1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
アルカナを奪われてミルドレッドに捕らわれた冴姫
はぁとをおびき寄せる餌として痛めつけられることになった。
冴姫が陵辱されるビデオを送りつけられ救出に向かうはぁと。
だが、はぁとが息を切らせて施設に駆け込んだ瞬間、冴姫を生かしておく理由がなくなった。
施設内でもっともはぁとにとって不利な場所におびき寄せるため、
ミルドレッドは冴姫を痛めつけ悲鳴をあげさせることを思いついた。
しかし、冴姫の意志も強く生半可なことでは声すらあげない。
そこでミルドレッドは、冴姫を厚い防弾ガラスで出来たフラスコのようなものに閉じ込めた。
今までと違う責めを想像し、冷や汗をかく冴姫。
次の瞬間、冴姫の頭上から何か黒いものが降ってきた。
見上げた瞬間、さっきまで眩しく光っていたライトが見えなくなるほど、黒い物体が視界を覆った。
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 05:24:30.28 ID:OKhDKqsP0
虫である。
ゴキブリとクモを足して二で割ったような醜悪な虫が、大量にフラスコに注がれる。
それに気付いた冴姫の全身に鳥肌が走る。だが声はあげなかった。嫌悪感に身を震わせながらも、冴姫はミルドレッドを睨みつけていた。
だが、その表情がびくっ、と震えたのと同時に歪む。虫が冴姫の足に噛みついたのだ。
足だけではない。服の中に侵入した虫が背中の皮膚を食い破る。太ももの肉にかぶりつき、食い破りながら中へ侵入しようとする。
足の指をゴリゴリと削り取られるような痛みに、思わず冴姫は悲鳴を漏らした。傷口が拡がれば拡がるほど、虫はどんどんまとわり付き痛みは倍増していく。
歯を食いしばって痛みに耐える冴姫。はぁとがここへ来ていること、そしてここへ来てはならないことを直感で感じ取っていた。
虫の一匹が冴姫の下着の中に侵入する。先日まで処女だったそこは熱く湿っており、虫にとっては美味そうに見える場所だったのだろう。虫が冴姫のクリトリスを食いちぎる。
耐え難い痛みに息をのむが、全身をがくがくと震わせて、虫に包まれながらも冴姫は悲鳴をあげなかった。
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 05:25:17.06 ID:OKhDKqsP0
全身から血を吹き出しながら、体を丸めて耐える冴姫。声を上げないことが、冴姫ができるミルドレッドへの唯一の抵抗だった。
痛みに自然に涙がこぼれる。息を荒くしながら歯を食いしばり、全身をがりがりと削られる痛みに耐える。
自分はこのまま死ぬのだろうけれど、せめて、せめて最後まで声を上げてやるものか。そう冴姫は決意していた。
ふと、学校でのことを思い出す。
授業で居眠りをするはぁとを優しく起こす。よだれを垂らして寝ぼけてるはぁとが先生に当てられ、あわてて教科書を逆さまに持って立ち上がる。くすくすと笑いながらアドバイスを送り、しどろもどろになりながらはぁとが答える。
お昼休みには一緒にお弁当を食べる。口の端についてしまったご飯つぶに気付かず、はぁとがそれを取って口に運ぶ。自分のほうがもっと沢山、ご飯つぶをつけているのに。
はぁとに影響されたか、冴姫もはぁとの頬についたのをちょいちょいとつまんで口に運ぶ。くすくすと笑う冴姫と、子供のようにニコニコ微笑むはぁと。
冴姫はそんなはぁとの笑顔を見ているときが、一番幸せだった。
はぁとの笑顔を見ているときが、一番幸せだった。
笑顔を見ているときが、一番幸せ
笑顔を見ているときが、一番
笑顔を見ているときが
見ているときが
見て いる ときが
グチュッ
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/02(月) 05:26:53.18 ID:OKhDKqsP0
冴姫の右目に、虫の牙が食い込んだ。黒目にくっきりと穴が空くのがわかる。
まぶたから流れる血と、虫の黒い影が視界に残る。虫を振り払っても、右目はもうそれ以外見えなくなった。
血の臭いに虫が眼に集まってくる。手で押さえて侵入を拒むが、指に虫が食いつき、その痛みで開いてしまった隙間から小さな虫が侵入する。
虫は冴姫の眼球を少しずつ崩していく。耐え難い痛みに冴姫は鼻水や涎を垂れ流し、嘔吐する。右目は完全に無くなった。
別の虫が左目に向かって牙をむいた瞬間、冴姫の我慢が限界に達した。鋭い悲鳴をあげ、ばたばたと手足を振り回して暴れる。
はぁとはその悲鳴を聞きつけ、全速力でこちらに向かってくる。だが、冴姫の意識はただ、ひとつのことに向いていた。
もうあの笑顔を見られなくなるなんて嫌だ。
はぁと。大好きなはぁと。はぁとが笑ってさえいれば、なんでもいい。どうだっていい。どうなったっていい。
けれど、彼女が私だけに向けてくれる笑顔。あれを見られなくなるなんて絶対に嫌だ。
無我夢中で暴れる冴姫。手についた虫をぶんぶんと腕を振り回して払いのける。
だが、足元からどんどん虫がはい上がってくる。たまらず冴姫は足を振り上げ、虫を追い払おうとする。
足についた虫が離れると同時に、冴姫の体はバランスを失っていた。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
冴姫の体が倒れる。それは何を意味しているのか。
今まで足から伝わって登ってきていた虫が、あらゆる場所にすぐにたどり着く。
それはつまり、一番あってはならない状況で、しかし冷静さを欠いた冴姫はそれに気づけなかった。
全身に虫が噛みつく。もはや獣のような悲鳴を上げ、ごろごろと転げ廻って身をよじる冴姫。
そのうちに彼女の体は虫に覆われ、外から完全に見えなくなった。
数分後。
はぁとがフラスコの部屋に到着する。すぐさまそこに居たミルドレッドに冴姫はどこかと叫ぶ。
ミルドレッドは冷ややかな笑みを浮かべ、スッとフラスコを指さした。
はぁとがフラスコに駆け寄っていく。何か黒い液体が溜まっているのかと思った。
それは違った。無数の黒い虫が、フラスコの底に溜まっていた。はぁとの腰の少し下くらいまで溜まった虫のプールがそこにあった。
まさか、この中に冴姫が。考えたくはなかった。だがはぁとはフラスコにくっつき、必死に目をめぐらせ冴姫を探そうとする。
その時だった。虫のプールの中から、青い髪がざばぁっと現れた。はぁとと厚いガラスを隔てて向き合う。冴姫だった。
必死に冴姫の名を呼ぶはぁと。それが聞こえたのか、冴姫が顔を上げた瞬間。はぁとは絶句した。
無惨にも顔の皮膚をはぎ取られ、耳を食いちぎられ、唇もぐちゃぐちゃで崩れ落ちかけている。そして美しい両目があったはずの場所には、赤黒いドロドロが流れ出す大きな穴があるだけだった。
「はぁと…見えないの、あなたが…笑ってるの…見えない…」
半分食い散らかされた舌で冴姫が言う。はぁとは泣き叫びながらガリガリとガラスを引っ掻いている。今出してあげるからね、と繰り返しながら。
はぁとの爪がはがれ、思わずはぁとが離れる。今までにないような怒りの表情で、はぁとは拳を握りしめた。
冴姫がフラスコの壁にもたれかかる。はぁとを抱きしめようとするように。
はぁとの拳が、ガラスを叩いた。ほんの少し、ヒビが入る。
衝撃はガラスを伝わり、冴姫の体をガラスからはね除けた。冴姫の体は後ろに倒れていく。
糸が切れた人形のように虫のプールに沈む。一斉に虫が寄ってきて冴姫の体を貪り食った。
目の前で冴姫が食われていくのをただ見ることしかできないはぁと。目を大きく見開いて、がりがりとガラスを引っ掻いている。
冴姫の体が完全に、ただの肉片になった辺りで、はぁとの体は、まるで操り人形のようにかくん、と力を失った。
おわり