1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
かがみん「あんたバカァ?」
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 15:19:36.02 ID:cT1Qm0n80
蝉時雨、雲ひとつ無い晴天と呼ぶに相応しい空の下
しかしそんな出かけ日和であるのにも関わらず街は閑散として
人っ子一人見えない。
キョン「…二駅も前でとまるとはついてないな」
リニアの駅から一人、ワイシャツ姿の少年が大きなバックを背負って
太陽をさえぎるように手を翳しながら現れる。ポケットから携帯を取り出して
記憶した番号にかけて見るものの聞こえてくるのは無機質な非常事態宣言の勧告
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 15:28:24.49 ID:cT1Qm0n80
キョン「電話も当然通じないか」
当然か、そもそも俺がこうして日の当たるところに居ることの方がよっぽど異常な事だ。
この周辺の半径5kmにも及ぶ地帯に住む人間は誰彼かまわず、一人残らず
地下約数十メートルの分厚い金属で囲まれたシェルターの中に居なくてはならない。
キョン「…しゃあない、歩くか」
本来なら俺だって乗ってるリニアがとまった時点でシェルターに非難すべき
だったのだろうけど……。俺はポケットの中で若干皺くちゃになった封筒を
多少の躊躇を交えて取り出す。
『とっとと来い byハルヒ』
ずいぶん前に引っ越し、しばらく音沙汰なしになっていた自分の友人からの
あまりにも理不尽な内容の手紙、俺はそれをみて大いにため息をつく
>0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49
>50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99
>100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132,133,134,135,136,137,138,139,140,141,142,143,144,145,146,147,148,149
>150,151,152,153,154,155,156,157,158,159,160,161,162,163,164,165,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,178,179,180,181,182,183,184,185,186,187,188,189,190,191,192,193,194,195,196,197,198,199
>200,201,202,203,204,205,206,207,208,209,210,211,212,213,214,215,216,217,218,219,220,221,222,223,224,225,226,227,228,229,230,231,232,233,234,235,236,237,238,239,240,241,242,243,244,245,246,247,248,249
>250,251,252,253,254,255,256,257,258,259,260,261,262,263,264,265,266,267,268,269,270,271,272,273,274,275,276,277,278,279,280,281,282,283,284,285,286,287,288,289,290,291,292,293,294,295,296,297,298,299
>300,301,302,303,304,305,306,307,308,309,310,311,312,313,314,315,316,317,318,319,320,321,322,323,324,325,326,327,328,329,330,331,332,333,334,335,336,337,338,339,340,341,342,343,344,345,346,347,348,349
>350,351,352,353,354,355,356,357,358,359,360,361,362,363,364,365,366,367,368,369,370,371,372,373,374,375,376,377,378,379,380,381,382,383,384,385,386,387,388,389,390,391,392,393,394,395,396,397,398,399
>400,401,402,403,404,405,406,407,408,409,410,411,412,413,414,415,416,417,418,419,420,421,422,423,424,425,426,427,428,429,430,431,432,433,434,435,436,437,438,439,440,441,442,443,444,445,446,447,448,449
>450,451,452,453,454,455,456,457,458,459,460,461,462,463,464,465,466,467,468,469,470,471,472,473,474,475,476,477,478,479480,481,482,483,484,485,486,487,488,489,490,491,492,493,494,495,496,497,498,499
>500,501,502,503,504,505,506,507,508,509,510,511,512,513,514,515,516,517,518,519,520,521,522,523,524,525,526,527,528,529,530,531,532,533,534,535,536,537,538,539,540,541,542,543,544,545,546,547,548,549
>550,551,552,553,554,555,556,557,558,559,560,561,562,563,564,565,566,567,568,569,570,571,572,573,574,575,576,577,578,579,580,581,582,583,584,585,586,587,588,589,590,591,592,593,594,595,596,597,598,599
>600,601,602,603,604,605,606,607,608,609,610,611,612,613,614,615,616,617,618,619,620,621,622,623,624,625,626,627,628,629,630,631,632,633,634,635,636,637,638,639,640,641,642,643,644,645,646,647,648,649
>650,651,652,653,654,655,656,657,658,659,660,661,662,663,664,665,666,667,668,669,670,671,672,673,674,675,676,677,678,679,680,681,682,683,684,685,686,687,688,689,690,691,692,693,694,695,696,697,698,699
>700,701,702,703,704,705,706,707,708,709,710,711,712,713,714,715,716,717,718,719,720,721,722,723,724,725,726,727,728,729,730,731,732,733,734,735,736,737,738,739,740,741,742,743,744,745,746,747,748,749
>750,751,752,753,754,755,756,757,758,759,760,761,762,763,764,765,766,767,768,769,770,771,772,773,774,775,776,777,778,779,780,781,782,783,784,785,786,787,788,789,790,791,792,793,794,795,796,797,798,799
>800,801,802,803,804,805,806,807,808,809,810,811,812,813,814,815,816,817,818,819,820,821,822,823,824,825,826,827,828,829,830,831,832,833,834,835,836,837,838,839,840,841,842,843,844,845,846,847,848,849
>850,851,852,853,854,855,856,857,858,859,860,861,862,863,864,865,866,867,868,869,870,871,872,873,874,875,876,877,878,879,880,881,882,883,884,885,886,887,888,889,890,891,892,893,894,895,896,897,898,899
>900,901,902,903,904,905,906,907,908,909,910,911,912,913,914,915,916,917,918,919,920,921,922,923,924,925,926,927,928,929,930,931,932,933,934,935,936,937,938,939,940,941,942,943,944,945,946,947,948,949
>950,951,952,953,954,955,956,957,958,959,960,961,962,963,964,965,966,967,968,969,970,971,972,973,974,975,976,977,978,979,980,981,982,983,984,985,986,987,988,989,990,991,992,993,994,995,996,997,998,999,1000
>1-1000
>>1000
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 15:30:54.69 ID:B70WwczbO
気にするな、続けろ
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 15:33:39.80 ID:dDLsc+oS0
続けるんだ!
え〜〜別にいいよ〜〜
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 15:38:19.78 ID:cT1Qm0n80
>>5 サンクス
変わってない事に安心したり、早々に面倒ごとに巻き込まれる予感に辟易したり。
しかし湧き上がった郷愁と一緒に入ってた片道切符に押されるように長期休暇を
利用して俺はここにきた。
キョン「しっかし急がないと、待ち合わせの時間まであと1時間切ったか」
つまりそれは目的地にそれまでにつかなくてはならないということ。
そして目的地はリニアで行くはずだった二駅先の第三新東京市
こうなるとこっちについてから昼食を食べるくらいの余裕を持って動いていたのが幸いか
走れば10分程度の遅れで済むだろう。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 15:46:30.73 ID:cT1Qm0n80
パシュッ
そんなまるで空気の漏れるような、なにか薄い軽いものが破裂したような
まるで拍子抜けするような音がした。といっても俺が音を認識するとほぼ同時に
俺の目の前を音の原因の鉄の塊が音速を超えて飛んでいった。それは兵器。
「ミサイル!?」
音速を超えるということは物が通り過ぎてから音が来るということで
俺はなんの用意も無く、その轟音に身をさらす事になった。耳をつんざくようなという
形容がそのまま使われる場面を、俺はハルヒに怒鳴られること意外で初めて感じた
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 15:56:25.70 ID:cT1Qm0n80
ビリビリとシャッターの閉まった商店街は衝撃に更に音を重ね
俺の頭上を飛んでいったミサイルはリニア駅の周辺で一番でかい
デパートの裏手の方で爆発をしたらしく建物の上から横から赤い炎と
黒い煙と灰が舞っていた。俺は頭を抱えていた両手を離して建物の裏に
ミサイルが向かった先に足を進めた。
「……なんだよ、あれ?」
化け物、怪獣、モンスター。なんと例えてもそいつの一片を掠っていて
しかし全然本質を貫いては居ないよ自分でも確信できた。異様で異形な"者"
それがミサイルの雨のなか悠々と歩を進めている。
そしてその周りには先ほどと同じミサイルを幾つも吐き出す最新鋭の戦闘機が
数十機と小蝿のようにそれに群がっていた。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 16:04:53.78 ID:RGaUOf04O
wktk
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 16:07:41.65 ID:cT1Qm0n80
頭も首も無く、人間なら胸の辺りになるだろう場所に
その大きすぎる体躯には似合わぬ小さな仮面のような顔が存在していた
戦闘機はミサイルを飛ばし、その全ては巨人の身体に打ち込まれて火薬が
周囲に粉塵と轟音をまいて爆発するが、しかし巨人に外傷など俺の目には見えない
「税金の無駄遣いか?」
あまりにもあんまりな光景は一周して平静を呼んだのだろうか。俺は払ってない癖に
偉そうに行政に文句を呟いてみる。と戦闘機の一つが巨人の手によって軽く叩き落される
それはまるで蚊が飛んでいたのに気がついて追い払うような非常に人間的な日常的な仕草で
しかし億単位の値段の戦闘機があしらわれる。
「…っておいおいおいおい!」
巨人がじゃまっけに思ったのは戦闘機だけでなく暢気に観戦していた俺も含まれるのか
叩き落された戦闘機はまるまま俺に向かって墜落してきた。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 16:20:05.87 ID:cT1Qm0n80
鼓膜が破れると思った。顔に熱風と呼ぶには強すぎる風と
飛んでくる金属片が顔に切り傷を作る。…だがいくらまってもそれ以上の衝撃は来なかった。
「ん〜、速く乗ったほうがいいと私的には思うのだけどどうだろう?」
声が聞こえた。まったく聞いたことの無い声がいきなり前方から聞こえ
俺は強く閉じていた瞼を開き声に目を向ける。
赤い車が運転席のドアを開けてそこに停まっていて、運転席には声の主だろうか
少し幼い感じのする女の人がドアに手を掛け俺に向かって困ったような笑みを浮かべていた。
「乗る?乗らない?」
俺はそこでようやくポケットに入れていた封筒に手紙と共に入っていた写真に思い至り
近づいてくる巨人を視界に映して急いで車に乗り込んだ。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 16:29:22.96 ID:r4vXPGjPO
早く…ッ
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 16:30:36.99 ID:cT1Qm0n80
「泉こなたって言うんだけど…一応知ってるよね?」
「はい」
助手席に身を埋めバックミラーで少しずつ遠ざかっていく巨人を確認しつつ
俺は答える、彼女は俺と今日待ち合わせしていた。ハルヒがよこした迎えの人だ
手紙と共に写真が入っていた。長い特徴的な青い髪、俺よりずっと低い身長に幼い顔
車を運転している以上俺より年下って事はないと思うんだが…
「泉さん聞きたいことがあるんですけど」
「ん? 呼び方はこなたでいいけど、年も大して変わんないしなに?」
「…いや、今まさに年に関して聞こうと思ってたんですけど」
「19」
二つ上だった、いやまぁ順当なあたりだとは思うが。しかし外見からは絶対に判断できないだろう
…しかしハルヒがよこした人って事は関係者なのだろうか? 結局あいつは今一体何をしていて
なんのために俺を呼んだのか俺は知らない
「しかし、意外とマイペースだね。聞きたいことは他にある筈だろうけど」
「いえ、整理できてないだけです」
大体あんなよくわからないいきなりの街中での戦闘に頭がついていってる筈が無い
下手に質問してもそれでまだ初対面の人間に俺という人間を判断する情報を与えてもつまらんし
聞いてもうまく理解できないだろうしな、当面は保留だ
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 16:34:02.43 ID:maRg9WnV0
これはwktkしざるをえない
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 16:38:25.82 ID:cT1Qm0n80
「あれ?」
離れていく巨人をもう一度確認しようとミラーを確認すると俺は違和感に思い当たり
無意識に声を上げてしまった。こなた…さん(これに関しても保留だ)は俺の声に反応し
前方不注意にならない程度に俺に顔を向ける。それに対して俺は違和感の理由をそのまま
彼女に教える。
「戦闘機が化け物の周りから居なくなってる」
あんだけ無駄に弾薬をつかい攻撃を続けていた戦闘機が今は一機たりとて飛んでいない
あれほど執拗に飛んでいたのになぜ? と思う前に
「えぇ! うっそぉ!?」
今度は確実に前方不注意になるだろう後ろを振り返って巨人を自分で確認して
その後に彼女は車を近くの丘の影に道路の中央分離体を乗り上げて車を勢いよく移動させた
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 16:39:29.42 ID:J1RVA+aGO
こなた…大人の女になっちまいやがって……
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 16:43:09.08 ID:xG4NYX500
キョンみたいな奴がエヴァに乗っても面白くないな。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 16:49:12.29 ID:cT1Qm0n80
「伏せて」
と言おうとしたことはわかった。が残念なことにそれはまったく功を奏さず
俺と彼女は車ごと爆風と轟音と吹き飛んでくる多種多様なものに転がされた。
天井に頭をぶつけ、シートベルトに首を絞められ車が動きを止める頃には額から血がにじんでいた。
会話をしていたわけではなかったので舌を勢い余って噛み切るようなへまはしなかったが
しかし車を一時的非難に使った場所は砂が多く服の中に入り口の中は切れてじゃりじゃりした
車はどうやら上下逆の状態で動きを止めたらしく頭が打撲とさらに血が降りてくることによって
やけに朦朧としている。
「大丈夫?」
「なんとか、一応、まがりなりに、奇跡的に、大丈夫です」
「結構やばい状態なのは理解できたよ」
事故したときにシートベルトは場合によっては拘束具になると聞いたが
まさに今回がその通りで俺達は車を起き上がらせるために窓から出ようとしたのだが
実際にまどから出るまでに10分近く消費した
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 16:55:47.08 ID:zmZsUpov0
ほす
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 16:57:27.87 ID:cT1Qm0n80
「いっせーの、せ!」
車に背中を当てて足を踏ん張り起き上がらせるために
四苦八苦する俺とこなた(この時点でさん付けする意思はなくなった)だったが
しかし俺は運動不足の高校生、こなたは実年齢はともかくこの場合は身体の方が重要で
それに関しては絶望的で、従って車を起き上がらせるのは苦難を極めに極め。
「よし、ちょっと待ってて」
しばらくしてこなたは額の汗をぬぐいながらそういって五分ほど場から離れ
そして、どっかから別の車を持ってきた。
「この車で引っ張って起き上がらせよう」
そういって車のトランクからフックを引っ掛けて赤いひっくり返った車を起き上がらせる
「その車で行けばいいんじゃ?」
「ダメ、その車は私のマイカーなんだよ。ボロボロになったけどまぁ君を連れてくる道中だから必要経費で修理するの」
「そっすか」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 16:59:06.37 ID:H5xuRvoD0
これは期待
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 17:04:18.01 ID:ap83Qswn0
面白いぞおい!馬鹿!
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 17:04:45.93 ID:ol1zWH+i0
ミサトはこなたより大人朝比奈さんのイメージが
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 17:07:05.47 ID:cT1Qm0n80
「よし、改めて行こうか」
すっかり無残な姿になった車に乗り込み誰も居ない道路をまた走らせる
俺は割れてミラーが使い物にならなくなったため、同じく使い物になっていない窓から
身を乗り出して先ほどの大爆発が起こったところを見やる。
そこはまるで隕石でもぶつかったのかというような勢いで地面は抉れ
先刻まで俺がいた駅やその周辺の建物も根こそぎ消え去っていた
そしてその中心に腕が千切れて表面が溶けたような巨人が
しかし屹然と大地に立ち上がっていた。
「……さっきの爆発もあいつに対する攻撃だったのか」
「ま、そゆこと。国連の切り札だよ」
「ずいぶんとリスクのでかい兵器だな。しかも目標殲滅できずか」
多少嫌な、皮肉な言い方になったかもしれない。だが自分達も一緒に殲滅されかけ
しかも結局効果なしでは恨み言の一つも言いたくなる。俺は車に身を戻し風でおかしくなった
前髪を手櫛で整えつつこなたに目を向ける。
こなたは俺の言葉になぜか悲痛な面持ちで俺を見る
「………あれで倒せればよかったんだけどね」
「まぁそれなら簡単に済みますからね」
なんとなくそんな表情が見たくなくて、適当に返す。しかしこなたの顔は更に暗くなり
ポツリと小さくつぶやく
「それも……確かにそうなんだけどね」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 17:29:14.88 ID:cT1Qm0n80
それからなにも言わないまま、いや、正確には色々言葉はあった
だがあんなものは会話とは呼べない、互いに何か他に考えて意味もない言葉の応酬があっただけだ
まぁとにかくしばらく車を走らせカートレインに乗せて車ごと地下に潜る
確かジオフロントだったか、人間以外に作られた人工の巨大な地下空間。
「ここにハルヒが居るのか」
小さく声が漏れる、自分にも聞こえるか聞こえないかの声量だったが
しかしそれを目ざとくこなたは拾い答える
「そうだよ、すぐには無理かもしれないけど会えるよ」
「えっと、こなた……さんも」
「こなたでいいって言ったじゃん」
……普通はそういう場合本当に呼び捨てで呼ぶってパターンはなかなか無いのだが
今回はまぁ例外だったらしく、俺の先ほどまでの脳内葛藤は無意味だった
「こなたはあいつと一緒になにをやってるんだ? あいつは俺になにをさせたがってるんだ?」
「ん〜。それはなかなか卑怯な質問の仕方って気付いてる? 気付いてるんだろうね
そうだね私はハルちゃんと”一緒に”なにかをしては居ないよ。だから君になにをさせたがってるのかは私は言えない」
「知らないじゃなく言えない?」
「そ」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 17:40:46.85 ID:cT1Qm0n80
カートレインは音も無く、すべるように移動し、やがて橙に染まるジオフロントが見えた。
「これがジオフロント、名前は知ってるでしょ?」
「…あぁ、こんなに綺麗なんだ」
夕焼けのような色合いがどこまでも続く広大な空間、地下とは思えない光景だった
だがそれに浸るほどの時間はなく、すぐにトレインのゲージが視界を遮った
金属同士が触れ合うガシャっという音がして動きは止まり一定方向にかかり続けていた軽いGが
車を降りてもまだ違和感として残り足がふらつく
「んじゃ車は後で申請書出して直してもらうとして…、私達は本部に向かうとするかね」
俺は機械に飲み込まれ見えなくなった車を思い出し
直すより買ったほうが安いんじゃないかという言葉をギリギリで飲み込んでから
別の言葉を、質問を口にする
「本部って?」
「SOS団本部だよ、キョン君」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 17:48:19.87 ID:cT1Qm0n80
一話終了
というか少し区切りがいいから一息つくよって話
紅茶でも飲んでくるけど続き必要? 軽くばてて来た
つまんない。
パクリで文が下手はどうしようもない
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 17:50:31.92 ID:1ocTt/TQ0
白石稔「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ・・・」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 17:53:07.02 ID:e81+/UPQO
期待
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 18:00:24.82 ID:9v9CJAdgO
このネタ今度パクらせて頂く
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 18:24:40.72 ID:cT1Qm0n80
さて、
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 18:27:04.50 ID:H5xuRvoD0
はて、
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 18:39:07.81 ID:1rKMQzu80
ほしゅっしゅー
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 18:57:30.12 ID:cT1Qm0n80
SOS団、というネーミングには失笑を禁じえないが
いやはやしかし少なくともその情けない名前をハルヒの独断によって付けられたこの団体は
結成から三年程度しか経っていないにもかかわらず公的機関として確固として存在している
非公式の公的団体―というのがこなたの説明だったが意味のかぶりと矛盾が観測されるその言葉が
しかし言い間違いやら言葉不足といった類ではないことだけは理解できた。
「んっと……こっちの道は…さっきいったから」
腰まで届く非常に長いブルーの髪を片手で弄りながら長い無機質な廊下を立ち止まって
地図と道とを見比べするこなたとその後ろであきれ返ってる俺。状況を説明するのは非常に簡単だ
単純極まりない、一言で済む。いいか? 言うぞ? ――迷った。
「あれ、こっちだっけ? でもあっちのエレベーター乗ったらCブロックだよね……」
「なんで2ブロック隣のケージとやらに移動するだけでこんなに時間食ってるんだ?」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 18:57:43.64 ID:cT1Qm0n80
ただでさえリニアが停まったり爆発で吹き飛ばされたりと時間は失いすぎているというのに
「ま…まぁ、こっちから行くのが無理ならあっちに来てもらえばいいんだよね!」
「ケージに来てもらうんのか? 流石ハイテク」
違う違う、とたたんだ地図をパタパタと振ってこなたは笑って携帯を取り出した。
まぁ誰か道案内を呼ぶつもりなのは理解できた、というか本来なら
その道案内役としてのこなたが居たはずなのだが。とため息を小さくつく
「あっ!」
「なんだ!?」
こなたは俺に苦笑いを向けて自分の携帯を俺に向ける。それは多分あの大爆発の時だろう
液晶は粉々になり携帯電話としての使用は不可能になっていた。俺は咄嗟に自分の携帯を取り出す
「俺のは大丈夫だな…」
「貸して」
え?何で続けんの?
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 19:03:47.77 ID:IcOjemLR0
わっふるわっふる
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 19:08:29.10 ID:IcOjemLR0
>>1を待っているやつも少なくないってことだけわかってくれ
続けるかどうかはまかせる
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 19:11:35.71 ID:VENTZs8r0
ツ・マンネ^−^
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 19:12:42.24 ID:cT1Qm0n80
>>41 俺は
>>1じゃないぜ
でも少しでも待ってる人が居るなら続ける
え?何で続けようとしてるの?
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 19:25:18.32 ID:fSjmh/8IO
わっふるわっふる
ほんとつまんねーから
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 19:40:16.95 ID:cT1Qm0n80
カチッカチッカチッ
「……」
「……」
「……」
カチッカチッカチッ
「………ごめんなさい、えみりさん」
「わからないならもっと速く連絡すること時間の無駄、そもそも地図を持っててなんで迷うの?」
「……」
狭い個室、硬く閉ざされた扉の上では針が大量に並んだアラビア数字の上を踊り小刻みに音を立ててる。
個室は現在ジオフロント内の地面を0として地下63メートル
階層ではなくメートル表記のエレベーターを俺は始めてみた
「だってここって迷路みたいで」
「迷路みたいだろうとなんだろうと形が固定されてる以上一月もあれば道は覚えるでしょ、普通は」
普通はを強調していう”えみりさん”俺はまだ正式に自己紹介をしてもらってないので彼女が一体
こなたとどういう関係でここでなにをしてるのかは知らない、そもそも苗字もまだわからない。
ただ力関係は彼女のほうが上っぽい
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 19:41:28.79 ID:YRl+SZepO
え…?なんで俺の糞スレがこんなに伸びてんのw
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 19:43:44.96 ID:cT1Qm0n80
>>44 >>46 わざわざ何度もすまないな、まだ未熟でな
どこが悪いかいってくれ、気をつけるから
まぁこの言い方もなんか偉そうなんだけどな
自分には悪い部分が少ないみたいな言い方だし
とりあえず見苦しいならスレを閉じると幸せになれると言っておく
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 19:46:35.86 ID:LM+jJaQfO
いいから続けろ
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 19:49:10.12 ID:IcOjemLR0
かまわん、続けてくれ
期待
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 20:02:32.84 ID:cT1Qm0n80
喜色満面の『喜』に色の『緑』
江ノ島の『江』に美しいの『美』そして千里の道も一歩からの『里』
あわせて喜緑江美里18才女性、というのが彼女がこなたを一通り叱咤した後に
俺にしてくれたテンプレートな自己紹介の内容だった。
「よろしくキョン君」
「えっとよろしく喜緑さん」
この人には一生タメ口になる日は来ないだろうと嫌な予感めいたものを感じながら
俺はここでまたというかやっと一つ不思議な点に気付いた
ここでも、先ほどこなたとあったときも俺は自己紹介なんかしちゃいない
ある程度の情報はリークしてるのかと思ったが、それなら俺をローカルなあだ名で呼ぶ理由が無い
やはり冷静なつもりで混乱してたのだろう、思い返せばこなたにも何回かキョンと呼ばれた覚えがある。
「あの…」
「つきましたよ」
不思議というよりむしろ不審と評すに値することに俺は質問をしようと口を開くがそれを遮るように
喜緑さんは穏やかな口調で言葉を紡ぐ、と同時にチンと安っぽい音がして扉が開く
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 20:22:35.80 ID:J1RVA+aGO
ハーフタイム支援
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 20:32:53.36 ID:Vr2eLIN0O
____, -‐  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `丶、
/´ /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
/ : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : \
/: : : : /: : /| : : : : : : : : : : /: : : : : : : : : ヽ
/: : /: :/: :{/ | : : : : : : /: : /: : : :│: : : : : : '.
/: :〃: : :,': :.∧ |:l: : : : :./ | :ハ. : : : |: /: : : : : | エウ゛ァ!
\ /// : : /l: :/ __\ハ: : : : / j/ _,斗: : :j/: : : : :l: :|
. ―‐- /'´/⌒V:│;〃アf心ヾ: :Vー孑ゥ≠ミ: : / : : : : : l: |
. --― / V:l小. {ト イ| ∨ f{ノ::Y ∨: : : :.j: : :| |
_, -'´ { V: : } Vヒソ |トーイソ/: : : : ∧.:.:|: |
∧ '; : { '' ' -―v` ー〃: : : : : :/ヽ'; :|: :|
レ ヘ、 ヽ:ゝ ._ f )′: : : : : /_ノ: V|\|
\ j/⌒\>ゝ .. _//:.: :/∨: :/\ |
`/ \ : : :_|厶-―< ^}/|/
__/ / マ'弋\ `ヽ\ ∨
/ { / / ∨ヘ \\∧
(____`ー{ _,/ |川 \ヽ|
`ーr‐ゝ、_,∠ ノ|川 ヽト,、
| | ノ// l\\
\ \/ // // |⌒\》
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 20:36:42.99 ID:ygMN1vEnO
支援
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 21:00:42.08 ID:RGaUOf04O
wktk
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 21:08:09.27 ID:cT1Qm0n80
焼肉ウマーでした、何も言わなかったのに支援サンクス
>>53 誕生日パーティーか? ケーキが見当たらないが迷ってるうちに蝋燭が燃え尽きたのか?
なんて事が頭に浮かぶ、エレベータの扉が開いた先は完全な暗闇だったから
唯一の光源はそのままエレベータの内側のライトのみでそれも時間が少したって
扉が静かに閉じればそれすらもなくなる、暗闇はいくら経ってもなれる様子も無い
当然だ、ここは地上とは違う。人工の光が無くなれば目が慣れて見えてくるような少量の光すら残らない
「動かないでね危ないから」
「はい」
「泉さんもね」
「…はい」
喜緑さんは暗闇の中右往左往してる俺となぜか(と言っても迷子になったのを見た今はその理由も
わかるというものだ、正直自分の命の恩人という畏敬の念も大半が効力を失っている)こなたにも声をかける。
カンカンと足音と思わしき音が少しずつ自分から遠ざかっていく、止まる。
バッと舞台にセットされてるような丸く大きなライトがあたりを一気に照らす。
視界がいきなりの強い光に白く染まり、咄嗟に手で目を庇う
瞼の上からやってくる鋭い光に少しずつ瞳孔が開き、いわゆる明順応をしてくのを感じ
ゆっくりと目を開く
「……ロボット?」
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 21:11:24.13 ID:CsS1T2OMO
わっふるわっふる
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 21:59:14.39 ID:cT1Qm0n80
俺は確かに身長は高いほうじゃない、大体170ちょい程度だ
だがその俺と同じくらいの瞳をもった人型のなにかの全長はいったいいかほどの物だろうか
目の前の紫という奇天烈なカラーリングのそれは眼光鋭く俺を映す
これは、今日一番の驚愕だった。
これが現実か? ありえない、足元がふらつく眩暈がする
次々に展開されるこの一連の流れに認識が追いついて来ない
俺は感情が表情として現れることが少ないとよく言われる人間だが
しかし俺の今の顔を第三者として観測できたならそれは非常に不様に狼狽してる様が手に取るようにわかるだろう
「それはロボットじゃないわよ」
ともすればそのまま足元の金属製のタラップに崩れそうな俺を
なんとか持ちこたえさせたのは冷ややかで鋭い、懐かしい声だった
「久しぶりね、キョン」
「ハ…ルヒ…か?」
肩まで朱色の液体に使った巨大なロボットの顔、それの更に上
天井から迫り出したガラス張りの部屋かなにかに、ハルヒは腕を組んで底意地の悪い笑みを満面に湛えて
俺を見下ろしていた。口調、態度、声や表情、年を重ねた分だけ外見に差異は見えても
それは紛うことなく涼宮ハルヒだった
「話したいこともあるし、再開を喜びたい気持ちも山々なんだけど。正直時間が無いのよね予定よりずっっと!
だから手短に話したいの悪いわね」
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 21:59:19.21 ID:ap83Qswn0
保守
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 21:59:56.12 ID:cT1Qm0n80
パソコンの調子がテラワルス
ちょっち感覚空くかもしれない
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:00:54.78 ID:ooMM8qz6O
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:01:27.69 ID:ygMN1vEnO
待つよ。待ちます。
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:02:05.04 ID:ap83Qswn0
俺もまつよ!
( ^ω^)>
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:04:55.65 ID:YYEjmWQb0
追いついてしまった・・・・・
保守
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:13:14.28 ID:PfjbhGRz0
保守
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:13:21.06 ID:WdhYH8K3O
ほ
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:22:41.22 ID:ygMN1vEnO
落ちるの早くね?
73 :
見てくれてる人がいることに感動した!:2008/06/02(月) 22:22:58.98 ID:cT1Qm0n80
「あんたはその人型決戦兵器初号機、エヴァンゲリオンに搭乗して
神人と戦ってもらうわ」
見えないがインカムでも付けてるのだろうか左右からグワングワンと聞こえるハルヒの声
それはどこまでも平静で冷静で、そして俺にとって誰に言われるどんな言葉よりも冷酷だった
「神人って……、なんだよ」
「察しはついてるでしょう?」
俺が必死に会話を伸ばそうと、決断せずに要るために時間を稼ごうとした質問
しかしそれもあっさりと切り捨てられる、つまり、俺に化け物と戦えって言ってるのだ。ハルヒは。
「冗談だろ」
「んな訳ないでしょ」
俺の無駄な抵抗は一笑に伏される。一蹴される。笑っちまいたくなった
久しぶりに懐かしい友人と会える、そう浮かれていたのか俺は
あぁそうだ、わかってる。あいつは俺に期待に過去に一度でも答えたことは無い
それが意識的でも無意識下のことでも。あいつは常に俺の期待を裏切り続けた
いい意味でも悪い意味でも。今回は悪く転がっただけだ。そうだろ?
汎用人型決戦兵器、人造人間エヴァンゲリオンな
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:32:03.25 ID:cT1Qm0n80
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:35:15.43 ID:cT1Qm0n80
「あんた言ってたじゃない、不可思議な現象に立ち会って
漫画的アニメ的なヒーローになりたい、誰にもできないことをしてみせるって」
「…それは!」
確かに言っただが、それが実現するなんて誰が思う?
そんなのは多感期の誰にでも起こる万有感、自分が特別だと思い込む万能感
子供の頃見た有象無像な夢が、幻想が、夢想が、誰が現実になると心のそこから信じきる?
ヒーローになりたいウルトラマンでも仮面ライダーでも戦隊物でもいい
そんなものはフィクションであってフィクションでなくてはいけないんだ
「でも、あんたは確かに言った。一度口にした言葉は戻らない
そして今実際にあんたにしか出来ない、あんただから出来るファンタジーが目の前に現れたのよ」
やりなさい、そう目で、態度で、言うハルヒ。
こなたや喜緑さんは居なくなっていて、この場には俺とハルヒだけになっていた。
訳がわからない、度を越えてる、何故俺じゃなくちゃいけない、俺ならできると何故言える?
いきなり見たことも無い巨大な兵器に乗せられて、見事操縦できて見事勝利を収められるのは漫画やアニメやゲームだけだ
俺が無理やり乗せられて、あんな爆発のなか余裕で生き残ってた化け物に喧嘩挑んだところで
待ってるのは勝利なんかじゃない、確実な俺自身の死だ
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:44:27.45 ID:cT1Qm0n80
ガシャンと勢いよく尻餅をつく。
といっても俺がこの会話によって腑抜けて力抜けたわけじゃない。それにはまだ早い。
それとはべつの理由で俺はタラップにしがみついて倒れこんでる
ロボットが浸ってる紅い液体は波立ち飛沫がかかる、天井からはパラパラと細かい塵が降り
照明はぐらぐらと揺れ影がそれにあわせて不気味に形を変える
爆破音と強い衝撃がここを襲ったのだ。
まったく爆発だのなんだのって言葉を爆竹レベル以上で使ったのは電子レンジで卵を温めた以来初めてだ
「ほら、キョン。敵さんが気付いちゃったわよ」
強い、震度にすれば5強はありそうな揺れの中しかしハルヒは少し身じろぎしただけで仁王立ちのまま
俺に愉快そうに笑みを強めて揶揄するように言う
「このままだとみんな死ぬわよ、あんたもこなたもえみりも、もちろん私も」
『どうする? みんなで死ぬか、戦うか』
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:50:08.24 ID:cT1Qm0n80
「主電源接続」
「全回路動力伝達」
「第2次コンタクト開始」
「A10神経接続異常なし」
「初期コンタクト全て異常なし」
「双方向回線開きます」
「シンクロ率39パーセントで固定」
「ハーモニクス全て正常値」
「エヴァンゲリオン初号機リフトオフ」
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:53:52.97 ID:PfjbhGRz0
しえーん
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:57:31.12 ID:ygMN1vEnO
嗚呼、明日になっちまう……
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 22:58:47.85 ID:cT1Qm0n80
周りがなにを言ってるのか理解が出来なかった。
ただ自分がこれ以上ない大きさの選択肢を選び終わってしまったのは感じた
強い血の臭いに嫌悪感を超えて吐き気すら催しながら俺は歯を食いしばる
結局俺は流されるまま流されてここに座っている。
どうにか落ち着こうと目を閉じる、が周りの景色は消えない
むしろはっきりと目を閉じたことで細かいところまで、一気に視力がよくなったように周囲がよく見える
曰く、このロボットは俺の思うように考えるままに動く
もう一つの自分の身体のようなものだということだけは教えてもらった
だからどうしたという話だ、いきなり乗って動かすというまず漫画補正の第一前提はまぁ解けた
操縦する必要なんて無く考えるだけなら動かすことくらいはできるのだろう、きっと。
なら次の問題だ、勝てるか否か。
「……はぁ」
ため息をつく、吐息は目の前をこぽこぽと気泡になって浮かびそれもまた溶けて消えていった
なんの単語の頭文字なのかは知らないがLCLとか言う呼吸できる液体
鉄の臭いなんて周りくどいいいかたをしないでそのまま言うなら血の臭い
これが原因だ、気持ち悪い、気持ち悪い。
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:18:17.26 ID:cT1Qm0n80
息を吐けば気泡となる液体の中に浸かりきり。考えただけで動くでかいロボに乗って人類の敵と戦う
なるほど単純明快な話の流れだ、間違いなく俺が主人公のストーリーだ。
だが、このまま発進してうまく敵を倒して自分が生き残れればという条件が付けられれば
それはたちまちただの俺視点の悲劇にもなれない戯曲だ。
ならば俺は道化か、玉の変わりにロボに乗り猛獣と対するピエロか?
「エヴァンゲリオン初号機、リフトオフ」
言葉と同時に反作用で身体が前に放り出されそうになる。シートベルトは無いのだろうか
後方に動いてるらしいと自分とロボの視界で把握する。背中が壁に触れて固定される。
「ほら、ちゃんと座って。舌かむよ」
空気中、というかこの液体中に四角いウィンドウが現れてこなたの少し険しい顔が映る
俺は言葉の意味を図りかねたが先ほどの移動でずれた身体を深くシートに沈める
と同時に首が取れるんじゃないかと思うほどの勢いで上に打ち上げられる
重力が数倍になったのではと感じたその時間が20秒ほど続いた後に
今度は全力疾走してる途中で服の襟を捕まれたように下に引っ張られる
鞭打ちになるんじゃないかと思うほどの衝撃に、もしこれが液体がなくて普通に地上に居た場合だったらと
この血液のにおいする液体の存在理由をはじめて体感し、前を向く
緑の巨人が待ちくたびれたように比較的低いビルに腰掛けていた
吹き飛んだはずの腕はなんの問題も無く二本揃ってるし、全身ケロイド状態だったのも綺麗さっぱりだった
「修復機能つきの化け物をどうやって倒せばいいんだよ…?」
俺の頭には既にBADENDの文字が浮かんでいた
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:21:13.79 ID:cT1Qm0n80
えっと、確かアニメ一話がこのあたりで終わりだったよな?
数時間後にはバイトがあるんで今日はここまでで
明日もスレが残ってたらバイトから帰ってきて寝るまでは続けるつもり
スレが無かったら…
気が向いたら立てるかもしれない
長時間ありがとうございました
明日も平日だしゆっくり寝てください
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:21:26.80 ID:ag48KpDV0
ハ,,ハ
( ゚ω゚ ) ・・・
〔:::(::::∧::/:::::〕
|::::::::/::::::::::::/
〉:::/::::::::::::::〈
|::/:::::::::::::::::|
ノ:::::::::::::::::::::::|
ノ:::::::::::::::::::::::::::ゝ
| | | |
逮捕 ハ,,ハ お断りします
( ゚ω゚ )
〔ノ二二,___ / __,二二ヽ〕
|:::::::::::::::::::::::::::ヽ・ ・ /::::::::::::::::::::::::::/
〉::::::::: :::::::::::::〉 ・ 〈:::::::::::::: ::::::::〈 バサッ!
|:::::::::::::::::::::::::/ η ヽ::::::::::::::::::::::/
〔:::::::::::::::::::::/ ノ~ヽ ヽ::::::::::::::::::|
ヽ:::::::::::::::::/ /::::::::::::\ ):::::::::::::::::::ゝ
ノ:::::::::::::::::::| |_〜─〜-| |〜〜〜/
つまらないんでもういいです
ブログにでも書いてください
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:21:58.20 ID:ag48KpDV0
誤爆スマソwwww
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:37:57.25 ID:cT1Qm0n80
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:40:59.57 ID:ap83Qswn0
乙カレー
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 23:58:21.24 ID:IcOjemLR0
乙
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 00:20:46.65 ID:Trjhyb7i0
保守
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 01:03:16.24 ID:BIs40EZeO
ほ
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 02:01:19.96 ID:HR2PHSuS0
ほ
保
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 03:01:34.56 ID:ijTdwa15O
みくる「あら、有希ちゃん、何か用?」
長門「道に迷った」
みくる「じゃあ、私と一緒に外出るです〜」
長門「いい」
みくる「一人じゃ帰れないですよぉ」
長門「大きなお世話よ。牛」
みくる「牛?人の事を牛なんて言うものじゃないわ」
長門「だって、あなた牛でしょ」
みくる「怒るですよぉ、キョン所長に叱ってもらわなきゃ」
長門「所長が言ってるのよ、あなたの事。牛はしつこいとか、牛は用済みだとか」
みくる「ふぇ〜ん!」
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 03:06:17.03 ID:MUjNI37J0
守
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 03:41:54.25 ID:d/CD2spYO
このペースで行くならパー速のほうがいいと思うぜ
こっちほど荒れることも少ないだろうしな
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 03:59:55.28 ID:5WsuIJflO
ちゃんとしたSSがやりたいんならプリンでやったほういいんだぜ
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 05:42:02.67 ID:HR2PHSuS0
バイトからただいま
パー速かぁ
長くなりそうだしね〜
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 05:48:30.50 ID:HR2PHSuS0
オタクの面白基準がわかんねーwwwwwwwwwwwwwww
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 09:25:24.67 ID:SgmcH/oZO
ほ
お得意のVIPじゃなきゃやだやだですか
相変わらずこのてのスレのやつは自分勝手だ
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 10:39:39.30 ID:BIs40EZeO
ほ
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 11:55:07.48 ID:BIs40EZeO
し
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 12:15:27.46 ID:HR2PHSuS0
>>103 やだやだっていっても
このスレ定期でもパートでもない単発のしかも乗っ取りなんだがな…
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 12:21:21.42 ID:SgmcH/oZO
とにかく俺は書いてくれるの待ってるぜ。
仕事さぼって携帯から見てるんだ。
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 12:39:41.34 ID:HR2PHSuS0
「いい、まずは歩くことだけを考えるんだよ。自分の身体を動かすのと同じイメージ」
そんなこなたの台詞がシートの横のスピーカから漏れる。
そして最後まで肩に接続されていた安全装置も外され、完全なスタンドアローン状態
緑の巨人は相変わらずビルの上に退屈そうに腰掛けていて、いきなり攻撃を仕掛けてくることはなかったが
…しかし
「歩くことだけっつっても…」
感覚で行ってる、無意識下の行動を意識的にやるってのは難しいぞ
えっと…、
右足の踵を上げて、つま先を地面から離す。腿をあげて前方に向けて体重を移動させ
元の位置より前の座標の地に足を置く。
頭の中で行動を文章にして順番に意識する、とロボの右足はゆっくりと前に進み勢いよく地面に足跡を残した
「よし、次は反対だ」
スピーカから突然わっと声が上がる、歩いたという事実に対する歓喜の声らしいが
しかしなんだ、このロボはクララか? 動くことは当然の前提としてそこにあるものじゃなかったのか?
俺はいきなり無関係の一般人である俺に戦えと言って乗せられたことに続き
この一連の流れが本当に偶然やらなんやらで適当に出来上がった結果だということを肌で感じた
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 12:52:44.35 ID:HR2PHSuS0
右、左、交互に足を前に出しゆっくりと、だが確実に俺は神人に近づいていく
「…あっ……れ?」
気がついたらコンクリートの地面にヘッドパッドをかましていた
額に疼痛を感じ押さえるとロボットの手も不器用な動きを見せる。
「大丈夫!?」
「一体どういうことだ? なんか急に感覚が変になっていつのまにか転んだ…」
又も操縦席にウインドウが開きこなたが血相を変えて声をあげる
「自分のペースをイメージしすぎたんだよ、最初にゆっくり一つ一つの動作をイメージした時は平気だっただろうけど
エヴァがキョン君のイメージ通りに実際に動くまでにはタイムラグがあるんだよ、それを修正しないで
自分のイメージを先行させすぎればズレは大きくなっていくよ」
「あれだ、子供と一緒に歩いてるときに子供にあわせる感じか」
なるほど、わかりやすい。が、扱いにくい
こんなものはわかったところで対応できる性質の事ではないだろう
「とにかく早く起き上がって!」
「わかってる」
まず両掌を地面につける
上半身を起こして膝を曲げて前に
両腕を突っ張って上半身を立て、膝を伸ばして立ち上がる
イメージ、イメージ、イメージ
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 13:00:22.71 ID:HR2PHSuS0
「え?」
起き上がって神人を見る。つもりがすでにそこにはビルしかなかった
俺がぶっ倒れてる様に戦闘意欲を削がれたか?
しかし元から戦う気があったようにも見えないが…
とそんな悠長なことを俺は考えていたせいで、だから反応が遅れてしまった
しかしただでさえしようと思ってから動くまでに時間がかかるらしいのだ
だったらどちらにしろ間に合わなかったのだろう、でもそれでも心構えくらいは出来た筈だった
ミシッと強い圧力をかけられて何かが軋む音、続いて左腕の痛み
「……っつ!」
神人は別にどこかへ行ったわけじゃなかった、いや移動は確かにしていたが
それはあくまでも俺に対する戦闘行為の一環だったらしい
コクピット越しの自分の視界でなくロボを通した視点
それには紫色の細い腕が後ろから緑の蔦の様な腕に今にも握りつぶされようとしているのが映っていた
wktk
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 13:06:29.92 ID:HR2PHSuS0
「いってぇ! くそっ、どうなってんだよ、こんなの聞いてないぞ!」
ギリギリとミシミシとロボの腕が嫌な音を立て
それが自分のことの様に鈍く痛い
「嘘だろ?」
あまりの痛みに自分の視界で自分の腕を見る
そこには肘から手首にかけてぐるぐると”蔦のような何か”に締め付けられてるように
腕が圧迫されて鬱血していた。
俺はどこかでまだ安心してる面があった。
もし負けても自分がいる操縦席みたいなこの棒が壊されなければうまくすれば死なないんじゃないかと
時と場合によっちゃこの中に居るほうが安全だと勘違い、錯覚してる自分が居た
だが、こんな、攻撃食らったら自分にバックしてくるシステムだなんて聞いてない
これじゃ、ロボが完膚なきまでに壊されて操縦席が無事でも
結果的には俺は死ぬじゃないか
「うわぁぁっっっ!」
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 13:18:59.16 ID:SgmcH/oZO
そういえば原作でレイが出てくる場面スルーしたな
長門はいつ出るのだ
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 13:31:50.98 ID:HR2PHSuS0
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 13:36:02.80 ID:HR2PHSuS0
折れた、それはいともあっさりと
ポキッとかベキッとか、そんな”らしい”音は立てず
ただただ折れた感覚があった
別に骨を折ったことが無いわけじゃない
まがりなりにも17年生きてきた、事故の一つや二つくらいある
でも、こんな悪意と殺意と敵意と
そんなものに囲まれて腕を折るために折られた事なんて始めてだった
喧嘩もまともにしたことねぇんだぞ!?
「しっかりして! 自分の身体じゃない、それは歩いたり転んだりと同じように感じるだけ!
キョン君の腕は折れてなんかないよ! イメージを持って!」
「キョン君! ちょっと聞いてる!?」
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 13:44:57.30 ID:HR2PHSuS0
「落ち着け! 馬鹿キョン!」
痛みと共に現れたリアルな死という事実
混乱し動揺し狼狽し、そんな俺を正気に戻したのは結局誰でもないハルヒの声だった
「あ……あぁ、大丈夫だ。少し取り乱した」
「少しどころじゃなかったよ…」
そうだ、まだ俺はなんとか生きてる。
後ろから伸びてる手は折れた腕を執拗に締め付けるが大丈夫
気をしっかり持てば我慢できない痛さじゃない
「俺の腕自体はなんの問題もないんだったよな?」
「そうだよ」
「だったら…」
俺は右腕で左腕を絡んでいる神人の腕の上からしっかり掴む
痛みは当然増えるが元から意識してれば大丈夫だ、歯を食いしばれば問題ない
左腕を身体を捻じる様にして内側に引き込む
腕を掴んだままの神人は当然引っ張られてロボの背中にぶつかるぐらい接近する
「痛みに耐えさえすれば普通に動かせるって事だろ!」
声を荒げる、怒鳴る。そんなの自分が今まで数えるくらいしかした事の無い行動だ
俺は接近した神人に向かって折れた左腕で裏拳をかます
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 13:52:22.98 ID:HR2PHSuS0
そのまま肘で殴って殴って殴った
正直やっぱり裏拳は相手に与えるダメージよりこっちのバックの方がでかい
自分の腕が折れてなくても痛みで心が折れそうだった
「キョン君! 肩のでっぱりわかる? そこにナイフがあるから使って!」
「ナイフ!?」
肩のところのってコレか。さっきから後ろの神人を確認する際視界に入ってじゃまだと思っていたが
そんな隠し武器が入っていたのか
俺がそれを意識すると顔の横にナイフがシャコッと現れた
思うように動かない、動きが遅いロボに苛立ちを感じつつ
俺はそれを右手で抜き取り、左腕に以前絡みついた緑の腕を切り落とす
「痛い!」
とこいつが言ったかどうかは知らないが、俺の腕を折ってくれたお返しだと思え
俺は開放された腕を神人から遠ざけるように右回りで一回転して
神人に対し正面向いてやっとのこと対峙した
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 14:02:38.95 ID:HR2PHSuS0
ナイフを構える
なんていっても俺は別に切れたナイフと呼ばれたことなんてない普通の中高生時代を過ごしてきた
だからナイフなんて物を手にしたのは初めてで
構えたなんていっても適当に右手で掴んで振りかざしてるだけだったりする
だがナイフなんてものがこんな非日常の怪獣とウルトラマンみたいな戦闘に使用されるとは思わなかった
バタフライナイフを持ち歩く中学生じゃないんだからこんなんで強くなったような気は毛頭しないのだが…
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 14:12:44.25 ID:HR2PHSuS0
神人は斬られた腕から青い血と思わしき液体を垂れ流していたが
その量も少しずつ減っていく、そういえば自己再生ができるのだったか
このままお互い見詰め合ってても俺が与えたダメージが回復するだけで
俺には何の利も無い、ハイリスクノーリターンだ
「わぁぁぁぁっ!」
視界が上下に激しく揺れるゴツク硬い足がコンクリートの破片を巻き上げて
最初の歩いていたのとは比べ物にならないスピードで神人に接近する
走り出すのには時間がかかったが走り出しさえすればこのロボットは風のように走った
タイムラグを考えてまだある程度距離がある段階でナイフを振りかざして、そして振り下ろすイメージ
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 14:14:12.96 ID:HR2PHSuS0
コーヒーブレイク
お疲れさま
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 14:23:25.23 ID:FyNj+4DzO
一気に読んでしまった……作者GJ!
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 14:53:17.46 ID:HR2PHSuS0
衝撃はあった、手ごたえというかとにかく振り下ろした先になにかがあって
それにナイフは完璧なタイミングでヒットした
遅すぎて身体で体当たりを先にかますことも、早くて空振る事も無く見事にナイフはあたった
でも、刺さらなかった。神人の体には一ミリの傷も付けることが出来なかった
そして当然ナイフの方に意識をやっていた俺はナイフを振り下ろした後も走るのをやめるのを忘れていて
それにそのままの勢いで結局は全身で体当たりを食らわした
正八角形の薄く紅く光る半透明の薄い壁にぶつかった
額どころか膝も肘も、ナイフをその壁に阻まれていた右手は変な風に捻じれ手首を痛め
反動で後ろに不様に尻餅をついた
「なんだこれ!?」
倒れることの危険性はもう左腕を代償に十分知った俺はすぐに立ち上がる
といってもその気になればいくらでも攻撃できるような動きだが
鼻も打ったらしく後からツンと鼻腔を刺激する痛みを感じながら後退して距離をとる
その間もその発行するスケルトンの壁は不気味に宙を漂い神人の緑の体を照らす
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 15:02:46.74 ID:HR2PHSuS0
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 15:11:08.60 ID:HR2PHSuS0
「やっぱり奴らも持ってたの!?」
こなたの声、画面は出ていないで声だけだスピーカーから聞こえる
どうやら俺に話しかけてるわけじゃなく咄嗟にでた声がここにも聞こえてきたということだろうが
「やっぱりってなんだ? このバリアみたいなのの存在を知ってたのかよ!?」
「可能性だけど」
「ふざけんなよ……」
折角どうにかなりそうだったというのに
どうしろっていうんだよ…、ん? ちょっと待てよ
「奴らもってこのロボットも同じの使えたりするのか?」
「……可能性だけど」
「本当にふざけんなよ!」
畜生、役にたたないにも程があるぞ
可能性とかなんだとか、無限の可能性ってありがちな言い方を許してもらうならそれこそなんでもありになっちまうじゃないか
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 15:22:02.00 ID:HR2PHSuS0
イメージだろ? いいさ貧困な想像力を総動員してやろう
どうせそんなに苦労しないさ、きっと。
目の前に実物があるんだ無から有を出すわけじゃない
頭の中だけで絵を描くんじゃなくてトレースだ、簡単の筈だろう
「壁、自分を守る自由自在な壁、強固な壁」
目を閉じて自分の視界を閉じてロボの視点で、浮遊する正八角形を睨む
イメージ、ならシチュエーション、ポーズも手助けになるんじゃないか?
俺は両手を体の前に持ってきて胸の前で合わせる
数瞬たった、敵の前にある奴に比べればぼんやりと薄い弱弱しいものだったが
それは確実に存在を形作る
俺はナイフを掴みなおしてもう一度神人に接近する
同じタイミングでナイフを振りかざし振り下ろす
ただし、それはさっきと違い刺すのではなく斬る動作
はたしてナイフは分厚いゴムを切るような抵抗を受けながら緩慢な動きでその発光する壁を切り裂いた
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 15:27:58.73 ID:SgmcH/oZO
キョンはシンジより優秀だなw
根暗じゃないしw
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 15:30:22.03 ID:Pr/lckmS0
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 15:35:43.83 ID:HR2PHSuS0
「ざまぁみろ!」
半ばほど切り裂いて霞のように掻き消えた壁を越えて
俺は左腕で顔と思わしき仮面を掴み地面に叩き伏せる
神人はぱちくりとその仮面にあいた二つの穴を瞬かせる
このとき俺はアドレナリンの異常分泌による作用かなんなのか
左腕の痛みは完全に麻痺し、気分は非常に高揚していた
顔を掴んだまま、ナイフを握った右手で二度三度殴りつけ
腹部になにやら思い切り弱点らしき赤い球ころが引っ付いてるのに気がつく
俺はそこめがけてナイフを振り上げて、一拍おいて感覚と実際の動きを合わせて振り下ろす
が、やはりそれは弱点だったのか神人はこれまでにない程の気色悪い脈絡の無い動きで
マウントポジションの俺を振り払おうとし、ナイフはずれて押さえていた顔の目と目の間
眉間と思わしき部分に刃渡りの半分程度を埋めた
顔から青いぬめった液体が溢れ出し、ナイフは甲高い音を立てて火花をまわりに散らす
刺さったナイフと化け物の傷と血を見て俺はナイフを左手に持ち替え顔を刺したまま
右手を先ほどナイフを取り出したのと別の肩のボックスに伸ばす
二つあるのだからナイフも二つあるだろう、なんてそんな冷静な考えは無かった
その瞬間はただの反射というか、そんな感じでの行動だった
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 15:37:53.47 ID:HR2PHSuS0
>>127 その分いまいちキレきれなくて
少しキョンのキャラらしくないシーンも増えると思う
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 15:39:30.74 ID:ZJ5UzP7T0
期待してる
頑張れ
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 15:42:50.50 ID:HR2PHSuS0
パシッと吐き出される二本目のナイフを青い血で気味悪く汚れた右手で掴み
今度こそと振り上げ、一拍置いて振り下ろす
二度目の正直というか、目測誤らず二本目のナイフは紅球に突き立つ
顔の部分よりもずっと頑丈で刃先しかその球体に刺さらなかったが
火花は比べ物にならないくらい飛び散り、また神人の暴れようは最高潮に達した
俺は多分先刻のハルヒさながらの凄惨な笑みを浮かべていただろう状態で
左手も二本目のナイフの柄に添えて全体重をかけるように力を込めた
しばらく四肢をバタつかせ悶えていた神人はしかし紅球からでる火花の量が減るのと
まるで比例するかのように力なくなり、やがて球体が光をなくし灰色の塵となると同時に完全に動きを止めた
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 15:44:25.98 ID:HR2PHSuS0
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 15:53:51.74 ID:HR2PHSuS0
「はぁ……はぁ…」
全身の倦怠感、両手にこびり付いた血液の感触
いまさら戻る左腕の鈍痛、人間のと違う少し甘く生臭いそれでもそれとわかる神人の血の臭い
この短時間でずいぶんと慣れてしまった動きで俺は神人から離れ立ち上がる
神人が死に間際に暴れた際に抉れ倒壊した周囲のビルや道路
後ろを振り返れば一定の間隔でついてる大きな足跡
「キョン君!? キョン君! 返事して、大丈夫!?」
「こ…なた、か。問題ない、何も、ない。生きてるさ、無事戦闘終了だろ?」
「よかったぁ」
目の前に現れるウインドウにもそれが当然様に会話を交わす
「いま地図を送るから、きた時と同じルートで回収するから。…行ける?」
「……余裕」
非常に体が熱い、この俺を包んでる血の香りの強い液体には俺の汗が混じってるのだろうかとか
多少思考をそらしやっと生き残った実感を感じつつ、送られてきた簡単な地図を見て
足を動かそうとして…動かなくて
足元を見た、そこには俺が倒したはずの緑の巨人の腕と似た蔦のようななにかが幾重にもまきついていた
そして、目の前が真っ白になった
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 15:54:49.18 ID:pJfTCDOIO
支援
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 16:04:49.73 ID:HR2PHSuS0
次に俺の意識が戻ったのは見たことも無い場所だった
まぁ見たことも無くても想像はいくらでもできるというものだ
真っ白なシーツの布団に入って真っ白な部屋に居る俺
窓は少し開き木が風でゆれ葉の擦れる音がさわさわと聞こえ
真っ白なカーテンが風に揺らめく
こんな汚れやすい色で完全に統一した部屋なんてのは病院以外俺には思いつかない
この時点で二つの仮説を俺は立てていた
一つは昨日(俺の感覚的にだが)の出来事が事実だったということ
もう一つはあれが完全に俺の脳内の出来事でここは精神の病院だという可能性
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 16:11:12.31 ID:njFDHcvs0
初号機暴走が意識的に行われてるのな
キョンはやればできる子
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 16:12:23.19 ID:HR2PHSuS0
出来れば前者であって欲しいものだと思いながらとりあえずはベットから起き上がる
わずかだが消毒液の匂いがするのに気付く、精神病院は消毒液の匂いするのだろうか?
どうだろう、行ったことが無いからわからないがこの匂いはなんとなく外傷関係じゃないかと
少し希望が見えた気もしてベットから降りる、ご丁寧にサンダルまで真っ白だった
無駄に広い病室の扉をできるだけ音を立てないように開いて廊下に出ると
学校の廊下のようにたくさんの窓があってその一つをあけてサッシに肘をかけ
外の空気を肺いっぱいに吸い込む
ふと思い出して長い患者服の白い袖を捲くるが左腕にはなんの痕跡も残ってなかった
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 16:28:18.67 ID:fR6kI36pO
ほ
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 16:37:34.37 ID:HR2PHSuS0
「目を覚ましたって聞いて飛んできました」
捲くっていた袖を戻し、窓の外を眺め黄昏て数分たったか
青く長い髪を後ろでくくった姿でこなたが
膝上の丈のベージュの短パンとTシャツという非常にラフな格好で現れた
落ち着いた状態で見ればやはり彼女の体型の未熟さがよくわかる
最初はずっと車に乗ってたし途中からわけのわからない事象の連続でちょいと
俺の認識能力が低下してたのかそこまで気にしてなかったが
あぁ、こうしてみると俺より二つ年上だというのに俺の胸までもないその身長ははやり少々異常だ
「なぁこなた」
「なに?」
「あれは本当のことだったのか?」
「あれは事実だよ、キョン君。君はエヴァ初号機に乗って神人と戦闘し勝ったんだよ」
「今日は?」
「ん? 大丈夫あれは昨日のこと、普通に睡眠時間程度しか経ってないよ」
「そうか…」
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 16:43:14.05 ID:HR2PHSuS0
「で、君に会わせたい子が居るんだけど、会ってくれるかな?」
こなたは若干の逡巡を感じさせてからそう言った
「会わせたい奴?」
「うん、多分だけど…会っておいた方がいいと思う」
曖昧でいまいち掴みにくい台詞だった
こなたはしかし俺がなにか質問しようとしたのを感じたのかなんなのか
さっと踵を返してなにも言わずに歩き始めた
俺はサンダルの歩きにくさに気をつけながらとりあえず後を追うことにした
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 17:09:40.96 ID:pJfTCDOIO
ho
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 17:10:22.55 ID:SgmcH/oZO
結構長くなりそうだが頑張ってくれ。
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 17:12:38.90 ID:HR2PHSuS0
―――
「ズズッ……はぁ〜」
暖かい缶コーヒーを飲み、革張りの長いすに腰掛て観葉植物とにらみ合い
自販機がいくつか置いてある小さな休憩所
そこで俺はこなたの奢りのコーヒーを啜りながら時間を潰していた
壁にかかってる白い掛け時計は5分程度時間が経過したことを報せる
「……会わせたい奴ね」
あの後こなたはここで俺に待ってるように言って
また忙しなく正反対の廊下を通ってどっかに行ってしまった
「ズズッ……」
残り少なくなって冷えたコーヒーを一気に飲み干して空になった缶を手の平で転がす
しかしそれにもすぐ飽きて立ち上がり自販機の隣のゴミ箱に捨てる
歩くたびにサンダルのかかとがカコカコとうるさい
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 17:13:13.35 ID:HR2PHSuS0
>>143 さっきからありがとうww
でも仕事はしてくれw
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 17:17:22.03 ID:ZJ5UzP7T0
俺が帰宅するまで頑張ってくれ!
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 17:24:41.81 ID:HR2PHSuS0
革張りの椅子にまた座りなおして
自分のサンダルの音以外に足音が聞こえるのに気付く
いや、そりゃここは病院なんだし自分以外にも入院患者や見舞い人とか医者にナースも居るだろうし
むしろいままで誰も通らないことのほうが不自然だったのだと
廊下側に向けてた背を振り返り確認する
「……」
無表情な女の子がゆっくりとした足取りで俺の方に向かってきてる
いや正確には多分この休憩所なのだろう、俺は昨日ここに来たばかりの新入りなのだから
当然顔見知りなんて居ないし俺を見かけたからといって話しかけてくるような人は居ない
たまに初対面の人にも旧知の友のように話しかけてくるフレンドリーな人種も居るが
少なくともそんな雰囲気とその女の子は対極に位置してると言っても過言ではない
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 17:24:57.88 ID:Cwhqkp9a0
応援してるぜ〜
追いついた
頑張って 楽しみにしてる
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 17:47:25.05 ID:HR2PHSuS0
俺は顔を観葉植物に戻し両腕に体重をかけて後ろに少し傾く
こなたは一体何をやってるのか、時計の長針はさらにメモリ7つ分進んでいる
もしかしてこなたは観葉植物に視線のみで穴をあけさせようというのだろうか
とまたしても新しい足音がした、小走りでうるさったい、明らかに病院という場所を無視した足音
これは確実にこなただろうと振り向く
「のぅ!?」
「……」
先ほどの無表情少女が真後ろに立って俺を見下ろしていた
驚くほど色が白く、薄い眼鏡越しに見える瞳は漆黒と表現するのが適切のような眼だった
だが一体なんでこんなに俺に接近してるんだろうか?
もしかして俺がいま座ってるところはこの少女の指定席で俺が勝手にそこに座ってしまったのだろうか
なぜか自分には非が無いはずなのにすみませんと頭を下げそうになった
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 17:57:43.06 ID:HR2PHSuS0
「ちょ、ちょっと有希! スタスタ勝手に行かないでってば!」
目の前の少女にほぼ全視界を奪われてた俺はその声に我に返って
体を少し傾けて少女の横から顔を出して後ろを確認する
声の主はつまるところ先ほどのうるさい足音の主で
それは勿論と言うかこなただった
「よう、ずいぶん息が荒いな」
「あ、あはは」
「……」
こなたは後頭部を照れくさそうに掻いてから
深呼吸の後に咳払いをして
「えっと、この女の子が長門有希。キョン君と同じエヴァのパイロットよ」
「俺と同じって、…そもそも俺ってパイロットだったのか?」
「あら、聞いてない? まぁその辺の詳しい話とかも追々するよ
住む所とかも色々決めることもあるしね」
「住む所…、はぁ!? どういうことだ!?」
「第二新東京からここまでは近いようで遠いからね、有事の際は当然一刻を争うし
そんな時にはリニアは動かないしね」
流されに流されてる感じだった、まるで流木の如しだ
ってかそもそも俺以外にもできる奴居るんじゃん
ハルヒのやろう、何が俺にしか出来ない俺になら出来ることだよ
のせられた…
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 18:01:18.85 ID:HR2PHSuS0
「まぁ細かい事は置いといて、とりあえずキョン君が初号機のパイロットで
この子は違う機体の専属パイロットなの! わかる?」
どうやらあながち俺はのせられたわけじゃないのかも知れない
俺は単純すぎる俺に少々の呆れる
「えっと……よろしく、長門さん」
「……よろしく」
なんとなく握手のつもりで俺は手を出すが、長門さんとやらはその手を一瞬みて
『なんのつもり?』といった感じで俺を見てきた、いや台詞は単に俺の想像だが
しかし一気に俺のモチベーションが下がったのは確かだった
俺は俺に呆れる!
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 18:01:35.81 ID:YH2OjQD30
ハルヒとは知り合いなのに長門とは初対面なんだな
携帯からだが、良スレ支援!
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 18:32:13.98 ID:pJfTCDOIO
風呂上がり支援
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 18:34:34.40 ID:HR2PHSuS0
「え〜有希はキョン君と同じ17歳なので、まぁ仲良くしてください、うん」
適当な言い方だ大雑把ともいう
俺はとりあえず宙ぶらりんになってる右手をそっとしまって
「へぇ同い年ねぇ」と、呟きながら近すぎる距離を少し離すために
椅子から立ち上がって向かい合う
……こなたと交互に見てみる
「え? 同い年、なんだっけ?」
「……えぇ」
「ちょっと待ってキョン君、なんで私と見比べた?」
「いや、外見年齢を…」
「なに私はふけてると?」
いや、それは無い、絶対にない
お前は実年齢の半分で通せる、十分
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 18:35:12.68 ID:HR2PHSuS0
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 18:42:04.65 ID:SgmcH/oZO
仕事暇だ。
支援
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 18:46:14.25 ID:Zs1AlC950
これはいい。支援。
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 18:59:35.76 ID:HR2PHSuS0
―――
足元にジオフロントと大きなピラミッドのような形の本部施設が見える部屋
どんな構造になってるのだろうかと、首を傾げつつ未だ痛む頬を摩る
「んじゃ、まずはキョン君の今後についてね」
見かけによらぬ凶暴さを文字通り痛感させてくれた青髪少女は
平然と話を始める
「とりあえず住居に関しては第三新東京内にある職員用の住居になると思う
既に第二の前の家から荷物は送られてる筈だから、後は学校の転校手続きと
あ、これキョン君の正式なカードこれがないと本部に出入りできないからね
それでキョン君にはしばらくは初号機専属パイロットとして登録されるから
給料は結構いいはずだから、で、このカードは身分証明書にもキャッシュカードにもなるからね
あとはさっきいった学校に関しては第三新東京市立第壱高等学校ってところになるからよろしく」
矢継ぎ早に、まるでテレビアナウンサーの試験でもやってるのかという速度で
書類に眼を通しながら色々と大事なことを軽く言い流すこなた
「あ〜、事後承諾にも程があらぁな…」
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 18:59:53.33 ID:HR2PHSuS0
聞こえるか聞こえないかの声で呟いてため息をつく俺
どうせ無理やり途中で止めさせても事態はとまりはしないのだろうことは明々白々だ
俺は少し大人になったってことで
「でも、最低限確認ぐらいする暇はくれよ」って話でやっぱりこなたの話を遮る
自分の住む場所がわからなくて見知らぬ町を放浪するのは嫌だ
「とりあえず、この地図のこの場所に俺は引越しってことだろ? 荷物は移転済みと」
「そ」
「敷金礼金とかは?」
俺は一人暮らしだ
「カードカード」
「あぁこの中ね、しかしキャッシュカードか。給料ってどれくらいなんだ?」
「パイロットは基本的に一尉と同じ扱いって事で最低でも毎月50はあるよ
で、当然命を張ってるので出撃した際は当然ボーナスがつくよ」
それぐらいは当然か、月50万で命を懸けるなんて誰がやるという
そもそもじゃあいくらなら妥当かってのもない、金でどうこうの話じゃないはずだろ
あぁ、平和ボケした意見なのはわかってるさ
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 19:11:39.21 ID:HR2PHSuS0
「いま、キョン君のそのカードには1500万入ってるよ」
「…は?」
カードを弄くってた手を止める
急に桁が二つ増えたぞ、一般市民はなかなか手にしないぞそんな金額
なんか一気に敷金礼金気にしてる自分が阿呆らしく思えた
いや、それは現金か。たくさん手に入ったからって今までの価値観を早々に捨てるのは馬鹿だ
「すでにキョン君には単体でエヴァ初号機で出撃して作戦を成功させ敵を殲滅させてるからね」
成功報酬1200万+突然の事態での引越しやらなんやらでの生活費が300万だそうだ
ちょっと、待て。そういえばすっかり忘れてたが
「なぁちょっと話が変わるんだが、俺は本当にあの神人とやらを退治できたのか?」
「ん? どしたの急に」
そうだ、なぜ忘れてたんだろう。
結局倒したと思って、帰ろうと思った時に足に何か絡み付いて
目の前が真っ白になって…、あれで倒したとなんで思ってたんだろう
あれは確実に攻撃の類で、その後の記憶が無いならまた自己修復して暴れてた可能性だってあったじゃないか
「あぁ、記憶の混乱か…、精神汚染の危険性は無いって言ってたしそのうち思い出すだろうけど…
ん、あれはそうだね攻撃というより道連れかな。あいつは最終的に
身体の一部を自爆させてキョン君を道連れにしようとしたんだよ」
「……」
「でもキョン君が発生させたATフィールド、…あのバリアの事ね。
あれが爆発を抑えて、結局何事も無く終了。その後キョン君は自力でエレベーターで戻ってきたんだよ」
そうだったのか、記憶が無いのでいまいちリアリティが無いが
しかしそんな気もしなくも無い
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 19:19:04.30 ID:HR2PHSuS0
「ふぅ……」
「とりあえず納得できた?」
「あぁ、とっとと次いこう」
――あとの会話は少し省かせてもらう
内容はカードはクレジットカードにもなるという追記
高校の方の転入試験は免除であるという事
この後正式な退院手続きをした後に直ったばかりのマイカーで住居に案内してくれるということ
最後にエヴァについてやこの施設等見たこと知ったことは機密事項であり
パイロットである俺には守秘義務が課せられるとのこと
まぁこの四点程度だろう
しかし本当にあの車の修理費を経費で落とさせたのだろうか
こなた、中途半端な恐ろしさだ。七味唐辛子と偽って一味を渡すぐらいの恐ろしさだ
かけてしまった後では遅い
中途半端だw
支援支援
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 19:43:01.62 ID:7cZBC5zp0
支援
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 19:56:05.05 ID:HR2PHSuS0
――
爆発を受ける前よりも綺麗になってる車内
修理じゃなくて本当に隠れて新しいのと入れ替えたんじゃないだろうかと
微妙な猜疑心に駆られながら、俺は窓から入る風を浴びて
いまだにほぼ無人状態の街をのんびりと走る
「途中で買い物していこう」
ハンドルを握ってる手を離して、ポンと手を打つこなた
そのいいこと思いついたみたいな表現はいいからとっととハンドルを握れ、マジで
こんなのに権力持たせていいのかと真剣に悩み
さらに有事の際、つまりは俺が出撃する際にはこいつが直属の上司として俺に命令を出すというのだから恐ろしい
だが当人は俺の葛藤なんてどこ行く風で商魂たくましいスーパーに車を止める
…しかし青い瞳に青い髪のこなたの愛車は真っ赤なセダン
「あれか、お前は要するに反骨精神が旺盛なのか?」
「はい? いきなりどしたの?」
「ん、車のカラーの話」
「あぁ……、ん〜まぁなんか似たような色ってやじゃない?
白とか黒ならなんでも会うけど、あれって汚れやすいしね」
「ふぅん、まぁ俺にはわからんな車は。バイクバイカー」
「あぁ、バイクもこっちにきてる筈だから安心してちょ」
「了解」
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 20:01:31.04 ID:3Uy+Si3J0
続き続き!
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 20:03:10.75 ID:HR2PHSuS0
>>168 遅くてごめん
作業用BGMに気をとられるんだ
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 20:04:20.32 ID:HR2PHSuS0
「いらっしゃいませー」
自動ドアが開くと同時に威勢のいい声で出迎えられた
なんだ気持ちのいい接客だなおい、新しい家に向かう途中の道のスーパーなら
近いだろうから買出しはここを利用しようか
「はいはい、いいからいくよ〜。食べたいものでもある?」
「お前が作るのか?」
「歓迎会ッスよ、好きなものをお姉さんが作ってあげよう」
最高に似合わない台詞だった。が、俺はそれを口に出しはしない
頬に紅葉みたいなのはギャグ漫画の王道だが俺はギャグ漫画には関与したくない
無駄に痛い目見るばかりだ、絶対死ぬような事態が日常茶万事なのはごめんこうむる
「俺は好き嫌いないしな…」
「嫌いなもの無いのはいいけど好きなもの無いのはつまらないよ、君」
んじゃ、まぁこういうときの定番カレーかな、とこなたはジャガイモを手に取り
いくつか見比べてから俺に籠を持ってくるように促して野菜エリアを見回り始めた
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 20:04:33.24 ID:juWFwjetO
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 20:04:47.78 ID:8kwHWmNf0
追いついた支援
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 20:16:54.18 ID:HR2PHSuS0
入り口に重なってるカゴから一つとりついでに他のコーナーを回りながら遠回りで野菜コーナーに向かう
生鮮食品、冷凍食品、缶詰やらレトルトカレーとか一人暮らしには色々手間のかからないものが必要だったりする
「遅い」
「スマン、流石にそんなに食材を持ち運ぶとは思ってなかった」
手に取ったりはしなかったもののキョロキョロと真新しいスーパーをうろついてこなたと合流したら
こいつは人が来るまで待つという選択肢はなかったのか
ジャガイモ、玉ねぎ、ニンジン、キャベツ、万能ねぎ、ピーマン、もやし等々
およそカレーには必要なさそうな野菜までも大量に保有していた
これはカゴは一つでは足らないかもしれないと思う勢いだ
「あとは肉とルーと、…小麦粉炒める?」
「いや、変に手を加える必要はないさ」
「だよねー」
一気に重量を増したカゴを俺に押し付けて俺が先ほどまでうろついていた方に
さっさと進むこなたとそれについていく俺
肉は鳥か豚か牛か。意表をついてシーフードか
まぁシーフードならジャガとニンジンはいらんか
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 20:17:03.54 ID:SgmcH/oZO
仕事終わったが接待で帰れない。
こっそり支援
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 20:18:10.36 ID:HR2PHSuS0
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 20:28:40.64 ID:HR2PHSuS0
結論
「全部入れようぜ!」 byこなた
ということでチキンカレーでもポークでもビーフでもない
いうなればミートカレー? あぁでもミートてひき肉だな
まぁいいや、とにかく肉々しいカレーになりそうだった
そしてバーモンドカレー中からを2パック(1パックで12皿)と更にカップラーメンをいくつか買って
本日の買い物終了
締めて4089円なり
安い? まぁ新首都だしその他もろもろ考えれば安いか
こなたは財布から5000円札を取り出して支払いを済ませ店をでる
曰く「あんまりカードを人に見せないほうがいいよ」とのこと
暴力団の刺青じゃないが、持ってるだけでこれは下手な国家権力
まぁ警察の手帳とかよりも威力を持つらしい、特にその直接的恩恵を受けてるこの街では
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 20:33:06.76 ID:SgmcH/oZO
>>175 ありがとうw
新婚という立場を利用し電話かけに行くふりで、スレを読んでいるw
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 20:46:51.24 ID:HR2PHSuS0
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 20:53:10.19 ID:BGEn9cyd0
wkwktktk
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 21:16:43.52 ID:FoyXN7DZ0
ほ
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 21:31:11.43 ID:pJfTCDOIO
テスト前なのに気になる
ho
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 21:39:38.41 ID:HR2PHSuS0
勝手に飯を食ってきたよー
再開するよー
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 21:40:44.88 ID:qFlF/BU0O
いいねーがんばー
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 21:48:11.92 ID:HR2PHSuS0
つまり、俺もとっととどっかのATMなりなんなりで金を下ろさねばならないということだ
クレジットカードとして機能するなら硬貨や紙幣をもつ必要はないと思っていたのだが…
まぁ別にいいんだけどさ、クレジットカードって使ったこと無かったから使ってみたかったんだよな
「ふぅ…」
窓から顔を出す、緑がまったく見えない道路
似たり寄ったりの形のたくさんの建物
一度迷ったらなにを目印に行動すればいいのやら
「ちょいと寄り道おけ?」
「もうなんでもおーけーだよ」
遠心力がかかって車は曲がる
機械的な街からゆっくりと遠ざかり少しずつ常緑樹が生え
土が見えて山が見える
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 21:49:22.51 ID:HR2PHSuS0
「どこに行くんだ?」
聞く
「あの山の向こうまで」
なんとなくロマンティックなかほりのする台詞であった
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 21:50:49.75 ID:FoyXN7DZ0
wktk
ええい、この言葉を贈らんと書き手はやる気が出ないのはわかってるんだ
支援
べ、べつに続きが気になるってわけじゃないんだからね!
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 22:14:11.01 ID:HR2PHSuS0
ごめん
コーヒー飲みながら絶対彼氏見てたw
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 22:20:44.64 ID:Cwhqkp9a0
彼氏おかしいだろww
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 22:24:19.82 ID:SgmcH/oZO
支援
やっと帰れるぜ
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 22:29:07.63 ID:HR2PHSuS0
「見て見て」
こなたは車から降りるなり走り出し
山の頂上付近にある小さな広場で手を振りながら俺を呼ぶ
ぴょんぴょんとジャンプして、まるで子供そのものの姿
「こんどはなんだってんだ?」
たった二日しかも実際に会話をしてる時間なんて片手で数えられる程度のはず
なのにもうこいつの行動に慣れたというか変にリアクションを取るのを諦めたと言うか
こなたは腰程度の高さの柵につかまり下を見下ろす
俺も近づいてそれを真似る
「なんか、寂しい街だな」
太陽に照らされて、紅に染まる町は等間隔で並ぶビルと
離れた場所にポツポツと並ぶ住宅
ここから見える範囲が広い分、そのポツネンと取り残されたような街が寂しく映る
「そうでもないよ」
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 22:54:21.02 ID:+v0aQUCxO
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 22:58:55.31 ID:HR2PHSuS0
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:00:04.13 ID:+v0aQUCxO
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:00:13.18 ID:HR2PHSuS0
こなたの、少し誇ったような声を皮切りに
低いサイレンが、腹に響くような音が広がる
同時に装甲の様に建物と建物の間にあったスペースが大きく口を開ける
「…すごいでしょ?」
俺の顔を横目で見て、楽しそうにこなたは言葉を紡ぐ
だけど、俺にはそれに答える暇は無かった
目の前で、空いたスペースから次々に立ち並ぶ種々様々な建築物、建造物
「ビルが、生えてくる…」
「これが対神人戦用要塞都市、第三新東京市」
サイレンが鳴り止む頃にはそこは暗くなってく街に人口の光を灯し
色々な大きさの建物が立ち並ぶ首都としての街が出来上がっていた
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:00:31.99 ID:+v0aQUCxO
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:00:53.14 ID:HR2PHSuS0
>>195 なるほろw
なにか矛盾点でもあったのかと二度読み直したw
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:01:56.33 ID:HR2PHSuS0
「いまはどう? 寂しい街だと思う?」
「…いや」
面白い街だと思う、綺麗な街だと思う
やはりこれが戦うために作られたならそれはそれで――やっぱり少し寂しい気がする
でも、今はそんな本音を言う場面じゃないだろう
「住み心地の……よさそうな街だよ」
「うん、保障するよ」
それからこなたは夕日が沈み、空が紫になるのを待ってから口を開いた
「キョン君」
「うん?」
「君はさ、巻き込まれたって思ってるかもしれないし
戦ったのもいやいやかもしれない。」
「……」
「でもこの景色を守ったのはキョン君なんだよ。胸を張ればいいよ」
ありがとう、と言おうと思ったけど
やっぱり俺はそんなキャラじゃないしそんな改まる場面でもないと俺は思い直し少し軽い感じで
「さんくー」
200 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:07:24.85 ID:Cwhqkp9a0
キョンw
にょろーん・・・
202 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:10:06.91 ID:HR2PHSuS0
ねるねるねるね
してもよかですか?
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:15:34.09 ID:xBw7IuEF0
読んでて、ミサトのポジションに古泉を充てたくなったけど、
それじゃなんか微妙なホモに・・・と思ったが、
よく考えたらカヲルはガチだしなぁ・・・orz
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:20:35.51 ID:7cZBC5zp0
>>202 ちょw接待終わってやっとPCから見れると思ったら終わりかよorz
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:24:05.17 ID:+v0aQUCxO
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:25:24.76 ID:7cZBC5zp0
あれ?
>>166とIDが同じだ。仕事中で家にいなかったのに。
まさか嫁が見てる...?
良かったな所帯持ち
208 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/03(火) 23:55:33.92 ID:+v0aQUCxO
ほ
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 00:05:48.66 ID:WvgWcavf0
ほ
210 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 00:18:51.07 ID:Ch9GrruHO
何でこなたなんだ・・・
211 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 00:28:41.21 ID:BJ8UjYag0
ほ
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 00:59:29.54 ID:BJ8UjYag0
ほ
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 01:24:17.37 ID:BJ8UjYag0
ほ
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 01:31:18.91 ID:zb+XmsVBO
ほ
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 01:33:46.51 ID:U3dISKo20
>1が、かがみんだからだな
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 01:59:27.58 ID:zb+XmsVBO
ほ
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 02:53:19.25 ID:KPX+EauY0
保
218 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 02:53:41.27 ID:/ilQzCp4O
長門「ワシを殴ってくれ」
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 03:22:32.90 ID:BJ8UjYag0
ホ
220 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 03:49:32.50 ID:FrhUY0fJO
ほ
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 04:04:17.59 ID:BJ8UjYag0
歩
222 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 04:20:05.24 ID:BJ8UjYag0
ふぉ
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 05:32:22.32 ID:Azoh56qS0
ほ
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 05:51:15.23 ID:Azoh56qS0
さて…と
昨日とは比べ物にならない位の保守に感動しつつ再開するよー
225 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 06:46:18.07 ID:Azoh56qS0
ここが新しいおうちですよー
と、車に揺られて山からさらに十数分
こなたの間抜けな声に引かれて窓から顔を出し
見えたのは明らかに庶民には手の届かないようなマンションだった
っつかさっき山から見て一番でかかった建物だと思われるのだが
「や、家賃はいかほど?」
「ん? 寮みたいなもんだからそんなん気にしなくていいらしいよ
社員特典的な?」
つくづく桁違いだと思いながらとりあえず顔を引っ込めてこなたが駐車場に車を停めるの待つ
顔を出しっぱなしにしてたら危うく額が削れるところだった
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 06:52:01.72 ID:Azoh56qS0
「おぉ、俺のバイクがある」
車から降り、マンション入り口に向かう途中で見慣れたバイクを発見
もちろんマイバイカー(比較級)排気400ccのCB
「ん、ちゃんと荷物全部届いてるみたいだね」
俺の肩をポンと叩いてこなたは自分のカードを取り出して入り口の扉についた
ゴツイ機械にそれを通す、一瞬後電子音がして扉が左右に開く
セキュリティは万全か、俺は一定の速度で首を振る監視カメラを眺めつつ
自分のIDカードを取り出して扉に差し込む
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 07:06:29.78 ID:Azoh56qS0
先ほど買い物した荷物を全て俺が持ってエレベーターで8階へ
昨日今日と上下方向の移動が激しすぎる
「ここだよー」
エレベーターを降りてすぐの道を直進したつきあたりの場所
そこがどうやら俺の新居となるらしい
玄関の前には大量の段ボール箱が……大量の…
「いや、いやいやいやいや」
これは大量すぎる、俺はこんなに私物を所有した覚えは無い
そもそも俺には物欲とか占有欲とかその手の欲求は比較的薄いほうで
家具を除いて自分が愛着を持って長期間所有してるのは書物の類しかない
だが、それも俺の身長を超えるほどの積載量には到底及ばない
「どしたのよ?」
こなたは荷物の前で顔をしかめて立ち止まる俺に不審気に声をかける
「いや、荷物が多すぎるだろ」
「あ、そういや言い忘れてたね〜」
後頭部に手を当てて、たはー、と愉快気なため息を漏らす
確信犯だ(わざと誤用するのがコツ、だそうだ)と俺は理解した
……関係ないがここで確信したと言葉を重ねて見ようかと思ったがやめた
228 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 07:12:55.28 ID:Azoh56qS0
こなたが次に言う言葉が俺には手に取るようにわかる
「私もここに住むのだよ」
だ・か・ら、と一文字ずつ区切ってこなたは俺の腰から俺のIDカードを取り出し
自分のと二枚俺に見せるようにしてからまず自分のカードを扉についた
マンションの入り口と同じ機械に通す
「私のカードで鍵を閉めることも開ける事もできるし」
緑のランプと赤のランプが交互に点灯する
「勿論キョン君のカードでも同じ、他の人のでは開かないこの二つのカードのみで施錠開錠ができますっと」
どうよ? といわんばかりに無い胸をそらしフンと鼻息をつくこなた
一体こいつはなにをそんなに誇らしげにしてるのだろうか
俺と自分の年齢とか性別とかその辺を理解できてるのだろうか?
それともなにか、このマンションはそんなに飽和状態に人間が詰まってるのか?
229 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 07:22:09.10 ID:poDRNb6e0
ワクテカァ〜
230 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 07:22:46.14 ID:Azoh56qS0
手に荷物を持ってなかったら手刀の一つも入れる場面だが
しかしこなたは不意に笑みを消して俺に詰め寄る
「ずっと、一人暮らしだったんでしょ?」
「……」
「ここでも一人暮らしするつもりだったんでしょ?」
「……家族なんか、居ないからな」
自然と口調が暗くなる、触れて欲しくないと、思う
「一人は、寂しくない?」
「…人間はなんにでも慣れるんだよ」
「それは、違うよ」
こなたは、呟く
「寂しいことには慣れないよ、人間はそれを我慢することに慣れるだけ」
「だからどうした?」
だから、どうした。
231 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 07:24:45.71 ID:jBKInAMeO
たはー支援
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 07:27:02.98 ID:Azoh56qS0
「だから、私が家族になったげようと行ってるんだよ」
それはまさしく、不意打ちだった
なぜだろうか、普段おちゃらけてるからいきなりの真面目な台詞に心打たれたのだろうか
…冗談じゃない、俺はクールだ。 だから俺は泣かない
目を擦って誤魔化そうとしたけど、荷物が邪魔だったから
俺は上を向いてみた、涙がこぼれない様に。口笛は吹かないけど。
「私は先に晩御飯作ってるから」
こなたは俺の手から荷物を勝手に奪って家に入っていった。
廊下の照明が、やけに目に沁みた
昔の友人にいきなり呼び出され、半強制的にエヴァとか言う巨大ロボに乗せられて
化け物に殺されかけて、目が覚めれば病院で。
233 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 07:28:15.54 ID:Azoh56qS0
第三にきて、初めて俺は人と触れた気がしたように思う
『人間が泣けるのは、そのまま泣く為なんだから我慢しなくていいのよ』
そういってたのは誰だったか
俺は少しだけ、何年ぶりかの涙の味を感じた
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 07:33:09.58 ID:Azoh56qS0
俺は目頭を押さえて深呼吸してもう一度廊下の照明に目を向ける
あぁ、気まずいな。それに格好悪い。
「やっぱりヒーローなんて俺には無理だな」
苦笑い、の後、俺は玄関に足を向ける
圧縮空気の抜ける音がしてから、こなたの料理してる音がいい匂いとともに微かに聞こえる
息を吸って、吐く
「ただいま!」
こんな台詞を言ったのももう何年ぶりか
「おかえり!」
こんな台詞が帰ってきたのは何年ぶりだったのか
俺は泣いたり笑ったり、これのどこが感情を表に出さない奴だと少し自分に呆れた
235 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 07:33:38.97 ID:Azoh56qS0
アニメ二話あたりまで終了
236 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 07:34:43.67 ID:7zKZ+rx8O
うまいなぁと思います
237 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 07:36:22.00 ID:jBKInAMeO
238 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 07:37:06.45 ID:ypJbQty9O
おはよう支援
乙がんば
キョンのCBが何なのか気になる
240 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 07:42:29.63 ID:Azoh56qS0
>>237 サンクス
今脳内ではサハクィエルあたりまでは大体骨組みは作ってある
ただアニメ版ラスト二話はシンジの補完だからその辺は映画版方向で行きたいし
バッドエンドにもしたくないんで「気持ち悪い」√にもならないようにせんといかん
さらに合間に幕間というか別段イベントの無い番外編も混ぜたいしな
あとコレは完全キョンの視点のみで書いてくから
「なに!?全弾命中のはずだぞ!」とか
「勝ったな」「あぁ」とか
「全てはゼーレのシナリオのままに…」とか
「これは破壊よ、人じゃないもの」とか
そういった立ち会わないシーンはかなり改変なると思うのでよろしく
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 07:46:37.79 ID:Azoh56qS0
242 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 07:46:42.88 ID:jBKInAMeO
243 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 07:47:00.66 ID:5fyFshvTO
BADにしない方針ならアラエル時点でGOOD ENDになるよう仕向けるべきだな
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 07:48:23.40 ID:Azoh56qS0
>>243 個人的にそこは結構悩んでる
バルディエル戦、アラエル戦、あとはカヲルのあたりは完全に真っ白
245 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 07:55:07.57 ID:Azoh56qS0
あ、ちょっと待って
まだアニメ二話分終わってないな
二話のAパートの終わりがシンジのただいまか
この台詞が頭に残ってたから勘違いしてた
246 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 08:18:11.50 ID:jBKInAMeO
ほっしゅ
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 08:26:37.03 ID:/opA8MLYO
追い付いたほしゅ
カジさんの配役がめがっさ気になる
248 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 08:30:31.73 ID:jBKInAMeO
ハルヒもらきすたも男が少ないよね
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 08:55:55.87 ID:Clq3JPgyO
元々が鬱真っ盛りだったりするから相当改変しないと難しいのは仕方ないか。
しかしそんなに長編ならやっぱパー速がいいんじゃないか?保守もいらないし、俺はクオリティのために作者のペースでやってほしい派だしな。
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 09:33:59.66 ID:QILDqNa40
251 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 09:36:34.24 ID:Azoh56qS0
>>250 まぁまぁ…
だが俺もパー速ってのは人が固定して
ある程度コミュニティとして形ができてないと無理だと思う
パー速自体は人が少なくて寂れてるイメージが先行するし
どうにも苦手なんだよな…
>>241 d
キョンらしいなwww
ってかゴットゥーザ様wwwwww
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 09:47:06.50 ID:Clq3JPgyO
>>250 確かに。今は反省している。
次スレ突入はおそらく確実だろうし、その時にまたVIPだとスレストされたりしないかと不安だった。
家の間取りは3LDK、洋室二部屋に和室が一部屋
洋室一部屋と和室は6畳、もう一つの洋室は8畳
キッチンはピカピカシンクのシステムキッチンでリビングダイニングは12畳位
「風呂とトイレは?」
「別々」
「ですよねー」
よかった、ユニットバスだった場合
どちらかが風呂に入ってるときにもう片方はトイレに行けない
特にその被害に会うのは俺
しかも普通のラブコメならドキドキうれしはずかしハプニングだが
ことが俺とこなたの場合になるとハラハラロリコンで即逮捕だ
だから支援と言っておろう?
ぬし、中々の書き手じゃな
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 10:07:13.24 ID:Azoh56qS0
・VIPのサーバーだけに繋がらない
・マウスが突然動かなくなる
・キーボードが突然反応しなくなる
・強制再起動で書いてた文章が散る
しばらくのんびりペースでおまちください……orz
258 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 10:12:59.50 ID:jBKInAMeO
259 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 10:15:48.56 ID:Azoh56qS0
リビングダイニング、まぁ合わせて居間と呼ばせてもらうが
とにかくその広い居間には備え付けの家具だろうか四人がけの洋風木製テーブルがある
当然椅子も洋風木製のチェアが四脚
それに俺とこなたは向かい合って座り、こなた作のカリー(洋風)を食べていた
実は関係ないと思ってた野菜も全部まとめて鍋で煮込むぜー
なんて言うこともなく普通にうまかった
…訂正、かなりうまかった
「が、それにしても作りすぎ感は否めないな」
「あはー、カレーって作り置きがきくからついたくさん」
新しいキッチンには寸胴鍋一杯の肉々しいカレーが威圧感たっぷりで雄々しく佇んでいる
しかし作り置きがきくといっても限度がある、常夏の国日本ではカレーの放置は実はかなりヤバイ
たくさん作れば作るほど、万一の際の被害は甚大である
「きちんとかき混ぜて火を通して、それでも明後日以降は凍らして保存しよう」
「…了解」
いきなり生活感溢れる冷蔵庫の中身である
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 10:18:53.29 ID:Azoh56qS0
「さて、キョン君」
スプーンを置いて急に真剣な面持ちになるこなた
俺は口に含んでた分をゆっくり咀嚼してから飲み込み
スプーンを置いて次の言葉を待った
「私達が共同生活を送るにあたってまず決めなくちゃならないことがあるよね」
…それは俺も後で切り出そうと思ってたことだ
ふん、なるほどこなたも考えてはいるということか
「家事の分担………か…」
「……そう、その通りだよエジソン君」
「…ワトソンだ」
261 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 10:23:09.81 ID:poDRNb6e0
この二人は何気にノリが良いからな〜wktk
262 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 10:23:40.34 ID:Azoh56qS0
閑話休題
「まぁ、俺も来週から学校だったか?」
「そうだよ」
「こなたのほうもSOSの方で仕事あるだろ?」
「まね」
「ふん、こういうのはわかりやすいのがいいよな」
一々、洗濯とか掃除とか食事とかを分けて更に平等になるように日や週でバランスとるのは
ちょいと面倒だ、手間がかかるし覚えるのも時間がかかる
こなたの料理の腕を見る限りその他の家事が壊滅的ということは無いだろう
俺だって数年間一人暮らししてたという自負はある
「俺は月水金」
「私は火木土だね」
よし、平等。
「日曜は?」
263 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 10:26:19.39 ID:Azoh56qS0
「…えぇい! なぜ一週間は7日かな?」
「偶数だとやりやすいのにね〜」
まぁ、待て。落ち着け、クールに、クールにだろ? おじさん
…いや、俺がおじさんという呼称を持ってる人間に快く思ってる奴は一人もいないがな
「よし第一、第三日曜日は俺だ」
「第二、第四は私だね」
よし、平等。
「……第五日曜日は?」
264 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 10:29:28.50 ID:Azoh56qS0
「畜生! なぜ一月は毎回微妙な日にちの並びなんだ!?」
「どうせなら全部の月を28日か35日にすればいいのにね。私前者希望」
「馬鹿者、月刊誌が薄くなるぞ」
「週刊誌の年間発行数も減るね!」
閑話休題、ってか話しズレ過ぎだって……
結局、毎日交互でよくない? というこなたの発言がでるまで十数分俺は悩んだ
265 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 10:46:05.60 ID:Azoh56qS0
カレーをよそった皿は水につけとくか
とっとと洗ってしまうかしないと、皿に色がつくし油は染み込むし非常に汚れが落ちにくくなる
俺はそんな基本的な知識を元に皿を早々に洗おうと
こなたの分も引き上げて流しに持っていったのだが
しかし結局洗わずに水に浸けて放置している
なぜか? 理由は至極簡単だ
俺は引越しをしたわけだ、ここに
で、いまは晩飯を食うような時間であってつまりは夜だ
人間夜は寝るものだ、寝るのに必要なのは布団だ
――布団はどこだ?
答え、ダンボールの中
自分で荷造りしたならともかく
何者かによって勝手にまとめられた俺の私物
しかもダンボールにはマッキー等でなにか目印になるようなものが書かれた痕跡は無い
結果、一つ一つ確認する羽目になった
ってか敷布団とかをダンボールに入れるんじゃねぇよ、常識ねぇのか?
あぁそれとも嫌がらせか? ハルヒの
266 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 10:51:43.30 ID:Azoh56qS0
8畳の洋室の方はこなたにあけ渡して
俺は6畳の方の洋室を使うことにした(これは単に俺が今まで狭いワンルームで生活してた所為で落ち着かなかったからだ)のだが
……今度ベットを買おうと切実に思ったりした
洋間に布団を敷くのはなんとなく間抜けだ
「…服」
違う
「…小説」
違う
「……CD」
これも違う
「………写真集」
いや、いやいや違う
「…………下着類って!」
しまった、すっかり失念してた。
俺の私物を全て持ってきたのなら当然こういった物も含まれて当然か!
畜生、見ず知らずの誰かに俺がどんなエロ本を持ってるのかまで完全に知られてると思うと
ぞっとしない話だぜ
267 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 10:56:46.56 ID:Azoh56qS0
コンコンと開いてるドアを叩いて
こなたが頭の上にバスタオルを乗せて立っていた
「なんだ?」
「先にお風呂もらうよん」
「おぉ、勝手にしろ」
――風呂か、熱いシャワーでも浴びたい気分だ
全身の嫌なものを根こそぎ洗い流してくれるような気がするから
カレーも食べて汗もかいたしな
しっかし、男女で同じ屋根の下ってのにまったく色気の感じない生活になりそうだ
「…まぁ退屈はしないだろうな」
気を取り直して俺はダンボールを空ける作業に戻る
いくらこなたが早く出てきたとしても、風呂上りにまたこんな作業するのは嫌だからな
布団を見つけてあけたダンボールを片付けなおさなくては風呂には入れない
保守してくりゃれ?
269 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 11:24:06.01 ID:Azoh56qS0
「よし」
無い←結論
全てのダンボールを空けて中から出てきたのは
結局私服と本とか諸々だけだった
仕方あるまいと散乱した中身を一時的に戻して
ダンボールを重ねて押入れに叩き込む
明日明後日は家具を含めて色々買い物で忙しくなりそうだった
俺はとりあえず今日はリビングにある備え付けのソファで寝ることにして
埃っぽくなった自分の体に辟易しつつ、台所でうがいをすることにした、まる。
追記 結局俺の布団やらはこなたの方に行ってたらしく後日キチンと出てきた
270 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 11:30:04.52 ID:poDRNb6e0
なんだか長門のATフィールドは激強ッぽそうだな
271 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 11:42:22.86 ID:Azoh56qS0
――――
第壱高校2年A組
同じパイロット(まだ実感無いが)仲間の長門さんとやらも居るという
俺がこれから通うクラス、これから担任となる先生が俺に少し待ってるように行って
教室に入っていった、この後呼ばれて中に入って自己紹介
転校なんてのは初めてじゃないが、やはり多少緊張するな
「あ、入ってきてくれ」
「はい」
呼ばれて少し抵抗のある引き戸を空けて中に入る
と同時に30人程度の人間が視界に入る――
「はぁ!?」
なんて風に危うく叫ぶところだった。
が、何とかそれを飲み込んでできるだけ平然と冷静に、自分の名前と前の学校とか適当に言って
最後に「よろしくお願いします」とテンプレートで終える
担任教師に空いてる席に座るように指示されて、いくつかある空席の中でもっとも「奴」から遠い席に座る
272 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 11:48:00.71 ID:Azoh56qS0
「奴」は悠然と腕を組み、背中越しにも鋭い視線を飛ばしてくる
誰かって? これって説明が必要なのか?
俺はできれば避けたいのだけれど…
しかし言わなければならないのなら仕方ない
あぁ、想像通りだ。正解だよ、よかったな。
涼宮ハルヒ閣下様々だ
奴は教室の中心の席に座り俺に圧倒的なプレッシャーをかけてくる
これが第三に来てすぐだったなら、俺は一も二もなくあいつに話しかけていただろうし
席だってあいつのすぐ隣の席に座っていただろう事は想像に難くない
だがいまは状況が違った
「どんな顔して話せばいいんだよ」
ボソッと無意識に呟く俺、だが幸いなことに窓側最前列というこの席
風の音にうまくかき消されたのか隣の席の女生徒に不振な目を向けられることはなかった
273 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 12:06:16.74 ID:zb+XmsVBO
今日も仕事をさぼり支援
274 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 12:07:11.03 ID:Azoh56qS0
275 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 12:08:46.37 ID:Azoh56qS0
あ、書き込みできたw
支援
家族無し設定ってことは妹出番なしか
277 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 12:17:12.88 ID:Azoh56qS0
>>276 キョンですら
名前とか厳しいのに
あだ名すらない妹は正直ごめんなさいでした
278 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 12:48:49.92 ID:3+2Kd1qY0
>>1のせいで俺の仕事が大幅に遅れてるんだがどう責任をとってくれるんだ?
もっとやれ
保守
280 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 13:13:07.61 ID:Azoh56qS0
>>278はのめり込みすぎて最初の展開を忘れてしまったようです
282 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 13:23:45.48 ID:3+2Kd1qY0
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 13:46:35.90 ID:zb+XmsVBO
>>274 だるくて長門注入しないとやってられん。
リアルの嫁より長門
284 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 13:48:10.82 ID:INgMWCi0O
長門「…あなたには私が乗るわ」
ほしゅ
286 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 14:34:16.86 ID:poDRNb6e0
何が起ころうと暴走しないキョンエヴァ
287 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 15:21:09.78 ID:poDRNb6e0
保守って何分間隔でやれば良いのかと疑問に思いつつ
保守
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 15:53:35.83 ID:/ilQzCp4O
長門「私は誰?」
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 16:22:42.99 ID:68Ka9mh3O
内用は悪くないのに文体が…
山田悠介作品読んでるみたい
ありゃ内用もあれだが
というツンデレ保守
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 16:46:24.64 ID:ypJbQty9O
テスト\(^o^)/
息抜き保守
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 17:04:29.32 ID:SA4L8bDPO
保守
292 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 17:17:55.22 ID:b8/lhpExO
\(^o^)/
293 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 17:47:09.99 ID:yCHgMRc60
長門「私が死んでも代わりはいるもの保守」
帰ってくるまで残ってますように
願いを込めて支援
295 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 18:03:52.59 ID:SA4L8bDPO
みくる「パターンホモ!一樹です!」
キョン「なぁ、本当に俺が乗らなきゃダメか?」
ハルヒ「早くいきなさいよ」
古泉 『キョンたーん!!』
ハルヒ「ほら!ご指名よ!」
キョン「いつから指名制になったのかと小一時間問いたい。いや問わせて下さい行きたくない助けて下さい」
古泉 『ふんっ!ふんっ!ふもっふん!!』
キョン「見ろよあの素振り。間違いなく戦うつもり無いだろあの腰振り」
ハルヒ「ある意味戦いよ」
キョン「ああ、精神力との戦いだな。助けて下さい」
ハルヒ「グダグダ言ってないで逝って……こい!!」
キョン「いやだぁぁぁ!字が違うから!字が違うもの!やめて!出撃させないd…」
ガシャンッ!ゴガガァァァ!カシューン!
待ってました!!
いやっ、やめ……アッーー!!
長門 「……こんな時、どんな顔をすればいいのか分からない」
こなた「笑えばいいと思うヨ」
みくる「ひょえぇ〜…むごいですぅ」
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 18:07:34.72 ID:poDRNb6e0
A・T・フィールド! A・T・フィールド!
支援
アスカはかがみかな?
298 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 18:36:15.30 ID:jknpuEer0
ほ
299 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 18:59:35.67 ID:SA4L8bDPO
まだかなまだかな
300 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 19:11:27.27 ID:4Jvg8IqP0
まだまだだね
301 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 19:20:03.40 ID:XY43tiSg0
ほ
302 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 19:31:22.61 ID:4Jvg8IqP0
る
303 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 19:37:49.23 ID:heFqeYmaO
ほ
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 20:00:12.72 ID:WvgWcavf0
ほ
305 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 20:22:18.51 ID:Cx4ReDhWO
ほ
306 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 20:22:29.62 ID:BJ8UjYag0
た
307 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 20:33:38.78 ID:FU9bT51x0
る
308 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 20:36:52.15 ID:ZGPizaEt0
俺「・・・長門には俺がのるわ。」
309 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 20:57:07.18 ID:ypJbQty9O
ho
310 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 20:58:04.71 ID:I6UetPPJO
保守の手を休めないっ!
312 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 21:30:35.01 ID:SA4L8bDPO
ほ
313 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 21:34:31.27 ID:4Jvg8IqP0
し
314 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 21:37:42.86 ID:Azoh56qS0
>>272 ため息をつく回数が極端に増えたと思う
幸せとかいう曖々昧なものに執着は無いがせめて不幸にはなりたくない
自分の使ってるバックから端末を取り出して机にある学校のケーブルとつなぐ
ポーン
つなぐと同時に小さく軽快な電子音が端末から鳴る
……メール、か?
この学校用の端末は基本的には普通のノートパソコンと昨日は変わらないのだが
企業用のパソコンが黒を基調にしたのが多いのに対して、学校用端末は赤やオレンジといった
わりと目立つ色が採用されている。
俺の使ってる端末は第二の時の奴だが色はここと同じ赤だった
この端末という奴には、だが一つだけ普通のノートパソコンと違う点がある
それがこのケーブルだ
これにつなぐとインターネットとは違うブルートゥースかなんか、まぁ至近距離間での無線が可能になる
普通は教室内、最大で学校内
教師の端末から教科書と、テスト時はそのまんま用紙のテキストが送られてきて
それをみながら授業を受ける
で、無線で繋がってるためその範囲内ならこういったメール等のやりとりも
プロテクトをかけなければ、いきなり転校してきた奴にでも送れるわけだが――
315 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 21:38:50.30 ID:Ij/dBY5UO
みさお「逃げちゃダメだってヴァヴァヴァヴァヴァヴァ!」
始まったな
がんばれ!
317 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 21:43:03.92 ID:Azoh56qS0
『ねぇ、あの紫のロボットのパイロットって本当? YES/NO』
……機密事項だだ漏れじゃねぇか!
俺がわざわざ口を滑らすまでもなくばればれだぞこなた!
だがしかしここで首を縦に振るわけには、いかないんだろうな…
『NO』
ポーン
ポーン
ポーン
三通連続できたぞ!? なにがやりたいんだろうか
俺はUSBマウスの微妙な動きの悪さにイラッときながらそれを開く
………全部違う奴からの送信だといういうことが判明した
この端末のメールやチャットには二つのやり方があって
見る人間を限定できる個人回線と範囲内の人間が全員除けるフリーの回線がある
まぁ、どちらも教師からは見られるのだが
おかえりー
319 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 21:47:22.69 ID:Azoh56qS0
『本当なんでしょ? YES/NO』
これは最初のメールの相手
後ろを振り返る、窓側最前列はそれだけで教室の全容をほぼ把握できる
って、待て! フリー回線ってことはハルヒにもモロバレじゃないのか!?
なんつー危ない真似をしてくれてんだこの教室の連中は…
『NO』
ポーン
『嘘つくなってば!』
『白状しちゃったほうがいいんじゃない?』
『あのロボットの名前なんて言うの〜?』
『必殺技とかあるの?』
その他諸々、クエスチョンマークが文末につくメールばかりが山のように…
320 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 21:48:15.98 ID:Azoh56qS0
321 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 21:50:27.73 ID:ypJbQty9O
おお、帰って来てた
無理しないでね
322 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 21:51:26.70 ID:Azoh56qS0
『嘘ついてるでしょ YES/NO』
『NO』
『ロボットと関係ないならあのSOSとか言うのの関係者? YES/NO』
『NO』
『じゃあなんでこんな時期に転校してきたの?』
『NO』
『……今まで言ってたの全部本当? YES/NO』
『NO』
「あ、やべっ」
323 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 21:56:02.77 ID:Azoh56qS0
俺は頭を抱えたくなった
馬鹿すぎる、こんな典型的な引っ掛けに見事に足を掬われた
いや、ただ単に俺がNOと打ち込み続けるのは別に大した問題じゃなかった
つまりそれは俺が画面を見もせずただNOといってるだけで無視してることが伝わるからだ
だが、それに対して俺がつい口走った「やべっ」
もうコレは俺がその質問でミスをしたことをバラしたことになる
一瞬、教室のざわめきが無くなり。虫の羽音すら聞き分けられそうな静寂が訪れ
教室内の大半の生徒が一気に俺に詰め寄ってくる
――醜態だ
324 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 22:07:23.43 ID:WvgWcavf0
ほ
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 22:12:14.98 ID:Azoh56qS0
「やっぱりパイロットなんだろ!?」
開口一番そう言ってきたのはショートカットの女の子
口調が荒っぽいのが逆に似合っている
「いや、だから違うって言ってるだろ」
心なし弁解に力がない
「だってやべっつったじゃん!」
「いや、それは無意識的なもんで俺がなにか隠してるというわけに直接繋がるわけじゃないだろう」
わいわいと俺を囲むように集まる暇な生徒共
お前ら授業に集中しろよ、不真面目だぞ。観点別評価の授業態度でCを貰ってろ
俺はそれで留年だ、俺じゃないけど。
326 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 22:14:04.64 ID:FU9bT51x0
ショートカット・・・誰かな
327 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 22:14:12.54 ID:jknpuEer0
支援
328 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 22:15:39.91 ID:SA4L8bDPO
みさおか
329 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 22:24:51.42 ID:Azoh56qS0
「みさちゃん、落ち着いて」
「あに言ってんだよあやの! あやのが一番気になってるくせに!」
前髪をかちゅーしゃであげたおとなしそうな女の子と
先ほどから俺に怒鳴ってくる八重歯の鋭い強気な女の子
なぜか二人がいい合いを始めるが他の連中は気にした様子も無く
俺に顔を寄せてくる
……ん? このクラスは男女比が偏ってるのか?やけに女生徒が多いが…
「”だってあやのの兄貴はこの間の騒ぎで!”」
「みさちゃん!」
おとなしい子が怒ると怖いというが一気に周りが静かになった
いつの間にか俺は蚊帳の外になり、全員の視線の中心はその髪の長い女の子にかわった
「あ…ごめん、みさちゃん」
「いや、私も無神経だった」
330 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 22:27:46.54 ID:05LFt1oe0
あやのの兄貴なのか
331 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 22:41:52.30 ID:WXwmWO3G0
支援
332 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 22:45:25.30 ID:xsbzc0ywO
再開したの今気付いた
支援
333 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 22:46:57.35 ID:6ZrPnCCA0
明日の昼に落ちる・・・・?
みれない\(^o^)/
334 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 22:48:30.19 ID:Azoh56qS0
>>東京タワーの全長
そうか三日落ちか……
次スレとか居るの?
336 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 22:52:42.19 ID:Azoh56qS0
>>335 >最後まで書くなら
見てくれる人がいるなら
338 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 22:56:05.38 ID:FU9bT51x0
ここに一人おるぜよ!!
339 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 22:57:42.41 ID:WXwmWO3G0
ここにもいるよー◎見ます◎
340 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 22:58:12.31 ID:GsCECUmz0
なんでこんなにwktkするんだろう
341 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 22:58:45.44 ID:11996Zgr0
342 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 22:58:53.11 ID:iA/CC5yVO
ここにもいるぜ
今北産業不要
絶対に最後まで追ってみたい
346 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 23:04:17.84 ID:zb+XmsVBO
>>334 最後まで頼むよ。
スレのぞいてたら仕事終らなくて今日は帰れなくなったw
責任とってくれw
347 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 23:08:39.46 ID:Azoh56qS0
>>346 責任……
しかたねぇな、しっかりケツに力入れろよ?
348 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 23:09:10.43 ID:05LFt1oe0
いいからはやくしろwww
349 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 23:10:49.30 ID:Azoh56qS0
サーセンww
しかし、思ったより人居るんだなw
次スレはVIPでスレタイも同じでいいのか?
350 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 23:11:46.99 ID:1yJ46xxK0
この変態め
352 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 23:16:29.61 ID:SA4L8bDPO
>>349 いいんじゃないか?
見れるならどこでもいいさ
それより続きを早く早く
353 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 23:17:52.29 ID:Azoh56qS0
「なぁ…もしかして、この間の騒ぎって」
嫌な予感というか、すでに確信とも言えるような感覚が脊髄の中心を貫くようにあった
あのエヴァのパイロットに関心を持ってることと、途中までだったがショートカットの子の台詞
もう式はほぼ完成してる
「怪獣騒ぎのことよ」
ロングの子も観念したというか、元々さっきの状態で誤魔化せるとも思ってなかったようで
ため息をついてポツッと呟く、だが、それだけ
それ以上はなにも言わなかった。周りに人も多すぎるし俺もパイロットだと隠してるこの状態で
流石に言えないだろう
だが、さっきの式の最後の変数にそれを代入すればもう答えはでたも同然だ
354 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 23:18:36.07 ID:BJ8UjYag0
頑張れぃ
355 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 23:19:56.87 ID:6d0rzv/MO
待ってました
356 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 23:22:34.46 ID:Azoh56qS0
「あの、えっと、あんたは…」
椅子から立ち上がって、去ろうとする彼女を呼び止める
が、名前がわからず。またなんで呼び止めたのかもいまいち理解できてなく
俺はそのままぐちゃぐちゃと何事か言って動けなくなる
「峰岸よ、峰岸あやの。あやのでいいから」
「私は日下部みさお!」
俺の意図が若干でも伝わったのか
あやのは少し疲れたように苦笑しながら自己紹介をする
それに八重歯の元気っ子も続く
「じゃ、じゃああやの、そのだな、実は本当に俺は…」
「こるぁ! キョン!」
357 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 23:27:35.29 ID:Azoh56qS0
本当のことを言おうとした、まだ本人の口から聞いたわけじゃないから
ただの俺の勝手な行動だが、でもそれでも多分俺の中の過程は正しい
誤差があってもそれが最悪のパターンか否か、後遺症が残るかどうかとかその位だろ
そして、その違いで態度を変えたりするのは不実だ
彼女には本当のことを言わなくちゃいけないと思った
だが、
「ちょっとこっち来なさい」
そういってハルヒに転校初日の授業中にも関わらず廊下を引きずられて思う
なぜ、あの場で言おうとしたのかと
ハルヒが居るのをなぜ忘れてたのかと
もう少し間を空けて、峰岸あやの本人だけにそっと言えばよかったんじゃないかと
俺は、徹頭徹尾馬鹿だった
358 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 23:34:39.25 ID:Azoh56qS0
「馬鹿なキョンに質問、あんたは今どういう立場にいるか」
「エヴァのパイロットでSOS団の職員」
「正解、その2機密とはなにか」
「きわめて重要な秘密」
「正解、その3守秘義務とはなにか」
「…秘密を守る義務」
「正解、その4そもそも秘密とはなにか」
「隠して人に見せたり教えたりしないこと」
「正解」
守秘義務はともかく被害者には知る権利があるわな
360 :
◆7SHIicilOU :2008/06/04(水) 23:43:40.10 ID:Azoh56qS0
学校の屋上
出ることが許可されてる学校なんて珍しいものだが
この高校は比較的校則がゆるいのか、鍵もかかっていなく
校則をやぶることなく俺とハルヒは屋上でこんな問答を続けてる
ここでよくあるパターンは今後仲良くなるキャラが実は隠れてついて来てて
秘密を知ってしまうってのがありがちだが、その辺ハルヒは抜かりない
キチンと確認したうえでの上記のやりとりである
っていうか、この学校でのハルヒの立ち位置はなかなか特殊なようで
先ほど俺を連行したときも俺の周囲の生徒はモーゼの如く二つに分かれて道を作り出した
361 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 23:43:50.00 ID:1yJ46xxK0
あまり他のスレに浮気せずに頑張ってもらいたい
酉?
363 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 23:46:14.06 ID:Azoh56qS0
ただのワガママだからキニスンナ
365 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 23:52:03.16 ID:Azoh56qS0
まぁつまりはそもそも好奇心程度で追いかけてくる奴は居なかったということだが…
「いや、ハルヒ。お前の言いたいことはわかる。隠せる状況だったにも関わらず
転校初日に自分からバラそうとしたんだからな」
「…ふん、一応私だって話は聞いてたわ」
あの騒がしい中自分の席に座っててよく聞こえたものだ
「この間の戦闘で一般市民が巻き込まれたのは私も報告を聞いて知ってるわ
それが峰岸の兄弟だったとは初耳だったけど」
「俺は市民が巻き込まれたこと事態寡聞にして知らなかったぞ」
そもそも全員非難してたんじゃないのかよ?
なんで巻き込まれるようなところに居るんだ?
366 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 23:58:10.55 ID:Azoh56qS0
「まぁ、つまりはそこよ」
ハルヒは屋上をグルッと囲む形になってる作に寄りかかって続ける
「普通に非難してれば巻き込まれる筈が無いんだからさ
あんたは峰岸に罪悪感だがなんだかを感じたっぽいけどさ
結局は自業自得よ、ほっときなさい」
あんたがみんなにちやほやされたいなら勝手にすればいいわ
ハルヒはそう締めくくって屋上の鉄ごしらえの扉に足を進める
「確かに、その兄貴が興味本位とかで顔を出して結果瓦礫の下敷きになった。
それでそいつが俺に殴りかかってくれば俺だって自業自得だと殴り返すさ」
俺は誰にとも無く呟く、正直ハルヒが耳を貸すとは思ってなかったし
独り言のつもりだったのだが、予定外にハルヒは足を止めてこちらを伺うように目線を合わせてきた
367 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/04(水) 23:58:34.61 ID:Azoh56qS0
ごめん
ねるねるねるね
368 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 00:01:14.07 ID:wDxbOHR80
乙。ただあんたが変態だとよくわかったぜwwwww
370 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 00:03:22.87 ID:Aqz7femwO
乙
俺は仕事に戻るぜ。あとケツは勘弁だw
371 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 00:04:33.76 ID:x1WzhbJrO
乙
続き待ってるよ
372 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 00:06:36.41 ID:e2muuvT90
乙チュ
発見したwwwww
375 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 00:21:40.09 ID:7wqlFnNM0
かがみん「死ぬのはいやああああああ!!!」
376 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 00:28:14.79 ID:Io2y12K70
次たつなら最初に今スレ分を貼ってくれると泣く
377 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 00:46:41.44 ID:PJP9N+6L0
とりあえずホシュ
378 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 01:13:43.13 ID:x1WzhbJrO
保守
379 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 02:13:05.55 ID:a8Wm69rA0
ほしゅ
380 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 03:18:22.20 ID:x1WzhbJrO
ほ
381 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 03:53:10.73 ID:owNvVlTeO
ほ
ほうほう
383 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 06:06:25.74 ID:a8Wm69rA0
ho
384 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 06:28:48.22 ID:4GjLX8l3O
保守
385 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 06:37:25.74 ID:a8Wm69rA0
>>368 人が寝たと思って変態言うなww
>>366 「でもよハルヒ、あやのの方には責任無いだろ
家族が巻き込まれて、それで知りたいと思ったあやのの行動は間違いか?」
「同情と思いやりが違うように、家族愛と逆恨みも別物よ」
ハルヒはそこで一拍おいて頭を振ってから
「でもま、いいんじゃない? 峰岸一人に言うくらいなら、多めに見てあげる
あの子も口は堅いほうだし分別も他の連中よりずっとつくわ」
「いいのか?」
「勝手にしろって言ってるの、結果それであんたが誘拐されても
それこそ自業自得ってことよ」
「誘拐って…」
386 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 06:40:27.52 ID:a8Wm69rA0
「冗談だと思ってる? あんた自分がどんだけ貴重な人材かわかってるの?」
ハルヒは目つき鋭く俺に問う
「あんたはこの地球上に存在する65億の人類の中で、たった3人だけのエヴァのパイロットなのよ?」
3人、1人は俺でもう1人は長門さんとやら
ならばあと1人居るのか
「自分の立場、よくそのつるっつるの脳みそに刻み付けときなさい」
ハルヒはそれだけ言い残して、今度こそ屋上を去っていった
腕時計を見ると、もう既に一時限目はあと数分で終了する
丁度いいのだろう、鐘がなったら教室に戻ろう
それまでは、とりあえずどうやってあやの一人を呼び出して
どんなふうにそれを告げるかを考えよう
こんな時間だが
見てるぜ
388 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 07:20:55.50 ID:OR/GwAa00
ほ
389 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 07:55:03.35 ID:zPe8B2rB0
ho
390 :
sage:2008/06/05(木) 08:05:10.04 ID:G7x7SlmoO
保守
391 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 08:06:22.45 ID:zPe8B2rB0
ほ
392 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 08:15:17.98 ID:a8Wm69rA0
聞きたいんだが
ここしばらく短時間VIPの鯖が落ちるのはデフォ?
394 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 08:22:36.33 ID:a8Wm69rA0
授業の鐘が鳴ったのと同時に屋上の重い扉を押し開けて校舎内に戻る
ざらざらとした感触に手の平を見るとよほど錆び付いていたのだろう手が赤錆で酷く汚れていた
「……」
それは、一瞬、何かを思い起こさせたが、
すぐに消えていった
395 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 08:23:50.73 ID:a8Wm69rA0
396 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 08:25:10.23 ID:a8Wm69rA0
教室についてからはカラカラでバッでザワザワだった
落ちたら皆しばらく離れるからな
だから保守しなくてもスレが落ちることはあんまりない
俺がSS書いてる時は落ちてる時間は書き溜め時間だと割り切ってる
398 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 08:29:07.82 ID:a8Wm69rA0
…まぁ詳しく説明すると
俺は教室につき、多少の気まずさを感じながら一時間前と同じように扉を開いた ここがカラカラ
すでに休み時間だし廊下にも生徒がチラホラ見え、少しでも人少ないといいんだがと思いつつ
中に入ると、全員が全員そろっていて。まるで自習中にふざけてたら教師が来た的に
勢いよく俺の方を向いた これがバッの部分
そして、全員がまた俺の周囲に集まってきて
なにやら一斉に、やれ大丈夫だったかとか、無神経に聞いてごめんとか、涼宮と知り合いだったなんて知らなかったんだ!とか
まぁ、色々言われた ザワザワ
399 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 08:30:12.65 ID:a8Wm69rA0
>>397 いままで自分のPCの不調だと信じて疑わなかったのだが
これからは書き溜めるか…
400 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 08:35:59.34 ID:a8Wm69rA0
涼宮はこの学校での番長のようなものらしい
結局クラスメート達は一同みなさっきは私達(俺達)が悪かったと言って
そして少し同情的に肩をぽんと叩いて離れていった
涼宮の影響力は確かに偉大であり、多分今後ロボネタでなにかしら問い詰められることは無いだろうと
状況改善に少しだけ涼宮は献上した形になるのかもしれないが
だが、まぁ、そもそも問い詰める必要がないと思われてるのかもしれない
その日から俺があれのパイロットであることはこのクラスでは半ば暗黙の了解になった
401 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 08:40:38.21 ID:a8Wm69rA0
さて、涼宮の行動が逆に答えになってしまったロボット問題
クラス的には解決したかのように見えたが、俺的にはこれからが問題だった
峰岸あやの
むしろ今回の場合は悪化したともいえる
当人以外のルートで真実が明るみに出た場合はいまさら「実は…」なんていってもお寒いだけだし
どうにも対応に困る形になった
クラスに露見する前ならば、どうにか別の誤解を恐れない形で個人的に呼び出せばよかったものの
「ごめん」
一度買った不信感はちょいと面倒なファクターを俺にかけてくれることになった
402 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 08:41:46.52 ID:K9/PRJBd0
支援
403 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 08:46:50.83 ID:XYAjjhhkO
おはよう支援
404 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 08:48:21.20 ID:a8Wm69rA0
俺はかばんを持ってそそくさと教室をでていくあやのに盛大にため息をついて
あの場での涼宮の行動が本当に最善だったのかと頭を抱えてみる
転校初日から相当に奇異な行動をとって
これからの学園生活に方にも支障を来たすこと請け合いだ
「よっ、キョン」
「……えっと?」
八重歯の女の子がなんのようか声をかけて来た
えっと、名前なんだっけか
「日下部みさおだっつっただろ?」
「あぁ、日下部な思い出したよ。そんな怒るな、こっちは三十人の名前を覚えるんだぞ? 一人覚えりゃいいそっちとは違うんだ」
しかし日下部か、あやのの親しい友人と思わしき人物だが
「怒ってないのか?」
「なにを?」
「お前の友達を怒らせたし」
「私には関係ないだろ?」
意外ににドライだった
この手の口調やら性格は俺も好ましく思う性質のもので
友情とか人情とかに厚い感じだと思ってたが…
405 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 08:56:49.52 ID:a8Wm69rA0
「ん、少し冷却期間が必要なんだよあやのはさ」
「冷却期間?」
つまり、今は加熱してると…
人間が感情面で熱くなると表現されるパターンはいくつかあるが
まぁこの場合は考えるまでも無いだろう、軽くて怒り強くて憎悪
「べつにさ、お前がロボットのパイロットだって事にいまさらびっくりしないさ」
元々あのまま涼宮が居なくても絶対隠しきれてねーし
白い健康的な歯を見せて笑う日下部は、やはり少し路線が違う
俺の初めて会うタイプの人間かもしれない
…いやそもそも一見あった程度でその人間をどうこう言おうなんてのは厚顔無恥通り越して
ひたすらに愚かだ
「あやのだって私だって、メールで聞いたりする以前にすでに、こう、インスピ的なもんでさ。確信しちゃってんだよ
ただ、わかってても、それが目の前に居ると対応ができないっつうの?
見ると聞くとは大違いって奴かな、少しあやのも混乱してんだよ」
大丈夫、あやのはわたしと違って頭いーから、お前の事情もわかってくれるって。
日下部は多分その台詞が言いたかったのだろう。満面の笑みで俺にそう言い放った
406 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 09:04:32.39 ID:a8Wm69rA0
でも、『わかる』と『理解する』は違う
ましてや立場の違う人間の、伝聞での情報なんて一見どころか一聞にすらならない
「もしなんかあったらわたしが仲立ちしてやるしさ」
「…なんで」
いきなりそんな話を持ちかけてくれるのだろう
自分の友達が嫌う人間に自分から話しかけて、あまつさえ仲立ちしてくれると
そんな下手を打てば友達が自分すら嫌ってしまうようなことを
なんで初対面の俺にしようとする?
「だって、お前いい奴じゃん」
407 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 09:05:16.24 ID:a8Wm69rA0
あぁぁぁぁっぁぁ!
まばたきするたびに左の耳がかさかさ言うのがうざってぇぇぇ!
408 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 09:15:48.33 ID:Nr/mxqGt0
支援
409 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 09:18:38.74 ID:mdzdtyCJ0
カサカサ・・・支援
410 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 09:26:15.85 ID:M2NkIFAaO
411 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 09:41:08.52 ID:a8Wm69rA0
412 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 09:46:04.44 ID:a8Wm69rA0
あ、やべ
血が出寺
413 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 09:48:21.47 ID:CoqbnPYR0
とりあえず病院池wwwwww
耳鼻科池
次スレにもつれ込みかねんから行く前に一度酉がほしいところ
415 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 09:49:49.35 ID:NoESK7SsO
追い付いちまった
支援
416 :
◆7SHIicilOU :2008/06/05(木) 09:55:39.60 ID:a8Wm69rA0
耳鼻科…
色んな病院種類の中一番世話になった科だな
アレルギー性鼻炎レーザー焼き
>>414 酉
418 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 10:06:15.42 ID:a8Wm69rA0
行ってきます
ってこの時間もう病院あいてるか?
当たり前だろ…
病院は最低9時からやってんよ
420 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 10:18:07.14 ID:a8Wm69rA0
健康優良児なもんでw
421 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 11:06:51.36 ID:mdzdtyCJ0
とりあえず保守
保守
423 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 11:25:03.98 ID:NoESK7SsO
ほしゅ
424 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 11:38:25.41 ID:a8Wm69rA0
は? 耳血ってなに? 死ぬの?
と言うことで帰還
塗り薬をもらって終了
425 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 11:48:49.21 ID:a8Wm69rA0
>>406 なにを言ってるんだこいつは
俺がたったいま、初対面の人間のことを主観で決めないように自分に言い聞かせたと知っての行動か
「キョンさ、あの時自分から言おうとしたろ? まぁ涼宮にとめられたけどさ
でも、涼宮が気付いたこと、間近で顔を見てたわたしが気付かないと思ったか?」
…どうだろう、突然言われたら思ったかもしれないが
いまなら特に疑うような気分にはならんな
「あやのだって、気付いてるはずなんだよ
だってのにさっきは話を最後まで聞かないで逃げちゃったからな
わたしはあやのの友達だから、間違ったときは助けない
間違ったことも教えてやんない」
それに教えなくてもすぐ気付くしな
そう、へへっと照れくさそうに笑い、頬をかく日下部
なんだろう、その笑みを見てるとなんか変な気分だ
わりかし珍しいコンディションだなこれは
俺はこいつと友達になりたいと心から思った
426 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 11:55:32.75 ID:a8Wm69rA0
思ったことを素直に口にだしてみた
すると日下部はきょとんとして
「なに言ってんだ? わたしとキョンはもう友達だ」
漫画とかでよくある状況、こんなことがあるものかと思ったこともあったが
しかし、嬉しいものだった
「んで、わたしとキョンが友達なんだ、友達の友達は友達! キョンとあやのも友達!
だから、そうだな仲立ちってのは取り消し」
二人の仲直りを手伝うだけだ
日下部はピースを作り宣誓する様に手をかざして俺に言った
「じゃ、明日は仲直りしろよー、バイビー」
すたこらさっさと教室を駆け足で去っていった
…しかしバイビーは無いな
427 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 12:01:51.61 ID:mdzdtyCJ0
wkwktktk
谷口の「すまねぇな〜転校生・・・」があるかと思ってたら
良い意味で裏切られたようだ。
428 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 12:07:00.28 ID:a8Wm69rA0
ピピピピピッ
携帯の着信用の電子音がなる
自分が普段使ってる携帯じゃない
「……っ!」
バックの内ポケットから携帯をとりだし画面を見る
番号は表示されず、でるのは着信中の文字のみ
当たり前だった、この携帯にかけてくるのはSOSの関係者のみ
一々番号を通知するまでも無い
だが、この携帯がなるのは非常時のみじゃないのか!?
警報はなってない、あたりにも異常はないと思うのだが
「もしもし!」
「あ、キョン君、ちゃんと携帯持ち歩いてるね〜」
慌ててでて、聞こえてきたのは暢気なこなたの声だった
非常事態とは対極にある人間が出すような声色だ
429 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 12:18:19.30 ID:7xISnYCIO
このスレも@2時間弱の命か…
次スレはどうするね?書き手さん次第だが
431 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 12:27:26.80 ID:a8Wm69rA0
前にも言ったけど
俺が書くかどうかは
見る人が居るかどうかと直結だから…
432 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 12:29:56.51 ID:3eSstyOO0
見てるよー、ちゃんと完結させないと駄目なんだから
>>431 書くなら見る
書かないなら残念に思う
見たい奴は多そうだがな
今日も会社からコソコソ見てるんだぜ
完結するまで喜んで付き合うぞ
全力で支援してる。
と会社の昼休み中にトイレから書き込んでみる。
自信を持て、おもしろいぞ。
436 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 12:32:56.66 ID:mdzdtyCJ0
見たいのだが・・・
あと少しで外出しなきゃならん
落ちたスレを簡単に見る方法って何かない?
437 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 12:36:59.26 ID:a8Wm69rA0
438 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 12:39:16.64 ID:4GjLX8l3O
保守
439 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 12:42:41.68 ID:mdzdtyCJ0
>>437 サンクスコ!
存分にゆっくりしてくるね!!!
>>437 正直VIPのSSスレは着想の面白さありき
発想が面白ければ最低限の筆力さえあればファンはつくぞ
俺も嫌って程思い知ってる
441 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 12:53:57.07 ID:a8Wm69rA0
しかし、スレ立てたのは俺じゃないので
着想も俺のじゃないわけで…
これからって事だな!
保守
443 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 13:06:48.27 ID:4GjLX8l3O
444 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 13:09:41.78 ID:U3BP2mAo0
445 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 13:16:16.52 ID:aIDbVbI80
446 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 13:17:26.23 ID:a8Wm69rA0
「…なんのようだ? 緊急事態ってわけじゃなさそうだが、いまじゃなくちゃいかんのか?」
なんとなくフェイントというか罠にかけられた気分で
少し口調にそれがでてしまったのだが、しかし当のこなたはまったく気にした様子も無く
「ん〜、というかあれだね、むしろいままでやってこなかったのが遅かったくらいだよ」
「は?」
「まぁとにかく家に帰らないで、今からこっちに来てくれる? まだ学校にいるはずだよね?」
「あ、あぁそうだが。なんだ、携帯に発信機でもついてるのか?」
「まぁまぁ、半分あたりだね。 とにかく急いでね〜、帰るの遅くなるからさ」
了解、と言って通話終了
緊急事態ではないが、でもそれなりにSOSに関係する重要な用事があるらしいことはわかった
ま、神人が来ていないのならいいさ
肩にカバンを背負う。……端末は置いていこう、みんな持ってるものだから盗む奴なんか居ないし
宿題もでてないからな、問題ない。意外と重いんだよコレ
支援
448 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 13:25:43.36 ID:pA4xpM88O
保守
449 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 13:34:08.60 ID:4GjLX8l3O
星
450 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 13:36:36.61 ID:a8Wm69rA0
二階にある二年の教室をでて廊下を左に、階段を下りて下駄箱へ
そういえば三階建ての建物のため下から1.2.3.なのか上から1.2.3.なのかどっちなかわからないな
…どっちだろう
カタッ
「ん、あぁ長門さんか」
「……」
そういえば同じクラスだったか、速攻で起きた騒動とハルヒの存在でかき消されてた
「そういや、長門さんは呼び出し食らったのか?」
「……長門」
「ん?」
「長門でいい」
「え? あ、あぁわかった」
なんだろう、この街ではさん付けなどを嫌う傾向があるのか?
それとも単にフレンドリーなのか? いや、でも長門にそんな感じはないから、やはりさん付けがやなのだろう
「で、長門は呼び出しあったか? 俺はさっきこなたから連絡があったんだが」
「…泉三佐から? 私には無いわ」
「そっか、ふぅん なんなんだろうな。まぁいいやサンキュ」
「サンキュ…」
「ありがとうって事だよ」
俺はスニーカーを取り出して変わりに上履きをしまい
地面をつま先で小突きながら下駄箱を出た
451 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/05(木) 13:40:34.28 ID:/nV0SPaz0
支援
452 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
あと15分、時間的に微妙だからこのスレに続きは書き込まないって事で…
次スレは…夜がいいかな?