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以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
気持ち悪いとか自分で分かってるんだぜ。ヤケクソだ。
…
俺は薄れ行く意識の中、大切な人の、大切な想い出をずっと頭に浮かべていた。
そうだ、幸せだった。
こんな冷たい雪なんかに負けない…彼との思い出は、こんなに暖かかったんだ。
俺は震える足に鞭を打って立ち上がり、また走るのだ。
………
……
…
週末の大通り。
俺は何時もより賑やかな街を、自慢の尻尾を立てて歩いている。別に目的が有るわけでもないけれど、この雰囲気が好きなのだ。人間達の間では、今日はクリスマスと言うらしい。よく分からないがプレゼントを貰うのだと、子供達は言っていた。だがそんなの俺には…関係無い。
「あー!ママ!くろねこ!みてみてー!」
小さな人間の女の子が俺を指差す。だがその母親は、俺を見ると汚い物でも見るようにそこら辺に有る石を投げつけながら言った。
「こ…こら!見てはいけませんっ。呪われるわよ!シッシッ!」
俺は身を翻して、狭い路地を通り、何時もの人気の少ない公園のベンチで丸くなる。
…こんなのは日常茶飯事だ。俺は何故かこの黒い姿が悪魔の遣いだと、人間から嫌われて来た。だがそんな『孤独』には慣れている…いや、むしろ望んで居る。
2 :
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死にたまえ