文才無いけど小説書いてた

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
ここは筆力のある人・ない人がお題をもらって自由に小説を書き、それぞれの筆力を向上させるスレです
※※※お題をもらわないでの小説投下はスレの主旨と違いますのでご遠慮下さい※※※

各まとめ入口:http://bnsk.daa.jp/
まとめwikiコラム:http://bnsk.daa.jp/wiki/index.php?%A5%B3%A5%E9%A5%E0
初心者の方は上記のまとめwikiコラムの他、掲示板を一度ご覧下さい。
小説を書く際の禁則やテクニック等が具体例付で説明されています

(三行テンプレート)
1:お題をもらう(安価より「↓」を推奨)
2:もらったお題に沿った作品を書いて、完成させる。
3:「投下します」と宣言し、作品投下。メール欄は無記入、名前欄には「もらったお題」を表記する。タイトルは無くても可。

・1レスは30行、4096バイトまで、一行は全角128文字まで(読みやすさの為に50〜60文字推奨)
・書きながらの投下は禁止
・お題をもらっていない作品はたとえ投下されてもまとめサイトには掲載されません

詳細は>>2-3辺りをご覧下さい
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/16(土) 23:56:12.54 ID:0X/EI8ea0
まずはお題をもらいましょう。基本的に過疎スレなので↓でもらうと良いです
→人のお題を使って書くのもありです。作品がたくさん投下されればスレも盛り上がります

▽投下の際の注意点
・投下宣言は「投下してもいいですか?」ではなく「投下します」。投下宣言が被らない限り、許可はいりません
・投下する人は最後に「終」「完」「了」など、投下完了の合図をお願いします
・名前欄 に『タイトル(お題:○○) 現在レス数/総レス数』 (例:『BNSK(お題:文才) 1/5』)を書いて下さい
・まとめる際にコピペがしづらいので、メール欄は空にして投下してください。
・作品を投下する際は、テキストエディタで仕上げてから、完成品をまとめて投下して下さい

▽読み手の方へ
・感想は書き手側の意欲向上に繋がります。感想や批評はできれば書いてあげて下さい

▽保守について
・創作に役立つ雑談や、「お題:保守」の通常作投下は大歓迎です
・落ちた場合は立てられる人が新スレを立てて下さい。人がいる時間を目安に

▽その他
・通常作品でもトリップを付けておくと、wikiで「単語検索」を行えば自分の作品がすぐ抽出できます
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/16(土) 23:56:36.52 ID:0X/EI8ea0
▲週末品評会
毎週木曜日の夜〜土曜日の午前中に、お題が出されます
作品は土曜日の0:00から日曜日の23:30までの間に投稿してください
その後それぞれに評価をして頂き、月曜日の0:00から火曜日の24:00まで投票を受け付けます

▽作品投稿
・ジャンルは自由、時間を過ぎての投稿も選考外ではありますがまとめサイトに掲載します
・スムーズな流れを保つため、メモ帳等の機能を使って全部書き終わってから投下するようにお願いします
・優勝時の本人確認のため、週末品評会参加者は出来れば酉を付けて下さい(酉は名前欄に#と自由な文字列)
→毎回同じコテや酉で出続けると周囲にわかりやすいです
・作品のタイトルは現在レス数/総レス数、酉を除いて、全角二十文字以内にしてください。

▽締め切り間際の作品投稿について
週末品評会では、投下締切時間の間際に集中的に投下が起こります。
それを無管理で放っておくと大変な事になるので、23時から「予約」という形を取り、運営の指示に従って順番に投下してもらいます。
予約締切は23:30で、以降は時間外の扱いになります

▽投票
・本スレへの書き込みでお願いします(複数選択可)
・ぜひ書き手の方も他の人への感想や投票を行って下さい
・簡単でよいので、感想、批評等書いて下さい。書き手の次への糧になります!
・投票は投票用テンプレを使うか、【投票】と書いて書き込んで下さい

▽優勝者特権
・投票で一番支持を得た作品の作者の方には、次回品評会のお題決定権が与えられます
・投票数が同数の場合は、気になった作品の投票数の差で決定します
・お題の発表時間は優勝者に一任されますが、遅くても土曜日の午前中には提示して下さい
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/16(土) 23:57:29.62 ID:0X/EI8ea0
仕切りなおし!




第九十八回週末品評会:お題『慈悲』






規則事項:5レス以内、NGワード:チョコレート
投稿期間: 2008/02/16(土) 00:00〜2008/02/17(日) 23:30
宣言締切:日曜23:30に投下宣言の締切。それ以降の宣言は時間外になります。
投票期間: 2008/02/18(月) 00:00〜2008/02/19(火) 24:00
※品評会に参加した方は、出来る限り投票してください
※それ以外の方の投票、感想の投下も大歓迎です。
※一行目の空行にはスペース入れるといい感じ
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/16(土) 23:59:29.11 ID:0X/EI8ea0
運営の声

416 名前: ◆BNSK/DqMrY [] 投稿日:2008/02/16(土) 00:00:03.50 ID:63hon5Ig0
貴方たちに、もしも慈悲の心があるのなら――どうか、カオスはやめて下さい……。
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 00:01:47.22 ID:Wd4TDvOSO
>>1
スレ立て乙

>>5
運営が言ったのは『カオスは下さい』だったけどなwwwww
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 00:02:00.50 ID:0Bx4GgFhO
乙!
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 00:02:33.76 ID:AFPP//9V0
>>1おっつー
信じられるか? あと24時間ないんだぜ…
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 00:07:58.64 ID:xB3cpJYa0
   _,,....,,_  _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''>     ゆっくり書いてね!!     <
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
 |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ     __   _____   ______
 |::::ノ   ヽ、ヽr-r'"´  (.__    ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_  _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7   'r ´          ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´    ;  ', `ヽ/`7 ,'==─-      -─==', i
r-'ァ'"´/  /! ハ  ハ  !  iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ  ,' ,ゝ レリイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、i .||
`!  !/レi' (ヒ_]     ヒ_ン レ'i ノ   !Y!""  ,___,   "" 「 !ノ i |
,'  ノ   !'"    ,___,  "' i .レ'    L.',.   ヽ _ン    L」 ノ| .|
 (  ,ハ    ヽ _ン   人!      | ||ヽ、       ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、  )>,、 _____, ,.イ  ハ    レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 00:09:23.21 ID:9y5uhO9O0
なんで落ちたんだ
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 00:14:18.40 ID:WMNbZi6Z0
一日過ぎて4作品か…

これは濃厚なカオスの予感
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 00:21:39.36 ID:xgVX8Pf50
>>1
すれたて乙
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 00:23:59.59 ID:z784mvEX0
三日落ちだな
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 00:24:16.26 ID:9rrJzG2HO
>>1乙です
書いてるうちに落ちてたw
24時間あればいける……はず
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 00:25:40.95 ID:xgVX8Pf50
方言変換サイトおもろいな。侍言葉だってよ。
「い」を「ゐ」、「え」を「ゑ」に換えて、「ござる」付けて侍ってwww

もんじろう
http://monjiro.net/
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 00:30:16.11 ID:xB3cpJYa0
ルー語ふいたwwww
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 00:31:30.63 ID:Cew9/O5uO
カオス前までには投下したいな
書き上げられれば
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 00:49:35.76 ID:AMKTk+BC0
カオスはうざい。
品評会無くなればいいのに、ともうこのスレで投下するのを止めた俺が言ってみる。
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 00:54:11.46 ID:wjiHupzA0
さようなら
20月のマリア 0/5  ◆gNIivMScKg :2008/02/17(日) 00:55:13.21 ID:LS0Ll3mL0
カオス前に終わってよかった
品評会投下しますー
21月のマリア 1/5  ◆gNIivMScKg :2008/02/17(日) 00:55:50.23 ID:LS0Ll3mL0
「愛ってさ……」
 こんな出だしで始まる会話が不毛でなかった例はない。いかに己の人生観を語ろうと、いかに偉人の言葉を借りようと、と
どのつまり理想論と価値観の相違という結論に達するに決まっているから。
「そんなことより、さっさと仕事片付けちゃおうぜ」
 一見、神妙そうに見えるミリアムの肩をポン、と叩き、最後の区画へ向かうため出口に足を向ける。
「何よ。もう少し真面目に相手してくれたっていいじゃない」
 怒っているような笑っているような声が後方から響く。肩をすくめる振りをしながら、俺は人気のない礼拝堂を軽やかとは
言えない足取りで歩く。『LCS』と書かれたバケツにモップに、その他諸々の清掃用具。それらを両手両肩に携えて。

 二十二世紀初頭に始まった、月の北極に位置するムーンベース内居住区を中心とした月面への移住計画。半世紀ほど前には
夢物語でしかなかったこの計画は、間もなく訪れる地球の人口飽和状態を打開すべく行われる他の惑星への植民計画のさきが
けとして進められた。
 というのは表向きの理由。実際の理由はもっとインダストリアルな面にある。詳しいことは俺にはわからないが、惑星探査
における対エネルギーコストや、低重力下実験とそれに付随する新技術の開発が主な目的だという話だ。それを裏付けるよう
に、ここに移住してくる人間のほとんどが技術者や研究者で、俺たちのような技術も知識も持たない人間はほんの一握りでし
かない。
 そういった俺たち平凡な移民たちが日々何をしているのかというと、実のところ何もしていなかったりする。正確には毎日
課せられた運動をしたり、検査を受けたりをしているわけだが、普通の生活を送る人間の健康なデータを取らせることが与え
られた使命であるため、基本的には仕事らしい仕事は何もない。
22月のマリア 2/5  ◆gNIivMScKg :2008/02/17(日) 00:56:21.83 ID:LS0Ll3mL0
「よし、ここでラストだ。気合入れていくぞ!」
 なのに何故俺たちがこんな『仕事』をしているのかというと、簡単に言ってしまえば健康のためなのだ。日がな一日、読書
をしたり、談笑したり、ゴロゴロしたり。中には宗教上の理由からお祈りを日課にするものもいるが、幸せと言うにはあまり
にも単調な毎日はやはり、精神上不衛生であることは誰の目にも明らかだ。もちろん移住に際して配慮がなかったわけではな
いが、対価のない娯楽は虚しさを助長するものであったらしい。
 そこで発足されたのが月面居住者人権保護団体『ASLHR』。目的は俺たちのような凡庸な居住者にも生きる目的を作り
出すこと。掲げている言葉は大層だが、要は暇だから何か仕事をさせてくれ、と地球のお偉いさんにかけあうための組織だ。
そして、要求があっさりと通った今では一般人の仕事斡旋所として機能している。その業務内容は様々で、散らかしてしまっ
た娯楽場の片付け、バスケットボールの審判、絵画のモデル、ラブレターの代筆などなど数え上げたらきりがない。地球で生
活していた頃では考えられないほどの瑣末なことばかりだが、それでもあの頃は希薄になりがちだった労働の尊さというもの
をここでは実感できる。報酬が労働後の上手いビールだけだとしても。
 そんな中、最も人気の高い職業が清掃業。すなわち、たった今、俺がやっている仕事だ。大気のない月面では空気の循環は
全て建物内で完結する。酸素を発生させる部屋があり、二酸化炭素を吸収する部屋があり、還元された炭素を再利用する部屋
がある。同じ空気を循環させているから当然埃も溜まる。さらに、月に一回は月面調査のため探査チームがベースから外へ出
て行くのだが、その時に月面の塵がベースの中へ入り込んでくる。ほとんどはフィルタのよって取り除かれるのだが、どうし
ても完全には捕らえ切れないらしく、ベース内や居住区の埃を増やす原因になっている。その溜まった汚れをなんとかしてや
ろう、というのがこの清掃業『ルナサイド・クリーンアップ・サービス』なのだ。遊びのような仕事の中では珍しく本当の意
味でみんなの役に立つ仕事だ。だからこその人気ともいえる。

「ふう。あらかた終わったかな。そっちはどうだ?」
 エントランスの壁面ガラスの乾拭きを終えて、入り口付近の床面ワックスをかけているはずのミリアムの方を窺う。
23月のマリア 3/5  ◆gNIivMScKg :2008/02/17(日) 00:56:49.27 ID:LS0Ll3mL0
「…………」
 返事がない。それどころか、どこか放心した様子で何もないはずの中空を見つめ彼女は固まっていた。
「おい?」
 訝しげにかけた俺の声にようやく我に返ったのか、振り向き取り繕うように笑った。
「あ、ワックス掛けは終わってるよ。今日の仕事はこれで完了ね」
 いそいそと用具の片づけを始める様子を見て、俺も自分の用具をまとめ始める。……なんだろう。何か、変だ。
 彼女とは家族でも恋人でもない。単なる仕事仲間ではあるが、付き合いはそれなりに長い。何かを思いつけば考えるよりも
先に口に出してしまう性格であることも、悩みを心のうちに溜め込んでしまうようなタイプでないことも知っている。その彼
女があんな笑顔を見せたことに強い違和感を感じずにいられなかった。
 手を止めて彼女の方を見てみる。先ほど浮かべていたあの顔はなく、真剣とも笑顔ともつかない、いつもの表情で雑巾を畳
んでいた。俺の考えすぎだろうか。とにかく今は片づけを終わらせよう。後で直接本人に聞いてみればいいさ。時間は嫌と言
うほど余っているんだ。

「任務終了だ。早く居住区に戻って報告してしまおう」
 雑巾の最後の一枚をバケツの縁にかけながら俺はできるだけ晴れやかに言う。そして、その後談話室でビールなんかを飲み
ながらでも話を聞いてみよう。そんなことを考えていた。
「ちょっと待って。その前に、少し礼拝堂に行かない?」
 予想外に答えられた言葉に俺は口まで出かかった疑問を飲み込んだ。彼女の目が憂いを帯びていたように見えたから。少し
躊躇いはしたが、わかった、と短く答える。肩に背負いかけた仕事道具をピカピカの床に置くと、ついさっきまで作業してい
た礼拝堂の扉に手をかけて促すように振り向く。
「理由は聞かないのね?」
「まあ、な」
 両開きの扉の向こうに見える景色は、さっき足を踏み入れたときとは違って見えた。奥を向いた三人掛けの質素なテーブル
が左右対称に十数脚。それらが向く先には人二人分くらいの大きさの女性の姿。その顔は優しげで、悲しげで、見るもの全て
の心を静める、そんな存在感を纏っていた。
 その景色の中をミリアムはゆっくりと歩いていく。わき目も振らず、ただ真っ直ぐと。俺はその後ろをついて歩きながら、
なんとも言えない不安を感じていた。
 やがて、像の前で立ち止まった彼女はくるりと振り返る。そして、その透き通った瞳をかすかに揺らして、俺にこう告げた。
「私ね、もうすぐ地球に帰るの」
24月のマリア 4/5  ◆gNIivMScKg :2008/02/17(日) 00:57:24.08 ID:LS0Ll3mL0
「なん、だって……?」
 この感情をなんと呼べばいいのか。怒りのような、悲しみのような、裏切られたような、信じられないような。様々な負の
感情がない交ぜのスープになって胃を逆流する感覚。感情と理性が飽和して放心する俺を見ているのかいないのか、彼女は続
ける。
「病気なんだって、私。自覚症状はないんだけど、このままじゃここで暮らせるような体じゃなくなるんだって、ドクターは
言ってた。地球に帰れば治るものらしいんだけど」
 淡々と語る顔には笑顔が浮かんでいた。どうしてだかはわからない。俺はいつの間にか彼女の後ろに佇立する聖母を見つめ
ていた。この世全てを慈しむような、この世全てを包み込むような、その顔を。
「私ね、病気だってこと知らされてから、ここによく来るようになったの。おかしいでしょ? クリスチャンでもないのにさ。
でもね、ここにくると不思議と落ち着いていられたの」
 視線を戻す。彼女の瞳は相変わらず俺を映し続けていた。
「あのね、いきなりって思うかもしれないけど、さっきの話の続き、していい?」
 よくわからないながらも、俺は黙って頷く。
「ありがとう。えっとね……愛、ってさ、色々形があると思わない? 恋愛感情の愛もあれば、家族や友達への愛、物や場所
への愛だってある。もっと本能的なところでは異性の体を求める気持ちだって愛って呼べるよね」
 語りだしたミリアムの顔は明るい。自分がしているであろう表情を思い浮かべて少し情けない気持ちになったが、そんなこ
とより今は彼女の話を聞こう。
「そしてその愛は全部、相手があって初めて意味のある愛なんだよね。つまりさ、自分の見てる人、自分が思い描くビジョン、
自分に応えてくれるものがあるからこそで、究極的には自分への愛の投射の産物だと思うんだ」
 一度開かれた口は止め処なく言葉を紡ぎだす。ああ、いつもの彼女だ。そんなことを思いながら、いつもとは違う調子にゆ
がむその顔を見つめていた。
「自分が病気だってわかってからの仕事は正直つらかった。だって、もうすぐいなくなっちゃうのに、そこでしてあげられる
ことは、やっぱり自分のためのものでしかなかったから。大好きな人たちや大好きな場所に、何の見返りもなく、何かをして
あげたい。なのに、その思いでさえも結局は自分のため……寂しいっていう気持ちも、離れたくないっていう気持ちも」

 零れ落ちた一滴のしずく。それが綺麗に磨かれた床の上で小さな真珠のように光を反射する。
 目の前の女性に何を言ってやれる?
 気がつけば、膨れ上がっていた泡がはじけたように俺の心は静けさを取り戻していた。
「それで、いいんじゃないのか?」
 やっとのことで、俺が口に出せた言葉。陳腐な響きは百も承知。だが、この場に最も相応しい響きだった。
25月のマリア 5/5  ◆gNIivMScKg :2008/02/17(日) 00:57:51.42 ID:LS0Ll3mL0
「きっと誰もが生きている限り自分のため、何かを愛する。それは恥ずかしいことでも、悲しいことでもない。ただ、もしそ
の愛が永久に、受け取るはずの自分が存在しなくなるその日まで続いたなら、きっと行き場を失った愛は本来与えられるはず
の所へ飛んでいくんじゃないかな。そしてそれが君が求める愛の形なんだと、思う」
 潤んだ瞳が俺を捉える。静寂が支配する永遠にも似た数秒間。ただ見つめ、見つめられていた。
 やがて沈黙の帳と共に開かれた口元。そこには、僅かな笑みが浮かんでいた。
「詭弁ね」
「そうかな」
「言い訳と言ってもいいわ」
 悪戯っぽく非難する彼女に、俺はいつか聞いた言葉を口にする。
「言い訳は神様が哀れな俺たちに贈った慈悲、さ」
 その夜、俺たちはミリアムのささやかな送別会を開いた。彼女はずっと笑っていた。
 映るもの全てに愛を注ぐように。ずっと、笑っていた。
 そして一週間後。彼女は地球へと去った。

「よし、こんなもんだろ」
 相も変わらず俺は清掃業に精を出している。暇つぶしと達成感。そして、ほんのちょっとの感謝。そんなものを得るために
こうして毎日飽きもせず床を磨いたり、テーブルを拭いたりしているしているわけだ。これだけ長い間同じ仕事ばかりやって
いると、多少なりともコツが掴めてきたりするもんらしい。
「なーんかコレ、やけにきれいじゃないっすか?」
 今日の相方である痩せた黒人の少年が不思議そうに礼拝堂の像を見上げる。
「そりゃあ俺が毎日お世話してるからな」
 手際よく片付けながらそんな風に答えた俺はふと、ある女性の顔を思い浮かべる。
「へえ、リョウさんってクリスチャンだったんですか。意外だなあ」
「バカ言うな。俺は無神論者だよ。生まれた国の伝統でね」
 ますます不思議そうな顔をする少年を横目に俺は生まれた惑星に思いを馳せる。

 ――元気でいるだろうか。

 早く行こう、と急かす相棒。これだからガキは、と茶化す俺。
 そんな楽しくてくだらないやりとりを月面のマリア像はいつまでも、見守っていた。 <了>
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 00:58:53.15 ID:LS0Ll3mL0
以上でした
お疲れさんです
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 01:20:41.76 ID:9rrJzG2HO
ほしゅ!
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 01:42:15.14 ID:9rrJzG2HO
誰もいないのか?
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 01:44:37.74 ID:RsXi2IyW0
掲示板で誰もいないのかと書くのはナンセンスに思える俺です
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 01:53:46.94 ID:xB3cpJYa0
ずっとメモ帳と向き合ってたらゲシュタルト崩壊した
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 01:54:21.24 ID:9rrJzG2HO
>>29
ああ、いや、誰も保守しないからさ
こんなもんだっけ?
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 01:54:26.09 ID:3oKAWEWu0
え、誰かいるの!?
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 01:55:39.33 ID:RsXi2IyW0
>>31
前スレが三日ルールで落ちてるのを考慮すればわかるはずです><
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 01:57:11.43 ID:9y5uhO9O0
接吻したひ・・・
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 01:57:57.73 ID:9rrJzG2HO
>>33
おれそこらへんよく知らないんすよね
どんな基準で落ちてるんですか?
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 01:58:16.26 ID:z784mvEX0
つ鏡
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 01:58:36.95 ID:3oKAWEWu0
>>34
いいぜ、俺とチュッチュしようぜ
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 01:58:52.79 ID:lMIE5Q46O
脱糞した……
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 02:01:36.31 ID:9y5uhO9O0
自分で考えることをしない人間に良い文章は書けない
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 02:02:17.47 ID:KUZIqJvGO
携帯
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 02:03:38.35 ID:SGAgQIkI0
三日経てば自動的に落ちる。
それが何に因果しているのかっていう謎解き。
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 02:04:56.60 ID:wjiHupzA0
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/02/17(日) 01:57:11.43 ID:9y5uhO9O0
接吻したひ・・・

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/02/17(日) 02:01:36.31 ID:9y5uhO9O0
自分で考えることをしない人間に良い文章は書けない


この四分間で彼に何があったのか考えようか
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 02:05:12.08 ID:9rrJzG2HO
心太式に書き込みがないスレが落ちていってるんだと思ってました
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 02:05:43.51 ID:lMIE5Q46O
三日経てばどんな罪もチャラになるっていうアレだな?
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 02:09:43.20 ID:KUZIqJvGO
>>43
もちろんそれもある

心太で“しんた”って名付けられた子がいるって話を聞くが本当なのだろうか
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 02:12:45.58 ID:9y5uhO9O0
接吻したひ・・・

脳内で偶像構築した後にバリ集中して現実にいるように錯覚させればいいじゃん

(中略)

おい!俺のバームクウヘンやぞ!

あれ・バウムクーヘン?バームクウヘン?

(中略)

自分で考えることをしない人間に良い文章は書けない
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 02:16:18.17 ID:lMIE5Q46O
そういえば剣心の幼名は心太だったな
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 02:18:24.17 ID:9rrJzG2HO
>>45
三日ルールってスレが立ってから三日ですよね?
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 02:25:49.94 ID:RsXi2IyW0
>>48
yes it is.
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 02:26:30.07 ID:9rrJzG2HO
>>49
じゃあ三日ルールと保守って関係なくないですか?
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 02:27:53.66 ID:RsXi2IyW0
>>50
落ちる理由には
・ある程度の時間書き込みがない
・3日ルール
・512k超える

とか色々あるのよ
で保守はある程度の時間書き込みがなく落ちるのを防いでるのよ
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 02:32:23.66 ID:9rrJzG2HO
>>51
うん、ですよね
いや、なんか三日ルールで落ちたばかりだから
保守はいらない、っていう流れなのかと……
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 02:35:14.74 ID:xgVX8Pf50
素直に、最近は3日経ってもスレが埋まらない過疎状態だから、人が少ないんだよねと言えばいいのに……
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 02:39:45.56 ID:9rrJzG2HO
ああ、なーる
書き込み後に人が増えたもんだから
気付きませんでしたよ
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 02:40:01.13 ID:K8xPZmR80
現行スレだけ更新したので前スレの通常小説のまとめ誰か頼む
(俺ログ最後まで持ってないから無理)
56お題「キャミソールなど」0/4:2008/02/17(日) 02:48:57.89 ID:/hv1Nt8c0
えっと、お題は
「キャミソール」
「四十八手」
「絶縁 」
「もっこりぱさぱさ」
以上4つです。
三人称のつもりです。そういった観点で感想いただければ幸いです。
57お題「キャミソールなど」1/4:2008/02/17(日) 02:49:31.62 ID:/hv1Nt8c0
 家族ぐるみでスキーを満喫しようとした太田は、初日早々大転倒。
 いきなり大腿骨骨折で入院となった。
 足を持ち上げた状態で不自由に横たわって数日後、同じクラスの女子である川原が病室
へ見舞いにやってきた。
 彼女は太田を無視するかのように真っ直ぐ窓際まで歩く。分厚いカーテンを一気に開き、
まばゆい日差しが個室を満たした。
「あんた、高校受験を控えてるのに何やってんのよ」
 憮然とした表情で振り返ってそう言い、ベンチコートを脱ぐ。
 彼女は薄い生地で肌にぴったりのキャミソールを着ている。ピンクで少し色の抜けた風
合いのそれは、明らかに夏の装備である。
 硬質な足音を立ててベッドの横へ戻った。パイプ椅子に手をかけ、腰を投げ出すように
して座る。その拍子に彼女の胸元は水風船のように大きくたわんだ。
 制服姿と違い、キャミで強調された胸元は太田の想像を越えている。彼の目は大きく開
かれた。
「やべ」
 かすれる声で太田はつぶやき、シーツの下でもぞもぞと手を動かす。病院着のポケット
へ両手を突っ込み、腰を引き、あてもなく視線を動かす。
『おっぱいフェチ』を自他共に認める太田にとって想像外の見舞いである。
「ん?」
 真顔でシーツ下へ注目する川原。
 わずかに顔をひきつらせ、大田は慌ててベッド横へ視線を走らせた。そこにはベージュ
のキャビネット、その上には小さな安物テレビが置かれている。
 灰色の画面へ顔を向け、あせった口調で話を切り出した。
「な、なあ。土産あるんだけど」
 そんな大田の視線に釣られる川原。「くだらない気を使わずに骨折直しなさいよ」そう
言いながらもキャビネットを凝視する。
 太田から一気に緊張が抜け落ちた。
「あ、ごめんごめん。そこの中に包みがいくつかあるから」
 安堵した表情で彼がそう言うと、川原はベッドへ手をつき、大田へのしかかるようベッ
トへ体を投げ出した。向かいのキャビネットへ向かって伸び、更に右手も出す。
58お題「キャミソールなど」2/4:2008/02/17(日) 02:50:16.63 ID:/hv1Nt8c0
 砲弾状に実る豊かな胸が彼の胸元へわずかに触れる。
 みるみる表情を引きつらせる太田。ふたたびシーツの下でもぞもぞ動かす。が、もう
ごまかせるレベルの隆起ではない。自分の様子を下目使いぎりぎりで確認し、眉を潜ませ
る。一瞬考えた後、太田は思い切ってシーツをぱさぱさと大きくあおり始めた。
 キャビネットを開き、中から買い物袋を引っ張り出す川原。体を起こして丸椅子へ座り
なおす。シーツが大きくうねる様子に小首を傾げた。
「何それ」
「あ、暑くてさ。薄着でもいいくらいの暖房がいつも効いてるから。俺、暑がりだろ?」
「そうだっけ」
 不思議そうな表情で言ってから、手元の買い物袋を見る。中へ手を入れ、包みのひとつ
を取り出した。出てきたのは半透明のビニールに包まれた布製品。
「なにこれ」
「タオルだけど」そう言ってから太田は焦った表情を見せる。「あ、ちょっとそっちじゃ
なくて」あわてて左手をビニールへ伸ばした。
 が、一歩遅かった。
 川原は勢いよく包装を破き、中の布を左右へ広げる。
 瞳を大きく開き、続いて眉を潜めた。
「へえ」
 落ち着いた口調とは裏腹に、つまむ両指へ目一杯の力をこめている。
 それはみやげ物屋でよく売られている、下手糞なイラストで男女の交合を描いた物だ。
俗にいう四十八手の図解である。
「あ、いや」
 口元を大きく歪ませ、太田はひきつった笑い顔をうかべた。
 彼女のキツい性格は太田もよく知っている。この手合いにはとても厳しい性格だという
ことも分かっている。もう行くところまで行ってしまうだろう。ひそかに好意を抱いてい
た相手であるのに、ここにきて大きく地雷を踏んでしまった。
 後悔で心がうずめられる。
「ふうん。私をからかうのって面白いんだ」目を細め、眉を歪ませる川原。「おまけに私
の胸をさっきからじろじろ見て。変なところ大きくしてるし……変態?」
 冷たい口調で言った。
59お題「キャミソールなど」3/4:2008/02/17(日) 02:50:53.48 ID:/hv1Nt8c0
 太田は覚悟した。もう駄目だ、ばれている。
「絶縁ね、絶縁!」
 吐き捨てるように川原は言った。勢いよく立ち上がる。パイプ椅子が後ろへ倒れ、物音
ひとつしない個室に金属音が響き渡った。
 同時に彼女の胸は大きく揺れる。嫌でもそこへ太田の視線は釘付けとなった。
 再びシーツの下で手を動かそうとする。
「また?」
 その声に両手が凍りついた。
 彼女は腕組みをしながら冷たい視線で見下ろす。
 太田はもう何も言い返せない。
 ベンチコートを再び羽織り、倒れた椅子を起こす。病室の出入り口まで歩き、そこで彼
女は足を止めた。
 顔だけで肩越しに振り返る。冷ややかな視線を彼に送った。
「じゃあ、私からお土産置いておくね」
 そう言って彼女はコートのポケットから小さな包みを抜き出した。太田のベッドへ放り投
げ、丁度下半身へそれが命中する。
「う」
 小さなうめき声をあげた。
「絶縁したからね。どう私と縁を取り戻すか、よく考えておきなさい」
 きつい口調でそう言い残し、川原は勢いよくドアを開き病室を出た。 

 仰向けで何も無い天井を眺めたまま、太田は深く大きなため息をついた。
「最悪だよなあ」
 股間に命中した包みは顔の横へ置いてある。バレンタインだからチョコなのは分かって
いる。五センチ四方くらいの大きさで、相場からいえば恐らく本命ではない。
 それでも、もしかしたら。
 だるそうに半身を横へひねり、力無い指先で包装を小さく破く。
 ピンク地が出てきた。さらに破る。成分表示の類が小さく書いてある。だが、どんなチョ
コレートなのか分からない。
 完全に包装を破いてからそっと箱の蓋を開く。中に妙な形が入っている。
60お題「キャミソールなど」4/4:2008/02/17(日) 02:51:24.77 ID:/hv1Nt8c0
「なんだ?」
 中身を凝視する。お碗型のホワイトチョコにピンクのポッチ。
「ひょっとして。おっぱいチョコ?」
 そう言い終わってから、奥に小さな紙切れが入っているのに気づいた。
 指先でそっと抜き出し、二つ折りの紙を開く。
 そこには、大きく
『変態』
 と彼女の字で書かれていた。
 再びベッドで仰向けになってから、両手を開くように左右へ腕を倒した。
「俺、ひょっとして川原にからかわれてんのか?」
 そうつぶやいてから再び大きなため息をついた。

61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 03:43:34.29 ID:xB3cpJYa0
──なんという、保守
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 03:55:09.21 ID:LqXWF2oo0
             ∧,,∧      パソコンが壊れそうなこんな時にスレがdatに落ちたなら 覇猫編集拳を使わざるを得ません
          _ (´・ω・)o、_,o
  ( ⌒)     (_ヽ(  ⊆o○o   総作品数:4219作品
 (;;) (;;⌒)    ,;-‐‡ ,ゝ )-イ,‡-キ、  総スレ数 :416スレ
  (;;⌒) )   l. O じ弐;; l O::|;;|  現 在   :417スレ目
 (;;⌒)⌒) = ゝ__ノノ   ゞ_;;ノ;ノ   備 考   :しばらくいなくなるかも知れません すぐに戻るかも知れません
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 03:56:54.00 ID:2pMGKKNS0
い、いなく……なる……・?
とりあえずおつ
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 04:05:28.27 ID:wjiHupzA0
おつ
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 04:27:23.82 ID:ejgD94n20
>>56
もっこりぱさぱさ吹いたw
難しいお題だろうに、どれも自然に話に組み込んである。上手い。

表現でところどころに違和感あったな。
>『おっぱいフェチ』を自他共に認める太田にとって想像外の見舞いである。
誰にとっても想像外なはずなので、前半と後半でうまくつながってない気がする。
『嬉しい見舞品』ってことか。
>眉を潜ませる。
顰める、じゃね?
>絶縁
普通は「絶交」とか使いそうなものだが、どうなんだ。気になった。
>五センチ四方くらいの大きさで、相場からいえば恐らく本命ではない。
なんの相場かわからん。大きさか。本命は三十センチ四方くらいあるのか?

川原は委員長キャラだな。
実は冗談も通じるってのは好きだが、ここまでくるとちょっとビッチな感じがw
うーん、彼女の魅力を伝えきれてない気がす。いまいち本心が見えない。
好意を寄せてもいない相手にこんなことはしないだろうから本命チョコに違いない、
とは思うんだけどね。もうちょっと踏み込んでくれたらいいな、という読後感です。

>>62
おっつんこ
66 ◆CFP/2ll04c :2008/02/17(日) 04:40:32.01 ID:iKVB4EC20
品評会投下します。

2レス
67選択1/2 ◆CFP/2ll04c :2008/02/17(日) 04:41:43.34 ID:iKVB4EC20
 振り返ると妻が立っていた。右手にはバイオリン、左手には銃。
「好きなほうで私に慈悲をお与え下さい」
 頬を流れる涙が乾いた跡に、乱れた髪の毛が張り付いたままだった。妻は夫の目を
真っすぐに見つめながら、両手に持っている物を彼に差し出してきた――

 夫婦は生活を共にし始めてから三十数年が過ぎていた。子供はいない。
 最初の頃、妻は二人の愛の証しを熱望していた。
 夫はその反対。産まれてくるモノ――それによって生じるであろう、さまざまな煩わ
しい事態。彼は、これらを想像すると恐ろしさに身震いがした。精緻な機械のように
合理的な彼の頭脳が、その必要は無しと断じるまでに、さほどの時間を要することは無かった。
 妻は、わりと早い時期に夫の気持ちに気付いていた。しかし、彼の頑迷さを考えると、自分
の希望を、底なし沼にも似た彼女の鬱屈の中に、深く深く沈めることしかできなかった。

 以前の夫はバイオリンをよく弾いていた。妻は編み物をしながら、彼の奏でる名も知らぬ
曲を聴くのが好きだった。しかし、絶えて久しくこの家にバイオリンの音はない。
 夫は数学者だった。彼は、数学界で誰も解いたことのない問題に、昼夜を分かたず没頭して
いた。その問題に取りつかれてから、彼は健常な社会生活の埒外に行ってしまった。
 大学の教授職をなげうち、知人との交流も絶っていた。その結果、二人の暮らしは困窮を
きわめた。妻が外で働き、そのわずかな収入で糊口をしのいでいた。
 一日中机に向かっている彼は、彼の思索の邪魔になる何者も存在を許さなかった。夫婦の
会話は無くなり、いつしか妻は、家の中でわずかな物音を立てることさえ慎むようになっていた。

 ある日彼は、その問題にいままでとは、まったく違う角度でアプローチすることを思いついた。
 それは、わずかな隙間から垂らされた、いつ切れてもおかしくない細い糸を、手繰り寄せていく
ような、とてもデリケートな作業だった。あとわずかで、数十年縛りつけられていた悪魔の楔から
解放されるのかと思うと、彼は自然と興奮していた。
68選択2/2 ◆CFP/2ll04c :2008/02/17(日) 04:42:50.65 ID:iKVB4EC20
――ガチャン――
 
 狭い家中にその音が鳴り響いた瞬間、彼がやっと見つけたか細い糸はぷつんと切れてしまった。
不幸なことにそれをノートに記していなかった。頭の中でその素晴らしい着想をまとめている最中
だった。彼は、空しく目の前の虚空を見つめた。そのあたりにまだ逃げていったものが、漂っている
のではないかと、頭の片隅でぼんやり考えていた。
 彼はおもむろに立ち上がり、音のした台所へと向かった。そこでは粉々に砕けた皿が床に散らばり
蒼ざめた顔で突っ立っている彼の妻がいた。
「ご、ごめんなさい。私ぼんやりして……」
 彼は最後まで聞くことなく、彼女の頬をおもいきり打った。彼女は床にくず折れた。床に突っ伏した
ままの妻をそこに残して、彼は自分の部屋へ戻っていった。

「あなたを愛しています。あなたがどちらを選んでも私は幸せです」
 彼は妻が両手に持っている物を黙って見ていた。そして、長年献身的に尽くしてくれた妻の顔を見上
げた。慈愛に満ちた彼女の表情を見つめるうちに、数十年に渡って、自分の犯してきた過ちにようやく
思いが到った。それを初めて自覚した彼は、その重みに押し潰されそうだった。
「すまなかった……」
 やっとの思いで声を絞りだすと、彼は手を伸ばした。ゆっくりとした動作で、それを彼女から受け取った。
 その手に握られたのはバイオリンだった――
 妻は机に銃を置き、椅子に腰を掛けた。そして、夫の奏でるバイオリンに、出会った頃の幸せに満ち
た日々を重ねていた。
 演奏が終わると彼女は夫を抱きしめ、静かに部屋を出て行った。
「本当にすまなかった……」
 夫は、妻には届かない償いの言葉をもう一度口にすると、机の上の銃を取り、こめかみに銃口を当てた。

                      完
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 04:43:42.59 ID:iKVB4EC20
以上です。ありがとうございました。
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 04:47:14.67 ID:ejgD94n20
>>56
>>65だがごめそ、読めてなかったみたいだ
>「絶縁したからね。どう私と縁を取り戻すか、よく考えておきなさい」
ここはそういう意味だったか……すまんかった、どうみてもツンデレだったw
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 05:06:42.38 ID:6Y7GH/G6P
>>70
つか、お題だから使わざるを得なかったんだろ。
普通なら絶交って書いてると思うぞ?
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 05:20:42.30 ID:ejgD94n20
>>71
あれ、お題って言い換えて使ってもおkじゃなかった?
微妙なニュアンスの違いは出てくるかもしれんが
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 06:22:53.60 ID:phhfUGhiO
保@守
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 06:55:40.83 ID:1culCgzD0
:.:.:/:.:.:. /:.:.:.:.:.:.:/:.:.:∧ハ:.:.:.:ヽ
:.:.i:.:.:.:.,'.:.:.:.:_:∠:.:∠ l 、}:.iヘ:.:..',
:.:.|:.:.:.:.l:.:.:./ //    l/ト∧:.l
:.:.l:.:.:.r‐v′-──  ─-∧:l/ .。o(保守なのだ)
:.:.i:.:.:.{ `Y 、、、、    、、〈 リ′
:.U:.:.ゞ‐t_         ノ 
:.:.!:.:.:.:.:.//\  t‐セ´         
:./:.:.:.:./ヽ  ヽ入:{          
:':.:.:/   ヽ /父\
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 07:34:25.93 ID:e95RkHc40
天才だぜ
76【品評会】清算/凄惨 1/3 ◇p/4uMzQz/M :2008/02/17(日) 07:35:01.79 ID:e95RkHc40
 仕事で嫌なことがあった。電車に向けて飛んでやろうかと思ったが、よく考えたらいつもの事だったので止めた。
 祐二の奴に会ったのは、そんな足で向かった先の居酒屋。いきつけと言うには頻度が足りず、
知らない場所と言うには来た回数が多いくらいの場所。そんな店の奥のカウンターに、彼が居た。
「あれ? ……奈摘か、久しぶりだなぁ」
 そんな声を聞くなり、私はヒールで彼の革靴の先端を踏みつけていた。
 ぐにゃ、と彼の顔が見る見るウチに歪んでいった。
「いっ……」
 てぇえええええええええええええええええええええええええ。
「うるさいわよ、周りの迷惑じゃない。もう子供じゃないんだから」
「てめぇ何様だその口今すぐホッチキスでぱっちんしたろうかぁ!!」
 ぱっちんて何だ。可愛いぞ。
「謝んないわよ、お返しなんだから」
 生中二つ、とだけすっかり面食らっている店員に伝え、私は彼の隣の椅子を引いた。
「あぁ? お返し? 何だお前、いきなり」
「久しぶりよねぇ、全く」
 被せるように言葉を発する。
「アンタと最後に会ったのは、……成人式の時か。もう四年、ね」
 思い出すだけで腹が立った。何が一番むかつくかって、コイツは全く悪気が有った訳じゃ無いであろう事だ。
 祐二は自分の分のジョッキを手に持って、やっぱり呑まずにテーブルに置き、口を開いた。
「あー、そうだな懐かしいなぁ。確か何だっけ、終わった後飲み行って、五人ぐらいでカラオケ行って──」
「その後アンタは私をお持ち帰りして、そのまま次の日には大学の方に帰っちゃったのよ」
77【品評会】清算/凄惨 2/3 ◇p/4uMzQz/M:2008/02/17(日) 07:35:39.34 ID:e95RkHc40
「…………あれ?」
 多分、背景に書き文字を置くとしたら「ずどーん」とかそんな感じの空気の重さだ。自分でやっといて何だが。
 私がその事を怒っていると今更気付いたらしく、祐二の奴は顔を真っ青にしていた。額に汗が浮き始めている。面白いなコイツ。
「え、ええええぇ、えと」
「朝になってさ、アンタは一言『じゃ、俺東京帰っから』って。私からしたら何言ってんだコイツ、よ」
 私のビールが運ばれてくる。それを掴むなり、私は二ついっきに飲み干した。すぐにもう二杯頼んだ。
「……俺の分じゃなかったのかよ」
「んな訳ねぇでしょう」
 そう答えると祐二は自分のジョッキを持って、今度こそ、ちびちびと飲み始めた。
「えっとな、あの、その、すまんかった」
「それだけ?」
 一言で切り捨ててみた。
「あ、……え、あ」
 怯えたような表情になった祐二は、少し私から体を離しながら、口を開くことも出来ずに戸惑っていた。
「…………はぁ」
 次に来たビールを、再びイッキに飲み干す。あー、いい感じにくらっと来た。
「あ。おい、奈摘、あんまり無理して飲まないほうが」
「うっさいわらしがお酒つよいのしってんれしょう!!」
 視界が少し歪んでる。頭が急に重たくなる。やっばい、さすがにちょいキツいか。
「うぅー、くっそう、親父ィ!! もぉーう一杯だぁ!」
「お、おい奈摘止めとけって」
「うるさいうるしゃい! 黙れ祐二!」
「あと、そもそも店員さんは親父じゃなくて女の子だぞ」
 それはどうでもいいだろ、律儀だなこの馬鹿!
78【品評会】清算/凄惨 3/3 ◇p/4uMzQz/M:2008/02/17(日) 07:36:14.15 ID:e95RkHc40
「うざいなぁ……、じゃあいいよそれ寄越せ」
 私は祐二の手からビールを引っ手繰ると、それをまた一度に飲み干した。
「お、おい、だからお前そんなに飲んで大丈夫なのか」
「黙れひゅうじ! アンタねぇ、おさななじみだからって、何しても許されるとでも思ってる訳? あーん?」
 祐二の肩に手を回して、体を椅子ごと引き寄せる。顔を近づけて喋り続ける。
「アンタがさぁ、いきなりあんなことする奴だたぁー思わなかったらよ、それにその後音信途切れうし。
 ひかも何? それでお互い地元帰って就職した思ったら、今度は必死に私避けてたっつー訳?!」
「い、いや別に避けてなんか。ほら、招待状送っただろ? 俺が」
「だから? 謝罪の言葉も無し、私に会おうともしない、そっちから連絡もしない。それで避けてないってかぁ?」
 確かに去年葉書は実家に来たなぁ。結婚しますっつー、いきなりな招待状が。
 首に絡ませた腕を、そのままキツく閉めてみた。これくらいなら、許されるだろう。
「ちょ、マジ、首絞まってる……勘弁して、なつ、み……」
 いやいや、こんなんじゃまだ足りない。これだけであの仕打ちを許してあげようっていうんだから。それに、
「口答えは無し。私がいいってまで、ずっとわたひの話を聞きなさい」
 私が招待状を見たあの日まで、いや、今もアンタの事を好きな事を言わないでいてあげるんだから。
それに今日だって、成人式の飲み会ん時みたいにわざとツブれる気も無いんだし。
 そんな私の優しさを考えたら、ここでアンタがされることなんて、大したことじゃないわよね?
「日付変わるくらいには解放したげるから、それまれ話聞きなさい!!」
 私のその言葉に、顔を更に青くしながら祐二は頷いた。あー、私って優しいわっ。

                                    了。
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 07:51:24.82 ID:wjiHupzA0
九割書けたけど、救いがね――!
とっても鬱だ。寝て起きたら良い案が浮かぶだろうか
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 08:08:30.21 ID:icc0VR6iO
無理
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 08:11:29.79 ID:KUZIqJvGO
救いイラネ
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 08:45:27.39 ID:+GMJCQkR0
ほす
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 09:25:54.56 ID:K8xPZmR80
良い案があるんだけど自信がない
どこかに落っこちてないだろうか
84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 10:07:26.64 ID:+GMJCQkR0
今回は作品少なそうな予感。
やっぱり難しいんだろうか。
逆に、今回書き上げられたら自信がつきそうな予感。
要するに、並大抵の労力では無理だって事だ。
そんなことを考える休日の朝、保守。
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 10:48:20.66 ID:C3wDNIHD0
なに、ジョナサン、自信が無い?
逆に考えるんだ、ここで絶賛をうけて自信をつけるんだ
それでも怖いってんなら俺の過去作読んでこい。
86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 10:54:57.02 ID:+GMJCQkR0
おいおいジャック、それは違うぜ?
絶賛を受けるんじゃない、酷評を貰うんだ。
ここの住人が、容易く他人に賞賛を浴びせるとでも?
まさか、そんなことあるわけ無いだろう。
他人に厳しく自分に厳しく。それがBNSKerってもんさ。
87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 11:04:41.86 ID:C3wDNIHD0
まあ、そうだよな
88以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 11:05:41.37 ID:WMNbZi6Z0
品評会行きます
89満月の夜に 1/5 ◆7BJkZFw08A :2008/02/17(日) 11:06:19.86 ID:WMNbZi6Z0
 さら、さら。
五月のうららかな日差しの下、大きな屋敷の庭を、せせらぎが静かに通り過ぎて行く。
 その広い広い庭の中で、白い洋服を着た少女が一人、花を摘んでいた。
ゆったりとウェーブのかかった、この辺りでは珍しいほとんど茶色の髪。あどけなさの残る顔つきからして、まだ年のころ十二、三というところだろう。
 少女の方へ、屋敷の方から一人の婦人が少年を伴って歩いてくる。
「お母様、そちらの方はどなたですか?」少女が問う、婦人は少女の母であるようだ。
「……ハスミ、この少年が今日からあなた付きの使用人よ」やっと見つかったのよ、と婦人はため息をつきながら言う。
 す、と婦人のやや後方に控えていた少年が前に出た。見た感じ、ハスミと年はそう変わらないようだ。
「トヤ、と申します。ハスミお嬢様、これからよろしくお願いいたします!」
 ぺこり、というには少し力みすぎに、少年は頭を下げた。
「お母様の言っていた私付きの使用人とはあなたの事ですね? ええ、こちらこそよろしくお願いします」
 ハスミは柔らかく微笑みながら、少年に会釈した。
少年が少し顔を赤らめたのは、緊張のせいか、それとも。
 ハスミの母はそれに気づいたのか、目元にほんのわずか、哀しそうな光を宿した。
 さら、さらと、せせらぎは静かに、涼やかに五月の陽の元を流れていた……

「トヤは、苗字は何と言うのですか?」
 二人で庭を歩きながら、ハスミはそう尋ねた。
「私には、苗字は無いのです。その、両親がいないもので」
 まあ、と少女が口に手を当てる。「悪いことを聞いてしまいましたね」
「いえ、構いません。でも僕は幸運です、こんな立派なお屋敷に仕えることが出来て」
 ハスミの家、スズシロ家はこの地方一帯の中でも指折りの富裕な家である。
故にこのように大きな屋敷、大きな庭を持つことができるのだ。確かにこの事は、仕える使用人にとっても鼻が高いだろう。
 それに、とトヤが言葉を継ぐ。
「こんなに美しいお嬢様のお付きになれて……」
 途中まで言って照れくさくなったのか、言葉を濁しあらぬ方を向く。
ハスミもまた恥ずかしそうに俯いた。春の日差しは二人を柔らかに照らしていた。
「あ、すみません……その、何だか変な事を言ってしまって」
 やおらトヤが弁解するように手を振りつつそんなことを言った。
「あら、私を美しいと言ったことを、変なことと言うの?」
90満月の夜に 2/5 ◆7BJkZFw08A :2008/02/17(日) 11:06:42.72 ID:WMNbZi6Z0
 冗談めかしてハスミが言う。慌てて、いえそんなことはと先ほどより強く手を振りながら言うトヤ。
その素振りがあんまり必死だったため、思わずハスミは吹き出してしまった。
「うふ、あはは、あははははは」
「はは、ははは……」
 ひとしきり二人で笑った後、ハスミが不意にこんなことを言った。
「私、あなたとならお友達になれそうな気がします!」
「友達などと、そんな。私はただの付き人です」
「いいのです、付き人で、お友達で。私ずっとこのお屋敷にいるんですもの。同じくらいの年の人なんていなくて、寂しかったんです」
「弟様がいらっしゃるじゃないですか」
 ハスミには三歳年下の弟がいる。しかしハスミは頭を振りながら言った。
「あれはまだ幼いです。それに私、あなたが気に入りました!」
「はあ、それは……」
「嫌ですか?」やや上目づかいに、ハスミが問う。
「いえ、嬉しい、です」しどろもどろ、トヤが答える。
 よかった! と言いながらぱちんと手を合わせるハスミ。
 二人はいつの間にか、庭の外れまで来ていた。深緑の木立の壁が二人の目の前に広がっており、そこにひっそりと佇む白く大きな土蔵がひとつ。
この静寂の中にあって、その頑健な造りが周りと調和しつつも圧倒的な存在感を放っている。
「土蔵ですね。さすがに大きい」トヤが感心した風に言う。
「ええ、 ここは下の階は物置なんですけどね、上の階には昔私の叔母が住んでいたそうですよ」
「叔母さん……ですか? どうしてこんなところに?」
「さあ、私にもなんでかは。私が生まれて少し後に亡くなってしまったそうですから」
「そうですか……」
 そんなことより、とハスミはトヤの手を捕まえてもと来た道を走りだす。
「私のお部屋へ来て下さいな! ささやかですけど、歓迎会を開きましょう!」
 軽快に遠ざかって行くハスミと、それに引きずられるトヤを、白い土蔵がじっと見つめていた。

 トヤがスズシロ家に来てから一月ほどが経った。
彼は年の割に色々なことに気が付き、よく働いた。
ハスミとも仲が良く、スズシロ家の当主であるハスミの父からも気に入られていた。
しかしハスミの母だけは、どこかトヤにそっけない態度をとるのだった。
91満月の夜に 3/5 ◆7BJkZFw08A :2008/02/17(日) 11:07:09.53 ID:WMNbZi6Z0
「僕、奥さまに嫌われているのでしょうか?」
 トヤは思い切ってハスミにそう尋ねてみた。
「いいえ、そんなことありませんわ。大体、この家にあなたを連れてきたのはお母様なのでしょう?」
「それはそうですが……」
 ハスミの母はスズシロ家の直接の子孫である。
その母にハスミの父が婿入りする形となり、表面上はハスミの父が当主となっているが、実権を握っているのは母である。
「あまり気になさらないことですわ。とりたててあなたを苛めるわけではありませんし。
 それより今夜は満月です、私と一緒にお月見しませんか?」
「お月見……まだ六月ですよ」
「いいじゃありませんか、少しくらい早くたって」
 空は真っ赤に焼けており、ねぐらへ帰る烏達の声が寂しく響いている。
 トヤ、ハスミ、と呼ぶ声がした。
「奥さまだ」トヤは慌てて駆けだす、ハスミも呼ばれたので一緒についていく。
 窓から差し込む橙色の柔らかで冷たい光が、部屋の中を紅く染めていた。

「どうしました、奥さま」
「ああ、実は明日客が来ることになったのよ。昔あったティーセットを使いたいんだけども、とってきてくれない?」
「ええ、わかりました。それはどこにあるんですか?」
「庭の端にある土蔵の中よ、長い間使ってなかったものだから。土蔵はハスミが知ってるはずだから、ハスミに案内してもらうといいわ」
「いえ、僕、知っています」トヤはそう答えたが、遅れてやってきたハスミが二人の間に割り込みながら言う。
「いいえ! 構いません、夕方のお庭は一人じゃ心細いでしょう」
「なら一緒に行きなさい」
 ハスミの母がそう言ったので、二人は一緒に、駆けだしていった。

「うーん、ずいぶん暗いですね、それに埃がひどいのか変な臭いがします。明かりを持ってくれば良かった」
「戻りますか?」
「いえ、これくらいならまだ大丈夫でしょう、幸い中には明かり取りの窓もあるようですし」
 ハスミの叔母が住んでいた、ということもあるだろう。土蔵には格子の嵌った小さな窓があった。
二人は土蔵の中に入り、目的の物を探し始めた。と、突然ばたりと土蔵の扉が閉まった。
「ひゃ」ハスミが驚く。
92満月の夜に 4/5 ◆7BJkZFw08A :2008/02/17(日) 11:07:34.48 ID:WMNbZi6Z0
「風で閉まっただけでしょう」言いながらトヤは扉に近寄り、再び開けようとする、が。
「あれ、開かない……」トヤはがちゃがちゃといじってみたが、何かの具合で扉は開かなくなっていた。
「ええっ! そんな」
「大丈夫、僕らが戻ってこなければお屋敷の誰かがおかしいと思いますよ。奥さまも行先は知っているわけだし」
「そう……ですか?」不安げに問うハスミ。「そうですよ」と安心させるようにトヤがはっきりとした声で言う。
 しかし夜がゆっくりと土蔵の中を満たす頃になっても、誰も助けに来る気配はなかった。
「夜……ですね」「ええ」
「少し変な場所ですけど、二人でお月見ですね」「お嬢様……呑気ですね」
 どれくらい経っただろう。もうずいぶん経った気がする、ハスミもトヤも、そう思った。
小さな明かりとりの窓から見ると、ちょうど満月が見える――――――――

 ―――――「ハッ!?」
 ハスミは意識を取り戻した。少し眠っていたのかしら、などと思う。
「トヤ」呼んでみるが返事が無い。
「トヤ……」ふと、ハスミはそれに気付く。自分の足もとに落ちている、半球状の……
 持ち上げて、ハスミはそれを、見てしまった。胴から引きちぎられ、その半分を吹き飛ばされた、いや、喰いちぎられたような、トヤの、頭。
驚愕に大きく見開かれた片方しかない目がハスミを見つめ、絶望の形に広がった半分だけの口が声にならない悲鳴を上げ続けている。
「きゃあああああああああああっ!」ハスミは思わず掴んでいたそれを投げ飛ばしてしまった。
 見れば、土蔵の床や壁に飛び散ったおびただしい染みは血ではあるまいか、そこここに散らばったぬらりとしたものは、かつてトヤであったものの一片ではないだろうか。
 ハスミが思わず目をそむけた先で、きらりと何かが光った。窓から差し込んだ淡い月光が、立てかけてあった鏡をぼんやりと照らしだしている。
そしてハスミは見た、映しだされた自分の姿を、血で染まった両手、胸元、そして、口……今度こそ、あらん限りの声で、ハスミは絶叫した。
 ぎぃっ、と、扉が開き、誰かが入ってきた。ハスミの、母。
「おかあ、お母様、トヤ……私……私……違うの……どうして……」
「スズシロの、呪いよ」母は吐き捨てるように言った。
 そして、母は今まで娘に伏せていた全てを、スズシロ家の秘密を語った。
「昔の話よ。ある『化生』がいてね、人々にひどく災いをなしたの。人々は困って、なんとか化生を封じようとしたわ。
そしてついに封じることに成功した、スズシロ家の一番上の娘の身体の中に。それ以来、スズシロ家の長女が生まれる度、
その身体には化生が宿ることとなった……でも、それは完全ではなかったの。
その子が十三の歳になると化生の力を抑えきれなくなり、毎年一度、六月の満月の夜に化生がその身体を支配して害をなす。
それは若い少年の肉を喰らうまで、治まる事はない……」一呼吸おいて、母親は言葉を継ぐ。
93満月の夜に 5/5 ◆7BJkZFw08A :2008/02/17(日) 11:07:58.43 ID:WMNbZi6Z0
「ただ、こういう面もあるの。化生の力は莫大な富を呼び寄せる……もとは単なる一農家だったスズシロがここまでの力を持てたのは化生の力のおかげでもあるわ。
人々を守る代償って、とこかしらね。それともわずかながらの神様の慈悲? ふふっ」母親は悲しげに笑った。
「そんな……! じゃあトヤは最初から!?」ハスミは信じられない、信じたくないという思いで母親を見つめる。
「ええ、私の姉さんの時もそうだったし、その前からもずっと……この土蔵で、何人が死んだんでしょうね。すっかり血の匂いがこびりついて」
「そんな、嫌……じゃあ」ごくりと血の混じった唾を飲み込み、ハスミが言う「じゃあ私が死んでしまえば……?」
「それは駄目」ぴしゃりと母親が打ち捨てた。
「あなたが死ねば、化生は檻を失い、また外に出て災いをなすわ。そうしないためにスズシロは化生をその身体に飼い続けてきたのよ……!
あなたが死んだら、姉さん達が苦しみ続けてきたことが全て無駄になる、それは駄目、駄目なのよ……」
 叱責するというより、哀願するような声で母が言う。
 いつの間にか夜が明けて、白んできた空の色がハスミの瞳に当たって弾けた。瞳から零れたその光に、希望の色は無かった。

 それからハスミは、土蔵の二階に住むようになった。朗らかだった笑顔はその姿を潜め、憂慮の影ばかりが少女の顔を覆っている。
 あれからほぼ一年が経った。今年ももう少しで、六月の満月の夜がやって来る。
外から、母親の呼ぶ声がする。ハスミは影が滑るように、虚ろな足取りで土蔵の外へ出た。
「ハスミ……この子が新しいあなた付きの使用人よ」一年前と同じように、母の後ろには少年が控えていた。
「イチナと申します。ど、どうぞよろしくお願いします」
 恥ずかしそうにぺこりと、少年は頭を下げた。
その少年を見つめ、ハスミはこの上なく美しく綺麗な、それでいて一欠片の輝きも無い笑顔を送った。

(ああ、神様。あなたに本当に慈悲があるのなら、この私を御救い下さい! ……いいえ、私はどうなっても構いません。
地獄に落ちても構いません、ですからどうか、二度とこんな悲しみを誰かに与えることのないように。
あの子にも、そしてこれから生まれるスズシロの娘にも。『化生』など、この世から消し去って、私と一緒に地獄へ送ってください。それが、私の……)
 その夜、スズシロ・ハスミは土蔵の二階で、自らの首に割れた鏡の破片を突き立てて命を絶った。
降り注ぐ月光が、涙のようにぽたぽたと零れ落ちる赤い滴を淡く照らし出していた――

 長い年月が経った。
化生はハスミという檻を失っても再び世に出ることは無かった。
しかし、かつてスズシロ家のあった場所には緑の草原がそよそよと風に波打っているだけであり、深緑の木立の中に
あの白い土蔵の姿を見とめることはもはや無かった。
94以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 11:08:11.98 ID:WMNbZi6Z0
以上です
95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 11:54:20.61 ID:dylnauo2O
96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 11:57:29.00 ID:C3wDNIHD0
odaikudasai
97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 12:06:36.14 ID:LPweCT450
98以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 12:55:59.11 ID:UknbPa0d0
>>62
乙ですよ〜
むしろ覇猫編集拳を見てみたいぜw
99以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 13:41:20.87 ID:+GMJCQkR0
ho
100無慈悲 0/5 ◆Sd8w25k53w :2008/02/17(日) 14:18:54.58 ID:b1dKUu0F0
品評会投下します
101無慈悲 1/5 ◆Sd8w25k53w :2008/02/17(日) 14:19:26.89 ID:b1dKUu0F0
 ぴゅーい、ぴぴぴぴ、ぴゅーい
 ジョーンズの耳に鳥の鳴き声を模した指笛の合図が届いた。
「来るぞ、ぬかるなよ」
 ジョーンズは部下達に声をかけると、自らも投擲用の斧を構えた。

 ジョーンズが率いる盗賊団にその情報が入ったのは一週間前のことだった。
彼らが縄張りとする森を兵器と金品を積んだ馬車団が横切る。
森の先のロマリア王国が隣国との戦争を企てており、城下町で取り引きするための商品に紛らせ強力な兵器を運んでくるというのだ。
ロマリアの周囲には広大な森がひろがっている。
昼間でも薄暗い森は、戦時下には訓練されたゲリラ兵が活躍する舞台となり、戦争がなければジョーンズたちのような盗賊達の住処となっていた。

「お頭、見えましたぜ!」
 ジョーンズのすぐそばにいた部下が押し殺した声で囁いた。
目を凝らすと、馬車を護衛する魔術師達が持つ松明の明かりが見えた。
「よし、もう少し引き付ける。おれの合図でいくぞ」
 ぴぴ、ぴぴ、ぴぴ、ぴぃーー!!
102無慈悲 2/5 ◆Sd8w25k53w :2008/02/17(日) 14:20:06.64 ID:b1dKUu0F0
森に降り注ぐ斧のにわか雨が馬達の脚をへし折った。
「いくぞぉおおおお」
「ひぃやっほぉおおお」
 盗賊達はいっせいに木の葉の迷彩を脱ぎ捨て馬車団に躍りかかった。
 殺戮の嵐が森の一画を支配する。
「魔術師達の武器とローブも忘れず奪え!」
 ジョーンズは部下達に指示を飛ばしながら馬車団の最後尾を目指した。
数々の修羅場をともに切り抜けてきた湾曲刀が次々に護衛の魔術師を薙ぎ倒す。
 魔術師の腕を、脚を、胴を、首を刎ね飛ばしジョーンズは森を駆けた。
 後方にいくにつれ護衛が厳重になり、一番後ろの馬車には数人の上級魔術師までもが護衛についていたが、拍子抜けするほど無抵抗に殺されていった。
 馬車の後方に周ると生き残りの魔術師が一人、地べたに蹲っていた。
「おい、おまえが最後の一人だ。何か言いたいことがあれば死ぬ前に言っておけ」
 とうに慈悲など捨てたジョーンズだったが、久しぶりの仕に成功したことが彼を寛大にしていた。
「お、おれたちがわる……悪かった……。たた、頼む……命だけは……」
 魔術師はジョーンズに背を向けたまま上擦った声をあげた。
103無慈悲 3/5 ◆Sd8w25k53w :2008/02/17(日) 14:20:40.10 ID:b1dKUu0F0
(おいおい、魔術師様が命乞いかよ。がたがた震えちまって)
 ジョーンズは思わず苦笑した。よく見れば中級魔術師を示す青のローブも真新しい。
(中級になりたての新米魔術師か?)
「もう……、もう魔力も尽きた……何もでき……できないんだ……だから頼む……」
 魔術師の懇願は続いていた。
「おい、見苦しいぞ! いい加減こっちを向け!」
 ジョーンズは見ていられなくなり魔術師の肩に手をかけた。
「うわぁああ」
 振り向いた魔術師が絶叫しながらジョーンの手を振り払った。その双眸は驚愕で見開かれている。
「おまえ……く、くるなぁ!」
 今まで魔術師の死角となって見えなかった馬車の荷台の奥に一人の少女が垣間見えた。
(まさかこいつ、このガキを庇って……)
 ジョーンズの胸に捨てたはずの感情が湧き上がった。
104無慈悲 4/5 ◆Sd8w25k53w :2008/02/17(日) 14:21:18.04 ID:b1dKUu0F0
(おおかた街で売られる奴隷の子供だろうに)
「うわ、くるな! くるなぁ!」
 魔術師が垂れ布をひっぱり少女を隠す。
「黙れ! おまえに免じて子供の命は助けてやる。だからおとなしくしろ!」
「ち……違うんだ! いいからこっちにくるなぁ!」
 そう叫びながら魔術師はジョーンズに掴みかかった。
「どけぇ!」
 ジョーンズは魔術師を蹴り飛ばした。
「ぐっうぅ」
 魔術師は近くの木の幹の体を打ちつけられやっと大人しくなった。
そのとき、辺りの喧騒の紛れて馬車から微かな声が聞えた。
「…………の……よ……に…らを……」
(奴隷も神に祈るのか……)
ジョーンズは訝って荷台を覆う垂れ布をめくった。
105無慈悲 5/5 ◆Sd8w25k53w :2008/02/17(日) 14:22:07.66 ID:b1dKUu0F0
 ぶわっ。
 途端、荷台が熱風を吹いた。
「地獄に逆巻く憤怒の火炎よ……その熱を滾らせここに集結し……」
 荷台には異様な光景が広がっていた。垂れ布の裏地には少女を囲むようにびっしりと魔方陣が描かれている。
その中央に座る少女は高熱を発しながら呪文らしきものを詠唱していた。
「おい、こいつは何だ!」
 魔術師に向かって叫んだジョーンズだったが、彼は既に理解していた。
(この馬車を取り囲んでいた上級魔術師は護衛ではなくこいつの魔力を封印して……)
 だが、遅すぎた。少女の口から最後の言葉がこぼれ、
「全てを飲み込め!」
 強烈な閃光を放つ。
『円 い 焔!!』
(グランドフラム)
 ドーム状に拡がった灼熱が夕闇を焼いた。
超高温の火炎はそこに暮らす生物ごと森の全てを灰にする。
戦争のために造られた魔導兵器に慈悲などなかった。
(了)
106 ◆Sd8w25k53w :2008/02/17(日) 14:22:38.31 ID:b1dKUu0F0
以上です
よろしくお願いします
107【品評会】不可の黙々1/2 ◆LBPyCcG946 :2008/02/17(日) 14:26:33.97 ID:Oq+RYvyx0
 コトコトコトコト。浮かんで弾ける泡は、現世に遷ろう箍だ。男はスロウに棒を握ってまわす。
たまに覗く鍋の中、底に映る顔。具材は特に何の事もなし、玉ねぎ、ニンジン、後はちょっとし
た隠し味のみ。
 火は木のように、コンロから生い茂って、鍋の下から包んでいる。いや、上下なんて最早無く
ていい。とにかく、焦げつかせないように注意するべきだ。火を弱める男、鍋もそれに応じる。
世界はこのスープのようにグルグルと回っている。そしてその地下には、火が眠っている。
 それは男が味見をしようと、鍋の底から一杯掬った時だった。コン、という弱々しい音が響い
て、勝手にドアが開いた。
 囚人がそこにいた。そこに囚人はいたとも言える。そこ以外にこの囚人はおらず、いるのは囚
人だけだった。手には錠、ボロ着れのような服。枯れ木で作った顔に、窪みが2つある。どうや
らその窪みには、1つづつ目玉が収まっているようだ。つくづく穴ぼこだらけの囚人。人はそれ
を顔だと言う。そして人は顔を見る。なぜなら、顔に付いた目玉で物を見てるからだが、体も当
然見ている。顔と体しか見所が無いとは、人とはなんてつまらない物だろう。
 気持ちよく囚人を迎え入れよう男よ。でなければ、この囚人のために作ったスープがあっとい
う間に冷めてしまう。このまどろみも、いずれ目が覚めれば跡形もなく消えて、暖炉の消し炭以
下の物になるだろうか。いや、ならない。
 囚人は怯えているようだった。男も囚人に劣らず負けず怯えている。何よりも怯えている者が、
この2人以外にいる。囚人が片方の足を上げ、少しだけ進めて下ろした。こうして、人は前へ進
むのだ。囚人は男をじっと見つめている。男は囚人の方を向いて、その眼差しを向けていたが、
囚人の事を見てなどいなかった。ちょっとした矛盾であるが、元々世界は矛盾に満ちているのだ
から、今更1つくらい増えた所で。
 男はまた作りかけのスープに没頭する。グルグル、回すグルグル。囚人はじっと男のその姿を
見つめていた。ようやく男も囚人を見た。そこにいるのはなんと、囚人ではないか。男は驚いた。
驚いたという事は、冷静さを欠いたという事だ。でも、ほんの少しだけ欠いたという事だ。何か
を欠く事は、少しだけでも驚くべき事なのだ。
「スープを1杯、飲ませていただけませんか」
 囚人、そう言う。いや、まだ言ってない。まだだ。まだ……、やっと言った。
 この場所には男と囚人しかいない。しかし、囚人の言ったその言葉を聞いていたのは、結局囚
人本人だけだった。いつだって、本当に聞いて欲しい言葉を聞いているのは、他の誰でもなく自
分自身なのだという示しだ。
108【品評会】不可の黙々2/2 ◆LBPyCcG946 :2008/02/17(日) 14:27:16.89 ID:Oq+RYvyx0
 囚人は男を殺すと思う。なぜなら、この囚人は、その斧でもう何人も人を殺している。そして
それと同じ数だけ、自分も殺されているのだ。だから囚人なのだ。腸から胃へと、胃から喉を通
り、口へと逆流する様だ。
 男の目の前には湯気がある。湯気はどこへと消えるのだろう。世界中の、ズボンのポケットか、
この世ではなくあの世でもないどこかへか。
 そして斧は、囚人によって振り下ろされた。どこかで拾ったのか、最初から持ってたのか。斧
の刃が男の頭に滑り込み、男の骨は当然割れた。頭の形を構成する頭蓋骨が真っ二つになると、
中には何も入っていなかった。囚人はスープに近寄ったが、当然スープは囚人から遠ざかった。
頭から胸の辺りまで綺麗に割けた男の体を、苦々しく囚人は見つめる。
 叫び声が聞こえた。ずっと遠くから。もっと遠くだ。いや、そのもっともっと遠くからだ。そ
してその叫び声は、1つか2つ瞬きをした瞬間、囚人の耳元へと届けられていた。一体誰が届け
たのか。それはわからないし、どんな叫び声だったのかも、今はわからない。
 スープを作っていたのは誰だったか。確か囚人ではなかったはずだ。となると、スープを作っ
ていたのは男だ。では斧によって頭を真っ二つに割られたのは誰か。これも囚人ではない。とい
う事は、男だ。では、今まさにコンロの前に立って、煮立つスープをかき混ぜているのは誰か?
 男だ。
 囚人は驚いた。先ほども言ったが、冷静さを欠いたという事だ。今殺したはずの人間がいれば、
驚くのも無理はない。囚人は死体を見た。確かにそこにある。囚人は男を見た。確かにそこにい
る。
 耳鳴りのような悲鳴が、スロウに遠くへと飛んでいった。男は囚人を見ず、スープを椀に掬う
と、それを飲んでみようとしたかもしれない。ふいに男が後ろを見ると、なんとそこには囚人が
いるではないか。男は、驚いた。今や男は、驚いた男だった。
 囚人の持っていた斧は、2つに増えていた。右手に持っていたはずの斧だが、左手にも持って
いた。片方には血が、もう片方には赤くて暖かくて臭い液体がこびりついていた。男はスープの
入った椀を囚人に差し出した。囚人は冷静さを欠く。なぜなら、男が笑顔だったからだ。
 囚人はスープを飲まなかった。飲めなかった。飲もうとしなかった。囚人は、牢に入っていな
くても、囚人である事に変わりないのだ。
 スプーンで男によって掬われた一杯のスープは、男の顔の下部にある大きな穴へと運ばれた。
あの隠し味が、囚人の体に浸透していく。
109【品評会】不可の黙々 ◆LBPyCcG946 :2008/02/17(日) 14:27:47.17 ID:Oq+RYvyx0
以上
110以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 14:45:26.77 ID:C3wDNIHD0
で、男の子と女の子が苦難も絶望も無く楽しくキャッキャウフフする品評会作品はまだかね?
111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 14:48:12.21 ID:wjiHupzA0
>>110
世界は無慈悲なものなのだよ
112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 14:49:44.16 ID:py0+sl+O0
密のときに書いたけどやまなしおちなしだった
113以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 15:01:10.33 ID:3hCFpTpV0
保守。小説読んで感想書きたひ
114以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 15:04:31.60 ID:C3wDNIHD0
正直日曜昼間のこの品評会デスマーチ過疎って寂しいよな
115以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 15:05:48.04 ID:T7hkH2xb0
本来土日が一番盛り上がるはずなのに、過疎るのがBNSK
116以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 15:11:35.83 ID:AFPP//9V0
みんな品評会書いてるからなw
117以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 15:16:05.26 ID:3hCFpTpV0
早く品評会作品まとめて読みたい
118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 15:17:49.62 ID:wjiHupzA0
それを考えると今晩が恐ろしい……
まだ十作品に届いてないよな?
119以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 15:21:12.74 ID:C3wDNIHD0
毎回カオスにはいってくる常連がいやがるからな、確か五人以上いるはずだ
どうせもともと完成度高いんだからちょっと推敲休んだっていいだろうによ、あのスレタイ読まない連中め
120以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 15:29:07.29 ID:3hCFpTpV0
カオスってなんですか?><
予想:品評会締め切り直前のみんな投稿しまくる混沌とした時間帯のこと?
121以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 15:30:41.77 ID:C3wDNIHD0
パーフェクトな解答ありがとうお前カオス常連だろ
122以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 15:31:20.62 ID:T7hkH2xb0
俺はカオス常連だけど、完成度低いから大丈夫だな
123以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 15:31:33.21 ID:AFPP//9V0
>>119-121
wwwww
124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 15:32:09.47 ID:5UK+zsbF0
>ちょっと推敲休んだっていいだろうによ
これは競争相手に推敲させない罠だ!
よい子はこんな甘言に乗ってはだめだよ
125以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 15:34:31.94 ID:C3wDNIHD0
ちっばれたかちくしょう
ってのは嘘で、俺今回も出ないよ。品評会出るには修行が足りないと先週思い知った
126以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 15:35:26.05 ID:py0+sl+O0
一番に出すのが正義
127以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 15:37:03.61 ID:3hCFpTpV0
>>121
俺読み専なのにwwwwwwwwwwwwwwwww
解答パーフェクツでよかた。俺は感想述べるしか出来ないけど皆さん頑張ってくだしあ><
128以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 15:41:40.15 ID:C3wDNIHD0
やめろよう急に過疎るなようなんか俺が滑ったみたいじゃないか
129以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 15:43:27.22 ID:3hCFpTpV0
>>128
ID:C3wDNIHD0さんの書いた作品を読みたいです
130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 15:46:44.33 ID:5UK+zsbF0
人目に晒すものだから、ベストは尽くすのは良い姿勢なのだが、なのだがね。

進行する人は、日曜の夜は締切時間が過ぎてからも、皆の投下が無事終了するまで、
スレに張り付いてないとだめなわけだろう。
そうした時間帯に作品を投下をする人は、毎度毎度進行する人を夜更かしさせてるわけだ。
まったく、小説を作り上げるためには、なんら他人を顧みない、慈悲の欠片もない連中だぜ。
で、ソレらを読んでみると、「これは”慈悲”に溢れてる話だ(涙)」なんだから、始末が悪いwww
131以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 15:49:09.51 ID:5UK+zsbF0
まぁ日曜はサザエさんで終わるのが通説なのだから、締切は午後7時でいいんじゃね?
そういうことをいいたかった。
132【品評会】朝焼けに降る今日、その弟は0/2 ◆fSBTW8KS4E :2008/02/17(日) 15:52:33.57 ID:pduocaN80
品評会投下します
タイトル・朝焼けに降る今日、その弟は
レス数・2
133【品評会】朝焼けに降る今日、その弟は1/2 ◆fSBTW8KS4E :2008/02/17(日) 15:53:18.55 ID:pduocaN80
 僕の記憶の中で、姉はいつも快活な笑みを見せ、それこそ無敵だった。気が弱く、身体も小さい僕は、姉に助けられ笑っていた。
 今の仕事や生活に嫌気がさして、全部を投げ出してしまおうと決心しかけた時に、僕の携帯は姉に呼び起こされた。椅子から降り、
携帯に手を伸ばす。姉は、あの無敵な声で、今から一緒に夕飯を食べようと笑ってきたので、吊されたロープを見てから、僕は電話を
切り、外に出る準備をする。
 姉が指定した小さいステーキハウスは、僕と姉の思い出の場所で、すすけた窓から目をこらすと、中にいる姉は手を振った。笑って
答えてから、ドアを押す。ベルが鳴り、店員は声を上げる。
「久しぶりだね、姉さん」
 姉はジーンズとTシャツといった軽装で、寒くないのと尋ねても、もうすぐ春だからと答えただけだった。
「ここ覚えてる?」
 運ばれてきたリブステーキにナイフをいれながら、姉は尋ねる。
「姉さんがバイト代を貯めて僕に初めてごはんをご馳走してくれたところだ」
 誇らしげに、食べたいのを頼んでいいのよ、と財布を確認しながら姉が言っていたのを思いだして、笑ってしまう。
「それで姉さん、今日はどうしたの? 急に呼び出すなんて珍しいね」
 そう聞くと、姉は少し動きを止めたが、ナイフを置くとコップを取った。そして、喉へ水を通らせると僕の方を見つめた。
「私ね、きっと今から、あなたに不快な思いをさせる。でも最後まで聞いてほしいの」
 僕はさいころステーキの一つをごはんと一緒に口へ運ぶ。ゆっくりと飲み込む音が、身体の中で重く響いた。
「私まえまで女優を目指してたんだけどね」
 そう姉が始めると、彼女の口からは次々と不幸が語られていった。
 女優といっても明るい笑顔だけでは目指せなかった。オーディションの会場で審査員に声をかけられホテルに連れてかれたこと。ホ
テルで無理矢理犯されたこと。そのあとお金を渡されただけで、もう連絡が取れないこと。それから付き合っていたヒモの男が、自分
の部屋に他の女を連れ込んでいたこと。問いただせば殴られたこと。働いていた職場ではいじめられていること。身に覚えのない書類
の計算ミスを自分のせいにされたこと。それを理由に責め立てられ会社を辞めたこと。
 姉が話すたびに、記憶の中にいた姉が崩れていった。ひととおり話し終えると、今度は明るい顔で続けた。
「でもね、こんなに悪いことが起こるのは、私に悪霊が憑いているからなの」
 姉はショルダーバックからいくつかのパンフレットや書類を取り出しながら話す。その書類を見たとき、僕は絶望した。
 朝光会、そう太陽のロゴと一緒に印字された紙は、紛れもなく新興宗教の案内だった。
「この朝光会ってね、簡単に言うと助け合いの会みたいなものなの。隣人愛って言葉があるでしょ。朝光会ではねそれを実践する素晴
らしい会なの。会員に愛の証としてなにかしてあげるでしょ、そうすると褒められて朝光布って言うのが貰えるんだ。それを繰り返し
てねみんなで仕合わせになりましょうって言うことなの」
 姉は笑いながら、パンフレットを使って説明していく。
134【品評会】朝焼けに降る今日、その弟は2/2 ◆fSBTW8KS4E :2008/02/17(日) 15:53:55.54 ID:pduocaN80
「私はさっき話したとおり、凄い落ち込んでいたの、でもね朝光会の霊媒師さんが、無償で除霊してくれたの。そしたら気持ちが凄い
楽になってね、じっさい朝光会でやってるくじ引きに挑戦したら、一等が出たのよ。凄いでしょ」
 僕は黙って下を向いている。耳を塞ぎたい、今すぐここから逃げたい。
「姉さん、わかったから、すこし、ごめん」
 沈黙が流れ、僕はコップに手を伸ばす。その時、姉の顔を覗くと、姉が泣いていたので手を止める。
「ごめんなさい。私、変よね」
 僕は少し慌ててテーブルに置いてあるナプキンを渡し、姉を落ち着かせる。
「わかってるの、これが新興宗教だって」
「いいよ、喋らないで。辛いから」
「ごめんなさい。でもこれに救われたのは確かなのよ。正直何でもよかった。私は寄りかかるものがほしかった。それがたまたま声を
かけられた朝光会よ。その中身が偽物だったり、私みたいな人を騙してお金を取るような団体でも。依存できるものがあったのはあり
がたい事よ」
 それから、姉はまた泣き始め、僕はいたたまれない気分になる。周りの目もあるし、もう出よう、僕が声をかけると、姉は素直に頷
き、外へ出た。僕は店員に謝罪をしながら、金を払い店を出る。
 そのあと、姉を自宅まで送り別れた。最後まで姉は自分の過ちを謝っていた。
 家に戻ると、僕は自分の部下に電話をした。
「教祖様からお電話とは珍しいですね」
 部下の声は少し浮かれている、酒でも飲んでいたのだろう。
「僕は、もう、教祖を辞める」
 姉と別れてからずっと考えていたことを、短く言ってから電話を切る。ディスプレイに浮かんだ「朝光会 幹部・堂島 通話時間 
7秒」の字に腹が立ち、僕は壁に携帯を投げつけた。
 強かった姉の弱みにつけ込んでいた僕は、世界一の罪人だ。
 ベッドに沈み、僕は黒に潜る。頭の中で昔の姉を思い返していく。
 翌朝、ベランダから眺める日光は、僕を鋭く突き刺す。夜中ずっと鳴っていた電話も、今は静かだ。姉はどうするだろうか、朝光会
という存在を無くして。姉には悪いが、僕はあのまま姉を騙すことの方が辛い。最後に謝りたかった、しかしドアを叩く堂島の声が
聞こえて、僕はベランダに足をかける。
 姉さん、こんな弟でごめん。弟はこの朝焼けに落ちていくよ。
 朝焼けに降る教祖の弟は、姉を支えることは出来ないんだ。
 小さく呟いて、足に力を込めた。恐くはなかった。
135 ◆fSBTW8KS4E :2008/02/17(日) 15:55:21.30 ID:pduocaN80
以上です
作品数少ないから、恐いな
カオスも感想も……
136以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 15:58:01.11 ID:C3wDNIHD0
>>129
むり。もう俺当分話を作るのはできない。ありきたりボンバーか斜め上スラッシュな話しか思いつかない
137以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 16:07:31.99 ID:MyDNAcWf0
話が思いつくおまえはまだ幸せな部類だ
138以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 16:07:56.87 ID:C3wDNIHD0
それは言えている気がする。じゃあお題もらおうか
139以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 16:09:06.18 ID:MyDNAcWf0
フィンガーチップ
140以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 16:11:10.93 ID:3hCFpTpV0
ありきたりな話も好きなんだけどなぁ。
よくある話でも書く人によって注力するポイントが違うと思うもん。
品評会なんてみんな同じテーマで書くんだから、
その時期に限って言えば「ありきたり」な話ばっかりになるわけで。
でも今回もみんな「慈悲」の解釈は少しずつ必ず違ってるわけで…。
そんな違いを見つけるたび、
そのテーマに関して「こういう発想もあるんだなぁ」って見つけるたびに
品評会おもしれー!今回も頑張って投票しようーとか思います。
何が言いたいかって言うと、ありきたりなの好き><ってこと。wktk
141以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 16:14:17.95 ID:C3wDNIHD0
フィンガーチップで書けるかー!
というかなんだよフィンガーチップって!
あれか、チョコチップパンの中に親指入っててあはーこれチョコフィンガーチップパンだよー
って猟奇的なんだよ! 無茶言うな!
142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 16:15:04.40 ID:C3wDNIHD0
ちなみにフィンガーチップは正しくはマジック用具の指の模型とか、
サッカーのキーパーのグローブとかを指すらしい!
143以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 16:40:56.65 ID:3hCFpTpV0
R-1保守
144以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 16:42:43.50 ID:C3wDNIHD0
……あれ、おかしいな、室内なのにやけにあったかい雨が降ってるよ。
145以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 16:43:30.04 ID:6D6xwaqT0
お題くだしあ
146以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 16:44:54.73 ID:svafExA/O
↑乳房

>>126
俺をほめてもおっぱいはさわらせんぞ
147以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 16:45:55.25 ID:Wd4TDvOSO
最近品評会のお題を見ては世界とかキャラとかシーンを構築するだけで終わってる
即筆力が欲しいぜ
148以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 16:46:09.04 ID:FPmWrYWR0
ID:C3wDNIHD0
のレスを見てるとますます君の描く小説が読みたい
先天的に培っているシュールユーモアが十六連射されている様子を読みたい
149以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 16:47:50.76 ID:6D6xwaqT0
>>146
全くアイディアが出ないwwww
一応把握
150海流瓶 1/3 ◆oOy5b7baSU :2008/02/17(日) 16:50:05.07 ID:LAIPVnAH0
初めて品評会作品投下します。
タイトル:海流瓶
レス数3
間違ってる点がありましたらご指摘下さい。酷評もお願いします。
151海流瓶 1/3 ◆8dcY5hMnxY :2008/02/17(日) 16:51:13.86 ID:LAIPVnAH0
すいません、悪禁になったようです・・・
152海流瓶 ◆oOy5b7baSU :2008/02/17(日) 16:51:52.70 ID:LAIPVnAH0
あれ書き込める??
153以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 16:54:28.84 ID:UknbPa0d0
1レスの容量は大丈夫?
レスの第1行目が改行で始まってるんなら、スペースを入れる

それでダメなら救済スレへカモン!
154海流瓶 ◆oOy5b7baSU :2008/02/17(日) 16:54:46.31 ID:LAIPVnAH0
すいません、行がながすぎたみたいです。
作り直してきますorz
155以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 16:55:13.44 ID:svafExA/O
とうかしちゃえよ(どうかしちゃうよぉ!
156【品評会】慈悲=無慈悲 0/5 ◆pxtUOeh2oI :2008/02/17(日) 16:55:30.20 ID:wjiHupzA0
俺、投下して大丈夫かな?
品評会投下します。5レス予定。
157慈悲=無慈悲 1/5 ◆pxtUOeh2oI :2008/02/17(日) 16:56:23.54 ID:wjiHupzA0
 大学へ伸びる小さな細道は、前を行く人が残した鼻を突く煙草の匂いと、隣接するグラウンドで練習をするアメフト部の
野太い声に包まれていた。右手にはめた腕時計の文字盤を触り時刻を確かめる。十二時四十分頃。
私は右手に持ったハーネスから、私のパートナーである盲導犬の振動を感じつつ少し早足で大学へと向った。
 盲導犬の名前はジス。ラブラドール・レトリーバーの雄、五歳。私が十八歳になり申請が認められ家族の一員となった。
 私は健常者ではなく障害者。光を眩しいと感じ、赤や青などの色を認識できる睛眼者ではなく、全盲の視覚障害者である。
もの心がついた時から、光は温度で感じとるものだったし、いつでも暗いこの世界は音と匂いを中心に構成されていた。
「ライト」
 ジスに右へ曲がる合図を出す。ハーネスがゆっくりと右へ動き、手を引かれた私は向きを変えた。
 大学前の通り、ジスが止まった感触が右手に伝わる。さして交通量が多いわけではない通りだが車が来たのだろう、私も足を止める。
数秒遅れて通過する車の音、そしてそれに続く風切り音、それらを聞き終えるとジスがまた私を引き始めた。
 キャンパスに入ると周りの空気が変わるのが良くわかる。もちろんそれは真剣に勉学に励むなどという、
大学本来の雰囲気にという意味ではなく、充満した煙草の匂いが作る空気へということだが。
 なぜ、こんなに煙草臭いのか? 入学時に貰ったプリントによると、キャンパス内は完全に分煙されているということだった。
どこが? それが入学して初めての抱いた感想である。私は煙草が嫌いだ。
私にとってただでさえ少ない世界の構成情報をこんな匂いで侵して欲しくない。大学へ来る度にイラついた。
煙草の煙はストレスを誰かへ移す為にあるんじゃないかとさえ思える。
「おはよー」
 イラつく私の背後から快活な声が聞こえた。友人の森素子の声だ。
「おはよう」
 挨拶を返すとイラつきが少し治まった。
「今日もひどいねー。点字ブロックの上が自転車でいっぱいだわ」
 素子の声。自転車がたくさん止められているんだろう。場面を想像してみたが、自転車の形がイマイチつかめずイメージがわかない。
点字ブロックの上の自転車、そういった睛眼者の無意識な行為から、自分がこの社会のマイノリティであるということをより実感する。
「私は大丈夫だよ、ジスがいるから」
 ハーネスが小刻みに右へ左へと揺れるのがわかる。ジスが自転車を避けているのだろう。ジスと出会ってから世界が変わった思う。
無機質な白杖にはない安心感が盲導犬にはある。盲導犬のいない生活など考えられないほどに。
「うん、偉いねジス君は、いっつも真面目で私なんか眼中になしだもん。あ、ねえ、今日のゼミの勉強した?」
「まあ、なんとかなるかなというぐらいは。素子は?」
「……やってない」
 声のトーンが一気に落ちた。やってないなら聞かなければ良いのにと思う、おもしろいから良いけど。
158慈悲=無慈悲 2/5 ◆pxtUOeh2oI :2008/02/17(日) 16:56:51.44 ID:wjiHupzA0
「昨日ね! 欲しかったDVDがやっと手に入ったんだよ。で、見てたら、いつのまにか今日になってたわけで……」
 彼女の趣味は映像鑑賞。アニメ、ドラマ、映画、ドキュメンタリー、気になるものはなんでも見るらしい。
それらがどういったものなのか、もちろん私には理解できない。一応のイメージはあるが、実際の物とは違うだろう。
 仲良くなり始めたころの昼食の時間、一度、彼女に聞いたことがあった。なんで私の前で映像の話をするのか、と。
ほとんどの人はそういった話を出さず、私の近くに来ると決まって無口になっていたから、ものおじしない彼女の考えを知りたかった。
口に何かを頬張り咀嚼音をたてながら、彼女はあっけらかんとした口調で言った。趣味は趣味で嘘をついてもしょうがないし、
私に友里の趣味のヴァイオリンが理解できないのといっしょじゃない? うちはビンボーだからヴァイオリンなんてできないしね、と。
 それは何か違うだろうと思いはしたが、気遣いの無い言葉がうれしかった。ヴァイオリンの話をたくさんしてやるとも思った。
「どうかした?」
「ううん、なんでもない。じゃあ、頑張ってゼミ行こうか」
「フォロー頼むよ」
「自分でなんとかしなさい」
 階段の前に着いたのだろう、ジスが立ち止まる感触がハーネスから右手に伝わる。
私は動きを止めたジスに階段を昇る命令を出し、研究室へと向かって足を進めた。
「ジス。アップカーブ」

 私はせまい研究室の定位置、後列奥のパイプ椅子に座りゼミ仲間の発表を聞いていた。ジスは足もとで待機。
ノートを取ることはできないので、机の上には録音用MDを置く。
 ゼミは進み、私は自分の発表を、音声出力ソフトなどで作ったプリントを使い、無事に終えた。
途中、素子が先生に泣きついて期限を延ばしてもらっていたりはしたが、いつものことなのでゼミは順調に進んでいた。
 次は高村元次の発表だった。私は彼がみんなに配る発表用プリントを受け取り、すぐにバッグにしまった。
後で点訳ボランティアの人に訳してもらわなければ、私には、このプリントを読むことはできない。
「――クラインによると子供の心理的成長は十五歳……」
「質問しても良い?」
 彼の発表は、私の将来の夢にも関わるものだったので、私は手を軽くあげ質問の許可を求めた。
それは普段と何も変わらない、いつも通りの光景だった。
「どうぞ」
「クラインの臨床実験は、後に被験者の生育環境に問題があったとされ否定されたのでは?」
「それについては、さっき配ったプリントに載せているので、後で読んでおいてください」
「すみません。今、読みあげてもらえませんか?」
159慈悲=無慈悲 3/5 ◆pxtUOeh2oI :2008/02/17(日) 16:57:17.83 ID:wjiHupzA0
 一瞬の間、沈黙。普段ならすぐに読んでくれていた。けど、今日は違った。
「……メクラが」
 メクラ、確かにそう聞こえた。小さく呟くようだったけれど、彼はそう言った。
「たかむらー!」
 隣に座る素子の叫び声、彼女が立ち上がるのがわかった。私は素子を抑える。
「いいよ、素子」
 混乱した場を救うようにチャイムが響いた。
「ごめん。……失礼します」
 高村君が部屋を出たらしい。ざわめき始めた研究室を、先生の鋭い声が律っした。
「はい、静かに。じゃあ、また来週ね。森さんは、ちょっと残りなさい」
「えー」

 ふらふらとジスに引かれ歩いていると、後から追い付いてきた素子の声が聞こえた。
「まぁた、怒られちゃった、ははは。……今日のことは気にしないほうが良いよ」
「うん」
「あいつ、今日なんか機嫌が悪かったんだよ。研究室に来たときから、ムスっとしちゃってさ」
 気付かなかった。気付けなかった。普段とまったく変わらないと思っていた。
「じゃあ私、次も授業あるから。バイバイ」
 素子の気配が離れた。肌に当たる風が冷たい、日が沈んだのだろう。どれだけ歩いても暖かい日向に入ることは無かった。
住宅街を漂う夕食の匂いと居酒屋から漏れはじめた賑やかな声が、夜の訪れを私に告げる。
私はハーネスから伝わるジスの息遣いを感じながら、家路についた。いつでも暗い世界は、私の感情と混ざりよりいっそう陰鬱さを増した。

「ただいま」
 母に帰宅したことを告げ、私は壁伝いに自分の部屋へ向う。部屋に入り手探りで蛍光灯のスイッチを入れたが、
世界は暗く変わらなかった。この部屋の明かりは私の為ではなく、ジスの為のものだから。ジスを部屋の隅に導き、私は命令する。
「ワン、ツウ」
 トイレの命令。盲導犬のトイレは私が掃除しなければならない、と指導員の人から教わった。
初めは素手でジスの糞を掴んでしまうこともあったが、今は慣れ特に問題も無く終わる。私はジスのハーネスを外し、
良く褒めながら、ジスの顔をぐにゃぐなにゃと撫でまわした。これでジスの今日の仕事は終わり、盲導犬から普通の犬に戻る。
「グッド、ジス。グッド」
160慈悲=無慈悲 4/5 ◆pxtUOeh2oI :2008/02/17(日) 16:57:54.44 ID:wjiHupzA0
 
 食事と風呂を終え、私はベッドの上に突っ伏していた。部屋の隅でジスが何かを噛んでいる音が聞こえる、お気に入りのおもちゃだろう。
普段なら録音したMDを聞き復習している時間だが、今日はそんな気にはなれなかった。メクラ……、視覚障害者として生きてきて、
そう言われたことは何度もある。陰口も直接言われることも慣れていると思っていた。それでも今日はショックだった。
言われた相手が、自分の好意を持った人だったから。ゼミが始まったころの懇親会でやさしくしてくれた、たったそれだけのことだけど
好きだった。でも相手は違う、ただ目の見えない女の子がかわいそうだと思っただけで、好意なんて持っていない、それだけだ。
 そのことだって、良くわかっていたはずだった。いままで付き合った人たちは、私が好きなのではなく、目が見えないかわいそうな
女の子を助けることに酔っている人ばかり、長続きはしなかった。
 私は自分一人では生きられない不完全な人間だ。ジス、家族、友人、そして知らない人、多くの人の慈悲がなければ生きていけない。
電車に乗れば席を譲ってもらえ、道に迷えば知らない人に声をかけられ助けてもらえる。
だからこそ、誰かからの慈悲を受ければ受けるほど、この世界は私にとって無慈悲に作られていると感じていた。
 こんな不完全な私が慈悲ではなく、本当に私を好きになってくれる人を望むのは、おこがましいのだろうか。
 私の目から涙が流れた。光を捉えることのできない不完全な目なのに、なぜ涙が出るのだろう。子供の頃から嫌だった
「ジス、ハウス」
 ジスを部屋から追い出し、電気を消した。カチッと音がむなしく響く、それでも世界は変わらない。
 私はヴァイオリンをケースから取り出し、左の肩に載せ弓を構える。頭の中に楽譜を思い浮かべ弾き始めた。
少しずれるとノイズに変わる滑るような音、添えた左手で弦を抑え、右手の弓で弦を弾く。紡ぎ出した高音が部屋を包み込む。
 曲は素子から勧められた物だった。何かのロボットアニメ、月と地球に分かれ争う中で、主人公が自分の出身を告白する場面に流れたらしい。
アニメに興味はなかったが、聞かされた曲はすぐに気にいった。楽譜を探し、ボランティアの人に点訳をしてもらった。
どこの国の言葉でもない歌詞が付けられたこの曲、私はヴァイオリンの音に合わせて頭の中で歌っていた。
 その場面、そのアニメ主人公は言ったらしい、なんで同じ人間なのに争うのか、なんで助けあうことがいけないのかと。
同じ人間、目の見えない私は同じ人間なのだろうか。助け合う、誰かに助けられなければ生きられない私は、誰かを助けることができるのか。
揺れるヴァイオリンの響きとともに私は考えていた。
 プツン。渇いた音を立てて弦が切れた、E線のようだ。響いていた音色はどこかに消え、世界は静寂と暗闇に引き戻された。
ヴァイオリンをケースに戻し、ベッドに倒れこんだ。自分で直せないこともないが、音が落ちる。何より、やる気が失せていた。
 このまま、眠ってしまおうか。目ざましもかけず、気の向くまで。大学なんて一日ぐらいさぼったって構わないはずだ。
でも、それは無理だった。朝が来れば母が起こしにくるし、駅では駅員さんが私を助ける為に待っている。
誰かに助けられ続ける生活に自由は無い。自由を望むことは許されない。
 あるとき友人に、授業をサボってふらふらとどこかに行きたいと言ったら驚かれたことがある。
 目が見えないのに毎日学校に通う真面目な女の子、目が見えないから純真な女の子、
161慈悲=無慈悲 5/5 ◆pxtUOeh2oI :2008/02/17(日) 16:58:28.22 ID:wjiHupzA0
そんな女の子の口からサボるなどという単語が出るとは思っていなかったと言っていた。
 目が見えないから真面目、目が見えないから純真、そんなこと誰が決めたのだろうか。
私だって怒るし、イラつくこともある。オナニーだってするし、サボりたいときだってある。
 涙が渇き、かゆくなった目をこする。私は子供の頃、朝が来る度に泣いていたことを思い出した。
寝て起きたら、目が見えるようになっているかも知れない、なんどもそう思っては裏切られ泣いた。
 私は、このまま光を見ることなく生きて行くのだろう。色を知ることなく生きて行くのだろう。
誰かに助けられ、慈悲をかけられて生きて行くのだろう。この慈悲深く無慈悲な世界で……
 パソコンの電源を入れた。Windowsの聞きなれた起動音、メールソフトを立ち上げ音声ナビゲータに通す。
メールが一通届いていた、PCの拙く無機質な合成音声がそれを読み上げる。
「お姉ちゃん、ありがとう、お姉ちゃんの、お陰で、友達と、仲直り、できました」
 視覚障害者コミュニティで知り合った男の子からだった。友達とケンカしたと悩んでいたので、
自分の体験を交えてアドバイスをした。それだけのことだったけど、お礼を言われるとうれしいと感じる。
スクールカウンセラーを目指している私にとって、些細なことだけれども自信にもなった。
 少し嫌な気分が晴れ、気が楽になった。何か音楽でも聞こうかとCDラックに手を伸ばす、点訳テープをなぞるとラヴェルのボレロだった。
CDをコンポに入れスイッチを入れる。はじめは小さな音から同じリズムが幾度となく繰り返される。ときに静かにときに盛大に、
ささやかに残る余韻と厳かな昂りを繰り返しながら、音叉に伝わる共振のように徐々に増える楽器達が厚みある旋律を奏でていた。
 スピーカーから伝わる重厚な振動を体で感じていると、そんな旋律を邪魔するようにパソコンが音声を発した。メールが来たらしい。
パソコンの告げる送信者の名は高村君だった。とぎれとぎれでリズム感の無い合成音声が本文を読み上げる。
「今日は、ごめん、本当に、ごめん、おわびに、今度、メシを、奢るから、どこかに、行かないか」
 ……慈悲? デートの誘い? さっきまでの悩みが吹っ飛び、私のどこかに火がついた。
慈悲だって良い。今、憐みと同情の心しか無いとしても、いつか私を好きになってもらえば良い。いや、好きだと思わせてみせる。
 ずっと暗い世界に響くシンバルの音が、曲と今日の終わりを告げる。寝て起きても目が見えるようになることはないだろう。
それでも私の明日は明るい。明るくしてみせる。静かになった部屋で、私は眠りについた。
 世界は無慈悲だ。だからこそ慈悲深く感じるのだろう……
                                              <了>
162慈悲=無慈悲 6/5 ◆pxtUOeh2oI :2008/02/17(日) 16:58:47.37 ID:wjiHupzA0
以上です。
163 ◆lnkYxlAbaw :2008/02/17(日) 17:00:04.17 ID:mCQ14Q560
俺も投下する
164海流瓶 ◆oOy5b7baSU :2008/02/17(日) 17:01:07.84 ID:LAIPVnAH0
>>162
お疲れ様でした。投下前にごたごたしててすいません。
ちなみに何文字ぐらいで行区切ったほうがいいのだろうか、誰か教えてくださいませんか?
165慈悲1/2 ◆lnkYxlAbaw :2008/02/17(日) 17:01:12.45 ID:mCQ14Q560
 放課後のこと、いつものようにツレのやつらと公園でたむろってたら、いかにもオタクって
感じの東高の二人組が通りかかって、そいつらが俺たちに気づいたとたん下を向いて早歩きで
通り過ぎようとしたのにユウジが腹を立てたらしく、「おまえら何こそこそしてんだよ」とか言
い出して、そんなん下手に目でもあってカツアゲでもされたら嫌だからそうしたんだってこと
はわかりきってるんだけど、もちろんそいつらはそんなこと言わない。
 さすが偏差値が底辺な東高のやつらだ。自分たちの選択の一つ一つが相手にとっては「馬鹿
されている」と感じることがわからないのだろう。ユウジが「ちょっとこっちこいよ」と林の
中へ連れて行こうとしたのを彼らが拒んだのもその過ちの一つだけど、やはり彼らはそういう
選択をしてしまう。愚かだ。それで面白そうだから俺たちも加わってやつらの周りを囲んだら、
太った方が「ぶひー」と言った。いやマジで言った。これには俺たちは笑うしかなくて、「おま
え豚なのか人間なのかはっきりしたほうがいいよ」とタケオが小突いたら、メガネくんが「う
ひー」とかよくわからない言葉を口走ったのにがっかりした俺が、「おまえ、そこはママーとか
言えよ、空気読めよ」と突っ込みのつもりで言ったのに「すいません」と謝られる。
 はあ? 意味わかんねーんだけど。俺がそう言うと、「おっダイスケがキレた」とマサヤが言
ったのにムカついてデブを軽く蹴ったら、マサヤが喜んで逆効果。マジうぜーよ、と今度はデ
ブのケツを蹴ったのが引き金になったのか、強引に林の中に連れ込んで仲間が何度かそいつら
を殴るのを、すっかり醒めてしまった俺が遠目で見ながら新たに生まれてきたいろんなもやも
やを発散するために、「どけー」とか叫んで「おりゃー」とか言いながら走って「とう」とかジ
ャンプしてメガネのメガネに側頭部から飛び蹴りを食らわすと、メガネがメガネを吹っ飛ばし
つつ倒れて、仲間は大喝采。俺は両手をあげて歓声に応える。
 そしたらデブがまた「ぶひー」と言ってひざまずき
「どうかお慈悲を」
 なんて言いやがるから
「悪いけど俺、そんな高尚なもんじゃないんだよね」
 と今度こそマジギレして、デブの顔面を正面から思い切り殴る。「おお、いってー」俺が殴っ
た右手を振ると、「やりすぎだよー」とかそもそも最初にこいつらに突っかかっていったユウジ
が言い出すから、俺はまた頭にきたけど、さすがにそこはこらえて「バーン」と親指と人差し
指を立てて拳銃でユウジを撃つ動作をする。弾丸はユウジの頭をしっかりと打ち抜いた。
「お金もらう?」といったタケオの手の中にはいつのまに取ったのか財布が二つあって、その
うちの一つ、メガネくんの財布がドラゴンボールなのに呆れるというか、おいおいおまえ高校
166慈悲2/2 ◆lnkYxlAbaw :2008/02/17(日) 17:01:53.88 ID:mCQ14Q560
生だろ、何考えてんの? と思いながら開けてみると中身は五千円で、まあまあかなというと
ころ。色んな意味で期待を裏切ってくれない。うん、高価な財布を使うならその分中身を充実
させてくれた方が結果的に俺らには嬉しい。
 スーパーサイヤ人だからと言って財布の悟空は持ち主を助けてはくれない。そういうことが
できるのはアニメキャラでなく、神様とか仏様とかご先祖様とかなのだから、むしろ財布の中
にお守りやら形見やらを入れておいたら、不思議なパワーで俺たちをなだめることくらいでき
たかもしれないのに。まあそんな理由でこの財布を持っていたわけではないだろうが、ドラゴ
ンボールが好きなら財布を持つのでなく、オラ強くなりてえ、とか思って体でも鍛えるとかす
ればいいのに、学ぶ箇所がまちがっている。じゃあこいつらはいったいアニメから何を学んで
いるのだろう、と豚くんの財布を開いてみると、住所と名前の書かれた小さなプレートが折り
畳みのあいだから垂れ下がり、元ネタを知っていた俺はため息をつく。哀れにもほどがある。
「おっ、万札はいってんじゃん」ユウジの発見に俺たちはどよめきの声をあげる。「ラッキー」
とマサヤ。こいつの空気の読めなさは天下一品だが、この一言に万札を前にして少しだけ芽生
えていた罪悪感がふっとんでしまったのはみんな同じようで、さっそく何に使うかで盛り上が
る。とりあえずカラオケでも行って考えようぜってことになってその場を離れるときに、顔を
押さえながら座り込んでいるオタクくんたちに「ありがとう」を忘れないタケオの愛くるしさ。
みんないいやつらだ。
 公園の出口にゴミ箱があって、それを見つけたユウジが十メートルほど離れてから財布を投
げると、悟空が宙を大きく舞い、すとんとゴミ箱に収まる。拍手のあとで、「今度はもっと離れ
てやれよ」とマサヤが言うと、「じゃあ、あの木のところから投げて入ったら、万札俺のもんね」
とユウジが調子にのったのだが、それは普通に考えて届くことさえ難しい距離だったので、「い
いぜ、やってみろよ」と俺が叫ぶころにはもうユウジは木のところに行っている。「じゃあいく
ぜ」とユウジは野球のピッチャーのモーションをして「とりゃ」っと投げたのだが、中身のは
いっていない財布は軽すぎるのか、半分ほどの距離で落ちてしまう。「くそー自信あったのにな
ー。あーうぜえ」と冗談でなく本気だったらしいユウジが帰ってくる途中で落ちている財布を
蹴ると、財布は草むらに飛んでいった。
「あの財布誰か拾って、ちゃんとデブのところに届けてくれればおもしれーのに」
 俺が言うと「ばーか、そんなに世間は甘くねーよ」とよりによってマサヤに否定されたので
俺はマサヤを銃で撃つ。バーン。だってデブくんの言葉に倣うなら、これが俺たちの見せられ
る精一杯の慈悲なのだから、それくらい願ってもいいよね。
167以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 17:03:01.20 ID:Iop4UAylO
★簡単エッチなアルバイト
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168以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 17:03:55.36 ID:mCQ14Q560
>>164
・1レスは30行、4096バイトまで、一行は全角128文字まで(読みやすさの為に50〜60文字推奨)
169慈悲=無慈悲 6/5 ◆pxtUOeh2oI :2008/02/17(日) 17:04:40.47 ID:wjiHupzA0
>>164
30行以上だとエラーになるからそれ以下で。
あと、最初改行で22行以上だと時空の彼方に消える。
1レスの最大容量は4096Bytesだけど、余程詰めない限りそんなに行かないから、
それは気にしなくて良いと思う。くわしくはテンプレとwikiを見よう
170【品評会】海流瓶 ◆oOy5b7baSU :2008/02/17(日) 17:08:44.34 ID:LAIPVnAH0
>>168
>>169
ありがとうございます。
品評会投下します。
4スレ予定
171【品評会】海流瓶 1/4 ◆oOy5b7baSU :2008/02/17(日) 17:10:13.11 ID:LAIPVnAH0
「海流瓶」と言うものを知ってるだろうか。
透明なビンの中に手紙を入れ、密閉し、海に投げ込むというものだ。海流瓶は海流に乗りどこまでも流され続け
る。そうしてはるか遠いどこかしらの海岸に打ち上げられ、たまたま通りかかったどこかしらの誰かが海流瓶と
出会うことになる。しかしそれは一握りの幸運な海流瓶に過ぎず、多くの海流瓶は岩礁に砕かれたり、侵食され
沈んでしまったり、もしくは何十年と海流と共に漂流し続けことになる。
今私がこうして書いているこの文章は一つの海流瓶である。ただ違っているのは一般的な海流瓶が世界中の誰か
に届くのを望むものであるなら、これはただ一人の人のもとに届くことを望んでいることだろう。一握りの幸運
があるならばその人の目に届くかもしれないし、この電子の海をさ迷い続け静かに深海に沈んでいくことになる
かもしれない。けれども、何故か私にはその人がこの海流瓶と出会うような気がする。あの時私とその人が偶然
の再会を果たしたような一握りの幸運と同じように、その人の足元に漂着するような気がする。
172【品評会】海流瓶 2/4 ◆oOy5b7baSU :2008/02/17(日) 17:10:48.93 ID:LAIPVnAH0
 帰宅ラッシュも過ぎ、人もまばらとなった大阪御堂筋線地下鉄の電車の中である。田舎から洋服の買出しにき
た私はその日のショッピングスケジュールを終え、今夜泊めてもらう友人宅に向かうところだ。両腕にはここぞ
とばかりにブランド店で買いあさった品々、これからの季節必要になるであろう冬物のコート、厚手のニット、
ついでに衝動買いしたメンズ用香水などなどがつまった紙袋をぶら下げて、ドア側にある銀色の鉄柱に体を預け
て一日中歩き回った体を休めていた。
「天王寺、天王寺に到着いたしました。次は――」
天王寺かなつかしいな。今は実家の田舎に帰り野山に囲まれた暮らしに戻っているが、三年ほど前まで天王寺の
隣、美章園で資格を取るために一人暮らしをしていた。その頃の忘れられない思い出が頭の隅を流れていく、通
学にバイトに試験、それから同じバイト先で知り合った彼女……。
反対側の乗車口が開き、数人の乗客が電車に乗り込んできた。警笛と共にドアが閉まり、ゆっくりと電車が動き
出す、慣性が疲れきった体に心地よい。思い出に浸っていた私はふと視線を感じ、反対側のドアのほうをみる、
私をそっと見つめる女性と目が合った。その見覚えのある女性の姿に「まさか」と私は驚いた。年のころは二十
歳を少し過ぎた頃、細っそりとした体にラフなジーンズと軽めのパーカー、肩までかかる栗色の髪と、薄く自然
な化粧をほどこした小さな顔が彼女の印象をずっと若く見せている。今まさに私が思い出に浸っていた思い出そ
のものが目の前に現れているのだ。そんな私の驚きに確信を得たのか、彼女は反対側の私の横に来て気恥ずかし
そうにこう言った。
173【品評会】海流瓶 3/4 ◆oOy5b7baSU :2008/02/17(日) 17:11:29.79 ID:LAIPVnAH0
「あの、私……覚えてますか?」
もちろん覚えいる、頭の中が真っ白になった。三年ぶりにきた大阪で、何本もの電車が通るこの地下鉄の、この
多数ある乗車口のただ一つのこの車両に今乗り合わせるという偶然。彼女が目の前にいるという一握りの奇跡的
なタイミングに私の思考は悲鳴を上げ、完全に停止した。
「覚えているよ」
と、ぼんやり呟く。
「よかった……」
ほっとしたようにあどけない微笑が浮かぶ。それから二人の間に思い思いの静寂が流れる。電車は先ほどとは違
い静かに、そしてのろのろと走っていく。隣に佇む現実となった思い出の姿。私はあの頃の思いに押しつぶさ
れ、これは夢なのか現実なのかも分からない。
「あの時の事なんです」
彼女は真っ直ぐ向かいのドアを見つめてこう言った。
「私、強引すぎたってずっと考えてたんです。だから謝りたかったんです」
違う、責められはしても謝ることはない。私は言うべき言葉を捜して彼女の顔を見る。彼女も私の顔を見た、照
れくさそうな顔と、零れ落ちそうな涙を見て私は完全に言葉を失う。
「それとありがとうって言いたかったんです」
そういって見つめ返す彼女の健気さと純粋さに胸を打たれ、ただ彼女と見詰め合うことしかできない。それが自
分のできる精一杯だった。
「昭和町、昭和町に到着いたしました。次は――」
いつの間にか電車は止まり、乗車口が空気の排出音を出して開く。
「じゃ、私ここなので――」
そう言うと彼女は乗車口から足早に出ていく、私は未だ何も言えず、何を言うべきかも分からずただ彼女の後ろ
姿を見送る。警笛が鳴り響きドアが閉まる。乗車口を少し過ぎたところで彼女は振り向いて、軽く右手を上げて
私に手を振る。私も紙袋を床に落としながら手を上げて応える。その姿が右から左へと流れていった。今もまだ
かわらぬ彼女の健気で、純粋な笑顔を私の頭の中に真新しく焼き付け、自然とあの頃の思い出が順序立てられな
がら頭の中をよぎっていく。
174【品評会】海流瓶 4/4 ◆oOy5b7baSU :2008/02/17(日) 17:12:19.54 ID:LAIPVnAH0
 彼女との出会えったのはバイト先でのでことだった。近所のローソンでバイトをして生活費に稼いでいた私と
同じシフト時間で勤務してたのが彼女だ。
ローソンといえど忙しい時間もすぎると、人もまばらになりレジ仕事も一段落して手持ち草になる。単調なレジ
仕事の気を紛らわそうとちょっとした雑談ををして気を紛らわすのは当然のことだろう。その頃から自分につい
て考え、哲学本を読み漁った私は彼女に色んな話をした。特に好きだったのは"今を生きる"という考え方だっ
た。彼女はいつも頷いて、キラキラと目をかがやせては私の話を聞いてくれた。
 資格試験も無事終わり、後はいつ実家に帰るかというだけだった私を、彼女はコンサートに誘った。私は行く
かどうか迷ったが、折角チケットを用意した彼女の気持ちを断れず、一緒にコンサートにいった。バイト中とは
違い、いつもよりおしゃれした彼女、照れくさい挨拶とバイト先の内輪話。
コンサートを楽しんだ後の帰り道、風の中に冬の匂いがして、街灯は二人の行き先を点々と照らし「楽しかった
ね」と二人で相槌を打ち合い駅に向かい歩いた。
 それからすぐに私は荷物をまとめ、実家に帰った。
彼女から時々着信があったが私が電話に出ることはなかった。「強引すぎた」といった彼女。しかしそれは違
う。私は彼女のことを好きだったし、いつまでも二人で歩いた帰り道の情景を忘れない。私は今を生きれない人
間だ。幸せを味わえない、幸せの先にはそれ以上の悲しみが待っていること、そのことに耐えれない。私は人を
愛するという感情がなくなってしまった。そんな自分が彼女の若さに満ちたもっとも輝く時間を奪いたくなかっ
た。

「長居、長居に到着しました。次は――」
目的地についたところで私の思考は途切れ、空気音と共に開くドアから足早に降りる。警笛が鳴り響きドアがし
まる。
ふと振り返り、今まさに動こうとしている列車を見た。そこには列車のガラスに反射したくたびれた私の姿が私
を見返しているだけだった。
175【品評会】海流瓶 5/4 ◆oOy5b7baSU :2008/02/17(日) 17:12:35.47 ID:LAIPVnAH0
投下完了です。
176以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 17:15:41.73 ID:3hCFpTpV0
投下おつー
177 ◆gtyBrNPylc :2008/02/17(日) 17:19:36.57 ID:MmBliCHp0
品評会作品投下します
4レス
178如月ミキの場合1/4 ◆gtyBrNPylc :2008/02/17(日) 17:20:55.31 ID:MmBliCHp0
 正面の扉が甲高い悲鳴をあげながら扇状に動いたのち、面会室に一人の女性が姿を現した。
 如月ミキ。おそらく、現在日本国内において、もっとも衆目を集めている二十四歳である。
 一度会釈をし、彼女は椅子に腰を下ろした。目の前にそびえる一枚の透明で巨大な板が、私たちの行動から権利にいたるまでを如実に分断しようとしている。
 ふるいにかけられて、落ちた先が向こう側なのか、それとも逆か。私は数秒、極めてどうでもいい思慮に耽った。
「あなたがわたしの先生?」首を傾げて、如月は少女のような笑顔で問うた。「素敵な方」
「……」私は困った。
「ああ、自己紹介はいいです、時間が惜しいから。何から話しましょうか」
「事件についていいですか」
「いいじゃないですか、そんなどうでもいいこと。忘れなさい」えい、と人差し指を振る。
 帰ろうかと思った。
「あ、あ、うそです、ごめんなさい……」如月はうな垂れた。「みてみて」
 見るとテーブルに額をこすりつけている。
「憐れな」思わず本心が意識を通さず口から出てしまった。失言。
 私は堰を一つする。
「あなたは憐れでいらっしゃいます」言い直した。
「……暇なのです、こっち」むくりと起き上がる。おでこが赤かった。「先生、あれでしたら、わたしがやりましたよ」
「自白するんなら警察か検察官に言ってくれませんか」この接見が徒労だったことを早々と悟り、私はため息を吐く。「当番弁護士制度まで行使しておいて……」
「ちなみに当番弁護士制度は、一回目に限り無料で弁護士と接見できる、家計の厳しい庶民にとって非常に心強い制度なんですよね、先生」
「はい、そのとおりです。良い子のみんなも、恐いお巡りさんに逮捕されたら、とても不安だと思うんだ。そんな時は落ち着いてこの制度を利用しようね!」
 二人とも不自然なほど真横を向いて、笑顔ではきはきと言葉を投げかける。
 再度、向かい合う。
「わたし……不安で不安でたまらなくて」如月は急にしおらしくなった。「乙女ですから」
「だんまりだったそうで」
「ぺっ」唾棄。「ヤニくさいジジイは嫌いです」
「えーと」私は全力で聞こえなかったふりをして、ポストイットの貼られた手帳を開く。「八月十日、K大学病院に入院中の患者九名を刃物で殺害」
「悪い奴がいるもんですね」
「え、頭が?」
「やだー先生、冗談が上手!」
 耳だろうか。
179如月ミキの場合2/4 ◆gtyBrNPylc :2008/02/17(日) 17:22:57.02 ID:MmBliCHp0
 まあ、どちらにしても。
「こんなことを詮索するのは、邪なんだろうけど」乱される心と裏腹に、口調は平静を装う。「どうしてあの九人だったんだろう?」
 そして、長い静寂が訪れる。
 如月はスッと両目を細める。視覚からの余分な情報を減らし、思考に鋭角の指向性を持たせようとする行為のようにも取れる。口角が上がった。
「救済ですか?」そんな筈がない。しかし、私は沈黙の対峙を嫌った。全身の毛が逆立っているのを感じる。
 ……壁が、薄い気がする。
「そんな高尚な思考ではなく、もっと単純な、感情」一点を見据え、平坦な口調で如月が答える。「ね、先生」
 ねっとりと纏わりつく、それは思慕のように。
 私は、十日前に起きた事件のことを思い出す。
「人を殺めることより、人を生かし続けることのほうが、本来罪ではありませんでしたか?」

 
 九名の犠牲者が出た。
 殺されていたのは、余命いくばくもない患者ばかり。
 九人の中には、笑っていた者もいたという。


 私は、数秒の間、答えに窮した。目前の人物に、既定の倫理は通用しないのは、今ので明らかだ。
「人が、殺されるのは罪でないと?」喉からこぼれた言葉の、なんと脆弱なことか。
「人は死にます。死んでもらわないと、地球が滅びます。優先順位ですよ」
「でも中には、悲しんで涙を流した遺族もいたでしょう」全然会話になっていない。それはそのはず、単に周波数を近づける時間を稼ぎたかったのだ。
「無いですよ。涙に意味なんて」そんな私に、彼女は平然と言い放つ。「他人の不幸を嘆く人を、わたしはお目にかかったことがありません」
「うん」
 きっとそうだろう。
「パブロフの犬が、ベルの音を聞いて涎を垂らしたように……、わたしたちは人が死んだら涙を流すよう、仕組まれているに過ぎません。涎と涙の成分の違いだけが、人間のプライドなんです」
180如月ミキの場合3/4 ◆gtyBrNPylc :2008/02/17(日) 17:24:08.62 ID:MmBliCHp0
 私は口にたまった唾を飲み込む。
 狂人。
 マスコミが如月ミキにつけた安直なニックネームだ。
 違った。如月は狂ってなどいなかった。常識人とされる者と、正義の単位が違うだけで。
「あなたの倫理は興味深いけど、一般受けはしないでしょう。世間は中央値だから」今、何時だろう。「チューナー合わせるのが大変だ……」
「理解はされなくて当然です。人の数だけ意思が存在するのですから」
「確かに、まあ、多数決がしたいなら、三人いれば充分なわけだけど……」
 腕に巻きつけられた時計に目をやると、対面してから二十分が経過していた。
「死にたいと叫ぶ人を無理やり生かすのは、殺す、でしょう? 意味が逆転してますね」眉をひそめて、如月が首を再び傾げる。「生かすが殺すで、殺すが生かすで、殺すが堕ろすで……おや?」
「豆腐と納豆みたいですね」こんがらがっている彼女に、適当な助け舟を出す。「あれも逆転してる」
「あ、いいです、それ」しぼみかけていた如月が、むくむくと蘇る。「さすが先生だ」
 つまり、あれ。
 如月ミキは、延命処置を受ける彼らを見殺しにできず、殺したわけだ。感情のままに、決して、受け入れられない方法で。
 変質した愛の形。
 そんな幼稚さが、彼女の慈悲だった。
「お腹がへりました」唐突に如月は言う。「へったので帰ります」
 どうやらこのお嬢さん、話の流れや脈絡といったものを気にしないらしい。
 先ほどまで室内を満たしていた空気は霧散してしまった。
181如月ミキの場合4/4 ◆gtyBrNPylc :2008/02/17(日) 17:25:32.50 ID:MmBliCHp0
「どこに?」
「わたしの帰りを待つ、サーロインステーキのもとに……」うっとりとした。
「脱走でもするの?」
「トンネル効果を使おうかと」任せておけ、みたいな表情をされる。「まあ、これは宇宙が創られるのと同程度の確率なんですけどね」
「それ、百パーセントってこと?」
「やっぱり先生は素敵です」如月は親指を立てた。「宿命なのです。行かねば」
 きびすを返し、すたすたと歩いていく。
 本当に暇つぶしだったんだ……。
 帰ろう。
「如月さん」
 呼び止める。
「あなたはあの日に、泣きましたか?」
 その質問に、彼女はこちらを顧みた。
 笑顔を貼り付けて。
「さあ、涎と涙とどっちだったかな……。それも、どっちであれ些末な差ですよ、先生」
 扉が閉まった。

 了
182以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 17:26:32.15 ID:MmBliCHp0
kannryou
183以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 17:38:37.89 ID:3hCFpTpV0
投下乙保守
184考察そのいち お題フィンガーチップ1/1 ◆xy36TVm.sw :2008/02/17(日) 17:58:29.51 ID:C3wDNIHD0
「フィンガーチップだよ」
 そう言って宮元はガムを噛んでいる。クチャクチャクチャと鬱陶しい。
「フィンガーチップなんだ」
 そう言って私は伸びをしている。背筋がびよーんってなる感覚が楽しい。
 フィンガーチップとは何か、と尋ねたらこのありさまだ。
 フィンガーチップが何か尋ねてフィンガーチップと答えられたら、今度はフィンガーチ
ップってなんなんだと尋ねていいのだろうか。
 けれどそうするとまた宮元はフィンガーチップはフィンガーチップだと答えてきそうなので
それはよしておこう。
 そもそも何故フィンガーチップなんだ。フィンガーなチップなんだ。
 腹が立ったからそこらに転がってた辞書を引いてみるとチップとは削りクズのことらしい。
 ならばフィンガーチップは指の削りクズということか。
 指の削りクズ。というと、垢とかその辺の老廃物だろうか。
 老廃物から話を広げるにはいささか乙女的にノーサンクスなのは間違いないので、そこ
は華麗かつ壮大なテーマについて考えることで回避しよう。
 華麗かつ壮大なテーマ。すなわち、恋愛だ。万人に通じるテーマだと言える。
 恋愛とは何か。とある哲学者は言っていた。 恋愛とは青春の老廃物であると。
 青春の老廃物。老廃物とは垢のことであり垢とは指の削りクズでありならばフィンガー
チップなんだろう。すごいぞ私、恋愛とはフィンガーチップと見つけたり。
 すると、私が今いる宮元の部屋にあったこのぼろっちいフィンガーチップが恋愛という
ことか。フィンガーチップすごい。なんたって恋愛。
 ああそうだ、忘れていた。今日は二月十七日じゃないか。
 私はポシェットの中から包みを取り出し、宮元に投げつける。
「ハッピーバレンタイン」
「わあ、三日前に過ぎてるねそのイベント」
「お返しは十万倍で」
「たとえ五円チョコだとしてもバイクが買えるね」
「今食べるんじゃないわよ」
「なんで?」
「あんた今ガム噛んでるから」              ハッピーバレンタイン★
185以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 17:59:23.10 ID:C3wDNIHD0
ID:FPmWrYWR0とID:3hCFpTpV0に乗せられて僕はホイホイ書いてしまったのだ
悪いのは上記の二人です。
〆の一言スイーツ(笑)にするか素直に完にするか三分悩んで適当に決めた
結局フィンガーチップってなんなんだろうね
名前長すぎるってんで二回も改題。お題フィンガーチップって書くだけで十文字だ。
186以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 18:18:29.52 ID:p+01361n0
ほし
187以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 18:19:00.45 ID:wjiHupzA0
このスレの>>21が品評会No.5でおk?
前スレのはもう全部まとめられてるよね?
188以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 18:23:25.37 ID:5UK+zsbF0
>>187
んだんだ。No.4は前スレ最後の投下作品
189以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 18:23:27.66 ID:svafExA/O
>>184
> 「たとえ五円〜ね」
というのだけが面白かった。
“ああ、復活の前に死があるね”とかなんかそういう言葉をおもいだして「〜ね」っていうのは
つかいようによっちゃいい感じになるんだなとおもった
190以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 18:24:11.93 ID:Bv/H+SFP0
簡単に金になるバイト紹介します。
http://autostm.net/urabeit/
191以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 18:28:36.52 ID:wjiHupzA0
>>188
あんがとなあ。がんばって全感をすっべえ
192以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 18:29:56.34 ID:3hCFpTpV0
>>185
乙!乗せた責任を持って感想をwwww
途中でいきなり恋愛の話になるところがぶっ飛んでておもしろかった。
こういう話の仕方をする人と話してると面白いよね。あとオチも好き。ガム溶けるもんね。
結局フィンガーチップ=ガムの名前?でいいのかな。

誤字っぽいのとか、あと言い回しで「んん?」って思うところがあったけど、
1レスなのに色々詰めこんであって、宮元と主人公の微妙な恋愛感情(?)みたいなのも伺えて
盛りだくさんでよかったです。こんな感想ですいません>< 品評会期待age
193料理(品評会) 0/2 ◆yMe.v0PE8c :2008/02/17(日) 18:44:58.34 ID:p+01361n0
品評会作品を投下します。
2レス
194料理(品評会) 1/2 ◆yMe.v0PE8c :2008/02/17(日) 18:45:52.02 ID:p+01361n0
 僕のアパートに妹が来てから、一日が経った。
 妹は、同棲している彼氏が帰ってこないという事を、僕に告げた。
 彼氏は、酒飲みで、酔っ払って妹に暴力を振るう。
 彼氏は、妹に煙草を吸い、灰皿の代わりに妹に煙草を押し付ける。
 妹の皮膚に傷をつけ、妹の心に傷をつける。
 シスコンと呼ばれるほどではないと思うが、僕は妹の事が好きだった。
 ストレスを発散したいのかは知らないが、妹に痛みを与える彼氏を、僕は嫌いだった。
 そんな奴と、何故同棲なんかしているのだろう。
 僕には分からない。
 そんな奴が帰ってこないというのに、何故、妹は悲しんでいるんだろう。
 僕には分からない。
 落ち込んでいる妹を何とか元気にしてあげたかった。
 僕の知っている妹は、こんな顔はしない。
 何をしたら、昔の明るい笑顔を取り戻せるだろうか。
 そうだ、料理だ。
 まだ中学生、高校生の頃に、僕はキッチンに立つ事があった。
 料理は好きだったし、僕の料理を美味しいと言ってくれる妹の笑顔も好きだった。
 妹が僕のアパートに訪れた日、つまり昨日。
 僕は冷凍庫にある肉と、野菜を細切れにし、それを皮で包み餃子を作った。
 一つ食べてくれたかと思うと、それ以上食べようとしなかった。
 何故だろう、こんなに妹の事を思って作ったのに。
 妹は美味しいと言ってくれなかった。
 次の日、つまり今日。
 今度は生姜焼きを作ろうと思い、僕は冷凍庫から肉塊を取り出した。
195料理(品評会) 2/2 ◆yMe.v0PE8c :2008/02/17(日) 18:46:10.51 ID:p+01361n0
 上手くスライスし、醤油と生姜を混ぜ合わせたタレに肉を入れ、それを焼き上げる。
 出来上がった生姜焼きを、妹の前に出す。
 妹はまた、一口食べた所で箸を止める。
 それ以上食べてくれない。
 どうして。
 どうして食べてくれない。
 こんなにも、こんなにも思いをこめた料理だというのに。
 昔、あんなにも喜んで食べてくれた料理だというのに。
 ……そうか。
 分かったぞ。
 あの肉だ。
 あの肉が不味いというんだな。
 酒ばかり飲んで、味を悪くした肉が。
 煙草ばかり呑んで、味を悪くした肉が。
 僕は先程冷凍庫にしまった肉を取り出し、すりこぎ棒で思い切り叩く。
 曲がった根性を叩き直してやる。
 《叩く》なんて、そんな優しいものじゃない。
 潰す。
 叩き《潰す》!
 妹に傷をつけやがって、妹にこんな顔させやがって、妹に、妹にいもうとにイモウトニ!

 晩、僕はハンバーグを妹の前に差し出す。
 一つ食べてくれたかと思うと、それ以上食べようとしなかった。
 何故だろう、こんなに妹の事を思って作ったのに。
 明日、一緒に買出しにでも出かけたら、笑ってくれるだろうか。

 完
196料理(品評会) 2/2 ◆yMe.v0PE8c :2008/02/17(日) 18:47:17.23 ID:p+01361n0
以上です。
197以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 18:49:58.80 ID:C3wDNIHD0
>>192
あ、乗せた人だ
サッカーのキーパーがはめるグローブらしいよフィンガーチップ
フィンガーチップがゲシュタルト崩壊
品評会カオスは静かだといいね
198以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 18:56:20.06 ID:3hCFpTpV0
>>197
なんか文章が崩壊してますよwww
品評会いっぱい作品出るといいなー。一度全感と言うのをやってみたい
199以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 18:58:35.56 ID:wjiHupzA0
>>198
やろうぜ。いまから少しずつやっておくと楽だぞ、少しだけ。
自分の勉強にもなるしな
200以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 19:02:03.35 ID:XDDG0p+JP
なるねー
勉強になり過ぎて自分のが書けなくなった
201以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 19:02:11.44 ID:svafExA/O
今回少なそうだし、俺もやるかな全感
202以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 19:09:56.55 ID:+GMJCQkR0
俺も全感すっかな。
参加は見送った。つーか先週で力使いすぎた。
気力が湧かん
203以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 19:13:22.25 ID:3hCFpTpV0
全感する人いっぱい出て来たwwwww
感想書くのは好きだけど、自分で書いた文章見せるのは恥ずかしいなぁ。
ブログだと文章書くのは楽なのに…そのうち感想もらう側になりたひ。とりあえず全感始めます
204乳首0/3 ◆NEETwgvYaU :2008/02/17(日) 19:17:22.45 ID:6D6xwaqT0
お題投下しますよ・・・
205乳房0/3 ◆NEETwgvYaU :2008/02/17(日) 19:18:09.11 ID:6D6xwaqT0
 このお題を貰った時ある想いが俺の頭の中を支配した……
「これは絶対にまともな作品にはならないだろう」と。
 乳房……どう考えても下ネタにしか発展していかない……辞書で調べても何の解決にもならなかったぜ。
 だが与えられてしまったものはしょうがない。どうにかして完成させねばならないのだ。多分。
 
 そうだ。母親のビッグでブラックな乳房に憧れた幼い少女がクリスマスの日に
「お母さんのような乳房が欲しいです」
とお願いをする。
 そして夜が明けた少女の枕元に置かれた飾り付けられた小さな箱。
 中にはつけ乳首なるプレゼントと手紙。
「君の願いは叶えてあげられないけど今はそれで満足して欲しい。
あと僕はピンクの奇麗な乳房の方が好きです。そうした需要もあるんです。
決して自分のことを悪く思わないでください」
「ありがとうサンタさん」
 小さくつぶやいた少女はシャツを脱いで早速試しにつけてみる。
 その顔には嬉しそうな表情とほんの少しの涙があった。
 
 ここまで考えたところで発狂した。
 ハートフルな展開など望めない。お題がアレなのでどうことが運んでもシュールな展開にしかならない。
「このまま埋もれていってしまうのかこのお題は……」
 いや、そうなってはせっかくもらったお題がもったいない。というか俺が気持ち悪い。
 二桁に達した「貰ったけど書いてないお題」にまた一つ新たに加えなければならない。
 それは避けたい。いや避けなければならない。なんとなく。
 という訳で次のレスでヤケクソになって書いた作品が来ると思う。
 心してスルーしてもらいたい。
206乳房2/3 ◆NEETwgvYaU :2008/02/17(日) 19:19:00.07 ID:6D6xwaqT0
 時は未来。
 地球を支配していた人間たちの時代は今まさに終わりを告げようとしていた。
 人間はいろいろあって人間以上の知能を持った牛たちによって絶滅の危機に瀕していた。
 ただ乳を搾られ、ときにはおいしそうに解体されるだけだった彼ら。
 逆襲の舞台は遠い昔にすでに整えられていたのだ。
 牛は牧場を拠点として少しずつ、しかし確実に領域を広げていく。
 某国の偉い人が牧場に向かって核を放ったことがあったが、
いつ用意したかもわからないシェルターによってほとんど効果を成さなかった。
 彼らはあらかじめこの事態を予測して造っていたに違いなかった。
 もっさもさ草を食べながら裏では緻密な計画が練られていたのだ。
 かわいい顔してやるもんだ。
 牛たちは非常に優れた頭脳を手に入れると共に非常に敏感な乳房も得ることとなった。
 原因は目下不明。
 しかし強く握られるとあまりのショックに絶命してしまう程の乳首は牛にとってはただ邪魔だった。
 人間たちは最後の望みをその乳首へと託した。
 ただ戦争をしても勝ち目はないことはわかっている。
 そこで乳首をつかむためだけに訓練された少年少女たちを戦場に送り出すことになった。
 
 彼らは素早く相手の股下に潜り込み慣れた手つきで乳首をむしるようにつかむ。
 牛は一瞬恍惚とした表情を浮かべた後絶命した。
 部隊は一路中枢である牧場へと向かう。頭を潰してしまえば人類に勝機は訪れる。
 というか勝つ。うんきっと勝つ。
 ヘッドと思われる牛が声を出す。
「私の体には自爆装置がつけてある。君たちが私の乳首を引いた瞬間、この牧場もろとも粉微塵になるだろう。
君たちに、自分の命を犠牲にしてまで君たちの種を守る覚悟はあるのかい?」
 少年たちは驚いていた。
(牛が喋った…………)
どうでもよかった。
 仕切りなおして。
 少年たちは決断を迫られていた。もう一レスかかるとは思わなかったと考えながら。
207乳房3/3 ◆NEETwgvYaU :2008/02/17(日) 19:19:44.42 ID:6D6xwaqT0
 リーダーと思われる少年が口を開く。
「僕たちはあなたたちを滅ぼすためだけに育てられてきた。
その僕たちがこのチャンスを放棄してしまったら僕たちの生きてる意味はなくなってしまいます。
たとえその結果が死を持って迎えられようとも」
 少年は歩きだす。ヘッドな牛へと向かって。
 牛はふふっと笑ったあと、少年たちに言った。
「君たちのような人間がいるならこの地球もまだ大丈夫だろう。
忘れないでくれ。君たちが生きるために犠牲にされる命があることを」
「どうせ僕たちは死ぬんですから言っても無駄なことだと思いますよ」
「いいや。伝えるんだ。君たちが」
 少年は乳首を掴んだ。そして目を閉じる。次に開いた目、その向こうに開ける世界はいったいどのような
世界なのか。
 少年は目を開ける。そこには倒れた一頭の牛がいた。今まで会話をしていた牛に間違いなかった。
 振り向くと苦楽を共にしてきた部隊のみんながいた。
 そう。爆発など最初からしなかったのだ。
 少年は戦果とわずかな言葉を手にして人々の元へと帰るのだった。        end
208 ◆NEETwgvYaU :2008/02/17(日) 19:20:11.04 ID:6D6xwaqT0
以上です
死んできます
209以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 19:29:24.42 ID:svafExA/O
このスレに来てから二三ヶ月がたって、なんだか物の見方が変わってきたような気がする
なんていうか例えば、「その綺麗な顔に顔射してやるっ!」っていうセリフにどこか引っかかって集中できなくなったり

そうして集中できないままに俺はティッシュに顔射をしたから、やるせなくなって「乳房」なんてお題を出した
今は反省している。萎えたならそこで止めればよかった、と反省している
210以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 19:32:43.55 ID:3hCFpTpV0
>>208
お題は乳房なのか乳首なのかどっちなんだ!
1レス目と2レス目の間に全く関連無いのが面白かったです。

>>209
乳房だったんですね…
211以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 19:33:05.91 ID:4f2Ovi9V0
メシ食うついでになにか書くもの考えたいからお題オクレ兄さん
212以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 19:34:46.78 ID:3hCFpTpV0
>>211
雑炊
213以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 19:35:46.09 ID:6Y7GH/G6P
品評会投下5レス
214【品評会】ちょこっとlate 1/5 ◆zsc5U.7zok :2008/02/17(日) 19:37:27.72 ID:6Y7GH/G6P
 「勘弁してくれ……」
 庭にある物置。狭苦しいその空間で、俺は必死に息を殺していた。
 乾いた雑巾の嫌な臭いが鼻を突く。泥水のようなあの臭さだ。
 まだ冬場だからいいが、これが夏だったらと思うとゾッとする。
「大体、何でこんなことになるんだよ……」
 小声で愚痴ってはみたものの、当然答える者は誰もいない。
 それに、理由なんて分かりきっているのだ。
「女は怖い」
 そう、女は怖い。バレンタインデーの女は特に。
 血走った目で男を追いかけ、その手に綺麗にラッピングされたそれを押し付けようとする。
 受け取ったら最後だ。俺たちは、哀れにもルールに従いその女に贈り物を返さなければならない。
「菓子会社のクソッタレが。大体、こんなの明らかにおかしいだろうが」
215【品評会】ちょこっとlate 2/5 ◆zsc5U.7zok :2008/02/17(日) 19:38:13.06 ID:6Y7GH/G6P
 二月十四日、バレンタインデー。
 元々は、婚姻を禁じた王様に背き、結婚式を挙げたヴァレンティヌスという聖人にちなんだもの
らしい。
 日本では、女の子が好きな男の子に思いを伝える恋人達の日という扱いになっている。
 まぁ、平たく言えばカップルのイベントの一つだろうか。
 だが、ある日を境にこの日が持つ意味は一変することになった。
 今から十年前の二月十四日。ある女性が渡そうとした手編みのマフラーに関して、男性側は「重
いから」という理由で受け取りを拒否。
 精神的苦痛を受けたと、女性がこの男性を訴えたのである。
 なんとも馬鹿馬鹿しいこの裁判は実に二年近くも争われ、さらに馬鹿馬鹿しい判決が下されるこ
とになる。
 精神的な苦痛も加味し、マフラーに使われた材料費の約三倍の慰謝料の支払いを男性に命じたのだ。
 この慰謝料自体は大した額ではなかった。それまでの裁判に掛かった金額や時間を考えれば、本
当に微々たる物だったろう。
 しかし、本当の恐怖はこの後にやってくる。
 何を考えたのか、民主党の中心的人物の一人であったとある議員が、この問題を大々的に取り上
げ、法律の整備を訴えたのだ。
 これだけ聞けば単なる笑い話だが、笑えないのはこの女性議員が心底にこの問題を真剣に扱って
いたことだ。
 彼女の動きは早かった。党内の女性議員を纏め上げ、すぐに法案を提出したのである。
 以下がその内容の一部である。
216【品評会】ちょこっとlate 2/5 ◆zsc5U.7zok :2008/02/17(日) 19:38:45.94 ID:6Y7GH/G6P
・特定の交際相手のいない十八歳以上の男性は、バレンタインデーに女性から贈り物を受け取るこ
とを拒否してはならない。ただし、手渡しの場合に限る。
・贈り物を受け取った男性は、ホワイトデーに目安として貰った物の三倍程度の贈り物を返さなけ
ればならない。
・バレンタインデーの贈り物は、原則として菓子類に限る。ただし、交際相手に贈る場合はこの限
りではない。
・特定の交際相手のいる女性は、それ以外の男性に贈り物をしてはならない。

 なんとも馬鹿げた話だろう。
 ところが、何かの間違いだろうか、この法案はすんなり通る羽目になる。
 勿論、運も味方した。国会内の女性議員の占める割合は増加の一途にあったし、中心となった彼
女の影響力も大きかった。
 また、財力の面では日本中のお菓子会社が彼女をバックアップし、外堀を少しずつ埋めていった
のである。
 そして、何よりも日本の人口の約半分、つまり女性全員が彼女を支持したのだから。
 そのまま、法案は可決され、二年の充電期間を置いてついに施行されることとなってしまったのだ。
 かの有名な悪法、バレンタイン法……通称三倍返し法だ。
 勿論、意図していた目的どおりの法律ならば、大した問題ではなかった。
217【品評会】ちょこっとlate 4/5 ◆zsc5U.7zok :2008/02/17(日) 19:39:26.30 ID:6Y7GH/G6P
 しかし、ここにお菓子会社のバレンタイン商法が絡んで、事態は悪化の一途を辿る。
 余談ではあるが、このバレンタイン商法の原型は、平賀源内が土用の丑の日にウナギを食えとい
う商法を考え出したことに起因するとされている。
 この手法は、日本人の国民性に嵌るとされているが、イベント好きな体質なのだろうか?
 話を戻そう。 
 日本中のお菓子メーカーは、バレンタイン用の贈り物として、超高級な菓子類の販売に踏み切っ
たのである。
 その平均価格たるや実に三万円を超え、物によっては五十万円以上するものまで売り出された。
 もう後は分かるだろう。
 日本中の独り身の男性の多くは、この贈り物を恐れ嘆く羽目になる。
 どんなに馬鹿げていても法律なのだ。贈られたら受け取らなければならないし、受け取ったら三
倍にして返さなければならない。
 女性達はこぞって高い菓子を買い漁り、それを半ば無理矢理に近い形で周囲にばら撒いた。
 当然、恋愛感情などではなく、見返り目的だ。
 五万なら十五万。十万なら三十万。
 返さない場合には勿論罰金が科せられ、その支払いが命じられた。
 青少年の甘酸っぱいイベントが、一転して阿鼻叫喚の地獄絵図と化したのである。
 採算の合わないような高級菓子でさえ爆発的に売れるのだ。
 お菓子会社が彼女の後ろ盾となったのも、これが真の目的だったのだろう。
 勿論、男性側も黙っていたわけではない。この悪法の撤廃を要求し、デモを行う者も現れた。
 しかし、一度制定された法を撤廃させるのはかなり難しい上に、日本中の女性がこの法律を支持
しているのだ。大した成果を挙げることは出来なかった。
218【品評会】ちょこっとlate 5/5 ◆zsc5U.7zok :2008/02/17(日) 19:40:21.65 ID:6Y7GH/G6P
 その後、年を追うごとにこの法律はより洗練されていった。
 年収を踏まえ、返済が可能な平均額を計算。贈り物の額に年齢ごとに上限が設けられ、より接収
しやすく整備される。
 もう、ここまでくると借金の徴収となんら変わらない。
 ちなみに、俺の年齢……十八歳の上限額は一万円だ。けっして、返せない額ではない。
 だが、返す気があるか? と聞かれたら話は別だ。
 何故好きでもない女の子に、なけなしのバイト代をはたいて贈り物をしなければならないという
のか。
 大体、平気な顔をして男から金を毟り取ろうとする神経が分からない。
 俺は、今そういう一人の女から逃げている。ここもいつ見つかるか分からない。
 そろそろ場所を移すべきかもしれない。
 幸い、外に気配は感じない。
 隠れ場所にも二、三心当たりはある。
 俺は物音を立てないように、扉を開けた。

 瞬間、空気が凍る。
「うふふ〜。おにぃちゃんみっけ」
 あ……。
「危ない、危ない。もう少しで逃げられちゃうとこだったぁ。はい、これ」
「……」
「大丈夫、大丈夫。一万円くらいの安物だからさ。じゃあ、お返し期待してるね〜」
 俺は絶望に眩暈を感じつつも、妹の背中に声を掛ける。
「あの……勘弁してはくれないよね?」
「だぁめ」
 そう返した妹の顔には、慈悲など一片も無い悪魔のごとき笑みが浮かんでいた。

 了
219以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 19:41:49.49 ID:6Y7GH/G6P
投下完了 3レス目のレス表示を間違ってしまった…orz
転載の際、修正御願いします。
220以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 19:44:28.17 ID:6D6xwaqT0
>>209
気にしないでどんどん被害を与えてください
でないと俺が報われません

>>210
しょっぱなからミスってもう泣きそうでした
目を通すなんて相当な物好きと見ました
221以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 19:47:44.96 ID:e95RkHc40
今更だが如月ミキ吹いたw
キサラギ?
222以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 20:04:06.00 ID:3hCFpTpV0
>>220
目を通すと言うか、ちゃんと全部読んだよw
どうせなら牛であることに意味を持たせて欲しかったなぁなんて。
「人は色んな生き物を殺して生きている」こと以上のメッセージあればもっと嬉しかった。
そして保守。
223以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 20:06:37.26 ID:LPweCT450
それより>>208の職業がトリでバレてる件
224以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 20:18:30.18 ID:6D6xwaqT0
>>222
全部とは……恐れ入った
正直、乳房→乳首→牛
という脊髄反射的発想が生み出した狂気です

>>223
平成のNEET子達です
本当にありがとうございました
225以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 20:39:19.91 ID:n0tD2NT60
品評会一行も書けてない…もう諦めよう
はぁ、品評会には毎週書くって抱負建てたのにな…
やっぱり成人式で一回休んだからもうあと抱負守る気が失せて ('A`)
226以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 20:48:00.13 ID:kCbLTcF00
ここで愚痴ってる暇があるなら一行でも一文字でも多く書こうとしろ!
それがモノ書きってもんだろ!お前の魂はそんなもんだったのかよ
書け!書くんだジョーナサン
227以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 20:48:53.75 ID:o/NWUh1B0
戦士には休息も必要だと思い続けて3ヶ月になります
228以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 20:50:55.51 ID:LPweCT450
なぁに、何十年もある内のたった90日さ
229以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 20:52:45.68 ID:UknbPa0d0
なんという慈悲深い言葉…
230以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 21:02:50.20 ID:rDJrZ23U0
お題下さい
231以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 21:03:52.44 ID:UknbPa0d0
日焼け
232以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 21:10:24.33 ID:6D6xwaqT0
来週参加しよう
しばらく書いてなかったしリハビリで書いたらあれだ
233 ◆VrZsdeGa.U :2008/02/17(日) 21:11:49.20 ID:QZQQ44GF0
品評会投下します。
234 ◆VrZsdeGa.U :2008/02/17(日) 21:12:43.02 ID:QZQQ44GF0
あ、ゴメン、もうちょっと推敲してから投票するわ。
235以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 21:14:32.15 ID:XDDG0p+JP
ズコーのAA下さい
236以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 21:16:43.74 ID:3hCFpTpV0
        ∧∧
       ヽ(・ω・)/   ズコー
      \(.\ ノ
    、ハ,,、  ̄
     ̄
237以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 21:17:23.33 ID:9y5uhO9O0
        ∧∧
       ヽ(・ω・)/   ズコー
      \(.\ ノ
    、ハ,,、  ̄
     ̄
238以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 21:18:21.12 ID:T7hkH2xb0
投票するのか
239以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 21:18:26.45 ID:AFPP//9V0
         ∧∧
       ヽ(・ω・)/   ズコー
      \(.\ ノ
    、ハ,,、  ̄
     ̄
240以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 21:22:10.43 ID:XDDG0p+JP
>>238
盲点だった

>>236>>237>>239
てことでキャンセルします
241 ◆VrZsdeGa.U :2008/02/17(日) 21:29:35.02 ID:QZQQ44GF0
 俺は困惑した。きっと、阿呆のような表情を浮かべ、PCのデスクトップに向かい合っていたことだろう。
……投下と投票を間違えて入力しただなんて、今更言えない――
吊ってきたい気分になった。
242 ◆ptNT0a7knc :2008/02/17(日) 21:29:39.17 ID:nff2N0dB0
品評会作品投下すます
243善良王1/4 ◆ptNT0a7knc :2008/02/17(日) 21:30:36.94 ID:nff2N0dB0
 後世に善良王と呼ばれる王がいた。
民衆の味方となり職にあぶれた者に仕事を与え、税の払えぬ農民には減税をおこなった。
弱国や友好国が危機に陥った場合は即座に救援をした。
弱きを助け強気を挫く、権力者と思えないその姿に民衆は魅了された。
そのようなことをしながらも貴族達と対立することもなく、彼が統治している地は平和が続いた。
そして周辺や遠方の国々からも今時代において最も慈悲深き権力者と呼ばれている。
 だがその内実はまったく違っていた。
「陛下、お呼びでございますか」
 大臣であるグスマンが巻物を持って王の私室の扉を叩き遠慮気味に声をかける。
「かまわん、入れ」
 グスマンは扉を開けて王の姿を見ると深々と頭を下げる。
入ってきたのを王は確認するとテラスに出て、グスマンもそれに続く。
テラスからは城下街が見えその先には都を守る城壁、そしてはるか先には微かながら川が見られる。
「北方の河川工事は後どのくらいだ?」
 王はグスマンの方を向くことなくただ遠方の川を眺めながら聞く。
「2、3月ほどだと思われます。種蒔きの前には終えると聞いております」
「予定通り、というわけか」
 はっ、と答えてグスマンは頭を下げる。
「賃金はちゃんと払っているのか?」
「それについては抜かりなく」
 それを聞いて王はうんうんと頷く、その顔は微笑を浮かべている。
これを他の者が聞いたらなんと民思いな王か、と思うかもしれないがグスマンは違った。
 今の王が王子の頃からの長い付き合いであるグスマンはこの王の性質をよく知っている。
知っているからこそこの王が各国から慈悲深き王と呼ばれるのに苦笑する。
ある国の外交官が、
「あなたの国の王は素晴らしい、慈愛に満ち溢れたお方だ」
 そう言われた時には思わず吹き出してしまいそうになったこともある。
この王はそんな甘いものじゃない、全て計算づくの行動なのだ。
「陛下、近頃陛下の名声がまた上がっているようです。なんでも徳多き慈悲と慈愛に満ちた御方だとか」
 それを聞いた王は気心の知れたグスマンの前だけあって大笑いをする。
244善良王2/4 ◆ptNT0a7knc :2008/02/17(日) 21:31:38.44 ID:nff2N0dB0
「まったく面白いものだな。このわしが聖人君子とはな」
 ひとしきり笑った後、室内に戻りイスに腰を掛け、グスマンは無言のまま王の横に立つ。
そして机の上に巻物を広げる。
 それは隣国の地図である。
グスマンを呼んだのは隣国の内情を知りたいがためである。
「どうやらまた彼らは敵国に攻められるようです、遠からず使者がくるでしょう」
「そうか、では救いの手でもくれてやるか」
 くっくっと笑いながら王がしゃべる。
その顔には善意は一切なく悪意しかない。
「これで助けるのも3度目。奴らは何を提示してもこちらの条件を呑むしかあるまい」
 ただで救いの手は差し伸べない。
王は地図のある部分を見詰める。
それは時刻との国境の山々がある場所。
地質学の専門家からの話ではここには金脈が眠っているらしい。
実際この山から流れている川では砂金が採れる。
この王はその山を援軍の見返りに手に入れるつもりである。
「グスマン、エミールに伝えよ。山側ではなく沿岸の都市を抑えるべき。
さすれば交易をしやすくなり巨万の富をえられる、とな」
 その話を聞きながらグスマンは隣国を不憫に思った。
それは敵国が隣国に攻め込むのは全て王の策略のせいであるからだ。
 表向きエミールは自国から罪人として追い出され敵国に拾われた。
だが実際は敵国の中枢に入り込み国政を遠隔操作するための間者である。
そのような間者は他にもいて重要な役職についている者もいる。
特にエミールは有能な人間であったため客分からどんどん昇格していった。
それにつれ敵国の王の信用も手に入れ、いまや敵国の王の側近になっている。
その王を操ることなど造作もないこと、もはや敵国は手に入れたようなものである。
だが王は敵国を滅ぼすようなことをせずそれを自国のための駒として使った。
この王が他の国を助けた類の美談は全てこの駒のおかげである。
王はそれで各国の信用を手にした。
245善良王3/4 ◆ptNT0a7knc :2008/02/17(日) 21:32:41.15 ID:nff2N0dB0
「『国家間で真に警戒すべきは攻め込んでくる敵でなく手を差し伸べる者である。
なぜなら彼らには下心が必ずあるからだ』誰が言ったか知らないが的を射ている」
 王が机の上を手で払う。
もうその巻物に要はない、ということだ。
「これで隣国から得るものは他国への信用だけか、弱者を守る強者の姿は絵になるな。
しかしこんなわしがなぜ慈愛に満ちた王なのかわからん、もっともわしも演技はしているが」
「それは陛下が農民達に減税をして、職のない者に職を与え生活を保障しているからでしょう」
 王はそれを聞いて鼻でふっ、と笑う。
それらが善意でからくるものではないのに人々が善意と思うからだ。
そしてそれを見破れない者達への嘲笑の意味も入っている。
「取れぬとこから無理やり取ったところでたかが知れている。第一農民達に逃げられたら税は取れなくなる。
それに叛乱などされたらその始末にどれほどの時間と金がかかることやら。貴族達はそれを理解していない」
 王は風に当たりにテラスに向かう。
テラスに出れば兵の教練している声が聞こえる。
「職のない者は生活に困窮している。そのためどんな過酷な作業でも賃金と寝床を与えれば喜んでする。
はたしてこれが善行なのか聞いてみたいものだ」
 ヘリに両手をつき兵の教練を眺める。
それに気づいたのか先程よりも気合の入った声が聞こえ始める。
「民は麦と同じだ。ちゃんと手を入れて育てればその麦は良い麦となって高く売れる。
手を抜いて育てれば悪い麦となり安くなってしまう」
「ならば我が国はちゃんと育てているということになりましょう」
「そういうことになるだろう」
 笑いながら部屋に戻り、グスマンもそれに従う。
部屋に戻り王がイスに腰掛けようとした時、王を呼ぶ声が聞こえる。
「陛下、城門の者から隣国の使者が参られた、とのことです」
 そう文官が告げる。
王はグスマンの方を見やり笑みを浮かべる。
「さて、黄金と他国の信用を得に行くとするか」
 グスマンもつられて笑うしかなかった。
246善良王4/4 ◆ptNT0a7knc :2008/02/17(日) 21:33:41.99 ID:nff2N0dB0
 この王の政策は全て打算されたものである。
結果が民衆にとってよかっただけにしか過ぎない。
違った結果ならばきっと悪徳王とでも呼ばれていただろう。
だが人々は彼の事業の表面だけしか見ず、彼を慈悲深き善良王と呼んだ。
結局その人間の性質よりも物事の結果でしか人は判断ができないものである。
247 ◆ptNT0a7knc :2008/02/17(日) 21:34:27.48 ID:nff2N0dB0
はい、おしまい
248以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 21:35:29.92 ID:3hCFpTpV0
投下乙!

>>241
投下の順番回ってきたよお
249 ◆VrZsdeGa.U :2008/02/17(日) 21:36:00.35 ID:QZQQ44GF0
おk。品評会投下します。
250【品評会】この心とは、心にあらず 1/3  ◆VrZsdeGa.U :2008/02/17(日) 21:37:26.00 ID:QZQQ44GF0
 ある夏の日差しが強く照りつけていた日。陽は真南に近づき、昼になろうとしていた。
池に浮かぶ蓮の葉からは、幾つか花が咲いていた。その池をしゃがんでじっと見つめている、一人の男がいた。
心ここにあらず、といった表情を浮かべている。その男の背後から、誰かが近付いてきた。
「いかがなさいました?」
 男に話しかけたのは、男の侍従であった。
「……慈悲の心とは、皆容易に持てる物……また、容易に失ってしまう物なのか……」
 男は侍従が掛けた声に気づいていないかのように、何かをつぶやいている。
男のそうした所作に侍従は戸惑い、は? という声が無意識に出てしまった。
その覚えず出た侍従の声に気付いたのか、男は振り向き、
「……あぁいや、なんでもない。ただ、あの蜘蛛を見ていただけだよ」
 と自分の行動をごまかすように言う。その男の言動は、侍従にとって多少腑に落ちない点はあったが、
「あぁ、そうでしたか。昼餉の準備が整いましたので、ご報告に参りました」
 と、あえて素知らぬ振りをして言った。そうか、と男は返事をすると、再び蓮池の方を目を向けた。
男の傍に寄り、侍従も蓮池へ目を向ける。
「底の様子はいかがです?」
「……いや、平生と変らぬままだ」
 ふと、侍従は蓮の葉の上に乗っている蜘蛛を見つけた。これから巣を作るのであろうか、
口から半端な長さの糸が出ていた。すると、男が不意にその蜘蛛を指差したかと思うと、
「御主、私が今からあの蜘蛛に水をかけ殺めようとしたら、御主はどうする」
 と侍従に声を掛ける。その言葉に侍従は我が耳を疑った。今男は何と口走ったのか。蜘蛛を殺めようとする?
侍従が男の方へ首を傾けると、男は変わらず蓮池をじっと見つめている。その表情は、至って真剣そのものだった。
しばらく、二人の間に沈黙が続く。
「……その際は、あなたを殺めてでも、その行為を止めます」
 沈黙を打ち消そうと、侍従が言葉を発する。男は侍従から視線を外し、
侍従の言葉を反芻するように頷きながら、蓮の葉に浮かぶ蜘蛛に目を向けていた。
251【品評会】この心とは、心にあらず 2/3  ◆VrZsdeGa.U :2008/02/17(日) 21:38:01.10 ID:QZQQ44GF0
 すると、
「この心とは、心に非ず……」
 こう呟いたかと思うと、突如、男は池の水を諸手を合わせてすくい、それを蓮の葉に乗る蜘蛛に目掛けてかけ始めた。
「な、何をなさいます!」
 侍従は無論驚いた。まるで狂ったかのように、男は繰り返し池の水を蜘蛛に向かってかけている。それを止めようと、
侍従は両の腕を以って男の両脇を抱えあげようとした。が、男は強い力を以ってその腕を振り払い、侍従は尻もちをついてしまった。
男の行動はさらに勢いを増していく。
「おやめください!」
 侍従は男を抑え込むように、体を投げ出した。二人は同時に倒れ込み、侍従が男にのしかかる体勢になった。
侍従はすぐに立ち上がり、見下すように男を見た。男は仰向けになり、息を切らしながら侍従を見ていた。そして、
「……殺さぬのか」
 といった。侍従が息を整えながら
「……なぜ、そんなことを、せねばなりませぬ」
 と言うと、男は立ち上がり、侍従の着物の襟首をむんずと掴んだ。そして、鬼気迫る表情を以って
「御主は先程私を殺してでも止めるといった! ならば殺せ! そうせねば、申し訳が立たぬ!」
 と侍従に向かって怒鳴った。その態度に侍従は圧倒され、返事が出来なくなった。二人の間にまた沈黙が流れた。
そんな雰囲気に晒され我を取り戻したのか、男は掴んでいた手を襟首から放し、ふぅ、と一息つきながら自らの着物に付いた砂利を掃った。
「……すまぬ、思わず取り乱した。昼餉の準備が整っているそうだな。参ろうか」
 そう言いながら男は踵を返し、とぼとぼと歩いて行った。
取り残された侍従は、蓮池を覗いた。男の狂気に満ちた行動によって、蓮の葉は池に散乱しているかのように浮かんでいる。
例の蜘蛛はどこにいったのか、視線を動かしつつ探しても見つからなかった。池の底は、暗くて中の様子はわからない。
侍従は空を見上げた。いつの間にか、先程までは無かった雲が幾つか立ち込めていた。
252【品評会】この心とは心にあらず 3/3  ◆VrZsdeGa.U :2008/02/17(日) 21:38:45.81 ID:QZQQ44GF0
 以下に私が記すことは、言い訳めいた解説ではない。ただ、私にはこの話の詳細について、多少のスペースを使って説明する必要がある。
 薄々感づいている方がいることと思うが、この話は芥川龍之介の著作、「蜘蛛の糸」の後日譚である。
慈悲、という題を与えられた後、プロットを組み立てる中で私は「蜘蛛の糸」を思い浮かべた。
私には「蜘蛛の糸」について、以前から抱いていた疑問がいくつかあった。
その中で真っ先に挙げられることは、あの御釈迦様はなぜカンダタに蜘蛛の糸を差し出したのか、ということだ。
カンダタは生前、殺人や放火を犯した大泥棒だという記述がある。そのような悪党がなぜ蜘蛛一匹助けただけ
(こう書くと、寝ている所を幾万匹もの蜘蛛に襲われそうだが)で、御釈迦様の御慈悲を受けることができたのか。
この疑念を晴らすため、当初は私なりの解釈と突飛な設定を以って話を作ろうと思ったのだが、
筆を進めていくうち、これはこれでいいのではないだろうか、という思いに至った。
しかし、一度頭に思い浮かんだ物を取り除くことは難しく、この際、この疑念を活かし一つの物語をつくっていこうと思った。
 断わっておきたいことは、私には何も草葉の陰にいる芥川先生に喧嘩を売ろうなどと言う気もないし、
御釈迦様のモデルになったであろう、釈迦様を侮辱しようなどという気もない。
ただ、どうしても腑に落ちない点があった。その点をどうにかできないか、と思った故の結論がこの話である。
カンダタが罪人達を振り落とそうとしたあの行為が無慈悲というのであれば、
それはあまりにも、御釈迦様はカンダタを買いかぶり過ぎていたのではないか。
何故多くの無慈悲といえる行為をした男の罪が、たった一度の慈悲で許されたのか。
他にも多くの疑問はある。しかし、未だその諸々の疑問は氷解しておらず、これからも氷解することはないかもしれない。
仏にしか持てない慈悲の心を、無縁というらしい。その心は常人には理解できないものである、ということなのだろうか。
253 ◆VrZsdeGa.U :2008/02/17(日) 21:39:50.19 ID:QZQQ44GF0
投下終了。
タイトルに句読点って使って悪いんだっけな・・・まとめる際はタイトルは3レス目のでお願いします。
254以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 21:42:50.61 ID:XDDG0p+JP
句点は是非わかれるかもだけど読点はだいじょぶじゃないのかな?
255以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 21:44:13.20 ID:eYIKE0Q00
ほとんど小説を読んだことの無い人間でも小説をかけますか?
256以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 21:44:30.42 ID:Cew9/O5uO
>>253
投下乙なり

いいんじゃないか?
というかすでに使ってしまっている俺はどうすれば
257以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 21:46:19.38 ID:nff2N0dB0
>>255
熱意さえあれば無問題
258 ◆VrZsdeGa.U :2008/02/17(日) 21:48:37.92 ID:QZQQ44GF0
>>254>>256
サンクス。まぁ、色々ごたごたが起きるのはいやだし、別にそこまでこだわりもないから句点なしでいいや。

>>255
小説ほとんど読んでないヤツでもプロになったやつはいるから……まぁ、実力はあれだけど……。
259以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 21:59:30.09 ID:C3wDNIHD0
>>255
野球見たこと無い奴が野球できるかという質問に等しいな
できなくはないが、うまくはねーわよ
260以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 22:02:35.88 ID:BCenHiaBO
品評会中でもお題はもらえますか
261以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 22:06:24.98 ID:3hCFpTpV0
>>260
みかん
262以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 22:07:13.38 ID:kCbLTcF00
バナナ
263以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 22:10:09.89 ID:BCenHiaBO
>>261>>262
把握しました
264以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 22:23:11.63 ID:p+01361n0
ほーしゅ
265以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 22:27:14.10 ID:K8xPZmR80
アイディアを文章にしようとしてるんだが間に合いそうにない
期限外っていつまでだっけ?
266以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 22:40:54.42 ID:UknbPa0d0
作品としての投下には期限はない
品評会の時間外ってことなら、投票期間までだよ
267以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 22:46:05.54 ID:C3wDNIHD0
そして要求されるお題
268以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 22:48:58.92 ID:CF7DNl7P0
>>267
袋小路


そしてここでまさかの通常作投下!
しようと思ったけどやめとく。
269以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 22:48:59.72 ID:3hCFpTpV0
>>267
パン

また期待してますwww
270以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 22:49:43.80 ID:WTtSx8l+0
>>267
ブリザード
271以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 22:50:15.59 ID:C3wDNIHD0
把握
でもあんまり言われると逆にかけなくなるから勘弁な! 結局のところ文才ないんだから
272以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 22:52:10.84 ID:K8xPZmR80
>>266
thx

それまでに間に合ったら間に合ったで、
間に合わなかったらまた使えそうなお題が来たときに使うわ
273以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 22:53:52.78 ID:xIFRXbAnO
>>300
ガッ
274以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 22:57:47.12 ID:pfC8muRK0
            /^ヾo      もうすぐ23時、月を侵食する混沌の時間です。
       ○= ノ:;☆_;;.ヽ===○ これ以降に品評会作品を投下する方は、予約の上指示に従って投下して下さい。
       ‖(⌒(´・ω・`n ‖  .‖ 予約条件は「レス区切りまで終わり、後は投下するだけ」の状態であること。
      /(_,,..てっ..,,__ ノ  ̄./i  投下の際、メール欄は空にしてくださいね。
     _,.(~ ̄        ̄ ̄~ヘ, | !  予約締め切りは23:30となっております。
   (~ ,::::::☆:::::::::☆:::::::::::::::.''  }i |
  ノ ..:☆::::::::::☆:::::::::::☆::::."  丿   では、23時をお待ちください。
275以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 23:02:30.37 ID:AFPP//9V0
テスト
276 ◆BNSK/DqMrY :2008/02/17(日) 23:06:28.33 ID:dpRu+YCw0
御意、正座して待ってます
277以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 23:10:14.84 ID:CF7DNl7P0
じゃあ俺はお風呂に入って待つよ
278以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 23:13:13.94 ID:Cew9/O5uO
静かだな
279以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 23:14:16.38 ID:svafExA/O
救済スレに一つきてるっぽいです
280以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 23:17:27.69 ID:UknbPa0d0
>>101をまとめてたんだけど
レス数のところ、全角のままにしてしまった…
半角にした方がいいよね?
助けて、偉い人!
281以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 23:18:09.38 ID:pfC8muRK0

救済スレより◆tGCLvTU/yA氏の作品を転載致します。

>>276
私に何かありましたら、その時は……お願いしますね
>>277
ゆっくり浸かって来て下さい
282以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 23:18:17.34 ID:UknbPa0d0
あ、転載しますね
283以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 23:20:06.10 ID:AFPP//9V0
ゆずりあうなよw
284以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 23:20:36.20 ID:AFPP//9V0
なんかおれのIDがかこいい件
285以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 23:21:03.60 ID:UknbPa0d0
まずい空気にw

いってくる!
286にたものどうし1/5 ◇tGCLvTU/yA:2008/02/17(日) 23:22:02.79 ID:UknbPa0d0
 雨が降っていたから、と彼女は言った。
 いや、確かに俺から誘ったし、向こうも初めからそんなに乗り気じゃないのは目に見えてわかっていた。だけど、直前の時間になってそんなわがまま
な理由で俺の一世一代の大勝負をふいにするとは一体どういう了見だ。
「つまらん」
 デートをすっぽかされ、昼にラーメンを食べるためだけに出かけた帰り道に一人呟く。財布のなかで無駄になった諭吉たちが泣いている。俺も泣きたい。
 恐らくやたらと降っている今日の雨は、俺かもしくは悲しみに暮れる誰かの涙で出来ているに違いない。
 なんて、鬱陶しい雨にもドラマを持たせなきゃやってられないくらい、俺の心は荒んでいた。周りから見たら能天気な男にしか見えないだろうが。
「このまま降るといい。すべての涙を出し尽くせ……俺の分も頼む」
 などとわけのわからん独り言を空に向かって呟き、ため息をつく。能天気な男から変な男くらいには格が上がったかな。閑静な住宅街だし、聞いてる
人間は皆無だろうけど。
「帰ったら即寝てやる、寝て過ごしてやる」
 いくら週末の一大イベントは終末したとはいえ、時間は待ってくれない。せっかくの休日を有効活用する方法は、時間を気にせずゆっくり寝る。これだ。
 それに、今日は朝早くから起きていろいろ準備していたので休日にしては非常に睡眠時間が短い。というかほとんど寝てない。
 ああ、そうだ。もう寝ろってことなんだ。今週も疲れただろう、ゆっくり休んでいいんだよっていう神様のお告げなんだ。この雨もきっと、全国の農家
さんが感謝する恵みの雨に違いないんだ。祈りを捧げよう。
「アーメン。雨だけに――」
「――もう! さっきから寒いし冷たいわね、何なのよこれっ!」
 随分と威勢のいい怒鳴り声が聞こえた。タイミングがよすぎて、俺のアーメンが寒いし冷たいのかと思って辺りを見回したが、おかしなことに俺以外に
人影が見当たらない。幽霊が出るには季節も時間も何もかも早すぎるし、透明人間だったらこんなつまらないところよりも、銭湯とかにいるはずだ。
 人がいるとしたら、ちょうど今通りかかろうとした空き地くらいしかないのだが、ダンボールがど真ん中に放置されてることくらいしか不審な点は見当
たらない。なかなか大きなダンボールだし、子供くらいなもしかしたら入れるかもしれないとは思うが。
「まさか、捨て子……とかではないよな」
 赤ちゃんポスト、なんてわけのわからんものが出来る時代だ。もう何が起きたっておかしくはない。さすがにこんな空き地に捨てるなんてバカな親はいて
欲しくはないけど。何度見回してもやっぱり人はいないし、あのダンボールが見れば見るほど怪しい。
「確認だけしてみるか……」
 空き地に一歩足を踏み入れる。ぬちゃ、という感触がとても気持ち悪い。相当ぬかるんでるな、よく見ると水たまりだらけだし。
 まるで目の前に爆弾でもあるかのような慎重さで一歩ずつダンボールに近づいていく。
「捨て子じゃありませんように、捨て子じゃありませんように……」
 さっきまでのダジャレを交えた軽い祈りなんかとは違って、今回ばかりはちょっとだけ神に祈るような気持ちだった。これで何にもなかったら、さっきの
声は空耳ということにして即帰ろう。そして寝よう。
287にたものどうし2/5 ◇tGCLvTU/yA:2008/02/17(日) 23:22:39.77 ID:UknbPa0d0
 ぬかるんだ地面の気持ち悪さと戦いつつも、ようやくあと一歩乗り出せばダンボールの中を見れる位置までやってきた。
 なんだか知らないけど勇気が入った。ドタキャン女を誘う時よりもずっと。ああ、もう、なんでいつもと違った帰り道なんかにしたんだ。
 深呼吸を繰り返す。よし、準備オーケー。もう勢いで行ってやる。
「いくぞ、せーのっ!」
 目をかっと見開いて、ダンボールを覗き込む。その中には――
「……猫?」
 猫がいた。目が合うと少し不機嫌そうに顔を歪めてくる。
 いたって普通の猫だった。つまるところ、捨て子ではなく捨て猫だった。よくよく考えればわかることだ。いくら謎の怒鳴り声の直後とはいえ、捨て子が
いるとは何もかもが短絡的すぎる。大体、赤ちゃんは言葉を喋れない。あの怒鳴り声も、傷ついた俺の心が作り出した幻聴に違いない。
「ま、そりゃそうだよな……」
 別に猫なら捨てられていても構わないってわけじゃないが、子供じゃなくて良かったとは思う。
 それにしても。さっきからこの猫、俺から目線を外そうとしない。一目ぼれ、か。まあ仕方のないことだ。良いものは良い。猫にもわかってしまうのか。
「よお、お前も一人か」
 しゃがみこんで、猫に話かける。
 答えが返ってこないのはわかりきってるが、せっかくの縁だ。独り者同士仲良くしようかと、猫の頭に手を伸ばすと、
「気安く触らないでよ、気持ち悪い」
 そんな嫌悪の塊みたいな言葉と共に、俺の右手を払いのけつつひっかいた。
「……あれ?」
 痛みと驚き同時にやってくる。なんだこれ、猫に話かけたらちゃんとした答えが返ってきた。それも心にぐさっと突き刺さるような。
「なによ」
 随分と不機嫌そうに俺を睨みつける。いや、にしても随分と流暢な日本語だ。声だって不機嫌なことを除けば淀みがないし、よく通りそうだ。
 そして何より、さっきの怒鳴り声と全く同じ声。なるほど、さっきの幻聴の犯人はこいつか。流石に喋る猫とは俺も予想だにしなかった。
「いや、文句というよりもなんだかすっきりとした気分だ」
 俺の返事に猫は少しばかり面をくらったように見えた。けどそれも一瞬のことですぐに不機嫌そうな表情へと戻ると、
「そう、なら消えて。すぐにでもね」
 はっきりと拒絶の意志を示して、ぷいっとそっぽを向く。おかしいな、さっきの目線は一目ぼれじゃなかったのか。話し方からして多分女の子だろうか、
つくづく今日は女運がない。しかし二連敗はちょっと辛いので、もう少し粘ってやる。
「まあまあ、そう言うなよ。お互い独りだし、もう少し話でもしよう」
 独り、の部分に猫の耳の辺りがピクっと反応した。やっぱり喋れるだけあって普通の猫よりも頭がいいんだろう。自分の状況も理解してるのか。
 それでも猫は俺のことを頑なに無視したいらしく、こちらを向こうともしなかった。
288 ◆cwf2GoCJdk :2008/02/17(日) 23:23:08.65 ID:AFPP//9V0
えーと、予約しますね
289にたものどうし3/5 ◇tGCLvTU/yA:2008/02/17(日) 23:23:28.59 ID:UknbPa0d0
 さしている傘に、ポツポツと雨の粒が当たる。そんな音だけの時間が一分か、十分、百分くらいだったか。長かったかもしれないし、短かったかもしれない。
いなくなったか、と確認するために猫が一瞬こちらを向いては、すぐそっぽを向く。そんな攻防を五回ほど繰り返した辺りで猫はようやく観念した。
「……ねえ、驚かないの?」
 まだこちらを振り向くつもりはないらしいが俺と話をする気にはなったらしく、心底不思議だ、というような声色で猫が尋ねてくる。
「なにが?」
「私が普通に喋ること」
 うーん、と頭をかく。確かに人語を喋る猫なんて、驚かない方がおかしい。事実、こいつは俺が驚かないことにとても驚いている。今まで相当奇異の目
で見られてきたんだろう。俺の場合、驚きよりも捨て子じゃなくて良かったという安堵の方が先に来ているのかもしれない。
「そうだな……俺のようないい男との約束をフイにする女がいるんだ。喋る猫がいたって何も不思議なことはないだろう」
 大体こいつもこいつだ。あまりにも人間らしく喋るものだから、あんまり抵抗なく喋るということを受け入れてしまったではないか。
「アンタみたいなわけのわかんない男、誰だってフイにしたくなるわよ」
 容赦も何もあったもんじゃないが、それでもさっきよりは刺々しさが消えた言葉に、俺も自然と頬が緩む。
「まあ、驚いたというよりも、すげえなあとは思うけどな。それ」
「……そんなにすごくもないし、いいものでもないわよ」
 刺々しさがやや復活して、不機嫌そうに猫が言う。確かに本人からしてみればそうなるのかもしれない。俺がもし猫語を話せる人間だったとしたら、周り
からどんな風に見られるんだろう。こいつに対する俺みたいに、率直にすごいと思える人間ばかりか、それとも――
「あんたさ」
 思考を中断して、猫の言葉に耳を傾ける。
「私をここに置いてった人、見なかった?」
「いや、見てないな」
 もしかして、飼い主のことを待ってるんだろうか。箱もまだそんなにくたびれてないので、ここに置かれてからそんなに日はたってないと思うが。
一日か、二日か多分そんなところだろうと思う。
「そう、残念ね」
 雨が一層強くなった。降りすぎだ。あのドタキャン女、直前に天気予報でも見たのか。
「もしここに来たら、殺してやろうかと思ったのに」
 楽しそうに猫が笑う。そっぽを向いたままなので、表情までは確認できないが、心底楽しそうな声音だった。
「殺してやるとは穏やかじゃないな」
「本気だけどね。あなたよりもずっと小さかったような気がするし、本気でやれば多分殺せると思うの」
なるほど、確かに良いもんじゃない。頭がいいってのはそういうことも理解できてしまうのか。利口すぎるのも考えものだ。
290にたものどうし4/5 ◇tGCLvTU/yA:2008/02/17(日) 23:23:59.77 ID:UknbPa0d0
「それにしても、さっきから本当に何なのかしらこれ。冷たいし、寒いし。もう最低ね」
 何段階かいきなり会話が飛んだので、頭が一瞬追いつかなかった。雨のことを言ってるんだろう。そうか、飼い猫とかだったら雨を知らなかったりする
のか。まあ生まれた時から家にいれば知らなくてもおかしくはないか。
「雨のことか?」
「アメ? なにそれ」
 やっぱり知らなかった。頭が良いのかと思えばこんな風に世間知らずなところもあったりと、ころころ印象が変わる。
「雨っていうのはな、誰かが悲しい思いをすると降ってくるものなんだ。だから冷たいし、寒い。お前は心当たりないか?」
「……別に」
 動揺をまるきり隠せずに、声が震えてるところを見るとそうは思えなかったけど、それ以上別に追求するつもりもなかった。殺してやるなんて言ってる
くらいだし、飼い主に裏切られて悲しい気持ちよりも、恨んできる気持ちの方が確かに強そうだ。
「アメ、さっきよりも増えてきてるわね」
 降りが強くなってきた、と言いたいんだろう。頷いて、そうだな。と俺は答えた。
「誰かが悲しい気持ちになってるってことなのかしら」
 自分で言っといてなんだけど、誰かに口にされるとすごく恥ずかしくなってくる。なんでこんなこと言っちゃったんだろう。もしかしたら俺の言葉通り
なら今の自分の後悔の念が雨を強くしてるのかと少し苦笑した。
 妙な間が出来た。俺がどう話しかけようかまごついていると、猫がため息をついて口を開く。
「もういい加減帰ったら? アメも増えてきたし、こんな冷たいもの体に浴びてたら体に悪いと思うけど」
 確かに、体に良いものではないだろう。お互いに。俺は頷いて立ち上がる。
「そうだな、帰るか。一緒に」
 傘を左から右手に持ち替えて、左手を猫に伸ばす。一緒に、の部分に猫は久しぶりにとても怪訝そうな顔をして、こちらに振り向いた。
「なによ、これ」
 俺の左手をじぃっと見ながら、今までで一番機嫌が悪そうに言う。
「いや、こういうのって利き手の方がいいかなと思って」
「そういうことじゃないでしょ」
 機嫌が悪いを通り越して、もはや猫は呆れ気味だ。まったく、人がせっかくエスコートしてやろうっていうのにその態度は酷いんじゃないのか。
「お前が言ったんだろ。ここにいたら体に悪いって。俺は優しいからな、お前が雨のせいで体を悪くしたらと思うと夜も眠れないんだよ」
 理路整然とした説明をすると、猫は俺のやさしさに感動したのかとても珍しいものを見るような目で俺を見た。
 よし、チャンスは今しかない。猫を掴もうと左手をもっと伸ばす。
「だから、触らないでって言ってるでしょ!」
 さっきの右手のように払いのけられるついでにひっかかれる。だけどそんなこと気にしない。もう手だけじゃなく左腕を全部使ってがっしと猫を抱える。
291にたものどうし5/5 ◇tGCLvTU/yA:2008/02/17(日) 23:24:33.43 ID:UknbPa0d0
「ちょっと、離してよ!」
「バカめ、掴んだらもう俺の家まで離すもんか……って痛っ! 噛むなよバカ!」
 人がいなくてよかった。こんなの誰かが聞いてたら絶対俺は誘拐犯か何かと間違えられる。ていうか暴れすぎだこいつ。
「っさいわね、じゃあさっさと離しなさいよ。私のこと可哀想とか思ってるんでしょ? そういうのすごく迷惑なの」
 正直思ってる。まあ、連れてこうと思う理由に可哀想だからって気持ちがあるのは本当だし、こいつは本当に前の飼い主を殺しかねないからほっとけない
ってのもある。だけど、
「ばかやろう、こんないい男なのに直前でデートをすっぽかされる俺の方が可哀想だ。俺のことを哀れだと思うなら、大人しく拾われてやれ」
 俺の方がずっと可哀想だ。右手はひっかかれるわ、左手は噛まれて歯型がついてるわでもう散々だし、デートの約束はすっぽかされる。とにかくもう、踏ん
だり蹴ったりだって言うんだ。程度はともかく捨てられたのは俺も同じだ。俺と同じ境遇のやつを可哀想だと思って何が悪い。助けてやりたくなって何が悪い。
「……私が、拾われてやる?」
 さっきまで大暴れしていたくせに、その一言で動きがピタリと止まる。あ、こいつ意外と単純だ。と、思った瞬間だった。
「そうさ、俺に拾われてやるんだ。こんな可哀想なやつに拾われてやるなんて、お前意外といいやつだな」
 もうわけがわからない、どうして俺は自分をこんなに貶めなくちゃいけないんだ。
「そういう、ことなら、まあ……」
 歯切れが悪いながらも、拾われてやるか、と呟きながら猫はようやく腕の中で暴れるのを止める。まったく、最初から素直にうんって言えばいいんだ。
おかげで自分で自分を不必要に傷つけてしまった。
「でも、一方的にお世話をされるのは嫌。代わりに、そうね……フられたっていうなら、私がなってあげましょうか? 恋人」
 大いに余計なお世話だった。まあ、でもここで断るとへそを曲げかねないので、
「んー、ああ。じゃあよろしく……えっと、名前は」
「特にないけど。好きに呼んだらいいんじゃない?」
 ふと気づくと、雨は止み始めて、空には少しずつ陽が差し始めてきていた。挿した傘を閉じたかったが、あいにくと両手が塞がってる。にしても、
どうなってるんだ、今日の空模様は。まるでこいつみたいに機嫌がころころ変わる。
「じゃあ、ソラなんてどうだろう。あ、ちなみに俺の名前は祐介だから」
 個人的にはぴったりだと思う。特にころころと顔の色を変えるところなんかそっくりだ。俺の抜群のネーミングセにソラは、
「おなか減ったわ」
 呑気におなかをさすりながらそう言った。この野郎、さっきまでの人間不信っぷりはどこに行ったんだ。いくらなんでも極端すぎるんじゃないか。
 まあ、猫なんてこんなもんなのかもしれない。帰り道のコンビニでミルクやらなんやら買ってやれば、こいつも満足するだろう。話はそれからだ。
 財布は確認するまでもない。幸か不幸か、今日使うはずだった三万円が、まだしっかりと入っているはずだから。
292 ◆Kq/hroLWiA :2008/02/17(日) 23:24:49.79 ID:6KT6NE850
予約
293 ◆/73ORiYgDY :2008/02/17(日) 23:25:31.74 ID:fUp9qV6D0
予約
294 ◆BNSK/DqMrY :2008/02/17(日) 23:25:44.93 ID:dpRu+YCw0
>>280
なんとかしてあげたいが、俺はそこの管理者制限持ってないんだすまない
295以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 23:26:20.93 ID:pfC8muRK0
ありがとうございました。
お気持ちは大変ありがたいのですが、被ってしまうのが大変恐ろしいので次回より必要な時はこちらからお願いさせて頂きますね。

それでは、救済スレから続きまして ◆0CH8r0HG.A氏の作品を転載致します。
先日「予約順でないと不公平だ」と仰った方がいるようなので、予約時間順で頑張ってみたいと思います。

【順番】
◆cwf2GoCJdk氏
◆Kq/hroLWiA氏
296 ◆/7C0zzoEsE :2008/02/17(日) 23:28:00.99 ID:6+eygBwT0
予約
297品評会:慈悲の性女 1/4 ◇0CH8r0HG.A:2008/02/17(日) 23:28:42.03 ID:pfC8muRK0
 「ああ……もう、駄目だ」
 彼は膝をつき、突き立てた剣に身を委ねていた。
 腹と足から血が流れている。明らかに致命傷だった。多分もう長くはないだろう。
 ここは戦場だ。珍しい光景でもない。少し行けば、味方が未だ戦闘を続けているのだろう。時折、
剣戟と轟音が響いてくる。
 もう、その目は焦点を結んでいなかった。意識もどれ程残っていたのだろうか。
 しかし、彼は薄れ行く思考の中で懸命に恐怖と戦っていたのだ。
 死そのものの恐怖とではない。戦場で死ぬのは、彼にとってこの上ない名誉だったのだから。彼
が怖かったのは死ぬ瞬間にたった一人であるということだった。
 彼の愛する妻は、祖国で娘と二人彼の帰りを待っていることだろう。
「死にたくない! こんな所で独り寂しく死ぬなんて……俺は!」
 恐れに対し、必死で意識を繋ぎ止める。柄を触る手は震え、立つ力は既に沸いて来ない。
 しかし、彼は懸命に手を伸ばした。そこにいない彼の妻と娘に。
「大丈夫です」
 不意に彼の手をそっと握る者が現れる。その声は優しく、彼の耳に滑り込んだ。
「あ、貴方は……?」
 壊れかけた眼を凝らし、その姿を捉えようとする。
 しかし、彼女はそんな彼を制し、優しく瞼を閉じさせた。
「恐れなくてもいいのですよ? 貴方は一人ではないのです。天に召されるその瞬間まで、私は貴方
と共にあります」
 そう言って、彼の手に何かを握らせる。それはとても優しく、温かいぬくもり。
「ああ、聖女さま……」
 その頬を涙が伝った。自分はこの優しい方の腕の中で逝けるのだ……と。
 数秒後、彼はその生を終えた。
 満足そうに微笑む彼の手には、女物のパンツが握られていた。
298 ◆h97CRfGlsw :2008/02/17(日) 23:29:34.05 ID:i5LN795e0
予約
299品評会:慈悲の性女 2/4 ◇0CH8r0HG.A:2008/02/17(日) 23:29:35.19 ID:pfC8muRK0
 昔、とある国家間で戦争が起こった。
 その二つの国はともに、誇り高い戦士達の国だった。
 規模としては大したことはなかったものの、死者は日に百人を越えることもあり、少しづつそれぞ
れの国力を削っていった。
 また、国の大きさが拮抗していたことが戦争の長期化を招き、傷跡は増えていくばかり。
 戦士としての誇りが、戦闘を泥沼化させ決着を遠ざけていく。
 民の心はどんどん荒んでいったのだ。
 そんなある時、突如として戦場に奇妙な噂が流れ始める。
「なぁ、お前聞いたか? この前の戦場にも出たらしいぞ?」
「あん? 出たって何がだよ?」
「聖女だよ、聖女」
「聖女って……あの?」
「ああ。噂どおり、死にそうな奴らの前に現れて、配っていったらしい……パンツを」
「単なる変態じゃねぇか」
 国を問わず、戦場に倒れる兵士の前に、慈愛に満ちた表情で現れる一人の女性。
 最早、目も霞み寂しく一人死にゆかんとする兵士の手を優しく握り、微笑みかける。
 時に抱きしめ、時に子守唄を歌うその姿は、いつしか『慈悲の聖女』と呼ばれ荒んだ人々の心に微
かな希望を抱かせた。
 ……のは最初だけ。
 というのも、彼女は希望の象徴とされるには、重大な問題を抱えていたのである。
「死にそうな男の手にパンツを握らせるって、一体何を考えてるんだ?」
「そんなもん、知るかよ。この間、死んだ中隊長は、パンツを頭に被せられてたらしい。どう考えて
も嫌がらせじゃないのかな」
「頭に? いよいよ分からんな。敵国の新手の心理戦略か?」
300 ◆VXDElOORQI :2008/02/17(日) 23:29:39.81 ID:T7hkH2xb0
よやく
301 ◆BNSK/DqMrY :2008/02/17(日) 23:30:33.79 ID:dpRu+YCw0
転載作業中?の貴殿に変わってお仕置きよ
じゃあ僕は編集人の助手席を予約するぜ!

【順番】
◆cwf2GoCJdk氏
◆Kq/hroLWiA氏
◆/73ORiYgDY氏
◆/7C0zzoEsE氏
◆h97CRfGlsw氏
◆VXDElOORQI氏(ゴッドカオス的な意味で
302品評会:慈悲の性女 3/4 ◇0CH8r0HG.A:2008/02/17(日) 23:30:42.20 ID:pfC8muRK0
 常軌を逸した聖女の噂は、瞬く間に国中に広がっていった。
 当時、両国において戦場で誇り高く散っていくのは、とても名誉なこととされていた。
 家族と国を守って死ぬ、勇者に相応しい死に様である……と。
 しかし、彼女の行動は明らかにその名誉を否定していたのである。
「おいっ、ぐぐ。敵国のぶぶ……アーカム将軍が名誉の戦死を……くく、なされたらしい……ぶはあ
っはははっはは!」
「笑ってるってことは、『また』か?」
「あ、ああ。くひひ、はぁアーカム将軍は、くく局部を晒して、ぶっ! か、顔に深々とパンツを被
せられてたらしい……くく」
「哀れなことだ……。敵ながら、尊敬できる方であったがな」
 死者の姿は、その地位が上がれば上がるほど、より無様に滑稽に飾られていった。
 しかし、不思議なことに国民の間に聖女に対する憎しみは沸かなかった。
 というのも、聖女と出会った死者たちは、皆一様に驚くほど安らかな、安堵した表情を浮かべてい
たのである。
「息子はとても満足そうでした、本当に。ううっ……親として、面目が立って嬉しゅうございます」
「え、ええ。彼は、えーと、とても勇敢な最後をとげました。うん」
 あまりにも幸せそうな死に顔に、遺族は聖女に対して憎しみを持てなかったのだ。
 そのうち、少しずつ戦場に変化が現れ始める。
「はぁ、死にたくないなぁ。名誉の戦死ってそんなに良いもんかなぁ?」
「そうだなぁ。誇りなんて持っていたところで、美味いものが食えるわけでもないしなぁ」
「そうそう。生きて帰って、早く女房の作る美味い飯を食いたいなぁ。戦争、終わらないかなぁ」
「死んじまったら、聖女様に何をされるか分からないしな」
「はっはっは。ちげぇねぇ」
303品評会:慈悲の性女 4/4 ◇0CH8r0HG.A:2008/02/17(日) 23:31:37.67 ID:pfC8muRK0
 最初は単なる笑い話だった。
 死んだら、聖女様に恥をかかされる。だから死にたくない。
 戦場でそう口にするうち、勇敢な兵士達の心に少しずつ『死にたくない』という言葉が染み込んで
いった。
 兵士達に、次第に命を惜しむ気持ちが生まれていったのである。
 そんな死に対する恐れは、本来なら人が誰でも持っているものだ。それを、死を名誉であると信じ
ることで、必死に押さえ込んできたのである。
 しかし、聖女はその名誉を失うきっかけを作ってしまったのだ。
 両国内で、次第に和平を望む声が聞かれ始めた。

「なぁ、最近聖女様の噂を聞かないと思わないか?」
「あ、ああ。一体どうしたんだろう? もしかして死んじまったのか?」
 彼らが死の恐怖を思い出した頃、聖女は消えてしまったかのように姿を現さなくなった。
 戦場には、孤独を感じながら死んでいく者たちが増え、その死に顔からは悲しみと未練が溢れるよ
うになった。
 彼らの死への恐怖は次第にピークに達していった。
 
 それからすぐに、両国は戦争の終結を決意した。お互いに手を取り合い、生きていく道を選んだの
だ。
 彼らは自らの国を統一し、一つとなった。
 長い戦争が終わり、やっと平和が戻ったのである。
 その記念式典で初めて、新しい国のシンボルである国旗が披露された。
 その旗には、両国の平和の象徴である、女物のパンツが描かれていたという。

 おわり
304 ◆0CH8r0HG.A :2008/02/17(日) 23:32:16.30 ID:0oidgobUO
>>295
転載感謝します。
305以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 23:32:36.14 ID:UknbPa0d0
>>295
ごめんね、カーチャン手際が悪くてごめんね…

いつのまにかカオスタイム突入してた
そして終わってた
306以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 23:33:03.96 ID:pfC8muRK0
諸事情により機動力が普段の2割程しか出せません。ご容赦ください。

お待たせ致しました。◆cwf2GoCJdk氏、どうぞ。

【順番】
◆Kq/hroLWiA氏
◆/73ORiYgDY氏
◆/7C0zzoEsE氏
◆h97CRfGlsw氏
◆VXDElOORQI氏
307所詮友情は三日間 1/5 ◆cwf2GoCJdk :2008/02/17(日) 23:33:23.12 ID:AFPP//9V0
 そこに顔があることをたしかめるように何度も手のひらでほおにふれ、ポールはよろこびをかみしめた。前方では椰子の木がまだらに森林を形成していて、すぐそばの波の音を聞いていると、それだけで潮のにおいを感じられるように思えた。
 彼はふと思い出したようにかがみ、砂を両手に集めると、いっそう気分がよくなった。
「まったく、こんなところでマスクに呼吸させられるとなると、それこそ気ちがい沙汰だ!」
 カモメが鳴いた。ポールは空を見上げ、子どもの無邪気さで走りはじめた。海の水がパシャパシャと音を立てるのがおもしろくてしょうがないといったふうに。
 すこし呼吸が苦しくなってきたところでふりかえると、やわらかなカーブの先で海に足をひたしているフィネガン号が、まだその大きさを把握できる距離にあった。曲線はその先、蜃気楼のようにぼやけるほど遠くでも、たしかにつづいていた。
 膝に手をつき、海と森林を交互に見渡したのち、砂の上に腰をおろした。息を弾ませながら自分の足跡を確認する。その幅に自らの年齢を示唆されているようで、ポールはひとり照れくさくなった。
 カニが手の横を通りすぎる。木の葉のそよぎを耳にすると、彼は探検家の好奇心で疲れを忘れさせた。砂浜を歩きながら樹木の一本一本を確認するようにし、ころあいを見はからうと完全に海に背を向け、森へはいりはじめた。
 ポールは海を目印にまっすぐ進むつもりでいたが、樹木におおわれて、海はすぐに見えなくなってしまった。彼は迷うことに不安を感じずに、そうなることをたのしんでいた。
「目印になるようなものはなにもない。この森林がどこまでつづいているのかもわからないし、へたをするとあの海へもどれなくなるぞ……」
 その言葉とは裏腹に口調はたのしげで、表情は宇宙船から降り立ったときとおなじように期待に満ちみちていた。だが、十数分ほど歩くと、頭上の葉のあいだから青空がひろがりはじめ、前方の緑におわりが見えた。
 そこにある物がなにか、すぐには理解できなかったが、視線を上げていくと見慣れた形がいやでも目についた。
「建造物? ビルか。なんでこんなとこに」
 この星に着陸した地球人はポールがはじめてではない。人びとが惑星に手を加えることは珍しくないし、実際、彼がいま酸素装置をはずしていられるのもそのおかげだった。もちろん、ポールもそのことは承知している。
 ポールをおどろかせたのは人工物の不自然さではなかった。
「これじゃまるで廃墟だ。だいたい、石づくりの建設なんて大むかしだけだろう。何十年も前には人が住んでいたのかな」
 入り口に落ちていた枯れ木を森林へ投げつけたのち、町の残骸へはいっていった。

 いくつめかの曲がり角――というよりはビルとビルのあいだで立ちすくんだ。
「子ども……?」ポールはなにかに一生懸命になっている子どもを見たはいいが、どうすればいいのかわからないようすで所作を見守っていた。
 冷静に観察していると、たしかに人間の子どもであることははっきりした。ボロ布のようでも服を着ていたし、体つきは地球のどこにでもいる少年とちがいない。また、宇宙のどこでも、そのような異生物は見たことがなかった。
 近寄って声をかけるべきか迷っていると、少年は急に首だけでふりむき、ポールを見るとおそろしそうにして、走って逃げていった。ポールはハッと我にかえり、あとを追った。
 建物のあいだを抜けて広場のようなところに出ると、少年はすぐに見つかった。少年は目が合った瞬間に走り出したが、疲れ切っていたポールは早めに歩いてあとを追った。少年は何度か立ち止まり、そのたびにポールを確認して、また走り出した。
「べつにいまじゃなくてもだいじょうぶだろう。ここはそれほどひろくないだろうし……」
 自分にいい聞かせるようにそういうと、ポールはいまきた道をもどっていった。帰り道こそは迷うかもしれない、とこんどはほんとうに不安になったが、意外にもすんなりと浜辺にもどれた。そして、浜辺にはあの少年もいた。
 少年は砂を膝にかけたり、海へ投げいれたりしていた。ポールがすぐそばまで近寄ると、少年は彼に気づき、こんどは逃げなかった。
「なにをしているんだい?」
 少年はポールの口の動きを不思議そうな面持ちで見ていた。この子は言葉を話せないのだろうかといぶかった。少年はくりくりした眼をきょろつかせて、持っている砂にはもう興味がないというふうに手から落とすと、立ち上がり、ズボンの砂を振り払った。
 少年が小さな唇をふるわせていった。
「どこからきたの? あっちの人?」指し示したのは、さっきの廃墟だった。
「いや、地球からだよ。きみはちがう?」
308所詮友情は三日間 2/5 ◆cwf2GoCJdk :2008/02/17(日) 23:33:37.48 ID:AFPP//9V0
「あなたは、だれ? どうしてここにいるの?」
 ポールは自分の名前をいった。
「ここには……そうだな、旅行や観光といったところかな。きみの名前は?」
「チャーリー。ねえ、あの宇宙船はあなたのなの?」
「いいや、友だちのだよ。宇宙船フィネガン号。きみはどうしてこんなところに?」
「ママとパパにつれてこられた」
「きみのママやパパはどこにいるのかな」
 チャーリーはポールを見上げ、すこし迷ったそぶりを見せると、「ついてきて」といって歩きだした。どこかに照明があるのか、あるいは数多くの星がそうしているのか、夜は妙に明るかった。
 ポールは前を歩く少年のことを考えた。ところどころに穴があいているシャツは、丈があっていない。髪はすこし伸びすぎているが、肩にかかるほどではなかった。
「きみはいつからここにいるのかな? その、つれてこられたのはどれくらい前?」
「わからない。でも一週間よりはすぎてるよ」
「食べ物は?」
「あちこちにあるよ。ほら、こっち」
 チャーリーは茂みをかき分けながら手招きした。ポールはあとにつづいた。そこは小道になっていた。曲がりくねってはいるが木の枝や下生えに人為的な形跡があり、通りやすくなっている。
 だが、チャーリーがやったのではない。ポールの頭上できれいに切り取られている大木の枝がそれを物語っていた。
「ここだよ」急に足をとめたので、ポールは少年を蹴飛ばしそうになった。前方は石の壁。チャーリーの視線を追い、目線をおろす。
 人骨の山があった。ポールはチャーリーが死人の服を着ているのだと、奇妙な冷静さで理解した。
「この先は? また廃墟があるのかい?」
「行っちゃだめだよ。行っちゃいけないっていわれてるんだ」

 砂の上で目覚めると、ポールはきのうの夜、少年につれられた道を行った。チャーリーにはあのあとも強く警告されたが、それを聞き入れる気はなかった。日の光に照らされた状況で見る人骨は、またちがった不気味さがあった。
「ここにはくるなといわれたはずだが」
 ポールはぎょっとした。あわてて声のしたほうを向く。
 大柄の老人がいた。髪や髭は不揃いだが、伸びすぎでない。老人は怒っているようにも、またそれが平静であるかのようにも見え、その顔はポールに大むかしのロシアの文豪を思い出させた。
「きのう、ここでした話を?」
「聞いていた」
 かすれてはいるが、重みのある声だった。老人の服は古びてはいるが、さほどきたなくないことにふと気づいた。
「あなたは?」
「わたしはここにいる人間の、そう、代表≠セな。そとの人間と関わりたくない者が大勢いるのでね。そして、ここにいる人びとを救うのがわたしの役目だ。この星にいる人びとをな。ここがどんなところかわかっているか? なぜこの星にきた?」
「旅行さ。ここがどんなところだというんだ?」
309所詮友情は三日間 3/5 ◆cwf2GoCJdk :2008/02/17(日) 23:33:50.66 ID:AFPP//9V0
「死にたがりが集まる惑星だ。その骨たちは自ら死を選んだのだ。もっとも、殺したのはわたしや、ほかの人間だがね。大むかしに死にたがりが集まり、殺人衝動をもった人間とともにこの地に降り立った。
 だが、殺人者たちはすぐに飽き、あるいは死にたがりを気味わるく思うようになった。わたしは死にそこなったのだ。そしてその後、なぜかここにそういった人びとが集まるようになった」
「うわさがひろがったんだ」
「そうかもしれん。われわれがここに住まうようになってからは、死にぞこないはいなくなった。そう、殺しているんだよ。われわれは死ぬ気がなくなったが、移住者をうけ入れる気もなかった」
「なぜ殺す必要がある? 地球に送り返せばいいじゃないか」
「人びとを救うのがわたしの役目だといったろう。死を望む人間には死をあたえる。そうやって彼らの苦しみをとりのぞいたのだよ。生きていてもいいことなどない、というのがきまってやつらの口癖だった」
「チャーリーは?」
「あの少年は死を望んでいないからな。かといって、彼を救う方法もない」
「受け入れてやればいいじゃないか。たったひとりで、かわいそうだとは思わないのか?」
「だめだな。それが掟≠セ。いちどでも例外を認めては、その存在意義がうすくなってしまう。かわいそうだとは思うが、どうしようもできん」表情や声の調子から老人の感情を読み取ろうとしたが、むだだった。
「地球につれて帰れ。そのじゃまはしない。あの少年をあわれに思っているんだろう?」
「むりだ。彼は両親とここにきたといった。おそらくチャーリーは死んだことになっている。いまでは地球に住むのはたいへんなんだ。きっとすぐにどこかの惑星に飛ばされてしまう。そこの環境がここよりいいという保証はない」
 ポールはそういったが、それはかなり楽観的といってもいいくらいだった。身元不明の少年をつれ帰ったら彼自身もあやうくなるし、過去チャーリーのようなだれにとってもどうでもいい¥ュ年は、確実に劣悪な環境に置かれていた。老人がいった。
「死ぬまで強制労働か、変態どもかといったところか」
 ポールは老人をにらみつけたが、老人はまったく動じなかった。

 砂浜にもどると、すぐにチャーリーがポールに走り寄ってきた。
「もしかして、あそこにいったの?」
「そうだよ」
「だれかにあった?」
「老人にね」
「なんかいってた?」
「いや、なにも」
 チャーリーはほっとしたような、期待がはずれたような表情になった。それからおちつきなくポールの目の前をうろうろすると、決心したようにいった。
「ねえ、フィネガン号にのらせてよ。動かさなくてもいいからさ。のって、見るだけ」
「いいとも」やさしい声でいった。
 チャーリーは機体のなかにはいると、「うわあ」と感嘆の声を上げた。
「ここにきたときは、箱みたいなのに何人も入れられてて。なんにもおもしろくないの。これは、いいね」
 フィネガン号には十人ものれないだろうし、チャーリーがのってきたものより安物だろう。だが、少年の目にはこちらのほうが魅力的に映るらしい。「これはなんの装置なの?」とひっきりなしに聞いてくる。
「宇宙船が好きかい?」ポールがいった。
310所詮友情は三日間 4/5 ◆cwf2GoCJdk :2008/02/17(日) 23:34:03.06 ID:AFPP//9V0
「うん。のりものはぜんぶ好き。船にのってみたいんだ。のったことないから。あの海を船で行けたら、いいだろうなあ。ねえ、地球の海もあんな感じ? いつかつれてってもらったと思うんだけど、おぼえてなくてさ」
「これほど美しい海は地球にはないね。地球の海はよごれてるから」
「ぼくは大人になったら、自分の船を作りたいなあ。その船でこの海を探検してみたい」
 チャーリーは地球のことや、ポールが旅したほかの惑星の話を聞きたがった。彼の話をうれしそうに聞いている少年を見て、たぶんそのときにはじめて、なんとかしてやりたいと思った。

 とっくに陽が出たころに目覚め、完全に覚醒するまでしばらく待ってから、老人のもとへむかった。
「彼を受け入れてやってくれ。あと数年もすれば、彼はきっと絶望してしまう。仲間がいれば、そうならないかもしれない」
「わたしにはなんともできん。それに、そうなっとしてもだ。あの少年はおまえに裏切られたと思い、心に傷を負うだろう。そんな状態で受け入れてやっても、無意味だろう? 食料は十分すぎるほどあたえている。すくなくとも、餓死することはない」
「なぜなにもできない? あんたは人を救うっていったじゃないか!」
「掟は破れん。わたしにいってることをなぜ地球のやつらにいわない? 地球での掟とおなじように、われわれの掟もゆらぐことはない。どんな同情や共感でもだ。おまえにできることはなにもない」
「なにがいいたい?」
「地球に帰れ。ひとりでだ。それが最善だ」
「なにが最善だ! なんにも解決してないじゃないか!」
「もとにもどるだけだ。おまえがここにくる前の状態にな。わたしがあの少年を救うことはできない。ならば、せめておまえの苦しみをやわらげねばならん。おまえはなにがしかのリスクを背負おうとしている。それはなんのためにもならん。ただそれだけ≠セ」
「ふざけるな」
「妙なことは考えるな。おまえはただ、ここにきたことを後悔すればいい。それがむりなら、すこしの罪悪感をもって地球に帰れ。そうなれば、多少の希望すら抱えていられるだろう。人間が大好きなな」
 突然、老人がおそろしい表情になった。同時に枯れ木が折れる音と、足で落ち葉を踏む音がした。ポールは背後に体をむけた。
「チャーリー!」
 少年はあきらかに老人を怖がっていた。
「ねえ、もどろうよ。ここにいたって、いいことないよ」
 ポールはチャーリーに近寄った。
「すぐに行く。だから、もどってるんだ」
「いっしょに行こうよ」
「うん、すこししたら行くから、な。だいじょうぶだから」
 向きなおると、老人は非人間的な形相をしていた。ポールははじめて老人が怖ろしく思えた。老人はなにもいわない。彼は老人にひきとめられないか考え、なんどかふりかえりながら海にもどった。
 ゆるい砂の傾斜のすぐ下でチャーリーは眠っていた。ポールもその横で眠った。

 朝、チャーリーがいなかった。だが、探すとすぐに見つかった。森林にできた空間、骨の山にチャーリーは横たわっていた。
「出てこい」
「わたしか?」老人がいった。
311所詮友情は三日間 5/5 ◆cwf2GoCJdk :2008/02/17(日) 23:35:49.79 ID:AFPP//9V0
「あんたがやったのか?」
「そうだ。おまえがここを去れば、この少年は精神に傷を負うことになる。この少年の未来に希望はなく、やがて苦しみを理解にあえぐだろう。それはおまえもいっていたな。おまえがなにをやってもそれは不可避だ。ならば、すこしでもそれをやわらげるのが、わたしの役目だ」
「チャーリーを拒絶したくせに」
「そう。だが、ここにいる限り、わたしは救わねばならん。これは前にもいった。それがここの掟≠ネのだ。これが最善だとわたしが判断したのだ。おまえは旅行者だといっていたが、ほんとうは死ぬつもりでここにきたのではないのか?」
「そんなことはどうでもいい」
「よくはない。すくなくともいまはそのつもりがないようだが、その気があったことは否定できまい。ここにくるのはそんなやからしかいないからな。この少年のことでおまえは苦しんでいた。だからわたしが殺した。おまえとこの少年、両方を救ったのだ。
 おまえがこの少年のためになにかをすれば、確実によくないことになる。おまえはもっと長く苦しみつづける。そしてその確信は、わたしに°齡Yをあたえることになる。人を救えなかった≠ニな。そうなれば、今後の仕事に支障をきたす」
「あんたはだれ一人救っちゃいない」
「そうかね? だが、おまえはいま、ようやくあきらめることができたのではないか?どうしようもなかった≠ニな。そのとおりだ。おまえにはどうしようもなかったのだ。少年を殺した罪はわたしが背負おう。それはわたしのためでもある。
 いま、おまえは興奮しているが、わたしを殺すか? それでもかまわん。ここにいる者はだれも文句をいわないからな。わたしもだ」
「ここにあんた以外の人間はいない……みんな死人だ」
「そう、わたしと、おまえ以外はそうだ。彼らはみな、病んでいた。苦しみしかない人生に疲れていたのだ。だから、わたしが救った」
「あんただって死にたがってる。だから他人を受け入れないんだ」
「だからなんだというのだ? 仲間のもとへ帰れ。おまえには帰る家があるんだろう? そこの少年とちがってな。時間は最高の名医だそうだ。いつかは少年の死の悲しみも消えていくだろう。
 わたしはここでできる最善をつくした。あとはおまえが地球でなにかに苦しもうが、知ったことではない。いらぬ感傷で死にたくなったのなら、すぐにでも楽にしてやるが、どうだ?」
 ポールはもう聞いていなかった。チャーリーの顔に手を触れ、腕を背に回した。それから死体を背負い、海へむかった。
「死体はおいていけ。地球にもどったとき、いらぬ疑いをかけられぬようにな」
 ポールは答えなかった。
「いらぬ感傷で――」
「だまれ!」
 ポールは立ち止まり、静かにいった。
「もうあんたの役目はおわりだろう。わたしたちは、帰るんだ。じゃまをするな」
 椰子の葉がざわめく。鳥の鳴き声と波の音は、彼になにも感じさせなかった。窮屈なフィネガン号の中、ポールは大事そうにチャーリーを寝かせた。
 フィネガン号が振動する。周囲の砂や海の水が横すべりし、椰子の幹がゆれる。大きな葉ずれの音がする。フラミンゴの群れが空の色を染め、カモメの鳴き声がそこいらじゅうにひろがる。
 数秒もすると、そこにいるどんな生物にも宇宙船は見えなくなった。

 大気圏のそとに出たことを確認する。ポールはチャーリーのようすを見た。ポールとちがい、マスクはしていない。少年の存在をたしかめるように手でほおにふれ、かすかに残る体温を感じた。ポールは安心した。
 やがて、彼は地球にもどったときのことを考える。チャーリーをどこに埋葬しよう? 説明は? 勝手に宇宙船をもちだしたことにフリッツは激怒するだろう。友情がこわれなければいいのだが。うそをついたことをまずあやまろう……。
 そのうち、ポールは眠りに落ちた。
 暗闇にただよう船の中、孤独な少年は眠りつづける。
312以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 23:36:23.07 ID:AFPP//9V0
異常です。途中とまどってすみません
313以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 23:36:51.83 ID:pfC8muRK0
お疲れ様でした。
では◆Kq/hroLWiA氏、どうぞ。

【順番】
◆/73ORiYgDY氏
◆/7C0zzoEsE氏
◆h97CRfGlsw氏
◆VXDElOORQI氏
314風の行き先(1/5) ◆Kq/hroLWiA :2008/02/17(日) 23:37:05.26 ID:6KT6NE850
 ある山小屋に、三人の男女が住んでいた。
 がっしりとした体格で、年は四十前後といった感じの男、志村幸助。
 対して、ほっそりとした体型で小柄な、まだ少し幼さが残る顔立ちの女性、桜丘雛乃。
 そして、小柄な雛乃より、さらに一まわりほど小さな男の子、武田光一。
 彼らは、昼ごはんを食べ終えた後、それぞれ思い思いの時間を過ごしていた。
 幸助は陽光の射し込む窓際で横になり、古新聞を眺めていた。光一はテーブルで絵を描いて遊び、雛乃はその
隣に座り、竹で籠を編んでいる。
 小屋の中は静かで、三人の僅かな息遣いと、外からたまに聞こえてくる動物の鳴き声しか聞こえなかった。
 のどかな午後がそんな感じで一時間ほど過ぎた頃、絵描きに飽きたのか、光一がごろんと寝転び、雛乃の膝の
上に頭を乗せた。仰向けになって雛乃の顔を見上げる光一に、雛乃は優しく言葉をかける。
「どうしたの?」
「ねぇ、お話してよ。SOSウサギの話」
「また? この前もしたでしょ」
「いいじゃん。何回も聞きたいの」
 雛乃は「仕方ないなぁ」と呟くと、編み掛けの籠をわきに置いて、光一の頭を軽く撫でた。さらさらとした
感触が雛乃の指先に伝わる。
 自作のおとぎ話を、雛乃は語り始めた。
「むかしむかし、あるところに脚の遅いウサギさんがいました――」

「それじゃ、遊んでくるね」
 光一はそう言うと、小屋を飛び出していった。
 見送った雛乃が、小屋の壁に掛けられている当てにならない柱時計を見てみると、時刻は一応午後三時を示して
いた。ここ数週間前から、光一は毎日決まった時間に、外に遊びに行くようになっていた。幸助達は、光一が
どこに遊びに行っているのかは知らないでいる。
 いつものように、小屋の中は幸助と雛乃の二人だけになった。
「あの、幸助さん」
 窓際で、向日葵のように日の光を追いかけながら古新聞を読んでいた幸助に、雛乃はおずおずと声をかけた。
「いつまで、この生活は続くのでしょうか……」
 幸助は、古新聞の記事から目線を上げ、雛乃を見た。
「いつまで、と言うと……?」
315風の行き先(2/5) ◆Kq/hroLWiA :2008/02/17(日) 23:37:45.60 ID:6KT6NE850
「その、いつまでも、こんな生活を続けるわけにはいかないと思うんです。大戦で人間はほとんど死んでしまった
けど、それでも生きている人は居ると思うんです」
 幸助が新聞を折りたたみ、真剣な表情で雛乃と向き合った。
「生き残りを、探そうと?」
「……はい。出来れば、そうした方が、今後のために良いと思うんです」
 雛乃の口調は、今にも消え入りそうだった。
「僕は……賛成はできないな。この生活が始まってそろそろ半年が経つけど、依然、人はおろか、ヘリや飛行機の
気配も全くない。それに、大戦で、どこがどれくらい放射能汚染されたか分からないから、不用意に移動するのは
危険だと思う。僕らは、核の知識に関しては素人だからね。
 そして何より……こういう言い方をすると、言い訳じみている気がしないでもないけど……」
 幸助は、自分の脚を見た。手で太ももを擦り、言う。
「僕は、戦争で脚を怪我したせいで、歩くことが出来ない」
 幸助の脚のことは、もちろん雛乃は知っていた。知った上で、こう考えたことがある。
 幸助を残して、私と光一君とで生存者を探す旅に出るのは駄目か。
 だが、その考えはすぐに否定された。ハンディを持った人間を見捨てるような真似は、やはりすべきではない。
分かってはいる。が、この変化のない生活が、苦痛と感じなかったはずがなかった。
 だからもし、もしも、幸助が了承してくれれば、この状況を変えられると思って、雛乃はこの話をしたのだ。
けれど、答えは雛乃の望むものではなかった。
「僕は、それよりも考えることがあると思う。少し話が大きくなってしまうけど、人類の今後についてだ。
 もし本当に僕達が人類最後の生き残りだった場合、僕達は種として子孫を残していかなければならないと思う。
ここに居る三人で、子供を産めるのは、女である雛乃ちゃんだけだ」
 雛乃は一瞬表情を強張らせた。そして、僅かに脅えるような素振りを見せる。
 幸助は、自分が雛乃を恐がらせてしまったことに気づき、取り繕うようにして言った。
「あ、安心していいよ。僕は女の人には興味がないから」
「その発言は、別な意味で安心できません……」
「あ、えっと。そうか。正確には、普通の女性には興味がない、だな。どういう意味かというと、僕は、愛する
女性は一人と決めているんだ。戦争で亡くなった、僕の元奥さん。彼女以外の女性に、僕は惹かれるわけには
いかないんだ」
 今は亡き最愛の人の姿を心に浮かべ、確たる自信と共に告げた幸助の言葉には、信頼に足る力が籠っていた。
 雛乃は僅かに安堵の息を吐くと、しかし、すぐに浮かない顔をして俯いてしまった。
316風の行き先(3/5) ◆Kq/hroLWiA :2008/02/17(日) 23:38:27.84 ID:6KT6NE850
「どうしたの?」
「あの……えっと……。昔、私は妊娠したことがあるんです。私が妊娠している時に、父親は戦場で死に
ました。私は、亡くなったその人のためにも、子供を産むことを決意したんですけど……。後になって、その人が、
私以外にも五人の女性と関係を持っていたことが分かって。しかも、五人とも全員妊娠していたんです」
「そ、それは……」
「ショックでした。裏切られた気分でした。そして、気持ちが落ち込んでいた時に、さらに悲劇が起こって……。
子供を、流産したんです」
 幸助は言葉をなくしてしまった。今まで一緒に暮らしていた彼女が、まさかそんな暗い過去を持っていたなんて、
想像もしていなかったのだ。
「それ以来、私は男性のことが信じられなくて。あ、幸助さんは、いい人だというのは分かっているんですけど。
けど、その、親密な関係にはなれなくて。それに、妊娠も、流産のことを思い出すと、恐くて……」
 雛乃の視線は、ずっと自身の手元に注がれていた。
 垂れ落ちた彼女の前髪が、幸助の視界から雛乃の瞳を隠す。
「そうか……。その、無理を言ったみたいだね。ごめん」
 二人は沈黙し、重苦しい空気が、小屋の中に漂った。山奥の静けさが、今の二人には苦痛で仕方なかった。
 二人が、どうやってこの淀んだ雰囲気を取り除こうかと考えあぐねていたその時だった。
 唐突に、小屋の扉が開かれた。そこに立っていたのは、顔や服を黒く汚した光一だった。小屋の中の二人とは
違い、光一の顔は、晴れやかな笑みで溢れていた。
「ひな姉! コウスケ! 来て!」
 渡りに船を得たと感じた雛乃は、すぐに立ち上がり、入り口へと向かった。
「どうしたの、光一君?」
「とにかく来て。ほら、コウスケも!」
 雛乃の体越しに、奥に座る幸助を呼びつける光一。しかし、幸助は困ったような表情を浮かべ、自分の脚を見た。
「これがあれば、大丈夫でしょ?」
 幸助の主張を先読みしていたのか、光一が取り出したのは、一台の車椅子だった。
 雛乃と幸助は、同時に驚きの表情を浮かべ、幸助が尋ねた。
「ど、どこから持ってきたんだ?」
「下の街からだよ。大変だったんだよ」
「街って。お前、体は大丈夫なのか?」
「体? よく分からないけど、とにかく早く来てよ! 見せたいものがあるんだ!」
317風の行き先(5/5) ◆Kq/hroLWiA :2008/02/17(日) 23:39:55.43 ID:6KT6NE850
「私は、昔から男性に対して苦手意識が強くて、それで、幸助さんの提案が恐くて、逃れるために慌ててあんな話
を作ったんです」
「いきなりにしては、随分と凝った内容だったね」
「私、小説が好きで、よく色んな話を想像してるんですよ。光一君に話してるお話も、ほとんど私の自作ですし。
 ごめんなさい、情に訴えるような嘘話をして。光一君の頑張る姿を見て、自分の小ささが恥かしくなりました。
幸助さんの提案、真剣に考えてみようと――」
「僕も、ずっと嘘をついていた」
 雛乃の言葉を遮るように、幸助が言った。そして、おもむろに肘掛に置いた手に力を籠め、立ち上がった。
脚は多少ふらふらしているが、幸助は確かに自分の足で立っていた。
 幸助はゆっくりと振り返り、雛乃と向き合った。
「僕は、実は立てるんだ。杖があれば、歩くことも出来る。ごめん、ずっと騙してて」
「なんで……」
「戦場で脚を怪我して、僕は山奥の病院に運ばれた。そこは、それまで居た戦場とは全く別の世界だった。ほんの
ちょっとの変化が、死に直結していた戦場とは違い、病院では毎日決まった時間にご飯が出て、治療をして、
お風呂に入って、寝てと、全く変化のない、安心できる世界だった。
 戦場から離れたことで、初めて死の恐怖を知ったよ。
 それ以来、僕は変化を恐れるようになった。常に現状を維持することに気を回し、下手な変化は避けるように
なっていた。
 僕の脚が動くと知っていれば、今日の君が提案したように、旅をすることになると思ったから、ずっと嘘を
ついていたんだ。本当に、ごめん」
 幸助は首だけを振り返り、ウサギを追いかけて野原を駆け回る光一の姿を見た。
「僕も、光一の姿を見て自分が恥かしくなったよ。一番年上なのに、自分の我侭のために、屁理屈こねて、挙句
最低な嘘までついて。弱いな、僕は」
「弱いのは皆同じですよ。私も、弱い人間です」
「……探そうか、生き残った人達を」
 一陣の風が野原を走り、重たい空気を遥か空まで持ち去っていった。

おわり
318以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 23:40:38.10 ID:pfC8muRK0
お疲れ様でした。
では◆/73ORiYgDY氏、どうぞ。

【順番】
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319誰かの慈悲5/5 ◆/73ORiYgDY :2008/02/17(日) 23:42:16.62 ID:fUp9qV6D0
 突然、無職になった。
といっても別に会社にリストラされたというわけでも、気の会わない上司に耐えかねて辞表を叩きつけたわけでもない。
会社自体が潰れてしまったのだ。
長年続けていた偽装が発覚し、偽装のことなど毛ほども知らなかった俺や同期の若い世代も巻き込んで倒産した。
それだけならまだ良い。新しく就職先を探せば済む話だった。
俺は無職になったのを一つのきっかけと感じ、自分の会社を作ることを目指していくつかの講習会をうけた。
すると一人の有名焼肉店の社員を名乗る男が、今流行のフランチャイズをやってみないかと声をかけてきた。
フランチャイズでノウハウを身につけ、そのあと独立開業してみないか、と。
俺はその話に飛びついて、結果的に多額の金を騙し取られた。いわゆるフランチャイズ詐欺だ。

以上が昨日までの俺の悲劇。ここからは今日の話になる。
借金まみれになった俺はどうしようもなくバレンタインで浮かれている町をさまよっていた。
すると偶然、例の俺を騙した男とすれ違った。俺は我を忘れ、その男に飛び掛った。
別に殺すつもりは無かった。ただ一発殴れればいい。だけど俺の足はもつれ、全体重を男に預ける形になって男もろともコンクリートの地面に倒れこんだ。
硬いものが硬いものに当たる鈍い音が響き、起き上がって確認してみると男は冷たく、微動だにしない。
俺は怖くなって逃げ出した。

以上が今までの俺の悲劇。ここからは現在進行形。
木枯らしが吹く寒い路地裏で、俺はうずくまっている。もうどうしようもない。多額の借金を背負い、犯罪者に成り下がってしまった。

急に怒りがこみ上げてきた。なぜ俺はこんな目にあわなくちゃならないんだ?
怒りの矛先はあのフランチャイズ男でも、偽装を行っていた会社の役員でもない。
俺は神に激怒した。確かに大した善行をした記憶も無いが、別にこんな目にあわなきゃならないほど悪いことをした覚えは無い。
っといっても、神に怒ってもどうしようもない。虚しいだけだ。何か八つ当たりできるものはないかとあたりを見回すとちょうどいいものが見つかった。
「貴方も神の慈悲に触れてみませんか?」
なんとも安っぽいキャッチコピーだったが好都合だ。電柱に貼り付けてある"それ"には神のすばらしさが謳ってあり、熱心に入信を勧めていた。
俺は神の代弁者だと名乗る宗教家に、神への不満をぶつけてやろうと決めた。そのあとはどうなってもいい。
たとえ怒鳴っている間に屈強な黒服の男たちが現れ、俺を東京湾に沈めようとしても構わない。俺の人生はもう終わってる。
なんなら宗教家を道ずれにして自殺してやろうか?それも悪くない。
チラシに書いてあった住所は見覚えがあった。そんなに遠くない。俺は神に向かって歩き出した。
320誰かの慈悲5/5 ◆/73ORiYgDY :2008/02/17(日) 23:42:46.30 ID:fUp9qV6D0
着いてみるとそこはビックリするほど簡素なアパートだった。
郵便受けを見てみると二〇三号室のところに「神の会」と書いてある。どうやら間違いではないらしい。
堂々と、しかし内心は少しおどおどしながら、俺はドアをノックした。
「どうぞ」
落ち着いた男の声が返ってきた、声の質からしてそんなに年ではない。ドアには鍵がかかっていなかったので、俺はゆっくりとドアを開けた。
玄関に入ると、意外なことに品のいい初老の男が俺を迎えた。
「よくきましたね、こちらへどうぞ」
まるで古い友達を招くように男は俺を居間へと案内した。十畳ほどの和室にはちゃぶ台があり、その上にはお茶菓子が二人分ある。
「他に誰かいるんですか?」
尋ねると、男は自分ひとりだという。もしかしたら部屋を間違えたか?男は俺を座らせてお茶菓子を進めると、言った。
「何かお困りですね?」
「確かに困ってますけど…何でわかったんです?」
「困ってない人はこんな所きませんよ」
「失礼ですが…あなたは…?」
俺が聞くとその男は神の会の会長と名乗った。やはりここは「神の会」の本部で間違いないようだ。
「他の信者の方はどちらに?」
「それがですね、今は一人も信者がいないんですよ」
「ひ、一人も?」
「近頃はあまり宗教というのは人気がないのでね」
その宗教家はまるで信者がいないのをまったく気にしてないかのように笑いながら言う。
「だから貴方みたいな若い人が来てくれて嬉しいですよ」
「はぁ・・・」
開口一番怒鳴り散らしてやろうと息巻いていたのに拍子抜けだ。てっきり巧みな話術で信者を集めて金を巻き上げるような悪徳宗教家かと思っていたのに。

この際だからいろいろと探ってみることにした。もしかしたら猫をかぶってるだけで実はとんでもない極悪人なのかもしれない。
「あの…質問なんですが・・・なんで宗教を開こうと思ったんですか?」
「生きとし生けるものが幸せであるようにするためですよ。いわゆる神の慈悲です。」
呆れた。いったいどんな奇抜な返答が変えてくるのか期待したけど、なんの捻りもないじゃないか。
321誰かの慈悲3/5 ◆/73ORiYgDY :2008/02/17(日) 23:43:37.54 ID:fUp9qV6D0
「いくらなんでもそれは流石に無理じゃないですか?世界中の人全員が幸せになれるはずがないですよ」
「そんなことはわかってます。ただ、私は私ができることを精一杯やってるだけです。
 六十間近の私にできることは限られてますけど、貴方の悩みを聞くぐらいならできます」
俺の悩みは聞いてもらうだけじゃ解決しないんだよ…。
この男に俺の身の上話をしても何の面白みもない。俺はこの宗教家がどれほど身を尽くして人を助けられるかためしてみることにした。
「実は母が思い病気なんですけど…父は早くに死んでしまっていて、俺は一人っ子なんだけどあんまり収入もないから入院費が足りなくて…」
我ながら陳腐な嘘だと思ったが、信者ゼロの哀れな宗教家を騙すのならこのぐらいで十分だろう。それにあんまり本気で騙すのも気が引ける。
「本当ですか!?それは大変だ。ちょっと待っててください」
男は扉の奥へ消えた。しばらく物音がして、戻ってきた男の手には分厚い封筒が握られている。おいおい…まじかよ。
男はそれを俺に押し付け、有無を言わせず外へ追い出した。
「早くお母様のとこへ行ってあげなさい」
その哀れな宗教家は俺にそう言い、扉を閉めた。
まさかこんなに簡単に騙せるとは…。
封筒はなかなかの重みがある、一応確認のために一枚抜いてみたが確かに本物だ。透かしも入っている。
あのフランチャイズ男も俺から金を受け取ったときはこんな感覚だったのだろうか?
いやいや、奴と俺は違う。いくらなんでもあの宗教家に悪い。俺にだってそのぐらいの良心はある。
騙されるほうが悪いといってしまえばそれまでだが、実際俺もついこの間騙されたばかり
それに信者が一人も集まらない上に金を騙し取られたなんて可哀想にもほどがある。
とりあえず金を返すことをしよう。…っと言ってもどうやって言って返そう?

迷っていると突然二〇三号室のドアが開いた。驚く俺を尻目に、男はやさしく微笑みながら立っている。
「どうぞ」
男は最初に俺がノックしたときと同じ調子で言った。
部屋に入ると男は俺の手から封筒を抜き取り、タンスにしまった。
「散歩でも行きますか」
と静かに言って、またドアを開けた。俺がぼうっとしていると男は
「何してるんですか?早く行きますよ」
とまたまた静かに言った。俺は慌ててそれに従った。
波乱の展開、というのにはあまりにも穏やかすぎて、インパクトのかけらもない。が予想外の展開。
男は何の説明もなしに歩いていく。しばらく歩いた後、俺は耐え切れなくなって口を開いた。
322誰かの慈悲4/5 ◆/73ORiYgDY :2008/02/17(日) 23:44:10.50 ID:fUp9qV6D0
「あの…一つ聞きたいのですが…?」
「ちょっといいですか?」
俺が口を開くと同時に男は道端でうなだれていた女に話しかけた。俺のほうには見向きもしない。
女は不思議そうに男を見上げる。男は静かに語りかける。
「貴女が探しているバックは貴女が昨日訪れた公園の茂みの中にありますよ」
女は怪訝そうな顔をしたが、男が続けてバックの柄やブランド名を言い始めると、女の表情は変わった。
「バ、バックの中身は無事なんですか?」
「心配ありません、バックの中身は何一つ無くなってませんよ」
男がそういうと女は嬉々とした表情で男に礼を言い、走り去った。
男は小さく息を吐くとまた歩き出した。俺は呼び止める。
「ちょっと待ってください。いったい今のはなんです?」
男はようやく俺のほうを向き、言った。
「あの女性は友達から大切なものを預かっていたのですがそれが入った鞄を失くしてしまってね、だから私がその鞄の場所を教えてあげたんですよ」
「じゃああの女性はあなたの知り合いかなにかだったんですか?」
「いいえ、さっきはじめて会いました」
そんなはずは無い。初対面名なのに鞄をなくしたこと、ましてや鞄の場所なんてわかるはずが無い。それを男に問うと
「私にはわかるのですよ。私は神だから」
と遠くを見ながら言った。

やはり宗教家にまともな奴はいないようだ。長い間一人でいたせいで妄想が膨らんだのだろうか?
俺が冷たい目で見るていると、哀れな宗教家は「いまから証明してみましょう」と俺を町の中心にある駅にへと誘った。
「まず、五分後にこの駅の3番ホームで痴漢がつかまります」
俺は少しも信じなかったが、惰性で俺は哀れな宗教家についてホームに上がった。
すると驚くことに、男の言った時間ぴったりにいかにも幸の薄そうな男が鉄道警備員に取り押さえられた。
呆気にとられている俺にその宗教家は言った。
「あと一分ほどしたら携帯に貴方の母親から電話がかかってきます。心配しなくても貴方が抱えてる借金の話ではありませんよ」
男の言ったとおりの時間に母から電話がかかってきた。たまには実家に顔を出してほしいとの事だ。電話を持つ手が震える。
「最後にあの向かいのホームにいる白髪の男性。いまから電車に飛び込みます」
このとき、今まで一本調子だった男の声がかすかに震えていたような気がしたが、それに気をとめる間もなく悲鳴が響いた。
俺はわけがわからなくなった。なぜこの男はこんなにも簡単に未来を言い当ててしまうのか。何かのトリックにも思えない。―― ―― もしかして本当に神なのか?
323誰かの慈悲5/5 ◆/73ORiYgDY :2008/02/17(日) 23:44:45.13 ID:fUp9qV6D0
「ようやくわかっていただけましたか?」
男は俺の目を見据えていった。その目は澄んでいて今にも引き込まれてしまいそうで、俺はこの宗教家が本当に神であるとようやく理解した。
「あなたが神だというのはわかりました。でも一つだけ聞きたい事があります」
「私が神である事を証明するためだけにあの男をホームに飛び込ませたのか?ということですね?」
不思議と心を読まれた事に驚きはしなかった。神は続ける。
「世の中の人は誤解しがちですが、神には人を操る力などありません。神にできるのは『全てを知ること』ただそれだけです。
 他は人間と変わりありません。私ももともとは普通の人間でした。それがたまたま前任の神に選ばれて力を受け継いだだけのことです。
 私は世の中で起こるすべてのことを知っていますし、何が起こるかも予測できます。しかしそれらを動かすためには一人間として直接接触しなければなりません。
 何をどうすればその人が救われるかもわかります、その人がどうしても救われないこともわかります」
じゃあ何のために神は存在するのか?そう疑問に思うと、神は答えた。
「生きとし生けるものが幸せであるようにするためですよ。いわゆる神の慈悲です」
いくら全てを知ってても一人じゃ限界があると思うと、神は一人きりじゃないと言った。日本にも何人か他にいるらしい。

神は少し間をあけて言った。
「もう一度言いますが私は基本的に他の人間と変わりありません、ただ少し物知りなだけです。それを除けばただの老人です。
 その程度の神にできることが普通の人間にできないはずがありませんよね?」
「え?」
「貴方にも楽をあたえること、苦を抜くことをできる。いわゆる貴方の慈悲です」
そんな大層な事俺ができるはずが無いと言うと、神は微笑みながら言った。
「大丈夫ですよ。私が誰だか忘れたのですか?私には貴方が貴方の慈悲によって人を救うことができるのを知っています」
「貴方は一度自分の人生をあきらめました。そういう人にしか救えない人も結構いるんですよ」

じゃ、頑張って下さいね。と言って神は人ごみの中に消えていき、俺は一人騒々しいプラットホームに取り残された。

「俺の慈悲…」
一度捨てた人生、人のために使うのも悪くない。何より神は俺に太鼓判を押した。俺には人を救う力があると。
「やってみるか」
俺は小さく呟き、歩き出す。

駅を離れるとうつむきながら歩く少年を見つけた。手始めに俺はこの子に声をかけてみようと決めた。     完
324以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 23:45:12.22 ID:pfC8muRK0
びっくりしました。
では◆/7C0zzoEsE氏、どうぞ。

【順番】

◆h97CRfGlsw氏
◆VXDElOORQI氏
325 ◆/73ORiYgDY :2008/02/17(日) 23:45:56.61 ID:fUp9qV6D0
おわりです
最初にタイトルの順番間違えちゃいました…orz
因みに処女作だったりします。
326以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 23:46:10.97 ID:UknbPa0d0
>>316-317って4レス目抜けてない?
327無慈悲な聖母に抱かれ (1/4) ◆/7C0zzoEsE :2008/02/17(日) 23:46:57.16 ID:6+eygBwT0
「あの、これ受け取って貰えませんか……」
 鼻息を荒くして、冷や汗が少年のふくよかな頬を伝う。
彼の手には強く握り締められ皺のできた手紙と、
綺麗に包装されたプレゼントがあり。
目をギラギラに輝かせて、目の前の美少女に思いの丈と共にぶつける。
 美少女の甘美な唇から、ふぅと吐息が漏れる。
彼女は俯いて、琥珀の輝きを持つクリッと大きな瞳を左手で覆う。
すぐに顔を戻し、きっぱりとした声で答える。
「ごめんなさい。私、貴方のことは好きではないので」


「どうして、マリアさんはそう冷たいかな」
 生徒の影も少なくなった、放課後の図書館。
相澤悠二は小説を読みながら彼女に尋ねる。
「だって、全く好みじゃ無かったのですもの」
 マリアと呼ばれた少女も本を読みながら答える。
きりっと姿勢も正しく、お淑やかな佇まいで見る人を和ませるが、
彼女の読む『野草、毒草について』の本が、妙な緊迫感を生み出す。
 悠二はパタン、と本を閉じて彼女に向かって言ってのける。
「マリアさんの悪いところだよ、それ。人の気持ちが分からないっていうか」
 彼女は本に視線を落としたまま。悠二は強い口調で続ける。
「無愛想だし、そう思いやりが足りないんだよね」
「変に期待を持たせるほうが無慈悲ではなくて?」
 さもありなん、とばかりに彼女は言い返す。
やっぱり視線は毒草の写真に向けたまま。
「そりゃあ別に、曖昧な返事をするのが良いってつもりじゃないけど。
もうちょっと傷つけない、他の言い方があったんじゃない?」
「ケチョウセンアサガオって素敵だわ」
「ほら、人の話聞いてない」
328無慈悲な聖母に抱かれ (2/4) ◆/7C0zzoEsE :2008/02/17(日) 23:47:23.40 ID:6+eygBwT0
彼女はふぅ、と吐息をついて面倒臭そうに続ける。
「そもそも、二月十四日は健気な女の子を後押しするためのものではなくて?
どうして、殿方がここぞとばかりに告白してこられるのです?」
 悠二は「外国じゃ珍しくないよ」と言いそうになるが、堪えて飲み込む。
「聖母(マリア)様なんて、素敵な名前をしているのに。言うことは辛辣だね」
「どうも」
 彼女は椅子を引いてスッと立ち上がった、
今まで読んでいた本を棚に戻しに行って、荷物を整理して帰る準備を整える。
「ためしに付き合ってみれば? 性格……いや価値観変わるかもよ」
 別に嫌いってわけじゃないんだろう? と悠二は続けるが、
彼女は頭を振って、僕の目を睨み付けて言う。
「いいえ、好きじゃないわ。彼のことも、父がつけた真理亜だなんて西洋被れな名前も」
 彼女は、にこっと笑って「ごきげんよう」と優しく続ける。
悠二は、また機嫌を損ねたかな、なんて頭を抱え込んでいた。

 帰路につくマリアは、勿論不機嫌だった。
感情を上手く伝えられない彼女はやはり不器用であった。
 白い吐息をかけて手袋ごしに自分の手を暖める。
そんな時、ふいに彼女の視線に入ったもの。
 『安売り』のロゴが入った無骨な看板。それに吸い寄せられるように、
スーパーの中にマリアは入っていった。
 時計の針が午後六時を示している。彼女は急いで売り場に向かった。
 無事目当ての物を入手した後、小走りで自宅に向かう。
父も母もまだ帰ってこない。台所を自由に使える。
「……彼の驚いた顔が浮かぶわ」
 元々、お菓子作りが趣味の彼女は実に楽しそうに『気持ち』を彩る。
しかしその実、凝り性なところが災いし、時間は去る様に経っていった。
「――いけない、あまり遅くなっても迷惑よね」
329無慈悲な聖母に抱かれ (3/4) ◆/7C0zzoEsE :2008/02/17(日) 23:47:43.93 ID:6+eygBwT0
 彼女は出来上がった品を適当に包装して、意気揚々と家を飛び出す。
と、同時に。
「おや、真理亜。今から何処へ行くんだい?」
「パパ……」
 実に間が悪いことに、玄関には父親が母と並んで立っていた。
「もう夜も遅いし、出たら危ないから駄目だよ」
「……貴方に迷惑はかけませんから」
「待ちなさい」
「うるさい! 急いでいるんです、離してください」
「真理亜!」
 母親が、語調を強めて彼女を叱る。
「貴女を思って言ってくださってるのよ。そのお父様に、何ですか
もっと相手の気持ちを思いやれる子になりなさい」
 彼女は母の言葉が悠二の言葉と重なった気がした。
そうしてうろたえる彼女を横目に父親が母を制した。
「いいんだよ、この年頃の女の子は皆そうさ。父親が嫌いになるんだよ。なぁ真理亜」
「いや、貴方が嫌いって訳じゃないけど……」
 クラスの女子に名前を馬鹿にされ苛められたなど、彼女は言えなかった。
それは、父親を最も傷つける台詞だと分かっていたからだ。
「真理亜、すぐに用事を済ませて帰るんだぞ。道が暗いから気をつけなさい」
 父親が彼女と母をなだめて、家に戻ろうとする。
真理亜の頭を撫でたその手は暖かくて、それで彼女も思わず、
「パパ! あの、これ!」
父親に声をかけていた。
330無慈悲な聖母に抱かれ (4/4) ◆/7C0zzoEsE :2008/02/17(日) 23:48:13.32 ID:6+eygBwT0
――――悠二が呼び出されたのは午後十時。
「女の子がこんなに夜遅くまで出歩くってのはどうなの」
「道に気をつけて歩いたからこけなかったわ」
 悠二は首をかしげた。そして、彼女に尋ねる。
「それで、どうしたの? 何か用があったんじゃ」
「ええ、どうしても今日しか渡せないものを作ってきたのだけど……」
「え……それって、チョ――――」
  マリアは、顔を真っ赤にして高揚する悠二の言葉を遮った。
「だけど……来る途中に父に会ってしまい、彼に渡してしまいました」
 悠二の顔がみるみるうちに、暗くなっていく。
それを見ていたたまれなくなった彼女は慌てて、直ぐに言葉を紡ぐ。
「それで、作り直す時間はありませんでしたが。それでも日頃のお礼という意味を込めまして」
 シュルっと、首に巻いていたマフラーを肌いて手に取る。
「これを受け取って頂きませんか? 嫌ですか?」
 今度は彼女の方が顔を真っ赤にしている。悠二は豆鉄砲を喰らったような顔をしている。
「――ウダイ。いや、ください! いただきます」
 悠二は普段の無愛想なマリアとの違いに胸が高鳴っているようだった。
彼女はひたすら恥ずかしそうに顔を俯いている。
「なんだか、普段と違って優しいから調子狂うな……。
マリアって名前が良く似合う、本当の女神様みたいだよ」
 言ってから、途端に自分の言葉に恥ずかしくなったのか、悠二も俯いてしまった。
マリアはそれを聞いて、嬉しそうに。本当に嬉しそうに。

                            <了>
331 ◆Kq/hroLWiA :2008/02/17(日) 23:48:25.92 ID:6KT6NE850
>>326
抜けてます
ザ・ハンドが削り取っていきました


嘘です。ミスです。
332以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 23:48:42.67 ID:6+eygBwT0
以上ッス。
なんかもう駄目だ。色々と駄目だ。
333以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/17(日) 23:49:47.68 ID:pfC8muRK0
例の規制でしょうか。

ひとまず◆h97CRfGlsw氏、どうぞ。

【順番】
◆VXDElOORQI氏
−−−異次元−−−
◆Kq/hroLWiA氏(抜け落ちた部分をどうぞ)
334慈悲をもってして(1/4) ◆h97CRfGlsw :2008/02/17(日) 23:51:43.47 ID:i5LN795e0
「ところで君、今日は何個貰ったんだい?」
 安物のソファーに体を投げ出して、学校帰りに漫画に読みふけっていると、台所でもぞもぞ作業をしている山田が唐突に言った。意識だけをそちらに向けると、山田のいる方からほのかに甘い香りが漂ってくる。
「……なんのことかわからない」
「なるほどね」
 ふっ、と鼻から空気の抜ける音が聞こえた。わかっているくせにあえて聞いてくるその根性が憎たらしい。おそらくこちらに顔を向けてニヤついているだろうので、これ以上掘り下げることはしない。
 言わずもがな、という感じにあしらわれてしまった俺はもう不貞腐れるしか他になく、漫画をぽいと床に放ってテレビのリモコンに手を伸ばした。適当にチャンネルを回すと、案の定、
『今年のバレンタインにおける、売上ナンバーワンのチョ――』
 などという、全くもって不愉快極まりない特集が組まれていた。いまいましいその洋菓子の名前が言い切られる前に電源を消し、リモコンを床に放って深く溜め息をついた。後を追うように、再び台所から鼻笑い。
「残念だったね」
「違うんだ。いくつか渡されたけれど全部断ったんだよ。俺、これまで隠してきましたけど実は甘いものが大嫌いだったのです」
「そんなことより、ちょっとこっちにきてくれないか」
 そんなこと。ええ、どうせそんなこと扱いですよ。つまり全ての同級生女子から「その他大勢」の烙印を押される悲しみなど、渡す側の人間にはどうやっても一生わからないのだ。
 ソファー越しに台所へ顔を向けると、山田がちょいちょいと手招きをしていた。溜め息を伴侶にしぶしぶ立ち上がり、さもめんどくさそうなそぶりで向う。小奇麗なシステムキッチンには、件の洋菓子たちが散らばっていた。
「この日に向けてブロックのものがずいぶん出回っていてね。だから少し手を加えて、久しぶりにチョ――」
「禁句。そのワードは禁句なんだぜ」
「おっと、これは失礼」
 耳を塞いでふるふると首を左右に振ると、山田は口元に手を添えて唇の端を持ち上げ、すっと目を細めた。鋭角的に整った輪郭と深い黒の長髪があいまって、山田にはそんな皮肉っぽい笑みがよく似合うのだった。
「久しぶりにこの……そう、黒い洋菓子。これに、ちょっと舌鼓でも打とうかなと思ってね」
 単語を変えて先程の言葉をつなぐ。山田は切り刻まれたブロックのひとかけらをつまむと、気取った仕草で上品に口に入れた。君もどう?と薄ら笑いでこちらに欠片を差し出してくる。ほとんど変わらない目線が忌々しい。
 目を逸らして、苦虫を噛み潰したような顔を作る。不機嫌を装う俺に山田が苦笑を向ける。悪かったよと肩をすくめる山田に、俺は鼻を鳴らす。いつものやり取り。行程はきっと、これからも変わらないのだろう。


 異性ながら、幼年の頃からずっと兄弟のようだった。お互いに性を意識するような年頃になると、山田はますます俺に合わせて男っぽくなっていった。だから、兄弟で間違っていない。正確には、姉弟なのかもしれないが。
 性別、という要素をなるべく排除することで、俺たちは関係を崩すことなく高校生活を迎えることが出来た。揃って風呂に入るとか、一緒に布団に入るとか、体に触れるとか。そういうスキンシップは、暗黙のうちになくなっていったが。
 周囲から見れば奇妙な関係だった。冷やかされることも多い。その度あいつとは腐れ縁、別になにもない、親同士が親密なだけ、そうやって誤魔化すことが、長年連れ添う間に不文律として成立していった。
 どちらかが均衡を崩せば、いとも簡単にどうにかなってしまう危うい関係の上に、俺たちは立っている。ただ、このまま何もしなければきっと、これからも何も変わらないのだろう。
 その前提の上で、このバレンタインという日は、特別な意味を持つ日となっていた。嫌が応にも異性を意識することになるこのイベントは、無視することも率先することも出来ない、かなり微妙な日なのだ。

 そんなこんなで、結局いつもどおり今日も山田の家にきてくつろぐという選択肢に甘んじて、今に至る。
 お互い、意図的に話題にすることを避けて避けてのバレンタイン。この日は、ある意味で俺達の関係を象徴するかのような日なのだった。
335慈悲をもってして(2/4) ◆h97CRfGlsw :2008/02/17(日) 23:53:34.65 ID:i5LN795e0
「で、なんの用だ?」
 そっぽを向いたままつっけんどんに言う。女の子が台所で件の洋菓子を展開しているのに、今更なんの用もくそもないのだが、このセリフも例年通りだ。山田も俺と同じように、涼しい顔で定形文を返す。
「信じられないが、今年も誰にすら相手にされなかった、かわいそうにも程がある人がいるらしくてね」
「なんと」
「だから、私が深い慈悲を持って」
 山田はそこで言葉を切ると、こちらに顔を向けて挑発的ににやりとほくそえんだ。目と目が合い、図らずもにらみ合いのような形になる。言い方を帰れば見詰め合う。だが、俺達の場合これはある意味牽制のようなものだった。
「まったく、毎年毎年情けない限りだよ」
「圧倒的余計なお世話」
「18にもなって誰からも好意をもたれていないなんてね。君が恥ずかしすぎて死なないよう、せめて私が気をまわしてあげないと。面倒だけれど」
「そういうお前だって、俺以外に渡せる相手いないんだろ? 貰っていただけることに感謝する必要があると思います」
「私は元々、こんな製菓会社の陰謀のような行事に興味がないだけさ。お返しにはちょっと心惹かれるけれど」
「月並みな言い訳だな。俺なら容赦なくお徳用パックの小粒をそこら中に拡散させる」
「そんなことをしたら私の高貴なイメージも拡散するじゃないか」
「自惚れに過ぎる。こいつの頭はどうなっているのか」
 べらべらと牽制球の応酬。お互いに、仕方なくというスタンスを崩したくないのだ。意地っ張りというか、強情というか。今までずっとこんな感じで過ごしてきたことで、もはやこれがスタンダードとなってしまっている。
 会話が止んで、微妙な空気が流れる。山田はじっと俺の目を覗き込んでいたが、しばらくするとやれやれと呟き、わざとらしく肩をすくめた後にブロックの解体作業に戻った。どうやら、俺の勝ちのようだ。
「……まあ、とにかくその素直ではない男に恵んでやろうと思うんだが、どうやら聞いたところによると彼は甘いものが嫌いらしくてね」
 山田は切り刻んだものをボウルにぶち込み、それをお湯をはったなべに浮かべた。表情筋をあまり動かさない山田だが、どうやら少しむくれているようだった。微かだが眉間がより、目尻が上がっている。鼻息が荒い。
 少し言い過ぎただろうか。後ろ頭をがりがりやりつつ、ヘラでものを撫で回して溶かす山田の後姿を眺める。というか何で俺を台所に呼びつけたんだと考えていると、唐突に山田が隅に置いてあった調味料の小瓶に手をかけた。慌てて腕を掴んで止める。
「落ち着け、今なら未だ間に合う。これ以上憎しみの連鎖を繋げてどうするというのか」
「君は甘いもの嫌いなんだろう?」
「ばよえーん」
「ならば一向に構わん!」
 瓶をひっくり返して中身のブラックペッパーを全てぶちまけようとする山田から、無理矢理それを引っ手繰る。甘いから辛くしようってそんなお前。山田は目を細め、じと目をこちらに向けてきた。悪かった、俺が悪かった。
「まあいい」
 山田はふんと鼻を鳴らすと、なべを電気コンロから退けた。ホッとしていると、山田はずいとこちらに接近してきた。体を引くと、山田はこちらをちらと一瞥して冷蔵庫の扉を開けた。中から小皿を取り出し、中身を台所に並べる。
「右からわさび、からし、コショウ、しょうゆ、ソース、ケチャップとなっております」
「なんと」
「今年は期待に沿えるよう前もって用意しておいた。惜しみない賞賛を」
「本当に夢みたいです」
336慈悲をもってして(3/4) ◆h97CRfGlsw :2008/02/17(日) 23:56:23.11 ID:i5LN795e0
 うつ伏せに、ばたりとソファーに倒れこむ。まさかこんなゲテもの食いを強要されるとは思っておらず、すきっ腹に甘味と辛味が溶け込んでなんとも形容しがたい気分になってきた。山田が口元だけで笑んでいる。
「どうした」
「君は俺の涙を見る」
「辛いものが好きなんだろう? 流石に全部は食べられなかったようだが」
 横たわる俺の上に座布団を敷くと、山田はその上にどかりと腰をおろした。先程まで俺が読んでいた漫画を手にとると、ぱらぱらとページをめくり始める。重い。黙れ。そんな言葉を交わして、会話が打ち止めになる。
 静寂の中、妙な雰囲気が出来上がってしまった。去年までは、適当に言葉を交わしてナニを渡し渡され、微妙な気まずさの中どちらからともなくその場をお開きにしたものだった。
 余計な要素でこの日を引き伸ばしてどういうつもりなのだろうか。腰の上に、座布団越しにある山田のおしりの感触に変な気分になりつつ、相手の出方を伺う。一定間隔で、頁をめくる音が響く。
「……君は」
 長い間を置いて、山田がぽつりと言葉を置いた。じっと黙って、話題の展開を待つ。しかし山田もそれきり黙り込んでしまったので、再び変な間が発生してしまった。なんだよ、と顔を上げる。漫画に視線を固定した山田の横顔が視界に入る。
「まあ、なんだ、その……本当に誰からも相手にされなかったのか?」
「だから全部断ったって言いましたでしょう」
「……そうか」
 山田は眉根を寄せると、ぎゅうと俺に体重をかけた。ぱらぱらと漫画を読んでいるようで焦点は絵の上にはなかった。いきなりなんだよ、と軽口を叩く。どうやら誤魔化していることに怒っているようだった。
「ちょっと退きなさい。あんまり虐めると禁止ワードをリリースしますよ」
 言っても頑として動こうとしない山田を、体を持ち上げて無理矢理退ける。ソファーに腰をかけ直すと、ぶすっとした山田がどかりと隣に陣取った。なんとなく空気を察しつつ、なお漫画を読み続ける山田に話し掛ける。
「漫画、逆さになってるぞ」
「……気がつかなかった」
「嘘付けよ」
「君程ではない」
「俺がいつ嘘をついたよ」
「君も私も嘘ばっかりだと思うが」
 山田がこちらに顔を向けて、ぱちりと目が合う。怒っているような困っているような表情で、俺は思わず顔を背けてしまった。触れるか触れないかという距離にある山田の体が、妙に生々しく感じられる。
「どういう意味だよ」
「……言葉通りの意味だ」
 じわりと、心臓全体から直接血がにじみ出るような感覚があった。ぱたりと漫画が閉じられる音がして、山田がソファーから逃げるように立ち去った。含みを持たせた皮肉っぽい会話が、俺達の常だった。言葉通り、そういうつもりなのだろうか。
 山田は台所に戻ると、先程火にかけていたなべを元の場所に戻した。ちらと盗み見るように山田のほうに目を向ける。頭に血が上っているのだろうか、長目の制服スカートから伸びる足が艶かしい。
「……私は、このまま嘘ばかりで過ごすのも悪くはないと思っている」
 山田が言う。こんな付け足しをすることが、いかにも普段の山田らしい。どうあっても誘い受けのスタンスなのだ。仕方がないから、慈悲を持って。暗に、お前に選ばせてやると言いたいのだ。
 山田はそういうつもりなのだろうか。例年通りのバレンタインになるだろうと踏んでいた俺は完全に置いてきぼりを食らってしまい、まんまと山田に主導権を握られてしまっている。こんな空気でなければ、山田は俺の顔を笑ったことだろう。
337慈悲をもってして(4/4) ◆h97CRfGlsw :2008/02/18(月) 00:00:36.36 ID:fHPyMmHf0
「……お前は嘘つきでいいのか?」
 おずおずと話し掛ける。山田は答えず、わざとらしい緩慢な動作でなべをコンロから退け、ボウル衣巾で拭っていた。これ以上は譲歩してやらないということなのだろう。全くもって憎たらしい。
「あのな、山田」
「そんなことより、こっちへくるといい。変なものを食べて口がまずいだろう」
 食べさせたのはお前だけどな。当たり前すぎて突っ込む余地もなく、話の腰を折られて俺は嘆息した。機先も制されるし、本当に今日は厄日だ。言われるままに俺は立ち上がり、山田の元に向った。
 山田は溶けたそれの入ったボウルを胸に抱え込み、そこに人差し指を突っ込んで舐めていた。熱くないのかと逃避っぽくそんなことを考え、倣って手を突き出す。しかし山田は、半身を捻って俺の手を拒んだ。
「誰がこれをやると言った」
「それしかないだろうがよ」
「これは私が舌鼓を打つためのものだ。欲しければ、ここ以外の場所から食べるがいい」
 山田は再び指を突き入れると、それを口に含んだ。苦虫を噛み潰したような表情でそっぽを向く山田に、俺は思わず苦笑した。まさかここまでやってくれるとは思っていなかったので、意外や意外というところだ。
 唇を薄っすらと黒くしたまま停止している山田が、なんだか可愛らしく思えるようになってしまった。俺は今日何度目かの溜め息を漏らし、後ろ頭をかいた。ここまでされては、もう。
「んじゃあ、遠慮なく」
 山田が目を細めた。俺はそれを確認すると、ふっと鼻笑いを置いて冷蔵庫を開けた。先程残したわさび入りのナニを取り出し、見せびらかせるように口に含んだ。俺が涙目で山田に笑いかけると、山田は表情筋を引きつらせた。
「甘いものは嫌いって言っただろ」
「……忘れていたよ」
 俺が軽口を叩くと、山田は肩をすくめて苦笑した。多分、この対応であっていたんだよなと俺は思う。なぜなら俺たちは、常に対等でいなければ気がすまないからだ。片方の優勢など、認められない。
 山田はボウルを脇に置くと、小さく、本当に小さく息を吐いた。その落胆振りに、このままでもいいといったのはお前だろうと内心思う。思いながら、俺は山田に顔を近づけた。


 不意打ちを返すことで、立場を対等に戻すために。






                                      (終)
                
338以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:00:56.87 ID:+xhBAnaM0
お疲れ様でした。

お待たせ致しました。
◆VXDElOORQI氏、はりきってどうぞ。

【順番】
−−−異次元−−−
◆Kq/hroLWiA氏(抜け落ちた部分をどうぞ)
339じひる(1/4) ◆VXDElOORQI :2008/02/18(月) 00:01:21.31 ID:KOI4PX/a0
 バンと勢い良くドアが開いた。またか……。とため息をついてからドアのほうを見ると、そこには
俺の予想通り妹が立っていた。部屋に入るときはノックをしろと何度も言っているのに、また勝手に
入ってきて。まったくしょうがない妹だ。
「今月の標語はっぴょーう」
 妹はまたわけのわからないことを言い出した。いきなり今月の標語と言われても。もちろん先月の
標語を俺は聞いたことがない。先々月のも、もちろんない。
「なんに対する標語なわけ?」
「私とおニィ。二人のに決まってるじゃない」
 勝手に決まっていた。
「私とおニィの今月の心がけというか、目標みたいな感じなんだよ。当たり前でしょ」
 勝手に当たり前にされていた。
「それじゃあ発表しまーす。じゃじゃーん!」
 妹が手に持っていた紙を俺に見せてくる。そこには『慈悲る』と書いてあった。
「……なんて読むの?」
「じひる」
「じひる?」
「ジヒルとハイド」
「二重人格?」
 正しくはジキルとハイド。
「うっ……私の中に眠るもう一人の人格が」
「大変だ! 早く精神科に連れて行かないと!」
「……お兄様、私新しいお洋服が欲しいの」
「どさくさに紛れておねだりしてる!」
「お兄様……ダメ?」
「お兄様よりアニキって元気に呼ばれるほうがいいな」
「アニキ! 服買って!」
「わあ! 便利な二重人格だな! というか多重人格じゃん!」
「慈悲深いアニキなら買ってくれるよね!」
「そこに慈悲が来るのね! 強引だな!」
「いいじゃん。慈悲れよ。アニキ」
340以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:01:34.08 ID:fHPyMmHf0
久しぶりに書いたけど、ううむ……
以上です
341じひる(2/4) ◆VXDElOORQI :2008/02/18(月) 00:01:53.17 ID:KOI4PX/a0
「だから慈悲るってなんだよ!」
「今月の標語です」
「なんに対する標語だよ! はっ! しまった! 振り出しに戻ってる!」
「以下無限ループ」
「勘弁して!」

 妹が言うには『慈悲る』ってのは、常に慈悲の心を持って、人に接しましょう。みたいなことらし
い。人に優しく。みたいな。そんな感じらしい。正直、よくわからない。
 慈悲の意味が、いつくしむとか、あわれむとか、なさけとか、そんな感じだから、人に優しくって
のも少し違う気がする。
 妹のことだから、『慈悲』って言葉の意味を正しく理解していないのかも知れない。なんとなく難
しい言葉を使ってみたかっただけとか。あと多分、これが一番の目的だと思うけれど、服を買って欲
しかっただけなんだろう。だからいつくしむとかなさけとか、そんな感じのニュアンスを含む言葉な
らなんだってよかったんだと思う。
 妹は俺に『慈悲る』の説明をしたあと、もう一度、服を買えと言ってきた。俺がきっぱりと断ると、
思いのほかあっさりと引き下がり、部屋を出て行った。
 出て行く直前。ドアの前で振り向き、俺になにか言いたそうな顔をしていたが、結局なにも言わな
かった。

 昔から妹は謝ることが苦手だった。
 そんなことを無残な姿になっているジグソーパズルを見ながら思い出す。あともう少しで完成する
はずだったジグソーパズル。それがもう完全にバラバラだった。一ピースもくっついていない。バラ
バラだった。バラバラ殺人事件だった。死んだの俺の心だ。
 自分の部屋で作らなかった俺が悪いのかも知れない。でも俺の部屋にはジグソーパズルを作るスペ
ースがなかった。だから単身赴任をしている親父の部屋で作っていたのだ。
「親父の部屋でパズル作ってるから入るときは気をつけろよ」とちゃんと伝えていたのに。
 あぁ、俺のノイシュヴァンシュタイン城が……。

 親父の部屋を出てリビングへ行くと、妹がソファに頭を抱えて座り「やっちまった……」と呟いて
いるのを聞いたからだ。
342じひる(3/4) ◆VXDElOORQI :2008/02/18(月) 00:02:26.92 ID:KOI4PX/a0
 そのあと妹は俺の気配に気付いたのか、一瞬俺のほうに振り向いたが、すぐに目を逸らした。
 これでほぼ確定だな。
「なにをやっちまったんだ?」
 俺はわざとらしくそう聞いた。
「おニィの日記読んじゃった。私のことそんな目で見てたなんて」
「どんな目だよ! というか俺、日記書いてないし!」
「おニィが大事にしてたフィギュアを萌えないゴミに出しちゃった」
「萌えるよ! いや! その前にフィギュアなんて持ってないよ!」
「え? 持ってないの?」
「なんだよその意外そうな顔は! 持ってないよ!」
「じゃあ私がこの前見た、セーラー服を着た人形を下からなめるように見てたお兄ちゃんは一体……」
「夢か幻だ! 俺が言いたいのはそういうことじゃないの! パズル! 俺のジグソーパズル!」
 ジグソーパズルって言葉に、不意に表情を暗くする妹。
「あれは、そのどのくらいまで出来たのかなって思って見に行ったんだけど、ほら、お父さんの部屋
って埃っぽいでしょ? だからくしゃみしちゃって。その風でぶわーバラバラーって」
「どんなくしゃみだよ!」
「ごめんなさい。でも本当にわざとじゃないの。つい悪戯したくなっちゃって」
「わざと過ぎる!」
「ごめんなさい。本当にパズルが乗ってた板にぶつかちゃって。それでパズルが落ちちゃったの。す
ぐに元に戻そうとしたんだけど、もうバラバラで……。本当だよ。今度はちゃんと本当。その、おニ
ィ……ごめんなさい」
 妹はぺこりと頭を下げる。
「本当?」
 妹は頭を下げたままコクンと首を縦に振る。
 俺は腕を振り上げ、妹の頭に向かって振り下ろす。
 その気配を察してのか、妹は体を強張らせる。
 その手をぽんと妹の頭の上に置き、クシャクシャと頭を撫でる。
「じゃあ許す」
 顔を上げ、妹は不思議そうな目をして俺を見上げる。
「まあ、そのなさけだな。なさけ。次からは気をつけろよ?」
343じひる(4/4) ◆VXDElOORQI :2008/02/18(月) 00:02:58.00 ID:KOI4PX/a0
「……うん」
 そう返事をしても妹はまだ不思議そうな目をしている。どうやらもう自分が考えた標語を忘れてい
るらしい。まったくしょうがない妹だ。
「だって、ほら今月の標語は『慈悲る』だろ?」
 妹はその言葉に表情をぱぁっと輝かせ、「うん!」と力強く頷いた。

おしまい
344以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:03:21.74 ID:+xhBAnaM0
お疲れ様でした。

◆Kq/hroLWiA氏、よろしければ不足分の投下をどうぞ。

【順番】
(了)
345風の行き先(4/5) ◆Kq/hroLWiA :2008/02/18(月) 00:04:17.05 ID:4DhVBjrt0
 
 光一が先頭を早足で進み、その後ろを、雛乃が幸助の乗った車椅子を押して着いてきている。道は舗装されて
おらず、砂利だらけの悪路に雛乃は悪戦苦闘していた。
 十分以上、緩やかな傾斜の山道を進んで、ようやく三人は目的地に到着した。
 そこは、それまでの雑木林が姿を消して、一面野原となっていた。野原は丁度山の斜面にあり、向こう側に
向かって、ゆるやかに傾いていた。広さは野球のグラウンドくらいはありそうだ。
 そこからは、山の麓の景色がよく見えた。そこにあったのは、今や瓦礫と化した広大な街の跡だった。
 およそ半年ぶりに見た景色に、幸助と雛乃は懐古の念を抱くかと思いきや、それ以上に彼らの注意をひきつける
モノが、そこにはあった。
 目の前に広がる草原に、場違いな何かが大量に並んでいた。その何かとは、木片や石など自然のものもあれば、
ビニール傘やサッカーボールなど、人工の物まで多種多様だった。それらが、皆地面に並べられ、何かを描いていた。
 雛乃は、車椅子を押して、地面に描かれたものが何かを知るため、見やすい位置に移動した。
「これは……」
 描かれた文字を見て、幸助は小さく呟いた。雛乃は驚きで目を大きく開け、思わず息を呑んだ。
 野原に書かれていたのは、「SOS」の三文字だった。
「二人をおどろかそうと思って、内緒で作ってたんだ。大変だったんだよ、完成させるの。けど、これで、
ヘリコプターが空を通ったら、きっと気づいてくれるよね!」
 そう言って、光一は満面の笑みを浮かべてから誇らしげに胸を反らし、鼻の下を人差し指で掻いた。指に付いて
いた土が鼻の下に付き、まるで髭が生えたかのように黒く汚れてしまった。
「あ、ウサギだ!」
 光一の視線の先、野原の隅っこに一羽の野うさぎが居た。ウサギを捕まえるつもりなのだろうか、光一はウサギ
の居る方へと駆けて行ってしまい、後には雛乃と幸助だけが残される。
「凄いですね、光一君。まだあんなに小さいのに……。この半年間、私達がただ無為に時間を費やしていた間に、
光一君は、こんなことを……」
 幸助の背後から、小さな溜息が聞こえた。
「私、嘘ついてました」
「嘘?」
「さっき、幸助さんにした哀しい話は、実は全部作り話でした。私、妊娠したことなんてありません。実は私、
処女なんです」
「…………」
346 ◆Kq/hroLWiA :2008/02/18(月) 00:05:51.90 ID:4DhVBjrt0
どうもすみません。
どうやら、先頭行を改行だけで書き込みしたのが原因みたい。
反映されなくて、抜け落ちたみたいです。
347以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:06:05.62 ID:+xhBAnaM0
何故皆さんは投下した後の一言を欠かさないのですか?

現在、週末品評会98thの投票受付中です。今回の品評会お題は『慈悲』でした。
投稿された作品は■まとめ http://yy46.60.kg/bnsk/ -週末品評会98th- にてご覧頂けます。
投票期間は2008/02/19(火)24:00:00までとなっております。

感想や批評があると書き手は喜びますが、単純に『面白かった』と言うだけの理由での投票でも構いません。
毎回作品投稿数に対して投票数が少ないので、多くの方の投票をお待ちしております。
また、週末品評会では投票する作品のほかに気になった作品を挙げて頂き、同得票の際の判定基準とする方法をとっております。
ご協力ください。
投票には以下のテンプレートを使用していただくと集計の手助けとなります。
(投票、気になった作品は一作品でも複数でも構いません)

******************【投票用紙】******************
【投票】: <<タイトル>>◆XXXXXXXXXX氏
               ―感想―
      <<タイトル>>◆YYYYYYYYYY氏
               ―感想―
気になった作品:<<タイトル>>◆ZZZZZZZZZZ氏
**********************************************
携帯から投票される方は、今まで通り名前欄に【投票】と入力してください。
たくさんの方の投票をお待ちしています。 
時間外の方も、月曜中なら感想、関心票のチャンスがあります。書き途中の方は是非。

それでは、またいつかお会い致しましょう。
348以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:08:50.14 ID:/dP0ddqc0
>347
おつかれさまです!
「あ、すいません」の「あ、」みたいなものです><
349以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:09:00.97 ID:X1cf7wS+0
御題を貰おうか。
350以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:09:31.62 ID:KOI4PX/a0
>>349
鯉の滝登り
351以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:09:35.65 ID:Q9NvPeo60
>>347
おつ!

>>349
かんぴょう巻き
352以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:09:50.54 ID:C163k7k/P
真珠を埋め込んだ、ヤクザのアレ
353以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:09:50.80 ID:/dP0ddqc0
>>349
死亡記事の捏造
354以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:10:07.02 ID:txhstM140
イカ
355以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:10:34.64 ID:yH6wDWhS0
みんな乙、中の人超乙!

俺にもお題を
356以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:11:14.74 ID:X1cf7wS+0
把握ぅ。
357以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:11:16.29 ID:1tzijCa30
皆さん乙でした!

>>355
栄養ドリンク
358以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:11:38.24 ID:C163k7k/P
恋人のアレ
359以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:12:05.83 ID:X1cf7wS+0
>355
香典
360以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:13:34.63 ID:yH6wDWhS0
把握ダヨ
361以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:21:56.80 ID:IVutQhWi0
お題ください。
三十分ほどでお題にそった自分の課題を書いて見ます。
362以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:22:37.34 ID:yH6wDWhS0
証言
363以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:23:37.31 ID:IVutQhWi0
>>362
いただきます、53分目安で書き上げてみます。
364以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:24:04.25 ID:1tzijCa30
>>361
ってことは一時くらいまでに投下かな?期待
365以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:25:19.16 ID:KOI4PX/a0
お題くれ
366以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:26:09.62 ID:NE2358aT0
原石
367以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:26:13.11 ID:J7uzbbDj0
>>365
青い花
368以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:26:21.40 ID:rSuLLRAJ0
>>365
故意(ID的に
369以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:27:03.04 ID:KOI4PX/a0
とりあえず把握
370以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:29:02.82 ID:/0MIjL3O0
じゃあ俺にもお題くれよ
371以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:30:52.22 ID:J7uzbbDj0
>>370
you are here
372以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:31:45.79 ID:/0MIjL3O0
ok,haaku
373以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:33:39.59 ID:1tzijCa30
全感って締め切りあったっけ?
あんまし遅く出すと場違い感がありそうだけど、水曜までここに書けなさげ…
374以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:36:22.26 ID:bnAtBczP0
>>347
お疲れ様です

>>373
別に問題ないです
375笹の葉サラサラ (お題:舟) 0/5 ◆IPIieSiFsA :2008/02/18(月) 00:41:17.39 ID:bnAtBczP0
ということで通常作品投下します。
5レス頂く予定です。
お題:舟
376笹の葉サラサラ (お題:舟) 1/5 ◆IPIieSiFsA :2008/02/18(月) 00:41:34.51 ID:bnAtBczP0
「こんにちわー!」
 古びた木造家屋の引き戸を開けて元気良く挨拶をすると、すぐに祖父母が出迎えてくれた。
 両親と祖父母が挨拶をしているのを尻目に、小学生の僕は家へと上がりこみ、居間へと向かう。
 果たしてそこには、二つ年上のタカちゃんがいて。
「おー、来たねー。久しぶり、元気だった?」
 僕の姿を見とめると、笑顔で聞いてきていた。
 僕はというと、一刻も早くタカちゃんに会いたくて先に家に上がりこんだというのに、いざ本人を目の前に
 すると照れてしまって、頷くくらいしか出来なかった。
「そっか。また一週間くらいいるんでしょ?」
 この問い掛けに対しても、僕は頷くだけ。
「じゃあ、今年もいっぱい遊ぼうね」
 弾けるような、という言葉が本当に相応しいタカちゃんの笑顔に、僕は頷くことすら出来なかった。

 小学生の頃は、夏休みになると毎年のように父の田舎へ帰っていた。
 従姉妹のタカちゃんに会えるのはその機会だけで、僕は夏休みが来るのをいつも楽しみにしていた。
 タカちゃんには、遊びながら色々な事を教えてもらった。
 近くの山では木登りのコツを教えてもらった。そのおかげで、帰ってから友達に自慢することが出来た。初めて
 カブトムシを捕まえたのも、タカちゃんに教えてもらってだった。昼の間に樹に蜜を塗って夜に確かめに行った
 わけだが、幼心にとてもドキドキした。
 川では魚を捕まえたり、笹舟を競争させたりした。笹舟もまた、帰ってから友達に自慢できたものの一つだった。
 川の上流には滝つぼがあって、タカちゃんに馬鹿にされながらも飛び込んだりして遊んだ。
 花火もしたし、一緒にお風呂に入って騒いで怒られたりもした。
 僕の田舎の思い出はそのまま、タカちゃんとの想い出だった。

 バスに揺られながらタカちゃんの事を思い出していたら、いつの間にか降りるバス停がすぐそこだった。
 網棚からカバンを下ろして、バスを降りる。
 以前来た時から十年。昔とは来る時期がひと月以上早いせいか、子供の頃に感じたよりも涼しい気がする。
 田舎の寂れたバス停は、時刻表があるだけで雨避けの屋根やベンチすらなく、昔と変わっていなかった。
 バス停から歩いて十分。祖父母の家が見えてきた頃、何やら騒がしいことに気づいた。
「お久しぶりです」
377笹の葉サラサラ (お題:舟) 2/5 ◆IPIieSiFsA :2008/02/18(月) 00:41:53.24 ID:bnAtBczP0
 玄関先にいた祖母に声をかける。
「ああ、ヒロちゃん。迎えに行けんくてごめんねぇ」
 祖母が申し訳なさそうに謝った。
「いえ、そんな事より。何かあったんですか? 騒がしいようですけど」
 その言葉に、祖母の顔に不安の色が浮かぶ。
「タカちゃんがねぇ、帰ってこんのよぉ」
「タカちゃんが?」
「朝、出かけてくる、ゆうて出て行ったっきり帰ってこんくて、連絡もないんよぉ」
 今にも泣き出しそうな祖母。
「知り合いの家やよく行く場所とかには、連絡してみたんですか?」
「したんだけんどねぇ、誰も知らんって言うのよ。最近、見慣れん車がこの辺りを走ってるゆうから、ばあちゃん、
 もう心配で心配で……」
 顔を覆って泣き出してしまった祖母の肩を抱き、家の中へと連れて行く。
 いつもタカちゃんが迎えてくれていた居間。だが、今は誰もいない。祖父も叔父夫婦もタカちゃんを探しているの
 だろう。
 僕もすぐに探しに行きたかったが、詳しい状況がわからないのと、祖母をこのままにしては行けなかった。
 一時間ほど経っただろうか。車の停まる音が聞こえたので、僕は玄関先へと出て行った。
 家の前に停まった車から、祖父と叔父夫婦が降りてきた。
「お久しぶりです。おじいちゃん、叔父さん、叔母さん」
 タカちゃんの事を尋ねたい気持ちを抑えて、挨拶をする。
「おお、ヒロちゃんか。よう来たのう」
「……ああ、ヒロくんか。いや、見違えたな」
「まあまあヒロくん、大きくなって……」
 祖父母とは去年、彼らが家に遊びに来たので会っているが、叔父夫婦と会うのは十年ぶりになる。
「タカちゃんが、行方不明だって聞いたんですが……」
「ばあさんから聞いたんか。そうじゃ、朝出かけたっきり帰ってこんでのう」
「親父、詳しいことは家に入って話そう」
「そうね。ヒロくんも、長旅で疲れてるでしょうし」
 叔父夫婦に促され、僕らは家の中へと入った。居間へ行くと、祖母が人数分のお茶を用意してくれていた。
「見つからんかったんねぇ」
378笹の葉サラサラ (お題:舟) 3/5 ◆IPIieSiFsA :2008/02/18(月) 00:42:43.66 ID:bnAtBczP0
 祖母が残念そうに言う。それでも、先程よりはだいぶ落ち着いたようだ。
 お茶を頂きながら、タカちゃんについて話を聞いた。
 まとめると簡単で、朝の八時くらいに出かけたタカちゃんが、連絡もなく帰ってこずで今――夜の七時――に至る。
 正直な話、まだ七時じゃないか、とも思う。誇れたことではないが僕なんか、連絡なく朝帰りした事だってある。
 もちろん、両親にしっかりと怒られはしたが。だから、そんなに心配することかな、と思う反面、田舎と都会の違
 いもあるしな、とも思う。
 僕が住んでる辺りで七時なんて、まだ小学生もうろついているような時間だが、この田舎では違う。なにより明る
 さが。都会はそれこそ不夜城の如く、明かりが耐えることなどないが、田舎ではこの時間、道を歩くのすら困難に
 なってくる。圧倒的に街灯の数が少ないのだ。それに伴って自然と人の生活リズムも早くなり、この時間にまだ帰
 宅していないというのは、それなりの騒ぎになる。
「それに今日はヒロくんが来るからって、あの子、とても楽しみにしてたから」
 叔母さんが不安を隠さない顔で言う。なおさら、連絡もないことが心配だということだろう。
「警察なんかには、連絡したんですか?」
「いや、いなくなったのが今朝だからね。さすがにこの段階で警察というのも。あの子だってもう大人だし」
 確かに。僕のイメージのタカちゃんはまだ子供だけど、僕の二つ上だからもう二十三歳。普通に社会人の年齢だ。
「明日、朝から探す。そんで、昼まで見つからんと連絡もないようだったら、警察に行く」
 祖父が力強く言った。その心根は、そんな事にならないようにという思いでいっぱいのはずだ。
 その夜は静かな夕食だった。僕にとっても田舎で過ごすのにタカちゃんがいないという、違和感のある食卓だった。

 朝食をとったらすぐに、皆でタカちゃんを探すことになった。
 祖母は家に残って連絡を待ち、祖父と叔父夫婦は町を探すそうだ。
「近くの山や川は探さないんですか?」
「大体は昨日探したんじゃ」
「それに、大人になってからはあの子も山や川には行かなくなってね。町によく出かけていたんだよ」
 祖父と叔父が言う。まあ、確かにそうだろう。タカちゃんだって、もう山や川で遊ぶ歳じゃないし、大人には大人
 の遊びというものがある。
「けどまあ、僕が町を探しても逆に迷子になりかねないし、やっぱりこの近くを探してみます」
「それもそうじゃな。すまんが、よろしく頼むの」
「せっかく遊びに来てくれたのに、迷惑かけるわね」
 叔母が深々と頭を下げる。親戚、それもタカちゃんのことなのだから、僕が力を貸すのは当然のことだ。
379笹の葉サラサラ (お題:舟) 4/5 ◆IPIieSiFsA :2008/02/18(月) 00:43:05.05 ID:bnAtBczP0
「気にしないでください。それより、探すのは十二時を目処にという事でいいですか? それ以降は警察に連絡をす
 るということで」
 全員が、沈痛な面持ちになる。
「そうじゃな。十二時になったら一旦、家に戻る。そして警察に連絡しよう」
 祖父が方針を決定する。
 そして僕たちはタカちゃんを探し始めた。

 付近を捜すとは言ったものの、明確な当てなどあるはずもない。僕にあるのはせいぜいが彼女と遊んだ記憶だけだ。
 遊んだ記憶、か。
 まずは、彼女とよく遊んだところを探すことにした。
 一緒に登った木や、カブトムシを捕まえた樹。子供の頃は大きく広く見えた山も、大人の足で歩いてみると、たい
 したことはなかった。せいぜいが小高い丘といったところだ。
 ここには彼女はいなかった。
 次に僕が向かったのは、魚捕りや水遊びをした川。ここは見通しがいいので、人がいればすぐに見つかるだろう。
 ここにも彼女はいなかった。
「ん?」
 立ち去ろうとした僕の視界に、岩に引っかかっている笹舟が写った。
「懐かしいな。誰かが遊んだのかな」
 僕はそれを拾い上げ、昔、遊んだ記憶を思い出す。
 と、目の前をもうひとつ、笹舟が流れていった。しばらく待っていると、またひとつ、またひとつ。笹舟が次々と
 流れて来る。
 いくらなんでも、と不審に思った僕は、川岸を上流へと溯って行く。
 上流へと進むにつれて、川の流れの中に大きめの岩が目立つようになり、ひっかかる笹舟も多くなっていった。
 この時、僕はなぜだか確信していた。この先に彼女がいると。
 上流を目指す僕目の前に、滝つぼが見えてきた。彼女とよく飛び込んで遊んだ場所だ。
 そしてそこには、両足を川に浸して座り込む女性。
 濡れないようにと、少しまくられたスカートの上に笹の葉を置いて、器用に笹舟を作っては川へと流す。
 初めて見る姿だった。
 昔は短かった髪も今では肩まである。真っ黒にして、まるで男の子みたいだった肌も白くなめらかに。すらりと伸
 びた手足、丸みを帯びた体のライン。どれをとっても、僕が知っている彼女じゃなかった。
380笹の葉サラサラ (お題:舟) 5/5 ◆IPIieSiFsA :2008/02/18(月) 00:43:25.15 ID:bnAtBczP0
 僕は、ゆっくりと彼女に近づく。
 彼女が気づいて、少しだけ瞳を大きくして、そしてにっこりと笑う。
「みんな心配してるよ」
「ごめんね」
 舌をちょろっと見せて、片目をつむる彼女。
「どうしたの?」
「久しぶりに会えると思ったらさ、こう、いてもたってもいられなくなっちゃって。それで二人でよく遊んだ場所を
 色々と巡ってたら、足をくじいちゃってね」
 そう言って、左足を水から上げる。確かに、足首の辺りが赤く腫れていた。
「僕を待たないで、一人で行っちゃうからそういうことになるんだよ」
 足首を見せることで露になった太ももにドキドキした僕は、それを隠すためにわざとつっけんどんな言い方をした。
「ホントだね。バチが当たったのかな」
 そう言って、けれど笑う彼女。
「じゃあ、帰ろうか」
 僕は彼女の傍に背を向けてしゃがみ込む。彼女も意図を察してくれて、背中に彼女の体重がかかる。おもった以上
 に軽い。
 そして僕は立ち上がり、川岸を下って行く。
「ねえ」
 背中の彼女が話しかけてくる。
「お姫様抱っこはしてくれないの?」
「まだしない」
 僕のこの返事に彼女はしばらく無言だったけれど、「じゃあ待ってるね」と、耳元で囁いてきた。
 これだけで僕は照れてしまって何も言えず、ただ頷くだけだった。
 お互い無言のまましばらく歩いて、祖父の家が見えてきた頃、彼女が「あっ、そうだ」と何かを思い出したように
 小さく叫んだ。
 僕が何事かと待っていると、彼女は僕の胸に回した両腕にぎゅっと力を入れて、抱きしめるようにして言った。
「久しぶり、元気だった? ヒロくん」
「元気だったよ、タカちゃん」
 僕は、初めて彼女の挨拶に返事が出来た。
                       ―完―
381以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:43:52.74 ID:bnAtBczP0
はい。以上でした。
では失礼致します。
382以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:45:44.69 ID:yH6wDWhS0
そういや数回前の全館が途中になってて、
結局投下せずじまいになってるんだよなぁ…
383以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:48:19.29 ID:Q9NvPeo60
品評会一覧これでおk?
抜けがあったらスマン。訂正たのむ

No.01 優しさ 1/1 ◇/sLDCv4rTY
No.02 摩擦 1/4 ◇5GYXdMXqOs
No.03 キュア 1/5 ◇p/2XEgrmcs
No.04 生首 1/5 ◇ka4HrgCszgN
No.05 月のマリア 1/5 ◆gNIivMScKg
No.06 選択1/2 ◆CFP/2ll04c
No.07 清算/凄惨 1/3 ◇p/4uMzQz/M
No.08 満月の夜に 1/5 ◆7BJkZFw08A
No.09 無慈悲 1/5 ◆Sd8w25k53w
No.10 不可の黙々1/2 ◆LBPyCcG946
No.11 朝焼けに降る今日、その弟は1/2 ◆fSBTW8KS4E
No.12 慈悲=無慈悲 1/5 ◆pxtUOeh2oI
No.13 慈悲 1/2 ◆lnkYxlAbaw
NO.14 海流瓶 1/4 ◆oOy5b7baSU
No.15 如月ミキの場合 1/4 ◆gtyBrNPylc
No.16 料理 1/2 ◆yMe.v0PE8c
No.17 ちょこっとlate 1/5 ◆zsc5U.7zok
No.18 善良王1/4 ◆ptNT0a7knc
No.19 この心とは心にあらず 1/3 ◆VrZsdeGa.U
No.20 にたものどうし1/5 ◇tGCLvTU/yA
No.21 慈悲の性女 1/4 ◇0CH8r0HG.A
No.22 所詮友情は三日間 1/5 ◆cwf2GoCJdk
No.23 風の行き先 1/5 ◆Kq/hroLWiA
No.24 誰かの慈悲 5/5 ◆/73ORiYgDY
No.25 無慈悲な聖母に抱かれ 1/4 ◆/7C0zzoEsE
No.26 慈悲をもってして 1/4 ◆h97CRfGlsw
No.27 じひる 1/4 ◆VXDElOORQI
384以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:49:54.71 ID:51rHT0fo0
>>383
おk、ありがとう

品評会転載完了

>>347
いつもおつかれさまです。
385以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:55:40.44 ID:1tzijCa30
>>374
d 頑張って感想書いときます。そして>>375-380の感想です。

期待通りの展開で安心しました(笑)
オチはわかってたから、せっかくならタカちゃんとヒロの関係描写がもっとあってもよかったなぁなんて。
淡い恋愛感情を抱くきっかけになったエピソードとか。そしたら「お姫様抱っこ」も不自然に感じなかったかも。
文章はすんなり読めました。すごく読みやすかったです。
386以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 00:56:14.33 ID:yH6wDWhS0
モーレツまとめ乙です

なんだかんだいって30弱出たねぇ
387全感 ◆pxtUOeh2oI :2008/02/18(月) 00:59:23.67 ID:Q9NvPeo60
「みなさん、俺はこう思ってるんです、全感は素晴らしいものだと。作者のいままでの記憶、
 経験! さまざまな作品との触れ合い! 新しい体験が人生の経験になり得難い知識へと昇華する!
 しかし読了までの精読時間は正直面倒です、その行程、さる規制解除さえしてもらえれば破壊的なまでに短縮できるゥ!
 だから俺は全感が大好きなんです!! 聞いてますかみなさん、みなさァァァ〜〜〜〜ん!」
「ハァァ〜〜〜! 0時間55分03秒〜 また世界を縮めた…ァ!」

速さだけがとりえの全感いっきま〜す。
388全感 ◆pxtUOeh2oI :2008/02/18(月) 01:00:21.63 ID:Q9NvPeo60
No.01 優しさ 1/1 ◇/sLDCv4rTY
イミフ……。品評会の作品の中で、一回ごとに見るととても異質な作品なんだが、
前回のなめくじ男を読んでいると、同じものを2度読まされた気分。
どっちが上というわけではなく、異質だと言うだけで変化が感じられない。
結局、何が言いたいのだろう? で終わってしまう。俺には理解できません。

No.02 摩擦 1/4 ◇5GYXdMXqOs
1レス目、何が言いたいのかわからない。最初の2行だけあれば十分だと感じた。
「以外」という言葉に意味を持たせたいのならそこをもう少し説明すべきだと思う。
持ち方が気に入らないので、分解するのはおかしい。形や持った感覚が気に入らないとかじゃないの?
ミミヅはわざと? わざとだとしてもそうした理由が良く分からない。
視点が変わるのは許せるが、みんながみんな「以外」を同じ定義で使うのはおかしいと思う。
それと自殺した奴の机に菊の花って本当に置くのか? いじめの対象だということを表しているように感じるのは俺だけだろうか。
そういえば慈悲はどこいった?

No.03 キュア 1/5 ◇p/2XEgrmcs
上手いんだけど、あまり好みじゃない。慈悲という何かは感じた。
女の睡眠時間少なすぎじゃねと思うぐらいしか不満もない。
あと、ちょっと殴られる頻度が多すぎかな、これだと顔が変形してそう。
No.04 生首 1/5 ◇ka4HrgCszgN
幽霊が存在する世界なら、別に孤独じゃなく他にも仲間がいるんじゃないだろうか。
特に悪いとこもないが、特に感じることもない。平坦な感じだった。
改行をもう少し早くすると、読みやすくなるかも。

No.05 月のマリア 1/5 ◆gNIivMScKg
説明が助長に感じた。もう少しまとめられないだろうか。
必要だと言えばそうだが、説明が長いことでその後の本題が薄く感じられる。
せっかく月にいるんだから、そのことを強調した描写も欲しい。重力1/6でジャンプするとか。放射線がどうとか。
5レス目の最初のセリフ、その前でやっとのことでとあるのに、いきなり流暢に話しだしたことに違和感あり。
無神論者を国の伝統というのもちょっと違う気がする。たぶん日本出身なんだろうけど、伝統ではないよね? 一応、仏教徒だし。
389全感 ◆pxtUOeh2oI :2008/02/18(月) 01:00:49.86 ID:Q9NvPeo60
No.06 選択1/2 ◆CFP/2ll04c
数学者に幻想を見すぎではないか?
集中するときはすごいけど、普段は社交的な人が多いと思う。
一日中机に座ってるというのも、あまり聞かない。散歩好きな人が多いと思う。
大学の池を埋め立てるのに、反対したのは、みんな数学者だったという逸話もあるしw
現代の難問を一人で解くというのも厳しい、情報交換なんかが必要なんじゃないだろうか。
漫画のQ.E.D.のリーマン予想の回とダブってしまった。読んでなかったらスマンけど。
最後に、自殺する為かもしれないけど、妻が銃を持ち出すのもどうかと。包丁ぐらいが良かった気がする。
海外の話なんだろうけど。慈悲は最後のバイオリンか。

No.7 清算/凄惨 1/3 ◇p/4uMzQz/M
>「いっ……」
> てぇえええええええええええええええええええええええええ。
この表現が微妙、祐二視点ならともかく、今回は普通に「」に入れるべきだと思う。それともただの間違い?
音信が途切れるって言っても、メルアドと番号ぐらい誰か友達に聞けばわかりそうなもんだが。
酔っぱらってるセリフと、冷静な地の文に違和感あり。慈悲というのは感じられた。

No.8 満月の夜に 1/5 ◆7BJkZFw08A
>あなたが死ねば、化生は檻を失い、また外に出て災いをなすわ。そうしないためにスズシロは化生をその身体に飼い続けてきたのよ……!
>化生はハスミという檻を失っても再び世に出ることは無かった。
これは結局どゆこと? これが神様の慈悲ということなのか?
最初の方でハスミが満月を気にしてるのは、内に秘めた何かと関係があるという意図を持ったことなのか?
男の子の方が変身するのかと思ってたから、一応は裏切られて良かった。
ちょっと説明口調のセリフが多い気がしたが、仕方がないかな。

No.9 無慈悲 1/5 ◆Sd8w25k53w
こんな危ない兵器使い物なんねよw
話しは良い。ただイマイチ盛り上がりに欠ける。
何が悪いかは良く分からない、もう少し長く書いてあった方が良いのかも
さらっと始まって、さらっと終わりすぎた。
390全感 ◆pxtUOeh2oI :2008/02/18(月) 01:01:13.31 ID:Q9NvPeo60
No.10 不可の黙々1/2 ◆LBPyCcG946
>ちょっとした矛盾であるが、元々世界は矛盾に満ちているのだから、今更1つくらい増えた所で。
切るところに違和感あり。増えたところで問題はない、と続くのかもしれないがいきなり切られたように感じた。
というか、全体的にまどろっこしくて何が言いたいのかわからない。慈悲はいずこへ?

No.11 朝焼けに降る今日、その弟は1/2 ◆fSBTW8KS4E
>「でもね、こんなに悪いことが起こるのは、私に悪霊が憑いているからなの」
「〜憑いていたからなの」じゃない、もう除霊したのなら、細かいけど。
自分が新興宗教にはまってる自覚があるのに、弟に勧めるのもおかしい気がする。
個人的なことだが、僕と書かれると小学生にしか見えない。これが小学生でないことは
わかるが、この話の主人公たちの年齢はいくつぐらいなのだろう。慈悲については良くわからなかった。

No.12 慈悲=無慈悲 1/5 ◆pxtUOeh2oI
自分のなんでパス。長くリズム感のある文章が書けない……

No.13 慈悲 1/2 ◆lnkYxlAbaw
>「ぶひー」
なんて言う奴はさすがにいないだろ……
>「どうかお慈悲を」
これもない。お題だから使ってみたのかもしれないけど、後半のだけで十分だったと思う。
話しは微妙。ただのDQNを書いただけという感じ。

NO.14 海流瓶 1/4 ◆oOy5b7baSU
>彼女から時々着信があったが私が電話に出ることはなかった。「強引すぎた」といった彼女。
なにが強引だったの? コンサート行っただけだよね?
なんで電話でないの? なんでいきなり実家に帰るの?
海流瓶の話はどこへ? 慈悲はどこに関係があったの?
391お題 証言台:2008/02/18(月) 01:01:39.61 ID:IVutQhWi0
投下します。1レス
392全感 ◆pxtUOeh2oI :2008/02/18(月) 01:01:45.52 ID:Q9NvPeo60
No.15 如月ミキの場合 1/4 ◆gtyBrNPylc
森博嗣のマガタ博士の話、読んだことある?
あってこれなら、劣化コピーとしか思えない。ないならスマン。
>二人とも不自然なほど真横を向いて、笑顔ではきはきと言葉を投げかける。
これはおもしろいことはおもいろいけど、姑息な感じ。小説としてではなく、一発ギャグのように感じた。
天才と呼ばれる人の奇行と、キチガイの奇行の差がわかってないように思う。
個人的な考えだと、天才はしっかりとしたベクトルを持っているから突っ走り過ぎて、常人には奇行に映るんじゃと思ってる。
今回の話だと、それっぽいことを言うキチガイにしか映らない。
言うのは簡単だが、書くのは難しいけどね。俺も書けないし。

No.16 料理 1/2 ◆yMe.v0PE8c
どの辺が慈悲? 兄が妹のために人を殺すところ?
わざわざハンバーグにする理由がわからない。
一応、恋人だから体の一部にしてあげようというのが慈悲なのか?
ただ、俺は人体バラバラ系が苦手だから真面目に読んでない。感想は他をあたってくれ。

No.17 ちょこっとlate 1/5 ◆zsc5U.7zok
これは発想が面白い。ただ、民主党は架空の党にしてやれよw

No.18 善良王1/4 ◆ptNT0a7knc
発想は良いが、なんか無理がある気がしないでもない。
土地を取られるのに、善良王なんて呼ぶ隣国がやばすぎる気がする。
王が打算で動いていることを隠して最後にバラした方が楽しめたかも。

No.19 この心とは心にあらず 1/3 ◆VrZsdeGa.U
侍従の「……その際は、あなたを殺めてでも、その行為を止めます」のセリフが何でそんなに必死なのか良くわからない。
舞台設定自体が良く分からないが、男はお釈迦様ということなのだろうか。
最後の文は良いわけっぽいなあ、小説で伝えられないから説明文で、みたいな。
蜘蛛の糸について個人的な考えだと、お釈迦様は暇だったからカンダタで遊んだんじゃないかw
393全感 ◆pxtUOeh2oI :2008/02/18(月) 01:02:18.30 ID:Q9NvPeo60
No.20 にたものどうし1/5 ◇tGCLvTU/yA
良い話だな。てかずるいな、捨て猫とか。思わず入れたくなっちゃうじゃないか。
感想としては、これは慈悲か? 慈悲というより、助けあいのような感じがする。
猫が拾われてやるという、猫方面からの擬似的な慈悲を表してるのかな?
改行をもう5文字程度早くしてくれるありがたいが、俺の環境が悪いのかも知れん。

No.21 慈悲の性女 1/4 ◇0CH8r0HG.A
おもしろい。重い雰囲気だったのに、いきなりパンツが出てくるのが良い。
慈悲か? と言うとちょっと違う気がしないでもないが、良かった。
遺族の感情がちょっと無理やり平和にしてるように感じたかな。

No.22 所詮友情は三日間 1/5 ◆cwf2GoCJdk
>この子は言葉を話せないのだろうかといぶかった。
異星に来ておいて、言葉が話せないはないだろう、まず言葉が通じるかを疑うんじゃないか?
どこでも同じ言葉で通じる世界なら、そのことについても最初に説明が欲しかった。
悪くはないんだが、読みにくい。改行と変換をもう少ししてほしい。
ひらがななのは、雰囲気を出すためだろうけど、読みにくいと本末転倒。

No.23 風の行き先 1/5 ◆Kq/hroLWiA
慈悲は? 話もとびとびで、結局、何が言いたかったんだろう?
雰囲気は悪くないけど、おもしろいと思えるところはなかった。
>のどかな午後がそんな感じで一時間ほど
ここの“そんな”にちょっと違和感。静かな雰囲気が崩れてしまった気がする。
SOSうさぎの話をもう少し作って、それを女の人の生い立ちに合わせたりなんかすると良いかも。
現状では、SOSうさぎ云々はあってもなくても変わらないように思える。

No.24 誰かの慈悲 5/5 ◆/73ORiYgDY
知っているだけで、変えることのできない未来なら神様がいてもいなくても一緒なんじゃ?
が男に使命を与えることまで、さだめられた運命なのかもしれないけど。
深く考えると矛盾がありそうな気がする。
394以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 01:03:18.14 ID:yH6wDWhS0
さる…
395全感 ◆pxtUOeh2oI :2008/02/18(月) 01:03:25.60 ID:Q9NvPeo60
No.25 無慈悲な聖母に抱かれ 1/4 ◆/7C0zzoEsE
女の子の次に、出てきた友人キャラが男だった段階でオチがわかってしまう。
NGワードのチョコレートもただ使わなかっただけで、少しの工夫はあったが、特に面白味もない。
慈悲についても最初の方でちょっと使っただけだよね。
つまり何が言いたいかと言うと、ムカツク! 氏ねバレンタイン!

No.26 慈悲をもってして 1/4 ◆h97CRfGlsw
氏ねバレン(ry
上でも言ったけど、NGワードのチョコレートを使わない工夫が足りない。慈悲についても微妙。
物語の中で、ではなく、メタ的に品評会のルールだから使わないというのが出てしまって微妙。
NGワードにするなら、男友達同士で、その言葉を使ってはいけないルールを作ってるとか、物語中で完結すべき。
「禁句。そのワードは禁句なんだぜ」いきなりこんなこと言われてもわからんよ。
話しの流れもそのまんま過ぎて、二つ続けて読まされるこっちの身にもなれ! 別に二人とも悪くないけどな!

No.27 じひる 1/4 ◆VXDElOORQI
普通。トリを見て期待してしまったからなのか、微妙で普通だった。
悪いところもないけど、良いところもない。
言葉遊びみたいのは、ちょっと面白かった。

総評:今回、どっかで見たような話が多くて、イマイチ楽しめなかった。
お題の慈悲についても、結局、わからずじまいで、スゲーってのが無いように思える。
今回、くらめの話しが多くて、
俺が明るい話(否恋愛)が好きだから、肌にあわなかったのかもしれない。
お題が難しかったから、参加者が少なかったんだろうか?
氏ねバレンタイン!

>>391
ごめんね。あと1レスだからちょっと待って
396 ◆pxtUOeh2oI :2008/02/18(月) 01:03:57.04 ID:Q9NvPeo60
******************【投票用紙】******************
【投票】: No.21 慈悲の性女 1/4 ◇0CH8r0HG.A氏
           ―感想―
      これが一番、楽しめた。発想勝ち。
     
気になった作品:No.17 ちょこっとlate 1/5 ◆zsc5U.7zok氏
           ―感想―
        これが二番目に面白かった。発想勝ちツー。
        No.20 にたものどうし1/5 ◇tGCLvTU/yA氏
           ―感想―
          ぬこ。(悪い点で)気になるとこが特にないと思った。
        
**********************************************
おしまいです。
397お題の品 証言台:2008/02/18(月) 01:04:45.08 ID:IVutQhWi0
こめかみの血管を伝う血液の感覚が、顔の皮をドクンドクンと引っ張りあげる。首の筋肉が絞り上げられ、首筋がバイオリンの弦のように張り詰められる。
唾液が口内にたまり、意識して飲み込む。肺は無意識に動くのやめ、意識を集中しなければ空気を吸い込むまなくなってしまった。私は無理やり空気を吸い込み
、慎重に吐き出す。鼻腔を通る空気の音がコンプレッサーのような轟音で鼓膜を震わせ、私の周りにも同じような大音量で流れていくように感じる。
手は私の意志に支配されるのをやめてしった肉塊のようにだらしなく両肩からぶら下がり、足は地面に刺さった棒くれのように微動だにしない。
目に写るのは何の変哲もない机や壁なのに、今まで見たこともない異形の机に見えるし、木目の一つ一つでさえ私にらみつけるような目に見える。
「証人前へ」
ありったけの意識を棒くれになった足に集中する、今まで自分がどうやって歩いていたのか不思議でしょうがない。右足の股関節がこすれぎしぎしと動き出した。
続いて体の軸が前へと傾く。革靴を履いた足首が前方へ踏み出され、擦り切れた絨毯の上へと着地する。次は左足、そして右足。肉塊となった腕が思い出したかの
ように前後に振り動いた。肺が酸素を求め、凄まじい音とともに吸引しはじめる。こめかみの血管は破裂しそうな勢いで血液を流し込む。
「もう少しだ、もう少し――」
私を犯したあいつに、私自身が止めをさすこの瞬間をどれほどまったことか。酸欠で真っ赤な顔になった私は思い出したように呼吸を再開し、いつたどり着くともない
証言台という名の恥辱の席に向かう。こめかみの血管は悲鳴をあげ、肺は無意識に動くことをやめ、手は肉塊になり、足は棒くれだ。
私が犯されたあの時と同じように――
398お題の品 証言台:2008/02/18(月) 01:06:26.89 ID:IVutQhWi0
終了。
時間オーバーしてしまいました。
目指したのは主人公の感覚を強調して表現してみたかったことです。
399以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 01:12:03.78 ID:fkuX+TOM0
>>396
あいかわらずおまえさんは毎回毎回作品書いた上できっちり全感もして素晴らしい男だな
心から乙と言おう
400以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 01:13:21.86 ID:z1dVS5OK0
>>396
クーガー兄貴乙
401以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 01:13:55.36 ID:Q9NvPeo60
>>399
卒業を控えた大学生はとっても暇なんだぜ
4月まではがんばるつもりだ、飽きなければだけど
402以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 01:25:03.89 ID:1tzijCa30
>>396
全感乙!かこいいよ…そして卒業確定うらやましす。

>>397
感覚を強調するって言う試みはよくわかったし、緊張感は伝わってきた。
ただ誤字が多過ぎる気が…時間決めて投下する場合でも、見直しはした方がいいと思うな。
1レスなのにちゃんとオチてるのは素敵です。
403以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 01:29:36.45 ID:uKCeGsQC0
>>401
社会人になったら尻ポケットに財布入れんなよ。
スラックスすぐ駄目になるからな、おやすみ
404以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 01:31:47.76 ID:rSuLLRAJ0
スーツとは無縁の社会人参上
405以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 01:33:32.41 ID:C163k7k/P
>>396
全感乙〜
406以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 01:46:27.78 ID:X1cf7wS+0
そういえば、スーツのケツ部分のテカリはどうすれば防げるのだろうか。
407以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 01:48:54.10 ID:C163k7k/P
>>406
アイロンかけた?
408以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 02:26:38.76 ID:1tzijCa30
捕手
409以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 02:30:11.93 ID:yH6wDWhS0
>>381
恐らくだが、祖母の言葉は中国地方あたりの方言だろうか。
味があっていいんだけど、それに続く祖父や叔父夫婦の台詞には
ほとんどそういったものが見られなかったので、違和感があった。
叔母は嫁いできた身、とかも考えられるけど。
そして最も引っかかったのは、「僕」が10年ぶりに祖父宅を訪ねた理由。
親戚の家を訪ねるのに深い理由は要らないかもしれないけど、
あらかじめ連絡を入れていたようだし、何か簡単な説明があれば
よりリアリティーが増すかと。
文章は読みやすかったし、安心して読みすすめられた。
欲を言えば、少年時代の二人だけが共有したエピソードをもう少し織り交ぜれば
もっと面白いくなるかなと思った。
関係ないけど、先日従兄弟の結婚式で10数年ぶりに会話したんよ。
うん、なんか、昔に戻りてぇ…

>>398
濃密な描写。短い時間の出来事(本人にとっては長いわけだけど)を
濃すぎるほど書けている。そういう力はあると思う。二度三度と言葉を
繰り返すときは、同じような意味の別の語彙を用いたほうが見栄えが
よくなることもあるかも。
ただ中身はあまりないかと。内容自体は重いテーマを扱っているし、
濃い描写とあいまって裏にある話を色々想像できる面白さはあるけども。
このあとどうなるんだろうね。証人ってことは、当該案件で争ってる原告や
当事者じゃないだろうし。しかし被告にただならぬ恨みをもってるのか。
恨んでるってことは、自分の件に関してはまともな裁判が行われてない…?
考えれば考えるほど深い。
410以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 02:40:14.17 ID:dDWElWV2O
お題ください
411以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 02:41:39.93 ID:hfR/J1DH0
おまん○
412以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 02:41:46.60 ID:fHqmZeJcP
>>410
待ち時間
413以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 02:43:40.92 ID:yH6wDWhS0
朝もや
414以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 02:46:36.28 ID:dDWElWV2O
>>411->>413
把握
415以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 03:05:19.43 ID:1tzijCa30
416以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 03:18:35.91 ID:1tzijCa30
417以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 03:21:53.79 ID:HcCLBQI/0
お題ください
418以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 03:24:28.79 ID:YYviG6s70
友達以上恋人未満
419以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 03:25:48.07 ID:HcCLBQI/0
>>418
頂きます
420以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 03:49:52.79 ID:JP1CqZAf0
おだいくりゃれ
421以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 03:51:09.84 ID:1tzijCa30
>>420
キムチ
422以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 04:16:46.90 ID:1tzijCa30
423以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 04:27:03.90 ID:1tzijCa30
424以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 04:33:53.32 ID:K1e1W3xh0
推理物書きたいので何かお題ください
425以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 04:36:52.83 ID:C163k7k/P
時刻表
426以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 04:41:15.68 ID:K1e1W3xh0
>>425
はあくした
427以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 04:41:31.12 ID:1tzijCa30
そろそろこのスレに張り付いて12時間が経過します
428以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 05:06:57.85 ID:1tzijCa30
論文書きながらVIPを見てると、結局あんまり進まない
429以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 05:26:36.40 ID:1tzijCa30
進まないのに結局見ては書き込んでしまうこの悲しさよ
43011番:2008/02/18(月) 05:38:15.89 ID:+Ip3qaIIO
>>396
全感おつです、そして感想ありがとう

姉は弟を本気で勧誘したいわけじゃない
弟なら他人よりもまともな反応してくれると考えている
みたいな感じだった
僕を使うのは、地の文が楽だから
言い訳スマン

お題くれ、3つ
431以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 05:48:25.07 ID:1tzijCa30
>>430
ふりかけ
432以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 05:50:08.10 ID:+Ip3qaIIO
>>431
把握した
誰かあと2つくれ
433以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 06:05:15.36 ID:/I58/V1R0
柿の種
434以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 06:07:24.92 ID:OCSMITAV0
>>432
位牌
435以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 06:12:46.42 ID:+Ip3qaIIO
>>433-434
把握したぞ
436以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 06:36:55.95 ID:1tzijCa30
ねむ…保守
437以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 07:13:21.54 ID:tyz0LZ5E0
帰ったら頑張って全館でもまとめるか保守
438以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 07:37:28.93 ID:JP1CqZAf0
:.:.:/:.:.:. /:.:.:.:.:.:.:/:.:.:∧ハ:.:.:.:ヽ
:.:.i:.:.:.:.,'.:.:.:.:_:∠:.:∠ l 、}:.iヘ:.:..',
:.:.|:.:.:.:.l:.:.:./ //    l/ト∧:.l
:.:.l:.:.:.r‐v′-──  ─-∧:l/ .。o(保守なのだ)
:.:.i:.:.:.{ `Y 、、、、    、、〈 リ′
:.U:.:.ゞ‐t_         ノ 
:.:.!:.:.:.:.:.//\  t‐セ´         
:./:.:.:.:./ヽ  ヽ入:{          
:':.:.:/   ヽ /父\
439以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 08:10:56.00 ID:1tzijCa30
おし,保守ラスト!学校いてきます
440以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 08:46:50.54 ID:EJNzQteP0
保守
441以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 09:40:02.28 ID:eR3iVi1T0
あばば保守
442以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 09:42:02.31 ID:FJxQSmKf0
韓国文化放送がSMAPコンサートをパクりんちょ
動画サイト等に検証動画がアップされMBCの露骨な著作権侵害が問題になっている
なお、MBC側は「参考にしていた」ことは明らかにしているが盗作は認めておらず謝罪もしていない

Youtubeの検証動画
http://jp.youtube.com/watch?v=ztS_kArT0IU
443以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 10:07:59.56 ID:+Ip3qaIIO
保守したる
444以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 10:34:44.72 ID:QC34Z4p+0
お題plz
445以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 10:35:46.16 ID:/0MIjL3O0
ストロボ
446【品評会】海流瓶 5/4 ◆oOy5b7baSU :2008/02/18(月) 10:38:54.72 ID:QC34Z4p+0
>>445
把握ありがとう
447以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 10:47:35.73 ID:QC34Z4p+0
>>446
コテハン記憶されてた。すいません。
448以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 11:24:44.17 ID:+Ip3qaIIO
ありおりはべりいまほしゅり
449以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 12:13:47.82 ID:U9dEgzSiO
ほす
450以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 12:44:36.85 ID:/0MIjL3O0
451以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 13:13:45.67 ID:U9dEgzSiO
452以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 13:57:18.24 ID:H9dByezzO
453以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 14:03:46.12 ID:NE2358aT0
見てキノ
ほが沢山並んでいるよ
454以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 14:06:36.47 ID:JP1CqZAf0
>>453
IDの数だけ背筋しろ

もっかいおだいくださいな
455以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 14:07:47.26 ID:+Ip3qaIIO
メタ認知
456以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 14:08:53.80 ID:60f8hxqo0
入れ子構造
457以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 14:18:11.98 ID:JP1CqZAf0
何でこんなお題ばかりwww把握
458以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 14:26:07.60 ID:QC34Z4p+0
投下します。
お題「ストロボ」 3レス予定。
酷評お願いします。
459ストロボ 1/3:2008/02/18(月) 14:27:01.51 ID:QC34Z4p+0
 最先端のファッションや、最高級の外国産ブランドのスーツ、洗練された贅沢品の数々を身に纏い、聖人顔負けのに
こやかな笑顔をもつ署名人に有名人。こいつらは全員豚だ。どれほど外面をきちんと装っても、ライカのストロボが世
界を真っ白に染め上げたとき、そいつら豚どもの本性がフィルムに保存される。俺は見逃さないし騙されない。香水
じゃ消しようがない濃厚な豚どもの糞の匂いが俺にははっきりと分かるのだから。
 俺は今、月明かりだけが頼りの寒空の下ターゲットが出てくるのをまっている。人里から離れ、山林に囲まれたホテ
ルは秘密のお遊びを楽しむには絶好の場所なのだろうが、外で待つ俺にとってはまったく楽しめない場所だ。おもむろ
に時計に目をやる、さきほど確認した時間から五分しかたっていない、くそ。いつでもライカの操作ができるように手
袋はしない、指先の感覚を失わぬよう絶えず動かし続ける。逃走経路の確認を頭の中で繰り返す。愛用のバイクは五十
メートルほど先の下り坂の途中に止めてある、あそこならエンジンが冷えすぎて駄々をこねても、下り坂を滑り降りれ
ば何とかでなるはずだ。
460ストロボ 2/3:2008/02/18(月) 14:27:55.82 ID:QC34Z4p+0
今回の獲物はでかい、初めてセックスした時のような緊張感と高揚感が俺を包む。ターゲットをこっそりと尾行し続
け、ついに現場を押さえた。普段乗り回していたスポーツカーではなく、真っ黒にぬりつぶした国産車で出かけたのを
見たとき、垂れ込みと俺の勘が正しかったことを確信した。人通りの少ない裏道にはいったと思ったら助手席のドアが
開き、遠目からでもはっきり分かるセーラー服を着た少女がターゲットの車に乗り込んだ。そのまま俺は完璧な追跡距
離を維持してここにたどり着いたというわけだ。
 一発勝負だ、出口は分かっている、この場所でストロボを浴びせる。ライカを持ち上げファインダーを覗き何度目か
の確認をする、ライカのずっしりとした感触に下半身が反応する。あの看板を端っこに捕らえて全体を写し一枚、ここ
がどこかということがはっきり分かるだろう。そしてストロボに目をくらませながらこちらを見るそいつらを表情を取
るためにもう一枚。それから一目散に走る。
俺は完全にぼっきしいた。いつもそうだ。いつからそうなったのかは分からないが、こいつのシャッターを押す瞬間、
エクスタシーを感じる。今日は実際に射精してしまうかもしれないなと、暗がりでにやりと笑う。最近はまったくつき
に見放されていた、支払い請求書がテーブルを埋め尽くし、携帯の着信履歴も消費者ローン会社でうまっている。だが
それもこれで終わりだ、全部支払っても釣りがくる。そして何よりたった一人の肉親と呼べる妹の怜子を進学させるた
めにもまとまった金ができる。
 ――ガチャガチャ
これだけ静かな場所なら鍵を外す音でもはっきり聞こえる。ターゲットがでくるだろう出口から数メートルの茂みの暗
がりに身を隠していた俺は、何度となく調整した通りライカを両手で掴み上げ、ファインダーを覗く。脈拍があがり体
中の毛細血管に流れる血液の感触がはっきりと分かる。体全体が脈打つ臓器になったようなドクンドクンと脈打ちはじ
める。指先はライカのフィルムを包む鋼鉄の感触を伝え、シャッターボタンに人差し指がのる。「豚め、豚め、豚め
……」俺のあそこは今までにないぐらい硬くなり、ジーパンを食い破って自由になろうとビクビクと跳ね上がる。
ドアが静かに開き、セーラー服の少女が一人出てきた。スクープを取るために仕込んだ俺の玲子だ。
とその時玲子が俺のほうを振り向く、ファインダー越しに目があう。興奮がピークに達し、今まで感じたことない絶頂
が下半身から頭脳を貫き閃光となる。世界が真っ白に染まったその瞬間、俺は射精した。
461ストロボ 3/3:2008/02/18(月) 14:28:41.08 ID:QC34Z4p+0
「君がやったので間違いないんだね」
ここは取り調べ室の一室、容疑者玲子は目をふせじっとテーブルを見つめている。
玲子が自首してきたのは今日の朝である。拳銃を片手に兄を殺したと出頭してきたのだ。現場を調べた結果、射殺され
た死体が確かに見つかった。玲子は取り調べに強力的だったため様々な事柄が浮き彫りとなる。その中でも特に津目
だったのは、汚いやり方で知られたパパラッチを兄にもった妹の悲惨な経験談だった。この事件にかかわった捜査員の
心に忘れようもない爪あとを残すだろう。
「……はい」
消え入りそうな声で少女は答えた。机の上には一枚の写真と、日本に大量に輸入された粗悪品のトカレフと、ビニール
袋に封された薬きょうがおかれている。
「……」
これで事件は解決だが、私は言葉を詰まらせた。この見た目にも幼い少女が今まで味わされてきた地獄のような日々
と、そうした結果、実の兄を射殺するという凶行に走らせたと思うとやるせない。
静まり返った尋問室の机に置かれた一枚の写真、玲子の兄の最後の作品に眼をやる。
まず眼につくのは、全体を真っ白に染めているトカレフの発砲により閃光だろう。まさに玲子が引き金を引き絞った瞬
間に、玲子の兄もまたシャッターを押したのだ。その真っ白の世界ではっきりと玲子の目だけが確認できる。ファイン
ダー越しに兄をみているのだろうか、玲子の真っ直ぐで黒い瞳が白く塗りつぶされた世界にアクセントを与え、そこか
ら流れる涙をストロボがキラキラと反射させ、殺人の瞬間とは思えない美しい写真となっていた。
462ストロボ 4/3:2008/02/18(月) 14:28:55.69 ID:QC34Z4p+0
おしまい!
463以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 14:37:19.43 ID:QC34Z4p+0
誤字ひどいですね、すいませんorz
464以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 14:40:03.43 ID:jYIZ3cZCO
仕事忙しくて書けなかったのでお題くれ


>>462
誤字とか言い回しがそぐわないとかがが
署名とか強力とかよりとか

なんで兄貴の場所が正確にわかったんだっていうか腕前すごいなとか
くらい
社会はっぽくていいんじゃね?

個人的な事言うと好きじゃない
465以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 14:41:10.39 ID:tyz0LZ5E0
>>462
署名人てなんぞ
ぼっきしいた →していた?

妹を仕込んだんなら最初から妹が待ってる場所で待機してればいいんじゃないの?

最後真っ白なのに瞳は見えてるのか?
それで涙まで見えるのか?
無理がありすぎる

ていうか妹撮っても仕方ないじゃん
ターゲット撮れよ

これでいいかい?
466以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 14:43:10.32 ID:U9dEgzSiO
>>459
「著名人」じゃないですか?
全体的に誤字多し
ストーリーは苦手分野なんでなんともいえませんが、
人相が確認できたのが不思議
467以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 14:46:17.08 ID:QC34Z4p+0
>>464
そうですね、確かにどうして分かったのかと、もっと書くべきでした。
いつも合図を送るとか、前々から計画していたとかですよね・・・
そのへんももっと詰めとくべきでしたね。
どうも、自分は読者がどう感じるかという感覚ができてないのでしょうorz
終盤にはいると強引にながしてしまうのは悪い癖ですし

>>465
突っ込みの通り説明が足りないのですね。
もう少し読者目線というものを念頭において次は書いてみます。
468以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 14:46:52.46 ID:nVlEF7v4O
>>464
ふくろう
469以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 14:55:24.05 ID:QC34Z4p+0
>>466
読んでいただきありがとうございます。
読者が??となるのは本当だめな駄文ですねorz

しかし酷評は本当に新たな課題がわかって、次がかけるので感謝です。
470以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 14:57:55.68 ID:jYIZ3cZCO
>>468

とん

>>462
追加

カメラヒルムなんだから、文脈的に保存って言うより記録とか、記憶されるみたいなのがいいかも
でかい、って、ターゲットが大物って意味なのなら、句点じゃないと後の文とごっちゃになるの
たれ込みと俺の勘って、あんた妹餌にしてんじゃないんかと
津目?
汚いやり方〜云々、他にも一文に詰め込みすぎの感はあるやも知れぬ
気持ちは判るが
471以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 15:07:27.41 ID:QC34Z4p+0
>>470
確かに、保存だとデジカメとかデジタル的な表現で、アナログ型のカメラには相応しく
ない言い回しになりますね。
>>たれ込みと俺の勘って、あんた妹餌にしてんじゃないんかと
おっしゃる通りで、この変の展開で、妹ということをどこまで隠すかで迷いがでて、てちぐはぐになってますorz
全体的なバランスが崩れて、後半はまとめようまとめようと、丁寧さがなくなってしまう…。
472以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 15:19:04.94 ID:jYIZ3cZCO
そしてほ
473以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 15:45:39.31 ID:/0MIjL3O0
更なるほ
474以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 15:56:01.85 ID:OCSMITAV0
続いてほ
475以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 16:08:43.31 ID:U9dEgzSiO
お題くださいますこと?
476以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 16:15:33.23 ID:jYIZ3cZCO
>>475
核弾糖
477以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 16:17:28.22 ID:/0MIjL3O0
危険な香りがする砂糖だこと
478以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 16:22:43.51 ID:jYIZ3cZCO
はじける甘さ?
479以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 16:29:35.96 ID:/0MIjL3O0
いや、むしろ溶けそうだ
480以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 16:45:18.62 ID:U9dEgzSiO
>>476
核弾糖だと……
考えてみます仝
481以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 17:29:33.87 ID:PPxdPQeu0
仝をぐぐったのはきっと俺だけじゃないはず保守
482以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 17:33:57.72 ID:sPoPamELO
棒が一本足りないから『不完全』って意味だと予想
483以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 18:03:08.79 ID:PPxdPQeu0
うめぇなwww
以下引用

 調べたところ、「同」の異体字だそうです。
 「々」とは違い、漢字です。 MS-IME95でも異体字で表示されます。 だから読み方は「同」と一緒で「ドウ・おなじ」です。

 まず「同の字点」という名称は昭和21年3月,文部省教科書局調査課国語調査室が作成した「くりかへし符号の
使ひ方〔をどり字法〕(案)」で名づけられたものです。
 この案では「呼び名」の欄に「同の字点」と書いてあります。 あくまでも呼び名であって,読み方ではありません。 
各種変換ソフトが「どう」「のま」などの読みを設定しているのはあくまでも便宜上ということです。(中略)
「仝」の用法について。私も家の設計図で見ました。 一覧表の中で「仝上」という使い方をしていました。 
また,以前調べものをしていて,ある会社の昭和初期の会社要覧にいろいろな統計表が載っているのですが,
今なら横書きに算用数字を使って「同上」の意味で「〃」などを使うところを,縦書きなので漢数字で,「同右」
の意味で「仝」が使われていました。
ttp://www2.plala.or.jp/kamkamkam/gimon4/no187/nun2.htm
484以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 18:16:48.59 ID:/0MIjL3O0
>MS-IME95
モビルスーツを真っ先に連想した俺はダメだ…
485以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 18:48:36.05 ID:8DMDTfUC0
say HO!
486以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 18:57:27.12 ID:OCSMITAV0
>>485
誤爆か?w
motsuの煽り思い出したw
487以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 19:28:17.94 ID:9WsWm1NsO
488以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 19:46:08.25 ID:e8RhEvEt0
489以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 19:52:59.33 ID:sB1PYyLc0
お題をくださるとうれしいです
490以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 19:54:24.04 ID:J7uzbbDj0
>>489
491以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 19:57:46.66 ID:sB1PYyLc0
>>490
円ってまる?それともお金?
492以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 20:00:00.45 ID:J7uzbbDj0
>>491
まる
493以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 20:33:45.22 ID:U9dEgzSiO
494以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 20:45:14.43 ID:eeRWmfV10
495以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 20:52:02.90 ID:U9dEgzSiO
手元の小説に「業に入っては業に従え」
っていう一文があるんですが、
見慣れないなと思ってサーチしてみてもいまいちはっきりしません
これって誤字でしょうか保守
496以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 20:54:50.98 ID:YUIpNe5eO
>>495
「郷」だよ
497以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 20:55:30.55 ID:fG3ncu0B0
>>495
わざとだったら当て字だろうから検索しても出てこないだろう
前後の文脈から意味がわからなければ誤字なんじゃね?
498以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 20:57:49.27 ID:+Ip3qaIIO
>>495
その作者のスレッドを検索するとか
499以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 20:57:53.74 ID:hfR/J1DH0
業とはサンスクリット語でカルマと読み、産まれてからの全ての自分の行いを表す


俺辞典より
500以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 20:59:56.75 ID:fG3ncu0B0
>>496
IDがYUI
501以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 21:08:15.13 ID:U9dEgzSiO
ですよね、普通は「郷」ですよね
銃姫@(高殿円 MF文庫)p166l2
価値観を指して業っていってるともとれなくもない感じですが……
502以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 21:11:06.76 ID:/0MIjL3O0
文脈から読み取れってことじゃね?
そのままだと、とてもじゃないけど意味が分からんし。
まぁ、言葉には出来ないけど、何となく言わんとしている事は理解できる。
……気がする。
503以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 21:17:35.01 ID:z1dVS5OK0
ラノベなら何か格好いい言葉にしようとかの意図があるんだろ。
実際は話の流れ知らないからわからんが、単なる誤字ではないと思うぞ
504投票:2008/02/18(月) 21:17:58.04 ID:fHqmZeJcP
******************【投票用紙】******************
【投票】:No.03 『キュア』 ◆p/2XEgrmcs氏
       面白かった 品評会とか忘れて読んだ

【関心】:No.10 不可の黙々 ◆LBPyCcG946氏
       隠し味大事だよね隠し味
**********************************************
どちらも万人受けはしないかもね
今回誰が優勝するのか皆目見当つきません
505投票:2008/02/18(月) 21:26:31.83 ID:tyz0LZ5E0
******************【投票用紙】******************
【投票】:No.21 慈悲の性女 1/4 ◆0CH8r0HG.A氏
               ―感想―
        目の付け所がすごかった。上手い。
               
気になった作品:No.03 キュア 1/5 ◆p/2XEgrmcs氏
               ―感想―
        依存する男女の物語は好物です。

       :No.12 慈悲=無慈悲 1/5 ◆pxtUOeh2oI氏
               ―感想―
        障害者の話って書くの難しいよね。
        尊敬の念をこめて。
**********************************************
便乗して投票だけ
全感やろうかと思ったけど無理そうだった
506以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 21:39:59.76 ID:YrkXln8R0
507以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 21:59:15.41 ID:SdskYhCg0
508以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 22:16:17.43 ID:e8RhEvEt0
509以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 22:31:55.18 ID:Uq59gdWt0
はいはいリセットリセット
510以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 22:36:08.09 ID:ZT99nWWuO
発音の都合によりカルマともカーマとも

ソースは俺wiki
511以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 22:47:13.00 ID:uKCeGsQC0
おだいくれー
512以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 22:58:27.19 ID:+Ip3qaIIO
>>511
ユーフォニウム
513以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 23:01:32.99 ID:uKCeGsQC0
ユニフォーム把握
514以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 23:03:45.40 ID:U9dEgzSiO
ちょw

515以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 23:04:16.11 ID:+Ip3qaIIO
>>513
ちょwwちげぇよwwww
516以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 23:05:40.93 ID:SYGpE5QJ0
お題とかください
517以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 23:07:15.03 ID:tdokuVU60
>>516
風邪っぴき

お題下さい
518以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 23:07:23.16 ID:+YmRF9Dz0
ユニフォーム
519以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 23:07:24.63 ID:uKCeGsQC0
つ曲解
520以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 23:08:16.14 ID:SYGpE5QJ0
>>517
了解した
521以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 23:09:08.20 ID:tdokuVU60
>>518-520
把握
522以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 23:34:12.47 ID:NE2358aT0
神様の保守帳
523以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/18(月) 23:44:58.01 ID:d+af3QMR0
そうか、全館しないでも投票していいんだよね
ってことで断念した全感想の欠片とともに投票
******************【投票用紙】******************
【投票】No.03 キュア ◆p/2XEgrmcs氏
うー、あー、ずるいやずるいや。面白い。
酒のことよくわからないからところどころ理解できてないけど、なんかこういうの好き。
字数多いのになんだか読みやすいのは揺れの少ない一人称語り口調だからかな。
文章に文句があるとすれば読みにくい漢字を使いすぎてる点か、
でも雰囲気に合ってるしなぁ。
ちょっと馬鹿なことを言うと、おねいさんっていいよね。
524以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:07:38.68 ID:wuuntjHN0
ほしゅ
525以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:14:32.96 ID:CWUY+V7W0
>>522
アリス乙
526以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:14:55.42 ID:AzjYBVowO
今日はえらく過疎だな
527以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:15:06.71 ID:T1cmfV1oO
何枚かの投票用紙を見て思った。
「あ、今回も駄目だ」……。

今度こそはいけると思ってた。いや…それは優勝とかじゃなくて、幻の二票獲得……。
今回で十回目の品評会も、投下前には確かな手応えを感じていたことを思い出す。
あの手応えはなんなんだったんだ。
528以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:18:05.33 ID:eliX9nQV0
>>527
そういうな
書いてる途中に
「あ、これ昨日書いた通常作品の方がマシだ」
とか思って出した俺よりはいい

つーことで御代呉↓
529以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:20:09.64 ID:xYTrbTlv0
死にたがり
530以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:21:18.81 ID:AayEYYEB0
絶望
531以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:21:36.20 ID:eliX9nQV0
↑はーく
532以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:21:36.67 ID:Ow36iIih0
生きたがり
533以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:22:32.74 ID:a7lXvgs30
ふと思ったんだが、品評会に出品する人は投票もなるべくしましょう、ってのも、
自分の作品が一番だと思っている書き手にとっては不自然な話だな・・・。
534以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:22:41.59 ID:7Nz6gcLa0
課題のため速記小説します。
お題plz
535以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:24:08.31 ID:w3SoyowZ0
ランタン
536以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:24:57.67 ID:eliX9nQV0
ゴマ
537以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:26:40.95 ID:tMSBgivJ0
>>387-395
全感まとめ済み
538以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:26:56.68 ID:AayEYYEB0
おつ
539以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:29:33.52 ID:wB8fdAhZ0
>>533
スレタイ
540以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:30:54.71 ID:7Nz6gcLa0
>>535
いただきます。2時までには投下できるといいな
541以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:33:43.20 ID:tO8momfO0
寝る前にお題が欲しい
542以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:33:48.55 ID:Ow36iIih0
おだいもらう↓
543以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:34:27.01 ID:Ow36iIih0
>>541
ごめんかぶった

つ『お題:5秒』
544以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:35:07.40 ID:PmTJBZ6K0
やっぱりとさっぱりとすっぱり
545以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:36:05.51 ID:w3SoyowZ0
>>541
簡単

>>542
感嘆
546以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:42:15.85 ID:Ow36iIih0
>>545
次に出すお題はワンタンか?W
547以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:49:57.47 ID:MgiawhpF0
お題くださいな
548以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:50:53.56 ID:tMSBgivJ0
>>547
ランタン
549以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:54:24.78 ID:MgiawhpF0
>>548
>>535に同じお題があるからできれば違うの頼む

ワンタン以外で
550以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:55:30.23 ID:tMSBgivJ0
>>549
すまん、ログ追ってなかった。

練炭
551以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 00:57:14.08 ID:MgiawhpF0
>>550
把握
552お題:5秒 ◆1BpHlrONwc :2008/02/19(火) 01:00:58.57 ID:tO8momfO0
5秒で地面に墜落する崖から男が飛ぶ。
男は目をつぶり、ゆっくり5秒数える。
しかし地面にはまだ届かない。
男はもう一度5秒数える、しかしまだ地面には届かない。
おかしい、と男は思う。
しかし目を開けると彼はやはり落下している。
78秒が経過して男はようやく地面に激突する。
しかしその奇跡は誰にも知られる事も無く、
ただ、割れた男の頭から覗いた漿を黒蠅が啜っている
553お題:5秒 ◆1BpHlrONwc :2008/02/19(火) 01:02:21.92 ID:tO8momfO0
んじゃ眠いし寝ます
554以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 01:08:30.95 ID:xYTrbTlv0
色を失った木々のアーチの下を、一人で歩いています。
落ちた葉っぱを踏むとサクサク音が鳴ります。
今日もこうして僕は歩いてる。地球が回った分だけ戻るかもしれないけど。
ふわり
風が僕を追い抜く。そのまま何処か消えていく。
ふわり、ふわりふわり。
何処までも、何時までも。


ほ しゅ
555以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 01:11:28.49 ID:tMSBgivJ0
>>552
一言で表すなら「だから?」となる。
78秒かかった奇跡が誰にも知られなかったから、どうだと言うのだろうか。
伝えたいこととかテーマとか、そういうのが見えてこないと、どうにも面白くない。
それ以上に、この作品を読んだ人間に、どういう感想を抱かせたかったのかが全くわからない。

人に読まれるものだ、ということをもっと意識して書いたら良いと思う。
556以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 01:15:45.53 ID:eliX9nQV0
誰かが批判されてるのを見ると自分もして欲しくて頑張って書く気になる
俺だけじゃないよな?
557以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 01:16:41.84 ID:eliX9nQV0
>>556
批評ね
誤解産む前に
558以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 01:21:36.24 ID:JC8zM9cDO
2日前VIPPERの力によって葬られた痛い厨ホムペが再び芽を出そうとしてるお・・・( ^ω^)
http://06.mbsp.jp/itumademonakama34/
ったく雑草みたいな家賃だお( ^ω^)
再びおまいらの怖さを見せつけてやれお( ^ω^)!
このホムペのアルバムに好きな画像貼りまくってやれおwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
これいろんなとこにコピペしてくれたら嬉しいおっお( ^ω^)
559以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 01:38:15.67 ID:4xdGPmnh0
560以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 01:56:51.23 ID:vpHmexZyO

561以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:09:53.16 ID:6rKGFJ540
お題頂戴な
562以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:10:57.77 ID:9Z0i6wvr0
偽造
563以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:13:58.80 ID:w3SoyowZ0
16レスかな
転載するのでさるよろしう
564◇0CH8r0HG.A:2008/02/19(火) 02:15:11.43 ID:w3SoyowZ0
ξ ゚听)ξ 「ツンと!」
( ^ω^) 「ブーン!」
ξ ゚听)ξ 『二人で全巻!』(^ω^ )

ξ ゚听)ξ 「とは言ってみたものの、これって前の会話式全巻のパクリじゃない?」
( ^ω^) 「気にすることねーお。この手のものは、大概偉大なる先人がいるもんだお」
ξ ゚听)ξ 「それはそうかもしれないけど…」
( ^ω^) 「まぁ、劣化コピーって言われないように、ソコソコ気合入れるお」
ξ ゚听)ξ 「……凄く嫌な予感がするんだけど」
( ^ω^) 「んじゃ、さっそくいくおー」

No.01 優しさ ◇/sLDCv4rTY
ξ ゚听)ξ 『…………』(^ω^ )
ξ;゚听)ξ 『…………』(^ω^;)
ξ#゚听)ξ 「だ・か・ら、嫌な予感がするって言ったでしょ! どうすんのよ!? 初っ端から躓いたじゃない!」
( ;^ω^) 「と、とりあえず、適当に解釈してみるお。読み解こうとするうちに何か分かるかもしれないお」
ξ ゚听)ξ 「ブーンにしては、建設的な意見ね。仕方ない。間違ってるかもしれないけど、適当に解釈するわよ」
( ^ω^) 「まずは、お題から攻めるお。普通に考えたら、このお話にはテーマとして慈悲が組み込んであるはずだお」
ξ ゚听)ξ 「そうね」
( ^ω^) 「この世界では、人間の代わりにカエル男が繁栄してるみたいだお。そこに汚い野良人間が……」
ξ ゚听)ξ 「あらすじを言ってると、きりが無いわ。要点を述べなさいよ」
( ^ω^) 「うーん。お話を追っていく限り、慈悲と思われる行動は、施しの部分しか見当たらないお」
ξ ゚听)ξ 「そうね。でも、人間はその施しを拒絶してる」
( ^ω^) 「つまりあれだお。慈悲=相手の喜びとは限らないってことじゃないかお?」
ξ;゚听)ξ 「なんか、いきなり話が飛躍したわね」
( ^ω^) 「尺の問題だお。最初から入れ込みすぎると、後で息切れするお。アバウトにやればいいんだお」
ξ ゚听)ξ 「ま、まぁそうかもしれないわ。でも最後にこれだけは言っておこうかしら」
( ^ω^) 「?」
ξ#゚听)ξ 「初っ端から疲れさすな、馬鹿!」
565◇0CH8r0HG.A:2008/02/19(火) 02:15:46.22 ID:w3SoyowZ0
No.02 摩擦 ◇ID:5GYXdMXqOs
ξ ゚听)ξ 「うーん。あたしダメなのよね。こういうナルシスティックな文章って」
( ^ω^) 「ナルシスティック?」
ξ ゚听)ξ 「何て言ったらいいんだろう。多分、この作者はこれを書いているとき、自分に酔っていると思うのよね」
( ;^ω^) 「そ、そりゃまた随分と偏見じゃないかお?」
ξ ゚听)ξ 「結局のところ、この物語は作者の主観を好き勝手に飾り立てて、『どうだ、すげぇだろ?』と言ってるだけね。そんな
       こと言われても、こっちには理解出来ないしする気も無い。作者は理解を強要してはいるけど、歩み寄ってはいないの」
( ;^ω^) 「…………」
ξ ゚听)ξ 「大体、主観はあくまで主観。正しいとも思えないものに、そこまで共感なんて出来ないと思わない?」
( ^ω^) 「でも、主観的にものを見るのはとても大事なことだお?」
ξ ゚听)ξ 「確かにそうね。でも、小説は本来自分で読むものではなく、読者に読んでもらうものよ? 自分の書きたいことだけを
      書いて満足するのなら、それこそ日記でやればいい」
( ;^ω^) 「な、なんか怖いお、ツン」
ξ ゚听)ξ 「正直言うとね」
( ^ω^) 「?」
ξ////)ξ「これを読んでると、自分の黒歴史をほじくられてるようで、痛いのよ」

No.03 キュア ◇p/2XEgrmcs
ξ ゚听)ξ 「つかれる」
( ;^ω^) 「ちょwwwww」
ξ#゚听)ξ 「何なの、今回は! 分かりやすい文章を書こうって人はいないわけ!?」
( ;^ω^) 「いや、多分作者は精一杯分かりやすく書いてるつもりじゃないのかお?」
ξ#゚听)ξ 「生憎だけど、私はカッコつけてこねくり回した文章が大嫌いなの! 大体、何? この書き方は何を目的としているの?」
( ;^ω^) 「ふ、ふいんき何故か(ryとか、単純にその文体に拘りがあるとか……」
ξ ゚听)ξ 「そう。なら、何の問題も無いわね。作者が文体に拘りがあるように、私にも読む側としての拘りがある。読まなくても構わ
      ないということね」
( ;^ω^) 「あ、ちょっと待つお! ツン! ツン!」
( ;^ω^) 「……」
( ;^ω^) 「よ、読みやすい云々は好みだお! ブーンはつまんなくはなかったお!」
566以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:15:49.61 ID:T1cmfV1oO
さる
567◇0CH8r0HG.A:2008/02/19(火) 02:17:09.57 ID:w3SoyowZ0
No.04 生首 ◇ka4HrgCszg
( #^ω^) 「バレンタインしねえええええええええええええええええ!」
ξ;゚听)ξ 「ちょ、ちょっとどうしたのよブーン」
( ^ω^) 「何でもないお。儀式みたいなもんだお」
ξ ゚听)ξ 「そ、そう。それにしても、No4にしてやっと読みやすい作品がきたわね」
( ^ω^) 「なんか新鮮に感じるお」
ξ#゚听)ξ 「ん? ちょっと待って。やっぱりこれも許せないわ」
( ;^ω^) 「こ、今度は一体何だお?」
ξ#゚听)ξ 「読点よ読点。何で、こんなに読点を打ってないの!? いえ、違うわ! 一文が長すぎるせいで、読点が追い付いてないのよ!」
( ^ω^) 「あー、確かにそうだお。2レス目の最初の分とかダルイことこの上ないお」
ξ#゚听)ξ 「ちょっと砕けた文体とかは割りと好みなのに、冗長過ぎる作りのせいで台無しよ!」
( ;^ω^) 「そ、そこまで言わなくても」
ξ ゚听)ξ 「よく考えてみなさい。好物に変に手を入れられて不味くされたらどんな気がする?」
( ;^ω^) 「それは確かに嫌だけど」
ξ ゚听)ξ 「そうでしょ? 話も好きよ。いい話じゃない。でも、所々で入ってる長文が雰囲気を壊してるの。ホラー風味を中途半端に入れ
      ようとしたせいかしらね? 何にせよ、素材を殺すような書き方は気に食わないわ」
( ^ω^) 「そういえば、ツンが化粧した時も酷かったお。下手糞すぎて、すっぴんのがよっぽど可愛かったお」
ξ#゚听)ξ 「……下手で悪かったわね」
568◇0CH8r0HG.A:2008/02/19(火) 02:17:46.03 ID:w3SoyowZ0
No.05 月のマリア ◇gNIivMScKg
ξ ゚听)ξ 「これの2行目〜3行目って小説にも当てはまると思うの」
( ^ω^) 「確かにそうだお。人の主義主張って色々で、なかなか思い通りには交わらないお」
ξ ゚听)ξ 「で、肝心の話の方だけど……うん、悪くないわ」
( ^ω^) 「……」
ξ ゚听)ξ 「こういうものって、愛について語り始めた時点でチープになっちゃうものなんだけどね。ただ、文章が読みやすかったから、結局
      最後まで違和感なく読めたわ。オチも綺麗でいいんじゃない?」
( ^ω^) 「……」
ξ ゚听)ξ 「何黙ってるのよ?」
( ;^ω^) 「いや、なんか初めて落ち着いた感想の書き方で、ちょっと驚いてるお」
ξ ゚听)ξ 「何よ。別に、私は全ての作品に根拠もなく文句を言いたいわけじゃないのよ?」
( ^ω^) 「そりゃそうだお」
ξ ゚听)ξ 「……ただね。悲しいかな、話に起伏が全く無いのよね。盛り上がりも無く、下がる所も無い。淡々と進んでいく感じ」
( ^ω^) 「思ったけど、それって話のふいんき(ryを大事にしようとした結果なんじゃないかお?」
ξ ゚听)ξ 「そうかもね。だとしたら、成功してるんじゃないかしら?」
569以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:18:27.81 ID:T1cmfV1oO


570◇0CH8r0HG.A:2008/02/19(火) 02:18:46.79 ID:w3SoyowZ0
No.06 選択 ◇CFP/2ll04c
ξ ゚听)ξ 「うーん」
( ^ω^) 「どうしたお? ツン」
ξ ゚听)ξ 「ブーンはこのお話を読んでどう思う?」
( ^ω^) 「えっと、数学者って馬鹿じゃね? 思ったお」
ξ ゚听)ξ 「それは何故?」
( ^ω^) 「子供を作る前から、作った後のことを合理的に想像したり、奥さんの苦しみを取り除くために自殺を考えたり……。行動パターンが
      計算機みたいだお」
ξ ゚听)ξ 「そうね。でも、それは数学者が愚かなのではなく、この物語の作者が持つ数学者のイメージが愚かなんだと思うの」
( ;^ω^) 「……ツン。ちょっとは相手に気を使うべきだお」
ξ ゚听)ξ 「偏見でイメージを形作るのはとても愚かで悲しいことよ。数学者が全てのことにおいて合理的な考え方をするなんて、彼らに失礼だわ」
( ^ω^) 「それはそうだけど」
ξ ゚听)ξ 「別に気にする必要なんて無いのよ? 人間は皆、自分の知らないことは想像するしかない。それは、真実に比べたら愚かしいほどに
      現実とはかけ離れても何の不思議も無いわ。私達だって例外ではないわけだしね」
( ^ω^) 「ツンは優しいんだか、キツイんだかわかんないお」
ξ ゚听)ξ 「事実や感想を客観的に、ある程度上から目線で述べているだけよ。感想や批評って得てしてそういうものじゃない?」

No.07 清算/凄惨 ◇p/4uMzQz/M
ξ ゚听)ξ 「変な文章ね」
( ;^ω^) 「……」
ξ ゚听)ξ 「1レス目の3行目までと、そこから後の文章が空中分解してるわ」
( ^ω^) 「空中分解?」
ξ ゚听)ξ 「確かに、人間は少なからず自殺願望を持っているといわれているわ。ただ、この物語にその感情は必要なのかしら?」
( ^ω^) 「うーん。作者は必要と思ったんじゃないかお?」
ξ ゚听)ξ 「そう。悪いけど、私は邪魔にしか思えなかったわ。その後のやりとりとの関連性が見つけられない」
( ^ω^) 「関連性というか、むしろ日常を表現したかったんじゃないかお?」
ξ ゚听)ξ 「日常ねぇ……。まぁそういうことならいいんじゃない? 自殺願望を持った女が、自分を振った男に管を巻く。とっても変な話ね」
( ;^ω^) 「……」
571以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:19:09.31 ID:T1cmfV1oO


572◇0CH8r0HG.A:2008/02/19(火) 02:19:18.70 ID:w3SoyowZ0
No.08 満月の夜に ◇7BJkZFw08A
ξ ゚听)ξ 「ポカーン」
( ^ω^) 「ツン! ツン! どうしたお?」
ξ;゚听)ξ 「ハッ! ご、ごめんなさい。あまりにも唐突な展開にびっくりしてしまったの」
( ;^ω^) 「確かにこれは超展開だお。前半がのどかで優しいお話だったから、いきなりバケモノが出てきてびっくりしたお」
ξ ゚听)ξ 「ただ、これも一つの味かもしれないわね。多分、前半部分を使って後半部分のバケモノのくだりをより恐ろしく見せたかったんでしょう」
( ;^ω^) 「でも、ツン。僕は怖かったというよりもむしろ……」
ξ ゚听)ξ 「そうね。一番の肝であるはずのバケモノの描写が全く怖くないわね。これじゃ、展開に対し恐怖を抱くよりも、呆然とする人が多いんじゃ
      ないかしら」
( ^ω^) 「うーん。作り方としてはとっても面白いと思うけど……」
ξ ゚听)ξ 「うん。一言で言えば『もったいない』わね」
( ^ω^) 「似たような話で青髭があったお。曖昧にバケモノにするよりも、人間のままの方が良かったんじゃ……」
ξ ゚听)ξ 「それはあんたの考えでしょ? 他人の作品の方向性にまで口を出すもんじゃないわ」

No.09 無慈悲 ◇Sd8w25k53w
ξ ゚听)ξ 「何これ?」
( ;^ω^) 「ブーンにもよく分かんないお」
ξ;゚听)ξ 「えっと。これは続きモノなのかしら? それとも、純粋に戦闘シーンが書きたかったのかしら?」
( ;^ω^) 「でも、続きモノにしてはキャラが弱いし、戦闘シーンにしては迫力が無いお」
ξ ゚听)ξ 「これはどういう感想を求めているのかしらねぇ……」
( ^ω^) 「いっそ、見なかったことにするお」
ξ;゚听)ξ 「そ、そうね。そうしましょう」
573◇0CH8r0HG.A:2008/02/19(火) 02:19:41.85 ID:w3SoyowZ0
No.10 不可の黙々 ◇LBPyCcG946
ξ ゚听)ξ 「比喩が多すぎね」
( ;^ω^) 「相変わらず、ツンはフランク過ぎだお」
ξ ゚听)ξ 「何よ? 相手に気を使ったって仕方ないでしょ? それとも『貴方様の文章には比喩が過剰であるとお見受けいたしますわ』とでも言え
      ば満足?」
( ;^ω^) 「いや、もう何でもいいお。続けてくれお」
ξ ゚听)ξ 「そう? じゃあ、いくつか気になったことを言うわね。まず最初にも言ったけれど比喩が多過ぎ。加えて、大して上手く感じないの」
( ;^ω^) 「あ、あの。出来ればもう少し言葉を選んで……」
ξ ゚听)ξ 「加えさせていただければ、貴方様の物語の登場人物の考え方も、到底私達のような矮小な凡人には及びも付かないほどに高尚だと感じます」
( ;^ω^) 「結局、内容にはオブラートも掛かってない上に、さらに相手を小馬鹿にしたようになってるお……」
ξ ゚听)ξ 「簡単に言うと、分かんないし分かりたくもないってことよ」
( ;^ω^) 「あの、なんか、ごめんだお」

No.11 朝焼けに降る今日、その弟は ◇fSBTW8KS4E
ξ ゚听)ξ 「言いづらいけど、敢えて言うわ。ひたすら読みにくい」
( ;^ω^) (今までの方が、よっぽどキツイこといってたと思うけど……)
ξ ゚听)ξ 「日本語が正しくないのよね。単語の使い方、つなぎ方、文章の構成、どれもが所々ズレていて、読み辛くしてる」
( ^ω^) 「まぁ、そんなの誰でも少なからずあるもんだお」
ξ ゚听)ξ 「そうね。とりあえずは練習あるのみだと思うわ」
( ^ω^) 「話はまぁまぁじゃないかお?」
ξ ゚听)ξ 「うーん。でもありがちな書き方ね。あまり面白くはないわね」
574以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:19:54.86 ID:T1cmfV1oO


575以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:20:08.21 ID:TKedSejS0
さる
576◇0CH8r0HG.A:2008/02/19(火) 02:20:13.13 ID:w3SoyowZ0
No.12 慈悲=無慈悲 ◇pxtUOeh2oI
ξ ゚听)ξ 「重いテーマね……」
( TωT)  「キツイ話だお……」
ξ ゚听)ξ 「正直な所、私には目の見えない人の気持ちは分からないし、生活の仕方も知らない。だからこの小説をリアリティ云々で判断することは出
      来ないわ」
( ^ω^) 「そりゃそうだお。この作者もきっと盲目ではないと思うお」
ξ ゚听)ξ 「だから、そういったことを抜きで言うのなら、とても綺麗な物語だったと思うわ。何て言えばいいんだろ?あえて言うなら『色』ね」
( ^ω^) 「色?」
ξ ゚听)ξ 「うん。物語の雰囲気と言ってもいいかもしれないわ。そういうイメージが凄くいいわ」
( ^ω^) 「べた褒めじゃないかお」
ξ ゚听)ξ 「これを面白いかと考えるのは別問題だと思うの。というよりも、多分面白さを求めたものではないのでしょうけどね」
( ^ω^) 「面白くないってことかお?」
ξ ゚听)ξ 「そうじゃないわ。凄く好きだし、良い話であるとも思う。難しいわね。上手く言えなくてごめんなさい」

No.13 慈悲 ◇lnkYxlAbaw
ξ;゚听)ξ 「一文なげええええええええええええええ!」
( ;^ω^) 「ブーンも流石にびっくりしたお。わざとっぽいけど」
ξ ゚听)ξ 「何これ? どういう意図があったのかしら?」
( ^ω^) 「うーん。DQNっぽさを出したかったんじゃないかお?」
ξ ゚听)ξ 「……ふーん。でも、別に大した効果は見えないけど」
( ^ω^) 「チャレンジってことじゃないかお?」
ξ ゚听)ξ 「まぁいいんじゃないの? 私は嫌いだけど。悪いけど無理。それ以上の感想はないわね」
( ;^ω^) 「……きっつい女だお」
577以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:20:38.64 ID:T1cmfV1oO


578◇0CH8r0HG.A:2008/02/19(火) 02:20:44.68 ID:w3SoyowZ0
No.14 海流瓶 ◇oOy5b7baSU
ξ ゚听)ξ 「推敲しなさい」
( ;^ω^) 「…………」
ξ ゚听)ξ 「これがカオスの時間帯による投下ならある程度の誤字脱字は流すけど、No14ってことは完成してから時間はあったはずでしょ?
( ^ω^) 「まぁ、そりゃそうだお。ってかそんなに誤字脱字があったかお? 気にならなかったけど……」
ξ ゚听)ξ 「私は気になったの。それに、小説って練れば練るほど味が出ると思うの。その時間を無駄にしちゃったら損よ」
( ;^ω^) 「それは、カオスを推進することを仄めかす発言じゃ……」
ξ ゚听)ξ 「勘違いしないで。あくまで時間があれば……よ」
( ^ω^) 「話はどうだお?」
ξ ゚听)ξ 「はっきり言えば、意味が分からないわね。何なのかしら? 疑問は読者が勝手に補完しろってこと?」
( ^ω^) 「作者の中には多分物語は出来上がっていると思うお」
ξ ゚听)ξ 「そうでしょうね。つまり描写不足。勿体無いわね」

No.15 如月ミキの場合 ◇gtyBrNPylc
ξ ゚听)ξ 「こういうのを軽妙な会話っていうのかしらね」
( ^ω^) 「確かにやりとりは面白かったお」
ξ ゚听)ξ 「話もいいんじゃない? 最近でも結構問題になってるしね、安楽死は」
( ^ω^) 「まぁ、結論なんて出ないお。言い争ってるのは、本人とは関係の無い人達ばっかりなんだから」
ξ ゚听)ξ 「無責任な話よね」
( ^ω^) 「で? ツン。この話は面白かったでおkなのかお?」
ξ ゚听)ξ 「うーん。確かに面白いは面白いんだけど、いかんせん薄いのよね」
( ^ω^) 「うすい?」
ξ ゚听)ξ 「うん。軽く書きたかったのかもしれないけどね。まぁ、そんなことは瑣末な問題よね」
579以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:21:36.10 ID:T1cmfV1oO


580以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:23:24.70 ID:T1cmfV1oO
もいちどさる
581以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:24:36.85 ID:xYTrbTlv0
キャラを盾にすると怒りがキャラに向きやすいからいいよね
582以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:25:36.69 ID:T1cmfV1oO
さるったか
583以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:33:00.69 ID:wuuntjHN0
ぼああああああああああああああああああ
584以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:33:04.87 ID:w3SoyowZ0
てすと
585以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:33:47.96 ID:w3SoyowZ0
すみません…
ゆっくりめに続き行きます
586以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:35:14.88 ID:T1cmfV1oO
御疲れさる
587◇0CH8r0HG.A:2008/02/19(火) 02:35:24.29 ID:w3SoyowZ0
No.16 料理 ◇yMe.v0PE8c
ξ ゚听)ξ 「グロっ」
( ;^ω^) 「wwwwwwwwww」
ξ ゚听)ξ 「良いじゃない。内容と文体がマッチしてるわ。こういうのって大切よね」
( ;^ω^) 「確かにそうだお。淡々とした文章が逆にオチを怖くしてるお」
ξ ゚听)ξ 「ただ……ねぇ」
( ^ω^) 「どうしたお?」
ξ ゚听)ξ 「生姜焼きってところでオチが分かっちゃったのよ。元気付ける為に生姜焼きっていうチョイスは無理がある気がするわ」
( ;^ω^)←全く気付かなかった人
ξ ゚听)ξ 「肉料理っていうのがねぇ。まぁオチのためには仕方ないんだけど。難しいところよね」

No.17 ちょこっとlate ◇zsc5U.7zok
ξ#゚听)ξ 「何? 女を舐めてるの?」
( ;^ω^) 「そ、そんなに怒ることかお?」
ξ ゚听)ξ 「冗談よ」
( ^ω^) 「……」
ξ ゚听)ξ 「発想は面白いんじゃないの? まぁ多少無理矢理な感はあるけど」
( ^ω^) 「こんな法律出来たら男は大変だお。ブーンは平気だけど」
ξ ゚听)ξ 「あら? ブーンには恋人のあてでもあるの?」
( ;^ω^) 「…………え?」
588以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:35:57.11 ID:T1cmfV1oO

589◇0CH8r0HG.A:2008/02/19(火) 02:36:32.91 ID:w3SoyowZ0
No.18 善良王 ◇ptNT0a7knc
ξ ゚听)ξ 「うーん。とても勿体無いわ」
( ^ω^) 「何がだお?」
ξ ゚听)ξ 「全部よ、全部。発想や文章は良いと思う。怖さもあるし、先が気になって読んだわ」
( ^ω^) 「ふんふん」
ξ ゚听)ξ 「でも、このオチとそこにいくまでの過程が微妙過ぎる。何の盛り上がりも無いし、転落も無い。淡々としすぎてるのよ」
( ^ω^) 「なるほどなるほど」
ξ ゚听)ξ 「これじゃあ、王様の本心を説明しただけで終わっちゃってるわ。それこそ、歴史的に見たら単なる名君じゃない」
( ^ω^) 「ほーほー」
ξ ゚听)ξ 「発想に物語が負けちゃってるのよ。これを勿体無いと言わずして何と言うのかしら?」
( ^ω^) 「はぁ〜」
ξ#゚听)ξ 「……あんた聞いてるの?」
( ^ω^) 「つまり、勿体無いってことだお!」
ξ#゚听)ξ 「…………」

No.19 この心とは、心にあらず ◇VrZsdeGa.U
ξ ゚听)ξ 「チャレンジャーねぇ。よりによって芥川を弄ろうとするなんて」
( ^ω^) 「ツンは芥川好きなのかお?」
ξ ゚听)ξ 「そうね。好きよ? だからこそ、弄ろうなんて勇気は持てないし、弄ってほしくもないわね」
( ^ω^) 「でも、別にやってること自体は別にいけないことでも何でもないお?」
ξ ゚听)ξ 「そうね。ただ、この作品自体は評価するに値しないと思うわ」
( ^ω^) 「それは、ツンが芥川を好きだから弄られるのが嫌ってことじゃないのかお?」
ξ ゚听)ξ 「いいえ、違うわね。そもそも蜘蛛の糸はあれだけでテーマと物語が完全に完結してるのよ。それに突っ込むことは無粋としか
      思わないし、その後の話を書くなんて……と、ちょっと感情的になってるわね」
( ;^ω^) 「さっきまで、散々感情的に文句言ってたじゃないかお?」
ξ ゚听)ξ 「ちょっと違うのよねぇ…。まぁ、これくらいで止めておくわ。批評は他の人に任せるわね」
( ^ω^) 「ツンも一応考えて喋ってるのかお……」
590◇0CH8r0HG.A:2008/02/19(火) 02:37:44.87 ID:w3SoyowZ0
No.20 にたものどうし ◇tGCLvTU/yA
ξ ゚听)ξ 「いい……」
( ^ω^) 「ツン?」
ξ ゚听)ξ 「良いわ! これよ! こういうのが読みたかったの! まぁ猫を使うのは卑怯とか思考の推移が不自然とか言いたいことはある
      けど、そんなのはどうでもいいの! だって好きなのよ、仕方ないじゃない!」
( ;^ω^) 「ちょ、ちょっと落ち着くお」
ξ ゚听)ξ 「猫のキャラ付けもベタだけど良いわ! ベタって良いからこそ頻繁に使われるのであって、下手に奇をてらうよりずっと良いわ!」
( ;^ω^) 「…………」
ξ ゚听)ξ 「文章も良いわ。回りくどくないから読みやすい。それでいて雰囲気も損なってないし。つまりぬこ! ぬこなのよ!」
( ;^ω^) 「…………」
ξ ゚听)ξ 「×○◆△〜○●▽××●〜…………」
( ;^ω^) 「ツンは興奮してるからこの辺で一旦締めるお」

No.21 慈悲の性女  ◇0CH8r0HG.A
ξ ゚听)ξ 「ああ〜突っ込みたい。色々突っ込みたいところがあるわ」
( ;^ω^) 「や、止めとくお。作者が落ち込むお」
ξ ゚听)ξ 「これだけ好き勝手書いてるんだから、少しは落ち込めばいいのよ」
( ;^ω^) 「と、いうわけで割愛〜」
591以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:37:56.68 ID:T1cmfV1oO

592◇0CH8r0HG.A:2008/02/19(火) 02:39:08.64 ID:w3SoyowZ0
No.22 所詮友情は三日間 ◇cwf2GoCJdk
ξ;゚听)ξ 「横になげえええええええええええええええ!」
( ;^ω^) 「な、長いお。とりあえず、見た目でかなり損してる気がするお」
ξ ゚听)ξ 「まぁ、いいんじゃない? 多分本人も納得してやってるんでしょ」
( ;^ω^) 「そ、そうかお?」
ξ ゚听)ξ 「話は凄く面白いのよ? 文章も綺麗だしね。だからこそ、余計に勿体無く感じるのかもしれないわ」
( ^ω^) 「べた褒めだお」
ξ ゚听)ξ 「そうね。何よりもお題の使い方が素晴らしいわ。多分物語としての完成度では今回一番じゃないかしら?」
( ^ω^) 「うん。少し暗いけど、お題を考えたら仕方ないのかもしれないお」
ξ ゚听)ξ 「お題をとてもストレートに捉えているのよね。それにも好感が持てるわ。余談だけど、No21の作者はあえてお題の持つイメージの
      真逆をいこうとしたのよね。それも方法だけど、ストレートと変化球ならばストレートの方が好きね」
( ^ω^) 「…………」
ξ ゚听)ξ 「ただ、良い事ばっかりでもないのよね。ブーンも言ったけど、拘りでかなり損をしている気がするわ。まぁ拘りがあるから書ける
      タイプの人間もいるけどね」

No.23 風の行き先 ◇Kq/hroLWiA
ξ ゚听)ξ 「文章は綺麗なのよねぇ……」
( ^ω^) 「文章“は”?
ξ ゚听)ξ 「そう。悪いけれど、話自体にはなんの面白みも感じなかったの」
( ;^ω^) 「……」
ξ ゚听)ξ 「うーん。世界観とキャラクターの設定と構築だけで終わってしまってる気がするのよね。だから、読後に『で?』という感想しか
      出ないのよ。
( ;^ω^) 「久々にきついお」
ξ ゚听)ξ 「だから、どうすればいいってもんでもなんだけどね。多分作者が書きたかったものを書いてるんだろうし……」
( ;^ω^) 「じゃあ、それでいいんじゃないかお?」
ξ;゚听)ξ 「それを言ったら、感想や批評なんて全く意味がなくなるじゃないの、馬鹿!」
593以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:39:35.11 ID:T1cmfV1oO

594 ◆Sd8w25k53w :2008/02/19(火) 02:40:24.43 ID:vpHmexZyO
みなかったことに……orz
そっかー……
やっぱスタイルよりネタ磨きからだな
595◇0CH8r0HG.A:2008/02/19(火) 02:40:38.12 ID:w3SoyowZ0
No.24 誰かの慈悲 ◇/73ORiYgDY
ξ ゚听)ξ 「この三点リーダーの使い方は、拘りかしら?」
( ^ω^) 「うーん。分かんないお」
ξ ゚听)ξ 「まぁ気が向いたら直してちょうだい」
( ^ω^) 「で、肝心の話はどうだお?」
ξ ゚听)ξ 「悪くない……わね。面白いかは微妙だけど、少なくとも発想は良いと思うわ」
( ^ω^) 「神様が人間っていうのは、割と当たってるかもしれないお。そもそも神様って概念を作ったのは人間だお」
ξ;゚听)ξ 「……あんた、どうしちゃったの?」
( ^ω^) 「適当に言っただけだお。続けて欲しいお」
ξ ゚听)ξ 「そ、そうね。文章も悪くないんじゃないかしら。読みづらくは無いし。ただ、気になったのが展開の唐突さね。場面場面の切り替わり
      を少し急ぎすぎてる気がするわ。あくまで個人的には……だけどね」
( ^ω^) 「そうするとどうなるお?」
ξ ゚听)ξ 「物語に入り込みづらくなるのよ。やっぱり、感情移入はしたいじゃない?」
( ^ω^) 「そりゃそうだお」
ξ ゚听)ξ 「後は、全体的に物語に起伏が無いわね。メリハリと言ってもいいかしら。この内容なら、もう少し転を利かせて欲しかったわ」
( ^ω^) 「ちょっと、要求が高い気もするけど……」
ξ ゚听)ξ 「まぁ、あくまで個人的にね」

No.25 無慈悲な聖母に抱かれ ◇/7C0zzoEsE
( ^ω^) 「にやにやにやにや」
ξ////)ξ「…………」
( ^ω^) 「まぁ、それが目的だろうからいいんじゃないかお?」
ξ////)ξ「そ、そうね」
( ^ω^) 「話はうすっぺらいお」
ξ////)ξ「ま、まぁ書きたかった物を書ききってるんだろうからいいんじゃないかしら」
( ^ω^) 「にやにやにやにや」
ξ////)ξ「じ、ジロジロみんな馬鹿!」
596◇0CH8r0HG.A:2008/02/19(火) 02:42:09.94 ID:w3SoyowZ0
No.26 慈悲をもってして ◇h97CRfGlsw
( ;^ω^) 「横になんげえええええええええええええええええ!」
ξ;゚听)ξ 「これはまた凄いわね……。JANEでIDをドラッグした時は何事かと思ったわ」
( ;^ω^) 「投下は大変だったと思うお」
ξ;゚听)ξ 「そういえば、4レス目で酷く手間取っていなかったかしら」
( ;^ω^) 「バレンタインしねえええええええええええええええええ!」
ξ;゚听)ξ 「……一応、儀式もやるのね?」
( ^ω^) 「当然だお。25で出来なかった分も言ってやったお。じゃあ、よろしくだお」
ξ ゚听)ξ 「そうねぇ……。うん良いんじゃない? ただ、これって25の方が好感持てるのよね、短いから」
( ;^ω^) 「ちょwwww短いからって……」
ξ ゚听)ξ 「だって、テーマがテーマでしょ? こんなにたくさん書く意味あるのかしら? にやにや目的なら蛇足な部分が多すぎると思うわ」
( ^ω^) 「あー、確かに。頑張って読んでも、え? こんなもんなの? て感じだったお」
ξ ゚听)ξ 「まぁ、丁寧でライトな文体だから、見た目ほど重くないんだけどね。ただ、この内容なら、もう少し改行とかに気を使っても良かっ
      たんじゃないかしら?」
( ^ω^) 「うーん。難しいお」

No.27 じひる ◇VXDElOORQI
( ^ω^) 「慈悲る」
ξ ゚听)ξ 「慈悲る」
( ^ω^) 「妹だお」
ξ ゚听)ξ 「妹ね」
( ^ω^) 「予定調和だお」
ξ ゚听)ξ 「予定調和ね」
( ^ω^) 「ブーンは好きだお?」
ξ ゚听)ξ 「私も嫌いじゃないわ」
( ^ω^) 「ただ……」
ξ ゚听)ξ 「ただ?」
( ^ω^) 「ちょっと物足りないお」
ξ ゚听)ξ 「そうね。物足りないわね」
597以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:43:32.16 ID:T1cmfV1oO
ラストさる
598◇0CH8r0HG.A:2008/02/19(火) 02:43:58.82 ID:w3SoyowZ0
ξ ゚听)ξ 「ふぅ〜。終わったわね」
( ^ω^) 「終わったお〜」
ξ ゚听)ξ 「まぁ好き勝手言ったから、作者は叩かれまくるかもしれないけど、私達の知ったこっちゃないわね」
( ;^ω^) 「ブーンは一応、フォローにまわってたんだお!」
ξ ゚听)ξ 「あのね。こういうときは、下手に気を使わずに思ってることを言っちゃった方がいいのよ。どうせ言った者勝ちなんだから」
( ;^ω^) 「すげぇ自分勝手だお」
ξ ゚听)ξ 「そういうもんなのよ。とにかく、疲れたわ。ご飯オゴリなさい」
( ;^ω^) 「ちょw」
ξ#゚听)ξ 「イ・ヤ・な・の?」
( ;^ω^) 「喜んでオゴラせていただきますお!」
ξ ゚听)ξ 「あ、投票はまた後でするから、もう少し待ってね」
( ^ω^) 「じゃ、まただお〜」
ξ ゚听)ξ 「またね〜」


ありがとうございました。
599以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:45:23.29 ID:xYTrbTlv0
なんだかんだの予防線の多さ。やっぱり品評会は敷居が高いね。挑戦する気でねぇ
600以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:46:04.26 ID:w3SoyowZ0
以上転載終わり
途中gdgdで申し訳ない
>>565で酉の前に変なものをコピペしてしまいすいません
猿除けしてくれた人に感謝を
601 ◆0CH8r0HG.A :2008/02/19(火) 02:46:50.79 ID:Q0aLKQOQO
>>598
転載感謝です。

自分のことを棚に上げて、かなり言いたいことを言ってるので、文句とか反論とかあれば遠慮なく御願いします。
重く受け止め、次に活かす。所存です
602以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:47:22.80 ID:T1cmfV1oO
全感乙 転載乙
603以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:47:51.29 ID:7Nz6gcLa0
投下します。
お題はランタン。2スレ予定。
速記のつもりが、二時間ちょいもかかるという遅さ・・・。
604ランタン 1/2:2008/02/19(火) 02:48:12.82 ID:7Nz6gcLa0
 ランタンの灯りがぬらぬらとした洞窟の壁を照らしている。人一人がやっと通れるかという窮屈な坑道の中である。
私がこの坑道で迷ってしまってからどれほどの時間が立っただろう。
この季節外れの冬に肝試しをしようなど提案したの私だった。ある程度奥まで進んだところに目標物となるハンカチを
置いて帰る、そして次の人がそのそのハンカチを持ち帰り、その次の人がまたハンカチを置いてくるということを繰り返す。
肝試し定番のルールだ。大昔に銀山として栄えたこの町では、多くの坑道が今もそのままの形で残っている。崩れる危険
があるため「近づくな」と子供の頃に何度となく釘をさされてはいたが、成人式を向かえ、酒も入った私はその日のフィ
ナーレを飾るべきして肝試しをしようと仲間に持ちかけた。折りよく倉庫に転がっていたランタンを手に取り、坑道へと
先陣を切って侵入したのだが、単純な構造だと踏んでいた坑内は予想以上に入り組み、戻ろうかと考え直しもしたが、
大見得切った友人達の手前、もう少しだけと歩を進めた。この辺でいいだろうとハンカチをおいたまではよかったのだが、
一本道だと思って来た道をもどりだしたまではよかったのだが。行き道では死角になっていた道筋がいくつあったようで、
右に左にと枝分かれしだした。それでもどこかしら出口にたどり着くだろうと楽観して進んでいたのだが、思惑とは裏腹に
行けどもいけども出口は見えてこない。私はすっかり迷ってしまったのである。方向感覚はまったく当てにならず、
ちゃんと出口に向かっているのか、それとも更に奥へと突き進んでいるのかさえ分からい始末だ。それに普段から時計を身
につけない私は、どれほどの時間が経過したのか皆目検討もつかない。閉所恐怖症というわけではない、しかし無機質な
壁に囲まれた道を何時間も歩かされれば、正気を保つのは難しくなってくる
605ランタン 2/2:2008/02/19(火) 02:48:30.16 ID:7Nz6gcLa0
ランタンの灯りが届かぬ前方の闇が意思を持ち、私を食らおうと、この闇の世界に連れ込もうとしているという妄想に囚われる。
恐ろしくなって、大声で仲間に助けを求めるも、応えるのは坑内を跳ね回り不気味ななエコーとなった自分の声が返ってくるだけだ。
せめてもの救いはこのまま私が何時間も戻らなければ、外で待つ友人たちが捜索隊に救助を要請してくれるはずだ。
しかしそれまでどれほどの時間がかかるだろうか、下手をしたら何十時間もこの坑内ですごすことになるのでは……。
ランタンの炎が陰り、ゆらゆらと不安げに揺れる。とたんに私は単純な事実に気づき愕然とした。
――ランタンがの炎が消えようとしている。
今まさに最後の油を吸い上げ尽くすし、その命を終えよう、炎は小さくなったり大きくなったりと不安げに揺れ始める。
光が弱まったのを待っていたかのように、耐え難い強迫観念と共に闇が私の周りに迫ってくる。
このまま闇につつまれたとしたら……。
――闇が私を食らおうとしてる。
体からどっと脂汗が吹き出てる、血の気がないはずの顔を汗が伝う。半狂乱になりながら私は上着を脱ぎ捨て、引きちぎる。
ランタンのカバーガラスをはずし、今まさに消え入ろうとする炎に向かって、上着の切れ端を近づける。
――燃えろ、燃えてくれ。
そのとき額を伝う汗が炎に向かって落下した。ジューという音と共に世界は闇に包まれた。限界に達した私の精神がブツブツと
音を立てて千切れていく。私は絶叫した。両手で髪の毛をかきむしりその場に転がり込む、今まさに発狂としようとしたその時、
私の目にうつったのは、ひっそりと輝く緑色の世界だった。完全な闇の世界しかないと思われた坑道だったがそうではなかった。
壁のところどころに生息する光コケが、緑色に発光し私をやさしく包んでくれていた。もう私に襲い掛かる闇はなく、今あるのは
静寂に満ちた、神秘的な世界だけだ。恐怖心はもうない、私はただただ緑色の世界に魅入られ続けるだけだった。
 その後私は救助隊に発見され、助け出されることとなる。もちろん発狂するこもなかったし、いたって正常な精神状態だった。
今では二度とごめんだと笑い話にするが、正直なところ、もう一度あの場所にいき、いつまでもいつまでもあの神秘的な光につつ
まれいたいと願う願望と戦っている。
606以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:48:35.05 ID:xYTrbTlv0
きつく言わないとぼんやりとしか分らないだろうからこれで良いと思うよ
全感人全員これだったらもっと面白いと思うけどw
607ランタン:2008/02/19(火) 02:49:55.42 ID:7Nz6gcLa0
おしまーい。
描写不足、説明不足がないように書いたつもりですが、眠気にまけて思考力低下がはげしいので自信はあまりありません……
608以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:56:03.61 ID:xYTrbTlv0
ランタンの灯りがぬらぬらとした洞窟の壁を照らしている。人一人がやっと通れるかという窮屈な坑道の中である。
(洞窟・坑道。統一したほうがいい)
応えるのは坑内を跳ね回り不気味ななエコーとなった自分の声が返ってくるだけだ。
(山田悠介現象が起こってます。)
今まさに最後の油を吸い上げ尽くすし、その命を終えよう、炎は小さくなったり大きくなったりと不安げに揺れ始める。
(落ちてたランタンの油が劣化せずにあるとは考えづらい。)


起承転結の転があまりにも短く、弱い。しかし途中の描写は中々だったので頑張れ
609以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 02:57:38.21 ID:hxR8cVAuO
>>601
丁度見かけちゃったから感想返し。

No.7です。
取り敢えず苛立っていることを表す為の前置きの文章、ってつもりで書いてたんで、こんなに突っ込まれると思わなかったです正直。気付かなかったとこなんで感謝です。
でもそんな自殺願望とか前面に押し出したつもりも無いですし、ヒネたキャラくらいのニュアンスだったのですが、そんなに目についたでしょうか?

それか、その文章以降に悪い意味で突っ込みようが無かったのか(笑)
610 ◆/sLDCv4rTY :2008/02/19(火) 03:09:45.75 ID:T1cmfV1oO
こういうのってやっていいのか分からないけれど、まあいいや

>>564
> ξ ゚听)ξ 「ツンと!」
> ( ^ω^) 「ブーン!」
> ξ ゚听)ξ 『二人で全巻!』(^ω^ )
こういう形にしたのはかなりの失敗だと思う。
あと俺とかは「全感の作者」を意識しながら読んでいるから、二人の性格に落差をつけたのも失敗だと思う。しらじらしい。
例えば
> ξ ゚听)ξ 「生姜焼きってところでオチが分かっちゃったのよ。元気付ける為に生姜焼きっていうチョイスは無理がある気がするわ」
> ( ;^ω^)←全く気付かなかった人
こことか寒い。
酷評ならまっすぐ言った方がいいと思う
611以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 03:11:34.51 ID:xYTrbTlv0
それは怒りの矛先を多少なりともAAに向ける工夫だろうな
612以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 03:11:35.92 ID:Q0aLKQOQO
>>609
出だしというのは、物語の方向性を決定付ける上で非常に重要だと思うのです。
そして何よりも、今回はお題がお題ですから、「死」という単語が非常に重要な意味を持っている気がしました。
死にたいとか、自殺しようとか、そういったものがありふれていたので、目に付いてしまったのかもしれません。
人間、面白いもので、最初に植えつけられたイメージというのは、残りがどれだけ一貫していてもその違いが気になると思うのです。

などとツラツラ書いてみましたが、いかがでしょうか?
613以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 03:16:46.18 ID:Q0aLKQOQO
>>610
鼻に付きましたか。
うーん。まぁ>>611さんの言うような狙いも無かったと言えば嘘になりますね。
ただ、今回はブーン系小説っぽく全巻をしてみることがテーマだったので、キャラ付けは必要だったと思っています。
不快に思われる方がいたのであれば、次回からはこの形は自粛することと致します。
後、ギャグっぽい所が寒いのは、本人が寒いからというのもあるので……スイマセンw
614以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 03:23:55.45 ID:vpHmexZyO
>>613
おれは好きだったけどw
なにより、どんな形であれ全感はありがたい
615以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 03:26:58.49 ID:wuuntjHN0
No.01を読んで俺が抱いた感想は、概ね>>564と同じだったけどな。
それが伝えれてるんだから感想として失敗とは言えないんじゃないの?
感想の書き方なんて何でもいいだろう。参加してない人間も楽しく読める全感なんだからいいじゃん。

>>613
いいぞもっとやれ。来週は参加するから、そういう感想もらえるの期待してる。
616以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 03:28:03.98 ID:wB8fdAhZ0
遅くなったけど全巻のツー
まあ全巻もある種の作品だと思えば
617以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 03:31:24.03 ID:eliX9nQV0
>>613
遅ればせながら全感乙

他人の作品の感想なんて普通面白いもんじゃないんだから
会話形式で少しでも面白くしようとするのはいいんじゃないの?
酷評を書く自分にも、それを受け取る相手にも緩衝材になると思うし
618以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 03:33:08.00 ID:ju78PH+Z0
>>613
全感乙。俺も好きだよ
全感自体を一つのエンターテイメントとして見られてよい感じです。
619以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 03:38:39.47 ID:Tnmk6Zo30
板にはいましたが、このスレには初めて書き込みします。

「ランタン」感想

序盤の「だが」が気になりました。
リズムをつけるつもりで多用してるのかと思ってましたが、
どうも違う様子。
だが、だが、を続けた後に段落をかませると、
読み手に一拍、呼吸のタイミングが生まれて、
リズムが生まれて読み易くなると思います。

「転」である発狂への過程が弱いです。
ランタンの炎が消える=生命の灯が消える、と読ませたいのは伝わりますが、
そこにもうひとつ、エピソードをかませる
(なんでもいいです、火があって一度助かった経験がある、とか)
ことで、ある種の説得力は生まれると思います。

また、酒に酔っていた描写があるので、それが「醒めた」という
一言でもあれば、それによって、
いったん正気に戻る→酔いとは違うベクトルの狂気を得る
という流れがスムーズになるかと思いました。

観念的なものをアイテムによって具体化させようという
その試みは好きです。がんばってください。

ぱぱぱっと、思いついたこと書いてみました。
「何言ってんの?」と思われたらすみません。
機会があれば自分でも書いてみたいです。
620以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 03:57:10.29 ID:AayEYYEB0
>>601
全館乙

No.12の作者です。面白さも目指したんだけどね……
手が届かなかったんだよー!!
621以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 04:12:14.75 ID:huzyZCW6O
全感乙
だが正直AAが見えた瞬間読み飛ばそうと決めた
622以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 05:21:54.24 ID:T1cmfV1oO
623以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 06:19:19.89 ID:Vp6wZFYHO
全感おつです

11だけど、感想ありがとう
返す言葉がないけど……
624以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 06:31:52.10 ID:HMcHdIhr0
奇を衒ったのは毎回だとウザくなるだろうな
全員が同じことやったら、ウザいどころじゃすまないし
ただ挑戦しようとした気持ちと、なによりも気持ちをこめた感想がありがたい
作品も感想も読んでないけど、とりあえず乙
625以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 06:32:00.48 ID:GFHKyVLD0
お題もらおうか↓
626以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 06:34:46.16 ID:wm5C39tiP
>>625
627以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 06:35:20.50 ID:GFHKyVLD0
>>626
承知
628以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 06:35:35.24 ID:wm5C39tiP
>>504だけど他の作品にも一言ずつ。読んだよーっていう証拠程度に。

No1 随分ストレートにきたねぇ。
No2 こういう構成は嫌いじゃない。けどこういうの難しいんだよね。
No4 バレンタインが随分出てくるけど本編とあんまり関係ないね。
No5 いかんとも感想つけがたし。ごめんね。
No6 慈悲をお与え下さいって言葉はとってつけた感。
No7 人のせいにしすぎ。
No8 展開がやや強引かなあと。
No9 戦闘シーン苦手なのですまんです。
No11 主人公の心境が伝わってこない感じ。
No12 悩みの重さに対して立ち直るキッカケが些細すぎないかな。
 自分が恋愛しないからわからんけど恋する乙女はこんなもんなの?
No13 ダイスケクンの馬鹿っぽさが文体から滲み出てていい。
No14 もっと深いエピソードがあるかと思った。
No15 どうもこういう茶化されてるような文体は好きになれんのです。
No16 狂気ものはオチが難しいよね。
No17 いくらなんでも女全員は賛成しませんよ。
No18 いやいやいい王様じゃないの。
No19 2レス終了でよかったんじゃないかな。3レス目が噛み合ってこない感じ。
No20 こちらも感想つけがたし。
No21 文から文への流れが滑らかでないというか、それぞれが独立してプツプツ途切れている感じがする。
 もっと丁寧に書けるお人ではなかったかな。
No22 哲学書を読んだような疲れが。しかしあまり新しい発見がなかったとです。
No23 それよりSOSウサギの話を聞きたい。
No24 もうひと展開欲しいところ。
No25 登場人物に魅力を感じない恋愛ものは感想書くときどうも困る。
No26 禁止ワードがどうとか出さない方がよかったんじゃ。
No27 力あるんだから真面目に書こうよ。
629以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 06:56:27.47 ID:Vp6wZFYHO
>>628
簡易全感乙
感想くれてありがとん

眠い
630以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 07:11:44.27 ID:T1cmfV1oO
>>628
6311/4感想 ◆BLOSSdBcO. :2008/02/19(火) 07:28:04.42 ID:v5mY3p2u0
 最近、週末が忙しすぎて品評会に参加出来ないです。
 本当は全感想したかったけど厳しいです。
 なんとか1/4だけ感想置いておきます。

No.01 優しさ ◆/sLDCv4rTY氏
 シュール。茫洋とした全体像は分かるけれど細部に至ると疑問の尽きない不思議さ。
 カエル男な理由とか、野良人間は何で毎晩やってきたのかとか、犬小屋ではなく人間小屋じゃないのかとか。
 根幹にある一本の筋(ストーリーあるいはテーマ)や文章の味など、惹きつけるモノが弱く感じられた。

No.02 摩擦 ◆5GYXdMXqOs氏
 話の基盤となる思想に少なからず共感を覚えた。学生時代のホロ苦い思い出が……
 一レス目の読み辛さ、視点変更の分かり辛さを除けばかなり好きな作品。テーマも文体も痛いところを優しく
撫でられたようなムズ痒さを伴って身を捩りたくなる。
 友人(?)視点と「いじめる側」の視点は話を分かりやすくするのに必要だろうが、一レス目のいわば「異端者」
の考え方をメインに持ってきて、オチ以外は主人公視点で貫いた方が良かったように思う。あるいは
>この時、摩擦は火を伴った。
という「いじめる側」としてはおかしい語り部的な第三者視点で全体を統一するか。
 個人的な課題でもあるが、場面転換は読み手の混乱を招くので多用する場合は注意が必要だろう。

No.03 キュア ◆p/2XEgrmcs氏
 こういう話を楽しめる自分に驚いた。
 漫画的、ラノベ的な分かりやすい派手さを持ったストーリーではないが、それ故にじわっと染み出すような
味があって癖になりそう。日常を読める文章として描ける力が羨ましい。
 主人公が真面目な弟っぽいキャラだけに『ヒモかよっ!』と驚き、でも殴られ蹴られてペットっぽかったり、
女が金を持ってるだけのヒス女かと思ったら最後で結構優しかったり。何というか、歪んだ愛の形を上手く
表現しきってるなぁ、と感心しきりだった。
6321/4感想 ◆BLOSSdBcO. :2008/02/19(火) 07:28:46.31 ID:v5mY3p2u0
No.04 生首 ◆ka4HrgCszg氏
 バレンタインの夜に仕事から帰って一人で日本酒飲んでると死にたくなる。
 きっと生首担いで堂島君の家に突貫するのだろう、と想像してニヤニヤしてたけれど、このオチも好き。
 もう少し生首の生々しい怨念っぽさが欲しかった。主人公の開き直りでコミカルなキャラになってしまった
だけに。

No.05 月のマリア ◆gNIivMScKg氏
 言葉は悪いが、チープで陳腐な印象だった。特に
>二十二世紀初頭に始まった
から始まる説明臭い文章が『ああ、ありがちだなぁ……』と。ミリアムの病気で云々という辺りにもリアリティが
無くていまいち共感出来ない。
 何より、送別会なんか開いてる場合じゃないだろ。マリア様磨いてる暇があったら地球行け。と突っ込みを
入れたくて仕方なかった。

No.06 選択 ◆CFP/2ll04c氏
 夫が問題に取り組んでいる間の妻の苦労がもっと切実に描かれていると良かった。夫もそれを知っていながら
問題を解く事を優先していた、という前提が無いとラストで自殺を選んだことがいまいち腑に落ちない。
 もしかして解けそうなところで邪魔をされて自棄になったのだろうかとも考えたが、邪魔された後の夫の様子が
省かれているから、やはり理由は罪悪感で良いんだよね?

No.07 清算/凄惨 ◆p/4uMzQz/M氏
>「うるさいうるしゃい! 黙れ祐二!」
 シャナた――うわやめろなにを(ry
633以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 07:53:05.82 ID:wm5C39tiP
あ、終わりかw
ずっと待ってたw
634(お題:屁)1/2 ◆LBPyCcG946 :2008/02/19(火) 08:10:35.24 ID:GFHKyVLD0
 すっかり冷え切った夜。男は路地で、その刀を見つめていた。
 それは師匠に教わった技と、日々の修行による汗と、そして今までに斬った人の血が染み付い
ているように見えた。男にとってその刀とは、金を稼ぐ手段であり、自分の力を誇示する為の手
段でもあった。
 そして男は、今日もまた1人の血を、その刀の錆に加えようとしている。
 暗がりの路地から20メートル程離れた酒場、そこから、長いコートを着た魔法使い風の男が
1人出てきた。男は身を屈め、殺気を押し殺した。
 酒場から出てきたほろ酔い気分のこの男、本名は定かではないが、この辺りでは「スカンク」
というあだ名で呼ばれている。男は1ヶ月程前、このスカンクを始末する依頼を受けた。土曜日
のこの時間、スカンクが必ずあの酒場で1人で呑む事は、調査済みの事だった。
 暗がりを千鳥足で歩くスカンク。その後ろをピッタリと、男が張り付いて歩いた。夜、この通
りに人はいない。男はおもむろに刀を抜き、スカンクに迫った。
 スカンクが男に気づいた。男の振り上げた刀に、雲から顔を覗かせる月の光が反射する。男も
達人だったが、スカンクも伊達ではない。間一髪、振り下ろした刀はスカンクの体を捉えるにい
たらなかった。スカンクのコートのすそが切れ、ヒラリと着地する。
「誰だ?」
 スカンクは男を見つめた。男はその質問に答えず、スカンクを見つめていた。スカンクの手に
は既に、1本の小さな瓶が握られている。
 男が1歩、スカンクに迫る。それに合わせ、スカンクは1歩下がる。空気は張り詰め、気づく
とスカンクの酔いはすっかりと醒めている。
「待て、どうして俺の命を狙う?」
 その問いにも男は答えなかった。そして一気に間合いを切り詰め、スカンクに追撃を仕掛けた。
それと同時に、スカンクは握った瓶を地面にたたきつけた。瓶が割れ、中から黄色がかった気体
が立ち上がった。
 スカンクは、この世界でも珍しい屁放使いだった。屁放使いとは、体内から放出される屁を、
その技によって濃縮、増強し威力を高め、武器として使う者達の事だ。スカンクの異名は、この
卓越された技が由来している。今、スカンクが地面に叩き付けた瓶には、「にぎり」という技
術で濃縮した屁が入っていた。
635(お題:屁)2/2 ◆LBPyCcG946 :2008/02/19(火) 08:11:05.84 ID:GFHKyVLD0
 男は当然、放たれた屁に気づいた。踏み込んだ足にブレーキをかけ、1歩下がると、空を斬る
一閃。それは瓶から上がった屁をたちどころに祓った。屁放使いの屁を一度吸えば、途端に体の
全器官が麻痺するのは承知の上だ。
「戦うしか無さそうだな」
 スカンクがそう呟きながら、男を見つめた。それは苦々しくも見えたし、純粋な、男の技に対
する尊敬の眼差しでもあった。
 男は刀を斜めに構え、スカンクとの間合いを測った。スカンクがコートの中から次の瓶を出す
所を狙って斬りつける気だ。勿論、スカンクもそれに気づいている。だから、両者とも迂闊に動
けない。
 夜の静寂は続いた。両者とも、視線は決して外さない。
 男が1つ瞬きをした瞬間、スカンクが地面を蹴り、2〜3m程後方へと飛びのいた。それに即
座に反応する男。同じく、地面を蹴るようにしてスカンクに接近した。それは先ほどよりも強い
踏み込みだった。
 瞬間、スカンクが地面にあった石を蹴り上げた。石は真っ直ぐと男の顔に向かって飛ぶ。その
軌道は、男の眼を目指している。
「小癪――」と、男は思った。前に踏み込んでいるので、石を横にかわす事は出来ないが、そん
な小さな石くらい、男の技があればどうとでもなる。
 男は素早く、そして滑らかに刀を引き、その刀身を石に当てて弾こうとした。
 その瞬間、まばゆい光と炎が弾け、爆発が起こった。
 上がった業火は、男の顔を焼く。悶える男。スカンクは更に距離をとる。火だるまになった男
はその刀を振り回し、声にならない叫びをあげている。
 スカンクは、仕掛けていたのだ。静寂の中、気づかれぬよう尻の穴から放屁をし、自身の前に
屁の壁を作った。屁放使いの秘伝「すかし」だ。無論、尻から出した純粋な屁なので、先ほど瓶
から放たれた「にぎり」程の威力はない。だが、「すかし」といえど、そこに火がつけば話は別
だ。蹴り上げた石は、男の眼を狙いつつも、これを狙っていた。
 こうして、真夜中の勝負が決着した。

636以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 08:11:37.24 ID:GFHKyVLD0
次のお題もらおうかー
637以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 08:37:52.99 ID:AayEYYEB0
むし
638以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 08:38:48.90 ID:Sz8mlKXC0
うし
639以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 08:39:16.87 ID:GFHKyVLD0
>>637,638
承知
640以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 09:00:50.09 ID:aJfvUv4J0
>>601
感想おつです。
No.06の作者ですが反論させていただきます。
まず自分の数学者に対するイメージをあげると
賢い、計算早い、気難しい、孤高、物静か……その他いろいろあります。
一方で数学者の知り合いはいませんけど、現実にはこんなイメージにあてはまらない
普通の人が大多数であろうことは百も承知してます。
そしてこの中のイメージのいくつかを増幅して書いたんですけど、この小説一つだけで
私の数学者に対するイメージ全てと捉えられて、さらに愚かとまで言われておられますよね
作品がつまらんとか変とか言われるのは一向に構いませんが、これでは自分の人格を否定
されたようで心外です。
自分は数学者になにも偏見はありませんし、むしろすごい人達だなと思ってます。
文章が下手くそでうまく伝わらないかもしれませんが、言いたいことをいわせていただきました。
ただし作品を読んでもらって、感想をもらえるということには、大変感謝しております。
その他の感想くれた方や読んでくださった方々もありがとうございます。
641607:2008/02/19(火) 09:28:16.05 ID:rS/dAFQF0
>>608
感想ありがとうございます。
抜粋してまで指摘いだけきありがとうございます。
ご指摘の点もっともです、自分でもうすうす気づいてはいたのですがさぼってしまいました;;


>>619
丁寧なご指摘感動です;;
「だが」の点ですが気づいてなかったです。
何度か読み返してみます。

「転」である発狂への過程が弱いです。
そうです、ここをもっと書くべきでした、朝読み返すとすごく弱いです。
それにもっと深くえぐるような作品にもなったと思います。

>また、酒に酔っていた描写があるので、それが「醒めた」という
これは完全に忘れてました、どのタイミングでいれようかと思ってるうちに入れ忘れてました;;
>「何言ってんの?」と思われたらすみません。
とんでもない、心から感謝。
642以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 09:56:30.71 ID:zFqr8MrXO
ひうほほほ

なんか書く気力がないというか
643以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 10:10:47.00 ID:8CvDjRFmO
あと一回でも休んでたらアウトなくらいギリギリで卒業出来た……
お題くだされ
644以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 10:14:50.72 ID:Vp6wZFYHO
>>643
バーニーズ
645以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 10:20:38.38 ID:8CvDjRFmO
>>644
帰ったらググって書く。
とりあえずバニーさんの複数形じゃないよな?
646以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 10:36:18.91 ID:Vp6wZFYHO
>>645
とりあえず↓
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%A8%E3%83%BC%E3%82%AF
変なお題ですまない、今読んでる小説のタイトルにあったから出した
647以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 10:40:50.81 ID:E1C7+ajf0
お題下さい
648以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 10:42:11.58 ID:I3MKO1Cb0
比翼の鳥
649以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 10:42:38.04 ID:B0MMYw8S0
お題をおくれ
650以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 10:44:40.40 ID:E1C7+ajf0
>>648
感謝です
651以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 10:48:10.66 ID:AayEYYEB0
>>640
そこまで、気にする必要はないんじゃないかw
ξ ゚听)ξ、こいつのキャラ設定上、厳しめに言っただけだと思うよ。

ちなみにおれ、数学科だったけど、あまり孤高って感じの人はいなかったと思う。
それを踏まえた感想だとやっぱりちょっとリアリティを感じなかった。
くわしくは、>>389で。こういうタイプもいるかもしれないけどね。
先生たちの話だと、数学者は結構、ロマンチストが多いらしいw
ガウスなんかは20代前半の若さで女を取りあって、決闘して死んだとか。
652以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 10:48:52.98 ID:zFqr8MrXO
>>649
かくしん

>>464
丸太を思い浮かべたのは俺だけじゃないはず
653以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 10:58:12.25 ID:B0MMYw8S0
>>652
把握
654以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 11:10:44.69 ID:TKedSejS0
>>640
まあ、おちけつ
ここのスレ住人はほんとに煽り耐性が低いなw

ま、俺が読んだ分には、何かに取り憑かれた人間がいて、その何かが数学だったというようにしかとれなかった。
つまり、数学者を音楽家や画家、小説家に置き換えても話は成り立つわけで、少なくとも「数学者とはこうい
う人間だ」と言う主張があるようにはまったくは読み取れなかったぜ。
つっても感想は人それぞれだから、誰が正しいというのもないけどねー。
あんま納得いかないようなら、どこを読んでそのように感じたか具体的に指摘して貰う方がいいかもね。

〜せっかくだから感想〜
全体的な流れはいいと思う。読みやすいし、登場人物にマッチした雰囲気も感じられた。
しかし、妻が銃を持ち出したところや、最後に自殺してしまうあたりでは違和感を感じた。
バイオリンを選ばなければ自分殺せ(もしくは死ぬ)、というのは無理があるかと。実質、バイオリン選ぶかどうかになっちゃうもんね。
まあ、結果的に夫はそんなゲスな勘繰りしはせず、めでたくバイオリンを手にしたから当人たちとしては問題なかったわけだけど。
で、夫が「妻には長いこと苦労かけたなー、悪いことしたなー」と猛省したあとに、あっさり自殺しちゃうのはおかしいと思う。
こういった場合「これからはちゃんと金になる仕事もして、労ってやんなきゃなー」って思うんでないかな? 
苦労掛けっぱなしで、死んでも良いほど愛してるっていう妻を残して自殺じゃ、結果的に追い打ちを掛けただけになってないかい。

ここからは勝手な妄想だから無視してくれて構わないけど、
いっそハッピーエンドにして、後日、憑き物の落ちたような夫が心安らかにバイオリンを弾いているときに、ふいに問題の答えがひらめき……。
みたいな方がもうちょい自然だったかも、と勝手なことを思った。

個人的に、物語世界の雰囲気がうまく出せる人だと感じたな。
次回作に期待してます。
655以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 11:20:29.55 ID:PmTJBZ6K0
夫は数学者の中でも特に異端だった。
って書いてあればよかったかもね
656以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 11:42:51.44 ID:3Hi6mPaO0
受験終わって久々に覗いたが、まだあったんだなこのスレ……

という訳でお題くだしあ>< ↓
657以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 11:44:22.27 ID:AayEYYEB0
センター試験
658以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 11:46:23.05 ID:Vp6wZFYHO
坂本竜馬
659以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 11:47:28.76 ID:3Hi6mPaO0
>>657
それはあの死闘の事を指してるんだな、把握
660以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 12:00:33.08 ID:fQaHELh90
お題ください。
661640:2008/02/19(火) 12:08:56.42 ID:aJfvUv4J0
>>651>>654>>655
自分の益体もない繰り言にレス及び感想ありがとうございます。

あまり深く考えずに数学者としてしまったのが失敗の一つかもしれませんw
それ以上にもっとパラノイア的人物としての描き込みが全然たりなかったのがありますけど
654さんのおっしゃるように置き換えは可能です。物事にのめりこむ人間が達成寸前に邪魔をされて
しまう筋にしようと先に思いついたので数学者は後づけです。

例えば政治家を金に汚い権力の亡者だとかひどい描写をしても、作者が偏見の持ち主だとはたぶん
言われないと思うんですよ。政治家以外には。
作品が厳しく言われるのはバチコーイなんですけど、何回読んでも批判が自分自身に向けられ
ているとしか思えずああいうレスをしてしまったわけです。

ただ自分が思っている以上に数学者が世間では好意的な存在だということはよくわかりましたw
やっぱりリーマン予想の人がインパクトありましたので、気難しくて孤高というイメージを
持っていました。651さんのレスを参考にして自分の中のイメージを修正していきます。
ほんとに色々な意見ありがとうございました。
蛇足ですが決闘した人はガロアでは?
662以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 12:17:06.49 ID:zFqr8MrXO
暇だからプロットも何もなく長編書いてるつらつらと
無謀やの


>>660
記号
663以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 12:19:15.71 ID:fQaHELh90
>>662
想定の範囲外のお題。お受けいたします。
664以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 12:42:00.33 ID:iMdjKvBl0
odaikure
665以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 12:46:40.33 ID:0viCcNO80
海老
666以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 12:51:54.01 ID:iMdjKvBl0
あと2,3個お題をくれるとありがたいです。
667以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 12:54:27.79 ID:0viCcNO80
つ 漫画 菓子
668以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 12:54:56.31 ID:AzjYBVowO
荒波
669以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 12:59:38.51 ID:iMdjKvBl0
ありがとう
670以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 13:14:50.30 ID:B+DYB5NGO
らららお題下さい
671以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 13:15:50.52 ID:zFqr8MrXO
>>670
むじん
672溝口君は空気が読めない(お題:むし)1/2 ◆LBPyCcG946 :2008/02/19(火) 13:21:56.14 ID:GFHKyVLD0
 放課後の図書館、テストを明日に控え、勉強会は始まった。当初、メンバーは、俺と山崎と由
香子の3人だけだったが、なんとそこに、あの溝口君がやってきてしまった。
「いやはや、私なんか勉強会にお呼びいただいて。ほんとありがとうございます」
 と、溝口君が俺を含め3人に礼を言った。俺が山崎の方に目配せすると、山崎は小さく首を横
に振った。それじゃあ由香子か? と思って見たが、由香子も違かった。
 ……まあいい。いつもの勉強会のパターンだと、いつの間にか雑談に花咲いて、勉強どころで
はなくなる。あの溝口君がいれば、重い空気の中で勉強がはかどる事だろう。
「まあ、誰にも招かれてないんですけどね」
 じゃあ帰れよ! と思った。おそらく他の2人も同じだろう。
「とはいえ、ゲストも必要じゃないですか。明日はテストだけにね」
 サーっと冷たい空気が図書室を流れた。
「あ、今のはテストとゲストをかけたんですよ。分かりました?」
 受けなかったネタを自分で解説する以上の拷問が、この世に存在するのだろうか。
「それにしても今日は暑いですねえ。アツはナツい! なんつって!」
 断っておくが、今は平成だ。この寒いギャグ連発野郎に、「帰れ」と言うのは容易いが、それ
をするといじめてるみたいになるのが、なんとなく嫌だ。
 先ほどから、蚊が1匹近くを飛んでいる。しかし構うのすら面倒で、3人ともシカトしていた。
それを見て、溝口君はこう言う。
「虫だけに無視ですか」
 寒すぎて、開いた口が塞がらなかった。
「皆さん僕の事も無視ですか?」
 気まずい空気が流れた。何も気を使う事などないのに、由香子がその空気を変えるべく、口を
開いた。
「あ、山崎君、数学のノート見せてくれる?」
「お、おう。はいよ」
 と、ノートが由香子の手に渡った時、またも溝口君。
「女の子は男の物を「むし」るもんですよね。虫だけに」
 ピタッと時が止まったように思えた。その雰囲気を察してか、溝口君は続ける。
「おや、皆さん虫の居所が悪いみたいですね」
673溝口君は空気が読めない(お題:むし)2/2 ◆LBPyCcG946 :2008/02/19(火) 13:22:26.69 ID:GFHKyVLD0
 さらっとそんな事を言える溝口君は、ある意味勇者だ。
「しかし本当に蒸し暑いですねえ。いやー蒸し、暑い。蒸し、暑い」
 本当に帰ってもらえないだろうか。
 その時、俺の腕に蚊が止まった。俺はすかさず、手でパンッと潰した。
「蚊ですね」
 溝口君が呟く。余計な事を言うなよ、と俺は心の中で念じる。
「あれは木です」
 と、窓の外にある木を指差す。
「となると、この空間は苦ですか」
 分かってるのかよ。
 俺は溝口君と絶対に目を合わせないようにしながら、教科書を見つめた。
「いやー、そろそろ無心に勉強に集中しますか。無心にね。無心に」
 何度もそう呟く溝口君に、ついに山崎がキレた。
「おい溝口、勉強するなら他でやってくれ。俺らの所に来るな」
 凄みを聞かせながら山崎がそう言った。溝口は面喰らった顔をしている。俺は心の中で、もっ
と言え! と叫んだ。
「やはり、虫の居所が悪いみたいですね」
 それ、さっき言ったネタだろ。
「いや、「むし」ろ、「カ」ーッとなってるのかな」
 山崎の華麗な右ストレートが、溝口君に命中した。


674以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 13:42:37.63 ID:Q0aLKQOQO
>>640
貴方の反論ももっともです。
確かにこの書き方では、貴方自身を批判しているようにとられても仕方ないですね。
かなり軽率な書き方だったと思います。
スイマセンでした。
675以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 13:50:10.62 ID:csQ/3fNS0
どうでもいいけど反論と言えば太宰が思いつく
676以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 13:52:20.28 ID:AayEYYEB0
>>661
ホントだ、ガロアだったw
書くとき迷ったんだけど調べるのめんどくさくて適当に書いちまったw
677以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 13:54:04.80 ID:iXAALeGE0
というか>>674のIDがカッコイイ
678以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 14:23:33.36 ID:IPfjT0t70
ほほほほほほしゅ
679以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 15:05:07.08 ID:1U+yYhyA0
680以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 15:31:23.05 ID:IPfjT0t70
なんかなぁ〜……
お題くださいな
681以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 15:33:35.46 ID:kS6yEWBF0
海外ドラマ
682以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 15:36:10.46 ID:IPfjT0t70
サンクス。把握
683以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 15:38:37.32 ID:HWloxR0y0
1ヶ月で6人ヤって80万GET!!
http://autostm.net/hwork/
684以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 15:52:44.60 ID:pLWVJ2ib0
お題くださーい
685以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 15:57:11.41 ID:Vp6wZFYHO
凹凸
686以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 16:19:55.52 ID:pLWVJ2ib0
把握した
687以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 16:46:36.98 ID:vpHmexZyO
喪主
688以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 16:49:08.54 ID:eN7SFVLU0
数学者を理解する一般人にだけ理解できるジョーク
「分かりにくいのでもっと抽象的に説明してくれ」
689以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 17:38:38.00 ID:wm5C39tiP
鯖なおた ほ
690以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 17:41:02.40 ID:wm5C39tiP
と思ったらFOXの悪戯かよ!
691以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 18:10:43.76 ID:wm5C39tiP
ほしゅ
692以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 18:17:21.40 ID:wm5C39tiP
このスレが投票ラッシュの真っ最中に3日ルールでdat落ちする件
693以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 18:19:19.39 ID:8U0CNJcE0
お題くださいな
694以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 18:21:51.66 ID:xYTrbTlv0
フェノミナ
695以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 18:23:23.17 ID:NcMA3p+OP
そもそも、投票ラッシュ自体があるのだろうかw
これだけ投票少ないのも珍しいな。
まぁ、作品の投稿もカオス直前から一気に増えたから、まだなんとも言えんけど。
696以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 18:23:31.18 ID:8U0CNJcE0
>>694了解しました!
でも言葉の意味がわからないから調べてくるぜ
697以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 18:25:05.64 ID:vpHmexZyO
雑談でもして次スレまで伸ばすってのはどうでしょう?
698以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 18:26:15.27 ID:NcMA3p+OP
>>697
じゃあ、ネタかもん
699以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 18:27:41.98 ID:xYTrbTlv0
今日見た夢の話
700以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 18:27:42.99 ID:w3SoyowZ0
>>690
kwsk
701以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 18:29:20.31 ID:8U0CNJcE0
>>698映画の題名っぽい。うーん、さすがにちょっと無理そうです。
>>699それは新しいお題ととっていいですか?
702以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 18:30:43.89 ID:xYTrbTlv0
>>701
雑談の内容だったんだけど別にいいよー
703以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 18:32:23.61 ID:T1cmfV1oO
>>695
作品数の四分の三ぐらいはくると思うよ
704以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 18:32:35.69 ID:8U0CNJcE0
>>702俺の勘違いだったのかorz。
じゃあ>>699をお題としてもらいます
705以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 18:33:15.68 ID:4gEMHEiF0
自分の作品が叩かれてるような夢を見た気がする

>>387>>564>>628
遅くなったけど、感想乙
もっと良いオチ練れるように精進します
他にも精進しなきゃならない点とか、多々あると思うけどね
706以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 18:35:01.04 ID:wm5C39tiP
>>700
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/operate/1203100286/137-
だそうですよ まったく
保守できなくてオロオロしちゃったじゃまいか
707以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 18:38:53.32 ID:8U0CNJcE0
良く見たらレスの番号すら違うorz俺疲れてるのかな。ダメダメだ
708以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 18:39:38.45 ID:xYTrbTlv0
今日の夢は凄く怖かったんだ。

理想・現実・劣等の同存在の女の間でフラフラする男の話なんだけど
劣等にあたる女が完全に貞子。そして理想と現実と一緒にいる男を殺そうとする。
最終的に、男自体が俺の理想現実劣等をごちゃまぜにした存在だと気づいてからが本当に怖かった
だって俺を殺そうとしてるんだもん。必死に逃げた。逃げたら死んだ。スイーツ(笑)
709以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 18:43:51.52 ID:w3SoyowZ0
>>706
これはどうもありがとん

アク禁のときは涙を流し
鯖落ちのときはオロオロ歩き、か…
とりあえずスレが残っててよかった
710以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 18:48:48.36 ID:IPfjT0t70
俺が小学校の頃見た夢は、どんなホラーよりも恐ろしいと断言できる
711以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 18:51:31.57 ID:NcMA3p+OP
俺は、大学受験前日に戸愚呂兄に追っかけられる夢を見た。
死ぬほど怖かった。
幽白とか、小学校の頃に1回か2回読んだだけだったのに……。
712以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 18:53:20.52 ID:eliX9nQV0
俺はよく巨大なダンゴムシに追いかけられる夢を見るぞ
713以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 18:58:19.97 ID:Y/a87xvVO
>>711
実際、今でも兄貴は夢の中で蔵馬と戦ってたり
714以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 19:00:29.79 ID:T1cmfV1oO
******************【投票用紙】******************
投票:なし

気になった作品:
No.03 キュア ◆p/2XEgrmcs氏
No.10 不可の黙々 ◆LBPyCcG946氏
No.12 慈悲=無慈悲 ◆pxtUOeh2oI氏
No.21 慈悲の性女 ◆0CH8r0HG.A氏
************************************************
今日は寝てないから夢はみてないな。眠いしもう寝よう
ああ、全感見てる夢を見そうだ
715以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 19:01:17.92 ID:IPfjT0t70
親に殺させる夢ほど恐ろしいもんはねえよ……
しかもその後、俺が親を殺したんだぜ?
夢でよかったよ、ホント
716以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 19:01:20.26 ID:jrXjkvU40
このペースじゃまた1000いかねーな
717 ◆/sLDCv4rTY :2008/02/19(火) 19:02:21.14 ID:T1cmfV1oO
鳥付けんの忘れてた。眠いとだめだね
718以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 19:09:38.65 ID:LFAYu4l40
719以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 19:11:02.35 ID:f3O+CbNCO
お題くだしあ
720以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 19:13:00.55 ID:xYTrbTlv0
とぐろ
721以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 19:13:27.76 ID:f3O+CbNCO
はあく
722以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 19:18:12.03 ID:xYTrbTlv0
夢だから的確に書けないけど相当怖かったから!
もう死んじゃうかと思った
723以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 19:20:55.32 ID:NcMA3p+OP
>>722
理想と現実でフラフラするのは分かるけど、劣等にも傾いてる気持ちは何なんだろうね?
そこの理由がはっきりしてたらもっと良かったな。90点
724以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 19:22:33.72 ID:xYTrbTlv0
>>723
ちょっと小説にしてみる!小説でも意味不は否めないけど
725以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 19:22:36.39 ID:9Z0i6wvr0
あたし昨日すっごい怖い夢みたあ
って言って話し出す女の夢話は全くもってつまらないよね
726以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 19:25:08.43 ID:xYTrbTlv0
女じゃないからセーフだな
727以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 19:27:33.73 ID:NcMA3p+OP
>>725
「ねぇねぇちょっと聞いて! マジうけんだけどw」
って言って話し出す女は、話が終わった後こっちが全く笑っていないのに
「面白くない? 面白くない?」
って無理矢理こっちに笑いを強要してくる。
まぁ、知り合いのことなんだけどさ。
728以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 19:27:34.40 ID:xYTrbTlv0
めんどくさいからやめた。大体理想現実劣等は俺にとってじゃなくその女に取ってなんだし


夢って的確に伝えるの無理じゃね?
729以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 19:34:12.14 ID:IPfjT0t70
無理だな。大体、自分ですら正確に覚えているか不安なんだし。
730以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 19:36:44.83 ID:xYTrbTlv0
でも凄いわかってほしいよね

夢を録画できたらいいのに。エロシーン含め
731以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 19:46:45.95 ID:9Z0i6wvr0
ところでお前らラッシュライフをどう思う?
これ結構、人気あるんだよなあ。
山田ほどではないけど、文章も気になるし
732以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 19:58:04.91 ID:GMqnlGSz0
どこかわからない山でな、そこらじゅうに大量のきのこが生えてたんだよ。
でもな、どうみても色とか質感とか形とかが包茎チンコなんだよ、そのキノコ。
んでもって馬がいんのよ。その山。
当然その馬もなんかチンコたててんのよ。で、ああ、馬並って奴か。
みたいに納得してる俺がいるの。
不気味な夢だったよ。
733以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 19:59:10.52 ID:xUP9VtAJ0
普通に面白いと思うよ、って言うと普通ってなんだよって言われそうな気がするから面白いよ、と言っておこう。
文章もそんなに気になるほどかなぁ。
正直このスレとかは文章に対して潔癖すぎる気がするから、あんまりこのスレ基準で考えない方がいいと思うが。
734以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 20:00:02.18 ID:huzyZCW6O
人の夢と書いて儚いと読むんだぜ
735以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 20:06:28.50 ID:xYTrbTlv0
帷子ってかいてかたびらって読むんだぜ
736以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 20:10:12.46 ID:GWQhIJ/X0
人に呆けと書いて保と書くんだぜ



ゲシュタルト崩壊が起きたぜ
737以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 20:20:14.81 ID:IPfjT0t70
ウに寸で守なんだぜ


さっさとお題消化するぜ
738以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 20:30:43.29 ID:0viCcNO80
こういう盛り上がらない時はみんな大好き作家さんや小説の話をしたらいいんでねえか
739以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 20:35:27.58 ID:xYTrbTlv0
森見登美彦さん好きだー!!!!
結婚してくれー!!!
740以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 20:44:23.69 ID:PmTJBZ6K0
キノ一巻から読み返してる
なんか地の文に ○○た。
が多い気がする
741以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 20:44:42.17 ID:NcMA3p+OP
実は、ここだけの話山田悠介の発想自体はちょっと好きな自分がいる。
まぁ、小説としては糞だけどw
好きな作家は、村上春樹かなぁ……ベタだけど。
742以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 20:49:47.17 ID:9Z0i6wvr0
山田はもうファンタジーでいきゃいいのにと思ってる。まあ設定の書き込みがどれだけ出来るかだが。
春樹はなんだかんだいって凄いよな。
僕、って一人称自体があいつのもんみたいになっとる
743以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 20:51:16.52 ID:WUAUZMHq0
美しい文章っていうから志賀直哉の小説買って見てみたんだけど
文末が「〜た。」ばかりで、どうなってんだと。
744以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:05:57.01 ID:LFAYu4l40
745以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:16:27.09 ID:tJCSrwOR0
>>744
あれ、いつ俺書き込んだんだろう
746 ◆VrZsdeGa.U :2008/02/19(火) 21:21:56.36 ID:qOqj7DTl0
>>743
あれは一般人にはわかるまい。こんなことを言うと、訳知り顔で何を言っているんだ、と言われそうだが、
志賀直哉の文は推敲に推敲を重ねた結果。つまり、文章の最低限を極めた結果。
だからこそ美しい文だと言われている。

全館投下しようと思う。
747 ◆VrZsdeGa.U :2008/02/19(火) 21:22:40.99 ID:qOqj7DTl0
No.01 優しさ 1/1 ◇/sLDCv4rTY
 言いたいことはわかるのだけれども、恐らく人によっては分からない文がいくつか。特に、
>カエルの皮膚をもった男はある夜に、ずっとその人間をみていた。……
 なぜあえて「カエルの皮膚をもった」なのか。きっと意図があるんだろうけど、その意図が読み取れない。
この辺は推敲次第で修正できる。
 話についてはなんとも言い難い。様々な疑問があって、挙げるのが面倒になるくらい、不可解。

No.02 摩擦 1/4 ◇5GYXdMXqOs
>人と人が交わり縁を持つということは窮屈に値すると考える。
 寂しい人間の考え方だ。
 冒頭の文を箇条書きめいた物にしたのはどういう意図があるんだろう。
正直にいうと、それがどうした? で終わらせられる無駄な文としか言えない。
話の流れもどうも掴みづらい。なんとも置き去りにした感が否めず、もしかしたら
5レスにまとめる話ではないのかもしれない。
 それとこれでは読みづらいため、もう少し句点を使った方がいい。


No.03 キュア 1/5 ◇p/2XEgrmcs
 巧い。5レスなのにサラっと読めた。特に文句はない。
748 ◆VrZsdeGa.U :2008/02/19(火) 21:23:54.11 ID:qOqj7DTl0
No.04 生首 2/5 ◇ka4HrgCszg
>僕がこうやって布団の中でガタガタ震えている間にも森井さんは堂島君とギシギシやっているかもしれないんだぞ!
 誰が上手いこと言えと。
 少し会話文が続きすぎ。恐らく5レスにまとめるためにこのような形になったのだとは思うけど、3レス目はそれが顕著。
あくまで好みではあるのだけれども、
 だが予想に反して、生首は僕の言葉にちょっと困ったような顔をして、
「そういえば……忘れてしまったでござるな……」
 と、言った。その言葉に僕は拍子抜けし、思わず、何で? と訊いてしまった。それに対し生首は、
「あ、いや、何百年も現世をさ迷う内に……」
 と言う。その答えに、僕は呆れながらこういった。
「……じゃあ無念な事なんて無いじゃないか。もうさっさと成仏しなよ」

 こんな具合に、会話文を入れる際は人物の描写を盛り込む方が個人的には読みやすい。
 妙に主人公は幽霊慣れしてるようで、友人も冗談だと思ってるのか、反応が薄い。
他にも色々と突っ込み所が。推敲以前に、もう少し小説を読んだ方がいい。

No.05 月のマリア 1/5 ◇gNIivMScKg
 二十二世紀になって、月に行けるようになっても清掃用具はモップやバケツなのか。
二十二世紀にもなればロボットに清掃やらせるくらいのことはできそうだし、実験だからといってもう少し良い清掃用具を
与えてもいいのではないだろうか。酷い技術者や研究者だ。
会話の内容が現代とかわらないのはまだしも、どうも二十二世紀の感がしない。
舞台設定を二十一世紀にして、いくらか設定を突飛にしてもよかったのではないか。


No.06 選択2/2 ◇CFP/2ll04c
 すっきりしていて読みやすかった。しかし、これから始まるってところで自害することもなかろうに。
恐らく二人とも責任を一人でため込みやすい神経質な人間なのだろうが、慈悲がテーマとなって
それを消化しているにも関わらず慈悲を感じない話。まぁ、それもまたテーマに合致しているのかもしれないが。
749 ◆VrZsdeGa.U :2008/02/19(火) 21:24:21.51 ID:qOqj7DTl0
No.07 清算/凄惨 1/3 ◇p/4uMzQz/M
>「いっ……」
> てぇえええええええええええええええええええええええええ。
 男の一人称ならまだしも、女の一人称ではありえない表現。
テンポを良くしようという意図は感じるけど、逆にそれが仇となり展開が急。
それから慈悲は?まさか、最後の一文?

No.08 満月の夜に 1/5 ◇7BJkZFw08A
 設定付けだけに3レス近くを使って、後が窮屈になった形か。多少展開が急。
起承転結の形は出来ているのだけれども、起の部分をもう少し削っても良かった。
文章自体に悪い所はないのだが、いささか会話文が多いため、そこを修正出来そう。
テーマとの絡め方が多少弱い。

No.09 無慈悲 1/5 ◇Sd8w25k53w
 サラっと読めるものの、その点だけを重視してしまっているせいか、中身が薄い。
ショートショートというには程遠く、別にこれで悪くはないのだが、良くもない。
むしろ足りないところがありすぎて、どれを指摘していいのかわからない。

No.10 不可の黙々1/2 ◇LBPyCcG946
>囚人がそこにいた。そこに囚人はいたとも言える。そこ以外にこの囚人はおらず、いるのは囚
人だけだった。
 表現がよくわからない。その他なんとも理解しがたい表現が多々。何を言いたかったのだろう。

No.11 朝焼けに降る今日、その弟は1/2 ◇fSBTW8KS4E
 話の筋は良いのだが、構成に難がある。起承転結の型にはまってはいるのだが、
全体的、特に承の部分が薄く肉付けがなってない。ショートショートを意識したと思われるが、それには
もう少し中身がほしい。
750 ◆VrZsdeGa.U :2008/02/19(火) 21:24:53.05 ID:qOqj7DTl0
No.12 慈悲=無慈悲 1/5 ◇pxtUOeh2oI
 障害者の一人称は難しい。その難しさに振り回されて、文章にいくらか無理が見られる。
展開や構成に特に問題は見られないため、恐らく文章を書く力はあると思われる。
だが題材の難しさが仇になってしまった形。惜しい。

No.13 慈悲1/2 ◇lnkYxlAbaw
 読みづらい。まとめサイトのコラムを読み直してきた方がいい。
それから、推敲もしたほうがいい。

No.14 海流瓶 1/4 ◇oOy5b7baSU
 話の筋が一本に統一されていない。決してテンポが悪いわけではないのだが、
読みやすさを感じない。文章に起伏がない。推敲次第でいくらか改善の余地がある。
それから、話を書く前のプロットも読み直して見た方がいい。

No.15 如月ミキの場合 1/4 ◇gtyBrNPylc
 全体的に情景描写に乏しい。特に1レス目。こちらがその部屋の様子を上手く読み取れない。
会話やストーリーに重点を置いて話を進めようとするなら、なおさら情景描写の巧さが必要になる。
これに関しても推敲次第で何とかなる点がいくらか。
 話に関しては面白いのだが、消化しきっているようで、消化しきっていない不満を感じる。

No.16 料理 1/2 ◇yMe.v0PE8c
 気が狂ってる男の心情は上手く描写できている。ただ、オチているが、オチていないような投げっぱなしの感があり、
個人的には好きな展開ではない。とはいえ、人によってはグロテスクを感じるのだろうけど、個人的には面白く読めた。
ただ、散文的な書き方をするよりも、しっかりと文章の型にはめた方がいいとは思う。

No.17 ちょこっとlate 1/5 ◇zsc5U.7zok
 発想は面白い。突っ込みどころが多すぎるのだが、それに対する問いも恐らく用意できているのだろう。
矛盾らしいものは特にない。しかし、なんとも頭でっかちというか、厚い設定の割に構成が希薄。
レス数、日数、いろいろ制限はあるにしても、多少中身に薄さを感じる。
751 ◆VrZsdeGa.U :2008/02/19(火) 21:25:14.96 ID:qOqj7DTl0
No.18 善良王 ◇ptNT0a7knc
 展開が1レス目の途中で読めた。どこかで読んだことのあるようなないような。
恐らく読ませてナンボの物であり、ありがちといえばありがちな話。
しかし、オチが弱い。物語全体の起伏も弱く、平坦。
それから何故貴族と対立していないのだろう。裏で金でも回しているのだろうか。

No.19 この心とは、心にあらず 1/3 ◇VrZsdeGa.U
 関係のない話ではあるが、芥川龍之介は作家にしておくには勿体ない程のイケメン。異論は認めない。


No.20 にたものどうし1/5 ◇tGCLvTU/yA
 指摘するところは特にない。面白く読むことの出来た作品。

No.21 慈悲の性女 1/4 ◇0CH8r0HG.A
 直球で来るかと思わせての超遅球。発想といい、文章といい、なかなか巧い。
最後までパンツにこだわってるのが更に滑稽さを感じる。

No.22 所詮友情は三日間 1/5 ◇cwf2GoCJdk
 会話文が続きすぎている。人物はどのように言ったのか、それに対し相手はどう反応したのか。
三人称の文ならなおさらそういった描写がほしい。設定もどことなくおかしい点がある。
一度立ち止まらないと理解できない文は読みにくい。
752以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:25:22.26 ID:w3SoyowZ0
さる
753 ◆VrZsdeGa.U :2008/02/19(火) 21:25:32.85 ID:qOqj7DTl0
No.23 風の行き先 1/5 ◇Kq/hroLWiA
 面白いかと言われると、強ち賛同はしがたい話。展開に多少無理があり、
今一つ面白みを感じなかった。文章については問題は特にないが、
お題に振り回された格好か。

No.24 誰かの慈悲 1/5 ◇/73ORiYgDY
 最初はちゃんと空けている所を見ると、ルールについて知っていないわけではないのだろうが、改行するなら1マス空けること。
文章について問題はないが、演出の技術が足りない。起伏がなく、物語の筋は嫌いではないだけに、
もう少し大きな展開がほしかった。

No.25 無慈悲な聖母に抱かれ ◇/7C0zzoEsE
 オチが読めてしまった。今一つこれも演出の技術を感じない。
そろそろバレンタインのネタも飽き(ry 
それは別にしても、あまり面白くは感じなかった。

No.26 慈悲をもってして 1/4 ◇h97CRfGlsw
 バレ(ry
 話自体におかしい所を感じ、会話文が続いており、読みづらい。
会話文は結局個人的な好みではあるのだが、文章がなんとも。推敲はしているのだろうが、
削れる部分がいくらか見受けられる。

No.27 じひる ◇VXDElOORQI
 タイトルでの出オチの感が。それからやはり個人的な好みではあるのだが、会話文の合間には人物や情景の描写がほしい。
話は突っ込みどころはないのだが、面白いかと言われればそうとも言い難い。微妙、という言葉が適切。
何かが足りない。
754以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:26:30.46 ID:w3SoyowZ0
さる2
755 ◆VrZsdeGa.U :2008/02/19(火) 21:28:43.43 ID:qOqj7DTl0
******************【投票用紙】******************
投票:No.03 キュア ◇p/2XEgrmcs氏
気になった作品:
No.20 にたものどうし ◇tGCLvTU/yA
No.21 慈悲の性女 ◇0CH8r0HG.A氏
************************************************

おしまい。
756以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:31:38.55 ID:wm5C39tiP
全感おっつー
757 ◆tGCLvTU/yA :2008/02/19(火) 21:33:10.15 ID:OQVtUTUZ0
猫が喋るなんて、普通キャっと驚く。
******************【投票用紙】******************
【投票】:No.15 如月ミキの場合 ◇gtyBrNPylc氏
           ―感想―
考え方になんとなく共感。うんうん、と思いながら読んでた。
俺にサーロインステーキを焼かせてください。

   No.26 慈悲をもってして ◇h97CRfGlsw氏
           ―感想―
いい。とく終盤の展開なんかとくに。もう辛いチョコレートでもいいから誰か俺にくれ!
でも主人公がなんとなくどっかの作品の主人公を思い出す。まあそんなことは些細なことだけど。

気になった作品:No.12 慈悲=無慈悲 ◇pxtUOeh2oI氏
           ―感想―
タイトルを見た時「ああ、また暗いのくるか」なんて思ったけど、読み終わって改めてこのタイトルを
見ると、とても納得がいったから。ん、なんか日本語おかしいかな。まあいいや。

           No.13 慈悲 ◇lnkYxlAbaw氏
           ―感想―
読んでて腹立ってきたから。どっちもどっちだなぁ。

           No.21 慈悲の性女 ◇0CH8r0HG.A氏
           ―感想―
アナスタシアさん! アナスタシアさんじゃないか!
**********************************************
久しぶりに参加したけど、劇的に小説書くのが上手くなってるなんて奇跡はやっぱり起こらなかった。
次回も頑張ろう……
75811番:2008/02/19(火) 21:34:27.70 ID:Vp6wZFYHO
>>755
乙です、そして感想ありがとん
最近周りの人に痩せたって言われたからなぁ

それから生首の人と登場人物名かぶって申し訳ない
堂島め
759以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:41:44.89 ID:9Z0i6wvr0
全館、投票おつ
お題ください
760以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:41:50.42 ID:uTK4LvS60
文章書けないので荒治療しにきました
このダメ人間めに、お題をください
761以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:42:48.20 ID:wb5iZx190
>>759
世界の中心

>>760
自嘲
762以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:43:01.56 ID:9Z0i6wvr0
>>761
把握
763以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:43:38.46 ID:AayEYYEB0
>>755
全館おつ!
764以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:44:09.69 ID:uTK4LvS60
>>761
ありがとうございます
早速消化してまいります
765 ◆7BJkZFw08A :2008/02/19(火) 21:50:30.67 ID:xUP9VtAJ0
適当ですまんが、投票だけ
******************【投票用紙】******************
投票:No.01 優しさ 1/1 ◇/sLDCv4rTY
なんとなく肌に合った。
気になった作品:この心とは心にあらず 3/3  ◆VrZsdeGa.U
単なる難癖とも思えなかった。
************************************************
766以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 21:56:07.94 ID:TKedSejS0
>>661
>>654で感想書いた者ですが、ちょっと補足。
我ながら誤解される文章かもしれないと思ったんだけど、そのとおりになったようで申し訳ナス。

別の職業に置き換えられるといったのは、この夫がもし若い頃に作家や画家などの道を選んでいたとしても、
結局は同じようなことをやっていただろうなって思ったから。
夫を数学者としたことが安易だったとか軽率だったとか言いたかった訳じゃなくて、夫の行動は
個人の性格の問題だよねってことで。そういう人間が数学者になり、ある時ある問題に取り憑かれ
ちゃったんだなー、と、おれは納得してた。

つか俺のレス遅すぎて書いた人もういないかw
767以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:04:40.49 ID:xYTrbTlv0
まさか心外なんて言葉がでてくるとか予想外ですよねー
768以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:06:03.01 ID:IvUfh1jG0
久しぶりで難産だなあと思ったらうんこで
まあいいやと思って投げつけたら
これおいしいですねって言ってくれる人がいたりして



勘違いは続くのであった
769 ◆fSBTW8KS4E :2008/02/19(火) 22:06:08.69 ID:Vp6wZFYHO
携帯から投票するよ〜
Macintoshのバカやろう

******************【投票用紙】******************
投票:No.03 キュア ◇p/2XEgrmcs氏
感想
こういうの書いてみたい
だめ人間の書き方も文の形も巧い

気になった作品:なし
************************************************


大まかな感想
途中で読むのやめて、あとからがんばって読むのが多かった
単に自分が今回の作品群に合ってないからだと思う

上から物言うのも難しいよね(´・ω・`)
770 ◆yMe.v0PE8c :2008/02/19(火) 22:13:03.53 ID:4gEMHEiF0
******************【投票用紙】******************
【投票】:No.08 満月の夜に 1/5 ◆7BJkZFw08A
           ―感想―
     急展開、個人的に好き
               
気になった作品:No.12 慈悲=無慈悲 1/5 ◆pxtUOeh2oI
           ―感想―           
     障害者物を挫折した経験があったりしたので、
     上手く出来てると思った。巧い。
**********************************************

こういう感想を巧く書く為に、小説読んだり書いたりしだしたんだけど、
なかなか自分の思った事が書けないんだな。難しい。
771以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:18:56.66 ID:eliX9nQV0
遅れたけど全感した人たち乙

品評会はやっぱり確実に色んな視点で批評してくれるからありがたいな
772以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:23:35.44 ID:4WtZpxwy0
全感者に皆様乙です

で、お風呂で考えるのでお題を頂きたく候
773以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:30:28.49 ID:Vp6wZFYHO
>>772
彼女の部屋のベル
774以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:31:22.89 ID:AayEYYEB0
もう、お風呂行っちゃったかな

お題:泥棒
775以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:34:20.62 ID:4WtZpxwy0
お題を貰えるまでお風呂に入るのを待ってたなんてことないんだからねっ!

>>773>>774
ありがたき幸せ
776お題:5秒 ◆1BpHlrONwc :2008/02/19(火) 22:42:09.81 ID:tO8momfO0
じゃあ俺はトイレで考えるからお題くれ
777以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:44:00.94 ID:kS6yEWBF0
5世紀
778以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:47:26.54 ID:tO8momfO0
ごめんもうトイレ済んだ
改めてお題頂戴
779以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:48:24.68 ID:Vp6wZFYHO
>>778
靴擦れ
780以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:50:41.08 ID:tO8momfO0
はあく
781以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 22:58:39.48 ID:uTK4LvS60
投下します。
お題『自嘲』、三レス分です。
782家畜制歯車(お題:自嘲)1/3:2008/02/19(火) 23:00:18.29 ID:uTK4LvS60
 ニートを見ているだけで吐き気がする。
 くたくたになるまで働いて、家に帰っても趣味に時間を割くことも出来ず、明日のために寝るだけ。そんな俺だ。
 だと言うのに、ニートは何だ。俺より幸せそうな顔をして、毎日を楽しく生きている。
 でも奴らは不安を抱えている? それが何だって言うんだ。将来への不安なんて、俺だって抱えている。
 俺はニートを認めずに、奴らに侮蔑の視線を向けている。奴らは人間じゃない、家畜だ。俺はテレビが映すオタクどもの
特集を見る度に、そいつら全員がニートであるようにしか思えなくなっている。
 ニートは滅びるべきだ。そして、俺のような、社会の歯車の一つとして、生まれ変わるべきなのだ。
 ――ということを、昼休みの時間、同僚に話してみた。
「あー……いや、実はさ、俺の弟、ニートなんだよ」
 同僚の返答は、そのようなものだった。
 俺は内心、「しまった!」と思った。しかしそれは同僚の弟であって同僚では無い。俺は同僚に続ける。
「お前はその弟のことを、どう思ってるわけ?」
「どうって……別になぁ。今年で二十二歳になるし、そろそろ焦り出すんじゃないか?」
 同僚は楽観主義者だったらしく、ニートである弟に対して、特に危機感を感じていないようだった。
 二十二歳になるからそろそろ焦り出す? いや違う。ニートどもは、親が死んでも焦ったりしない。あいつらは弱者だか
ら、向上心も無ければ危機感も無い。焦燥感すら無いに決まっている。
 あいつらが焦り出すのは、インターネットが使えなくなった時か、小遣いが支給されなくなってからだ。俺はそれを知っ
ている。
「まあ、弟だってただニートやってるだけじゃ無いしさ。それに、何か、やりたいことがあるんだと」
「へえ、何がやりたいって?」
「さあ? まあ、何かのためにがんばってるんだから、いいんじゃねえの? 俺はあんまり、ニートって存在を、気にして
ないよ」
 言いながら、同僚は渇いた笑い声を上げた。
 同僚には悪いかもしれないが、そんなのは方便に決まっている。やりたいことがあるはず無いじゃないか。やりたいこと
があると言っておけば、ニートの期間を延長してもらえると思って、甘えているだけだ。
 俺はそんなのは、やっぱり認められない。
「ニートなんて言葉があるから……みんなが甘えるんだよ」
「ん?」
783家畜制歯車(お題:自嘲)2/3:2008/02/19(火) 23:00:40.64 ID:uTK4LvS60
「ニートなんて言葉が一般的になってるから、ガキが甘えるんだ。そして親も、ニートが溢れているから、それを許容する
んだよ」
 ニートも悪い。しかし世間も悪い。特にマスコミだ。ニートとマスコミが化学反応を起こしたおかげで、こんな世界が出
来上がったんだ。
「……なんでそんなに怒ってんだ?」
 同僚が冷めた目で俺を見る。
 怒っている? 俺が? その通りだ。俺はニートという存在に対して怒りを増幅させている。働かないで甘えている奴ら
に、鉄槌を食らわせてやりたい気持ちで一杯だ。
「腹立たしいだろ? 働かないで生きてるんだぞ?」
「別にいいじゃねーかニートだって。俺はいいと思うぜ? 別にやりたくてやってるわけじゃ無いだろうしさ」
「じゃあどうしてやってんだ? 気づいたらやってたとでも言うわけか?」
 気づいたらニートでした。そんなことが有り得るのか? 働きたくないから、これから俺はニートになるんだという意志
を持って、ニートになるに決まってる。
 奴らは甘えてるんだ。
 だけど奴らを甘やかす必要は無い。
「まー……別にいいけどな。お前に考え方を強制させるつもりもないし、こっちも折れるつもりは無いし」
 同僚は言って、手にしていた紙コップの中身を飲み干すと、ゴミ箱に投げ捨てた。
「んじゃ、俺休憩上がるから」
「ああ、がんばって」
 俺は同僚にエールを送ってやる。同僚は働いているから、人間だ。家畜どもとは違う。
「あー……一つだけ言っとくけど」
「なんだよ」
 同僚はドアを開けた状態で俺を振り返って、言った。
「お前も、似たようなもんなんじゃないの?」
784家畜制歯車(お題:自嘲)3/3:2008/02/19(火) 23:01:24.24 ID:uTK4LvS60
 そんな捨て台詞を吐きながら、同僚は休憩室から出て行った。
 俺が似たようなものとは、一体どういうことなんだろう。俺は同僚の言葉の意味が分からない。
 休憩室にある姿見の前に立って、俺は自分を見てみる。
 ヒゲも剃っていて、髪の毛もちゃんと短くしていて、ニートとは似ても似つかない。コンビニの制服も規則通りに着てい
るし、バイト用に買って貰ったズボンも真新しいし、何処にも問題など無い。
「俺はニートじゃねえよな……」
 目の前にいる男をにらみつけるように、俺は独りごちる。俺はニートじゃない。ちゃんとバイトしている。バイトしてい
れば、ニートじゃない。
「休憩入るぞー」
 休憩室のドアが開いて、同僚と入れ替わりに、父親が休憩室に入ってきた。
「あ? どうしたお前、鏡の前になんて立って。気持ち悪いな」
「ああ、いや……」
 何でも無い、と言おうとして、言葉を飲み込む。
 ニートじゃない。俺はニートじゃない。両親が経営してるコンビニで働いてる。ちゃんと接客も出来てる。ニートじゃな
い。俺はあんな、非生産的な生き物とは違う。
「どうした? もう疲れたか?」
 煙草をくわえながら、父親が言う。
「まだバイト始めて三日目だから、慣れないこともあるかもしんないな。まあ、がんばれよ。大変だったら、もう上がって
もいいんだぞ?」
「ああ……大丈夫。もう、休憩はいいや」
 俺は言って、制服のボタンを留めて休憩室のドアノブに手をかける。働こう。働いて、俺はニートを嘲笑う立場になるんだ。
 俺に嗤われる自分には戻らないんだ。
 俺は自分に嘲られない人間になるんだ。

 終
785以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 23:05:01.46 ID:FN47As/H0
青空文庫でオススメの短い小説を教えてくれ
786以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 23:05:49.52 ID:458E1eeE0
ここまでの全感想転載済み
787以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 23:08:37.39 ID:Vp6wZFYHO
>>785
はやみねかおるの一番最初の作品が好きだった
おじいさんが怪盗やる話
短編集だったし勧めたいけどタイトルが出てこないや
788以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 23:09:05.16 ID:csQ/3fNS0
>>785
太宰のグッド・バイ
789以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/19(火) 23:09:28.37 ID:vpHmexZyO
全感、転載ともに乙ですm(__)m
790以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
>>786
おつ