(´・ω・`)ショボンが(`・ω・´)だった頃の話をするようです
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
('A`) (くそっ、何とかあいつに一泡吹かせられないものか……)
鬱田ドクオはクラスメイトの一人、酒田ショボンに対して恨みを持っていた。
転校生であるショボンが、ドクオのカンニング行為を見つけたことにより、
ドクオの地位は『クラス一の優等生』から、『卑屈でキモイ男』へと変わってしまったのだ。
('A`)「ん、なんだこれ?」
放課後の教室でうろうろしていたドクオは、一冊のノートを拾った。
表紙の隅に『シャキン・Z・セフィロス』と書いてある以外、特に変わったところはない。
('A`)「けったいな文字が書かれているな。どれどれ……」
ドクオは拾ったノートを読み始めた。
(;´・ω・)「うわあっっ、あのノートどこに落としちゃったんだ!?」
彼は酒田ショボン、パッと見は普通の転校生である。
しかし彼は、人には絶対言えない趣味を持っていた。
それは自分を主人公にした学園妄想ファンタジー小説である。
神の生まれ変わりであるショボンが、実は魔王である校長を倒すまでの話。
クラスで一番可愛い、しぃという女の子を勝手に物語のヒロインにしている。
教室に飛び込んだショボンが見たのは、強烈なドクオの笑みであり――
2 :
◆GU9d5N.Qrc :2008/05/10(土) 23:05:07.47 ID:+lpLzryn0
* *
* + うそです
n ∧_∧ n 上の話は続きません
+ (ヨ(* ´∀`)E)
Y Y *
回線が不安定なので、途中で投下が途切れるかも
その場合はまた後日スレを立てます
それでは本編投下します
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:05:20.47 ID:WRTS2v5HO
ふーん
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:06:34.43 ID:+lpLzryn0
河原にある公園、ベンチの上で寝そべる中年の男が一人。
秋の終わりには珍しく、暖かな日差しが彼を包み込んでいた。
(´・ω・`) (雲があんなゆっくり流れていく……)
男はゆっくりと空を眺める。ポカポカとした陽気に、サラサラと流れる川のせせらぎ、
更にはゆったりとした風の流れに誘われ、男は今にも眠りにつこうとしていた。
('、`*川「あら、珍しい。火曜日の人が来てる」
公園に下る土手の階段で、手提げ袋を持った女性が呟く。
女性は公園に降りると、ベンチの上の男に話しかけた。
('、`*川「うふふっ、気持ち良さそうですね。ショボンさん」
(;´・ω・)「うおっ!えっ、えーっと…………」
慌てて飛び起きるショボンと呼ばれた男。
目の前にいる女性の名前を思い出そうとするが、
半分眠っていた彼の頭は働かなかった。
必死で考えるショボン。そんな彼に女性が助け舟をだす。
('、`*川「伊藤ですよ、い・と・う。こないだと変わってませんね」
(´・ω・`)「す、すいません。どうも人の名前を覚えられなくて」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:08:12.82 ID:+lpLzryn0
謝罪するショボン。伊藤と名乗る女性は苦笑しながら話を続ける。
('、`*川「いつものことなのでもう慣れましたわ。
ところで今日はなぜ公園に?たしか今日は木曜ですよね」
(´・ω・`)「今日は働いてる店が休みなんですよ。
それでなんとなくここに来ようと思って」
('、`*川「へえ、そうなんですか。ところで今日は読書は?
見たところ手ぶらに見えますが……」
(´・ω・`)「ああ、たまには自然の中でゆっくりしようと思いましてね」
('、`*川「ふふ、それは風情がありますね。 ……あら?」
(´・ω・`)「?……どうしたのですか」
('、`;川「読もうと思っていた本を家に忘れてきてしまいましたわ……」
この公園に来る二人に共通するもの、それは読書だった。
ショボンは主に晴れた火曜日、伊藤は気が向いたときに公園を訪れる。
二人は大体一ヶ月に一度位のペースで顔を合わせていた。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:08:45.22 ID:1G0XdTJaO
つまんね
なにがつまんないかって?よく聞くよな?
わかった答えてやる
全てだ
お前のその文才は小学生に毛が生えた程度、まったく読めたもんじゃない?論外だ、文学を舐めるな
キャラ
個性がなさすぎる、人形が真顔で話してるみたいだ、真剣気持ち悪い…まるでロボットの世界
センス
なさすぎる、お前(作者)はどんな人間かは知らないがセンスなさすぎ
センスだけはどうしようもないから来世に期待汁後ギャグ寒いよ(笑)
以上だ
結論この小説は駄作
首を吊って死ぬかおとなしく回線を切れ
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:08:52.72 ID:lJD1JhdHO
シエン
タ乗りたい
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:10:15.07 ID:+lpLzryn0
(´・ω・`) 「そういえば、初めて顔を合わせてからもう二年位経つのに、
こんな風に長話をしたことありませんでしたね」
('、`*川 「いつも二人とも本の虫でしたものね。
ところでなぜこちらで本を読まれるのですか?
家族がいると集中できないとか……」
(´・ω・`) 「いえ。独り身ですが、どうせならいい環境で本を読みたくて。
色々探してみたのですが、ここが一番ですよ」
('、`;川 「す、すいません。失礼なことを聞いてしまって……」
(´・ω・`) 「私から言い出したことですからお気になさらずに。
……そうだ、どうせなら自分語りに付き合ってもらえませんか?」
('、`*川 「ええ、構いませんよ。面白い話を期待してますわ」
(;´・ω・) 「そんなこと言われるとちょっと自信無くなりますね……」
「あれは二十年ほど前。私が二十歳の頃でした―――」
――― (´・ω・`)ショボンが(`・ω・´)シャキンだった頃の話をするようです ―――
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:12:05.90 ID:+lpLzryn0
☆ ☆ ☆
( ФωФ)「おい、シャキン。味噌が足りないぞ」
(`・ω・´)「あれっ、確か二袋じゃありませんでしたか?」
(#ФωФ)「馬鹿野郎! ちゃんと三つだって伝えただろ!
早く取りに行って来い! 十五分で帰ってこいよ!」
(;`・ω・)「すいません親方ッ、急いできます!」
僕の名前はシャキン。ラーメン屋「めんま亭」で働いている。
従業員は、店主である杉浦ロマネスクさんと僕の二人きり。
駅の裏手にあり、お客さんが十五人も入れば満員になる小さな店だ。
メニューはそこまで豊富でもなく、値段も一般的な価格である。
しかし製麺所に特注した麺と親方自作のスープにより、
街中での評判は悪くなく、毎日充実した仕事をしている。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:14:06.97 ID:+lpLzryn0
味噌を買うため、僕は全力疾走で近所の雑貨屋「ワタナベストア」に向かった。
从'ー'从「あれれ〜、シャキン君どうしたの〜?
財布でも忘れていった〜?」
(li` ω )「す…ゼェ……ハァ…すいませんっ、…ハァ…ハァ……
味噌を……追加一袋ッ……ゼェ……ハァ……」
从'ー' 从「わかったよ〜、取りに行くからちょっと待ってて〜。
またロマネスクさんに急かされてるのかな〜。
シャキン君も大変だね〜」
(liii` ω )「はっ、…早くっ……ゼェ……お願いっ……ハァ……」
ここの雑貨屋は、色々と業務用の物を取り揃えている店舗だ。
個人的な特注品も仕入れてくれ、店の裏手の倉庫に保管してくれる。
それらは店長の渡辺さんに頼めば、倉庫から出してもらえる。
でも彼女は、物の位置を忘れやすい上に動きが遅いので、
目当ての物を手に入れるのに、十分以上は覚悟しなくてはいけなかった。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:15:30.32 ID:1aKXsb6nO
長い
三行で
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:16:12.66 ID:+lpLzryn0
「ワタナベストア」までは全力疾走でも五分はかかるので、
店に帰った頃には、約束の十五分なんてとっくに過ぎていた。
(#ФωФ)「遅いぞっ!早く着替えてこい!」
(・ω・´;)「了解しましたっ、親方!座敷借ります!」
「めんま亭」は親方の家にもなっていて、キッチンの裏手から居間への出入り口がある。
座敷の隅に畳んでおいてある、店の制服であるコックコートを慌てて身につける。
土間で長靴に片足を突っ込んだとき、僕の足の裏に激痛が走った。
(` ゚ω゚´)「アンギャアアアアァァッッッッ!!」
o川*゚ー゚)o「やったー!大☆成☆功ー!」
軽く涙目で長靴を脱ぎ、逆さに振るとポロポロと画びょうが零れ落ちる。
僕は震えながら足の裏に刺さった画びょうを引き抜いたあと、
部屋の奥から飛び出してきた女の子に対し怒りをぶつけた。
(#`;ω;)「痛いじゃないか!」
o川*゚ー゚)o「そりゃ画びょうを踏んづけたんだもん、
もしシャキンくんが痛くなかったらスーパーマンだよ」
この可愛い顔して酷いことをするのはキュートちゃん。
ロマネスクさんの一人娘であり、趣味はイタズラ。標的は主に僕。
今日は確か平日なんだけど、小学校はどうしたんだろう……
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:18:10.50 ID:+lpLzryn0
o川*゚ー゚)o「今日は創立記念日で休み。油断は敵なんだよー」
(; ФωФ)「おいっ、さっきの叫び声はどうした!」
o川;゚听)o「あっ、父さん……」
キッチンから、僕の叫び声を聞いた親方が顔を覗かせた。
親方は床に散らばる画びょうを見たあと、キュートちゃんに拳骨を振り落とす。
(#ФωФ)「キュートッ!悪戯はいいが時と場合、方法は考えろ!
ほらシャキンに謝るんだ!」
o川*つ-;)o「えぐっ、しゃ、シャキンくんっ。ごっ、ごめんなさい……」
( ФωФ)「すまんな、シャキン。そこの戸棚に救急箱があるから
自分で手当てしてくれ。仕事は出来そうか?」
(`・ω・´)「大丈夫です、やれます!」
( ФωФ)「よし、いい返事だ。無理そうなら我慢せず言えよ!」
言葉は少し荒いが、ロマネスクさんは本当にいい人だ。
僕は傷の手当をし、長靴を念入りに調べた後、恐る恐る履く。
そしてキッチンに向かい、葱を刻むなどの材料の下ごしらえを始めた。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:20:11.27 ID:+lpLzryn0
どこの飲食店も大体同じだろうが、昼時と夕刻から夜にかけてが一番込み合う。
<_プー゚)フ「おっちゃーん、ネギ塩ラーメン一つ」
昼食をここで済ます近所の会社のサラリーマン。
( ^ω^)「おっおっ、ここのラーメンはどれもおいしいんだお!」
ξ゚听)ξ「なんでラーメン屋なんかに……塩の半ラーメン一つお願い」
部活帰りに利用する高校生。
_
( ゚∀゚)「よーし、パパ特盛り頼んじゃうぞー」
从 ゚∀从「よっしゃ、じゃあオレは超盛りで!」
( ><)「パパもママもすごいんです!」
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ!!」
夕食を食べる親子連れ。
いろんなお客さんが来るが、大抵の人に共通すること。
それは店を出るときに幸せそうな顔をしていることだ。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:20:22.41 ID:FlLjzYrr0
>>1-2の流れの意味が分かんないんだが誰か解説希望
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:22:12.29 ID:+lpLzryn0
そろそろ店仕舞いかという頃に、珍しい客がやってきた。
/ ,' 3「こんばんは、まだやっとるんかい?」
( ФωФ)「あれ、荒巻さんお一人ですか。珍しいですね。
いつもの二人組みは今日はお休みでも?」
/ ,' 3「ほっほっほっ、急にあんたんとこのラーメンが食べたくなってのう、
こっそり屋敷を抜け出して来たんじゃ。味噌一つ、バター付きでな」
こちらの方は荒巻さん。この辺り一帯を取り仕切る大地主である。
この店がある所も元は荒巻さんの土地であり、
親方の熱意と腕を高く買い、安い土地代で借りさせてもらっている。
土地をかなり持っているために、それに関するトラブルが色々あるらしく、
普段はボディーガードを雇ってるのだが、あまりその事を快く思ってないようだ。
( ФωФ)「シャキン、味噌一つ頼む。バターも付けてな」
(`・ω・´)「味噌バタ了解です、親方!」
暖めてある丼にお湯を入れ、味噌を溶かした後に味噌用の出汁を加える。
茹で上がった麺を手早く湯切りし丼に入れる。あとは刻み葱、チャーシュー、
モヤシ、コーン、注文のバター、そして店の名でもあるメンマをたっぷり加え完成だ。
/ ,' 3「うほほっ、この香りに立ち上がる湯気ッ。たまらんのうwww」
荒巻さんが美味しそうに食べていると、いきなり誰かが店内に飛び込んできた。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:22:29.67 ID:kMuVSERn0
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:24:11.24 ID:+lpLzryn0
(´<_` ;)「荒巻さん、探しましたよ!!」
/ ,' 3「なんじゃい、もう見つこうてしもうたわい」
(´<_`#)「『見つかってしまった』じゃありません!
もし万が一のことがあったらどうするんですか!!」
/ ,' 3「万に一つしか当たらんのんじゃろ?ワシャあ宝くじの三千円さえ
当たったこたあないから平気じゃ。味噌ラーメンでも食うかいの?」
(´<_`#)「宝くじは関係ないです!それに俺は醤油派です!」
/ ,' 3「杉浦さん、すまんが醤油一つ頼むわい。
安心せい、弟者。ワシの奢りじゃけえの!」
(´<_` )「そういうことじゃなくて……もういいです」
この急に来た人は、荒巻さんのボディガードの一人、流石弟者さん。
弟者さんは双子の弟であり、同じくボディガードを勤める兄者さんという人がいる。
パッと見ただけでは間違えそうになるが、言動などがかなり違うので区別は楽だ。
弟者さんは携帯を取り出し誰かに電話を始めた。おそらく相手は兄者さんだろう。
【(´<_` )「もしもし、弟者だ。うん、『めんま亭』で見つけた。で、兄者は何処に?」
【(´<_` ;)「はあっ!? スナック『Dereel』って兄者が最初に探してた所じゃないか!」
【(´<_`#)「そうか……デレさんと……つい話し込んでたと……そうかそうか……………」
バラ
【( <_ #)「五分待つ。一秒でも遅れたら兄者の持ってるツールヤさんフィギュアを解体すからな」
ジャーンジャーンジャーン
げえっ、ゆとりっ!
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:26:11.62 ID:+lpLzryn0
(´<_`#)「全く、兄者の奴は……時間を三分にすれば良かったか……?」
/ ,' 3「ほほっ、弟者よ、兄者を懲らしめたいんじゃろ。
店の人に協力してもらう必要があるんじゃが、いい案があるぞ」
弟者さんにラーメンを持っていった僕らは、荒巻さんの『案』を聞いた。
僕はキッチンに戻り、親方はキュートちゃんを呼びに行く。
ちょうど『案』の準備が終わったとき、店に人が飛び込んできた。
(; ´_ゝ`)「うおおおいっっっ! ギリギリセーフ!?」
/ ,' 3「四分と五十二秒、一応まにおうとるのう」
弟者さんは兄者さんを睨みながら、ラーメンを口に運んでいる。
おそらく相当フィギュアを破壊したかったのだろう。
(* ´_ゝ`)「イィーヤッホォォォオウ!愛の力は最強!
…………あれ、ところでオレの席は?」
ちなみに僕と親方とキュートちゃん、荒巻さんと弟者さんは
椅子を一つ足して四人掛けのテーブルについている。
21 :
馬。いいえ、鹿です。 ◆BAKAkoSkFk :2008/05/10(土) 23:26:27.94 ID:eKB/aXYkO
ひどいゆとりが居ると聞いて
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:28:22.47 ID:+lpLzryn0
(´<_` )「ところでシャキン君、また腕上げた?」
( ФωФ)「うむ、一応上達はしているな」
o川*゚ー゚)o「うん、こりゃ父さんもうかうかしてられないねっ」
僕らの手元にはそれぞれラーメンがある。
さっき余った麺で、即行で作り上げたものだ。
(`・ω・´)「いやー、親方にはまだまだ及びませんよ!」
/ ,' 3「よーやるのう、シャキン。なかなか美味かったけえの!」
兄者さんは呆然とした表情で訊ねてくる。
( ´_ゝ`)「…………あのー、オレの分は?」
(`・ω・´)o川*゚ー゚)o( ФωФ)「「「本日は閉店です。またの御来店をお待ちしてます」」」
/ ,' 3「ほいじゃあ、ワシらはいぬるけぇのう」
数分後、泣いてる兄者さんを弟者さんが引きずりながら、荒巻さん達は帰っていった。
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:31:38.31 ID:+lpLzryn0
キュートちゃんは部屋に戻り、宿題を始めた。
店では僕と親方が店の後片付けをしている。
ほとんど片付けが終わった頃、親方が口を開いた。
( ФωФ)「なあ、シャキン。またあの家に帰るのか……?」
(`・ω・´)「またですか、親方。一応あそこは僕の家なんです」
( ФωФ)「俺にとっては息子同然なんだよ。家には空き部屋が一つある。
わざわざ一人にならなくったって……」
◆ ◆ ◆
僕は一人暮らしで、母が残した家に住んでいる。
祖父母は父方と母方共に亡くなっていて、
父は僕がまだ幼い頃、離婚同然にどこかへ行ってしまった。
僕の家とロマネスクさん家は、昔から家族ぐるみの付き合いだった。
なぜかというと、僕の母とロマネスクさんの奥さんは竹馬の友だったからであり、
僕は昔から「めんま亭」のラーメンをよく味わっていた。
父がいない僕にとっては、ロマネスクさんが父親の役割を果した。
キュートちゃんが生まれたときは、僕に妹が出来たも同然だった。
もっとも彼女は僕を兄であるとは思ってないかもしれないけど……
実の父親がいなくても何の問題も無かった。
少なくとも高校に入るまでは…………
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:34:33.64 ID:+lpLzryn0
僕が高校生活に慣れてきた頃、母とロマネスクさんの奥さんは、
二人で北陸の方へ旅行に行く計画を立てた。
なんでも『蟹をたらふく食べたい』が理由だったらしく、
僕は三泊四日の旅行の間、ロマネスクさんの家にお世話になることになった。
預けられて二日目の夕方、居間でキュートちゃんのお絵描きに付き合ってるときのことだ。
なんとなくつけていたTVで、とあるニュース速報が流れた。
―――路線バスが崖下に転落、乗客の生存は絶望的―――
正直バスなんて全国で何万台も走ってるし、僕は気にも留めていなかった。
その日の夜遅く、ロマネスクさん家の電話が鳴り響いた。
…………はっきりいって、そこからの数日間はよく覚えてないし、思い出したくもない。
僕には、二人で住むにしても広かった家と、バス会社からの多額の慰謝料が残された。
高校は結局辞めることになり、当時の僕はどうしていいか分からなくなっていた。
数日経った頃、ロマネスクさんから店に呼び出され、話を持ちかけられた。
『シャキン君、俺の店を手伝う気はないか?
もちろん給金も出すし、何なら住み込んでもいい。
……アイツがいなくなって、部屋に空きが出来ちまったからな』
昔から飲食業には興味があったし、なにより親方は寂しそうな顔をしていた。
家を離れるのは母に悪い気がしたので、働かせてもらうことだけお願いした。
『そうか、家は出たくないか…………まあ、よろしく頼むぞ!』
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:36:11.90 ID:+lpLzryn0
◆ ◆ ◆
( ФωФ)「…………まあ仕方ないな。お前の考えが一番大事だ。
話を蒸し返すようで悪いが、明日は泊まっていかないか?」
(`・ω・´)「明日って何か……ああ、キュートちゃんの誕生日って確か」
( ФωФ)「そうだ、明日だ。昼間に色々買い物を頼んでも大丈夫か?」
(`・ω・´)「分かりました。プレゼントは何を買うつもりなんです?」
( ФωФ)「ほら、ゲームでアスモンってあるだろ? 数日前なんだが、
あれの新しいやつをキュートがやりたがっててな……」
(・ω・´;)「……親方、キュートちゃんってDS持ってましたっけ?」
( ФωФ)「ん、お前がキュートに渡したやつがあるだろ?」
(・ω・´;)「親方、あれだと古くて無理なんです……」
アスモンとは携帯ゲームのシリーズで、僕も十歳の頃はよくやってた。
結構前にゲーム機の本体ごとキュートちゃんに渡していて、
今でもちょくちょく彼女がプレイする姿を見かける。
親方に軽く説明と相談をして、本体は親方、ソフトは僕がお金を出すことになった。
他にも色々打ち合わせたあと親方に挨拶し、僕は自転車に跨り家路につく。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:38:08.73 ID:+lpLzryn0
家に入るとき、僕は必ず「ただいま」という。
たとえ待っている人が、誰もいなくてもだ。(いたら寧ろ怖い)
電気をつけながら台所まで移動し、冷蔵庫からお茶を取り出す。
(`・ω・´)「親方の家にか……」
お茶を飲みながら、ふと今日のことを振り返る。
実際のところ親方の家で暮らすのはメリットが多く、デメリットはほとんどない。
でもこの古びた家を手放してしまうのは、どうも何か大切なものを無くしてしまう気がする。
まあ今のところ何か不便があるわけじゃないし、現状をだらだらと維持してる感じだ。
もし母が亡くならなかったら今頃何をしてたのだろう……。
そんなことをふと考え、当時の夢を思い出すために自分の部屋の押入れから、
過去の卒業文集や作文など引き摺りだし、眺めてみた。
保育所や小学校低学年までの自分は、相当色々なものになりたかったらしい。
医者に野球選手、飼育員やパイロット。正義のヒーローに饅頭…………
どんな夢だとしても、夢があるのはいいことだ。……たぶん饅頭でも。
小学校の高学年では考古学者が夢だった。地下遺跡に憧れてたなー。
でも実際の世界に魔法や超文明、DATやルイルなどは在りえないと感づき、
結局は断念したんだっけ。……ちょっと気がつくのが遅かったかもだけど。
中一の頃は、中二病を患っていた。…………思い出したくもない。
今でもNEOという単語を見てしまうと、この頃を思い出し、頭を抱え込んでしまう。
…………今度この頃の作文やノートの処分を真剣に検討しよう。
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:40:10.77 ID:+lpLzryn0
中二の頃、一つの夢を見つけた。それは当時読んだ小説からだった。
バーを開いてる男の元にいろんな人が来る、それだけの話。
店主とお客の掛け合いがとても楽しかった。
途中までは確かに読んだ記憶はあるが、何故かオチが思い出せない。
当時はそのバーテンダーに憧れて、色々と真似事をしていた。
図書館に行って知識を多く仕入れたり、母から小料理を教わったりもした。
さすがに未成年だったので、実際に行く訳には行かなかったけど……
(`・ω・´)「そうか、すっかり忘れてたな…………」
高校に入っても夢は変わらなかったが、あの事件が起こってしまい、
「めんま亭」で働き出してからは慣れないことで忙しく、
当時の夢なんて全く思い出す暇なんてなかった。
しかし考えてみると、その職業を目指した理由は、お客さんと話して幸せになってもらうこと。
結果だけ見ると「めんま亭」で働いているのと変わらない。
実際今現在の僕の夢、いや目標は「めんま亭」をこのまま続けていくことだった。
おいしいものを作り、来た人みんなに幸せを味わってもらう。
儲けや客数なんてどうでもいい。……いや、来客ゼロはもちろん駄目なんだけどね。
ふと時計を見ると既に午前2時を回っていた。こういうことをしてると時間は速い。
シャワーは明日の朝浴びることにして、僕は床についた。
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:40:22.79 ID:1G0XdTJaO
つまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらない
つまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらないつまらない
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:42:11.30 ID:+lpLzryn0
(`・ω・´)「おはようございまーす、親方!」
( ФωФ)「おうシャキン、元気いいな。足の傷は治ったか?」
(`・ω・´)「大丈夫です。親方に言われるまで忘れてた程です」
( ФωФ)「おう、そいつは良かったぜ。買い物は二時過ぎ辺りに頼むぞ」
(`・ω・´)「了解。今日も頑張っていきましょ、親方!」
今日は買出しがないので、やや遅めの時間に出店した。
なぜか座敷のハンガーにかかっている制服に着替え終わったあと、
長靴を念入りに振る。うん、今度は何も入ってないみたいだ。
二人で開店の準備をしてると、急に親方が笑い出した。
( ФωФ)「ははっ、全くキュートらしいぜ!」
(`・ω・´)「どうしたんですか、親方?」
( ФωФ)「朝から何かゴソゴソと服をいじってると思ってたら……
今度から変わったことがあれば警戒するんだな」
自分の制服の後ろに手を伸ばすと、小さく畳まれたメモが張られていた。
破かないように慎重に開き、内容を読む。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:44:07.95 ID:+lpLzryn0
――――――――――――――――――――――――――‐
ごじつになったけど、シャキンくんには悪いことをしちゃいました。
めっ、だね。きのうの私。画びょうはしばらくじじゅうします。
んーと、今日の料理楽しみにしてるよ。
ねえ、これからもお仕事がんばってね!
☆ キュート ☆
――――――――――――――――――――――――――‐
いやー、非常にキュートちゃんらしい。
いちばん気になるのは、自重の読み方が違ってるところかな。
よし、キュートちゃんに言われた通り、今日も頑張るぞ!!
別段と今日は忙しくなるわけじゃないだろう、なぜかそう感じた。
にらの在庫は大丈夫だったかな……?
<_プー゚)フ「兄ちゃーん、ネギミソと半チャーハン」
(`・ω・´)「あいよー。親方、半チャお願いします」
( ФωФ)「分かった、三十秒待ってろ」
一年ほど前からは僕が麺類、親方がご飯類と洗い物、ホールを担当している。
なんでも僕への麺の特訓らしく、そろそろ親方は僕に炒め物を叩き込もうと考えてるらしい。
客足が落ちた二時半頃、僕は買い出しの準備を始めた。
私服に着替え、店の札を [通常営業] から [半人前] に変える。
…………うん、二人が一人に減るんだから間違えてはないはずだ。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:45:39.25 ID:1G0XdTJaO
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:46:24.00 ID:+lpLzryn0
ケーキ屋とゲームショップは反対方向にあるので、まずはケーキ屋「ミセリ」に向かう。
駅の表にある昔からなじみのケーキ屋で、僕はここのチーズケーキが好きだ。
(`・ω・´)「すいませーん、杉浦キュートの名前でケーキ頼んでたんですが……」
川д川「あらあらー、シャキン君じゃない。仕事はどうー」
この若い店員の人は中学からなじみの貞子さんで、僕はこの人は少し苦手だ。
川д川「うふふー、キュートちゃん十一歳になるんだー、 一番可愛い辺りねー。
いくら可愛くたって手を出したら駄目だよー。捕まるよー」
(#`・ω・)「出さないって!妹だと思ってるような人に手を出すかい、普通!?」
川д川「世の中にはシスコンって言葉もあるしねー…………
そういえば昨日ワカッテマス君に会ったよー」
(`・ω・´)「へえ、珍しいな。あいつ医学部に入ったんだっけ?」
川д川「なんでも外科医になるらしいよー。『女の裸がタダで見れるねー』って言ったら、
真面目な顔して ( <●><●>)『あなたが破廉恥な性格だってことはわかってます』
って言い返されちゃったよー。冗談が通じないねー」
(;`・ω・)「いや、それは貞子さんが悪いでしょ……少し言葉を考えなよ……」
川д川「そうなのかなー?あっ、ケーキだったねー。
えーと、名前はキュートちゃん、十一歳のバースディで、
いちごショートの五号。これで問題はないかなー?」
お金を払い、貞子さんに別れを告げて僕は店を出た。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:46:30.33 ID:C6yTV5Ab0
腹減ってきたぞぼけ
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:48:07.90 ID:+lpLzryn0
ケーキを運んでるときにアクシデントがあると困るので、
一度親方のところに戻り、ケーキを大型冷蔵庫の片隅にいれる。
店内ではテーブル席で、親方がお客さんから注文を取っていた。
lw´‐ _‐ノv「ベトナムの大地に生きろ。そんなフォー・ボーを頼む」
(; ФωФ)「譲ちゃん、ウチはラーメン屋だ。残念だが店で出来るものを頼んでくれ」
_, ,_
lw´‐ _‐ノv「むぅ、ならば……米の活け造り、そんなものはどうだ?」
(; ФωФ)「よく分からんが炒飯でいいな? おっ、シャキン帰ってたのか!」
(`・ω・´)「親方、キュートちゃんが帰る前にプレゼントを買っておきたいです。
わざわざ制服に着替えるのも面倒なので、すぐに行ってきますね。
…………気休めですが、親方ならうまくやれますよ!」
( ФωФ)「む……そ、そうか…………」
お客さんを相手する親方を横目に見ながら、僕はおもちゃ屋に向かう。
うん、決して逃げた訳じゃない。キュートちゃんに喜んでもらうためだ、きっと……
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:50:54.17 ID:+lpLzryn0
親方がうまくやってくれることを願い、僕はゲームショップ「HANYAN」に向かう。
店の入り口に繋がれてるビーグルを軽く撫で可愛がったあと、店内に入る。
レジでは店員のしぃさんが退屈そうにしていたが、僕の姿を見ると真面目な顔になった。
(*゚ー゚)「あら、いらっしゃい。いつもウチの娘がお世話になってます」
(`・ω・´)「いえいえ、こちらこそキュートちゃんが色々と」
ここの店はギコさんとしぃさんの夫婦で経営していて、一人娘につーちゃんという子がいる。
その子はキュートちゃんの親友で、よく店に遊びに来てるのを見る。
(`・ω・´)「あのー、キュートちゃんの誕生日プレゼントを買いに来たのですが……」
(*゚ー゚)「ああ、そういえばつーが言っていたわね。何にするの?」
(`・ω・´)「DSと、あとアスモンの新しい奴が欲しいんですが」
(*゚ー゚)「DSは今マリンブルーしかないけどいいかな?
あとアスモンのver.はどうする? クールver.とヒートver.があるんだけど」
青色はキュートちゃんの好きな色だから問題はないけど、ver.までは考えてなかったな。
どちらにするか悩んでいると、しぃさんがアドバイスをくれた。
(*゚ー゚)「ウチのつーはヒートver.をやってるから、クールver.がいいんじゃない?」
(`・ω・´)「じゃあそれでお願いします」
ラッピングを始めるしぃさんだったが、ふと微笑を漏らした。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:51:30.70 ID:Vz2UJH8i0
支援
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:51:52.73 ID:ZEHzy1+pO
ほんとにつまらんワロタ
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:53:15.36 ID:+lpLzryn0
(*゚ー゚)「そういえば、昔の君も似たようなことあったよね」
(`・ω・´)「えっ、そうでしたっけ……?」
(*゚ー゚)「ふふ、ドクオver.かプギャーver.かを真剣に悩んじゃってて……」
そういえばそうだったような……確かあの時は……
(*゚ー゚)「私が片方ずつソフトを手に持って背中側に隠してね、
それで君が大声で『右手』って叫んで……
どうだった、あのソフトは?」
(`・ω・´)「いやー、当時は寝る間も惜しんでやってましたよ。ホント楽しかったです。
数年前に本体ごとキュートちゃんに渡しちゃいましたけどね」
(*゚ー゚)「あー、キューちゃんが持ってたのは君のものだったんだ。
いいよね、そうやって自分が楽しんだものが、別の世代に伝わっていくってこと……」
しぃさんは何か物思いに耽っていて、僕は少しの間口を挟めなかった。
(*゚ー゚)「あっ、ごめんね。えーと、合計で一万円と二千円になります。」
(・ω・´;)「レジを見ると一万と八千円になってるんですが……?」
(;゚ー゚)「あれ、ごめんなさい……なんで二千なんて出てきたんだろう?」
会計を済ませ、店を出る。ビーグルは気持ちよさそうに寝ていた。
プレゼントを持ち、僕はめんま亭に急ぐ。
あれから親方はうまくやってるといいんだけど…………
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:55:11.57 ID:+lpLzryn0
(`・ω・´)「帰りました、親方! さっきのお客さんはどうなりました?」
( ФωФ)「おう、おかえり。さっきの客はまあ満足してたようだったぜ。
なんでも lw´‐ _‐ノv『Nice rice. まさにこれは誠。中の人はいない』
とか話してたしな。」
それって満足してるのか……?まあいいかな。
プレゼントを戸棚に収め、コックコートに着替えなおす。
もうすぐ夕方、もう一頑張りだな。
( ФωФ)「注文は決まりましたか?」
ξ゚听)ξ「塩ラーメンを一つお願い。後、勘違いしないでね!!
ブーンがどうしてもまた行きたいって言うから、仕方なく来ただけだから!」
( ^ω^)「あれ、確かツンがここに行きたいって言い出したんじゃ……」
イチイチウルサイッ ! ξ#゚听)ξ=つ)゚ω゚):;・':。 イナクトッ !!
(; ФωФ)「おいおい、もめ事は外で頼むぜ……」
時刻はもうすぐ六時。キュートちゃんはまだ帰ってない。
少し不安になっていると、裏口の開く音が聞こえてきた。
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/10(土) 23:58:17.19 ID:+lpLzryn0
o川*゚ー゚)o「ただいまー。遅くなってごめんね!」
(*゚∀゚)「ヒャッホー、少しだけお邪魔するぜー」
居間からキュートちゃんとつーちゃんが顔を出す。
無事に帰ってきて何よりだけど、なんでつーちゃんもいるんだろうか。
(`・ω・´)「お帰り、それにこんばんは。こんな時間まで何してたの?」
o川*゚ー゚)o「ヘリカルちゃんとこで遊んでたんだよ」
(`・ω・´)「今度から遅くなりそうな時は電話してほしいな……
ところでつーちゃんは何しに来たの?」
(*゚∀゚)「オレはキューに漫画を貸してもらいに立ち寄っただけだ!」
(`・ω・´)「家の人に遅くなること連絡してある?もしまだならそこの電話をつかいなよ」
(*゚∀゚)「おー、じゃあちょっと借りるぜ。シャキンの兄貴ありがとな!」
注文が入ったので、ラーメンを作りカウンターに置く。
しばらくすると、つーちゃんの別れを告げる声が聞こえてきた。
(*゚∀゚)「じゃあなー、シャキンの兄貴。キュートをよろしく頼むぜ!」
……それは僕の台詞じゃないのか?
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:00:07.29 ID:bLpctZav0
仕事も終わり、本日のメインイベントが始まる。
( ФωФ)「キュート、誕生日おめでとう」
(`・ω・´)「ハッピーバースディ、キュートちゃん!」
o川*^ー^)o「うんっ、二人ともありがとね!」
テーブルにはいつもより豪華な料理が並んでいた。
キュートちゃんの好物である鶏の唐揚げにクリームシチュー、
真ん中にはさっきロウソクを吹き消したバースディケーキがある。
o川*゚ー゚)o「ん、このサラダの味変わってるね」
(`・ω・´)「あれ、もしかして口に合わなかった?」
o川*゚ー゚)o「いやいや、とってもおいしいよ!シャキンくんが作ったの?」
(`・ω・´)「うん、そうだよ。喜んでもらえたみたいだね」
大根とホタテの貝柱を使ったサラダ、昔母から教わったものだ。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:02:08.35 ID:bLpctZav0
( ФωФ)「シャキン、一杯どうだ?」
親方が冷蔵庫からビールを取り出してきた。
数年前から飲ませてもらっているが、最近やっと美味しさがわかってきた。
o川;゚听)o「あっ、父さん達ばっかりずるい!」
( ФωФ)「あと七年待て、キュート」
あれ、たしかお酒は二十歳からだったような……
突っ込む前に親方からビールを渡される。
(`・ω・´)「ありがとうございます、親方」
二人で缶を打ち付けあい、ビールを喉に流し込む。
仕事で疲れた体にとっては、たまらなく美味しかった。
o川*゚ー゚)o「……はあ、早く大きくなれないかな」
( ФωФ)「まあまあ、今をじっくり楽しんでおけよ。
早く大きくなっても損をするだけだぞ」
o川*゚ -゚)o「……そっかなー?」
( ФωФ)「そうだ。しかし俺も学生の頃を思い出すな……
高校入試の時、初めてあいつと出会ってな――」
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:04:37.96 ID:bLpctZav0
( *ФωФ)「……という訳で、一応夢は叶ったんだ」
(・ω・´*)「へー、そうだったんですか」
およそ1時間後、僕は親方の身の上話を聞いていた。
親方は酔いが深くなると、必ずこの話をする。
正直何度も聞いてるので、少し飽きてきているのだが……
ちなみにキュートちゃんは、早速プレゼントのゲームをやっていた。
画面を見つめる彼女の表情は、とても嬉しそうだ。
( *ФωФ)「そうだ、夢ってものは叶えるためにあるもんだ。
そういえばシャキンも何か夢があるのか?」
(・ω・´*)「いや、別にそんな大したものじゃないですし……」
( *ФωФ)「ん、なんだちゃんとあるんじゃねえか。
よし、聞かせてみろ!全力で協力するぞ!」
o川*゚ー゚)o「シャキンくんの夢、私も聞きたいな!」
……ゲームに夢中だと思っていたが、しっかり話は聞いていたようだ。
二人にせがまれ、僕は少し気恥ずかしい思いをしながら夢を語った。
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:05:33.42 ID:E/bL/sqf0
支援
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:06:28.22 ID:bLpctZav0
(・ω・´*)「……ってことです」
o川*゚ー゚)o「へー、かっこいい夢だね」
( *ФωФ)「うん、今からでも遅くねえ。その夢目指してみろよ」
(・ω・´*)「いや、さっきも話したと思うんですが、
ある意味夢は叶ってる訳ですし……」
( *ФωФ)「いいか、シャキン。夢ってのは妥協しちゃ駄目だ。
一回限りの人生だ、だからこそ最高にする必要がある」
o川*゚ー゚)o「そうだよ、頑張りなよ!」
(・ω・´*)「いや、だから今はこの店を守っていく方が僕の夢なんです!」
( *つωФ)「ふっ、ありがてえな、シャキン。でもこれだけはいっとくぜ。
もしその夢を叶えたくなったら、いつ飛び出して行っても構わないからな」
o川*゚ー゚)o「そうだ、いっそのこと両方叶えるってのは?」
(・ω・´;)「さすがにそれは……」
こうして、誕生会の夜は段々と更けていく。
親方とキュートちゃんの楽しそうな顔は、多分一生忘れないだろう。
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:08:37.57 ID:bLpctZav0
☆ ☆ ☆
('、`*川「へえ、楽しそうな暮らしですね」
(´・ω・`)「ええ、あの頃が一番幸せでした」
暖かな日差しは少しずつ傾いて行く。
対岸にある道には、小学生の下校姿が見える。
('、`*川「しかし名前を変えるなんて何があったのですか?
話を聞く限り、平穏な生活そのものじゃないですか」
(´・ω・`)「……私もこんな生活がずっと続くと思っていました」
('、`;川「あの。もし辛いようでしたら、無理して話さなくていいですよ」
(´・ω・`)「いえ、せっかくだから最後まで話をさせてください」
太陽に薄い雲がかかったことにより日差しが弱まり、辺りは薄暗くなる。
冷たい秋風が吹きぬけ、段々肌寒いと感じる気温へと変わっていく。
「それから半年ほど後、ちょうど今頃の季節でした―――」
☆ ☆ ☆
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:09:25.44 ID:Iv3sUP3q0
支援
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:09:45.85 ID:Iv3sUP3q0
いやあああああ
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:10:16.04 ID:bLpctZav0
(`・ω・´)「親方、チャーシューできました!」
季節は秋の中ごろ。この時期は客がぐんと多くなる。
今はまだ夕方前なので、客はほとんどいないけど。
ミ,,゚Д゚彡「いやー、お宅の若い人頑張ってますね。
ウチの麺をここまでうまく茹でてくれるんですから」
( ФωФ)「おいおい、それは買い被り過ぎだろ」
ミ,,゚Д゚彡「いやいや、そんなことないですって!」
この人は町にある製麺工場の職員、フサギコさん。
めんま亭の麺はここから仕入れている。
ミ,,゚Д゚彡「そういえば聞きました?なんでも駅で暴行事件があったとか」
( ФωФ)「む、そいつは初耳だな」
ミ,,゚Д゚彡「最近は物騒ですよね。隣町で放火事件もあったらしいし……」
なんか最近暗い話題ばかりだな。明るい話題は無いものか……
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:12:15.44 ID:bLpctZav0
o川*゚ー゚)o「ただいまー。あっ、フサさんお久しぶりです」
キュートちゃんが居間から顔を覗かせる。
手に紙皿に乗った何かを持っているようだ。
o川*゚ー゚)o「これ今日の調理実習で作ったクッキー。フサさんもどうぞ」
ミ,,゚Д゚彡「ありがとう、おいしくいただくよ」
(`・ω・´)「フサギコさん、気をつけたほうがいいです。
下手をすると体調を崩しますからね」
o川#゚听)o「酷いなぁ、人を料理下手みたいに言って!」
(`・ω・´)「一ヶ月前の芥子シュークリーム、忘れたとは言わせないからね」
o川;゚ -゚)o「ん、あれはつい魔が刺して……」
以前つーちゃん家で作ったといって、シュークリームをくれたことがある。
つい無警戒で噛り付いたが、中のクリームが芥子だったのだ。
……一日中何を食べても辛く感じたな…………
ミ;,,゚Д゚彡「……ええっと、食べないほうがいいんですか?」
o川#゚ー゚)o「今回は何も入ってないから!シャキンくん、口を開けて!」
(・ω・´;)「でもこないだのチョコだってタバスコが……」
o川#゚听)o「いいから食べて!早く!一口でもいいからー!」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:14:08.11 ID:bLpctZav0
……結局クッキーには何も入ってなく、警戒して食べた僕が馬鹿みたいだった。
時刻は夕方過ぎとなり、客足はどんどん増していくばかりだ。
ξ゚听)ξ「いつものでお願い」
(; ^ω^)「ツン、一応塩って言おうお……あっ、味噌大盛り頼むお」
すっかり常連さんになった高校生のカップル。
強気な少女の尻の下に敷かれている彼には、少し同情してしまう。
_
( ゚∀゚)「よし、ネギ味噌の大盛りにライス大だ!」
从 ゚∀从「じゃあ俺は味噌、醤油、塩の大盛りを一つずつ。あと炒飯で」
_
(; ゚∀゚)「なっ、なんだと……」
(; ><)「ママすごすぎなんです……」
(*‘ω‘ *)「ぽぽっぽ!!」
大量に注文して、ちゃんと完食する親子連れ。
……正直あの女性のお腹はどうなっているんだろう?
いつもとあまり変わらない日々が続いていた。……この時までは。
きっかけは、ある人物の来店からだった。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:14:30.44 ID:Iv3sUP3q0
支援
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:16:11.93 ID:bLpctZav0
/ ,' 3「久しぶりじゃの、杉浦さん」
(´<_` )「どうもこんばんは」
荒巻さん達が訪れたのは、いつもより少し早い時間帯だった。
( ФωФ)「あれ、お二人ですか?」
いつも三人で訪れるか、一人でこっそり来る荒巻さん。
まあどちらにせよ、最終的には三人で帰るんだけど……
(´<_` )「ああ、兄はちょっと用事がありまして……」
/ ,' 3「近頃よおけぇ事件があるけぇのう。調べてもらっとるんじゃ。
ありゃーブツクサ言いながらはぶてとったがのう」
( ФωФ)「最近は物騒ですからね。何か分かったら教えてください」
/ ,' 3「ん、任せとけぇの。杉浦さん、味噌をバター付きで頼むわい」
(´<_` )「あっ、俺は醤油ラーメンと小ライスで」
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:18:13.26 ID:bLpctZav0
_
(li ∀ )「ご、ご馳走様でした……会計お願いします」
从*゚∀从「いやー、食った食った。うまかったぜー!」
(; ><)「パ、パパ大丈夫なんですか?」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽぽぽ!!」
家族連れが出て行き、店内は荒巻さん達だけになる。
僕は皿を洗いながら、まったりとすごしていたときだ。
<ヽ`∀´>「ホルホルー、お邪魔するニダ」
( ゚"_ゞ゚) ( ・ω・)「…………」(’e’) (・∀ ・)
入り口のドアが開き、店内に五人ほど人が入ってきた。
( ФωФ)「いらっしゃいませ、五名様ですか?」
<ヽ`∀´>「いや、席はいらないニダ。ちょっとそこの人に用があるだけニダ」
そういって男達は、一直線に荒巻さんの所に向かおうとする。
しかし弟者さんが立ち上がり、男たちの行く手を阻んだ。
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:20:08.34 ID:bLpctZav0
(´<_` )「荒巻さんに何のようでしょうか?」
<ヽ`∀´>「ホルホル、ちょっと大地主の顔を見にきただけニダ。
……しかし見れば見るほどチンケな爺ニダ」
(´<_` )「……お前みたいな小物臭がする奴に、
まともな観察眼があるとは到底思えないがな」
/ ,' 3「まあまあ。腹を立てんさんなや、弟者。
ほいでワシに何の用事なんじゃ?」
先ほどから話していた男が荒巻さんの対面に座り、他の四人は隣のテーブルについた。
弟者さんは荒巻さんの隣に座り、あまり穏やかではない話が始まる。
<ヽ`∀´>「端的に言うニダ、ウリは民奈組のニダーニダ。
近いうちに駅前の一区画を渡してほしいニダ」
/ ,' 3「なんじゃい、こないだのいなげな連中かい。
ワシゃあちゃんと駄目ゆうたはずなんじゃがの」
<ヽ`∀´>「そんなの関係ないニダ。あの土地が必要なんニダ!」
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:22:17.60 ID:bLpctZav0
どうやら話は平行線をたどっているようだ。まあニダーって人は無茶なことをいい、
荒巻さんは応じるような人ではないから、どうしてもそうなってしまう訳なんだが……
/ ,' 3「そげなわやくそなこたぁあるかい。ちぃたあまともな話をせぇや」
<#ヽ`Д´>「ファッビョーン!! いい加減にするニダ!
あと何言ってるかよくわかんないニダ!」
正直僕も荒巻さんの方言は、大体でしか意味合いをとれない。
しかしその言葉からは、否定という意思はしっかり現れていた。
/ ,' 3「もうええかいの?はようせんと麺がのびるけいのう」
そういって荒巻さんが食べかけのラーメンに箸を伸ばしかけたときだ。
<#ヽ`∀´>「こんなの食ってる暇ないニダ!」
いきなりニダーが立ち上がり、丼を掴み上げ床に叩きつけた。
大きな破砕音とスープが散らばる音が店内に響きわたる。
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:24:17.12 ID:bLpctZav0
突然の暴挙により、店内の動きが止まった。
僕に荒巻さん達、四人組まで呆然とした表情を浮かべている。
<ヽ`∀´>「ホルホルー、お前もこうなりたくなかったら土地を渡すニダ」
得意げな表情を浮かべるニダー、しかし急に彼の右肩に手が置かれる。
<ヽ`∀´>「ん、なんニd―――」
振り向くと同時、ニダーの右顔面に拳が突き刺さる。
半回転し椅子を巻き込みながら、ニダーは床に崩れ落ちた。
(# ω )「いいか、料理人にとってお客様は神、料理は我が子同然なんだ」
指をゴキゴキと鳴らしながらその人物は話を続けていく。
(#ФωФ)「自分の神と息子を傷つけられて、怒らない奴はいねぇ!」
『めんま亭』の店主、杉浦ロマネスクさんの憤怒した姿がそこにあった。
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:26:47.67 ID:bLpctZav0
(#’e’)「てめえ、よくもアニキを!」
( ・ω・)≡つ「ギッタギタにしてやっからよ!」
親方のすぐ後ろにいた二人が立ち上がり、殴りかかる。しかし―――
(#ФωФ)「フンッ!」
(;ω(:;)「なんじゃそりゃー!」
(’e’)「うわぁ〜〜〜」
片方が放ったパンチを左腕で跳ね上げ、右肩から突っ込み弾き飛ばす。
飛び掛ってきたもう一人には、強烈な後ろ回し蹴りを叩き込んだ。
【+ 】ゞ゚)「これでも食らいな」
残りの一人が店の椅子を持ち上げ、親方に投げつける。
【+ 】<_` )「とおっ!」
しかし同じく椅子を持った弟者さんが間に割り込み、飛んできた椅子を叩き落とした。
テーブルの上に落ちた椅子は調味料入れにぶつかり、破砕音が響きわたる。
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:29:04.23 ID:bLpctZav0
( ゚"_ゞ゚)「ちっ、だがこれなら……」
椅子を投げた男は、懐からナイフを取り出してきた。
刃渡りが大きなサバイバルナイフ、おそらく刺さればただではすまないだろう。
( ゚"_ゞ゚)「この俺を怒らせたことを後悔すr ――」
台詞を言い切る前に、ナイフ男は前のめりに倒れた。
こっそり後ろから近づいた僕が、まな板で頭を殴ったからだ。
(・∀ ・;)「あわわわわっ……」
席に着いたまま動揺する残りの男に、親方が近づき言葉を放つ。
(#ФωФ)「お前には手を出さねぇ、こいつらを連れて帰らなきゃならないからな。
壊れた椅子と丼、その他の代金。しめて二万円置いてとっとと出てけ!」
動揺男と意識を取り戻した二人組は、ニダーとナイフ男を担ぎ店を飛び出していった。
もちろん親方が二万円をせしめたのは言うまでもない。
たしかあの椅子三千円もしなかったと思うんだけどな……
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:31:24.37 ID:bLpctZav0
(´<_` ;)「すいませんでした、荒巻さん!俺がついていながら……」
/ ,' 3「別に気にせんでえぇ、さっきは良うやってくれたしのう。
杉浦さん、ありがとな。あんたぁ格闘技でもやっとったんかい?」
( ФωФ)「ええ、数年前に通信空手を三年ほど。
……シャキン、中々の判断だった」
(`・ω・´)「いえ、それほどでもないです」
正直な話、咄嗟に動けた僕自身が驚きだ。
まあともかく、怪我人が出ずによかったと思う。
o川;゚听)o「ねぇ、さっきの凄い音は何!?」
キュートちゃんが店に飛び出してくる。
やや火照った顔に濡れた髪、ベットリと腕に張り付いている服。
おそらくお風呂に入っていた時に騒音を聞き、慌てて飛び出してきたのだろう。
( ФωФ)「ああ、ちょっと悪い奴らを懲らしめてただけだ。
誰も怪我一つ負ってねぇからよ、心配すんな」
o川;゚ -゚)o「そうならいいんだけど…………
うわぁ、店の中ぐちゃぐちゃだね」
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:33:34.73 ID:bLpctZav0
あらためて店の中を見渡す。
足が折れた椅子に、調味料が散らばったテーブル。
床の一角には、割れた丼からこぼれたスープが池を作っていた。
/ ,' 3「ちぃとばかしたいぎいことになったのう」
荒巻さんがいつに無く真剣な表情を浮かべている。
( ФωФ)「……やはり先ほどの連中のことですか?」
/ ,' 3「ああ、そうじゃ。民奈組ってゆう輩でのう……」
荒巻さんの話によると、先ほどの連中はヤクザであるらしい。
名実共に悪名高い組で、そちらの世界で知らないものは無いとか。
そんな民奈組だが、数日前駅前の空きテナントを借りたいと言ってきた。
しかし荒巻さんは、自分の気に入った人にしか土地を貸さない主義。
当然その場の話はこじれ、うやむやのまま終わったかに見えたが……
/ ,' 3「どうやらまだ諦めきっとらんかったようじゃの」
(´<_` )「奴らはメンツを大事にする。どういうことか解りますか?」
( ФωФ)「つまりボコボコにされた恨みを、俺にぶつけてくるってことだろ」
/ ,' 3「……けどのぅ、狙われるんが杉浦さんだけたぁ限らんで」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:35:17.43 ID:bLpctZav0
相手はヤクザだ。ストレートに親方を狙ってくるとは限らない。
店の悪評を流したりとか、取引先の業者に嫌がらせをするとか。
色々と店に迷惑をかけてくるだろう。いや、それより…………
( ФωФ)「シャキン、キュート。すまんがしばらく迷惑をかけそうだ」
(`・ω・´)「僕は構わないです。それよりキュートちゃんが……」
o川*゚ー゚)o「父さんは自分が正しいと思ったことをしたんでしょ?
私は気にしないよ。もしまた来るなら、私も協ry――」
(#ФωФ)「キュート!今回は遊びじゃねぇんだ!」
o川;゚ -゚)o「うっ…………わかった」
親方にとっての大事な一人娘、キュートちゃん。
彼女だけは絶対巻き込まないようにしないとな。
/ ,' 3「もたぁワシが悪いんじゃけえ、てごはちゃんとするけぇの!」
その日、僕は親方の家に泊まり、色々と話し合った。
決まったのは、なるべく普段通りの生活を続けること。
店に関る全ての人、特にお客さんに迷惑をかけないこと。
そして、三人とも無事に過ごせるように、常に警戒しておくことだった。
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:37:10.24 ID:bLpctZav0
(`・ω・´) (んー、まだなのかな……)
三日後の昼下り、僕は小学校前のバス停ベンチに座っていた。
様々な色のランドセルを背負った子供達が、目の前を通り過ぎて行く。
ふと校門を見ると、よく知った顔の二人組が走ってくるのが目に入った。
o川*゚ー゚)o「ごめん、おまたせー!」
(*゚∀゚)「よお、シャキンの兄貴!毎日ご苦労だな!」
(`・ω・´)「いや、別に構わないよ。じゃあ帰ろうか」
あれから毎日、僕はキュートちゃんの登下校に付き添っていた。
警戒する僕達とは裏腹に、三日経った今でも民奈組の影はない。
(*゚∀゚)「いやー、しかし大変そうだな」
(`・ω・´)「全くだよ。まあ荒巻さんが色々やってくれてるんだけど……」
何でも民奈組に顔が利く人へ連絡を取りつけてる最中だとか。
出来れば穏便に話が済めばいいんだけどね。
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:38:13.51 ID:wcrJf0Bp0
支援
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:39:14.62 ID:bLpctZav0
つーちゃんはキュートちゃんに用があるらしく、三人で『めんま亭』に帰ることになった。
o川*゚ー゚)o「ただいまー、父さん。変わりはなかった?」
(*゚∀゚)「ちょっとだけお邪魔しまーす!」
( ФωФ)「お帰り、キュート。あとシャキン、ご苦労だったな」
(`・ω・´)「いえいえ。それほどでも……」
カウンター席の一番奥にいる人物が、雑誌から顔を上げる。
( ´_ゝ`)「おお、やっと帰ってきt…………」
荒巻さんの協力により、『めんま亭』が開店中、流石兄弟の片方が来てくれることになっている。
今来ているのは兄者さん。普段の行動を見ると頼りなく思ってしまうが、やる時はやるらしい。
そんな兄者さんが、なぜか僕らの方を見て固まっているんだけど…………
o川;゚ー゚)o「あの、兄者さん。どうしたんですか?」
(; _ゝ )「そ、そんな馬鹿な……いや、夢じゃない…………」
兄者さんの様子がおかしい。いや、元々か?
何かを呟きながらフラフラと近づいてくる兄者さん。
僕達の前で立ち止まり、そして――
しえ
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:41:28.72 ID:bLpctZav0
( *´_ゝ`)「 ┏┓ ┏┓ ┏┓ ┏┳┓
┏━━━┛┃┏┓ ┏━┛┗━┓ ┏┓ ┏┓ ┏┓┏━━┛┗┓┏┓┃┃┃
┗━┓┏━╋┛┗━┳┳┳╋━┓┏━╋━┛┗┳━┛┗┳━┛┗╋━┓ ┏┻┛┗┫┃┃
┃┃ ┗┓┏┓┃┃┃┣┓┃┃┏╋┓ ┏┻┓ ┏┻┓ ┏┛ ┃┃┃┏━┓┃┃┃
┃┃ ┃┃┗╋┻┛┃┃┃┃┃┣┛┃┃┏┛┃┃┏┛┃┃┏━┛┃┣╋━┛┣╋┫
┗┛ ┗┛ ┗━━┻┛┗┛┗┻━┻┛┗━┻┛┗━┻┛┗━━┻┛┗━━┻┻┛ 」
Σ (゚∀゚*;)「んなっ!!」
妙な奇声を発しながら、いきなりつーちゃんに抱きつこうとする兄者さん……もとい変態。
幸いなことに、咄嗟につーちゃんが振り上げた足がお腹に入り、変態は床に崩れ落ちた。
( *´_ゝ`)「ええいっ、まだだ!まだ終わらんよ!」
(゚∀゚*;)「うわっ、まだ来るのかよ!」
しかし変態の奇行は止まらない。床をズルズルと這いながら、距離を取ったつーちゃんを追う。
その動きはさながら生気を求めるゾンビの様であり、最高に気持ち悪かった。
( ФωФ)「おい、いい加減にしろ」
( ゚ _ゝ゚)「ティエレン!!」
親方が兄者さんの体を踏みつけ、動きを止める。
親方の勇気ある行動、僕は敬意を表します。
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:43:39.67 ID:bLpctZav0
もうすぐ日が暮れる時間帯。これからの客に備え、店では準備を進める。
つーちゃんはキュートちゃんからの用事を済ませた後、早めに帰宅してもらった。
いつ民奈組が来るかわからない今、なるべく被害にあう人は減らさないと……
( #)_ゝ`)「いや、だってツールヤさんそっくりの女の子が実際にいたんだぜ!?」
(`・ω・´)「親方ー、刻みネギの残量が少ないんですけど?」
( #)_ゝ`)「だからさ、オレはついに二次元に入れたのかと思ったんです」
( ФωФ)「そうだな、とりあえず十本ほどストックしてくれないか」
( #)_ゝ`)「ええ反省してます。全てはオレが悪かったんです」
(`・ω・´)「了解しました。あれ、メンマの瓶も予備がない……」
( #)_ゝ`)「だから椅子に縛り付けられた縄を解いてくれませんか?」
( ФωФ)「たしか裏の倉庫にあったはずだ。取ってこよう」
( #)_ゝ`)「あれ、ナチュラルにスルーされてる?もしかして」
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:45:25.01 ID:bLpctZav0
十分後、そこには元気に動き回る兄者さんの姿が!
( ´_ゝ`)「もうあんな危険なことはしないよ!」
( ФωФ)「まあ店内の椅子にずっと縛り付けとく訳にはいかんしな」
(`・ω・´)「お客さんが一人逃げていきましたもんね……」
( ´_ゝ`)「まあまあ、そう落ち込むな!何ならオレのセクシーボイスで客引きを―――」
( ФωФ)「今俺のそばには鉄鍋がある。コンロで熱くなったものだ。
もしかしたら、こいつが誰かの頭に落ちるかもしれんな」
そういいながら鉄鍋に手をかける親方。
(; ´_ゝ`)「すいませんでした!余計なことはしません!」
イライラが増えていく僕らとは裏腹に、民奈組からは何の動きも無い。
いい加減来るなら早くしてほしいんだけどな……
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:47:48.40 ID:bLpctZav0
結局その日も、店は平穏に終わる。
(´<_` )「荒巻さんは色々頑張ってますが、向こうとは連絡が取れません。
あれ以来、街中で連中を見たという報告もないですし……」
閉店後、弟者さんが経過報告のため、店にやってきた。
( ФωФ)「……やつらは諦めたかと思うか?」
(´<_` )「正直言って、それは無いと思います。ただ何時に来るかまでは……。
まあ相手との決着が着くまで、俺は貴方達を守りますから」
( ФωФ)「わざわざすまんな、俺なんかのために」
(´<_` )「いえ、荒巻さんからは全力で協力するよう依頼されてますし。
……何より俺は、ここのラーメンが好きなんです」
( #)_ゝ`)「ちょっと待った。『オレ達』だろ、そこは!」
ちなみに兄者さんの顔が腫れてるのは、つーちゃんの件が弟者さんにばれたからだ。
まあそれはともかく、親方は流石兄弟の発言を聞き、照れくさそうに答える。
( *ФωФ)「おいおい、そんなに褒めるなんて嬉しいじゃないか。
シャキン、まだ厨房の片付けは済んでないよな?」
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:50:13.89 ID:bLpctZav0
僕も弟者さんの話を聞いていたので、当然片付けはまだだ。
(`・ω・´)「はい、ないです!」
( ФωФ)「よし、なら醤油とネギ塩を作ってくれ。スペシャルでな」
(´<_` )「いや、別に俺たちは……」
( ФωФ)「なあに、気にするな」
( #)_ゝ`)「流石だぜ、杉浦さん!いっその事これからも只にs――」 メメタァッ!!
(´<_` ;)「出来の悪い兄ですいません。こいつの言うことは気にしないでください」
( #)_ゝ(#)「…………」
(; ФωФ)「あ、ああ。すまんが明日からも警備をよろしく頼むな!」
( #)_ゝ(#)「了解です!」(´<_` )
威勢よく答える流石兄弟。……兄者さんの声は聞き取り辛かったけどね。
スペシャルなラーメンを食べ終えた兄弟達は、そのまま帰っていった。
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:52:06.13 ID:bLpctZav0
この三日間はずっと親方の家にお世話になっていたのだが、
いい加減、家の様子も気になるので、今夜は帰宅することにした。
民奈組の影が全く見えない今、一晩位なら大丈夫だろう。
( ФωФ)「なあ、やっぱ今晩も泊まっていったほうが……」
(`・ω・´)「家を長く空ける準備をしないといけないですし……
まあ明日から長い間、また親方の家にお世話になりますしね。
じゃあ、気をつけてください」
( ФωФ)「それは俺の台詞だろ」
o川*゚ー゚)o「シャキンくん、背後に気をつけて帰るんだよ。
あとこれ……何かあったら紐を引っ張ってね」
そういって防犯ブザーを渡してくるキュートちゃん。
そういえば以前これで酷いイタズラをされたっけ……
(`・ω・´)「ありがとね。じゃあ親方にキュートちゃん、また明日」
( ФωФ)「おお、またな」
o川*゚ー゚)o「バイバーイ。気をつけてねー!」
店の横に置いている自転車に跨り、家路につく。
秋の夜は冷たく、そしてなんとなく物悲しかった。
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:52:57.64 ID:23XNcVCa0
これはなかなか・・・
支援
その日の深夜、僕は裏庭から聞こえる物音で目を覚ました。
誰かの大声、何かが割れる音、そして激しい打撃音。
慌てて飛び起き、枕元に置いておいたバットを持ち、裏庭に向かう。
裏庭を覗いた僕が見たものは、倒れた男と見知った人物だった。
ν(・ω・ν)「ああ、シャキン君。夜分遅くすまないね」
(;`・ω・)「ほわっちょさん!何があったのですか?」
手首を妙な形で構えてる人は、裏手の家にすむほわっちょさん。
確か何か変わった武術の使い手で、街中で道場を開いている。
ν(・ω・ν)「いや、先ほど君の家の方から何か物音がするのでね。
ふと見てみたら怪しい男が一人、君の家の裏口をゴソゴソと。
これは賊だと第六感が告げたので、我が手の錆にしてやったところだ。」
僕は倒れている男の顔を覗きこみ、そして驚愕した。
(;`・ω・)「こっ、この人は……」
ν(・ω・ν)「もしかして知り合い?」
(;`・ω・)「ほわっちょさん!その男を捕まえといてください!」
ν(・ω・;ν)「えっ、それは構わないが……」
僕は慌てて自転車に飛び乗り、めんま亭を目指す。
倒れていた男。それは先日のナイフ男だった。
伏線が・・・
支援
数時間前に通った道を、反対方向へ駆け抜ける。
途中あった信号は、全て無視して突っ切った。
車に轢かれそうにもなったが、なんとか切り抜ける。
足が重みを増し、思うように動かなくなる。
色々な心配や緊張により、頭がボンヤリしてくる。
心臓の鼓動が増し、口からは荒い息しか出てこなくなる。
駅前に近づくにつれ、僕の意識は薄くなっていった。
だから、最初はそれが何なのかがわからなかった。
街の灯りであると思い、意識に留めていなかった。
めんま亭がある通りまで来たとき、初めて僕は何が起こっているか気がつく。
信じられないまま、違うことを願いながら、店の前に進む。
しかし、僕の願いは叶うことが無かった。
親方の夢を叶えた場所、僕の夢を叶える場所。
そのめんま亭から、火の手が上がっていた。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:56:31.15 ID:Iv3sUP3q0
支援
あぁ・・・
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:57:58.86 ID:23XNcVCa0
支援
( ´∀`)「あれ、キミは確か……」
(・ω・´;)「親方ッ!キュートちゃん!」
(; ´∀`)「ちょっ、危ないモナ!」
店の前にいた近所の人を振り切り、中に飛び込む。
めんま亭の店内は、まだ火の手はない様だ。
少し安心しかけたが、キッチンを見たときに僕の足は止まった。
(; ФωФ)
親方がキッチンで座り込んでいる。
赤黒く染まる親方の右胸。
床には同じ色の水溜りが広がっていた。
(;`・ω・)「親方ッ、大丈夫ですか!」
(; ФωФ)「…………ああ、シャキンか」
言葉を喉から搾り出すように話す親方。
荒い息と共に、肩が上下に揺れている。
(; ФωФ)「……なんとかあいつらは追っ払ったんだが……」
(`・ω・´)「親方ッ、とりあえず外へ!」
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:58:31.61 ID:AhGntt1RO
なんと・・・支援
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:58:58.88 ID:E/bL/sqf0
おおぅ・・・支援
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 00:59:57.69 ID:Iv3sUP3q0
やーめーてー支援
(; ФωФ)「……事より…………トを……」
(;`・ω・)「何ですか、親方!?」
(; ω )「……俺は……かr……キュートを……」
(;`・ω・)「っ!でも親方は……」
(; ФωФ)「……俺はっ……大丈夫だっ!!」
壁に寄りかかりながら、強引に立ち上がる親方。
倒れそうになる体を、キッチンに手を着きバランスを保つ。
そのままゆっくりと外に向かって歩きながら、親方は言葉を発する。
(; ФωФ)「…………俺は一人で……外へ…………だから
……キュートを……連れ出して……無事に……」
(` ω ´)「っ……わかりました、親方」
いくら親方でも、あの傷で外まで歩けないだろう。
それよりキュートちゃんを早く助け出し、
それから親方を連れ出した方がいいはずだ。
僕は親方に背を向けて、居間に続く扉を見つめる。
半開きの扉の向こうでは、大きな炎が舞っていた。
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:01:40.39 ID:23XNcVCa0
支援
鍋に入っている水を頭から被り、濡れた布巾を口元に巻く。
炎で床が覆われた居間に突っ込み、一気に廊下まで駆け抜ける。
廊下はそれほど火の手が回ってなかったが、代わりに煙が充満していた。
なるべく姿勢を低くし、階段まで突き進んで行く。
階段を上がって行くにつれ、煙の濃度が増していく気がした。
熱と煙により目を開けるのが少し辛いが、我慢して突き進む。
『キュート』と書かれたプレートが貼られているドア。
ドアノブに手をかけるが、熱を持ったノブをつかめるはずも無く、慌てて手を離す。
上着を手に巻き、ノブを回す。しかし扉は何かに引っ掛ったように開かなかった。
一歩下がり、全体重を乗せて蹴りを入れる。
最初の数回は何の手ごたえもなかったが、段々とドアの揺れが増していく。
何度目の蹴りだろうか、ドアが大きく内側に弾け飛んだ。
部屋に入った僕が見たのは、倒れているキュートちゃんの姿だった。
まだ炎の姿はないが、部屋の中は薄い煙で覆われ、高い温度を持っている。
キュートちゃんはゆっくりと僕の方へ視線を向けてきた。
川*゚ -゚)「……シャキン……くん……」
(`・ω・´)「キュートちゃん!今は喋らなくていいから……」
川*゚ー゚)「本当に……来てくれた……」
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:03:34.12 ID:Iv3sUP3q0
しえん・・・
口に巻いていた布巾をキュートちゃんの口元に巻き直し、背中に担ぐ。
彼女は左手に何かを握り締めながら、右手を僕の首元に回して体を安定させる。
川* - )「……父さんは…………?」
(`・ω・´)「……親方は大丈夫だよ、きっと」
階段まで戻った僕を待っていたのは、階下を埋め尽くす炎の海だった。
(`・ω・´)「キュートちゃん、今から火の中を駆け抜けるけど……」
川* ー )「シャキンくんなら……大丈夫だから……」
階段を駆け下りるにつれ、高温を持った炎が体を舐めてくる。
キッチンで普段高温に慣れているとはいっても、今回は桁違いだ。
キュートちゃんを支える右腕を離さない、それだけを考える。
先ほどより勢いを増した炎の中を進むにつれ、段々意識が遠のいていく。
見慣れた家の変わり果てた姿、体中に伝わる熱、うっすらと聞こえてくるサイレン。
天井にまで届きそうな火に覆われた居間、そこに飛び込んでいく僕。
僕が覚えているのはそこまでだった。
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:05:29.56 ID:23XNcVCa0
しえん
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:05:52.56 ID:wcrJf0Bp0
支援
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:07:01.25 ID:bLpctZav0
(`・ω・´)「…………」
最初に目に入ったのは、白い天井だった。
左右を見てみると、薄い水色のカーテンと青空を移す窓。
そこで初めて、僕はベッドに横たわっていることに気がついた。
(;つ_ゝ‐)「……くっ、まだ俺は負けないぞ……」
ベッドの横から、眠たそうな声が聞こえてきた。
目を向けると、そこには船を漕ぎかけている兄者さんの姿がある。
やがて兄者さんは目を開いている僕に気がつき、一気に覚醒した。
(; ´_ゝ`)「ぬおおぉぉっっ!!目を覚ましたか!」
僕は返事を返そうとしたが、上手く声が出てこない。
兄者さんはそんな僕に手のひらを突き出し、声を張り上げた。
( ´_ゝ`)「ちょっとまってろよ!今ナースさんを呼ぶからな!」
高橋名人も顔負けのスピードで、コールボタンを連打する兄者さん。
舌打ちをしてコードに繋がったボタンを壁に叩き付けたあと、廊下に飛び出していった。
「ナースさーん!プリチーなナースさーーん!シャk……ぐふぉっ!!」
「廊下を走るんじゃねえ!あと大声で馬鹿なことを叫ぶな!」
看護師さんの怒声と打撃音、人が倒れる音が廊下から聞こえてくる。
その後なぜか見覚えのある看護師さんと共に、弟者さんが入ってきた。
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:07:07.85 ID:Iv3sUP3q0
支援
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:09:12.31 ID:bLpctZav0
弟者さんは部屋に入ると、僕の方を見ながら床に正座をする。
看護師さんと僕が驚く中、手のひらと頭を床に付け、声を張り上げた。
( <_ )「すまん!!俺たちが軽率だった!!」
看護師さんの制止の声を振り切り、何度も謝る弟者さん。
僕は深呼吸をし、声を絞り出す。
(;`・ω・)「……やめてくださいよ、弟者さん」
( <_ )「俺たちが甘かった!!」
(;`・ω・)「謝らなくていいですから、それより……」
( <_ )「何度謝っても足りない!俺があのとき――」
「いい加減にしやがれっ!!」
怒声と共に、弟者さんの頭に鉄拳が落ちる。
从#゚∀从「兄弟共々病院内で騒ぐんじゃねぇ!!こいつも困惑してんじゃねえか!」
看護師さんの言葉により、弟者さんの動きが止まる。
从#゚∀从「自己満足で謝る暇がある位なら、もっと他にすべきことがあるだろ!!
とりあえずしばらく表に出とけ!!いいって言うまで入るんじゃねーぞ!!」
看護師さんの言葉により、ゆっくりと立ち上がり出ていく弟者さん。
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:09:16.96 ID:Iv3sUP3q0
支援
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:10:04.18 ID:AhGntt1RO
支援
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:10:42.59 ID:Iv3sUP3q0
wktk支援
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:11:09.66 ID:23XNcVCa0
支援
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:11:57.65 ID:71cNYnP50
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:12:41.23 ID:bLpctZav0
从 ゚∀从「さてと……取り乱してすいませんでした、看護婦の長岡です。
とりあえずあなたの病状について説明します。まず――」
つらつらと火傷がどうとか言葉を重ねていく看護師さん。
わかったのは半日の間意識が無かったことと、後遺症などは無いこと。
それと後三日は入院しなくてはいけないことだ。
从 ゚∀从「――という感じです。他に何か聞きたいことはありますか?」
(`・ω・´)「あの、キュートちゃんと親方は……」
その質問をした途端、看護師さんの表情が明らかに曇る。
从;゚−从「その話は彼から聞いたほうが言いかと……」
そういって弟者さんを呼ぶ看護師さん。
さきほどのことが堪えているのか、弟者さんの表情は暗い。
(`・ω・´)「弟者さん、親方とキュートちゃんは……」
暗い表情のまま、弟者さんは口を開いた。
(´<_` )「…………ロマネスクさんは亡くなった」
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:13:51.55 ID:Tg4DD6zY0
( ´゚д゚`)えーーー
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:14:01.00 ID:AhGntt1RO
あぁぁ・・・支援
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:14:15.06 ID:Iv3sUP3q0
支援・・・・・・・
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:14:37.05 ID:bLpctZav0
流石兄弟が騒ぎを聞きつけてめんま亭に到着したのは、
僕が店内に入った五分ほど後だったらしい。
店の前まで自力で這い出してきた親方は、僕のためにこう言い残したらしい。
『俺にもしものことがあっても、復讐なんて考えるな。
それより自分の夢に向かって突き進んでくれ、それが俺の頼みだ』
兄者さんは周囲の反対を押し切って店の中に飛び込み、
ホールで倒れている僕とキュートちゃんを見つけ、店の外まで引き摺り出したそうだ。
その後僕らもこの病院に搬送されたが、そのとき流石兄弟に訃報が伝えられた。
死因は刺し傷による出血多量、正直病院に搬送されるまで生きていたのは奇跡だったらしい。
火をつけた民奈組は、その後二人ほど逮捕された。しかし主犯格は逃亡中らしい。
捕まった一人の証言によると、目的はキュートちゃんの誘拐。
しかし右胸を刺されてもなお暴れまわる親方により、計画は頓挫した。
苦し紛れに持っていた火炎瓶を家に投げ込み、逃亡したとのことだ。
(`・ω・´)「……そうだ、キュートちゃんは!?」
(´<_` )「ああ、彼女なら――」
廊下の方から、パタパタと足音が聞こえてくる。
やがて病院の室内着を着た少女が、入り口から顔を覗かせた。
o川*゚ー゚)o「シャキンくん、目を覚ましたんだね!」
支援
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:16:35.77 ID:23XNcVCa0
支援
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:16:50.60 ID:Iv3sUP3q0
おやかたああああああああああああああ
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:17:04.53 ID:bLpctZav0
(`・ω・´)「キュートちゃん、無事だったんだ!」
o川*゚ー゚)o「うん、シャキンくんのおかげだよ!
あと父さんと…………」
”父さん”の辺りで表情が曇る。
彼女は既に、親方のことを聞いているのだろう。
从 ゚∀从「彼女は特に火傷などもないので、今日中にも退院できます。
一応夕方まで様子を見る予定ですが……」
o川*゚ー゚)o「シャキンくん本当にありがとね!!
消防士の人も褒めてたらしいよ。
なんでも『He is CRAZY!』とか」
(;`・ω・)「キュートちゃん、それは褒め言葉じゃないよ」
o川;゚ー゚)o「そ、そうなの?それはともかく――」
明るく話を続けていくキュートちゃんだが、どことなく無理をしているようにも見える。
おそらく僕を励まそうとすると共に、僕に心配をかけさせないようにしているのだろう。
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:17:22.27 ID:AhGntt1RO
おおぅ・・・支援
支援
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:18:56.84 ID:X5JRirLe0
ここにきて支援
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:19:37.83 ID:bLpctZav0
僕達が話していると、入り口から人が入ってきた。
/ ,' 3「ホントにすまんかったのう、シャキン」
(`・ω・´)「荒巻さん……」
/ ,' 3「ワシが馬鹿じゃった、ホントに大馬鹿もんじゃ。
あんないいやつをつまらんことに巻き込んでしもうて……」
大声をあげながら泣き喚く荒巻さん。彼のそんな姿を見るのは初めてだった。
弟者さんのように土下座しようとするが、キュートちゃんにより止められる。
o川*゚ -゚)o「荒巻さん、そんなことをしてもシャキンくんは苦しむだけだよ……
……そういえば、シャキンくんが起きたら話があるって言ってたよね?」
/ ,' 3「おお、忘れるところじゃった。のお、シャキンにキュート。
二人には辛い話じゃろうが、すまんが聞いてくれんかのう」
看護師さんが退室していき、代わりに兄者さんが入ってくる。
顔が真っ赤に膨れ上がっているのは気のせいだろう。
それはともかく、五人そろった所で荒巻さんは口を開いた。
/ ,' 3「ワシはもう駅前の土地を渡して終わりにしようと思うたんじゃが、
生憎向こうはワシらを目の敵にしとるようなんじゃ」
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:21:25.28 ID:23XNcVCa0
F5連打している俺が支援
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:21:38.63 ID:bLpctZav0
(´<_` )「……民奈組二人の逮捕後、こんな手紙が荒巻邸に届けられた。
要約すると、『土地の譲渡に関係なく、荒巻家とめんま亭に報復する』だ」
そういいながら、筆で何か書かれた紙を見せてくる弟者さん。
(´<_` )「多分長い戦いになると思う。それこそ一年や二年じゃ済まないほどの……」
(`・ω・´)「大丈夫なんですか、こんなことになって」
( ´_ゝ`)「なあに、俺たちには広い人脈があるからな。
今も病院の周りはSPが見張ってるんだぜ!」
窓から外を見るが、とてもそんな風にはみえない。
兄者さん曰く、簡単にそれと分かるような人はSPになれないとか。
/ ,' 3「そんでのう、ワシらは民奈組と最後まで戦うつもりなんじゃが、
シャキンはどうするつもりなんじゃ?」
僕は親方の最後の言葉を思い出す。答えは決まっていた。
(`・ω・´)「なんとかめんま亭を復旧できませんかね?」
/ ,' 3「……そうか、まああんたならそうゆうじゃろうな。
今すぐは無理そうじゃが、必ずなんとかするけえの」
力強く答える荒巻さん。
/ ,' 3「さてと……ここからが本題なんじゃが」
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:21:44.96 ID:Iv3sUP3q0
寝るから最後の支援
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:23:09.68 ID:bLpctZav0
/ ,' 3「杉浦さんに頼まれとることがあってのう。
『キュートを絶対巻き込むな』ちゅうことなんじゃ」
o川*゚ー゚)o「えっ、父さんが……」
/ ,' 3「ワシの知り合いに外国を飛び回っとるやつがおっての。
そいつにキュートを任せようと思うんじゃが……」
o川;゚听)o「えっ?どういうことなの!?外国?」
(・ω・´;)「落ち着きなよ、キュートちゃん。
用はほとぼりが冷めるまでその人のお世話になる。
そういうことですよね、荒巻さん?」
荒巻さんから肯定の返事が返ってきたが、まだキュートちゃんは動揺している。
(`・ω・´)「キュートちゃん、外国に行ったら身の安全もまず保障されるんだよ。
それにこんな機会は滅多にないことだと思うし……」
o川;゚ー゚)o「だって、この町を出て行くなんて……
シャキンくんはどう思うの?」
(`・ω・´)「……それは僕も色々大変だろうとは思うけど、
何よりキュートちゃんの身の安全の方が……」
o川* ー )o「……シャキンくんがそう思うなら、私は――」
支援
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:25:25.42 ID:bLpctZav0
退院してから一週間の間、色々なことがあった。
僕も離れた県でラーメン屋の下積みをすることに決まり、
二十年慣れ親しんだこの町を離れることになった。
親方のお葬式は静かに行われた。
渡辺さんやフサさん、店によく来ていた常連さんも訪れ、
改めて親方の人徳がどれだけ素晴らしかったかを知った。
めんま亭は住居の一階がほぼ全焼。
近いうちに取り壊すことになるらしい。
僕の家も、空き家になることになってしまう。
家の中から使えそうなものを整理する、最近はそんな日々が続いていった。
そして今日はキュートちゃんが外国に行く日。
空港に向かうための急行電車を見送るため、駅で待っているところだ。
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:27:12.72 ID:bLpctZav0
o川*゚ー゚)o「……あと十分か」
(`・ω・´)「……そうだね」
( ・∀・)「シャキン君、まあ僕に任せてくれよ。
彼女の身の安全は保障する、絶対ね」
この人が海外を飛び回っているというモララーさん。
キュートちゃんがこれからお世話になる人だ。
( ・∀・)「……おっと、アレを買っておかないとな。
しばらく荷物を見ていてくれ」
そういいながら席を立つモララーさん。
去り際にキュートちゃんに目配せしたのは気のせいだろうか……
昼過ぎで閑散としたホーム、目の前を一羽の鳩がゆっくりと歩いていく。
鳩を見ながらこれからのことを考えていたとき、キュートちゃんが話しかけてきた。
o川*゚ー゚)o「あっ、あのね、シャキンくんはこれからどうするの?」
(`・ω・´)「昨日話したと思うんだけどな。とりあえず……」
県外行きのことを話そうとするが、キュートちゃんに遮られる。
o川*゚ー゚)o「いや、そういうのじゃなくてね。もっと将来とか人生的にどうするか……」
(・ω・´;)「将来的にか……とりあえず独立してめんま亭の再建かな」
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:28:54.73 ID:AhGntt1RO
あれ・・・?
モララー大丈夫か?
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:29:08.88 ID:bLpctZav0
o川*゚ー゚)o「……ねえ、私の誕生日にね、シャキンくんがした夢の話覚えてる?」
(`・ω・´)「うん、ちゃんと覚えているよ」
o川*゚ー゚)o「じゃあさ、私の提案も覚えているかな?」
(`・ω・´)「……たしか『両方夢を叶える』だったよね」
o川*゚ー゚)o「そうだよ、今こそ両方の夢を叶えるべきなんじゃないかな?」
……そうだな、それもいいかもな。
(`・ω・´)「分かった、約束するよ。両方の夢を叶える」
o川*^ー^)o「うん、約束だよ!」
(`・ω・´)「……そういえばさ、キュートちゃんの夢って ――『おー― いっ!キュー―!!』
突然聞こえてきた声により、会話が遮られる。
会話を遮った犯人は、僕達の目の前まで走ってきた。
(;*゚∀゚)「ま、間に合ったぜー……」
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:29:22.86 ID:23XNcVCa0
支援
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:30:06.61 ID:y3yusvDEO
しえ
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:31:25.48 ID:bLpctZav0
o川;゚听)o「つーちゃん、どうして!?」
(#*゚∀゚)「うるせぇ!急に今朝先生から知らされてよ!
代表で学校を抜け出したんだ!
せめて一言ぐらい言ってから行けよな!」
(;`・ω・)「つーちゃん、代表って……」
(*゚∀゚)「ほらよっ。クラスの思い、受け取りな!」
そういいながらキュートちゃんに何かを手渡す。
キュートちゃんがラッピングを剥がすと、中から色紙が出てきた。
o川*゚ー゚)o「これは……」
それはクラス全員からの寄せ書きだった。
小さな文字でびっしりと書かれた様々な言葉。
なんと裏面までカラフルに埋め尽くされている。
o川*;ー;)o「つーちゃん……それにみんな……」
(*つ∀;)「へっ、泣くんじゃねえよ!向こうでも元気でやれよな!」
二人が泣き止んだ辺りで、アナウンスが流れる。
時計を見ると、時間まで後五分を切っていた。
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:33:43.32 ID:jS1rG2wzO
私怨
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:34:35.28 ID:bLpctZav0
(*゚∀゚)「……そうだ、シャキンの兄貴にあのことは伝えたのか?」
o川;゚ -゚)o「いや、それはまだ……それに今からだと……」
僕に伝えること?一体何なのだろうか。
(*゚∀゚)「なんだよ、そんなのは関係ねぇじゃん!じゃあオレが伝えてやるよ。
いいか、キューはシャk ――o川;゚听)o「わーわー!!ストップストップ!!」
(;`・ω・)「一体伝えたいことって何なの?」
o川*゚ー゚)o「はぁ…………シャキンくん、耳を貸して」
(`・ω・´)「?何なんだい、一体……」
キュートちゃんの口元に耳を近づける。
――この時僕は、彼女の趣味を忘れていた――
「…………」o川川*‐)゚´;)「!!!!!!」
(*゚∀゚)=3「うおっ、さすがキュー!」
いきなり手を伸ばして、首を固定してきて、それで…………!!
……永遠とも思える時間が過ぎ、僕の頭と口は開放された。
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:36:46.18 ID:bLpctZav0
(*`//ω/)「なっ、なななっ、なななな」
o川*゚ー゚)o「……やっぱ、気がついてなかったんだね」
イタズラが成功したときのいつもの顔、
小悪魔的なあの笑みを浮かべ、言葉を続ける。
o川*゚ー゚)o「私、杉浦キュートは、ずっと前からシャキンくんが大好きです!」
(;`//ω/)「っうぇっ、そっ、それって!?」
o川*゚ー゚)o「……ねえ、シャキンくん。お願いがあるの」
(;`・ω・)「な、なんだい!?」
一瞬どんな無理難題を押し付けられるかと思い、少し身構えてしまう。
o川*゚ー゚)o「多分今の私じゃ恋愛対象にならないだろうから……
十年後、また告白していいですか?」
(;`・ω・)「えっ、いや、でも……」
o川*゚ー゚)o「……もしシャキンくんに好きな人が出来たら、私は諦めるよ。
でももし私を待っていてくれるなら……」
o川*^ー゚)o「十年後、きっと振り向かせて見せるよ。絶対にね」
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:37:17.57 ID:AhGntt1RO
伏線なら黒幕は・・・
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:37:39.60 ID:wcrJf0Bp0
支援
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:38:15.40 ID:bb9moJKA0
現代が20年後だったよなあ
……支援
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:38:40.16 ID:bLpctZav0
キュートちゃんのその言葉を待っていたかのように、モララーさんが戻ってきた。
( ・∀・)「いやー、アレを探すのに手間取ったよ……
じゃあいこうか、キュートちゃん」
o川*゚ー゚)o「あっ、最後に少しいいですか?」
( ・∀・)「……手短にね」
つーちゃんといくつか言葉を交わした後、僕の方を見つめるキュートちゃん。
o川*゚ー゚)o「シャキンくん、私の夢の一つはね、めんま亭に勤めること。
だから早くシャキンくんも夢を叶えてね。それと……」
キュートちゃんは、彼女がいつも着けているヘアゴムの片方に手をかける。
透明な水色の玉が付いた、年季の入ったもの。これはたしか……
o川*゚ー゚)「シャキンくんの始めての給料日に私が貰ったプレゼント。
……これを片方預かってて」
(`・ω・´)「えっ、いいのかい?」
o川*゚ー゚)「私のもう一つの夢、それはシャキンくんとまた暮らすこと。
それまでこれを大事に持っていてくれないかな?」
(`・ω・´)「……わかった、大事にしておくよ」
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:39:53.84 ID:WO+wJNwG0
支援
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:40:12.98 ID:bLpctZav0
ゆっくりと電車がホームに滑り込んできて、目の前に止まる。
モララーさんは荷物を抱え込み、先に中へ入っていった。
o川*゚ー゚)「……じゃあ、またね」
(`・ω・´)「うん。夢を叶えて待っているから!」
(*゚∀゚)「元気でやれよ!無事に帰ってこいよ!」
o川*゚ー゚)「絶対だよ。私も元気に頑張るから!」
車掌の笛が響き渡り、ドアがゆっくりと閉じていく。
ゆっくりと、だが確実に進んで行く電車。
キュートちゃんはこちらを見つめている。
そんな中、僕の足は自然に走り出していた。
大きく手を振り、叫びながら電車を追いかける。
(`・ω・´)「キュートちゃん!ずっと待っているから!」
(つω;´)「めんま亭を復活させて!バーも開いて!」
(`;ω;´)「だから、絶対に戻ってきてくれ!僕の元へ!」
o川*つー;)
ガラス越しに彼女が頷くのが、ちらりと見えた。
電車がどんどん離れていき、見えなくなっても僕は手を振り続けた。
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:40:47.24 ID:wcrJf0Bp0
・・・手じゃなかったのか
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:42:18.07 ID:WvJm1tv0O
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:42:48.95 ID:bLpctZav0
☆ ☆ ☆
(´ ω `)「……それが、私が見たキュートちゃんの最後の姿でした」
(;、; 川「えっ……最後ということは、つまり……」
日の光はほとんど落ち、オレンジ色だった空も大分薄れてきた。
伊藤は火事の件辺りから、たびたび涙を流している。
何度かショボンは話を中断しようとするが、伊藤は気にせず続けるように促していた。
(´・ω・`)「ええ、それ以来彼女とは会っていません。
最初の数年は荒巻さん経由で手紙が送られてきたのですが……
あるときを境にパッタリと途切れてしまいました」
(;、⊂川「……その後、あなたはどうしたのですか?」
(´・ω・`)「荒巻さんから新しい戸籍を手に入れてもらい、ラーメン屋に弟子入りしました。
それと共にバーの勉強も本格的に始めて……」
('、`*川「そうですか、それで名前が……」
(´・ω・`)「荒巻さんと民奈組ですが、事件から五年後に荒巻さんが老衰で亡くなられました。
それで彼女との繋がりが完全に絶たれてしまって……
民奈組は流石兄弟の苦労が実り、今から十年ほど前に解体、消滅しました」
('、`*川「その後彼女と連絡は取れなかったのですか?
たとえばそのモララーさんに連絡を取るとか……」
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:45:34.10 ID:bLpctZav0
(´・ω・`)「私もあらゆる人脈を辿ったのですが……荒巻さんの情報操作には敵いませんでした。
なんとか五年ほど前にモララーさんとコンタクトが取れたのですが、
キュートちゃんが十八歳のときに離れ離れになったらしく…………」
('、`*川「…………ねえ、ショボンさん。今でも彼女を愛していますか?」
(´・ω・`)「……愛してないといえば、もちろん嘘になります。
未だに恋愛感情か、それとも家族愛なのか解りませんがね」
薄暗くなった公園を、外灯が照らし出す。
町の中心からは、六時を知らせる鐘の音が聞こえてきた。
('、`*川「ああ、そういえば肝心なことを聞き忘れましたね。
あなたの夢は叶いましたか?」
(´・ω・`)「まず一つ目の夢ですが、もうすぐ独立してもいいという話が出ています。
次に二つ目の夢ですが、数年前から深夜に小さなバーを開いています」
('、`*川「あら!じゃあ夢は全て叶ったのですか」
(´・ω・`)「……ただあの日に出来た三つ目の夢は叶いそうにはないですね」
そういって苦い表情を浮かべるショボン。
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:47:22.44 ID:bLpctZav0
('、`*川「やはり三つ目の夢とは……」
(´・ω・`)「ええ、『彼女と再会する』。それが自分の叶えるべき最後の夢です。
……ただもう半分諦めかけていますがね」
('、`;川「諦めちゃ駄目ですよ。この世界の何処かにいるはずです!」
(´・ω・`)「……ふふ、そうですね。とりあえず一つ目の夢、めんま亭の復活。
それが出来てから、必ず彼女を見つけ出しますよ!」
('、`*川「そうです、その意気込みです!」
(´・ω・`)「ありがとうございます、わざわざ勇気付けてくれて。
そうだ、せっかくなのでこれを見てください」
ショボンはポケットを漁り、丸まったハンカチを取り出す。
慎重にハンカチを開くと、中からやや薄汚れたヘアゴムが出てきた。
('、`*川「これが話に出ていた……」
(´・ω・`)「彼女が最後に残していった物、愛用だったヘアゴムです。
もっともゴムの部分は変質して、もう使い物になりませんが……」
('、`*川「なんか感動的ですね。それにまだ綺麗だし……」
確かにゴムの部分は長年の歳月により劣化していたが、
水色の玉は綺麗に磨かれ、今でも透明感を保っていた。
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:48:18.34 ID:rf1i92qL0
しえん
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:49:04.15 ID:bLpctZav0
ヘアゴムを大事に収めながら、ショボンは口を開いた。
(´・ω・`)「……さてと、これで私の話はおしまいです。
この後どうなされますか?」
('、`*川「うーん、私も話したいことがあったのですが、夜も遅くなりそうですし……」
(´・ω・`)「もしよろしければ、私のバーに来てみませんか?
お好きなお酒をサービスしますよ」
('、`*川「えっ、いいんですか?」
(´・ω・`)「ええ、どうせ趣味でやっている店ですし……
話したいことを話すには、ピッタリの所ですよ」
('、`*川「ではお言葉に甘えて……よろしくお願いしますね」
(´・ω・`)「大抵の人を満足させる自信はありますよ。
ところで伊藤さんはどんなお話を……」
('、`*川「……そうですねぇ、じゃあ同じく『夢』の話でもどうです?」
二人は立ち上がり、薄暗くなった公園を離れて行く。
「へえ、それは興味深い。ぜひ聞かせてください」
「ふふっ、心打たれる素敵な話をしますね!」
「ええ、バーのマスターとして、ゆっくりと聞かせてもらいますよ」
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:49:21.45 ID:X5JRirLe0
支援
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:50:38.20 ID:bLpctZav0
歩きながら、伊藤はポケットの中身をこっそりと握り締める。
その中身が放つ水色の輝きを、ショボンはまだ知らない。
――― (´・ω・`)ショボンが(`・ω・´)シャキンだった頃の話をするようです ―――
【終わり】
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:51:09.50 ID:WvJm1tv0O
おちんちんきもちいいお(´;ω;`)おちんちんきもちいいお
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:52:20.93 ID:V880d8qP0
スタンディングオべーション。
パチパチパチ
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:52:31.83 ID:23XNcVCa0
作者乙 なかなか良かった
感動した
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:53:02.21 ID:rf1i92qL0
乙
乙
面白かった
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:54:09.29 ID:bb9moJKA0
モララーは別に複線じゃなかったんだな
結構面白かった 乙
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:54:23.98 ID:Tg4DD6zY0
( ;∀;) イイハナシダッタナー
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:55:16.35 ID:WvJm1tv0O
95点
200点満点で
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:55:21.42 ID:X5JRirLe0
やっぱりそうだったか〜
良いハッピーエンド。
乙!
乙です。
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:55:36.73 ID:wcrJf0Bp0
乙
あの伝説の『o川*つー;)o』が再び見られるとはな・・・
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:56:26.60 ID:e5yQiRlvO
天才だ…
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:57:53.13 ID:X5JRirLe0
ところで
>>136の
>(´・ω・`)「荒巻さんから新しい戸籍を手に入れてもらい、ラーメン屋に弟子入りしました。
なぜ新しい戸籍を?
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 01:58:23.06 ID:KPu3SPjDO
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 02:01:21.94 ID:23XNcVCa0
>>155 民奈組の追っ手から身を隠すためじゃね?
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 02:02:21.94 ID:bLpctZav0
あとがきとか
この作品は、大昔に総合で貰ったお題で書いたものです。
お題は『画びょう』『忠誠心』『老いらくの恋(←使わないことにした)』でした。
軽い気持ちで書き始めたこの作品、色々反省するところが多かったです。
特に前半はもうちょい省いてもよかったんじゃないかとか、
親方をあんなことにする必要は無かったんじゃないかとか……
深夜まで付き合ってくれた皆ありがとう!
次は途中でつまらないと思わせない作品を作るぜ!
>>155 シャキンは平穏な暮らしを望んだため、荒巻さんが用意してくれたという感じです。
めんま亭のメンバーもターゲットになっていましたし……
とここまで書いて、
>>157-159が答えてくれてるのに気付いた
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 02:04:17.90 ID:Tg4DD6zY0
最初の話の続きを読んでみたい俺がいるw
乙
('、`*川は(´・ω・`)と話すまで気づかなかったの?
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 02:07:33.76 ID:X5JRirLe0
>>157-160 d
なるほどね。そういやそうだった。
ただ仕方がないとはいえ、戸籍の偽造・偽装なんていう
それこそヤクザ的な方法を使ったのは、多少残念な気がする…
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 02:08:07.43 ID:23XNcVCa0
眠いのに寝れなくした
>>1を怨みつつ寝るぜww
作者乙 次回作も期待してる おやすみ
ノシ
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 02:09:06.99 ID:AhGntt1RO
乙
小説スレで唯一の神スレだった
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 02:11:01.90 ID:i66WabM2O
>>1 久々に感動した!!
エピローグ読んでみたいです
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 02:12:07.09 ID:AhGntt1RO
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 02:12:50.55 ID:X5JRirLe0
エピローグ!エピローグ!
さすがにうざいかww
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 02:15:26.87 ID:i66WabM2O
今世紀もっとも落としたくないスレ
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 02:15:39.86 ID:AhGntt1RO
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 02:20:46.50 ID:bLpctZav0
>>161 スレ立てるときに注意事項から書くのもなー……
↓
じゃあ面白そうな出だしで釣るか!
という感じでさっと書き上げたものなので、残念ながら続きはありません。
正直やらなきゃよかったと後悔しています。
>>162 その通りです。……としか言えません。
>>166-168,170
予想外の反響で驚いた。
うーん、これ以上付け足すのもなぁ……
正直何を足しても蛇足な気がする……
それではまた次回作で!
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 02:24:46.24 ID:94aEJiPgO
乙っした!!!
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 02:31:59.82 ID:pG+0lNtYO
これはいい乙
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 02:57:08.02 ID:42oGO9VBO
酸素
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 03:22:21.28 ID:f/KrCPPGO
あ
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 03:38:36.08 ID:jaxZsatvO
よむ
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 04:19:01.37 ID:/O1fnoCm0
おつー結構面白かった
100点満点で70点くらいかなあ
親方は死ななくてもっていうかもうちょっと自然に巻き込まれる感じが欲しいような
親方もワンパンで全部狂ったのって何か悲しいな、それが現実でもあるんだけどさ
ってそのあたりは作者さんも気にしていたみたいなので次に期待
おつかれさまー
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 07:03:01.60 ID:Zax7Wpvn0
ほ
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 07:26:53.43 ID:g5PeJ7tn0
乙でした
終わり方が綺麗で良い
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 07:36:00.90 ID:y2HfkM1fO
ヌーブラやっほー(・∀・)
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 07:48:14.87 ID:98QsUCgA0
>>22 >泣いてる兄者さん
メソメソ泣いてるのか
かわゆすなぁ
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 08:16:38.02 ID:uQ+L/DgcO
乙
俺は100点満点で85点くらいかな?
久々にかなりの良作を見たような気がする
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 09:03:48.32 ID:Zax7Wpvn0
ほ
超絶乙
かなりの良作に感動した!
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 09:50:08.81 ID:uvKAFIXlO
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 09:55:11.73 ID:AsBNLGG9O
点数つけてる奴全員表へ出ろ
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 09:56:07.04 ID:E+jX5DtwO
乙です
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 10:43:27.17 ID:efWOENsJO
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 10:52:23.36 ID:e5yQiRlvO
あげとくか
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 11:35:26.86 ID:TzYTnSfE0
面白いけど神って程じゃないだろ……
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 11:38:35.19 ID:kWifNU9cO
いいな
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 11:39:00.28 ID:pG+0lNtYO
感性
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 12:25:36.63 ID:vOzatcb4O
帰ってから読むか
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 13:09:22.67 ID:Q1KaPV/y0
序盤のだるさが無ければ良作
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 13:13:12.04 ID:vA0tVZ6PO
ゆとりがいっぱいいたと聞いて
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 13:37:44.47 ID:hp7/N1Tc0
騒いでるのって殆ど携帯か……死ねよ。
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 13:56:16.54 ID:OPh1EoKNO
ほ
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 14:00:23.49 ID:/iqlyv6I0
この作品は騒ぐほど良作でもないね
普通だと思う
ただ、安定してるから練りこんだ長編とか書いたらこの人は化けそうな感じがする
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 14:29:26.75 ID:yXSeUAmJO
後編の盛り上がりとラストがよかった
200 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 14:41:30.40 ID:NCLDPOFvO
わよむほ
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/11(日) 14:48:52.41 ID:Vj84zy1VO
ごちゃごちゃ言うから読者様って言われるんじゃないか。
202 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
うまうま