15、16歳位までに童貞を捨てなければ女体化する世界だったら
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 20:11:53.08 ID:r10oGHpEO
イチオつ
寝てたのに電話で起こされた
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 20:20:55.45 ID:anUv5nXN0
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 20:32:06.75 ID:tg0kQPOq0
_ _
/\\ /\\ ┌─┐ | ̄| ̄|___ _______
\ \\\ \\ └┐│ | ̄  ̄|__| | ヽ ヽ
\ \\\ \\ ││  ̄| | ̄_| ∧∧  ̄ ̄ ̄ ̄ヽ | |
/ /// // ││ | ̄  ̄| .(,,゚Д゚) | |(,,゚Д゚)
/ /// // ││ . ̄| 匚厂(ノ|  ̄|) _.ノ(ノノ ノ)
\// \// └┘ \____ノ_ノ |____ノ__ノ
 ̄  ̄ し`J し`J
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 20:40:56.19 ID:Ny6IXGeC0
乙一
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 20:47:46.16 ID:pKAefWXHO
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 20:50:00.62 ID:Ny6IXGeC0
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 20:50:13.30 ID:r10oGHpEO
まとめのうぷろだに残ってるからパソからなら見れるよ
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 20:51:32.29 ID:pKAefWXHO
そっかそうだ起動してくる
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 21:03:50.00 ID:Z154Ef+n0
>>1おつ!
今頃になって風邪ひいた…
11 :
いつかの703 ◆wDzhckWXCA :2008/03/28(金) 21:08:07.56 ID:eUXZQUgA0
ついつらつらと書いてみた。続きはまだないw
わたしが女体化してからすでに半年あまりが経っていた。
いつの間にか、泰雄の彼女として認知されたのか、表だっての嫌がらせは受けないようになっていた。
いつものように、わたしたちは昼休みに二人で無線部の部室で昼食を食べていた。
「ところでさー、たしか今度の土日で東星高校の文化祭じゃん?遊びに行って見ようぜ」
泰雄が突然思い出したように誘う。どうしようか考えていると、東星高校無線部の斉藤さんのことを思い出した。彼女とは一回無線で話したっきりだったのだ。
「うん、行こ。東星高校と言えば、わたしもちょっと行ってみたい部活あるし」
「よし、じゃあ決まりだな。土曜日は寝坊すんなよ」
「大丈夫、寝坊しても泰雄が起こしてくれるもん」
そう言い返したわたしの顔をみた泰雄は、一瞬呆気にとられた表情を浮かべたけど、すぐに満面の笑顔になった。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 21:14:00.76 ID:Z154Ef+n0
おひさしブリーフ
13 :
いつかの703 ◆wDzhckWXCA :2008/03/28(金) 21:17:44.74 ID:bsm3P5c60
ちゃんと続きをかけるかはちょっと不安だけどもね^^;
期待しないでくださいm(__)m
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 21:25:42.54 ID:r10oGHpEO
おひさー
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 21:27:34.74 ID:BMAEdJC8O
いちおつ&GJ
漫画アップされてたのね・・・
早く実家に着かないかなぁ〜
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 21:34:17.73 ID:2bI7o22kP
一乙
久々に見つけた♪
17 :
安価『ピカチュウ』 ◆9Yp0F0tOG6 :2008/03/28(金) 21:37:10.06 ID:KvBKngXM0
「なんか、リョウってピカチュウみたいだな」
と、カズが言ってきたのがついさきほど。それだけ言うと納得した様に二回ほど頷き、カズはテレビの世界へと潜って行く。
俺としてはテレビなんかよりカズと喋っている方がずっと面白いけれど、なかなかどうして心が通じることはないらしい。
爆笑するカズの細い背中を見ながら、さっきの言葉を反芻する。
「ピカチュウ……?」
やっぱり、髪のせいなんだろうか。小学生の時から染めている金髪は日光に透けて白く見える。どうやら抜き過ぎたみたいだ。
「ピカチュウ……」
ほっぺたは赤くないし、電気とか溜まらないし、尻尾付いてないし、サトシいないし。
……なんでピカチュウ?
頭を捻ると、ボロイ蛍光灯が目に入ってくる。そうか、こうして真昼間から電気を消費するところなんか、ピカチュウかもしれない。
そうかそうかとその光に手をかざしてみる。垂れた紐を掴もうと悪戦苦闘すること三分。いくら俺の背が高くても無理みたいだ。
いや、逆に良いことだ。座高が高くないという証明なのだから。
ぼけーっと見つめている俺を嘲笑うかのように紐が揺れる。
届きそうで届かないところなんか、カズみたいだ。
あれ? そうするとピカチュウはカズの方なんじゃないか?
新たな問題に直面した俺は、胡坐をかいて座りなおし、腕を組んで考えてみる。ちなみに俺は腕を汲むとIQが二十上がる。当者比。
うーんと唸っていると、後ろから背中を蹴られた。
「いで」
「おっまえなあ……なんで腕組んだまま倒れるんだよ。受け身を取れ受け身を」
呆れたようにアイスをなめるカズは、やっぱり綺麗だ。
一昨日の昼頃、カズが女になって俺の家に来た時、驚きはしたけれど、やっぱりよっしゃという気持ちが強かった。
ホモなのかも、とか、引くよなーと毎日思っていたカズへの気持ちが、不正ではないと証明された気がしたからだ。
カズは変な奴だ。俺が言うのはおかしいかも知れないけれど、俺と仲良くしてくれるから、変な奴。変わった奴。優しい奴。
『何考えてるか全然分からない』
あまりに言われ慣れ過ぎたこの言葉を、見事に打ち破ったのがカズだった。
人気あるのに。勝ち組なのに。クラスで一人孤立していた俺に光を与えてくれたカズが、やっぱり愛おしくて堪らない。
18 :
安価『ピカチュウ』 ◆9Yp0F0tOG6 :2008/03/28(金) 21:38:04.30 ID:KvBKngXM0
悶々とした気持ちを抱えたまま潰れそうになっていた俺に救いの手を差し伸べたのが、女体化だ。
ありがとう不思議現象。ありがとうカズの童貞。
もしかしたら気持ちが変わってしまうんじゃないかと怖かったけれど、女体化したカズは面白い位に俺のタイプの女になっていた。
「何にやけてんだよ……気持ちわりいなお前は」
分かってます。本心じゃないのはよぉーっく分かってます。カズは優しい奴だから、俺は幸せだ。
「カズ」
「あん?」
「綺麗だ」
「あーはいはい」
分かったから、というように手を左右に振られる。おかしいな、初めて言ったんだけど。
多分、一昨日頭に大きなたんこぶができていたことが関係しているのだろうけれど、生憎記憶が曖昧だ。夜更かしはするもんじゃないな。
よほど深刻そうな顔をしていたのか、カズが困ったようにアイスを舐めながら上目づかいにこちらを見上げてきた。
うはっ、そのアングルやばいっす先輩!
「頭」
「……え?」
頭がどうかしたのだろうか。カズの肩に伸ばしかけた手を音速で引っ込める。
「頭、まだ痛いか……?」
恐る恐るという感じで、眉根を寄せながら聞かれる。頭ってあれか、たんこぶのこと。
「へーき。母ちゃんが氷袋作ってくれたから、ガンガン冷やしたら引っ込んだ」
ニヘヘと笑いながらブイサインを作って大丈夫ですよアピールをすると、カズは安心した様に口元を綻ばせた。
……あーあーあーやばい。きゅんとしました。どうしよう抱きしめたい。けど怒るよな、ああでも。
心の中で激しい葛藤を繰り広げていると、カズが吹き出した。腹を抱えて笑っている。
「え、な、何?」
混乱しながら聞く俺に、笑い終わったカズは眼尻に溜まった涙を拭きながら言うんだ。
「やっぱお前、ピカチュウに似てる」
「え、え? どこが?」
「……可愛いとこ」
了
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 21:39:35.69 ID:KvBKngXM0
前々スレぐらいで投下したやつの続きだから所々意味不明な部分があるかも
お粗末さまでした
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 21:39:42.99 ID:J3HQ98Ju0
2人とも乙
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 21:52:37.07 ID:r10oGHpEO
ほ
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 22:09:59.27 ID:dyYuhTnDO
703さん乙!お久。
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 22:13:58.30 ID:2bI7o22kP
乙乙♪
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 22:26:10.87 ID:pKAefWXHO
ほ
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 22:32:21.34 ID:Xs55OXjf0
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 22:33:25.46 ID:r10oGHpEO
加速
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 22:34:38.90 ID:J3HQ98Ju0
ksk
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 22:36:30.44 ID:Ny6IXGeC0
lsl
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 22:42:59.79 ID:Ny6IXGeC0
kskst
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 23:03:39.76 ID:pKAefWXHO
絵の具
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 23:03:55.70 ID:Xs55OXjf0
絵の具把握
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 23:06:03.96 ID:2bI7o22kP
+(0゜・∀・)+
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 23:09:08.37 ID:pKAefWXHO
携帯なのに安価取れて泣いた
ノートパソコン手に入れたからがしがし書く
安価下
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 23:12:33.22 ID:Xs55OXjf0
記憶
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 23:14:23.05 ID:pKAefWXHO
はあく
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 23:20:39.43 ID:J3HQ98Ju0
wktkほす
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 23:26:11.26 ID:Xs55OXjf0
wktk執筆中保守
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 23:34:27.61 ID:Xs55OXjf0
★
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/28(金) 23:52:49.97 ID:pKAefWXHO
ほ
保守
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 00:16:30.98 ID:QGV/ckWxO
ほし
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 00:27:55.52 ID:cJpyJU3bO
寝不足で頭痛い
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 00:45:35.37 ID:JlTdUmSL0
ほ
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 00:50:39.27 ID:QGV/ckWxO
☆
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 00:57:08.26 ID:iAz7nHQh0
人いないし意味無いかもだけど、前スレのマンガ見て俺も絵が描きたくなってきたから、
次に投下されたヤツを勝手に二次元化しようかと思う。
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 00:58:10.44 ID:kGuKAdsl0
絵を描いてもらえると訊いて飛んできました
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 01:05:42.27 ID:QGV/ckWxO
いいねいいねーwktk
誰か投下してー
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 01:07:44.13 ID:kGuKAdsl0
じゃあ俺ー……まだ書き終わってねぇや
編集長!私に時間を!
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 01:09:39.43 ID:QGV/ckWxO
まている
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 01:28:07.02 ID:a7O28RU/Q
保守
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 01:50:20.01 ID:kGuKAdsl0
おとさせないほし
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 01:53:17.73 ID:JlTdUmSL0
さて、こんな時間だけど久々に投下しようかな
54 :
◆Zsc8I5zA3U :2008/03/29(土) 01:54:45.07 ID:JlTdUmSL0
修学旅行・・学校では極当たり前に行われている行事ではあるのだが、その本当の目的を知るものはあまり少なく
知っていても対して特にはならないだろう。私が高校生の頃にも修学旅行と言う行事は存在はしていたのだが
参加したって行事の内容などたかが知れているし、めんどくさいものだ。それらの理由で当時の私は修学旅行当日は
友達と別の場所へと旅行しに行っている・・だけどもそれはもう過去、今は教師として生徒の修学旅行に必ず
付き添わなければならない立場となっていた。
「え〜、来月から3年生は修学旅行に入ります。各先生方には・・」
一般的に修学旅行の季節と言えば5月から6月の辺りにかけて頻繁に行われる、それは私の勤めている学校も
例外ではないもので毎年この時期の職員会議の内容と言えば3年生の修学旅行の話で持ちきりとなる。
生徒達も見た目ではそれなりの年齢になったつもりだが、まだまだ精神的に未熟なのは変わりはないものであらゆる
案や策が飛び交う中・・私はボーっと上の空で天井を見つめていた。
「では、各担任の先生方に加えて他の付き添いの先生は例年どおり教頭先生と・・春日先生に任せてもらいます。
春日先生、何かご意見はありますか?」
「え、ええっと・・私は特に異存はありません」
危ない危ない、大事な職員会議中に気を抜けていることがばれたらまたお小言を貰ってしまうところだった。
この時期は例外なく先生方の神経がピリピリしているので余り余計な事を言わない方が得策だろう、鈴木先生も顔は
冷静を装っているつもりだけども内心はとてもピリピリしているようだし、学年主任の木村先生に至っては内外共に
神経質な人間が放つオーラが灯っている。
そんな先生方の話し合いが何事もなくスムーズに進む中でオーラを纏った木村先生が突如としてこんな事を口走る。
55 :
◆Zsc8I5zA3U :2008/03/29(土) 01:55:24.74 ID:JlTdUmSL0
「今年の3年にはあの相良がいます。いくら女体化したとは言え問題も多々起こしているもので修学旅行当日は
向こうでまたややこしい問題を起こすことも考えられる!
担任である中村先生はどのように考えていらっしゃいますか」
「え、えっと・・」
「相良だけではありません! 他の生徒にも少なからずそういった輩はいます、その辺はどう対策されるのですかな」
木村先生が少し苛立ちながら相良の担任である中村先生に問い質しながら他の先生にも問う正すような雰囲気を
場に放つ、学年主任と生活指導を兼ねている木村先生にとって聖たち不良集団はまさに目の上のたんこぶ・・例の
暴力団の件だって最初は頭ごなしに聖に詰め寄ったぐらいだ。何処の世界にもこういった人間はいるが、私は感情を
出来るだけ抑えて意見を述べる。
56 :
◆Zsc8I5zA3U :2008/03/29(土) 01:56:20.73 ID:JlTdUmSL0
「・・木村先生、私はこのままでも大丈夫だと思います。確かにこの時期の子供は非常にデリケートですし何を
仕出かすかわかりません。
ですが、それらを食い止めるのが他ならぬ私達の役目だと思いますし、最近はあの子達の精神状態も非常に
安定しています。余程の事がない限りはこのままでも大丈夫かと・・」
「では春日先生、あなたは相良たちが何も問題を起こさないとでも?」
「ええ、私の見る限りでは大丈夫だと思います」
「ですが・・相手はあの相良、聞けば中学時代は中野とのツートップで手のつけようのない問題児だったと聞いています。
今は大人しくしているようですが、またいつか暴れ出す可能性も否定できませんな」
「(この野郎ォ・・)これまでの木村先生の言い分だとまるであの子達の存在が気に食わないようですね」
「なんですと・・」
私のこの発言に木村先生は顔を紅潮させ、身体は見る見るうちに震えている・・どうやら図星だったようだが、私も
少し感情を出してしまった事に内心後悔してしまう。もういい歳になっているのだから本来ならある程度の事は
妥協しなければいけないものなのだが、やはり先ほどの発言が私の怒りに軽く触れてしまったのかもしれない。
他の先生方はもはや発言できないこの雰囲気に何とか耐えているもののどう喋っていいのか全くよく分からない状態に
陥っているようだ、ただ一人鈴木先生だけは事の運びを冷静に見守っているがあまり喋らない。
やはり器用な鈴木先生でもこの場を取り持つのは難しいようだ。
中々言い出し辛いこの状況に校長先生が場の雰囲気を落ち着かせようと含みながら喋り始めた。
57 :
◆Zsc8I5zA3U :2008/03/29(土) 01:56:54.80 ID:JlTdUmSL0
「木村先生、お気持ちは分かりますが他の先生方もまだ考えがまとまっていないようなのでこの件はもう少し保留と
言う形はどうでしょうか?」
「・・校長先生がそう仰られるなら」
先ほどまで顔を紅潮させていた木村先生だったが、校長先生の取り成しのおかげで何とか言葉の矛を収める。
内心ではざまぁみろと言う気持ちもあったのだがやはり上に立つ人間というのはそれなりに苦労するようだ。私は
胸のつっかえが取れてホッと安心している間もなく私にも校長先生の有難いお言葉が与えられる。
「春日先生もお察ししますが不必要な発言は控えるようにしてください」
「はい・・」
社会の辛さと言うものは永久に逃れられることができない・・
58 :
◆Zsc8I5zA3U :2008/03/29(土) 01:57:58.48 ID:JlTdUmSL0
「修学旅行・・ああ、もうそんな季節だね」
「こっちはそう呑気になれねぇよ」
自宅に帰ると珍しく私よりも早めに旦那がいたので少し驚きつつも修学旅行も含め先ほどの職員会議についても話す、
レイと一緒に夕食を食べ終えた私はのんびりとタバコを吸いながら溜まりに溜まった疲れを一気に吹き飛ばすため
のんびりとくつろぐ・・やっぱり自宅にいるとどこか落ち着く、やはり我が家と言うのはいついてもいい物だ。
「そう言えば昔、礼子さん修学旅行に来てなかったね。あの日は何して過ごしてたの?」
「撤兵と二泊三日の旅行に行ってた。あいつも俺と同じ気持ちだったみたいでお互いに修学旅行を抜け出して
バイクでツーリングをしながら行ったんだよ」
「ハハハハ!! 徹子さんと一緒だなんて礼子さんらしいや」
「・・褒めてるのかよ。それ」
近くにいたレイを膝に乗っけながら旦那は笑いながら話を聞く、しかしながら修学旅行当日の事を考えると少しだけ
頭も痛くなるものだ。先の木村先生の事ではないのだが、やはりあの聖たちが何事もなく大人しくするのはあり得ない
話でどのように見てやればいいのかあまりよく解らない。唯一の鍵は中野であるが・・あいつが普段から尻に敷かれて
いるし聖を相手に器用な真似など起こすなんてまず無理だろう、2本目のタバコを吸いながら私はいろいろな対策を
考えていた。
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 01:58:09.92 ID:8zmlG3PZO
安価貰ったが、姉貴と話し込んでて全く手を付けられなかったwwww
明日書くお
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 01:58:15.78 ID:QGV/ckWxO
紫煙
61 :
◆Zsc8I5zA3U :2008/03/29(土) 01:58:20.65 ID:JlTdUmSL0
「ま、大人数の生徒さん達の面倒を見るのは大変だろうけどいつもの礼子さんらしく行けば大丈夫だよ」
「・・いつもの俺らしくね」
「そうだよ、今までのようにいつもの礼子さんらしくやればいいと僕は思うよ」
何年も変わらない旦那のその笑顔はいつでも私を勇気付ける役割を果たしてくれる、それが再び私の原動力となり
また再び私は動き出す。
「ま、それなりに対処して見る」
「無理せずに頑張ってね。あ、後お土産も期待しているよ」
嬉しそうに微笑む旦那を見ながら私はタバコを消し終えるとそのままゆっくりと修学旅行の対策について考えていた。
62 :
◆Zsc8I5zA3U :2008/03/29(土) 01:59:23.83 ID:JlTdUmSL0
色々考えていると月日は変わらずに過ぎていき、ついに修学旅行当日・・主役である3年生全員は学校前で点呼を
取って大荷物をバスの中に片付けて簡単な小荷物を手にそのままバスの中に乗り込んだ。先生方もそれぞれ
受け持つクラスのバスに乗り込み、私は中村先生と一緒に相良のクラスが乗っているバスへと乗り込んだ。
相良の友人は然程が別のクラスにいたため万が一のための対策と考えられる。だけども相良には中野がいるので
バスの中でも大人しくはしてくれるだろう、席も後ろの方に相良と中野がいる席になったのでまずは問題ない・・
そう考えてた私であったが、隣に座っていた中野が身体の不調を訴えてきた。
「先生・・気分悪くなってきた」
「あのねぇ、こんなときに勘弁してちょうだい」
「いや・・本当に悪いんだよ。・・ウェップ」
まさか中野が乗り物に弱いとは思っても見なかったことだが、今の状態だと本当に気分が悪いらしい。
そのまま私は黙って手荷物から酔い止め用の薬を中野に手渡す。この薬は旦那から貰った酔い止め用のもので
即効性があるから瞬時にいつもの状態へと戻れるだろう、それに持続性もかなり高いので当分は乗り物酔いになる
心配もない。
「・・助かるよ」
「早く飲んで次に備えろ」
小声でそっと中野に薬を渡してやるとそのまま私はじっと窓の外から写る景色を見るが・・中野がダウンして暇を持て
余していた相良が強引に中野を押しのけて私の隣へとちゃっかり座ってここぞとばかりに私に話しかけてきた。
63 :
◆Zsc8I5zA3U :2008/03/29(土) 02:00:04.83 ID:JlTdUmSL0
「なぁなぁ、礼子先生!! 泊る旅館はちゃんと温泉やサウナも完備してるんだろうな?」
「一応あるわよ。ちゃんと前もって下調べはして置いたから」
修学旅行先についてはちゃんと先生方が下調べをしているので安全性については申し分ないだろう。
それに今回の旅行先についてはお寺や遊園地ぐらいしか観光スポットがないので少し退屈もしてしまうだろうが
楽しもうと思えばそれなりに楽しめる場所でもある。
「よっしゃ! 俺はどっちかというと市街地よりも山奥の方が落ち着ける性質だから丁度良いぜ」
「でも旅館だから少し退屈になるかもしれないわよ」
「マジかよ。なんか暇潰しはないもんかね・・」
「暇が出来たら周辺の散歩にでも付き合ってあげる。こっちもこれからの事を考えると気が休めないわ」
そう言って私は少しでも気を休めるために視線を聖から窓の景色に映す、ここ最近はいろいろな事を考えていたので
最低限の休養だけでも入れたい、それにしても修学旅行というのは生徒たちにとって見れば最大のイベントというのは
代わりはないもので、教師として修学旅行を経験してもそれは身を持ってわかる。
修学旅行に参加していない身とすればちょっぴり寂しさも感じてしまうが同時に楽しめるのも間違いはないもので
こういった疲れを感じるのもまた一つの幸せなのかもしれない。
64 :
◆Zsc8I5zA3U :2008/03/29(土) 02:00:28.16 ID:JlTdUmSL0
「そういやお土産どうすっかな・・」
「あのねぇ、そんな物は後で買えばいいのよ。そんなに買うものなんてないでしょ・・」
「あ、あるに決まってるだろ! 家族とかいろいろな!!」
少し気が早い聖だがそれなりに修学旅行を謳歌している姿なのだろう、友達と一緒に行く旅行と言うのは
どんな理由にせよ格別なものだし特別な思い出となるのは間違いはないだろう、聖の場合は友達も加えて
最大の恋人とも一緒にこうして旅行に行けれるのだから非常に幸せなケースに違いない。
そんな修学旅行を過ごす聖を私はどこか羨ましげに感じてしまっていた。
65 :
◆Zsc8I5zA3U :2008/03/29(土) 02:01:17.75 ID:JlTdUmSL0
学校から高速を乗り継ぎ道から道へ数時間後・・バスは宿泊先の旅館へと到着する。この場所は私が選んだ旅館で
料金の設定やサービスもかなり良くて料理の方もそんじょそこらの店よりも断然違ってかなり美味い、正直言って
こんな旅館は滅多にないだろう。旅館に着くと女将さんの簡単な挨拶と各先生方の終わってそれぞれの生徒は
自分の部屋へと戻る。生徒が戻ったのを確認してから私も教師用の部屋へと戻り一息をつきながら旦那にメールをする。
後は事前に決めた生徒の監視のローテーションの時間になるまでは暫しの自由だ、久々のタバコを吸いながらボーっと
旦那からの返事を待っていると従業員が説明のためにゆっくりと部屋に入ってきた。
「失礼します。本日は当旅館に起こし頂きまことに・・」
「よぉ。毎日ご苦労さんだな」
「あなたは前回の・・あの時はお世話になりました」
「別に俺は大した事はしてねぇよ。それにしても相変わらず大変そうだな」
彼女は以前にここの旅館に泊ったときの従業員で見た目からして本物の女性化と思いがちだが実は女体化経験者で
あり、聖よりも少し年齢は下だがその柔らかな物腰や言動からとても歳相応とは思えない感じだ。余程、親のしつけが
厳しく行き届いている証拠であろう・・
66 :
◆Zsc8I5zA3U :2008/03/29(土) 02:02:09.36 ID:JlTdUmSL0
「今日は修学旅行ですか?」
「ああ、ここからだと周辺に観光地が近いって言う事もあるということで決まったんだよ」
事実、この辺りは沢山の観光地がひしめき合っているのと都心に出ればそれなりの街やレジャーランドといった
施設があったのでまさに修学旅行にうってつけの場所であったのだ。
「ま、今日は初日という事もあってそれなりにのんびりできそうだけどな」
「学校の先生と言うのは毎日毎日大変なのですね・・」
「そっちだってまだ若いのにこうやって旅館の仕事を懸命にこなしているのだから大したもんだよ」
「そ、そうですか・・」
まだ高校生ぐらいの娘が大人に混じってちゃんと業務をしているその姿はお世辞でもなく立派なものだ。もう少しだけ
この娘とは喋っていたい気持ちもあるのだが流石にこれ以上長居させてしまうと向こうの業務に差し支えてしまうので
ここらで解放しておこう。
「さて、まだそっちも忙しそうだから他の客のとこにでも行ってやれ。俺も何もなかったらここにいるつもりだから」
「はい。では・・失礼しました」
静かに部屋を立ち去り再びタバコを吸いながらのんびりと休息をしっかり頭と身体に与えておく、これから先何が
あるのか解らないので今の内に休めるだけ休んで置かないと次はいつになったら休めるのか分かったもんじゃない。
女になっていくら体力に自身のある私でも激務の連続だと流石にきつく途中で力尽きてしまいそうだ。
67 :
◆Zsc8I5zA3U :2008/03/29(土) 02:03:14.59 ID:JlTdUmSL0
「悪いな、散歩に付き合って貰って」
「約束したでしょ、暇があれば一緒に散歩するって」
「そうだっけ」
1日目の夜、聖と一緒に約束どおり散歩に繰り出す。それにしてもこの街の夜は都会とは違ってそれなりの味わいが
持てて視覚的にも和まされる、まるでどこか懐かしさを感じるのは気のせいではないだろう。
「しかし、ここってなんか古臭いよな。何って言うかもっとガツガツしたもんはないのかよ」
「そう? 私は結構好きだけど・・」
「俺はまだピチピチの若さだからな。こういったのも嫌いじゃねぇが、なんかもっとガーッとした煌びやかさが欲しいぜ」
何気にイラッと来てしまうが、まだ聖は高校生・・悔しいが華やかさが似合う若さをまだ持て余している。
やっぱりこういった年代の子は趣よりも目先の華やかさに踊らされる方がいいのだろう。考えて見れば私も昔はこう
いった古いものよりも目先にある華やかさが好きだったし、修学旅行でサボった旅行だって奮発してゴージャスな
ホテルに泊ったものだ。案外そういった意味合いでは私と聖はどこか似ているのかも知れない。
68 :
◆Zsc8I5zA3U :2008/03/29(土) 02:03:26.12 ID:JlTdUmSL0
「頼むから後2日ほどは大人しくしてね。彼氏と一緒で舞が上がりたい気持ちもあるだろうけど・・」
「そ、そんなことしねぇよ!! 確かに今回はあいつと泊ってはいるが、俺達はちゃんと分別は付けているつもりだ」
「とりあえず、その言葉を信じるわ」
かと言いつつも、この2人がそう大人しくしているはずがない・・そんな不安を私は徐々に感じつつあった。
69 :
◆Zsc8I5zA3U :2008/03/29(土) 02:04:39.36 ID:JlTdUmSL0
なにやら波乱が予想されていた修学旅行も初日、2日目の予定を無事にこなし目立った問題もなく予定通りに
消化されあのモヤモヤした想いはどうやら私の杞憂で終わりそうで何よりだ、教員用の部屋で鈴木先生とささやかな
談笑を楽しむ。
「今回も無事に終わりそうですね、修学旅行」
「そうね、今年はいろいろと曲者揃いが多かったから不安だったけど例年どおり何とかなったわね」
互いに安堵のため息をつきながら今回の修学旅行について鈴木先生と色々と語り合うが今回の修学旅行も例年通り
並の疲労感と達成感を感じられるのだが少しばかりの物足りなさも感じてしまう。
「でもあの2人が大人しくしてるなんて珍しいわね。ま、それはそれで良いけど・・」
「多分大人しくしてるのも何かあるはずです。・・今日中に何かあるかもしれません」
この修学旅行が行われていた3日間、意外にも聖は普通に大人しくしており中野や周りが巧く抑え込めているのも
要因なのかもしれないが、あの聖がそれだけで大人しくしているとは到底思えない、今まで大人しかったのには
必ず理由があるはずだ。
「さて私達もそろそろお風呂の準備でもしましょうか、そろそろ寝静まった頃でしょう。一緒にどう?」
「そうですね・・でも私はこれから見周りがありますので、後で入りますからお先にどうぞ」
「何だか悪いわね。じゃ、お言葉に甘えてお先頂きます」
そういって鈴木先生は予め準備していた入浴セット片手にルンルン気分で静かに部屋を立ち去る、私の方もタバコを
吸いながら静かに時の流れを感じてのんびりとくつろぐ。今までにもこの旅館へは泊った事はあるが、やはりどこか
懐かしい感じがして身体のどこかが癒される感じがしてならない。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 02:05:45.80 ID:QGV/ckWxO
しえーん
71 :
◆Zsc8I5zA3U :2008/03/29(土) 02:06:15.13 ID:JlTdUmSL0
「おっと、監視に出かけなきゃいけないんだった。ま、この時間だからほとんど寝てるだろうけどな・・」
時計を見ると既に見周りの時間となっていたのでタバコを消すと部屋から出てそのまま各部屋の様子を見回る。
だけどももう時刻は既に夜中を回っており部屋を見て見ると全員夢の中で皆静かに寝静まっていた。しかしこの時間
まで起きるのは流石に身体に堪えるもので眠気を感じてしまう。それでも眠たいのを堪え続け各部屋を回りながら
全員が寝静まるのを確認するとそのまま部屋へと戻った、既に部屋の中は布団が敷かれておりお風呂から上がった
鈴木先生が布団に包まりながら静かに寝息を立てていた。
私もそれにつられて寝てしまいそうになったがお風呂に入っていないとどうも寝心地が悪いもので備え付けの入浴セット
を片手にここの名物でもある露天風呂へと足を運ぶ、ここの露天風呂は景色もさることながらお湯の効能も大変幅広く
女性特有の病にかなり効くという噂だ。
「フ〜、久々に風呂で足を伸ばすのも気持ちいいもんだな」
ゆったりと浴槽の中で足を伸ばしながら私は温泉に浸かりながら月夜が美しい夜の景色をじっくりと眺める。
先ほどまで感じていた眠気が嘘のように消え去りサッパリした感じで肌の艶もどこか良くなった感じがする、女になって
から嫌に気持ちが悪いくらいに身体のつくりが大きく変わってしまってそれが嫌になった事もあったのだが、今では
それも自分が自分である姿なのだと思い続けている。極上とも言える温泉に浸かりながら私は静かに耳を研ぎ澄ま
せると・・何処からか若い男女の声が聞こえてくる。
72 :
◆Zsc8I5zA3U :2008/03/29(土) 02:07:26.37 ID:JlTdUmSL0
「この時間じゃ誰も起きてないだろ・・」
「全く・・さっきはてめぇが逆ナンされて散々だったぜ」
この男女の声、よくよく聞いて見ると意外にも聞き覚えのあるもので更に会話を聞いてみるとこの2人はカップルで
私の知るカップルのように見せつけてくれる。更に私は相手に気付かれないようにゆっくりと忍び寄る、どうやら2人は
それぞれの世界に旅立っており惚気きっていて私の存在に完全に気がついていなかった。
「ま、逆ナンはされたが・・お前が嫉妬している姿は可愛いもんだったぜ」
「バッ・・バカ野郎!!」
(それにしても聞けば聞くほどどこかで聞いて事ある声だな)
私はもう少しだけ身体を寄せながら2人の会話に聞き耳を立てる、しかしいくら声だけ聞いてもよくわからないもので
全視力を使いながらカップルの方角を見ると・・なんとそこには歳相応にじゃれあっている中野と聖の姿があった、突然の
2人の姿に驚きつつも私は立ち上がると2人の元へと向かう。
既に2人は甘くディープな世界に入っており、この後どのようになるか容易に想像がつく、よくもまぁ教師である私の前で
堂々と出来る精神は立派なものだが教師である以上止めなければまずいものだ。
そう決意した私は湯船から立ち上がると静かに2人の方へと足を進める。
73 :
◆Zsc8I5zA3U :2008/03/29(土) 02:07:52.72 ID:JlTdUmSL0
「こんな真夜中に何やってるんだ・・」
「ゲッ!!」
「れ、礼子先生・・」
2人とも私の顔を見たときには完全に顔が引きつっており心境を察するに現実へと立ち戻りした気分に違いない、
だけどもこのままだとこの2人のためにもならないのでここは2人同時に一発言っておく事にする。
「ま、ここじゃ何だから場所を変えるわ。いいわね?」
「「・・・」」
私の言葉に2人は無言で湯船から上がると一直線に脱衣所の方へと向かう、私達一行は極楽浄土の温泉から
とある離れの一室へと場所を移した。
74 :
◆Zsc8I5zA3U :2008/03/29(土) 02:08:52.80 ID:JlTdUmSL0
さて、離れの一室に2人を連れ出すと私は深呼吸をしながら口を開く。
「さて、2人とも何でこうなったか分かってるわね」
「ああ・・」
素直に聖が弱々しくポツリと言葉を吐くと私は更に言葉を畳み掛ける。
「別に私はあなた達がそういった事をやめろとは言わないわ、そういった年頃なのだから仕方ないと思う。
だけどね今は修学旅行なのよ、もう少し分別をつけなさい」
高校生と言うと多感な年頃で自分をコントロールし辛い微妙な時期だ、だけども自分の核が徐々に見え始める時期で
あるのも確かなものでそういった意味では自分を発見できるだろう。だけどもこういったお年頃になると周りの言葉が
欝々しく感じてくるのも確かなもので私も過去には周りを顧みずに突っ走った経験が豊富にある、だからこそ
この2人には私とは違い、真っ当な大人になって欲しいのだ。
「だから、修学旅行が終わるまでもう少しだけ我慢してちょうだい。わかった?」
「・・わかったよ。暫く我慢する」
「ま、あなた達2人に余りこんな事は言いたくはないんだけどあのもう少しの辛抱よ」
私の言葉に聖の方は戸惑いつつも何とか納得した様子で完全に言葉の矛を収めていた、しかし今まで静止を保って
いた中野の方が意外にも余り納得できていないのか私に対して反論をかます。
75 :
◆Zsc8I5zA3U :2008/03/29(土) 02:09:36.75 ID:JlTdUmSL0
「でもよ、言ってる事は分かるんだが抑えられないものは抑えられねぇんだよ」
「あのね、だからって・・」
「溜まった物はいつまで溜めても仕方ねぇよ!」
だんだんと中野の方が苛立ってくる、しかも相手があの中野であって私の方もだんだんと素に戻ってしまいそうで
この口調のままでいるのがだんだんと辛くなってくる、聖の方はまだ少し気落ちしているようで普段のように中野を
やり込めるのは難しそうだ。こうなったら一旦聖を元の部屋へと戻し中野と改めて話す必要があるようだ、そう判断すると
即座に行動に移す。
「・・さ、あなたは元の部屋に戻りなさい」
「あ、ああ・・わかった」
珍しく私の言葉に素直に従った聖はそのまま静かに立ち上がるとそのまま部屋から立ち去った。それを確認した私は
懐からタバコを取り出すと一本取り出し火をつける、心身を落ち着かせながらじっと中野を見据える。
76 :
◆Zsc8I5zA3U :2008/03/29(土) 02:11:11.23 ID:JlTdUmSL0
「俺だって何度も我慢してきたけどよ、やっぱこう何日もお預けを喰らっていると・・」
「言いたい事はそれだけか! 全く、おめぇらカップルはどれだけ人に迷惑を掛けりゃ気が済むんだ!!」
「だけどよ、俺は――ッ!!」
「うるせぇ! さっきからウダウダばっかり言いやがって・・そんなにしたけりゃ勝手にしろ!!
その代わり全部てめぇが責任を負うことになるんだぞ!!!」
吐き捨てるように言葉と共にタバコの火を消すと辺りは妙な静けさが漂い始める、同時に中野の方も大人しくなった
ようで先ほどの荒々しさは鳴りを潜めている。どうやら中野の方は一時の感情で動いていたようで今頃は冷静さを
取り戻しているだろう、それを静かに確認した私は2本目のタバコを吸い始めるとこう言い残す。
「悪い、少しヤキが廻ったみたいだ・・」
「・・さっきも言ったが自由にするのはてめぇの勝手だ。だけどな、自由には必ず責任がついて回るんだ、それをよく覚えて
置け。
さて今夜はもう遅い・・早い所、自分の部屋に戻って眠っておけ」
「ああ・・迷惑掛けた」
そう言って中野の方も静かに部屋から立ち去る、それを確認した私の方もタバコを吸い終え鈴木先生が眠っている
部屋へと戻る。それにしても最後の最後であの2人はとんでもない事をやらかそうとしていた、思わぬ修学旅行では
あったがこれもまた別の意味ではこれも旅行の醍醐味の一つであろう。まさか私がこんな説教をかますとは一体誰が
想像したのだろう?
昔の私であったら絶対にこんな事は言わないし言われたら言われたで更に捻くれていただろう、これも人を導く教師の
仕事に違いない、そう私は静かに確信してしまう。ふと空を見上げると朧月夜がそう私に告げていたような気がした・・
77 :
◆Zsc8I5zA3U :2008/03/29(土) 02:12:36.90 ID:JlTdUmSL0
「はぁ〜・・今回はいろいろ疲れたな」
帰りのバスの中、私はそっとため息代わりに今回の修学旅行について考える。どうやら今年は忘れたくても
忘れられない思い出となるだろう、だけども余韻に浸るのも・・
「ゲッ、椿へのお土産買うの忘れてた!!」
「お前バカだろ! その点俺はちゃんと予算をやりくりして買うものは全部買ったんだぜ」
「どうせお前は自分のものばっかだろ・・」
「ち、違ェよ!!」
騒ぐ2組のカップル・・どうやら私はまだこの2人に関して更なる騒動に巻き込まれてしまいそうだ。
度重なる疲れの中、私は静かにそう思いながら帰りにバスに揺られ眠るのであった・・
−fin−
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 02:16:42.62 ID:JlTdUmSL0
はい、お終いです。
少し最後が締めが弱く一貫性のないものになってしまいましたが、寛容していただければ幸いです。
今回は修学旅行編と言うことで昔書いていたとあるキャラをゲスト出演させたのでそれも楽しんでいただければ
嬉しいものです
こんな時間にもかかわらず今日も見てくれてありがとさんでしたwwww
また投下しますので見てくれれば嬉しいです。ではwww
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 02:21:34.91 ID:mw/Gd73PO
乙!
こんな時間に起きたおかげでイイもの見れましたw
さーて今夜こそ保守るぜー!
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 02:27:50.43 ID:mw/Gd73PO
ほ
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 02:43:01.49 ID:mw/Gd73PO
春厨こわいよ春厨
ほっほっ
おっしゃ安価だああああああ↓
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 03:09:10.32 ID:mw/Gd73PO
化粧
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 03:13:18.51 ID:JlTdUmSL0
wkwktktk
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 03:23:30.93 ID:mw/Gd73PO
まさか携帯で取れるとは
保守代わりに自分も何か書いてこよう
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 03:53:26.47 ID:mw/Gd73PO
ほ
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 04:15:06.64 ID:kGuKAdsl0
ほ
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 04:48:57.61 ID:kGuKAdsl0
ほ
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 05:19:51.15 ID:kGuKAdsl0
ねまらほ
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 05:42:07.71 ID:mw/Gd73PO
ほい
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 05:43:14.92 ID:QDrGHT8XP
新しい朝がキターwww
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 05:48:14.46 ID:NY0L5b8/0
やっと安価が書きあがった。
保守
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 06:09:24.50 ID:NY0L5b8/0
ねむい…
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 07:07:19.15 ID:mw/Gd73PO
☆
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 07:09:38.76 ID:QDrGHT8XP
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 07:50:27.27 ID:mw/Gd73PO
朝になっちまったか…
今日も1日が始まる
近くの小学校からだろう ラジオ体操の歌が流れ始めた
『新しい朝が来た〜希望の朝が〜♪』
『この歌 持ち歌にしてんの藤山一郎なんだよな・・・』
そんなネタにもならない事を考えながら ベッドの横のスイッチを押す
モーター音を響かせながらベッドが『俺』の上半身を起こしてくれる
『あれから 一年か・・・』
一年前『俺』は ホームから電車に飛び込んで自殺を図った
確実に 死ねるはずだった
98 :
末尾P ◆6OFZFseQdA :2008/03/29(土) 08:04:33.50 ID:QDrGHT8XP
電車の下に巻き込まれながら 確実に死ねる幸せを感じていた 痛みより 死ねる幸せのほうが大きかったのだ
『あいつらに苦しめられるくらいなら』
だか神は 簡単には死を与えてくれなかった
病院で目が醒めた時ベッドのまわりに 親父とお袋 それにばあちゃんがいた
みんな泣きながら それでも 『俺』が生きていた事を喜んでくれていた
『はじめちゃん・・・苦しかったのね・・・あんな事があったうえに 例の書き込みとか・・・』
お袋は泣きながら『俺』の髪を撫でてくれた
右手と左足の先に 鋭い痛みを感じた
99 :
末尾P ◆6OFZFseQdA :2008/03/29(土) 08:05:22.09 ID:QDrGHT8XP
『右手と左足が痛い』
『俺』がこう言うと 母と祖母は急に泣き出した
祖母のそれは はじめて聞く泣き声だった
慟哭とでも言うのだろうか
慌てて起き上がろとして はじめて気付いた
右手がない・・・慌てて左手で 左足を探した
そこにあるはずの左足もなかった
神は 『俺』の命を持って行く替わりに 『俺』の右手と左足を持って行った・・・
『もう 剣道はできないんだな・・・』
自殺に失敗し 身体の一部をなくした
本当なら『俺』も泣き出したくなるところなんだろうが 涙も出なかった 悲しいとさえ感じなかった
100 :
末尾P ◆6OFZFseQdA :2008/03/29(土) 08:07:24.22 ID:QDrGHT8XP
で まだ ここまでしかできてなかったりするわけで (´・ω・`)
もう少しお待ちくだしあ><
,!\ ! \ こういうスレ、マジでもういいから・・・
i \ l \,,..__
,i′ ,\___,,--―l \::゙'冖ーi、、
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/__,..;:r---―-、,..__. ,;'il:;} .;:::`L__
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_/ ...... 、 \//、 ::::::::リ;;:::::::::....
// ......:;::::::::::::. ヽ、\ ゙ヽ ヘ ● ....:::::::::i';;;;::::::::::::
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..::::::::::,!;;;;;:;;;;;:::;;;;;:::;;;;;;`゙ ̄'''冖''―--―'";;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::
102 :
◆YPPZoWABRI :2008/03/29(土) 08:19:19.14 ID:NY0L5b8/0
おつです。
なんとか目も覚めたんでぼちぼち投下してみます。
いつものように誤字脱字は脳内変換で…
安価「けしちゃうおじさん」
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 08:21:15.03 ID:NY0L5b8/0
保育園の運動会の時、みんなの所にはおじさんの人やお爺さんお婆さんが来ていた。
他にも赤ちゃんやお兄さん、お姉さんが来ているお友達も居た。
私のところはママだけ、だって麻耶はママと二人だけで住んでるんだもん。
ママは優しくてお料理はとっても美味しいの
今日の運動会、麻那はママに褒めて貰いたくて一生懸命走った。でも、一等賞にはなれなかった。
でもママは良く頑張ったねっていっぱい褒めてくれた。
お昼のお弁当は麻那の大好きなものばかりで、嬉しくてお腹がいっぱい食べちゃった。
運動会が終わって帰る時、友達に「麻那ちゃんのお父さんはお仕事で来れなかったの?」って聞かれた。
「お父さんって?麻那、ママと二人だけだよ」
お友達は私に「ごめんね」って言ったけど何で謝るのかな?帰ったらママに聞いてみよう。
お家に帰ってママと一緒にお風呂に入った時、お友達に聞かれた事を思い出した。
「ねえママ、麻那には何でお父さんが居ないの?」
私が聞いた途端にママは急に悲しそうな顔をした。
「ママ、なんでそんな顔をするの?麻那、ママにいけない事を言った?」
「麻那は悪くないよ、悪いのはママだから……」
「ママがね、ママがいい子にしてなかったから麻那のパパを消しちゃうおじさんに取られちゃったの」
「ごめんね麻那、麻那のパパを取られちゃってごめんね……」
ママを泣かせてしまった。そんなつもりで言ったんじゃなかったのに……
「ママ泣かないで、ママが泣くと麻那、悲しいよ…」
「ごめんね、もう泣かない様にするからごめんね」
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 08:24:04.93 ID:NY0L5b8/0
今日、初めて娘の麻那が父親の事を聞いてきた。
やはり子供には父親は必要なんだろうか?
あの時、私があの一言さえ言わずにいれば今頃、親子3人で居られたのに……
彼の浮気が発覚したのは私達が結婚して一年位経った頃だった。彼女がわざとそれと分かる様な事をしたからだ。
彼女は昔から他人を妬み、他人の物を欲しがった。恐らくあの人は彼女の罠に嵌ったんだと思う。
それでもやはり悔しいし、腹もたった。だから離婚という言葉を口にした。
そう言えばあの人は謝ってもう一度やり直そうって言ってくれると思ったからだ。でも、あの人は一切の言い訳をせずに「分かった」とだけ言った。
しまったと思った時にはもう遅かった。彼は今言った言葉を私の本心と捉えてしまった。
辛そうな顔をして「後で用紙を送る」そう言い残して部屋を出て行った。慌てて追いかけようとしたけど、足が震えて追いかける事もできなかった。
彼が部屋を出てから一度、彼の両親に私の本心を伝えてもらおうとして電話した事がある。
しかし帰ってきた言葉は私への謝罪と実家に戻ってきた彼を直ぐに勘当したっていう答えだった。
もう完全に手遅れになってしまった。
それから数日が経ち、彼から離婚届と共に手紙が届いた。
手紙には非を詫びる言葉と貯金は全て私に譲渡する事が書かれていた。
私の妊娠が分かったのはそれから一月後の事だった。
離婚のショックで遅れていると思っているとばかり思っていたが、悪阻がきて初めて妊娠と分かった。
自分の両親からは別れた相手の子供は堕す様に言われた。産むのなら実家には戻るなとも言われたが、どうしても堕す事が出来なかった。
実家に戻る事は出来ず、生活費を抑える為に引越しをした。
後で気が付いたが、彼から毎月幾らか口座にお金が振り込まれていた。
出産までは彼が振り込んでくれたお金と貯金を切り崩して使い、出産後はパート収入で生計を立ててここまで来た。
子供と二人の生活は辛い事もあるが、それ以上に喜びも大きい。
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 08:25:30.63 ID:NY0L5b8/0
娘は今日も私に褒めてもらいたくて一生懸命頑張っていた。
ちょっと頑張りが過ぎた様で、お風呂の後、ご飯を食べると直ぐに眠ってしまった。
疲れていてもこの子の寝顔を見ていると明日も頑張ろうという気になる。
ただ、最近はやる気はあるのだけど直ぐに疲れたり、なんだか身体に違和感も感じる様になった。
近い内に病院に行かなきゃ……
なんだかんだ言い訳を見つけては病院にはなかなか行かずにに居た。その間にも疲労感は徐々に増していき、鈍い痛みを覚える様になった。
冬、子供が風邪を引いたのを診てもらうついでに私も診察を受けた。
娘はたいした事は無かったが、医者は私に再検査の必要があるので、また直ぐに受診する様に言ってきた。もしかしたら深刻な病気なのかも知れない。
そうなった時、この子はどうすれば……私の身に何かあった時、この子はどうなる?神様、お願いです。この子が独り立ち出来る様になるまで私を生かして下さい。
受診当日、色々な検査をされ、その結果が数日後に出るのでまた来る様に言われた。
検査結果が出るまで気が気じゃなかった。
そして当日、一番聞きたくなかった事を医師から告げられた。
「宮崎さん、率直に言います。貴女の膵臓には腫瘍があります。正直あまり良くありません、一刻も早く病院に来るべきでした。」
医師はその後、今はステージ3aでまだ治る可能性があると言った。その為にも一刻も早い治療が必要だそうだ。
ショックは大きかった。でもまだ終わりと決まった訳じゃない。治療さえすれば治るかも知れない。
医師と話し合った結果、子供の事もあるので当面は入院は無しで、通院しながら薬と放射線治療を行う事にした。
この事は仲の良かった友人にだけ打ち明け、治療でどうしようもない時だけ子供を預かって欲しいと頼んだ。
彼女は私の頼みを快く引き受けてくれた。これで治療に専念出来る。麻那が大きくなるまで絶対に生き延びてやる。
最近のママは少しおかしい、なんだか元気がなかったり明るくなったり一体、どうしちゃったんかな?
それにちょっぴり痩せてきたみたい。病気じゃなかったらいいんだけど…
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 08:26:41.15 ID:NY0L5b8/0
治療を始めて3ヶ月、検査の結果は芳しいものじゃなかった。
腫瘍は大きくはなっていなかったが小さくもなっていなかった。それとは別に肝臓への転移が見付かった。
薬を変え、更に治療を続けた。
告知から半年が経った頃には体力がかなり奪われ、パートの仕事が出来なくなっていた。
それでも治療費と生活費はかかる。
医師には入院を勧められたが、今の状況では入院は出来ない。治療だけでも苦しいのに入院となると更に費用が掛かる。それより娘の面倒を見てくれる人が居ないではないか
…頑張らなきゃ、絶対に治さなきゃ……
朝、重い身体に気合を入れて娘を起こし、お弁当を作る。
心配を掛けたくなかったので今まで娘の前では精一杯元気な振りをしていた。でもいつまでも誤魔化せる訳じゃない。今朝、娘にお弁当を渡そうとした時、目の前が急に暗く
なってしまった。
その後の事は分からない。気が付いた時、私は病院のベットの上だった。
「良かった。気が付いたのね」
そこには心配そうに覗き込む友人の顔があった。
「郁子?どうして?」
「麻那ちゃんが電話してきたのよ」
「娘が?」
娘は目を泣き腫らし、椅子に凭れて眠っていた。
「麻耶ちゃん、ママが死んじゃうってもう大変だったんだから」
「麻美、もう入院した方がいいよ」
「麻耶ちゃんは私が暫く預かってあげるから入院しなって」
「それと、あんたが言えないんならアタシから実家か元旦に言ってあげる」
実家は体面を気にして、この子を堕せと言ってきた。産むなら戻るなと、実の娘より体面を気にする人達にどうして言える?
それに実家には兄夫婦も居るし、私達は邪魔な存在でしかない。
「実家は止めて…」
「もし、私の身に何かがあったら、この子の事はあの人に頼んで」
彼ならこの子の事を絶対に悪い様にしないはずだ。
私は友人の好意で少しの間、入院する事にした。
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 08:27:45.15 ID:NY0L5b8/0
入院生活も10日が過ぎ、あと10日もすれば退院ってところでまさかの女体化をしてしまった俺、近沢雅也、女体化によって手術の傷も癒え、いつでも退院出来る状態なんだが
、まだ病院に居た。
本来ならこの時点で退院なんだが、30歳近い男の女体化が余程珍しかったんだろう。
寄って集ってやれ血液検査だ、MRI検査だ、終いにゃ脳波まで調べられた。
それにしてもこの人の多さ、一体何?
俺にパンツを買ってきてくれた看護師さんが言うには、あの人達は大学病院の偉い先生達だそうだ。
俺の症例が珍しかったので話を聞き付けてやってきたらしい。
モルモット扱いは正直勘弁して欲しいが、この人達なら俺のこの理不尽な女体化を解明してくれるかも知れない。
この後も検査は続き、俺は頭の先から足の先、口の中から下の穴まで調べられた。だが、何処にも異常は無く、偉い先生達の頭脳をもってしても原因はなかなか分からない。
その間に例の同僚がまたやってきたが、俺を見ても別段驚きもせずに「女になったお前には必要無いな」そう言うと前に持ってきたエロ本を持って帰りやがった。
コイツ一体どういう神経してんだ?医者も俺よりコイツの脳波を調べた方が面白いだろうに…
それより俺は女になって一つ分かった事がある。女でもエロ本を見るとムラムラする事があると言う事だ。これは以外だった。
そんなこんなで読む物を奪われた俺は、またパズルをやってみようと探したが、何処に行ったのか全く見付からなかった。
また買えばいいさ…
2日後の晩、一人の女性が俺の所にやってきた。どこかで見た覚えがある。
彼女は俺の顔を見るなり間違えましたと言って立ち去ろうとした。
思い出した!
「ちょっと待って下さい。貴女は確か麻美の友達でしたよね?」
彼女は立ち止まって振り返ると怪訝そうな顔で聞いてきた。
「何で私や麻美の事を知っているんです?」
彼女の質問に俺は正直に答えた。
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 08:28:45.17 ID:NY0L5b8/0
「そんな事もあるんですね」
彼女は今も信じられないっていう顔をしていた。
「それよりも貴女はどうして僕の所に来たんですか?」
俺の質問に彼女は麻美の病気の事、娘の事、今、彼女達がどれだけ大変な目に遭っているかを涙ながらに話した。
彼女の話を聞いている内に俺の身体は冷たくなりガタガタと震えだした。
彼女は一通り話し終えると「彼女達を救って下さい。あの娘は実家にも助けを求める事は出来ないんです」そう言って帰っていった。
俺は彼女に伝えてくれた事の礼を言うのがやっとだった。
何とかしなければ、何とかして彼女を助けたい。
でもどうすればいいんだ?女体化した俺に何が出来る?
でも取あえずは彼女に逢わなければ…俺は直ぐに退院する事にした。
退院を決めたは良いが、困った事に今の俺に着られる服や靴は無い。入院の時に持ってきた物は全て合わない。
下着や寝間着位なら病院のコンビニでも買えるが、服や靴までは買えない。誰かに買って来て貰わなくては…でも、誰に頼む?
同僚はエロ本は買ってくるが、女物の服は無理だろう。もし買ったとしても奴の趣味の服を着るのが恐ろしい。
困った事に今の俺には頼める人が居なかった。
最悪、ブカブカになった服で退院するしかないか?
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 08:36:33.65 ID:mw/Gd73PO
紫煙
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 08:39:46.17 ID:Di551zjiO
どうやら猿を喰らった様だ
ちょっと時間を空けてみる
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 08:47:17.39 ID:NY0L5b8/0
書けるかな?
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 08:51:30.90 ID:NY0L5b8/0
「近沢さん、退院されるんですか?」
急に声を掛けられて驚いた。
トイレの件以来よく話す様になった娘だ。そうだ、この娘に頼めば…
「聞きましたか?ただそれに付いて一つ困った事がありまして……今の私には着られる服が無いんです。お金を渡しますので買ってきて貰う訳にはいきませんか?」
俺の頼みを彼女は嫌な顔一つせず引き受けてくれた。彼女はこの後、交代したら休みだそうで、直ぐに買ってきてくれるそうだ。
これで明日の退院には間に合う。
俺は感謝と彼女への手間賃として、買い物代とは別に自分の物も買う様に彼女にお金を渡した。
これで服はOK、後はあのクロスワードパズルを買う事が出来れば、もしかしたら麻美の病気を治す事が出来るかも知れない。
俺は病院のコンビニへ向かうと真っ先に雑誌のコーナーに向かった。探していたパズルは一番端に一冊だけあった。
「あった!よかった…」思わず声が漏れた。漫画を立ち読みしている若い兄ちゃんが怪訝そうな顔をしてこっちを見たが、直ぐに元の本へと視線を移した。
やっと買える。そう思って手を伸ばしかけた瞬間、他の男の人が先にその雑誌を手にした。
「あーっ、その本!」
男性は驚いた顔でこっちを見た。
「お願いです。その雑誌、私に譲ってもらえませんか?」
俺の頼みに男性は、他にもパズルの本はあるじゃないか、それじゃ駄目なのかと聞いてきた。
他の本では意味が無い。その有り得ない事が現実になるそのパズルではないと駄目なのだ。
「他のじゃ駄目なんです。その本じゃないと……」言ってる内に目が熱くなり、最後の方は声が詰まって言葉にならなかった。
そんな俺に「そんなに必要なのか?分かったから、お譲ちゃん泣かないでくれるか?」そう言うとその人は本を譲ってくれた。
俺はその人に何度も何度も頭を下げてお礼を言った。
そしてレジに持って行った。
今回もバーコードは読まれず。店員さんは首を傾げながらキーを叩いた。
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 08:54:34.56 ID:NY0L5b8/0
俺は店を出ると本を抱えて病室に戻り、バックの一番下に入れた。ついでに着られなくなった男物の服は、ゴミ袋に詰めて掃除の人に処分をお願いした。後は服を買ってきてくれるのを待つだけだ。
今日もなんだか分からない検査を受けた後、医師から経過を看たいので23ヶ月に1度来て下さいって言われたが、多分ここに来る事は無いだろう。
翌朝、看護師の娘が私服姿で訪れた。
いつもの格好と違い、私服の彼女はちょっと幼く見えた。
彼女は何着もの服を見せ、コーディネートの仕方とやらを説いているが、俺にはさっぱり分からない。
取り敢えず今、着る服を選んでもらい着替えた。その際、ブラは不要だと断ったが、「男性だった貴女なら若くて綺麗な娘がノーブラで居たら、男の人はどうなるか分かるでしょう?」そう言われると着けない訳にはいかなかった。
俺は彼女にお礼を言って彼女の選んでくれた沢山の服と共に退院した。
入院費は予定より短い事もあったが、思ってたよりかなり安かった。
俺は一旦、アパートに帰り、荷物を置くとパズルの本を持って麻美の友人に書いてもらったメモを頼りに彼女の居る病院に向かった。
電車を乗り継ぎ、目的の病院に着いたのは病院ではそろそろ夕飯の時間になる頃だ。
俺は病院の売店で花を買ってエレベーターに乗った。
エレベーターを降りると何か慌しい雰囲気で、色んな機器が病室へと運び込まれている。どうやら誰か重篤な容態になった様だ。
一瞬嫌な予感がしたが、先日入院したばかりと聞いていたので俺はまだ大丈夫だと思っていた。
それが教えられた部屋に近付くに従い嫌な予感は真実味を帯びてきた。母を呼ぶ子供の声、必死で励ます友の声、俺は彼女の部屋の前で呆然と立ち尽くした。
医師や看護師が慌しく動いている。その中で彼女一人苦しんでいる。
「ちょっと寄って!」
ストレッチャーを押してきた看護師に怒鳴られた。
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 08:55:24.23 ID:NY0L5b8/0
彼女を励ましていた友人が俺に気付き彼女に声を掛ける。
「麻美、近沢さんが来てくれたわよ」
「雅也さんが?」
友の声に反応して彼女がかすれた声で聞いた。
彼女は俺に視線でこっちに来る様に促してきた。
俺は彼女の傍に行き手を取り声を掛けた「麻美、しっかりしてくれ、こんな形になっちゃったが雅也だ」
「雅也…さん?どうして女の子なの?」
「君達を苦しめた罰かもしれない。それよりお願いだから頑張ってくれ!君に治ってもらおうと思って不思議な本も持ってきたんだ。治ったらもう一度やり直そう」
「嬉しい…でも、もう少し早く聞きたかった…」
「今からでも遅くない!本当に不思議な事が起きるパズルなんだ!これさえ解けば君の病気も治るんだ」
俺はページをパラパラと捲り占いのページを開いた。
「ほら、やるよ、先ずは君の名前だ」
俺は空いたマスを麻美の名前で埋めた。
「次は生年月日だ」
俺は彼女の誕生日を書き込んだ。
「覚えていてくれたの?」
「忘れる訳無いじゃないか!」
「もういいの、それよりこの子を…麻耶をお願い」
娘の麻耶は母のベットに顔を埋めて泣いている。
「分かったから頑張ろう……」
「私より今の貴女に似ているわ」
「いいから続きを…」
言いかけた時、彼女は急に顔を歪ませたかと思うと静かになった。
心電図の音はまだ彼女が生きている事を知らせていた。
蒼い顔をしてママ死んだのって聞いてくる娘の麻耶に大丈夫、眠っただけだよって言うと彼女は少し安心した様だ。
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 08:58:36.39 ID:NY0L5b8/0
少しして麻美の友人の郁子さんがパズルに付いて聞いてきた。
「そのパズルは何が不思議なんです?」
「これはこの問題を解いた人に不思議な現象が起きるパズルなんです。僕はこのパズルのせいで傷が治り女体化しました。
他にも余命1ヶ月と言われた人が一夜にして完治したりとか有り得ない様な事が起きているんです。だから彼女にやってもらえば彼女の病気も治ると思うんです」
「にわかには信じられない話ね」
「でも、僕がやった時の回答は女体化でした」
俺達が話していると、それまで規則正しかったリズムが狂い始めた。
「麻美、しっかりしろ」「麻美!」
俺達の慌て様に麻耶は怯え、ママ死んじゃやだって泣き出した。
俺はしゃがみこんで麻耶の小さな身体を抱いた。
その間にもだんだん弱く途切れがちになっていく……神様!俺の命はどうなってもいいですから麻美を助けてください。
俺達の願いとは裏腹にどんどん衰弱していく彼女、一度大きく息を吸った後、ゆっくり吐き出し呼吸が止まり、心電図の波形もフラットになった。
医師は脈と瞳孔を調べると俺達に向き直り、重い口調で臨終を告げた。
母にすがり泣きじゃくる娘を母親から引き離す。
看護師さん達がてきぱきと器具や輸液の片付けを始め、俺達は一旦病室の外に出された。
次に部屋に入った時、着替えが済んで顔には白い布が掛けられていた。
「麻美…」
彼女にはまだ温もりがあり、死んだという事がとても信じられなかった。
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 09:01:49.10 ID:cJpyJU3bO
今沖田猿帽子
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 09:05:38.19 ID:NY0L5b8/0
少しして看護師がやってきて俺に彼女との関係を聞いてきた。俺は元夫だと告げると、こんな時に冗談は言わないで下さいって言われた。
確かに今の俺は小娘に見えるだろう。だがこんな時に冗談を言う筈無いじゃないか。
俺は今朝まで入院していた病院の診断書と退院証明を見せてやった。
「こんな時に冗談なんか言うはず無いでしょ!」
語気を荒げ詰め寄る俺に謝りもせず「だったらこれをお願いしますね」そう言って封筒を押し付けてさっさと詰め所に戻っていった。
渡された封筒の中には診断書と請求書が入っていた。
こんな所には一秒でも居たくなかった俺は電話帳で近くの葬儀社に連絡してから彼女の荷物を片付けた。
死に化粧が施された後、彼女の住んでいたアパートに戻った。
彼女の友人が実家の方に連絡してくれたが、葬式には出ないとの事で、俺と娘と友人数人だけのお葬式をした。
すっかり小さくなってしまった彼女を前に俺達3人はぼーっとしていた。
あの日、やりかけていたパズルの本が目に入り、彼女の代わりに続きをやってみた。
旦那の名前、娘の名前、卒業した学校……俺は彼女の答えでマスを埋めていった。
全て埋めて文字を繋いでいる内にひとりでりでに涙が出て困った。
「ふたりともだいすきだよ」
これは彼女からの最後のメッセージだったんだろうか?
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 09:06:31.71 ID:n3fKAHZN0
こういうゴミスレこそさっさとスレストされるべき
パー速でやれ
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 09:10:31.30 ID:/kzkwA6kO
朝から泣けるじゃないですか、もう
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 09:13:21.04 ID:NY0L5b8/0
後に俺は娘を認知し、正式に自分の娘にした。
会社は女体化した俺の首を切る様な事はせず、外回りの仕事から内勤に変えてくれた。
定時に帰れるので子育てするには都合が良い。その分、多少給料は下がったが、そう大した事では無い。
風変わりな同僚だが、育児で俺が飲みに行けなくなった分、時々ウチに来て飲む様になった。
娘とも結構ウマが合うらしい。料理を作っている俺をそっちのけで二人してきゃっきゃ言いながら遊んでいる。
その娘も今ではすっかり俺になついて俺の事を雅ママと呼んでくれる様になった。
俺はそんな娘の為に朝早く起きて一生懸命保育園のお弁当を作るのだ。
人の為に何かをしたいという気持ち。そして何かをしてあげる事が出来るって事がとても幸せに感じられる。
麻美、この子は俺が責任を持って育てるよ。
以上で終わりです。
予想以上に長くなっちゃいました。
暗いし読み辛くて申し訳ないです。
こんな俺の駄文を読んでくれた方、本当にお疲れ様でした!
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 09:27:20.29 ID:9FQIzr4rO
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 09:40:34.43 ID:mw/Gd73PO
乙です!
朝からいい話が読めて嬉しい
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 10:02:24.67 ID:Oa7oVFGY0
乙!
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 10:22:11.75 ID:mw/Gd73PO
ほ?
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 10:40:29.16 ID:cJpyJU3bO
ほ
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 10:40:40.34 ID:QGV/ckWxO
おつ
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 11:12:04.64 ID:cJpyJU3bO
ほ
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 11:30:48.34 ID:mw/Gd73PO
ほぇ
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 11:44:39.05 ID:jes4/XXlO
またやってしまった…
酔ってるのにバイク乗るのは自殺行為だからみんなは注意しような!
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 11:58:51.22 ID:mw/Gd73PO
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 12:11:53.51 ID:88PgDJVs0
通報した
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 12:17:43.65 ID:Di551zjiO
自分だけならいいが他人を巻き込むからやめれ!
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 12:24:25.31 ID:Oa7oVFGY0
うっうー
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 12:32:21.78 ID:mw/Gd73PO
水曜くらいのスレで投下したヤツの続きをば
またしても長い
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 12:35:54.93 ID:9FQIzr4rO
おけーい
136 :
「高原望の憂鬱」 ◆JUZWQ1Mxt. :2008/03/29(土) 12:36:03.20 ID:mw/Gd73PO
ピピピピッ…ピピピピッ…
目覚まし時計の規則的な電子音が朝の訪れを告げる。
「……んむぅ〜…」
それをのろのろと止め、俺はベッドの中で小さく伸びをした。
目覚ましは鳴ったものの支度するにはまだ余裕がある。
しばしの微睡みを堪能しながら、俺はふと一昨日のことを反芻した。
恋人である秋野とのすれ違いや痴漢事件などと散々な一日だったけれど、結果的に仲直りも出来て、二人の絆を深めることが出来た日。
(キスもいっぱいしたし、ちょっとエッチなことも……)
そこまで思い出して、ぼんっと噴火する俺の顔。
それと同時に(勝手に設定された)秋野専用の着うたが大音量で鳴り響き、俺は本気で心臓が止まるかと思った。
何のことはない恒例のモーニングメールなのだが、こうもタイミングがいいと脳内監視でもされているのではないかと疑ってしまう。
動揺を抑えつつメールを開けば、それは今日の予定を訊ねる内容だった。
そういえば今日は交際一カ月記念日。
放課後デートは断られてしまったものの、代わりにと秋野家の夕食にお呼ばれしたのだ。
交際が一カ月続いたなんて正直大した話ではない。だが始めから障害だらけだった俺たちからすれば、そんな些細なことすら快挙なのである。
『ケーキでも買ってささやかに祝おう』
そう言ってくれた秋野のはにかんだ笑顔を思い出し、俺は頬を緩ませながら返信メールを打ち始めた。
(あれ……?)
気のせいか、腹が痛い。連日の気苦労で胃でも荒れたのだろうか。
しかし痛みは胃ではなく明らかに下腹部。何かがおかしい。
(…何だろ、体もだるい…)
おまけに何やら下半身に違和感がある。――かーなーり嫌な予感。
俺は自分の予想が当たらないことを祈りつつ、恐る恐る掛け布団をめくる。
「――っひ!」
刹那、早朝の高原家から壮絶な悲鳴が上がった。
137 :
◆JUZWQ1Mxt. :2008/03/29(土) 12:39:59.71 ID:mw/Gd73PO
先日の痴漢事件から恋人・高原望とのすれ違いをきれいさっぱり解消した秋野遥は、朝から上機嫌だった。
おまけに今日は交際してから初めての記念日。
(そして何より…高原がうちに来る……!)
秋野は性転換して以来、念願の一人暮らしを許されていた。実家は女ばかり(一部女体化含む)なので、手狭なワンルームでも男体化した彼女にとっては天国である。
(高原呼ぶの初めてなんだよな〜…やべー楽しみすぎる!)
初イベントへの興奮に、おかげさまで朝からにやつきが治まらない。
もちろん一番の目的は彼――彼女に手料理を振る舞い、記念日のお祝いをすることだ。
平日だから当然お泊まりもナシ(お互いそこまで非常識でもない)
だが秋野とて立派な日本男子である。あわよくばあーんなことやそーんなことを、と目論んでもいた。
まあ元女とはいえ、今や多感な思春期の少年なのだ。可愛いすぎる彼女を前にして下半身と脳が直結してしまうのも致し方ない。
込み上げる過度な期待を抑えもせず、締まりのない笑みを垂れ流す秋野少年。すれ違う生徒は皆その異様さにドン引きしているのだが、今の彼がそれを意に介すはずもなかった。
138 :
◆JUZWQ1Mxt. :2008/03/29(土) 12:41:26.99 ID:mw/Gd73PO
妄想がクライマックスの秋野にもしかし、一抹の不安があった。
それは高原から朝のメールの返信がなかったこと。
くだらないものならスルーされるのも慣れているが、あの常識人な恋人が質問を無視するとは考えられない。
だからこうしてわざわざ別棟の高原のクラスまで足を運んだわけだ。
(高原高原〜…あれ?)
廊下から雑然とした教室内を覗き込む。しかしそこに目当ての人物はいない。
トイレかな?と首をひねった秋野は、一応近くにいた女子に声をかけてみた。
「あ、ちょっとごめん」
途端、周辺の女子たちが小さくざわめいた。しかも声をかけられた当人は薄く頬など染めている。
女受けする外見のせいとは分かっているが、高原以外の女子にそんな反応をされても嬉しくも何ともない。
「高原どこいるか知らない?」
何気なくその名を出した瞬間、目の前の女子どころか周辺の女子たちまでが、さっと顔色を変えた。
「……?」
「高原さんに何の用?」
一変して負のオーラをまとった語調に少々ムッとしつつ「俺アイツにCD貸してて」などと当たり障りのない嘘をつく。
「で、高原は?」
「高原さんなら欠席だよ」
「えっ、何で!?」
「…知らなぁい」
突然冷たい反応になった女子は、予鈴と共にそそくさと自分から離れていってしまう。
どこか釈然としないまま、本鈴に追われた秋野はその場から離れざるを得なかった。
139 :
◆JUZWQ1Mxt. :2008/03/29(土) 12:43:00.67 ID:mw/Gd73PO
秋野はその後も度々メールチェックをし、昼休みには高原に電話も掛けてみたがへんじがない、ただの(ry
(……おかしい)
いくら連絡不精の高原とはいえ、電話に出なかったことなど今まで一度もないのだ。
風邪か何かで寝ているのだろうと無理矢理自分を納得させてはみたものの、やはり落ち着かない。
もしかして一昨日の痴漢事件が尾を引きずっているのだろうか。
しかし昨日は至って元気そうだったし……何か他ののっぴきならぬ事態に巻き込まれているのか。
とりあえずミーティングが終わったら高原の家に即行で行こうと決めて、秋野は携帯をポケットに仕舞い込んだ。
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 12:43:06.34 ID:QGV/ckWxO
紫煙
141 :
◆JUZWQ1Mxt. :2008/03/29(土) 12:45:13.21 ID:mw/Gd73PO
「あらぁ、遥ちゃん。いらっしゃい」
そう言って高原家を訪ねた秋野を出迎えたのは、望の母・尚(なお)である。
どこか冷めた印象の強い望とは対照的に、綿菓子のような笑顔が似合う穏やかな美人だ。
「こんばんはおばさん。つか今は『遥くん』っすよ、俺」
苦笑しながら訂正すると、彼女はそうだったわねぇ、と柔和な笑みを浮かべる。
「もしかして望のお見舞いに来てくれたのかしら」
「はい、休みって聞いて。携帯も繋がんないし…あいつどうかしたんですか?」
よほど心配なのだろう、深刻な表情の秋野を見て、尚は頬に手を当てつつ吐息した。
「それがねぇ……」
142 :
◆JUZWQ1Mxt. :2008/03/29(土) 12:47:34.95 ID:mw/Gd73PO
階下から母の呼ぶ声がする。
掛け布団を頭までかぶりベッドにうずくまっていた俺は、それに反応して重い体を少しだけ起こした。
「……なにー?」
「のぞむー、遥ちゃんがいらしたわよー」
「えッ!?」
今一番会いたくない人物の名前を耳にして、ざぁっと血の気が引く。
「いい…!帰ってもらって!!」
「あらぁ…でも」
のんびりした母の声に合わせて、バーンッと勢いよくドアを開け放つ音。
「もう上がってもらっちゃったわよぉー」
「!?」
「突撃!愛しの高原さーんッ!!」
突如、意味不明なことを叫んで秋野がズカズカと部屋に侵入してきた。
「お前は変質者か!!」
「違うぜ!俺は捕らわれの姫を救いに来た通りすがりのプリンスさ☆」
「捕らわれてねーし姫でもねぇ!!ってか何そのポーズ!?気持ち悪い!キモイじゃなく気持ち悪い!!」
「何とっ!?貴様…俺が長年かけて編み出した秋野式☆求愛のポーズを愚弄致すかァア!」
「んな求愛いるか!!…っ、つぅ〜…」
うっかり秋野のテンションに乗せられたせいで、ただでさえひどい腹痛が悪化しやがった。
腹部を押さえて呻く俺に近付き、秋野が静かにベッドの端へ腰掛ける。
「高原、…『始まった』んだって?」
「ッ!……う、うぅ〜……」
秋野の言葉に全てを悟り、俺はとうとう泣き出してしまった。
「泣くなよ〜。おめでたいコトじゃんか」
しれっと無責任なことを言う相手にも、今は反駁する気にすらなれない。
女体化して一ヶ月。とうとう俺にもこの日がやってきた。
女体化者が恐れる生理現象のひとつ――いわゆる女性につきものの『アレ』が始まってしまったのだ。
143 :
◆JUZWQ1Mxt. :2008/03/29(土) 12:49:10.44 ID:mw/Gd73PO
「…っんく…せーりが…んな、キツいなんて聞いてないぃ〜…ッ」
未経験の痛みに耐えきれず、しくしくと泣き言を洩らす俺。いい歳して情けなさすぎる。
「まぁ始まるのが遅い子は重いって言うしねぇ…お前の場合仕方ないけど」
掛け布団の上から俺の腰をさすりつつ、秋野が小さく苦笑する。
それがひどく恥ずかしくて、俺は秋野の手を振り払うように布団をかぶり直した。
「秋野にだけは知られたくなかったのに…っ」
「何で?これでも経験者なんだから相談くらいしてくれよ」
「…『彼女』に生理痛の相談する彼氏なんてヤダ…」
その呟きに秋野は少々面食らった。
こんな姿になっても自分を彼女だと思ってくれていることが嬉しくもあり、またおかしくもあったのだ。
「――ま、そう言うなって。ところでお姫様、どこが一番つらいか仰って下さいませんか?」
「姫じゃない。……腹と腰」
「了解。ちょっと横向きに寝て、端に寄ってくれる?」
「?」
脈絡のない秋野の言動に疑問符を浮かべつつ、大人しく指示に従う。すると彼はさも当然とばかりにベッドへ滑り込んできた。
「おいっ!?ちょ……!」
(まさかこんな時までエッチな悪戯を!?)
思わず身構える俺だったが、それは杞憂に終わった。
144 :
◆JUZWQ1Mxt. :2008/03/29(土) 12:52:36.29 ID:mw/Gd73PO
そつない動きで俺に腕枕した秋野は、後ろから抱き締めるように痛む下腹部へと掌を当てる。
するとどうだろう。すぅ、と苦痛が軽くなったのだ。
「え…何か楽になった…」
驚いて秋野を顧みる俺を見て、彼はにっ、と相好を崩した。
「なんつーの、ヒーリングってヤツ?一回すげー重かった時に母さんにやってもらったんだよ」
効き目抜群だろー?と胸を張る秋野に、こくこくと何度も頷く。
「秋野すげー……」
素直に感嘆を口にすると、秋野が突然噴き出した。
「えっなに?俺何か変なこと言った?」
「や、うん、まー…高原かわいーなっつうね」
笑いを堪えながら答えにならないことを言う秋野。
(何で可愛かったら笑うんだ?意味が分からん)
そもそもこいつの可愛いの基準自体がおかしい。俺の何をもってして可愛いなどとほざくのだろう。
納得いかない様子の俺に、秋野はくすくすと笑い続けるばかり。
愛らしい外見と、男としての矜持を捨てきれない初心なリアクションとのギャップがいかに男心をくすぐるものか、まるで自覚のない望であった。
「気に入ったんなら毎回コレやったげようか。高原がつらいのは俺もヤだし」
「…ん、悪い。頼む」
「ありゃ、高原もしかして眠い?」
彼の問いとほぼ同時に、俺は盛大に欠伸をかましてしまった。
朝から痛みと不快感に緊張しっぱなしだった体は、予想以上に疲労していたようだ。
苦痛が和らいだ途端にそれが睡魔となって一気に俺を襲う。
おまけに背中から伝わる温かさがひどく心地好くて、俺の目は今やまともに開けていられない状態。
「しばらくこうしとくから。ゆっくり休みなよ、高原」
「ごめ、秋野…寝る……」
そう言い残して、俺は夢の世界へと旅立った。
145 :
◆JUZWQ1Mxt. :2008/03/29(土) 13:00:13.21 ID:mw/Gd73PO
早くも寝息を立て始めた望に小さく笑いを零し、秋野は彼女の黒髪に優しく指を通した。
さらさらの手触りに、髪質まで女の子なんだなぁ、と妙な感動を覚える。
そこで今さら約束のことを思い出した。
(そういや記念日…、…まぁいっか)
せっかくの計画はオジャンになってしまったが、添い寝できた上にこんなにも可愛い寝顔が見られたのだ。それだけで良しとしよう。
(あーあ、無防備な顔しちゃって……)
これは男として喜ぶべきか悲しむべきか。
「おやすみ、俺のお姫様」
そっと呟いてから、あまりの臭さに苦笑する。
いつから自分はこんなにも気障な人種になってしまったのだろう。
高原を見ていると、まるで自分が彼女の騎士にでもなったかのような気分に陥るのだ。
たまに愛が暴走してセクハラ紛いになってしまうのは、ご愛敬ということにしてもらいたい。
しばらく愛らしい寝顔を眺めた後、秋野は彼女のこめかみにキスを落として、華奢な身体をぎゅっと抱き締めた。
(どんなことがあっても、絶対に『私』が守ってあげるからね…高原――)
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 13:01:41.42 ID:QDrGHT8XP
ワクテカ保証
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 13:02:25.54 ID:QJRnE3Tg0
女体化希望
148 :
◆JUZWQ1Mxt. :2008/03/29(土) 13:09:38.06 ID:mw/Gd73PO
「――母さん」
「あら、お帰りなさい」
いつの間にやら帰宅していた夫・忍に驚く風もなく、尚はいつも通りにこやかに彼を出迎えた。
「ただいま。一つ訊きたいんだが、玄関にある男物の靴は一体……」
神妙な面持ちの夫に、尚はと可愛らしく小首を傾げる。
「靴?…ああ、そういえば忍さんはまだ会ったことなかったかしら。いまね、望の彼氏さんがいらっしゃってるのよ〜」
のほほんと尚が答えるや否や、忍の双眸がぎらりと底光りした。
「なん…だと…?」
そこに浮かぶのは、明らかな敵意。
「俺の可愛い一人息子…じゃなく一人娘をたぶらかすとは不届き千万!その男、成敗してくれりゃぁああ!!」
「あらあらダメよ忍さん」
「ヒョギフッ!」
いざ鎌倉!とばかりに娘の部屋へ突撃しかけた忍の背後から、尚が強烈な延髄斬りをかます。
「ふふ、ひとの恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじゃうのよぉ〜?」
床に崩れ落ちた夫の横に膝をつき、あくまで穏やかに物騒な発言をする彼女。
半死半生の忍が「…馬じゃなく妻に蹴られて死にそうです…」と呻くのを笑顔で黙殺する。
「それにね、彼氏さんは彼女さんでもあるのよ」
「……?」
「あなたならこの意味、分かるでしょう?」
にっこりと笑んだ妻に忍はしばし眉を寄せていたが、その顔が徐々に驚きのそれへと変化していく。
まさか、と呟いた夫に、尚は小さく頷いた。
「若い二人を温かく見守るのが『俺』たち先人の務めじゃねーの?忍」
懐かしい口調で笑いかける妻に、忍もまた懐かしい名を口にして頷き返す。
「分かったよ、……『尚斗』」
Fin.
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 13:14:15.86 ID:88PgDJVs0
GJ
150 :
◆JUZWQ1Mxt. :2008/03/29(土) 13:17:47.31 ID:mw/Gd73PO
生理ネタとかマニアックで申し訳ない/(^o^)\
因みに高原→女体化・秋野→男体化キャラです…
短文で面白いの書きたいよorz
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 13:17:51.61 ID:QGV/ckWxO
おつ!
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 13:23:26.40 ID:QDrGHT8XP
乙乙♪
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 13:41:38.95 ID:88PgDJVs0
ほ
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 13:42:02.89 ID:uKJ/dGmA0
末尾Pさんも礼子先生の人も色々な人が投下しまくりんぐで何が何だか分からないwwwwwwwwww
俺も頑張って書く気力が沸いてきた
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 13:48:44.27 ID:QGV/ckWxO
読み応えがあって楽しいです(^p^)
保守
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 14:00:17.91 ID:mw/Gd73PO
( ゚д゚)ウッウー
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 14:01:00.75 ID:8ki53ZQI0
安価進まないから書きかけの長編投下しちゃう
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 14:04:21.33 ID:mw/Gd73PO
wktk
159 :
『真実は俺の背中を見ている』 ◆9Yp0F0tOG6 :2008/03/29(土) 14:04:46.71 ID:8ki53ZQI0
『もう大丈夫だから、泣かないで』
一カ月か、二カ月周期で見る夢がある。
小さな俺は赤いおもちゃのサッカーボールを持っていて、目の前で禿げた中年の男がひいひい言いながら股間を押さえている。
その横には、桃色のカチューシャをした同い年くらいの女の子がいる。
大きな瞳に涙を浮かべて、小さく嗚咽を漏らす。
俺はその子に泣き止んでほしくて、ひたすら大丈夫だ大丈夫だと繰り返した。
ただの夢なのか現実にあったのか、もうよく思い出せない。大切なあの日の思い出。
* * *
初夏だった。
照りつける太陽はその明るさと暑さを見事に比例させる。
時折小さく風が肌を掠め、俺は上を向きながら目を瞑って立ち止まった。深呼吸して、ゆっくりと目を開く。
視界に飛び込んでくるのは、ペンキで塗り潰したような青。それにボンドでくっつけられたかのような綿雲。
円を描きながら悠々と飛ぶ鳶の特徴的な鳴き声に、俺は耳を傾けた。
一時間ほど続けていたランニングのお陰で、じんわりと浮き出た汗がシャツに張り付き、俺はバサバサと襟元を掴んで涼しい空気を中に送り込んだ。
肩を回し首を回し足首を回し、乳酸の溜まった筋肉をほぐす。
「あっつー……」
俺より一分ほど遅れて、ジャージの上着を腰に巻いた友人の県が俺のいる体育館裏の手洗い場にやってきた。
すぐに俺の横に立ち、蛇口を捻って生ぬるそうな水で顔を洗う。
そのパシャパシャという音を聞きながら、俺は後ろ向きで両手を手洗い場の縁に着き、大きく息を吐いた。
「もう一周行くか?」
いつの間にか顔を上げたのか、県が首にかけたタオルで顔に付いた水滴を拭き取りながら俺の顔を覗き込んできた。
逆光になって表情が分かりづらいが、自前の薄茶色の髪が金に透けて見える。俺は薄く目を細めた。
「いや……そろそろ昼だし、止めとくかな」
「分かった。じゃあ俺飯取ってくるわ」
校舎に向かって歩き出した県の背中を見送ると、俺はその場にずるずると座り込んだ。
軽い熱中症かもしれない。視界が滲んで、胸がむかむかした。何より頭が痛い。こめかみに手を当てると、嫌な振動が伝わってくる。
俺は立ち上がると、上に捻った蛇口からこれでもかと水を飲んだ。やっぱりぬるい。
160 :
『真実は俺の背中を見ている』 ◆9Yp0F0tOG6 :2008/03/29(土) 14:07:53.28 ID:8ki53ZQI0
◆
「おい五重、起きてっか?」
顔をしかめつつも首を縦に一度動かすと、県は俺の横に座ってコンビニの袋からパンを取り出した。
ダブルチョコデニッシュ。成長期には涎もののカロリーの塊だ。
けれど、受け取ったそれに一口噛み付いただけで、俺はまたしても酷い頭痛に襲われた。
内側から誰かに頭蓋骨を叩かれているような、脳の中に心臓があるような、嫌な感じだ。
「甘かったか?」
辛党だもんなお前、と言いながら足元に置かれた袋からサンドイッチを取り出し差し出してくる県に、俺は緩慢に頭を振った。
それだけでズキズキと痛みが増す。
やっぱり事前に水分を取っておくべきだったと後悔しながら、俺は口の中に居座る糖分の塊をなんとか噛み砕いた。
ぎゅっと目を瞑りながら飲み込み、すぐさま蛇口から水を飲む。
先ほどより幾分か冷たくなったそれは、喉につっかえた炭水化物を一気に胃袋まで押し流した。
「気分わりーの?」
もう食べ終わったのか、手作りおにぎりと書かれたパッケージの付いたビニールを握りつぶしながら県が聞いてきた。
力無く首部を垂れた俺は僅かに頷き、長い溜め息をついた。
「体力つけなきゃなんねーのに……」
ぼやきにも似た呟きに、県は呆れたように鼻から息を零した。顔は見えないけれど、多分眉根を寄せているに違いない。
静かに両足の間を歩く蟻を見下ろす俺の頭を、強すぎない力で小突く。
「お前気にし過ぎだよ。まだまだ時間あんだから焦ることねーって」
「そりゃお前はもうレギュラーなんだから余裕だろうけどよ……」
「そう卑屈になるなよ」
な、と言いながら背中を叩かれる。
それでも俺は駄々をこねる子どものように卑屈になるしかなくて、あまりの情けなさに鼻の奥がつんとした。
俺はどう足掻いたって県には勝てない。
さっきのランニングだってそうだ。一見俺の方が早く走っていたようだけれど、実際は二周も県に差を付けられていた。
それを縮めようと腕を振っても足を上げても、決して追い付くことが出来ない。本当に情けない奴だ、五重圭祐。
俺がこうして部活の無い日にわざわざ学校に来て自主トレするのも、県に嫉妬するのも、全ては二週間後に控えた大きな大会のためだった。
俺はサッカー部に所属する一年で、レギュラー入りを狙っている。大会毎にレギュラーの入れ替えがあるため、次こそはと意気込んでいた。
県はこの前の試合の時から一年で初のレギュラー入りを果たし、更に実力を付けはじめているためレギュラー落ちの心配もない。
それが俺の焦りに拍車をかけていたりする。
161 :
『真実は俺の背中を見ている』 ◆9Yp0F0tOG6 :2008/03/29(土) 14:10:01.34 ID:8ki53ZQI0
俺の方が先に始めたのに。
才能の差だとは分かっている。けれど、小学生時代からクラブでレギュラーを張っていた俺にとってはあまり愉快な気分ではなかった。
そうやってまた醜い嫉妬心を抱く自分に、心底吐き気がする。
「そういえば」と県が呟いた。
俺が膝の上で組んだ腕の間から視線だけをそちらに向けると、県は指に付いた米粒を口に運びながらこちらを向いた。
「今週末に西高と練習試合があるらしくてさ、先輩から聞いたんだけど、監督は一年を大量投入するかもって」
「何でまた」俺は目を見開いた。「よりによって、西高となのに?」
俺の通う東高と、一ブロック先にある西高はすこぶる仲が悪かった。
同じ進学校で部活に力を入れ、学校全体の学業成績も拮抗している。生徒数も大体同じで、敷地も同じくらいだ。
何から何まで似ている二高が反発しあうのは、仕方がないことに思えた。
そのため、両校は互いに顔を合わせる時決して力を抜かないというのが暗黙の了解になっていたのだ。
例えそれが練習試合でも、それぞれの最高のメンバーで本気を出して戦う。
だというのに、うちの監督はそれを一年でやろうと言うのだ。大袈裟な表現になるが、正気の沙汰じゃない。
「俺が思うに、そこで活躍した一年をレギュラーに昇格させたいんじゃないかな」
県の意見に、俺は目を輝かせた。
そうか。その場で俺が目一杯実力をアピールすれば、レギュラーになれるかもしれない。
都合の良いことに(と言ったら悪いが)、先週から二年のレギュラーの先輩が足首を捻挫して部活を見学することになっていた。
それを思えば、県の予想はあながち間違いではないかもしれない。
俄然気合いの入った俺は意気揚々と立ち上がり、すぐさまランニングを再開した。
「おい、待てって!」
後ろで県が声をあげたが、テンションの上がった俺の耳はそれを素通りした。
「じゃーな。また明日」
「おう。明日なー」
互いに軽く手を振り、俺と県は駅で別れた。
県の家は割と遠く、電車で二十分ほどかかる。
一方俺は駅近くの住宅地に住んでいて、別段急ぐわけでもない。ゆっくりと落ちる夕焼けを背に、立ち読みでもしようと近くのコンビニに入った。
「あ、五重」
聞きなれた声に顔を上げると、俺はあからさまに渋面を作った。
「紫藤……」
162 :
『真実は俺の背中を見ている』 ◆9Yp0F0tOG6 :2008/03/29(土) 14:13:29.05 ID:8ki53ZQI0
俺が呟くと、紫藤はニヒルな笑みを張り付けながら片手を上げ、「足どうよ?」と話しかけてきた。
「別に……」素っ気ない返事をし、スポーツバックの紐をかけ直す。
俺が立ち読みをしようとしていたスポーツ雑誌のコーナーに紫藤が陣取っていたため、俺は浅く溜め息をつきながら隣の漫画雑誌の方へと足を向けた。
適当に積まれている内の一つを手に取り、パラパラとページを捲る。すると、紫藤が横からそれを覗きこんできた。俺より幾分か目線が高い。
「んだよ」
「別にー?」
飄々とした態度で口笛を吹きながら演技くさい返事をする。こういうところは苦手だ。
紫藤は西校のサッカー部員で、中学時代は同じサッカー部に所属していた奴だ。ワックスで立たせた暗めの茶髪に、女顔寄りの端正な容姿をしている。
足の長さを生かした俊敏な動きが癪に障る奴で、サッカーで一対一になった時なかなか抜くことができない。
はっきり言えば俺の方が実力は劣るというのに、紫藤は俺を勝手にライバルと決めつけ、俺と戦いたいからというはた迷惑な理由で西校に進学した。
しかし、未だその野望は果たされていない。
それは、俺が高校に入ってすぐ靭帯をやってしまったからだった。
幸い全治三週間程で、さほど日常生活や部活にも支障がなかったし、それを言い訳にしたくもなかった。
けれど、やはりその怪我は少なからず俺のサッカーに影響を与えていた。
「お前聞いたか? 来週の練習試合……」
ぼうっとしていたのか、俺の口からは言うつもりのなかった言葉が勝手に飛び出してしまった。
やべえと思って片手で口を押さえると、紫藤の嬉しそうな声が耳に入って来た。
「そうそう! うちでやるからな。今度こそお前をふるぼっこにしてやる」
暑苦しい位の熱意が伝わってくる。なぜそこまで俺との勝負に執着するのか、俺にはよく分からなかった。
中学時代は俺と県と紫藤の三人で、よく馬鹿をやっていた。
元々性格や嗜好が似ていたのか、俺達は中学の三年間で超が付くほど仲良くなり、強い絆を結んでいた。
紫藤なんてクラブ時代から一緒にいたから、お互いの癖や弱点を熟知し合っている。
そんな部分を補い合ってサッカーをすることが楽しくて仕方がなかった。
それなのに、当然同じ東校に行くものとばかり思っていた紫藤から、西校行きを告げられた時のショックは相当のものだった。
それから、俺達の関係は微妙に変化しだした。
紫藤は俺をライバルだと、俺は紫藤を裏切り者だと認識するようになっていった。
間に挟まれた県には悪いことをしたと思っている。けれどもう、昔みたいに友好的な目を、紫藤には向けられなくなってしまった。
紫藤も紫藤で、こうしてたまに会う度やたらと嫌なちょっかいをかけてくる。
もう昔のような関係には戻れないと、無意識の内に思ってしまっていた。
「五重、お前これからどっか行くのか?」
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 14:17:09.62 ID:QDrGHT8XP
さる帽子配布中♪
164 :
『真実は俺の背中を見ている』 ◆9Yp0F0tOG6 :2008/03/29(土) 14:18:52.73 ID:8ki53ZQI0
唐突に話しかけられ、俺は声とも呻きともとれないおかしな返事をしてしまった。
「あ、いや……今日は俺が夕飯作る日だから、もう帰るけど」
俺がそう言うと、紫藤はふーんと視線を外に投げ、何か思案するようにしていた。それから一度目を閉じ、こちらに向き直る。
「じゃあさ、久しぶりに一緒に帰っか?」
なんでお前なんかと、という反発的な言葉で喉まで来たが、それを抑え込み、俺は別にいいけど……と曖昧な返事をした。
なんとなく、昔のように話したかったのかも知れない。
ビルの間に沈む夕日は、俺たちの影をどこまでも長く伸ばす。特に何か話すでもなく、俺と紫藤は家路を歩いていた。
車の通りが激しいため、何を喋ってもろくに聞こえないからだ。そして、何を話すべきか思い付かないというのもまたあった。
距離にして一歩半ほど先を歩く紫藤を、俺は口を噤みながら見ていた。東高と西高の少ない相違点である紺のブレザーがオレンジ色に染まっている。
紫藤と会うのは一カ月振りだ。
高かった身長はまた更に伸び、前に見た時よりも髪が短くなっている。試合に対して本気で取り組んでいる証拠だろう。
「なあ」
俺の目線より少し上にある紫藤の口が開いた。
「……何だよ」
「お袋さん元気か?」
「あー……まあ、そこそこ」
「そっか」
再びの沈黙。気まずいと同時に、俺は紫藤がうちの母親のことを覚えていた事実に内心驚いていた。
いや、覚えていて当然か。
家が近くてよくうちに遊びに来ていたし、あの母をもって息子が二人出来たみたいと言わしめるほどによく懐いていた。
そんな紫藤が忘れるわけがない。多分そう、中身は相変わらずの紫藤なのだろう。馬鹿で不器用な紫藤のままだ。
なんとなくしんみりしてしまった俺は、しかし再び昼頃の頭痛に襲われ、唐突に立ち止まった。荒く息をつき、額に手をやる。
「五重?」不審な気配を感じ取ったのか、紫藤が振り返り訝しげに聞いてきた。
俺は平気だという旨を伝える為に片手をあげ、左右に振ろうとした。
「あーっ! 圭祐に紫藤じゃん! 久し振りー」
突然爆発的な明るさを持った声が響き、しばし呆然とする。
「あ、湯地先輩」
俺の横で紫藤が嬉しそうな声を上げた。
その視線の先では、ツインテールで誰もが振りかえりそうな可愛らしい顔立ちをした少女が、朗らかな笑みをたたえて手を振っている。
165 :
『真実は俺の背中を見ている』 ◆9Yp0F0tOG6 :2008/03/29(土) 14:22:15.87 ID:8ki53ZQI0
幼馴染で隣の家に住む湯地宏美だった。
「珍しいなあ、二人が一緒にいるところ見たの卒業式以来」
俺と紫藤両方の顔を見ながら楽しそうに笑っている。
宏美は俺たちよりも二つ年上で、ここから駅三つ分ほど離れた商業高校に通っている。
可愛らしい見た目とは裏腹に、芯がしっかりしていて頼りがいのある兄貴分だ。
そう、兄貴分。
宏美は、俺の周りでの数少ない『女体化者』の一人だった。
「たまたま駅で会ったんだよ」
なかなか口を開かない俺に代わって紫藤が答えた。俺は右手で額を包む様に触ると、そっと近くの街灯の柱にすがった。
「圭祐、どうした? 気分悪いのか?」
宏美が顔を覗きこんで聞いてくる。昼間の県と何となくダブって、弱々しいものだったが自然と笑みがこぼれた。
「ちょっと頭痛くて……」
「大丈夫か? 顔真っ青だぞ」
そう言いながら俺の手を外し額に当てられた博巳の小さな手は、間違いなく女の子のものだった。
「ちょっと熱があるかもなあ……今日暑かったし」
宏美の声は鈴が転がるようだ。その音を聴くだけで、少しずつ痛みが引くような気がした。
宏美が女体化したのは、俺達が中二の頃だった。
その時の宏美は俺達と共にサッカーボールを追いかけながらグラウンドを駆け回っていて、唐突につき付けられた女体化という現象に、そうとう取り乱した。
俺は俺で、まさか宏美が、という気持ちが強くて、なかなかフォローに回ってやることもできなかった。
当時の俺達の学校で一番モテていたのが宏美だ。けれど決して彼女を作らず、俺達とグラウンドを走ることが何よりも楽しいと言っていた。
『お前らとサッカー出来ないんだったら、俺死んでもいいよ』
それが口癖となっていた宏美は、死ぬことはしなかったが(勿論説得には大変な時間を要した)、大好きだったサッカーから離れてしまった。
「こんなところでぼやぼやしてる場合じゃないだろ? 家に帰ろう」
ぼうっとしていたらしい。はっと気が付くと、俺は宏美に手を引かれずんずんと歩いていた。
いつの間にか俺達の住む住宅地と紫藤の住むマンションまでの道を分かつ十字路の前まで来ている。
大通りから外れた場所のため人通りは少なく、夕日が落ちてエメラルドグリーンの夜空が広がっている。一番星が見えた。
軽く後ろに視線を投げると、紫藤がズボンのポケットに両手を突っ込みながら信号待ちをしているところだった。
こちらの信号が青に変わり、戸惑いつつも歩く俺に、宏美が横断歩道のど真ん中でいきなり立ち止まって振り返った。
「圭祐、ちゃんと紫藤にさよなら言ったか?」
「え? いや……」
166 :
『真実は俺の背中を見ている』 ◆9Yp0F0tOG6 :2008/03/29(土) 14:28:48.14 ID:8ki53ZQI0
少し驚いてしどろもどろになった俺に、宏美は大げさな溜め息をついた。
「だめじゃん久しぶりに会ったんだから、ほら」
そう言ってあばらの辺りをばんばん叩いてくる幼馴染に、俺は困惑する。
「い、いいよ別に……来週連中試合で会うから」
「そう? なーんだ。しどー! まーたなーっ!」
俺の肩越しに、宏美が紫藤に向かって手を振った。
なんだかおかしな感じだ。ほんの二年前までは見上げていた宏美が、今は俺の肩に届くか届かないかの位置にいる。
「またなー先輩。五重! 体調管理もスポーツマンの仕事だぞー」
後ろから紫藤の声が聞こえる。俺は紫藤に見える程度に軽く右手を振ると、そのまま振り返らずに歩きだした。
俺は知らない。俺の背中を見ながら、紫藤が悲しげに溜め息をついていたことを。
「紫藤は相変わらずだったなー」
感慨深げに頷きながら、宏美が表札の下に取り付けられた郵便ポストの中を覗きこんだ。
そこに入っていたいくつかの手紙を抜き取ると(半分がダイレクトメールだ)、一枚ずつ丹念に調べながら玄関に向かって歩き出す。
「相変わらず、悲しそうだ」
ぽつりと漏らした言葉に首を捻ってみせると、宏美はへへへと笑って家の中へ消えてしまった。
俺は俺で、釈然としないまま自分の家のドアノブに手をかけ、ただいまの聞こえない玄関へと入って行った。
家に帰ってまずすることは、洗濯物の取り込みだ。その後風呂を掃除して、リビングに軽く掃除機をかけて簡単な夕食を作る。
一連の動作は慣れたもので、八時過ぎにはテレビを見ながらぼうっとしていた。
「……俺最近ぼけっとし過ぎじゃないか?」
呑気な独り言はテレビの中の司会者の声に飲み込まれてしまう。何となく白けた俺はスイッチを切り、冷蔵庫から麦茶を取り出した。
蛍光灯を反射しながらコップの中に吸い込まれる液体を見ながら思うことは、やはり部活のことだった。
県のこと、紫藤のこと、宏美のこと。頭の中で螺旋に繋がった悩みが所在なさげに渦巻いている。
「うまくいかねえなあ……」
溜め息混じりに出た言葉が、更に自分を悩みの沼へと沈ませた。
独りでいると余計に気が滅入る。一度は切ったテレビの電源を再び入れた。
俺の母親は気難しい人間で、それが災いして俺が二歳になる頃に父親と離婚した。
以来女手一つで俺を育ててくれている。それに報いるためにも、俺は早く帰れた日には自主的に家事をこなすようにしていた。
そういえば、最近まともな会話をしていない。
167 :
『真実は俺の背中を見ている』 ◆9Yp0F0tOG6 :2008/03/29(土) 14:35:42.36 ID:8ki53ZQI0
決して仲が悪いわけではない。けれど俺と母親の間には、埋めようのない小さな溝がいつまでもその存在を主張し続けていた。
そんなことを延々と考えていたせいで気が滅入ってしまった。
慣れたはずなのに、事あるごとに慣れたと言い聞かせてきたのに、いつまで経っても順応することが出来ない。
情けない。下らない。
すっかり意気消沈した俺は、簡単にシャワーを浴びると早々にベッドへ潜り込んだ。
頭痛はとっくに引いている。その代わりに顔が火照っていた。シャワーのせいだろうか?
いつまでも引かない熱を引きずったまま、俺は眠りについた。
朝。騒がしく携帯にセットしているアラームが鳴り響き、俺は目をこすりながら起き上った。
リビングの方から少々慌ただしい空気が伝わってくる。母親だ。いつ帰ってきたのかは知らないが、また顔を合わせることなく仕事に行くのだろう。
これで記録が最長の六日になった。数えても何の意味も持たない、つまらない習慣だ。
玄関の扉が騒々しく閉められたのを合図に、俺はずり落ちそうになるパジャマを引っ張りながら昨日着ていたシャツを手に部屋を出た。
俺の朝は洗濯から始まる。時刻はまだ六時半。白いカーテンの引かれたリビングを横切ると、爽やかな朝日が射し込んでいた。
乾燥機の横に置いてあった母親の洋服とシャツを隣の洗濯機に雑多に投げ込み、適当に洗剤を垂らす。
あとはスイッチを入れておまかせに設定すればいい。手慣れたものだ。いつでも独り暮らしを始められるだろう。現に、今もそのような生活なわけで。
ごうんごうんと規則正しく回る洗濯機の音を聞きながら大きく欠伸をすると、キッチンに行く。
テーブルの上には母親の作ったと思われる簡単な朝食が用意されていた。それに万札が何枚か。
そういえば今日から七月だ。カレンダーを確認しながら、俺はその正直言って多すぎる“小遣い”をズボンのポケットにねじ込んだ。
少し焦げたスクランブルエッグをのろのろと口に運んでいると、段々とぼやけた思考が明瞭になっていく。
そして、何となくいつもとは違う雰囲気を自分に感じた。
「あれ……」
フォークを握った自分の手。あれだけ外で走っておいて、不自然なほど色白だ。それに、ぷにぷにとして柔らかい。
「何だこれ……」フォークを置いて、じっと手を見る。
握って開いて、握って開いて。思ったように動く。間違いなく俺の手。それなのに、なぜこんなに小さくなっているんだ?
食べかけのスクランブルエッグへの意識は完全に薄れてしまった。その手を食い入るように見つめながら席を立つ。
「あ」
まただ。ズボンがずり落ちる。少し痩せたのだろうか。俺は紐をきつく縛りなおすために俯いた。すると、何やら視界に黒いものが。
「ひぁっ!」
情けない悲鳴が出た。まるで女のようだ。落ち着け。黒いものは単なる髪だ。少々長めの、女のような……。
「……え」
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 14:37:00.77 ID:QDrGHT8XP
さるさるぼーし
169 :
『真実は俺の背中を見ている』 ◆9Yp0F0tOG6 :2008/03/29(土) 14:39:09.56 ID:8ki53ZQI0
瞬間、俺は猛烈な勢いで洗面所に走っていた。ぴったりだったはずのズボンの余った裾が滑る。長い髪が弾んだ。胸に違和感。
ああそんな、嘘だ。もしかして、もしかして……っ!
「女に……なってる、なんて……!」
そっと鏡に両手を添えてみる。鏡の中の少女も同じようにしてきた。他人と手を合わせているようなおかしな感じだ。
次に、恐る恐る顔に触れてみる。やはり同じように、向こう側の少女も同じ動作をする。
……すべすべだ。思春期の男子にはなかなか身近ではない感覚に、驚きよりも戸惑いが濃くなっていく。
髪の束を掴み、上に持ち上げる。ぱっと手を離すと、はらはらと絹糸のように重力に従って肩に落ちる。
「……マジかよ……」
鏡の中にいる少女は華奢だ。長い黒髪に、長い睫毛に縁取られた大きな二重の瞳。小さな鼻、薄い唇。
間違いなく、俺だ。昨日までの中肉中背の男はどこかに消え、人格はそのままに見た目だけがもろに変わってしまった。
宏美を見ながら多少の危機感を抱いてはいたものの、部活にかこつけて直視することを避けていた。
まさかこんなに早く女体化してしまうとは。
「彼女作っときゃ良かったかなぁ」
いや、そんな暇はどこにも無かったのだけれど、でも。
石のような後悔が背中にのしかかってくる。
そして回転の遅くなった頭でようやく思いついたのが、サッカーのことだった。
「嘘だろぉ……?」
自分でも驚くほどの小さく弱々しい声を上げながら頭を抱えてしまう。この体で、どうやってサッカーしろっていうんだ。
サッカーが出来ないなんて、もう生きている意味がない。今更ながら、宏美の苦しみがひしひしと伝わって来た。
「……そうだ」
宏美。今家には親がいなくて、遅刻するような時間でもなくて、宏美は女体化者で。
頼れるのは宏美しかいない。俺はパジャマのまま家を飛び出した。
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 14:40:21.15 ID:8ki53ZQI0
一応ここまで。続きはまたいつか。
さるよけありがとう。
お粗末さまでした。
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 14:42:37.29 ID:mw/Gd73PO
乙!
うわー続きが気になる!執筆ガンガッテください!!
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 14:50:48.22 ID:H2gR067g0
乙
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 15:07:37.26 ID:mw/Gd73PO
ほ
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 15:36:42.00 ID:mw/Gd73PO
ほ
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 15:42:00.21 ID:NY0L5b8/0
>>170 おつ!
上手いね〜 続きwktkしながら待ってます。
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 16:06:48.43 ID:mw/Gd73PO
ほしゅなわけだが
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 16:39:03.82 ID:mw/Gd73PO
ほ
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 16:51:27.31 ID:46q2Ph8s0
ん
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 17:07:14.61 ID:QGV/ckWxO
☆
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 17:22:05.16 ID:YFUI0kBY0
★
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 17:23:58.15 ID:QDrGHT8XP
ほ
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 17:34:25.47 ID:Oa7oVFGY0
ほ
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 17:44:50.59 ID:QGV/ckWxO
☆
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 18:13:19.35 ID:8zmlG3PZO
☆
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 18:20:29.07 ID:GWKDDEQWO
投下に期待ほ
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 18:29:25.53 ID:QGV/ckWxO
ほし
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 18:54:03.59 ID:mw/Gd73PO
★
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 19:06:16.90 ID:NY0L5b8/0
安価
>>190 さて、風呂沸かして晩飯でも作るか…
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 19:17:00.42 ID:YFUI0kBY0
ksk
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 19:28:14.94 ID:GWKDDEQWO
夢
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 19:50:23.72 ID:QGV/ckWxO
☆
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 20:08:45.89 ID:Oa7oVFGY0
ほ
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 20:36:20.71 ID:QGV/ckWxO
ほす
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 21:03:41.74 ID:NY0L5b8/0
夢把握
600台まで落ちてる…危ない!
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 21:20:06.46 ID:Oa7oVFGY0
ほす
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 21:26:54.42 ID:GWKDDEQWO
ほし
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 21:43:50.75 ID:QDrGHT8XP
ほ
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 21:51:05.14 ID:PRUvv+pfO
起きたら女体化してたと思ったら最初から女だった件
寝起きはまじやばいなぁ
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 21:51:09.29 ID:46q2Ph8s0
ほ
200 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 21:54:05.26 ID:cJpyJU3bO
このスレの男女比が昔からよくわからん捕手
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 21:57:45.79 ID:88PgDJVs0
どうやったらそんな勘違いが起こるのか小一時間問い詰めたい
202 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 22:13:00.09 ID:NY0L5b8/0
あれよあれよという間に下がってく
風邪が酷くなってきたからもう寝る
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 22:23:00.87 ID:QGV/ckWxO
☆
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 22:27:11.18 ID:QDrGHT8XP
ほ
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 22:27:45.18 ID:WRTWh0JvO
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 22:28:30.29 ID:WRTWh0JvO
保守
207 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 22:29:21.90 ID:QDrGHT8XP
仕事前に保守
208 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 22:35:15.95 ID:Oa7oVFGY0
ほ
△
( 'A`)
211 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 22:52:13.63 ID:Q4KGNV/n0
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 22:59:47.77 ID:PyCaXvTj0
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 23:14:14.63 ID:kGuKAdsl0
>>211 非常にGJ
是非描いてもらおうと気負ったはいいが、結局先越されてたんだぜ
そして睡眠不足の為か、書いていた筈のデータを保存していなかった
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 23:29:22.01 ID:46q2Ph8s0
ほ
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 23:37:45.45 ID:GWKDDEQWO
ほ
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/29(土) 23:46:02.70 ID:QGV/ckWxO
☆
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 00:10:05.44 ID:nF40H1yeO
☆
218 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 00:12:56.62 ID:+DJ2uMEZO
安価『お風呂』
一週間前に女体化して、俺が必死に避けていた風呂に入れと母に怒られた。
決死の覚悟で服を脱ぐ。手探りで出来た着替えとは違い、滑りやすい床に気を付けようと視界に入る体。
丸みを帯び、脂肪が付き、以前の鍛え上げた筋肉は跡形も無く消え失せた。
「ちんこも無いとか……」
なだらかな丘に薄い陰毛しか無く、視界が滲む。これで何度目かわからない涙が頬を伝い、ごまかすようにシャワーを浴びた。
女体化した時に伸びた髪はハサミで短くした為、シャンプーは簡単に終える。しかし、タオルを体に滑らせる事に抵抗があり、ボディーソープを泡立てた所で手が止まる。
「くそっ!」
覚悟を決めて首筋から洗う。細い。
腕も、腰も、脚も……細い。
唯一変わらなかったのはバスト。しかし感触が違う。
「ぅひっ、な、な」
やけになってグイグイ擦っていると、ある一部にタオルが擦れた時、おかしな声が出た。
「……何?」
もう一度、そこを擦る。
「んっ、ぁ」
忘れていた。女は乳首でも感じる事。
「うわあぁぁぁぁあぁぁ!」
叫び声を風呂場に響かせ、シャワーで泡を流すとそのまま部屋に走り、ベッドの中で泣いた。
「……もうやだ」
俺が女に慣れる日はまだ遠い。
終わり
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 00:24:54.67 ID:+DJ2uMEZO
保守る
220 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 00:26:13.02 ID:mx8K9U7VO
乙
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 00:31:40.03 ID:xNO2mDjlO
ξ゚д゚)ξ ね ふ ら ほ
222 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 00:45:24.99 ID:4W/i7A1iO
乙ですぞ
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 01:02:47.83 ID:cqbIcN1I0
>>218 おつおつ…1週間も風呂に入れから逃げるとかwww逃げすぎwww
ho
225 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 01:20:48.31 ID:mx8K9U7VO
保守
あと書き忘れてたけど
>>211カズとリョウ描いてくれてありがとさんw保存させていただいた
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 01:31:52.31 ID:4W/i7A1iO
ho<ニャーン
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 01:54:49.78 ID:+DJ2uMEZO
ho orz
↑これ思い出した
228 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 01:55:31.88 ID:4W/i7A1iO
落ちるの速ぇぇえ
ほす
229 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 02:08:53.42 ID:0rX+9plz0
ハルチュウコワス
230 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 02:27:33.45 ID:4H42DzfMO
ねまらほ
231 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 02:53:31.06 ID:ny6cuZ3+0
ほ
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 03:27:18.29 ID:141dkngzO
ほ
233 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 03:30:12.27 ID:ORMcRegI0
そろそろ俺が安価↓
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 03:48:04.58 ID:cqbIcN1I0
梅雨
235 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 04:12:22.02 ID:cqbIcN1I0
ねまらほ
236 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 04:53:16.31 ID:4W/i7A1iO
ほう
237 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 05:32:57.42 ID:C3XWxeOJQ
おはよう保守
238 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 05:54:48.87 ID:ny6cuZ3+0
ほ
239 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 06:22:08.25 ID:Y8fAeLXLO
ほ
240 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 06:59:29.80 ID:4W/i7A1iO
おは保
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 07:55:59.35 ID:lzuTiRfc0
お
242 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 08:08:09.78 ID:p5Kcwu+o0
起きて落ちてないことに感動した
243 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 08:30:29.79 ID:lzuTiRfc0
にょ
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 08:34:27.62 ID:C3XWxeOJQ
朝だがねまらほ
245 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 09:00:57.21 ID:4W/i7A1iO
ほいほい
246 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 09:32:17.17 ID:4H42DzfMO
いなり寿司おいしいです
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 09:36:13.89 ID:4H42DzfMO
……純粋な意味で
248 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 09:50:03.49 ID:4W/i7A1iO
↑それ以外に何が(ry
あら雨で桜が散ってる…
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 10:03:24.34 ID:6OfIzdPv0
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 10:14:02.93 ID:xJYb5Y/A0
ほ
251 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 10:30:11.19 ID:lzuTiRfc0
り
252 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 11:03:02.73 ID:4H42DzfMO
ま
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 11:25:23.76 ID:mx8K9U7VO
き
254 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 11:54:12.43 ID:K0/sUv1V0
ho <ニャ〜ン
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 12:03:01.45 ID:0f6wfzWJO
MHP2ndGのおかげで執筆できない☆
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 12:20:51.80 ID:4W/i7A1iO
↑さあ、早く萌え女体っ子を書く作業に戻るんだ
そういえば女体化できるんだよな
2nd→Gで
258 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 12:40:28.92 ID:4W/i7A1iO
安西先生…女体っ子が、欲しいです…
259 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 12:41:11.38 ID:nF40H1yeO
女体化できるゲームだとはwwwwwwww
俺もPSP買おうかな?
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 13:12:51.39 ID:lzuTiRfc0
にゅ
261 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 13:30:41.11 ID:4W/i7A1iO
んにゃ
み゙ゃーぁぁぁ
263 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 14:09:35.30 ID:nF40H1yeO
みやぁ
264 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 14:10:17.02 ID:v7xb2FrQ0
265 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 14:23:35.65 ID:xJYb5Y/A0
にゃにゃ
266 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 15:04:08.81 ID:mx8K9U7VO
にああ
267 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 15:44:55.31 ID:141dkngzO
干し肉
268 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 15:56:18.00 ID:lzuTiRfc0
これから仕事だぜ
保守
269 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 16:26:18.35 ID:C3XWxeOJQ
保守
270 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 16:36:47.60 ID:gZIM15yVO
投下待ちほ
271 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 17:01:12.65 ID:4H42DzfMO
危ないよ!
272 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 17:05:09.38 ID:Ty547LG0O
只今構想中……
うん、大体決まった
今夜中に投下出来るといいな
273 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 17:10:24.55 ID:4H42DzfMO
ワクテカ
自分が女体化したらというネタは考えるのは簡単だけど、表現するするのが難しいですたい
274 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 17:18:47.75 ID:4H42DzfMO
休憩上がりだ
275 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 17:34:03.04 ID:+DJ2uMEZO
もじゃー
276 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 17:43:06.17 ID:xJYb5Y/A0
うにゃー
277 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 18:08:14.44 ID:gZIM15yVO
落ちかけほす
278 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 18:14:28.08 ID:xJYb5Y/A0
ほほっ
279 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 18:21:54.54 ID:mx8K9U7VO
☆
280 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 18:45:47.07 ID:141dkngzO
ほ
281 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 18:46:39.89 ID:Y8fAeLXLO
ほ
282 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 18:56:16.37 ID:xJYb5Y/A0
ほほ
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 19:08:49.37 ID:xJYb5Y/A0
ほい
284 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 19:30:35.07 ID:mx8K9U7VO
☆
285 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 19:45:11.07 ID:ny6cuZ3+0
286 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 19:47:40.75 ID:+DJ2uMEZO
ksk
安価なら『桜雨』
287 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 19:54:01.39 ID:+DJ2uMEZO
桜雨
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 19:56:25.54 ID:ny6cuZ3+0
把握した
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 20:05:28.79 ID:B8hw/8Zf0
ほ
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 20:10:56.57 ID:B8hw/8Zf0
いま安価書いてるんだけど、今一進まないから、
もう一つ安価取って複合安価にしようかと思う。
ってワケでコレ+3
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 20:29:33.40 ID:+JUrnVJXP
加速
292 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 20:38:05.16 ID:tR1EfpgvP
ksk
安価なら下
293 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 20:39:55.49 ID:gsSj/r1q0
安価なら教室
294 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 20:47:20.05 ID:tR1EfpgvP
空気読まずに安価下!
295 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 21:05:43.89 ID:141dkngzO
密室
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 21:09:15.82 ID:4H42DzfMO
バイト\(^O^)/
297 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 21:11:21.05 ID:p5Kcwu+o0
298 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 21:17:35.19 ID:Ty547LG0O
執筆中の保守
299 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 21:27:30.13 ID:xJYb5Y/A0
ほし
300 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 21:31:49.43 ID:+JUrnVJXP
ワクテカ+(0゜・∀・)+
301 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 21:38:42.75 ID:mx8K9U7VO
文章の神がなかなか降りてきてくれない保守
302 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 21:52:03.30 ID:+JUrnVJXP
それはわかる 保守
303 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 21:58:21.79 ID:141dkngzO
鬼畜が来たら投げそうだけど安価↓
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 21:59:01.77 ID:p5Kcwu+o0
鬼畜
305 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 22:02:39.56 ID:+JUrnVJXP
逃げてーwww
306 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 22:15:58.87 ID:mx8K9U7VO
ほす
307 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 22:25:01.08 ID:4W/i7A1iO
落ちるのハヤス
308 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 22:35:56.52 ID:Y8fAeLXLO
ほ
309 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 22:42:13.81 ID:mx8K9U7VO
投下待ち保守
310 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 22:54:20.59 ID:xJYb5Y/A0
ほ
311 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 23:03:50.92 ID:xJYb5Y/A0
ho
312 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 23:18:23.82 ID:xJYb5Y/A0
h
313 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 23:28:49.29 ID:+upJpmIR0
inu
314 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 23:29:47.01 ID:4W/i7A1iO
ho orz
315 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 23:30:41.79 ID:xNO2mDjlO
攻殻機動隊保守
316 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 23:37:31.91 ID:mx8K9U7VO
oLI
317 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 23:52:41.72 ID:4W/i7A1iO
にょた絵ってむずいな
318 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 00:03:43.81 ID:ZJTrD5EeO
堕ちる
あげほ
320 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 00:31:49.25 ID:hT1IebUd0
ほ
321 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 00:43:25.38 ID:ZJTrD5EeO
ほ
322 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 01:00:58.68 ID:J/gLBCWsO
安価鬼畜を書いている者だが、既に自分でも何を書いているのかよく判らなくなってきた。
これは失敗する予感。
っていう保守
323 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 01:04:16.47 ID:1b7UGd9HO
>>322 失敗は性交のもと。何でも試してみるものさっ!
324 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 01:07:40.36 ID:J/gLBCWsO
そうね
どがつく素人なんだから
325 :
安価「桜雨」:2008/03/31(月) 01:10:44.48 ID:hT1IebUd0
もうすぐ新学期も始まるという三月の末日。天気も良いので幼馴染みと二人で花見に行
くことになった。場所は近所の公園。有名な花見スポットだ。
食料と飲み物を買い込み公園へ向かうと平日にも関らずそこそこ人が集まっていた。
俺たちも空いた場所に座り早速花見を始める。
バカな話で盛り上がり、あらかたの食べ物を片付け一段落した所で幼馴染みが口を開い
た。
「お前の誕生日って来月だよな。あれってどうなの? 大丈夫そうか?」
「このまま行くと女になるなぁ」
「へぇー。お前顔は悪くないはずなのにな。やっぱ顔だけじゃダメなのかな」
「俺の顔の良し悪しは関係無いよ。ただ俺がわがままとでも言うのかな、いまいち好みの
子がいなかったんだよ」
「贅沢なヤツ」
目の前の幼馴染みは笑いながらそう言った。
「そういうお前はどうなんだよ」
自分のことばかり言うのも癪だしききかえしてやった。
「俺か? 俺の誕生日は先週だぞ」
「先週って事はもう……?」
「ああ、大丈夫……と言いたい所だが、実はまだなんだよね。なんか全然変わらないし、
もしかしたらずっと男のままかもな、俺」
そういってニヤリと笑った。ちょっと羨ましいなと思いながらペットボトルに口をつけ
る。
その時一陣の風が吹いた。強い風は桜の枝を揺らし花びらを散らせる。
思わず目を閉じる。
ほんの僅かな時間だった。風はすぐに止み、俺は目を開けた。
風の余韻に任せて薄桃色の花びらの雨が降る中での出会いだった。
俺の目の前には見慣れた幼馴染みの姿は無く、代わりに見慣れない女の子の姿があった
。
そしてその出会いは俺の恋の始まりでもあった。
326 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 01:14:39.95 ID:hT1IebUd0
とりあえずこれだけで終わりです。
把握したとか言って桜雨ってのがよく分からなかったので
自分のイメージで書いたんだけどこんなもんでいいのかね?
もしかしたら続くかもしれん。
327 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 01:25:19.54 ID:51s+r1l70
おつおつ
328 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 01:29:23.89 ID:wxGSJUeuO
おつ!
書いてる途中で寝てた…
携帯の文字を見てると何故か眠たくなるよ
329 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 01:35:12.19 ID:ZJTrD5EeO
乙!思わず花見逝きたくなった(笑)
330 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 01:49:52.63 ID:9xafCkEAO
おつ
331 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 01:59:48.38 ID:ZJTrD5EeO
332 :
「高原望の憂鬱・余談」 ◆JUZWQ1Mxt. :2008/03/31(月) 02:02:09.61 ID:ZJTrD5Eei
あれから一緒に寝入ってしまった秋野共々母に起こされ、何故か俺、両親、秋野の四人で食卓を囲む羽目になった。
最初こそ秋野に敵意剥き出しだった親バカ親父も、今では同じ男体化者同士すっかり意気投合している。
――そう、『男体化者同士』だ。
「…つーか母さんたちが性転換者だなんて聞いてねーし」
「だって言ってないもの〜」
「言えよ、そういうことは包み隠さず言うべきだろ。てか教えといて下さいお願いしますマジで心臓に悪いから」
「あらぁ、そんなこと言っても望が混乱するだけでしょう?
それに私たち、親の役割はちゃんと果たしてるつもりよ〜?」
「そうだぞ望!どんな過去があろうと、父さんたちがお前を愛してることに変わりはない!!」
「親父は黙ってろ。…ったく、道理で俺が女体化しても驚かなかったわけだ」
「ふふ、用意してたお洋服がムダにならなくてよかったわぁ」
自分が女体化した日のことを思い出し、たまらず非難の視線を向ける俺。
しかし精一杯の皮肉も、天然母のスルースキルに打ち勝つことは出来なかった。
(我が親ながらこのアバウトさには泣けてくる…)
溜め息をつきながらちらりと目を転ずれば、親父は親父で秋野を晩酌に付き合わせ何事か喚いていた。
――待て、仮にも人の親が未成年に酒を勧めるな。秋野もナチュラルに飲むな。
何で二人していい感じに酔ってんだよこの野郎。
333 :
◆JUZWQ1Mxt. :2008/03/31(月) 02:04:37.57 ID:ZJTrD5Eei
「時に遥ちゃん」
「『遥くん』ですお義父さん。何でしょう?」
「貴様におとーさんと呼ばれる筋合いはぬぁあい!!一度言ってみたかったのコレ」
「すみません。で?」
「うむ。正直言いにくい話なんだが、君は…生理痛に苦しむ女体っ子をどう思うかね?」
おい、何の話だ一体。言いにくいなら一生口にするなよこの馬鹿親父が。
「それは…、…至高の萌えでしょう」
は?お前もなに神妙な顔で答えてやがるんですか?
「!…ふ、ふふ…流石は俺が見込んだ漢だ…よく分かってるじゃあないか」
「当然です。女性以上の戸惑いや恥じらい、普段は見られぬ弱気な姿……これらに萌えずして何の女体化萌えですか!」
「おお…同志よ…!!」
「お義父さん…ッ!!」
食卓越しにガシィッ!と堅い握手を交わし、熱く友情を確認し合う変態たち。その目は同朋を見付けた喜びに満ちている。
ダメだこいつら…早く何とかしないと……。
理解の範疇を遥か超えた境地に旅立ってしまった二人を無視し、あくまで冷静に食事を再開した俺は、次の瞬間盛大に口の中のものを噴き出した。
「そういえば〜…私が望くらいの頃、生理中にお父さんがハァハァし出しちゃってついロメロスペシャル極めちゃったのよね〜」
ちょっ、最強の伏兵がここにいた……!!
「おっ、懐かしいな〜。そしたら母さん貧血起こしちゃって」
「そうそう!懐かしいわね〜」
「ね〜」
何を爽やかに下世話な話をしてやがるんだこの両親は。
バカップルなのは重々承知していたが、年頃の子供を前にしてそんな話題で盛り上がるか普通。
両親のあまりの非常識さに頭を抱えつつ秋野を見る。
ほら、秋野だってドン引きして……ドン、引き……?
334 :
◆JUZWQ1Mxt. :2008/03/31(月) 02:07:08.87 ID:ZJTrD5Eei
「…いいなぁ…」
ちょっと待て(二度目)。何故そこでキラキラした尊敬の眼差しなんですか。
おかしいだろ。明らかに何かが、つーか全てがおかしすぎるだろ。
「高原!」
「ぅおっ!?…な、何?」
「素敵なご両親だな…!俺たちも負けないように良い家庭を築こうなっ」
突然俺の両手を取ってそうのたまった秋野に、俺は椅子から転げ落ちるのを必死でこらえた。
カシャーンッ
刹那。箸の落ちる乾いた音に恐る恐る首を回すと、斜め向かいの親父の肩がふるふると震えている。
もはや嫌な予感しかしない。
「プロポーズ…だと…?貴様ァ、この俺を前にしてよくもぬけぬけと!」
勢いよく立ち上がった親父の双眸に灯るのは、強い敵意。とゆーかすでに殺意の域じゃないかコレ。
それにつられて秋野も腰を上げ、にやりと不敵な笑みを浮かべ返す。
さっきまで意気投合していたくせに、今や二人の間には一触即発の空気が張り詰めていた。
「ふっ…たとえお義父さんでも、こればっかりは譲りませんよ」
「――いい度胸だッ…だが望に手を出してみろ、オレハクサマヲヌッコロォォオス!!」
「あらあらお父さんてば、興奮しすぎてオンドゥルになっちゃって〜」
「……っだー!!頼むからあんたらもう黙れェェエッ」
変態だらけの晩餐に俺の叫びが虚しく木霊する。
何で、何で俺の周りにはまともな人間が一人もいないんだ。
あまりにも異常な状況に胃がきりきりと悲鳴を上げる。
俺は拳を握り締め、泣き出したい衝動を必死で抑えた。
俺の苦悩が終わる予定は当分――ない。
335 :
◆JUZWQ1Mxt. :2008/03/31(月) 02:10:53.93 ID:ZJTrD5Eei
正直いらない余談でした…自己満足で申し訳ない
一人称の文章難しすぎる('A`)
336 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 02:34:29.91 ID:ZJTrD5EeO
ほ
337 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 02:50:17.93 ID:ZJTrD5Eei
ほ
338 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 02:52:47.77 ID:Wr3kV1PCO
ねまらほ
339 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 03:03:59.59 ID:EN9h4Td90
乙ほ
340 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 03:22:25.69 ID:wxGSJUeuO
いやいやニヤニヤが止まらないっすよ!
さて、やっと書きあがった訳ですが、どーすんべ?
もう眠いし、明日にするかな?
341 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 03:34:39.01 ID:ZJTrD5Eei
>>340 ありがとうなんだぜ(´;ω;`)
人いないけど、良かったら投下してもらえないかな
いつスレが落ちるか分からんし
342 :
◆YPPZoWABRI :2008/03/31(月) 03:53:09.98 ID:wxGSJUeuO
んじゃ、保守がてらに投下しますか
いい加減下手な上、携帯なんで読み辛いのは許しておくれよ
安価「夢」
343 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 03:57:41.21 ID:wxGSJUeuO
「なんじゃこりゃー!」
俺、岡野恵一はトイレの中で松田勇作ばりの叫び声を上げていた。
「な…無い!どうして」
顔を洗って歯を磨いた時にはちょっと変位にしか思わなかったが、トイレで用を足そうとしてやっと重大な異変に気が付いた。
元々華奢で女顔な上に眼鏡を外していたからトイレに入るまで女体化に気付かずにいたのだ。
何故俺は女体化したんだ?これは童貞が罹る病気みたいなモンだろ?俺は既に済ませたじゃないか、それに先日もしたぞ……
うっ……やばい、おしっこ漏れそう…
俺は上げた便座を戻して腰を掛けた。チンチンがあった筈の所には申し訳程度に毛が生えてだけで突起は影も形も無かった。
その間にも脳みそはフル回転で原因を追求していた。が、答えなど出る筈も無く、空しい現実だけが目の前にあった。
取り敢えず用を足した俺は立ち上がりながらパジャマと一緒にトランクスを上げた。
「ひゃっ!」
トランクスが濡れて雫が足を伝いやがった。道理で女の子がトイレで拭く訳だ……とかそんなんて納得してどうする。
取り敢えず親に相談しなきゃ……台所で朝飯を作っている親父に声を掛けた。
「親父!」
「どうした?おめー便所でも騒いでたけど、なんかあったか?」
パンツとシャツだけで台所に向かっていてた親父が顔だけこっち向けて聞いてきた。
「俺のポコチンが消えた」
「へっ?」
俺が勇気を振り絞って言ったのに、親父はぼけっとした間抜け面で聞き返してきやがった。
「だからチンチンが無くなったって言ってんだろ!」
「女体化か?それにしちゃ乳無いぞ、おめー夢でも見たんじゃねえか?」
信じてねぇーでやんの、だからさ、見せたさ、パンツを下ろして綺麗さっぱり無くなった股間を…あーも、今思い出しても恥ずかしい。
344 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 04:01:18.11 ID:wxGSJUeuO
まあ、これで親父は信じてくれたんだが、それで俺が今日の学校どうしようかって聞いたら、行けばいいじゃねぇーかだと。
それだけならまだしも「お前の死んだ母ちゃんも乳が小さかったけどお前は母ちゃん以上……いや、この場合以下か…小さい……うごっ!」
「コラ、親父!散々人の乳が小さい小さい吐かしやがって!それに母ちゃんは死んでねぇだろ!親父の女癖の悪さに嫌気がさして逃げちゃったんじゃねぇーか!」
「まぁ、そういう事もあった様な気がするが、親父を殴るこたぁねぇじゃねぇか!そんな事よりさっさと飯喰って学校行きやがれ!」
「だから服とかどーすんだよ?」
「今のが合ってんじゃん、変える必要があるか?それとも何だ、お前、スカートが穿きたいんか?」それは正直御免被りたい。
「うぐっ……いやだ」
「だったらうだうだ言わずに行って来い!」
もうこうなったらしゃあない、行ってやろうじゃないの!
俺は親父の作った飯を喰って、いつものブレザーに着替え学校へ向かった。
「あらっ?岡野君、なんかいつもと違わなくない?」
教室に入って席につくなり隣の女の子に声を掛けられた。やばい!気付かれたか?
「そーか?いつもの恵一だろ?」
俺の机に腰を掛けて間に入ってきたのは友達の酒井だ。こいつ鈍感で助かるよ。
「それよりお前、聡美と付き合ってんだろ?どこまで行ったんか正直に教えろ!」
いきなりそれか!
「ノーコメントだ」
セックスしましたなんて言えるか、アホ!
それなのに何で女体化しちまったんだろ?あれって童貞がなるもんだろ?
345 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 04:03:51.10 ID:wxGSJUeuO
「おい、恵一……恵一君……おーい!」
考え事をしてて酒井が話し掛けているのに気付かずにいた。
「あっ、悪い、何だ?」
「噂をしてたらほら、彼女のお出ましだぞ、早く行ってやれ!」
酒井に急かされて教室の入口で待ってる聡美の所に行った。
「どうした?」
「今日、学校終わったら恵一んトコ行っていいかな?」
「別にいいけど…どうした?」
「じゃあ、学校終わったら行くね」俺の質問には答えず、それだけ言うとさっさと自分の教室に戻って行った。
一体何の用事だろ?もしかして明るい家族計画?……それはやばい!俺が女体化したのがバレちまう。それだけは絶対阻止しなきゃ
「あの娘、岡野君と付き合ってたんだ?まぁ、それもありかな」
俺が戻ると隣の娘が自分に言い聞かす様に聞いてきた。なんか意味深なんですが、どー言う事なんでしょう?
取り敢えず女体化一日目は母親譲りの貧乳?微乳?のお陰で気付かれる事はなかった。
346 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 04:06:58.70 ID:wxGSJUeuO
ピンポーン!
玄関のチャイムが鳴る。
案の定、来たのは聡美だった。
彼女は家に上がると俺の部屋を見たいと言う。それなのに部屋に入るなりどう言う訳かウチの親父の帰りについて聞いてきた。
「今夜は夜勤って言ってたから帰りは明日の昼前だね」
俺がそう言った時、確かに彼女の目が輝いた。
そして次の瞬間、俺はベットに押し倒されていた。
いつもと違う妖艶な彼女の表情に俺の中の勘がアラートを発していた、やばい!やばい!逃げなきゃ!
次の瞬間、彼女の手が俺の未発達の胸を揉んだ。
「ふふっ、やっぱりね」
そう言うと俺の足の間に入れてた彼女の足が俺の股間を圧迫する。その間も彼女の胸への愛撫は止まらない。
「アタシね、本当は男より女の子が好きなの…」
「だったら……何で俺とセックスしたんだ?」
「ゴメンネ、あれは素股だったの」
俺は彼女に騙されていたのだ。
「アタシの夢はね、女体化した貴女とこうなる事だったの、見事にかなったわ、しかも貧乳眼鏡っ娘!モロアタシのタイプ」
俺は服をたくしあげられ小さな乳首を吸われると自分では信じられない様な声を発していた。
この日、俺は果てる事の無い快楽の波に飲まれていった。
347 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 04:12:51.36 ID:ZJTrD5Eei
wktk(゚∀゚)
348 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 04:15:52.90 ID:wxGSJUeuO
夢とは違う気がするけど、いーんです。
取りあえず今まで貰った安価は全てやっつけたぞ!下手だけど…orz
さて、また安価をしてみようと思う+3
把握する前に落ちてたりして……
349 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 04:18:51.91 ID:ZJTrD5Eei
おつ!
てかこーゆう夢なのかwwwてっきり夢オチかとwwwww
ksk
350 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 04:39:02.07 ID:ZJTrD5Eei
人いないな
ksk
351 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 04:48:07.53 ID:EN9h4Td90
格闘技
352 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 05:25:08.07 ID:uNDx1IyNP
新しい朝がキター♪
そして ワクテカ+(0゜・∀・)+
353 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 05:26:18.68 ID:uNDx1IyNP
保守しなきゃ♪
354 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 05:58:32.43 ID:wxGSJUeuO
眠い…
355 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 06:19:05.33 ID:s4jxH8Jr0
久しぶりに来た。
ちょっと色々忙しくて、安価途中で放置になってるのがあるが
どうも気力が沸かないっていう久しぶりの保守
356 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 06:23:06.82 ID:uNDx1IyNP
年度末だからねぇ
+(0゜・∀・)+ワクテカするのは 楽しいけど 作品が進まないのは心に小さなトゲが刺さったような気分(´・ω・`)
357 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 07:01:51.04 ID:fUh/SAMu0
おはよ〜
358 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 07:06:51.93 ID:uNDx1IyNP
おはようございます♪
△
('A`) オハヨウ
360 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 07:51:53.60 ID:ZJTrD5Eei
おはやう
361 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 08:50:56.26 ID:ZJTrD5Eei
寒いすなぁ
362 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 09:09:09.68 ID:mKCHi7250
今日こそ書く
あ
364 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 10:02:36.56 ID:mKCHi7250
な
365 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 10:08:58.78 ID:wxGSJUeuO
に
366 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 10:27:00.61 ID:mKCHi7250
入
367 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 11:02:13.64 ID:wxGSJUeuO
っ
368 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 11:21:03.68 ID:ZJTrD5Eei
た
369 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 11:40:05.33 ID:UKPypIJB0
大
370 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 12:05:12.02 ID:ZJTrD5EeO
き
371 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 12:29:13.01 ID:Et46V9cK0
な
372 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 12:36:17.04 ID:1b7UGd9HO
女
373 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 13:04:04.45 ID:9xafCkEAO
の
374 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 13:28:49.85 ID:Du181B08O
落ちかけほす
375 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 13:47:29.04 ID:51s+r1l70
hoho
376 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 14:20:31.37 ID:mKCHi7250
shsh
377 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 14:37:22.23 ID:ZJTrD5Eei
初安価+3
378 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 14:40:44.87 ID:mKCHi7250
ksk
379 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 14:42:29.98 ID:mKCHi7250
kskst
380 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 14:44:38.69 ID:mKCHi7250
うそつき
381 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 14:48:48.19 ID:ZJTrD5Eei
把握
初だからちょっとドキドキ
382 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 15:02:13.38 ID:mKCHi7250
がんばれ><
383 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 15:29:14.51 ID:51s+r1l70
ほーーーしゅっっっ!!!
384 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 15:32:18.00 ID:hT1IebUd0
385 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 15:32:58.20 ID:mKCHi7250
↓
386 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 15:37:16.19 ID:wxGSJUeuO
安価なら「お花見」
あと5時間足らずか…
387 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 15:41:35.69 ID:hT1IebUd0
昨日お花見っぽい感じで安価消化したし
それの続き書くってのはあり?
「あ…また雨―――」
何処もかしこも地が乾く日が待ち遠しい近頃。
僕は紫陽花を震わす雨粒の一つ一つを数えながら、その意味の無いことに意味を探していた。
とめどなく降り続ける雨は神様の涙、と聞いたことがある。
その慈愛を以て地上に潤いを与えるのだ、と。
「僕なんかで、ホントにいいのかな…」
生まれて此の方保育園の頃からの付き合いだから、疾うに両手では数え切れない年月だ。
どんなに迷惑を掛けても、どんなに酷い喧嘩をしても、僕たちは一緒だった。
お互い日常の一部であり、肉親を除けば誰よりも一緒にいる時間が長い存在だった。
―――僕が女体化を迎えてからも、それは変わらなかった。
「よ、そろそろ時間だぞ」
「あ、うん…」
それっきり黙りこんだ彼は、何を考えているのだろう。
僕と同じように頭が真っ白になってしまっているのだろうか。
「さて…と。 おらボーっとしてんなよ? やつらに見せ付けてやろうぜ」
こういうやつだったか…ま、それもいいところなんだけどね。
僕たちは呼ばれて、薄暗い廊下を進む。
途中窓から見えた空は青く澄んでいて、でも雨は相変わらず降っていて、『狐と一緒だ』なんて笑いあった。
予定通り、僕たち二人は赤いカーペットの上に立った。 目の前には木製の大きな扉。
震える僕の手を彼は手にとって、笑う。
僕は彼の腕に腕を回して、少しだけ身体を預けた。
扉が、ゆっくりと開いてゆく―――
終わり
389 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 16:04:42.86 ID:9xafCkEAO
おつ
390 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 16:06:04.01 ID:NW/f1zTDP
おつです!
391 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 16:27:37.00 ID:ZJTrD5EeO
おつおつ!
392 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 16:28:50.37 ID:wxGSJUeuO
393 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 16:54:59.95 ID:ZJTrD5EeI
落ちるー
394 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 17:10:10.38 ID:ZJTrD5EeI
ほ
395 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 17:16:08.69 ID:uNDx1IyNP
保守
396 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 17:16:41.36 ID:YdtRneyRO
寒いぜ 保守
397 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 17:50:19.99 ID:Wr3kV1PCi
上
398 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 17:55:03.57 ID:uNDx1IyNP
399 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 18:00:12.61 ID:uNDx1IyNP
寒いね
400 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/31(月) 18:07:09.68 ID:9xafCkEAO
執筆中ほす
401 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
昨日、複合安価がどーのこーの言ってた者だけど、
「教室」ってのがあまりにも前のと相性が悪いから
やっぱり別々に書くわ