( ^ω^)桜舞い散る中に忘れた記憶が戻ってくるようですξ ゚听)ξ

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1 ◆lOHdR36vE.
こんばんは。
かなり間が空いてしまいました…

このタイトルは頂き物で、元の歌とはなんの関連性もありません。
某ゲームとも多分関係ありません。
その辺をご了承ください。

まとめサイト様

オムライス様
ttp://vipmain.sakura.ne.jp/index.html

まとめありがとうございます。

第9話の投下になります。
2 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/12(月) 23:53:02.03 ID:acxZr2450
鳥間違った…投下します。
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 23:53:19.78 ID:DDjxpUG8O
うおっおー!!!!支援!
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 23:54:04.59 ID:ki5X3i5YO
ちょ、忘れた頃に支援
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 23:54:13.67 ID:TwxC5PQ7O
しねー!

しねー!
6 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/12(月) 23:54:27.72 ID:acxZr2450








( ^ω^)桜舞い散る中に忘れた記憶が戻ってくるようですξ゚听)ξ



         ───第九話 『親友』───  
         
         
         



7 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/12(月) 23:55:56.96 ID:acxZr2450

(;^ω^)「あ……」

ツンの背中を見送った後、程なくして大切なことを思い出した。
僕と彼女にとって、大切な思い出の桜の木。
それが来週、工事でなくなるということを。

ツンは知っているのだろうか?
回覧板を見ていたのなら、知っているかもしれない。
知っていたからあそこにいたのか、それはわからない。

でも、公園へと駆け出していた時にあった焦りは、もうなかった。
あの時は、あの木がなければ僕は何も思い出せないと、
前に歩き出せない気がしてならなかった。

代わりに僕の心を支配したものは、寂しさ。

さっきまであんなに喜んでいたのに、僕の心はあっという間に寂しさに支配された。
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 23:56:53.15 ID:yBhSceGZ0
まじか?うれしい!
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 23:57:57.99 ID:T4kXIblaO
きたあああああああ
10 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/12(月) 23:58:27.57 ID:acxZr2450

あの桜があったから、ツンと出会えた。

あの桜があったから、思い出を作れた。

あの桜があったから……思い出せた。

僕とツンにとって、あの桜は本当に大切な存在だった。
それが倒されるというのだ。
「悲痛」と言っても過言じゃない。

すでに工事は来週。
決定前に倒される案が出ていたのを知っていたとしても、
僕にそれを止めることなどできなかっただろう。

仕方がない。この町の将来の為だ。

そう考えても、寂しさは当然拭い切る事はできなかった。
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:00:28.64 ID:7SFuOM8UO
支援
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:00:59.68 ID:p2bbDtjv0
久しぶり

支援
13 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:01:03.42 ID:bwRL/xL50

( ^ω^)「お…?」

丁度自宅の前に差し掛かった時、一台の車が近づいてくるのが見えた。
見慣れたはずの車のライトは、星の明かりしかないこの道ではとても眩しかった。

( ^ω^)「うおっまぶしっ」

目を細め、ぼんやりと見えるその車体には見覚えがあった。
あれは弟者さんの車だ。
どうやらこちらに向かってきているらしい。
こんな時間に何の用事だろうか?

僕に気付いたらしい弟者さんはライトを弱め、僕の横に停車させた。

(´<_` )「こんばんは、ブーン君」

( ^ω^)「弟者さん、こんばんはですお」

車から降りた弟者さんは、パンパンに膨れた紙袋を提げていた。

( ^ω^)「こんな時間にどうしたんですかお?」
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:02:34.53 ID:PjLfumefO
待ってたよ!支援!
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:02:34.17 ID:ImwPfh/OO
ktkr!
16 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:03:22.22 ID:bwRL/xL50

(´<_` )「母者に頼まれてな」

言って、提げていた紙袋を広げてみせる。
中には大根や人参、玉ねぎ等がこれでもかと詰められていた。

(´<_` )「引越し祝いと、先日の挨拶のお礼だ」

( ^ω^)「おっ わざわざすみませんお」

(´<_` )「田舎はこういうことにはうるさいからな」

弟者さんはそう言うと、ニっと笑って袋を足元に置いた。
野菜を目いっぱい詰め込まれた紙袋は、なんとも頼りなさげだ。
布の方がすぐ破れてしまうんだな、そんなことを思った。

(´<_` )「ところで、ブーン君はこんな時間に何を?」

( ^ω^)「ちょっと近くの公園に行ってたんですお」

僕の言葉を聞くと、弟者さんは少し考えるようなそぶりを見せ、すぐに顔を上げた。
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:04:52.87 ID:PjLfumefO
支援
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:06:03.41 ID:RE2IjvXpO
支援
19 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:07:28.59 ID:bwRL/xL50

(´<_` )「ああ、あの桜がある公園か」

( ^ω^)「そうですお、今日はお花見だったんですお」

(´<_` )「なるほど、そいつはいい」

それを話して、その時の事を思い出す。
つい最近知り合ったばかりとは思えないほどに、仲のよい友達の事。

大切な記憶を思い出した事。

桜の運命のこと──。


どうやらそれが顔に出てしまっていたらしい。
すぐに弟者さんがそれに気付いた。

(´<_` )「そのわりには、あまり楽しそうな顔をしてないな」

( ^ω^)「それが…」

ツンに言えなかった分、ひとまず弟者さんに話してみることにした。

………。
……。
…。
20 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:09:04.24 ID:bwRL/xL50

親友からのメールを確認し、携帯を閉じる。
どうやら彼女は吹っ切れたらしい。

私にはそれが嬉しくもあり、複雑でもあった。

川 ゚ -゚)「ふぅ…」

軽く、ため息をつく。


──私は、ブーンが好きだ──


よく言ったものだ。

川 ゚ -゚)「少し…発破をかけすぎたかな…」

まだ早かったのかもしれない。
でも最近の彼女の姿は、とても悩み苦しんでいるようで、見るに耐えなかった。
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:10:30.21 ID:R6GPvGnpO
おかえり!支援
22 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:11:25.30 ID:bwRL/xL50

本来はさっぱりしている彼女の性格らしいと言えばらしいが、
あの性格は正直羨ましい。

ツンは、私にない物をたくさんもっている。
よく彼女が私にそう言うが、そっくり言葉を返してやりたかった。

様子からして、私が言いたい事が伝わったのは間違いないだろう。

しかし……。

私はどうなんだ?

ブーンが好き、というのは嘘じゃない。
でも私が好きなのは、記憶の中のブーンであって、今のブーンじゃない。

……でももしかすると、今のブーンに惹かれているかもしれない。

確信は、もてない。
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:11:34.83 ID:1IbwRoKl0
うぇあ
24 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:13:49.15 ID:bwRL/xL50

川 ゚ -゚)「これじゃ立場が逆転だな…」

苦笑し、呟く。
結局、ウジウジと悩むのは私の方だったか。

私はよく、色々と考え込む性格だった。
突拍子もなく話を振られると、どうしていいかわからなくなる。

告白された時もそうだ。ツンは私が軽くあしらってるなんて言ってるが、
されたら内心驚いている。女なら当然だと思う。
どうしていいかわからず、とりあえず断ると言ってるだけだ。
まぁ付き合う気がないのは確かだけど…。

ツンに合わす顔が、ない。

でも合うと、約束をした。

私はツンに会わないといけない。

私もツンに、応えなくてはいけない。

しっかりしろ、クー。
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:15:48.97 ID:W2wBYFi20
支援
26 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:15:53.83 ID:bwRL/xL50

その時、携帯が鳴った。
手に取り、開く。

ツンからの着信だ。どうやらついたらしい。
深呼吸をし、電話に出た。

『クー? ついたよ』

川 ゚ -゚)「ああ、今下に…」

『待って、窓開けて』

川 ゚ -゚)「窓?」

『いいから』

言われるままにカーテンを開き、窓を開けた。
私の部屋は二階にある。

窓から顔を出し、下を覗くと…ツンがこちらを見上げていた。
27 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:17:20.77 ID:bwRL/xL50

川 ゚ -゚)「…上がってこないのか?」

ξ ゚听)ξ「このままでいいわ」

携帯はまだ持ったまま。
顔を合わせ、電話で話す。なんとも変な絵だ。

少し見つめ合った後、ツンが携帯を持った手を下ろし、通話を切った。
私もそれに合わせて携帯を閉じる。

ξ ゚听)ξ「ねぇ、クー?」

川 ゚ -゚)「どうした?」

部屋から漏れる頼りない明かりと、月と星の幻想的な光を浴びた彼女は──。


ξ ゚ー゚)ξ


綺麗だった。
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:19:04.47 ID:ImwPfh/OO
支援
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:19:39.49 ID:yhVgIyEy0
まってたぜ

支援
30 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:20:48.88 ID:bwRL/xL50

ξ ゚ー゚)ξ「私も、ブーンのことが好き」

はっきりと、少し前の私と同じ言葉を発した。
真っ直ぐに、私を見て。
二階にいる私に、はっきりと聞こえる声で。

川 ゚ -゚)「……そうか」

それはわかっていた。
ツンは思い出の中のブーンのことが好きだった。
再会の約束が果たされるのを、ずっと信じ続けていた。
そしてその思い出の彼が実際にここへ戻ってきたのだ。
好きじゃないという方がおかしい。

でも……わかっていたのに…なぜこんなに胸が締め付けられるのだろう。

ツンの声と正反対な頼りない、掠れた声で、
「そうか」と言う事しか出来なかった。
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:20:53.19 ID:W2wBYFi20
支援
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:21:08.85 ID:W2wBYFi20
支援
33 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:23:19.14 ID:bwRL/xL50

その間も、ツンは私を真っ直ぐに見つめていた。
離れていても、はっきりとわかる。
まるで、星の光を反射させたような、綺麗な瞳で、真っ直ぐに。
今の私の瞳は、きっと曇っているだろう。

心と、同じように。

ξ ゚听)ξ「だから、ね?」

川 ゚ -゚)「……」

無言で、見つめる。
そうすることしか、できない。

ξ ゚听)ξ「クーが相手じゃ…自信ないけど…」

そう言い、苦笑する。
一度頭を下げ、そしてまた、顔をあげて、私を見た。


ξ ゚ー゚)ξ「負けないからね」
34 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:25:24.48 ID:bwRL/xL50

それは間違いなく、私が今までに見たツンの笑顔の中で、
最高の笑顔だった。

私には眩しすぎて、思わず目をそらしてしまう。

彼女は言葉を続ける。

ξ ゚听)ξ「クーに言われて、はっきりわかったの」

一言一言が。

ξ ゚听)ξ「言われるまで固まらなかったこの気持ち…」

心に響く。

ξ ゚听)ξ「思い出のブーンも、今のブーンも、全部ひっくるめて」

もう、顔を向けることすら、出来ない…っ

ξ ゚ー゚)ξ「ブーンが大好き!だから、負けないよ!」
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:25:33.00 ID:yhVgIyEy0
支援
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:27:00.60 ID:ImwPfh/OO
支援
37 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:27:07.83 ID:bwRL/xL50

瞬間、私の中で何かが弾けた。

川  -)「ツン…」

ξ ゚听)ξ「うん?」

川  -)「ちょっとそこに…いてくれないか?」

ξ ゚听)ξ「う、うん」

返事を聞いた直後、駆け出した。
普段ヒートに家の中で走るなと注意してるが、
今はそんなことを気にする余裕は、ない。

階段を駆け下り、すぐに玄関に出る。
靴も履かずに、そのままツンの元に。

外は少し、ひんやりとしていた。

家の裏に回り、ツンが視界に入る。

私の様子に、ツンは驚いているようだ。
構わずに、駆けた。
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:27:38.15 ID:IRh7PHVXO
うおっ!久しぶりだなぁ
1話から見てるぜ支援
39 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:28:49.96 ID:bwRL/xL50

ξ;゚听)ξ「ク、クー?!うわっ!」

そのままの勢いで、ツンの胸に飛び込んだ。

川 ; -;)「うっ…ぅぐっ…」

構わず私は、ツンの胸の中で嗚咽をあげる。

ξ;゚听)ξ「ちょ、ちょっと?どうしたの?」

慌てながらも、私を受け止め、頭に手をやってくれた。

川 ; -;)「わからないんだ…」

ξ ゚听)ξ「? 何が?」

川 ; -;)「ほんとは…わからないんだ…今のブーンの事が本当に好きなのか!」

ξ ゚听)ξ「……」

川 ; -;)「結局…答えを出せないのは私の方なんだ……」
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:29:57.81 ID:PjLfumefO
しえ
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:30:06.98 ID:LbgGORpU0
支援
42 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:31:02.26 ID:bwRL/xL50

偉そうなことを言っておいて、自分はこれだ。
情けなさと、ツンに嘘をついた罪悪感。
そして、彼女のブーンが好きという言葉が、胸を締め付ける。

涙が、止まらない。

川 ; -;)「私は…ツンが羨ましい…」

ξ ゚听)ξ「えっ?」

川 ; -;)「どれだけ悩んでも…しっかりと自分で…答えを見つけて…」

ξ ゚听)ξ「クー…」

川 ; -;)「いつもそうなんだ……いつも…ウジウジ悩んで…
      流れに任せて…ちゃんと…決めれなくて…」
      
川 ; -;)「ぅっ…うぅ…」

彼女の胸の中で、言葉を紡ぐ。
今までずっと思っていた言葉を。
今までに見せたことのない、姿で。
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:32:42.86 ID:RmnD4sNCO
桜が舞い散った頃に舞い戻ってきやがったな。
支援
 
 
 
次回作は
( ^ω^)変わりゆく街の中で共に育つようです ('A`)
でお願いします。
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:33:00.12 ID:Nnuu87I/O
支援
45 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:33:17.11 ID:bwRL/xL50

ξ ゚听)ξ「ねぇ、クー…」

私を抱きしめ、優しく頭を撫でながら、ゆっくりと口を開く。

ξ ゚ー゚)ξ「私今、すっごく嬉しいよ」

震えが少し、止まる。

ξ ゚听)ξ「何度か、クーが何か悩んでるなって思った事はあるの」

ξ ゚听)ξ「確信がないし、お節介かなって思って言わないでいたけど」

ξ ゚听)ξ「それにいつか、クーから相談してくれるかなって、思ってた」

驚いた。
ツンがそんなことを…。

ξ ゚ー゚)ξ「やっと話してくれたね」

川 ; -;)「ツン…ごめん……ごめん…」
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:33:31.26 ID:1IbwRoKl0
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:34:01.61 ID:1IbwRoKl0
ゴバーク
支援
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:34:31.17 ID:LbgGORpU0
支援
49 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:35:46.85 ID:bwRL/xL50
私は馬鹿だ。
ツンが私にするように、私も相談すればいい事だったんだ。


親友、なのだから。


ツンが気遣ってくれていたことなんて、まったく気付かないでいた。
知らずに、相談に乗って、クールを装って……。

本当に、馬鹿だ。

ξ ゚ー゚)ξ「謝らないで? 嬉しいんだから」

川 ; -;)「うん…ごめん…」

ξ ゚听)ξ「あー、また謝った」

あ……。

ξ ゚ー゚)ξ「ふふっ」

暖かい──親友の腕の中が。

暖かい──親友の笑い声が…。

………。
……。
…。
50 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:38:15.37 ID:bwRL/xL50

(´<_` )「なるほどな…」

僕にとってとても大切な桜の木が、倒されてしまうことを話した後、
弟者さんは静かに呟いた。

( ´ω`)「そうなんですお…」

(´<_` )「俺からは残念だな、としか言えないが…」

言いながら、とても申し訳なさそうな顔をした。

(´<_` )「すまないな…力になれなくて」

( ^ω^)「弟者さんが謝ることじゃないですお」

そう。もう決まっている事なのだ。
誰かにどうこうできる事じゃない。

それに…。

( ^ω^)「それに、話を聞いてもらったおかげで、少し楽になりましたお」

(´<_` )「そう言ってもらえると、ありがたい」
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:38:32.79 ID:1WN2uo+3O
しえ
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:39:53.39 ID:ImwPfh/OO
支援
53 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:40:07.15 ID:bwRL/xL50

(´<_` )「しかし、ブーン君もなかなかスミにおけないな」

( ^ω^)「おっ?」

(´<_` )「ツンちゃんのことだよ」

( ^ω^)「?? ツンのこと?」

(´<_`;)「いや…わからないならいいが…」

わからないとはどういうことだろうか?
さっぱりだ。

(´<_` )「ブーン君は…」

( ^ω^)「?」

(´<_` )「ツンちゃんのことが好きなのか?」

え?

(;^ω^)「ちょ、なんでそうなるんですかお」
54 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:41:58.17 ID:bwRL/xL50

(´<_` )「いや、少し気になっただけだから、気にしないでくれ」

なんでそんな話になるんだろうか?

ツンのことが、好き?

僕にとってツンは思い出の女の子で。

この町での最初の友達で。

初めてできた女の子の友達で…。

……そういえば、僕は初恋もまだだった。

可愛い子だなと思ったことは前の街であったけど、
恋愛感情みたいなものは抱かなかった。
…と、思う。

ツンのことが好き?

確かに、ツンといると楽しい。
毎日一緒に学校に行って、一緒に帰ることが、楽しい。
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:43:00.95 ID:36Uy3kfG0
しえん
56 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:44:00.67 ID:bwRL/xL50

でもそれが恋なのかは、わからない。
好きだったらきっと、ドキドキするもんじゃないか?
ツンといても、それはない。

だから多分、僕はツンに恋をしていないんだと思う。

( ^ω^)「ツンは友達ですお」

頭の中で出した結論を言葉にする。

(´<_` )「そうか 変な事を聞いてすまなかった」

( ^ω^)「全然構わないですお」

(´<_` )「これは…大変だな…」

ぼそりと、呟いた。

( ^ω^)「??」

(´<_` )「ただの独り言だ さて、そろそろお暇するとしよう」

弟者さんの言葉で、はっとする。
もうかなり遅い時間のはずだ。カーチャンが心配しているかもしれない。
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:44:25.61 ID:PjLfumefO
支援
58 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:46:07.69 ID:bwRL/xL50

(´<_` )「付き合わせてすまなかったな」

( ^ω^)「いいですお お話を聞いてくれて、ありがとうですお」

(´<_` )「それは構わんさ 俺から聞いたことだしな」

言いながら、車に乗り込む。

( ^ω^)「それじゃ、気をつけてくださいお」

(´<_` )「ありがとう おやすみ」

( ^ω^)「おやすみなさい」

荒々しくUターンして帰っていく弟者さんを見送り、
足元に置いてある紙袋に目を移す。


──ツンちゃんのことが好きなのか?──


弟者さんの言葉が、頭の中で繰り返される。
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:47:42.31 ID:1IbwRoKl0
支援
60 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:48:29.17 ID:bwRL/xL50

僕もいつか、恋をする時がくるんだろうか?

いや、きっとその時は、くるのだろう。
健全な男…人間なら、くるのだろう。

その相手は、どんな子なのだろう。

( ^ω^)「恋…か…」

ぼそりと口に出し、少し恥ずかしくなった。
足早に野菜が積み込まれた袋をもちあ……。

(;^ω^)「おっ?!」

とんでもなく、重たかった…。

………。
……。
…。
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:48:39.84 ID:ImwPfh/OO
支援
62 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:50:46.34 ID:bwRL/xL50

ξ ゚听)ξ「ちょっとはスッキリした?」

川 ゚ -゚)「ああ…すまなかった」

ξ ゚ー゚)ξ「だから謝らないでってば」

川 ゚ -゚)「そうだったな…ははっ」

ひとしきり泣いた後、笑った。
親友と、二人で。

ξ ゚听)ξ「今度からは…」

川 ゚ -゚)「?」

ξ ゚听)ξ「今度からちゃんと、話してね?」

川 ゚ -゚)「ああ、もちろんだ」

ξ ゚ー゚)ξ「よくできました」

親友が、いつもより大人びて見える。
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:51:02.55 ID:36Uy3kfG0
しえん
64 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:52:36.48 ID:bwRL/xL50

恋をすると、女は綺麗になる。

…その通りだと思った。

川 ゚ -゚)「ツン」

ξ ゚听)ξ「なぁに?」

川 ゚ -゚)「ありがとう」

ξ ゚ー゚)ξ「こちらこそ」

本当に、ありがとう。

私の大切な、親友。

ξ ゚听)ξ「でも……」

川 ゚ -゚)「なんだ?」

ξ ゚ー゚)ξ「ブーンは渡さないからね」
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:53:22.78 ID:LbgGORpU0
支援
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:53:57.95 ID:HhSLhqKw0
超支援!!!
67 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:54:27.31 ID:bwRL/xL50

悪戯っぽく小さく舌を出し、そう言う。
渡すも何も、まだ私は答えを出していない。

私はブーンのことが、好きなのだろうか?

ツンが背中を押してくれた。
後は自分で、進むだけだ。


川 ゚ー゚)「その時は、私だって負けないぞ」


今この瞬間、ツンのような笑顔でいられただろうか。
きっと目は真っ赤で、ひどい笑顔だったに違いない。

でもそれでいい。
今の私は、それでいい。
68 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:56:21.81 ID:bwRL/xL50

ξ ゚听)ξ「じゃあ、そろそろ帰るね」

川 ゚ -゚)「ああ、気をつけてな」

ξ ゚听)ξ「また明日、学校でね」

川 ゚ -゚)「ああ、また明日」

私に背を向け、歩いて行く。
数歩進んだところで、立ち止まった。

「ねぇ、クー?」

背中を見せたままで、私の名前を呼ぶ。

川 ゚ -゚)「どうした?」

ツンが振り返る。

ξ ゚ー゚)ξ「私達、親友だからね! 何があっても!」

私も応える。

川 ゚ー゚)「もちろんだ!」

笑顔で。
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 00:57:40.60 ID:yhVgIyEy0
支援
70 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:57:55.93 ID:bwRL/xL50

lw´‐ _‐ノv「おかえり、お姉ちゃん」

川 ゚ -゚)「ん、あぁ、ただいま」

ツンを見送り家に入ると、シューが迎えてくれた。
もしかしたら、聞かれていたかもしれない。

lw´‐ _‐ノv「お風呂、沸いてるよ」

川 ゚ -゚)「ありがとう すぐに入るよ」

lw´‐ _‐ノv「うん お姉ちゃん、目がまっか」

……やっぱりか。
相当ひどい顔をしているのだろう。
早く顔を洗いたい。

苦笑しつつ、風呂場へ向かう。

lw´‐ _‐ノv「お姉ちゃん」

すれ違い様に、シューが言った。
71 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 00:59:48.92 ID:bwRL/xL50

lw´‐ _‐ノv「なんか…きれい」

……。

川;゚ -゚)「こらっ からかうな」

私の声と同時に、トタトタと自室へ逃げていった。

ため息をつき、再度風呂場へ進む。


    ──なんか…きれい──
    
    
川 ゚ -゚)「ツンには…敵わないさ…」

相手がいない返事を、ぽつりと呟いた。

………。
……。
…。
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 01:00:16.04 ID:ImwPfh/OO
支援
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 01:00:20.15 ID:36Uy3kfG0
支援
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 01:00:46.02 ID:1IbwRoKl0
支援
75 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 01:02:25.95 ID:bwRL/xL50

少し遅くなってしまった。早足で歩く。

今日は本当に色々な事があった。

皆とお花見をしたこと。

クーとのこと。

そして、ブーンが思い出してくれたこと。

そのどれもが、私には最高の出来事だった。

もしクーがブーンを好きになって、ブーンがクーを好きになっても、
きっと受け入れることができると思う。

だって、そうなっても仕方ないくらい…
泣き止んだ後のクーの笑顔はとても眩しかったから…。

ξ ゚听)ξ「なるようになれ、かな」

私は私、なのだから。
76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 01:02:25.82 ID:LlbAniEaO
きたきたきたきたー!!!!!!
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 01:04:06.06 ID:1IbwRoKl0
支援
78 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 01:05:06.44 ID:bwRL/xL50
そのうち、向かいから車が近づいてきた。
クーの家に向かう途中にもすれ違ったけど、
この辺を車で移動するのは、多分弟者さんだろう。

ξ ゚听)ξ「うおっまぶしっ」

私に気付いたのか、ライトを落として、スピードを緩めた。
どうやら停車するようだ。

(´<_` )「やぁツンちゃん こんばんは」

ξ ゚听)ξ「こんばんはー」

お兄さんとは正反対なしっかりした人。
ペニサスさんの彼氏さん。

(´<_` )「素直さんの家から帰る途中かな?」

ξ ゚听)ξ「ええ、そうです」

(´<_` )「なんなら家まで送るけど、乗っていくかい?」

少し考え。

ξ ゚ー゚)ξ「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらいます」

乗せてもらう事にした。
79 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 01:09:30.66 ID:bwRL/xL50

(´<_` )「お使いでね、ブーン君の家にいってたんだ」

ξ ゚听)ξ「そうなんですか」

ブーンの名前を聞いて、少し胸が高鳴った。
ブーンは今頃…お風呂かな?

私も早く入りたいな…。

(´<_` )「ツンちゃん」

ξ ゚听)ξ「え、あ、はい?」

急に呼ばれ、慌てて返事をした。

(´<_` )「ちょっと聞きたい事があるんだが…」

なんだろうか。そう言った弟者さんの表情は、真剣だ。
ブーンと関係があるんだろうか。

少し間をあけた後。

ξ ゚听)ξ「なんですか?」

少し緊張気味に、返事をした。

続く……。
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 01:09:42.48 ID:RODM9Q1A0
支援
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 01:11:55.80 ID:A+uxLdJV0
http://qiufen.bbspink.com/test/read.cgi/soap/1205881992/

このスレに
「レスが全てチョン次郎の書き込みに思えて悔しく怯えて釣られまくるオタがいるスレはここでつか」

って書き込むと連投発狂してワロスwwww

オマエらでも100%釣れるぞw
82 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 01:12:49.31 ID:bwRL/xL50
以上です。
支援ありがとうございました。
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 01:13:31.58 ID:1IbwRoKl0
乙!!
84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 01:13:48.86 ID:yhVgIyEy0
>>1

復活したってことはラストまでできたってことだな?
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 01:15:32.37 ID:LlbAniEaO
乙!!


諦めてたから嬉しいぞw
86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 01:16:15.11 ID:vVI3rfY3O
久しぶり乙!
次も楽しみにしてる
87 ◆ECmvgmi7GI :2008/05/13(火) 01:19:04.60 ID:bwRL/xL50
>>84
できてます。
後は投下するだけ、とはまだいきませんが…


ありがとうございましたー
88以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 01:21:39.10 ID:yhVgIyEy0
>>87
把握!

期待しながら気長に待ってるぜ


89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 01:26:54.27 ID:Cpl+u6tJO
90以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 01:31:29.84 ID:LbgGORpU0
91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 01:32:02.38 ID:36Uy3kfG0

まとめサイトで読んで続きが気になってたから
再開してくれたのがマジで嬉しい
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/13(火) 01:34:31.13 ID:PjLfumefO
再開してくれて、マジで嬉しい。
乙!
93以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
やっと再開してくれたのか!
まじで乙