( ´ω`)枯れて('A`)苦悩し虹を探して生き抜くようです
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
代理
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 20:57:09.46 ID:t/LjLsSR0
代理d。
初めてなので、お手柔らかにお願いします。
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 20:57:24.42 ID:XiYAyUvTO
ほし
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 20:59:17.00 ID:XFj4J7sHO
どれどれ
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:00:46.48 ID:BWv3UYnZ0
なるほど初めてかしえん
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:01:05.32 ID:1zeM6xiAO
ふむう…どれ
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:01:27.19 ID:t/LjLsSR0
-1- Syakin
ここから出られないのは何故だろう。
扉は目の前にあるというのに。
( ´ω`)「……鍵がかかってるからだお」
分かりきったことを口にすれば虚しくなるに決まってる。
('A`)「……どうしたらいいんですかね」
( ´ω`)「そんなの知らないお。どうせ、もう助からないお」
(;'A`)「ちょっと待ってください、もう諦めちゃうんですか! 俺は嫌ですよこんなところで終わりなんて!」
小柄な男が僕に向かって叫ぶ。
そんなに助かりたければ出来ることをすればいいのに。例えば。
目の前の鉄製の分厚い扉。大きな扉の割りに小さな南京錠。それを血を流し骨が砕けるまで殴り続けるとか。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:01:43.28 ID:gMtLscgOO
支援
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:02:32.36 ID:cdOghqqVO
何を言ってるんだお前は
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:03:11.56 ID:OB98mWpi0
はじ・・・めて・・・?
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:03:19.11 ID:t/LjLsSR0
( ´ω`)「いいから黙っとけお。殺すお」
僕はポケットから小さなナイフを取り出すと、それを彼に突きつける。
たったそれだけで、彼はおとなしくなった。
(;'A`)「……横暴だ」
部屋は広く、配置から配色まで整った家具。王室のような風景に全く似合わない大きな扉。
彼、ドクオは気がつけばここに居たのだという。
既に、彼と合流して一時間が経過していた。
( ´ω`)「ツンに会いたいお」
('A`)「こんなときに女ですか。お気楽ですね」
( ´ω`)「……ツンに会いたいお」
分かりきったことを口にすれば虚しくなるに決まってる。それでも、今なら手が届きそうな気がした。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:04:06.05 ID:t/LjLsSR0
(#'A`)「アンタはさっきから……!」
彼がその続きを口にしようとしたところで、そんな声も吹き飛ぶほどの轟音が部屋に響く。
思わず反射的に声を上げ、その源に振り向こうと立ち上がる。
(`・ω・´)「どうもこんにちは。シャキンと申します。よろしく」
豪快に、そして唐突に。
そいつは姿を現すと淡々と自己の紹介を始める。さも当たり前のように、もう一度鍵を閉めて。
そう、奴はこの扉から。
決して開くことのなかったこの扉から現れたのだ。
( ^ω^)「……何者だお」
(`・ω・´)「ですから、シャキンです。今後ともどうぞ宜しく」
そうか、なるほど。
話が噛み合わないのは仕様だろう。一方ドクオはと言えばソファに座ったまま動けないでいる。
脱力、というのが正解か。
こうも簡単に開けられてしまっては今までの努力は水の泡以下、既に気体となって消えてしまっている。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:04:57.94 ID:cbe/vdGQ0
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:04:58.57 ID:t/LjLsSR0
そしてまた、コイツは扉を閉めてしまったのだ。
起き上がれないのも無理は無いのかもしれない。
( ^ω^)「そんなことを聞いてるんじゃないお。どうやってここの扉を開けたんだお?」
(`・ω・´)「難しい質問だ。確かに僕はこの扉を開け、この部屋に入ることが出来たいやしかし」
シャキンという男は間髪入れずに話を続ける。
(`・ω・´)「開けたのは私ではないのです」
その言葉にドクオが勢いよく立ち上がる。
そしてシャキンに向かい声を張り上げながら問い詰め始めた。
(;'A`)「ここは何処で、お前は誰なんだ! ついでにコイツも!」
そう言って僕を指差す。
(;'A`)「何故入れた! 何故閉めた! 扉の向こうにいるのは誰だ!」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:05:14.94 ID:BWv3UYnZ0
4円
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:06:00.59 ID:t/LjLsSR0
彼の意見は御もっとも。
しかし分かってない。何にも分かってない。ダメダメだ。
(`・ω・´)「一つひとつお答えします」
(`・ω・´)「私の名前はシャキン。宜しくお願いします。次にこの方ですが、ご存じの通り、内藤ホライゾン様でございます」
内藤、とは僕のことだ。
(`・ω・´)「何故入れた、に関しては先ほど存じたように開けていただいたからです。何故閉めたか。そこに扉があるからです」
彼は満面の笑みでそう答えた。
しかしそれは機械的で、その言葉に表情のような温かみはなかった。
ほうら見ろ、使用人が機嫌を悪くした。
(#'A`)「テメェ、いい加減に……」
( ^ω^)「ドクオ、悪いけどちょっといいかお?」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:06:28.85 ID:Oei+npms0
パクリ死ね
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:06:45.09 ID:sRRM+Q4J0
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:07:33.79 ID:t/LjLsSR0
僕はそう言って彼との間に入り、ドクオの肩を掴む。
ポケットに突っ込んでいたものを再び取り出す。
(#'A`)「なんだよ!」
( ^ω^)「お前、本当に黙れお」
一瞬にしてドクオの顔が青ざめていく。
(`・ω・´)「あはは、冗談にしては笑えないですね」
( ^ω^)「そうかお。どうやら僕と貴方では笑いの沸点が違うらしいお」
小さなナイフをケースにしまい、ポケットの中にもう一度押し込む。
問題は無い。ドクオを静かにさせることが出来たのだから。
( ^ω^)「一つ聞いてもいいかお?」
(`・ω・´)「お好きにどうぞ。答えるかどうかは内容次第ですが」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:08:58.23 ID:t/LjLsSR0
いちいち癇に障る言い方に、一瞬、間が空いてしまう。
しかし何とか堪えることが出来た。
( ^ω^)「……感謝するお」
僕は一息入れ再度シャキンを見据える。
そんな僕に対しシャキンは表情一つ変えずに突っ立っているだけだった。
( ^ω^)「虹が何処にあるか、教えてもらいたいお」
たった一言。僕の一言でその場が沈黙する。
冷たい空気に嫌な視線。密室であるはずのこの部屋のあちこちから、見つめられているような気さえする。
いや、部屋の中じゃない。
外だ。
その瞬間、僕目掛けて何かが飛んでくる。何かが。何かが。
そう意識した時には遅かった。
僕の左腕には小さなナイフが刺さっており、痛みを感じない、なんてことは無く。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:09:44.54 ID:t/LjLsSR0
(; ω )「ア゛アァァァァァ!!!」
血が、血が流れている。
(;'A`)「ヒィッ!?」
(`・ω・´)「…………」
悲鳴を上げるだけのドクオとは違い、即座に警戒の姿勢を見せ付けるシャキン。
僕は急いで左腕からナイフを引き抜き投げ捨てる。
(`・ω・´)「止血を。それと、早くここから離れた方がいいみたいですね」
(; ω )「助かるお……」
淡々と事を進めようとするシャキンにドクオが噛み付く。
(#'A`)「何言ってんだ! 何処に離れるってんだよ! ここからは出られねぇ!」
ドクオが喚き散らす。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:10:17.25 ID:t/LjLsSR0
(#'A`)「アンタも何を下手に出てるんだ! おかしいだろ、理不尽だろ!」
(`・ω・´)「……肩を貸します。ついて来てください」
ドクオの言葉など耳に入らないのか、気にする素振りすら見せずに肩を組むと
鍵の掛かった大きな扉の前に向かっていった。
何事もなかったかのように部屋に入っては鍵を閉めた彼のことだから
また同じように、いとも簡単に開けてしまうのだろう。
そう思っていた。
(`・ω・´)「内藤様をお願いします」
('A`)「……え?」
衝撃が走る。
凄まじい轟音が耳の奥に嫌と言うほど突き刺さる。耳を塞ぎたいがそれ以上に腕が痛んだ。
シャキンが、扉を押している。
両手を伸ばし、歯を食いしばり、その表情は先ほどまでとは比べ物にならないほど歪んでいた。
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:11:25.58 ID:t/LjLsSR0
(;'A`)「へ? ええ?」
しかし扉はピクリとも動かない。
開く気配の無い扉を見ると、シャキンは諦めたかのように力を抜き
こちらに振り向く。
(`・ω・´)「えっと、ダメでした」
(;'A`)「…………」
ダメだったそうだ。残念。
(`・ω・´)「何か方法を考えないと……」
そんなシャキンの態度に痺れを切らしたのか、ドクオがまたも吼えた。
(#'A`)「……何で入ってきて、出られねぇんだよ!」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:12:07.63 ID:t/LjLsSR0
(`・ω・´)「……そうは言われましても」
シャキンの胸倉を掴み詰め寄るドクオ。
一方、僕はと言えばドクオにその場に座らされた後、自分の持っていたタオルで止血していた。
てっきり、止血してくれるものだと思っていたのだが、そうでもないらしい。
(`・ω・´)「とにかく、今はここから出ることが出来ません。それは紛れもない事実」
(`・ω・´)「ですので脱出は諦め、その上で手段を考えましょう」
尚も淡々とことを進めようとするシャキンに、ドクオが噛み付く。
無知が如何に罪か。
ドクオを見て、僕はそんなことを考えていた。
(`・ω・´)「どうしますか?」
(#'A`)「……アンタなぁ」
気付けドクオ。
お前、殺される。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:12:50.79 ID:t/LjLsSR0
(;^ω^)「どっちでもいいお、ちょっと手伝ってくれお」
僕は破り引き裂いたシャツの肩から下を、差し出す。
部分的に血が付着してはいるものの、出血しているほうと比べれば、比較的乾いている。
止血には充分だろう。
(;^ω^)「傷口に巻いて貰えるかお。片手じゃ出来ないんだお」
ドクオには感謝してもらいたい。
しかし、それをシャキンの前で言うことは出来なかった。
(`・ω・´)「でしたら私が……」
そう言うとシャキンは慣れた手つきで僕の腕に布の切れ端を巻きつけていく。
('A`)「……何にしたって、このままここから出られないんじゃどうしようもない」
ドクオはそう言ってまた、部屋の真ん中にあるソファに深く座り込んでしまった。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:12:56.68 ID:B/LCT+bv0
また1から投下し直しなん?
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:13:45.88 ID:t/LjLsSR0
彼の言い分もよく分かる。
しかし、どうしようもない。今彼が駄々をこねたところで何一つ変わりはしない。
( ^ω^)「ありがとお」
シャキンの一つ礼を言うと、僕は立ち上がりドクオのほうへと向かっていく。
( ^ω^)「ドクオ」
僕は出来る限りの小声でドクオに話しかける。
それに気付いたドクオも、僕が確認出来る程度の反応で頷く。
( ^ω^)「これが最後だお。お前は“黙っておけ”お」
そう言って僕はドクオから離れ、またシャキンの元へと向かっていく。
ドクオは訳の分からないような顔をしていたが、今はそれでもいい。
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:13:54.05 ID:C1NXfQps0
支援
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:14:32.34 ID:t/LjLsSR0
(`・ω・´)「どうしますか?」
( ^ω^)「どうするも何も、まずはここから出るしかないお」
(`・ω・´)「そうですか」
シャキンは立ち上がり、一度ドクオを見据えると壁に向かって歩き始めた。
そこには何も無い。
そのはずだったのに。
(`・ω・´)「では行きましょう」
そこには一つの扉があった。
おかしい。絶対におかしい。今まで気付かなかったとでも言わせるつもりなのか。
(`・ω・´)「さぁ」
両手を広げ、微笑。
そしてシャキンは僕たちに向かってこう言った。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:15:06.84 ID:C1NXfQps0
支援
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:15:06.77 ID:t/LjLsSR0
(`・ω・´)「己の渇きを潤すために、己の過去を断ち切るために」
(`・ω・´)「欲のままに動き、考え、陥れよ」
(`・ω・´)「それは夢であり、虹である」
「当方、虹の城」
「思う存分、虹を堪能して頂きたい」
僕は、僕の意志のままに、扉の向こうへと足を踏み入れた。
それが全て決められていたことであったとしても。
僕は。僕の意志で。
少なくとも、今だけは。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:16:03.27 ID:C1NXfQps0
支援
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:16:41.23 ID:C1NXfQps0
支援
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:17:43.36 ID:BWv3UYnZ0
支援
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:17:46.10 ID:t/LjLsSR0
とりあえず、一話終わりです。新人です。
>>13 話が結構似てますね。
>>26 8.9.10.11.12.1.2月とおよそ半年振りになってしまいますので。いいえ、新人です。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:18:15.64 ID:t/LjLsSR0
-2- Hein
先ほどまで無かったはずの扉を抜け、僕は思わず言葉を失う。
僕の少し後ろをドクオがついてくるが、やはり同じような反応だ。
景色が変わらない。
全く同じ部屋なのだ。
( ^ω^)「これは……どういうことだお?」
(`・ω・´)「どういうこと、と申されましても。ここが第二の部屋です」
( ^ω^)「第二?」
咄嗟に彼の言葉に耳を傾ける。
つまり、そういうことなのだろう。第二。部屋は複数存在する。
(`・ω・´)「はい。……とは言っても、第三、第四と部屋が続く訳では無いんですけどね」
( ^ω^)「あ、そうなのかお」
はは、とシャキンが苦笑する。
僕の心中で思い切り予想が外れたことも、どうせ見透かされているのだろう。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:19:02.06 ID:t/LjLsSR0
('A`)「それで、この部屋に移動した意味は?」
もうお前はどうにでもなれ。
(`・ω・´)「安心してください。正規のルートで、ゴールに向かってますよ」
( ^ω^)「つまり、虹には近づいてるのかお?」
(`・ω・´)「その通りです」
途端にドクオが噛み付くようにして口を挟む。
('A`)「さっきも聞いたけどその虹ってのは何なんだ?」
シャキンが僕に視線を向ける。
それに気付き僕もシャキンに視線を合わせるが、何を悟ったのかシャキンが一つ溜め息をつく。
(`・ω・´)「……ドクオ様は何も知らないのですか」
( ^ω^)「そうらしいお。気付いたら部屋にいたと言っていたお」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:19:02.68 ID:C1NXfQps0
支援
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:19:38.77 ID:t/LjLsSR0
僕の一言にピクリと反応し、ドクオが取り乱す。
そしてまた吼え始めた。
(;'A`)「ちょっと待てよ! アンタは違うのか!?」
( ^ω^)「お?」
(;'A`)「アンタも気付いたらこの部屋にいたんじゃなかったのかって、そう言ってんだよ!」
僕は後ろ髪を掻きながら、口を開いた。
( ^ω^)「……違うお」
(;'A`)「どういうことだよ、そんなこと一言も聞いてねぇ!」
( ^ω^)「聞かれてないし、言う必要もなかったお」
(;'A`)「……何だよ、それ」
ドクオの表情が少しずつ曇り始める。
その意図は僕には分からない。しかし、そんなことを気にしていられるほど僕にも余裕があるワケではなかった。
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:19:55.57 ID:C1NXfQps0
支援
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:20:11.22 ID:t/LjLsSR0
( ^ω^)「正規のルートかお」
(`・ω・´)「……はい?」
僕の言葉にシャキンが顔を歪ます。今度こそ僕の予想は的中したようだ。
( ^ω^)「つまり、他にもルートはあるんだお?」
(`・ω・´)「あります。一応」
( ^ω^)「質問があるお。正直に言って欲しいお」
(`・ω・´)「お好きにどうぞ。答えるかどうかは内容次第ですが」
( ^ω^)「……正規のルートと“その”ルート。どっちが虹に近いんだお?」
僕とドクオの視線がシャキンを捉え、そしてシャキンが僕らを見返す。
そして少しの間を空け、ゆっくりと口を開く。
ほら、やっぱり。僕の予想通りの言葉が。
(`・ω・´)「お勧めはいたしません。ですが、近いのは確かです」
ほんの少しだけ、優越感に浸る。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:20:47.47 ID:t/LjLsSR0
( ^ω^)「そうかお」
(`・ω・´)「ですが、私が貴方をご案内出来るのはここまでです」
( ^ω^)「お?」
そう言うとシャキンはその場で振り返り、入ってきた扉の向こうへと向かっていく。
ドクオがシャキンを追う。
そして僕も追いかけようとするが、なぜか体が動かなかった。
(;^ω^)「待ってくれお! 何処に行くんだお!」
しかし彼等は既に扉の向こう。
('A`)「…………」
薄らとした笑みを浮かべ、僕を見つめるドクオが見えた。
そしてドクオはシャキンについていく。
差し詰め、僕を置いて自分だけは脱出できる、とでも思っているのだろう。
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:20:54.09 ID:C1NXfQps0
支援
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:21:20.74 ID:t/LjLsSR0
(;^ω^)「待てお!」
僕の声が彼等に届くことはなかった。
ゆっくりと。ゆっくりと。僕の目の前で扉が閉まっていく。
最初は普通に。しかし次の瞬間、扉の両端がさらに閉まっていった。まるでファスナーを閉めるような。
(;^ω^)「お。何だお、これ」
気付けば僕は、もと居た部屋と同じ部屋に一人、取り残されていた。
見たままでは、数時間前と同じ状況だ。
無駄に広く豪華な家具の整った一室。まるで王室のようだ。
( ^ω^)「……まただお」
僕はゆっくりと、先ほどの部屋と同じ位置に置かれたソファの上に倒れこむ。
( ´ω`)「また虹から遠ざかってしまったお……」
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:21:38.19 ID:C1NXfQps0
支援
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:21:42.38 ID:BWv3UYnZ0
結構どころじゃないw
支援
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:21:55.83 ID:t/LjLsSR0
すると腹部に何か違和感を感じる。
ソファと腹の間に手を突っ込み、違和感の根源を弄り探す。
( ´ω`)「何だお、これ」
それは一枚の紙だった。
紙には僕のこれからを指示するような文字は見当たらない。
かといって何も書かれていないわけでもなかった。
落書き。というわけでもないだろう。
( ´ω`)「子供の描いた絵……かお?」
クレヨンで色鮮やかに満遍なく彩られたその絵を僕はその場で放り投げ、
もう一度立ち上がる。
( ´ω`)「行かなくちゃ。ここで立ち止まってるわけにはいかないお」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:22:39.75 ID:cbe/vdGQ0
なんだ、続きかと思ったのにただのパクリか
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:22:46.69 ID:C1NXfQps0
支援
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:23:10.09 ID:t/LjLsSR0
長方形に模られているであろう、その部屋の四隅には台座があり、その上には壷。
僕はそのうちの一つの壷を持ち上げ、壁に投げつける。
派手な音を上げながら、大きな欠片を残し破損する。
( ^ω^)「何とかしないと」
十数メートル先にある、もう一隅まで走り向かう。
そしてまた壷を持ち上げ、投げ捨てる。地に着いた瞬間、耳障りな音と共にその形は成さなくなる。
( ^ω^)「何かしてないと」
また隅へと走る。
そして、壊す。
( ^ω^)「何も出来なくて」
最後の一つをゆっくりと持ち上げ、一気に地面にたたきつけた。
( ^ω^)「狂いそうだお」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:23:51.53 ID:t/LjLsSR0
最後の壷の中から、また一枚の紙が出てきた。
先ほどと同じような絵だったが、描かれた人物は明らかに違っていた。
( ^ω^)「……まぁ子供の絵に大した違いなんか無いお」
どうしたらここから出られるか、まずそれだけを考えなければ。
そのとき僕はふと、天井を見上げた。
( ^ω^)「電気が切れそうだお」
さっきから我が目を疑っていたのだが、どうやら僕のせいでは無いらしい。
目がちかちかとして気持ち悪い。どうにかならないものだろうか。
从 ゚∀从「申し訳ない、今すぐ電球を取り替えよう」
突然発せられたその声に驚き、勢いよく振り向く。
そこには前後共に長髪の、顔の半分隠れた女性が立っていた。
(;^ω^)「だ、誰だお!?」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:24:45.13 ID:t/LjLsSR0
从 ゚∀从「誰、と言われたらハインだとしか言いようが無いな」
僕の反応に対して彼女は微塵も動揺した様子は無い。
しかしそれも当然のことなのかもしれない。何故なら彼女は。
( ^ω^)「……使用人かお」
从 ゚∀从「お、よくご存知で。どうする?」
( ^ω^)「どうするって何だお」
从 ゚∀从「ここで延々と文句垂らしてここで一生過ごすか、俺についてくるか」
隠れて殆ど見えないのだが、彼女はきっと美人なのだろう。
そのまっすぐな視線が僕にそう感じさせる。
( ^ω^)「……いくお」
僕の言葉を聞くと、使用人はにやりと笑った。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:25:16.92 ID:t/LjLsSR0
もっと、こう。表現に「微笑んだ」と言わせるような笑い方をすればいいのに
彼女のそれは間違いなく、にやりとした笑い、なのだ。
从 ゚∀从「着いてきな」
彼女の最初の口調との微妙な変化に違和感を覚えつつ、僕はまた歩き出した。
何処に行くかはわからない。
それでも、ここに居るよりはマシだろう。
从 ゚∀从「……気でも触れてるのか?」
( ^ω^)「お?」
从 ゚∀从「あれ」
ハインが指差す先を見て納得する。
僕が先ほど投げ割った壷の破片が派手に散らばっていた。
从 ゚∀从「破壊衝動?」
( ^ω^)「……別に、そんなんじゃないお」
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:26:27.88 ID:t/LjLsSR0
僕の目の前で、それは起きた。
壁に、扉が出来たのだ。
从 ゚∀从「行こうか」
説明する気は毛頭無いそうだ。当たり前のように、いや、実際当たり前なのだろう。
彼女が壁に手を当てると、まるで口を開いたかのように扉が出現する。
……当たり前であってたまるか。
( ^ω^)「把握した」
おそらく、シャキンも同じようにして扉を作り出したのだろう。
見たところ鍵は無い。
从 ゚∀从「あ、そうだ」
( ^ω^)「何だお?」
从 ゚∀从「お前も虹を探しているんだろう?」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:26:58.82 ID:t/LjLsSR0
このタイミングで聞かれるとは思っていなかったため、少し返事に困ってしまう。
そして僕の返事を待たずに、ハインは続けて言う。
从 ゚∀从「虹を見て、どうする気だ?」
その質問が何を意味するのか。
その質問にはどう答えればいいのか。
( ^ω^)「虹を見ることが出来た時、話すお」
从 ゚∀从「そうか。……なら、その答えを俺が知ることは無いだろうな」
( ^ω^)「お?」
从 ゚∀从「無理に聞こうとは思わない。ただ、覚悟はしておけ」
ハインの言葉の意味を、僕が知ることはなかった。
从 ゚∀从「さぁ、行こう」
何故ならこの先、僕はハインと二度と会うことはなく
この貴重な関係を、彼女を、僕は思い出すことも出来なかったからだ。
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:27:33.60 ID:t/LjLsSR0
从 ゚∀从「お前が虹を求める時、虹もお前を求めるだろう」
从 ゚∀从「求める者の渇きを潤すため、虹はその身を捨てることになる」
从 ゚∀从「虹の城は、確かに存在する」
「それを、疑うな」
ハインの言葉がそこで止まると同時に、扉が開く。
僕は臆すことなく歩を進める。
そのとき、別れ際のドクオの不愉快な笑みが頭に浮かんだ気がした。
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:29:01.24 ID:t/LjLsSR0
二話終了。三話。
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:29:46.20 ID:t/LjLsSR0
-3- Cool
扉の奥は、やはりと言うべきか。
同じような。いや、全く同じ部屋だった。
( ^ω^)「ここまで来るとこの部屋に愛着すら沸いてくるお」
从 ゚∀从「部屋フェチ?」
( ^ω^)「その性癖はありえないお」
僕は既に定位置となった部屋の中心にあるソファに勢いよく座る。
( ^ω^)「君の仕事は僕をここに連れてくることかお?」
从 ゚∀从「いや」
( ^ω^)「違うのかお?」
从 ゚∀从「間違っては無いが、正解でもないな」
彼女の曖昧な返事に眉を潜める。
自然と視線を逸らし、そっぽを向いている。ということはそれ以上はなす気は無いのだろう。
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:30:35.71 ID:t/LjLsSR0
要するに、彼女の目的は別にあるということだ。
( ^ω^)「…………」
从 ゚∀从「聞きたいか?」
( ^ω^)「いや、僕も質問には答えて無いから言わなくていいお」
ハインはほんの少しだけ含み笑いをし、僕の座るソファと対になっている向かいのソファに座った。
从 ゚∀从「夢ってあるか?」
突然の質問だ。それにあまりに突拍子で返す言葉が浮かばない。
夢があるか。僕に。
( ^ω^)「あったお」
从 ゚∀从「……今は違うと、そう言いたいのか?」
( ^ω^)「今もあるお」
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:31:17.31 ID:t/LjLsSR0
僕は立ち上がり、ハインを見据える。
( ^ω^)「虹を見ることだお」
僕の言葉にハインが顔を俯かせる。元々長い前髪が残り半分に掛かり、顔が見えなくなっている。
そこで気付く。何やらハインの様子がおかしい。
表立ってのことではないが、絡めた指を組み直したり、足踏みをしたりと落ち着かないのだ。
( ^ω^)「どうしたお?」
从 ゚∀从「……いや、何。歯がゆくてな」
僕がもう一度ソファに座り込むと、同時にハインがゆっくりと立ち上がる。
从 ゚∀从「俺はもう嫌なんだ」
バツの悪そうに顔を一度しかめて、また口を開く。
从 ゚∀从「頼む。帰ってくれないか?」
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:33:10.58 ID:t/LjLsSR0
( ^ω^)「…………」
从 ゚∀从「勝手な言い分だってのは分かってる」
( ^ω^)「……つまり、すぐそこに虹があるってことだお?」
僕の言葉にハインが露骨に反応する。
つまり、正解だ。
( ^ω^)「僕だって、何のも覚悟無しで来たわけじゃないお」
ハインは脱力するように、もう一度ソファに座る。
( ^ω^)「会いたい人が居るんだお」
ふいに静寂が訪れる。互いに一言も発することなく、視線も逸らさない。
ハインが何を考えているのかは分からないが、それは向こうも同じことだろう。
互いを理解するなんてことは不可能だ。
( ^ω^)「……少し、昔の話だお」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:33:32.98 ID:9YP0u94HO
支援
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:33:58.63 ID:t/LjLsSR0
僕は背もたれにゆっくりと身を任せ、ソファに身を委ねる。
( ^ω^)「僕はツンデレと出会ったお」
( ^ω^)「彼女はとても強気で、でもたまに凄く優しい女の子だったお」
僕の言葉に、ハインが頷く。
どうやら聞き手に回ってくれているようで、僕も話しやすい。
( ^ω^)「学校で一人だった僕に、救いの手を差し伸べてくれたんだお」
从 ゚∀从「……いい娘だな」
(*^ω^)「しかも可愛いんだお」
何がおかしかったのか、ハインが少し苦笑する。
(;^ω^)「お? 何も面白いこと言って無いお」
从 ゚∀从「何。急に元気になったと思ってな」
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:34:36.76 ID:t/LjLsSR0
( ^ω^)「そうかお?」
そうかもしれない。彼女のことを口にすれば、いつだって元気が出る。
彼女は僕にとってかけがえのない存在で。僕とツンは二人で一つだ。
( ^ω^)「懐かしいお。僕は勇気を出して、告白したんだお」
从 ゚∀从「へぇ。それで、どうだったんだ?」
一瞬の間を空け、僕は言う。
(*^ω^)「それが、OKだお。流石にこれは予想外だったお」
从 ゚∀从「やるじゃないか!」
僕の思い出を通して言葉を紡ぎ、話を弾ませる。ハインも楽しそうに話を聞いてくれた。
( ^ω^)「あれ」
ハインが消えた。
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:35:50.23 ID:t/LjLsSR0
目の前にいたはずなのに、いない。
どこにもいない。
( ^ω^)「……お?」
瞬きの一瞬で、彼女は何処かへと消えてしまった。
そして僕はまた、この広い部屋に一人、取り残されてしまったのだ。
( ^ω^)「……何だお。急に」
いなくなるなら、一言くらい欲しかった。
もっと話そうと思っていたのに。大事なのはここからなのに。
( ^ω^)「仕方ないお。きっと仕事が忙しいんだお」
来訪者は僕だけじゃない。だから、使用人に休む暇などないのだろう。
( ^ω^)「お仕事頑張ってくれお、ハイン。僕も頑張って虹を見つけるお」
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:36:27.00 ID:t/LjLsSR0
結局のところ、僕の耳にハインの言葉は一つとして入っていなかったのかもしれない。
ただ自分の寂しさを紛らわすためだけ、話相手になってもらいたかったのだ。
( ^ω^)「これから僕はどうなるんだお?」
答える相手のいない問いかけは、虚しく木霊して消えた。
急に痛みだす左腕を押さえながら、僕はまた立ち上がり見上げる。
天井には大きなシャンデリア。そして切れ掛かった電球。
( ^ω^)「ハイン、この部屋の電気も切れそうだお」
だから戻って来てくれ、そう言おうとして口を噤んだ。
彼女の顔を隠していた前髪が途端に恨めしくなる。
そうだ。一度も彼女の顔を全部見ることが出来なかった。
( ^ω^)「僕は虹に近づいているのかお?」
返事は返ってこない。
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:36:27.32 ID:1s41fiN9O
支援
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:37:53.00 ID:t/LjLsSR0
( ^ω^)「……虹とは、願者の願いを叶えるものだ」
何故だか、先輩の言葉が浮かんだ。
いや、何か違うな。もう少し長かった。記憶が曖昧で断片的な台詞になっている。
独り言も多くなった気がする。きっと、孤独に弱いんだ。僕。
( ^ω^)「……孤独に強い奴なんか、いないお」
特に何か考えていたわけでもなく、ただ振り返っただけだった。
しかし、目前には先ほどまであったものがない。
扉が、ない。
(;^ω^)「どうするお」
閉まっているのではなく、ないのだ。
ハインがここから消えたときに一緒に無くなってしまったのだろうか。
残しておいてくれればいいのに。
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:39:02.75 ID:t/LjLsSR0
( ^ω^)「ツンに会いたいお」
さっきから気になっていた。
向こうからのアクションを待っていたのだが、何もしてこない。
僕の後に誰かがいる。
( ^ω^)「……誰だお」
僕は振り返ることなく、ソイツに向けて言葉を放つ。
ゆっくりと右手をポケットに突っ込み、護身用のナイフが……ない。
まさか、落としたのか? どこで。
「内藤……?」
その声は。
川 ゚ ー゚)「内藤じゃないか」
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:39:35.72 ID:9YP0u94HO
あれ、初めて……?
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:41:20.77 ID:t/LjLsSR0
(;^ω^)「クー先輩?」
内心、ガッカリした。などとは口が裂けてもいない。
何を期待していたんだろう。少なくとも、感動の再会、みたいな場面とはかけ離れていたじゃないか。
それよりも、クー先輩がここにいるというこの事実。
(;^ω^)「何で先輩がここに……」
川 ゚ ー゚)「決まっているだろう、虹を見に来たんだ」
(;^ω^)「おかしいですお。先輩が一番、虹について知っていた筈なのに」
そこまで言いかけて、自分の言っていることが何かおかしいことに気がついた。
一番知っているからこそ、来たのではないか。
川 ゚ ー゚)「知っているから、来たんだよ」
ほら、やっぱり。
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:42:06.54 ID:t/LjLsSR0
( ^ω^)「先輩は、まだ……」
川 ゚ ー゚)「仕方ないさ。私だって、一人の女だからな。人並みの恋心くらい抱くよ」
人並み、とは少し違うかもしれない。
そしてそれは僕にも言えることだ。
川 ゚ ー゚)「私はもう一度、ショボに会いたい」
先輩の声を聞いていると、記憶が少しずつ蘇ってきた。
そうだ、さっきの台詞もどうやら間違っていたらしい。
川 ゚ ー゚)「君はやはり、ツンか?」
その言葉に一瞬、躊躇った。
川 ゚ ー゚)「いいさ。私だって、君には申し訳ないと思いながらここに来たんだ」
( ^ω^)「そうですかお」
川 ゚ -゚)「……それにしても何だ、ここは」
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:42:37.13 ID:t/LjLsSR0
( ^ω^)「虹の城って言うらしいですお」
僕の言葉に先輩が眉を顰める。
川 ゚ -゚)「虹の城?」
やはり知らなかったようだ。
僕も今まで、先輩の口からその言葉を聞いたことがなかった。
川 ゚ -゚)「ここに名前があったのか。しかし安易な名前だな」
( ^ω^)「僕はここが城だということに驚きましたお。まぁ確かに広いですお」
川 ゚ -゚)「いや、どう見ても城だろう。見た目とか、今にも吸血鬼とか出てきそうだったじゃないか」
僕は先輩の言葉に耳を疑った。
見た目。先輩は確かにそう言ったのだ。
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:43:29.40 ID:t/LjLsSR0
(;^ω^)「見た目って、どういうことですかお?」
川 ゚ -゚)「外壁のことさ」
(;^ω^)「いや、そうじゃないですお!」
僕の言いたいことはそんなことじゃない。
きっと先輩は、この城の外側から“来賓”として来たんだ。何らかの方法で。
( ^ω^)「正門玄関から、入ってこれたのですかお?」
ふいに先輩の視線が泳ぐ。僕はそれを見逃さなかった。
( ^ω^)「そういえば先輩は、一度も、この城の所在地を話してくれませんでしたお」
川 ゚ -゚)「……そうだな。あえて話さなかった」
( ^ω^)「知ってたのですかお?」
川 ゚ -゚)「あぁ、知っていたよ」
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:44:19.27 ID:t/LjLsSR0
先輩の目的はショボン先輩だ。
ショボン先輩も、虹についてよく調べていたことを覚えている。
それこそ、先輩以上にだ。
逆に言えば、ショボン先輩が虹について調べていたからこそ、
先輩も必然的に知ることになったのだろう。先輩の知識は全て、ショボン先輩から譲り受けたものだ。
突然、ショボン先輩が姿を消したのだ。
川 ゚ -゚)「虹が複数存在する可能性もあれば、限りあるものなのかもしれない」
( ^ω^)「だから、教えてくれなかったのかお」
川 ゚ -゚)「ああ。第一な」
先輩は僕とすれ違うようにして壁に向かい歩き出す。
そして完全に僕を通り過ぎ、距離を置いたところで口を開いた。
川 ゚ ー゚)「君に教えたところでメリットがない」
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:45:16.14 ID:t/LjLsSR0
それだけのことだ。
確かに、自分の探しているものの場所を他人に教えたところでメリットなど無い。
それどころか、横取りされるかもしれなというデメリットがついてくる。
分かってはいるんだ。頭では。
( ^ω^)「先輩……僕は」
それでも信頼していた先輩だからこそ、自分勝手な憎しみを抱いてしまっている。
エゴだというのは間違いない。
でも、貴方の笑顔が憎い。
川 ゚ ー゚)「それでは私はもう行くよ。来賓には特権が与えられているんでな」
そう言うとクーは指を伸ばし突き出した手を水平に、振り払うような動作をする。
もう驚きもしない。一度見ているからだろうか。
扉が出現した。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:45:52.54 ID:t/LjLsSR0
川 ゚ ー゚)「無力で無気力な君はいつだって追い求めるだけだ」
川 ゚ ー゚)「私にはある、手に入れるだけの知識が」
川 ゚ ー゚)「君にはない、這いつくばるだけの思いが」
「出来れば君とはもう、会いたくなかった」
彼女の最後の言葉はあまりに小さく、僕には聞き取ることが出来なかった。
それにどうせ、聞く気もなかった。
今はただ、どうしようもない虚しさに包まれながら、衝動的な感情に身を任せているしかないのだ。
椅子が飛び、花瓶が割れ、ソファが倒れる。
こうしていないと、気が狂ってしまう。
そうだ。僕はツンが好きだった。
「――――ッ」
そして貴方も、好きだった。
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:46:34.49 ID:t/LjLsSR0
-4- Anija
僕が城内の一室に閉じ込められてから丸一日が経ち、二日目に差し掛かろうとしていた。
依然として脱出の手立てはなく、また目的に辿り着けそうにもない。
(; ω )「次の部屋には……どうやって行けばいいんだお」
クーと別れて既に数時間が経過している。
その間、ずっと同じ部屋で手を拱いてることしか出来ずにいた。
(; ω )「ハインは言ったお、確かに言ったお。もうすぐそこだって」
(; ω )「なのに……なのに」
もう壊せるものは何も無い。
部屋にあった花瓶は全て割ってしまった上、テーブルすらもひっくり返って足が折れてしまっている。
(# ω )「どうすりゃいいんだお!」
唯一、残っているソファに倒れこむとジタバタと暴れる。
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:47:57.16 ID:t/LjLsSR0
暴れているうちに、ソファから転げ落ちてしまう。
そこで一枚の紙に気づいた。
(# ω )「またこれかお!」
前に見たものと同じような、子供の落書き。
画用紙に移っているのはおそらく女の子だった。しかし、描かれた誰かを推測することは出来ない。
( ^ω^)「……こんなもの、さっきまであったかお?」
乱雑に描かれたその人物の頭部であろう部分は力強く黄色で塗られており
首から下はまるで適当、と言った具合だ。
そもそも、塗られてすらいない。
その絵に触ると、クレヨン塗りの独特な肌触りがした。
しかし手に付着はしていない。描かれてから時間が経過しているのだろう、と思った。
( ^ω^)「……城には子供まで住んでんのかお」
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:49:11.67 ID:t/LjLsSR0
その画用紙を破り捨て、また立ち上がる。
立ち上がったところで何が出来るわけでもない。それも分かった上で。
( ´_ゝ`)「なぁ、お前。夢って好きか?」
突然の問いかけに、勢いよく振り返るとすぐそこに一人の男がいた。
長身でスーツ姿のその男を見た瞬間、直感で使用人であることが分かる。
( ^ω^)「誰だお……?」
( ´_ゝ`)「どいつもこいつも冷めてんのな。急に現れたんだぜ? キャーキャー言うだろ普通。女の子なら特に。常識的に考えて」
質問には答えようともせず、悪態をつく男。
( ´_ゝ`)「何ていうのかな。簡単な話が、俺がお前の担当になった」
( ^ω^)「……担当?」
( ´_ゝ`)「兄者だ。よろしく」
相変わらず質問には何一つとして答えない。
それどころか、頭を掻きながら首を回し腕を回し。準備運動を始めた。
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:50:23.52 ID:t/LjLsSR0
( ´_ゝ`)「そんじゃ、早いトコ済ませるか」
( ^ω^)「……何を?」
兄者が地を蹴り、飛び上がる。
空中で右足を突き出し僕の腹部に狙いを定める。突然のことに反応が遅れる。
( ´_ゝ`)「虹が見たいんだろ?」
咄嗟に防ごうと利き腕である右腕を伸ばしてしまった。
中途半端に晒された右腕は、指を数本掠めるだけ。
兄者の蹴りは、ロクに鍛えられていない弛んだ腹直筋に食い込んだ。
(; ω )「――ッ!!」
あまりの苦しさに、声が出ない。
( ´_ゝ`)「やる気あんのか?」
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:51:49.70 ID:t/LjLsSR0
やる気も何も、訳が分からない。
兄者は溜め息をつきながら、腹部を押さえながら倒れこむ僕を蹴飛ばしてくる。
腹部を隠しているため、背中から頭部まで好きなだけやられ放題だ。
(; ω )「ウ……ァ」
ゆっくりとだが、立ち上がろうと手足に力を込める。
しかしそれを許すまいとして兄者は髪を掴み上げ、顔を近づけ囁いた。
( ´_ゝ`)「覚悟して、ここに着たんだろ?」
(; ω )「ォ……前は……」
( ´_ゝ`)「何?」
兄者の足を掴む。
持てる限りの力で兄者のアキレス腱に指で力を込めるが、
ただ力なくしがみついているだけに過ぎなかった。
( ´_ゝ`)「何それ」
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:53:52.84 ID:t/LjLsSR0
兄者は自らの足と、それに絡んだ僕の腕を指差して訪ねてくる。
僕も返事をするが、立っているの兄者と足元に座り込むの距離ですら聞き取らないほど小さな声だ。
( ´_ゝ`)「ん? どうした。聞こえないな」
しゃがみ込んで、こちらの顔を覗き込もうとに兄者が頭を下げた。
もう一度口を開いて、言葉を伝えようとする。
しかしどうやら伝わっていない。
(; ω )「…………」
それもそうだろう。
何も言っていないのだから。
(* ω )「ウ・ソ☆」
それを聞いた兄者が目を見開いてすぐさま後退しようと飛び跳ねた瞬間、
掴んでいたその右足を一気に引っ張り、態勢を崩す。
仰向けに、背中から思い切り床に叩きつけられる形になり、兄者が悪態をつく。
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:54:55.91 ID:t/LjLsSR0
そして馬乗りの状態で兄者を捉えた。
( ^ω^)「兄者って言ったかお。さっきのは効いたお」
( ´_ゝ`)「……猫騙しだな」
( ^ω^)「それならお前は猫以下だお」
拳を振り上げる。
兄者は抵抗することなく、その振り上げ、振り下ろした拳を顔面で受けた。
繰り返し、何度も殴りつける。
( ´_ゝ`)「…………」
兄者は言葉一つ漏らすことなく、殴られ続けている。
( ´_ゝ`)「……もう、いいか?」
ついに兄者が立ち上がる。
上体に座っていた僕を突き飛ばし、何事もなかったかのように。
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:56:39.76 ID:t/LjLsSR0
先ほどと同じように、首を回して。
全ては準備運動と言わんばかりの表情でこちらを見据えてくる。
その証拠に、彼の顔には傷一つ付いておらず、殴られたであろう痕もなかったのだ。
(;^ω^)「……もう訳分かんねぇお。使用人ってのはどうなってんだお。絶対無敵の不老不死みたいなのは勘弁して欲しいお」
こちらの問いに、初めて兄者が答えた。
( ´_ゝ`)「まぁ、確かに間違ってはいないな。でも俺は確実に死んでるよ」
( ^ω^)「それはどういう……」
言い終える前に兄者は再度、蹴りを入れてくる。
しかし今度は、両腕でしっかりと足を掴み、防いだ。
(;^ω^)「まぁ、どうってことないお」
( ´_ゝ`)「だろうな」
痩せ我慢で言ってはみたものの、たった一発の蹴りが、とても大きい。
掴んだ両手は痺れが取れない上、ここから攻撃に展開させる術が見つからない。
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:01:11.88 ID:t/LjLsSR0
( ´_ゝ`)「急ぐ必要も無いんだが……。何分、久し振りなもので昂ぶりが抑えられん」
気付いたときには右ストレートが頬に入っているだとか、
左フックで腹を抉られているとか、痛みに思考が追いつかない。完璧に兄者のペースだった。
(; ω )「……ゥ……」
打つ手が無い。元より対抗する術などなかったが。
( ´_ゝ`)「なんだっけ? ……あぁ、アレだ」
(; ω )「何だお」
( ´_ゝ`)「ウ・ソ☆とかないのか? もう本当に終わりか?」
その言葉に、少しだけほくそ笑んでやる。
すると兄者の冷め切った表情がパッと明るくなる。何を期待しているのだろうか。
(; ω )「ウソだお。何もねーお。バーカ」
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:01:43.06 ID:t/LjLsSR0
吐き捨てるように発したその言葉と、兄者の表情が暗くなるのは同時だった。
そして、そんな言葉を飲み込むほどの轟音と足場の揺れに、意識は全て集められていた。
(;^ω^)「何だお!?」
(;´_ゝ`)「おいおい、いくらなんでも早すぎるだろう。もう最上階に辿り着いたってのか……?」
直に揺れは収まっていったが、ただ突っ立っていることしか出来ずにいた。
一方の兄者は先ほどまでの余裕は消え、余程焦っているのであろう、
独り言をブツブツとひたすらに唱えていた。
(;^ω^)「どうしたお」
(;´_ゝ`)「あぁ? ……あぁ、そうだ。早く行かないと」
何を納得したのか、問いかけると我に返ったように慌てて部屋の壁に向かい、そして扉を出現させる。
それまでの流れがとても自然だった。
(;´_ゝ`)「今は急ぐのでな。また来る」
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:02:04.83 ID:pLKP4+6UO
本物?
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:02:22.13 ID:94Lh3aQpO
話についていけない……支援もつかないわけだ
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:04:34.25 ID:4sxw0lkT0
続きが書けてりゃ本物
てことでもうちょい様子見
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:05:14.43 ID:t/LjLsSR0
そう言い残して兄者は扉の向こうへと走り去ってしまう。
閉まる扉の僅かな透き間から、扉の向こうを覗いて僕は絶句した。
部屋中が炎上しており、おそらく使用人でなければ入って行こうとは思えないほどの惨事だった。
(;^ω^)「助かったのかお?
(;^ω^)「……でもまた置いていかれたお」
とは言え、ついていったところで何が出来ただろう。
ボヤキながら、倒れたソファを起こしその上に弱弱しく倒れこみ、不貞寝をする。
そうしてまた、一日が過ぎるのを待った。
( ーωー)「……何処に行ってしまったんだお、ツン」
目を閉じ、他に誰もいないこの大広間で。
誰にも聞こえない程の小さな声で、そう呟いた。
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:05:44.48 ID:B/LCT+bv0
っつかこの話、何処まで行ってたんだ?
ハイン辺りは俺も読んでたけど、兄者周りは今日が初だわ
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:05:45.62 ID:t/LjLsSR0
(;´_ゝ`)「厄介なことになったな……」
ゆっくりと歩みを進めながら、そう呟いた。
少しして兄者の動きがピタリと止まる。
いくつか予想していたうちの、最悪を見つけてしまったのだ。
( ´_ゝ`)「……そうか、お前が」
部屋中に火花が飛び、燃え盛った炎が行く手を阻む。とても歩けるような状態ではない筈だった。
しかし兄者は微塵も臆すことなく目標へと向かっていく。
立ち止まるその足下には、小汚い格好をしたシャキンが。
しかし、動かない。
( ´_ゝ`)「とうとう、死んじまったな。気分はどうだ。どんな感じだ?」
しゃがみこんだ兄者の表情が歪む。
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:06:17.54 ID:t/LjLsSR0
兄者と同じ、使用人で統一されたタキシードを身に着けていた筈のシャキンが、
複数個所の破けた、小汚い一般的な男性用スーツを身にまとっていた。
( ´_ゝ`)「……いいさ」
スーツには至るところに本人の血が付着して出来た染みがある。
染みには最近ついてであろう湿ったものから
いくら洗濯したところで到底落ちそうにない程に固まった、相当の時間が経過したものまでと色々だった。
勢いよく炎上した室内には、煙が存在しない。
( ´_ゝ`)「あとは俺と弟者に任せてもらおう」
兄者は立ち上がると、足早に近くの壁に向かい右手を翳す。
何かから逃げるように手早く扉を作り上げると、一度も振り向くことなく立ち去ってしまう。
シャキンの体が少しずつ虹色の粒子となって浮き上がり、それぞれが寄り、そして離れていく。
その一つひとつがさらに細かく散り、また離れる。
そして、消えてしまった。
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:06:48.81 ID:t/LjLsSR0
( ´_ゝ`)「両手に抱えた夢と虹」
( ´_ゝ`)「溢して落として離れたそれは、二度と手元に戻ることはなく」
( ´_ゝ`)「その末路は……」
「…………」
軋みながらゆっくりと閉まっていく扉。
その陰で、一瞬だけ振り向いた兄者の頬には涙が伝っていた。
閉まると同時に、扉はその姿を消す。
先ほどまで轟々と燃え盛っていた炎は、微小にも灯っていない。
「――――」
部屋には何も残らない。
96 :
◆FpeAjrDI6. :2008/02/19(火) 22:09:23.45 ID:t/LjLsSR0
多分四話が終わり。
>>88-90 スイマセン、新人です。
>>89 猿さんもついてこれないぜ!
>>92 前のが視点切り替えとかの都合で分かりにくかったので、話の順番が変わってるとか。
97 :
◆FpeAjrDI6. :2008/02/19(火) 22:11:55.31 ID:t/LjLsSR0
-5- Boon
簡単な話が、俺は人殺しであるべきらしい。
数年前の話になるが、とある閑静な住宅街で続けて事件が起こった。
幾つもの家が何者かによって放火。住んでいた家族は焼死というものだ。
('A`)「えっ……」
目の前には、業火によってその本来の姿を失っていく我が家。
('A`)「……何だこれ」
俺の家族も同じようにして消えた。
あまりに唐突な出来事。
そして涙を流す時間すら与えられぬまま、俺は連れて行かれた。
「私見ました。あの家の息子さんが自分で家に火をつけたんです」
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:12:24.08 ID:pLKP4+6UO
よし、支援
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:12:59.64 ID:OB98mWpi0
お前、最初から酉出しとけよwwwww
支援
100 :
◆FpeAjrDI6. :2008/02/19(火) 22:13:08.72 ID:t/LjLsSR0
俺は発言すら許されず、ただ流されるだけ。
しかし、それでもよかった。とにかく一人になりたかったから。
適当に頷いて入れば直にみんないなくなって一人にしてくれたから。だから俺は従った。
「君は、自分のしたことの罪の深さを分かっているのか?」
('A`)「……俺が何かしましたか」
「君は……!」
その寸前まで、俺は意識がなかったんだと思う。
警官が立ち上がったことにすら、気がついていなかったのだ。
頬を思い切り殴られる。
「君は親御さんと仲が悪かったらしいが……」
警官が俺に向かって怒鳴っている。何故だろうか。
俺が何をしたって言うのか。
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:13:11.25 ID:4sxw0lkT0
あ、本物だったのね
支援
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:14:30.05 ID:5PgeyZAD0
うはwww本物だったのかwww
支援支援!
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:15:21.72 ID:m474Lj2vO
本物かよwwww支援www
104 :
◆FpeAjrDI6. :2008/02/19(火) 22:16:01.40 ID:t/LjLsSR0
「とにかく、学校の方にも連絡は済ませておいた。書類の手続きもな」
('A`)「はぁ。どういうことですか」
「……好きにするといい」
目の前に幾つかの書類を乱雑に投げ渡され、自然と目に文字が映っていく。
要約すれば、我が家の出来事は全て俺がやったことで。それを全て俺が背負わなくてはならない、と。
途端に、背筋の凍るような思いがした。
(;'A`)「何だ……何だよ、これ。何がどうなってんだって……」
その時、ようやく実感した。俺が犯人になっている。
慌てて目の前の男に掴みかかる。
(#'A`)「俺はやってない!」
「今更刑務所が怖くなったのか。しかしお前は……」
(#'A`)「そんなこと言ってるんじゃない! 俺はアイツらを殺したりしない!」
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:16:10.06 ID:B/LCT+bv0
今までは疑心暗鬼だったから
諸手を挙げて支援して良いものかどうか迷っていたんだな
多分きっと
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:16:57.09 ID:5A2lLyvbO
いちいち新人って言い張ってるけど面白いと思ってんのかな
作品は嫌いじゃないけど人柄が厨2病くさい
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:17:28.38 ID:PvNDZCGBO
支援
108 :
◆FpeAjrDI6. :2008/02/19(火) 22:17:46.41 ID:t/LjLsSR0
俺がずっと犯人として扱われていて。そして何だこの頬の痛みは何だ。
あまりに理不尽で。不条理で。少しだけ腫れた頬の上を、涙が伝い流れる。
皮肉にもそれが、家族の死を知ってから初めて流した涙だった。
それから一年。
横暴に過ぎていく月日に、諦め始めていた頃だ。
「D90番、出ろ」
いつもと違う見回りに呼び出され、急いで支度を始める。
そういえばこの規則正しい生活のおかげで、母親に叩き起こされることなく起きることも出来るようになった。
無論、皮肉だ。
「ついてこい」
その高圧的な態度は気に入らなかったが、これも慣れてくるもので
最初はいちいち突っかかっていたのだが流すことも出来るようになっていた。
109 :
◆FpeAjrDI6. :2008/02/19(火) 22:18:17.49 ID:t/LjLsSR0
何を我慢してるんだろう、俺。悪くないのに。
('A`)「ここは……」
「入れ」
必要以上に関わりたく無いと言わんばかりの用件だけを話す警官。
まぁ、別にいいけど。
('A`)「失礼します」
中はドラマで見たような作りになっていて、
大きな椅子に、痩せ型の老人が座っていた。偉いんだと思う。
/ ,' 3「楽にしてくれ。私は荒巻スカルチノフ。君の味方だ」
生憎、俺に味方などいないので華麗にスルー。ソラは可愛い。レイラさんは綺麗。
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:18:53.63 ID:OB98mWpi0
支援
111 :
◆FpeAjrDI6. :2008/02/19(火) 22:21:19.78 ID:jhjd8TNqO
やってしまった。
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:23:15.58 ID:OB98mWpi0
さるですか
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:27:50.49 ID:pLKP4+6UO
あちゃー
114 :
◆FpeAjrDI6. :2008/02/19(火) 22:30:05.11 ID:t/LjLsSR0
/ ,' 3「そこに座ってくれ。少し話がしたい」
指示通り、やわらかいクッションの入った椅子にズボッと座り込む。
いつもの硬い椅子ではない、というだけで幸福感に満たされてしまう。
('A`)「うわ。すげぇ」
久し振りのその感触を堪能していると、向かいの席に荒巻とやらも深々と座る。
/ ,' 3「これでも、この土地を任されている身でね」
肩書きだけだがね、と付け加え苦笑した。
その顔はとても寂しそうで。どうしてか、この男に親近感が沸いてくる。
多分だけど、似てるんだ。爺ちゃんに。
('A`)「……凄いですね」
115 :
◆FpeAjrDI6. :2008/02/19(火) 22:31:06.66 ID:t/LjLsSR0
/ ,' 3「気を悪くしたならすまない。自慢でも悦に浸ろうというわけでも無いんだ」
('A`)「あぁ。そういう意味で言ってたんですか」
/ ,' 3「いや、だからそういう意味ではなく」
俺の飲み込みの悪さに慌てて訂正を入れる老人。
会って間もないが、悪い人間ではなさそうだ。
もっとも、放火魔である俺に悪人呼ばわりされる謂れもないのだが。
ちなみに、俺の罪状は酷いものだった。
我が家に火を付けたと誤認逮捕された上、一連の騒ぎは全て俺の反抗によるものだと決め付けられていた。
まぁ一軒も二軒も。五、六軒など大した違いは無い。
('A`)「俺も、凄くないっすか」
最後の悪あがきに、皮肉を言ってみた。
116 :
◆FpeAjrDI6. :2008/02/19(火) 22:32:47.17 ID:t/LjLsSR0
もしここから出られることが出来たとしても、その先の人生は真っ暗だ。
神様とか、どう考えてもいないだろ。
/ ,' 3「君は、放火魔じゃないね?」
その言葉に、思わず俯けていた頭を揺さぶられた気がした。
まず頭を。そして耳を疑った。
(;'A`)「今、何て……」
/ ,' 3「本当に申し訳ない。いくら謝罪しても仕切れないだろう」
そして老人は俺に心もとないほどに弱く握った拳を突き出した。
ゆっくりと握りこぶしを解くと、中には二つの物が姿を現す。
一つは鍵。もう一つは――
(;'A`)「……ナイフ?」
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:32:46.87 ID:pLKP4+6UO
支援
118 :
◆FpeAjrDI6. :2008/02/19(火) 22:33:52.74 ID:t/LjLsSR0
/ ,' 3「冤罪と贖罪だよ」
/ ,' 3「私を殺しなさい。そして、ここから抜け出すんだ」
俺は手渡されたナイフに力を込める。
即座に理解した。これは俺にとっておそらく、最後のチャンスだ。
これで、目の前のこの老人を殺して急いで飛び出せばあるいはこっから抜け出せるかもしれない
('A`)「俺が……」
鼓動が少しずつ早くなる。
途端に手に持っていた小さなナイフがおぞましいものに見えてくる。
思わず手から離し落としてしまった。
/ ,' 3「君は既に、数々の隣人を焼死させた残忍な犯罪者なんだよ」
(;'A`)「俺は……やってない……!」
/ ,' 3「しかし君の背負った罪を跳ね返す事が、私には出来ない」
119 :
◆FpeAjrDI6. :2008/02/19(火) 22:35:05.09 ID:t/LjLsSR0
少しずつ、仕舞い込んでいた感情が扉をぶち破って飛び出してくる。
そうだ、俺はやってない。やってないんだ。
/ ,' 3「私は君のような少年を一人として助けることも出来ずに、職を全うした、などとは言われたくないんだ」
(;'A`)「俺……」
/ ,' 3「老いぼれの命なんて、大した価値も無い。それなら君の未来に手を貸したい」
俺が、殺すのか?
/ ,' 3「造りは実に簡単でな。今から道を教えよう」
そう言って老人は取り出した白紙に手早く絵図を描いていく。
実に手馴れている。それもそうだろう。見た目からも言葉からも、もうすぐ此処を離れる程の年齢だ。
長い事、此処に座り続けたのだろう。
/ ,' 3「話す限りでは、簡単に出られると思うだろう? しかし口で言うほど生易しいものでも無いんだ。でも君なら」
一拍空けて、まっすぐに俺を見据えてくる老人。
120 :
◆FpeAjrDI6. :2008/02/19(火) 22:35:43.60 ID:t/LjLsSR0
('A`)「俺なら……」
/ ,' 3「君なら出来るね?」
老人は先ほど落としたナイフを広い、手渡され、俺はそれを握り返す。
果物を切るときに使うようなもので、これで人を殺すというのは難しいのではないか。
そんな知識は俺には無いけど。頑張れば何とかなるもんなのか。
('A`)「……アンタはそれでいいのか」
/ ,' 3「構わないさ。正直に言うとね、私事の懺悔なんだ」
軽く笑って、そんなことを口にした。
/ ,' 3「私は今まで、色々と目を瞑ってきたから。最後くらいね」
('A`)「そうか」
/ ,' 3「……そしてやっと、本当の悪に成りきることが出来るんだ」
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:36:57.95 ID:OB98mWpi0
支援
122 :
◆FpeAjrDI6. :2008/02/19(火) 22:36:59.64 ID:t/LjLsSR0
相手が死にたいと言っている。これは老人のためだ。
決して俺のためじゃない。荒巻のためだ。
/ ,' 3「君には少しでも良い未来を見てほしい。自己満足の偽善かも知れないがね」
そして沈黙が流れ、全ては俺に託された。
出来るのか。
この老人の余生を背負って、俺は生きていけるのか。
それ以前に、俺に人が殺せるか?
(;'A`)「……う、ウワァァァァァ!!!」
やっぱり無理だ。出来ないって。手足が震えて力なんて入らないんだ。
人はそんな簡単に殺せるもんじゃない。
/ ,' 3「君は優しいな」
(;'A`)「俺……俺には……」
/ ,' 3「やはり、君に罪は犯せない。放火魔などではないと再確認させてもらったよ」
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:39:25.41 ID:pLKP4+6UO
支援
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:44:38.70 ID:8MJe0bnq0
支援
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:45:35.53 ID:OB98mWpi0
支援
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:53:11.86 ID:+RnHWHKDO
支援
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:53:49.29 ID:DENWJ7vxO
支援
128 :
◆FpeAjrDI6. :2008/02/19(火) 22:55:00.96 ID:t/LjLsSR0
にっこりと笑う老人の笑顔に、暖かいものを感じた。
同時に、その笑顔が歪む瞬間も。この目でしっかりと捉えた。
/ ,' 3「こう、すれば……意地でも逃げなくては……ならないだろう?」
(;'A`)「え……?」
何が起こったのか分からなかった。というよりも分かろうとしなかった。
ただ、俺のナイフを握る手の上から老人が力を込め、それは老人自らの左胸に刺さっていて。
つまり。
「―――ッッッ!!!!!」
/ ,' 3「……ほら、逃げなさい。このままじゃ、更に、罪を被るだけだよ」
(;'A`)「馬鹿かよ! こんなことして!」
俺はこんな事望んでなかった。
129 :
◆FpeAjrDI6. :2008/02/19(火) 22:56:47.47 ID:t/LjLsSR0
結果として、俺はその部屋を勢いよく飛び出し一直線に教えられた道を走っているのだが、
望んで走っているわけじゃない。成り行き上、仕方なくだ。そして。
('A`)「……ははっ。本当に、俺。人殺しになったんだな」
実感は無かった。
どうしたって俺は罪人になるしかないのだろう。
何をどうしろと言うのか。
老人の命を背負って、肩身を狭くして。いつも何かから逃げながら生きていろと言うのか。
それが今より幸せだと老人は言い張るのだろうか。
('A`)「やってらんねぇ……」
ただゴールを目指して走るだけ。
予定では、もうすぐここを出られるんだ。
(;'A`)「ハァッ……ハァッ……」
130 :
◆FpeAjrDI6. :2008/02/19(火) 22:58:22.76 ID:t/LjLsSR0
そういえばおかしいな。ゴールってのは泣けるモノのはずだ。
観鈴がゴールするシーンは万人が涙するだろう、ロスタイムに逆転シュートを決めたらやっぱり嬉し泣きだ。
けど俺に泣くことは許されてない。
('A`)「俺、どうすりゃいいんだろ」
もう逃げられない。どこにも。
だから進むしかない。
最後の扉を開けると、そこには何もなく。眩しい。そう思ったときには既に意識がなかった。
目が覚めると、俺は見知らぬ部屋の大きなソファに横になっていた。
('A`)「……へ?」
辺りを見渡すと、男が一人。部屋の片隅で行ったり来たりを繰り返している。
あぁ。何か困ってるんだろうな。
そして少しして俺に気がついたのか、男は俺に近寄ってくる。
( ´ω`)「……君も、かお?」
('A`)「あの」
支援
132 :
◆FpeAjrDI6. :2008/02/19(火) 23:02:09.96 ID:t/LjLsSR0
( ´ω`)「僕は内藤ホライゾン」
( ´ω`)「もし君が何かを欲するなら。今は僕の指示に従ってほしいお」
( ´ω`)「生きてここを出たいなら。それもまた、同様に、だお」
「僕は君を助けてあげたいと思うお」
これが俺と内藤の最初の顔合わせだった。
ある一定の条件を満たすと出現すると言う虹の城。
俺は今、その城の厨房にいる。
内藤、助けてくれ。
俺はこんなところで死にたくない。アンタに謝らなくちゃいけない。
だからまた会わなきゃいけないんだ。
133 :
◆FpeAjrDI6. :2008/02/19(火) 23:06:49.07 ID:t/LjLsSR0
とりあえず五話が終わって、本当にお騒がせしました。
なんだか予想以上に猿の奴が足速くて追いつかれてしまいます。
あと、ややこしい事してごめん。
書いてる本人しか気付かないような細かいとことか、思いっきり部分改変してるとか、最終投下から時間が経ってるのもあって
何か気まずいというか、申し訳ない気持ちとか照れ隠しで初めてとか書いた。
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 23:08:11.51 ID:VCw0yBIW0
フヒヒ可愛い。
乙
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 23:09:51.03 ID:pLKP4+6UO
乙!
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 23:13:45.14 ID:5PgeyZAD0
乙
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 23:22:17.40 ID:aCRjSFcT0
>>133 つまりあれかな。全部入れ替えちゃって大丈夫なのかな。
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 23:22:24.67 ID:OB98mWpi0
乙
ところでブーン島は?
139 :
◆FpeAjrDI6. :2008/02/19(火) 23:27:32.81 ID:t/LjLsSR0
>>137 保管庫さんですか。本当にごめんなさい。そうしていただけるとありがたいです。
「厄介なのまとめちまった」みたいな視線が気持ちいい。いや、本当に申し訳ないです。
>>138 これが投下し終わったらすぐに取り掛かる。
一スレで完結って夢だったんだけど、今日はもうダメみたいだ。
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 23:31:59.94 ID:aCRjSFcT0
>>139 いえ。私はMです。放置プレイが好きです。把握しました。
141 :
◆FpeAjrDI6. :2008/02/19(火) 23:41:46.62 ID:t/LjLsSR0
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 23:45:04.59 ID:OB98mWpi0
お前らwwwww
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
さすがギアスwww変態wwwwww