ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」

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424みるく ◆MILKELR6d6
「別にあなたたちはわたしに負担などかけていない。」
 そうは言うがな長門、俺はお前にいつも頼っちまう。なのに俺は長門に何もできないのが悔しいんだよ。
「そんなことはない。それに、ジャミングや情報干渉についてはこちらの問題。」
 でもなぁ…。で、これから俺たちはどうするんだ?何をすればいい?情けないが、俺にはあまり良い考えが浮かばないのだが…。
「一つは決まっています。涼宮さんはSOS団の活動によって充実した時間を過ごせばストレスを溜めることはなく、また閉鎖空間を生み出さないことはわかっています。ですので、これからはなるべく今まで以上に涼宮さんに彼女が楽しめるイベントを提供する必要があります。」
 なるほどな。そもそも閉鎖空間を生み出してもストレスが解消できないっていうなら、ストレスを溜めさせないように俺たちがする必要があるわけだ。ん、待てよ。それって今までと変わらなくないか?
「そう思われるかもしれませんが、閉鎖空間によるストレス解消が困難な今、涼宮さんの精神を落ち着かせることができるのは我々だけなのです。」
 それはちょっと、いやかなりやっかいだな。それで世界は改変されちまったら困るのは俺たちだし。ん…またおかしい点を発見したぞ。
「どうされました?」
「ハルヒのトンデモパワーが半減してるんだったら、あいつはイライラがマックスになっても世界を改変できないんじゃないのか?」
「半分の力で世界を改変できない保証がありますか?」
 俺の考えは浅はかだったらしい。しかしだな、世界を改変できるだけの力が残っているなら、小さい神人なんか生み出さないと思うのだが…。
「確かに、そう考えるのが普通でしょう。しかし、こうも考えられませんか?力が半減してしまったが故に、まるごと世界を改変できず部分的に改変してしまう可能性もある、とは。」
 …なるほどな。ありえん話じゃないな。部分的にだとしても、世界が変わっちまうのは嫌だしな。
「解って頂けましたか。僕や長門さんや朝比奈さんは、それぞれの組織と共に調査を続けます。そこで何か新しい発見があったら連絡を取り合うことにしました。それと同時に、SOS団の活動も有意義なものにしていかなければなりません。」
 有意義か。まぁ様はハルヒが喜びそうなイベントを用意したり、ハルヒが不機嫌にならないように注意してれば良いんだよな?
「まぁ他にもして頂きたいことはあるのですが…いえ、とりあえずはそんなところですね。」
 なんだよ、もったいぶるやつだな。実際今の事態が深刻なのは俺でも解ってるつもりだぞ。俺にできることがあるなら言ってくれ。
「でしたら、今までと変わりなく涼宮さんに接して頂きたいと思います。あまり急に積極的になられても、かえって彼女が混乱してしまうかもしれませんしね。」
 積極的?よく意味が解らんが、まぁ俺なりにやってみるよ。
「ふふ、あなたらしいですね。」
 と、そろそろ戻らないと午後の授業が始まっちまうんで、俺たちは解散した。
 その後の授業やSOS団の集まりも滞りなく進み、俺は帰路についた。
 母親の作ったシチューを食べてから風呂に入り、特にやることも無かった俺はすぐに布団に潜ることにした。
 正直、自体が深刻なのは理解していたつもりだったが、それでもいつもの様になんとかなると思っていた。


 ───しかし。
 事態は翌日、急展開を迎えた。