ローゼンメイデンの話「6月の少女」

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。


雨。

灰色の濁った空から、ざあざあと降りしきる雨。

時おり、ごろごろと雷の鳴る音がする。

庭に咲く紫陽花。



「………」
 ベッドの上で、動かなくなった妹を抱きしめたまま、
ぼんやりとその灰色を見つめる、翠星石。
 ゆっくりと揺れながら、子守り歌を口ずさんでいる。
 壁際にもたれかかっている金糸雀が本を閉じ、
そんな翠星石をちらっと見やる。
 6月に入って、雨が降りやまない。
「…………」
 金糸雀が目を閉じ、ため息をついた。

2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 20:50:26.76 ID:6D5l5ULM0

 この所、真紅と水銀燈が日中出掛けてしまっている事が多く、
翠星石は蒼星石を鞄から出す事が多くなった。
 たまたま遊びに来た金糸雀は、翠星石の変化に少し、引いていた。
「………」
「金糸雀」
 顔を上げる。
「…まだ、金糸雀は」
 目が虚ろである。何を話しかけていいか、分からない。
「な、何かしら」
「この時代にいるつもりですか…?」
 目を見開く金糸雀。
「………」
 翠星石は視線を落とし、妹をぎゅっと抱きしめた。

3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 20:50:36.57 ID:isSg1b3F0
おっ!今回も楽しみにしてる!
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 20:51:55.33 ID:6D5l5ULM0

 ジュンのアパート。
 窓の外の灰色が、部屋の中を薄暗く映し出す。

 バサッと音を立てて、水銀燈がアイロン台にYシャツを広げる。
「……本当に汚いわねぇ……」
 主のいないその部屋で、一人黙々と整理を続ける。
 アイロンをかけ終わる頃に、ピーッ、ピーッ、とベランダから音がした。
 左足を軸に、アイロン台を支えにして、ステッキを持ち立ち上がる。
右足の無い彼女は、幾分つらそうな表情でベランダに向かう。
「不便な足だわぁ」
 ぶつぶつ言いながら、洗濯物を乾燥機にかける。
それが終わると、一旦壁を背に、座り込む。
「はあ……」
 ゴン、と壁に後頭部を打ち、水銀燈が窓の外を見つめる。
「病院、か………」
 ざあざあという音。
 その呟きは、すぐにかき消された。

5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 20:56:28.71 ID:6D5l5ULM0

「保留?」
「ああ」
 展示場の事務所。
 パソコンを打つ手を止め、巴が課長を見やる。
「じゃあ、桜田君、残れるんですか?」
「ああ、別に悪質な飲酒運転でもないし、
ここ最近頑張りすぎて、疲れて、せっかくローンで買った車が壊れて」
「……」
「会社としての情状酌量の余地はあるだろう、ただし」
「ただし?」
「本社行きの6月末っていうのも、桜田の意思確認次第って事になった」
「どうして、ですか?」
「事故は桜田の過失だからな。そんな奴を本社が呼び寄せたとなれば、
他の社員の士気に関わるし、あいつが孤立しかねん」
「確かに」
「だから社命という形は採らず、怪我が治った後、あいつがそれでも
本社に行きたい、と言ったら本社に行かせる」
「……」
「そういう事になった。だから結果としては異動の話は保留だよ」
「そうですか…」
 下を向き、安心したように息を吐く。
「嬉しい?」
「えっ、あの、いえ」
 ぶんぶん、と巴は首を振った。

6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 20:57:31.35 ID:6D5l5ULM0

「はい、剥けたわよ」
 病室のベッドで寝ているジュンに、真紅がリンゴを差し出した。
「ん、ありがとう」
 つまようじを刺してあるそれは、お世辞にも上手いとは言えない
形である。
「………」
「何か失礼な事考えてない?」
「いや、別に」
 じとっと睨む真紅。眼を逸らすジュン。
 もぐもぐと食べるジュンを、真紅が嬉しそうに見つめている。
「あと一週間ね」
「ん………」
 ちらっとカレンダーを見やる。

7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 20:59:27.35 ID:teMenqq+0
10年後の話の続きか?
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:00:00.54 ID:6D5l5ULM0

 ジュンが交通事故を起こし、一ヶ月半が過ぎた。
当初見込まれていた三ヶ月の入院期間は、毎日真紅が力を
送っていたお陰で、半分ほどにまで縮められた。

 窓の外に目をやる真紅。
「この怪我が治ったら、名古屋に行くのね」
「……さあ」
 真紅がジュンに視線を移す。
「さあって…行くんでしょ?違うの?」
「分からないよ」
 はあ、とジュンはため息をつく。
「クビかもしれない」
「えっ」
 目を見開く真紅。
「クビって……どうして」
「そりゃ、わざとじゃないにしても、僕は相手のいる事故を
起こしたわけだから」
「そうだけど…」
「会社が『事故大変だったな、まあ心置きなく名古屋へ行ってくれ』なんて
言うとは思えないし」
「………」
 真紅は黙ってしまった。
 残念なような、嬉しいような。
 どういう表情をしていいか分からない。

9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:00:36.15 ID:eg8wNCG70
支援
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:00:58.49 ID:6D5l5ULM0
>>7
yes
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:01:36.76 ID:teMenqq+0
>>10
待ってたぞ。
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:03:52.25 ID:6D5l5ULM0
 コンコン、と音がする。
「入ります」
 振り返った二人の目に、ドアを開け、こちらを覗きこむ巴が見えた。
 巴は一瞬真紅を見つめたが、すぐに部屋に入ってきた。

「そういう事らしいわ」
 椅子に座った巴。その脇に、真紅が立っている。
 巴が事情を説明すると、ジュンの顔がぱあっと明るくなった。
「良かった……!」
「ええ……私もほっとした、桜田君」
 下を向いて、巴が微笑む。
「でも……」
「………」
 二人がジュンを見る。
「選べるって事だろ?名古屋行き…」
「どうしようか…」
 ジュンが、はあ、とため息をついた。

13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:06:07.62 ID:6D5l5ULM0


 巴が帰った後、ジュンはぼーっと天井を見つめていた。
 傍らの椅子に座り、真紅が名探偵くんくんを観ている。
「……もう少し音量下げろよ」
「…ごめんなさい」
 ピッ、ピッ、とリモコンを動かす。
 相変わらず、ジュンは天井を見つめたままである。
「迷ってるの?」
 真紅が口を開いた。
 ジュンがそれを受け、真紅に視線を移す。
真紅がこちらを、いつもの凛とした表情で見ている。
「…迷ってる。正直言うと」
「どうして?」
「…お前らの事がある」
「私たち?別に…気にしなくても」
 再び天井を見る。
「水銀燈の足も、直してやらないと可哀そうだし」
 真紅はジュンを変わらず見つめている。


14フェイト ◆Fate///C26 :2008/05/28(水) 21:07:21.78 ID:czYZwxIq0 BE:1019156148-PLT(18796) 株優プチ(news4vip)
お前かあああああああああああああ
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:10:06.10 ID:6D5l5ULM0

「とにかく、僕は……」
 真紅は一瞬悲しそうな顔をするが、すぐに元の表情に戻る。
「…何を言ってるの、ジュン、私は言ったはずよ」
「え」
 ジュンが真紅を見やる。
「貴方に期待して、そう言ってくれてるんでしょ?
それを無駄にするなんて考えられないわ」
「真紅……」
「少なくとも、私は貴方にそんな気遣い、してほしくない」
 ぷいっと横を向く。
「…………」
 ちらっと真紅が横目でこちらを見る。
視線がかち合い、慌てて視線を逸らす真紅。
「はあ」
 困ったように、ジュンは眉をひそめた。

16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:10:48.65 ID:6D5l5ULM0

「…なあ」
「何?」
「じゃあ、僕が名古屋に行くって言ったら、真紅はどうする?」
 真紅がジュンに向き直る。
「…決まってるじゃない、お祝いしてあげるわ」
「……」
「いいこと、ジュン」
「……」
「信頼っていうのはね、よく聞きなさい」
 椅子を降り、ジュンのベッドによじ登る。
「なかなかして貰えないものなの。だから」
「……」
「私はこないだ言ったのよ。情に流されて無駄にするのはやめなさいって」
 顔の横で、ジュンを見下ろす真紅。

17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:11:08.91 ID:eg8wNCG70
支援
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:12:25.97 ID:6D5l5ULM0


「勿論、私も……貴方に大切にしてもらいたいけれど」
「……」
「私は、どれだけ遠く離れたって、貴方の事、好きよ」
 少し微笑む。
「だから心配しないで頂戴」
 上半身を起こすジュン。
「真紅……」
「たまには帰ってきてね」
 小指を差し出す真紅。
 ジュンも小指を差し出し、絡ませる。
「約束よ」
 そう言って、にっこりと笑った。

19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:13:43.30 ID:teMenqq+0
支援
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:13:57.63 ID:6D5l5ULM0


 実家のジュンの部屋。
ベッドに真紅が座っている。その同じベッドの上、壁際に、
蒼星石を抱いた翠星石、床に金糸雀、そして、壁にもたれかかっている水銀燈。

「どういう事?」
 真紅が問いかける。
「………」
 視線を向けられた翠星石は、窓の外をぼんやりと見つめる。
「…もう、翠星石は、この時代にいても、意味がないですぅ」
「どうして?」
「ジュンとも会えなくなる」
「……」
「契約を解除する」
「……」
「そうしたら、翠星石は、何も……」
 蒼星石を抱く腕に力を込める。
 それを見て、うつむく水銀燈。

21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:16:27.65 ID:6D5l5ULM0

「…そうねぇ」
 その水銀燈が口を開く。
「アリスゲームは終わったんじゃない。止まっているだけ…」
 冷たい声。真紅の背筋にぞくっとしたものが走る。
「…ローザミスティカは」
 視線を翠星石に向ける。
「私の中に3つ」
「……」
「真紅の中に2つ。そして…金糸雀、翠星石」
 翠星石が水銀燈に向き直る。
 見つめ合う二人。
 その目に、思わず肘を抱える金糸雀。
「この場で奪い合う事も出来るわぁ」
「やめなさい」
 見ていた真紅が咎める。
「いいえ、真紅」
 真紅に視線を移す水銀燈。
「私は現実を伝えているだけよ」
「でも」
「忘れてはならないわ。お父様が待っている事を」

22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:19:46.16 ID:6D5l5ULM0

「……」
 黙り込む真紅。少し水銀燈がつらそうな顔をする。
「こう言い換えた方がいいかしら」
 唇をかむ。
「お父様は、私たちの内の3体が動かなくなるのを待っている」
「……」
「そこの蒼星石のようにね」
 翠星石が水銀燈を睨む。
「怖いわぁ、そんな睨み方するのはやめて頂戴」
「………」
「そんなに睨まなくても、今なら私は貴女に負けちゃうから」
「うるさいです。黙るです」
 低い声。思わず息を呑む。
「やめなさい翠星石。水銀燈もよしなさい」
「………」
 重苦しい雰囲気、一人、声を出せずにいる金糸雀。

23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:21:46.26 ID:6D5l5ULM0

 金糸雀は、元来物事を深く考えるのが苦手だった。
何かを失ったわけではない、誰かと傷つけあったわけでもない。
 ただ、目の前で困っている人がいたら、傍にいてあげたい。
良く言えばプラス思考、悪く言えば、浅はか。
「………」
 自分の事をそうやって理解しているつもりであり、自分は
それでいいと思っていた。
 みっちゃんとの日々に何ひとつ不満はない。
楽しい。
 作ってくれる弁当がおいしい。
それだけで良かった。
「どうして…」

24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:23:05.83 ID:6D5l5ULM0

 真紅が金糸雀を向く。
「昔みたいに傷つけ合ったりするわけでもないし、
雪華綺晶がいるわけでもないのに、どうして今になって」
「………」
 水銀燈は黙っている。
「水銀燈」
 金糸雀が水銀燈に向き直る。
「貴女だって、アリスゲームのせいで、大切な人を失ったんでしょう!?
誰かいなくなるくらいなら、もうこんな闘いやめるかしら!!」
「金糸雀」
 目を丸くする真紅。
「………」
 うつむき、悲しげな表情になる水銀燈。
「ごめんなさい」
 額に手を当てる。
「ちょっと……じめじめしてるから、変な事言っちゃっただけよぉ…」
 ふう、とため息をつく。
「失礼するわ」
 ステッキを使って立ち上がり、一階へと下りていく。
「………」
「…………」
「……水銀燈……」
 真紅が呟く。
「……」
 翠星石が、もう一度蒼星石を抱きしめた。

25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:25:17.64 ID:6D5l5ULM0

 納戸で一人、水銀燈がうずくまっている。
今の自分には何もない。
「今更……何であんな事……」
 水銀燈は後悔していた。
 絶望するくらいなら、現実なんて見なくたっていい。
今は、姉妹たちとの――たとえ日が浅くても――淡い絆を
失うのが、何だか勿体ない。
 雪華綺晶と蒼星石のローザミスティカがあるのだから、
もう一度、武器としての翼を生やす余力は残っているかもしれない。
 だが、そこまでの憎しみや想いは、残っていない。
「………」
 水銀燈は、ゆっくりと目を閉じ、床に伏せった。

26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:26:30.40 ID:6D5l5ULM0

 目を閉じると、少し気分が落ち着いてきた。
自分は、一度死んだ人形。
 何か、もう一度世の中に触れるのが、怖くてたまらないような。
まだ、こうして、みっともなく思い出に浸っている方が、
自分にとっては似合っているのかもしれない。
「めぐ……」
 反射的にその名を呼ぶ。
 水銀燈の左手がかすかに動き、同時に右手も動いた。
「………」
 だが、手に触れるのはめぐの両手ではなく、
冷たいフローリング材。
 めぐの笑顔がよぎる。
「うっ……」
 胸が熱くなる。思わず、拳をぎゅっと握る。
「……意味が…ない…か……」
 うっすらを目を開き、水銀燈は呟いた。

27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:27:32.69 ID:6D5l5ULM0

 キィィィィンと指輪がまばゆく光り、薔薇が一回り小さいサイズになる。
「………」
 口づけしていた翠星石が、ゆっくりと顔を上げる。
「翠星石…」
 虚ろな表情。それを見守るジュンと真紅。
「ま、まあ、たまには戻ってくるから。な、元気出せよ」
「………」
 答えない。
「お、おい……」
 黙っていた翠星石が、おもむろにジュンのベッドによじ登る。
「ジュン…」
 ごそごそと懐から何かを取り出す。
「これは…」
「スコーンですぅ。翠星石がお前のために、今日を記念して焼いてきてやったです」
「………ごめんな」
「いいですぅ。さ、ほれ、食べるです。あーん」
 言われるままに口を開くジュン。
 そこにぐいぐいと押し込む翠星石。
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:29:02.55 ID:6D5l5ULM0

「もが……んぐんぐ」
「………」
「………んぶっ…………ぎゃーーーーーーーーー!!!」
 ぼふっと噴き出し、ごほごほと咳込むジュン。
「きゃはははは、まんまと引っ掛かったですぅ!」
「か、辛いぃ!!何しやがった!」
「特製わさび唐辛子入りスコーンですぅ」
 けらけらと笑う。
「こっ、この………」
「わっ」
 起き上がろうとしたジュンに覆いかぶさり、ジュンがベッドに倒れこむ。
「ちょ、ちょっと二人とも…」
 慌てる真紅。
「へへへ、ジュン」
「な、何だよ……」
 耳の横に手をつき、20センチほどの距離でジュンを見下ろす翠星石。
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:29:54.84 ID:6D5l5ULM0

「この辛さと苦しさを、ずーっと覚えておくですよ。ずーっと…」
「………翠星石」
「人生そんな、甘いもんじゃないです。こういう風に、苦しむ事の方が多いです…」
 目を閉じる。
「だから、そんな時、たまにでいいですから、翠星石の事を……」
 少し声が震えている。
「………翠星石」
「…ああ、しんみりするのはキライですのに」
 天を仰ぎ、後ろ向きにぼふっと倒れる。
「…ねえ、ジュン」
「うん?」
「…いつかまた会えたら」
「………」
「また、仲良くしてほしいですぅ」
 上半身を起こすジュン。
 翠星石の目が潤んでいるのが分かった。
「ああ、また、戻ってくるよ」
「……」
 その言葉に翠星石の顔が歪む。
 起き上がり、そしてジュンの胸をつかむ翠星石。
「………」
 そのまま、しばらく翠星石は泣き続けた。

30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:30:46.92 ID:6D5l5ULM0
一旦休憩するよ
寝るよ
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:32:18.82 ID:teMenqq+0
乙!ゆっくりやすめ。続ききたいしてる
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:33:35.68 ID:gGhexujuO

また会えると嬉しい
33フェイト ◆Fate///C26 :2008/05/28(水) 21:34:16.04 ID:czYZwxIq0 BE:191092223-PLT(18796) 株優プチ(news4vip)
・゚・(つД`)・゚・
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:43:21.39 ID:jxw6hPF6O
はえぇwww
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:48:25.11 ID:BRIfMss+O
誰か今までのまとめもってないか?
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:49:31.47 ID:Ab2xuJf1O
これで>>1にリアルタイムで遭遇するのは4回目だ
いっつもお世話になっとります。今回もわっふるわっふる
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 21:51:56.10 ID:isSg1b3F0
マイペースなのは相変わらずか
38荒ら島さん:2008/05/28(水) 21:59:47.46 ID:FTr0VZ5lO
やっと>>1にリアルタイムで会えた、楽しみにしてます。
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 22:00:59.06 ID:4nQKnvmL0
このスレは絶対落とさせん
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 22:01:46.80 ID:dNFvE/W90
さげてどうするwwww
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 22:04:44.97 ID:4nQKnvmL0
>>40
下げたって保守は出来るんだぜ
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 22:06:20.33 ID:mIiE5kDfO
まとめサイトみたいな物は無いのかな…
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 22:07:40.91 ID:4nQKnvmL0
>>42
ぷん太へ行け
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 22:17:59.08 ID:4nQKnvmL0
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 22:22:34.40 ID:teMenqq+0
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 22:26:04.79 ID:ma/BQ9Hr0
>>1
乙。ずっと、待ってたぜ。
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 22:43:47.78 ID:Ab2xuJf1O
ほす
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 22:49:30.01 ID:rM+DSJr+0
なんか最近ローゼンの話をよく読むような気がするなぁ
ギャグもシリアスも含めて、まあ面白いからいいけどさ

って感じの保守
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 23:04:03.51 ID:561UBTHiO
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 23:07:18.64 ID:6D5l5ULM0

 ざあざあと降りやまない雨。
「翠星石ちゃんは?」
 夕食の支度中、のりが部屋に上がってきた。
 翠星石と蒼星石の鞄がない事に気づき、真紅に尋ねる。
「……彼女は旅に出たわ」
「旅?」
 紅茶を飲みながら、真紅が答える。
「……そう」
 のりはそれだけ呟く。

51フェイト ◆Fate///C26 :2008/05/28(水) 23:07:49.13 ID:czYZwxIq0 BE:859913339-PLT(18796) 株優プチ(news4vip)
キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 23:08:03.52 ID:6D5l5ULM0

 のりが行ってしまった後、水銀燈が口を開いた。
「真紅…」
「何?」
「貴女は、どうするのぉ?」
 カップを置く。
「どうするって?」
「この時代に、まだ留まっているつもり?」
「…どうしてそんな質問をするの?」
 真紅がこちらを見つめている。
「どうしてって……」
「……」
「もうこの時代にいても、アリスゲームは終わらないのよぉ」
「別に、終わらせる必要はないでしょ?」
「………」
「私は居続けるつもりよ」
「…それは、何故?」
「大切な人がいるから」
 雨音が強くなる。

53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 23:08:06.39 ID:isSg1b3F0
待ってた
54 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/28(水) 23:15:35.31 ID:6D5l5ULM0

「アリスゲームなんて、したくなった時にすればいいわ」
「…随分とひねくれた事を言うのねぇ…」
「そうかしら。今までだって、そうだったじゃない」
「………」
「お父様に会いたがっているのは、7人とも同じだった。でも」
「でも?」
「闘いを望んでいたかどうかは、個人差があった」
「そうねぇ」
「貴女や雪華綺晶のように、好戦的なドール」
「…ふん、昔の話よ」
「蒼星石のように、それを宿命として受け入れていたドールもいれば」
「……」
「翠星石や雛苺のように、会う事より、皆で幸せに過ごす事を選んだドールもいる」
 カップを持つ真紅。
「翠星石は優しかった」
「?」
「蒼星石がいなくなって、ジュンに殆ど会えなくなっても、私に寄り添って生きてきてくれた」
「………」
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 23:17:18.84 ID:teMenqq+0
おかえり
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 23:17:39.04 ID:7Q9W+u5mO
まてた
57 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/28(水) 23:18:24.64 ID:6D5l5ULM0
「でも…ジュンが名古屋に行くと決まった事が、引き金になった」
「引き金に?」
「あの子、ジュンの事が好きだったのよ」
「ああ」
「…………」
「それは……」
「………」
「貴女も一緒なんじゃないのぉ?真紅」
 紅茶を飲む手がぴくっと止まる。
「貴女が一番」
「………」
「淋しがってるんじゃなくて?」
「………」
「違う?」
「………」
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 23:23:03.69 ID:6D5l5ULM0

「まぁいいわ。どうせ私には関係のない事だしぃ」
 下を向き、ふっと笑う。
「いいの」
 水銀燈が顔を上げる。
「私は、ジュンと同じ時代にいるだけで」
「……真紅」
「…最近、雨音ばかりで耳が痛いわ」
「………」
「早く梅雨が、明ければいいのに…」
 真紅は少しうつむき、窓の外を見やる。
 外は真っ暗になり、ざあざあと、いつまでも雨が降り続いていた。

59 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/28(水) 23:24:54.18 ID:6D5l5ULM0

暗闇の中。

どこからともなく、黄色い光がふらふらと彷徨ってくる。

少し遅れて、紫色の光が近づいてくる。

その後ろには赤く光る物体。


3つの光は、ある扉の前で動きを止める。



ギィィ……と、扉が開いた。

60 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/28(水) 23:26:10.50 ID:6D5l5ULM0

「じゃあ、行ってくるねー」
 珍しく晴れ間が広がる6月初旬の朝。
「うん、お仕事頑張ってーかしらー」
 金糸雀が元気に手を振った。
ドアが閉まり、一息ついた後、窓べに近寄る。
「うーん、今日はいい天気ねーぇ」
 うーっと伸びをする。
「ねぇピチカート、今日はお散歩に行くかしら」
 周囲を見回す。
「…あら?ピチカート」
 きょろきょろと辺りを探すが、どこにもいない。
「ちょっとーピチカートー、部屋の中でカクレンボなんて流行らないかしらー」
 台所を探すも、いない。
「う〜………」
 ベッドにぼふっと座り込む。
 鏡が光り輝き始める。
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 23:31:20.02 ID:6D5l5ULM0

「…!?」
 金糸雀が傘を持ち、身構える。
「誰!?」
 その中から、ピチカートが現れた。
「あら」
 拍子ぬけしたように再び座り込む金糸雀。
「ちょっと、どこ行ってたのよぅ」
 腰に手を当て、口を尖らせる。
 ピチカートがキィン、キィンときらめいた。
「え、何かしら…」
 しばらく沈黙する。
「………え?」
 金糸雀の動きが止まる。
「……」
 目を見開く。
「お父様が……?」
 持っていた傘が、からんからんと音を立てて床に落ちた。

62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 23:32:35.68 ID:IMCVTCI+0
wktk wktk
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 23:38:34.68 ID:1Q7uqkJg0
追いついた
支援
64 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/28(水) 23:39:15.56 ID:6D5l5ULM0

「今日で退院ね」
「ああ」
「頑張ったわね、ジュン」
 手を取る真紅。
「お前のお陰だよ」
「ふふ、そんな事ないわ」
 カツ、カツ、カツ、と響く靴音。
「ん」
 コンコン、と音がした。
「失礼します…」
 そう言って、ドアが開いた。

 ジュンが、あっ、という顔をする。
 真紅が不思議そうにそちらを見やる。
 顔を覗かせたのは、のりでもなく、巴でもなく…
「課長」
 ジュンの上司だった。

65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 23:45:19.93 ID:6D5l5ULM0

 二人が硬直する。真紅は瞬時に頭を働かせ、
ただの人形のふりをする。
「ど、どうされたんですか、課長」
「ん、いや、外回りでたまたまな」
 言いながら、椅子の上で目を閉じている真紅を見やる。
「これは?」
「あ…」
「何、お前こんな趣味持ってたの?」
「あ、いえ……違います」
 言いながら真紅を持ち上げる課長。
「さっき一瞬、動いてたように見えたけど」
「えっ」
「気のせいかな」
「ま、まさかあ高橋課長、人形が動くわけないじゃないですか」
 ははははは、と笑うジュン。
ゴンゴン、と更にドアを叩く音がする。
66フェイト ◆Fate///C26 :2008/05/28(水) 23:46:12.94 ID:czYZwxIq0
課長うぜえ
67 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/28(水) 23:49:48.85 ID:6D5l5ULM0
「どうぞー」
 ガチャリとドアを開けたのは、白髪の男性。
「あっ、お、お疲れ様です」
「もう退院なんだって?」
「え、ええ」
「本当は8月末異動にしてたんだが、しかし凄い回復力だな」
「そ、そうですか」
「ああ、まあ、もし本社に来てくれるようなら、6月末と言わず、治ってすぐでもいいからな」
「も、申し訳ありません」
 ふと、その男性が課長の持っている人形を見る。
「ん、何だその趣味の悪い人形、高橋、お前の?」
「え、いや、違います。これは桜田の」
「んーー??」
 じろじろと真紅を見つめる。
「何だ、気持ち悪いなぁ桜田君、こんな趣味があったなんて」
「え、ええ……」
 顔が引きつるジュン。
68フェイト ◆Fate///C26 :2008/05/28(水) 23:50:12.17 ID:czYZwxIq0 BE:191092032-PLT(18796) 株優プチ(news4vip)
死ねよリア充共おおおおおおおおおおおおおお
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 23:51:42.77 ID:teMenqq+0
真紅を趣味の悪い人形だと・・・
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 23:51:43.39 ID:5r8gk1qK0
課長「何、お前こんな趣味持ってたの?」


俺「趣味じゃないです、人生です」
71 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/28(水) 23:52:46.70 ID:6D5l5ULM0

「ダッチワイフか?」
「はっ!?いえ、違います。それは姉の……」
「はは、冗談だよ」
「………」
「まあ、人の趣味をとやかく言うつもりはないが、お客さんには見られないようにな」
「は、はい」
「こんな人形は名古屋には持ってくるなよ」
「………わ、わかりました…」
 答えながら、真紅をちらっと見やるジュン。
 眉が動く事もなく、真紅はただ、オモチャのお人形と化していた。

72 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/28(水) 23:55:21.68 ID:6D5l5ULM0

「………」
 夕闇のオレンジが、病室を暗く映し出している。
のりが来るまでの間に、荷物をまとめなければならない。
「……」
 二人はどちらから言葉を発する事もなく、ただ、座っていた。
 真紅は、ずっと窓の外を見つめている。
 ジュンは何と声をかけていいか分からない。
「…………」
 ふうっと真紅が息を吐いた。
「見て、ジュン」
「え」
 口を開いた真紅に、少々驚いた。
 すっと夕闇を指差す真紅。
「西の空がオレンジ色に染まって……」
「……」
「そこから天を見上げていけば、だんだんとそれがセルリアンブルーに変わってゆく」
「真紅」
「私、あんまりセルリアンて好きじゃないの」
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/28(水) 23:56:20.77 ID:V/OUQE4M0
支援
74 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 00:00:56.58 ID:LHWNoF3M0
「え?」
「だって、何だか、濁ってるじゃない」
「濁ってる?」
「澄んだ色というより、何だかこう、沼というか、藻が沢山生えてるような青」
「………」
「コバルトみたいに、美しい、って思える色がいいわ」
 真紅を見つめるジュン。
「でも、そんな純粋な色は、世界の中では生きていけない」
 両手を絡ませる。
「皆、何がしかに混ざって、純粋な思いを忘れて、大人になっていく」
「……」
「ねえ、ジュン」
 真紅がジュンに向き直る。
「貴方は、もうじきここからいなくなる」
「……」
「その時には、私は契約を、解除しないといけない」
 立ち上がり、ベッドに近寄る。
75 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 00:01:24.46 ID:LHWNoF3M0

「今日分かったわ。やっぱり私は」
 うつむく。
「貴方の人生に、これ以上いちゃいけないって」
「……何言ってんだよ、あんな…」
「違うわ、よく聞いて」
「真紅……気にするなよ…」
「貴方が私に固執すると、貴方が必死になって得てきたものが、無くなっちゃうのよ」
「………得てきたものって…」
「それは社会的信頼であったり、貴方の営業マンとしての資質であったり」
「………」
「決して下らないものじゃない。貴方が生きていくために、とても大切な事」
「真紅……」
「お願い、変な事考えちゃ駄目。私は怒ってなんかいないから」
 ジュンの両肩に手を置く真紅。
「だから、笑顔で私と別れて頂戴」
 懇願するように何度も肩をぎゅっとする。
「ね、ジュン、いい子だから…」
 真紅は力なく笑った。

76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 00:03:58.53 ID:LHWNoF3M0

 リビング。
 水銀燈が、ぱらぱらと本をめくっている。
「なんだかんだで」
 ぐすっ、と鼻をすする。
「この時代にも面白いものがいっぱい、あるんだけどねぇ」
 本を閉じ、表紙を見つめる。『東野圭吾 手紙』と書かれている。

 ゴトッ、と納戸の方から音がした。
「?」
 ステッキを支えにして、リビングを出ていく。
「何の音かしら…」
 がららら…とドアを開ける。
「うっ…うっ……」
 うずくまる人影。
77フェイト ◆Fate///C26 :2008/05/29(木) 00:05:11.10 ID:tlVPyvy60
ドールとわかれるくらいなら死んだほうがましだ
78 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 00:05:39.50 ID:LHWNoF3M0


「真紅?どうしたの?」
 顔を上げた真紅を見て、水銀燈は息を呑んだ。
「わあああああっ!!!」
 涙でくしゃくしゃになった顔。真紅は水銀燈の胸に泣きついてきた。
「真紅!?」
「ううっ、ひぐっ、うあっ、ジュン、ジュン……!」
 鼻をすすり、のどを枯らしながら真紅は涙を流し続ける。
「真紅……」
 事情が分からぬまま、水銀燈は真紅の頭を撫でる。
「うううううう、ジュン、ジュン」
「………」
 尋常ではない取り乱し方。あの真紅が。
「…いいわ、泣きたいだけ、泣きなさい。真紅…」
 泣きやまない妹の頭に手を回し、
水銀燈は優しく抱きしめた。

79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 00:07:39.36 ID:n4vlIYGkQ
支援
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 00:08:33.37 ID:jYCsLFbJ0
真紅……
81 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 00:10:17.49 ID:LHWNoF3M0

 真紅は泣き疲れて、鞄で眠ってしまった。
何があったのだろう。今日は退院の日ではなかったか。
「………」
 本来なら、嬉しそうな顔をして、紅茶でも飲んでいる頃だ。
「どうしたと言うの…」
 コンコン、と窓を叩く音がする。
「?」
 そちらを見やる。
「開けてほしいかしらー」
 夜の暗闇の中、黄色のドレスに身を包んだ金糸雀がいた。
そしてその横に、メイメイ、ホーリエ、ピチカート。
「窓は開いているわよぉ」
「手が使えないのかしらー」
 右手で傘を持ち、左手をだらんと垂らしている。
「なぁに、もう…人をこき使って」
 水銀燈が窓を開けた。

82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 00:14:45.32 ID:LHWNoF3M0


「何ですって!?」
 顔を引きつらせる水銀燈。
「人工精霊たちが、今日それを聞いてきたらしいわ…」
 しゅんとなる金糸雀。
「翠星石が契約を解除して、眠りについたから」
「……」
「私たち3人も、もうこの時代から旅立つように」
「…」
「お父様が?」
「…ええ」
「それは、…いつ?」
「分からないかしら」
「……」
「ピチカートが聞いてきた内容よ。『仲良くなり過ぎて』」
「『使命を忘れてはならない』」
「………」
「でも、何となく、これからどうなるのか理解出来てきたかしら…」
「どういう意味?」
「カナの左手が」
 水銀燈が視線をそちらに移す。
 左手が、小さくかたかたと震え続けている。
83 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 00:15:49.13 ID:LHWNoF3M0

「…これは」
「握力がだんだん無くなってきてるの」
「いつから?」
「今日…」
 水銀燈は思わず、自らの手足を確認する。
「…私は何ともないわ」
「……多分、個人差があるのよ。それが基準なのかどうかも分からないけど」
「でも、今日の事なんでしょう?それでこの調子じゃ…」
 目を閉じる金糸雀。
「たぶん…」
「持って一週間、てところねぇ…」
「みっちゃんには伝えたわ」
「……」
「本当は、みっちゃんが取り乱し過ぎて出て来れるような状態じゃなかったんだけど、ちょっとだけ時間をもらったの」
「………」
「だから、カナがこの時代で二人に会えるのも、多分今日が最後かしら」
「そう…」
「………」
 沈黙が流れる。

 水銀燈も、金糸雀も、それからしばらく一言も話さなかった。

84 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 00:16:39.12 ID:LHWNoF3M0
今日はストック分ここまで
次は多分、明日の夜…
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 00:16:40.28 ID:n4vlIYGkQ
支援
86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 00:17:34.10 ID:8Ew9DV5s0

毎回本当に凄いなぁ
明日楽しみにしてます
87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 00:17:37.35 ID:n4vlIYGkQ
88以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 00:17:48.25 ID:vpw5x++20
89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 00:18:07.86 ID:l0FL1kFw0
>>84
ありがとう
おつかれ
期待しとく
90以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 00:18:29.62 ID:9HBWHWPk0
乙でした
91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 00:18:35.16 ID:jBHw/WSL0
乙!
明日も楽しみにしてる
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 00:19:05.21 ID:PirftBJy0

楽しみにしてるよ
93以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 00:19:33.48 ID:jYCsLFbJ0

いなくなっちゃうなんて……
94以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 00:20:00.30 ID:mzS2xW/b0
>>84
乙。
95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 00:24:18.97 ID:0fxrGj5VO

ローゼン死ねよ…
96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 00:37:16.48 ID:CFsGTwL9O

クライマックスな予感…
97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 00:37:52.60 ID:mrUOgSPo0
さて、保守作業だ。
98フェイト ◆Fate///C26 :2008/05/29(木) 00:39:43.96 ID:tlVPyvy60 BE:1783522278-PLT(18796) 株優プチ(news4vip)

99以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 00:42:05.18 ID:gWO7ThGL0
追いついた
続編が出るなんて夢にも思わなかった
100以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 00:43:13.64 ID:PirftBJy0
100なら翠星石が俺の家にくる
101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 00:51:58.02 ID:XPwrmCo9O
>>1乙!!地元のTSUTAYAにはローゼン無かったけどコミックスで補完してきた
102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 01:06:57.18 ID:mrUOgSPo0
103以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 01:07:32.37 ID:CFsGTwL9O
>>100
君は別スレでSSをはやく書くんだ
104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 01:08:50.54 ID:UtyDH8Ov0
スレタイだけで>>1とわかった
さて、最初から読むか。
105以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 01:18:35.52 ID:PirftBJy0
>>103
なんだ気付かれてた

保守
106以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 01:18:50.75 ID:mrUOgSPo0
107以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 01:43:22.69 ID:vOkJa24XO
108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 01:45:04.15 ID:oHppyk1w0
桃種先生何してはるんですか?こんな面白いんすぐ書けるんでしたら週刊にしてくださいよ
109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 02:02:39.61 ID:mrUOgSPo0
110以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 02:50:06.50 ID:UtyDH8Ov0
111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 03:11:37.03 ID:UtyDH8Ov0
ho
112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 03:15:02.11 ID:mrUOgSPo0
後は頼んだ
113以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 04:03:27.32 ID:dzrDZiiAO
保守
114以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 05:07:14.73 ID:vOkJa24XO
115以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 05:41:53.97 ID:HafVL+ktO
この>>1は相変わらず文才ありすぎる
これマンガでも読んでみたいな。同人誌とかで発売したら即買いに走る
116以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 06:06:17.12 ID:35+9dPjl0
117以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 06:42:32.04 ID:HafVL+ktO
☆ゅ
118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 06:52:02.14 ID:kaZGYnmUO
神キテター

また空気読まずに絵かきたかったがパソコン壊れててうpできない保守

119以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 07:14:46.04 ID:rKHqe55MO
120以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 07:54:27.76 ID:+nWlN+TH0
121以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 08:08:47.23 ID:ezRjmdjZO
保守
122以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 10:33:50.91 ID:mzsT3WMXO
保守
123以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 10:54:38.10 ID:mrUOgSPo0
124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 11:20:47.43 ID:mrUOgSPo0
125以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 11:44:59.85 ID:/PiF9fjqO
126以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 12:21:34.47 ID:mrUOgSPo0
127以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 12:31:32.28 ID:kaZGYnmUO
保守
128以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 12:42:30.42 ID:S5wRI1Co0
129以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 13:33:03.49 ID:cNIYac5hO
130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 13:53:36.61 ID:mrUOgSPo0
131以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 13:56:40.05 ID:8pdejphR0
ho
132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 14:24:00.02 ID:S5wRI1Co0
fo
133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 14:32:44.41 ID:mrUOgSPo0
134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 15:10:03.13 ID:HafVL+ktO
☆ゅ
135以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 15:19:56.21 ID:GAgfyCZZ0
>「はい、剥けたわよ」

……!!
136以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 15:33:34.16 ID:DGPFbiekO
>>135
テメェwwww
137以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 15:58:52.98 ID:ajWqwMXZ0
あげ
138フェイト ◆Fate///C26 :2008/05/29(木) 16:10:04.60 ID:f60BAXgS0
保守するぜ
139以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 16:27:38.60 ID:mrUOgSPo0
140以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 16:35:57.37 ID:RAZ+lTCgO
141以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 16:50:15.92 ID:mrUOgSPo0
142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 16:51:53.28 ID:GAgfyCZZ0
143以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 17:04:18.84 ID:mrUOgSPo0
144以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 17:05:19.58 ID:S5wRI1Co0
145以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 17:07:43.72 ID:6sRIlfexO
146以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 17:08:00.56 ID:6sRIlfexO
147以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 17:12:19.86 ID:mrUOgSPo0
148以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 17:16:02.15 ID:RAZ+lTCgO
149以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 17:39:58.91 ID:S5wRI1Co0
150以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 17:45:01.04 ID:mrUOgSPo0
151フェイト ◆Fate///C26 :2008/05/29(木) 17:47:46.69 ID:f60BAXgS0 BE:573275636-PLT(18796) 株優プチ(news4vip)
152以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 18:15:58.82 ID:3lNkR8HaO
153以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 18:29:20.50 ID:S5wRI1Co0
154以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 18:40:27.93 ID:mrUOgSPo0
155荒ら島さん:2008/05/29(木) 18:40:54.61 ID:bCXcec0DO
捕手
156以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 19:18:20.85 ID:ezRjmdjZO
保守
157以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 19:20:01.04 ID:8pdejphR0
ho
158以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 19:54:44.55 ID:nUgnNRl50
スーパー保守
159以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 19:55:04.24 ID:kaZGYnmUO
ハイパー保守
160以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 20:19:50.97 ID:ILNWtKZYO
早くこないかねぇ
161以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 20:32:07.67 ID:ajWqwMXZ0
そろそろ?
162以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 20:46:12.06 ID:mrUOgSPo0
あの人は大体22時以降だろ
163荒ら島さん:2008/05/29(木) 20:50:50.09 ID:bCXcec0DO
干支が変わっても待ってる
164以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 20:54:28.03 ID:I71gtkDwO
今北保守
165以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:08:02.54 ID:OIWOAsaaO
保守
166以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:28:48.59 ID:+nWlN+TH0

167以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:30:54.51 ID:mrUOgSPo0
168以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:38:55.18 ID:RAZ+lTCgO
169 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 21:42:50.68 ID:LHWNoF3M0
皆保守乙!!
今から投下開始するぜ
170以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:43:35.17 ID:nUgnNRl50
待ってた
171以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:44:37.08 ID:pVlz1I3n0
おかえり
172以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 21:46:37.62 ID:mrUOgSPo0
待ってたよ
173以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:00:53.28 ID:mrUOgSPo0
174 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 22:08:51.43 ID:LHWNoF3M0
「…………」
「……そろそろ、帰るわ」
 水銀燈が顔を上げる。
「目が覚めたら、真紅に宜しくと言っておいてほしいかしら」
 すっくと立ち上がる。
「……」
 窓に手を掛ける金糸雀。
「…ねえ」
 金糸雀の手が止まる。
「一つだけ相談しても、いいかしら」
 振り向く。
「真紅が今日、大泣きしてたの」
「え」
「小さな子どもみたいに」
「…」
「声を枯らしてギャーギャー泣いて」
175以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:09:46.25 ID:NE7pUFtEO
期待している

176 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 22:12:13.48 ID:LHWNoF3M0

「どうして…?」
「分からないわ。何があったのか」
「……」
「でも、きっと、このまま旅立ってしまうと、この子は後悔する」
 言いながら、鞄を見つめる水銀燈。
「私たち、次に目覚めた時には、完全に奪い合う相手になっているかもしれない」
 うつむく金糸雀。
「だから、私は、この時代に姉として出来る事を、しておきたいの」
「………」
「貴女が次女だから、相談するのよ、金糸雀」
 顔を上げる。
「教えて頂戴」
「………」
「私は、第1ドールとして、何をすべきか」

177以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:15:15.54 ID:PirftBJy0
wktk
カナ主役か
178 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 22:15:58.63 ID:LHWNoF3M0

 金糸雀が困ったような顔になる。
「ごめんなさいね、時間がないのに」
「いいえ」
 首を振る。
 それを見て、もう一度鞄に視線を落とす。
「この子が我慢してしまうのは、カナも知ってるかしら」
「ええ」
「すぐには話してくれないかもしれない」
「……」
「ただ、カナなら…」
 水銀燈に近づき、横に座り込む。
「この子が塞ぎ込んでいる時は一緒にいてあげるわ」
「……」
「ただ、それでも走り出さないといけない時は」
 鞄を撫で始める金糸雀。
「そうね、首ねっこつかんででも放りだすかしら」
 水銀燈が目を丸くする。
「行ってきなさいって」
「………」
「悩むくらいなら、走り終えてから悩みなさいって」
「そう……」
「多分今は、そういう時だから」
 水銀燈を見やる。
「…ありがとう、金糸雀」
 水銀燈が微笑んだ。
179以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:20:21.91 ID:RvF2RleD0
金糸雀がお姉ちゃんしてる
180以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:21:25.71 ID:F1z1wUnb0
さすがドール一の頭脳派
181以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:26:34.93 ID:1n6Oy0Am0
さすがドール一のデコ
182 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 22:27:06.97 ID:LHWNoF3M0

「………」
 明くる日、実家の二階を、車の中からジュンが見上げていた。
「次の日に挨拶回りとか…」
 やつれた表情で、ふう、とため息をつく。
「………」
 カーテンが閉め切られ、誰の影も見えない。
 ジュンはもう一度ため息をつくと、車を発進させた。

 200メートルほど進むと、信号がある。
「……」
 ブレーキを踏み、MDをかける。
交差する片側二車線の大通りの車の音が、ゴオ、ゴオ、と、遠く聞こえる。
 携帯が鳴った。
イヤホンを取り出し、パチッとはめ込む。
「はいもしもし」
『あっ、桜田さんですかー、こちら××引っ越しセンターですが』
 信号が青に変わる。
「…ちょっと待って下さい。もうすぐ停まりますんで」
 大通りを右折し、交差点にあるコンビニの駐車場で停まる。
「はい、どうぞ」
183 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 22:31:03.68 ID:LHWNoF3M0

『今駅前にいるんですが』
「もう着きます。あと10分くらいで」
『分かりました。脇の駐車場で待っとりますんで』
「了解です。ちなみに幾らくらいですか?ざっと」
『んー、20万くらいですね』
 ガチャッと思わず携帯を落とす。
『どうしました?』
「ああ、いえ……」
 はあ、とため息をついた。

 電話を切り、JRの駅前に向かう。
「引っ越しか…」
 ふと、真紅の顔がよぎる。
「会いに行ってやらなきゃな……」
 ぽつりと呟いた。
184 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 22:34:56.25 ID:LHWNoF3M0

 部屋の中。
壁際に真紅が座りこんでいる。
「落ち着いた?」
 それを見下ろす形でベッドに座る、水銀燈。
「……」
 喋らない真紅。
「何か話しなさいよぉ、もうこの時代のドールは、私たちしかいないんだから」
 真紅が顔を上げる。
「…どういう意味?」
「金糸雀とはもう会えないわ」
「……何故?」
「あの子はもうじき、眠りにつくから」
 真紅が首をかしげる。
「それは私たちも」
「……」
「お父様のお伝えよ。この時代でのアリスゲームは事実上停止」
「……」
「翠星石が眠りについた。もうこの時代でアリスが誕生する事はない」
「……」
「だったら、次の時代まで眠りにつきなさいと」
「……そう」
 うつむく真紅。
「そんなカオしてたら、貴女真っ先に脱落するでしょうねぇ」
 ふん、と鼻で笑う水銀燈。
185 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 22:39:11.85 ID:LHWNoF3M0

「………」
 うつむいたままの真紅。水銀燈が左手をトントンし始める。
「次に会う時は、私は容赦なくローザミスティカを奪うわよ」
 冷たい目で、真紅を見下ろす。
 ようやく真紅が顔を上げた。
「いいこと真紅、アリスゲームはまだ終わっていないのだから」
「…………」
 少し見つめた後、再び視線を落とす真紅。
 それを見て、水銀燈が深いため息をつく。
「ねえ真紅」
「………」
「教えてくれない?」
「………」
「何を悩んでいるの?」
 水銀燈がベッドを降りた。

186以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:42:05.32 ID:ajWqwMXZ0
きたあああああああああああああああ
187以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:45:43.60 ID:RAZ+lTCgO
わっふるわっふる
188 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 22:47:27.30 ID:LHWNoF3M0

「…私は」
「何?」
「別に悩んでなんかいないわ」
「は、嘘おっしゃい。だったらこないだアホ面して泣いてた貴女は何だったの?」
 水銀燈の声が一段と低くなる。
「…………」
「どうせ病室でジュンに何か言われたんでしょう?つまらない事を」
「……違う」
「馬鹿みたぁい。いちいち気にしてたら人形なんてやってらんないわよ」
 はっ、と水銀燈は吐き捨てた。
「…違うわ、ジュンを馬鹿にしないで。あの子はそんな子じゃない」
「だったら何だって言うの」
「わかったわ、正直に言うわ」
「………」
「ジュンの上司たちが来たの」
 ぴくっと水銀燈が反応する。
「趣味の悪い人形」
「………」
「ダッチワイフ」
 視線を泳がせながら、続ける真紅。
「こんな人形、名古屋には連れてくるなって」
「………」
「私が目を閉じている目の前で、そう言われたわ」
 声が震えている。
189フェイト ◆Fate///C26 :2008/05/29(木) 22:48:50.57 ID:f60BAXgS0 BE:254789524-PLT(18796) 株優プチ(news4vip)
ひどい・・・
190 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 22:50:32.06 ID:LHWNoF3M0

「ジュンもそれには相槌を打たざるを得なかった」
「………」
「そうする以外にないと思うし、私はそれに関してどうこう言うつもりはない」
 水銀燈は黙っている。
「ただ…」
「…ただ?」
「やっぱり現実はそういうものなんだと」
 ぎゅっと拳を握る。
「突きつけられて、私は悲しかった」
「………」
「それだけよ…」
「………」
 しばらく沈黙が流れる。
191以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:51:07.12 ID:PirftBJy0
上司しね
氏ねじゃなくてしね
192以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:52:20.49 ID:RvF2RleD0
ちょっと上司の所行って来るよ
193以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 22:54:21.80 ID:OIWOAsaaO
水の無いプールに飛び込んでくれ上司
194 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 22:55:27.35 ID:LHWNoF3M0

「……で」
 水銀燈が口を開く。
「…これから、どうするつもり?」
 真紅を見つめる。
「…どうもしないわ」
「は?」
「ジュンは最後に、挨拶くらいはしに来るでしょうから」
 水銀燈が眉間にしわを寄せる。
「別れの挨拶して」
「……」
「おしまいよ」
 視線を下に向けたまま、真紅は呟く。
「何よそれ」
「私はそう考えているわ」
「………」
「そうあるべきだと思っているから」
「下らないわ真紅」
 両肩をつかむ水銀燈。
「そんな義務感、捨ててしまいなさいよ」
 真紅が水銀燈を見上げる。
「うざったい」
「………」
「大事な人なんでしょう、貴女にとって」
「………」
 真紅は黙ったまま、再びうつむく。
195フェイト ◆Fate///C26 :2008/05/29(木) 22:57:29.58 ID:f60BAXgS0 BE:127394922-PLT(18796) 株優プチ(news4vip)
wktk
しかし眠すぎる
196以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:01:38.61 ID:mzS2xW/b0
ちょっと、上司ジャンクにしてくる
197 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 23:02:11.70 ID:LHWNoF3M0

「それを何、大人ぶって」
「…別に」
「一緒にいたいんじゃないの」
「痛…」
 肩をぎゅうっとつかむ水銀燈。
「違うの」
「…やめて」
「それならみっともなく大泣きしてた貴女は」
 ぎゅっと目を瞑る真紅。
「何度もジュンの名前を呼んでた貴女は」
「……」
「一体何だったのかしら」
 真紅が震えながら、水銀燈の両手をつかもうとする。
「ジュンはこないだ交通事故に遭った」
「……」
「いつどうなるか分からない」
「…………」
「どんなに…大切にしている人だって」
 口調が荒くなる。
「いつ死んじゃうか分からない」
「痛いわ、やめて」
「死んじゃったらおしまいなのよ」
 胸ぐらをつかむ水銀燈。
「分かってるの、このくそガキ」
198以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:04:27.52 ID:RvF2RleD0
銀様〜!
199以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:05:16.32 ID:vvPkbZeH0
上司は全国500万vipperの碇を買った
200フェイト ◆Fate///C26 :2008/05/29(木) 23:07:58.54 ID:f60BAXgS0 BE:382183643-PLT(18796) 株優プチ(news4vip)
それはない
201 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 23:08:48.91 ID:LHWNoF3M0

 真紅の目がぴくっと痙攣し、水銀燈を睨む。
「…何よ、その眼」
 水銀燈が呟く。
「…何がくそガキよ」
「何ですって?」
「自分勝手だけじゃやってけないわ」
「はあ?」
 左手で、水銀燈の右腕をぎゅっとつかむ真紅。
「周りを傷つける事だってあるのよ、水銀燈」
 右腕に痛みを覚える。
「それは何かしら、私へのあてつけ?」
「私はジュンを傷つけたくない」
「………」
「一緒にいたくても」
 一瞬視線を逸らす真紅。
「…これが一番、いいと思ってるから」
「ああー、そう、そうなのぉ」
 ぱっと手を放す水銀燈。
 バランスを崩し、ゴン、と真紅が壁に頭をぶつける。
202以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:11:22.91 ID:PirftBJy0
水銀燈の今宵もアンニュ〜イ Vol.4発売中止ってどういうこったい

スレチでごめん
203フェイト ◆Fate///C26 :2008/05/29(木) 23:11:51.66 ID:f60BAXgS0 BE:1337641676-PLT(18796) 株優プチ(news4vip)
>>202
総合でやれ
204以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:14:54.63 ID:tvX+iYhf0
>>202
おまえは早く続きをww
205以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:18:13.27 ID:n4vlIYGkQ
支援
206 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 23:20:20.15 ID:LHWNoF3M0
「もう何も言う事ないわ」
「う…」
 頭を押さえる真紅。
「勝手にしてなさい」
 ベッドに寄りかかり、立ち上がる水銀燈。
「そんな甘っちょろい考えじゃアリスになんてなれっこないわ」
「………」
 真紅が睨んでいる。
「ただの逃げじゃない」
 真紅を嘲笑する水銀燈。
「覚えておきなさい真紅」
 鋭く睨み返す。
「物事に『次』なんてないのよぉ」
「………」
「めぐは死んだ」
 少し口調が弱くなる。
「骨になった」
「……」
「蒼星石も、雛苺も、雪華綺晶も」
「…………」
「皆もういない」
 その名を聞き、真紅が視線を泳がせる。
207以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:23:25.17 ID:8TM/ScuS0
727 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/29(木) 22:35:24.96 ID:v5ZSxktu0
【10年どころか】WarRock 168発目【あとひと月】
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/netgame/1211771685/

548 名前:名も無き冒険者[sage] 投稿日:2008/05/29(木) 22:14:59 ID:KA1Z0MIO
消えろ屑VIPども

559 名前:名も無き冒険者[sage] 投稿日:2008/05/29(木) 22:19:10 ID:KA1Z0MIO
何てめー俺のID抽出してんの?
裁きを下すぞ?

572 名前:名も無き冒険者[sage] 投稿日:2008/05/29(木) 22:23:19 ID:KA1Z0MIO
てめーら誰に向かって口聞いてんだ?コラ?
WarRockで俺に会ったらお前ら
脱糞しながら涙目で土下座して「みませんでした」
と言っても許さねーぞ?お?

619 名前:名も無き冒険者[sage] 投稿日:2008/05/29(木) 22:41:25 ID:KA1Z0MIO
ニュー速VIP?
お前らはニー速HIPだろ?wwwwwwwwww

取りあえずsageない者に発言権は認めん



( ^ω^)VIPをバカにしてる神気取り基地外が暴れてるお!
(#^ω^)VIPをバカにすんのはゆるせねーお!おまいら突撃だお!!
208 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 23:26:48.37 ID:LHWNoF3M0
「それで残された姉妹が」
「………」
「こんなみっともない考え方してるなんて、ねぇ」
 真紅の目が見開かれる。
「貴女が真っ先に脱落したら良かったのにね」
 ぷっと笑う。
 真紅の目が吊り上がる。
「え?真紅」
 瞬間、真紅が水銀燈に体当たりをかます。
「うあっ」
 バランスを崩し、床に倒れこむ。
 ゴッ、という音。
「ぐっ!」
 真紅が殴ったのだ。
「うあああああ」
 髪をつかみ、今度はぱしっと叩く。
「やったわねこのくそガキ!」
 両手で真紅の首を締める。
209以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:31:51.81 ID:b7LQCSXNO
支援
210以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:32:03.27 ID:RvF2RleD0
ここからが真のアリスゲームなのだわ・・・・
211 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 23:36:05.89 ID:LHWNoF3M0
「うっ」
 思わず両手を放す真紅。
「はあっ」
 左足で腹を蹴りあげる。
「ごほっ」
 真紅が仰向けに吹っ飛んだ。
 それを追いかける水銀燈。
「あっ」
 無い右足の方向にバランスを崩し、倒れる。
 真紅が起き上がり、隙をついて水銀燈を押し倒す。
「かはっ」
 右足のひびが広がり、ぼろぼろと崩れているのが見える。
 真紅の動きが止まった。
「う……う……」
 苦痛に顔を歪める水銀燈。
 真紅は水銀燈から身体を離し、震え始める。
212 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 23:39:47.84 ID:LHWNoF3M0
「あ…あ…」
 両手で顔を覆う。
「わ…私…私…う…」
「………」
 水銀燈が、息も絶え絶えに真紅を見やる。
「うわあああああああああっっ!!!ごめんなさい、ごめんなさい水銀燈!」
 泣き崩れる真紅。
「私、私貴女に酷い事を……!!!」
 仰向けの水銀燈の胸に、すがるようにして泣きわめく。
「………」
 そんな真紅を見て、水銀燈も涙を浮かべている。
「泣くんじゃないわよ真紅」
「うううう」
「真紅!!」
 びくっと真紅が顔を上げる。
213 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 23:40:37.59 ID:LHWNoF3M0
「泣くくらいなら、必死になって追いかけてみなさいよ」
「………」
「生きてるんでしょう」
「……水銀燈」
「ふざけてんじゃないわよ、このくそガキ」
「……」
 真紅は圧倒され、言葉が出ない。
「くそガキはくそガキらしく」
「………」
「泣きわめきながら追っかけなさい」
 真紅を見つめるその瞳は、いつもの穏やかな紫に戻っていた。
「分かったの」
「………」
 真紅は顔を伏せ、目を逸らした。
214以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:40:56.68 ID:PirftBJy0
>>1の書く水銀燈はいいお姉ちゃんだよな
215以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:47:43.71 ID:oy9xsF7i0
かっこいい姉貴だなあ
216荒ら島さん:2008/05/29(木) 23:50:33.34 ID:bCXcec0DO
いい姉すぐる
泣けてきた
217以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/29(木) 23:53:52.88 ID:RAZ+lTCgO
支援
218 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/29(木) 23:56:42.86 ID:LHWNoF3M0



 ジュンのアパート。

 いつものようにドアを開けると、明かりがついている。
「あれ」
「お帰りなさぁい」
 ひょこっと部屋から顔を出したのは、水銀燈だった。

「珍しいな、最近になって」
 ネクタイを外しながら答えるジュン。
「ええ、ちょっとお願いがあって来たのよぉ」
「お願い?」
「そうよぉ、名古屋に行く前にね」
「そうか、奇遇だな」
「?」
 首をかしげる水銀燈。
219 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/30(金) 00:01:05.42 ID:t5vkHfQl0
「僕も、名古屋に行く前に、お前に用事があって」
「用事?何かしら…」
「いいよ、水銀燈から言ってくれ。Yシャツ脱ぎながらじゃ正直話しづらい」
 そう言って、後ろを向くジュン。
「………」
 水銀燈はしばらくその背中を見つめていたが、やがて口を開く。
「少し無理なお願いかもしれないけど」
「ああ、いいよ別に、言ってくれ」
「足を直してほしいの」
 ジュンが振り向く。
「不便だから」
 水銀燈の右足を見つめる。
「…前より酷くなってないか?それ」
 亀裂が走り、そのうちパーツ自体がバラバラになってしまいそうである。
「ええ、ちょっとね」
 ふふっと笑う。
「お礼はするわぁ」
 そう言って、悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「ね?いいでしょ」
 不覚にもどきっとするジュン。
220以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 00:03:04.19 ID:T1X+8H1MO
ああああ続き気になるけど
寝る

銀ちゃん可愛いよ銀ちゃん
221以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 00:04:43.54 ID:3bl2CODx0
wktk
222 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/30(金) 00:08:42.93 ID:t5vkHfQl0

「真紅さ」
 ジュンが口を開く。
「何か、変わったとこなかったか」
 水銀燈がジュンを見やる。
「……特にないわよぉ」
 水銀燈を新聞紙の上に座らせる。
「いつも通り」
「そうか」
「あの子も吹っ切れたのかもねぇ」
「…それならいいんだけど…水銀燈」
「ん?」
「恥ずかしかったら言ってくれ」
「なぁに」
「あの……」
 しどろもどろになる。
「何よ、はっきり言いなさい」
「足をさ」
「はい」
「付け替えないと、いけないから」
「……うん」
「でも、そのためには」
「………いいから一口で言いなさ……」
 水銀燈はそこでようやく気付いた。
「ドレスとドロワースを、脱がないと」
 ジュンが目を逸らしたまま、頭をかいた。
223以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 00:09:38.06 ID:c5EdGcql0
この歳でもウブなJUMwww
224以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 00:10:26.25 ID:3bl2CODx0
なんという夢のような状況wwwww
225以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 00:10:28.57 ID:BewCgsdm0
JUMかわいいよJUM
226 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/30(金) 00:13:25.50 ID:t5vkHfQl0

「………待って」
「…うん」
「心の準備が出来るまで」
 水銀燈の鼓動が急に激しくなる。
「その前に」
「………」
「あ、貴方の用事って、何かしらぁ」
 声が震えている。
 前とはわけが違う。
 確実に太ももの付け根を、ジュンには見せなければならない。
 いや、私は人形だ。今更何を。
「あ、ああ、いや、僕の用事ってのも、お前の足の修理の事だったから」
「え」
 ジュンがおもむろに、クローゼットから足のパーツを取り出す。
「長さを合わせたりで、少し時間がかかるかもしれないけど、いいか?」
 一瞬きょとんとする。
「え、ええ、私は別に…でも」
「でも…何?」
「用意がいいのねぇ。忙しいのに」
 不思議そうに見やる。
「結果を出しててバレなきゃ、別にいいんだよ、営業中にこういう店に寄ってもな」
「はあ」
 その時、水銀燈は、ジュンが何故この仕事を続けていられるのか、
分かった気がした。
227以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 00:15:58.79 ID:e1+CDiJOO
昔は好きだったけど、自分の仕事をJUMに当てはめてるように思えて一気に気持ち悪くなった

ごめん
228 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/30(金) 00:20:29.27 ID:t5vkHfQl0
「ねえ」
 背後から頭のリボンを外すジュンに、水銀燈が問いかける。
「うん?」
「訊きたいんだけど」
「何だよ、勿体ぶって」
 外したリボンを脇に置く。
「ジュンは真紅をどうしたいの?」
「え」
 腕のリボンも、一つずつ外し始める。
「…どうしたいって?」
「鈍いわねぇ」
 振り返る水銀燈。
「名古屋に連れていきたいかどうかって事よ」
「………」
「どうなの」
「…どうするも何も、あいつが来ないって言ってるんだから」
「違うわ、私が訊きたいのは貴方の意見」
 ジュンの手が止まる。
「…分からない」
229以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 00:35:34.22 ID:CXJMhmxe0
支援
230以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 00:35:37.04 ID:UI226TpwO
しえん
231 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/30(金) 00:41:40.04 ID:t5vkHfQl0
「そう」
 沈黙。
「ありがとな」
「え」
「入院中部屋片付けてくれて」
「………」
「別に…」
「お前はどうするんだ?逆に訊くけど」
「…私?」
「これから、真紅や姉ちゃんと、ずっと暮らすの?」
「………」
 どう答えていいか分からない。
「まあ、真紅がつらそうなら」
「………」
「一緒にいてやってくれ。翠星石も一緒に」
「……」
「…どうした?」
「…いいえ、何でもないわ」
232 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/30(金) 00:47:15.52 ID:t5vkHfQl0



「よし」
 明け方近く、ジュンは膝をぱんと叩いて、声を上げた。
「……ありがとう、ジュン」
「立ってみろよ」
「ええ」
 ベッドを支えに、ぐっと立ち上がる水銀燈。
「まあ………」
 そこから、1歩、2歩と歩行する。
 両足の長さはぴったりで、
歩くのにも支障はない。

233 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/30(金) 00:48:20.87 ID:t5vkHfQl0
眠いので
ちょっと寝るよ
234以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 00:49:01.12 ID:GaRd0luR0
235以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 00:49:07.44 ID:BewCgsdm0
236以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 00:49:20.58 ID:3bl2CODx0
くそ・・・気になるけどもう寝ないとorz
237以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 00:49:30.41 ID:Q7wQO5kp0
うん
238以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 00:51:55.71 ID:c5EdGcql0


明日も楽しみにしてるよ
239以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 00:56:48.78 ID:Xv/fMGwqO
本当に乙

そして>>1と皆の為に
保守
240以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 01:00:42.95 ID:pA3/5SvJ0
おつかれ
241以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 01:11:42.99 ID:GaRd0luR0
242以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 01:24:28.91 ID:mPxYLNoJO
保守
243以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 01:37:50.74 ID:MLNF9d1GO
244以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 01:38:05.36 ID:UI226TpwO
ほほ
245以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 01:45:29.50 ID:GaRd0luR0
246以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 03:24:41.99 ID:GaRd0luR0
247以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 03:43:09.45 ID:CXJMhmxe0
248以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 03:44:15.81 ID:OOKa649iO
ほっ
249以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 03:49:51.01 ID:aBqt1KSvO
しゃん
250以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 03:59:36.03 ID:GaRd0luR0
251 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/30(金) 04:27:18.70 ID:t5vkHfQl0
 水銀燈は驚いていた。
 自分の身体が、ようやく元に戻ったのだ。
「…すごいわ」
 3歩進んだところで立ち止まり、ジュンを振り返る。
「ありがとう」
 そう言って、にっこりと微笑む。
「…いや、別にいいよ、水銀燈」
「そうだわぁ、お礼」
 顎に手を当て、少し水銀燈は考えていたが、しばらくして
両手を後ろに組み、ジュンに近寄る。
「ジュン」
「うん?」
「何してほしい?」
「えっ」
 顔を覗きこむ水銀燈。
「…や、特に何も…」
「そう」
 ふと、思いついたようにジュンの膝に手を乗せる。
「じゃあ、私のしたい事をするわぁ」
 ふふっと笑ったかと思うと、次の瞬間、水銀燈はゆっくりと、
ジュンの首に手を回してきた。
252以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 04:32:49.77 ID:GaRd0luR0
待ってたぜ
253 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/30(金) 04:34:42.65 ID:t5vkHfQl0
「な、ちょ、ちょっと」
「ごめんなさいね、私こう見えて淋しがりやなのよ」
 両手を首の後ろで組んだかと思うと、
ジュンの膝に座ってくる。
「あの子と同じで」
「え」
「今日だけ許して頂戴」
「…」
「あの子にも心の中で謝っとくから」
 手を離し、すっくと立ち上がる。
「あの子はね、強がっているだけ、本当は」
 次の瞬間。
「うわっぷ」
 ジュンが仰向けに倒れこむ。
直ったばかりの両足でぴょんと跳ね、ジュンを床に押し倒したのだ。
「ふふ」
 ジュンの胸の上に跨り、ぱら…と落ちる髪をかき上げる。
「す、水銀燈…?」
 ジュンの顔の横に両手をつく。
「きっと貴方と、こんな事したいって思ってるのよ」
 妖しく微笑みながら、水銀燈が呟いた。
254以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 04:35:00.75 ID:5xldKs610
待ってた甲斐があった
255 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/30(金) 04:40:00.56 ID:t5vkHfQl0
「心の奥底で」
 銀色の髪が、ジュンの唇にかかる。
ジュンの唇に手を這わせながら、それをゆっくりと払う。
「お、おい…冗談は…」
「ふふ、なぁに真っ赤になってるのよぉ。人形相手に、貴方変態ねぇ」
 くすくすと笑う水銀燈。
「な、何を」
「ねえジュン、私のお願い、聞いてくれなぁい」
 両手を曲げ、ジュンの顔と水銀燈の顔が近づいていく。
「めぐが死んでしまって」
「……」
「私の心に穴が開いているの」
 ジュンの鼓動が収まらない。
「私淋しいの。ね、ジュン……」
 胸に手を這わせる。
「貴方に満たしてほしいわ」
「す、水…」
「何したっていいのよぉ」
256 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/30(金) 04:48:00.60 ID:t5vkHfQl0
 ふうっと息を吹きかける。
 ジュンの肌がぞわっとなる。
「どうせ真紅もいないしねぇ」
「………」
 静かに伏せり、ジュンの首筋にキスをする水銀燈。
「………」
 胸に両手を置き直し、跨ったまま、そのまま何度も頬をすり寄せる。
「じょ、冗談はそこまでにしろよ、な…」
「きっと、真紅も貴方と、こういう事したいって思ってるのよ」
「え」
「………」
 胸元に伏せったまま、水銀燈はしばらく動かない。
「貴方と一緒にいたい。貴方に満たされたい」
「あ、あいつが…?」
「さすがに、あの子が望む方法は、また違うでしょうけど」
「…こんな事を?分かるのか?」
 起き上がる水銀燈。
「分かるわよ。馬鹿にしないで」
「……」
「一応私は、ローゼンメイデンの長女なのよ」
「…」
「これでもね」
 そこまで言うと、水銀燈はそっと、ジュンの身体から離れた。
257 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/30(金) 04:53:22.75 ID:t5vkHfQl0
 呆けたように、床に座り込んでいるジュン。
それをベッドから見下ろしている水銀燈。
「あの子も淋しがりだから」
 悲しそうな顔をする。
「真紅は貴方を待ってるわ」
「僕を?」
「ええ」
 視線を下に向けるジュン。
「誰にでも分かるような、でも」
「……でも?」
「どこか遠い、貴方にしか分からないような場所で」
「……そうかな」
「聞いて、ジュン」
「……」
「あの子は耐える事で、波風が立たないようにしている」
「……」
「でも、このままじゃいつか、あの子は壊れてしまう」
「………」
「もう、眠ったまま、起きなくなるかもしれない」
「………」
「社会のルールに飛び込んで生活するには勇気がいるわ」
 ジュンが顔を上げる。
258 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/30(金) 04:59:15.96 ID:t5vkHfQl0
「その意味で貴方は立派よ。でもね」
「……」
「そのルールい従い続ける事で」
「……」
「大切なものを見失ったら、全てが無意味になってしまうのよ」
「……」
「貴方の上司も」
「……」
「のりも」
「……」
「貴方も」
「……」
「金糸雀も、翠星石も」
「……」
「私も」
「………」
「真紅も」
「………」
「大切なものを守るために、生きているのだから」
「………」
「そして、貴方と真紅の間には、大切なものがある」
「大切な…もの…」
「いいこと、ジュン」
「……」
「それを忘れないで」
「………」
「あの子の姉として、言っとくわ」
 水銀燈が、そこで言葉を止める。
 その二つの紫色が、ジュンの目を、じっと見つめていた。
259以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 05:05:49.69 ID:5xldKs610
C
260 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/30(金) 05:06:50.48 ID:t5vkHfQl0
 灰色に淀んだ空。
 時おり、ゴロゴロ…と音が聞こえる。
「あっ、ちょっと停まって下さい」
 後部座席から、ジュンが声を掛ける。
「はいよ」
「そこのピンクの家の前で…」
 ガチャッとドアが開く。
 外に出、見上げるジュン。

 ププーッとクラクションの音がする。
振り返ると、後ろで車が2台、止まっていた。
「あっ、すみません」
「兄ちゃん、どうするんだい、出るの?」
「あ」
 時計を見るジュン。
駅までは、信号を挟んで残り4キロほど。
電車が出るまで、10分ほど。
「……分かりました、出して下さい」

 そのクラクションの音で、
水銀燈が窓の外を見た時に、ジュンがタクシーの中に戻っていくのが見えた。
「あれは」
 すぐさまベッドから降り、鞄に閉じこもっている真紅を叩く。
「真紅!!起きなさい!」
 どんどん、と幾ら叩いても、何の反応もない。
261 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/30(金) 05:21:01.26 ID:t5vkHfQl0
 外で、ブウウウ…という音が遠のいていくのが聞こえた。
「っこの…!」
 ガァンと思い切り蹴飛ばす水銀燈。
「あっだっ」
 鞄が跳ね上がり、一回転して床に落ちる。
 あまりの衝撃に、水銀燈は右手で足を持ってとび跳ねた。
その左手が、ぶらんぶらんと揺れている。
「…何の騒ぎ…」
 キィ…と開いた鞄から、真紅が不機嫌そうに顔を出す。
「今、ジュンが出発したわよ」
「え?」
「玄関前にタクシーが停まっていたわ」
「…そう」
 言いながら、再び鞄に戻ろうとする。
「ちょ、ちょっと待ちなさい」
 肩をつかむ。
「追いかけないの」
「………」
 じろっと水銀燈を見やった後、黙ったままの真紅。
262 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/30(金) 05:24:27.85 ID:t5vkHfQl0
「………」
「いい?真紅。これを見なさい」
 水銀燈は自らの右手を見せる。
 その手がかたかたと動き始めている。
「左手はもう動かないわ」
「……」
 目を見開く真紅。
「貴女もよ。その右手」
 鞄の中で気付かなかったが、真紅の右手は既に痙攣を終え、だらんと垂れさがっていた。
 がくんと膝が崩れ落ちる水銀燈。
「あ」
 立とうとしても、なかなか立ち上がれない。
「…水銀燈」
「私は歩ける内に、nのフィールドで眠りにつくわ」
「………」
「貴女も」
「………」
「もう今日中には、私たちはこの時代とさよならよ」
「……そんな……」
 何度持ち上げようとしても、その右手は動かない。
263 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/30(金) 05:28:42.67 ID:t5vkHfQl0
「次に会う時は、私は貴女のローザミスティカを、容赦なくもらう」
「……」
 こちらを鋭く睨む。
「だから、これが…姉としての最後の命令よ」
 すがるような目で見る真紅。
「真紅、今から必死であのタクシーを追いかけなさい」
「………」
 言葉を待たないうちに、水銀燈は真紅の両肩をつかみ、
「うおあああああ」
 思い切り、窓に向かって投げた。
264 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/30(金) 05:35:04.89 ID:t5vkHfQl0

 ガシャアアアンと音を立てて、真紅の身体が外に吹っ飛ばされた。
「きゃあああああ」
 空中でくるくると回転し、ブロック塀にぶつかり、地面に落ちる。
「早く行きなさい!!このくそガキ!!」
 真紅が唇をかむ。
「早く!!もうジュンとは会えないのよ!!」
「わ、私は」
「いいから早く行きなさいよこの馬鹿!!」
 きょろきょろと見回すと、左方向、200メートルほど先に車の列が見える。
「真紅!!」
 目覚まし時計が飛んできた。
「ひっ」
 横でガシャンと音がする。
「……!!」
 その音が合図になったかのように、真紅はだっと走り始めた。
265以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 05:38:17.28 ID:WrV3S0DnO
C
266 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/30(金) 05:39:35.22 ID:t5vkHfQl0
 真紅はわけが分からないまま、走りだしていた。
 このまま走っていていいのだろうか。
 周りの視線が怖い。
 ジュンに迷惑をかけてしまう。
 今更……

 それでも、足が止まらない。
 走っているうちに、頭の中から言葉がなくなっていった。

 信号で止まっているところに追いつく。
「ジュン!!」
 久しぶりに、その名を呼んだ。
 ジュンがこちらにようやく気付いた。
 信号が青に変わり、タクシーが出発する。
後続の車が、真紅を驚いた目で見つめていた。
267以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 05:50:07.57 ID:2MFlG++HO
しえん
268以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 05:52:15.51 ID:T1X+8H1MO
銀ちゃんキスはしなかったのね…
269以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 05:59:26.50 ID:T1X+8H1MO
真紅って普通の服着ればただの美少女じゃん

解決じゃん
270 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/30(金) 06:14:56.48 ID:t5vkHfQl0
次の投下で最後です

また22時頃になるかとは思いますが…
271以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 06:26:47.55 ID:T1X+8H1MO
>>270
期待してる
お仕事がんばって
272以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 06:28:36.42 ID:IW4C/4EoO
>>1
今日の夜期待してるよ
273荒ら島さん:2008/05/30(金) 06:53:15.17 ID:pyR72nYmO
>>1乙、期待してます
274以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 07:03:37.70 ID:aLSJYJmvO
275以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 09:17:08.30 ID:O03tTqfjO
276以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 09:55:48.24 ID:IW4C/4EoO
保守
277以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 10:16:06.03 ID:5xldKs610
278荒ら島さん:2008/05/30(金) 10:32:57.80 ID:pyR72nYmO
ほほほほっしゅ
279以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 11:15:25.19 ID:MJRrbHQ8O
スーパー保守発動
280以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 11:57:47.83 ID:zo9HTEJbO
ほす
281以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 12:20:11.58 ID:PXVh3TawO
ほし
282以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 12:24:23.05 ID:GaRd0luR0
283以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 12:58:28.76 ID:kFrivJMxO
保守
284以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 13:39:14.10 ID:kkACNuVFO
休憩中ほしゅ
285荒ら島さん:2008/05/30(金) 13:41:51.46 ID:pyR72nYmO
授業中保守
286以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 13:47:36.13 ID:szcB+D720
保守
287以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 14:43:33.20 ID:eTGsfE8MO
天津飯食べながら保守
288以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 14:45:54.45 ID:GaRd0luR0
289以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 15:11:30.14 ID:GaRd0luR0
290以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 15:14:06.61 ID:1HW0HtC80
ttp://www4.uploader.jp/user/han/images/han_uljp00033.psd >>28 微妙に違うけど

お疲れさまです。保守代わりにうp
291以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 15:21:08.02 ID:GaRd0luR0
>>290
このJUMなんか強そうだぞw
292以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 15:50:57.70 ID:CXJMhmxe0
真紅を投げた銀様のイメージがバキ風になって困る
293以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 15:51:04.48 ID:GaRd0luR0
294以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 16:16:06.30 ID:GaRd0luR0
295以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 16:33:25.93 ID:pWoVV9JsO
>>292
おまえのせいで真紅が這い上がってきて第2ラウンドが始まっちゃったじゃねえか
296以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 16:35:06.90 ID:T1X+8H1MO
>>295
復ッッッ活ッッッ!!
真紅復活ッ
真紅復活ッ
真紅復活ッ

297以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 16:48:50.73 ID:c5EdGcql0
>>292
>>295
>>296

ちくしょう
例の同人誌を思い出したじゃねえか
298以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 17:24:11.56 ID:GaRd0luR0
299以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 17:29:42.32 ID:GaRd0luR0
300以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 17:49:50.22 ID:GaRd0luR0
301以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 17:50:33.63 ID:GaRd0luR0
302以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 17:59:25.46 ID:GaRd0luR0
303以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 18:04:32.64 ID:XDz29tyQ0
304以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 18:09:14.08 ID:ICcRrcTv0
305以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 18:20:54.22 ID:c5EdGcql0
306以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 18:20:59.27 ID:q8pVRKHcO
307以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 18:34:28.70 ID:O03tTqfjO
308以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 18:39:11.61 ID:GaRd0luR0
309以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 19:10:00.86 ID:kkACNuVFO
310以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 19:26:41.26 ID:GaRd0luR0
311以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 19:29:38.61 ID:q8pVRKHcO
312以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 19:42:37.33 ID:5gQxcI0g0
313以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 19:52:16.19 ID:WX+SLhofO
314以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 19:53:39.70 ID:IW4C/4EoO
保守age
315以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 20:20:10.13 ID:SmT24BRVO
干し
316以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 20:45:12.05 ID:J8C6X77fO
保守するわぁ
317以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 20:45:14.13 ID:SmT24BRVO
干す
318以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 21:12:59.54 ID:Xi+g6vx50
319以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 21:21:43.07 ID:GaRd0luR0
320以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 21:35:41.99 ID:GaRd0luR0
321以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 21:35:44.22 ID:PXVh3TawO
322以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 21:43:03.02 ID:GaRd0luR0
323以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 21:54:00.42 ID:J8C6X77fO
324荒ら島さん:2008/05/30(金) 21:54:20.27 ID:pyR72nYmO
ほっしゅ!オラ荒ら島
325以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 22:19:02.52 ID:mtV7b6RX0
326以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 22:19:03.65 ID:O03tTqfjO
327以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 22:20:25.81 ID:UI226TpwO
328以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 22:34:22.71 ID:30G0s32BO
329以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 22:40:54.75 ID:kFrivJMxO
330 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/30(金) 22:42:50.36 ID:t5vkHfQl0

 割れた窓。

「………はあ、…はあ」
 膝をつき、息を整えて水銀燈がぼんやりとそれを見つめている。
 ギシ、と鈍い音がして、一瞬気が遠くなる。
「…何…やって…んのかしらね…私…」
 動いたせいか、眠気が急激に襲ってきている気がする。
 顔の前で、メイメイがチカチカと光っている。
「ええ、分かって…るわ」
 カタタ、カタタ、と、一定の間隔で、自分の意識が遠くなりつつあるのが分かる。
「………」
 ベッドにもたれかかり、雛苺のものだった鞄を持つ。
「………」
 かくん、と意識を途切れさせながら、水銀燈が窓の外、灰色の空を見上げる。
今にも雨が降ってきそうである。
「めぐ、私は、この時代に、目覚めら、れて、良かったわ」
「……」
 視線を伏せ、ドアを開けて、階段を下りる。
手すりにつかまり、一段一段、慎重に踏みしめていく。
「真紅」
 納戸の中、鏡の前で、再び口を開く。
「頑張んなさい」
 
 そう言って口元を小さく緩ませ、水銀燈はゆっくりと、
鏡の中に消えていった。
331以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 22:44:05.30 ID:oujQFZTi0
ひゃああああああはあああああああああああ
332以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 22:46:22.48 ID:vRug2enoO
wktk
333 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/30(金) 22:48:50.07 ID:t5vkHfQl0


「あれは……」
 何度も後ろを振り返るジュン。
 あの紅い影は、確かに真紅だった。
「すみません、停めて下さい!」
 大通りを渡った向かいのコンビニで、タクシーを停める。
「真紅……!」
 タクシーを飛び出し、ジュンは今自分が出てきた脇道に眼を凝らした。

334以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 22:49:09.70 ID:CXJMhmxe0
しゃあああああああああきたあああああああああああ
335以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 22:50:35.57 ID:J8C6X77fO
おかえりわっふるwktkわっふる
336以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 22:56:29.92 ID:c5EdGcql0
なんだかこの後も超展開がきそうでwktkが止まらん
337 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/30(金) 22:57:16.91 ID:t5vkHfQl0

「え、え?ど、どうしたらいいの、これは」
 立ち尽くす自分の横を、車がどんどんと大通りに向けて出ていく。
 おろおろする真紅。
「ジュ、ジュンは?どこへ行っちゃったの」
 交差点の端に立ち、きょろきょろと辺りを見回す。
 ブウン、と音を立て、車が真紅のすぐ傍をかすめていく。
「きゃあっ」
 驚き、その場に倒れ込む。
「ジュン、どこ?どこなの、行ってしまったの」
 泣きそうになりながら、真紅が顔を上げる。
 向かいの信号が赤に代わり、交差する道路から、次々と車が走り始める。

 視界の中、大通りの向こう。
 コンビニの駐車場に停まったタクシーから、人影が出てくるのが見える。
 真紅が声を上げる。
「ジュン!」
 通り過ぎる車に遮られながら、ジュンが辺りを見回しているのが分かった。

338以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 22:58:50.14 ID:u8M3r0TDO
おかえり
339以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 22:59:20.51 ID:mzDJJ4Wb0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3493930
さーてニコニコで祭発生だよー^^
みんなで凸しよう!
ランキング1位でVIPPERの底力みせようぜ!!!!!
340以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 23:11:47.69 ID:CXJMhmxe0
341以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 23:20:50.59 ID:O03tTqfjO
まさか…
342以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 23:20:59.54 ID:30G0s32BO
343以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 23:21:42.54 ID:T1X+8H1MO
また粉々に…
344以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 23:29:03.93 ID:GaRd0luR0
このデジャブはまさか・・・
345以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 23:35:09.47 ID:A7HZM/oEO
寝落ち?
346以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 23:36:48.99 ID:O03tTqfjO
>>345
もしくは嘔吐下痢
347以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 23:50:06.92 ID:KOY6GNSsO
とりあえず、保
348以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/30(金) 23:57:39.81 ID:kFrivJMxO
田舎の母ちゃんから電話?
349 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/31(土) 00:04:47.68 ID:9npyM/pM0

「ジュン!」
 真紅が金切り声を上げる。
 足を踏み出そうとするが、一瞬目まいがする。
「あ…ぅ」
 世界が歪み、気が遠くなる。カタタ、と震える真紅。
「………」
 バランスを崩し、膝をつく。
 おかしい。こんなに早く。
「………」
 急激な眠気が襲い、そこからしばらく、真紅は立ち上がれなくなった。
「う……う、うぁ……」
 ごしごしと目をこする。だが、一向に眠気は収まらない。
「だ、大丈夫…」
 膝を支えにし、立ち上がって道路の向かいを見る。
 ジュンが何事か叫んでいるのが見える。
「……い、今行くから…ジュン……」
 目の前の、車の往来に気づいているのかいないのか、
真紅が道路を横断しようとしているが見えた。
350以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 00:05:37.14 ID:JmvrmSDN0
うわああああああああああああああああああああ
まさかまさかまさかあの時と同じ・・・
351以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 00:08:13.33 ID:7QZxpPh/O
それだけはやめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
352 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/31(土) 00:14:07.39 ID:9npyM/pM0
「きゃあっ」
 ゴオーッと車が通り過ぎ、風圧で尻もちをつく真紅。
「真紅!!」
 背筋が凍る。
 周りが見えていないのだろうか。
「じっとしてろ!!今行くから!!」
 その声が届いたのか、真紅が再びこちらを見、立ち上がる。


「ジュン!」
 信号は元より、真紅の目には、ジュン以外のものは見えていなかった。
「行か、なきゃ……」
 かたた、と震える自分の身体。
「………」
 ゴオオ、と通り過ぎていく音が静かになった。
思わず真紅は走り出す。
 パパーッと、耳をつんざくような音が聞こえる。
353以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 00:15:03.26 ID:+Ct2PRi4O
ジャンクフラグ...
354以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 00:19:25.52 ID:I5KXqKN30
死ぬのはいやあああああああああ
355以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 00:21:44.57 ID:sKo1aptD0
これは・・・
356以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 00:22:15.97 ID:WpGYgWo80
やめてえええええ
357以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 00:27:27.56 ID:fKC/N+3eO
うわあああああああああぁあ゛ぁあ゛あ゛あぁ
358 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/31(土) 00:28:58.99 ID:9npyM/pM0

「あうっ」
 すれすれの所で、真紅を車がかすめていく。
 勢いあまって真紅が倒れ込んだのは、
片側二車線の大通りの中心、中央分離帯の切れ目だった。
「あああ……真紅……」
 体勢を立て直そうとするも、ゴオーーッと容赦なくかすめる車に、
ただ、真紅は震えている事しか出来なかった。
 きっと、あの位置では、少し動いてしまえばすぐに、
轢かれてしまう。
 目の前の信号は、いつになったら青になるのか。
 そうしたら。
「真紅!!じっとしてろ!!動くな!すぐ行くから!!」
 ジュンがありったけの声を張り上げた。

359以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 00:32:25.69 ID:Mt9cyv+cO
しかし今回は投下速度がさらに遅いな・・・
360 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/31(土) 00:32:44.37 ID:9npyM/pM0
 ぽつり、ぽつりと雫が落ち、すぐにざあああという雨に変わる。

 接触がなかったのは、殆ど奇跡と言ってよかった。
 ツインテールが何度も風に舞い上がり、目の前でゴオーーーと
車が通り過ぎる。
「ひっ」
 真紅は座り込んだまま、動けなくなっていた。
 まず恐怖がひとつ。
そして、言う事を聞かない、自分の両の足。
「どうして…どうして……動いて、お願い、動いて!!」
 べしゃっと前のめりに倒れ込む。
「ううう」
 顔を上げる。
 視界の先、ほんの10メートルほど先に、あの人はいるのに。
「ジュン、ジュン……!!」
 涙で、真紅の視界が霞んだ。
361 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/31(土) 00:34:43.42 ID:9npyM/pM0
 倒れ込んだ体勢から上半身を起こし、何か叫んでいる。
「真紅!!!」
 真紅が泣いているのが分かった。
 車に怯えながら、涙を流しながら、それでも、自分を
求めているのが。
「真紅……」
 顔をくしゃくしゃにする。
「真紅!!待ってろ!いいんだ、そこにいるだけでいいから!!」
 幾度となく、自分の名前を呼んでいる人形。
聞こえただろうか。
「………?」
 真紅の様子がおかしいのに気づく。
 先ほどから、かたた、かたた、と、一定の間隔で、全身が揺れている。
「あれは……」
 真紅が這いつくばったまま、前に進もうとしているのが見えた。
「……!!」
 右から来る車。少しの間隔を見計らって、ジュンが飛び出した。
362以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 00:37:40.78 ID:JmvrmSDN0
JUMには頑張ってもらわんと困る
363 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/31(土) 00:38:20.17 ID:9npyM/pM0
 プ――――ッとクラクションが鳴る。
 
おかまいなしに、ジュンは走った。

8メートル。
6メートル。

ブオオオオ、というトラックの音。

 ジュンの目に、少女が映っていた。
ずっと昔から、
自分が姉を嫌悪していた頃から、
いつも傍にいた、真紅のドレスを纏った人形。
その金髪が風になびくと、太陽の光が反射して、一層
美しく見えたものだった。
 いつも強気で、時に人から誤解を招き、衝突する。
それから長い時を経て、自分がお金を稼ぐ身となり、
距離が出来てしまっても、
 これから遠く離れる事になってしまっても、
黙って自分の歩く姿を見守っていてくれた。

 だが、今、目に映る彼女は、雨に濡れながら、
通り過ぎる車に怯えながら、涙を流しながら、
自分の名前だけを、必死に呼び続けている。

 ジュンの行動に迷いはなかった。
364以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 00:39:40.02 ID:fKC/N+3eO
はらはらわっふる
365 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/31(土) 00:40:29.48 ID:9npyM/pM0
4メートル。
2メートル。

パパ――――ッという音が雨を切り裂く。

 ふと、ジュンは自分の感覚が、ゆっくりになるのを感じた。
何かスローモーションで時が流れているような、
1秒が2秒になり、3秒になり。

 ほんの一瞬の、
たどり着けないような、妙な感覚。



もう一度、ジュンは、少女の名前を叫んだ。

366以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 00:43:41.41 ID:sKo1aptD0
スローモーションはやばいだろ・・・
367以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 00:48:45.43 ID:WpGYgWo80
まさか走馬と……
368以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 00:50:14.57 ID:Mt9cyv+cO
JUM・・・
369以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 00:50:27.64 ID:zriF9F1Y0
ゴクリ...
370以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 00:50:40.26 ID:RSBcUXlp0
願わくばハッピーエンドを・・・
371以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 00:51:17.67 ID:fKC/N+3eO
死亡フラグが…。
372 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/31(土) 00:51:42.53 ID:9npyM/pM0







「真紅!!」
 間一髪の所で真紅を抱き上げ、中央分離帯へと倒れ込む。
その後ろを、大型トラックが、ゴオオオ―――と通り過ぎていった。

 彼女の両脇に手を回し、今一度抱きしめる。
「ジュン……!!!」
 泣き声が一層大きくなった。
 震える少女を、ジュンは必死に抱きしめた。
「真紅…」
 自分が泣いているのがわかった。
「ジュン…!」
 それに呼応するように、真紅もジュンの名前を呼び続ける。
 いつの間にか、雨は土砂降りへと変わっていた。
「ジュン」
「真紅」
「ジュン、ジュン…!!」
「ごめんよ、真紅…!」
その中で、二人は抱き合ったまま、いつまでも泣き続けた。

373以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 00:52:30.74 ID:fKC/N+3eO
涙腺崩壊
374以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 00:52:33.04 ID:SmmVXxKi0
事故らないでよかったあああああああああ
375以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 00:53:19.68 ID:zriF9F1Y0
無事でよかった
376以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 00:59:16.10 ID:sJ/gI8PxO
なんという焦らし
もっとペースを…
377以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 00:59:53.00 ID:JmvrmSDN0
素でほっとした
378 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/31(土) 01:02:26.25 ID:9npyM/pM0






「ごめんな、こんな格好で」
 人影もまばらな電車の中。
 かたた、かたた、と揺れ続ける真紅を、
Tシャツ姿のジュンが膝に乗せている。
「いいえ、気にしな、いでちょうだい」

 髪を拭いた後、くしでとかすジュン。
「ごめんなさい」
 真紅が口を開いた。
「え?」
「迷惑、かけたわね」
 言いながら、ジュンの胸にすり寄る真紅。
「…いや」
 くしを置くジュン。
「嬉しいんだ、僕は」
 真紅がかたた、と揺れ、顔を上げる。
「嬉し、い?」
「ああ、正直」
「……」
「会えずに別れるのかと」
379以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:04:01.71 ID:sJ/gI8PxO
真紅…言葉が…
380 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/31(土) 01:10:47.17 ID:9npyM/pM0
「……」
「荷物は全部、別便で名古屋に送った」
「……」
「電車にも間に合うように行動した」
「……」
「でも、お前らに挨拶出来ずに終わるのかなって…」
「………」
「悲しかったよ」
「ジュン…」
「お前が人目も気にせず走って追いかけてくるまでは」
 真紅が不思議そうな顔をする。
「………」
「僕は嬉しかった」
「…どうして?迷惑じゃなか、ったの」
「ああ、ごめん、真紅…」
 頭を撫でる。
「鞄とゼンマイ、実家に置きっぱなしだな」
「………」
「姉ちゃんに、すぐに送ってもらうようにするから」
 真紅は視線を伏せ、黙ってしまう。
「……ね」
「うん?」
381以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:18:46.56 ID:zriF9F1Y0
wktk
382以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:19:26.46 ID:0f/o7cgdO
支援
ローゼン復活したけどラストはみたくないな
383 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/31(土) 01:19:48.92 ID:9npyM/pM0
「嬉しかったって?」
「うん?」
「ジュンは、私が、あんな事して、あれだけ、ジュンの、生命を危険にさら、して」
かたたた、と大きな音がする。
「嬉し、かったの」
「………」
「ああ」
「そ、れは、どうして」
「分からない」
「わ、から…ない?」
「ああ。…でも、うまく言えないけど」
 ジュンの胸をつかんでいた手が、かくんと落ちる。
「いつもプライドや世間体や、信頼とかそういうものを」
「………」
「大切にして、自分が我慢ばっかりしてた」
「…………」
「そのお前が泣いている」
「……」
「僕が行かなきゃ、抱きしめてやんなきゃ、そう思った」
「………」
「義務感じゃない、そうしたかったんだ」
「…そう」
「お前のもとに行けて」
 真紅が目を細める。
「抱き合えたから」
384以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:20:14.72 ID:fKC/N+3eO
わっふるわっふる
385以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:21:32.96 ID:OoFqyyDB0
真紅が黙ってると俺の心臓止まりそうになる
386以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:21:47.48 ID:sGXADW5h0
http://live24.2ch.net/test/read.cgi/livevenus/1212161883/
http://203.131.199.131:8020/murakami.m3u
童貞の質問に童貞が答える童貞の童貞による童貞のためのラジオ

童貞たちがひっしにオナニーについてかたってます
あたたかくみまもってください^^
387以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:22:51.10 ID:sJ/gI8PxO
いつからジュンの独り言になるのか不安

お別れだけは…ちゃんと…
388以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:24:10.11 ID:7QZxpPh/O
真紅の喋り方に胸が苦しくなります
389 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/31(土) 01:27:38.62 ID:9npyM/pM0
「…」
「それだけだよ、嬉しかった理由は」
「……」
 真紅の口元が緩み、とん、と胸に寄り添う。
「ねえ、ジュン」
「ん」
「私ね、私は…」
「何だ?」
「全て、のローザ、ミスティカ、を集めて、お、父様に会う」
「……」
「今、はそん、なの、どうでも、いいの」
「………」
「お父、様の、ための、アリスな、んて」
「真紅…」
「私は、真紅」
 かた、かた、と、小刻みに震え始める。
「ローゼ、メイデンの、第5、ドール」
「………」
「そして、幸、せな、あな、たの、お人、形」
「………」
「いいの、私は、それで」
「真紅………」
「ジュン」
「うん?」
 震える手で、ジュンの左手を持ち上げる。
390以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:31:31.41 ID:sJ/gI8PxO
真紅いかないで…
391 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/31(土) 01:33:10.08 ID:9npyM/pM0

 薬指にぎこちなく口づけをし、まばゆい光がすぐに消える。
「これで、契約は、破棄。貴方、はもう、私の、家来でも、何でもな、くなった」
 ジュンを見上げ、虚ろな眼で、それでも微笑む真紅。
「だか、ら、ここ、からは、私の、ワガ、ママ」
 ぎゅっと、ジュンの両手が握りしめられる。
「私、貴方に、ついて、いきたい」
「え」
「やっぱり」
「……」
 真紅の目に、涙がにじんでいる。
「だっ、て、私、生き、てい、るもの」
「真紅……」
「もっと、貴方と、一緒にいた………」
 言葉が途切れる。
392以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:33:11.74 ID:djwikD0r0
真紅・・・
393以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:37:44.67 ID:qeAQhDlAO
甘き死よ、来たれ
394 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/31(土) 01:38:29.40 ID:9npyM/pM0
「お、おい、真紅」
「……」
「無理するなよ」
「…だいじょ、ぶ」
「…」
「あの、ね、私、こと、いら、なくな、たら、捨てて、いいから」
かた…かた…と、震えが次第に小さくなる。
「だから…………」
 真紅の蒼い瞳が、そこで閉じられた。
 寄り添った身体から、急激に力が抜けていく。
「………」
 ジュンの両手を握っていた手は、だらんと垂れさがっていた。
「眠っちゃったか…ごめんな、真紅…」
「………」
「早くネジ、巻いてやらないとな…」
 動かなくなった真紅の髪を、何度も撫でるジュン。
395以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:39:31.00 ID:JmvrmSDN0
ああああああああああああああああああああ
396以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:40:49.40 ID:sJ/gI8PxO
やっと本音が言えたのに……

ああああああああああああああああ
397以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:43:22.30 ID:lsa5ieIr0
uwaaaaaaaaaaaaaa
398以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:43:56.58 ID:QCAB8TFA0
(´;ω;`)ウッ
399 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/31(土) 01:44:32.66 ID:9npyM/pM0




 いつの間にか、窓の外に晴れ間が広がっていた。

雨上がりの空に、虹の橋が架かっている。

薔薇乙女たちと同じ、七色の、大きな橋が。


「…………」
 ジュンはしばらく外を見つめ、やがてあくびをする。
「…僕も一眠りするかな」
 ポケットからMDウォークマンを取り出し、イヤホンを繋げる。
「……」
 思い直したように、片方を、真紅の耳につけるジュン。
カチッとスイッチを入れる。

 流れてきたのは、BoAの「JEWEL SONG」。

「お前、好きそうだから…こういう曲」
 そう言って、もう一度、真紅を見やる。
 その眠りの表情は、少し笑っているように、
ジュンには見えた。
400 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/31(土) 01:48:18.65 ID:9npyM/pM0


―――私、貴方についていきたい


―――やっぱり


―――だって、私、生きているもの


―――もっと、貴方と、一緒にいたいもの


―――私のこと


―――いらなくなったら、捨てていいから


401以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:48:34.01 ID:QCAB8TFA0
朝まで保守…たのむ…
402 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/31(土) 01:48:49.32 ID:9npyM/pM0




―――だから…………






―――ずっと、貴方の傍にいさせて










ローゼンメイデンの話  完



403以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:49:31.18 ID:lsa5ieIr0
うわあああああああああああ

乙でした!
404以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:49:42.40 ID:QCAB8TFA0
とおもったら乙
405以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:50:18.16 ID:sJ/gI8PxO
うあああああああああああああああああああ

乙!
406以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:50:31.14 ID:F9IAYxEy0
(´;ω;`)
407以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:50:31.98 ID:RSBcUXlp0
>>1 お疲れ様!
408以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:51:09.82 ID:sJ/gI8PxO
>>402
もうこのシリーズは書かないの?
409以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:52:03.97 ID:2wrPEvtkO
>>1 乙 ローゼンめ……
410以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:52:33.55 ID:GUPGjHCmO
乙!
411以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:52:41.78 ID:Mt9cyv+cO
>>1
また何か書いてほしいぜ
412以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:52:50.02 ID:7QZxpPh/O
>>1
今回も泣かせてもらったよ
またいつか帰ってきてくれるの待ってるぜ
413以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:53:36.98 ID:WpGYgWo80
おつー
414以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:53:40.01 ID:OoFqyyDB0
乙…
415以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:55:12.95 ID:1vqU641R0
乙乙
416 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/31(土) 01:57:23.04 ID:9npyM/pM0
皆、三日間も保守ありがとうございました。

色々と事情があり、もうローゼンメイデンの話を
書く事はおそらくないと思います。
2月の一作目から読んでいただいた方、
3月の真紅の事故とかから読んでいただいた方、
今回の10年後の話から読んでいただいた方、
色んな方に、支援、保守していただいて、
本当に感謝しています。
皆本当に、ありがとうございました。
それでは。
417以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:58:30.94 ID:7KW8u3jz0
なん・・・だと・・・
418以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:59:29.12 ID:ZfeFpHUMO
>>416
うわああああああああああああああああ


お疲れ様、いつでも戻ってきてくれ、いつでも待ってるから…
419以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 02:00:14.92 ID:WpGYgWo80
残念だが乙でした
どの話も面白かったです
420以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 02:00:25.61 ID:Mt9cyv+cO
もう書くことはないか、そりゃ残念だ
とにかくお疲れさまでした
421以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 02:01:18.29 ID:sKo1aptD0
>>416
どれも楽しませてもらったよ。
今まで乙でした。
422以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 02:01:23.41 ID:mfGSzd3i0
>>1
お疲れ様 書きたくなったらいつでも来い
席は空けておく
423以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 02:02:30.13 ID:3k4PzR9a0
なん・・・だと・・・

お疲れさん
面白かったぜ
424以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 02:03:01.69 ID:JmvrmSDN0
またいつでも戻ってきて書いてくれよ

乙!
425以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 02:05:50.28 ID:9tpDY5EMO
>>1おつかれー
また会えることを密かに期待してる
426以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 02:05:52.63 ID:sJ/gI8PxO
マジか…
叩かれてもいい
あんたのSSでまたローゼン絵を書きたかったぜ

それにしても乙!
427以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 02:10:22.92 ID:UWDC/n9bO
>>1の文章の感じが好きだったんからもう会えないのは残念だな…


機会があればまた書いて欲しい
ともかく乙
428以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 02:10:53.34 ID:k1uv9TqC0
本当にお疲れさまでした!
429以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 02:11:38.90 ID:fKC/N+3eO
乙!
本当にクォリティ高くて感動した。


また会えたら嬉しいなぁ。
気が向いたらいつでも来て下さい!

本当に乙でした
430以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 02:13:47.10 ID:OoFqyyDB0
>1とこの時代で会えるのも、多分今日が最後かしら
431 ◆JtU6Ps3/ps :2008/05/31(土) 02:15:57.66 ID:9npyM/pM0
それと追加。

多分ぷん太さんがまとめてくれると思うのでカキコ
まとめていただく時>>416は割愛していただけたらと思います。
理由は作品の余韻とかそういうのに影響するからです。
良ければ。

おまいら俺を泣かすなよチキショウ……唇かんで我慢してるのに
432以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 02:17:32.95 ID:LMc/w12PO
>>1あなたがお父様か!?
リアルタイムで二回も遭遇できるとはおもわなんだ
433以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 02:18:34.07 ID:7KW8u3jz0
俺この話がもう見れんとか世界に絶望して死ぬかも試練
434以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 02:19:08.22 ID:+zCtN4qwO
泣け
泣けよ泣き虫
悔しかったらいつでも戻ってきやがれ泣き虫野郎
435以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 02:23:17.17 ID:fhv5bw960
もう…書かない…だと…?

…乙でした。
436以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 02:27:46.02 ID:SmmVXxKi0
乙!!!
437以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 02:29:00.51 ID:Mxeokl1TO
乙だった…

そして俺は幸せな>>1のお人形
438以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 02:29:45.37 ID:RSBcUXlp0
>>1 のすべての作品に心打たれた
いい物語をありがとう
439以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 02:31:17.27 ID:weNFSx9n0
皆さん、次の>>1の作品をお楽しみに!
440以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 02:33:09.07 ID:7QZxpPh/O
双子メインの話がよみたかったなぁ
441以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 02:34:21.00 ID:Rlm4taz40
>1乙。
いろんな意味で桃種には描けないローゼンの結末だったとおもう。
442以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 02:45:20.57 ID:AhN08KFZO
本当に乙・・・俺も幸せな>>1のお人形
気が向いたらまた頼む
443以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 03:00:55.16 ID:JM+wixU9O
ローゼンメイデン
みんなの幸せなお人形
444以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 03:11:13.39 ID:QrI6wgn0O
今、追い付いて読み終わった
これ原作でいいよ…久々に泣かせてもらいました

乙です
445以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 03:31:04.07 ID:y4zvm/QoO
泣いた
446以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 03:39:22.37 ID:I5KXqKN30
おああああああああああああ
今、漏れは猛烈に感動している

番外編的なものを書いて欲しいが気のせいにしたいと思う。
447以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 03:53:22.23 ID:HEfaeqfBO
まとめサイトないの?
448以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 04:05:44.14 ID:OiwIo1510
久々にVIPで涙腺決壊した

>>1に心のそこから乙!
449以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 04:13:16.51 ID:I5KXqKN30
>>447
近い内にぷん太にまとめが乗ると思う
450以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 04:18:20.79 ID:HEfaeqfBO
>>449
ぷん太?
451以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 04:21:20.69 ID:I5KXqKN30
>>450
そんなぐらいググれカス
http://punpunpun.blog107.fc2.com/
452以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 04:28:39.33 ID:HEfaeqfBO
>>451
すいません
ありがとうございます
453以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 06:23:37.70 ID:uZ4wUAEHO
保守
今から前日の続き読むよ
わっふるわっふる
454以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 06:25:47.36 ID:gh6mBpLSO
一昨日見つけた時、スレも開かずにスルーしてしまった事を非常に悔やんでる。
455以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 07:06:01.94 ID:uZ4wUAEHO
目から汗が止まらない
>>1本当にお疲れ様でした。このSSに会えてよかった。
>>1さんの話に出てくるローゼンメイデンみんなが幸せになる事を祈ってます
456荒ら島さん:2008/05/31(土) 07:47:31.94 ID:HC/uDN9jO
あれ、目から紅茶が・・・
>>1お疲れ様でした。
もし、書きたくなったら
いつでも戻ってきて下さい
457以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 10:23:29.83 ID:3k4PzR9a0
ふぅ
458以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 10:28:22.85 ID:6EqV8wVv0
じっくり読ませてもらいます>>1乙!
459以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 11:44:49.76 ID:PTqRD6b+O
>>1おつ!
帰ったらPCでゆっくり読ませて頂く。

これが最後っぽいけど、気が向いたらまた書いてくれ
久々にいい作品に出会えて俺も嬉しかった。
ありがとう
460以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 12:11:47.07 ID:pZtM1xbHO
>>1
乙!
BoAか…ちょっとCD買ってくる
461以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 14:02:00.74 ID:3k4PzR9a0
 
462以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 14:21:40.12 ID:z77hl9M50
>>1
僕は君に会うために生まれてきたのかもしれない。
463以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 14:54:02.43 ID:RSBcUXlp0
after story みたいのは無いのだろうか・・・
真紅が次の時代まで目覚めないのか
それともJUMと一緒になるのかが気になる
464以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 14:56:24.30 ID:sKo1aptD0
今更だがここまで人気の書き手を見た事が無い
465以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
なんとなく保守