1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
代理
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:15:02.54 ID:C/K09TbjO
2げとー!
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:18:33.03 ID:ieUbQJ4mO
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:20:34.81 ID:ieUbQJ4mO
――――――――――――――――――――
[紫色の珠が光を放ち、目の前を浮かんでいる]
「お?」
―やっと、会えたね
[頭に響くような声が聞こえる]
「…君は誰だお?」
―名乗る程の者じゃないさ
「ここはどこだお?」
―ここは、君の精神世界。つまり君の心の中さ
「……!?そうだ、ドクオとシラネーヨさんが!!」
―大丈夫だよ、君が全て片付けたから
「僕が…?」
―君に少し聞いて欲しいことが有るんだ
「…?」
―この世界の魔王という存在について…
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:21:14.99 ID:ieUbQJ4mO
「魔王?」
―そう、けどその前に歴史を語る必要が有るんだ
―今の因果を作り出した王の話し
―……君はこの語りを知っているかい?
「語りかお?」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:21:56.24 ID:ieUbQJ4mO
―僕は幼少の頃、魔物に父親を殺された。
―あの時の悲痛な叫び。僕はわすれられるはずも無かった。
―僕は大人になって、幼馴染みの子と再会した。
―昔から変わらない世話好きなところや勝ち気なところ、昔のようにありのままにいる彼女の魅力に気付いた僕は、程無くして彼女と契りを交わした。
―そして、僕らの間には家族が産まれた。
―その家族は、男の子と女の子の双子で、よく泣く元気な子だった
―魔物のせいで僕ら家族は離ればなれになってしまった。
―そして、長い年月を経て、僕らと彼らは再会した。
―僕の息子は勇者だった。
―僕の妻は天空人の子孫だったらしく、時が来たら勇者が舞い降りると言う伝承のままに息子は勇者として産まれたのだ。
―僕らは魔王を倒し、捕らわれの身で有る母さんを助ける決意を固めた。
―僕ら家族は、様々な苦難を乗り越えてきた。
―世界を支配しようと目論んでいた魔王を倒し、進化の秘法を用いる異世界の王を倒した。
―母さんという尊い犠牲を出しながらも。
―そうして僕達は平和を勝ち取った…。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:23:38.70 ID:ieUbQJ4mO
「この話し…知ってるお」
―そう、今まで語り継がれてきた、かつての勇者を育て上げた王の話し
―この話しに続きが有るのを知っているかい?
「続きかお?」
―そう、続きだよ。この話しはここで終わらないんだ
第五話「昔々」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:24:03.25 ID:CvBTLQddO
なになに
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:27:40.68 ID:ieUbQJ4mO
――――――――――――――――――――
[グランバニア城]
「坊っちゃん、本当にそれで良いのですか?」
(´・ω・`)「そうだよ、各地にバラバラに散らせて欲しいんだ」
「ですが……」
(´・ω・`)「グランバニアは一王家で有って、世界を支配する国家じゃない」
(´・ω・`)「天空の装備、太陽神の装備、それに魔界と繋ぐ三種のリング…」
(´・ω・`)「ここまで力を集める必要は無いと思うんだ」
僕は、僕の下に集った伝説の類いの装備を各地王家に渡すことを希望した。
グランバニアが世界を支配するならともかく、そんなつもりは毛頭無いのだから。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:28:46.17 ID:ieUbQJ4mO
返す物は返し、隠すものは隠し、そうやって均衡を保とうとしたのだ。
それから数ヶ月が経つと、世界各地にてある噂が流れ始める。
「グランバニア王は各地の様子を監視している。魔王をも倒すその力を以て、世界を支配する気だ」
僕の保とうとした世界均衡はこの時点で崩れることになった。
――――――――――――――――――――
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:29:27.57 ID:bUJoSK4FO
これってX?
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:29:28.99 ID:NxTovqb0O
支援してやんよ
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:30:38.04 ID:ieUbQJ4mO
[アルカパ]
[武器屋]
妻'ー')「あら、朝に帰宅なんてね、お帰りなさい」
( ´ー`)「ただいまだーよ」
('A`)「お邪魔します」
妻#'ー')「あら、空気読めない子の片割れじゃない?うちの旦那連れ回して一体どういうつもり?」
(;'A`)「え…あ、は?」
( ´ー`)「実は、この子ともう一人に助けてもらったんだーよ」
( ´ー`)「もうこんなことは無いように気をつけるーよ」
妻'ー')「あら、そう?じゃあ、客人としてもてなさないとね」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:32:05.33 ID:ieUbQJ4mO
(;'A`)(いつも、あんな感じっすか?)
( ´ー`)「口は悪いけど、時折可愛いとこが有るんだーよ。特によr」
妻#'ー')「お待たせー!!」
[妻はお茶を力強く叩き付けた]
[湯飲みは割れてしまった]
妻#'ー')「あら、入れ直さなきゃね、おほほ」
[妻は立ち去った]
(;'A`)「お気遣い無く…」
( ´ー`)「…本題に入るーよ」
[シラネーヨは本棚から幾つかの書物を持ち出した]
( ´ー`)「昔のことについてはこれを読むーよ」
('A`)「…………」
[ドクオは書物を読んでいる]
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:33:30.76 ID:ieUbQJ4mO
グランバニア王は勇者の父親として魔王と一戦を交え、これに勝利したと言う。
その報告は当人の口からわしの屋敷で説明を受けた。
世界は平和になりました、と。
わしはその夜、町の者を集め盛大な催しを行った。
彼らも王家の要人と言うことを忘れ、皆が皆、夜が明けるまで飲み明かした。
グランバニア王は凄い男であった。
魔を友とし、人間の生きざまを見せんとするその勇姿。
王者としての威厳漂わすマントをたなびかせ、太陽の象徴とも言える冠、竜頭を象った杖、光輝く盾を身に付けており、それはまるで太陽神のようであった。
('A`)(ん?ここでページがくっついてる?)
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:34:43.44 ID:ieUbQJ4mO
( ´ー`)「大事にして欲しいーよ」
[ドクオはくっついていたページを剥がした]
(;'A`)「…………………あー」
(;´ー`)「何してるんだーよ…ん?」
( ´ー`)「……………」
[シラネーヨは書物を読んでいる]
(;´ー`)「…ショックだーよ」
(;'A`)「まぁ………ドンマイ」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:36:08.36 ID:ieUbQJ4mO
わしは、わしの娘がこの男の花嫁になれなかったことを深く後悔した。
別に嫉妬の意味合いが有るわけではない。
ただ、ここまで聡明で、逞しい若者を私は見たことが無かったのだ。
今も、我が娘のフローラはアンディと仲睦まじく暮らしている。
アンディは、花婿候補では、彼の次に素晴らしい男だ。
それはそれで素晴らしいこと。
わしは目先の幸せを大切にしたい。
('A`)「ここから破れと掠れが多いっすね?」
( ´ー`)「そこは解読しても対したことは書いてなかったーよ」
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:38:51.72 ID:ieUbQJ4mO
[シラネーヨは書物のページを進めた]
( ´ー`)「それよりこのページを見て欲しいんだーよ」
('A`)「………」
魔王が滅んだ。その話を聞いてから幾月が経っただろうか。
そんな折、わしが聞いた旅人の話しは耳を疑う物が有った。
『グランバニア王の世界支配』
何でも、世界を監視している王は神を名乗り、世界を丸々自分の傘下に置き、支配しようと目論んでいるらしい。
この話しはわしだけでなく我が娘フローラをも驚かせた。
あの方が、そんな傲慢なことをするはずが…と嘆き悲しむその姿、わしは忘れることが出来ない。
('A`)「は?世界支配?」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:40:57.76 ID:ieUbQJ4mO
( ´ー`)「彼のグランバニア王は世界を救うという語りは知ってるかーよ?」
('A`)「私は家族が云々ってやつだろ?でも、それに何の関係が……」
( ´ー`)「有るんだーよ、これは語りのその後が書かれた手記なんだーよ」
( ´ー`)「この手記には、王が無実の罪によって迫害される様子がまざまざと書き込まれてるんだーよ」
('A`)(無実の罪………?)
いいペースだな
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:42:28.76 ID:ieUbQJ4mO
――――――――――――――――――――
人々の噂と言うのは、人の心の不安を煽り、また、冷静な判断を無くさせるもの。
城下町にて、何度訊ねられたか分からないその頃にまた、事は進展を始めた。
[グランバニア城]
兵「伝令より通達です、ラインハット王家より書状が届いておるとのことです」
(´・ω・`)「あぁ、ヘンリーか。僕が読むよ、ありがとう」
兵「それと王様、お願いがございます」
(´・ω・`)「…なんだい?」
兵「は…この度を以ちまして、兵としての任期を終え、故郷に帰りたく思います」
(´・ω・`)「………そうか、今まで御苦労様」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:43:17.86 ID:ieUbQJ4mO
兵「はっ、失礼致します」
(´・ω・`)(兵が辞めていくのは、これで何人目だったっけ)
(´・ω・`)(それより、ヘンリーは何て…?)
[王は書状を読み上げた]
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:44:13.80 ID:ieUbQJ4mO
偉大なる王、そして我が友よ。
なんて、固い書き方は無しにするぜ?w
さて、お前ももう知ってるだろうけど、変な噂が飛び交ってる。
お前が世界を支配するっていう下らない内容だ。
最初は、遊びか何かと思ってたんだがなぁ…もう取り返しの付かないとこに来ちまったみたいだ。
俺のトコではグランバニアに攻め込めって暴動が度々起こるようになったし、どこの城かは分からないが、軍備増強で来る時を待っている、なんて情報もある。
俺もお前がそんなことを考えていない、無実だと言うのは分かっているつもりだ。
けどな、魔王を倒すその力、魔物を仲間にしちまうその力、お前が魔族を率いる長だと思われてもしょうがない節が有る。
頼む、王位を退いてくれ。
そして、平穏な場所に逃げ込むんだ。
この御時世で、国同士が争うなんてしたら、それこそ世界が壊れちまう。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:45:09.08 ID:oPWL5o6jO
支援
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:45:33.22 ID:ieUbQJ4mO
ラインハット王からの手紙は、僕を失意の底に堕とすに十分な内容だった。
かつての仲間、友達と言うには遠い位置に来すぎてしまったようだ。
(´・ω・`)(ヘンリー…まさか君まで………)
そして、最後の一文はこう締められていた。
『俺はお前を信じている。』
その、次の日の朝。僕は全世界に通達した。
王位返還、次期王は王子ではなく大臣である、と。
この発言は世界を安堵させた。
しかし、僕の心は晴れることがなかった。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:47:38.46 ID:ieUbQJ4mO
そして、夜になった。
[グランバニア城]
[王室・バルコニー]
[気持ち良い夜風が吹いている]
(゚ー゚*ξ「あなた…疲れてない?」
(´・ω・`)「大丈夫だよ、ビアンカ。僕は全然…」
(゚ー゚*ξ「嘘、そうやって昔からあなたは強がる…」
(´・ω・`)「…それよりさ、これからのことだけど」
( ー *ξ「やっぱり、どこかに行かなきゃ駄目だと思う」
(´・ω・`)「君もそう思うかい?」
(゚ー゚*ξ「えぇ、やっぱり私達は力を持ちすぎたのよ」
(゚ー゚*ξ「勇者・天空人どれもこれも非常識過ぎるわ」
(´・ω・`)「…どこに行こう?」
(゚ー゚*ξ「貴方が行くならどこでも…」
(´・ω・`)「ビアンカ……」
(´ ω `)「…………………ありがとう」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:48:46.07 ID:9PPSitYx0
支援
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:49:50.31 ID:ieUbQJ4mO
――――――――――――――――――――
('A`)「それで、最後に王様はルドマンに挨拶しに来た…と」
( ´ー`)「そう、そこでルドマンの手記は終わるんだーよ」
( ´ー`)「日付を照らし合わせると、その日から病に伏せ込んだらしいーよ」
(;'A`)(古文学者にでもなれば良いのに…)
( ´ー`)「次はこれだーよ」
(;'A`)「まだ有るんすか?」
( ´ー`)「これはつい十年程前のもので、ある僧侶が書き残したものだーよ」
('A`)(ブーンのニーチャンのやつか…)
[ドクオは手記の題を読み上げた]
『日記だーよ』
( A ) ゚ ゚「!?」
( ´ー`)「?」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:50:43.75 ID:ieUbQJ4mO
(;゚A゚)「ここここれ、あんたのじゃん!!!!11」
( ´ー`)「……………」
(;ノー`)「あちゃー、間違えたーよ」
妻'ー')「そろそろ一息ついたら?」
( ´ー`)「そうするーよ」
('A`)「ついでだから聞かせてくれよ、昔のパーティーとやらの話しを」
( ´ー`)「話しをする前に報告しないといけないーよ」
('A`)「報告?何の?」
( ´ー`)「もちろん、マントのことだーよ」
[シラネーヨは部屋の棚からキメラの翼を取り出した]
('A`)(お、珍しいな)
( ´ー`)「これにくくりつけるーよ…」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:51:19.69 ID:9PPSitYx0
支援
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:51:24.56 ID:ieUbQJ4mO
( ´ー`)「はいだーよ」
[シラネーヨはキメラの翼を放り投げた]
[キメラの翼は空の彼方へ消え去った]
('A`)「今のは?」
( ´ー`)「企業秘密、と言いたいとこだけど、カーチャンに免じて教えてあげるーよ」
( ´ー`)「あれは、僕らのパーティー専用の情報網みたいなものだーよ」
( ´ー`)「お互いの連絡の為にキメラの翼を2個ほど使ってるんだーよ」
('A`)「でも、キメラの翼なんて貴重品…それに、一度使ったら羽根が抜け落ちるんじゃ?」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:52:15.05 ID:9PPSitYx0
支援
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:52:32.79 ID:ieUbQJ4mO
( ´ー`)「これは昔、冒険の途中でもらったものなんだーよ」
( ´ー`)「それに、カーチャンが節約の為に縫い付けてるから安心して使い回せるんだーよ」
(;'A`)(カ、カーチャン…せこいな)
('A`)「そういや、カーチャンとはどういう関係なんだ?」
( ´ー`)「カーチャンとは幼馴染みで、一時期パーティーも組んでたんだーよ」
('A`)「……………………」
(;゚A゚)「え、聞いてない聞いてない!!」
( ´ー`)「当たり前だーよ、言ってないに決まってるーよ」
(*´ー`)「あれは僕らの青春だったーよ…」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:53:04.20 ID:9PPSitYx0
支援
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:54:06.88 ID:ieUbQJ4mO
(*´ー`)「20年程前、君らと同じ歳の頃に僕達は出会ったんだーよ」
――――――――――――――――――――
(,,゚Д゚)「あ?パーティーだって?」
(*゚ー゚)「私達、役割的にも丁度良いと思うんだけど…?」
( ´ー`)「ギコが戦士で、しぃちゃんが魔法使い、俺が僧侶で」
*(‘‘)*「私も戦士なのです!」
――――――――――――――――――――
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:55:23.80 ID:ieUbQJ4mO
(;'A`)「待て待て待て、間をはしょり過ぎだし!しかも、全員誰かわかんねーよ」
( ´ー`)「男はサラボナ領家の息子のギコ、女はその妻になったしぃちゃんだーよ」
(*´ー`)「最後のは若かりし頃のサワチカ、君のカーチャンだーよ」
(;'A`)(名前がサワチカでカーチャンか…新発見だ………)
(;'A`)「で、kwsk教えてくれよ。何かこう、成り立ちみたいなの」
(*´ー`)「しょうがないーよ、kwsk教えてやるーよ」
(;'A`)(頬染めてるのが何かむかつく…)
――――――――――――――――――――
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:55:34.54 ID:9PPSitYx0
支援
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:57:17.35 ID:ieUbQJ4mO
[二十年前]
[オラクルベリー]
[カジノ]
(,,゚Д゚)「………ちっ、またすっちまった」
その時のギコはサラボナを家出して、オラクルベリーに来てたんだーよ。
そしてカジノに入り浸っていて、良くいうニートとして暮らしていたんだーよ。
そして、ある日のカジノの話しだーよ。
奇しくもその場には、
(*゚ー゚)「……おおきづちはやっぱ可愛いな♪」
魔物好きのしぃちゃんと、
*(‘‘)*「へー、ここが有名なカジノなのですか!気に入ったのです!!」
(;´ー`)「手持ちが少ないから、遊び過ぎは駄目だーよ」
僕ら二人がいたんだーよ。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:58:10.11 ID:ieUbQJ4mO
僕らには一切の接点が無かったんだーよ。
でも、ここで起きるある出来事がきっかけで僕らは繋がることになるんだーよ。
[スロット前]
*(#‘‘)*「ちくしょー、全然出ないですね!!」
(;´ー`)「あわわ、宿賃しか残ってないーよ…」
『『『『きゃーーーー!!!!11』』』』
「大変だー!!!」
(;´ー`)「なんだーよ!?」
「闘技場の魔物が言うことを聞かなくなって、暴れだして!!!」
「落ち着いて下さい!!!落ち着いて下さい!!!!」
「女の子が危ない!!!」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:59:06.55 ID:ieUbQJ4mO
*(‘‘)*「シラネーヨ、行きますよ!」
(;´ー`)「あわわわ、待つーよ!!」
「出口はこちらです!!!慌てないで避難を!!!」
(,,゚Д゚)「…………ちっ」
[闘技場前]
(*゚ー゚)「あは♪可愛いね〜」
[パオームが現れた]
[メタルドラゴンが現れた]
[ひくいどりが現れた]
「君、そこをどくんだ!!あああ危ないぞ!!」
(*゚ー゚)「大丈夫だよ」
(*゚ー゚)「だって…」
[ひくいどりは燃え盛る火炎を吐き出した]
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 20:59:30.39 ID:9PPSitYx0
支援
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:00:46.70 ID:ieUbQJ4mO
(*゚ー゚)「負ける気はしないから♪」
[しぃはヒャダルコを唱えた]
[しぃの目の前に氷の壁が立ち塞がる]
「ギャァオ!!」
[ミス、燃え盛る火炎はしぃに当たらない]
「それなら、俺はしし知らないぞっ!!」
[従業員は逃げ出した]
(*゚ー゚)「……いっくよー」
[しぃは杖を振りかざした]
[杖からほとばしった閃光がメタルドラゴンに襲い掛かる]
「ググ…ギギギ」
(*゚ー゚)「熱してから…」
[ダメージは受けていないようだ]
[しぃはヒャダルコを唱えた]
(*゚ー゚)「冷ます♪」
[氷柱がメタルドラゴンに襲い掛かる]
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:02:05.02 ID:ieUbQJ4mO
「グギギ…!」
[メタルドラゴンの胴体に穴が開いた]
(*゚ー゚)「そして……」
[しぃはメタルドラゴンに飛び掛かり、杖の先を中に押し込んだ]
(*゚ー゚)「爆発♪」
[しぃはイオラを唱えた]
「グ……ゲガ…ゴ…………」
[メタルドラゴンに137のダメージ]
[メタルドラゴンは尾を振り回し攻撃してきた]
(*;゚ー゚)「…あれ?」
[しぃは身を防いだ]
(*; ー )「う…っ」
[しぃに28のダメージ]
[しぃは壁に叩き付けられた]
[パオームは突進を繰り出した]
[ひくいどりは燃え盛る火炎を吐き出した]
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:02:47.12 ID:p05yeX0dO
支援
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:03:29.34 ID:ieUbQJ4mO
*(‘‘)*「助太刀するです!」
[カーチャンはパオームへ魔神の如く切りかかった]
「プアァァ!!!!」
[パオームに79のダメージ]
(;´ー`)「わわわ…強そうな魔物ばかりだーよ」
[シラネーヨはバギを唱えた]
[燃え盛る火炎はまだ消えない]
(,,゚Д゚)「………ちっ」
[ギコは燃え盛る火炎へ疾風の如く切りかかった]
[巻き起こる風が炎の軌道を逸らす]
[炎は掻き消えた]
――――――――――――――――――――
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:05:27.28 ID:ieUbQJ4mO
(*´ー`)「そうして、俺らは勝ったんだーよ」
('A`)「あ、はしょるんだ?そうやってはしょるんだ?」
(*´ー`)「それで、その後宿屋で話しをして、僕らはパーティーを組むことにしたんだーよ」
('A`)「組むって言ったって、具体的には何をしてたんだ?」
( ´ー`)「半分は傭兵、半分は情報屋をやってたーよ」
( ´ー`)「その生活も結局はギコとしぃの結婚と、俺の引退で終わったんだーよ」
('A`)「話し聞いてたらさ、シラネーヨさんとカーチャンってかなり仲良しじゃん?なんで結婚しなかったの?」
( ´ー`)「それは簡単な理由だーよ」
( ´ー`)「そう、あれは二人の結婚が決まった日だーよ」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:06:33.22 ID:ieUbQJ4mO
――――――――――――――――――――
*(‘‘)*「ギコ、しぃのこと幸せにするのです!」
(*,,゚Д゚)「お、おうよ…」
(*゚ー゚)「あれれ、何照れてるの?」
(;,,゚Д゚)「ちっ、ちげーよ!!」
(*゚ー゚)「ふふっ…可愛い♪」
( ´ー`)「…カーチャン」
*(‘‘)*「なんですか、シラネーヨ?」
(*´ー`)「俺達も………」
(*´ー`)「俺達も結k」
*(‘‘)*「お前とは、生理的に無理なのです!!」
――――――――――――――――――――
( ´ー`)「幼馴染みは幼馴染みなのです!とふられたんだーよ」
('A`)(カーチャンひでぇ……)
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:08:01.41 ID:ieUbQJ4mO
( ´ー`)「そろそろ余興は終わりだーよ」
妻'ー')「はい、お茶」
( ´ー`)「ありがとうだーよ」
(;'A`)「すいません、本当に…」
( ´ー`)「そうそう、十年前の記録の話しだったーよ」
( ´ー`)「それには僕らも知らない指輪の記述が出てくるんだーよ」
('A`)「指輪?三つのなんたらってやつか?」
( ´ー`)「そう、確かにその時までは三つだったはずなんだーよ」
( ´ー`)「炎のリング、水のリング、命のリング…」
( ´ー`)「そして、この書物に出てくる四つ目、これがかなり妖しいーよ」
( ´ー`)「その時の勇者が持ち歩いていたリングだーよ……」
――――――――――――――――――――
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:10:03.22 ID:ieUbQJ4mO
[ジャハンナ]
王位返還から、何ヵ月が経ったのだろうか。
あれから僕達は魔界に有る村、ジャハンナへと赴いた。
かつての客人が村人となることに皆は多少の戸惑いが有ったらしいが、僕らはそれに構うこと無く村の一員として暮らしていくことにした。
慣れると言うのは恐ろしいもので、気付けばお互いに分け隔て無く接することが出来るようになっていた。
そして、僕が自分達を守る意味を込めて魔界を塞ぐ方法を探していた時のことだ。
(メメ -)「よぉ旦那、何してるんですかい?」
[スライムが現れた]
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:11:08.92 ID:ieUbQJ4mO
(´・ω・`)「いや、何をしてるわけじゃないんだけど…」
(´・ω・`)「こっち側から魔界を塞ぐにはどうするかなってね」
(メメ -)「また難しいことを考えてるんすねぇ…」
(´・ω・`)「指輪を使っても開かないようにするにはどうするのが一番かな…とか」
(´・ω・`)「人柱を立てず、本当にこちら側から三つの指輪の魔力を消し去りたいんだ」
(メメ -)「指輪……ですかい?」
(メメ -)「そうっすねぇ…あっしは難しいことは分からないんですが」
(メメ -)「前にミルドラース様が黒い指輪を作ってたような………」
(´・ω・`)「……ミルドラース」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:12:19.05 ID:ieUbQJ4mO
(´・ω・`)「リング…………」
(´・ω・`)「!?」
そう、僕はこの話で気付いてしまった。
前々からおかしいと思っていたこと。
三つで対を成す指輪…その違和感に。
炎は水を蒸発させる。
水は炎を鎮火させる。
では、命とは?
命を打ち消すのは死。
光を打ち消すのは闇。
そう、単純なことだった。
きっとミルドラースも同じことを考えていたのだろう。
用途は違うにしても、得られる物は有ると思った。
僕は今は亡きミルドラースの下へ単身向かい、そしてそれを探し当てた。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:14:03.14 ID:ieUbQJ4mO
その際に新たな発見もした。
隠し通路の先で研究に不可欠な書物や資料を見つけられたのだ。
その膨大な資料を前に僕は歓喜した。
気付けば、毎日そこへ足を運ぶようになった。
指輪の作成、ただそれだけの為に。
(´ ω `)「………………………………」
そこで僕は気付けば良かったのだ。
僕自身が狂い始めていることに。
――――――――――――――――――――
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:14:38.82 ID:9PPSitYx0
支援
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:15:44.54 ID:ieUbQJ4mO
―こうして、偉大なる王は狂った研究者へと成り果ててしまった……
「何か…物悲しいお………」
―そして、ここからが君にとって重要な話しに繋がるんだ
―なぜ、魔王が現れるのか………
―魔王とは一体何なのか…
――――――――――――――――――――
僕は日夜、研究に明け暮れていた。
家族のことなど、何も構わずただただ研究に没頭していた。
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:16:36.93 ID:ieUbQJ4mO
その代償なのか、僕は研究の副産物として様々な結果を出すことに成功した。
物が人を使役する技術。
物に意識を移す技術。
この貴重な結果を僕は指輪に注ぎ込みたいと思っていた。
それは全て指輪の為だった。
気付けば年月は途方もなく過ぎており、息子達も十五の歳になる頃だった。
その頃には、家族、村人共に誰をも寄せ付けなくなり、僕は一人エビルマウンテンの書庫へと籠るようになった。
そして遂に研究は成果を挙げる。
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:16:39.72 ID:9PPSitYx0
支援
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:18:30.39 ID:ieUbQJ4mO
(´ ω `)「完成だ………」
死のリングは完成したのだ。
僕は当初の目的から大きく外れている指輪になっていることに気付いていなかった。
自分の開発した技術の結晶。
その甘い言葉の響きが僕を酔わせ、快楽へと陥れた。
そして、その指輪をはめた次の瞬間に僕は眠りへと付くことになった。
その後僕が気付いた時に、僕は一生忘れることが出来ない光景を目の当たりにした。
(´ ω `)「……………ッ!!ビアンカ!?」
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:19:55.02 ID:9PPSitYx0
支援
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:20:20.58 ID:ieUbQJ4mO
僕はエビルマウンテンの奥、かつてのミルドラースが居た場所で僕の家族と対峙していた。
いや、していたのだろう。
( ー ξ「……………」
(;´ ω `)「テン!!ソラ!?」
僕の目の前に広がっていたのは、
(´;ω;`)「嘘だ、嘘だぁぁぁぁ!!!!!!11」
亡骸と化した自分の家族だった。
――――――――――――――――――――
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:21:29.11 ID:9PPSitYx0
支援
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:22:34.24 ID:ieUbQJ4mO
―偉大なる王はこの後、誰にも看取られることなくこの世を去った……それが話しの結末だよ
「そんな…」
―これが、輪廻する魔王の始まり
―この頃から魔王が滅びた後、また新たに魔王が現れるようになったんだ
「こいつのせいなのかお!?こいつのせいで世界が…」
―そう、偉大なる王は歴史の裏では決して偉大では無かった
―彼の作った指輪は人を操り、そして魔へと陥れる
―しかし…………君のお兄さんは違った
「ニーチャンのこと、知ってるのかお?」
―君の精神に入り込む時に少し記憶を見させてもらったよ
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:23:09.67 ID:9PPSitYx0
支援
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:24:12.67 ID:ieUbQJ4mO
―そう……君のお兄さん、モララーは旅立って直ぐにこの指輪を見付けている
「死のリング……をかお?」
―そう、持ち歩いているのになぜか――――が――ない――
「お?」
―ご――――――が無――――だ。君―――――――返――
「な、待ってくれお!!まだ聞いてないことが有るんだお!?」
―時―――――――――らず――――来―――――
「ま、待っ…………ッ!!」
[ブーンは意識を失った]
――――――――――――――――――――
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:24:55.32 ID:9PPSitYx0
支援
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:26:16.21 ID:ieUbQJ4mO
[レヌール城門外]
[何かが傷口に薬草を塗り付けている]
( ―ω―)「んん…………?」
*「よう」
( ^ω―)「………夢かお?」
*「目覚めたようで、何よりだ」
( ^ω^)「お?」
[スライムが現れた]
( ^ω^)「君は…モンじいさんの?」
(- -)「そうだけど…そんなことより」
(- -)「君の仲間はアルカパに帰ったみたいだよ」
(; ^ω^)「お…マジかお?」
(- -)「マジマジ」
( ^ω^)「それはありがとうだお。直ぐに向かうことにするお」
(- -)「ま、困った時はお互い様ってね」
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:28:25.01 ID:9PPSitYx0
支援
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:28:26.84 ID:ieUbQJ4mO
(- -)「じゃあ」
[スライムは逃げ出した]
( ^ω^)「本当にありがとうだおー!」
(; ^ω^)「いつつ、酷く足腰が痛むお…」
(; ^ω^)「あれから何時間が経ったのかお?いつの間にかお昼っぽいお…」
( ^ω^)「とにかく、日が暮れるまでにアルカパに向かうお」
僕が心の中で聞いた声は一体何だったんだろうか。
そして僕はいつ外に出たのかと不思議に考えながらも、ドクオの待つアルカパへと向かうことにした。
[続く]
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:29:29.55 ID:6Rv2nFGSO
乙
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/02(日) 21:30:37.49 ID:ieUbQJ4mO
投下終わりました
質問、罵倒いろいろ受け付けます
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
乙