ハルヒ「ちょとキョン!あたしのプリン食べたでしょ?」
乙!
一乙
プリンデビューしtあれ俺今日もうこの書き込みした気がする
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/05(火) 22:34:20.51 ID:HmqV6pzV0
乙
ところで分裂読んでないんだけど
公式を無視した設定のSSとかはそれだけで叩かれたりするの?
スレタイなんか違うwww
いちおつ
>>6 一、二、三人称が間違ってなければ大丈夫。
公式設定無視できるのが二次創作だし。
でも、投下場所を間違えると面倒な事に。
できるなら忠実に再現したほうがいいけど、そんなに気にしなくていい。
ギャグモノなんか崩壊しまくっているものもあるし。
それよりもオリキャラのほうが叩かれやすい。
あとは、スレの空気かな。
明日の0時(今夜24時)ジャストにちょこっとだけ投下させていただきますね。
一乙
IDにJTが・・・orz
>>6 何もしない。
叩く時間が無駄。黙ってNGに放り込むのがルールだ。
いちもつ!
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/05(火) 22:56:22.32 ID:VJn5KUCL0
保守
いちおつ
よく見たらスレタイ「ちょとキョン!」になってるwwww
ちなみに「食べたでしょ?」じゃなくて「食べたでしょ!?」な。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/05(火) 23:33:32.22 ID:6N26gCIW0
ageますよ
このスレも中国人による侵攻が始まろうとしているのか!
…いや、うちの会社で働いている中国人が日本語喋る時、「っ」が発音出来ないからそう思っただけです。
哈爾濱「ちょっとチョン!あたしの餃子食べたでしょ!?」
コピペもろくに出来んのか
短いスレタイだから打てばいいやって思ったけどもコピペにすればよかった・・・
どうでもいいがこんな話を考えたんだがww
その日はとても明るかった。夜なのに。
この世には月という物があり、たまたま活発に活動していて明るかったというだけの話なんだがな。
そんな日に俺は呼び出された。ハルヒに。こいつのことだから何か発見してとりあえず俺を呼び出そう。みたいな考えをもっていると思っていたんだがな。
どうやら間違っていたらしくブランコに座ってずっとうつむいたまま1時間だ。
おかげさまで俺の手足は冷えきり、さっき買ってやったコーンスープも不味いくらいに冷えたことだろう。手をつけないままに。
「……きた」
はあ? なにがきたんだよ。
と返してから気付いた。様子がおかしい。ハルヒが両肩を抱くようにして震えている。
おい。こんな寒いとこに何時間もいるからだぞ。どっかで暖まるぞ。
「違うの」
ハルヒは俺が肩に乗せていた手をつたい、胸に飛び込んできやがった。
これが朝比奈さんならよろこんで抱きしめるだろう。しかしこれはハルヒだ。ここからボディーブローなんて展開も十分に有り得る。
今に思えばボディーブローの方がどれだけ幸せだったことか。ハルヒはそのまま俺の顔に近付いてくる。えっと……手を回すべきか?
そう思った瞬間だった。ハルヒは俺の首筋に……。
「ごめん。キョン。あたし吸血鬼になっちゃった……」
俺の首筋に噛み付いていた。
つづく
先とタイトルは考えていないが追い込むために出してみるww
キョンの血を吸うと、もれなく「フラクラ」という技が得とく出来ます。
>>25 wktkして待ってる。
ハルヒがいつもうるさいくらい、朝比奈さんがいつも可愛らしいくらい、長門がいつも静かなくらい、古泉がいつも微笑んでいるくらいにいつも通りの、俺にとってまさに普通の日常であった中のある日のことだ。
俺は学校に着くなり後ろの席の奴の話し相手を余儀なくされ、しかもそいつの発言の3割は罵倒が占めているという、なんともサディスト的な罵りっぱなしの状況が終わったと思ったらすぐに朝のホームルームが始まり、もちろんその最中にも俺への語りかけはやめない
という最高レベルに騒がしい女と言えば一人しか居まい。
そう、そんな奴は涼宮ハルヒの他には居ない。なぜこんなに名前を出すまで引っ張ったのかと言うと、ただの気分である。
授業の板書もそこそこに、1時限目から昼休みまでを見事に耐え抜いた俺の心境はというと今すぐ家に帰りたかった。こんな狭っちい校舎に閉じ込められるなら、この無限に広がる雄大な空に「アイキャンフライ!」と叫びながら飛び出したいぜ。ハルヒに頼めば、
翼のひとつやふたつ俺の肩甲骨あたりに生やしてくれるかもしれない。
そんな冗談はさておき、俺のカラになった胃袋に食料を詰め込むべく弁当を取り出した際に、見慣れた友人の姿を視界の端に捕らえた。
「ちょっとさ、キョン。相談があるんだけど……」
少し深刻そうな表情で話しかけてきたのは国木田である。
「どうした?」
「えっと、食べながら話すよ。」
教室の片隅に机を付けている最中に谷口が寄って来た。まあいつも一緒に食べているからこれも当たり前のような光景だ。
「いっやあ、今日も相変わらずかったるかったなあ、我が戦友たちよ。」
「ごめん谷口、今日は他の人と食べてくれないかな。僕、ちょっとキョンに話があるんだ。」
「んあっ? なんだよそれ。」
「キョンにしか話せない用なんだよ。悪いけど……」
「キョンには話せて俺には話せない話だとー!? く、くそっ、俺をさしおいてーっ!」
谷口の声はだんだんとフェイドアウトして最後にはミュートになった。なぜかというと谷口は教室を意味もなく飛び出したからで、悪いが今は谷口より国木田の相談のほうが気になる。
「それでね、相談っていうのは……朝比奈さんのことなんだ。」
俺の眉間が、光よりも速いスピードで――あろうという強調の意味合いで――ピクンと反応した。
「あれから朝比奈さんと何かあったのか?」
そう、俺は知っていた。正確には今瞬間的に思い出したのだが、去年の秋頃に国木田と朝比奈さんが付き合っているというテポドンより規模も被害もでかい爆弾発言を落とされたのを覚えている。
前までの俺ならショックで何週間か寝込んでいそうな事実であるが、俺の精神も大きな進歩を遂げたようであまり衝撃はこなかった。
むしろ国木田が彼氏なら大事にしてくれそうだし、ルックスの差には開きがあるが俺はそれに納得したのだ。
「その……なんかね、朝比奈さんが僕を避けてるみたいなんだ。」
「避けてる?」
「うん。僕の杞憂だったらいいんだけどね。最近一緒に帰ることが減ったし……休日に誘ってもキャンセルされることが多いんだ。」
それは……問題だな。朝比奈さんは自分の彼氏の気分を損ねるような行為はしないお方だ。好きな人には尽くして尽くして尽くし通す、そんなイメージがある。
「今日の放課後、朝比奈さんにどういう訳が訊いてくれないかなあ。何か僕に原因があるならはっきり言ってくれたほうがいいよ。」
彼女は控えめな性格だからな。あっても言い出せずにいるのだろうさ。
「って、そういうのはお前が訊くべきなんじゃないか?」
「えーっ、僕ぅ? キョンが訊いてよ。」
「ダメだ。」
「な、なら、一緒に来てよ。それならいいでしょ?」
俺らは弁当のつつく頻度をそこそこに早め空腹感を抹消したところで、3年の教室がある校舎へ向かった。
朝比奈さんのクラスまでたどり着くと、都合のいいことに鶴屋さんが入口付近で雑談を交わしていて、俺はここぞとばかりに話しかけ寄る。
「鶴屋さん、朝比奈さん居ますか?」
「おやっ? キョンくんと少年くんじゃーないかっ! みくるかい? ちょっち待ってね! おーい、みくるー!」
教室の奥に居た清楚なるマイエンジェル朝比奈さんは、鶴屋さんの声に反応してぴくっと動き、こちらを向いた。
「ほら、行けよ国木田。」
「やっぱりキョンが訊いて、お願い! 今度何か奢るからさ〜!」
「そんなこと言っても……って、あ、おい!」
国木田は、まだ力の差がありすぎて倒せないモンスターと直面した弱小勇者のような足取りで逃げるようにこの場を去った。
「あ、キョンくん。どうかしましたかぁ?」
「ああ、えっとですね。」
しょうがない、ここは俺が代役を務めさせてもらおう。
「どうですか、最近……その、あいつと。」
「あいつ……?」
「ほら、国木田とですよ。」
「はっ、えっ……」
朝比奈さんは少し顔を赤らめた。ちくしょう、国木田め。
「ど、どどどうしてそんなことを訊くんですかぁ?」
「いえね、少し気になりまして。うまくいってるならいいんです。」
「あ、はい、おかげさまで……」
俺が2人の為に何かをした記憶はないのですが、まあそこらへんはいいでしょう。どうやら国木田の気のしすぎのようですね。
「え? 国木田くんがどうか……」
俺は校舎の壁からひょっこり顔をだしてこちらを伺い見てる国木田を発見し、グッドのサインを指でつくってから手招きをしてやった。
「はっ!」
「え、朝比奈さん?」
その瞬間、朝比奈さんは尋常なまでのスピードで教室の中へ戻り、なにやらすぐ席についたようだ。
「あっれぇ、朝比奈さんは?」
「なんか教室に戻って行ったけど……お前、何かしたのか?」
「してないよ! やっぱり朝比奈さんは僕を避けてるのかな……僕、教室に戻るね。」
「おい、国木田!」
国木田はマイナスオーラを漂わせながら、まるでヒロインをラスボスにさらわれてしまった後の勇者みたいな足取りで再びこの場を去った。
「うーん、どうしたんだろうねみくる。ちょろんと行ってくるから、とりあえず今はキョンくんも戻りなよ。」
「お願いしますね、鶴屋さん。」
物凄く頼りになるSOS団名誉顧問さんに後のことは任せて、俺は国木田の後姿を追うことにした。
謎を頭の中に抱えたまま午後の授業を耐えて放課後。今日も俺は、デフォのテンションが既にハイな上機嫌ハルヒと部室へ向かう。
ハルヒがノックなしに勢いよく扉を開いた先には変わらぬ読書姿と変わらぬ優男の姿があって、動く目の保療剤こと朝比奈さんはどうやら居ない。
「あら? みくるちゃんは?」
「今日はまだ姿を見ていませんね。長門さんは知りませんか?」
「……知らない。でも、調査にはさほど時間はかからない。」
「ちょ、調査か?」
俺が本当に長門に調査を頼むか頼まないか悩んでいると、
「ビックニュースにょろよっー!」
と、超がいくつも付くほど元気がある声と共に扉が開け放たれ、どんな手入れをすればそんな綺麗な髪になるのかと思える長髪の持ち主が、まるで戦で自分らが優勢であるという朗報を聞いた武将のようなニンマリとした顔で入ってきた。
「鶴屋さん、ビックニュースって何っ!?」
話に食い付いたのは言うまでもなく涼宮ハルヒに他ならない。
「ちょっとついてきてっ! 早くしないと終わっちゃうんさっ!」
鶴屋さんは俺らを誘い招くような動作をしたあと、1階へ降りる階段の方へと駆けた。
「なにぼけっとしてんのキョン! ほら、みんな行くわよっ!!」
ハルヒに制服の袖を掴まれた俺は、そのまま鶴屋さんのあとを追うハルヒの速い足のテンポに合わせるハメになり、それは鶴屋さんが立ち止まるまで続いた。
教室がある校舎と部室棟とを繋ぐ渡り廊下の柱で体を隠すように、鶴屋さんとSOS団メンバー――朝比奈さんを除いた――が到着した。
「ほら、あそこ!」
鶴屋さんが指差す方向に居るのは、疑う余地もなく朝比奈さんと国木田だ。朝比奈さんは持っている何かを隠すように腕を背中へまわして頬を朱色に染め、国木田はこめかみ辺りを人差し指でちょいちょいとかいている。ええい、見ているだけでじれったい光景だ。
「みくるちゃんと国木田じゃない。あの2人付き合ってたんだっけ。なにやってんのかしら?」
「キョンくんは知ってると思うけど、最近2人、すれ違いが多かったみたいなんさ。それを少年くん――国木田くんだったね――が気にしてギシギシしてたみたいなんだけど、それはみくるが原因だったんさ。」
「どういうことですか?」
「みくるが持ってるあれ、見えるかいっ?」
「んー……?」
目を凝らしてよく見てみた。だが、色までしか判別できていなかったところで、
「何かの編み物……ですかね。」
「セーターに該当する物と推測。朝比奈みくるの心がこもっている、はず。」
2人の助言――まあ8割長門のおかげ――を聞いてどうやらセーターだということが解かった。それにしても長門、心がこもっているだとかも解かるようになったのか。
「……日常の賜物。」
「話を戻すにょろよ?」
「あ、お願いします。」
「みくるが一緒に帰れなかったり休日会えなかったりしたのは、あのセーターを編んでたからなんさっ。この日のために寝る間も惜しんで編んでたらしいよっ。」
「この日のためって、今日は何か特別な日なんですか?」
「国木田くんから聞いてなかったのかい? 今日は彼の誕生日なんだって!」
へえ、そうだったんですか? それは初めて知りましたよ。
「昼休みにみくるがあんな速さで席に戻ったのも、机に置いておいたセーターを隠すためだったらしいんさ!」
「ふうん、あたしが知らない間に色々とあったのね……なんか悔しいわね。」
お前はいつも話の中心でないと気が済まないのか?
「当たり前でしょ! SOS団団長として、あるまじきことよ!」
お前が自虐したところなんて初めて見たよ。
「なっ……あ、ほら、みくるちゃんがセーター渡すわよ!」
彼女が彼氏にプレゼントをあげる姿というのは実に馨しいもので、それが朝比奈さんであるから魅力は何十倍にも跳ね上がり、それに比例して俺の国木田への羨望の心も高まっていた。
「あ、あの、これからも……よろしくおねがいしますっ。」
「こ、こちらこそ。その、ありがとうございます。」
2人の距離が狭まっていき、俺の鼻息が荒くなり始めてきたころに鶴屋さんが俺らの視界を遮り、背中を押され強制的に移動させられた。
「はいはーい、これで退散とするにょろーっ!!」
「え、あの、鶴屋さんっ!」
「これからがいいところなのよっ、鶴屋さん!」
「あの少しでしたのにね……」
「……残念。」
その後のことはよく覚えていない。が、数日後、国木田が着ていた温もりに包まれた青いセーターがとてもよく似合っていたのは、今でもはっきりと記憶している。
スレチガイLOVER end
--------------------------------------------------------------------
……と、いうことで今日は国木田の中の人、松元恵さんの誕生日です。
松元恵さん、おでめとうございます。
書いてて心配になったんですが、国みくって需要あるんですかね……
>>33 GJですぅ
誕生日シリーズ大好きなんですよ。
これまた珍しい組み合わせだなw
国木田かわいいよ国木田。GJ!
松元さん誕生日おめでとうございます!
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 00:13:00.56 ID:WNlCJxxc0
保守
>>33 お、俺の嫁が!!
国木田戻ってきてくれ国木田!!
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 00:44:48.11 ID:WNlCJxxc0
age
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 01:02:26.31 ID:P/UUQHbT0
保守
保守
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 02:00:42.14 ID:P/UUQHbT0
保守
☆
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 03:13:43.20 ID:P/UUQHbT0
保守
第2章出来たけど、投下していいかな?
支援するぜ
目を覚ますとアジトには俺だけで、テレビからは壱番魔晄炉爆破テロのニュースが、リポーター
の緊張した声と共に流れてきた。俺はちょっと背伸びして、変な所で寝てたために凝り固まった身
体をほぐしてやる。
……そう言えば、今日のミッションは朝からだったな。こういう事には気の早いハルヒだ。出発
の時間までまだまだあるが、もう既に――
「遅い!罰金っ!!」
――案の定、エレベータで「セブンスヘブン」に上がると、もう準備万端整えていて、腕組んで
仁王立ちしていたハルヒに怒鳴られた訳だ。やれやれ。
『HARUHI FANTASY Z -THE NIGHT PEOPLE-』
第2章 墜落
「今日の標的は伍番魔晄炉よ!まずはスラムのお店で必要な武器や道具そろえて、1時間後に駅で
落ち合いましょう。詳しい作戦は列車の中でするわ!では、一旦解散!!」
店中に響き渡る大きな声でハルヒがこう宣言すると、古泉たちは三々五々己の目的の物を探すた
め、店から出て行った。大方、回復薬のポーションや、この辺りでも手に入る安いマテリアでも買
うんだろう。マテリアは武具や防具に装着すれば、昨日の戦いで俺が使ったような『サンダー』や
『ファイア』、『ブリザド』などの魔法を誰でも使うことが出来る。自然発生したものもあるが、
大抵、世に出回っているのは神羅が作った人工製のマテリアだ。神羅と戦うのに奴らの商品を買っ
て赴くってのも何かの皮肉にしか聞こえないが、火力や物量――無論マテリアによる魔力も――圧
倒的に勝る奴らに、こうして喧嘩売るんだ。こうでもするしか、他にどうしようもないんだ。
さて、俺はどうしようかと思案に暮れていると、ハルヒが俺の袖をひぱっていた。
「あんた、この辺の店知らないでしょ?……あたしが、案内してあげる」
後半、声のトーンが極端に下がったハルヒは、少し赤らめた顔をプイと横に向け、そのまま俺を
引っ張って店を出て行った。
「おい、ハルヒ!は、離せって!痛てっ!色んなところっ、ぶつかってるだろが!!」
「いってらっしゃ〜い!!ハルにゃん!キョン君!!」
構わず俺を引きずっていくハルヒ。その後ろから、マリンの元気でのんびりした声が聞こえてく
る。いや、ニヤニヤ見とらずに早くこいつを止めなさい。いや、出来んでもいいから少なくとも止
めようとするポーズくらいは見せてくれ……
(そのまま)ハルヒに連れられて入ったのは、このスラムで一番大きな建物の(といっても三階
建てだったが)武器屋だった。「おい客、何か買うんだろうな、あ〜?」と主人に半ば脅されるよ
うな形で品物を物色した。商品の量、質ともあまり大したことはないが、それでも今もってる装備
よりはましだったので、鉄製の防具や手榴弾を買っておいた。あと、二階のトレーニングルームみ
たいなところを覗いてみると便利なマテリアが落ちていたのを見つけた。するとハルヒが、
「落とした奴が悪いのよ。あたしたちが見つけたんだから、あたしたちの物よ!」
なんて言うから、つい拾って俺のバスターソードに装着したてしまった。どんな効能があるか、
後で紹介する機会もあるだろう。それから、俺たちはアイテム屋にはしごし、ポーションやマテリ
アを予算の限り買い揃え、その足で駅に着くと丁度約束の時間辺りだった。もう古泉たちが待って
いて、そのまま俺たちは列車に乗り込んだ。
「あれっ?随分空いてるじゃない?どうなってるの?」
先に入ったハルヒがそう言うので車内を見渡してみると、確かに俺たち以外人の姿があまり見え
ない。椅子の端っこでブルブル震えてるサラリーマン風の男だけだった。その男はハルヒをいかに
も怯えた眼で見詰めると、
「ヒッ!!き、君たちみたいなのが居るから、す、空いてるんじゃないか…ニュッ、ニュースぐら
い見てるだろ?SOS団の爆弾テロ予告があったんだ。こんな日にミッドガルに出かけるのは仕事熱
心な私たちサラリーマン神羅ぐらいさ」
と声を震わせながら喋るもんだから、ハルヒはズカズカとその男に近づくとネクタイを掴んで、
「ふ〜ん、あんた、神羅のモン?」
「わ、私は暴力には屈しないぞ〜。こ、この席は譲らない」
ハルヒが神羅に対して腹に据えかねているものがあるのは知っているが、健気にも震えた身体で
抵抗しているこの男性を見ているとさすがに哀れに見え、
「ハルヒ、その辺にしておけ」
と肩に手を置いて諌めてやった。ハルヒは少しの間口をアヒルみたいにして俺を見ていたが、た
め息一つついて男のネクタイから手を離す。
「あんた、ついてるわね」
そう言い捨てて、ハルヒはその男から離れていった。俺は彼に一礼してハルヒの後を追う。ハル
ヒは依然として憮然としている。
もうさるった?
すまん眠くて意識dでた。
さるった時ってどうすりゃ解除されんの?
水で薄めれば
しえん?
支援
保守&支援
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 07:48:10.38 ID:e4KO0EYuO
★<まだまだしえんでしゅ!
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 08:08:34.97 ID:QSnNsDftO
明日明後日に前書いてたやつの続き投下するんだ……
実はアク禁食らったとか
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 09:22:56.27 ID:FouYGffU0
まだ少し寒いですね。
そういえばもうすぐバレンタインです。
「涼宮ハルヒの冬の放課後5」投下します。
「キョン」
「…」
「起きなさいよ。キョン、こら」
「……んn」
「あれ、今何時?」
「もう四時よ。みんな帰っちゃったじゃない」
「……爆睡だったよ」
「まったく」
「起こしてくれてもよかったんじゃないか?」
「なによ、起こしたでしょ?」
「そうじゃなくて、もっと早くってことだ」
「知らないわよそんなの」
「どうする、部室行くか?」
「どうせ誰も来ないわよ。もういいわ」
「? なんだ、機嫌悪そうだな」
「え? そんなことないわよ?」
「?」
「…」
「…」
「帰っていいか?」
「なんで?」
「いや、なんでって」
「本読んでるから、静かにしてよ」
「はぁ」
「…」
「五時になったら、部室行こっか」
「なんだよ、やっぱり行くのじゃないか」
「だって教室寒いもん」
「はぁ。そうだな」
「……やっぱり行かない」
「?」
「ちょっと、キョン。ジュース買ってくるからここに居て」
「え? あ、俺も行くよ」
「いいから。居てよ」
「…」
「…」
「ほら、あげる」
「あぁ、サンキュ」
「……うーん」
「なんだよ」
「……なんか今日」
「なに?」
「もう五時だってのに、結構人が残ってるな」
「…」
「なんで帰らないんだ?」
「さぁ?」
「キョン」
「ん?」
「あの子達、キョンの友達?」
「え? や……まあ」
「早く帰るように言って……ん、なんでもない」
「?」
「なぁハルヒ」
「なによ」
「なんもしないんだったら、帰るぞ」
「ダメ。待って」
「待てって……じゃあなにするんだよ」
「…」
「帰るのか? あぁ、また明日」
「…」
「……ほら、もう皆帰っちゃったじゃないか」
「そうね」
「?」
「……うん」
「なんなんだよ。なにかあるなら言えよ」
「あのね、キョン」
ガラッ
「!」
「? どうした……忘れ物か」
「……ちっ」
「小学校とかならさ」
「うん」
「こういうとき、早く帰れって言われるよな」
「そりゃぁそうでしょ?」
「そうだよな……」
「…」
「今のは何だったのよ」
「何って、話題作ろうとしたんじゃないか」
「あぁ、そう」
「……なんだよ」
「別に」
「おい、もう暗くなってきたぞ」
「…」
「もう帰るからな」
「待って」
「なんなんだよ。寒い」
「…」
「もう誰も来ないわよね」
「? さぁ……来ないんじゃないか」
「キョン」
「なんだ」
「……これ」
「?」
「…」
「なんだこれ、くれるのか?」
「今日がなんの日か、知ってるでしょ」
「う……あ、うん」
「…」
「……もしかして」
「なによ」
「チョコを渡すために、俺を教室に留めさせたのか?」
「ちが……うん……なによ、悪い?」
「いやその……」
「な、なんか言うことあるでしょ」
「あぁ、ありがとう」
「…」
「でもなんで、部室とかでも……なんでわざわざ教室?」
「それは……」
「…」
「なんだよ」
「……教室で……渡したかったから」
「?」
「だから、教室でキョンにあげたかったの」
「それだけ?」
「わ、悪い?」
「……はぁ」
「…」
「……開けていいわよ」
「あ、そうだな。うん……」
「味わって食べてよね。作るの大変だったんだから」
「そっか。ありが……手作り?」
「…」
「うん……」
「どう?」
「甘い。美味しいよ、ありがとう」
「……そっか。うん」
「ほら、ハルヒも食べろって」
「いい。全部食べて?」
「……わかった」
「……うん」
「?」
「残りは家で食べるよ。こんな沢山食べきれない」
「ちゃんと全部食べなさいよね?」
「もちろん」
「でもさ」
「なに?」
「なんでそんなに、ココがよかったんだ?」
「……なんとなく」
「なんとなくで俺はこんなに待たされたのか」
「い、いいじゃない。……ふたりっきりになれるトコ……がよかったの」
「! ……ん」
「部室で渡してもよかったけど、雰囲気がさ」
「気にするのかそういうの」
「そりゃ……初めてあげるチョコだし……」
「そ、そうなのか」
「!!」
「誰からも貰わなかったの?」
「悪いかよ」
「そうなんだ。寂しい男ね」
「…」
「……一個しかあげてないんだから、感謝してよね」
「寂しい女だな」
「うるさいわね!」
「…」
「なんだよ」
「……別に」
「…」
「部室、行こっか」
「え? もう帰るもんだと」
「……いいじゃない」
「でも本当に誰もいないし、やることないぞ」
「いいの」
「……まあ、いいけど」
「ねぇ、手繋いでよ」
「…」
「変なの」
「なにが」
「キョンと教室で、初めて手繋いだ」
「そりゃ……そうだろ」
「部室じゃあれだけ色々やってるのにね」
「色々ってお前、変な言い方すんなよ」
「!」
「誰も来ないかな?」
「来ないって。多分この階には、俺とお前だけだ」
「あ、じゃあ電気点いてると目立つかな?」
「さぁ」
「……消して?」
「…」
「真っ暗だ」
「そうね」
「……抱きつくなって」
「いいじゃん。真っ暗なんだし」
「……誘ってんのか」
「意味わかんない」
「…」
「ねぇ」
「なんだよ」
「ほら、チョコのお返し」
「はぁ? それはまた……来月とか」
「やだ。待てない」
「……意味不明だよ」
「早く」
「…」
「……ふふっ」
「笑うなよ。暗くて見えないから……仕方ないだろ」
「歯、カチって言ったね」
「ちょっと痛かったよ」
「……ねぇキョン?」
「なに」
「今日だけ、特別だからね」
「だから……なにがだよ」
「好き」
「!」
「…」
「…」
「…」
「……も、もう一回言ってくれよ」
「嫌よ」
「聞き取れなかったんだよ。お願い」
「……いや」
支援
「…」
「そろそろ、部室行こう」
「ううん。もう行かない」
「お前な」
「その代わり……帰るまでこうしてて」
「……教室だぞ」
「いいから」
「…」
「お前、意外と可愛いよな」
「な、なによ急に」
「別に。そう思っただけ」
「変なこと言わないでよ」
「…」
「寒くないか?」
「寒くない。暖かいわよ」
「……そりゃよかった」
「…」
「だけどそろそろ、足が疲れてきた」
「立ってるだけじゃない」
「お前、こっち寄りかかってるじゃないか。……抱きしめてるだけでも疲れるんだよ」
「……知らない」
「……ったく」
「誰も……知らないよね」
「何を?」
「私とキョンが、こんな関係だって」
「どんな関係だよ」
「だから、こんな関係」
「……恋人?」
「……ふふっ、違うわよ」
「違うのか……」
「違うの。私とキョンは……私とキョンなの」
「理解しがたいな、それは」
「足、疲れた? 座る?」
「……いや、大丈夫だ」
「さ、そろそろ帰るぞ」
「なんだか眠くなっちゃった」
「お前な」
「……抱っこして、歩ける?」
「なっ……さあね」
「試してみてよ」
「……っと」
「わ……重い?」
「いや、思ったほどでは……ん」
「ほら、歩いて」
「……それは無理だ」
「なんで。体力ないわね」
「……うるさいな」
「じゃあこのまま」
「…」
「……お姫様抱っこ」
「そうだな」
「……変なの。王子様じゃないのに」
「知るかよ」
「キス、できる?」
「首がつるな。できない」
「……じゃあ座って」
「ん」
「目、閉じて?」
「……珍しいな」
「なにが?」
「お前からそんなこと言ってくるなんて」
「じゃあ……目、開けたまましてみる?」
「……試してみる価値はあるかもな」
「…」
「ん……」
「…」
「ちょっと。目、閉じないでよ」
「や、これ……恥ずかしいって」
「いいじゃないの」
「…」
「キョンは、私のこと……」
「なんだよ」
「……ううん。なんでもない」
「嫌いじゃないからな。でないと……こんなことしないから」
「……ダサイわね。ふふっ」
「うるさいな……ほら、今度はちゃんと目閉じてろ」
「嫌よ」
「……ったく」
「さ、帰るわよ」
「膝から降りろ」
「いいじゃない」
「だから無理だって。立ち上がれないし」
「体力ないわね」
「悪かったな」
「…」
「鍵、閉めるぞ」
「なんか……いけないことしちゃったみたい」
「は?」
「ううん。なんでもないわよ」
「……ま、そのうち……ん」
「なによ」
「なんでもないよ」
ガチャン
そんなラララ。
現実にいるとか、いないとかそんなことはどうでもいい。
俺はこういうハルヒが大好きです。
ハルヒかわいい。
それじゃまた、そのうち。
支援
あ、ちょっと遅かったか
>>89 俺もそんなハルヒが好きですw
GJっした!
すまん、何故か書き込めないまま眠ってしまった。
>>51の続きからアップしていい?
いいよ、かもん
>>92長文だとそうなることがあるみたいですね。
行数削ってみたりとかどうでしょう?
支援
では、以下より。
↓↓↓↓↓
「……余計な事しなくてもいいのに、バカキョン」
「今のお前の行動のほうが余計だ、バカ。――それに何だ、お前、神羅に爆破予告しやがったのか
?!」
男の話を聞いて気になっていたので、その話題を振るとハルヒはこともなげに「ええ、そうよ」
と肯定しやがった。聞いてねぇぞ、そんな話。
「だって、あんた寝てたんだもん」
いや、そういう問題じゃない。まずいだろ、それ。
「――あたしたちのせいで、無関係の人たちが、死ぬの、嫌だもん」
こいつなりに昨日の壱番魔晄炉爆破の件で大勢の人間が犠牲になったことを反省しているのだろ
う。しかしだな……
「確かにそうだが、それじゃあ神羅に捕まえてくださいって言ってるようなもんだぞ!」
「なら、他にどんな方法があるって言うのよ!他のみんなを傷つけずに、神羅だけぶっ壊せる方法
が!!言ってみなさいよっ!!」
次第に興奮するハルヒの肩を後ろからついてきた古泉がポン、と抑える。
「まあ、落ち着いてください、涼宮さん。それにあなたも。……あなたの言うことにも一理ありま
すが、もう済んでしまったことです。今はこの状況下でどう作戦を成功させるかを考えなければ」
古泉の穏やかスマイル顔を向けられるとハルヒもこれ以上言う気が失せたらしい。俺もついカッ
となっちまったからな。すまん、古泉。するととタイミング良く発車のベルが鳴り、客車がガタン
と揺れた。
「……列車の接続が済んだみたい。出発するわ」
列車はゆっくりと動き出す。そういえば、俺はまだ根本的なことを聞いてない。
「今回の作戦について聞かせてくれ」
「へぇ〜、仕事熱心ね。……まあいいわ。昨日列車で話したとおり、上のプレートとの境界には検
問があるの。列車ごとIDスキャンするシステム。神羅自慢のね」
ハルヒはまだ機嫌が直ってないらしく、最初は少々投げやりな口調だったが、次第に元の調子へ
と戻っていった。
「もう、昨日の贋IDは使えないわ。一応ジェシーに全員の贋IDを作り直してもらってるけど――」
『本日もご乗車ありがとうございます〜四番街ステーション到着時刻はミッドガル時11時45分〜』
スピーカーから陽気な声の車内アナウンスが聞こえてくる。ハルヒはそれを聞いて険しい顔で腕
時計とにらめっこする。
「――ID検知エリアまであと3分ってところね。よし、あと3分経ったら列車から飛び降りるわよ
!」
とハルヒが言ったその時だ。突然、車内が警告灯で真っ赤に染まり、不気味な警報音が鳴り響き
始めた。
「おかしいわね。ID検知エリアはもっと先なのに」
『A式非常警戒態勢を発動。列車内に未確認のIDを検知。各車両緊急チェックに入ります。繰り返
します。A式非常警戒態勢を発動。列車内に未確認のIDを検知各車両緊急チェックに入ります…』
ハルヒは首を捻るが、さっきと打って変わって無機質で機械的なアナウンスは明らかに異常な事
態が俺たちに起こったことを告げていた。別の車両に居たジェシーが大慌てで飛び込んできた。
「まずいことになっちゃったわ。説明は後。早く!こっちの車両に!」
「……確かに、厄介なことになりましたね」
お前に言われんでもそれくらい分かる、古泉。ハルヒはハルヒで軽く舌打ちした。
「……どこでしくじったのかしら」
『車両1に未確認ID検知。ドアロック準備』
これはやばい、モタモタすると逃げられなくなる。俺たちは堪らず隣の車両へ駆け込んだ。
『車両1ロック完了。警戒レベル2に移行』
だが、ここも安全ではない。前方に居たビッグスやウエッジが手招きする。
支援
「走れ!車両がロックされるぞ!!」
「走るッス!!」
ハルヒは走りながら叫ぶ。
「仕方ないわね!作戦2に移行よ!!」
作戦2?それも初耳だぞ!
「だから、あんたが寝てたからでしょ?説明は後!とにかく急ぐわよ!!」
『車両2ロック完了。警戒レベル3に移行』
このアナウンスが流れたのは俺たちが車両3に飛び込んだコンマ数秒後のことだ。さすがに息が
荒れるぜ。これで、抜けたか!?しかし、次のハルヒの言葉がそんな淡い希望をぶち壊す。
「まだよ、すぐ次の検知が始まるわ。ばれたらアウトよ!でも、心配しないで。前の車両に順々に
移っていけばやり過ごせるわ」
『未確認IDは列車前半部に移動中。現在位置の再確認に入ります』
言う間も無くハルヒは駆け出す。やれやれ、まだタイムランは続くのか。当然、俺も後を追った
。
『車両3ロック完了。警戒レベル4に移行』
走る最中、数人のチンピラ風の格好をした男女が俺にぶつかってきた。明らかにスリだ。なけな
しの財産を持って行かれるのはかなり痛いが、捕まるよりはましだ。構わず走る、奔り通す。
『車両4ロック完了。警戒レベルMAXに移行』
最後の車両に飛び込むと、変装したビッグスたちが待っていた。神羅兵のジェシーは分かるが、
紺色のスーツ着て、黒い帽子を目深に被った姿は明らかに怪しいだろ、ビッグスよ。次○か?ハル
ヒは車両の扉を強引にこじ開けた。冷たい鋭い風が飛び込んでくる。
「よし!上手くいったわ!!こっちよ!こっからダイブ!!」
「わかりました。では、お先に」
まず、古泉が笑みを崩さず飄々と飛び降りる。次は――と、
「キョン、あんたよ」
「お前は?早くしなきゃまずいだろ」
するとハルヒはあの百万ワットの笑顔を輝かせて言った。
「リーダーは最後まで残るものよ!いいから、早く!――それから、く・れ・ぐ・れ・も、怪我は
しないでよね!作戦はこっから本番なんだからねっ!」
分かった。お前も怪我なんかするんじゃないぞ。俺はそのまま勢い良く螺旋トンネルの闇の中へ
と飛び込んでいった――
列車が走り去るのを見届けると、横には古泉がズボンのすそを払っているのが分かった。ハルヒ
も無事降りてきたようだ。ん?他の3人は?
「あいつらは後始末係。神羅の連中を上手く誤魔化してくれればいいけど。そのまま魔晄炉に先行
して侵入炉を確保する手筈になってるわ」
なるほど、そういう事か。その辺はちゃんと準備してたんだな。ハルヒは得意げにミニスカート
を払う。
「ま、アクシデントはあったけど、ここまでは予定通りね。しかし、伍番魔晄炉にたどり着くまで
は油断は禁物よ!伍番魔晄炉はこのトンネルの奥!二人とも、あたしに続きなさい!!」
言われるまでもない。俺たちは魔晄炉目掛けて走り出した。
螺旋トンネルを走り抜ける間、数匹のモンスターに遭遇するくらいで、何故か神羅兵は現れない
。まだ俺たちに気付いてないのか?
「あたしたちSOS団の雷名に怖気づいて逃げちゃったのかもね!」
いやハルヒよ、そう都合よく考えるな。まあ、余計な戦いをしないで済むのはいいのだが、何か
引っかかる――そう考えていると、緑色の太い光の帯が行く手を遮っているのが分かった。こいつ
は、あれか――
支援
「この光の帯は神羅の警報センサー。これ以上、奥には進めないな」
「じゃあ、どうすんのよ」
ハルヒの問いに俺は周囲を見渡す。その側面に小さな横穴を見つけた。これなら、匍匐前進で行
けばくぐれる範疇だ。
「せまっちい穴ねえ。ここからプレートの下に潜るの?」
ハルヒはやや不満そうだが、仕方ないだろ、ここしかないんだから。
俺たちは細い通路やダストシューターなどを潜り抜け、ようやく四番街プレート内部に入ること
が出来た。ここまで来れば、伍番魔晄炉も目の前だ。
「クラウドさん、こっちっす。伍番魔晄炉はこの梯子の先ッス」
既に到着していたウエッジに導かれて梯子を上りきると、ジェシーが浮かない顔で立っていた。
「ごめんなさい。列車のIDスキャンのミス、私のせいなの。キョンのIDカード。私の特別製にした
から……あんなことに。心を込めたつもりだったんだけどね。失敗しちゃった」
「いいのよ、ジェシー。過ぎたことはしょうがないわ。今回の作戦を成功させることだけ、考えま
しょ!……『特別製』とか『心を込めて』とかがちょーっと気になるけど」
ハルヒの言葉に、ジェシーは「あはははは」と張り付いたような笑顔で力無い乾いた笑い声を出
していた。どういう事なんだろう。とにかく、ジェシーの案内で伍番魔晄炉への通路へと俺たちは
走っていった。入り口にはウエッジが居た。
「俺たちはここで引き上げる。アジトで落ち合おうぜ。キョン、伍番魔晄炉の爆破、よろしく頼む
ぜ!」
任せろ。引き受けた仕事はしっかりやり通すさ。
魔晄炉に入るとさすがに人体に有害なスモッグを撒き散らすスモッグファクトやプロトマシンガ
ンなど神羅製の警備メカがお出ましになった。丁度いいからここで使ってみるか。
「『サンダー』!!」
スラムの店で拾ったマテリア――「ぜんたいか」は魔法の効力を敵全体に広げることが出来るス
グレモノだ。敵にまとめて強烈な雷撃を食らわせ、あっという間に一掃させてやった。――だが、
ここにもソルジャーどころか、神羅兵の姿も見えなかった。ハルヒが予告してるのに。これはおか
しい。
結局、順調に伍番魔晄炉の心臓部まで辿り着いてしまった。まあ、いい。さっさと爆弾をセット
して引き上げ――あ、れ……――
まただ。またあの囁きが聞こえてきたときのような、頭が締め付けられるような感じ……いや、
それよりも、もっと、強烈な……
こ……こは……ニブル…ヘイム…魔晄炉……目が、霞んで、よく見えない……そこに、そこに居
るのは――ハルヒ……?
『お父さん!お父さん!!……セフィロスね!セフィロスがやったのね!』
……ハルヒが、もう、動かない、「何か」に縋り付いて……泣き叫んでいる。どうして、泣いて
るんだ?何が、お前をそんなに――
『セフィロス……ソルジャー……魔晄炉……神羅……全部!全部大嫌い!!』
――憎ませているんだ?
「……ン、キョン!!どうしたの?!」
気がつくと、俺は通路の上に倒れこんでいた。これまた心配そうに俺を覗き込むハルヒと古泉。
昨日といい、今日といい何なんだこれは?しかし……
「……ハルヒ」
「ん?」
「い……いや……気にするな。さあ、急ぐぞ」
俺は頭に浮かんだ光景のことをハルヒに聞こうとしたが、止めた。こんな事してる暇など無いし
、何より聞いてしまうと、何かが、大切な何かが音を立てて崩れる、そんな気がしたんだ。
「あんたが言うな!……しっかりしてよね、全く」
ハルヒの罵声を浴びながら。難なく爆弾をセットし、時限タイマーのスイッチを押す。昨日みた
いに神羅のメカが空から降ってこない。俺たちはこれ幸いにここから立ち去った。
――全然幸いじゃなかったってことに気付いたのは、魔晄炉内部を出てT字型の空中通路に入っ
た直後だったがな。
左右の通路から神羅兵がどっと現れる。後ろには爆弾をセットした魔晄炉。完全に挟まれた。こ
れはやはり――
「……罠、か」
道理で上手く行き過ぎると思った。奴らは俺たちをここで一網打尽にするためにわざと泳がせて
いたんだ。悔しいが、見事だ。してやられたぜ。すると、俺たちの後ろからコツコツと靴音がする
。誰だ?――振り返ると、何とも意外な男がそこに居た。
「プ、プレジデント・ケイイチ・神羅?」
ハルヒもさすがに驚愕している。何せ、神羅のボスも大ボスがこんな所にいるんだからな。
「何故、プレジデントがここに居るの?」
プレジデントはハルヒの質問に答える素振りも無く、不敵にニヤッと口元を歪める。
「ほう。君たちがアレかね。……何て言ったかな?」
「SOS団!覚えておきなさいよね!」
俺は腕まくりして今にも飛びかかろうとするハルヒを制し、プレジデントのほうに一歩近づいた
。
「久し振りだな、プレジデント」
「……久し振り?ああ、君がアレかね。SOS団とやらに参加しているという元ソルジャー。確かに
その目の輝きは魔晄を浴びた者……その裏切り者の名前は何と言ったかな?」
俺は本編では決して出てこない自分の名を名乗ったが、プレジデントは思い出せないと言うよう
に首を傾げるだけだった。
「済まないがソルジャーの名前なんていちいち覚えていないのでね。せめてセフィロスぐらいには
なってくれないと。そう、セフィロス……。優秀なソルジャーだった。そう、優秀すぎる……な」
「セフィロス、だと……?」
その名前に俺の心の奥底が怒りで沸きあがる。セフィロス、そいつは――
sien
支援
「そんな事はどうでもいいわ!もうすぐここはドッカン!!よ!ざまみなさいっ!」
そんな俺の心情をよそに、ハルヒはプレジデントに向かってピースサインを向けて叫ぶが、奴は
余裕の姿勢を崩さない。
「そうだな。君たち蛆虫を始末するには高価すぎる花火ではあるが……」
「蛆虫!?言うに事欠いて蛆虫ですって!あんたたちら神羅こそこの星を死に追いやろうとする寄
生虫よ!その親玉である貴様が何偉そうにほざくの!」
怒りを爆発させるハルヒを見るプレジデントの眼はこれ以上無いって位冷たかった。
「……そろそろ君たちの相手をするのにも厭きたよ。私は多忙な身なのでね。もう、失礼させても
らおうか。今日は、会食の予定があるもので」
「ぐっ……会食ですって!?ふざけないで!!あんたに言いたいこと、まだまだたくさんあるんだ
から!!」
「君たちの遊び相手は別に用意させてもらったよ」
プレジデントはハルヒの言葉など意に介さず、指をパチンと鳴らす。すると兵士たちが居た通路
の向こう側からゴゴゴゴと低く唸る機械音が聞こえてきた。
「!?何の音?」
「こ、これは一体!!」
現れたキャタピラ付きの巨大なメカに驚くハルヒと古泉。プレジデントは穏やかに嫌らしい笑み
を浮かべた。
「我が社の兵器開発部が試作した機動兵『エアバスター』だ。君たちとの戦闘データは、今後の開
発の貴重なサンプルとして利用させてもらうよ。では、失礼」
そう言うや、通路の下から待っていたかのようにヘリが現れ、プレジデントを乗せそのまま察そ
うと飛び去ってしまった。
「待て、プレジデント!」
俺は飛び去るヘリに叫ぶが、もう遅い。
「取り敢えず、コイツを何とかしなければなりませんね」
そうだな、古泉。いっちょ、やってやるか。こんなただの機械――
「魔晄炉ごとスクラップにしてやるわよ!!」
しかし、兵器開発部が作ったものだけあって、なかなか強い。後方から攻撃してもカウンターの
マシンガンの雨が降ってくるし、さっきハルヒが反転装置を殴り壊したらしく、奴のミサイル攻撃
が前方に居る俺のところばっかりくるじゃねぇか。?また来る――!!
ズドォォーン!!ズドォォーン!!ズドォォーン!!
くっ、痛ってぇ…ポーション余分に買っておいてよかったぜ。
「大丈夫ですか!?」
「キョン!!しっかりしなさいよっ!!」
ったく、好き勝手言いやがって。お前らの方にはカウンター以外あまり攻撃行ってねぇだろうが
。――野郎、もう頭きたぜ。俺はバスターソードを構えると全神経をその剣に集中させた。
「『ブレイバー』!」
右肩口にバスターソードを構え、一気に間合いを詰めて振りかぶって飛び上がり、上空から剣を
一気にエアバスターに叩き付ける!!
渾身の一撃を喰らったエアバスターは動きを止める。全身から電気が迸る。勝った――いや、こ
れは――
「「「自爆?!!」」」
ドォォォォォォンンンンン!!
エアバスターは大音響と火炎を撒き散らし崩壊し、その衝撃で足場が崩れる……ってあれ、俺、
落ちる――
sien
もう少しアップしますが、ここで訂正。
>>103 しまった、ウエッジの台詞、そのまま「クラウド」になってたorz。
ゲームから台詞起こしてたので…申し訳ない。まとめで修正します。
ドンマイ 気にせず投下
支援?保守?
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 12:01:21.17 ID:WNlCJxxc0
sage過ぎ注意
ガシッ!
寸での所で俺はむき出しになった鉄骨に掴まる。下の地面は何十メートルもあるスラム街だ。落
ちたら助からねぇぞ、これ。上を見るとハルヒと古泉が残った通路の上から俺に向かって何か叫ん
でる。……よかった。あいつらは無事みたいだな。
「キョン!キョン!!」
何とかしがみ付いてる俺に向かって名を何度も叫ぶハルヒ。古泉は今にも俺に向かって飛び込み
そうなハルヒを必死に押し留めていた。
「涼宮さん、ここはもうすぐ爆発します!早く脱出しないと!」
「だって、キョンが、キョンがぁ!!古泉君、何とかならないの!?」
ハルヒの必死な願いに古泉は静かに首を横に振るだけだった。
「……こればかりは、どうしようもありません……」
「キョン!何とかして生きて!死んじゃダメ!!話したいことがたくさんあるの!」
「分かってる、ハルヒ」
さすがにこれは無理そうだな、と一瞬思ったのはハルヒには内緒だ。こいつを悲しませるのはや
はり趣味じゃないからな。すると、
119 :
HARUHI FANTASY Z 第2章 墜落:2008/02/06(水) 12:06:19.66 ID:cbKRjp6l0
「何とかなりそうですか?」
古泉がそう聞いてくるので、手に力が入らなくなってるが精一杯強がって答える。
「…………自分の心配でもしてろ。俺はいいからハルヒを!」
そう言うと、古泉は寂しそうな表情をした。
「……そうですか。色々失礼しました」
おい、これで終わりみたいな言い方止めてくれ。
「ふっ、そうですか。では、後ほど」
くそっ、暢気に言いやがって。わかったよ。運が良ければまた会おうぜ――
ドドドォォォォォォンンンンン!!!!!!!
ついに魔晄炉が爆発を起こした。その火炎と衝撃に耐えられず、俺は掴んでいた手を放す。――
そのまま数十メートルの地の果てまで自由落下だ。
「キョンーーーーーーー!!!!!!」
最後に遥か彼方からハルヒの絶叫を耳に感じ、俺の意識は途絶えた。
――……大丈夫か?――
――……聞こえてるか?――
「…………ああ」
――あの時は……膝擦り剥いただけで済んだけど……――
「……あの時?」
――今度はどうかな?起きられるか?――
「……あの時?……今度は?」
――……気にするな。今は身体のことだけ考えるんだ――
――……身体、動かせるか?――
「……やってみる」
「あっ!動いた!」
――……どうだ?――
――ゆっくりな。少しずつ少しずつ……――
「あのぅ、もしもし?」
「……分かってるさ」
「なあ……あんた、誰だ?」
「もしも〜し!」
その声に俺はハッと目を開ける。そこは、微かに陽の光の射す古びた教会、そして――
「目、覚めましたか?」
小さな、小さな花畑の中で、そっと俺に向かって微笑む可憐な栗色の髪をした少女――八番街で
出逢った、あの花売りの少女がそこにいたんだ。
to be continued...
取り敢えず今回はここまで。やはり長編だとどうしても「おさるさん」にされてしまいます。
支援の皆様、感謝です。
(0x0)<乙!
乙!!
ハルヒキャラの融合のさせ方が秀逸で面白い。
FF7やりたくなったからやろうかなw
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 12:44:52.26 ID:QeqXHKmxO
アッガーレ
保守
保守
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 14:15:51.84 ID:WNlCJxxc0
sageすぎ注意
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 14:24:01.69 ID:QeqXHKmxO
アッガーレ
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 14:51:53.04 ID:IUbIU5vaO
ほしゅ
ハルヒの機嫌が浮き沈みする理由なんか、すぐに思い当たってもよかったはずなんだが、俺はその日の出来事に浮かれていた。
前半が大変だっただけに、尚更、な。
だから、帰り道にあらためて朝比奈さんにお礼を言ったとき、俺が多少自己嫌悪に陥ってしまったのも仕方がない。
「今日は本当にありがとうございました」
SOS団専属メイドさんは、俺がそう言うと嬉しそうな顔をしてくださった。
「いえ、わたしは今年で最後だから。本当は、涼宮さんは去年みたいにイベントをやりたかったみたいなんですけど、無理を言ってこんな形にしてもらったんです」
そう言えば、去年は巫女さんの格好をさせられて、チョコ争奪戦の景品扱いだったっけな。
その後時間がなくて大変だった。
それよりも。
気がついていなかったわけじゃないが、今日は色々あって忘れていた。
「今年で最後」、朝比奈さんはそう言った。
そうだ、朝比奈さんは本当はこんなこと準備している場合じゃないほど受験まっただ中だ。
月末には卒業式も控えている。
「大変な時期だったのに、すみません……」
俺は言いかけて、朝比奈さんの発言が更に重大な意味を帯びている可能性に気がついた。
「朝比奈さん、今年で最後ってことは……」
朝比奈さんは俺の言わんとするところをすぐに察してくれた。
「あ、いえ、そう言う意味じゃないんです! 純粋に、わたしは卒業だからという意味です」
慌てたように手をぱたつかせている。何か小動物みたいだ。
「その先のことは、まだ禁則事項です……ごめんなさい」
悄然としてしまった朝比奈さんに、今度も俺が謝る番だった。
「いえ、こちらこそ変な心配させてしまってすみません」
何をお互いに謝りあっているのか。思わず顔を見合わせて笑ってしまった。
誤爆!!!!!!!!
すまん!!!!!!!
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 15:28:22.63 ID:mwql/eM60
保守
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 15:30:46.50 ID:QeqXHKmxO
アッガーレ
エースは買ったことないんだが たまたま手に取ってみたら付録で戸惑いストラップがついてて超得した気分
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 16:04:17.05 ID:j8MC2KaiO
保守
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 16:25:32.78 ID:QeqXHKmxO
こっちもアッガーレ
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 16:55:46.11 ID:e4KO0EYuO
そんじゃホッシューレ
保守
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 17:32:11.04 ID:QeqXHKmxO
アッガーレ
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 17:58:27.68 ID:1XsKBYR40
保守
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 18:35:54.42 ID:j8MC2KaiO
保守
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 18:41:38.35 ID:IUbIU5vaO
保守
「ハルヒかわいい」はまとめに投下されないんですか?
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 18:43:17.37 ID:IUbIU5vaO
恋愛がお好みなのか……書けるのかわからんな……
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 19:05:48.11 ID:j8MC2KaiO
保守
保守
保守
保守
思いついたので投下しますよ
短編で全5レスです
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 20:11:27.42 ID:++8cFEoCO
ほし
涼宮ハルヒは自信家である。
いまさら何を、と笑われるかもしれないが、実際一つ屋根の下で暮らしたりとか、四六時中一緒にいたりだとか、
そういうことになってみるとよくわかる。
あの女は仮に何もおかしな能力を持っていなかったとしても、十分に常人離れしている。
そりゃもう、十分にな。
で、だ。
そんなハルヒだが今日は家でなにやら書き物をしている。
聞いてみるとライトノベルの大賞に応募するのだそうだ。今度は小説か。やれやれ。
小説なら普通に文芸誌の新人賞とかでいいじゃないかというと、
あたしの目に真っ先に飛び込んできた賞だから、特別にあたしが応募してあげるのよ、
とのことだった。
要するに何でもよかったんだな。
まぁでも今回は、本当に何もすることがなかったからとりあえず、ということらしい。
今はコタツに入っている俺の隣に陣取って、生き生きとした目でプロットを書いている。
こういうときのハルヒの横顔は、まぁ、なんというか見ていて飽きないものがあるよな。
このすぐ近くにある耳に今噛み付いてみたらどんな反応をするだろうか。
…多分殴られるだろうな。
しかし、よくそんなスピードで鉛筆が動くもんだ。
「なぁハルヒ、それ入賞したらどうすんだ、デビューすんのか」
ちょっと気になったので聞いてみた。
「入賞したら……って、まさかキョン、
あんた入賞しないんじゃないかとか考えてんじゃないでしょうね」
ギッと睨まれた。
いやまぁ、こちらとしては入賞なんてめったなことでするもんじゃない、と思っているのだが。
「あのねぇ、普通に考えてこんなできたばかりの文学ジャンルで、
あたしみたいな先鋭を採用しないんならその出版社はもうつぶれたも同然よ!?
大衆性と芸術性を兼ね備えたあたしの小説が、ウケないわけがないでしょうが!」
相変わらずのオーバーアクションで俺に力説するハルヒ。
まーたまた適当にそれっぽいこと言っちゃって。
ろくに小説の勉強もしてないお前が、ホイホイ賞なんか取っちゃったらそれこそ他の作家に失礼だろ。
いったいその自信はどこから出て来るんだ。
「キョン、あんた何か根本的に誤解してるようだから言っとくけどね、
自信なんてものに根拠なんて本来必要ないの。
要は根性の問題なのよ、根性。
あんたに一番足りないものよ」
なるほどねぇ…、
まぁ確かに、そういう意味では俺は少し自身の足りない男なのかもしれない。
「うーむ、でもじゃあハルヒ、お前は自信を失ったりしたときとか、本当にないのか?」
「ないわね!」
一蹴だった。ハルヒ先生はそれで満足したらしく、またプロット作業へと戻っていった。
いやもう、いっそ尊敬するよ。
しかたなく俺はややぬるくなったお茶をすすりながら、
ハルヒの横顔を観察する作業に戻る。
下を向いているからうなじが出ているな。
うむ、色っぽい。
「一度だけ…」
「ん?」
ハルヒの鉛筆はいつの間にか止まっていた。
「一度だけあるわよ。アレよほら、あんたが…」
「俺が?」
まさか俺の名前が出てくるとは思わなかったので驚いた。
俺、何かしたっけ?
「あんたが付き合おう言ってくれたあたりよ」
ハルヒは視線を下に向けたまま鉛筆をくるくると回しだした。
「正直あたし、それまで馬鹿にしてたのよ。カップルって奴をね。
男と女が本能に操られてイチャイチャイチャイチャ…
恋愛なんて精神病、まったくバカバカしいったらありゃしない。
前までは本当にそう思ってたわ、だから…」
それでは足りないのか、鉛筆の尻をガジガジとかむハルヒ。
「だから、あんたの言葉をうれしいって思ってしまった自分に絶望したわ。
こんな風になるとはあたし、夢にも思ってなかったしね。困ったし、正直自信なくしたわ。
ああ、あたし、意地張ってただけなのかも、ってね」
むむ。
改めてそういわれるとうれしいような、むずがゆいような気持ちだな…。
俺はお茶に目を落とした。
とにかく俺は、ハルヒから結構いろんなものを奪ってしまったらしい。
いや、はぢめてとかそういうものは抜きにしても、な?
「だから、あんまり不甲斐ないようじゃ怒るわよ?
あたしから自信を奪うなんて、よっぽどのことなんだから。
…だから、ほら」
ふとハルヒのほうに目を戻すと、あの野郎、何をするでもなく俺のほうを向いて目を閉じていた。
わかってしまう自分がいやだ。キスをしろということらしい。
まったく…たいした自信家だよ、お前は。
俺が拒むかもとか、そういうことは一切考えても居ないらしい。
何もしなくても言わなくても俺のほうから仕掛けて当然と、そう信じているらしい。
本当に、始末の悪い奴だ。
結局俺は、ハルヒの自信を二回も砕くことはできなかった。
おわり
キョンもやる時はやる奴だw
GJ!
GJだ
小説書きのくだりがあったのは、続編があるという意味で受け取ってもいいのかな?
いい甘さだ、GJw
ハルヒは失敗とか負けたりなんかほとんどしたことないのだろうなー
普通の人は失敗と負けばっかり
GGGGGJ
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 21:01:29.43 ID:WR3GZU/v0
(ノ)・ω・(ヾ)ぷにぷに
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 21:11:27.03 ID:1XsKBYR40
なんかめちゃくちゃ長いの書いてしまったけど
投下しておk?
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 21:15:24.48 ID:ZhGyUmK40
ok
おkでたのでいきます
暑い。
なぜ俺がこんな狭い空間に身を潜めておかねばならんのだ。
しかも男二人が背中を丸めて身を寄せ合っているという、なんとも気持ちの悪いシチュエーションのおまけ付きである。
「しかし暑いですねぇ。これはさすがに僕でもこたえそうですよ。」
SOS団の副団長である男が小声でそう言ったが、俺はそれに答える気力もないので無視した。
きついと言いながらも、そのにこやかフェイスからはまだ余裕が感じられる。忌々しい。
俺は今、夜中の学校にいる。
そして教室の教卓のしたにあるわずかなスペースに、俺と古泉は二人でぎゅうぎゅう詰めになって入り込んでいる。
・・・誤解されると困るのでひとつ言っておくが、俺には断じてそんな趣味はない。古泉はどうかしらんが。
これには深い事情があるのだ。
話は昨日の放課後にさかのぼる。
季節は夏である。
暑さのせいで授業をマジメに受ける気にもなれないので、
今日は一日中下敷きをはためかせて人間扇風機になることに徹していた。
地球温暖化の影響かどうかなんてことは知らないが、この暑さは異常だ。
いい加減うちの高校もクーラーくらいつけるべきだと思うね。
この高校に冷房が完備されていないことを嘆いているうちに俺は部室に到着した。
いつものようにドアをノックする。
中からは「どうぞ」と男の声が返ってきた。
朝比奈さんの麗しいボイスで返答がくることを期待していただけに甚だ残念である。
呼び声に応じてドアを開けると、やはりそこにはにやけ面の古泉と、もはや文芸部室の一部である読書をする長門の姿があった。
俺は二人に軽く会釈をして自分の指定席についた。
「珍しいな朝比奈さんがいないなんて。」
「今日は補習があるようですよ。彼女は一応受験生ですからね。いろいろと大変なんでしょう。」
3年生にもなってこんな部活に付き合わされる朝比奈さんを不憫に思うよ。
俺たちは2年生でまだ少しは余裕があるが、3年になったらさすがにこんなことやってられんだろう。
SOS団は卒業するまで引退はないようだし、いやひょっとしたら卒業してからも続きかねん。あいつのことだからな。
「涼宮さんとご一緒ではなかったのですか?」
「あいつはHR終わるなりさっさと教室から出て行っちまったよ。またいたらんことを考えてなければいいんだが。」
こういう悪い予想は的中してしまうわけで
「みんな!集まってる!?」
そう言ってドアを豪快に開け放ったのはほかでもない、涼宮ハルヒである。しかも満面の笑みを浮かべ、目を爛々と輝かせている。
やれやれ、またよからぬことを考えついたみたいだな。
よく見るとハルヒの後ろでは、朝比奈さんが肩で息をしていた。
おそらくハルヒは補習が終わるやいなや朝比奈さんを捕まえて、無理やり引っ張って来たんだろう。
「みんな集まってるみたいね!」
ハルヒは全員来ていることを確認すると、団長と書かれた三角錐が置いてある一番奥の席までずかずかと歩いていった。
そして机の上に立ち、こう吼えた。
「それではSOS団夏の研修第一弾の計画を発表します!」
またお前は唐突に何言ってやがる。研修だって?
「研修よ、研修!まだ今年の夏はなんにもしてないじゃない!今シーズン最初のイベントよ!」
「まぁいい。で、その研修とやらは一体どんなことをするんだ?」
「幽霊探しよ!!」
・・・いやもう驚きはせん。ただ呆れているだけだ。
宇宙人や未来人、超能力者や異世界人を探し求めているようなやつだ。そんなやつが幽霊に興味を持たんわけがない。
前にもそういうことをした覚えがあるんだが、どうやらまだ懲りてないらしい。
幽霊という単語に朝比奈さんがびくっと反応した。どうやら阪中の件で軽いトラウマになっているらしい。巫女の扮装をさせられ連れまわされた挙句、
公衆の面前で般若心経を読まされたんだから無理もない。
古泉はいつものにやけ顔に少し驚きが加わった面持ちで、長門は気にも留めていないようで読書を続けている。
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 21:21:51.20 ID:e4KO0EYuO
支援
「最近この辺りに幽霊がいるって噂を聞いたのよ。いろいろな人に話を聞くと目撃者も何人かいるようだしね。」
だから今日のHRの後すぐに出て行ったのか。
しかし面倒なことになった。こいつの耳にその噂を届けたやつを殴りたいね。俺が頭を抱え込んでいると古泉が、
「行くのは結構なのですが、いつ行くのでしょう?(幽霊)というからにはやはり夜中ではないと見ることは厳しいと思うのですが。」
このミスターイエスマンめが。いい加減断るという行為を覚えろ。
「明日の夜行きましょう!」
おいおいずいぶんと急な話だな!明日だと?一体どこに行くつもりだ?
「ここよ。」
「・・・こ、ここってまさか、夜の校舎で探すってことですかぁ?」
小動物が怯えるような震えた声で朝比奈さんが言う。
「そうよ!」
ハルヒは昂然たる口ぶりで答えた。
だれかこいつを止めてくれ。
「おいちょっと待て。夜、高校に進入するなんてまず無理だろう。ここにも一応セキュリティーは備わってるだろうから学校に忍び込もうもんなら、
いろいろと面倒なことになるんじゃないのか?」
「そうです!なります!」
俺が助け船を出すと、朝比奈さんは目を潤ませながらも懸命に同意してくれる。
「大丈夫よ。別に忍び込まないもの。明日は夜までずっと文芸部室にいるのよ。」
「我々は先生方に気づかれないよう夜になるまで校舎に身を隠しておき、校舎から完全に人がいなくなった後に活動を開始する、ということでしょうか?」
「さすが古泉君ね!そのとおりよ!」
やはりこいつを止めるのは不可能なようだ。
俺は朝比奈さんに、合掌をして頭を下げる。
それを見て朝比奈さんはあきらめたようにうなだれた。
「明日はみんな大丈夫でしょ?明後日は土曜日だし。有希も来れるわよね?」
長門はゆっくりとこっちを見て小さくうなづいた。
「じゃあ決まりね!明日は絶対に学校を休まないこと!来なかったら死刑だから!」
ハルヒは100ワットの笑みでお決まりの台詞を吐くと明日のことについて話し始めた。
計画はさっき古泉が言ったとおりで準備するものは各々で考えて来ること、ただし明日はこの校舎に泊まるのでそのことも考慮に入れること、だそうだ。
ハルヒはここに泊まりこむつもりらしい。シャレにならんぞ。
帰りはSOS団5人一緒に下校した。
先頭ではハルヒが幽霊の話をして朝比奈さんを震え上がらせている。
その後ろに長門が一定の距離をあけて歩いていて、さらにその後ろで俺と古泉は肩を並べて歩いている。
俺はふと思ったことを古泉に問いかけてみる。
「お前は今回の研修とやらで幽霊が現れると思うか?」
そう言うと古泉は大げさなジェスチャーをして驚いた。
「あなたはそんなに幽霊を見ることが怖いのですか?」
俺が何も言わずに冷ややかな目線を送っていると、いつものにやけ顔にもどって肩をすくめた。
「すみません。冗談ですよ。」
古泉は一回咳払いをしてから言った。
「現れるという可能性は否定できませんが、前にも言ったとおり涼宮さんは常識のあるお方です。恐らく、幽霊が見たい!と思う一方、幽霊なんて
存在するはずがないと思っている部分もあるわけです。現に彼女はまだそのような存在を見たことがない、まぁ本人が気づいていないだけですが。」
異世界人以外の望む人材は全て周りに集まっているのにな。
こう考えるとますます俺がSOS団にいることが不思議になってくるのだが、それを考えても思考が堂々巡りをするだけなので
あまり深く考えないことにした。
「涼宮ハルヒは幽霊を捜索することを主眼としていない。」
長門がいきなり、あたかも眼前に人がいるかのように視線を前に向けたまま話し始めたので俺はいささか驚いたがひるまずに聞いた。
「どういうことだ?」
長門はしばらく言葉を捜すように口を噤んでいたが、やがて再び話し始めた。
「涼宮ハルヒは特殊な空間で我々と行動を共にし、情動の共感を望んでいると思われる。」
毎度のことだが、もう少し分かりやすく言ってもらえないものだろうか。まぁこんなときは古泉が勝手にしゃしゃりでてきて解説するので
それを待つことにした。
「つまり涼宮さんは夜の学校という特殊な場所で、我々と共に宿泊、幽霊探しをすることによって感動や驚きなどの感情を分かち合いたいと
思っていらっしゃる。そういうことでしょうか?」
「近い概念。でも少し異なる。」
長門がそう言うと、古泉は珍しく意表を衝かれた顔をした。
なら一体なんだと言うんだ?
「簡単に言えばきもだめし。」
長門にしては分かりやすい説明だ。まぁ今回は研修と呼んで格好つけているが、実質ただのきもだめしだもんな。
「なるほど分かりました。涼宮さんはただ単に我々ときもだめしをやってみたいのですよ。」
さすがにこれはお前の解説などいらん。
「それは失礼しました。しかしなぜそのような質問を?あなたなら涼宮さんが幽霊の現れるのを本気で望んではいないことくらい理解していると
思っていたのですが。」
「ただの確認さ。俺以外にもそう感じているやつがいるかどうかのな。しかしあいつがだんだんまともな思考に変わってきているのはいい傾向だな。」
「まったくです。このままの状態を彼女が保ってくれると我々も嬉しいのですが。」
俺はそこであやうく同意しそうになったが、今のままでも夜中の学校で寝泊りさせるんだぞ。迷惑この上ないだろうが。
そういうと古泉は少し笑い声をあげた。
「そうでしょうか?僕個人としてはこの企画はなかなか楽しみですけどね。」
「それはお前が相当な変わり者だからだ。」
古泉は再び笑い声をあげて、それからは何も言わなかった。
翌日。
俺はまるでポーターのように大量の荷物を抱え家を出た。
やはり宿泊するに当たってはそれなりの準備というものが必要だ。母親には、友達の家に泊まってくると適当な嘘を言っておいた。
一回家に帰ってくればいいものをなぜ朝荷物を持っていく必要があるのかと当然の疑問を投げかけられたが、俺は友達の家は遠いので
荷物を取りに帰るのが億劫だからだと言った。母親はあまり腑に落ちないようだったが、それ以上のことは追求しなかった。
しかし重い荷物を持ちながらの登校はなかなかつらいものがある。
ハイキングコースを登る辛さはもはや登山の域に達している。俺がせっせと汗をかきながら歩いていると、後ろから声をかけられた。
谷口である。
「よおキョン。なんだその荷物?旅行にでも行くのかよ。」
「まぁいろいろとあってな。」
面倒くさいので適当にあしらっておく。
「どうせまた涼宮だろ?お前もつくづくかわいそうなやつだな。」
かわいそうなやつってのは認めるが俺が一番かわいそうな点はお前なんかから同情されることだよ。
「おいおいそんな言い方はひどすぎるぜキョン。今涼宮って言って思い出したんだけどよ、この前涼宮から尋問されたんだぜ俺。」
「どうせまたくだらん噂話でもしていたんだろう。」
「噂話ってのは合ってるがな、ちっともくだらなくなんかないぜ。キョン、聞いて驚くなよ?」
もったいぶらんで早く言え。どうせ数学の公式よりもどうでもいいことなんだろうからな。
「実はな・・・北高には幽霊が出るんだよ。」
ハルヒにいたらんことを吹き込んだのは谷口だった。
「この話を国木田にしてやってたらよ、いきなり涼宮が飛んできてネクタイ締め上げ「詳しく聞かせなさい!」だぜ?俺が仕方なく
話してやると礼も言わずにとっとと教室から出て行っちまった。あいつは礼儀というものを知らねぇのかよ。」
谷口を殴りたいところだったが、この両手の荷物に免じて殴るのは勘弁してやることにした。
俺は半分荷物を持たされて文句を言う谷口を無視し続け、教室にたどり着いた。
例のごとくハルヒは先に来ていた。
谷口から荷物を受け取り席に着こうとしたとき、ハルヒの荷物が異様に少ないことに気づいた。
「なんか荷物少なくないか?」
「あんたが無駄なもんたくさん持って来すぎなのよ。それにあたし基本的に学校の教材は家に持って帰らないもの。」
置き勉してたのか。道理で荷物がいつも少ないわけだ。
「お前は成績からすると、いつも家で勉強してそうなもんだがな。」
「学校の授業でちゃんと理解してたら家で勉強する必要なんてないの。」
そんな芸当俺にはできん。
ハルヒは口をアヒル口にして怒った顔をしていたが、その顔が一瞬にして笑顔に変わりこう言い放った。
「それよりキョン!あんたポロライドカメラ持ってきた?」
「持ってきてねぇよ。」
「何で持ってきてないのよ。使えないわねぇ。」
何も言われてないのに希望の物を持ってくるほど俺は機転の利く人間じゃないんだよ。
第一お前が各自の判断に任せると言っただろうが。
「ポロライドカメラは幽霊を見つける方法で最もポピュラーなものじゃない。あれは絶対に必要なの!」
俺は当然のことを言ってみる。
「そんなに重要視するんだったらお前が持ってくればよかったんじゃないのか?」
「わたしは団長だからそんなことはしないわよ。そういうことするのは下っ端のあんたって決まってるの!」
ハルヒが目を怒らせて口元を笑わせるという奇妙な表情のまま顔を近づけ、威圧してきたので俺は少し仰け反った。
そんなめちゃくちゃな理屈を堂々と胸を張って言えるお前が羨ましいよ。まるで某ロボット漫画のいじめっこみたいだな。
まぁどうせ古泉あたりが持ってきているだろう。
ハルヒが考えている道具が揃わないで不機嫌になるのを最も恐れる連中だからな。もし手元になくともどうにかして取り寄せてくるだろうよ。
俺が何も言わないのを見てハルヒはもとの位置に戻り、うつ伏せになった。机に頬をつけ窓を眺めながら、また何やら考えているようだ。
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 21:26:34.31 ID:e4KO0EYuO
読みながら支援
しえn
sien
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 21:29:10.42 ID:e4KO0EYuO
支援
猿支援
投下レス数がわからないと支援に入るタイミングがわからん。
しえn
さる?
支援
調子にのってたら猿規制にorz
初投稿で緊張しまくりなんで勘弁してください・・・
しえn
猿回避のために1分開けたほうがいい
支援
支援
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 22:01:43.41 ID:P/UUQHbT0
保守
さる長いな。
しえn
支援
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 22:34:59.95 ID:j8MC2KaiO
支援&保守
支援
おまたせして申し訳ないっす
投下再開
その日もいつもと変わらぬ平凡な一日だった。
淡々と授業をこなし、昼休みは谷口のつまらん噂話を聞きながら昼飯を食い、また午後の授業をこなす。あっという間にHRの時間がやってきた。
我が担任岡部教師が最近変質者が増えているから気をつけろと生徒に念を押し、それだけで他には大した連絡もなくHRもすぐに終わった。
今日一日が異常に早く過ぎたような感覚に捉われるのは気のせいではないだろう。誰の仕業かは火を見るよりもあきらかだな。
HRが終わるやいなやハルヒは俺の手を引っ張って部室へと駆け出した。
ハルヒは部室の前までやって来てドアに手をかけた瞬間、忘れていた何かを思い出したようにはっとした表情になった。
「キョン!あたしちょっと用事があるから遅れるわ!みんなにも言っといて!」
俺にそう伝言を頼むとハルヒはサバンナのチーターの如く駆けていった。やれやれ、何を考えているのやら。
とりあえず俺はドアをノックした。
「はぁい。」
今日は朝比奈さんが先に来ているようだ。
呼びかけに応じて中に入るとやはりそこにはメイド服を見にまとっている朝比奈さんがいて、読書をする長門、一人で詰め将棋をする古泉の姿もあった。
俺が席に着くと古泉が話しかけてきた。
「いやぁしかし今日は一日が過ぎるのが早かったですねぇ。光陰矢のごとし、とはよく言ったものです。」
やはりお前も感じていたか。
「やっぱりお二人ともそう感じましたよね。実はあたしもすっごく時間が短く感じたんです。」
朝比奈さんはそういってお茶ですと俺にお茶を出してくれた。三人とも同じ感覚を覚えるとはな。長門も恐らく同じだろう。
「ハルヒの仕業としか考えられん。」
古泉は恐らく、と前置きをおいて言った。
「涼宮さんは今日のこのイベントをとても楽しみにしておられた。今日の授業が早く終わって欲しい、彼女がそう望んだためにこの現象が起こったのでしょう。
まぁ僕としては授業が早く終わることは嬉しい限りですが。」
それには俺も同意だね。あいつにしては珍しくいい方向に力が働いたな。
「それより一局どうです?将棋にはやはり対戦相手がいないと盛り上がりませんので。」
「いいだろう。」
俺が挑戦を受けると、古泉は早速駒を並べ始めた。
今日は長いんだ。さすがの古泉でも一回くらい勝てるだろう。
もう何時間になるだろうか。かれこれ相当な時間が経過していると思われるんだが、一向にハルヒが戻ってこない。
俺と古泉の対局も7戦目に突入していた。古泉の弱さは俺の予想を遥かに上回っていたようで、戦績は俺の6戦全勝である。
この数時間、長門は黙々と読書を。朝比奈さんは長門を倣ったのか、「上手なお茶の入れ方」と書かれた本を真剣な表情で読んでいた。
俺がもう少しで詰もうというところでようやくハルヒが戻ってきた。両手にはなにやら大量のビニール袋をぶら下げている。
「みんなおまたせ!!」
「一体どこに行ったらこんなに遅い時間になるんだ?」
「いろいろと準備が必要だったのよ!今日の夕食のためのね。」
「そういやそろそろ腹が減ってきたな。何を作るんだ?」
なんだかんだで俺は夕飯を楽しみにしていた。こいつの料理の美味さは認めざるを得ないからな。
ハルヒは俺の質問を受けると部室の隅にある道具入れをあさり、鍋を取り出すとそれを机の上に置きこう言い放った。
「今日の料理は闇鍋よ!!」
支援
「闇鍋、といいますと?」
一瞬の沈黙の後、古泉が聞いた。
「闇鍋とは、多人数で行うもので多種多様な具材をひとつの鍋に持ち寄り、暗闇の中で食べる鍋料理のこと。
普通では食さないものが入れられることもあり、食事というより一種のゲームのようなもの。」
長門はいつの間にか本を読むのをやめていて、いつものように解説をしてくれた。
「なるほど。これはいい勉強になりました。」
古泉は闇鍋のことを全く知らなかったらしく、頭を掻いて照れ笑いを浮かべながらそう呟いた。
朝比奈さんは感心したようにうなづいている。
だが俺は闇鍋のことに関して全くの無知というわけでもなかった。
確か闇鍋ってのは各自がそれぞれ具材を持ってくるんじゃなかったか?ハルヒが全部食材を買ってきたら闇鍋にならないような気もするんだが。
「そんなことはどうでもいいの!私が直々にとびっきりおもしろい材料買ってきてあげたんだから!感謝しなさい!」
どうせそんなことを言うと思ったよ。
しかも今は夏であって、鍋はあきらかに季節外れだ。あまり気が進まないが、ハルヒが一回やると言ったら覆ることは絶対にないので
渋々闇鍋の準備を進めることとなった。
俺たちは部屋を暗くして、すべての具材を鍋に入れ込んだ。
こうして暗闇の中、5人が黙々と鍋によくわからんものをつぎ込んでいる光景はまるで新宗教の儀式のようだ。
「これで準備は完了ね!じゃあみんな鍋から好きな具材をとってください!」
好きな食材も何もこの暗闇の中では選べないだろうが。とりあえず俺は箸を鍋に突っ込み、適当なものをとった。
ハルヒは全員が鍋から食材をとったことを確認するとそれらを一口食べるように指示した。
俺は暗闇の中恐る恐る自分のとった食材を口に運び一口食べようとしたが、なかなか噛み切れない。
その食感は食べ物ではなく、今までどこかで触ったことがあるなにかゴム製のものであることはあきらかだ。一体何を入れやがった。
「みんなちゃんと一口食べた?まだ全部食べちゃだめよ。後で自分が食べたものをちゃんと確認しなきゃいけないんだから!」
全部食べるもなにも俺の食材は噛み切れないぞ。
「それじゃあ電気つけるわよ!」
sien
ハルヒの掛け声と同時に部屋の明かりがつき、俺は自分の皿にのせられているものを見て思わずため息をついた。
俺がさっきから一生懸命噛んでいたものがスリッパだったからだ。食い物でないことは分かっていたがまさかスリッパとはな。
他の団員は何を食べているのかと周りを見渡してみると、長門とハルヒ以外の団員つまり朝比奈さんと古泉は苦々しい顔をしていた。
古泉も微笑をつくってはいるが、苦笑いになってしまっていて少し違和感がある。
2人は何を食ったのかと皿の上を見てみると、そこには道路の脇でたまに見かけるおっさんの嘔吐物のようなものがのっていた。
ハルヒと長門の皿にも同様のものがのっていた。どうやらいろんなものを混ぜすぎて具材がぐちゃぐちゃになっており、原型を留めているのは俺のスリッパだけのようだ。
「お言葉ですが涼宮さん、僕にはこれをこれ以上食べることができそうにないのですが。」
「あのぅ、実は私も・・・。」
古泉と朝比奈さんが申し訳なさそうに口をそろえた。
「仕方ないわねぇ・・・これはさすがに失敗だったかしら。」
スリッパを鍋に入れておきながら成功させるつもりだったのか。
この鍋は長門しか食べることができなかったので、結局廃棄することになった。もったいないことをしやがって。
夕食を食べ終えると、いや処分し終えるという表現のほうが正しいかもしれないが、
ハルヒは不機嫌そうにネットサーフィンを始め、朝比奈さんと長門は読書、俺と古泉は将棋の続きを再びうち始めた。
そろそろ教師が見回りに来る時間なので静かにしておかねばならない。無論カーテンは閉め切っている。
将棋を打ち始めるやいなや古泉が珍しく真剣な表情になり、小声でこう囁いてきた。
「闇鍋の失敗によって涼宮さんの機嫌が損なわれつつあるようです。先ほど仲間から閉鎖空間が発生したとの情報が入りました。」
たかが料理の失敗で危険な空間を生み出されてたんじゃ機関の連中もたまったもんじゃないな。ということはお前も駆り出されるのか?
「いえ、まだ閉鎖空間は小規模なものですから僕が行かなくても大丈夫なようです。それに今僕がここからいなくなってしまうと涼宮さんの機嫌は
さらに悪くなるように思われますし。」
確かにそうだ。こんな時間まで残ったくせに今更バイトだなんて言い訳はできないからな。
「そこで、です。これ以上の閉鎖空間の拡大を防ぐためにあなたに協力をしてほしいのです。」
支援
「その要求を拒否した場合はどうなる?」
「そうですねぇ・・・森さんでもお呼びしましょうか?」
古泉はまた微笑に戻ってそう言った。それだけは勘弁してもらいたい。
「冗談だ。で、何をすりゃいい?先に言っておくが、俺は一般人であって決して情報操作でホームランを打たせまくったり、過去や未来を行き来したり、
わけの分からん青い巨人を倒したりなんてことはできんからな。」
「それは重々承知していますよ。しかしそのようなことができる我々ができず、あなたにしかできないこともあるわけです。」
嫌な予感がするからまた先に言っておくが、場合によっては要求を拒否するぞ。ハルヒに愛の言葉を囁け、なんてことはもちろんお断りだ。
古泉は少し笑い声をあげてこう続けた。
「別にそこまでしていただけなくても結構ですよ。あなたは涼宮さんを励ましてもらえるだけでいいのです。」
「励ます?なぜだ?あいつが何か気を落としているというのか?」
「その通りです。彼女は不味な料理をつくりみんなに不快な思いをさせてしまった、という申し訳ない気持ちであるために気を落としていると
考えられます。その行き場のない気持ちが小規模な閉鎖空間へとつながっているのではないでしょうか。」
あいつにも反省の心があるとは驚きだ。
ハルヒの精神分析のプロである古泉の持論を聞いているとなんとなく納得してくるが、そこでなぜ俺が励まさねばならんのかが腑に落ちない。
古泉、お前でも励ますことくらいできるだろうが。
俺がそう言うと古泉はいつも以上に顔を接近させ、こう言った。
「あなたもわからない人ですね。これはあなたではないといけないのです。」
支援
古泉の気迫に押され半強制的にハルヒを元気付けねばならなくなった俺だが、どうやって言葉をかけるか皆目見当がつかない。
第一、「あいつを励ましてやれ。」と命令されて声をかけるという経験は今まで一度もない上に、声をかける相手がハルヒである。
安易に、
「さっきのことは気にするな。」
などと言ったらかえって逆鱗に触れてしまうのではないかと危惧してしまう。
俺はとりあえず古泉の助言を乞うことにした。
「あなたが効果的だと思う言葉をかけていただければ結構です。どんな言葉でも構わないんではないでしょうか?
重要なことは“あなた”が涼宮さんに声をかけるということなのですから。」
とことん使えん副団長様だ。ええい、もうどうにでもなれ。
俺は半ばやけくそになりながら三角錐の置かれた、SOS団最高権力者が座っている席へと近づいた。
ハルヒは俺が近寄ってきたのに気付くと、不機嫌そうにこう言った。
「何よ。鍋のクレームなら受け付けないわよ。」
「今更そんなことを言うつもりは断じてない。むしろあれはあれで、なかなか酔狂でおもしろかったぜ。」
ハルヒは片目を吊り上げ、不審そうな目で俺を見つめた。
「変なもの食べておかしくなったんじゃない?」
変なものを食べたのは事実だが、俺の頭は正常だ。たまにはああいうのもいいんじゃないか。たまにはな。
もともとおいしく頂くものでもないだろうが。
「あんた、相当な変わり者ね。」
ハルヒは俺から視線を逸らし、ふくれっ面でそう呟いた。どうでもいいが、こいつにだけは変人呼ばわりされたくない。
少し黙ったかと思うと、ハルヒは視線を再び俺に戻し、唐突に立ち上がった。俺が思わず仰け反ったのも気に留めずこう言い放った。
「そんなことよりキョン!そろそろ幽霊探しに行くわよ!」
もちろん表情は満面の笑みである。
支援
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 22:55:48.54 ID:IUbIU5vaO
wktk支援
「古泉君!もう校舎にはわたしたち以外誰もいないわよね?」
「そうですね。もう先生方も残ってはおられない時間帯だと思われますが。」
「じゃあ早速行きましょう!!行くわよ!みくるちゃん!有希!」
「ひゃあっ!」
ハルヒは悲鳴を上げる朝比奈さんと長門の手を素早くつかむと、そのまま二人を引っ張って出て行ってしまった。
部室に残される俺と古泉。
どうやら機嫌はよくなったらしい。
「いやぁ、助かりましたよ。恐らくこれで閉鎖空間の拡大は治まったはずです。」
やれやれ。あいつは感情の起伏が激しすぎてかなわん。ハルヒの機嫌のバイオリズムに中間というのはないのだろうか。
「あんなにもすぐさま元気になってくださるとは。やはりあなたの励ましの言葉は絶大な影響力があるようですね。」
古泉は憎たらしい微笑みを浮かべていやがる。
「・・・何が言いたい?」
「いえ何でも。」
「キョン!古泉君!何やってんのよ。早く行くわよ!」
ハルヒがドアから顔を覗かせ召集命令をかけたので、俺と古泉は部室から出てハルヒ達と合流した。
しかしこうして夜の校舎を歩くのは正直なかなか気味が悪い。遊園地のおばけ屋敷とはまた違った恐怖感があるのだ。
「ひゃうぅ・・・。怖いですぅ。」
ハルヒによって去年の夏の合宿に引き続きカメラマンとなった朝比奈さんが怯えた声を出す。
男の俺でさえびびっているくらいだから、朝比奈さんの恐怖感はひとしおだろう。ちなみにハルヒが所望していたカメラはやはり古泉が持ってきていた。
「みくるちゃん!あなたはカメラマンなんだからしっかりしなさい!」
「そ、そんなぁ・・・。」
かくいうハルヒは先頭に立ち、懐中電灯で前方を照らしながら大股で歩いている。こいつには恐怖という感情が欠如しているのだろうか。
いや好奇心によって恐怖心が支配されているのかもしれん。
そんなSOS団団長のうしろに朝比奈さんと長門がついていき、さらにその後ろから俺と古泉がついてきている。
しばらく歩くと、ハルヒは朝比奈さんに写真を撮るように指示した。どうやらハルヒの直感で霊がいそうなところを片っ端から撮影するつもりらしい。
歩いて撮って歩いて、また撮って歩いて撮る。
支援
207 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 22:57:45.32 ID:vYPf+ak7O
紫煙
そんなことが随分長いこと繰り返されているので、俺は堪りかねて聞いてみた。
「・・・おいハルヒ。まだ撮るつもりか?」
「当たり前じゃない。まだまだこれからよ!」
「長門と古泉はどうか知らんが、俺と朝比奈さんはすでにグロッキー状態だ。少し休ませてくれ。」
事実、朝比奈さんは恐怖心からくる疲れか、疲弊しきっていた。
「ったくしょうがないわねぇ。少し休憩!」
俺たちはそのまま廊下に座り込んで束の間の休息をとった。俺は朝比奈さんに話しかけてみる。
「大丈夫ですか?顔色がずいぶん悪いですよ。」
俺がそう聞くと朝比奈さんは微笑んでこう言った。
「少し休んだらよくなると思います。ありがとう、キョン君。」
なんて健気なんだろうか。ハルヒにも見習って欲しいよまったく。
朝比奈さんに感謝の言葉を言われると、たとえ9回を投げきったあとの先発投手でも、フルマラソンを完走できるくらいの元気がでますよ。
「ふふ。言いすぎです。」
俺は何か視線を感じたのでふと横を見ると、ハルヒがじとっとした目でこっちを見つめていた。
「人前でいちゃつくなんて、二人ともいい度胸しているわね。」
「い、いえあのそういうつもりじゃ・・・。」
俺が朝比奈さんと共にハルヒに反論を述べようとしたその時、今まで無言だった長門が突然立ち上がった。
「わっ!ど、どうしたんですか?」
「どうしたの有希?」
「人がいる。」
もしかしてそれは俺たち以外の人間がこの校舎にいるってことか?
「そう。あと23秒で私達の視界に入る。」
・・・何だって?ってことはこっちに歩いてきているのか!
この時間帯に校舎にいるとしたら教師しか考えられん。まだ残っていたとはな。
「とりあえず、隠れたほうがよろしいかと。見つかればいろいろと厄介なことになりますので。」
古泉は真顔になっていたものの、冷静な口調で言った。見つかったら間違いなく大目玉だ。進路のことを考えるとなんとか停学だけは避けたい。
「そうね!みんな隠れるのよ!」
支援
俺達はハルヒの指示のもと、近くにあった教室へと飛び込んだ。
教室に入ると、俺は小さな頭をフル稼働させ、どこに隠れればいいかを必死に考えた。
高校生男子の体を丸々隠すことができる広い場所。
教卓の下だ。
俺の脳みそではそこしか思いつかなかった。
俺が勢いよく教卓の下へと体を滑り込ませようとすると、そこにはすでに先客がいた。
もうおわかりだと思うが、そこには驚いた表情の古泉がいた。
「くそっ!お前も同じ考えだったか。」
まったく今日はついてない。
俺が仕方なく違う場所へ移動しようとすると古泉が腕をつかんでそれを制した。
「お待ち下さい。今から違うところに隠れるほど時間の余裕はありません。少々せまいですが、僕と一緒にここに隠れましょう。」
それはそうだが、この空間に男二人というのは少々せまいというレベルじゃないぞ。二人の体が本当に収まるのか?
「そんなことを考えている暇はありません。さぁ早く入ってください。」
とまぁかなり長い前置きになってしまったが、ここでようやく冒頭の話につながるわけだ。
これで隣にいるのが朝比奈さんであれば至福のひと時となるのだが、古泉となると話は別だ。本当に俺はついていない。
自分の境遇をほとほと嘆いていると、ふとした疑問が浮かんだので古泉に聞いてみた。
「ハルヒたちはどこに隠れたんだ?」
古泉は声を潜めて言った。
「涼宮さんと朝比奈さんはどうやら掃除用具入れの中に隠れたようです。」
「長門はどこだ?」
「長門さんは・・・わかりません。しかし長門さんのことです。見つかる心配はまずないでしょう。」
長門が見つかるなんてことは月が地球に落ちてくるくらいにありえないことだな。隠れ蓑の術でも使ってるんじゃないだろうか。
古泉が再び小声で言った。
「静かに。近くにいます。」
支援
耳を澄ますと確かに足音が聞こえる。
俺達は身動きひとつせず息を潜めていた。足音はだんだんと大きくなってくる。
足音が最も大きくなったとき、突然足音は止んだ。どうやらこの教室の前で止まっているらしい。
そしてドアが勢いよく開けられた。
「・・・・・・・・・。」
足音の主は無言だ。
頼むからはやく行ってくれ。俺は心から神に懇願した。その瞬間、一瞬教室がピカッと光った。
俺の願いが神に届いたのかどうかはわからんが、足音の主は光ったと同時に走り去って行った。
俺と古泉は安堵して同時にため息を漏らした。
「行ったようだな。まったく運がいいんだか悪いんだか。」
「運がよかったと考えましょう。人間前向きが一番です。」
俺たちはそんなことを言い合いながら狭い空間から脱出した。
すでにハルヒたちは廊下に出ていて、俺たちを待っていた。
「ねぇ、有希がいないんだけど。」
俺が出てくるやいなやハルヒは心配そうに聞いてきた。
「まぁ長門のことだし心配はいらんだろう。」
「キョン!あんた有希のことが心配じゃないの?さっさと探しに行くわよ!」
ほうっておいても部室に戻っていればいずれ帰ってくるさ。早口で呪文を唱えりゃ瞬間移動ぐらいどうってことないだろう。あいつは宇宙人なんだからな。
なんてことはもちろん言える訳がなく、結局長門を探しにまた校内をうろつくはめになった。
朝比奈さんはもう疲労困憊だったので、部室に行ってしまった。ハルヒの命により、古泉も同伴だ。
なぜ付き添いが俺ではないんだ?
まぁしかしあのハルヒといえども一人で行動するのはさすがに怖いらしいな。こいつの女の子としての一面を見た。
「どこにいったのかしら。そんなに遠くに行ってるはずはないんだけど。」
さっきいた教室の周辺はくまなく探したがどこにもいなかった。
何か長門なりの考えがあっての失踪なのか?それとも俺がまた異世界に意識を吹っ飛ばされてるのか?
支援
え?・・・。」
「どうした?長門が見つかったのか。」
「・・・そこの角に人いるわよね?」
角というのは階段の踊り場で、暗くてよく見えないが確かに人がいるようだ。長門か?
「有希なの!?」
ハルヒが大きな声で呼びかけると、その影は身を翻し、階段を下っていってしまった。俺たちが影を追いかけようとしたその時だった。
「ちょっと待ちな・・・って有希!」
いつの間にか長門が俺たちの隣にいた。
「長門?いつからいたんだ?」
「少し前。」
「もういたんなら声かけなさいよね。探してたんだから。でもまぁ見つかって安心したわ。」
いやちょっと待て。
ここに長門がいるってことはあの影は長門じゃないってことだ。一体誰だったんだ?
「・・・・・・・・。」
・・・もしかすると俺たちはとんでもないものを見てしまったんじゃないだろうか。
「じゃああれは幽霊だったわけ?みくるちゃんからカメラをとっておくべきだったわ!」
ハルヒはちっともびびっていなかった。
むしろさっきよりもテンションが上がっているような気がする。
「キョン!有希!急いで部室に戻るわよ!」
「まさかお前。カメラでさっきのを撮るとか言うんじゃないだろうな。」
「当たり前じゃない!つべこべ言わずさっさと来る!」
ハルヒが先頭を切って早足で歩き出したので、俺は長門に話しかけてみる。
「長門、今まで一体どこに隠れてたんだ?」
「・・・内緒。」
支援
支援
「おいハルヒ。もしさっきのが先生だったらどうするんだよ。」
ハルヒは早歩きのまま後ろを振り向かずに答える。
「教師なわけないでしょ!もし教師だったらあそこで私たちをとっつかまえるに決まってるわ。」
「俺たちを幽霊だと勘違いして逃げちまったって可能性もあるぞ。」
俺がそう言うとハルヒは足を止め、振り向いて言った。
「団長命令は絶対よ!今日は撮るまで寝ないからね!」
「おいおい勘弁し・・・。」
俺は愕然とした。
驚きのあまり、いや恐怖といったほうが正しいのかもしれんが、喋ることができなかった。
「ちょっと!どうしたのよ?」
ハルヒが心配そうに俺の顔を覗き込んだが、俺はそれどころではなかった。
ハルヒの背後に人影を見ていたからだ。距離にしておよそ10メートルくらいだろうか。暗くて姿ははっきり見えない。
「すごい汗よ。大丈夫なの?」
ハルヒがそう言ったその時、人影の手元がピカッと光った。
俺は朝倉の光るナイフが脳裏をよぎる。
「まさか・・・嘘だろ?」
人影がハルヒに向かって歩を進めると同時に俺の体が動き、ハルヒを抱え込むような形で人影に背を向けた。
「きゃ・・・。」
少々強引に手で引き寄せたのでハルヒが驚いてしまったようだが、そんなことは関係ない。
しかし正直自分でもこんなに素早く動けるとは思わなかったね。女を守る、という男のしての本能が働いたのかもしれん。
俺は人に刺されるという貴重な経験を一度しているので、その時の痛みを踏まえてしっかりと身構えた。
支援
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 23:10:37.13 ID:/wIzwK0Y0
支援
パシャ
パシャ?
シャッターオンと共に一瞬光る校内。
「うわぁぁぁぁ!で、でたぁ!」
絶叫して逃げるカメラの持ち主。ん?この声どこかで聞いたことあるぞ。
「あなたのクラスメート。」
長門には見えていたようだ。
俺のクラスメート・・・わかったぞ。
「谷口か。」
「そう。」
どうやら谷口も幽霊を撮影しにきたらしいな。しかしあいつは完全に俺たちのことを幽霊だと勘違いしてたぞ。俺とハルヒの姿もカメラにおさめられ・・・。
そこでようやく俺はずっとハルヒを抱きしめ続けていることに気付いた。なんてこった!ハルヒが一言も発しないからおかしいとは思ったが。
急いで体から手を離し、言い訳を言う。
「い、いやこれは不可抗力だ。断じて下心があったわけじゃない。むしろ俺は男としてお前を守ろうとだな・・・。」
「うるさい!」
ハルヒは俺に背中を向け、部室へ猛然と駆けていった。
やれやれ、ご立腹のようだな。俺はとんでもないことをしでかしちまったらしい。
以前と同じように長門が液体ヘリウムのような目で俺をじっと見つめていた。そんな目で見ないでくれ。
支援
支援
俺と長門が部室についたころにはすでにハルヒの姿はなく、朝比奈さんと古泉だけが残されていた。
「ハルヒはどうした?」
古泉が微笑を崩さずに言う。
「一人で帰られました。今日はもう解散だそうです。」
やっぱりか。
「あ、あの。何かあったんでしょうか?」
朝比奈さんがおずおずと言う。
「僕もそのことについて非常に興味がありますね。」
古泉がさらに重ねてくる。
ああ、確かにあったとも。だが決して言いたくはない。
「まぁ閉鎖空間が発生していませんし、機嫌を損ねたということではなさそうですね。あなたが聞くなとおっしゃるのなら深くは聞きませんよ。」
古泉はそういうと爽やかな笑みを見せ付けてきやがった。
これが女だったならばクラッときていたんだろうが、残念ながら俺は男だ。気持ち悪いという感情しか浮かばん。
それから俺たちはすぐに家に帰った。
家につく頃には辺りはうっすら明るくなっていた。
俺は家に着くやいなや、すぐシャワーを浴びて寝た。
この間、親の質問攻めがあったのだが、俺の巧みな嘘でなんとかごまかした。
土、日の二日とも、恒例の不思議探しがなかったので俺はだらだらと過ごした。
支援
支援
そして月曜日。
土日にだらだらしすぎたせいか、非常に眠たい。
あくびをしながら、通いなれた通学路を歩いて行く。
坂を登りきり、なんとか教室にたどり着くと、なにやら騒がしい。谷口の席周辺がにぎわっている。
人ごみをかき分け、谷口に話かける。
「おい谷口。こりゃ一体なんの騒ぎだ?」
「おうキョンか。これを見ろ!」
よく見ると谷口の机には一面写真が並べられていた。もちろん金曜日に撮影されたものだ。
中には俺たちが隠れた教室の写真もあった。あのときの足音は谷口だったのか。
「これに幽霊が映ってるとでも言うのか?」
「無論だ!この写真にはっきりと写ってるぜ!」
といって谷口が差し出した写真は、間違いなく俺がハルヒを抱きしめている写真である。
しかしピントがあっていないので、この写真だけで俺とハルヒが写っていると気付くやつはいないだろう。
「それはなキョン。金曜日に俺が命がけで撮ってきた力作だ。俺自身の目でもしっかりと確認したんだぜ!
幽霊を目の前にしてひるむことなく写真を撮ってきた俺の勇敢さを称えてくれ。」
谷口の自慢話はどうでもいい。俺にはどうしてもひっかかることがあったのだ。
「そんなことより谷口。お前階段の踊り場で誰かに会ったりしなかったか?」
「なんだよいきなり。会うわけねぇよ。夜中の学校だぞ。」
あの踊り場で、ハルヒが大声で呼びかけて気付かんはずがない。
谷口じゃないなら一体あの影は何だったんだ?
「ちょっとよこしなさい!」
「あっ涼宮!なにしやがる!」
ハルヒが谷口力作の写真を奪い取った。いつの間にやってきたんだ?
ハルヒはその写真をまじまじと見つめると、それをおもむろに制服のポケットにつっこんだ。
「いやなに取ってんだよ!頼むから返してくれ!俺の力作なんだよ!」
谷口の懇願にハルヒは
「ダメよ!これはSOS団の貴重な資料にさせてもらうわ!あんたも一応準団員なんだから協力しなさい!」
「そんなぁ・・・。」
哀れ谷口。お前の心霊写真でモテモテ作戦もこれで終わったな。
支援
支援
「あの写真どうする気だよ。お前も分かってるんだろうが。」
俺は自分の席につくとハルヒに話しかけた。
「う、うるさいわね!あんたには関係ないでしょ!それよりキョン!あんたこの間の罰をまだ受けてなかったわよねぇ。」
「おいおい。あれはお前を守るためにやったことだと説明したはずだぞ。」
「言い訳無用!とりあえずあんたはこれからあたしの奴隷になりなさい。」
「お前の奴隷になる気など毛頭ない!」
「あんた、このことが他の人間に知れ渡っても平気なわけ?」
ぐっ・・・。汚い野郎だ。コンピ研のときと手口が似てるな。
「分かったよ。奴隷は何をすりゃいいんだ?」
「まずは・・・。」
ハルヒは笑顔でこう言った。
「あたしの鞄を毎日運ぶ役目を命ずるわ!もちろん行きも帰りもね!」
それは俺が今まで見た中で最高の笑顔だった。
END
以上です
支援ありがとうございました
乙 初投下にしちゃよく書けてる 古泉のキャラ描写がいい
乙!
さて、読むか。
乙&保守
235 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/06(水) 23:53:58.93 ID:IUbIU5vaO
保守
上手いな……
保守
237 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 00:15:59.99 ID:aNiQcGHgO
保守
>>230 乙
読みやすいし面白かったぜ
次回作も期待
239 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 00:29:46.30 ID:H43aKSi9O
不覚にもニヤニヤしたぜ
240 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 00:44:58.75 ID:aNiQcGHgO
保守
寝る保守
242 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 01:13:45.33 ID:50SraxPjO
俺は貧乏だ。生半可じゃなく貧乏だ。そして不幸でもある。
正直借金なんて楽に一億を越えているし、最終的に親にまで裏切られる始末。
とりあえず借金を返そうとは考えたのだが、詰まりに詰まって出た結論はあまりに非常識なものだった。
「誘拐するか」
適当に外をブラブラし人質を決める。よし、あの女の子にするか。
「ねえ君」
「何よ」
うお、気の強そうな顔してやがる。
「えっと……君が欲しいんだ(人質として)」
という電波垂れ流し保守
パロったのは言わずもがなハヤテ(ry
第3章、冒頭だけ出来たけど、プレ公開してもいいかな?
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 01:51:47.09 ID:Q6yBPLN60
>>243 いいんじゃない?
書くのが早くて羨ましいw
「だいじょぶ、ですか?ここ、スラムの教会です。伍番街の。……いきなり落ちて来るんだもん。
驚いちゃった」
俺の傍らに座っているその少女は、あまり驚いたようには思えない、穏やかな口調でそう言った
。……そうか、俺は落ちてきたのか。ボロボロな教会の屋根、そこに開いた大きな穴から遥か上を
見上げる。結構な高さだな。良く生きてられたもんだ。
「屋根と、花畑、クッションになったのかな。運、いいですね」
「花畑……君の、花畑?」
俺は改めて地面を見渡してみる。白、赤、黄色……色とりどりの花が俺と彼女を囲むように咲き
誇っていた。どれも小さく、ひっそりとだったが、埃や灰に塗れながらも、この地に根付こうと頑
張っているように思えた。しかし、見ると自分の足元の花が潰れているのに気付いた。……悪い事
したな。だが、花売りの少女は首を静かに横に振った。
「気にしないで。お花、結構強いし、ここ、特別な場所だから。ミッドガルって草や花、あまり育
たないでしょ?でも、ここだけ花、咲くんです。……好きなんですよ、ここ」
少女はそのまま立ち上がると、
「……また、逢えましたね」
――見る者全てを恋に落としそうな笑顔で、そう言った。
247 :
HARUHI FANTASY Z 第3章 灰と花:2008/02/07(木) 02:02:46.76 ID:Gc9946gM0
何故か書き込みが反映されんorz
『HARUHI FANTASY Z -THE NIGHT PEOPLE-』
第3章 灰と花
「…………」
しばらく、声を出すことも出来ずに俺は見とれてしまっていた。すると、彼女は少し寂しげで不
満げな顔をする。
「――覚えて、ないんですか……?」
そんな事無い。八番街の混乱する雑踏の中で健気に花を売りつづけている光景は、そう簡単に忘
れそうに無いさ。あなたこそ、よく俺の顔を覚えててくれたもんだ。
「あっ!嬉しいな〜!あの時は、お花、買ってくれてありがとう」
俺の言葉を聞いた途端、またニコッと微笑む。……この笑顔が見続けられるなら、あと何十回で
も花を買ってしまうさ――そんな事を頭の隅で思っている内に、少女は俺の剣にくっ付いているマ
テリアをしげしげと眺め始めた。
「マテリア、持ってるんですね……あたしもね、持ってるの」
少女は首にぶら下げていたペンダントらしきものにそっと触れる。よく見ると、確かにマテリア
だ。でも、今はマテリアは珍しくもなんともない。こんな少女が持っていても不思議じゃないくら
い、マテリアは神羅の手により世界各地に流通しているんだ。しかし、少女はふるふると首を振る
。
「……あたしのは特別。だって、何の役にも立たないの」
「……役に立たない?使い方を知らないだけじゃ――」
俺の当然の疑問にも、少女は再び首を振って否定した。
「そんな事、ないです。けど……役に立たなくてもいいんです。身に着けてると安心できるし、お
母さんが残してくれた……ね」
少女はそこで言葉を切る。どうやら、他人の俺にはあまり立ち入れないものがそこにあるらしい
。そのまま、二人の間を少しの間沈黙が包む。――だが、その空気に耐え切れなかったのだろう。
少女は慌てたように言の葉を紡ぐ。
「あ、あの!……色々お話したいんだけどどうですか?せっかくまた逢えたんだし、ね。」
こんな美人にこう誘われて何も感じないほど、俺は男を捨ててない。それに、今のとこ急いで何
かしなければならない事は無いしな……一瞬、伍番魔晄炉から落ちていく時に見たハルヒの泣き顔
が頭をよぎったが――俺は構わない、と少女に返した。すると少女はさっきよりもっと嬉しそうな
顔をして、
「じゃ、待っててね。お花の手入れ、すぐ終わりますから……あ!そういえば、お互い、名前、知
らないですよね。あたし、花売りの朝比奈ミクルといいます。よろしくね」
改めて俺に向き直り自己紹介した。俺も自分の名前を名乗ったが、調子に乗ってハルヒたちから
呼ばれるあの間抜けなニックネームをついつい言ってしまい――
「素敵なニックネームですね。じゃあ、あたしも『キョン君』って呼んじゃおうかな」
――くそっ、言うんじゃなかったぜ。あと、聞けば彼女は何と俺より一つ年上らしい。結構童顔
なので、てっきり年下だと思ってたんだけどな。女は見かけによらないと言うが、本当だね。だか
ら、この先俺の彼女――朝比奈さんに対する口調は若干丁寧になる。何で?って、年上は敬えって
親に教わらなかったか?え、プレジデントの時ははどうだったって?あいつは敵だから別にいいん
だよ。
花の手入れをしながら、朝比奈さんは俺が何の仕事をしてるのか尋ねた。何て言ったらいいのか
な。テロリストの傭兵ってさすがに言えんしな……と思案に暮れていると、突然『ある言葉』が脳
裏に浮かび、そのまま口をついて出ていた。
「……『何でも屋』、ですよ」
「はぁ……何でも屋さん」
あんまり要領を得ていない朝比奈さんに改めて説明を加える。
「何でもやるのが、仕事ですよ」
……何の説明にもなってないな、これ。すると、朝比奈さんはプッとかわいく吹き出す。……い
くら何でもちょっとそれは傷つきますよ。
「ごめんなさい……でも、ね」
俺に笑いながら謝る朝比奈さん。――実はさっきから彼女の様子を見ていて気になるところがあ
った。どうやら、彼女には少しドジな所があるらしく、時々何かを間違えたのかちょっと慌てて作
業する場面が散見された。ほら、今みたいにウロウロして作業しながら注意を俺に向けていると―
―
「キャッ!!」
何でもないところで躓く朝比奈さん。ほら、言わんこっちゃ無い。俺は転ぶ彼女を地面に到達す
る寸前で両腕で背中から受け止める――その時だ。突然、教会の扉がギイと古めかしい音を立てて
開くと、
「うい〜っす。♪WAWAWA忘れ物〜〜……うおっ!!」
ややリーゼントがかかった髪をした変な野郎が入ってきた。俺たちの姿を見ると、びっくりした
かの様に口をポカンとアホみたいに開けてそのまま静止している。俺はその時朝比奈さんを抱き起
こそうとしていたが、その静止画を見たら逆に押し倒そうとしていると思えなくも無い体勢な訳で
して――
「……すまん。ごゆっくりぃぃぃ〜〜〜!!!」
と泣き叫びつつ、そいつはもと来た方へと走り去っていった。何なんだ、あいつは。だが、朝比奈さんを見ると何だか浮かない顔で、
「タイミング、悪いなぁ」
と溜息を吐いた。どうしたんですか、一体?……見るとあの男、まだ教会から出ていない――ど
ころか神羅兵まで連れている。こいつ、ただのアホじゃないぞ。すると、朝比奈さんはこんなこと
を言い出した。
「キョン君、ボディーガードも仕事のうちですか?」
……いきなり何の話ですか、それは?
「何でも屋さん、でしょ?ここから連れ出して。家まで、連れてってください……お願いします」
確かにそう言ったし、その仔鹿みたいな瞳をうるうるさせてお願いされると、無下に断れる訳が
無い。それに、朝比奈さんは神羅に何らかの因縁があるみたいだしな。
「お引き受けしましょう。しかし、安くはないですよ」
俺は少し気取った冗談を言ったつもりだったのだが、どうやら朝比奈さんはまじめに受け取った
らしく、どうしようかウンウン悩んだ末、意を決し、顔を真っ赤にしながらこう言った。
「……じゃ、じゃあ……デート、1回なら……どうですか……?」
254 :
HARUHI FANTASY Z 第3章 灰と花:2008/02/07(木) 02:14:30.41 ID:Gc9946gM0
すみません、今回はここまで。取り敢えず、あいつの初登場シーンと「デート、1回!」をやりたかったものでつい…
ちなみに反省はしていない。続きはまた今度です。ではでは。
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 02:16:44.89 ID:enFUEQtEO
乙!wktkして待ってるぜ!
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 02:16:44.83 ID:Q6yBPLN60
257 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 02:55:08.87 ID:Q6yBPLN60
保守
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|:./:.:V! i┘ i レ' l/´l_」 ハ ヽ|:.:.:|:.:.:.:l.:.:| ∠
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,. -──- 、 l小//l/l/ 、 `'ー‐'′ !//) }:/ ` ' ー---
ヽ `{ `i`ァー-- 、 /l/l/l !/ソノ'′
き き i. ` 、 レ' ', u /|'イ'
ょ ょ | i/`i 、'、 ノ , イ !'!/
ん ん | `' >-r =ニi´、:,/ '′
き き. ! _, イ´{、' / }:ヽ、
ょ ょ | /::/:::::! /`V´{ /::::::i丶、 _
ん ん | /:::::/:::/レ'、>‐'<入,/、:::::::〉::::::ヽ ,. '"´ `ヽ.
.! ! ,l /:::::`/::::::|ヽ }−{ ,/::::::丶'、:::::::::', / i
保守
保守
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':, /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ / 目 も
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':, /:.:.:.:.:.//:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ i. と ・
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`"'' 、..,,_ !:.:.〈:.:.:,ァ7´, `iヽ|:.:/ |ヽ、」ニイ、 '|:.:.:l:.:.:.:.:.:.| ! か
|:./:.:V! i┘ i レ' l/´l_」 ハ ヽ|:.:.:|:.:.:.:l.:.:| ∠ ら
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,. -──- 、 l小//l/l/ 、 `'ー‐'′ !//) }:/ ` ' ー---
ヽ `{ `i`ァー-- 、 /l/l/l !/ソノ'′
ど i. ` 、 レ' ', u /|'イ'
う | i/`i 、'、 ノ , イ !'!/
い で | `' >-r =ニi´、:,/ '′
い も. ! _, イ´{、' / }:ヽ、
か | /::/:::::! /`V´{ /::::::i丶、 _
ら | /:::::/:::/レ'、>‐'<入,/、:::::::〉::::::ヽ ,. '"´ `ヽ.
.! ! ,l /:::::`/::::::|ヽ }−{ ,/::::::丶'、:::::::::', / i
263 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 07:17:56.28 ID:KcPlHVenO
264 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 08:49:46.20 ID:/mEuz6NyO
保守
書く気力が無い保守
もうこのスレいらないな。
毎日建ってる意味ないし。
曜日とか決めた方がいいかもね
保守
保守
269 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 11:10:50.35 ID:OV/hcc3CO
キモい荒らしがいるなw
保守
271 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 12:49:36.88 ID:/mEuz6NyO
あげ
保守
273 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 13:49:45.21 ID:/mEuz6NyO
保守
274 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 14:18:01.26 ID:rHCXPtly0
ho
275 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 15:05:19.47 ID:/mEuz6NyO
保守
保守
保守
278 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 16:57:07.09 ID:UaDEUD7cO
ほ
279 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 17:29:27.83 ID:/W4CWLy8O
保守
保守
保守っとこ
保守
尻穴時間切れ。
284 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 19:18:11.69 ID:xSR475osO
俺が書いた直後にw
保守
☆
287 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 20:01:20.72 ID:f/pYkCpJO
とある雪が積もった日
キョン「雪かきしないとな。」
長門「・・・」
キョン「どうしたんだ長門?」
長門「・・有希を描きたいなら存分に。」
キョン「なんだ、、そういうことじゃないんだが。」
長門「・・あなたは卑猥。」
今度はなんだってんだ。
長門「わたしをかきむしりたいなんて・・・・でも・・あなたが望むなら我慢する」
キョン「ヨッシャ〜!!」
保守
すっと保守のターン
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 20:50:18.41 ID:+4IMtTCG0
ほ
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 21:14:12.86 ID:OV/hcc3CO
朝倉「じゃあ…死んで?」
キョン「……わかった。」
朝倉「な、なんで!?あなたが嫌だと言って逃げれば、もう会えないとしてもお互い生きられるじゃない!なんで…」
キョン「……なぁ。朝倉。」
朝倉「…何…?」
キョン「俺はお前と会えない位なら…俺は…俺は…死を選ぶ。」
朝倉「キョンくん…。」
キョン「やれ!!」
朝倉「くっ!」
ブシュッ
キョン「……。」
朝倉「……ごめんね。…キョンくん。」
キョン「あさ…朝…倉…?」
ドサッ
朝倉「あたしには…やっぱ出来ないよ。あなたを殺すなん…て。」
キョン「馬鹿野郎!だからって…だからってお前が…」
朝倉「ごめんね…キョンくん。…ごめ…」カクッ
キョン「朝倉ぁぁぁあああ!!!」
BAD END
保守
保守
パロです。適度にスルーして下さい
古泉「もしよろしければ将棋でも指しませんか?」
キョン「将棋か…久しぶりだな」
古「イマイチもりあがらないなら賭けでもしましょうか?」
キ「賭けか…なら」
キ「おまえが勝てばオレの全財産はおまえのものだ」「オレが勝てば」
キ「みくるさんのオッパイを揉む」
みくる「え?」
古「……はっ?」
キ「オレが勝った場合、みくるさんの」「オッパイを揉む」
古「ハイ?…え?」
キ「古泉…イケメンのおまえに…」
キ「オレの気持ちはわかるまい…長い事誇り高く生きてきたつもりだ。そのオレが恥をも捨てる」
キ「この気持ち」
古「そ…それがオッパイ…」
古「そ…そうですか……なるほど」
古「ただの冗談じゃ」「ないんですね」
キ「当然だ」
古「でもあなたの財布程度じゃ釣りあいません」
古「ボクもオッパイで」
古「…じゃなきゃこっちも…」「本気になれません!」
キ「いいだろう」
み「な…何が起こっているの今…」「低次元すぎてっ…」彼女は絶句した
キ「おれの先手だ」古「ハイ」
み「ちょ…待」
キ・古「お願いします」
み「え、はじまっ…た…」
長門「……ユニーク」
保守
ほ
297 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 22:54:17.83 ID:+4IMtTCG0
し
298 :
はだしのゲン風に:2008/02/07(木) 23:06:18.28 ID:hxx5XAokO BE:425779272-2BP(500)
ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!」
キョン「ち、違う。これはビタミン剤じゃ・・・」
保守
保守
寝る保守
保守
ほ
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/08(金) 00:55:57.56 ID:E/BtwgtO0
保守
上の方にあるハルヒかわいいや小説書きハルヒネタや肝だめしネタの
作品達はまとめには上げないのかな?
第三章の続き、アップしてよろしい?
ハルヒかわいいはまとめに上げてほしい
すっごい好きだから
308 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/08(金) 01:08:31.36 ID:q1vKmfEqO
>>294 ハチワンダイバーか、受け師とみくるは微妙に共通点多いな
では、
>>253の続きから。第2章までは
ttp://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/4247.htmlで。
↓↓↓↓↓↓↓
報酬が、デート……。彼女もスラムの住人だ。金も多分そんなに無いんだろう。だから出来るこ
とはデートの一回ぐらい。それが彼女の精一杯なんだ。ちょっと悪いことしたかな。けれど、それ
で朝比奈さんを守れるなら、申し分ない。俺は、バスターソードを構えつつ、あの変な男と神羅兵
どもに近づいていく。
「何処の誰だか知らないが……知らない……?」
そういった瞬間、俺の頭の奥でまた、何かが囁く。
――……知ってるよ――
そうだ……俺は知っている。奴が着ているその黒尽くめの制服は……
「……お嬢さん、こいつ、何だか変だぞ、と」
「黙れ、神羅の犬め!」
悪いが、お前にだけは言われたくない。すると、奴の周りに居た神羅兵が口々に叫ぶ。
「谷口さん!やっちまいますか?」
「……考え中だぞ、と」
奴はそう言いながら腰に挿したロッドに手を回す。やる気満々だな、おい。まさに一触即発の空
気。だがそこで朝比奈さんが似つかわしくない大声を上げ、俺たちを制した。
「ここで戦って欲しくない!お花、踏まないで欲しいの!!」
そう言って、奴らとは反対の祭壇の奥の扉へと駆け出す。慌てて俺も後を追う。一体どうしたん
ですか、朝比奈さん?扉の前で追いつくと、彼女は小さく囁いた。
「出口、奥にありますから」
俺たちはそのまま扉を開けて奥へと入っていった。しかし、扉の中を見て改めて思ったのだが、
この教会、古びたと言うよりは最早廃屋に近いな、これは。天井や壁、床の至る所に穴が開きまく
っているし、あろうことか、大きなロケットの残骸が二階の回廊から地下の倉庫らしきところまで
深々と突き刺さっていたりする。――いや、そんな事に驚いてる場合じゃない。とにかくあの神羅
の変な連中から逃げないと。扉の向こうから、「……あっ!お花、踏まないでね…だと」「谷口さ
ん踏んだー」「あーあ」「怒られるー」などといった声が聞こえてきたが……いや、聞こえなかっ
たことにしよう。あの声に全く気付く様子もなく、壊れた教会の残骸を掻き分け、床に開いた穴を
一生懸命飛び越えて必死に逃げ出そうとしている朝比奈さんのためにも。
谷口レノwwwww髪型wwwwwwしえん
そして、何とか俺たちが二階の回廊まで辿り着いたその時だ。
「いたぞ、あそこだ!」
谷口とかいうアホが俺たちを視認して指差しやがった。……意外に来るの早かったな。
「キョン君、あれ!」
「分かってますよ。どうやら見逃すつもりはないようですね」
「どうしよう?」
不安に彩られた瞳で俺を見る朝比奈さん。目の前の回廊には、これまでよりずっと大きな穴が開
いていた。一階までは結構な高さだ。それにたくさんの残骸が所狭しと散らばってる。彼女が落ち
たら無事で済まないのは目に見えてる……だが、
「捕まるわけにはいかないんでしょう?」
それなら、答えは一つさ。俺はそこに広がる穴を勢いよく飛び越え、向こうの彼女に両手を差し
出した。
「さあ、朝比奈さん!こっちだ!早く!!」
しかし朝比奈さんは、できないと言いたげに涙目でふるふると首を振るばかり。だから、俺は彼
女がこれ以上不安にならないように、勇気を持てるように、自分でも驚くぐらいの微笑を見せて言
ったんだ。
「――大丈夫!俺が受け止めますから!!」
朝比奈さんの目に決意の表情が浮かんだ。
「うん、分かった!しっかり受け止めてね」
目一杯助走をつけて跳ぼうとした、まさにその瞬間――
「『古代種』が逃げるぞ、撃て撃て!!…あ、撃つな!!」
ズダンッ! ズダンッ!
谷口が慌てて命令を取り消したが、もう遅い。兵士の銃弾は、朝比奈さんに向けて放たれてしま
った後だった。
「きゃあっ!」
運良く直撃は避けたが、朝比奈さんは衝撃を受けそのまま下に落ち――
「朝比奈さん!!」
――またしても運良く、彼女が最初に落ちた所にあったロケットの残骸が滑り台の役割を果たし
、朝比奈さんは無傷で地下倉庫まで滑り降りることが出来た。谷口はその様子を見届けると、バツ
が悪そうに頭を少し掻いてみせた。
「やっちまったかな、と。抵抗するからだぞ、と」
野郎、朝比奈さんになんて事を!もう一度同じ事やってみろ、即乱闘だ、乱闘パーティーだ。し
かしそんなことも言ってられん。地下で右往左往する朝比奈さんにはもう神羅兵が近づいてる。
「キョン君、助けて!」
くそっ!どうすればいい――ん、あれは……?
上を見上げると、天井を支える梁の上に大きな樽がいくつか置かれていた。しめた、こいつは使
えるぞ。
「朝比奈さん!少しそこで待ってて下さい!!」
俺はそう言うなり梁の上へと駆け上がった。
「――キョン君?!……うん、分かった!」
朝比奈さんに銃を向けてゆっくりと近づく神羅兵。朝比奈さんは怯えながらも何とか逃げようと
する。俺は目当ての樽を見つけると下に向けて放り投げた。
ガタンッ!ゴロゴロゴロゴロ…………
落ちた樽は俺の計算通りに階段を転がってゆき――
「のわっ」
朝比奈さんに手を伸ばす寸前だった神羅兵を見事に押しつぶしてやった。
「キョン君、ありがとう!」
「朝比奈さん、礼はいいから、こっちだ!!」
俺は朝比奈さんをそのまま梁の上にまで導く。ついでに、全ての樽を落としておこう。――目論
見どおり、奴らはどんどん転がる樽に押しつぶされていき、大混乱に陥った。
「ぐわっ」
「どわっ」
「ふべっ」
「おい、何してんだ!と。早く古代種を……ってぐはっ!!と…」
俺たちはその様子を尻目に、天井に開いた穴から外へと抜け出した。
「ふふっ……まだ探してるね」
屋根の上から様子を見ていると、まだ奴らは朝比奈さんの捜索を諦めてないようだったが、俺た
ちを発見するまでには至っていないみたいだ。しかし、これまでの様子から考えると、
「初めてじゃないんですね?奴らが襲ってきたのは?」
「……まあ、ね」
朝比奈さんは、言葉を濁すように肯定する。
「タークスですよ、あいつらは」
「そうですか……」
――タークス。正式名称、神羅カンパニー総務部調査課。ソルジャーの人材を見つけ出しスカウ
トするのがその役目ということになっている。
「こんなに乱暴なやり方で?……まるで人攫いみたいです」
無論そんなのは表向きだ。裏じゃ汚いことを沢山やっている。諜報活動、敵対者の暗殺、etc.…
…神羅の闇を背負っていると言っても過言じゃない。
「そんな顔してますね」
まあ、さっきの谷口とかいう奴はただのアホ面ですけどね。にしても腑に落ちないことがある。
「でも、どうしてあなたが狙われるんです?何か訳でも……」
そう尋ねると、朝比奈さんはわざとらしく首を捻って見せる。――嘘つくのが根本的に苦手なん
だな、この人は。
「う〜ん……別に。あ、あたしソルジャーの素質があるのかも!」
「……なりたいんですか?」
あえて指摘することはしない。きっと深い事情があるんだ。だから当たり障りない話題で彼女の
心を解きほぐすことにした。
「さあ、どうでしょう。でも、あんな人たちに捕まるのは嫌です……」
それを聞いて俺は朝比奈さんの手を取った。だったら、ここから屋根伝いに逃げるに限るさ。
支援
「待って……ちょっと待って下さ〜い!」
スラム街の屋根やスクラップの山の上を軽々と飛び越える俺に少し遅れて、朝比奈さんが息を切
らしながらやっとの思いで付いて来る。これ以上離すのも何なので、少し待ってあげることにした
。
「ハア……ハア……一人で……先に……行っちゃうんだもん……」
朝比奈さんは少し不平顔だ。すみません、ちょっとしたイタズラだったんですよ。
「おかしいなですね……ソルジャーの素質があるんじゃなかったんですか?」
すると、朝比奈さんは可愛らしく頬を膨らませた。
「もぅ!キョン君のいじわる!」
そう言って、朝比奈さんはくすくす笑い出した。つられて俺も笑う。何だか、妙な感覚だ。こう
して、誰かと笑いあうなんて、一体いつ以来だろう――
暫くの間、俺たちは時間も忘れてそうしていたが、急に朝比奈さんはまじめな顔になってこう尋
ねてきた。
「……キョン君。あなた、もしかして……ソルジャー?」
「……元、ですけどね。どうして分かったんですか?」
「……あなたの目。その不思議な輝き……」
そう、俺の瞳は常人と違い青白く光っている。これは魔晄を浴びた者……ソルジャーの証。しか
し、朝比奈さんがどうしてそれを知ってるんだ?そんな俺の問いに、
「……ちょっと、ね」
彼女はそう言葉を濁すだけだった。
支援
さるさんかな?
さるったか。
支援
教会からももう大分離れた。俺たちは屋根が低くなっているところを見つけ、そこから漸く地面
に降り立った。
「ふぅ、やっと下りられました。さて、と……こっちです、わたしの家は。あの人達が来ないうち
に急ぎましょ」
そうだな。俺は先に行く朝比奈さんについて、伍番街スラムの中心部へと入っていった。
すると、朝比奈さんは何の変哲も無い土管の前でふと立ち止まる。見ると中から少し明かりが漏
れている。
「ここの人、病気みたいなの。近くで倒れていたのを誰かが助けたんだって」
入ってみると、みずぼらしい格好をした男が何ごとか呻いていた。
「う……あ……あぁ……」
男はそれ以外の言葉を発しようとはしない。
し
支援
「この人なの……ね、助けてあげらませんか?」
「う……あ……あぁ……」
俺はその男の様子を暫し眺めていたが、これはどうしようもない。『何でも屋』と言ってしまっ
たが、俺は医者じゃないからな。
「そう……ですよね…」
朝比奈さんは残念そうな顔をする。すみません、お役に立てなくて。
「……あれ?この人、刺青してますね。数字の2、かな」
確かに男の腕には『U』という文字が大きく彫られていた。ただ、それだけの刺青なんてどうい
う趣味をしてるのか知らないが、何なのか詮索しても仕方ない。何もすることが出来ないまま、俺
たちは土管を出て少し歩くと、朝比奈さんの家が見えてきた。
――ここも、同じスラムの中とは思えないくらい穏やかな場所だった。静かに落ちる滝と透き通
った池、キラキラ漏れてくる陽の光。そして――花壇にはあの教会の中よりも色とりどりの花が咲
き乱れ、ベランダや屋根の上も花で埋め尽くされていた。ここも朝比奈さんがいそいそと世話して
るのだろうか。その光景を想像すると、自分の顔が綻んでくるのが分かった。
「ただいま、お母さん」
家に入って朝比奈さんがそう言うと、茶色の髪を肩で短く切った活発そうな女性が出迎えた。こ
の人がお母さんですか……って朝比奈さんぐらいの子をもつ親にしては若すぎないですか?十代後
半って言われても信じますよ。
「おかえり、ミクル。遅かったじゃない。心配してたのよ……?その人は?」
「この人はキョン君。あたしのボディーガードしてくれたの」
すると、朝比奈さんの母は驚いたように目を丸くして朝比奈さんに駆け寄った。
「ボディーガードって……ミクル、また狙われたの!?身体は!?怪我は無い!?」
「大丈夫よ。今日はキョン君もいてくれたし」
安心させるように微笑む朝比奈さん。すると、彼女の母は「そう…」と安心したように呟くと俺
の方に向き直った。
「あたし、この子の母親のマイっていうの。この子を助けてくれてありがとうね、キョン君。」
そう言って、所用があるらしく、マイさんは二階へと上がっていった。と言うか、あなたまで俺
を『キョン』と呼ぶんですね。すると、朝比奈さんは俺の方を向いて尋ねる。
「……あのう、これからどうするんですか?」
そうだな……。朝比奈さんを無事に送ったし、そろそろ七番街スラムに戻るか。古泉はどうでも
いいが、ハルヒを心配させたまんまじゃ寝覚めが悪いしな。
「七番街は遠いんですか?涼宮ハルヒっていう奴がやってる『セブンスヘブン』って店に行きたい
んだけど」
すると、朝比奈さんは俺から目を逸らし、少し寂しそうな顔をする。何でだ?
「――涼宮さんって……女の人?」
まあ、生物学上ではそうだよな。地獄の鬼も裸足で逃げ出すとんでもない本性を持ってるとして
も。
「……彼女さん、……ですか?」
彼女?ハルヒが?そんな馬鹿なことがあって堪るか。あいつとそんな「ハニー」「ダーリン」な
どと呼び合う甘い関係を想像するだけでも、俺の気が狂いそうだ。必死に否定する俺に、朝比奈さ
んはクスッと微笑う。
支援
途中ですが、訂正。
……げ、エルミナ役、ベースの子にしてた。本当はギターの子にするつもりだったのにorz
『マイ』ではなく『タカコ』ということにしてください、すみません。
そして何事も無かったかのように以下から再開。
「ふふふ。そんなにムキにならなくてもいいと思いますけど。でも、少し安心しました……」
――え、いま何と?
「い、いいいいいえいえ何でもないです!!ととととにかく七番街ですよね!あたしが案内します
っ!!」
いや、それはまずい。この人は神羅に狙われてるのはさっきの事から明白だ。
「また危ない目に遭ったらどうするんですか?」
「慣れてますから」
慣れてますって……おいおい。しかし、俺がどんなに説得しても朝比奈さんは意見を曲げようと
しない。普段はオドオドしてるのに、こういうときに限って強情になるんだな、この人って……。
「お母さん!あたし、七番街までキョン君を送っていくから!」
支援
その声を聞いて、タカコさんが呆れた顔をして二階から降りてきた。
「ホント、この子って言い出したら聞かないんだから……でも明日にしたら?今日はもう遅くなっ
てきたし」
「うん、わかった、お母さん」
朝比奈さんも納得したように頷いた。
「じゃあミクル、ベッドの準備をしてきて」
朝比奈さんは「はぁい」と返事し、スキップするように二階へ駆け上がっていった。その様子を
見て苦笑するタカコさん。しかし、急に真剣な表情になって俺を見る。
「あなたのその目の輝きは……ソルジャーなんでしょ?」
「ええ。でも、昔の話です…」
「……。言い難いんだけど…今夜のうちに出て行ってくれないかな?ミクルには内緒で」
そう辛そうな表情をして、タカコさんは言った。
「――ソルジャーなんて……またミクルが悲しい思いをすることになる……」
俺が二階へ上がると。既に俺が眠ることになるらしい部屋の準備を終えた朝比奈さんが杜若の花
を生けていた。ちなみに、朝比奈さんとは部屋は別々だ。さすがに、泊めさせていただく身なのに
一緒に寝たいと言い出すほど俺はチャレンジャーじゃない。
「七番街へは六番街を抜けて行くの。六番街、ちょっと危険な所だから、今夜はゆっくり休んでく
ださいね」
部屋に入る俺に朝比奈さんはそう呼びかけ、
「キョン君……おやすみ」
そのまま一階に降りていった。
「まいったな……」
さっきのタカコさんの言葉もあったが、俺自身も神羅と敵対しているテロリストだ。これ以上彼
女と一緒に居ては、さらなる危険に巻き込みかねない。ここは、やはり早々に出て行く必要がある
だろう。だが、それは彼女が寝静まった深夜になってからだ。
俺はその時を待つため、朝比奈さんが用意してくれたベッドの上に転がったが、やはり今日も色
んなことがあって疲れていたのか猛烈な睡魔が俺を襲う――
338 :
HARUHI FANTASY Z 第3章 灰と花:2008/02/08(金) 02:39:17.35 ID:LFAo3B9J0
――……かなり、アレだな。疲れてるみたいだぞ――
「…………!?」
――こんなきちんとしたベッド……久し振りだな――
「……ああ、そうだな」
――あれ以来、かな――
『本当に立派になってぇ。そんなんじゃ、あれだね。女の子もほっとかないだろう』
――そう、あれはニブルヘイムの俺の実家。ベッドに転がる俺に母親がこう俺に言ってきたんだ
。
339 :
HARUHI FANTASY Z 第3章 灰と花:2008/02/08(金) 02:40:11.64 ID:LFAo3B9J0
『……別に』
『……心配なんだよ。都会には色々誘惑が多いんだろ?ちゃんとした彼女がいれば、母さん、少し
は安心できるってもんだ』
『……俺は大丈夫だよ』
『あんたにはねぇ……ちょっとお姉さんであんたをぐいぐい引っ張っていく、そんな女の子がピッ
タリだと思うんだけどね』
『……興味ないな』
目が覚めると、辺りはすっかり暗くなっていた。
「……いつの間にか、眠ってしまったのか。――六番街を越えて七番街へ、か。一人で何とかなり
そうだな」
支援
341 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/08(金) 03:23:27.11 ID:jzk9dwP+0
復活保守
意外と復活早かったなw
343 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/08(金) 04:20:14.01 ID:CcUkSPVt0
保守
344 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/08(金) 05:09:51.92 ID:zMshXz/TO
保守
保守
h
出勤前保守
348 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/08(金) 08:11:24.18 ID:aVnu8qCOO
ハルヒかわいいのハルヒ可愛いな…超可愛い
サルってる間に寝てた…すまん。以下より続き
俺は朝比奈さんに気付かれぬように足音を殺して階段を下りる。明かりも消えた一階の居間。俺
はそこに生けられた花々にそっと別れを告げた。さよなら、朝比奈さん。多分もう会うことはない
と思いますが、あなたに逢えた事は決して忘れませんよ。
俺は六番街スラムへと続く門に向かって走ったが、そこにはなんと朝比奈さんが立っていた!?
「お早い出発、ですね」
一体いつの間に?ずっとここで待ってたのか。俺がやって来るまで。……全部お見通しだったっ
て訳か、やれやれ。
「危険だと分かっているのに、あなたに頼るわけには……」
「――言いたい事はそれだけですか?」
決意の宿った彼女の声に、俺はぐうの音も出ない。
「涼宮さんのいるセブンスヘブンはこの先の六番街スラムを通らないと行けないの。案内するから
、さ、行きましょう!」
そう言ってさっさと先へ走っていく朝比奈さん。俺は呆れながらも彼女の後を追った。
六番街への道には、少なからずモンスターが出現した。特に家の化け物みたいな奴が厄介だった
な。突然中から爆発したかと思うと、猛烈な勢いで突進してきた。俺は何度も朝比奈さんをかばっ
たから、ダメージが蓄積しすぎて危うく死に掛けたのは内緒だ。すると、朝比奈さんが俺が持って
いたマテリアを使って回復魔法『ケアル』で傷を癒してくれた。どうやら彼女には回復系の魔法を
操る才能があるようだ。
そうこうする内に、俺たちは小さな公園に辿り着いた。向こうには大きな鉄製のゲートが見える
。
「あれが、七番街へのゲートです」
それはいいんだが、ここまで連れてきてしまって、朝比奈さんをどう家に帰すのか、まるで考え
てなかったことに俺は愕然とした。あの道を一人で帰すわけにもいかんだろう。……仕方ない、セ
ブンスヘブンまで連れてくか。向こうに着いたら男手もそれなりにあるしな。
「それもいいなと思いますけど……でも、キョン君困らない?」
?俺が朝比奈さんをつれて七番街に行ったら何が困るって言うんですか?すると、朝比奈さんは
少し呆れた顔をして「いいです、もう……」と呟いた後、
「……ちょっと休みませんか」
そう言って公園の中へと入って行く。
朝比奈さんは公園の中にあった、モーグリ――この世界での妖精みたいなものだ――の形をした
ドーム状の滑り台を見上げ、
「なつかしい、まだあったんだ」
そのてっぺんへうんしょ、と登っていった。
「キョン君、こっち、来てください!」
俺も続いて登っていく。朝比奈さんは滑り台のてっぺんにちょこんと座っている。そして、おも
むろにこんな事を聞いてきた。
「キョン君、あなたのクラスは?」
「『クラス』?」
聞き覚えの無い単語に俺は彼女にもう一度聞きなおす
「ソルジャーのクラスです」
「ああ、俺は……」
何かを言いかけたその時、頭の中を閃光が走りぬけた気がして、そのまま次の言葉を彼女に告げ
ていた。
「クラス……1stです」
「……おんなじだ」
――『同じ』って誰のことだろう。そう彼女に尋ねると、朝比奈さんは少し哀しそうに微笑んで
こう言った。
「――あたしの初めての友達。……たった一人の親友」
何だろう。彼女のその言葉のどことなく悲しい響きは。俺は努めて明るい調子で言う。
「もしかしたら俺も知ってるかも。その人の名前は?」
しかし、朝比奈さんは静かに首を横に振る。
「……もう、いいんです」
黙り込む朝比奈さんに、俺は何て声を掛けようと思案に暮れていると、突然七番街スラムへのゲ
ートが開き、チョコボに曳かれた車が現れるのが見えた。――ん?あの後ろに乗ってる…………あ
のシルエットは――
「――ハルヒ!?」
しかも俺が見たハルヒは、黒いワンウェイストレッチ、網タイツ、付け耳、蝶ネクタイに白いカ
ラー、カフスおよび尻尾――まさにどっからどう見てもバニーガールの格好をしていた。何考えて
んだあの野郎。
「あれに乗ってた人が涼宮さん?どこ行くのかしら?それに、様子が変でしたね……」
とにかく後を追わないと、俺はチョコボ車の去った方へと駆けて行く。朝比奈さんも俺の後につ
いてくる。
「朝比奈さん!俺一人でいい!!あなたは家に!!」
「――あたし、キョン君を七番街まで連れて行くと決めてますから!それに、今のを見て放っては
おけません!!」
そう言って走るのをやめない。仕方ない。決して俺の傍から離れないで下さいよ。
――俺たちがチョコボ車を追った先は、六番街スラム内でも特に有名な歓楽街「ウォールマーケ
ット」だった。
...to be continued
355 :
HARUHI FANTASY Z 第3章 灰と花:2008/02/08(金) 08:51:02.39 ID:LFAo3B9J0
取り敢えず以上です。支援感謝です。
寝落ちしてたか
保守
358 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/08(金) 11:05:05.11 ID:tUFNrK+9O
保守
359 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/08(金) 11:50:18.98 ID:SMlMoSwkO
保守
360 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/08(金) 12:17:19.53 ID:DqJ98MY4O
死亡フラグどーすんのさw
あと、今回の初登場人物は
谷口=レノ
中西貴子(ENOZ)=エルミナ(エアリスの母)
ちなみに、クラウドの母親はそのままキョンの母親のつもりだけど、ハルヒの原作でもキョンの語りの中しか登場してないので各自で脳内補完しておいてください。
>>361 谷口はコルネオにして欲しかった…
とにかく乙
保守
もうこのスレいらんだろ
365 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/08(金) 15:17:50.25 ID:0uotpoa10
保守
「おい、ハルヒ」
「何?」
「背中に指這わすの、やめろ」
「別にいいでしょ。文句あるの?」
「……別に。ただ何て書いてるんだ?」
「ん〜、保守、よ」
367 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/08(金) 16:03:29.50 ID:CcUkSPVt0
保守
保守
369 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/08(金) 17:34:49.83 ID:sWrOnL960
ほ
保守
保守
372 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/08(金) 19:14:58.60 ID:1r3MgufS0
保守
ほす
SOS団の修学旅行ネタとか過去にあったっけ
375 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/08(金) 19:59:19.24 ID:1r3MgufS0
保守
保守
377 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/08(金) 20:29:55.54 ID:CcUkSPVt0
378 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/08(金) 20:49:32.05 ID:LgHv/AwlO
ほ
あと1時間。
380 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
保守