1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
ラノベ祭り投下作品です。
全部で三作投下します。
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:14:52.12 ID:iTXk6qgpO
ktkr支援
3 :
15:2008/08/30(土) 19:15:10.27 ID:EI6UmYT9O
( <●><●>)「こんにちは」
頭に輪、白い羽、いかにも天使、そう、天使。
そして大きな瞳に黒い髪、年代はきっと僕と同じくらい。
そんな男の子が、ちょっとスキを開けたら居たなんて、信じられます?
僕だったら――
(;><)「不審者――――!!」
まず無理。
僕と天使と悪魔のようです
4 :
15:2008/08/30(土) 19:18:23.92 ID:EI6UmYT9O
( <●><●>)「落ち着いて下さい、ほら、これとか飲んで」
(;><)「落ち着いていられる訳無いんです、それにその飲み物は僕のなんです」
そうここは僕の部屋、僕の部屋でした。
彼というイレギュラーな存在のせいで、すっかり忘れてました。
ていうか、人の部屋でくつろいでるってどうよ。
( <●><●>)「まあまずお察しの通り……私は天使、名前はワカッテマス、です」
(;><)「は、はあ、どうも……ええと僕は」
( <●><●>)「ビロード、でしょう?
ちゃんとワカッテマス」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:19:33.59 ID:iTXk6qgpO
支援
6 :
15:2008/08/30(土) 19:21:01.58 ID:EI6UmYT9O
僕が座ると天使……ワカッテマスくんは話し始めます。
何で僕の名前を知ってるのやら。
にしてもこれを客観的に見たら実に愉快な光景でしょう。
( <●><●>)「で、私は用があって来た訳ですが……」
(;><)「手短にお願いします……」
( <●><●>)「貴方を連れて帰りたい」
(;><)「あ、そんな事ですかー分かりました、ってああ違うっ!!」
( <●><●>)「……」
支援
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:22:53.40 ID:vvEobEhO0
犯人は家政婦 脱出方法はダイエット
9 :
15:2008/08/30(土) 19:24:25.74 ID:EI6UmYT9O
連れて帰る、連れて帰る、連れて帰る?
は? 訳分かんないんです!
(;><)「あばばばば……」
( <●><●>)「ああ話が飛躍してますね、もう少し詳しくお話しましょうか」
(;><)「ああはいお願いします……」
僕がそう返事すると、ワカッテマスくんは遠い目をして話し出しました。
僕は何とかして頭を落ち着かせます。
( <●><●>)「あれは五百年前の事でした……私は」
( ><)「待て待て待て待て」
( <●><●>)「なんですか」
( ><)「もうちょっと簡単に……」
( <●><●>)「ふむ、分かりました」
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:25:51.57 ID:16XpJ7mJ0
ヒャッホー
wktk支援
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:26:34.51 ID:iTXk6qgpO
支援!
12 :
15:2008/08/30(土) 19:27:24.08 ID:EI6UmYT9O
‐( <●><●>)‐
それは三日前の事でした。
私は雲の上、まあいわゆる天国ですね、そこから下の世界を覗いていたのです。
( ><)「……五百年前から話す必要が無いんです」
( <●><●>)「とりあえず聞きなさい」
( ><)「……」
そこで目に付いたのが、貴方でした。
学校の帰り道、何も無い所ですっ転ぶ、そんな貴方を。
(;><)「見てたんですか!?」
( <●><●>)「これからが良い所です」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:28:41.25 ID:16XpJ7mJ0
支援
14 :
15:2008/08/30(土) 19:30:04.56 ID:EI6UmYT9O
そこで私は思ったのです。
貴方の様な危なっかしい方は、私が近くに置いて守ってやらないと、と。
‐‐‐
( <●><●>)「まあそんな訳ですが、どうでしょう?」
( ><)「……何も無いんです」
( <●><●>)「ああそれは良かった!」
突っ込みどころがあり過ぎて、突っ込めない。
初めてそれを経験したんです……。
短いとか目茶苦茶とかもうね……。
( <●><●>)「そうと決まれば早速……」
(;><)「何するつもりですか!?」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:30:46.67 ID:iTXk6qgpO
しえしえ
16 :
15:2008/08/30(土) 19:33:30.71 ID:EI6UmYT9O
ワカッテマスくんが懐から取り出したのはカッターでした。
それも僕に向けた物らしく。
え、それなんてヤンデレ?
( <●><●>)「何って……私の所、つまり天国、人間である貴方が行く為には?」
(;><)「し、死ぬ?」
( <●><●>)「正解」
(;><)「納得いかね――――!!」
いや確かに、確かにですよ?
人間、僕が天国に行くには死ぬしかないのは分かるんです。
だけど僕それ以前に了承してないんですけど。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:34:34.94 ID:16XpJ7mJ0
支援
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:35:10.79 ID:iTXk6qgpO
これは納得いかねぇwwww
19 :
15:2008/08/30(土) 19:36:40.79 ID:EI6UmYT9O
( <●><●>)「大丈夫、痛いのは最初だけだから、すぐ気持ち良くなりますから」
(;><)「ならねーよ! なんだよそのレイプ魔みたいな!」
( <●><●>)「まあ、そういう訳で……」
(;><)「助けて――――!!」
僕は叫んでいました。
だってまだ死にたくないんです!
やりたい事がいっぱいなんです!
その願いが届いたのか否か、遠くから、声が聞こえました。
「そうはさせないっぽ!!」
20 :
15:2008/08/30(土) 19:39:38.29 ID:EI6UmYT9O
( <●><●>)「……チッ」
(;><)「あ、ああ……」
僕と彼の間には、鎌が、まさしく本物の鎌がありました。
その先を見れば、少し露出度の高い服を着て、黒い羽を持ち可愛らしい顔をした、女の子がいました。
(*‘ω‘ *)「ふう、間に合ったっぽ」
(;><)「た、助かったんです!」
ありがとうなんです、そう、続けようとしたら。
鎌は視界から消えて、僕の首の後ろに、ありました。
あれー……。
(*‘ω‘ *)「じゃ、地獄で一緒に暮らすっぽ!」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:40:27.61 ID:ZezppD0zO
ちんぽwww
しえーん
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:40:46.38 ID:iTXk6qgpO
wwwww
24 :
15:2008/08/30(土) 19:42:23.41 ID:EI6UmYT9O
今日はやたらツイてないんです。
二度も殺されそうになるなんて。
いや、いやいやいやいや!
(;><)「待って下さいなんですっ!」
(*‘ω‘ *)「遺言かっぽ? あ、私の名前はちんぽっぽだっぽ」
(;><)「よろしくなんです……じゃなくてせっかく助けてくれたのに、何でこんな事するんですか!?」
(*‘ω‘ *)「あー、それは……私が地獄に連れて帰りたいからだっぽ、それには私が殺さなきゃ意味が無いんだっぽ」
( ><)「世の中こんなのばっかり」
なんですか、なんなんですか。
僕は何か悪い事したんですか?
何でこんな目に合ってるんですか?
25 :
15:2008/08/30(土) 19:45:51.99 ID:EI6UmYT9O
( <●><●>)「せっかくなので、良い事を教えてあげましょう」
( ><)「え?」
( <●><●>)「貴方が近頃、何も無い所で転んだり身に覚えのない不幸を味わったとすれば、全てこいつのせいです」
(;><)「え……僕が転んだり、やたら溝にはまったりするのって……」
(*‘ω‘ *)「ああもう面倒だっぽ……、そうだっぽ、そいつの言う通り、全部私のせいだっぽ! 足引っ掛けたりしたの私だよごめんね!」
何その逆ギレ。
どうりで違和感があったんです。
変な物に引っ掛かって転んでいたのは、きっと鎌辺りが足に引っ掛けられたと考えるのが妥当なんです。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:46:27.96 ID:iTXk6qgpO
支援!
27 :
15:2008/08/30(土) 19:49:00.04 ID:EI6UmYT9O
( ><)「ていうか知ってるなら教えて欲しかったんです」
( <●><●>)「だからその為に来たんでしょうが」
( ><)「……」
(*‘ω‘ *)「とりあえず、ビロード……アンタも一緒に地獄で暮らすんだっぽ」
こいつら勝手過ぎるんです。
だって天国も地獄も、僕はいずれにせよ死ぬ事は必定なんです。
そんな事お構いなしに自分達のワガママを通そうとなんて。
( ><)「ていうか二人共、僕のお菓子食べないで下さい」
( <●><●>)「あ、ついおいしそうだったもので……」
(*‘ω‘ *)「うめぇ……」
28 :
15:2008/08/30(土) 19:52:11.41 ID:EI6UmYT9O
大体僕は既に感覚麻痺を起こしてます。
だって天使と悪魔なんて、たった数時間前の僕だったら信じてないどころか頭にも無かったんですから。
それが今は、こうしてテーブルを囲んでお茶を楽しんでいるんですよ?
あれ、いつの間にお茶……。
と、とにかく、僕はもうちょっと自分を見失ったらいけないと思うんです。
流されちゃダメなんです、僕。
(*‘ω‘ *)「きのこの山……うめぇ」
( <●><●>)「そこはたけのこの里とやらでしょう、常識的に考えて……」
( ><)「僕はどっちも好きなんです!
じゃなかったあああ!」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:52:44.41 ID:iTXk6qgpO
支援
30 :
15:2008/08/30(土) 19:55:10.13 ID:EI6UmYT9O
早速流されてどうするんですか!
僕は今、早くこの二人に帰ってもらわなきゃ駄目なんです!
(;><)「ふ、二人共!」
( <●><●>)「たけのこの里はこのチョコとクッキーが……あ、なんですか?」
(*‘ω‘ *)「いやだから、きのこの山はこの形状と味が……あ、なんだっぽ?」
( ><)「なんでしょうこの疎外感」
なんかもう話す気も無いというか。
流されるどころか相手にされてないってどうなんですか?
馬鹿なの? 死ぬの?
31 :
15:2008/08/30(土) 19:58:13.19 ID:EI6UmYT9O
( <●><●>)「きのこたけのこ談義はまた後日、席を用意するとして……話を戻しますかね、ビロードもお菓子食ってないで」
(;><)「それはどう考えてもアンタらなんです!」
(*‘ω‘ *)「で、ビロード……どっちを選ぶんだっぽ?」
(;><)「いやだから僕はまだ死にたくないんです……どっちも嫌なんです……」
( <●><●>)「ふむ、貴方の言いたい事はよーく分かりました」
(*><)「本当なんです!?」
( <●><●>)「決断までの時間が必要だ、という事でしょう?」
理解を求めた僕の馬鹿、大馬鹿。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 19:59:49.43 ID:iTXk6qgpO
しえん
33 :
15:2008/08/30(土) 20:01:10.06 ID:EI6UmYT9O
(;><)「いえですから今すぐに……」
(*‘ω‘ *)「今すぐになんて決める必要無いっぽ、ビロード」
( <●><●>)「そうです、私もしばらくはここに居ますから」
(;><)「違うんです! あと何さり気なく居候しようとしてるんですか!?」
(*‘ω‘ *)「お、なら私もいるっぽ」
もうやだこの二人。
初対面で一時間以内にここまで悪印象を持てたのは初めてなんです……。
大体用件もまともじゃないんです。
(;><)「嫌なんです――――!!」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:01:56.20 ID:16XpJ7mJ0
殺伐とほのぼのwww
35 :
15:2008/08/30(土) 20:04:51.57 ID:EI6UmYT9O
そんなこんなで。
僕と人外二人組の生活は始まりました。
家族には見えないし、周りには誰一人として見える人はおらず、ある意味僕だけがやたらダメージを受けてるんです。
二人も二人で、実際見るだけなら何度もあるのに、この世界の事は全く分かってないんです。
二人からしたら僕の家だって未知の世界なんでしょう。
そして特に二人が興味を示す物と言えばあれでした。
( ><)「へ、減ってる……!」
( <●><●>)「どうしました?」
僕が開けて見ていたのはお菓子の戸棚。
二人が来る前はもっとあったはずなのにと僕は思いました。
そう、二人はこの世界の食べ物、更にはお菓子が大好きでした。
36 :
15:2008/08/30(土) 20:07:17.69 ID:EI6UmYT9O
(*‘ω‘ *)「止められない止まらない、だっぽ」
( ><)「かっぱえびせん自重……」
こうして今もちんぽっぽちゃんはかっぱえびせん食べてますし。
居候のくせして生意気な……。
おかげで僕の戸棚も財布もスッカラカンなんです。
( <●><●>)「ええ、すみませんね」
( ><)「そう思うならじゃがりこ食べないで下さい……」
( <●><●>)「食べ出したらキリンが無いという事で」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:09:11.13 ID:iTXk6qgpO
キリンがないwwあったなそんなのwww
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:10:18.34 ID:16XpJ7mJ0
イラッとくるwww
39 :
15:2008/08/30(土) 20:10:24.90 ID:EI6UmYT9O
コピーライターの馬鹿。
何でこんな文章作ったんですか、もう。
とにかく僕は色々と食い荒らされてると思うんです。
( ><)「はあ……」
溜め息をついたところで、どうにもならないんですけど。
一体、僕はどうすれば良いんでしょう。
どうなってしまったんでしょう。
今、もう僕は二人のペースに流されて、それを少しでも楽しいと思ってるんです。
勿論今でも僕は死ぬのは嫌なんです。
だからどちらにも行きません、だけど。
40 :
15:2008/08/30(土) 20:13:12.94 ID:EI6UmYT9O
時々、どっちかに行ってしまえば、楽になれるんじゃないかと。
そう、思うんです。
二人と別れるのも辛いんです。
ああ、僕の、馬鹿、なんです。
(;<●><●>)「……これは……」
(;*‘ω‘ *)「ちょっとそれ取ってみると良いっぽ」
(;<●><●>)「うわ、本当に取れましたよ……壊れて無いですよね? これ」
(;*‘ω‘ *)「多分大丈夫だっぽ……お? その数字のボタンは……」
なんて僕がシリアスな事を考えていても二人はお構いなしに電話で遊んでいます。
なんかもうおかしいんです。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:14:07.03 ID:16XpJ7mJ0
wwww
なんかかわいいなwww
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:14:39.76 ID:iTXk6qgpO
遊ぶなwww
43 :
15:2008/08/30(土) 20:16:11.14 ID:EI6UmYT9O
( ><)「それは電話なんです」
( <●><●>)「でんわとな……?」
(*‘ω‘ *)「不思議な名前っぽ……」
二人はまるで初めての物を見るかの様に……いや、実際初めてなんですが、そんな風に恐る恐る電話に触れていました。
ちょっと触ってはびっくりして、すぐに逃げるんです。
猫みたい、なんです。
(;<●><●>)「うわ鳴った! 怖い!」
(;*‘ω‘ *)「これは怒ってるんだっぽ! そうに違いないっぽ!」
( ><)「はいはい、電話は怒らないんですよ」
44 :
15:2008/08/30(土) 20:19:19.62 ID:EI6UmYT9O
僕が受話器を取ると、宅急便屋さんの声が聞こえました。
( ><)「あ、はいなんです、分かったんです」
(;<●><●>)「ビロード? 一体何と会話してるんですか?」
(;*‘ω‘ *)「……何かそれから変な音が聞こえるっぽ……」
( ><)「じゃあまた後でなんです」
ピ、と電話を切って二人を見れば、顔を真っ青にしていました。
毒電波やら何やらと、小声でぼそぼそと呟いています。
物騒なんです。
45 :
15:2008/08/30(土) 20:22:29.23 ID:EI6UmYT9O
( ><)「ええと……電話は人と話す為の機械なんです」
(;<●><●>)「なん……だと……」
(*‘ω‘ *)「馬鹿な……そんなちっぽけな機械がだっぽよ……?」
(;<●><●>)「しかもこの数列は……」
( ><)「電話番号なんです」
それから約十分に渡る初心者の為の電話講習会が始まりました。
そして、それが終わる頃には、二人共ぽかんとしてました。
心ここにあらず。
(;<●><●>)「こんなもので……」
(;><)「あ、ちょ! 受話器がちゃがちゃしないで下さいなんです!」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:22:56.97 ID:iTXk6qgpO
支援
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:23:12.77 ID:16XpJ7mJ0
講習会www
48 :
15:2008/08/30(土) 20:25:13.02 ID:EI6UmYT9O
受話器を取っては戻し、取っては戻し、錯乱状態に陥ったワカッテマスくんはただひたすらそれを続けていました。
ちょ、本当に止めて下さい。
壊れちゃうんです!
( <●><●>)「と、とりあえず落ち着いたと思います」
(*‘ω‘ *)「私も……落ち着いてるはずっぽ……」
( ><)「良かったんです……」
( <●><●>)「そういえば今の電話は?」
( ><)「宅急便なんです」
( <●><●>)「たっきゅうびん……?」
また説明しなきゃいけないんですね、分かります。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:27:09.69 ID:iTXk6qgpO
何してんだwww
50 :
15:2008/08/30(土) 20:28:23.49 ID:EI6UmYT9O
( <●><●>)「ビロード、一つお願いがあるのですが」
そんなある日。
柄にも無くワカッテマスくんは真面目な顔をしていました。
なんでしょうか。
( <●><●>)「がっこーに行ってみたいんです」
( ><)「学校……何でまた急に?」
( <●><●>)「ある本で読んだのですが、どうやらがっこーは青春云々だそうで」
( ><)「それはリア充の特権なんです……皆そうとは限らないんです」
( <●><●>)「り、りあみつる……?」
( ><)「人生をエンジョイサマーバケーションしてる人ですよ」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:30:26.07 ID:9qjm66FXO
りあみつるwww
52 :
15:2008/08/30(土) 20:31:07.12 ID:EI6UmYT9O
二人は本当にこの世界について知らない事が多く、最近は説明が面倒なんです。
だから時々こうして冗談半分でふざけた事を教えたりしてます。
案外楽しいんです。
( ><)「まあ良いんです、じゃあ今日学校に行きますか?」
( <●><●>)+「本当ですか?」
僕がそう言うと、濁った瞳を輝かせて、ワカッテマスくんは言いました。
‐‐‐
( <●><●>)「ここが……がっこー……」
行き着いた先は僕の通う学校でした。
ワカッテマスくんは予想していたものと違うというような顔をしていました。
すると、後ろから足音が聞こえました。
53 :
15:2008/08/30(土) 20:34:08.07 ID:EI6UmYT9O
( ^Д^)「あれ、ビロードじゃね?」
<ヽ`∀´>「お、ひきこもりがいるニダ、まだ学校は始まって無いのにw」
( ><)「……」
何となく、予想はしてたんです。
ジャージ姿の二人を見れば、部活中だと分かりますし。
そしてきっと二人からも、ワカッテマスくんは見えないでしょう。
( <●><●>)「ビロード、ひきこもりって……それは……」
( ><)「そうなんです」
( <●><●>)「いえ、どんな意味かと」
ワカッテマスくんのせいで空気ぶち壊しです、まあその方が良いんですけど。
54 :
15:2008/08/30(土) 20:37:07.78 ID:EI6UmYT9O
( ^Д^)「ちょwwwこいつ何か独り言言ってんぞwww」
<ヽ`∀´>「寂しい奴ニダwww」
( <●><●>)「なんですかこいつら……」
ワカッテマスくんは少し顔を歪めて言いました。
聞いて分かる通り、僕はいじめられっ子のひきこもりで。
今は少しでも早く、この場を去りたいという気持ちになりました。
( ><)「行きましょう、もう学校は見れたんですし」
( <●><●>)「……でも」
( ><)「良いんです、僕は」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:37:51.92 ID:iTXk6qgpO
ビロード……
56 :
15:2008/08/30(土) 20:40:04.33 ID:EI6UmYT9O
二人からは僕が独り言を言ってるようにしか見えないでしょう。
当たり前なんです。
僕はおかしな奴なんです。
ワカッテマスくんもそれを察して、僕に黙って着いて来ました。
後ろから二人が笑っていて、今にも走り出したくなるような衝動を抑えて。
僕はその場を後にしました。
( <●><●>)「……あの」
途中で足を止めずに彼は言いました。
後悔があるような言い方なんです。
僕は黙って聞きました。
( <●><●>)「さっきはすみませんでした……見ていられなくて、でも」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:42:35.22 ID:pdg3yhSS0
(´;ω;`)ウッ…
58 :
15:2008/08/30(土) 20:43:35.69 ID:EI6UmYT9O
( <●><●>)「やっぱり、ビロードは……それでも生きたいと思いますか?」
( ><)「……大袈裟なんです、君は」
そこで僕らは初めて足を止めました。
近くの屋根があるベンチに座って、夏の日差しに当たらないようにします。
僕はまた話を続けます。
( ><)「ちょっと苛められただけで、死のうとか生きようとか思わないんです」
( <●><●>)「……辛くないのですか」
( ><)「分かんないんです」
じいじいみんみんと蝉の鳴く中で。
僕は呟きました。
声は蝉の鳴き声に吸い込まれます。
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:44:54.27 ID:mGmuye2H0
支援
60 :
15:2008/08/30(土) 20:46:33.70 ID:EI6UmYT9O
( ><)「どうしてこうなったのかも、自分がどうしたいのかも、何が最上なのかも、何もかも分かんないんです」
( <●><●>)「……」
( ><)「ただ僕は胸を張って生きたり……思い切って死んだり出来ないだけでもあるんです、だからひきこもりになって逃げてるんです」
僕が話している間、ワカッテマスくんは何一つ喋ろうとせず、黙ってただ聞いているだけでした。
それは僕にとっては楽であり、同時に、嫌われたのではという心配が混ざり合うようなもので。
僕が話し終わっても、しばらくの無言が続いて。
( <●><●>)「さ、帰りましょうか」
次にはその一言しか言いませんでした。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:48:25.39 ID:iTXk6qgpO
支援!
62 :
15:2008/08/30(土) 20:49:37.20 ID:EI6UmYT9O
ああ、見捨てられたんだな、と。
僕はどこかで思いました。
また同時に、そうであってほしくない、そうも思いました。
( <●><●>)「ビロード、私は一つ、嘘を吐きました」
( ><)「え?」
( <●><●>)「私が貴方の所に来たのは、本当は全て知っていて、それで貴方を楽にしたかったからです」
( ><)「……そうなんですか」
( <●><●>)「まあ気に入ったというのもありますし、こうして貴方の気持ちを聞いたところで諦める気なんて全くありません」
( ><)「……それは……」
63 :
15:2008/08/30(土) 20:52:12.14 ID:EI6UmYT9O
( <●><●>)「そうです、貴方がどうあろうと、私はそれを踏まえて貴方の所に来たんです」
( ><)「ありがとう、なんです……」
( <●><●>)「それに彼女も、そんな事で貴方を嫌いになんてなりませんよ」
( ><)「そうですか……」
歩きながらお互い顔を見ずに話します。
蝉はまだうるさいんです。
そこで僕はでも、と言って続けました。
( ><)「天国に行く気は無いんです」
( <●><●>)「チッ」
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:54:19.83 ID:16XpJ7mJ0
舌打ちwwww
65 :
15:2008/08/30(土) 20:55:07.67 ID:EI6UmYT9O
( ><)「ただいまなんです」
(*‘ω‘ *)「おかえりっぽ……」
( <●><●>)「どうしました?」
いつもとは全く違い元気の無い彼女に、ワカッテマスくんは声を掛けました。
(*‘ω‘ *)「……お前も私も、帰って来いって言われたっぽ」
はあ、と溜め息をついて彼女は席に着くと机に突っ伏しました。
一方のワカッテマスくんは、ただ立ち尽くしていました。
僕は何も言えません。
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 20:57:55.20 ID:16XpJ7mJ0
支援
67 :
15:2008/08/30(土) 20:58:19.43 ID:EI6UmYT9O
(*‘ω‘ *)「……ビロード、私達はこれから帰らなきゃいけないっぽ、それは私達がしてはならない事をしたからだっぽ」
( ><)「それって……」
してはならない事、なんて。
僕が思い当たる事で、アレ以外に何があるんですか?
彼女は覚悟を決めたかの様に言います。
(*‘ω‘ *)「ここに来た事だっぽ」
予想通りの返事に僕はうなだれました。
だって二人共、僕を理由にここへ来て、僕に希望を与えてくれて。
これからも、どちらへ行く事もなく一緒に居られると。
けれどそう思ったのは間違いだったと、そういう事なんでしょう?
68 :
15:2008/08/30(土) 21:01:07.75 ID:EI6UmYT9O
最初は嫌で仕方無くて、一々二人の喧嘩の仲裁をさせられたりしてうんざりしていた僕ですけど。
本当の僕を知りながらも、それでいても一緒に居てくれる二人は、今や僕にとって何にも変えられない存在でした。
なのに、それは罪で、許されないなんて……そんな、中途半端な。
そんな中途半端なものなら、最初から、要らなかったんです。
(*‘ω‘ *)「これから帰ったら私達は……どうなるか……」
( ><)「帰れば良いんです」
( <●><●>)「ビロード?」
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:01:52.27 ID:16XpJ7mJ0
支援
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:03:50.15 ID:iTXk6qgpO
支援
71 :
15:2008/08/30(土) 21:04:15.78 ID:EI6UmYT9O
(♯><)「帰れば良いんですって言ったんです! 期待させて、希望まで持たせて……それなのに! 勝手に帰るなんて!」
ああ、分かってるんです。
そんなの自分勝手なんだって。
でも止まらないんです、そうでもしないと嫌で嫌で仕方無いんです。
(*‘ω‘ *)「……」
(♯><)「結局は皆消えちゃうんです! どっかに行っちゃうんです! もうそんなんなら、どこへでも行けば良いんですっ!」
( <●><●>)「……分かりました」
(;*‘ω‘ *)「ワカッテマス!?」
72 :
15:2008/08/30(土) 21:07:25.04 ID:EI6UmYT9O
( <●><●>)「ちんぽっぽ、貴女も帰るのです」
(;*‘ω‘ *)「いやだってそれじゃあ……ビロードが……」
( <●><●>)「ビロードはもうそれを望まない、でしょう?」
(♯><)「そうなんです……」
ワカッテマスくんは、半強制的に彼女を連れて帰りました。
さようならの一言も無しに。
また一人なんです。
言ってから後悔しても遅いんです。
もう二人はここに、いや既に地球上には居ないんです。
いや、僕が言わなくても二人はどこかへ帰ってしまってたでしょう。
もうどうにもならないんです……。
73 :
15:2008/08/30(土) 21:10:11.99 ID:EI6UmYT9O
あれから時が経つのは早く、あっという間に新学期になりました。
僕は一応行くつもりですが、どうしても頭から二人の事が離れません。
忘れたい事程忘れられないんです。
そんな時、玄関からチャイムの音が聞こえました。
誰でしょう、こんな朝から。
( <●><●>)「……全く、飽きれちゃいますよねえ……」
(*‘ω‘ *)「全くだっぽ、罰がまさか」
(;><)「に、人間になってる……?」
そうなんです、人間なんです。
ドアを開けた先には、僕の学校の制服と同じものを着た二人がいたんです。
けれど前と違うのはそれが人間になっていたという事で。
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:11:08.52 ID:pdg3yhSS0
支援支援
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:11:31.13 ID:iTXk6qgpO
支援
76 :
15:2008/08/30(土) 21:13:47.07 ID:EI6UmYT9O
(;><)「え、えぇ……?」
僕は今何が起きてるのか分かりませんでした。
だって急に二人が人間になって、それで何故か僕の所へ来て。
ああもう訳分かんないんです!
( <●><●>)「ほら、早く鞄持って下さい……遅刻しますよ」
(;><)「えぇ!? ちょっと今そんな事言ってる場合じゃ……!」
(#*‘ω‘ *)「転校初日から遅刻なんかしたくないっぽ!」
( <●><●>)「結果的にビロードを連れて帰れませんでしたが、こうする事が一番良かったのはワカッテマス、ほら走りますよ」
77 :
15:2008/08/30(土) 21:16:04.49 ID:EI6UmYT9O
すっかり人間らしくなった二人と、僕は一緒に走っていました。
これからする事は沢山あるんです。
謝ったり詳しい話を聞いたり。
でも、細かい事はずっと後。
僕はまた二人と一緒に居られるのかと思うと、自然と笑みが零れました。
僕と天使と悪魔のようです 終わり
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:17:29.14 ID:yAfX3TJU0
乙!
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:17:53.29 ID:pdg3yhSS0
よかった
乙
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:18:16.23 ID:8tk3SWjr0
乙
楽しかった
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:18:29.05 ID:iTXk6qgpO
乙乙!!
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:19:17.25 ID:EI6UmYT9O
あとがき
ギリギリで書いたのでちょっと後半酷い事になりましたが、とりあえず終わりです。
素敵な絵で書けて本当に良かったです。
支援ありがとうございました、ちょっと休憩します。
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:19:18.54 ID:LSiL0TnjO
乙
良かった
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:19:34.25 ID:kqDZAHfrO
乙
大好きだ
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:29:31.13 ID:EI6UmYT9O
次投下します
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:29:35.98 ID:61ryB9rz0
乙かれ! この三人は可愛いよ
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:30:52.05 ID:iTXk6qgpO
wktk
88 :
29:2008/08/30(土) 21:33:05.01 ID:EI6UmYT9O
はあ、と大きく溜め息を吐いた。
それは、深呼吸にも似ていた。
――(゚、゚トソンは壁を取り払うようです
な、二本立てだと・・・
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:36:17.62 ID:TrKBoo1W0
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:36:35.58 ID:iTXk6qgpO
三本立てだ
92 :
29:2008/08/30(土) 21:37:05.04 ID:EI6UmYT9O
いつ頃からだったろうか。
一人になってしまったのは。
昔から私、トソンは引っ越しを繰り返し学校で長い付き合いの友達を作れた試しが無かった。
少し仲良くなっても、すぐに引っ越し、また引っ越しと回数を重ねる内に、どこかで感覚麻痺を起こしていたんだと思う。
だから私は、いつも学校では一人でいる様になり、ろくに友達を作らなかった。
それが簡単に出来たのは小学生まで。
中学生からは、それが次第に言葉になり形にもなる。
女子特有の陰険さが、それを引き立てる原因だった。
93 :
29:2008/08/30(土) 21:40:03.76 ID:EI6UmYT9O
体育の授業では二人組を作れず、いや、それは体育に限った事じゃない、全ての授業に関わっていた。
わざわざ私を一人にする為に二人組では無く三人組になったり、あからさまな事をしてくるのだ。
その度に私は諦めて何もしなかった。
その時はまだ、我慢すれば何とかなると思っていた。
悪いのは私だ、一人になったのは私から決めた事だ。
そう言い聞かせて、耐えていた。
しかし、女子はそれだけで飽きてくれはしなかった。
甘く見ていた。
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:40:36.95 ID:iTXk6qgpO
支援支援!
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:41:03.59 ID:61ryB9rz0
支援
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:41:35.37 ID:ZA2C52z60
支援
支援支援
98 :
29:2008/08/30(土) 21:43:13.87 ID:EI6UmYT9O
机が派手にメイクアップされたと思えば生ゴミで中が埋まってたり。
ロッカーその他も同じ様な事がなされ、教科書類に至ってはトイレにあった。
加速していく女子、見て見ぬフりをする男子と教師。
そこでまた私は感覚麻痺に陥った。
見て見ぬフりをするくらいなら、彼らも私を苛めてくれれば良いのに、と。
言っておくが、私はマゾヒストやらの類では無い。
だってそうじゃなきゃ、助けを求めたくなってしまうから。
母親も母親だった。
離婚してからは下らない男と付き合っては別れての繰り返し。
私が相談しても、悪いのは貴方と言って終わらせる。
99 :
29:2008/08/30(土) 21:46:35.92 ID:EI6UmYT9O
それでもまだ我慢出来た。
友達がいたから。
それは猫だった。
黒くてまだ少し小さい猫、その時の支えと言えばそれだった。
どんな話でも聞いてくれた。
黙って慰めてくれた。
それが本当に、唯一の救いだった。
下らないと言われても気にしなかった。
可哀相と言われたなら無視した。
だってそんな事を言おうが、私の中ではそいつは猫よりも無力なのだから。
けれど、猫はいつしか私の前から姿を消して、次の日には無残な形で帰ってきた。
その時の私と言ったら、もう。
誰がやったかは定かでは無かった。
近所の不良や子供かもしれなかった。
けれどそれは、私にとってとても傷付く出来事だった。
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:47:31.07 ID:iTXk6qgpO
支援
101 :
29:2008/08/30(土) 21:49:11.18 ID:EI6UmYT9O
それから一週間はほとんど無意識の内に何かをしている事が多かった。
幸い問題を起こしてはいなかった。
そしてその方が楽だった。
けれどそれはまた、私の精神がいかに簡単に崩れるかをも表していた。
それはちょうど猫が死んでから一週間、本を読んでいた時だった。
私の隣の男子がぽつりと聞いてきた。
( ><)「寂しく、無いんですか?」
その一言で私は崩れた。
いや、正確にはその一言が引き金になっただけで。
><と><;は別物ってことでいいんだろうか
それとも繋がっているんだろうか
103 :
29:2008/08/30(土) 21:52:33.25 ID:EI6UmYT9O
( 、 トソン「……ゲームです」
( ><)「え?」
( 、 トソン「ゲームの勇者は勇者を止められない、私も苛められっ子を止められない、ゲームなんですよ」
( ><)「あの……」
ガン、と音を立てて私は立ち上がった。
その時数人の視線が私に動いたのを鮮明に覚えている。
(゚、゚#トソン「楽しいと思う? 面白いと思う!? 逃げ出せないんですよどうやっても!」
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:53:40.48 ID:iTXk6qgpO
支援
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:54:29.83 ID:16XpJ7mJ0
支援
106 :
29:2008/08/30(土) 21:55:31.21 ID:EI6UmYT9O
その日はすぐに帰った。
周りの視線なんか気にならなかった。
それからと言うもの、私は家に籠った。
私が学校に行くフりをして、母親が仕事へと家から出るのを待つ。
それから家へと帰って引きこもる。
学校からの連絡は来ない。
ちゃんと分かっているからだ。
せめてもの償いのつもりかもしれない。
それから約二週間、それが今だった。
最近は幻覚が見える。
黒猫の幻覚。
いつも私の足に擦り寄る、あの昔のままの黒猫。
にゃあ、と一鳴き。
そうして消える。
何故現れるのか、それは分からない。
107 :
29:2008/08/30(土) 21:58:18.99 ID:EI6UmYT9O
(゚、゚トソン「……はあ」
考えてると気持ち悪くなる、心臓がばくばくする。
身体に悪い、だから深呼吸を一つ。
薄暗い部屋の中で何もしないのも嫌だ。
とりあえずパソコンでも起動させよう。
そう思って立ち上がった時に。
「にゃあ」
(゚、゚トソン「あ」
黒猫が来た。
やっぱり足に擦り寄ってくる。
感覚は無い。
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 21:58:24.24 ID:61ryB9rz0
支援
109 :
29:2008/08/30(土) 22:34:06.13 ID:EI6UmYT9O
ただ今日はいつもと違った。
私の足ではなく、何も無い空間に擦り寄り出した。
何も無い……まるで見えない壁に。
(゚、゚トソン「……ああ」
なるほど、そういう事だったのか。
何もかも、私が壁を作ってしまったから……そういう事か。
答えは本当に簡単だった。
一歩踏み出せば良かっただけ。
けれど私はそれをしなかった。
答えは見付かった。
どうすれば良いかも分かった。
あとは私が、勇気を出すか出さないか、それだけだった。
――(゚、゚トソンは壁を取り払うようです
終わり
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 22:36:02.51 ID:iTXk6qgpO
支援
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 22:37:00.86 ID:iTXk6qgpO
お、花園解除ktkr
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 22:38:59.34 ID:61ryB9rz0
やっと直った支援
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 22:38:59.34 ID:EI6UmYT9O
あとがき
よく考えてみれば全部投下してからにすれば良かったです。
>>102 あ、今気付いた、そこらへんはどちらでも構いません。
じゃあ次行きます。
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 22:40:27.51 ID:iTXk6qgpO
乙!wktk!
115 :
70:2008/08/30(土) 22:42:06.78 ID:EI6UmYT9O
子供って素直で可愛くて、元気で。
そんな子供に囲まれて暮らしたいなあ。
( 。><)「うわあああん!」
(#*‘ω‘ *)「むかぽっぽ!」
(;・∀・)「あ、ちょ、ぽっぽちゃん、ビロード君いじめちゃ駄目でしょ!」
( <●><●>)「……」
……そう思っていた時期が、俺にもありました。
(; ∀ )(誰か助けて――――!!)
――( ・∀・)は一日お父さんのようです
116 :
70:2008/08/30(土) 22:46:01.88 ID:EI6UmYT9O
(*‘ω‘ *)「ぽっ!」
(; ∀ )「ぎゃっ!」
そう言ってぽっぽちゃんが飛び上がると俺の首に巻き付いた。
ぐふう、首が締まる……。
( <●><●>)「気に入られたみたいですね……良かったです」
(; ∀ )「冷静になってないで助けて!」
結構切実に思ってる。
そもそも何で、こんな事になってるの?
俺は飛びそうな意識の中で、これに至るまでの出来事を思い出していた。
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 22:47:23.03 ID:iTXk6qgpO
支援
118 :
70:2008/08/30(土) 22:49:10.43 ID:EI6UmYT9O
事の始まりはそう、兄さんからの一本の電話だった。
『明日一日、僕の子供を預かって欲しいモナ』
事情を聞けば、子供が生まれてから五年間、二人で出掛ける事も少なくなり、たまには旅行に行こうではないかという話になったらしい。
その際、子供は両親に預けるはずだったが、急に予定が出来てしまったそうだ。
その結果、急な話だが、俺に預ける事に決めたとか。
最初は確かに急だからなあ、とは思ったものの、俺以外はもっと頼みづらいだろうと思い承諾した。
それに、日曜日を子供と過ごすなんて、お父さんみたいだし。
そんな軽い気持ちだった。
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 22:51:02.41 ID:61ryB9rz0
支援
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 22:51:08.86 ID:16XpJ7mJ0
支援
121 :
70:2008/08/30(土) 22:52:04.00 ID:EI6UmYT9O
そして次の日、つまり今日。
日帰り旅行なので出発の時間も早く、朝六時頃に家のチャイムは鳴った。
(;・∀・)「はーい、いらっしゃああぁ!?」
(;´∀`)「な、何があったモナ!?」
(;・∀・)「み、三つ子だと――――!?」
目の前には同年代であろう三人の子供。
そう、俺は勘違いしていたのだ。
てっきり、子供は一人だけだと、そんな勘違いを。
(;´∀`)「お前は本っ当に昔から話を聞かない奴モナ……。
昔、三つ子を産んだって、ちゃんと言ったモナよ?」
(;・∀・)「うう、嘘だ!」
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 22:52:38.27 ID:iTXk6qgpO
支援
123 :
70:2008/08/30(土) 22:56:06.25 ID:EI6UmYT9O
( ´∀`)「まあその時のお前は酔っていたモナ」
(;・∀・)「駄目じゃん!」
そんなの覚えてる訳が無い。
むしろ覚えてる方が凄い。
(;><)「お父さん……?」
( ´∀`)「あーモナモナ、大丈夫モナよーお兄ちゃんが居るから」
先程から、兄さんの服の裾を掴んでいた男の子が不安そうに尋ねた。
そんな男の子の頭を撫でながら、言葉を発する兄さんはまさにお父さん。
そんな兄を見て、俺は何を思ったのか、
( ・∀・)+ 「今日一日は俺に任せて良いんだからな!」
そう言ってしまった。
数時間前の俺はどうかしていたと思う。
125 :
70:2008/08/30(土) 22:59:33.24 ID:EI6UmYT9O
そうして今、俺は疲れなど通り越して、死にそうだった。
(; ∀ )「あ、が……」
( <●><●>)「そろそろ離れないと本気でまずいですよ」
(*‘ω‘ *)「ぽ」
(;・∀・)「……っはあ!」
すーはーと深呼吸を繰り返すと、やっと意識がしっかりとしたものになった。
ていうかたった一言で離れてくれるなら最初から巻き付かないで……。
とりあえず、あれから数時間経ち、俺はくたくただった。
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 22:59:57.01 ID:iTXk6qgpO
支援
127 :
70:2008/08/30(土) 23:03:39.18 ID:EI6UmYT9O
何が疲れるかって。
(#*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ!」
( 。><)「ごめんなさいなんですー!」
(;・∀・)(また始まった――!!)
この喧嘩が主な原因。
事あるごとに喧嘩というよりも一方的な苛めが勃発する。
(;・∀・)「ゆ、許してあげなよ……」
(#*‘ω‘ *)「ぽっぽ」
(;><)「あうぅ……」
128 :
70:2008/08/30(土) 23:06:13.76 ID:EI6UmYT9O
( 。><)「うわあああん!」
(;・∀・)「泣かないでー!」
この子は長男、ビロード君。
主に被害者。
(#*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ!」
(;・∀・)「もう止めてあげて……」
この子は長女、ちんぽっぽちゃん。
主に加害者。
( <●><●>)「仕方無いですね……」
(; ∀ )「見て無いで止めて……」
そして、次男のワカッテマス君。
主に傍観者。
129 :
70:2008/08/30(土) 23:09:14.03 ID:EI6UmYT9O
この見事なまでに奇妙な三角関係が出来上がりだ。
もうこれ何回目だろう……。
俺の子供への理想像は会ってからものの五分間で、完全に崩壊していた。
( <●><●>)「ビロード」
( ぅ<)「うぅ……?」
( <●><●>)「貴方は……
いつもちーちゃんを怒らせています、蜜柑を潰したり玩具を壊したり、更にはこの年でおねしょしたり迷子になったり周りに迷惑を掛けてばかりで馬鹿で周りから将来を心配されてますが、
一番優しい子です」
( ><)「う、う……
うわあああああん!」
(;*‘ω‘ *)「ぽ……っぽ……」
訂正、次男、ワカッテマス君。
傍観者、後、加害者。
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:10:25.57 ID:iTXk6qgpO
wwwwwww
131 :
70:2008/08/30(土) 23:12:18.66 ID:EI6UmYT9O
(;・∀・)(あばばばばどうしよう……)
ぽっぽちゃんは完全に引いてるからこれ以上怒る事は無いとして。
ビロード君、彼をどうしようか……。
( <●><●>)「あと気が弱いところとかを言い忘れていましたねー」
( ∀ )「もう良いよ……こっちまで心が折れそうだ……」
どこまで言えば気が済むんだろう……。
(;・∀・)「ほら、ビロード君もさ、もう昼だし……お昼ご飯食べようよ! 何が良い?」
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:14:57.18 ID:61ryB9rz0
支援
133 :
70:2008/08/30(土) 23:15:22.25 ID:EI6UmYT9O
( ><)
(*><)「ハンバーグが良いんです!」
まるで雨から急に晴れたかの様に。
泣いていたのが嘘と思えるくらいの笑顔だった。
これだよこれ、俺の子供の理想像。
( ・∀・)+ 「頑張って作るんだからな!」
(*><)「やったーなんです!」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ!」
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:18:10.12 ID:16XpJ7mJ0
かわいいよう
支援
135 :
70:2008/08/30(土) 23:18:35.24 ID:EI6UmYT9O
( ・∀・)+ 「出来たんだからな!」
(*><)「いただきますなんです!」
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ!」
( <●><●>)「いただきます」
自慢じゃないが、俺は料理が得意だ。
このハンバーグだって、俺が腕によりをかけてハンバーグ。
きっと上手く出来たに違いない……。
(*><)「おいしいんです!」
(*・∀・)「お、本当!? じゃあ俺も……」
136 :
70:2008/08/30(土) 23:21:10.76 ID:EI6UmYT9O
いただきます、と言おうとした時。
家のチャイムが鳴った。
面倒臭いけど、仕方無い。
(♯・∀・)(ったく誰だよー)
( ・∀・)「はーいどちらさまー?」
('、`*川「やっほー! 元気?」
( ・∀・)「……何だアンタか」
('、`;川「あ、ちょ、ドア閉めないで!」
俺はさも当たり前の様にドアを閉めた。
思いっ切り抗議がくる。
当たり前だよね。
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:22:12.60 ID:iTXk6qgpO
テラほのぼの支援!
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:24:41.60 ID:61ryB9rz0
ハンバーグ支援
139 :
70:2008/08/30(土) 23:24:37.95 ID:EI6UmYT9O
( ・∀・)「はいはい、本当は入れたいけど今日は子供が来てて……」
('、`*川「子供!? うっそー! お邪魔しまーす!」
(♯・∀・)「話を最後まで聞け――――!!」
彼女は伊藤さん、俺の友達。
そんな彼女は靴を適当に脱ぐとさっさと家の中に入ってしまった。
靴くらい揃えてよ……。
( ・∀・)「ねー伊藤さん靴くらい揃えてよー、毎回家来ると揃えないでしょー」
('、`*川「あ、いただいてまーす」
( ・∀・)
( ∀ )- ・ ・
140 :
70:2008/08/30(土) 23:27:27.52 ID:EI6UmYT9O
俺が靴を揃えてから部屋に戻ると、子供達と食卓を囲む伊藤さんが居た。
ハンバーグをむしゃむしゃと食べながら……食べながら……。
(;・∀・)「何で食ってんの!?」
('、`*川「だって美味しそうだったから、ついつい手が……」
全く悪いと思って無いな、うん。
それに俺が、叫ぼうが何しようが、もうハンバーグは帰って来ないんだ。
俺はそう悟った。
(♯;∀;)「うわあああん伊藤さんの意地悪――――!!」
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:28:22.08 ID:iTXk6qgpO
ペニひでぇwww
142 :
70:2008/08/30(土) 23:30:44.28 ID:EI6UmYT9O
('、`;川「普通そこまで言う!? ってか何で泣いてるの!?」
(;><)「泣かないでなんですー!」
これには流石の伊藤さんも大慌て。
他にもビロード君を始めとした三人が、俺を見て慌てていた。
そんな感じで四人に慰められ、すっかり落ち着いた時の俺はと言うと。
( ぅ∀・)(何で俺泣いてたんだろう……)
正直に言おう。
凄く恥ずかしくなった、うん。
自分でも何で泣いたのか分からないし。
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:36:55.53 ID:16XpJ7mJ0
全員かわいいwww
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:40:10.27 ID:61ryB9rz0
不覚にもモララーがかわいい・・
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:46:46.78 ID:oVW/Rscn0
支援
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 23:56:43.65 ID:iTXk6qgpO
猿……か?
147 :
70:2008/08/31(日) 00:00:43.59 ID:nSja9MSZO
('、`*川「まさか本気で泣くとはねー」
( ぅ∀・)「もうやだこの人」
三人を昼寝と称して寝かしつけた後に、俺は残り物ハンバーグを食べながら伊藤さんと話していた。
( ・∀・)「それにしても、兄さんは本当よくこんな事が出来るよ」
俺はちらりと三人を見てそう呟いた。
まだ三人が家に来て数時間、それだけで俺はとても疲れていた。
あの兄さんは毎日そんな事をしているのかと思うとぞっとする。
148 :
70:2008/08/31(日) 00:05:03.71 ID:nSja9MSZO
('、`*川「まあすぐに分かるわよ、親は皆子供の笑顔見てりゃあ疲れなんて吹っ飛んじゃうのよ」
( ・∀・)「ふーん……そんなもんなのかねー……」
信じがたいと思いながらも、思い当たる点があった俺には何とも言えなかった。
ハンバーグおいしいなあ。
( ><)「公園行きたいんです!」
起きてからすぐに、ビロード君はそう言った。
他の二人も構わないと言うし、わざわざ断る必要も無い。
そんな訳で、俺達五人は近所の公園へと足を踏み入れた。
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 00:06:36.69 ID:0f60XB1IO
支援!
150 :
70:2008/08/31(日) 00:09:03.22 ID:nSja9MSZO
(*><)「ブランコなんです!」
公園に着くとビロード君は、ブランコの方へと真っ先に向かって行った。
( <●><●>)「普段公園が近くにないからはしゃぐのはワカッテマス」
(;・∀・)「そ、そうなんだ……」
(*><)「押して下さいなんです!」
ブランコに乗って、まだ足が地面に付かないので足をじたばたさせながらビロード君は言った。
( ・∀・)「はいはーい」
(*><)「わーいなんです!」
151 :
70:2008/08/31(日) 00:13:05.61 ID:nSja9MSZO
とん、と背中を押すと、ブランコは勢いよく動き出す。
(*><)「もっともっとなんですー!」
(*・∀・)「よーしお父さん頑張っちゃうぞー!」
('、`*川「この後の展開が読めるわ……」
それからは伊藤さんの言う通りだった。
俺はブランコだけでなく、鬼ごっこやら隠れんぼを数時間続けた。
そうして夕方になる頃、俺はもう疲れの境地にいた。
(ヽ ∀ )「……」
('、`*川「これは重傷ね」
(*><)「楽しかったんです!」
152 :
70:2008/08/31(日) 00:16:16.89 ID:nSja9MSZO
子供を間に挟んで歩く。
昔はそんな理想があった俺、なのに今はそれが叶ったというのに嬉しくない。
伊藤さんのせいでもあるが、やはり一番来てるのは疲れ。
(*><)「〜♪」
( <●><●>)「ご機嫌ですね」
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ!」
('、`*川「……帰ったらまた何かして遊びましょうね〜」
( ><)「はいなんです!」
伊藤さんもまだ家に居る気満々だし。
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 00:17:10.75 ID:0f60XB1IO
支援
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 00:17:40.17 ID:FwHqeWIy0
支援
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 00:20:06.29 ID:mQ3srI/F0
支援
156 :
70:2008/08/31(日) 00:21:03.09 ID:nSja9MSZO
結局その日の夕食は俺の残りの力を出し切った普通のご飯とふりかけと味噌汁。
:(ヽ・∀・):「伊藤さん……後は頼んだ……よ……」
('、`*川「はいはーい」
普段ほとんど身体を動かさなかったせいなのか、歩くのでさえ怠かった。
時計は既に八時。
迎えが来るのは九時。
( ・∀・)(何か微妙だなー)
ようやく終わると思ったのに、どこかで寂しい気もする。
お手玉で遊ぶ伊藤さん達を見てると余計そう思った。
そんな矢先。
157 :
70:2008/08/31(日) 00:24:52.30 ID:nSja9MSZO
ピンポーン、と音が鳴った。
(*><)「お父さんなんです!」
( <●><●>)「早いですね」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽっ!」
三人共俺より早くドアへ駆け寄る。
やっぱり、本当のお父さんの方が良いんだよな。
……当たり前か。
( ´∀`)「ただいまモナ、モララー、これお土産モナ」
( ・∀・)「おうお帰りー、あ、お土産ありがとー美味そう」
( ´∀`)「礼を言うのはこっちモナ、今日はありがとうモナ……ほら」
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 00:26:00.56 ID:0f60XB1IO
支援支援!
159 :
70:2008/08/31(日) 00:28:13.04 ID:nSja9MSZO
兄さんがそう言うと、子供達はこっちを見る。
もうすっかり兄さんに抱き付いて。
(*><)「今日は楽しかったんです!」
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ!」
( <●><●>)「ありがとうございました」
( ・∀・)「……ああ、うん、どう致しまして」
( ><)「……あのう」
( ・∀・)「ん?」
( ><)「また来ても良いんですか?」
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 00:31:05.52 ID:I0GSrpzd0
支援! 支援!
161 :
70:2008/08/31(日) 00:32:32.07 ID:nSja9MSZO
俺は驚いた。
だって、そんな事を言われるとは夢にも思って無かったから。
俺は笑顔で答えた。
( ・∀・)「ああ、勿論だよ」
(*><)「……じゃあまた来るんです! さようならなんです!」
( ´∀`)「モララー」
( ・∀・)「?」
( ´∀`)「またよろしく頼むモナ」
(*・∀・)「……お、おう」
そうして兄一家は帰って行った。
162 :
70:2008/08/31(日) 00:35:58.46 ID:nSja9MSZO
( ・∀・)「何で兄さんがやってられるのか、分かった気がする」
('、`*川「へえ」
( -∀-)+ 「子供もやっぱり、悪くないなあ」
('、`*川「……」
(;・∀・)「な、何だよ」
('、`*川「欲しいの?」
(;・∀・)「べ、別に欲しくなんか無いんだからな!」
今までの疲れも全て、その笑顔一つだけで吹き飛ぶ。
親バカってこういう事なのかねー……。
今はこれでも結構感動してる訳だけど、隣の伊藤さんに打ち消されてる気がした。
まあそんなのもアリか。
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 00:40:06.79 ID:Je7pp78C0
支援
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 00:43:38.61 ID:mQ3srI/F0
支援
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 00:51:01.70 ID:vNRyssBm0
さるか…支援
166 :
70:2008/08/31(日) 01:00:06.22 ID:nSja9MSZO
( ><)「懐かしい写真なんです」
( <●><●>)「撮ったのは伊藤のおば……お姉さんでしたっけ」
(;*‘ω‘ *)「今危うく、地雷踏みかけたっぽね……」
( ・∀・)「あ、三人共何見てんの?」
( ><)「昔のアルバムなんです!」
そう言ってビロード君が見せてきたのは一枚の写真だった。
六、七年は前のものだろう。
それは初めて家に三人が来た日の写真、懐かしいなあ。
今では三人共、立派な中学生。
でもあまり変わってないところも、まだ沢山あった。
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 01:02:02.66 ID:mQ3srI/F0
支援
168 :
70:2008/08/31(日) 01:06:02.05 ID:nSja9MSZO
('、`*川「ただいまーって、三人共来てたの? 言ってくれれば何か買って来たのにー……」
( <●><●>)「お邪魔してます」
( ><)「そこまでしてもらうと色々と悪いんです」
(*‘ω‘ *)「そうだっぽ」
そして俺自身最大の変化といえばこれ、結婚した事。
相手は伊藤さんだった。
何でか、と言っても今の俺でさえ、よく分からない。
ただ流れに沿ったらこうなっていた。
子供はまだいない。
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 01:07:07.90 ID:i1f8lDwW0
支援
ID変わったが支援
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 01:10:36.12 ID:0f60XB1IO
支援
172 :
70:2008/08/31(日) 01:10:48.44 ID:nSja9MSZO
(*‘ω‘ *)「残念だっぽ……」
( ><)「何がなんです?」
(*‘ω‘ *)「もし、私が大人になってもモララーさんが結婚してなかったら貰って欲しかったっぽ……」
( <●><●>)「本当、貴女は昔からよく懐いてましたからね」
( ・∀・)「はは、ぽっぽちゃんもまだ若いんだからそんな事気にしなくて良いんだよ」
横でちょっとした殺気を感じた。
だけど無視。
若い子相手に何を本気になってるのか。
('、`*川「大丈夫よぽっぽちゃん、貴女はいずれ美人になるわ」
173 :
70:2008/08/31(日) 01:15:04.27 ID:nSja9MSZO
と思っていたら意外とまともな言葉が。
俺の勘違いか。
( ・∀・)「そうそう、だからそんなに心配('、`*川「だからモララーは渡さないわよ?」
うん、勘違いじゃなかった。
しかもちょっと気まずいぞこれは。
とその時。
( ´∀`)「お邪魔するモナー」
ζ(゚ー゚*ζ「お邪魔しまーす」
( ・∀・)「ああ兄さんいらっしゃーい、デレさんも久しぶり」
( ´∀`)「夕飯をご馳走になれると聞いてやってきました」
( ・∀・)「はいはい、ほら手伝ってー」
('、`*川「むう、仕方無いなー」
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 01:16:14.67 ID:mQ3srI/F0
ほのぼのしすぎて眠くなってきた・・・
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 01:16:53.18 ID:Iyffg2dD0
支援
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 01:18:24.69 ID:0f60XB1IO
なんて平和なんだ……
私怨
178 :
70:2008/08/31(日) 01:19:37.14 ID:nSja9MSZO
その日、俺の家からは笑い声が絶えなかった。
――( ・∀・)は一日お父さんのようです 終わり
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 01:20:35.35 ID:mQ3srI/F0
乙!!
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 01:20:49.06 ID:0f60XB1IO
乙!三作とも面白かった!
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 01:21:51.93 ID:I0GSrpzd0
素敵な話を書いてくれてありがとう!
三作とも楽しませてもらったよ
全力で乙!!!
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 01:23:50.52 ID:qAM+VNcE0
和んだ。乙!
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 01:24:04.29 ID:nSja9MSZO
あとがき
さるさんやら花園で時間食いまくりです、本当すみませんでした。
本当にどの絵も素敵なので書けて良かったです。
支援ありがとうございました。
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 01:25:45.45 ID:E2G10IMq0
面白かった、雰囲気が好きだ
乙!
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 01:26:02.16 ID:uab2UasMO
乙、流石だな 者
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/31(日) 01:28:39.04 ID:DcqzPI5WO
乙!
面白かったよ!
まじ乙