1 :
代理:
代理
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 04:28:39.65 ID:Eb5fjkHB0
レムリア
3 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 04:33:47.18 ID:bJpCTm1mO
4 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 04:34:36.63 ID:bJpCTm1mO
何度も、自分の目を疑った。
呆然と立ち尽くすドクオの前に、理解し難い光景が広がっていた。
あぁ、こうなるかもしれないと注意してたのに。
これじゃあ護衛の為にモララーさんを連れてきた意味が無いじゃないか。
心配していたショボンさんに、なんて伝えればいいだろう。
すまん、しぃ。
ドクオの頭にあったのは、迂闊であった自分の戒めや後悔。
そして、彼は天に向かって懺悔するのであった。
5 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 04:35:17.59 ID:bJpCTm1mO
('A`)は地図に無い島へ行くようです・第18話
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 04:36:16.19 ID:WFmyXBqi0
いってらっしゃいませ
7 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 04:36:51.95 ID:bJpCTm1mO
ツンの悲鳴が、城内の一室に響いた。
振りきった剣を、ジョルジュが無言で持ち上げる。
(#・∀・)「テメエェェエェ!!」
モララーが怒号を飛ばしながらジョルジュに突進する。
(;^ω^)「ジョルジュ団長!? いきなり何するんだお!?」
事の次第についてゆけないでいるブーンが困惑している。
そんな騒がしい周りの光景は、その瞳には映らなかった。
8 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 04:40:18.83 ID:bJpCTm1mO
ドクオは一点を凝視していた。
視線の先には、いつものように可愛いフリルの付いたメイド服を着たしぃが、ポツンと立っている。
しかし、その目が宙をさまよっている。
やがて膝がゆっくり折れると、彼女は重力に身を任せ、体を地に落とした。
彼女のか細い首輪から、真紅の雫を噴き散らしながら。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 04:40:47.15 ID:IKdV6HvTO
あれ?釣りだと思ったのに
10 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 04:41:50.32 ID:bJpCTm1mO
( A )「……」
ξ;゚听)ξ「……っ! ちょ、何ボーっとしてんのよ!?
早くしぃちゃんを助けるわよ!!」
倒れゆくしぃを黙して見届けていたドクオに、我に返ったツンが声をかける。
ξ;゚听)ξ「ブーン! この城の救護室どこ!?」
(;^ω^)「お……、確か1階の中央通路の行き当たりだお!!」
ツンが冷静になって、突然の不測事態に手際良く対処をする。
( -ξ;゚听)ξ「よいしょっと……。
ブーン、道案内して!!」
ツンがしぃの小さな体を背負いこんだ。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 04:42:18.18 ID:IKdV6HvTO
支援
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 04:43:17.47 ID:8NhoeaS5O
エスパークスみたいな構図だな
13 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 04:43:32.81 ID:bJpCTm1mO
(#・∀・)「喰らえオラァ!」
モララーの右ストレートを、ジョルジュが余裕の表情でかわす。
_
( ゚∀゚)「……よっと」
攻撃が空振り、背中を見せたモララーに向かってジョルジュが大剣を振り下ろす。
(#・∀・)「甘ぇ!!」
ジョルジュの動きに反応したモララーが、半身になって後方を左足で蹴り上げる。
蹴り上げた足の裏を垂直に振り下ろされた剣の側面に当て、力を入れて剣の軌道を変える。
_
( ゚∀゚)「……!」
モララーの側の床に大剣が着地し、地面を揺るがす轟音が鳴る。
左足を振り抜き、返す身で振り上げたモララーの右足がジョルジュの頭部に迫っていた。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 04:46:48.87 ID:C64LXrp2O
支援
15 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 04:47:07.48 ID:bJpCTm1mO
_
( ゚∀゚)「……やるじゃねーか、おっさん」
ジョルジュはモララーの足を左手で受け止めていた。
(#・∀・)「……ふざけやがって、この糞餓鬼」
モララーはジョルジュのしたり顔を見て、唾を吐いて飛び退いた。
(#・∀・)「怪しいと思ってたら、やっぱしぃを狙ってやがったか。
しぃに手ぇ出したんだ、ただじゃ済まねぇからな」
( -ξ#゚听)ξ「コラ、ドクオ!
いつまで呆けてんのよ!? しぃちゃん運ぶの手伝って!!」
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 04:47:46.36 ID:7fpNaXi+O
リアルタイム遭遇キター
17 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 04:48:35.28 ID:bJpCTm1mO
目の前で惨劇が起こる。
するとその場にいた人間に、怒りや戸惑い、嘆き等それぞれに多様な情が湧いてくる。
怒りをジョルジュにぶつけているモララー。
事前にジョルジュの囁きについて知らなかった為に戸惑っているブーンとツン。
しかし、そんな周りには目にもくれない。
相変わらず心を支配するのは、とっさに反応できなかった自分への戒め、後悔、しぃへの懺悔。
そして嘆き。
ただ、それだけである。
しぃの安否は気にならなかった。
18 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 04:50:24.58 ID:bJpCTm1mO
ツンがこっちを向いて何か喚いてるが、気にしない。
――ドクオの視線は、相変わらずしぃが倒れ込んだ場所に注がれている
ラウンジ国の政治の頂、名はそのままにラウンジ城。
その客間は、この島の半分を占める勢力というだけあって、華々しい。
壁には美しい絵画が並び、戸棚の上には金銀彩色が眩しい小物の数々。
見上げてみれば、何段にも重ねられた巨大なシャンデリラ。
足元には部屋一面に幾何学的な紋様が描かれた絨毯が広がっている。
染みひとつ、ついてやしない。
19 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 04:52:29.22 ID:bJpCTm1mO
_
( ゚∀゚)「……ほぅ」
一点を凝視し続けるドクオを見て、ジョルジュが嬉しそうな声を漏らした。
(#・∀・)「テメェ、どこ見てやがる」
隙だらけになったジョルジュに向かって、モララーが飛びかかった。
_
( ゚∀゚)「チッ、しつけぇなぁ……」
ジョルジュはモララーを見て舌打ちする。
それと同時に、ジョルジュの周りの空気が妖しく揺らめいた。
(;・∀・)「……っ!?」
異変に気づいたモララーが、飛びかかっていた体の方向をとっさに逸らす。
_
( ゚∀゚)「……遅すぎんだよ……!」
ジョルジュが剣を構えたところで、第三者が制止に入った。
20 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 04:55:15.00 ID:bJpCTm1mO
( ´∀`)「やめなさい、ジョルジュ」
部屋の隅で事の次第を見守っていたラウンジ国王、モナー。
その鶴の一声で、ジョルジュの動きが止まる。
_
( ゚∀゚)「……チッ」
(;・∀・)「……?」
舌打ちをしながら剣を鞘に収めたジョルジュを見て、身構えていたモララーは腕を落とした。
从'ー'从「皆さん、驚かせてしまい申し訳ありません」
モナーの傍らに佇んでいた、美しい女性が話しかけてきた。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 04:56:08.23 ID:MDdcrzYiO
支援
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 04:57:15.65 ID:BfwctLuAO
hybridrainbowかとオモタ
23 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 04:57:15.94 ID:bJpCTm1mO
しぃを背負って部屋から出ようとしていたツンが、女性の方へ振り返った。
( -ξ#゚听)ξ「……何よアンタ。
こんな惨劇をずっと黙って見といて、今更用でもあるの?」
ツンはそう言って彼女達を睨みつける。
从'ー'从「……申し訳ありません、騎士団長の凶行は、私達にも不足の事態でした」
( ´∀`)「全くです。ジョルジュには後で灸を据えておくとします」
モナーが冗談っぽく言い放つ。
それを聞いたモララーの堪忍袋の緒が切れた。
24 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 04:59:48.44 ID:bJpCTm1mO
(#・∀・)「テメェ! しぃの命を奪うような真似をしといて、良くそんな悠長でいられるな!!」
モララーの怒声を聞いて、ジョルジュが卑猥な笑みを浮かべた。
_
( ゚∀゚)「おっぱいが小さい女なんかこの世にいらん」
(#^ω^)「なんですと!?
団長、そんな理由でしぃにこんな事したって言うなら流石の僕も黙ってられませんお!!」
_
( ゚∀゚)「おぅ、かかってこいよ。
そんな性格悪そうな上に貧相なボディーの彼女連れてるような奴なんか敵じゃねぇな」
( -ξ#゚听)ξ「……なんですって?」
(;´∀`)「こらこら、あんまり煽るんじゃない」
25 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:02:39.16 ID:bJpCTm1mO
ジョルジュを制止したモナーを見計らって、側にいた女性が語り出した。
从'ー'从「……今回、あなた達を呼んだのはこれが目的でした」
(;^ω^)「……!」
彼女の言葉を聞いた一同の空気が変わった。
(#・∀・)「これが目的……って、しぃを殺す事がか?」
相変わらず顔を紅潮させているモララーが、とげとげしく言い放つ。
すると、女性は首を横に振った。
从'ー'从「いいえ、違います」
26 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:03:33.56 ID:bJpCTm1mO
(#・∀・)「……じゃあ本当の目的は別で、しぃを殺したのはオマケって事か!?」
(;^ω^)「モララーさん、落ち着いてくれお!!」
モナー達に掴みかかろうとするモララーを、ブーンが必死になって抑え込む。
その様子を嘲笑うかのように、ジョルジュが顔を歪める。
_
( ゚∀゚)「うはww このオヤジキメェwwww」
( ´∀`)「ジョルジュ、止めなさい」
腹を抱えて転げ回るジョルジュを見て、モナーが顔をしかめた。
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:04:28.03 ID:aCr5IOBv0
支援
28 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:05:03.22 ID:bJpCTm1mO
_
( ゚∀゚)「ひー腹イテェww
全く、そこの奴みたいにちょっとは落ち着けよww」
ジョルジュはそう言って、涙を浮かべた目を横に動かした。
(#・∀・)「その奴って誰だよ!?
こんな状況で冷静になれる奴がいるか!!」
モララーが声を大にして叫ぶ。
それを見ていたツンの表情も険しさを増した。
( -ξ゚听)ξ「……茶番ね。
こんなつまらない話聞くより、しぃちゃんの方が先よ、ブーン」
(;^ω^)「……了解だお」
ツンの言葉を聞いて、ブーンが先導して部屋の出口の扉を開こうとした。
29 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:06:19.16 ID:bJpCTm1mO
「……その必要はねぇよ」
ブーンとツンが部屋から出ていこうとしたその時。
誰かが声を出した。
( ^ω^)「?」
それは怒声の入り混じった広い部屋の中でしばらく聞かなかった声色であった。
その為、一瞬、皆の動きが止まる。
そして状況を把握した皆の視線が一点に集まる。
じっと彼を見つめていたジョルジュの口元が緩んだ。
30 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:09:36.91 ID:bJpCTm1mO
('A`)「……しぃは無事だ。治療する必要はねぇよ」
ドクオが、口を開いた。
しぃがジョルジュに斬られてからずっと黙していたドクオが、声を出した。
そして、モララー達の耳を疑う言葉を口にした。
( -ξ;゚听)ξ「ハァ!? 何言ってんのアンタ!?
このしぃちゃん見て言ってんの?!」
ツンはそう言ってドクオの方に背負ったしぃの姿を見せつけた。
しぃは目を瞑って意識も無く、ぐったりとうなだれている。
しかしドクオの目の色は変わらない。
31 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:10:41.21 ID:bJpCTm1mO
(;^ω^)「……ドクオ、パニクって頭おかしくなったかお?」
('A`)「……そんなんじゃねぇ」
ブーンの問いかけにも無表情で彼は答える。
(#・∀・)「そうだ、ドクオ。
しぃがこんなんだというのにさっきからテメェはなn」
_
( ゚∀゚)「何故気付いた?」
モララーの話の途中で、ジョルジュがそれを遮った。
( ・∀・)「……気付いた?」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:12:03.79 ID:ly+mAzYfO
支援
33 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:12:43.13 ID:bJpCTm1mO
('A`)「……やっぱりしぃは無事なんだな」
ジョルジュの言葉を聞いて、ドクオが溜め息を漏らした。
_
( ゚∀゚)「なんだ、ハッタリか?」
('A`)「いや、違う。
けど、ちょっと自信がなかったからさ」
(;^ω^)「2人共、何話してるんだお?」
ジョルジュとドクオの会話を聞いて、訝しげな顔をしてブーンが問いかけた。
_
( ゚∀゚)「あぁ、ブーン。
俺は今ドクオと話してるんだ。お前はちょっと黙ってろ」
(;^ω^)「は、ハイですお……」
ジョルジュは鬱陶しそうにブーンに忠告を入れる。
そして再び、ドクオの方へ振り返った。
_
( ゚∀゚)「もう一度聞く。何故しぃが無事だと気付いた?」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:13:45.66 ID:Hnozs5ib0
支援
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:14:08.91 ID:ly+mAzYfO
支援
36 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:14:23.24 ID:bJpCTm1mO
(;^ω^)「……」
状況が上手く把握できていたないブーンが、怪訝な表情をして見つめていた。
ブーンだけでなく、表情から赤みが消えかかったモララー、扉の前で足を止めていたツンも2人の会話に耳を寄せていた。
『しぃが無事である』
突然、2人が何故かそう前提して会話を進めているのが気になった。
それに気付いたと言うドクオに、その理由をジョルジュが問いただそうとしている。
モナーと傍らの女性も一緒になって、2人の会話に聞き入っていた。
少しの沈黙を置いて、ドクオがポツリと呟いた。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:14:57.56 ID:ly+mAzYfO
支援
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:16:30.17 ID:3T4ySpAoO
支援
39 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:17:05.61 ID:bJpCTm1mO
('A`)「……まずは、あんたらの態度だ」
ドクオはモナー達を見据えた。
('A`)「その人がジョルジュさんの行動は不足の事態だと言ったが、果たして本当にそうだったのか」
从'ー'从「……どういう事ですか?」
ドクオに見つめられた女性が、口を開いた。
('A`)「ここに来る一週間前、俺の元にジョルジュさんが来た時。
この人はしぃが女神だと疑っていると言った」
(;^ω^)「なっ!?」
ドクオの言葉を聞いたブーンが驚きの声を上げた。
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:17:31.83 ID:IKdV6HvTO
支援
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:18:22.65 ID:T+TWXcWMO
支援
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:18:23.67 ID:ly+mAzYfO
支援
43 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:18:28.81 ID:bJpCTm1mO
(;^ω^)「そんな事聞いてないお! 何で黙ってたんだお!?」
( -ξ゚听)ξ「……私も聞いてないわ。いつそんな話したの?」
ブーンの側で、しぃを背負い続けているツンも声を出した。
( ・∀・)「……ショボンのバーでやった宴会の後に俺達が残ってたろ? その時だ。
ややこしくなるといけないし、切開のブーンの凱旋祝いなんだ。2人には黙っておこうと思ってな」
ブーン達の表情を見てモララーが口を挟む。
(;^ω^)「マジかお……」
( -ξ゚听)ξ「てか、なんでしぃちゃんが女神だって疑われてんのよ?」
_
( ゚∀゚)「その話は後だ。今俺はドクオと話してんだ、外野は黙ってろ」
ツン達の疑問の声をジョルジュが振り払った。
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:18:35.48 ID:BfwctLuAO
支援
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:19:19.74 ID:ly+mAzYfO
支援
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:20:33.39 ID:tquNA/DBO
支援
47 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:20:34.55 ID:bJpCTm1mO
('A`)「……話しを戻すぞ」
ドクオがツン達から視線を逸らすと、再び女性の方へと目をやった。
('A`)「それで、ここに俺らを呼んだのは裏であんたらがしぃに何かしらするのが目的だと直感した。
さっきジョルジュさんがとった行動は異様に速かったし、確かに予想はつかなかった。」
从'ー'从「……」
女性は静かにドクオの話に耳を傾けていた。
('A`)「しかし、あんたらはさしずめ驚いた様子ではなかった。
果たしてその理由とは、ジョルジュさんの行動は予想外だった。しかし、どの道同じような事をする気だった……
そうだろ?」
_
从'ー'从´∀`)゚∀゚)「……!」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:21:06.42 ID:tquNA/DBO
支援
49 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:22:54.90 ID:bJpCTm1mO
( -ξ゚听)ξ「詭弁よ、そんなの」
ドクオの言葉を聞いたツンが言い放った。
( ´∀`)「……彼の言う事はおかしいと仰るのですか?」
( -ξ゚听)ξ「えぇ、ちゃんちゃらおかしいわ。
ドクオのそれは、ただの推測の域よ。決定的な根拠も無い、笑っちゃうような妄想。
まぁ、しぃちゃんに何かするってところにあんたらが反応したのは興味あるけど」
( ´∀`)「……」
自分達を睨みつけたツンを見て、モナーは口を閉ざした。
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:23:25.87 ID:ly+mAzYfO
支援
51 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:24:18.73 ID:bJpCTm1mO
('A`)「……確かに、ツンの言う通りこれはただの直感に過ぎない」
ドクオはそう言って、ゆっくりと部屋の中を歩き出した。
('A`)「普通なら、何か根拠が無い限り、この様な事は思わない。
ジョルジュさんの言動は怪しいが、それがしぃが無事な事とは全くの関連性は無い」
从'ー'从「……」
静かに語りながら歩んでいくドクオの姿を各々が目で追ってゆく。
( -ξ゚听)ξ「……そういう言い方するって事は、アンタにはその根拠とやらがあるのね?」
('A`)「あぁ」
未だにしぃをその小さな背中から降ろそうとしないツン。
彼女の強い眼差しを受け、ドクオが小さく頷いた。
52 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:25:40.32 ID:bJpCTm1mO
ふと、ドクオの足が止まる。
('A`)「……なぁ、ブーン。
この部屋についてどう思う?」
(;^ω^)「お?」
突然ドクオに質問されて、ブーンが戸惑う。
('A`)「……この部屋を見た感じ、どうだ?」
困惑しているブーンを見て、ドクオが補足を入れる。
(;^ω^)「どうって……
いや、綺麗な部屋だお。備品も豪華だし、掃除も行き届いててピッカピカ、流石はラウンジ城ってとこだお」
ブーンの言葉を聞いて、会話から外れていたジョルジュが密かににやついた。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:26:13.65 ID:NE3LXkoJ0
きたきた支援
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:26:39.42 ID:tquNA/DBO
支援
55 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:27:05.16 ID:bJpCTm1mO
('A`)「だな。ここの部屋はとても綺麗だ」
( -ξ゚听)ξ「何が言いたいワケ?」
ドクオが語る言葉の意図が解らず、イライラした様子のツンが声色に棘を入れる。
('A`)「うん、あんまり焦らすのもあれか」
ドクオはツンの様子を見て、少しばかり気を引き締める。
そして、靴の爪先で床をトンと叩いた。
('A`)「この床の絨毯、高そうですね」
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:28:41.54 ID:ly+mAzYfO
支援
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:28:57.57 ID:tquNA/DBO
支援
58 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:29:34.46 ID:bJpCTm1mO
( ´∀`)「……そうですね、ラウンジの地方で取れる高級クックル羽毛をふんだんに使った代物です」
ドクオの言葉を聞いたモナーが、自分らの足元に広がるふ色鮮やかな絨毯を見て言った。
( -ξ゚听)ξ「……それが何か関係あんの?」
ツンの訝しげな声を聞いたドクオが、無表情で話しかける。
('A`)「なぁ、ツン。今俺が立ってる場所って何処だか解るか?」
( -ξ#゚听)ξ「……はい?」
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:30:07.19 ID:tquNA/DBO
支援
60 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:30:58.66 ID:bJpCTm1mO
ツンの苛立ちが増し、時が立つに連れて口調が喧嘩腰になっていく。
それを見たブーンが慌てて口を挟んできた。
(;^ω^)「い、いや! ちょっとわからないお!
ドクオ、そこは何か特別な場所なのかお!?」
わたわたと手を振り回し、冷や汗をかきながらドクオとツンの間にブーンが入ってきた。
その光景をにやけ面で眺めていたジョルジュが、笑いを堪えながらぼそりと呟いた。
_
( ゚∀゚)「……そこは俺がしぃを斬った場所さ」
61 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:32:22.47 ID:bJpCTm1mO
( ^ω^)「……しぃが斬られた場所?」
( -ξ;゚听)ξ「……!」
ふと、ツンの顔色が変わる。
_
( ゚∀゚)「……ほぉ、お前もやっと気付いたか」
(;^ω^)「な、何がですお?」
ツンが表情を凍らせているのを見て、ジョルジュの喜色が益々増していく。
そんな光景を見ながら首をひねっているブーンを見て、ドクオが声をかける。
('A`)「……なぁ、ブーン。
さっきジョルジュさんに斬られた時、しぃはどんな様子だった?」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:32:53.28 ID:tquNA/DBO
支援
63 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:33:38.76 ID:bJpCTm1mO
(;^ω^)「どんなって……
凄い勢いで飛びかかってきた団長が、あっという間にしぃを斬ったんだお。
しぃの首筋から血がビャーって噴き出して………」
(;・∀・)「……っ!」
ブーンの弁解を聞いたモララーの表情が変わる。
( ^ω^)「……お? 親方、どうかしたかお?」
(;'A`)「……ブーン、そこまで言っておいてまだ解らんか?」
場の雰囲気にそぐわずに相変わらずのんびりとした口調のブーン。
その様子を見て、半ば呆れたようにドクオが溜め息を漏らした。
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:34:06.92 ID:tquNA/DBO
支援
65 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:36:26.87 ID:bJpCTm1mO
从;'ー'从「……先の事件で生き残った騎士団の新入団員と聞いたから、期待していたのですが……」
( ´∀`)「……ちょっとおつむが弱いようですね」
ブーンのあっけらかんとした顔を見てモナー達も苦笑する。
(;^ω^)「お? みんなどうしたんだお?」
ひとり戸惑っているブーンを見て、ドクオが話しかける。
('A`)「ブーン、しぃの首筋から血が噴き出したと言ったよな?」
(;^ω^)「お、言ったお」
66 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:37:26.74 ID:bJpCTm1mO
('A`)「その様子を聞く前に、俺はお前になんて質問した?」
ドクオが側にあった椅子に手をかけた。
(;^ω^)「えっと……この部屋はどうかとか、絨毯が綺麗だとか……」
('A`)「……」
( ^ω^)「……」
('A`)「……」
( ^ω^)「……」
('A`)「……」
( ^ω^)「……あ」
しばらくの沈黙の後、ブーンはハッとしたように叫んだ。
67 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:38:48.26 ID:bJpCTm1mO
(;^ω^)「……絨毯が汚れて無い……!」
ブーンが驚愕の声を出す。
その視線の先はドクオの足元。
しぃがジョルジュの大剣で斬られ、血しぶきが上がったその場所。
('A`)「おかしいよな。
あんなに血が吹き出たのに、しぃがいた場所の絨毯や周りのテーブルとかに全く血のシミが着いてないんだ」
( -ξ;゚听)ξ「……!」
ドクオの言葉を聞いてから、ツンの様子が急に慌ただしくなった。
ツンは何を思ったのか、ずっと背負っていたしぃの体を背中から降ろした。
そして、その首元を見据えて、叫んだ。
「――傷跡が、無い!」
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:39:13.17 ID:MDdcrzYiO
支援
69 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:40:24.41 ID:bJpCTm1mO
(;・∀・)「なんだって!?」
ツンの叫び声を聞いたモララーが彼女の元に駆け寄った。
しぃの体を抱いたモララーが彼女の首元を注視する。
(;・∀・)「……本当だ。
確かにアイツに斬られたはずなのに、傷が全く残ってない……」
しぃの首筋は、彼女の初々しい真っ白な肌で覆われているだけであった。
_
( ゚∀゚)「いきなりの事でパニクってたから、今までそんな簡単な事にずっと気づかなかったのか。
あんたもまだまだだな」
(;・∀・)「……くっ、どういう事だ!?
しぃに何をした!? ちゃんと説明しろ!!!」
ジョルジュのしたり顔を見て、モララーは声を荒げた。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:41:50.84 ID:tquNA/DBO
支援
71 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:43:10.36 ID:bJpCTm1mO
ξ;゚听)ξ「ずっと呆けてると思ってたら、最初からこの事に気付いてたってワケね」
ジョルジュに掴みかかるモララーを尻目に、ツンがドクオに話しかける。
(;^ω^)「けど、何でだお?
確かにしぃは団長に斬られたはずなのに、血痕もなければ傷跡も消えてるんだお」
('A`)「……」
ブーンの問い掛けに、ドクオは少しの沈黙を置いた。
沈黙の間、ドクオはツンが床に横たえたしぃの側へと近寄っていった。
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:43:56.97 ID:tquNA/DBO
支援
73 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:47:11.69 ID:bJpCTm1mO
('A`)「……それは、俺にもわからん」
言いながら、しぃの目前で立ち止まる。
('A`)「確かにしぃの首筋から血が吹き出たはずだが、まるで手品のように消えてしまった。
生憎、俺にはそう言った小細工を見破るスキルは持ち合わせて無いんで、何が起こったのかわからない」
でも、とドクオは心の中で呟く。
一撃でしぃを気絶させたジョルジュの剣。
それが物理的か精神的なのかは解らないが、しぃに何らかのショックを与えたのは間違いない。
目を瞑ったまま起きないしぃを眺めながら、彼女の髪を指で撫でる。
すまんな、しぃ。
俺は何もできなかった……
ドクオは他の誰にも聞こえない小さな声で、しぃに向かって呟いた。
74 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:48:20.86 ID:bJpCTm1mO
_
( ゚∀゚)「小細工なんかじゃねぇよ」
ドクオの言葉を聞いたジョルジュが突然に喋った。
( ・∀・)「……小細工じゃねぇっつーなら何だって言うんだ?」
ξ゚听)ξ「そうよ、あの血みたいな物は何だったの?」
ジョルジュの言葉を聞いたモララー達も口を挟んでくる。
訝しげな表情を浮かべる2人を見てから、ジョルジュはドクオの方へと視線を移す。
ドクオは沈黙をしながら、しぃの傍らに座りずっと彼女を見つめていた。
_
( ゚∀゚)「……あれはβ成分の結晶だ」
そんな光景を眺めながら、ジョルジュは不意に呟いた。
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:48:22.49 ID:tquNA/DBO
支援
76 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:51:53.91 ID:bJpCTm1mO
( ^ω^)「……べーたせいぶん?」
ジョルジュの口から出た単語を、ブーンが繰り返す。
(;´∀`)「この島に住む人間なら、β成分くらい知っててもいいはずなんですが……」
飄々としたブーンの顔を見て、モナーが苦笑いする。
ξ゚听)ξ「それって確か、この島の土地に含まれる植物の発育を促進する成分よね?」
从'ー'从「……流石、はじまりの村で鍛冶工を務めているだけあって、そう言った理系の事には詳しいようですね」
ツンの発言に、端正な顔立ちをした女性が微笑んでみせた。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:52:39.63 ID:tquNA/DBO
支援
78 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:54:27.26 ID:bJpCTm1mO
ξ゚听)ξ「……で、それがどうしたの?」
彼女から向けられた眼差しを無視して、ツンはジョルジュに話しかけた。
_
( ゚∀゚)「……10年ほど前、タイジュの国に住むとある科学者がこの成分を発見し、こう名前をつけた」
ジョルジュはドクオ達の方を見つめながら、語り出す。
_
( ゚∀゚)「この島の土の色は少し赤みがかかっている。
それはβ成分の元の色が薄いピンクだからなんだ」
ふと、ジョルジュとドクオの視線が合う。
('A`)「……話が見えないな。
それが何か関係でもあるのか?」
ドクオはジョルジュがこちらを見つめているのに気がつくと、彼を睨み返した。
79 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:55:52.68 ID:bJpCTm1mO
_
( ゚∀゚)「……短刀直入に言おうか」
ドクオの強い感情の篭もった視線を浴び、ジョルジュが嘲笑する。
――ジョルジュ周りの大気が揺らめく――
(;^ω^)「!」
ジョルジュの体の周りに紫の気が纏う。
それを見たブーン達が、しぃが斬られた時と同じように危険を察知しとっさに身構える。
_
( ゚∀゚)「俺はβ成分を自在に操れるんだ」
(;'A`)「……!」
80 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 05:58:22.16 ID:bJpCTm1mO
瞬間。
ジョルジュの体が、ドクオの目前にあった。
数メートル離れていたはずのその距離が、瞬く間に0になっていた。
_
( ゚∀゚)「……生意気な面でガンつけてんじゃねぇよ」
意表をつかれたドクオを見ながら、彼の顎をジョルジュが持ち上げた。
(;'A`)「……!? ま、魔法かなんかか!?」
戸惑うドクオを見て、ジョルジュの顔が歪む。
_
( ゚∀゚)「植物の発育を促すβ成分は命の源、この世の全ての元素だ。
それを自在に使えるんだから、瞬動なんか造作もねえさ」
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 05:59:34.73 ID:tquNA/DBO
支援
82 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 06:01:07.92 ID:bJpCTm1mO
ξ;゚听)ξ「驚いたわ……。こんな事ができる人間がいるなんて……」
ジョルジュの行為を目の当たりにしたツンが溜め息を漏らす。
( ´∀`)「彼が若くしてラウンジ騎士団長になれたのも、この力のおかげというのが大きいです」
(;^ω^)「そうだったのかお……。全然知らなかったお」
从'ー'从「無理もありません。
この事は、部外者は愚かラウンジ国内でもごく少数しか知らされてない事ですから」
コホン、とジョルジュが小さく咳をした。
83 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 06:02:29.00 ID:bJpCTm1mO
_
( ゚∀゚)「……もう解ってると思うが、俺がしぃに切りかかったのはフェイクだ。
お前らの反応が見たくてちょっと気絶させた訳……」
飄々と語っているジョルジュが、1つの気配に気付く。
ジョルジュに向けられた鋭い気。
それは彼の体を貫かんとするかの如く、強い思念が込められていた。
( A )「……言いたい事は良くわかった」
84 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 06:03:39.03 ID:bJpCTm1mO
ドクオの表情から覇気のようなものを感じて、思わず身震いする。
( A )「……しかしね、俺はそれじゃあ納得できないんだよ」
しぃを腕に抱えた彼の目がぎらつく。
いつもの気だるい雰囲気とは違う彼の雰囲気に、モララー達も息を飲む。
その口調からはっきり感じとれたのは、怒り。
(#'A`)「言えよ。
しぃにこんな事をした本当の理由を」
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 06:11:48.39 ID:C64LXrp2O
支援
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 06:20:27.77 ID:N7Aw9V8lO
支援
87 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 06:30:41.90 ID:bJpCTm1mO
何故かわからないが、ドクオは無性に腹がたっていた。
勿論、しぃにこんな仕打ちをされたからもある。
しかしそれとは別の感情がドクオの心の底に湧いていた。
瞳を閉じてぐったりとうなだれるしぃ。
彼女をこんな状態にしたジョルジュ。
及びこのような仕打ちをしようとしていたモナー達。
彼らを見ていると、沸々と怒りがこみ上げてくる。
それが何処から来るのか、今のドクオに考える余裕は無かった。
88 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 06:32:35.30 ID:bJpCTm1mO
( ´∀`)「……やれやれ、参りましたね」
冷静に、かつ強い憤りが込められたドクオの言葉を聞いて、モナーが思わず口を開いた。
从'ー'从「何もかもお見通し、というわけですね。
流石、神の遣いと言われているだけあります」
(;^ω^)「……何を言っているんだお?」
突然饒舌になり始めたラウンジの面々を見て、ブーンが怪訝な表情をする。
そんな彼の顔を見て、ジョルジュが笑った。
89 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 06:34:41.36 ID:bJpCTm1mO
_
( ゚∀゚)「……そこの小僧の言うとおり、しぃを気絶させたのには他に理由があるのさ」
(#'A`)「小僧じゃねぇ。俺は二十歳だ」
ジョルジュの言葉を聞きドクオが間髪入れずに言い放つ。
ξ;゚听)ξ「……他の理由?」
(;・∀・)「しぃが女神じゃないか、と疑っている件についてか……」
从'ー'从「それもあります」
モララーの呟きを耳にした女性が言った。
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 06:34:44.66 ID:pdTYqJBJO
通りがかり支援
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 06:35:50.51 ID:yQelk6gqO
支援
92 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 06:36:24.89 ID:bJpCTm1mO
ドクオの表情から赤みが消えた。
('A`)「……『それも』?」
疑問符の付いたその口調を聞いて、女性が口を開く。
从'ー'从「はい。私達が彼女を女神だと疑っている理由を聞かれると少々面倒なんで」
_
( ゚∀゚)「ま、それはオマケだがな。
本来の目的を目の当たりにしてショックを受けちゃったら彼女が可哀想なんでな」
オマケ。
ジョルジュのその一言がドクオの胸に突き刺さった。
93 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 06:39:31.22 ID:bJpCTm1mO
('A`)「なん……だと……?」
オマケ?
本来の目的?
馬鹿げたな話だ。ジョルジュ達の本当の目的はしぃじゃないと言うのか。
しぃをこんな風にしておいてそれがオマケとか、全く腹が立つものだ。
しかし、今はそれどころでない。
ジョルジュから手紙を受け取った時に伝えてられたしぃへの疑い、あれははなんだったのだ。
あの異様な目のギラつき具合、今思えば裏に何かあったともとれる。
しかし、『しぃが女神である』というものでさえ強烈な印象を受けるのに、それ以上の目的があるとは予想だにつかなかった。
しぃの件について『オマケ』と言ってる具合からして、一応は本当に疑っているようである。
となると、ジョルジュ達の本来の目的とは何なのか。
94 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 06:40:48.58 ID:bJpCTm1mO
ドクオが思案に耽っているのを見て、ジョルジュがあざ笑う。
_
( ゚∀゚)「ほほぅ、流石の神の遣い様も予想はできてませんでしたか」
('A`)「……言っとけ。
それより勿体ぶってないでサッサと吐けよ」
ジョルジュのからかいをドクオが軽くあしらう。
从'ー'从「……解りました」
( ・∀・)「……」
ドクオの言葉を聞いた女性が、何か合図をしたように見えた。
95 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 06:44:20.85 ID:bJpCTm1mO
――長年に渡って修羅場を潜り抜けてきた者にだけ、解る事がある
人間の社会において、平和な世界がある一面、裏では争いが絶えない事が多々ある。
そういった人の業が為す数々の所行は、どれも人間の美しくも醜い感情が見え隠れしている。
その事実を受け入れ、平和を愛し、修羅場を潜り抜けてきた者に解る空気がある。
それは深い愛情に包まれた物であったり、時に我が身を滅ぼす刃のように研ぎ澄まされた物であったりする。
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 06:45:09.33 ID:tquNA/DBO
支援
97 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 06:46:01.98 ID:bJpCTm1mO
モララーが、後者を感じとった。
(;・∀・)「――!!」
モララーの視界の片隅にジョルジュがにやつくのが映った。
が、今は構っていられない。
(;・∀・)「みんな逃げろ!!」
モララーが叫んだのと同時に、部屋の扉が皆一斉に開いた。
98 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 06:47:47.03 ID:bJpCTm1mO
(;^ω^)
ξ;゚听)ξ 「!?」
(;'A`)
部屋の全方位から、甲冑を纏った兵士達がドクオ達を囲っていた。
_
( ゚∀゚)「動くな。抵抗したら殺す」
ジョルジュが放った甲高い叫び声が、部屋に響いた。
(;・∀・)「ちっ……、一体何の真似だ?」
99 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 06:51:01.30 ID:bJpCTm1mO
从'ー'从「これが、私達本来の目的です」
女性が無表情に言ったのを見て、ドクオが問いただす。
(;'A`)「……どういう事だ?
これがしぃを気絶させたのと何の関係がある?」
冷や汗を垂らしているドクオを見て、女性が優しく微笑む。
从'ー'从「彼女は精神面が少し不安定だと聞きました。
何でも、あなたと仲違いをしてショックでタイジュの国まで療養に行ったとか」
(;'A`)「……」
しぃを抱えながら身構えているドクオを見て、ジョルジュが言った。
_
( ゚∀゚)「しぃは大切な女神への手掛かりだ。
……グロい物見せて、あまり刺激させたくないんだよ」
100 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 06:56:21.06 ID:bJpCTm1mO
ジョルジュの放った言葉を聞き、ドクオ達の背筋に寒気が走った――
そんな彼等の様子を一瞥しながら、女性が側にいたモナーに耳打ちをした。
モナーは静かに頷き、深呼吸する。
そして、ドクオ達を囲む兵士達に向かって、声を出した。
( ´∀`)「……そこにいる反逆者、ナイト・ブーン。
その伴侶ツン・デーレを捉え、処刑しなさい」
〜第19話へ続く〜
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 06:57:47.94 ID:tquNA/DBO
乙
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 07:01:13.74 ID:Hnozs5ib0
乙です!
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 07:04:41.97 ID:Qsj8z8DaO
乙。
次が気になるな
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 07:05:11.47 ID:8NhoeaS5O
乙
105 :
◆ZB7B4XJvSk :2008/01/14(月) 07:10:19.36 ID:bJpCTm1mO
从 ゚∀从「これで投下終わりだ」
(,,゚Д゚)「支援くれた人さんきゅな」
(;<●><●>)「てか最後の最後で誤字発見なんです」
/ ,' 3「仕方あるまい。朝っぱらから2時間半もの間投下するのも結構疲れるもんなのじゃ」
( ´∀`)「今回は結構出番あって良かったモナ」
从'ー'从「最後の台詞、美味しかったですね」
_
( ゚∀゚)「じゃ、次回を楽しみに待っててくれよな!」
('A`)゚ー゚)・∀・)^ω^)ξ゚听)゚∀从<●><●>)゚Д゚),' 3´∀`)'ー'从゚∀゚)
「バイバーイ!」
( <●><●>)「……あれ、誰か忘れてませんか?」
从 ゚∀从「5人程忘れているが多分気のせいだろ」
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 07:42:33.77 ID:IKdV6HvTO
おつ
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 08:42:31.30 ID:MDdcrzYiO
ヨムポ
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 09:33:34.28 ID:dqD4zc1MO
乙
( ´_ゝ`)(´<_` )l从・∀・ノ!リ人「・・・・・・・・・」
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 10:01:30.96 ID:rkZwH6LMO
乙
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 11:06:33.67 ID:NE3LXkoJ0
乙
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 11:41:25.44 ID:vsnmO9OwO
あ
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 12:44:03.14 ID:m47dkd8Z0
よむほ
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/14(月) 13:37:40.44 ID:EYEy99jUO
ツンデーレだっけ?
アルファと同じかと思ってた
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
ほ