【白銀の】ローゼンメイデンが普通の女の子だったら【輝き】
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/16(水) 22:51:49.23 ID:jwNwuGqB0
・『原則「コテ」禁止』
コテハンの人の書き込みが悪いんじゃなくてコテを付いてるということが荒れる原因になりやすいので原則コテは禁止で。
・スレ・作品と関係ない雑談は控え、気に入らない作品や書き込みはスルーお願いします。
・非常時はまずWikiや雑談所で状況を確認してください。(本スレの消失など)
・投下するときは「○○ネタだから注意」とか「○○系につき苦手ない人スルーよろ」などと付けた上、さらにNGワード指定するなどの各自配慮をお願いします。
例:yuriyuri(百合) sinineta(死) uhouho(男色) guroino(グロ)
・長編でレスを大きくまたぐとき(前回の投下は
>>51で今回は
>>462とか)や前スレから の続きはタイトルやあらすじ、アンカー等付けると読者に優しい職人になれる。
・なるべく自分でWikiを編集できるようになりましょう。どうしても編集できない場合は雑談所の掲載状況スレで依頼しましょう。(簡単な説明の項目の通りである程度できます)
・性的描写はエロパロで。(投下するなら少年誌レベルぐらいまで)
・投下混雑時以外の「投下いいかな?」は不要。投下終了後の「やっぱグダグダだったorz=3」とかも不要。もっと自信持って投下しよう!
(目安として:投下ラッシュは大体22時前後。それ以外なら特に混む事は無し。)
・投下時、他の人と被るが嫌なら投下前のログの再取得は必須!
・未来アンカーやリレー小説はスレストの原因になったり投下し辛い空気にしたりするので控えてください。
・上記の他、Wikiの「簡単な注意事項」を読んだ上、分からない質問などは
>>1のリンクから行ける雑談所やWikiでお願いします。
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/16(水) 22:52:38.21 ID:joBA7Uck0
つまり水銀燈は俺の嫁
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/16(水) 22:53:16.22 ID:KqzxAgtP0
じゃあカナリアはもらいますよ
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/16(水) 22:53:39.89 ID:VloSJsalO
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/16(水) 22:54:08.49 ID:HCH2xS120
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/16(水) 22:54:55.70 ID:jwNwuGqB0
真紅はお(r
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/16(水) 22:56:02.35 ID:561jUdiR0
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/16(水) 22:56:16.87 ID:m5nXOIKCO BE:821196656-PLT(22480)
銀様とラブラブお好み焼き作りたい
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/16(水) 22:56:52.34 ID:joBA7Uck0
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/16(水) 22:57:57.17 ID:imkAG3EEO
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/16(水) 23:01:49.40 ID:8mPJwj6jO
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/16(水) 23:04:05.84 ID:NCDvv6eVO
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/16(水) 23:18:26.14 ID:8mPJwj6jO
カチ
ジ「やあ、巴。今日も相変わらず綺麗だね」
巴「もう、桜田君ったら…」
カチ
ジ「おいおい、名前で呼んでくれるんじゃないのか?」
巴「ジ、ジュン君…」
カチ
ジ「それでよし。なぁ…巴は僕の事好きか?」
巴「え!?それは…」
カチ
ジ「どうなんだ?僕は…君が好きだ」
巴「うん…私も…ジュン君の事が…す…す…す…!」
巴「はぁ、なかなか上手く言えないなぁ」
雛「巴…そのソフトはなんなのよ?」
巴「え?“JUN PROJECT”。自作した桜田君の音声シュミレーターなの。凄いでしょ」
雛「・・・」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/16(水) 23:18:48.23 ID:j3abiMvR0
>>1乙ついで保守ついでに投下。
ばらしーはローゼン家に奉公しているようです。あと水銀燈と親友のようです。
銀「はぁ・・・」
薔「どしたの銀ちゃん。ため息なんてついちゃって、らしくもない」
銀「学校でねぇ・・・何だかアレなのよぉ」
薔「アレと言うと?」
銀「何だかねぇ、ハブられてるみたいなのよねぇ」
薔「いじめ!? まさかいじめなの!?
ちょっとそいつらブチのめしてくるついでに同性愛に目覚めさせて来てやるから住所教えろ」
銀「ちょっと落ち着いてよ薔薇水晶。たぶん、いじめじゃないのよぉ。
なんていうか、接し方がわからないというか・・・」
薔「ははーん、そうか。銀ちゃんは成績優秀運動神経抜群容姿端麗おまけに巨乳だもんだから、
みんな妬いてるってか、完璧すぎて近づきづらい、ってことだね」
銀「それ自体はいいことだと思うんだけどねぇ・・・。それに私目つき良くないし」
薔「良くないってか、悪いよね」
銀「なんかもうちょっと、柔らかい言い方ってものが・・・」
薔「・・・んまぁ、話はわかった。じゃあ、完璧すぎるから、ちょっと普通のところが欲しいのね。
じゃああしたはこのばらしーちゃんが腕によりをかけてお弁当作ったげるぜ!」
銀「そういうことなんだけど、何だか心配だわぁ・・・」
次の日のお昼の時間
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/16(水) 23:19:33.00 ID:j3abiMvR0
>>15 銀「お弁当は何かしらぁ・・・」パコッ
A「!?」
B「!?」
C「!?」
銀「え・・・? 今日のお弁当全部・・・、のり・・・弁?」
A「俗だーッ!」
B「俗すぎるーッ!!」
C「今時のり弁当なんて俗がすぎてもうありえないっつーか、化石だろ!!」
銀「せっかく薔薇水晶が作ってくれたのだから、文句は言えないわぁ・・・。
はむっ。むぐむぐむぐむぐ」
ABC「ゴクリ…」
銀「弁当箱を開けたときに飛び込んでくる、一面の黒のインパクトもさることながら、
のりの合間から覗く、醤油をたらした茶色のかつお節の香りが食欲をそそり・・・。
その中にほのかに馨る磯の香りがまた醤油の味を一層引き立てる・・・。
そしてこのご飯! お弁当であるにも関わらず、ホカホカのツヤツヤ! 素晴らしい技術だわ!
しかもいくら食べても飽きが来ない! いいかも! のり弁!」
A「たかがのり弁でそれだけの感想を即興で言える水銀燈さんはやっぱり普通じゃねぇ!」
B「うう、俺ものり弁が食いたくなってきちまったぜ!」
C「ていうか何で誰も弁当全部がのり弁だってことにツッコまねぇ!?」
ほ
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/16(水) 23:35:31.74 ID:jwNwuGqB0
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/16(水) 23:40:30.65 ID:j3abiMvR0
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/16(水) 23:43:52.62 ID:HCH2xS120
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/16(水) 23:59:22.43 ID:8mPJwj6jO
保守
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 00:08:47.10 ID:QhrmXJNIO
ジュンと翠星石はお隣同士のようです
朝
「ジュン〜?遅刻するですよ〜?」
「ふぁぁぁ…わざわざありがと」
「お隣同士の誼だから気にすんなです」
学校
「はい、ジュン。今日のお弁当です」
「ああ、ありがと」
「お隣同士の誼だから気にすんなです」
休日
「ジュン〜?洗濯するからついでにジュンのも洗ってやるです」
「ああ、ありがと」
「お隣同士の誼だから気にすんなです」
数年後
「ジュン〜?まだ独身ですか?しょうがねぇから一緒になってやるです」
「ああ、ありがと」
「お隣同士の誼だから気にすんなです」
「…あれ?」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 00:18:46.05 ID:rP2O4IQ+0
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 00:19:50.58 ID:2ck/Cq/EO
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 00:23:50.81 ID:996NY/TX0
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 00:40:13.86 ID:ADcx8mAZO
久々の投下をさせていただきます。
薔薇乙女家族 (本編)その六です。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 00:41:18.44 ID:ADcx8mAZO
薔薇乙女家族 その六
晴天な空の下、少し凍える中の体育館は、一年生から六年生までの全生徒及び教員が揃ってステージを見守っているという静粛な雰囲気に包まれていた。
「新しい先生がやってくる」
その期待の目線が一点に集中する。
「…して、しばらく笹塚先生は学校にこれなくなってしまったので、急遽新しい先生をお招きしたというわけです」
校長がステージ上で全校生徒相手に事のいきさつを改めて説明している。
校長はなかなか「先生」という誇りを高く持っているせいか、何百といる生徒相手をまとめる人間として相応しい器をしている。
絶えず生徒に目を配り、「ほら、こっちを見ていない子がいるよ」とその場でしっかり言うから生徒もみんな静かに真剣に話を聞いている。今時の小学校ではあまり見られなくなった光景だ。
「それでは、新任の先生を紹介します」
校長が脇に座っている女教師を招く。
「柏葉巴先生です。では柏葉先生、ご挨拶お願いします」
促された女教師がマイクを通して挨拶をする。その声はしとやかで優しく、かつ几帳面な彼女の性格をそのまま表している様だった。
「今ご紹介与りました、柏葉です。皆さんよろしくお願いします」
彼女は自身の挨拶が少しあっさりしすぎただろうかと首を捻ったが、大きく礼をした時に生徒達からは大きな拍手を貰ったのでひとまず安心していた。
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 00:43:42.02 ID:ADcx8mAZO
何事も無く、無事に朝礼は終わった。
全校朝礼を終えて学年毎の列が体育館から出てきた。さっきとは打って変わって賑やかな様子で、早速新任の先生の事で話題となっている。
「綺麗な先生だよな」
「優しそうだよね」
そんな声がちらほらと聞こえてくる所を見ると、かなり好印象を抱かれた事が分かる。彼女の授業を待ちわびる様子がひしひしと伝わる。
「トモエ先生…」
彼女、雛苺もその例外ではない。彼女もまた柏葉巴先生という人物と仲良くなりたいと思い始めているみたいだ。列を少々乱してでもステージ上の彼女を目にしようとする所を見るとそれがはっきりと分かる。
前をしっかりと見ないから、前の生徒にぶつかったり列からはみ出たりして教師から笑われていた事も付記しておく。
そんな生徒達を少しだけ離れた所から見守っていた柏葉は、くすっと笑っていたようだった。校長がそれに気づいたみたいだ。
「本当に良い子達ですよ。最初は慣れないかもしれませんが、すぐに仲良くなりますよ」
「ええ、私もそう思います」
彼女は校長に向けた視線をまた生徒達に向けた。もうほとんどの列は体育館より抜け出ており、最後尾が少し見える程度だった。
今はこの様に少し距離が離れているけど、離れた距離は詰めれば良いだけである。すぐに生徒であるみんなとも手を結び合わせられるようにと、彼女は少し気合いを入れたのであった。
-----
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 00:45:12.44 ID:ADcx8mAZO
雛苺のクラスは三年のA組で、教室は二階の一番東よりに位置している。
小学三年生と言えば年齢にしておよそ九歳前後だ。学年別で言えば一年から六年の真ん中であり、低学年から高学年へと移り変わる一年である。
つまり今の彼ら乃至彼女達は、低学年の持ち合わせている意識を引きずり続けるのに歯止めを掛けるのを要されている。
そしてここからだんだんと多感になり始め、男と女という性別も、良い方にしろ、悪い方にしろ、一層強く意識し始めていく。男と女の差別化が自ずと始まっていくわけである。
その弊害とも言うべきしこりも当然数多くでてくる。男女の違いというだけでまとまりが無くなるのは勿論、数多くのぶつかり合いも無いわけではない。度の強いいじめ問題なんかもこの辺りを境に出始めるのではないだろうか。
真ん中というのは、上下左右へと常に揺すられ続けるから不安定なものである。その方向性を自らの手で決められれば良いのだが、なかなかそういかないのもいる。
アイデンティティの確立が困難故に精神が安定しないケースもある事を考えると、この今の時期は非常に精神が過敏かつ、デリケートであると言える。
さて、そんなデリケートな時期を己が迎えているとは思ってもおるまいこのクラスは、今非常に興奮状態に陥っているらしいのが分かる。そのわけは実に単純で、今日早速新任の先生である柏葉の授業を受けられるからだ。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 00:47:34.38 ID:ADcx8mAZO
ちなみに柏葉の担当教科は国語で、このクラスでは第二時限目となる。皆が予定黒板の二時限目に気を取られ、一時限目の算数には誰も関心を寄せていないみたいである。
〜♪〜♪〜♪
やがてチャイムが鳴り響いてようやく静かになると思われたが…案の定と言うべきか算数の支度をすっかり忘れていたらしく、今慌ててロッカーに駆け込む姿が四つか五つくらい見られる。その子達は後に担任からお灸を据えられるのが決定となってしまったみたいだ。
「…それじゃあ…まずはみんなの名前を教えてくれるかな?」
算数の時間を終え、ようやく柏葉の授業になった。
柏葉はまず己の紹介を簡単に済ませた後、みんなにも自己紹介する様に促した。それを聞いた皆一人一人が出席番号順に席を立って声を張っていく。先ほど算数の先生からお灸を据えられた子も、それを忘れた様な元気の良さで彼女に応えた。
一つのクラスの人数はおよそ三十人程度で、特に細かい紹介をしているわけでもないので割とスピーディーに進む。番号は後半に属する雛苺の番もすぐにやってきた。
「それじゃ次は…桜田さんね?」
柏葉が名簿を読み上げる。雛苺は直ちにすくりと立ち上がった。
彼女を目に認めた柏葉は雛苺が口を開こうとしてた所をつぐませた。
「桜田さんは…雛苺とみんなに呼ばれているのね」
突然の質問だから意味を捉えかねたらしい、雛苺は首を捻っている。
「随分変わったあだ名ね。どうしてそう呼ばれる様になったの?」
「うゆ…ママがヒナをそう呼ぶの」
先生からは今まで訊かれた事もない質問に雛苺は明らかに拍子抜けした様な感じだった。クラスの仲間からはたまに訊かれる事はあったが、先生は特にあだ名の由来なんて干渉してこないのが今までの通りだった。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 00:49:42.73 ID:ADcx8mAZO
ましてや、自分がこれから自己紹介しようとしていたら出鼻をくじかれたのだから、彼女の反応も無理は無いだろう。
「へぇ…お母さんが………あ、ごめんね。つい気になったものだから…」
柏葉は少し頷くと、すぐに調子を切り替えた。
「では桜田さん、お願いします」
戸惑いながらも雛苺はそれに応える。自分のフルネーム、趣味に好きなものに特技等を正直に答えて彼女は番を終えた。
雛苺の時だけ多少流れは変わったものの、かくしてお互いの自己紹介を終えた。
「はい、ありがとうございました。これでみんなの事が少し分かりました」
柏葉はニッコリ笑って生徒達に言った。
「私はこの学校に来たばかりだから、これから何かとみんなにも相談したい事があるかもしれないからよろしくね。みんなも是非、気軽に声をかけてね」
生徒達は揃って、少し間延びした返事を返した。
それから少しの間、皆のノートを見せてもらって多少授業の進展具合を把握した後、チャイムが鳴った。彼女の最初の授業はこのような形で無事に終わったのだった。
-----
授業が終わるやクラスの中はまたもや柏葉の事で盛り上がっていた。「優しい先生だね」「頼りになりそう」といった高評価の意見が飛び交っている。
「雛苺〜」
クラスの仲間である女子が雛苺に声を掛けた。
「うゆ?」
「柏葉先生の事、どう思う?」
「ん〜っとね…すごく好きになったのよ。もっと仲良くなりたいの」
「だよね〜」
そんな会話を軽く交わして、彼女はまた別の仲間の所へ声を掛けに行った。
その仲間の背中をぼんやり眺めながら、雛苺は何となく自分の中に渦巻くモヤモヤに包まれている様な感覚に気づいた。だがそれが何なのかは分からないままで、何だか煮え切らない。
そのぼんやり頭のまま、次の授業の支度をする。次は社会だ。教科書とノートも出して、資料集も取り出して準備をしっかり整えようと彼女は手を動かした。
しばらくして、次の教科の始まりを告げるチャイムが鳴り響いた。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 00:56:26.77 ID:ADcx8mAZO
>>26-30 その六、投下終了です。
実はこの第六話、尺が無駄に伸びてしまいまして、現在その六之三を書いております。果たしてまとまるのかこの話。
にしても、巴やらジュンやら、その五で出てきたみっちゃんと言い…年齢が完全に逆だよなあ…。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 01:17:12.92 ID:R1MAk5Lj0
>>31 いままで気になってた巴もでてきて、これからも展開にwktkして待ってます!
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 01:40:45.70 ID:VIgJtdU90
hosyu
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 01:42:07.01 ID:loZGFSSJ0
>>31 ようやく巴がでてきたのか…
ほのぼの系の話かと思ってたけどそうでもないのかな。そういやジュンたちって何歳なんだろ
>>32 再投下してもいいから、アップローダー使わないでスレに直接投下してくれ
見られない人だっているんだから
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 01:43:58.87 ID:2ck/Cq/EO
なんか変な電波を受信して季節外れなSSを書いてしまった
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 01:55:39.12 ID:996NY/TX0
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 01:58:01.96 ID:yaYyVL5Z0
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 02:21:28.24 ID:2ck/Cq/EO
ヒマだから投下するだけですぅ、
>>38の為なんかじゃないですぅ!
40 :
夏と女王様と間接キス:2008/01/17(木) 02:26:19.06 ID:2ck/Cq/EO
「あー……喉渇いたー……」
眩しく照りつける太陽の下、 夏独特の蒸し暑さを感じながら、 僕は一人呟いた。
体育で思いっきり酷使された身体は、今すぐにでも水分を欲している。
しかし、 連日の真夏日により水道は断水中。まったく、 日本の梅雨は何をしていたのやら。
そんなワケで、 僕は一滴も水が落ちてこない蛇口を恨めしそうに見つめながら、 近くに腰を下ろしていた。
すると、 急に視界が歪む。それと同時に目の辺りに走る冷たい感触。
「うおっ!」
突然の感覚に、 思わず声が溢れた。
それと重なるように、 悪戯っぽい笑い声が聞こえてくる。
すると、 すっ、 と先ほどまで目を覆っていたものが取れた。
その正体はペットボトルだった。それも中身はミネラルウォーター、 まさに今一番欲しい物No.1である。
そしてその先には、 これまた悪戯っぽい、 笑顔が一つ。
「ヒッヒッヒ……ずいぶん情けない声出してるですね」
ニヤニヤしながら話すその少女とは、 ご近所さんで尚且つ同級生という、 見事な腐れ縁の間柄だ。けれども、 いや、 だからこそかもしれないが、 なんだかんだでよく一緒にいたりする。
もちろん、 今みたいな悪戯も日常茶飯事だ。
41 :
夏と女王様と間接キスA:2008/01/17(木) 02:28:18.42 ID:2ck/Cq/EO
「うるさい。性悪」
そのニヤニヤが気に食わず、 一応反論してみる。 もちろん、 効果なんてないのだが。
「ん?反抗するつもりですか?あーあ、 せっかくコレあげようと思ったのに」
なんとも胡散臭い溜め息を吐きながら、 見せ付けるようにペットボトルをぷらぷらと振る。
非常にムカつくが、 それが喉から手が出るほど欲しいのは確かだ。だけど負けるな僕。我慢だ、 我慢……。
「どうですか?翠星石様」
なんとも情けないが、 やっぱり喉の渇きには勝てなかった。
僕は女王様の奴隷その1となって肩を揉みながら、 ペットボトルをねだり続けている。
「そうですねぇ……少しは働いてくれたみたいだし、 コレ、 あげるです」
俺に肩を揉ませながら、 手に持ったペットボトルを掲げ、 エセ女王様は呟いた。
それを見て、 『さすが、 翠星石様は分かってらっしゃる』
なんて感謝してやろうと思った瞬間――……。
なんと、 エセ女王は褒美のペットボトルを飲み始めたのだ。
それも凄い勢いで、 半分くらいまで一気に飲み干しやがった。
ぷはっ、 なんてサラリーマンがビール飲んだ時のような声を出して口を離すと、 半分ほど残ったそれを、 僕の前に突き出す。
42 :
夏と女王様と間接キスB:2008/01/17(木) 02:30:06.68 ID:2ck/Cq/EO
「はい、 残りはあげるです」
突然の出来事と、 予想外の事態に、 僕が返事できないでいると、 彼女は不思議そうな顔をして言った。
「どーしたです?要らないですか?」
いや、 欲しいのは山々なんだが……。
「そりゃ要るけど……一応これって間接キス……」
半分停止した頭で、 無理矢理ながらも言葉を搾り出すと、 彼女は笑いながら言い返した。
「アハハ。なに乙女みたいな事言ってるです。……それとも、 翠星石と間接キス、 イヤですか?」
少し上目使いに見つめられて、 不覚にも一瞬ドキリ、 としてしまう。何考えてんだ、 俺。
「あ、 いや、 別にダメなワケじゃないんだけどさ。お前はイイのか……んっ」
言い切る前に何かで口を塞がれた。唇に感じる柔らかい感触。汗の匂いと甘い香りの二つが、 鼻をくすぐる。
それがキスだと判るのに、 時間はいらなかった。
43 :
夏と女王様と間接キスC:2008/01/17(木) 02:31:48.43 ID:2ck/Cq/EO
彼女は、 ただ呆然とする俺から唇を離すと、 ペットボトルを無理矢理俺に押し付けた。
「こ、 これで、 別に間接キス、 大丈夫ですよ?」
真っ赤な顔でそう言い放つと、 くるりと踵を返し、 どこかへ走っていってしまった。
俺は熱くほてった身体に対象的な、 冷たいペットボトルを、 ぎゅっと握りしめる。
それは何とも言えないほど、 心地良かった。
44 :
夏と女王様と間接キス:2008/01/17(木) 02:33:47.36 ID:2ck/Cq/EO
以上です
なんで冬なのに夏のSSが思い浮かんだんだろう…
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 02:37:34.99 ID:2ck/Cq/EO
>>42>>43の一人称が『俺』になってるけどミスです。本当は『僕』です
('A`)
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 02:38:28.58 ID:996NY/TX0
コンナ時間にこの野郎・・・ウラヤマスィ
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 02:55:09.14 ID:2ck/Cq/EO
>>46 腹筋スレでも行ってこいですぅ
俺の携帯からだと雑談所に掲載依頼を書き込めないお……
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 02:58:15.90 ID:996NY/TX0
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 03:02:29.47 ID:2ck/Cq/EO
>>48 べ、 別にお礼なんて言わないですからね!
ちょっとカッコイイなんて思わなかったですぅ!
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 03:03:43.23 ID:996NY/TX0
なんというツンデレ・・・役に立ててよかったぜ
ブックマークしとけよ
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 03:05:25.19 ID:2ck/Cq/EO
>>50 あ、 当たり前ですぅ!
今後もSS投下しまくってやるから覚悟しとけですぅ!
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 03:07:24.89 ID:996NY/TX0
楽しみにしております
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 04:17:29.18 ID:G2P5T7iVP
ほ
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 05:17:32.94 ID:8qkvnGSoO
保守
55 :
ID:He+n/v090様の弟子:2008/01/17(木) 05:20:22.25 ID:KAR4jXm6P BE:1350041459-2BP(0)
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 06:48:18.50 ID:8qkvnGSoO
朝ですよ〜!皆起きやがれですぅ〜!!
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 07:38:09.09 ID:yaYyVL5Z0
目覚まし保守
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 07:55:46.81 ID:2ck/Cq/EO
眠い保守
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 08:12:17.40 ID:2SL4xDLu0
もうすっかり日も沈んでしまっている。
そろそろ来るころだなと思っていると、不意に電話が鳴る。
僕はすぐさまそれをとり、耳元に当てる。
「あら早いわね、もしかしてずっと待っててくれたの?」
違うと否定したが、彼女は笑ってばかりでちゃんと聞いてくれない。
しばらくはいつものように今日あった出来事や思ったことなど、あまり深い意味のない会話をしていたが、
不意に彼女が黙り込んでしまう。
どうかしたのかとたずねても反応がない。
あまりに長い間喋らないので心配になってくると、ふいに声がした。
「・・・あなた、今日の予定はある?」
そんなものは風呂に入って寝る以外存在しないね。
「私たち付き合い始めてからだいぶ経つわよね。」
いきなり何の話をしだすのだろうか。
「いまからうちに来ない?」
いまからか、面倒だな。
「・・・今日ね、私の家に誰も居ないの。」
一瞬意味がわからなかったが、少し考えて僕は思わず聞き直す。
その時に少し声がおおきくなってしまい、恥ずかしくなる。
「ふふ、皆明日まで帰ってこないから、ずっと私の家で遊べるわよ。」
マジか。
「マジよ。あ、ところで貴方に合鍵渡してあったっけ?」
いつのまにか僕の家に置いてあったぞ。
でも、わざわざ僕が鍵を持ってくる必要がないんじゃないか?
「貴方に開けて欲しいの。楽しみにしてる。」
ゾクゾクするような声でつぶやき、電話が切られる。
・・・これで行かねば男じゃない!早速身支度を整えると家を飛び出した。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 08:16:58.88 ID:2SL4xDLu0
彼女の家に着いた。ポケットから鍵を取り出す。
何で僕に鍵を開けさせるのだろう。
これはアレか、チラリズム的な効果を狙ってるのか。
確かに、箱に入っているプレゼントを開けるとき、どきどきするよな。
・・・落ち着け、プレゼントを開けてどうする。『取り出す』だろう
いやまてよ、この場合『開ける』は『取り出す』の意味を含むかもしれないな。
それに箱自体をプレゼントだと考えれば・・・まてまてそんなこと今はどうでもいいはずだ。
テンションあがってきた。
鍵を開けてドアノブに手を掛け、深呼吸する。
落ち着け、よしいくぞ。
そして僕は中に進みだした。
彼女は僕をからかいはするが、嘘をついたことはない。
俺は彼女を愛おしく感じた。彼女はかわいい。
俺は彼女の言葉通りに誰も居ない家の鍵をかけ、帰途についた。
ちなみに家の机に一枚の紙が置いてあった、
かわいらしい文字で一言だけ書かれていたのは彼女の口癖。
そう、『おばかさぁん』だ。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 08:49:27.75 ID:8qkvnGSoO
中に誰も居ませんよ…
うん、確かに居ないね(´Д`)水銀燈ドコー?
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 08:57:05.17 ID:QhrmXJNIO
もう、ホントにおばかさぁん♪
J「ト・モ・エーッ!」
巴「私は今、とても混乱している」
J「あ、ごめんなさいなの。実はね、さっき廊下でジュンとぶつかったらね、
そのままジュンと入れ替わっちゃったのよ」
巴「そうなの……じゃあ、桜田くんの姿をしているけど……」
J「ヒナなのよー!」
巴「……そう、雛苺なの。それなら問題ないわね、さ、雛苺、抱っこしてあげる」
J「うゅ?トモエの方がちっさいのよ?」
巴「問題ないわ」
J「ヒナが抱っこしてあげるの!この姿なら出来るのよー!」
巴「え……そうね、それもいいかも……」
J「……でもね、トモエ、今抱っこしてるのは、ジュンじゃなくてヒナなの。
だから、あんまり喜んでちゃだめなのよ?」
巴「わかってるわ」
J「それならいいの」
巴「雛苺に抱っこされるなんて、それはそれで……うふふ、素敵……」
J「……降りてなの」
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 09:26:22.28 ID:jfo+FYhiO
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 09:27:31.30 ID:2EaXWOFV0
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 10:57:56.85 ID:Hpn5NNXg0
ほ
アク禁が解けたようなので、さくっと投下。
数スレ頂きます。
《薔薇国志》 第一章 第二節 ―少女は拳を唸らせ 少年は胸を高鳴らせる―
《薔薇国志》 第一章 第二節 ―少女は拳を唸らせ 少年は胸を高鳴らせる―
○雲南 往来
少年と少女は仮の『契約』を済ませた後。
少年・ジュンと少女・真紅は、雲南の往来を政庁に向かって歩いていた。
他の住人達が声をお互いに掛け合う様に、彼らの会話も弾んでいる模様。
「――まずは、永昌を手に入れたいのよね」
「後ろの憂慮を断つためか?わからないでもないが………」
内容は、甚だ物騒であったが。
(永昌か………)
ジュンは、頭の中でその地の情報をかきだす。
永昌――ここ雲南より、西に二三日の行軍で着ける都市。
南蛮の者たちの監視や遥か西方との交易など、国家として重要な地点ではあるのだが。
今は、統治すべき太守もいず、自衛団が街を守っていると聞いている。
そんな状況だからだろう――治安は下がる一方で、盗難や暴行など、様々な狼藉が蔓延中。
その状況を放っておくわけにはいかないが………まずは、と。
ジュンが別の提案―中央進出の為、北東の建寧を取る―をしようと言いだそうとした所で、
真紅がぽつりと呟いた。
「それもあるけど。――其処に、姉妹の誰かがいるらしいの………」
「………姉妹?お前みたいなのが、二人も三人もいるのか?」
「………『みたいなの』?」
脊椎反射の様に出た軽口に、ジュンは冷や汗を流す。
何故なら、紅の太守様がじと目で睨んでくるから。
(言い方をまずったな………)
頬に流れる嫌な冷汗と刺す様な視線を感じつつ、何か機嫌を戻す言葉を探る。
>>68 人の機嫌を気にした事などほとんどない少年にとって、それは難題であった。
ましてや、相手は此方以上に弁が立つ相手――気の利いた言葉で取り繕わないと。
「あぁ、いや――ぜ、全員が集まったら、大層強そうだよな!」
「考えた上で、それ?………貴方、女の子の扱い、下手ね」
「う、煩い!?――あ、いや、そうじゃなくて………っ」
一蹴され、見事なまでに狼狽するジュン。
あたふたと次の言葉を継ぎ足そうとするが、形として出ては来ず。
そんな彼の様子に、真紅は小さな溜息をつき、「いいわよ、別に」と彼の思索を断ち切らせる。
「――姉妹って言っても、容姿も性格も………それこそ、能力も全然違うわ。
ただ、同じ所で暮らしていた――それだけの関係」
口調は今までの様に、何所か冷めた感のある真紅だったが。
雰囲気や表情は、柔らかく、優しいモノになっていた。
未だ何事かを言い返そうとしていたジュンも、彼女の様子を察知して、静かに耳を傾ける。
「掴みどころのない薔薇水晶、優しい雛苺、凛とした蒼星石、可愛らしい翠星石、賑やかな金糸雀。
――そして、寂しがり屋の水銀燈」
姉妹を楽しそうに語る真紅は、何所にでもいる少女の様で。
彼女達との暮らしを思い出したのだろう。
その表情には、微笑みが浮かんでいた。
「でも………私達は、住んでいた所を散り散りになりつつ、離れるしかなかった。
だから、誰が何所にいるかも判らない――」
苦い思い出を語る彼女は、その記憶の為か、表情を一転させて曇らせる。
彼女の憂いを帯びた横顔を見つつ、しかし、ジュンは全く違った事を推測していた。
(やっぱり、出身が此処って訳じゃなかったんだな。
今までの物腰を考えると………中央付近………か。
――………人の事は、言えないけど)
様々な色を見せる少女の横顔を見ていたい、と言う不純な心を抑えつけ、彼の思考は続く。
>>69 (………こいつが此処まで言うんだ、ほんとに大事なんだろう。
だけど、情に流されてちゃ、戦なんかはできない。
それに………真紅には悪いけど、姉妹達がどうなってるかもわからないし)
彼は考える――姉妹達が全員生存している可能性は、極端に少ないだろう。
それ故、そんな僅かな可能性の為に軍を使うなんて論外だ、と。
――口を開き、伝えようとした所で。
「判らないけれど――探しだすわ。――絶対に………絶対に。
何にも変えられない、大切な………姉妹だもの」
いつもそうだ――ジュンは、会ってまだ数刻しか経っていない少女に、そう想う。
いつも、僕が何か言おうとすると、邪魔する………心を覗いたかの様な方法で。
彼は溜息をつき、両手を開いて肩まで上げる。
「はん、お甘い太守殿で。
………建寧を取られても知らないぞ?」
「――ありがと、軍士殿」
短く素気ない、数秒のやりとり。
お互いに足りない言葉は、想いで繋ぐ。
彼は照れ隠しの為に、言葉を隠した―永昌に進んでいる間に。
彼女は彼の配慮の為に、言葉を短くする―貴方が反対なのは解っているけれど。
彼と彼女は、互いに奇妙な相性の良さを感じずにはいられなかった。
>>70 それから暫くの間。
往来を歩く彼らに、実のある会話はなかった。
感じてしまった相性に、お互いが気恥しさを持ってしまい――
「空がきれいね」「曇りだぞ」
「お、小鳥」「鴉よ、あれ」
――等と、とんちきな会話が繰り広げられる。
気まずい雰囲気を持余しつつ歩く彼らを変えたのは――街の喧騒であった。
「おぅおぅ、てやんでぇべらぼうめぇっ」
「んだこら、やんのか、ぉおうっ」
市場のど真ん中で、壮年の男性と血気盛んな若者が大声で怒鳴り合っている。
両人とも、相当に沸騰しているのであろう――既に何を言っているのか、判別できない。
ジュンは顔を顰め、さっさと通り過ぎようと少しだけ早歩きになる。
だが、彼の連れは―彼女は彼以上に顰め面なのだが―動こうとしなかった。
「――放っておけよ。あんなの、わざわざお前が気にかける事もないだろ?」
「私は、此処の太守よ?」
「ごろつきなんて、屯所の衛士に任せとけよ。
………最近、此処の衛士は質もいいしさ」
それが誰の手によってか――素直に人を褒める事が出来ないジュンに、真紅はくすりと微笑む。
心中を察せられた彼は、顔を背け―さて、どうしようか、と考える。
この太守殿は、こうと決めたらなかなか聞かないぞ、と。
(簡単な護身術なら身につけてるけど………付け焼刃だしな。
………そもそも、やっぱり放っておくべきなんだよ―うん)―「なぁ、真紅――?」
言葉を発しようとした彼は、さっと真っ直ぐに伸ばされた彼女の腕に発言を抑えられた。
彼女の腕―指し示す先には、喧嘩の片割れの壮年男性。
疑問符を張り付けながら、ジュンは真紅に説明を求める為に、顔を向ける。
「彼はね。………我が街の衛士長兼歩兵隊隊長なの」
>>71 やっぱり兵士なんてごろつきと変わらないじゃないか!
天を仰ぎ、手のひらを額に乗せ、嘆く。
その隙に――真紅は、睨みあう男達に無遠慮に近づいて行った。
「――何を揉めているの、歩兵士長?」
「止めてくれるな娘さん、喧嘩と火事は………って、真紅嬢ちゃん!?」
「………嬢ちゃんは止めなさい、と言っているでしょう」
壮年の男性―歩兵士長は、己の失態を見咎められ、首を抓まれた猫の様に覇気が薄くなる。
その時、一人取り残されたジュンは、漸く視線を水平に戻し………真紅が、二人の男性に
割り込んでいる事に気がついた。
――あんの馬鹿野郎!
大声で怒鳴りそうになったのを、ぐっと堪える。
今ここで、自分まで冷静さを失ってはいけない。
若者―ジュンからすれば年上だが―は現在進行形で喚いているし、
歩兵士長と呼ばれた男性も、いつまた逆上するかわかったものじゃない。
「少しは落ち着いたと思ったのだけれど………また喧嘩なんかしているのね」
「いや、違うんだよ、嬢ちゃん。
こいつが嬢ちゃんの悪口を言ってたもんだから、つい――」
「あぁ!?俺がいつ、そのじゃりの悪口言ったよ!?
俺ぁ、此処の太守が小娘だって言っただけだろうがよ!」
「てめぇ、まだ言うか、こらぁ!」
「………いいから、二人とも落ち着きなさい!」
>>72 (まぁ実際、小娘だしな)
二人から三人に喧噪の輪が広がった様を見つつ、ジュンはじりじりと、その輪に近づく。
歩兵士長の様子を鑑みるに、彼は真紅を傷つける事はないだろう。
ならば、若者にだけ注意をし――隙があれば、真紅の手を掴み、連れ出せばいい。
自分の行動に半ば呆れつつ―なんで僕がこんな事を―、ジュンは隙を伺う。
しかし、その行為は水泡に帰した――驚愕すべき、二撃のお陰で。
「何度でも言ってやらぁ!小娘が俺らの上に胡坐をかいてるなんざ、信じられねぇってな!
文句があるなら、やってやらぁ!」
「餓鬼がわかった様な口を聞くんじゃねぇ!
嬢ちゃんは、てめぇみたいな餓鬼にゃ想像もできねぇ大望があんだよ!
嬢ちゃんが貧弱なのは乳だけ――って、あぁぁぁ!?」
「――落ち着きなさい、と言ったでしょう」
ジュンが、怜悧な声色がしたと知覚した瞬間――どさり、と二人の男が
糸の切れた人形の様に地に伏す。
彼は、真紅と男二人を凝視していた――(筈なのに………!)
見えなかった――真紅の動きが。
正確に言うならば、「どのような動作の下、男二人を瞬時に倒したのか」が知覚できなかった。
聞いた事はある、武人と呼ばれる人々ならば、瞬く間に敵を倒せると。
だが、それは「武器を持っている」「馬に乗っている」「一対一」など、様々な条件下の話である。
だと言うのに、彼女は、条件外の下、それをやってのけた。
「――全く。………どうしたの?」
「え、ぁ………どうしたのって、お前、今、どうやって………?」
「ちょっと、はしたないけど………お腹に拳を入れたのよ。
――武勇はあるつもりって言わなかった?」
>>73 そう言う問題じゃない!
叫びそうになったが、急に真紅に片手を掴まれ、彼は声が出せなくなってしまった。
彼女は彼の後ろに視線をやりながら、早口に言う。
「――衛士が漸く来たみたい。
面倒になりそうだから、さっさと離れるのだわ」
「いや、お前、太守――まぁ、いいけど」
――僕も面倒なのは嫌いだし。逆らうと怖そうだし。
口には出さず、彼女に引っ張られながら、駆ける。
自分の手を掴む、小さく白い手。
ひょっとすると、この手の主は、一騎当千の兵(つわもの)なのかもしれない。
(一人の武力で戦をするわけではないし、そう言う考え方は嫌いだ。
………だけど――)
だけど――胸が高鳴る。
その兵と、共に戦える事に。
自身の胸の高鳴りをそう解釈し、少年は少女と共に駆けた。
―――――――――――――《薔薇国志》 第一章 第二節 了
《薔薇国志》 第一章之間乃二
ラ「トリビアァァルっっ、真紅殿の台詞に雪華綺晶殿が出ていないのは仕様、裸夫羅素ですぞ」
真「呼ばれて出てきた、真紅よ。――あら、今日はジュンはいないのね」
ラ「一切突っ込んで頂けないのも物悲しいですなぁ。
ええ、今回は真紅殿のマル秘プロフィールを公開するつもりですので」
真「妙な言い方をするわね――単に、能力値の公開でしょう?」
ラ「はっはっは。それでは、自己申告でお願いしますぞ」
真「………?――まぁ、いいわ。
新武将は、五つある能力値を1(最低値)〜100(最高値)の間で好きにいじれるの。
私の場合、統率:90 武力:95 知力:70 政治:70 魅力:70 ………こんな感じよ」
ラ「ほうほう。統率が呉の孫策殿並みで、武力が蜀の五虎将・黄忠殿並ですか。
これなんてチート?」
真「煩いわね、公認チートに比べればマシでしょう」
ラ「呂布殿や諸葛亮殿、曹操殿辺りですかな。
あ、それと、能力値の説明に誤りがありますぞ」
真「あと、関羽とかね――え、何か間違っている?」
ラ「は、『魅力』が。それはこう書くのです――『胸』」
真「だからかぁ、絆ックル!」 ?「三段斬、めぇぇぇん!」 ?「つ弁舌『罵倒』―死になさい、ザザ虫」
ラ「ごふぁ、呼んでない方々まで!?」
真「是が絆と言うモノよ」
ラ「ヤな絆ですなぁ」
真「………回復能力だけは認めてあげる。と言うか、それだったら男性も胸関係にするべきなのだわ。
女性だけなんて不公平よ」
ラ「はぁ、私は構いませんが。―しかし、そうすると蜀のお三方が大変な事に」
真「………どういう事?」
ラ「劉備殿の溢るる大胸筋に魅せられた関羽殿と張飛殿、三人は薔薇の花咲く園にて義兄弟の契りを交わし―」
真「………そう言う話は苦手なのだわ。さり気に、桃園から薔薇に変えているし………」
ラ「――それを柱の影から見つめる半裸の曹操殿…関羽よ、わしの大胸筋も凄いのだぞ、と」
真「苦手だと言っているでしょう!――わかったわよ、男性はカリスマ性って言う解釈にしておくわ」
投下終了。
本作は、読んで分かるとおり、三国志とのクロスオーバー・架空戦記です。
………最初につけとけよ、俺orz
仕事があるのでwikiには帰宅後にまとめます、ではでは。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 12:05:33.95 ID:7dMhJ2z9O
>>76 乙です。
真紅TUEEEEEEEEEEEEEEEEE
他の姉妹達の活躍も楽しみになってきます。
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 12:42:15.97 ID:WJ0Lr7gMO
初っ鼻から強杉ww
そうか、各武将もいるんだった。やり取りにwktkだわぁ
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 13:24:52.98 ID:80RjuqRaO
俺ルールにより
保守させて戴きます。
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 14:13:42.21 ID:V7Q2rAfQO
ほ
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 15:09:17.02 ID:QhrmXJNIO
危ない保守
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 15:27:22.52 ID:jUWzSKd60
投下します。微妙にスレ違いな気もするけど。無理矢理落ちも用意したんでこれは明らかにすれ違いだろうと思う人は言ってください。
とりあえずオチつけるんで。
兎がやってきた!
私は、美しいものが好きだ。
愛らしいものも好きだし、完璧なものも好きだ。
私は全知全能に憧れる。
純真無垢な少女に憧れる。
時の流れにはむかいたい。
きっとそれは至上の幸福。
全知全能の存在。
命を作り出す存在。
私は、神になりたい。
私はまたいつものようにアトリエを出る。
無論、私に声をかける人間はいない。
今日も、人形は動かなかった。
当たり前だ。
動くわけがない。
それでも、やはり期待してしまう。
この、私が生み出した人形が動き出したならと、絶えず夢想してしまう。
私はいつか朽ち果てる。
しかし、もし私が作った人形が動き出したなら。
永久に私を語り継いでくれるだろう。
いつか、それこそ死ぬ間際でもいい。
人形が動き出してくれたら。
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 15:28:40.04 ID:jUWzSKd60
>>82 「こんにちは。窓からあなたのアトリエを拝見させていただきました。素晴らしい人形ですね。」
…思考を中断されるのは、睡眠を中断されることと等しく不快だ。
「もちろんだ。私が作ったのだから。」
「けれども、やはり所詮は人形。
決して動き出すことはないのです。」
「……当然だ。
しかし、幼き女神とはこのことだろう。」
「女神?はて、ならばなぜ大人の女性の人形を作らないのです?
わざわざ幼子ばかりつくらなくともよいでしょうに。」
「私が作りたいのは美しいものなのであって、主ではないし、全能者ではない。
ましてや支配者でもない。
人々が崇めてはならないのだよ。」
「なるほど。しかし、大層な自信ですね。
自分が作れば人々が崇めると。」
「当然だよ。」
「けれども、先ほども申しましたようにあくまであなたが作るのは人形。
けして命を持ちません。」
「わかってる!さっきから何度も!何が言いたい!」
「私が人形達に命を吹き込んであげましょう。
私はこう見えても、錬金術師なのですよ。」
「何?」
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 15:29:26.85 ID:jUWzSKd60
>>83「賢者の石の合成に成功しましてね。
いえ、少し違うものですのでローザミスティカとでも呼びましょう。
賢者の石の一歩先のものです。
もちろん命の水を作ることもできますよ。
とはいえ、永遠の寿命などわずらわしいだけ。
社会の役に立てる気など毛頭ありませんし、名誉もいりません。
ならばせめて神の真似事をしてみたいのですよ。
命を吹き込むに値する器を見つけて、命を与える。
夢のようではないですか。」
「…嘘ではないのか?」
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 15:29:38.08 ID:jUWzSKd60
>>84 「いえ、まさか。これがそれ。ローザミスティカです。
あなたの作った人形に命を吹き込むことのできるものです。
まあ、おそらく砕かなければ入りませんが。」
「おもしろい。では、私のアトリエへ行こう。
君はそこでさらにローザミスティカを作ってくれ。
なに、私の技術があれば砕かなくとも人形にそれを入れる方法が見つかるさ。
そうとも、人形を人に変える事もできるに違いない。
それこそ、普通の人間に。
私の理想の彼女達が滑らかな体で活動する。
ああ、なんとすばらしい。
さあ、早くいこう。
制作と研究に取り掛からなくては。」
「はい。あなたの仰せのままに。」
きっと、これはうまくいくだろう。
人形は動く。
命を得る。
人に転生する。
成長し、恋もするだろう。
理想が時に喰われるのは心苦しい。
が、その対策はまた考えればいい。
私は、父親になるのだ。
理想達の。
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 15:31:39.76 ID:jUWzSKd60
>>85 やっぱつけときます。
オチ。
スレ違い気味ですし。
「こうして、私の師匠はばらすぃーの友達7人を人間にしたんだ。
私は技を盗んで、ばらすぃーをつくったのさ。」
「お父さん、脳に蛆が湧いたの?」
「いや、真実…」
「シロアリ駆除よんでおいたよ。
与太話もほどほどに。
耳から直接駆除剤流し込んでもらってね。じゃ!」
「え、そんな、ちょ、ええ、やめてよ、あんた達何!?うぎゃぁぁぁぁぁ!」
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 16:17:11.29 ID:8qkvnGSoO
ほ
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 16:44:37.17 ID:2EaXWOFV0
>>86 日本語でおkな所があるけどスレ違いってほどでもないだろ
もうちょい細かく作り込めばよさげな感じだし
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 16:48:25.87 ID:V7Q2rAfQO
真紅と雛苺はコンビニ店員のようです
ジ「腹減ったなぁ。弁当でも買いに行くか」
ガー
紅雛「いらっしゃいませ〜」
ジ「え〜と洋風幕ノ内とお茶と、あとジャンプが出てたんだ。ついでに買っとこう」
ジ(これぐらいかな・・・)
ピッ、ピッ
紅「合計で848円になりますのだわ」
ジ「え〜と小銭小銭・・・」
雛「うゆ、上手く袋に入れられないの〜」
紅「何やってるの雛苺!お弁当が傾いてるじゃないの!」
雛「あう〜でも〜」
紅「でもじゃないわ!大体あなたは」
ジ「あの〜」
紅「うるさいわね!今取り込み中よ!後にしてちょうだい!」
ジ「な、何だよ僕は客だぞ!」
紅「たかが客のくせに偉そうにしないでちょうだい」
ジ「なっ、もういい!他の所で買う!」
紅「あらそう。ならそうしてちょうだい」
雛「ありがとうございましたなの〜」
ジ(もう絶対ここには行かないからな!)
紅「よくやったわ雛苺。名演技だったわ」
雛「でも真紅も迫真の演技だったの〜」
紅「当然よ。こんな面倒な事やってられないもの。雛苺、お茶にしましょう」
雛「はいなの〜!」
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 17:24:06.68 ID:ADcx8mAZO
>>89 こんなんしたらクビにされるわW
てなわけで、薔薇乙女家族 その六之二を投下します。
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 17:25:34.56 ID:ADcx8mAZO
薔薇乙女家族 その六之二
午前の授業を終えて給食も食べ、今は昼休みだ。
学校の中で一番長い休み時間であるこの時をどの様に過ごすかでその子の性格が大別できる。図書室で読書に勤しむのもいれば外でボールを転がして走り回るのもいる(すっころんで怪我をするのもちらほらと見られる)。或いは教室に留まってひなたぼっこするのもいる。
十人十色。様々な過ごし方を生徒達はしている。
「うゆゆ〜…」
さて雛苺はと言うと、校舎中の廊下を階段を跨いで練り歩いていた。何かを探している様に首を右へ左へとやっているみたいである。
彼女のクラスは二階にあるから三階には通常あまり行くことは無い。図書室は三階に位置しているが彼女は小難しい本を好んで読む様な性格ではないから、何かを探すと言うよりも誰かを探している様だ。
三階を端から端まで歩いた彼女はやがてため息をついてまた階段を下っていった。行き違いになったと判断したのかもしれない。
一階には職員室と保健室がある。雛苺はすでに職員室には顔を覗かせていたがそこにお目当ての人はいなかったのは確認済みで、保健室に至っては影も見られなかった。
三階から一階まで降りた彼女は、自分の勘が当たるのを期待してまた職員室に顔を突っ込んでみた。が、やはりいない。
ならばと今度はその隣の保健室にパタパタと走って行った。
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 17:27:45.99 ID:ADcx8mAZO
今度は当たりだった様だ、中には人影が二つある。
一人は保健室を守る先生、もう一人は…。
「…あら、お客様みたいですよ?」
「…?」
振り返ると、戸の窓ガラス越しにこちらを見てくる一人の少女の顔があった。
「…桜田さん?」
「柏葉先生、こちらはもう大丈夫ですから行ってあげてください」
「あ…すいません」
柏葉は彼女に軽く頭を下げ、保健室を出た。
こちらを見上げている小さな少女に笑みを向ける。
「どうしたの?」
「あのね、あのね、ヒナは先生と仲良くなりたいの」
無邪気な笑顔だ。子供は素直が一番似合うなと改めて思う。
「ありがとう、桜田さん。嬉しいな」
大人になると言葉で己と他人を誤魔化すのが自然となってしまう。自分がまさにそれである。彼女の様な子供達は、自分が暗に理想とする姿を写す鏡であった。
彼女の様にもう少し活動的で、もう少し素直になれたなら…自分は、あの大好きだった人との間にしこりを作る事も無かったかもしれない。あの人にあんな顔をさせる事も無かったかもしれない。そして、自分の気持ちも伝えられたかもしれない。
「ヒナの事は雛苺って呼んでほしいの〜。みんなみんなからそう呼ばれてるの」
「うん、そうね…分かった、雛苺」
「〜♪」
水面下に押しやったはずの記憶がぶり返してきているのに気づいて、少し胸の中が落ち着かない。今更になって…と、自分がまだ未練たらたらだったのを知って恥じる。
「彼」の隣には「彼女」がいた。確証は持てないが、きっと彼と彼女は今でも手を結び合い、お互いを支え合っている…そんな気がする。
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 17:30:04.12 ID:ADcx8mAZO
彼の所に私の場所なんて無いのだ。彼は彼女を必要とし、彼女は彼を必要としているのだから。私がそこに付け入る隙間なんかあるわけがない。そう思い、自分の感情を押し殺したつもりだった。
どうしてだろう。何故こんな感情が湧き立つのだろう。
やはり彼女の姓である桜田という名がそうさせているのだろうか。
〜♪〜♪〜♪
チャイムの音色が二人に時間を告げた。
「あ…そろそろ時間みたいね」
「うゆ…探してるだけで終わっちゃったの…」
「また次に、ね」
「うぃ〜♪」
二人はそうして別れた。雛苺は自分のクラスに、柏葉は職員室にそれぞれ歩を向けた。
その際に、彼女…雛苺に父親と母親の事を訊けば良かったかと柏葉は思っていた。桜田なんて別に珍しいわけでもない名だから考えすぎかもしれないが、もしかしてと何となく思い始めていたのだ。
あだ名と言えど、雛苺なんて随分変わってる名だ。しかもそれを母親が名付けたというのだ。
それに何となくだが心当たりがある。自分自身の、子供の頃の記憶に鍵があるのだ。しかしそれは苦々しい記憶でもあるのも確かな事であった。
彼の隣にいた彼女…彼女は本名こそ極普通のどこにでもありそうな名前であったが、そのあだ名は実に独特なものだった。その名前からどうしてそのあだ名ができたのかが常に疑問に思っていた。
彼女とは親しくなかったし、そもそも立場的に親しくできなかったからそれはとうとう解けない疑問となってしまった。
それは自分にとってさほど大きな事ではなかったからだろうか、時の流れと共に風化していったと思ったが結局は違ったみたいだ。雛苺という名を聞いた瞬間にそれを確信した所を考えると、潜在的な何かがしっかりと記憶していたのかもしれない。
ここまで考えると柏葉は内心が穏やかではなくなっていた。腹の中に黒いものが混ざり始めていて、理性を少しずつ揺さぶっていく様だ。
混濁する頭の中で思う。やはり私は彼が好きだったのだ、と。
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 17:32:22.14 ID:ADcx8mAZO
-----
放課後になった。今日という一日は、柏葉先生の新任という事件があった他は極めて今まで通りだった。授業をかったるそうに受けて、休み時間には友達とはしゃいで、下校になったら即帰宅。何の変わりもない。
「雛苺、バイバーイ」
クラスの友人が一人、また一人と下校していく。雛苺はその都度に見送って手を振っている。
雛苺は基本的に時間にルーズだ。極めてマイペースで団体行動の際には何かと遅れがちであり、それはこういった点でも顕著に見られる。下校の時でものんびりのんびりとしたペースで支度をしているから大抵最後に教室を出るのは雛苺一人だけになってしまう。
そんな彼女も勿論友人と一緒に帰る事もある。だが余程時間を気にしないという状況でもなければその友人達もしびれを切らしてしまう事がほとんどだったりする。子供は得てして、学校での用事が終わったと踏んだら一刻も早く自宅に帰りたくなるものだ。
「うゆ…あとは…あ、おトイレ行ってくるの」
鞄の支度も中途のまま教室を出てしまった。そのままパタパタと廊下を少し駆けて行った所で、ひょっと姿を消した。彼女は何時も大体こんな具合だ。一体何時になったら支度は終わるのか、さっぱり分からない。
確かに今日は人を待たせているわけではないがどうしたらこんなに尺を伸ばせるのか。
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 17:33:56.89 ID:ADcx8mAZO
彼女がお手洗いに行ってしまったから、教室には鞄とランドセルが置かれただけになっている。貴重品らしい物は学校には持ってきてはいないものの、鞄だけが教室に残ったまんまというのは近年の事を考えると本当は望ましくはない。
最近は学校内でも盗難が発生していて、その犯人はおよそ決まって生徒の誰かである。幸いに、この学校ではそのような事件は起きてはいないが警戒を強めるのを余儀なくされてる。
人様の子供を預かっている以上、教師は父であり、母でもある。何かあったら事は教師の責任問題となってくる。それも警戒態勢を強める一因であった。
「…?」
放課後の見回りをしていた教師が、教室にあるランドセルと鞄を見つけた。主から忘れられて取り残された様にそこにあったのを見たその教師は、とりあえず誰の物なのかを手にとって調べてみる。
ランドセルにも鞄にも、名前を書く様に学校側から言ってあるのですぐに分かった。それはこの教師が昼休みに少しだけ話をした、あの子の物であった。
日は段々と西へと沈んで、その朱の輝きは彼女の顔を焼き付かす様に照らす。ランドセルをじっと見つめているその眼の裏に何を隠しているのか…否、隠そうとしているのかは頬を伝う黄金色の雫が表していた。
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 17:36:13.38 ID:ADcx8mAZO
あの子は自分の恋した人と、あの彼女との愛の結晶であるのを理解してしまった。それは瞳の色からも窺えるのだ。
人間の瞳の色は、通常は茶色か黒か、青色である。だがあの子は緑色という珍しい瞳だ。あの子の母親であるはずの彼女の瞳は赤色だったはずだ。色こそは違うが、この二人は普段日本ではあまり見られない色を持った眼をしている。
もしかしたらカラーコンタクトレンズか何かを入れているのではないかと予想したが、先生方に訊いた所では確かな裸眼であるという答えだった。眼の色素の量が少ない故に起こる事なのだそうだ。
彼女の母親は色素が極端に少ないらしく、瞳の色が赤いという。眼の色素が薄いのはその母親譲りなのではないかという事であった。
「…うゆ?柏葉センセ…どうしたの?」
「あ…雛苺…」
廊下から見つめてくる彼女の顔が、何故かこちらの胸をつついてくる様に柏葉は感じた。
「これ、あなたのでしょう?駄目よ、荷物そのまんまにしちゃ」
「うゆゆ…ごめんなさいなの」
「気をつけてね。大切な物はできるだけそのまんまにしちゃわないように、ね」
「はいなの。分かったの〜」
彼女は返事をするや残りの後片付けを始めた。
それを横から見つめる柏葉は何か複雑そうな顔をしているが、彼女に見られない様にそれを隠している。
「えぇっと…うん、できたの」
「それじゃ、もう帰らないと。お父さんお母さんが待っているよ」
「はいなの〜、さよなら〜なの」
彼女はそのまま笑顔で手を振って教室を後にした。
教室は主の無い机に椅子、柏葉のみが取り残され、音の無い空間となった。
一人佇む彼女は窓の奥にある夕日を見つめる。もうそれは山と山の影から少しだけ顔を覗かせる程度で、すっかり月を迎えようとしていたのであった。
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 17:39:33.61 ID:ADcx8mAZO
>>91-96 投下終了です。
ちなみに、「雛苺」等という名をあだ名としていますが、これは普通の女の子にしては、ややあり得ん名前でしょ、という事だけです。深い意味は無しです。
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 17:55:22.04 ID:QhrmXJNIO
>>97 なんとなく、昼ドラ的激鬱ドロドロモードに突入しそうな悪寒…
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 17:58:31.43 ID:80RjuqRaO
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 18:25:25.83 ID:V7Q2rAfQO
しかし鬱が好物な自分としては期待してしまう
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 18:47:53.47 ID:8qkvnGSoO
ほ
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 19:01:13.53 ID:V7Q2rAfQO
水銀燈はコンビニ店員のようです
ジ「腹減ったなぁ。弁当でも買いに行こうかな」
ガー
銀「ふふ、いらっしゃぁい」
ジ(なんか接客良くない感じだな)
ジ「えーと、和風幕ノ内とお茶と・・・そういえばマカジン発売日だな。ついでに買っとこう」
ジ(これぐらいかな・・・)
銀「ふふふ、大根はたぁっぷり時間をかけて煮込んであげるわぁ」
ジ「(何一人でぶつぶつ言ってるんだろ)すいませ〜ん、会計お願いします」
銀「会計?やぁだつまんない感じぃ」
ジ「いや、それが仕事なんじゃ」
銀「あなたってお馬鹿さんねぇ。勝手に持って行けばいいじゃなぁい?」
ジ「それは駄目だろ」
銀「なんか飽きちゃったからもぉやぁめた。じゃあねぇ」
ガー
ジ「帰っちゃった・・・どうしよう、他に誰もいないし・・・」
ジ「・・・持って帰るか!」
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 19:03:20.67 ID:WJ0Lr7gMO
通報しますた
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 19:22:40.71 ID:996NY/TX0
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 19:23:02.54 ID:2gKudah60
>>97,98
同意。
やっぱ離婚フラグ立ったかな〜?ジュンと水銀鐙の…。
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 19:38:58.90 ID:996NY/TX0
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 19:53:00.48 ID:ADcx8mAZO
>>97ですが…何やらすげぇ不吉な方面に予想及び期待されてますねぇ…。
私はどうすればいいんだろかw
>>102 適当すぎWW
てかジュンも持ってくなやW
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 20:21:05.42 ID:QhrmXJNIO
ベタすぎるhappyendが大好きなんだが…究極的に救われない鬱鬱badendも大好きなんだよな。
まあ、感想に揺らがず予定通りでお願いしますw
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 20:26:55.47 ID:996NY/TX0
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 20:48:39.51 ID:V7Q2rAfQO
ほ
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 21:02:53.77 ID:7dMhJ2z9O
「水銀燈の野望」投下します。
今回は「陰謀錯綜編」であります。
NGワード:hokakyara
さるorもちつけくらったらごめんなさい。
<あらすじ>
時は戦国の世。備前国に「薔薇乙女」と呼ばれる8人の姉妹がいた。
天下統一の野望を抱く長女・水銀燈は、謀反によって一躍戦国大名にのし上がる。
念願の上洛を果たした水銀燈は、激戦の末三好家を四国に追い畿内の覇者となった。
だがその行く手には、天下の覇権を狙う様々な勢力の陰謀が待ち受けていた。
<本編に登場する主な史実武将>
○足利義昭(あしかが よしあき/1537〜1597)
室町幕府第十五代将軍。十三代義輝の弟。当初義秋と名乗る。兄の死後、織田信長に擁立され将軍となるが次第に対立を深める。
浅井、朝倉、本願寺などの勢力に呼びかけ信長包囲網を形成するも敗北。京都を追われ、室町幕府滅亡を招いた。
本編では兄・義輝の在任中から参謀として活動、策謀を駆使して畿内で暗躍する。
○三村家親(みむら いえちか/生年不詳〜1566)
備中松山城主。諸豪族を切り従え、備中の中心勢力となる。
備前・美作への進出を企み宇喜多直家配下の諸城を攻略したが、直家に暗殺された。
本編では水銀燈不在の備前を狙って出兵し、真紅らの軍勢と戦うことになる。
>>112 ――永禄六年十月。
年内一杯は畿内で兵を動かさない方針を領内に触れた水銀燈。
それと前後して大和から松永久秀が御機嫌伺にやってきた。
銀「どう? 大和の情勢は」
久秀「いたって平穏でござる。紀伊方面への街道も年内には完成する見込……これも水銀燈様の御威光の賜物と存じまする」
銀「あら。私は将軍家に仕えている身よ? 御威光があるのは将軍家のほうじゃなくて?」
久秀「今の将軍家の威信を築き上げたのは貴方様にございます。今や誰もが水銀燈様あっての幕府と心得ておりますぞ」
銀「なぁんか引っかかるのよねぇ、その持ち上げ方……で、何? 私にゴマをする為に大和から来たわけじゃないでしょう?」
久秀「は。実は南近江の六角家のことでござるが……」
この月の初め、六角家では大きな騒動が巻き起こっていた。
若き当主・六角義治が筆頭家老の後藤賢豊を手討にした事件をきっかけに、家臣団が軍勢を集めて蜂起する気配を見せたのである。
義治は重臣の蒲生定秀の仲介でやっと家臣団と和解したが、その後義治の当主としての威権は地に堕ちた。
久秀「これで六角家の南近江での支配力も弱まるものと思われまする」
銀「そう、そんなコトがあったの……それでぇ? 私に近江を奪い取れとでも言うわけ?」
久秀「御意」
顔色ひとつ変えずに久秀は言った。
久秀「南近江は交通と経済の要所。当家の支配下におくには絶好の機会と存ずる」
銀「馬鹿ねぇ。そんなあからさまな侵略行為を将軍家が許すと思って? 備前にいた頃ならまだしも、今の私は立場が違うのよ」
久秀「口実など後でどうにでもなりまする。今は少しでも領土を切り取っておくのが肝要かと」
無論、水銀燈としても領地を広げておきたい気持ちはあった。
しかし三好家を四国に追いやった今、むやみに軍勢を動かして幕府に警戒されるような愚は避けたかったのである。
銀「考えとくわ。けど触れを出したとおり、今年一杯は兵を休めておくわよ」
久秀「無論、すぐにとは言いませぬ。拙者に任せておいてくだされ。きっと将軍家に近江出兵の許可を出させてみせまする」
久秀は退出し、大和の領地へと帰っていった。
銀「弾正のやつ、お節介な真似をするわねぇ」
久秀の有能さは重宝するものの、水銀燈は薔薇乙女家の為に黙々と働きつづける久秀の真意を未だ掴みかねていた。
>>113 その頃、播磨姫路城には真紅のほか翠星石、蒼星石、金糸雀、巴が京より戻ってきていた。
紅「ジュンが城代になってから、この城下町も見違えるようになったのだわ」
ジ「別に僕一人の働きじゃないけどな。水銀燈が京にいる間、ここの皆も頑張って留守を守ってるのさ」
蒼「そういえばジュン君、備前の情勢はどうなってるの?」
備前において隣国の細作がしきりに動いていると、ジュンは以前水銀燈に報じたのだった。
ジ「ああ、金糸雀に頼んでこっちも警戒網を強化してるんだけど……」
金「どうも備中の三村家の仕業らしいかしら」
紅「やはりね」
三村家は備前と境を接する備中の領主である。
西の毛利とは同盟関係にあり、懇意の間柄だ。
翠「もしかして三村の奴、西の毛利とつるんで備前を分捕っちまおうって魂胆ですか!?」
紅「それはないわね。毛利元就殿とは当家も同盟を結んでいる……だからこそ私達も上洛出来たのだわ」
ジ「「いや、あり得るかもな。元就ほどの策士ならそれくらいのことはやりかねないぞ」
蒼「確かに元就殿自身が動くことはなくとも、三村家を陰で動かすってことは考えられるかもね」
翠「西も東も腹黒い奴ばっかり……まったく、この翠星石のように純粋で汚れ無き心の持ち主はいないもんですかねぇ」
巴「……」
しかし京ではもう一人の策略家が陰謀を巡らせていることを、この時は翠星石も知らなかった。
様々な人間が思惑を巡らせる中で、永禄六年の暮れは過ぎていく。
――永禄七年正月。
雪「明けましておめでとうございますですわ、左中将さま♪」
銀「ちょw よしなさいよ、官名で呼ばれるとなぁんかこそばゆいわぁ」
年明け早々、水銀燈は朝廷より従四位下左近衛中将に叙任された。
これにより水銀燈のことを指して「左中将」と呼ぶ者が多くなったのだ。
>>114 水銀燈は雪華綺晶を伴って二条城へ年賀の挨拶に向かった。
銀「上様。新年明けましておめでとうございますわ」
義輝「うむ。今年もそちを頼みに思うておるぞ」
義秋「……」ジトー
銀(なぁんか、カンジ悪いのが横にいるわねぇ……)
義輝「おお、そち達は初対面であったな、忘れておった。こちらは我が弟じゃ」
義秋「左馬頭義秋じゃ。以後よろしゅう」
銀「……はい(コイツ、やぁっぱ苦手だわ……)」
義輝「今日はそちが来ると聞いてな。左中将に昇官しためでたき折でもあるし、ささやかながら宴を用意して待っていたのじゃ」
銀「まぁ、私ごときのために?」
義輝「何を申すか。そちは余が一番頼りにしておる者。それくらいのもてなしは当然のことぞ」
銀「過分なるお言葉、嬉しゅうございますわ♪」
義輝「しかし困ったことがあっての。そちを喜ばせようと宴の余興を様々考えたのだが、そちの好む趣向が一向にわからぬ」
銀「まぁ、左様なお気遣いまでなさらずとも」
義輝「聞けば真紅と申すそちの妹は茶の湯を好むそうじゃが、そちには何かそのような嗜みはないのか?」
銀「私は妹と違いいたって不調法者にて……好むのは剣術くらいのものですわ」
義輝「そうか! いや、噂には聞いておったがのう。では日を改めて剣術試合でも催すとするか。余もそちと手合わせしてみたい」
銀「そんな、怖れがましい……私の剣など上様の腕前にはとても及びませぬわ」
義輝「ううむ、そちは忙しい身でもあるしのう。まぁよい、せめて今日は心ゆくまで楽しんでいってくれい」
銀「はぁい♪」
義秋「……」
この年の前半、水銀燈は戦いで荒れた領内の整備に明け暮れた。
畿内では目立った合戦もなく、表面上は何事もないまま半年が過ぎていった。
>>115 ――永禄七年七月。
南近江の六角家は軍を積極的に展開し、対立する北近江の浅井家の諸城を次々に落としていた。
それはまるで先年のいわゆる「観音寺騒動」で失墜した権威を取り戻そうとするかのようであった。
この動きに足利幕府も警戒の色を強めるようになっていく。
銀「小谷城の浅井長政殿も救援を求めてきておりますわ。このまま近江を捨て置かれましては……」
義輝「松永弾正からも話は聞いておる。どうやら六角家の叛意は明らかなようじゃ」
銀「では……」
義輝「うむ。近江のこと、そちに一任しよう」
こうして近江出兵の許可を得た水銀燈だが、その行動はあくまで慎重であった。
真紅らは未だ西国におり、さらに六角家の本拠・観音寺城は全国でも有数の堅城だったからである。
そのため雪華綺晶、薔薇水晶、松永久秀らを使って六角家臣に調略を仕掛け、徐々にその力を削ぐことに努めた。
一方その頃、姫路城。
金「備前岡山城に三村家の軍勢が攻め寄せてきたかしらー!!」
紅「とうとう来たわね……数は?」
金「およそ五千かしら!」
翠「意外と大人数ですねぇ……実はやばくないですか?」
紅「そうね。岡山城に籠城して迎撃するのが得策なのだわ」
蒼「岡山城はかつて僕と真紅で大改修をしたからね。そう簡単には落ちないよ」
真紅は翠星石らとともに四千程の兵力を率いて出陣し、岡山城に入って三村勢を迎え撃つ態勢を整えた。
岡山城下に着陣した三村軍、総大将は当主の三村家親である。
家親は軍勢を二手に分け、自らが率いる大手攻めに多くの人数を割き、搦手には五百人ほどの小部隊が向かった。
搦手門を守るのは蒼星石と巴である。
蒼「敵は小勢だし、ここは思い切って撃って出ようか? 上手くすれば大手門に向かった敵の背後を衝くことも出来る」
巴「うん。やってみる価値はありそうね」
>>116 二人は軽装の遊撃隊を編成すると、敵部隊の不意を衝いて襲い掛かった。
三村兵「わわっ!?」
意表を衝かれた部隊は挟撃され、瞬く間に壊滅に瀕してしまう。
が、そこへ大手門から一隊が救援に駆けつけた。
かつて水銀燈によって滅ぼされた宇喜多直家の弟・忠家の部隊である。
忠家「兄上が討たれて早や四年……三村家に仕え、この日をずっと待っていた。今こそ岡山城を奪い返し、兄の無念を晴らす時!」
翠「やかましいです! おめぇもとっとと兄貴の後を追いやがれ! です!!」
城壁の上から翠星石隊が矢の雨を降らせ、怯んだところへ蒼星石隊が突撃。
久々に見せる双子の連携攻撃によって、忠家隊は総崩れとなり潰走した。
忠家「む、無念……しかし、兄の恨み決して忘れはせぬぞ! 覚えておれ!」
翠「おととい来やがれ! ですぅ!」
蒼「なんだかなぁ……」
一方大手門は金糸雀が守っていたが、激しい攻防戦の末寄せ手に突破されてしまった。
金「わわっ! こっち来んなかしらー!」
敵部隊に囲まれ、混乱に陥る金糸雀隊
紅「落ち着くのよポメラニアン! ここを破られるくらいは想定の範囲内なのだわ!」
金「『ア』しか合ってないかしらー! てゆうか合戦中にまでボケなくてもいいのかしら!!」
真紅の檄もあって混乱から立ち直り、次々と敵部隊を撃破していく金糸雀隊。
家親「ええい、皆何をやっておるのか……なっ、後方に敵勢!? いつの間に!」
巴隊が三村勢の背後に回ったことで、家親の本隊は完全に包囲された格好となった。
巴「さあ、『はいぱあ皆殺したいむ』の始まりよ……ククク」
家親「ここからが本当の地獄だ……」
三村勢は四方から囲み撃ちにされ、家親らはほうほうの体で備中へと逃げ帰ったのだった。
紅「何とか守りきったようね。これでとりあえずの役目は果たしたのだわ」
>>117 ――永禄七年八月。
水銀燈は遂に近江への出兵を開始。
雪華薔薇隊など三千の精兵をもってまずは宇佐山城を攻め、これを陥落させた。
しかし、水銀燈はなおも慎重である。
銀「真紅が播磨に軍勢を連れて行っている以上、近江の迅速な攻略は難しいわねぇ」
水銀燈は真紅のもとに使者を飛ばし、稲の刈入れを待って備中を攻めさせることにした。
西国の軍を呼び戻すには、備前を窺う三村家を沈黙させる以外にないのである。
翌月。その収穫の季節を迎え、薔薇乙女家の領内も賑わうはずだったが……
ジ「今年は何年ぶりかの凶作……せっかく開墾したっていうのにがっかりだよ_| ̄|○ il|!」
紅「不作なのは何も当家ばかりじゃないのだわ。嘆いていても仕方のないことよ」
蒼「でもこの状況で、本当に備中に攻め入るのかい?」
翠「しゃあねぇです、やらなきゃまたこちらの領内を荒らされるだけなんですから」
紅「水銀燈はこの機に西国での不安を完全に取り除いておきたいのだわ」
巴「やはり、やるしかないのね……」
畿内においても凶作は領民の暮らしを直撃していた。
銀「参ったわね……私の足元で民が飢え死にしてく姿なんて見たくないわぁ」
水銀燈は城に備蓄されていた兵糧を領内の民に施しとして分け与えることにした。
銀「ちゃあんと一列に並ぶのよぉ? ほらそこぉ、押さないで。お米はまだたぁっぷりあるんだから」
領民A「水銀燈様自らが施しをくださるなんて……オラ、水銀燈様んとこの百姓で良かっただ」
領民B「んだんだ」
雪「モッキュモッキュ」
銀「きらきー、村娘に化けて施し貰っちゃダメよぉ……眼帯でバレバレなんだから」
>>118 ――永禄七年十月。
真紅は四千の軍勢で備中に侵入、三村家の神辺城を囲んでこれを降伏させた。
水銀燈自身もまた五千程の軍勢を発して近江佐和山に進軍。
薔薇乙女軍の進軍は一見順調であるかに見えたが、裏では恐ろしい計略が進んでいた……
京の一角にある古い屋敷。
明智光秀は将軍義輝の弟・足利義秋に招かれ、ここにやって来ていた。
義秋「おお十兵衛、よう来てくれた」
光秀「覚慶様、ご機嫌麗しゅうございます」
光秀は義秋が僧であった頃からの馴染みであった。
義秋「ははは、儂はもう覚慶ではないぞ。今は還俗して足利義秋じゃ」
光秀「これは拙者としたことが……つい呼び慣れた名でお呼び申し上げました」
義秋「よいよい、儂とそなたの仲だからの。昔、三好の手の者に襲われたところをそちに救われた恩、忘れはせぬ」
義秋はあくまで上機嫌である。
光秀「恐れ入りまする」
義秋「今後は兄上を守り立て幕府の威信をいっそう高めねばならぬ。そのためにまず倒さねばならぬ者がいる」
義秋は傍らにあった銀製の茶釜を扇子で叩き、床にごろりと転がした。
光秀「左馬頭様、それはもしや……」
義秋の不気味な笑みを見てその意中を察し、青ざめる光秀。
義秋「十兵衛、水銀燈は早晩畿内から追われるぞ。先頃本願寺が薔薇乙女と断交する旨を伝えてきた。尾張の織田も同様じゃ」
光秀「なんと! ではもしや、備中の三村家を動かしたのも……」
義秋「左様、儂が毛利に三村をそそのかすよう仕向けたのだ。西国に戦力を割いた水銀燈は本願寺や六角、織田に囲まれ滅ぶであろう」
光秀は絶句した。
>>119 光秀「何ゆえ左様な謀事をなされます!? 将軍家のためにあれほど尽くされてきた左中将殿を、今にして陥れるなど……」
義秋「では奴をこのままにしておいて良いと思うか? 奴は松永弾正を使い、将軍たる兄に有る事無い事を吹き込んでおるではないか」
光秀「そ、それは……」
義秋「あやつをこれ以上のさばらせておけば、必ずや第二の三好長慶となり幕府を脅かす。その前に何とかせねばならぬ」
光秀「し、しかし、左中将殿を討つ名分が目下ござりましょうや。あの方には上様も絶大なる信頼を寄せておられますぞ」
義秋「名分がないのなら作ればよい」
にやりと笑みを浮かべて義秋は言った。
義秋「そちを呼んだのはその為ぞ。何とか理由をつけて兄を説き伏せ、水銀燈に対する討伐令を出させて欲しいのだ」
光秀「さ、左様なこと……拙者などに出来ましょうや」
義秋「兄に信頼されておるそちを見込んでの頼みぞ。これも足利家繁栄のためじゃ」
がっくりと肩を落とし、光秀は義秋の屋敷を後にした。
(何ゆえこれほどに気分が落ち込むのか……思えば、あの時はまるで逆であったな)
「あの時」とは二年前、水銀燈が大軍を率いて京へ上ってきたとの報せを受けた時である。
(あの頃、三好勢を撃破していく水銀燈殿がどれほど頼もしく見えたことか……私は知らぬうちにあの方に惹かれていたようだ)
しかし、今後はその水銀燈を陥れる策謀に荷担しなくてはならない。
光秀の心は激しく揺れ動いていた。
翌月。六角家の佐和山城を攻め落とした水銀燈のもとに、その衝撃的な報せは届いた。
銀「本願寺が当家との盟約を一方的に破棄……河内高屋城に攻め寄せたそうよ」
書状を握り締める水銀燈の手がぷるぷると震えた。
薔「そんな……!」
久秀「真紅様を西国へお遣わしになっている間に……坊主どももあくどいことをするものですな」
雪「高屋城は今、雛苺が守っていますわ。彼女だけで持ちこたえられるかどうか……」
銀「祈るしかないわねぇ……ここから引き返すのは容易ではないし」
水銀燈は近江平定を優先することを全軍に触れ、士卒の動揺を鎮めようと図った。
銀「本願寺め、この私を裏切るなんて許せない……本物の地獄とはどんなものか、この水銀燈がたぁっぷり思い知らせてあげるわ」
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 21:14:04.30 ID:7dMhJ2z9O
「陰謀錯綜編」はこれまで。
次回は「石山戦争編」か、あるいは番外編になるかと。
だんだんストックがなくなって参りました/(^o^)\
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 21:24:28.50 ID:V7Q2rAfQO
>>121 乙です。
読んでると野望やりたくなってくるw続き期待wktk
とりあえず久秀は俺の嫁
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 21:35:29.33 ID:TJngSOcP0
>>121 す…水銀燈包囲網!?
あぁ、僕も野望やりたくなってきた
「お腹空きましたわ…」
「なら、あそこで寝てる雛苺でも食べればぁ?」
「性的な意味で?そのままな意味で?」
「性的な意味で食べた後、そのままな意味で食べるのよぉ」
「流石水銀燈さん♪頭良いですわ♪」
「そこの二人、説教部屋に来なさい。今ならまだ間に合うわ」
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 22:05:43.19 ID:8qkvnGSoO
ほ
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 22:27:07.02 ID:Qu/41iFRO
ひなあぁ
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 22:40:00.39 ID:yaYyVL5Z0
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 22:41:08.33 ID:7Sr0rmIAO
翠星石はヴァルキュリアを手に入れたようです
翠「という訳でランドグリーズですぅ!」
J「あの二人がゲシュペンストだったからてっきり
カイ・キタムラモデルを持ってくると思ったよ」
翠「あーんなオッサン臭い機体乗ってらんねーです!」
J「…改型は強いのに」
翠「大体近づかなくてもリニアカノンで
ドッカンドッカンやればいいんですよ!」
J「まあ、人それぞれだけど…ただ」
翠「?」
J「選んだ機体が無難過ぎてオチが思いつかないよ」
翠「……」
J「……」
マジでオチが思い付かない保守
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 22:57:57.27 ID:8qkvnGSoO
少し間が開きましたが、ローゼン・エキデン第二区を投稿します。
猿は喰らわないハズですが、万一の時はお願いします。
では、どうぞ。
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 22:59:16.22 ID:8qkvnGSoO
>>129 『さあローゼン・エキデンも全てのチームが二区へと駒を進め、中盤戦へと縺れ込んでいきます!ではまず現在の順位を見てみましょう』
チャラララン
1、桜田門大学
2、庭師ノ学園大学
3、有栖川大学
4、宇入大学
5、神奈川大学
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
六、脇役選抜
『えー、現在六番目の脇役選抜は一区と二区での襷リレーが出来ませんでしたので、これからのタイムは記録には残りません。まぁ〜選手としては悔しいでしょうが』
『仕方ありませんね。その残酷さも含めてのローゼン・エキデンですから』
『そしてその残酷さをもっとも表しているのがこの二区と言えるでしょう!ラプラスさん、この二区はどう攻めるべきなんでしょうか』
『選手のタイプにもよりますが…マズは前半の上り坂で体力を削られないよう注意し、後半の下りでは足や腰に注意を払う事が大切でしょう』
『さあその体力を大切にしたいとの二区ですが選手達はどうなっているでしょうか、二葉さーん!』
『はい、こちら一号車の二葉です!』
『先頭集団の様子はどうですか?』
『えー、現在一位の桜田門ののり選手は比較的ゆったりとした走りで確実に前へと進んでいます!そして単独二位になった庭師ノの翠星石選手は対照的に前半から果敢に攻めてます!もうじき順位が入れ代わりそうです!
三位の有栖川のめぐ選手はその中間の走りと言った所でしょうか!』
『ありがとうございました。や、タイム差としてはあまり差の無かった3チームですがかなり走りには違いがあるようですね?』
『それだけ各自が戦略を練っている、という事でしょう』
『成る程、やはりそれだけ選手が重要視しているこの二区です!』
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 23:01:04.88 ID:8qkvnGSoO
>>130 ふっふっふ!あの薔薇水晶もなかなかいい位置で渡すじゃねーですか。自分の姉相手に同着とはたいしたモンですぅ。
「それに…見えたですよ、桜田門…!」
事前の調査で桜田門と有栖川の二人より翠星石の方がタイムがいいのはわかってるんです。ならば!ここは翠星石が一番に蒼星石へ襷を渡すのが当然なのです!
「さあ…待ってるですよ蒼星石!」
『白崎さん!今庭師ノが桜田門を抜きました!』
『はいわかりました。それでは二号車周辺の動きはどうでしょうか。一葉さ〜ん!』
『はい、今四位は依然宇入の柏葉選手ですがかなり早いラップを刻んでいます!そして同じく五位の草笛選手も宇入の後にしっかりと食いついています!』
『あ、今映像が流れていますが…ん〜、どう見ますかラプラスさん』
『柏葉選手は宇入の中でベストタイムを誇りますから、やはりどうしても上位に上がりたいんでしょう。この選手は山登りには定評がありますからこの位が調度いいかもしれません』
『では神奈川はどうですか?』
『そ〜ですね〜〜、みつ選手は最年長のランナーですからこのペースでは体力が心配ですね』
『なるほど。この二区は最終区へ繋ぐと言う意味でも大切な区間ですから、選手達もさぞペース配分には苦労しているでしょう!』
「はっ、はっ、はっ…」
今の順位は四番目…けしていい位置とは言えない。でもオディールは頑張った。彼女のタイムを考えればむしろいいレースだったと言える。
そして私。私に与えられた使命はこの区を一位通過すること。あの子の為に、そう…
「雛苺…」
(ねぇ、雛苺?貴方どうしてエキデンの選手の推薦を受けなかったの?せっかくのチャンスじゃない)
(巴の言う通りよ。タイムなら貴方が選ばれるべきなのに。どうして?雛苺)
(うい…巴、オディール…ヒナ、一人で走るのは好きだけど…人を抜いていくのは好きになれないのよ…)
(雛苺…)
(エキデンは皆が頑張って頑張って、本当に頑張ってたどり着ける舞台なの…だから人を抜くのが辛いのよ…)
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 23:02:34.93 ID:8qkvnGSoO
>>131 (困った子ね…どうする?巴)
(簡単よ。ねぇ雛苺)
(うい?)
(なら、私が貴方に一位で襷を渡せばいいだけ。そうすれば貴方はゴールだけ見て走ればいいじゃない?)
(あ…でも…)
(大丈夫。私とオディールが必ず一位で襷を渡すから。ね?)
(…うい!わかったの!じゃあ先生に言ってくるのよ!)
(あ、行っちゃった。でも魔の二区を一位宣言なんて…大丈夫なの?)
(実は…今困ってる…)
(ふふふ、まぁ仕方ないわ。私と二人で雛苺のために一位を目指しましょう)
(うん。頑張ろう)
自分のために。チームのために。応援してくれる皆のために。そしてなにより、雛苺のために私は−
「待っててね…雛苺…!」
『さあ二区の山登りも半分を終え、辛いローゼン峠の頂上を目指す数キロを向かえます!果たして選手達はこの峠の魔の手から逃れられる事が出来るのでしょうか!ではここでCMです!』
「ゴクッ…ゴクッ…ゴクッ…プハ〜!見て見て〜!し、ろ、ひ、げ♪」
「乳酸菌委員会です」
『…さあ頂上に近づくにつれ次第に気温も下がってまいりますこのローゼン峠。ラプラスさん、この気温は選手にどのような影響を与えるんでしょうか』
『まぁ、このくらいならむしろ選手にとっては走りやすいと思います。ただ、ちょっと風が向かい風になっているのが気になりますね』
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 23:04:22.53 ID:8qkvnGSoO
>>132 『そうですね〜このローゼン峠を過酷なコースといわしめる理由の一つにこの風があります!その風をいかに…』
『白崎さん!』
『はいどうぞー』
『こちら先頭の庭師ノ学園ですが、今峠を越えました!かなり速いペースできていましたが、下りになったところで少しペースを落としました!』
「ふー、ふ〜!…はぁ、は〜…」
やれやれですぅ…ようやく坂道が終わりですか。でもこれで大分差が開いたハズです。この後は下りですから、同じペースで一気に行くですよ。ん…霧ですかねぇ…ちょっと前がぼやけるですぅ…
『まぁよくここまであのスピードで来れたと言うべきでしょう!そして庭師ノ学園が下りに入ったところで有栖川が桜田門を抜きましたね。依然三位ののり選手は自分のペースを守っていますが…あ!今画面の隅に見えたのは二号車ですか?』
『こちら二号車ですがそのようです!現在こちらからも微かにですが一号車が確認できる状態です!』
『これは宇入はかなり速い時期に追い付いてきました!一葉さん、五位の神奈川の様子はどうですか?』
『あ、神奈川のみつ選手は三分ほど前からペースを緩み初めて今は300メートル程後方に位置している状態です!』
『ん〜、やはりこの坂をハイペースで上るのはキツかったようですね』
『そうですね。ただ選手達にはこの上りから下りなった事で自分のペースを乱したり体に付加をかけすぎないようにしてもらいたいです』
『はい、確かに何人かの選手達は少し辛そうな表情を浮かべてるようにも見えます。さあいよいよ二区も折り返し!この心臓破りの坂を抜けた選手達には一体どんなレースがまち受けているんでしょうか!』
「ん…ッ…はぁ…」
少し胸が苦しいわね。いつも走ってる時より鼓動が速い気がする…でも坂は上りきれたわ。あとは水銀燈の元へこの襷を渡すだけ。
今は二位…なんとか三位までは守らないといけないわ。だから安易にペースは落とせない…お願いだからもってね、私のカラダ…!
ジャジャーン!
「新年公開!年初はくんくん・ザ・ムービーで!客席総立ち、なりやまない歓声!アメリカの全紙が褒め称えた『名探偵くんくんと賢者の骨』大ヒット公開中!」
「今年も、よろし〜くんくん!!」
「来場者には『限定10000台、全自動くんくん卵割り機』をプレゼント!」
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 23:06:29.18 ID:8qkvnGSoO
>>133 『…この辛いも二区いよいよ終盤。選手達にはさらに辛い状況に立たされていることでしょう!いかがですかラプラスさん。ここまでをご覧になって』
『上りが予想よりもハイペースでしたからね。ちょっとこの後が不安になりますが…』
『順位としては、逃げる庭師ノ学園を有栖川、桜田門、宇入が追う、という状況ですが』
『そうですねぇ…ポイントとしては宇入の柏葉選手がどこまで順位をあげられるか、後は各選手が自分の走りを維持出来るか、といったところでしょうか』
『それはやはり前半のハイペースな…』
『白崎さん!白崎さん!』
『はい、どうしました?』
『こちら一号車ですが庭師ノ学園に異変です!峠を下り始めたあたりから手元の時計でもみるみるペースが落ちて、今は蛇行しながら走っている状態です!!』
あ、あれ…なんか…変な感じですぅ…
急に寒く…いや、暑くなった…?でも体が震えるですし…
何なんですかコレは…翠星石は…早く…蒼星石の所へいくんですのに…
上手く…走れねーですぅ…
『ああ!これは庭師ノ学園にアクシデント発生です!ラプラスさんこれは…』
『どうなんでしょう…レース前から何かあったのか…すこし前半に力み過ぎていたようにも見えましたので、何かその辺りが原因じゃないかと思いますが』
『しかし一位を独走していた庭師ノ学園にとってこれは痛い!…あ〜と!今有栖川が庭師ノ学園を抜きました!そして、三位に浮上した宇入、それに続く桜田門が抜いていきます!これで庭師学園ノは一気に四位になりました!』
「はぁ、はぁ…よし!」
今抜いたのが庭師ノ学園。様子がおかしかったから多分なにかトラブったんだ。
さっき桜田門を抜いたからこれで二位。残りは…あと一人!
『さあ大変なレースになって参りました。これで一位争いは有栖川のめぐ選手と宇入の柏葉選手が競り合うという型に。それにしても桜田門ののり選手は安定してますね〜』
『はい。決して速いとは言えませんが、確実に確実に襷を繋ごうという意思が見受けられる走りです』
『そして…あ、ついに宇入が有栖川を抜き単独一位になったようです!これで宇入の柏葉選手は三人抜きを達成したことになります!』
『いや、流石ですね。前評判通りの走りです』
『ただ今二位に落ちた有栖川ですが…胸の辺りを手で押さえますね…ちょっと苦しそうです!これは庭師ノ学園に続いてのトラブルとなってしまうのでしょうか!?』
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 23:08:26.76 ID:8qkvnGSoO
>>134 「くっ…!かはっ…」
こ…こんな時に…!もう少しで、あと数キロでゴールなのに…!
痛い。苦しい。呼吸が荒れる。
これが練習だったら即病院行きね。でも…
(めぐ…話しがあるの)
(あら、なあに?)
(貴方…今度のエキデン、やっぱり止めなさい)
(もう、今はちょっと足が張ってタイムが伸びないだけよ。冬までには…)
(聞いたのよ、貴方の主治医に)
(…そうなんだ)
(無断で聞いたのは謝るわぁ。だけど、今の貴方じゃ二区どころかエキデンなんてとても無理よぉ!貴方はまだ2年なんだから来年も再来年だって…!)
(水銀燈、私ね…来年大学を辞めるの)
(え…?)
(入学するときにパパとの取り決めでね。悪化したら、次の年に辞めるって)
(だ…だったらせめて二区じゃなくても…!)
(水銀燈。私が今日まで走ってきたのはね、エキデンで貴方に襷を渡したいからなのよ。そして、一位でゴールテープをきった貴方を抱きしめるため。私はそのためだけに走ってきた…)
(でも…!)
(お願い水銀燈。これが私の最後のレース。そして最初で最後の目標なのよ)
(めぐ…)
(走らせて)
「……ッ!!」
そうよ…まだ終わるもんですか!この襷を水銀燈に渡すまで走る、そう誓ったんだもの!
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 23:10:46.85 ID:8qkvnGSoO
>>135 もう走れなくなってもいい!一生入院生活になってもいい!死んだって構わない!!だけどこの襷を渡すまでは倒れるもんか、死んでやるもんか!!
「あああああああ!!!」
『おっとここで有栖川の柿崎選手がペースを上げました!目もしっかりと前を見つめています!』
『柿崎選手は少し心臓に持病があるということでドクターの車が常に並走していますが…今のは大丈夫と判断したんでしょうかね』
『おそらくドクターからすれば今すぐにでも止めさせたいのでしょうが、柿崎選手の気合いがそれを許しません!現在一、二位の両選手は見ているだけでこちらにもビンビン熱意が伝わってくるようです!
さあまもなく一号車がこの辛い二区の終着点、ローゼン台地の入口を捕らえそうです!あ!見えました!今、三区のスタート地点から柏葉選手が見えました!』
「かはぁっ!くはっ!かっ…!」
なんとか一位でこれた…でも、それだけじゃダメ…次の雛苺の相手はおそらく名門有栖川の怪物、エース水銀燈。
雛苺が逃げ切るには…私が一秒でも…!
「あっ…かっ…!」
もっと動いて!私の足!もって速く!もっと!もっと…!
「トモエー!こっちなのー!」
皆は頑張ってって言うけれど、ヒナは言わないのよ…だって、だってあんなに頑張ってるトモエ初めて見るもの!あれ以上頑張れなんて言えるワケないわ!
ヒナが…ヒナがあんな約束させたから…オディールとトモエにこんな辛い思いを…
「雛…苺…!」
「トモエ!あと少しなのよ!」
ううん、今はそんな事考えるのは後よヒナ。ヒナ決めたのよ。このレース…絶対に勝つの!!
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 23:12:20.76 ID:8qkvnGSoO
>>136 『今宇入が一位で襷リレー!いやぁ柏葉選手素晴らしい走りでした!おっと区別新記録が出た模様です!前の記録を30秒以上縮める大記録となりました!』
『最後かなりペース上げましたからね。レースにかける想いの大きさがよくわかります』
『そして…一位の宇入から1分40差で有栖川が入ってきました。あー辛そうです!顔をしかめ、胸を押さえ、それでもなお走り続けます!』
「めぐ…貴方って子は…本当に…」
「水…銀、燈…がん、ば…」
「ふっ…少しは自分の事も考えなさいよぉ。でも…」
「水銀燈…!」
「貴方の夢?目標?何だって叶えてあげようじゃないのぉ!」
『柿崎選手、崩れるようにして二区を走り抜けました!そして速やかに担架に運ばれていきます!』
『本当によく頑張りましたね。ゆっくりと休んで欲しいと思います』
『そして後から桜田門、間をあけて神奈川、選抜がリレー!え〜…そして最後の庭師ノですが…』
『白崎さん!こちら三号車ですが、庭師ノの翠星石選手は辛うじて前に進んでいるといった様子です!手元の時計で単純に計算しますと、ぎりぎり間に合わないペースです!』
ああ…ここは…何処でしょう…ゴールは近いんですかね…翠星石は…何処に向かえば…
(…石)
ん…なんです…声でしょうか…もう…何も聞こえないハズですけど…
(…星石)
でも…この声…何処かで…えっと…たしか…
(翠星石!)
「はっ…!」
ワアアアアア…
ここは…ローゼン台地の入口の前。そうです、翠星石はもうここまで来てたんですよ!
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 23:14:55.12 ID:8qkvnGSoO
>>137 「うっ…!?」
くっ…相変わらず気分が悪りーですが…
(翠星石!)
聞こえるですよ…この声の方向に…ゴールが…蒼星石がいるです…!
『さあ残り30秒!果たして庭師ノは間に合うのか!もう姿は見えている!翠星石選手もわかっているでしょう!あと少し!あと少しですが…あと20秒!!』
「翠星石ー!」
見えましたよ蒼星石…そこで…待ってるですよ…今、襷を渡しますから…
「こっちだ!ここだよ翠星石!ここだ…」
そんなに言わなくても…わかってるですよ…ほら、随分遅れちまいましたが…襷を、受け取るで…
パーーーーーーン!
『あーーと!ここで無情にもピストルの音が響きましたーー!!!あと数メートル、あと数歩というところで、庭師ノ学園大学、ここで襷が途切れましたーーー!!!』
え…?何で…何で走っちゃうですか…?待つですよ蒼星石…まだ…襷、渡して…な…
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 23:17:10.71 ID:8qkvnGSoO
>>138 ガシッ。
「お疲れ様だ、翠星石」
「槐…コーチ?離すです…まだ…妹に…襷を…」
「もう蒼星石は居ない。繰り上げスタートだ」
「え…?じゃあ…翠星石は…」
間に…合わなかった…
「う…あ…ああああああああ!!」
「翠星石…!」
「まだです!まだ走れるですよ!?ぐっ…妹に…蒼星石に襷を渡すまで…ゴホッ!ゴホッ!」
「もう終わったんだ!もういい、今は休め!」
「…うっ…ヒッグ…でも…しゅい星しぇきのぜいで…たずぎ…途切れちゃ…」
「…いや、ちゃんと蒼星石は受け取っていたよ。君からの襷を。その証拠に、彼女はとても凛々しい顔でスタートしていった」
「ぐっ…ひっ…蒼しぇえじぇぎ…」
「悔しいか」
「でずぅ…でずよぉお…」
「なら今よりもっと強くなることだ。私が鍛えてやる。私を信じろ。だから…今は休め」
「ばい…ゴージィ…う…うああああああああああああ!」
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 23:18:04.47 ID:8qkvnGSoO
>>139 投稿終わりです。最終、第三区へ続きます。
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 23:33:57.61 ID:G2P5T7iVP
ほ
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 23:38:15.60 ID:yaYyVL5Z0
>>140 なんか良いね駅伝
翠の子良くやったよ翠の子
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 23:42:08.59 ID:uKJr4JGe0
>>140 毎年正月は箱根駅伝だけが楽しみな俺にはたまらんよこのシリーズ
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 23:45:35.42 ID:80RjuqRaO
うゆー
ヒナ眠くなったの。
保守してないで一緒に寝るの。
保守
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 23:47:50.84 ID:WJ0Lr7gMO
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 23:49:11.56 ID:Zm6KSD9p0
み「借金…借金取りが…うぅあぁ…」
金「みっちゃーん!起きるかしら〜!」
み「ん…おはようカナ」
金「どうかしらカナの卵焼き」
み「おいしいわ」
金「みっちゃんほどじゃないかしら」
み「…」
金「ふえ?」
み「んーん、なんでもないわ」
金「いってらっしゃーい」
バタン
み「…幸せって…安いのね…」
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/17(木) 23:56:24.15 ID:WJ0Lr7gMO
これでみっちゃんが良い方向に進む事を願う
148 :
ゆとり鯖の保守間隔ってどれくらい?:2008/01/18(金) 00:09:18.02 ID:06m4DEIBO
金糸雀はアーマードモジュールに乗るようです
金「これがカナのAMかしら」
J「フェアリオンG…成る程、ある意味金糸雀にピッタリだな」
金「この機体なら回避面は万全、攻撃面も合体攻撃で文句なしかしら!」
J「合体攻撃ってアレだよな…でも相方は?」
蒼「…ぼ、僕だよ」
J「蒼星石がゴスロリドレス着てる!?」
金「みっちゃん特製かしら!ロイヤルハートブレイカー
と言えばコレかしら!」
蒼「は、恥ずかしい…////」
J「ここまでの適材適所初めて見た」
金「写真は後で焼き増しするかしら」
J「GJ!!」
蒼「う〜////」
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 00:30:56.27 ID:1g0oqIxb0
>>140 ぬお、翠星石にちょっとうるっと来た・・・よくやったぜ
ただ走ってるだけっちゃー走ってるだけなんだけどついつい見ちゃうんだよな駅伝
正月に箱根駅伝とか見てると時間がたつのが早く感じる
150 :
結構持つけど、500番位で保守すれば間違いない。:2008/01/18(金) 00:51:01.46 ID:StixxTBCO
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 01:05:55.74 ID:1g0oqIxb0
>>148 この写真は欲しいなw
3時間以上持つ時も・・・何分って指定すると安心してスレ見に来なくなるから
テキトーなのがいいんじゃないかと思ったり
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 01:36:55.03 ID:RhJ1HexSP
ほ
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 02:08:07.03 ID:RhJ1HexSP
ho
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 02:55:02.65 ID:RhJ1HexSP
ほ
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 03:54:19.19 ID:RhJ1HexSP
ほ
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 05:20:42.12 ID:RhJ1HexSP
ほ
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 06:45:29.07 ID:/jrtFVTeO
ホッシュドポテト
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 07:34:20.09 ID:oxq1gghBO
ほ
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 08:43:55.83 ID:/jrtFVTeO
ほ
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 08:44:24.74 ID:GmPB+aUCO
も
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 09:32:16.23 ID:Wo46t8QkO
ア
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 10:02:21.56 ID:StixxTBCO
翠「お〜いジュン居るですか…っと、勉強してましたか」
ジ「ん、まぁ…な。試験明日だし」
翠「懐かしいですねぇ。翠星石も去年は大変でしたよ〜。ま、オメーの事ですから緊張するなって言ってもムダでしょうから、せいぜい頑張って散ってこいですぅ!」
ジ「いや、散っちゃダメだろ」
翠「細かい事は気にすんなです。じゃあ翠星石はジュンが緊張のあまり腹壊さんように、お腹に優しいモンでも作ってくるですよ」
ジ「ん…ありがとな」
皆頑張れ。俺も頑張る。
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 10:34:31.88 ID:/jrtFVTeO
有難う。俺も頑張るよ。
共に夢が実現することを願って、
保守
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 11:36:49.19 ID:/jrtFVTeO
ほ
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 12:10:37.35 ID:K2i4WYfo0
>32です。うpろだ使用してしまったので、再投下します。
「 Wild Bunch! 」
随分昔な気もするし、ごく最近の気もする。
突然の世界規模の気象異常。そこから始まる食糧危機、インフレ、世界恐慌。
そして…人類は何も学んではいなかった。
世界は…等しく戦争の炎に包まれた…。
荒れ果てた世界。
異常気象の名残で降水量も少なく、不毛の大地が広がり…
世界は、果てしない荒野へと姿を変えた。
皮肉にもそれは、人類の悲願であった国家という壁を壊した。
国家という枠組みが失われた世界で、新しいルールが自然とできた。
『強いものこそが、正しい』
そんな無法の荒野で、弱者に生きるすべは少なかった
息を潜めてひっそりと生きるか、誇りを捨て、矜持を失い、奴隷のように生きるか。
しかし、中には、第三の選択をする者がいた。
彼らは力を得る為、銃を手にした。
ある者はその力で人々から糧を奪い、またある者はそれを倒し謝礼を得る。
報酬次第で、どちらにも転がる無法者。
人々は、気の赴くまま自由に生きるそんな彼らを…
遥か昔…荒野を、運命を切り開いた者達の姿と重ねて…こう呼んだ……
1. ワイルド・バンチ!
どこまでも広がる荒野…。
果てしない荒地。乾ききった大地。
風が、誰のものとも知れない墓標の上を、そっと撫ぜた。
寂れた町の、寂れた酒場の、錆びたドアが、風に吹かれてキィキィと音を立てる。
暫くして…
サングラスをした銀髪の女性が、煙草を咥えてドアを開いた。
小汚い町の、小汚い酒場の、小汚い男達がその女に視線を向ける。
サングラスで顔は隠れているが…間違いなく上玉だ。
そんな男達の視線を無視して、女はカウンターまで進む。
そして、奥の棚にある酒のボトルを指差した。
バーテンが無言で小さなグラスに注いだ酒を女の前に置く。
女がグラスに手を伸ばした瞬間、肩に手が置かれた。
振り返ると、薄汚れた大柄な男が下卑た笑いを浮かべながら立っていた。
「よお、ねえちゃん。一人でこんな所に来るなんて、危ないぜえ?」
テーブルに座った男達も、ニヤニヤと銀髪の女を眺めている。
女はツカツカとカウンターに――銀髪の女の横に陣取り、バーテンにチラリと視線を投げかけた。
バーテンは意図を察し、まるで何も見てないように、黙々と自分の仕事を続けた。
それを確認すると、女は意を決したように、銀髪に声をかける。
「私は、この町の代表をしている佐原といいます。水銀燈さん…ですね…」
そう言うと佐原は、カウンターの上に金貨を数枚置いた。
「この町の『技術屋(マエストロ)』が先日、盗賊団に拉致されました…」
銀髪の女―水銀燈は、金貨を指先で弄びながら答える。
「あらぁ?それは大変ねぇ…。『技術屋』が居ないと、銃の手入れもろくに出来ないわねぇ…。
自衛の手段が無くなっちゃうじゃなぁい…。危ないわねぇ…」
「…はい。そこで…腕が立つと噂の貴女達に、『技術屋』の奪還を依頼したいのです…。
報酬は、$8000。その金貨は前金です」
「ふぅん…」
水銀燈はそっけなく答える。
そして…金貨を一枚、指で弾き、バーテンに渡した。
「で…その『技術屋』の特徴、教えてくれるかしらぁ?」
さらわれた『技術屋』の名前は、草笛みつ。
独身。かなり腕は良いらしく、その腕を狙われての事らしい。
それだけの事を告げた後、佐原は申し訳無さそうに付け足した。
「あと…草笛みつさんの姪が…彼女を助けると言って一人で飛び出してしまって…。
もし良ければ、そちらの保護もお願いしたいのですが…」
水銀燈は、新しく運ばれてきた酒を飲み、答える。
「奪還だけなんて地味な事、めんどくさいわぁ。
$8500。それで、当分の間悪さ出来ないように賊もとっちめてあげるわぁ。
その姪っ子さんは、見つけたらサービスで連れて帰ってあげる」
そう言い、空になったグラスを置いた。
ポケットの中に、金貨の心地いい重みを感じながら、水銀燈は酒場を後にした。
酒場の横で、3人の少女が水銀燈を出迎えた。
テンガロンハットに巨大な鋏をいう、独特な格好の少女。
白衣に身を包んみ、緑色の救急箱を持ったオッドアイの少女。
片目に薔薇の模様をあしらった眼帯をつけた少女。
水銀燈は前金として受け取った金貨を、彼女達に見せる。
「さぁて、皆ぁ。お仕事よぉ」
―※―※―※―※―
4人がそれぞれ馬を駆り、荒野をひた走る。
そして…地平線の彼方から、一軒の廃屋が見えてきた。
眼帯の少女が馬を止め、遠くに見える廃墟をじっと見つめる。
それに気付いた3人も、馬を止めて廃墟に視線を向ける。が…距離が遠すぎて、何も見えない…。
「…見張りがいる…二人…」
眼帯の少女はそう呟くと馬から降り、ライフルを構えて地面にうつ伏せになる。
G3SG ―最も、彼女はそんな名前など知らないが― 長年愛用した相棒の引き金に指をかけた。
二発の乾いた銃声だけが、短く響いた。
「相変わらず大した腕ねぇ…薔薇水晶」
水銀燈が関心したようにそう呟く。
命中したかは窺えないが、それ以上銃声が聞こえないという事は…そういう事なのだろう。
薔薇水晶は服についた砂を軽く叩きながら立ち上がった。
「…銀ちゃん…惚れたら危険だよ…?」
照れたように、上目遣いで薔薇水晶が答えた。
「変な事言ってないで…行くわよぉ」
水銀燈は…少し苦笑いをしてから、再び馬を走らせた。
馬を岩陰に留め、身を潜めながら廃屋に近づく。
玄関の前の門に…見張り役だった二人が倒れていた。
恐らく彼らは、何が起こったのか理解する時間も無かったのだろう。
銃は腰に下がったまま、指一本かかってはいなかった。
「うぅ…薔薇水晶が敵じゃあなくって良かったですぅ…」
白衣の少女は、わざとらしく怯えた口調で呟き、テンガロンハットの少女にすがりついた。
「大丈夫だよ。君は僕がちゃんと守るから」
そう言い、白衣の少女の髪を優しく撫でてなだめる。
髪を撫でられながら白衣の少女は…「計画通り!」とニンマリする…誰にも見られないように。
水銀燈は、いつもの光景…ベッタリとくっ付いてる二人に生暖かい視線を送りながら
「屋内ではライフルなんて使いにくいでしょうし、薔薇水晶はここ居なさぁい」
薔薇水晶を見張りに残し、二人の少女と共に廃墟の中に消えていった。
―※―※―※―※―
「外からじゃあ判らなかったけど、地下にもフロアが在るみたいねぇ…」
水銀燈が小声で伝える。
暫くの沈黙、そして…水銀燈が前触れも無く拳を突き出した。
テンガロンハットの少女も同時に手を出す。
『グー』と『チョキ』
…
ワンテンポ遅れて、白衣の少女も手を出した。
「後出しだよ」「後出しねぇ」
「し、しょーがないですぅ!そんな急に反応出来る訳無いですぅ!もう一回…」
「じゃ、ここは宜しくねぇ」
手をヒラヒラさせながら、水銀燈が地下へと続く階段を降りていく。
「無茶したら駄目だよ、翠星石」
テンガロンハットはそう言うと、階段を登っていった。
「うぅ〜…人の話を最後まで聞きやがれですぅ!」
悔しそうに腕をブンブンと振るが…誰も見てない事に気付き…
仕方なくそのフロアの奥へと足を向ける事にした。
盗賊のアジトにされているだけの事はあり、結構な広さを誇っている。
…最も、片付けなどされていないせいで、住み心地は悪そうだ。
そんな風に考えながら翠星石が進んでいると、一つの部屋から声が漏れ聞こえてきた。
「泣いたり笑ったり出来なくしてやる!スリーカードだ!」
「フウーハハハ!こっちはフラッシュだぜ!」
ドアの隙間から翠星石が部屋を覗くと、数名の盗賊がポーカー勝負に興じていた。
余程見張りの連中を信用しているのか、危機感の少ないアホ頭か…
はたまた両方か。
(…両方ですぅ)
心の中でそう呟き、緑の箱からそっと小瓶を出す。
再び部屋の中をそっと覗き…笑ってる男達の―その中心のテーブル目掛けて、小瓶を投げた。
パリン、という小気味の良い音がする。
「なんだあ!?」男達の声が聞こえる。
ドサッ、と倒れる音が続いて聞こえる。
…聞こえてくる音は、もう無かった。
「翠星石特製の眠り薬『スィドリーム』で、スイートなドリームでも見るがいい!ですぅ」
ニヤリと、悪役のような笑顔を浮かべ、実に楽しそうにそう言った。
―※―※―※―※―
「なあ、今何か聞こえなかったか?」
「ん?そおか?」
二人の盗賊は、二階の廊下でそんな会話をしてた。
「いや、確かに何か聞こえた気がしたんだが…」
「はっ!天下の『ベジータ一家』に喧嘩売る奴なんて居ねえよ。
第一、見張りの連中だっているんだしよ」
「それもそうだな」男がそう言おうとした時…不意に、天井から何かが背後に落ちた。
「なんだ?」そう思い、振り向こうとするが…振り向けない…。
体がまるで…まるで蛇に睨まれた蛙というのか…全く動かない。
(痺れ薬!?)最初そう思ったが、未だ自力で立ってる点から、そうではないらしい。
いつの間にか、全身に痙攣したかのような震えが走っている。
一体、何が起こっているのか…何をされたのか…
辛うじて眼球だけは動かせる…横に立つ相棒に視線を送る…
そして…
相棒の姿を見たとき、何が起こったのか、感覚として理解できた。
震える体。止まらない冷や汗。背後から近づく、謎の気配。
『恐怖』が全身を支配してる。
それを理解した時…頭で理解した瞬間、彼はさらに恐怖した。
(一体何が…何なんだ…)
叫びたかった。恥も外聞も無く、助けを呼びたかった。
しかし、声を出すどころか、呼吸さえ引き攣ったものとなり、満足に出来ない。
背後から近づく、圧倒的な存在。
せめて気絶できれば…。
だが、彼の荒野で鍛えられた精神力は、それを許してはくれなかった。
震えながら、ただ立ちすくむしかない二人のすぐ後ろで、謎の存在は足を止めた。
そして…男は後悔する。
なぜ…そんな事をしてしまったのか…
蛇に飲まれる蛙のように、虚ろな目で空を眺めていた方がずっと良かった…。
眼球だけを動かし、自分達の背後に立った存在を見た。
巨大な…魂ごと粉砕するような、巨大な鋏。
そして…帽子から覗く、血のように赤い片目。
ついに恐怖が限界を超えた。
―※―※―※―※―
『ギャァァァァ!!』
館全体に響く、断末魔。
「あらぁ…蒼星石ったら、また派手にやったわねぇ…」
地下の廊下を歩きながら、水銀燈は天気の話でもするように、にべも無く呟く。
「何だ!?」「どうした!?」そんな事を叫びながら、横の部屋から男が一人飛び出し―
一瞬で伸びてきた腕に捕まった。
水銀燈は片腕で男の首を絞めながら、もう片手に持った拳銃で男の頬をゴリゴリと小突く。
そして―男の耳にフゥ、と息を吐きかけながら、囁くように言う。
「ねぇ…?『技術屋』がどこに居るのか教えてもらえなぁい…?」
「あ…ああ、わかった…」
男はそう答えながら…腰に下げた拳銃に手を伸ばす。
しかし、その指が拳銃に触れるより早く…水銀燈は男の頚動脈をキュっと絞めた。
男の意識は廊下にゴロンと転がる自分自身を認識する事も無く途切れた。
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 12:35:14.38 ID:QwwrnYV50
猿かな?
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 12:37:27.57 ID:D6jSpVq8O
回避
これでおk?
「抵抗するなんて、残念だわぁ…」
何の感慨も受けてないような声でそう言うと、
水銀燈は散歩するような軽い足取りで再び廊下を歩いていった。
暫く進むと…
遠くから足音か聞こえた。
せわしなくパタパタと走っているが…それでも足音を殺そうとしているのが窺える。
(人数は…一人。こっちに気付いて迎撃の準備してるのかしらねぇ…)
廊下の角に身を潜め、足音が近づいてくるのを待つ。
そして…
足音の主が廊下を曲がると同時に、先程と同じ要領で首を捉える。
再び囁くように、質問する。
「ちょっと聞きたいんだけど、教えてもらえるぅ?おデコの素敵なお譲ちゃん…」
―※―※―※―※―
「思ったより人数も居ないし…大した事ないね…」
蒼星石は注意深く周囲を探りながら、フロアを探索して回る。
途中発見した盗賊は、全て夢の世界に案内してあげた。
そして、一番奥にある派手な装飾をされた大きなドアを
(変な趣味の人がいるみたいだね)
と考えながらテンガロンハットを被り直し、開けた。
十分に警戒はしていた。
油断など、決してしてはいない。
にも関わらず…
部屋に入った瞬間、閃光かと見紛う速さで白刃が走り、帽子が飛ばされた。
とっさに後ろに飛び退いたおかげで、首はしっかりとあるべき場所に留まっている。
が…
(強い…)
蒼星石は対峙した男の強さをその肌でひしひしと感じた。
男も、完全に不意を突いた筈の一撃をかわされ、目の前の少女の強さ理解した。
盗賊稼業に身をやつして以来…いや、今まで生きてきた中でも、こんな事は無かった。
闘争本能に火がつくのが分かる。
今からの戦いを想像すると、胸が高鳴る。
さらに…
その相手は美しい少女。
男はこの出会いに、震えるほどの幸せを感じた。
「貴様、このベジータ様の女にならんか?今なら寛大な心で許してやらんことも無いぞ」
男は剣を構えたままニヤリと告げた。
蒼星石は何も答えず、巨大な鋏を構えなおす。
「クックック…良いぞ…ますます良い!」
ベジータはそう叫ぶと同時に剣を大きく振りかぶり、ダンッと地面を蹴った。
振り下ろされた剣を、蒼星石は鋏で受ける―が、その威力は止めきることが出来ずに、
そのまま後方に吹き飛ばされた。
壁を蹴り体勢を立て直し、そのままベジータに切りかかる。
ベジータはその一撃を片手に握った剣で止める。
互いに一歩飛び退き、間合いを取る。
「女…名前ぐらい聞いておいてやるぞ」
「…蒼星石」
互いにジリジリと間合いを詰める。
ベジータが両手で剣を構え、上段から袈裟切りに切りかかる。
蒼星石は鋏の留め金を外し、二刀流に構える。
「バカがッ!片手では受け止めることすら出来んぞ!!」
ベジータの豪刃が振り下ろされる―
しかしそれは、蒼星石の足元の地面を抉るだけだった。
「受け止める気は、無いよ…。そして…」
蒼星石は片手の鋏を斜めにして―ベジータの一撃を逸らし…
「チェックメイトだよ」
もう片手の鋏がベジータの脇腹にめり込んだ。
―※―※―※―※―
捕まえた素敵なおデコの少女に楽しい尋問タイム。
というか、勝手に喋りだした。
曰く、金糸雀という名前。
曰く、みっちゃんを助けに来た。
曰く、ダンボールに隠れてここに潜入した。
曰く、怪しい者じゃあない。
曰く、お願いだから食べないで。
「…とりあえず…お願いだから落ち着いてぇ…」
…
「そういう事なら、カナも手伝うかしら!まだ探してないのはこっちの方かしら!
きっとこっちにみっちゃんが捕まってるかしら!」
意気揚々と先陣を切って進む金糸雀の首根っこを掴む。
「むぎゅぅ!?」みたいな声が聞こえた気がするが、気にしない。
「はいはぁい…危ないから後ろに引っ込んでてぇ…」
金糸雀が後ろでちょこまかと注意力を奪っていくが…それでも精一杯警戒しながら、廊下を進む。
幾つかの廊下を曲がり…幾つかの部屋を調べ…
廊下の角から、手鏡で先の様子を窺う…
鏡には―女性を人質に抱えながら、銃を構える盗賊の姿が映った。
男は廊下の先から鏡が出たのを見て取ると、手にした銃を乱射し、
それが水銀燈の小さな手鏡をかすめる。
「レディーにとって鏡は大事な物なのよぉ…危ないわねぇ…」
呆れたように呟く。
「この女がどうなってもいいのか」とか「武器を捨てて出て来い」とか聞こえるが、無視。
小悪党の恫喝なんて、気にしない。
しかし、金糸雀は青い顔で震えている。
「こ…こうなったら、カナが出て行って油断させる作戦しかないかしら…!」
小さな体から、はちきれんばかりの勇気を振り絞った金糸雀の一言を、額にチョップを入れて却下。
もう一度、鏡を使って男の立ってる位置。人質の位置を確認する。
そして…ゆっくり、慎重に狙いをつけて…壁を撃った。
直後、男の短い叫び声と、地面に倒れる音が聞こえた。
跳弾。
ビリヤードでワンクッション置くように、壁で弾丸を跳ねさせての攻撃。
曲撃ち。という事になるが、水銀燈は見世物や芸としてではなく、純粋に攻撃の為だけに習得した。
静寂が広がったのを確認すると、水銀燈は静かに煙草に火をつけた。
―※―※―※―※―
感動の再開を果たした金糸雀と草笛みつの二人を連れて、盗賊のアジトから出た所で…
ちょうど仕事を終えた蒼星石と出会った。
「あらぁ?あなたにしては時間かかったんじゃなぁい?」
「ちょっとしつこいのがいたからね」
蒼星石がニコリと答える。
何だかんだ言った所で、彼女がここに居る。という事は、作戦は成功した、という事だろう。
「さぁて…」
帰りましょうか。その言葉は、背後から響いた大声に遮られた。
「待てえ!!貴様、このベジータ様のプロポーズを無視して…ただで済むと思うな!!」
振り向くと…
筋肉質な男が、ロケットランチャーらしき物を担いですごんでいる。
「…蒼星石…あなた、あんなのにプロポーズされたわけぇ…?」
「僕が?ふふ、まさか。彼、変な物でも食べたんだよきっと」
余裕の表情を崩さない二人に、ベジータはキレた。
「クソッタレ…コケにしやがって…。 食らえ! ファイナルフラーーーッシュ!!」
叫びと共に引き金を――
引くより早く、ロケットランチャーがその場で爆発した。
アフロになった男を無視し、水銀燈と蒼星石が振り返れば――
顔を真っ赤にして怒った翠星石と、一筋の煙を上げるライフルを構えた薔薇水晶。
「大丈夫ですか!?何か…その…変な事されなかったですか!?」
一瞬ですがるような目つきになった翠星石を蒼星石がなだめる。
「ありがとう、薔薇水晶。助かったわぁ」
水銀燈が薔薇水晶の頭をガシガシと撫でる。
「…へへ…銀ちゃんに褒められた…」
「さぁて、帰りましょうか」
そう言い、咥えていた煙草を指先で弾き飛ばした。
―after story―
「それにしても、カナが助けに来てくれなかったら、大変だったわ」
帰り道、金糸雀を抱き上げながら、草笛みつがテンション高く喋る。
「そうかしら!カナ頑張ったかしら!」
「ほんと、あのままだったら今頃…儚く美しい草笛みつは人買いに売り飛ばされ…」
「みっちゃんは『技術屋』だから捕まったかしら」
「そしてどこか成金オヤジに買い取られ…あんな事やこんな事を…」
「…みっちゃん?」
「でも、いつしか素敵な殿方に見初められ…『ああ!そんな、駄目です!』『僕には君が必要なんだ!』…」
「…」
「『ハネムーンは何所に行こうか』『貴方と一緒なら、どこでも…』…ふふ…ふふふふふふ…」
「…」
夕日が眩しかった。
西日が射す中で金糸雀は…そっと涙を拭った。
以上です。
途中、所用が入り、お手数をおかけしました。
薔薇乙女達に、荒廃した近未来(北斗の拳とワイルドアームズ混ぜたような世界観?)
でマカロニウエスタンをさせてみよう、というssでした。
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 13:38:30.46 ID:StixxTBCO
カッコイイ乙女達もいいねw
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 14:27:46.90 ID:3N38ATf6O
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 14:59:04.15 ID:D6jSpVq8O
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 15:37:20.50 ID:K2i4WYfo0
ho
初めて見たがルールとかこのスレにない?
見た感じローゼン以外のキャラを見かけるんでクロスオーバーありなスレなの?
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 16:13:33.46 ID:StixxTBCO
>>189 一通りはテンプレとwikiに書いてあるよ。
クロスオーバーは禁止ではないけど、嫌がる人もいるから注意書きは促してる。あ、ちなみにベジータと笹塚はこのスレではローゼンキャラの一員ですので。
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 16:47:06.53 ID:StixxTBCO
ほ
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 17:03:02.92 ID:vOjXypsk0
「さて。私こと草笛みつはあることに気づきました。」
「へえ。みっさん何に気づいたんですか?」
「借金の返済額分私は稼げた。
つまり、借金しないでもそれだけ私には稼ぐことができるということ。
借金なんかしないで必死に働いていたら今頃はきらきー生活も夢じゃなかったはず。
私もきっと非常食になるうほっなマゾ男をはべらせられた筈なのよ。」
「まあ一理ありますね。」
「だから私は借金返済に一区切りついたことだし、もうお金は借りずに事業を起こそうと思うのよ。」
「いいことですね。」
「でしょ?だから今から銀行(と書いてアコムと読む)いって資金調達してくるわ!」
「ちょっとまてぇぇぇぇ!」
後日、みっちゃんの興した総合出会い斡旋所は大ヒットして大もうけできたそうです。
しかし、それでもみっちゃんの相手は見つからずみっちゃんは軽く鬱になっているそうです。
「私なんか…。私なんか…。」
「大丈夫です。ベジータがべたぼれです。」
「え?ラプラスだろ?」
「槐様の間違いでしょう。」
「…梅岡だろう」
「何だって?んん?ん?はん?はははははははははははははははは!」
「…………あはははははははははあははあははははあはは!」
「みっちゃん……」
>>190 マジデ? 経緯が気になるけどWIKIに書いてあるかな
トン
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 17:39:30.50 ID:/jrtFVTeO
きらきー生活ww
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 18:11:57.46 ID:StixxTBCO
保守
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 18:41:24.58 ID:D6jSpVq8O
ほ
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 18:41:54.20 ID:06m4DEIBO
ほ
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 19:04:16.53 ID:EA0cSDdXO
ほ
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 19:26:33.81 ID:StixxTBCO
保守かしら〜
巴「受験生にとっては決戦前夜ね」
J「あ、そうか。明日はセンター試験なんだな」
巴「そうなのよ。だから今回はこの短編もほのぼのなの」
J「どうして?」
巴「いつも通りギャグで”オチ”があったら縁起が悪いでしょう、受験生の人たちのことも考えないと」
J「そういやどっかでそんな4コマみたな。でもそんなことなら、だいじょうぶだろ」
巴「受験生は縁起をかつぐものなの。普段買わないキットカットとか食べたり」
J「そういうことじゃなくてさ。幾万人もの受験生を絶望の底に叩き落とし、
上位受験生すらケアミスの名の下に油断という魔剣の錆にする、
あの恐怖のセンター試験前夜にこんなところを見てる受験生が、まさかいるはずないじゃないか」
巴「…それもそうだね」
J「そうだよ、だからミカンでも食べていよう」
巴「うん」
J「ミカン(゚Д゚ )ウマー」
巴「もぐもぐ…こたつの暖房強すぎない?」
J「強になってるな。っていうかこたつだったんだ」
巴「会話文だけだとわからないよね」
J「まぁいいや。あ、ミカンなくなった。まだあったはずだからとってくるよ」
巴「いいよ、私がいってくるから」
J「ありがと」
オチはない。
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 19:57:42.10 ID:StixxTBCO
そしてスレも落とさない
202 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 19:58:09.94 ID:/jrtFVTeO
>>200 IDがきつつき見たいで可愛いwwww
巴に応援されちゃ、明日は頑張るしかないか
有難うございます
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 20:19:33.00 ID:hMdfXRyqO
阪神淡路の日のすぐ後か…
がんばろう
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 20:40:44.08 ID:1g0oqIxb0
>>200 オチなしとは、なんという受験生に優しいSS・・・
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 20:59:29.10 ID:1g0oqIxb0
>>192 みっちゃん、なんか借金があればあるほど燃える人みたいな気がする・・・
206 :
>>150-151把握、d:2008/01/18(金) 21:07:37.64 ID:06m4DEIBO
蒼星石はフェアリオンに装備を追加させるようです
J「フェアリオンSにゴスロリ蒼星石…誂えたようにピッタリだ」
蒼「ゴスロリから離れてよ…////」
J「で、何を装備させるんだ?」
蒼「うん、シシオウブレードだよ」
J「成る程、蒼星石らしいな」
蒼「いやぁ、ずっと欲しくてさぁ。金物屋で見つけて思わず
衝動買いしちゃったよ♪」
J「その金物屋ヤバくね?…ところでなんでフェアリオンなんだ?」
蒼「金糸雀にどうしても!って頼まれて…」
J「何でまた…」
蒼「それは……あ、文字数足りないからまた今度ね」
J「ナンテコッタイ」
207 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 21:21:08.62 ID:hMdfXRyqO
危険ほ
208 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 21:34:50.49 ID:/jrtFVTeO
受験生なのにセンター前夜に投下しますww
タイトルは《とある電車での出来事》
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 21:36:29.59 ID:/jrtFVTeO
「――相席、宜しいですか?」
「ええ、構いませんよ」
「有難うです」
《とある電車での出来事》
210 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 21:37:47.78 ID:/jrtFVTeO
ガタン、ゴトン。
「――随分、荷物少ないですね」
「あ、ああ…まあ。準備していなかったものでね」
「どうしてですか?このご時世、荷物も無しに電車なんて珍しいですよ」
「確かにそうかもしれませんね。…散歩中に聞こえた汽笛に誘われてね。気が付いたら此の席にいた、という次第ですよ」
「……これまた随分と酔狂な奴ですねぇ…とんだ浮浪者です」
「………」
「…はっ!ご、御免なさいですぅ!い、いつもの癖でつい…」
「ははは…や、構わないですよ。そっちの方が気兼ねしなくて済む、って話さ。気にしなくて結構です」
「で、でも…」
「浮浪者に気兼ねは不要、ってね。…少々気障な言い回しだったかな?」
「…し、しゃーないですね。じゃ、これからは気兼ね無く喋らせて貰うですよ。どうやら歳も近い様ですし」
「その様ですね。では、此方もしゃーないので気兼ね無く喋らせて貰うといこうか」
「ま、真似すんなですぅ…――」
211 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 21:44:44.09 ID:/jrtFVTeO
「それを言われると返す言葉が見つからないな。耳が痛い限りだよ」
「おめぇ、そんな年してまだ定職に就いてないんですか!?」
「いや、職は在る。長男なものだから、家業を継いでいる。小さな呉服屋だ。まあ、今日は僕の気紛れで休みになってしまったのだが」
「へぇ、その貧しそうな袴姿からは想像もつかないですね」
「ははは。これは嘗て曾々祖父のものだった袴だよ。代々、元服になると譲り受ける仕来りらしい」
「ここ、これってそんなに凄い物なんですか!?へえ…」
「別に大したものじゃあ無いさ。値打ち物ではあるまい。まあ、だが妙な愛着があるのは事実だ」
「値打ちもんじゃなくとも、良いものは良いものなんだと思うですよ。私には、それが判らなかった様ですが」
「だが今、僕の話を聞いたら、何となくそういう気がしてきただろう?――恐ろしいよ。言葉、というものは。ものの見方を様々に捩じ曲げてしまう。時には、人のたましいをも、捩じ曲げる事さえ。…それは、恐ろしい事だと思う」
「…………なにおじじ臭ぇ事抜かしてるですか」
「はは、悪い悪い。ついいつもの癖でな。…何だか暗くなってしまったな。話題を変えようか――」
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 21:47:22.36 ID:/jrtFVTeO
ガタン、ゴトン。
「――ところで、君はどちらへ?」
「…実は、私も行き先は決めとらんのです」
「それでは、君も僕と同じく浮浪者ではないか」
「な…おめぇと一緒にするなです!これでも、旅に出ようという立派な動機があってですねぇ…」
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 21:48:44.20 ID:/jrtFVTeO
「ははは。そうか、それは済まなかった。はは」
「わ、笑うなですぅ…」
「はは。…だが、浮浪者、と言うのも悪くは無いと思うが?気の赴く侭に、風に身を委ねて、生きる。なかなか羨ましい事ではないか」
「馬鹿言うんじゃないですよ。男は働いて家族にうまい飯を食わせてやるのがこの世の道理ですよ。浮浪者なんて、勿体無いです」
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 21:49:56.08 ID:/jrtFVTeO
ガタン、ゴトン。
「――ところでおめぇ、テレビ、って知ってるですか?」
「ああ、知っている。向かいの家に来た模様でね。何やら人が大勢集まってきていたな。きっと、皆観に行っていたのだろう」
「おめぇは、行かなかったのですか?」
「ああ。どうもああいう人の大勢集まるところは苦手でね。息苦しく感じるんだよ。それに、あんなにぞろぞろと殺到する所に混じるのも、何だか馬鹿らしくてね」
「…私も、人の集まるところは何だか怖いです」
「…怖い?」
「…誰かの言葉なんですが、本当の孤独は人混みの間にある、って。知らない人の中に紛れると、自分の存在も紛れて見失ってしまう。だから、私は怖いです。それに」
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 21:51:15.34 ID:/jrtFVTeO
「――ゲーテか?それにしてはやや違うな。まあ、いいか。…それに?」
「それに、知らない人と話すのは苦手です。話し掛けられるとどうしたらいいか分からなくなるのです」
「…おや、これは面白いことを言うものだ。先に話し掛けてきたのは君だったじゃないか」
「そ、それは…おめぇが余りにも見すぼらしい格好に加えて、手ぶらで汽車に乗ってるもんですから、てっきり無賃乗車の悪党かと思って、車掌さんに突き出そうとしただけですよ!」
「な…そ、そうか…そういう風に見られていたとは…そうなると、この格好でふらふらと出歩くのも考え物だな。気は進まんが、洋服でも着てみるとするか」
「あ、いや…じ、冗談ですよ。冗談を真に受けるなんて、どれだけ馬鹿正直なんですか、おめぇは」
「む…そうか」
「そうですよ。全く…ここまで頭の堅い奴とは思わなかったですよ」
「はは、それは済まない。仕事柄、堅気の方とばかり話をしていたものだから、そういうのには慣れていなくてね」
「ふぅん…その形からは、そんなこと想像も付かんのですがね」
「――浮浪者に見られる程、だからな」
「…言えてるじゃねぇですか」
「おや?自分で狙って言ったつもりは無かったのだが。こんな塩梅で良いのか…――」
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 21:54:16.84 ID:/jrtFVTeO
ガタン、ゴトン。
「――此の辺りも、どんどん土地開発が進んでるですね」
「そうだな。仕様がないのかもしれないが、やはり見ていていい気はしないな」
「必要ないですよ、こんなもの。自然を壊してまで住みたくは無いのです。緑が失われていくのは、見たくないです」
「……そうだな。君の言う通りだよ。君は、やはり緑が好きなのかい?」
「ええ、緑は大好きですよ。でも、何が『やはり』なんですか?」
「何となく、な。まあ、強いて言うなら、君の着ている、その…何と言ったかね…」
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 22:00:47.85 ID:/jrtFVTeO
「ああ、初めて見るよ、その様な、ほんのり緑がかった瞳の色は。綺麗だ」
「なっ…なに恥ずかしいこと言ってやがるですか!馬鹿も休み休み言えですぅ!」
「いやいや、これは申し訳無い。こんな事が己の口から発せられるなんて、自分でも驚いている次第だ」
「全く…調子狂うですよ。でも、子供の頃は目に苔が生えてる、なんてからかわれていたものですよ。私はそんなのお構い無しの平気の平左だったのですが、…よく妹が泣かされていたもので、それは流石に辛かったです」
「まあな。子供と言うのはそういうものさ。―ところで、妹、と言ったな。話から類推したところ、妹さんも君と同じ瞳をしているようだが?」
「…双子の妹です。私と、左右逆の瞳の色をしてるですよ。髪は、私程長くは無いですが」
「ほう。それで、その妹さんは今、どうされているのかな?」
218 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 22:01:33.82 ID:/jrtFVTeO
「…双子の妹です。私と、左右逆の瞳の色をしてるですよ。髪は、私程長くは無いですが」
「ほう。それで、その妹さんは今、どうされているのかな?」
「それは……」
「――あ…いや、済まなかった。余計な詮索だったな」
「いやいや、全然構わねぇですよ。――寧ろ、話しておきたい位ですよ」
「そんな、強引に訊き出すほど僕も野暮ではない。無理に話す必要はない」
「無理なんてしてねぇですよ。――ずっと頭の中の箪笥に仕舞いっ放しだと、埃を被ってしまって、終いには、引き出しが壊れて開かなくなってしまうです。そうなると、二度とその想い出に触れることも叶わなくなってしまう―そんな気がするです。
たまには、出して掃除してやらないといけないですよ。丁度良い機会だし、ちょっと怖いけど、話してみようと思うです」
「そうか、分かった――」
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 22:02:52.80 ID:/jrtFVTeO
済みません。使ってた携帯ブラウザが重くなり、思うようにスムーズにいかなくなってしまいました。
猿対策かな?
220 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 22:11:42.21 ID:/jrtFVTeO
ガタン、ゴトン。
「――私は、その日、親戚の家に行っていたです。妹は風邪を拗らせていた様で、その日は母と留守番をしていたです。
帰ってきてみたら、家が、無かったです。周りの家も全部、焼夷弾で焼き尽くされて、灰しか残っていなかったです。
私と父は、二人を探したです。近所に住んでいた方が、其処から少し離れた場所にある広場にいた、という話を聞いたので向かったのです。その広場には沢山のひとが、いたです。二人は、広場の端の方の樫の木の下にいたです。
二人は、瀕死の状態で、火傷が酷く、一刻も早い処置が必要な状態だったです。でも、近くの診療所も飽和状態で、受け入れる余裕も全く無し。仕方なく戻ってみたら、二人の姿が消えていたです。――きっと、二人ば間違え゙られて……うっ…ううっ……」
「…そうか。…ええと、何と言ったら良いのだろうか。――こういう時に限って、言葉が見つからないなんてな」
「……良いですよ、気を遣ってくれなくても。…私が勝手に話を始めた訳ですから」
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 22:12:46.13 ID:/jrtFVTeO
「そうは言っても、やはり泣いている女性を前にして何もしないというのは、心が痛む。――そうだ、これを使うと良い」
「うっ…ありがとです。
――ハンカチーフ、ですか。意外なもん持ってるですね」
「こいつは何かと便利だ。手拭いと違って嵩張らないしな。……もう大丈夫か?」
「ええ…もう大丈夫です。本当に済まんです、変なことに付き合ってくれて」
「や、構わないよ。…君も、大変に辛い思いをしてきたのだな」
「…辛いのは、皆一緒です。私より辛い思いをした人だって、沢山いるですよ。だから、あの日からは涙は零すまいと思っていたのですが、やっぱり、言葉に出すと思いだしちまう――いや、思い出すことが出来るですよ。
話して、良かったです。こうやって、たまには掃除してやらないといけねぇですね。
――言葉って、凄いですね。こんな風に、私の思い出を甦らせてくれるですよ。私のたましいを、甦らせてくれるです」
222 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 22:13:39.50 ID:/jrtFVTeO
「ふむ…
――よく、言葉にはたましいが宿る、と云うな。言霊といったか。其の話、本当かも知れんな。たましい、か。不思議なものだ」
「……写真、有るです。見てみるですか?」
「…良いのか?」
「構わないですよ。――はい、この右端の――私の横にいるのが妹です」
「この娘か――中々、聡明な娘と伺える」
「ええ。才色兼備、という言葉が最も似合う娘です。――自慢の、妹ですよ」
「そうか。其処まで君に想われているなんて、幸せな妹さんだな。きっと、笑っているよ」
「そう、ですかね……そうだと良いのですが」
「ああ、きっとそうだ」
「――そうですね。きっと、笑ってるです。――ありがとう――」
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 22:15:22.95 ID:/jrtFVTeO
前半部分、終了です……
もう最悪だ……投下したぶんは消えるわ、ブラウザは遅いわ。慣れない携帯なんか使うんじゃありませんでしたよ、全くorz
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 22:17:40.93 ID:/jrtFVTeO
225 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 22:22:03.01 ID:/jrtFVTeO
>>216と
>>217の間で抜けてた部分。本当に申し訳ありません。
「ワンピース、ですか?」
「そうだったかね。まあ、その色が緑色だったものでね。きっと、お気に入りなんだろうと思ってな」
「えっ…そうですか…――ふーん…」
「どうかしたか?」
「…別にぃ、何でもねぇですよ」
「そうか……――」
ガタン、ゴトン。
「――何、さっきからジロジロ見てやがるですか、気持ち悪いです」
「…君の、その瞳。珍しい色をしているのだな。」
「ああ、これですか。ま、確かに珍しいと言われれば珍しいかもですね」
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 22:24:38.22 ID:UEz1N+n8O
>>244 乙かれ
この手の話は好みだから後編wktk!
まあ、なにより明日の健闘を祈ってるぜ!
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 22:44:00.73 ID:06m4DEIBO
ふ
228 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 22:45:10.52 ID:StixxTBCO
携帯投稿は大変だよな〜。うんうん。しかぁし、続きまってますから頑張ってくだされ!
229 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 22:50:19.55 ID:/jrtFVTeO
雑談になるが、皆様有難う
>>228のidがとても若返りそう保守
230 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 23:01:04.11 ID:06m4DEIBO
金糸雀が理由を話すようです
J「で、蒼星石にフェアリオンなんだ?」
金「実は…フェアリオンGを買ったのをみっちゃんに教えたら
みっちゃんがSを買う!とか言い出したかしら」
J「…みっさんが?」
金「みっちゃんってば『カナと二人でRHBやるわよ!!』って張り切っちゃって…」
J「それは…何ていうか…」
金「うん…正直みっちゃんのゴスロリは残念な事になるかしら…」
J「そこで蒼星石か」
金「蒼星石、ホントはグルンガスト零式が欲しかったらしいかしら…」
J「…ちゃんとお礼言っとけよ」
金「かしら〜…」
231 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 23:02:29.52 ID:06m4DEIBO
あ、JUMの最初の台詞「何で」が抜けてた
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 23:04:15.14 ID:StixxTBCO
>>229 み「お肌が若返ると聞いて飛んできました」
金「みっちゃん、このID(StixxTBCO)のことかしら」
み「なにィ!くっ…こんな近くに居るのに届かないなんて…!私のそばかすを消してぇえええ!!」
金「でもアニメでは消えてたかしら」
み「あれはね…編集よ!邪悪な大人達の仕業なのよ!!うわああああああ!!!」
233 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 23:22:00.13 ID:StixxTBCO
ほ
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 23:28:16.15 ID:/jrtFVTeO
僕のネタで即作成ありがとう
保守
235 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 23:28:20.97 ID:K2i4WYfo0
Wild Bunch! 第二話、投下します。
薔薇乙女とSFとマカロニウエスタンと私生活というカオスです。
今回はSFもマカロニもありませんが。
2.金糸雀の長い一日
草笛みつと金糸雀を、依頼のあった町に引き渡す。
ありきたりな礼の文句と、少なくない報酬を受け取っている最中、突然ドアが開いた。
見ると…思いつめた顔をした金糸雀が立っていた。
金糸雀はそのままツカツカと水銀燈に歩み寄ると…
「カナを…一緒に連れて行って欲しいかしら!」
突然、頭を下げた。
「カナは…みっちゃんを…町を守れるくらいに強くなりたいかしら!
だから…お願いします!かしら…」
「ごめんなさいねぇ。足手まといは連れて行けないのよぉ」
水銀燈は目もあわせず、答える。
「カナはこう見えても…こんな時代でも…銃器や火薬を作れる『技術屋』かしら…!
ちょっと来て欲しいかしら!」
―※―※―※―※―
水銀燈が金糸雀に連れて来られてのは、町外れの廃墟の前だった。
おもむろに金糸雀は懐をまさぐり…
見たことも無い形のサブマシンガンを取り出した。
そして、廃墟の壁目掛けて引き金を引く。
小気味よい発射音がして…
反動で金糸雀が尻餅をつく。
銃でぶつけた額をさすりながら、金糸雀が言う。
「これは、カナが一人で、ジャンクパーツから作ったものかしら…もちろん、火薬もお手製かしら。
カナは戦うのは得意じゃあないけど…必ずお役に立てるかしら!」
金糸雀からマシンガンを渡され、水銀燈も壁を撃ってみる。
…
思ったより反動も少ない。
集弾性も良い。
何より…
今となっては高級品の銃や弾丸を自前で作れる上、機械の修理までしてこなす。
そんな『技術屋』の存在は、チームにとって魅力だ。
ふと、銃の横の刻印に目を落とす。
『Made in May(5月製造)』と彫ってある。
(メイドインメイねぇ…。さしずめ、メイメイねぇ)
水銀燈は金糸雀の方に向き直る。
「なかなか気に入ったわぁ…。家族にお別れは済んでるぅ?」
ニヤリと言う。
「家族は居ないかしら!でも…みっちゃんに…」
金糸雀がそう答える。
「…出発は明日の早朝。少しでも遅れたら置いて行くわよぉ?」
水銀燈がそう言うと、金糸雀は顔をパッと明るくして町の方に駆け出した。
水銀燈は金糸雀の姿が見えなくなると…
勝手にメイメイと名付けたマシンガンを片手に、煙草を取り出した。
―※―※―※―※―
翌朝…
「みっちゃーん!カナは必ず強くなって帰ってくるかしら〜!」
(何故か)片方の頬を真っ赤にした金糸雀が振り返り、町に手を振る。
その瞳にはうっすら涙が溜まっていたが、荒野に吹く風がそれを吹き飛ばす。
金糸雀は目に僅かに残る涙を袖で拭き、隣で煙草を咥えている水銀燈に聞く。
「これから…どこに行くのかしら?」
水銀燈はチラッと馬車に引かせた荷台を見て、言う。
「そぉねぇ。お仲間も増えて、久々の羽振りの良い仕事でいっぱい買い物もしっちゃったし…
お家にでも帰るとするわぁ」
「『アジト』ってやつかしら!?」
金糸雀が楽しそうに叫ぶ。
「嫌ぁねぇ…。ならず者じゃあないんだから、ちゃんと『お家』って言ってよぉ」
荒野に名を轟かせたならず者一味のリーダーは、そう答えた。
―※―※―※―※―
馬で数時間。
小さな町の外れにある、建物。
前時代の戦争で、一部が溶けた、コンクリート製の縦に長い住居。
そこは前時代の言う、マンション。
それも、結構小さめの。
随分とボロボロになっていたが、使えそうな部屋が多かったので、根城として使用している訳だ。
馬を停め、蒼星石が手際よく馬から荷車を外す。
翠星石と薔薇水晶が、両手一杯に荷物を持ち、荷台から出てきた。
「いやー、沢山買い物して疲れたですぅ〜」
「えへへ… いっぱい買っちゃった…」
楽しそうに言いながら、さっさと部屋の方に歩いて行った。
水銀燈も荷台でゴソゴソした後、両手に荷物をかかえながら言う。
「金糸雀、ついてきなさぁい…案内してあげるわぁ…」
そこまで言い、自分の荷物を見る。
「…蒼星石が…」
そう付け足すと、先程の二人と同じようにさっさと歩いていった。
蒼星石は、少しため息をつき、
「金糸雀、ついて来て。案内してあげるよ」
と言った。
―※―※―※―※―
「ええっと…ここが君の部屋になる…のかな」
一つの部屋の前で、蒼星石が言った。
ドアを開けると…
そこはどう見ても、廃材置き場だった。
「その…片付ければ、結構住みやすいと思うよ…?」
フォローを入れる蒼星石を尻目に、金糸雀が部屋に駆け込んだ。
「みっちゃんの部屋と比べれば、綺麗なものかしら!
それにこのジャンクパーツの山…カナにとってはお宝の山かしら〜」
そう言い、早速、廃材の山にダイブする。
「全部頂いちゃって、本当にいいのかしら〜!」
金糸雀がジャンクパーツの山から、ひょっこり首だけを出す。
「はは…は…」
蒼星石は苦笑いしか返せなかった。
―※―※―※―※―
「ここは…僕の双子の姉の、翠星石の部屋だよ」
そう言い、蒼星石がドアを開ける。
中から、病院のような、独特の消毒液の匂いが広がる。
どう見ても診察室にしか見えない部屋で、翠星石がテキパキと、棚に買って来た薬をしまっていた。
そして、蒼星石の顔を見るなり、すごい速度で駆け寄ってきた。
「どどどどーしたですか!蒼星石!指でも怪我したですか!?」
「いや、金糸雀を案内してる所だよ」
その一言で初めて気が付いたらしく、翠星石は金糸雀に視線を移す。
そして…
「チビカナ…てめぇが怪我した時は、ツバ塗って自分で治しやがれですぅ」
ニヤリと笑う。
「は…はは…」
蒼星石は、また苦笑いをしていた。
―※―※―※―※―
「ここが僕達のリーダー、水銀燈の部屋…」
そう言い、蒼星石はノックして扉を開ける。
中には、この時代では超がつく高級品であるオーディオ機器が並び…
地震かと思う程の爆音が響き渡っている。
スピーカーなんて爆発しそうな勢いで跳ねている。
部屋の壁は壁で…
一面に銃火器が飾られ、家具は黒一色で統一されてる。
部屋の中央に、巨大な革張りのソファーが置かれており、そこにドカっと水銀燈が座っていた。
部屋の至る所にハリネズミが…いや、違う。
ハリネズミに見えたのは、吸殻がぎっしり刺さった灰皿だった。
「…とても…その…刺激的なお部屋かしら…」
金糸雀が辛うじてそう呟く。
「…うん。…僕もそう思う…」
天井を見ながら、水銀燈がプカーっと煙を吐く。
そして、「文句があるなら出て行け」と言うかのように、手をヒラヒラさせる。
「…根は、優しい人なんだよ…?」
そう言いながら、蒼星石がドアを閉めた。
金糸雀は、何も答えなかった。
―※―※―※―※―
「…気を取り直して…。
その隣が、薔薇水晶。チームの狙撃手の部屋さ」
そう言い、蒼星石がドアをノックする。
…
反応が無い。
蒼星石はため息をつき、ドアを開けた。
部屋一面に人形が置いてある。
くたびれた、可愛いのか可愛くないのか、そんなデザインの人形。
ここだけ、やけにメルヘンだ。
そして…
部屋の主、薔薇水晶は、水銀燈の部屋がある方の壁にピッタリと耳を当てていた。
「ハァハァ…銀ちゃん…」
蒼星石と金糸雀は、生暖かい視線を送るも、薔薇水晶は気が付かない。
一人で壁に密着しながら、悦にひたっている。
「…」
「…」
「ぁぁ…銀ちゃん…ハァハァ…」
二人で無言でドアを閉めた。
閉まったドアの前で、蒼星石が呟く。
「本当は…とても頼りになる子なんだよ…」
「だ…大丈夫! 大丈夫かしら!」
何が大丈夫なのかは分からないが、金糸雀にはそう答えるしかなかった。
―※―※―※―※―
「そしてここは…」
蒼星石がドアを開ける。
コンクリートの打ちっぱなしに、ベッドと机があるだけ。
机の上にも、照明とノートが何冊も置いてあるだけ。
これまでの部屋と違い、生活感が一切感じられない部屋だった。
そのせいだろうか…部屋はどことなく薄暗い。
「ここは…独房かしら…?」
金糸雀が思ったまま呟く。
金糸雀の肩に、背後からそっと蒼星石の手が置かれる。
「ここは…僕の部屋だよ…」
肩に置かれた手に、ミシミシと力がこもる。
金糸雀は…
怖くて振り向けなかった。
背後では…
蒼星石の赤い方の目だけが、ギラリと光っていた…
―※―※―※―※―
「…と、これで全員かな。
まあ小さいながらも、ちょっとは名の知れたチームだよ。
何か分からない事はある?」
蒼星石が、ニッコリと金糸雀に尋ねる。
「ハッ!ハヒィ!?だ…大丈夫かしら!!」
金糸雀は挙動不審に答える。
「掃除や料理は当番制で、後は好きにしてくれてかまわないよ。
何か分からない事があったら、何でも僕に聞きに来てね」
そこまで笑顔で言い、少し視線をギラつかせる。
「僕は…あの独房にいるから…ね…」
「ヒィ!?」
金糸雀がガタガタと震える。
蒼星石は、フッと真顔に戻り、そっと付け足す。
「そうそう、料理といえば…水銀燈の料理には気を付けた方がいい…。時々彼女は…」
その時、自室からヒョイっと水銀燈が廊下に顔を出した。
「蒼星石ぃ。新しい子が入ったんだし、久しぶりに私がご飯つくってあげようかと思うんだけどぉ?」
蒼星石は綺麗な笑顔を貼り付けて答える。
「そうだね…。どうしても、と言うなら、止めないけど…」
蒼星石の含みを持った言い方に気が付かないのか、
「よ〜し、張り切っちゃうわよぉ〜」
と言いながら水銀燈は部屋に引っ込んだ。
―※―※―※―※―
割り振られた自分の部屋の前で、金糸雀は少しうつむいていた。
(うぅ…変な人ばっかりかしら…可哀想なカナ…これから大丈夫かしら…)
そして、ドアを開ける。
そこには、廃材やらジャンクパーツやらが山積みにされている。
途端に金糸雀の目が輝く。
「お宝の山かしら〜!!」
普通の人間が見れば、ただのゴミ山に、楽しそうに金糸雀は飛び込んだ。
―after story―
ジャンクの山から照明を作り上げ、その下でさらに何かを作っていると、ノックが聞こえた。
「金糸雀ぁ。ご飯ができたから、一緒に食べましょうよぉ〜」
やけにご機嫌の水銀燈の声が聞こえる。
「今行くかしら〜!」
そう答えて、造りかけの装置を床に置いた。
水銀燈に案内され、食堂としている部屋に行く。
そこには…
まるで故人を悼むような表情の薔薇水晶。
虚ろな瞳でテーブルを見つめる翠星石。
何かに耐えるように膝の上で拳を震わせる蒼星石が居た。
(??)
訳が分からないながらも、金糸雀もテーブルにつく。
そして…奥から水銀燈が、楽しそうに鍋を持って登場した。
(何かしら…?)
そう思い、鍋を覗き込んだ金糸雀の表情が『ピシッ』と音を立てて石化する。
鍋の中には…肉や野菜。そして…
煮えたぎるヤクルトが入っていた。
天使のような笑顔の水銀燈が、悪魔の所業としか思われない鍋をテーブルに置く。
…ここからが本当の地獄だ……。
以上です!
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/18(金) 23:54:04.32 ID:K2i4WYfo0
ho
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 00:03:37.64 ID:O3e91FbuO
>>247 くっ…それでも俺は喰う!銀ちゃんが好きだから!!
カナ可愛いなカナ。
251 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 00:14:28.50 ID:k5tCv8O7O
ボケ〜とまとめを読んでたらイイネタ思い付いた
久々にビビッてきたなぁ
けど眠いからwwww期待させ保守
252 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 00:17:02.08 ID:xveQQLcG0
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 00:20:16.85 ID:uDZbW2KGO
>>247 冷えて固まった酢飯で作ったチャーハンを完食した俺に怖いものなどない!
加えて銀ちゃんの手料理なら尚更!
正露丸飲んどこ…
254 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 00:35:14.48 ID:O3e91FbuO
>>251 これは…芸人が『今から面白い事します』って言うようなハイレベルな宣言…一体何を仕込んでいるのやら…ざわ…ざわ…
まとめのその他から、ひとつ屋根とリネが消えてるんだが
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 00:50:10.37 ID:O3e91FbuO
>>255 未完に移ってるぞ。
長編に戻すかはリンクが出来てから話し合えばよしです。
257 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 01:10:24.91 ID:diG0hUGeP
ほ
数スレ頂きます。
《薔薇国志》 第一章 第三節 ―少女は少年を招き、少年は少女の為に歩みだす―
《薔薇国志》 第一章 第三節 ―少女は少年を招き、少年は少女の為に歩みだす―
○雲南 政庁
広く、静かな空間。
其処に導かれた少年は、導いてきた少女と共に立っていた。
広く、静かで――二人きりの場所。
人々のざわめきも、小鳥達の囀りも、風の唱い声も――聞こえない。
ただ、鼓膜に入るのは少年と少女から生じる音だけ。
少女は少年の前に軽やかな動きで振り向き――笑みを浮かべる。
「此処が、私と貴方の、始まりの場所」
夜空に輝く三日月の様に、美しい微笑み。
「此処から、私達の全てが始まるの」
瞳に紅い焔を宿した少女―真紅は、詠う様に告げる。
少女に応える様に、少年―ジュンは彼女を見つめ、呟く。
「………………騙された」
それはもう、深い暗い重い怨嗟の声で。
>>259 ○雲南 往来
其処に至る数刻前。
――市場のどやどやとした喧噪が聞こえなくなるまで。
少女―真紅は少年―ジュンの手を引き、ジュンは真紅に遅れまいと駆けた。
幾ばくかの距離を稼いだ頃、ジュンは内心で己の体力不足を嘆く。
走っている速さも距離も同じだと言うのに、自分は息切れを起こし、真紅は呼吸一つ乱していないから。
(ちょっとは運動しないとな………)
小さな決意を胸に秘め、走り続けた。
「――此処くらいまで来れば、問題ないでしょう」
市場から外れ、目的地である政庁が視認できる所まで来て、漸く二人は足を止めた。
その場所―市場と政庁を繋ぐ十字路―は、真紅のお気に入りの一つである。
西を見れば、遥か西方に続く道が胸をときめかせ。
東を見れば、豊かな森が視界を潤し。
南を見れば、人々の賑わう様を見分でき。
北を見れば、己の成すべき事を認識させてくれる――。
今は昼過ぎと言う事もあり少しのざわめきが耳に入るが、仕事始めの朝方には聖域然とした静けさを
味あわせてくれる。
――すぅと小さく息を吸い込み、ほんの少し乱れていた呼吸を元に戻す。
「ふぅ………今の距離程度で呼吸が乱れるなんて、我ながら鍛錬不足なのだわ」
「嫌味か、それは………」
ちらりと真紅が横を見てみれば。
中腰の姿勢で片膝に左手を乗せ、ぜぇはぁと喘いでいる軍士殿。
真紅は、少し考えてから彼に言葉を返した。
>>260 「ただの自戒だったのだけれど。――それに、貴方に体力は望んでいないわ」
「はぁ、はぁ………求められても、困るね。僕は、軍士として契約したんだから、な………」
此方を見もしないで、ジュンは言い返してくる。
彼の言っている事はもっともだし、真紅とて、それに異論はない。
だけれども――。
「――そうね。
でも………女の子より先に息をあげちゃうのは、少し恥ずかしいと思わない?」
「………………ふん。………今に見てろ」
予想通りの返答に、少年が此方を見ていない事を承知で、微笑を送る。
真紅は、出会いの初めより、彼が己よりも頭が回ると踏んでいた。
普通、そういう者の思考は読めないのだが。
何故だか、彼に限っては手に取る様に理解できた。
(相性がいい………んでしょうね、多分)
そう思う事に、言葉にできない嬉しさと気恥しさを感じ。
わざと、突き放す様に、彼に告げる。
「――手、離して欲しいのだけれど?」
自分から握っていたのだが、今はもう、その必要性はない。
「――!? あ、えと、………ごめん」
握り続けていたのは、彼にとっても無意識の事だったのであろう。
意外な程、素直に手を離し、謝罪してくる。
少しだけ残念だと思っている自分に驚きを感じつつ、それを相手に意識させない為に、
真紅はジュンは質問を投げかけた。
「ねぇ、そう言えば――落ち着いてる様だから、進みながら話しましょう―、
さっきの彼ではないけれど、よく『私は太守』って言葉、信じたわね?」
真紅に取って、ジュンの考え方は想像しやすい。
彼は、思慮深く、知恵もある。
>>261 そんな人間が、急に話しかけてきた『小娘』の言葉を何故、やすやすと聞きいれたのだろう。
「ふん………別に、不思議な事じゃないからさ。
海賊が武将に、肉屋が大将軍になる時代だし。
その内、草履売りが王にまで昇るかもな」
呼吸を整え歩調を合わす彼は、ぶっきらぼうに理由を明かす。
真紅は、ジュンの返答に「そ」と小さく了解の意を示し――その実、頭の中では別の事に思考を飛ばす。
奇しくも、その内容は先程、己が少年に推測されていた事と似ていた。
(――海賊が………って言うのはわからないけれど。
肉屋は何進将軍の事ね――中央の民ならともかく、生活圏が此処だけならそんな事は知らない筈。
………と言う事は、彼も元は中央付近に住んでいた………?)
直接聞けばそれだけの話なのだが、彼女はそうしなかった。
己と少年の関係がそれほど密接でない今、問いかけても返ってくる内容は実のないものであろう。
はぐらかされる位ならば、推測だけしておく方が良い。
真紅の思考は続く。
(――ジュンも、聞いてこないし)
今の時代、様々な要因で、人々は移住せざるを得なくなっている。
真紅自身がそうであったし、己と同じ境遇の人々を幾人も見てきた。
戦火から逃れる為に、一念発揮し旗揚げをする為に、身を隠す為に。
理由は人それぞれだが、中には聞かれたくない、言いたくない理由もあるだろう。
だから、真紅は彼の生い立ちを深く追求しない事にする。
それに――と、自分なりの結論をはじき出し、一連の思考を脇に置いた。
(――あれこれと考えるのは、嫌いじゃないし)
>>262 ○雲南 政庁前
目前に政庁が見える所まで進んで。
ジュンは、とある一つの点について、感心していた。
(政庁って割には整えられてるな、此処)
建築物としては、建てられてから既に幾年も経っている様で、所々にひびや雨に打たれた陰りが見える。
だけれども、真新しい靴跡や固まった泥、木の葉等は重箱の隅程度にしか見受けられなかった。
本来、一つの都市を取り仕切る政庁とはそうあるべきなのだが、多くの人が出入りする事もあって、
なかなか行きとどいた清掃と言うものは難しい。
また、人とは集まると緩みが生じやすい。
自分一人ならば率せても、自分を含む集団となれば話は別物になってくる。
そういう傾向を考えると、己れの前を歩く少女の統率力は高いと――(判断しないとな)。
「――どうかした?」
背に視線を感じたのだろう、真紅はちらりと視線をジュンに向け、短く聞いてくる。
不意を突かれたジュンは―彼の悪い癖だが―しどろもどろになりながら、一応の返答を返した。
「あ、いや、その………綺麗だなって」
少年は、冷静な状態であったならば、称賛の言葉をねじ曲げて伝える。
だが、咄嗟の出来事や質問に対しては、素のままの言葉が出てしまうのだった。
「ふぅん――………背中ばっかり見ていると思ったら、そんな事考えてたの?」
視線をジュンから外し、政庁に向けながら、さらっと言う真紅。
余りにも自然な口調だったので、ジュンはその意味を掴むまでに数秒かかってしまい。
そして、また――しどろどろどろもどろどろ。
「ち、違っ!?―ぁ、いや、確かに綺麗だけど、や、そうじゃなくて、つまり――!?」
否定と公定、その後すぐに否定。
会話として成り立たない言葉を口にするジュンを背中で感じ、真紅はくすくすと笑む。
そして、振り向き、言う――先程と同じ様な動作。
>>263 「そ。――どちらにしても、ありがと」
――少し違うのは、悪戯好きの子猫の様な微笑みが浮かんでいる事。
真紅の言葉には反論すべき余地があったのだが、恐らくはそれも彼女の思惑の中。
であるからして、賢明な少年は、少女の愛らしい呪縛から逃れる為に顔を背け、
いつもの彼に戻る為に、「ふん」と小さく鼻を鳴らすのみだった。
○雲南 政庁
――その建物の中は、外と同じ様に整然と整えられていた。
政庁とは公務をこなす場であり、ざっくばらんに言ってしまえば、役人達の仕事場である。
だから、其処にあるものは公務に必要なものがあれば十分。
なのだが、やはり一番立場の上の者―太守の好みによって、様々な色を移しがちであった。
無駄に豪華であったり、散らかっていたり、騒がしかったり。
えてして負の要素ばかりが目につくのだが、今、この場ではそれらは影を潜めていた。
そういった整然とされていない煌びやかさを苦手とするジュンにとって、好ましい場所と言える。
(働く環境としては、及第点だな。
………………うん、悪い場所ではないけれど――)。
それにしても――と政庁内をずんずんと歩く真紅について行きながら。
ジュンは少し怪訝な顔つきになる。
塵一つ落ちていない廊下、花瓶さえ置かれていない窓際、ざわめきさえ聞こえない空間。
(――なさすぎないか?………何もかも)
神経質なまでに清掃に気をつけていても、少し位の塵は出る筈である。
幾ら質素を信条としていても、心を潤す為に花位は必要な筈である。
どれだけ熱心に仕事をしていても、小声位は漏れる筈である。
>>264 そう――人がいれば。
(いや、………まさかな。――まさか………)
少年の頭の中で、何度も幾度も現れる「まさか」の思惑。
それは、真紅が政庁の一番奥の間―所謂、太守の間―へと続く扉を開いた時にも繰り返し脳内を駆け巡る。
扉の先には、此方にしかよれていない朱塗りの絨毯と小柄な太守殿が収まるには少し大きな椅子がどんと
置かれていた――のみであった。
とことこと歩き、異常に綺麗な絨毯を進む真紅。
よれよれと歩き、真紅の後を追うジュン。
真紅は、真っ直ぐに椅子へと延びる絨毯の真ん中でくるりと振り向き、一拍を置いて、彼女の契約者に、言う。
「此処が、私と貴方の、始まりの場所。
――此処から、私達の全てが始まるの」
「………………騙された」
半眼で凝視してくるジュンに、真紅は「何の事?」と小首を傾げた。
悪意の欠片もない彼女に、彼は米神をひくひくとひくつかせる。
「お・ま・え・なぁぁぁぁ!
何が『軍士がいないの』だ!
軍士どころか何もかもないじゃないか!」
「あら、お言葉ね。
間違ってはいないでしょ?」
「十分じゃない!――『軍士もいないの』が正しい言い方だ!
って、そういう言葉遊びがしたいんじゃない!
僕が言いたいのは――!」
>>265 顔が簡略化できそうな程、騒ぎ立てるジュン。
しかし、言葉自体は乱暴だが、確かに彼の言っている事は間違いではない。
彼には怒る権利があると言えるだろう。
其れを受ける真紅は――冷ややかな対応から一転して、真剣な表情となる。
それは、ジュンの言葉も思考も絡めとる、彼に対する『鬼札』。
「そうね、文官も武官も、此処には私と貴方を除いてはいないわ。
だけど――。
ここには、地を耕してくれる人も、街を賑やかにしてくれる人も、暮らしを豊かにしてくれる人もいるわ。
それに、ここを守ってくれる人も」
ちょっと落ち着きがないけれど――と、微苦笑を浮かべる。
此処とは、今、彼女と彼がいる政庁。
こことは、今、彼女と彼がいる雲南(まち)。
――彼女本人は自覚していない事が又、『鬼札』たる所以。
「………………ふん」
――真紅の眩しい微笑みを向けられ。
ジュンは、くるりと背を向け、短く「戻る」と告げた。
その言葉の意味を理解しながらも、少女は質問する。
「――帰るの?」
真紅の声が、少年の耳にどう伝わったのか。
彼は、とことこと歩きながら、ぶっきらぼうに応える。
「『此処』の人を増やす………って言っても、一人だけだけど。
武力は―僕もだけどさ―ないけど、内政なら得意だと思うのが一人いるんだよ――姉ちゃんだけどさ」
>>266 「――そ」
真紅の何時も通りとなった短い言葉に、ジュンは苦笑し。
彼の余り大きくない地声が、彼女に届くかどうかぎりぎりの所で、捨て台詞を吐く。
「僕は『戻る』って言ったんだ。
『帰る』なんて言っちゃいない。
情けない声を出すなよ、お前が大将なんだからさ――太守殿」
伝え終えた所で、ジュンは太守の間から足を踏み出す。
彼女の『契約者』となって、初めての仕事をこなす為に――初めて、彼女の為に一歩を踏み出す為に。
―――――――――――――《薔薇国志》 第一章 第三節 了
>>267 《薔薇国志》 第一章之間乃三
ラ「トリビアァルっっっ!―今回は命の危機がなくて安心、だけどちょっぴり残念なの☆
裸夫羅素ですぞ」
ジ「変態兎と二人だけなのが、心底嫌だ………」
ラ「まぁまぁ、取って食おうと言う訳ではないですし。どちらかと言うと、私は食われる方ですし」
ジ「聞いてない。―えーと、前回に続いて、能力値の公開で良いんだよな?」
ラ「ですぞ」
ジ「変な合頷だなぁ………。
とりあえず、統率:75 武力:52 知力:85 政治:80 魅力:65 って所だな」
ラ「ふぅむ………」
ジ「………なんだよ?」
ラ「いえ、けして低い訳でもなく、かと言って高すぎると言う事もなく。
ぶっちゃけ、いじりがいのないステータスですなぁ」
ジ「うるさい。―大体、是でも知力は呉の孫権より高いんだぞ?」
ラ「彼の方は軍士ではない筈ですが」
ジ「ぐ。あぁ言えばこう言う………」
ラ「加えて言うならば、他のステータスは全て負けているではないですか。大幅に」
ジ「………そもそも、一国の皇帝と比べるのが間違ってるんだ、うん」
ラ「一国の軍士にも大幅に知力で負けていますなぁ。
具体的に言うと孔明殿や司馬懿殿、陸遜殿に」
ジ「建国の右腕と比べるなぁ!」
ラ「はっはっは」
ジ「くそ、もう言う事はないからな、帰るぞ」
ラ「おやおや、行ってしまわれましたか。
――ま、彼の場合、一応覚醒イベントが在るようですが………はてさて」
投下終了。
一節から三節まで割と長いだろ?
これでも
−メモ
最初:新君主:真紅、配属武将:ジュン・のり―
――までしか進んでないんだぜ?
終わんのか、これorz
270 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 01:45:07.83 ID:O3e91FbuO
大長編フラ(ry
完成した瞬間の達成感は筆舌に尽くしがたいものがありそうだw
271 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 02:32:33.06 ID:O3e91FbuO
ほ
272 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 03:13:39.78 ID:kaUSPXlc0
ho
273 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 03:57:41.07 ID:diG0hUGeP
ほ
274 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 04:20:02.85 ID:rSVhWh2/O
パソコン物個割れた保守
275 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 05:01:11.42 ID:diG0hUGeP
wow
276 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 06:12:02.31 ID:v3EqNS7+O
しゅほ
277 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 07:18:08.92 ID:v3EqNS7+O
ゅしほ
278 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 08:06:21.49 ID:v3EqNS7+O
さぁ戦場に赴くとするか保守
279 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 09:45:24.04 ID:O3e91FbuO
あさほ
ジュンと雛苺が入れ替わってしまったようです。
J「トモエったら危ないのよ、抱っこされてる時の顔が危険だったの…」
巴「そ、そんな……私は何も……」
雛「ひーなーいーちーごー!」
J「あ、ヒナ…じゃなくてジュンなの」
雛「元に戻るまでうろちょろするなっていっただろ!?
その姿でなのなの言われると気持ち悪いんだよ!」
J「元に戻るって、またぶつかりっこするんでしょ?痛いからやーなの!」
雛「じゃあずっとこのままでいるのかよ!ほら、痛いのなんて一瞬だからこっちに来い!」
J「うわーん、トモエー!」
巴「桜田くん、やめて」
雛「!?どうして止めるんだよ、柏葉は僕たちが元に戻らなくてもいいのか!?」
巴「そういうわけじゃないけど……」
J「ト・モ・エ、抱っこしてあげるの〜」
巴「あ……もう、やだ、雛苺ったら……」
雛「柏葉!?顔が犯罪者だぞ!?っていうか…そいつは僕の姿をしてるけど僕じゃない、雛苺なんだからな!?」
巴「わかってるけど、これはこれでアリかな、とか……」
雛「柏葉……そんな……お前は、僕の体だけが目当てだったんだなー!」ダッ
巴「え、ちょ、ちょっと、どうでもいいけど雛苺の姿でそういうこと言うのは…!
っていうか桜田くんがそのセリフってどうなの!?」
281 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 10:21:21.79 ID:O3e91FbuO
●苺さん(1X)の証言
『やっぱり彼女は僕のカラダが目当てだったんです』
*音声はプライバシー保護の為変えてあります。
282 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 10:44:19.59 ID:v3EqNS7+O
休憩時間中の保守
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 10:47:25.15 ID:oLmCmBeF0
>>269 ジュンならもっと武力低くても良いんじゃないかなと思いました。18くらい?
真紅が皇帝となるか、皇帝の臣民として大陸を制するか、いずれにせよ
今後の激闘を期待しています。
保守
284 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 11:36:55.51 ID:O3e91FbuO
ほっ
ってコーヒーのCMあったよね保守
285 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 12:03:15.70 ID:1Keh96N70
ほ
286 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 12:31:14.79 ID:fJKC2Mu9O
お昼の携帯ほ
287 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 12:58:06.26 ID:daxVbAIZ0
暇だからw
ほ
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 13:04:20.54 ID:v3EqNS7+O
またまた休憩中に
ほ
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 13:42:25.07 ID:c9Q4VBmK0
保守
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 13:52:31.95 ID:diG0hUGeP
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 14:21:00.29 ID:CbKXciZ60
保守代わりに昨日の事を書いてみた
ジュン「―――落ちたか…」
銀「ん〜、ジュンどうしたのぉ〜」
銀様が後ろから抱きつきながらジュンに頬ずりをしている。
ジュン「保守してたんだけど、なんかいきなり板が消えたんだ」
銀「どうせ落ちたんでしょ〜」
ジュン「でも、5分後にもう落ちてるなんておかしいんだよ」
銀「じゃあ消されたんでしょ〜」
ジュン「そうかもな〜 というか水銀燈、肩重いんだけど」
銀「いいじゃない〜、私が楽しいんだからぁ」
ジュン「あ、また落ちた」
銀「ちょっとぉ、少しはかまってよぉ〜」
ジュン「じゃあ―――肩揉んで」
銀「何でよぉ〜」
ジュン「パソコン使ってると肩がこるんだよ」
銀「まあいいわぁ、じゃあ私もお願いしようかしらぁ」
ジュン「なんだよ」
銀「とりあえず散らばってる同人誌どうにかしなさぁ〜い」
ジュン「……おk (;´Д`)」
うん、別にここに投下しなくてもいいと思うんだ、済まない
292 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 15:06:35.40 ID:O3e91FbuO
ほ
293 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 15:58:11.03 ID:EwUv4KXq0
ほ
294 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 15:58:22.93 ID:KkO/7XEkO
し
295 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 16:33:48.17 ID:diG0hUGeP
>>291 PIEメンテやってたからその影響じゃない?
っと保守
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 16:59:42.39 ID:daxVbAIZ0
297 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 17:15:00.32 ID:/KGZmpk0O
ほ
298 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 17:46:02.89 ID:KkO/7XEkO
ふ
299 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 18:09:59.35 ID:diG0hUGeP
ほ
300 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 18:37:25.71 ID:I3as5kHA0
ほ
301 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 18:38:44.48 ID:w2+E8CGM0
やあやあマンガはあるかい?
302 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 18:57:32.62 ID:v3EqNS7+O
たった今センター終わったよ
《とある電車での出来事》
>>224の続き、投下致します。
303 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 18:57:52.00 ID:v3EqNS7+O
ガタン、ゴトン。
「――何ですか、そんなにうちの妹が気に入ったんですか?」
「…あ、いや、そう言う訳では無いのだか。――や、勿論可愛らしい方だよ。でも、そうでは無くてな。
似ているのだ。僕の知っている人に」
「へえ、似ているんですか。…どんな人――いや、良いです、やっぱり」
「ふふ、そう言われてもな。君は話したのに、僕は話さないというのは、何とも虫が良すぎるじゃあないか。
――それに、僕もたまには『掃除』しようかと思ってな。君の様に、僕にだって一応『箪笥』に仕舞ってある想い出はあるのだ。…構わないか?」
「…し、しゃーねぇですね。確かに私ばかり話しておめぇが話さんというのも、割に合わんです。だから、特別に聞いてやらんことも無いですよ」
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 18:58:41.50 ID:v3EqNS7+O
「はは、そうか。…
――幼馴染みの女性でな。小さい頃は身体が弱く、よく苛められていた僕をよく助けてくれたものだった。芯の通った、強い女性だった。
何時からか、恋仲になった。お互いに恥じらいつつの交際だったのだが、しあわせだったよ。丁度その頃だったか、当時の僕等学生を戦場に出陣させるようになったのは。例外無く、僕の下にも通達が来た。
家族は猛反対だった。元々戦争嫌いな性質で、戦時中は仕方無く『善き国民』になっていたのだが、流石に其の時ばかりは反対していたよ。
勿論、彼女も反対だった。泣いて僕を引き留めようとした。しかし、そうしたところで何かが変わるわけでもなく、出発の日はやって来た」
「…………」
「僕は彼女に、心配するな、必ず戻ってくる、と言った。そして、帰った暁には、籍を入れよう、と約束した。…彼女は、ほんの微かに首を縦に動かしただけだった。
――僕は必死だった。死なないように、彼女にまた逢うために。そして漸く、帰還の招集がかかった。
305 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 18:59:29.36 ID:v3EqNS7+O
――彼女は、疎開していた。僕は知り合いの下を訪ね歩き、彼女の行方を追った。そうして、必死に彼女を捜した僕の下に届いたのは――彼女の死亡通知書だった。
不思議と、泣かなかった。――泣くことが出来なかった。涙が枯れていたのかは解らない。戦場の瘴気にやられたのかもしれない。だが、…………泣けなかった………泣く事すらしてやれないのかと、愚かな自分を怨んだ。
……どうしてあの時、泣いている彼女を見棄ててしまったのか!あの時――僕は、逃げていた。泣いている彼女から、逃げていたのだ…
帰って来られれば良い。また、逢えるのだから。――そんなもの、泡沫の夢に過ぎなかった。だが、僕は其の夢に甘んじてしまった……結果がこのざまだ」
「…………」
「……思えば、あの時に彼女は既に、気付いていたのかも知れないな…
――なのに、僕は、僕は!在りもしない泡沫の夢に縋り付いて、在りもしない泡沫の夢を見続け、夢から醒めたら……現のものをを亡くしていた。
…全く、僕はとんでもない阿呆だ」
「……………
――あ、あの、大丈夫ですか?泣いているですよ?――えっと、これ、使うです」
「これは…君も、持っていたのか」
「さっきはおめぇが先に渡してきたですから…」
「そうか、有難う…――それにしても、今頃になって涙を零して仕舞うとはな。しかも女性の前で。…何とも情けない話だ」
「そんな事、ねぇですよ……
別に、泣くことは悪いことじゃないです。泣いて、泣いて、その胸の痛みを感じる。とても大切な事ですよ」
306 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 19:02:42.01 ID:v3EqNS7+O
「ああ、そうかもな…
――済まなかった。しがない男の、しがない話なんか聞いてくれて」
「な…何言ってるですか!自分の大切な人なんじゃ無いんですか!?そんな言い方するなですぅ!その人が…っく…余りにも可哀想ですよぉ…」
「あ、いや、その……済まん!まさか君を泣かせてしまうとは…」
「…私の事は良いのです。彼女に、謝るです」
「しかし…どうやって」
「んもう、それ位手前で考えやがれです!彼女に届くように、しっかりと謝れば良いのです」
「そうか。…では……――」
307 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 19:07:04.67 ID:v3EqNS7+O
ガタン、ゴトン。
「――………」
「…しっかり、謝ったですか?」
「ああ。――だが、赦して貰えるだろうか?」
「さあ、どうですかねぇ?自分の事を嫌な風に言われて、怒らない女の子はいないですからねぇ…イーッヒッヒッヒッ……」
308 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 19:07:44.06 ID:v3EqNS7+O
「う…それは参ったなあ」
「ふふ。冗談ですよ。まぁた、引っ掛かったですね」
「くっ…抜かった…相も変わらず、学習しないな、僕は」
「ふふ、全く以て進歩が無い奴ですぅ。
――でも、きっと、赦してくれるですよ。ぜったい」
「そうか…――有難うな」
「そ、そんな…お、おめぇにお礼を言われる程、私は落ちぶれてなどおらんのですぅ!自惚れるなです!」
「今のはどうやら、冗談のようだな。
今、僕は君の冗談を看破する方法を見つけ出したよ。君は冗談を言うときに、顔を赤くする。だからとても判りやすい」
「なななな……う、五月蝿い五月蝿いですぅ!!この馬鹿!チビ!ううぅ……」
309 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 19:10:18.07 ID:v3EqNS7+O
「また冗談か?もう騙されないぞ?」
「本気で怒ってるです!!」
「え…そ、そうなのか!?わ、悪かった。この通りだ」
「ぜえーったい、許してやらんです!」
「そ、そんな…――」
ガタン、ゴトン。
「――…なあ、まだ怒っているのか?」
310 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 19:15:46.83 ID:v3EqNS7+O
「…………」
「…………」
「…………もう、良いです。その代わり」
「その代わり?」
「な、何か食べさせろですぅ…」
「…………え?」
「…………」
「……くっ、くくっ、あははは!」
「も、もう…笑うなですよ…」
311 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 19:16:35.26 ID:v3EqNS7+O
「ははは…そうかそうか、確かに丁度お昼時の様だ。分かった。これ、僕の姉が作ってくれた弁当なんだが、見ての通り、大き過ぎるのだ。
もっと大きくなって欲しいと云う願いからなのだろうが、もういい年だ、身体が伸びる訳も無いだろうに。―勿論、そういう僕を気遣ってくれる気持ちは、嬉しい限りなのだが―まあ、そういった訳だから、一緒に食べよう」
「えっと…しゃーないですね。折角作ってくれた弁当が残されるのも勿体無いですし、私も食べてやるです」
「はは、そうか。――どれどれ、中々旨そうではないか。では、頂きます」
「頂きますですぅ」
「…………」
「…………」
「……これは……」
「えっと…」
「…率直に意見を述べて良いぞ。構わない」
312 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 19:17:56.56 ID:v3EqNS7+O
「不味いですぅ……私の方が百倍旨く作れるですよ…」
「ああ…これは酷いな…だが、残すのも勿体無い。頑張って全部平らげよう。手伝ってくれ」
「ええ!?私も手伝うんですかぁ!?」
「頼む!君しか頼りはいないんだ」
「そんな……ううぅ……――」
ガタン、ゴトン。
「――何とか、平らげたな。御馳走様」
「はあ……食べ疲れるなんて初めてですよ。御馳走様です」
313 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 19:18:38.78 ID:v3EqNS7+O
「はあ……何だか、口の中が落ち着かんなあ」
「――そうだ、私、実はお菓子を作ってきたですよ」
「本当か!?」
「はいですぅ。――これ、スコーン、って言うです。西洋菓子なんですが、これがまたお手軽に作れるんですよ」
「――へぇ、スコーンか…何だか堅いな」
「外側はちと固いですが、中は柔らかいです。外はサクサク、中はふんわり、ですぅ」
「ははは。それは良い謳い文句だ。――食べてみて、良いだろうか」
「ま、腹は一杯にして貰ったですからね。特別に許可するですよ。たーんと召し上がれです」
314 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 19:19:11.06 ID:v3EqNS7+O
「――ん、これは旨い。確かに外はサクサク、中はふんわりだな。…美味しいよ」
「あ、そ、そうですか?まあ、私が作ったのですから、旨くて当然なのです。…あの、本当に美味しかったですか?」
「ああ、美味しかったよ。こんなに美味しい菓子は初めて食べた。――あの、もう一つ、宜しいだろうか?」
「ええ、良いですよ。特例中の特例で、もう一つ食べていいです」
「そうか、ありがとな。――何だか、嬉しそうだが?」
「そりゃあ、自分の作ったものを褒められて、嬉しくならん奴は居ないですからね」
「はは、確かにな。――機嫌、直った様だな。良かった」
「別に、始めから怒ってなど無かったですよ」
「…そうなのか?」
「そうなのですよ――」
315 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 19:20:32.69 ID:v3EqNS7+O
ガタン、ゴトン。
「――うん、とても美味しかった。有難う」
「どういたしましてです」
「――さて、と。そう言えば、先程、行く宛ても無くこの電車にふらりと乗った、と僕は言っただろう?
――どうやら、行く宛てが見つかったようだ」
「そうですか。それは良かったですね」
「そこで、だ。僕はもう次の駅で降りようと思う。そして、其の駅は、直ぐ近い。そろそろお別れだ」
「…そうですね」
316 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 19:21:05.59 ID:v3EqNS7+O
「思えば、数奇な巡り合わせだな。こんな辺鄙な町の、ちいさな列車の、端の方の此の席にこうして向かい合って座る。数学には詳しくは無いのだが、確率にしたら途方も無い程低い確率なのだろうな。
それでも、僕等は、出逢った」
「そうですね…――でも、私はやっぱりこうして出逢うのは、決まっていたのだと思うですよ。――だって、私達はお互い、似た者同士ですから」
「似た者同士、か。――確かに、そうかも知れんな。はは」
「――あ、そうだ。今更になるのですが、おめぇの名前、訊いていなかったです」
「ん?そう言えばそうだな。――だが、やはり、良いんじゃないか?名前など、その人をあらわす上では些細な物でしかない。だから、こうやって互いの名前を知らなくとも、楽しく話が出来る。今更、訊くのも野暮ってものだ。な?」
「――そうですね。そしたらば、私の名前を教える必要も無いですね」
「そうだな。――さて、そろそろ行くとするか」
317 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 19:21:42.36 ID:v3EqNS7+O
「あ、待ってです…未だ、駅にも着いてないじゃないですか。
――それに、ハンカチーフ、返してないですよ」
「ああ、それか。返さなくて構わないよ」
「――私のは…返して欲しいです…」
「あ、そうだったか?いやはや、済まない。では、返すよ」
「あ、いや…やっぱり、持っとけですぅ…」
「ん?そうか?おかしな奴だな」
「…………」
「――どうした?ハンカチーフばかりじっと見て」
「や、何でも――ん?
――あの、おめぇは、確か呉服屋を営んでるって、言ったですよね?」
「ああ。確かにそう言ったが。どうかしたか?」
318 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 19:22:18.69 ID:v3EqNS7+O
「ああ。確かにそう言ったが。どうかしたか?」
「別にぃ、何でも無いですよ。――そうですか。
そう言えば、私もさっき、行く宛てが無いって、言ったですよね?
――私も、見つけたです、行き先」
「そうか。――それで、何処で降りるんだ?」
「…もう少し、先で降りなきゃいけないみたいです」
「そうか。さて、駅が近づいてきた様だ。今度こそ、お別れだ」
「あの――」
「――何だ?」
「――貴方に逢えて、良かったです」
「そうか。僕もだ」
「あの――」
「――何だ?」
319 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 19:23:04.04 ID:v3EqNS7+O
「…また、逢えるですよね?」
「――さあな、僕には分からぬ。まあ、もう逢うことは無いのかも知れない。僕等の出会いは、其の程度の運命であったのかも知れない。
だが、二度と逢えない、という保証もないのも、否定できない事実だ。
――そうだな。このハンカチーフに、懸けてみようではないか。此のハンカチーフには、僕等のたましいが、込められている。僕等は別れてもまだ、このハンカチーフという繋がりが―たましいの繋がりが―ある。この繋がりがある限り、望みは絶えない。
だから、もし逢うことがあって、君に返して貰うよう言われた時の為に、このハンカチーフは、洗って持っていよう。約束だ」
「――分かったです。綺麗に洗って、大切に仕舞っておくです、『箪笥』の中に。だから、おめぇも忘れるんじゃねぇですよ?」
「ああ。忘れないとも。絶対に、だ。――君に、幸あれ」
「――最後まで、とことん気障な野郎だったですね。
――じゃあ、さようならです、浮浪者さん」
「さようなら、浮浪者の御嬢さん――」
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ガタン、ゴトン。
《とある電車での出来事》
おしまい。
320 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 19:23:42.08 ID:v3EqNS7+O
終了です。
どうも、ありがとうございました。
321 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 19:32:40.53 ID:v3EqNS7+O
322 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 19:35:33.83 ID:j+zBBHiB0
323 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 19:37:11.71 ID:daxVbAIZ0
>>321 ありがとうでした。
しかし、いつかまた、この続きを是非m(__)m
324 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 19:44:24.36 ID:v3EqNS7+O
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 20:14:25.76 ID:O3e91FbuO
疲れたほ
326 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 20:39:29.32 ID:dkDaeMwPO
ほ
327 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 20:55:20.69 ID:uDZbW2KGO
>>324 お疲れ様。
出逢いの妙というか奇妙な感覚が感じれてとても良かった。
大変な時に投下ありがとう。
さあ明日に備えるんだ!
328 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 21:13:42.05 ID:rHfBkZapO
ほ
329 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 21:14:05.50 ID:+tFa0cWH0
後一時間で完走なわけですが
330 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 21:30:11.37 ID:O3e91FbuO
完走記録を順調に伸ばしてますな!
331 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 21:40:50.01 ID:+tFa0cWH0
そして最後まで気を抜かずに保守
332 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 21:41:56.44 ID:+tFa0cWH0
これが最後の書込だったら
次レスも完走
333 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 21:45:22.77 ID:v3EqNS7+O
英語が178取れてて嬉しい保守
334 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 21:46:03.42 ID:v3EqNS7+O
これが最後の書き込みじゃなくても
次レスも完走
335 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 21:52:37.34 ID:+tFa0cWH0
これが最後の書込だったら
読んでる受験生は全員合格
336 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/19(土) 21:55:46.69 ID:O3e91FbuO
つーか皆早いってwwあと一時間くらいあんじゃんwww
これが最後の書き込みなら朝ごはんがちょっと美味しくなる。
337 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
此が最後の書き込みなら
真紅は巨乳で俺の嫁