1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
雄雄々おおおおおおおおおおおお――――――!!!!
代理だあああああ――――――――――!!!!!!!!
2 :
('A`)と夢の島のようです ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 21:48:44.06 ID:s/aBR6Gd0
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 21:50:37.43 ID:1nUT8/rx0
超支援
4 :
('A`)と夢の島のようです ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 21:50:40.24 ID:s/aBR6Gd0
第三夜終了時点での簡単な紹介とマップ
('A`)
名前:鬱田ドクオ
能力:物の性質を変化させる能力
夢の島再突入時に姿が変わらず、前日の状態を保持する能力
潜水の能力[知のアクアマリン]
所持品:アーミーナイフ
空のポーチ
知のアクアマリン
( ^ω^)
名前:内藤ホライゾン
能力:物の性質を変化させる能力
夢の島再突入時に姿が更新され、新しい姿になる能力
飛行の能力[勇敢のルビー]
所持品:勇敢のルビー
簡易マップ(RPGツクールって便利だよね)
ttp://www.uploda.org/uporg1284911.gif
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 21:51:13.19 ID:Y5RK5qJF0
暑い支援
6 :
('A`)と夢の島のようです 前回のあらすじ ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 21:52:33.51 ID:s/aBR6Gd0
第三夜のあらすじ
( ^ω^)「ブーンは『勇敢のルビー』のおかげで空が飛べるようになったお!
今回はドクオと一緒に滝に行くことになったんだお。
でも、そこで待っていたわかんないんですはブーンを追い出してドクオと一対一の勝負を申し込んだんだお。
あ、中で起こったことはブーンじゃ上手く説明できないから第三夜を詳しく読むお!
まぁ、それでドクオも『知のアクアマリン』を手に入れることが出来たんだお。
水がないとダメって言うけど他にも使い方はあると思うお。多分。
ドクオが言ってた滞在時間が長くなっているってどういうことか、まだブーンにはわかんないお。
それじゃ、続きいってみるお!」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 21:53:07.73 ID:mS5YGUrFO
支援
8 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 21:54:27.75 ID:s/aBR6Gd0
( ・∀・)「そもそも人は夢を何で見るんだろうね。生物学的って意味じゃなくてさ。
不可能に対する渇望なのか、単なる鬱憤晴らしか。それとも故人の残した遺産なのか」
('A`)と夢の島のようです 第四夜
9 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 21:56:25.07 ID:s/aBR6Gd0
('A`)(どうしてオレはここにいる?)
白い天井、同様に清潔感の漂う白い壁。
ほのかに漂うアルコールの匂いに、ここが自分の部屋でないことを気づかされた。
病院――今、目にしている情報からはそのようなイメージもとれる。
しかし、病院でもないようだ。
顔をわずかに傾けると隣には簡易ベッドが設置されているのが視認できた。
病院のそれならもう少しマシなものがあるだろう。
リクライニングもない、ただ硬そうなマットレスに純白のシーツが掛けられているだけの粗末な作り。
病人を寝かせておくためのものと言うよりは、一時しのぎをさせるものだろう。
オレが寝ているものも含めて、二つのベッドは純白のカーテンで小部屋のように区切られていた。
どこか見覚えがあるこの景色にオレは一つの結論を導き出した。
どうやら、ここは保健室らしい。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 21:57:06.14 ID:obyalZgPO
猿怖いC
11 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 21:58:17.29 ID:s/aBR6Gd0
■現実―学校・保健室
――どうしてオレはここにいる?
オレはゆっくりと体を起こし頭の中で言葉を反芻した。
次第に覚醒して行く意識と共に、頭に強い痛みが走る。
恐る恐る手を当ててみるとオレの右側頭部には見事なたんこぶが盛り上がっていた。
('A`)「ッ!」
駆け抜けた痛みに手を離して見るとどうやら血は出ていないようだった。
よかった――いや、よくない。
記憶を手繰り寄せるように、頭の中でもう一度言葉を繰り返してみる。
――どうしてオレはここにいる。いつ、オレは学校へ来たんだ。
12 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:00:10.25 ID:s/aBR6Gd0
オレの頭からの返事はなかった。まるで記憶にない。
夢の島から帰ってきたのはあっちの時間で夕方だ。
いつもと比べたら体感時間で一時間から二時間くらいだろうか。
夢から覚める時間が遅くなっていた。
体感時間なんであやふやな物だが、遅くなっていたことに変わりはない。
この記憶喪失とそれは、何かの因果関係があるのか。
オレはきちんと制服を着ていた。腕時計も嵌めている事から、まともな格好で登校したことは間違いないようだ。
腕に嵌められたデジタル時計を確認すると、その数字は九時十五分を指していた。
一時間目の授業ももう半分を過ぎ、多くの生徒が休憩時間に心を躍らせ始める頃である。
何故この時間になって意識が戻ったのだろうか。
昨日、一昨日も含め、いつもの起床時刻は六時半。そう、いつもならこの時間に家で目が覚めるはずだった。
でも、今オレが居るのは保健室のベッドの上。しかも九時十五分と言う中途半端な時間。
その隙間は実に二時間四十五分。
オレはその間、一体何をしていたんだ?
――ダメだ。全く思い出せない。空白の時間はオレに重たくのしかかっていた。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:01:14.05 ID:Y5RK5qJF0
支援
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:01:18.03 ID:obyalZgPO
C
15 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:02:03.68 ID:s/aBR6Gd0
オレがさっき上げた声に反応したのか、カーテンが開かれ白衣の女性がオレの下へハイヒールの音を響かせながらやってきた。
川д川「目が覚めた?鬱田君」
ロングヘアーをこよなく愛するこの女性は、後ろ髪だけでなく前髪までも異様に伸ばしていた。
こちらからは前髪に隠れて目を見ることはできない。正直な話それで前がしっかり見えているのかどうかも怪しい。
車で通勤しているらしいが警察に止められてるんじゃないかと常々思う。
そんな彼女は映画のリングに出てくるキャラクターに似ているとのことで、生徒の間から『貞子先生』とあまり有難くない愛称まで頂戴していた。
だが、本人も気に入っているのか職員である事を示す胸の名札には赤の油性インクで『さだこ』と書かれていた。
('A`)「はい。もう大丈夫です」
どうしてここに?と訊きたい衝動に駆られたが、それは躊躇われた。
理由によってはそれが不自然と思われる可能性もあったからだ。
だが、その心配は無用だった。
川д川「そう。鬱田君、朝のショートホームルーム中に貧血で倒れたらしいの。
寝不足だったのかな?睡眠はちゃんととって、鉄分を補給しないとダメよ」
心配そうに話しかけるもきっちり保健指導してくる所はさすが先生か。
貞子先生はアイシング用の氷を手際よくビニール袋に詰めるとオレの手に乗せた。
川д川「顔色も悪くなさそうだし、次の授業には出られそうね。
それまではここで休んでていいわ」
ごゆっくり。と貞子先生はカーテンを閉めた。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:03:15.66 ID:mS5YGUrFO
支援
17 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:03:57.72 ID:s/aBR6Gd0
貧血か。オレはどうしても釈然としなかった。
どうやら普通に登校してきたオレは朝のショートホームルーム中に貧血で倒れたらしい。
朝のショートホームルームは八時半から八時四十分。それから今の時間まで気絶していたのか。
('A`)(約二時間…?)
オレはいつもより二時間ほど遅く帰ってきた。すると約二時間の空白の時間が生まれた。
これは、偶然なのか?それとも――。
■現実―学校
一時間目が終わるとオレはベッドに別れを告げて教室に戻った。
大丈夫?といい意味なのか悪い意味なのかどちらとも取れない視線が各所から集まる。
気にせず席に着くとモララーが心配そうに話しかけてきた。
( ・∀・)「大丈夫か、ドクオ。プリント回してたら急にぶっ倒れたんだよ」
('A`)「そうか。今日は何だかボケっとしててな…あんまり今までの記憶が無いんだ」
(;・∀・)「おいおい、本当に大丈夫か。ま、お前はいつも通りだったよ。ボケっとはしてたかもしんないけどさ」
あぁ、大丈夫大丈夫。と相槌を返すと、オレは机の中を覗いた。
そこには一枚のプリントが半分に折りたたまれて入っていた。
開いてみるとどうやら保健室通信らしい。
貞子先生の描いた犬だか猫だか分からない謎の生物が右上に載せられていた。
18 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:05:51.63 ID:s/aBR6Gd0
『保健室通信 十二月特別号 〜心のアンケート〜
今年の七月初めから中学二年生の自殺が続いていることは皆さんもご存知でしょう。
クオリティ中学でも先月の十一月、二年三組の引田君がビルの屋上から飛び降り自殺をしたことも記憶に新しいと思います。
自殺の原因にはいじめや家庭内暴力など様々な要因がありますが、命を粗末にすることは何よりも自分に対して失礼です。
自分の命だから自分の好きにしてもいいじゃないか。
そう思う人もいるでしょう。でも、違うんです。
今まであなたが過ごしてきた時間。
一人の時もあったでしょうし、両親だけでなく、友達と一緒に居た時もあったでしょう。
自殺するということは今まで生きてきた昨日までの自分を否定することになります。
だから、悩んでいる人は一人で考え込まないで。
胸のうちを両親や友達に話してください。貞子も相談に乗ります。
今回は無記名でアンケートをとることにしました。もしも思うことがあったら保健室前のボックスに書いて入れてください。
あなたは、一人じゃないのだから。
保険教諭 貞子
(1)―――…』
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:06:36.55 ID:mS5YGUrFO
支援
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:07:22.06 ID:obyalZgPO
C
21 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:07:44.60 ID:s/aBR6Gd0
('A`)「引田?」
名前は記憶の隅に残っていた。
二年三組といえば隣のクラスだったが、そんな名前の奴いただろうか。
( ・∀・)「引田は不登校児だったんだよ。学校にも滅多に来てなかったし。テストの時は保健室で受けてたんだ。
クラスも違ったしドクオが知らないのも無理はないかな」
('A`)「いや、名前は知ってるんだ。どこでだったっけなあって」
( ・∀・)「あぁ、テスト結果の張り出しじゃないの?あいついっつも三位だったし。ドクオの真隣だからね」
あぁ、テスト結果か。そう言えばそんなこともあったか。
一位はモララー、二位はオレ。三位以下はあまり気にしていなかったから、記憶の残りにも悪かったらしい。
('A`)「そっか。まぁ、いいや。モララーはこれどう思う?」
( ・∀・)「えー、まぁ…出す人はほとんど居ないんじゃないの。ドクオだって出す気ないでしょ」
モララーはオレの後ろの席で漫画を読んでいる流石兄弟を指差す。
('A`)「そもそもオレはいじめられているというよりは、むしろあいつらがカンニング失敗してるのを見て喜ぶ方だから」
( ・∀・)「ふーん。ドクオはそうでも周りはそう思ってないと思うんだけどな。
確かに、言葉攻めも含めて直接の暴力はないけどさ。強制してるってことはやっぱ皆も知ってるから」
今北
ツクール吹いたwwwwww
支援
23 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:09:37.69 ID:s/aBR6Gd0
('A`)「人は人さ。オレは別に気にしちゃいない」
大げさに額に手を当て、わざとらしいため息をつくとモララーは言った。
( ・∀・)「そうだといいんだけどね。何かされたらいつでも言ってよ。
僕の父さん刑事だし、ちょっとお灸すえればおとなしくなるでしょ」
少し前に聞いた話だがモララーの父親は、最近巷を騒がせている変死事件を担当している刑事らしい。
実際に会ったことはないが、モララーと同じで優秀なんだろうな。
刑事って言うとカツ丼と電球のスタンドと机向かいの尋問くらいしか思い浮かばないが、やっぱり怖いんだろうか。
そんな事態に直面すれば流石兄弟もおとなしくなるかもしれない。
だが、そこまでする必要はあるのか正直疑問だ。
('A`)「それは本当の最終手段だ。使う気はないぜ。
オレに自殺なんか似合わないだろ?それに自殺するとしても発見されにくい方法を考えるね」
『自殺するとしても』の部分にモララーはきょとんとした顔になる。しかしすぐ調子を取り戻すと、
「確かに似合わないね。もしそうなったら僕が見つけてやるよ」と、モララーは笑いながら答えると席に帰っていった。
似合うわけがない。自殺なんてオレには接点が遠すぎて見えないね。
ニヒルに笑うオレを振り向きざまに見たモララーの顔はどこか寂しげだった。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:10:26.88 ID:/ecrOBpBO
支援
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:10:57.32 ID:mS5YGUrFO
支援
26 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:11:31.66 ID:s/aBR6Gd0
■現実―ドクオの部屋
帰りにしぃから絵の調子を聞かれたがどこまで書いたか覚えていないし、朝の記憶も抜けていたから、
「ラフスケッチだけ描いたよ」と適当に返しておいた。
だってそうじゃないか。覚えていないんだから。
文化祭前にもかかわらずオレがさっさと帰ることが出来たのはこの学校のルールのせいだ。
クオリティ中学は放課後に文化祭の準備を行うことを禁じていた。
何でも部活に専念し、来年こそは優勝しまくってスポーツ高として名を馳せたいとか何とか。
だったら文化祭をやめろと言いたい所だが、伝統は変える気がないらしい。
熱心な生徒はそれでも隠れて準備をするのだろうが、それにオレは含まれていなかった。
面倒だし、ポスターを描くと言う名目もあるからな。
その代わり、明日明後日明々後日の三日間は全ての授業を取りやめ、文化祭の準備に当てることになっていた。
全く、無くなった授業はどこへ飛んで行くのやら。授業費返してくれよ。
27 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:13:24.32 ID:s/aBR6Gd0
そんなこんなで早く帰れたことは嬉しかったが、空白の時間のことがある。
軽い記憶喪失なんてどうしても手放しで喜ぶことなんかできない。
『やったー!記憶がないぞー!』なんて喜ぶ変人がどこにいる。
かーちゃんにも朝どうしていたかを訊いてみた。変な顔をされたがどうやらいつもと変わりなかったらしい。
あぁ、二時間四十五分の刈り取られた時間。どうして覚えていないんだ。
原因は――"夢の島"か。もう一人の奴にも詳しい話を聞いた方がいいだろうな。
今は、考えるのをよそう。
オレは曇りがちな頭を振り、気持ちをリセットさせる。
そして、筆箱を開け左手に鉛筆を持つと、イメージと格闘するためにスケッチブックに向かった。
第四夜 前編 完 後編へ続く
28 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:15:27.12 ID:s/aBR6Gd0
■夢―アレンテヴォレッツァ北東・川沿い
カラッとした陽気にウトウトしていたはずの思考は跡形もなく吹き飛んだ。
('A`)「オレ、ちゃんとベッドで寝たっけな…」
ちゃんとベッドに入ったかどうかの記憶は頭にない。
現実のオレは鉛筆を持ったまま涎をたらして寝てるんだろうか。
だとしたら風邪を引かないか心配である。
昨日は大丈夫だったし、今日も大丈夫だろうとオレはとりあえず高をくくっておくことにした。
周りを見渡すがブーンの姿はなかった。
だが、既に夢の島に到着していることは容易に知りえた。
昨日、ブーンが最後に立っていた場所の土が抉れている。ブーンが帰る前に宝玉の力を使った覚えはない。
きっと先に空からケフカポイントを探しているのだろう。
村に行けばブーンも気づくに違いない。
よし。と気合を入れオレは村に向かうことにした。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:16:00.70 ID:obyalZgPO
C
30 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:17:30.76 ID:s/aBR6Gd0
■夢―アレンテヴォレッツァ
( ^ω^)「ドークーオー!」
村に着くとちょうど手を振りながら空からブーンが降りてくるところだった。
それに応えるために手を振り返すが、近づくその姿にオレはえっ?と言わずにはいられなかった。
('A`)「ブーン、その格好は…」
ダメージ加工がされたジーパンに背中にサーフィンをする男の姿がペイントされた白のシャツと言ういでたちからは、
どう見てもお菓子を連想する事が出来ない。
どんなに控えめに見たとしてもサーファー。どう見ても私服にしか見えなかった。
(;^ω^)「昨日ケーキバイキングに行ってイメージを養ったはずだったんだけど、
どうやら別のイメージが優先されちゃったみたいなんだお」
言いつつブーンはオレの後ろに立っていた木にするすると登ると、大きな白いビニール袋を放り投げた。
このデブ動くぞ!?とアホなことを考えながら受け取ると予想外の重さにオレの体はよろけた。
顔を近づけたその袋からはスイーツ独特の"甘い"よりも『さぁ、高血圧になろうぜ!』的な"しょっぱい"を連想させる香りが。
(;'A`)「この匂いってまさか…」
袋の口を開け、中を覗きこむ。
あぁ、なんてこったい!
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:18:26.54 ID:mS5YGUrFO
しえ
32 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:19:23.47 ID:s/aBR6Gd0
(;^ω^)「今日のブーンの"お夜食"だお」
パラッパッパッパー。お菓子とは程遠いアメリカンな食べ物。
その袋にはハンバーガーとポテトが大量に詰め込まれていた。
いや、ジャンクフードには違いないんだ。でも、これは酷い。
('A`)「ブーン、夕飯の後にこんなハードなもの食べちゃダメだろ…」
夜食にこんなものを食べたら胃がもたれるどころの話じゃない。
朝から胸焼けしそうだ。
(;^ω^)「でも、交換は…できるはずだお。これだけあれば少しくらいは…」
('A`)「まぁ、そうだけどさ…」
オレの声のトーンは急降下していった。
元々生気がないと言われていた目だったが、益々その気配がなくなっていったところでブーンが止めに入る。
(;^ω^)「ほら!ドクオ!笑って!高カロ"リー"!なんちゃって!」
その"リー"かちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!
崩れるように放ったオレの悲痛な叫びは村中に響き渡った。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:20:12.97 ID:g4YAX9HF0
支援
34 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:21:16.09 ID:s/aBR6Gd0
■夢―アレンテヴォレッツァ・雑貨屋
あくまでも服装に"リー"がついてまわってしまうブーンに対し、
これも制限の一つなのかそれともこいつの冗談なのか本気で悩みつつもオレは雑貨屋の扉をくぐった。
(=゚ω゚)ノ「お客さん、大丈夫かよぅ!?」
第一声がこれだった。あぁ、夢の中でも大丈夫って心配されないとダメなのかオレは。
(#'A`)「はい、元気です!」
あまりにもむしゃくしゃしてたのもあるが、今のじゃまるで小学生だ。
ぶっきらぼうな返事に周りの時間が停止する。
(;=゚ω゚)ノ「だ、大丈夫ならいいよぅ。あの滝は危険だって伝えようとしたら、お客さんもう行っちゃったって言うから…」
どうやら、ヒート達は考えていた通りに噂を広めていてくれたようだ。
店主は更に付け加えた。
(;=゚ω゚)ノ「あの滝は前に行方不明者が出たから、危ないんだよぅ」
('A`)「前に?」
『前に』とはどういうことだろう。あの滝が現れたのは昨日のはずだぜ。
なのにどうして以前に行方不明者が出てこなきゃいけないんだ。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:21:32.69 ID:g4YAX9HF0
支援
36 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:23:17.19 ID:s/aBR6Gd0
(=゚ω゚)ノ「そうだよぅ。お客さんみたいに前にも二人の旅人がこの島にやってきたことがあるんだよぅ。
そのうち一人は帰ってきたんだけど、もう一人は行方不明に…」
( ^ω^)「帰ってきたほうの一人はどうなったんですお?」
(=゚ω゚)ノ「さぁ、よくわからないよぅ」
あぁ、そうか。夢の展開とは起承転結なんてクソ食らえな支離滅裂なものである。
その異常性や変化に気づくことの出来るオレ達にとっては滝が昨日できたことも、行方不明者なんていないことを認知できても、
夢の住人である彼らにとっては全て『そうだった』の一言で済んでしまうのかも知れない。
('A`)「じゃあさ、あの滝の中に生えてた木について教えて欲しいんだけど。
幻を見せる木なんだ」
(=゚ω゚)ノ「幻を見せる木かよぅ。あんな物が生えてたのかよぅ。だからか…」
店主の顔が渋いものに変わる。
わかんないんですが従えていたあの大樹は、ある程度の予測は付いていたもののあまりいいものではないようだ。
まぁ、当たり前か。
人に幻を見せて殺そうとする木なんてどう転んでもいいものであるわけがない。
(=゚ω゚)ノ「あの木は『ケフカ』って言う名前で、その周辺に行くと人に幻を見せて迷わせるんだよぅ。
そうなったら大変で――例えば歩いていてふと後ろを振り返ると全く知らない道になったりコロコロ景色が変わるから
二度と抜け出せなくなるんだよぅ。
そして、抜け出せないと絶望した人の魂を抜いちゃう恐ろしい木なんだよぅ」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:24:48.52 ID:g4YAX9HF0
支援
38 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:25:18.07 ID:s/aBR6Gd0
('A`)(ケフカだって!?)
なるほどね。頭の隅っこで一人ぼっちだったキーワードが店主の一言で繋がった。
ハインが残した台詞『ケフカポイント』の意味はこう言うことだったのか。
人に幻を見せ、景色を変化させ惑わす――『ケフカの木』
同様に、支離滅裂な夢を繋げる変化の基点――『ケフカポイント』
それなら夢の島の住人が変わったことに気づかないのも何となく説明が付く。
夢の島に変化が起きるのはオレ達が現実の世界に帰ってから。
帰った直後にすぐ、と言うわけではないかもしれないがそれから変化が始まるのだろう。
そこが『ケフカポイント』だ。
ケフカポイントに巻き込まれた夢の島の住人は島の変化に気づかず、当たり前のこととして認識してしまう。
それに気づくことが出来るのはケフカポイントの時、現実の世界に居るオレ達だけ。
そして、オレ達の起こした行動のみ夢の島の住民の記憶に残るということなのか。
難しいな。
この夢の島は滅茶苦茶に見えて実は複雑に絡み合ったルールの下に成り立っているのかもしれない。
ハインとの約束だ。オレは、その全ての糸をほぐさなければならない。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:25:21.28 ID:mS5YGUrFO
しえ
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:25:52.81 ID:g4YAX9HF0
支援
41 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:27:10.76 ID:s/aBR6Gd0
お客さん?と声を掛けられ我に戻った。
(=゚ω゚)ノ「大丈夫かよぅ?とにかく、ケフカの木のある場所に行くならこれを――」
店主がレジの下から出してきたのは埃を被った小さな真鍮のランプだった。
ランプ?と怪訝な顔をしていると店主は商売の顔になり、説明を始める。
(=゚ω゚)ノ「これは『ケフカランプ』と言って、ケフカの木の幻を払う効果があるんだよぅ。
でも、特別な物が要るらしくて閉まったままだったんだよぅ」
( ^ω^)「すごいお!でも、特別な物って何ですかお?」
(=゚ω゚)ノ「アレンテヴォレッツァ北西には炎の谷があって、谷を越えたその向こうには花畑があるんだよぅ。
その中には一輪だけ周りと違う花が咲いてるんだよぅ。
その花をランプの火に一度でもくべればケフカランプは完全なものになるんだよぅ。」
北西に谷か。どうやらそれが今回のケフカポイントらしい。
先に飛んで情報を得ていたらしいブーンが話をあわせた。
( ^ω^)「おー、確かに深そうな谷があったお。ブーン達も次はそこへ行く予定だったし、完成させてやるお!」
テンションの上がるブーンに店主が口を挟んだ。
(=゚ω゚)ノ「でも、それは無理だよぅ」
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:27:42.82 ID:g4YAX9HF0
支援
43 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:29:07.24 ID:s/aBR6Gd0
('A`)「何でだ?」
(=゚ω゚)ノ「前はそこに行くための橋があったらしいんだけど、落ちちゃったんだよぅ」
すまんよぅ。とケフカランプを片付け始めた店主を遮るようにカウンターを叩いた。
予想以上に響いた音で叩いたオレまで驚いたが、効果は覿面なようだ。
('A`)「待ってくれ!オレ達なら大丈夫だ。オレ達なら絶対、行ける。」
橋が落ちてるのにどうやって行くのか。
訳が分からないと戸惑い気味の店主に矢継ぎ早に言葉を仕掛けた。
('A`)「今日は谷を越えられそうな装備を交換してもらいに来たんだ。店主さん、旅人をなめてもらっちゃ困るぜ?
むしろ、ただの旅人と思ってたら大間違いだ。お宝への執念はどんな奴にも負けないぜ。だよな、ブーン?」
ひじでつついたお腹は元気にぷるんと揺れ、
(*^ω^)「もちろんだお!むしろ、ブーンはドクオよりもお宝に掛ける情熱は熱いと誓えるお!
今日は交換するものを一杯持ってきたお!交換お願いしますお!」
ブーンはMのロゴの入った袋をカウンターに乗せ、中身を取り出した。
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:30:12.20 ID:g4YAX9HF0
支援
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:30:23.99 ID:mS5YGUrFO
しえ
46 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:31:07.67 ID:s/aBR6Gd0
見る見るうちにカウンターがハンバーガーとポテトの二大勢力に埋め尽くされ、ファーストフード店独特の香りが店の中に広がった。
オレもお昼ならいいんだけどな。
寝起きにこれは重すぎて食えたもんじゃない。
店主も同じ気持ちなのか顔を俯かせ、米神に手を当てると、とん、と背中を壁に預けた。
そりゃ、そうだろう。初老の老人に朝からこんなもの出してみろ。
血圧の逆バンジーでそのまま天に召されるぜ?
それに――――
鼻を啜るような音がして、オレの思考が中断された。
(= ω )ノ「うっ…」
ふと視線を送ると、老人は泣いていた。
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:31:37.30 ID:9Xn164yMO
支援
48 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:33:01.64 ID:s/aBR6Gd0
老人は涙をぬぐい、ハンバーガーの一つに手を伸ばした。
そのまま包みを丁寧に開け、まだ暖かいハンバーガーに噛り付く。
また、大粒の涙が零れ落ちた。
嗚咽と共に鼻水も出てくる。
(=;ω;)ノ「うっ…ううっ…えぐっ」
老人は顔をくしゃくしゃにしながらハンバーガーを食べ続けた。
そんなんじゃ味もよくわからないだろうに。
老人は涙と鼻水で濡れた最後の一口を味わうように噛み締め、ゆっくりと飲み込んだ。
49 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:35:14.03 ID:s/aBR6Gd0
(=;ω;)ノ「あっ…ありが―ひぐっ―だよぅ。
つい―うっ―なづかしぐ…てっ」
わからない。今度はこっちが不思議な顔をする番だった。
何で、この老人はハンバーガーでこんな反応をしたのか。
この島で牛を見たことはないから、牛肉はお菓子よりも貴重だったのだろうか。
それだったらこちらとしてはありがたいことである。
ふぅん、と腕組みをしながら考えているとブーンは店主の肩に腕を回し、悟りきった顔で囁いた。
( ^ω゚)「(ニコッ)…お肉が好きな人に、悪い人は居ませんよ…
"MEAT IS JUSTICE. MEAT IS LOVE. MEAT IS FOREVER."ですお」
それはお前だけで、同等にされた店主がかわいそうだ馬鹿野郎。
空気が空気だけに突っ込みを入れることは叶わなかった。ちくしょう。
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:35:48.02 ID:obyalZgPO
C
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:36:23.62 ID:mS5YGUrFO
しえ
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:36:55.32 ID:g4YAX9HF0
支援
53 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:37:07.12 ID:s/aBR6Gd0
しばらくしてやっと店主は泣き止んだ。
(=゚ω゚)ノ「すまないよぅ。年を取るとつい涙もろくなって。
ずっと前に友達とハンバーガーを食べたのを思い出しちゃったんだよぅ」
( ^ω゚)「誰かと食べるお肉は最高に美味ですよ。
"MEAT IS BEAUTIFUL. MEAT IS SUNSHINE. MEAT IS MEMORY."で――ヘブッ」
いい加減うるさかったので拳骨を落としておいた。
これでしばらくは黙っているだろう。肉に正義があってたまるか阿呆。
('A`)「そうですか…。辛いことを思い出させてしまって申し訳ありません。
それで、交換の件なんですが…」
(=゚ω゚)ノ「…――よぅ」
('A`)「え?」
オレは店主の言葉が信じられなくて訊き返してしまった。
(=゚ω゚)ノ「好きなもの好きなだけ持っていけよぅ。
このいよぅに色々思い出させてくれたお礼だよぅ。
君達は確かに普通の旅人じゃない気がしてきたよぅ。
ケフカランプも君に託すよぅ。
君達ならきっと凄いことをやってのける。そう信じてみたくなったんだよぅ」
('A`)「てん…いよぅさん…」
54 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:39:00.46 ID:s/aBR6Gd0
しばらくしてやっと店主は泣き止んだ。
(=゚ω゚)ノ「すまないよぅ。年を取るとつい涙もろくなって。
ずっと前に友達とハンバーガーを食べたのを思い出しちゃったんだよぅ」
( ^ω゚)「誰かと食べるお肉は最高に美味ですよ。
"MEAT IS BEAUTIFUL. MEAT IS SUNSHINE. MEAT IS MEMORY."で――ヘブッ」
いい加減うるさかったので拳骨を落としておいた。
これでしばらくは黙っているだろう。肉に正義があってたまるか阿呆。
('A`)「そうですか…。辛いことを思い出させてしまって申し訳ありません。
それで、交換の件なんですが…」
(=゚ω゚)ノ「…――よぅ」
('A`)「え?」
オレは店主の言葉が信じられなくて訊き返してしまった。
(=゚ω゚)ノ「好きなもの好きなだけ持っていけよぅ。
このいよぅに色々思い出させてくれたお礼だよぅ。
君達は確かに普通の旅人じゃない気がしてきたよぅ。
ケフカランプも君に託すよぅ。
君達ならきっと凄いことをやってのける。そう信じてみたくなったんだよぅ」
('A`)「てん…いよぅさん…」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:39:42.60 ID:obyalZgPO
C
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:39:44.15 ID:g4YAX9HF0
支援
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:39:50.14 ID:mS5YGUrFO
しえ
58 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:40:54.64 ID:s/aBR6Gd0
川#゚ -゚)「うるさいぞ。二人とも」
ブーンの雄たけびが終わる頃、クーがずかずかとやってきた。
ビシッとブーンを指差すクーはどうやら怒ってらっしゃるようだ。
川#゚ -゚)「こんな狭い村で叫んだら近所迷惑どころの話じゃないんだぞ!?
君達はそんなこともわからないのか!だいたい――」
どんどん口調が早くなり、益々激昂していくクー。
オレはヒステリックにまくし立てられる前に素直に体を折った。
(;'A`)「すまん!マジですまん!謝るから落ち着いて!」
川 ゚ -゚)「ふん。分かればいいんだ。村の中でギャーギャー騒ぐのは止めてくれ。
私だって静かに午後のひと時を過ごしたい時だってあるんだ。考え事だってするしな」
(;^ω^)「すまんお。何でもするから許して欲しいお」
ブーンが発した『何でもする』のフレーズに反応したのか、少なくともクーの目から怒りの感情は消えた。
ナイスだ、ブーン!今のお前は輝いてるぞ!そして何でもするのはお前だけだぞ!
川 ゚ -゚)「だったら、一つ頼みがあるんだ」
59 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:42:59.57 ID:s/aBR6Gd0
川 ゚ -゚)「今日の朝からヒートとちんぽっぽの姿が見えない。
多分、炎の谷の方へ探検に行ったんだと思う。もしも谷底を覗いて風に吹かれでもしたらぞっとしない。
ヒートは勢いだけで行動するからな。面倒なことになる前に帰れと伝えて欲しい」
またあの二人かよ。とオレは内心で落ち込んだ。
あいつらも子供だしくたばれとまでは言わないが多少は痛い目にあって欲しい。
だが、何でもすると約束をした分、断るわけにはいかなかった。(特にブーンが)
('A`)「オーケー、分かったよ。なるべく早く見つけられるよう努力する」
川 ゚ -゚)「あぁ、頼む。あの二人にとってはドクオ達は"兄"みたいなものだからな。
特にブーンの言うことなら聞いてくれるはずだ。だからお願いだ」
私にとっては家族みたいなものだからな。俯きながら付け足した言葉には落ち着きがなかった。
そう言えばこの島には核家族と言う形をとった家庭はない。
たった四人の村はヒートとちんぽっぽを除けばそれぞれ別の住まいで一人っきり。
ヒートとちんぽっぽは子供だ。いょうさんは父親と呼ぶには憚りがある年齢だし、クーも母親と呼ぶには若すぎた。
彼女らの父親はどこへ消えた。母親はどこに居る?
いや、どうせ夢だからそんなのは関係ないのかもしれない。
基からいないのか、度重なるケフカポイントに巻き込まれたせいで忘れてしまったのか。
…分からない。
だが、分からないの一言で片付けてしまうにはクーの言葉は重かった。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:43:20.40 ID:g4YAX9HF0
支援
61 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:44:54.52 ID:s/aBR6Gd0
■夢―アレンテヴォレッツァ北西・森林地帯
('A`)「なぁ、ブーン」
( ^ω^)「何だお」
炎の谷へ向かう道中、オレは現実で起きたことを話すべきかどうか迷っていた。
記憶喪失になった。なんて言い出したらブーンはどう思うだろうか。
オレのことを馬鹿にするかな。やっぱり大丈夫かって心配されるのかな。
でも、このことを相談できそうなのは同じ夢の島に滞在しているこいつくらいしかいない。
('A`)「あのさ…何ていったらいいか…。
今日起きたらさ。いつの間にか学校にいて、記憶がなかったんだ」
いつにもまして真剣な表情で訴えるオレに、ブーンはこっちを向いたまま静かに話を聴いていた。
それはわずかの間だったが、オレにはそのわずかな沈黙にさえ耐えることができなかった。
ちっ、言うんじゃなかった。
('∀`)「おかしいよなwwやっぱ忘れてくれ。今のなし!
さっさとガキんちょ探しに行くぞ、ブーン!」
(;^ω^)「ドクオ…」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:45:18.83 ID:g4YAX9HF0
支援
63 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:46:49.88 ID:s/aBR6Gd0
「ブーンも、"同じ"だお」
嘯いたオレにブーンは応えたんだ。
その瞬間、オレの周りの音は一切消えてしまった。
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:47:24.81 ID:g4YAX9HF0
支援
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:47:35.05 ID:mS5YGUrFO
しえ
66 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:48:44.39 ID:s/aBR6Gd0
言葉を失ったオレにブーンは話を続けた。
( ^ω^)「ブーンも起きたら授業中だったお。
でも、ノートはちゃんととってあったし、筆跡もブーンのものだったお。
ツン…友達に訊いてもブーンはいつもどおりだったって。
でも、でもだお!?ブーンにはそんな記憶はないんだお!
ありえない、ありえないんだお!この夢は絶対におかしいんだお!」
口を開いたブーンは堰を切ったようにオレへ向かって言葉を投げつけた。
勢いで肩に掛けたロープが地面に落ちてしまうのも気にせずに。それだけ、怖いんだろうな。
('A`)「ブーン…。大丈夫だ。大丈夫だから」
怖いのは、オレだって同じなんだ。オレは自分自身にも向けて静かに話した。
('A`)「この夢がおかしいのは基からだ。ハインが言ってた。『宝玉を五つ集めろ。島の全てを知り尽くせって』
とにかく、今は宝玉を集めよう。オレ達に何か不味いことが起こり始めてるのは分かった。
だからって、冒険を止めるわけにはいかないんだ。分かってくれ、ブーン」
( ^ω^)「ドクオは…ドクオは怖くないのかお」
('A`)「そりゃ怖いさ。多分ブーンよりも怖がってる。
冒険は死と隣り合わせな上に、現実では記憶喪失だ。リスクが高すぎるのも分かってる。
でも、オレはこの島の全てを知りたい。ブーンだって冒険がしたいんだろ。
今はそれで納得するしかないんだ。だから、行こうぜ、ブーン!」
オレが拳を突き出すと、ブーンも同じくこつんと返してくれた。今は、それでいいんだ。
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:49:25.37 ID:9Xn164yMO
68 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:50:38.47 ID:s/aBR6Gd0
■夢―炎の谷
炎の谷は床暖房を設置したかのように暖かかった。
冬だったらいいけど夏場にこれはないぜ。
周りを見ても地面が暖かくなる原因は見当たらないし気味が悪い。
照り返しの地熱にしてはいささか過剰な熱だ。
開けた荒地には雑草の一本さえ見当たらない。こんな所に花なんか生えているのだろうか。
('A`)「ブーン。ヒート達はオレが探すから、ブーンは花畑に飛んでくれ。位置は大体分かるだろ?
ロープもオレが持つから、花を摘んで来てくれ」
ブーンの肩に掛かったロープに手を掛けるが、その手は引き剥がされた。
( ^ω^)「ドクオにはさすがに重くて持てないお。ブーンだってそれくらいはわかってるつもりだお。
前回はあまり役に立てなかったんだから、これくらいはやらせて欲しいお」
あぁ。と曖昧な返事を返すオレをよそに、ブーンは宝玉を放り投げあっという間に空へ消えた。
ちくしょう。オレってそこまで貧弱に見えるのかなぁ。
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:51:54.17 ID:g4YAX9HF0
支援
70 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:52:56.90 ID:s/aBR6Gd0
■夢―アレンテヴォレッツァ
オレ達は20mのロープとそれに合わせた鉤爪、ケフカランプと200ml程度入る空き瓶を貰い店を出た。
いよぅは他にも色々勧めてくれたが、持てる量にも限界があるので丁重にお断りした。
それでも引き下がらないいよぅに根負けし、必要なものが出来たらまた伺います。と付け加えることで了承を得たのだ。
( ^ω^)「ドクオ」
怒ったような物言いに空気にピリッとしたものが張り詰める。
振り返ったブーンの顔は、言葉とは裏腹に気持ち悪いほどの笑顔だった。
('A`)「何?」
言葉には明らかな怒気が込められている。まぁ、無理もないのかもしれない。
(;^ω^)「この鉤爪ロープ"超重い"お」
ブーンが肩に掛けたロープは、いや肩から腕に掛けてぐるぐる巻きにしたロープは傍から見ても重そうだった。
5キロ?そんなものじゃない。10キロはあるんじゃないだろうか。
ごめんよ、ブーン。どう考えてもそれはオレに持てるようには見えないじゃないか。
('A`)「それに。ブーンなら出来るさ。『ブーンはドクオよりもお宝に欠ける情熱は熱いお!』
って言ったじゃないか。素晴らしい言葉だったよ。うん」
今度はブーンが無念の雄たけびを上げる番だった。
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:53:33.54 ID:g4YAX9HF0
支援
72 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:54:17.32 ID:s/aBR6Gd0
73 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:56:16.96 ID:s/aBR6Gd0
ノパ听)「あ、ドクオ兄ちゃん」
オレの方の探し物は意外と早く見つけることが出来た。
いくらだだっ広くても、橋が落ちているから谷の反対側へ行くことは無理だし、そこまで凹凸も深くない荒地なら隠れる場所はそう多くはない。
谷と谷の間に近い窪んだ場所でヒートとちんぽっぽは大きな丸い岩を退かそうと顔を赤く染めている最中だった。
('A`)「修行でもしてんのか?クーが心配してたぞ」
ノパ听)「クー姉ちゃんには心配すんなって言ったはずなんだけどなあ。
まぁいいや。ビー玉が落ちちゃってさ。ドクオ兄ちゃん、この岩退かすの手伝ってよ」
(*'ω' *)「ヒートちゃんとちんぽっぽだけじゃとても動かせないんだぽっぽ」
こんな所でビー玉遊びするんじゃねえよ。とは言っても、なあ。
見あげた岩はオレの身長よりも2,3cmでかい。
ガキ二人とオレの三人でいくら踏ん張ったところで動かせるものなのか。
否。ロープは持ててもこれは無理だね。まぁ、ブーンが戻ってきたら動かせるだろう。多分。
('A`)「これ退かしたら帰るんだな?」
ノパ听)「約束するぜ」
('A`)「分かった。ブーンが戻ってきたら四人で動かそう。もう少ししたら戻ってくるから」
やっぱりブーンのことは気に入ってるんだろうな。ブーンのことを口にすると明らかに二人の表情に希望が灯るのが分かった。
力仕事なんてオレの性に合わないのは分かっていたが、ガキに心配されるほどオレは頼りないのかと思うと内心がっかりだった。
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:56:43.89 ID:mS5YGUrFO
しえ
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:57:04.60 ID:g4YAX9HF0
支援
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:57:48.59 ID:Er2BSHzOO
支援
77 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 22:58:10.41 ID:s/aBR6Gd0
( ^ω^)「ドクオー!花摘んできたおー!」
そろそろ無言で居るのも辛くなってきた頃にブーンが空から手を振っているのが見えた。
突風のことを配慮してか、多少距離をとったところに着地するとオレに手渡したのは白い花だ。
( ^ω^)「おっおっwwwヒートとちんぽっぽも元気そうで何よりだお!」
いくら夢でもここは現実に限りなく近い夢である。
ヒートもちんぽっぽも空を飛ぶ人間なんて見たことがないはずだ。
オレの力じゃないが凄いだろ?と二人の方を仰ぎ見ると、ヒーローでも見ているかのように目をキラキラさせていた。
ノハ*゚听) *'ω')「ブーン(さん)兄ちゃんSUGEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!」
( ^ω^)/
く| | 「おっおっおっwww正義のヒーローブンブン仮面参上だお!」
/ ┐
左手を腰に当て、右手に宝玉を持ち天にかざす謎のブンブン仮面の姿は、せめて昨日のトラックスーツならばもっと見栄えがよかっただろうに。
オレには近所の兄ちゃんが羽目を外してみました!的な格好にしか見えなかった。
だが、ガキんちょ二人組には好評だったようだ。
ノパ听)「いいぞ、ブンブンかめーん!」
力もないし、頭でっかちのオレって人気ないなぁ。戦隊物で言えばあっさりやられる参謀役って所か。
ブーンのヒーローごっこは当分続きそうだ。
盛り上がる三人の姿にオレは少しくらいトレーニングしようと心に決めた。
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:58:28.65 ID:9Xn164yMO
支援
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:58:44.31 ID:g4YAX9HF0
支援
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:59:59.33 ID:g/i9e8vj0
支援
81 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:00:03.34 ID:s/aBR6Gd0
( ^ω^)「ところでドクオ。花畑なんだけど、赤い花の中に一つだけこれが咲いてたんだお。
何の花か分かるかお?」
ブーンによるヒーロータイムが終了し、離れたところで冷ややかな拍手を送っているとやっと本来の目的を思い出してくれたらしい。
小道具で使ったロープを巻きなおしながらオレに話を振ってきた。
オレは花の絵は数多く書いてきたつもりだったけど、この花はまるで見たことがない。
その辺の雑草だったら詳しいが、手に納まった花屋に置いてありそうな白い花の名前はいくら考えたところで出てきそうになかった。
ガキだけど、女の子は女の子だ。何気なしに花を持った手を向けると、意外にもヒートがその名前を答えた。
ノパ听)「それは、アネモネの花だよ」
('A`)「アネモネ?ギリシャ神話のアレか?」
( ^ω^)(エウレカセBOON?)
ノパ听)「ギリシャ神話に出てきたかどうかは知らない。でも、それはアネモネの花だよ。
『はかない恋』とか『薄れ行く希望』とかマイナスイメージもあるけど、『期待』や『可能性』って花言葉もあるんだぜ。
色ごとにも決められた花言葉があって赤なら『君を愛す』だけど、それは白だから『真実』だね」
('A`)「真実…ね。だからケフカランプに必要だったのか」
オレはポーチからケフカランプを取り出し、白いアネモネの花と交互に見比べた。
嘘の幻を払い、誠をその目に写すためのケフカランプ。
そして、真実の花言葉を持つアネモネ。
もしもの時は性質変化の力でケフカランプを完成させようかと迷っていたが、夢にしては旨いこと繋がっているじゃないか。
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:00:36.88 ID:g4YAX9HF0
支援
83 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:02:03.10 ID:s/aBR6Gd0
オレはランプに取り付けられた小さなつまみを捻って火を灯した。
赤く燃え上がる炎にブーンが驚嘆の声を上げる。
( ^ω^)「おっおっおっ!マッチ無しでも火がつくなんてさすがだお」
('A`)「なぁに。"このランプはマッチやオイルがなくてもつまみを捻れば火がつくんだ"。便利だろ?」
オレはランプと言うものをあまりよく知らない。
ブーンの言うようにマッチで火を付けないとダメな品もあるのかもしれないが、
コンロみたいにつまみ捻るだけで火が付くかなと安易な考えによるものだった。
見る限り、先入観が無かったおかげで性質変化は上手くいったようである。
84 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:04:07.66 ID:s/aBR6Gd0
更につまみを捻って炎を大きくすると、オレはアネモネの花をランプの火に落とした。
一瞬ちんぽっぽから非難の目が飛んでくるが、ランプの変化が始まるとそれは失速して落ちていく。
(*'ω' *)「アネモネの色だぽっぽ…」
ランプの炎は赤からピンク、見る見るうちに色が抜けていってアネモネの白へと変化していった。
('A`)「へぇ、なるほどな。白い炎なんて洒落てるじゃないか」
珍しそうに白い炎を見つめるオレ達だったが、ヒートとちんぽっぽは頭を押さえると急にぐらりと地面へ倒れこんだ。
オレは慌てて近くにいたヒートの方へ手を差し出す。
だが、その手はヒート自身によって払われた。
どこも擦りむいてないようだったが、立ち上がった二人の様子にオレは違和感を覚えた。
ノハ )「…。ブーン兄ちゃん」
( ^ω^)「どうしたんだお?」
ノハ )「さっきの赤い宝玉ってさ、『勇敢のルビー』だよな?」
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:04:58.52 ID:mS5YGUrFO
しえ
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:05:24.05 ID:9Xn164yMO
支援
87 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:06:09.45 ID:s/aBR6Gd0
オレは度肝を抜かれた。宝玉の番人やハインを除いて夢の島の住民には宝玉のことを喋った覚えはない。
何故、ヒートがそれを知ってるんだ?何故――
(* ω *)「ここまで来たってことはドクオさんも『知のアクアマリン』は手に入れたんだぽっぽ?」
('A`)「…何でお前らが宝玉のことを知ってるんだよ」
ノハ )「まぁ、時間がないから聞いてくれよ。ドクオ兄ちゃん
今度の宝玉は谷の下の洞窟にある。ブーン兄ちゃんはともかく、ドクオ兄ちゃんがそこへ辿り付く為には
この岩を退けて下まで降りなくちゃいけないんだ」
指し示すようにヒートはトントンと岩を叩いた。
二人からは子供らしさが消えていた。さっきまでの無邪気さは微塵もない。
(* ω *)「ここの番人は裏切りを要求してくるぽっぽ。
その代わり、宝玉の使い方のヒントを与えてくれるんだぽっぽ」
ノハ )「アタシはヒントを半分だけ聞くことが出来た。
ここの宝玉は突風をどうにかすることが出来るらしいんだ。
それで、あれ?それでどうなんだっけ」
(* ω *)「ちんぽっぽは…どうなったんだぽっぽ?」
ただならぬ雰囲気を感じたオレは耳をふさぐようにランプの火を消した。
それと同時に糸が切れた操り人形のように倒れる二人。
これ以上、話を続けさせるわけにはいかなかった。
だって、この二人は多分―――。
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:07:58.02 ID:9Xn164yMO
支援
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:08:03.74 ID:obyalZgPO
C
90 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:08:04.37 ID:s/aBR6Gd0
しばらくして起き上がった二人は何も覚えていなかった。
帰れと言うオレの命令に二人は渋ったものの、ブーンがハンバーガーが入荷したことを伝えるとそそくさと村へ走っていった。
残されたオレ達は無言で、その間には微妙な空気が流れていた。
('A`)「なぁ、ブーン」
――お前はどう思う。
( ^ω^)「この夢は、おかしいお」
('A`)「うん」
――いや、もうおかしいって呼べる状態じゃない。狂ってるんだよ、この夢は。
( ^ω^)「ブーンはドクオを裏切らないお」
('A`)「あぁ」
――やっぱり、こいつお人よしだ。優しすぎるんだよ。お前は裏切らないんじゃなくて裏切れないんだ。
でも、オレはお前を裏切ることが出来るぜ。
( ^ω^)「だから、二人とも生き残るお。ここの番人を、絶対に倒すお!」
('A`)「あぁ、任せとけ。オレの謀略は勝率100%だ。お前と一緒なら絶対に負けない」
――だからさ。オレはどんな手を使ってでもお前を…
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:09:42.94 ID:9Xn164yMO
支援
92 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:10:04.97 ID:s/aBR6Gd0
あんなに重かった岩はブーンの突風で簡単に転がり、岩が退いた跡には人一人分の大きさの穴がぽっかりと口を開けていた。
ビー玉なんてどこにもない。
短い距離を滑り降りると、長い下り坂のトンネルが姿を現した。
ずっと奥は真っ暗だし明かりはなさそうだ。
日の光が届く距離の下り坂を見る限り、どうやら谷底へ真っ直ぐ斜めに道が伸びているようである。
('A`)「やっぱそっちの宝玉の方が便利だろ」
(;^ω^)「そうかお?でも、単純な分だけ力加減が難しいんだお。
それに、突風を使ってる最中は新しく突風を作ることも出来ないし、加減を変えるには一度出しなおさないとだめなんだお」
('A`)「ふーん。便利そうで不便なんだな」
ブーンの宝玉は一つの対象にのみ効果が発揮される。
一度出した強い風をそのまま弱くすることは出来ない。だから、一度使用を止め再度宝玉を使わなければならないようだ。
オレのはどうだろう。まだ一度しか使っていない分、経験の差は大きい。不明な点が多すぎた。
だが、今回はオレの力が役に立つことはないだろう。
水が無ければオレの宝玉は意味を成さない。水が、無ければ。
洞窟は真っ暗だったが、ケフカランプの明かりのおかげで歩みが危なくなる事は無かった。
ケフカランプとしては不本意だろうがランプとしては上々だ。
降りる間、珍しくブーンもその口を閉じていた。
ランプの白い炎に浮かぶ顔は目の前ではなくどこか遠くを見つめていた。
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:11:26.30 ID:g/i9e8vj0
支援
94 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:12:10.87 ID:s/aBR6Gd0
あの二人のことを考えているのだろうか。
確証は持てないが、宝玉のことを知っている上に番人の情報までリークしたことを思えば、
あいつらは一度ここへ来たことがあるということだ。
多分、そこであの二人は負けたんだ。宝玉もそこで奪われた。
夢の住民である彼女達は、負けても死ぬことがないのだろう。
だが、その負けたことでさえケフカポイントで忘れてしまった。
勇敢のルビーがあった縞々岩へ近づくのを渋ったのは、宝玉に対して一度負けた恐怖が染み付いていたからと考えられる。
そしてここへ来たのも、おそらくはオレ達に情報を与えるため。
縞々岩、滝の二つのキーワードが次の場所、炎の谷の岩と深層心理に働きかけたに違いない。
ケフカランプで一時的に記憶が戻ったのは偶然かもしれないが、
その二箇所から無事に戻ってきたオレ達ならここも突破出来ると心のどこかで信じていたから。
そう考えると、尚更オレ達は負けるわけにはいかない。
決意を胸に振り返ったブーンの瞳は静かに怒りが燃え、頷いたオレに「行くお」と小さく返した。
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:12:38.93 ID:mS5YGUrFO
しえ
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:12:55.40 ID:9Xn164yMO
支援
97 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:14:06.50 ID:s/aBR6Gd0
■夢―炎の谷・谷底
('A`)「なるほどね。だから、『炎の谷』か」
降りた先は真っ赤だった。
洞窟の出口は谷底からおよそ10m程の高さにあった。
そこから反対の崖までは丈夫そうな木製の橋が伸びている。
ゴクリ、とブーンのつばを飲み込む音がした。
その振り返ったブーンの顔までもが赤く染まっていたのは怒りで血が上っていたわけじゃない。
オレ達の真下。谷の底には真っ赤な溶岩が流れていたんだ。
(;^ω^)「ブーンは飛べるからいいけど、ドクオは…」
('A`)「そんなヘマはしない。心配するだけ無駄だ阿呆」
ポジティブだけがとりえのお前がネガティブな思考をしてどうする。
元気付けようとするオレの言葉も本当は恐怖を抑えての発言だった。
水の窒息死も怖いが、溶岩に溶かされるのは一体どんな苦痛なんだろうか。溶かされるというよりは焼かれるの方が近いのか。
分からない。だけど、落ちたら死ぬのは間違いない。
この地形を使わない手はないだろう、番人さんよ。
少なくともオレに空を飛ぶことは不可能だ。溶岩に叩き込めばオレは死ぬぜ。
('A`)「ブーン、作戦がある。耳を貸せ。いいか?―――――……」
98 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:16:05.37 ID:s/aBR6Gd0
■夢―炎の谷・内部
溶岩デスマッチ。今の状況にはそれが一番しっくり来るだろう。
橋を渡って反対の洞窟へ入ると奥へと続く直線の長い通路が伸び、
その先には溶岩に浮かぶ小さな小島があった。
部屋はドーム状だったが、滝の時みたいに天井に穴が開いているわけじゃない。
だから脱出するとしたら入り口しかない。
通路はオレ達が小島へ渡り終えるのを確認するかのように崩れ落ちた。
少なくとも、これでオレ一人は脱出不可になったわけだ。
とてもじゃないがこの小島から洞窟の入り口まではジャンプで届くような軽々しい距離じゃない。
ブーンに突風で吹っ飛ばしてもらえば可能だろうか。まぁ、いい。勝ってから考えればいいんだ。
('A`)「お前がここの番人、それであれがお前の得物か」
\(^o^)/「その通り。お前の人生はここでオワタ!」
(;^ω^)「得物って、どう考えてもあれは…」
小島のちょうど反対側。
淵に立ち両手を振りかざした男の隣には、ここに入るために退かした岩ほどありそうな口を開けた釣鐘型の大砲が鎮座していた。
あるはずの導火線が見当たらない。と言うことは火を必要としないのか。
砲弾の予備も置いていないという事実は、弾が実弾ではないのか、それとも無限に撃てるのか。
これは、今までの中で一番危険な相手かもしれない。
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:16:17.35 ID:9Xn164yMO
支援
100 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:18:17.25 ID:s/aBR6Gd0
しかしどいつもこいつも。
同じような格好で同じくらいの年齢。もう少しバリエーションを増やしたらどうだ。
こいつは村の時のブーンと同じで顔は笑っているが、言動はその全く逆だ。
その笑顔で人様の人生を勝手に終わらせるんじゃねぇ。
('A`)「それで、宝玉はどこだ?前みたいにオレ達に渡してから試合開始か。それとも勝ってからお前が渡してくれるのか?」
\(^o^)/「勝たないと渡せませーん。で、す、が。宝玉はこちらにありまーす」
馬鹿にした口調で右へずれた男の後ろには青緑に赤がうっすら浮かぶ宝玉が壁に埋まっていた。
小島の端から宝玉の壁までは約1m。
ぎりぎり飛べない距離じゃないが、戦う最中に取るならブーンに任せたほうがよさそうだ。
それに、まずほいほいと取らせてくれることはないだろう。
あの砲台は上下だけではなく、左右へも首振り機能が付いているようだ。
つまり、オレ達がどこへ居ようが撃ち分け可能。これは、困ったな。
101 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:19:57.63 ID:s/aBR6Gd0
( ^ω^)「その宝玉の力は何なんだお」
\(^o^)/「あぁ、それはねぇ。教えられないなぁ。
でーもー。一人死んでくれたらヒント程度なら教えてあげてもいいかなー、なんて」
あ、そうそう自分が死にたくなかったらもう一人を殺してもいいよー。
嬉しそうに裏切りを語る男にオレはイライラが募る。
落ち着け。落ち着くんだ。
これは奴らの常套手段だ。
精神攻めなんて前に喰らった幻影の方が何倍も強かったぞ、ドクオ!
だが、ブーンはそうもいかなかったようだ。
(#^ω^)「馬鹿にするなお!ブーンとドクオは――」
('A`)「言葉攻めに引っかかるな阿呆――おい、お前。
まずは名前くらい教えてくれよ。お前お前じゃ格好付かないからな。
負けたときに名無しのゴンベじゃ悲しすぎるぞ。
それとだ。こちらから一人死んだ場合のヒントを指定するぜ。
『この宝玉はXをYすると言う力がある』と言う文章を使ってYだけを教えてくれ」
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:21:18.62 ID:9Xn164yMO
支援
103 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:21:52.40 ID:s/aBR6Gd0
\(^o^)/「えー、それだけでいいのぉ?まぁ、どうせ半分しか教える気はなかったけどー。じゃあどうする宝玉なのかだけねー。
教えてあげるけどー、ちゃんと一人死んでよねー?あと名前はオワタだよー」
約束は取り付けた。あとは作戦通りにブーンが動いてくれるかどうかだ。
\(^o^)/「それじゃあ始めようかー。これに当たると痛いだけじゃすまないよー。当たれば君の人生"オ・ワ・タ"
出来るだけ早く死ねるように頑張るよー。それじゃあ"撃てッ!"」
地面を揺らすような怒号が響いてオレの方へ飛んできたのはまぎれもない実弾だった。
速い、が何とかかわせない速度じゃない。
何とか辛うじて身を捻ってかわすことが出来た。だが、そのせいでブーンとオレは分断されてしまう。
ブーンにロープを持たせておいてよかった。
オレがもしもあのロープを担いでいたとしたら、大砲がこちらを向くのを確認してからじゃ到底間に合いそうにない。
それにブーンなら――。
(;^ω^)『飛べ!』
ブーンは突風を砲弾に対して横薙ぎにぶつけた。
唸るような音を立ててブーンの横を通り過ぎて行く砲弾は悔しそうな音を立てながら溶岩に沈んだ。
そうだ、それでいいんだ。かわす必要はない。
あんなでかい鉄の塊を吹っ飛ばすことは出来なくても、軌道をずらすくらいならちょっと横から力を加えてやればいいんだ。
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:23:36.06 ID:9Xn164yMO
支援
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:23:43.70 ID:XTQTV+RKO
しえん
106 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:23:46.68 ID:s/aBR6Gd0
\(^o^)/「あー、惜しーい。ちゃんと当たってくれなきゃダメだよー。ヒント教えてあげないよー。
まぁ、疲れてきたところを弄るのもいいよねー。"撃てッ!"」
こいつ相当なSだな。
溶岩の熱と左右に振られることで蓄積していく疲れに朦朧とし始めた思考で体を動かし続けた。
避けるだけじゃダメか。
オワタが『撃て』と言えば大砲から弾が発射されるようだが、
こいつに『今日の天気もいいですね』なんて世間話を持ちかけたところで、
『そうですねー』といいともばりの相槌しか返ってこないだろう。
弾も無制限にありそうだし、ブーンの突風でも完全に吹き飛ばせない。
あぁ、やばい。疲れてきた。
ブーンだって突風を連続で使い続ければ疲労はたまるはずだ。
このままじゃ埒が明かない。
だったら、一発逆転に掛けるしか…。
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:25:40.70 ID:9Xn164yMO
支援
108 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:25:45.23 ID:s/aBR6Gd0
オレは砲弾をかいくぐり、何とかブーンの下へ辿りついた。
('A`)「ブーン、ロープを貸せ。今からやるぞ」
(;^ω^)「無理だお。ロープを持ったらドクオは避けられないお。作戦を練りなお―『飛べ!』
危険すぎるお。だから」
過保護になりすぎなんだよ。お前にまで心配されるほどオレは落ちぶれてない。
オレは出来る限りの小さな声でブーンを一喝した。
('A`)「いいから。オレを信じろ!全てはブーンに掛かってると言ってもいい。
いいか。今からのオレの言動は全て計算されたものだ。しっかり覚えとけ」
強引にロープをひったくるが、ずしりと腕に掛かった重さに思わず閉口する。
こいつは、こんな物を担いで動いてたのか。
無理やり笑顔を作って「余裕」と嘯くと、ブーンから離れた。
さぁ、ここからがブーン。お前の勝負だ。絶対に負けんじゃ、ねえぞ!
109 :
◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:28:24.98 ID:obyalZgPO
さるさん貰っちゃいました。すみません…
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:28:55.42 ID:mS5YGUrFO
しえ
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:29:12.77 ID:mS5YGUrFO
しえん
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:29:28.36 ID:mS5YGUrFO
しえん
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:29:40.84 ID:9Xn164yMO
支援
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:29:44.69 ID:mS5YGUrFO
しえん
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:30:00.79 ID:mS5YGUrFO
しえん
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:30:09.58 ID:9Xn164yMO
支援
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:30:39.45 ID:obyalZgPO
C
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:31:00.81 ID:mS5YGUrFO
支援
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:31:16.41 ID:mS5YGUrFO
支援
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:31:30.06 ID:obyalZgPO
C
121 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:31:36.42 ID:s/aBR6Gd0
\(^o^)/「あれあれー?そんなロープで何をするつもりなのかなー?」
('A`)「何って、鉤爪が付いたロープならこうするに決まってるだろ。
鉤爪ってのはな、何かを掴むために曲がってるんだよ!」
ロープをばさりと落とし、オレは宝玉めがけて鉤爪を投げつけた。
だがオレの腕力ではそれだけじゃ足りないのは分かってる。
( ^ω^)『飛べ!』
だからこそのブーンの突風だ。
突風で勢いを増した鉤爪は宝玉をわずかにそれたものの深々と岩壁に突き刺さった。
体重を掛けて引っ張っても抜けなくなったがこれは別に大きな問題じゃない。多分。
\(^o^)/「ぷぷー。何も掴めなかったねー。宝玉に当たらないどころか壁に埋まって残念でし」
ポチャン
( ^ω^)('A`)\(^o^)/「「「あ」」」
ほぼ同時に間の抜けた声を上げた三人が見守る中、突如壁から抜け落ちた宝玉は軽い水音と共に溶岩の中へと沈んでいった。
何てこった。どうやら余りにも勢いが付きすぎていたようだ。
(:^ω^)「ドクオどうするんだお!宝玉沈んじゃったお!?」
\(;^o^)/「自分で宝玉落としてどうするのー。もしかして君達馬鹿ー?」
(*'∀`)「てへっ。手が滑っちゃった」
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:31:45.53 ID:mS5YGUrFO
支援
123 :
◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:32:22.47 ID:obyalZgPO
支援超ありがとうございます!
抜け出せましたC
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:32:36.55 ID:9Xn164yMO
支援
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:33:00.39 ID:mS5YGUrFO
支援
126 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:33:50.20 ID:s/aBR6Gd0
(;^ω^)「て、てへっじゃないお!全然作戦と違うお!どうしてくれるんだお!?」
(#'A`)「お前が突風を強くしすぎたのだって悪いんだよ!力の加減ってものがわかんねえのか、この馬鹿力!」
(#^ω^)「馬鹿って…お前って言うなって何回も忠告したお!」
もっといい怒り方があるだろう、ブーン。砲弾の雨が止んだ今がチャンスなんだ。
宝玉が溶岩に落ちたのは予想外だったが、突風で溶岩ごと巻き上げればいい。
\(^o^)/「ぷー、仲間割れー。お前らの絆オワタ。ほらほらー、どうせだから役立たずを殺しちゃいなよー」
そのまま見てろよオワタ。化けの皮をすぐに剥がしてやるぜ。
(#'A`)「お前に言われなくても殺してやるよ!切り刻んで溶岩に沈めてやる」
オレはナイフを右手に構えてブーンの下へ走り出した。
さぁ、ブーン。説明した作戦はここまでだ。あとはお前が決めろよ。
(# ゚ω゚)「ナイフなんかで殺せると思ったら大間違いだお!『飛べ!』」
突風が、解き放たれた。
ここで一つ。どうやらオレは軽いミスを犯したらしい。
ブーンは頭に血が上るとさっきオレが言ったことを忘れてしまったようだ。
そう。突風は溶岩に沈む宝玉ではなく、オレに向かって吹き荒れたんだ。
オレは壁に強く打ち付けられた。そして重力によって上半身から剥がれ落ち、
目の前には赤が。
赤い溶岩が――――
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:34:46.92 ID:g/i9e8vj0
支援
128 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:35:44.64 ID:s/aBR6Gd0
\(^o^)/「はい、ドクオ様死の国へご案内ー。ドクオの人生オワタ!」
オワタはファミレス店員のように営業スマイルでドクオの死を告げた。
( ゚ω゚)「…」
\(^o^)/「あれ、落ち込んでる?自分で殺したんだからしょうがないよねー。
宝玉は落ちちゃったけど一応ヒントあげるよー。あの宝玉は"一箇所に集中させて威力を高める"んだよー」
( ゚ω゚)「ブーンは…取り返しの付かないことを…」
\(^o^)/「そうだよー。君は人殺しだよー。最低だねー。
今まで二人で旅してきたのに馬鹿って言われたくらいで殺すような最低人間だよー」
ブーンの立ち尽くす方へゆっくりと砲身が向きを変えていく。
\(^o^)/「どうするー。君も死んでみるー?あの世でドクオに謝ったらー?」
(#^ω^)「それこそ、それこそドクオに失礼だお!
ヒントまで貰っておいて『死んでごめんなさい』なんか言ったらもっと…もっと最低人間だお!」
顔を上げたブーンと貪欲に大きな口を開けた大砲の目が、合った。
\(^o^)/「"撃てッ!"」(#^ω^)『飛べッ!』
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:37:01.27 ID:9Xn164yMO
支援
130 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:37:38.21 ID:s/aBR6Gd0
\(*^o^)/「"撃てッ!""撃てッ!""撃てッ!""撃てッ!""撃てッ!""撃てッ!""撃てッ!""撃てッ!""撃てッ!"」
(;^ω^)「『飛べ!』『飛べ!』『飛べ!』『飛べ!』『飛べ!』『飛べ!』『飛べ!』『飛べ!』『飛べ!』」
ブーンは突風の威力が弱まってきたのを感じた。横にそらすのもそろそろ限界かもしれない。
とっさに判断したブーンは突風の威力を抑え、曲がりにくくなった軌道分だけロープが無くなって軽くなった体を使い回避し始める。
ブーンはドクオと違うことは理解していた。
自分は戦っている最中に良案を思いつけるほどドクオみたいに頭がいいわけじゃない。
今の自分に出来るのは有り余るスタミナでオワタの隙を見つけるのみ。
もしかしたらこのまま避け続けることで何かオワタのボロが出るかもしれない。
玩具を貰った子供のように無邪気に大砲を撃ち続けていたオワタの顔色が変わってきているのに気がついたからだ。
まるで、思い通りに行かないことに腹を立てるかのように。
\(#^o^)/「何で当たらないんだよー。『ブーンの人生オワタ!』って言わせてよー。
楽にしてあげるんだよー。この悪夢から開放してあげるんだよー?」
―――ドクオならこう言う時どうするんだお。ビコーズの時みたいにやればいいのかお?
でも、ブーンには、ドクオみたいに格好よく証明できないかもしれないお。
それでもやらないとダメなんだおね。
( ^ω^)「――――たいだお」
\(#^o^)/「あぁ!?何だって?」
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:38:44.33 ID:mS5YGUrFO
支援
132 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:39:34.07 ID:s/aBR6Gd0
( ^ω^)「もう一度言うお。お前は本当にガキみたいだお。最低のクソガキだお」
\(#^o^)/「…何で、そんなこと言うのかな?クソガキ、僕が?」
ブーンの悪口に、"撃"まで言いかかった口を閉じ、オワタの表情が固まった。
( ^ω^)「あぁ、クソガキだお。それに、"証明"してやるお。ブーンはもう、勝利へ続く道を見つけたお」
止まらないブーンのクソガキ宣言にオワタは簡単にキレた。
\(#^o^)/「ふざけるなよおおおおおおおおおおおおおおおおお!
もういい!お前なんか死んじゃえええええええええええええええ!
"撃てッ!"撃ち殺せえええええええええええええええっ!」
ほんっとにガキだお。
余裕の笑みを浮かべたままブーンは何も言わずに、腕組みをして見ているだけだった。
もう、避ける必要はない。だって、この勝負は既についたのだから。
ドォン…大砲は唸りを上げて砲弾を吐き出した。
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:39:36.74 ID:9Xn164yMO
支援
134 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:41:32.30 ID:s/aBR6Gd0
砲弾はブーンに当たるどころか天井と熱いキスを交わし、力を失ってブーンと大砲の間に落下した。
当たる訳がない。
そもそも砲身があらぬ方向を向いているのだから。
( ^ω^)「"証明"は始まったばかりだお。あとは"そっち"に任せてもいいおね?」
いつものにやけ顔を取り戻したブーンが問いかけた相手はもちろん―――
('A`)「勝手に人様の十八番を取るんじゃねえよ阿呆」
溶岩からひょいと顔を覗かせたオレだった。
さて、楽しい証明の時間だぜ?オワタ君。
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:42:27.58 ID:mS5YGUrFO
支援
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:43:07.87 ID:9Xn164yMO
支援
137 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:43:21.82 ID:s/aBR6Gd0
振り返ったオワタが見たのは目を疑いたくなるような光景だった。
砲身の後部がロープで縛られている。
あのロープは確か、宝玉を狙って投げつけた鉤爪から伸びたものだ。
ロープはVの字に折れ曲がって真ん中の部分は溶岩の中へ水没していた。
ここからは見えないが、おそらく溶岩の中にでも岩を置いて砲身が上向きになるように固定してあるのだろう。
だが、オワタが一番信じられないのはそこじゃない。
\(#^o^)/「何でお前が、何でお前が生きてるんだよー。溶岩だぞ?熱いんだぞ?溶けちゃうんだぞ?
何で平気な顔して浸かってるんだよー!」
(#'A`)「何で何でと質問ばっかしてんじゃねぇ、クソガキが!
今から一つずつ証明してやるよ」
押し切られたオワタはその一言でしゅんとなる。
オレはそのまま小島の淵に手を掛け這い上がり、ブーンの所まで時間を掛けてゆっくりと歩いた。
('A`)「さて。どこから説明しようか。
そうだな。お前頭悪そうだし、まずはロープを投げたところから説明してやるよ」
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:44:32.28 ID:/ecrOBpBO
支援
139 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:45:17.00 ID:s/aBR6Gd0
('A`)「鉤爪が命中した位置が宝玉からずれていたのは、さすがに今のお前ならさすがに分かるよな?
あれは宝玉を狙ったんじゃない。
大砲を固定させる下準備のためにわざと鉤爪が壁にめり込むように投げたんだ。
次にブーンとオレの茶番劇だ。
オレはワザとブーンを挑発して突風を仕掛けるように誘導した。
まぁ、オレが溶岩に叩き込まれたときはちょっと裏切られたかなと一瞬思ったぜ。
最初にブーンに伝えた作戦は『宝玉を突風で剥ぎ取れ』だったからな。
宝玉が落ちたのは予想外だったが、溶岩ごと巻き上げればいい話だ。
まぁ、その後の行動を影から聞いた限りじゃちゃんと仕事をしてくれたみたいだし、オレのサインを読んでくれたんだろうな」
横目で見たブーンは何も言わずに頷き返した。
('A`)「それにだ。オワタ、あの時にオレがおかしなことを言ってると思わなかったのか?
切り刻んで"溶岩に沈めてやる"。
ナイフで切り刻んだらとっくに死んでるだろ?その上で溶岩に沈めるってのはよっぽど憎けりゃ考えるかもしれないが、
オレはお前ほど残虐になれると思うか?少なくともオレはそう思わないね」
\(;^o^)/「で、でも、でも!」
額に汗を浮かべたオワタが歯切れの悪い返事で何とか切り返そうと必死の形相を浮かべる。
諦めな、オワタ。もう玩具で遊ぶ時間は終わりなんだよ。
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:47:04.85 ID:mS5YGUrFO
支援
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:47:04.86 ID:9Xn164yMO
支援
142 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:47:15.79 ID:s/aBR6Gd0
('A`)「ここからが重要だ。溶岩に落ちたオレが何故無事だったか。
答えはもちろん"宝玉"だ」
\(;^o^)/「違うよー。それはないよー。『情熱のアレキサンドライト』は『勇敢のルビー』の所有者にしか使えな―――」
オワタはここまで言ってハッとした顔になった。
それはオレ達にとって既知の情報だということも知らないんだろうな。
('A`)「ほぅ、これがアレキサンドライトか。初めて見たから分からなかったぜ。
まぁ、それはどうでもいいんだけどな。現実に帰ってから調べればいいだけの話だ。
オレが使ったのは『知のアクアマリン』だよ。
この宝玉の力は"水中でも自在に行動する事が出来るようになる"ものだ」
\(;^o^)/「それは溶岩の中でも無事だった理由にならないよー」
(#'A`)「いちいち話しにツッコミを入れるんじゃねえ!最期まで聞きやがれクソガキ!」
オワタの頭の中は小学校で成長が止まってるんじゃないか?
こいつに親がいたとしたら相当甘やかされたに違いない。
あまり怒鳴られ慣れてないのか、オワタはまた肩をビクッとさせ静かになった。
('A`)「溶岩の中でも無事だった理由はシンプルだ。
オレ達が持ってるもう一つの力。"物の性質を変化させる力"によるものだ。
そう。オレは"宝玉の性質"を変化させたんだよ!」
143 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:49:28.95 ID:s/aBR6Gd0
Σ( ^ω^)「そうだお…って、マジかお!?」
('A`)「ブーンは出来ないから心配するな。
まぁ、正直なところ賭けだったんだよ。出来なかったら『オレの人生オワタ!』だったぜ?
とにかく、オレは知のアクアマリンの"水中を自在に"って部分を"溶岩の中でも自在に"へと性質を変化させたんだ。
確かにそれなりに溶岩の中は熱かったよ。"溶岩は熱い"って先入観もあったしな。
でも、精々オレん家の風呂ぐらいなもんだぜ。むしろ快適だったね。
宝玉は先入観を無視した力だ。
例えオレがブーンの宝玉の力を見て、その辺に吹いてる風を性質変化させたところでオレの体を持ち上げるような突風にはならない。
それに『勇敢のルビー』の突風は確かにかなり強いさ。だが、現実じゃあの程度で人が空を飛ぶわけがないんだ。
じゃあ例えばブーンだけ突風が起こせる理由は何故だか分かるか?」
\(#^o^)/「そんなの簡単だろ!宝玉があるかないかだ!」
('A`)「赤点だ。オワタ再テストな。
言ったろ?宝玉がなくても風さえ吹いてれば性質変化で多少の風は起こせるんだ。
ブーンもオレも人は空を飛べない。あれくらいの突風で本来、人が空を舞わないくらいの先入観は持ってる。
同じ先入観なのに、何故こうも違うのか?
つまりだ。宝玉は先入観と言うリミッターをぶっ壊す力があるからなんだよ!」
ブーンが小さな声でナンダッテーとぶつぶつ言っていたがオレは見なかったことにした。見てないし、聞いてない。
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:50:00.51 ID:mS5YGUrFO
支援
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:50:05.72 ID:9Xn164yMO
支援
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:51:23.50 ID:g/i9e8vj0
支援
147 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:51:40.77 ID:s/aBR6Gd0
('A`)「さて、遠回りしちまったな。
先入観強すぎる分、下げられる温度に限度はあったけどオレは宝玉を使って溶岩の中でも平気になった。
溶岩なだけあって見通しは最悪だったが、大砲の裏へと回ったオレはロープを括り付け、タイミングを合わせて岩を落としたってわけさ」
長々と説明したが終わりの時間は近い。
オレはポーチを開くとブーンに一発逆転のアイテムを放った。
( ^ω^)「これは『情熱のアレキサンドライト』!?」
('A`)「溶岩の中を手探りで探すのは苦労したよ。
さぁ、ブーン。決め台詞はお前にやるよ。――もちろん使い方は分かってるよな?」
( ^ω^)「当たり前だお。"腕"に『集まれ!』」
ブーンは新たな宝玉を右手で強く握り締めた。
それと同時に不透明な宝玉の内側から赤い光が溢れ出す。
\((((;^o^)))/「嘘だよ。僕は死なないんだよ。こいつらを殺すんだ。殺して生き延びるんだ。
殺して殺して殺してっ!」
突風がブーンの前腕に絡みつくように吹き荒れる。
『勇敢のルビー』の比じゃない。突風が肉眼ではっきり見えるほどその力強さを証明していた。
( ^ω^)「証明終了だお。」
ブーンは雄たけびを上げながら目の前に転がった力なき砲弾を、右手で打ち抜いた。
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:53:00.64 ID:VD+94yBMO
支援
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:53:29.63 ID:9Xn164yMO
支援
150 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:53:49.33 ID:s/aBR6Gd0
\(;^o^)/「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
ブーンの放った砲弾は吸い込まれるように大砲へと着弾した。
天井を向いたままの砲身はぐにゃりと折れ曲がり、衝撃に耐え切れなかった台座から切り離されそのまま溶岩へと沈んでいった。
\( ;o;);.「消える?僕の体が!?ヤダ。イヤダ。
ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ!もっと遊ぶんだ。もっともっと!」
大砲と共に消え行く体に、オワタの精神は崩壊した。
オワタは血走った目でオレ達を睨みつけ精一杯の言葉を吐いた。
もう何もかも言い尽くしてやるとでもいうように。
\;o;:;.「お前らが来たのが悪いんだ!宝玉を集めるということがどういうことかも知らない馬鹿め!
宝玉は夢の島の力の象徴なんだぞ!それをお前らが取るってことは夢の島のバランスが崩れるってことなんだぞ!
それをもう3つも!!もうどうなっても知らないからな!!後悔して死んじゃえ!
死んじゃええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!」
断末魔の叫びを残してオワタの体は消滅した。
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:55:39.91 ID:9Xn164yMO
ティウンティウン支援
152 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:55:43.72 ID:s/aBR6Gd0
■夢―炎の谷
( ^ω^)「オワタの最期の言葉。どう、思うお」
オワタの消滅を確認した後、溶岩地獄から難なく帰ってこれたオレ達は何時間ぶりに地上の空気を吸うことが出来た。
炎の谷自体も暑いが、溶岩地獄に比べたら清涼感が全然違う。
('A`)「気にするな。所詮負け犬の遠吠えだ。
もしも、バランスが崩れたせいで記憶喪失になったんなら『勇敢のルビー』を手に入れた時点でそれが起きないとおかしいだろ。
オレは、どっちかと言えば宝玉を集める事でこの夢の島の本性が暴けると考えてる」
( ^ω^)「そうかお。ドクオが言うなら間違いないお」
ニコッと笑うブーンにオレの心も幾分か落ち着いた。
オワタの言葉は気にならない訳じゃないさ。
だが、そんなことで一々不安になってたらこの後やってけないんだ。
('A`)「まぁ、お互いに信頼だけはしとかないとな。
ところでオレが嘘をついてたってのはいつ気づいたんだ?
もしかして耳打ちした内容をちゃんと覚えてて、尚且つオレの台詞に気づいた?」
オレの問いに対し、ブーンは鼻の頭をかきながら恥ずかしそうに答えた。
153 :
◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:56:56.64 ID:obyalZgPO
>>151 死に際そうすればよかったぜ…ちくしょう
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:57:59.37 ID:g/i9e8vj0
支援
155 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/04(火) 23:58:06.21 ID:s/aBR6Gd0
(;^ω^)「いや、その台詞の時は全く気づいてなかったお。
ブーンが気づいた理由はドクオがナイフを持った手だお」
何も言わないオレに続けろという意味を受け取ったのかブーンはそのまま続けた。
( ^ω^)「ドクオは左利きだおね。昨日滝でナイフを構えたときは左だったお。
なのにあの時は右だった。これから人を殺そうというのに、利き手じゃない方の手でナイフを使うのはおかしいお。
それを見て思い出したんだお。ドクオのこれからの言動が全て計算されたものだって」
('A`)「そうか。気づかないかもしれないから保険でやっといたんだが、正解だったな」
むしろそうしなかったら本気でオレを溶岩に叩き込むつもりだったのか。
うげぇ。と内心で落ち込んだ。
(*^ω^)「ブーンだってやる時はやるんだお。それじゃ、ブーンからも質問いいかお。
ドクオは宝玉の性質変化はブーンには無理って言ったおね?
それはどういう意味なんだお?難しいとかそんな理由だったら結構ショックだお…」
('A`)「あぁ、違う違う。
そうだな。そもそも性質変化の力も宝玉と同じでオレとお前じゃ性能が違うんだよ」
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:58:22.11 ID:9Xn164yMO
157 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:00:03.73 ID:od3Go1AG0
('A`)「いいか。ブーンは夢に入るときに服装が変わるよな。
これは実のところAをBにすると言うよりはAを一旦消してからBを作り出すってことなんだ。
そしてお前はその時に性質変化の力を使ってるんだ。
カロリーメイトの入ったジャケットとか、今日のマックの袋にしてもありえないくらいに中身が入ってただろ?
つまりブーンは"ゼロから作り出すときにのみ"性質変化が使えるんだ。
これは宝玉の性能にも同じことが言える。
『勇敢のルビー』も『情熱のアレキサンドライト』も一度10の威力で出したものを5にすることは出来ないんだろ?
一度リセットしないとダメなんだ。
対してオレの『知のアクアマリン』は、基からある水をオレが中に潜り続けても大丈夫なように変化させてるんだ。
そしてオレの性質変化も同じ。目の前にあるものの性質を変化させてるんだ。今日のケフカランプみたいにな。
ブーンのとは違ってAをA+にする感じっていえば分かりやすいかな」
(;^ω^)「こんがらがりそうだお」
('A`)「まぁ、オレが出来る事はブーンには出来なくて、ブーンに出来ることはオレに出来ないと思えばいい」
ブーンは分かっているのか分かっていないのか曖昧な顔のままだった。
紙に書いて説明した方がよかったかもしれないな。
('A`)「それじゃ帰るか。まだ夕方にもなってないし、目が覚めるまで間があるだろ?
ハンバーガーでも食べに―――――――――ブーン?」
オレが振り返ったブーンの目は虚ろだった。まさか、眠いのか?
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:00:26.96 ID:JSCRi0HZO
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:01:04.06 ID:WJ7qEiReO
支援
160 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:02:29.53 ID:od3Go1AG0
(;'ω`)「ごめんお。何か超眠くなってきたお…。多分、目が覚めるんだと思うお。
ドクオ、今日の数字だけ教えといてお」
(;'A`)「あ、あぁ。今日のは簡単だ。000だ。000」
( 'ω`)「分かったお。000…00――」
最期まで言い切らぬうちにブーンの体は薄くなっていき、そして消えた。
オレは明らかに動揺していた。
何でだ?オレはまだ。まだ全然眠くないぞ?
どうして、ブーンだけ。
161 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:04:10.64 ID:od3Go1AG0
('A`)「オレだけ戻れない…」
宝玉の数なのか。
発病、という言い方はおかしいかもしれないが空白の時間を生み記憶喪失になってしまった体に対して、
対抗するワクチンが宝玉だとしたらどうだろう。
オレは1個。ブーンが2個。
それなら先にブーンの目が覚めたのも頷ける話だ。
そうだとしても今のオレにはどうすることも出来なかった。
ケフカポイントは当分起こりそうにもないのだから。
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:05:11.90 ID:WJ7qEiReO
支援
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:05:22.67 ID:Ephx2zhm0
支援ッッッ
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:05:39.73 ID:JSCRi0HZO
支援
165 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:06:07.99 ID:od3Go1AG0
>>150の訂正です。お手数かけてすみません。
\(;^o^)/「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
ブーンの放った砲弾は吸い込まれるように大砲へと着弾した。
天井を向いたままの砲身はぐにゃりと折れ曲がり、衝撃に耐え切れなかった台座から切り離されそのまま溶岩へと沈んでいった。
\( ;o;);.「消える?僕の体が!?ヤダ。イヤダ。
ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ!もっと遊ぶんだ。もっともっと!」
大砲と共に消え行く体に、オワタの精神は崩壊した。
オワタは血走った目でオレ達を睨みつける。
\;o;:;.「お前らが来たのが悪いんだ!宝玉を集めるということがどういうことかも知らない馬鹿め!
宝玉は夢の島の力の象徴なんだぞ!それをお前らが取るってことは夢の島のバランスが崩れるってことなんだぞ!
それをもう3つも!!もうどうなっても知らないからな!!後悔して死んじゃえ!
死んじゃええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!」
ティウンティウンティウンティウンティウン…
謎の断末魔の叫びを残してオワタの体はいくつもの光を拡散させながら消滅した。
166 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:08:01.07 ID:od3Go1AG0
■夢―海岸
結局、夕方になっても睡魔がやって来ることはなかった。
むしろ冴え冴えしていると言っても過言ではない。
オレは村を素通りして最初に夢の島に降り立った、あの海岸へ足を向けた。
途中で乾いた流木を拾い、それを椅子代わりにして海を眺める。
波の音が心地いい。
沈みかけた夕日と、その夕日の色と同じオレンジ色の海はとても幻想的だった。
冒険。じゃないけど、この景色だけでも凄くいい絵が描けそうな気がする。
紙とクレヨンがないのが惜しかった。
いや、完成させても持ち帰れないから意味ないか。
戻れないのならいっそこのまま。なんて考えが浮かぶのは夢の島に心酔しきった証拠なのだろうか。
でも、ダメなんだ。夢だからいいんだよな。
分かっていた。
だが、分かっているから目が覚めないことが恐怖だった。
今自分のいる場所は夢で、本当の自分はベッドの上。
その夢の中にいる自分は目を覚ましたくてもそれが出来ない。
このまま時間が過ぎたらどうなる?それがただ恐怖だった。
だから、今はそれを忘れたい。
現実逃避なのかもしれないが、それしか心を落ち着ける方法が無かった。
せめて、ブーンが一緒なら違ったろうに。
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:09:07.79 ID:WJ7qEiReO
支援
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:10:05.42 ID:eNLdrv33O
ティウンティウンwwww
169 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:10:10.63 ID:od3Go1AG0
川 ゚ -゚)「ドクオ?」
しばらくボーっとしていると不意に背中から声を掛けられた。
驚いて振り向くとそこに居たのは小脇に何かを抱えたクーだ。
いつもの青を基調とした民族衣装に加え、朝見かけたときには無かった貝殻のネックレスを掛けていたその姿は、
夕日の効果もあいまって綺麗だと思わずにはいられない。
川 ゚ -゚)「どうしたんだ一人で。ブーンはどこに行ったんだ?」
('A`)「あぁ、先に帰ったよ。オレはしばらく休憩しようと思ってな」
川 ゚ -゚)「ふぅん。帰るってどこに帰るんだろうな。空き家なら村にあるからそこへ住めばいいのに」
何気ない口調で提案するとそのまま流木へ腰を下ろした。
オレの置いた流木に座ると密着はしないもののクーとの距離はかなり近い。
周りから見たらどう見えるんだろうか。
('A`)「家具をそろえるのが面倒なんだよ。外ならキャンプファイアーのし放題だ」
川 ゚ -゚)「火事は勘弁してくれよ。雨はほとんど降らないんだ。
ところでドクオ。顔が赤いぞ?」
夕日のせいだ。とオレは都合のいい言い訳を繰り出すが、フフと笑うだけでクーは追求をすることはなかった。
ちくしょう。分かってて言いやがったな。
話の流れを変えようと、クーの手元を見たときにオレにとって最もなじみの深い物が見つかった。
170 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:12:07.11 ID:od3Go1AG0
('A`)「うるさいな。ところでクーが持ってるのってスケッチブックか?」
川 ゚ -゚)「あぁ。私の趣味は絵を描くことなんだ。よかったら見るか?」
クーがスケッチブックのページを開くとそこに描かれていたのは島の景色だ。
アレンテヴォレッツァ。森。砂浜の椰子の木。そしてこの海。
そのどれもが淡い色鉛筆で繊細に描かれていた。
オレには、ここまで美しく描くことは出来ないだろう。
('A`)「うめぇ…。色鉛筆でここまで描けるもんなのか」
川 ゚ -゚)「いや、本当は水彩画の方がいいんだがな、アクリル絵の具はなかなか手に入らないんだ。
だから今は色鉛筆で我慢しているんだよ。
だが、悪い事ばかりじゃない。
こうして持ち運びしてどこでも絵を書くことが出来るからな」
('A`)「そっか。オレも絵を描くんだよ。クレヨンだけどな」
川 ゚ -゚)「クレヨンか。君らしいといえば君らしいな。
さっき海を眺めていた目はとても純粋だった。何となくだが、ドクオは絵が上手そうだと思う」
オレらしいとはどう言うことだと追求したかったのは山々だが、
朝の怒ったクーのイメージと重なってどうも強気に出られなかった。
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:13:06.99 ID:WJ7qEiReO
支援
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:13:29.97 ID:eNLdrv33O
支援
173 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:14:00.54 ID:od3Go1AG0
('A`)「下手の横好きさ。県美展でも佳作だったしな」
川 ゚ -゚)「県美展…か。よく分からないが、佳作でも賞は取れたのだろう?
それだけでも喜ぶべきだ。ドクオの絵を認めた人がいたということじゃないか」
('A`)「そういうもんなのかね」
そういうものだよ。と、フッと自然に出たクーの笑みにオレの心がどんどん安らぐのを感じた。
('A`)「あぁ、何か話してたらすっきりして眠くなってきたぜ…」
川 ゚ -゚)「おいおい、こんな美しい女性を捕まえといて眠いはないだ―――――」
そこまで言いかけたクーの表情が急に青ざめていく。
一体どうしたというのだろう。
川;゚ -゚)「ドクオ、体が…体が透け始めてるぞ!?」
慌てて手を伸ばしたクーの手はオレの体をすり抜け宙を掴む。
へぇ。何か、お化けみたいだな。
強烈な眠気にフワフワした思考でそんなことを考えていると、オレの体からは益々色が抜けていった。
体が引っ張られる感じがする。どうやらようやく目が覚めるらしい。
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:15:17.88 ID:WJ7qEiReO
支援
175 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:16:09.73 ID:od3Go1AG0
川;゚ -゚)「君は…もしかして幽霊なのか?」
こんなもの見せられて幽霊と思わない方がおかしいだろう。
でも、クーには心配を掛けたくは無かったから、最期に一つだけクーに言葉をかけた。
('A`)「かもしれない。でもまた来るよ」
伝えた事を確認するかのようにオレの体はそこで消えた。
第四夜 『自殺者』 完
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:16:21.22 ID:eNLdrv33O
支援
177 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:17:54.10 ID:od3Go1AG0
第四夜終了時点での簡単な紹介とマップ
('A`)
名前:鬱田ドクオ
能力:基から存在する物の性質を変化させる能力
夢の島再突入時に姿が変わらず、前日の状態を保持する能力
潜水の能力[知のアクアマリン]
所持品:アーミーナイフ/空のポーチ/ケフカランプ
知のアクアマリン
( ^ω^)
名前:内藤ホライゾン
能力:ゼロから作り上げる時にのみ物の性質を変化させる能力
夢の島再突入時に姿が更新され、新しい姿になる能力
飛行の能力[勇敢のルビー]
突風を一箇所にまとめる能力[情熱のアレキサンドライト]
所持品:勇敢のルビー/情熱のアレキサンドライト
簡易マップ(RPGツクールって便利だよね)
ttp://www2.uploda.org/uporg1285150.gif 夢の島全体イメージ(色無し)
ttp://www2.uploda.org/uporg1285158.gif
178 :
('A`)と夢の島のようです 第四夜 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:19:19.52 ID:od3Go1AG0
第四夜は以上です。
支援超ありがとうございました。
批評や感想、質問などおありでしたらお願いします。
それと、今回付け加えた島のイメージなんですが色がないので塗り絵職人も募集です。
ペイントの適当色塗りじゃ寂しいものもあるので良かったらお願いします。
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:22:38.61 ID:WJ7qEiReO
乙!
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:27:48.63 ID:t8Py5bWpO
乙
乙
N
4
W+E
│
S
方位記号ってこうじゃなかったっけ?「+」の部分があったような。
ついでに東はEAST 西はWESTと一応言ってみる。
182 :
('A`)と夢の島のようです ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:30:44.42 ID:od3Go1AG0
ついでに以前総合の方へ投下した番外編も出しときたいと思います。
総合の方にはその節ご迷惑をおかけしました。改めてここで謝罪します。
183 :
◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:32:39.68 ID:ylSdwuUJO
/(^o^)\ヤッチマッタ
次回投下までには直しますすみません。
184 :
('A`)と夢の島のようです 番外編 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:33:17.10 ID:od3Go1AG0
とある冬の一日。今日も日本列島には寒波が押し寄せて、熱と言う熱をことごとく奪い去っていった。
まるで泥棒のような天気。オレはインナーを一枚多く着ることでその魔の手から逃れようと苦肉の策を展開中だった。
( ・∀・)「ねぇ、ドクオ」
休憩時間になると教室に備え付けられた今日も動かないエアコンを恨みがましく思いつつ机で丸まっているオレに、
今日も一段とご機嫌なモララーが話しかけてきた。
モララーはクオリティ中学に突如現れた天才児である。
天は二物を与えないと言うが、こいつにはとことんサービスをしやがったらしい。
勉強も出来て、スポーツは万能、顔も良いし人当たりもよく、あぁオレって何なんだろうとつくづく考えてしまう。
( ・∀・)「ねぇってば」
反応の無いオレに痺れを切らしてモララーは冷たい手を首に押し当ててきた。
体温まで奪って行くとは不届き千万な奴め。オレは仕方なくモララーの方を向いてやった。
('A`)「何だよモララー。次の文化祭のポスターならお前が描けよ?オレは来年の県美展の準備もあるんだからさ」
( ・∀・)「違うよ。ひとつ気になってたことがあってさ。
ドクオって絵はいつもクレヨンで描くだろ。他に画材もあるのに何でかなって思って」
オレは少し前の十二月に行われた文化祭のポスターを担当した。
それもこれもモララーのせいだったんだが、今となってはどうでもいい。
モララーの言うとおりオレの絵は鉛筆で下書きこそするが、主な画材はクレヨンだけだ。
他の画材でも描けることは描けるだろうが、オレはクレヨンがいいと言う理由があった。
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:34:02.24 ID:ylSdwuUJO
さる怖いC
乙!
次回はいつごろ更新ですかね?
期待してまってますよ
ヨッシーアイランドスーパーマリオワールドだっけかを合わせたようなMAPに見えるw
187 :
('A`)と夢の島のようです 番外編 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:35:42.13 ID:od3Go1AG0
('A`)「休憩時間はまだ十分あるな。長くなるからそこに座って聞けよ。
これは、オレが幼稚園の時の話だ」
〜('A`)と夢の島のようです 番外編 『クレヨンとがいこつおばけ』〜
188 :
◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:38:30.95 ID:ylSdwuUJO
>>186 島のイメージはそれに加えてゼルダの伝説夢をみる島も考えてます。
次回はどうだろう。ちょっと今月忙しいので少しずつ書き溜めはしますが、
時間がかかるかもしれません。
189 :
('A`)と夢の島のようです 番外編 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:38:30.99 ID:od3Go1AG0
幼稚園の時と言えば右も左もまだ分かっていないようなペーペーだ。
今みたいに授業らしい授業も無くて、やることと言えば専らお遊戯とお昼寝とお絵かきの時間である。
幼稚園のお絵かきと言えば分かるよな、モララー。
( ・∀・)「クレヨンだね。少なくとも幼稚園児が習い事以外で絵筆を握って絵を描くのは見たことが無いし」
('A`)「そうだ。その時オレが持ってたのは六色入りのクレヨンだった」
婆ちゃんに買ってもらったクレヨンの箱には赤青黄緑黒白の六色が入ってた。
当たり前と言っちゃ当たり前なんだが白はほぼ新品のままだった。白い画用紙に白のクレヨンは余りにも目立たないからだ。
ある時婆ちゃんに言われたよ。「白が可哀想じゃないか。使ってもらえないとクレヨンが泣いちゃうよ」ってね。
('A`)『でも婆ちゃん、白い紙に白を塗っても見えないよ』
('、`*川『ドクオちゃん。絵を描くってのはね、線を引いて塗るだけじゃないのよ。
例えば、桃の絵を描きたい時はどうするの』
('A`)『えーと、友達にピンクのクレヨンを貸してもらう!』
('、`*川『そうね。ピンクを借りるのも一つの手ね。でも、それだけじゃないの。
方法は一つだけじゃないのよ―――白を使うの
白が赤に手を貸してあげると、赤はピンクに変身出来るのよ』
婆ちゃんは更に続けた。
('、`*川『それだけじゃないの。青と一緒に頑張れば水色になれるし、黒と混ざればねずみ色になるの。優しい色よ。
――そうね。白は色が足りなくて困ってるドクオちゃんを助けに来るヒーローみたいなものかな』
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:39:00.39 ID:eNLdrv33O
支援
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:39:02.59 ID:JSCRi0HZO
総合で見たが支援してやんよ
192 :
('A`)と夢の島のようです 番外編 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:40:41.05 ID:od3Go1AG0
('A`)『ふーん。ヒーローかぁ…』
その時オレはほとんど理解出来てなかった。だから幼稚園に行っても相変わらず白の出番は無かった。
( ・∀・)「それで?結局ヒーローは現れたのかい」
('A`)「そうがっつくな。時間はまだある。
――そうだな。オレの絵に対する情熱でも聞いてもらおうと思ったが、ヒーローを待たすのも悪いし出て来てもらおうか。
それは、ある雨の日。お昼寝の時間の時だった」
オレは夢を見た。夢の中でオレは学校からすぐそこにある図書館の中に居たんだ。
オレが居たのは閲覧スペースの椅子の上で。ほら、子供用のカラフルなクッションの効いた奴だよ。背もたれの無い。
すぐに夢だって気づいたよ。いつの間にか幼稚園から移動してたとかそう言うのじゃなくて、理由はもっとシンプルだった。
何もかも真っ白だったんだ。黒の輪郭だけはあったけどさ、図書館は漂白剤でもぶち撒けたみたいに色が抜き取られてた。
( ・∀・)「ドクオはちっさい時から凄い夢見るもんだね」
(;'A`)「話の腰を折るなよ。まぁ、夢だって気づいたオレはさっそく図書館の中を探検する事にした」
とは言っても全部真っ白だ。どの本を開けても真っ白なページが続くばっかりで面白くもなんとも無い。
帰ろうと思っても入り口の自動ドアは閉ざされたままだった。
夢から覚めたくても目が覚めない。触ってる感触はあるんだが頭を叩いても頬をつねっても痛くないし、完全にお手上げ。
どうしようと自動ドアに背を向けて歩き出そうとしたら背中に気配を感じたんだ。
('A`)「何だったと思う?」
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:41:02.28 ID:nkPcEBAI0
支援
194 :
◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:42:09.08 ID:ylSdwuUJO
>>191 総合ではご迷惑をお掛けしました。本当にすみません。
>>188 期待してまってるおー よければ投下期日決まったら花束にもレスほしす
支援
196 :
('A`)と夢の島のようです 番外編 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:42:34.28 ID:od3Go1AG0
( ・∀・)「さぁ、何だろうねぇ。ドクオのことだし好きな子でも出てきたんじゃないの?」
('A`)「阿呆。それはねーよ。――後ろを向いたオレが見たのは『骸骨』だった」
背の高さは幼稚園児のオレと同じくらいで1mあるかないかくらいだった。
真っ白な骸骨はオレを何も言わずに真っ直ぐ見つめていた。
いや、目がないから見つめているって表現は少しおかしいのかもな。まぁ、そんなことはどうでもいい。
( 0Щ0)『…』
(;'A`)『お、お化けだあああああああああああああああああああ』
今でもホラー映画は敬遠し続けている位だ。ガキの中には仲良くしようとスキンシップを取る変り種もいるかもしれんが、
オレにとっちゃお化けは恐怖のシンボル以外の何者でもなかった。
( ・∀・)「起きた時漏らしてた?」
(#'A`)「やかましい!漏らすわけ無いだろうが!(少し出てたけど)」
当たり前だがオレは踵を返して逃げ出した。
とにかく撒こうと書架をジグザグに走ってたら、気づくとオレは絵本のコーナーに居た。
オレの視線は吸い込まれるように本棚へと向かった。
真っ白な絵本が並ぶ中、そこには1冊だけ。
色の無い世界に、その1冊だけカバーが赤、青、黄、緑の4色が田んぼの『田』みたいに塗り分けられていた。
197 :
◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:43:55.84 ID:ylSdwuUJO
198 :
('A`)と夢の島のようです 番外編 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:44:28.59 ID:od3Go1AG0
( ・∀・)「色の無い世界に1冊だけねぇ。ちょっと面白くなってきたじゃん。続きは?」
('A`)「いちいち食いつくな。脳が太るぞ?――とにかくオレはその本を開いた」
絵本を開けるとそこには両開きのページを使って野原が描かれていた。
右のページの隅っこには『はるのやま』と書かれている。タイトルだろうか。
(;'A`)『山って…草しか描いてないじゃん』
緑一色で描かれた絵はどことなく寂しい雰囲気を受けた。
何だろう、この気持ち。ふと顔を上げるとそこは図書館じゃなく、オレはあの絵の中に立っていた。
('A`)『この絵、何かつまんない』
この絵には圧倒的に色が足りてなかった。何が無い?――そうだ。花と空が無いんだ。
春に山へ遠足に行った時、空はどこまでも青く、山頂の野原には赤い花があって、黄色い蝶が飛んでいたのを覚えている。
一見緑の野原には、いろんな色が混ざってたんだ。
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:45:33.41 ID:JSCRi0HZO
支援
200 :
('A`)と夢の島のようです 番外編 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:46:21.42 ID:od3Go1AG0
('A`)『赤と青と黄色が欲しい』
そう言うと不思議なことに目の前に小さな赤い花が咲いたんだ。
一つだけじゃない、周りにはポツポツと花が咲き賑やかになった。
その香りに誘われたのか、モンキチョウが現れ赤い花の周りをフワフワ飛び回り草原の絵は春の山を思わせた。
変化はそれで終わらず、真っ白な空は青で塗りつぶされていき、天気予報みたいな太陽が昇った。
( ・∀・)「ファンシーな夢だねぇ。女の子みたい。
まぁ、感受性豊かじゃないとあんな絵は描けないか」
(;'A`)「ファンシーは余計だ、阿呆」
それでもこの景色には色が足りなかった。
原色が強すぎたその景色は、オレの見た春の山とはどこか違っていた。
('A`)『何が足りないんだろう』
するとオレはまた後ろに気配を感じたんだ。
恐る恐る振り返ると、あのがいこつお化けが何も言わずに景色を見つめていた。
(;'A`)『わあああああああ!がいこつお化けだ!』
オレが叫ぶとがいこつお化けはちらっと一瞥したが、興味が無いのかまた景色の方に目を向けなおした。
その時オレは気づいたんだ。その空洞の目は、オレと同じ物を訴えていたんだ。この景色の物足りなさを。
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:47:06.89 ID:JSCRi0HZO
支援
202 :
('A`)と夢の島のようです 番外編 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:48:41.19 ID:od3Go1AG0
(;'A`)『おい、がいこつお化け!』
オレは腰が引けながらもがいこつお化けの目の前に立ちはだかった。
物言わぬがいこつお化けの目はオレをしげしげと見つめた。
怖い、怖いけどオレと同じことを思ってるんなら。
( 0Щ0)『…』
(;'A`)『お前も、この絵に何か足りないって思うよな!』
( 0Щ0)『…(コクリ)』
がいこつお化けは静かに頷いた。そして自分の右手に左の手をやると、いきなり人差し指を引き抜いたんだ。
(;'A`)『おっ、おい。自分の指を――ってあれ?』
それはよく見ると骨じゃなかった。白い、真っ白なクレヨンだったんだ。
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:50:08.62 ID:JSCRi0HZO
支援
204 :
('A`)と夢の島のようです 番外編 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:50:31.26 ID:od3Go1AG0
がいこつお化けは白いクレヨンをオレに渡すとオレの後ろ、原色で統一された景色を指差した。
('A`)『…このクレヨンを使うんだな』
( 0Щ0)『…』
今度は何の反応も無かった。でも、オレにはどうすればいいか分かったんだ。
( ・∀・)「なるほどね。そこでドクオの婆ちゃんか」
(;'A`)「お前…時々空気読めないよな。とにかく婆ちゃんの話を思い出したオレは――」
オレは指揮棒のようにクレヨンを振った。
いくつかの真っ赤だった花は、ピンクの花へ。モンキチョウの何匹かはモンシロチョウへ姿を変えた。
一番大きく変化したのは、空だ。
真っ青でお世辞にも春の陽気とは呼べなかった空。
オレは手に持った白いクレヨンを何度も往復させ、白い雨を降らせたんだ。
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:51:07.05 ID:JSCRi0HZO
支援
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:51:16.54 ID:y36CtecLO
追い付いた!やはりゼルダか
ふいんき(ry的にそうだと思ってたぜ
支援
207 :
('A`)と夢の島のようです 番外編 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:52:27.93 ID:od3Go1AG0
オレが満足の行く水色の空を塗り終わる頃には、手に持ったクレヨンは小指ほどの長さまでちびっていた。
('A`)『おい、がいこつお化け!』
振り向くと、そこは図書館だった。
がいこつお化けは相変わらず後ろに立っていたが、その顔はオレと同じく満足そうだった。
('A`)『これ、返す!』
黙ってクレヨンを受け取るとがいこつお化けはまた右手に嵌め直した。短くなった人差し指はどこか可笑しくて。
怖かったはずのがいこつお化けは、今のオレには愛嬌たっぷりだった。
そして、人差し指が短くなった骸骨はオレの手を取ると歩き始めたんだ。
(;'A`)『どこ行くんだよ』
方向からある程度の検討はついていた。
でも、まだ遊びたい。やっと仲良くなれたと思ったのに。
きつく握り締められたがいこつお化けの手は、その意志と同様に硬かった。
208 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:53:19.18 ID:JSCRi0HZO
支援
209 :
('A`)と夢の島のようです 番外編 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:54:36.48 ID:od3Go1AG0
予想通り、そこは図書館の入り口だった。
だけどさっきと違ってたのは、自動ドアが開いていることだった。
('A`)『帰れってことか』
がいこつお化けは何も言わなかった。
ただ、握っていたオレの手を離すと短くなった人差し指で自動ドアの外を指差した。
('A`)『…わかったよ。帰るよ…。』
オレは泣きたいのを堪え自動ドアから一歩踏み出し、図書館の外へ出た。
がいこつお化けの方へ向きなおすと、あいつも悲しそうにうつむいていた。
図書館のドアはゆっくりと自動ドアが閉まりつつあった。
('A`)『がいこつお化け!』
オレは叫んだ。がいこつお化けも顔を上げる。
210 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:55:18.31 ID:JSCRi0HZO
支援
211 :
◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:55:25.44 ID:ylSdwuUJO
>>206 第四夜の最後のシーンは
夢をみる島のあるイベントシーンをイメージしています。
あのゲームは個人的にナンバーワンなので
やっぱりこういう作品を書くと意識しちゃいます。
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:55:45.22 ID:nkPcEBAI0
支援
213 :
('A`)と夢の島のようです 番外編 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:56:25.87 ID:od3Go1AG0
(*'∀`)『婆ちゃんの言った通りだ!白はいらない色なんかじゃなかった。
白は優しい、正義のヒーローだったんだ!
約束だ!オレはお前を使ってもっとすげー絵を描いてやる!
絶対の約束だ!嘘ついたら針千本飲んでやるからな!』
(0Щ0)『…』
/ ‡ \
/|
(0Щ0)『バイバイ…』
/ ‡ ┘
/|
ttp://www.uploda.org/uporg1285229.gif 真っ白ながいこつお化けは自動ドアが閉まるまでずっと嬉しそうに手を振っていた。
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:58:24.04 ID:y36CtecLO
うほっこれはイイがいこつ
215 :
('A`)と夢の島のようです 番外編 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 00:58:24.93 ID:od3Go1AG0
('A`)「まぁ、オレがクレヨンを使う理由はこのがいこつお化けとの出会いだったわけだ」
( ・∀・)「ふーん。約束の夢か。それを守り続けてるドクオは偉いね」
('A`)「子供っぽい理由って思うかもしれないけどさ、約束は約束だから」
( ・∀・)「そっか。じゃあ、最後にもう一ついいかな。
人物画を描かないのもその夢が関係してるのかい?」
('A`)「あぁ。何だかんだ言って怖かったからな。
人物画を描こうとするとあのがいこつお化けを思い出して手が止まるんだ」
(;・∀・)「あの骸骨も最後の最後で浮かばれないな。
あ、それなら弱点克服ってことで今度の日曜、ホラー映画を見に行こう。決定!」
(;'A`)「ちょ、何でそうなるんだよ!」
話はここまで!と言うようにチャイムが鳴る。
してやったり顔で自分の席へ戻るモララーの背中を、オレは苦々しげに見送った。
おい、がいこつお化け。お前との約束はちゃんと守ってるぞ。
次の県美展こそ、上位入選してすげー絵を描くってお前との約束を果たしてやる。待ってろよな。
そう小さくつぶやいたオレの手には骸骨のストラップがついた携帯が握られていた。
('A`)と夢の島のようです 番外編 『クレヨンとがいこつおばけ』 完
216 :
('A`)と夢の島のようです 番外編 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 01:00:45.32 ID:od3Go1AG0
番外編は以上です。
有難い支援超ありがとうございました。
これは第三夜でドクオがクレヨンを使って描く理由を描写しなかったので
何か描きたいなあと思ったことがきっかけでした。
そこで総合でお題を貰ったのですが、本当にご迷惑をおかけしました。すみません。
お題は
・『前スレ473 : 白い雨』
・『前スレ474 : 気づけば図書館、そして背後には骸骨が──』
でした。
番外編は気分転換のようなものなのでブーン編なんかも書いたら面白いかもと思ったり。
批評や感想、質問などおありでしたら張り切ってお答えします。
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 01:01:45.18 ID:y36CtecLO
乙っ!
218 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 01:04:22.12 ID:JSCRi0HZO
乙
まだ気にしてたのかww別にいいのにwww
乙!
220 :
('A`)と夢の島のようです 番外編 ◆YUME269q/Y :2008/03/05(水) 01:06:27.60 ID:od3Go1AG0
>>218 でも、おかげで反省をバネに他の分野も開拓できそうだぜ。
総合の『( ゚∀゚)o彡゜とおっぱい戦争のようです』もよろしくな!
お疲れ様!
222 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 01:22:20.51 ID:K2auSGLHO
ほ
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 01:43:32.43 ID:xrcjUHKu0
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 02:10:33.65 ID:R6ewG5qf0
おつ
225 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 02:20:24.62 ID:pmPi5EfnO
何度読んでも面白い
お疲れさまオヤスミ
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 03:06:20.76 ID:RaoeUmJAO
読み
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 04:08:21.21 ID:JSCRi0HZO
今更だが
>>38のケフカポイントって場所?それとも特定の事象?
「そこが〜」ともあるし、「〜に巻き込まれる」「〜の時」ともあるからどっちか分からない。
3話だと場所だった気がするんだけど……
あと
>>8〉鬱憤晴らしか
繰り返すなら「なのか」
228 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 04:38:40.06 ID:n/POuGGY0
あげ
229 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
ちょっと読むよ