機質さと物質的な感覚というものがありありと伝わってくるんだが、
木造建築の産物である旧校舎は、それとは真逆の性質を持ち得ているというかなんというか。
そうだ、言うなれば不気味な意味での温かみがあるんだよ。
しかもこれがまた古いせいか、板張りの床上を歩くだけで軋む軋む。
さらには扉を開ければ悲鳴のような音が出るし、使われていない教室が多いせいか廊下の蛍光灯すら不備だったりな。
なにより無人なんだよ。
豊富な機能が揃った新製品が出来てしまえば、それに劣る旧製品には用途がなくなるからな。
そうやって大抵のモノは捨てられていく。
だが、それなのに旧校舎は何故か取り壊されない。
不思議だろ?
古いモノには魂が宿るだとか、或いは単に地元の卒業生達の願いによって残されているだけなのか。
そこらへんまでは知りえないけどな。
で、そういう旧校舎には大抵あるんだよ。
怪談ってやつがな。
そしてここで話すのも、その中でのポピュラーな話。
”大鏡”に纏わる謂れだ。
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 17:10:08.87 ID:+rLM3Qf20
ほっくしゅん
225 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 17:12:34.41 ID:QpFH6/wA0
ふと思ったんだが、なんで旧校舎ってやつには”大鏡”があるんだろうな。
それも大抵が長い長い廊下の先にあるし、その隣には階段があるという造りになっている。
不確かだが、風水だとかが関係してるんだっけ?
まあ、それもこの際はいいか。
それでその大鏡なんだけどな、無駄にでかいんだよ。
学生時代の逞しかった俺でさえ、その中にすっぽりと全身を収められてしまうくらいにな。
それ故に気味が悪いんだ。
遠くから一瞥すると、遥か続く廊下が、まるでその鏡の中にまで続いているように見えるんだから。
しかも自分自身の姿まで米粒の用に小さく映り込んだりしている。
まるで、鏡の中には別の世界があるかのように、だ。
もしかすると鏡の中に居るのは”自分と良く似た他人”で、
ちょっと目を離した隙に欠伸なんかしてたり……なんてな。
恐らくそこらへんの関係なんだと思う。様々な話が生まれてくるのは。
少しだけ予備知識を述べておこうか。
ちらっと先にも言ったけど、風水なんかの占いにおいても鏡は重要な位置に備えられる。
特に、向けてはならない方向へは向けないように、という点でな。
それから、呪術や一部の祭事においても様々な用途で扱われる場合が多い。
結果的には魔性が宿るとも神性が宿るとも云われるが、要は何らかの力が感じられるとのことらしい。
現に、神社なんかじゃあ今も御神体として鏡が祭られていたりするしな。
ま、他にも鏡と鏡の間は死者の通り道だとか、魔物の正体を暴きだす力があるなんてのもあるが。
それじゃあ、長々と前置きをしたところで話を戻そうか。
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 17:49:19.75 ID:ic86onpp0
ho
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 18:02:04.13 ID:QpFH6/wA0
昔々ある所に、実にカッコイイそうじろうという学生が居りました。
その彼の隣から片時も離れない、かなたという女生徒は、そうじろうの幼馴染で……え、早く進めろって?
くそっ、若き日の肝試しの思い出でも語ろうとしたのに。
えっとな、それじゃあ適当にいくぞ。
これはうちの学校に伝わっていた噂で、その当時の俺の先輩から聞かされた話だ。
学校にはかつて、Kという生徒が居た。
もちろん、俺は実際に会ったことも無いし実在したのか調べたこともない。
怪談とは得てしてそういうものだと思っているしな。
で、それと並行するように噂があったんだよ。
午前3時に旧校舎の鏡を覗くと、何かが映り込むっていう噂がな。
3時というのは草木も眠る丑三つ時の尻に当たる。
即ち、夕刻から騒ぎ出した目には見えない”何か”が、最も強い力を得る時間帯だ。
逆に日が昇ると、それらの”何か”は息を顰め、日常が返ってくることになるってな。
どうやら夜の怪異は、日が昇るまでがリミットって訳らしい。
それでだ。朧げな俺の記憶によれば、鏡を見る際にも色々と細かな準備が要ったはずだ。
カミソリを咥えながら……は将来の結婚相手を見通す方法だから違ったか?
呪文を3回唱えながら……は相手を呪う場合だっけ?
えーと、そうだなぁ。
あ、そうだ!
確か、午前3時までは鏡に背を向けて立ち、3時丁度になったら振り返る……だったか?
そうだそうだ、自身はないけどな。でな、そうするとだな、映り込むんだよ。
そこには居ない筈の人間がだな、何も言わずに青白い顔で隣にな。
228 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 18:03:44.62 ID:QpFH6/wA0
……え? これで終わりかって?
そうだけど……な、怖くない?
俺や当時の生徒達はそれなりに震えていた記憶があるんだがな。
ああ成るほど。
何分、古い話だから今の恐怖耐性が付いた子供達には効果が無いのか。
或いは、俺に語り部としての能力が欠落しているのか。
……悲しいねぇ。
ん、Kがどうなったかって?
そこがこの話一番の不思議なんだが、結末が無いんだよ。
まるでKが最初から存在しなかったかのように、後半からは一切触れられてはいないんだ。
だが、Kが鏡の怪を確かめに行ったという件だけは誰もが一様に語っている。
何故なんだろうな?
そもそも、結末が無いような話を、俺はなんで知っているんだ?
だってそんな穴だらけの設定だと、当時に必ず疑問を持ったはずだろう?
……あ! ごめんなさい、今行きますから!
すまん、こなた。
呼ばれたんで切るぞ。
なんだか解らないが、お父さんが居ない間も体には気をつけろよ。
ゆーちゃんにも伝えておいてくれ。
じゃあ、またな!
229 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 18:06:31.78 ID:gXr363ALO
支援
230 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 18:16:46.40 ID:QpFH6/wA0
「うん、お父さんこそ身体にゃ大事にしてよ。じゃあ、おやすみ」
ツー、ツーという単調な電信音。
今まで喚き散らしていた声が消えた途端、無音だった室内の寂しさがより際立ってくる。
結局のところだ。
お父さんの話は三流以下だったわけだ。
けれども、旧校舎と大鏡という二つのキーワード。
これには思わず指を鳴らしてしまう程に魅力を感じた。
大方、今の時勢では旧校舎は廃校舎へと変貌を遂げているだろう。
そこにある鏡を真夜中に確かめに行く。
これ以上のシチュエーションは中々お目にかかれないのではないか?
やると思った時、既に行動は終了していた。
検索ワードを校舎や旧校舎、校舎跡などに変えるだけで手頃なものが引っかかったのだ。
それらから場所や雰囲気など一通りの状況を確認しつつ、最も良さげな一件へと絞り込んでいく。
やがて、割と近場の山奥に在るという一つの建物へと絞ることが出来た。
「さーて、かがみんの驚く顔が見れるかもしれませんなぁ」
一連の作業を終えた私は、満足のうちに眠りにつくことにした。
231 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 18:19:52.77 ID:ZdLYurZlO
wktk
支援
233 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 18:25:17.37 ID:QpFH6/wA0
不明/不明
コーン……
その音が鳴り響いた時、
私はまた夢の中に居るのだと悟った。
昨日と同じ位置、昨日と同じ音程、昨日と同じ音色。
だが少しだけ違うのは、そのテンポ。
コーン……コーン…………コーン……
1拍目2拍目を打ち、3拍目で休符しての4拍目。
4分の4拍子のリズム。
それは音楽というにはあまりにも粗末ではあるが、確かなリズムを刻んでいる。
不可思議にも、それが言葉のようにも聴こえてしまう。
まるで、私に何かを伝えるように打ち鳴らしているのだと、漠然に。
それにしてもこの音はなんなのだろうか?
どうやれば、それを視る事が出来るのか?
どうやれば――
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 18:39:19.34 ID:QpFH6/wA0
未明/自宅(自室)
コーン。
目が開いた。
薄暗いなかに浮かび上がっているのは、やはり天井。
即座に身を起して見回す。何の変哲も無い私の部屋。
パソコンがあって、雑多に積まれた雑誌の山があって、それらを豆電球が仄かに照らしている。
カーテン越しの風景も例によって真っ暗なまま。
窺うまでも無く外が闇に包まれていることがわかる。
恐らく、現在時刻は午前3時の筈だと頭元の時計を見ずに理解した。
昨日と全く同じ状況。
ただし、昨日とは一つだけ異なる点がある。
私が取っている行動だ。
今私は、自室に置かれた姿見を睨んでいる。
毎朝登校する前や出掛ける際、身だしなみを正す為に用いている鏡。
それをじっと睨んでいる。
何故か?
目が覚める瞬間、音がそこから聴こえて来たような気がしたからだ。
これは夢を見るという予感があったから取れた行動だとも言える。
じっと睨む……。
しかし寝床からの角度では、そこに反射して映っているのは壁だけだ。
ならば、少し近づいて調べてみようか?
235 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 18:42:05.73 ID:QpFH6/wA0
私が取った行動は――
1.鏡の前に立つ。
2.その場から窺う。
3.調べずに寝る。
>>237
236 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 18:43:47.13 ID:13UoyUyA0
1
237 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 18:43:54.72 ID:13UoyUyA0
1
239 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 18:57:39.11 ID:QpFH6/wA0
――泉先輩、誰かからの怨みを買った憶えはありませんか?
不意に、ひよりんの言葉が蘇って来た。
怨み……どうだろうか。
けれども、私は強い怨みを買うような真似をした覚えは無い。
それに不鮮明だけど、あの音がそこまで嫌なものには聴こえなかった。
というのは、自分が良いように解釈しているだけなんだろうか。
そういえば耳にした事がある。
人間の感情における愛や憎悪は、元々同じ感情なのだと。
可愛さ余って憎さ百倍。
喜びも時としては他人への追い打ちとなるし、
逆に誰かの不幸による悲しみが、他の誰かへ密味の幸福を齎すこともある。
陰と陽、真逆にあって対を成す。
「よくは解らないけれど……」
誰かが私に何かの想いを伝えようとしている。
漠然とそんな気がする。
だから私は、誘われるまま鏡の前へと立つことに決めた。
もしかしてかなたさんじゃね?
というのは、自分が言いように解釈しているだけなんだけど
怖ぇえぇえぇ
242 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 19:14:50.83 ID:ic86onpp0
みゆきさんの暗黒面が
243 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 19:15:55.13 ID:ZdLYurZlO
み・ゆ・き!!!
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 19:18:18.98 ID:QpFH6/wA0
部屋の電灯は点けなかった。
点けてはならない気がしたから。
冷たい床に足を降ろす。
自然と忍び足になり、鏡の前へと立つ。
暗がりの中にぼんやりと浮かび上がった自身の顔。
橙の豆電灯に照らされ、儚い光のあたる顔半分だけに表情が表れている。
物理的に考えれば、特に不可思議な点や不自然は点などは見受けられない。
しかし、ただ一つだけ。
鏡の中に浮かび上がった自身の顔が、今にも泣き叫びそうな程に歪んでいた。
何かを言いたげで、しかし口を開かずに微動だにすらしない。
いや、少し違う。
光を反射するという性質を忠実に守らされているが故に、
叫びたくとも動きたくとも身動きが全く取れずに縛られた状態。
何かを伝えようとしているのに、それを阻まれている。
そう感じ取れた。
「何が、言いたいの?」
鏡の中の私への問い掛け。
答えは返ってこない。
無言のまま、歪んだ顔のまま。
そして、私が瞬きをした瞬間。
目の前に浮かんでいたのは、無表情で立っている私自身だった。
245 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 19:23:18.27 ID:ic86onpp0
ゲシュタルト崩壊
246 :
2日目のメモ:2008/09/23(火) 19:27:02.87 ID:QpFH6/wA0
【行動履歴】
不明/不明
→”打ちつける音”を聞いた。
朝/居間 − ゆーちゃんとの会話
→「夢について訊ねる」 → 田村ひよりの話を聞く
二時間目の中休み/教室(3年B組) − みゆきさんについて
→「案外、昨日私が言った言葉でフラグが立っちゃってたりして……」
→「キョン役はかがみんに任せるから」
→世界が思い通りになるのって辛そうだとは思わない? 「思わない」
昼休み/購買部 − 田村ひより
→「夢について訊ねる」
→「これ以上は聞かない方が……」 に”深入り”した。
昼休み/購買部 − 柊かがみ
→ひよりとは何の話を? 「大した話じゃない」 と受け流した。
未明/自宅(自室) − 鏡
→目を覚まし、「鏡の前に立った」
【世界観】 日常……?
【 変 革 】 何やら不穏な空気が漂っている。
【 メ モ 】 夢の話、ひよりんの話、数々の怪異の話、鏡の私……関連性はあるのだろうか?
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 19:32:20.19 ID:ZdLYurZlO
こーれは、面白くなってきたなw
248 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 19:32:55.02 ID:ic86onpp0
何日目まで続くんだろう
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 19:34:25.22 ID:aeFMm+dA0
>>1 ありがとう。少ししか見てないけどこのスレ大好きだ
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 19:34:32.26 ID:QpFH6/wA0
1時間程度、休憩します
これでようやく物語らしくなったかな
251 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 19:35:29.84 ID:ZdLYurZlO
252 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 19:38:08.00 ID:APP1YrJtO
今北産業
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 19:40:39.85 ID:ic86onpp0
>>252 ノベルゲー
このままだと
怪談ルートへ
254 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 19:44:44.13 ID:APP1YrJtO
大好物です
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 19:48:57.26 ID:f/EtBIV/0
これはいい
期待
世界は何てことないのであるの人かな
257 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 20:19:20.06 ID:APP1YrJtO
読んだ、保守
都市伝説とか、いいよね
258 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 20:20:55.20 ID:0+8hX9Rp0
259 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 20:34:53.30 ID:W0oPDNSr0
ぽ
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 20:48:25.71 ID:QpFH6/wA0
その日、私はいつもより早めに登校した。
起きぬけのゆーちゃんは驚いた表情を顔に出さないようにしていたようで、
パタパタと小さな動きのまま玄関先で見送ってくれた。
空いた電車が物珍しい。
悠々と席に着けるというのも、今までの日常の中にあった筈なのに新鮮な空気を醸していた。
なんとなくだけれど、早く皆と会いたい。
その想いに駆られ、遅刻するでもないのに早歩きで登校路を上って行く。
やがて校門を潜って屋内へ。
玄関、階段、廊下。
その何れにも人が見当たらないということが、今の時刻を指し示している。
そして3年B組の教室。
その扉をに手を添える瞬間になって、
早めに登校しても皆が居なければ意味がないのでは?
ということに気が付き、苦笑いが零れた。
けれども来てしまったからには仕様がない。
静に満たされた校内の理を乱さぬよう、私は扉を滑らせていった。
支援
262 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 21:06:00.12 ID:QpFH6/wA0
朝/教室(3年B組)
「おはようございます、泉さん」
「おっ……はよう」
驚きから挨拶への合わせ技。
なんとも間抜けな声を出しちゃったよ。
教室の中に居たのは、みゆきさんただ一人。
どうやら、瓶に活けられた花を眺めていたらしい。
「えらく早いんだね」
「いえ、わたくしは普段とそう変わりはありませんよ」
柔和な微笑み。
一日ぶりに目にしたその笑顔は、人を癒す効果があるらしいのだと再び実感できた。
やはりこの人はこうでなくちゃね。
ところで、
「みゆきさん、心霊ツアーのことは御存知?」
かがみから連絡が入ってれば重ねることになってしまう。
そう判断して私が問いかけたのだけど。
彼女は笑顔を曇らせていた。
263 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 21:16:35.86 ID:QpFH6/wA0
「どうしたの?」
「実は……昨日、いえ、一昨日の深夜から始まったことなのですが」
その切り口だけで直感した。
「もしかして、変な夢を見なかった?」
「え、どうしてその事を?」
思った通りだ。
「いや、私も夢を見ちゃったから」
「そうなんですか……」
心底驚いたような溜息。
が、ここで口を塞がれては大切なピースを落としかねない。
「よかったら、なるたけ詳細に訊かせて貰えないかな?」
嫌な出来事だったのか、みゆきさんは俯いてしまった。
暫く見守ってみる。
やがて彼女は口を真一に結ぶと、
「はい、わかりました」
怪を打ち払うほどに真っ直ぐな瞳を携え、
淡々と語り始めていった。
支援
265 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 21:24:00.15 ID:ic86onpp0
ルート入っちゃったか?
266 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 21:26:42.02 ID:ZdLYurZlO
氏艶
267 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 21:36:21.67 ID:QpFH6/wA0
わたくしが昨日、学校をお休みしたことは御存知だと思います。
はい、そうです。先生方と副委員長には風邪だと伝えておきましたので。
……仕方のないことだったんです。
その、得体の知れない夢を見たので休む、とはとても言えませんので。
その通りです。わたくしがお休みを戴いた本当の理由は、その夢にあります。
いえ、夢……なのでしょうか?
その日、要するには二日前のことです。
わたくしは23時を廻っていたのを確認したあと、床に就きました。
そこまでは普段と少しも違わなかったはずです。
ですが、ふと気が付けば、奇妙な音が聴こえて来たんです。
何度も何度も、何度も何度も……
真っ暗な中で、ただ音だけが聴こえて来たんです。
激しく、叩きつけるような音。
それが何なのかは知る由もありませんでした。
けれども怖くて怖くて……
そして瞬目のあと、いつもと変わらないわたくしの部屋を見回していました。
ようやくして我に返った時、それが夢であることに初めて気が付いたのです。
ですが、無性に鏡が気になったというのでしょうか。
何故かそれを確かめなければならないという気にさせられたのです。
やがて、恐怖よりも上回った好奇……
いえ、変だとは思いますが、正確には使命感に似た感覚を覚えて……
わたくしは、鏡を調べる事にしました。
wktk
269 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 21:56:24.33 ID:QpFH6/wA0
わたくしの部屋にある鏡は、
横60センチ、縦40センチ程度の横長い置き鏡です。
それが棚の上にあるのですが。
部屋はというと薄暗いままでした。
わたくしは蛍光灯の一番小さな明かりだけを点けて眠るのですが、
その日も習慣に倣うようにしていたのだと思います。
やがて薄暗い中を歩き、静かに鏡を覗き込んだとき。
そこに映っていたのは、酷く疲れた顔をした自分自身でした。
同時に、泣きそうなのを堪えるように口を固く結び、
ただじっとこちらを窺っていたのです。
混乱しました。何故、自分がそういう顔をしているのかと。
思った時には、声をあげていました。
しかし鏡の中のわたくしは、僅かな動作すらも表さなかったのです。
だから、わかったんです。
鏡にわたくしが映っているのではなく、
鏡の中に別のわたくしが居るのではないのでしょうか、と。
何かを伝えようとしている。
そんな気がしました。
けれどもそのまま、長らくに感じる時間の中で睨み合っていたのに……
ふっと、ある瞬間にわたくし自身の姿へと変わっていたんです。
それでもそのまま様子を窺い続けたのですが……、
それ以降には、もう何の変化は見受けられませんでした。
わた……く……し?
271 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 22:13:40.19 ID:QpFH6/wA0
「お恥ずかしながら、怪談の類いは苦手としておりまして……」
「それで休んじゃった?」
「はい。早合点かもしれないのですが、
気疲れを示すサインなのかもしれないとも思えましたので、大事を取って……」
みゆきさんは一通りの事を話し終えると、力が抜けたように重い溜息をついていた。
「細かい部分は違うけど、私と殆ど同じ現象のようだね」
「泉さん同じような夢を?」
「うん、一日目は音だけ夢で目が覚めて、二日目はみゆきさんと以下同文」
「そうなんですか……」
一体、どういうことなんだろうか。
同じ夢、或いは夢ではない何かを二人同時に体験している。
まさか偶然、などという言葉で片付けられるほどに私は楽観的な人間ではない。
「なんとも言えないけど、何か気に掛かった点があったら教えてね」
「わかりました」
朝早くの学校。
本来ならば爽やかな空気のはずである。
しかし今日に至っては、それが禍しい渦を巻いているかのように錯覚を覚えた。
272 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 22:24:01.44 ID:QpFH6/wA0
朝/教室(3年B組)
私とみゆきさんは、そのまま暫く互いのことを伝え合っていた。
そうしている間に登校してきた生徒達で、教室は次第に活気を帯び始めていき、
やがて柊姉妹も顔を揃えて姿を現した。
「おはよう、こなた」
「おはよーこなちゃん」
二人相手に、こちらも二人で挨拶を返す。
それが済んだ私は、次にどうするべきかを考えた。
1.心霊ツアーを中止にしようと提案する
2.夢について訊ねる
>>273-277 (多数決)
273 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 22:24:46.12 ID:APP1YrJtO
2だな
274 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 22:24:58.84 ID:13UoyUyA0
2
275 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 22:29:57.72 ID:PzYG9xSXO
敢えて1
2
277 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 22:35:16.64 ID:ic86onpp0
もう決まったろ2
278 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 22:49:18.09 ID:APP1YrJtO
ほす
279 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 22:50:13.87 ID:QpFH6/wA0
「あのさ、二人は変な夢とかを見なかった?」
夢?
と、二人は同音で呟いたものの、その反応は異なっていた。
何の事だか解らない、という風に眉を潜めたかがみ。
対して、思い当たる節があるかのように小首を傾げたつかさ。
「例えばその、変な音が聴こえた、とでもいうのでしょうか?」
みゆきさんが二の句を継ぐ。
二人は一頻り考え込み、その口火を切ったのはかがみだった。
「あたしは別に何も?」
凛とした声での素知らぬ回答。
となると、三人の視線が自然につかさへと集まる。
「え、えっとぉ……」
曖昧な躊躇。
そして、つかさは遠慮するように続けた。
「何か見たような気もするけど、わたしはぐっすり眠ってたから……」
「なんでもいいから言ってみて」
私の言葉を受けて再び考え込んだつかさは、
「そのぉ……思いだしたら言うね」
やはり戸惑いよろしく締めくくってしまった。
280 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 23:04:32.29 ID:QpFH6/wA0
放課後/教室(3年B組)
「で、本当に行くの?」
かがみが確認するように強めの口調で言った。
そこからは、”出来れば行きたくない”という感情が露呈している。
「もち。やると決めたらやるべきなのだよ」
そう言いつつ私は鞄から資料を取り出す。
昨日インターネットで調べ上げた近場の廃校舎。
それに関する地図一枚と、簡素な写真や外観などが記入されている数枚の紙切れだ。
「うっわ、いかにもって感じじゃないの」
「まあ、そう思えるのをチョイスしたから当然だよ」
こじんまりとした木造校舎。
端から端まで走り抜けるのに、20秒も掛からないほどの規模。
長らく人の手を離れ朽ち続けていたであろうそれは、
正に人外のモノ共が巣食う為に造られたと断言しても、過言ではないだろう。
「で、午前3時までに鏡の前まで行くから」
私の言葉で一同、それぞれが顔を見合わせていた。
変な話ではあるが、もしかすると、その顔を見合わせている中には私自身も含まれているのかもしれない。
正直、わからないのだ。
自分が何故、こうまでして心霊ツアーに拘るのかが。
281 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 23:11:00.93 ID:APP1YrJtO
スレ住民のせいです☆
282 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 23:24:39.98 ID:QpFH6/wA0
下校/学園近郊
「手筈は飲み込めたかな?」
教室で行った説明を確認する。
呼応して、皆がそれぞれの返答と頷き。
どうやら皆は了承と理解を示してくれたようだ。
手筈とは以下の通りだ。
・各々が一旦家に帰る。
・私を除く3名は、『私の家へ宿泊する』という旨を伝える。
・午前零時過ぎ、ゆい姉さんに頼んで目的地まで運んで貰う。
・帰りは自力で。
実にシンプルで不備があるようにも思えるが、特に切り崩されるほどの問題はないだろう。
幸いだったのは、意外にも門限に厳しい我が父が不在であるということ。
ゆい姉さんには『青春の1ページ』だとか、
以前に売った恩やらを適当に捏造すれば十分である。
帰りまでは迎えを頼めそうに無いので自力ではあるが、
翌日が休日であることと、朝になれば交通の便が動き出すことを考慮すればどうとでもなる。
「じゃあ、そういうことでよろしゅう」
再びの合点が返ってきた。
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 23:39:31.71 ID:rUDRJKGWO
もうちょっとスレタイわかりやすくすりゃいいのにww
284 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 23:41:56.97 ID:QpFH6/wA0
下校/市街地・駅
長らく教室に残ったいたせいで、辺りに降り注いでいる光の具合にも赤みが出てきている。
その中を並ぶように歩いていた時、かがみが独白のように呟いていた。
「しっかしさ、やっぱり四人だと落ち着くわよね」
私はその様子を眺めるに留めておいた。
「昨日はゆきちゃんが休んじゃったから、寂しかったもんね」
「すみません」
笑うように謝意を表したみゆきさんに、かがみが続く。
「でも、まさかみゆきが夢に驚いて休んじゃうとはね」
からかうように笑う、かがみだけが夢の欠片も目撃してはいない。
その事が幸とでるか不幸とでるか。
いや、もし体験していたら欠席者が一人増えただけかもしれないので、きっと幸運なのだろうな。
「残り少ない高校生活だし、たまにはこういうのもいいのかもねっ!」
駅の岐路に立つと同時に、かがみが締めに入った。
何も言わない皆も、きっと同様の面持ちなんだろうな。
やがて、みゆきさんは柔和に手を振りつつ、人波の中へと流されていった。
285 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/23(火) 23:48:26.79 ID:ZdLYurZlO
書籍化希望
286 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 00:02:17.06 ID:i6Q700or0
晩/自宅(玄関先)
「ゴミ出しゴミ出し……っと」
ドサリ、と地面に袋を置いたのと同じくして、
「こなちゃーん!」
という間延びた声で呼びかけられた。
振り向くと、それぞれのセンスで私服に身を包んだ、かがみ、つかさ、みゆきさんの三人のようだ。
駅から近い柊家の面々が、みゆきさんを迎えてからやって来たとのことらしい。
しかし、廃墟へ行くというのにスカートを着込むとは、流石だなみゆきさん。
「すっかり日が落ちてしまいましたね」
20時を廻った程度。
とはいえ、冬に近いこの季節ではもうすっかり暮れずんでいる。
辺りを照らすのは日の光では無く、闇夜を照らす月の光と街灯によってだ。
さてと、
「それではSST団発足を記念して、スキヤキを用意してみました」
「そのネタ、まだ引っ張っていたのか」
すぐさまのツッコミ。
「でも、スキヤキはナイスっ!」
後日、かがみの体重ネタが増えるのを内心喜ぶことにした。
287 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 00:13:20.33 ID:kbpjkYzgO
支援
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 00:16:01.17 ID:i6Q700or0
晩/自宅(居間)
「どんどん食べなよ」
かがみの皿へ重点的に肉を集める。
その調子その調子……ふふふ。
「ちょっと待て、自分で取るからお前は座ってろ」
「いーからいーから」
「良くない! なにかしらの企みあっての行動だとしか思えないわね」
私とかがみが必死の攻防を繰り広げている脇で、
「糸こんにゃく要らないの? わたし、全部食べちゃうよ?」
つかさが有りっ丈のこんにゃくを掻っ攫い、
「あの、高良先輩。みなみちゃんとは、どんなお話をしているんですか?」
「えっとですねー」
歩く萌え要素二人組は和やかに談笑に華を咲かせている。
バラバラであって、その実まとまってもいる。
そんな印象の晩餐は、実に一時間近くにも及んだ。
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 00:18:07.83 ID:i6Q700or0
そしてこれが最後の晩餐となろうとは、
この時誰しもが予想だにしていなかった……
というのは冗談です
夕食を抜いてお腹空いたんで、俺も少し食べきます
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 00:19:21.59 ID:MI4EBd9QO
乙。待ってるよ。
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 00:20:09.62 ID:HgkQpAOjO
びびったのは俺だけじゃないはず
乙
乙
焦らず食べろよ。
293 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 00:25:00.37 ID:06qUf6J7O
真面目にビビった乙
しらたき食べたくなってきた
294 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 00:26:51.13 ID:MI4EBd9QO
すきやきは豚肉だよな。
スレタイの「選択」をしてるのはスレ住民
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 00:46:23.51 ID:zgXvJZeo0
ここがゲロ次スレか
ほ
298 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 01:11:35.06 ID:qxgchkstO
ほっほ
299 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 01:17:40.85 ID:qUVc0ZtqO
支援
300 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 01:31:07.38 ID:HgkQpAOjO
ほしゅ
301 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 01:36:20.90 ID:ANXln94x0
引き込まれるななんか
302 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 01:58:21.46 ID:i6Q700or0
夜中/自宅(キッチン)
片付けを買って出た私とつかさが洗い物をしていると、
「ねぇ、こなちゃん」
意外に思えるほどに手際良く皿を捌きながら、つかさが語りかけて来た。
「どうしたの?」
「夢の話、思い出したよ」
思わず皿を取り落としそうになった。
つい先程までの和んだムードとは余りにも相反する話題を振られたためだ。
しかし訊かない訳にはいかない。
すぐさま思考を切り替え、訊ねる。
「どうだった?」
「思いだしたってほどでもないんだけど。わたし、夢の中で紙人形を見た気がするんだ」
「紙人形?」
「わたしの家の神棚に飾ってあるのが見えて、その時にふと思い出したから、ついでに持って来たの。
それは形代だとか、ヒトガタだとか呼ばれるものらしくて、祭事の時に使われるものだってお父さんに教えられたことがあったかな。
えっと、わたしは良く知らないけど、お姉ちゃんに聞けばもう少し詳しく話して貰えるかも。
それに、人形もお姉ちゃんに渡しちゃったしね」
ふふっ、と彼女が少しだけ自慢げに笑っているように見えた。
神道に仕える者の娘、か。
改めて考えてみると、稀有な存在なのかもしれない。
303 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 02:07:53.74 ID:zHaqk0wb0
きったたたたttったたたきたt
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 02:14:07.73 ID:i6Q700or0
――こなちゃんに夢のことを言われてから、ずっと考え続けてて。
だから気付けたんだと思うな。
あ、残りの洗い物はわたしがやっておくからいいよ。
お姉ちゃん、ああ見えて結構怖がりだからね。
話を聞くついでに一緒に居てあげれば、わたしとしても助かるよ。
そんな言葉で一方的にキッチンを押し出されてしまい、
手持無沙汰となったので仕方なく居間へと向かう。
途端、
「ここでスマッシューッ!」
かがみの熱烈な叫び声と共に、
多人数乱闘ゲームから歓声があがっていた。
何処をどう曲解すれば怖がりなんだろうか?
それに、ゆーちゃんやみゆきさん。
その両名相手に本気の熱を上げるのは中々に大人げない。
野球のスコアに言い換えれば、既にコールドゲーム級の差がついている。
取り敢えず間に割って入り、手近の棚からパズルゲームの類いを引き抜くと、
それを萌え要素二人組に手渡してから、かがみだけを呼び付けた。
305 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 02:31:19.06 ID:i6Q700or0
夜中/自宅(1階廊下)
「ヒトガタ? ああ、これね」
そう言ってポケットから取り出した。
かがみの拡げた掌に、十分収まるほどのサイズ。
大方、上等な和紙で出来ているのだろうか。
純白の中にも緻密な繊維網が見て取れ、硬く丈夫であることが傍目にでも伝わってくる。
これが夢とどう関連するのだろうか?
解明を求め、つかさからの流れを、ざっと説明した。
一応、怖がり云々の部分は互いの為にもぼかしておいたけどね。
「あーそう、つかさがねぇ。だったら解った、あたしが知っている範囲で教えてあげる」
親指と人差し指に挟んで、ヒラリヒラリ揺らしながら。
かがみは丁寧に説明を始めて行った。
307 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 02:40:58.07 ID:WeXyVdyG0
追いついたぜぇ・・・
wktk
308 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 02:54:33.49 ID:i6Q700or0
ヒトガタ。
漢字に直せば、人形。
そこには”人を模した形を持つ”という意味合いも含まれているわ。
もうピンと来たんじゃない?
そう、今現在では愛玩用具とされる人形。
それの起源がヒトガタってことなの。
解り易く説明する為にも、よくある”謂れ”を出しましょうか。
例えば、こんなことを耳にした事はない?
人形には命が宿る。
髪が伸びる、模型が走る、勝手に動き出す、喋る、挙句には憑かれる。
他にも、藁人形に五寸釘を打ちつけ、相手を呪う。
逆に事故を間一髪で免れた際、身代わりとして人形の首が飛んだ……
などなどね。
人形にこれだけの風説が生まれるのには、根本的な部分に原因があるのよ。
だって元々このヒトガタは、実際の祭事に用いられているんだから。
昔では相手を呪う為の触媒として用いられた事もあったらしいし、
逆に降りかかる厄災を払う為の身代わりとしても用いられていたの。
お武家人形や雛人形にもその意味合いが含まれているのよ、知ってた?
要するに、ヒトの形を模したものには強い力が宿るからね。
つまるところ、あたしが今持っている”コレ”は、それの元祖ってところかしら。
あ、そうそう。人形を虐めたり仕舞いこんだりしては駄目よ?
いつか命を持ったその子らに、寝首を掻かれちゃったり……なんてね、ふふ。
309 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 02:57:36.07 ID:WeXyVdyG0
フィギュア積んだり改造しかけで放置する俺は・・・
310 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 03:04:53.44 ID:MI4EBd9QO
支援
311 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 03:06:12.22 ID:i6Q700or0
「それにしてもこのかがみ、ノリノリである」
「ちっ……人が折角説明してあげたってのに、何よその態度は」
「冗談冗談、マイケル・ジョーダン」
「くっ、余計馬鹿にされているような気がするんだが」
つまり、かがみの話を一行に纏めると。
お守り。
ということらしい。
一行どころか三文字で終わっちゃったけど、
長々と語られれば、それだけ実効力というものが備わってくるようにも思えるから不思議だ。
接客業や販売員、詐欺師になれば大成しそうなくらいに。
「なーんか、いま失礼なことでも考えて居なかったか?」
うおぃ!
最近の巫女(手伝い)は、心までをも読みとっちゃうのか。
「気のせい気のせい。あ、そろそろゆい姉さんが来るかも」
慌てて矛先を逸らす。
ふと、この遣り取りのパターンは何回目なのだろうか、なんて思ってしまった。
312 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 03:13:26.44 ID:i6Q700or0
居間へと戻って行ったかがみを尻目に、
私は暗い廊下の壁へと凭れて考え始めた。
思えばここ最近、色々な話を聞かされた。
ひよりんの話。
お父さんの話。
かがみの話。
みゆきさんの話。
そして、自分自身が体験した不可思議な鏡の出来事。
それに伴う夢。
どれもこれもが受取ようによっては怪談ともなりえる。
けれども。
けれどもだ。
本当に怖いものとは、何なのだろうか。
313 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 03:22:49.84 ID:DcddH+Vn0
支援
314 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 03:23:54.79 ID:i6Q700or0
深夜/自宅(居間)
午前零時を半時ほど過ぎた頃合い。
「よーっす、ゆい姉さん到着だよー!」
夜もすっかり更け切ったというのに、
相も変わらず日の出のようなテンションで姉さんが諸手を振っていた。
即座に皆が皆、軽く挨拶を交わしていく。
そして、
「じゃ、早速行きましょっかい」
急かす様なゆい姉さんに先導され、私達は明るい我が家を後にした。
315 :
3日目のメモ:2008/09/24(水) 03:29:43.07 ID:i6Q700or0
【行動履歴】
朝/教室(3年B組) − 心霊ツアーの中止、若しくは夢
→「夢について訊ねる」
【世界観】 日常……?
【 変 革 】 もう、引き返す事はできない。
【 メ モ 】 本当に怖いものとは何なのだろうか?
316 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 03:31:28.65 ID:MI4EBd9QO
一先ず乙。
317 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 03:32:42.39 ID:DcddH+Vn0
どんどんホラーに・・・
318 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 03:35:46.43 ID:WeXyVdyG0
引き返せないんだね・・・
319 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 03:42:48.07 ID:i6Q700or0
深夜/車中(成実ゆい)
運転はゆい姉さん。助手席にみゆきさん。
後部座席に柊姉妹。私はというと……
「あのー、なんで私はトランクの中なんですかー?」
車中に乗り込むなり、狭苦しいスペースへと押し込まれた件についての抗議を行う。
「アンタは細かいんだから、そこがお似合いだわよ」
ツツン、と頭を小突かれる。
こんにゃろう。
「ごめんね、こなちゃん」
「すみません」
ああ、この二人はなんて優しんだろう。
かがみとは真逆の性質だよ全く。
「ところで、ゆい姉さん」
「あぁん?」
「明らかに人数がアレなんだけどアレにならない? 姉さんの職業アレでしょ?」
「チッ……」
怖っ。
「んなもん黙ってりゃわかんねーだろ」
ダレデスカこのヒトー?
と、静かにつかさが呟いていたのを耳聡くも聴き付けてしまった。
320 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 03:50:02.58 ID:TFWZMDaj0
まだやってたのか
支援
321 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 03:55:43.54 ID:MI4EBd9QO
支援
322 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 04:02:01.47 ID:xodR47ThO
ほしゅっしゅ
323 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 04:11:07.44 ID:i6Q700or0
カーラジオからはヒットチャートがどうだとかいう内容の放送をやっているようだ。
時折、CMだとかなんとかで耳にした事のある曲が、代わる代わる流れては瞬く間に消えていく。
私はアニメソング以外に然したる興味を持たなかったせいか、
歌詞など一小節すらも浮かんではこない。
なので、静かに口ずさんでいる、つかさやかがみの声に耳を傾けつつ、
過ぎ去っていく車窓の風景を眺めていた。
時計を確かめるのが面倒なので感覚でだけど、現在時刻は1時少々という所かな。
家を発ったすぐには、世間様が深夜の眠りの最中にあるなど微塵すら感じられなかった。
しかし、段々と無くなりつつある建物。
着々と拡がりゆく屋外灯の間隔。
淡々と人手の入らないものへと変わりゆく景色。
どんどん外の世界の活気が失われていく。
伴って、明るさを持つのは頼りなく隠れた月のみという状況。
ヘッドライトを消せば……
言うまでも無く、完璧な闇。
大人しかった道路が、うねる様に登る道へと変貌したとき。
やはり、世の中には物の怪や怪奇などが存在しても可笑しくは無い。
という結論を導き出していた。
324 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 04:21:19.00 ID:WeXyVdyG0
支援
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 04:30:34.82 ID:i6Q700or0
県内/山中(廃校舎・校庭)
「うわっ……」
ゆい姉さんが漏らした驚嘆に全員が同調した。
なんて素晴らしいシチュエーションなんだ!
一息で端から端まで辿り着けそうなほど、こじんまりとした木造校舎。
その塗装は暗い中でも剥げ落ちていることが十分に見て取れ、
窓ガラスは割れていない部分を探し出すほうが難しい。
校舎中央にはこれまた控え目な玄関らしきものがあるものの、
片方の扉が仕事を放棄したかの如く、倒れ込んでいる。
私達はいま、その校庭の中心に立って全体を眺めている。
校庭についても陵桜と比べるまでも無い程に歴然とした差があり、
それは教室を数個並べてしまえばあっという間に埋まってしまうほどの狭さだ。
さらには辺りの風景。
朽ちた校舎よろしく、木々の管理もなされていない。
故に校舎の足元には草木が生い茂り、校舎の裏側から表側へ、屋根上を通った木々に侵食されている。
「なんて素晴らしいシチュエーションなんだ!」
声に出してはみたものの、最早かがみはツッコミを入れる気力すらなさそうだった。
つかさ、みゆきさんについても同様。
ついでに、私もだ。
326 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 04:49:23.34 ID:i6Q700or0
「これ、私、本当に帰ってもいいの?」
引き攣ったゆい姉さんの声。
元々、帰りは自力でという約束であったからだ。
私がそうしたのは、その方がより雰囲気が増すだろうと踏んでの措置だった。
が……
これは酷い。
写真だけで現物を見た気になっていた自分を恨みたくなってきたよ。
真夜中の山中に居るだけで既に怖いんだ。
ましてや廃校舎などという如何にもな場所へと踏み込むなど、正気ならば真昼であっても御免だね。
けれども、ああ言った手前、どうするべきか?
1.「帰っちゃっていいよ、こっちはこっちで頑張るから。送ってくれてありがとね」
2.「誠に申し訳ないのですが、近くで待機して頂けないでしょうか?」
>>328
327 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 04:50:08.74 ID:TFWZMDaj0
kskst
2
329 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 04:54:33.45 ID:MQA3nrij0
1だとバットエンド直行しそうだよなww
330 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 05:03:51.59 ID:NxRGZxiYP
追いついた支援
331 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 05:06:59.02 ID:i6Q700or0
「誠に申し訳ないのですが、近くで待機して頂けないでしょうか?」
私は恥を忍んで申し上げ仕った。
「よかろう」
「ははーっ、有り難きお言葉!」
そう思った矢先、
「と言いたいんだけどさ、流石に車内に一人で居るのも逆に怖いから。
かといって、高校生の皆と一緒に人妻が泥棒の真似ごとなんてできないよね?」
「それじゃあ、やっぱり帰っちゃうの?」
「そんなに冷血じゃないよ、姉さんはっ」
「え、えっと、それじゃあどうするの?」
「私は近場で時間を潰す事にするさ。麓にファミレスもあったから」
ゆい姉さんはもう一度だけ校舎を眺めると、
「必要だったらば電話してちょ、いつでも迎えに来るから。
もし携帯電話が繋がらなかった時の為に、5時を強制終電としとくね」
なーるほど、妥協案か。
ならば十分だ。
「ありがとう。それじゃあね、ゆい姉さん」
「おうっ、皆も気をつけなよ!」
闇夜へ溶け込むように小さくなっていく車。
その排気音が聞こえなくなったのを切っ掛けとして、私達は互いに顔を見合わせた。
そして、校舎へと向かい合ったのだ。
332 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 05:14:33.42 ID:i6Q700or0
ようやくここまで辿り着けた
良い所でまできて悪いのですが、また20分程度休憩します
廃校探索をどうするかをシステム的に考えてなかったので、そこらへんをちょっと練らないとなりませぬ
探索は恐らく、選択の連続となるので、お暇な方には付き合って頂きたいです
333 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 05:17:01.36 ID:WeXyVdyG0
乙
付き合えるかどうかはわからんが応援してる
334 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 05:33:22.23 ID:TFWZMDaj0
age
335 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 05:33:29.16 ID:vqqWcjl/O
おいついた
336 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 05:34:56.80 ID:q8XAnYduO
なにこのときめくスレ…
VIPで初めてみたスレがこのスレでヨカタ!
なんか記念になったw
337 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 05:51:39.95 ID:i6Q700or0
午前2時00分/校庭
ゆい姉さんを見送った私達は、
私とみゆきさん、かがみとつかさ、
の2グループで、計2つの懐中電灯を手にしている。
当然、街灯すら存在しえないこの場所では、
弱々しい懐中電灯の明かりだけを頼りに校庭の中心へと佇まざるを得ない。
目の前には朽ちた校舎。
さあ、どうしようか?
1.その場から辺りの様子を見回す。(調べる)
2.誰かと会話する
3.校舎の中へと移動
>>338
338 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 05:52:53.98 ID:WeXyVdyG0
2
1
340 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 05:54:47.03 ID:i6Q700or0
それぞれが不安そうな面持ちだ。
さて、誰と会話をしようか?
1.柊かがみ
2.柊つかさ
3.高良みゆき
4.それ以外
>>401
341 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 05:55:17.74 ID:i6Q700or0
って、ミスりました
このレスの下ということで
3
343 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 06:02:57.89 ID:i6Q700or0
「ねぇ、みゆきさん」
「な、なんでしょうか……?」
あからさまに気圧されているようだ。
「大丈夫?」
「はい、ええと4人一緒ですのでなんとか……」
言葉とは裏腹に、全然大丈夫そうには見えない。
先程から忙しなく辺りを見回しているようだし。
そうだ、折角なのでもう一つ聞いておこう。
「あのさ、何か感じたりしない?」
「……と、仰られますと?」
「ほら、直感というか、夢で見た何かというかさ」
「寒気と嫌な予感ならずっと前から感じてはいますが……他には特に」
「そ、そう。とにかく頑張ろう」
「はい」
一通りの言葉を交わし終え、私は懐中電灯を持つ手に力を込め直した。
344 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 06:06:43.84 ID:i6Q700or0
午前2時03分/校庭
校庭に佇んでいる私の頬を、気味の悪い夜風が撫でていった。
懐中電灯がなければ、数十メートル先の状況すら見とれそうにない。
正直、早くも来た事を後悔し始めていたりもする。
けれども、やると行ったからにはやらねば。
決意を込めてキッと前方を睨む。
目の前には朽ちた校舎。
さあ、どうしようか?
1.その場から辺りの様子を見回す。(調べる)
2.誰かと会話する
3.校舎の中へと移動
>>345
もしかして俺しかいない?
3
俺も居る。
安価下
347 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 06:15:33.66 ID:WeXyVdyG0
俺もいる
もう寝るから保守頼んだ
348 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 06:16:20.95 ID:i6Q700or0
校庭から玄関を照らすと、
2階建てのボロ校舎が浮かび上がった。
その中央部分に玄関は位置している。
玄関からみて右手側と左手側に等しい幅を持っている旧校舎であるが、
ここでは仮に右を東、左を西としておくことにしよう。
そう決めるなり、倒れて果てた玄関扉を踏み越えて行く。
「足、切らないように気を付けてね」
「わ、わかってるわよ……」
強いかがみの声色が返ってくる。
まだまだ、みんな大丈夫のようだ。
そして、私達は真っ暗な校舎の中へと進入したのだ。
349 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 06:20:46.53 ID:i6Q700or0
午前2時06分/1階(玄関)
玄関は一般的な校舎でいう廊下の形状に近い。
突き当りから東と西側への廊下へ繋がっているようだ。
玄関廊下の左右には下駄箱。
恐らく、全校生徒が50人を超えた事もないのだろう。
両脇には、簡素な作りのものが用意されているだけだ。
さて、どうしようか?
1.その場から辺りの様子を見回す。(調べる)
2.誰かと会話する
3.東側へ移動
4.西側へ移動
>>350
350 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 06:23:13.41 ID:WeXyVdyG0
とことん2
351 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 06:24:23.19 ID:i6Q700or0
あ、思っていたよりも面倒臭かった
次の選択肢を最後に、やっぱり元々の形式で進めることにします
時間的にも少々難しいっぽいので、すみません
352 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 06:27:07.85 ID:i6Q700or0
月の光が直接差し込まない校舎内は、異様なほどに暗い。
その為、電灯の当たり方次第ではその表情すらも窺えないようだ。
さて、誰と話そうか?
1.柊かがみ
2.柊つかさ
3.高良みゆき
4.それ以外
>>353
353 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 06:27:24.38 ID:WeXyVdyG0
私は一向に構わん
がんばってくれ
354 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 06:27:58.06 ID:WeXyVdyG0
ごめん 2
355 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 06:28:06.32 ID:xuFk26H00
2
1
357 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 06:41:36.68 ID:V3YeNXuCP
古き良きノベルゲーの香り
らき切草だな
358 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 06:42:28.61 ID:i6Q700or0
「うわ、眩しっ!」
「あ、ごめん」
話掛けようと思い、つかさの方へ光を当てたのが不味かったらしい。
慌ててそれを脚元へと落とす。
「……ど、どうしたの、こなちゃん?」
つかさは姉の腕へ蔓植物のように絡み付き、
その姿からは片時すらも離れまい、という意志が垣間見えている。
表情はというと、曇りどころか土砂降り寸前だ。
「つかさはさ、何か感じたりしない?」
「な、何かって?」
「ほら、何か予感めいたものとか」
「うーん……特には」
「じゃあさ、つかさの後ろに居る人は誰?」
「えっ!?」
「というのは冗談だけ――」
「悪ふざけはやめなさいよ!」
怒声と共にゴツン、という衝撃。
懐中電灯をエモノにしたかがみに襲われたらしい。
「ほんっと、くだらないことばかり考えるんだからアンタは」
359 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 06:59:56.92 ID:i6Q700or0
「ここ、生徒数はどのくらいなんだろうね」
玄関から突き当たりまで、ほんの数メートルの距離。
その両脇に敷き詰められた下駄箱を眺めながら呟いた。
「下駄箱も床も壁もボロッボロだね……何年くらい前の建物なのかな?」
つかさの言うとおり木造製の壁は至るところが変色しており、
一部には何かで殴られたのだろうか、というように不自然な穴があいていたりもする。
もしかすると、変な人達の集会場になってやしないだろうか?
しかしその不安はすぐに掻き消されることとなる。
校舎の全容を眺めた時、カラースプレーによる落書きの後は見受けられなかった。
つまりは、そういう輩が立ち寄っている可能性が低い事を意味している。
そもそもそういう場所だったらば、校舎へ入る前にゆい姉さんによって制止されていたはずだ。
良かった良かった。
そう安心したのもつかの間に、新たな疑念えが浮かびあがってくる。
人が居ないって事は、それだけこの校舎が放置し続けられていることに直結する。
人の目が届かない場所。
人によって追い出され、棄てられた場所。
……おかしなモノと出会わなければいいけど。
360 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 07:06:37.86 ID:V3YeNXuCP
羽生「平常心で…と思った時点で平常心じゃないんですよね」
何かに会わなきゃ良いが、なんてフラグ以外の何者でも無いッ!
361 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 07:17:29.80 ID:WeXyVdyG0
最後の保守
362 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 07:17:44.31 ID:i6Q700or0
玄関からの突き当りで左右を見回す。
長く続く廊下。
当然、それを挟んで窓と教室らしき物が並んでいる。
それにしてもだ。
外観からは狭い校舎とわかっていた筈なのに、
中に入ってみると視界が利かないせいか厭に広く思える。
重く流れの悪い空気に辟易しながらも、ライトで左右の突き当たりを照らした。
「どうやら、東側に階段があるみたいだね」
そこに至るまでに教室が2つ。
そして、階段の下のスペースに小部屋が1つ。予想だけど、構造的に倉庫と見ていい。
さらに階段と向かい合うようにして何か小さな部屋への入口が、ポッカリと2つ並んで口を開けている。
あの感じからすると、向かいのはトイレかな?
次に、反対の西側には大きい部屋が1つと、その奥に小さな部屋があるようだ。
「お?」
ふと私が見上げると、目の前には部屋名を示すネームプレートが突き出ていた。
『職員室』
どうやら大きい部屋は職員室ということらしい。
広さを陵桜学園で換算すると、教室1個半くらいかな。
その狭さが却って真新しく思えてくるから変なものだ。
363 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 07:28:50.01 ID:w5Wk7voKO
つかさかわいいよつかさ
364 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 07:35:43.77 ID:i6Q700or0
「ね、ねぇ、大鏡ってどこにあるのよ?」
かがみが、腕に纏わり付くつかさを宥めながら訊ねて来た。
妹を宥めてはいるが、かがみ自身も執拗に辺りを窺っているし、
眉を潜めた表情から察するに、それなり恐怖を感じているのかもしれない。
もちろん、常態を保っているのは姉の威厳というものなんだろう。
「ねぇ、聞いてんの?」
「あ、ごめん。ちょっと考えごとしてた」
「まったく……」
そんなに挙動不審な状態で偉ぶって見せたところで、
いつもの凛とした空気やカリスマ性の欠片すらも漂ってきやしない。
ところで大鏡だけど、資料には何処だと書いてあったんだっけ?
いや、写真はあったけど校内地図がなかったので、どっちみち私にゃ無用の長物な情報だという訳だ。
ま、この校舎に慣れた人物ならば写真だけで場所が一瞥できるんだろうけどさ。
そういえば。
電話越しのお父さんが言っていたっけ。
『ふと思ったんだが、なんで旧校舎ってやつには”大鏡”があるんだろうな。
それも大抵が長い長い廊下の先にあるし、その隣には階段があるという造りになっている』
廊下の先、階段の側。
つまりは、
「2階へ上がったすぐだと思う」
これに違いないはずだ。
365 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 07:50:27.81 ID:qUVc0ZtqO
支援
366 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 07:52:02.79 ID:i6Q700or0
階段を目指し、東側への移動中。
「ひゃっ!?」
突然の短い悲鳴に釣られて、かがみとつかさも声を上げていた。
どうやら声の主はみゆきさんだったらしい。
「う、ゆきちゃんどうしたの? 大丈夫?」
「大丈夫ですが……うぅ、蜘蛛の巣が張ってます……」
背が低い私には気が付けなかった。
探るようにライトで上を照らすと、確かにキラリと乱反射している。
これも人が入り込んでいない証拠、か。
ところで、
「鏡の前に立つのは3時丁度にしたいんだけど、それまではどうしようか?」
「えっと、今の時間は……2時15分か。どう見ても来るのが速過ぎたような」
「2時14分44秒だよ。正確に測りたいから電波時計を持って来たのさ!」
「どうでもいいが、時間の並びが不吉すぎないか?」
確かに、言えてる。
「デジタル時計は、」
みゆきさんだ。
「不意に確かめた時、数字が並ぶのが嫌なので……わたくしはアナログ時計を――ひゃっ!?」
また蜘蛛の巣ですー、とのことらしい。
同じく、柊姉妹も釣られて身を震わせていた。
367 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 07:57:49.11 ID:06qUf6J7O
今日で3日目と言う大作。
捕手&乙
368 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 07:58:17.06 ID:u9bVR7UVO
支援
369 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 08:12:10.06 ID:i6Q700or0
階段の前まで来たとき、突き当りの壁の隅に、何かが散らばっているのが見て取れた。
反射的に、それを照らしだしてみる。
黒い、何か。
「何よ、これ」
私の横から、かがみも窺っている。
これは……
艶のある羽毛、ぐったりとした潰れたように拡がる全身、削げ落ちた首。
カラスの死骸だった。
「……」
かがみが言葉を失ってしまうと途端、待ち兼ねていたかのように辺りから静寂と闇が押し寄せてくる。
空気の揺れる音、風が校舎を撫でる音すらも感じられるほどの無音。
それに耳鳴り。
何やら不味い。
このままじゃいけない気がする。
「よ、良くある事だよ、山ではっ!
野良犬やら猫やらが安心して獲物を食べる為に運んできて、食べきれなくて捨てちゃったんだよ!」
犬も猫も飼ってはいないが、なんとなくそういう話を耳にしたことがある。
だからこれも、きっとそういうことなんだ。うん。
「ほら、さっさと2階へ行こう!」
通夜のように黙り込んでしまった3人を必死に奮い立たせるように、
私は階段への一歩目を踏み出した。
370 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 08:14:12.99 ID:M9DUjkz9O
しえん
371 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 08:22:19.10 ID:i6Q700or0
ギシッ……ギシッ……
文字通り、板張りが軋み合う音。
何故かこの音だけには昔から慣れることができない。
けれどもそんな私の心境など意にも介さず、
一歩一歩踏みしめる度に床が怨みがましい声で呻き返してくる。
――古いモノには魂が宿るだとか、或いは単に地元の卒業生達の願いによって残されているだけなのか。
そこらへんまでは知りえないけどな。
お父さんの言葉が突沸のように浮かびあがってきた。
まさか、足蹴にされたことで怒ったりは怨んだりはされないだろうな……。
心の中を巡りゆく疑問。
勿論。答えは解るはずも無い。
372 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 08:42:34.90 ID:i6Q700or0
階段を上り切った場所。
即ち踊り場。
そこに、それは在った。
当初の目的として、探し求めて来たモノ。
大鏡。
こじんまりとした校舎には似つかわしくない程に堂々とした出で立ちで、
2階、東側の端に張り付いていた。
この階段の位置からでは真横にあたる為、その鏡面すらも窺うことは敵わない。
が、奇妙な威圧感を禍々と放っているという感触は、
ただの錯覚として済ますにはあまりにも現実味を帯び過ぎてていた。
373 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 08:45:25.77 ID:i6Q700or0
「アレが、大鏡、なの?」
擦れ掛けた小声でのつかさに続き、
「どう考えても、アレ以外にはないでしょ……」
口調だけは元のままのかがみ。
「ですね」
短く続く、みゆきさん。
最後に。
「それじゃあ――」
ようやく、最終地点へと到達した。
奇妙な話、夢、現象。
そして誘われるようにしてやって来た、私自身の心。
それら全てが帰結することとなる筈の、この場所へ。
だから、決意を言葉に換えて、皆へと伝えた。
何があっても決して心が折れないように。
――それじゃあ、行こうか。
374 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 08:57:21.36 ID:NxRGZxiYP
支援
375 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 09:31:28.85 ID:M9DUjkz9O
し
376 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 09:35:01.83 ID:06qUf6J7O
ほし
377 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 09:41:27.83 ID:MQA3nrij0
うぉい、ずっとやってたのかwww
学校いけねぇwww
378 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 09:44:37.62 ID:06qUf6J7O
お またこのスレ立ってたのか
380 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 10:14:45.99 ID:e68/xXvP0
381 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 10:33:57.22 ID:i6Q700or0
午前2時20分/校舎(2階・大鏡)
あと一歩。
いや、あと半歩進み出れば、鏡に自身の姿が映り込むことになる。
けれど、やはり怖い。
あの夜のような自分ではない泉こなたが、
またも鏡の前へと現れるのかもしれない。
或いは。
或いは、それらとは全く別の”何か”を引き起こしてしまうのかもしれない。
「みゆきさん」
彼女の所在を確かめるように見遣ると、何も言わずに黙って、しかし力強く頷き返してくれた。
同一の体験を成したもの同士なだけに、その動作がより一層、私に力を分け与えてくれるのだと痛感した。
よし。
4人で頷く。
みんなで挑むのなら怖くはない。
自然と手を繋ぎ合わせる。
硬く。ずっと離れないように。
残る半歩。ギリギリの境界ライン。
その直前から。
今、超えた。
382 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 10:35:01.32 ID:i6Q700or0
私が居た。
みゆきさんが居た。
かがみが居た。
つかさが居た。
手を繋ぎ、緊張や決意や恐怖を曖昧に溶け合せた表情で。
じっと睨む。
じっと睨まれる。
ふっと笑う。
ふっと笑い掛けられる。
口を開ける。
口を開ける。
首を傾げる。
疑問を訴え掛けられる。
これは……?
383 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 10:35:41.69 ID:i6Q700or0
「何も……起きていないわね。だよね、起きて、ないよね?」
視線を右往左往させるかがみとは対照的に、
私とみゆきさん、つかさの3人は大鏡を注視し続けていた。
いや、大鏡の中の自分自身と思われる相手を、監視していた。
ふと気を逸らした瞬間に何かが起こり得る……
私たちがその心境に在ることは自明である。
しかし、私の顔、みゆきさんの顔、つかさの顔、かがみの顔。
全てが物理法則という理に従った表情で塗り硬められている。
異常や怪異は見当たらない。
「問題、無いようだね」
私の言を皮切りに、自分との睨めっこ大会は、各自の溜息を以って閉会となった。
良かった。
だけどまだだ。
まだ終わらない。
「午前3時まで、約40分、か」
手を繋いだまま鏡に背を向けて、その時を静かに待ち続けた。
待ち望んでいるのか、或いは忌避しているのか。
その対極にある感情を、一つに合わせた状態で。
384 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 10:37:26.06 ID:i6Q700or0
「今さらだけどさ……」
小さく俯いて、かがみが呟いた。
「恥ずかしいんだけど、手を繋いでるの」
それはきっと、この状況でさえ無ければ私を含めた全員が思っていたことだろう。
というより、
「実は私も少し、気恥ずかしかったり」
それは本心だった。
「わたしも同じかも」
「わたくしも実は」
間近に迫った刻の前。
この期に及んだ真情吐露。
一旦滞った流れを、私が掬いあげる。
「で、どうするのさ?」
「どうするって?」
「手、離す?」
「……別にいいわ。もうすぐ3時なんでしょ?
ここで離したら40分間が無駄になっちゃうかもしれないじゃない」
「ふーん」
「何よその顔は?」
「べっつにぃー」
「ぐっ……手が塞がってなきゃ叩けてるのにっ」
385 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 10:39:18.07 ID:i6Q700or0
「まあいいじゃん、3時までなんだし。
そこまで待って何事も無ければ笑って帰る。それでいいじゃん。
それに、こういう馬鹿な事を出来るのは今のうちだけだと思うよ?」
「なに年寄り臭いことを言ってんのよ。……ま、そういうことにしといてあげるわ」
「つかさ、みゆきさん」
「ん、なに?」
「はい?」
「絶対に手を離しちゃ駄目だからね」
「……どちらかというと、怖くて離せないよ」
「それもそうですね」
ふと先日の二時間目休み、かがみとのやりとりを思い出した。
「覚えてるかな、かがみんはキョン役だって言ったこと」
「え? ハルヒの?」
「そうそう昨日……ってもう二日前か、言ってたじゃん」
「言ってたっけ?」
「もし奇々怪々が起こった際には、よろしく頼むからね」
「はぁ!?」
「頼むからね」
「なんだそりゃ。まぁ、善処はしてあげるわ」
「オッケー」
386 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 11:03:27.24 ID:ksZpYlXIO
寝たのかな
ほしゅ
387 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 11:24:35.06 ID:3Bi/aLvtO
ほ
388 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 11:31:59.11 ID:i6Q700or0
午前2時59分/廃校舎(2階・大鏡)
手元の電波時計で確認。
残り60秒。
即ち、丁度1分。
「みんな、準備はいい!? 60秒切ったよっ!」
それぞれからの返答。
みんなの気持ちが一つになっているという確信。
―― 50! 49! 47! 46! 45……
全員で読み上げ、刻々と減りゆく数。
それが零になった瞬間。
そこが、最も怪の力が強まるとされる瞬間。
又、鏡の怪の瞬間。
帰結する瞬間。
午前3時。
残る刻、30秒。
389 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 11:34:32.63 ID:yh/y54tSO
これはなかなか
390 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 11:36:00.71 ID:06qUf6J7O
てかそうじろうはどうしたんだw
391 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 11:56:09.32 ID:i6Q700or0
コーン……
私達の重奏よりも遥かに澄んだ音色。
はっきりと聴こえた。
背後。
間違いない、背後に居る。
鏡の中に居る。
大鏡の中に。
コーン……コーン……コーン……
コーンコーンコーンコーンコーンコーン……
何故だ?
明らかに数が多い。
叩く音が、一人だけのものでは有り得ない。
いや、それだけじゃない。
何故だか、必死さに加えて悲愴さが伝わってくる。
いつにも増して、何かを伝えようとする想いが。
振り向いてはならない、という想いが。
けれど、此処まで来て、やめる訳にも行かない。
解き明かす。
絶対に。
392 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 11:57:37.78 ID:i6Q700or0
10……
――つまりだな、箱を開けるまでは箱の中にいる猫が生きているか
9……
――二つの世界が交わる事はない。
どちらかに分岐を行えば、それが真実だと確定してしまうということだ。
8……
――昨日の花は今日の夢って言うじゃーん
我々は激動の時代を生きているのだ。
7……
――鏡には魔力が宿るだとか、長生きした動物は神通力を帯びるとか、他にも数えきれないほどの謂れがあります。
6……
――それから、呪術や一部の祭事においても様々な用途で扱われる場合が多い。
結果的には魔性が宿るとも神性が宿るとも云われるが、要は何らかの力が感じられるとのことらしい。
現に、神社なんかじゃあ今も御神体として鏡が祭られていたりするしな。
393 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 11:59:26.97 ID:i6Q700or0
5……
――それで、突然話が変わるんですけど、
泉先輩、誰かからの怨みを買った憶えはありませんか?
勿論、実際に藁人形をゴッスンゴッスンやっていると断定した訳じゃあないんです。
ただ、”怨みを買ったという本人さえ知りえない事実”が、または同等に値する誰かの”強い怨恨”が、
”夢という形”で先輩の元へと届けられている……なんてことは考えられないのでしょうか?
4……
――そういえば耳にした事がある。
人間の感情における愛や憎悪は、元々同じ感情なのだと。
陰と陽、真逆にあって対を成す。誰かが私に何かの想いを伝えようとしている。
漠然とそんな気がする。
3……
――遠くから一瞥すると、遥か続く廊下が、まるでその鏡の中にまで続いているように見えるんだから。
しかも自分自身の姿まで米粒の用に小さく映り込んだりしている。
まるで、鏡の中には別の世界があるかのように、だ。
もしかすると鏡の中に居るのは”自分と良く似た他人”で、
ちょっと目を離した隙に欠伸なんかしてたり……なんてな。
2……
――そう、だったら確かめてみない? この眼で実際に
1……
――しっかしさ、やっぱり四人だと落ち着くわよね
394 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 12:00:29.05 ID:i6Q700or0
0……
――絶対に手を離しちゃ駄目だからね
そして、私達は振り向いた。
395 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 12:03:51.11 ID:i6Q700or0
ああ、やっぱり来ちゃうのか。
ここへ来ちゃ駄目だって言ったのに。
ここへ来るのはいけないって、あれほど忠告したのに……
なのに、そうすればするほど、皆はこの場所への興味を強めてしまった。
余計な好奇は身を滅ぼすと、何処かでは判っていた筈なのに。
馬鹿すぎる。
あまりにも馬鹿げている。
皆が、私達とは同じ轍を踏まないようにと必死で伝えようとしたのに。
だけど伝わらなかった。
怨み?
違うよ、切情だよ。
感情は、表裏一体なんだから。
陰と陽、真逆にあって対をなす。
この意味、わかるでしょ?
……でも、こういう結果になってしまった今では、私の馬鹿さ加減に怨恨の情すら湧きそうだけどね。
ごめんね。
力が及ばなくて。
本当に。
ごめん。
396 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 12:10:02.46 ID:u9bVR7UVO
怖いな
397 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 12:12:15.13 ID:NxRGZxiYP
gkbr
398 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 12:12:52.95 ID:06qUf6J7O
まさかの完?
399 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 12:13:31.65 ID:RtsKM4d20
しゅれでぃんがーの猫の話が出た時点で読めた
400 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 12:14:08.12 ID:i6Q700or0
午前3時00分/廃校舎(大鏡)
「……むお?」
私達は、大鏡の前で手を繋いでいる。
何も聴こえてはこない。
その大鏡には、皆の姿がそのまま映しだされていた。
何の変哲も無い、ただ只管に普通の大鏡。
時刻は確かに午前3時を廻っていた。
よし、思った通りだ。
つまり、これで証明が成された訳だ。
「やっぱり、大鏡の噂は嘘だったんだね」
断言する。
「そのようですね、怖がった分だけ損をしてしまいました」
みゆきさんが続いた。
さてと、後はゆい姉さんに電話を掛ければいい。
401 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 12:16:01.26 ID:i6Q700or0
私は携帯電話を取り出し、電話帳からダイヤルした。
呼び出し音が漏れてくる・……
「あれ? これって?」
つかさが何かを拾い上げていた。
ああ、それか。
それって確か、
『こなたー? 終わったのかい?』
あ、ゆい姉さんだ。
「うん、なんてことなかったよ」
『そっかそっか、じゃあ迎えに行くからね』
「待ってるねー」
それだけの手短な通話を終えた。
「それじゃあ皆、外に出るよ」
402 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 12:18:58.40 ID:yh/y54tSO
なんだなんだ
403 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 12:25:17.36 ID:MI4EBd9QO
ドキドキするなあ
404 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 12:28:18.77 ID:i6Q700or0
階段を颯爽と下って行く。
来た時には面々が声を失う程に怯えていたが、
こうも長々と居座ったばかりか、あまつさえ”怪は嘘”であったことが証明された訳だ。
ともなれば、何も恐れるものはない。
ギシリと禍しく呻く階段を駆け下り、トンッと床板の上へと降り立つ。
落ち着いて観察すれば、単に人が居ないだけの古びた校舎。
所詮は、種明しさえすればそんなものなのだ。
「ほら、早く来なって!」
待ってくれ、という旨の言葉を面々から掛けられる。
けれどもこんな辛気臭い場所、一刻も早く抜け出したかった。
程無くして追いついて来たのを確認し、東へ歩いて玄関を目指す。
カラスの死骸にゃ、やっぱり目もくれなかったけどね。
ああいう生々しいのは、流石に私も苦手だし。
そのまま早歩きのように風を切って進み、
朽ち倒れた玄関扉を踏みつけて外への脱出を無事に終えた。
「うーん、気のせいだろうけど、外のほうが空気が美味しいなぁ」
電波時計で、ゆい姉さんの到着予定時間を計算してみる。
大体、麓からここまで30分程度だったかな。
ま、そのくらいならば楽勝だね。
405 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 12:29:04.25 ID:RtsKM4d20
引っ張りやがって
406 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 12:31:08.92 ID:06qUf6J7O
正直終わってほしくないんだけど…
407 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 12:34:40.82 ID:12CzitfTO
追いついた支援
408 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 12:35:56.94 ID:i6Q700or0
――午前3時に旧校舎の鏡を覗くと、何かが映り込むっていう噂がな。
3時というのは草木も眠る丑三つ時の尻に当たる。
即ち、夕刻から騒ぎ出した目には見えない”何か”が、最も強い力を得る時間帯だ。
逆に日が昇ると、それらの”何か”は息を顰め、日常が返ってくることになるってな。
どうやら夜の怪異は、日が昇るまでがリミットって訳らしい。
409 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 12:42:49.59 ID:tnaafAPl0
=ω=.
410 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 12:49:56.52 ID:i6Q700or0
深夜/廃校舎(校庭)
それから半時ほどのあと。
走り込んで来た一台の車。
それが華麗なドリフトで砂煙を巻き上げつつ、目の前数メートルの位置でピタリと止まった。
そういう無駄な運転テクニックはどこで会得したものなのか。
以前、訊ねたことがあったが彼女に答えては貰えなかった。
「お待たせーっ!」
車の主、ゆい姉さんが無駄な元気を覗かせる。
たったの数時間ぶりだというのに、この静寂の中に長々と居ては最早懐かしくも感じてしまう。
「ほら、早く乗って乗って」
ゆい姉さんの手招きで急かされるように車内へ。
廃校舎内ではずっと立ちっぱなしだったので、シートへと座り込んだ瞬間にどっと疲れが出てきた。
「はぁ、なんだか私ゃ疲れちゃったよ」
隣のつかさへと凭れて、目を閉じる。
そのまま吸い込まれるように眠りの中へと落ちて行った。
411 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 12:50:54.46 ID:i6Q700or0
――本当に怖いものとは、何なのだろうか。
412 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 12:53:41.61 ID:ksZpYlXIO
支援
413 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 12:57:28.29 ID:T+g/kWLy0
追いついた支援
414 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 13:01:51.12 ID:vEkULer2O
支援
415 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 13:03:13.60 ID:i6Q700or0
「ほら、こなた起きなって」
……?
「家に着いたよ」
「ゆい姉さん?」
「そうだよ、他の皆は先に送り届けて来たからね」
「あぁ、そうなんだ」
あいたたた、首が痛い。
車内のような狭い所で眠るとロクなことにならないな。
えっと、
「今、何時?」
「あんたの左手にあるモノは何?」
「電波時計」
「だったら、それで調べればいいじゃないの」
名案だ。
思いつつ時刻を確認してみると、なんと朝の6時直前だった。
「やばっ!」
「こなたは若いんだから徹夜でも大丈夫でしょが」
「それでも辛いのには変わりないからさ……」
「休むんじゃないぞー、姉さんに責任が来ちゃうからねー」
「自分なりに善処致します、ハイ」
「よろしい」
ゆい姉さんは大きく手を振って見せると、
マイカーで白煙をあげつつ走り去って行った。
416 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 13:10:46.11 ID:i6Q700or0
すまぬ、ちょっともう流石に無理
暫く寝ます
ついでに上の方でENDっぽいと言われてますが、エンディングはまだまだ先の方ですね
だからこそ、3日落ちに間に合わせようと書き続けてる訳でして
ある意味ここからが本編ってことで、おやすみなさい
417 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 13:11:41.46 ID:T+g/kWLy0
418 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 13:13:08.16 ID:tnaafAPl0
おつかれポシュ
419 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 13:14:35.82 ID:MI4EBd9QO
乙。楽しみにしてる。
420 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 13:20:50.40 ID:xuFk26H00
乙。
これは次スレ行くかな
テストという戦い(二日目)を終え、帰宅してみれば・・・
まだこのスレがあったとは思わなかったぜ・・・
うんしかしあれだな。この
>>1のような奴の事を人は勇者と呼ぶのかもしれないな・・・乙。
423 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 14:00:53.48 ID:jJ3cJVlOO
ほ
424 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 14:06:02.87 ID:06qUf6J7O
乙かれb
続作期待してるぞ( ´ー`)
平行世界
同じ轍
鏡からのメッセージ
426 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 14:27:30.96 ID:tnaafAPl0
ω=ω=ω
427 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 14:53:29.36 ID:6UOwKezmO
ほ
ほほほーい
ほほほーい
ほほほーいほーい
429 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 15:07:39.42 ID:06qUf6J7O
ホワイトプラン
モンブラン
431 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 15:16:32.78 ID:06qUf6J7O
ソフラン
432 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 15:30:54.33 ID:WeXyVdyG0
起床保守
433 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 15:55:51.74 ID:WeXyVdyG0
バイトから帰るまでに残ってるといいが
434 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 15:58:45.88 ID:N9vBkqCI0
昼寝しようか迷う・・・保守する人いるのかしら?
435 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 16:00:03.85 ID:V3YeNXuCP
何かが起こってるのを感じさせつつ、その何かを明かさない
>>1のひっぱりスキルにちんちんおっきおっき
436 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 16:02:21.79 ID:OjpCba/+O
良スレだ
けど夜一人で読みたくないな…
437 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 16:13:41.50 ID:MI4EBd9QO
保守
438 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 16:31:57.22 ID:nhqhjx4b0
保守
439 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 16:32:15.61 ID:HgkQpAOjO
こういうノベルゲー形式のSSって、全エンディング読みたくなるから困る
本当に困る
440 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 16:50:57.92 ID:WeXyVdyG0
保守
やっと追いついた。
☆
442 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 17:24:06.29 ID:yF7zYYIo0
まだやってるwwwww
保守
443 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 17:34:58.77 ID:qUVc0ZtqO
行きはトランク
帰りは座席
まさかな…
444 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 17:35:22.93 ID:FX94ZnVSO
保守
445 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 17:51:15.89 ID:tnaafAPl0
446 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 18:15:51.16 ID:tnaafAPl0
ω=ω.
447 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 18:16:36.74 ID:eFILYf5O0
またまたなにをおっしゃいますか
ははは
448 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 18:37:42.95 ID:06qUf6J7O
ホッカホカ
449 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 18:52:26.68 ID:xuFk26H00
ほっしゅ
450 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 19:28:03.13 ID:3EW+kQb5O
ほ
451 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 19:57:00.81 ID:3EW+kQb5O
保守
452 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 20:16:39.57 ID:N9vBkqCI0
ほし
453 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 20:16:46.08 ID:vEkULer2O
ほ
454 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 20:27:21.19 ID:i6Q700or0
保守感謝
それなり早く書けるように頑張ってみる
それでも待てそうもない方は、先の展開でも読んじゃってください
それを可能とする為に、ダラダラと無意味にも思える描写を続けて来たので
455 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 20:27:58.39 ID:i6Q700or0
朝/自宅(キッチン)
「皆大好きチキンカレー」
沸々と温まりゆく鍋。
昨晩の残り物であるこれからは、なんとも食欲をそそる香りが漂ってくる。
夜通しで動き続けた空腹と、朝の爽やかで落ち着いた空気。
完璧なほどに日常の一コマ。
たった数時間前に居た廃校舎内とは、対極に位置している。
それに先程まで残っていた眠気も、お風呂を済ませ着替えたことで一新することが出来たしね。
なんてことを回想しつつ、隠し味のチョコレートを放っていると。
「あ、おはよー」
ゆーちゃんが目を覚ましてきたようだ。
相変わらずの細やかな仕草で、小動物のように傾げる首が可愛らしい。
「おはよう、もうすぐカレーも温まるから待っててね」
「うん、お皿と御飯でも並べとくよ」
「あ、良かったらお父さんも起こしてきてくれない?」
「わかりましたー」
云うなり遠ざかって行く足音。
パタパタと、しんとした屋内に残響を残しながら。
456 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 20:34:04.19 ID:N9vBkqCI0
きたああああああああ
待ってました!!!
457 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 20:35:51.24 ID:yh/y54tSO
キルフェボン
458 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 20:39:26.71 ID:i6Q700or0
「起こして来たよ」
若い生命力が溢れ出るゆーちゃん。
の後ろから、
「おはよう……」
しゃがれ声で寝ぼけ眼を擦る我が父。
まあ、枯木も山の賑わいって言うしさ。
しかし今日は、輪を掛けて辛そうな表情なのが気になる。
「やけに眠そうだけど、どうかしたの?」
ダイニングテーブルにぬべーっと顔を突っ伏した父は、
顔を有らぬ方向へ向けたままで独り言ちた。
「締切が近いってのにさ、全く筆が進まないんだ。やらなきゃいけないって判ってんのにさ。
嗚呼、このままじゃ俺、今晩あたり……」
今晩あたり何なのだろうか?
何にせよ、どうでもいいけどさ。
横目に家族の面々を留めつつ、カレーを掬って味見。
うむ、一晩置いたこれこそ至高!
「さあ、朝ごはんにしよう!」
徹夜明けの妙なテンションを自覚しながら、私は諸手を挙げていた。
朝からカレー・・・若いな
460 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 20:46:40.28 ID:xuFk26H00
学校に行ったらみゆきさんが消えたりしてなwww
461 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 20:53:43.71 ID:i6Q700or0
登校/電車内
「うーむ、やはり朝の時間帯ってのは混むよねぇ」
「そうだね」
ゆーちゃんと二人での登校。
時間的には一般的な学生と変わらず、ホームルーム数分前に到着するという算段を踏んでのものだ。
それでも私にとっては幾分か早出で、言うまでもなく寝ずの夜から得られた恩恵でもある。
……後の授業で対価を払う事となりそうだけど。
などなど今後のプランを計っていると、ゆーちゃんが遠慮がちに声を掛けて来た。
「そういえば、お姉ちゃん。高良先輩と仲が良いんだよね?」
「どうしたのさ」
「みなみちゃんが高良先輩の話をしてたから」
「ははーん、それで気になったと」
「うん」
ゆーちゃんにとってのそれは、より友情を深める為の努力をしようとの心持からなのだろう。
もともと内気で良い意味でも悪い意味でも小心の気がある彼女は、小さな努力の積み重ねを継続し続けている。
だからこそ人を惹きつけるような、妙な魅力を持ち得ているのだと思う。
実に、健気だねぇ。
「でもさ、自分で訊いてみなよ」
「うぅー……あんまり話した事ないし……」
「問題なす。近いうちに、そういう場でも作ってみるよ」
それを聞いたゆーちゃんは、やはり小さく笑ってくれた。
462 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 21:02:22.95 ID:i6Q700or0
登校/学内(下駄箱)
「じゃあね、ゆーちゃん」
「うん、それじゃーね、お姉ちゃん」
控え目な手ぶりを以って、彼女との別れ。
玄関から下駄箱に掛けては、間もなくの開講へと向けての生徒達でごった煮となっている。
例えるならば、山芋と人参と蓮根の所へ、何故か餅とメロンを突っ込んだ状態。
ちなみに、今の例えに特に深い意味は無い。
忙しく流れ行く生徒の波の中を滑るように抜けて、教室を目指す。
今さら急いだところで僅か1分の短縮にもならないと頭では解っているが、
皆が逸れば自身も逸りたくなるのが集団心理というものだね。
さあ、今日も一日、学生生活を頑張ろう。
463 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 21:16:10.44 ID:Kh20EPx/0
か
464 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 21:17:22.74 ID:i6Q700or0
朝/教室(3年B組)
「いよぅ!」
扉を開けるなりの一声。
「いよーぅ!」
「い……おはようございます」
返ってくるのは勿論、つかさとみゆきさんの両名。
もうちょっとでみゆきさんが釣れそうだったのが、内心悔しい。
まあいいさ、まだ時間はあるのだからじっくりと染めていければいいのだよ。
そんなことより、
「二人とも、ちゃんと学校に来れたんだね」
みゆきさんは兎も角、つかさは昏睡してそうだと思ったのだけれど。
その心境が彼女に伝わったのか、
「こなちゃん、ぐっすり寝てたから心配だったよ」
牽制された。
もちろん、その語調に悪意や嫌味は含まれていないんだけどね。
「昨晩は、皆さんお疲れ様でした。とても貴重な体験となりました」
みゆきさんが無理やり気味に、話を良い方向へ持って行こうとしている。
流石なものだ、歩く萌え要素は伊達じゃあないね。
その程度の談笑を交わした所で黒井先生が御登場なさり、
またまた学業の中へと身を投じる一日が、本日も始まった訳である。
465 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 21:19:53.02 ID:xuFk26H00
日常?
466 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 21:21:31.78 ID:sZrypGVvO
日常と思わせて、どん底に突き落とすんだろ
そうだろ
467 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 21:25:31.09 ID:Kh20EPx/0
もう突き落とされてるぜフヒヒ
468 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 21:36:01.80 ID:i6Q700or0
二時間目の中休み/教室(3年B組)
数学という、まるでスワヒリ語でのように難解な授業を乗り切り、
背伸びと共に一息を淹れていた私。
「あのさ、こなちゃん」
そこへ、つかさが惑うような表情を見せていた。
「どったんだい?」
「いまさらなんだけどぉ、昨日の廃校舎……って、正確には今日なんだったけ」
「いいから続けてよ」
「うん。それでさ、もしかしたらだけど、その……祟られたりはしないよね?」
祟り?
「そんなもの、ある訳ないよ。それに噂は嘘だったことを身を以って証明したんだし」
「そうだけど。でも、そういう謂れのあるところには”霊障”というものがあるって聞いたこともあるし。
あまりにもそういうのと係り続けているうちに、段々と引き込まれたり憑かれちゃったり……」
一番の怖がりである、つかさらしいと言えばつかさらしいかな。
でも不安がらせておくのは気の毒だ。
「あそこの噂は、”午前3時までは鏡に背を向けて立ち、3時丁度になったら振り返る”でしょ?
すると鏡に、”そこには居ない筈の人間が、何も言わずに青白い顔で隣に居る”だったよね?
けど、それに纏わるなにかにも見舞われてはいないし、気にするだけ損ってものだよ」
納得のいかない顔を見せる彼女だったが、
「これでこの話はおしまいっ!」
若干強引に話の腰を折った事で、なんとか呑んでくれたようだった。
469 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 21:39:05.37 ID:06qUf6J7O
てかかがみは?
470 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 21:40:53.34 ID:xuFk26H00
かがみはもう・・・(´;ω;`)ウッ・・・
471 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 21:41:21.94 ID:ntmRxZYL0
>>469 手鏡がどうかしたっけ?と思った俺は異常
472 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 21:43:31.43 ID:HgkQpAOjO
いまさらだけど
翌日は休日ということもあり…
って下りなかった?
473 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 21:44:21.60 ID:i6Q700or0
昼休み/購買部
お弁当を持って来ていないので、購買部へとやって来た。
朝によっぽどの早起きをして、且つ余裕のある時にしか拵え無いので、
殆どがここのパン類にお世話となっているのだ。
それにしても、いつになく大盛況。
人海とは恐ろしいものだ。
下手に突っ込んじゃうと髪がバッサバサにされ兼ねないし。
しかしだ。
人生は選択と決断だ。
今日の私は一味違うのだよ。
「やると決めたらやるのだ」
意気込むように呟いて、波の中へと泳いで行った。
474 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 21:50:44.45 ID:06qUf6J7O
>>472 奇遇だな。俺もそこが引っ掛かってたんだよ( ・ω・)
475 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 21:51:02.93 ID:IQERYr6EO
そうすけが普通に居るのも怖い
476 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 21:51:52.12 ID:i6Q700or0
昼休み/教室(3年B組)
「お待たー」
戦利品を引っ提げ、快活に帰還の報告。
「あ、おかえりー」
つかさに頼まれていたぶんのものを袋から選りだしていく。
えーっと、これとこれと……
「意外と早かったんですね」
みゆきさんの言葉と同時に動作完了。
「ハイ、つかさの分のパン」
「……ありがと」
「さてさて昼食の時間だね」
皆を確認するように見回していく。
これは”昼食=談笑”の時、という一種の合図みたいなものだ。
477 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 21:52:46.37 ID:ntmRxZYL0
かがみん(´;ω;`)ブワッ
478 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 21:57:57.55 ID:06qUf6J7O
てか、つかさこなたをパシリにしすぎだろw
でもつかさ可愛いからいいや、
479 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:00:06.72 ID:rmHEXLgM0
かがみ?さん…って、どなたでしたっけ…??
480 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:00:54.29 ID:xuFk26H00
つかさが黒いのは普通でしょ?
かがみ?誰それ?居たっけそんな奴
481 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:01:47.47 ID:HgkQpAOjO
>>474 じゃあこれは黙っときゃよかったでしたねすいませんでした
482 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:04:51.13 ID:i6Q700or0
放課後/教室(3年B組)
本日の学業も滞りなく終了。
普通に登校し、定句の挨拶を交わし、通常通りの授業を超え、当然の放課後となった。
あとは帰ってのんびりするだけだ。
疲れもたまっている事だし、尚更ね。
「それじゃあ、帰ろうか」
促すように言った。
しかし。
「待ってよ、わたしが先に行くよ」
「いんやいんや、私が先に」
意味も無く、教室扉の奪い合い。
「駄目だよ、わたしが先だよ」
「私のほうが早かったじゃん」
「わたしが、わたしが!」
「私が、私がだよ!」
「あのー……それじゃあ、わたくしから宜しいでしょうか?」
「どうぞどうぞ!」
「どうぞどうぞ!」
みゆきさんは、何故か落ち込んでいた。
483 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:08:14.63 ID:WpWiWH87O
ほしゅ
晩飯はスキヤキだったよな?
なのにカレーは昨晩の残り物になってる
485 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:09:05.33 ID:xuFk26H00
フラグの管理って難しいんだぜ?
486 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:17:15.04 ID:ntmRxZYL0
チート使ってフラグ全部立てたらおかしくなった^q^
487 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:17:40.55 ID:i6Q700or0
下校/学園近郊
外に出た途端、斜めった日光に射される。
それは真夏の残暑を存分に振りまいてやろうという、
お天道様にとって最後の掻き込み時のようにも思える。
大分涼しくなってきたもんね、暦上では冬らしいし。
などなどと、大それてもいない漠然とした黙考を続けていると、
部活動に精を出している連中が隣を駆け抜けて行った。
「そういえば、部活動って大変そうだよね」
それを受けてなのか、つかさが話題を振りまいている。
確かに、部活動は大変そうだ。
私らはやっていないけどさ。
その後も他愛ない談笑タイムを経て、駅でみゆきさんと別れることとなった。
488 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:22:32.90 ID:qUVc0ZtqO
ゆい姉さんたらかがみを廃校に忘れていますよ
ウフフフフ
489 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:22:37.39 ID:MI4EBd9QO
かがみんはもう元からいない事になってるのか…?
490 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:26:18.44 ID:xuFk26H00
だからかがみって誰よ
祝日なりカレーなり一日「省略」されてないか?
492 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:27:08.58 ID:MI4EBd9QO
493 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:29:32.74 ID:I7dSDSNL0
かがみってあの大鏡のことじゃね?
494 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:30:17.70 ID:qe5UedJAO
お前ら予想するな気持ち悪い
文句があるなら終わってから言え
495 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:31:45.22 ID:i6Q700or0
下校/電車内
ゆらり、ゆらり……
つかさが振り子のようにリズムを刻んでいる。
「ねぇ、つかさ」
「うーん……なぁにぃ……」
席が空いていたのが災いしたのか、完全に寝入ってしまったようだ。
考えるまでもなく、昨晩のことが今になって響いて来たのだと結論を下した。
うーん、隣に靠れて寝息を立てられちゃうと、私まで眠くなってくるんだよね。
じわりと、しかし確実に襲い来る眠欲を振り払うように、流れ続ける風景を眺め始める。
遠くまで明るく完全に見通しのきく世界。
昨晩の闇色世界と対比すれば、普段見慣れている風景が段違いなほど平和に思えるてくるから、面白いものだ。
496 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:32:51.39 ID:ntmRxZYL0
497 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:38:49.86 ID:qe5UedJAO
498 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:42:35.08 ID:i6Q700or0
話の腰を折ってすまないが、このスレに至っては先を読んでもらっても構わないよ
というのも、俺は文章の下手さを補う為に伏線とロジックで読んで戴こうと図っているので、
ある意味、先を読んでくれないと意味がないんだよね
俺が推理的な要素が好きなだけってのもあるけどさ
但し勘に頼って結果だけ見るのではなく、コレとアレとソレ等から推測し、よって今この状況に在るのだ
なんて楽しみ方をしてほしいかな
異なった答えは、次作のネタともなりえるのでね
499 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:51:16.92 ID:MI4EBd9QO
廃校でつかさが何か見付けたとこあったよな。
なんだろ?
500 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:52:53.34 ID:Kh20EPx/0
>>499 たぶんヒトガタじゃないかな?
元々つかさが夢に出てきたから持ってきたってあったし
何より実際の祭事に使ってるものなのが気になる
502 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:54:03.97 ID:HgkQpAOjO
>>499 かがみのヒトガタだろうけど…
身代わりのはずなんだよなぁ
503 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:54:18.22 ID:O9m/bQU30
本当に怖いもの
これは恐らく変わったことに気づかないと言う事かもしれんな
504 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:54:45.34 ID:i6Q700or0
下校/自宅近郊
不覚にも半分ほどの意識を失ってしまい、
睡の悪魔の罠にまんまと嵌りそうになっていた私だったが、
狙ったかのように直ぐ隣で通話を行っていた迷惑な乗客に助けられ、
電車からの危機的脱出を図り得たのだ。
あのまま遠くまで旅立つのも、それはそれで楽しいかもしれないけどさ。
そして今、のらりくらりと歩く、つかさを引っ張りながら歩いているのである。
半ば凭れてくるので、いや、身長差からか圧し掛かってくるので非常に重い。
ただでさえ低い身長がさらに縮んでしまいそうだ。
「こら、つかさー! そろそろシャキっとしなさいな」
声を掛ける。
が、その返答は、あと5分の睡眠時間延長を強請る甘い声。
完璧にスリープモードに入っているらしい。
仕方がないなぁ、家まで連れてってあげるしかないか。
505 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:54:49.20 ID:xuFk26H00
4人の中で唯一夢を見ていないのはかがみ。
そのかがみが居なかったことになってるっぽい。
つまり、かがみはヒトガタの中。
506 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 22:59:35.53 ID:qUVc0ZtqO
何かハルヒのかまいたちの夜を思い出すスレだ
507 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:00:11.95 ID:qe5UedJAO
変なレスしてすみませんでした
気にせず続けて下さい
とりあえずそうじろうのセリフや部活動やつかさからタイムリープとだけ予想してみます><
508 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:00:51.04 ID:vEkULer2O
かがみ以外は夢の中
>>393から考えるとかがみが他三人に夢見させてるように思えるんだよな。
あと
>>503にもあるが、
本当に怖いものは変化を変化と受け取れない事だと思う。
510 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:04:13.08 ID:rmHEXLgM0
かがみだけが鏡の外で助かってるんでしょ
俺はかがみんの中にいるけどな!
511 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:06:01.27 ID:i6Q700or0
夕刻/柊家(玄関)
道中、現在時刻が17時30分過ぎなのを確認し、
それをネタに色々と妄想していたのだけれど、結局は妄想だったわけで。
とにもかくにも私は柊家、玄関前の呼び鈴を鳴らしたのだ。
間もなく開く扉。
「おや、こんにちは」
つかさの父、柊ただおさんだ。
優しい目付きと声色に、何処となくつかさのそれを連想させられる。
「こんにちは、柊さん宛のお届けモノです。包装無しの娘さんですが」
「あはは、相変わらず口の上手い子だね」
紳士的な笑いのあと、隣のつかさを見遣って微笑んでいた。
続けざま、
「まあ、疲れただろう。上がっていきなさい」
なんとなく厳かに感じられる手付きで、屋内を指示したのだ。
512 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:06:44.57 ID:HgkQpAOjO
513 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:18:52.46 ID:O9m/bQU30
保守
514 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:20:58.44 ID:06qUf6J7O
515 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:24:48.68 ID:vEkULer2O
実は鏡のスタンド使いが仲間の中にいる
516 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:26:12.88 ID:i6Q700or0
夕刻/柊家(縁側)
風吹き抜ける縁側の一間。
そこには季節遅れともなりつつある風鈴が掛けられていた。
チリリと響くその鈴音も今となっては余計に思え、
あと1月も経てば過剰冷房罪として訴えられた末に、暗い閉所に仕舞われることだろう。
「いやいや、度々すまないねぇ」
お茶を3つ乗せた盆片手に、ただおさんが姿を現した。
うち1つは壁に崩れ掛かっているつかさのものだろうが、口を付けられることは恐らくないと思う。
「おや、これは……」
彼はつかさの傍らに落ちていたモノを、のんびりと摘まみ上げていた。
ああ、確かそれは、
「ヒトガタですよね」
「ほう、よく知ってたね」
心底感嘆、という調子だ。
「ええ、以前耳にしたことがありまして」
「最近の子は物知りなのかな? 本をよく読むせいかねぇ」
「違いますよ、人伝です」
そう答えてその出所を探ろうと思ったが、今一つ不鮮明ではっきりとしない。
いや、ソースは、おばあちゃんだったか書物だったか漫画だったかネットだったか人伝の噂だったか……
考えてみれば明確には探れないものだと再認識させられる。
案外、謂れとはそういうものかもしれないな。
この展開は・・・ごくり
518 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:29:32.82 ID:xuFk26H00
これはこなたらがオワットル展開か
519 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:32:51.41 ID:06qUf6J7O
>>359からして、終わってる感が漂う。
今頃現実世界で、かがみが泣いてると思う。
520 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:34:16.50 ID:Og4WTb3z0
これでは覇王翔吼拳使わざるをえない!!
521 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:34:44.68 ID:06qUf6J7O
そうじろうの話の主人公がK、つまりこなただとか言ってみる
523 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:36:26.14 ID:06qUf6J7O
烏もたまたま3時に鏡をみてあんな、ずたずたな状態になったりして。
524 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:38:11.38 ID:i6Q700or0
「そういえば、廃校舎へと行ったんだって?」
えっ、どうしてそれを?
という表情がありありと出てしまったのだろう。
「つかさから訊いたんだよ」
ただおさんが朗らかに笑っていた。
なーるほど、御叮嚀にも親御さん方の許可を得る為に話を通していたんだね。
それでは私の家へ泊まるという隠蔽工作の意味が、まるで無いじゃあないか。
つかさらしいと言えば、らしいけどさ。
「で、どうだったんだい?」
興味を孕んだ好奇の目。
彼は落ち着いているように見えて、意外と子供っぽい一面も持ち合わせているらしい。
「なーんにも、でした」
「そうかいそうかい」
ヒトガタを親指と人差し指で挟み、ヒラリヒラリと揺らしている。
以上で話の流れが止まったのかと思われた時、
「実はね」
再び彼が口を開き、包容性のある声で語り出したのだ。
525 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:39:14.99 ID:vEkULer2O
鏡が出てきたから鏡のスタンド
人形が出てきたからダービーかwww
つまりかがみんはダービーとのギャンブルに負けて人形になってしまった……
そしてこなた達が見た夢はDEATH13
つじつまが合いすぎて怖いぜww
526 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:42:48.78 ID:vEkULer2O
?『実はね……』
こなた『!?』
?『WRYYYY』
こなた『吸血鬼!!』
?『DIO様の命令だ!!』
こなた『サンライトイエローオーバードライブ!!!』
また…つじつまが…
527 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:46:49.84 ID:HgkQpAOjO
Kはかがみだな
というよりは、鏡(かがみ)の中にいるもう一人の自分
そして
>>395もかがみだ
夢はかがみがみんなに見せたもの
鏡が映した苦痛に怯える顔は、死に顔のイメージを見せている…
とかまで存分に考えた
528 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:50:56.66 ID:a0ll+BwtO
>>395は鏡の中にいた何者かだろ
廃校の幽霊か平行世界の自分自身?
529 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:55:17.35 ID:V3YeNXuCP
かがみが居ないのかこなた達が居ないのか…
とにかくどっちかが世界移動してそうだな
530 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:56:02.80 ID:rmHEXLgM0
皆が、 私達 とは同じ轍を踏まないようにと必死で(ry
ふぅ…
かがみの一人称は「あたし」で
>>395の一人称は「私」
ちなみにつかさが「わたし」、こなたが「私」、みゆきが「わたくし」
>>395ってこなたじゃね?
532 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:57:44.18 ID:O9m/bQU30
533 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:58:04.53 ID:i6Q700or0
山奥にある廃校舎とそこにある大鏡、なんだったかな、目的は?
……おお、合っているんだね。
うーん、古い建物と大鏡ねぇ……。
正直、感心できないかな。
つかさがどうしてもって言うから許可を出したのだけど、まあ何事もなくて良かったと胸を撫で下ろしているよ。
親としては辛い所だね。
高校時代にしか出来ない経験っていうのは、それが不可能となった歳になってみて初めて判る事なのだから。
その時はなんてことない体験や日常でも、きっと将来には代えることのできないモノとなるんだよ。
それを知っている今だからこそ、あまり娘を束縛したくはないんだ。
この意味、わかるかい?
仮にわかると答えたとしても、それはきっとわかった気になっているだけだなんだよ。
……自分が、そうだったからね。
おや、申し訳ないね、要らぬ話に逸れてしまって。
では、話を戻そうか。
古い建物というのはね、いやいや、建物に限らず年季の入ったモノには魂が宿るんだよ。
ん、タマって何かって?
あっ、すまない。たましい、と書いてタマだね。
要するに、命のことさ。
物質に命は無い?
……尤もだね。
けれども我々、ヒトとされるモノ達と何処が違うって言うんだい?
では、こう考えてみればどうだろうか。
ヒトも、体という物質、つまりは容れ物に”魂”が宿っているだけなのだと。
534 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:58:04.74 ID:MI4EBd9QO
読み返してみたが、かがみの秘密ってなんだろ
関係ないか
535 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/24(水) 23:58:26.04 ID:fZreOYz8O
オモシロス。読んでてドキドキする
続き期待wktk
536 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 00:03:10.23 ID:v1pFblyrO
>>532 それだとこなた達が今いる場所があの世になっちゃうんじゃ…
537 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 00:05:53.27 ID:IhBlctfe0
もうすぐ三日ルールで落ちるけど次スレどうする?
538 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 00:08:38.61 ID:ZFsmIKIL0
東ってのがポイントなのかな
539 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 00:11:12.63 ID:3U2PUqkO0
540 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 00:12:32.48 ID:IhBlctfe0
>>538 東は太陽が昇る方角
太陽を魂としたらそれっぽくなるんじゃない?
あと、近代魔術だとわりと東という方角が重要だったり
541 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 00:15:17.35 ID:pR7k9edW0
命あるモノは、即ち心も併せ持つ。
つまり、そこには感情が生まれるということを示しているんだ。
正の感情か負の感情か……
いや、これは観察側にとっての”利益”か、或いは”不利益”かで分けた身勝手な解釈だね。
中には理解不能なほどに複雑で様々な感情が渦巻いている場合もあるだろう。
いいかい、先ずはこの点について留意しておいて欲しい。
次にだ。
人には好奇心というものがあるだろう?
他にも、恐怖心や競争心、なかには復讐心なんて物騒なモノもある。
ヒトは、言葉を持っているよね?
いや、言葉でなくとも手話でも点字でもなんでもいい、言葉とは意志を伝え合うツールの総称さ。
それによって互いに係り合い、引き合い、反発し合い、そしてそれぞれの心に影響を及ぼすんだ。
だけど、言葉を持たない相手との会話についてはどうだろうか。
相互は認識する事すらできないのだろうか。
否、それは違う。
例えばだけど、言い知れぬ不安や、突如の予感などに突き動かされたことはないかい?
どうしようもなくこの場に居てはならなく感じたり、逆にどうしても行かなければならないと感じたり。
中には根拠も無いのに、確信だけを抱く場合もある。
その通りだ。
心はね、言葉がなくても繋がるんだよ。
特に、感受性が強かったり、どちらかが何らかの要因を持っていたりする場合にはね。
542 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 00:25:46.35 ID:rimpuSgnO
追い付いた支援
543 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 00:26:01.09 ID:G8svqp26O
Kはかがみに憑依?してるんだろうと思うんだが
だから、口調も違う
>>68において、かがみがこなたを窘めるときには、『私』だったぞ
鏡の中のもう一人、かがみ、鏡はもう言葉遊びの段階かもしれないけど。
うー…K自体は、本当にかなたかもしれない…そうじろう的にも考えて
544 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 00:28:24.45 ID:ZkmwGOZEO
結論として、3人はもう死んでるのか!?
545 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 00:36:38.43 ID:pR7k9edW0
ここで少し話が変わるけれど、霊感があるとされる人間と地縛霊について触れておこうか。
先ずは霊感があるとされる人間。これは先述した通り、”言葉”に対する感受性が強い者達のことだ。
逆手に言い換えれば、耐性が低い者ともいえる。もちろん、悪く言っている訳ではないよ。
長所と短所は表裏一体、陰と陽は真逆にあって対を成すのだから。
って、この言葉は久方ぶりに口にしたな。
まあいい、端的に表せば、より影響を受けやすいということだね。
次に地縛霊。
これらは何らかの強い想いに駆られてしまい、その場へ縛られてしまった霊の事だ。
霊は”心”と言い換えてもいい。想いのことだ。
人間における地縛霊とは大抵のケースが悲惨であることが多い。
更には、霊と化した後もその場に留まろうという意志の有無に係らず、永遠にその場へ縛られてしまうのだから。
常態は保てないだろうさ。
最初はどんなに”良い心”を持っていたとしても、永遠に変わる事の無い景色を”ただ眺めることしか出来ない”。
仮に目の前を多くの人が過ぎ去って行けども、”言葉を掛けることすら出来ない”。
ただ、稀に居るんだよ。視る事の出来るモノが。
それの人間における場合が、所謂、霊感があるとされる人たちなんだよ。
ちなみに、動物は人間とは異なる感性を持ち得ている為に、”別の何か”を捉えることもある。
何も無いのに犬が吠える。
それは、実は何かを見ているのかもしれない、というのは関係ないので端折らせて貰おう。
それでだね、地縛霊の前に、ふと言葉が通じる相手が現れたらどうなると思う?
言い換えてみようか。
キミが地縛霊ならば、どういう行動をとるんだい?
キミは、どうしたいと願うんだい?
546 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 00:40:14.34 ID:UofkF+Hr0
>>545 そのネタ、ぬ〜べ〜でやってたからw
視える人間に付きまとうとか、救いを求めるとかwwwwww
547 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 00:40:40.60 ID:fRqa3+3gP
トイレいけなくなった
鏡に宿った地縛霊が4人を吸い込もうとしたが
かがみだけはヒトガタを持っていたため助かったってこと?
Kは大鏡の前に行ったということは覚えられているのに
かがみはそれすらも忘れられてるな
>>543 さらっとだが見てきたら
>>68だけが「私」だった
>>1は伏線重視みたいな感じだからそうかもしれないな
あと夢なんだけどつかさはヒトガタが出てきただけなのに
こなたとみゆきは夢の後、鏡に苦しそうな自分が写ったよな
ってことはあの夢はヒトガタが身代わりになるようなものだったってことなのか?
550 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 00:50:08.83 ID:1vl48bhH0
>>548 かがみんが他の3人のこと覚えてれば、話は伝わるよ
551 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 00:53:42.74 ID:PQS1Q3JPO
追い付いた支援
552 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 00:54:14.35 ID:pR7k9edW0
そうだよ。
それが答えなんだ。
中には影響されて気分が悪くなったり、不安に駆られたりすることもある。
或いはあまりにも惹かれ過ぎて、発作的に飛び降りてしまったりすることもある。
ただ話相手が欲しい、動機はそれだけなのに。
モノの言葉を受けるには、何も霊感だけが手段という訳ではない。
例えば霊側の声が大きい場合。
または、霊と強い因縁で結ばれている場合。
或いは、強い力を持つモノを所有している場合。
他にも、語り尽くせないほどに様々な要因が密に絡み合っている。
答えは、一つではないんだ。
そして大鏡。遥か昔から魔性や神性として崇め、または恐れられてきたモノ。
それにも様々な謂れがある。
真実を映し出す。魔を退ける力がある。
別の世界との境界点。現世と常世との渡し船。
映されたモノの力を奪う。
どれが正解かは誰にもわからない。
けれど、謂れには必ずといっていいほど、どこかに起点があるものなんだ。
無から有は生まれない。ただし、僅かな起点さえあれば、そこから発展できる。
謂れとは、そうやって生れ出るものだ。
553 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 00:55:50.98 ID:BuOH/Vda0
へ……?三人がかがみの中?でかがみはかがみの外?でかがみの中があの世?で、かがみが助かって…?かがみがキョンで?
554 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 01:01:38.95 ID:UofkF+Hr0
混乱しすぎwwww
555 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 01:01:40.81 ID:G8svqp26O
>>549 なんとなく、そこだけ『私』が気になってたら、本当にそこだけか…
真実を映し出すものたる鏡であるなら、もしかしたら映す者の末路を表したのかも知れない
その点、つかさはヒトガタに守られるということ…かな…
なんにしても、話の中身が緻密だからよくわからない、謎大杉
556 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 01:03:59.80 ID:ZkmwGOZEO
つかさかわいいよ(*´Д`)
緻密なのがまたいい。
つかさを夢から守ったヒトガタが、その時既にかがみだったという可能性は・・・ないか
一人称については、使い分けることなんてよくあることと言えばよくあることだよな
558 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 01:08:04.28 ID:v1pFblyrO
なぜかかがみだけ夢を見なかった
まだ他に何かあるのか…
560 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 01:18:46.72 ID:pR7k9edW0
「嘘を言われているうちに、それが真に変わり果ててしまう場合もある。
ヒトだってそうだろう、何かを言われたりすれば影響を受けて、本当に成し遂げてしまったりもする。
名選手には、必ず名監督が付く様にね」
長々とした演説が、お茶を啜る音で一旦途切れた。
「まあ、これは自分の知識と経験から推察した答えにすぎない」
答えは一つではない、か。
その一言の内には、その先は自身で探れ、という意味合いのものが含まれているのだろう。
「長々と語ってしまい、申し訳なかったね」
悪戯っぽく覗かせる笑顔が、何処か彼を幼く見せてしまう。
その笑顔が何処か、何処か……?
「とにかく、そろそろ日が暮れ始めるだろう。夕方に出歩くのは、あまりお勧め出来ないのでね」
「そうですね、ではそろそろ失礼します」
結局、口をつけることの無かったお茶を申し訳なく盆の上へと戻した。
鞄を持ち、眠るつかさに別れを告げ、部屋を出ようとしたとき。
「本当に、なにも起こらなくて良かったよ……」
ただおさんが、心底からの安堵を溜息へと変えていた。
つかさを見遣る優しい眼差しと、父親であることを瞬解させるその声色。
けれども、その言葉とは似つかわしくない程に、その表情は物哀しいものに感じられた。
561 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 01:23:23.73 ID:BuOH/Vda0
私怨
562 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 01:27:23.87 ID:ZkmwGOZEO
明日までスレがもってますよーに!!
563 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 01:29:37.76 ID:rimpuSgnO
564 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 01:32:32.90 ID:pR7k9edW0
晩/自宅(玄関)
我が家の敷居を跨いだ瞬間、ゆーちゃんが居た。
「ただいマントヒヒ」
「おかえリンドバーグ」
デジャビュ、だっけ。
なんとなく以前どこかで耳にした筈の言葉が脳裏を過ぎった。
それはさて置き、お父さんの靴が並べられていない。
「あれ、お父さんは居ないの?」
ゆーちゃんがいつもの仕草。
ということは、事態を把握できていないと。
「叔父さんは……今さっき、仕事関係の人がやって来て……」
「あらら、連れてかれちゃったの?」
「うん。サングラスに黒スーツ姿の数人連れに」
うわぁ、見るからに怪しいじゃん。
「ちなみに、その人達の頬に傷とかなかった?」
「え? んーと、良くは覚えていないなー」
「そ、そう」
どうせまた、仕事を滞納させちゃったのだろう。
まあいいさ、適当に筋書きを作ってゆーちゃんを脅かし遊ぶことにでもするか。
565 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 01:34:52.32 ID:wdX2g1aT0
え・・・?
桜藤祭を思い出した
567 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 01:37:00.14 ID:pR7k9edW0
お腹空いたので暫く休憩します
頭使うと異常に減るから仕方なかとです
物語は、何とかこのスレで終わるよう善処してみます
というより、前作とかいつもオーバーするのが悔しかったので
569 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 01:41:34.56 ID:hFSM+E8uP
タイムリミットは今日7:00くらいか
言うまでもないが急いでやっつけになっちゃって、
クオリティ下げるのだけは無きように頼むぜ
570 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 01:42:08.09 ID:CeUMWdR0O
乙。栗蒸しようかんうめえ。
571 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 01:42:47.77 ID:BuOH/Vda0
うええ!?三人がかがみの中の状態で!?かがみの中があの世?でも?デジャビュ?デジャブ?デブ?あーーかがみが死?もしくわそれ以外?んでかがみがキョンでキョンがかがみで?幻覚?
読みながら尾崎豊のアルバム聴いてたら鬱になった
最初大鏡を目指して廃校の中を東に進んで
戻る時に東に・・・あれ?
どういうことだろうかと思ったんだがね
574 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 01:57:11.02 ID:t/toODHe0
くる時 途中 かえる時 東
西 ☆ 東(鏡) 西 ☆東(鏡) 正面 ☆鏡
↑ ↑ここにいる 西 ↑ここにいる
きっと階段かなんかで向きが変わったんだよ、そうに違いないよハハハ
575 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 01:57:31.19 ID:wdX2g1aT0
かがみがやってた事を他の誰かがやりながら日常が進んで行き
今度は別の誰かが減っていく・・・とか
576 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 02:14:10.32 ID:dsMGajWg0
かがみんの名前も関係してくるのかな
由来としては近いものがあるし
577 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 02:15:34.87 ID:BuOH/Vda0
かがみ以外のみんなが鏡の世界…つまり左右すべてが反対の世界に迷い込んだという俺の勝手な推理
578 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 02:18:16.52 ID:t/toODHe0
前作ってことは似たような推理スレがあったのか
誰か知ってる奴いないのか
>>578 たしか、こなた「世界は何てことないのである」みたいなタイトルのスレがあったはず
580 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 02:20:38.93 ID:CeUMWdR0O
世界はなんてことないのである
ってやつだと思う。
残り400だから大事に使おうぜ。
あと投下がどれくらいあるのか分からんが
パー速に次スレ建てたらいいのでは?
不要ならスマソ
582 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 02:27:37.79 ID:W8uWhIOK0
前スレって保管されてないのな
どうしよ、今回も多分保管されないよなぁ
583 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 02:32:29.17 ID:dsMGajWg0
言い出しっぺがやるんだ
おk
たててくる
585 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 02:42:58.35 ID:hFSM+E8uP
パー速使う程続きがあるとは思えんが
パー速に中途半端に残っちゃうしな
てかたってた
>>587 そうそう
本文見るのに忙しくて読みとばしてたみたい
むこうの
>>1に乙してくる
589 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 02:48:49.13 ID:pR7k9edW0
>>578 マジレスすると、なんてことないに推理要素は無い
精々、選択肢による展開変化や伏線と、ザッピングを使った相手との心境差を考えるくらい
心残りは、3日目の流星群の話を書く前に落としちゃって、みゆきさんが不憫すぎたのがアババババ
まあ、あの話は続くんですけどね
590 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 02:51:00.04 ID:hFSM+E8uP
偉そうにパートに立てんなとか言っちゃった俺涙目wwwwwwww
立ってんじゃんwwwwwwwwwwwwwwww
591 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 02:59:07.95 ID:pR7k9edW0
夜中/自宅(自室)
ゆーちゃんと二人でピザを食べたり、遊んだり。
日常における様々な営みを送っている間に、今日ももまた夜が更けていた。
既にお風呂も済ませて、いま私はパソコンの前へと座っている。
なんだか今日はいつもより疲れた気がする。
廃校舎ツアーでの肉体的疲労が含まれているのは間違いないが、
何故だか、まるで自分の体が自分のものではないような、そんな感覚すら覚えるほどに。
……などというのは、きっと気の所為だよね。
まあいいさ。
今日は早目に寝よう。
そしてまた明日一日。
学生生活を頑張ろう。
そう決めてパソコンの電源を落とし、軽く伸びをしたあと。
私は部屋の明かりを消した。
592 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 03:02:12.16 ID:pR7k9edW0
【4日目】
県内/山中(廃校舎・校庭) − ゆい姉さんへの提案
→「待機して貰うように願い出る」
【世界観】 日常
【 変 革 】 特に目立った変化は見られないようだ。
【 メ モ 】 いつもと変わらぬ今日だった。
待ってました!
594 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 03:03:54.83 ID:dsMGajWg0
逢魔中
かがみん・・・
596 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 03:05:47.13 ID:hFSM+E8uP
一番怖いのは日常って事なんだろうか
597 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 03:08:28.92 ID:BuOH/Vda0
夢の中の世界か!!あのひよりんの言ってたサキュバス?の仕業?それならかがみがいないと思うのもアレか!!!ていう勝手な推理
598 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 03:16:43.00 ID:pR7k9edW0
不明/不明
完璧な黒だった。
どこまでも続く世界。
いや、どこまで続いているのかすらも解らない世界、と云うべきか。
ひょっとすると目と鼻の先には鋼鉄の壁があって、四方を塞がれているのかもしれない。
しかし、それすらも見ては取れない。
或いは、自分が地面に立っているのか、それとも落ちているのか。
その感覚さえもがあやふやで、全てが不確か一色に染め上げられている。
けれども私は、確かにここに在る。
「先ずは状況を検めなくちゃ」
左足を前へ出す。
よし。
地面の確かな感触。
歩ける。
それを確認し終わると、私は周囲を見回した。
背後、遥か遠く。
そこからは、ヒト一人がようやく通り抜けられるくらいの切れ目、とでも表現するべきだろうか。
そこからは橙色の光が漏れていた。
その光はとてつもなく弱く儚く、けれども完全な闇色の世界のなかで、確かに輝いていた。
599 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 03:22:11.82 ID:hFSM+E8uP
ループが意味するのは何だ…?ゴクリ
600 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 03:30:22.47 ID:pR7k9edW0
コーン……コーン……
何故か体が重い。
手足が思うように動かず、走るなんて以ての外となりそうだ。
けれども何とか歩行程度ならば可能なようで、
私はあの光を求めて牛歩のように一歩ずつ地面を踏み締めている。
コーン……コーン……
ところでだ。
踏むたびに鳴く床は、どのような素材で出来ているのだろうか?
よく通る足音は幾重にも残響を孕んで私の元へと帰ってくるので、些か気味が悪い。
床が硬いというのは解る。
しかし、わざわざ腰を落としてまで調べるほどの気力は無いし、意味も無い。
そもそも闇の中であっても触診できるほどの専門家でもない。
地面がそこにある。
それだけで十分だ。
それよりもあの光。
あそこまで行かなくては。
コーン……コーン……
もう少し……もう少しだ……
601 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 03:40:50.03 ID:pR7k9edW0
歩くたびに力が霧散していく。
奇妙なことに、それが実感できてしまうのだ。
でも、それでも。
辿り着く事が出来た。
光が零れる、この場所へ。
観察する。
私と同身長程度で、横幅は通り抜けられるほどの隙間。
その向こう側には橙色のか細い光のもと、何処か見覚えのある部屋が拡がっている。
まあいいさ、さっさと中へ入ろう。
――ゴツッ
痛ッ。
なんだこれ?
隙間の空間に手を当てる。
「壁……?」
完璧な透明度を誇るガラス板が張られているのか。
正体不明のそれが、私の行く手を完全に阻んでいる。
しかしこの儚い光を差し置くほど、今の私が頼れそうな術は他に無い。
だから私は、その隙間から中を覗くことにしたのだ。
602 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 03:53:10.05 ID:pR7k9edW0
「待てよ、何処かにガラスの隙間が存在するかもしれない」
隙間から覗く風景を観測しつつも、ガラスの壁に手を当てた。
温度は無い。
が、やはり硬い板、或いは鉄板のような感触が伝わってくる。
叩いてみよう。
コーン……
先程の私の足音と全く違わない音色が辺りに拡がり、残響を孕んで帰って来た。
ということは、恐らく床もこの”特注ガラス製”なのか。
いや、本当にガラスかどうかは分からないが。
コーン……
何処かに隙間は無いものか。
コーン……
ここにも壁が。
コーン……
ここにも。
それにしてもだ。
やけに汚い部屋だな。
そのことが無性に気に掛かり、先に観察を行うことにした。
紫煙
604 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 03:57:46.52 ID:hFSM+E8uP
コーン コーン 小池屋 ス
605 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 04:05:01.08 ID:pR7k9edW0
隙間から窺った風景。
何の変哲も無い部屋だった。
パソコンがあって、雑多に積まれた雑誌の山があって、それらを橙の豆電球が仄かに照らしている。
カーテン越しからはまだ光が差してきていない。
これ、何処かで……?
思わず両手をガラスにあてて、顔も擦りつけるように密着させた。
角度的に見えにくい位置。
そこにベッドがあるのだ。
誰が居る。
しかし寝相の悪いらしいソイツは、布団を巻き込むようにしてあちらを向いている。
夢に魘されているのか忙しなく体をくねらせている。
長い髪がベッドから垂れ下がっている。
あいつは……
ふと、その体が動いた。
こちらへと向き直った。
顔を見た。
私だった。
606 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 04:07:44.65 ID:VOmlzIMe0
ぇ。こなたなの‥か‥?
607 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 04:13:43.13 ID:pR7k9edW0
思い出した。
あれは、私だ。
元の世界の私だ。
棄てられた可能性。
無かったことにされた世界。
――それがここだ。
決して交わる事の無い世界が、この境界を挟んで存在している。
不味い。
止めなきゃ。
私を。
同じ轍を踏ませぬように。
今の私に出来ること。
今の私に出来ることは……
今日から学校なのに寝れない…鏡見るの…怖い…
カラダが震えt…き…た…
ウヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ
609 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 04:15:29.90 ID:3U2PUqkO0
無限ループって怖くね?
610 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 04:16:14.22 ID:Et8K4prb0
これはwwwwwwすげぇwwwwww
611 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 04:16:44.72 ID:CeUMWdR0O
なるほどおおおおお
612 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 04:21:36.80 ID:pR7k9edW0
未明/自宅(自室)
「……」
視界が戻って来た。
薄暗いなかに浮かび上がっているのは……
「天井?」
何の変哲も無い私の部屋だった。
パソコンがあって、雑多に積まれた雑誌の山があって、それらを豆電球が仄かに照らしている。
カーテン越しにはまだ光が差してきていない。
反射的に頭元の時計で確認してみると、時刻は3時丁度を指していた。
「……夢、なのかな?」
多分、そうなのだろう。
最早どのような感触や形をしていたのかすら絡め捕れないが、
何かを見ていたのは間違いない。
それにしても、なんだか体が重い気がする。
何故体が重いのだろうか……?
さらには逸っている心拍の説明も付けられない。
様々な腑に落ちない感触を覚えながらも。
私は長い溜息を残して、再び目を閉じた。
613 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 04:24:27.44 ID:hFSM+E8uP
こなた寝ちゃダメだああああ
614 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 04:25:25.21 ID:E33xKQE9O
推理小説読みたくなってきた
支援
615 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 04:33:11.15 ID:pR7k9edW0
朝/自宅(居間)
「あの、どんな夢だったの?」
私が調理した即席雑炊を頬張りながら、ゆーちゃんが訊ねて来た。
その瞳からは若干の興味に染まっている。
どんな夢、か……
正直、全く覚えていない。
とてつもなく重要なようでもあるし、
逆に、路傍に転がる石のように在る必要すら無く感じる。
「けど、夢は夢だし気にし過ぎるのもあんまり良くないと思うけど……」
黙り込んでいた私を励ますように、ゆーちゃんが諫めてくれた。
「そうだよね、ありがとう」
これで会話が終了かと思わせて、やはりと言うべきか。
ゆーちゃんが一言付け足した。
「あ、雑学なんかだと案外、田村さんが頼りになるかも」
なるほど、とこの上ない程に納得してしまった。
616 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 04:41:18.63 ID:Et8K4prb0
怖いな・・・オチが見えん
617 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 04:44:36.02 ID:pR7k9edW0
登校/電車内
「おはよー」
ゆーちゃんと二人での登校中、つかさと乗り合わせたので声を掛けた。
ゆーちゃんも私に続いていたようだ。
「おはよ、こなちゃん、ゆたかちゃん」
つかさが何時ものように眠そうな眼を擦っている。
って、またも体が揺れ始めているし。
「しっかりしなよー」
「う、うん、だいじょーぶだよー」
「立ったままでも寝ちゃ駄目だよ? って、流石にそれは無理かな」
「……」
「こ、こら、起きろ!」
「わっ……うん、頑張るからぁ」
その一連の遣り取りを窺っていたゆーちゃんが、
控え目な笑いと共に言っていた。
「なんだか二人って、姉妹のようですね」
微笑ましい光景と、それに続く冗句。
けれども私は、何故だか笑う事が出来なかった。
つかさも同様に、眉を潜めていた。
618 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 04:53:01.32 ID:hFSM+E8uP
かがみを思い出せるかが鍵に…?
619 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 04:54:19.59 ID:pR7k9edW0
登校/学内(下駄箱)
「じゃあね、ゆーちゃん」
「はいっ!」
ゆーちゃんと簡単な挨拶で別れる。
すると、それを待っていたかのように、つかさがポケットから取り出してきた。
「不思議なんだよねぇ、コレ」
そう言ってヒラリヒラリと揺らしているのは、紛れもないアレだ。
廃校舎の大鏡前。
あの場所に落ちていた、ペーパードール。
正式名称、ヒトガタ。
「でも、偶々あの場所に落ちていただけなんじゃないの?」
「うーん、そうだと思ったんだけどね。あの後、色々とおかしな点があったんだよ」
「おかしな点?」
「うん。昨日こなちゃんが帰ったあとに、お父さんと話していたんだけど……」
つかさがその日の事を確かめるように、ゆっくりと語り始めた。
620 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 05:01:31.63 ID:Et8K4prb0
これは・・・ゴクリ
621 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 05:04:09.30 ID:pR7k9edW0
ふと、目を覚ましたの。
そしたら辺りは既に薄暗くなってて、目の前のテーブルには湯のみが1つだけ。
その横に、これがおいてあったの。
すぐにポケットを探ったんだけど、やっぱり無くて。
じゃあ、いつの間にテーブルの上に移動したんだろうって……
えっ!?
あれって、お父さんが拾い上げてたの!?
なんだぁ、てっきりわたしは勝手に動き出しちゃったのかと思ってたのにぃー。
むぅー、お父さんも言ってくれれば良かったのに。
それじゃあ、もしかしてこの後の事もわたしの勘違いなのかな……
え?
うん、わかったよ、全部話してみるね。
それでね、それを持ってからお父さんに色々と訊いてみたの。
だってあんな場所に落ちていたんだし、そもそもわたしはヒトガタのことを良く知らないし。
それからお父さんに色々と説明してもらったんだ。
でも結局は、あんまり頭に入らなかったんだよね。
ううん、違うの。
わたしが言いたかったのはそこじゃなくてね、その後のことなの。
身代わりになった形跡でもあったのだろうか
623 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 05:17:09.07 ID:pR7k9edW0
お父さんは言ってた。
「始めはてっきり、うちの神棚から勝手に持っていったのかと思ってたんだけど。
さっき神棚を調べてみたら、既にあったみたいだね」
だって。
それで、気になったからわたしも神棚のお人形さんを見せて貰ったの。
うん、そしたらね。
全く同じだったの。
色、形、大きさだけでなく、繊維の模様まで。
ね、おかしいよね?
そもそも考えても見てよ。
あの廃校舎は何年も前に朽ち捨てられていたんだよ?
人なんて滅多に入り込まないし、仮に入り込んだとしてもヒトガタを持ち運んでくる殊勝な人なんていないよ。
証拠もあるんだよ?
このお人形さんを見てよ。真っ白で綺麗だよね。
あんな汚い場所に落ちていたにしては、不自然なほどにだよ。
仮に前に入った人が置いていったにしてもだよ、数日も経たないうちに埃まみれになっちゃうから。
そうやってお父さんに言ってみたらね、
「因果は巡るじゃないけれど、モノというものは必要な人の所へ自然に転がりこんでくることがあるからね。
もしかしたら、つかさに拾われる為に落ちていたのかもしれないよ」
なーんて、笑いながら言ってたの。
もう、お父さんって凄く楽観的なんだよね。
でもね、お父さんの言うことは結構よく当たったりするから、大事に持ってることにしたの。
624 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 05:22:52.47 ID:hFSM+E8uP
単純に二つの世界が平行してるんじゃなく、
時間軸ズレながら絡みあってる感じか
625 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 05:23:08.38 ID:Et8K4prb0
ほしゅ
626 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 05:26:50.13 ID:pR7k9edW0
「……え、終わり?」
「うん、そうだよ」
自信満々、との面持ち。
どうやら大したことない内容を、つかさトークで無理やりに引き延ばしただけのようだ。
どこぞのクイズ番組を思い出したよ。
でも、まさかそれだけじゃあないよね。
「本当に他に何かはないの?」
「えー……っと、今は無いけど……」
「今は無い?」
「うん、これからあるかもしれないから」
「どういうこと?」
ヒラリ、と見せつけるようにヒトガタを揺らし、
「わたしの所へ来たのなら、これから何かがあるかもしれないってね」
「なんだよそれー」
「えへへっ、四六時中、肌身離さず持っておくことにしたの」
何処となく楽しげにヒトガタを揺らすつかさを、
私はただ、じっと見つめていた。
627 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 05:30:35.27 ID:FuwGLNQrO
追いついた・・・だと・・・
いやマジ面白い全ルート読みてぇ
628 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 05:33:37.81 ID:pR7k9edW0
朝/教室(3年B組)
「おっはー」
「おーはー」
教室に入るなり、二人して挨拶。
「あ、おはようございます」
みゆきさんに完璧な微笑みで迎えられる。
やはり、朝はこうでなくちゃね。
「それじゃあ、今日も皆元気に頑張ろう」
私の声に続き、
「おーっ!」
「お、おー」
二人が続いた。
そんないつになく順調な、朝のひと時。
629 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 05:36:16.94 ID:CeUMWdR0O
読んでるぞ…頑張れ
ほす 頑張れ!
631 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 05:50:26.73 ID:pR7k9edW0
昼休み/購買部
流れ作業的な学業も昼時で一旦の打ち止めとなり、
「今日は二人ともお弁当なんだ」
という自身の呟きを後に、購買部へと向かった。
すると、見知った声が聴こえてきたのだ。
姿を探すと、やはりひよりんだ。
まるで狙ったかのようなバッチリのタイミングだね。良きかな良きかな。
「あ、先輩じゃないッスかー」
無駄に高いテンションは、今日も絶賛売り出し中のようである。
そんな彼女を窺い、ゆーちゃんの言葉を思い返しつつ訊ねた。
「些細な事なんだけどさ、ひよりんって夢について詳しいんだって?」
「まあ、漫画のネタとして使えるのかと思って、それなりに齧ったことはあるんですけど」
控え目な前置き。
夢の内容は思い出せないので、代わりに夢に対する概要を訊ねた。
「そうですねぇ。では、あくまで一同人漫画家のネタとして受け取ってください」
そのような振りで始まった講義。
けれども、得られる情報全てがピンポイントで既知のものばかり。
奇妙に思いつつも、
「すみませーん、お役に立てないようでしてー」
「いやいや、ありがと、ひよりん」
そのまま進展なく、会話終了へ至ってしまった。
632 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 06:02:12.23 ID:pR7k9edW0
昼休み/教室(3年B組)
「こなちゃん、おかえりっ!」
太陽の力で眠気も吹き飛び元気になったつかさと、
その隣でやんわりと会釈するみゆきさん。
「ほい、つかさ」
「ごめんねぇ」
「いいよ、つかさは人混みが苦手なんだから」
頼まれていた紙パックのコーヒー牛乳を手渡す。
それを右手で受け取ると、その手一本だけで器用にもストローを剥ぎ、飲み口に突きさしていた。
「珍しいものですね」
「何が?」
「お昼にコーヒー牛乳を飲んでおられるのがですよ」
聴いていたつかさが目をパチリとさせたが、
特に変わりも無く私達は談笑の中へと身を投じていった。
633 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 06:04:50.44 ID:PuAOUNveO
あと一時間なのです
紫煙
634 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 06:10:18.99 ID:dsMGajWg0
あせらなくていい
大作にしてしまえ
635 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 06:16:18.08 ID:pR7k9edW0
下校/市街地・駅
時間の流れが早く感じられるのは気のせいだろうか。
いや、得てしてパターン化した日常とはそういうものかもしれないな。
あれやこれやと考えつつ、あっという間に駅が見えて来た。
その別れの岐路を前にした時、
「オーマガトキ」
まだまだ青い空を見上げながら、つかさが呟いていた。
”大禍時”と聴こえたが、それがどうかしたのだろうか?
「不意に、思い出しちゃったんだ」
えへへっ、と恥かしげな様子。
記憶によればそれって、
「夕暮れ時のことなんだっけ? 怪異が起こり始める変遷の時だとか」
「そうそう」
いやに嬉しそうだ。
しかしみゆきさんの反応だけが違った。
「よく、そんな難しい言葉を御存知ですね」
感心されても困るよ。
何処かで誰かに聞いた、出所不明の受け売りなんだからさ。
後はいつもと全く同じだ。
大雑把にみても2年近く続けて来た私とつかさによる、みゆきさんの見送り。
やがて、私とつかさも別れ、一人自宅へと帰りついたのだ。
636 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 06:19:01.11 ID:pR7k9edW0
あ、これ間に合わないな
637 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 06:23:46.42 ID:dsMGajWg0
どうするんですか
638 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 06:27:45.67 ID:Et8K4prb0
パー速に移動でいいんじゃね?
スレも立ってるし
639 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 06:35:56.35 ID:pR7k9edW0
夜中/自宅(自室)
正に平凡だった。
私より遅れて帰って来た、ゆーちゃんへの迎えの言葉。
やはり不在だった我が父。
それらが過ぎ去って、あとは普段通りの必要事項を熟し、
そして今こうやってパソコンの前へと座り回想していたのだ。
ふと、父への連絡を入れようかと考えたが、
特に取り急ぐ必要もないかと思いなおし、やめておくことにした。
暇を持て余したので、特に目的も無いまま惰性的にパソコンを操作してみる。
WEBブラウザーを開いて、お気に入りからあの廃校舎の資料を得たページへ飛ぶ。
カラーで映し出されている木造校舎の建物。
「本当に、なんの変哲もなかったなぁ」
そのブラウザーを閉じると、次にネットゲームを嗜み、
午前零時を回る頃になると襲ってきた眠気に負け、床につくことにした。
640 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 06:36:52.24 ID:dsMGajWg0
641 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 06:51:04.12 ID:pR7k9edW0
パー速は正直、いつまでもスレが残るので恥ずかしいんですよね
とはいえvipに次スレ立てちゃうと、新たな3日の猶予で書きつづけなきゃならんので身が持ちそうにないし
仕方がない、続きはパー速のほうで書かせて貰います
となると猶予の時間がかなり出来ることとなるので、暫く休憩でも挟む方向でよろしゅうです
一応、物語的にもキリがいい所ですのでね
とにかく、ここまで保守やら何やらで付き合ってくれた方々に感謝
疲れた
とりまおつ
643 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 06:52:04.81 ID:Et8K4prb0
お疲れ!!応援してるから、自分のペースでやってくれ!!
644 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 06:52:05.14 ID:dxt+qam8O
乙!
パー速に移ると聞いて安心してガッコいけるw
645 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 06:52:36.71 ID:dsMGajWg0
乙
パー速でもよろすく
646 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/25(木) 06:52:47.80 ID:hFSM+E8uP
乙
〆切が無いのが趣味の良い所
ゆっくり休んでくりゃれ
647 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: