ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」
【保守間隔目安】 - 保持500ver
00:00〜02:00 15分
02:00〜06:00 30分
06:00〜12:00 60分
12:00〜16:00 40分
16:00〜18:00 20分
18:00〜21:00 15分
21:00〜24:00 10分
乙!
さてのんびり待つか。俺解釈の俺設定を。
乙!
だがもう就寝時間だから寝るぜ
後はよろしく
いちもつ
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 00:00:50.78 ID:181G71hY0
いちおつ
h
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 00:15:12.97 ID:eaf+h+TV0
保守
団結の人、投下ないのかな?
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 00:22:29.02 ID:lJsCbfIe0
保守
保守
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 00:36:29.30 ID:js6otMTh0
保守
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 00:46:24.14 ID:NJBMc8AY0
ほ
保守
ほしゅ
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 01:19:13.09 ID:181G71hY0
寝るほ
部室に戻った俺は、部室内を見渡して少し驚くこととなった。
「……長門は?」
パサリと機関誌を閉じた古泉はそれを机の上に置きやると、
「長門さんなら帰りましたよ。急に表情が固くなったような感じで、先に帰るからあなたによろしく、と僕に言い残してね」
両手を広げながらそう答えた古泉は、席を立って機関紙を手に取り、長門の本棚へと収納するために歩き出す。
「……珍しいな」
あいつがそんな行動をとるなんて思わなかった。まさか、俺と朝比奈さん(大)の会話が聞かれていたのだろうか。
「もしかしたら、俺のさっきの会話がショックだったのかも知れないな」
俺が複雑な表情を浮かべてそう呟くと、
「その会話とは多分……長門さんが起こした事件についてでは、と僕は推察するのですが」
「……何故お前が知ってる」
古泉はフッと微笑の息を漏らすと、
「いえ、勘ですよ。あの事件については僕も思うところがありましたので。その様子ですと当たりのようですね。是非詳しくお話を伺いたいものです」
ああ、嫌でも聞いてもらうぜ。事態はことのほか深刻でややこしいんだ。帰り道で歩きながら話すことにしようかね。
「そうしましょう。あと……」
古泉は胸ポケットから四つ折りにされた紙を取り出すと、
「これは先程、長門さんが書いた公理的集合論と次元理論についてのショートショートです。ちょっと読んでみてください」
「あいつはそんなもん書いてたのか。ポエムは出来たのか?」
……まあ長門が先に完成させちまったら、ハルヒが俺の背後霊になるのは必死だがな。うん、四六時中うなされそうだ。
「いえ……残念ですが、そちらはからっきしのようですね。僕も早く読みたいのですが」
肩をすくめる古泉をチラリと見ながら、俺は渡された紙を広げてそこに視線を落とす。書かれていたのは……
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 01:27:19.68 ID:8fvckzgO0
支援
《次元集合論と公理的集合論における公理系の見解に基づく物理法則の擬人的検証》
彼は大会で、全ての相手を倒し一位となった、つまり、チャンピオンなのだ。
人は彼の戦績を記録しようとしたが、『全ての選手達に勝った』という結果を纏めた記録方法は禁止されていた。
そこでツェルメロという者が、彼の戦績をまとめて記録しようと試みた。
しかし、そこでおかしな現象が起きてしまったのだ。※1
それは、数名の選手との戦いが記録されないという問題だった。
『これではいけない。では、『A選手にも勝っている』『B選手にも勝っている』などを付け加えよう』
そのようにツェルメロは記録しようとした。
だが、それにフランケルという人物が他にも付け加え、彼等は一つの提案をしたのだ。
『そうだ。『選手に勝った』という個人戦の結果を集めて、彼をチャンピオンとしようじゃないか』※2
そう。彼等のおかげで、彼はようやくチャンピオンになれるのだ。
彼は自分がチャンピオンになったことを人に話したが、その人は彼の話を信じない。その人はこう話す。
『キミは、自分が勝った試合の話しかしないじゃないか。それでは、キミが負けていないのかわからない』
その人は正しかった。ゆえに、彼は悩んだ。
なぜならば、人は彼の全ての戦いを知ることが出来ないため、彼は人に説明のしようがなかったのだ。
こうして彼は、自分がチャンピオンであるということを自分では証明出来なくなってしまったのである。
そして同じ頃、大会の主催者達も頭を悩ませていた。彼等はこう話す。
『X選手と彼が戦えば、結果はわからないというのがわかったんだ』
『Y選手と彼の戦いは、両方勝っているし、両方負けていたんだ』
『Z選手は、彼に勝つことが出来るんだ』
それらは矛盾していたが、その矛盾を証明することは不可能であった。
なぜなら、彼がチャンピオンであることが、誰にも証明出来ないのだから。
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 01:32:16.00 ID:9roCoWz2O
支援
「……古泉。どういうことだ?」
「なにがです?」
「俺はまだ途中までしか読んじゃいないが、何がなんだかさっぱりだ」
紙を覗き込んできた古泉に、俺が読み進んだ部分までを教えると、
「……ああ、ここは丁度公理的集合論の内容ですね。『彼』というのは物理法則を擬人化したものでしょう。
そして、選手が単体で出てくる二重カギカッコ内は、公理を抽象的に表したもので間違いないと思います」
うん、わからん。
「それと、この米印は注釈し易いように僕が書き加えました。つまりこの(※2)のように、公理……
そうですね、間違いのない確かな理論を集めて物理法則を考えようというのが公理的集合論なのです。
公理系はツェルメロとフランケルという実在の人物が整えたので、ZF公理系と呼ばれています。
それと僕には、この長門さんの物語以上に解り易く公理的集合論そのものについて説明することなど出来ません。
それこそ、あとは数理的な理論でご教授するしかありませんから」
「それは遠慮するが、(※1)はなんなんだ?」
「これは分出公理というものです。これについては、あなたが全部読み終えてからお話し致します」
「ふん。読むには読むが、べつに教えて貰いたくはねえな」
そう意地張りながら、俺は残った文章に目をはわせる作業へと戻った。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 01:34:51.24 ID:8fvckzgO0
支援
ある日のこと。
彼の前に、未来からの来訪者があらわれた。彼の者は話す。
『我々はついに、結果を纏めた記録方法を完成させた。その禁は解かれたのである。キミは、優勝者になったのだ』
そうして、彼はチャンピオンとなった。なぜなら、彼は優勝者なのだから。人は彼に聞く。
『キミはA選手に勝ったの?』
うん。
『B選手にも?』
もちろん。
『でも、C選手には勝てなかったでしょう』
僕はチャンピオンだから、勝っているのだ。
人は彼に尋ねる。そして彼は、真であることしか答えない。(※1)´
……そして読み終わり、そのまま暫く固まっていると、
「どうです?あなたの感想は」
古泉は嬉しそうな笑みを浮かべて質問し、
「……ある意味、これも幻想ホラーと呼べるんじゃねえか」
俺は手に持った紙を四つ折りの状態へと戻しながら、自分のポケットへと収める。古泉は、
「これは、流石長門さんと言うべきでしょうね。いや、内容を抜きにして、
この物語を彼女が書いたということについてです。公理的集合論などといった理論を人の言葉で表すというのは、
思念体には難しいことなのですよ。やはり、世界人仮説を解き明かせるのは長門さんをおいて他にはいません」
古泉が言いたいことは……わかる気がする。長門がこういった感じで理論を説明できるってのは、
あいつが人間的だからってことだ。だからこいつは嬉しそうなんだろうな。俺も、この物語の内容まで理解出来れば良いんだが。
「そうだな。それより古泉、なんで最後にまた(※1)が出てきてるんだ?」
「ええ、それは分出公理でもあるので、一応ダッシュをつけて書いてみました。
そして、未来人の到来以降が次元理論を表す内容なのですよ」
支援
「次元理論は分出公理ってやつなのか?」
古泉はコクリと頷き、
「ええ。まず分出公理というのは、理論の集合から公理を見出すということです。ですが、ツェルメロが構築した分出公理では
対の公理などといったものが分出不可なのです。なので、存在が判明している公理を集め、それを集合論にしようと作られたのが
公理的集合論であるわけです。……が、藤原さんは次元理論から分出される公理を使っていると言っていました。
つまり……次元理論というのは、未来で構築された分出公理であると考えられるのです。確かにその理論からは、
ZF公理系に選択公理といったものを含んだZFC公理系すべてが分出できるというのが判明しています。対の公理で言えば、
『線』と『面』という『時』の集合体が存在し、『線』と『面』の集合である『立方体』も存在するということですね」
「……ここには、藤原みたいにお前に答えるヤツはいないぜ」
「失敬。ですが、この理論は非常に面白いのです。もしこれを数理的に構築できたら、あらたな公理の存在が判明するのかも知れません。
実は僕の『機関』は、これの解析に全力を注いでいるのですが…………いえ、なんでもありません」
「なんでもないならさっさと学校を出ちまおう。正直、これ以上余計な話をしてる暇なんてないんだ」
そう、大人の朝比奈さんの話を早く伝えておいたほうがいい。長門には聞きたいこともあったんだが――。
今は……そっとしておいたほうが良いだろう。
そして俺は雨の降りしきる中、古泉と肩を並べて下校しながら、朝比奈さん(大)や朝比奈みゆき、
そして異世界の件について出来る限りの詳細をそのままを伝えた。それらを聞き進める度に古泉はなにやら
納得でもしたかのような相槌をうち、俺の話が終わりを迎えると、
「……どうやら、僕や『機関』が抱えていた疑念は、あまり良くない形で現存していたようですね」
「確か閉鎖空間がどうの、ハルヒが神だのと言ってたな」
「ええ、それです。……あなたは、ゲオルクによって提唱された連続体仮説というのをご存知ですか?」
なんか、お前が藤原と話してたときに言ってたな。どんなもんかは知らん。おかげであの時は置いてけぼりを食らってたよ。
「それは申し訳ありません。この仮説は、つまるところ時間平面理論なのですよ。ものの流れはアナログではなくデジタルな現象で、
1と2の間には何も存在しないという説です。実は、この命題は現代の数学上では証明が出来ないことが証明されている理論なのですが……
先程の長門さんの物語で言いますと、X選手にあたります。なので次元理論によると連続体仮説である時間平面理論、
つまりSTC理論は明確な『偽』になるのです。これはどういう事かといえば、このSTC理論に存在する矛盾が矛盾であると証明されたという話です」
「……必要なところだけ頼むよ。俺は理論なんかどうだっていいんだ。何がどうなのかってだけ分かればいい」
傘と雨音のせいで古泉の様子をうかがい知ることは出来ないが、多分微笑んでいる感じがする。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 01:44:26.00 ID:8fvckzgO0
支援
「まず物質的な世界というのは、選択公理によって作られていると考えられます。理論段階の世界の姿、『空の箱』を数理的に表せば……
驚くべきことですが、連続体力学の数式が導出されます。これはまさに歪みや物質の量の情報を扱う理論でしてね。そして選択公理というのは、
それぞれの集合体から取り出した形で様々な形を作れる、という公理です。これを次元理論に当てはめるならば、藤原さんが仰った通りに
『点』や『線』や『面』に歪みや質量を与えて僕達の世界は構成されているという話になります。
……が、実はこの選択公理の正体も、長門さんの物語のうちのZ選手に当たるんです」
そこら辺はたしか、矛盾してたやつらだったっけ。
「ってことは、選択公理ってのは矛盾してるんじゃないのか?」
「いえ……この公理は考えようによっては矛盾が発生してしまうというだけです。
最初からこの公理は真であると思われていましたしね。そしてこの選択公理が抱える矛盾こそが……異世界の発生に繋がっています」
「その公理じゃ、どんな矛盾が起きるんだ?」
「……選択公理では対象の集合体が無限集合だった場合、一つの物が全く同じ姿で二つに分かれてしまうという問題が発生してしまうんですよ。
蜜柑を二人で分けようとしたら、蜜柑が二つに増えてしまったという感じですね。少々違いますが、概ねそんな所です。そして、
現在の世界はSTC理論で構成されています。つまりこの世界は、『平方時間体』という『紙』の連続体に選択公理を当てはめて作られているのです。
STC理論での集合体は『紙』の無限集合のみです。つまり現在の時間連続体による世界では、世界が二つに分かれても決しておかしくはない。
例えば、『α世界』と『β世界』といった具合にね」
……まさに今起きてる現象じゃねえか。
「その通りです。今まで涼宮さんは、閉鎖空間を広げることによってこの世界を改変しようとしていました。
ですが、今回は世界自体を創出してしまった……先日の閉鎖空間の乱発は、新世界を創造するための演習だったのでしょう。
そして僕のような超能力者は異世界の存在を僅かながら感知していたために、ずっとやきもきした気持ちになっていたんだと思います。
……これは僕が、もしかしたらと考えていた事態でね。以前僕があなたに、涼宮さんが神になったのではないかなどと言っていたのはこれでした。
ですが、実際に世界を創出してしまっていたとは……本当に、杞憂で済んでいれば良かったと思いますよ」
……そういうことだったのか。だが、それにはまだ本質的な疑問が残ってるぜ。
「そうですね。恐らくそれが、異世界の問題を解消する鍵となるのでしょう」
そう言うと古泉は歩みを止め、傘で隠れていた顔を俺に見せながら、
試演
……と、支援ありがとうございました!今日はここまでで。すみません。
実は短くなったというより、長くなってしまったんですよね……。
今日改めて完成した分を読み返してみたら、公理的集合論を説明しておかないといけないと思ったので、
急遽長門のSSを付け加えたんです。この後半は完成した分を少しいじるだけなので、投下まで時間はかからないと思います。
ってか、もう理論的な部分は殆ど2章に詰め込んでおこうと思ってますw
2ヶ月間ずっとアリ地獄につかまってしまってる気分だ……。それではおやすみなさい。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 01:58:03.90 ID:8fvckzgO0
乙
正直頭の悪い自分には難しい内容だが
理解できるよう頑張ってみよう……
保守
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 02:15:05.22 ID:9roCoWz2O
乙です
良作の後に投下するのは気が引けるけど、落としていいですかい?
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 02:39:02.06 ID:9roCoWz2O
では投下させもらいます
昨日安価で迷惑かけた者です。
古泉と長門メインです
次から投下で
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 02:39:37.95 ID:9roCoWz2O
盤上には、俺と古泉の対局したという印がのこされている。
…とは言っても緑色に黒のラインが入った盤上は俺の支配下である黒一色で埋められているんだけどな。
「また負けてしまいました」
こいつは本当にやる気があるのか?オセロでパーフェクトってそんなに出来るモンじゃないぞ。
わざとやってるとしか思えん。
「そんな事を言われても、僕は真面目にやってこの結果なんですよ」
どうだか。とりあえず機嫌取っておいて神様に逆らわないようにしておいてあるだけな気がするけどな。
「…手厳しいですね。そう思うならもう一局どうです?」
片付け終えたコマを再び中央に四つ並べる。機嫌取りはともかく、ここで俺が拒否する理由は見当たらないので、
コマを摘もうとすると、長門が本を閉じた。
「残念ですね。今回こそは勝てる気がしたんですが…」
いつものニヤニヤで俺に語り掛ける。前も同じ事言ってた時に飛車角落とした俺に負けたのはどこのどいつだ?
「あれはちょっとしたミスですよ。それさえ無ければ…」
ハイハイ、言い訳なんか聞きたく無いからさっさと帰る事にするぞ。
何か言いたそうな古泉をスルーして、俺たちは揃って文芸部室を後にした。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 02:40:21.05 ID:9roCoWz2O
―――
マンションのドアの鍵を開いて、なだれ込むように寝室のベッドに倒れる。一度起き上がって、
ブレザーをハンガーに掛けてから、ベッドに腰掛けてそれからまたズルズルと倒れていく。
腕を横に伸ばして白い板が組み合わせられた天井を眺める。
なぜ勝てないんだろう…
自慢ではないが、僕は彼に勉強について劣っている気はしない。
だったらポーカーのような運に左右されるのは負けても仕方ないけど、
将棋のような自分で戦法を組み立てていくような物まで負けてしまうのはどういう事だ?
まさか涼宮さんが力を…とここまで考えて僕は首を振った。彼女は暇潰しのゲームの内容を気にするようなタイプでは無いんだ。
多分、戦略を立てるのが上手いのと、僕との勝負で無意識に癖を見抜いたりしているんだろう。
僕は起き上がって着替えようとした時だった。けたたましい音と共に振動が伝わり、電話が掛かっているという内容を表す。
音楽のパターンから機関からの呼び出しでない事に一息ついて、僕は携帯を開く。
発信の相手は…長門さん?なぜ今この時間に?僕はあらゆる疑問と不安を抱えながら電話に出る。
「…もしもし」
「古泉一樹…」
「どうしたんですか、長門さんが僕に電話を掛けてくるとは珍しいですね」
不安からかやけに饒舌だ。自然に振る舞おうとすればするほど、ボロが出そうだ。
「私はあなたに訊きたい事がある」
「本当ですか?僕で良ければいくらでも話して下さい」
物事について知りたいときに相談するような人ではないから一瞬戸惑ったが、一般的な返答をした。
それ以前に、長門さんに分からない事があるとは思えないけど…
「分かった。では場所を指定して欲しい」
「場所ですか…あの、僕のマンションでいいでしょうか?」
「了解した。今からそちらに向かう。インターホンを鳴らしたら、応対して欲しい」
「えぇ、わか…」
ピーンポーン
…向かうと言ってから一秒弱ですかね。来たことない僕のマンションが分かって、
尚且つ暗証番号を入れなければ入れない正面玄関を通り過ぎる事が出来るのは、
僕の交友関係では長門さんだけですね。長門さんなら僕の部屋にちょこんと座っておく事も出来ると思いますが、
あえてそれをしないのは、長門さんなりの優しさなのでしょう。
僕は寝室から出てドアを開きに向かった。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 02:42:15.02 ID:AnrVq+fR0
支援
ドアを開くと、案の定と言うべきか、制服姿のまま立っている長門さんがいた。
「あがって下さい。今なにか持ってきますから」
「…おかまいなく」
僕は長門さんを一旦リビングに誘導してから、ティーカップとポットを持って再度リビングに向かった。
長門さんは椅子に座って僕が来るのを待っていてくれたようだった。まぁ、僕以外にはここには誰も来ませんしね。
僕が注いだ紅茶を渡すと、長門さんカップを手にとって、まず香りを楽しんでから、ゆっくりと味わうように飲んでくれた。
紅茶は機関から一級品が支給されるけど、朝比奈さんのように美味しく煎れられないから適当に飲んでくれていいのに…
「それでなんですが、訊きたい事というのは?」
手に取っていたカップを皿の上において、口を開いた。
「実は…」
「……」
「まだ話すべき時間になっていない。よって、夕食を取るのを推奨する」
「…はぁ」
だったらなぜ帰ってからすぐに僕に電話したんだろうか?仮に僕が夕飯を食べたかどうか分からないにせよ、
一、二時間ぐらい時間を開けてから電話した方がいいと筈なのに…
まぁいいか、たまには二人で夕飯を食べるのもいいだろう。
「では長門さん、二人でどこかに食べに行きませんか?」
「断る」
まさかこの状態で断わられるとは思っていなかった。結構ショックだ…
「二人で食べに行くのは同意するが、外食するのは推奨しない」
「何故ですか?」
長門さんは立ち上がって、真剣な目を僕に向けたまま口を開いた。
「私と古泉一樹が共に食事に行ける範囲で、カレー屋が存在しない」
僕は聞き終わった当初、理解出来なかった。数秒後理解して、なんともいえない脱力感が襲ってきた。
「よって、私がカレーを作る」
気が抜けた状態が続いていたから聞き逃しそうになったが、内容はわかった。
「ですが…冷蔵庫にはカレーの材料になるものがありませんよ」
「心配はいらない。情報操作は得意」
訳が分からないまま台所に連れていくと、なんと冷蔵庫の中には必要な材料一式が揃っていた。
カレー一つの為にここまでするとは…
「これだけあれば十分ですね。じゃあ僕も手伝いますよ」
すると、長門さんの右手が僕に静止をかけた。
「私のカレー作りに手出しはさせない!」
…なんで目が据わっているんだろう。正直言って神人の十倍怖い。
「じゃあ、僕はサラダを作るのを手伝いますよ。それならカレーに関係ないから構いませんよね」
これを言っている時には、もうあまり手伝う気が無かった。…あまりに長門さんが怖かったから、逃走したかったからだ。
「それも許さない。カレーに合うサラダを作らなければ、カレーを作ったとは言えない」
僕の家なのに、長門さんが実権を握っているのに不自然さを感じられなかった。
「わかりました。ではよろしくお願いします」
「三秒間待っていて」
カップ麺すらを作れない時間でカレーを作る事が出来るだろうか?大抵の人ならお湯を沸かす事も出来ずに終わるだろうとだろうけど、
長門さんはそれを市販されているカレーのルーさえも使わずにやってのけた。
もしかしたら使ってるのかもしれないが、目の前で見ていた僕の動体視力ではわからない。
それに、カレーに執着していた長門さんが市販のルーを使うなどという事をする筈がないと思うし…
「出来た」
長門さんはカレーを皿に盛り付けて、二つの皿を持ったまま、キッチンとリビングの間を三度往復する。
二回目にはサラダ、三回目にはスープ、水のペットボトル、スプーンを持っていた。後半二回の荷物の割合がおかしいと思った。
それでも、長門さんは僕の為にも作ってくれたんだから、いただくとしよう。
僕が席に着く頃には、コップには水が注いであり、長門さんは姿勢良く正面を向いていた。
「それでは、そろそろいただきましょうか」
「…同意する」
「では」
「「いただきます」」
僕と長門さんの声がシンクロするなんて事が起こるとは想像すらした事も無かった。
僕は目の前に置かれたカレーを掬って、ライスと混ざったルーを舌の上に落とした。
………美味い!
「すごく美味しいですよ。どうやって作ったんですか?」
「あなたは私が作る過程を見ていた筈。よって、説明する必要はないと判断する」
あんなハイスピードでやった超魔術のような物を理解できる人はいないと思うけれど、
僕はそれに相槌を打って、カレーを頬張り続けた。
時々サラダやスープにも手を付けてみたが、これまた絶品で、丸々ペロリと平らげてしまった。
こんなに夕飯をたくさん食べたのは久しぶりだ。まさかカレーを三杯も食べるとは…
長門さんは楽に十杯は食べていたような気がするけど忘れた。そういえば米何合炊いたんだろう…
僕は食器を重ねて台所へと向かった。
スポンジを手に取り水で湿らせた後に、洗剤を垂らす。そして、サラダのドレッシングが残っていた皿を手に取ったとき、
僕の肩を長門さんがたたいた。
「何をしている?」
「見ての通り食器を洗おうとしているんですよ。
ちょっと前に食器洗い器の調子が悪くなったので、自分で洗わないといけないんです」
「…理解した」
長門さんとの会話を一段落させて、もう一度食器を洗い始めようとすると、
カレーのルーがこびりついていた筈の皿は、ピカピカに輝いた状態に変身を遂げていた。
「これで貴方は食器を洗う必要がなくなった。
よって私の相談を聞いて欲しい」
そういえば、長門さんは僕に相談する為にわざわざ僕のマンションまで来たんだ。
そうでなければ、夕食のカレーを作ってくれたりはしないだろう。危うく本題を忘れる所だった。
僕はこういう時にダメだ。
「わかりました。是非話して下さい」
しかし、一体何についてだろうか?
恐らく涼宮さん関連だろうけど、最近は閉鎖空間も発生してない上に、彼との仲も進展しているようだから、
僕としては万々歳なのだけど、長門さんの組織としては何か面白くない事があったんだろうか…
僕は神経を尖らせて長門さんの問いを聞いた。
「女にとっての‘辱め’とは何?」
「え?」
集中していたのだけど、一気にどこからから力が抜けていくようだった。
そんな僕の様子を知ってか知らずか、長門さんは続ける
「私が読んだ小説によると、未婚の女は男と一夜を過ごすと辱めを受けた事になるらしい。
よって、私は古泉一樹と一夜を過ごす事により、辱めを受けたと感じるかどうかを試してみたい」
どこから説明すればいいんだ。…あまり気が乗らないけど、最初に直接的な事を聞いておこう。
「長門さん、男と女が一夜を過ごすという事の意味をご存知ですか?」
「知っている。この場合であれば、古泉一樹の勃起したペニ」
「知っているのが分かれば十分ですから、それ以上は言わない下さい!」
まさか僕の名を使って説明をするは思わなかった。
「質問を変えましょう。
何故長門さんは辱めを受けたいと感じているのですか?」
聞く人が聞いたら、立派なセクハラだな。それは長門さんにも共通してるけど…
「私は別に羞恥心を感じたいとは思っていない。感情という物が芽生えたかどうかを確認したいだけ。
彼曰く、最近の私は人間味が増してきたらしい」
「だったら、その相談は彼にした方がいいのでは?」
支援
「それは推奨しない」
「何故ですか?」
「彼は物事の異変に気付く能力は優れているが、それによって生じた問題の解決の仕方を理解していない」
「…そうなんですか」
「そう。涼宮ハルヒに話すのは論外であり、朝比奈みくるは物事をかきまわすだけ」
「そういう言い方は朝比奈さんに失礼かと」
僕は彼ほど朝比奈さんに肩入れしていないが、一応は上級生として、
そしてSOS団員として彼女に交友があるため、長門さんの言い方が酌に触った。
「別に私は朝比奈みくるが無能だと言っているのではない。むしろ彼女がいるおかげで、
彼がSOS団に存在しようという思いを増幅させているし、涼宮ハルヒも彼女がいる場合の方が、
精神が安定する傾向にある」
「そうでしたか。話を反らしてしまい失礼しました」
「構わない」
少しの間沈黙が流れる。これが不思議探索の時にペアになった時だったら、
取るに足らない話をするんだろうけど、状況が状況だからそんな話をする必要はない。
「そう言えば、長門さんは感情の有無の確認をしたいんですよね?」
「…そう」
「だったら、もし感情があるという結果が出た場合の時の為に、違う感情の方がいいですよ」
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 02:57:33.25 ID:eaf+h+TV0
支援
しえん
それだけ僕が言うと、長門さんはまた黙ってしまった。二度目の沈黙はすぐに終わった。
「…私は嘘をついた」
「どういう事です?」
もしや、感情が生まれたかどうかというの自体が嘘なのでは…
「実は私はすでに感情のような物を理解しつつある」
「では、なぜそんな嘘をついたんですか?」
本当に理解に苦しむ。普段の長門さんの考えを理解するのすら困難だというのに、嘘をつかれたら、僕の能力では追いつけないであろう。
すると、長門さんは僕が頭の片隅にすら置いた事のない言葉を発した。
「それは…
私という個体が古泉一樹に対して好意を抱いている可能性が高いから」
「それは、えっと…」
「私が思っている感情と、古泉一樹の思っている感情の概念は異なっているかもしれないが、これは私個体の感情」
部屋の中の温度が急激に変化したような感覚を覚える。背中から何滴も冷や汗が流れているようだ。
…僕は長門さんの事を嫌っているわけではない。
寧ろ、先ほど例に出した朝比奈さんと同じように、どちらかと言えば交友を深く持ちたいとも思っている。
しかし、それは男女の観点を無視したから生まれた物で、長門さんを異性として意識しなかったからそういう風に思ったのだ。
支援
それなのに、何故長門さんが…
「古泉一樹」
ぼーっと考えを巡らせていると、長門さんが唐突に声を出した。
「はい、なんで…」
首の辺りに、か細い腕が二本巻き付けられる。その温度は暖かく、
吐く息が肌をかする度に僕の頬は赤く染まっていった。
さっきまで対の状態で座っていた筈の長門さんは、僕が意識を飛ばしている間に後ろに回り込んでいたようだ。
「長門…さん?」
声を出せたのは長門さんが息を何回吐いた後だろうか…
それに気付いた長門さんは
「もっとこうしていたい…ダメ?」
おそらくはいつもの淡々とした声なのだろう。しかし、僕の心的状況の変化のせいで、
長門さんの声がいつもより女性らしさを感じさせて、ある種の妖艶さも含んでいるように感じた。
そして僕は無言で頷いて、長門さんの体温を肌で感じた。
しえん
―――
あの日から早くも一月経つが、周りから僕らが変わったと言った意見は今のところ聞いていない。
あの日もあれ以上の発展は無かったし、一月過ぎた今も発展していない。
けど、僕と長門さんは変わった。交際しているわけではないし、
第三者から見れば同じ部活仲間ぐらいに見られるだけだろうと思う。
じゃあなにが変わったかというと、それは…
「…古泉一樹、何を考えている?」
「ちょっと前の事を思い出していただけですよ」
「早く食べるのを推奨する。カレーが冷める」
「わかりました」
長門さんがたまに僕の家に夕食(カレー限定)を作りにくるようになった事だ。
fin
スマン
安価で散々迷惑かけた挙句、ギャグなのかシュールなのかわからないような物を書いてしまいました。
ROMって勉強しなおします
ではノシ
乙です!
古長好きだから良かったよ
なんというカレー奉行っぷりwww
しかし長門、大胆だな……
こりゃあ思念体主流派は毎日枕を濡らしている事だろう。
GJ!
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 03:40:09.62 ID:QWI8PwGfO
jp
保守保守
保守
ほ
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 06:06:02.82 ID:IZ5coqVKO
ほ
保守
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 06:48:12.76 ID:KqMb/ezx0
ほ
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 07:03:18.19 ID:181G71hY0
起きた保守
団結の人も古長の人もGJ!
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 07:29:59.58 ID:EPtMjgI10
保守
69 :
みるく ◆MILKELR6d6 :2008/04/29(火) 08:04:14.95 ID:AOZb0XUnO BE:2013811889-DIA(121555) 株優プチ(news4vip)
て
70 :
みるく ◆Milk...huc :2008/04/29(火) 08:11:03.89 ID:AOZb0XUnO BE:895028148-DIA(121555) 株優プチ(news4vip)
げ
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 08:17:16.36 ID:AOZb0XUnQ
優待じゃねーじゃねーかww
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 08:34:03.26 ID:KqMb/ezx0
jp
朝から重いの投下。
携帯から初だから改行変な風になってるかもしれません。
古泉メインなのに軽く空気。
74 :
少年は恋をした:2008/04/29(火) 08:53:03.48 ID:kDjPzhs1O
「古泉くん?」
ハルヒは困惑した様に自分よりも頭一つ高い古泉の顔を見上げた。
その表情はどこか拒絶する様な、そうだ。いつだったかあの灰色の世界のハルヒの顔に似ている様な気がしないでもない。
古泉はそんなハルヒにいつもの胡散臭い笑顔とは違う、幼い頃から可愛がってきた猫を見るような目で優しく微笑みかけて抱き締めた。
『少年は恋をしていた』
「一体何をしてるんだ」
声が震える。胃が縮むような思いさえ感じる。
まるでドッキリバンジージャンプを今まさに聞かされたようなそんな感じだ。
今、俺がどんな顔をしているかは全くもって見当がつかないが、俺を見たハルヒがビクリと肩をすくめたのだけは分かった。
イヤイヤするように古泉の腕から逃げようと身じろぐ。
しかし、古泉はそんなことでは離すつもりは毛頭無いらしく腕をガッチリとハルヒの腰をホールドしたまま動かない。
いくらハルヒが信じられない程の馬鹿力だとしても本気を出した男に勝てるはずが無いのだ。
そう、ハルヒは神でも何でもない只の女の子なんだよ。
それを見て俺の心はまた言い知れぬモヤモヤで満たされる。
朝比奈さんはと言うと部室専用のメイド服に身を包んだままお盆を握りしめてうつ向いている。
震えているのは泣いているからだろう。時々漏れる阿咽が部室に木霊する。
長門は分厚いハードカバーを開いたままじっとその無機質な瞳で古泉を見つめていた。
その表情がほんの1ミクロンだけ悲しそうに歪んでいるのは気のせいでは無いはずだ。
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 08:59:11.78 ID:6V090yGOO
支援
気まずい沈黙が目の前を横切っていく。
一体何が起こったのかって?
まず俺が聞きたいくらいだ。俺にだって全く分からないのだからな。
掃除当番を谷口に押し付けられて遅れてやって来たら古泉とハルヒが見つめ合っていて、冒頭に至る。
至ってシンプル。否、シンプル過ぎて話が見えない。笑えない。ここは大笑いすべきところのはずなのに全くもって笑えないのは何でだろうね。ハハ。
「申し訳ありませんでした、涼宮さん」
沈黙を破ったのはハルヒの怒鳴り声でも無く、朝比奈さんの悲鳴でも無く、長門の本を閉じる音でも無かった。
もちろん俺でもない。俺はと言うと「一体何をしてるんだ」と言っただけでいっぱいいっぱいで、息をするにも辛い状況だ。
肺に回りきれてない息がヒューヒューと鼻から漏れる位だからな。
と、すると誰か。
まあ説明するまでも無いだろう。
古泉だ。
古泉はハルヒの髪に埋めていた顔をゆっくりと上げて、腰に回していた手を肩に置いて言った。
その瞳はどこか寂しげに揺れていて、俺は何故か胃が口から飛び出しそうなそんな吐気を覚える。
ハルヒが恐る恐る古泉の頭に手を伸ばし、その色素の薄い髪を細い指ですいた。
「ごめんね」
その声は意外にも凛としていて、胸が詰まった。
だんだんと二人の顔が近付いていく。
ハルヒがその長い睫毛を伏せる。
そして古泉の瞼もそれに習う様に閉じられた。
キス、するのか。
俺は何故かあの灰色の世界でのハルヒを再び思い出して顔を背け、そのまま部室を後にした。
春とはいえまだ風は冷たい。
屋上のフェンスに身体を預けて空を仰ぎ見る。
楽しかった高校生活も後わずか。
この一年だってまあそれなりだったさ。
朝比奈さんのお姿を特別出勤デーの火曜日にしか見れなかったにも関わらず、ハルヒ大先生の教えを受けながら必死で勉強し、何とか第一志望の中堅私立に滑りこむことが出来たしな。
あの頃のような滅茶苦茶は無かった。けれどあの5人であの空間いれた。
それだけで十分だった。
正直、何か物足りなかった気がしていたのは事実だった。
それはハルヒの力が消えてあのハチャメチャ空間も只の部室棟の一部屋になったからかもしれないし、受験勉強で専ら忙しかったからかもしれん。
「なんか、現実見せ付けられたって感じだな」
心に浮かんだことをそのまま口にしてみる。
分かってたさ。ずっとこのままではいられない。
卒業式はもう間近まで迫っている。
「幸せにして下さい、必ず」
俺が俺自身でハルヒを選んだ時の古泉を思い出す。
すまん、と頭を下げた俺の胸ぐらを掴んで怒鳴り散らしたあいつは初めてその拳を振り下ろした。
流石に6年間分の拳は重く、俺の心にのしかかった。
古泉が選んだのはハルヒだった。ハルヒが選んだのは俺だった。
俺は古泉の気持ちを知りながら、ハルヒを選んだ。
なあ、古泉。ハルヒのことは任せておけよ。
俺じゃ頼りないかもしれないけどさ。
俺はあのニヤケハンサムを思い浮かべる。
そして、その時ふと、あの憎らしいニヤケ顔が嫌いではなかったことに気が付いたんだ。
fin
途中でタイトルをやはり間違えました……
徳永verのハナミズキを聴きながら古泉の事を考えてたらいても立ってもいられず書きました。
そしてもっと精進します……
稚拙なものながら読んで下さった方々本当に有り難うございました。
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 09:29:35.13 ID:KqMb/ezx0
乙
相変わらず朝は過疎だな・・・
乙!
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 10:10:43.48 ID:9roCoWz2O
gj!
古泉好きには嬉しい流れだ
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 10:33:03.72 ID:KqMb/ezx0
ほ
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 10:46:13.37 ID:pmTis6/V0
保守
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 11:03:06.17 ID:+W7VhFY30
ずっと前に書いてそのままほっておいた奴。
いい機会なので投下します。
ハルヒのマン
90 :
キョンの溜息:2008/04/29(火) 11:05:02.35 ID:+W7VhFY30
「はぁ〜・・・。」
学校のある日の寝起きでため息をはく奴は、俺に限らずいくらかいるはずだ。
だが、今の俺のため息は体の中のすべてを吐き出さんばかりの勢いで吐き出される。
「頭イテェ〜よ・・・これが二日酔いか?」
そう、セリフのとおり酒を飲んでいた。そしてまたため息。
だがそれだけではない。いや、酒よりももっと深刻であり俺のはくため息の90%の割合をもつ原因。それは・・・
俺の部屋のベットで我がSOS団団長。涼宮ハルヒが寝ていることである。。。
「ったくどういう冗談だこれは・・・?」
はいここで3回目のため息。
この状況を詳しく説明するには昨日の文芸部での会話まで戻らなければならない。。。
------------------------------------------------------------------------------
キョンの溜息
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 11:08:38.40 ID:9roCoWz2O
支援
92 :
キョンの溜息:2008/04/29(火) 11:09:13.66 ID:+W7VhFY30
------------------------------------------------------------------------------
「はい、どうぞぉ〜」コトッ
ズズズゥゥ〜・・・フゥーッ
ふと朝比奈さんを見ると唇に人差し指をあてながら俺を見ている。
「おいしいです。ありがとう朝比奈さん。」
それを聞いた朝比奈さんはそりゃもうヒマワリが咲き乱れたような明るい明るい笑顔を俺に見せ、自分の席に戻っていった。
あぁ〜俺はこの笑顔を見るためだけに来ているといってもよい。ハルヒよ、朝比奈さんを連れてきてくれて、ありがとう。
ありがとうなんて言葉はありきたりだが今(心の中で)言ったありがとうには俺の心すべてがはいっているだろう。
だがこの幸せな空気がいつまでも続かないということは誰もが分かっているだろうが。。。
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 11:09:41.21 ID:lRCweDDEO
支援
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 11:13:52.77 ID:lRCweDDEO
しえん
95 :
キョンの溜息:2008/04/29(火) 11:14:47.81 ID:+W7VhFY30
バーーーーンッッ!!!!
「やっほー!!」
吹き飛ばんばかりの勢いで轟音と共にドアが開く。
マクドナルドの店員もびっくりのスマイルを披露し、ハルヒがずかずかと部室へ入ってきた。
「はぁ〜・・・」
このセリフは誰が言ったなんてのは言わなくていいだろう。
ちなみに長門はいつものように自分の席で本を読んでいる。 窓から降る日差しを受けて幻想的な雰囲気を醸し出している。
ん?古泉??しらねぇよ。一人オセロでもしてんじゃないの?
96 :
キョンの溜息:2008/04/29(火) 11:18:40.71 ID:+W7VhFY30
「キョン!!今日はあんたの家で飲み会よ!!!」金切り声が聞こえた。
はぁ〜?どいうこった??
「どうもこうもないわ!団長命令よ!!ほらみんな行くわよ!」
「おいおい、俺達まだ未成年だぞ!?そこらへんはどうなんだ??」
「ん〜いいんじゃないの?別に。」
ハルヒらしいといえばそうなのかもしれないが酒はどうなんだ?しかも俺の家って。。
「なによ!なんか文句ある?」
お前に対しての文句を箇条書きにしたら何行できるか数えようじゃないか。いやなんだったら何枚でもいいぞ。
「みくるちゃん!有希と古泉くんもいくわよ!」
前から思ってたがお前はほんとに俺の話はきかないんだなぁ〜、もう少し素直に聞けないか?だいt(ry
俺はなにをやってんだか・・・とうとう家の前まで来てしまった。
隣で満面の笑みの団長と後ろには朝比奈さん、長門。あっ、あと古泉。
「ひどいですね。」 何故きこえたっ!!?
「私にはあなたの心はおみとu(ryhvibh」
両手にぶら下げた買い物袋には大量の酒。大体店の人もよく売ってくれたよな。おい、古泉お前もも・・・っと心を読まれるからここまで。
「なにか言いました?」
97 :
キョンの溜息:2008/04/29(火) 11:21:23.76 ID:+W7VhFY30
あいにく両親と妹は俺をおいて旅行に行きやがった。息子一人をおいて旅行に出かけるような家族がいるのかという心境になるのだが、
俺は一人でゆっくりできるから良しとしている。
それに気づいたのかハルヒはまるで一人で留守番して何故か異様にテンションがあがった小学生のように飛び跳ねながら俺の部屋へ突入。
「さぁ〜飲むわよ!!だれが先に倒れるか勝負よ!!」
いや、ちがうだろ。普通は誰が強いかなんじゃないのか?お前飲むまえに酔ってるな。
そんな俺の正直意味のない反論をまったく聞かず早くも一本空けやがった。
仕方なく俺もちびちび飲むことにする。すると古泉が仮面のような笑顔で
「涼宮さんとても楽しそうですね。これならとうぶんぼくのバイトもなさそうです。」
だからっておれにだいぶと迷惑がかかってるのはどうなんだ?
「でも内心あなたも楽しんでいるのでしょう?顔にでていますよ。」
どうだかな。っていうか気味が悪いんだが。
98 :
キョンの溜息:2008/04/29(火) 11:26:46.75 ID:+W7VhFY30
でも全然楽しくないというのは嘘だと思う。そうだったらまず家への訪問は断固拒否するしな。
柄じゃないがみんなが(今はほとんどハルヒだが)楽しむところを見るのは悪くない。特に長門だ。
長門にはいろいろと迷惑をかけている。本人はそう思っていないかもしれないが、俺には重要な問題だ。
だから楽しんでもらいたい。だがやっぱりこの状況は・・・・いや、いいか。
まぁたまにはこういう日があってもいいじゃないか。俺は少なからずそう思っていた。思っていたんだ。。。
そんな俺のかすかなる楽しさは、30分もしないうちに粘りに粘ったジェンガが豪快に倒れるように崩れ去った。
99 :
キョンの溜息:2008/04/29(火) 11:29:50.18 ID:+W7VhFY30
そうだな、今の俺の部屋を一言で表すとそう、「地獄。」かなりありきたりだが、これが一番合う。うん、そうに違いない。
床一面にころがる空き缶、そしてダラダラと喉をつたって床に静かに流れるのみこぼし、
そしてとうとうぶっ倒れた奴が口をあけて寝やがるもんだからよだれが半端ない。
ハルヒが暴走した。
100 :
キョンの溜息:2008/04/29(火) 11:32:08.67 ID:+W7VhFY30
「ほら!みくるちゃんも飲みなさい!」
「もうらめですぅ〜、うぼぼぼ」バタッ・・・
「もう!ほんとだらしなヒックんだから!ヒック 有希ものみなさいよ!!」
「エラーエラーエラーエラー」ガコンッ
「有希もなの〜?ヒック楽しくな〜いぃ〜・・・・・・ジロッ」
ハルヒのその漢字の「一」みたいな目が俺に向けられていた。
俺はその視線から逃げるように古泉を見る。寝ていた。。。。
101 :
キョンの溜息:2008/04/29(火) 11:35:07.19 ID:+W7VhFY30
「ねぇキョ〜ンッ!」ドスッ
「お、おい!」
なんとまぁ、酔った勢いでハルヒが背中に乗っかってきた。当たってる、当たってるって!!!
そんな俺の抵抗虚しく抱きつかれる。かなりの力のようでなかなか離れない。
「のみなさいよキョン、ほらほら〜」
おい!ビールを無理やり口におしこむな!!しかもハルヒ酒臭いぞ!!
これはなんの冗談だ!?目を覚ましてくれ!
「なによ〜ヒックなんか文句ある?ヒック」
だからお前への文句を箇条書きにしt「あ〜もううるさい!!なによ?まさかキョン、怖くて飲めないの?ママに叱られるのが。」
ピクッ
「しかも女の私に負けるなんてね、ま、団長の私に勝つことなんてないけどね!」
ビキッ
いや分かってる。こんな簡単な挑発に乗るなんてどうかしてた。俺も少し酔いが回っていたせいもあるにちがいない。
そう信じたいしそう信じないとこの後起こる俺にとってはかなり不快な出来事に証明で結論があるだけで仮定がなく
説明のつかない問題のように納得がいかないからだ。
いつのまにか俺は缶を一本空けていた。。。
102 :
キョンの溜息:2008/04/29(火) 11:38:42.40 ID:+W7VhFY30
その後のことはあんまり憶えていない。ただ一つ憶えているのは俺とハルヒがそろそろ限界点をさまよってた時に
新川さんが部屋にはいってきて酔いつぶれた朝比奈さんと長門、古泉を抱えて無言で去っていったことだ。
今思えばハルヒもつれてってほしかった。
そして地獄の一夜が去っていった。
-----------------------------------------------------------------------------------
sien
104 :
キョンの溜息:2008/04/29(火) 11:42:12.66 ID:+W7VhFY30
-----------------------------------------------------------------------------------
次の日の朝。
「う〜ん」
眠い、臭い、頭痛い。まだ酔いが回っているようだ。
なんか体がすごく重い。なにかがのっかっている。
しかしこの重い物体はなにか柔らかい。そうか、抱き枕か!母がいれてくれたのだろうか。だが寝ている俺にかぶせるのは
どうかと思うが、と考えたが頭痛が激しくそれ以上考えるのをやめた。今日は休日だ。もう一度寝よう。「ありがとよ、母さん。」
そうつぶやき、二度寝という俺のガソリンスタンドに、店員に誘導されるがまま突入した。。。
あぁ〜くそっ、ここから後は今思い出しても後悔するぜ。フロイト先生も大爆笑死に確定だな。ってかフロイトって誰だよ。
105 :
キョンの溜息:2008/04/29(火) 11:46:43.36 ID:+W7VhFY30
「・・・ちょ・・・キョ・・ン!」
ん?
「お・・き・・な・・・さ・・・!」
なんだ?おれは眠いんだ。あとで相手してやるから。
「なに・・・いって・・・の!!」
「う〜ん」
おれは寝返りをうつ。
「バカキョ〜〜ン!!!」
バシーーーン!!!!!!!!
寝ていながらもその頬に受けた衝撃は起きるを通り越して昇天してしまいそうだ。
目を開けるとすぐ目の前にハルヒがいた。しかも顔が真っ赤だ。
おれは徐々に回復する意識の中でとうとう状況が読めた。
俺はハルヒに覆いかぶさるように抱きしめながら寝ていた。
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106 :
キョンの溜息:2008/04/29(火) 11:49:12.43 ID:+W7VhFY30
--------------------------------------------------------------------------
「・・ごめんなさい・・。」
だれの声だって?俺だよ俺。オレオレ詐欺というのが一時期はやったがそれは今の状況にはまったく関係なく
そしてそんなことをやるような勇気もないわけで。いや、今こんなことを考えることもまったく意味がない。
俺はハルヒに謝っている。
だが今の俺はそんなことはどうでもいい。とにかく恥ずかしくて仕方がないのだ。くそっ
俺が抱き枕だと思って遠慮なく抱きついていたのが実はハルヒだったなんて誰のいたずらだ?柔らかい物って・・・勘弁してくれ・・・。
だがこの状況からして犯人は俺。いや俺はまったく、いやもうほんとに悪気はない。
そうだ。母だ。あいつが悪い。俺に抱き枕だと思ってくっつけさせやがって・・・・・嘘です。。。
そんなGTOの内山田教頭のような不毛な考えをめぐらせていると
「ちょっときいてんの!!?ほんとにっ、団長の寝込みを襲うなんて・・団員にあるまじき行為だわ!!」
ハルヒの顔に少し赤みがかかっているのが見受けられた。
「いやだからその話は「いいわけはいらないわ!!」」
もうどうなってもいいや・・・。
107 :
キョンの溜息:2008/04/29(火) 11:51:25.45 ID:+W7VhFY30
いや、待てよ。俺は脳内で時間を巻き戻した。朝比奈さんを頼らずともそれくらいなら俺だってできる。
・・・・!! はは〜ん。俺はここでハルヒに質問した。
「じゃあどうしてハルヒは最初俺に覆いかぶさるように寝ていたんだ?」
「!!!」
思い出してほしい。俺が二度寝に走る前に俺は体がすごく重かった。ようするに今の状況を整理していくと
俺の体の上にはだ・れ・か・が乗っかっていたんだ。ハルヒがどんな理由で乗っかっていたはこの際関係ない。
俺はこの不利な状況を打開するためには手段は問わない。どうせ酔ってたんだろ。
108 :
キョンの溜息:2008/04/29(火) 11:56:56.02 ID:+W7VhFY30
「な、なによ?・・なんか文句ある?」
いや、特にないが?・・・・ジーッ。俺は目をほそめ、いじわるくハルヒを見る。
「酔ってたのよ!!!?その時のことなんておぼえてないわ!!!」ほらな。だがまだ粘るぞ。
ほーー。・・・・ジーーーーッ
「・・・!///・・・バカキョン!!!・・・寝る・・」
ハルヒはふてくされたみたいだ。俺に背をむけるようにベットに潜り込む。
おいおい怒るなって。俺はそうつぶやきながらハルヒの顔をのぞきこんだ。
寝ていた。
いい夢でも見ているのだろうか、すやすやと眠るハルヒの顔はまわりの人達も巻き込むようでまるで子供が元気よく遊ぶのを横でみながら
今の幸せをかみしめている母親のような、やすらかな笑顔をしていた。
ずっと眺めていたいと思えるくらいのきれいな笑顔だった。。。
109 :
キョンの溜息:2008/04/29(火) 12:00:27.29 ID:+W7VhFY30
だがそんな自分が恥ずかしくなってきた。
ゴホンッ
理性をたもつため軽く咳払いをした。自分の顔が少し熱い。
昨日の夜歯磨きをしていないせいか、歯が気持ち悪い。洗面所に行き歯磨きを済ませついでに
かすかに温度の上がった顔を洗う。鏡にうつる俺を見ながら俺は溜息をつく。「はぁ〜・・・。」
------------------------------------------------------------------------------------
110 :
キョンの溜息:2008/04/29(火) 12:06:13.92 ID:+W7VhFY30
------------------------------------------------------------------------------------
部屋に戻るとハルヒはまだ寝ていた。
ふっ。
おもわず笑みがこぼれる。なんせハルヒに言い合いで勝ったんだからな。この勝利は凄く重要なことだ。
結局最後には丸め込まれてしまう俺だが、そんな俺がハルヒを丸め込んだんだ。こんなことは滅多にない。
俺にとっては野球部で部員みんなで気合を確かめ合い、念願の優勝を勝ち取ったということくらい感動的なことだ。俺にとって、だが。
ベットの横に腰を降ろしてハルヒを見る。
相変わらず幸せそうな顔だ。いつもこんな顔してたら様になるんだがなぁ。
でもまたそれはそれでいいかもしれない。希少価値のある表情とでも思えばいい。
なんてことを考えながらハルヒの頬をつねったり鼻をつまんだりしているとやがてゆっくりと目を開けた。
111 :
キョンの溜息:2008/04/29(火) 12:10:06.33 ID:+W7VhFY30
「ん〜〜〜・・・。」
「二度目のおはよう。」
「ん〜〜?・・・・はっ!!!」
ハルヒは少し考える仕草をすると急に顔を真っ赤にして叫ぶ。
「ちょっとキョン!!あなた寝てる間に私になにかしたでしょ!!?このエロキョン・・・!!」
おいおいなんだその言い草は。ベットを無料で貸してくれた人に聞く言葉か?・・まぁ確かに頬をつねってたけど・・・。
「あんたの言うことなんてあてにならないわ。顔になんか書いてないでしょうね。」
そう言いながら、両手で皮膚をとるような勢いで顔をまさぐるハルヒ。
「やれやれ、ほんとにお前は・・・。いやもういい。」
・・・・・・。
そこで会話が途切れる。なんともいえない空気だ。
ハルヒが俺からをそらしてうつむく。
「・・・ご・・めん・・・。」
え?
「!・・ごめ・・・ん・・・。」
すまない、よく聞き取れないんだが。
「!!!叩いてごめんって言ってるのよ!!!!」
あああ〜そんなことか、別にいいよ俺が悪かったんだから。だからハルヒ下がってくれ。顔が近い。
飛んできたハルヒの唾をぬぐい、思った。ハルヒが謝った。。。この会話は脳内レコーダーに保存しておこう。
ハルヒのI'm sorryを聞ける日が来るなんてな、妹が俺を起こすときにエルボーをかまさなくなる確率と同じくらいの
希少価値がある。少し怒鳴りながらだが、まぁそれはハルヒらしい。2連勝。
112 :
キョンの溜息:2008/04/29(火) 12:14:29.50 ID:+W7VhFY30
「俺も悪かった。」
「え?なにが?」
いやなにがって・・・まったく悪気はなかったとしてもお前に抱きついたまま寝てしまったことだよ。
「あ!もういいわよ・・終わったことなんだし。それに・・・。」
それになんだ?
「・・・!ち、ちがう!!!なんでもないわ・・・!///」
またうつむきやがった。今日のハルヒはなんだか変だ。違う人から見たらいつもどうりの傍若無人に見えるだろうが
四六時中といっていいほど時間を共有している俺は多少の変化を見分けることができる。
あのTHE・無表情の長門のミリ単位の動きから感情をみいだすことができるんだから、ハルヒなど前にある鉛筆を右手でとるくらい
簡単なのである。
そんな宇宙人や超能力者などの種類ではない一種の能力を獲得した俺がハルヒを分析したところ、なんだかしおらしい。
いや、かなりカワイイのだ。いつものハルヒじゃなくなんかこう、普通なのだ。いや悪い意味ででの普通じゃないんだ。
かぎりなく良い意味で。
そんな、あ〜ほんとはこんなこと言いたくない。というかこいつといてこの感情が自分から湧き出てくるとは思わなかった。
そんな、カ・・カワイイ・・むう、ハルヒに自分では信じられないがみとれていると、
113 :
キョンの溜息:2008/04/29(火) 12:15:37.09 ID:+W7VhFY30
「ニヤケ面。」
ほぇ?
「なによその声、あたしの方ばっか見て。変なこと考えてたら承知しないわよ。このエロキョン。」
いそいで自分の顔を触る。唇の両端が上がっていた。
「なに考えてたの?」
「いやなんだ、今日のハルヒはやけにしおらしいななんて思って、
あまりのも珍しいもんだから脳内フォルダに永久保存しようとしていたんだ。」
「なにそれ、バカじゃないの?よくわかんない。」
「ようするにカワイイ顔してるな。」自分で言って自分でびっくりした。
「!!・・・バカ・・・・。」
「あ、いや・・・。」
カ、カワイすぎる。なんだこいつは?ハルヒか?
古泉、お前のドッキリか?俺はさりげなく周りを見渡したがハルヒと俺以外の気配は感じない。
沈黙。。。
114 :
キョンの溜息:2008/04/29(火) 12:18:05.63 ID:+W7VhFY30
「キョンく〜ん!!」ガチャ
「・・・?キョロキョロ・・・!」バタンッ!
「おかぁさぁ〜ん!キョン君とハルにゃんがにらめっこしてるぅ〜!」
妹よ・・・お前には成長という文字は一生みられないかもな、お兄ちゃんは悲しいよ。
しかもにらめっこって。
だがそんな妹の、どう見たらにらめっこに見えるのかという疑問ができる。大体ハルヒは俺に背をむけてるんだぞ?
背中に目でも見えたのか?もしそうだったら病院を探さないと。兄としての自覚の見せ所だ。が、そんな形でみせたくない。
・・・・そう思いつつ、背中を確認する俺もどうにかしてる。。。
「ぷっっ」
ハルヒが笑った。
「妹ちゃんったら、どうやったらにらめっこにみえるのかしら?」
お前の背中に目がみえたんじゃないか?
「意味わかんない。」綺麗な笑顔だ。
空気が良くなった。
俺も笑ってしまう。ありがとう!妹よ!!
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 12:24:24.24 ID:NJBMc8AY0
支援
116 :
キョンの溜息:2008/04/29(火) 12:25:11.74 ID:+W7VhFY30
ひとしきり笑い終えるとハルヒが、綺麗な歯を見せ、いつものハルヒスマイルをかかげながら、
「キョン!お腹が減ったわ。なにかおごりなさい!!」
楽しそうないつものハルヒだ。いつもなら少し抵抗を試みる、いや、結局おごらざるをえないのだが、
俺も腹は減ってることだし悪いこともしたし、まぁそれよりいいものもみれたしね、おごるだけ?なんて答えてしまいそうな勢いだ。
だが俺にだって今までのキャラというものがあるんだ。だからせめてもの意地として俺は発した。
「やれやれ。」
でもどうがんばっても溜息は出なかった。
なんでかって?今は俺自身も楽しんでるからさ。そんな俺を誰が責められようか。
いいや、無理だな。どうしてもっていうなら古泉にでも当たってくれ。
俺はハルヒの待つ外へ、軽やかな足取りでむかった。
fin
117 :
キョンの溜息:2008/04/29(火) 12:28:46.74 ID:+W7VhFY30
雑なSSに最後までお付き合いありがとうございました。
初めてのSS。どうぞ叩いてやってください。
ちなみに初心者なので、まとめサイトへの投稿のしかたまったくわかりません。
あれって自動で行くと思ってた・・・。
まとめに行くほどのものでもないのでここでおいとまします。
どうもありがとうございました。
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 12:39:07.87 ID:NJBMc8AY0
乙
乙!
これから読ませてもらう。
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 13:10:16.64 ID:NJBMc8AY0
ほ
>>117 まとめサイトの避難所に「まとめ要請とまとめ人たちの報告スレ3」ってのがあるから、そこで依頼すればいいよ。
依頼の仕方はスレを見れば分かると思う。
ちょうど見てるしここで言えば編集してあげるよ
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/29(火) 13:38:14.56 ID:E+pG/NIUO
乙!今後の成長を楽しみに待ってるよ
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
ほ