1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
代理
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 16:31:41.40 ID:Q8QdS0y30
母
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 16:32:46.08 ID:e07ztftgO
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 16:34:22.19 ID:e07ztftgO
出会いは突然とは言うけれど、それにも限度があると僕は思う。
そして目の前で微笑む少女との出会いは、明らかに常識の範疇を超えていた。
o川*^ー^)o「初めまして主様!」
(;・∀・)「……」
o川*゚ー゚)o「ささ、早速契約を。
って、あれ? なんだか顔色が悪いですよ?」
亡き祖父所有の蔵にあった壺を開けたらその中から美少女が?
しかもですます口調で?
その上、二人称が主様だって?
(;・∀・)「どこの漫画だっつーの!!」
o川*゚ー゚)o「??」
事態が、一切飲み込めなかった。
( ・∀・) 物語は不思議な壺から飛び出してきたようです
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 16:36:48.79 ID:e07ztftgO
o川*゚ー゚)o「はぁ、つまり主様は、偶然私を呼び覚ましてしまったと」
頻りに“契約を、契約を”と訳のわからないことを喚き続ける彼女に向け、
こうなったいきさつを話したら、がっかりしたようにそう返されてしまった。
( ・∀・)「それでさ」
o川*゚ー゚)o「はい?」
( ・∀・)「君は一体何者なの?」
o川*゚ー゚)o「ただの有り触れた魔神ですよ」
(;・∀・)「そうか、ただの魔神なんだ」
o川*゚ー゚)o「ええ、ただの魔神なんです」
もしかしなくてもこの子、やっぱりどこかおかしいよな。
まったくまあ、世の中不思議なこともあるもんだ。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 16:38:46.08 ID:e07ztftgO
( ・∀・)「そいで魔神さんはどうしてあんな壺の中に?」
o川*゚ー゚)o「それはですね」
そう言って顎に手を当て、何か考え込むような様子を見せる自称魔神。
o川*゚ー゚)o「落ち着くから、とか?」
(;・∀・)「散々捻って絞り出した答えがそれかいな」
o川*゚ー゚)o「まま、そんなことはどうでもいいんです!
それよりも主様、もしかして貴方は何か望みを持っていませんか?」
( ・∀・)「言ってどうなる?」
o川*゚ー゚)o「私が叶えてみせます!」
( ・∀・)「悪魔の三つの願い事の話を思い出させるような展開だな」
o川*゚ー゚)o「私は物語の中の悪魔のように、願いの代償として魂を奪ったりはしませんよ。
叶える望みは一つに限定されちゃうんですけどね」
( ・∀・)「はあ、随分と太っ腹な魔神さんで」
o川* − )o「そうでも……ないですよ」
( ・∀・)「えっ?」
o川*^ー^)o「いえ、なんでもありません」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 16:43:12.56 ID:e07ztftgO
それにしても、願い事を一つだけ、か。
陳腐な展開の癖に、いざ我が身に降りかかると困惑してしまう。
o川*゚ー゚)o「私の入っていた壺はそれを強く求める意志に呼応して出現する。
きっと貴方には何か叶えたいことがある筈です」
と、言われてもな。
僕は特別秀でたものは持っていないけど、大きなコンプレックスがあるでもないし。
もし物を頼むとしたら……、なんだかんだで金が無難なのか?
o川*゚ー゚)o「封印を解かれてから一月が経過すると、
壺はまた別の主を求め、貴方の前から消え去ることになります。
ですから決断は、どうか一月以内に」
一月ってと、きちんと夏休みと被るな。
考え事をする時間は腐る程ある。
( ・∀・)「精々捻り出してみるよ、あんたに叶えてもらいたい願い事を」
o川*゚ー゚)o「ぜひぜひ」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 16:46:12.75 ID:e07ztftgO
( ・∀・)「と、まあ、話も一段落ついたことだし」
o川*゚ー゚)o「ついたことだし?」
( ・∀・)「ちょうど昼飯時だ、ソーメンでも食べよう」
o川*゚ー゚)o「そおめん、ですか?」
( ・∀・)「今から案内するから、出来上がるまで居間で座って待っててくれ」
o川*゚ー゚)o「あのー」
( ・∀・)「ん?」
o川*゚ー゚)o「もしかして私にも、そのそおめんとやらを御馳走してくださるつもりなんですか?」
( ・∀・)「別に気にしなくていいよ、一人分も二人分も作る手間は変わらないさ」
o川;゚ー)o「私は魔神なんですよ?」
( ・∀・)「もしかしてソーメン嫌いだった?」
o川*゚ー゚)o「……いいえ」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 16:48:55.00 ID:e07ztftgO
( ・∀・)「んじゃ、ここで待ってて」
o川*゚ー゚)o「了解しましたー!」
茶の間に置かれた机の近くに魔神を座らせると、僕は一人台所へと足を運んだ。
お湯にソーメンを放り込むと手持無沙汰になった。
しかし僕は居間へは戻らず、一連の出来事について思いめぐらしてみることにした。
( ・∀・)「ほんと、不思議も不思議、大不思議だ」
マスコミに知られたら大騒ぎになるのかな?
どうせ信じてもらえないか。
( ・∀・)「おし、そろそろ頃合いかな」
水切りをした後、氷水の入ったガラスの大皿にソーメンをどばばっ。
あっという間にできあがり。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 16:52:10.10 ID:e07ztftgO
( ・∀・)「はい、おまち」
o川*^ー^)o「わあっ、そおめんって白くて綺麗な食べ物なんですね!」
( ・∀・)「あれ? もしかしてソーメン食べたことなかった?」
o川*゚ー゚)o「名前を聞くのも初めてです」
( ・∀・)「はー、そんな人いるんだな」
o川*゚ー゚)o「私は人間ではありませんので」
( ・∀・)「丸っきり人間にしか見えないんだけどね」
o川*゚ー゚)o「それじゃあ、いただきます」
( ・∀・)「うい」
うっわつまんね
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 16:56:01.52 ID:e07ztftgO
o川*-ー)o「ごちそうさまでした」
o川*゚ー゚)o「凄く美味しかったです!」
( ・∀・)「そりゃよかった」
o川*゚ー゚)o「……」
( ・∀・)「ん?」
o川*゚ー゚)o「wktk」
何かを期待するような目で僕の方を見つめる魔神。
ははあ、さてはこいつ、
( ・∀・)「分かった分かった、ちゃんとデザートも用意するから」
o川;>ー)o「違いますっ、私が期待してたのはそれじゃなくって!」
( ・∀・)「ん、もしかしておかわりが欲しかった?」
o川*;ー;)o「いい加減食べ物の話題から離れてください」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 16:59:45.01 ID:e07ztftgO
泣く子をあやすにはアイスが一番。多分。
冷凍庫からソーダアイスを二本とりだし、片方を魔神に渡した。
o川*^ー^)o「わああっ、冷たくて甘くて美味しいです!」
( ・∀・)「夏のソーダアイスは美味しいよね」
o川*^ー^)o「あっという間に食べちゃいました」
o川;゚ー゚)o「って、だからそうじゃなくて!」
( ・∀・)「ん?」
o川;-ー)o「私は貴方が何か願いを言ってくれることを期待してたんです」
( ・∀・)「そうだったんだ」
o川;-ー)o「そうだったんです」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:03:20.91 ID:e07ztftgO
( ・∀・)「そういえば君ってどんな風に願いを叶えるの?」
o川*゚ー゚)o「契約してそれで終わりですよ」
( ・∀・)「そもそもその契約ってのは何?」
o川*゚ー゚)o「けいやく【契約】〔名・他サ変〕約束すること。
特に,当事者の合意によって法的効果を発生させる約束をすること。
また,その約束」
(;・∀・)「いやいや、辞書的な意味じゃなくてさ。
読点でなくコンマを使ってる辺り、辞書の引用っぽさ出しまくりだし」
o川*゚ー゚)o「まあ具体的なことは必要な時に話しますね」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:04:01.90 ID:9OK0r6C10
支援
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:04:41.92 ID:9OK0r6C10
支援
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:05:28.52 ID:SzJFWfLi0
支援だ!
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:07:03.72 ID:e07ztftgO
( ・∀・)「そういや寝床はどうするつもり?」
o川*゚ー゚)o「夜までに願い事を決めて頂けるのが一番なんですけど……。
壺があった蔵にでも籠もらせて頂ければ十分です」
( ・∀・)「それなら客間に泊まりなよ」
o川*゚ー゚)o「いいんですか?」
( ・∀・)「どうせ今ここに家族はいないから部屋は余ってるしね。
それに女の子を狭いとこに押し込めとくのは、なんか申し訳ないし」
o川*゚−゚)o「……」
( ・∀・)「ん、難しい顔してどうした?」
o川*゚ー゚)o「いえ、何でもないです。
それではお言葉に甘えさせて頂きますね」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:08:01.13 ID:9OK0r6C10
他スレに書きまくるのはあんまよくないぜ
支援
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:08:39.12 ID:e07ztftgO
( ・∀・)「んじゃ腹も膨れたことだし、山へ虫取りにでも行くか」
o川*゚ー゚)o「はぁ」
( ・∀・)「もちろん魔神さんも一緒に」
o川;゚ー)o「えっ!? 私も!?」
( ・∀・)「どうせ暇でしょ?」
o川;-ー)o「実際その通りなんですけど、
さも当たり前であるかのようにそう言われるのはどこか悔しいような」
o川*゚ー゚)o「そもそも暇潰しの手段が虫取りなのって、社会的にどうなんでしょう?」
( ・∀・)「気にしない気にしない」
o川*゚ー゚)o「マイペースなんですね」
( ・∀・)「君ほどじゃないさ」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:10:17.38 ID:9OK0r6C10
支援
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:11:05.23 ID:e07ztftgO
o川*^ー^)o「わああっ、おっきいカブトムシだ!」
o川*゚ー゚)o「見て下さい、変わったクワガタ見つけましたよ!」
o川*^ー^)o「このちょうちょとても綺麗です!」
( ・∀・)「何だかんだでむちゃくちゃ楽しんでるな」
o川;゚ー)o ハッ
o川;-ー)o「たっ、たまには童心に帰ってみるのも、悪くないと思っただけです」
( ・∀・)「帰るまでもないんじゃない?」
o川#>ー)o「そんなことありません、私は子供じゃないです!」
( ・∀・)「ふーん……。あっ、ヘラクレスオオカブト!」
o川*゚ー゚)o「えっ、どこどこ!?」
( ・∀・)「僕の指の先から数千キロぐらい行った場所に」
o川#゚ー゚)o「騙しましたねー!」
( ・∀・)「やーいやーい」
o川#><)o「こらーっ!」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:11:17.28 ID:9OK0r6C10
支援
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1220164561/ 誰か支援してください誰か支援してください誰か支援してください誰か支援してください
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これを3つのスレに貼れば幸せになります
貼らなければ今日中にあなたの家に行きます
DQN1 ゲブロロロラマジパネェクネ!?ブッヒョー!wwwwwwwww
DQN2 マジパネキシャー!マジパネマジパネェwwwwwwwwwww
DQN3 マジジジジジあぼぼぼあぼあぼ!!!!!!!
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:12:51.95 ID:e07ztftgO
o川#-ー)o「まったくもう」
(;・∀・)「悪かった悪かった、そう怒らないでくれ」
o川*゚ー゚)o「もう嘘をつかないって約束しますか?」
( ・∀・)「それは無理かな」
o川;-ー)o「こういう時は素直にいっときましょうよ」
( ・∀・)「んなことより駄菓子屋行こう。
子供の頃によく行ってた店なんだけど、お婆さん元気かな」
o川*-ー)o「つーん」
( ・∀・)「ん、どうした?」
o川*-ー)o「私はそんな得体の知れない所には行きませんよーだ」
どうやらからかわれたことを根に持っているようだ。
しかもその口振りからして、駄菓子屋とは何かを知らないようでもある。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:14:44.32 ID:e07ztftgO
( ・∀・)「惜しいな、今ならお菓子をたくさん奢ってあげたんだけど」
o川;-ー)o ピクッ
( ・∀・)「駄菓子屋には美味しい物がたくさんあるのになー」
o川;-)o「そこまで言うなら、私も行ってあげていいですよ」
( ・∀・)「いや、別に無理に着いてきてくれなくてもいいんだけどね」
o川*;ー;)o「主様は意地悪です」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:16:50.84 ID:e07ztftgO
o川*^ー^)o「凄い、この紐グミって食べ物細長ーい」
o川*゚ー゚)o「わたぱち?」
o川;>ー)o「うわわっ、何これ何これ!!」
一人はしゃぐ魔神を横目に、僕は駄菓子屋の現店主と話をしていた。
('、`*川「そっか、お婆ちゃんがお店番やってた頃のお客さんなんだ」
( ・∀・)「元気な方ったのに、まさかお亡くなりになっていたなんて」
('、`*川「ま、お婆ちゃんは幸せだった筈よ。
貴方みたいに慕い続けてくれる人がいるんだから」
( ・∀・)「だと嬉しいです」
時間は何もかもを変えてしまうということを、改めて実感した。
o川*^ー^)o「主様、このきなこ棒ってお菓子美味しいですよ!」
( ・∀・)「懐かしいな、どれどれ」
やっぱりこの味だけは変わらないな。
ほんと、何だかなー。
('、`;川「主様、ねぇ」
心なしか店主からの視線が冷たい気がする。
一体僕はどんな変態だと勘違いされてるのやら。
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:17:02.48 ID:9OK0r6C10
面白いじゃない支援
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:19:31.04 ID:e07ztftgO
駄菓子屋の外に出ると、辺りは既に夕の様相を見せていた。
どこかユーモラスな鳶の鳴き声を聞きながら、僕らは家へと足を運ぶ。
o川*゚ー゚)o「主様」
( ・∀・)「ん?」
o川*゚ー゚)o「今日は凄く楽しかったです」
( ・∀・)「気にしないで、僕だって独りじゃ退屈し―――」
不意に魔神の少女が僕の顔を覗き込んできた。
不覚にも可愛いと感じる。
o川* ー )o「……」
一瞬、彼女はそのつぶらな瞳を曇らせた。
だが次の瞬間には笑顔を浮かべ、眩しそうに空を見上げた。
o川*゚ー゚)o「綺麗ですね」
( ・∀・)「そうだね」
o川*゚ー゚)o「自分の都合で貴方の空を奪おうだなんて、馬鹿なことを考えていました」
( ・∀・)「何だい、それ」
o川*^ー^)o「秘密です」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:21:27.76 ID:e07ztftgO
僕達は赤光の中を再び歩き出す。
o川*゚ー゚)o「私の本名はキュートというんです」
ぽつりと呟かれたに過ぎない筈のその言葉は、なぜか僕の耳にはっきりと飛び込んできた。
キュート、それがこの魔神の名前か。
o川*゚ー゚)o「一月二日生まれの山羊座で、血液型はO型。
好きなジュースは……オレンジジュース」
( ・∀・)「いきなりどうしたの?」
o川*゚ー゚)o「以前言ったように壺は一月したら自然に消えますから、
後の処理は心配なさらないで」
( ・∀・)「意図が掴めないって」
o川*^ー^)o「つまり、さよならってことです」
(;・∀・)「えっ?」
唐突に吹き抜ける風。
瞬きの一瞬にキュートはその姿を消していた。
(;・∀・)「いったい何だってんだ?」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:23:22.61 ID:e07ztftgO
結局、晩になってもキュートは帰ってこなかった。
行く当ても無いだろうに今頃何をしているのやら。
(;・∀・)「まったくもう、分からないことが多すぎるんだよ」
キュートの正体や僕の願いを叶えようとした目的、それと失踪の動機。
何一つ、分からない。
( ・∀・)「その癖、なんかこう」
胸が痛むんだ。
姿を消す寸前にキュートが見せた寂しげな笑顔を思い出すと、自然と。
きっとあいつ、どこかで一人縮こまってるんだろうな。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:25:49.09 ID:e07ztftgO
気がついたら僕は家の外に飛び出していた。
( ・∀・)「ったく、世話焼かせる奴だな」
ぼやきつつ、昼に虫取りした辺りへと足を運ぶ。
あいつがそこにいるとの確信を、何故だか強く持っている自分がいた。
( ・∀・)「魔神っていっても要は小学生ぐらいの少女だ」
一人切りで夜を明かさねばならないとしたら、
せめて少しでも見知った場所へ行くだろう。
「ひっく、ひっく」
森に踏み込むにつれ、微かに聞こえてきた泣き声。
o川*;ー;)o「主…様……?」
ほら、やっぱり。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:27:40.30 ID:9OK0r6C10
支援
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:28:13.99 ID:e07ztftgO
o川*;ー;)o「私、私……」
(;・∀・)「こんな所で泣くぐらいなら勝手にどこかに行くなって」
o川*;ー;)o「うあぁああああ!」
キュートは泣きながら僕に抱きついてきた。
そして頭を僕の胸に押し付け、何度も何度も繰り返し謝り続ける。
(;・∀・)「いいからほら、泣き止んでよ」
o川*;ー;)o「貴方は凄く優しくて、こんな私を人間扱いしてくれた。
私は貴方を利用しようとしたにも関わらず……」
慰めも虚しく、そう言ってキュートはまた大泣きするのだった。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:30:18.12 ID:e07ztftgO
一体どれだけの時間待っただろうか。
ようやくキュートが泣き止んだ時には、僕の服は涙でびしょびしょになっていた。
o川*゚ー゚)o「……」
( ・∀・)「落ち着いた?」
o川*゚ー゚)o「はい。ご迷惑おかけしてすみません」
( ・∀・)「それは別にいいんだけど、一つだけ聞かせてくれ」
o川*゚ー゚)o「……」
無言で深く頷くキュート。
両の眼は僕の顔を真っ直ぐに捉えている。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:30:46.59 ID:AMjvZocR0
支援
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:31:26.09 ID:e07ztftgO
( ・∀・)「お腹空いてない?」
o川;゚ー)o「えっ!?」
o川;-ー)o「あのぉ……、もっと他に聞きたいことは無いんですか?」
( ・∀・)「あるにはあるけど、急いで知らなくちゃならないことでも無いしね」
o川;゚ー)o「はぁ、そうですか」
( ・∀・)「んで質問の答えは?」
o川* ー )o「……」
o川*^ー^)o「腹ぺこです」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:32:50.98 ID:e07ztftgO
o川*゚ー゚)o「はむっ、はふはふっ」
o川*-ー)o「ご馳走様でした」
( ・∀・)「本当にお腹空いてたんだね」
o川;-ー)o「せっ、成長期だからですよ、多分」
( ・∀・)「まだちっこいもんな」
僕はそう言いながらキュートを持ち上げて肩車をした。
o川;゚ー)o「わわっ」
( ・∀・)「ほれほれ、ぐーるぐる」
o川;゚ー)o「まっ、回るのは駄目です! 素で怖いです!」
( ・∀・)「今度は逆回転」
o川*;ー;)o「嫌ぁ、怖い、降ろしてぇぇ!!」
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:34:27.00 ID:e07ztftgO
o川*;ー;)o「ううぅ」
(;・∀・)「あーもう、いい加減泣き止めって」
o川* ー )o「……」
(;・∀・)「悪かった、僕が悪かったから」
o川* ー )o「……ふふっ」
( ・∀・)「えっ?」
o川*^ー^)o「やーい、騙されたー」
(;・∀・)「もしかして嘘泣きだったの?」
o川*^ー^)o「そんなところです」
うわっ、女ってこえー。
子供でこれだろ、空恐ろしい。
o川; ー )o「……ということにしとかないと、私のメンツが保てない……」
( ・∀・)「ん、何か言った?」
o川;゚ー)o「ななな何でもないです!」
やっぱり子供は子供だったか。
でもどこか安心した。
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:34:41.86 ID:9OK0r6C10
支援
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:37:05.55 ID:e07ztftgO
o川*゚ー゚)o「ところで主様」
( ・∀・)「ん?」
o川*゚ー゚)o「森で色々考えて決めたんです。
貴方が私を見つけにきてくれたら、その時はきちんと全てを話そうと」
( ・∀・)「そうか」
o川*゚ー゚)o「ええと、まずは願いを叶える代償について話します」
タダで願いを叶えるなんて美味しい話は、やっぱり無いんだな。
o川*゚ー゚)o「願いを叶えた人間は壺の中へ閉じ込められてしまいます。
ちょうど私のように」
( ・∀・)「ってことは君は?」
o川*゚ー゚)o「ええ、かつて壺の力で願いを叶えた人間なのでしょうね」
どこか他人事みたいな言い方が引っ掛っかかった。
しかしとりあえずは他の疑問を晴らすとしよう。
( ・∀・)「新しく壺に誰かが閉じ込められた場合、元から壺の中にいた人はどうなるの?」
o川*゚ー゚)o「願いを叶える力を受け渡して壺から解放されます」
“自分の都合で貴方の空を奪おうだなんて、馬鹿なことを考えていました”。
キュートが姿を消す寸前に放ったこの言葉の意味が、ようやく理解できた気がした。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:38:49.04 ID:e07ztftgO
o川*゚ー゚)o「壺の中に入った人間は幾年にも渡る眠りにつき、
誰かが壺を開けた時にだけ外に出ることができます」
( ・∀・)「呼び出されても誰かの願いを叶えなかった場合は?」
o川*゚ー゚)o「一月の後に壺に閉じ込められ、そして再び眠りにつきます」
期限に関する言葉は本当だったか。
成る程、それで頻りに急かしてきたんだな。
o川*゚ー゚)o「騙すような真似をして本当にすみませんでした」
( ・∀・)「いや、いいんだ。
こうして正直に全てを打ち明けてくれた今となっちゃ、どうでも」
o川*゚ー゚)o「私をどうするかは主様にお任せします」
しゅんとした顔のキュート。
その瞬間、僕はあることを試してみたくなった。
( ・∀・)「キュート、唐突だけど叶えて欲しい願いが思い浮かんだ」
o川;゚ー)o「さっきも言った通り、願いを叶えると壺の中に閉じ込められるんですよ?
壺の中で眠っていると、徐々に記憶が壊れていきますし……」
さっき自分に関することをまるで他人事であるかのように言ったのは、それが理由だったのか。
ソーメンも、駄菓子屋も、きっと知らなかったんじゃない。
忘れていたんだろう。
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:40:02.80 ID:WfSWy8MuO
o川*゚ー゚)oかわいいよo川*゚ー゚)o
( ・∀・)もかわいいよ( ・∀・)
支援
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:40:56.37 ID:e07ztftgO
o川*゚ー゚)o「その上、やっと壺から解放されたとしても、
その時にはもう独りぼっちです」
( ・∀・)「独りぼっちになるとは限らないんじゃないかな」
o川;゚ー)o「でもっ、解放されるのは自分の知らない場所でしょうし、月日も経っていて―――」
( ・∀・)「現に君には、僕がついているじゃないか」
我ながら臭いセリフだと思ったが、ついついそう漏らしてしまった。
o川* ー )o「……そうなんですかね?」
キュートは俯き、恐る恐るといった様子でそう言った。
何とかして彼女を安心させてやりたいという感情が、僕の心中で鎌首をもたげる。
( ・∀・)「ああ、その通りだ」
o川* ー )o「私、もう一人じゃないんですね?」
( ・∀・)「そうだ、君はもう一人じゃない」
o川* ー )o「……えへへ」
o川*^ー^)o「凄く嬉しいです」
そうして浮かべたキュートの笑顔は、純粋に可愛かった。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:44:18.03 ID:e07ztftgO
( ・∀・)「それじゃあ願い事を言うよ」
o川*゚−゚)o「……」
( ・∀・)「壺を、壊して欲しい」
o川;゚ー)o「えっ!?」
( ・∀・)「もう一度言う、君が入っていた壺を壊してくれ」
o川*゚ー゚)o「成る程、そうくるとは」
初めは面食らった顔をしていたキュートだが、すぐに僕の意図を悟ってくれだようだった。
僕の願いはこの胸糞悪い連鎖を、根本から断ち切ること。
o川* ー )o「優しいね。その願いは私を解放する為のものなんだよね。
まったく、かなわないなぁ」
( ・∀・)「持ち上げ過ぎだって」
o川*゚ー゚)o「そんなことありません。大抵の人は他人を救う為には、
得体の知れない存在に深入りしようとはしませんよ」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:45:30.46 ID:e07ztftgO
o川*゚ー゚)o「それじゃ、契約を結びましょう」
キュートはそう言うと僕の手を握り締めてきた。
彼女の手は驚くほど小さく、しかし暖かだった。
o川*゚ー゚)o「願い事を言って下さい、主様」
( ・∀・)「モララーだ」
o川*゚ー゚)o「えっ?」
( ・∀・)「僕の名前はモララーだ」
o川*゚ー゚)o「モララーさん、かぁ」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:47:01.48 ID:e07ztftgO
「それではモララーさん、貴方の願い事は?」
「壺を、連鎖を、叩き壊すこと」
「その願い、聞き届けました」
ぱりん
驚くほど軽快な音を立て、彼女の呪縛は砕け散った。
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:48:23.19 ID:e07ztftgO
壺を破壊してから半月が経過した。
o川*゚ー゚)o「ごっしごしー、ごっしごしー」
結局というかなんというか、キュートは僕が引き取った。
金はまあ、贅沢しなければなんとかなる。
彼女には戸籍が無いのでこの先困る機会もあるだろうが、それはその都度考えるとしよう。
o川*^ー^)o「モララーさん、掃除終わったよ」
よそよそしい言葉遣いは止めてもらった。
初めは慣れないようだったが、最近はすっかり板に付いてきた。
( ・∀・)「おっ、ありがとな」
o川*゚ー゚)o「いいのいいの。
これぐらい未来の妻としては当然の努めだよ」
o川*////)o「……なんちゃって」
( ・∀・)「ませた奴め」
o川;゚ー)o「あーっ、髪わしゃわしゃしないでよ!
いつもいつも子供扱いするなー!」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:49:50.47 ID:e07ztftgO
( ・∀・)「そういえば今夜、河原で花火大会があるんだ。
折角だし行ってみよう」
o川*゚ー゚)o「はなび?」
( ・∀・)「ああ、凄く綺麗なんだよ」
o川*^ー^)o「どんなものなのか楽しみだな」
( ・∀・)「きっと満足して貰えると思うよ」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:50:49.03 ID:9OK0r6C10
支援
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:52:44.82 ID:e07ztftgO
( ・∀・)「キュートはちっこいから、花火を見る時は僕が肩車してやるな」
O川;゚ー)O「うー、また子供扱いする!」
o川*゚ー゚)o「こうなったら……奥の手!」
(;・∀・)「いや、おい、暑いからべたつくなよ」
o川*-ー)o「へへーん、ちょっとはドキドキした?」
( ・∀・)「いや、今の行動のどこにドキドキする要素が?」
(;・∀・)「って、いたたっ、髪を引っ張るな!」
o川#;ー;)o「モララーさんの馬鹿馬鹿、今のは深ーく傷付いた!」
( ・∀・)「ああっ、もしかしてお前、胸を押し当てようとしたのか?」
o川#////)o「今更気付くなあっ!!」
( ・∀・)「押し当てる胸も無い癖に」
o川#;ー;)o「これから育つ予定だもん!!」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:53:49.88 ID:e07ztftgO
まあ色々と前途多難だけど。
o川*゚ー゚)o「モララーさん、早く花火見に行こう?」
(;・∀・)「ちょwwwまだ日も沈んでないってのにwwwww」
o川;-ー)o「うー」
僕の夏休みは思いの外充実していた訳で。
( ・∀・)「なあキュート」
o川*゚ー゚)o「ん?」
( ・∀・)「もうじき大学が始まるから下宿に戻るけど、お前も付いてくるか?」
o川*^ー^)o「もちろんだよ!」
なんだかんだでこれから先の毎日も楽しいんだろうなって、そんな予感がする。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 17:56:06.68 ID:e07ztftgO
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1220164561/ お願いします支援ください
最近ブーン系小説って傑作生み出されてないんですよね
ブーン敬称説ってマジで面白いので見てください
あとニコニコ動画も見てくれると嬉しいです
お願いします見てください。めちゃくちゃ面白いです。
あとアルファベットで戦うようですが面白いです。
ボクはモナーも傑作です。ギャグが面白いです。
あとブーンはクーと抗い護るようですもかっこよくて面白いです。
あとブーンはキモいけど可愛いです。
ツンはエロカッコイイです。コウダクミに似てます。
凄く面白いです。絶対面白いんで見てください。
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:02:01.08 ID:e07ztftgO
熱気に、汗が頬を伝う。
と、一際目立つ大輪が夜空を飾った。
それを皮切りに次々と色鮮やかな花火が打ち上げられていく。
「貴方に会えてよかった」
花火の音に紛れ、そんな声が背中の方から聞こえてきた。
「これからもよろしく」
同じく花火に紛れさせ、僕はそう返事した。
今宵の夜風は不思議と涼やかだ。
〜本編FIN〜
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:03:17.80 ID:e07ztftgO
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:04:43.77 ID:e07ztftgO
幼い頃の私はお父さん子で、彼の膝の上を自分の指定席のようにしていた。
伝記作家をしていた父はそんな私の頭を優しく撫でてくれたものだ。
(,,゚Д゚)「よし、今日は願いを叶える不思議な壺の話でもしようか」
o川*゚ー゚)o「わくてか!」
父は様々な物語を子供向けに分かり易く話してくれる。
その中には、願いを叶える代わりに人間を閉じ込めてしまう、
不思議な壺についての物語も含まれていた。
o川*゚ー゚)o 物語は不思議な壺から飛び出してきたようです・番外編
閉じ込められる事と引き換えに願いを叶える壺。
父の話の中に出てきたそれは、実在のものだった。
o川*;ー;)o「……を………して!!」
私がその壺に何を願ったのか、それは記憶から抜け落ちてしまったので分からない。
壺が現れる直前に起きた辛い出来事に関連した願いだった気がするが、
もはや私にそれが何だったかを知る術は無い。
壺に入ると意識が曖昧になり、時間の感覚がめちゃくちゃになる。
o川*゚−゚)o「……」
徐々に記憶が抜け落ちていっていることに気付いたのは、
初めて壺を呼び出される少し前のことだったか。
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:07:28.06 ID:e07ztftgO
様々な人の前に壺は姿を現した。
私はそうして出会った人々に対し、願いを叶える代償について正直に伝え続けたため、
いつまで経っても壺から解放されることがなかった。
o川*゚ー゚)o「もう何年経ったのやら。
壺の中では年をとらないのは救いなのか、その逆なのか」
時と共に記憶はどんどん崩れていく。
だが、私はそれでもいいと思っていた。
誰かを犠牲にして助かるぐらいならいっそこのままでもいいと、そう考えていた。
彼女に会うまでは。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:09:13.09 ID:e07ztftgO
壺を開けた人がとるリアクションは大きく二通りに分類できる。
大きく慌てるか、平静を装いつつ疑いの目で見てくるか、といった具合に。
これらのリアクションをとる人々に共通しているのは、
事態をすんなりと受け入れられていないという点。
しかし十人に一人ぐらいは私の存在を自然に受け入れる変わり者もいる訳で、
ξ゚听)ξ「ふーん、願いを叶える壺、ねぇ」
どうやら彼女もそんな人種のようだった。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:12:52.87 ID:e07ztftgO
彼女は自らをツンと名乗った。
美人で、お金持ちの家の子で、澄んだ声をしていた。
ついでに治療法の見つかっていない病を患っていた。
ξ゚听)ξ「しまいには身体中が麻痺するんだって」
o川;゚ー)o「えっと、その」
ξ゚听)ξ「無理に励ましたり哀れんだりする必要はないわ。
そんなのはもう、お腹一杯」
o川*゚ー゚)o「そう……なんでしょうね」
ベッドを囲む友人や親戚。
口を揃えて憐れみの言葉を投げかける。
初めは良くっても、その内うんざり。
そうなるのだろうということは、想像できなくもない。
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:14:42.89 ID:e07ztftgO
o川*゚ー゚)o「壺の力で病を治したらどうでしょう?」
ξ゚听)ξ「少しはそれも考えたんだけど、やっぱり止めとくわ。
私には、どうしても忘れてはいけないことがあるから」
o川*゚ー゚)o「どうしても忘れてはいけないこと?」
それは果たして自分自身の健康よりも大切なことなのだろうか。
彼女にそう尋ねようかとも思ったけど、それはあまりに残酷な問いのような気がして、止めた。
ξ゚听)ξ「ごめんね」
o川*゚ー゚)o「えっ?」
ξ゚听)ξ「貴女を救えなくてごめんね」
o川*^ー^)o「ああ、そのことなら気にしないで下さい。
とうに慣れ切ってますから」
そう言ってから、少し後悔した。
どこか嫌みったらしい言葉を言ってしまった気がしたからだ。
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:14:44.93 ID:5o4+5hJtO
支援
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:16:29.23 ID:e07ztftgO
ツンさんは自宅療養中の身である。
だから私は誰かが訪ねて来た時だけ壺に身を隠しつつ、
彼女の部屋で彼女と共に日を潰していた。
ξ゚听)ξ「一ヶ月経てば貴女はどこかへ行っちゃうのよね?」
o川*゚ー゚)o「ええ、もう二週間経ったので、ちょうど折り返しですね」
ξ゚听)ξ「ふーん」
o川*゚ー゚)o「もしかして、ちょっと寂しかったりします?」
ξ゚听)ξ「別に……」
ツンさんはそれっきりそっぽを向き、黙りを決め込んでしまった。
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:18:40.26 ID:e07ztftgO
それから一週間が経ったある日のこと。
ξ゚听)ξ「キュート、出掛けるわよ」
ツンさんが珍しい提案をしてきた。
o川*゚ー゚)o「私は別にいいんですけど、貴方の体力は大丈夫なんですか?」
ξ゚听)ξ「なんとかなるわよ、多分」
o川;-ー)o「多分、ねぇ」
ξ゚听)ξ「書き置きは残したし、早速出発しましょう」
o川*゚ー゚)o「へっ? 書き置き?」
ξ゚听)ξ「親に黙って出てくからね」
o川;゚ー)o「やややヤバいですよそれは、きっとご両親は凄く心配しますよ!」
ξ゚听)ξ「そうね、心配するでしょうね」
o川;>ー)o「だったら―――」
ξ ー )ξ「でも、もう決めちゃったから」
瞬間、ツンさんが浮かべた笑みは、どこか儚げで。
その癖強い何かを秘めているようでもあって。
私は、何も言えなくなった。
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:21:04.96 ID:e07ztftgO
ξ゚听)ξ「そういえば壺はどうしたの?」
o川*゚ー゚)o「布に包んで背中にしょってますよ」
ξ;゚听)ξ「本当だ、いつの間に」
o川*゚ー゚)o「持ってた方が落ち着くんですよね」
私達は現在、玄関へと向かっている。
初めて歩き回る彼女の家はとても広く、まるでお城のようだった。
ξ゚听)ξ「お父様もお母様も働きに出ているから、今なら見つかる心配はないわよ」
o川;-ー)o「見つかる心配だなんて。
なんだかこれから非行をしようとしているかのようなセリフですね」
ξ゚听)ξ「実際そうなのかもね」
o川;゚ー)o「まったくもう、そうまでして外出だなんて、一体どんな目的があるのやら」
ξ゚听)ξ「それは秘密かな」
o川;-ー)o「どけちー」
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:24:08.72 ID:e07ztftgO
玄関のドアを開けると、まず第一に眩しい陽の光を感じた。
久しぶりの直射日光だ、とても気持ちがいい。
私は意気揚々と、外に繋がる門の方へと足を進めた。
ξ゚听)ξ「ねえキュート、少しだけ時間を頂戴」
ツンさんが突然そんなことを言った。
断る理由もないので素直に頷く。
ξ゚听)ξ「立った状態で家をもう一度しっかり見ておきたくて」
彼女はそんなことを言いながら振り返り、屋敷をじっと眺め始めた。
私は手持ち無沙汰になったため、ただただぼーっとしていた。
ξ゚听)ξ「ありがとう、もういいわ。行きましょう」
o川*゚ー゚)o「はーい」
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:26:53.37 ID:e07ztftgO
o川*゚ー゚)o「ところでツンさん、これからどこに行くつもりなんですか?」
ξ゚听)ξ「海、かな」
o川*゚ー゚)o「ここからどのぐらいの距離に?」
ξ゚听)ξ「バスで一時間もかからずに着けるぐらいね」
o川*゚ー゚)o「ばす?」
ξ゚听)ξ「大きくて便利な乗り物」
ばすというのは乗り物の名前なのか。
どんな形をしているのか気になるなぁ。
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:29:23.90 ID:e07ztftgO
残念なことにばすとやらは、想像した程格好良くなかった。
その上、その上……、
o川; ー)o「気持ち悪い」
ツンさんが言うに、私はくるまよいとやらになってしまったらしい。
ξ;゚听)ξ「バスから降りたらしばらく休憩しましょうか」
声に出して返事をする気力も無く、私は黙って頷いた。
なんてこったい。しくしく。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:32:32.49 ID:e07ztftgO
それから少ししてばすは目的地に着いた。
私はばすを降りてすぐの場所にあったベンチに寝転がり、新鮮な空気をお腹一杯吸う。
o川*゚ー゚)o「ちょっと楽になったかな」
もう少しこうしていればすぐに調子もよくなるだろう。
目を瞑って風を浴びていると、なんだかさっきまでの気持ち悪さが嘘みたいに思えてくる。
と、頬に冷たいものを押し当てられる感触がした。
目を開けると、ツンさんが缶ジュースを押し当てている。
ξ゚听)ξ「オレンジで良かった?」
o川*゚ー゚)o「ありがとうございます」
ξ゚听)ξ「別にお礼を言われる程のことじゃないわよ。
そんなことより、ちゃんと缶の開け方は分かる?」
o川*゚ー゚)o「前に壺を開けた人がよく飲ませてくれたので」
ξ゚听)ξ「ふーん」
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:34:30.64 ID:e07ztftgO
休むこと十分弱、気持ち悪さは完全に抜けた。
ξ゚听)ξ「それじゃ、出発しようか」
o川*゚ー゚)o「はいっ!」
私はツンさんの後ろについて歩き始める。
今進んでいる砂浜沿いの道は少しだけ高い位置にあり、
たっぷりと海を眺めながら歩くことができた。
ξ゚听)ξ「……」
唐突にツンさんが歩みを止める。
それから道の端に寄り、ある一点をじっと見つめた。
ξ*゚ー゚)ξ「まだ有ったんだ」
うっすらと笑いながら、こちらに振り向く。
http://vipmain.sakura.ne.jp/light_novels/novels_img/084.jpg その顔は、今まで見た彼女のどの表情よりも軟らかで、
o川*゚ー゚)o「ツンさん綺麗」
ξ;////)ξ「わわ分かってるわよ、そんなこと……、ありがと」
私は彼女を赤面させるような言葉を知らず呟いてしまった。
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:37:00.36 ID:e07ztftgO
再び歩みを再開する。
少し向こうの方に石造りの下り階段が見えた。
あれを降りれば砂浜にたどり着くのだろう。
ξ゚听)ξ「三年ぐらい前、砂浜に建っていたボロ小屋の柱に、幼なじみと一緒に落書きをしたの」
唐突に語り始めるツンさん。
ξ゚听)ξ「さっき砂浜を見渡したら、その小屋がまだ残ってたんだよね。
もう取り壊されているとばかり思ってたから、それがなんだか嬉しくて」
o川*゚ー゚)o「どんな落書きをしたんですか?」
ξ;゚听)ξ「何を言っても馬鹿にしない?」
o川*゚ー゚)o「勿論です!」
ξ////)ξ「その、あれよあれ……、相合い傘」
ツンさんの顔が耳たぶまで真っ赤に染まった。
こんな表情を見せつけられたら、きっと幼なじみさんもメロメロになるに違いない。
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:41:06.40 ID:vEJFkHIKO
支援
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:41:18.82 ID:e07ztftgO
石段を下った先には白い砂浜が広がっていた。
体うずうず、心わくわく。
o川*^ー^)o「わーい!」
ξ;゚听)ξ「ちょっと待ちなさいよ」
o川*^ー^)o「海一番乗りー!」
私はそう言って膝が浸かるぐらいの深さまで走っていった。
勿論スカートの端は両手で持ち上げている。
ξ;゚听)ξ「ずるい、フライングよ!」
ひーこら言いながら、随分遅れてツンさんが追いついてきた。
o川*-ー)o「勝てば官軍、ですよ」
ξ;゚听)ξ「ううーっ、悔しいわね」
本当は分かっていた。
彼女は病気の為、もう走ることはできないんだって。
どんなに頑張っても私に追いつくことは不可能だったんだって。
それでも、それだからこそ、私は大人気なくも全速力で海に向かって走ったのだ。
健常な人と区別されることをツンさんは好まないのだから。
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:42:51.34 ID:e07ztftgO
日が暮れ始めた。
遊び疲れた私達はツンさんの言ったボロ小屋で休憩しつつ、赤く染まりゆく海を眺めていた。
ξ゚听)ξ「ねえキュート」
o川*゚ー゚)o「なんです?」
ξ゚听)ξ「私ね、幼なじみのことが好きだったの」
ツンさんはそう言って、柱に小さく彫られた相合い傘を撫でた。
そこに彫られていた名前はツンとブーン。
二人は両思いだったに違いない。
ξ゚听)ξ「彼は小太りで鈍くて、その癖走るのが大好きで、
そして何より……、優しかった」
o川*゚ー゚)o「優し“かった”?」
ξ )ξ「交通事故で、即死だったみたい」
以前ツンさんが言っていた“どうしても忘れてはいけないこと”。
それはきっと幼なじみの、つまりはブーンさんのことなんだろう。
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:46:01.15 ID:e07ztftgO
ξ゚听)ξ「彼は孤児だったから、保育施設に預けられていた。
誰一人、血のつながった家族はいなかった」
o川*゚ー゚)o「……」
ξ゚听)ξ「だからこそ彼のことを覚え続けていたい。
私は彼が存在したことの生き証人になりたいの」
o川*゚ー゚)o「幼なじみさんのこと、本当に好きだったんですね」
ξ////)ξ「……うん」
o川*゚ー゚)o「この浜辺にもよく二人で来たんですか?」
ξ*゚ー゚)ξ「そうね、言うなれば思い出の場所なのかな」
ツンさんはこの小屋がまだ残っていたことを驚いてみせた。
それはこの砂浜にしばらく来ていなかったからこその反応。
その理由を私は、彼女の体調不良にあるのだろうと考えていた。
しかし実際の所、ここが亡き幼なじみとの思い出の地であるという事実こそが、
彼女を砂浜から遠ざけていた真の理由なのかもしれない。
o川*゚ー゚)o「きっと貴女は葛藤と決心の末にここにたどり着いたのでしょうね」
ξ*゚听)ξ「ばーか、深く考え過ぎだって」
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:48:07.15 ID:e07ztftgO
ξ゚听)ξ「さてとっ」
そう呟き、徐に立ち上がるツンさん。
既に辺りは暗さを増してきている。
ξ )ξ「ありがとう……さようなら」
ツンさんは海に向かって小さく別れの言葉を告げた。
彼女が今日の外出を決意したのは、
近い内に自分の足が動かなくなることを悟ったからなのかもしれない。
ξ゚听)ξ「んじゃ、行きますか」
o川*゚ー゚)o「そうだね」
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:49:40.99 ID:vEJFkHIKO
支援
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:53:16.17 ID:e07ztftgO
二人して夜道を歩く。
はしゃいで疲れたためか、口数は少ない。
そろそろばす停が見えるんじゃないかという頃、突然ツンさんが口を開いた。
ξ゚听)ξ「一つお願いがあるの」
o川*゚ー゚)o「お願い?」
ξ゚听)ξ「今から私が言うことを、なるべくでいいから忘れないでいてくれないかな」
o川*゚ー゚)o「努力してみます」
ξ゚听)ξ「私はきっと数年と保たずに死ぬ。
だからいつか、私のお墓の前に行く機会があったら、こう言ってやって欲しいの」
ツンさんはそこで言葉を止め、と同時に立ち止まった。
私も彼女の少し先で立ち止まると、そのまま彼女の顔を覗きこむ。
ξ )ξ「“ブーンのこと、代わりに覚えてるよ”って」
十代の少女が自分の死期が近いことを認めるのに、一体どれ程の勇気が要るのだろう。
死期を悟った上で故人を何より大切に思う為に、果たしてどれだけの愛情が必要なのだろう。
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:54:42.66 ID:vEJFkHIKO
支援
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:54:48.53 ID:e07ztftgO
ξ゚听)ξ「お父様やお母様には任せられないことなの」
それはよく分かる。
ツンさんの両親は娘を救うために様々な努力をしている。
そんな彼らに自分が死んだ後のお願いなど、どうしてできようか。
o川*-ー)o「無茶なお願いではありますけど、任せて下さい」
ξ*゚ー゚)ξ「頼りにしてるね」
糞スレsage
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:56:39.68 ID:e07ztftgO
o川*゚ー゚)o「さて、私の方からもお願いがあります」
ξ゚听)ξ「言ってみて」
o川*゚−゚)o「言いにくいのですが……、どうか思い直して下さい。
壺の力を使って体を治して下さい」
やはりツンさんには死んで欲しくない。
命に貴賤など無いとは言うけれど、今の私はそう感じていた。
ξ゚听)ξ「悪いけどそれはできない」
o川;゚ー)o「気持ちは分かります、分かりますけどっ―――」
ξ ー )ξ「キュートの気持ちは凄く嬉しいよ?
だけど私、肝心なとこで馬鹿なんだよね」
o川;゚ー)o「っ……」
私は彼女の決意に満ちた表情を見、もう説得が不可能なんだということをようやく悟った。
彼女にとって幼なじみのブーンさんは、文字通り命より大切な存在だったのだろう。
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:58:30.91 ID:e07ztftgO
それから少しの日が経過し、再び壺に閉じ込められることとなった。
かくして私は今、次の主を求めながら体を休めている。
o川*゚ー゚)o「ツンさんとの約束、果たしてあげたいな」
約束を忘れ難いようにする為にも、少しでも早く壺から解放されなくっちゃ。
となると今度壷を開けた人に対しては、何かしら嘘をつく必要が出てくる。
他人を犠牲にするのはとても申し訳ないけど、それでも私は……。
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:58:47.98 ID:vEJFkHIKO
支援
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 18:59:58.25 ID:e07ztftgO
o川*゚ー゚)o「それにしても、あそこまで好きになれる人がいたら幸せだろうな」
願わくば私もいつか、心から好きになれる人を見つけたい。
そしてできればその人に私のことを覚え続けていて貰いたい。
o川*゚ー゚)o「その上愛して貰いたいなんてのは、ちょっと我が侭な話かな?」
でも、そんなのっていいな。
などと考えつつ、私は長い眠りにつくのだった。
ガタリ、どこかで壺の蓋を開ける音がした。
( ・∀・)「ん、中に何か入っているのか……?」
〜番外FIN〜
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 19:00:39.09 ID:vEJFkHIKO
支援
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 19:02:19.38 ID:e07ztftgO
やっと終わりー
読んでくれた人、本当にありがとう
もちろんツボにはまる絵を描いてくれた二人にも感謝感謝
途中で絵を張り間違えるなんて未曽有のミスをして、本当にすみませんでした
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 19:06:06.30 ID:0XHqGuiB0
おつー
糞スレ
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 19:09:11.10 ID:WfSWy8MuO
>>1大好き。乙。面白かった。最高。
o川*゚ー゚)oが河合卓
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 19:36:45.30 ID:vAxFDo5d0
今見た!乙
結局一枚目の絵ってあれでいいの?
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 19:46:18.50 ID:e07ztftgO
>>92 >>56の絵で正解
絵に書かれたものとは題名が違うけれど、題名変更可とのことだったので
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 20:05:24.36 ID:bF7/4hgz0
\ U /
\ U /
/ ̄ ̄ ヽ,
/ ', / _/\/\/\/|_
\ ノ//, {0} /¨`ヽ {0} ,ミヽ / \ /
\ / く l ヽ._.ノ ', ゝ \ < イエイ! >
/ /⌒ リ `ー'′ ' ⌒\ \ / \
(  ̄ ̄⌒ ⌒ ̄ _)  ̄|/\/\/\/ ̄
` ̄ ̄`ヽ /´ ̄
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/ ノ −−−−
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−− | f\ ノ  ̄`丶.
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/_ノ / ,ノ 〈 \
( 〈 ヽ.__ \ \
ヽ._> \__)
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
乙