【ラノベ祭り】( ^ω^)ξ ゚听)ξ雨を唄うようです【No.046】
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:26:45.81 ID:TYUqbsZO0
% ト、
':, '「::::\┐___,,.. -‐ ''"´ ̄ ̄`"'' ー 、., /
':, r-‐'へ::::::::!_'´ __,,,,......,,,,,__ `ヽ. / み み
':, >:、:;::::::>''"´ `"'' ヽ. ,' ょ ょ
':,└─ァ''"' / ,'´ ヽ. ':, i. .ん ん
. \ ,' / / ,' ! ; ', ヽ ':, | み
\ / ,' ,'! /! ! ; /! i .!. .!. ょ
∠__,! / !メ、」_,,./| /! / ! ハ! | |. |. ん
`"'' 、..,,_ ! / ,ァ7´, `iヽ| / |ヽ、」ニイ、 | .| |. |. !%
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:27:48.89 ID:DHRrN3CD0
ξ ゚听)ξ「おかーさんおかーさん!」
J( 'ー`)し「なあに?」
ξ ゚听)ξ「雨の日にね、唄ってる子がいるの」
J( 'ー`)し「唄う? 雨の日に?」
ξ ^凵O)ξ「誰か知らないけど、雨の日は唄ってるんだ」
J( 'ー`)し「それは雨の妖精さんかもしれないわね」
ξ ゚听)ξ「妖精さん? へー」
ξ ゚听)ξ「…早く雨にならないかなー」
( ^ω^)ξ ゚听)ξ雨を唄うようです
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:28:17.25 ID:rMB6HfHW0
支援
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:28:47.94 ID:DHRrN3CD0
ある雨の日のこと。
ξ ゚听)ξ「じゃあね、しぃちゃん」
(*゚ー゚)「ツンちゃん、お外は雨降ってる。止んでから帰ったら?」
ξ ゚听)ξ「ううん平気。新しいレインコートと、傘があるの!」
(*゚ー゚)「いいなぁ。しぃも今度買ってもらう!」
ξ ゚听)ξ「じゃあばいばい」
(*゚ー゚)「ばいばーい」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:29:31.15 ID:DHRrN3CD0
ξ ゚听)ξ「雨雨降れ降れ 母さんが〜」
パシャ パシャ パシャ
ξ ゚听)ξ「ニャロメでお迎え嬉しいな〜 …ん?」
パシャ パシャ
ξ ゚听)ξ「ニャロメだっけ?」
「じゃのめでおむかえ嬉しいな〜」
ξ ゚听)ξ「そうだ! ジャノメだわ!」
ξ(゚Δ゚ Ξ ゚听)ξ
ξ ゚听)ξ「誰なの?」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:29:47.11 ID:7LHQlggBO
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:31:33.74 ID:DHRrN3CD0
「あめあめ ふれふれ かあさんが〜 じゃのめで おむかえ うれしいな〜」
ξ ゚听)ξ「ピッチピッチ チャップチャップ」
「らんらんらん♪」
ξ ^凵O)ξ「あはははは!」
その夜。
ξ ゚听)ξ「…早く雨にならないかなー」
J( 'ー`)し「ツン、明日も雨が降りそうだから、しぃちゃんと遊ぶなら雨具を忘れちゃ駄目よ」
ξ ゚听)ξ「はーい」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:32:39.95 ID:DHRrN3CD0
( ・∀・)「ご機嫌だなぁ、ツン。なにかあったのか?」
ξ ゚听)ξ「おとーさん! 私ね、妖精さんに会ったのよ!」
( ・∀・)「…」
( ・∀・)「ハハッワロス」
ξ ゚听)ξ「明日も会えるかなー」
J(;' -`)し(ちょっとあなた! そこで冷めないで下さい)
( ・∀・)(いいかカーチャン、世の中には厨2病というものがあってだな…)
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:33:21.32 ID:e2/dNy5M0
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:34:01.71 ID:DHRrN3CD0
しぃちゃんの家。
(*゚ー゚)「妖精さん?」
ξ ゚听)ξ「うん、妖精さん」
(*゚ー゚)「いいなーツンちゃん。私も会いたい」
ξ ゚听)ξ「雨の日にお外に出ればきっと会えるよ」
(*゚ー゚)「でもしぃは雨キライだもん。あ、もう降ってきた」
ξ ゚听)ξ「本当だー。じゃあもう帰るね」
(*゚ー゚)「うん、また来てねー」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:34:34.42 ID:h0yjeXuMO
この絵いいよね支援
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:34:54.44 ID:DHRrN3CD0
>>10 そそ、そ、そんなこと言われても何もでないんだからねっ///
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:36:07.37 ID:DHRrN3CD0
ξ ゚听)ξ「妖精さーん、どーこー?」
「あめあめ♪ ふれふれ♪ かあさんが♪」
ξ ゚听)ξ「?」
ξ ゚听)ξ(ダンボール?)
ガサガサ ガサガサ
ξ ゚听)ξ「…こんにちは」
( ^ω^)「!」
雨に打たれてヨロヨロになったダンボールの中に、
白い小さな生き物が入っていた。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:37:26.17 ID:DHRrN3CD0
ξ ゚听)ξ「……猫さん?」
( ^ω^)「猫じゃないお、ブーンだお!」
ξ ゚听)ξ「だお?」
( ^ω^)「だお」
ξ ゚听)ξ「喋れる猫さんだ!! 私はツン!」
(; ^ω^)「だから猫じゃなくてブーンだお…」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:38:40.84 ID:DHRrN3CD0
ξ ゚听)ξ「ブーンが唄ってたの?」
( ^ω^)「ブーンは雨の日に唄うのが大好きだお」
ξ ゚听)ξ「へ〜。何でも唄えるの?」
( ^ω^)「知ってる曲はたくさんあるお!」
ブーンは楽しそうに唄って見せた。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:40:36.47 ID:DHRrN3CD0
ξ ゚听)ξ「すごいすごい! ブーンはいつもここにいるの?」
( ^ω^)「雨の日だけだお」
ξ ゚听)ξ「そっか。私もう帰るから、また次の雨の日に会おうね」
( ^ω^)「気をつけて帰るんだお!」
ξ ////)ξ「そんなの言われなくてもわかってるもん!」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:43:15.13 ID:DHRrN3CD0
それから、雨の日は毎日ブーンに会いに行った。
お菓子を持っていってあげると、喜んで食べた。
お父さんとお母さんにブーンの話をすると、とても嬉しそうに笑った。
ブーンと一緒にいると、いつもお歌を唄ってくれる。
( ^ω^)「アル晴レタ日ノ事♪ 魔法以上の愉快が〜」
ξ ゚听)ξ「新しい歌だ! そういえばブーンはどうして晴れの日はいないの?」
支援なんてしてあげないんだからねっ!!
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:44:44.54 ID:h0yjeXuMO
支援
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:44:48.49 ID:DHRrN3CD0
( ^ω^)「晴れの日は隠れてるんだお」
ξ ゚听)ξ「どうして?」
( ^ω^)「晴れの日は、お母さんが来てくれないお」
ξ ゚听)ξ「おかあさん?」
( ^ω^)「いつの間にかお母さんがいなくなっちゃったお。
雨の日にいなくなったお母さんだお。
こうやって唄ってれば、きっと僕に気がついて来てくれるお」
ξ ゚听)ξ「…」
( ^ω^)「いつか、傘を差して戻ってきてくれるお」
ブーンはまた『あめふり』を唄った。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:46:16.95 ID:DHRrN3CD0
( ^ω^)「あめあめ ふれふれ かあさんが〜」
ξ ゚听)ξ「じゃのめで おむかえ うれしいな〜」
( ^ω^)「ぴっちぴっち ちゃっぷちゃっぷ」
ξ ゚听)ξ「らんらんらん!」
あらあら あのこは ずぶぬれだ
やなぎの ねかたで ないている
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:48:05.24 ID:DHRrN3CD0
ξ ぅ凵G)ξ
(; ^ω^)「ツ、ツンちゃんどーしたお!?」
ξ ぅ凵G)ξ「だって…お母さんがいないって、すごく寂しいんだもん……」
(*^ω^)「僕はツンちゃんが来てくれるから、寂しくないお!」
ξ ////)ξ「私は暇だからブーンと一緒にいるだけなの!」
( ^ω^)「おっおっおっおwww」
ξ ;ー;)ξ「…へへへ」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:48:55.05 ID:DHRrN3CD0
雨が止んできた。
雲の隙間から、真っ赤な夕日が顔を出してる。
ξ ゚听)ξ「じゃあ次の雨の日にね」
( ^ω^)「待ってるお!」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:51:04.95 ID:DHRrN3CD0
次の雨の日。
( ^ω^)「ツンちゃんのために、歌の練習しておくお!」
(*^ω^)「曖昧3センチ! そりゃぷにってpr。@¥あkふじこ」
( ^ω^)「…噛んじゃったお」
( ФωФ)「みゃーお」
(; ^ω^)「!?」
( ФωФ)ジーッ
(; ^ω^)「な、なんか用かお?」
(#ФωФ)「フギャー!!!」
「あうあうあああああああ!!」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:53:21.28 ID:DHRrN3CD0
ξ ゚听)ξ「〜♪」
ξ ゚听)ξ「早くブーンの歌聴きたいな〜!」
ξ ゚听)ξ「?」
いつもダンボールがある場所に、近所の子たちが集まっていた。
うあああああああああ
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:54:08.42 ID:DHRrN3CD0
( ,,゚Д゚)「じゃあこのダンボール潰すんだゴルァ!」
(*゚∀゚)「だめだよ! これアタシの犬の小屋にすんだから!」
<ヽ`∀´>「こんな雨に濡れたボロダンボールじゃ犬なんて飼えないニダwwww」
(*゚∀゚)「ダンボールなめんな! これはヨーゼフのお家だもん!!」
ξ#゚听)ξ「ちょっとあんたたち何やってんの!」
<ヽ`∀´>「ツンちゃんニダー。何を怒ってr」
ξ#゚听)ξ「それはブーンのお家なの! 返してよ!!!」
ぽかぽか!!
<ヽ;`Д´>「ちょ、痛いニダ! やめるニダ!」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:56:39.63 ID:DHRrN3CD0
(*゚∀゚)「なんだ、このダンボールツンちゃんの? じゃあいいや」
( ,,゚Д゚)「どうせさっきの野良猫のせいでボロボロだったし」
ξ;゚听)ξ「ね、ねこ?」
( ,,゚Д゚)「ほら、あそこでこっち睨んでるやつ」
[電柱]ФωФ)みゃーお
(*゚∀゚)「あの猫がこれの中で暴れてたから、ゴミかと思ったの」
ξ;゚听)ξ「そんな!」
ボロボロダンボールの中は空っぽ。
爪で引っかいたような傷と、赤い斑点がついていた。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:58:03.30 ID:h0yjeXuMO
うわあああああああ
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 21:59:01.86 ID:DHRrN3CD0
(*゚∀゚)「じゃあアタシたち行くから」
( ,,゚Д゚)「ニダーん家でゲームでもするゴルァ!」
ξ ;凵G)ξ「うそ…ブーン? どこ?」
いつの間にかあの野良猫はいなくなっていた。
ξ ;凵G)ξ「ブーン! 私よ! ツン! 今日も唄ってくれるんしょ!?」
ξ ;凵G)ξ「約束したじゃない! 待っててくれるってぇ!!」
「うわあああああああああああん」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:00:49.40 ID:DHRrN3CD0
>>31誤字があったお(; ^ω^)
(*゚∀゚)「じゃあアタシたち行くから」
( ,,゚Д゚)「ニダーん家でゲームでもするゴルァ!」
ξ ;凵G)ξ「うそ…ブーン? どこ?」
いつの間にかあの野良猫はいなくなっていた。
ξ ;凵G)ξ「ブーン! 私よ! ツン! 今日も唄ってくれるんでしょ!?」
ξ ;凵G)ξ「約束したじゃない! 待っててくれるってぇ!!」
「うわあああああああああああん」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:01:27.72 ID:k7cjWWs1O
いいぞ
支援
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:02:21.02 ID:DHRrN3CD0
あの日、走って家に帰って、新しいダンボールのお家を置いてあげた。
ずっと待ったけど、ブーンはやって来ない。
夜遅くまで待って、お母さんが探しに来てくれた。
とても怒られて、でも頭を撫でてくれた。
一緒に手をつないで帰ろうとして、もう一度ダンボールを振り返ったけど、
そこにブーンはいない。
それから2ヵ月後、私は親の仕事の都合でこの町を引っ越した。
引越しの日は雨。
私は引越しの手伝いをサボって、ダンボールを見に行った。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:03:52.65 ID:DHRrN3CD0
>>33 ○唄ってくれるん で し ょ ! ?
×唄ってくれるん し ょ ! ?
わかったんしょ?
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:05:38.93 ID:DHRrN3CD0
ξ ゚听)ξ「…ブーン」
誰も、いない。
ξ ゚听)ξっ□「ブーン、いないなら…手紙置いて行くね」
ブーンへ
わたしはおひっこしすることになりました。
でもいつかまたここに来ます。
いつか雨の日まで、まっていてください。
やくそくだからね。
ツンより
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:08:04.64 ID:jtfnBBft0
支援
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:09:05.68 ID:fHmUuWbIO
支援
支援
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:09:44.63 ID:DHRrN3CD0
―――――12年後
私は大学に入学し、通学のためにこの町に住むことにした。
6歳まで住んでいた町らしいけど、ほとんど覚えていない。
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:10:37.43 ID:DHRrN3CD0
「雨か。でもそろそろ買い物行かないとな〜」
気が進まなかったけど、買い物に出かけた雨の日、
「あめあめ ふれふれ かあさんが〜」
「?」
「じゃのめでおむかえ うれしいな〜」
「…ブーン?」
「おかえり、ツンちゃん」
ずっと昔の約束を思い出した。
おしまい
乙!
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:12:05.34 ID:fHmUuWbIO
乙
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:12:56.92 ID:DHRrN3CD0
あとがきがき。
書きあがったときは「うわぁ、長くなっちゃった…」って思ったけど、
いざ投下してみたらこれ30レスでまとまったじゃん。
考え無しにスレ立てちゃってごめんなさい。
ご支援してくださったみなさん、ありがとうございました。
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:17:14.14 ID:DHRrN3CD0
もう一個投下する話あるんだけど、このスレに投下していいかな?まずいかな?
構わん。行け(AAry
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:20:56.66 ID:DHRrN3CD0
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:23:09.65 ID:6dAuLu6RO
とりあえず乙、絵と併せて和んだ
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:23:32.30 ID:Klfig45OO
もしかして中だし義母レイプの人?
期待
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:23:54.81 ID:DHRrN3CD0
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:25:23.42 ID:DHRrN3CD0
>>51 なかだs・・・・!!
えっちなのは書けないんです>< 人違いだと思うんです><;
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:26:02.39 ID:DHRrN3CD0
自分がいつからここにいるのかわからない。
ただわかることは、僕は人間ではない、ということだけ。
( ・∀・)「暇だなー、2ちゃん行くか」
我輩はモララーである。
何者かは、よくわかんない。
( ・∀・)放浪者のようです
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:28:10.98 ID:DHRrN3CD0
目の前に、巨大な白い枠がある。
上には絶妙なバランスの色で『Google』という巨大な文字。
( ・∀・)「2ちゃんねる!」
僕が叫ぶと、白い枠に文字が現れた。
カタカタ カタカタカタ
[2ちゃんねる ](検索)
真っ白だった世界が吹っ飛ぶ。
物凄い速さで文字が駆け抜けて、僕は2ちゃんねるの入り口に立っていた。
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:32:54.98 ID:DHRrN3CD0
ニュース速報、VIP
最近の僕のお気に入り。
そこを目指して僕は飛んだ。
( ・∀・)「さてさて、どんなスレがあるかなー」
もしも韓国に2ちゃんがあったら (225)
妹「お兄ちゃんのガズボズボ入ってくるよぅ///」 (6)
金バエが嫌いな人の数→ (1)
腐女子と突き合いたい (801)
このスレが1000いったらチンコ切る (53)
( ・∀・)「ろくなスレねーな。とりあえず妹スレへGo!」
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:20XX/●/△(金) 12:44:14.06 ID:yoO0oKAm0
ID腹筋
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:34:38.47 ID:jtfnBBft0
ひっかかったww
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:34:57.29 ID:DHRrN3CD0
( ・∀・)「…」
( ・∀・)「 て す と !」
僕の叫びは、妹スレのレスに現れた。
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:20XX/●/△(金) 12:45:39.22 ID:molA/108O
て す と
( ・∀・)「108って煩悩かよ」
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:36:29.57 ID:DHRrN3CD0
数分後
( ・∀・)「んしょっ…んしょっ…あれ、今何回だっけ? …まあいいや」
暇つぶしに過ぎないんだから。
( ・∀・)「VIPも秋田。DQNのケータイサイトでも漁るか」
また白い世界へ飛んだ僕は、あの白い枠に向かって叫んだ。
とくに何を言うことでもないが、無料ケータイサイトを虱潰しに漁っていく。
一つ見つければ、リンクたどっていけるんだから。
( ・∀・)「お、さっそく発見ー」
日記を覗いた。
絵文字と小文字の多い、低脳な文章。
…ギャル字は読めねぇんだよ、カスが。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:37:26.11 ID:Klfig45OO
>>53 いや……ほのぼのの天才な……
とりあえずあんた好きだ期待支援
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:38:49.76 ID:DHRrN3CD0
お、ちょうど日記が更新されてる。
つか、一日に10件も日記書いてんじゃねーよ。
なになに…『今ヵラギコんとこ遊び行くyo⊂(゚皿゚*)二⊃』
え、何? この一行だけ?
やっぱ馬鹿なの? 死ぬの? 死ねよ。
( ・∀・)「ったく、どんな糞だよ。顔が見てぇ」
振り返ると、そこにはケータイの画面を覗く顔があった。
( ФωФ)
画面いっぱいの男の顔。
僕はしばし男の顔を睨み、こう叫んだ。
(#・∀・)「つまんねー日記だなぁ、オイ。死ねよカス」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:40:03.56 ID:DHRrN3CD0
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:40:40.59 ID:DHRrN3CD0
…
(*ФωФ)「ふひひwww今日のカウンター二桁wwwww俺超人気者wwwww」
( ФωФ)「ん? さっきの日記にさっそくコメ来てるじゃんw」
[名無し] 2008年●月△日(金)
つまんねー日記だなぁ、オイ。死ねよカス
(#ФωФ)「んだよコラ。上等じゃねーか」
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:43:08.84 ID:DHRrN3CD0
( ・∀・)「おや、コメント返してきやがった」
[ロマ] 2008年●月△日(金)
てめぇ誰だよ。まあ誰かわかってるけどな。ヮラ
明日ボコってやっから、誤るなら今のうちだけどぉwwwww
( ・∀・)「『あやまる』って字を誤ってるキメェwwwww」
僕の言葉がコメントに載ると、また男はコメントを返してきた。
これだからDQNは面白い。
ただ飽きるのも早い。
真っ赤になるDQNの顔を見たら、なんだか萎えた。
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:44:16.76 ID:Klfig45OO
支援
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:46:07.29 ID:DHRrN3CD0
こうやって僕はこの世界を彷徨っている。
いろんな人の日記や書き込みを見て、
画面越しに、人間の顔や生活を眺めたり、
いろんな人の絵や小説、ときにはフラッシュゲームで遊んで、
さっきみたいに誰かを煽ったり、
眠ることなく、僕はどこかへと流れている。
僕は誰だろう?
たまにそう思うことがあるけど、きっとコンピュータウイルスの一種じゃないかと思う。
自我を持った、自由奔放なウイルス。
ネットの世界から、外へ出られない、不自由な存在。
67 :
1:2008/08/29(金) 22:47:46.29 ID:DHRrN3CD0
すいません、風呂入ってくるんで保守お願いしますです。
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 22:55:46.73 ID:jtfnBBft0
保守
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:04:03.04 ID:7/jdDAsJO
保守
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:14:40.68 ID:6dAuLu6RO
☆
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:29:28.01 ID:6dAuLu6RO
保守
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:32:29.72 ID:DHRrN3CD0
すいません遅くなりました;
投下再開します
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:33:28.00 ID:DHRrN3CD0
ある日、他のウイルスに出会った。
そこは目が眩むほどの文字と数字が忙しなく動く空間。
( ・∀・)「誰だよきみ?」
( ∵)
そいつはモシャモシャと何かを食べていた。
( ・∀・)「もしかして、きみもウイルスなの?」
( ∵)
そいつは何も言わずに、ずっと食べていた。
(*・∀・)「もしかして、僕たち友達になれないかな?」
どこかで見たネット小説を思い出した。
突然の、運命の、…出会い
そういえばそんなドラマ何回も見たな。
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:34:25.46 ID:DHRrN3CD0
( ∵)
(*・∀・)「ねぇねぇ、さっきから何食べてんの??」
そいつの持っているものを覗き込んだ。
紙、みたいなものにたくさんの数字が並んでいる。
モシャモシャと、僕の話も聞かずにずっと食べている。
( ・∀・)「……」
( ∵)「…ゲフッ」
(; ・∀・)(…ゲップ?)
そいつのゲップと同時に、僕たちの周りを動いていた文字がピタリと止まった。
そして空間が割れる…
(; ・∀・)「え? きみ今なにしたの?」
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:36:14.87 ID:DHRrN3CD0
割れ目から、そいつと同じ顔のウイルスがたくさん流れ込んできた。
( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ
( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ
( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ
( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ
( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ
( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ
( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ
( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ( ∵)モシャ
(; ・∀・)「ぎゃあああああああああああああああああ!!!!」
怖い、怖すぎる。
大量の木霊みたいな顔したやつらが、一斉にこの空間の文字を食べ始めた。
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:39:39.74 ID:jtfnBBft0
これは怖すぎる
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:40:44.94 ID:DHRrN3CD0
( ∵)「ハフッハフハフッハムッwwwwww」
(; ・∀・)「キメェよおおおお」
一匹のウイルスが、俺の手を掴んだ。
(; ・∀・)「えっ何!?」
( ∵)「…」
( ∵)「オイシソウ…w」
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:42:09.07 ID:DHRrN3CD0
(; ∀ )「あ…うわぁ……」
群がってくる。あいつらが迫ってくる。
僕の体が、蝕まれる。
あいつらが噛み付く度に、体が砂みたいにボロボロになって―――
( ;∀;)「やめて…やめてよぉぉぉぉぉぉおおおおおお」
( ∵)「どうして? 僕らはウイルスなんだよ?」
( ∵)「ウイルスはずっと食べる、食べる、食べ続ける」
( ∵)「意思なんていらない」
( ∵)「痛くない 痛くない ウイルスは痛くない」
( ∵)「キミはどうして痛いのかな?かな?」
( ∵)「おいしいw」
( ∵)「俺たちは壊すだけ」
( ∵)「モシカシテ…」
「「「「「「キミハ ナカマジャ ナイナ ?」」」」」」
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:43:57.15 ID:DHRrN3CD0
( ∀ )「やめて…くれよ…」
僕は飛んだ。
ボロボロになった手足を引っ張って、ずっと遠くへ。
あいつらの手を振り解いて、
あいつらがついて来れないくらい速く速くもっと速く。
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:46:24.24 ID:DHRrN3CD0
( ;∀;)「ひぃ…ひぃ…怖かった〜……」
消えかけていた体が少しずつ元に戻っている。
ここがどこなのかはわからない。
黒地の背景に、怪しげな赤い字が飛び交っている。
( ・∀・)「…なんだったんだ、さっきの変な感じ」
あいつらが噛み付いたところが、ボロボロと崩れていく感覚。
頭が痛くなって、全身の力が抜けて、これが『眠る』ということかなと思った。
ミクロ単位まで分解された手足があいつらの口へ吸い込まれて…
これは怖い
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:49:12.29 ID:DHRrN3CD0
そこで僕は気がついた。
あれは、僕の、ウイルスの『死』だ。
( ・∀・)「危なかった、僕は殺されるところだったんだ…」
( ;∀・)「……やだよ」
( ;∀;)「死にたくない…一人は嫌だよ……」
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:50:31.48 ID:DHRrN3CD0
それから数日経って、僕はまたネットの海を泳いでいた。
あの時から、死の感覚はついさっきのことのように鮮明に覚えている。
( ・∀・)「んだよ、2ちゃんは夏厨の溜まり場になってんじゃん」
しかたなく僕は2ちゃんねるを出た。
何をしようか。
YouTubeで動画を鑑賞しようか。
エロゲサイトでおかず探しでもしようか。
※なぜか僕にも性欲は備わっている
上地のブログのアクセス数を0にしようかしら?なんて考えていたら、知らないところに流れていた。
なんだか見覚えのあるところだ。
( ・∀・)「ああ…あいつらが全部食べちゃったんだ」
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:52:07.50 ID:DHRrN3CD0
この前、僕があいつ( ∵)と会った空間だ。
あれだけの数の文字が全部無くなってスッカラカン。
空間にいくつか窓があった。
窓に映っていたのは、パソコンの画面の向こう側。
困惑した表情の男の人が映る窓、怒った顔をした中年が映る窓、年配の男にペコペコ頭を下げる女の人が映る窓、
耳を澄ますと、彼らの声が聞こえた。
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:53:40.63 ID:DHRrN3CD0
…
(; ^ω^)「課長! ツンさんの不注意だけじゃないですお!」
_
(#゚∀゚)「いやねー内藤君。不注意で済まされる問題じゃないんだよこれ」
ξ ;凵G)ξ「本当に本当に申し訳ございません」
(#'A`)「本当、若い子ってこれだから困るんだよねぇ」
_
(#゚∀゚)「謝ってすむならオッパイはいらないんだよ。ことの重大さわかってんのか?」
('、`*川「…ツンさん、何かやらかしたの?」
(´・ω・`)「コンピュータウイルスを撒いちゃったらしいよ。彼女のパソコンから」
('、`*川「えー…じゃあ今度のプレゼンの資料も全部パァ?」
(´・ω・`)「それだけじゃないよ。課長のオッパイフォルダにも飛び火したみたい」
('、`*川「今時ウイルス対策してない課長も課長よね」
ξ ;凵G)ξ「ごめんなさい…ごめんなさい…」
…
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:55:26.26 ID:DHRrN3CD0
( ・∀・)「みんな…困ってる」
( ∵)『俺たちは壊すだけ』
( ・∀・)「…ウイルスは壊すだけ、か。やっぱり人様の迷惑なのかな」
( ∵)
(; ・∀・)「あっ」
いた。この前のあいつ。一人だけど。
(; ・∀・)「に、逃げなきゃ」
==┌( ∵)┘
(; ・∀・)「うわ! ついてきた!」
振り返らずに、僕は必死に逃げた。
あいつらの足音が増えている気がしたけど、足音が聞こえなくなるまで遠くに飛んでいった。
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/29(金) 23:59:08.28 ID:DHRrN3CD0
(; ・∀・)「ふー、撒いたか?」
黒地に赤い文字の空間、この前もここに逃げた。
あいつらが追ってくる気配はない。
一息ついて、この黒い空間を観察した。
サイト名は「DEATH ROOM」
ノートの間違いじゃないか?
あ、チャットルームが開いてる。
チャットに一つ名前があった。
名前は「空」。なんだかこのサイトのふいんき(ryには合わない名前。
( ・∀・)「じゃあ僕も入室っと」
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:01:10.06 ID:qmQJd7ZH0
◆モララーさんが入室しました
モララー [はじめまして]
空 [私、死にます]
(; ・∀・)「はぅ!? 何をいきなり!」
モララー [どうしてですか?]
空 [聞いてくれますか?]
モララー [ええ、どうぞ]
空 [イジメられてるんです]
( ・∀・)「なんだ釣りかよ」
この空とかいうやつも釣りだろ。
どこの掲示板でも、自殺釣りスレはある。
ほとんどの奴が、どれだけ人が釣れるかを楽しそうに傍観している。
ニヤニヤと、更々死ぬ気はなさそうだ。
( ・∀・)「夏厨がいい加減にしろよ」
と思って、チャットルームに浮かぶ窓をのぞいた。
川 ゚ -゚)
( ・∀・)「…なにこの子、めっちゃかわいい」
セーラー服を着た女の子だが、大人っぽい色気がある。
無表情に、だが少し震えた指でキーボードを打っていた。
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:08:36.97 ID:qmQJd7ZH0
空 [成績が良いとクラスの人にいじめられます]
空 [成績が悪いとクラスの人に馬鹿にされます]
空 [もう外を見たくない。死んだほうが楽です]
( ・∀・)「外を見たくない? 外が見れるのに?」
モララー [外が見たくない? 外が見れるのに?]
空 [この先何があるかわからない外も、何も、見たくない。知りたくない]
モララー [僕は外が見れないのに、ずいぶんと贅沢なことを言うんだね]
川 ゚ -゚)「ぜい、たく?」
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:10:35.35 ID:qmQJd7ZH0
モララー [そうだ。僕に外であったことを教えてください]
モララー [僕は多くの知識を持ってるけど、不確かなものばっかりだから]
空 [それは無理です。私はもう死にますから。さようなら]
( ・∀・)「死んじゃう、の?」
なぜか僕はこの少女を救いたかった。
今までいくつもの自殺スレを煽って、笑って見ていて、実際に死んだ人間はどれだけいただろう?
でも、この子は救いたかった。
『死』の辛さ、『孤独』の苦しさを体感した今の僕は、彼女を救いたい。
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:12:46.08 ID:qmQJd7ZH0
…
天井に吊るされたロープと輪。
ぶら下がってみて、切れなかったからたぶん大丈夫。
パソコンのワードに遺書を残して、私は椅子に登った。
川 ゚ -゚)「これで、もうお終いだ」
ロープの輪に、手をかけたときだった。
パソコンから声がした。
( ∀ )「駄目だよ、死んだら駄目だよ」
川;゚ -゚)「誰!?」
( ・∀・)
画面越しに、私を見ていた。
真っ白い、ネコが二足歩行になったようなキャラだ。
このネコは口を動かした。
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:15:19.18 ID:qmQJd7ZH0
( ・∀・)「死なないで、死なないで」
川;゚ -゚)「なっ…」
ピリリリリリ ピリリリリリ
突然私のケータイが鳴いた。
久しぶりに聞く着信音だ。
パソコンの画面にもうネコは映っていない。
ピッ
川 ゚ -゚)】「もしもし…」
( ・∀・)「はじめまして、モララーです」
…
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:18:22.91 ID:qmQJd7ZH0
川;゚ -゚)】「あなたは…チャットの?」
彼女は驚いた声で言った。
( ・∀・)「はい、今電話回線の中です。マッハでお宅のケータイの番号探し当てました」
ウイルスに不可能は無い! …たぶん。
川;゚ -゚)】「回線? よくわからないが、私に用か?」
( ・∀・)「僕ね生まれてからずっと独りなの。しかも最近死にかけた」
川;゚ -゚)】「は?」
( ・∀・)「だから死なないで」
川 ゚ -゚)】「それで…用件は? 私は今から死ぬんだ。手短にお願いする」
( ・∀・)「わかってない! 君は死ぬことが楽だと思ってるのは間違ってる!」
川 ゚ -゚)】「大人が言うような御託は結構です。切りますよ」
(; ・∀・)「わーちょっと待って!」
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:20:23.00 ID:qmQJd7ZH0
とてつもなく彼女は冷めていた。
むぅ、たしかに言ってることは何の根拠もないと言えばない。
( ・∀・)「僕は外を見れない。でも君は外を見ることができる。
死は辛い。僕は一度身体がボロボロになって、死に食われたことがある。
孤独は苦しい。僕の周りには仲間がいない」
だって現に…
( ∵)
あいつが僕を見ている。
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:22:40.33 ID:C/o0Wk4hO
支援
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:26:12.72 ID:qmQJd7ZH0
彼女は僕の話を静かに聴いているようだ。
もしかして話を聞くのにウンザリして自殺を実行したのかと思ったけど、
時折聞こえてくる呼吸の音が彼女の生存を教えてくれる。
( ・∀・)「きっと僕は今まで何人かの人の自殺を笑って見ていた。
死の怖さを知らなかったから、笑ってられたんだ。
それに大抵釣りだったり、そんなことする度胸もないヤツだと思ったし」
( ∵)( ∵)( ∵)
…増えてる。
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:27:32.74 ID:C/o0Wk4hO
支援
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:30:40.48 ID:qmQJd7ZH0
( ・∀・)「君に死の怖さを知れと言ってるんじゃないよ。
外の世界を見ずに死んでほしくない、死の怖さを体験してほしくない。
僕は君が羨ましいんだ。えっと…」
あー駄目だ口べた!
いつも独り言ばっかだから、人と話したことないんだもん。
何が言いたかったのか自分でもわからない!
川 ゚ -゚)】「…ふふ」
( ・∀・)「?」
川 ゚ -゚)】「いや、久しぶりにこんなに人と話してね」
( ・∀・)(…まあ人じゃないんだけど)
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:32:17.59 ID:qmQJd7ZH0
彼女のすすり泣く声が聞こえた。
川 ; -;)】「本当に…久しぶりで…ありがとう」
(; ・∀・)「え!? 僕君を泣かすようなこと言った!? ごめん謝るよ!」
川 ;ー;)】「私、もう少し生きてみます」
( ・∀・)「そりゃ…よかった、俺が……力になれ…て」
モシャモシャ モシャモシャ
川;゚ -゚)】「モララーさん?」
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:33:11.37 ID:C/o0Wk4hO
支援
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:34:35.30 ID:qmQJd7ZH0
( ∀ )「ごめんね、僕はもう生きられないから。僕の分も、しっかり、生きて……」
(*∵)「ウマウマww」
川;゚ -゚)】「モララーさん!? 大丈夫でs」
ぷちん。
初めての人との会話は、最期の人との会話だったかもしれない。
◆モララーさんが退室しました
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:36:07.66 ID:qmQJd7ZH0
数日後。
川 ゚ -゚)「…」
久しぶりに私はチャットを開いた。
あの裏サイトのチャットルームだ。
空 [私はある人に助けられました。もっとがんばって、生きてみます]
◆モララーさんが入室しました
モララー [がんばれ]
◆モララーさんが退出しました
川 ゚ -゚)「……」
川 ^ー^)
終。
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:37:40.51 ID:pxE5oWru0
乙
どっちもよかったぜ
105 :
いち:2008/08/30(土) 00:38:53.36 ID:qmQJd7ZH0
あとがき。
ぶっちゃけ放浪者の話は途中gdgdになったんでやめようと思ったけど、
懲りずに投下しちゃいました。(結局gdgdで終わりましたが)
これをきっかけにもっとブーン小説作家として精進できればいいなと思っています。
支援してくださった皆さんありがとうございました。
批評とかしていただければ嬉しいです、今後の参考にしたいので…。
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 00:43:00.29 ID:C/o0Wk4hO
乙!!
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:14:33.62 ID:S4fadj7YO
乙! 可愛いキャラが多くてよかった
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/30(土) 01:49:08.24 ID:LSiL0TnjO
乙!
センスある、頑張って
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
乙加齢。
モララーの話はもう少し頑張って欲しかったな。
でも面白かったよ。