1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
代理だよ
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 01:39:37.27 ID:0CdT0m220
2げt
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 01:39:54.01 ID:/mIJfRin0
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 01:41:59.70 ID:2ZcdQx7h0
代理thx!
では投下
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 01:43:02.96 ID:2ZcdQx7h0
第一話
『あなた達……犬神なのね』
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 01:44:04.56 ID:2ZcdQx7h0
犬神。
それは『破邪顕正』を心に宿し、邪をあだなす犬の化生。
犬神使い。
それは犬神と共闘し、邪をあだなす人間。
その二つの存在はこの世の平衡を保っていると言えよう。
撫でただけで大山を削り、欠伸だけで台風を起こす。
そんな厄災を深い深い地に封印したのも犬神と犬神使いの力だと言う。
従順。
いや、そんな言葉では表す事の出来ない絆という鎖。
その鎖で結ばれし者達は神をも凌駕する――。
これはとある犬神使いと犬神のお話。
――( ^ω^)ブーンは犬神使いのようです――
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 01:44:53.73 ID:2ZcdQx7h0
薄暗い部屋。
少し開かれた窓からは月明かりと共に夜風が入り込む。
そこから聞こえるは官能的な一部始終。
(;゚ω゚)「すごいお…クー……」
川 ゚ -゚)「ふふふ。ここが良いのか、ブーンは」
こりっ。
( ゚ω゚)「ふぉぉぉぉ!!!!!!!」
びくん。
lw´‐ _‐ノv「ブーンのココ…凄くかたぁい……」
( ゚ω゚)「シュ、シュー…そこはっ……ダメッ……」
lw´‐ _‐ノv「へへ…ここかな……?」
くりっ。
( ゚ω゚)「ひゃうぅぅぅぅん!!!!!」
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 01:46:02.20 ID:2ZcdQx7h0
( ^ω^)「ふー、マッサージは久しぶりだお」
畳の上でぐてーっとうつ伏せになっている男。
内藤ホライゾン。親しき者からはブーンと呼ばれている。
川 ゚ -゚)「言ってくれればいつでもやってあげるのにな」
そんな主を団扇で涼しい風を送る女。
腰まである黒髪が艶かしいく、ほんのり顔が紅潮している。
彼女は犬神のクー。
lw´‐ _‐ノv「そうだよー。それにしても旅行なんて久しぶりだよね」
ブーンに向かってハロゲンヒーターのスイッチを入れる女。
彼女はシュー。彼女もまた犬神である。
(;^ω^)「どっから出したんだお、そんなモン」
鹿威しと鈴虫の音。
彼らの居る旅館の一部屋を照らす月。
平凡な秋の一コマだ。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 01:48:02.75 ID:2ZcdQx7h0
彼らは辺境にポツリと佇む旅館に居るのだ。
たまの休暇で積もりに積もった功を労うために。
ゆるりとした最高のひと時。
それを壊すかのように、ふと、ブーンの携帯が鳴った。
携帯の画面にはモララーの文字。
(#゚ω゚)「……!」
携帯電話を壊れんばかりに握り締め、親の仇かのように睨む。
川 ゚ -゚)「出ないのか?」
(#゚ω゚)「モララーさんの依頼はロクなもんじゃねぇ……!」
lw´‐ _‐ノv「あーわかる(笑)フワモテスリム系だもんね(爆)」
川 ゚ -゚)「その気持ちは分かるが……」
なり続ける携帯。
相手は多分、確実に彼にコンタクトを取りたいのだろう。
(#゚ω゚)「ったく……しゃぁねぇのぅ……!」
通話のボタンを押した。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 01:49:27.96 ID:2ZcdQx7h0
( ^ω^)「おいすー。いつも元気なブーンだおー^^」
( ・∀・)『おいすー。と返すのが君に対する礼儀だな』
lw´‐ _‐ノv「なんと言う営業スマイル」
( ^ω^)「なんなんですかおー。こんな時に」
( ・∀・)『非礼を詫びる。君達は今確か旅行中だったな?』
(#゚ω゚)「わかってんなら電話すんなこの糞包茎野郎!!!!!」
川 ゚ -゚)(見た事あんのかな)
( ・∀・)『ハハハ。日本人は大体仮性包茎だ。気に病む事ではないさ』
lw´‐ _‐ノv(認めおったわ。こやつ)
( ^ω^)「まぁそれはおいといて。何ですかお?」
( ・∀・)『簡潔に言おうか。先ほど私の部下がとても強力な結界と――』
犬神を見つけた。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 01:51:09.10 ID:0CdT0m220
あくびで台風を起こすなんて凄すぎ支援
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 01:51:52.67 ID:2ZcdQx7h0
トクン、と一つ胸の鼓が大きく鳴った。
別に何がどうとか言う次元じゃない。
自分のもっと根本的な部分が、これからの事を危惧するかのように、サイレンを鳴らす。
(;^ω^)「ば……場所は?」
( ・∀・)『ゆとり山だ。犬神の方は満身創痍のようだ。早急に頼む』
会話はモララーにより一方的に切られる。
大人の余裕を持った話し方だったが、内心切羽詰ってるのが見えた。
(;^ω^)「………」
lw´‐ _‐ノv「じゃ、そう言うことで」
川 ゚ -゚)「現地集合だぞ、ブーン」
(;^ω^)「うぇぁ!? うっおぇ!?」
二人は軽々と地面を蹴りふわりと飛んで行く。
しかしブーンはそうはいかない。
彼は人間なのだ。
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「……食後の運動だと思えばッ!! いけるおっ!」
しかし、食後の運動で400km程走る奴はそういない。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 01:53:44.54 ID:2ZcdQx7h0
川 ゚ -゚)「遅い」
lw´‐ _‐ノv「貴様ッ! 規律を乱すなッ!(パーン」
(;゚ ;; ;イωメ゚)「コフー……コシュー……グバベッ…」
( ・∀・)「やはり早いな」
ゆとり山はVIP町の北に位置する。
そこから川が大きく二つほどのび、VIP町を囲うように流れているのだ。
豊富な自然と綺麗な空気を産むこの山。
そんな平和な山であったが、実は結構不可解な事象を孕む山とも称される。
山の頂上は常に太陽が当たる。
奇形の蛇が多い。
木が無闇に切り落とされている。
霊的捜査官であるモララーはゆとり山の調査を行っていた。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 01:55:29.31 ID:2ZcdQx7h0
ゆとり山に到着すると、三人はモララーの案内で山の奥深くに分け入っていった。
結構長く歩いただろうか。
モララーが立ち止まる。
( ・∀・)「見たまえ」
指差した先は何もない空間だった。
しかしよく見ると空間が水面のようにゆらいでいる。
張り詰めた弦のように緊張している筈の結界だが、今はその力さえ無い。
( ^ω^)「不可視の結界かお」
( ・∀・)「うむ。しかし結界を張った者の霊力が僅かしか残っていないのだろう」
lw´‐ _‐ノv「とても……不安定です…」
川 ゚ -゚)「……」
クーが水面に触れる。
川 ゚ -゚)「軟いな」
( ・∀・)「既に結界は崩壊を始めている。急いだ方が良いだろう」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 01:57:35.75 ID:0CdT0m220
分かりにくいな
旅館にいたときは夜で
VIP町に戻ったら昼、か?
一晩走ったって解釈か?
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 01:57:48.07 ID:2ZcdQx7h0
中に入ると、
(;^ω^)「これは……」
( ・∀・)「君が来るまで何もするなと部下に伝えてある」
(;^ω^)「それはありがたいお、でも……」
息が詰まる程の霊力。
結界の中は異様な空間だった。
大きさ、広さ、そんな言葉を容易く蹴落とし、狂いそうなほど真っ白な空間。
地面と言う物は存在せず、ただ彼らの眼前に、キズだらけの一人の少女がいた。
ξ )ξ
第一に思った事は、生きているのか、ということ。
何せ、果てのない空間を飽和するほどの霊力。
相当の者じゃなければ既に息絶えていてもおかしくないのだ。
(;・∀・)「すまないが、ブーン。出ていても良いかね?」
脂汗を滲ませたモララーが、絞り出すように呟いた。
(;^ω^)「うんだお。ここから先は……僕が…」
ブーンは油の切れたブリキのロボットのように歩き出す。
骨が軋み、筋肉が悲鳴を上げる。
それでも、ブーンは考えるまでもなく一歩踏み出し、少女に近づく。
二歩、三歩、いやもっと歩いただろうか。
時間、感覚、空間が捻じ曲げられた中で確かなのは、この少女を助けたいという気持ちだけだった。
ようやく懐に抱きしめられるまで近づく。
その時だった。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 02:03:18.45 ID:2ZcdQx7h0
ブーンの背後で何か硬い物がぶつかり合う音が響く。
川 ゚ -゚)「ハッ、不意打ちとは外道だな」
振り返ると二人の少女が対峙していた。
クー、そして
从 ∀从「それ以上姉上に近づくなッ!」
2m程の刀を携えた小柄な少女。
どこにそんな力があるのだろうか。
あのクーと互角に鍔迫り合い―片方は爪だが―をしている。
(;^ω^)「クー!」
川 ゚ -゚)「待て。貴様、姉上と言ったな。あの犬神を知っているのか?」
从 ∀从「犬神などと言う下衆と一緒にするでなぁぁぁいッ!!」
キィン、と甲高い音が鳴る。
長大な太刀がクーの爪を弾いた音だ。
クーは懐を晒す形になってしまう。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 02:05:12.52 ID:2ZcdQx7h0
川;゚ -゚)「んなッ!?」
从 ∀从「ワシがここで忌まわしき負の連鎖を止めて見せようぞ!」
超大な遠心力を持つ斬撃がクーに襲いかかる。
巨大な一閃が辺りを飲み込もうとする。
今即座に後ろに飛んだ所でどうにもならないだろう。
屈む? 跳躍?
それは既に廃棄された提案。
クーは自分のみに向けられた殺気だけで身がすくんでいた。
川;゚ -゚)「殺気だけなのか……?」
まるで蛇に睨まれた蛙。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 02:06:24.21 ID:0CdT0m220
支援支援
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 02:07:42.33 ID:2ZcdQx7h0
ブーンが彼女の元に走るより速く。
唯一無二のパートナーがその斬撃を止めた。
lw´‐ _‐ノv「あ゙。犬神が下衆だ? 調子乗っとんのかワレェ」
从 ∀从「ほう。下衆が目の前に二人もおる。醜いのう」
lw´‐ _‐ノv「挑発かな。ゴメンね。私、小さい頃からいじめられてきたからきかないよ」
从 ∀从「ワシは事実を述べただけじゃが?」
lw´‐ _‐ノv「目ぇ腐ってんじゃねぇの、かっ!?」
太刀を押し返し懐に迫る。
が、少女は平易にバックステップし、距離を広げた。
从 ゚∀从「百束剣の斬をとくと見るがいいわ!」
百束剣。
拳を百並べた長さを有するこの剣だが、それ以上の長さを持っていた。
lw´‐ _‐ノv「ひょい」
空気の刃だ。
先ほどまでの長さは脅しだ。ココからが本気だぜ?
とでも言いたそうな連続した刃がとんでくる。
避けられる刃は全てかわし、無理な物は力で無理やりかき消す。
しかし衝撃は弱まらず確実にシューの体に傷をつけていく。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 02:09:36.78 ID:2ZcdQx7h0
lw´‐ _‐ノv「ヘイヘイ。三丁目のクー、大丈夫?」
それなりに余裕なのか否か、振り向いてクーの心配をした。
川 ゚ -゚)「あ……あぁ。助太刀するっ」
从 ゚∀从「面白いのう! 二人でも三人でもかかってくるがよいぞ!」
その言葉に反応し、一人の男が立ち上がる。
( ^ω^)「じゃあ三人でいくお」
从 ゚∀从「?」
ブーンが立ち上がった所で状況が変わることはない。
依然として斬撃は飛んでくる。
でも三人は変わる。
変わった三人が、何かを変えるかもしれない。
( ^ω^)「犬神使いの戦い方を見せてやるお!」
从 ゚∀从「面白いのう! 主のような奴は久しいから血がたぎるわ!!」
クーとシューを前、ブーンが後ろでVの陣形を作る。
犬神が主を守る基本的な形だ。
一触即発。
その時、
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 02:11:09.42 ID:0CdT0m220
長いな
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 02:11:27.72 ID:2ZcdQx7h0
ξ#゚听)ξ「うるさぁぁぁぁああぁあぁぁい!!!!!!!」
( ω ) ゚ ゚ 川 - ) ゚ ゚
从 ∀从 ゚ ゚ lw´‐ _‐ノv ゚ ゚ ←?
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 02:12:59.02 ID:2ZcdQx7h0
傷だらけの少女が起き上がり、叫んだ。
从;゚∀从「あ……姉上!?」
(;^ω^)「ななななな何が起きたお!?」
川 ゚ -゚)「シュー、お前が飛ばしたものはなんだ?」
lw´‐ _‐ノv「鼻の穴」
肩を大きく上下させ真っ赤な顔の少女。
傷だらけではあるが何とかその場に立っている。
ξ#゚听)ξ「ハァ……ハァ…ったく……早く逃げなさい」
(;^ω^)「逃げる? 僕達は君を助けにきたんだお!」
从 ゚∀从「ッハッハァ! 嘘を付くな妖怪め!!」
lw´‐ _‐ノv「犬神だっつの」
川 ゚ -゚)「鼻の穴とばせるとか妖怪だろ」
ξ゚听)ξ「……犬神?」
少女はヨタヨタと歩く。
一度倒れかけたがクーがすぐに支える。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 02:14:47.51 ID:2ZcdQx7h0
ξ゚听)ξ「そう……。あなた達……犬神なのね」
抱きかかえられながら呟いた。
頬には、何故か一筋の涙の通り道が。
ξ--)ξ「こんなに立派に……なって…」
( ^ω^)「お?」
从#゚∀从「姉上ッ!」
ξ--)ξ「ハイン。認めなさい。今までの事も、これからの事……も……」
川 ゚ -゚)「おいっ! 気を確かにし……」
誰も泣いているわけじゃない。
けれど少女が霞んでいる。
まるで、消え行くように。
从 ゚∀从「う……そだろ? 姉上……。間に合わなかった?」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 02:16:28.28 ID:2ZcdQx7h0
ξ--)ξ「違うわ……ハイン。私が………を…封印……から…決まって…」
ハインは太刀を落とした。
空間が歪む。
何もかもが歪む。
封印の破壊を示している。
ξ--)ξ「犬神と……内藤」
(;^ω^)「ふぉぇ?」
突然名前を呼ばれたので情けない声を上げてしまった。
それもその筈。
先ほど面識があったばかりである。
では何故?
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 02:18:13.91 ID:2ZcdQx7h0
ξ--)ξ「私の作った結界が壊れようとしているわ」
lw´‐ _‐ノv「ブーン! 何かすごい邪気が!」
川 ゚ -゚)「それでどうなるんだ」
ξ--)ξ「同時に封印も解かれる……」
川 ゚ -゚)「封印…?」
ξ--)ξ「あなた達犬神には戦って欲しい敵がいるの」
ξ--)ξ「あなた達なら……必ず……」
从 ∀从「………」
(;^ω^)「あーもうわけわかんないお!!」
ブーンが叫ぶと同時。
少女の体が消えると同時。
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 02:19:35.67 ID:0CdT0m220
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 02:20:24.46 ID:2ZcdQx7h0
漆黒の大蛇が彼女のいたところから吹き上がる。
川 ゚ -゚)「な」
近くにいたクーはそのまま吹き飛ばされてしまった。
lw´‐ _‐ノv「クー!」
(#^ω^)「おい! 武士女! 説明するお!」
それにしても巨大な大蛇だ。
まるで、山を八つもまたぐような大きさ。
彼らの頭上でおどろおどろしく蠢く。
闇の中で深紅の眼が浮かんでいるようにも見える。
从 ∀从「奴はゼアフォー……。高天原を襲い、神々を殺し、姉上を殺した……」
从#゚∀从「全ての元凶じゃぁぁぁああぁぁっ!!!」
落とした刀を握り締め、高く跳躍する。
もう二度と刀は落とさない。
奴は、この手で殺す。
( ∴)「クククク……久しイな。外とイうモノハ」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 02:22:28.05 ID:2ZcdQx7h0
(;^ω^)「喋ったお」
lw´‐ _‐ノv「大丈夫? その……老後とか」
川;゚ -゚)「あぁ心配するな。死ぬまでブーンについていくつもりだから……っておい」
从#゚∀从「死ねぇぇぇぇええぇぇえぇ!」
( ∴)「ム? キさマ、ツンの妹カ? スサノオとイッタな?」
从#゚∀从「昔の名前はとうに捨てた! ワシはハインじゃ!!」
切っ先が折れた太刀を振りかざす。
しかし、
从#゚∀从「くっ……!」
( ∴)「アー無理ムり。キさまハヨワい」
一、二、三、四五六七。
確認できるだけで七回太刀を振るった。
だが黒き大蛇には傷一つつかない。
圧倒的な力の差。
違う。
次元の差だ。
シ・エーン
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 02:24:23.71 ID:2ZcdQx7h0
( ∴)「よワイ! 実ニよわイ! これガ神の力なノか!!」
大蛇の眼が妖しく光った。
それは衝撃を起こし、ハインを吹き飛ばす。
从# ∀从「ぐっ!」
叩き落とされ、くぐもった唸り声をあげる。
( ∴)「私ヲ倒すタメにタクサんの神ガ抵抗シタよ!」
( ∴)「ダガ、結果はドウだ!? 今ヤ残りハオマエのミ!!」
( ∴)「神とワタシの決着ヲつけヨウゾ……!」
大蛇が巨大な口を開いた。
口の中で闇が収束して一つの球となり、
( ∴)「死ネ」
堕ちてゆく。
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 02:26:08.58 ID:2ZcdQx7h0
結局私は何も守れやしなかったのか。
ワシはなんとも情けないんじゃ。
姉上に会わせる顔がないのう。
じゃがそれ以上に……。
地上に迷惑をかけてしまった事の方が重罪じゃな。
―――何言ってるのよハイン。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 02:29:05.43 ID:2ZcdQx7h0
从 ゚∀从「姉上!?」
―――私が地上に降りたのよ? それは私の責任。
从 ゚∀从「は……はは、そうじゃったのう」
―――で、どうするの?
从 ゚∀从「ふぇ? どうするも何も。わしはもう死んだのじゃ」
―――そうかしら?
从 ゚∀从「そうじゃ。罪に押しつぶされるくらいなら死んだ方がマジじゃ」
―――背負いなさい。あなたは私の罪を、全ての罪を背負うのよ。
从;゚∀从「姉上、それはあまりにも無責任すぎる」
―――でも、環境は変わった。
从 ゚∀从「共に戦えと?」
―――そう。彼らならきっとゼアフォーなんかうんこよ。うんこ。
从 ゚∀从「うんこっすか……」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 02:30:51.15 ID:2ZcdQx7h0
―――今はダメかもしれない。けれど彼らは絶対奴を倒す。
从 ゚∀从「………」
―――信じてないようねぇ。
从 ゚∀从「当たり前じゃ」
―――まったく。最後くらい私を
ξ^竸)ξ「信じてみなさいな」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 02:32:00.62 ID:2ZcdQx7h0
从 ;∀从「姉上……」
( ^ω^)「お、起きたお」
川 ゚ -゚)「泣いてる。可愛い」
lw´‐ _‐ノv「いないいないば〜」
曝ク ゚∀从「こっ、ココはどこじゃ! ゼアフォーはどうした!!」
ハインは目を覚ますと知らない場所にいた。
どうやらココはブーンの家らしく、自分はあの後見事に気を失ったようだ。
ゼアフォーは結界が崩壊すると同時に空に消えたらしい。
从 ゚∀从「そうか……。まだ奴は完全じゃないのやもしれぬ」
( ^ω^)「あれが……不完全かお」
从 ゚∀从「うむ。奴が高天原に……」
lw´‐ _‐ノv「あ、それチー」
从 ゚∀从「っは! チーは上家からしか」
曝ク;゚∀从「って何わしは和気藹々としてるのじゃ!」
川 ゚ -゚)「実に馴染んでるな」
( ^ω^)「ものすごく」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 02:34:04.98 ID:2ZcdQx7h0
从;゚∀从「と、とりあえずワシは帰る!」
( ^ω^)「ちょ、最後に質問良いかお?」
从 ゚∀从「何じゃ」
( ^ω^)「ゼアフォーって一体何だお?」
从 ゚∀从「……」
―――今はダメかもしれない。けれど彼らは絶対奴を倒す。
从 -∀从(……すまぬ。姉上。わしだけでけじめをつけたいのじゃ)
从 ゚∀从「貴様らには知る権利がない」
( ^ω^)「……そうかお」
最後にそういい残してハインは律儀にドアから出て行った。
川 ゚ -゚)「腑に落ちんな」
lw´‐ _‐ノv「うわ。アイツアガってやがる」
( ^ω^)「今日はたまたま何もなかったお。でも」
(#^ω^)「次こそは……!!」
川 ゚ -゚)「あぁ。私も悪い予感がする」
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 02:35:29.40 ID:2ZcdQx7h0
川 ゚ -゚)「まぁ今日は休め。ボロボロじゃないか」
そう。
実のところゼアフォーからハインを守るために戦っていたのだ。
結果は惨敗。
かろうじて追い返した、いや、あまりの弱さに呆れて帰ってしまった、というところか。
ハインを守る義理は無かった。
ブーンはただ、見捨てられなかった。
それだけのこと。
( ^ω^)「お。じゃあクー、シュー。先に寝るお」
lw´‐ _‐ノv「おやすみ。マイダーリン」
川 ゚ -゚)「あぁ、おやすみ」
川 ゚ -゚)(ゼアフォーか……何やらありそうだな……)
ふとみた外。
月に大蛇の影がうつっていた。
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 02:37:55.00 ID:2ZcdQx7h0
一話終了です
多分次は二話を書いてから一話と一緒に投下します
>>15 それって山の頂上は常に〜のくだりかな?
だったらスマン。言葉足らずだ
次投下する時は修正する
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 02:53:58.84 ID:0CdT0m220
乙
殆んどのキャラクターの形容がない
年齢や背格好くらいは説明してもよくね?
クーの爪ってどんなもんよ?
マニキュア塗ってそうなやつ?
シューってハインの太刀をどうやって受け止めたの?
素手?
ハインの空気の刃って飛び道具?
ブーンがツンを助ける理由がわからない。
同属の誼?それともこれから明らかにするのか?
ハインの太刀はいつ折れた?
元々?
ゼアフォーと戦うブーンたちの描写は省くべきじゃなくね?
何だかんだでバトルものだろ?
モララーはどこ行ったんだ?
先に帰ったの?
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 03:11:00.44 ID:Ey1CEUDW0
おーっと、タイトルに惹かれてきたぜ
追いついたと思ったら終わりか、乙
好きなジャンルだ
まだどこのまとめサイトもないんだろ?
思い切って自分でまとめ依頼してみろよ、エスカルゴに
多分中の人の好みだと思うんだぜ?
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 03:12:27.89 ID:2ZcdQx7h0
>>41 あ な た を 待 っ て い た
言い訳タイムスタート
>殆んどのキャラクターの形容がない
>年齢や背格好くらいは説明してもよくね?
→あーなんかよくね? みたいなね。必要なのか
>クーの爪ってどんなもんよ?
>マニキュア塗ってそうなやつ?
→出た俺の描写のなさ。獣です
>シューってハインの太刀をどうやって受け止めたの?
>素手?
→同上です。獣です。
>ハインの空気の刃って飛び道具?
→です。ソニックブーゥム!
>ブーンがツンを助ける理由がわからない。
>同属の誼?それともこれから明らかにするのか?
→直感でビビビって感じです。明らかにします
>ハインの太刀はいつ折れた?
>元々?
→これ滝汗なんだが。書いたつもりが書いてない・・・
>ゼアフォーと戦うブーンたちの描写は省くべきじゃなくね?
>何だかんだでバトルものだろ?
→ハインにスポット当てすぎたって事です。すいません
>モララーはどこ行ったんだ?
>先に帰ったの?
→ヘタレなんで帰りました。描写しろ。俺。
結論:もっと推敲しよう。な!
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 03:13:48.77 ID:2ZcdQx7h0
>>42 自分で依頼するのどうよ?
って質問が総合であってフルボッコワロタ
なんていうか荒削りですまない
次もう一回投下させてくれ
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 03:18:00.73 ID:Ey1CEUDW0
>>44 それもいいと思うんだけどね
原稿持ち込みみたいな感じで
今はエスカルゴ現行も少ないしチャンスかもとか思ったりした
なんにせよ頑張ってくれ
タイトルは覚えとく
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/18(火) 03:32:20.57 ID:0CdT0m220
>43
キャラの説明は大事だとおも
筋肉ムキムキとガリガリひょろひょろは違うだろ?
着てる服もスーツと袴じゃ随分違うだろ?
常套的なイメージの決まってるブーン小説でも
やっぱある程度は描写が欲しい
読む側として作品の理解を深めたいからな
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
>>46 読者の意見ってすごいありがたいです
ブーン系小説ってオナニーだって言うけど
読者を楽しませるパッションオナニーがしたいよ。僕は
書き直しに精が出るぜ