1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 20:19:57.08 ID:lB0ogvLHO
【6th:索】
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 20:23:30.81 ID:lB0ogvLHO
ザザ西部にある鉱山、そこはザザの発展の象徴。
そして、同時にそこは捕らえられた罪人を閉じ込める監獄でもある。
鉱山で採掘作業をする者達を横目に、ハインが無愛想な男に奥の建物へと案内されていた。
「しかし、何故お前のような輩がこんな所へ……」
从 ゚∀从「詮索するのが仕事かクソ看守」
「口の悪い女だ……」
从 ゚∀从「黙って案内しろよバカ」
「ッ〜〜!!?」
看守の男のこめかみの血管がピクピクと僅かに痙攣する。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 20:25:16.58 ID:lB0ogvLHO
从 ゚∀从「何か言いたげだな? それとも何か?
罪人じゃない奴を腰に下げたそのぶっとい棒切れでお仕置きすんのか?」
「……」
看守は黙り込み、そのまま歩を進めた。
从 ゚∀从「お前、相当溜まってんだろ。娼婦宿にでも行けよ」
「うるさい……」
暫く進んでいくと、扉の前で立ち止まった。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 20:28:41.75 ID:lB0ogvLHO
从 ゚∀从「着いたか?」
「いや、まだ先だ」
从 ゚∀从「あとどれくらいだよ」
「この扉を過ぎたら四つの区画に別れる
ヤツが居るのは三つ目だからもう直ぐだ」
从 ゚∀从「めんどくせぇな……一カ所にまとめとけ」
「無茶を言うな」
―――
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 20:30:37.80 ID:tPzGvt0L0
久しぶりだな、支援
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 20:31:16.20 ID:lB0ogvLHO
所変わってザザ南区の保安官支所。
ブーンとドクオが手配書の束を漁っている。
('A`)「ワイルド・ジョージ、1200$」
( ^ω^)「パス。ピッグマン、900$」
('A`)「パス」
( ^ω^)「トーマス・ベン、1500$」
('A`)「保留。ジャック・キーン、1800$」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 20:34:04.17 ID:lB0ogvLHO
( ^ω^)「パス。ピザ・クリストファ、2000$」
('A`)「パス。マッド・バズ、1800$」
( ^ω^)「保留。ハント……」
「お前等、まだ居たのか」
不意に保安官が二人に声をかけた。
('A`)「これも賞金稼ぎの仕事のひとつだっての。
マイケル・リー、1400$」
( ^ω^)「保留。そゆことだから僕らはほっといてくださいお」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 20:37:28.71 ID:lB0ogvLHO
('A`)「そっちは良いよな。事務所務めの保安官は資料見て判押すだけだもんな」
( ^ω^)「保安官が腰に下げてる拳銃は奥さん専用だお」
「うるせぇな……。お前は俺の銃の腕知ってるだろ?」
('A`)「夜の方の?」
( ^ω^)「保安官の奥さんが煎れるコーヒーよりはウマいのは確かだお」
「嫁に伝えとくよ……」
保安官は頭を抱えながら事務所の奥へ戻っていった。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 20:40:54.54 ID:lB0ogvLHO
('A`)「そろそろ、保留の中から二人くらい抜き出して決めちゃう?」
( ^ω^)「じゃ、とりあえずチェック付けてない手配書片付けてからにするお」
('A`)「おk」
ブーンはチェックを付けたリストをポケットにねじ込み、手配書の束を抱えて事務所の隅にある棚へ向かう。
ドクオもブーンの後に続く。
( ^ω^)「Cランクはここ……、と」
('A`)「Dってどこだっけ?」
( ^ω^)「わかんなかったら適当で」
('A`)「おk」
二人は棚に資料をしまっていく。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 20:44:16.21 ID:lB0ogvLHO
「まてまて、一応整理してんだから適当にしまうな」
保安官が駆け寄ってきてブーン達の手から手配書の束を取りあげた。
そして、サクサクと定位置に納めていく。
流石、事務職には慣れているだけはある。
( ^ω^)「出来る男ミスター・ジム」
('A`)「保安官ジム流石だな」
( ゚凸゚)「確かにジムって名だが、なんかムカつく……」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 20:45:25.96 ID:lB0ogvLHO
('A`)「良かったじゃん、AA付いたぜ保安官!!」
( ^ω^)「プー、クスクス」
( ゚凸゚)「泣いても良いかな?」
('A`)「どっちから?」
( ゚凸゚)「目からに決まってんだろ……」
保安官ジムはその夜、枕を濡らしたのはまた別の話。
―――
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 20:50:45.65 ID:lB0ogvLHO
舞台は再び監獄へ。
一つ目の扉を抜け、ハインと看守は建物内へと進む。
从 ゚∀从「まず一つ」
「第一区画は俺みたいな看守の宿舎兼、休憩所だ」
从 ゚∀从「お前みたいなのばっかか……」
「……許可証の確認は事前済ませてあるからここには用は無いな。
さっさと抜けようか」
ハインの前を行く看守が歩を早める。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 20:52:15.15 ID:lB0ogvLHO
从 ゚∀从「つまんねぇな」
「ここは監獄だぞ。つまんなくて当前だ」
从 ゚∀从「なら、お前おもしろい事言えよ」
「……」
それから五分程進むと二つ目の扉に着いた。
看守が扉の傍らに立つ別の看守と何か短く会話をする。
内容は聞き取れない。
「行こう」
二人は扉抜けて第三区画へ足を踏み入れる。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 20:57:23.58 ID:lB0ogvLHO
从 ゚∀从「ここに居んのか?」
「もう一つ向こうだな」
通路を更に奥へと進む。
幾つもの部屋があるが、自分と看守の足音意外には何も聞こえない。
だが、どの部屋からも人の気配を感じられる。
从 ゚∀从「何人ぐらい囚人いんだ?」
「200以上は居るな」
从 ゚∀从「あっそ」
「……ここだ」
看守が突き当たりの赤い扉の前で立ち止まった。
取っ手を回して扉を開き、足を踏み入れた。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 21:01:45.66 ID:lB0ogvLHO
从 ゚∀从「ここか……。何か他の場所と雰囲気が違うな」
かなり広い空間、さっきまでの場所とは違って部屋全体が明るい。
そこには大量の資料、書籍が詰め込まれた本棚が立ち並んでいる。
そして、何人かの囚人が自由に歩き周りそれら資料に目を通している。
从 ゚∀从「話に聞いてたが、ここまで監獄らしくねぇとは……」
「じゃ、時間になったら呼んでくれ。俺はここで待ってるから」
看守は隅にある椅子に腰掛けながら言った。
从 ゚∀从「おう」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 21:01:46.26 ID:8g3PcvPKO
支援
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 21:06:08.58 ID:lB0ogvLHO
ハインはその部屋の中を見渡し、奥へ向かい歩きだした。
从 ゚∀从「さて……、どこに居やがるかね」
本棚や机の間を縫うように歩き回る。
途中、何人かの囚人とすれ違ったが、こちら視線すら向けない。
从 ゚∀从「……」
監獄というより図書館といった雰囲気。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 21:06:50.50 ID:lB0ogvLHO
从 ゚∀从「お」
見つけた。
視線の先、一人の囚人が椅子に腰掛けて本を読みふけっている。
从 ゚∀从「よぉ、片割れ」
歩み寄り声をかける。
(´<_` )「なんだアンタか……」
囚人となったオトジャがそこに居た。
―――
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 21:12:09.15 ID:lB0ogvLHO
( ^ω^)「また暇になったお」
('A`)「んだぁね」
保安官支所をあとにした二人はブラブラと街道を歩く。
('A`)「そういやさ」
( ^ω^)「?」
('A`)「あれから進展は?」
( ^ω^)「進……展……?」
('A`)「……」
( ^ω^)「何のことやら」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 21:14:04.97 ID:lB0ogvLHO
('A`)「……ペニサスさんの所行った後のアレだよ」
( ^ω^)「あぁ……アレね」
('A`)「どうだったの?」
( ^ω^)「別に何も」
('A`)「やっぱ人違いだったって事かな……?」
ブーンは何も答えずにさっさと歩き出す。
('A`)「むぅ……」
ドクオは口をへの字にしながらその背中を追う。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 21:15:25.95 ID:lB0ogvLHO
ふと、空を見上げた。
雲行きが怪しい。
( ^ω^)「雨、降りそうだお……」
('A`)「……」
暫くすると雨がポツポツと降り始めた。
―――
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 21:20:14.80 ID:lB0ogvLHO
(´<_` )「……って事だ」
从 ゚∀从「それで終わり……か?」
(´<_` )「もう逆さにして振っても何も出ないぞ?」
从 ゚∀从「つまり、お前等兄弟は……」
ハインが何か言いかけると同時にドタバタと騒がしい足音が聞こえてきた。
(´<_` )「ん? 誰かこっち来るぞ」
?「姐さ〜ん!!」
そう叫びながら一人の青年がこちらへ駆け寄ってきた。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 21:25:20.33 ID:lB0ogvLHO
从 ゚∀从「ロイか、お前はザザで留守番だって……」
( ゚Å゚)「奴の! 荒野の狼の居場所がわかったんですよ!!」
ロイと呼ばれた青年はハインが言い切る前に大声で言い放った。
(´<_` )「荒野の狼か……、こりゃ先が見えなくなったなハインリッヒよぉ」
从 ゚∀从「囚人は黙ってろ」
(´<_` )「……」
オトジャは頭を掻き、フッと溜め息を吐いた。
从 ゚∀从「行くぞロイ。ここでの用も済んだからな」
( ゚Å゚)「へい」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 21:27:47.85 ID:lB0ogvLHO
監獄の外へ出てハインの足が止まる。
从 ゚∀从「で、荒野の狼は何処に居るって?」
( ゚Å゚)「ワッフル村です」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 21:28:43.47 ID:lB0ogvLHO
【7th:索】 fin
乙
乙
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 21:49:44.25 ID:TGGLWZxEO
乙!
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 21:56:30.67 ID:8g3PcvPKO
おつ!
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 22:00:30.71 ID:lB0ogvLHO
【小道具とか用語とか】
_
( ゚∀゚) 作者曰わくネタが無い
どうもジョルジュです
_
( ゚∀゚) 今回は第乳部、もとい第一部の6thでツンが持ってた小型の拳銃についてだ
デリンジャーってのは小型の拳銃の愛称
大きさは手のひらサイズでポケットにおさまる
人差し指で銃身を支えて中指で引き金を引く
こいつの引き金は小さいくせに力がいるんだ
つまりツンは非力じゃないという……
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 22:02:03.28 ID:lB0ogvLHO
ちなみにリンカーン暗殺に使われた拳銃がこの小型の拳銃だった
んで制作者の名前がヘンリー・デリンジャーって名前だったから小型拳銃をデリンジャーって呼ぶようになったのさ
_
( ゚∀゚) もっと詳しく知りたい? ならウィキ行けば画像もついてて良いぞ
_
( ゚∀゚) うん、ここは今書いたんだけどね
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/01(土) 22:14:54.06 ID:eOR+qg0VO
空気乙
もちろん読んでないよ
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
一回の投下でこの三倍くらい欲しいなァ