ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
長編投下の際の注意

・超長編(もしくはSS職人)の場合はコテトリ付けようっ! でも住人の空気もよく読まないとだめにょろよ?
・前の文章とレスが離れてしまう場合は、文頭に安価つけてくださぁいですぅ……あの、お茶どうですかぁ?
・基本はお題フリーです。しかし、主に恋愛系(特にハルヒ)が人気の様ですよ。フフフ、僕とキョンたんの恋愛話も大歓迎ですよマッガーレ
・当初の題目は「キョン×ハルヒ」結婚ネタ……けど、今はほとんど皆無。別に時事ネタでなくてもいい…気にしないで
・キョン君、過度な性的描写はやめようね〜、タンスにエロビデ隠してるのハルにゃんに言っちゃうよ
・台詞や他者への呼称等、その人物に対する統一性は違和感が生じないように推敲が必須だね。もし不安であるのならば、まとめ等を参照すること。
・1行には全角120文字、1レスには最大30行まで入るけど、全角で2048文字の制限があるから気をつけて欲しいのね。
・要するに気楽に投下してくれ。メモ帳にまとめて投下、ってのがお勧めだな
・次スレは970以降、臨機応変に対応してくれ!無理なら他のヤツらに頼むってのもありだな…すまん!ごゆっくり〜
・スレが立ってから三日過ぎたスレッドは>>1000まで行かなくても落ちる……これは僕にとっても既定事項だ
・自分で投下した長編はなるべく自分で編集してください、わかりましたか?んん…!もうっ!
・それじゃ、さっさと投下しなさいっ! いい? あたしを退屈させたら罰金だからねっ!

DAT保管庫(停滞中)  http://haruhiss.xxxxxxxx.jp/
新DAT保管庫+SS推薦http://vipharuhi.s293.xrea.com/
新まとめサイト      http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/
DATうpろだ        http://www.uploader.jp/home/harussdat/
雑談所(避難所)     http://yy42.60.kg/haruhizatudan/
雑談所携帯用      http://same.u.la/test/p.so/yy42.60.kg/haruhizatudan/

2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 00:39:21.29 ID:nFkyd4Lb0
=====業務連絡===========

・まとめwikiの管理人さんが忙しいから、せめて長編だけでもSS作者は自分でまとめなさいっ!
・「SS作者だけど自分ではまとめられん!」と言うヤツは「まとめ要請とまとめ人たちの報告スレッド」にまとめ要請を書き込んでみるのも一つの手だな。

まとめ要請とまとめ人たちの報告スレッド
 http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1196380901/ PC用 
 http://same.u.la/test/r.so/yy42.60.kg/haruhizatudan/1196380901/ 携帯用

3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 00:42:36.37 ID:72DnOF4I0
いちおつ

さっきまでVIPにアクセスできなくてビビった。
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 00:45:42.56 ID:4ApJv4BN0
しかしこんな不安定な時期に建てても大丈夫かね。
乙!
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 00:46:26.25 ID:nFkyd4Lb0
落ちてる間にまとめで短編読んでて気づいたんだが、
岡島瑞樹  (広江 美奈さん)5月 16日だたのに…誕生日シリーズの人の投下なかったんんだね
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 00:47:47.96 ID:nFkyd4Lb0
>>4
水曜に立てた尻穴が残ってるからこっちも頑張ればなんとか…
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 00:50:20.15 ID:72DnOF4I0
>>5
誕生日の人じゃないけど、喫茶店ドリームにもしマスターが居たらって感じで書いてみたから
保守がてら読んでください。
8マスターの憂鬱:2008/05/24(土) 00:51:43.03 ID:72DnOF4I0
昼下がりの午後。
冬が終わり、春が訪れ、夏の足音がもうそろそろ聞こえてきそうな季節ですね。
暑い日が続いたと思ったら急に冷え込む、なんていう事もあるので、体調の管理だけはしっかりしてくださいね。
忙しなく道を行く人々の喧騒の中。
時間が止まった、などという表現を用いるのは少々大袈裟なのかもしれませんが、そんな空気を提供できれば幸せです。
こんにちわ、喫茶店ドリームのマスターです。
若い頃、いつか自分の店を持つのが夢だったので、それをそのまま店の名前にしました。
嫁には随分気に入ってもらっている名前なのですが。
ついこのあいだ、よく来てもらってる高校生の女の子に、
「名前にひねりが無いわね」
なんて言われた時は思わず苦笑いでしたよ、トホホ……。
そう言えばその女の子といつも一緒に居る彼、そう、ええと。
名前は確か、キョン君、でしたか。
いつも彼がお支払いになるのですが、ここのところ「ツケで良いですよ」なんて事を言えるくらい御贔屓にしてもらっています。
いやいや、ありがたいことですね。
常連さんは大切にしなければいけませんからねと笑うと、財布の状況が芳しくない様子の彼は強く同意してくれたみたいです。
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 00:52:04.99 ID:nFkyd4Lb0
しえん
10マスターの憂鬱:2008/05/24(土) 00:52:13.77 ID:72DnOF4I0
あ、噂をすればなんとやら、ですね。
「いらっしゃい」
「こんちわ、マスター」
おや、今日はお一人ですか?
「ええ、今日はちょっと」
そうですか、何にします?
「いつものコーヒーで」
かしこまりました。


彼はいつもの席では無くカウンターに腰掛けて、バイブレーションにしているのか着信音は鳴りませんでしたが携帯電話を取り出して三十秒ほど睨めっこをしていました。
「どうしました?」
「いや、えっと。マスター……、今日ちょっと店を貸し切らせてもらってもいいですか?」
彼は申し訳なさそうな顔をしてから、すうと息を吸い込んで言いました。
その表情が本当に申し訳なさそうだったので、私は彼に同情してしまいます。
きっと今携帯電話で私にそう頼むように仰せ付けられたのでしょう。
「今日ですか?」
11マスターの憂鬱:2008/05/24(土) 00:52:57.01 ID:72DnOF4I0
「ええ」
「いいですよ、今日はほとんど開店休業みたいなものですしね」
店内を見渡して、ちょっと大袈裟に肩を竦めました。
ランチタイム、と呼ぶには少々遅い時間という事もあって文字通りガラガラでした。
融資先の銀行員さんが見たらもっと真面目に経営しろ! などと小言を言いそうですね。こわい、こわい。
「ほんとですか? ありがとうございます!」
私がそう言うと彼の表情は一気に明るくなって、また携帯電話と睨めっこをしました。
私の高校生時代といえばポケベルが流行し始めたくらいなのですが、今じゃ携帯電話が当たり前、ですか。
いやいや、時代は変わるものですね。
年寄りの小言です。
いやいや、歳は取りたくないものですね。


どうぞ、と。私は彼にコーヒーを差し出します。
彼はそれを口に運び、ずずずと音を立てました。
その音はBGMの一部になって店内に吸い込まれて、カチャリとソーサーと触れ合う音で完成するメロディーになります。
こういう仕事を生業にしているとそういう音に敏感になったりするもので、一種の職業病みたいなものです。
学生時代に喫茶店でアルバイトをしていた時は、絶対と言っていい程にそんな音が聴こえた試しはありませんでしたが。
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 00:53:04.75 ID:nFkyd4Lb0
しえn
13マスターの憂鬱:2008/05/24(土) 00:53:29.49 ID:72DnOF4I0
「涼宮、さん。でしたっけ」
コーヒカップを拭きながら、黄色いカチューシャがトレードマークの女の子を思い浮かべました。ひまわりの様に笑う女の子を。
初めて店にいらっしゃった時は尖がる様にキツイ目線で、いやはや私などは嫁と出合った頃を思い出した位なのですがね。おっと、これは余計な話でしたか。
私がその名前を口にすると、彼は驚いた様にも困った様にも恥ずかしい様にも見える表情で、
「えぇ、いつもすみません」
こう言いました。
その表情がまた、私の若い頃にそっくりで。なんともまあ、こう、親近感が沸くと言いますか。同じ轍を踏んでいると言いますか。そんな気分になります。
時代は変われど男の悩みというものはいつも同じなのでしょうか。
ニコリと私が笑うと、彼は申し訳なさそうに笑いました。
「可愛い彼女さんですよね」
ぶっと噴き出して、抗議の目線を受けました。あれ? 違うのですか?


次の瞬間、カランコロンとドアを開ける鐘の音が聞こえて、私はそちらへ目線をやりました。
勢い良く店内に入ってきてズカズカと進み、カウンターの彼の横の席に座った彼女、
「いつもの、お願い」
噂をすればなんとやら、本日二回目です。
「いらっしゃい」
「今日も来てやったわ、感謝しなさいよね」
「はは、ありがとうございます」
朝比奈さんと長門さん、古泉くんも一緒でした。
これでやっといつもの五人組、ですね。
「五人組じゃないわ、SOS団よ」
涼宮さんからコーヒー早くしろという目線でイエローカードをつき付けられました、これは失礼しました。
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 00:53:54.34 ID:nFkyd4Lb0
支援
15マスターの憂鬱:2008/05/24(土) 00:53:59.30 ID:72DnOF4I0
彼等がいつも頼むコーヒーを淹れると、涼宮さんは一気に飲み干しておかわりを告げました。
私はどちらかと言えば猫舌なので、その飲みっぷりにはいつも驚かされてしまいます。アイスコーヒーなのに……。
いつだったか飲み方にも個性が出る、なんて言葉を耳に挟んだことがありますが。
古泉くんは優雅に。
長門さんは……、難しいですね。敢えて言うなら繊細。
朝比奈さんは可憐という言葉がぴったりの様に思えます。
涼宮さんは文字通り思い切りの良い女性なのでしょうね。そんな意味合いを持たせてキョン君に目配せをしたら、彼は苦笑いでした。
わかります、わかります。私も同じでしたからね。思い出すと、ついつい苦笑いをしてしまいました。


「ねえマスター! 今日はかなり人呼んでるんだけど大丈夫?」
貸切の件でしょうか? 私が了解のサインとして頷くと、涼宮さんはニヤリと口の端を上げて笑みを作りました。
「何かパーティーでもなさるのですか?」
涼宮さんに聞いても教えてもらえそうになかったので朝比奈さんにコッソリと聞いてみました。
「え……ええと、その、ナイショにしてなきゃいけないのです……あの、すみません」
いえいえ、いいのですよ。
「ご、ごめんなさい。マスターさん……」
朝比奈さんは俯いてしまいました。
こちらこそ無理に聞いてしまってすみません。だからそんなに申し訳なさそうな表情をなさらないでください、ね?
「は、はい……」
「それより、もう一杯淹れましょうか? 私が持ちますよ」
「あ、ありがとうございます」
その顔と言ったら、それはもう。
嫁と結婚していなかったらプロポーズをしようかと思うくらいのもので。こんな瞬間を嫁に目撃されたら刺殺されてしまうかと思いました。
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 00:54:42.14 ID:nFkyd4Lb0
17マスターの憂鬱:2008/05/24(土) 00:55:18.15 ID:72DnOF4I0
>>15
誤 アイスコーヒーなのに……。
正 アイスコーヒーじゃないのに……。

でした。
すみません。
18マスターの憂鬱:2008/05/24(土) 00:55:45.32 ID:72DnOF4I0
「やあキョン、遅れてしまってすまないね」
女の子を先頭に、背の高い男の子、髪の長い女の子、ツインテイルの女の子。
「WAWAWA忘れ物〜♪」
オールバックの男の子に、童顔の男の子。
「めがっさお待たせっさ」
「キョンく〜ん、クラッカー持ってきたよぉ〜」
髪の長い女の子、キョンくんの妹さんと、そのお友達……と、猫さん。
「パーティーなのね」
「おいキョン! この飾りここでいいのか?」
「ああ、頼む」
涼宮さんのクラスメイトらしい人たち。

「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」
「食べてねえよ!」
「私が食べた」
「有希が? それなら仕方ないわね。マスター! コーヒープリンもう一つね!」
「かしこましました」
19マスターの憂鬱:2008/05/24(土) 00:56:20.24 ID:72DnOF4I0
そんな感じに盛り上がってまいりました。
気がつくともう店内はいい感じにデコレーションされていて。
普段の内装から打って変わって、パーティーにはもってこいの、こ洒落れた雰囲気になっていました。
あちこちで会話の花が咲き、笑みが零れ、若さの活気溢れる空間に。


涼宮さんがいつの間にか予約していたと言うオードブルが届いて、思わぬ来店人数に店の飲み物が足りなくなってしまったので慌てて近くのスーパーへ買いに走りました。
息を切らして戻ってくると、ガラガラだった席はすっかり満員御礼の札を出してもいいくらいに埋まって、立ち見客も出てしまいました。
ここは、立食式という事で一つ我慢していただきましょう。
いやいや、こういう雰囲気というのも良いものですな。
気がつくといつの間にか妻もその一員に加わっていました。
なぜか涼宮さんと気が合う様で、二人は飲み比べに食べ比べ、肩を叩きあって笑ったりしてすっかり出来上がった様子でした。
20マスターの憂鬱:2008/05/24(土) 00:56:43.27 ID:72DnOF4I0
パンッ!パン!
丁度私がレジ袋に入れた飲み物を冷蔵庫に入れてカウンターへ戻ると、クラッカーが炸裂して舞いました。
炸裂というより暴発に近いような規模でした。
私がびっくりして呆気に取られていると、
「マスター! 誕生日おめでとう!」
涼宮さんがそれはもう極上という言葉がそっくりそのまま当て嵌まるスマイルを浮かべていました。
少しばかりキーンとしていた私の耳が機能しだして、拍手の音がだんだんと大きく聞こえてきた頃、やっと理解しました。
ああ、そういえば今日は私の誕生日でしたね。
すっかり、忘れていました。
「ちょっと? 何泣いてんのよ」
「いえ、すみません。年を取ると、その。涙腺が緩くなってしまうので……」
ここに集まった皆さんが、私の為に集まってくださっている事を実感した瞬間、でした。
最後に涙を流したのは、もう、いつのことでしたか思い出せませんが。
「もう、情けないマスターね」
バンバンと背中を叩く涼宮さん、それを見てケラケラと笑い声が聞こえてきますが、それはもう心地よい瞬間でした。
そう、まるで夢のような。
こんなに大勢の人に祝ってもらうなんて、生まれて以来無かったですからね。
その後はなだれ込む様に喧騒に包まれ、時が止まるどころかむしろ加速してるんじゃないかと思うくらいに盛り上がりました。
たくさんのおめでとうの言葉をかけられる度に、私は一々はにかんで、ありがとう、と応えるのです。
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 00:57:30.92 ID:nFkyd4Lb0
支援
22マスターの憂鬱:2008/05/24(土) 00:57:32.63 ID:72DnOF4I0
「ある〜はれ〜た〜ひ〜のこと〜」

一発芸だと、谷口くんがビール瓶を入れる箱をひっくり返した特設ステージの上で歌を歌えば。
朝比奈さんと鶴屋さんはメイド服に身を包み、忙しくあちこちへと歩き回り。それに対抗するようにキョンくんは鹿の衣装に身を包んでいました。
テーブルには普段のメニューには無い食べ物がたくさん並び、闇鍋には思い出すだけでゾっとするような食べ物が入っていました。
私は運良く(?)ケーキを引き当ててしまい、嫁に腹抱えて笑われました。あんな刺激的なケーキの味は、生涯忘れる事は無いでしょう。
オレンジジュースしか出していないのですが、すっかり酔いが回ってしまいました。
嫁は恋愛相談のコーナーを開いて、女生徒に自分が若い頃の話を語ったりしていました。
その内容の切れ端が聞こえてきて、何人かの目線が一斉に私に向けられた時は思わず逃げ出したくなりましたが、それはまた別の話です。
私ができる事と言えば美味しいコーヒーを振舞うことくらいなので、一人一人に淹れて回りました。


「……これ」
ひとしきり皆さんと騒いだ長門さんから包みを渡されました。
「いいのですか?」
彼女はゆっくりと頷くと、いい、と短く応えてくれました。
開けると、それはそれは綺麗な花の絵画でした。
油絵には疎いのですが、店内に飾ればそれはもう何時間でもうっとり見つめてしまいそうなもので。
「ありがとうございます」
頭を垂れると、
「当然の事」
長門さんらしい返答が返ってきました。
「それと……」
23マスターの憂鬱:2008/05/24(土) 00:57:58.69 ID:72DnOF4I0
「SOS団の活動拠点として、これからも頑張りなさいよマスター! この店はいわばSOS団と一心同体なんだからね!」


私は幸せ者です。
夢を叶えたこの店で、まだ夢を見続ける事ができるのですから
だから、この店の名前はこれでいいのかもしれません。
ひねりがなくても、ね。
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 00:58:34.98 ID:nFkyd4Lb0
支援
25マスターの憂鬱:2008/05/24(土) 01:00:00.00 ID:72DnOF4I0
以上です。
きっと、ハルヒが常連になるくらいの店のマスターなんだから一筋縄ではいかない人物にちがいない。
と思って描き始めたらもうわけわからなくなりましたorz

援護射撃ありがとうございました。
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 01:02:40.75 ID:nFkyd4Lb0
>>25
いいねいいね。こういうの好きです。
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 01:05:35.58 ID:72DnOF4I0
>>26
ありがとうございます。

それと>>25の投稿時間が一時ジャスト……、なにか良い事が>>26さんにありますように!
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 01:06:09.78 ID:4ApJv4BN0
お前というやつはなんというマスター…GJ
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 01:06:37.62 ID:g9NuAOHr0
>>25
乙です。きれいにまとまったイイ話でした。
ちなみに、鹿に仮装したキョンでせんと君を思い浮かべてしまったのは
俺だけでいい。
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 01:12:12.20 ID:nFkyd4Lb0
>>27
まじだ…>>25すげえ。次回作も期待してます!
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 01:12:12.84 ID:57yqkHeW0
保守&書き込みテスト
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 01:14:27.42 ID:eAQDIbdLO
良いねぇ。
こんな喫茶店行ってみたいぜ。
GJ!
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 01:25:21.84 ID:nFkyd4Lb0
保守
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 01:31:45.89 ID:72DnOF4I0
ほっしゅ
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 01:52:52.17 ID:nFkyd4Lb0
保守
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 02:13:21.17 ID:72DnOF4I0
ねるほっしゅ
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 02:13:39.02 ID:JFh117APO
喫茶店話いいな〜。
ユニークで秀逸。
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 02:27:50.77 ID:nFkyd4Lb0
保守
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 02:47:41.37 ID:VqD3c4TAO
久しぶりに立ったな
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 03:01:34.27 ID:nFkyd4Lb0
寝る保守
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 03:45:57.73 ID:4ApJv4BN0
寝る前保守
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 03:46:13.06 ID:pY2/mc9BO
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 05:00:35.78 ID:eAQDIbdLO
保守
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 05:39:15.81 ID:72DnOF4I0
目が覚めた保守
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 07:12:22.75 ID:57yqkHeW0
保守
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 08:22:59.50 ID:j4YxS+fOO
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 09:16:07.01 ID:RYr4I6Ws0
保守
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 09:57:33.63 ID:SkeTMj9TO
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 10:42:26.64 ID:7o4qBXABO
ホセ
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 11:58:08.99 ID:nFkyd4Lb0
保守
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 12:02:12.85 ID:4ApJv4BN0
不安定だな
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 12:19:41.19 ID:nFkyd4Lb0
保守
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 13:18:13.64 ID:9eSZTyMl0
ん?
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 13:44:02.15 ID:Xa1ySZDJO
oi
misu
みうs
ミス
おい
紀伊店のか
おい
保守
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 14:11:52.13 ID:SkeTMj9TO
ほし
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 15:35:37.88 ID:wCVgMQl60
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 16:05:15.48 ID:KbMxi5uKO
久しぶりに来たらプリン立ってるー


尻穴は?(´・ω・`)
サントスは?
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 16:21:42.13 ID:eAQDIbdLO
>>57
尻穴はさっき落ちたw
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 17:00:14.31 ID:eAQDIbdLO
保守
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 17:38:17.66 ID:+XGEFD7t0
投下・・・よろしい?じゃなくて投下します
61朝倉に呼ばれたハルヒ:2008/05/24(土) 17:39:21.26 ID:+XGEFD7t0
「おいハルヒ。朝倉が話があるらしいぞ」
そう俺はハルヒに呼びかける。
朝倉がハルヒになんの用かってそんなのは知らんが
俺は特にそのときは何も気にしていなかった。
「え?朝倉?朝倉がなんであたしに?」
「俺も知らねえよとりあえず言ってみりゃ分かるだろ」
そっけない返答をハルヒにする。
ふふふっ・・・
喉の奥で不自然な音を立てる古泉の気配を背後に感じる。
「なんだよ古泉。まるでこれからおもしろそうなことがあるみてえじゃねえか」
いえ、と古泉は断ってから、
「委員長と団長。何かこれから重要な会議でもはじまるのでしょうか?」
「さあな。だが、あまり見ない組み合わせだな。」
「ちょっと気になりませんか?」
・・・
「古泉が気になるくらいならとっくに気になってるさ。」
「後をつけてみます?」
「んん、陰密行動絶対だからな。間違っても変な笑い声を立てるなよ。」
「わかってます。それで、場所はどこです?」
あ、あのう・・・と無翼の天使が割って入ってくる。
「涼宮さんがどうかしたんですかぁ・・・?」
62朝倉に呼ばれたハルヒ:2008/05/24(土) 17:39:46.73 ID:+XGEFD7t0
見るとエイリアン印のアンドロイドもこちらを見ている。
「朝倉涼子・・・観察対象を個別に呼び出すという行為には
些か疑問を感じる。独断専行は許可されていない。わたしも後をつける」
そうして、結局ハルヒ以外のSOS団全員でハルヒを追尾することにした。
こちらには長門のナントカ遮蔽フィールドとかいう装置のおかげで透明人間同然だ。
「これ、ほんとに大丈夫ですかあ・・・?」
「あなたがわたしの半径2メートル以内にいる限り、
外部から目視することは不可能・・・」
「ほら、見てくださいよ。」
廊下をすれ違う生徒たちは男女混合で密集して歩いている奇怪な集団には目もくれていない。
長門を中心に、まるで皇后陛下を死守するように移動する。
「それで、その場所はどこなんです?」と古泉。
「理科室。」
俺が答えるよりも早く、長門が答えた。さすが長門。ものわかりがいいぜ。
しかし・・・理科室とは、改めて考えると不気味だ。
一体そんな場所に呼び出すことに何の意味がある?
「僕もわかりかねます。」
分からないならいちいち言わんでいい。
理科室の汚れた窓越しに室内で対峙する朝倉とハルヒの姿があった。
63朝倉に呼ばれたハルヒ:2008/05/24(土) 17:40:07.31 ID:+XGEFD7t0
「朝倉・・・一体あたしに何の用なの?」
わたしは朝倉に少々疑いの感情を込めて言った。
「ふふっ、それはね」
朝倉の笑顔が逆にこういうときは不気味に見える。
「涼宮さん、キョン君のこと好きなんでしょう?」
わたしは背骨にぐさっと何か刺さった感じがした。頭がカッーと熱くなる。
すぐに否定の言葉を用意したけど、
なぜか朝倉にはすぐにはそれが言えない。なんでだろう・・・?
って言うか、なんで普段関わりのない朝倉にそんなこと言われなきゃならないの?
「どうして自分は涼宮さんより魅力的につくってもらえなかったんだろうって、
これでも一般的な女子高生よりずっといいと思うんだけどなぁ・・・?
上には上がいるってことね。それとも情報統合思念体の限界なのかしら?」
「なに言ってるの?全然意味が分からないわ。
用がないなら帰るから。あたし」
「だからね・・・涼宮さんを殺してキョン君の様子を見る」
64朝倉に呼ばれたハルヒ:2008/05/24(土) 17:40:21.69 ID:+XGEFD7t0
外から見ていた俺達だが、
その言葉を聞いて真っ先に動きだしたのは長門だった。
朝倉がナイフを後ろの手から前に動かす間に
長門は既に部屋に侵入し、朝倉の正面に立っていた。
「邪魔する気?」
朝倉はわざとナイフがハルヒに見えるようにちらつかせると、
「ねえ、あなたもそっちのほうがいいでしょ?
そうすれば、キョン君もあなたに興味を持ってくれるかもしれない。」
「ゆ、有希、きちゃだめよ!こいつは殺人犯だわ!
朝倉!あんた有希に傷でもつけてごらんなさい!そのときは・・・」
「自分が殺されそうなときに他人の心配をしている余裕があるなんて
あなたの行動パターンからしてありえないのに。
あなたは自分さえよければいいんじゃなくって?」
「とんだ誤解ね。大体あんたなんかに勝手に解釈されるほど
あたしは単純じゃないわ」
「怖くないの?でも、はじめに言ったことは本当のことでしょ?
分かってるんだから。」
65朝倉に呼ばれたハルヒ:2008/05/24(土) 17:40:41.54 ID:+XGEFD7t0
朝倉涼子・・・何者なのよこいつ・・・
有希も・・・どうして鍵のかかった部屋に入れたのかしら
しかも気づいたら目の前に立ってたし・・・
もうなにがなんだかわかんない!
次の瞬間、みぞおちのあたりになにかがぶつかって
わたしは意識を失った・・・

「ふふっ、でも、それも無理みたいね。
だって、あなたはここでわたしに殺されちゃうだもん」
そう長門に向かって言うと朝倉は本領発揮といったところか、
どこのドラゴンボールだよっていうくらいに舞い上がった。
とっくに天井を突き抜けているはずなのに、
理科室の内部は宇宙空間のように異空間化していた。
「しかし理科室を選んだのは幸運でしたね。
人目についてはさすがのヒューマノイドインターフェイスとはいえ、
後々面倒だと思ったからでしょうか?」
「そんなこと言ってる場合かよ!」
こんなときでも平静を保つ古泉には呆れを超えた感情が湧き上がってくるぜ。
「そ、そうですよぉ・・・どっちか死んじゃうなんてことがあったらわたし・・・」
「あなた達はまだ長門さんの力を甘く見すぎている」
その根拠はどこにあるんだ。俺はあんなに垂直飛びした人間に勝てるわけがねえ。
と、次の瞬間まで思っていた。
長門も朝倉と同じようにジャンプし、天井の闇の中へと消えた。
理科室には気を失ったハルヒが倒れているのみだ。
今のうちに・・・!
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 17:41:03.52 ID:eAQDIbdLO
支援
67朝倉に呼ばれたハルヒ:2008/05/24(土) 17:41:16.53 ID:+XGEFD7t0
キョン君は僕が止める暇もなく、理科室に侵入すると、
真っ先に彼女の元へ駆け寄り、
迷わず右手を膝の後ろに、
もう片方の手を首の下あたりに、いわゆるお姫様だっこをして戻ってきた。
「おい!ハルヒ!大丈夫か!」
「大丈夫ですよ。ちゃんと息もしてますし、
長門さんがそんなことをするわけがないでしょう
今は起こさないほうが無難かと。」
まあ、確かにその通りだな。事がおさまってからにしよう。
なにも無かったということにしておかないと厄介だからな
「さて、僕も万が一ということもありますので、参加しなければ」

古泉は手の平を腰の辺りで水平にしたまま
理科室に入る。その瞬間、古泉の手に赤い火の玉のようなものが宿った。
やれんのか古泉・・・と言おうとしたが
俺も古泉のプライドに賭けることにした。
神人退治で培った戦闘技術を遺憾なく発揮してくれ。
古泉は全身赤い玉になると、ゴムまりのように跳ねて飛んでいった。
また静かになった。俺はハルヒを近くのベンチに下ろしてやる。
くーくー気持ち良さそうに寝てやがるぜ。
「ふふっ、涼宮さんかわいいですね。」
朝比奈がそう言ったら可愛く見えてしまう。不思議だ。
朝比奈さんはそしてちょっと悩むような顔をして、
わたしも行ったほうがいいでしょうか・・・?
そんなことを言い出す。いえいえ、朝比奈さんは
「未来人」ですから、戦闘関係はパスでいいんですよ。
第一、そんな危険なことをやらせるわけがない。
子供を戦場に駆り出すようなもんだからな。
と、いったところで一番無力なのは誰かと考えた。
68朝倉に呼ばれたハルヒ:2008/05/24(土) 17:41:50.65 ID:+XGEFD7t0
朝比奈さんだっていざというときのために護身術か何かを身につけているかもしれない。
一番無力なのは俺じゃないか。こういうときはなにができるんだ?
・・・わからない。WAWAWA・・・
どこからかアホの野郎の声が聞こえてきた。
「よう。キョンじゃねえか。一体こんな陰湿な場所でなにやってんだ?」
「お前には関係ないだろ。ただこれは緊急事態だ。」
「緊急事態ねえ。それにしてもおまえらの団長は今日はお眠りかい。
ふーん、涼宮のやつもこうしてみると案外・・・いや、なんでもない。」
くすっと国木田が小動物のように笑うと
「本当にキョンは羨ましいよ。いろんな意味でね。がんばってね。」
なにをがんばれというんだ。
ふう・・・。しかし理科室でリアルタイムでスーパー大戦が繰り広げられているなどとは
誰も思わないだろうな。
すると、ガシャーン!と理科室の窓を突き破って
赤い大玉が転がってきた。
光を失い、一人の人間のかたちになる。
「やはり・・・僕では役に立ちませんでしたか・・・」
古泉は自分の力を悟ったかのようにして呟く。
「甘く見ていたのは僕でした。まさかあそこまでとは・・・」
俺達にはあの空間で何があったのかは知る由もない。
「ええ、逆に相手に利用されてしまいましたよ。
人質にされて長門さんに逆に迷惑をかけてしまいましたよ。
僕としたことが・・・情けない・・・。」
古泉・・・いや、お前はよくがんばったと言いたいところだが、
実際に見ていないのでどうにもこうにも、それに俺が言える立場じゃないしな。
だが、古泉をちょっと見直したのは確かだ。
世界が滅ぶとか機関的な理由ではなく、仲間のためにこいつは戦ったのだ。
69朝倉に呼ばれたハルヒ:2008/05/24(土) 17:42:11.81 ID:+XGEFD7t0
「しかし、朝倉涼子は予想外に強い。長門さんも引けを取らないのですが、
決して有利な状況とは言えない。」
と、そのときであった、一人の少女・・・に見えた が
猛烈なスピードで理科室に入っていった。
あれは・・・やはりあれは、喜緑さんなのであろうか?
しかしああおっとりとした方がいざという時はすごいものだ。
宇宙人同士はああやって仲間同士で意思の疎通を行っているのだろうか?
分からない。俺にはもう手の届かないような話だ。
ここはもう、黙って任せるしかない。なぜなら俺の役目は・・・
「おい、古泉。今の見たか?」
「なんのことです?」
と、眉毛を八の字にした情けない微笑を浮かべた古泉が僅かに首を傾けた。
「いや、見てないならいいんだ。」
「そうですか」
どれくらいしただろうか、長門がボロボロの制服を着て
理科室から出てきたのは。
「長門!」
俺は真っ先に長門に駆け寄った。
「大丈夫か?それから・・・朝倉は?」
長門は一仕事終えた肉体労働者のように
「朝倉涼子の有機連結情報を解除した。制服を再構成する。」
そういい終わるかいい終わらないうちに長門は・・・
「眼鏡を間違えて再構成してしまった」
「眼鏡はないほうがかわいいと思うぞ」
「・・・そう」
「これ・・・」
と言って長門は眼鏡を外すと俺に渡した。
70朝倉に呼ばれたハルヒ:2008/05/24(土) 17:42:59.53 ID:+XGEFD7t0
「あげるから」
あ、ああ。俺は試しに掛けてみたが、相手の戦闘数値が表示されることもない、
ただのなんの変哲もない普通の眼鏡だった。いつか眼鏡が必要になるときが来たら
使わせてもらうことにしよう。
もう一人の謎の少女はどこへ消えたのだろうか。
謎の少女だけに謎でなければならないのか。うーむ。
「な、長門さんすごい・・・」
朝比奈さんが10も年の離れた大先輩を見るような面持ちで
奉っていると、「涼宮ハルヒが起きたらさっきまでのことは
夢だったということにしておいて欲しい。それから、朝倉涼子は
転校したことにする」
さすが長門だぜ・・・最近こればっか使ってるな。
と、ハルヒがむぐむぐと寝返りを打ってベンチから落ちそうになったので
慌てて支えてやる。
ふう・・・ひとまず一件落着ということか。
やれやれ。よかったよかった。
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 17:43:10.30 ID:+XGEFD7t0
おわり。
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 17:45:33.79 ID:72DnOF4I0
sien
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 17:47:59.96 ID:72DnOF4I0
>>71
乙!
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 18:09:51.05 ID:SkeTMj9TO
保守
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 18:28:58.43 ID:SkeTMj9TO
76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 18:41:30.32 ID:znKDGZqJO
「ねぇ…キョン?」
私はキョンに近付いて耳元で囁く
「…なんだ?」
にっこり笑うキョン。…はぅ。
「…呼んでみただけっ…!」
ギュッ
…キョンは抱きしめがいのある体つきをしてる。

「なぁ、ハルヒ?」
「なに?」

ふぅっと空を見つめて
「…呼んでみただけだ。」

…顔が真っ赤になるのがわかる。
…あぁん…好き…っ!

チュッ
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 18:50:33.28 ID:VzHw2dRB0
アナルはないの?
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 18:58:58.07 ID:yHMc1T1sO
読んでるこっちが恥ずかしくなった
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 19:00:34.71 ID:0CfNzCtZ0
保守
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 19:02:03.70 ID:30C10/Hz0
ハルヒ「アナル、いじめ、シュールのSSはここまで来なさい!」
http://ex25.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1211623301/
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 19:11:44.25 ID:znKDGZqJO
今日はキョンと映画よ!
…恋愛映画を自分から選ぶなんて、私も変わっちゃったわね…。


…洋画ってやっぱりいいわね、すっごくロマンチック。
ああして手を握りあって肩を寄せ合って…海岸で夕日見つめるって…
ため息出ちゃうわ…ほっとするっていうのかしらね…?
私もああして…キョンと…

ギュッ

「えっ…?」
キョンはスクリーンを見つめたまま。
でも…手を握ってくれたのは…紛れも無く…。

…ばか。


私は、キョンの肩に頭を乗せてあげることにしたわ。
…だって、そうでもしないと、お礼できないじゃない?
映画館でのマナーくらい守るわ。
だから、アクションにうつしたまでよ。つまり、当然のことなの。


…だから、私を見ながらにやにやするの…やめてよ…キョン…。
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 19:20:46.27 ID:znKDGZqJO
…ちょっと面白いネタ、知っちゃったわ。

「ねぇねぇキョン!」
「なんだー?」
古泉くんとオセロやりながら声だけ返事。随分ね?
まぁ機嫌いいから許してあげるわ。
後ろから抱き着いて言ってやるわ。

「ね、ピザって10回言って!」
「あぁー?…ピザピザ(略)ピザっ…!」
「じゃ、ここは!?」
肘を指差して言ってやる。さぁ、引っ掛かりなさい!

ちゅ

「ひ・じ。…何年前のネタだよ?」
「おやおや…見せ付けてくれますね?…今のキスは何の関係があるんです?」
「あぁ…あんまり無邪気な顔してたからつい、な。」

ナデナデ…

「…ハルヒ?おーい。」



…ひきょうもの…。
不意打ちなんて…詐欺だわっ…。
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 19:29:49.00 ID:VzHw2dRB0
キョン「長門、スキって10回言ってごらん」

長門「すきすきすき………すき」

キョン「俺もだ」

長門「……////」
84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 19:30:55.00 ID:znKDGZqJO
今日はキョンと二人でピクニックよ!
…実はちょっとしたサプライズも用意してるの。
…ありきたりだけど、お弁当…作っちゃった。
恥ずかしかったわ、お母さんったらずっとニヤニヤしてたし!
おにぎりと…卵焼き、タコさんウィンナー、ミートボール、ポテトサラダ…。
…喜んで…くれるかしらね…?


「いい天気だな!絶好のピクニック日和だ!」
今日はちょっとカジュアルな服装なのね。似合ってるわよ。
「…ハルヒ、眠そうだな、平気か?」
「だ、大丈夫よ!?」
「ははーん、さては…今日が楽しみで昨夜寝られなかったんだろ?」
「…ばか。」
…そんなんじゃないわ。


電車に乗って、少し遠出。
平日だからあんまり人はいないけど、ぽかぽかしてて最高だわ。…あ、創立記念日よ?一応言い訳しとくわ。

…お昼が近付いてきたわ。…ドキドキするわね。
「ん…腹減ったな。そこの売店でなんか食うか。」
「あ、あのね、キョン!」
「ん?」
「……おべん…と…作って…きた…の……けど……食べ…?」
恥ずかしくてなかなか声が出ないわ…。
「うぉ、ほんとか!?やったぜ!ありがとうなハルヒ!」
…ガッツポーズなんかしちゃって…かわいいわね。
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 19:44:01.49 ID:znKDGZqJO
ぱく    もぐもぐもぐ…
「ど…どう…?」
味見はしたわ…私なりにはかなりの出来よ…。
でも…やっぱり不安になるわね…。
ごくん

うっ…キョンがじーっと私を見つめてくるわ…。
「おいしく…ない…?」
「ちょっと来てみ?」
ちょいちょいと手招き。…駄目だったのかしら?

チュッ

「さいっこうに美味いぞ。俺の好みの味そのものだ。」
「…ほんと…?」
「ああっ!ほんとだとも…っておい!なんで泣くんだよ!」
だって…不安になるじゃない、あんな神妙な顔されたら…安心したら…なんか勝手に…。
「ま、参ったな、泣かせるつもりは…」
「ち、違うの、嬉しかったから…。…ね、どんどん食べて?キョンは男の子だからたくさん食べると思って、たくさん作ってきたんだから…。」
「お、おぅ!」

…よかった、喜んでもらえて。
86@株主 ★:2008/05/24(土) 19:46:47.12 ID:UyAzAyPu0
キョン「長門、スキって10回言ってごらん」

長門「すきすきすき………すき」

キョン「俺もだ」

長門「……////」
87@株主 ★:2008/05/24(土) 19:46:50.67 ID:UyAzAyPu0
キョン「長門、スキって10回言ってごらん」

長門「すきすきすき………すき」

キョン「俺もだ」

長門「……////」
88@株主 ★:2008/05/24(土) 19:46:53.23 ID:UyAzAyPu0
キョン「長門、スキって10回言ってごらん」

長門「すきすきすき………すき」

キョン「俺もだ」

長門「……////」
89@株主 ★:2008/05/24(土) 19:46:55.73 ID:UyAzAyPu0
キョン「長門、スキって10回言ってごらん」

長門「すきすきすき………すき」

キョン「俺もだ」

長門「……////」
90@株主 ★:2008/05/24(土) 19:46:58.26 ID:UyAzAyPu0
キョン「長門、スキって10回言ってごらん」

長門「すきすきすき………すき」

キョン「俺もだ」

長門「……////」
91@株主 ★:2008/05/24(土) 19:47:00.82 ID:UyAzAyPu0
キョン「長門、スキって10回言ってごらん」

長門「すきすきすき………すき」

キョン「俺もだ」

長門「……////」
92@株主 ★:2008/05/24(土) 19:47:03.50 ID:UyAzAyPu0
キョン「長門、スキって10回言ってごらん」

長門「すきすきすき………すき」

キョン「俺もだ」

長門「……////」
93@株主 ★:2008/05/24(土) 19:47:05.76 ID:UyAzAyPu0
キョン「長門、スキって10回言ってごらん」

長門「すきすきすき………すき」

キョン「俺もだ」

長門「……////」
94@株主 ★:2008/05/24(土) 19:47:08.61 ID:UyAzAyPu0
キョン「長門、スキって10回言ってごらん」

長門「すきすきすき………すき」

キョン「俺もだ」

長門「……////」
95@株主 ★:2008/05/24(土) 19:47:10.88 ID:UyAzAyPu0
キョン「長門、スキって10回言ってごらん」

長門「すきすきすき………すき」

キョン「俺もだ」

長門「……////」
96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 19:47:35.20 ID:vdx8EurFO
甘いな
97@株主 ★:2008/05/24(土) 19:49:25.32 ID:UyAzAyPu0
キョン「長門、スキって10回言ってごらん」

長門「すきすきすき………すき」

キョン「俺もだ」

長門「……////」
98@株主 ★:2008/05/24(土) 19:49:27.83 ID:UyAzAyPu0
キョン「長門、スキって10回言ってごらん」

長門「すきすきすき………すき」

キョン「俺もだ」

長門「……////」
99@株主 ★:2008/05/24(土) 19:49:33.06 ID:UyAzAyPu0
キョン「長門、スキって10回言ってごらん」

長門「すきすきすき………すき」

キョン「俺もだ」

長門「……////」
100以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 19:51:44.96 ID:znKDGZqJO
「なぁ、ハルヒ?」
「なぁに?お茶いる?」
「あーん。」
かぁっと顔が熱くなる。…バカキョン、人がいる前でそんなの…。
「ほら、あーん。」
し…仕方ないわね。
ぱく
「…ハルヒの料理は最高だな」
もぐもぐ ごくん「…私もそう思うわ!」
「あははは。…また今度、作ってくれよ。」
「ふふん、気が向いたらね?…ほら、あーん。」



食べ終わったら、なんか眠くなっちゃったわ。
今朝もお弁当作るのに早起きしちゃったし…。ふぁぁ…。
「ハルヒ、やっぱり眠いんだろ?」
「…ちょっとね。」
「…弁当作るのに、早起きしてくれてたとか?」
「…まぁね。」

キョンはシートの上に寝転がって、ぽんぽんと腕を叩いた。
「…ここ、空いてるぜ。特等席、今なら無料お試し期間中。」
「…素敵じゃない、早速使わせてもらおうかしら?」
てぃっ!
「うごっ…!腹じゃ…ない…っ…。」
「私に腕枕しようなんて100年早いわよ!…ま、でも…」
ちゅっ

「…今、ちょっと…感動してるから…素直になってあげるわ…。」
101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 20:00:37.99 ID:SkeTMj9TO
あっまーい!!
102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 20:13:27.30 ID:yHMc1T1sO
糖分多め
103以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 20:31:47.65 ID:30C10/Hz0
糖分過多
104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 20:39:52.70 ID:0CfNzCtZ0
デレハルヒかわいい
105以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 21:00:02.28 ID:znKDGZqJO
おばあちゃんがスイカくれたわ。
…まだ旬には早いはずなのに、不思議だわ。

それにしても大きいわね…お母さんもお父さんもスイカ嫌いだから、私一人じゃ食べ切れないわ。
…そうだわ。
ピッピッ トゥルル プッ
「なんだ?こんな時間に。」
「もう夕飯食べたわよね?」
「…?ああ、もちろん。11時だし、食べてないほうが変だぞ。」
「デザート食べにこない?」
「今からか!?」
「いいじゃない、どうせ明日休みだし、泊まっていきなさいよ。」
「………。」
…?…ハッ!
「ち、違うわよ!?やましい気持ちなんてないわ!親がいない、なんてシチュエーションもないんだから!」
「あ、ああ、そうか、そうだよな。…ふぅ。…んじゃ、断る理由もないし…行くわ。30分はかかるからな。じゃ。」
…今、ため息…ついたわよね。…残念だったのかしら?

………コロン、つけとこかな…髪も…あげとこ…。
あ…先週買った服…着てみよ…。
えっと…えっと…

ピンポーン


早っ!
106以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 21:06:42.77 ID:znKDGZqJO
「うぃーす。」
「い、いらっしゃい。」
「…随分気合い入った服装してるな。」
「…うるさいわね…。」
「親御さん方は?」
「もう寝てるわ。」
「…あらら…ちゃんと挨拶しとかないとまずいだろうに…しかもチャイム鳴らしちゃったし…迷惑だな俺…。」
「気にしないで、一回寝付いたら雷が鳴っても起きないんだから。何やろうと朝まで起きないわ。」
「…それって…」
ハッ…
「だ、だからって変なことしたら死刑なんだから!」
「わぁってるよ…んじゃ、おじゃまします。」

自分で靴揃えて…礼儀正しいわね、好感持てるわ。
「さっき聞き忘れたけど…デザートってなんだ?」
「スイカよ。」
「…まだ5月だぞ?」
「…私もなんでか聞きたいくらいよ。」
「…食べたい、とか思ったりした?」
「…ほんの少し。」
「…やっぱり。ブツブツでも、それだけでか…?ブツブツ」
何がやっぱりなのかしら。
…ほんとは、『キョンと一緒に』ってのを強く願ったんだけど、恥ずかしいから内緒にしとくわ。
107以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 21:11:08.24 ID:HcyxwfnXO
長門「金ちゃんの子供を生むんだ」
108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 21:16:30.77 ID:znKDGZqJO
スイカをふたつにばっくり切って、片方にはラップをかけて冷蔵庫に入れる。
皿に置いて、スプーンをふたつ持って居間へ。
キョンは勝手にDVDつけてDEATH NOTE見てる。
「俺、後編見そこねてたからすげーうれし…でかっ!でかいなスイカ!…しかも半玉そのままか?」
「二人でひとつをスプーンでほじりながら食べるのがいいのよ。」
シャクシャクシャク
「藤原竜也ってかっこいいわよね」
「…だな。あースイカうまい。」
「…妬いてる?」
「べーつーにー。」
シャクシャクシャク
…かわいいんだから。
「キョンもかっこいいわよ」
「お世辞はいらないぜ。」
「お世辞だと思う?」
じっと目を見つめてやる。世話の焼ける男なんだから!
「…ちょっとだけ」
「信用しなさいよ…もぅ。」
シャクッ
ちょっと大きめにスイカを取る。それを半分だけかじって、もう半分をキョンに差し出す。
「…証拠、のつもり。」
「…隠滅するならいまだぞ?」
なんて言いながら、すぐにキョンは食べちゃった。そんな暇与えないのに、悪態だけはちゃんとつくのね。
「信用した」
「あっそ。ほら、DEATH NOTE観なさいよ。」
109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 21:26:17.83 ID:znKDGZqJO
ぐっ
肩、掴まれた。なんか押されてる…。
「な、なに?」
…返事してくれない。
…やだ、なんか…真剣な顔してる。
…力が入らなくなってきた……ソファに、押し倒されちゃった…。
「ハルヒ…」
ちゅ…ちゅ…
…いつもは、ほっぺか、たまに一瞬口にするだけだったキス。
初めてのディープキスは…スイカの味だったわ。

「ハルヒ…」
さっきからそれしか言わない…ってなんか、手の位置、おかしくない…?
い、いやっ…どこ…触ってんのよ…。…あん…。
新品のワンピース…シワになっちゃうじゃない…。
110以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 21:29:21.03 ID:znKDGZqJO
「…なぁ、ハルヒ…。」
「…ん。」
「お前の親、雷が鳴っても起きないんだよな?」
そうよ…って、まさか!

「お…お邪魔してます。」

いやぁあああああ!最悪!最低!
もうだめ!生きていけない!

「………。」
トントントン
「…あれ?」
キョンの変な声を聞いて起き上がり、ドアのほうをみる。…誰もいない。
「…誰だった?」
「多分、親父さん。虚ろな目してて、すぐどっか行っちゃった。」
うぅ…よりによってお父さんか…。
…虚ろな目、ね。娘の成長にいたたまれなくなったのかしら。

「…ス…スイカ、食べようか」
「そ、そうね!」
シャクシャクシャク

喜んで、お父さん。
あなたのおかげで私は今夜も純潔です。ふーんだ。
111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 21:37:43.06 ID:znKDGZqJO
結局、キョンはDEATH NOTEを見終わると帰っちゃった。
あのバカキョン、私が欠伸して涙出したら泣いたと勘違いしてハンカチ貸してくれたわ。
…もう1時過ぎてるじゃない。早く寝よう…。


翌朝、リビングに行くのが嫌だった。
けど、行かないわけにもいかないから…結局行ったわよ。
お父さんがいないのを切望しながら。すぐに神様に向けて石を投げ付けたくなったけどね。
「やぁハルヒ、おはよう。」
「…おはよう。」
「…パパなぁ、昨夜変な夢見たんだ。」
「…へぇ、どんな?」
「知らない男の子がハルヒを抱きしめてるんだ。あまりにお互い幸せそうだったから、何も言わずにしておこう、と思ったらもうすぐに記憶が…。」
「へぇ…変な夢ね。」
「だろう?…ま、そんな男の子ができたらパパにすぐ言ってくれ、歓迎しようじゃないか。」
「…そうね、できたらね。」
…よ、よかったわ、寝ぼけて夢だと思ってるみたいね!

昼、お母さんが掃除してる。
「ねぇ、ハルヒ?」
「んー?」
「これ、多分男の子のハンカチなんだろうけど…お友達の?」
「あっ…。」


112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 21:44:34.12 ID:znKDGZqJO
携帯はアレか、NGで見えないのか。
どんなに書いてもだめなのか。
113以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 21:48:30.56 ID:30C10/Hz0
そんな事無いぜ。
良いよ良いよー。
114以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 22:10:21.95 ID:30C10/Hz0
ほしゅ
115以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 22:30:24.03 ID:znKDGZqJO
「ねぇ、キョン」
「んー?」
「…前、私のおっぱい揉んだじゃない…?」
「………………………ああ。」
「どうだった?」
「どうって………気持ちよかった。」
「…ふーん」
キョンは椅子に座ってるんだけどね…ちょっと好奇心かきたてられちゃったわ。
キョンに向かいあうように膝の上に座る。裸だったら座位ってやつよ?
「…なんだよ。」
「もっかい、気持ち良くなりたくない?」
「…!!!」

「上手にできたら、ご褒美あげちゃうわ。」
116以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 22:30:28.31 ID:nFkyd4Lb0
>>112
乙!デレハルヒかわいいよ
てかみんな読んで甘いとか感想くれてるじゃん!
117以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 22:51:37.95 ID:30C10/Hz0
ほしゅ
118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 22:58:16.57 ID:0CfNzCtZ0
変にツンデレよりこっちのほうがいいかもしれない
119以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 23:06:13.09 ID:SkeTMj9TO
120 ◆FUYSNYFbfg :2008/05/24(土) 23:09:08.47 ID:fWDpCoAP0
こんばんはです
いきなりですが、htp://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/4591.html
の続き投下します
24レス拝借

※オリキャラ注意です
 心臓破りの階段を上り、先刻の本殿の前。
 幾重にも重なる葉によって月や星の神秘的な光は遮られ、あたしたちを照らす唯一の光源は、手に持っている
懐中電灯のみ。人工的でロマンの欠片もない、ただ照らすだけの無機質な光。もし懐中電灯がなければ、五十セン
チ手前すら見えないでしょう。漆黒の闇。それ以上にピッタリな言葉が見当たりません。
 静寂が支配する世界。太陽が昇っていた頃には五月蝿かった蝉の鳴き声はピタリと止んでいます。夜にはギー
ギーと鳴くはずの、コオロギやバッタといった類の虫の声も聞こえてきません。なにか只ならぬ物を察して、ど
こかに隠れてしまったんでしょうか。
 風もまったく吹いておらず、草木のさざめきは皆無。昼に来た時以上に元の世界とは違うのだと感じます。異
常な状態であることは明らかなのです。
 一筋の光の先には、あたしが超えなければいけない存在が暗闇の中にぼんやりと浮かび、その彼女は悠々と微
笑んでいます。
 背筋に冷や汗がタラーっと滲み出て、腰の辺りまで流れます。その汗は恐怖から来るものなのでしょう。科学
では証明できない、頭でも体でも理解できない異質なもの。恐怖はあたしは包み込みます。暖めるのではなく、
冷やすために。いつ昏倒しても可笑しくありません。
 が、奇妙なことに、心の奥底がふつふつと煮立っている感覚もあります。それもやっぱり恐怖から来ているの
です。人間はどうしようもない相手を前にすると、どうしようもないほどバカになってしまうのです。今のあた
しみたいに。だって、何とでもなると信じ切っているから。
 端から結果なんて分かっている。それが望ましくないものだって。精一杯頑張っても何も変わらないんだと。
無駄にしか終わらない。労力や時間の無駄使い。でも、そんなこと関係ない。損得で考えられるほど、あたしは
腐ってなんかいない。後悔したくないんですよ。今は良くても、絶対後悔するから。自分の心に正直なった方が、
逃げるよりも数百万倍マシだって。
 いいじゃないですか。がむしゃらに突っ切るのも。 
「こんばんは。――とでも言うところでしょうか」
 澄んだ声が響き渡りました。
 余裕綽々と挨拶をする巫女――ミサトさん。彼女は呼び出すまでもなく、あたしが到着した時には本殿の前に
じっと立っていました。あたしが来ることは予想済みだったようです。
 ミサトさんはあたしの意図を見抜いているのでしょう。間違いありません。しかしそれでもなお、素知らぬふ
りをしているのは、きっと彼女があたしのことを過小評価しているから。その気になれば、直ぐにでもあたしを
消すことができると確信しているから。この狸女め。
122以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 23:12:36.13 ID:30C10/Hz0
しえn
 そうは問屋が卸さないのです。
 ミサトさんがどんなに強かろうが――たとえTFEIだとしても――あたしは精一杯戦ってやるのです、戦っ
て、戦って、そして、必ず九曜さんを助け出すのです。命に代えてでも。
 だって、そう決めたから。
「こんばんは、ミサトさん。とても静かな夜ですね。こうも静かだと、なにか起こりそうな気がしませんか?」
 あたしもありったけの虚勢を張り、足が震えていることを悟られないようにして、ミサトさんと同様に余裕を
装った態度で返します。
「そうですね。なにか起こりそうですね。なにか」
 ミサトさんは柔和な笑みを崩さぬまま、奥歯に物が挟まったような言い方をします。それはあたしに対して、
挑戦的であるようにも思えます。
 ミサトさんの態度にカチン、ときたあたしは懐中電灯の光を彼女の顔に向け、
「単刀直入に訊きます。九曜さんはどこですか? 彼女は無事なのですか? もし、そうでなければ……」
 あたしはまるで容疑者を尋問する刑事さんみたいにミサトさんを尋問しました。なんか、かっこいいのです。
……って、ふざけている場合じゃありませんね。
 ミサトさんは眩しさに目を背けることもなく、
「九曜さん? ああ、あなたのお友達のことですね。彼女なら……どうでしょうかね。無事なはずですよ」
 ミサトさんは嘯いたように答え、一歩前に出ました。じゃりっと乾いた砂の音がします。彼女の真意を汲み取
ることは難しいようです。
「無事なはず? 人をバカにしているのですか。あなたは全てを把握しているはずです。化けの皮を剥いで差し
上げましょうか? 正直に洗いざらい吐いたほうが身のためですよ」
 あたしもミサトさんに負けじと一歩前に出ました。双方の睨み合いが続きます。じゃりっ。
「身のため? くっ、はは、あはははっ! はんっ、そちらのほうこそ、わたしをバカにしていますよね。いっ
たいあなたに何ができるというのですか。怖気づいて逃げ出した、ただの臆病者に!」
 突如豹変し、狂気に満ちた甲高い笑い声を上げるミサトさん。目尻がつりあがり、綺麗な顔が台無しになって
います。ついに化けの皮が剥がれてきたようですね。じゃりっ。
「臆病者……。確かにそれは否定できませんね。でも敢えて言い訳するなら、いきなりのことにちょっとびっく
りしただけなのです。それだけです。で、答える気にはなりましたか? 九曜さんはどこです?」
 あたしは覚悟とともに、ミサトさんを見据えます。じゃりっ。
「さあて、どこでしょうね。教えて欲しいですか? 教えて欲しいですよねぇ。えーっと、彼女は……やっぱり
止めましょう。ここで言っても面白くありませんから」
 なんて嫌味なやつなのでしょうか。こんな性格の歪んだ人、初めて見ました。こんちくしょう。じゃりっ。
「言わない、というわけですね。それなら仕方ないです。こちらには時間がありません。お気の毒ですが、力尽
くでも九曜さんの居場所を吐いてもらいますよ。覚悟してください」
 じゃりっ。 
「あら? あなたにそんなことができるのですか? 無力に等しいあなたが。冗談は涼子ちゃんですよ」
 じゃりっ。
「涼子? あたしは京子です。というか、漢字にも、話にも水を差さないでください。ふん、その余裕がいつま
で続きますかね。あたしの超本気をご覧あそばせなのです!」
 じゃりっ。
「あはっ! だから何をするというのですか。無力だけでなく丸腰のあなたに! つくづくバカな人ですね。わ
たしを倒すつもりなら、武器の一つや二つを所持してくるべきでしょう? 先の争いにより、あなたはわたしの
正体に気付いているはずですから」
 じゃりっ。
「ええ、気付いてますよ。だから、丸腰なのです。あなた、TFEIの前にはどんな兵器も詮無いことは理解し
ています。たとえ核爆弾であろうと。それに、あたしはそれらの武器の使用法もよく知りませんから。無知は自
分を殺しますからね」
 じゃりっ。
「そこまで分かっていて何故です? わたしに殺されたいのですか? それとも、なにか奇策でも弄するおつも
りで?」
 じゃりっ。
「ご名答です。あたしには『あの世界』があるのです。逆に問います。ミサトさんもあたしの正体に気付いてま
すよね? さあ、助けを請うなら今の内ですよ。九曜さんはどこですか。これが最終通告なのです。さあ!」
 じゃりっ。遂にあたしとミサトさんの距離は手を伸ばせば届くほどになりました。彼女から滲み出ている得体
の知れないオーラが蛇のように足元から上半身へと絡みつき、這い上がってきます。それのせいか、今すぐにも
逃げ出したい衝動に駆られるのです。気を抜いてしまえば、絞め殺されそうです。あたしはそれを紛らわすため
に、弱々しくも、ミサトさんを睨み続けます。
 ……ダメ。弱気になっちゃダメなのです。ううっ、負けられない!
「ふふっ。残念ですが、わたしの口から九曜さんについてのことは一切口外しません。どうしてもと言うなら、
あなたのお望み通り、力尽くで口を割ってください。これがわたしの意思です」
 ミサトさんは直截言いました。もう交渉をする必要性はなくなったようです。
 この様な展開は想定の範囲内です。むしろ、こうなることを望んでいたのかもしれません。ここまできたら、
仕方ありません。……あたし、やります!
「……ミサトさん。先に謝っておきます。ごめんなさい。あたしはあなたを倒して――」
 あたしは言葉を発しながら、ミサトさんの手を取りました。そのまま、目を閉じ、精神をコンセントレーション
させました。『あの世界』を強くイメージします。もう迷いはありません。いえ、迷わない!
 佐々木さん佐々木さん佐々木さん佐々木さん佐々木さん――――
 数瞬の後、目を開けると、そこは漆黒の世界ではなく、セピア色の世界。 
 閉鎖空間。現実の世界とはずれた位置に存在する異空間。佐々木さんが作り出した世界。次元断層の隙間。そ
して、あたしの力、ESPガールとしての本領を思う存分に発揮できる場所。
 光源らしきものは見当たらないのに、この世界はぼんやりと明るく、懐中電灯は必要ありません。それに、あ
たしとミサトさん――強引に引き込んだ――以外の生気はまったく感じられません。周りの木々からも大地を動
かす生命エネルギーは伝わってこないのです。ここではどんなに暴れても現実世界には影響しません。タイマン
を張るにはもってこいです。
 あたしはもう逃げられません。あとはやるかやられるかの一騎打ち。TFEI相手の勝算は無いと言っても過
言ではないのです。それでもやらなきゃ。あたしは、九曜さんを助けるって決めたんだから。
 ……佐々木さん。常に発生していることをいいことに、勝手にあなたの世界に入ってしまって申し訳ありません。
でも、あたしにはこれしかなかったのです。九曜さんを助けるためには。きっと、許してくれますよね?
 あたしはミサトさんの手を離すと、五歩下がり、体勢を整えました。視線はミサトさんに向けたままで。
 ミサトさんはこのような状況ですら、少しも動揺したような素振りは見せません。彼女もあたしに対抗するよ
うに、視線を突き刺してくるだけです。
 大きく深呼吸をし、気持ちを集中します。
 ……感じる。あたしの体の奥深く、心よりもさらに先に進んだ所に存在する『あたし』が眠る場所。どくんど
くん、とゆっくりと鼓動していたものが次第にリズムを上げ、どくどくどく、とあたしの全てを刺激する。その
刺激によって活性化されていくあたしの力。差し詰め、サイキックパワーといったところでしょうか。
 四肢の先へと力が巡ると、終いには、その力は体内に収まり切らなくなり、体外へと滲み出ていくように放出
されていく。放出された力はただ適当に流れていくのではなく、少しずつだけど、あたしの周りに纏わり付いて
いき、体をすっぽり覆うほどの光の球体を紡ぎあげていく。熱い。体が熱い……。
 これがあたしの力。佐々木さんに与えられた力。閉鎖空間でしか使えない超能力。実際に使ったのは、今が初
めてです。すごい……。力がとめどなく溢れ出してきている。これなら……。
 自然とあたしの体はふわりと、宙に浮いていました。試しに、脳内で球体が飛びまわるイメージを思い描きま
す。するとどうでしょうか。球体はイメージと寸分の違いない動きをするのです。上昇も降下も、方向転換も思
いのままにできます。
 バチッバチッと、球体の表面で小さな雷が何回も起き、その度にあたしの髪の毛が逆立ちます。あたしは心身
を通じて、この異能な力を実感しているのです。
「あたしはあなたを倒して、九曜さんを助けます!」
 ビシッと人差し指を突き出し、あたしはミサトさんに宣戦布告しました。それを受け、彼女も宙へと浮き上がっ
てきます。
 ミサトさんはあたしと違い、光る球体を纏っていません。例の『情報操作』というやつでしょう。高速で呪文
を詠唱しているのが見て取れます。
 あたしたちは宙に浮き上がり、何層にも重なった葉を突き破って、山の上空にて対峙しました。眼下にはまる
で停電しているかのように、生活感のない家屋がぽつぽつと広がります。
 現実の世界とは違い、『この世界』の夜空には大きな満月が一つあるだけ。輝くでもない、ただそこに存在し
ているだけの月。煌びやかな星は一つも見当たりません。
 どちらが合図するでもなく、ミサトさんは光のような速さ――本当に光になっていたのかもしれません――で
突進してきました。どうやら始まったようです。
 刹那、森林に木霊する非日常な爆発音。
 九曜さん。あたしは絶対にあなたの居場所を聞き出し、助けに行きます。それまでは大丈夫ですよね? 九曜
さんは強い人ですから、あたしが迎えに行くのを待っていてくれるはずなのです。
127以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 23:20:16.94 ID:30C10/Hz0
しえn
「素敵ね」
 あたしに衝突する直前、ミサトさんは初めて出会った時のような優しい微笑みで言った、ような気がしました。
これが彼女の真の姿では、と妄想が脳裏によぎったのです。

       ○

「ふふ。あなた、まともにその能力を行使したことないんでしょう? そんな付け焼刃の力でわたしには勝てま
せんよ」
「でしょうね。おそらく、あたしはあなたに勝てないでしょう。でも……」
 あたしは一時急浮上すると、くるっととんぼ返りをし、上方からの勢いをつけてミサトさん目掛けて体当たり
をかまします。景色が高速で流れ、ビュービューと風の音が耳をつんざきます。
「でも! だからと言って、やすやすと負けを認めたりはしないのです!」
 ガンッ、とあたしとミサトさんはゼロ距離で火花を散らし、鎬を削ります。ぶつかり合う度に、空気が揺るが
され、森林がさざめき立ち、生気のともってない葉が自分の意思とは関係なく、そよそよと震えます。
 あたしは少し目を眇めました。
 これほど激しい攻防の中、ミサトさんは一ミリも眉根にしわを寄せることがありません。苦悶の「く」すら感
じさせないのです。それどころか、その美しい顔にはうっすらと冷笑が浮かんでいます。
 ミサトさんはまだ自分の力の半分、いや、それ以下も出していないはずです。彼女にしてみれば、この戦いは、
お遊戯程度のことなのでしょう。
 それとは対照的に、あたしは既に死力以上のものを尽くしています。身体的にも精神的にも限界が近づき、満
身創痍と言うにふさわしい状態です。
 上記の「おそらく」は取り消すべきなんでしょうね。「絶対」へと。
 それほどまでにあたしとミサトさんには力の差があります。それは頑張ればなんとかなる、というもんじゃあ
りません。どうしたって、ひっくり返らないのです。仮に、漫画やアニメでお約束の、ピンチにパワーアップが
あったとしても、それは焼け石に水。あげくの果て、軽く捻り潰されることには変わりありません。
 あたしの心は今にもくじけてしまいそうなほど、脆弱な状態でした。
 いくら自分の気持ちを偽ろうとも、ミサトさんに対しての恐怖は消えません。できるのは、虚勢を張ることだ
け。
 虚勢と言う名のメッキ。メッキを幾重に塗り重ねても、金には成りえない。 
 そもそも、戦うこと自体が間違いなのです。
 悔しいですが、ミサトさんの言っていることを覆すことはできません。彼女の言っていることは全て事実なん
ですから。
 なら、なんのためにあたしは戦う? 
 ――頑張ったけど無理だったわそうね気にしない気にしない戦っただけでも凄いよ――
 と、言われたいのですか? そりゃ、結果が良くないものだとしても、誰もあたしを責めることはしないでしょ
うね。むしろ、褒めてくれる人も少なからずいるはずです。だって、勝てないと分かりきっている相手にも、怯
むことなく勇敢に立ち向かって行ったのですから。しょうがないよ、で済むのです。
 よく見かける安っぽくて、醜い、ただの英雄譚です。
 オリンピックは参加することに意義がある、と言われています。オリンピックに出場した選手のことを蔑む人
はいますか。いないと思います。ある選手の成績が芳しくないものだとしても、それは仕方のないこと。世界の
トップレベルが集まり、競い合うんですから、そのレベル自体がいかに高いと言うことは明瞭です。その高いレ
ベルの争いに名を連ねることができたのは、名誉なこと。国を挙げて称揚してもらえます。 
 それを踏まえると、あたしの場合はミサトさんに立ち向かうことに意義があるのです。
 語弊を招く言い方かもしれません。でも、たとえそれが生じたとしても、言いたいことの筋の方向性はちゃん
と伝わるはずです。
 あたしは独りよがりの英雄譚を謳いたいだけ、だと。
「あら、もう終わりですか? 先程までの威勢はどこ吹く風やら」
 ミサトさんの猛攻は止まることを知りません。
「きゃっ!」
 不利だった大勢も、それまで以上に不利になり、あたしはなすがままに嬲られ続けられます。勝ち目は無い。
まさに、絶体絶命のピンチ。
 ……ははっ。もうすぐ、あたしの秘められた力が覚醒するのですよ。きっと、あたしの体が金色に輝き始め、
一気に形成を逆転できるほどの力が溢れ出してくるのですー。
 自嘲気味に、心の中でそう呟きました。何度も言うようですが、そんな都合のいいことが起こるはずがありま
せん。
130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 23:24:50.13 ID:30C10/Hz0
しえn
 たぶん、あたしの心のどこかに負けを確信している部分があるのでしょう。
「つまんないです。もっと楽しめるものだと思っていたんですけどね」
 ミサトさんは右腕をぐぐっと引き、力を蓄えると、一気に右の掌を前に突き出してきました。それはさながら
弾丸のようなもの。へたなピストルよりは貫通力がありそうです。
 これを食らったら間違いなく、お陀仏なのです――、

「っ!?」

 弾丸の勢いは失われました。
「……だから言ってるじゃないですか。そんな理由なんて、くそくらえだと……」
 あたしは低い声で言いました。
 あたしを包み込む光の球体を貫いたミサトさんの右の掌。それはあたしの胸の五センチ手前で、固まっていま
す。胸がコンパクトで助かった気がします。あの可愛らしい未来人さんなら間違いなく血の噴水ですね。
「あ、あなた……。いったい……?」
 初めて、ミサトさんの余裕に満ちた仮面にひびが入りました。誰の目から見ても、焦りの色が窺えます。TF
EIにそれほどまでの衝撃を与えるとは、あたしもまだまだ捨てたもんじゃないです。
「……何を驚いているのですか? この程度の突き。見切るのは造作も無いことです。だって、いくら速かろう
が、軌道は一直線。あなたの目線を追えば、どこを狙っているのか一目瞭然なのです」
 そうは言っていても、やっぱり運が良かったんだと思います。掌の速度はピストル以上なんですから。あたし
の動体視力では完全に見切ることは不可能です。
 たまたまなんです。両手で胸をガードしようとして、飛んできたミサトさんの腕を掴んでしまったのは。正直、
自分でもびっくりです。あたしの膂力でミサトさんの突きを止めることができるとは。
 しかし、今はそんなこと気にしてられません。 
「理由なんて関係ない……。あなたと戦うことが間違いなんてどうでもいい……。結果が敗北しかなくても、か
まわない……」
 これはミサトさんではなく、自分に向けられた戒めの言葉。誰に聞かせるでもない、自分に言い聞かせるため
の独り言。
「あたしは決めたんです。九曜さんを助けるって。ただそれだけ。なのに……今更、怖気づきやがって。ああ、
うっとうしい。あたしのバカ野郎。臆病者。英雄嘆なんてどうでもいいっ。なんでなんで……。んん……! も
うっ!」
 あたしはキッと、ミサトさんを睨み、
「ふざけるな――――っ!!」
 あたしは腹の底から大声を張り上げました。空気がビリビリと振動します。
「この期に及んで尻込みするな! 女々しいんですよ、あたしは! 女に二言はない! 女は度胸! やると言っ
たら、最後までやれ――!」
 あたしはミサトさんの右腕を両手で掴みながら、体を捻ります。そのまま、背負い投げの体勢に入り、彼女を
遥か地上へと叩きつけました。
 鈍い音とともに、葉が散り、地上には砂埃が舞いました。

 情けなかったんです。
 九曜さんが傷付いていく姿を見ていて、助けられなかった自分が。
 一度、九曜さんを「助ける」と決心したはずなのに、畢竟、ビビッてしまう自分が。
 メッキを塗りたくっても、金には変われない、紛い物の光しか放つことができない自分が。
 その情けなさが、さらにあたしを情けなく感じさせました。まさに、ミゼラブルスパイラルです。あたしは果
て無き闇へと、ずぶずぶ引きずり込まれていきました。
 ――ですが、人間落ちるところまで落ちると、案外強くなるものです。
 真に心の強い者は、地獄を見た人です。つまり、落ちるところまで落ちた人。ずっと、ぬるま湯に浸かってい
た人は、心が脆弱です。あたしみたいな。
 心の強い人は地獄の底から這い上がってきます。不退転の心を持つ人しか、数々の苦しみを乗り越えられず、
戻ってこれないのです。そして、奇跡的にも、あたしは戻ってこれたました。
「九曜さんを助ける」という弛まぬ意志のおかげで。
 これは自惚れでしょうし、ある意味では、開き直りといったものです。
 それでも構わないのです。あたしは再び、ミサトさんへの闘争心を取り戻せたのだから。
 ……舌の根の乾かぬうちに言うのもなんですが、あたしの本音は、心が強い弱いと言った、詭弁はどうでもい
いのです。
 重要なのは結果だけ。それまでの過程は頓着しません。今までの理屈はただの方便にしかすぎず、正直、あた
しが納得できたらいいだけの話です。
 ぶっちゃけ、「なんとなく」って感じですね。あたしの不甲斐なさが自分で自分の心を燻り続けて、仕舞いに
は爆発したというだけ。「なんとなく」はとても便利な言葉です。 
 そう、理由はいらない。九曜さんを助けるのには。

 ミサトさんに反撃のチャンスは与えません。
 あたしは右手に自分の体から溢れ出る力を集中させます。掌の中心に小さな球体が現れ、それはあらゆる方向
から中心に向かって流れ渦巻くエネルギーを吸収してどんどん大きくなっていきます。
 エネルギー体がピンポン球、テニスボールを経て、バレーボールほどの大きさになった時、あたしはミサトさん
目掛けて、力の限り腕を振り、投げつけます。
「はあああああっ!」
 球体は逸れることなく、ミサトさんに向かって、真っ直ぐと飛んでいきます。静電気を纏い、轟音を唸らしな
がら。そして、
「……やっと、本気になりましたね」
 放った光球はしっかりと命中しました。が、それでダメージを与えることができたと言うわけではありません。
元より、そんな簡単に、攻撃が効くとは思っていませんでしたけどね。
 森林にぽっかりと穴が開きました。そこの穴で渦巻いていた砂塵が晴れ、中心に佇む一人の女性を視認するこ
とができます。
「待っていた甲斐がありました。これでやっと、心置きなく戦えます」
 ミサトさんの右手には、あたしが放った光球がぶるぶると震えながらも、がしっと押さえつけられています。
彼女の華奢な腕は、光球の振動に負けることなく不動を保っています。
 ミサトさんはにこっと微笑み、右手を握りました。光球は風船が破裂した時みたいな、パンッと乾いた音を立
てて消滅します。相当な握激です。
「ふん。あたしの攻撃なんか避ける必要も無い、ということですか。舐めた真似をしてくれますね」
 あたしは文字通り、上空からミサトさんを見下ろしながら言います。くどいようですが、あたしにはもう迷い
はありません。信じてくださいよ。ほんとのほんとなんですから。
「あら? それは、仕方なくですよ? あなたのあまりの攻撃の早さに、わたしの反応速度が付いていかなかっ
ただけです。なかなかの戦闘センスをお持ちですね」
 ミサトさんはそう言いながら、再び、あたしと同じ高さの位置まで浮遊してきました。当てこすりのつもりで
しょうか。
 ミサトさんは一見すると穏やかな表情に見えます。しかし、よくよく見てみると、その双眸の奥からは、今に
も真っ黒焦げにされてしまいそうなほどの闘志の炎が、メラメラと燃えていることが確認できます。
「お褒めに預かり光栄なのです。なら、お礼にその戦闘センスとやらを篤と見せてあげます。絶対に、後悔させ
てやるのです」
 あたしは敵愾心を爆発さえ、ミサトさんを射抜きます。
「それは楽しみです。是非、間近で見せてもらいたいですね。つまらなさ過ぎて、後悔するのは御免ですよ?」
「さあ。それは、あなた次第なのです」
「そうですよね。あなた次第ですよね」
 口火を切ったのはどっちか分かりません。ただ、気付くと戦っていたと言うのでしょうか。
 ミサトさんは恐ろしいほどに強くなっていました。あたしの見当は間違っていなかったようです。正直、彼女
の前に立つのが嫌になるくらいです。腕の一振りで何本もの大木を薙ぎ倒し、空を軽く蹴るだけで山一つを飛び
越えるのです。化け物としか言いようがありません。今すぐにでも、逃げ出したい気分です。
 ――数分前の橘京子でしたらね。
 今の橘京子は違います。逃げる? 頭がプリンになっているのですか。そのようなふざけた行動を起こすつも
りは毛頭ありませんね。
 不思議と、あたしは虚心坦懐の気分でした。余計なことは一切考えず、ただ九曜さんのためだけに身体を動か
す。あたしの心を邪魔するものは無い。心はどこまでも真白でした。
 それに呼応するように、あたしの運動能力は有り得ないほどに飛躍しました。五感が研ぎ澄まされ、動体視力
まで上昇したのでしょうか。ミサトさんの攻撃が手に取るように分かります。もちろん、筋力は言うまでもあり
ません。それに、ジェットコースター並みにぐるぐる回っても、酔ったりはしないのです。スーパーマン状態、
いえ、あたしは真のスーパーウーマンになったのです。
135以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 23:32:17.57 ID:30C10/Hz0
しえn
「こ、れでっ!」
 あたしは諸手にエネルギー球を練り上げ、同時に放ちました。二つの球は交差し合い、飛んで行きます。
「ふふ、甘いです」
 ミサトさんが右腕を前に伸ばすと、二つの球は彼女に命中する僅か数メートル手前で爆発しました。黒煙が宙
をたゆたいます。
 あたしの攻撃は全くと言っていいほど、ミサトさんには当たりませんでした。毎回毎回、ギリギリのところで
かわされてしまうのです。まるで、第三の目、第四の目というように、彼女の身体には無数の目が存在している
のではないかと疑ってしまいます。
 どれくらいの間、戦っていたでしょうか。
 不意に、くらっと目眩がしました。その拍子にあたしはバランスを崩してしまい、ミサトさんの攻撃を見切る
ことができず、彼女の重たい拳をもろに受けてしまいました。
「う……、ぐっ」
 不幸中の幸いか、光の球体越しだったので、致命傷は避けられました。もし、あたしを覆うものが無ければ、
間違いなく大きな風穴が開いていたはずです。
 拳の衝撃は球体を通して、あたしに伝わりました。脳天への衝撃が一番強く感じたからか、視界が何重にもぼ
やけ、骨が軋むように震えます。
「お疲れのようですね」
 ミサトさんは息一つ乱さず、余裕を持って言います。何故、大きく隙が生じたあたしに追撃などはしないので
しょうか。絶好のチャンスですのにね。
「つ、疲れてなんかいないのです! まだまだこれ……」
 再び、あたしに目眩が襲い掛かりました。さらに今度はそれだけでなく、重力が大きくなったと錯覚するぐら
いに、全身が重く感じます。腕を動かそうとしても、それはピクリともしません。まるで、自分の物ではないよ
うに。あたしは指一本動かすことができず、宙にふわふわと浮いていました。
「――疲労困憊ですか」
 ミサトさんは抑揚無く言います。
「慣れない力を無理に行使したからです。肉体的にも精神的にも負担が掛かり過ぎたんですよ。あなたのその力。
訓練をしていない方だと、三分もまともに行使できないそうです。そう考えると、あなたはよく頑張った方じゃ
ないですか? 優秀ですね」
「ま……だ、で……」
 あたしは声も満足には出せないほどでした。意識が遠のき、ふと気が緩めば、すぐにブラックアウトしてしま
うでしょう。そうならないように、あたしは気力のみで踏ん張りました。
「無理はしないほうがよろしいですよ。命の炎が燃え尽きてしまいますから。それとも、負荷に耐え切れず心の
器が破壊され、何の感情も持たない人形になってしまうか。考えただけでも恐ろしいですね。さて、今一度訊き
ます。あなたはどうするおつもりですか?」
 ミサトさんの真っ直ぐな目線。いったい、彼女は何を考えているのでしょうね。
 あたしもそれに負けじと、根性を振り絞り、
「や、やるに……決まってるでしょ。だっ、だって……」
 ――だって、九曜さんが待っているから。
 あたしはもう逃げない。絶対の絶対に。
 刹那の静寂。そして、
「……分かりました。死を選ぶというわけですね。真に悲壮な御方ですね」
 ミサトさんは小さく嘆息し、
「――あなたの意思。わたしの意思。二つの意思が交じり合い、行き着く果てに。螺旋の光が紡ぎ出し、互いに
互いが導かれし地で争わんことを――」
 ミサトさんは薄い桃色の唇を高速で動かしました。美しいソプラノで奏でられる歌にも聞こえます。
 その歌が歌われていくとほぼ同時進行で、彼女の両腕が眩い光に包まれていきます。光の腕はぐんぐんと伸び
て行き、遂に、その長さはミサトさんの身長を遥かに超えるほどになりました。
「――大日輪、輝くは荘厳の蒼穹。小日輪、咲くは灼熱の大地。天をも裂く絆の刃は、風になり、やがて我らに
牙を剥くだろう。想えよ、さらば巡り会えん。光の詩の終点にて――」
 ミサトさんの暖かな微笑み。そして、彼女は両腕を突出してきました。
 目の前に迫る光の双槍。あたしは避けることも、受け止めることもできないでしょう。
 まったく、この邪祈願女め。最後にとんでもない大技を繰り出しやがって。こんなのが来るのが分かっていた
なら、もっと力配分を計算して戦っていたのに。今更、ifの話をしてもしょうがないですけど。
 でも、きっとこれが最後。なんとなく分かります。もう力の残りを考慮する必要は無い。こうなったら、最後
の一滴まで力を搾り出して、全力全開全身全霊の真っ向勝負をしてやるのです!
138以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 23:36:49.69 ID:30C10/Hz0
しえn
「――――!!」
 あたしはミサトさん目掛けて、力の限り以上の勢いで突進しました。
 眩い光に包まれる世界。
 その中にぽつんと、小さな黒い点が見えました。それは確かに存在していたのです。
『あなただけを見つめている』
 誰の声だったのでしょうか。それはどんな音よりも透き通っていました。

       ○

 簾から漏れた旭日が瞼をやんわりと刺激しています。あたしは当初、睡眠欲を最優先させていて、それを無視
しようと決めていましたが、光のあまりのむず痒さにより、あっさりとその薄弱なる意志を放棄しました。
 いけませんね、これじゃ。初志貫徹の心は大事です。おばあちゃんがそう言っていました。というか、ぐーす
か寝ている場合じゃないんです。
「ふぁ〜あ……。朝、ですね」
 大きな欠伸とともに、あたしは体を起こしました。首をこきこきと鳴らします。もう起きないと、おじいちゃん
に怒られちゃうかもしれません。あたしの所から簾を見ると、小さな隙間から太陽が見え隠れし、キラキラと輝
いています。
「あなただけを見つめている……」
 あたしはそう呟きました。最後に聞こえた、心にしっかりと焼き付いている言葉。
 こう言われたら、結びつくものは一つしかありません。考える必要も無い。あたしだって、女の子なんですか
ら。
 もふもふの布団から抜け出すと、あたしは汗で臭くなった寝巻きから、見るも着るも涼しい洋服に着替えまし
た。少し寝坊したかな。急いで支度しないと。
 既に、朝食の準備は整っていました。が、今それを食べるわけにはいきません。あたしにはどうしても行かな
ければいけない所があるのです。考えてみると、昨晩は何も食べてないんですよね。流石に、二食抜くのはきつ
いです。育ち盛りの乙女には、特に。
 あたしの腕には痣どころか、擦り傷一つありません。いやはや、なんとも不思議なことなのです。あと一歩で
死ぬ、と言うところまで追い詰められたのに。筋肉痛といった類もなく、あたしの体は絶好調なのです。
 夢、と勘違いしてしまいそうです。でも、夢ではありません。
 昨日に続いて、今日も快晴。夏はまだまだ続くのです。お百姓さんには少し気の毒ですけどね。

       ○

「すみません。遅くなりました。……助けに来ましたよ」
「――……遅い――」
「いやぁ、面目ないです。あたしがもっと強ければよかったんですけどね」
「――――待っていた……」
「はい。待たせちゃいました」
 ひまわり畑を貫くようにして作られた小さな畦道。青空にはでっかくギラギラと太陽。周りには無数のひまわ
り。それらが小さな太陽に見えることもあります。
 あたしと向かい合うようにして立つ一人の少女。彼女が着ているのは白いワンピース。彼女の肌が白すぎるせ
いか、離れてしまうと、彼女が素っ裸だと見間違うかもしれません。
 その白さと見事なコントラストを為す、黒。彼女の緑の黒髪はとても羨ましいです。ただし、夏以外で。彼女
の黒髪に惚れる殿方もこの世にはたくさんいるのでしょうね。
 ぴょこんと跳ねた、二本の髪束。あたしが彼女に引導を渡したツインテール。その名に泥を塗ることようなこ
とはなく、立派なツインテーラーです。……まあ、彼女のはツーサイドアップですけどね。
「九曜さ……ん゛、ひぐっ、く……」
 あれ? なんでだろ……。泣くつもりなんて無かったのに。突然、涙は滂沱と流れ出してきて、あたしの頬を
伝い、地面にささやかな潤いを与えます。
 やっぱり平常心を保とうとしても無駄だった。結構、頑張ってたんだけどな。
 怖かった。ミサトさんと戦って、しかも死と隣り合わせで、いつ殺されちゃうか、ずっとびくびくしてて。ほ
んとに、ほんとに怖かった。なにより、既に九曜さんがいなくなっていたらと想像しまうのが、怖かったし、そ
ういう想像してしまう自分自身が、どんどん嫌になった。もしかしたら、徒労に終わるんじゃないかって、何度
も何度も考えた。あたしは闇から闇へと流され、いつ消えてしまうのかな、と。怖かった。
 一番怖かったのは、九曜さんがあたしを嫌いになってしまうこと。こんな、こんな卑しいあたしなんて、すっ
ぱりと見捨ててしまうんだって。こんなエゴなあたしのことは、仲間だなんて思ってないんじゃないかって。あ
たしが手を差し伸べても、叩かれるんだって思った。 
 でも、九曜さんはそんなことしませんでした。
「うぇ、ぐ、くよ……さ、ん……?」
 あたしの腰に回される、冷やっとした白く細い腕。夏だからか、それとも、また違う意味なのか。その腕の感
触はとても気持ちよく、安心を与えてくれます。
「――あなたは……優しい――」
 あたしと体躯の大きさなんてほとんど変わらないのに、その声はとても雄大なものに感じます。世界で一番信
用できる声かもしれません。
「や、やざじい? そ、ひっく、そんなこと……ないのれす。あたしは、甘いのです……」
 優しさと甘さは違います。
「――優しい」
 噎び泣くあたしをあやすように、九曜さんはその言葉を言い続けます。炎天下の中、抱き合う二人の少女。傍
から見れば、それこそ暑さで頭がいかれたと思うかもしれません。あたしが第三者なら、そう思うに違いありま
せんから。
 九曜さんの腕の中は心安らぐものでした。
 はじめ、あたしは周防九曜のことを利害が一致している『仲間』だと認識していました。それは双方にとって、
有益な未来を目指すための関係。表面上では友好的に、しかし内面では何か不利益を被りそうであればさっさと
手を切ってしまうような脆い関係。商売の世界ではよくあるものですね。
 ――今はどうだ? とか、愚問はしないでくださいよ。
 九曜さんは損得抜きに付き合えるあたしの、あたしの大事な『仲間』なのです。誰がどう言おうと関係ありま
せん。異論は認めない。
142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 23:41:55.08 ID:30C10/Hz0
しえn
 なんか不思議ですよね。たった一日で世界が大きくがらりと変わった気がします。
 子供は夏休みに甚だしく成長します。夏休み前と後では、まるで別人のようになっているのです。その変化の
起爆剤となった物は分かりません。数が多すぎて把握しきれないのです。子供の数だけ起爆剤があります。ほろ
苦い経験でもしたのでしょうか。
 夏が終わると、子供は大人以上に大人っぽくなります。でも、本当は子供のまんま。分かっているつもりで、
実際は何も分かっていないのです。一つの世界を見ただけで、全ての世界を理解したと思い込んでしまう。よく
あることです。そうやって、大人ぶっていき、次第にはちゃんとした大人になっていくのです。なんか矛盾して
ますよね。
 もちろん、身体的にも成長するし、肌が小麦色になったりと、目に見える変化もあるのです。夏休みは成長、
変化の時期と言うことができます。
 あたしも少しは成長できたのでしょうか。
「……ふう。もう大丈夫なのです。だいぶ落ち着きました」
 最後に大きく鼻をすすり、言いました。また顔がぐしゃぐしゃになってしまいましたね。 
 きっと、成長しているはずです。立派に。 
 九曜さんは腰にあたしの腰に回していた腕をほどき、
「――胸。地蔵に……行く――」
 と、何の前触れも無く、あたしの顔を見上げながら言いました。彼女の真っ黒な目に吸い込まれそうになりま
す。
 ……というか、またですか。感動の再会が……。九曜さんのことがちょっと嫌いになりそうな気がしないよう
なでもないような。そんなに巨乳になりたいのなら、あたしが揉みしだいてあげましょうか。 
 九曜さんが言っているのは、おそらく神社にある、撫でた箇所が良くなると言われている地蔵、そして、あた
しのトラウマレーダーがびんびんな所にある地蔵。
「あ、あのですね……。神の力に頼らず、現代の科学に頼ってみたらどうですか? あたしは豊乳グッズたくさん
持ってま……せんでした。はは、残念です。あれば、譲ろうと思ってたんですけど。効果無いやつとか」
 少し危なかったですね。上手く誤魔化せたでしょうか。『機関』の裏金を使ったことがばれてしまう所でした。
 よくよく考えると、九曜さん自身でできることでしょうに。……ちっ。
「――あなたは……何を言っているの? ――心を」
「何をって……。心ですか? 心、心、胸、心……」
 あたしは呪文のように心と胸を呟き続けました。どうやら双方の間に食い違いが発生しているようです。
「あっ。まさか……。九曜さん、あなた」
 答えは意外と簡単に見つけることができました。外のことではなく内のことでしたか。んん……。お姉さん、
先走ってしまったじゃないですか。
「心、を良くしたいってことですよね? もう、分かりにくすぎます」  
 肯定の返事の変わりに、九曜さんはこくんと頷きました。どうやら正解だったようです。
 なんか色々敵わない人です。あたしは恥ずかしすぎて、穴があったら迷わず飛び込みたい気分です。
 九曜さんはずっとあたしのことを仲間と思っていてくれたのでしょうか。やっぱり、九曜さんのことは大好き
なのです。
「じゃあ、行きましょうか。例の神社に。もう巫女さんには襲われない、はず、だといいな」
 あたしは九曜さんに手を差し出しました。九曜さんはその手を柔らかな力で握ってきました。
 よかった……。ほんとによかった。

 ぐぅ――。
 唐突に、凄まじい音がしました。虫がサンバでも踊り始めたのでしょうか。音源は認めたくありませんが、
あたしのお腹です。空腹に耐え切れなかったようです。乙女に有るまじきことですね。
「……あの、九曜さん。まず腹ごしらえでもしませんか? 朝ごはんまだですよね? ぜひ一緒に」
 あたしは九曜さんの返事を待たず、祖父母の家へと踵を返しました。自然と速足になって行きます。無意識
の内に、急いでしまっているようです。
 九曜さんはしっかりとあたしの後ろを付いて来てくれます。彼女もお腹が減っているのしょうか。
 今だけは蝉の喧騒も心地よく感じることができます。燦々と輝く太陽も、どこまでも澄み渡る蒼天も、足の
裏を焦がす熱も、生温い風も、みんな大好きです。 
 二人で歩いたひまわり畑。
 あたしはそのひまわりのように、いつまでも、いつまでも、
『あなただけを見つめている』
145以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 23:47:07.20 ID:30C10/Hz0
しえn
146ひまわり狂想曲 解19/24  ◆FUYSNYFbfg :2008/05/24(土) 23:47:30.37 ID:fWDpCoAP0
 とあるマンションの一室にて。
 夏休みも終わりに近づき、夜になると肌寒く感じる日頃。幾多の学生は夏季課題と名づけられた魔物に血と汗
と涙を流しながらも勇猛果敢に立ち向かっていることであろう。もしそうでない学生は、数週間後さらなる地獄
を見ること間違いない。
 しかし、この場には勇猛果敢に立ち向かう必要が無ければ、さらなる地獄を見る必要も無い、全学生の敵と捉
えられても文句は言えない二人の少女がいた。
 二人が居る部屋には飾り気の一つもない。ある物は、窓にかかった地味なカーテンと、急須と二つの湯飲みが
置かれた机のみである。
 このような空間で、長門有希は生活していた。
 現在、長門はちょこんと正座して、対面に座る少女――喜緑江美里の話に耳を傾けていた。話というよりも報
告というべきだろうか。内容は喜緑自らが赴いた地での調査報告。天蓋領域に関する物であった。
「――これで報告を終わります。何か不具合や質問でもございますか?」
 喜緑は流暢に、だが何の感情も込めずに調査の内容の顛末を話し終えた。読み上げ機能を持つ機械よりは聞き
取りやすかったことだろう。
「一つだけ」
 長門は真っ直ぐと喜緑を捉えたまま言った。
「はい。何でしょうか?」
「橘京子について」
「橘さん、ですか? 彼女について何か? 今回の橘さんは本当に役に立ってくれましたね。おかげで、有益で
確実な結果が得られました」
 喜緑の表情にゆるみが生じた。おそらく、彼女はもう堅苦しい雰囲気は不要と判断したのだろう。既に報告は
終えている。あとは、長門との会話を楽しむだけだ、と。 
 長門本人に会話を楽しもうとする気持ちがあるのかは分からないが。
「何故、あなたは橘京子と戦闘に及んだ? 今回の目的は周防九曜の戦闘能力の調査のはず。橘京子ではない。
あなたの意図が理解できない」
 長門は訥々と言った。長門は怒っているわけではなかった。ただ、言葉の通り、喜緑の行動理由の不明さに訝
しんでいるだけであった。
147ひまわり狂想曲 解20/24  ◆FUYSNYFbfg :2008/05/24(土) 23:49:30.21 ID:fWDpCoAP0
「そのことですか。場の流れというのでしょうか。悪役を演じるのなら最後まで悪役に徹しよう、と思ったので
すよ」
「演技。あなたにその必要性があったのか。もし、橘京子が絶命していれば、間違いなく事態は悪いほうに傾い
ていた」
「そんなこと百も承知です。だから、手加減はしてましたよ。あっ、そういえば。橘さん、面白いんですよ。わ
たしの突きを止めた瞬間、もの凄く強くなられましてね。寸止めの突きを自分で止めたと勘違いなさったんです。
それからの彼女は――」
 喜緑はその先を話すのを止めた。何故なら、長門が鋭い視線で喜緑を睨んでいたからである。関係ない話はす
るな、と言わんばかりに。喜緑はコホンと控えめに咳払いをし、
「わたしが橘さんと戦闘をする必要性は皆無でした。それは自分でも重々承知していますよ。それが危険なこと
であるということもです。ですが、あそこで戦わずに逃げるというのもどうかと思ったんです」
 喜緑は滔々と話した。
「予め言っておきますが、わたしは人間の感情をあまり理解できません。つまりこれから話すことは妄言です。
――もし、わたしが橘さんとは戦わず、姿を晦ましたらどうなっていたでしょうか。きっと彼女はすごく後悔し
ていたはずです。意気込んで戦地に乗り込んだものの、標的は居なくて肩透かし。……では、ないですね。九曜
さんを助けることができなかった彼女自身に対して、臍を噛むはずです。最初から助けに入っていればよかった、
と」
 喜緑は湯飲みを口まで運び、一口飲んだ。
「すみません。――そして、神社に来なければよかった。家でおとなしくしとけばよかった、と橘さんは過去へ
と後悔の旅を延々と続けることになるのです。わたしは橘さんにそうして欲しくなかったんです。だって、そも
そもの始まりはわたし達じゃないですか。そのせいで橘さんが沈み込むなんて。わたしは彼女にチャンスをあげ
たかったのですよ」
「最初から周防九曜は橘京子の元へ返す予定だった。あなたは意地が悪い」
「そうですね。確かに、わたしは意地が悪いのかもしれません。でも、それも演技の一つですから。仕方ありま
せん。演技は慣れっこです。わたしが演技をしないのは、長門さんと二人きりの時だけですよ」
 喜緑は再び、湯飲みを口にする。
 長門はその喜緑のようすをじっと見ていた。長門の湯飲みは冷めてしまったのか、湯気は出ていない。
148以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 23:49:49.97 ID:30C10/Hz0
しえn
149ひまわり狂想曲 解21/24  ◆FUYSNYFbfg :2008/05/24(土) 23:51:31.55 ID:fWDpCoAP0
「全ては長門さんのおかげです。あなたが九曜さんに接触し、『橘京子を殺す』と吹き込まなければ、この調査
は始まっていませんでしたからね。本当にご苦労様です」
「わたしはそれしかしていない。他はあなたが全て遂行した」
「まあ、そう言わないでください。それにしても驚きましたね。九曜さんがあれほど橘さんのことを大事に思っ
ていたとは。長門さんから話を聞いた直後には、橘さんの所に出発していましたから。いつの間に、あんなに仲
良くなられたんでしょうか。――同じことをされたら、長門さんもやっぱり助けに行きますか?」
「涼宮ハルヒを守るのはわたしの義務。当然、守りに行く」
「もちろんですよ。でも、本当に涼宮さんだけですか? 例えば、」
「訂正する。SOS団を守るのはわたしの義務。誰であろうと助けに行く」
「……まっ、それでいいでしょう。間違ってはいませんからね。その時は、わたしも微力ながら援助させていた
だきます」
 長門は何か含みを持った喜緑の微笑をねめた。
 対する、喜緑はそんな長門の視線をまったく意に介さず、お茶菓子を求め、流しにある水屋の下の引き出しを
漁りに行った。
 ガサゴソと音がする。
「それにしても、橘さんはわたしが喜緑江美里だって気付きませんでしたね。喫茶店でもお会いしたのに。気付
かれたら気付かれたで困りますけど。髪を黒に染めて、前髪を下ろしただけですよ? わたしってそんな特徴あ
りませんか?」
 先ほどの内容と打って変わった、軽い話題。どうやら喜緑の愚痴らしい。戻ってきた彼女の手にはカレーの缶
詰が握られている。菓子類は無かったようだ。手ぶらで帰るのもどうかと思ったんだろう。
「髪を黒に染めた時点で、あなたは喜緑江美里でなくなった」
 長門はきっぱりと言い放った。
 カン、と甲高い音が室内に響く。カレーの缶詰が勢いよく机に置かれたのだ。犯人は言わずもがな、喜緑であ
る。一瞬で空気が張り詰めた。
「そこまで言われたくありませんね。ネーミングセンスゼロのあなたに。なんですか『ミサト』って。少しは捻っ
てくださいよ」
150ひまわり狂想曲 解22/24  ◆FUYSNYFbfg :2008/05/24(土) 23:53:31.81 ID:fWDpCoAP0
「『ミサト』は江美里の『美里』から取った。十分捻られている。それに、あなたは一度納得したはず。何故今
更、文句を言う」
「本音を言えば、もっと可愛らしい名前が良かったんですけどね。どうせ偽名なら、もっと派手にしたいじゃな
いですか」
「ならば、具体的にどういう名前が良かったのか教えて欲しい。言って」
「それはですね――」

 あまりにも不毛なため、閑話休題である。
  
 室内に鼻腔を擽るスパイシーな香りが立ち込めている。たとえその原因がレトルトであったとしても、空腹を
刺激し唾液の分泌を促す、カレー特有の作用が失われることはない。
 白米の量は軽くどんぶり三杯分は超えているであると思われる。その頂点から溢れんばかりにカレーが掛けら
れている。レトルトカレーなので、牛肉はおろか、まともな具は入っていない。いたってシンプルである。
「いただきます」「……いただきます」
 僅かにタイミングがずれたが、長門と喜緑にとって、普通の夕餉の時間が始まった。
「長門さん」
 喜緑が言った。
 返事が無い。長門はカレーに食べることに集中していて聞こえないのか。それとも敢えて聞こえないふりをし
ているのか。その真相は長門自身しか知らない。
「長門さん。……もういいです。口を動かしながらでもいいですから、わたしの話を聞いてください」
 長門は目を一瞬、喜緑の方に向け、再びカレーの山に目線を落とした。
「今回の調査の結果についてですが、予想通り周防九曜の能力はわたしたち、インターフェースと同等、及びそ
れ以上と判明しました。詳しいことはさらに調査しないと分かりませんが。事実、わたしは九曜さんに本気で消
滅させられそうになりました。九曜さんに『橘京子』というスキが存在しなければ、間違いなくわたしは……」
 喜緑はスプーンいっぱいのカレーを口に運んだ。それを嚥下し、
151以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/24(土) 23:54:40.04 ID:8c+D5evx0
152ひまわり狂想曲 解23/24  ◆FUYSNYFbfg :2008/05/24(土) 23:55:32.69 ID:fWDpCoAP0
「この場にはいませんね。長門さんとカレーを食べることができなくなってたんですよ。はぁ……。涼宮さんの
観察も含め、少々面倒くさいなりことになりそうです」
 カチン、と金属と磁器の触れ合う音がした。
「わひゃひひゃひふぁ――」
「口の中の物を飲み込んでからどうぞ。それと、口の周りも拭いてください」
 長門は喜緑に言われことを、小さな頷きとともに行った。彼女の大皿は既に空である。
「わたしたちは負けない。わたしたちと彼らでは団結力が違う。その差は歴然」
「少し前、でしたらね。今回の一件で橘さんと九曜さんの絆はいっそう磐石なものになりました。はっきり言っ
て、わたしはこの調査に疑問を持っています。何故、わざわざ相手を刺激するようなことをしなければならなかっ
たのでしょうか。損得の天秤が釣り合いません。明らかに、危険値が大きすぎます」
「それを知るのは情報統合思念体のみ。わたしたちはただ指令に従うことしかできない。全ては考えあってのこ
と。いつか分かる」
「いつか、ですか……。その時は刻々と近づいて来てます。運命の分岐点を誤らないようにしないといけません
ね」
「それを調整するのがわたしたちの使命の一つ」
 長門と喜緑は押し黙った。それぞれに熟考するとこがあるのだろう。室内はよりいっそう静かになった。
 情報統合思念体と天蓋領域。決して相容れぬ二つの存在。
 橘京子と周防九曜の絆はさらに深くなった。超能力者と宇宙人の結託。利害の関係が一致して、ともに協力し
て行動をしてくるのだろう。やっかいなことになるのは避けられない。
 長門もそう考えている。しかし、彼女にはそれよりも、「ある考え」が思考の大部分を占めていたのだった。
153以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 23:56:02.30 ID:30C10/Hz0
しえn
154ひまわり狂想曲 解24/24  ◆FUYSNYFbfg :2008/05/24(土) 23:57:33.09 ID:fWDpCoAP0
 超能力者と宇宙人の絆。
 自分も彼女らのように、立場を超えての深い絆を築くことができるのだろうか。涼宮ハルヒと、朝比奈みく
ると、古泉一樹と、そして『彼』と。人間と人間として。
 長門は橘京子と周防九曜を少し羨ましく思った。

       ○  

「……喜緑江美里。もう一つ訊きたいことがあった」
 長門が沈黙を破った。
「はい、なんでしょうか?」
「その麦藁帽子は何? 屋内で帽子を被る必要はない」
 麦藁帽子には大きなひまわりの造花が付いていた。
 喜緑は何故かずっと被っていた麦藁帽子を取り、長門に見えやすいよう持ちに替えた。
「これ、ですか? これは勇敢で、優しい女戦士の忘れ物です。とても良い帽子ですよね」
「窃盗は犯罪」
「せ、って、今度会ったときにお返しするつもりですよ」
「そんなことをすれば、あなたが『ミサト』だとばれる。それでは都合が悪い」
「ちゃんと考えてます。心配には及びません」
 その後も、聞くに堪えない、しょうも無い揚げ足取りが続いた。
 二人の乙女による口論は夜が明けるまで続いた、らしい。

       〆
155ひまわり狂想曲  ◆FUYSNYFbfg :2008/05/24(土) 23:59:13.07 ID:fWDpCoAP0
これでひまわり狂想曲完結です。
当初の構想から方向性がぐにゃーんってなってしまいました
連載は疲れますね

支援感謝!
156以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/24(土) 23:59:43.12 ID:30C10/Hz0
GJ!そして乙!
157以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 00:08:06.08 ID:/eYjtvba0
保守
158以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 00:30:20.16 ID:Ypnt4nUd0
保守
159以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 00:50:47.31 ID:ysxxECr1O
保守
160以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 00:55:49.79 ID:kDnCxOzH0
>>155
GJ!
161以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 01:04:18.25 ID:kDnCxOzH0
保守がてら投下します。
「マスターの約束」
162マスターの約束:2008/05/25(日) 01:05:34.03 ID:kDnCxOzH0
カランコロン。
今日も今日とて始まりを告げるメロディーが鳴りました。
迎え入れた客人は四名。
四人組、などと言うと涼宮さんからは累積で二枚目のイエローカードをもらう事になり、退場の危険性すら伴いますので、当然そんな事は口にいたしません。
いつもの「いらっしゃい」と言う声が、しかし今日は二つ重なります。
涼宮さんの大きな目が、見開かれました。当社比で言うとおよそ百二十パーセントほどに。
その目線の先には、クエスチョンマークを浮かべて当然の様に立ちはだかる長門さん。
店内に長門さんが居るのは別に驚愕するような事でもなんでもないのですが。
今日はその格好が問題でした。 
「ちょっと、マスター! これってどういう事よ?!」
そう叫びたくなるのも、わかります。
私も、涼宮さんの立場だったらそう叫んでいたでしょう。
すみません、ご挨拶が遅れてしまいました。
こんにちわ、私。喫茶店ドリームのマスターでございます。
163マスターの約束:2008/05/25(日) 01:06:15.34 ID:kDnCxOzH0
◇ ◇ マスターの約束 ◇ ◇
 
 
「それと……」
あの日、長門さんの口から発せられた言葉。
いやいや、こうして見ると実際に私があの時耳にした言葉で本当に合っているのだと改めて実感しました。
タンスで何年か眠りこけていた、嫁が若い頃に着ていたウェイトレスの制服。
寸法が合っていて良かったですね。
黒の単色で背中にファスナーがついている膝下丈のワンピース姿の長門さんを、私はしげしげと見つめました。
しげしげ、と言いますが。実際にはジロジロに近いものだったのでしょう。
嫁から思いっきりグーで小突かれました。
「ほら、有希ちゃんが困ってるでしょ?」
おかしいですね……、私には困っている様には見えないのに。
当の長門さんは首を傾げるでもなく抗議の言葉を上げるでもなく、ただただ私たちのやり取りを見ていました。
嫁には長門さんの些細な表情の変化がわかるというらしいです、やはりそこは何か女同士通じ合うものがあるのでしょうか。
あの涼宮さんとすぐに打ち解けてしまうような嫁なので、さもありなんです。
「さて、長門さん」
それでは、実習と参りましょうか。
今度は、私にもわかるくらい大きく、長門さんは頷きました。
164マスターの約束:2008/05/25(日) 01:07:35.87 ID:kDnCxOzH0
「それと……、私をここで働かせて欲しい」
それが長門さんからの嘆願でした。
あまり深くは踏み込んではいけない様子でしたので、あえて理由までは聞きませんでした。
断る理由も無かったですしね。
ちょうど私も一線を退いてもいいかな、なんていう事を思ったり思わなかったりしていましたし。
長門さんなら大歓迎ですよ、と。
二つ返事で了承しました。
そんな私が甘かったのでしょうか。
 
 
「長門さん」
「なに」
「う〜ん……、やはり接客業ですからね。こう、なんと言いますか、もっとハキハキといいますか、明るさといいますか」
「メニューは全て暗記している、オーダーも聞けている、問題は無い」
「た、たしかに。そうなのですが、ね」
「?」
「え、ええとですね……」
「調理の方は、少し待って欲しい。練習が必要」
「そ、そうですね。あ、長門さん」
「?」
「それはカツサンドですよ、これがハムサンド」
「……協力、感謝する」
165マスターの約束:2008/05/25(日) 01:10:40.86 ID:kDnCxOzH0
実習──最近じゃOJTなんていう略語があるそうですが──を始めてからというもの、ずっとこんな調子です。
どこか一本筋を違えているようなやり取りの繰り返し。
でも、きっと長門さんに悪気は無いのです。
だから私は語気を荒げるなどと言う無粋な真似は一度も致しませんでした。
なにより長門さんの目が、真剣だったからです。
そんな真剣な目を、私は知っています。
そんなこんなで、実習の日々が始まりました── 
「──というワケです」
「なあんだ、そういう事だったのね」
二杯目のコーヒーを一気飲みして、涼宮さんはテレビでお馴染みのどこかの名探偵のような衣装を身に纏いながら納得した様子でした。
何時の間に着替えられたのでしょう? お決まりのあの言葉を言われそうで少しばかりハラハラドキドキしてしまいます。
キョンくんが、すみません、という目線を送ってきます。
やはり私と同じ穴のムシロといいますか、類は友を呼ぶと言いますか、キョン君がとても他人とは思えない私でございました。
いやいや、構いませんよ。
それでは、ごゆっくり。
様々なBGMが交じり合って溶け合う、喫茶店ドリーム。 
 
 
月が闇に溶けて閉店の時がやってまいりました、OPENのプレートをひっくり返してCLOSEDにします。
箒をもってきて少し掃除をして、皿洗いを終えて、自分の為にコーヒーを淹れる。
ちょっとした至福の時間です。
今日は久しぶりに、自分と、もう一人の為に、ですがね。
長門さんは無糖を好むようなので、私もそれに倣いました。
それが私流の礼儀というものです、この歳になると変な拘りの一つや二つや三つ……。
いやいや、歳は取りたくないものですな。
繊細に、ふれると壊れそうな細い指でカップを持ち上げて、音も無くコーヒーが昇華されていきます。
きっと、それが長門さんのメロディーなのでしょう。
166マスターの約束:2008/05/25(日) 01:11:46.30 ID:kDnCxOzH0
「長門さん」
だから、聴いてみたくなったのでしょうね。
「なに」
「長門さんの夢は、何でしょうか?」
長門さんのメロディーを、もっと。
「……夢?」
「えぇ、そうです。夢です」
「夢……」
 
少しばかりの、間。
  
「人に、なること」
 
その後に訪れたコーヒーを淹れるのに充分だというくらいの、間。
 
「マスターは?」
その声でやっと我に返った私でした。
私ですか?
長門さんはコクリと頷きます。
なるほど、注意深く見ると長門さんの表情の変化というものが私にもわかりそうな気がします。
実習中は、ずっと。
目が輝いて、楽しそう。
これで合っていますか? 訊ねる事は、しませんでしたが。
「マスターの、夢は?」
夢、という言葉に、胸が擽られる様な思いになります。
ニコリと笑って、古いアルバムを開くようにゆっくりと口を開きました。
167マスターの約束:2008/05/25(日) 01:13:06.95 ID:kDnCxOzH0
「私がキョンくんや涼宮さん、長門さん達くらいの頃の話ですけれどね──」
 
長門さんは、爛々と目を輝かせて心底楽しそうに私の話に聞き入っていました。
だから、なのでしょうか。
私の昔話を話し終えた後に、私は長門さんにこう言ったのです、
「時間が、解決してくれますよ」
何を解決するのかは、聞いていない事にしました。
このアルバイトが、長門さんにとってプラスになるなら。
大いに協力しましょう。
きっと、私に娘がいたなら。
私は惜しみなくそうしたでしょう。 
 
あくる日。
 
「いらっしゃい」
「マスターっ! 長門いませんか?!」
藪から棒に、キョンくんは私に尋ねました。
その様子が少しばかり、いや、尋常ではないくらいに慌てていたので、せめて私が落ち着いて対応しようと思いました。
「長門さんですか?」
「えぇ、長門です」
「長門さんなら先ほど、どこかへ走っていかれましたけれど?」
事実ですよ、嘘は言っていません。
嫁曰く、私の嘘は簡単に見抜けてしまうらしいので。
「なっ……!」
キョンくんは慌てて出て行こうとしました。
168マスターの約束:2008/05/25(日) 01:14:47.93 ID:kDnCxOzH0
何か思うところがあるのでしょうか?
私はそれを制止して。とりあえずカウンターを指差しました。
焦っても仕方ない事もありますよ、と。
急がば回れと言うでしょう?
  
「まあまあ。ちょっと、年寄りの小話でも聞いていきませんか? 何、そんなに時間は取らせませんよ」
「はぁ……」
そんな場合じゃない! と怒鳴るかと思っていましたけれど。
思ったよりも大人なのですね、キョンくんは。
  
いつものでいいですよね。私はニッコリと笑いました。 
「私がキョンくんや涼宮さん、長門さん達くらいの頃の話ですけれどね」
思い出すだけで、くすぐったくなるような記憶の一ページ。
確実に存在した日々、今はそんな微かな記憶でさえ貴重だったと胸を張って言えます。
「アルバイト先の喫茶店でね──」
  
とある日、そこにやってきた、つんけんした女の子。
スケバンって言うんでしょうか。あ、言い方が古いですよね。
その女の子が、それはもう大変な女の子でしてね。
コーヒーを持って行くだけでうるさいだの黙れだの言ったかと思ったら、次の日にとんでもない位に落ち込んでてね。
構って欲しい! と、顔に書いておきながら、私が話しかけるとつっぱねるのですよ。
何だこいつは! と、思いましたね。
喜怒哀楽が激しいというか、単純と言うか。
私などは、年頃の女の子は難しいものだ、俺はコーヒーしか挽けないが、見習いのお前はせいぜいしっかりと'気を挽く'んだな、などと当時のオーナーからからかわれていましたが。
それだけならまだいいものを、その女の子はいっつも何かしらの問題を抱えて持ってくるんですよ。
それにいつの間にか私は巻き込まれましてね? 休みの時間の間は良いのですが、こっちは仕事中だっていうのに、そんなの関係ないでしょ! の一言ですよ、それはもう色々と大変だったのです。
それでも、きっと私はその時間が楽しかったのでしょうね。
今思えば、なんでもないありふれた時間だったのですがね。
169以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 01:14:57.51 ID:2Fn6vI7J0
170マスターの約束:2008/05/25(日) 01:15:37.86 ID:kDnCxOzH0
ある日、僕とその女の子は約束したんです。
今度会ったら、結婚しようという、いわば婚約です。
思えばバカな約束でした。
「明日会うじゃないか」
と、私が笑うと。
「その時はその時よ」
などと言って笑うのです、まるで、そう、ひまわりみたいにね。
でも、次の日。女の子は店にやってきませんでした。
次の日も、また次の日も。その次の日も。
彼女が転校したらしいという話を私が聞いたのは、それから一ヶ月後の事でした。
だから、彼女はあんな事を言ったのでしょう。
気がついたのは、その時でした。 
 
 
「……それで、その後は、どうなったんですか?」
「後ですか?」
キョンくんはコクリと頷いて私の話を促しました。
 
 
当時携帯電話なんて便利な代物も無くて、連絡先も、家がどこにあるのかすらわかりませんでしたからね。
学校も違いましたし。
それっきり、ですよ。
今と違って、世界はずっと狭かった。
自分の足で動ける範囲のことだけが、世界でしたしね。
私ができる事と言えば、待つ事くらいだと思って。ずっとここでアルバイトしてようかと思っていた、まさに矢先の事です。
店が潰れちゃったんです。
171マスターの約束:2008/05/25(日) 01:16:36.01 ID:kDnCxOzH0
「え?」
「はは、鳩が豆鉄砲くらった様な顔してますよ」
コーヒーを一杯。
ブラックですけれど、どうですか?
「もう、茶化すのは辞めてくださいよ」
彼は言いながら飲んで、苦さで顔を顰めました。
 
 
それで、私は呆然としましたよ。
そのあと一ヶ月くらいは何をしていたのかあまりよく思い出せません。
ぼけーっと、ただ、学校へ行って帰るだけの日々を送っていたんだと思います。
それだけでも、良かったんでしょうがね。
普通に高校を卒業して、普通に可も不可も無い様な大学へ行って、普通に企業に就職して、普通に誰かと結婚して、普通に死んで、普通に墓に入る。
そんな人生も、良いかなと思った事もありましたけれど。
でも、どうしても女の子との約束の事が頭から離れなかった。
だから、店が無いなら自分で作ればいい。そこで彼女を待ち続ければいい、って。思っちゃったんですよね。
若さっていうのは、本当に恐い。
その後はもう、思い立ったが吉日の勢いで高校を辞めて、仕事を始めました。
「働かざるもの食うべからず」なんていう言葉がありますが。
逆に言えば働いているものには等しく食べる権利があるという事です。
飲食業者が口に出す言葉として、これほど可笑しい事はないと思いますがね。
その言葉を合言葉に、なんとか頑張りましたよ。
なんとか資金の目処が立ったのは、それから随分時間が経った後ですがね。
172マスターの約束:2008/05/25(日) 01:17:25.27 ID:kDnCxOzH0
銀行から融資の話を受けて、借金をしながら、ですがね。
なんとか今こうして一つの店がもてる様になりました。
実はここの場所、私が昔アルバイトをしていた店をそのままの形で引き受けることができたんです。
都合良く引き取り手が見つからない状態が長く続いていたみたいでね?
店をやるならここしかない! 即決でしたよ。
それからはもう、開業したと思ったらトラブル続きでしてね。
なかなか店は軌道に乗らない、難しい商売だと思いましたよ。
こう見えて借金取りに三回は取り立てられましてね、はは、あの時は恐かったですな。
それでも、なんとか続けることができました。
店もだんだんと落ち着いてきた。
そんな時です。
ひょっこりと。まるで、その時の写真を切り取ったままの様な姿で、あの女の子がやってきたんです。
彼女は何も言わずにコーヒーを注文しましてね。
姿は僕の印象と同じだったんですが、仕草や雰囲気が随分大人になっていました。
人違いかと思って声を掛けなかったくらいですよ。
 
 
「声掛けなかったんですか? どうして?」
「随分時間も経っていましたしね、時間というのは恐い、時間は人を変える。時間は記憶を掻き消す」
「……」
「それに、そんな昔の約束の事なんてどうせ忘れているだろうと思ったのですよ」
「……」
173以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 01:17:47.02 ID:ysxxECr1O
支援
174マスターの約束:2008/05/25(日) 01:18:21.84 ID:kDnCxOzH0
彼女はコーヒーを飲み干すと、ご馳走様とだけ言って帰ろうとしたのです。
私は慌てました。
いや、ちょっと待ってくれと。
ここで声を掛けねば一生涯後悔し続ける事になるだろうと。
私を突き動かしたものは、遠い日の約束と、ちょっぴりの勇気でした。
その時もこう、グーで小突かれましてね。
「気がつくのが遅い」
とね。
向こうは最初から気がついていて、私の様子を見ていたようです。
思えばその時から尻に敷かれる事は確定していた様なものですな。
 
 
 
「長門さんとの間に、何があったのか存じませんが」
はっ、と。
キョンくんは顔を上げました。
いやいや、本当に私は何も知らないのですよ?
「謝るのなら早いほうがいいです、ひょっとしたらこの先何年も会えないかもしれない。時間は、恐いものです」
カランコロンという鐘の音がした方向に指を刺します。
キョンくんが振り向いた先に居たのは、ウエイトレス姿の長門さん。
買い物袋を提げているのは、私がおつかいを頼んだから、なのですがね。
「長門。すまなかった……、俺っ」
「気がつくのが遅い」
キョンくんは長門さんに思いっきりグーで小突かれていました。
二人が和解できた様子で、私はほっと胸を撫で下ろしました。
175以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 01:18:31.79 ID:ouDRdwFL0
支援
176マスターの約束:2008/05/25(日) 01:19:13.42 ID:kDnCxOzH0
「キョンくん」
「何ですか?」
「私は、ああは言いましたが、時間は恐いだけでは、ないのですよ」
私は二階から降りてきた嫁を差しながらニコリと笑いました。 
敵わないといった表情のキョンくん。
はは、これでも歳の数だけ生きてきましたからね。  
 
 
さて、二人の間に何があったのか。
余計な詮索かとは思いますがそこは人間。
聞いておかない手はないでしょう。
 
 
「わたしのコーヒープリンを彼が食べた、買ってきてくれるという約束の期限になっても、コーヒープリンは届かなかった」
 
 
吉本新喜劇よろしく、私がずっこけたのは言うまでもありませんでした。
いやいや、二人ともまだまだ色気よりも食気、ですか。  
 
  
さて、喫茶店ドリーム。 
明日はどんなお客様がお見えになるのでしょうか。
夢を膨らませながら、お待ちしております。
「いらっしゃい」という、魔法の一言でお迎えしますよ。
  
 おわり。
177マスターの約束:2008/05/25(日) 01:21:19.20 ID:kDnCxOzH0
以上です。
本スレ復活のどさくさにまぎれて続編とか書いちゃいましたorz

援護射撃ありがとうございました!
178以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 01:23:07.16 ID:ouDRdwFL0
>>177
乙!今回もなかなか良かったです。
マスターのセリフ的に考えてハルキョンものだと思ってたけど違ったのね。
179以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 01:28:59.93 ID:kDnCxOzH0
>>178
ありがとうございます!
どうしても長門に振り回されるマスターとキョンを描きたくて……。
そうおもって書いたらこうなっちゃいましたorz
180以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 01:32:40.51 ID:zdf6DjvXO
そろそろねようかな。保守
181以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 01:40:47.72 ID:ysxxECr1O
やはり女性は強いなw
GJ!
182以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 02:05:58.58 ID:tuCWPT7+0
保守
183以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 02:37:36.98 ID:UkMTTjP5O
保守
184以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 03:02:24.58 ID:aG6UyerR0
保守
185 ◆mj1HydLja6 :2008/05/25(日) 03:06:38.81 ID:aG6UyerR0
すみません、いまから投下するので、5レスお借りします。
題名は「偽りの世界で 第一章 非日常は突然に」
です。
186非日常は突然に ◆mj1HydLja6 :2008/05/25(日) 03:07:56.57 ID:aG6UyerR0
ここはいったいどこだろう。数人の同い年の男女に取り囲まれて下校する最中、右手には黒い筒を持っている。この筒には見覚えがある。確か卒業証書が入っている筒だ。
そうだ、思い出した。今日は卒業式の日だ。そして、周囲にいるのはクラスメートの面々だ。だが、その顔は黒い影になってよく見えない。
通いなれた通学路。途中にある公園では幼い子供達がはしゃぎ、その様子を母親と思しき女性が見守っていた。遊具も、子供達も、母親達も、そして周囲にいるクラスメートも、すべてが黄昏色に染まっている。
真っ赤に染まったその風景がとても幻想的で、まるで夢の中にいるみたいだ。懐かしさすら感じさせるその風景は、時間の感覚さえも狂わせ、既視感にも似た感覚に陥る。
周囲にいる少年少女がこれから進む進路に期待と不安を膨らませてわいわいとしゃべっている光景を見て、ふと何か大切なことを忘れてしまっているような不安に襲われた。
そう、確か朝起きた時、今日こそあることを実行しようと決意をして家を出たはずなのだが、それが何かを思い出すことができない。いったい何をしようと決意したのだろうか。それはとても大切なことだったはずなのだが……
しかし、矛盾に思えるかもしれないが、俺はもう既に知っていた。その決意が実行に移されることがないということを。
やがて、ひとりまたひとりと集団の輪の中からクラスメートが離れてゆき、気がつけばショートカットの女子と俺だけが取り残されたように家路を共にしていた。
そうだ、思い出した。今日、彼女に伝えなければならないことがあったのだ。どうして忘れていたのだろう。こんな大事なことを。人生を左右しかねないほど重大な決断だったはずなのに。
しかし、そこまで思い出した後も、俺の中の不安は解消されたわけではなかった。なぜなら、伝えるべき内容が思い出せなかったからだ。
彼女の顔を覗き見ると、彼女も、期待と不安の入り混じったような表情で、俺が言葉をかけるその時を待っているようだった。だが、俺の中には伝えるべき言葉が見つからない。
前を向くと、視界の端に自宅が既に見えている。後、数十メートル歩けば、彼女と別れなければならないのだ。
伝えなければならない言葉が見つからず気が焦る一方で、伝えることができないという確信にも似た予感が、頭の中でせめぎあっていた。
そして、伝える言葉が見つからないまま自宅の前まで来てしまう。ショートカットの女子は、残念そうにちょっとだけ微笑んだ後、そのまま手を振って彼女の家路へと帰ってゆく。
彼女をこのまま帰らせてしまっていいのか? 今日は卒業式、もう二度と会えなくなるかもしれないのに。さあ、早く伝えるんだ。でも、いったい何を?
頭の中をぐるぐるとさまざまな思いが駆け巡る。ふと顔を上げると、離れていく彼女の後姿がとても寂しげで、言葉では表せない感情が胸にこみ上げてくるのが分かった。
俺は、咄嗟に彼女に駆け寄ると、立ち去ろうとする彼女の肩を掴む。彼女は少し驚いたような表情で振り返り、期待の眼差しで俺をじっと見つめた。
伝えるべき魔法の言葉。
思い出せなかったはずのその言葉を、なぜかこのとき俺は知っていた。その言葉を声にしよう口を開いたその瞬間、
「キョンくん」
背後から俺を呼ぶ声が聞こえた。
「キョンくん、朝だよ。起きないと遅刻するよ」
目を開けると、ぼんやりと見慣れた天井と白い蛍光灯が見えて、俺はようやくそれが夢であることに気がついた。


〜第一章 非日常は突然に〜


三月上旬、まだ肌寒く感じられる風が桜の花びらを舞い散らし、だんだんと暖かくなる日差しが春の訪れを告げる。周囲には同じ北高の制服を着た男女が普段と同じように登校していた。
187非日常は突然に ◆mj1HydLja6 :2008/05/25(日) 03:08:58.98 ID:aG6UyerR0
何気ない日常の風景。
数日後に訪れる卒業式の日に、思い出のたくさん詰まった学び舎との別れを告げることを少しだけ名残惜しく思いながら、それでもその先に訪れる大学生活に期待と不安を抱き、北高へと続く坂道を登っていた。
SOS団のメンバーは、みんな同じ大学へと進学を決めていた。その大学は、俺にとっては高嶺の花のような一流校に思えたが、ハルヒの実力からすれば物足りない程度の大学だった。
それでも、みんなが同じ大学に入学できたことは、もしかすると宇宙的、未来的、超能力的な力が介在していたのかもしれない。まあ、こうなることは随分前から予想していたことだが……
『大学に入学した後もハルヒに振り回される日々が続くのか』といった半ば諦めにも似た感情と、振り回されることをどこかで期待している感情が心の中で交錯する。
思い返せば、俺の高校三年間はハルヒに振り回される毎日だった。そのせいかハルヒのいない日常というものを、想像できなくなっている自分がいることに気づく。
だから、ハルヒが珍しく体調を崩して休んでしまったような日には、どこか日常の一部が欠けてしまったような物足りなさを感じたこともあった。それほどまでにハルヒに毒されていることに気づき、愕然としたものだ。
だが、それも含めて、いまの自分の置かれた状況に不満はない。だから、大学に入学した後も、同じような生活が続いて欲しいと思っていたし、そうなるものだと思い込んでいた。
教室に入り、後ろの席を見ると、席の主はまだ登校してきていないようだった。
「珍しいこともあるものだな」
たいして疑問にも思わず席に着くと、斜め前の席の谷口が恨めしそうな表情でいつもの愚痴を口にし始めた。
「キョン〜、なんでだよ〜、俺は四月から予備校通いだというのに、どうして俺と同じぐらいの成績の悪かったお前が春から大学生になれるんだ。強いコネでもあったのか、それとも実弾でもばら撒いたのか」
通常ではない力が介在した可能性は認めよう。だが、それはあくまで可能性に過ぎない。お前と俺では最後の追い込みの努力の仕方が違っただろう。お前は早々に諦めていたじゃないか。
「それは仕方がないよ。だって谷口はかなり早い時期から進学は諦めていたじゃないか。それに比べてキョンは最後の最後まで諦めなかったんだから」
言いたかったことを国木田が代弁してくれたようだ。ちなみにこの男は谷口が諦めるよりも早く推薦で合格を勝ち取り、早々に受験戦争から離脱して高みの見物を決め込んでいた。
「ちっ、推薦で合格した奴なんかに説教されたくねえよ」
その気持ちはちょっとだけ理解できるぞ谷口。俺も合格が決まるまではそう思ったものだ。だがな谷口、推薦は日々の努力が実を結んだ結果なんだからお前にそれを非難する資格はないと思うぞ。
色々と谷口に言いたいことはあったが、口にするのは止めておいた。一歩間違えれば、自分が今の谷口の立場になっていた可能性もあるからだ。
「くそう、どいつもこいつも俺をバカにしやがって! 見てろ、必ず来年は合格してやるからな! 予備校でかわいい女と知り合いになれても、お前らには紹介してやらないからな」
谷口……そんな考え方じゃ、来年も駄目なんじゃないか。
そんなやりとりをしていると、岡部がいつものように教室へと入ってきた。ハルヒは休みなのか。今日も後ろの席を気にしながら椅子に座る。こんな癖がついてしまったのもハルヒのせいだ。
そんなことを考えながらも、変わらぬ日常が続くと信じていた期待は、岡部が開口一番に告げた言葉により、脆くも打ち砕かれることとなった。
教壇に立った岡部は、教室を見回してみんなが席に座ったことを確認してから、おもむろに口を開いた。
「もしかしたら知っている者もいるかもしれないが、涼宮が留学のため、昨日を最後にみんなとお別れをすることとなった。急なことなのでみんなにお別れの挨拶もできな―――――――」
「なんだって!!」
思わず立ち上がって叫んでしまった。岡部の告げた内容はそれほどに予想外のものだったからだ。教室にいる全員の視線が集中する。
「あ、いや」
コホンとひとつ咳払いをして、俺は静かに席に座った。
188非日常は突然に ◆mj1HydLja6 :2008/05/25(日) 03:09:59.61 ID:aG6UyerR0
クスクスと笑う声や、「もしかしてキョン何も知らされてなったのか、あれだけ傍にいたのに」といったヒソヒソ話が教室のどこからともなく聞こえてくる。だが、そんな声は耳に入らないくらい俺は戸惑っていた。
どういうことだ。そんな話はまったく聞いてないぞ。朝倉じゃあるまいし、この時期に外国に行くなんて。これは宇宙的、未来的、超能力的な力が介在しているに違いない。となれば、すぐにでも長門か古泉に相談せねばなるまい。
すぐにこの後とるべき行動を考えることができたのは、この三年間で俺の危機対応能力が向上したせいなのかもしれない。
岡部の言葉を聞いた後は、すべてのことに上の空で黒板の上にある時計を見つめ、ホームルームが終わるのをと今か今かと待ちわびていた。


あまりにも予想外の出来事に、ホームルームで何をしたのかほとんど覚えていない。そもそも大学合格は既に決まっているのだから、高校に毎日来なくてもいい気がするくらいなのだが、SOS団は年中無休で活動中なのだから仕方がない。
休み時間のチャイムが鳴るや否や、教室を飛び出して古泉のいる9組へと向かった。ホームルームの最中に何度かメールは送ったのだが、一向に返事がないので直接会いに行くほかない。
一応、九組に行く途中で長門の教室を見回したが、案の定長門の姿は見当たらない。おそらく文芸部室にいるだろう。ここからはちょっと遠いため、まずは古泉に相談してみよう。
廊下を小走りに駆け抜けている最中に、ふと二年前の冬にもハルヒが消失した事件があったことを思い出した。あの時は確か九組自体が北高から消失していたっけ。
八組の向こうにある九組が視界に入り、少しだけ胸を撫で下ろした。早速、教室の中に入り古泉の姿を探すが、古泉の姿はどこにも見当たらない。
「すみません、古泉がどこに行ったか知りませんか」
すぐそこにいたポニーテールの女子に尋ねると、少しだけ首をかしげた後、隣にいた眼鏡っ娘に話を振る。
「そういえば、今日は古泉くんの姿を見てないわね。ねえ、古泉くんって今日休んでたっけ?」
「え、さあ、知らない。でも、古泉くんもう大学合格してるんでしょ。だったら無理に来なくてもいいんじゃない。他にも来てない子たくさんいるし……」
「ほら、彼、例のSOS団の……、古泉くんは休みたくても、涼宮さんが許してくれないのよ」
「あ、そっか。でも、今日は朝から見てないわよ。休みなんじゃないかしら。いまごろは涼宮さんとデートでもしてるんじゃない」
「それはないわよ。涼宮さんの彼氏は彼なんだから。古泉くんはフリーって聞いてるわ」
「え、そうなの。だったらわたしが彼女に立候補しとけばよかったなあ」
「あんたじゃ無理よ。せいぜい親しい友人止まりが関の山だわ」
その場にいた数人の女子が話題を膨らませ、だんだんと話が逸れてきたので、早々に九組から立ち去ることにした。
今のところ周囲に常識を逸脱した現象は生じていないが、何度も非常識な経験をした本能が重大な危機であることを訴えかけてくる。
189非日常は突然に ◆mj1HydLja6 :2008/05/25(日) 03:11:09.45 ID:aG6UyerR0
休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴ったため、いったん教室に戻り、さっきのホームルームと同じように時計と睨めっこしながら、早く休み時間になれと心の中で念じていた。
ふと、視線を前方の席に向けると、谷口がニヤニヤとした顔でこちらを見ていた。
「天罰だ! 俺を見捨てて大学に進学なんかするからだ」
谷口の心の声が聞こえてくるような気がした。谷口のニヤニヤ顔がとても小憎たらしく感じてイラつきを覚えていると、国木田が俺と谷口の様子に気づき、谷口の背中をつついてたしなめる。
谷口は疎ましそうに国木田を一瞥した後、拗ねたような表情をして前を向いた。
くそう、谷口の奴め! こっちはお前とじゃれあっている暇などないのに。
俺は谷口から目をそらし、時計をにらみながら、秒針がゆっくりと動いていくのを凝視していた。


ようやく休み時間になったので、俺は早足で廊下を駆け抜け、文芸部室のある旧館へと向かった。教室を出るとき、谷口が俺に声をかけようとしていたがあえて無視した。
胸にこみ上げてくる不安を抑え冷静になれと自分に言い聞かせながら、文芸部室の扉の前まで来て深呼吸をした後、おもむろに扉を開ける。
だが、そこには見慣れたショートカットの少女の姿はなく、ただ雑然と長机と椅子が並べられているだけであった。
この状況を目の当たりにして、非常識な経験をしたことがない頃であれば、偶然長門と古泉の休みが重なったと信じることができただろうか。あいにく、いまの俺の脳みそはそこまでお気楽な思考回路をしていなかったらしい。
確信した。俺の知らないところで何か常識外の現象が起きているに違いない。
だがこれは、いよいよもって危機的状況だ。前回ハルヒがいなくなったときは長門がいてくれたが、今回は誰一人ヒントをくれるものがいない。途方にくれかけた俺は藁をもつかむ気持ちで最後の砦である朝比奈さんの下宿先へと足を向けた。
まだ、学校は終わっていなかったが、そんなことを心配する余裕はなかった。だいたい授業のほとんどは自主学習の時間に当てられているし、大学合格が決まっているのだからこれ以上勉強する必要がないからな。
もし、下宿先の朝比奈さんまでもが消えていたらジ・エンドである。まったくヒントのない問題すら分からない難問を解けと言われているのに等しい状況に陥ることになる。
下駄箱に上履きを放り込み『もし朝比奈さんがいなかったら』といった不安に押しつぶされそうになりながら校門付近まで来ると、そこには見慣れた黒い車が止まっていた。
後部のドアが開き、妙齢の女性が下りてきて俺のほうに一礼をする。
「森さん……」
「唐突な状況の変化に戸惑っていらっしゃるご様子で」
落ち着き払った様子でそう言い放った森さんの様子を見て、ほんの少しだけ安堵した。森さんの落ち着いた様子から、予想に反して重大な事態には至っていないのではないかと思ったからだ。
「森さん! いったい何があったのですか? ハルヒがいきなり留学するだなんて……」
「疑問に思うことはたくさんあろうかと思いますが、まずはお乗りください。お話は車の中で」
森さんは片手を車の方向へと差し出して、車に乗るように促した。森さんを一瞥してから車に乗り込むと、運転席には新川さんが座っていた。
190非日常は突然に ◆mj1HydLja6 :2008/05/25(日) 03:11:59.05 ID:aG6UyerR0
朝比奈さんが誘拐されたときの状況が頭をよぎる。あの時も確かこの布陣だった気がする。バタンとドアが閉まる音がして、車はゆっくりと動き出した。
「さて、涼宮さんのことですが……」
じっと森さんの目を見つめると、少しだけ口ごもった様子を見せた後、彼女は普段の様子で淡々と語りだした。
「実は、わたくしどもはどうやら涼宮さんに関して重大な思い違いをしていたようなのです。そして長門有希、朝比奈みくる、古泉一樹の属するそれぞれの勢力による話し合いの結果、わたくしどもはひとつの結論に到達しました。
それはわたくしどもも十分納得できる結論であり、情報統合思念体や未来人の勢力も賛同したのですが、古泉はその結論に納得がいかず、わたくしどものもとから飛び出してしまったのです」
いきなり突拍子もない話を聞かされ、俺は目を白黒にして戸惑うしかなかった。そもそも、森さんの言っていることが今回の件にどう関係しているかすらよくわからない。
「森さん! 言ってる事がよくわかりません。ハルヒは無事なんですか? 古泉はいったいどうなったのですか? その結論とはいったい何なのですか?」
立て続けに質問をぶつけると、森さんは一瞬だけ暗い表情をしてうつむいた後、顔を上げてじっと俺の目を見つめて言った。
「いまは、わたくしどもの導き出した結論をお伝えすることはできません。ですが、いつか必ずお伝えすると約束いたします。古泉に関してなのですが、いまわたくしどもも探している最中です。近日中に保護できると思っております。
後、涼宮さんの件なのですが、あなたがあの方にお会いになれば、涼宮さんの面影を見ることになるでしょう。そのときは、きっとあなた様も納得されると信じています」
森さんの説明を再び聞いても、やはり状況がよくわからなかった。むしろ何かを誤魔化そうとしているような感じさえ受けた。それを問い詰めようと口を開こうとした時、運転席から新川さんが口を挟んできた。
「不審に思われていることは重々承知してますが、これで納得してください。森は古泉が小さな子供の時から、あいつのことを知っているのです。わたしもそうです。我々にとって古泉は家族も同然なのです。
だから、古泉やその大切な友人であるあなたが困るようなことをするつもりはございません。今日はただ一言『安心してください』ということをお伝えしたいがために、あなた様の前に参上したのでございます。
今は説明を十分にはできませんが、どうぞお察しください。決してあなたや古泉にとって悪いようには致しませんから」
そう言い放った新川さんの声には無言の圧力のようなものがこもっており、これ以上何かを問いただすことができなかった。しばらく車内に沈黙が流れた後、車は俺の自宅の前で停車した。
「何もご心配なさらず普段どおりお過ごしください。そのうち、あの方があなた様の前に現れて、すべてをご説明されるはずですから」
無言のまま車のドアを開けて、自宅の前へと降り立つと、バタンとドアの閉まる音が背後でして、車は何事もなかったかのようにそのまま滑るように走り去っていった。
ふと、森さんの言葉を思い返して、あるキーワードが心に引っかかった。
『あの方』
ハッとなって、車の走り去った方向を振り向くが、そのときにはもう車の姿は見えなくなっていた。
191非日常は突然に ◆mj1HydLja6 :2008/05/25(日) 03:15:36.25 ID:aG6UyerR0
以上です。
一応、4章まで続く予定なので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
では、失礼します。
192涼宮ハルヒの短冊:2008/05/25(日) 03:41:01.40 ID:GD8KPnZ00
投下します
22日木曜日のプリンに投下した続きです。
前回は保管庫にあります。ttp://vipharuhi.s293.xrea.com/dat/1211360953.dat
本作は退屈の「笹の葉」の続編?のような作品なので
「笹の葉」を思い出しながら読んでいただければ幸いです。
193涼宮ハルヒの短冊:2008/05/25(日) 03:41:56.16 ID:GD8KPnZ00
「キョン君、急いで”私”と3年前に行ってね。」
朝比奈さん(大)はそう言うと部屋を出て行った。
俺は考える。ハルヒに地球を逆回転するというアホな発想を諦めさせる方法を。
しかしなぜ3年前の七夕なんだ?昨日に戻って笹の葉に短冊をつけることを断念させればよかったんじゃないのか?しかし、未来の俺は3年前に行って問題を解決しているのだから解決法がないわけではないようだが、どうすればいいか皆目検討もつかん。
俺は弁当を食べながら、部室のパソコンで意味もなく七夕について調べながら考えた。
織姫と彦星はベガとアルタイルのことで、距離は地球から25光年と16光年。ってんなことどうでもいいか。

おれが有効な解決策を示せずにいると古泉と長門が入ってきた。
「先ほどの会話を聞かせていただきました。
この問題の解決にはあなたが3年前に行き何かをしなければいけないようです。その何かが現状ではわからないということですね。」
頼んでもいないのに演説をはじめやがった。
194涼宮ハルヒの短冊:2008/05/25(日) 03:42:53.04 ID:GD8KPnZ00
「まず、短冊に地球の自転のことを書かないように仕向けるということが考えられます。しかしこれは困難でしょう。なぜなら、3年前の凉宮さん本人が、三年後の自分が「地球の自転を逆にしてほしい」というお願いを短冊に書くことを知らないからです。
察するに凉宮さんに短冊に書いた願い事は叶わないと思わせることができればよいのではないでしょうか?」
「それこそ無理だろ。」
「そうでしょうか。凉宮さんは常識人です。理路整然と説明すればわかると思いますが。」

「長門。何かいい方法はないのか」
「わからない。ただし、涼宮ハルヒとの接触は23時以降は避けるべき。」
そして、少しの間があり
「これ。」
そういうと2枚の短冊を差し出した。
その短冊はほとんどが余白で隅に1つには「織姫宛」、もう一方には「彦星宛」と書いてある。
なんの説明もなしに渡されても困るんだが。
長門はすでにハードカバーに目を落としていた。
やれやれ
195涼宮ハルヒの短冊:2008/05/25(日) 03:43:36.52 ID:GD8KPnZ00
俺も解決策を見いだせない。ここはみんなで知恵を出し合うに限る。俺は、昨日の出来事を古泉にすべて話す。
「なるほど。どうして3年前なのか、わかりました。」
古泉はにやにやとした顔で
「要するにあなたは、3年前の涼宮さんに絶対的に信頼されているというわけですね。なら話が早い。」
古泉は饒舌になる。
「こういうのはどうでしょう。
七夕の日に短冊に願い事を書いても織姫、彦星からは小さすぎて見えず無意味だ。
と涼宮さんに言えば短冊に書いた願い事は叶わないと考えるのでは。」
「まじめに考えろ。」
「僕は真剣だったんですが」

そこに朝比奈さん(小)が入ってきた。
「キョン君今すぐ3年前に遡航してください。」
「いやそれが解決法がまだわからないんですが」
「えっとその?とにかく今すぐじゃないとだめなんです。」
なぜ、急ぐ必要があるのだろう、とは言わなかった。朝比奈さんはこう見えても未来人である。今すぐ行く方がいいというならばそうなのだろう。
「わかりました。行きましょう。」
そして、俺は朝比奈さんと時間遡航した。
196以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 03:44:43.44 ID:kDnCxOzH0
sien
197以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 03:44:53.16 ID:ysxxECr1O
支援
198涼宮ハルヒの短冊:2008/05/25(日) 03:48:45.83 ID:GD8KPnZ00
気づくとそことは夕方の北高だった。制服を着ているのでばれることはないが、一応部外者なので高校の外に出る。
俺と朝比奈さんは行くあてもないので例の公園に向かい、作戦会議を開くこととなった。

「これから何をしましょう。なんかヒントとかは聞いてないんですか」
「いえ、何をするかはキョン君が知っているって聞きましたけど」
「一旦帰って、作戦を立ててからもう一度この時間にくるのはだめなんですか」
「それはできません。」
いったい俺にどうしろというのだ。

まあ文句を言っても始まらない。まじめに解決策を考えよう。
まず、いつハルヒを待ち伏せるかを考えよう。
東中で絵を描き終えた後のハルヒを待ち伏せ、東中と離れた場所で声をかけるか。

いや待て。長門はなんと言った。
「涼宮ハルヒとの接触は23時以降は避けるべき。」
なぜ?
いや理由など考えないでおこう。長門が言うからには間違いない。
とにかく俺は23時までにすべてのミッションを終えなければならないということになる。
199涼宮ハルヒの短冊:2008/05/25(日) 03:49:34.18 ID:GD8KPnZ00
俺が昨日この時間に来たのは確か9時ごろだ。朝比奈さんがそういっていた。遡航してから朝比奈さん(大)と出会い、東中に行くまでに1時間。ハルヒの指示で絵を描いたのも1時間ぐらいはかかっているはずだ。
ということは俺が絵を描き終え、ハルヒと別れたのは11時前後。
確実に11時までに終わらせるにはハルヒが絵を描く前に接触する方が安全だ。

しかし俺はハルヒの家がどこにあるのか知らない。よってハルヒに会うためには東中で待ち伏せるしかない。
いや待て。昨日の俺はもう一人の自分には会っていない。ということは俺は昨日の俺と接触することは避けるべきだ。東中の正門付近で待ち伏せるともう一人の俺に会う可能性がある。危険だ。
どうしたらハルヒに会えるんだ。説得する前に会うこともできんのか。完全にお
手上げである。
そのとき、俺の視界にそいつが入ってきた。ハルヒが公園の前の道路を歩いてい
た。幻覚ではないかと自分を疑うほどのタイミングのよさだ。
俺はとっさに朝比奈さんの手を引きハルヒの後をつけた。
200涼宮ハルヒの短冊:2008/05/25(日) 03:51:46.79 ID:GD8KPnZ00
ハルヒを尾行しながら考える。どうやってハルヒを説得するか。いい案が全く思い浮かばん。俺に発想力や創造力を求めるのが間違っているのさ。いくら考えても埒があかず時間を浪費するだけなので古泉案を採用することにしよう。仕方ない。

ハルヒは見慣れた道を登っていく。
まさかとは思ったが、そのまさかだった。北高が見えてきたのだ。
あいつ、北高になんのようだ。当然ハルヒは当時中学生で北高とは縁もゆかりもないはずである。そんな俺の予想を見事に裏切りハルヒは正門を通りすぎ、北高の裏にある山に入っていく。
そういうことか。昨日ハルヒが同じことをしていたことを思い出す。ハルヒは笹の葉のついた竹を盗みにきたのだ。3年経っても成長していないハルヒであった。
竹を折ろうとするハルヒに声をかけ、、

いや、まて、ダメだ。東中でハルヒと会ったとき俺は初対面だった。ここで声をかけるとつじつまが合わなくなってしまう。

誰か代役を立てる必要がある。一旦元の時間に戻って作戦を立て直すか。
しかし、それだと朝比奈さんが俺を急がせた理由がない。朝比奈さんが時間遡航を急がせたことから考えて、おそらくこの場で解決するのが正解だろう。
となると、代役は朝比奈さんしかいない。朝比奈さんに任せるのはかなり不安だが、それ以外に方法はない。やむを得ん。
201涼宮ハルヒの短冊:2008/05/25(日) 03:56:20.55 ID:GD8KPnZ00
俺は朝比奈さんに作戦を告げる。
朝比奈さんは困惑していたが、腹をくくったようだった。
朝比奈さんがハルヒに近寄る。
「あの。何してるのかな。」
朝比奈さんは優しく微笑んだ。
「誰?」
世界中の人々を和ます笑みを、あろうことかハルヒは不審者を見る目で睨み返している。
朝比奈さんは困惑し答えに困っている。
「私はそのここの高校の生徒よ。」
若干かみ合っていないような気もするが。
「で何の用?」
「わ、私も竹をもらいにきたの。部室に飾ろうと思って」
「ふうん、変わっているわね。」
おまえが言うな。
「あなたも竹を持って帰れるつもりなの?短冊にはなんて書くつもり?」と朝比奈さん。
「なんでそんなこと教えなきゃいけないのよ。」
朝比奈さんは一瞬躊躇して
「私が願い事を書くとしたら『信頼される人になりたい』かな」
「どうして?」
「私の周りにはいろんな人がいて、いろんな事件がおこる。でも、私はみんなの役に立てないの。だから、、、、
私ったら何言ってるのかしら。変なこと言ってごめんね。」
202涼宮ハルヒの短冊:2008/05/25(日) 03:57:35.10 ID:GD8KPnZ00
「短冊にお願いする?そんなことだから信頼される人間になれないのよ。願望は他人にすがっちゃだめよ。自分で切り開くものよ。
私は世界一面白い人生を送ろうと思っているの。でもそれは祈ったり、待っていてもやってこないわ。行動を起こさないと夢は実現しないから。
私は短冊にお願いを書いたりしないわ。『わたしはここにいる』そう書くつもり。織姫と彦星に私の存在を伝えるの。
あんたも、信頼される人になるために努力しなさい。きっと報われるから。」
朝比奈さんはハルヒの話を熱心に聞いていた。どっちが年上かわからんな。
「ありがとう。なんか元気が出てきた。」
朝比奈さんはにっこり笑った。
朝比奈さん?目的を覚えていますよね?俺は不安になる。
「じゃあね。がんばりなさいよ」
ハルヒは帰ろうとする。
「待ってください。」
朝比奈さんは真剣な顔で言う。
「ねえ、知ってる?短冊に願い事を書いても願いはかなわないの。織姫と彦星はとても遠くにいて、短冊は小さいからなかなか見つけてもらえないの。」
みごとにかみ合っていないな
ハルヒは不審そうな顔をする。
「あんた、本当に変わってるわね。もしそうだとしても、大きな短冊を作ればいいじゃない。」
「えーと、その」
朝比奈さんは何一つ反論できなかった。
「まあ、いいわ。あんたのおかげでいいこと思いついたわ。」
ハルヒはニヤっと笑う。
「これ、あげるわ。」
ハルヒは竹を差し出した。朝比奈さんはわけがわからにまま竹を受け取っていた。
203以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 03:58:31.77 ID:OZKWP99D0
支援!
204以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 03:58:46.03 ID:OZKWP99D0
連続支援!!
205涼宮ハルヒの短冊:2008/05/25(日) 03:59:25.27 ID:GD8KPnZ00
朝比奈さんはハルヒが見えなくなってから、竹藪に隠れる俺のもとに駆け寄った。
「あれでよかったんでしょうか」
「おそらく、大丈夫だと思いますよ。」
朝比奈さんは安堵の表情を浮かべた。

ハルヒの思いついた「いいこと」とは何か。だいたい察しが付く。あいつは短冊の代わりに中学校の校庭に絵を描くつもりだ。
まさか、ハルヒに校庭落書き事件を思いつかせるきっかけを作ったのが俺たちだとは予想もしなかった。
問題は解決した。さあ、帰ろう。

ん、なにかおかしいような。
ハルヒは朝比奈さんとの会話で校庭に落書きすることを思いつく。
校庭に落書きするときジョンスミスと出会う。
このことがきっかけとなり北高に入学しSOS団を立ち上げ、部室に竹を飾る。

おかしい。もし朝比奈さんとの会話がなければハルヒはSOS団に入ることもないし、地球の自転が逆転することもない。
逆に朝比奈さんとの会話によって校庭落書き事件が起こりSOS団ができて地球の自転が逆転することになった。
つまり、朝比奈さんの会話によって間接的だが、地球の自転を逆転させる原因を作ったことになる。

これではダメだ。
ハルヒは完全に見失っている。もうどこにいるかわからない。
どうする?俺たちに残された方法は1つしかない。

東中で絵を描き終えたハルヒを待ち伏せるしかない。
長門の示したデットライン11時までに絵を書き終えてくれるのを願おう。
俺と朝比奈さんは東中に向かった。
206以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 03:59:37.21 ID:OZKWP99D0
深夜なのになんて豊作なんだ! くそう、ゆっくり読んでレスしたいぜ!
207以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 04:00:26.45 ID:kDnCxOzH0
しえn
208涼宮ハルヒの短冊:2008/05/25(日) 04:04:04.92 ID:GD8KPnZ00
今日はここまでです。
支援してくださった方ありがとうございます
前回はプリンスレ復活にあわせてみきり発車で書いたため、
辻褄あわせに苦心しましたがなんとか目処がつきそうです。
また近いうちに完結編を投下します
209以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 04:05:53.77 ID:OZKWP99D0
乙!
210以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 04:08:41.41 ID:ysxxECr1O
>>191 >>208
乙!
続きwktkだぜ。
211@株主 ★:2008/05/25(日) 04:22:04.09 ID:nRSrbpwg0
株主はアレか、NGで見えないのか。
どんなに書いてもだめなのか。
212@株主 ★:2008/05/25(日) 04:22:12.00 ID:nRSrbpwg0
株主はアレか、NGで見えないのか。
どんなに書いてもだめなのか。
213@株主 ★:2008/05/25(日) 04:22:14.80 ID:nRSrbpwg0
株主はアレか、NGで見えないのか。
どんなに書いてもだめなのか。
214@株主 ★:2008/05/25(日) 04:25:22.61 ID:nRSrbpwg0
株主はアレか、NGで見えないのか。
どんなに書いてもだめなのか。

それって差別でしょ!!
215@株主 ★:2008/05/25(日) 04:30:08.10 ID:nRSrbpwg0
@株主 ★ってコテにはいるのかな  beも出てないしおkかな?
216@株主 ★:2008/05/25(日) 04:34:19.59 ID:nRSrbpwg0
アウトかな?
217以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 04:40:19.08 ID:yWRlkEBD0
まだ粘着してたんだ
さて★と株と@とIDを別々にNGぶっこんでおk(笑)
218@株主 ★:2008/05/25(日) 05:01:06.51 ID:nRSrbpwg0
俺粘着じゃねーし

そんなにNGにしたらめんどくさいでしょ!! やめときなさい!
219以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 05:59:32.94 ID:5boAA3e7O
「…じゃ、揉むぞ…」
ふにふに

何よ、あの時は力いっぱい乱暴に揉んできたくせに、何遠慮してんのよ。
もみもみ
…なんか、変な気持ちになってきたかも…。
もみもみ
「ふっ…ぅっ…!」
…!声出ちゃった…。
もぞもぞ

ってちょっと!なんで服の中に手入れてんのよ!…あっ!
コリコリ
乳首は…だめ…っ!
「ひゃ…ん……あっ…」
キョンが私の乳首弄るたびに…意思に反して体が動いちゃう…。

「ハ・ル・ヒ」
ぞくぞくぞくっ…!

やだやだやだ…なんで耳元で囁くのよ…。なんか、あそこが熱くなっちゃったじゃない…。
ぺろ
「あんっ…」
…耳…舐めちゃ駄目じゃないの…。
220以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 06:11:22.76 ID:5boAA3e7O
「…キョン…」
「なんだ?」ペロツ
ちょ、ちょっと、私が何か言うときくらい舐めるのやめなさいよね。
…気持ちいいから、やらせてあげるけど。

「…揉むの、上手だったわよ。」
「そりゃよかった。」
「ご褒美…欲しい?」
「………。」
沈黙はYesと受け取っていいのよね?
キョンの膝の上から降りる。
制服がスカートなのって、これのためなんじゃないかしらね?

するっ…
ショーツを脱いで、足から抜く。
キョンに背中を向けて、両腕を肩に水平に伸ばす。
「…好きにして…いいわよ?」
「…やめるなら今だぞ、始まったら歯止め効かなくなるからな。」
「…うん。…ただ、ね…?……優しく…してね?」
「了解だ」

ひょいっ

あっ…。あ、これって…お姫様だっこってやつよね?
…あはは、私…キョンにだっこされてる…。
…変なの、すっごく真剣な顔してる。キョンも初めて?
首にかじりついてあげる。される側もこれくらいサービスしてあげないといけないだろうしね。
221以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 06:58:19.53 ID:5boAA3e7O
どさっ
…ベッドに到着。
あえて説明省いてたけど、ここ、キョンの部屋ね。
ありがちな『家族が留守』ってやつよ。学校帰りに言われたから、特別お洒落してなくてちょっと寂しいかしらね。
「…しまった。」
「…?どうしたの?」
「…ゴム、買ってなかった。」
あらら…。生でやらせてあげてもいいんだけど、子供できちゃったら今のご時世、何言われるかわかったもんじゃないからね…。
「…仕方ないな。…よし、ハルヒ!」
「?」
「イメプレするぞ」
イメージプレイってこと?教師と生徒とか、レイプ魔とか。
…はっ、まさか…レイプ魔に扮して中出し…とか…?
「痴漢プレイってわかるよな?」
「…ええ。その言葉通りでいいのなら。」
「…で、だ。…その逆、痴女プレイってのを…してみたい。」
…何よそれ。
「頼む。…ちょっとした夢なんだ。」
…仕方ないわね。
「どうしてあげたらいいの?言っとくけど、技術とかは一切ないわよ。」
222以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 07:09:16.83 ID:H2fMuiTjO
ちょwwwエロいなwww
でもわっふるわっふるw
223以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 08:20:12.99 ID:5boAA3e7O
「なんてことない、たって、エロいことをしてくれ」
「くれ…ってことは、私がするわけ?」
「イメージプレイだぞ?シチュエーションは…」
ただの男子高校生
毎朝見とれてた女子高生の隣に初めて立った
満員電車、気がつけば股間に違和感、女性の手
辿っていくと、憧れの女の子が悪戯めいた表情を俺に向けている
余っていた手でスカートの中へ誘導されたら、中はノーパン
満員電車内で互いの性器を愛撫しあう
次第にエスカレートして、女子高生はほぼ半裸状態に
最終的にはスマタでフィニッシュ

「ってやつ。中に入れないし、これなら満足。」
「…あんた、妄想激しいわね…。」
「…ハルヒと電車乗った時、思い付いたんだよ。」

「ま、いいわ、やってあげる。立ったままってのは、ちょっと面白そうだしね。」
224以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 08:30:50.60 ID:5boAA3e7O
キョンと向かい合って立つ。
顔は見ないのよね、あんたが気付く場面まで。
…ちょっと、もうズボンにテント張ってるじゃないの。される前から勃ってたらあんたも痴漢じゃないの。
…ふふ、痴漢と痴女、電車で居合わせたら…すごいことになりそうよね。

さすさす

ズボンの上から撫でる。…なかなかおっきいじゃない。いざ本番で、ちゃんと入るか心配だわ。
「あっ…」
ん、これは気付いた合図でいいのかしらね。ノリノリね、キョン。
なんか私も楽しくなってきちゃったわ。
ニィーッ
ほとんど本気の悪戯フェイスよ、堪らないでしょ?
ほら、そろそろ私を気持ち良くしなさいよ。
スカートの中にキョンの手を入れる。
ひゃっ…キョンの手、冷たくて…気持ちいい…。
さすさす  クチュクチュ
…キョンはずるいわ、直接触るなんて。
私だって、キョンのを直接触ってやるんだから!
ジィィ…ポロン
「ひゃあっ…!」
…何コレ…?実物見たのは初めてだけど…。
なんか…グロいわね…。
225以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 08:32:03.41 ID:CbrZOkVjO
わっふる
226以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 08:40:46.57 ID:5boAA3e7O
ぎゅっ
…あったかいわね。そりゃそうだけどさ。
シコシコ クチュクチュ
お互い立ったままで体くねらせながらエッチな部分触りあってるなんて、変態よね。
でも…頭の中ぼーっとして、気持ちいいわね…。
…もっと、してほしいわ。
もう片方の手、空いてるじゃない。おっぱいも気持ち良くしなさいよね。
…あ、そっか、イメプレだったもんね、私が誘導しなくちゃいけなかったんだわ。
ほら…触って?どっちでもいいわよ?
もう…焦らさないで!早く触ってよ!
…じれったいわね、ほら、脱いであげたわよ!ブラもフロントホックだから、すぐにおっぱい見えちゃっていいでしょ!?

だから…ねぇ、早く触ってよ…。焦らしプレイなんて…やめてよ…。
せつなくなっちゃって…あそこ、熱くなって…。
227以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 08:50:07.16 ID:5boAA3e7O
さわっ…
「ん…っ!」
冷たい手で乳首触られたら…すっごく気持ちいいのね…。
今度氷当ててみようかしら…。

シコシコ クチュクチュ モミモミ

…女って、しごくくらいしかできることないわね。
つまんないわ。
キョンの服脱がせて乳首舐めたら喜ぶかしら?
…ピンとこないわね。早く別の方法でやってあげないとかわいそうよね。

…でも、スマタってどうやればいいのかしら?
向かい合ったままだと…無理よね、多分。
と、なると、キョンに背中向けて、半ば抱き抱えるような体勢にならないと駄目よね。

くるっ

…そっか、イメプレよね。
キョンのを私の股に挟んで…ちょっとだけ前後に動いてあげればいいかしらね?
シュッ…シュッ…

あ…これ、いい。
お豆に当たって…すごく気持ちいい…。
も、もっと…。もっとシュッシュッってして…!
228以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 08:56:02.53 ID:5boAA3e7O
「ねぇ…キ…(イメプレだから名前知らないって設定よね)…きみ、出したくない?」
「…出したい、です。」
「中はしてあげられないわ…けど、上の口でなら…いいわよ?」
「…!」
「…次の駅で降りましょ、個室でじっくり気持ち良くなりましょうよ。それまで、頑張ってちょうだい。」
…私、ノリノリね。『次の駅』なんて。
キョンもしっかり頑張ってるし。面白いわね、イメプレ。

ちょっと時間が経ってから離れる、駅に着いたわよ、なんてね。
…ちゃんと、移動もしないとアレよね?…どうせ家族もいないし。
扉を開けて、トイレに向かう。足を伝って愛液垂れてる感じがするけど…あとで拭けばいいわよね?
その時に奴隷のイメプレしてもいいんじゃないかしら?
もちろん………ううん、私が…奴隷役…してみようかな…。
229以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 08:59:32.30 ID:/iX91lro0
朝っぱらからなんてものを!
わっふるわっふるわっふr(ry
230以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 09:02:20.58 ID:5boAA3e7O
トイレに入る。
「さ、座って?」
私の中では、足の不自由な人とかが入るトイレにいるつもりよ。
あそこ駅トイレでも洋式だし、人入ってること少ないし。
「こう…ですか?」
ふふっ…敬語のキョンなんて、滑稽ね。
聞きたくなったらいつでもイメプレを持ち掛ければいいなんて、これはいいわ。
「…お口で、してあげるわね。」

…とはいっても、初めてよ?
やり方なんてネットで知ってるくらいで…。
えっと、歯が当たったら痛いらしいから、唇で歯を包んであげるといいのよね。
ちょっと間抜けな顔になるんじゃないかしら?
でも、痛かったらいつまでもイケないから、そうは言ってられないもんね。
あと、じゅぽじゅぽってエッチな音たてるようにしたら、興奮するんだっけ。

…ふふ、キョン。
上手くいってたら…お口で受け止めて、ゴックンしちゃってもいいわよ?
231以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 09:04:24.75 ID:WOGUercyO
わっふぉーわっふぉー
232以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 09:08:27.30 ID:CbrZOkVjO
ふぅ・・・・
233以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 09:29:09.72 ID:CbrZOkVjO
どんな焦らしプレイだ・・・・ワッフルワッフル
234以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 09:35:44.81 ID:5boAA3e7O
…なんかぬるぬるしてるわね。
私ので…濡れちゃってるのかしら。
でも、男も濡れるのよね、確か。
…変な味、しないでしょうね…。まずかったら承知しないんだから。
「…んっ」
…しょっぱいわね。
ジュポッ…ジュポッ

あ、なんか…味、無くなった。っていうか…なんていうのかしら。
くさい…んだけど、なんか…興奮しちゃう…。
私、匂いフェチだったのね…知らなかったわ。
味も、なんていうのかしら、肉棒の味?って感じかしら。…我ながら変態ね。

あんまり勢いよくやっても駄目なのよね、確か。
このカリの部分とか…
「うっ…」
裏スジとか…
「…っ!」
もみもみしながらしゃぶるのも…効果的なんだっけ?

「…!…で、出ちゃいそうです…!」
あら…ほんとに?つまり私って、初めてにしてはよくできてるってことよね?うふふ…気分いいわね。
ウィンクして、そのまま出すようにサインを送ってあげるわ。
「うっ…!あっ…!」
!!!?
235以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 09:42:25.88 ID:5boAA3e7O
…このバカキョン。
いきなり頭掴んで根本までくわえさせて、どういうつもりよ。
精液も口いっぱいに出して、零れちゃうかと思ったわ。

…ちょっと興奮しちゃったじゃない。

キョンを見つめる。ぼーっとした顔、間抜けね。
ちょっと口開けて、あんたの精液が私の口いっぱいにあるのを確認させてやるわ。

ごくり

わざと音がなるように飲み込んでやったわ。どう?エッチじゃない?
…なんか喉に絡み付くわね。あとで水飲みましょ。
「どうだった…?」
「…すごく…よかった…です。」
あら?まだイメプレは続いてるのね。
まだやることあったかしら?

「今度は、僕があなたを…イカせる番です」
…っ!
言うじゃない…?何してくれるか楽しみだわ。
「…壁に手を…ついてもらえますか?

…何この体勢、あんたに向けてお尻突き出して。…まさか入れるつもりじゃないでしょうね。
236以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 09:53:15.92 ID:5boAA3e7O
ちゅぷ…
「ひゃあっ…!」
何!?指じゃないわね、舌!?
何コレ…指なんかより何倍も気持ちいい!

じゅるじゅるじゅる
「ああぁんっ…!」
…なんてエッチな音出して吸うのよ…。
…もう、なんか…頭の中、気持ち良くなることしか考えられない…。
抵抗しないから…ねぇ、もっともっと…して?

ずぶぶ…グチュグチュ
「あっあっあっ…!」
指ぃ…指まで入れられちゃった…。
中…掻き回してる…あ、そこ…気持ちいい…そこ、もっとぐりぐりして…?
ちゅーっ!
「ああああっ!」
お豆ちゃん…そんな力いっぱい…吸っちゃ…だめよ。
体に…力、入らなく…

クチュクチュクチュクチュクチュクチュ
「あっ、あっだめ!イク、いっちゃう!あっ、やめないで!もっと!もっ……あーっ!!!」
237以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 09:59:54.30 ID:5boAA3e7O
…?
…んー?てんじょう?
まっくらね、ここはどこかしら?
せまいわ、なに?ってかちょっとあついし、あたまもぼーっとしてるわね。

ていっ!

よし、気合い入ったわ。
で、ここは…あぁ、キョンの部屋ね。
…隣で寝てるのは、当たり前だけど…キョンね。

…ちょっと、なんで私裸なのよ?
あ、なんかキョンも裸だわ!こいつ、どさくさに紛れて!

「ああ、ハルヒ…起きたのか。」
「…まあね。」
「いででででで、なんで抓るんだよ!」
「どうして私は裸なのかしらね、あんたも。」
「なんでって、お前がやらせたんだろ!?」
え?
「あの後に暑いから裸になる、あんたも裸にならないと死刑、添い寝しなさい、しないと死刑!ってまくし立てたのはお前だろが。…覚えてないのか?」
…こくり。
「じゃあ、寝る前になんて言ったかも覚えてないとか?」
238以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 10:04:45.89 ID:y0vvrC7lO
今まさに携帯の底力を見ている
239以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 10:07:15.65 ID:CbrZOkVjO
そんなあなたが大好きです
240以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 10:11:31.34 ID:5boAA3e7O
覚えてないわ…。
私、なんて言ったのかしら…。
「……言わないほうが、いいだろうな。」
「ちょ、ちょっと、気になるじゃない!言いなさいよ!」
「…言われた俺が赤面するような内容だったんだぞ、いいのか?」
うっ…そ、そんなレベルなの?

「いいんなら…言うが。」
「……言いなさいよ。」
ドキドキするわ…。

「今度はちゃんとセックスしてあげるから、今日はこれで許してね、あと」
うわああああーっ!いやあああーっ!
「愛してるわ、キョン」

ひいぃーやあああーっ!
恥ずかしい!二倍恥ずかしいわ!
241以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 10:13:30.00 ID:5boAA3e7O
「恥ずかしいのは俺もだよ…こんなセリフ言わせやがって。」
…うぅ…末代までの恥だわ…。

「返事は、ちゃんとしたほうがいいよな。」
「…え?」

チュッ

「セックスしてくれなくても、俺もハルヒを愛してるぜ。」
…ね、寝たふりします!
恥ずかしいの!顔熱いの!
…嬉しいのよ!もぅ!愛してるなんて!

「…でも、やっぱりセックスはしてくれ。…お前見てたら、俺の男がおさまらん。」
…ちょっと台なしな感じ。…でも、正直で偉いんじゃない?
「…してほしかったら、買ってきなさいよね。…わ、私はいつでもOKだから。」
…ね、寝るわ!もうだめっ!

ぎゅっ

…あ。
…仕方ないわね。

………ぎゅっ

抱き合うのって…幸せになれるのね。
こういう時、余計な言葉なんかいらないわ。
こんなに思いが通ってるんだから、言うだけ野暮よ。
……でも、言っちゃうのが私なのかしらね。
「愛してるわ…キョン。」
242以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 10:13:40.34 ID:/LkZPoF0O
しえ
243 ◆vN8PWvI6WE :2008/05/25(日) 10:16:45.19 ID:5boAA3e7O
はい終了ー。

長門シリーズ前に書いた携帯でした。
元々は保守書き込みのつもりがエスカレートしちまったぜ。
やっぱり和姦に限るね。
244以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 10:20:10.97 ID:CbrZOkVjO
245以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 10:20:43.23 ID:8M8tkXNkO
gj
246以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 10:45:30.61 ID:5boAA3e7O
「なぁハルヒ」
「なによ」
「…機嫌直せよー…」
「ふんっ」

知らない、こんなやつ。
昨日私がちょっと部室にいない時に有希といちゃついてたのよ?許せると思う!?
「だから誤解なんだよ…いちゃついてたわけじゃないって…」
「みくるちゃんの目撃証言だってあるんだから!」
「朝比奈さんは一部しか見てないって言ってるだろー!」
何よ、その一部分っての。たまたま居合わせた場面が…

有希とのキスシーンだったっていうの!?ふざけんじゃないわよ!

「キスじゃないって!長門のやつが目にゴミが入ったって言ったから…」
「そんな見え透いた嘘、誰が信じるっていうのよ!」
「はぁ…違うって言ってるのに…。もう…いいよ…。」
バタン

…な、なによ。自分が後ろめたいことしたくせに。なんで私が悪いみたいになってんのよ。…バカキョン。
247以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 10:47:40.44 ID:QyDdXsEOO
止まらないな
248以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 10:49:35.33 ID:5boAA3e7O
みくるちゃんの証言
「はぅぅー…涼宮さん…。
キョン君が…長門さんにキスしてました…。
キョン君は必死に否定してましたけど、長門さんに聞いたら顔を真っ赤にして何も言わないんですよ…。
信じられないです…。涼宮さんがいながら…。」

そうよ。有希が否定してないのが何よりの証拠じゃないの。
バカキョン…。素直に謝れば許してあげてもよかったのに。
あんな嘘つくなんて…最低ッ!


「むっ!」
「どうした古泉?」
「えぇ…実は。…屁が出そうで出ませんでした。」
「死んだらどうだ?」
249以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 10:51:07.11 ID:CbrZOkVjO
台無しw
250以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 10:56:14.60 ID:5boAA3e7O
学校でも、あいつには何にも言ってやらない。
こんな女たらしに現を抜かしてた自分に嫌気がさすわ。
「WAWAWAー…今日はラブラブじゃないんだな、涼宮と喧嘩でもしたか?」
バキィッ!
…うるさい蝿が教室にいるものね。
「たっ、谷口ィー!」


…そうだわ、部室に行ってみましょ。
有希に直々に聞いて、真実を知ろうじゃないの。

ガチャ
「あ、やっぱりいたわ。」
…相変わらず本読んでるのね。
「ねぇ、有希?聞きたいことがあるんだけど。」
「何?」
「一昨日、キョンとキスした?」
…ちょっと、なんで顔赤くするのよ。
「してない。」
…嘘くさいわね。
…どうせキョンに入れ知恵されたに決まってるわ。直接聞いても無駄だったみたいね。最低だわアイツ!

「ぐっ…!」
「どうした古泉!」
「くしゃみが出そうで出なかっ「だから死ねってば」
251以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 10:59:42.48 ID:QyDdXsEOO
これはいい古泉
252以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 11:03:06.08 ID:5boAA3e7O
「ところで、あなたは本当に長門さんと接吻をしてないんですね?」
「…ああ。…まぁ、厳密に言えば…した。事故だが。」
「事故とは?」
「目にゴミが入ったって言うから、近寄ったら…椅子につまづいて、よろけて、ほっぺにちゅっ…っと」
「おやおや…」
「しかも長門ときたら、顔真っ赤にしながら『感謝する』なんて言うんだぞ!?しかもそこを朝比奈さんに見られて!」
「なるほど…」
「キスしたなんて知られたらいくら事故でもハルヒは怒るだろうから否定したんだが…朝比奈さんめ。今回ばっかりは恨むぜ…。」
「なるほど、わかりました。…ちゃんと伝えたほうがいいですよ。彼女は事実より、嘘をつかれてることに腹を立ててるようですから」
「そうなのか…?」
「もちろん、真実を伝える時もなるべく刺激を与えないように頼みますよ?このままでは僕は、次に何が出そうで出なくなるかわかりませんから…。」
「関係ないんじゃないのかそれは?」
253以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 11:06:39.96 ID:XLmD32doO
垂れ流し多いな
254以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 11:08:18.04 ID:5boAA3e7O
何よ…キョンったら。
私というものがありながら…。

…お弁当、一人で食べてもちっともおいしくないじゃない。

…っ。

ぽたぽた…

…何よ。…何で泣いてるのよ、私。
…悔しいのよ、悲しいからじゃないわ!
バカキョン、結局は私より有希を取るのね…。
確かに有希はかわいいわ。無口なのもミステリアスでいいじゃない?
だからって…。最低!


「…」
「ふん…もっ…ふ」
「どうした長門、古泉??」
「尿意が急に顕著に」
「便意が突然僕を…」
「トイレ行けや」
255以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 11:16:28.89 ID:5boAA3e7O
結局、金曜まで仲直りできなかったわ。
不思議探索の召集もしてないし、明日は暇になるわ…。

ジャンジャカジャンジャン♪
…キョンから着信だわ。
…誰が、取ってやるもんですか。
ふん、そうやって着うたを流す役目を果たすがいいわ。
『ロードローラーだっ!』
今度はメール?随分しつこいわね。
何やっても無駄、無駄よ?
…ま、見てやってもいいわ。

fromキョン(はぁと)
明日、部室で待ってる。
正直に全部話す。
俺をまだ少しでも信じてくれてるなら、来てくれ。


…何よ、全部話すって。
…まさか…。
有希に乗り換える…なんて言うつもりじゃ…ないわよね?

…やだ。…やだよ、そんなの。
キョンは私の彼氏だもん。
いなくなったらやだよ…。
私の彼氏だもん…やだよ…。
私のほうが絶対キョンのこと好きだもん…。
256以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 11:20:28.49 ID:5boAA3e7O
…こうなったのも、有希のせいよ。
有希がキョンを誘惑しなかったら、こんなことにはならなかったはずよ。
…白黒つけてやるわ。

ピルルルル… ピッ
「はい」
「有希?ちょっと今からいいかしら?」
「構わない」
「近くのスタバまで来れるかしら?」
「すぐ行ける」
「そ、じゃあ待ってるから」

…あいつに会う前に、有希の気持ちを確かめておくわ。
泣き寝入りだけは絶対しないんだから。
257以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 11:22:18.63 ID:QyDdXsEOO
ロードローラーだっ!
258以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 11:31:28.35 ID:5boAA3e7O
あれ?もういるわ。
私のほうが近いのに…ってかまだ制服なのね。
帰りが遅くて直接来たのかしら?
「こんばんは、有希。早速だけど、本題に入るわ。」
…。落ち着いて、私。
「キョンのこと…好きなの?」
こくり。

…やっぱり…じゃあ…明日の…話は…。
ううん、まだ、諦めちゃダメよ!
「…月曜の、キスのことだけど。してない、って言ってたけど、やったのは知ってるのよ。
…で、あなたからしたの?キョンからしたの?」
「彼から」
…っ!
…だめ…くじけそう…。
有希からじゃないのね…。あぁ…。

「彼が…椅子につまづいて、私の頬に唇が当たって、結果的にはキスをした形になる」

…え?
つまづいて?
しかも、ほっぺ?口じゃなくて?
「私は彼に好意は持ってる…けど、彼はあなたを愛している。
それを邪魔するつもりはない。…ここ最近、彼は思い悩んでいた。
きっと、あなたも。…悪いことをした…。」
259以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 11:38:49.85 ID:5boAA3e7O
「そ…そうだったの。」
こくり。
…ああ…そっか…。
…じ、じゃあ…ただの、はやとちりだったのね。
…むーっ、みくるちゃんめ!月曜はただのメイドコスじゃ済まさないわ!
「朝比奈みくるに問い詰められた時、私は…事故とはいえど、事実は事実として留めておきたくて、黙秘した。
それが彼女を勘違いさせた原因でもある…どうか責めないであげてほしい」
私の頭の中が読めるのかしら…。
「…ごめんね、こんな時間に呼び出して。…要件はこれだけなの」
「構わない。予想はついてた」
「…でもさ、キョンもひどいと思わない!?ちゃんと本当のこと言ってればこんなことにはならなかったのに!」
「…彼が、あなたをそれだけ愛していて、嫌われなくなかったからこそ…。
あなたも辛かっただろうけど、彼自身もとても苦しんでたはず。
それに…あなたはもう、彼に怒りを感じてないはず。素直になるべき」

…ふ、ふん、そんなの、言われなくたって…。
「あなたが、うらやましい。」
260以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 11:42:56.16 ID:5boAA3e7O
「彼に愛してもらえるのが、うらやましい…」
…有希。
「あなたたちは、とてもお似合い。
…だからこそ、少し悔しさを感じている。」
…。
「次、彼に会ったら、きちんと仲直りしてほしい。
さもないと…私が彼をとる」
「そ、そんなのダメ!」

有希は席から離れると、闇夜に歩きだし、振り向いて
「半分冗談」

…な、何よ。
半分本気なんじゃない!もう!


…明日が、次に会う時、なのよね。
…学校だから制服しか着れない…から、髪型くらい変えて行こうかしらね…。
261以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 11:47:11.88 ID:H2fMuiTjO
しえ
262以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 12:03:08.62 ID:XLmD32doO
終わり?
263以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 12:03:55.73 ID:Ti6VYfC3O
お久しぶり
264以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 12:05:50.68 ID:5boAA3e7O
ちょっとお昼ご飯作ってる。
終わり宣言するまで終わることはないので安心して。
265以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 12:13:37.80 ID:XLmD32doO
間に昼飯とか…垂れ流しにもほどがあるだろ。
投下したくて終わるの待ってる人間がいるかもしれないだろ?
266以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 12:17:51.74 ID:QyDdXsEOO
>>265
お前がそうなのか
いや、まぁ俺はそうだ
267以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 12:27:16.08 ID:XLmD32doO
>>266
今日はないけど前にも似たような状況があったから。
バカップル保守みたいな単発ネタの垂れ流しならともかく、こういうネタならちゃんと投下して欲しい。
268以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 12:31:22.46 ID:QyDdXsEOO
>>267
なんか単発で書こうとしたけど結局つづいちゃったって感じだけどな
書きながら投下してるっぽいし
まぁ書き手側にも最低限のマナーがあるってことか
269以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 12:32:19.16 ID:ysxxECr1O
尻穴アッー!
270以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 13:03:33.76 ID:5boAA3e7O
すまんかった。
さっさと終わらせる。
271以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 13:09:36.90 ID:5boAA3e7O
ガチャ…
「…よぉ」
「…ん。」
…なんか、なんて言えばいいか…わかんないじゃない。
…とりあえず、謝るべきなのかしら…?

「…今日は、ポニーテールなんだな」
「…そうよ」
「なんでまた?」
「…なんとなくよ」
…素直になれないのって、損ね…。

「あのさ」
「う、うん、なぁに?」
「…長門とのキスのことなんだが…」
「あ…うん」
「あれは…やってないってのは、厳密に言えば嘘なんだが、事故だったんだよ!し、信じてくれ!」
…最初から、そう言ってくれてたら、私もあんな苦労することなかったのになぁ…。
「目にゴミが…って下りは話したよな?あの時、つまづいて…ほっぺに…唇が当たっただけなんだよ…。
け、けど、嘘をついたのは…事実であって…。ごめん!」
272以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 13:15:55.57 ID:5boAA3e7O
ぎゅう

「ハルヒ…?」
「知ってる。…昨日、メールもらった後、有希に直接聞いたの」
「な…そうだったのか」
やれやれ…なんて呟いてる。人の気も…知らないで。

「私ね、不安…だったんだよ?」
「何がだよ?」
…。
「…ぜんぶ…はなすからって…わたし…グスッ…キョンが…わかればなしするんじゃないか…って…」
最近の私…よく泣くわね…。
仕方ないじゃない…出る涙は止められないわ…。
「ハルヒ…」
「それで、ゆきに…わたしのキョンをとらないでって…おもって…。
わたしね、きづいたよ…?グスッ…キョン…」
「…ん」
「好き…大好き…。大好きっ…!大好きなのっ…!キョン…!」

ぎゅっ

「ごめんな、不安にさせて…ごめんな…」

私、泣いたわ。キョンの胸の中で、おもいっきり。
273以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 13:23:42.14 ID:5boAA3e7O
「…落ち着いたか?」
「…うん。グスッ」
どれくらい泣いたかしら?
もう、目が痛いわ…。
腫れてないでしょうね…?

「ねぇ、キョン?グスッ」
「なんだ?」
「……今夜…うち、来ない?」
「えっ!?」
「…親はいるわよ?…お父さんに、あんたを見せてやりたいの」
「えぇあぅあ…まじで?」
「…嫌?…迷惑?」
…なんかまた…泣きそう。胸の奥がきゅーってなる…。
「い、嫌じゃないっ!嫌じゃないぞっ!」

ぽたぽた…
ど、どっちにしろ…泣いちゃうんじゃないの…私…。
「嬉しい……ねぇ…電話しといていい?」
「あ、ああ。」

ピピピ
「あ、もしもし?お母さん?あの…あのね?
今日の夜…お客さん、一人呼んでいい?うん…うん、えと…。」
チラリとキョンのほうを見る。
窓の外見ながらほっぺかいてる。耳、赤いわよ。
「かっ…彼氏っ…!なんだけど…いい?」
274以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 13:28:15.19 ID:5boAA3e7O
「…も、もう、からかわないで……え?
うん…あ、…わかった。」
ピッ
「なんだって?」
「オッケーよ?オッケーだったわよ?ただね…?」

…なんで今夜に限って、二人ともお出かけなわけ?

「ぬぁ…なら、また今度のほうが…」
「それが…『彼氏さんが来るなら一人にしてても平気よね、明日の昼には帰るわ』って…」
「あら…」
「で、でも、いいわよ!?無理してこなくてもっ!私一人でも平気…だし」
「いや、行く」


……シーツを新調した…のは…正解に、なるのかしらね…?
275以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 13:33:49.54 ID:5boAA3e7O
二回目の手料理がまさか家で振る舞うことになるなんてね…。
またおいしいおいしいって食べてくれたから、どうでもいいけどさ。

そろそろ、お風呂の時間だけど…二人で…入りたいわ、なんて…
「お風呂、どっちが先に入るんだ?」
ドキッ

…どうしようかな。
誘ってみようかな。
…変に、思われないかな…?
「なぁ……一緒に…入ってみるか?」
「え…あっ…う、うん…」
…こういう恥ずかしいことは、男が先に言うのがいいわよね。
女の子に恥をかかせるもんじゃないわよ?キョン。
276以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 13:37:06.30 ID:H2fMuiTjO
支援
277以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 13:41:31.77 ID:5boAA3e7O
「…けっこう広い風呂だな」
「…親が二人で入れる広さを選んだらしいから…」
バスタブに背中合わせで入ってる。
向かい合ったらダメ…。
エッチなことは…お風呂でするもんじゃないもの。
「なぁ、ハルヒ…背中流してくれるか?」
「う、うん」

ゴシゴシ…
なかなかしっかりした体つきしてるのね、こいつ…。
「サンキュー。…次は、俺が流してやるよ」
「…うん」

ゴシゴシ

「ひゃっ…!」
「すまん、手が滑った」
…どうやったら後ろの手が前まできて、なおかつ揉みしだいていくのかしらね?
「ああ、また滑った…」
「んっ…」
…ぬるぬるって…気持ちいい…のね。
…やだ、変な気持ちになってきちゃった…。
278以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 13:46:41.15 ID:5boAA3e7O
「実はさ、ハルヒ…」
「…なぁに?」
「お前が夕飯の材料買ってるとき………アレ、買っといた」
「…っ!」

…エロキョン。それで我慢できずにお触りに出たわけね?
「…いいわ…。お風呂から出たら、ゆっくり…しましょ?」
「…おぅ」

ギュッ
…やっぱりギンギンね。一回抜いといたほうがいいって聞くわよ?
私より先にイったら…死刑なんだから。


髪を乾かして…カチューシャで留める。
ちょっとコロンもかけて、顔のチェック。
バチッとウィンク。…うん、かわいい。自信持っていいわよね。


……いよいよ、ね。
279以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 14:07:42.23 ID:5boAA3e7O
なんていうのかしら…

前の時のように、愛撫されて
今まさに、私、挿入される一歩手前なんだけどさ

キョンの肩を腕で押して、これ以上入らないようにしてるの。
だって…怖いんだもの!

…すごく痛いらしいじゃない?
私、痛いのは好きじゃないわ…。
でも、もう、入口に当てられてるのよね。
半分期待、半分恐怖…。
……あんまり待たせても、キョンがかわいそうなだけよね?

「…ゆっくり、ゆっくりよ?…私が止めてって言ったら止めてよ?」
「ああ…」
「…じゃあ…いいわよ」

ずっ…

!!!!
「…お、おい、ハルヒ、大丈夫か?」
「あ…うん…ごめん、ちょっと…止まってて…」
280以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 14:08:01.30 ID:H2fMuiTjO
わっふるわっふるw
281以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 14:15:23.81 ID:5boAA3e7O
…はぁ、痛いわ…。
…そりゃそうよね…膜を裂くんだから…痛いのは、当たり前よね。
多分、血、出てるんだろうな…。

…そろそろ、いいかな…。
「…いいわよ、動いて。ゆっくりね?」
「…あぁ。」
ずっ、ずっ…
「ふっ、ふっ…」
「大丈夫か…?」
「うん…平気。…ちょっと痛いけど…だんだん、気持ち良く…なってきたから」

…痛いの通り越して、麻痺してる感じね。
ジンジンしてて、もうどうでもいいっていうか…。
それに反比例するみたいに、快感が押し寄せてきてる…。

「あっ、あっ…いいわ…キョン…だんだん…ちょっと、激しくしても、いいわよ…」
「ああ…」
ずっずっずっずっ

「あっ、あっ…いい…気持ちいいよ…キョン…」
すごい…中で、キョンが暴れてる感じ…。
キョン、普段は優しいけど、あそこのほうは…乱暴で…ちょっと、いいわね。
282@株主 ★:2008/05/25(日) 14:17:21.03 ID:nRSrbpwg0
こ、この流れ…! スレストか!?
283@株主 ★:2008/05/25(日) 14:20:34.62 ID:nRSrbpwg0
「ねぇ…キョン?」
私はキョンに近付いて耳元で囁く
「…なんだ?」
にっこり笑うキョン。…はぅ。
「…呼んでみただけっ…!」
ギュッ
…キョンは抱きしめがいのある体つきをしてる。

「なぁ、ハルヒ?」
「なに?」

ふぅっと空を見つめて
「…呼んでみただけだ。」

…顔が真っ赤になるのがわかる。
…あぁん…好き…っ!

チュッ
284@株主 ★:2008/05/25(日) 14:20:40.73 ID:nRSrbpwg0
今日はキョンと映画よ!
…恋愛映画を自分から選ぶなんて、私も変わっちゃったわね…。


…洋画ってやっぱりいいわね、すっごくロマンチック。
ああして手を握りあって肩を寄せ合って…海岸で夕日見つめるって…
ため息出ちゃうわ…ほっとするっていうのかしらね…?
私もああして…キョンと…

ギュッ

「えっ…?」
キョンはスクリーンを見つめたまま。
でも…手を握ってくれたのは…紛れも無く…。

…ばか。


私は、キョンの肩に頭を乗せてあげることにしたわ。
…だって、そうでもしないと、お礼できないじゃない?
映画館でのマナーくらい守るわ。
だから、アクションにうつしたまでよ。つまり、当然のことなの。


…だから、私を見ながらにやにやするの…やめてよ…キョン…。
285@株主 ★:2008/05/25(日) 14:20:48.94 ID:nRSrbpwg0
…ちょっと面白いネタ、知っちゃったわ。

「ねぇねぇキョン!」
「なんだー?」
古泉くんとオセロやりながら声だけ返事。随分ね?
まぁ機嫌いいから許してあげるわ。
後ろから抱き着いて言ってやるわ。

「ね、ピザって10回言って!」
「あぁー?…ピザピザ(略)ピザっ…!」
「じゃ、ここは!?」
肘を指差して言ってやる。さぁ、引っ掛かりなさい!

ちゅ

「ひ・じ。…何年前のネタだよ?」
「おやおや…見せ付けてくれますね?…今のキスは何の関係があるんです?」
「あぁ…あんまり無邪気な顔してたからつい、な。」

ナデナデ…

「…ハルヒ?おーい。」



…ひきょうもの…。
不意打ちなんて…詐欺だわっ…。
286@株主 ★:2008/05/25(日) 14:20:56.04 ID:nRSrbpwg0
今日はキョンと二人でピクニックよ!
…実はちょっとしたサプライズも用意してるの。
…ありきたりだけど、お弁当…作っちゃった。
恥ずかしかったわ、お母さんったらずっとニヤニヤしてたし!
おにぎりと…卵焼き、タコさんウィンナー、ミートボール、ポテトサラダ…。
…喜んで…くれるかしらね…?


「いい天気だな!絶好のピクニック日和だ!」
今日はちょっとカジュアルな服装なのね。似合ってるわよ。
「…ハルヒ、眠そうだな、平気か?」
「だ、大丈夫よ!?」
「ははーん、さては…今日が楽しみで昨夜寝られなかったんだろ?」
「…ばか。」
…そんなんじゃないわ。


電車に乗って、少し遠出。
平日だからあんまり人はいないけど、ぽかぽかしてて最高だわ。…あ、創立記念日よ?一応言い訳しとくわ。

…お昼が近付いてきたわ。…ドキドキするわね。
「ん…腹減ったな。そこの売店でなんか食うか。」
「あ、あのね、キョン!」
「ん?」
「……おべん…と…作って…きた…の……けど……食べ…?」
恥ずかしくてなかなか声が出ないわ…。
「うぉ、ほんとか!?やったぜ!ありがとうなハルヒ!」
…ガッツポーズなんかしちゃって…かわいいわね。
287@株主 ★:2008/05/25(日) 14:21:03.51 ID:nRSrbpwg0
ぱく    もぐもぐもぐ…
「ど…どう…?」
味見はしたわ…私なりにはかなりの出来よ…。
でも…やっぱり不安になるわね…。
ごくん

うっ…キョンがじーっと私を見つめてくるわ…。
「おいしく…ない…?」
「ちょっと来てみ?」
ちょいちょいと手招き。…駄目だったのかしら?

チュッ

「さいっこうに美味いぞ。俺の好みの味そのものだ。」
「…ほんと…?」
「ああっ!ほんとだとも…っておい!なんで泣くんだよ!」
だって…不安になるじゃない、あんな神妙な顔されたら…安心したら…なんか勝手に…。
「ま、参ったな、泣かせるつもりは…」
「ち、違うの、嬉しかったから…。…ね、どんどん食べて?キョンは男の子だからたくさん食べると思って、たくさん作ってきたんだから…。」
「お、おぅ!」

…よかった、喜んでもらえて。
288@株主 ★:2008/05/25(日) 14:21:14.37 ID:nRSrbpwg0
「なぁ、ハルヒ?」
「なぁに?お茶いる?」
「あーん。」
かぁっと顔が熱くなる。…バカキョン、人がいる前でそんなの…。
「ほら、あーん。」
し…仕方ないわね。
ぱく
「…ハルヒの料理は最高だな」
もぐもぐ ごくん「…私もそう思うわ!」
「あははは。…また今度、作ってくれよ。」
「ふふん、気が向いたらね?…ほら、あーん。」



食べ終わったら、なんか眠くなっちゃったわ。
今朝もお弁当作るのに早起きしちゃったし…。ふぁぁ…。
「ハルヒ、やっぱり眠いんだろ?」
「…ちょっとね。」
「…弁当作るのに、早起きしてくれてたとか?」
「…まぁね。」

キョンはシートの上に寝転がって、ぽんぽんと腕を叩いた。
「…ここ、空いてるぜ。特等席、今なら無料お試し期間中。」
「…素敵じゃない、早速使わせてもらおうかしら?」
てぃっ!
「うごっ…!腹じゃ…ない…っ…。」
「私に腕枕しようなんて100年早いわよ!…ま、でも…」
ちゅっ

「…今、ちょっと…感動してるから…素直になってあげるわ…。」
289@株主 ★:2008/05/25(日) 14:21:21.09 ID:nRSrbpwg0
おばあちゃんがスイカくれたわ。
…まだ旬には早いはずなのに、不思議だわ。

それにしても大きいわね…お母さんもお父さんもスイカ嫌いだから、私一人じゃ食べ切れないわ。
…そうだわ。
ピッピッ トゥルル プッ
「なんだ?こんな時間に。」
「もう夕飯食べたわよね?」
「…?ああ、もちろん。11時だし、食べてないほうが変だぞ。」
「デザート食べにこない?」
「今からか!?」
「いいじゃない、どうせ明日休みだし、泊まっていきなさいよ。」
「………。」
…?…ハッ!
「ち、違うわよ!?やましい気持ちなんてないわ!親がいない、なんてシチュエーションもないんだから!」
「あ、ああ、そうか、そうだよな。…ふぅ。…んじゃ、断る理由もないし…行くわ。30分はかかるからな。じゃ。」
…今、ため息…ついたわよね。…残念だったのかしら?

………コロン、つけとこかな…髪も…あげとこ…。
あ…先週買った服…着てみよ…。
えっと…えっと…

ピンポーン


早っ!
290@株主 ★:2008/05/25(日) 14:21:28.22 ID:nRSrbpwg0
「うぃーす。」
「い、いらっしゃい。」
「…随分気合い入った服装してるな。」
「…うるさいわね…。」
「親御さん方は?」
「もう寝てるわ。」
「…あらら…ちゃんと挨拶しとかないとまずいだろうに…しかもチャイム鳴らしちゃったし…迷惑だな俺…。」
「気にしないで、一回寝付いたら雷が鳴っても起きないんだから。何やろうと朝まで起きないわ。」
「…それって…」
ハッ…
「だ、だからって変なことしたら死刑なんだから!」
「わぁってるよ…んじゃ、おじゃまします。」

自分で靴揃えて…礼儀正しいわね、好感持てるわ。
「さっき聞き忘れたけど…デザートってなんだ?」
「スイカよ。」
「…まだ5月だぞ?」
「…私もなんでか聞きたいくらいよ。」
「…食べたい、とか思ったりした?」
「…ほんの少し。」
「…やっぱり。ブツブツでも、それだけでか…?ブツブツ」
何がやっぱりなのかしら。
…ほんとは、『キョンと一緒に』ってのを強く願ったんだけど、恥ずかしいから内緒にしとくわ。
291@株主 ★:2008/05/25(日) 14:21:36.76 ID:nRSrbpwg0
スイカをふたつにばっくり切って、片方にはラップをかけて冷蔵庫に入れる。
皿に置いて、スプーンをふたつ持って居間へ。
キョンは勝手にDVDつけてDEATH NOTE見てる。
「俺、後編見そこねてたからすげーうれし…でかっ!でかいなスイカ!…しかも半玉そのままか?」
「二人でひとつをスプーンでほじりながら食べるのがいいのよ。」
シャクシャクシャク
「藤原竜也ってかっこいいわよね」
「…だな。あースイカうまい。」
「…妬いてる?」
「べーつーにー。」
シャクシャクシャク
…かわいいんだから。
「キョンもかっこいいわよ」
「お世辞はいらないぜ。」
「お世辞だと思う?」
じっと目を見つめてやる。世話の焼ける男なんだから!
「…ちょっとだけ」
「信用しなさいよ…もぅ。」
シャクッ
ちょっと大きめにスイカを取る。それを半分だけかじって、もう半分をキョンに差し出す。
「…証拠、のつもり。」
「…隠滅するならいまだぞ?」
なんて言いながら、すぐにキョンは食べちゃった。そんな暇与えないのに、悪態だけはちゃんとつくのね。
「信用した」
「あっそ。ほら、DEATH NOTE観なさいよ。」
292@株主 ★:2008/05/25(日) 14:21:43.72 ID:nRSrbpwg0
ぐっ
肩、掴まれた。なんか押されてる…。
「な、なに?」
…返事してくれない。
…やだ、なんか…真剣な顔してる。
…力が入らなくなってきた……ソファに、押し倒されちゃった…。
「ハルヒ…」
ちゅ…ちゅ…
…いつもは、ほっぺか、たまに一瞬口にするだけだったキス。
初めてのディープキスは…スイカの味だったわ。

「ハルヒ…」
さっきからそれしか言わない…ってなんか、手の位置、おかしくない…?
い、いやっ…どこ…触ってんのよ…。…あん…。
新品のワンピース…シワになっちゃうじゃない…。
293@株主 ★:2008/05/25(日) 14:21:49.91 ID:nRSrbpwg0
「…なぁ、ハルヒ…。」
「…ん。」
「お前の親、雷が鳴っても起きないんだよな?」
そうよ…って、まさか!

「お…お邪魔してます。」

いやぁあああああ!最悪!最低!
もうだめ!生きていけない!

「………。」
トントントン
「…あれ?」
キョンの変な声を聞いて起き上がり、ドアのほうをみる。…誰もいない。
「…誰だった?」
「多分、親父さん。虚ろな目してて、すぐどっか行っちゃった。」
うぅ…よりによってお父さんか…。
…虚ろな目、ね。娘の成長にいたたまれなくなったのかしら。

「…ス…スイカ、食べようか」
「そ、そうね!」
シャクシャクシャク

喜んで、お父さん。
あなたのおかげで私は今夜も純潔です。ふーんだ。
294@株主 ★:2008/05/25(日) 14:21:58.31 ID:nRSrbpwg0
結局、キョンはDEATH NOTEを見終わると帰っちゃった。
あのバカキョン、私が欠伸して涙出したら泣いたと勘違いしてハンカチ貸してくれたわ。
…もう1時過ぎてるじゃない。早く寝よう…。


翌朝、リビングに行くのが嫌だった。
けど、行かないわけにもいかないから…結局行ったわよ。
お父さんがいないのを切望しながら。すぐに神様に向けて石を投げ付けたくなったけどね。
「やぁハルヒ、おはよう。」
「…おはよう。」
「…パパなぁ、昨夜変な夢見たんだ。」
「…へぇ、どんな?」
「知らない男の子がハルヒを抱きしめてるんだ。あまりにお互い幸せそうだったから、何も言わずにしておこう、と思ったらもうすぐに記憶が…。」
「へぇ…変な夢ね。」
「だろう?…ま、そんな男の子ができたらパパにすぐ言ってくれ、歓迎しようじゃないか。」
「…そうね、できたらね。」
…よ、よかったわ、寝ぼけて夢だと思ってるみたいね!

昼、お母さんが掃除してる。
「ねぇ、ハルヒ?」
「んー?」
「これ、多分男の子のハンカチなんだろうけど…お友達の?」
「あっ…。」
295@株主 ★:2008/05/25(日) 14:22:05.11 ID:nRSrbpwg0
「ねぇ、キョン」
「んー?」
「…前、私のおっぱい揉んだじゃない…?」
「………………………ああ。」
「どうだった?」
「どうって………気持ちよかった。」
「…ふーん」
キョンは椅子に座ってるんだけどね…ちょっと好奇心かきたてられちゃったわ。
キョンに向かいあうように膝の上に座る。裸だったら座位ってやつよ?
「…なんだよ。」
「もっかい、気持ち良くなりたくない?」
「…!!!」

「上手にできたら、ご褒美あげちゃうわ。」
296以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 14:27:59.96 ID:5boAA3e7O
「…キョン…キョン…」
「…ん?」
激しく動きながらもちゃんと返事するのね、変なの。
「…気持ちいいよ」
「…ああ、俺もだ。いっちまいそうだぜ…。」

…ゴム、つけてなかったら快感数倍らしいわね。
…ま、結婚するまで…お預けのつもりだけどね。

「そろそろ、いくぞ」
「うん……っ!?ああああぁあ!!」
ズコッ!ズコッ!ズコッ!ズコッ!
「ひぃいうぅ!!」
「ハルヒッ…ハルヒ…!」
だめだめだめあたまのなかわけわかんない
いっちゃってる、わたしいっちゃってるのに、キョンがやめてくれない
「いやぁっー!」
イった
「ああぁーっ!」
またイった

だめ…もうやめて…わたし、おかしくなっちゃう…
「ハルヒ、いくぞっ!」
あは…キョンのからだ、ビクンビクンはねて…なんか、へんなの…。
へのまへ、まっふらにはっへ……キ・モ・チ・い………
297@株主 ★:2008/05/25(日) 14:30:00.47 ID:nRSrbpwg0
298@株主 ★:2008/05/25(日) 14:32:16.18 ID:nRSrbpwg0
299@株主 ★:2008/05/25(日) 14:34:06.52 ID:nRSrbpwg0
300以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 14:35:53.07 ID:L5+CbtbV0
プリン向けじゃねえww

かまわん続けろ
301@株主 ★:2008/05/25(日) 14:36:23.77 ID:nRSrbpwg0
302以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 14:36:26.11 ID:5boAA3e7O
「…ああ、ハルヒ、起きたか?」
…あれ?私、服着てる…。…って、キョンのワイシャツじゃないの。
「…勝手にタンス開けたら悪いし、汗びっしょりになってたしさ…。」
「ふん…まぁいいわ…」
立とうとしたら…なんか、股が変な感じ…。噛み合わない…。
「…大丈夫か?」
「水、飲みたいんだけど…歩けない」
「…ちょっと待ってろ」
パタン

…汲んできてくれるのかしら。
それにしても…クン…クンクン…このワイシャツ、当然だけど、キョンの匂いでいっぱいね。
…数日間、貸してくれないかしら?

「ほら、水」
「あ、ありがと…」
…あぁ、汗いっぱいかいたから、水がとってもおいしく感じるわ…。
「…ハルヒ」
「…ん?」
ぎゅっ

「俺、大事にする。ハルヒのこと、ずーっと大事にするからな…」
バカキョン…そんなの…
「…当然じゃないの…」

…明日、親が帰ってくるまでいてもらおう。
…ちゃんと紹介するまで…逃がさないんだからねっ!
303 ◆vN8PWvI6WE :2008/05/25(日) 14:39:02.46 ID:5boAA3e7O
とりあえず終了。
長い間スレ占領してごめんよ。
304@株主 ★:2008/05/25(日) 14:39:18.38 ID:nRSrbpwg0
死ねよ! 空気嫁!1
305@株主 ★:2008/05/25(日) 14:43:45.19 ID:nRSrbpwg0
306以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 14:59:07.52 ID:5boAA3e7O
昼ごろ投稿したいのにって言ってた人はどこにいったのだ
そのためにちょっと省いたのに。
307以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 15:05:34.69 ID:/iX91lro0
省いたりするより投下したいって人に先にさせたほうが良かったんじゃないか?
保守のつもりってことで。書きながらならなおさらさ

まぁ楽しませてもらったけどw
308以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 15:26:55.10 ID:5boAA3e7O
っていってもローションプレイくらいよ?
別に要望あったら書くよ。
309以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 15:55:02.70 ID:8SWxozFvO
何て言うか…乙
310以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 16:47:37.49 ID:ysxxECr1O
保守
311以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 17:03:15.63 ID:H2fMuiTjO
312以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 17:35:59.19 ID:ysxxECr1O
ほしゅ
313以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 17:46:27.21 ID:5boAA3e7O
まだ残ってた…
ローションプレイは需要ある?暇だから書くよ。
今度はきっちり書き溜めて投下するから夜になるだろうけど。
314以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 17:51:33.09 ID:H2fMuiTjO
>>313
いいよ
というかエロい系は夜のほうが好ましいかとw
315以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 17:59:40.49 ID:5boAA3e7O
…なるほど
健全なローションプレイか、新感覚。
316以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 18:27:52.22 ID:5boAA3e7O
ちょっと触りだけ書いてみる


…あ、ドンキだ。
なんか店頭大売り出しってなってるわね。
…徳用ローション1箱12本入り、150円。

…ふむ…、なんか、面白いこと、できるかもね。
…そうだわ!


バターン!
「みんないる!?」
…よしよし、みんな揃ってるわね、あ、みくるちゃんお茶お願いね!
「みんなちゅうもーく!」
ドサッ
「ローション買ってきたわ!一箱150円だったの!」
「ふわわ…安いですね…」
「…で、安いのはいいが、ローションで何するんだ?」
「決まってるじゃない!ローションプロレスよ!」
…あら?反応イマイチ?
みくるちゃん、顔真っ赤よ?
317以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 18:34:10.11 ID:5boAA3e7O
「…前にどっかのテレビ局がそれやって芸人が肋骨折ったの、知らないのかよ?やめとこうぜ?」
ふふん、そんなの私だってちゃんと考慮に入れてるわよ、みくびらないでほしいわね。
「だから、鶴谷さんに場所を提供してもらうことになってるわ!
床もマットを敷き詰めてやるし、広さはドーム並、固いところなんて無縁よ!」
「…一応聞くけどよ、メンバーは?」
「決まってるじゃない、みんなでやるのよ!水着持参のこと!」
「ふぇぇ…わ、私もですか?恥ずかしいですよぉ…」
「大丈夫よ!キョンには触らせないし、古泉くんくらいなら平気でしょ!?」
「おいおい…」
「僕も一応健全な男子なんですがね…ふふ」
「水着は持ってない」
「鶴屋さんなら貸してくれるわ!問題ないっ!」
318以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 18:37:17.57 ID:Ypnt4nUd0
ハルヒ「アナル、いじめ、シュールのSSはここまで来なさい!」
http://ex25.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1211708216/
319以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 18:56:06.89 ID:OZKWP99D0
>>317
キャラの一人称間違ってるSSとか読む気しないな。
320以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 19:04:57.93 ID:5boAA3e7O
>>319
ごめん、どれ?
321以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 19:11:58.16 ID:OZKWP99D0
>>320
ハルヒ。
だもんで速攻でスルーしてしまった
322以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 19:16:29.24 ID:H2fMuiTjO
あと間違っても古泉が「キョン君」と呼んだりしないでくれよ
323以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 19:18:47.75 ID:OZKWP99D0
ギャグ系ならいいけどなw 
324以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 19:26:12.86 ID:5boAA3e7O
>>321
…一人称じゃないよね、それ。
一応わざとなんだけど、気に入らなかったなら仕方ないね。

>>322
それは他のSS書いてる人が怒られてるの見てるから大丈夫。
325以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 19:29:33.64 ID:VqiJCBg+O
ていうかガチで書くならエロパロ行け。
まぁもともと保守代わりだったからいいけど。
326以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 19:30:23.21 ID:5boAA3e7O
>>325
エロ抜きでいくから書かせてくだちい
327以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 19:53:19.69 ID:Ypnt4nUd0
この時間帯は書き溜め必須。
保守
328以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 20:08:51.99 ID:VqiJCBg+O
>>326
そういえば何でわざと?
329以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 20:13:55.70 ID:5boAA3e7O
>>328
私の趣味です
普段口には出さないけど頭では、ってギャップに弱い。
だめ?ハルヒは常に強い子?
330以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 20:26:46.14 ID:V+4ZaBLJ0
SS初心者です。
ハルヒのスパロボクロスもののSSを長編で書いてるのですが、こことアナルスレ
のどちらへ投下すれば良いのでしょうか?
まとめサイト見たけど分からないっすorz
331以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 20:30:41.71 ID:VqiJCBg+O
>>329
いや、頭の中だけならと思ったけど、口に出してるのもだったからね。

>>330
アナル……かな?
332以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 20:32:10.37 ID:V+4ZaBLJ0
>>331
ありがとうございます!
333以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 20:33:45.09 ID:kDnCxOzH0
>>330

甘ければプリン
ネタならアナル

だと思います。
334以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 20:38:52.56 ID:5boAA3e7O
>>331
…あれ?
だもんってどこで口に出してた?


ローション相撲もアナルのほうになるのか?
砂糖入れときゃいいの?
335以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 20:44:31.30 ID:V+4ZaBLJ0
>>333
シリアスにちょっぴり甘さが加わる予定です;;
雑談室でも言われましたが、どっちに投下すれば良いか難しい作品かもっすorz
クロスものだから、ネタ…なんですかね?
336以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 20:46:24.08 ID:8SWxozFvO
>>334
いい加減うるさいよおまいさん
337以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 20:48:53.53 ID:kDnCxOzH0
>>335
極端な話「アッー!」なネタでなければプリンでいいかとw

作品楽しみにしていますよ
338以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 21:03:12.86 ID:V+4ZaBLJ0
>>337
わざわざありがとうございます。
確かに、個人的にアナルの方ではかなり浮く作品になってます;;

いやいやいや!ホントしょーもないSSですので;;
ありがとうございます!頑張って書いてみます。

あと、最後にもう一つだけ…どなたかお願いします。
超長編になりそうなのですが、投下は1話を何レスかに分けて書き込んで、
後日もう1話というペースでもよろしいのでしょうか?
339以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 21:07:25.55 ID:8SWxozFvO
>>338
大丈夫ダゼ
340321:2008/05/25(日) 21:11:01.94 ID:OZKWP99D0
>>324
あ〜!!すまん!
方言が出てたか!ごめん、分かりにくかったね。言い直す。

ハルヒの一人称は「あたし」
だもんで→× 
な、もんで読みとばした。→○

他の人は言わなくても分かってると思いたい。恥ずかしいな。


>>334
いや「〜だもん」は普通に言ってるから大丈夫だ

>>338
それならアナル向けだったとしても移動できるなw
341以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 21:12:08.29 ID:kDnCxOzH0
>>338
長くなるならココもしくは避難所に投下予告をしておくといいですよ。
支援もしやすいですし。
342以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 21:19:10.31 ID:5boAA3e7O
>>340
…知らなかった…『わたし』だったのか…。
全面的に書き直します。
教えてくれてありがとう。
343以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 21:32:06.17 ID:V+4ZaBLJ0
>>339 >>340 >>341
みな様ありがとうございます。
もう少し書いてから、投下させて頂きます。

質問攻めでスレを汚してしまってすみませんでしたm(__)m
344以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 21:53:22.91 ID:Ypnt4nUd0
待ってる保守。
345以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 21:55:55.21 ID:Q0mLJ2UvO
鶴谷さんには触れないのか…
346以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 22:04:21.54 ID:OZKWP99D0
読み飛ばしてるからな
347以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 22:19:30.65 ID:tuCWPT7+0
保守
348以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 22:21:28.52 ID:94iMUj690
349以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 22:39:36.84 ID:H2fMuiTjO
保守
350以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 22:42:54.54 ID:OZKWP99D0
この時間帯でも二時間保ってるスレとかあるな。
保守がやりやすくていい
351以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:04:00.87 ID:kDnCxOzH0
ほしゅ
352以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:15:43.72 ID:eTK88z9K0
先ほど質問した者です。
よろしかったらそろそろプロローグと1話を投下しようと思うのですが、
詳しい投下予定時刻の通達無しの投下はマズいですかね?汗

大丈夫でしたら投下させて頂きますm(__)m
353どうやら@株主 ★:2008/05/25(日) 23:17:34.04 ID:nRSrbpwg0
すみません。  投下時間などすべて避難所の方で決まってるので申し訳ないのですがそちらで確認して
予約をしてから投下してください。
354以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:19:10.85 ID:OZKWP99D0
おk
こい。
355以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:19:17.50 ID:tuCWPT7+0
>>352
投下予告なしでも問題ないですよ。
356@株主 ★:2008/05/25(日) 23:20:16.50 ID:nRSrbpwg0
いやあるでしょ。  
ちゃんと順番守らなければいけませんよ。
357@株主 ★:2008/05/25(日) 23:22:00.62 ID:nRSrbpwg0
順番、ルールに反したものは即刻死ぬべき
358@株主 ★:2008/05/25(日) 23:22:18.06 ID:nRSrbpwg0
株主が社会のルールを教えてあげよっか?
359以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:25:20.30 ID:eTK88z9K0
>>353
そうでしたか;;すみません、確認してきます。
ありがとうございますm(__)m

>>354>>355
一旦、避難所で確認を取ってきます;;

すみませんでしたm(__)m
360@株主 ★:2008/05/25(日) 23:26:15.69 ID:nRSrbpwg0
>>359
はい よろしくお願いします。
管理人さんが滅多にこないのでその辺は気長に待ってあげてください。
361@株主 ★:2008/05/25(日) 23:29:04.29 ID:nRSrbpwg0
連投すみませんでした。m(__)m
362以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:29:48.48 ID:tuCWPT7+0
>>361
かまってほしいからって嘘教えんなよ
363以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:32:13.27 ID:eTK88z9K0
>>360
職人さんが投下予定を報告するスレ に書き込めば良いんですよね?
あと、日付と時間はどうすれば良いでしょうか?
質問ばかりになってしまい、申し訳ありませんm(__)m
364以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:35:13.63 ID:ysxxECr1O
順番なんてないからさっさと投下しろよ。
365以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:35:24.30 ID:tuCWPT7+0
>>363
他の職人さんの投下予告が無ければ、予告なしで投下してもかまいませんよ。
むしろそっちの方が大多数です。
366以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:37:47.62 ID:OZKWP99D0
例えば30レスとか長編で、尚且つ明日〜とかなら念のため前持って宣言しておく、
というのが予告スレだからね。
今は誰も居ないようなので、大丈夫。
367@株主 ★:2008/05/25(日) 23:38:03.28 ID:nRSrbpwg0
>>362
うそなんて滅相もない。
真実を述べたまでです。

>>363
そうですね。 日付と時間がわかればいいでないでしょうか?
あと管理人さんの了承が降りれば投下おkということになります!
368以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:42:50.78 ID:8SWxozFvO
NG&スルー推奨ってテンプレに入れといた方がいいかもね
369以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:43:21.02 ID:5R6NJcIF0
>>363
今の過疎状態なら予告スレに告知する必要なし。がんがん投下するべし。
あと管理人さんは本スレの投下にはノータッチだから気にせずどうぞ。テンプレを守れば誰も投下を拒否しない。それがVIPの特徴だから。
370SOS大戦プロローグ1:2008/05/25(日) 23:43:42.94 ID:eTK88z9K0
>>364>>365>>366
そうでしたかorzすみません、稚拙な文章で見苦しい点も多々有りますが、投下させて頂きます。
初投下で改行等ミスるかもしれませんが、ご容赦をm(__)m
『スーパーSOS大戦〜地球が情報操作される日』
 〜プロローグ〜

 今日も俺は妹の奇襲によって叩き起こされ、急いで朝飯を書き込んでいつものように早朝ハイキング同然の通学路を歩いている。
 正直、一年以上もこの道を歩いていると、入学したての頃より遥かに脚力がついた気がするぜ。気がするだけだけどな。実際は慣れただけだろう。
 もう北高に入学してから一年ちょっとが過ぎた。俺たちSOS団の団員は全員無事に進級を果たし、毎日ハルヒに振り回されっぱなしだ。
 この一年、本当に色々な事があったが、一番やばかったのはつい最近のアレだな。佐々木と久しぶりに再会して、天蓋領域やら謎の未来人やらとの騒動。それもなんとか和解して終わったのだが。
 で、現在はその騒動から少し経った夏である。まったく、いくらなんでもこの暑さでこの通学路は反則だね。
 そういえばあの騒動以来、佐々木と連絡取ってないな。いや、別に気まずい訳じゃないのだが…。我らが団長様が続けざまに予定を入れるもんでな。たまには佐々木と休日のカフェってのもアリなんだが。って、アイツは休日も予備校があるんだっけな。
 なんてことを考えていると、後ろから声をかけられた。振り向くことも無い、悪友の谷口だ。
「よ、キョン。」
 よう。お前はこのくそ暑い日にもそんな陽気なあいさつができるんだな。羨ましいぜ。
「何言ってんだ。お前なんか春でも秋でも一年中気だるそうにしてるじゃねぇか。俺が陽気なんじゃなくてなキョン、お前が陰気なんだよ。」
 おお、言ってくれるな谷口よ。まぁしかし谷口の言うことだからな。多少、寝起きの状態で悪態をつかれるのはきついが放置しておく。それに確かに俺は気だるそうにしてるかもしれんしな。
「それにもうすぐ夏休みだぜ。授業ももうすぐ短縮授業で早く終わるようになるしよ。」
 そうだな。ただ俺は団長様のおかげで夏休みといえどもゆっくりはできんだろうけどな。
「ってかお前ら夏休みも活動してるのか?一体去年の夏休みは何やってたんだよ?」
 しまった、食いつきやがった。まさか夏休みを一生分以上ループしたなんて話はできんしな…。まぁ無難にプールや夏祭りの話でもしといてやるか。
「…ほーう。ってそれって普通の仲良しグループじゃねぇか!まさかお前…朝比奈さんの水着姿を拝んだなんてことは…。」
 しっかり拝ませて頂いたぞ。脳裏に焼き付けておいた。俺がそう答えると、谷口はいつもに増してマヌケ面になり、
「バカヤロウ!何で俺も誘ってくれなかったんだ!キョン、テメーはあれか?俺との友情を無碍にして、一人で朝比奈さんの神秘を満喫するような下衆に成り下がったのか!?」
と、凄い勢いで迫ってきた。肩をゆするな、ただでさえ疲れる道が余計に疲れる。
371以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:44:09.60 ID:5R6NJcIF0
支援
372@株主 ★:2008/05/25(日) 23:44:20.69 ID:nRSrbpwg0
携帯の人がめんどくさいでしょ
>>368さんとか見えてるみたいだし。
373@株主 ★:2008/05/25(日) 23:45:04.53 ID:nRSrbpwg0
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374@株主 ★:2008/05/25(日) 23:45:06.63 ID:nRSrbpwg0
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         }   Y ,i::::::| ヽ   _,, / //`ヽ
         i   ヽ,|::::::|     /   ,/   `i
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375@株主 ★:2008/05/25(日) 23:45:08.57 ID:nRSrbpwg0
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         }   Y ,i::::::| ヽ   _,, / //`ヽ
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376@株主 ★:2008/05/25(日) 23:45:10.56 ID:nRSrbpwg0
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377@株主 ★:2008/05/25(日) 23:45:12.50 ID:nRSrbpwg0
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378@株主 ★:2008/05/25(日) 23:45:14.45 ID:nRSrbpwg0
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379@株主 ★:2008/05/25(日) 23:45:16.33 ID:nRSrbpwg0
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380@株主 ★:2008/05/25(日) 23:45:18.20 ID:nRSrbpwg0
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381SOS大戦プロローグ2:2008/05/25(日) 23:45:19.16 ID:eTK88z9K0
「ちっ、まさか一年前のお前がそんなに夏休みを満喫していたとはな…。まぁいい。ただし今年は俺も絶対に誘えよ。プールか海に行くならな。」
 ああ、ハルヒの許可が下りればな。まぁまずプールに行くのにそんな許可は出ないだろうが。というかこいつ、長門の水着には興味無しか?何気に結構良かったんだけどな。
 そんな他愛も無い話を繰り広げているうちに、俺たちは教室に着いた。ただ、教室に入る前に谷口と話した話を除いて、だが。
「最近涼宮のやつ随分と元気ねぇみたいだけど、お前らなんかあったのか?」
 確かに、最近ハルヒのやつは元気が無い。いや、元気が無いと言うよりはストレスでいっぱいってな感じだ。
 まぁだが谷口が気づくぐらいだ。俺も数日前から異変を感じていたけどな。けどアイツのことだ、何か悩んでいるとしても、それを人に話すってことをしないやつだからな。そう答えて俺たちは教室に入り、いつもの席に座った。
 それから少し経った後、珍しく始業ベルギリギリにハルヒは登校してきた。
「珍しいな、お前が遅刻ギリギリなんてさ。寝坊でもしたのか?」
「朝からうるっさいわね!別にどうだって良いでしょ、そんなこと。」
 しまった。どうやら俺はハルヒの逆鱗に触れてしまったらしい。しかし怒鳴らなくても良いだろう。俺なりにお前のこと心配してるんだぞ。
「何でアンタがあたしの心配するわけ?」
 いや、最近元気ないみたいだからさ。っていうかそんな不機嫌そうな顔をしないでくれよ。
「ふーん。」
 と、それだけ言うとハルヒは席について机につっぷした。なんだ?ただ寝不足で機嫌悪いだけなのか?
 そうは言っても俺の思考回路じゃハルヒの思考が読めるはずもなく、慌ただしく教室に入ってきた岡部の方に席ごと身体を向き直した。

 それから俺は無難に午前中の授業をこなし、昼放課となった。ハルヒはというと、午前の授業は全部寝てたらしい。ってかまだ寝てるぞコイツ。
 とりあえず弁当を食べようと支度をしているところで、携帯に一通のメールが来た。古泉からだ。
『お昼休みに申し訳ありません。少し話したいことがあるので部室に来て頂けませんか?』
 やれやれ、こいつからのメールは迷惑メール並みに煩わしい。とは言っても、どうせハルヒ絡みのことだろうし、シカトするのもなんだから行ってやるかね。
 毎日食卓を囲む級友二人に一言告げてから、俺は部室に向かった。
382@株主 ★:2008/05/25(日) 23:45:24.66 ID:nRSrbpwg0
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383@株主 ★:2008/05/25(日) 23:45:26.74 ID:nRSrbpwg0
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384@株主 ★:2008/05/25(日) 23:45:29.12 ID:nRSrbpwg0
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385以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:45:31.57 ID:5R6NJcIF0
支援

ついでに、何か不都合が発生した場合は下記のスレにレスしてくれれば対応するよ。
http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1198086107/
386@株主 ★:2008/05/25(日) 23:45:31.49 ID:nRSrbpwg0
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387以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:45:32.46 ID:tuCWPT7+0
支援
388@株主 ★:2008/05/25(日) 23:45:33.98 ID:nRSrbpwg0
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389@株主 ★:2008/05/25(日) 23:45:37.83 ID:nRSrbpwg0
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390以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:46:09.60 ID:tuCWPT7+0
支援
391@株主 ★:2008/05/25(日) 23:46:17.02 ID:nRSrbpwg0
「ちっ、まさか一年前のお前がそんなに夏休みを満喫していたとはな…。まぁいい。ただし今年は俺も絶対に誘えよ。プールか海に行くならな。」
 ああ、ハルヒの許可が下りればな。まぁまずプールに行くのにそんな許可は出ないだろうが。というかこいつ、長門の水着には興味無しか?何気に結構良かったんだけどな。
 そんな他愛も無い話を繰り広げているうちに、俺たちは教室に着いた。ただ、教室に入る前に谷口と話した話を除いて、だが。
「最近涼宮のやつ随分と元気ねぇみたいだけど、お前らなんかあったのか?」
 確かに、最近ハルヒのやつは元気が無い。いや、元気が無いと言うよりはストレスでいっぱいってな感じだ。
 まぁだが谷口が気づくぐらいだ。俺も数日前から異変を感じていたけどな。けどアイツのことだ、何か悩んでいるとしても、それを人に話すってことをしないやつだからな。そう答えて俺たちは教室に入り、いつもの席に座った。
 それから少し経った後、珍しく始業ベルギリギリにハルヒは登校してきた。
「珍しいな、お前が遅刻ギリギリなんてさ。寝坊でもしたのか?」
「朝からうるっさいわね!別にどうだって良いでしょ、そんなこと。」
 しまった。どうやら俺はハルヒの逆鱗に触れてしまったらしい。しかし怒鳴らなくても良いだろう。俺なりにお前のこと心配してるんだぞ。
「何でアンタがあたしの心配するわけ?」
 いや、最近元気ないみたいだからさ。っていうかそんな不機嫌そうな顔をしないでくれよ。
「ふーん。」
 と、それだけ言うとハルヒは席について机につっぷした。なんだ?ただ寝不足で機嫌悪いだけなのか?
 そうは言っても俺の思考回路じゃハルヒの思考が読めるはずもなく、慌ただしく教室に入ってきた岡部の方に席ごと身体を向き直した。

 それから俺は無難に午前中の授業をこなし、昼放課となった。ハルヒはというと、午前の授業は全部寝てたらしい。ってかまだ寝てるぞコイツ。
 とりあえず弁当を食べようと支度をしているところで、携帯に一通のメールが来た。古泉からだ。
『お昼休みに申し訳ありません。少し話したいことがあるので部室に来て頂けませんか?』
 やれやれ、こいつからのメールは迷惑メール並みに煩わしい。とは言っても、どうせハルヒ絡みのことだろうし、シカトするのもなんだから行ってやるかね。
 毎日食卓を囲む級友二人に一言告げてから、俺は部室に向かった。
392@株主 ★:2008/05/25(日) 23:46:19.26 ID:nRSrbpwg0
「ちっ、まさか一年前のお前がそんなに夏休みを満喫していたとはな…。まぁいい。ただし今年は俺も絶対に誘えよ。プールか海に行くならな。」
 ああ、ハルヒの許可が下りればな。まぁまずプールに行くのにそんな許可は出ないだろうが。というかこいつ、長門の水着には興味無しか?何気に結構良かったんだけどな。
 そんな他愛も無い話を繰り広げているうちに、俺たちは教室に着いた。ただ、教室に入る前に谷口と話した話を除いて、だが。
「最近涼宮のやつ随分と元気ねぇみたいだけど、お前らなんかあったのか?」
 確かに、最近ハルヒのやつは元気が無い。いや、元気が無いと言うよりはストレスでいっぱいってな感じだ。
 まぁだが谷口が気づくぐらいだ。俺も数日前から異変を感じていたけどな。けどアイツのことだ、何か悩んでいるとしても、それを人に話すってことをしないやつだからな。そう答えて俺たちは教室に入り、いつもの席に座った。
 それから少し経った後、珍しく始業ベルギリギリにハルヒは登校してきた。
「珍しいな、お前が遅刻ギリギリなんてさ。寝坊でもしたのか?」
「朝からうるっさいわね!別にどうだって良いでしょ、そんなこと。」
 しまった。どうやら俺はハルヒの逆鱗に触れてしまったらしい。しかし怒鳴らなくても良いだろう。俺なりにお前のこと心配してるんだぞ。
「何でアンタがあたしの心配するわけ?」
 いや、最近元気ないみたいだからさ。っていうかそんな不機嫌そうな顔をしないでくれよ。
「ふーん。」
 と、それだけ言うとハルヒは席について机につっぷした。なんだ?ただ寝不足で機嫌悪いだけなのか?
 そうは言っても俺の思考回路じゃハルヒの思考が読めるはずもなく、慌ただしく教室に入ってきた岡部の方に席ごと身体を向き直した。

 それから俺は無難に午前中の授業をこなし、昼放課となった。ハルヒはというと、午前の授業は全部寝てたらしい。ってかまだ寝てるぞコイツ。
 とりあえず弁当を食べようと支度をしているところで、携帯に一通のメールが来た。古泉からだ。
『お昼休みに申し訳ありません。少し話したいことがあるので部室に来て頂けませんか?』
 やれやれ、こいつからのメールは迷惑メール並みに煩わしい。とは言っても、どうせハルヒ絡みのことだろうし、シカトするのもなんだから行ってやるかね。
 毎日食卓を囲む級友二人に一言告げてから、俺は部室に向かった。
393@株主 ★:2008/05/25(日) 23:46:21.87 ID:nRSrbpwg0
「ちっ、まさか一年前のお前がそんなに夏休みを満喫していたとはな…。まぁいい。ただし今年は俺も絶対に誘えよ。プールか海に行くならな。」
 ああ、ハルヒの許可が下りればな。まぁまずプールに行くのにそんな許可は出ないだろうが。というかこいつ、長門の水着には興味無しか?何気に結構良かったんだけどな。
 そんな他愛も無い話を繰り広げているうちに、俺たちは教室に着いた。ただ、教室に入る前に谷口と話した話を除いて、だが。
「最近涼宮のやつ随分と元気ねぇみたいだけど、お前らなんかあったのか?」
 確かに、最近ハルヒのやつは元気が無い。いや、元気が無いと言うよりはストレスでいっぱいってな感じだ。
 まぁだが谷口が気づくぐらいだ。俺も数日前から異変を感じていたけどな。けどアイツのことだ、何か悩んでいるとしても、それを人に話すってことをしないやつだからな。そう答えて俺たちは教室に入り、いつもの席に座った。
 それから少し経った後、珍しく始業ベルギリギリにハルヒは登校してきた。
「珍しいな、お前が遅刻ギリギリなんてさ。寝坊でもしたのか?」
「朝からうるっさいわね!別にどうだって良いでしょ、そんなこと。」
 しまった。どうやら俺はハルヒの逆鱗に触れてしまったらしい。しかし怒鳴らなくても良いだろう。俺なりにお前のこと心配してるんだぞ。
「何でアンタがあたしの心配するわけ?」
 いや、最近元気ないみたいだからさ。っていうかそんな不機嫌そうな顔をしないでくれよ。
「ふーん。」
 と、それだけ言うとハルヒは席について机につっぷした。なんだ?ただ寝不足で機嫌悪いだけなのか?
 そうは言っても俺の思考回路じゃハルヒの思考が読めるはずもなく、慌ただしく教室に入ってきた岡部の方に席ごと身体を向き直した。

 それから俺は無難に午前中の授業をこなし、昼放課となった。ハルヒはというと、午前の授業は全部寝てたらしい。ってかまだ寝てるぞコイツ。
 とりあえず弁当を食べようと支度をしているところで、携帯に一通のメールが来た。古泉からだ。
『お昼休みに申し訳ありません。少し話したいことがあるので部室に来て頂けませんか?』
 やれやれ、こいつからのメールは迷惑メール並みに煩わしい。とは言っても、どうせハルヒ絡みのことだろうし、シカトするのもなんだから行ってやるかね。
 毎日食卓を囲む級友二人に一言告げてから、俺は部室に向かった。
394@株主 ★:2008/05/25(日) 23:46:23.92 ID:nRSrbpwg0
「ちっ、まさか一年前のお前がそんなに夏休みを満喫していたとはな…。まぁいい。ただし今年は俺も絶対に誘えよ。プールか海に行くならな。」
 ああ、ハルヒの許可が下りればな。まぁまずプールに行くのにそんな許可は出ないだろうが。というかこいつ、長門の水着には興味無しか?何気に結構良かったんだけどな。
 そんな他愛も無い話を繰り広げているうちに、俺たちは教室に着いた。ただ、教室に入る前に谷口と話した話を除いて、だが。
「最近涼宮のやつ随分と元気ねぇみたいだけど、お前らなんかあったのか?」
 確かに、最近ハルヒのやつは元気が無い。いや、元気が無いと言うよりはストレスでいっぱいってな感じだ。
 まぁだが谷口が気づくぐらいだ。俺も数日前から異変を感じていたけどな。けどアイツのことだ、何か悩んでいるとしても、それを人に話すってことをしないやつだからな。そう答えて俺たちは教室に入り、いつもの席に座った。
 それから少し経った後、珍しく始業ベルギリギリにハルヒは登校してきた。
「珍しいな、お前が遅刻ギリギリなんてさ。寝坊でもしたのか?」
「朝からうるっさいわね!別にどうだって良いでしょ、そんなこと。」
 しまった。どうやら俺はハルヒの逆鱗に触れてしまったらしい。しかし怒鳴らなくても良いだろう。俺なりにお前のこと心配してるんだぞ。
「何でアンタがあたしの心配するわけ?」
 いや、最近元気ないみたいだからさ。っていうかそんな不機嫌そうな顔をしないでくれよ。
「ふーん。」
 と、それだけ言うとハルヒは席について机につっぷした。なんだ?ただ寝不足で機嫌悪いだけなのか?
 そうは言っても俺の思考回路じゃハルヒの思考が読めるはずもなく、慌ただしく教室に入ってきた岡部の方に席ごと身体を向き直した。

 それから俺は無難に午前中の授業をこなし、昼放課となった。ハルヒはというと、午前の授業は全部寝てたらしい。ってかまだ寝てるぞコイツ。
 とりあえず弁当を食べようと支度をしているところで、携帯に一通のメールが来た。古泉からだ。
『お昼休みに申し訳ありません。少し話したいことがあるので部室に来て頂けませんか?』
 やれやれ、こいつからのメールは迷惑メール並みに煩わしい。とは言っても、どうせハルヒ絡みのことだろうし、シカトするのもなんだから行ってやるかね。
 毎日食卓を囲む級友二人に一言告げてから、俺は部室に向かった。
395@株主 ★:2008/05/25(日) 23:46:26.05 ID:nRSrbpwg0
「ちっ、まさか一年前のお前がそんなに夏休みを満喫していたとはな…。まぁいい。ただし今年は俺も絶対に誘えよ。プールか海に行くならな。」
 ああ、ハルヒの許可が下りればな。まぁまずプールに行くのにそんな許可は出ないだろうが。というかこいつ、長門の水着には興味無しか?何気に結構良かったんだけどな。
 そんな他愛も無い話を繰り広げているうちに、俺たちは教室に着いた。ただ、教室に入る前に谷口と話した話を除いて、だが。
「最近涼宮のやつ随分と元気ねぇみたいだけど、お前らなんかあったのか?」
 確かに、最近ハルヒのやつは元気が無い。いや、元気が無いと言うよりはストレスでいっぱいってな感じだ。
 まぁだが谷口が気づくぐらいだ。俺も数日前から異変を感じていたけどな。けどアイツのことだ、何か悩んでいるとしても、それを人に話すってことをしないやつだからな。そう答えて俺たちは教室に入り、いつもの席に座った。
 それから少し経った後、珍しく始業ベルギリギリにハルヒは登校してきた。
「珍しいな、お前が遅刻ギリギリなんてさ。寝坊でもしたのか?」
「朝からうるっさいわね!別にどうだって良いでしょ、そんなこと。」
 しまった。どうやら俺はハルヒの逆鱗に触れてしまったらしい。しかし怒鳴らなくても良いだろう。俺なりにお前のこと心配してるんだぞ。
「何でアンタがあたしの心配するわけ?」
 いや、最近元気ないみたいだからさ。っていうかそんな不機嫌そうな顔をしないでくれよ。
「ふーん。」
 と、それだけ言うとハルヒは席について机につっぷした。なんだ?ただ寝不足で機嫌悪いだけなのか?
 そうは言っても俺の思考回路じゃハルヒの思考が読めるはずもなく、慌ただしく教室に入ってきた岡部の方に席ごと身体を向き直した。

 それから俺は無難に午前中の授業をこなし、昼放課となった。ハルヒはというと、午前の授業は全部寝てたらしい。ってかまだ寝てるぞコイツ。
 とりあえず弁当を食べようと支度をしているところで、携帯に一通のメールが来た。古泉からだ。
『お昼休みに申し訳ありません。少し話したいことがあるので部室に来て頂けませんか?』
 やれやれ、こいつからのメールは迷惑メール並みに煩わしい。とは言っても、どうせハルヒ絡みのことだろうし、シカトするのもなんだから行ってやるかね。
 毎日食卓を囲む級友二人に一言告げてから、俺は部室に向かった。
396@株主 ★:2008/05/25(日) 23:46:28.14 ID:nRSrbpwg0
「ちっ、まさか一年前のお前がそんなに夏休みを満喫していたとはな…。まぁいい。ただし今年は俺も絶対に誘えよ。プールか海に行くならな。」
 ああ、ハルヒの許可が下りればな。まぁまずプールに行くのにそんな許可は出ないだろうが。というかこいつ、長門の水着には興味無しか?何気に結構良かったんだけどな。
 そんな他愛も無い話を繰り広げているうちに、俺たちは教室に着いた。ただ、教室に入る前に谷口と話した話を除いて、だが。
「最近涼宮のやつ随分と元気ねぇみたいだけど、お前らなんかあったのか?」
 確かに、最近ハルヒのやつは元気が無い。いや、元気が無いと言うよりはストレスでいっぱいってな感じだ。
 まぁだが谷口が気づくぐらいだ。俺も数日前から異変を感じていたけどな。けどアイツのことだ、何か悩んでいるとしても、それを人に話すってことをしないやつだからな。そう答えて俺たちは教室に入り、いつもの席に座った。
 それから少し経った後、珍しく始業ベルギリギリにハルヒは登校してきた。
「珍しいな、お前が遅刻ギリギリなんてさ。寝坊でもしたのか?」
「朝からうるっさいわね!別にどうだって良いでしょ、そんなこと。」
 しまった。どうやら俺はハルヒの逆鱗に触れてしまったらしい。しかし怒鳴らなくても良いだろう。俺なりにお前のこと心配してるんだぞ。
「何でアンタがあたしの心配するわけ?」
 いや、最近元気ないみたいだからさ。っていうかそんな不機嫌そうな顔をしないでくれよ。
「ふーん。」
 と、それだけ言うとハルヒは席について机につっぷした。なんだ?ただ寝不足で機嫌悪いだけなのか?
 そうは言っても俺の思考回路じゃハルヒの思考が読めるはずもなく、慌ただしく教室に入ってきた岡部の方に席ごと身体を向き直した。

 それから俺は無難に午前中の授業をこなし、昼放課となった。ハルヒはというと、午前の授業は全部寝てたらしい。ってかまだ寝てるぞコイツ。
 とりあえず弁当を食べようと支度をしているところで、携帯に一通のメールが来た。古泉からだ。
『お昼休みに申し訳ありません。少し話したいことがあるので部室に来て頂けませんか?』
 やれやれ、こいつからのメールは迷惑メール並みに煩わしい。とは言っても、どうせハルヒ絡みのことだろうし、シカトするのもなんだから行ってやるかね。
 毎日食卓を囲む級友二人に一言告げてから、俺は部室に向かった。
397@株主 ★:2008/05/25(日) 23:46:30.36 ID:nRSrbpwg0
「ちっ、まさか一年前のお前がそんなに夏休みを満喫していたとはな…。まぁいい。ただし今年は俺も絶対に誘えよ。プールか海に行くならな。」
 ああ、ハルヒの許可が下りればな。まぁまずプールに行くのにそんな許可は出ないだろうが。というかこいつ、長門の水着には興味無しか?何気に結構良かったんだけどな。
 そんな他愛も無い話を繰り広げているうちに、俺たちは教室に着いた。ただ、教室に入る前に谷口と話した話を除いて、だが。
「最近涼宮のやつ随分と元気ねぇみたいだけど、お前らなんかあったのか?」
 確かに、最近ハルヒのやつは元気が無い。いや、元気が無いと言うよりはストレスでいっぱいってな感じだ。
 まぁだが谷口が気づくぐらいだ。俺も数日前から異変を感じていたけどな。けどアイツのことだ、何か悩んでいるとしても、それを人に話すってことをしないやつだからな。そう答えて俺たちは教室に入り、いつもの席に座った。
 それから少し経った後、珍しく始業ベルギリギリにハルヒは登校してきた。
「珍しいな、お前が遅刻ギリギリなんてさ。寝坊でもしたのか?」
「朝からうるっさいわね!別にどうだって良いでしょ、そんなこと。」
 しまった。どうやら俺はハルヒの逆鱗に触れてしまったらしい。しかし怒鳴らなくても良いだろう。俺なりにお前のこと心配してるんだぞ。
「何でアンタがあたしの心配するわけ?」
 いや、最近元気ないみたいだからさ。っていうかそんな不機嫌そうな顔をしないでくれよ。
「ふーん。」
 と、それだけ言うとハルヒは席について机につっぷした。なんだ?ただ寝不足で機嫌悪いだけなのか?
 そうは言っても俺の思考回路じゃハルヒの思考が読めるはずもなく、慌ただしく教室に入ってきた岡部の方に席ごと身体を向き直した。

 それから俺は無難に午前中の授業をこなし、昼放課となった。ハルヒはというと、午前の授業は全部寝てたらしい。ってかまだ寝てるぞコイツ。
 とりあえず弁当を食べようと支度をしているところで、携帯に一通のメールが来た。古泉からだ。
『お昼休みに申し訳ありません。少し話したいことがあるので部室に来て頂けませんか?』
 やれやれ、こいつからのメールは迷惑メール並みに煩わしい。とは言っても、どうせハルヒ絡みのことだろうし、シカトするのもなんだから行ってやるかね。
 毎日食卓を囲む級友二人に一言告げてから、俺は部室に向かった。
398@株主 ★:2008/05/25(日) 23:46:32.50 ID:nRSrbpwg0
「ちっ、まさか一年前のお前がそんなに夏休みを満喫していたとはな…。まぁいい。ただし今年は俺も絶対に誘えよ。プールか海に行くならな。」
 ああ、ハルヒの許可が下りればな。まぁまずプールに行くのにそんな許可は出ないだろうが。というかこいつ、長門の水着には興味無しか?何気に結構良かったんだけどな。
 そんな他愛も無い話を繰り広げているうちに、俺たちは教室に着いた。ただ、教室に入る前に谷口と話した話を除いて、だが。
「最近涼宮のやつ随分と元気ねぇみたいだけど、お前らなんかあったのか?」
 確かに、最近ハルヒのやつは元気が無い。いや、元気が無いと言うよりはストレスでいっぱいってな感じだ。
 まぁだが谷口が気づくぐらいだ。俺も数日前から異変を感じていたけどな。けどアイツのことだ、何か悩んでいるとしても、それを人に話すってことをしないやつだからな。そう答えて俺たちは教室に入り、いつもの席に座った。
 それから少し経った後、珍しく始業ベルギリギリにハルヒは登校してきた。
「珍しいな、お前が遅刻ギリギリなんてさ。寝坊でもしたのか?」
「朝からうるっさいわね!別にどうだって良いでしょ、そんなこと。」
 しまった。どうやら俺はハルヒの逆鱗に触れてしまったらしい。しかし怒鳴らなくても良いだろう。俺なりにお前のこと心配してるんだぞ。
「何でアンタがあたしの心配するわけ?」
 いや、最近元気ないみたいだからさ。っていうかそんな不機嫌そうな顔をしないでくれよ。
「ふーん。」
 と、それだけ言うとハルヒは席について机につっぷした。なんだ?ただ寝不足で機嫌悪いだけなのか?
 そうは言っても俺の思考回路じゃハルヒの思考が読めるはずもなく、慌ただしく教室に入ってきた岡部の方に席ごと身体を向き直した。

 それから俺は無難に午前中の授業をこなし、昼放課となった。ハルヒはというと、午前の授業は全部寝てたらしい。ってかまだ寝てるぞコイツ。
 とりあえず弁当を食べようと支度をしているところで、携帯に一通のメールが来た。古泉からだ。
『お昼休みに申し訳ありません。少し話したいことがあるので部室に来て頂けませんか?』
 やれやれ、こいつからのメールは迷惑メール並みに煩わしい。とは言っても、どうせハルヒ絡みのことだろうし、シカトするのもなんだから行ってやるかね。
 毎日食卓を囲む級友二人に一言告げてから、俺は部室に向かった。
399@株主 ★:2008/05/25(日) 23:46:45.51 ID:nRSrbpwg0
「ちっ、まさか一年前のお前がそんなに夏休みを満喫していたとはな…。まぁいい。ただし今年は俺も絶対に誘えよ。プールか海に行くならな。」
 ああ、ハルヒの許可が下りればな。まぁまずプールに行くのにそんな許可は出ないだろうが。というかこいつ、長門の水着には興味無しか?何気に結構良かったんだけどな。
 そんな他愛も無い話を繰り広げているうちに、俺たちは教室に着いた。ただ、教室に入る前に谷口と話した話を除いて、だが。
「最近涼宮のやつ随分と元気ねぇみたいだけど、お前らなんかあったのか?」
 確かに、最近ハルヒのやつは元気が無い。いや、元気が無いと言うよりはストレスでいっぱいってな感じだ。
 まぁだが谷口が気づくぐらいだ。俺も数日前から異変を感じていたけどな。けどアイツのことだ、何か悩んでいるとしても、それを人に話すってことをしないやつだからな。そう答えて俺たちは教室に入り、いつもの席に座った。
 それから少し経った後、珍しく始業ベルギリギリにハルヒは登校してきた。
「珍しいな、お前が遅刻ギリギリなんてさ。寝坊でもしたのか?」
「朝からうるっさいわね!別にどうだって良いでしょ、そんなこと。」
 しまった。どうやら俺はハルヒの逆鱗に触れてしまったらしい。しかし怒鳴らなくても良いだろう。俺なりにお前のこと心配してるんだぞ。
「何でアンタがあたしの心配するわけ?」
 いや、最近元気ないみたいだからさ。っていうかそんな不機嫌そうな顔をしないでくれよ。
「ふーん。」
 と、それだけ言うとハルヒは席について机につっぷした。なんだ?ただ寝不足で機嫌悪いだけなのか?
 そうは言っても俺の思考回路じゃハルヒの思考が読めるはずもなく、慌ただしく教室に入ってきた岡部の方に席ごと身体を向き直した。

 それから俺は無難に午前中の授業をこなし、昼放課となった。ハルヒはというと、午前の授業は全部寝てたらしい。ってかまだ寝てるぞコイツ。
 とりあえず弁当を食べようと支度をしているところで、携帯に一通のメールが来た。古泉からだ。
『お昼休みに申し訳ありません。少し話したいことがあるので部室に来て頂けませんか?』
 やれやれ、こいつからのメールは迷惑メール並みに煩わしい。とは言っても、どうせハルヒ絡みのことだろうし、シカトするのもなんだから行ってやるかね。
 毎日食卓を囲む級友二人に一言告げてから、俺は部室に向かった。
400@株主 ★:2008/05/25(日) 23:46:47.89 ID:nRSrbpwg0
「ちっ、まさか一年前のお前がそんなに夏休みを満喫していたとはな…。まぁいい。ただし今年は俺も絶対に誘えよ。プールか海に行くならな。」
 ああ、ハルヒの許可が下りればな。まぁまずプールに行くのにそんな許可は出ないだろうが。というかこいつ、長門の水着には興味無しか?何気に結構良かったんだけどな。
 そんな他愛も無い話を繰り広げているうちに、俺たちは教室に着いた。ただ、教室に入る前に谷口と話した話を除いて、だが。
「最近涼宮のやつ随分と元気ねぇみたいだけど、お前らなんかあったのか?」
 確かに、最近ハルヒのやつは元気が無い。いや、元気が無いと言うよりはストレスでいっぱいってな感じだ。
 まぁだが谷口が気づくぐらいだ。俺も数日前から異変を感じていたけどな。けどアイツのことだ、何か悩んでいるとしても、それを人に話すってことをしないやつだからな。そう答えて俺たちは教室に入り、いつもの席に座った。
 それから少し経った後、珍しく始業ベルギリギリにハルヒは登校してきた。
「珍しいな、お前が遅刻ギリギリなんてさ。寝坊でもしたのか?」
「朝からうるっさいわね!別にどうだって良いでしょ、そんなこと。」
 しまった。どうやら俺はハルヒの逆鱗に触れてしまったらしい。しかし怒鳴らなくても良いだろう。俺なりにお前のこと心配してるんだぞ。
「何でアンタがあたしの心配するわけ?」
 いや、最近元気ないみたいだからさ。っていうかそんな不機嫌そうな顔をしないでくれよ。
「ふーん。」
 と、それだけ言うとハルヒは席について机につっぷした。なんだ?ただ寝不足で機嫌悪いだけなのか?
 そうは言っても俺の思考回路じゃハルヒの思考が読めるはずもなく、慌ただしく教室に入ってきた岡部の方に席ごと身体を向き直した。

 それから俺は無難に午前中の授業をこなし、昼放課となった。ハルヒはというと、午前の授業は全部寝てたらしい。ってかまだ寝てるぞコイツ。
 とりあえず弁当を食べようと支度をしているところで、携帯に一通のメールが来た。古泉からだ。
『お昼休みに申し訳ありません。少し話したいことがあるので部室に来て頂けませんか?』
 やれやれ、こいつからのメールは迷惑メール並みに煩わしい。とは言っても、どうせハルヒ絡みのことだろうし、シカトするのもなんだから行ってやるかね。
 毎日食卓を囲む級友二人に一言告げてから、俺は部室に向かった。
401SOS大戦プロローグ3:2008/05/25(日) 23:46:49.67 ID:eTK88z9K0
「おや、来て頂けましたか。」
部室のドアを開けるやいなや、真っ先に古泉が微笑んできやがった。長門と朝比奈さんもいた。
「早速ですが…」
 ハルヒ絡みのことなんだろ。と俺が遮ると、
「ええ。」
 と古泉は微笑んでみせた。
「ええ、それもあまり良い話ではありません。」
 やっぱりか。なんでかは解らんが、そんな予感はしてたよ。
「そうですか。実は、ここ最近の閉鎖空間に異常が見られるのです。」
 閉鎖空間に異常?元々アレの存在自体が異常だと思うが…。
「それもそうかもしれませんが、あの空間が無ければ涼宮さんの精神状態が不安定になることを考えると…」
 そこで俺は再び古泉の話を遮った。悪かったよ、今は揚げ足を取ってる場合じゃないんだよな?だからそんな怪訝そうな顔をするな。
「助かります。」
 そう言って古泉はいつものスマイルに戻った。続けてくれ。
「ええ。それでその異常なのですが、ここ最近の閉鎖空間には神人が現れ無かったり、現れてもとても小さな姿で現れるのです。」
 なんだって?でもそれはお前らからしたら思わぬ僥倖なんじゃないのか?小さいほうが早く倒せそうだしな。
「確かに、神人を撃退させるのは以前より楽になったと言えます。ですが以前と違うのは、神人を倒しても閉鎖空間が消滅するまでの時間が長くなりつつある点です。神人が消滅してから約20分ちかく空間が存在し続けたこともあります。」
 そうなのか?
「はい。これが何を意味しているのか、あなたに解りますか?」
 …。悪い、さっぱり解らん。
「いえ、構いません。今から説明します。これは機関の…いえ僕の推測ですが、」
 そこで古泉はわざとらしく区切り、
「神人は身体が小さいことによって、今までのように建設物を破壊することが困難になっています。故に、我々が神人を退けた後も閉鎖空間が存在するのは、涼宮さんのストレスが発散し切れていないことの表れなのかもしれません。」
 と深刻そうに話した。うーん、確かにその説明は理に適ってると思う。それでハルヒはここ最近不機嫌そうなわけだ。
402@株主 ★:2008/05/25(日) 23:46:50.28 ID:nRSrbpwg0
「ちっ、まさか一年前のお前がそんなに夏休みを満喫していたとはな…。まぁいい。ただし今年は俺も絶対に誘えよ。プールか海に行くならな。」
 ああ、ハルヒの許可が下りればな。まぁまずプールに行くのにそんな許可は出ないだろうが。というかこいつ、長門の水着には興味無しか?何気に結構良かったんだけどな。
 そんな他愛も無い話を繰り広げているうちに、俺たちは教室に着いた。ただ、教室に入る前に谷口と話した話を除いて、だが。
「最近涼宮のやつ随分と元気ねぇみたいだけど、お前らなんかあったのか?」
 確かに、最近ハルヒのやつは元気が無い。いや、元気が無いと言うよりはストレスでいっぱいってな感じだ。
 まぁだが谷口が気づくぐらいだ。俺も数日前から異変を感じていたけどな。けどアイツのことだ、何か悩んでいるとしても、それを人に話すってことをしないやつだからな。そう答えて俺たちは教室に入り、いつもの席に座った。
 それから少し経った後、珍しく始業ベルギリギリにハルヒは登校してきた。
「珍しいな、お前が遅刻ギリギリなんてさ。寝坊でもしたのか?」
「朝からうるっさいわね!別にどうだって良いでしょ、そんなこと。」
 しまった。どうやら俺はハルヒの逆鱗に触れてしまったらしい。しかし怒鳴らなくても良いだろう。俺なりにお前のこと心配してるんだぞ。
「何でアンタがあたしの心配するわけ?」
 いや、最近元気ないみたいだからさ。っていうかそんな不機嫌そうな顔をしないでくれよ。
「ふーん。」
 と、それだけ言うとハルヒは席について机につっぷした。なんだ?ただ寝不足で機嫌悪いだけなのか?
 そうは言っても俺の思考回路じゃハルヒの思考が読めるはずもなく、慌ただしく教室に入ってきた岡部の方に席ごと身体を向き直した。

 それから俺は無難に午前中の授業をこなし、昼放課となった。ハルヒはというと、午前の授業は全部寝てたらしい。ってかまだ寝てるぞコイツ。
 とりあえず弁当を食べようと支度をしているところで、携帯に一通のメールが来た。古泉からだ。
『お昼休みに申し訳ありません。少し話したいことがあるので部室に来て頂けませんか?』
 やれやれ、こいつからのメールは迷惑メール並みに煩わしい。とは言っても、どうせハルヒ絡みのことだろうし、シカトするのもなんだから行ってやるかね。
 毎日食卓を囲む級友二人に一言告げてから、俺は部室に向かった。
403@株主 ★:2008/05/25(日) 23:46:53.16 ID:nRSrbpwg0
「ちっ、まさか一年前のお前がそんなに夏休みを満喫していたとはな…。まぁいい。ただし今年は俺も絶対に誘えよ。プールか海に行くならな。」
 ああ、ハルヒの許可が下りればな。まぁまずプールに行くのにそんな許可は出ないだろうが。というかこいつ、長門の水着には興味無しか?何気に結構良かったんだけどな。
 そんな他愛も無い話を繰り広げているうちに、俺たちは教室に着いた。ただ、教室に入る前に谷口と話した話を除いて、だが。
「最近涼宮のやつ随分と元気ねぇみたいだけど、お前らなんかあったのか?」
 確かに、最近ハルヒのやつは元気が無い。いや、元気が無いと言うよりはストレスでいっぱいってな感じだ。
 まぁだが谷口が気づくぐらいだ。俺も数日前から異変を感じていたけどな。けどアイツのことだ、何か悩んでいるとしても、それを人に話すってことをしないやつだからな。そう答えて俺たちは教室に入り、いつもの席に座った。
 それから少し経った後、珍しく始業ベルギリギリにハルヒは登校してきた。
「珍しいな、お前が遅刻ギリギリなんてさ。寝坊でもしたのか?」
「朝からうるっさいわね!別にどうだって良いでしょ、そんなこと。」
 しまった。どうやら俺はハルヒの逆鱗に触れてしまったらしい。しかし怒鳴らなくても良いだろう。俺なりにお前のこと心配してるんだぞ。
「何でアンタがあたしの心配するわけ?」
 いや、最近元気ないみたいだからさ。っていうかそんな不機嫌そうな顔をしないでくれよ。
「ふーん。」
 と、それだけ言うとハルヒは席について机につっぷした。なんだ?ただ寝不足で機嫌悪いだけなのか?
 そうは言っても俺の思考回路じゃハルヒの思考が読めるはずもなく、慌ただしく教室に入ってきた岡部の方に席ごと身体を向き直した。

 それから俺は無難に午前中の授業をこなし、昼放課となった。ハルヒはというと、午前の授業は全部寝てたらしい。ってかまだ寝てるぞコイツ。
 とりあえず弁当を食べようと支度をしているところで、携帯に一通のメールが来た。古泉からだ。
『お昼休みに申し訳ありません。少し話したいことがあるので部室に来て頂けませんか?』
 やれやれ、こいつからのメールは迷惑メール並みに煩わしい。とは言っても、どうせハルヒ絡みのことだろうし、シカトするのもなんだから行ってやるかね。
 毎日食卓を囲む級友二人に一言告げてから、俺は部室に向かった。
404@株主 ★:2008/05/25(日) 23:46:55.84 ID:nRSrbpwg0
「ちっ、まさか一年前のお前がそんなに夏休みを満喫していたとはな…。まぁいい。ただし今年は俺も絶対に誘えよ。プールか海に行くならな。」
 ああ、ハルヒの許可が下りればな。まぁまずプールに行くのにそんな許可は出ないだろうが。というかこいつ、長門の水着には興味無しか?何気に結構良かったんだけどな。
 そんな他愛も無い話を繰り広げているうちに、俺たちは教室に着いた。ただ、教室に入る前に谷口と話した話を除いて、だが。
「最近涼宮のやつ随分と元気ねぇみたいだけど、お前らなんかあったのか?」
 確かに、最近ハルヒのやつは元気が無い。いや、元気が無いと言うよりはストレスでいっぱいってな感じだ。
 まぁだが谷口が気づくぐらいだ。俺も数日前から異変を感じていたけどな。けどアイツのことだ、何か悩んでいるとしても、それを人に話すってことをしないやつだからな。そう答えて俺たちは教室に入り、いつもの席に座った。
 それから少し経った後、珍しく始業ベルギリギリにハルヒは登校してきた。
「珍しいな、お前が遅刻ギリギリなんてさ。寝坊でもしたのか?」
「朝からうるっさいわね!別にどうだって良いでしょ、そんなこと。」
 しまった。どうやら俺はハルヒの逆鱗に触れてしまったらしい。しかし怒鳴らなくても良いだろう。俺なりにお前のこと心配してるんだぞ。
「何でアンタがあたしの心配するわけ?」
 いや、最近元気ないみたいだからさ。っていうかそんな不機嫌そうな顔をしないでくれよ。
「ふーん。」
 と、それだけ言うとハルヒは席について机につっぷした。なんだ?ただ寝不足で機嫌悪いだけなのか?
 そうは言っても俺の思考回路じゃハルヒの思考が読めるはずもなく、慌ただしく教室に入ってきた岡部の方に席ごと身体を向き直した。

 それから俺は無難に午前中の授業をこなし、昼放課となった。ハルヒはというと、午前の授業は全部寝てたらしい。ってかまだ寝てるぞコイツ。
 とりあえず弁当を食べようと支度をしているところで、携帯に一通のメールが来た。古泉からだ。
『お昼休みに申し訳ありません。少し話したいことがあるので部室に来て頂けませんか?』
 やれやれ、こいつからのメールは迷惑メール並みに煩わしい。とは言っても、どうせハルヒ絡みのことだろうし、シカトするのもなんだから行ってやるかね。
 毎日食卓を囲む級友二人に一言告げてから、俺は部室に向かった。
405@株主 ★:2008/05/25(日) 23:46:58.49 ID:nRSrbpwg0
「ちっ、まさか一年前のお前がそんなに夏休みを満喫していたとはな…。まぁいい。ただし今年は俺も絶対に誘えよ。プールか海に行くならな。」
 ああ、ハルヒの許可が下りればな。まぁまずプールに行くのにそんな許可は出ないだろうが。というかこいつ、長門の水着には興味無しか?何気に結構良かったんだけどな。
 そんな他愛も無い話を繰り広げているうちに、俺たちは教室に着いた。ただ、教室に入る前に谷口と話した話を除いて、だが。
「最近涼宮のやつ随分と元気ねぇみたいだけど、お前らなんかあったのか?」
 確かに、最近ハルヒのやつは元気が無い。いや、元気が無いと言うよりはストレスでいっぱいってな感じだ。
 まぁだが谷口が気づくぐらいだ。俺も数日前から異変を感じていたけどな。けどアイツのことだ、何か悩んでいるとしても、それを人に話すってことをしないやつだからな。そう答えて俺たちは教室に入り、いつもの席に座った。
 それから少し経った後、珍しく始業ベルギリギリにハルヒは登校してきた。
「珍しいな、お前が遅刻ギリギリなんてさ。寝坊でもしたのか?」
「朝からうるっさいわね!別にどうだって良いでしょ、そんなこと。」
 しまった。どうやら俺はハルヒの逆鱗に触れてしまったらしい。しかし怒鳴らなくても良いだろう。俺なりにお前のこと心配してるんだぞ。
「何でアンタがあたしの心配するわけ?」
 いや、最近元気ないみたいだからさ。っていうかそんな不機嫌そうな顔をしないでくれよ。
「ふーん。」
 と、それだけ言うとハルヒは席について机につっぷした。なんだ?ただ寝不足で機嫌悪いだけなのか?
 そうは言っても俺の思考回路じゃハルヒの思考が読めるはずもなく、慌ただしく教室に入ってきた岡部の方に席ごと身体を向き直した。

 それから俺は無難に午前中の授業をこなし、昼放課となった。ハルヒはというと、午前の授業は全部寝てたらしい。ってかまだ寝てるぞコイツ。
 とりあえず弁当を食べようと支度をしているところで、携帯に一通のメールが来た。古泉からだ。
『お昼休みに申し訳ありません。少し話したいことがあるので部室に来て頂けませんか?』
 やれやれ、こいつからのメールは迷惑メール並みに煩わしい。とは言っても、どうせハルヒ絡みのことだろうし、シカトするのもなんだから行ってやるかね。
 毎日食卓を囲む級友二人に一言告げてから、俺は部室に向かった。
406以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:47:00.63 ID:tuCWPT7+0
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407みるく ◆MILKELR6d6 :2008/05/25(日) 23:47:39.00 ID:nRSrbpwg0 BE:1006905694-DIA(123555) 株主優待
さすがにうざいな…  反省してるよ。 申し訳なかった…
408SOS大戦プロローグ4:2008/05/25(日) 23:47:41.41 ID:eTK88z9K0
「あくまで推測、ですがね。それに僕や機関の他の方々も、これ以上の情報を持っていません。そこで僕は、数日前から長門さんと朝比奈さんに相談しているのですが、ここでまた不可解な現象が生じていることに気づかされたのです。」
 マジかよ…。この間の佐々木たちとの騒動もかなりやっかいだったってのに、またやっかい事かよ。
「まぁそうおっしゃらずに。ここからは長門さんに説明して頂きましょう。良いですか?長門さん。」
 長門の方に目をやると、相変わらず注意していないとわからない程小さくうなずいた。
「ここ数日の間、涼宮ハルヒから彼女の力をわたしは半分程度しか感じない。わたし自身のエラーかと思い、昨日情報統合思念体に確認をとったが、涼宮ハルヒの力が半減していることは事実だと言われた。」
 ほんとうか?そうだとしたら神人が小さかったり、そのせいでハルヒのストレス解消ができてないことも説明がつきそうだが…。
「それだけではない。今日になってから、わたしと情報統合思念体とのアクセスが不安定になっている。強力なジャミングが仕掛けられている。」
 なんだって。古泉の方に目をやると、僕も先ほど聞いたばかりです、という様な顔で微笑んできた。くそ、なんで俺は古泉と目で会話ができるんだ?
「そしてわたし自身も、ここ数日間強力な力によって情報干渉を受けている。」
 そうなのか?やばい、さっきから疑問符が頭の中にいっぱいだ。この一年ちょっとでかなり非常識な体験をしてきた俺だが、新たな展開に多少混乱している。
「ジャミングを仕掛けている者と、わたしに情報干渉を仕掛けてきている者は同じとみている。けれど、詳細は不明。」
 俺は咄嗟に考えついたことを長門に話してみる。
「待てよ。それって前の雪山で遭難した時と似てないか?まさかまた天蓋領域とかいうやつらが…。」
「彼らとは違う。」
 やけにはっきりと俺の考えは否定された。どうしてだ?
「言葉で説明するのは困難。」
 そうですか。と、俺が困った顔でもしていたのか、
「解ってしまうのだから仕方が無い、ということですよ。」
 と古泉がフォローを入れる。そうだな。でもだとしたらまた新キャラ登場か?もう勘弁してほしいのだがな、俺は。
「あ、あのぅ〜。」
 ここでやっと愛しの朝比奈さんが口を開いた。はいはい、何でも言って下さい。
「実は、わたしも未来との連絡が取りずらくなってて…。この世界の未来が無くなってしまったとか、そういうわけではないと思うんですが…原因が解らなくて…。」
 朝比奈さんは、今にも泣き出してしまうのではないかといった面持ちでそう言った。そんな顔をしないで下さい朝比奈さん。
「ごめんなさい、不安なのはわたしだけじゃ無いですよね…。」
 確かに、俺も段々不安になってきた。えーっとだな、整理すると…ハルヒの変態超パワーが半分になって、そのせいで神人は小さくなっちまってストレス発散ができない。んでもって長門と朝比奈さんはそれぞれのバックに連絡が取れない。
 …おまけに、長門自身に情報干渉だと?ふざけるなよ。ただでさえ俺たちは長門に頼りっぱなしで負担をかけてるのに、それに加えて正体不明のやつに負荷をかけられてるなんて。納得がいかん。
409以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:47:47.94 ID:5R6NJcIF0
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410以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:48:03.31 ID:tuCWPT7+0
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411みるく ◆MILKELR6d6 :2008/05/25(日) 23:48:32.64 ID:nRSrbpwg0 BE:419544353-DIA(123555) 株主優待
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412みるく ◆MILKELR6d6 :2008/05/25(日) 23:48:36.08 ID:nRSrbpwg0 BE:391574472-DIA(123555) 株主優待
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413みるく ◆MILKELR6d6 :2008/05/25(日) 23:48:38.00 ID:nRSrbpwg0 BE:391574472-DIA(123555) 株主優待
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414みるく ◆MILKELR6d6 :2008/05/25(日) 23:48:39.88 ID:nRSrbpwg0 BE:559392645-DIA(123555) 株主優待
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415みるく ◆MILKELR6d6 :2008/05/25(日) 23:48:42.49 ID:nRSrbpwg0 BE:895027384-DIA(123555) 株主優待
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416みるく ◆MILKELR6d6 :2008/05/25(日) 23:48:44.29 ID:nRSrbpwg0 BE:447514144-DIA(123555) 株主優待
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417みるく ◆MILKELR6d6 :2008/05/25(日) 23:48:53.94 ID:nRSrbpwg0 BE:223757524-DIA(123555) 株主優待
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418以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:48:58.07 ID:tuCWPT7+0
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419SOS大戦プロローグ5:2008/05/25(日) 23:49:30.40 ID:eTK88z9K0
「別にあなたたちはわたしに負担などかけていない。」
 そうは言うがな長門、俺はお前にいつも頼っちまう。なのに俺は長門に何もできないのが悔しいんだよ。
「そんなことはない。それに、ジャミングや情報干渉についてはこちらの問題。」
 でもなぁ…。で、これから俺たちはどうするんだ?何をすればいい?情けないが、俺にはあまり良い考えが浮かばないのだが…。
「一つは決まっています。涼宮さんはSOS団の活動によって充実した時間を過ごせばストレスを溜めることはなく、また閉鎖空間を生み出さないことはわかっています。ですので、これからはなるべく今まで以上に涼宮さんに彼女が楽しめるイベントを提供する必要があります。」
 なるほどな。そもそも閉鎖空間を生み出してもストレスが解消できないっていうなら、ストレスを溜めさせないように俺たちがする必要があるわけだ。ん、待てよ。それって今までと変わらなくないか?
「そう思われるかもしれませんが、閉鎖空間によるストレス解消が困難な今、涼宮さんの精神を落ち着かせることができるのは我々だけなのです。」
 それはちょっと、いやかなりやっかいだな。それで世界は改変されちまったら困るのは俺たちだし。ん…またおかしい点を発見したぞ。
「どうされました?」
「ハルヒのトンデモパワーが半減してるんだったら、あいつはイライラがマックスになっても世界を改変できないんじゃないのか?」
「半分の力で世界を改変できない保証がありますか?」
 俺の考えは浅はかだったらしい。しかしだな、世界を改変できるだけの力が残っているなら、小さい神人なんか生み出さないと思うのだが…。
「確かに、そう考えるのが普通でしょう。しかし、こうも考えられませんか?力が半減してしまったが故に、まるごと世界を改変できず部分的に改変してしまう可能性もある、とは。」
 …なるほどな。ありえん話じゃないな。部分的にだとしても、世界が変わっちまうのは嫌だしな。
「解って頂けましたか。僕や長門さんや朝比奈さんは、それぞれの組織と共に調査を続けます。そこで何か新しい発見があったら連絡を取り合うことにしました。それと同時に、SOS団の活動も有意義なものにしていかなければなりません。」
 有意義か。まぁ様はハルヒが喜びそうなイベントを用意したり、ハルヒが不機嫌にならないように注意してれば良いんだよな?
「まぁ他にもして頂きたいことはあるのですが…いえ、とりあえずはそんなところですね。」
 なんだよ、もったいぶるやつだな。実際今の事態が深刻なのは俺でも解ってるつもりだぞ。俺にできることがあるなら言ってくれ。
「でしたら、今までと変わりなく涼宮さんに接して頂きたいと思います。あまり急に積極的になられても、かえって彼女が混乱してしまうかもしれませんしね。」
 積極的?よく意味が解らんが、まぁ俺なりにやってみるよ。
「ふふ、あなたらしいですね。」
 と、そろそろ戻らないと午後の授業が始まっちまうんで、俺たちは解散した。
 その後の授業やSOS団の集まりも滞りなく進み、俺は帰路についた。
 母親の作ったシチューを食べてから風呂に入り、特にやることも無かった俺はすぐに布団に潜ることにした。
 正直、自体が深刻なのは理解していたつもりだったが、それでもいつもの様になんとかなると思っていた。


 ───しかし。
 事態は翌日、急展開を迎えた。
420以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:49:42.03 ID:OZKWP99D0
いいじゃないか。おもしろいぞ。
421以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:50:29.52 ID:5R6NJcIF0
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422以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:51:22.61 ID:tuCWPT7+0
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423みるく ◆MILKELR6d6 :2008/05/25(日) 23:51:22.48 ID:nRSrbpwg0 BE:2013811698-DIA(123555) 株主優待
「別にあなたたちはわたしに負担などかけていない。」
 そうは言うがな長門、俺はお前にいつも頼っちまう。なのに俺は長門に何もできないのが悔しいんだよ。
「そんなことはない。それに、ジャミングや情報干渉についてはこちらの問題。」
 でもなぁ…。で、これから俺たちはどうするんだ?何をすればいい?情けないが、俺にはあまり良い考えが浮かばないのだが…。
「一つは決まっています。涼宮さんはSOS団の活動によって充実した時間を過ごせばストレスを溜めることはなく、また閉鎖空間を生み出さないことはわかっています。ですので、これからはなるべく今まで以上に涼宮さんに彼女が楽しめるイベントを提供する必要があります。」
 なるほどな。そもそも閉鎖空間を生み出してもストレスが解消できないっていうなら、ストレスを溜めさせないように俺たちがする必要があるわけだ。ん、待てよ。それって今までと変わらなくないか?
「そう思われるかもしれませんが、閉鎖空間によるストレス解消が困難な今、涼宮さんの精神を落ち着かせることができるのは我々だけなのです。」
 それはちょっと、いやかなりやっかいだな。それで世界は改変されちまったら困るのは俺たちだし。ん…またおかしい点を発見したぞ。
「どうされました?」
「ハルヒのトンデモパワーが半減してるんだったら、あいつはイライラがマックスになっても世界を改変できないんじゃないのか?」
「半分の力で世界を改変できない保証がありますか?」
 俺の考えは浅はかだったらしい。しかしだな、世界を改変できるだけの力が残っているなら、小さい神人なんか生み出さないと思うのだが…。
「確かに、そう考えるのが普通でしょう。しかし、こうも考えられませんか?力が半減してしまったが故に、まるごと世界を改変できず部分的に改変してしまう可能性もある、とは。」
 …なるほどな。ありえん話じゃないな。部分的にだとしても、世界が変わっちまうのは嫌だしな。
「解って頂けましたか。僕や長門さんや朝比奈さんは、それぞれの組織と共に調査を続けます。そこで何か新しい発見があったら連絡を取り合うことにしました。それと同時に、SOS団の活動も有意義なものにしていかなければなりません。」
 有意義か。まぁ様はハルヒが喜びそうなイベントを用意したり、ハルヒが不機嫌にならないように注意してれば良いんだよな?
「まぁ他にもして頂きたいことはあるのですが…いえ、とりあえずはそんなところですね。」
 なんだよ、もったいぶるやつだな。実際今の事態が深刻なのは俺でも解ってるつもりだぞ。俺にできることがあるなら言ってくれ。
「でしたら、今までと変わりなく涼宮さんに接して頂きたいと思います。あまり急に積極的になられても、かえって彼女が混乱してしまうかもしれませんしね。」
 積極的?よく意味が解らんが、まぁ俺なりにやってみるよ。
「ふふ、あなたらしいですね。」
 と、そろそろ戻らないと午後の授業が始まっちまうんで、俺たちは解散した。
 その後の授業やSOS団の集まりも滞りなく進み、俺は帰路についた。
 母親の作ったシチューを食べてから風呂に入り、特にやることも無かった俺はすぐに布団に潜ることにした。
 正直、自体が深刻なのは理解していたつもりだったが、それでもいつもの様になんとかなると思っていた。


 ───しかし。
 事態は翌日、急展開を迎えた。
424みるく ◆MILKELR6d6 :2008/05/25(日) 23:51:29.13 ID:nRSrbpwg0 BE:1510359269-DIA(123555) 株主優待
「別にあなたたちはわたしに負担などかけていない。」
 そうは言うがな長門、俺はお前にいつも頼っちまう。なのに俺は長門に何もできないのが悔しいんだよ。
「そんなことはない。それに、ジャミングや情報干渉についてはこちらの問題。」
 でもなぁ…。で、これから俺たちはどうするんだ?何をすればいい?情けないが、俺にはあまり良い考えが浮かばないのだが…。
「一つは決まっています。涼宮さんはSOS団の活動によって充実した時間を過ごせばストレスを溜めることはなく、また閉鎖空間を生み出さないことはわかっています。ですので、これからはなるべく今まで以上に涼宮さんに彼女が楽しめるイベントを提供する必要があります。」
 なるほどな。そもそも閉鎖空間を生み出してもストレスが解消できないっていうなら、ストレスを溜めさせないように俺たちがする必要があるわけだ。ん、待てよ。それって今までと変わらなくないか?
「そう思われるかもしれませんが、閉鎖空間によるストレス解消が困難な今、涼宮さんの精神を落ち着かせることができるのは我々だけなのです。」
 それはちょっと、いやかなりやっかいだな。それで世界は改変されちまったら困るのは俺たちだし。ん…またおかしい点を発見したぞ。
「どうされました?」
「ハルヒのトンデモパワーが半減してるんだったら、あいつはイライラがマックスになっても世界を改変できないんじゃないのか?」
「半分の力で世界を改変できない保証がありますか?」
 俺の考えは浅はかだったらしい。しかしだな、世界を改変できるだけの力が残っているなら、小さい神人なんか生み出さないと思うのだが…。
「確かに、そう考えるのが普通でしょう。しかし、こうも考えられませんか?力が半減してしまったが故に、まるごと世界を改変できず部分的に改変してしまう可能性もある、とは。」
 …なるほどな。ありえん話じゃないな。部分的にだとしても、世界が変わっちまうのは嫌だしな。
「解って頂けましたか。僕や長門さんや朝比奈さんは、それぞれの組織と共に調査を続けます。そこで何か新しい発見があったら連絡を取り合うことにしました。それと同時に、SOS団の活動も有意義なものにしていかなければなりません。」
 有意義か。まぁ様はハルヒが喜びそうなイベントを用意したり、ハルヒが不機嫌にならないように注意してれば良いんだよな?
「まぁ他にもして頂きたいことはあるのですが…いえ、とりあえずはそんなところですね。」
 なんだよ、もったいぶるやつだな。実際今の事態が深刻なのは俺でも解ってるつもりだぞ。俺にできることがあるなら言ってくれ。
「でしたら、今までと変わりなく涼宮さんに接して頂きたいと思います。あまり急に積極的になられても、かえって彼女が混乱してしまうかもしれませんしね。」
 積極的?よく意味が解らんが、まぁ俺なりにやってみるよ。
「ふふ、あなたらしいですね。」
 と、そろそろ戻らないと午後の授業が始まっちまうんで、俺たちは解散した。
 その後の授業やSOS団の集まりも滞りなく進み、俺は帰路についた。
 母親の作ったシチューを食べてから風呂に入り、特にやることも無かった俺はすぐに布団に潜ることにした。
 正直、自体が深刻なのは理解していたつもりだったが、それでもいつもの様になんとかなると思っていた。


 ───しかし。
 事態は翌日、急展開を迎えた。
425みるく ◆MILKELR6d6 :2008/05/25(日) 23:51:35.19 ID:nRSrbpwg0 BE:279696825-DIA(123555) 株主優待
「別にあなたたちはわたしに負担などかけていない。」
 そうは言うがな長門、俺はお前にいつも頼っちまう。なのに俺は長門に何もできないのが悔しいんだよ。
「そんなことはない。それに、ジャミングや情報干渉についてはこちらの問題。」
 でもなぁ…。で、これから俺たちはどうするんだ?何をすればいい?情けないが、俺にはあまり良い考えが浮かばないのだが…。
「一つは決まっています。涼宮さんはSOS団の活動によって充実した時間を過ごせばストレスを溜めることはなく、また閉鎖空間を生み出さないことはわかっています。ですので、これからはなるべく今まで以上に涼宮さんに彼女が楽しめるイベントを提供する必要があります。」
 なるほどな。そもそも閉鎖空間を生み出してもストレスが解消できないっていうなら、ストレスを溜めさせないように俺たちがする必要があるわけだ。ん、待てよ。それって今までと変わらなくないか?
「そう思われるかもしれませんが、閉鎖空間によるストレス解消が困難な今、涼宮さんの精神を落ち着かせることができるのは我々だけなのです。」
 それはちょっと、いやかなりやっかいだな。それで世界は改変されちまったら困るのは俺たちだし。ん…またおかしい点を発見したぞ。
「どうされました?」
「ハルヒのトンデモパワーが半減してるんだったら、あいつはイライラがマックスになっても世界を改変できないんじゃないのか?」
「半分の力で世界を改変できない保証がありますか?」
 俺の考えは浅はかだったらしい。しかしだな、世界を改変できるだけの力が残っているなら、小さい神人なんか生み出さないと思うのだが…。
「確かに、そう考えるのが普通でしょう。しかし、こうも考えられませんか?力が半減してしまったが故に、まるごと世界を改変できず部分的に改変してしまう可能性もある、とは。」
 …なるほどな。ありえん話じゃないな。部分的にだとしても、世界が変わっちまうのは嫌だしな。
「解って頂けましたか。僕や長門さんや朝比奈さんは、それぞれの組織と共に調査を続けます。そこで何か新しい発見があったら連絡を取り合うことにしました。それと同時に、SOS団の活動も有意義なものにしていかなければなりません。」
 有意義か。まぁ様はハルヒが喜びそうなイベントを用意したり、ハルヒが不機嫌にならないように注意してれば良いんだよな?
「まぁ他にもして頂きたいことはあるのですが…いえ、とりあえずはそんなところですね。」
 なんだよ、もったいぶるやつだな。実際今の事態が深刻なのは俺でも解ってるつもりだぞ。俺にできることがあるなら言ってくれ。
「でしたら、今までと変わりなく涼宮さんに接して頂きたいと思います。あまり急に積極的になられても、かえって彼女が混乱してしまうかもしれませんしね。」
 積極的?よく意味が解らんが、まぁ俺なりにやってみるよ。
「ふふ、あなたらしいですね。」
 と、そろそろ戻らないと午後の授業が始まっちまうんで、俺たちは解散した。
 その後の授業やSOS団の集まりも滞りなく進み、俺は帰路についた。
 母親の作ったシチューを食べてから風呂に入り、特にやることも無かった俺はすぐに布団に潜ることにした。
 正直、自体が深刻なのは理解していたつもりだったが、それでもいつもの様になんとかなると思っていた。


 ───しかし。
 事態は翌日、急展開を迎えた。
426以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:52:24.12 ID:5R6NJcIF0
支援
427以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:52:50.39 ID:eTK88z9K0
投下してしまいました。株主さんすみません。
とりあえずプロローグは以上です。1話も書き終わっています。
ただ、このスレの趣旨に反しているとマズいので、反しているようでしたら教えて下さいm(__)m

本当にただの自己満SSになってるかもしれませんが、何卒ご容赦をm(__)m
428みるく ◆MILKELR6d6 :2008/05/25(日) 23:54:04.02 ID:nRSrbpwg0 BE:2265538199-DIA(123555) 株主優待
>>427

読んでないけど。    
文章がダラダラ長くてあれですね。 あんまし…
429以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:54:07.14 ID:5R6NJcIF0
>>427
おkおk。気にするな。がんばって続きを書いてくれ。
SSなんてみんな自己満足の産物だ。
430以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:54:25.97 ID:8SWxozFvO
>>427
その株主ってのは荒らしだから無視すればおk
乙!
431以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:54:31.94 ID:1dpET+Jj0
>>427

荒らしに謝ることは無いよ。
432みるく ◆MILKELR6d6 :2008/05/25(日) 23:55:35.82 ID:nRSrbpwg0 BE:559392454-DIA(123555) 株主優待
おいおい!!
荒らしってなんだよ!!  おかしいだろ!!!

本物の荒らしってのはもっと酷いぞ! 
433以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:55:48.44 ID:tuCWPT7+0
>>427
これは続きが楽しみだな。
434以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/25(日) 23:58:57.61 ID:OZKWP99D0
今のトコロ問題ないよ。てか現状ではさっぱり分からんしなw
全部書きおえてないようだけど、長編の連載は本当に難しいから、頑張って欲しい。
435以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:01:48.30 ID:eAngp7TS0
支援
436以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:02:37.93 ID:GcwMvz0kO
読んでみたけど面白いね。ほど良く改行されてるし、作者さん頑張って下さいね。ついでに支援
437以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:02:48.02 ID:501dwzFg0
みなさん、暖かいお言葉誠にありがとうございますm(__)m
実は涼宮ハルヒシリーズには先月初めて出会いまして…というかラノベというものも初体験だったのですが;;
そこで自分の好きなスパロボと混ぜてみたいなぁと思って、SSというのも初めて書いてみました。
ですので…かなり自己満ですm(__)m

大分スレ数を消費してしまい言いずらいのですが、もしよろしかったら第1話も投下しようと
思います。
すぐに投下してしまって大丈夫でしょうか?
438以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:03:31.35 ID:46kebisH0
>>437
いいよ、支援する。どんとこい。
439以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:04:16.60 ID:GcwMvz0kO
して下さい。今すぐに、お願いします。
440以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:04:46.46 ID:1+5qkJBRO
スパロボなんて知らないやつには苦痛でしょうがないな
441以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:05:07.12 ID:1+5qkJBRO
ほんとその辺考えてるのかな
442SOS大戦第1話・1:2008/05/26(月) 00:05:14.45 ID:501dwzFg0
 第1話『目覚める戦士』

 次の日、俺はいつもの様に学校へと行き、いつもの様に午前中の授業を睡魔と闘いながら乗り切った。いや、勝てなかったけどな。
 そして昼休み。ハルヒが変なことを言い出した。
「ちょっとキョン。なんか今日、いつもとクラスの雰囲気が違うと思わない?」
 なに?俺にはいつもと同じ様にみえるが…。
「ホントに?アンタ、先週わたしが阪中さんと話した内容覚えてる?」
 いくら俺の記憶力が弱いといってもだな、それぐらい最近のことなら覚えてるぞ。たしか、今度の日曜日にSOS団プラス鶴屋さんで阪中の家に遊びに行くって話しだろ?
「そうよ。それで今日彼女にその話をしたらね、そんな約束したっけ?って言い出したのよ。」
 なんだって?あの時の会話の流れからして、阪中が社交辞令でその話を承諾したようにはみえなかったぞ。いや、どっちかっていうと阪中の方から遊びたがってたような…。
「でしょう?もちろんそれだけで雰囲気がおかしいと思ってるわけじゃないわ。今日の数学の授業、あれもっと随分先にやる範囲をやってたわ。」
 そうなのか?だったら俺が理解できんのも当然だな。
「バカ。アンタは普段の授業にもついてこれてないじゃないの。」
 痛いとこをつくやつだな。でも確かに言われてみれば今日の学校はおかしい。いや、学校だけじゃない。まるで世界が変わっちまったかのような違和感が…。
 そう窓の外を見ながら考えていると、空に飛行機が見えた。おいおい、ちょっと高度が低すぎやしないか。っていうか、なんか飛行機っていう形じゃねぇな。しかも段々学校に向かってきてるような…。



 ───その時だった。



 ドォォォォォン。

 もの凄い轟音と地響きが俺たちを襲った。俺はまだ目の前の状況がつかめていない。

「うそでしょ…。なによアレ!」
 ハルヒが俺より先に声をあげた。クラスの生徒もざわざわと騒ぎ出した。そりゃ無理も無い、こんな田舎の高校のグランドに飛行機?らしきものが墜落してきたんだからな。
443以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:05:58.62 ID:GcwMvz0kO
>>440
そんなに苦痛なの?だったら俺は苦痛を伴うじゃないか。
444以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:06:00.05 ID:46kebisH0
支援

なんか問題出たら下記スレへ。
http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1198086107/
445以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:06:43.33 ID:GcwMvz0kO
>>440
そんなに苦痛なの?
だったら俺は苦痛を伴うな
446SOS大戦第1話・2:2008/05/26(月) 00:07:15.42 ID:501dwzFg0
「ちょっとアタシ見てくる!」
 嬉々とした表情でハルヒが駆け出す。それを追うように俺も走った。やっと俺は事態を理解した。いや実際は何も理解なんてしてはいないのだが、昨日あんな話を聞いたばかりだ。胸騒ぎがする。
「待て!ハルヒ!墜落してるんだぞ。爆発するかもしれん、危険だ!」
「何言ってんのよ。事件よ事件!わたしたちSOS団の出番だわ!」
 ダメだ。こいつを止めるのに俺じゃ力不足だ。なんてことを考えているうちに、俺たちはグランドまで来ていた。他にも生徒たちが集まってきている。
「軍の輸送機だね。」
「まさかうちの高校のグランドに堕ちるなんてな。」
「おいおい、戦争はよそでやってくれよな。」
 …は?俺は周りの生徒の会話に耳を疑った。みんな何を言ってるんだ?戦争?日本は今戦争なんてしてないだろう。ってかなんでこれが輸送機ってわかるんだ?こんなもん俺は初めて見るぞ。
「やっぱり変だわ。」
 さっきとは違い嬉々とした様子でハルヒが呟いた。
「お前も変だと思うのか?」
「当たり前よ。いつからうちの学校の生徒はミリタリーオタクになったっていうのよ。」
 だよな…。こりゃ明らかにおかしいぜ。そう思いながらハルヒの方を向いていた俺は、またもや信じられない光景を目にした。
 虫のような外見のロボット?らしきものがこっちに向かって飛んでくる。しかも何か光ってるぞ…ってまずい!!
「伏せろぉー!!」
 そう俺は叫び、ハルヒに飛び掛るようにしてハルヒごと伏せた。なんでかって?あの虫型の未確認飛行物体がレーザーのようなものを撃ってきたからだ。
「いきなりなにすんのよ!…ちょっと!どこ触ってんのよこのエロキョン!!」
 ハルヒの罵声が聞こえる。少しは感謝してもらいたいね。
「え…。今のなに?」
 ハルヒは起き上がりつつ虫型の飛行物体の方を向いた。他の生徒たちは大パニックで騒ぎだした。走って逃げるやつもいれば、腰を抜かしちまってるやつもいる。
「ハルヒ!俺たちも逃げるぞ!こりゃただの事件どころじゃない!」
 俺はそう言ってから気づいた。ハルヒがなにやら深刻そうな顔で俺の後ろを見ていることに。振り返ってみると…。
「マジかよ…。」
 学校がさっきの砲撃で崩れかけていた。堕ちてきた瓦礫で俺の後ろはエライことになっている。さらに───
447以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:07:26.05 ID:46kebisH0
支援
448以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:07:25.95 ID:1+5qkJBRO
>>443
いやだって知らないのテーマにされてもつまんないだけじゃん
449SOS大戦第1話・3:2008/05/26(月) 00:08:04.93 ID:501dwzFg0
「なんなのよ…!こいつ!」
 俺の後ろにも虫型のロボットがいやがった。学校を越えて降りてきたのか?いかん、そんなことを考えてる場合じゃ…。
「なにボサっと突っ立ってんのよ!!早く逃げるわよ!!」
 そう言ってハルヒは俺の手を掴んで走り出した。でも何処に逃げるんだ?後ろは虫型ロボットが1体に瓦礫や逃げまどう生徒の群れでいっぱいだぞ。
「あっちよ!」
 ハルヒが指を指したのは数機の虫型ロボットが向かってきている正面だった。確かに真後ろのやつよりかは大分距離は離れているが、4体ぐらいいるぞ。
「でも後ろよりはいいわ。グランドを横断して非難するわよ。学校なんかいつ倒れてもおかしくないんだからっ!」
 そう言い終わると、ハルヒは周りで動けなくなってる生徒たちにも逃げるように叫んだ。ああ、やっぱりこいつ良いやつなんだな、と悠長なことを俺は考えた。その瞬間───
 ドォォォォン。
 またも砲撃。しかも今度は俺たちが走ってる目の前を撃ってきやがった。激しい地響きで俺とハルヒは倒れこんだ。近くには墜落した輸送機?がある。
「…あいつら、この飛行船を狙ってるの!?ねぇキョン!有希やみくるちゃんや古泉くんは無事かしら!?」
「わからん。とにかくこれじゃ迂闊に動けないぞ!前も撃たれてるし、ここも危険だし!いったいどうすりゃ…。」
 俺は輸送機?の方を見ながら話していたんだが、そこで信じられないものを見つけた。撃たれて穴が開けられたであろうその輸送機?の穴から、俺は『それ』を見つけた。
 『それ』は小さい頃テレビで夢中になって観ていた、人型ロボットの足に俺は見えた。
「あれって…もしかして…。」
 俺の視線に気づいたハルヒも同じ『それ』を見つけたようだ。なんだなんだ、このアニメとかでありがちな展開は。
「─くわ───!」
 え?なんだって?ハルヒが何か呟いたみたいだが、頭の中が天変地異を起こしてる俺には聞き取れなかった。そして─
「おい!どこ行くんだよ!」
 ハルヒは俺の腕を掴んで『それ』の見える輸送機?に向かって走りだしていた。
 俺はハルヒに言われるがまま共に輸送機?によじ登り、その中に入った。
「案外中は広いのね。っていうかもしかしてとは思ったけど、こんなのが本当に世の中にあったなんてね。」
 なんでお前はそんな平然としていられるんだ?ああ、俺はもう驚きを隠しきれん。なんでこんなもんが在るんだ?政府が秘密裏に開発してたのか?そう、俺たちの目の前にあったのは───
 

──ロボットだった。
450以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:08:14.89 ID:46kebisH0
支援
451以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:08:58.06 ID:eAngp7TS0
>>448
文句は全部読んでからいえ
452SOS大戦第1話・4:2008/05/26(月) 00:09:08.20 ID:501dwzFg0
「キョン…。」
 今まで非常識なことに散々巻き込まれて…
「キョン?」
 もう大抵のことじゃ驚かないと思ってはいたが…
「キョン!」
 こりゃ驚いたぜ。
「キョンってば!!」
 その声で俺は我に返った。
「悪い、あまりの衝撃に我を失ってた。」
「そんなことどうでも良いわよ!それより…これに乗るわよ!!」
 まさかと思ったが…。マジで言ってるのか、こいつは。こんなもん素人の俺たちが動かせるわけないだろ。アニメと違って現実はそんな甘くない。
「じゃあアンタ、このまま学校の連中を見捨てる気?あたしだってもう面白さとか好奇心でこんなこと言ってるわけじゃないわ。」
 お前はこいつでみんなを守る気かよ。そりゃ俺だって、あの学校やそこにいる人間たちに愛着はある。けど無理だろ…こんなわけの解らんロボットに乗って、敵と戦うなんて!
「…ならアンタは逃げなさい。」
 ハルヒは起用にロボットのコックピットと思われるところに上っていった。とはいっても、墜落した衝撃で倒れているから上れるのだが。
 いや、そんなことを解説してる場合じゃない。俺はどうするんだ?いくらハルヒがスポーツ万能で成績優秀、かつ──半減したとはいえ──変態超パワーを持っているとしても、こんなの動かせるのか?
 あいつ一人にこんな危険なことさせるのか?俺だって手を貸してやればいいじゃねぇか!今までだってそうしてきただろ!確かに俺は何にもできない一般人だ。だけど!だけど───


「待て!」


 気づいたら俺は叫んでいた。
「なによ?」
「俺も乗る。」
 ああ、もうこうなったらなんでもありだ。逃げようにも逃げ場も無いし、様子が変だとは言っても級友たちを放って逃げ出すほど、俺は腑抜けじゃない!
453以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:09:56.28 ID:ruxPDPwS0
>>448
まあ、嫌だったらスルーしろよ。俺はスパロボ好きだけど

支援
454SOS大戦第1話・5:2008/05/26(月) 00:09:56.33 ID:501dwzFg0
「本当にいいのね?多分、めっちゃんこ危ないわよ。さっきはあんたにも乗るように言ったけど、怖かったら無理しなくていいわ。学校はあたしが守るから…!」
「構わん。お前一人にそんな危ないことさせられるか。こんなわけのわからんシチュエーションで死にたくも無いしな。役には立たんと思うが、俺も闘うぞ。」
 ハルヒと会話をしながら俺も機体によじ上り、なんとかコックピットに乗り込んだ。
「わかったわ──って急に入ってくるんじゃないわよ!狭いんだから、ここ!」
 ハルヒの言うこともごもっともだ。もしかして俺、邪魔っすか?

 ドォォォォォン。

「うわっ!」
 機体が──正確には輸送機が揺れた。外から砲撃を受けてるのか!?
「んもう、早くシートに座りなさい!」
「お前はどうするんだよ?」
「あたしはあんたの膝の上に座るわ。いいから早く!」
 なるほど、そういうことか。っていうかそれより動かし方は解るのかよ?
「勘よ、勘。」
 …やっぱり俺、降りてもいいか?しかし──思っていた程コックピットの中は複雑では無かった。いや、複雑は複雑なんだが、なんとか操縦できそうな気がしたんだ。なんとなくな。
 俺とハルヒは急いで機体のOSを立ち上げ、目の前のディスプレイに操縦方法を表示させ、簡単に確認した。外からは爆音が聞こえる。急がないとマズイ!
 ディスプレイに何か横文字で表示された。ハルヒがそれを声に出して読む。
「ゲシュ…ペンスト?この機動兵器の名前かしら?それにしては縁起の悪い名前ね。」
 そうなのか?何語かは知らんが、知らない単語で助かったぜ。
455以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:10:13.73 ID:46kebisH0
支援

ID:1+5qkJBROはみるくだから無視。
456SOS大戦第1話・6:2008/05/26(月) 00:10:27.37 ID:501dwzFg0
 
 グォォォォン。

「キョン!動いたわよ、こいつ!!」
 やっと動いてくれた。でもまだ安心はできない。素人がこんなもん操縦して、本当にあんな化け物みたいな虫型ロボットを倒せるのか?
 頭の中のネガティブな思考を振り払い、俺も手を動かした。もう悠長なこと言ってられるか。

 とにかく──やるしかない!
「いくわよ、キョン!しっかり掴まってなさい!!」
 そう言ってハルヒはブーストを点火し、輸送機の内壁を突き破って、俺たちを乗せたゲシュペンストは外に飛び出した。

457以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:10:37.03 ID:46kebisH0
支援
458以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:10:47.61 ID:1+5qkJBRO
>>451
いやこんなの読む気にもならんよ。
こんな小学生の作文みたいの読んでて何が楽しいのやら
459以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:11:39.97 ID:ruxPDPwS0
支援
460以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:13:54.39 ID:501dwzFg0
最後短くなってしまいました。
上手く改行できるように練習します…。
支援して下さってる方々、本当にありがとうございます!m(__)m

そうですね…確かに興味が無い方にはつまらないと思います;;
一旦、お風呂入ってきます。
恐らく今日はこの辺で打ち止めになりそうですがm(__)m
 
461以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:16:47.63 ID:46kebisH0
乙! 続きがんばって書いてくれ。うるさいのはただの荒らしだからスルーすべし。
462以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:17:47.45 ID:1+5qkJBRO
つまんないって思うやつがいるってわかってんのになんで投下すんだよ
頭悪いな 考えろよ


あといちいち風呂入るとか報告いらねーから
463以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:20:39.49 ID:ruxPDPwS0
>>460
良かったよ。もっと自分に自信を持つべき

>>462
みるくももう少し考えて行動しなよ
464みるく ◆Milk...huc :2008/05/26(月) 00:23:18.98 ID:1+5qkJBRO
>>463
はい><;
おやすみなさい><;;;
465以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:23:21.48 ID:KgzSgjd+0
乙!
今後の展開が気になる
ID:1+5qkJBROはいつものことだから気にするな
466以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:25:37.00 ID:F7+umaDV0
>>464
オヤスミ!
467以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:47:08.10 ID:ILph7qXW0
とりあえずここの住人がスルースキル無さ過ぎだということはわかった。
468以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:55:15.69 ID:yDeA7jrm0
>>460
乙!
続きまってますよ。
469以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 00:58:24.22 ID:yDeA7jrm0
何か御題ください。
470 ◆vN8PWvI6WE :2008/05/26(月) 01:03:38.63 ID:RZKgcr3sO
ローション相撲書き終えなかったから明日の夜にでも投稿します
471以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 01:03:44.68 ID:Y7RA/4uR0
>>469
ご当地ラーメン
472以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 01:05:34.91 ID:yDeA7jrm0
>>471
把握
473以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 01:18:44.82 ID:yDeA7jrm0
ハルヒ「そう、そうだったのね」
キョン「あぁ、そして今目の前に居るあいつらが悪の化身ってわけだ」
ハルヒ「今まであんたがあたしに黙って、みくるちゃんや有希や古泉くんと色々楽しそうな事をしてたって事は理解できたわ」
キョン「すまん、無事に帰ったら何でも言う事聞いてやるさ」
ハルヒ「本当?」
キョン「あぁ。全部終わったらご当地ラーメン全国制覇でも何でも付き合ってやる!」
ハルヒ「約束よ! 忘れたって言っても覚えてるんだからねっ!」
キョン「わかったよ。いくぞ、ハルヒ」


何か熱い展開保守(前後のシチュエーションはお好きなように想像して)
474以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 01:42:25.88 ID:F7+umaDV0
>>470
シュールなタイトルだw
475以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 02:01:15.76 ID:yDeA7jrm0
476以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 03:02:55.65 ID:tcd3eVVe0
保守
477以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 03:50:48.62 ID:hC5lRlPV0
保守
478以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 05:50:17.41 ID:WOHb2iq4O
479以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 06:25:17.71 ID:iz3HsnSFO
480以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 07:21:40.14 ID:BRrZoJnoO
481以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 08:33:14.15 ID:3jRFlQy+O
482以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 09:16:25.96 ID:B1VIcIBY0
483以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 09:31:05.93 ID:3jRFlQy+O
保守
484以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 09:34:10.82 ID:uDufKJDbO
祝☆本スレ復活

2 指


「キョンくんの指って綺麗ですね」
オセロを指すキョンの指を見つめてみくるちゃんが言った。
まーあキョンったらデレデレしちゃって。朝比奈さんの指だって白くて可愛らしくて…だって。あったりまえでしょ!?みくるちゃんはあたしが見つけてきたスーパー最強萌えキャラなんだから!

…まあキョンの指が綺麗なのは否定しないわね。
少し骨張ってて、薄くも厚くもない皮が何とも言えずにいいのよね。

何よ。何ニヤニヤしながらこっち見てるのよ。
何か面白い事でもあった?
顔が赤いのはちょっと上せちゃっただけなんだから!

(その指が唇をなぞる瞬間を思い出してしまったなんて、言えない)
485以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 10:16:40.27 ID:TENcahe9O
イイ落ちだ
486以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 10:39:10.14 ID:3jRFlQy+O
いいねいいね
487以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 11:12:11.76 ID:eAngp7TS0
「やーっほーっ!」
といつものように部室の扉をぶち開けたのは
我がSOS団団長・・・ではなく、SOS団名誉顧問の鶴屋さんである。
鶴屋さんはにょろにょろした仕草で部室を見回すと、
「おやおや?ハルにゃんはまだいないのかいっ?」
と誰かに向けて言っている。仕方がないので俺が返事をしてやることにした。
「ハルヒのやつですか?まだ掃除でもしてるんじゃないですか?」
「そうかいっ!じゃあそれまでちょっとここで待たせてもらうことにするよっ!」
とずかずかと部室に入ってきた。
「ところで、どうしたんですか?今日は。」
「うん。それがねっ。今日はハルにゃんに耳寄りのとびっきりの情報を持ってきたんだよっ!
それとたまにはこうして顔を出さないと顧問としての役目がないっさ!」
「なるほど。」
と古泉。何を理解したんだろう。
「丁度良かったです。僕も涼宮さんが退屈しないように
何か面白いイベントを考えていたところなんです」
「うんうん。もちろん、これはハルにゃんだけじゃなくてみんなにもめがっさびっくりの
一大イベントだからねっ!」
部屋の片隅で外界との間に見えない壁をつくっているような長門が
珍しく反応したような仕草を見せた。
「それでそれは一体なんなんですか?」
「それはハルにゃんが来るまでのお楽しみ。」
鶴屋さんは廊下の足音を聞き取ると、膝くらいまで届くような長い髪をひるがえして
部室おドアに向かって体を反転させた。
488以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 11:18:58.10 ID:eAngp7TS0
保守
489以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 12:28:00.22 ID:3jRFlQy+O
490以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 13:18:00.54 ID:3jRFlQy+O
保守
491以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 14:31:11.63 ID:XZgcW1X70
書き込みテスト
492以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 14:37:32.87 ID:5SgMxsLA0
保守
493新・孤島症候群  ◆VDgHU0rDdk :2008/05/26(月) 14:42:23.12 ID:XZgcW1X70
やっとラストまでできました。
前回の投下が4月はじめだったから約二ヶ月くらい経ってますね。
 
知らない方や覚えていない方のほうが多いかもしれません、
なので、前回までのお話はこちら↓
http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/4220.html
 
16レス予定
494以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 14:43:37.65 ID:6oEl960Z0
ほっしゅほしゅ
495新・孤島症候群 結 1/16  ◆VDgHU0rDdk :2008/05/26(月) 14:45:08.73 ID:XZgcW1X70
  今回のこの事件、実行犯は俺だった。ま、種を明かせばそういうことになる。
 だが、そううまく事は運ばなかったのだ────、
 
「誰? 誰かそこにいるの?」
 
 ────なんと、ハルヒに見つかっちまったい。どうすりゃいい? 


    新・孤島症候群─結末編─
 
 
 完全に予想外だった。たしかハルヒは下の階に走っていったと鶴屋さんは言っていた、
それが正しければハルヒは一階に行き、三階には来ないはずなんだ。しかし、今のこの状況はそうじゃない、
はっきり言おう、アイツには常識どころか既定事項すら通じないのか、っと。
 
「みくるちゃん? みくるちゃん見っけ!」
 ハルヒに指を刺されて固まった表情のまま朝比奈さんはゆっくりとハルヒの方に向く。
 別にかくれんぼをしてた訳じゃないんだが……。
 朝比奈さんだけなら何とか言い訳も出来たのかもしれない、ハルヒにとって、この事件はただのサプライズパーティなんだからな。
 古泉たちが仕組んだ人が消えていくミステリー、朝比奈さんは最初の犠牲者でどこかに隠れている、っということにしておけば、
たとえハルヒに見つかったとしても「見つかっちゃいましたぁ、えへへ」で、済んだかもしれない。だが、
「それ……と、……キ、キョン!?」
 どこかに隠れようとしてあたふたしている俺に声を掛けた。
 そうなのだ、俺は絶対見られてはいけなかったのだ、どう考えてもこの時間にはもう一人俺がいて、
今現在、鶴屋さんの部屋のイスに座り込んで居眠りをしているはずなのである。
 さて、どうやってこのピンチを切り抜ける? 考えろ、俺。
496新・孤島症候群 結 2/16  ◆VDgHU0rDdk :2008/05/26(月) 14:46:56.91 ID:XZgcW1X70
 だが、よくよく考えてみればハルヒが言っていたセリフと鶴屋さんが言っていたセリフに矛盾があったのだ。
そう、ハルヒはすでに一階の探索は自分の目で行っていたのだ、多丸さん兄弟と共に。
 だとすると『やっぱちゃんと自分の目で探してみなきゃだめね』と言っていたのはそれ以外の場所ってことになる。
二階は長門と森さん、新川さんで、三階は俺と古泉が調べたんだ、
二階は朝比奈さんがいなくなった時に全員集まって探しはじめた場所だし、ハルヒもその場にいた、ってことは、
ハルヒが言っていたのは三階のことになる。だからハルヒが三階を探索しに来るのは当たり前なのだ。
 と、言うことは。鶴屋さんが嘘をついているって事になるんだが、一体なぜ? 
 
 いやいや、今はそんなことを考察している暇はない。俺が二人いるこの状況を、
目の前にいるこいつにどう説明すればいいのか考えなきゃならんのだ。
下手な説明だと、古泉が言っていた想像したくない結末に向かうかもしれん。
 かと言って真実を話す訳にはいかないのが、なんというかコイツのややこしいところなのである。
仮に真実を話したとしてもコイツは信じないと思うが、
それによって別の被害が発生する可能性があるのは既に去年の映画撮影時に実証済だ。
 
 ハルヒは豆腐とヨーグルトを間違えて食べてしまったような戸惑った表情で立ちつくしている。
無理もない、俺が居眠りしている部屋から出て、階上から人の気配がするので見にいってみるとまた俺がいるんだからな。
 
「お! みくるじゃないかっ、さすがハルにゃん、さっそく見っけたんだねっ」
 ハルヒの後ろから鶴屋さんもやってきた。そして俺を見つけると、
「あれ? キョンくん? おっかしいなぁ、いつの間に先回りしてたんだい?」
「あ、えーと……それはですね……」
 そろそろタイムアップだ、これからは言い訳を考えながらしゃべらなばならん。
「なんかいつもと違うふんいきだねぇ? 本当にキョンくんかい?」
 鶴屋さんは覗き込むようにして俺を見る。偽者じゃありません本物ですよ。と、ここで天啓が舞い降りた、
……ふむ、なるほどその手があったか。ありがとう鶴屋さん。
497新・孤島症候群 結 3/16  ◆VDgHU0rDdk :2008/05/26(月) 14:48:33.82 ID:XZgcW1X70
 俺は観念したように深呼吸し、ハルヒと鶴屋さんを一瞥すると、
「まあ、見つかっちまったんじゃしょうがない。今この時間には俺がもう一人いるってことになっている」
 俺がそう言った瞬間、全員の表情が変わった。ハルヒは何言ってるの? って感じで眉をひそめ、
朝比奈さんは驚愕の表情、鶴屋さんはへぇーって感じで興味深そうに目を見開いた。
「どういうことよ? あんたが二人いるって」
 予想通り、ハルヒが乗ってきた。
「二人いるってのはつまり、どちらかが偽者でどちらかが本物ってことだ」
 考えながら話すのは少々辛かったが、ようやく俺のほうも頭が回転してきたらしく乗ってきた、
「さて、ここにいる俺と下にいる俺とではどっちが本物で、どっちが偽者でしょう?」
 ちょっと調子に乗って芝居がかったセリフを言い放つ、さてハルヒはどうでる? 
 
 などと考えてる間もなくハルヒはつかつかと俺の前に歩み来て、
「い、痛てててっ!」
 いきなり左の頬をつねり上げられた。なにしやがるっ! 
「ふうん、どうやらその顔は作り物じゃなくて本物のようね、それに声や仕草もいつものキョンと同じだし」
 ハルヒは顎に手をやり、頭のてっぺんからつま先までまじまじと俺の姿を眺めながら言う。
俺はつねられてヒリヒリするほほを撫でながらハルヒを睨み返す、なんだか品定めされてる気分になって少々不愉快になった。
「おっと、それじゃあここにいるキョンくんが本物で下の部屋で居眠りしてるキョンくんは偽者ってことなのかいっ」
 なぜかにやにやしながら鶴屋さんは言う。ほんと、楽しそうですね。
「うーん、どっちかてーとあたしはこのキョンくんの方があやしい気がするにょろ、でもどっからみてもキョンくんなんだけどねっ」
「まさか、ひょっとしてどっちも偽者ってんじゃないでしょうね」と、ハルヒ。
 おいおい、さらに事態をややこしくするような事を言うなよ。どちらかといえばどっちも本物だ。
 
「さてね、偽者か本物か、そんなこと正直に言ったらせっかくのサプライズパーティが台無しになっちまうだろ、
それよりハルヒ、さっきみたいな強引に偽者か本物かを調べるような行為は自重してくれ。
探偵を気取るんなら推理で本物かどうか当てるもんだ」
 まったく、俺が二人いる状況をなんとかハルヒに納得させることが出来ても、
ハルヒがもう一人の俺に今のような行動を取ったら事態がややこしくなっちまうからな、なんとか釘を刺しておかないと。
498新・孤島症候群 結 4/16  ◆VDgHU0rDdk :2008/05/26(月) 14:50:36.66 ID:XZgcW1X70
「む、それもそうね。みくるちゃんが見つかってこれで解決じゃああまりにもあっけないもんね。
それじゃあこれからは二人いるキョンのどっちが本物か見極める推理ゲームをはじめましょ、
と言ってもよく考えたらここにいるキョンの方が本物っぽいけどね」
 ハルヒは隣にいた鶴屋さんに同意を求めるように言う。
 まあ、それはいいんだが、この事件のシナリオはまだ残ってるんだ、
そういう事は全部終わってからにしてもらいたいんだがな。
 
「それくらい解ってるわよ、事件を未然に防いじゃったらミステリーとして破綻しちゃうじゃない、
そんなのは推理じゃなくて予知よ、予知。探偵が予知能力なんて使ったらカンニングしてるようなものじゃない」
 ハルヒは腰に手を当て、えらそうにレクチャーし始めた。お前の考えなんか今更どうでもいいよ。
 あと、俺が二人いるってのはここだけの内緒にしてくれないか、でないと色々と不都合が出て、
打ち合わせ通りに事が運ばないんだ、あとこれ以上誰かと鉢合わせするのも回避したいんだが……、
といっても残っているのはもう一人の俺と妹だけどな。
 
「そういうことなら鶴にゃんにまかせときなっ! とりあえず三階に行かないようにすればいいってことにょろね」
 そう言って鶴屋さんは胸をドンと叩いた。
 
 なるほど、あの時、鶴屋さんのセリフに矛盾があったのはこういう訳だったのか。
「なんとかやってみるよっ、キョンく……」
 そこで鶴屋さんは一時停止したように言葉を止め、
「あたしとしてはまだ本物か偽者か解らないから……んーと、そだっ、言わば少年Kってところだねっ」
 一応どちらも本物なんですけど。てか、あの時言っていた少年Kってそういう意味だったんですね。
 
 
 それじゃあ鶴屋さん、よろしくおねがいします。それと、また後で伺います。
 
 そうして二人は下に降りていった。まるで台風一過のような感覚だ。
 朝比奈さんと俺はやれやれって感じで顔を見合わせてほっと胸をなでおろした。
499新・孤島症候群 結 5/16  ◆VDgHU0rDdk :2008/05/26(月) 14:53:25.76 ID:XZgcW1X70
 と、そこに急にハルヒが戻ってきて、
「あんた、ちょっと手だしなさい」
 なんだいきなり。
「いいからさっさと出すの!」
 なんだか解らんがとりあえず右手を差し出した。抵抗しても仕方ない上に理由もなく命令してくるのはいつものことだ。
 するとハルヒはポシェットからすばやくサインペンを出すと俺の右手にバツマークを書いた。
なにするんだいきなり! て、おい! これ油性ペンじゃねえか。なかなか消えねえんだぞこれ。
ところで、おまえはいつも油性ペンを持ち歩いてるのか? まさかとは思うが、
急にサインを求められる芸能人を気取ってんじゃないだろうな。
 と、思ったが、ポシェットからペンを出す時、中に赤いものがちらりと見えた。あれはひょっとして腕章? 
て、ことは腕章に書き込むためのペンか。
 
「何言ってるの、見た目そっくりの二人なんだから印つけとかないと紛らわしいじゃないの、
推理の途中で入れ替わられたりしたら判断しにくいでしょ」
 たしかにそうだが……、それで、何でバツ印なんだ、これじゃ俺が偽者っぽいじゃねえか。
さっき、俺の方が本物らしいとをいっていた気がしたが。
「丸でもバツでもどっちでもいいでしょ、ただの印なんだから、それに手のひらには丸よりバツのほうが早く書けるのよ」
 そうかい。しかし別に早く書く必要もない気がするが、まあ、手早く行動するのはこいつの特徴だしな。
 
 そうこうしている内に、下の階から扉の開く音が聞こえた。この時間の俺が鶴屋さんの部屋から出てきたようだ。
「あ、もう一人のキョンくんが出てきたみたいです」
 階下を覗き込んでいた朝比奈さんがこちらに振り向いた。それを聞いたハルヒがどれどれって感じで階下を覗き込む。
頼むからその『俺』に見つからないでくれよ、これ以上ややこしくなっちまったら収拾が付かなくなっちまうんでな。
500新・孤島症候群 結 6/16  ◆VDgHU0rDdk :2008/05/26(月) 14:55:42.12 ID:XZgcW1X70
「わき目も振らず一階にいっちゃいました」
 ま、そうですとも朝比奈さん、あの時の俺はまったく周りを警戒せずに一階に向かったんだったな。
「やっぱりどう見てもそっくりね、全然見た目じゃ判断できないわ、まさか双子ってんじゃないでしょうね」と、ハルヒ。
 恐ろしいことを言うなよ。
 
 話題を変えることにする。「あー、そうだハルヒ」
「なによ」
 俺はこの後、二階の俺の部屋潜む予定なんだ、だから推理が成り立ったらその前で披露してもらいたいんだ。
そこでちゃんと事件の推理とどっちが偽者なのか判明してくれ。お前の推理が正解ならそこで事件は解決。大団円だ。
「何言ってんの、あたしの推理力なら正解するに決まってるでしょ、間違うなんてありえないわ」
 まぁ今回はそのハルヒの推理どおりに事を運ぶつもりだからな、たしかに間違うなんてありえないってのは当たっているがな。
だが、いつも思うがその自信は一体どこから湧き出してるんだろうか? とはいえ、自信なさげなハルヒなんてのも想像しにくいが。
 
 そのハルヒも今は一階に向かって階段を降りている。絶対ニセ俺の証拠を見つけ出してやるって背中が語っているようなふんいきだ。
まったく、わかりやすいヤツだな。くれぐれもお手柔らかにたのむぜ、本当はどっちも俺なんだからな、
軽く脅かしてやるくらいにしといてくれよ。
 
 
 ともかく、今のところどうにか辻褄合わせだけはうまくいっているようだ、まったく、
ハルヒに見つかった時は一体どうなることかと思ったが、考えてみればどうやらこれも既定事項らしい。
 俺は手の平に書かれているバツ印を見ながら、
今頃一階でビクビクしながらハルヒを探しに行っている過去の俺のことを思い浮かべた。
そういや、あのときのハルヒは変によそよそしい感じだったな。らしくないなと思ったが、
あの時には既に偽者だと決め付けていたと考えればしっくりと来る。急に夜食作り始めたのも俺を観察するためだったんだろう。
501新・孤島症候群 結 7/16  ◆VDgHU0rDdk :2008/05/26(月) 14:59:08.72 ID:XZgcW1X70
 後は鶴屋さんと妹、ラストのハルヒ消失のトリックだけだ。
 とりあえず、朝比奈さんが来てくれたからこのトリックも時間移動で間違いないだろう。
 妹はどうせ眠ったままだろうからいいとして、問題は鶴屋さんだ、やっぱ眠らせてから時間移動した方がいいのか? 
それとも事情を話してもいいのだろうか、俺としてはもうすべてさっぱり話しても良さそうなんだけどな。
 しかし、ここにいる朝比奈さんはおそらく、鶴屋さんには正体を知られたくないようだ。
そして鶴屋さんもどうやらそのことについて感付いているらしい、きっと事情を話し始めても途中で、
「事情なんて堅苦しいことどうでもいいっさ! 要するにあたしは○○しておけばいいんだねっ!」っと言ってくるに違いない。
 
 そんなことを考えながら俺は朝比奈さんと共に鶴屋さんと妹のいる部屋に向かった。
 
 
 俺たちの今の状況を知ってか知らずか、鶴屋さんは大きなあくびをすると、眠くなったから寝ると言い出した。
 どうやら勘の鋭い鶴屋さんは詳しい事情を説明する前に悟ったようだ。
後、朝比奈さんが口ごもりながらタドタドしく、
「あたしが急にいなくなって鶴屋さんに心配を掛けてしまったみたいで、あの、えーと、ごめんなさい。
えーと、皆いなくなってるのもお芝居だからあの、安心して休んでてください」
 と、困った表情で謝りながら言ったからだろう。鶴屋さんもそのしぐさを見て更にニヤニヤした笑みを浮かべてたしな。
 
 で、その鶴屋さんが、そのニヤニヤ顔を俺の方にきゅいっと向けて、
「そこの少年Kくんも一緒に寝るかい? この部屋、セミダブルのベッドが二台もあっから四人で仲良く寝れるよっ!」
 とんでもなく魅力的なお誘いだが、さすがにそれは辞退させてもらうことにする。というか明らかに鶴屋さんの冗談だしな。
それに俺はまだやらなきゃいけないこともあるんでね。
 てなわけで、ここは朝比奈さんに任せることにする。
 
502新・孤島症候群 結 8/16  ◆VDgHU0rDdk :2008/05/26(月) 15:02:07.70 ID:XZgcW1X70
 まあ、予想通り鶴屋さんと妹も未来に時間移動する結果となった。
眠っていた妹はそのまま、鶴屋さんは本当に眠っていたのか怪しかったが──ひょっとしたら狸寝入りだったのかも──
寝ている隙に朝比奈さんが長門と古泉たちのいる時間につれていった。
 
 しばらくして朝比奈さんが戻ってくると、俺は朝比奈さんを廊下の端の部屋に連れて行った。
その部屋は最後に俺とハルヒが入って消えた場所である。
 
 俺は朝比奈さんと最後の打ち合わせをする。
内容は俺とハルヒがこの部屋に入ってきたらすぐさまハルヒを眠らせて三人で時間移動をしてもらうことだ。
ここで手間取るとこの時間の俺に目撃されてしまうからな。
 頼みますよ、朝比奈さん。ここでドジっ娘メイドはやらなくて良いですからね。
ま、ハルヒが大声出して俺のことを呼ぶからそれが準備の合図になります。
「わかりました、なんとか涼宮さんに気付かれずに眠らせれるようにがんばります。ちょっと自信ないけど」
 
 朝比奈さんも普段はちょっとドジな部分も有るけど未来からの指令は結構きっちりとこなしているように思う。
これは俺の主観的な意見だが、朝比奈さんは集中力があり、どんなことにも一生懸命に取り組む姿勢があるからだろうと思う。
 そう言うことできっと朝比奈さんはうまくやり遂げると思う、なので俺がこれから考えなきゃならないのは、
その後のハルヒへのフォローだな、さて、どうするかな。ちゃんと考えておかないと、この後のことは完全に未知の領域だからな。
 
 考えながら俺は待機場所である俺の部屋に入った。
 とりあえずこの後に俺が話さなければならない会話を思い出しておかないといけないな。
一字一句間違いないかどうかは解らんが、大体あってれば良いだろう。
 あの時はそんなこと細かく覚えている暇もなかったし、違和感と不条理さで一杯だったからな。
503以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 15:04:43.99 ID:25a2vU6uO
支援
504新・孤島症候群 結 9/16  ◆VDgHU0rDdk :2008/05/26(月) 15:05:43.06 ID:XZgcW1X70
 そんなふうに頭の中でシミュレーションしている時だった。
 
 ぐうぅ……。
 
 部屋の隅の方からなにか音が聞こえてきた。ついでに何やら人の気配までする。
 おいおい待ってくれよ、ここまで来て話をややこしくするような事態は勘弁してもらいたいんだがな。
どこの誰かは知らないが自重してくれ、あと少しでこの事件は収束するところなんだからさ、たのむぜ、で、誰だ? 
 
「やだ、わたしったら、こんな時に……」
 その人物がベッドの影から現れた。
 頬をちょっと赤らめ、お腹の辺りをさすりながら、
「もうちょっとミステリアスに登場したかったんだけどなぁ、ふふ、お久しぶり、キョンくん」
「朝比奈さん!?」しかも大の方だ。
 でも俺としては数時間前に会ったばっかりで『お久しぶり』って感じではないんですけどね。
「あ、そっか、そうだったわね。わたしったら」
 ちろっと舌を出し、自分の頭をコツンと叩く朝比奈さん。
でもあなたにとって俺と久しぶりに会うんでしたらそれでいいんですよ。
そうだとしたら、俺の方がお久しぶりとちゃんと挨拶しないといけない立場じゃないですか。
 
 と、そこでまたもや、ぐうぅ……、っと朝比奈さんのお腹が鳴り出した。
 どうしたんです? ダイエットですか? ダイエットなんてしなくても朝比奈さんなら充分ナイスバディですよ。
それともひょっとして満足に食事も取れないほど極貧な生活でもしているんですか? 
 なぁんてことを顔を真っ赤にして照れている朝比奈さん(大)に訊ける訳もなく。
「こんな時じゃなかったら一緒に食事でもどうですか? と、言いたいところなんですが……」
 今の俺自身、身動きが取れない隠密行動中であり、ふらふらとあちこち出歩くことが出来ない身分なのだ。
それは朝比奈さん(大)の方にも言える事であり、お互いに異時間同位体がいるこの時間では隠密に行動するのがセオリーだろう。
505新・孤島症候群 結 10/16  ◆VDgHU0rDdk :2008/05/26(月) 15:07:13.72 ID:XZgcW1X70
「そうね、キョンくんの言う通り、いくら忙しかったからって食事くらいはきちんと取っておいた方がよかったわね、
今みたいに隠れてる時にお腹がなったりしたら大変なことになっちゃったかもしれない」
 照れ隠しなのか少し早口でしゃべる朝比奈さん、そういや最初の時間遡行の前に食事したっけな。
「そっか、それで無理やり俺に食事をさせたのか……」
 空腹じゃいくら気配を殺してもさっきの朝比奈さん(大)のようにお腹の音で誰かに気付かれてしまう可能性があるってわけか。
 
 それもあるが、あの時朝比奈さん(大)はお腹が空いてたってことだったのか。
それで普段よりよく食べてたってわけか。なるほどね。
「えーと、今の俺は無理ですが、このあとこの時間の俺となら食事できますよ、朝比奈さん。
なんせ俺たち以外誰もいなくなりますからね、気兼ねなしにいけますよ」
 ちょっとした提案だったのだが、よく考えてみると朝比奈さん(大)にとっては、
俺がここでこう言うって事もすべて既定事項なんだろうか? まぁそんなこと考えたってしかたない、
この後この朝比奈さんと食事したから酔い止め薬も飲めたし、大惨事にならなかったんだからな。
 
「え、キョンくんと二人きりで食事……。うん、そうね、それもいいかもね」
 朝比奈さん(大)は、その大人びた姿になっていてもやはり朝比奈さんだ、しぐさにかわいらしさが残っている。
それによほど空腹なんだったんだろう、食事と聞いて嬉しそうにしている。
 俺だって空腹の時は食べ物のことを考えただけで楽しい気分になるさ、レストランに行ってメニューを見てるときなんて最高だね。
 
 この後少しばかり話をしたが、たわいのない話しか出来なかった、
なんせちょっとでも未来の情報に関わることだと禁則事項となってしまうからな。
 だが、その中でこの事件について少し訊くことが出来た。
 どうやらコレは未来人が主催のサプライズパーティーって事らしい、
まぁ、詳しくは話せないらしいが要約するとそういうことなんだそうだ。
506新・孤島症候群 結 11/16  ◆VDgHU0rDdk :2008/05/26(月) 15:10:11.34 ID:XZgcW1X70
 それで、なんでこんなことをしようとしたのか? そういうことは古泉たち機関の方々の役目じゃなかったのかと訊いたら、
「あなた達と行動を共にしている過去のわたしは、もう高校三年生、
夏休みが終わったら進学、就職、卒業等の準備とかで色々と忙しくなるじゃない、今しか時間に余裕がなかったの。
だからもう一度あのバレンタイン間際の時みたいに二人だけで行動するような楽しい思い出が欲しかったのよ」
 そりゃ朝比奈さんと秘密を共有して二人だけで行動するってのは、どちらかと言われれば楽しいって方向になるだろう。
 でもあの騒動は俺にとっちゃ終始ハラハラの連続で、目の前で誘拐された朝比奈さんを追ってカーチェイスしたり、
つじつまあわせに翻弄したり、長門に謝ったり、とあんまりいい思い出じゃないんですが、
まあ最後にチョコをもらえたのが救いでした。よく考えたらそれで充分過ぎるほどいい思い出なのかもしれないが。
 
 つまり、とても大変で、その時にはとんでもなく迷惑だった事柄でも、その方が深く記憶に残り、いずれ良い思い出になる、
ってことなのか? うーん、そんなことをいわれても俺にはまだピンとこないがな。
 記憶と思い出の違いなんてさっぱりわからん。どっちも同じに思えてしまう、良い記憶が思い出で悪い記憶が後悔か? 
 
 
 そうこうしている内に、廊下からハルヒの話し声が聞こえてきた。
「さてと、そろそろ呼び出しかな、それじゃ、行ってきますね、朝比奈さん」
 笑顔で手を振り見送っている朝比奈さん(大)。
 俺もつられて手を振り返した、右手だ。
その手の平にバツ印が書かれているのを忘れていた俺は、それを朝比奈さん(大)に見られてクスリと笑われた。
 
 
507以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 15:10:49.45 ID:3jRFlQy+O
508新・孤島症候群 結 12/16  ◆VDgHU0rDdk :2008/05/26(月) 15:12:44.27 ID:XZgcW1X70
「キョーンっ! 団長命令よっ、今すぐ出てきなさいっ!!」
 
 和やかな雰囲気を打ち壊す様にハルヒの声が響きわたった。
 まったく、なんてでかい声なんだ。そんな大声をだすな、ちゃんと聞こえてるよ。
 俺はガチャリと扉を開けて廊下に出た。
 勝ち誇ったような表情でこっちを向いたハルヒは俺を見てニヤリと口元をゆがませる。
「何者だお前」
 目を見開いて俺をみているこの時間の“俺”がつぶやくように呻いた。
 そうだった、普段聞き慣れているようで聞き慣れない声なんだったな。やっぱ違和感がする。
 
 俺は「ようっ」て感じに右手を上げて挨拶をした。もちろんハルヒに手の平が見えるようにだ。
ハルヒはそれを確認すると勝ち誇った感じでもう一人の“俺”の方に向き、
「何しらばっくれてるの、こっちが本物のキョンでしょ、どう? 観念した、偽キョンさん」
 よう、本物はどうやら俺の方だ、まあ、後のことはまかせろ、うまくやるからさ。
だからお前もなんとかうまくやれよ、ちょいっと苦労するが、終わっちまえばいつものことだと思うはずさ。
 
 
「と、言うわけでハルヒ、サプライズパーティはこれで終了だ、みんながあっちで待ってる、いくぞ」
「ちょっと何勝手に仕切ってるのよ、それよりあたしの見事な推理、ちゃんと聞いてた?」
 ほんとのところ朝比奈さん(大)と会話していて聞いちゃいなかったんだが、ハルヒの推理の内容はすでに既知していたので、
「ちゃんと聞いてたさ」っと、返事をしておく。そう、お前の推理が正解ってことにして、このまま大団円に向かうところさ。
 
 ハルヒはもう一人の俺について、
「見た目はほんとにそっくりね、その手の印がなきゃ、どっちがどっちか解らなくなるところだったわ」
 等と言っていたが、どっちも本物の俺なんだから当たり前だろ、と、本当のことを言えるはずもなく、
俺は適当に返事をしておくことにする。
「俺はどこにでもいるようなごく普通の人間だからな、そっくりに化けることくらい、
ちょいと練習すれば誰にでも出来るんじゃないのか? まあ、古泉達がどっかから見つけてきたんだろ。素質のあるヤツをさ」
509新・孤島症候群 結 13/16  ◆VDgHU0rDdk :2008/05/26(月) 15:16:23.39 ID:XZgcW1X70
「うーん、そっか、だったら有希やみくるちゃん、あたしのそっくりさんも古泉くんに探してきてもらおうかしら」
 二ヒヒ、っといやらしい笑い顔をして顔面の筋肉を弛緩させるハルヒ。
「あたしが二人に増えたりしたらみんなどんな顔するんだろ?」
 おいおい、お前が急に二人に増えてたら朝比奈さんなら間違いなく卒倒するはずだし、
あの長門ですら何かしらのリアクションを起こしそうだ。
 
 ていうか、俺が二人いて自分が驚かされたから、他の誰かも同じ手口で驚かせたいって発想だろ、それは。
はっきり言ってそんなのは小学生並みの単純な思考じゃないのかね、ハルヒくん。
それにお前は唯一無二の存在だろ。天上天下唯我独尊、それがSOS団団長、涼宮ハルヒだろ。
 なぁんてことを考えていたが、俺は口に出して言わなかった。今は余計なことを言わない方が良いと判断したからだ。
今は適当にハルヒに合わせておき、好きなように妄想させておけば朝比奈さんが行動しやすいんじゃないかと考えたのさ。
 
 そして朝比奈さんの待ち構えている部屋に入り、俺はこの時間でしなければならない最期の仕上げをする。
部屋に入る直前に、古泉並のエセスマイルをもう一人の“俺”に見せなければならないのだ。
自分ではどんな表情なのか鏡がないので確認できないが、まぁそれなりに悪びれた感じは出てるんじゃないかと思う。
 それが証拠にそのスマイルを見たもう一人の“俺”がハッと何かに気付いたように表情を変化させたからだ。
 
 さて、こっから超特急でやらなければならないことのオンパレードだ、と、言っても俺が出来ることは殆どないんだけどな、
頼みましたよ朝比奈さん。て、俺は祈るだけかよ。
 「あれ……」
 ハルヒが力なく崩れ落ちるように倒れ始めた。俺は何とかそれを受け止める。
 朝比奈さんがうまくハルヒの背後を取って眠らせるのに成功したのだ。小さくVサインをしている。
「後は時間移動です、おねがいします」
「はい、では目を閉じてください、行きますよ」
 朝比奈さんのセリフとドアの向こうからハルヒの名前を叫ぶ声が殆ど同時だった。
 
 
510以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 15:16:33.03 ID:3jRFlQy+O
しえん
511新・孤島症候群 結 14/16  ◆VDgHU0rDdk :2008/05/26(月) 15:18:28.26 ID:XZgcW1X70
    エピローグ
 
 
 まあ、これで事件は一応の終わりを迎えたってわけなのだが、残った問題はハルヒへのフォローだけだ。
ハルヒが気を失って眠ってしまったのは、事件の解決と同時に緊張がとけて、自分でも自覚していなかった疲労と、空腹感、
睡眠不足などが一気に押し寄せたため、と言うもっともらしい古泉の説明でなんとか納得したようだ。俺もそれに同意しておく。
 どうやらハルヒは理屈で説明すると納得するらしい。後、古泉が言うとそれらしく聞こえるそうだ、
それもひょっとしたらあいつの超能力の一種なのかもしれないな。
 
 ちなみに、俺の偽者は急用があると言うことで朝一番で帰ってしまったと言うことになっている。そのことについても、
古泉は苦しい言い訳をハルヒにしていたけどな。
 俺そっくりの人物を探してきたのはいいが、スケジュールの調整がうまく出来ず、本来ならこのサプライズパーティーは、
合宿の最終日にする予定だったのだが、どうしてもはずせない用事があって、急遽前倒しになってしまった、ということだそうだ。
 
 
 その後、説明好きの古泉には色々補足があったらしく、ハルヒが席を外している時に俺に語りかけてきた。
「なかなかいい経験をさせてもらいましたよ、ですが僕としてはもう少し長い期間の時間移動も経験してみたいですね、
特に、未来に飛ぶのではなく過去の方に行ってみたいというのが本音です」
 言っておくが過去に行ってもろくな事がないぞ、遠足みたいに自由行動なんてできないからな、それに、
結局まともに帰ってこれるのかどうかもあやしいんだ。長門に時間凍結されたり朝倉にナイフで刺されたりしたからな。
 
「そうですね、時間移動をするということはその時間で成すべき事があるからそこに向かうわけですから、
理由もなく時間移動は出きないんですよね」
 古泉は何か言いたげな表情を含んだ笑みを浮かべて俺の方を見る。
 なんだ? 何か言いたげだな、すでに俺は精神的にも肉体的にも疲労していて、
どちらかといえばお前の長話に付き合いたくはないんだがな。早くのんびりとしたサマーヴァケーションを味わいたいんだ。
 そんな俺のことなどお構いなしに古泉は語りだした。
512新・孤島症候群 結 15/16  ◆VDgHU0rDdk :2008/05/26(月) 15:20:45.10 ID:XZgcW1X70
「今回のこの事件、今までの時間移動と少し趣向が違うような気がしてならないんです。
はっきりいいますと、未来人らしくないといえます。このようなサプライズはどちらかといえば我々の分野です。
実際、今回のシナリオ通りのことなら機関ででも再現可能です」
 まったく聞く気はなかったし、この事件について少しばかり朝比奈さん(大)から訊いていたので聞き流すつもりだったのだが、
どうやら古泉は未来から現在に介入があるときは何かしら理由がある、と言いたいらしい。
 だが、そんなこと俺が考えることじゃないし、考えたから答えが出るわけでもない。
俺にとっては朝比奈さん(大)が言っていた、高校最後の夏休みだからみんなで過ごす楽しい思い出を作りたかった。
って理由で十分なのさ。
 それ以外になにかあるのか? 無いならそれでいいじゃないか。
 
「未来人の、いえ、別の出で立ちをした朝比奈さんの考えならそれで正しいのかもしれません、
ですが我々はもっと別の見解があるのですよ」
 ほう、一応聞いとくか。だいたい予想はつくが。
「すべて涼宮さんがそう望んだから、そうなったという見解です」
 やはりそうきたか。
「あの時、あなたが眠くなった妹さんと朝比奈さんと共に二階に行った時、まだまだ遊び足りなさそうな涼宮さんは、
もう少しあなたと、いえ、みんなと遊びたいと願ったのではないでしょうか。
その願いが未来人を介入させてこの事件を引き起こしたのかもしれません。
まあ、これはただの推測に過ぎませんが、涼宮さんが考えそうなことだと思いませんか?」
 
 
 結局古泉の考えを聞いたから何かが変わるわけでもなく、無駄な時間をすごした結果になっちまった。
 だが、俺にとってそんなことよりも一つ懸案事項が増えてしまったのが気になるところだ。
 それは、席をはずしていたハルヒが戻ってきた時に俺の中で沸きあがった。
513以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 15:20:58.11 ID:3jRFlQy+O
514新・孤島症候群 結 16/16  ◆VDgHU0rDdk :2008/05/26(月) 15:23:16.35 ID:XZgcW1X70
「ねえ、キョン、あたしが作った夜食のパスタどこに行ったか知らない? あぁ、あんたはその場にいなかったんだっけ、
その時にいたのは偽キョンだったわね。まあ、どっちでもいいわ、さっきそれのことを思い出して鶴屋さんの部屋に取りに行ったら、
誰かが全部食べちゃってたのよ、鶴屋さんも知らないって言うし、みくるちゃんと有希にも聞いたけど食べてないって言ってるのよ。
あの時考え事しながらだったから結構な量を作ったのよね、ちょっと一人では食べきれない量のはずなんだけど」
 ハルヒは隣にいた古泉の方にも問いただす。
 
 実は俺には心当たりがある、ていうか、食ったのは俺と朝比奈さん(大)なのだが、それでも平らげることはできない量だったのだ。
だから半分以上残していたはずなのだが、それがすべてなくなっていたって事はどういうことなんだ? 
 誰かが残りを食べたというならこの中にいるはずだ。しかし、全員に訊いて回ったところ誰も食べていないそうだ。
 
 まさか、俺たち以外に誰かいるってんじゃないだろうな。
お前が真の黒幕だろうとどうだっていい、少しくらいなら遊びに付き合ってやるからさ、だからハルヒ、へんな考えを起こすなよ。
 特に、俺たち以外に誰かがこの別荘にいる、なんてことをな。
 
「あ、すまんハルヒ、それなんだが実は俺の偽者のやつが食べてたぞ、て言うか俺も少しばかり食べちまったんだが……」
 誰かが犯人として名乗り出ればハルヒが変な考えを起こさないだろうと思ってとっさに手を上げてしまった。
 ハルヒが作った料理を無断で食べちまったからな、何か文句ぐらいは言ってくるだろうと思っていたが、意外とハルヒはおとなしく、
「ま、食べちゃったんならいいわ、偽者の方はともかく、あんたはあのパスタのことあたしが作った夜食だって知らなかったんでしょ? 
それに、あの後あたし朝まで寝てたから、せっかく作ったパスタが冷めて固まって食べられなくなるところだったしね」
 
 そのせいで俺の中に妙な考えが浮かんでしまったんだ。
ハルヒがあのパスタを食べたのが俺だと思い込めばそれが現実になるのではないか? という考えだ。
そうなれば、ひょっとしたら俺はハルヒの作ったパスタの残りを食べに、またもやあの時間に行くことになるのかもしれない。
 
 ────でも、もしそうなったら今度はちゃんと味わって食べようと思う。
 
 なんせ、ハルヒが作った料理は美味いからな。
 
 
      おわり
515新・孤島症候群  ◆VDgHU0rDdk :2008/05/26(月) 15:26:24.85 ID:XZgcW1X70
これで終了です、支援どうもでした。
 
書き始めたのが去年の12月だったから半年もかかってしまいました。
 
次回はもう少し短めのものを予定中。
516以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 15:32:38.61 ID:3jRFlQy+O
乙です!
最初の方忘れてしまったからまとめで読んできます。
517以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 15:38:23.72 ID:yDeA7jrm0
うおお、投下きてた!
作者さんGJでした!
518以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 15:44:52.58 ID:25a2vU6uO
まさか皆で時間移動するとは予想外だったぜw
GJ!
519以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 15:45:27.49 ID:6oEl960Z0
おぉ!投下きてたのか・・・
作者GJ

そして次の投下に期待・・・おれもなんか書いてみよっかな
520以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 16:13:07.57 ID:B1VIcIBY0
521以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 16:25:19.85 ID:GcwMvz0kO
作者さんお疲れ様でした。
522以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 17:01:08.38 ID:ORzDq8aPO
今夜8時頃投下するかもしれん
523以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 17:03:02.71 ID:6oEl960Z0
おぉ 投下まってるぜ!
524以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 17:07:04.89 ID:ORzDq8aPO
IDが…orz
525以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 17:46:41.23 ID:25a2vU6uO
保守
526以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 17:53:48.89 ID:yDeA7jrm0
本スレ復活したと思ったらもう500越えか
やはり本スレはいいなw
527以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 18:18:06.16 ID:6oEl960Z0
えいち おー えす わい ゆー
保守
528以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 18:34:37.39 ID:n2YGj16T0
保守
529以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 19:31:45.16 ID:/PbRj9WC0
ほしゅ
530以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 19:43:55.38 ID:501dwzFg0
SOS大戦の作者です。
>>522さんが投下を終了次第、僭越ながら第2話以降を投下させて頂きますm(__)m
531みるく ◆MILKELR6d6 :2008/05/26(月) 19:59:18.34 ID:n10dlaGQ0 BE:1174723867-DIA(123555) 株主優待
やめてください
532以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 20:07:48.68 ID:/PbRj9WC0
ほしゅ
533以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 20:12:06.78 ID:ORzDq8aPO
>>530
紙に書いたのを打つのに予想外に激しく時間がかかりそうなのでどうぞお先に投下を!
534SOS大戦第2話・1:2008/05/26(月) 20:19:17.61 ID:501dwzFg0
>>533
了解です。では、お先に失礼しますm(__)m

 第2話『プレリュード』

 なぁハルヒ、俺たちなんでこんなもんに乗っちまったんだ?勢いで俺も乗っちまったが、こりゃ我ながら無謀極まりないね。
『なにボサっとしてんのよ!!いくわよ…あたしたちが学校を守るのよ!!』
 んなこと言われたってな……シートに座ったまでは良いが、お前が俺の膝の上に乗ってるおかげで、俺は前が見えねぇんだよ。
『あんたはそれでいいの。』
 ……は?
『いいから、あんたは言われた通りにしてなさい。……!くるわよ!!』
 なに?とハルヒの背中から顔を覗かせて正面を見るやいなや、機体がガクンと揺れる。いつの間にか接近してきた敵からの砲撃だ。
『うわっ!』
 思わず声を上げちまった。咄嗟のことに声が裏返ってたな、情けない。
 うぉっ!おいハルヒ!もうちょっと安全運転はできないのか!?このまんまじゃ酔いそうだ。
『仕方ないでしょ!これでも精一杯やってるのよ!!』
 珍しくハルヒがいっぱいいっぱいな様子で怒鳴っている。って当然か。それもそうだよな、今俺たちは……


 命のやり取りをしてる。


 いくら不思議体験を経験しようが、こればっかりは誰だって怖いだろう。確かに、俺は朝倉に命を狙われた。
 だからって命を狙われることに慣れるわけなんてねぇ。それに、あの時は長門たちが助けてくれた。
 今だってほとんど俺はなにもしてないかもしれない。でも前と同じくらい、いやそれ以上に頭の中がめちゃくちゃだ。
 俺でさえそうなんだ──ハルヒは、もっと辛いに決まってる。



535以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 20:19:28.31 ID:46kebisH0
支援
536SOS大戦第2話・2:2008/05/26(月) 20:20:39.17 ID:501dwzFg0
『ハルヒ!俺は何すりゃ良いんだ!?』
 いてもたってもいられなくなった俺は必死で叫ぶ。
『あんたは──そうね、武器は何があるのか確認しなさい!それと、余裕があったら左右の敵の確認をお願い。回避運動と攻撃はあたしがやるわ!』
 分かった……ってお前は武器の準備もせずに飛び出したのかよ!?まぁ、回避運動をしっかりやってくれるというのには安心した。コンピ研とのゲーム対決の時みたいに突っ込むだけじゃないんだな。
『武器ならあるわよ?手があれば殴れるじゃない。』
 ……前言撤回!やめろ!無茶だ!!
『そーら、いくわよ害虫ロボ!!』
 ハルヒは勢いよくゲシュペンストのブーストをふかし、正面の4機の虫メカのうちの右端の機体に向かって突っ込んだ。
『バカ!撃たれるって!』
 必死に抗議の声を上げる。というのも、敵が一斉に砲撃を開始してきたからだ。こういう時は避けながら撃つのがセオリーじゃ……
『うおおぉぉぉ!』
 目の前のビームを避けようとしたのか、機体が凄い勢いで右に平行移動する。今のは、その時の俺の叫び声だ。
『いちいちうるさいわよ!キョン!耳元で怒鳴るな!』
 ハルヒは怒鳴りつつも器用に敵の攻撃を避けながら──いや、正確には被弾しているのだが、さほど致命傷ではないらしい──機体を少し上昇させる。
『……食らいなさい!超ウルトラスーパーSOSパァァーンチ!!』
 わけの解らん即席であろう必殺技名を叫びながら、機体を敵に向かって急降下させやがった。お前、体当たりでもする気か!!
 そう俺が言おうとした瞬間、俺とハルヒの乗った機体は凄まじい勢いで敵にナックルを入れていた。そういえばパンチ、って言ってたなこいつ。
 と、俺は悠長なことを考えていたが、実際は目の前の──正確には必死にハルヒの背中の横から顔を出してだが──光景に驚かされた。
 俺たちの乗っている機体に殴られた敵機が、結構な距離吹っ飛んでいったからだ。
『なによ、たいした威力じゃないわね。』
 そうか?素人にしちゃ上出来だと思うぞ。そう頭の中でハルヒにつっこみを入れつつ、俺はコックピット右側にある小さなディスプレイ上で装備を確認していた。
 ん?これは。
『ハルヒ!何か見つけたぞ!』
『武器?ならさっさと装備させなさい!こっちは回避するので精一杯なんだから!!』
 確かに、さっきより敵の攻撃が激しくなった気がする。結構被弾もしてるし、やばいんじゃねぇのかこれは!
 焦りと恐怖で、俺の操作パネルをいじくる手は震えていた。それでも、このままじゃマズイ。せめて、武器の装備ぐらいは俺だって─。
537以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 20:21:07.23 ID:46kebisH0
支援
538SOS大戦第2話・3:2008/05/26(月) 20:21:42.04 ID:501dwzFg0
『こいつ、銃を装備してるみたいだ。右腕で取れるか!?』
『ん─。ホントだ!見つけたわよ!』
 よし、これで中距離戦ができるはずだ。頼むぞ、ハルヒ!
『言われるまでもないわ!そーら、堕ちなさい!あんたたち!』
 ハルヒはめちゃめちゃに連射しまくった。それでも結構な割合で敵に命中させてるのは流石だな。でも──うぉお!?
 機体が激しく揺れる。しまった、横からの攻撃か!?
『ちょっとキョン!ちゃんと見ときなさいよ!!』
 すまん。って今のは学校の裏側から来たやつか?そういえば敵は合計で5体だったな…。この機体、まだ大丈夫なんだろうな?
『やった!一機撃破よ!!』
 マジか。でもなハルヒ、あと4体もいるんだぞ?ここは少し下がってだな…
『うるさい!!それにもう一機やったわ。』
 なんだと!?あと3機か……ってなにも怒鳴らなくてもいいだろうに。

 ガクン──! 
 
 正面からの凄まじい衝撃と、鈍い音を同時に味わった。膝に座っていたハルヒが俺の胸に勢いよく倒れこんできた。
『─ハルヒ!!大丈夫か!?』
『だ、大丈夫よ。あたしはいいから、あんたは?』
『俺は平気だが……それより!』
『えぇ、ちょっとマズいわね…。』
 衝撃の正体──それは正面にいた敵機のうちの一機が体当たりを仕掛けてきやがったのだ。
 敵の機体が光る──これは!!
『う、撃たれるっ!!』
  
 
 あぁ──撃たれる。こんなところで俺たちはやられるのか?ちくしょう、俺はまだ今日朝比奈さんのお茶を飲んでないんだぞ。長門たちも心配だ。せめて、せめてあいつらの安否の確認だけでも──
539以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 20:21:48.47 ID:46kebisH0
支援+なんか問題が発生したら下記スレへ
http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1198086107/
540SOS大戦第2話・4:2008/05/26(月) 20:23:04.29 ID:501dwzFg0
『──ット─グ─ム!!』 
 ハルヒが何か叫んだようだが、放心状態にあった俺の耳にはその声は届かなかった。

 グシャァァァァァァ!! 
 
 な、なんだ!?敵は──?俺たちは無事なのか!? 
 目の前のモニターを凝視する。俺たちの機体に特攻を仕掛けてきたであろう虫メカは、遥か遠方に吹き飛んで爆散した。
『一体──なにが起こったんだ…?』
 正面モニターには、ゲシュペンスト(だっけか?)の腕が少し映っている。あのー……何か機体の腕がバチバチしてるんですけど…。 
『なんだ、こうやって殴れば良かったのね。』
 ハルヒは妙に納得しているようだった。何をどうしたんだ?端的に説明してくれ。
『腕にプラズマステークとかいうのが付いてるみたいでね、それを起動して殴るの。』 
 いや、さっぱりわからん。 
『要はそういう装備なのよ。この技、ジェットマグナムって言うらしいわ。まぁ悪くは無いけど、名前のセンスは40点ってとこね。』 
 なんだそれは。いや、そんなことはどうでもいい。要はそれを起動して腕にエネルギーを集めて、それで殴るってことだろ。きっと。 
 あと──2機か。ん?なんだ?コックピットがピーピー言い出したぞ!? 
『え!?うそ……。』 
『どうしたんだ!?ハルヒ!』 
『エネルギー、ヤバいみたい…。』 
 少し引きつった笑みでハルヒは言った。それって……無くなったら攻撃できなくなったり、動けなくなったりしちゃうのか? 
『そうでしょうね……っつ!!』 
 俺たちの会話を引き裂くように、残りの敵機2機が猛攻撃を仕掛けてきた。ヤバい、マジでやられるって! 
『ピピー、ピー』 
 なんだ?これは──通信、か!? 
『ちょっとキョン!何よこの音!集中できないから静かにさせて!』 
 もう怒鳴るななんて返事を返す時間も惜しい。俺は一縷の望みをかけ、前に手を伸ばし通信機のスイッチを入れる。 
『───誰か乗っているの?』
541以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 20:23:22.62 ID:46kebisH0
支援
542以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 20:23:51.60 ID:ruxPDPwS0
支援
543SOS大戦第2話・5:2008/05/26(月) 20:24:12.69 ID:501dwzFg0
 聞き覚えのあるような声だった。いや、正確にはトーンが似てるというか…。とりあえずハルヒは忙しそうなので、俺が話すことにする。 
『乗ってる!今敵に襲われてるんだ!なんとか3機は撃退したんだが、あと2機残ってる。エネルギーがもう少ない!』 
 俺は無我夢中に話した。今思えば、相手は軍人の可能性が高いんだから敬語の一つでも使うべきだったかな。いや、そんな気を配っている余裕は無い。 
『…場所は?』 
 俺は学校のグランドで襲われていることを手短に伝えた。その間にも、俺たちの機体は数発被弾している。 
『確認した。近くにその輸送機の護衛機がいる。今向かっている。』 
 相手は軍人なのだろうか、いたって冷静だ。しかし相手が軍人に思えないのには理由がある、その通信機越しの声が、俺たちより幼いであろう女の子の声だったからだ。 
 数発の射撃を避けた後、ハルヒがとんでもないことを言いやがった。 
『2機いるとやっかいだわ。さっきので1機潰すわよ!』 
『無茶言うな!もうすぐ助けが来る、逃げ回った方が良い!』 
『あんた解ってんの!?学校には有希たちもいるかもしれないよ!』 
 言われるまでもない。敵も隙を付いて学校に砲撃を咬まそうとしてるみたいだしな。でも、もう無理だ。エネルギーが尽きかけてるし、装甲もレッドゾーンに入ってるんだぞ! 
『たまには──団長を信用しなさいよね…!』 
 正直、拍子抜けした。てっきり怒鳴られるものだと思ってたのだが、ハルヒは弱弱しくそう呟いただけだった。そもそも、別にお前を信用してないわけじゃ── 
 物凄いスピードで機体が加速を始めた。やっぱ、こうなるのかよ! 
『正義の鉄槌を下してあげるわ!』 
 今度は左の敵か?頼む。もうこうなったら上手くやってくれ! 

『プラズマステーク、セット!』

 グォォォォォ。 
 機体が加速度を増す。 
『ジェット───』 
 ハルヒは敵機の正面からの攻撃を避けつつ、叫んでいる。ほんとに…器用なやつだぜ。 
 そして─── 
『マグナムっ!!!』
544以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 20:24:28.86 ID:46kebisH0
支援
545SOS大戦第2話・6:2008/05/26(月) 20:25:08.31 ID:501dwzFg0
ズガァァァァァン。 

 命中した。敵機は吹き飛び、そして大破─。よくやるぜ、まったく。 
 しかしまだ油断はできないな、あと一機──ってん!?
 手元の操作パネルとウインドウに目をやる。うそだろ……エネルギー残量、0だと…? 

 シュゥゥゥゥゥ。 

 俺たちを乗せた機体は静かにその場で停止した。マズいって!目の前に敵が── 
『そんな……!あと、一機なのに…!』 
 ハルヒもようやく事態を理解したらしい。おいおい、今度ばっかりはもう本当にどうしようも無いんじゃ── 

 ズガァァァァァァァァァァン! 
 一瞬、何が起こったのか理解できなかった。ふと正面モニターを見ると、俺たちの乗っているのと同じ機体が最後の一機を撃ってくれたらしい。
 助けがきた──そう思ったのもつかの間、援護に入ってきた機体も爆発した。 
『なっ……!』 
 またも俺はマヌケな声を上げる。まさか──他にも敵がいて、そいつらと交戦してボロボロの状態で俺たちを助けてくれたのか……? 
『助かったみたいね、あたしたち……。』
 ああ、俺たち『は』な……。 
 やり切れん想いで呆然としていると、再び通信が入ってきた。今度はハルヒがスイッチを押す。
『大丈夫。パイロットは脱出した。』
 さっきの通信相手。そうなのか?少しホッとしたぜ…。 
『あんた誰?さっきの虫メカは何なのよ!?何でうちの高校が襲撃されなきゃならないわけ!?説明しなさい!!』 
 声に怒りをこめてハルヒが怒鳴る。落ち着け、相手は俺たちを助けてくれたっぽいパイロットの仲間みたいだぞ。 
『そんなの関係ないわよ!って──』 
 通信が途絶えた。エネルギーが切れていたが、予備電源で動いてたのか?その電源も切れたか、単純にダメージを受け過ぎての故障か、だな。 
546以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 20:25:13.92 ID:46kebisH0
支援
547以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 20:26:51.99 ID:ruxPDPwS0
支援
548SOS大戦第2話・7:2008/05/26(月) 20:27:49.19 ID:501dwzFg0
『そんなこと言われなくても解ってるわよ!ほら、さっさと降りるわよ!有希たちを探しにいきましょ。』 
 元気の良いやつだ。さっきまで俺たち、闘ってたんだぞ?まぁ、俺はほとんど何もしてないが……。 

『何言ってんのよ?中々のアシストだったわよ。』 
 なに?お前、まさか褒めてくれてるのか?ってか古泉曰く、相当ストレス溜まってるんじゃなかったのか? 
 頭の中を疑問符が駆け巡るが、ハルヒの一瞬の笑顔がそれを消し去った。 
 なんだよ、なんだか解らんが機嫌は悪くはないっぽいぞ、古泉。 

 ハルヒの後を追うように俺も駆け出す。正直酔っていたが、俺もみんなが心配だしな。 

 ──しかし、この一戦はほんの始まりでしかなかったのだ。


また最後だけ短くなってしまいましたorz支援して下さってる皆様、ありがとうございます!
第3話は現在執筆中です。投下できそうだったら、今日中に投下させて頂きますm(__)m
549以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 20:28:50.24 ID:46kebisH0
>>548
乙乙! がんばって続きを書いてくれ。クロスものは未完率が異常に高いから完走してほしい。
550以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 20:34:25.99 ID:ruxPDPwS0
>>548
乙!途中で燃え尽きないよう頑張れ!

さて、俺も続きを書かんとな
551以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 20:43:28.26 ID:46kebisH0
保守
552以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 20:44:57.00 ID:RDyPrqwQ0
 SSを投稿するのははじめてなんですが、このタイミングでここに投稿しても大丈夫でしょうか?
 ちなみに、内容は舞台世界改変ものなのですが・・・
 
553以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 20:46:37.99 ID:BRrZoJnoO
>>530
どぞ
554以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 20:51:21.91 ID:46kebisH0
>>552
おk。ただし連載なら完結させるのは義務だ。
555涼宮ハルヒの○○○○:2008/05/26(月) 20:52:35.18 ID:RDyPrqwQ0
正式な題名は最初は禁則事項にさせてくださいませ。

それでは、

第一話 ジ・O すべてのはじまり

 サンタクロースをいつまで信じていたか、なんてことはたわいのない世間話にもならないどうでもいいような話だが、サンタクロースが実在することを知ったのは、実にごく最近のことである。

 まあ、年に一日クリスマスにしか仕事をしないと信じられている北欧にいるらしい赤服の爺さんに実際に会ったわけではないのだが、それが存在することを信じるに足る体験を、俺は高校一年の若さでするはめになった。

 とりあえず、俺をこんな状態に追い込んだ元凶との出会いから語ることにしよう。
そう、それは忘れもしない入学早々、真後ろの席から聞こえてきたこんな発言からはじまった。

 「東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、異世界人、超能力者、その他普通の人間ではないものがいたら、わたしのところに来なさい。以上。」

 ここで振り向いていなければという考えは、今ならば浮かぶが、こんな電波な自己紹介を聞いて振り向かない人間はいないだろうな。俺の記憶ではクラスの全員が振り向いていた気がする。
 
 当然、俺も振り向いて、そこにえらい美人の姿を見出すことになった。
 
 それが、俺の脳内自叙伝の中では、おそらく涼宮ハルヒとの最初の出会いという題になるのだろう。

 最初の電波な自己紹介の件を除けば、涼宮ハルヒはごく普通の女子高生にみえた。そう、当時はそう見えた。俺が、やつのまん前の席であることもあって声をかけてしまったことはそれほど不思議なことではないだろう。
 

 それが、平凡な日常の崩壊のはじまりとも知らずに・・・
556以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 20:55:02.48 ID:46kebisH0
支援
557以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 20:55:21.26 ID:ruxPDPwS0
支援
558涼宮ハルヒの○○○○:2008/05/26(月) 20:59:15.45 ID:RDyPrqwQ0
 「なあ、しょっぱなの自己紹介のアレ、どのへんまで本気だったんだ?」

 腕組みをして不機嫌そうな表情・・・この表情は入学式の日から一度も変化していなかった・・・をデフォルトにしていた涼宮ハルヒは、眉ひとつ動かすことなく、その睨むような視線を俺に向けてきた。

 「しょっぱなのアレって何。」

 「いや宇宙人とか人間じゃないものがどうとか?」

 「あんた、宇宙人なの?それとも幽霊とでもいうつもり?」

 俺を睨む目がさらに鋭くなっていた。

 「・・・違うけどさ」

 「違うけど、なんなの?」

 「・・・いやなんでもない」

 「だったら話かけないで。時間の無駄だから」

 思わず、謝りたくなるようなそんな視線だった。ただひとつ、こいつが自己紹介でいったことが、冗談などではないこと、真剣な発言であったことだけが伝わってきた。まさしく、鋭い針で刺すようにではあったが・・・
559以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 20:59:38.38 ID:46kebisH0
支援
560以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:01:07.45 ID:ruxPDPwS0
支援
561涼宮ハルヒの○○○○:2008/05/26(月) 21:02:10.69 ID:RDyPrqwQ0
 涼宮ハルヒの過去の奇行の数々が耳に入りだしたのは、それから間もなくのことだった。

 中学時代クラスメイトだった国木田の近くの席になった谷口というやつが、涼宮とおなじ東中出身で三年間ずっと同じクラスだったことから、実に様々な情報をご教授くださったわけである。

 校庭一面に絵文字を書いた事件。(これは市内でもちょっと話題になった、なにぶん関東であんなことがあった後だったため、何か起こるのではないかとかデマすら飛び交っていたな)
 クラス中の机を廊下に出して教室いっぱいに赤チョークで魔方陣のようなものを書いたこと。
 廊下中に御札を貼ったなどさまざまな武勇伝(というのかね?)を聞く羽目になった。

 また、涼宮ハルヒの男性遍歴とやらも教授してくれた。まあ、男性遍歴といっても、性的な意味じゃなく、最長一週間、最短五分という告白されてから振るまでの話題ではあったが。
 
 ちなみに谷口は否定していたが、振られたやつのひとりはおそらく谷口であろうというのは、俺と国木田の感想である。
 というか、谷口よ、もうちょっと上手に誤魔化さないとバレバレだと思うのだが。。。なんで最短五分のやつの展開だけみょーに丁寧だったのかね?しかも、心理描写のオマケつきで。

 四月は、涼宮ハルヒも比較的おとなしかった。まあ、後になれば比較的おとなしかったなあ。。。という程度ではあったが・・・涼宮ハルヒのハルヒらしい行動の片鱗はその頃徐々に現れていたわけだ。

 片鱗その1
 髪型が毎日変わる。腰に届くほどの長髪なのだが、月曜日はストレート、火曜日はポニーテール(これがまた、よく似合っていた)、水曜日にはツインテールになりと髪を結ぶ箇所が増えていく。日曜日は一体どんな髪型なんだ?

 片鱗その2
 体育の授業は2クラス男女別で行われるので、男子は隣のクラスで着替えることになっているのだが、ハルヒはまだ男子がいるうちに服を脱ぎ始めたのだ。
 その結果、体育の授業の直前の休み時間になり次第、男子一同は着替えを持って、隣のクラスへ移動するのが規定事項になってしまった。
 ハルヒには、普通の男子高校生はジャガイモ程度にしか思えないらしい。

 片鱗その3
 休み時間、放課後にはすぐに姿を消す。
 休み時間には、プールやら部室棟やらはては校長室まで、学校中すべてを確認しているかのように見て回っているらしい。四月のプールになんの用があるというのだろうか?屋外プールだから水は緑色してるぞ?ミジンコの観察かね。
 放課後消えるのは、帰宅しているのかと思えば、実はすべての部活動に仮入部していたらしい。ちなみに、そのすべての部の先輩方から入部を勧められていた。
 これは休み時間になると訪ねてくる上級生が現れるようになってはじめて知ったことである・・・涼宮ハルヒは例によって姿を消していたのだが。
562以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:02:31.68 ID:46kebisH0
支援
563涼宮ハルヒの○○○○:2008/05/26(月) 21:03:57.60 ID:RDyPrqwQ0
 まあ、やつの奇行はすぐに話題になり、北高のほとんどの人間が涼宮ハルヒという奇妙な新入生の存在を認識し始めていたが、これがこれから起こることの序章であるなんて誰も予想してなかったはずだ・・・俺を含めて。

 カレンダーのいたずらで普通よりちょっと長いゴールデンウィークが訪れた。谷口はゴールデンウィークには女の子とデートだ、と休み前に言っていたが、結局のところそれはまさしく企画倒れに終わったらしい。
 俺の方は、親に言われて、小学生の妹と高校入学祝いのお礼も兼ねて、島根の祖母の家に出かけたものだ。
 特に変わったことはなかったと思うが、偶然訪れていた遠縁という渡橋のおばさんから臨時収入を得られたのは、ゲンキンなことだが、ちょっとラッキーと思ったものである。

 そう・・・今まで一度もあったことのないおばさんだったことを気に留めなかったとしてもそれは仕方ないことだろう?

 そして、運命のカミサマとやらが悪戯をはじめたのは、ゴールデンウィーク明け初日だった。まあ、その頃はそんな存在まったく信じてはいなかったがね。
 
 俺より先に席についていた後ろのツインテールに、なんの気の迷いか再び声をかけてしまった。

 「曜日で髪型を変えるのは宇宙人対策か?」

 ハルヒはデフォルトの表情を崩すことなく視線に鋭さを加えた。驚きが混じっていたのだろうが、ハルヒ研究家(この頃はまだいなかった)以外にはわからなかっただろう。
 また、氷の槍(アイスランス)のような返答が来るだろうと身構えていたが、ちょっとだけ違っていた。
 
「いつ気付いたの。」

そう言われればいつからだっただろう。

 「んー・・・ちょっと前」

 「あっそう」

 ハルヒは頬杖をついて、こっちを凝視しながら面倒くさそうに答えてきた。

 「あたし、思うんだけど、曜日によって感じるイメージってそれぞれ異なる気がするのよね。」

 初めて会話が成立した瞬間だった。
564以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:04:08.24 ID:46kebisH0
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565以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:04:37.31 ID:ruxPDPwS0
支援
566涼宮ハルヒの○○○○:2008/05/26(月) 21:05:52.68 ID:RDyPrqwQ0
 「色で言うと、月曜は黄色、火曜が赤で水曜が青で木曜が緑、金曜は金色で土曜は茶色、日曜は白よね。」

 陰陽五行説かね。とも思わないでもなかったが、わからなくもなかった。

 「つうことは、数字にしたら月曜が零で日曜が六なのか?」

 「そう」

 「俺は月曜が一って感じがするけどな」

 「あんたの意見なんか聞いてない」

 「・・・・・・そうかい」

 投げやりな返事を返した俺が気に入らなかったのか、ハルヒはデフォルトの表情にさらにきつい眼光を乗せてこっちを睨んできた。
さすがに沈黙が続くと精神的に厳しいな・・・と感じた頃、

 「あたし、あんたとどこかで会ったことある?ずっと前に」

 と訊いてきた。

 「いいや」

 あるきっかけが状況を一変させることがあることは、本などで読んだことがないわけでもないが、自分の身に降りかかるなんてほとんどの人間は予想しないものだ。
しかし、まさしくそれがきっかけだったわけだ。

 運命の歯車というのか?それは静かにしかし着実に動き始めていた。
567以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:06:07.50 ID:46kebisH0
支援
568涼宮ハルヒの○○○○:2008/05/26(月) 21:06:49.18 ID:RDyPrqwQ0
 翌日、俺を驚かせたのはハルヒが法則に反した髪型だったこと・・・というか、腰まで届くほど長かった麗しい黒髪を肩の辺りで切りそろえていたのだ。
それは活動的な性格を表しているようで実にハルヒらしくめちゃくちゃ似合っていたんだが、しかしなんの心境の変化だ?
 俺が指摘した次の日に短くするってのも短絡的にすぎないか?

 そのことについて尋ねたが、まあ予想通りまともな返事は返ってこなかった。

 それでも、それから俺とハルヒが会話する機会がわずかに増えた。まあ、ハルヒは休み時間や放課後はすぐ姿を消すから、朝のHR前のわずかな時間だけであったが。

 クラブ活動のこと、中学時代の男性遍歴のこと・・・

 まあ、たわいもない話ではあった。
 その中でわかってきたことは、涼宮ハルヒは何か面白いことを求めることに実に真剣であるということだった。
 その点に関して、十年近く前にそんな気持ちを失い、平凡というか倦怠した日々に満足している俺がわずかながらうらやましいと感じたなんてことは否定したい。絶対に。

 数日すると、俺とハルヒの関係がクラス中の話題になっていることを自称親友の谷口が教えてくれた。
 最初はなんのことかわからなかったが、谷口に言わせると、中学時代を通して、ハルヒとこれほど会話を成立させたやつはいなかったとのことであった。
 ハルヒの心境の変化じゃないのかね?とも思ったが、クラス委員長になった朝倉 涼子やふるい付き合いの国木田にまでそれを指摘されるとさすがに否定することは困難だった。

 しかし、ハルヒの友達として公認というのが。。。ちょっとな。俺は、ハルヒのデフォルトの不満げな表情しかみていないし。

 それからも、ハルヒとは毎日のように会話を交えていた。まあ、ハルヒの愚痴を聞く日々だったわけで・・・さすがに飽きてきた俺は、変わらない日常と仮入部して納得いく部活に出会えないことへの不満を今日も漏らしていたハルヒに意見してやった。
569以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:06:58.90 ID:46kebisH0
支援
570以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:07:49.22 ID:ruxPDPwS0
支援
571涼宮ハルヒの○○○○:2008/05/26(月) 21:08:49.46 ID:RDyPrqwQ0
 「結局のところ、人間はそこにあるもんで満足しなければならないのさ。それが出来ない人間が、発明やら思索やらをして文明を発達させてきたんだ。
 空を飛びたいと思ったから飛行機を作ったし、楽に移動するために車や電車を作り上げたんだ。でも、それは一部の特別な人間の才覚や発想によって生じたものなんだ。
 まあ、天才がそれを可能にしたわけだ。凡人たる俺たちは、人生を凡庸に過ごすのが一番であってだな。分不相応な冒険心なんか出さないほうが・・・」

 「うるさい」

 ハルヒは俺の演説を中断させて、窓の外に目線向けた。かなり、機嫌を損ねたのはさすがにわかった。
 しかしなあ、ハルヒよ、現実から乖離した現象なんて、そうそう起こるものじゃない。それはお前だってよくわかっているんじゃないのか?
 普通の日々に感謝する気持ち持っても悪くはないだろ?などと思っていたが、このときハルヒの心情に大きな変化が生じているなんて思いもしないさ。俺は読心術なんて使えない普通の高校生だったからな。

 しかし、さきほどの会話がネタ振りにだったのは間違いない。
 それは突然やって来た。

 春のうららかな日差しは実に眠気を誘う、まして午後の授業となればなおさらだった。
 うつらうつら授業を聞き流していたのはたしかに咎められることかもしれないが、襟首をわしづかみにされて後ろに引っ張られ後頭部をハルヒの席の机の角にぶつけられるとは思わなかった。

 うむ、頭に強い衝撃を受けると目の前に星がチカチカするというのは本当だな。
 などと思いながら、俺は振り返り、叫んでいた。

 「何しやがる!」

 そこには驚くべきものがあった。
 それは、俺が初めて見る涼宮ハルヒの笑顔だった。
 それは真夏のひまわりのようで、ハルヒの強い意志を示す大きな瞳に映えるもので・・・なんというか、子供が宝物を見つけた表情とでもいうのだろうか。まあ、それなりに魅力的ではあったさ。認めたくはないけどな。
572以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:08:56.95 ID:46kebisH0
支援
573涼宮ハルヒの○○○○:2008/05/26(月) 21:10:39.15 ID:RDyPrqwQ0
 「気づいたのよ!」

 ハルヒは唾を飛ばして叫んでいた。

 「どうしてこんな簡単なことに気づかなかったのかしら!」

 ハルヒは一光年先に接近した天狼星もかくやという輝く瞳を俺に向けてきた。しかたないので、俺は尋ねた。

 「何に気づいたんだ?」

 「ないんだったら自分で作ればいいのよ!」

 「何を」

 「部活よ!」

 めまいを感じたのは、頭を机にぶつけたせいではないだろう。

 「そうか。そりゃよかったな。ところでそろそろ手を離してくれ」

 ハルヒが無意識に締め上げる襟首の手を離すようにと俺はいった。

 「なに?その反応。もうちょっとあんたも喜びなさいよ。この発見を」

 「その発見とやらは後で詳しく聞いてやる。状況しだいではよろこびをわかちあってもいい。ただ、今は静かにしろ」
 
 「なんで?」

 「授業中だ」
574涼宮ハルヒの○○○○:2008/05/26(月) 21:11:41.35 ID:RDyPrqwQ0
 ようやくハルヒは俺の襟首から手を離した。
 おれは、教卓の方に振り返り、こちらを見つめる全クラスメイトと今にも泣き出しそうな表情を浮かべている今年から教壇にたっているという女教師を視界に確認することになった。
 どうぞ、授業の続きを・・・と手で合図した。ハルヒはなにやらぶつぶつ言っていたが、とりあえず授業中は無視した。

 で、俺はなんでこんなところにいるんだ?

 俺は今屋上へとつながる踊場で、涼宮ハルヒにネクタイをつかまれている。うむ、状況次第ではほぼ間違いなくカツアゲの風景にみえるな教師が見かけたらなんといわれることやら。まったく、こんなところに連れ込んで俺をどうするつもりなんだ?

 「協力しなさい」

 ハルヒは言った。

 「あたしの新クラブづくりに協力しろといってるのよ!」

 俺がいまいち理解できない表情をしてるのを読み取ってハルヒは言い直した。ちょっと語気が強くなってる。

 「なんで俺がお前の思いつきに協力しなければならんのか、それをまず教えてくれ」

 「あたしは部室と部員を確保するから、あんたは学校に提出書類を揃えなさい」

 ああ、聞いちゃいないし。

 「ああ、そうそう実は部室は確保してあるのよ。ついてきなさい。」

 俺はそのまま引きずるように引っ張るハルヒを止めるのに必死で、協力の有無を答える余裕すらなかった。
575以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:11:50.03 ID:ruxPDPwS0
支援
576以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:12:08.17 ID:46kebisH0
支援
577涼宮ハルヒの○○○○:2008/05/26(月) 21:12:49.77 ID:RDyPrqwQ0
 「なによ?」

 「部室とやらにいくのはいいのだが、まず教室に戻ってかばんをとってこないと、週番が帰ったら、教室に鍵がかけられるぞ?」

 「教室の鍵ねえ。外すのは簡単だけど・・・まあ、一理あるわね。」

 物騒な発言があった気がするが、それは無視しよう。

 で、かばんを回収した俺は、結局ハルヒに引きづられるように、部室棟へいくことになった。あれ、なんでこんなことに?

 その疑問の答えを得る前に、部室棟三階のひとつのドアをハルヒは壊れるんじゃないかという勢いであけた。

 「ここよ!」

 その部屋は意外と広かった。長テーブルとパイプ椅子がいくつか。まあ、意外なほどに多いのは左側の壁天井までの全面とドア左側の一部まで覆うように存在する本がぎっしり詰まった本棚くらいだった。
 老朽化が目立つこの建物の床が抜けるんじゃないか・・・などといらぬ心配をしながら、室内を見回す。

 そこにはこの部屋のオマケのように、一人の少女がパイプ椅子に腰掛けて分厚いハードカバーを読んでいた。

 「これからこの部屋がわたしたちの部室よ!」

 両手を広げてハルヒが宣言した。まあ、神々しいまでの笑顔に彩られている。普段もその表情なら、教室でも孤立することはないだろうに。などとは口にはしなかったが、かわりに俺はひとつの疑問を口にした。
578以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:13:03.73 ID:46kebisH0
支援
579以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:13:28.35 ID:ruxPDPwS0
支援
580涼宮ハルヒの○○○○:2008/05/26(月) 21:13:30.15 ID:RDyPrqwQ0
 「ちょっと待て。どこなんだよ、ここは」

 「文化系の部活動のための部室棟よ。そしてここは文芸部の部屋」

 「じゃあ、文芸部なんだろ」

 「でも今年の春三年が卒業して部員ゼロ。新たに誰かが入部しないと休部が決定していた唯一のクラブなのよ。でこの子が一年生唯一の新入部員」

 「てことは休部になってないじゃないか」

 「似たようなもんよ。一人しかいないんだから。それにこの子の許可は取ったわよ」

 そういわれて、俺はさっきから俺たちを無視して読書に耽る少女に目を向けた。眼鏡をかけた髪の短いおとなしそうな少女だ。

 「本当に許可を取ったのか?」

 脅迫とかしたんじゃないかと心配して確認してしまった。

 「前に仮入部で知り合っていたから、休み時間に会いにいって部室貸してって言ったら、どうぞって。本さえ読めればいいらしいわ。変わっているといえば変っているわね」

 ハルヒよ、お前がいうかね。

 しかし、本当にいいのか?とその少女に視線を向けていると、ふいに少女が本から目線をあげて、俺たちの方をみた。

 「長門有希」

 と平坦な声でいった。どうやら自己紹介だったらしい。
581以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:14:02.61 ID:46kebisH0
支援
582涼宮ハルヒの○○○○:2008/05/26(月) 21:14:12.48 ID:RDyPrqwQ0
 それで用が済んだとでもいうように、少女は本に目線を戻し、再び読書に戻った。

 「長門さんとやら」俺は声をかけた。「こいつはこの部室を何だか解らん部の部室にしようとしてんだぞ。それでもいいのか?」

 「いい」

 長門有希は本から目をそらすことなく答えた。

 「いや、多分ものすごく迷惑をかけると思うぞ」

 「別に」

 「そのうち追い出されるかもしれんぞ?」

 「どうぞ」

 うむ、まるで無感動というか感情がないかのような返答だ。心の底からどうでもいいと思っているのだろうか?

 「まっ、そういうことだから」

 ハルヒが先ほどの宣言を続ける。

 「これから放課後、この部室に集合ね。絶対来なさいよ。来ないと死刑だから」

 お前は小学生か!というツッコミは封印した。ハルヒの満開の笑顔で言われたから、不承不承ながらうなずいた。
 死刑はいやだったからな・・・そういうことにしておいた。
583以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:15:02.85 ID:ruxPDPwS0
支援
584涼宮ハルヒの○○○○:2008/05/26(月) 21:15:35.87 ID:RDyPrqwQ0
 次の日の放課後。

 俺が文芸部室を訪れると、俺より先に姿を消していたハルヒの姿はなく、今日も本を読みふける長門有希の姿だけがあった。

 沈黙・・・静寂・・・

 うわあ、いたたまれねえ。
 しかたなく、パイプ椅子のひとつに腰掛け、本棚に目を向けていたが、特に興味を持つ題名も見当たらず、長門有希の方を見れば読書に没頭中。この頃の俺はまだ長門の沈黙に慣れていなかった。

 「・・・・・・何を読んでいるんだ?」

 沈黙に耐えかねて、俺は長門有希に声をかけた。長門有希は返事の代わりにハードカバーの背表紙を俺に見せてきた。睡眠薬かなにかみたいなカタカナが踊っている題名でSF小説らしい程度しかわからなかった。

 「面白いのか?」

 俺のその問いに、長門有希は眼鏡に手をやり、平坦な声で答えた。

 「興味深い」

 とりあえず答えているという感じだ。その後も、本が好きなのかとか、たわいもない質問とそれに対する最短の答えの応酬を行った。質問をすると律儀に答えてくれたのには、助かったさ。
この少女は本は相当好きらしい。わかったのはそれくらいだったがな。

 ドアを蹴破るように涼宮ハルヒが入ってきた。

 「ごめんごめん!ちょっと捕まえるのに手間取っちゃって!」

 と満面の笑顔で入っていたのはいいが、そのまるで逃げた子猫を捕獲してきたような発言はなんだ?
585以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:16:07.66 ID:46kebisH0
支援
586涼宮ハルヒの○○○○:2008/05/26(月) 21:16:38.08 ID:RDyPrqwQ0
 ハルヒは後ろ手に誰かをつかんでいた。その人物が部屋に入ったのを確認すると、がちゃりとドアの鍵を閉めた。
 よくみると、ハルヒが捕まえているのはまたしても少女だった。

 不安げに震えた小柄な体の少女は、うん、すんげー美少女だった。しかし、今日ハルヒは「適材な人間」に心当たりがあるからと部活の勧誘に行ったはずだ。
 この子のどこが、「適材な人間」なのだろうか?

 「なんなんですか!」

 その美少女は気の毒にも半泣きの表情だ。

 「ここどこですか、何であたし連れてこられたんですか、何で、かか鍵を閉めるんですか?いったい何を」

 「黙りなさい」

 ハルヒの押し殺した声に少女はビクッと固まった。

 「紹介するわ。朝比奈みくるちゃんよ」

 おい、それで紹介終わりかよ。

 「っていうか、どこから拉致してきたんだ?」

 と俺がいうと、「拉致」と言う部分で朝比奈みくるという美少女はビクッと不安げに反応した。いや、俺はなにもしませんし、何も知りませんよ?共犯者じゃないですから。

 「拉致じゃなくて任意同行よ」

 いや、それもどうなんだ?
587以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:17:07.52 ID:46kebisH0
支援
588涼宮ハルヒの○○○○:2008/05/26(月) 21:18:08.12 ID:RDyPrqwQ0
 ハルヒの説明によると、朝比奈みくるさんはこの高校の二年生でハルヒが書道部に仮入部したときから気にいっており、今回部活を立ち上げるにあたり、
この部活の萌えキャラとして任意同行を求め、そのまま引っ張ってきたとのことであった。
 
 かなり、問題な行動じゃないのか?

 しかし、その後の朝比奈みくるさんの行動も俺の予想外ではあった。

 拉致同然につれてこられたというのに、ハルヒの書道部をやめてわが部活にという指示にしたがったのだ。そのとき、ほんのわずかだが、長門有希の方をみたような気がする。

 「とりあえず、四人揃ったところで、紹介するわね。」

 「そこのぼーっとしてるのが、団員一号のキョン、で窓際で本を読んでるのが、団員二号の長門有希。そして、わたしが団長の涼宮ハルヒよ!」

 うむ、ツッコミどころ満載なのだが、まず最初にこのSSは現在第一話終盤になろうとしているのだが、俺の名前でやっと出てきたと思ったら「キョン」というのはどういうことだ?
 作者の悪意を感じるぞ。・・・と、この世界に存在しないものに不満を述べてもしかたないので、とりあえず、目の前の存在に苦言を呈しておくとしよう。

 「団とはなんだ?そもそもどんな部活をつくるつもりかそろそろ明らかにしてもいいんじゃないのか?」

 「あれ?言ってなかった?まあ、いいわ。とりあえず、名前なら決めたわよ。」

 「・・・いってみろ」

 期待感ゼロの状態俺の声に反して、涼宮ハルヒは満面の笑みで命名宣言を行った。
589涼宮ハルヒの○○○○:2008/05/26(月) 21:19:06.79 ID:RDyPrqwQ0
 ・・・とりあえず、お知らせしよう。

 なんだかよくわからない涼宮ハルヒの思いつきではじまった部活動設立計画(現在総員4名)の活動の名前は、

 「SOS団」

 と相成った。

 別に、救難信号ではなく、いや、そっちの方がよかったかもしれん。しかし、ハルヒの宣言文には違う言葉が書いてある。

 S=世界を

 O=大いに盛り上げるための

 S=涼宮ハルヒの
 
 団

 で略してSOS団だそうだ。うむ、呆れてよいとおもうぞ。

 とりあえず、その日は下校時刻になり、解散した。
 今日最大の謎について、俺は朝比奈さんに問わずにはいられなかった。
590以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:19:45.87 ID:46kebisH0
支援

忘れてた。問題が発生したら下記スレへ。
http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1198086107/
591涼宮ハルヒの○○○○:2008/05/26(月) 21:20:12.02 ID:RDyPrqwQ0
 「朝比奈さん」

 「なんですか、キョンくん」
 
 ・・・あなたもその名前で呼ぶのですか?と名づけた親戚のおばさんと広めた妹をうらめしく思ったものだ。

 「書道部をやめてまで、こんな活動に参加することはないと思いますよ。あいつのことなら気にしないでください。俺が後から言っておきますから。」

 「いえ、いいんです。入ります、あたし」

 「でも、多分ろくなことになりませんよ」

 「大丈夫です・・・それにおそらくこれは必然・・・なのでしょうし、長門さんがいるのも気になります。」

 「気になる?」

 「え、や、何でもないです」

 朝比奈さんは慌てた感じで首を振った。ふわふわの髪の毛がふわふわと揺れた。
 そして、朝比奈さんは俺の方を向いてお辞儀をしながら、

 「ふつつかものですが、よろしくお願いします。」

 「まあ、そこまで言われるんでしたら・・・」

 「それから、あたしのことでしたら、どうぞ、みくるちゃんとお呼びください」

 とにっこり微笑む。ハルヒの笑顔とは違うめまいを覚えるほど可愛い笑顔だった。
592涼宮ハルヒの○○○○:2008/05/26(月) 21:21:05.56 ID:RDyPrqwQ0
 そういえば、帰る直前、長門から本を渡された。

 「貸すから」

 読めということだろうか?しかし、こんな分厚い本を読む習慣は俺にはない。

 「いつ読み終わるかわからんぞ?」

 「いい」

 それだけ言って、長門は帰っていった。 


 ジ・Oはこうして動き出した。
593以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:22:01.86 ID:46kebisH0
支援
594涼宮ハルヒの○○○○:2008/05/26(月) 21:24:17.36 ID:RDyPrqwQ0
支援してくださった方ありがとうございました。
第一話はここまでです。
・・・ここまではほとんど間違い探しですね(汗

全六話ですが、推敲したいと思いますので、今日はここまでにさせてくださいませ。
by 梅里
595以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:25:06.44 ID:46kebisH0
>>594
乙! 続きに期待。
596以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:26:52.03 ID:ruxPDPwS0
>>594
乙!
これからの展開に期待!
597みるく ◆MILKyXhOBE :2008/05/26(月) 21:33:42.67 ID:6z5RoVSGP
おい誰だ報告したやつ! 規制されたぞ!!!
598みるく ◆MILKyXhOBE :2008/05/26(月) 21:35:23.78 ID:6z5RoVSGP
◆hCITHjx2nUって誰だ!
599みるく ◆MILKyXhOBE :2008/05/26(月) 21:40:50.14 ID:6z5RoVSGP
いい度胸だ!
600I don't choose, but decide.:2008/05/26(月) 21:42:10.30 ID:ORzDq8aPO
予告から一時間半も遅れてしまった…
投下します。

I don't choose, but decide.
601以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:43:26.70 ID:46kebisH0
おk。支援する。

しつこいけど、問題発生時は下記スレへ。
http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1198086107/
602I don't choose, but decide.:2008/05/26(月) 21:44:08.63 ID:ORzDq8aPO
 涼宮ハルヒの能力が失われた。

−それに至るプロセスを詳細に具体的に語るのは俺の精神衛星上大変よろしくないので割愛させてもらう。

一文で言うならば、あいつと俺の関係性がどうでもいいクラスメート
→団長と雑用
→次の段階へと変化していく過程でそうなったというわけだ。
たいてい(今だから言えるのだが)こういう関係性になる為の最後の行動というのは単なる確認行為であるわけで、
表見的な関係の呼称が変わるのみで実際の状況はそう変わりはしない。
つまり相変わらず俺はハルヒに振り回される役回りなのだ。
強いていえば振り回し方が理解しやすくなったのが一番の変化かもしれんな。
ともかく、もしかしたらさっきから俺が「確認行為」だの「表見的」だのという妙な言葉を使ったことから分かるヤツもいるかもしれんが、
ここに到達するまでは北高を卒業し、奇跡的に俺がある大学の法学部に入学するまでの時間を要した。
当然と言えば当然、学力に隔たりのあるSOS団メンバーは別々の(とはいえハルヒ・古泉・長門と俺・朝比奈さんで別れただけだが)
大学に進学した。ところが結局俺達はちょくちょく−いや、しょっちゅう例の場所に集まっていたのだ。
要は高校時代とあまり変わらなかったというわけだ。
と以上二文を過去形で語ったのは、変わってしまったことがあるからなわけで。
俺やハルヒをはじめ、単なる心理アドバイザー的立場に収まった古泉や未来との同期を絶った長門−

未来を知らない、時間に縛られない者だけが変化に気付かなかったんだ。

−−−−−−−−−−−−−−−−

603以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:44:27.15 ID:ruxPDPwS0
支援
604以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:44:30.79 ID:46kebisH0
支援
605以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:45:36.31 ID:jvQ0Kt30O
やぁ、同志よ(´・ω・`)突然だけど君達に一生恋人ができない呪いをかけたよ。呪いを解く為にはここのスレ→http://same.u.la/test/r.so/pc11.2ch.net/sns/1211146564/l10で厨房装って暴れている607に以下のテンプレで書き込んでくれたまえ。それでは検討を祈る。


>>607河童はおまえ!おっさん無理すんなよwww
606I don't choose, but decide.:2008/05/26(月) 21:47:10.63 ID:ORzDq8aPO

抽選で勝手に登録される科目で運悪く単位取得何度AAランクプラスの刑法に当たったせいで、
月曜の朝から聞き慣れないテクニカルターム満載の教科書を朗らかさのかけらもない教授が朗読するのを拝聴させられる
そんな地獄にも慣れつつあった五月下旬。
高校の頃には想像もしていなかった映画館みたいな教室を出て、弁当を食う場所を物色しているとポケットが振動する。

Fm 朝比奈さん
Sub (無題)
Txt

大切な話があります。
銅像の前で待ってますね。


古泉いわく「天然記念物級の鈍感」たる俺でも、このメールの意味くらい理解できるさ。
実はキョンくんが好きなんですーとか、涼宮さんと別れてわたしとーなんてこたありえん。
来るべき時が来たんだろう。朝比奈さんが未来に帰ってしまう。まさにバック・トゥ・ザ・フューチャー。


寂しさと、何というか諦観のようなものがせめぎあって自分がどう思っているのかよく分からなかった。
いなくなってほしくない。だが、いつだか朝比奈さんが話してくれた未来への里心を想起すると…

「帰らないでくれ」などとは言えない…よな。

−−−−−−−−−−−−−−−−
607以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:47:34.04 ID:46kebisH0
支援
608以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:47:45.21 ID:ruxPDPwS0
支援
609I don't choose, but decide.:2008/05/26(月) 21:49:10.42 ID:ORzDq8aPO

「あ…キョンくん」

オッサンの銅像の足元に佇む朝比奈さんは、俯き気味だったけれど微笑んでいた。

「わたし、未来に帰らないといけません。ううん、帰ります」
強制ではなく自分の意思だという言い換え。それは俺を悲しくさせ、同時に安心させた。
朝比奈さんは例の強制ナントカでムリヤリ連れ戻されるわけではないようだ。俺の顔をちらと伺って、
「涼宮さんにはキョンくんがいるし、もう大きな時空震発生の心配もなさそうなので帰還許可が出たんです」

なるほど。ハルヒの奇想天外パワーが無くなれば、んーなんだっけ、不確定要素がなくなるわけか。
納得しつつも、俺の寂しさがこんな事を言わせた。
でも、朝比奈さんがいなくなったらどうでしょう?またハルヒのやつとんでもない事を…

「ないと思う…。ちょっとさみしいけど、今涼宮さんの一番はキョンくんです。だから悲しませたりしちゃダメですよー」
俺とハルヒが付き合い出してから何度か見せるようになった朝比奈さんお姉さんモード。
この朝比奈さん(姉)には逆らおうという意志すら湧かず、紐で顎を引っ張られるように頷くしかないのだ。
この提案は彼女の言う通りハルヒを悲しませない為に必要な物さ。

「朝比奈さん!」
勢い余って肩を掴んでしまった。途端に真っ赤になり、わたっわた…あの、等と呟く朝比奈さんに続けた言葉はこうだ。

「俺の家で飲みましょう!せっかく大学生になったんだし、みんなを呼んで飲み会ですよ」

お別れ会と言えなかったのはまぁ、許してくれ。
−−−−−−−−−−−−−−
610以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:49:30.62 ID:yDeA7jrm0
しえん
611以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:49:47.36 ID:ruxPDPwS0
支援
612以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:49:49.77 ID:46kebisH0
支援
613I don't choose, but decide.:2008/05/26(月) 21:50:42.23 ID:ORzDq8aPO

集まったのは俺、ハルヒ、長門に鶴屋さん、それに古泉とあとは阪中、谷口、国木田だ。
正直この人数には俺の部屋は手狭なのだが、SOS団絡みで朝比奈さんと関わった奴らは全員呼びたかった。
長門と古泉以外には朝比奈さんは海外に引っ越すというどこかで聞いたような真っ赤な嘘を伝えておいた。
鶴屋さんあたり、気付いていそうだけど。

そういえばいまいましい事に国木田と鶴屋さんは高三の時からいい仲になっていて、
国木田のヤツは志望通りいつだハルヒと共に尾行して到達した大学(鶴屋さんと同じとこだ)に進んだ。
実は俺とハルヒもそこに行こうと思っていたのだが…まぁそれはまた別の話だ。

それはさておき、突然だった上理由もネガティブな集まりだったが
ハルヒや鶴屋さん、そして何より朝比奈さん自身が笑顔を絶やさなかったお陰で
やたらとポジティブに盛り上がった。もしかしたらハルヒの言葉に涙が出そうになったのは俺だけかもしれん。

「今生の別れじゃあるまいし、今じゃ国際通話も安くなってきてるしメールもスカイプもあるんだから寂しくはないわ!
ちょっとだけしかね」

−ハルヒ、お前は朝比奈さんに一番近いようで遠い位置にいるんだよな−

−−−−−−−−−−−−−−−−−
614以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:51:14.45 ID:46kebisH0
支援
615以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:51:26.69 ID:yDeA7jrm0
しえん
616以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:51:35.57 ID:ruxPDPwS0
支援
617I don't choose, but decide.:2008/05/26(月) 21:53:14.88 ID:ORzDq8aPO
 夜も深まり阪中が帰ると言い出すと、谷口が送ると宣言し(言いたかないが阪中の無事を祈るぜ)、
どういうつもりか国木田が一人で帰り、ハルヒが俺のベッドに沈むと古泉が全く乱れない呂律でシメの言葉を発した。
「では今日はこの辺りにしましょうか。夜も更けてきましたし、僕は長門さんを送りますからあなたはお二方をお願いします」
ハルヒはどうするんだよ。

「え?泊めてあげるのではないんですか?」

長門を除く…いや長門も少し口角を上げていたな、全員がニヤリとした顔を向けてくる。
何なんだこのチームワークは。

「ん…みくるちゃん…またね…メールするか…キョン…ちゃんと…」
薄目を開けたハルヒの譫言のような言葉からすると、コイツは泊まる気満々で
俺が先輩二人を送るのは絶対的義務ということらしい。やれやれ。

−−−−−−−−−−−−−−−−
618以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:53:22.89 ID:46kebisH0
支援
619以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:54:21.72 ID:ruxPDPwS0
支援
620I don't choose, but decide.:2008/05/26(月) 21:54:31.81 ID:ORzDq8aPO
思い出話をしたくないのは俺だけではなかったらしく、古泉・長門ペアと別れるまで俺達はみな無言で歩みを進めた。

「では、またいつか」
「いつか」

短い言葉は信頼の証と思いたい。超能力者とヒューマノイド・インターフェイスに対する感情は
出会ってから色々と変わってきたが、使命から解放されたはずの今でもこうして同じ時を過ごしている
−ってことは、少なくとも俺やハルヒやあいつら相互の間に悪い印象は持っていないだろう。
朝比奈さんは悪意などという概念とは無縁の存在だし…

とか考えつつ麗しの先輩二人の後ろ姿を眺めていると、らしくないな、感傷に浸ってしまった。
国木田が一人で帰ったのは、今この時を作ってやりたかったんだろう。無二の親友同士の時間を。
阪中や谷口もSOS団に気を遣ってくれたのかもしれん。

人をこうして好ましく思い、素直にいいヤツらだと言える…いや言えないな、思えるようにしてくれたのは
思えるような仲間を集めてくれたのは間違いなくハルヒだ。大切にしてやらなくては。
ハルヒだけじゃない。みんなと、みんなと共に過ごす時を。

−−−−−−−−−−−−−−−−

「んじゃ、みくる」
「う、うん…」

遠く、遠くへ離れる時が来た。鶴屋家の門の前で二人が向き合っている。
国木田のお膳立てをムダにするわけにはいかん。向かいの歩道で待つことにする。

−朝比奈さんは泣きながら笑い、鶴屋さんは笑いながら泣いていた−

−−−−−−−−−−−−−−−
621以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:54:47.56 ID:46kebisH0
支援
622以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:55:21.50 ID:ruxPDPwS0
支援
623I don't choose, but decide.:2008/05/26(月) 21:56:04.42 ID:ORzDq8aPO
鶴屋さんと別れた後、ゆっくりと時間を稼ぐように歩き、きっとあの公園に行くんだろうなんて事をぼんやり思っていると
やっぱりその通りで、俺達は幾多の記憶が染み付いたあの公園に辿り着いた。
口を開けば終わりになってしまう気がして沈黙を破れない。
あのベンチに座ると別れが訪れる気がして、足を動かせない。
結局、公園の入り口で突っ立ったまま向き合う形になる。
まだ、別れるのは嫌だ。と俺は思ったのだろう。思わず目を逸らした俺の視界に割り込むようにてててっと動き、

「あ、あの…」
朝比奈さんが口を開く。時間…か。
「何ですか」

なるべく何て事ないかのような声を出そうとした時、



信じられない光景が目に飛び込んできた。これ、フラッシュバックってやつか?

思い出ならもっといいものを見たいのだが…

という思考をコンマ一秒で終え、我に帰る。
これは現実だ。今この時この場所で、見覚えのあるワゴンから見覚えのあるヤツが現れ、二度目の暴挙に出やがった。

「藤原ッ!!」
624以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:56:30.30 ID:46kebisH0
支援
625以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:57:39.73 ID:/PbRj9WC0
しえn
626I don't choose, but decide.:2008/05/26(月) 21:58:07.68 ID:ORzDq8aPO
今日はここまでで終わりである。初めて書くシリアス系の長編…疲れるのだ…
627以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 21:58:45.80 ID:46kebisH0
>>626
乙! 連載は大変だけど、続きがんばれ。
628以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 22:01:29.99 ID:ob7xYJ3T0
>>627
乙!頑張れ〜
629以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 22:01:56.71 ID:/PbRj9WC0
これは期待。
続きwktk!
630以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 22:21:18.15 ID:ORzDq8aPO
支援アンド乙アリガトゴザマシタ保守
631以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 22:38:58.28 ID:7cNzFuoFO
保守
632以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 22:45:07.07 ID:tcd3eVVe0
保守
633以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 22:56:15.97 ID:RZKgcr3sO
「きょーん(はぁと)」
「…なんだ?今古泉とゲームでいそがし」
「そんなこと言わないでさぁー…ね?」

プニプニ

「キョンのほっぺってぷにぷにで…ほんとにかわいいわ…。
唇もプニプニしていい?…両手でプニプニしていい?」

プニプニ プニプニ
「…なぁ、ハルヒ…」
「ねぇキョン、私を、保守してくれない?
あなたのそのかわいいお口で、私の顔を塞いで欲しいの…」

むに
「ああっ!いいわ!興奮してきた!保守祭りよぉぉーッ!」
634以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 23:05:38.97 ID:q94h39bOO
人気ライトノベル 涼宮ハルヒシリーズ最新巻 『涼宮ハルヒの驚愕』が9月2日に発売決定!!
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/campus/1211809955/
635以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 23:21:37.81 ID:pqWS9cTxO
636以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 23:42:29.59 ID:25a2vU6uO
ほしゅ
637以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/26(月) 23:59:10.44 ID:25a2vU6uO
あと40分か。
638以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/27(火) 00:06:56.00 ID:dask3QAQ0
かなり長くなってしまいましたが、今からSOS大戦の第3話を投下しますm(__)m
639SOS大戦第3話・1:2008/05/27(火) 00:11:29.63 ID:dask3QAQ0
 第3話『崩壊する世界』 
 
 学校の方へ向かって走っている最中、俺は群集の中に見慣れた人影を見つけた。 
「古泉っ!!」 
 SOS団の副団長、古泉だ。俺の声に気づくやいなや、俺たちの方に駆け寄って来た。 
「お二方とも、よく御無事で……!」 
 こういう時は古泉でも動揺するのか、それとも瓦礫の雨から逃げていて息切れを起こしているせいなのかはわからんが、語気を強めてそう言った。 
「古泉くん!有希やみくるちゃんは!?逃げる時に会わなかった!?」 
 ハルヒの心配ももっともだ。二人は無事なのか?特に朝比奈さんなんか、あのドジっ娘ぶりでは逃げるのもままなら無かったんじゃ…。 
「朝比奈さんは無事です。ただ、長門さんは……。」 
 俯いたまま話す古泉を初めて見た気がする。いや、そんなことはどうでもいい!長門は!?長門はどうしたんだ!? 
「古泉くん…?有希は?有希に何があったの!?」 
 ハルヒは今にも泣き出しそうな様子だった。俺だってそうだ。長門に何かあったら、俺は簡単には立ち直れんぞ。 
「落ち着いて、聞いて頂けますか?長門さんは……。」 
 こんなときまでもったいぶるな。それに、落ち着いて聞いてくれとはどういうことだ? 
 俺とハルヒにはさぞ悲壮感が漂っていただろう。古泉は言いずらそうに、話を続けた。 
 
「部分的な記憶喪失……それに加え、現在は意識を失っています。」 
 ……なんだって?俺が「おい!それはどういうことだ!?」と言葉を発する間もなく、ハルヒが割り込んできた。 
「どういうことなの!?まさか……瓦礫で頭をぶって…。」 
「いえ、そうではありません。外で戦闘行動が行われている最中、僕はまずSOS団のみなさんを探していました。そこで朝比奈さんと長門さんに出会ったのですが、」 
 いつものようにわざとらしく区切り……って、息切れか?古泉は、外で勃発した戦闘に俺とハルヒが関与していたことには気づいているのだろうか? 
「何やら朝比奈さんが動揺しておられまして。『古泉くん!長門さんが…長門さんの様子が変ですぅ!』と言いつつ、朝比奈さんは慌てて僕の方に駆け寄ってきました。」 
「朝比奈さんは怪我とかしてなかったのか?」 
「ええ、彼女は無傷でした。それからすぐに三人で校舎の外に向かって非難していたのですが、その最中での長門さんの言動がおかしかったのです。」 
「どういう風にだ?」 
640SOS大戦第3話・2:2008/05/27(火) 00:12:19.66 ID:dask3QAQ0
「元々長門さんは寡黙な方ですから、最初は僕も気づきませんでした。ですが、話しているうちに段々と異変に気づきましてね。なにせ、長門さんが僕に敬語を使うものですから。」 
 長門が古泉に敬語?そりゃ確かに変だ。 
「有希が古泉くんに?それは確かにおかしいわね。」 
 ハルヒも俺に同意見のようだ。古泉は話を続ける。 
「その後校舎を出るまで話を続けましたが、どうにも僕の話と長門さんの話は噛み合わないのです。異変を感じた僕が『昨日の部室での話を覚えていますか?』と尋ねたところ、驚くべき返事が返ってきました。」 
 ハルヒは黙って聞いている。学校の方はなんとか崩壊することもなく、生徒たちが徐々にグランドに集まってきた。それを確認してから、俺は古泉に返事を返した。 
「なんて言ってたんだ?」 
 
「『昨日部室にはわたし一人だった。』そうです。」 
 は?そんなわけあるか。昨日もSOS団は活動してたじゃないか。おまけに昼休みの時間も集まって、トンデモ話を繰り広げていただろう。 
「そう説明したら、彼女は『何を言っているの?』と返されました。ただ、『あなた』のことは覚えているみたいでしたがね。」 
 そう言って、古泉は俺を指差す。どうしてだ? 
「解りません。それから僕らは校舎の外に出たのですが、驚きましたよ……まさか、御二方があのような機動兵器を操縦する技術もお持ちだったとは。」 
 どうして知ってるんだ? 
「周りの生徒が話していたのが聞こえたのですよ。それを聞いた時、長門さんはひどく驚いた様子でした。それから何か呟いて、彼女は意識を失いました。」 
「そんな……有希が、記憶を…。」 
「残念ながら事実です。その後、朝比奈さんの付き添いの元に、彼女は病院にお送りしました。」 
 そういうと古泉は病院の名前を俺たちに告げた。予想はしていたが、それは去年の暮れに俺が世話になった病院だった。 
「それなら今すぐ行けるわね!キョン、古泉くん、すぐに向かうわよ!」 
「学校はどうすんだよ!?」 
「あんたはこの後授業が続くとでも思ってんの!?」 
 思ってない。それに俺も長門が心配だ。すぐに向かおう。 
 
 ───数分後。 
 ほどなくして、俺たちは長門の病室に着いた。気を失ったのは軽い貧血だそうで、少しほっとした。でもおかしいぞ…?記憶はしっかりしてるのか? 
「ここは…?」 
 長門が目を覚ました。いの一番にハルヒが抱きつく。おい、あんまり病人を揺するな。
641SOS大戦第3話・3:2008/05/27(火) 00:13:07.38 ID:dask3QAQ0
「有希…!良かった……心配したのよ!」 
 まぁでも、俺も自分が女の子だったらこうしていたかもな。俺だってかなり心配だった。しかし、次の長門の言葉は、俺たちを落胆させるに十分な台詞だった。 
「……あなた、は?」 
 空気が凍る。その場にいた全員が言葉を失った。このままこの空間が凍結してしまうのではないか、なんてことを考えていると、古泉が長門に喋りだしていた。 
「長門さん、あなたは学校で気を失ったのですよ。でも安心して下さい、ただの貧血だそうです。ここは病院です。以前、彼が入院したのと同じ病院ですが……覚えていませんか?」 
 古泉が俺の方を見て長門に問いかけると、長門は… 
「…彼のことは知っている。でも、彼が入院していたことは知らなかった…。それに…」 
 申し訳なさそうに言った。それに…なんだ? 
「あなたたちは、誰?」 
 そんな…。長門が、SOS団の団員を忘れちまったっていうのか!?でも、何で俺のことは知ってるんだ…? 
「ちょっと有希!質の悪い冗談は止めなさい!あんたはSOS団の無口キャラで……あたしは団長で、古泉くんは副団長じゃないの…!」 
「……エスオーエス…団?」 
 ハルヒが怒りとも、悲しみとも言えぬ表情で長門に迫る。いかん、長門が怯えているじゃねぇか… 
「落ち着けハルヒ!それにここは病院だ、もう少し静かにしろ。」 
 少し残酷なことを言ってしまったかもしれない。だが、頭で整理する前に口に出してしまった。 
「だって……だって有希が…。」 
 そのままハルヒは俯いてしまった。泣いていたかどうかは解らない。ただ、小さな肩が震えていることだけは理解できた。 
「涼宮さん……。」 
 やっと口を開いた朝比奈さんだったが、それ以上何も言わなかった。多分、言えなかったんだな。 
「ハルヒ、そんなに叫んでたら喉が枯れちまうだろ?俺も喉が渇いたし、ちょっと飲み物でも買ってくるよ。」 
 気を利かせたつもりだった。これ以外に、俺にできることなんて浮かばなかったんだよ。 
「では、僕も付き合いましょう。五人分の飲み物を一人で抱えるのは、いささか大変そうだ。」 
 古泉はいつもの笑顔に戻っていた。 

 それから病室を出て、俺と古泉は自販機の方へと向かった。 
「いくつか、お話ししておかねばならないことがあります。」 
 先に口を開いたのは古泉だった。俺もそのつもりだ。
642以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/27(火) 00:13:34.15 ID:OUJKd+Zo0
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643SOS大戦第3話・4:2008/05/27(火) 00:13:58.32 ID:dask3QAQ0
「ありがとうございます。……単刀直入に言いましょう。今現在のこの世界は、僕たちが知る世界とは異なる世界です。」 
 ……やっぱりか。具体的に何時からだ? 
「細かい時間までは解りませんが、恐らく昨日から今日にかけての間に、世界は情報操作されたようです。」 
 淡々とそう言ってのける古泉に俺は聞いた。 
「何時、どうしてお前はそれに気づいたんだ?」 
「長門さんは病院に送り、あなた方を探している間にです。機関の方から──正確には森さんから連絡がありました。」 
「そうか…。」 
「ええ、その詳しい内容は…」 
 
 正確な時間は不明だが、昨日から今日にかけて世界は情報操作を受けた。それを行った者は不明。 
 現在解っている情報操作の具体的な内容は──元の世界と違ってこの世界は、世界中が戦争状態にある。また、戦争の主力兵器は人型の機動兵器である。 
 地理的なものは極端に元の世界と変わっているわけではないが、軍事施設等が世界各地に新たに設立している。 
 さらにこれらの状況を、ほとんどの人々は『以前からこうだった』と認識しており、そう認識していないのはハルヒと親しいSOS団の面々や、鶴屋さんたち一部の人間だけである。 
 機関の人間も情報操作は受けておらず、これらの情報を得たのは一通のメールだったと言う。差出人は不明──恐らく、世界を改変した者からだと思われる。 
 朝比奈さんに確認を取ったところ、未来との通信は完全に絶たれているらしく、情報統合思念体については──長門があの調子のためどうなっているか不明だそうだ。 

「ここまでは良いでしょうか?」 
「ああ、まぁな。」 
「驚きましたね。おまり驚いているように見えませんが?」 
 まぁ、そりゃあな。もちろん驚いてはいるのだが、以前似た経験をしたせいか、俺の感性は鈍っているようだった。 
「では、続きに入りましょう。」 

 その情報操作を仕掛けてきたやつの詳細は不明だが、目的は少し解っている。そいつから機関にメールが送られてきたからだ。 
 ハルヒの力が半減しているのもやつらの仕業で、今は向こうがそれを握っているらしい。そのハルヒの力を利用してそいつらは世界を改変しようとしたらしいが、半分の力──それも手に余る力だったため、使いこなせていないらしい。 
 ただそれは今現在の話で、いずれは力を使いこなせるようになるという。だが、それには一つ障害があった。それが── 

「──涼宮さんです。」 
 そう言って古泉はコーヒーを開けた。俺もそれに倣いコーヒーを開け、古泉の向かいの席に座る。
644SOS大戦第3話・5:2008/05/27(火) 00:14:48.57 ID:dask3QAQ0
「ハルヒが…力を半分残しているからか?」 
「でしょうね。どういった原理かは存じませんが、涼宮さんの力が彼らのことを牽制しているようです。ただ、解らない点は他にも多々有ります。何故彼らは、機関の面々に情報操作を加えなかったのでしょうか?」 
 考えてみる……が、あまりもっともらしい結論は出てこなかった。 
「彼らは涼宮さんに接触を試みてくる気でしょう。攻撃か、それとも誘拐か……どういった手を使ってくるかは解りませんが、」 
 いつもの様に少し間を置いてから古泉は 
「ですが、だとしたら機関を残して置くのはおかしいと思いませんか?僕は…恐らく涼宮さんの力に守られている、とも考えられますが、機関を残しておく理由が解りません。自分たちの邪魔になるのは明白ですからね。」 
「確かにな。」 
「或いは、機関の力などどうとも思っていない。だから残しておいて意図的に情報を流し、涼宮さんに何らかのアクションを起こそうとしているのかもしれません。」 
「……。でも待てよ。ハルヒに危害を加えたり、誘拐したりしてどうするんだよ?あいつの持ってる力が邪魔だから、それを消すか奪うかでもしようって言うのか?」 
「そうでしょうね。」 
「だとしたらおかしくないか?何で機関に情報を流す必要があるんだ?闇討ちした方が確実じゃないか。」 
「そう思われるのは無理もないですね。しかし、相手はあの涼宮さんですよ?半減したとはいえ、とても強大な力を保有しています。ですが彼らはどうでしょう?力を半分奪ったは良いが、それを使いこなせてはいません。」 
 俺は黙って古泉の話に耳を傾けた。 
「中途半端に改変されたこの世界が証拠です。とても真っ向から涼宮さんに向かっていって、勝てるとは思っていないのでしょう。それに情報を流したとは言っても、極めて断片的です。これは何かの企みがあるとみて間違いないでしょう。」 
 確かに、罠っぽい感じはするな。 
「そうでしょう?ただ、現在はここまでで調査は行き詰っています。長門さんの勢力に頼ればあるいは──とも考えたみたいですが、機関の把握しているほとんどのインターフェースが、長門さんと同じ状態だそうです。」 
「おい!それってつまり……。」 
「ええ、長門さんたちは情報操作を加えられているとみて間違いないでしょう。機関や未来人と違い、情報統合思念体の力は圧倒的ですからね。」 
 
 俺の身体に熱いものが込み上げてきた。ハルヒだけじゃなく、長門にまで危害を加えたやつらの存在が許せなかった。 
 俺は平々凡々なただの無力な高校生だ。だが、俺はすぐさま古泉に訊ねた。 
「俺たちは、これからどうすりゃいいんだ?」
 こんなことしか言えないのが情けなかったが、俺には余りにも情報が少なすぎる。それに、淡々と語ってる俺だが、実際は頭の中がいつパンクしてもおかしくない状態だった。 
「敵は、情報統合思念体を封じる程の力の持ち主です。ただ一つ言えることは、彼らが攻めて来るとしたら、今日の様に機動兵器を用いてくるでしょう。」 
 そこで古泉はコーヒーを一口飲み、
「単純にナイフや銃を持って攻撃するより強力ですし、もしかしたら彼らは、情報統合思念体のようにインターフェースを生み出すことができないのかもしれません。」 
 缶をゴミ箱に捨てて再び席に着く。そういえばさっき言ってた中途半端な改変って、具体的にどういう点を言っているんだ? 
「おや、そういえば話していませんでしたね。これを見てください。」
645以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/27(火) 00:15:14.52 ID:OUJKd+Zo0
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646SOS大戦第3話・6:2008/05/27(火) 00:15:28.99 ID:dask3QAQ0
 古泉は席を立ち上がり、窓の外に指を指す。俺は立ち上がりその指先の方に目をやると、信じられないものが目に入ってきた。 
「どうです?驚きましたか?現在の季節は、改変されて無いとしたらですが、夏です。それがどうでしょう、この病院の庭の木は、」 
 ああ、こいつは驚いた。一本だけだったが……桜が満開だったのだからな。 
「これは以前のハルヒの仕業とは違うのか?」 
「涼宮さんがこの状況でこんなことを望むでしょうか?また、もし季節までもが改変されていたとしても、逆に春にこの暑さというのも異常です。」 
 そうだな。もしこいつが春の気温だって言うのなら、海の家は半年間ボロ儲けだろうな。
「ただ、完全に彼らを中途半端な改変しかできない、と決め付けるのは早計ですね。何らかの意図が介在しているかもしれませんし、情報統合思念体への対抗措置も取ってあるようですし。」 
 確かに妙だ。情報統合思念体に対してそんなことをできるやつらが、こんな中途半端なことをするだろうか? 
「これは希望的観測ですが……もしかしたら情報統合思念体を消し去ることはできなかったのでは無いでしょうか?だが、個々のインターフェースには干渉できた。」 
 ……なるほどな。確かに昨日長門も『強力なジャミングをかけられている』って言ってたしな。 
「ええ。もし仮にそうだとしたら、情報統合思念体も現在対策に追われているのかもしれません。」 
 それならまだ良いんだけどな……。長門を元に戻せるかもしれん。実際、俺は『あの』長門のに見覚えがあるのだが、今は古泉の話に専念することにした。  
「話を元に戻します。僕たちがこれから取るべき行動ですが。まず第一に涼宮さんを守ることでしょうね。彼女の身に何かあれば……確実に世界は崩壊するでしょう。」 
「でもどうやって守るんだ?もし、今日学校を攻めてきたやつらがその世界を改変しようとしてるやつだったとしたら、またあんなロボットに乗らなきゃならないのか?」 
「そうです。それしかあのような兵器から身を守る術はありません。ああそれと──」 
 言い忘れていたことがあります、と古泉は言った。もう何を言われても驚かんぞ。 
「機関に情報操作は加えられていないと言いましたが、正確には『機関の人間には』です。いささか機関は妙な組織に変えられてしまいました。」  

「現在、機関の本拠地は月に在ります。また、そこには機動兵器の生産工場も存在します。」

 本日二度目の前言撤回。俺は絶句した。
647以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/27(火) 00:16:11.62 ID:OUJKd+Zo0
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648以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/27(火) 00:16:32.52 ID:JomXTas60
支援
649以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/27(火) 00:17:46.17 ID:dask3QAQ0
以上です。支援ありがとうございます!
今回は特にグダグダになってるかもしれませんorz
650以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/27(火) 00:18:12.96 ID:JomXTas60
乙! 続きがんばってくれ。
651以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/27(火) 00:19:48.03 ID:OUJKd+Zo0
>>649
乙!!
そういえばまとめにはアップしないの?
652以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/27(火) 00:26:12.61 ID:JomXTas60
個人的にはクロスもののリスクを考えて、完了後にまとめアップを推奨したい。
まあ作者の自由だけど。
653以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/27(火) 00:28:57.17 ID:dask3QAQ0
>>651
テンプレやまとめサイトには自分でアップできない人は依頼しましょう、と書いてありましたが、
どんな作品でも上げてしまって良いのか分からなくて;;
書くので精一杯で、アップの仕方も全然調べてませんorzすみませんm(__)m
個人的には、アップして残しておきたいとは思っています。
654以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
>>652
確かに完結してからの方が良いですね。了解です。