ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
長編投下の際の注意
 
・超長編(もしくはSS職人)の場合はコテトリ付けようっ! でも住人の空気もよく読まないとだめにょろよ?
・前の文章とレスが離れてしまう場合は、文頭に安価つけてくださぁいですぅ……あの、お茶どうですかぁ?
・基本はお題フリーです。しかし、主に恋愛系(特にハルヒ)が人気の様ですよ。フフフ、僕とキョンたんの恋愛話も大歓迎ですよマッガーレ
・当初の題目は「キョン×ハルヒ」結婚ネタ……けど、今はほとんど皆無。別に時事ネタでなくてもいい…気にしないで
・キョン君、過度な性的描写はやめようね〜、タンスにエロビデ隠してるのハルにゃんに言っちゃうよ
・台詞や他者への呼称等、その人物に対する統一性は違和感が生じないように推敲が必須だね。もし不安であるのならば、まとめ等を参照すること。
・1行には全角120文字、1レスには最大30行まで入るけど、全角で2048文字の制限があるから気をつけて欲しいのね。
・要するに気楽に投下してくれ。メモ帳にまとめて投下、ってのがお勧めだな
・次スレは970以降、臨機応変に対応してくれ!無理なら他のヤツらに頼むってのもありだな…すまん!ごゆっくり〜
・スレが立ってから三日過ぎたスレッドは>>1000まで行かなくても落ちる……これは僕にとっても既定事項だ
・自分で投下した長編はなるべく自分で編集してください、わかりましたか?んん…!もうっ!
・それじゃ、さっさと投下しなさいっ! いい? あたしを退屈させたら罰金だからねっ!

DAT保管庫(停滞中)  http://haruhiss.xxxxxxxx.jp/
新DAT保管庫+SS推薦http://vipharuhi.s293.xrea.com/
新まとめサイト      http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/
DATうpろだ        http://www.uploader.jp/home/harussdat/
雑談所(仮避難所)     http://yy42.kakiko.com/haruhizatudan/
雑談所携帯用      http://same.u.la/test/p.so/yy42.60.kg/haruhizatudan/
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 19:36:50.78 ID:WXchLMgT0
=====業務連絡===========

・まとめwikiの管理人さんが忙しいから、せめて長編だけでもSS作者は自分でまとめなさいっ!
・「SS作者だけど自分ではまとめられん!」と言うヤツは「まとめ要請とまとめ人たちの報告スレッド」にまとめ要請を書き込んでみるのも一つの手だな。

まとめ要請とまとめ人たちの報告スレッド
 http://yy42.kakiko.com/test/read.cgi/haruhizatudan/1196380901/ PC用 
 http://same.u.la/test/r.so/yy42.60.kg/haruhizatudan/1196380901/ 携帯用
3ウィキ”管理”人 ◆9wIWhQmhwg :2008/03/03(月) 19:37:50.73 ID:WXchLMgT0
>>1-2のテンプレを修正したものです。
暫くの間はこのまま変更したものを使ってくださると助かります
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 19:44:26.54 ID:nfKBQ2Bq0
いちおつ!
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 19:44:46.55 ID:c9EtzAjSO
おや、管理人さんだ。乙です
6ウィキ”管理”人 ◆9wIWhQmhwg :2008/03/03(月) 19:46:04.60 ID:WXchLMgT0
アナルも立てようと思ったら立てられませんでした。
誰か他の方お願いします
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 19:54:47.40 ID:WXchLMgT0
やっと立てれた……アナルです
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1204541627/
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 20:03:46.50 ID:Bxif1GGp0
1乙
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 20:18:31.36 ID:bbwwi9X0O
いちおつ!
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 20:31:07.93 ID:CXq8J1bt0
保守
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 20:48:15.56 ID:c9EtzAjSO
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 20:48:44.39 ID:za+g+QggO
ハルヒの痴漢スレ落ちた?
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 20:59:24.91 ID:CXq8J1bt0
保守
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 20:59:43.03 ID:mpiYSt38O
>>1(wiki管理人さん)乙!
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 21:12:55.30 ID:DZspBy8n0
名前変換ドリーム小説をかいているものです。
とてつもなく特殊な相手の夢小説ができたので投下します。
ええ、お察しの通り女体化キョンです。すみません、趣味です。

http://www.geocities.jp/haruhidream/kyon01.html
飛んだらスプリクトが出るのでその指示に従ってください。
自分の本名を入れると何かに目覚めるともっぱらの噂です。


人がくるまでのんびりとここにいます。
希望の相手などのリクエストありましたらお気軽にお申し付けください。
質は落ちますが二十分以内のうpを心がけています。
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 21:16:40.63 ID:nfKBQ2Bq0
>>15
「ハルヒ」って入力したらハルヒもTSしちまったぜwww

喜緑さんお願いします。
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 21:33:25.65 ID:Bxif1GGp0
保守
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 21:48:01.18 ID:DZspBy8n0
>>19
黄緑さんですね。了解しました。
あれ? 黄緑さん書いたら女性キャラコンプリートじゃね?
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 22:08:24.64 ID:nfKBQ2Bq0
wktk
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 22:12:48.72 ID:DZspBy8n0
おまたせしました。黄緑さんになります。

http://www.geocities.jp/haruhidream/kimidori.html
飛んだらスプリクトが出るのでその指示に従ってください。
やっぱりなんかやっつけ仕事感は否めませんね。


希望の相手などのリクエストありましたらお気軽にお申し付けください。
キョン子かわいいよもはやキョンとは別物になりつつあるよキョン子。
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 22:14:12.48 ID:nfKBQ2Bq0
名前間違えてるぞwww
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 22:16:13.22 ID:DZspBy8n0
>>21
カンボジアではよるあること。
すべてにおいて黄緑になってしました。すみません、すぐ修正しておきます。
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 22:36:57.11 ID:bbwwi9X0O
携帯からは名前入力出来なくなったのか?
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 22:42:49.47 ID:DZspBy8n0
>>23
すいませんこちらはPC専用の機能でして。
というわけで携帯用はこちらになります。したから飛んでください。

http://id32.fm-p.jp/11/haruhidream/
携帯に移植されてない作品とかあったら報告お願いします。
お客様本位でなんぼのものです。
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 22:56:25.45 ID:bbwwi9X0O
携帯用リンクは別だったか。

喜緑さんかわいいよ喜緑さん。
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 23:00:06.32 ID:q0+4fW1bO
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 23:18:47.52 ID:bbwwi9X0O
保守
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 23:35:25.52 ID:4miPq/VXO
お題書く人もいなくなったぁ
などと思いつつ保守
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/03(月) 23:50:26.38 ID:MOGwR1PD0
年度末と夏休み前は人が減るからな…
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 00:10:07.47 ID:SqFGL0DPO
保守
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 00:12:41.46 ID:TvToVFno0
保守
32 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 00:30:09.61 ID:iCDcZnTb0
涼宮ハルヒの団結は、火曜の8時位に18レス程お借りして投下したいと思います。
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 00:38:13.24 ID:TvToVFno0
保守
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 00:45:55.10 ID:GQGz9vAr0
早朝かよもう家出ちゃうよ
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 00:47:58.90 ID:DcJCkwW2O
>>32
まあ次からは予告スレ使ってくださいな
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 01:16:26.35 ID:SqFGL0DPO
保守
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 01:36:40.98 ID:xOYusvNK0
最近無意識にケータイでハルヒって打ってる
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 01:38:15.68 ID:TvToVFno0
保守
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 01:40:37.41 ID:DcJCkwW2O
>>37
限りなく末期だな
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 02:13:04.32 ID:/kK84f2bO
保守
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 02:13:42.82 ID:TvToVFno0
保守
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 02:18:52.58 ID:Nd1L+Dv+O
>>37
((((((;゜д゜))))))
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 02:28:25.75 ID:LeCQmLwh0
ちょいと数レスを借りるよー。
44橘の香り ◆41zceJmqdc :2008/03/04(火) 02:32:47.28 ID:LeCQmLwh0
それは年の明けた一月の初旬。
「古泉、橘はどうなんだ?」
いつものスマイルはどこへ行ったのか。
そう思わせられる程に古泉の顔からは笑顔が消失していた。その代わりにあるのは、歯軋り。
「新年早々で大変言い難いのですが・・・・・・・彼女の命は四月までには・・・・・・・・・・・・・」
四月には・・・何だ? なぁ、なんでそこで止めるんだ。
まさか。そんなわけないよな・・・だって昨日も笑ってたんだ。
そうだ。今日だって苦しんだりしていたがすぐにけろっとした顔で笑ってたじゃないか。
「何でだ。何でだよ・・・何でだよッ!?」
「っ!」
俺は古泉の胸倉を掴んで壁に押し付けていた。
「どうにかしろよ! どうにかしてくれよ!!」
・・・解ってる。今年中にはの後に続く言葉が。だけど、それを認めたくは無い。
だって・・・認めたら笑顔すら見れなくなってしまうだろう。辛くなってしまうから。
「・・・これはずっと前から、決まっていた運命です。・・・もう彼女は、助かりません・・・」
古泉は暗い顔でそう呟いた。俺はその顔を見て、そして、何とも言えない気持ちに陥る
。あの古泉が、泣いていたからだ。
「くそっ・・・くそぉっ!!」
俺はそれを見てただ叫ぶことしか出来なかった。どうして・・・どうして・・・・・・・。


橘の香り 第四話「病気進行柑橘類型」


甘い日々に侵食していくどうしようもない酸っぱさ。
それは柑橘類の味のように混ざっていて、引き剥がせない。きっとそのうち、甘さすら無くなっていくのだろう。
古泉にはっきりと言われて以来続く日々。橘の笑顔を見て帰り、嗚咽を漏らす度に甘さが失せていく日々。
それでも、
「あ、キョンくんお帰りなさい。古泉さんのお話はなんでしたか?」
45橘の香り ◆41zceJmqdc :2008/03/04(火) 02:34:29.14 ID:LeCQmLwh0
病室に戻れば橘は笑っている。相手は笑顔なんだから、俺も笑わなきゃいけない。
「ただいま、橘。何でも無かったよ」
橘に近づいて俺はそっとその華奢な体を抱きしめる。もともと華奢ではあったが、前より細くなったと思う。
長くは耐えられない。こいつは耐えられない。そう考えないようにしようとしても、無理だ。
だけど、泣いたら駄目だ。泣いたら何かあったと思われる。心配させてしまう。
でも、どうして・・・どうしても・・・・・。
「キョンくん、泣いてるの?」
どうしても泣いてしまうんだろう。俺には、駄目だった。無理だった。堪えられなかったんだ。
解っている。自分が泣かないわけがない事をずっと解っていた。ずっとな。だって俺なんだから。
「すまない、橘・・・しばらくこのままで居て欲しい」
そして俺は橘の優しさに縋る。抱きしめてくれる温かさに縋る。だけど、
「・・・私、持たないんですか?」
もう縋れない。気付かれてしまったんだから。
「っ!?」
「その反応・・・やっぱりそうなんですね・・・・・」
「・・・気付いて、いたのか」
「キョンくんは優しいから、たまに泣いてくれる。それが私の為なんだって解った時から何となく気付いてました。それに私の体ですから」
隠せていたつもりなのに・・・隠せていなかったんだな。俺、駄目だな。
きゅうに心を締め付けられたような気分になった。だってまだ笑っているんだから。
作り笑いじゃない本当の笑顔で見られて、平常心でいられようか? いや、いられないな。
「橘・・・うおっ!?」
離れようとして、少し体を離すと、不意にぎゅっと抱きしめられた。
「私は優しくないですから死んでなんかやりません。キョンくんを離してやりませんし、キョンくんから離れてやりません」
「あぁ・・・そうだな。俺も優しくないから、橘から離れてやらないし離してやらない。死んでもな」
「私が死んだらついてくるって事ですか? 尚更死ねませんね」
「どこまでもべったりだからな。死んだらついていくぞ」
「駄目ですよ、死んだら。あ、でもキョンくんが死んだら私は死にますけどね」
「それこそ駄目だろ。逆はありだ」
「無しです」
46橘の香り ◆41zceJmqdc :2008/03/04(火) 02:35:32.32 ID:LeCQmLwh0
お互いにそこでじっと睨みあう。だが、堪え切れなくて
「ぷっ・・・くくっ、あはははははは!」
「ふふっ」
そこで俺はようやく笑えた。やっとその日初めて本当に笑えた。他の何でもない橘のおかげで笑えた。
俺は絶望なんかせずに常に希望を見つめていこう、と思う。信じたら夢は叶うって言うしな。
何だったら俺が医者になって治すって手もありだな。うん。
今から勉強でもしようかね。・・・今からで間に合うのかどうかはさておき。
なんて事を考えていると、

ガラガラッ

と扉が開いて見慣れた二人がやってきた。
「やぁ、橘さん。お見舞いに来たよ。ごきげんよう、キョン」
「――・・・・・・うぃーっす―――」
「こんにちは、佐々木さん、九曜さん」
「おう、お前らか」
ってかそんなキャラだったか、九曜よ。その後WAWAWAって続くかと一瞬思ったぞ。
「おや、キョン。目が腫れているが何かあったのかな?」
興味津々という表情で佐々木が俺の顔を覗き込んでくる。おのれぇ、どうでも良い事に気付きやがって。
「何でもないとも。なぁ、橘?」
「は、はい! その通りです!」
何かあったのバレバレだな。だが、佐々木なら大丈夫だろう。
「・・・まぁ、何があったかは詮索しないでおくよ。逆の立場なら僕としても迷惑だからね」
ほらな。こいつは無駄な詮索はしないのさ。そういう奴だ。人の嫌がる事はしないのは助かるな。
こういう奴が周りに居て欲しかった。あぁ、本当にな。まったくもってハルヒには見習っていただきたい限りだ。
本人に言ったらスーパー稲妻キックの直撃をくらいそうだからいえないけどな。
「ところで―――・・・古泉一樹は居る?―――」
いきなりどうした九曜よ。古泉に用事があるなんて物凄く珍しいじゃないか。
「なんだ? 古泉に惚れたか?」
47橘の香り ◆41zceJmqdc :2008/03/04(火) 02:37:13.96 ID:LeCQmLwh0
「・・・そうかも―――ね」
おいおい。冗談で言ったのにマァジですか? まぁ、古泉と九曜が付き合ったら良い笑い話にはなるから手伝ってやろうか。
あの男、色々と悩むが良いわ。くっくっくっ・・・ってこれは俺のキャラクターとかなり外れてるぞ。
ほら見ろ。橘と佐々木もビックリしてるじゃないか。
「今呼びにいくから待ってろ」
多分、まだ古泉は俺と先ほど会話を交わした部屋に居るだろう。あれから時間も経ってないし担当医と話があると言っていたからな。
案の定、すぐ近くにあるその部屋を開ければ古泉と橘の担当医が居た。何故かりんごジュースを片手に。子供かよ。
「九曜が話があるから来てくれだと」
「周防さんが? 解りました。ちょっと席を外しますね」
「あぁ、行って来い。もてる男はつらいな、古泉」
茶化しに見送られて古泉はやや恥ずかしそうにはにかみながら席を立った。
そして俺の横に並び、二人同時に歩き出す。
「連れてきたぞ」
「・・・ありがとう―――じゃあ、私と古泉一樹はちょっと・・・・・・・・別の場所―――で話そう・・・・・・・・・」
九曜はそそくさと立ち上がるとスッと近づき、古泉の腕を取ってどこかへと連行した。
「面白そうだな・・・俺ちょっと見てくる」
「こらこら、野暮なことはしちゃいけないよ、キョン」
「何を言ってやがる。お前だって立ち上がろうとしていたじゃないか」
「おっと。鈍感なキョンに気付かれるとは僕もまだまだだね」
くっくっ、と暗鬱に、しかし面白そうに佐々木は笑った。
「では行ってきたまえ、キョン。僕らの代わりに状況を見てくるのだ」
「畏まりました、佐々木様。じゃあ、橘。少しの間佐々木に相手してもらってくれ」
「はい。・・・早く帰ってきて下さいよ?」
・・・あぁ、もう。カワイイ奴だな。

・・・・・・・・。

48橘の香り ◆41zceJmqdc :2008/03/04(火) 02:38:42.15 ID:LeCQmLwh0
「・・・・ません」
「・・・・・・・―――・・・・・・はず。・・・・・・なら・・・・・」
近付くと二人の会話が聞こえてきた。俺は見つからないようにこっそりと様子を伺う。
「―――貴方達は卑怯。利益を生み出そうとしている手段―――・・・・・どれだけ彼が悲しみ・・・・上手くいかないか・・・―――・・・・解ってるはず」
「しかし、いずれにせよ現代医学では彼女の延命にも限界があります。世の中には無駄な事もあるのです」
バシンッ。
乾いた音が響いた。古泉が頬を押さえている。九曜が平手打ちをしたからだ。
これには某婦警のノリで流石のお兄さんもビックリだー。お酒飲んで車ぶっ飛ばそうか、赤城あたりでも。まぁ、車の免許は無いけどな。
「―――ふざけないで・・・何の努力もしてないくせに・・・―――許せない―――私は・・・貴方達が憎い・・・・・・・・・・!!」
さて、そんな俺の心の呟きが不似合いなくらい九曜が怒っていた。別に表情は何も変わっていない。
だが、明らかにその雰囲気を醸し出していた。何と言うか非常に怖いです、九曜さん。
止めようのない激情が溢れている。そんな怒気だ。普段は無の境地に立っている九曜からそれは発せられていた。
少なくとも俺が知っている範囲内でこんな奴じゃない。俺が聞いてない部分の会話で何があったのか。あぁ、歯痒い。
しばらく俯き、黙っていた古泉。だが肩を震わせたかと思えば、顔を上げて、
「僕だって・・・僕だって、好きでこんな事しているんじゃないんです! 何で、何でこんな事にならなきゃいけないんですか!?」
と嗚咽混じりに嘆き叫んだ。そんな古泉をそっと九曜が抱きしめてしまっているねぇ。
「―――ごめんなさい・・・解っていながら貴方を追い詰めてしまった・・・・・・・・・―――悪くない。悪いのは・・・・違う・・・・・・・・・」
古泉が顔を上げると、九曜はただやっぱり無表情でそれを見つめている。
「九曜さん・・・?」
「貴方は―――自分を隠しすぎてる・・・大丈夫。開放しても――――大丈夫・・・・・・・・―――今まで溜まった分だけ―――泣けば・・・・・・・・・良い」
「すいません・・・ねぇ・・・うぅ・・・あ゙ぁぁぁああああああああああぁああ!!」
あぁ、くそ。途中から見たせいでよく解らん。ただ、何となく解るのは古泉が大声で号泣しているという事だった。
ハンディカムが欲しいな、クソッ。録画して体育館で思いっきり放映してやりたいところだ、マジで。
んー。ここ病院内だし少しは静かにしたらどうなんだろうか。
・・・さて、俺は空気を呼んで病室に帰るとしようか。何と言うか、見てて心が痛い。
俺は病室に戻る為に広い病院内を歩いた。ここに通いだしてからずいぶん長い。
もう随分と見慣れた光景だ。ふと部屋に近付くにつれて騒がしい事に気付いた。
どこかの部屋だろうか。そう思った俺の目に映る光景。橘の病室を医者や看護士が出入りしている。
・・・まさか、
49橘の香り ◆41zceJmqdc :2008/03/04(火) 02:39:57.27 ID:LeCQmLwh0
「橘ッ!?」
俺は病室へと慌てて飛び込んだ。
「キョン! 橘さんが・・・」
白衣を着た白い影の隙間から見えるその姿。
とても苦しそうに皮脂を浮かばせて、呼吸を乱していた。見たこともないぐらい、痛々しい橘がそこに居た。
「・・・キョンくん。ちょっと良いかな」
ふと肩を叩いて橘の主治医が俺を呼んだ。俺は佐々木に目をやると、佐々木は何も言わずに頷いた。

・・・・・・・。

「君には言わないようにと彼女から言われていたんだが・・・実は最近、ずっとあの状態なんだ」
「え?」
いきなりの言葉に俺は病院の屋上でただ驚くしかなかった。
「数日前からだな。君が帰ってから来るまでの間にあのような状態になるようになってな」
目の前で淡々と語られる事実。あまりにも単調に言われるものだから嘘だと思えるぐらいに軽かった。
だけど、目の前で語る人間はあまりにも真剣な顔をしていて、現実を見せてくる。
「・・・橘・・・」
「きっと体もダルいだろう。それでも君には、笑顔を見せてやりたいんだな、彼女は」
「・・・・・・・・」
今日も笑顔を見せてくれた橘。その笑顔は紛れも無い本物だ。
本物だけど、あいつは無理して笑ってる。笑いたくても笑えないぐらい辛い筈なのに。
「彼女は今、肺の機能が急激に弱り始めてる。・・・そのうち、人工呼吸器無しでは生きられなくなるだろう」
「・・・・・・・・」
「君はそんな橘京子の姿を見ても、大丈夫かな?」
「・・・俺は一生涯かけて彼女と共に生きます。たとえどんな最後が待っていても・・・そう誓ったんです・・・」
「そうか・・・。なら止めはしない。古泉にも、伝えておく・・・」
「・・・はい・・・」
その言葉を背負って遠ざかっていく背中。ふと立ち止まり不憫な者を見るような目で俺を一瞥すると、
「・・・同情、させてもらうよ」
と小さく顰めた顔で呟き立ち去っていった。
50橘の香り ◆41zceJmqdc :2008/03/04(火) 02:43:39.07 ID:LeCQmLwh0
「・・・同情、か・・・」
俺は一人残された屋上で夕日が沈みそうな空を見上げる事にした。
そう言えば、七夕にこの屋上にあった笹に橘と共に願いを込めた短冊を吊るしたっけ。
今では随分と昔のように思えるけど、結構時間って経つの早いな・・・。
もう次の七夕まで半年も無い三月になっちまったし・・・もうあれから半年以上経過してるって事だろ。
本当に、遅いようで早い。本当に、早いようで遅い。
思えばあいつと俺が出会った頃、あれから考えると不思議だな・・・この現状。
まさかこうなるなんて思ってもなかったしな。本当に不思議だ。

―――ガチャッ。

「・・・ん」
ふと屋上の扉が開いた。そこに立っていたのは、橘だった。
「ここに居たんですか。結構探したんですよ?」
「橘・・・もう体は大丈夫なのか?」
「えぇ、ちょっと落ち着きました。えっと・・・もしかして話、聞いちゃいました?」
「あぁ・・・。いつもあんなに苦しんでるだなんて初めて知ったよ」
俺がそう答えると橘はやや泣きそうな顔で、はにかむように、そして涙を堪えるように笑った。
少しの間の沈黙。やがて、小さな口を開いた。
「そうですか・・・なら、話は早いんで、好都合ですね」
「は?」
何だろうか。俺は背中に嫌な汗がじわっと噴出すのを感じた。
「私と・・・別れて下さい」
そして、その嫌な予感は当たってしまった。その瞬間、時間が停止するかと思われた程。

つづく
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 02:47:46.79 ID:LeCQmLwh0
今回は異常でうs。あー、眠い。
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 02:48:09.92 ID:eFH0fVh/0
支援できなかった 乙です
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 03:13:00.74 ID:eFH0fVh/0
ho
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 03:42:37.87 ID:6XQuYPnY0
保守
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 04:06:45.86 ID:6XQuYPnY0
保守
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 05:35:46.82 ID:eFH0fVh/0
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 05:59:47.08 ID:rcpd/8RbO
h
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 06:38:40.07 ID:cu0rjuDaO
起きたら尻穴落ちてた
そして橘にやられた、続き期待
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 07:27:41.23 ID:3DckGf0I0
ガリレオのクロスに期待保守
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 07:34:01.62 ID:1tZ72TdWO
久々の橘分…胸が締め付けられた
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 07:40:44.99 ID:H6Ol6EgLO
調べたいことあったから原作引っ張り出してみたら、憤慨だけNEEEEEEEE!
そこに一番欲しい情報があるっとのに……。
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 08:20:26.19 ID:3SJ2133jO
>>61
いま会社だから調べられないが、分かる範囲でなら答えるぞ
とちょっと前に憤慨をよんだ俺が保守
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 09:01:45.00 ID:XR2kCm7jO
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 09:15:10.48 ID:H6Ol6EgLO
>>62
検索しまくったらなんとか引っ掛かった。わざわざありがと。
しかし、『涼宮ハルヒ、生徒会長』や『涼宮ハルヒ、会長』とかで検索したら全然関係ないのまで引っ掛かった。名字すらないってのは不便だな。
ついでに保守。
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 10:19:10.77 ID:7lv4tPxV0
>>64
名称不明は巻こまれ型一般ピーポーの証なんだぜ?

キョン←SOS団の良心、毎度お馴染みみんなの主人公だぜ!
会長←機関にスカウトされて不良から権力者にスピード出世だぜ!
部長←パソコンぶん取られたりカマドウマに襲われたり踏んだり蹴ったりだぜ!
ハカセくん←危うく死にかけました、おしゃまな小学生は未来の英雄だぜ!
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 10:29:42.32 ID:3SJ2133jO
>>66
それはよかった。実は会長ネタはあまり覚えていなかった。
登場人物の中で唯一『私』ってことくらいしか覚えてねえや(ハルヒの前のみだけど)。

ルソーがウエストハイランドホワイトテリアってのは覚えていたんだがw
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 10:31:49.06 ID:3SJ2133jO
自己レスしてどうするorz


×:>>66
○:>>64
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 10:54:56.93 ID:eFH0fVh/0
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 11:25:03.23 ID:JqgyI53jO
保守
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 12:08:19.08 ID:A797t0QR0
ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」
キョン「ああ。食った。」
ハルヒ「アタシの二つのプリンの食べればいいじゃない・・・」
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 12:47:14.11 ID:Nd1L+Dv+O
ほしゅぴたる
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 13:26:23.10 ID:0uKIs9Jo0
そういや昔は保守党なんてあったんだな
73HARUHI FANTASY Z:2008/03/04(火) 13:37:48.33 ID:z+WGP4YZ0
執筆が遅れてすみません。第10章の序盤、これから投下いたします。いつものように10分後に。不都合な方はレスよろしく。
74HARUHI FANTASY Z 第10章 カーニヴァルの夜:2008/03/04(火) 13:47:16.83 ID:z+WGP4YZ0
では、以下より。第9章まではhttp://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/4247.htmlを参照のこと

               ↓↓↓↓↓↓↓↓

 ひょんな事からツインテールの忍者少女――橘キョウコが付いてくることになって計6人となっ
たSOS団。コンドルフォートで長から聞いた通り、海沿いに北へずっと歩いていくと、小高い丘の影
から巨大な大砲が海に向かって突き出ているのが見えた。その大砲が据えられた物々しい鉄の塊み
たいな街――あれがジュノン、神羅がウータイ戦争の時に築いた西の大陸への拠点だ。あの大砲は
『魔晄キャノン』と呼ばれており、その名の通り大量の魔晄エネルギーを消費して全世界を砲撃出
来るという代物で、あの戦争の時にも一度だけ使われたらしい。――どうした、橘?そんな睨むよ
うな目付きして。

「……い、いえいえっ!な、なんでも、何でもないのです!――なんでも……」

 橘は首をブンブン振って否定したが、明らかに怪しい。でも、こいつにだって事情の一つや二つ
くらいあるのだろうし、別に興味もなかったのでそれ以上は突っ込まないことにして、俺たちはジ
ュノンへと入って行った。





             『HARUHI FANTASY Z -THE NIGHT PEOPLE-』

               第10章 カーニヴァルの夜
75HARUHI FANTASY Z 第10章 カーニヴァルの夜:2008/03/04(火) 13:49:57.94 ID:z+WGP4YZ0
「何だ、ここは?やけに寂れているな……」

 ジュノンはこの大陸ではミッドガルに次ぐ規模を持つ都市だったはずだ。なのに、立つ家はまば
らでボロボロで、真昼なのだが異様に暗いせいか、全く活気もない。

「ねぇ、ここってジュノン、よね?」

 ハルヒは近くを歩いていたお婆さんを捕まえて尋ねてみる。すると、お婆さんは俺たちを訝しむ
ように、「なんだね、あんたたち?何処から来たんだい?」と尋ねてきたので、ミッドガルからと
答えると、空を覆っている黒い巨大な鉄の塊を苦々しく見詰めて、大きく溜め息をついた。

「そうだよ。ここはジュノンさ。……もっとも、神羅が上の街を拵えてから、すっかり様変わりし
ちまったけどねぇ。空が覆い尽くされお日様も全く当たらなくなったし、海が汚れて魚もサッパリ
捕れないよ……昔は賑やかな港だったんだけどね」

「……ミッドガルのスラム街と似てますね」

 婆さんの話を聞きながら、古泉はふとそんな感想を漏らす。ああ、そうだな。旧ジュノン――婆
さんの話では『アンダージュノン』という――の上を覆う無機質でゴツゴツした要塞都市はまさし
くミッドガルを覆うプレートそのまんまだ。差し詰め、ここはミッドガルの縮小版とでも言った所
か……。ひとしきりジュノンの『プレート』を見上げた後、俺はもう一つ気になったこと――すな
わち、ここに来た理由――を尋ねてみた。

「黒いマントの女を見なかったか?」

 しかし、婆さんは、「さあ……そんな人、とんと見かけんねぇ」と首を捻るだけだった。
76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 13:50:26.84 ID:65+n/v/P0
支援
77HARUHI FANTASY Z 第10章 カーニヴァルの夜:2008/03/04(火) 13:53:34.05 ID:z+WGP4YZ0
「……?どういう事、ですかね」
「……あの時のタークスが嘘を言っていたとは考えられない」
「もしかして、上の街に居る、とか……でしょうか」
「もう、船に乗って西の大陸へ行った後かもしれないわね」
「それなら、俺たちも船に乗らないといけなくなるな……」
「……あのう、その『黒マントの女』って何の事なのですか?」

 雁首揃えて無駄にヒソヒソと意見を交わす俺たち。――約一名話についていけてない奴がいるが
、それは放って置こう。すると、婆さんがいきなり横から口を挟んできた。

「あんたたち西の大陸に行きたいのかい?でも、神羅の船に乗るしか方法が無いよ」

 婆さんは奥のほうにある物々しい鋼鉄のゲートを見遣った。番犬を連れた神羅兵が銃を肩からぶ
ら下げて、ギラリと辺りを見回している。

「……あそこから上の街へ昇って、そこの港から出る船に乗るんだけど、許可証がないとあそこの
ゲートすら通れないんだよ」



 婆さんに礼を言ってその場から離れた俺たちは、何となしに近くの入り江の方へ歩いていった。
海の上には、巨大な要塞を支えるための鉄塔が幾重にもそびえ立っている。そこから垂れ流される
廃水が海を泡立ていた。見ると、海の色も何処となくくすんでいるみたいだ。

「これじゃあ、確かに魚も捕れそうにないわね……」
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 13:55:55.47 ID:uKMdEbdXO
支援
79HARUHI FANTASY Z 第10章 カーニヴァルの夜:2008/03/04(火) 13:56:34.23 ID:z+WGP4YZ0
 ハルヒは悲しげな顔をして海を見詰めている。俺を含めて他のみんなも黙って海を見ていた。神
羅による星の破壊もこんな所まで進んでいることに嘆息するとともに、船に乗れない以上、これか
らどうするのか途方に暮れてもいた。すると、海の中から動物の鳴き声が聞こえてきた。魚も棲め
ないはずなのに?――俺たちは海岸のほうに走って行った。

「ねぇ、イルカさん。わたしの名前はね、ミヨコっていうの。ハイ、言ってみて」

 お下げ髪をした可愛らしい少女が、海岸に擦り寄ってきたイルカに向かって話しかけている。生
き物も棲めないと思っていたこの海にイルカがいるなんてな。生命の強さに俺が「へぇ」と感嘆の
言葉をふと漏らすと、その少女はその声に気付いたらしく、俺たちのほうに振り向く。

「……あなたたちは誰なんですか?もしかして神羅の人間!?」

 見慣れぬ俺たちの姿に、少女は綺麗な顔に似合わぬ厳しい視線を向ける。――ちょっと待て。神
羅と間違われるとはかなり心外だぞ。ハルヒもそう思ったらしく、

「何言ってんのよ、神羅はあたしたちの敵よっ!安心していいわ!」

 ……という訳なんだが。しかし、『ミヨコ』と名乗った少女は表情から全く警戒を解こうとしな
い。か細くも鋭い声でこう言った。

「信用できません……ここから出て行って下さい!!」

 やれやれ、参ったな……。恐らく少女はこの村の住人なんだろう。村をこんな姿にした神羅に対
して憎む気持ちは分かるだけにどうしようもなく、頭をバツの悪そうにすこし掻いていると、突然
海がざわめき立ち、海の中から奇妙な色をした巨大な魚が空中に飛び出してきた。
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 13:57:10.56 ID:uKMdEbdXO
支援
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 13:58:10.28 ID:YFvceXGaO
支援
82HARUHI FANTASY Z 第10章 カーニヴァルの夜:2008/03/04(火) 13:59:54.37 ID:z+WGP4YZ0
 ボトムスウェルをご存知であろうか。

 知らんという方にはぜひ目の前の光景を見せてあげたい。

「何だ、こいつは?」と俺。

「ボトムスウェルでしょう」と古泉。

「それは解ってる。そんなことはいい、これは何だ。どうして魚が宙に浮いている?」

「……恐らく宝条が創った実験体。ミッドガルで見たことがある」

 長門がいつもの平坦な無感情トーンで答えてくれた。納得は出来るが、納得できない――って何
言ってるんだろうね、俺は。とにかく、エラ呼吸もせずにどうやって生きてるんだってツッコミは
、恐らく無意味なんだろう。――とそんな無意味な思考をしているうちに、

「イルカさんが、危ない!」

 と叫ぶと同時に少女は海の中に駆け寄るが、ボトムスウェルの2、3メートルあるであろう大き
な尻尾に吹っ飛ばされ、そのまま海中に沈み、動かない。気絶したのか?……このままじゃ危ない
!!

「おい、助けるぞ!」

 慌てて少女を助けようと走り出す俺たちの前に、ボトムスウェルが遮るように現れて攻撃を仕掛
けてきた。
83HARUHI FANTASY Z 第10章 カーニヴァルの夜:2008/03/04(火) 14:02:47.92 ID:z+WGP4YZ0
「――っこのォ!そこを退きなさいよっ!!」

 ハルヒは自慢の鉄拳を繰り出すが、宙に浮かぶ相手には悲しいが届かない。その上、逆にボトム
スウェルが吐き出した水球に包まれてしまう。

「っ……息、でき――な……い…………?」

 空気を塞がれ苦しげに呻くハルヒ。畜生、アホの谷口のピラミッドよりタチ悪いぞ。俺は剣を構
え、谷口のときと同じように水球に目掛け振り下ろそうとするが、長門がそれを制した。

「この水球は物理的攻撃を受け付けない……魔法での攻撃が効果的」

 そう言って、水球に『サンダー』を放つと、ハルヒを覆っていたそれはあっさりと消滅し、開放
されたハルヒは新鮮な空気を求めて荒く息を吐いた。

「――フゥ、ありがと、ユキ。それにしても、何でいつもあたしばっかこんな目に遭うのよっ!!


 それはお前の日ごろの行いが悪――「何か言った、キョン?」――冗談だ、冗談だからそんな怖
い眼をして俺を睨むのはやめてくれ。それにしても、あのボトムスウェルだ。俺やハルヒのような
近接攻撃が効かんということは――

「古泉イツキと橘キョウコによる遠距離攻撃や、魔法攻撃が有効と思われる」

「――そういう事でしたら、任せてください!――ふんもっふ!!」
「こっちも負けないのですっ!『疾風迅雷』!!」

 古泉のお馴染み『ヘビーショット』がボトムスウェルに命中すると同時に、目一杯助走して高く
飛び上がった橘が、手にした巨大な手裏剣を大きく振りかぶって切り裂くと、すぐ、後ろに跳びは
ねて距離をとり、即座に手裏剣を投げつける。まさに疾風の如き技だ。中々やるな、こいつも。
84HARUHI FANTASY Z 第10章 カーニヴァルの夜:2008/03/04(火) 14:06:50.12 ID:z+WGP4YZ0
「えへへ、そうでしょ。もっともっと褒めるのです」

 得意げになる橘は無視して、残った俺やハルヒ、長門、朝比奈さんの近接戦闘組は、残った精神
力を根こそぎ動員して『サンダー』や『ファイア』を浴びせまくる。そして――

「さっきはよくもやってくれたわねっ!怒りの一撃、喰らいなさい!!『サンダラ』!!!」

 いつの間にかハルヒのマテリアのレベルが上がっていたのか、雷の中級魔法『サンダラ』による
当社比3倍(嘘)の電撃が、ボトムスウェルを貫き、プスンと煙を立てると、それは海中へと落下
して沈黙した。俺たちは喜ぶ暇もなく、海中に倒れている少女を急いで引き上げるが……見たとこ
ろ全く息をしていなかった。
 
「まいったな……もしかして死んでしまったのか?」

 すると、村に続く石段の方から、白髪の爺さんが「ミヨキチ!ミヨキチ!!」と叫びながら駆け
下りてくる。この子の家族だろうか。その爺さんは、俺たちを押しのけ、少女口元に耳を近づける
と、力なく首を振った。

「ミヨキチ!!――ダメだわい……呼吸しとらん……オッ、あれじゃ!若いの、人工呼吸じゃ!!


 などと突然俺に向かって言ってきた。――ちょっと待て。人工呼吸って!?あれだろ。口と口を
くっ付ける、マウス・トゥ・マウス……って外語風に言い換えても全く変わらん。「キョン、どう
するの?」――ハルヒがジト眼で俺を見てくる。でもなあ、相手は小さくても女の子だし……「キ
ョン君、早くっ!」……朝比奈さんも、爺さんも、長門も橘もまるで促すように俺を見ている。古
泉に至ってはいつもより三割増のニヤニヤスマイルだ。……こいつは後でブッ飛ばす。
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 14:07:47.28 ID:B0gkfUAE0
aso
86HARUHI FANTASY Z 第10章 カーニヴァルの夜:2008/03/04(火) 14:09:21.45 ID:z+WGP4YZ0
「……仕方ない」

 覚悟を決めた俺は、昔、神羅の新人研修で習った人工呼吸法を必死に思い出しながら、肺に新鮮
な空気を吸い込み、思い切って口付けをして少女に吹き込む。その行為を何度か繰り返すと――

「う、う〜ん」

 少女は水をゴボっと吐き出して、呻きながらも呼吸を再開した。

「ほほっ!大丈夫か、ミヨキチ?」

 息を吹き返した少女を確認すると、爺さんはホッとしたように抱えると家のほうへと運んでいっ
た。俺たちも気になって後を追うが、家に着くと、少女を寝かせたらしい爺さんが申し訳なさそう
な顔で出てきて、「まだ目を覚ましてないので、少しの間だけそっとして欲しい」と言われたので
、俺たちはすることも無くなって、再び村の道端に突っ立ってたが、暫くすると、さっきの婆さん
が俺たちに近づいて手招きしてきた。

 手招きに従って辿り着いたのは、村の入り口付近にあるレンガ造りの一軒家だった。

「ちょっとお入り」

 婆さんの勧めに従って、俺たち6人はその家にお邪魔する。

「話は聞いたよ。ミヨキチが世話になったね。あんたたちも疲れただろ?休むんならここを使って
おくれ」

 そう言って家を出て行く婆さん。出掛けに「ゆっくりして行っておくれ」と言い残して。

「キョン、休んでく?」
87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 14:15:29.55 ID:YFvceXGaO
支援
88以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 14:16:03.86 ID:YFvceXGaO
支援
89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 14:16:45.85 ID:eFH0fVh/0
支援
90HARUHI FANTASY Z 第10章 カーニヴァルの夜:2008/03/04(火) 14:16:55.80 ID:z+WGP4YZ0
 ……まあ、断る理由もないしな。ご好意に甘えよう、ということになり、ベッドは女性陣で分け
合い、俺と古泉は少し離れた床に寝転がることにした。……やはり、疲れていたのだろう。明かり
を消すと、瞬く間に睡魔が襲ってきて、俺の意識は途切れていく――





                ――……そう言えば――

                 「また、あんたか?」

                 「……あんた誰だ?」

          ――……そのうち分かるさ。……それより5年前――

                「5年前……ニブルヘイム?」

       ――あの時……ニブル山へ行った時、ハルヒがガイドだったよな――

                  「ああ……驚いたな」

          ――でも、それ以外、ハルヒは何処にいたんだろう?――

                   「……さあな」
91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 14:17:06.83 ID:eFH0fVh/0
支援
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 14:18:19.78 ID:YFvceXGaO
支援
93HARUHI FANTASY Z 第10章 カーニヴァルの夜:2008/03/04(火) 14:19:59.11 ID:z+WGP4YZ0
           ――せっかく久し振りに会えるチャンスだったのに――

                   「……そうだな」

           ――どうして二人きりで会えなかったんだろう?――

            「……分からない。はっきり覚えて無いから……」

               ――なあ、ハルヒに聞いてみろよ――

                    「……ああ」



                  ――さあ、起きろ!――





「ねえ、起きて。起きてったら、キョン!」

 何かに揺り動かされる感覚と女のキンキン声で俺はようやく目を覚ます。そこには呆れ顔のハル
ヒがいた。

「いつまでグースカ寝てんのよ、アホキョン。みんなとっくに起きたわよ」

 見渡してみると、確かに家の中には俺とハルヒしか居ない。しかも、何処からかファンファーレ
のような場違いな鼓笛隊のミュージックが漏れ聞こえている。それよりも……だ。俺は寝ぼけた頭
を必死で起こしながら、夢で辿り着いた疑問をハルヒにぶつけてみた。
94以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 14:20:26.40 ID:eFH0fVh/0
支援
95HARUHI FANTASY Z 第10章 カーニヴァルの夜:2008/03/04(火) 14:22:32.15 ID:z+WGP4YZ0
「ハルヒ……俺と朝倉がニブルヘイムに行った時、ハルヒは何処にいた?」

「……会ったでしょ?」

 ハルヒは「何言ってんの」と訝るように俺を見たが、俺が言いたいのはそうではない。

「それ以外の時間だ」

 しかし、ハルヒは怪訝そうに首を捻るだけだった。

「う〜ん……5年前よ。覚えて無いわ。ね、それより外の様子が変なのよ。早く来て、キョン」

 一瞬ハルヒが話しながらも俺から目を逸らしていたのが気になったが、強引に手を引かれて外に
連れ出されると、それも霧散してしまった。



 上の要塞都市の方からさっきのファンファーレがやたらと大きな音で響いてきたからだ。

 

「ねっ、何だか様子が変でしょ?急に騒がしくなって」

 ハルヒに連れられてあの少女の家の前に着くと、すでにみんなが待っていた。

「キョン君!女の子が目を覚ましたらしいの。よかったです」
「何だか上の方が騒がしいですね」
「…………」
「なんなの、この音楽?うるさくて頭にくるのです〜!」
96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 14:23:08.90 ID:YFvceXGaO
支援
97HARUHI FANTASY Z 第10章 カーニヴァルの夜:2008/03/04(火) 14:24:46.68 ID:z+WGP4YZ0
 ……全員好き勝手なことを口走っていた(約一名除く)が、何とまあ纏まりの無い集団だこと。
そうこうすると、あの家からすっかり元気を取り戻したお下げ髪の少女が出てきた。

「もう、大丈夫なのか?」

 そう問いかけると、少女はぺこりと折り目正しくお辞儀しながら、蚊の鳴くような上品な声で、

「あの……助けてくれて、ありがとうございました」

 礼を言うと、少女は『吉村ミヨコ』という自分の名前を名乗った。恐らく『ミヨキチ』というニ
ックネームはそれをもじったものなのだろう。家族がそう呼ぶのは多少違和感があったが、俺はそ
の方が通りがいい様な気がしたので、以降彼女を『ミヨキチ』と呼ぶことにする。

 ミヨキチは、申し訳なさそうに俺に向かって、

「神羅の人たちと間違えてごめんなさい……ここは、祖父や祖母が子供の頃にはとても綺麗な海岸
だったって。でも、神羅が上の街を造ってから陽も当たらなくなったし、海も汚れちゃって……そ
んな話を聞いて育ったから、わたし、神羅が憎らしくてしょうがないんです……」

 それは全然構わないよ。分かってくれた、それだけで十分だ。そう言うと、ミヨキチはその上品
な顔を、何を照れているのか少し紅く染めつつ微笑むと、

「あ、あの。お兄さんに渡したい物があるんです……。海のお守り。きっとあなたを守ってくれる
筈ですから……大事にして下さいね」

 そう言って、おずおずと紅く光るマテリアを手渡してくれた。その時指が軽く触れると、ミヨキ
チはビクンと身体を少し震わせ、慌てて手を引っ込める。――何か、悪いことでもしたのかな?

「い、いいえ……何でも無いんです。ごめんなさい……」
98HARUHI FANTASY Z 第10章 カーニヴァルの夜:2008/03/04(火) 14:25:59.96 ID:z+WGP4YZ0
 さっきよりも頬を紅くして俯きながら、さらに消え入りそうな声でミヨキチは答えた。そうか、
気分を害して無いんなら、別にいいんだけど。それより、ありがとうな、これ。大事にするよ。

「はい……その…愛しの……お兄さんには無事で居て欲しいですから……」

 ミヨキチは「言っちゃった…」と可愛らしく口を押さえると、朝比奈さんにも勝てそうな可憐な笑顔を浮かべていた。その美しさに不覚にも俺は一瞬見とれていた――だからこのときまで気がつかなかったんだ。



             場の空気が何故か凍り付いてることに。



「……へぇ〜。あんた、そーゆー趣味だったんだ」

 妙な気配を感じて後ろを振り返ると、ハルヒが張り付いたような笑みを浮かべて俺を見ている。
だが、目が完全に笑って無いし、こめかみの辺りが何故かピクピクしてたりする。それに、何だ。
その全身から放出されてるどす黒いオーラは。

「あんたがロリコンだったとはね。我がSOS団にそんな性癖を持つ人間がいたなんて激しく遺憾を覚
えるわっ!この瞬間30通りの罰ゲームを考えちゃったわよ。手始めにバニースーツを着て逆立ちで
村を一周しながら入り江にダイブしてあそこのイルカさんとテレパシーで会話しながらコサックダ
ンスを踊らせるからっ!!」

 なんちゅう無茶苦茶な……それにまだ持ってたのかよ、あのバニー。俺は助けを求めるように朝
比奈さんを見たが、

「……そんなキョン君なんて知りません」

 と仰ると、プイっとそっぽを向かれてしまった。何故だ。いや、まだ長門が居るさ。
99以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 14:26:11.68 ID:YFvceXGaO
支援
100以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 14:26:34.85 ID:eFH0fVh/0
支援
101HARUHI FANTASY Z 第10章 カーニヴァルの夜:2008/03/04(火) 14:28:20.78 ID:z+WGP4YZ0
「…………」

 ――長門は長門で絶対零度の視線を俺に送ってくる。もう、訳が分からん。しょうがないから古
泉と橘に援軍を求めるが、前者はやや引きつり気味の苦笑いを浮かべながらいつもの『やれやれ』
のポーズをするだけだったし、後者に至っては、どことなく軽蔑するような――ええい、そんな目
で俺を見るな!!

 とにかく、俺だけ針のむしろのようなヤバイこの空気を変えようと、違った話題を敢えて振って
みることにした。

「この音楽は何なんだ?随分賑やかだけど」

 するとミヨキチが少し苦々しげに答える。

「これは……神羅の新しい社長の歓迎式のリハーサルだと思います」

 新社長って――会長か。こんな所に来てたのかよ。前回着けられなかった決着、ここで決めてお
いてもいいかもな。そして話の流れも会長――もといルーファウスに向いたみたいで朝比奈さんも
機嫌を取り戻したらしく、

「ルーファウスもここから海を越えるつもりなでしょうか?……あれっ?それじゃ、朝倉さんはも
う、海を渡っちゃったって事ですか?」

 と、なるとどうしても上の街にいく必要があるな。入り江の柱でもよじ登るか?しかし、ミヨキ
チは自分のせいではないのに、申し訳なさそうに俯く。

「それが……ダメなんです。柱の下は高圧電流が流れてて、無闇に近づけないんです。でも……イ
ルカさんの力を借りれば何とかなるかも。ちょっと来てください」
102HARUHI FANTASY Z 第10章 カーニヴァルの夜:2008/03/04(火) 14:30:18.36 ID:z+WGP4YZ0
 そう言って、入り江のほうに駆け出すミヨキチ。何なんだ?俺たちも後を追わないと。――って
、みんなどうしたんだ??

「高圧電流の柱ねぇ……こういうことは『愛しのお兄さん』が格好良くやってくれるのよね」
「そうですね、あの子のことは『愛しのお兄さん』に任せましょう」
「…………」

 ハルヒも朝比奈さんも長門もジト眼で俺を睨むと、あさっての方向へ行って「いやよね」「そう
ですよね」などと聞こえよがしにヒソヒソ話をしてやがる。

「……これはこれで宿命と思って諦めてください」
「……モテる男はツライのです」

 そして、古泉も橘もそんな俺を置いて何処かへと歩いて行く。

「オッ、オイ!ちょっと、待てよ!」

 そんな俺の叫びも空しく、何でか分からんが独りぼっちになってしまった。俺は「やれやれ」と
いつもの溜め息を一つついて、ミヨキチの後を追って一人入り江のほうへと向かう羽目になった。
何故なんだ。誰か分かる奴がいたら教えてくれ、頼む。
103以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 14:30:52.28 ID:eFH0fVh/0
支援
104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 14:31:30.14 ID:6XQuYPnY0
支援
105HARUHI FANTASY Z 第10章 カーニヴァルの夜:2008/03/04(火) 14:33:37.40 ID:z+WGP4YZ0
取り敢えず、今回はここまで。支援の皆様いつも感謝です。

(余談)
 今回の初登場人物は、

 吉村美代子(ミヨキチ)=プリシラ(アンダージュノンの少女)でした。
 勇気を振り絞った告白も華麗にスルーするとはさすがフラクラ。

 ジュノン潜入編は今しばらくお待ち下さい。
106以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 14:34:51.95 ID:eFH0fVh/0
乙っす
107以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 14:54:34.38 ID:cu0rjuDaO
乙、後で読む
108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 15:16:54.86 ID:6XQuYPnY0
保守
109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 15:44:06.14 ID:HYE7ZPD90
保守
110以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 15:57:30.74 ID:6XQuYPnY0
保守
111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 16:25:04.70 ID:bgPCGo770
112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 16:49:46.56 ID:6XQuYPnY0
113以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 17:06:05.88 ID:6XQuYPnY0
114以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 17:32:11.80 ID:uKMdEbdXO
乙!

保守
115以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 18:01:23.93 ID:JqgyI53jO
保守
116以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 18:31:35.75 ID:SqFGL0DPO
保守
117以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 18:43:31.58 ID:TvToVFno0
保守
118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 19:07:14.84 ID:X9BEAaD+0
保守
119以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 19:24:17.98 ID:Nd1L+Dv+O
ほしゅ
120 ◆F9ZSiJeoIg :2008/03/04(火) 19:39:50.02 ID:9/e53mjy0
ほしゅ
121以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 20:01:43.74 ID:SqFGL0DPO
保守
122涼宮ハルヒの団結 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 20:08:09.79 ID:iCDcZnTb0
〉〉34
あれだと確かに朝の時間になってしまいますねwスミマセン。
〉〉35
そうですね!予告はそっちに書かないと分かり辛いという事に今気付きましたw
ありがとうございます!


投下は、修正文もあるのでまた物語の最初から投下し直したいと思います。

それではいきます。
123涼宮ハルヒの団結 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 20:09:03.73 ID:iCDcZnTb0
「没ね」
団長机からひらりと紙がなびき、段ボール箱へと落下する。
「ふええ…」
それを見て、貴重な制服姿の朝比奈さんが嘆きの声を漏らす。
学校で制服を着ているのが珍しく思えるなんて我ながらオカシイと思うが、
普通じゃないのはこの空間であって、俺の精神はいたって正常だ。
「みくるちゃん。これじゃダメなの。まるで小学校の卒業文集じゃない。
 未来の話がテーマなんだから、世界の様相くらいは描写しなきゃね」
ハルヒの言葉に朝比奈さんが思わずびくりと反射するが、ハルヒは構わず、
「流線形のエレクトリックスカイカーが上空をヒュンヒュン飛び交ってるとか、
 鉄分たっぷりの街並みに未来人とグレイとタコとイカが入り混じってるとか。
 そーいうのがどんな感じで成り立っているのかをドラマチックに想像するの。
 将来の夢なんかどうでもいいのよ。それにドジを直したいだなんて
 あたしが許可しないわ。よってそれも却下」
グレイは未来の人間だって説もあるんだから、下手するとその未来は単に魚介類が
陸上歩行生物に進化しただけの世界になるかも知れんぞ。まあ、どうでもいっか。

ハルヒは朝比奈さんに対し一通りダメ出しを終えると、
ふてぶてしく頬杖をついてピッと朝比奈さんの指定席であるパイプ椅子を指さし、
そこに戻ってもう一度やり直しという指令を無言で示した。
「うう」
朝比奈さんがカクンとうなじを垂れる。
それはハルヒの電波な未来観にへこまされている訳じゃあなく、
いや実はそれもあるかも知れないが、今はもっと別の理由が考えられる。
それはリテイクの厳しさを三倍程度にしちまう理由だ。
指示を受けてずるずると定位置へと引き返す朝比奈さんの後姿を見送りながら、
ハルヒは団長机をパシンと叩き鳴らし、
「ちょっとみんな!今回はノルマも少ないし、ページ数だって
 やたらに無くてもじゅうぶんなの!気張りなさい!」
124涼宮ハルヒの団結 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 20:11:01.49 ID:iCDcZnTb0
俺はやや不機嫌なトーンを呈したハルヒの叱咤を半身に受けながら、
パソコンを挟んで対面している古泉へと鋭利にこしらえた視線をありったけ突き刺し、
それを受けた古泉は苦笑しながら、予想外でしたという陳謝を俺にアイコンタクトにて返信する。

しかし、これまた困った事になっちまった。
ハルヒの腕章に黒マジックで認められた文字が今は何を表しているのかもう分かっている頃だと
思うが、現在の涼宮ハルヒの役職は編集長である。
それはまさに肩に書かれているだけで、自称以外の何者でもないのは既に周知の事実であろう。
とゆうか、打ち上げ花火のような事件の時に作ったその布切れをよっくぞまあ今まで保管しといたもんだ。
俺としてはそれが再び陽の目をみる事なく、そのまま日に焼けない様に永久保存されといて欲しかったね。
今からでも遅くないぞ。ついでにSOS団の皆が抱えてるトラウマも一緒に凍結しといてくれ。
「…それも良いかもね」
カチリ、何か良からぬものを踏んじまった音がした。
幻聴であって欲しいと俺の耳は切に願ったが、
「そうだわっ!SOS団の偉業を未来人に知らしめる為に、
 わたし達の功績を遺産として残すのよ!今回の詩集だってもちろん入れなきゃね!」
俺の目は今にも花びらが炸裂しそうなハルヒスマイルを映していた。
「何にだよ」
わかっちゃいるがな。一応。
「タイムカプセルに決まってるじゃない!」
ハルヒは色めきたって、やけに懐かしいワードを口に出した。
まあ正直なところ、俺もその計画自体に物言いをつけようとは思わん。が、
それにはこれから書かされるであろう詩集は入れないぜ。
「なんでよ?」
「なんでだろうな」
そんなもん決まってる。他動詞的に作られたポエムがまともな形を成すとは思えんからだ
それに前回の機関誌ならハルヒの論文が未来人にも有用だそうだからまだいいものの、今度の詩集ばっかりは
後世の人間が見たところで「こいつぁクレイジーなヤロウだ!」とかいった驚嘆句しか出てこないだろう。
未来に欧米かぶれがいるかは知ったこっちゃないが、無駄な驚きで寿命を無為に減らすのは気の毒である。
なので、出来上がった詩集は俺が墓場まで持っていこうと思う。
125涼宮ハルヒの団結 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 20:13:18.28 ID:iCDcZnTb0
「…………」
――何だか長門の無言が聞こえた気がした。気のせいか?
「ってゆーか、そんな事を話してる場合じゃないでしょうが!」
ハルヒが不機嫌を取り戻す。それもやるけど、と続けて、
「みくるちゃんは受験生だし、あたし達もボヤボヤしてらんないでしょ。
 学校があわただしくなる前に今年分の会誌は急いで仕上げないと困るの!
 これにつまずいてる様じゃ、これから先の団の活動に支障がでちゃうじゃないっ!」
一見まともな事を言っているようだが、よくよく考えればSOS団本位でしかない主張を
団長もとい編集長はがなりたてている。

――と、ここで一度、現在の俺達の状況を整理しておこう。

場所はもちろんSOS団本部兼文芸部室である
時の頃をおおまかに言うと、朝比奈さんが受験生なので俺達は高校二年生という事になり、
もう少しばかり掘り下げると一学期の初頭である。
そしてその時期に俺達は二回目の機関誌の製作に取り掛かっている。
我らが北校の学校方針から考えるに、それだけでも十分全員が忙しい身の上である
ことは想像するに難くなければ、朝比奈さんにとっては未来に帰りでもしない限り、
この世界で生きていく上で至極当然にリテイクを重ねられている暇などない。
更に困った事になっているのが、今回の機関誌の企画である。詩集だって?冗談じゃないぜ。
そんなら前回の小説の方が幾分マシだったねと言えるもんだ。
それに古泉、こないだまで俺たちゃあ結構奔走してただろうが。イベントのスパンが短か過ぎる。
俺の視線に込められたそんな訴えを古泉は受信し、窮したように顔を苦ませる。なにか含む所がありそうだ。

ついでに俺達がどんな奔走をしていたかを言えば、俺の旧友である佐々木との再会、
そしてSOS団とは別種の異能、異性質な輩達とのいざこざや、長門の病気だ。
長門が学校を病欠したとき、一時は天蓋領域とやらの侵攻を受けたのかと心配したのだが、
本人いわく只の風邪だったらしい。だが、古泉が言うには、というか俺もそう思うのだが、
長門がウイルスですらも無い下等な雑菌に敗北を喫する事自体だって異常なのだ。そうはいっても、
ハルヒからしてみればそれは正常な状態異常であり、俺達は長門の部屋でまともな介抱をしていた。
126涼宮ハルヒの団結 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 20:15:55.23 ID:iCDcZnTb0
皆の心配を一身に受ける長門は、
「何か食べたいもんでもあるか?」
「お寿司」
などといった要求はしなかったが、心なしか、初めて守られる側に立った状況を存分に味わっている様だった。
そしてハルヒは泊まり込みで看病するとガヤいだのだが(俺もそれには賛成だったが)
長門の強い希望により、俺達は日付が変わる前には渋々と部屋を出ることとなった。
そして何故か帰宅の途につけという要求は朝比奈さんに対して特に強かったようで、
「特に朝比奈みくる。あなたは早く帰って」という言葉も賜った。
……流石にショックだったせいか、次の日の朝比奈さんの挙動はかなり変だった気がする。


しかしまあ、既に出揃っている特殊な奴らは倍になったというのに、一向に異世界人は姿を見せんもんだ。
とは、俺が異種SOS団との諍い事に漏らしてしまった、会いたいという願望とは違った意味の言葉だ。

その時の俺の言葉に対し、古泉は「もしかしたら、既に異世界人は僕達と邂逅を果たしているのかも知れません」
ときた。どういう事かと尋ねれば、
「異世界人は、異世界に存在することによってその定義を満たします。しかし、 
 例えば未来人は時間を操作する事よって、宇宙人は未知の知識によって、そして僕などは超能力を行使する事に
 よって己の存在をより明確なものにしますが、異世界人はただ異世界から訪れたというだけで、僕達にとって
 普通の人間以上の存在には成り得ない可能性があります」
もっとも、それが一般的な人類ならばの話ですがね。と続けて、
「なので、むしろ既にこちらの世界には別の世界へと渡る能力を持った者が存在し、
 そしてその者は、僕らの関知し得ない世界でSOS団に尽力しているのかも知れません。
 今の僕達が存在するのも、その人物が異世界で頑張ってくれているからなのかも知れないのです」
つまり異世界人は異世界で頑張っているという事なんだそうな。
どっちにしろ推察の域を出ない話だし、仮に現実だとしてもそれは認識の外だ。
まあ、もしそれが本当なら、一度は会ってみても良いかも知れん。
何だかんだいって、俺はハルヒが作ったSOS団とこの生活を気に入ってるんだからな。
そして異世界人が俺達と同様同等の苦労をしているであろう事は身を持って分かる事なんだし、
俺が感謝の意を唱えてその苦労をねぎらっても悪くはあるまいて。
127涼宮ハルヒの団結 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 20:18:55.37 ID:iCDcZnTb0
っと、話が脱線気味になっちまった。その軌道修正も兼ねて、
少し時間を遡って今回の事の起こりから辿っていってみる事にするか。
それでは回想列車、レッツゴー。

………
……


放課後の文芸部室。佐々木達とハルヒ以下俺達との一件も多少の落ち着きを見せ、
俺達SOS団全員が比較的普段通りの活動に従事していた時だった。
コンコン。
「失礼する」
扉をノックする音が聞こえたと思いきや、返答を待たずにすらりと長身な眼鏡の男とそれに伴う女性、
つまり腹づもりの黒い生徒会長と喜緑さんが部室へと進入してきた。
「なにしに来たのよ。なんか文句でもあんの?
 勝負事なら喜んで受け取るけどね」
生徒会からSOS団に対する文句などは重々にあるだろうし、勝負を受諾されても困る。
「ふん」
会長は入り口に立ったまま、
「君に対する苦言なら山のように持ち合わせているが、生憎そのような事を言い渡しに
 こんな辺境までやって来る程私は暇では無いのだ。今日こちらへ足を運んだのは他でもない。
 一つ気になる事があるものでな」
「なによ。言ってみなさい」
ハルヒの方が偉そうなのは毎度の事だ。
「どうやら文芸部には新入部員が居ないようだが、
 その分で今年度の文芸活動は一体どうするつもりなのかね?」
「はぁ?」
とは、俺の口をついて出た言葉だ。
128涼宮ハルヒの団結 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 20:22:19.45 ID:iCDcZnTb0
以前にも生徒会から文芸部的な活動を求められた事はあった。
それは文芸部およびSOS団潰しのある意味で真っ当な思惑によるものだったのだが、
しかしてその実態は、裏で古泉が根回しをしていた事によって発生したイベントで、しかも既に事の収まりを見ているはずだ。
それに文芸部部長の長門だって、新年度のクラブ紹介で分かる人が聞けば見事なのであろう論文を発表しているんだし、
文芸活動はそれでオールクリアーにしときゃあ通るだろう。いいじゃん、それで。
しかもこれから進路の事で忙しくなるっちゅうのに、また機関誌でも発行しろとの一言が発せられるものであれば、
ものの見事に層の薄いSOS団はペシャンコになっちまうぜ。本当に俺達を潰す気か?会長は。
そう思って俺は古泉に目配せしたが、何故だか古泉もハンサム顔に微小な驚きの色を浮かばせていた。
これは成り行きを見守っていくしかないなと思い、俺はそれ以上言葉を作らなかった。
「もちろん会誌を製作するわよ」
ハルヒは元から俺達を潰す予定だったらしい。
「いや、それはもう良い。私もそんなものに構ってる暇など到底持ち合わせていないのでな。
 この度、文芸部には来年度用の我が学校のパンフを製作して貰おうかと思っている。
 潤沢に割り当てられた部費が、不明な団体の意味不明な活動で消費され尽くしてしまってはかなわんからな。
 そこで、例年は生徒会執行部が製作している学校案内書を君達に一任してみようとなった訳だ」
なるほど。来年用のパンフなら時間だって十分あるし、写真を切り貼りして文章をとってつければ
いいようなもんだから、苦になるほどじゃないだろうな。
「そんなのあんた達でやってなさいよ。あたし達もヒマじゃないの。
 もう会誌の内容も決めてあるんだから」
どうしてもハルヒは俺達を潰したいらしい。
「まあ……それでも構わんが。しかしそれが口からでまかせではないとは限らん。
 企画書を作成して明示して貰おうか。一度生徒会室まで来たまえ」
「ヒマじゃないって言ってんの!あんたがここに書類持ってきなさいよ!」
どう考えても生徒会長の方が多忙を極めている事だろうが、俺は別に会長の擁護をする訳もなく。
「何を言っているんだ君は。私は文芸部部長を呼んでいるのだ。
 部外者は口を挟まないでくれたまえ」
珍しく喜緑さんが長門に合図し、長門は生徒会長についていく。
「ちょっと、待ちなさいってばっ!」
二つのハリケーンが合流を果たしたかのような勢力で、会長の後姿をハルヒが追う。
おかげで残された俺達と部室はいやに静かだ。
129涼宮ハルヒの団結 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 20:27:20.16 ID:iCDcZnTb0
しかしまぁ、企画書なんぞ出さなくたって、あの団長殿が言い切った事が実行に移されるのは確実だ。
悲しいくらい否が応にも。
「おや、どうしたのですか?何か他に用事でも?」
っと、何故かまだ部室には喜緑さんが残っている。
前回の佐々木団との一悶着の際、病床に伏していた長門の代わりに
我らSOS団の宇宙人ポストに入って奮闘してくれたので多少の親睦はあるが、
「すみません。実は、お話しておきたい事があるんです」
身の上話でもするのだろうか?喜緑さんが部室に取り残された朝比奈さん、古泉、俺に対して言い放つ。
「まずは長門さんの能力が弱体化している件についてなんですが、
 それは彼女と思念体との接続が弱まってきている為だと考えられます」
――長門が自分でも制限をかけちゃいるが。
「ほう。しかし何故、長門さんと思念体との接続状況が芳しくないのですか?」
こういう説明を受けている時なんかの古泉の返答は助かるな。
喜緑さんは続けて、
「はい。実は、わたし達のようなインターフェイスには上の方から一つ禁令が下されているのですが、
 その禁令に長門さんが少しずつ触れてきている為に、思念体から敬遠されているみたいなんです」
どんな禁止を……ん?そういえば以前に長門から聞いた事があるぞ?
「確か、死にたくなっちゃいかんとかだったよな」
そのまま俺は、疑問も口に出す。
「長門がか?俺にはそうは見えん……むしろ、生き生きしてきたような気がするぞ?」
そうだ。長門の鉱石の様だった瞳にも、だんだんと血が巡り出してきたかのような、
柔らかさと温かみが度々見受けられるようになってきていた。春休みの映画撮影(予告編のみ)の最中なんか、
長門的には最高にハッチャケていたような様だったぜ。死にたいなんて、そりゃ相反してる。
「死にたい、ですか。それはまたどういう事なのでしょうか?」
確か、アポだかネクロだか、自殺因子って単語もあったかな。
「ふむ……PCD、のように聞き受けられますね」
「古泉。いったい何だ?それは」
130涼宮ハルヒの団結 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 20:31:20.16 ID:iCDcZnTb0
「例えば生物の進化の過程において、あらかじめ死が決定された細胞の事です。
 オタマジャクシの尻尾が、カエルへと変態する際に失われるといったような。
 その例のように、PCDはむしろポジティブな細胞の消失ですし、これが行われなければ
 僕達にも手指などのパーツが形作られません。これをアポトーシスと言います。
 このように細胞の自殺が計画的に行われる、それがプログラム細胞死なのです。
 他にもネクローシスという、」
よし解らん。次へ行ってくれたまえ。
喜緑さんが古泉の言葉を受けてコクリと頷き、
「わたしたちインターフェイスは人類と同じ物質で構成されています。
 我々が死ぬような事態は殆ど無いのですが、有機的な活動を行う過程によって
 死の概念が組み上げられてしまうといった事などが憂慮されます。
 思念体は元より死の概念を持ち合わせていないので、
 わたしたちによって情報構成に自殺因子が紛れ込む可能性をひどく嫌っています。
 恐らく、良い変化は期待されませんので」
ニコリと笑って、
「ゆえに、わたし達は死を思う事を禁じられています」
うん。長門の話もたしかそんな感じだった。
「なるほど。情報統合思念体は群体のような性質を持っていると思うのですが、
 多細胞生物に見られるPCDにも一応の懸念を発起させている訳ですね」
「そんなところです」
喜緑さんは続けて、
「あと、先日の長門さんの不調は病気などではありません。
 おそらく、上の方と何かトラブルがあったのだと思います」
まあ、原因が周防九曜じゃないならそんなところだろう。俺は得心したように頷いて、
「して、そう思う理由は?」
と質問した。喜緑さんは微笑を消し、
「あの日以降の思念体との接続が、異常なほど軽薄なものとなっているからです。
 なので今の長門さんには殆ど力の行使が認められていません。皆さん、どうか長門さんをよろしくお願いします」
無論だね。むしろ注文を受ける前から走り出してる程に気をつけてるさ。
「ありがとうございました、喜緑さん」
131涼宮ハルヒの団結 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 20:37:21.01 ID:iCDcZnTb0
俺の言葉を最後に、喜緑さんはぺこりと退室の礼を尽くし部屋を退出した。
そして閉められた扉は程無くしてドバン!と破裂音を上げ、
「おっまたせぇ!勢いで計画進めてたら、こんななっちゃった!
 まぁ、善は急げ!美味しいものははやく食え!ってことでいいわよね!
 明日の団活からさっそく原稿の執筆に取りかかるから、みんな楽しみにしてなさい!」
そう声高々と宣言するハルヒの後には長門の姿があり、
ハルヒが右手で俺達へと提示する紙には『企画内容:詩集。上稿予定:今週中』
というデススペルだけが書きなぐられていた。
俺には、最早それが死神との契約書にしか見えていなかった。


そんなこんなでやっと次の日になったかと思やぁハルヒは、
休み時間が来るたびに何やらハサミで紙をショッキリショッキリいわせていた。
一体お前は何やってんだと聞けば、
「ひみつ!放課後まで待ってなさいっ!」
と、ニカリとした笑みを作りながら溌剌と意気の良い返事をするばかりだった。
恐らくハルヒは俺の妹のようにハサミを装備する事で破壊衝動を満たす化身へと変貌しているわけでなく、
なんらかの創作活動に勤しんでいるのだろうから、折角だし作品の完成まで楽しみにしておくか、と俺は
自分の席にいる時も心して後のハルヒへ目をやらずにいた。
そうなると俺はこれといってやる事も無いので、隣の窓越しに広がる過剰に陽気の良い春模様の空を見やり、
その余った陽射しを我が身に受けて体内に貯蓄し、無駄に消えゆくエネルギーを減らそうといった仕事に献身していた。
ああ、春ってのはなんでこんなにも素晴らしいのだろうね。爛漫。

そして放課後、文芸部室にて。
朝比奈さんは俺達にお茶を配膳する業務を終え、既に部室の風景と化していた。長門は最初から風景だった。
部室なら長門に何事もなかろうと、俺はいまだ姿を見せぬハルヒを待つ事もなしに古泉と
ヘブンオアヘルという創作トランプゲームに興じていた。
どんなゲームかと言えば、最初から片方がジョーカーとエースを手に持ち、相手をかどわかしながら選ばせるといったもので、
つまり、二人で行うババ抜きの最終決戦だけを抽出しただけである。これは経験によって無駄を省かれた。
132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 20:41:46.00 ID:TvToVFno0
支援
133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 20:43:44.05 ID:3DckGf0I0
支援
134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 20:50:28.17 ID:X9BEAaD+0
修正したならリンク貼ればいいのに……
しえn
135以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 21:03:57.15 ID:a8+ZDCeJO
今来
猿?
136以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 21:06:50.29 ID:TvToVFno0
保守
137以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 21:20:49.39 ID:b4wzABwSO
138涼宮ハルヒの団結 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 21:37:32.82 ID:iCDcZnTb0
しかし、単純なゲームをいかに楽しく行うかというテーマに沿って繰り広げられる熾烈な心理戦も、
単純作業の繰り返しには飽きが来るという人間の心理の前には立つ事敵わず、また古泉も俺に敵わず、
(逆にやり込められている感が無いとも言いがたいが)
いつの間にか俺達のやっている事はカードを弄びながらの雑談へと変わっていた。
「しっかしハルヒの奴、何でまた詩なんかに興味を惹かれたんだろうな。
 俺達が詩なんか嗜んだ所で、痛い目と身悶えするような駄文を見るだけだろうに」
古泉はカードを四隅の一点だけで倒立させようと試みながら、
「そうでしょうか。感性多感な時分の僕達の心模様を紙へと投影する事は、
 未来の自分がそれを見た時に、その時代の感傷を想起さし得る貴重な宝物になるのではないかと」
「どうだか。次の朝にでも目が覚めたら、貴重な資源をゴミに変えてしまった事に気がつくだろうぜ。
 その後に色んな意味で後悔するだけさ」
実体験ですか?という古泉からの質問に対し、俺は見聞きした深夜のラブレター作成理論の応用だと答えた。
「それはさておき、今回涼宮さんが機関誌の内容に詩集という形を取ったのも、受験生の朝比奈さんや僕達へのちょっとした
 配慮なのかも知れませんね。詩なら、文量が少なくて済みますから」
「それこそ問題だ。少ない文字で成り立たせにゃならんから、構想に余計時間がかかる。
 それにどんな詩を書くのかも考えにゃならんから、よほど手間だ」
ズバン!
「待たせたわねっ!みんなは一秒が千秋に感じる程に待ちわびていた事だと思うわ!
 今回は時間が無いから、みんなの詩のテーマはコレで決めちゃいましょうっ!」
心臓を打ち抜くような音を鳴らしてハルヒが扉を押し開いてきた。
驚きの眼を配る朝比奈さんとハルヒの途方も無い思い違いに呆気に取られている俺に、
ハルヒは何やら励んでいた創作活動の賜物と思われる物体を左手で作ったOKサインのOを示す指に挟んで見せびらかしていた。
「サイコロ、ですか?」
多分古泉の質問はその通りの答えだろう。
俺にも、それは三角形の紙を八枚セロハンテープで繋ぎ合わせて作られたフローライトナチュラル八面体に見える。
「そっ。特にキョンなんか書き始めるまでにも時間かかりそうだから、今回も内容はアトランダムに決めるわっ!
 キョン。雑用でしかないあんたの為に労を負った団長様に感謝しなさいよね!」
先程の俺の言葉を見れば感謝すべきであろう事だったが、
アトランダムの偶然性に対し不満があったので「すまんな」という謝辞にて言葉を終了した。
139涼宮ハルヒの団結 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 21:40:38.56 ID:iCDcZnTb0
ハルヒはフッフンと得意げに天井へと高々にサイコロを掲げ、
「それぞれの面にはお題が書いてあるから、これをホイコロリンッって投げて出たヤツを
 詩の内容にすること!異議があるなら言いながら投げるといいわよ。そして忘れちゃいなさいっ!」
俺には言い捨てる言葉も無いが、
「しかしまた何でサイコロなんだ?わざわざ紙を切ってゴミを増やさずとも、(そして作らずとも)
 前みたいにくじ引きかアミダで決めりゃ良かったじゃないか」
という小さな疑問を投げかけた。
それを聞いたハルヒはチッチッっと右手の人差し指をメトロノームにしながら、
「それじゃバラエティに貧するってものよ!
 SOS団たるもの、些事の決め方にも広く手をのばしていかなきゃ!
 そして、ゆくゆくは世界の森羅万象を掴み取るのよっ!」
いや、恐らくこのネタは外部から、というかテレビから受信して閃いただけだろう。
と、俺は手元に落とされた八面体ダイスを見ながらそう推察してみた。
何故かと言えば、サイコロのやっつの面に書かれているワードはそれぞれ
『私の詩』『未来予想図』『恋の詩』『本音の詩』
『元気が出る詩』『褒められた詩』『失敗した詩』
とあり、後半のテーマが若干日本語として妙なのはハルヒに国語力が無いからという訳ではなく、
お昼の某テレビ番組で転がされているサイコロに書かれた『〜話』をそのまま詩という言葉に
変換した為だと思われるからだ。
「じゃっ、順番は団への貢献度が多い人からね!序列は大事よ!大きな組織の中では特にねっ!」
じゃ俺からでいいだろ。
「なんでよ?はいっ!最初は副団長からっ」
俺が理由を説く前に、ハルヒはひょいと俺の手からサイコロをつまみ取り古泉副団長へと渡した。
古泉は卵をのせるような手の平の中でそれを弄び、
「さて、なにがでるかな?」
合唱しようと思ったが、古泉が出す目は大体の予想が立つし、多分予想通りである。
スマイル仮面の古泉のテーマは多くて二択であり、およそ『私』か『本音』だと、
「……おやっ?」
俺と古泉が思わず言葉を漏らす。
「褒められた詩、ですか。僕が以前に書いたポエムの傑作を載せるという事でしょうか?」
140涼宮ハルヒの団結 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 21:46:29.65 ID:iCDcZnTb0
書いてる姿も含めてそれも見てみたい。が、……何だ?確率論が復活したのか?
おかしくは無い筈なのに俺が妙に思っていると、
「ちがうちがうっ。褒められた時の気持ちやらをポエムにするのよ」
俺にとって古泉のそれは不愉快なポエムになるなと持っていたら、ハルヒは続けざまに、
「でも、振り直しっ。それは国木田が書くから」
国木田?
「そうよ。名誉顧問と準団員には既に振ってもらって、『元気』『褒め』『失敗』は決まってるから。 
 みんなもカブっちゃったらもう一回!SOS団はバラエティに富んでないといけないって言ったでしょ!」
それよりも近い過去に序列がどうのと言ってた気がするが、それは覚えていないらしい。
「って、じゃあ俺はサイコロの振りようもないだろうが。
 全員が振った後じゃ、必然的に残りの一つに決まっちまうだろ?」
「いいじゃん。特に変わらないわ」
実際問題どうでもよかった事だし、例え同じサイコロを八つ同時に八人が投げたところで
結果は変わらないであろうから、俺はそこで閉口した。
そして古泉は『本音』を出し、次いで長門が『私』、朝比奈さんが『未来予想図』、
ここで俺は再度口を開いて抗議の旨を団長へと必死に訴えたが、
ハルヒはガイウス・ユリウス・カエサルがルビゴン川を渡った際に言い放ったのと同じ言葉で俺の訴状をねじ伏せた。


――そしてまた次の日の放課後。つまり現在に至る。

何故ハルヒがえらく不機嫌なのかと言えば、
「ちょっとみんな!あの三人はすぐ詩を完成させて持って来たってのに、
 何でみんなはちーっとも筆が進んで無いのよ!」
ハルヒが代わりに言ってくれた。その理由を申せと仰るのであれば、
説明するまでも無く「そりゃそうだ」の一言に尽きる。
鶴屋さんは『元気』、国木田は『褒められた』、谷口は『失敗』の詩を書いており、
言葉そのままでも違和感の無い程にそれぞれピッタリはまった題目だ。
一夜で詩が書けた理由としては、各自それのネタなんていくらでもあるだろうし、
万能である鶴屋さんの才の一つに詩的才能が含まれている予測は疑いようも無く、
141以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 21:47:52.74 ID:l9DIiM+N0
支援
142涼宮ハルヒの団結 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 21:51:20.42 ID:iCDcZnTb0
国木田と谷口なんかは適当に済ませたのだろう。
重ねて俺達ときたら、古泉と朝比奈さんのテーマはまるで名探偵にズバリズバリとトリックを
言い当てられている犯人のように、アワワとしか言い様がなくなり作る言葉を見失ってしまうようなものであるし、
『私』の長門なんか前回の小説で自分の事であろう作品を書いているので、俺と共に前回とお題がモロかぶりである。
言うまでも無い事だと思うが、俺は『恋』のネタである。
もう、そんなもん俺の在庫には最初っから無いんだし、長らく入荷待ちの札が掛かってるだけだっつーのに。
それらの理由により、俺はもう一度ハルヒに儚い希望を提訴してみた。
「ハルヒ。じゃあ皆のテーマを変えてくれないか?俺だって恋なんてもんは幼い頃、従姉妹に一方的に
 苦い思いをしただけだし、それ以来そういった甘そうなのは味わった事が無いんだ。
 だから俺の中にあるそんなネタは、前回の小説が最後っ屁でもうグウの音も出ん。終了だ」
却下。という二文字の一言が虚しく飛んでくる、と思っていたが、
「そうなのですか?むしろ味を感じないのは、あなたにとってそれが空気みたいな物だからなのでは?」
予想に反し、助け舟を渡してやった筈なのにそれを撃沈させるかのような言葉が古泉から飛んできた。
「うん?どういう事だそれは」
特売アイドルみたいなスタイルのお前と違って、俺にはそんなに身の回りに溢れているもんじゃないんだよ。
それにそんな事を言われるとな古泉。俺だって……泣くんだぞ。
「いえいえ、そうではないですよ」
若干苦味を持たせたスマイルで、
「あなたにとって必要不可欠であるにも関わらず、身近に存在しすぎてあなたが気付いていないだけ。
 という事です」
ほう。そいつは嬉しいじゃないか。つまり、俺に想いを寄せているがそれを伝える事が出来ないでいる
うら若き乙女の視線が、恋の矢の如く俺の後頭部に突き刺さっているのが古泉には見えるという事だな。
何だか涙が別の理由で出てきそうだと思っていると、
「古泉くん。それどういう事?
 団長に報告も無しに男女交際をしている輩がいるっていう告発?」
ハルヒは古泉に話しかけながら、視線はまるっきり俺の方へと向いている。
そんな目をされても俺はなにも知らん。
「そうではありません」
今日が、古泉にとって初めてハルヒにノーと言えた記念日となった。
143以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 21:52:19.25 ID:l9DIiM+N0
支援
144以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 21:53:59.11 ID:a8+ZDCeJO
支援
145涼宮ハルヒの団結 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 21:54:44.33 ID:iCDcZnTb0
「僕はただ、恋とは意識して感じ取れるものではなく、無意識の内に自分が恋に落ちていたという事を
 自らが認識した際に知り得るものだ、という考えを述べたまでですので、他意はありません。ご安心を」
「ああ、なるほどね。それはあたしと似たような捉え方だから良くわかるわ」
うん?お前、恋愛は精神疾患だとか言って無かったか?
「もちろん。風邪みたいに引きたいと思った時には引けないし、忘れてる頃にはいつの間にやら患っている
 ものって事よ。まさに病気じゃない。あたしは抗体持ってるから絶対かかんないけどね」
蝶がヒラヒラと舞い寄ってくるような古泉の思想が、ハルヒの例えによって一気に消毒液臭くなった。
俺は飛び去った蝶の採集を試みるように、
「じゃあハルヒ。抗体持ってるってんなら、以前に恋患いの経験があるんだな?」
「あるわよ」
「へっ?」
っと、俺がハルヒから思わぬクロスカウンターを喰らって目を丸くしていると、
「はしかやオタフク風邪と一緒よ。ちっちゃい頃に感染しとくべきなの。それは」
……やれやれ。まったく、現実的なものにはどこまでも夢の無い奴だな。
非現実に見せる積極性をピコグラム単位でも振り分けてみたらどうかと提案するね。
それだけでも、お前には男共がわんさと群がってくる事だろうぜ。黙ってりゃあもっと良い。
「ド馬鹿キョン!つまんない奴らがいくら集まっても、あたしの欲求は埋めらんないのっ!」
壊れたミニカーのようにキーキー言っていたハルヒは、俺に近づいてきて急に止まったかと思えば、
俺の心臓あたりをスイッチを押すようにしつつ不敵な笑みを浮かべ、
「だからね!あたしが集めて作ったSOS団は、みーんな粒ぞろいの精鋭達なのっ!
 全員一緒なら意図せずとも世界は盛り上がっちゃうって訳よ!わかるわねっ!」
「…ああ、よく分かってるさ。もちろんだ」
――そうだとも。佐々木の閉鎖空間をめちゃくちゃにしたあいつ等なんかとは、SOS団は全く存在を異にする。
俺達だってそれぞれ形は違っちゃいるが、いつの間にかそれはパズルのようにガッチリ組みあがって、
今では全員で一つのものになっていたんだ。前回の事件で、俺達はそれを身にしみて感じる事が出来たのさ。

――そして、その中心にいるのは……ハルヒ。いつだってお前なんだ。

「なにアホヅラかましてんの!そんな暇あったらとっとと書きなさい!
 ちなみにテーマ変えは無しっ!」
146以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 21:56:40.90 ID:l9DIiM+N0
支援
147涼宮ハルヒの団結 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 21:58:53.16 ID:iCDcZnTb0
それは変えて欲しかったが、俺はもうハルヒに抗弁をたれる事はしなかった。
ハルヒは憤怒しているように見えたが……その表情はまさに、楽しくて堪らないともの語っていたからだ。

しかしいつまで経っても団員の誰一人としてポエムを完成させる事は無く、
修練の結果は翌日に現れるといったハルヒ理論により詩の作成は宿題という形で団員に背負わされ、
俺達は普段よりも重い足取りながら、いつもの並びで帰路についていた。



「もしかしたら涼宮さんは、己の能力と僕達の正体に気付いているかも知れません」
何の脈絡も無しに世界が終焉を迎えそうな事を良い放っているのは、もちろん古泉である。
「そりゃまた、えらく段階を踏まない話だな。なぜそう思う?」
ハルヒと朝比奈さんが先頭、次いでハードカバーを読みふけりながら歩く長門、
そして最後尾の俺と古泉。古泉は部室からずっと手に持っていた物を俺に見せるように、
「……これですよ」
「って、ハルヒが作った只のサイコロじゃないか」
テーマ決めの際に使用された八面体の紙製サイコロだった。
ちなみに、このサイコロ君は生まれて間もなく存在意義を失ってしまった可哀相な奴である。
というより、また使われるような事があっては堪らんので、俺としてはいち早く鉄のゆりかごの中で
眠って貰って未来人に起こされる日を待って頂きたい次第である。
……そういえば、タイムカプセルって自分達で掘り起こすもんだったよな?
「その話はまた別の機会にしましょう」
古泉の提案を拒む理由は皆目なかったので、俺は話を聞く態勢に入った。
「何故、今回のテーマを涼宮さんがこのような物で抽選したと思います?」
「そりゃあおそらく、学食でテレビでも見ててネタを頂戴したんだろ」
ふむ、っと古泉は目だけを数瞬だけ横に流して、
「たとえば、涼宮さん自身がクジの偶然性に疑問を持っていたとします。
 そして無意識の内に、確率を確認するのにはこの上なく最適であるサイコロという手段を取ったのであれば……
 涼宮さんは表層の意識に限りなく近い所で、己の能力の存在について勘付いているという可能性が示唆されます」
148以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:00:41.77 ID:l9DIiM+N0
支援
149以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:01:53.83 ID:X9BEAaD+0
しえn
150涼宮ハルヒの団結 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 22:03:22.09 ID:iCDcZnTb0
それを聞いた俺は「へえ、」と一呼吸おいて、
「考えすぎじゃないか?あと、お前達の正体に気が付いてるという予測は何処から立つんだ?」
ほのかに微笑んだ古泉は手に持っていたサイコロを俺に渡し、俺がそれをつぶさに眺めていると
「これに書かれているテーマですよ。偶然にしては……余りに、僕等が有する要素に対して的を射すぎている。
 なので涼宮さんは僕達の正体を心の何処かで知っていて、これによって確証を得たいのかも知れません。
 これも多分、無意識の内の行動でしょうがね」
はん。年がら年中どこまでも特殊な存在と一緒に過ごしてたら、だれだって少しはそう思うだろうぜ。
「それも深読みし過ぎだろう。サイコロのネタだって、
 提供元はシャミセンの親類が経営する洗剤会社に違いない」
この言葉に古泉はいつものスマイルを取り戻し、
「そうですね。それに僕達が一発で各自のテーマを当てなかった理由は、
 むしろ涼宮さんは自分にそんな能力があるという事を否定したいからなのでしょうし、
 ひょっとしたら、単純に涼宮さんの力が弱まっているだけなのかもしれませんしね」
ん?ちょっと待て。一つだけ合点がいかない。
「……俺のテーマが『恋』になった理由は何だ?」
「それは本当は朝比奈さんが未来人であるように、あなたも本当は恋を、」
「なあ古泉。だいたい生徒会長は何でまたこんな時期に文芸活動を要求してきたんだ?
 まあ当初の要求は文芸部的なんてのじゃてんで無かったが。機関が関係してるのか?」
「それなんですが」と古泉はスマイルのレベルを最小にまで下げ、
「これは僕らの手回しによるものではありません。会長なりに考えてみた結果なのかも知れませんが、
 若干、あの人に生徒会長の仮面が定着し過ぎている感が否めませんね。
 いやもしかしたら、喜緑さんが僕達と話すための機会を作る為だったというのも考えられます」
「ほう。まあそれなら重要だったよな。長門に何かがあったのは分かってたのに、
 俺達はその何かまでは知らなかった訳だし」
古泉はフフフと不気味に笑い、
「それなんですが、僕にはおおよその見当が付いています」
一体それはなん、まで俺が言葉を出した時だった。

ゴスンッ!
151以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:04:57.95 ID:l9DIiM+N0
支援
152以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:09:16.49 ID:TvToVFno0
支援
153涼宮ハルヒの団結 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 22:09:16.81 ID:iCDcZnTb0
――今の音は長門の頭から出たのか電柱から出たのか、一体どっちだ!?
……なんて、不毛な論議に変換している場合じゃなかった。
「ちょっと有希っ!あたま大丈夫!?」
ハルヒは長門がアッパラパーになっていないか心配しているのではなく、
本を読みながら電信柱に頭部を強打した長門を案じながら、怪我の有無を確認している。
そして古泉と俺は長門が電柱にケンカを吹っかけた光景を目撃して目を丸くし、
朝比奈さんはわたわたと長門に気遣いの言葉を途切れとぎれでかけていた。
「心配しなくていい、平気」
いやゴッツンコした所が小高い山を作って、まだ春だってのに紅葉を迎えてるぞ?
「大丈夫か?」
駆け寄る俺に、
「ありがとう。…みんなも」
たんこぶを抑えるのをガマンしている様に見える長門が答えた。
「でも、珍しいわね。有希が物にぶつかるだなんて。
 そういえば…見た事無いわ。いつも本読みながら歩いてるってのに」
「別の事でも考えてて、そっちに気がいってたんじゃないか?
 詩とかポエムとか…ポエムを」
「そ、そうなのかな…」
俺のギャグにハルヒは悩ましい顔を作ってしまったので、
「すまん冗談だ。多分、まだ調子が戻ってなくてフラついたんだろ。
 長門も読書は中断してハルヒ達と歩くといい」
「…………」

長門をハルヒと朝比奈さんに任せ、俺は古泉の話の続きを聞く為に後列へと戻った。
「長門さんに怪我はありませんでしたか?」
「ん、おでこがプックリだが心配なさそうだ」
「そうでしたか」
そう話す古泉は、どこか嬉しそうな顔持ちである。
「なにか良いことあったか」
ムッとした俺が硬質な感触のする言葉を作ると、
154以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:14:16.19 ID:X9BEAaD+0
しえn
155涼宮ハルヒの団結 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 22:14:20.98 ID:iCDcZnTb0
「…むしろ現在、機関はある懸念を抱えて悶然としています。
 ですが、確かに最近の長門さんの変化については喜ばしい事のように思いますね」
「弱っている長門が良いってのか?」
それでは語弊がありますね、と古泉は微笑をたたえ、
「近頃、というか先程の長門さんもそうなのですが……とても人間味を感じませんか?
 TFEI端末として弱体化してきているというのは、人間に近づいているという事だと思うのです。
 それはあなたにとって嬉しい事でしょう?もちろん、僕にとっても」
俺を目で落としてどうするんだと言わんばかりの温和な視線で、古泉はふわりと柔和な笑顔を作った。
「……そうかもな。俺にとって、そりゃもちろん嬉しい事だ。
 それに俺達だけじゃない。ハルヒに、朝比奈さんに、そして何より……長門自身にとってな」
そう。長門にむける心配は、そろそろ見方を変えなけりゃならんのかもしれん。
力を失っていく宇宙人に対するそれから、細腕で柔弱な少女への気配りへと。
「ところで、お前が抱えてる懸念ってのは一体なんなんだ?話すだけでも多少違うと思うが」
俺の言葉に古泉は、どんな表情を出して良いのか解らないといった顔つきになり、
「…そうですね。話しておいた方が良いかも知れません。あなたには」
「なんだ?」
俺の目を見て、
「程無い以前、閉鎖空間と《神人》が久しぶりに乱発された事がありましたよね?」
「ああ、佐々木とハルヒが出会った日以降だったっけ。お前でも疲労の色が隠せてなかったよな」
「その事なんですが、閉鎖空間の発生は二週間ほど前…特定すれば土曜日にまるっきり沈静化しました」
土曜日?――ああ、俺が佐々木達と会合した前日か。だが、
「良かったじゃないか。この言葉以外に何がある?」
古泉は全然良くない事を話すような顔で、
「それが、不可解な点がいくつかあるのですよ」
「一体どこにあると言うんだ?」
「まず、何故に突然閉鎖空間の発生が沈黙したのか。機関の諜報部をもってしても原因が判明しません。
 そして他に……これは閉鎖空間内で《神人》の討伐を担う役割の僕や仲間達しか感じないのですが……」
古泉は前方で談笑しているハルヒを一瞥し、
156以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:16:52.06 ID:l9DIiM+N0
支援
157涼宮ハルヒの団結 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 22:19:08.63 ID:iCDcZnTb0
「閉鎖空間は世界中の何処にも発生していないにも関わらず、僕達にはそれが存在しているという
 確信が、沈静化した直後から心の隅の方で、こうしている今でもくすぶり続けているのです。
 ……それによって一つの推測が立つのですが、これは多分、あなたは聞きたくもない話です」
「聞きたくないかは俺が判断する。言ってくれ」
古泉は眼に真剣をやつし、神妙な雰囲気でこう言った。
「――涼宮さんが、まさに神と呼ぶに相応しくなったのではないか?という内容です」
「そうか。そりゃ全くもって聞くだけ無意味な話だな」
ハルヒが神だって?あいつはいつだって奇想天外な行動を起こしているが、
根っこの方は特に変わりのない普通の女の子じゃないか。お前だって良く知ってる筈だろ?
そんなの、考えるだけバカらしいってもんだ。
「ええ、全くです。仮にこの推論が当たっていたとしても、
 何が起こるのか皆目見当が付かない故に対処の方法も思い浮かびません。
 なので案じた所でどうにもならない事ですし、ただの杞憂であればなお良いだけです。
 すみません、あなたはこの話を忘れて下さい。それに僕も――」
古泉は、長門の後ろ姿を温もりさえ感じる視線で見つめながら、
「そんな憂いすら、今の彼女を見ていると消し飛んでしまいますよ」
そうだな。俺達が憂うべき事は、今の所は帰ってからどうやったらポエムを書かないで済むか考える事だけだろうぜ。
「……まあ、そうですね」
古泉はまた思案顔を作り、悩ましげに顎を支えていた。これはこいつの癖になっちまったのかね?
「無駄な心配はしないに限るぞ。時間と神経を無為に減らすだけだ」
いつもより元気はないが、それでも十分爽やかなスマイルで、
「…そうすることにしましょう。まあ、詩は頑張って執筆してみますがね」
「ああ。やっぱり俺もお前にならって机の前で頑張ってみるかね。
 思えば、書かないで済むかなんて思案することだって無駄なんだしな」
「ふふっ。お互い頑張りましょう」
そうやって、その日俺達はそれぞれ自分の家へと足を辿り着かせた。

……さて、無から有を創造するある意味で神的な作業に入るとするか。
158涼宮ハルヒの団結 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 22:25:02.13 ID:iCDcZnTb0
――俺はこの時、この平穏は当分の間続くものだと信じていた。
SOS団は今までにない程まとまっていたし、ハルヒと長門が落ち着いてきているのは良い事だと疑わなかったからだ。

だが、それは違った。それらの吉兆は、裏を返せば……最悪な事態が引き起こされる前兆でもあったんだ。

――そして《あの日》はまだ……終わっちゃいなかった。 
159以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:26:05.41 ID:TvToVFno0
支援
160以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:31:36.81 ID:X9BEAaD+0
しえn
161以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:32:20.88 ID:hvAYEpHV0
今追いついた。面白いな…!
支援
162涼宮ハルヒの団結 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 22:33:27.28 ID:iCDcZnTb0
と、ここまでです。支援有難うございました!さるスミマセン…
リンクのやり方も解らなかったので最初から投下させて頂きました。

これ以降の話は、今までのハルヒシリーズの伏線を回収する形で進んで行きます。
構想はエピローグまで出来上がっているのですが、相当数にのぼるかもしれないので
ぼちぼち書いて行こうと思います。ありがとうございました!
163以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:35:44.90 ID:TvToVFno0
164以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:36:56.09 ID:hvAYEpHV0
ここで終わりか。キョン語り上手いなww
次回も楽しみに待ってるよ。乙!
165以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:38:26.33 ID:X9BEAaD+0
上手いな。
途中の改行がなければもっと良いかも。
続きwktk!
166以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 22:59:06.76 ID:SqFGL0DPO
何とも続きの気になる終わり方……
続きwktk!
167以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:05:09.05 ID:TvToVFno0
保守
168以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:08:31.42 ID:f94MzVqG0
なんか分からんが微妙な雰囲気だな。ん〜なんだろ。違和感っていうか…とにかくGJ
169以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:31:00.05 ID:SqFGL0DPO
保守
170以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:31:22.11 ID:TvToVFno0
保守
171 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 23:34:16.51 ID:iCDcZnTb0
>>168
ビックリしました。
もしかしたら、オリジナルの複数の伏線にお気づきになっているのかも知れません。
今の段階では全く意味を成さないので。
それか、SSに整合性が著しくかけた部分があるのかも知れないですw

頑張って書いていきます!
172 ◆5KC3eB9tQU :2008/03/04(火) 23:34:43.59 ID:iCDcZnTb0
リンク出来た!w
173以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:52:03.23 ID:f94MzVqG0
>>171
むふふ、どうだろ?まあこれ以上はいらんコト言わないほうが良さそうだw

>>172
出来てないぞw 勝手ながら修正させてもらった。すまん。
174以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/04(火) 23:55:28.37 ID:TvToVFno0
保守
175以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:16:51.76 ID:2XgngOppO
保守
176以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:24:05.46 ID:/3inGO8GO
>>173
ありがとうございます!w

保守
177ウィキ”管理”人 ◆9wIWhQmhwg :2008/03/05(水) 00:29:07.36 ID:kh6qpi8u0
雑談所のドメイン問題が改善されたようです。
次スレからはテンプレを元に戻してくれて構いません。
今回は多くのご迷惑をお掛けしました。
178以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:39:39.84 ID:y7mEp8Mr0
お疲れ様です
まぁ、お茶でも飲んでいってくだせぇ
つ旦
179以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 00:43:45.35 ID:RjYj9LiP0
>>177
お疲れ様です
180以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 01:03:54.78 ID:2XgngOppO
直さなくても閲覧、書き込みは出来るのね。
>>177
お疲れ様です。
181以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 01:14:47.81 ID:RjYj9LiP0
保守
182以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 01:24:28.98 ID:aRXOorSEO
保守っ
183以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 01:53:43.20 ID:RjYj9LiP0
保守
184以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 02:25:15.51 ID:2XgngOppO
保守
185以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 02:38:58.59 ID:RjYj9LiP0
保守
186以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 03:33:49.82 ID:jkFZ33oNO
ホシュピタル
187以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 04:37:11.81 ID:2XgngOppO
保守
188以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 05:50:30.02 ID:2XgngOppO
保守
189以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 06:17:31.15 ID:qwmqtDBu0
保守
190以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 07:07:23.67 ID:QrKVk8b2O
191以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 07:43:55.11 ID:VFd9ZrQv0
保守
192以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 08:20:42.72 ID:OXYKFDmk0
最近保守ネタが少ないな…

バカップル保守の人、今頃どうしているかな…
193以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 09:31:20.80 ID:sFi1nOKnO
保守
194以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 10:01:32.54 ID:xc52TwXa0
名前変換夢小説をかいているものです。
ハルヒ夢が出来ましたので投下します。最近俺なんか頻繁にここにきているような気がします。
自重という字がみつからないので見つかるまで居座ると思います。


http://www.geocities.jp/haruhidream/haruhi/haru08.html
飛んだらスプリクトが出るのでその指示に従ってください。
自分の本名を入れると後戻りできなくなると巷で話題沸騰です。嘘です。


希望の相手なんかおりましたらリクエスト、お気兼ねなくお願いします。
キョン子の方をのんびりと作りながらですが、できるだけ早いうpします。
195以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 10:34:28.24 ID:8ZEmSZgtO
>>194
乙です。
家帰ってから見ます。
居座るのは歓迎です。むしろ保守ネタを投下して欲しいくらいです。
196以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 11:19:29.40 ID:sFi1nOKnO
197以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 11:57:15.58 ID:I7LqMpsbO
保守
198以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 12:26:28.23 ID:ARuCxt6u0
ハルヒコスプレソープ
ttp://www.soap-orihime.com/
199以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 12:51:37.58 ID:sFi1nOKnO
保守
200以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 13:40:23.64 ID:I7LqMpsbO
201以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 14:16:12.72 ID:OXYKFDmk0
202以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 14:57:50.10 ID:sFi1nOKnO
203以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 15:03:29.89 ID:2XgngOppO
尻穴アッー!
204以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 15:22:49.76 ID:tcxolzRNO
アッー(涙)
205以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 15:38:34.02 ID:XTMCgHyoO
ゆっくりめに読んで30分くらいかかるやつでお薦めの話ありませんか
206以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 15:56:51.14 ID:RjYj9LiP0
保守
207以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 16:24:59.04 ID:d9BbaFwY0
保守
208以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 16:43:15.52 ID:I7LqMpsbO
209以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 17:04:43.17 ID:sFi1nOKnO
保守
210以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 17:33:49.22 ID:z1h/VSDc0
211以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 17:52:35.41 ID:RjYj9LiP0
保守
212以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 17:56:55.55 ID:XGUZE4Ck0
ハルヒ「アナル、いじめ、シュールのSSはここまで来なさい!」
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1204707394/
213以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 18:14:48.55 ID:sFi1nOKnO
保守
214以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 18:29:27.80 ID:0CIEinN50
>>212
乙!
215以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 18:47:58.84 ID:RjYj9LiP0
保守
216以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 19:11:46.27 ID:XGUZE4Ck0
保守
217以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 19:23:49.27 ID:/KY8OLeu0
jp
218以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 19:37:18.53 ID:yv2tEuXrO
∩(゜∀゜∩)アゲ
219以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 19:45:30.16 ID:mUPF39qx0
>>205
悩みの種とか
220以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 20:07:41.27 ID:Q9Lemn8D0
保守
221以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 20:12:33.31 ID:RjYj9LiP0
保守
222以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 20:20:46.70 ID:XTMCgHyoO
>>219
d

223以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 20:23:46.65 ID:tCkZZcICO
何レスか投下します
224全ては非日常の日常へ   プロローグ:2008/03/05(水) 20:25:33.74 ID:tCkZZcICO
涼宮ハルヒが無事に帰宅したことを確認した機関特別警護隊は、
彼女の自宅付近にある小さな二階建のアパートの監視兼待機所に戻った。
このアパートは建物ごと機関の所有物であり、平時及び緊急時に必要なものは大方揃っている。
225全ては非日常の日常へ   プロローグ:2008/03/05(水) 20:28:37.25 ID:tCkZZcICO


日付が変わる頃、一人の隊員がアパートに近づいてくる複数の人影を監視カメラの映像で確認した。
だが、彼が驚いたのは、その人影が訓練されたプロの動きをしていたからではなく、
彼がいる部屋の扉が突如として開け放たれ、
黒い戦闘服に身を包んだ正体不明の人間が彼に向けて小銃を構えていたからである。
彼と他にいた三名の隊員はすぐさま腰のホルスターに手を掛けたが、
そこに収まっていた拳銃が火を吹く前に、その持ち主達の頭は吹き飛んだ。

絶命した隊員達の隣室では二名の隊員が仮眠していた。
だが、彼らが隣で起きた殺戮に気付く可能性は、
そこに突入した先程とは別の戦闘員が放った銃弾によって永遠に失われた。
226全ては非日常の日常へ:2008/03/05(水) 20:29:48.10 ID:tCkZZcICO


正体不明の戦闘員達はほぼシュミレート通りの仕事をしていたが、
一つだけ懸念材料があった。武器庫が見つからないのである。
事前に得た情報では武器庫は確かに存在する。
全ての部屋を制圧し、そこにいた警護隊員達を殺害した彼らはもう一度部屋を確認する羽目になった。
捜索のために一階の一室に立ち入った二名の戦闘員は、
壁やフローリングの床を隈無く調べていたが、何も見つからなかった。
彼らが部屋を出ようとした時、どこからか現われた警護隊員が
黒光りする大きな軍用ナイフで戦闘員達の喉を裂いた。
その隣室で同じく捜索を行なっていた三名の戦闘員は床の畳を全てはずしていたが、
むき出しの床には何もなく、代わりに戸口に立っていた一人の戦闘員が床に崩れた。
それに気付いた二名の戦闘員は慌ててサイレンサー付きの小銃を構えたが、
戸口から現われた三名の警護隊員の射撃によって二名共即死した。
227全ては非日常の日常へ   プロローグ:2008/03/05(水) 20:31:03.92 ID:tCkZZcICO


二階を捜索していた戦闘員達も同じように成果を上げていなかった。
部屋には警護隊員の死体と監視機材や食料品しかなく、
武器庫の「ぶ」の字も見つからないでいる。
それに生き残りの警護隊員がまだ多数いることは、
事前に得た情報と死体の数からして明らかである。
警護隊員達と機関との通信を遮断する措置はとってあるものの、
ここに長居することは極めて危険であると認識していた。
228全ては非日常の日常へ   プロローグ:2008/03/05(水) 20:32:13.05 ID:tCkZZcICO


地下の武器庫にいる警護隊員達は重武装に身を固めながらも混乱に陥っていた。
何名かの侵入者を殺害したものの、いつここが発見されるかわからない。
警護対象者である涼宮ハルヒとその家族の安否も不明なまま、
更に機関と全く連絡がとれないという異常事態に隊員達は恐怖していた。
しかしそれでも彼らの士気は高く、
少ない人員の中、三名の隊員を涼宮ハルヒの自宅へ向かわせた。
229全ては非日常の日常へ   プロローグ:2008/03/05(水) 20:35:08.17 ID:tCkZZcICO


二階から一階に下りた戦闘員達は驚愕の表情を浮かべた。
一階で捜索していた戦闘員達がすっかり姿を消していたからである。
殺害されたのであれば死体や血が残されているであろうが、そのような痕跡は全く無かった。
だが、この状況では殺害されたと判断するしかなく、
焦りを覚えた指揮官は本部に連絡するよう部下に命じた。
だが遅かった。
六名の戦闘員の前に二名の警護隊員が突如として現われ、
驚いた戦闘員達は小銃の引き金に素早く指を掛けるが、
彼らの後ろには更に四名の警護隊員がいた。
彼らは全員血飛沫を上げながら地面に倒れこんだ。
230全ては非日常の日常へ   プロローグ:2008/03/05(水) 20:36:23.63 ID:tCkZZcICO


謎の侵入者達を殺害した警護隊員達は、
涼宮ハルヒとその家族が無事であることを確認して安堵したが、
未だ連絡がとれない機関とその他の特別警護隊、及びその他の警護対象者の安否を確認するために
直接その場所へと何名かの隊員を向かわせた。
231以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 20:37:24.65 ID:UKphl7cc0
支援
232全ては非日常の日常へ   プロローグ:2008/03/05(水) 20:37:40.42 ID:tCkZZcICO



涼宮ハルヒの鍵である『キョン』の自宅に車で向かった二名の隊員は、
警護対象者が無事であることを確認すると、
念の為、一名の隊員を自宅前に停車させてある車に待機させ、
もう一名はキョンの警護をしている特別警護隊の待機所へ徒歩で向かった。
この待機所も同じく二階建のアパートであり、
隊員が周囲を確認したところ、何ら異常はなかった。
しかし、彼がアパートの敷地内に入ると、すぐに先程の判断が誤りであると気付いた。
空の薬莢が辺り一面に転がっていたからである。そして鼻に付くのは間違いなく硝煙のにおい。
彼はホルスターから拳銃を抜いて安全装置を解除し、
通信が行なえない中、この事態を知らせるべくもう一人の隊員が待機する車へと向きを変えた。
しかし、彼が動き出した瞬間、茂みから放たれた銃弾が彼の胸を貫いた。
まだ幼さの残る顔をしたその隊員は崩れ落ち、灰色のアスファルトは鮮血に染まった。
233全ては非日常の日常へ   プロローグ:2008/03/05(水) 20:39:28.91 ID:tCkZZcICO


車で待機していた隊員はもう一人の隊員の帰りが遅いのを不審に思い、改めて辺りを確認した。
しかし不幸なことに、彼の目に先程一戦交えた戦闘員と同じ格好をした人間が映るのと、
彼の頭が吹き飛ばされるのはほぼ同じタイミングだった。


その数十秒後、複数の謎の戦闘員がキョンの家に足を踏み入れた。


第一章へ
234以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 20:44:44.09 ID:XGUZE4Ck0
もっと1レス内に入るぞ。
235以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 21:05:23.56 ID:tCkZZcICO BE:1303169459-2BP(13)
今日は以上です。
>>234
次からそうします\(^O^)/サルサン\(^O^)/
236以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 21:10:46.01 ID:RjYj9LiP0
保守
237以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 21:17:57.83 ID:gn4bF7LDO
これより数レス戴きます。
238以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 21:19:17.25 ID:p8BCnvFJ0
もうすぐホワイトデーか・・・
SS書かなきゃとおもいつつ支援
239WAWAWAな邪魔者(古泉一樹):2008/03/05(水) 21:19:28.48 ID:gn4bF7LDO
どうも古泉一樹です。平穏な日々にちょっと過激な非日常を味わっている古泉一樹です。なぜ二回言ったか、ですか?気紛れです。はい。
さて過激なっと申し上げましたがこの頃の涼宮さんは神的な力はあまり使っていません。それには僕も安心しています。
まあ以前と変わらず彼との関係はあまり進展していないようですが、彼はいつまであの鈍さを継続させるつもりなんでしょうねぇ。
彼は鋭い面もあるはず……というより一般的な方よりは大分鋭い方と僕は思っています。

っとこんな悠長な事をしている場合ではありませんでした。
先ほど涼宮さんの力はあまり使われていない、と言いましたが閉鎖空間が現れるのは以前と変わりません。
いえ、以前よりは発生しにくくなりました。しかし彼が鈍いおかげで(発生頻度が減ったのも彼のおかげですが)今日は発生してしまったようです。
まあこれを彼に言えば「俺が一体何をしたっていうんだ?」っと返されるでしょうね。まったく鈍いにも限度がありますよ。
というわけで今は僕は神人退治に向かっているわけです。

「今回の閉鎖空間は小規模な物のようだ。」
「そのようですね。涼宮さんも精神も安定してきたということでしょう。」
240WAWAWAな邪魔者:2008/03/05(水) 21:21:01.90 ID:gn4bF7LDO
ああ、今話しているのは新川さんです。ある時は運転手ある時は執事ある時はスネ(ゴホン)としてこの人も大変なんですよ。
おや、新川さん咳なんかして風邪ですか?

「いや咳をしなければならないような気がしてな。」
「そうなんですか。とは言えお体にはお気を付けください。」

うむ。と返事をした新川さんは再び運転に集中し始めました。さてそろそろ閉鎖空間に到着しそうですね。
今日も何事もなく(と言いうのは変ですが)神人を倒せるといいですねぇ。



「っと言う願いは却下ですか……そうですか…。」

閉鎖空間に入った僕は自分の考えの甘さに気付かされました。
彼は涼宮さんとどれくらい激しく喧嘩したんでしょうか。神人がもう大暴れです。しかも二匹ほど。彼ではありませんが、やれやれですね。
まあぼやいても始まりません。仲間も頑張っていることですし。僕も早急に参加しましょう。
いつも通りに赤い玉と化した僕は一匹に集中攻撃している仲間達の元に応援に行きました。
そこからは慣れた物です。比較的楽(とは言え疲れますが)に一匹を倒した後さらにもう一匹の元へ急ぎます。
241WAWAWAな邪魔者:2008/03/05(水) 21:22:20.47 ID:gn4bF7LDO
戦いも終盤、つまり神人がもう少しで倒せそうなところまできた頃。僕にも仲間にも予期せぬ自体が発生しました。

「WAWAWA忘れ物〜〜。」

そんな奇妙な鼻歌とともに現れたのは彼の友人である……え〜〜たしか谷口くん?……でした。
僕も仲間も一瞬神人の事を忘れ、突然の来訪者である谷口くんを凝視していました。

「ぬぉ!?なんだこりゃ!?」

まあ当然の反応ですね。と冷静に判断している場合ではありません。
なぜ彼がここに?もしかして彼も超能力者?など疑問がいくつかありましたが今はそんなことより彼の位置です。

「うおおおお!こっちくんなボケェ!?」

彼の位置は神人の真下です。今まさに神人の鉄拳が彼に勢い良く向かっています。なぜ神人が自由に動いているんだ。ですって?
さっき僕達が呆気に取られた一瞬のせいですね。

「のわぁぁぁぁぁぁぁぁ。」

僕達は何とか谷口くんを助けだそうと頑張りました。本当ですよ?いくら面識が少ししかなくても知った人間が死ぬのは僕も嫌です。
しかし動作中の神人を止めることも直接助けだすのも間に合わず、神人の鉄拳により谷口くんはまさに蟻のように潰されてしまいました。
242以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 21:23:25.45 ID:p8BCnvFJ0
支援
243WAWAWAな邪魔者:2008/03/05(水) 21:23:55.06 ID:gn4bF7LDO
涼宮さんはそんなに谷口くんの事が嫌いだったんでしょうか?迷い無き一撃です。
いつもチャック全開だったらしいので仕方ないのかさも知れませんが……。
悔やむのは後にして僕達は神人退治を再開しました。冷たい奴だなんて言わないでくださいよ。
もしかしたら谷口くんは生きてるかもしれない。そう考えれば神人を倒すことで、谷口くんを助けだすこともできるはずです。
万が一とは言えこの可能性は捨て切れません。




「……腑甲斐ないですね。彼にどう説明しましょうか…」
「そういうな古泉。谷口という男は運が悪かったんだ。説明の方はそちらに任せるしかないがな。」

この会話で何があったか大体わかるでしょう。あの後神人を倒した僕達はあの辺りをくまなく探しましたが…谷口くんは見つかりませんでした。
恐らく跡形もなく……。
しかしどう説明しましょうか…。こんなことは初めてですし。いくら説明好きの僕としましても…。
いえこういう時助言を求めるとすれば………
機関は却下です。さっき僕に無理矢理一任してきました。
ならSOS団の誰か…朝比奈さんは無理ですね。いくら谷口くんとはいえこういうことを話せば卒倒してしまうでしょう。
244WAWAWAな邪魔者:2008/03/05(水) 21:25:11.00 ID:gn4bF7LDO
彼は……というか彼に説明するんですから無理です。
涼宮さんは…どう説明しましょうか。……そこから無理ですね。
残るは長門さん……淡々と聞いてくれそうですが、アドバイスとなるとどうでしょうか?
もう聞いてくれるだけでいいでいいから長門さんに相談してみましょう。そうとなれば電話を……。

『………』

ワンコールで出るのは嬉しいんですが返事をしてほしいところです。まあ長門さんですからいんですけど…。

「長門さんですか?」
『そう』
「こんな時間に突然電話してすいません。。少し相談したい事があるのですが、今よろしいですか?」
『……………いい』

少し長めの沈黙でしたね。何か考えていたんでしょうか?気になりますが今考えるのは止めておきましょう。




「…………というわけで谷口くんが消えてしまったわけです。」
『…………』

僕は掻い摘んで長門さんに事情を説明しました。
やはりといいますか、長門さんは淡々と聞き手に回ってくれました。
そりゃもう相づちも何もない聞き手でした。別に悲しくなんかないですが………ね。

『問題ない』
「問題ない。とはどういうことでしょうか?長門さんには何か妙案でも?」
245WAWAWAな邪魔者:2008/03/05(水) 21:26:16.40 ID:gn4bF7LDO
これは長門さんに電話して正解だったかも知れません。

『違う』

なんと……違うんですか。ならどういうことなんでしょうか?

『………うまく言語化できない…しかし大丈夫』
「それは確証があってのことでしょうか?」
『そう』

ならいいでしょう。長門さんが確証を持っておっしゃっているのならば……。

『……』

その後楽しくおしゃべり……なんて事はありませんでした。わかっていましたがね。さてここからは少し省略させてもらいます。
誰も僕の食事、入浴、就寝、風景など見たくないはずですからね。




というわけで次の朝。自分のクラスへいく前に彼と涼宮さんのクラスを少し覗きに行きました。もちろん谷口くんの事で、です。
しかし覗いてすぐ目に入ったのは昨日神人の鉄拳で潰されたはずの谷口くんの姿です。
ええ、驚いきましたよ。チャック全開は本当だったんですねぇ。
……っというのは冗談として谷口くんは健在です。健康そのものです。長門さんにはこれがわかっていたんでしょうか?

「何してるんだ古泉?ここはお前のクラスじゃないぜ。それともまたなにかあったのか?ハルヒの機嫌は直しておいたはずだが」
246WAWAWAな邪魔者:2008/03/05(水) 21:27:32.75 ID:gn4bF7LDO
話し掛けてくれたのは彼です。そういえば涼宮さんとの仲直りを頼んでいたんでした。

「え、ええ。涼宮さんの精神は安定しています。まあ少し気になることがありましたが…」
「はっきりせんやつだな。問題発生したなら発生したといえよ。」

気だるそうにしながら彼は少し笑っています。仲直りはかなりうまくいったようですね。

「今は貴方に報告するような問題は起きていません。」
「そうか。まあ俺が苦労するようなことがないならいいさ。ハルヒの機嫌も直ったようだし。まったく人騒がせな奴だよ。」

彼は言葉とは裏腹にかなり嬉しそうな顔をしていました。ふふ、まったく本当に素直じゃないですね。

「あら古泉君。こんなとこにいるなんてめずらしいわね?キョンか私に何か用?」

さてそうこうしているうちに涼宮さんが来てしまいました。今日の涼宮さんはかなり上機嫌です。毎日このくらい上機嫌なら閉鎖空間も発生しないでしょう。

「いえ、ただの気紛れですよ。」
「ふ〜ん。古泉君でもそんなことあるのね。まあいいわ。」

少しの間不思議そうに僕を見上げてきた涼宮さんでしたが何かを納得した様子で自分の席に座りました。
247WAWAWAな邪魔者:2008/03/05(水) 21:28:38.59 ID:gn4bF7LDO
「お前もそろそろ自分のクラスに戻れよ。ホームルーム始まっちまうぜ?」

了解しました。と軽く頭を下げ五組を後にしました。しかし谷口くんが健在ですか。さてどういうことなんでしょうか。
おやおやもうこんな時間。長門さんにお話を聞くのはまた後にしておきましょう。




時は流れ放課後。僕のいる場所はいつもの部室です。長門さん以外の方はまだのようですね。好都合です。
いやはや昼休みや休み時間に聞きに行くのもよかったんですが………案外違うクラスの女子を呼ぶというのは難しいものなんですよ。
嫌味だ。ですって?ご冗談を。僕は器量の小さい人間です。
っと自虐的なのはここまでにしておきます。長門さんにお話を聞く時間は限られていますから。

「長門さん。昨日の件……っと言いましても午前零時を回っていましたから今日の件と言うのが正しいでしょう。に関してご説明して戴きたいのですが……」
「おそらく原因は涼宮ハルヒ」
「っといいますと?」
「昨日の午後11時24分5秒から今日の午前0時42分38秒。馬……彼の肉体は無作為転移し続けた」
「無作為転移ですか?つまり瞬間的に他の場所に移動したっということですね。それも何度も。」
248WAWAWAな邪魔者(古泉一樹):2008/03/05(水) 21:30:12.00 ID:gn4bF7LDO
つまり瞬間移動ですか。それが閉鎖空間への移動でなく、なおかつ無作為でなければ僕もしてみたいところですよ。……というか馬?

「無作為といっても涼宮ハルヒの認知している場所のみ」
「……それで無作為転移は何度ほど行なわれたんですか?」
「確認したかぎりでは3回。内わかっているのは…」

長門さんはわかっている場所を淡々と言ってくれました。閉鎖空間、谷口くんの自宅ときましたか。
自宅はつまり帰ったということでしょう。驚きなのは長門さんにも一ヶ所わからないところがあったことですね。
これに付いてはまた後で聞きましょう。わからないことを追求しても意味がありません。

「おそらく昨日の仲直りの仕方が原因」
「彼と涼宮さんのですか?」
「そう」

困ったものですねぇ。どんな仲直りの仕方をすればこんな事態になるんでしょうか?

「聞いてみればわかる……それについて私は観察していない」
「そうですか。」

これは彼の到着を待つしかなさそうです。この時間だと涼宮さんと一緒に来る可能性がとても高いですが……さてその場合どうしましょうか。

続く
249When she is 78:2008/03/05(水) 21:36:18.30 ID:UKphl7cc0
投下します
250When she is 78:2008/03/05(水) 21:36:46.53 ID:UKphl7cc0
「Happy Birthday, ハルヒ」
「ありがとう。でも、この歳になると誕生日もあれね。うれしくもあり、うれしくもなし」
「いいじゃないか、互いに年をとっていくんだ。置いてけぼりは勘弁してくれ」
「それに、年中行事はとことん楽しむのが流儀だったろう?」

俺たちが知り合った高校一年の春から、60年あまりが過ぎた。今日はハルヒの78回目の誕生日だ。

「そうね。それで、今年はどんな風に楽しませてくれるのかしら?」

多少のしわは刻まれたし髪もすっかり白くなったが、78歳になってもハルヒはきれいで
いたずら気味な微笑みは若い頃とちっとも変わらない。
俺の方は…聞くな。せいぜい、白髪のダンディなじいさんを想像してくれ。

「さあてな。何かあるかもしれないし、何もないかもしれない」
「なによそれ。何にも準備しなかったの?」

「準備はしてるんだが、なにせ自分でも忘れてたからな。どうなるかさっぱりわからん」
「???」
「お茶でも淹れて待ってればわかるさ」
251When she is 78:2008/03/05(水) 21:37:14.10 ID:UKphl7cc0
よっこらせと腰を上げ、キッチンへ向かう
ヤカンに水をくみ、ヒーターのスイッチを入れながら居間に声をかける

「それに、二人きりの誕生日は久方ぶりだろ。思い出を数えるのも悪くない」
「今年は誰も来ないんだものね。毎年孫曾孫が誰かしら祝いにきてくれたのに。寂しいわねぇ」

今年は二人きりで祝いたいと、事前に根回しをしたのはハルヒには内緒だ

ヤカンがチンチンと泡のはぜる音を立て始める。温度の見極めが勝負だ。
茶道楽に手を染めてみたが、ハルヒを満足させる茶はまだ淹れられない。
曰く、朝比奈さんの淹れるお茶の足元にも及ばないそうだ。
…自分なりにはおいしく淹れられてると思うのだが。

「はい、お待ちどう」
「ありがと。…今日のお茶は色が薄いわね。葉っぱ変えた?」
「祝いの日だからな。珍しいお茶を淹れてみた。中国茶で『銀針』というんだ」
「まずい!おかわり!」

もうちょっと味わって飲んでくれよ。ま、顔はおいしいって言ってるからいいけどな。
はい、おかわり。
252When she is 78:2008/03/05(水) 21:37:39.99 ID:UKphl7cc0
「文芸部室でも何度かキョンがお茶淹れてくれたわね」
「そのたび、今とおんなじ台詞を言われたな。多少は上達したと思うんだが」
「上達はしてるわよ。でも、みくるちゃんの淹れるお茶は超・達人の域だったのよ」

なんだ、超・達人て。言わんとするところはわかるが

(キンコーン)

「誰か来たみたい」
「ん、俺が出る」

「はい?」
インターホンに映るのは忘れもしない、懐かしい顔だった。

『僕です』
「久しぶりだな。今開ける、勝手に上がってくれ」

「どなた?」
「おまえがびっくりする客だ」
253When she is 78:2008/03/05(水) 21:38:09.05 ID:UKphl7cc0
「どうも。お邪魔します」
「古泉君!?」
「ご無沙汰してすみません。誕生日おめでとうございます。相変わらずお美しい」

古泉から花束を受け取るハルヒの、びっくりした表情に密かに満足しながら古泉に声をかける

「まぁ座れ。すぐに茶を出そう。それから人の嫁さんに色目を使うな」
「おやおや。仲睦まじいようで何よりです」

古泉のにやけスマイルは今だ健在か
絵に描いたような好青年がそのまま絵に描いたような好々爺になった風だな

「元気だったか?」

茶を出しながらたずねる

「えぇ。おかげさまで。息災でやってます」

(キンコーン)
254When she is 78:2008/03/05(水) 21:38:41.91 ID:UKphl7cc0
「千客万来だな」
「誰?まさか…」

インタホンの画面の前に立つ俺をハルヒは期待のこもったまなざしでみつめ、腰は既に浮いている。
これで集金だったりしたら、不運な来訪者のためにお経を唱えなきゃならんところだ。

ハルヒに "出てみろ" と目配せした。
画面に映る来訪者を確認したハルヒの顔はたちまちくしゃくしゃの泣き顔になり、玄関にかけていった。
誰が来たのかは言うまでもないだろう。すぐに大きな叫び声が聞こえるはずだ。「みくるちゃん!」と。
さて、超・達人に出すには気が引けるが、お茶の準備をして待っていよう。

二人が目を赤くして居間に戻ってきたのは、熱いお茶が子猫の舌にも優しい温度になるくらいたってからだった。
朝比奈さんとは俺たちの結婚式を最後に音信不通だったからな。なにも知らないハルヒにはつらかったろう。
すまんな、ハルヒ。だがそれも今日までだ。

「キョンくん、お久しぶりです。古泉君も」
「お久しぶりです、朝比…あ…」
「昔のままで呼んでください。そのほうが私も懐かしいですから」

見る者を萌やしつくすマイエンジェルの微笑みがいまだ健在であることに大いに感動しつつ言い直す。
「お久しぶりです、朝比奈さん。相変わらずお美しい」
古泉の挨拶が続く
「お久しぶりです。ほんとうにお変わりなく」
255When she is 78:2008/03/05(水) 21:39:12.45 ID:UKphl7cc0
「みくるちゃん今までどうしてたの!悪い男に引っかかったりしなかった?心配したんだから!」
「いいじゃないか、ハルヒ。それより、再会とお前の誕生日を祝して乾杯しよう」
「でも…まだ…」
「長門も来る。そしたらまたすればいい。何度したっていいさ」

(キンコーン)

「おや。ひょっとして、うわさをすれば影ですか?」

インタホンの画面を確認した俺は、そこに映った姿に文字通り天を仰いだ。
確かに長門だ。北高のセーラーを着た、当時と寸分たがわぬ長門がそこにいた。
いくらなんでもいきなりそれはまずいだろう、さてどうやって誤魔化したものかな
と視線を戻すと、"長門が相応に年を重ねたらこんな感じだろう"と思わせる姿に変わっていた。
やれやれ、いい先制パンチだ。どこでそんな技を覚えたんだ。

「どうやらそのようだ。雰囲気のいい和服美人だ。いかにも長門らしい感じだな」
「いきましょ、みくるちゃん。有希を迎えに!」
256When she is 78:2008/03/05(水) 21:39:48.16 ID:UKphl7cc0
玄関に向かう二人を目で追いつつ、古泉が言った

「役者がそろいましたね」

そうだな。

「このまま、再会を誕生日プレゼントにした一日にすることもできますが?」

そうだな。だが俺の腹はもう決まってるんだ。あいつは大丈夫だ。
お前も朝比奈さんも長門も、大丈夫だと判断したからここに来たんだろう?

「そうですね。あの二人の判断はわかりませんが、『組織』の判断はそのとおりです」
「ですが、なぜ今更という疑問は残ります。なぜなのですか?」

そいつはみんな揃って、そのときになったら言うよ。

すっかり高校時代まで精神年齢を退行させたハルヒが二人を引っ張って居間に戻ってきた。

「みくるちゃんはここ。有希はここね。古泉君はここ座って」
「キョンはそこ!」
257以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 21:39:59.16 ID:XGUZE4Ck0
しえn
258When she is 78:2008/03/05(水) 21:40:22.43 ID:UKphl7cc0
部屋の隅っこを指さされた。
亭主の威厳?いやいや、今の俺は雑用その1だからな。しかしまあ、抗議くらいはしておこう。

「おいおい、文芸部室にだっておれの椅子くらいはあったぜ?」
「しょうがないわね、じゃあどっからか持ってらっしゃい」
「自前調達かよ」

言い合いながらキッチンからお茶とお菓子を運び、面々の前に置いていく。

「朝比奈さんの淹れたお茶には敵いませんが、どうぞ」
「そんなことないですよ。さっきのお茶もおいしかったです」

超・達人にそう言っていただけるとほっとします。

「久しぶりだな、長門。変わったことは無いか?和装も似合うんだな」
「問題ない」
「…ありがとう」

今のはお茶のお礼じゃないよな。
長門も変わったんだな。たぶん、良いほうに。
259When she is 78:2008/03/05(水) 21:40:56.68 ID:UKphl7cc0
「ほれ」
「僕にはそれだけですか。つれないですね」

十分だろうが

「はいよ、団長様」
「ごくろうさま」

キッチンから折りたたみの踏み台を持ってきて、椅子代わりにして座った。
ハルヒは上座に仁王立ちして、SOS団定例活動第1回を宣言した。

「みんな集まってくれてありがとう。あとで連絡先教えてね」
「さて…」
「あたしたちもたっぷり歳をとりました。これだけ生きてれば不思議なことの一つや二つはあるでしょう」
「今日はみんなの話をいぃぃぃっぱい!聞かせてもらうからね!」
260以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 21:41:27.74 ID:yC2gh7FjO
ええと……一体何が起きてるんだ?


支援
261以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 21:41:31.79 ID:XGUZE4Ck0
しえn
262When she is 78:2008/03/05(水) 21:41:33.62 ID:UKphl7cc0
聞き役のはずのハルヒが一番しゃべってるのはもはやお約束だな。
アルバムなんか引っ張り出してきて、俺の恥ずかしい過去を暴露しまくるのは勘弁して欲しいが
それも含めて幸せってやつさ。俺も歳食ったね。
しかし、みんな変わってないな。ひねくれ頑固老人が一人くらいいてもおかしくなかったが。

「高校で鍛えられましたから」
「こ〜い〜ず〜み〜く〜ん〜?」

ハルヒの地獄耳をなめてはいかんぞ、古泉。

(キンコーン)

「あれ?こんどは誰?まさか鶴屋さんだったり?」
「料理が届いたみたいだな。古泉、運ぶの手伝ってくれ」
「承知しました」

どんどん運び込まれる料理の数々。ちょっと多すぎたか?
居間におさまりきらず、キッチンまであふれだしている。
263When she is 78:2008/03/05(水) 21:42:02.12 ID:UKphl7cc0
「バカキョン!何人分頼んだのよ!」
「7人分だ。おまえと長門が2人分」
「歳と常識考えなさいよ?!」

おまえに常識いわれるとは…
どうだ、長門?

「問題ない」

だ、そうだ。おまえも負けずに食え。
余ってもタッパーに詰めればいいから気にするな。

なんだかんだで料理はほとんど無くなった。
長門が以下略

腹もふくれて、ハルヒもみんなも幸せそうにまったりしている。
本当にこのまま一日を終わらせてもいい気がしてくるが、全員が揃うのは
おそらく二度とないだろうから、今日を逃すわけには行かない。
264以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 21:42:23.02 ID:yC2gh7FjO
支援
265When she is 78:2008/03/05(水) 21:42:41.17 ID:UKphl7cc0
「長門」

長門の黒曜石の視線がこちらを向く

「朝比奈さん」

緊張を含んだ朝比奈さんの視線がこちらを向く

「古泉」

にやけスマイルの張り付いた古泉の視線がこちらを向く

「みんな、約束を忘れないでいてくれてありがとう」
「なら、俺がこの後なにをしようとしているかもわかっている筈だ」
「反対なら今、言ってくれ」

ハルヒは不思議そうにしているが、緊張感は敏感に感じ取っている様子だ。
不安そうな視線が俺と三人のあいだを行ったりきたりしている。
266以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 21:43:09.28 ID:XGUZE4Ck0
しえn
267When she is 78:2008/03/05(水) 21:43:15.15 ID:UKphl7cc0
「約束って何?」
「いったい何をするの?」

やがて古泉が口を開いた

「僕のほうからは既に先ほど申し上げましたが、反対ではありません」
「ですが、やはり先ほどの疑問には答えをいただきたいと思います」
「なぜ、今更に?」

朝比奈さんが口を添えた。

「私たちも同じです。反対ではありませんが…」

長門?

「憂慮すべき事態が発生する確率は観測されなかった」

つまり?

「反対する理由はない」

「わかった。反対は0だな。感謝する」
268以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 21:43:29.05 ID:yC2gh7FjO
支援
269When she is 78:2008/03/05(水) 21:43:54.73 ID:UKphl7cc0
「では理由を述べよう。こうだ」

俺たちも歳をとった。現実にやってくる『死』を意識しても落ち着いていられるくらいにな。
だが俺はずっと気になっていたんだ。『魂』は存在するのか?
禁則だ。わかってる。だから俺は存在するという仮定の下にこの話をしている。
もし存在するとしたら。もしハルヒに隠し事をしたまま『魂』になっちまったとしたら。
俺はあの世でハルヒにメチャメチャな目にあわされる!絶対に!
そ れ だ け は 避 け な け れ ば な ら ん !

身振り手振りを交えて力説する俺を見る、みんなの視線にふと気がついた。

あのー、もしもし?なんですか?
その、あきれ返って何もいえないっていう目は?
おいハルヒ、おまえまでそんな目で見ること無いだろ!

「バカはほっときましょ」
「御意」「はい」「…」

おーい………
ぉーぃ……
オーイ……
orz
270以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 21:44:36.45 ID:p8BCnvFJ0
何でこんなに投下が被るんだ支援
271When she is 78:2008/03/05(水) 21:44:38.57 ID:UKphl7cc0




「で、あたしに隠し事ってなんなの?」

布団に入ってから、ハルヒがきいてきた。

「ああ…」
「おまえが神様で時間のゆがみで自律進化の可能性で」
「古泉が超能力者で朝比奈さんが未来人で長門が宇宙人で」
「おれがジョン・スミスだって話だ」

「なにそれ。そんなことあるわけ無いじゃない」
「じゃあ、どうして俺がジョン・スミスの名前を知ってるんだ?」
「だってあんたに言ったことあるし。中一の七夕に遭った変な高校生の話」
「あれ?そんなことあったっけ」
「あったあった。まったく、どうしたら昔話の登場人物に自分を重ねられるのよ」

布団からガバッと身を起こしたハルヒが人差し指を突きつけながら言った。

「いい?不思議はそんじゃそこらに転がってなんていないの!」
272以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 21:44:59.90 ID:yC2gh7FjO
支援
273When she is 78:2008/03/05(水) 21:45:09.57 ID:UKphl7cc0
「今日はみんなの連絡先もわかったし、また集まって不思議探しをするわよ」

まじか。ていうか朝比奈さん、未来に帰らなくていいんですか?

「まだ言ってる。寝言は寝てから言うものよ?」
「電気消すわよ」








キョン。まだ起きてる?

あぁ
274以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 21:45:36.17 ID:yC2gh7FjO
支援
275When she is 78:2008/03/05(水) 21:45:48.14 ID:UKphl7cc0
今日はありがと。またみんなで集まれるなんて、思わなかった
新婚旅行から帰ったら有希ともみくるちゃんとも連絡がつかなくなってて
きっともう二度と会えないんだと思ってた…二人とも元気そうで良かった…

約束って、何だったの?

おまえの78歳の誕生日に、みんなでもう一度集まろうって
結婚式のあとにな。

どうして78なのよ。40とか、50とかでも良かったのに

俺が78って数字が好きなんだよ

なにそれ、ばかみたい
長生きするわよ。ホント

長生き、してね…キョン…

おまえこそ。置いてけぼりは勘弁してくれよ?

………
………

おやすみ、キョン…
おやすみ、ハルヒ…
276以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 21:46:21.72 ID:yC2gh7FjO
支援
277When she is 78:2008/03/05(水) 21:46:27.72 ID:UKphl7cc0
以上です。
支援ありがとうございました。
278以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 21:47:49.09 ID:yC2gh7FjO
何ですかこのラッシュは?


乱暴だが全員ひっくるめて乙!
279以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 21:49:48.80 ID:XGUZE4Ck0
投下ラッシュにワラタ。
まとめて乙!
280キョン長だろjk ◆8.GU/O88sk :2008/03/05(水) 21:58:08.21 ID:oicxqPsrO
長門&キョン@部室
キョン「長門、最近疲れてないか?」
長門「疲れていない」
バタン!部室のドアが開きハルヒ登場。
ハルヒ「お待たせー!!!…」
しかしキョンはハルヒが来たことに気付かず、
キョン「何かあるなら俺に言えよ。いつも助けてもらってばかりじゃ悪いからな。…あ、ハルヒ、来てたのか」
ハルヒ「なにが『ハルヒ来てたのか』よ…このバカキョン!大嫌いよ!」


キョン「別に俺は何もしてないぞ」
ハルヒ「…何よその態度!そんなにあたしが嫌い?いつもそうだわ、あたしには冷たいくせにみくるちゃんとか有希には優しくするのよね!特に最近は有希ばっか特別扱いじゃない」
キョン「別に、そういう訳じゃなくて、ただ…」
ハルヒ「『ただ』なんだって言うのよ!?だいたいあたしの何がいけないわけ!?」
キョン「だから違う、別にお前が嫌いなわけじゃない、許せ」
ハルヒ「いやよ!あたしがいやなのはいやなのよ!キョンなんて最低だわ!」
バタン!部室から出るハルヒ。
キョン「…やっちまった…」
281以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 22:02:33.09 ID:oicxqPsrO
長門「あなたは涼宮ハルヒにとっての鍵。軽率な行動は慎むべき」
キョン「…さっきは悪かった。俺、『鍵』なんだよな。よく分からないが」
長門「そう」
キョン「俺の気持ちは無視なのか?」
長門「…」
キョン「なんで俺なんだよ。他の奴等じゃ駄目なのか…!?」
長門「…決まっていることだから…」
キョン「情報統合思念体とやらがそう決めたのか」
長門「そう」
キョン「あの野郎」
長門「…」
キョン「長門、もうヒューマノイド・インターフェースなんてやめちまえ」
長門「…え?」
キョン「奇妙奇天烈な力なんていらない。普通の、ただのちょっと無口な女子高生になって、ずっと俺のそばにいろ」
長門を抱き締めるキョン
長門「…そうできたら幸せ」
キョン「(ハルヒ、世界を壊したいならいま壊せばいい。俺も一緒に壊せばいいさ)」
長門「…泣かないで」
282以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 22:04:55.13 ID:oicxqPsrO
部室のドアをこっそり開いて2人を覗き込むハルヒ
ハルヒ「やっぱりキョンは有希が好きなのね…有希もキョンが…」
ハルヒ、その場で静かに泣き崩れる
ハルヒ「仕方ないわ…。キョンの言う通りよ…。全部あたしの思い通りになんかなるわけないわよね…。好きよ、キョン。キョンはキョンの好きな人と幸せになればいいわ…」
ハルヒ、その場を去る。
暫くして、ハルヒ以外の全員集合
キョン「…ハルヒを知らないか?」
古泉「涼宮さんなら、今日は先に家に帰るそうですよ。どうしたんでしょうね」
キョン「古泉、ここだけの話、世界が崩壊するかもしれん。俺がさっきハルヒを傷つけちまったせいで。すまん!本当にすまん!」
古泉「実はその件でしたら、嬉しいお知らせがあるんですよ。ですよね、朝比奈さん?」
みくる「えっ、あっ、はい!そのぅ…詳しいことは禁則事項なので言えないんですが、涼宮さんを中心に発生していた強力な時空震が急に検出されなくなったんです」
古泉「端的に申しますと、彼女の力はなくなりました。彼女はついにただの少女になったのです」
キョン「…嘘だろ!?だって俺は」
古泉「本当ですよ。ついに僕のアルバイトも終わりました」
283以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 22:06:39.08 ID:oicxqPsrO
次の日の部室。SOS団全員集合
ハルヒ「重大発表よ!なんとSOS団から1組のカップルが成立したのよ!」
キョン「ちょ、お前いきなり何を」
ハルヒ「あんたは黙ってなさい!これからあんたの話をするんだからねっ!」
古泉「あなたの彼女ですか、興味深いですね」
キョン「うるさいっ」
ハルヒ「…ってことで、キョンと有希、おめでとっ!仲良くしなさいよ!特にキョン!有希を泣かせるようなことしたら、あたしが許さないわよ!覚悟しておきなさい」
みくる「仲良くしてくださいね♪」
バタン!部室のドアが開く。入ってきたのは…
鶴屋さん「やあやあやあ、おひさっ!なんか久しぶりに来てみたくなっちゃったよ!いきなりごめんねっと。あれー?なんかキョンくんと有希っこ、なんかあったのかい?…ひょっとして、付き合っちゃったりっ?それはおめでたいっ!あたしも全力でお祝いするっさ!」
キョン「有り難いですが、そんな盛大にやらなくても…おいおいおい、何するつもりだハルヒ!」
ハルヒ「パーティよ、お祝いパーティ。鶴屋さんも来たことだし。あ、コンピ研も誘う?」
キョン「いらんっ!」
長門「…」
284以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 22:08:36.26 ID:oicxqPsrO
ハルヒ「今日は早めに解散するわ。ばーいー♪」
みくる「あ、あたしも帰りますぅ〜」
古泉「では、僕もお先に」
ハルヒ「(これで良かったのよね…)」
バタン。部室にはキョンと長門のみ残った。
キョン「長門」
長門「…」
キョン「帰るか?」
長門「そうする」
キョン「…悪い、こういうの慣れなくて」
長門「別に…いい」
長門がキョンの手を取ってゆっくり歩き始める
長門「情報統合思念体は涼宮ハルヒに自律進化の可能性を見出だせなくなった。よってヒューマノイドインターフェースはただの有機生命体となるか、また情報統合思念体の一部に戻るか選択しなくてはならない」
キョン「…お前は、どうするんだ?まさか、いなくなるとか言わないでくれよ…」
長門「大丈夫。これから先、あなたが力のなくなったわたしとでも一緒に生きてくれるなら」
キョン「俺はお前に2回も命を救われた。他にも数え切れないくらい、俺のことを助けてくれただろ?だから今度は俺が、力のなくなったお前を守る番だ。命がある限りそばにいるさ」
長門「いま、わたしは幸せ」
少しだけ笑ったような長門の顔
キョン「絶対浮気するなよ。…俺はしない」
長門「わたしも」
285以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 22:26:00.82 ID:vD6jP3f20
286以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 22:26:07.40 ID:2XgngOppO
支援?
287以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 22:36:59.54 ID:y/OaeNAyO
長キョン!長キョン!
288以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 22:39:49.29 ID:M6NQ/hFZ0
              乱立のお知らせ

肥溜めの掃除をしましょう。1スレ立てれば十分です。
パート、馴れ合い、恋愛相談その他もろもろを潰しましょう。

スレタイ:■■■■■■■■焼け野原■■■■■■■■
本文:さあ、ゲームを始めましょう
時間:本日23時
本部:http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1204718942/

289以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 22:46:54.84 ID:yv2tEuXrO
なんか急にSS投下ラッシュが…
少し強引だが、全てひっくるめて乙!で(*^ー゜)bグッジョブ!
290以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 22:53:32.48 ID:CndBVzdUO
保守
291以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 22:54:03.39 ID:BymLhUsW0
乱立のお知らせ

肥溜めの掃除をしましょう。1スレ立てれば十分です。
パート、馴れ合い、恋愛相談その他もろもろを潰しましょう。

時間:本日23時
本部:http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1204723577/
スレタイ:■■■■■■■■コタロウ死ね■■■■■■■■
本文:
        _,、,ィィryィ、、
      ,ィ'《彳'´  ``ヾ'、、
     /彡,:'′        ヾ:、
      lリノハ、        ミ、
      !川ノl/ ,ィ==、 .: r=ミ゙
      {ヘミY!   ,ィtュミ : fィェt!
      ヽrヾi    ゙"´,' '、`"~l
      ゝ-.゙  、  ノ、,,__,)、 /
     /{ヽ;!',  `゙´ _, ェtェ,、/     <VIPをどげんかせんといかん
   / l;;ヽ;l ヽ    ヽ二ノト-、
     ヽ;;;;\ 丶、、__ノ /ヘ_
292以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:01:25.13 ID:vD6jP3f20
293以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:01:28.63 ID:bpBTAoj80
294以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:01:43.26 ID:XGUZE4Ck0
アナル落下。
295以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:05:18.02 ID:bpBTAoj80
もともと下のほうにあったからなあ
296以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:06:01.80 ID:HEsIwezkO
しょうがないな
297以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:06:23.59 ID:c60/FXNV0
                      /⌒ ヽ              /\  /ヽ
                       / ^ ω ^ ヽ        ヽ、 lヽ'   ` ´   \/l
                    ,ノ      ヽ、_,,,      ヽ `'          /
                 /´`''" '"´``Y'""``'j   ヽ     |  ヽ /   V   l
                { ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l     .l    V    I   |
                '、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ      l   ┬    ・   |
                 ヽ、,  ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/     ヽ.   │    ・   .|
                  `''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r'       |.   ┴    ・    レ
                    ,ノ  ヾ  ,, ''";l         |   r―、       l
                   ./        ;ヽ       .|.   |― '       l
                  .l   ヽ,,  ,/   ;;;l       |   r―、       |
                  |    ,ヽ,, /    ;;;|      .|.   |― '        |
                  |   ,' ;;;l l ;;'i,   ;|      |.   ┌―        |
                  li   /  / l `'ヽ, 、;|      /    |―         l
                 l jヾノ ,ノ  ヽ  l  ,i|     /    └─        ヽ
                 l`'''" ヽ    `l: `''"`i     `l    | ̄)        l
                 .l ,. i,'  }     li '、 ;;' |       |   | ̄\       ヽ
                  l ; j / _, -― ' ̄ ̄`ー‐-、_   |             /´
           ,, .--、,,__,,-' ̄;;"`´ ;; __  __, -―- 、;; ̄`l ┌┐┌┐       |
        , '" ;;  ,__   ;;'    r ' ´;;; ヽ_ゝ_;;|    lヽ, / .| | .| |       |
      /l ;;, -‐Y´| l  __  /`'| |   | l  l;|     l ヽ l └┘└┘      /
     /|;;;;ヽ/  .| | |.;;l_,-'l | V | |.l .|   .|    l  i i   | ;lヽ| ○  〇      l
     |;;;|;;;i | /|.| ''.|/ l  |;;;| | | | ;|  |   | ;l l| i ;;;; l | l     _/ヽ  /
     |;;;;|;;.. l ;;  | i /   .il /| |.| |  |   i  |   | l i  '`i l / ̄\/    ヽノ
 __/"|;;|;;l;;  .|   .|;.i |   | ;;|| |l .|  |l     .i | ;|;      |/ヽ/`''l
´ ;;_,- | |;; |  |   l;;l;|   | l|| | |; | |i   i   | |;;/|      .| l ,l  |
  .|;;;;;;| l, | / ' ' |i | ,  i |l | |;;l. | .| i . |l   l/ l ljヽ、   /l | .l  |
 ,;;':|;;;;i;;i;;| | ;;| i l  i |   |i l| |;;;|l| i |;'  l|   |l |l;;;;;ヽ` '´ / |  | l
`';;;;;|;;;l;;;l;;l l l   l il; i  l| |l;;i;;;|l| |/l i  li ; ,: || | ヾ;;;;ヽ/li | ii l .l   パートスレ消えろ
298以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:06:53.84 ID:AKqB29V60
ゆとりになる以前の間隔で保守しないと落ちるな、多分。
いったん落として嵐が過ぎるのを待つという手もあるが……
299以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:09:50.60 ID:bpBTAoj80
でも本スレ見てる感じ微妙そうだぞ
300以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:10:19.03 ID:y/OaeNAyO
長キョンの続きは…?
301以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:10:48.28 ID:AKqB29V60
>>299
では、耐えてみるのも一興か
302以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:12:11.06 ID:p8BCnvFJ0
そんな事言ってる間にアナルアッー!
303以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:14:22.33 ID:AKqB29V60
age
304以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:18:58.96 ID:bpBTAoj80
305以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:19:06.94 ID:yC2gh7FjO
取りあえず保守しとけばいいのか
306以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:22:01.02 ID:CndBVzdUO
保守
307以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:22:06.50 ID:sFi1nOKnO
ほし
308以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:24:34.09 ID:AKqB29V60
age
309以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:25:51.72 ID:8ZEmSZgtO
あげほ
310以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:27:21.53 ID:XCgxUepC0
311以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:30:21.02 ID:RjYj9LiP0
保守
312以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:32:55.17 ID:AKqB29V60
久々に1000まで行きそうだな
313以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:36:21.81 ID:4TkRbet+0
mage
314以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:36:44.38 ID:CndBVzdUO
315以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:41:55.15 ID:2XgngOppO
保守
316以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:41:58.84 ID:vD6jP3f20
317以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:47:18.07 ID:AKqB29V60
age
318以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:58:17.77 ID:2XgngOppO
保守
319以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/05(水) 23:59:00.95 ID:RjYj9LiP0
保守
320以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 00:15:50.26 ID:DMpzu/LL0
保守
321以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 00:25:47.31 ID:DMpzu/LL0
寝る保守
322以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 00:30:24.99 ID:YcC1hvaJ0
おしっこを我慢してもじもじしているおにゃのこの可愛さは異常
323以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 00:45:43.55 ID:KKg5oHly0
ハルヒがお漏らししちゃうSSがあったのを思い出した
324以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 00:47:07.67 ID:U61eCHX50
保守
325以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 01:04:34.88 ID:Lt04hdkt0
半年ぶりの保守
326以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 01:17:11.28 ID:c3gzQLYF0
327以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 01:19:19.13 ID:ngPMCH9oO
桃色空間を待ちながら
保守
328以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 01:23:13.97 ID:evpmRo+f0
ID:oicxqPsrO
はどうなったんだ。これで終わりなのか?
329以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 01:50:15.17 ID:5SQD/ssdO
330以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 02:04:49.85 ID:YcC1hvaJ0
高速道路とかのトンネルの非常口ってさ
331以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 02:33:33.05 ID:U61eCHX50
保守
332以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 03:13:07.55 ID:vQiq2wfNO
保守
333以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 03:13:24.22 ID:s8vL53c+O
今月休みがない保守
334以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 04:03:41.51 ID:s8vL53c+O
保守
335以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 04:07:13.86 ID:iotNJjHWO
336以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 04:57:07.76 ID:6Lk+MAx70
337以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 05:38:29.34 ID:s8vL53c+O
338以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 06:34:03.14 ID:GksY3AkKO
保守
339以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 06:44:51.19 ID:DcD/3dU50
保守
340以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 07:30:05.37 ID:OFt7jVlEO
ほす
341以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 07:56:09.97 ID:YhTzXz6yO
342以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 08:20:49.76 ID:FYlpVVUlO
ほっさー
343以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 09:04:22.86 ID:+OKa56IuO
344以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 09:22:19.47 ID:YcC1hvaJ0
泣Cズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
345以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 10:25:49.32 ID:+OKa56IuO
保守
346以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 10:37:16.79 ID:iJCP4IyBO
347以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 11:10:53.29 ID:+OKa56IuO
保守
348以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 11:52:33.70 ID:KZ1oae7cO
今日落ちる日か
保守
349以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 11:55:26.55 ID:Q4ENYJsRO
もうすぐ合格発表か保守
350以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 12:13:15.77 ID:YcC1hvaJ0
Xパロボ好きな奴ちょっとこい
351以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 12:57:38.02 ID:+mYnqeEsO
352以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 13:07:57.90 ID:YcC1hvaJ0
g帯の写真を写メって呼ぶのに違和感がある
353以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 13:24:02.55 ID:oq4pJbHn0
名前変換夢小説をかいているものです。
またにべもなく特殊な相手の夢小説ができたので投下します。
なんかもう予想通りに女体化キョンです。すみません、趣味です。

http://www.geocities.jp/haruhidream/kyon02.html
飛んだらスプリクトが出るのでその指示に従ってください。
自分の本名とか入れると、もしかするとハッピーになれるかもしれません。


キョン子は、もう完全に趣味の域なので需要があるかどうかすら疑問の念がつきません。
354以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 14:10:39.98 ID:iJCP4IyBO
355以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 14:42:37.76 ID:OFt7jVlEO
保守杉山逮捕
356以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 15:13:36.30 ID:+OKa56IuO
ほし
357以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 15:57:25.09 ID:1OgUtGFgO
保守
358以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 16:06:22.38 ID:YcC1hvaJ0
落qアナのフェラ(恵方巻き)画像くだちい
359以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 16:12:16.30 ID:iJCP4IyBO
360以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 16:25:24.14 ID:7zkyrSqO0
こいつキモコテの分際で名無しを馬鹿にしてるお(#^ω^)
VIPPERの皆で名無しの素晴らしさをみせつけてやるんだおっ!!

http://love6.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1203425629/685-700




685 : ◆fqkXiQFGSY :2008/03/06(木) 13:13:29 ID:kjlvBtvY
>>684
安価ミスだ。正しくは>>674

そんな細かいことでいちいち顔真っ赤にして噛みつくなよ名無

しの癖に


687 :イラストに騙された名無しさん:2008/03/06(木)

13:30:30 ID:Rh+M5b0l
>>685
>名無しのくせに

トリップ付けただけでずいぶん偉そうな奴がいるな
そんなに自分を見てほしいなら2chに来ないで自サイトでも作れ
361以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 16:45:11.55 ID:iJCP4IyBO
362以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 17:12:36.11 ID:+OKa56IuO
保守
363以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 17:47:05.55 ID:U61eCHX50
保守
364以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 18:17:28.94 ID:1OgUtGFgO
保守
365以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 18:28:07.30 ID:YcC1hvaJ0
Gロ画像zipでください
366以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/06(木) 19:02:41.06 ID:OFt7jVlEO
ほっほ(´・ω・`)
367以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
あと10分。