忍者( ^ω^)が漂流しながら枯れてどこまでも駆けるようです
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
通称某スレ
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 14:59:39.45 ID:WfW3FgpX0
('A`)「いっぽん! それまで!」
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 15:03:45.48 ID:sv4VRLux0
正直タイトルにwktkしたわ
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 15:12:25.95 ID:jPHw/Czr0
氷河期を迎えた
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 15:16:08.32 ID:+F085vTw0
ようやく氷河期か・・・滅亡まであと少しかな
もっとがんばろう
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 15:24:25.64 ID:sv4VRLux0
何度氷河期を迎えても、
僕達はまた種を植えるよ…ニコッ
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 15:34:06.74 ID:jPHw/Czr0
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 15:57:19.16 ID:igTzIj9IO
新人が種まきゃラドンがほじくる
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 15:58:02.88 ID:PgZvhlro0
幼稚園児かよ
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 16:00:41.96 ID:oZQGh9V8O
だからブーン速はどうしちゃったんだよ?
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 16:13:54.15 ID:Zqx260+WO
俺の隣で寝てるよ。全裸で
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 16:21:43.36 ID:QgmBBwVD0
(´・ω・`)「やっほー!僕の時間だよー!」のようです
(´・ω・`)「やっほー!僕の時間だよー!」
( ^ω^)「ちょwwどうしたんだおショボンwww」
(´・ω・`)「いよいよ僕の時間がやってきたのさ!」
(´・ω・`)「さぁ、誰にも邪魔されない!僕の時間の始まりさ!」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 16:22:38.45 ID:jPHw/Czr0
阻止
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 16:27:22.44 ID:QgmBBwVD0
目の前には、大きく広がっている海。
見る限り陸地はなく、ただただ青の波が打つばかりだ。
僕はその景色を見て、ため息をつく。
( ^ω^)「……私用なら、別の意味でため息が出る景色だお……」
溜息が出るほど、綺麗な海だ。
しかし、今の僕にとっては、それは全くの意味を成さない。
僕は今、この島に漂流してしまったのだ。
( ^ω^)「しくじったお……。まさか、崖から飛び降りる羽目になるなんて……」
仕事をしている最中、敵に見つかってしまい、崖から飛び降りるを得ない状況になってしまった。
意識を失い、気がつけばこの無人島に漂流。
生きているだけでもありがたい状態だった。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 16:28:55.78 ID:jPHw/Czr0
阻止したのに
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 16:30:22.72 ID:QgmBBwVD0
( ^ω^)「さて……そろそろ移動を始めるお」
意識が戻ってから、既に1時間近くたっているだろう。
僕は考えることをやめ、その場に立ち上がった。
まずは、食料を集めなければいけない。
目の前の海とは反対方向……森の方へ行けば、何かしら手に入るだろう。
( ^ω^)「手裏剣は……後3枚かお。大事に使うしかないお」
僕の仕事……つまりは、忍者。
その忍者が常に懐に入れている手裏剣。
今の僕の手持ちにある武器と言えば、これくらいだ。
( ^ω^)「動物狩り……いなけりゃ、果物探しだお」
一度だけ僕は背伸びをして、森に向かって歩き始めた。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 16:31:09.85 ID:jPHw/Czr0
かおすのよかん
ししええんん
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 16:33:36.02 ID:QgmBBwVD0
──……
─…
…
(;^ω^)「なーんにもないお……」
動物どころか、果物さえない。
あるのはただ、ぶっきらぼうに生えた大樹だけ。
それに実はついてなく、ただただ僕の歩む道を阻むばかりだった。
(;^ω^)「痛ッ……」
不意に、頭に激痛が走る。
おそらく、崖から飛び降りたときに怪我をしていたのだろう。
僕はふらふらとその場に倒れこみ、ついには寝転がる。
それでもまだ、激しい頭痛は治らなかった。
( ω )「ちくしょう……」
燃えるような痛みの中、僕は意識を失った──。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 16:34:10.19 ID:jPHw/Czr0
ししええんん
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 16:37:34.52 ID:QgmBBwVD0
───………
──……
─…
…
( ω )「……」
自分の体が、いや、性格には頭が。
やけに冷たく感じられた。
ぼけやる視界を、一生懸命広げていく。
時間と共に広がっていくそれが捕らえたものは、一人の少女だった。
ξ゚听)ξ「〜〜♪」
その少女の顔は、僕からかなり近い位置にある。
鼻歌のような物を歌いながら、彼女は僕の体をしきりに触っていた。
( ω )「……誰……だお……?」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 16:38:06.42 ID:jPHw/Czr0
ししええんん
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 16:41:34.55 ID:QgmBBwVD0
ξ;゚听)ξ「ッッ!!!!」
僕の声に気づき、飛び跳ねるように驚く彼女。
あわてて僕の体から距離を置き、おびえるようにこちらを見つめていた。
( ω )「……お」
起き上がろうとするが、全身の痛みで体がうまく動かない。
仕方がなしに首だけを動かして、自分の体を確認した。
( ω )「……これは……」
僕の体の上には、草で作られた風除けが被せてあった。
綺麗な作りで、細かな風さえ通さない。
( ^ω^)「君が……被せてくれたのかお?」
ξ;゚听)ξ「〜〜〜ッッ!」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 16:43:52.66 ID:QgmBBwVD0
その少女は何かを口走ったが、どうやら僕とは言語が違うらしい。
何一つとして、意味を理解することは出来なかった。
( ^ω^)「少女に介護される忍者……これはもう駄目かもしれんね」
ふぅ、とひとつ溜息を着く。
僕は首を元に戻し、何もない空を見上げることにした。
( ^ω^)「……」
ξ;゚听)ξ「……」
僕と彼女の間に、会話はなかった。
──それでも、彼女はその場から動こうとしなかった。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 16:45:33.40 ID:jPHw/Czr0
ししええんん
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 16:46:59.27 ID:QgmBBwVD0
彼女が動いたのは、それから2時間程度経ったときだ。
何を思ったのか、突然立ち上がり、彼女は僕の前から姿を消した。
( ^ω^)「……とりあえず、この布団。ありがとうだお」
日が暮れたころには、辺りの気温は一気に下降した。
冷たい風が吹き荒れ、肌着の場合は意識を保つのも厳しい状態だったろう。
彼女が被せてくれた草の布団がなければ、僕は今頃……。
( ^ω^)「……お?」
彼女がいなくなったと思ってからしばらく。
何かを抱え込んだ彼女が、また僕の元へ走ってきた。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 16:47:23.42 ID:jPHw/Czr0
ししええんん
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 16:49:58.14 ID:QgmBBwVD0
ξ゚听)ξ「〜〜〜〜〜」
何かを言っているが、僕には理解できない。
すると、彼女は手に持った何かを、僕の目の前に置いた。
( ^ω^)「これは……リンゴかお?」
リンゴにしては、少し色が薄い気がする。
この島独特の果物だろうか。
いや、そんなことより。
彼女はこれを、僕にくれるのだろうか?
ξ゚听)ξ「〜〜〜〜〜〜?」
ごめんよ、君の言葉は、僕には分からないんだ。
ただ黙って彼女を見つめていると、不意に彼女はしゃがみこんだ。
( ^ω^)「お……?食べさせてくれるのかお?」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 16:50:20.56 ID:jPHw/Czr0
ししええんん
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 16:53:39.54 ID:QgmBBwVD0
彼女は果物を手に取り、それを機用に二つに割った。
その硬さから言って、リンゴではないことは確かなようだ。
ξ////)ξ「〜、〜〜〜〜!!」
顔を真っ赤にしながら、僕にそれを近づける彼女。
僕も少し照れながら、それでも本能には逆らえず、大きく口を開いた。
僕の口の中に、その果物が入る。
一噛みすると、口の中に甘い香りが広がった。
(*^ω^)「おいしいお……」
今までに味わったことのない食感、味だ。
僕が嬉しそうな顔をすると、心なしか彼女の表情も和らいだ。
ξ*゚听)ξ「〜〜〜?」
彼女の言葉が、なんとなく、分かる気がした。
(*^ω^)「おいしいお。これ。すっごく」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 16:55:03.12 ID:yIuA/6kZ0
なんかよさげなふいんき
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 16:56:21.63 ID:QgmBBwVD0
彼女は僕に、もう半分の果物を食べさせてくれた。
美味しい、と僕が言うと、彼女は嬉しそうに笑顔を見せてくれた。
すべての果物を食べ終え、僕のおなかもそこそこに満たされた時。
またしても彼女は、僕の隣に座り込んだ。
( ^ω^)「……家に帰らなくて、いいのかお?」
ξ゚听)ξ「?」
やはり、僕の言葉は通じていない。
それでも、彼女は僕のそばにいてくれた。
次の日も、その次の日も、その、次の日も……。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 16:59:59.86 ID:QgmBBwVD0
僕がこの島に漂流してから、5日目の朝。
僕が目を覚ますと、隣に彼女の姿は無かった。
( ^ω^)「また、食べ物を取ってきてくれてるのかお?」
毎日、2,3回僕の前から消えては、食料を調達してきてくれる。
大体は僕の寝ている間で、それ以外は僕の隣に座っていてくれていた。
( ^ω^)「お……今日はちょっと、調子がいいお……」
いつもよりも、頭痛が易しい。
全身に広がっていた痛みも、既にほとんど無くなっていた。
( ^ω^)「動ける……かお?」
ぐっ、と手足に力を入れる。
やはり痛い。でも、我慢できない痛みではない。
( ^ω^)「よっ……と」
僕は4日ぶりに、自分の足で立つことが出来た。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 17:02:59.25 ID:QgmBBwVD0
(;^ω^)「あいたたた……」
ずっと寝続けていたせいか、体の節々が痛い。
だが、あの頭痛に比べたら、こんなものは屁でもなかった。
( ^ω^)「これで、あの娘にも迷惑をかけなくてすm……お!」
茂みの向こうから、彼女の姿が見えた。
やはり、手には大量の果物を抱えている。
ξ゚听)ξ「〜〜♪」
( ^ω^)ノシ「やっほーだお!」
ξ;゚听)ξ「〜〜〜〜〜ッッッ!!」
僕の姿を見た瞬間、彼女は大声を上げて、手に持つすべての果物を地面に落とした。
そして、次の瞬間には、僕に背を向け、全力で走り始めたのだ。
(;^ω^)「え、ちょwww 待つおwwwwww」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 17:03:29.57 ID:yIuA/6kZ0
支援
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 17:05:10.08 ID:QgmBBwVD0
あわてて彼女を追いかけようと、足を動かす。
しかし、4日ぶりに機能した僕の足は、うまく回ることが出来なかった。
(;^ω^)「いてっ」
ついにはその場にこけてしまい、目の前の彼女を見失ってしまう。
辺りに転がる、いつもの果物だけが、僕と共に残されていた……。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 17:07:55.15 ID:QgmBBwVD0
( ^ω^)「おーい……!」
それから僕は、彼女を探すために走り続けた。
まだまだ、しなくちゃいけないことはたくさんある。
彼女にありがとうを言わなくちゃ。
彼女に名前を聞かなくちゃ。
彼女に想いを伝えなくちゃ。
しかし、いくら走っても。
どんなに叫んでも、彼女は見つかることは無い。
それどころか、いつも彼女が持ってきてくれていた果物さえ、見つからないのだ。
(;^ω^)「どうなってんだお……?あの娘はいつも、30分もしない内に果物を取ってきていたお?」
下手な連載よりwktk
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 17:11:43.41 ID:QgmBBwVD0
何かがおかしい。
そう気づいたのは、彼女がいなくなってから、3日目だった。
(ヽ^ω^)「食べ物が……ひとつも無い……」
それだけではない。
早いのだ、僕の体力が消耗してしまうのが。
僕はこれでも、忍者として働いていた身だ。
一週間近く飯を食わずとも、何とか生きていける自信はあった。
しかし、たかが3日で。
僕の体は、カマキリのように痩せ細っていた。
(ヽ^ω^)「あの娘は……?果物は……?」
よろけながらも、足を止めることはしない。
たとえどんなに疲れても、僕は進み続ける。
どこまでも、駆け続ける。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 17:14:50.82 ID:QgmBBwVD0
そして、いよいよ5日目。
水分すらまともに取っていない僕の体は、完全に枯れきっていた。
(ヽ ω )「そろそろヤバイお……」
これまで口にしたものは、何も無い。
雑草を食べようとしたが、発するにおいがそれを妨げた。
つまるところ、僕はもう体力の限界なのだ。
(ヽ ω )「……ちくしょ……」
僕の足が、止まる。
それと同時に、僕の思考回路も、完全に停止した──……。
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 17:16:49.02 ID:QgmBBwVD0
──……
─…
…
(ヽ ω )「……」
まだはっきりとしない意識。
だが、次第に明確に見えてくる視界。
ξ゚听)ξ「……」
僕の目が捕らえたのは、紛れも無い、彼女だった。
(ヽ ω )「や、やぁ……。久しぶりだお?」
ξ゚听)ξ「〜〜」
(ヽ ω )「はは……何言ってるか、全然わかんねぇお……」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 17:19:47.63 ID:QgmBBwVD0
空腹のせいか、全く体が動かない。
せっかく彼女に会えたのに、どうして僕は、動けないのだろう。
(ヽ ω )「お……?」
ξ゚听)ξ「〜〜〜〜」
彼女が、果物を手に持ち僕に近づける。
ああ、またあの時のように、食べさせてくれるんだね?
(ヽ ω )「……」
力なく口をあけ、それを中に入れてもらう。
味わう余裕もなく、僕はそれをほおばり続けた。
(ヽ ω )「もう一個……」
食べては次。食べては次。
すべてを口にし終えた僕は、その満腹感からか、急に瞼が重くなった。
彼女との話は、明日にしよう……。
僕は、目を閉じた。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 17:23:40.86 ID:QgmBBwVD0
目を覚ます。
隣を見つめると、やはりそこに、彼女はいた。
(ヽ^ω^)「おはようだお……」
ξ゚听)ξ「〜、〜〜」
いつものように、彼女は僕の隣にいてくれる。
ここで僕が立ち上がったら、彼女はあのときのように……。
(ヽ^ω^)「えっと〜……」
ξ゚听)ξ「……?」
(;ヽ^ω^)「ごめんだおッ!」
僕は一瞬にして立ち上がり、彼女の背後を取る。
あわてて逃げ出そうとする彼女を優しく抱きしめ、身動きが取れないようにした。
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 17:24:16.40 ID:yIuA/6kZ0
支援支援
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 17:26:16.67 ID:QgmBBwVD0
(;ヽ^ω^)「逃げないで、僕の話を聞いてほしいんだおッ!」
ξ;゚听)ξ「〜〜〜〜ッッ!!〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!」
(;ヽ^ω^)「大丈夫だお!僕は何もしないお!!」
泣き叫ぶ彼女。
必死に抵抗しているが、忍者の僕にはそれは全く意味を成していない。
(;ヽ^ω^)「いろいろ聞きたい事があるんだお……逃げないでくれお!」
ξ;゚听)ξ「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
(;ヽ^ω^)「痛ッッ!!」
裸足である僕の足に、何か棘上の物が刺さる。
不意の出来事に気を奪われた僕から、彼女はするりと身を潜り抜けた。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 17:29:14.96 ID:QgmBBwVD0
(;ヽ^ω^)「くそっ……!」
足にささった、何かの棘を抜く。
よく見るとそれは、僕がいつも食べていた果物の種だった。
ξ;゚听)ξ「〜〜〜ッッ!」
彼女の手に、それは何本か握られている。
しまった、逃がしてしまう。
(ヽ^ω^)「待つおッ!」
走り出した彼女を、僕は追いかける。
待て、待つんだ。逃げないでくれ。
ξ;゚听)ξ「〜〜」
手に持つ果物の種を、辺りに散りばめる彼女。
残念ながら、素人のマキビシなど、僕にとっては意味を成さないんだ。
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 17:32:42.27 ID:QgmBBwVD0
一瞬にして隙間を見つけ、うまくかわしていく。
そしていよいよ、彼女を捕まえることができる距離まで──……!
(;ヽ^ω^)「痛ッッ!!」
またしても、あの激痛が体中に走る。
ちくしょう、何だってんだこんな時に。
僕は今、彼女を追いかけている最中なのに。
ξ;゚听)ξ「〜〜〜ッ!」
どんどん、彼女の姿は小さくなっていく。
嫌だ、いかないでくれ。
君が好きなんだ。
僕の隣に、ずっと居てくれよ。
忍者の僕が漂流して、枯れながらも、どこまでも駆けて、君を探し続けたんだ。
絶対に、逃がさない。
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 17:33:24.34 ID:yIuA/6kZ0
はははこやすめ
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 17:36:37.40 ID:QgmBBwVD0
気がつけば僕は、懐に手を伸ばしていた。
久しぶりに握る感触、手裏剣。
随分と使い慣れたそれを、僕は彼女に向かって放り投げる。
ξ;゚听)ξ「〜〜〜〜!!」
それは見事に、彼女の左足に命中した。
バランスを崩したものの、彼女は止まる気配が無い。
(ヽ^ω^)「逃がさないお」
もうひとつ、手裏剣を投げた。
今度は右足、正確に足に突き刺さる。
ξ;凵G)ξ「〜゛〜゛〜゛〜゛!!」
しかし彼女は倒れない。
両足から血を流しながらも、決して止まらない。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 17:38:59.24 ID:QgmBBwVD0
(#ヽ^ω^)「逃げんなって言ってんだお!!!!」
最後の一枚の手裏剣を、投げた。
彼女との距離はどんどん縮まり、
そして、突き刺さる。
ξ゚听)ξ「──」
今度は、耳を劈くような叫び声は聞こえなかった。
代わりに聞こえたのは、彼女の倒れる音。
(;ヽ^ω^)「はぁ……はぁ……」
ゆっくりと、彼女に近づく。
左足、右足。
そして、頭から血を流した彼女の隣に、僕は座り込んだ。
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 17:40:38.30 ID:QgmBBwVD0
(ヽ^ω^)「……やっと、止まってくれたお」
(ヽ^ω^)「あ、そうだ。ずっと言いたかった事があるんだお」
(ヽ^ω^)「僕を助けてくれて、ありがとうだお!」
(ヽ^ω^)「中々言うチャンスが無かったんだおwww」
(ヽ^ω^)「それと……もうひとつ」
(ヽ^ω^)「君の事が……大好きだお」
(ヽ^ω^)「だから、これかも……」
「ずっと隣で、座っていてくれお」
終
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 17:41:34.24 ID:yIuA/6kZ0
ほほう…鬱EDとな
えええ
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 17:44:59.40 ID:jW3ALKqEO
続きが読みたい感じだったが乙
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 18:02:17.09 ID:jPHw/Czr0
おつ
彼女は黄泉の国の存在か何かで
ブーンが元気になって死から遠ざかると見えなくなる
とか全部死に際の妄想とか考えてた
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 18:14:49.16 ID:jPHw/Czr0
このままスレが終わりそうな予感
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 18:20:35.06 ID:yIuA/6kZ0
いいじゃないかそれで
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 18:23:01.65 ID:kLj1tW2cO
青春狂騒曲のようですの何が駄目だったかわからん
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/12(月) 18:23:55.83 ID:kLj1tW2cO
見る目無しかハゲ共
毛根抜くぞ
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
だれかー