(*゚∀゚)つーは電気あんまを掛けられるようです

このエントリーをはてなブックマークに追加
1 ◆/dL/7..5tY
まとめ
http://boooonbouquet.web.fc2.com/electromassage/mokuji.html

まとめて下さっているサイト
「ブーン系小説に花束を――」様
http://boooonbouquet.web.fc2.com/



居れる時間→9時まで

書き溜め→2話分
2 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 19:05:13.40 ID:jhcQNxhD0
川 ゚ -゚)「…ハイン、今日こそ決着をつけよう」
从;゚∀从「またお前か…」

最近、ハインはクーに悩まされていた。
どこかで待ち伏せをしては、“決着をつけよう”。


从;゚∀从「大体なぁ、もう決着はあの時に――」
川 ゚ -゚)「あの時は油断しただけだ。
     …それに、私が強くなっている可能性は考慮しないのか?」

ハインがそう返す度に、クーも何かしら理由をつけて反論。


从 ゚∀从「ちっ、やってらんねー…」
川 ゚ -゚)「…逃げるのか?」

逃げようとすると、トドメの“逃げるのか?”


从;゚∀从「…うぜぇな…ああそうだ、逃げるよ!」

しかしハインは特に気にせず、そう言って一目散に逃げていた。
――ただしそれは、昨日までの話。


川 ゚ -゚)「…頼む、私ともう一度勝負してくれ」
从;゚∀从「…は?」

クーの予想外の返しに、ハインの足が止まった。
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/15(土) 19:05:25.64 ID:mLqrybcZO
支援一番乗り
4 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 19:05:59.95 ID:jhcQNxhD0
――。

从 ゚∀从「…まぁ飲みなよ」
川 ゚ -゚)「……。」

二人は近所のカフェの二人席に向かい合い、座っている。
どうやら、ハインが誘ったようだ。


从;゚∀从「で…何で頭下げてまで勝負なんだ?
      アタシには、イマイチ意味がわからないんだが…」
川 ゚ -゚)「プライドの問題だ。
     私は過去、負けたことは何度でもあるが
     負けた相手には必ずリベンジし、勝利している」

从;゚∀从(…頭下げるのはいいんだ…)

理由を聞いてさらによく解らなくなりつつも、ハインはストローでコーラを啜る。


川 ゚ -゚)「悔しかった…キミを一度、屈服させないといけないと思った。
     …あんな負け方をした事なんて、今まで一度も無かったからな」
从;゚∀从「はぁ、そーっすか…」


川 ゚ -゚)「もし次、完全に負けたら…その時は諦めよう。
     …だが一度…あと一度だけ、キミと闘いたい」
从;゚∀从(…コイツ、格闘マンガの読みすぎか何かじゃないのか…?)

ハインは暫く何も答えず、ただひたすらコーラを飲んでいた。
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/15(土) 19:06:51.86 ID:IQhLiSdH0
キタヨキタヨー
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/15(土) 19:07:04.52 ID:XLPz1M1rO
支援
7 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 19:07:06.99 ID:jhcQNxhD0
――。

その頃――クーの手下のA子とS子が、偶然にもカフェの近くの通りを歩いていた。

S子「ちょ、A子胸ギザデカスwww」
A子「はぁ…同じえーこで胸も大きいのに、何で私は顔が良く無いかな…」

こうは言っているが、実際は二人共顔は悪くない。
むしろ標準以上なのだが――


( ФωФ)「ブサイクは入学禁止!」

――と言う、校長の意味の解らないポリシーの所為で
標準以下の容姿の者は切り捨てられる。


A子「中学では可愛いって言われてたのになー…」
S子「S子はブログでは人気者だから平気だおwwww」

結果、出来上がるのは彼女達のような不良。


ちなみに、ブサイクが学校を受けると、面接で――


(#ФωФ)「You! ブサイクは入学禁止って言ってるじゃないか!
        You、最悪だよ! 校長は今日一日機嫌悪いよ! You die!」

――と言われてつまみ出されるらしい。
8 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 19:09:38.94 ID:jhcQNxhD0
――。

さらに同時刻、さらなる偶然。

(*゚∀゚)「〜♪」

なんと、つーも近くの通りを歩いていた。


いっ子「ちょっと、つーちゃん歩くのどんだけ早いのよ〜」
从;'ー'从「そうだよ〜、待ってよ〜」

クラスメートのいっ子、渡辺と一緒に、ショッピングに来ていたのである。


(*゚∀゚)「んぁ、わりーわりー!」

つーがそう言って足を止め、ふと視線を横へやると――そこには、見覚えのある姿。


(*゚∀゚)「…あ」

A子「ゲッ…」
S子「うはwww テラ偶然wwww」

从'ー'从「……。」
いっ子「どんだけぇ〜!?」


最悪の鉢合わせが、ここに実現した。
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/15(土) 19:10:19.65 ID:8/i6LKQkO
支援
10 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 19:10:49.78 ID:jhcQNxhD0
――。

一方その頃、ハイン達は――

从 ゚∀从「やっぱキラのが正しいだろ…
      だって悪党減るんだよ? 何か悪いの?」
川 ゚ -゚)「全く、キミは本当に短絡的だな…
     …もっと別のやり方があるだろう、私はLを支持するな」

――何故か議論していた。
しかも、マンガの話題で。


从 ゚∀从「いや、でもさ…ん?」
川 ゚ -゚)「…何か、外が騒がしいな」

ふと何かに気付き、二人は外を見る。


从;゚∀从「…あ」
川 ゚ -゚)「…あのバカ」

そこには、殴り合いの喧嘩を繰り広げる
つー、渡辺、いっ子、A子、S子の姿。


川 ゚ -゚)「…止めに行くぞ」
从 ゚∀从「言われなくても!」

――ここは、保護者役の二人が動くしか無いだろう。
11 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 19:12:06.20 ID:jhcQNxhD0
――。

从;゚∀从「あっちゃぁ…」
川 ゚ -゚)「…これは酷いな」

ハイン達が駆けつけると、既に――


(#゚∀゚)「てめぇどのツラ下げてオレらの前に顔出してんだよっ!」
A子「ハァ!? アンタらが勝手に私らの前に出てきたんでしょうが!」

つー VS A子。


从' x '从「あっぷっぷ!」
S子「絶対笑わないおwwwww
    …あ、笑っちゃったおwwwww」

渡辺 VS S子。


いっ子「ど、どんだけぇ〜!」
▼・ェ・▼「わん!」

いっ子 VS 犬――と、完全に対戦カードが出来上がってしまっていた。


从 ゚∀从「…とりあえずアタシはつーを抑えるよ」
川 ゚ -゚)「では、私はA子を…」
12 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 19:13:49.51 ID:jhcQNxhD0
――。

从;゚∀从「落ち着け! 落ち着けって!」
(;*゚∀゚)「はなせー! はいんー!
     あいつだけはぶっ殺すー!」

川 ゚ -゚)「A子、みっともないぞ」
A子「放して下さいクーさん! これは私たちの問題です!」


从ΦーΦ从「あっぷっぷ!」
S子「今度こそ笑わないおwwww
    …あれ、また笑っちゃったおwwww」


いっ子「わ、わん! わんわん!」
▼・ェ・▼「日本語でおk」


先ほどまで静かだった通りは一変。
つー達の乱闘と、野次馬の集まりで大混乱に陥っていた。


从#゚∀从「しゃぁねぇ! 強制的に大人しくさせてやる!」
(*゙∀゙)「あ、ちょ…は、はいん! やだ! こんな町中で…っ!」

川 ゚ -゚)「お前もだA子! 反省しろ!」
A子「ぬわー! ギブギブギブ痛いですクーさぁぁぁぁんッ!」

結局、ハインは電気あんま、クーは関節技で二人を大人しくさせたのだった。
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/15(土) 19:14:41.04 ID:8/i6LKQkO
どういう会話の流れだったんだwww
支援
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/15(土) 19:16:07.54 ID:uoBW00QVO
支援
15 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 19:16:53.96 ID:jhcQNxhD0
――。

从#゚∀从「おら、反省の言葉ッ!」


(;*゚∀゚)「…ごめんなさい、二度としません…」

A子「あ…暴れてすいませんでした」

从'ー'从「えっと、とりあえずごめんなさい〜」

S子「S子べつに悪い事…あ、いや、ごめんなさい」

いっ子「反省してま〜す」

▼・ェ・▼「そもそも俺関係ねぇし…」


从#゚∀从「そこの犬、きちんと反省しろーッ!」

ハインは犬の両足を掴み、股間に足をあてがう。


▼;・ェ・▼「ちょっと待て何かおかしいだろー!」

从#゚∀从「喋る犬が一番おかしいわー!」

▼ ェ ▼「きゃ…きゃいぃーんっ!!」

川 ゚ -゚)「よい子の皆! 動物虐待になるかもしれないから、絶対真似しないでね!」
16 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 19:18:34.40 ID:jhcQNxhD0
――。

从#-∀从「…はぁ… 今日は一日疲れたよ」
(;*゚∀゚)「ごめんなさい…」

夜。

椅子に座って不機嫌そうにしているハインの肩を、
機嫌取りにとつーが揉んでいる。


从 ゚∀从「…へぇ、アンタ上手いじゃん」
(*゚∀゚)「ん、まぁな…よくじーちゃんの肩揉んでたからさ」

从 ゚∀从「あ、そうだ…いい事思いついた。
      …つー、ちょっと立ったまま向こう向いて?」
(*゚∀゚)「へ? …あ、こう?」

つーは言われるままに、ハインに背を向ける。


从 ゚∀从「そうそう、それで…」

ハインは椅子から立って、つーの背後に立ち――


从 ゚∀从「…こうする!」
(;*゚∀゚)「ひゃっ!?」

――後ろから、つーの股間に手を伸ばした。
17 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 19:20:39.77 ID:jhcQNxhD0
从 ゚∀从「そんで…揉む!」
(*゙∀゙)「は、はいん…それは…ぁっ!?」

ハインはそのまま、スカートの上からつーの股間をゆっくりと揉む。


从 ゚∀从「実験だからゆっくりやってるけど、
      こうすれば相手のダウンを取らなくても
      電気あんまと同じような状態に持っていけると思うんだ」
(*゙∀゙)「ふぁ…ぁ、ひっ…」
从 ゚∀从「…っ」

特に抵抗もせず、成すがままになっているつーの姿を見て、
ハインの身体の中に、妙な衝動が駆け巡る。


从;゚∀从(…あぁ、まただ…!)
(*゙∀゙)「んぁ…ッ?」

まるで何かに操られているかのように、
ハインはつーのスカートの中に手を入れ、下着越しにつーの秘所を撫でる。


从;゚∀从(…この感じ、まさか…!)

信じられない、と言った表情で、ハインはつーの股間をまさぐっていた。
しかし撫でていく内に、ハインの感じていたものは確信へと変わる。


从;゚∀从(…毛が、無い!?)
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/15(土) 19:20:47.16 ID:XLPz1M1rO
支援
19 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 19:21:53.75 ID:jhcQNxhD0
――。

(*゙∀゙)「…ぅ…ぁっ」
从 ゚∀从「つー…ちょっとごめんよ!」

(;*゙∀゙)「ひにゃっ!?」

ハインは意を決し、つーの下着の中に手を入れる。


从;゚∀从(…無い! やっぱり無い!
      アタシなんて【自主規制】なのに…!)

そして、毛が無い事を確かめる為に撫でていくうちに、
ハインの手は、つーのスジまで伸びていた。


(*゙∀゙)「んっ…」
从 ゚∀从「……。」

ハインは躊躇わず、スジに指を差し込む。


(*゙∀゙)「ひぁ…っ!」

くちゅ、と音がして、生暖かい感触が指を包んだ。


从;゚∀从(…なにやってるんだ…アタシは)
20 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 19:23:06.30 ID:jhcQNxhD0
从;゚∀从(…駄目だ…やめろ、ハイン)

ハインの手が、つーの中から――
つーの下着から、つーのスカートから、這い出て来る。


从;-∀从「…ごめん、つー…」
(*゙∀゙)「…ん…?」

自らの右手を押さえ込み、咄嗟につーに謝っていた。


(*゚∀゚)「…お仕置きじゃ、ないの…?」
从;゚∀从「――っ!」

その時、ハインは悟った。


从;゚∀从(つーは…アタシに何かされるのを、全部お仕置きだと…
      …だから、されるのは仕方ないと…そう、思っている…)

納得すると同時に、罪悪感がハインを襲う。


从;゚∀从(…アタシがつーを…こんな風に、してしまった…?)


第八話
「犬の方がいっ子より多く喋っている可能性」
――END
21 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 19:25:05.00 ID:jhcQNxhD0
諸事情につき40分ぐらいまで休憩です。

質問とか、何かあればどうぞ。
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/15(土) 19:26:06.94 ID:nKHdftK6O
乙すー
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/15(土) 19:27:18.84 ID:ztOaPXyxO
エロ書いててむなしくならない?
24 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 19:27:54.60 ID:jhcQNxhD0
>>23
男と女だと虚しいけど
女同士だとそうでもないよ!

…そうでもないよ。
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/15(土) 19:33:50.20 ID:39bmmZr40
支援
26 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 19:33:58.55 ID:jhcQNxhD0
从#゚∀从「オラオラ、いい加減にしろー!」
(*゙∀゙)「は…はいん、やめて、やめてよー!
     …ふぁ、ぁ…ひあぁぁぁぁんっ!?」

つーがびくんと身体を痙攣させ、下着に染みを作ると、
ハインがつーの両足を放し、つーは股を開いたままダウンする。


从 ゚∀从「…ふぅ」

今日はこれで3回目。
つーが悪い事をする度に、ハインは電気あんまを掛ける。


从 -∀从(間違い無いな…でも、何で今まで気付かなかったのかね…)

最初の方は、確かに嫌がっていた。
しかし最近は、つーの方から寝そべり、脚を開く事もあるほど。


从 ゚∀从(全部じゃないだろうけど…
      …やられたくて、悪さしてる事もあるね…)

しかし、気付いていてもハインは何も変えるつもりは無い。
つーが悪い事をすれば、電気あんまでお仕置き。


从 ゚∀从(…まぁ、アタシも癖になってるんだけどね…)

ある意味、お互いにお互いを求めているのかもしれない。
27 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 19:35:08.97 ID:jhcQNxhD0
――。

(*゚∀゚)「…はぁ…」

午後5時、ハインが買い物に行く時間。
つーは寝室で、物思いにふけっていた。


(*゚∀゚)(…ハインが居ないと、寂しい…)

イタズラをしても、叱ってくれる人が居ない。
そもそも、イタズラをする相手も居ないのだが。


(*゚∀゚)(…正直に、言おうかな…)

お仕置きをして貰う為――否。
ハインの気を引くため、イタズラをする毎日。


(*゚∀゚)(…でも…)

もし、それでハインと気まずくなったら。


(;*゚∀゚)(…いいや…まだ、まだだ…!)

そうなったら、全て失う可能性だってある。

――つーは、ハインが思っている以上に利口だった。
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/15(土) 19:36:49.63 ID:nKHdftK6O
支援
29 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 19:37:51.04 ID:jhcQNxhD0
――。

(*゚∀゚)「…ってワケなんだけど…」
( [+]-゚)「なるほど、ねぇ…」

翌日の昼休み、つーは保険医のスカウターに相談を持ちかけた。


( [+]-゚)「普通の恋なら、迷わず応援したいんだけど…
     …いや、同性愛を否定するつもりは無いのよ、でもね…」

スカウターは話しづらそうに、しかし真剣な眼差しでつーに語る。


( [+]-゚)「…あなた達は、友達同士が一番良いと思うの…」
(*゚∀゚)「…そう、ですか…」

( [+]-゚)「ね、聞いて?
     …アタシもね、昔は…
     オトコを好きになって、苦しんでた時期があったわ」

(*゚∀゚)「…その人とは…?」

( [+]-゚)「…告白したら、断られて…気まずくなって、
     そのまま話せなくなっちゃって…そのまま、ね」

(*゚∀゚)「…そう、なんですか…」

つーは、応援して貰いに来たのでは無い、むしろ止めて欲しかったのだが――
しかしスカウターの話を聞いて、内心ガッカリもしていた。
30 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 19:40:32.32 ID:jhcQNxhD0
(*゚∀゚)「…それで…その後は?」

( [+]-゚)「長年苦しんでた所に、そんな事があって…
     高校卒業した後は、手術して、定期的にホルモン打って…
     …今では、身も身体も…あと戸籍上も、女よ」

(*゚∀゚)「…その、恋してた人とは?」

( [+]-゚)「結局、もう直接会う事は無かったけど…
     …テレビで何度も見て、惚れ直してるわ」

(*゚∀゚)「テレビで?」

( [+]-゚)「そう…あいつ、ボクサーやってるのよね。
     …ホントに強くなっちゃって…
     昔は、情けなかったんだけどな…」

スカウターはそう言って――今まで見た事の無いような、寂しそうな表情を見せる。


(*゚∀゚)「オレ、よくわかんないですけど…
     …でも、今のスカウターさんだったら、
     今告白したら…絶対、OK貰えますよ!」

( [+]ー゚)「…ふふ…ありがと、つーちゃん」

(*゚∀゚)「いえ、こちらこそ…
     …お話、ありがとうございました!」

大きく頭を下げて、つーは保健室を後にした。
31 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 19:43:22.92 ID:jhcQNxhD0
――。

(*゚∀゚)(わかるよ、わかってるよ…
     …でも…でも、でもッ!)

つーは、ひたすら廊下を走る。
どこかに行きたい訳でも、急いでいる訳でもなかった。

ただ、自分の中にある何かを振り払うように、ひたすら走っていた。


(*゚∀゚)(…まだだ、まだ…)

つーは走りつづけた。

何がしたいのか、自分でも解らなかった。
ひたすら、何も考えず走った。


( ;><)「わ…わわっ!?」
(;*゚∀゚)「――へっ?」

――結果。


(;*゚∀゚)「のぁーっ!?」
( ;><)「きゃーっ!?」

歩いていた男子と、激突してしまった。
32 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 19:45:38.74 ID:jhcQNxhD0
――。

( ;><)「ご、ごめんなさいです!」
(;*゚∀゚)「あ、いや…こっちこそ悪い! 前方不注意で…」

ふと、男子の視線が自分の脚の辺りに向いていることに気付く。


( *><)「しましま…かわいいパンツなんです」
(#゚∀゚)「なに見てんだよ!」
( ;><)「まごふっ!?」

思わず、手が出る。


(;*゚∀゚)「あ、悪い!」
( ;><)「…もー、暴力反対なんです!」

(*゚∀゚)「……。」
( ><)「…?」

(*゚∀゚)「…かわいいな、お前」
( ;><)「や、やめてください!」

初対面の気がしなかった。

その後、どこか気が合って雑談を交わすうち、二人は仲良くなっていった。
33 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 19:47:07.41 ID:jhcQNxhD0
――。

( ><)「そうなんですか、つーさんはお父さんやお母さんと仲悪いですか…」
(*゚∀゚)「まーな! …ビロードは、どうなの?」

男子の名は、ビロードと言った。 つーとは面識は無かったが、
2学年の学力特待生として、つーもその名前だけは聞いた事があった。


( ><)「…僕も、お父さんは嫌いです」
(*゚∀゚)「へぇ、そーなんだ…」

( ><)「だけど、お母さんは好きです。
      お父さんに怒られても、味方してくれるです」
(*゚∀゚)「…いいなぁ」

つーは違った。
父も母も、彼女の味方なんてしてくれなかった。


(*゚∀゚)「オレも、母さんが味方してくれたら…」
( ;><)「み…味方、居ないですか?」
(*゚∀゚)「…ん?」

ビロードの言葉を聞いて、つーの頭の中に浮かんだのはハインだけ。


(*゚∀゚)「…1人は…居るかな?」
( ;><)「少ないんです! …じゃ、じゃあ…僕も、つーさんの味方になるんです!」
(*゚∀゚)「…え?」
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/15(土) 19:48:15.06 ID:nKHdftK6O
支援
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/15(土) 19:49:00.39 ID:NlMBslhA0
支援
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/15(土) 19:49:08.64 ID:4DOzBRudO
支援
37 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 19:49:56.23 ID:jhcQNxhD0
( ><)「…だから!」

ビロードが、手を差し出す。


( ><)「…僕が出来るのは、勉強だけですけど…
      でも、そんな僕でも何か出来る事があったら…頼って欲しいんです!」
(*゚∀゚)「…あ、ありがと」

つーは、その手を無意識に握り返していた。


( ><)「…あ、そろそろ予鈴が鳴るんです。
       教室に戻らなきゃ…それじゃ、またなんです!」
(*゚∀゚)「あ、うん!」

ビロードが手を振り、つーが振り返す。


(*゚∀゚)(…味方、かぁ…)

(*゚∀゚)「…面白いやつ!」

さっきまで、あれほど悩んでいたのがウソのように――
つーの心は、晴れ渡っていた。

第九話
「敵<他人<友達<親友<味方 の場合」
――END
38 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 19:55:24.04 ID:jhcQNxhD0
とりあえずは、今日はここまで。
支援ありがとうございました。

十話の構想がある程度の時間までに出来たらながらで投下しようと思う。


質問には答え、感想は次回の糧にしますので
もし何かあれば宜しくお願いします。
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/15(土) 19:57:39.85 ID:5bzIytQWO
乙!
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/15(土) 19:58:25.98 ID:nKHdftK6O
乙乙

41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/15(土) 20:01:48.15 ID:8/i6LKQkO
乙でした
42 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 20:10:38.04 ID:jhcQNxhD0
(*゚A゚)「大変や! スクープや!」

教室に響き渡る、のーの甲高い声。


(;*゚∀゚)「相変わらずうっせぇな…」

恐らく、教室に居る殆どの生徒が、つーと同じ事を思っただろう。


(*゚A゚)「いや、ホンマ今回は大変やねんて!
    なぁ聞いて! 聞いてってばー!」

のーの“スクープ”はもう聞き飽きているのか、
それとも、余計な事に首を突っ込みたくないのか。
どちらかはハッキリしないが、誰も耳を貸そうとしなかった。


(;*゚A゚)「うー…
    …解ったわ! 誰にも話さへん!」

暫くするとのーは勝手に居なくなり、教室に静けさが戻って来る。


(*゚∀゚)(…ま、そんなモンだよなぁ…)

つーは特に気にする様子も無く、
購買で買ったやきそばパンの袋を開け、かぶりついた。
43 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 20:15:15.36 ID:jhcQNxhD0
――。

(*゚A゚)「…今度こそ…絶対凄いスクープ撮って、
    そんで皆を驚かせて…うちの実力を見せつけるんや!」

放課後。
のーはそう言いながら、いつものようにカメラを構えて周囲を見回す。


(*゚A゚)「…しっかし、どいつもこいつも下らんなぁ…ん?」
( ><)「……。」

のーの眼にとまったのは、
何やら周囲を警戒しながら、皆とは違う方向に歩いていくビロードの姿。


(*゚A゚)(ペロ… これはスクープの香り!)

勿論、好奇心の強いのーがそれを見逃す筈も無い。


(*゚A゚)(ふふ、隠密行動は慣れてるで…!)

抜き足差し足忍び足。
ビロードに感付かれないように、ゆっくりと尾行する。


(*゚A゚)(…特待生のスクープ…絶対ウケるで!)

好奇心だけが、のーを突き動かしていた。
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/15(土) 20:17:19.10 ID:8/i6LKQkO
支援
45 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 20:20:21.67 ID:jhcQNxhD0
――。

(*゚A゚)(どこまで行くんや、特待生…
     …む…誰や、あれ?)
ハハ ロ -ロ)ハ「〜〜!」

物陰から、眼鏡を掛けた女性が現れる。
どうやらビロードとは知り合いらしく、出会い頭に声を掛けていた。


( ><)「〜〜。」
ハハ ロ -ロ)ハ「〜〜。」

(*゚A゚)(特待生に密愛発覚…! …これは凄い!
    …せやけど、ここからやと聞き取れへんな…)

のーは二人の会話を聞こうと、ゆっくりと近寄っていく。
しかし――彼女は大きなミスを犯した。


(;*゚A゚)「…あっ」

( ><)「……!」
ハハ ロ -ロ)ハ「…!?」

(;*゚A゚)「…し、しまっ…」

ビロード達に意識を集中し過ぎ、足元を全く見ていなかった。

――結果、足元の石につまづき、二人に感付かれてしまったのだ。
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/15(土) 20:24:10.06 ID:nKHdftK6O
支援
47 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 20:27:01.38 ID:jhcQNxhD0
――。

翌日、授業が始まる前の教室。

从'ー'从「ねぇねぇ…つーちゃん、ハインっち、知ってる?」
(*゚∀゚)「ん? どした?」
从 ゚∀从「何だ?」

渡辺が、二人に声を掛ける。
あまりいい話では無いらしく、表情が暗く、口調も真面目だ。


从'ー'从「ね、落ち着いて聞いてね…?
      …まだ公表されて無い話だから、騒いじゃダメだよ?」

何故か知らないが、渡辺はそう言う話に詳しい。


(*゚∀゚)「…ああ、わかった」
从 ゚∀从「で…なんだよ、話してくれよ」

その雰囲気に呑まれたのか、
つー達も表情が真面目になり、声も小さくなって来た。


从'ー'从「…実はね、1組の…のーちゃんがね」

――つー達が渡辺から聞かされたのは、あまりにも衝撃的な話だった。
48 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 20:34:34.29 ID:jhcQNxhD0
――。

川;゚ -゚)从;゚∀从「な…なんだってー!?」(゚∀゚*;)
从;'ー'从「…もうっ! 騒がないでって言ったのに…っ!」

渡辺は、三人の頭を順番に叩く。


从 ゚∀从「あぁ、スマン…でも、ついな」
(;*゚∀゚)「つーか…その話聞いて、騒がないでいるってのが無茶だぜ」
川 ゚ -゚)「…で…その話は、本当なのか?」

从'ー'从「うん…って言うかちょっと待って。
      …そこのロングヘアの人、いつからそこに?」

川 ゚ -゚)「すまん、ちょっと楽しそうだったから…
     …と言うかノリでああ言ったが、実は話は聞いていないんだ」
从 ゚∀从「…そうだな…コイツも口は硬い、聞かせてやってくれないか?」

从'ー'从「もう、仕方ないな…あんまり言いたくないけど、もう一度言うよ?」

渡辺は、深いため息をつくと――また真剣な表情になって、話し始めた。


从'ー'从「…昨日、学校の裏でバラバラ死体が見つかったの。
      顔が見つかってなくて、誰かは判別できなかったけど…
      …情報によると、その変死体は“女子”で、
      “紺のスパッツ”を穿いてて、“カメラ”を持ってたらしいの」

女子、スパッツ、そして何よりカメラ――どう考えても、のーだった。
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/15(土) 20:36:52.62 ID:nKHdftK6O
予想外デスしえ
50 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 20:38:37.34 ID:jhcQNxhD0
――。

正直言って、つー達は渡辺の言っている事をあまり信用していなかった。

しかし、数学の授業でも無いのに慌てて教室に入ってきたミセリによって、
つー達の頭の中にあった渡辺の言葉は、疑問から確信に変わった。


ミセ;゚ー゚)リ「…皆さん、落ち着いて聞いてください…」


いつもとは違う真剣な顔、そして口調。

本当に言い辛そうに喋るミセリ。

そして、ざわめく生徒。


教室――いや、学校全体が、異様な雰囲気に包まれていた。
51 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 20:41:59.36 ID:jhcQNxhD0
――。

从 ゚∀从「今日は学校解散か…ま、そうなるわな」
(*゚∀゚)「…でも、何でつーが…」

A子「…フン、簡単な事じゃない…解らないの?」

ハイン達が話していると、後ろからA子がしゃしゃり出て来る。


(*゚∀゚)「あー? …なんだよ、言ってみろよ」

A子「偉そうね…まぁいいわ。
   …ほら、昨日散々シカトされてたでしょ?
   それを苦に思って、自殺したのよ! そうに違いない――」

(*゚∀゚)「…ばーか」

呆れた目、だるそうな口調。
完全に人を馬鹿にする態度で、つーは言った。


A子「なっ…」

(*゚∀゚)「いいか? どーやって自殺したらバラバラになって
    オマケに頭だけ消えれるんだよ! ちったぁ考えろばーか!」

A子「…ぐぅぅ…!」

間違い無く、A子の完全敗北だった。
52 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 20:46:19.89 ID:jhcQNxhD0
――。

A子「じゃ…じゃあ何なのよ!
   アンタの意見聞かせなさいよアンタの!」

(;*゚∀゚)「知るかよそんなこと…ハイン、帰ろうぜ! こいつだるい!」

つーはそう言って、ハインと腕を組んでA子から逃げる。


A子「ど、どこまでも腹立つヤツね。 
   …まぁ、いいわ! アタシここ右だから、またね!」

A子はそう言うと、十字路を右に曲がって帰っていった。


(*゚∀゚)「はいはい、っとー
     …それにしてもすげーな、のーは…
     バラバラになっても、カメラは絶対に放さなかったんだろ?」

从 ゚∀从「…あぁ、そうだね。
      よっぽどカメラが大事だった――」

二人は、顔を見合わせる。


(;*゚∀゚)「――カメラ!」
从;゚∀从「そうだ…カメラ!」
53 ◆/dL/7..5tY :2007/12/15(土) 20:51:56.55 ID:jhcQNxhD0
(*゚∀゚)「カメラの中に何か証拠が!」
从 ゚∀从「…いや…まぁ、落ち着きなよ。
      ただの女子高生のアタシらが、そんなの確認出来るワケ無いだろ?」

(;*゚∀゚)「…あ、そっか…」

どうしようも無い現実に、つーは思わず項垂れる。


(*゚∀゚)「…あー…こんな時、渡辺みたいに親が警視総監だったりしたらなぁ…」
从 ゚∀从「あぁ、ホント渡辺が羨ましい――」

二人は、再び顔を見合わせる。


(;*゚∀゚)「…なぁ、それってさ!」
从;゚∀从「あぁ…な、何で気付かなかったんだ!」

ハインは慌てて携帯を取り出し、渡辺に電話を掛ける。

――この時はまだ、二人は気付いていなかった。
自分達が、立ち入ってはいけない領域に入ろうとしている事に。


第十話
「殺す必要があったのかは非常に疑問」
――END
54 ◆/dL/7..5tY
今日はこんどこそ終わり。
支援ありがとうございました。


それでは。