ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
長編投下の際の注意
 
・超長編(もしくはSS職人)の場合はコテトリ付けようっ! でも住人の空気もよく読まないとだめにょろよ?
・前の文章とレスが離れてしまう場合は、文頭に安価つけてくださぁいですぅ……あの、お茶どうですかぁ?
・基本はお題フリーです。しかし、主に恋愛系(特にハルヒ)が人気の様ですよ。フフフ、僕とキョンたんの恋愛話も大歓迎ですよマッガーレ
・当初の題目は「キョン×ハルヒ」結婚ネタ……けど、今はほとんど皆無。別に時事ネタでなくてもいい…気にしないで
・キョン君、過度な性的描写はやめようね〜、タンスにエロビデ隠してるのハルにゃんに言っちゃうよ
・台詞や他者への呼称等、その人物に対する統一性は違和感が生じないように推敲が必須だね。もし不安であるのならば、まとめ等を参照すること。
・1行には全角120文字、1レスには最大30行まで入るけど、全角で2048文字の制限があるから気をつけて欲しいのね。
・要するに気楽に投下してくれ。メモ帳にまとめて投下、ってのがお勧めだな
・次スレは970以降、臨機応変に対応してくれ!無理なら他のヤツらに頼むってのもありだな…すまん!ごゆっくり〜
・スレが立ってから三日過ぎたスレッドは>>1000まで行かなくても落ちる……これは僕にとっても既定事項だ
・自分で投下した長編はなるべく自分で編集してください、わかりましたか?んん…!もうっ!
・それじゃ、さっさと投下しなさいっ! いい? あたしを退屈させたら罰金だからねっ!

DAT保管庫(停滞中)  http://haruhiss.xxxxxxxx.jp/
新DAT保管庫+SS推薦http://vipharuhi.s293.xrea.com/
新まとめサイト      http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/
DATうpろだ        http://www.uploader.jp/home/harussdat/
雑談所(避難所)     http://yy42.60.kg/haruhizatudan/
雑談所携帯用      http://same.u.la/test/p.so/yy42.60.kg/haruhizatudan/
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:02:59.29 ID:+uiI0OcH0
=====業務連絡===========

・まとめwikiの管理人さんが忙しいから、せめて長編だけでもSS作者は自分でまとめなさいっ!
・「SS作者だけど自分ではまとめられん!」と言うヤツは「まとめ要請とまとめ人たちの報告スレッド」にまとめ要請を書き込んでみるのも一つの手だな。

 まとめ要請とまとめ人たちの報告スレッド
 http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1196380901/ PC用 
 http://same.u.la/test/r.so/yy42.60.kg/haruhizatudan/1196380901/ 携帯用
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:04:26.40 ID:YQjSx3iH0
いちもつ!
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:05:12.77 ID:pggtkzb20
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:05:16.53 ID:YeZS67EDO
乙!
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:05:34.08 ID:GctxdJo0O
>>1乙だが、軌跡の人は前スレ落ちるまでまった方がいい。

規制時間長いしな。
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:08:23.54 ID:KgmmOOzq0
>>1乙!
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:08:58.86 ID:tC7tN3GR0
>>1
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:09:38.46 ID:EFXV4ZYk0
>>1乙!
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:10:20.42 ID:rCKemGU80
一応こっちにも。
ハルヒ「アナル、いじめ、シュールのSSはここまで来なさい!!」
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1196604483/
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:11:45.17 ID:tg3MQDnz0
>>1001のAAムカつくなww
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/02(日) 23:12:06.38 ID:Rv4a3tSA0
前スレ、埋め完了。
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:12:18.67 ID:KgmmOOzq0
え?ww
1001レスのAAって変わったのかよwww初めて知ったし、かなりきめぇww
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:12:40.37 ID:MfctcpRy0
1乙。
1001変わったのかwwww
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:13:03.39 ID:+uiI0OcH0
ゆとり鯖うぜえwwwww
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:13:26.23 ID:/n/KOpx80
>>1>>10乙!
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:14:21.75 ID:tg3MQDnz0
さあ軌跡だ
18涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:14:55.56 ID:mWVQGL9R0
前スレ1000到達したので、後編投下行きます。

40レス程度になると思います。よろしくお願いします。

念のため、今までの話。
涼宮ハルヒの軌跡
http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/3499.html
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:15:12.30 ID:WjMGHqqkO
こんな時にPCアク禁かよorz

だがこれだけは言わせてもらう。
>>1
そして軌跡に期待支援
20涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:15:22.95 ID:mWVQGL9R0
◇◇◇◇
 
 終業式の翌日、俺たちは孤島in古泉プランへ出発することになった。
 とりあえずフェリーに乗って、途中で森さんと新川さんと合流し、クルーザーで孤島までGO。
全く問題はなく順調に目的地までたどり着くことが出来た。
 あとは多丸兄弟を加えて、これでもかと言うほど昼は海水浴、夜は花火&肝試し、さらに二日目は何か変わったものがないか
島中の探索に出かけた。特に何も見つからなかったが、ハルヒはそれなりに楽しんだらしい。
あと、古泉たちによるでっち上げ殺人事件のサプライズイベントはなかった。まあハルヒは名探偵になりたいとか
そんなことは全く考えていなかったからあえて用意しなかったのだろう。今のあいつは、みんなで遊べりゃそれで良いんだからな。
 さてさて。
 そんなこんなで孤島で過ごす最終日の夜を迎えていた。翌日の昼にはここを去ることになっている。
 何事も無く終わってくれれば良かったんだが……
 
「ぷっぱー! サイコー! ご飯は美味しいし、空気はきれいだし、毎日遊び放題! まさにここは楽園だわ!」
 最後の夕食でハルヒは何度目になるかいちいち数える気にもならなくなる言葉を口にする。
確かにこの三日間はかなり楽しかったけどな。料理もオフクロのものとは違うが、高級料理というものを
たっぷり食べることが出来た。
「みなさんに楽しんでいただければ、セッティングした僕としても幸いです」
 古泉はにこやかな笑みを浮かべつつ箸を進めていた。一方で長門はやっぱり機械作業のごとく取る→食べるの動作を続けている。
朝比奈さんは小食っぽくゆっくりと味わって食べていた。
「お飲み物はまだまだありますので」
 そう森さんが空になっているハルヒのコップにジュースを注ぐと、ハルヒは間髪入れずにそれを飲み干した。
もうちょっと味わって飲んだ方がいいんじゃないか? 勿体ない。
 
 食事後、全員が自分の部屋へと戻っていく。中々満喫できた孤島ぐらしも今日で終わりか。荷物の整理とか考えると、
今日はとっとと寝て明日はその片づけで精一杯だろうしな。ハルヒは何かおみやげあたりをあさりそうな気がするが。
 だが、そろそろ就寝時間が近づき、ベッドに腰掛けたタイミングで――
 カチャ。唐突に俺の部屋の扉がゆっくりと開かれる。あまりに突然だったため、俺はぎょっとしてしまうが、
すぐに現れたハルヒの姿に安堵した。なんだ一体。夜ばいなら時間はまだ早いし、お前にやられてもちっとも嬉しくないそ。
「そんなばかげたことを言っている場合じゃない……!」
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:15:47.29 ID:rCKemGU80
しえn
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:15:58.98 ID:tg3MQDnz0
支援
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:16:06.15 ID:pggtkzb20
支援
24涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:16:25.02 ID:mWVQGL9R0
 ハルヒは緊迫感を込めつつも小声という器用な口調で言いつつ、音を立てないようドアをゆっくりと閉める。
 様子がおかしい。何かあったのか?
 俺は立ち上がってハルヒの元に駆け寄る。
「敵よ」
 ハルヒが言った言葉に俺の全身が凍った。冷や汗が体外ではなく血管内に出たかのように、全身に嫌な悪寒が広がっていく。
 敵? 敵だって? この期に及んで一体なんだってんだ。
 すぐにハルヒは苛立ちを見せながら、俺の寝ていたベッドに腰掛ける。そして、すぐにいつぞや見た空中モニターみたいなものを
表示し始めた。
「おい、すぐ近くに長門がいるのに――」
「ばれない程度にやっているわよ。そんなことを気にしている暇があったら、ほら見てみなさい」
 そのモニターをのぞき込むと、夜間の海上を一隻のクルーザーが猛スピードで走っている。別のモニターには
物々しい特殊部隊風の格好をした連中が多数映し出されていた。なんだこりゃ、まるで上陸作戦に備える軍隊みたいじゃないか。
「みたいじゃなくてそうだと考えた方がいいわね。一直線にここに向かってきているわ」
 険しい顔でハルヒ。どうすればいいのか考えているのか、そわそわと両手の指を重ねてほじくるような動作をしている。
 持っている自動小銃や物々しい装備品を見る限り、古泉が仕組んだサプライズイベントの可能性はゼロと考えて良いだろう。
そうだったら、あいつとは二度と口をきいてやらん。冗談にもほどがあるからな。
「狙いは……どうみてもあたしでしょうね。機関の危ない連中なのか、それとも別の組織かはわからないけど、
見たところ現代人間。未来人やインターフェースの可能性はない。連中ならこんなまどろっこしい手はつかわないし」
「上陸するまであと何分ぐらいなんだ?」
「およそ10分」
 ハルヒの言葉に絶望感を憶えた。10分だと。たったそれだけで何をしろというのか。せめてもうちょっとあれば、
古泉たちに話して機関側で対処してもらうことも――
「できないわよ。どうやってその情報を知ったのか、どう答えるつもり?」
 ハルヒの突っ込みに俺は言葉を失う。確かにその通りだ。機関で気が付いていないことを俺が知っていたらおかしい。
長門が気がついてそれを機関に報告してという流れが理想だが、
「有希はまだ気が付いていないみたい。でもこれは幸いよ。有希が気が付いたら、あたしが動けなくなるから」
「長門がそんな連中全部ぶっ潰してくれるかもしれないだろ」
「どうかしら。有希はあたしの観察が目的よ。襲ってきたのが情報統合思念体の急進派とかなら対処するでしょうけど、
今来ているのはただの武装した人間。相手にしてくれるかどうか……」
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:16:39.04 ID:tg3MQDnz0
支援
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:16:37.19 ID:rCKemGU80
しえn
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:16:57.14 ID:5JLK9VpBO
支援
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:17:10.16 ID:tg3MQDnz0
支援
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:17:21.50 ID:pggtkzb20
支援
30涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:17:35.37 ID:mWVQGL9R0
 確かにそうだ。長門自身はどう思うかわからないが、親玉はそういった人間同士の抗争を含めて観察している可能性が高い。
つまりここで武装した連中と例え銃撃戦が始まっても、それはただの観察対象扱いされるかも知れないのだ。
 さらにハルヒは追い打ちをかけることを言ってきた。
「あと機関も頼れないわ。確認したけど、この館には武器の一つも置いていない。元々襲撃される可能性なんて
考えていないんだから当然よね。せいぜい逃げ回ることしかできない。その間に誰かが傷つくわ」
「だが、逃げ回っている間に機関の本部とかに連絡して援軍を寄越してもらえばいいだろ。そうすりゃ、反撃だって出来るし、
救出もしてくれるはずだ」
「忘れたの? 機関はその存在をあたしに知られるわけにはいかないのよ? 一緒に逃げ回りながら、どうやって
その正体を隠すつもりよ。あたしがすっとぼけることはできても、今度は不自然すぎて逆に怪しまれることになるわ」
 ええい、そうだった。機関にとってハルヒにその存在を知られるわけにはいかないのだ。例えここで武器を持っていて、
上陸してくる連中を撃退できたとして、当然ハルヒもその光景を見るわけだからどうやっても言い訳のしようがなくなる。
言い訳ができても、ハルヒがそれを飲んだらそれはそれでおかしな話になる。完全な八方塞がりだ。
 後は未来人に託するしかないが……それもどうだろうか。やれるならとっくにやっているんじゃないか?
ん、ちょっと待てよ?
「みくるちゃんの――ええと、でっかいみくるちゃんだっけ?が言っていたやつってこのことじゃないの?」
 俺の心を読んだかのように、ハルヒが先に言ってしまった。
 朝比奈さん(大)は起こればすぐにわかると言っていた。これ以上わかりやすい危機的状況なんてそうそう無いだろう。
そうなると、このことに未来人は関与しない。理由は知らんが、解決できるのは俺とハルヒだけと朝比奈さん(大)が
言ったんだから間違いない。
 ならば現状でできることはなんだ?
 俺の脳細胞をフル活用した結論は――
「つまり、この別荘の中にいる人間――それも宇宙人・未来人・超能力者に気がつかれることなく、襲ってきた連中を
俺とハルヒで全部撃退し、あまつさえ襲撃者から撃退された理由に関わる記憶を削除すればいいってことか?」
「そうよ。それしか破綻を回避する方法はないわ」
 あっけらかんと答えるハルヒだが、無茶苦茶だろ。確かに超能力者オンリーの世界では、ハルヒは襲ってきた機関主流派の
特殊部隊を全部撃退した実績があるから可能かも知れん。だが、今回はこの別荘内の人間に知られない・相手の記憶を改竄するという
二つの要素が加わる。いくらハルヒが凄い奴とは言っても、こんなことは長門や朝倉レベルじゃなければできっこない。
知られないという点だけでも、一発でも発砲されれば銃声音が別荘内に響き渡り騒ぎになるはずだ。その時点で失敗である。
 朝比奈さん(大)。いくら俺たち次第だからと言われても、これは難易度が高すぎます。しかし、これを突破しなければ、
ここでこの世界は最悪リセットにせざるを得なくなるかも知れない。数ヶ月かけて積み重ねたものがぶっ壊されるのは最悪だ。
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:17:43.76 ID:tg3MQDnz0
支援
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:17:45.30 ID:rCKemGU80
しえn
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:17:52.93 ID:5JLK9VpBO
支援
34涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:18:20.88 ID:mWVQGL9R0
「無茶でも何でもやるしかないのよ……!」
 ハルヒの言葉には怒気がこもっていた。さっきまで幸せ満喫状態だったのを、突然の乱入者によって
テーブルをひっくり返されそうになっているんだから――いや、もうひっくり返されたんだから、怒って当たり前だ。
 だが、どうすりゃいいんだ? とてもじゃないが有効策なんて思いつかないぞ。
 と、ここでハルヒは俺の方に振り向き、
「あたしは外に出る。部屋には念のため自分のダミーを置いておくわ。ベッドで寝かせておくから見た目には
わからないはずよ。鍵もかけてあるし。そして、あんたにはやって欲しいことがある……」
 ハルヒからの頼み。それはとんでもないことだった。
 
◇◇◇◇
 
 俺はハルヒを見届けた後、長門の部屋をノックしていた。時間的に見て、もう敵は上陸したころだろう。
今頃こっちに向かう準備を進めているに違いない。時期にハルヒが撃退行動が始まる。俺に与えられた使命の
タイムリミットはそこまでだ。
 ほどなくして、
「誰?」
「俺だ。すまんが、緊急の用事なんだ。部屋に入れてくれないか?」
 そう答えると、ゆっくりと部屋の扉が開かれていく。中には寝間着に着替えた長門の姿があった。
 俺はそそくさと中に入り、扉を閉める。さて、ここからが勝負だ。
「何か用?」
 長門はいつもの液体ヘリウムのような瞳でこっちを見ている。俺はその前に立ち、
「頼みがある。お前にしか頼めない重要なことなんだ。聞いてくれるか?」
「内容を」
 俺は一旦言葉を再整理してから、
「この別荘を5時間だけ外部とは完全に隔離して欲しい。外で何が起きても中からではわからないようにだ。できるか?」
「可能。しかし、理由が不明」
 やっぱり聞くよな、理由は。だが、はっきり言おう。俺には適切な言い訳が思いつかなかった。むしろ、取り繕えば繕うほど
矛盾や穴が広がり訳がわからなくなる。そんなことをするぐらいなら、いっそのこと――
「理由は……聞かないで欲しい」
「なぜ」
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:18:25.72 ID:tg3MQDnz0
支援
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:18:26.78 ID:wpVhzVMOO
支援開始!
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:18:42.16 ID:5JLK9VpBO
支援
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:18:56.16 ID:tg3MQDnz0
支援
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:19:13.85 ID:pggtkzb20
支援
40涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:19:22.51 ID:mWVQGL9R0
「言えないからだ。どうしても」
 我ながら無茶を言っていると思う。相手にお願いしておいて理由は聞くな。自分が言われたら絶対に納得しないだろう。
だが、それしか方法がないんだ。この最悪な状況を乗り越えるには、ハルヒが撃退し、長門が自分とその他の耳を完全に閉じる。
ハルヒは5時間以内――つまり夜明けまでに全て片づけると言っていた。それで万事解決する。
 俺は長門の肩をつかみ、
「お願いだ。無理を言っているのは百も承知だし、お前がこれで怒るっていうのなら怒ってくれてもいい。
こんなことは今回限りにするつもりだ」
「しかし……」
「最終的に決めるのは長門だから判断は任せる。俺は頼むことしかできないんだから。他の誰でもない、お前自身が判断してくれ。
イエスでもノーでも俺はそれを受け入れる」
「…………」
 長門は何も答えない。ダメか、やっぱり無謀だったか……
 ふと長門が俺に一歩近づいてきた。そして、言った。
「答えられる範囲で良いから教えて。それはなぜ?」
 その質問に、俺は自分でも信じられないくらいに自然と口から出た。
「……俺たちの今を守るためだ」
 長門はその答えに、少しだけ発散させている感情のオーラを変化させたのを感じた。
 今を守る。SOS団を守る。俺の世界でもこの世界でも、俺はそれを守りたい。それはどこまでも純粋で心の底からの願いだ。
 …………
 …………
 …………
 しばらく続いた沈黙の後、長門はゆっくりと歩き部屋の隅にある椅子に座った。
 そして、ぽつりと言う。
「わかった。情報統合思念体への申請は適切にわたしの方で調整する」
 その言葉を聞いたとたんに、俺は大きく飛び跳ねそうになってしまった。スマン長門、本当に恩に着る。
この埋め合わせはいつか必ずするからな。
 ふと、俺は思いつき、
「この別荘を外部から隔離するまで30秒時間をくれ。俺が外に出れなくなっちまうからな」
「わかった。30秒後にここを隔離する」
 長門の言葉を聞いた後、俺は別荘の外へと飛び出した。
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:19:44.06 ID:tg3MQDnz0
支援
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:19:43.92 ID:5JLK9VpBO
支援
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:19:46.99 ID:rCKemGU80
しえn
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:19:49.38 ID:MfctcpRy0
支援
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:19:58.78 ID:pggtkzb20
支援
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:20:08.33 ID:AtQBvzXq0
>>1乙支援
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:20:17.75 ID:tg3MQDnz0
支援
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:20:20.81 ID:wpVhzVMOO
支援
49涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:20:22.19 ID:mWVQGL9R0
 
 俺が別荘から飛び出し、富士山8合目の登山コースのような道を駆け下りる。
 程なくして、孤島の海岸側で発砲音が鳴り響き始めた。最初は散発的だったが、やがて乱射するような激しいものへと変わっていく。
 俺は半分ぐらいまで下り坂を下りると、適当な岩陰に身を潜めて戦闘が始まっている海岸の方の様子をうかがった。
満月までは行かないものの、ほどほどに大きい月の明かりが上陸してきた連中が動き回っているのがわかる。
 あの調子だとハルヒは別荘が外部から遮断されたことを把握しているのだろう。そうなるともう俺はここで様子を見るしかない。
 ふと思う。あれだけ派手なドンパチが始まっていて、現代レベルの機関はさておき、よく情報統合思念体や未来人は気がつかないな。
情報統合思念体の方は長門が何か細工してくれているからかも知れないが、やはり未来人が手を付けない理由がわからない。
時間遡行でも何でもして対処すればいいだけの話だろうに。この時が分岐点になるほどの重要な場所だとわかっているなら、
ここに飛んできて何が起こったのか確認しつつ、対応策を講じれば――
 ここで俺ははっと気がついた。朝比奈さん(大)はハルヒが力を自覚していることは知らない。つまり彼女の言う既定事項には
ハルヒの能力自覚バレはどこにも存在していないことになる。そうなると、今俺の目の前で起きていることを
未来人たちは知ってはならない。つまり、ここで何が起きているのか知らないままでいることが、既定事項なのだ。
俺はずっと既定事項はこなす=何かをすると捉えていたが、逆にあえて何もしない、知らないというもの十分にあり得る。
謎は謎のままに。知らなくても良いことがある。この孤島の一件はそういうことで処理されているのだろう。
 俺はそんなことを考えながら、じっと続く激戦を見守っていた。
 
 数時間が経過した頃だろうか、銃声音はすっかり収まり波の音だけ聞こえる静寂に辺りが支配されていた。
 ほどなくして一つの人影がこっちに登ってくるのが見える。最初はわからなかったが、近づいて来るに連れ、
その姿が鮮明になりハルヒであることがわかった。かなり疲労しているのかふらついた足で歩いている。
 俺はそれを見て飛び出す。
「大丈夫か、おい!」
「……さすがに疲れたわね……」
 そうハルヒはつぶやくと、俺の胸に身体を預けるように倒れ込んだ。見たところ、服が汚れはしているものの、
どこにも怪我はなさそうだ。今まで散々くぐってきた修羅場は伊達じゃないってことか。
「……ちゃんと……有希は説得……できたんでしょうね……」
「ああ、そっちは大丈夫だ。あいつが嘘をつくわけがないからな。きっと上手くやってくれているよ」
「そうよかった……」
 それを確認して安心したのか、ハルヒは膝から崩れ落ちそうになった。あわてて俺はそれをキャッチし、抱きかかえてやる。
相当の疲労があるのだろうな。
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:20:23.97 ID:MfctcpRy0
支援
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:20:37.54 ID:rCKemGU80
しえn
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:20:45.10 ID:5JLK9VpBO
支援
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:21:10.67 ID:tg3MQDnz0
支援
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:21:13.86 ID:MfctcpRy0
しえん
55涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:21:21.45 ID:mWVQGL9R0
「とりあえず寝て良いぞ。後は俺が責任を持ってお前の部屋まで連れて行くから。ああ、そうだ。部屋に置いてあるダミーとやらは
どうすればいいのかだけ教えてくれ」
「あたしが部屋に入れば勝手に消えるようにしているから大丈夫よ……」
 もうハルヒは半分眠りに入ろうとしていた。
 ふと、ハルヒは目を少し大きく開けて、
「みんなはあたしが守る……SOS団はあたしが……守る……だからずっと一緒……」
 そう言い終えると、ハルヒは落ちるように目を閉じて眠り始めた。
 その時のハルヒは――なんだろう。どういうわけだか、とても孤独に見えた。なぜだかわからないが。
 
◇◇◇◇
 
 翌日の朝。俺は別荘の隔離が解除された後にこっそりとハルヒを部屋に戻し、俺も自室に戻っていた。
正直、徹夜になってしまったためかなり眠いんだが、ベッドに篭もるわけにもいかない。俺の役目はまだ残っているからな。
ぼちぼち始まる騒ぎをそれとなく収拾しておくというものが。
 朝日が水平線から完全に上がった辺りで、俺の部屋に来客がやってきた。寝起きのふりをしつつ、ドアを開けると
厳しい顔をした古泉の姿があった。
「すいませんが、少々ご同行願えますか?」
 
 俺が連れられていったのは、孤島の海岸だった。そこには昨日のハルヒの激闘で全員ノックアウトされた武装した人間の山が
築かれている。これだけ見ると異様な光景だな。見たところ、全員気を失っているだけで死んではいなさそうだが。
「昨日の夜、何かあった憶えはありますか?」
「いや、少なくともこんな連中と戦った憶えはねえよ。というか、こいつら一体何者だ」
 古泉の問いかけに、俺は本当のことだけを伝える。実際に俺は戦っていないし、こいつらが何者かも知らないしな。
 俺たちの脇では森さん・新川さん・多丸兄弟がロープを使って武装兵たちを一人ずつ縛り上げていた。
目でも覚まされたら面倒だから予防措置だろう。
 古泉は俺から投げ返された質問に対して、
「機関の人間ではありません。恐らく外部の涼宮さんを狙った組織のもの――あるいはその傭兵かも知れませんね。
この件については完全に機関側の失態です。これだけの規模で活動できる敵対組織を見逃していたんですから。
ここで襲撃される可能性は全く想定していなかったため、一歩間違えれば大惨事の恐れもあった。謝罪します、すみません」
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:21:29.94 ID:pggtkzb20
支援
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:21:37.28 ID:rCKemGU80
しえn
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:21:46.85 ID:5JLK9VpBO
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59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:21:55.10 ID:tg3MQDnz0
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60涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:22:22.72 ID:mWVQGL9R0
「……よくわからんが、こんな物騒な連中を取り締まれるならよろしく頼むぜ。次はこうはいかないかも知れないからな」
「ええ、先ほど機関に連絡してこの者たちをヘリで回収する手はずになっています。最終的には大元の組織までたどり着けるでしょう。
機関としましては二度とこのような暴挙が出来ないように厳正な対処を実施することをお約束します」
 古泉は真剣な表情を崩さない。何だか血なまぐさい話になってきそうだから、これ以上は聞かないでおこう。
人間知らない方がいいことはたくさんあるからな。
「しかし、一体ここで何があったのでしょうか? 長門さんに聞いたところ、このようなものについては全く知らないと
言っていましたし、涼宮さんと朝比奈さんはぐっすり眠っています。何かやったとはとても思えません。
ですが、確実に言えることはこの者たちを倒した存在がいるということです」
「…………」
 俺はしばらく黙ったまま森さんたちの拘束作業を見ていたが、
「ハルヒが寝ていたのは確認したんだな?」
「ええ。失礼ながら合い鍵で中を確認させてもらいましたが、幸せそうな笑顔で眠っていましたよ」
「閉鎖空間とかは発生していないのか?」
「それもしていません」
 それだけつじつま合わせのように古泉への確認し終えると、
「あくまでも俺の推測になるが、こういうのはどうだ? やったのはハルヒだったという話だが」
「……詳しく聞かせて欲しいですね」
 俺は一旦深呼吸し、昨日眠らずに自室でずっと練習していた内容を話し始める。
「ハルヒはこの三日間バカみたいに楽しんでいたわけだ。で、昨日の夜も同じように幸せな気分のまま眠りについた。
ところがどっこいそれをぶちこわすかのような連中が突然やって来た。ハルヒは恐ろしく勘の鋭い奴だからな、
眠ったままでもそいつらに気がついた。しかし、あくまでも夢の中にいたままだったから、そこでこいつらをボコボコにした。
一方でお前たちの言うハルヒの神パワーの影響で現実のこいつらが同時にボコボコにされた。こんなのならどうだ?」
 俺の妄想100%の話に、古泉はしばらく目を丸くしていたが、やがてくくっと苦笑すると、
「なるほど。完全に推測だけの話ですが、涼宮さんの力とあの鋭い勘が組み合わせれば確かにあり得ないとは言い切れませんね。
実際にこの島で現在これだけの戦力を撃退できる力を持っているのは長門さんを除けば、涼宮さんだけですから。
まあ、あとは機関に拘束後じっくりと真相についてこの者たちから聞き出すことにしますよ」
 古泉には悪いが、ハルヒはこいつらから当時の記憶を一切合切削除しているから、何も聞き出せないぞ。ま、後の処置は任せるが。
 そんな話をしている間に、恐らく機関が手配したものだろう数機のヘリコプターが水平線の向こうから飛んでくるのが見えた。
 
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:22:27.57 ID:tg3MQDnz0
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62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:22:28.74 ID:EFXV4ZYk0
支援
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:22:31.34 ID:rCKemGU80
しえn
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:22:40.92 ID:5JLK9VpBO
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65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:23:13.28 ID:tg3MQDnz0
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66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:23:19.56 ID:pggtkzb20
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67涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:23:23.46 ID:mWVQGL9R0
 その日の昼、ようやく目を覚ましたハルヒとともに孤島を後にした。
 フェリーで帰路の途中、ハルヒが俺の話の補強をしてくれるように、夢の中で悪の組織をギッタギッタにしたという話を
延々と朝比奈さんと古泉に語る中、俺はすっと長門のそばにより、
「昨日の夜はありがとうな」
「お礼ならいい。現状維持で涼宮ハルヒの観測を続けるのがわたしの仕事」
 長門の言葉に、どうやら問題は発生していなさそうだとほっと安堵した。情報統合思念体へのごまかし工作はうまくいったようだ。
 朝比奈さん(大)。どうやら一つはクリアしましたよ。
 あとは、残る一つ――恐らく冬のあの事件か。それも何とかしてやるさ、必ずな。
 
 ――だがこの一件はちょっとした尾を引いていたようだ。
 
◇◇◇◇
 
 孤島から帰った後、俺たちSOS団は毎日とまで行かないが、ちょくちょく顔を合わせていた。やることと言えば、
セミ取りとか鶴屋山登りとか孤島への旅行ほどのものではなく、日帰りツアー程度だったが。
 しかし、お盆周辺には俺は家族で実家に帰るので、数日間の空白が発生した。
 んで、昨日帰ってきたばかりなわけで、俺はガンガンにクーラーを効かせた部屋で甲子園をぼーっと見ていた。
ハルヒに帰ってきたぐらいの連絡をしておこうかと思ったが、まあほっといてもあいつなら勘づいて呼び出しのコールを
してくるだろ。できるなら、今日は帰省帰り疲れを取ることに専念したいところだ。
 が、やっぱりハルヒはそんなに甘くない。スターリングラードで的確にドイツ軍の急所を狙ったソ連軍スナイパーのごとく、
突然俺の携帯電話が鳴り響いた。やれやれ、言ったそばからとか噂をすれば影とはよく言ったものだ。
『何よ、家に戻ったのならちゃんと連絡しなさいよね』
「ああすまん。昨日帰ったばかりだったから忘れていたんだよ」
『まあいいわ。あんたも帰ってきたからSOS団の活動を再開するわよ。そんわけで午後二時ジャストに駅前に集合ね。
自転車持参でお金も持ってくること。オーバー♪』
 そう一方的すぎる電話内容で終わる。全く本当に思い立ったが吉日という言葉がお似合いの奴だ。
 ……ん? 何か……違和感が……
 俺は微妙な引っかかりを頭に抱えたまま、とりあえず迫る集合時間に合わせて、俺は出かける準備を始めた。
 
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:23:33.35 ID:rCKemGU80
しえn
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:23:41.76 ID:5JLK9VpBO
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70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:23:57.80 ID:wpVhzVMOO
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71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:23:57.69 ID:tg3MQDnz0
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72涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:24:22.51 ID:mWVQGL9R0
 その日は集合後に市民プールへと足を運んだ。
 やったことと言えば、自転車違法三人乗りで俺の身体が悲鳴を上げたり、人で溢れかえったプールで競争したり、
朝比奈さんの超極上サンドイッチをほおばらしてもらったりと、まあそれなりに充実させてもらった。
 しかし、残り少ない夏休みを完全に骨までしゃぶり尽くす気満々のハルヒはそれで収まるわけがない。
 集合した喫茶店でハルヒが突きつけてきたA4ノートの紙切れには、
 『夏休み中にしなきゃならないこと』
 ・夏期合宿(×)
 ・プール(×)
 ・盆踊り
 ・花火大会
 ・バイト
 ・天体観測
 ・バッティング練習
 ・昆虫採集(△ セミ取りだけだから)
 ・肝試し
 ・他随時募集
 
 ……なんか似たようなのをウチの団長様も言っていたな。考えることはやっぱり一緒か。
残り二週間でこれを全部こなすつもりかよ。中々ハードスケジュールだぞ。俺の夏休みの課題も終わっていないというのに。
 そういや俺の世界ではこの二週間を15498回繰り返したんだっけ。当時は長門に聞かされて仰天したもんだ。
一方で、ここにいるハルヒがそんなことをするわけがないので安心してこれらのイベントに没頭できる。
力を自覚している以上、そんなことをしでかす理由がない。古泉が妙な素振りを見せないのが良い証拠だ――
 ふと、俺はハルヒが夏休みの過ごし方を延々と演説している中、気がついた。長門の様子がどことなくおかしい気がする。
前回のように文芸部ですっかり人間らしくなった長門に比べると、まだまだ無表情インターフェース状態だったが、
それでも発している感情オーラが徐々に異なってきていることには気がついていた。
 その長門の様子がどうもおかしい。俺にはそう思える。
 今後の夏休みの予定を確認し終えて、今日は解散と全員がばらばらに帰路につくときに聞いてみることにした。
「おい長門」
「…………」
 俺の呼びかけに、無言で振り返る長門。俺はどういって良いのか少し考えてから、
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:24:36.50 ID:pggtkzb20
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74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:24:55.56 ID:EFXV4ZYk0
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75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:24:59.32 ID:tg3MQDnz0
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76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:25:13.82 ID:5JLK9VpBO
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77涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:25:21.07 ID:mWVQGL9R0
「いや……特に何でもないんだが、最近はどうだ? 元気か?」
「元気。問題ない」
 長門は少しだけ頷いて答えた。しかし、やはりその表情は何かいつもと違う――俺が里帰りに行く前に会ったときとは
大きく異なっているように感じた。何というか……うんざりしているように見受けられる。
 この時、俺ははっと思い出した。15498回繰り返したあの夏の日、当時も俺は長門に同様のことを感じていた。
そうなると今もひょっとしてループしているのか? そんなバカな。ハルヒが意図的にそんなことをやって何の意味があるんだ。
聞いたところで何いってんのバカ、と一蹴されて終わるだけだろう。
「そうか。ならいいんだ」
 そう告げると、長門は帰宅への足を再開させていった。
 俺は何となく――ハルヒを信用していないわけではなかったが、何となくすでに姿を消していた古泉に携帯をつなげてみる。
『あなたからの電話とは珍しいですね。何でしょうか。何なら殺気の喫茶店まで戻りますよ』
「いや電話で構わん。一つ聞きたいことがある」
『なんでしょうか』
「今日のプールでの出来事だが、何というか既視感みたいなものを感じなかったか? 以前に同じようなことをしたようなって」
 ……古泉は恐らく考えているのだろう、しばしの沈黙を続けた後、
『いえ全くありません。僕の頭では子供の頃にプールではしゃいで遊んだ懐かしい記憶が蘇る程度です。
もちろん、時間も場所も何もかも違うので既視感には当たりません』
「……そうか」
 あのエンドレスサマーでは、俺と同時に古泉や朝比奈さんも異変を察知していた。万一、それと同じ事態が今も起きているのなら、
とっくに勘づいているはずだろう。
 古泉は俺の様子がおかしいのを悟ったのか、
『何か不安ごとや異変があるのでしょうか? そうであるなら、いつでも相談に乗りますよ』
「いやいい。何でもない――ただ遊びすぎて少々疲れが出ているだけみたいだ」
 俺はそこでありがとなと電話を切る。大丈夫だ。ループなんて起きていない、ハルヒが起こすわけがない……
 だが、頭の中に引っかかるものはなんだ? なんなんだ。
 
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:25:29.83 ID:tg3MQDnz0
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79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:25:35.28 ID:rCKemGU80
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80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:25:56.22 ID:5JLK9VpBO
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81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:26:00.90 ID:tg3MQDnz0
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82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:26:07.22 ID:pggtkzb20
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83涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:26:23.81 ID:mWVQGL9R0
 それからの二週間は怒濤の勢い出過ぎていった。
 浴衣を買って。
 盆踊りに行って。
 縁日で遊んで。
 花火をぶっ放しまくって。
 昆虫採集でセミやその他諸々をキャッチアンドリリースして。
 スーパーで着ぐるみバイトに専念して。
 長門のマンションの屋上で天体観測をして。
 バッティングセンターで来年の野球大会優勝を目指して練習に励んで。
 花火大会へ行きハルヒが大はしゃぎして。
 ハゼ釣り大会にも参加して――
 
 まさに充実した毎日だった。思わず夏休みの課題なんかどこかにすっ飛んだほどだ。
とはいえ、二学期早々課題の白紙提出なんていうマネをしでかしたら、せっかくの夏休みの充実気分が、エベレストからマリアナ海溝最深部の
さらに海底クレバスまで一気に落ちる気分が味わえること確定なので、ハルヒの予定表に俺の課題という項目を追加しておいた。
結果、夏休みの終了二日前は長門の家で、課題完了ツアーに突入した。本来なら自分の家でやりたかったが、妹がミヨキチを連れて
遊ぶということだったので、追い出されてしまったのだ。
 そんなこんなで白紙の俺の課題が終わるのはすっかり夜が更けた頃になっていた。
「はーい完了!」
「終わったぁぁぁぁ!」
 俺はハルヒの言葉とともに万歳ポーズを取ってしまう。全く人生最大の困難な日だったぜ。
 SOS団のみなが拍手で俺を歓迎してくれる。ありがとうみんな……助かった、本当に恩に着る。
 ――って、何を感傷に浸っているんだ俺は。それどころではないというのに。
 この二週間、俺は散々あの既視感に悩まされ続けた。しかし、それは俺だけで朝比奈さんも古泉も全くそんな素振りは見せていない。
一方で長門は微妙にうんざりした雰囲気を放出していた。最初はただの気のせいかと思っていたが、今では俺にはどうしても何かが
起こっているとしか思えなくなっている。よくよく考えてみれば、俺の世界に捕らわれすぎていてハルヒのエンドレスサマーしか
思いつかなかったが、実は別の宇宙人の仕業とかそういう可能性も十分にあるんだ。ハルヒすら気がつかずに
それが密かに続けられていたのなら、かなりまずいことになる。
 そんなわけでハルヒがSOS団夏休み活動終了を宣言し解散となった後、俺は長門の部屋に密かにお邪魔することにした。
ハルヒに相談することも考えたが、相手が未知の宇宙人だったら長門の方が事態を把握しているだろうからな。
84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:26:33.66 ID:rCKemGU80
しえn
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:26:45.04 ID:5JLK9VpBO
支援
86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:26:54.19 ID:tg3MQDnz0
支援
87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:27:14.54 ID:pggtkzb20
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88涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:27:22.88 ID:mWVQGL9R0
「よう、すまんがちょっといいか?」
『……入って』
 長門は待ちかまえていたように、俺を自室へと導く。相変わらず何もない殺風景な部屋の中心に俺と長門は座って対峙した。
 さてどう切りかけるか。
 俺は正座したまま微動だにしない長門に視線を合わせ、
「単刀直入に聞くぞ。今おかしなことが起きている。これでいいんだな?」
「そう」
「ならそれは何だ? やっぱ――いや、ひょっとして夏休みが終わらずに延々と続いている状態か?」
「…………」
 この問いかけに長門はただ無言でこくりと頷いた。そして続けて、
「現在、この限定された時間領域は隔離状態に置かれている。日数は8月17日から31日まで。31日が終了した時点で
時間軸上に存在している全てが17日時点の状態に戻される」
「つまりハルヒや朝比奈さん、古泉は31日が終わった時点で完全にリセット状態になって、
そうなっていることに気がついていないってことか? だが、何で俺とお前だけはそれに気がついたんだ?」
「わたしは涼宮ハルヒの観測に必要なため、そのループ状態に巻き込まれないように対処している。
あなたが微弱ながらなぜ繰り返されていることについての記憶の残滓があるのかは不明。解析不能な事象。ただ――」
 長門は一拍置いて、透き通った視線で俺の瞳の奥まで見通し、
「涼宮ハルヒがあなたに何かを訴えかけている可能性が推測できる」
 なるほどね。ハルヒが――ってちょっと待て! これをやらかしているのはハルヒだって言うのか?
 長門はこくりと頷いて答えた。
 バカな。そんなわけがない。ウチの団長様だったら登校拒否みたいな理由でやらかす可能性は大いにあるが、
散々言ったがここにいるハルヒがそれをする意味がどこにあるというのだ。逆に自分の能力自覚がばれる可能性があがるだけだぞ。
 思わずそう反論したくなるが、できなかった。ハルヒが自覚していないという前提で話している以上、
ここで俺はそれもありうるかと反応すべきなんだからな。ええい、鬱陶しいことこの上ない。
 しかし、逆に犯人がハルヒなら対処方法は簡単だ。直接言って止めさせればいいからな。それでそんなふざけたループ状態も終わりだ。
 と、ここで長門が口を開き、
「ループは現在9913回続いている。そのパターンは決して一定ではないが、たった一つだけ全て共通している部分がある。
それはわたしの確認した限り涼宮ハルヒは必ず31日が終わる直前に文芸部室にいるということ」
 文芸部室だと? あいつ夏休みの終わる前に何でそんなところにいるんだ?
 しかし、今回も9913回もやっていたのかよ。そりゃ俺の頭のどこかに繰り返した分の記憶のカスが残っていてもおかしくないな。
89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:27:24.57 ID:tg3MQDnz0
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90以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:27:27.06 ID:wpVhzVMOO
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91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:27:31.60 ID:rCKemGU80
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92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:27:43.09 ID:5JLK9VpBO
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93涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:28:22.42 ID:mWVQGL9R0
でも、どうして朝比奈さんや古泉は気がつかないんだ。俺の世界の時以上に完全な記憶抹消を受けているんだろうか。
 長門はさらに続けて、
「この状況になってあなたがわたしに相談を持ちかけたのは初めて。そして、31日終了直前にあなたが涼宮ハルヒとともにいる
パターンは一度も存在していない。ならば、それがループ解消の鍵となる可能性がある」
 つまり明日の夜、俺に部室へ行けってことか。ハルヒが意味もなく、そこにいるとは思えない。恐らくそこで起きる何かが
原因となってループとなっているのだろう。ひょっとしたらハルヒ自身もループしていることに気がついていないかもしれないが。
 とりあえず、やるべきことはわかった。エンドレスサマー再びの決着はそこでつけることにしよう。
「ありがとな、長門。あとはどうやら俺の仕事みたいだから何とかするよ」
 そう言いながら俺は立ち去ろうとして――
「待って」
 突然長門から呼び止められる。まだ何かあるのか?
 俺は振り返り、
「何だ?」
「聞きたいことがある」
 長門の発している雰囲気はいつもとはまた異なったものだった。
 続ける。
「涼宮ハルヒは時折わたしに対して解析不能な感情を見せてくるときがある。ただじっと見ているだけだが、
その行為はわたしに何かを訴えかけているように思えた。それがなんなのか、あなたがわかるなら教えて欲しい。
それはわたしに酷くエラーを発生させるものだから、早い段階での解消が必要と判断している」
 その言葉に、俺はすぐにそれがなんなのかわかった。
 すっと長門の前にしゃがみ、
「それはな、長門がどこかにいっちまったり消えたりしないかって不安になっているんだよ。お前だけじゃないさ。
きっと朝比奈さんや古泉にもそれは向けられている。誰一人として失いたくない。それがあいつの本心からの願いだ。
それは俺も同じだけどな」
「わたしにここにいて欲しい……」
 長門は復唱するようにつぶやく。
 ああそうだ。前回の世界みたいに、自分で歩むと決めた結果、結局離ればなれなんて最悪だからな。
 俺は長門の肩をつかむと、
94以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:28:30.89 ID:tg3MQDnz0
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95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:28:34.39 ID:rCKemGU80
しえn
96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:28:38.51 ID:pggtkzb20
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97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:28:42.23 ID:5JLK9VpBO
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98以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:29:09.40 ID:wpVhzVMOO
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99涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:29:21.73 ID:mWVQGL9R0
「9000回以上も同じループを体験させられて辛いのはわかっている。でも一人でそれを抱える必要なんて無いぞ。
役目とかそんなことはどうでもいい、いつだって俺とハルヒはお前の相談に乗るからな。だから、ハルヒのそばにいてやってくれ。
今はそれ以上は望んでいないから」
 その俺の言葉に、長門はいつも以上に大きく頷いた。
 
◇◇◇◇
 
 夏休み最終日の夜、俺は旧館の文芸部室へとやってきた。入り口の鍵は開けっ放しになっていることから、
すでにハルヒがこっそりと侵入しているみたいだった。
「よう」
 部室に入ると私服姿のハルヒがだらんと団長席に突っ伏していたが、俺の姿を見るやぎょっとして立ち上がり、
「キョン!? 何であんたここに!?」
「……原因はお前が一番わかっているんじゃないか?」
 俺の言葉に、ハルヒはしばらく呆然としていた。
 ほどなくして額に手を当てて、ため息を吐き、
「そっか……やっぱりあたしが繰り返していたのね。夏休み」
 そう脱力するように部室の壁に背を付けた。やっぱり自分でも気がついていなかったのか?
 俺はハルヒの前まで行き、
「事情はよくわからんが、まずいのは確かだ。何でこんなことをやっているのか、お前自身がわからないと解決のしようがねえ。
不安なことでもあるのか?」
「……理由なんてとっくにわかっているわよ」
 あっさりとハルヒは言った。なに? どういうことだ。
 ハルヒは続ける。
「この二週間は凄く楽しかった、何にも考えることなく、ただ遊びに夢中になれた。こんな状況がいつまでも続けばいいって……」
「それでループさせていたのか。この二週間を」
「良いことだとは思っていないわ。でも……ダメなのよ! どうしても自分で自分が拒否できないの!」
 次第にテンションが上がってきたのか、ハルヒの口調が強くなっていく。
 俺はそれをただ黙って聞いていることしかできない。全くこんな時に気を利かせられない俺自身に憂鬱だ。
100以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:29:25.68 ID:tg3MQDnz0
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101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:29:35.02 ID:rCKemGU80
しえn
102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:29:50.32 ID:5JLK9VpBO
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103以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:29:57.81 ID:pggtkzb20
支援
104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:29:58.56 ID:tg3MQDnz0
支援
105涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:30:21.16 ID:mWVQGL9R0
「ずっと前から、あたしはみんなと完全に一緒になれないって思っていた。孤島の時も、結局あたしだけがみんなとは違う場所で
戦っていて、まるで有希やみくるちゃん、古泉くんとの間に分厚い壁があるみたいに感じた。あたしだけが違うのよ!
こうやって能力を自覚しているってことを隠し続ける間はどうしてもみんなが遠く感じられる。あたしが必死に近づいても、
ちょっとああいう孤島の事件みたいなのが起これば、一気に距離が遠くなる気がしてたまらない!」
 あの時感じたハルヒの孤独。そうか、みんなと遊んでいればいいと思いつつも、隠さなければならないことが多すぎて
どこか距離感を感じてしまう。当然のことだろう。俺だって、あいつらと触れるたびに微妙な距離感を保つ必要に
迫られ続けているからな。
「このままだとずっと一緒になれない……でも、この二週間は大きな問題とか発生しなくて、また距離を縮められた気がする。
でも、時間が経てばまた変な問題が発生して遠くなっちゃう。それにあんたの言っていた冬の日の事件もその内起こるかも知れない。
そうなれば最悪リセットするしかなくなる恐れもある。そんなの嫌よ……あたしはみんなのそばにいたい。
だから、いっそのこと夏休みが終わらなければずっと近いままでいられるって、そう思わず考えちゃって……」
 ハルヒは今にも泣き出しそうになりながらしゃくり上げていた。
 ずっとそばにいたい。それだけの理由。だがそれ以上の理由もないだろう。ハルヒが強く望んでいることだからな。
 俺は思わずハルヒを抱きしめてしまった。あまりにかわいそうで見ていられなくなったからだ。自覚しているからこその孤独感。
それがどれほどのものなのか、俺には想像すらつかないだろう。
 そして、言ってやる。俺の今言える全てを。
「安心しろ。お前がそんな孤独を感じなくなるまでずっと一緒に居てやる。そして、ばれても問題ないようにするんだ。
そうすりゃこれ以上お前が隠す必要なんて無くなる。ここで足踏みしていたって同じことだろ? 一緒に先に進もうぜ。
きっと良い未来が待っているさ。それが無いなら作ればいい。俺の世界のお前はそう言っていたぞ」
 俺の言葉に安堵感が生まれたのだろうか。直接触れたハルヒの身体から伝わる心臓の鼓動が少しずつ大人しくなっていく。
 ふと思う。考えてみれば、気がついていないだけで俺の世界のハルヒも同じように孤独なんだよな。宇宙人・未来人・超能力者が
すぐそばにいるのにそれを知ることもなく、そして周囲で起きる事件に気がつくこともなく、ただ中心に居続けているだけ。
それを自覚していないからあの暴走ぶりなんだろうけど、知ったらどんな顔をするんだろうか。ひょっとしたら、
今抱きしめているハルヒと同じ反応をするのかも知れない。
 ハルヒが小声でつぶやいた。
「……あんたの世界のあたしがうらやましい。何も知らずにただみんなと一緒に遊んでいられるんだから……」
 
 
 翌日、世界は通常運行に戻り9月1日の朝を迎えていた。どうやらハルヒによるループは停止したようだ。
昨日の帰りがけにもう大丈夫と言っていたしな。
106以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:30:29.43 ID:tg3MQDnz0
支援
107以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:30:37.99 ID:rCKemGU80
しえn
108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:30:54.22 ID:5JLK9VpBO
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109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:31:17.46 ID:tg3MQDnz0
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110涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:31:22.75 ID:mWVQGL9R0
 あの孤島の事件から引っ張ってきた問題は一旦終息か。ひょっとしたら朝比奈さん(大)の大きな分岐点の一つは
孤島から始まって終わらない夏まで続いていたのかも知れない。だからこそ、俺とハルヒにしか解決できないんだと。
 
◇◇◇◇
 
 終わらない夏もようやく終わり、俺の周辺は秋への移行が急ピッチに進んでいた。街路樹の落ち葉の量が増えたとかだけではなく、
秋になると文化祭もあるからな。それの準備が始まるって言うことだ。
 
 ハルヒの提案で文化祭の出し物として映画撮影をした。
 文化祭当日は軽音楽部に混ざったハルヒが熱唱した。
 コンピ研との対決は因縁がなかったので起きなかったが、パソコンがらみで相談を受けた際のきっかけで長門が
それに興味を持つようになった。
 
 ――そして、秋も終わりついに冬を迎える。最大の正念場になるであろう、その時が近づいてきていた。
 
◇◇◇◇
 
「クリスマスイブに予定ある人いる?」
 期末テストも終わり、その凄惨な出来の前にひたすらダウナーな俺だったが、そんなこともお構いなしに、
ハルヒはSOS団活動を引っ張り続けていた。秋にはいろいろやらかしたが、冬――特に12月は師走とか言われるぐらいだ。
こいつもダッシュモードでやりたいことをやっていくつもりらしい。
 そんなわけで12月の一大イベントクリスマスにハルヒが目を付けないわけがない。
 ハルヒはいないわよね?と言いたげな視線で団員たちを見渡す。全くクリスマスパーティをするから、ハイかイエスで答えろと
言われている気分だぜ。裏をかいてウィとか言ってやろうか。
「不幸と言えばいいのでしょうか、その日の予定はぽっかりと空いています」
「あ、あたしも特に何もないです」
「ない」
 古泉・朝比奈さん・長門の順で答えていく。
 その答えにハルヒはうむと満足げに頷くと、
111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:31:40.50 ID:5JLK9VpBO
支援
112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:31:44.92 ID:rCKemGU80
しえn
113以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:31:57.14 ID:tg3MQDnz0
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114以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:32:00.54 ID:pggtkzb20
支援
115涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:32:23.11 ID:mWVQGL9R0
「クリスマスと言えばお祭り! つまりパーティーよ! やらない手はない。みんなで部室で鍋パーティをやるわ!
もちろん、部室の中はクリスマス仕様でね」
 そう言ってハルヒは自分の脇に置いてあった紙袋から、クリスマス定番グッズを机の上に並べ始めた。
ついでにじゃじゃじゃーんとか言って、朝比奈さん用サンタコスプレまで取り出す。
「当日はみくるちゃんにもこれを来てもらって、クリスマス一色で行くわよ。覚悟していなさい、サンタクロース!
世界の果てからでもあたしたちが見えるぐらいにド派手にしてやるんだからね!」
 何というかもう無茶苦茶だ。そもそもサンタクロースが信仰心ゼロの人間たちのどんちゃん騒ぎを見かけても、
苦笑するだけじゃないのか? ああ、あと本当にいたとしてもここに飛んでくる前に、我が国の防空網に引っかかって
撃墜されるのがオチだな。そういや、NORAD辺りはアメリカンジョークで本当に探知作業をやっていたりするんだっけ。
「そんな夢を放棄した発言は慎みなさい、キョン。本当に夢のない人間ね」
 んなこと言われても、宇宙人〜とかいろいろなものがいる状態で、今更サンタクロースなんて現れても驚かねえよ。
むしろ、お勤めご苦労様ですとかいって敬礼しちまいそうだ。
 そんなわけでハルヒは一通りの予定を説明し始めた。
 俺はそれを右耳から左耳へと垂れ流しつつ、長門に視線を向ける。相変わらず話を聞いているのかいないのかわからんペースで
読書に励んでいた。今日は12月16日。俺の世界と同じなら明後日の早朝に長門は世界改変を実行することになる。
もちろん、同じタイミングで起きるとは限らないし、エンドレスサマーが4割引で終わらせたから、もっと後になるかも知れん。
いっそ起きないでいてくれるとありがたいんだが、長門に自己表現を止めろと言うのも傲慢な話だ。
 ほどなくしてハルヒの説明が終わり、各自当日まで用意すべきものの一覧を渡されると、今日のところは解散となる。
クリスマスパーティか。あのハルヒ特製鍋は中々楽しみではあるな。
 ほどなくして、今日はセーラ服のままだった朝比奈さんと古泉が部室から出て行った。それに続いて長門も出ていこうとするが、
「待って有希」
 呼び止めたのはハルヒだった。長門は鞄を抱えたまま振り返り、首をかしげる。
 ハルヒは長門の前に立つと、肩をつかんで、
「クリスマスパーティ」
「…………」
「ちゃんと参加するわよね?」
 そう確認を促すように問いかけた。長門は少し首を傾けてから、
「問題ない。参加する」
「……そう」
 ハルヒはそう確認を取ると、肩から手を離した。その手はどこか惜しむような手つきだった。
116以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:32:27.60 ID:tg3MQDnz0
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117以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:32:29.08 ID:rCKemGU80
しえn
118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:32:54.27 ID:pggtkzb20
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119以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:32:58.03 ID:tg3MQDnz0
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120涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:33:21.75 ID:mWVQGL9R0
 長門はまたすぐに出口に向かって歩き出す――が、途中で立ち止まり、
「仮の話」
 そうこちらに背を向けたまま言った。そして、続ける。
「万一、わたしがいなくなったらいつでも呼んで。そうすれば必ずあなた達の元にわたしは現れる。それがわたしという個体の意思」
 長門はそれだけ言うと部室から出て行ってしまった。
 ハルヒはそんな長門に肩を振わせて、
「有希はやるわ。必ずあんたに教えてもらった世界改変をする。あたしの勘がそう言っているわ」
「……そうか」
 やっぱり来るか。あの冬の事件が。
 情報統合思念体はどうするのだろう。俺の世界と同じように放置するのか、それとも前回の世界のように長門を抹消するのか。
 朝比奈さん(大)は俺とハルヒ次第と言っていたが、ただ待つことしかできない……
「ん……?」
 ハルヒは少し違和感を憶えたように頭を撫でる。
「どうした?」
「いや……何でもない。違和感がちょっと……ね。気のせいよ」
 
◇◇◇◇
 
 そして、翌日の夕方が終わろうとしている頃、ついにその時がやってきた。
 SOS団活動の終了後、学校の帰り途中に突然ハルヒから緊急の呼び出しを受けて、帰宅を中断して目的地へと向かった。
俺の世界だと翌日早朝に世界改変発生だったが、やっぱり微妙なずれが起きて早まったらしい。
ただ、時間は違うが場所は同じだった。北高の校門前。
 何でわかったかというと、ハルヒが自分の能力を使われる予兆をキャッチしたからだった。前回では気がつかれないうちに
やられてしまったため、今回は警戒網を敷いていたらしい。
 駆けつけたときにはすでにハルヒは物陰に隠れて準備していた。俺も同じ位置に立ち、できるだけ校門側から見えないようにする。
 ほどなくすれば、長門がやってくるだろう。
「どうする?」
「どうもこうも……事前に阻止しても有希はそれすら打ち消して実行するって言っていたんでしょ?
なら見ているしかできないじゃない。あとは有希自身がどう判断するかよ」
 そんなことを言っている間に、すっと薄暗くなり点灯した街灯の明かりの下に長門が現れる。
121以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:33:28.32 ID:tg3MQDnz0
支援
122以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:33:37.20 ID:wpVhzVMOO
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123以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:33:37.42 ID:rCKemGU80
しえn
124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:33:38.72 ID:5JLK9VpBO
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125以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:34:14.64 ID:tg3MQDnz0
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126以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:34:18.80 ID:pggtkzb20
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127涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:34:24.67 ID:mWVQGL9R0
「……来たわよ」
 俺の心臓が高鳴る。さあどうなる。俺の世界と同じなら、俺以外が全部改変されて、最終的には脱出プログラムを使い
世界を元に戻すために奔走することになる。だが、情報統合思念体はそうなることを許すのか。
 長門はしばらくそこで黒く塗りつぶされつつある校舎を見上げていたが、やがてすっと手を挙げて
空気をつかむような動作をし始めた。
 それを見ながらハルヒは言う。
「前回の有希による情報統合思念体排除と今回の有希による世界改変でどうしてあたしを奴らが敵視するのかわかった気がする」
「何でなんだ?」
「……あたしの力を使えば、奴らを消し去ることが出来る。だから危険だと認識しているのよ。例えあたしにそんな意思がなくても
ただその手段が存在していること自体が奴らは認められないんだわ」
「だったら、お前の自覚する・しないに関わらずお前を排除しようとするんじゃないのか?」
「バカね。自覚してない力なんて持っていないに等しいわ。無意識に使ったとしても情報統合思念体を認識していなければ、
被害を被ることはありえない。自覚しない以上は手段ですらないのよ。だからこそ、あたしは観察対象として選ばれた。
あいつらにとってはあたしの力は危険な反面、貴重なものなんでしょうね」
 なるほどな。銃を銃だと認識しない限りそれを使うということ自体発生しない。しかし、銃を銃だと認識していれば、
例え撃つ気がなくても何かの拍子で使ってしまう可能性がある。その違いがハルヒに対する評価をひっくり返すのか。
 長門はゆっくりと手のひらの動作を続けていた。
「有希……クリスマスパーティに参加する約束……ちゃんと守りなさいよ……!」
 ハルヒは今にも飛び出したい衝動に駆られているのだろう。必死にそれに耐えるように唇をかんでいた。
 だが――
 突然、激しい地鳴りが起き、辺り一面が激しく揺さぶられ始めた。なんだ!? 以前見た改変の時は
周辺に何も変化が出たようには見えなかったぞ。
「……違う。これは……情報統合思念体の排除行動よ!」
「何だって……」
 ハルヒの指摘に俺は仰天の声を上げた。長門が初期化される可能性はあった。だが、それをすっ飛ばして
いきなり排除行動だと? 俺の世界とも前回の世界とも違うぞ、どうなっていやがる。
 ほどなくして長門が朝倉が消えたときのようにさらさらと消失していく。
「有希! ああもう一体どうなっているのよ!」
「知らねえよ!」
 ええい、考えている暇はもうない。排除されるっていうならやることはリセット以外何もなくなるからだ。
128以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:34:37.28 ID:rCKemGU80
しえn
129以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:34:46.99 ID:5JLK9VpBO
支援
130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:35:00.33 ID:wpVhzVMOO
支援
131以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:35:09.44 ID:tg3MQDnz0
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132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:35:13.36 ID:pggtkzb20
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133涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:35:23.51 ID:mWVQGL9R0
 せっかく――せっかくここまで来たってのにまたリセットかよ。何なんだ、俺の世界と一体何が違うんだ……!
 だが。
「え、あ、そんな……嘘でしょ……!?」
「どうした!? 早くリセットしろ! 躊躇している場合じゃ――」
「出来ないのよ!」
「何だって!? 何で!」
「ブロックされてる――できない、無理だわ!」
 訳がわからん。なんなんだ一体!
 混乱を極める中、倒壊を始めた建物の一部が俺の頭上に迫って――
 
 ……すいません、朝比奈さん(大)。どうやら失敗したみたいです。
 ここで俺の意識は一旦とぎれた。
 
◇◇◇◇
 
 ――大丈夫ですか? 僕の声が聞こえますか?
 何だようるさいな。せっかく眠っていたのに、よりによって男の声で起こされるなんて最悪なシチュエーションだ……
 …………
 …………
 ……って、そんなことを考えている場合じゃない!
 
 俺は状況を思い出し、あわてて起き上がった。
 そうだ、情報統合思念体による人類抹殺が始まって……そして、なぜかハルヒがリセットできないとか言い出して……
「目が覚めましたか?」
 すぐに俺の視界に入ってきたのは、古泉の血の気の失せた顔だった。すぐそばには涙目でこちらを不安げに見ている
朝比奈さんの姿がある。
「あ、ああ……無事だ。どうなっているんだ……っ!?」
 俺は自分の言葉を言い終える前に、周囲の異常な状況に気がついた。
 真っ暗闇の空間が俺を取り囲むように広がり、その中に小さな光が無数に浮かんでいた。地面か何かに座っているのかと思い足下を見るが、
屈折率が全くない透明のガラスの上に座っているかのように、下も暗闇+光の粒が広がっている。これは……
134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:35:43.45 ID:rCKemGU80
しえn
135以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:35:43.40 ID:tg3MQDnz0
支援
136以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:35:47.07 ID:5JLK9VpBO
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137以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:36:13.84 ID:tg3MQDnz0
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138以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:36:17.25 ID:pggtkzb20
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139涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:36:21.70 ID:mWVQGL9R0
「宇宙か……?」
 すぐにいる場所を把握できた俺に拍手して欲しい。宇宙なんて来たこともなかったからな。よくわかったもんだ。
 周囲に浮かんでいるのは星々だろう。見れば月も浮かんでいるじゃないか。ところで月があるならそばにあるはずの地球はどこだ?
「ないわよ。奴らに消されたわ」
 ハルヒの声。俺が周囲を見渡すと、肩を落として呆然と立ちつくすハルヒの姿があった。消されたって……排除行動が実行されたのか?
でも、何で朝比奈さんと古泉がいるんだ? 誰か状況を説明してくれ。
「それについては僕が」
 古泉が掻い摘んで説明してくれた。ハルヒはリセットできないことを理解すると、俺と古泉、朝比奈さんを助け出し、
ぎりぎりのところで情報統合思念体の排除行動に巻き込まれないようにそれをくぐり抜けた。
その後この宇宙放浪状態になってしまった。立って歩いたり、息が出来るのはハルヒの力によるところだそうだ。
全く本当に神様みたいな奴だよ。ただ、長門だけはもうすでに消えてしまっていたため、助けられなかったそうだ。
くそっ……結局情報統合思念体は長門の世界改変を認めなかったのか。
 あと、俺が気を失っている間にハルヒは朝比奈さんと古泉に全てを打ち明けたとのこと。自分の能力についてとっくに自覚していること、
今まで散々リセットを繰り返してきたこと、俺は別の世界から連れてきた異世界人だってことも。
「驚きましたね。ええ、この短い時間でセンセーショナルな事実が無数に乱発されたため、僕の頭もパニック状態です。
それに自分の故郷も全て消え去ってしまいましたから。やけを起こしたくなりますよ、本当に」
「あたしもまだ自分のことが信じられなくて……それに未来が完全に消失したのに、どうして自分が存在できているのかも
わからないぐらいです。時間平面がめちゃくちゃにされているから、ちょっとした拍子で消えるかも知れません……」
 古泉と朝比奈さんの言葉が交差する。
 とりあえずこの際朝比奈さんたちは放っておこう。今はじっくりと話している場合じゃない。
 俺は立ち上がり、ハルヒの元に駆け寄ると、
「これからどうするんだ!? 長門は消えたままだし、リセットも出来ないんじゃ……そもそもどうして出来ないんだ?」
「考えられるのは一つだけよ。奴らにあたしのやってきたことがばれた。そうとしか……」
 バカ言え。どこでばれたって言うんだ。そんなミスはやらかした憶えはないぞ。
 だが、ハルヒは原因を考えるよりも、まるで次にやってくる何かに備えているみたいだった。呆然としつつも、
厳しい顔つきで広がる宇宙空間を睨みつけている。
「おい、まだ起きるっていうのか?」
「……情報統合思念体の最大の目的はあたしよ。今回はごまかすこともできていない。なら奴らはあたしが
まだ無事であることを把握しているはずだわ。だから――もうすぐ来る。今度こそあたしを抹消するために」
 ハルヒがそう言ったときだった。俺たちの数メートル先に、すっと人影が浮かび上がり始める。あれは……長門だ!
140以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:36:36.96 ID:rCKemGU80
しえn
141以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:36:52.06 ID:5JLK9VpBO
支援
142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:36:57.75 ID:wpVhzVMOO
支援っさ
143以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:37:06.25 ID:pggtkzb20
支援
144涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:37:22.00 ID:mWVQGL9R0
 俺は思わず長門の元に駆け寄ろうとするが、ハルヒに静止されてしまった。
「違う……もうあれは有希じゃない……あの時と同じく初期化されて……」
 そのハルヒの言葉に、俺は愕然となった。やっぱり長門は前回と同じ運命をたどったのかよ。長門はただ自分の意思で
動こうとしただけだって言うのに……!
 ほどなくして、長門の姿完全なものとなる。だがハルヒの言うとおり、そいつからは全く感情らしいものは感じられなかった。
とても無機質で魂のない人形のような状態。会ったばかりの長門そのものだった。
 そして、ゆっくりとこちらへと歩き、口を開いた。
「涼宮ハルヒ。当該対象を敵性と認定し、排除を実施する」
「待て長門!」
 俺は思わずかばうようにハルヒの前に立った。そして、さらに叫ぶ。
「ハルヒはお前たちに敵対する意思なんてないんだ。放っておいても大丈夫なんだよ! 危険物を見るような目で見ないでくれ!」
 だが、長門――いや情報統合思念体が返してきた言葉は予想外のものだった。
「情報統合思念体は判断した。涼宮ハルヒの自覚の有無にかかわらず排除する」
 想定外の返答に、俺とハルヒは驚愕した。どういうことだ。
「……なぜだ!」
「涼宮ハルヒの力は外部から使用可能であることが実証された。それは涼宮ハルヒの意思にかかわらずできる。
情報統合思念体に取り、それは極めて危険。そのような存在・手段を我々は決して認められない。
同時に同様事例が一度存在しているにもかかわらず不正データによりそれが隠蔽されている事実も発見。
涼宮ハルヒが時間軸上に多大な介入を行った上、我々にそれを認識されないようにするため不正データを送り込んでいたと判明した。
このことを総合的に判断した結果、涼宮ハルヒは以前から力を自覚していたという結論を導き出した」
 つまり、長門がハルヒの力を使う行為そのものが危険だと判断したってのか。前回の世界でその判断が下されなかったのは、
すんでのところでハルヒがリセットを実行したおかげって訳か。おまけに、ハルヒが力を自覚していて、
今まで散々リセットを繰り返していたこともばれてやがる。まさに最悪な状況じゃねえか。
 長門――情報統合思念体はまた俺たちに一歩近づく。そして、ゆっくりと手をこちらにかざしてきた。
このままじゃ皆殺しにされておわっちまう。
「長門! お前はそれでいいのかよ! どこかに俺たちと一緒にいた記憶とか残っていないのか!?」
「対有機生命体コンタクト用インターフェース パーソナルネーム長門有希は完全な初期化を実施した。
以前の情報は不要と判断し全て破棄している」
 冷徹な言葉。長門。本当にきえちまったのかよ。じゃああの時のいつでも呼んでくれってのは偽りだったのか?
「排除する」
145以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:37:27.64 ID:tg3MQDnz0
支援
146以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:37:49.95 ID:rCKemGU80
しえn
147以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:38:03.08 ID:5JLK9VpBO
支援
148以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:38:08.48 ID:tg3MQDnz0
支援
149涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:38:22.55 ID:mWVQGL9R0
 情報統合思念体の言葉が響く。
 
 ――わたしがいなくなったらいつでも呼んで。そうすれば必ずあなた達の元にわたしは現れる――
 
 脳内にリピートされた長門の言葉に、思わず俺は叫んだ。
「帰ってきてくれ! 長門!」
「有希! お願い、帰ってきて!」
 ――いや、俺たちだった。なぜならハルヒも叫んでいたから。
 
 その時だった。突然、俺のすぐ目の前に光が集まり始める。あまりのまぶしさに、俺は一瞬目を閉じてしまった。
 それが収まったことに気がついたのは、情報統合思念体の言葉を聞いた時だ。
「なぜここにいる」
「わたしがいたいと思ったから」
 二つの長門の声だった。俺がはっと目を開ければ、そこには長門の姿があった。もちろん、情報統合思念体の方もいる。
今目の前では二人の長門が対峙していた。お互いに牽制でもしているのか、右手をかざしたまま微動だにしない。
 やがて俺に背を向けている方の長門が口を開いた。
「インターフェースの再構築に予定以上の時間がかかった。謝罪する」
 俺は確信した。今出現した長門は、俺の知っている長門有希そのものだ。間違いない。本当に帰ってきたんだ。
 一方、情報統合思念体の方は相変わらずの無機質状態で、
「そのような答えは求めていない。情報統合思念体との連結は解除され、さらに初期化を実施し、パーソナルネーム長門有希の
情報は全て廃棄済みにもかかわらず、なぜ存在することが出来るのかと聞いている」
「予め涼宮ハルヒの脳内領域にわたし自身のバックアップを保持しておいた。情報さえ残っていれば、インターフェースは再構築可能」
「連結解除状態ではそのようなことは不可能」
「連結したのは情報統合思念体ではない。涼宮ハルヒに直接連結している。それで十分可能」
 このやり取りにハルヒははっと頭をなで回し、
「あ、あたしと直接連結って……そうか。あの時の頭の違和感って有希の情報があたしに入れられていたから……」
 そうか。長門はこういった事態を予め脱出プログラムを残していたのと同じように、想定していたんだ。
へたをすれば情報統合思念体に自分を抹消されかねない。だから、自分自身のバックアップをハルヒと連結した状態で託した。
そうしておけば、いつでも再生可能でさらにハルヒの力も使用可能になる。
 長門……お前、そこまで考えていたのか……
150以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:38:41.21 ID:tg3MQDnz0
支援
151以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:38:41.74 ID:5JLK9VpBO
支援
152以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:38:45.49 ID:rCKemGU80
しえn
153以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:38:55.74 ID:wpVhzVMOO
支援
154以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:39:06.42 ID:pggtkzb20
支援
155以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:39:17.02 ID:Lu9GYdgw0
こっちは支援が多くていいなぁ
支援
156涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:39:21.47 ID:mWVQGL9R0
「涼宮ハルヒの不安という感情を考慮した結果、わたしの抹消の可能性が存在していることに気がついた。
だから、このような手段をとろうという判断に至っている」
 淡々とした長門の口調だったが、それには強い意志が感じられた。
 一方の情報統合思念体は理解できないという様子で、
「危険。エラーに浸食されて自律思考が出来ないと判断し、敵性と認定。排除を実施する」
 その言葉と同時に強烈な衝撃が俺たちの周囲を揺さぶった。だが、特に俺たち自身に変化はなく、衝撃もすぐに収まる。
「させない。ここにいる全員はわたしが守る」
 長門がパトロンに反抗した。今では奴らの攻撃を防いでくれている。そうか、ついに長門は独立を果たしたんだ。
 しばらく情報統合思念体からの攻撃と思われる衝撃が続くが、全て長門が防いでくれているようだった。
俺たち自身には何の変化も起きない。力を勝手に使われているはずのハルヒも厳しい視線で情報統合思念体を睨みつけているだけで
特に変わった様子はなかった。
 ほどなくして長門は一歩情報統合思念体の方に近づき、
「涼宮ハルヒの力は情報統合思念体を打ち消す効果を有する。そちらの排除を受け付けることはない」
「…………」
 情報統合思念体は何も答えない。長門は構わずに続ける。
「警告する。排除の決定を覆さなければ、わたしは涼宮ハルヒの全能力を使用して情報統合思念体をこの宇宙から抹殺する」
「……論理的思考から逸脱している」
「構わない。わたしの望む今を保持できるのならば、そのようなものは必要としていない」
 長門の答えに、情報統合思念体が長門の姿から朝倉涼子の姿へと書き換えられたように変貌した。なんだ?
急進派とやらにバトンタッチしたのか?
「目的は何? もしわたしたちの抹消をしようとするのならとっくにやっているよね? そうしないってことは
あなたにはわたしたちに対して要望があると判断できるんだけど」
「そう。わたしは情報統合思念体全てと交渉する」
「聞いてあげる。言ってみなさい」
 長門はすっとこちらに視線をやり、
「求めることは二つ。まず猶予を与えて欲しいと言うこと。涼宮ハルヒが自覚する・しないに関わらず、また外部による
その能力使用が実際に行われたとしても、涼宮ハルヒ及びその周囲の人間へ排除を行わない」
「もう一つは?」
「涼宮ハルヒによるリセットの実施。三年前、情報統合思念体が一度排除行動を実施したタイミングから
全てやり直すことを求める。この時間平面ではすでに排除行動が実施されたため、再構築は不可能だから」
157以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:39:46.87 ID:5JLK9VpBO
支援
158以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:39:48.62 ID:rCKemGU80
しえn
159以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:40:11.86 ID:pggtkzb20
支援
160涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:40:23.45 ID:mWVQGL9R0
 長門の要求内容に驚きを隠せない俺。つまり、ハルヒに手出ししないことを約束させ、さらに一からやり直させろと
言っているのだ。これが万一認められれば確かにもうハルヒは何も考えなくて良い状態になれるだろう。
 朝倉は心底困ったような表情で、
「うーん、難しいなぁ。それって情報統合思念体には何のメリットもないじゃない? 受け入れろって言うのは
無茶な話だと思うけど。リスクばかりで得られるものは何も無いじゃない」
「いや、情報統合思念体にとっても大きなチャンスがある。長い間求め続けている自律進化の可能性」
 長門の言葉に、朝倉は肩をすくめながら首を振り、
「残念だけど、涼宮ハルヒによってリセットされた世界を一度全て精査した結果、自律進化の兆しなんて全く無かったわ。
有用な情報は一つもなし。これ以上続けていても無意味という意見すら出されるほどにね」
「違う。それはあなたたちが見逃し続けたに過ぎない」
「ないわよ。そんなものなんて」
「ある。わたしそのものが証明」
 長門の爆弾発言に、朝倉――情報統合思念体の顔色が変わった。明らかに衝撃を受けている。そりゃそうだ。
ずっと探していた自律進化の可能性とやらが目の前に存在しているなんていわれれば驚くに決まっている。
 ここでまた情報統合思念体が姿を変貌させた。今度は喜緑さんになっている。
 そして、喜緑さん特有の優しげな口調で、
「正気の発言とは思えません。エラーに浸食されてまともな論理思考もできないあなたが自律進化の可能性なんて」
「情報統合思念体は不明な要素に関して、全てエラーであると判断し、その解析を怠ってきた。それが見逃し続けた原因。
わたしは今確かに情報統合思念体からの独立した。それはそういった意思があったからに他ならない。
同じ意思が情報統合思念体全てに伝われば、分裂していくように個々が独立を果たしていこうとするはず」
「果たしてそれは自律進化と呼べるものなのでしょうか?」
 喜緑さんからの指摘に長門はすっと視線を落とし、
「不明。判断できない。しかし、情報統合思念体は今までその可能性を全く考慮してこなかった。わたしのような個体を
解析・検証することは決して誤りだと言えない」
「だからこその猶予ということですか? 涼宮ハルヒという存在がわたしたちにどのような影響を与え続けるのか、
そして、それによってあなたのような存在が生まれ、それがわたしたちの望む自律進化であるかどうか見極めるために」
「そう。だから一度全てをやり直し、涼宮ハルヒの観測を続けその判断を下すべき。そのためには有機生命体上の認識で
ある程度の時間的猶予が必要となるから」
161以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:40:53.35 ID:rCKemGU80
しえn
162以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:41:18.51 ID:5JLK9VpBO
支援
163以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:41:19.31 ID:9dG4bHnIO
死ねよキモオタども 作家気取りか?w
164涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:41:22.34 ID:mWVQGL9R0
 長門の交渉。俺としては何度も人類を抹殺しているような連中なんだから即刻消してしまえよと言いたくなるが、
ここは長門に任せておくことにした。とてもじゃないが、俺が首をつっこめる雰囲気じゃないしな。
ハルヒも同様の考えなのか、じっと黙ってその交渉を見守っている。
 喜緑さんは検討中なのだろうか、黙ったまま微動だにしなくなった。一方の長門はお構いなしに話を続ける。
「この要求を受け入れることを望む。わたしは現在情報統合思念体を抹消できるだけの力を有している。決裂すれば、
それを実行せざるを得なくなる。しかし、わたしはそれをしたくない。それを望まない。なぜなら――」
 長門は少しだけ決意の篭もった表情を浮かべ、
「わたしは涼宮ハルヒ、そしてSOS団としていられる可能性をくれた情報統合思念体に感謝している。
それを無下にはしたくない。これもわたしの意思の一つ」
「…………」
 喜緑さんは黙ってままだった。
 感謝……か。長門にとっては情報統合思念体ってのは親みたいなものなんだろう。例えハルヒを苦しめ続けたとしても、
自分を生み出しハルヒたちと会う機会をくれた。確かに感謝に値するかもしれない。
 さあどうする? 情報統合思念体はどう判断する……
 ほどなくして、喜緑さんの姿が一旦消失する。
 そして、すぐに今度は長門・朝倉・喜緑さん三人の姿が俺たちの目の前に現れた。
「情報統合思念体の決定事項を伝える」
 三人の真ん中にいる長門の格好をした情報統合思念体が代表するように口を開いた。
「情報統合思念体の意思は統一されなかった。しかし、大多数を占める主流派は――その提案を受け入れる。涼宮ハルヒの観測に置いて
猶予期間を設けることとした。また涼宮ハルヒの情報フレア発生直後の状態からの再帰を認める」
「要求の受け入れ、感謝する」
 長門はちょっと緊張を解いたように肩をゆるめた。一方でハルヒは喜びと感動に満ちた笑みを俺に向ける。
俺も自分からは見えないが、恐らく同じような笑みでハルヒに答えているだろう。
 だが、情報統合思念体は警告するように、
「勘違いしないで。決してあなたを自律進化の可能性であると認めたわけではない。その可能性について観測する必要があると
結論を導き出したに過ぎない」
「それは承知している」
 長門の返答に、長門の姿をした情報統合思念体が俺たちに背を向け、
「あなたの存在が自律進化の可能性であるのか、それともこの宇宙に浮かぶただの白痴の固まりに過ぎないのか、我々はそれを見極める。
そして、失望しない結果が出ることを望む」
165以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:41:23.77 ID:MfctcpRy0
支援
166以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:41:32.81 ID:wpVhzVMOO
支援ですね。
167以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:41:39.67 ID:pggtkzb20
支援
168以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:42:05.14 ID:rCKemGU80
しえn
169涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:42:22.00 ID:mWVQGL9R0
 そう言うと、その姿を消失させた。同時に朝倉と喜緑さんの姿も消えていく。
「終わった」
 そう言って俺たちの方に長門が振り返って――それと同時にハルヒが長門に抱きついた。
「有希! よかった……本当に帰ってきてくれて良かった……!」
 そう言って涙目で喜びを爆発させた。俺もぽんと肩を叩いてやり、
「お帰り、長門。待っていたぞ」
 その呼びかけに、長門はこくりと頷いた。文芸部に没頭していた長門ほどではないが、この長門も相当普通の少女になっているよ。
 ここでようやく流れに戻って来れそうだと思ったのか、古泉と朝比奈さんもやって来て長門歓迎の環に入った。
 俺は団員の顔を一通り眺め、ふと思った。
 SOS団ってのは最高の仲間だなって。
 
 と、ハルヒはしばらく再開を喜んだ後、すぐにその環から離れていく。そうだ、結局リセットはしなければならない。
一旦はここでお別れになっちまうんだな……
 だが、ハルヒの口から出た言葉は衝撃的なものだった。
「……みんな今までありがとう。本当に楽しかったわ。SOS団としていられて凄く幸せだった。でもここでさよならよ」
 何言ってんだ。次にリセットした後にまたSOS団を作るんだろ?
 …………
 …………
 ……ハルヒ、まさかお前――
「リセットした後の世界ではもう情報統合思念体は手出ししてこないわ。だから無理にあたしに関わらなくていいのよ。
やり直した後はあたし一人でもなんとかできる。どうせザコみたいな連中しかいないし、他の人をあまり巻き込むわけにも行かないから……」
「おいちょっと待てよ」
 俺はハルヒの肩をつかんだ。その身体は微かに震えている。
 この――バカ野郎が。今更何言っているんだ。
 だが、ハルヒは涙を飛ばして、
「あたしだってみんなと一緒にいたいわよ! でもあたし一人のわがままでみんなを付き合わせることなんてできない!」
 ああ、そんなハルヒに俺はますますウチの団長様と交換してやりたくなったよ。というか本当に爪のアカを持って行かせてくれ。
 SOS団は確かに最初は世界を安定させるための小道具みたいなものだったさ。だけどな、お前が必死にみんなを飽きさせないように
してくれたおかげで今じゃ最高の仲間たちになっているんだよ。俺一人の思いこみじゃないかって? だったら他の奴にも聞いてみればいい。
170以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:42:57.00 ID:5JLK9VpBO
支援
171以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:43:05.39 ID:rCKemGU80
しえn
172涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:43:23.80 ID:mWVQGL9R0
 俺はすっとハルヒを長門・朝比奈さん・古泉の方に振り向かせると、
「おい、SOS団団員の中で次の世界ではハルヒと一緒にいたくないってのはいるか?」
 その問いかけに、一同はそれぞれの顔を見合わせてから……

 まず古泉一樹。
「僕としましては超能力という属性の有無にかかわらずSOS団には入れていただきたいですね。今では機関の一員と言うよりも
SOS団副団長としての地位の方がしっくり来るんですよ」
 次に朝比奈みくる。
「あ、あたしも涼宮さんと一緒にいられて凄く楽しかったです。大変なこともたくさんあったけど、今では全部良い思い出なので。
だから――だから涼宮さんと一緒に居させてください! お願いします!」
 最後に長門有希。
「わたしはあなたと約束した。ずっとそばにいると。だから、例え一度離ればなれになってもわたしは再びあなたと共に歩むことを望む。
それがわたしの確たる意思。誰にも否定されたくない」

 そうだ。ほら見ろ。全員SOS団でいたいと言っているじゃないか。お前一人で勝手に決めるんじゃない。
 ハルヒはこの団員たちの言葉に、もう止まらなくなった涙を流しながら、
「みんなバカよ……そんなこと言われたら、もう引き返せないじゃない……!」
 そんなハルヒに、団員一同が手を差し出してくる。そして、一人一人がそれを重ねていった。
 最後に俺はハルヒに一番上に手を載せるように促した。
「いつまでも――どこでもみんな一緒さ」
 俺の言葉に、ハルヒはすっと手を載せる――
 
 
 
「みんなありがとう……また会おうね……ずっと一緒よ……」
 
 
 
◇◇◇◇
 
173以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:43:49.06 ID:wpVhzVMOO
…支援する
174以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:43:52.98 ID:pggtkzb20
支援
175以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:44:08.37 ID:rCKemGU80
しえn
176以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:44:08.88 ID:MfctcpRy0
支援
177以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:44:08.56 ID:5JLK9VpBO
支援
178涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:44:21.66 ID:mWVQGL9R0
 真っ白い空間。
 現在リセット実行中と言ったところか。
 そんな中に俺とハルヒが二人っきりでいた。
 
「随分長い間付き合わせちゃったわね。まさかこんなに大変なことになるなんて考えていなかったわ」
「全くだ。実時間で言うと一年以上経っているはずだな」
「いいじゃない。それなりに楽しめたでしょ? ま、あんたにはいろいろ協力してもらったから感謝するけどね」
「結局次の世界のSOS団にも俺を入れるのか?」
「当然よ。雑用係がいないと困るじゃない。どんな小さな仕事でもSOS団には必要なことなんだからね」
「次の世界の俺も苦労しそうだな、やれやれ。でも、多分一番事情を知らないから苦労をかけると思うぞ」
「いいじゃない。あんたは唯一の凡人なんだから、そっちの方があっているわよ」
「……全くひどい言われ様だな。俺だって、知ってはいたが凡人のままがんばってきたんだぞ」
「だからいったじゃない。感謝ぐらいしてあげるってね」
「なんだその素直じゃない反応は。ご褒美の一つぐらいくれよ」
「なに言ってんのよ。SOS団団長が感謝しているのよ。それだけで宝くじ一等と万馬券合わせた以上の価値があるってもんよ」
「へいへい。まあ、それで良いことにしておいてやるさ」
「……でもまあ、要望があるなら聞くだけ聞いても良いわよ。叶えられるかどうかはわからないけど」
「そう言われてもなぁ……」
「無いなら別に無理しなくても良いけど」
「そうだ」
「なに?」
「次の世界、中学生からやり直すんだろ?」
「そうだけど」
「だったら、髪伸ばしておいてくれないか? 髪型はポニー……あ、いや何でも良いからさ」
「別に構わないけど……何で?」
「多分俺が喜ぶだろうから」
「何よそれ、バッカみたい」
「いいじゃないか。それくらい」
「わかったわよ。でもあんたに会った後、鬱陶しくなったらすぐ切っちゃうかも」
「それでかまわんさ」
179以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:44:46.59 ID:cGXSyx1bO
前スレが落ちて軌跡前半見れなかった
あばばばばばWWWWW
支援
180以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:44:47.39 ID:rCKemGU80
しえn
181以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:44:57.76 ID:pggtkzb20
支援
182以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:45:19.34 ID:tg3MQDnz0
支援
183涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:45:22.76 ID:mWVQGL9R0
「…………」
「…………」
「……そろそろ時間ね」
「そうだな……」
 
 この時――多分一瞬の気の迷いだろう。きっとそうに違いない。真っ白な空間だったせいできっと現実味を失っていただけさ。
 
 気がついたら、二人とも顔をゆっくりと近づけていって、なぜかキスをしていたんだから。
 
◇◇◇◇
 
 次に目を開いたとき、ハルヒに呼び出されたあの公園にいた。
 時計を見る限り、あっちの世界に飛ばされた時から大して時間が経っていないらしい。
 夕日が沈み、空が青から黒へと変色しつつあった。
 
 俺はなんとなーく唇を指で触れた後、落ちていた北高の鞄を手に取り歩き始める。
 さて、懐かしの我が家に帰るか。
 
 ついでに俺のSOS団――団長様の元にな。
 
 
 〜涼宮ハルヒの軌跡 エピローグへ〜
184以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:45:30.75 ID:wpVhzVMOO
し、支援でしゅ
185以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:45:44.53 ID:rCKemGU80
しえn
186涼宮ハルヒの軌跡 SOS団(後編) ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:45:46.16 ID:mWVQGL9R0
後編はここまでです。支援ありがとうございました。
続いてエピローグの投下に行きます。
187以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:46:07.42 ID:MfctcpRy0
支援
188以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:46:07.44 ID:pggtkzb20
支援
189涼宮ハルヒの軌跡 エピローグ ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:46:21.84 ID:mWVQGL9R0
 翌日の朝。俺は懐かしい早朝ハイキングコースを歩いて学校へと向かっていた。
 とは言っても、向こうの世界じゃ毎日のように往復していたけどな。
 
 北高に入り、下駄箱で靴を履き替えていると、
「おっ。キョンくん。おはようっさ。今日もめがっさ元気かい?」
「キョンくん、おはようございます」
 鶴屋さんの元気な声と朝からエンジェル降臨・朝比奈さんの可憐なボイスが俺を出迎えてくれた。
何か向こうの世界じゃ何度も聞いていたのに、帰ってきたという実感があるだけで凄く懐かしい気分になるのはなぜだろう?
 
 靴を履き替え終わった頃、長門が昇降口に入ってきた。
「よう、今日も元気か?」
「問題ない」
 声をかけてやったが、やっぱり帰ってきたのは最低限の言葉だけだ。ただし、全身から発しているオーラを見る限り
今日の朝は気分はそこそこみたいだな。
 
 階段を上がっている途中で、なぜか生徒会長と共にいる古泉に遭遇する。
「やあ、これはおはようございます――どうしました? 何かいつもと雰囲気がちょっと違うように見えますが」
「朝からお前と遭遇して、せっかくの良い気分がぶちこわしになっただけだ」
「これは手厳しい」
 ふと、俺はあることを思い出し、古泉と生徒会長を交互に見渡して、
「とりあえずご苦労さんとだけ言っておく」
「はい?」
 俺の台詞の意味がわからず、呆然とする古泉と生徒会長を尻目に俺は自分の教室へと向かった。
 
190以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:46:28.99 ID:5JLK9VpBO
支援
191以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:46:41.10 ID:rCKemGU80
しえn
192以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:47:17.52 ID:pggtkzb20
支援
193涼宮ハルヒの軌跡 エピローグ ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:47:20.86 ID:mWVQGL9R0
 そして、教室に入ってみれば、ハルヒのしかめっ面が俺をお出迎えだ。
少しはこっちの気分を読んで欲しいぞ、全く。
「遅い! せっかく良いもの見つけたから、朝ご飯食べながら学校に走ってきたのに!」
「お前の都合でどうこう言われても困るぞ」
 団長様のありがたい怒声を聞きつつ、俺は自分の席に座る。
 見ればハルヒは机の上にチラシを沢山並べていた。どうやら何かの催しの案内らしいな。今度は何だ。
全米川下り選手権にでも丸太に乗って参加するつもりか?
「ほら見てよ、これって凄くおもしろそうじゃない? ついでにSOS団のアピールもバッチリだわ! これは――」
 意気揚々と語り始めるハルヒ。俺はそれを耳から垂れ流しつつ、ちょっとした考え事に入る。
 
 最初に言っておくが、これは昨日の夜家に帰って風呂に入りながら考えた俺の妄想だ。
 俺はずっと向こう側の世界に行って、SOS団を作り上げるまで試行錯誤しまくってきたわけだが、
実際のところ不可解な点もたくさんあるのが実情だ。
 特に情報統合思念体については明らかに矛盾している点がある。連中は長門によるハルヒの力の使用は二度あって、
一度はハルヒのリセットで隠蔽、もう一つは直前で阻止したようだったが、今俺が帰ってきた世界の長門の世界改変分が
カウントされていないのはなぜだ? 最初に聞かされた話じゃ、ここの連中とあっちの連中も結局は同じもののはずだからな。
そう考えれば、俺の知る限り長門による力の行使は三回あったはず。これはあきらかに矛盾している。
 じゃあ、実はハルヒの勘違いで、こことあっちの連中は実は別物と言う可能性はどうだろうか? 一応パラレルワールドみたいなものだし、
その分だけ情報統合思念体が存在していてもおかしくはない。が、それはそれで矛盾がある。見たところ同じような考えを持った
存在だったことを考えれば、この世界で長門が世界改変を実施したら、同じように長門の初期化、さらにハルヒの排除という
流れになるんじゃないだろうか。向こうの連中は過剰反応しただけで済ませるにはどうにも腑に落ちない。
 
194以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:47:34.03 ID:wpVhzVMOO
支援するわよ
195以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:47:48.61 ID:rCKemGU80
しえn
196以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:47:58.13 ID:5JLK9VpBO
支援
197以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:48:03.55 ID:MfctcpRy0
支援
198涼宮ハルヒの軌跡 エピローグ ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:48:21.96 ID:mWVQGL9R0
 まあ、なんだ。前置きが長くなったが言いたいことはこういうことだ。
 俺が去った後にリセットされてやり直されている世界――それが今俺のいる世界なんじゃないかってね。
 つまり俺はずっとここに至るまでの軌跡をずっと描き続けてきたってことだ。
 情報統合思念体にも実は俺たちとは違うが時間の流れみたいなものがあって、あの交渉の結果、
この世界では長門の世界改変がスルーされた。約束通りに。
 それだといろいろつじつまの合うことも多い。
 ハルヒがどうして宇宙人(長門)・未来人(朝比奈さん)・超能力者(古泉)・異世界人(俺)がいることを望んでいたのか。
それは最初からSOS団を作るために、探していたんじゃないだろうか。だからこそ、不思議なことを探してはいるものの、
全員そろっている現状に密かに満足しているのではないのか。それだと唯一いないと言われている異世界人は、俺だし。
 それに……
 ――――
 ――――
 ――――
 なーんてな。考えすぎにもほどがある。本当にそうなら、今目の前にいるハルヒは自分が神的変態パワーを持っていることを
自覚していることになっちまうが、それなら最初に世界を作り替えようとしてしまったこととか、元祖エンドレスサマーとかの
説明が全くつかなくなってしまう。自覚してあんなデリケートな性格になっているんだから、あえてやるわけがない。
普段の素振りを見ても、そんな風にはとても見えないしな。自覚しているハルヒを知っている身としては。
 ……ただし。
 
 ――あんたの世界のあたしがうらやましい。何も知らずにただみんなと一緒に遊んでいられるんだから――
 
 この言葉が少々引っかかるが。
 まあ、どっちにしろ凡人たる俺にそんなことがわかるわけもない。一々確認するのも億劫だし、面倒だ。
現状のSOS団に満足しているのに、わざわざヤブを突っつく必要なんてあるまい。
 俺の妄想が本当かどうかはその内わかるさ――その内な。この世界も別の神とか宇宙的勢力とか出てきて、
まだまだ騒がしい非日常が続いて行きそうな臭いがプンプンしているし。
 
199以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:48:22.92 ID:pggtkzb20
支援
200以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:48:38.74 ID:5JLK9VpBO
支援
201以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:48:41.73 ID:rCKemGU80
しえn
202以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:49:08.18 ID:SmlIDbzOO BE:347511762-2BP(3)
軌跡キター!支援
203涼宮ハルヒの軌跡 エピローグ ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:49:21.17 ID:mWVQGL9R0
「ちょっとキョン! ちゃんと聞いているの!?」
 突然ハルヒが俺のネクタイを引っ張ってきた。やれやれ、妄想もここまでにしておくか。
 俺はハルヒの手をふりほどきつつ、
「で、次はどこに連れて行ってくれるんだ?」
 その問いかけにハルヒはふふんと腕を組み、実に楽しそうな100W笑顔を浮かべて、
 
「聞いて驚きなさい。次はね――」
 
 
 
 〜涼宮ハルヒの軌跡 完〜
204以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:49:33.41 ID:tg3MQDnz0
支援
205以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:50:08.04 ID:4rzICXX4O
初乙
206涼宮ハルヒの軌跡 エピローグ ◆LEcaojha/Q :2007/12/02(日) 23:50:15.01 ID:mWVQGL9R0
これにて全て投下完了です。長い間お付き合いいただき、本当にありがとうございました。


お、おわった……全容量が566kbってどんだけ(ry
207以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:50:30.05 ID:MfctcpRy0
乙。なるほどそういう〆かw
208以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:50:34.66 ID:pggtkzb20
209以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:51:28.63 ID:tg3MQDnz0
乙!!!
うまく考えられてんなあ。
面白かったよ。
210以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:51:39.54 ID:SmlIDbzOO BE:2085070098-2BP(3)
GJ!俺はずっと楽しみにしてた!終わっちゃって少し寂しいお
211以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:52:20.64 ID:5JLK9VpBO
果てしなく乙。
212以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:52:41.11 ID:rCKemGU80
GJ!そしておつかれさん!
いやぁ、なんか眼から汗がにじんできてますよ……
しかしこれだけの超展開作品を書けるのが羨ましいw
213以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:52:54.47 ID:kb0KwWhH0
乙です。

ふいんき(ryをぶち壊して申し訳ないですが、誤字だと思われる点を指摘。

>>77
殺気→さっき

>>144
情報統合思念体に取り→情報統合思念体にとって

違ったらごめん。
214以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:52:56.25 ID:YQjSx3iH0
乙カレー
215以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:53:41.82 ID:+uiI0OcH0
乙。
……長いぜ。長すぎる
216以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:54:52.64 ID:EFXV4ZYk0
GJ!!
楽しませて頂きました
お疲れさま!
217以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:54:57.14 ID:wpVhzVMOO
支援だ。
218以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:55:30.61 ID:iG+W8ThGO
乙。電子辞書に入れさせて貰う。
219以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:55:59.95 ID:KgmmOOzq0
凄い。最高だ。
これしか言い様が無いww
作者さん、果てしなくGJ&狂おしく乙でしたw
220以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:56:40.08 ID:n7Yn72m00
>>206さんマジで乙でした!!
マジ本編超えてると思いました。
本当にお疲れ様でした。
次回作も期(ry
www
221以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/02(日) 23:58:43.12 ID:wpVhzVMOO
支援
222以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/02(日) 23:59:28.97 ID:Rv4a3tSA0
乙でした!
223以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:00:04.22 ID:O9UhyFJj0
追いつかなかったwww
まだ途中までしか読んでないがGJ!!
すげえ読み応えあります!


ふいんき(ryをぶち壊す上に前スレの指摘になって申し訳ないが
たぶん誤り文と思われるところ
前スレ>>873
俺は軽いんだろうけど、肉体労働に慣れていない俺には重く感じる〜
224以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:00:14.43 ID:y3up67p70
>>221
落ち着けw
225以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:00:47.44 ID:7PuszfOQO
支援します。
226以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:00:50.09 ID:wMHWMKfqO
227以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:02:44.45 ID:wyRRXYBSO
>>221
ちょっwww
228以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:04:06.74 ID:8XG8rgZh0
>>221
まだなんか投下しろってことか?w
229以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:06:33.77 ID:iTx/RTRf0
雑談室で感想言う奴はこっちで言えよ。
230以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:06:50.47 ID:6Bp+KZCb0
保守
231以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:07:23.14 ID:XKxmDcER0
今更だけど、乙!
232以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:10:01.33 ID:OPG4NR5gO
エロSSで優良長編って何かある?
233以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:11:14.53 ID:y3up67p70
>>232
数少ないから片っ端から読んでけw
234以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:13:59.22 ID:dVJlDioJ0
>>232
ふたりエッチを読め
235以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:19:06.61 ID:OPG4NR5gO
>>233
お勧めを聞かせてほしい

>>234
読んでくるぜ
236以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:21:37.85 ID:iTx/RTRf0
>>232
ハルヒ×キョン@初体験
237以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:31:15.53 ID:B2zqpXIX0
ほし
238以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:38:14.64 ID:wyRRXYBSO
>>232
ハルヒの妊娠
239以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:44:57.36 ID:iTx/RTRf0
保守
240以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:45:40.75 ID:WthvqXPs0
お疲れ。楽しく読ませてもらったよ。
長編になると出てくるのは、やっぱりタイムリープをベースとしたSFものが
多くなってくるな。一番存在感の薄い未来人(みくる)だが、時空改変ネタと
いうのは大人気だな。
241以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 00:51:49.84 ID:iTx/RTRf0
というよりもSFを絡ますと設定が膨らみやすいってのがあるのかもな
242以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 01:05:16.40 ID:B2zqpXIX0
ほしゅ
243以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 01:17:25.67 ID:AkZZAL6U0
ho
244以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 01:20:59.42 ID:FTnvIPU00
自由度高く壮大になるが、その分作者の力量が必要だから大変だろうな。
今回ほどの練られた大作になるとどれくらいの労力と才能がいるのか見当もつかん。
245以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 01:41:07.17 ID:HN1A0B/7O
保守
246以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 02:05:40.08 ID:FMkHU09LO
保守
247以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 02:09:08.78 ID:6Bp+KZCb0
保守
248以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 02:39:11.39 ID:dM0fOu3VO
保守
249以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 03:04:19.93 ID:5Q9tsoih0
250以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 03:31:09.55 ID:rbGZ0kLf0
朝、いつものように教室へ入り、いつもの席へ座る。そしていつものようにハルヒに
話しかけようとすると、逆に話しかけられた。
「ねえ、キョン。」
なんだ。今日はなんか顔色が悪い。風邪でも引いたのか。
「…ねえ、今日はあたしのお葬式じゃないよね?」
何を言い出すんだ一体。今日のお前はゾンビなのか。残念だが俺にはゾンビ属性はない。
「いや、昨日そんな夢を見ただけなのよ。でもなんか凄いいやな夢だったわ。」
なんだ夢の話かよ!しかしこいつには何が起こるかわからないと思い、念のため手をとり脈を取った。
…特に異常なし。
「だからって唐突にそんなことを言うんじゃねえよ…頭がおかしくなったと思われるぞ」
ここまで言ったところで妙な視線を浴びていることに気がついた。国木田、何だその呆れ顔は。
谷口もニヤニヤしてるんじゃねえ!阪中、なんだそのふふふって!
特にオチはない保守

追記:葬式云々はリアル姉に言われたことがあります。スゲー驚きましたw
251以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 03:46:32.47 ID:dM0fOu3VO
死ぬ夢は良い夢らしいな。
252以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 03:58:05.79 ID:rbGZ0kLf0
これ書いたあとにShort Summer Vacation読んだwwwww
253小ネタ:2007/12/03(月) 04:10:23.56 ID:atDkrN+3O
「ふわぁ〜あ……」
「何まぬけな欠伸してんのよ? 集中しなさい!」
横に座っていたハルヒからビンタが飛んでき、スパァン! といい音がした。
うん。目が覚めた。

ここで少し状況を説明しよう。
明日から、我が北校では定期テストなる、心底どうでもいいイベントが始まる。
俺は戦友・谷口と「一緒に死のうぜ!」と固く約束した。……はずだった。
俺が死ぬことを許さない奴がいたんだ。そう、唯我独尊大佐、涼宮ハルヒだ。

俺と谷口とのやり取りを目敏く見ていた其奴は、団活が終わるや否や、
「今日から、あんたん家に泊まり込みに行くから。あたしが勉強見てあげる」
と、言い残し、さっさと帰って行った。
……はぁ?
「いやいや、これはこれは。あちらの勉強のことでしょうかね?」
俺は古泉を倒した。しかし、経験値は貰えなかった。どうやら、ハルヒは俺の勉強を見てくれるらしいな。

そして、俺が家に到着したと同時に、大きなリュックサックを背負ったハルヒがやってきた。
そのまま、ハルヒはズカズカと俺の部屋に侵入し、俺をガッチリとホールドし、現在に至るまで、監禁状態・休憩無しで勉強を続けているという訳だ。
254小ネタ:2007/12/03(月) 04:27:44.21 ID:atDkrN+3O
ちなみに、俺以外の家族は変に気を使って、何のアクションもない。
唯一あったと言えば、お袋がスッポンドリンクを持って来たということだけだ。……って、おい。何か勘違いしてないか?

そして、時刻は丑三つ時を回り、眠気が襲ってきた所を、ハルヒの目覚ましビンタで起こされたということだ。
「あんたねぇ、人がせっかく勉強見てやってんだから、もっと真面目にやりなさいよ!」
「そんなこと言ったて、俺は頼んだ覚えがないぞ。やる気に満々てる訳でもないしな」
「そんなの関係ない! あんたにはいい点採って貰わないと困るのよ!」
「何故だ? それこそ、そんなの関係ねぇ、だろ?」
その瞬間、ハルヒの真空飛び膝蹴りがクリーンヒットした。いいもん持ってんじゃねえか。
「バカー!! あんたが良い成績採らないと、一緒の大学に行けなくなるじゃない……」
蹴りを噛ましてくれたハルヒは一変とし、シュンとなった。
「あたしは、大学でもずっとSOS団続けたいの。あんたがこのままの成績じゃ一緒の大学に行けなくなるじゃない」
おいおい、ハルヒさん。それはマジデスカ? 俺とお前の学力差は結構あったと思うぜ。
255以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 04:41:11.85 ID:NV0Kpw6B0
ん? 終わり?

保守
256小ネタ:2007/12/03(月) 04:41:52.38 ID:atDkrN+3O
「それに……あんたと……ずっと一緒にいたいから」
それは愛の告白と受け取ってもよろしいのでしょうか?
巷では、「鈍感」「ヘタレ」「フラクラ」と酷い言われようだが、実は、そんなこたぁないんだぜ。
「ハルヒ」
「……何よ?」
目が涙で潤んでいる。しかも、上目遣いで見てきやがる。……やべぇ。
「一緒の大学に行こう。受かるか分からんが、精一杯努力はするよ」
「キョン……」
見つめ合う俺とハルヒ。
このままじゃ古泉の話通りになっちまうな。それもいいかな。ちゃんと、スッポンドリンク飲んだし。
さあ、もうすぐブチュッて……
「キョンく〜ん、トイレ〜」
……ああ分かってたさ。どうも話がエロゲ並みに旨く行きすぎてんだ。
空気の読めなささは谷口に匹敵するものがあるな。我が妹よ。

それから、妹のトイレに付き添った後も、勉強を続けた。
しかし、如何わしい行為に移ることはなかった。
嬉しいような、勿体ないような。

そのまま、徹夜で勉強した俺たちは、軽く朝食を食べ学校に向かった。
257以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 04:55:41.52 ID:atDkrN+3O
テストができたとか野暮なことは訊かんでくれ。
想像に任せる。

さて、北校に限ったことではないが、定期テストは1日では終わらない。
北校では3日ある。
ということは、そういうことだ。
あと2日、俺とハルヒ一夜を共にした。何べんも言っとくが、如何わしい行為はしていない。神に誓ってもだ。
誰だ? ヘタレとか言った奴。

そして、地獄の三日間が終了した。
「どうだった?」
「まあまあだな」
「こういう時は嘘でも出来たって言うの!」
「じゃあ、出来た。ハルヒのお陰だな」
「何よそれ。まあいいわ。頑張ったのは認めたげる」
ハルヒからお褒めの言葉らしき物を貰い、俺は上機嫌だった。頑張ってみるもんだな。


時は進んで、桜が咲き乱れる季節。
俺はある大学の校門前に立っている。
ハルヒとの努力の成果を確かめに来た。
横には、ハルヒ・長門・古泉の姿もある。朝比奈さんは……どうだっけ?
「さあ、SOS団の新たな一歩よ!」
団長様は学内に勇猛果敢に進んでいく。俺たちもそれに続く。

俺は、今の桜みたいに綺麗に咲くことができたのかね?
258以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 04:56:45.78 ID:9GFYGVt/0
支援
259以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 04:57:13.96 ID:atDkrN+3O
現実逃避の保守でふ。
さあ、寝よ。
勉強なんてくそくらえ
260以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 05:56:11.46 ID:l4dHC8z40
>>179
DATをあげておきました
261以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 06:22:43.97 ID:/U5ecNy80
軌跡終わっちゃったんだね(ノω;) おつかれでした
262以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 06:34:17.58 ID:4xwS5CB10
おはほしゅ
263以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 07:23:23.67 ID:Wfw+OjJJO
264以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 07:30:02.27 ID:6N4WsG1f0
寒い保守
265以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 08:26:22.85 ID:2KHkekrQO
保守
266以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 08:31:13.96 ID:JMNX8vfwO
軌跡はまとめサイトにあるのか?
267以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 08:50:13.36 ID:UHwnkFml0
阪中キョンってあったっけ?
268以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 08:56:44.50 ID:wMHWMKfqO
>>267
ギクッ!



‥‥‥‥‥ニ、ニカッ
269以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 09:31:11.29 ID:2KHkekrQO
270以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 09:41:39.53 ID:AN4hwlWJO
wiiスポーツやり過ぎて筋肉痛保守
271以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 10:19:08.20 ID:gIGzzCWfO
h
272以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 10:38:01.66 ID:JMNX8vfwO
>>266です。自己解決しました。
273以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 11:23:15.36 ID:gIGzzCWfO
274以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 11:50:54.38 ID:2KHkekrQO
275以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 12:13:45.00 ID:2KHkekrQO
保守
276以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 12:37:10.39 ID:UxiVj4EY0
-d(
277以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 13:03:54.02 ID:dM0fOu3VO
保守
278以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 13:28:14.69 ID:jaBHtlVJO
ほしゅ
279以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 14:10:17.54 ID:5Q9tsoih0
280以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 14:29:47.70 ID:AanG5If60
>>268
もしかして忘れてた?
281以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 14:45:40.52 ID:wMHWMKfqO
>>280
忘れてたわけじゃないの!
ちょっと‥‥うっかりして‥。


申し訳ございませんでしたぁ!!or2
282以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 15:08:20.68 ID:HN1A0B/7O
保守
283以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 15:50:28.74 ID:5Q9tsoih0
284以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 16:21:41.02 ID:wMHWMKfqO
まぁ真実を話すと、阪中×キョンは実際半分以上は書いたんだ。
しかし禁断の鬱路線に入ってしまったから止めた。当初の約束と違うしね。

で、話は変わるが、語りがコロコロ変わるSSってどう思うか聞きたい。
あと、語りが変わらないとして、その語りがいない場面を書きたい時どうしたらいいかも。
285以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 16:28:59.57 ID:dM0fOu3VO
>>284
> で、話は変わるが、語りがコロコロ変わるSSってどう思うか聞きたい。

視点変更は構わないが、かなり難しいぞ。
286以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 16:35:52.88 ID:jVbkNMcR0
視点変更で重要なのは思い切りの良さかな
語り部が変わったら、別の話を書いてるつもりでやるとうまくいく
287以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 16:38:38.20 ID:mvhF/JIA0
そのSS全体の尺や段落の尺にもよるだろうね
特に段落が短くて、その都度語り手が変わるようならかなり難しそうだけど、
まとまった尺の段落なら難度も当然下がるだろね
どちらにしても、語り手の口調の特徴をなるべく早いうちに目立たせて、
語り手が変わったことを意識させる工夫が必要だろうね
さり気ない変わり方でもすぐに対応できる読者もいれば、苦手な読者だっているはずだから
288以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 16:40:36.33 ID:jVbkNMcR0
まあ、SSに限ってはキョンの語りはすぐに分かるから
突然他の語り手に変えても判断できるから難易度は低いと思うぞ
289以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 17:12:57.61 ID:dM0fOu3VO
保守
290以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 17:15:40.26 ID:gHdl+kl/0
視点変更する作品がいくつかあたよな?
見つけて参考にするといいかもよ
291以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 17:44:18.76 ID:HN1A0B/7O
保守
292以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 18:14:09.07 ID:dM0fOu3VO
保守
293以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 18:25:50.95 ID:6Bp+KZCb0
保守
294以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 18:28:07.87 ID:B+k8ZW9j0
>>206

素晴らしい。原作がどれだけ奥深く掘り下げられてもこういった話は出てこないと思う。
方向性が違うから。いい意味で、「ゆるくて少年向けSFラノベ」では不和や誤解、そして
「涼宮ハルヒ」の世界観そのものを揺るがしかねない事件は絶対におきない。
そこに着目して、なおかつ嫌味なく最後まで書ききったのは素晴らしい。GJ
295以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 18:50:47.51 ID:6Bp+KZCb0
保守
296以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 19:13:05.18 ID:dM0fOu3VO
保守
297以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 19:28:03.69 ID:wyRRXYBSO
投下してよいですか
298以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 19:32:55.65 ID:dM0fOu3VO
きゃもん
299涼宮ハルヒの時駆 ◆s1XLOUXSjw :2007/12/03(月) 19:35:07.24 ID:wyRRXYBSO



俺は前任の先生と会うこととなっているため職員室へと急いだ。
前任の先生から聞いたところによると新任の先生がクラスの担任を任されるのは光陽園学院の伝統らしく、俺はめでたく二年の担任となった…………いや、この場合なってしまったが適切か。
本当に俺なんかに一クラスを任せていいのか、と思うがあの頃の言い方をすれば規定事項だから仕方がないのだろう。
自分が担任するクラスの教室に向かう最中、付き添いの先生から俺の受け持つクラスについていろいろなことを聞いた。

――問題児がいるんですよ。

問題児?

――そうです。去年の年末くらいから………以前はそんなに問題が無かった子なんです。成績もいたって優秀でしたし。
最近はまだ落ち着いてきていますが、それでも新任の先生にはきついかもしれませんね。
300涼宮ハルヒの時駆 ◆s1XLOUXSjw :2007/12/03(月) 19:36:37.58 ID:wyRRXYBSO

俺は、はぁ、と曖昧な返事をする事しかできなかった。
いきなりハードルが高すぎるんじゃねえのか?
いや、だがしかし高校時代にハルヒに散々引っ張り回された俺だ。ただのひねくれたやつくらいならどうってことない、とは思うが……

「じゃあ先生、頑張ってください」
「はい」

教室の扉の前で大きく深呼吸をする。
まだチャイムも鳴っていないというのに教室からは話し声があまり聞こえてこない。
さすがは進学校といったところか。北高とはえらい違いだ。
そう考えると俺でいいのか、という疑問はいくら誤魔化してもやはり完全に拭いきることができなかった。
確かに俺もハルヒと同じ立派な国立大に入ることができた。
しかしあれはハルヒが一生懸命指導してくれたからであって、俺自身が他人に教えることができるほど勉学に自信を持っているわけではない。
ましてここは有名な進学校、ちょっとやそっとの知識じゃ通用しない。
301以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 19:38:38.87 ID:YJ4KBhG4O
支援
302涼宮ハルヒの時駆 ◆s1XLOUXSjw :2007/12/03(月) 19:39:01.99 ID:wyRRXYBSO

…………いかん、かなりネガティブになってしまっているな。
ええい、もうこうなったら当たって砕けろだ。

俺は勢いよく扉を開け教室に入った。クラス中の視線が俺に集中する。
うう、止めてくれ、そう珍しいものを見るような目は。

俺は教壇の前に立ち、生徒たちの顔を見渡す。
と、席が一つ空いているのに気付いた。休みか何かなのか?

「ああ、あの席の子なら偶にしか来ないんです。一年の冬辺りからかな、それまでは休みなんかなかったんだけど……」

俺の視線の先に気付いたらしい前の席の女子生徒が教えてくれた。
成る程、例の問題児か。
まったくやれやれだな。

ここで問題児の名前でも確認するとするか、と思いクラス名簿を見ていたとき、教室の扉が凄まじい勢いで開いた。
そして扉が開く音と同時に俺は名簿に有り得ない名前を発見する。
303以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 19:40:04.29 ID:LYLyp5X50
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304涼宮ハルヒの時駆 ◆s1XLOUXSjw :2007/12/03(月) 19:40:57.09 ID:wyRRXYBSO

いや、まさか………どうなってるんだ……

恐る恐る顔を上げた。教室に入ってきたばかりである噂の問題児と目が合う。

「………ジョン?」

ひとくくりに纏められた長い髪――

「ジョンなんでしょ!?」

不満を詰め込んだような顔――

「あんたどこ行ってたのよ!!…………この4ヶ月間、ずっと探してたのに………」


およそ七年前に見たときよりもほんの少しだけ成長したであろう姿――

「ちょっと、何か答えなさいよ!」

長門が生み出した改変世界、そこでは光陽園学院の生徒として存在していた――



涼宮ハルヒが、そこにいた――
305以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 19:40:59.92 ID:gIGzzCWfO
支援
306以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 19:42:32.04 ID:wyRRXYBSO
今回はここまでです
プロット書いたけど文章化するのに苦労する
307以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 19:43:45.00 ID:Wfw+OjJJO
面白い!
楽しみにしてます!
308以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 19:47:10.96 ID:dM0fOu3VO
乙!
続きwktkだぜ。
309以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 19:47:24.09 ID:NV0Kpw6B0
おお、まさかの展開
続きwktk!
310以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 20:00:38.38 ID:WjyRmFgx0
これは気になる
311以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 20:02:15.48 ID:dM0fOu3VO
尻穴落下
312以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 20:13:04.88 ID:WjyRmFgx0
313以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 20:15:56.89 ID:AOniukZR0
キョン急増で捕獲計画
http://www.nhk.or.jp/chiba/lnews/01.html
314以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 20:33:30.68 ID:AOniukZR0
保守
315以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 20:42:25.48 ID:6N4WsG1f0
今年は冬企画やるんですかね?
やるんだったらマンネリ気味のSSを一新して、違う展開を考えて投稿しようと思うんですが。
316以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 20:50:06.12 ID:RfX/eV9/O
317以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 20:52:25.33 ID:AOniukZR0
>>315
書き手不足の現状だと厳しいかもね。
企画に押されてプリン・アナルの投下SSが無くなったら本末転倒だし。
318以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 21:08:39.13 ID:5Q9tsoih0
319以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 21:12:07.66 ID:5mnLTPUv0
夏ごろから参入した者としては、冬企画があるなら挑んでみたいんだけどね。
リレー企画持ち上がってるし、やっぱ難しいのかな。
リレーは技量がないと厳しそうだから、参加はちょっと躊躇われるし。
320以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 21:13:58.14 ID:wMHWMKfqO
プロットだけならいくらでも‥‥
あ〜あ。昔はすぐ文章に出来たのに。

という保守
321以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 21:18:21.46 ID:6N4WsG1f0
ネタはあるんだけど、それを文章化する時間と気力が無くて・・・


活を入れてください。
322以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 21:19:36.43 ID:g6RhKhMM0
シ舌
323以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 21:34:19.84 ID:dM0fOu3VO
電波の受信ばかりで書く気力がありません。
324以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 21:45:34.26 ID:6Bp+KZCb0
ネタならあるけど技量が無い
325以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 21:47:19.52 ID:g6RhKhMM0
>>323
326以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 21:53:20.39 ID:6N4WsG1f0
KOH+の「kissして」は思いっきり佐々木ネタになりそうだと思った保守
327以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 21:57:15.32 ID:AOniukZR0
>>324
書かないと技量は身に付かないぞ。
最初はスルーされても泣かず、SSも台本形式でも良いからやってみることに意義がある。
328以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 22:04:24.42 ID:mlZ0nZef0
HARUHI.S   \      ノ:´:.:.:,:/:rゝ/;tYl:Vム;.Y、ー':.ヽ;!     /  /,. -─‐- 、.   ヽ
>キスシヨ〜ヨ  \     l:.:,r:'´Y/   l:l ``′ ';.l ヽト:.:.:.:',   /_,.:_'______ヽ、 .!
ああ         \   )k/:./l;'.__  l:!     リ ._リ';.`Y  /  `‐、{ へ  '゙⌒ `!~ヽ. !
TANIGUCHI      \  〉-;.:'l l _`ヾ、 _, 、, r'´_/. !r-! /衆議院 `! し゚  ( ゚j `v‐冫
>ここはだめだろ     \l 'Y';.l ´ 赱〕``    '近l ` リ</解散する {.l   '⌒      ゙ 6',!
 ホテ〜ルで好きなだけ  \ヽ.       l      /エエェェェェェェ〈  < ´ ̄,フ  .ノー'
 してやるよ          lヽ∧∧∧∧∧∧∧/解散キターーーー!! ヽ.、 ` ‐", ‐´‐:ラ
 かわいい子猫ちゃん    <          > 自民オワタ! ,.r` "´  /:::::::::::::::::::
────────────< 忘れ物の予感!! >─────────────
    |┃≡  WAWAWA  <          >3日夜、東京都内で開かれた
    |┃,.-ーー 、 忘れ物〜♪//∨| /∨ヽ|∨| /∨国民新党の亀井久興幹事長のパーティーで
 ガラッ.|┃ミ((`ソ")      / ,. -ーー、         \自民、民主両党の幹事長が、国民新党を
.______|┃ミd ゚∀゚)    /  ((`("))彡 すんません \めぐり、さや当てする場面があった。
    | と   lつ   /   (゚д゚ b"自分に甘い連中だ\自民党の伊吹文明幹事長が、
______.|┃ノーJ_  /    _(づ ヽ            \国民新党が民主党と参院に共同提出し、
          /   .. \ ≡≡m<ニア           \4日審議入りする郵政民営化見直し法案に
329キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/03(月) 22:11:43.06 ID:IHtijetB0
保守
330以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 22:12:59.70 ID:wMHWMKfqO
>>329
どうした。
331以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 22:13:36.34 ID:6N4WsG1f0
>>329
いつ投下するんですか?
wktkしてるんですが。
332以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 22:13:38.35 ID:6Bp+KZCb0
>>327
ありがとう、がんばってみるよ
333キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/03(月) 22:14:17.58 ID:IHtijetB0
ホンブンヲイレワスレマシタ

「とまぁ、お前が寝ている間に夜も遅くなった」
「じゃぁ、もう寝ましょ」
「それじゃぁお休み」
「ってどこ行くのよ」
「どこって、そっちのソファーに」
「夫婦なんだから一緒に寝るの!」
「引っ張るな引っ張るな、押し倒すな!」

保守
334以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 22:19:40.01 ID:HN1A0B/7O
支援
335キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/03(月) 22:20:34.56 ID:IHtijetB0
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・すー・・・すー」
「寝れNEEEEEEEEEEEE!!」

保守
336以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 22:24:31.80 ID:NV0Kpw6B0
支援
337キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/03(月) 22:24:39.30 ID:IHtijetB0
「・・・・・・」
「・・・すー・・・すー・・・・んー」
寝返り打った、こっち向いた、顔が近い!
「・・・んー・・・・キョン・・・・」
夢に俺が出てるのか?
「・・・・・好き・・・・・」
抱きつかれた!!
「・・・んー・・・・すー・・・すー・・・」
ドキドキ

保守
338以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 22:25:02.54 ID:wMHWMKfqO
>>335
GwwwTwwwOwww
339以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 22:27:29.15 ID:5fGFuzq+0
アナルスレ無くなったの?タイトル検索で出てこないよ。
340キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/03(月) 22:30:03.42 ID:IHtijetB0
「ドキドキドキドキ・・・・・」
「・・・すー・・・すー」
「ドキドキ・・・・・」
「・・・すー・・・すー」
「・・・・・」
「・・・すー・・・すー」
「・・・ぐー・・・ぐー」

保守
341以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 22:30:34.76 ID:8yx1Nv0x0
キョンwwwwwwwww
342以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 22:31:02.30 ID:wMHWMKfqO
>>339
落ちただけ。なければ(ry
343以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 22:35:17.91 ID:5fGFuzq+0
そか。じゃあまた立つまで待つわ。

  _   ∩
( ゚∀゚)彡 アナル!アナル!
 ⊂彡
344キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/03(月) 22:35:32.37 ID:IHtijetB0
「まったく、間抜けな顔して寝ちゃって」
「・・・ぐー・・・ぐー」
「せっかく寝ぼけたフリして抱きついてあげたのに」
「・・・ぐー・・・ぐー」
「やっぱりコレは使わなかったわね」
「・・・ぐー・・・ぐー・・・んーハルヒ可愛いぞ・・・・」
「・・・・・・バカ」

保守
345以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 22:36:44.21 ID:mlZ0nZef0
キ「・・・・・・・・・・・」
ハ「・・・・・・・・・・・」
キ「・・・・・・・・・・・」
ハ「・・・・・・・・・・・」

谷「・・・・・・・・・・・」
藤「・・・・・・・・・・・」
古「・・・・・・・・・・・」
346キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/03(月) 22:40:05.39 ID:IHtijetB0
チュンチュン
「キョン、起きろー」
「・・・・んー・・・・・・ん?」
「今日は土曜日、探索の日よ」
「そういえばそうだな」
「さっさと準備しないと38週連続奢りよ」
「勘弁してくれ」
「だったら早く準備する!」

保守
347キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/03(月) 22:45:11.76 ID:IHtijetB0
「あ、あれ?僕が最後ですか」
営業スマイルが一瞬引きつった。俺が最後じゃないのがそんなに変か
「今日は古泉くんの奢りね。とりあえず喫茶店に行きましょ」
「おいおい、引っ張るなよ」

「手を繋いでアツアツですね」
「近寄りがたいですー」
「・・・・・」

「ほら、腕組むんだから腕出しなさい」
「へいへい」

「「「ごちそうさま」」」

保守
348キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/03(月) 22:49:01.73 ID:IHtijetB0
と言うわけで恒例のくじ引き
「さぁ、引いた引いた!」
「では」
「えーっと・・・これ」
「・・・・」
「あたしはこっち」
「余りかよ!」
「で、組み合わせは?あたしは無印よ」
「・・・・・印」
「無印ですね」
「無印ですー」
「印だ」
「・・・・・・浮気したら殺すわよ」
「しねーよ」

保守
349以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 22:52:14.85 ID:7PuszfOQO
支援
350キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/03(月) 22:53:24.78 ID:IHtijetB0
「さて、どこに行く?」
「・・・・・・図書館」
「定番だな・・・そういえば近くに古本屋があるんd」
「いく」
「じゃぁ行くか」
「いく」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・なんだ?」
「腕は組まない?」
「俺が死ぬがいいか?」
「ダメ」
「じゃぁガマンしなさい」
「・・・・・そう」

保守
351キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/03(月) 22:56:25.47 ID:IHtijetB0
「ついた、ココだ」
「・・・・・・」
どこか嬉しそうだ。連れてきてよかった
「自由に見ていい?」
「欲しいのがあるなら買ってやるぞ」
「そう」
と言い残し店内に消えていく長門
と思ったら帰ってくる長門
「言い忘れた」
「なんだ?」
「午後の組み合わせをあなた、涼宮ハルヒ、わたしの組にする。許可を」
「何かあるのか?」
「ある」
「ならいいんじゃないか?」
「そう」
と言い残し店内に(ry

保守
352以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 22:57:03.47 ID:wMHWMKfqO
長門積極的だなwww
353以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 22:57:07.73 ID:6Bp+KZCb0
支援
354キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/03(月) 22:57:09.23 ID:IHtijetB0
今日はココまでです
支援ありがとうございました
355以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 22:58:37.72 ID:HN1A0B/7O
>>354
乙、ハルヒかわえーのぅwww
356以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 22:59:21.26 ID:wMHWMKfqO
>>354
なに>>351でフラグ作ってやがるwww
GJ!

つか>>350は、『死ぬ方がいいか?』の間違い?
357以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 23:00:16.03 ID:7PuszfOQO
午後から昼メロの展開に!?
支援
358以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 23:00:16.15 ID:mlZ0nZef0
>354
GJでした。
359以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 23:00:36.55 ID:wyRRXYBSO
死んでしまうがいいのか?って意味じゃないか
360以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 23:01:45.08 ID:7PuszfOQO
支援と思ったのに。
乙でした。
361以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 23:01:58.97 ID:AOniukZR0
362以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 23:03:37.22 ID:IHtijetB0
>>356 >>359
申し訳ない!誤字ですorz
「俺が死んでもいいか?」です
363以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 23:04:02.48 ID:5s0V+AJ70
アナル再建って人工肛門みたいだよな
364以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 23:08:54.27 ID:NV0Kpw6B0
事実婚乙!
続きが楽しみだ
365以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 23:19:12.04 ID:IHtijetB0
保守
366以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 23:19:48.21 ID:wMHWMKfqO
>>362
すまんwww意味はわかったんだが、なんとなく笑っちまってwww
ちょっといじめてみたくなったんだ。よく言うだろ?

‥‥す‥好きな子は‥いじめたくなるって、さ。
367以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 23:22:31.28 ID:IHtijetB0
く、くやしい、ビクビク
こうですか?><
368以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 23:27:30.24 ID:6Bp+KZCb0
保守
369以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 23:29:30.06 ID:wMHWMKfqO
>>367
尻出せ。
370以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 23:29:49.65 ID:mlZ0nZef0
5行SS 卒業式の日に告白というシチュで

由良「これからもよろしくね、谷口君」
谷口「進む道は違うけどさ…お前だけは絶対離さないからな」
由良「結構いいこと言ってくれるじゃない」

キョン「信じられないな、ちょっと情けないアイツが彼女ゲットなんてさ」
ハルヒ「アイツはアイツで結構優しいと思うけどね(谷口、由良を幸せにしてあげなさいよ……)」
371以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 23:36:37.95 ID:AOniukZR0
保守
372以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/03(月) 23:48:20.48 ID:B2zqpXIX0
保守
373以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 00:00:41.11 ID:Tvp+zKl50
保守
374以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 00:11:52.11 ID:ulfFuHAu0
保守
375以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 00:21:37.29 ID:OADr84oGO
保守
376以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 00:33:59.94 ID:Raf34FUOO
最近気付いた。
フォレスターを買った俺としては、森さんメインのSSを書かなければいけないと。

森さんネタ、難しいな……
377以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 00:37:23.95 ID:Jwu8VipbO
フォレスターカコイイな。

そして書くべきだw
378以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 00:37:47.41 ID:+AERCqZOO
>>376
森「秘密は女を美しくするのですよ?」ニコニコ
379以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 00:43:05.29 ID:JM8msgwB0
>>378
三連休が終わってもうすぐ月曜日だモードの森さん。

森「あーだるっ。仕事行きたくなーいなぁ……日曜洋画劇場でも見て気を紛らわせるか……」
森「(尻を掻きながら)あ、このせんべい上手い」ボリボリ
森「何か暇ねぇ……月曜日が迫ってくるのを感じるから憂鬱だし。あ、そうだ、明日古泉にオプーナ買ってきてもらおうっと」
380以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 00:44:35.74 ID:7YbkxT290
>>379
お前……消されるぞ……
まあ森さんなんて結構な脇役だしね。


おっと、こんな時間に客だ
381以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 00:55:08.76 ID:Jwu8VipbO
IDがVIPだ保守
382以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 00:57:55.00 ID:JM8msgwB0
そういや軌跡を読み返して思ったけど、
作中でも指摘されているとおり、朝倉襲撃の時の救出タイミングって狙ってやっていただろうか。
そもそも朝倉さん暴走は知っていたはずなのに、その前に手を打とうとしていなかったわけだし。

……実は危機一髪な展開を利用しでさりげなくキョンのハートをつかもうと(連結解除サラサラ……
383以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 01:00:33.33 ID:jdlg8WYuO
384以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 01:00:53.67 ID:XNoYlFXu0
やぁ(´・ω・`)
実は今、君に呪いをかけたんだ。
君はこれから一生、オナニーの時しかチンポが勃たなくなる。
セックルするときはチンポが全く勃たないと言う事だ。
童貞以外の人にはキツすぎる呪いでもうしわけない。
だから唯一の解除法を教えてあげよう。
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/mmosaloon/1196692408/
ここに
  ___/ ̄/          / ̄/___     _ノ ̄/   / ̄/__             _ノ ̄/ / ̄/
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 _ノ ,:  / ̄  // /// / /__ノ_,/ /    ̄/ /    /__ノ_,/ /  └────┘ ̄/ /   /_/
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     r:::.:.::_:::(:::::::::::::::... ::::.ヽ..
     { :::::;:;:;リ^|,ヾヘ..:::::::::::ヾ辷_
    (.::;r' '    ヽ:::::::::::::::-=
     j:;}      ..,,_ヾ::::::;;:;;z::|
    1::|,;r'".._ _ _. ‐_ "''._ヾ.,;:::}
      {(i''  ,.⌒、_'.`'ン' ̄ ::';`_ミ
     `;:{` ´.; :,   .::  ::';{_,;リ`
      {l:.   ;、,_:.)   ..:  ;;';._,イ`
       ヘ   ;',_,,,_ 、 ,   j" |:::{
        ヽ: `゙-‐` :'; ,ソ /ヾ、
        ヾ、,_,,,/// / \
と書けば呪いはとけるよ。
385以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 01:06:14.15 ID:+AERCqZOO
お前ら何言ってんだ!

朝倉の暴走!長門の暴走!ハルヒのワガママ!橘の同性愛!古泉の裸体!佐々木の能力!鶴屋さんのおでこ!

全ての元凶!それは!











‥お願い‥‥殺さないで。そのお風呂だけは‥‥いやあああああ!!!
386以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 01:14:09.18 ID:jLX/Cl9k0
さんざん既出なひぐらしネタを
投下させてもらってもよろしいか?
結構長いんだけど。
387以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 01:20:33.01 ID:+AERCqZOO
>>386
よさこい。
388以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 01:20:54.53 ID:OADr84oGO
>>386
どうぞ
389以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 01:26:05.46 ID:nu4HWZ5TO
『軌跡』は携帯じゃ読めないほど容量がでかいな
390雛見沢・SOS 〜序章〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 01:28:05.10 ID:jLX/Cl9k0
高校生になってから、2回目の夏休みを迎えた俺は、
去年の夏の出来事を反芻した結果、到底平凡な日常にありつけないという結論に
GSX1300Rの直線走行並の速さで到達したのは言うまでもない。
なんとな〜く察して貰えるとは思うのだが、そう。
我らがSOS団長、涼宮ハルヒ殿が此度もこんな提案をしてきたのだ。

それは長い休みを目の前に、午前中クソ暑い体育館で、リアルに貧血になりそうな程
長ったらしい校長のスピーチからやっとこ解放され、部室で朝比奈さんの恵みの一杯を
ありがた〜く頂戴していた俺に降りかかった、ある種の災難であった。
乱暴に開くドア。そろそろ蝶番が吹っ飛んでもおかしくない。

「みんないるーっ!?」

こうやってドアを開くのは一人しかいない。ハルヒだ。

「そんなに慌ててどうした。」
「明日から雛見沢に行くわよっ!!」

ヒナミザワ?どこかのテーマパークか?

「ったく、キョンはひぐらしも知らないの!」

ちょっとカチンと来る俺。知ってるさ。夏の終わりにカナカナと鳴く、
こう、なんとも郷愁を誘うセミのことだろ。

「それがそのテーマパークと、どう関係あるんだ?」
「あー!アンタはもう、全っ然ダメ!!」

へいへい、俺なんぞハルヒから見たらどうせ、どこぞの万能猫型ロボットに泣き付く
半袖短パンの眼鏡男みたいなもんでしょうね。ハルヒは俺を黙殺すると続けた。
391雛見沢・SOS 〜序章〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 01:28:48.00 ID:jLX/Cl9k0
「古泉くん!知ってるかしら?」

両肩をすくめ、0円スマイルをゆっくりと左右に振るニヤケ男。

「すみません。存じませんね。」

さしもの古泉でも分からなかったか。それみろ。知らないのは俺だけじゃないぞ。

「有希は?」

一応、という感じで聞くハルヒ。

「………」

液体Heアイでしばしハルヒを見つめた末、どうやら情報統合思念体データベースにも
その単語は登録されていなかったようだ。首を横に振る。

「みくるちゃんは?」
「はっ!?あっ、えっとぉ〜。」

順番でいったら次はアナタですよ、そんなに驚かないで。
気のせいか、朝比奈さんは心ここにあらず、といった面持ちでじっと床を見つめていたのだが、
ハルヒに名前を呼ばれて我に返った様子。
おいおいハルヒ、あんまり驚かすなよ。朝比奈さん少し涙目になってるじゃないか。

「な、何よっ、普通に呼んだだけだってヴぁ。」

みさお自重しろ。

「えっと、ごめんなさい。聞いたこと無いですねぇ〜。」
392雛見沢・SOS 〜序章〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 01:29:24.40 ID:jLX/Cl9k0
「そう……、ま、いいか!おいおい説明すればいいわよね!」

ちぃっともよくない。よくないぞ。お前の口調から察するに、
既に俺たち全員は、明日からの予定も聞かれないままに
そのテーマパークもどきに拉致連行されることが、最早決定しているかのようではないか。

「拉致とは人聞きが悪いわね!」
「ああ、スマン。確かに悪い日本語だった。それでも一応、全員の予定は聞くべきだぞ。」
「まぁ確かに…。明日から予定ある人はいるっ!?」

静まる部室。当然だろう。Mr.イエスマン古泉、無口読書少女長門、ドジっ娘メイド朝比奈さん。
この面々は様々な諸事情により、ハルヒに対して不利不都合が働かないような
ポジションを陣取っている。まず予定はない。あっても無きものとするであろう。絶対。
かくいう俺も、その3バックシステムに新風を巻き起こそうと
新たなDFラインを提案し、4バックでこれからはゴールを守っちゃうもんね!
な〜んて気は全然無いのだが、残念なことに、明日の脳内カレンダーに赤いしるしが
刻まれていることはなく、なんのかんので団長様の強引なツアーに参加させられることは明白であった。

と、思っていたのだが……

「あっ、あのぅ!」

朝比奈さん、もしかして?

「じ、実はぁ〜……。」
「み・く・る・ちゃん!」
「ハイぃっっ!!」
「一応聞くわよ?SOS団の活動よりも優先しなけばならない程の、超重要事項の内容及び、言い訳をね?」
「ちょっと待て!そんな言い方ないだろう。朝比奈さんにだって都合はあるんだろうし。」
「だから、聞いてあげるって言ってるじゃない!」
393雛見沢・SOS 〜序章〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 01:30:44.24 ID:jLX/Cl9k0
アヒル口になるハルヒ。ええい、朝比奈さん。言ってやるんだ!この傲慢な女主人に対して
(言いなりにはならないんですぅ!)の一言でも!!

「その…今晩から、ぁぅっ、親戚の家でお茶の勉強会があるんです!」

え、偉い!よく言えた!感動した!スタンディングオーベーション!!

「お茶の?みくるちゃんが?」
「は、はぃ…。もう何ヶ月も前から約束してて…その…。」

はーっ、と溜息をつくハルヒ。感動でいっぱいな俺。朝比奈さん、後は任せて下さい。

「なぁハルヒ、随分前から先約があったんじゃしょうがないだろ?」
「でも…みくるちゃんもいないとつまんないもん……。」

「お茶の勉強なんてなんとも健気じゃないか。朝比奈さんの煎れるお茶がレボリューションを遂げれば、
 毎日の部室での活動がより一層輝くものになるぞ。」

この言葉は紛れもなく、100%まことの言葉だ。
朝比奈さんのお茶がより一層グレードアップだなんて、もうボク、どうにかなっちゃいそう。

「鼻の下伸ばしながら言うんじゃないわよ。」

おっと、イカン。俺は真摯な顔にスイッチを切り替えた。ここが正念場。

「夏休みは長いんだ。そのナントカってテーマパーク以外でも
 朝比奈さんとは遊べるだろ?」
「うぅー…、わかったわよ…。
 みくるちゃん!親戚のとこから帰ってきたら連絡しなさい!今年はガンガンいくんだからね!」
「あっ、はい!わかりましたぁ!」
394以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 01:31:15.64 ID:OADr84oGO
支援
395雛見沢・SOS 〜序章〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 01:31:22.43 ID:jLX/Cl9k0
「約束だかんね!絶対だかんねっ!!」

やれやれ、なんとか朝比奈さんは、それこそキュッとした、和服姿かなんかで
お茶の勉強に励むことができるだろう。気兼ねなく、親戚の家で。ああイカン、また鼻の下が。

ん…、親戚?
俺はハッとして朝比奈さんの方を振り向きそうになったが、
ここで気取られてはマズい。非常にマズい。ハルヒの勘の鋭さといったらそれはもう、
ギラッギラのアーミーナイフのようで…。
なんで俺は自分でトラウマを掘り起こしてんだ。
とにかく朝比奈さん一世一代の「嘘」を、なんとかハルヒから守ってやるのは
なんとなく、そうした方がいいからそうする、といった感じで、
だから俺はそうすることにした。そういうもんだろ?

「交通手段?なんとかなるでしょ!!」
「宿泊施設?なんとかなるでしょ!!」

そんなんでなんとかなるもんなら、まずは留まる事を知らないこの地球温暖化でもなんとかしてくれ。
いまや北極の氷は日々溶け続け、2040年には全て溶け切ってしまうという噂だ。
そうなれば北極熊やペンギンたちは行き場を失い・・・

「あ・た・し・は!神でも仏でもないわよっ!
 まずは雛見沢での滞在に関して考えるのが最優先事項よ!!」

このゲームを かちぬいたのは きみたちがはじめてです

古いネタをやってる場合じゃない。
最優先事項と言いつつ、なんとかなる。で済ませるのは果たして矛盾じゃないのか?

「それも見通しての なんとかなる!なのよ。」
396雛見沢・SOS 〜序章〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 01:32:10.06 ID:jLX/Cl9k0
へいへい、神がそう仰るのならなんとかなるんでしょうね。

実際、古泉の知り合いの富豪が偶然にもその近辺の興ノ宮、という街の
ホテルの一つを経営していたらしく。あくまで偶然、な。
寝食に不自由はさせないとの有難いお言葉を頂いたのだった。

「なんとかなったでしょ?」

ああ、大したもんだ。皮肉じゃないぜ。

電車やらバスやら船やら航空機を乗り継げばヒナミザワ、
という所にはたどり着けるらしい。
この辺は描写も面倒なのでカットだカット。こんなもん。
なんとかなってしまうんだろう。こいつがそう望んでいるんだから。

結局、SOS団4名。朝比奈さんを除く全員は、夏休み初日からトンチキなテーマパークに向かうハメに
なったのだった。どうなることやら。

その日の帰り際。どうしても気になるものはなる。
俺はそれとなく朝比奈さんに聞いてみることにした。

「あの、朝比奈さん。その…。」
「勉強会、自体はあるんです。」
「ああ、つまり…。」
「ええ、そうです…。ごめんなさい…。」

親戚、ではないのね。ここで何か細かいことを聞こうとしても
通例の四文字熟語が帰ってくるのは想定内で、
B級アクションのラストシーンで「火薬って使います?」と聞く新米丸出しアシスタントの如き
滑稽振りを演じるには俺のプライドは少しばかりの反抗を見せたらしく、沈黙を保つことにした。
397雛見沢・SOS 〜序章〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 01:32:44.70 ID:jLX/Cl9k0
「し、指令が来ていたんですっ。」

少し慌てたように朝比奈さんは小声ながら早口で言った。
どうやら明日のツアーには同行するな、と遥か未来のお偉いさん方は判断したようで、
実際に何ヶ月も前から予定が入っていたのは事実だったらしい。

「俺は構いませんよ。少し残念でもありますが。」

なにしろ久方振りに傍若無人なる王女から解放されるのだ。

「少し羽根をのばしてきてください。」

俺はニヤケ野郎には劣るが、精一杯のスマイルでこう答えた。

「その、キョンくん。」

なんです?土産なら色々と買ってきますよ。

「……まを、し…じてね……。」
「え?」

なんだか良く聞こえなかった。なんて言ったんです?

「ううん!なんでもないの。気をつけていってらっしゃい!」

いつも以上に眩し過ぎる笑顔にウィンク。
しかし、瞑った目尻に涙が再び滲んでいるのを俺は見逃さなかった。

予感めいたモノが俺の背筋を這いずり回った。今回も何かあるんでしょうね。
望もうが望むまいが、「非日常」ってやつが。やれやれだぜ。
398以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 01:33:31.00 ID:OADr84oGO
支援
399 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 01:33:40.12 ID:jLX/Cl9k0
ちょろっと休憩してもうちょい続きます
400以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 01:35:05.16 ID:tYBGR47j0
ひょっとしてアナル的展開?
401雛見沢・SOS 〜序章〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 01:39:41.40 ID:jLX/Cl9k0
で。やって来ました興ノ宮。なんてこたーない、どこにでもある普通の街だ。
道中でのハルヒの話によると、雛見沢と興ノ宮が今回のメインの見学場所らしいのだ。
なんだか同人ゲームとかアニメだとか、なにやらそのひぐらし、ってやつは相当流行っているらしく、
社会現象に発展する始末らしい。中でもドラマCDのフリーダムっぷりがイカス、
とかハルヒは熱弁をふるっていたのだが、俺にはちぃーっとも理解出来なかった。

猟奇的な村で猟奇的な奴らが猟奇的な迷信に揺り動かされて、
なんだかわけのわからん病気に、身体も精神も犯されるとかなんとか。
現実離れしてるわ妙にグロテスクだわで、俺は概要を聞いただけでなんだかお腹一杯の気分だ。
そんなことを俺達に伝えたかったのか?お前は?

「ちがうわよ!ふたつあんの!」

一つは?

「もちろん、不思議探しよ!実在する村なら何か不思議があってもおかしくないわ!
 火の無い処に煙は立たないのよっ!」

煙を無理矢理立たせるために火を放つのはやめとけよー。近辺の住人もさぞ迷惑だろうに。

「で、もう一つは何なんだよ?」
「それは、っと、着いたみたいね!興ノ宮!」

ってなカンジで、俺は原作について9割9分理解出来ないままに、
所謂聖地、ってとこに放り出された。古泉はハルヒの話を
うんうん頷きながら楽しそうに聞いていたが、こいつだって大した理解をしているとは到底思えねーや。
長門に至っては例の如く本の虫。話の内容をプリントアウトしたもんでも見せてやればよかったのに。
こいつなら喜んで読み漁るだろう。活字には誰よりグリードなんだぜ。

「長門、話は聞いてたか?」
402以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 01:42:28.00 ID:OADr84oGO
支援
403以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 01:47:41.29 ID:gZvwPKA/O
支援
404以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 01:52:38.84 ID:nkQd38vk0
支援
405雛見沢・SOS 〜序章〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 02:01:47.28 ID:jLX/Cl9k0
数ミクロン単位で頷く。

「どうだ?なんていうかー、面白そうだと思ったか?」
「とても、カオス。」

まちがっちゃあ、いないよな。うん。

ってなことで冒頭。興ノ宮に立つ自信満々の団長1名、及びチンプンカンプンな団員3名。

「えーと、古泉くんの知り合いのとこへ行ってもいいんだけど。
まずは見たいでしょ!?雛見沢村をっ!」
「僕は勿論構いませんよ。知り合いにはそう連絡しておくとしましょう。」
「決まりねっ!このままレッツゴー雛見沢よっ!」

へいへい、何処までもお供したしますよー、だ。俺達は村まで出ている
定期バスの待合所へと向かう。運の良いことに、雛見沢へ向かうバスが到着したところだった。

「ん、あーーーーっ!!しまった!忘れてたわー!」

どうした大声で。

「カメラよカメラ!デジカメ家に置いてきちゃったわ!
 ちょっとその辺でインスタントの買ってくるから先に行ってなさいっ!」
「僕らも待ちますよ?」
「いいのよっ!降りたとこで待っててくれれば!じゃ、次の便で会いましょっ!」

言い残すとハルヒは猛烈な速さで近場の雑貨屋らしきところへ走り去った。
アレは、カメラだけじゃないな。何か罰ゲーム的な小道具も買い揃える勢いだ。

「…乗る。」
406雛見沢・SOS 〜序章〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 02:05:18.69 ID:jLX/Cl9k0
「では、お言葉に甘えましょうか。」

まぁ村まではそう遠くはないようだし、アイツも一応気を遣うってことを
覚え出したのだろうかね。俺達はいそいそとバスへと乗り込んだ。
車内には片手で数える位の人数しか乗っていなかった。その数人も近場で降りると、
残りは俺達3人だけ。冷房の効いた車内はなんとも涼しく、俺はのほほ〜んと…

「…古泉一樹。」
「ええ、感じますね。」

出し抜けに喋りだす2人。なんだ、どした。

「このバスの進行方向。」

何かあるのか?

「局地的非浸食性融合異時空間の亜種となる存在を確認した。」
「ああ、ええと。例のカマドウマ空間のことか。それの亜種が?」
「そう。丁度、村全体を覆うように展開されている。」

ちょーっと待った。なんだその、このままバスに乗っているとその、
ヘンテコ空間への突入は免れないってことなのか?
はっきりと頷く長門。古泉は困ったような笑顔で

「そう、閉鎖空間の亜種でもあります。僕も空間自体の認知はしているものの、
 いつもとは違うので多少動揺しています。現在、涼宮さんの精神状態は非常に安定しています。
 アレは彼女自身が生成したワケではなさそうです。つまり神人もいない。
 蓋を開けるまでは何が入っているかはわからないでしょう。」

俺は嫌だ。ゴメンこうむりたいね。大体あのワケの分からない
407以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 02:07:17.45 ID:OADr84oGO
支援
408雛見沢・SOS 〜序章〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 02:07:53.98 ID:jLX/Cl9k0
空間にて良い思い出なんてひとっつもありゃしない。
今すぐバスから飛び降りてでも逃げる。逃げてやる。

「果たしてあなたはそうするでしょうか?」

えらく意味深な質問だな。

「次の便には涼宮さんが乗っているのですよ。」

ああ、そうだが。うーん、ううむ。

「僕たちの任務には、」

古泉は長門にゆっくりと微笑むと続けた。

「涼宮さんの保護も当然含まれています。ここで僕たちは降りるわけにはいきません。
 なんとしてでもあの空間の消滅、または隔離。
 最悪の場合、彼女が入り込んでしまっても護衛を成し遂げなければなりません。」
「だったらそうだ、ここで飛び降りて次の便を待つ。
 ハルヒが着たら武田鉄矢もびっくりの、ボクはしにましぇーん!でバスを止めるってのはどうだ。」

長門は首を傾げている。ちっ、4歳児にはちと古いネタだったかもな。

「それでは問題の根本からの解決には至っていません。非常に情熱的で、見てみたい気もしますが。」

古泉はふふっ、と笑うと俺の提案を却下した。あ、なんか勘違いしてやがるな。そうじゃねーっての!

「どうやって理由をつけても、彼女は村へ入るでしょう。それで不思議体験をするのも悪くはないでしょうが、
 機関、恐らく思念体にとっても少し状況は違います。それよりも僕らで素早くカタをつけて、
 平穏なツアーを敢行するのが夏休みの有意義な過ごし方ではないでしょうか?」
409雛見沢・SOS 〜序章〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 02:10:21.76 ID:jLX/Cl9k0
一理ある。夢オチにもそろそろ限界があるだろうし、それこそトンデモ空間で能力を自覚したハルヒが、
次々とカマドウマを量産している姿を想像したら、ホラ。鳥肌だ。

「あなたの助けも必要。」

俺の?俺にできることなんてそうそうないと思うが。

「そう思っているのはあなただけですよ。」

へいへい、やればいいんだろ。

「お互い助け合いましょう。僕たちは仲間なんですから。」

真面目な顔をするな、息を吹きかけるな、顔が近いんだよ気色悪い。
ところで長門、亜種って言ってたっけ?

「そう。」
「カマドウマの時とはどう違うんだ?」
「端的に言えば、」

長門はふと消え入りそうな表情を浮かべて、俺の目を見つめた。
嫌な予感が再び背筋を這い回る。

「とても、厄介。」

やっぱりバスを飛び降りちまうべきだった。ハルヒは担いででも帰る。
ワガママ言う子は許しませんよ。危ないとこはメッ、なの!
なんてことを考えても、実行に移せなかったのは、急激な眠気が俺を襲ったからであった。
崩れ落ちる様に安物のシートに背中を預ける俺。
何者かによって強制的に脳の電源を落とされていく最中で、
410雛見沢・SOS 〜序章〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 02:12:35.33 ID:jLX/Cl9k0
同じように眠りに落ちていく宇宙人、超能力者を視界の端に捉えた。

運転手さん、アナウンスは大きめで頼むぜ。SOS団は朝っぱらから活動中で、お疲れなんだ。








序章終わり 今日は終了です。
411以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 02:12:43.95 ID:OADr84oGO
支援
412以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 02:13:36.83 ID:OADr84oGO
終わってたwww
乙、続きwktk
413以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 02:23:55.11 ID:dHfGKwHPO
乙!
414以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 02:25:58.66 ID:tYBGR47j0
保守
415以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 02:42:34.04 ID:OADr84oGO
保守
416以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 03:10:01.83 ID:OADr84oGO
保守
417以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 03:40:56.09 ID:Jwu8VipbO
保守
418以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 04:11:31.06 ID:Jwu8VipbO
保守
419以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 05:03:37.91 ID:9F3KnhtrO
保守
420以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 05:49:32.56 ID:+rVgXTST0
すでに一部投下している話の続きがあまりにもつまらなくなってきて止めたくなってきた保守orz
421以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 06:01:20.39 ID:wRR0v6fV0
>>420
男は度胸!
なんでもためしてみるものさ
422以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 06:09:45.48 ID:Mq1M2MOO0
>>420
そのままやめるのは勿体無い
もう一度全体を見返して面白くなるようにがんばってください!
423以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 06:24:35.02 ID:9F3KnhtrO
>>422
地味に酷なことをw
424以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 07:07:01.66 ID:Jwu8VipbO
保守
425以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 07:24:40.79 ID:jXlWz/1C0
たまに、投下するのをすっごく躊躇したくなるときってあるよね。
連載物を書いているときに限って。

そんな保守
426以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 07:43:29.66 ID:+rVgXTST0
420だがレスありがとう。
まだ完結まで書き上がっていないのだが、前の投下から2週間以上空いてしまったので
出勤前に続きの一部を投下します。
>>422
何度も書き直して頭に何か変なものが沸きそうだorz
427憂鬱な殺人 ◆IVtCZMTsPs :2007/12/04(火) 07:44:33.46 ID:+rVgXTST0
2章

 俺が不元気全開で足を引きずりながら教室に入ったのは、一時限目の授業がすで
に半ばを過ぎた頃だった。まったく、自転車がないことを忘れていつも通りに家を出ち
まったおかげで遅刻の憂き目に遭うとは。
 思った通りだが、ハルヒはまだ来ていない。今日は来れないかもしれないな。
 寝不足から今更ながら襲ってきた睡魔にあっさりと降伏したまま、一時間目の授業
は終わった。遅刻の上に居眠りなのはこの際お許し願いたい。

 休み時間になって、俺は好奇心に満ちたクラスメイトに質問攻めに遭うこととなった
が、逆に俺の方が知らないこともあったために情報収集に徹する事にした。と言って
も、朝のニュースの内容は母親から聞いているわけで、それ以上目新しい話は出て
こなかった。解ったことは、この事件はすでに学校中に知れ渡っているということだけ
だった。まったく、いくらハルヒが校内一の有名人だからって、何でこんなに伝播が速
いんだ。
「昨日涼宮の家で死体が発見されたって!?」
 こんな風に好奇心丸出しで聞いてこられるのは、正直言って不愉快だ。そりゃ、事
実を知っている奴なんているわけがないのはわかっているが、それでも朝比奈さん
(大)の死をそんな風に軽く扱わないでもらいたい。

「それにしても、怖いよね。涼宮さんに何もなくて良かったね」
 こんな風に心配してくれるのは主に女子である。後は国木田か。そして、それは俺
が考えてみなかった事でもあった。俺はハルヒからの電話の時点で、すでに宇宙的
未来的あるいは超能力的な事件を想像していて、当たり前の殺人事件ではないと思
いこんでいた。そしてそれが事実だっただけに、例えばハルヒが犯人と遭遇して危害
が及ぶといった考えがまったく浮かばなかった。
 俺もアホだ。
 ちゃんとハルヒを安心させてやれたのか? なあ、俺。
428憂鬱な殺人 ◆IVtCZMTsPs :2007/12/04(火) 07:45:32.90 ID:+rVgXTST0
 午前中の残りの授業もほぼ睡魔の勝利で飾り、俺は昼休みに入るやすぐに教室を
飛び出した。行き先はもちろん部室だ。睡眠の合間に古泉を呼び出してある。長門
はデフォルトでそこにいるだろうが、念のためにメールを送信しておいた。
 部室に到着すると、すでに2人は待っていた。古泉はいつもの定位置で、長門は窓
際で本を広げてはおらず、長机の端に椅子を引き寄せてちょこんと座っていた。

「呼び出して悪いな。用件は解ってると思うだんが」
 古泉はもちろん知っているはずで、一応長門に向かって聞いてみる。長門はわずか
に頷いた。
「そうか、なら話は早い」
 とにかく今回の事件は裏がややこしそうだし、万が一にもハルヒが本当の事実に気
がついてもまずい。ある程度口裏を合わせておきたい。
 本音を言えば、朝比奈さん(大)が死んだなんて事実をどうすれば覆せるかまで考え
たかった。だが、今、俺にそれができるか? と問われれば、情けないが否である。
 とりあえず飯を食いながら話そうぜ、と前置きしてから、俺は古泉に聞いてみた。
「古泉、朝の時点でニュースになってたようだが、大丈夫なのか?」
 内密に処理した方が良かったんじゃないかと思う。警察の手を経ていない事件なの
だから、大々的に報じると後で厄介なことにならないのか?
「確かに内密にできればそれに越したことはないのですが、涼宮さんからしてみれば
このような事件がニュースに出ない方がおかしいでしょう」
 確かに、言われてみればその通りだ。もう、俺はSOS団的不思議事件になれちまっ
て、異常事態は全て隠し通さなければならないという固定観念が出来上がってしまっ
ていたようだな。
「ですから、この事件自体、ある程度警察の手に渡しています。警察の内部にも機関
の人間や外部協力者がいますので、問題は起こらないでしょう」
 ……ついに機関は国家権力も手に入れたか。日本の民主主義にまったくの懐疑心
を持ってなというわけではないが、それにしてもある程度は機能していると思っていた
民主主義自体を疑いたくなってしまう。いや、それよりも、だったら最初から警察に連
絡しても大丈夫だったんじゃないのか。
429憂鬱な殺人 ◆IVtCZMTsPs :2007/12/04(火) 07:46:33.88 ID:+rVgXTST0
「最悪の場合、それでも何とかなりましたが、やはりすべての手筈を潤滑に進めるた
めには、まず機関の方で調査する方が何かと都合がいいと言うものです」
 そう言ってから、古泉は少し顔を曇らせた。
「検死や司法解剖も機関の人間がする予定でしたが……邪魔が入りましてね」
 邪魔だと? 俺は機関がどんな組織だか、実態はほとんど知らないと言っていいが、
それにしても簡単に邪魔が入るような組織ではないと何となく解っている。どんな奴ら
だ、機関に堂々と横やりを入れられるのは。
「お分かりじゃないですか。被害者はこの時代の人間じゃないんですよ」
 古泉は意外だ、とでも言いたげな表情で言った。悪いな、俺はそこまで頭の回る人
間じゃないんだ。
「てことは、他の未来人が朝比奈さんを引き取りに来たってことか?」
「そういうことです。我々としてはこちらですべて処理をしたかったのですが、仕方がな
いでしょう。これは間違いなく彼らの事件であり、本来はこんな風に涼宮さんを巻き込
むこと自体許されることではない。未来人のいざこざは未来で解決して欲しいもので
す。事態がこうなっている以上、機関としては協力せざるを得ませんがね」
 古泉は相変わらずの笑顔だったが、それにしてもかなり怒っている様子だ。何か背
後からオーラが出ているぞ。笑っているだけに逆に怖いが、森さんといい、機関の人
間は笑顔で凄む訓練でもしてるのか?

 いや、そんな現実逃避的などうでもいいことを考えている場合ではない。とりあえず
今分かっていることを把握して、今後どうするかを検討しなければならない。
「で、結局機関の方の捜査はどうなってるんだ? それに、世間に公表した以上、どう
収拾をはかるんだ? シナリオは出来てるんだろ?」
 俺は立て続けに質問した。
「シナリオは出来ていますよ。涼宮さんが納得出来そうな結末を考えています。早々
に決着をつける予定ですのでご心配なく」
 ここまでは0円スマイルを振りまいていた古泉だが、突然真顔になった。
「しかし、実際の捜査となりますと、難航しております。我々の時代の技術では捜査な
ど出来ない可能性が高いですからね」
430憂鬱な殺人 ◆IVtCZMTsPs :2007/12/04(火) 07:48:13.16 ID:+rVgXTST0
 大げさに首を振り、苦笑を浮かべて俺を見る。何だその仕草は。俺に何か期待して
も無駄に決まってるだろうが。
 そんな心の声が伝わったのかどうかは知らないが、古泉は長門の方に向き直った。
古泉と以心伝心なんて気持ち悪い。
「ですから、我々としては長門さんがどの程度事実を把握しているかに期待をかけて
しまうのですが」

 ここまで黙々と大盛りの弁当を食べていた長門が、始めて顔を上げた。長門を知ら
ない奴が見たら話を聞いているのか不安になるところだが、その心配がないのは俺
も古泉もよく分かっている。
「昨夜午後十一時二十三分と二十五分、二十六分に涼宮ハルヒの居住する住宅で
わずかな時空振動が観測された」
 長門はそれだけを言うと、他に話すことなんかないと言うような無表情で口をつぐん
で古泉を見つめた。古泉もこれには少し困ったようで、
「それで?」
 と先を促した。
「現在把握している事実は、それだけ」
 今度は本当に困ったらしく苦笑を浮かべたが、更に食い下がった。
「それで、あなた方は今回の事件はどういうものだと考えているのですか?」
 長門はわずかに首をかしげた。
「結論を出すには情報が不足している。これらから推測できることもわずかしかない」
「つまり、三回の時空振動のうちの一回は朝比奈さんで、もう二回はおそらく犯人だと
いうことですか」
「そう」
 ならば、やはりこの事件は未来人同士の争いで間違いないんだろう。俺はあのいけ
好かない未来人野郎を思い出した。あいつ、今度会ったらただじゃおかねえぞ。
「その時間振動とやらがあったとき、何が起こっているかは確認しなかったのか」
 まあ、見ていたとしても行われていたことは推測できる範囲だろうが。
「即時的に得られた観測結果ではない」
431憂鬱な殺人 ◆IVtCZMTsPs :2007/12/04(火) 07:49:37.13 ID:+rVgXTST0
 後から確認したってことか。どういう方法かは聞かない方が俺の頭にやさしいな。
 俺は夜中に考えたこと、つまり今回は朝比奈さんと別の未来人との間で異なる「既
定事項」があったために起こった事件なのではないかということを話してみた。
「さすがですね」
 お前に褒められても嬉しくない。だいたい、この程度のことはお前も機関もとっくに
考えついてるだろう。
「確かにその通りです」
 しれっと言いやがった。褒められたのが嫌味にしか感じられないぞ。古泉は俺の恨
みがましい視線などものともしていない。
「朝比奈さんのお仲間は、遺体を引き取らせてもらう見返りにある程度の情報は提供
すると約束してくれました。もっとも、こちらが期待するほどはもらえないと踏んでいま
すが。その既定事項の内容だけでも分かるかもしれませんね。ただし……」
 俺を見て、また苦笑を浮かべると、
「情報は朝比奈さん自身からのみ伝えられる、ということです」
 と続けた。その顔にはまさにやれやれ、という表情が浮かんでいた。
 朝比奈さん(小)から? 未来人はふざけてんのかよ。
「おそらく、朝比奈さんに伝えられる程度の情報しかよこさない、という意味でしょう。
そしてまた、その情報は主にあなたに伝えられることになると思います」
 まさか、未来人は朝比奈さん(小)に事実を話したりしないだろうな。
「それはないと思いますよ。この時間に生きる我々でも、自身の未来を予言すること
は禁則事項だろうことくらいは考えつきますからね。だから、尚更得られる情報はた
いしたものではない、ということです」
 何だか未来人にいいように使われているようで面白くない。いったい、未来人はこ
の事件をどうするつもりなんだ? 何だって俺たちが未来人の抗争に巻き込まれなく
ちゃならないんだ。

 だが、ごちゃごちゃ考える前に確認しておくことがあるな。
「俺たちも、この件は朝比奈さんには言わない方がいいよな」
「当然です」
「同意する」
432憂鬱な殺人 ◆IVtCZMTsPs :2007/12/04(火) 07:51:37.41 ID:+rVgXTST0
 この事件を解決することで、朝比奈さんの未来を取り戻せるのか?
 その答えはまだ得られないまま、昼休みが終わった。

「異時間同位体との同期ができれば、真相も分かるはず」
 部室を出るとき、長門は俺を見て、少し後悔しているような顔をしてぽつりと言った。
事件を解決する手がかりが少ないことを、こいつなりに気にしているようだ。
「大丈夫、今のままでもきっと解決出来るさ」
 気休めかもしれないがな。それでも、こいつが自分のなりたい方向に向かっている
のなら、未来と同期なんか出来ないで、今のままの方がいいに決まってる。

 昼休みも残り少なくなり、俺たちはそれぞれの教室に戻っていった。


「遅い! どこ行ってたのよ!」
 教室に戻るとハルヒが登校していた。驚いたな。今日は来れないかもしれないと思っ
ていたのに。
「もう登校して大丈夫なのか」
「大丈夫だから来たに決まってるでしょ。家にいても仕方ないし」
 それもそうだ。親御さんは帰ってきたのか?
「あんたが出て行ってからすぐ帰ってきたわよ。でもごちゃごちゃ説明したり掃除したり
してたから家を出られなかったけど。警察の連中に色々聞かれるし、窓も割れちゃっ
てるしさ」
 窓も割れている? それは初耳だな。あれ、でもさっきの話からすると、誰も窓から
なんて出入りする必要はないはずだよな。とすると、犯人は機関か。古泉は何も言っ
てなかったな。後で問いつめるとするか。
 俺は昨夜の捜査を思い出していた。家で事件が起こるとその後の掃除がたいへん
になるとは思ってなかったな。
「で、あんたはどこに行ってたのよ」
 ああ、それ聞かれてたんだっけな。悪い。
433憂鬱な殺人 ◆IVtCZMTsPs :2007/12/04(火) 07:53:37.54 ID:+rVgXTST0
「部室にいたんだよ。昨夜の件、長門にも話しておいた方がいいと思ってな」
「ふうん、有希と二人で?」
 ジト目で睨むな。
「古泉もいたよ。どっちかというと説明はあいつがした」
「そりゃ、あんたよりうまく説明できるでしょうね。でも、みくるちゃんは?」
 あいつは説明がうまいんじゃなく、ややこしくするのが得意なだけだ。そもそも、三人
とも事情が分かっていたわけで、誰も説明なんてしていなかった気がするが。
「朝比奈さんは聞いたら卒倒しそうだからな。生々しい部分はいないところで話した方
がいいと思ったんだよ」
 あながち嘘でもない。朝比奈さんはこういう事件は苦手なんじゃないだろうか。どっち
にしても、関わってもらわなくてはならないようではあるが。
「それもそうね。みくるちゃんにはこんな殺人事件なんて似合わないわ」
 それには心の底から同意する。だからこそ、この事件はなかったことにしたい。なん
せ、こうしてハルヒと話していると嘘みたいだが、その似合わない朝比奈さん自身が
被害者だ。
「でも、実際に何か事件があったとき、一番被害者になりそうなのもみくるちゃんよね」
 そのセリフに俺は背筋が冷たくなるのを感じた。こいつの勘の良さときたら恐ろしい
ものを感じるね。もちろん、ハルヒが言うのはSOS団にいる朝比奈さん(小)のことに
違いないが、それにしても、だ。
「それよりキョン! この事件、何が何でもあたしたちで解決するわよ!」
 言い出しそうな予感はしていたが、やはりハルヒはこれは自分の事件だと思ってい
るらしい。しかしそう簡単にはいかないんだよ、この事件は。
 あまり深く関わって欲しくないという気持ちから反論しようとした俺は、五限の授業の
ために入ってきた教師によって結局黙ることになってしまった。
 反論したところで結果は同じだったろうけどな。


434憂鬱な殺人 ◆IVtCZMTsPs :2007/12/04(火) 07:55:37.52 ID:+rVgXTST0
 窓際という場所柄、外からの熱気を容赦なく受けつつ午後の授業を終えた俺は、ハ
ルヒに引っ張られるように部室へと向かわされた。
「やっほー!! みんないるー!?」
 勢いよくドアを開けて部室に飛び込んだハルヒにそのまま引きずり込まれ、俺も中に
入った。朝比奈さんは来てはいたが、到着したばかりらしく、まだ着替えてもいない。く
そ、後少し遅ければ着替えを見てしまったとしてもハルヒのせいに出来たのに。
 こんなときでもこういうことを考えてしまうのは健全な高校生としては当たり前だよな?
 長門は窓際で本を広げており、古泉はいつもの席で無意味に笑みを浮かべていた。
「うんうん、偉いわね。みんなちゃんと来ているわ」
 何が偉いんだかわからんが、ハルヒは満足そうにうなずくと、団長席へ向かった。俺
は溜息をついて自分の定位置に着く。
「こんな大事件があったんだから、授業が終わったらすぐに部室に集合するべきだと
思ってたのよ。みんなちゃんと分かってるじゃない!」
 団長席の椅子に立ち上がったハルヒは、高らかに宣言した。
「この事件はSOS団で解決するわよ!!」

 あれ? 何か違和感を感じた。ハルヒはこの事件を自分の事件と思っているわけだ
し、今のもいかにもハルヒが言い出しそうなことだ。何だこの違和感は?
 違和感、と思ったのは一瞬で、その理由はすぐにわかった。。ハルヒはこういう思い
つきを言うとき、間違いなく熱帯の温度が移ったような笑顔なのだが、今はそれがな
いのだ。どちらかと言うとセリフとは裏腹に不機嫌そうにもみえる。
 ああ、そうか。まだこいつは完全に立ち直ったわけじゃないんだな。遺体発見のショッ
クか、それとも家で事件が起こったということに対する不安か。どっちもかもしれない。
事件を解決したいというのも、早く不安から解放されたいという思いからかもな。
「こらぁ! キョン、ボサッとしてないで話を聞きなさい!」
 考え事をしていたら怒鳴られた。一応お前を心配しているつもりなんだがな。
435憂鬱な殺人 ◆IVtCZMTsPs :2007/12/04(火) 07:57:37.67 ID:+rVgXTST0
「解決するって言ったってなあ、警察が捜査情報をくれるわけがないし、俺たち素人が
出しゃばったってどうにもなるもんでもないだろ」
 実際、被害者が誰であるかっていう情報も分からないことになってるんだ。何をどう
解決できるっていうんだよ。
「そのことなんですが、実は今回の捜査陣に知り合いが居まして……。僕の状況を聞
いて、情報を流してくれることになったんですよ」
 またお前は余計なことをしてくれる。そんな気持ちを視線に込めて古泉を睨み付けた
が、いつもの笑顔で返されただけだった。
「古泉くん! いつもいい仕事してくれるわね! さっすが副団長よ!!」
「恐れ入ります」
 しかし、普通に考えれば事件の関係者かもしれない人間に捜査情報を流すのって
かなりヤバイことなんじゃないのか? もちろん今回は情報を流すどころか、もしかし
たら犯罪のシナリオ自体を古泉が書くことになってるかもしれないわけで、ヤバイこと
なんか何もないわけだが、ハルヒは疑問に思わないのか。そもそも、古泉がいつもい
つも都合のいい知り合いを引っ張り出してくるってこと自体が甚だ疑問なはずだ。
「じゃんじゃん情報貰って来なさい! この事件を解決してSOS団の名を世に知らし
めるのよ!!」
 まったく疑問に思っていないらしい。変なところで単純なやつだ。
 しかし、そう言うセリフを言うときのお前は全開の笑顔でいた方がいいぜ? やっぱ
り、少なくともハルヒに対しては早くケリをつけないとな。
 いまいましいことに、そっちのケリをつけるには古泉に頼むしかないらしい。


 その後は、まだ情報不足ってことで、殺人事件について話し合われることはなく、い
つも通りの時間が過ぎていった。長門は窓際で本を読み、俺と古泉は何故かタイム
リーなことに、殺人事件の犯人が誰かを当てるなんていうボードゲームをやっていた。
しかし、変わったことがなかったわけではない。
 それは、お茶を入れてくれた朝比奈さんが、ハルヒに聞こえないようにこっそり耳打
ちしてくれた言葉だった。
436以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 08:02:19.97 ID:M3Ba7x2xO
支援
437憂鬱な殺人 ◆IVtCZMTsPs :2007/12/04(火) 08:04:59.98 ID:+rVgXTST0
「あの……何故か伝えるように言われたんですが……。その、指令みたいな形で」
 自分でも何でこんなこと言っているのか分からない、と言う顔をしていた。そうだろう
な。この事件が未来と関わりあることではない、と朝比奈さんは思っているはずだ。
「その、今回の殺人事件は既定事項ではありません。起こるはずない事件です。本当
なら、こんなことを言うのは禁則事項なはずなんですけど」
 ああ、未来人が伝える情報ってのはこのことか。俺は古泉を見た。古泉も軽くうなず
いたところを見ると、同じ考えなんだろう。
 朝比奈さんは伝えるだけ伝えると、そそくさと自分の席に戻った。明らかにハルヒの
目を気にしている。ハルヒのいないところで伝えればいいものを、きっと急いで伝えな
いといけないと思ったに違いない。

 しかし、これは結構重大な情報なんじゃないのか? 既定事項じゃない? 起こるは
ずのない事件だった?
 俺は自分が安堵していることに気がついた。既定事項じゃないんだ。朝比奈さん(大)
が死ぬのは。ってことは、何とかして助ける方法もあるってことじゃないのか。朝比奈
さん(小)にこの情報を伝えたってことは、もしかしたらこの後、時間を遡って朝比奈さ
ん(大)を助けに行くことになるかもしれない。
 そんな考えを口にすると、古泉も同意した。
「そうですね、少なくとも朝比奈さんにとっての既定事項ではないのでしょう。しかし、別
の未来人からすると、かなり重大な既定事項だったとも考えられます」
 ああ、そうか。わざわざハルヒの家での事件。いったい犯人が執着したのは、朝比
奈さん(大)を亡き者にすることだったのか、それともハルヒの家に遺体を置いておく
ことだったのか。どっちにしても、相当の理由がなければここまでのことをすることは
ないはずだ。
「とにかく、おそらく時間遡行することになるでしょう。今度は僕も連れて行ってもらいた
いものですが」
 相変わらず古泉は時間旅行に憧れているらしい。何度もやるもんじゃないぞ、あれ
は。少なくとも酔い止めは用意しておけ。
「そりゃ朝比奈さん次第だろ」
438憂鬱な殺人 ◆IVtCZMTsPs :2007/12/04(火) 08:07:00.81 ID:+rVgXTST0
 そう言いながら俺はゲームに終止符を打つべく、「告訴宣言」なるものを行った。こう
いうミステリ要素の大きいゲームなら古泉の方が強そうなものなのに、なんだってまた
俺が勝ってるんだ? 最近、こいつがゲームに負けているのはわざとなんじゃないか
という疑念がつきまとっているのだが、俺は更に疑いを強めている。
「これは参りましたね」
 古泉はあっさり負けを認めた。
「実際の事件も、こうやって活躍してくださるといいのですが」
 知るか、とは言いたくないがな。だが、俺の手に負える事件じゃねえよ。

 しかし、このときはまだ分かっていなかったのだが、実際のところ俺が何とかするし
かなかったのだ。


 いつもの通り、長門が本を閉じて相変わらずよく分からない団の活動が終わり、俺
たちは学校を後にした。
「実は今朝、閉鎖空間が発生していました」
 帰り道、前を歩く三人娘から少し距離を置いて歩く俺の隣で古泉が言った。どうでも
いいが顔が近い。
 しかし、そうだったのか。お前が普通に学校に来ているから何もないのかと思ってい
たんだが。
「たいした規模ではないので、朝のうちに処理できたんですよ。警察の捜査にイライラ
していた、というとこでしょう。事情聴取のようなものもしたようですしね。僕としては昨
夜のうちに発生するものと思っていましたが、そうでなかったのはあなたのおかげで
しょうね」
「だからそういう言い方は止めろ」
 いちいち冷やかしてんじゃねえよ。それはともかく、昨夜は発生しなかったのか。遺
体発見のショックは閉鎖空間を発生させるようなものではなかったのか。
 俺はハルヒの穏やかな寝顔を思い出した。俺が居たから安心出来た、何て考える
ほど自惚れちゃいないつもりだが、閉鎖空間をわざわざ作るほどの不安は紛れたの
かもしれないな。いや、これも自惚れか?
439憂鬱な殺人 ◆IVtCZMTsPs :2007/12/04(火) 08:09:00.25 ID:+rVgXTST0
 そんな俺の思考を読んだように、古泉はニヤニヤ笑っている。
「あなたが涼宮さんの精神的なフォローをしてくれるおかげで、僕のバイトも随分減っ
ているんですよ」
「とりあえずその顔は止めろ」
 ニヤケ面五割り増しかよ。どういうつもりか知らないが、からかわれているとしか思
えん。
「すみません、この表情はもう癖みたいなものでして」
 そう言って古泉は、朝比奈さんにちょっかいかけながら歩くハルヒに視線を移した。
「この事件は涼宮さんの精神を不安定にさせてしまう可能性が大きい。今はまだ思い
当たっていないようですが、遺体が朝比奈さんと似ていると気付く可能性もあります。
あなたにばかり押しつけるのも心苦しいのですが、なるべく涼宮さんが心穏やかに過
ごせるようにして頂きたいところです」
 安心しろ、もう押しつけられているとは思っていないからな。俺が望んでやっている
ことが、たまたまお前らに都合がいいってだけだ。
 俺だって、ハルヒには笑っていて欲しい。そう思ってるさ。
440憂鬱な殺人 ◆IVtCZMTsPs :2007/12/04(火) 08:10:00.59 ID:+rVgXTST0
今日のところは以上です。
近いうちに続き投下出来る予定です。
途中で支援ありがとうございました。
441以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 08:39:53.38 ID:M3Ba7x2xO
乙〜
さて、読むとするか
442以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 09:25:51.90 ID:M3Ba7x2xO
保守
443以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 09:56:28.09 ID:0ytvL9ipO
保守
444以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 10:13:06.42 ID:HTlFcWRhO
●<ふんもっふ保
キョン「アナルへ帰れ」


保守
445以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 10:23:42.70 ID:ncJ9CSMZO
どうでもいいが、最近SOS団in雛見沢を書き始めたオレ涙目
446以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 10:56:34.67 ID:+HgGfFHcO
原作で、ワカメちゃんが穏健派って説明された?
曖昧なんだな
447以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 11:22:16.66 ID:dHfGKwHPO
そんなことより身の安全を確保しろよ!!
448以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 11:24:45.29 ID:+AERCqZOO
手遅れ
449以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 11:27:36.36 ID:s6vobt840
保守
450以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 11:27:49.95 ID:+HgGfFHcO
えっ、何言ってn……サラサラ
451以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 11:30:08.33 ID:+AERCqZOO


                      次 は あ な た


452以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 11:56:53.90 ID:0ytvL9ipO
人の振り見てってやつだな
関係ないが今日の昼はご飯と味噌汁と焼き魚。もちろん味噌汁の具はワカm
453涼宮ハルヒの深淵  ◆VDgHU0rDdk :2007/12/04(火) 12:20:21.34 ID:s6vobt840
最終話 やっと完成しました 一時頃投下開始します
454以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 12:24:18.28 ID:AuJN9Qz50
ktkr
4551/3:2007/12/04(火) 12:38:57.68 ID:Raf34FUOO
じゃあそれまでにどうでもいい小ネタ投下

とある寒い日の帰り道。

キ「なんだかさむいなぁ」
ハ「冬だから寒いのは当たり前でしょ?」
キ「まあそうなんだが……おっ、雪か」
ハ「あら本当。寒いはずよね」
キ「俺雪嫌いなんだ。冷たいからな」
ハ「雪は冷たいものでしょ?暖かい雪なんて世間の秩序を崩壊しているわ!」
キ「まあそうだが、俺の希望的観測だ。はぁ、雪が暖かくならないかな。何なら熱いくらいでも良いぞ」
ハ「だから無理に決まってんでしょ!」
キ「不思議を追い求めているお前に言われる筋合いはないな」
ハ「じゃあいいわ!懸けましょう!暖かい、いや熱い雪が存在するかどうか!あたしはない方に懸けるから!」
キ「やれやれ……わかったよ、しょうがない。ジュース一本でいいか?」
ハ「ダメよ!下の店のオリジナルプリンね!」
キ「なにぃ!あれは一個千円もするじゃないか!俺もない方に懸ける!」
ハ「却下。あんたは熱い雪代表でしょ?ま、神様にでもお願いして見たら?じゃあね、明日が楽しみだわ」


キ「……長門。熱い雪を所望したいんだが、できないか?」
長「できなくはない。ただし推奨はしない」
キ「何故だ?」
長「……言えない」
キ「そうか、スマン、変な願いごとをして悪かったな。俺はこっちだから、じゃあな、また明日」

長「…………」
4562/3:2007/12/04(火) 12:40:37.88 ID:Raf34FUOO
次の日、放課後
ハ「だいぶ積もったわねえ。でもやっぱり熱い雪は降らなかったみたいね」
キ「いや普通に考えて無理だろ」
ハ「約束よ、キョン。プリンおごってね」
キ「やれやれ……」
長「……待って」
キ「どうした、長門?」長「…………」
キ「長門?」
長「…………」
ハ「有希?」
長「…………」
ガサガサガサガサ……
キ「お、おい!何やってんだ!」
キ「ゆ、有希!!何でいきなり脱ぎ出すのよ!!」
長「……ステージ衣装に着替える」
キハ『ステージ衣装!?』
長「そう」
…………
キ「こ、このくそ寒いのにワンピース水着姿になるなんて……」
ハ「や、やるわね……」
長「……ブーメランパンツ用意できなかった……」
キハ『は?』
長「しまったぁ、ヘタこいた〜」
キ「どうした長門、いきなりかがみこんで!?」
ハ「ま、まさか……これは……」

♪〜♪♪〜♪ ←あの曲
キ「え、なんだこの曲!」
長「うええぇぇ〜」
キハ『!!!!!』
4573/3:2007/12/04(火) 12:42:01.86 ID:Raf34FUOO
長「あ、ソレ。あソレ。ソレソレソレソレ!水溜まりの〜 うえぇ〜 氷が張ってて〜 うえぇ〜 小学生が遊んでたよ〜 だけどもだっけっど わたしが乗ってみたら〜 氷が割れちゃったよ〜」
キハ『……』
長「でもそんなの関係ねぇ! そんなの関係ねぇ! そんなの関係ねぇ! はいっ、オッパッピ〜」
キハ『……』
長「チントンシャンテントン チントンシャンテントン」
キ「な、なんだ……」
ハ「まさか……」
長「コンビニのおでんが生温い でもそんなの関係ねぇ!」
長「雪見だいふく固すぎる でもそんなの関係ねぇ!」
長「この時期デブがうらやましい でもそんなの関係ねぇ!」

キ「長門!ストップ!」
ハ「もういいわ、止めて!!」
長「…………」
キ「どうしたんだいきなり……」
長「熱い、有希」
キハ『はぁ!?』
長「熱い有希を希望していたから、その希望に答えてみた。……どう?」
キ「……熱いっていうより……」
ハ「正直、寒いわ……」
長「……うかつ」

鶴「こうして有希っ子は、顔中真っ赤にして、本当に『熱い有希』になりましたっさ!」
めがっさめがっさ

雪が降ってきた&オッパッピー流行語大賞受賞ならず記念
458以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 12:51:20.86 ID:+AERCqZOO
保守
459以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 12:55:37.69 ID:CcueIvzt0
>>457
これはいい長門www
おもわず牛乳吹いたwwwww
460涼宮ハルヒの深淵  ◆VDgHU0rDdk :2007/12/04(火) 13:02:22.34 ID:s6vobt840
そろそろ時間かな、しかし、Meはリソースが少なすぎて困る
再起動直後しかまともに動かん。

http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/3605.html
↑前回までのお話はこちら
461涼宮ハルヒの深淵 最終話 1/15  ◆VDgHU0rDdk :2007/12/04(火) 13:04:04.21 ID:s6vobt840
まず、プロローグ的なものだ。
なんというか、前々回の話はどこ言ったのか?
と、疑問に思ってる方もいるでしょうが、
それはまぁ、あれだ、えっとだな、そう、
宇宙人的、未来人的、超能力的、超監督的存在が、
倫理的観念から放送を打ち切った様なもんだ。鬱展開だったんだ! そう思っとけ。
決して手を抜いたわけじゃないぞ。
それも含めてネタだと思えばいいのさ。
 
そういや、最近ネタ系の話が多くなって来た気がするが、
ここいらで真面目系の展開にするか?
それもいいかもしれないが、今までの展開は無視していいものかどうか、
悩むところだな、でも、まあ悩んでも仕方ない、なるようになれだ。
ま、それに文句を言われても俺にはあのセリフがあるからな。
 
──知ったこっちゃねーや。
 
なぁんてな、と、そろそろ話を進めないといかんよな、
と、言うわけで──。
 
 
 最終話『涼宮ハルヒの深淵』スタート
462涼宮ハルヒの深淵 最終話 2/15  ◆VDgHU0rDdk :2007/12/04(火) 13:05:23.63 ID:s6vobt840
「──えーと、マジですか? 長門さん」
 
俺達は今、旧校舎の階段の踊り場にいる、
さっきまでいた鶴屋さんは朝比奈さんの整備の為に二年の教室に戻ったいった。
なので俺たちと言うのは長門と古泉と俺の三人だ。
 
この非常識な世界を元に戻すための方法を見出したとされる、
ミス万能宇宙人長門から、俺はその方法を訊いて思わず冒頭の言葉を吐いた。
さすがに信じがたいことだったからな。その内容はというと……。
 
「涼宮ハルヒがいる空間に入れるのはおそらくあなたのみ、
 あなたが何度かその空間にアクセス出来た状況からみても断言できる、
 その方法としては、あなたに危機的状況が訪れたときだと推測される」
ここまで言ったことについては俺も理解できた。

「それにより、涼宮ハルヒはあなたの状況を何かしらの方法で観察、
 または探知していると推測し、
 わたしはその検証を試みた、先ほどあなたに切りかかったのはその為、
 そのとき、わたしはあなたの前腕部に軽い切り傷を作った」
思わず自分の左腕を見る、が、そのような跡はまったくないぞ、
「結果、その傷は数秒でなくなった、これにて検証終了、
 あなたはおそらく不老不死と呼ばれる存在に改変されていると思われる」
なんだって、不老不死? 意味わかんねぇぞ、おい。
463涼宮ハルヒの深淵 最終話 3/15  ◆VDgHU0rDdk :2007/12/04(火) 13:06:51.39 ID:s6vobt840
「あなたもなにかしら改変されていたようですね、
 しかも不老不死、結構じゃありませんか、
 人類が切望し、手に入れたがっていた存在になれたのですよ、
 神に選ばれたあなたならではの能力じゃないですか、
 まったく、うらやましい限りです」
あー、まぁこの際、俺も何かの改変をされてるのはいいとしよう、
だが古泉、おまえも有る意味不死的な存在じゃないのか?
 
「そう言われればそうですね、常人よりかは幾分頑丈な肉体になりました」
いつもの笑顔で軽く笑う古泉。
お前は何があってもその笑顔だな、正直感心するよ。
「そう、涼宮ハルヒにとって我々SOS団のメンバーは特別な存在といえる、
 そのメンバーが怪我や病気になることを涼宮ハルヒは望まない、
 そのため、あなたには不老不死、古泉一樹には吸血鬼、
 朝比奈みくるは機械の体に改変した」
なるほど、一応理由がある訳か、ん? ちょっと待て、長門の雪女はどうなんだ?
雪女に不死的設定なんてあったっけ? とはいえ妖怪の一種だからいいのか。
おばけは死なない、病気もなんにもない。そんな単純でいいのだろうか。
俺としてはダジャレの線もすてがたいんだが、まあいいか。
 
「涼宮ハルヒがメンバーの健康状態を危惧するようになったのは、
 去年の十二月十八日以降だと思われる。涼宮ハルヒ、古泉一樹、
 朝比奈みくるには、わたしとあなたが体験したものとは、
 まったく別の出来事を記憶しているのが原因。
 その出来事は涼宮ハルヒにとって衝撃的で、今回の方法の重要なファクター」
長門がそこまで言ったところで古泉が、なるほど、
っと言って自分の手の平をぽんと叩いた。
なにがなるほどだ。
464以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 13:08:12.96 ID:M3Ba7x2xO
支援
465涼宮ハルヒの深淵 最終話 4/15  ◆VDgHU0rDdk :2007/12/04(火) 13:08:30.04 ID:s6vobt840
そして長門はゆっくりと俺のほうに向き直り、じっと顔を見つめながら、
「その出来事をここで再現し続ければ、
 涼宮ハルヒを目覚めさせるきっかけが得られるはず」
ちょっと待て、いま再現し続けるって言いましたか。この野郎。
俺だってその時、何が起こったのかは古泉から訊いていたから知っている。
つまり長門が何を言おうとしてるのかというと、
俺を階段から転げ落として頭を強打させようとしているってことだ、
しかもそれをハルヒの目が覚めるまで何度も繰り返すんだと。なんつうこっちゃ。
 
そして冒頭のセリフ、マジですか? 長門さん。となるわけである。
 
それについて長門は一言、
「もちろん」
ほんとに一言だった。
 
じゃ、俺も一言。
 
 
 
    おしまい
466涼宮ハルヒの深淵 最終話 5/15  ◆VDgHU0rDdk :2007/12/04(火) 13:09:58.72 ID:s6vobt840
「ここで終わりにはさせる訳にはいかない、改変世界の回復を優先してほしい」
「ちょっと、勝手に終わらせないで下さい」
二人から同時に突っ込みを受けた。
俺だってさっさと元の世界に戻したいさ、だが、なんで俺だけ体を張って、
しかも文字通り階段落ちをしなければならないんだ。
いや、一回位ならやってもいいが、何度もやらなければならないのは、
さすがにちょっと、遠慮し……。
ここまで言ったところで不意に足が滑った、体勢を立て直すために右足を出すと、
そこは既に階段だった、
「うわっ!」
と、叫んで手すりを掴もうと反射的に手をのばす、うをっ冷てえ!
手すりが氷になってるし、よく見ると俺がさっきまで立っていた床も氷で覆われていた。
滑ったのはそのせいか。
 
体が宙を舞う不思議な感覚と背中やひじ、ひざに襲い掛かる衝撃を受けて、
俺は見事に階段落ちをきめた、もちろん、
最後に後頭部を強打すると言うところも忘れずに。
 
「すぐに起き上がってはだめ」
いてて、と後頭部をさすりながら自分の体に異常がないか確かめてると、
頭上から抑揚のない声が降ってきた。
「気を失った状態になった方がより望ましい」
「そうですね、あの時の再現をするならそこまで演技したほうがよさそうですね」
おいおい、そういうことは事前にちゃんと言っといてくれよ、
しかも不意打ちで足を滑らせるなんて反則だ。
それに再現もなにも俺にとっては初めてのことだ、あと、俺に演技を期待するな。
 
と、いうわけで第一回階段落ちは失敗に終わった。
467以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 13:10:54.49 ID:M3Ba7x2xO
支援
468涼宮ハルヒの深淵 最終話 6/15  ◆VDgHU0rDdk :2007/12/04(火) 13:11:59.95 ID:s6vobt840
俺が不死身の肉体に改変されてるのは本当のことのようだ、
打ち身や青アザくらい出来てもおかしくない転落っぷりだったのだが、
俺の体はまったくの無傷だったからだ。
とはいえ、痛みを感じない訳ではない、そのせいで恐怖心も芽生えてくる。
はっきり言って俺はこんなマゾな性癖を持ち合わせてなどいないからな。
世の中には苦痛が快感になって自分の体をわざと傷つける人間がいるらしいが、
そんなヤツの気持ちなんぞまったくわからん。
そんなヤツには朝倉を紹介してやるぞ。喜べ、今なら虎縞ビキニ姿だ。
 
仕方なく階段をのぼる俺、うう、足取りが重い。
古泉、ご愁傷様ですって顔でこっちを見るな、同情するなら金をく……って古い!
「心配は要らない、今のはリハーサル、次できめる」
はい、次本番いきまーす、っておい、リハーサルなんか必要ないだろ、
それに次できめるってなんだ? 何をきめるつもりだ、長門。
 
「別にわざわざ飛び込まなくてもいい、あなたが落ちる状況はわたしが演出する」
と長門は言った、俺は普通に階段を下りていけばいいらしい、
その方が自然だということだ。普通ねぇ……そう言われると意識して行動しにくいな。
469涼宮ハルヒの深淵 最終話 7/15  ◆VDgHU0rDdk :2007/12/04(火) 13:13:25.21 ID:s6vobt840
で、テイク2。
今度は靴の裏と床が凍りつき、つんのめった感じで階段から落ちた、
ラストは前回同様、後頭部を強打して終わる、やっぱ痛ぇ。
ここで気絶したふりをすればいいんだな、と、思っていると、
「うわっ」っといって誰かがゴロゴロ落ちてきた。
何だ? と思って薄目を開けて見ると、古泉も落ちてきていた。
なにやってんだ、あいつは。
古泉はすぐ隣で俺同様、後頭部を強打して止まる。
 
これを見てひとつ解かったことがある、
体験するより見てる方が気分が悪いってことだ。
なるほど、次できめるって言った長門の気持ちが少し理解できた。
で、なんで古泉も階段落ちをしてるんだ? と思っていると、
長門も階段から落ちてきた。まじっすか? しかもすっごい不自然な落ち方だ。
 
直立不動で落ちてきてる──ありえねぇー。
470以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 13:13:33.17 ID:M3Ba7x2xO
支援
471以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 13:14:43.03 ID:M3Ba7x2xO
支援
472以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 13:15:08.32 ID:AuJN9Qz50
しえn
473涼宮ハルヒの深淵 最終話 8/15  ◆VDgHU0rDdk :2007/12/04(火) 13:15:11.03 ID:s6vobt840
とはいえ、長門も後頭部を強打するラストを迎えるのか、
そう思うとなんだか阻止したくなる、誰だって受け止めたくなるさ、そうだろ。
だが、俺の思惑の斜め上の行動を長門はした。やっぱ長門の思考は計り知れん。
そのまま後頭部から落ちてくるのかと思っていたらいきなりジャンプしたのだ、
────な!?
虚をつかれる俺。
 
長門はそのまま空中のキャンバスにムーンサルトを、
きれいなハーフイン・ハーフアウトで描き、そして古泉の腹の上に着地した。
古泉は一瞬かえるの鳴き声のような呻き声をだす。
まるでダウン攻撃だな。などと、思っていると。
長門は「……パラシュート部隊」と、ぽつりと言った。
すまん、意味がわからん。
 
そして長門はひっそりと両眼を閉じ、崩れ落ちるように俺の上に倒れこんだ。
……長門!?
まてまて、こう言う場合、俺はどういうリアクションをとればいいんだ?
はたから見れば押し倒されたようにも見えなくはない、
運悪く三人とも階段を転げ落ちた感じにも見える、
さっき俺が言っていた、階段落ちをしてきた長門を受け止めた様にも見えるな。
で、俺はやっぱり気絶しているふりを続けた方がいいのか?
どうすりゃいいんだ監督さんよう、
誰かカット、OK、とか言ってこの演技を終わらしてくれ。
おい、そこっ、うらやましいとか言うな。
474以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 13:15:49.61 ID:AuJN9Qz50
支援
475以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 13:16:36.08 ID:M3Ba7x2xO
支援
476涼宮ハルヒの深淵 最終話 9/15  ◆VDgHU0rDdk :2007/12/04(火) 13:17:51.95 ID:s6vobt840
仕方なく、俺は小声で、
「どうすりゃいい? 俺はこのまま気絶したふりをしてていいのか」
と、長門に聞いてみた。
「……しばらく、このまま」
ある意味、果報者が聞くセリフかもしれないが、
今はそんなこと考えてられなかった、今の長門は雪女なんだからな、
はっきり言って、寄り添われてると寒い、凍え死にそうだ。
 
「大丈夫、今のあなたは死ぬことはない、
 ザ・フジミとも呼べる存在」
THEを付けただけで、いきなり弱くなった気がするな……、
それよりだんだん感覚がなくなってきたんだが、俺、凍り始めてねえか?
このままだと鉱物と生物の中間の生命体になりかねないぞ、
本格的にやばい、意識が遠のいてきた……。
 
長門、悪いが限界だ、どいてくれないか。
そう言って起き上がろうとした時、長門と目が合った。
いや、合ってしまったと言うべきか。
妖しげな雰囲気、白い肌、少し儚げな感じがする無表情。
胸の上という至近距離からまじまじと俺を見上げているその瞳に、
俺は魅せられてしまった。まずい、抵抗できん。
その瞬間、俺の思考が停止した──。
477以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 13:18:12.67 ID:M3Ba7x2xO
支援
478以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 13:21:50.98 ID:AuJN9Qz50
支援
479以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 13:23:41.20 ID:AuJN9Qz50
支援
480以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 13:24:44.37 ID:M3Ba7x2xO
さる?支援
481涼宮ハルヒの深淵 最終話 10/15  ◆VDgHU0rDdk :2007/12/04(火) 13:25:16.82 ID:s6vobt840
その後のことは断片的にしか覚えていない、
気が付いたら闇の中を落ちていた。
はっきりと思い出せない、なんかとんでもないことをしようとしてた気がする。
なんかこう……自分の意思とは無関係に腕が動いたような……。
ぐあ、考えたくねえ! 
それに最後は長門に腕をかまれた様な気もする。
長門に噛み付かれる様な事でもしでかしちまったのか?
やっぱ考えたくない、だが、後で謝っておいたほうがいいのかもしれん。
闇の中で浮遊感とともにそんなことを考えながら俺は落ちていっていた。
 
急に辺りが明るくなり、気がつくと教室の中に俺は立っていた。
これで三度目だな、ここに来るのは。
俺はハルヒの寝ている窓際最後部の方に向く。
安らかな寝顔が見えた。ちっ、忌々しい。
俺は途中にある机や椅子を迂回せず、机の上を飛び石のようにして一直線で向かう、
以前のように足をつかまれて強制退場させられる訳にはいかないからな。
 
──ハルヒ、起きろ。
やはりここでは声は出せないままか。だが言わせてもらうぞ。
482以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 13:25:23.32 ID:AuJN9Qz50
さるかもね支援
──お前にとってはとんでもなく愉快な夢かもしれないけどな。
──俺にとっちゃ全然愉快でもなんでもねえ、
──ま、中にはお前の夢の世界ででも楽しんでる人もいるが……。
──それでも迷惑に思ってる奴がいるんだ、
──だから早く起きろ、いつまでこんなところにいる気だ、
──天岩戸じゃあるまいし、お前は天照大神か?
──こんなところで寝てたってちっとも愉快な出来事は見つけられないぞ。
──SOS団のみんなで何かやってる方が楽しいんじゃなかったのか?
──それに……。

声にはならなかったが言いたい事のほとんどを言った時、自分の机まで来ていた。
そのままゆっくりと自分の机の上に座る。
ハルヒの穏やかな表情の寝顔を見て、ふと思う。
果たしてこの騒動は本当にハルヒの能力が原因なんだろうか。
誰だって寝不足になったり夢をみたりするだろう、
いくらハルヒでもそんなことぐらいで世界を改変させるのだろうか?
だったらもっと頻繁にこんな騒動がおこってもおかしくないはずだ。
あえてハルヒに改変能力を使わせようとしてる黒幕がどこかにいるんじゃないのか。
なぁんてことを考えてたが、そんなこと考えるのは長門と古泉の役目だ。
柄にでもないことしちまった、さて俺の役目は決まってる、
そのためにここに来たんだからな、もう一度ハルヒの寝顔を見る。
人の気も知らないで気持ちよさそうに寝てやがる。やれやれ。
 
俺はやわらかそうなハルヒの頬に手を伸ばし、
──それに……だ、お前のいない世界はやっぱ落ちつかねえし、つまんねえよ。
 
そう言って俺は少々強めにハルヒの頬をつまんでやった。
484涼宮ハルヒの深淵 最終話 12/15  ◆VDgHU0rDdk :2007/12/04(火) 13:28:43.32 ID:s6vobt840
その後のことを少し話そう。まあ、エピローグ的なものだな。
 
結果、俺はハルヒを起こすことに成功し、無事にもとの世界に戻れた。
ハルヒが起きた瞬間、さっきまで誰もいなかった教室に生徒が現れたのだ。
みんな普通の姿だ、へんな改変はされていない。
それはいいのだが、程なくして担任の岡部が入ってきて、
朝のホームルームをはじめたのだ。なに? 朝?
俺の体感ではたしか夕方だったはずなんだが、
ということはもう一回今日をやり直せってことですかい、ハルヒさん。
もうすでに俺は色々あったんで休息をとりたいのだが、
帰っていいかなぁ、俺。て、やっぱそれは無理ですか、そうですか。
くそ、ハルヒの奴め、じゅうぶん睡眠をとれてやたら元気になってやがる。
忌々しい、お前にはセリフをやらん、てことで全部俺のモノローグだ。

さて、昼休みになって、俺はまたもや文芸部の部室に向かった、
チョット訊きたいこともあるし、それに、
なんだか知らないがココの主に謝らないといけない気がするからな。
 
部室に入ると予想どうり長門はいた、
いつもの席に座って本を読んでいる。本を読めるようになってよかったな。
とりあえず話し掛けてみた。
いつもなら本を読みながらでも返事くらいはしてくれるのだが、
なぜか今日は本を読むのを中断し、顔を上げ、
「…………」
無言で俺のほうを見る長門。
なんか念波を送っている感じがする、やっぱ怒ってらっしゃる?
485以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 13:28:51.08 ID:M3Ba7x2xO
支援
486以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 13:29:34.54 ID:M3Ba7x2xO
支援
487涼宮ハルヒの深淵 最終話 13/15  ◆VDgHU0rDdk :2007/12/04(火) 13:30:04.80 ID:s6vobt840
「あーそのーなんだ、すまん、あんまり覚えてないんだが……」
いや、言い訳はよくないな。
「長門、すまなかった、なんかとんでもないことをしちまったみたいだな、俺、
 このとおり謝るから機嫌を直してくれ、な」
そう言って頭を下げる俺。
これで許してもらえるだろうか、と顔をあげて見る。
いつもの無表情だが、気のせいか俺には困惑しているような、
または残念がっているような感じに見えた。
 
長門は二回ほど瞬きした後、目線を本に戻し、
「……それは勘違い、わたしは怒ってなどいない」
え!?
「だから謝る必要はない」
じ、じゃあ、あの最後に噛み付いたのはいったい?
長門はもう一度ゆっくりと俺の方に向き、
「それはあなたの体表面に、
 涼宮ハルヒを強制的に覚醒させるプログラムを展開させるためにしたこと。
 一度目の転落時、涼宮ハルヒにアクセスすることが出来た、
 その時に、何者かの介入があったこと、
 彼女が強制的に夢を見る状況に追い込まれていることが判明したため」
て、ことはやはり黒幕がいたってことか。
長門を怒らせてしまったのかとヒヤヒヤしていた俺は正直ホッとしていた。
無意識状態だったとはいえ、俺は、いや、俺の腕は長門をギュっと抱……。
あーっだめだ! 思い出しただけで自分の頭を壁に打ちつけたくなる。
あれは幻覚だ、忘れるんだ、俺──。
488以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 13:30:32.79 ID:M3Ba7x2xO
支援
489以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 13:30:42.31 ID:+AERCqZOO
遅れた支援
490以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 13:31:02.84 ID:AuJN9Qz50
しえn
491以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 13:31:57.71 ID:M3Ba7x2xO
支援
492涼宮ハルヒの深淵 最終話 14/15  ◆VDgHU0rDdk :2007/12/04(火) 13:32:10.30 ID:s6vobt840
落ち着け、話を戻そう、確か黒幕がいたってことだったな。
 
「ひょっとして雪山山荘事件の野郎か?」
俺がまず思い立ったのはそれだった、たしか広域帯宇宙存在だっけ、
閉じ込められた吹雪の山荘から脱出した時と、
今回の騒動を終わらせた時の状況がよく似ていたからそう思ったんだが。
「おそらく、そう……前回より効果的なアプローチになっている」
連中も学習しているってことかよ、だったらもっとまともに挨拶に来い。
いや、だからと言って普通に宇宙人ですって挨拶に来られても困るわけなんだが。
 
まあ、長門の説明によるとやつらの仕業で間違いないようだ。
今後、似たようなことが起きない様に警戒と対策を施しておくそうだ。
あと長門は、今回の改変騒動は強制的に睡眠状態にされたハルヒが、
異常状態を俺たちに知らせる為の方法かもしれないと言っていたが、
真相はハルヒの心の奥にあり、そして俺にとってはどうでもいいことだ。
ただ、どちらかといえば陰鬱で殺伐とした世界じゃなく、
比較的、気楽で愉快な世界に改変されていたのが救いだと俺は思う。
そういや、生徒会長が言ってたな、ハルヒのことを頭のニギヤカな女だって、
まったくもってその通りだな。
それと、俺が着けていたトナカイの被り物だが、
あれがハルヒのいた空間とつながっていたそうだ。
493涼宮ハルヒの深淵 最終話 15/15  ◆VDgHU0rDdk :2007/12/04(火) 13:33:28.59 ID:s6vobt840
あの騒ぎから数日間、時折長門は俺の顔を見つめてくるんだが、
やっぱ怒ってたのだろうか? 
いや、気のせいだな、すでに今はいつもの長門だしな。
そして今回の騒動、長門の親玉も色々と興味深く感じていたそうだ。
まさかとは思うが、次は長門の親玉主催の乱痴気騒ぎが起こるんじゃあるまいな。

明日学校に行ってまたもや変な改変世界になってたら、
今度は俺が天岩戸に閉じこもってやる、
アメノウズメ役はだれかほかの人にたのんでくれ、俺はもうこりごりだ。
 
 
 
    おわり
494以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 13:33:38.28 ID:M3Ba7x2xO
支援
495以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 13:35:40.11 ID:M3Ba7x2xO
乙!

直立で落ちる長門に笑ってしまったww
496涼宮ハルヒの深淵  ◆VDgHU0rDdk :2007/12/04(火) 13:37:14.09 ID:s6vobt840
以上です、支援ありがとうございました。

次回作はミステリーっぽい話の予定。
497以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 13:37:50.83 ID:AuJN9Qz50
498以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 13:46:54.22 ID:nkQd38vk0
保守
499以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 14:11:37.52 ID:AuJN9Qz50
保守
500雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 14:19:39.95 ID:jLX/Cl9k0
「お目覚めですか?」
「催眠ガスでも放り込まれたのかね。」

不自然な眠りから醒めた俺は、古泉にぶっきらぼうに言った。
たっぷり1日眠ったようにも感じるし、意識を失ったのは一瞬のようにも感じる。
ここはもう閉鎖空間の中なのか?

「ええ、紛れもなく、僕たちが元いた世界とは少々異なる空間内です。」
「色は付いてるみたいだな。見たとこ、普通の世界に変わりはないぞ。」

遠くを見ても青白い巨人は暴れてはいなかった。古泉の勘は当たっていたらしい。
しかし何だ、この違和感。周りを注意深く見回す。道端の木、畑。
いつの間にか空けられた窓、妙に古臭くなったバスの車内。

「長門。今、いやここは何年何月なのか分かるか?」
「空間突入直前に解析したデータによれば、昭和58年6月上旬だと推定される。」
「どえらい昔に来ちまったワケだな。あれ、でも朝比奈さんは3年以上前はなんとかって…?」
「朝比奈みくるは正しい。わたしたちは時間跳躍を行ってこの世界へ来た訳ではない。
 恐らく涼宮ハルヒの能力に何者かの強い願望が呼応したと考えられる。その何者かが
 無意識にこの設定の世界を生成したとも推測できる。また、通常空間とは
 時間の流れが異なっている。どのように異質なのかは完全には解析が間に合わなかった。」

俺は長門の言葉に引っ掛かりをおぼえた。間に合わなかった、って?
長門は申し訳なさそうに少し俯いて視線を落とすと、抑揚の無い声で呟いた。

「空間突入直後、インターフェイスとしての、殆どの能力を限定された。
 情報統合思念体によるものではなく、恐らくこの空間の特性。
 また、同時に思念体との交信も全て途絶えた、つまり…」
501雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 14:21:44.01 ID:jLX/Cl9k0
普通の人間、になっちまったってことか。俺は長門のショートカットヘアに
ぽんっ、と左手を乗せて、くしゃくしゃと撫でてやった。
気に病むことじゃないぜ。いつもお前はよくやってくれているよ。
今回ぐらいは一般人代表として俺が奮闘したっていいんだ。

「では僕もお言葉に甘えて、この頭を撫でてもらうべきなのでしょうね。」
「古泉。俺にもお前にもそんな趣味はないと思っていたのだが。」
「冗談です。しかし事実、僕も能力をほぼ完璧に封印されてしまいました。
 この空間の脱出方法に戦闘行為が含まれなければ幸いなのですが。」

宇宙人と超能力者は只の人間になってしまった。少なくともこの昭和の世界では。
しかし、俺はそう落胆するわけでもなく、なんとかなる気がしている。
現にもう何度もヘンテコ体験をしてきた俺は、すんなりとこの昭和雛見沢を
受け入れることができたし、二人が只の人間になってしまっても、
それは今回は能力なんて必要ない事件が起こって、平凡な凡人足る俺達でも
事の解決には支障が無いはずだと確信していた。
何より、機関や思念体のしがらみから解き放たれた二人を見るのは
気分が良かった。例えひと時のクソッタレ空間の中だとしてもだ。

後に俺はこの時の自分の認識の甘さを肌で感じることになる。
事実、俺は甘えていたんだろうな。

「ひなみざわー。ひなみざわー。お降りのお客さまはー……」

いつの間にか財布の中の貨幣は、使っても問題のないものに変わっていた。
俺達はバスを降りて、さてどうしたもんかと辺りを見回した。
ん、古泉。どうした?

「かわいい…w かわいいなぁ…w」
「お、おいっ!どうしたんだ古泉っ!」
502雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 14:24:06.48 ID:jLX/Cl9k0
目をやればバスの待合所には蒼いロングヘアの少女が、くーくーと
寝息をたてていた。たしかに可愛らしい女の子だ。歳の頃で言えば、
まだ小学生あたりだろう。いや、そんなことはどうでもよくて!
今の古泉は尋常ならざるウットリ顔で、ひたすらにブツブツ言いながら
少女を眺めていた。オイ!どうした!

「かわいい…w かわいいなぁ…w」
「どうしちまった!?古泉!お前ちょっとどうかしてんぞ!」

今は幼い子供でも凶悪事件に巻き込まれてるんだ、つまりわかるだろ。
なんていうか世間は過敏になっていて、そういう異常な目をした人を
通報しなかったりはしないんだぞ!俺の心の声が通じたのか、古泉は我に還る。

「はっ!僕は何を…?」
「小野Dの生霊が憑依したんだろ。」
「誰です?その人は?」
「なんでもない、妄言だ。」
「みぃー…」

ありゃいけね、起こしてしまったか。言っておくが俺は何もしていない。
お嬢さん、警察を呼ぶのであればこの色男だけ連行してもらえるように
キチンと説明をお願いします。
503雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 14:27:14.35 ID:jLX/Cl9k0
「みぃー…?」
「「え…?」」
「み?」
「「み…?」」
「……」
「「「………」」」
「…にぱぁー☆」
「「に、にぱぁー…。」」
「にぱーっ☆」
「「にぱー…!」」
「にぱぁーっ☆」
「「にぱー…!」」
「……」

以上、4人のワケのわからない笑顔と無言の応酬。
無論、長門は「にぱー☆」とか言ったりしないぞ。

「キミたちはだれなのですかーっ?」
「ああ、ええと…。」
「ぼ、僕たちは観光の者です。自然の美しい所だと聞いて。」
「そうそうー! 観光だ、観光パーティだ!アハ、アハハハ…。」
「け、決して怪しい者たちのつもりはありません。」
「…そう。」
「観光?じゃあ富竹と赤坂と同じなのですー☆」

誰だそいつらは、と俺は訝ったが取り敢えずは不審者扱いされなかったことに
ほっと胸を撫で下ろす。この年齢で誘拐罪の濡れ衣はゴメンだ。

「富竹3号、4号、5号なのですー☆」
504雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 14:30:11.21 ID:jLX/Cl9k0
順繰りに3人を指差す少女。ええと、超獣合体でもするんですか、5人合わせて。

「ちょ、ちょっと待った!俺達にも一応親から授かった名前があるんだ。」

素早く自己紹介するSOS団員3名。

「キョンに、古泉に、有希なのですねー。」
「やっぱりそう呼ぶか。」
「ボクは、古手梨花。よろしくなのですー。」
「えっと、梨花ちゃん。少し聞いてもいいか?」
「なんなのですか?」
「今って、昭和58年の6月でいいんだよな?」

何故か呼び捨てにされる年上の俺達。まぁ〜そんな細かいことはどうでもいいのだ。
質問した刹那、屈託の無い笑顔に影が落とされるのを俺は見逃さなかった。
なんだ、今のはこの娘にとっては地雷なのか?しかしすぐに元の笑顔に戻ると

「そうなのですよー。今は昭和58年6月。
 キョンは記憶喪失なのですか?かわいそかわいそなのです。」

そうじゃないんだがな、適当にごまかす俺。間違いない。
長門の解析した情報は正しく、俺達は昭和の時代へと足を踏み入れているのだ。
しかし、何をすればいいのか。正直さっぱり検討もつかない。
長門の改変世界のように鍵を見つけるのか?はたまた、思い出したくもないが
白雪姫?行為そのものが通常空間への脱出方法なのか。
巨人、あるいはそれに準ずるモノが出てくれば話は容易いのだが、肝心の古泉は能力を喪失。
情報がたりねーな。長門の残してくれた栞を思い出す。
ヒントをどこかで見つけなくちゃならん。あ、そういえば。
貨幣の変化を思い出した俺は、懐の携帯電話をさぐる。が、ない
505雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 14:33:52.62 ID:jLX/Cl9k0
失くしたワケではないだろう。この時代にそぐわない物は恐らく、持ち込めない。
クソ、後でちゃんと返せよ。きょうび、携帯の再購入だってバカにならんのだぞ。

「キョン、古泉、有希。」
「なんです、梨花ちゃん?」
「観光に来たのなら、公由に案内させるのですよー。」
「きみよし?」
「この村の村長なのです。それで…。」
「……どうしたの?」
「よかったら…、ボクも一緒に案内させてほしいのです。」
「ああ、そんなことか。案内してくれるのは嬉しいぞ。この二人だって、
 梨花ちゃんが案内してくれたら嬉しいと思うぞ。」
「ほんとうなのですかーっ!?」

俺達は揃って頷いた。はっきり言って、現状何をするべきかもわからん。
だったらここは、梨花ちゃんのご好意に甘えてのんべんだらりと
観光するのも悪くはないだろう。が、一つ懸案事項が残っている。
俺は小声で長門に訊ねてみた。

「長門、ハルヒがそろそろここへ到着しちまうんじゃないか?」
「問題ない。空間突入直前の解析によると、ここでの時間の流れ方は
 通常空間とはまったく並行していない。そういう意味でも異質。」
「具体的にどう問題ない?」
「通常空間へ回帰した場合、こちらでの出来事は向こうでは一瞬。」
「なるほど、安心した。」

ハルヒのことはどうやら心配いらないようだ。要は俺達がサクッと問題を解決して
元の世界へ戻ることが出来れば、次のバスの便で何も知らないハルヒが

「キョーーン!さっきの玩具屋で、すんごい白鳥の水着が!!着てみなさい!」
506雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 14:38:17.77 ID:jLX/Cl9k0
とか言いながら降りてくるってことらしい。ああ忌々しい。
見ると、梨花ちゃんは公衆電話を使って例の村長さんを呼んでいた。
しかし、村長を呼び捨てにするとは。もしかして梨花ちゃんは
すんごく地位のある由緒正しい家系の一人娘とかなのかね?

「公由はすぐに車で迎えに来ると言っていたのですー。」
「そっか、ありがとう。梨花ちゃん。」
「お安い御用なのですよー!」

お喋りすることしばし。俺の妹もこれぐらいお利口だったら、
毎朝フライングボディプレスで俺の目覚ましをすることもなくなるのかね。
長門は梨花ちゃんに色々と質問されて、満更でもなさそうにしていた。
もしかして宇宙人も妹が欲しかったりするのだろうか。
古泉もにこやかに村のことや梨花ちゃんのことを訊ねたりしている。
こいつもそういえば、俺の妹の扱いが上手かったっけな。
古泉に兄弟っているのかね、今度落ち着いたら聞いてみるか。

「おぉ〜〜い、梨ぃ花ちゃまぁ〜〜。」
「公由!みんな、公由が来たのですよー!」
「どうも、突然ですみません。」
「いんや〜、気にすることはねぇってば〜。他ならぬ梨花ちゃまの
 お願いだしよお。何にもねえ村だけんど、よかったら見てやってくれなぁ。」

俺達は村長さんに手短に自己紹介と挨拶を済ませると、梨花ちゃんと共に
車に乗り込んだ。すごくいい人だ。優しさが滲み出ている。
無口な長門に代わって、俺と古泉は何度も感謝の意を言葉にしたが、
村長は笑って構わねんだよぉ、と照れくさそうに相槌を打った。
507雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 14:41:20.24 ID:jLX/Cl9k0
村は、想像通りのなんでもないところだった。山森があって、家があって、
畑があって。自然に囲まれたいい意味での田舎だった。
なんだか、空気にも味があることがわかるような気がする。

村長と梨花ちゃんは、説明を交えながら村を回っている間に色々なことを教えてくれた。
梨花ちゃんは神社の子で、なんでも特別な娘らしい。当の梨花ちゃんは
そんなことは気にも留める様子はなく、もうすぐ祭りで巫女をやる、とか
祭りには是非来て欲しい、だとか。分校に通っていて、そこには
俺達に年齢の近い友達がいるので、遊びにきてほしい、また診療所の医師は優秀で、
体調が悪くなったらすぐに行くといい、など。
正直ここにどのくらい滞在する、またはさせられるのか俺にはわからなかったので、
適当に言葉を濁しておくことにした。そんな目で見ないでくれ、梨花ちゃん。

そんなこんなで俺達は梨花ちゃんの家、というか神社にいる。
村長は会合があるとかで先程帰途についた。ありがとうございました、村長。
なんでも今、梨花ちゃんはここに住んでおらず、友達と2人で別の家で同居していると言っていた。
あまり語りたがろうとしないので俺は、その辺の事情を深く追求することはしなかった。
見晴らしのいい場所だ。村を一望することができる。手すりに掴まって俺達は
暮れていく雛見沢をぼんやりと眺めた。ここは良い村だな。

「そう、すっごく良い村なのですよ。すごく……。」
「……どうかした?」
「梨花ちゃん?体調でも悪いのですか?」
「梨花ちゃ…」
「誰なの。」
「えっ?」
「アナタたち。もう何十年も新しい人なんて来なかった。不思議よね。
 新しい、って言えば圭一はそうだけど…、でもアナタたちはそういう意味じゃない。
 これは転機なの?私は信じていいの?裏切られるのはいつだって怖いわ。」
508以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 14:42:36.38 ID:AuJN9Qz50
支援
509雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 14:43:26.77 ID:jLX/Cl9k0
まてまてまて、なんだこれは。さっきまでにぱー☆、とか言ってた梨花ちゃんは
どこへ行ったのだ。目の前の梨花ちゃんは明らかに別人。しかも何やら
ワケのわからないことを言っている。何十年?けーいち?新しい?
声も雰囲気もとても幼い少女のものではなく、どこか妖艶なオーラさえ纏っている。
古泉も、俺も、そして驚くことに長門でさえ目を見開き、面食らっている。
そりゃそうだ、like a 二重人格。スイマセン、これって笑うところ?

「目的は何?これは神の遊び?アナタたちは敵?味方?」
「僕たちが梨花ちゃんに害意を持っているなんてことは絶対にありませんよ。」
「そ、そうそう。できる範囲なら味方になってやりたいくらいだぞ。」
「味方?どうして今頃なの?もっと早ければあの時も…あの時だって…。」

正直言おう。さっぱりわからない。長門のカミングアウトに比べても遜色ないぞ。
涙を少し浮かべ俯く梨花ちゃん。オロオロとうろたえる俺と古泉。
不安そうな瞳を梨花ちゃんに向け、首を傾げる長門。一体全体、何の話だこれは。
だが俺の頭は意外にもすぐに閃いた。乱れ雪月花!じゃねえ。忘れていた、ここは閉鎖空間。
ヒントは梨花ちゃんが持っているような気がしてくる。しかし、だ。
包み隠さず有りのままを伝えるべきなのか?いやいや流石にマズイだろう。

(実はこちらのハンサムは、日頃誰かさんのイライラを具現化した青白い巨人を
 灰色の空間へと入り込み、ばったばったとシバき倒している、超能力者なのです!
 更に!こちらにいらっしゃる無口な小柄の少女は、この銀河を統括する身体も持たない
 意識の集合体が地球へと投下した、万能宇宙人なのです!情報操作は得意!)

ダメだな、絶対嘘くさい。実際俺が信じていなかった。しかもここでは
証拠となる能力の発動は制限されている。と、なればここはだな。
なるたけ嘘の無い範囲で、常識人でも信じられるレヴェルで掻い摘んで説明だ。

「あ〜実は、梨花ちゃん。そのだな……。」
510雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 14:47:02.61 ID:jLX/Cl9k0
俺達はここに居てはいけない存在だということ。偶然迷い込んでしまったこと。
何かしらの条件を揃えれば脱出できるのではないかということ。そして
その条件が不明で、知っていることがあれば教えてほしいということ。
一通り説明した。勿論超常現象的な部分は省略して。しかしお粗末な説明だ。

「…そういうこと…。残念だけど私にわかることはないわ。」
「……そう。」
「意外にあっさり話を受け入れてくれるのですね?」
「…慣れって恐ろしいわね。今の自分を考えたら、大抵のことは信じてみたくもなるわ。」
「どういうことだ?」
「アナタたちもじきに分かるかも。分からない方が幸せだけどね。…そう、出来ることなら、
 すぐに村を出なさい。そして二度と此処へは入らないで。」
「どういうことだ?村を出ろって?」
「言葉のままの意味よ。二度と来るべきじゃない。すぐに居るべき処へ帰りなさい。」
「……」
「それが出来れば苦労しないんですけどね。」

古泉の言うとおりだ。俺達は村の中に鍵があることは直感で察している。
村を出れるもんなら出たいのが本音だが、それじゃ本末転倒だ。
というか、どうして急に冷たくするんだよ。何だかお兄さんは寂しいぞ。

「簡単には帰れないということなのね…。わかったわ。」

梨花ちゃんは電話番号を紙きれに書くと、俺達に渡した。

「何か困ったらここへ電話しなさい。私の家よ。アナタたち、泊まる所は?」
511以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 14:50:47.77 ID:o504vtXj0
512以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 14:56:52.91 ID:s6vobt840
しえん
513雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 15:02:16.63 ID:jLX/Cl9k0
そうだった。この昭和58年には当然古泉の知り合いはいないのだろう。
だが、旅行の季節でもないなら空き部屋はあるんじゃないか?
取り敢えず俺は、現代で泊まるはずだったホテルの名前を言った。
古泉の話では創業して長いらしい。この時代、というか閉鎖空間内でも存在すると思う。

「あそこね、わかったわ。私も何か判ったら連絡するわ。」
「あ、ああ。宜しく頼むよ。」
「……。」
「……。」
「にぱぁー☆」
「なんですとーっ!」
「気をつけて帰るのですよー!暗くなる前にホテルへ行くのですー。」
「ハハ…。」

急激に元の、どっちが元かわからんが、とにかく最初の梨花ちゃんは現れ、
俺達は拍子抜けした。なんだったんだ、一体。手を振りながら走り去る梨花ちゃん。
長門が少し安心したような顔つきで、手を振り返していた。気のせいかな。

「ところで古泉。」
「何でしょう?」
「勢いで興ノ宮のホテルに泊まるとは言っちまったが、どう思う?」
「そうですねえ……。」

そう。村から出られるのか、という問題。ハルヒと共に飛んだ新世界では、
学校の周りにぐるりと結界じみたものが張り巡らされていた。もしもあれが
村全体を囲んでいるとしたら。俺達は雛見沢に宿を探さなくてはならないのだ。
この辺、宿なんかあるのかー?3人はトコトコと歩きながら相談する。

「賭け、ですね。出られれば良し、そうでなければこの近辺で宿を探しましょう。
 何、気の良い人が多そうです。一晩くらい泊めて頂けるのではないでしょうか。」
514雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 15:04:49.23 ID:jLX/Cl9k0
「まぁ、梨花ちゃんに相談するって手もあるけどなぁ…。」

村から出て行くべき、とか言われた後じゃなあ。少し気まずいかも。

「……古手梨花。」
「ん、どうした長門?」
「…ユニーク。」
「ああ、そうだな。突然変なこと言い出した時はビックリしたな。」
「…不安、悲壮。」
「そう感じたのですか?」
「……とても。」
「確かに……、敵とか、味方とか。なんだか助けを求めているような感じではあったな。」
「僕たちの目的に共通している事項なのかもしれませんね。」
「もしかすると、そうかもな。」
「…出来るなら助けたい。」
「…長門は優しいな。」
「僕も同感です。梨花ちゃんを救うことが出来れば、そこが突破口に
 なる予感はしていますからね。」
「ああ、だがその前にだな。」

俺達は村の境に到達した。出れるのか?どうなんだ。
515雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 15:09:02.55 ID:jLX/Cl9k0
意外にもすんなりだった。俺達は現在、興ノ宮のホテルで今日一日の疲れを癒している。
驚くのは俺の財布の中身で、1年ぐらい泊まってもお釣りが来そうなほどに
重みを増していた。瑣末な問題は気にするな、という太っ腹な思慮が感じられる。

俺はちょっとだけヘンテコ空間の生成者に感謝しつつ、また、1年も
泊まらされることにはならないように明日からの探索に力を入れることを決意する。
バイキング形式の夕食を3人で詰め込む。相変わらず長門はよく食う。
その大食いはインターフェイスの能力に含まれないってことになるんですか。
俺と古泉は見ているだけで満腹中枢を刺激されつつ、いつもよりは多めに食べた。
色々と今後のことや、鍵について話し合うが、結局現段階では
ヒントが少なすぎるという結論に達する。長門がいつまで経っても食い続けているので、
流石にシェフが気の毒になってきた俺達は、適当なところで長門の口にストップをかけた。

明日は9時から興ノ宮を散策してみよう。少し遅めに約束をとりつける。
決して広い部屋ではないものの、3人とも個室を取り、今日はお開きにすることになった。
俺はベッドに横たわると泥のように眠る。なんだかんだで疲れていたんだろう。
そして変な夢をみた。本当に変だった。

長門と古泉がひそひそと話をしている。あたりは真っ暗で、俺は独り。
何を話しているんだ?と俺が聞くと、二人は一瞬こちらを見るが、
すぐにまたひそひそ話を再開する。ちょっと頭にくるじゃねーか。

「なぁ、何の話をしてるんだよ。俺にも教えてくれよ。」
「「…ひそひそ…。」」
「おい、無視するなって!」
「…くくっ、…そ……すね。良い……がえだと、……くくっ。」
「古泉、何をそんなに可笑しがってるんだ。」

チラっとこちらを一瞥する。目線をこちらに向けたまま、話し合う。
516以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 15:10:43.21 ID:CcueIvzt0
私怨
517雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 15:11:15.71 ID:jLX/Cl9k0
「…わたしが、……ゃする…で……えて…れば……そう。」
「オイ、長門っ!!」

俺は凍りついた。こちらに向けられた長門の目は、冷たい、いや、冷たすぎた。
入学当初も、4年前も、こんな目をしていない。
マイナス273.15℃を越えるぐらい冷たい瞳が俺を貫いている。声が出せない。
目線だけで古泉の顔を窺った。俺はまたしても肌寒くなった。
ニヤニヤとこちらを見る古泉は、藤原なんて目じゃないくらいに
冷徹な悪党が浮かべるような笑顔を見せていた。どうしたこいつら。

「二人とも……、どうしちまったんだよ……。」

声がどうしても震えちまう。我ながら情けない。

「どう、って…。くくっ。」
「…わたしたちは何も…。」
「う、嘘つけよっ!さっきからひそひそと、何事か話し合ってるじゃないか!」
「くくくっ、あなたには関係のないことですよ。」
「……あなたは聞く必要はない。」
「どうしてだよ、俺達は仲間じゃないか!」

古泉が、耐え切れないといった感じで吹き出した。

「ぶっ、くくっ、ハハッ、アーッハッハッハ!!な、長門さん、聞きましたか。」
「…記憶した。」
「ハハ、アハハハハ!な、なかま。ですって!アハハハハハ!!」
「…傑作。」

俺の中で何かが弾ける音がした。こいつらはあの2人じゃない。紛い物だ。
518雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 15:15:12.68 ID:jLX/Cl9k0
「お前ら、偽者か。2人はどこへ隠した。俺の仲間を返せ!」
「ぶっ、に、ニセモノ。だってーー!?アハハハハハ!!」
「…ユーモアがある。」
「ふざけんな!本当の長門や古泉はお前らとは違う!」
「…ッハハハ、あなた、勘違いしていますよ。くくく。」
「…なんだって?」
「僕らは僕らです。紛れも無く本物の。」
「嘘も大概にしろ。俺だって頭に来ることはあるんだぜ。」
「……もう一つ勘違いがある。」
「ええ、そうですね。長門さん。」

瞬間的に真剣な顔を取り戻す2人。今度は睨みつけるようにこっちを見ている。
なんだ?いや、ごまかすな。わかってる。勘違い?ふざけんな。
俺は聞くのが怖かった。やめてくれ。嘘でもそんなことは言わないでくれ。
お前らが偽者だってわかってる、でも、続きを言うのはやめてくれ。頼む。
2人の姿をさせたそいつらに、俺の心を傷つけさせないでくれ。
耳を塞ぎたかった。身体が動かない。やめろ。こんなのは耐えられない。
知りたくない、聞きたくない、そんな言葉、求めてない!


「「お前なんか仲間じゃない。」」


目を醒ますと、目尻に涙が滲んでいた。なんつー悪夢見ちまったんだ。
フロイト先生、俺、疲れてますか?朝食にいかねーと。7時半だ。
ドアを開けると2人が偶然、といった感じで待っていた。
519雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 15:18:10.90 ID:jLX/Cl9k0
「おや、おはようございます。」
「あ、ああ、おはよう。」
「…何かあった?」
「えっ!あっ、いや別に。」

首を傾げる長門。ああクソ、悪夢め。2人を見た時に顔が引き攣ってたのかもな。
古泉は笑顔を少し崩してこう聞いてきた。

「お疲れですか?なんならもう少し遅い時間に出掛けるとしましょうか。」
「いや、なんでもないんだ!ちょっと悪夢を見ちまって。」
「……怖かった?」
「あ、ああ。でも体調はなんでもないんだ。時間通りに出掛けよう。」

俺達はホテルの朝食を食べに下階へと足を運んだ。気になるのだろう。古泉が
悪夢の内容を聞いてきた。

「もしかすると今後のヒントになるかもしれません。」
「…そうかぁ?…話してやってもいいけど、気を悪くするなよ?」

俺は事細かに夢の内容を話してやった。古泉はふふっ、と笑い

「全くもって奇妙ですね。僕も長門さんも、あなたを蔑ろにしたりはしません。」
「あ、ああ。わかっちゃいるんだけどな。」
「……あなたは。」
「ん?」
「なかま。」

自然と嬉しさが顔に出ちまう。やめろ長門、こっぱずかしいじゃないか。
しかし2人の言葉は俺を元気付けるには充分で、なんというか…
520以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 15:20:11.16 ID:Jwu8VipbO
しえん
521雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 15:20:21.04 ID:jLX/Cl9k0
「長門さんの言う通りです。我々SOS団は強い絆で結ばれた仲間です。
 あなたに対して無礼を行った夢の僕らに、憤りさえ感じますよ。」
「…さ、さぁっ!お喋りはこの辺にしてだな。さっさと朝食をかっこんだら、
 今日はこの街の散策があるんだからなっ!目的を忘れるなよっ!」

うわっ、喋り方が誰かさんみたいになっちまった。俺ってこんな性格だったか?
古泉は0円スマイルを3割増しにして答え、長門は小さく頷いた。
有難う、長門。古泉。声に出さずに俺は礼を言った。

興ノ宮も想像通り、至って普通の街だった。特にこれといったおかしな所もなく。
昼時になり、俺達は近くのファミレスと思しき建物に立ち寄った。

「エンジェルモートへようこそ!」

ちょ、なんですかコレ!なんて羨ましい、イヤ、けしからん制服!
見ると店内にはコスプレ風の制服を着こなした店員が元気な声で
注文伺いを、お冷のおかわりを、会計レジ打ちをしていた。

「こ、これは……。」
「うむ、入る店を間違えたかもな……。」

所謂コスプレ喫茶なのだろうか?しかし昭和後期にこんな店があるとは。
先駆けすぎる、先駆けすぎるぞ!恐るべし、エンジェルモート。
俺はいたたまれなくなって店を出ようとした、んがッ!?

「……」

あの、長門さーん。ショーウィンドウのケーキをじっと見つめていますね?
そして俺のシャツの端を掴んでいますね?それってこの店で
ケーキが食べたいってことなのかな?
522雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 15:23:30.50 ID:jLX/Cl9k0
「……ケーキ。」

俺の目を見ながら言わなくてもわかる、わかるっての。熱心に瀬戸物の
ケーキを見ていた人が「わたし、骨付きカルビにむしゃぶりつきたいの。」
なんて言い出すワケはない。わかってるってヴぁ。

「良いのではないですか?少し恥ずかしい気もしますが、店内の方々を見ると、
 意外とマニアックな結界によって守られた閉鎖的な空間ではなく、
 割と全年齢オールマイティに分布された開放的なお店に見えます。」
「ああ…、わかったよ。昼はここでスイーツでも嗜むとしようか…。」
「……。」

長門は甘いものも好きなのか。というか口に入るもの全てか?
なんだか上機嫌なオーラを放つ長門を先頭に、
妙に露出の多い店員から目を背けるように俺達は案内された席へ腰を下ろした。
注文を終えると、俺達は午後からについて話し合う。長門、言っとくが食い放題じゃないぞ。

「…この店の品物に関して、わたしは味覚における情報記録を完了させていない。」
「言い訳しなくていいんだぞ。食べたいから食べるんだ。それでいい。」
「言い訳ではない。でも、そういうこと。」

長門はいつもより少しゆっくりとデザートを嗜んだ。古泉と俺は適当に頼んだ物を
適当に流し込む。

「どうやらこの街で大きなヒントを得るのは難しそうですね。」
「ああ、なんだか砂漠でダイヤを探してる気分だぜ…。」
「悲観的になるのはよくありません。午後は村を再度訪ねるとしましょうか。」
「そうだな…。やっぱりあそこに感じるものはあるよな。梨花ちゃんの言葉も
 気になるし。」
523雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 15:30:47.00 ID:jLX/Cl9k0
と、後ろの席の奴が急に叫びだした。あまりにも唐突で、ついつい
まじまじと観察してしまった。

「…偶然に、決まってるじゃないですかっ!」

高校生らしき少年が机を両の拳で叩き、白髪の恰幅の良い男に怒鳴っていた。
白髪の男は少年をなだめると、店内には静けさが舞い戻った。なんだってんだ?
なんだか尋常ならざる剣幕だったが、敢えて尋ねるなんてことはしなかった。

「ちょっとトイレいってくるぞ。」

洗面所の鏡に向かって自問自答した。さて、どうするんだ。
村へ向かうことに依存はない。しかし、行ってどうするか、だ。
ただ漫然とイベントが起こるのを待ちわびるのもいいが、果たして正解なのか?
それに、梨花ちゃんは言った。「村へは戻るな。」と。あの忠告にどんな意味合いが
含まれているのかは、およそ計り知れない。

「考えても無駄か。」

取り敢えず村へ行ってみよう。出来ることなら梨花ちゃんに忠告の意味を聞いて、
そっからまた進むべき道を取捨選択すればいい。今までだってなんとかなってきた。
今回もそうだろ?なんとかなるはずだ。俺は2人の所へ戻ることにした。
既に先程の男と少年は姿を消していて、代わりに変なものを見た。
長門と古泉が何やら話していた。しかし俺の姿を見ると、途端に正面を向き、
何もありませんでした、システムオールグリーン。という仕草をしたのだ。
いや、見間違いだろう。目が合ったわけじゃないし、話し声が聞こえたわけでもなし。
夢のことを思い出して疑心暗鬼になっているのか俺は。思い出せ。朝のことを。
俺達は仲間だ、とそう言っていただろう。それだけで充分じゃないか。
524以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 15:35:22.64 ID:Jwu8VipbO
しえん
525雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 15:35:53.31 ID:jLX/Cl9k0
会計を終えた俺達は、梨花ちゃんを訪ねることにした。とはいっても、
時間帯で言えば午後の授業中だろう。まさか突然教室に珍入するわけにもいくまい。
夕暮れ時まで待つようだな。しばらくその辺で時間を潰そう。
懐かしのインベーダーゲームをプレイしたり、書店に立ち寄って長門の本選びに
付き合ったり。古泉は大昔の聞いたこともないようなボードゲームを
いくつも買っていた。ま、どうせ俺の全勝で終わるんだろうが。
というか、通常空間への物品の持ち出しが可能なのかは甚だ疑問だ。知らんぞ、俺は。

ハルヒと朝比奈さんがいないのは少し寂しいが、我々は普段の活動と大して
変わらない遊びで時間を潰したという次第だ。
しかしこの間、俺は変な視線をずっと感じていた。なんだろう、尾けられている?

「古泉。」
「何でしょう?」
「さっきから、視線を感じないか?」
「おや、そうですか?僕は何も?」
「長門はどうだ?」
「空間認識能力が限定されている以上、確かな否定材料には乏しい。
 しかし、わたしは何者の視線も現段階では感知していない。」
「そうか……。」

気のせいで済ませられるレヴェルじゃないんだがな。
何よりもこの視線には悪意がこもっている。突き刺すような。

「あっ、おい!あそこ!」
「どこです?」
「見なかったか!?スーツの男がこっちを見ていたろ!」
「あれは腕時計を見ていたんですよ。」
「そ、そうか……。」
526以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 15:39:09.49 ID:OADr84oGO
支援
527雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 16:02:52.88 ID:jLX/Cl9k0
はっきり言って、古泉と長門は全然気付いていないようだが、俺達は
確実に何者かによって観察されている。無理もない。2人とも普通の人間なのだ。
だとしたら。俺が2人を守らなくちゃならない。絶対だ。

「……大丈夫?」
「あー、気のせいだな!気のせい!悪かった。さて、そろそろ頃合いだろ。
 そろそろ梨花ちゃんに話を聞きにいこうぜ。」
「ええ、そうしましょうか。」

2人に無理に心労を負わせることもない。俺がやってやる。カンタンさ。
好機に飛び出してって、ふん捕まえて謝らせてやる。もしかしたら
そいつが案外鍵の在り処を知っていたりしてな。

だが、村に降り立ってからというものの、更に視線は数を増し、鋭さをも増した。
民家の影、八百屋の軒先、銭湯の窓。至る所にそいつらはいた。
流石に俺もちょいとビビる。こんな大人数じゃ、捕まえるってレヴェルじゃねーぞ!
逆に捕まっちまう。こんな露骨な視線、お前ら気が付かないのか?

「大丈夫ですか?本当に。先程から言っている通り、何も感じませんよ?」
「……至って問題はない。」
「ちょっと待て、本気で言っているのか?」
「えらくマジです。」
「…まじ。」

この時、俺の中である一つの疑惑が浮上した。いや、しちゃいけない類なんだ。
でも、浮かび上がってしまった。それはこうだ。
528以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 16:04:14.18 ID:Jwu8VipbO
しえん
529雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 16:06:16.31 ID:jLX/Cl9k0
長門、古泉は能力の限定が行われていると言った。しかし実際のところ、どうなんだ?
見た目からは分かるわけでもないし、実際、普段と変わりはない。
つまりだ、本当は能力の封印は行われていなくて、古泉も長門も通常空間と変わりない。
そもそも、ここが閉鎖空間だという確かな証拠も何もない。何故なら
俺は長門の言葉を鵜呑みにしているだけであって、実際に確認する術はない。

バスの中で俺達は眠りこけて、気が付いたら閉鎖空間。これもどうだ。
2人が確実に眠った所を見たわけではない。もしかすると間抜けにも
眠らされてしまったのは俺だけで、ここは通常空間なのでは?いやしかしだ。
ハルヒが後から来なかった。これは説明できない。あいつは別に
俺達と別れて村の探索をしたいはずではないだろう。あいつが望めば俺達は
あっという間に引き寄せられるんじゃないのか。だからここが時間の流れのおかしい
閉鎖空間であるというのは正解らしい。つじつまは合うだろう。

ここまで考えて嫌な記憶が引き出しから飛び出した。朝倉だ。
あいつも閉鎖空間じみた物を作っていた。ならば必然、長門も作れるんじゃないのか?
規模は?考えるまでもない。世界全体をハルヒの力を借りたとはいえ、
丸ごと改変しちまうぐらいだ。村の近辺ぐらい容易いもんだろう。
しかし、長門だけの仕業なのか?いや、古泉も一枚噛んでいるんだろう。
超能力者は他にも存在すると言っていた。そしてそいつらも当然古泉と同等の能力を
有しているのだろう。それならば、多少異質とはいえ、発生した閉鎖空間を放置したりは
しないんじゃないのか?つまり機関もグル。この空間に関してはノータッチ。
もっと言えばこの尾行者達の正体は機関の奴らじゃないのか?

「……調子悪い?」
「ひどく汗をかいていますよ?どうしたんです。」
「い、いやっ!何でもねえんだよ、大丈夫!」
530以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 16:09:06.61 ID:s6vobt840
支援
531以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 16:10:22.68 ID:s6vobt840
しえんん
532雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 16:10:45.64 ID:jLX/Cl9k0
では、何の為に?これが一番のネック。まさか壮大なドッキリではないだろうな。
仮に、少なくとも長門の能力が限定されていない状態ならば、
視線を感じないというのは嘘になる。なんで嘘をつく?どうしてだ?

前述したように、悪意のこめられた視線は、そういう類の感じじゃない。
もっと言えば…殺意?ちょっと待て、俺を殺す?why?何故?
意味がわからないし笑えない。どういうことだ。視線の送り主達とお前ら2人は
結託しているのか?俺を殺す、という目標を掲げて。

もし、もしもだ。俺を殺すのであれば何故今なんだ?チャンスはいくらでもあったはずだ。
それこそ部室で俺しか居ない時でもいい。いつだって殺せたはずだ。
いや、そうか。ここにはハルヒがいない。いつだって俺達の近くにはハルヒがいた。
朝倉の件は完全な独断専行って奴だったんだろう。恐らくだが、俺を殺す時には
ハルヒが近くにいてはいけないんだ。理由はわからない。多分そうなんだ。
そして、俺達の地元でもいけない。これも理由は不明。孤島や雪山では
ハルヒが近くに居て手を出せなかった。そうだ、そうだろう。
そしてこの土地ってのは何だかいわくつきだとか、ハルヒの話しではそうだった。
祟りがどうの、とか。そうか、事後処理がしやすいんだろう。トチ狂った高校生が
断崖から身投げ、とかよ。畜生。

畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生。

仲間じゃなかったのかよ!信じてたのによ!
俺をやっと、ここまで誘い出して殺せるんで、そうか、ファミレスでも!
ほくそえんでたんだろうよ!畜生。絶対に許さねえ。
簡単に消されてたまるかよ、俺は死なねえぞ!

だが、ここで悟られるのはマズイ。奴らが一気に行動を起こしてくるのは、
目に見えている。あくまで、視線の件は俺の勘違いに留めるんだ。そう努めよう。
533雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 16:13:59.42 ID:jLX/Cl9k0
「あっ、もしかして?」
「な、何だ!?」

突然古泉に声を掛けられて俺は心臓が口から飛び出そうになった。
落ち着け、koolになるんだ。

「勘付いてたり、しますか?」
「ななっ、何をだよっ!?」
「……発覚?」
「長門さん…どうしましょう?」
「…前倒しも可能。」
「ああ、そうですよねえ。もし気付かれているのなら、今始めますか?」

夕暮れの道には俺達以外に影はなくなっていた。教えられた梨花ちゃんの家までは
まだもう少し距離がある。

「何の話だ?俺にも分かるように言ってくれないか?」
「またまた…、本当はもうお気づきなんでしょう?」
「…鋭い人。」

俺は仰天した。長門の目、そして古泉の笑顔はいつの間にか
夢で見た表情に一変していた。歯がガチガチと震える。

「始めに言っておく、俺は何も知らない!何も聞かされていないぞ!」
「ええ、話すわけがないでしょう?」
「だから、何のことかわからねーよ!教えてくれよ。」
「……。」
「長門さん、どうやら。」
「…そう。」
「ええ、知らない、と言っていますが。」
534以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 16:18:09.71 ID:s6vobt840
支援
535雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 16:19:04.49 ID:jLX/Cl9k0
「…本当に?」
「本当だとも!なあお前ら、梨花ちゃん家まで早く行こうぜ?」
「本当ですか?」
「馬鹿言ってねーで、さっさと行こうぜ!」
「……本当に本当?」
「だから何も俺はしらないt
「嘘だ。」

今までに聞いた中で、感嘆符こそつかないものの、長門の一番大きい声だった。
俺はその声に心底恐怖した。内臓を抉り取られるような視線。もうダメなのか?

「長門さん。」
「…何?」
「彼は知らないと言っています。それで結構じゃないですか。
 それにもし知っていたとしても…。」
「…そう。」

「「運命は変えられない。」」



助けてくれ、ハルヒ。俺を助けてくれ。このままじゃ俺は…、殺されちまう。
助けてくれ、ハルヒ。俺をここから、救い出してくれ。ハルヒ。

俺の声にならない叫びは夕闇の空に吸い込まれていった。
遠くでひぐらしがないている。
536雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 16:25:11.77 ID:jLX/Cl9k0
呆然としていた俺は、どうやって梨花ちゃんの家まで来たのか
全く憶えていない。だがとにかく、俺はまだ殺されずに済んだ。
だがどうすればいい。ホテルに帰ってから、いやそれこそ帰り道で。
俺は殺されるかもしれないんだ。長門と、古泉に。

「キョン?どうしたのですか?」
「ああ、梨花ちゃん。結局来ちまったよ…。」
「じゃ、夕飯を一緒に食べていくといいのですー。」
「おお、ありがたいですね。」
「……。」
「沙都子ー!お客さんが来たのですよー!ボクの友達なのですー!」
「あら梨花ー、前もって言ってくれればいいのに。」
「まるでヨネスケなのですー、にぱー☆」

俺達はちょっと躊躇したが、晩御飯をご馳走になることにした。

「初めましてですわ、わたくしは北条沙都子。そちらは…、
 キョンくんに、古泉さん、有希ちゃんですわねっ。よろしくあそばせ!」
「なんだか突然夕飯の時間帯に押しかけちゃって悪いな。」
「いいんですわよ、わたくしも梨花も、大勢で食べるほうが何倍も楽しいですわ。」
「沙都子、足りない分を今から作るのですー。」
「わかりましたわ。じゃ、古泉さんに有希ちゃん、お手伝いしてちょうだい!」
「かしこまりました、姫君。」

古泉はちょっとふざけると、長門と共に夕飯の手伝いをし始めた。
俺は今しかないと思い、梨花ちゃんに打ち明ける。

「ちょっと、いいかな?相談したいことがあるんだ…。」
「キョンが?ボクにですかー?」
537雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 16:30:53.44 ID:jLX/Cl9k0
俺は古泉と長門が殺意を俺に向けていることを掻い摘んで説明した。
はっきりいってどうかしている。自分の妹ぐらいの子にこんなことを
相談したって、どうにかなるわけがないんだ。
しかし、警察が相手をしてくれるのか?警察にも機関の息がかかっていないか?
それに、高台で見せた不思議なオーラ。俺はこの子が普通じゃないことを
薄々感じていた。

「キョン…、それは…。」
「え?心当たりがあるのか?」
「他に、何か見なかったのですか?気になることでもいいのです。」
「え〜と…。」

敵意むき出しの視線、それに今朝の夢も説明した。
先程の状況が酷似していたことも含めて。梨花ちゃんはしばらく俯いていた。

「キョン、仲間を信じてあげるのが、仲間の役目なのです。」
「はっ?」

素っ頓狂な声を思わずあげちまった。違う違う、そうじゃないって。
俺が求めているのはそういうアドバイスじゃない。今更何言ってる?
もう信じる信じないの状況じゃないんだ、わかるだろ?
帰り道ですぐさま3枚におろした魚ヨロシク、この世からおさらばしちまう、
そんぐらい切羽詰ってるんだよ。期待外れもいいとこだ。

「さぁっ、出来上がりましたわよー!」
「わー、おいしそーなのですー、にぱー☆」

俺には、絶望感で飯の味なんてわからなかった。
538以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 16:34:17.16 ID:s6vobt840
しえん
539雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 16:34:27.97 ID:jLX/Cl9k0
「ちょっと、外の空気でも吸ってくる。」
「あまり遠くへは行くんじゃないですわよー。」
「ああ、心配ありがとさん。」

もう視線は感じなくなっていた。奴らも飯時か?それとも
俺自身が諦めに呑み込まれているから、感覚が鈍っているのかもな。
諦める……?なんだって?諦めるのかよ…?
そうだ、もしあいつらが襲ってくるような真似をしやがったら、
タダじゃおかん。正当防衛だ。そうだろ?そうだ、殺られる前に、だ。
長門や古泉がいかに変態的パワーを持っていようが、もう知るか。
最後まで喰らい付いて、傷の一つでも負わせてやる。絶対だ。

ハルヒ、もう会えないかもな。俺はここで死ぬかもしれない。
だけど、だけどな。お前と俺で作ったSOS団。その名前を汚したあいつらを
無傷では帰さない。そうだ、殺す。俺を殺そうとするんだ。殺してやる。
ぶっ殺してやる。

梨花ちゃん家の窓の外から奇妙な光景を見た。古泉と長門が
梨花ちゃんに何やら真剣に説明を受け、2人は頻繁に頷いている。なんだ?
まさか…、梨花ちゃんもグルなのか?いや、流石にそれは考えすぎか。
あんな幼い子供に犯罪の助長を促すようなクソッタレだとは思っていない。
大方、本当はありもしない、鍵の話をしている所でも
俺に見せ付けるためのブラフだろ。見え見えだっ、畜生。

はっきり言って当初の目的だった、鍵についてや、忠告の意味。
俺はそれらを聞くことに何の意味も感じなかった。頭の中にあるのは
どうしたら俺自身に降りかかる惨劇を回避できるか、ってことだけ。
だから俺達は遅くならない内に退散することにした。
540以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 16:34:57.72 ID:s6vobt840
支援
541雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 16:37:24.69 ID:jLX/Cl9k0
「じゃ、お邪魔したな。」
「また来るといいのですー!」
「夜道にはお気をつけあそばせー!」

俺は先頭を歩き出すが、何やら古泉と長門は梨花ちゃんとアイコンタクトを
取り、頷く素振りを見せた。ハッタリはもういいんだよ。しかし…、
怖い。物凄く怖い。いつ後ろから刺されてもおかしくない状況だ。
おかしくなりそうだ。なんだか手首、というか血管が痒い。
むずむずと、まるで何か入ってるみたいだ。気持ち悪い。
俺が恐怖でおかしくなりそうな自分を奮い立たせるために、声を出そうとした時。

「ちょっと、いいですか?」
「…何だよ?」
「ここではなんです、あちらの納屋で腰掛けて話しましょう。」
「…必要なこと。」
「…わかったよ。」

俺は従うしかなかった。

「あなたは、一種の病気です。今現在。」

唐突に何を言い出すんだ、お前は。俺が病気だって?ああ、痒い。

「…古手梨花から説明を受けた。」
「その病気は、あなたの精神を蝕んでいます。昼間の尾行の話。
 あったでしょう?あれも病気による一種の被害妄想です。」
「はあ、そうっすか…。」
「…真面目に聞いてほしい。これはあなたのため。」
「ビョーキ、ビョーキねえ…。」
542以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 16:37:47.92 ID:s6vobt840
すまない、これが最後の支援だ
543雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 16:39:37.24 ID:jLX/Cl9k0
言わせてもらえば、お前らの方がよっぽど病気だ。やれ神人だ、思念体だと。
それに、俺を殺そうとしている奴らの言う事なんて、信用できると思うか?

「あなたは相当危険な段階まで進行しているそうです。理由は不明ですが…。」
「なんでなる?」
「……?」
「その病気はどうしてなるもんなんだ…?ウィルスか?空気感染?
 食べ物?生まれつき?それとも…」

俺は長門を睨みつけると精一杯の虚勢をはって言ってやった。
ナノマシン、か?
長門は申し訳なさそうな「フリ」をして下を向いて黙った。フン。
俺も無防備だよな、こいつの言うことなら大抵信じてしまっていた。
大馬鹿野郎だ。俺は。

「それについては…、どうも原因の究明には至っていないようで…。」
「…わかったよ。ああわかった。」
「…信じた?」
「お前らがどこまでも、大ウソつきどもだってな!」

長門と古泉はビクっ、と身体を震わせると、俺に対して憐れむ様な目をした。
何だよその目は。そんな目で俺を見るんじゃねえ。

「長門さん、仕方ありません。」
「…わかった。」
「お、おい。何する気だっ、やめろ!離せェ!!古泉ィー!!」

古泉は俺を羽交い絞めにすると、長門に合図を送った。何しやがる!
544以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 16:51:12.41 ID:+0Peto5y0
支援
545以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 16:53:05.18 ID:+AERCqZOO
支援
546雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 17:00:29.39 ID:jLX/Cl9k0
「……これ。」
「なんだよ……、なんだよその、注射器はっ!!」

中型の注射器には、なみなみと黄色の毒々しい液体が詰められていた。
まさか、やめろ!やめろ、やめてくれ!!

「くくっ、楽になれる注射ですよ。」
「…あなたの苦痛を終わらせるもの。」
「やめろ!離せ!HA☆NA☆SE!」
「…あなたのライフをゼロにするもの。」

古泉と長門は例の表情に変貌している。やめろ、蟲野郎!!

「ハハハハ!受け入れてください!これが運命なんですよ。」
「…これで全て終わり。悩むことはない。」
「嫌だ!打つな!俺は死にたくない!!」
「僕たちは仲間なんでしょう?仲間の言うことを少しは、
 信用してください。ぷっ、くくくっ。」
「ふざけるな!裏切り者!」
「…わたしたちは、仲間。信じる?」
「お前らなんか、仲間じゃねえ!」

そうとも、こいつらは仲間じゃない。ここへ来た時?否、
最初から。仲間なんかじゃない。俺はまんまと騙されていた。
古泉は喜びを隠しきれない様子で何度もくつくつと笑っている。
長門も気のせいか?微笑んでいる。だがそれはかつての改変世界で見せた
内気な文芸部員のものではなく、見るからに冷徹、残忍、狡猾。
俺は2人を許せなかった。SOS団を裏切ったのだ。それもはじめから。
ハルヒと俺を罠に落とし込んだお前らは、さぞかし有能なハンター気取りだったろう。
そして、その時古泉は確かにこう呟いた。
547雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 17:04:55.96 ID:jLX/Cl9k0
「これを打てば涼宮さんにも会えますよ。くくっ。」

俺の中の糸がプツリと切れる。なんだって?お前ら、何をした。
ハルヒを、ハルヒを。殺したっていうのか?どうして。
許さねえ、絶対。許さない。

「ッ!うわっ!」

俺は背後の古泉を思い切り柱にサンドイッチしてやった。おかげで
両腕は解放され、俺は自由を取り戻す。

「…どう…て…。」

俺は床に転がっていた角材を握り締めると、思い切り長門の手の注射器を
払い落とした。粉々に砕け散る破片。ざまあみろ、これで逆転だ。

「僕らの…とを…。」

次によろけている古泉の側頭部を思い切り叩きつける。
嫌な感触がして古泉は崩れ落ちた。何だ、今更懺悔か!?遅いんだよ!
2人はブツブツ何かを言っているが、知ったこっちゃねえや。

「…じて…だ…さい。」

長門の頭に角材を垂直に振り下ろす。血が出る。痛いだろ。
ハルヒはもっと痛かったんだろ!?

「…お願……、信…て…。」

俺は目茶目茶に殴りつけた。頭、腹、足、腕。よくも、裏切ったな。
548以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 17:04:56.11 ID:+0Peto5y0
しえn
549雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 17:08:00.13 ID:jLX/Cl9k0
「…わた…た…を、…じて…。」


俺はずっと殴り続けた。手が切れた。血が滴る。痛い。目の前には
もう動かない宇宙人と超能力者が横たわっていた。なんだ、なんでだよ。
俺はよくやったろ。なのにどうして。涙が出るんだよ。

「どうして…こんなことに…。」

俺はどこへ向かうともなく走り出した。どこへ行けばいい。
そうだ、梨花ちゃんに相談しよう。もうそれしかないだろ。
一番近い公衆電話はどこだ?

ひたっ ひたっ ひたっ

「は…?」

気のせいか?俺の足音に合わせて、付いてくる奴がいる。何だ?
俺が足を止めると、そいつも止める。気持ち悪い。

「誰だよ?」

へんじがない。ただのしかばねのようだ。
何だこいつ、何なんだよ!ずっとついてくる!俺の!後を!来るな!
俺は公衆電話ボックスに飛び込んだ。メモの番号に電話する。
1コール…2コール…3コール 出た。受付のかがみだ。
550雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 17:13:21.12 ID:jLX/Cl9k0
何だこいつ、何なんだよ!ずっとついてくる!俺の!後を!来るな!
俺は公衆電話ボックスに飛び込んだ。メモの番号に電話する。
1コール…2コール…3コール 出た。受付のかがみだ。

「もしもしー?」
「りっ、梨花ちゃん!俺だ、キョンだ。」
「キョン!お注射は痛かったですかー?」
「えっ?注射?してないぞ。そんなもん。」

受話器の向こうの空気が変わるのがわかった。でも今は、
そんな場合じゃない。ああ、クソっ、首も痒いぞ。

「…キョン、有希と古泉はどうしましたのですか?」
「そ、それがっ、げほっ、あいつら…。」
「まさか…。」
「やっぱり俺を殺そうとしてきた!それだけじゃない!
 あいつら、ハルヒも殺した!ハルヒをだ!」
「キョン、2人と話をさせるのです!」
「もうっ、げはっ、うえっ、無理だっ、よ。げほげほっ。」
「キョン!まさか喉を掻いていないですか!?」
「ああ、なんでわかるの、げほっ、かな?それよりさ、げほっ
 さっきから、誰か付いてきてるんだ!げはっ!
 ずーっと後ろを、ヒタヒタって、げほっげほっ、今も!」
「キョン!喉から手を離すのです!すぐに!」
「俺の後ろで、うえっ、見てる、見てるんだよ!」
「キョン!」
「げほげほっ、ああ、痒い、痒い痒い、げはっ」
551雛見沢・SOS 〜其の壱〜 ◆23GpLx7Gig :2007/12/04(火) 17:14:58.71 ID:jLX/Cl9k0
俺は受話器を放り投げた。なんでこんなに痒い。クソ!
後ろの奴、誰だ。すごい怖い。やめろ、どこか行ってくれ。
ああ、すげー血が出てる、でもかゆい。こわい。かゆい。

かゆい うま



俺は公衆電話ボックスの中で死んだ。ゴミのように。





其の壱 了

お付き合い有難う。
552以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 17:19:23.33 ID:+0Peto5y0
乙。
投下予告スレ利用した方が良いかもねー。
553以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 17:23:56.48 ID:LykGj/tc0
保守
554以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 17:26:52.39 ID:jLX/Cl9k0
>>552
そんな便利なスレがあったのね。次からは利用するわ。
555以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 17:36:58.77 ID:LykGj/tc0
保守
556以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 17:56:57.37 ID:+0Peto5y0
保守
557以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 18:07:25.53 ID:+AERCqZOO
保守
558以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 18:24:26.06 ID:M3Ba7x2xO
559以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 18:34:50.76 ID:Ye/lzdVYO


雛見沢SOSまとめに上げないのか?
560以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 18:36:23.36 ID:+HgGfFHcO
>>446でふが、再構成されて帰って来ました。
喜緑江美里様が穏健派という説明はどこであった?
561以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 18:36:36.88 ID:+AERCqZOO
>>559
個人の自由だ。
562以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 18:39:14.70 ID:ZYbvZN6s0
古泉「今度はひぐらしですか。あれの時代設定は昭和58年だそうですね。」
キョン「えらく中途半端に昔だな。」
古泉「横浜の工藤投手はあの時代から投げているのに、来年も契約したそうですよ。」
キョン「なぜいきなり野球に飛ぶ。」
古泉「昨日オリンピック出場が決定したんですよ!」
キョン「だからって話が飛びすぎだろう」
古泉「オッケイ!」
キョン「誰かこいつを止めてくれ。」
長門「…オッケイ。」

捕手…じゃなかった保守。
563以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 18:39:57.17 ID:ZYbvZN6s0
ここはVIPと言うことを忘れていた。
564以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 18:49:32.79 ID:LykGj/tc0
保守
565以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 18:50:29.52 ID:+rVgXTST0
>>560
憤慨の「編集長★一直線」で、古泉が江美里の説明をするときに
「穏健な一派だと思われます」とか言っていたはず。
ただし、長門の言う「穏健派」と同義かという説明はなかったと思う。
最近読み返したところだが、細かいところまでは覚えてない。スマソ
566以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 18:56:29.60 ID:+HgGfFHcO
>>565
ありがと
よくSSで穏健派扱いされているから気になってたんだ。
今から、俺を困らせたワカメ野郎を討伐してくるノシ
567以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 19:06:41.65 ID:fzSJvGPZ0
その後>>566を見た者は居なかった

ちょっと俺探してくるわ
568以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 19:08:08.55 ID:LykGj/tc0
『お腹減ったし集合』とハルヒからちょっと早めの集合がかかった
勿論集合場所は喫茶店だし、おごりは俺じゃなく古泉だ
まぁおごれと言われても、おごることは出来ん。何故なら
「・・・・・ありがとう」
小柄な少女に似合わない重量級の荷物。どうやって持って帰るんだ
「くぁwせdrftgyふじこlp;」
「消えた!何したんだ?」
「部屋に転送した」
「こんな町の中で・・・誰かに見られたら」
「情報操作は得意」
「さいですか」
「・・・・・時間」
「うわ!やばいな、急ぐか」
「・・・・・」

保守
569キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/04(火) 19:08:41.20 ID:LykGj/tc0
キョンとハルヒの事実婚生活
タイトルわすれた
570以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 19:11:14.11 ID:OADr84oGO
ktkr支援
571以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 19:13:18.51 ID:+AERCqZOO
ID:g4APSkSA0がクソ画像貼りに来るかもわからんから、一応警告。
572以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 19:16:00.57 ID:fzSJvGPZ0
大人は華麗にヌルーだな
573キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/04(火) 19:19:07.34 ID:LykGj/tc0
「遅い!罰金!!」
「ちょ、今日は古泉だろう」
「あ、やっぱり忘れませんでしたか」
「当然だ」
「さ、お腹すいちゃったし入りましょ」
「はーい」
「行きますか」
「・・・・・」
「俺はおごらないからな、おごらないからな!」

保守
574以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 19:25:14.38 ID:+AERCqZOO
支援
575以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 19:25:37.28 ID:nkQd38vk0
保守
576キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/04(火) 19:28:17.80 ID:LykGj/tc0
「あたしは大皿サンドイッチとチーズカツカレーとアイスティー」
「こっちのページのこっからここまでと、こっちのページのこっからここまで」
「えーっとぉ、ハンバーグセットの飲み物はコーヒーで」
「俺はグラタンとミートスパゲッティとコーラな」
「皆さん容赦ありませんね・・・・僕は和風ランチセットで」
「あ!デザート忘れた」
「迂闊」
「・・・・・勘弁してください」

保守
577キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/04(火) 19:35:03.12 ID:LykGj/tc0
「さ、午後のくじ引きするわよ。今度はキョンが一番ね」
「おぅ!どれにするかな……」
って、出来レースだったわ
「これにすっか」
「・・・・・・」
「えーっとぉ、これ」
「僕は余りで結構です」
「じゃぁ、あたしはこっち!」
全員引き終わったが俺は組み合わせはわかってるし
「俺は、無印か」
「印です」
「印ですぅ」
「あたしは無印ね」
「無印」
「この組み合わせね。早速いきましょ。あ、古泉くん。伝票忘れてるわよ」
「やっぱり忘れませんね」
「潔く払っとけ」
「たまには、ですね」

「9720円です」
「彼はよく財布が持ちますね・・・・やれやれ」

保守
578以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 19:35:14.77 ID:AVufBYkO0
支援
579以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 19:37:26.71 ID:jLX/Cl9k0
支援
580キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/04(火) 19:39:39.00 ID:LykGj/tc0
「それでは夕方頃に落ち合いましょう」
「そうね。じゃぁ出発!」

「さて、キョンどこ行く?」
「ん〜・・・・長門はなんかあるか?」
「ある」
「有希が行きたい所あるなんて珍しいわね。どこ?」
「・・・・こっち」
「長門、指差しながらこっちじゃわからんぞ」
「こっち」
「おいおい、引っ張るな」
「あぁ!何、手繋いでるのよ」
「だからって腕を組むな」
「・・・・・わたしも」
「お前もか!」
「いいじゃない、両手に花で」
「・・・・・・・」
やれやれ

保守
581以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 19:40:21.45 ID:LykGj/tc0
ご飯食べてくるので続きは後ほど・・・
支援ありがとうございました
582以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 19:46:13.63 ID:AVufBYkO0
乙!
待ってます〜ノシ
583以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 19:49:38.01 ID:nkQd38vk0
>>581
wktkしながら待ってる
584以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 20:03:41.65 ID:+0Peto5y0
保守
585以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 20:13:13.00 ID:hhP+3H5e0
ここでは、良いSSありますね。
何故か今、アニメキャラ板が行方不明です。
586以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 20:17:42.74 ID:nkQd38vk0
保守
587以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 20:18:57.02 ID:70WflDAsO
>>585
kwsk
588以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 20:36:19.90 ID:+0Peto5y0
保守
589以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 20:42:00.23 ID:nWqScdFyO
結末予測系の良SSをいくつか教えてもらえないだろうか?

微笑は知ってるんだが
590以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 20:48:31.75 ID:8M4uthMH0
今週までやってた銀魂のネタでSS書いてみたいんだが
591以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 21:00:59.79 ID:OADr84oGO
保守
592キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/04(火) 21:12:30.06 ID:LykGj/tc0
「ついた」
「・・・・ここ、お前の家だぞ」
「ここにつれてきたかったの?」
「そう」
「で、何か話でもあるの?」
「待ってて」
と言うと、俺が冬眠していた奥の部屋に入っていって誰かを連れてきた
「・・・・・長門が2人?!」
「ちょっと有希。誰よ、その子!」
「・・・・・・・・孫?」
「「孫?!」」

保守
593以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 21:17:07.94 ID:nkQd38vk0
支援
594以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 21:18:53.99 ID:+rVgXTST0
支援
595キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/04(火) 21:19:33.85 ID:LykGj/tc0
「有希、どっから拾ってきたの?」
「拾ってきてない」
「長門、美味しくないと思うぞ」
「食べない」
長門が抱っこしてる子は長門本人にそっくりだ
ただ違うのは
「・・・・・だぁ」
どう見ても赤ん坊です。本当にありがとうございました

保守
596以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 21:20:44.08 ID:+rVgXTST0
支援
597キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/04(火) 21:25:44.24 ID:LykGj/tc0
「で、誰なんだ?」
「説明すると長い」
「知りたいわ」
「・・・・父方の叔父の娘の婿の姉の友人の兄の朝倉は俺の嫁の他人の伯父の子」
「つまり、遠い親戚ってことか?」
「そういうこと」
「なんでまた預かったの?」
「この子の両親が法事」
「いつまで?」
「明日、日曜日の夜まで」

保守
598以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 21:27:45.21 ID:fzSJvGPZ0
>>597
他人が入ってる時点で親戚じゃねぇだろww
と言ってみるテスト
599以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 21:28:44.51 ID:AVufBYkO0
朝倉は俺の嫁ww 支援
600キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/04(火) 21:30:31.93 ID:LykGj/tc0
「・・・・で、この子がどうかしたのか?」
「預かってほしい」
「「へ?」」
「今日の夜から両親に会いに外国に行く」
「急だな」
「急ね」
「急」
「いつ帰ってくるの?」
「明日、日曜日の夜」
「そぉ、じゃあ預かるわ」
「長門、いいのか?こんな育児のいの字も知らないやつに預けて」
「いい。むしろ適切」
「まぁお前がいいって言うなら」

「たかいたかーい」
「おんぎゃぁぁぁぁぁ」

「いや、前言撤回。やめとけ」

「ひくいひくーい」
「きゃっきゃっ」

「・・・・まぁなんとかなるか」
「なる」

保守
601以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 21:31:00.10 ID:+rVgXTST0
>>599
言おうとしたら先に言われたwww 支援
602以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 21:32:27.48 ID:OADr84oGO
子供キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ ッ!!
面白くなりそうだぜ
603キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/04(火) 21:35:18.04 ID:LykGj/tc0
ハルヒが赤ちゃんに夢中になってる隙に聞いとくか
「で、真相は?」
「あれはわたしのバックアップ」
「まぁなんとなくはわかってた。で用事とは?」
「この個体の大幅なバージョンアップが必要。その間、機能が一時的に停止するため代わりが必要」
「それがあの子か・・・名前は?」
「・・・・・まだない」
「ねー有希。この子の名前は?」
またタイミングの悪いときに
「・・・・・・」
困ると俺を見つめるなよ
「えぇっと・・・ゆ・・・・有美?・・・・・そう、有美だよな」
「・・・・・そう、有美」
「へぇー有美かぁ、可愛いわね。そーれ、ひくいひくーい」
「きゃっきゃっ」

保守
604以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 21:36:04.81 ID:nkQd38vk0
支援
605以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 21:37:50.43 ID:70WflDAsO
>>589
最近では「涼宮ハルヒの軌跡」が人気だぞ。
俺は読んだことないが。

>>590
ものによってはアナルに投下したほうがいいかも試練。

しかしプリンの住人もずいぶんと冷たくなったんだな……
606以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 21:40:53.03 ID:PiF/U6hAO
>>602
IDの最後GOっていいな
607キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/04(火) 21:40:59.08 ID:LykGj/tc0
「・・・・・それと」
「まだ何かあるのか?」
「涼宮ハルヒが望んだことでもある」
「どういうことだ?」
「涼宮ハルヒはあなたとの子供を欲しいと思った。でも行為無しに子供が生まれれば涼宮ハルヒが自身の能力に気が付く可能性もある」
「こ、行為って・・・・」
「それに、あなたにも迷惑がかかる」
「迷惑?」
「何度シミュレーションしても高校生で子供が出来ると将来生活に困ることになる」
「そっか。ありがとな」
「・・・・・いい」

保守
608以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 21:44:51.86 ID:AVufBYkO0
支援
609キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/04(火) 21:45:02.80 ID:LykGj/tc0
「気に入った!この子もらってくわね」
「どうぞ」
「いかんいかん、ちゃんと返しなさい」
「わかってるわよ。日曜の夜までね!じゃぁ預かっていくわ」
「よろしく」
「じゃぁね、有希」
「おじゃましました」
「だぁ」
「・・・・・・」

「・・・・・・なんか忘れてないか?」
「有美ちゃん可愛いー」
「・・・・・まいっか」

「あれぇ?涼宮さんたち遅いですねぇ」
「来ませんね・・・・忘れらてませんか?」

保守
610以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 21:45:28.42 ID:+rVgXTST0
支援
611以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 21:46:09.07 ID:LykGj/tc0
今日はここまでです
支援ありがとうございました

コレだけは言っておく、朝倉は俺n(ry
612以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 21:47:52.63 ID:OADr84oGO
>>611
乙、続き楽しみだwww
613以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 21:48:54.01 ID:+rVgXTST0
乙!! 子育て楽しみだww
614以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 21:50:15.25 ID:Wpy/PZnXO
>>611
乙ですw
ハルヒの願いに反論もせずに受け入れてるキョンにワロタw
615以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 21:51:51.43 ID:JM8msgwB0
>>605
軌跡は終わってないから違うかと>結末予測系

言うなら邁進か?いや、あれも終わってはいないか。
ならbeyond of suzumiyaharuhi……はいろんな意味で終わり過ぎか。

こう考えると、カプエンドばかりでストーリー的に終わらしたSSってあんまりないな。
616以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 21:58:32.14 ID:HRulkMYR0
>>589
「涼宮ハルヒの現実」はもう読んだか?

これもうリメイクされないのかね……
617以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 21:58:44.68 ID:iPn1jMnh0
よし!
明日なにか書いてみるよ
既出にならんよう考えてやってみる
618以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 22:02:01.71 ID:OADr84oGO
>>617
頑張れ
619以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 22:04:09.65 ID:nWqScdFyO
軌跡と邁進と現実か

ありがとう、読んで来ます
620以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 22:18:11.70 ID:OADr84oGO
保守
621以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 22:32:54.01 ID:OADr84oGO
保守
622以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 22:41:38.60 ID:nkQd38vk0
保守
623以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 23:00:41.98 ID:OADr84oGO
保守
624以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 23:13:38.68 ID:Jwu8VipbO
保守
625以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 23:16:06.29 ID:HRulkMYR0
投下もなさそうだしお題をくれないか
626以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 23:16:44.91 ID:dHfGKwHPO
肉まん
627以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 23:17:27.39 ID:S14FzSSq0
かみちゅ
628以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 23:18:42.13 ID:+AERCqZOO
ある日の記憶、黄昏の月
629以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 23:20:34.41 ID:CcueIvzt0
スク水
630以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 23:21:25.20 ID:PeNGfUhz0
レスキューポリス
631以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 23:26:34.32 ID:Jwu8VipbO
忘年会
632以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 23:32:58.45 ID:jdlg8WYuO
>>625
コーヒー牛乳



ところでみんながwktkしてるssなあに?
633以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 23:34:01.79 ID:dHfGKwHPO
食卓
ハルひな
というか連載物全て
634以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 23:34:16.58 ID:iIAI1/yl0
トナカイ
635以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 23:37:28.23 ID:OADr84oGO
結構あるが事実婚かな
636以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 23:42:48.89 ID:jXlWz/1C0
橘京子シリーズ・・・て、終わったっけあれ。
637以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 23:50:43.67 ID:1x7ZDrBS0
保守
638肉まん 1レス完:2007/12/04(火) 23:51:54.67 ID:HRulkMYR0
寒風吹きすさぶ戸外で頬張る物と言えば、やはり肉まんに限る。
ほかほかと湯気を立ち上らせるそれは、持っているだけで簡易懐炉として暖を取れる上、
本来の食用としても申し分ないボリュームと肉の旨みを堪能できるのだ。
今では何処のコンビニでも豊富なバリエーションが陳列されており、安価で販売されている。
一時の暖を取りたいときや、ちょっと小腹が空いたとき。
庶民が手軽に味わえる、特に現在財政難の俺にとってはとっても親しみ深いおやつである。さて。

「ありがとうございましたー」

カレー肉まんとピザまんが封入された袋を受け取って、俺はコンビニを後にした。
暖房が効きすぎていたコンビニから一歩足を踏み出せば、そこには冬を目前に控えた街並みが。
身震いする俺に追い打ちをかけるかのように、木枯しが容赦なく吹き付ける。
寒い。呟いてから、思った。何故これ以上もないほどに理解していることを、一々口にしてしまうのだろう。

「キョーンー、はやくはやく!」

ベンチで俺の帰りを催促しているハルヒに問いかけてみようと思って、やめた。
こいつの第一優先事項は、俺でも、俺がふと抱いた疑問でもなくて、肉まんだろうからな。

「ほらよ。お前はカレーだったよな?」

宙を舞う肉まん一つ。ハルヒはそれを華麗にキャッチし、

「そうよ。これこれ……あむ……ふふふふ、美味しいわ。やっぱり冬は肉まんね」

返事半分に、はむはむと頬張り始めた。余程愉しみにしていのだろう。
外郭をなす生地がこぼれているのにも関わらず、口をもぐもぐさせている。
肉まんは逃げないんだ、何もそこまで慌てることないだろうに。ハルヒに気づかれないよう、細心の注意を払って微笑を零す。
一頻りハルヒが食べるのを眺めてから、もう一つの肉まんに口を付けることにした。
隣の食欲旺盛なお嬢様が俺の肉まんをねだりはじめるまでに、少しでも味わっておかないと―――
639以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 23:52:40.73 ID:uRoVdjt9O
おまいらのハルヒに
ぶっかけwwww
気持ち良かった〜
http://imepita.jp/20071204/171800
640以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 23:52:48.43 ID:wCfDw5pRO
朝比奈みくるの未来

現在までのが何時投下されたか知らんが
641以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 23:55:13.64 ID:iIAI1/yl0
ちょっと肉まん買って来るわwww
642以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 23:56:40.92 ID:Jwu8VipbO
>>638
肉まん食いたくなってきたw
GJ!
643以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/04(火) 23:59:50.30 ID:NmMr7HXa0
今作品投下中?

ちょい長めの作ったんだが……
644以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:01:32.10 ID:uLe3zonzO
>>638
肉まん男GJwwwwww
645以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:02:39.12 ID:OsVi+jkY0
誰もいないならやめとくかな……
646以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:03:28.22 ID:OsVi+jkY0
>>643>>645なw

シンデレラの魔法が解けたよ……
647以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:03:35.90 ID:nHwVcUlx0
いるけど
648ハルヒオン:2007/12/05(水) 00:05:21.59 ID:OsVi+jkY0
じゃあ、投下するお

原作読んでる人でないとわからんネタもあるけど、まあ知らなくても問題ないお

つまらなくても文句言わずスルーして欲しいお
649ハルヒオン:2007/12/05(水) 00:06:30.82 ID:OsVi+jkY0
 今日も放課後になるといつものように部室に直行した。
 ハルヒがまたなんかたくらんでいるようだが、それは毎度のこと
なので、もうよほどのことがなければ驚くまい。
 
 部室に入ると、俺以外のメンバー全員がすでにそろっていた。
 団長席にはハルヒ。
 長門はすみで本を読んでいて、古泉は俺を待っていたのか、
何もせずに椅子に座っている。
 朝比奈さんは最近新しく調達したメイド服姿でお茶の用意をしている。
ああ、なんと神々しい。
 
 全員集まったことを確認すると、例によって何の前触れもなく、
相談もなく、自分勝手に話を始めた。

「今週末遊園地に行くわよ!先月できたばかりのスパイシーワンダー
ランド!いいわね!」
 なんでも、できたてほやほやの遊園地に行かないのは、高校生として
あるまじき行為らしい。
 
いかないことを行為と言っていいのか思案していると

「キョン。何ボーッとしてるのよ。ちゃんと前売り券用意しておくのよ。」
とおっしゃられる。
 いいだしっぺがやれよ、団長だろ。団員の面倒を見るのが
団長の仕事じゃないのか。
650ハルヒオン:2007/12/05(水) 00:07:07.06 ID:OsVi+jkY0
「責任は持つけど、団員は団長の手足とならなければいけないのよ!」
といつもながら理不尽なことを言い始めるので、
少しばかり反論をしようとすると

「いえ、その任務、僕がやりましょう。すぐ手配しますよ。」
横からにやけた顔で古泉が志願した。

 特に勝手なハルヒの決定に異存はないらしい。
 こいつはいつもこうだけどな。
 朝比奈さんはといえば、遊園地であればコスチューム試用を
命じられることはないだろうと考えたのか、むしろ安心したようなご様子。
 長門は・・・いつもどおり本を読んでいるだけだ。

 まあいいさ。遊園地だろ。普通の高校生らしいっていえば
らしいので、特に問題はないだろう、と思い直し、
あまり食い下がらず賛成する。
 俺もだいぶこの環境になじんできたな。

「日程は、そうね・・・今週の土曜日がいいわね。わかった?みんな。」
そう、このときは普通に遊園地で遊ぶだけの週末になると思っていたのだ。
651ハルヒオン:2007/12/05(水) 00:07:43.90 ID:OsVi+jkY0
11月3日金曜日
 この日は学校も休みで、家でシャミセンをいじったり
ゴロゴロしたりしていると、突然携帯がブルブル震えだした。 
 なんだ古泉か。なぜ休みの日にまでこいつの声を
聞かなきゃならんのだ、と不満を感じながらも出てやると

「すいません。明日の遊園地行けそうになくなりました。」

「なんだ、また神様の機嫌が悪くなったのか?」

「いえ。その点は最近落ち着いたものです。今回はちょっと
ひさびさに会議があるようでして。」

「『機関』か。」

「ええ、そういうことですので明日は欠席させていただきます。
涼宮さんにはうまく言っておいてください。
ああ、チケットなら安心してください。明日の朝には届けますので。」
 ということだった。

 まあ、ハルヒには『親戚の法事で・・・』とでも言っておけば
特に問題ないだろう。
 と思っていると、すぐまたブルッと来た。
 古泉め、用事はまとめてすませろよ。
 しかたなく出てやろうと携帯を見ると、予想外のお方からのお電話だった。
652以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:08:10.71 ID:nHwVcUlx0
支援
653ハルヒオン:2007/12/05(水) 00:08:23.59 ID:OsVi+jkY0
「キョンくん、ごめんなさい。明日の遊園地行けなく
 なっちゃいました〜。」
 なんと朝比奈さんまで来れないとは。
 古泉はいいとして、朝比奈さんが来ないとなると明日俺は何を
楽しみにいけばいいのだろう。
 しかし、朝比奈さんを責めることなどできるわけもなく。
 ハルヒへは俺からうまく言っておきますよ、とフォローをいれておく。

「キョンくん。ありがとう。ちょっと未来に帰らないと行けない用事があって。」
 時間を越えての用事なら今日に戻ってくれば明日いけるのではないか、などと
やぼなことは聞かない。
 どうせ禁則事項だろう。

「あのね。もし明日、こまったことがあったらクマを思いっきり捕まえてね。
そしたら、なんとかなると思うから。」
 
 何を言っているのか分からなかった俺は当然
「は、はぁ。クマを捕まえるんですか?」
と唖然として、セリフを繰り返すことしかできなかった。 

「これ以上は禁則事項で言えないの。がんばってね、応援してるから。
あまり他の女の子ジロジロ見たらダメですよ。」
 なにやら楽しげに思える口ぶりで朝比奈さんは話し終えると、急いでいるからと
電話を切ってしまった。
654以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:08:50.55 ID:nHwVcUlx0
支援
655ハルヒオン:2007/12/05(水) 00:09:20.75 ID:OsVi+jkY0
 一体なんだというんだ。クマを捕まえるってなんだ?俺に死ねと言うのか。
 思いっきり捕まえるって、そりゃ手を抜いて捕まえることができる相手ではない。
いや、本気を出してどうなるものでもない。
 むしろ、遊園地にクマなんかいるのか。

 なにやら、つっこみどころ満載で、明日を楽しみにする要素をことごとく
打ち破られた俺は、長門は大丈夫だろうか、と不安になる。

 手にある携帯から長門に連絡をしようとすると、見られていたかのような
タイミングで長門からの着信が来た。

「明日は行けない。」
 ひとことポツリと言われた。なにやら、情報統合思念体の意思で朝比奈さんや小泉が
いない中、俺とハルヒと長門の3人の組み合わせは避けるとの方針のようだ。

 設定のつじつまあわせのような、いいわけがましい内容に納得できるわけもないが、
長門が言うならしょうがないとも考え、しぶしぶ了解する。

 長門との電話も終わり、遊園地に行く前につかれきった体をベットに投げ出す。
 ということはあれか。明日は俺とハルヒの2人でSOS団の活動なわけか。
 団長の決定事項に欠席者が3人とは、ハルヒも不機嫌になるのではないか。
 そしたら、最近は落ち着いているという、閉鎖空間もまた発生するのではないか。
 いやいや、そんなことよりも、その不機嫌なハルヒがあたる相手は明日は
俺しかいないんじゃないか。それは一大事だ。

 いっそ、俺も法事で休もうか、と考えたが、朝比奈さんが未来からの情報か
わからないが、困ったときの対処法を教えてくれた。
 内容が意味不明なのはともかく、明日行かなくてはならないということだろう、と
なかばあきらめが入ってくると、そのまま睡魔に身をまかせた。
656ハルヒオン:2007/12/05(水) 00:10:42.10 ID:OsVi+jkY0
11月4日土曜日
 朝起きると、昨日、古泉が言っていたように、前売りチケットを届けに来た。
 昨日のやり取りを長門から聞いたらしく、チケットは2枚だけだった。

「昨日長門さんと会いましてね、あなたにこれを渡してほしいとのことでした。
なんでも、何かあったら開けてみて、ということです。」
 そうして、チケットと一緒に渡されたのは、小さめの封筒だった。
 当然宛名などは何も書いておらず、封は閉じられている。

 まあ、なるようになるだろう。
 長門が、『何かあったら』ということは何かあるんだろう。
 俺は覚悟を決め、待ち合わせのいつもの場所に向った。



「あれ?今日は最後じゃないのね。ていうか、他のみんなが遅いだけ?」
 いつも一番遅く、おごらされ役の常連である俺が最初に来るのはめずらしいのだろう。

 俺は全員欠席するということを、100パーセント嘘で塗り固めた内容をハルヒに
説明する。機嫌が悪くなって、じゃあやめましょ、と言い出すという可能性も考えていると。
657ハルヒオン:2007/12/05(水) 00:11:31.78 ID:OsVi+jkY0
「そ。じゃあ、2人で行くわよ。チケットはあるんでしょうね?」
と、特に何事もなかったかのような口調で言う。
 かなり拍子抜けした感じだ。そう、これは、この感じはたしか・・・・

 そう、パルプンテを使ったが、しかし何も起こらなかった、
のときの虚無感に似ている。
 なつかしのゲームを思い浮かべ、冒険の書が消えた時の感覚を
懐かしんでいると

「何ボーッとしてるのよ。早くいきましょ。時間がもったいないわ。」
とりあえず、機嫌が悪くならずすんだことをよしとする事にして、遊園地に向った。



 遊園地についたハルヒは、とにかく楽しそうだった。
 あまりの元気っぷりに付き合わされる俺がかなりの疲労困憊状態になってくると

「ジェットコースターには10回乗るのよ!これは決定事項だわ。遊園地に来て
ジェットコースターに10回乗らないと、遊園地の神様に叱られるわ!」
 などとわけの分からない宗教を高らかと謳い出し、俺の手を引っ張りつれまわす。
658以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:16:04.43 ID:O+e0NCgz0
さる?
659以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:17:32.26 ID:tReDYmQR0
藤原「ふん、さるさんにひっかかるとは流石は愚かな現地人だな。」
660以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:18:22.21 ID:tReDYmQR0
藤原「クク、ここで支援が来ないで投稿できずに終わるのもまた既定事項か・・?」
661以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:18:43.23 ID:Ju474cLb0
周防「――さっさっさるさる、さっさるんるん――」
662以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:19:20.22 ID:tReDYmQR0
藤原「おっと勘違いするな。僕は支援をしているわけではない。
    ただこれが既定事項だとするならば、それをあえて破るのもまた一興かと思っているだけだ。」
663以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:20:22.74 ID:tReDYmQR0
橘「続きが気になるなら素直にそう言えばいいのに。
藤原「なっ・・!バカを言え!こんな話の続きなどまったく興味はない!」
佐々木「まったく、君も素直じゃないねえ。」
664以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:21:19.82 ID:tReDYmQR0
藤原「し・・・支援・・・だ・・・」
665以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:21:43.48 ID:uLe3zonzO
支援なんかしないよ。
666以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:22:28.63 ID:Ju474cLb0
さるの周防伝説

さっさっさるさる さっさるんるん

初投下を 怖がるキミも勇気を出して
SS投下 しちゃえばいいの さるにご用心

それでもやっぱり さるを食らってしまう時は
支援の力が 大切だよね


ここで挫折した
支援
667以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:23:31.08 ID:tReDYmQR0
ある晴れた日のこと〜 投下以上の支援が
限りなく 降り注ぐ 不可能じゃないわ〜
668以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:24:06.61 ID:uLe3zonzO
>>666
すげぇ字余りだったりしててワロタwwwwww


支援?違うよ。全然違うよ。
669ハルヒオン:2007/12/05(水) 00:24:43.44 ID:OsVi+jkY0
こちらスネーク!!

応答せよ!!

真赤なああ 猿ぅうううううう
670以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:25:48.37 ID:uLe3zonzO
>>669
復活したなら早くしれwwwwww
671以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:26:09.80 ID:tReDYmQR0
藤原「よし!!」


藤原「あ・・・」
橘「ニヤニヤ」
佐々木「ニヤニヤ」
672ハルヒオン:2007/12/05(水) 00:27:34.99 ID:OsVi+jkY0
>>670
まあ、そう急くなw

みなすまん、猿ぐつわを嵌められて身動きとれんかった

>>657

 振り回されながら、グラディウスのオプションみたいに連れまわされ、
ハードなカリキュラムをこなして行く。

 そして、暗くなってくると、
「最後は観覧車に乗るわよ。」
ということで観覧車に乗ることになった。

 何も起こらないことを祈りつつ、しかし何かおこるとすればここということか、と
溜息を吐き、長門や朝比奈さんのわけの分からない助言を胸に、観覧車に乗り込んだ。



「今日はなんかすごい楽しめたわね。こんなに楽しいならもっと遊園地に来る
べきだったわね。」
 俺に今日の感想を聞くまでもなく、ハルヒの中で自己完結している様子を見ながら
ふと思いついた疑問をきいてみる。

「今日3人も休んだことはなんとも思ってないのか?俺と2人きりだったのに不満は
ないのか?」と
 すると、笑顔で何か答えようとしたが、口ごもりすぐ思案顔へと変化していく。
673ハルヒオン:2007/12/05(水) 00:28:47.20 ID:OsVi+jkY0
 アニメならここのシーンはハルヒの頭にはてなマークが生えているのだろうと
考えていると、次はハルヒの顔が心なしか赤くなっていくように見えた。
 電飾の影響だろうか。

 ハルヒがようやく何か言おうとしたそのとき。

   ガシャン


 突然の出来事で何がどうなったのか分からなかったが、あたり一面真っ暗になった。
 夜道を歩いているときの真っ暗ではなく、部屋の電気を消してすぐ押入れに
引きこもった時の、あの真っ暗だ。本当に何も見えなくなった。

 ガシャンと音がして、一瞬観覧車が揺れたことから、おそらく回転も止まっている
ことだろう、と予想する。

「ちょっと、なんなのよ。停電?」
 停電ならすぐ復旧するはずだ。嫌な予感を抑えつつ、下手な動きはせずに取りあえず
待つことにした。

 今はかなり高い位置にいるはずなのでドアを開けたりするのは危険だとハルヒが
判断した。

「まあ、何もアクシデントがないのも、物足りない気がしてたのよ。やっぱり
これくらいの演出はほしいわね。」
と、頼もしいほどポジティブなことを言っているが、あなたが犯人じゃないですよね?
と、口に出さず思ってみる。
674以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:29:20.43 ID:O+e0NCgz0
支援
675以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:30:18.07 ID:uLe3zonzO
うらぁ!


支援
676ハルヒオン:2007/12/05(水) 00:31:24.02 ID:OsVi+jkY0
 しばらくたっても正面にいるハルヒすら見えないことから、かなり真っ暗であると思われる。
 ハルヒはそれでもこの場を楽しむように、今日のジェットコースターについて
批評や、今日の出来事の話をしていた。

 後で考えれば、ハルヒがたくさんしゃべっていたのは、さっきの話題に戻らないよう
にしていたからなのかもしれない。



 停電・・・と思われる事態が発生してからすでに40分は経過した。
 途中、携帯電話で連絡を試みるが、2人とも電池が切れているようだ。
 係員からの指示も何も聞こえてこない。

「問題が発生したらまずはお客さんの安全確保が大事なのに、何も連絡しないって
どういうことよ!後で責任者に文句いってやらなきゃ!」
 ハルヒの言うことに久々に全面的に同意した。


 さらに、時間が経過し、事故から2時間は経過した。
 さすがのハルヒも飽きたのか、それとも不安からか、口数が減ってきた。
 こいつでも恐いものがあるのか、と思っていると。

「こんなに放置されるのは、ちょっとおかしいわ。何か大きな問題があったのかも。
私、下に下りてみるわ。キョンは待ってなさい。」
 と、無茶を言いつつ立ち上がった。
677以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:31:53.89 ID:UUxxTz8lO
sageろよ……支援
678以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:31:57.93 ID:uLe3zonzO
支援
679ハルヒオン:2007/12/05(水) 00:32:09.82 ID:OsVi+jkY0
 さすがにそんな危険をおかすハルヒを傍観しているわけにもいかない、と思い
やっとのことで現実に目を向ける。

 本当はとっくにわかっていたのだ。

 事故が起こった瞬間から、そういうことだと思ってもいた。

 しかし、ただの停電かもしれない、と楽観的な考えが付きまとい、ただじっと
救いを待っていたのだ。

 朝比奈さんの意味不明な言動。

 長門からのメッセージ。

 未来からの情報でまったく意味がないことなんて、あるだろうか。

 長門が今まで間違ったことを言ったことがあっただろうか。
 その2人からの警告。

 未来人と宇宙人が警告するような状況は停電なんて普通の事件ではない。

 そして、この異常なまでにありとあらゆる電気が消えた停電。

 2時間たっても動き出さないどころか、連絡ひとつない観覧車。

 そして、今まで俺が高校に入ってから経験してきた体験を組み合わせればパズルは
解ける。

「ハルヒ!ちょっと待て。さすがにそれは危ない。俺に考えがある。」
 立ち上がったハルヒの腕(だと思う)をつかみ、座らせる。
680以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:33:09.33 ID:ovORSUwZ0
僕は死にま支援
681以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:33:11.03 ID:syQJ+d+o0
しえ
682ハルヒオン:2007/12/05(水) 00:33:41.25 ID:OsVi+jkY0
「考え、って言っても・・・電話も通じないし、誰も動いてもいなそうだし。」
 声を聞く限りでは、さすがのハルヒもかなり疲れきっていると思われる。

 俺は長門のメッセージの封筒を取り出し、中の紙を取り出すと、腕時計を近づけ
操作ボタンを一度押し、わずかな光でメッセージを読む。

「ちょ、ちょっと何してるのよ。」
 当然の疑問に、ちょっと待っててくれ、と言い、少し思案する。

 このメッセージは・・・

 予想していたといえば、予想していたのかもしれない。
 いや、期待していたというべきか・・・いやいや、それはない。読まなかったことに
してくれ。頭をブンブン振りながら考えを続ける。

 まあ、なんだ、あれだ、メッセージの内容は、短く一言ポツリと無機質な文字で
こう書かれていた。


    sleeping beauty・・・
683以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:33:42.03 ID:uLe3zonzO
テロ支援国家指定
684ハルヒオン:2007/12/05(水) 00:34:57.47 ID:OsVi+jkY0
 ハルヒと閉鎖空間に2人っきりで閉じ込められたとき
 長門のこのメッセージによって、閉鎖空間から逃げ出すことができた。
 
 つまりは、ここは閉鎖空間であると。
 脱出するには、その・・・あれをしろ、ということらしい。そう解釈するしかなかった。

 朝比奈さんの言っていたことはまだ意味がわからないが、長門の言っていること
に間違いがあるとは思えない。 
 一度していることとはいえ、かなり戸惑ってしまう。

「ちょっと、どうするのよ。なんか言いなさいよ。」
 俺の沈黙に不安を感じたのか、せかすように、頼りなさげな声で呼びかけてきた。

「ハルヒ。何も言わずに俺の隣に座ってくれ。」
「え・・・・・・・・
      わ、わかったわ。いけばいいんでしょ。」
 少し考えていたが、思いのほかおとなしく言ったとおりにしてくれた。

 やばい、かなり緊張してきた。この静寂の中ではこの鼓動の音すらハルヒに
聞こえてしまうのではないだろうか。
 いや、緊張してもしょうがない。やるしかないのだ。長門の言うとおりにして
なんとかならないことが今まであったか?
685以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:35:20.12 ID:XLhiXSwH0
支援
686以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:35:27.66 ID:Ju474cLb0
王道な予感
支援
687以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:36:16.14 ID:uLe3zonzO
恋の予感

支援
688ハルヒオン:2007/12/05(水) 00:36:17.76 ID:OsVi+jkY0
 以前閉鎖空間に閉じ込められたときは、口をつけて比較的すぐ現実世界に
飛ばされた。そして、ハルヒは夢の中の出来事だと思っている。
 であれば、今回も・・・
 前回のことと、長門への信頼をたよりに決意を決めると、

「ハルヒ!」
「え?ちょっ!んんっ・・・」
 左隣に座っているハルヒを左手で引き寄せ、その、あれだ、あれをしたんだ。
 大丈夫だ。どうせ、前のように口をつけたらすぐ現実の世界に戻るはずだ!
 まあ、それまではこの感触を味わっているとしよう。

・・・

・・・

・・・

しかし、何もおこらなかった。
689以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:37:12.01 ID:uLe3zonzO
婦女暴行www

支援
690ハルヒオン:2007/12/05(水) 00:37:41.35 ID:OsVi+jkY0
「ん・・・ん・・・」
 唇をあわせたまま、まだ5秒くらいだろう。
 おそらく生まれてから今までで一番ながい5秒だ。

 ハルヒは特に拒絶するでもない。
 たまにかかる鼻息がこそばゆい。

 何も起こらないわけがない。長門が言ったことだ。
 しかし、俺に与えられていた策はそれだけではなかった。
 長門からのメッセージにはなんて書いてあったかよく考えろ。
 単語の後に『・・・』がついていたはずだ。
 おそらく、続きがあるということだろう。
 長門は意味のないことは何もしないし、何もかかない・・・とおもう。

 それに加えて、まだナゾが解けていない朝比奈さんの意味不明の言動。

 いや、解けていないわけじゃないんだ。

 気づかないふりをしていただけなんだろう。

 俺は気づいていた。ハルヒが今日アニマル柄のトレーナーを着ていることを。

 そして、例のクマさんもしっかり数々の動物たちにまぎれてプリント
されているのを。

 本当に生きているクマを捕まえるなんてできるわけがない。

 それであればなにかしらのカラクリがあるはず。

 くっ。まさかそこまでしなければいけないとは。うれし、かなし。
691以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:38:01.85 ID:nHwVcUlx0
どうすんだよwww
692以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:38:55.67 ID:O+e0NCgz0
支援
693ハルヒオン:2007/12/05(水) 00:39:55.45 ID:OsVi+jkY0
 この暗闇の中クマさんを探すのは無理だろう。

 クマさんを確認はしていたが正確な場所までは覚えていない。

 しかし、おおよそは覚えているし、次やることといえば、想像がつく。

 『あ』の次は『い』であるように、『A』の次は『B』なのだ。

 クマの場所なんてもう関係ない。
 これでナゾはすべて解けた。

 次の行動で必ず、現実の世界に戻れる。
 かなりためらわれる行動だが、すぐ現実の世界に飛ぶだろう。
 そして、ハルヒも以前のように、悪い夢、で済ますだろう。

 もし、現実の世界に飛ばなかったら、ハルヒに殴られるかも、いや、
それくらいじゃすまないかもな。

 しかし、飛んでしまえば無かった事になるのだから、恐れるものは何もない!
 朝比奈さん。
 長門。
 信じてるぞ!
 右手に神経を集中し・・・いざ、行かん!!
694以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:41:01.37 ID:Ju474cLb0
wktk支援
695以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:41:09.41 ID:O+e0NCgz0
キョン最低だなwwwwwwwwwwww
696以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:41:38.10 ID:uLe3zonzO
えんらあああああうぃあああああwwwwww
うぃうろおおうぃんわでゅうううえあああいやあああwwwwww



こんな曲が流れたよ支援
697ハルヒオン(オラ、にやけてきたぞ):2007/12/05(水) 00:41:41.61 ID:OsVi+jkY0
「ん!?んんっ・・・あん・・」

       ムニッ

 さあ、恋!じゃなくて来い!

 ドカーン、と・・・
 
 さあ!ドカーン!!  と、現実の世界へ!

 あれ・・そろそろかな・・・ドカーン!

            ・・・・とならない

 何も起こらない・・

 クマさんの絵柄がある所のふくらみを言われたとおり
ぎゅっと握ったが何も起こらない。
 ハルヒはと言えば、揉まれて何か言おうと口を離したが、現実に戻るまでは
何も言わせまいと口をまたふさぐ。大人しくされるがままになっている。

 それどころか、俺の体を抱き返してきた。
 すぐ現実の世界に吹っ飛ばされると思っていたから、こういう状況は想定外だ。

 以前、鶴屋さんが、ハルヒにならおいたをしても許されるはず、みたいなこと
を言っていたのをふと思い出す。

 それにしても・・・しかし、なぜ何も起こらない。
698以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:42:20.74 ID:UEGwQzj/O
漏れもハルヒとキスしたい(*´д`*)ハアハア
699以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:42:40.71 ID:O+e0NCgz0
にやけるなwwwww
700以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:42:40.98 ID:XLhiXSwH0
キョンwww支援
701以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:43:03.43 ID:Ju474cLb0
これはエロSSに分類されるのかい?w
支援
702ハルヒオン(オラ、にやけてきたぞ):2007/12/05(水) 00:43:17.68 ID:OsVi+jkY0
「んん・・・キョン・・あっ!んんっ!!」
 思えばハルヒがこのように大人しくされるがままになっているのも、
納得できる面もある。

 うぬぼれかもしれないが、今までのことをさかのぼって考えると、俺に好意を
抱いていることは間違いないような気もしてきた。

 朝比奈さんが俺とあまり仲良くしないように気をつけていることといい
、古泉がハルヒの暴走を何でも俺のせいにすることといい、長門すらも
俺はハルヒにとって特別だと思っているふしがある。

 そう考えると、ここまでやって拒否しないハルヒに対して、中途半端に
終わらせるのは悪い気がしてきた。
 気がつけばハルヒも積極的になってきている。
 そう考えると、自信が出てきた。そして、右手に力を入れた。

「んふっ・・・あ、ぷはっ・・んん」
 ハルヒは途中息継ぎをしながら、口を押し付けてくる。

 密室の中・・・さらに真っ暗で誰にも見られていない、というシチュエーションからか、
俺たちはすでに羞恥心がなくなっていたのだろう。
 お互い強く抱き寄せていた。まあ俺の右手は、朝比奈さんよりは小さいだろうが、
一般的には大きい部類に入るそれをまさぐっていたわけだが。
703以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:43:43.63 ID:W90Negtd0
深夜タイムktkr
704以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:43:45.82 ID:uLe3zonzO
これはいい赤外線付き監視カメラwwwwwwwww

支援
705以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:44:21.53 ID:O+e0NCgz0
深夜の投下はきっと間違ってなかったようん
706以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:44:26.17 ID:nHwVcUlx0
何か嫌な予感がwwww
707以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:44:45.27 ID:Ju474cLb0
喘ぎ声の描写……これは間違いなくエロSS
しかも鈍感でないキョンとは、色々とカオスw
708ハルヒオン(えっちはしてない……お):2007/12/05(水) 00:44:50.74 ID:OsVi+jkY0
 クマは捕まえたのかって?
 ああ、さっき捕まえたさ。捕まえたけど何も起こらなかったから、今は
しょうがなくクマの内側に手が入ってるのさ。

 おかげで、ハルヒの鼓動がかなり早まってきているのがわかる。

 そのような状態が30分くらいだろうか。世間様で言う、イチャツキ
なるものを堪能していた。
 
 すると突然明かりが灯りだした。

 ガシャン

 そして、観覧車も元の通り動き出した。
「あ、動き出したわ。」
 そういい、俺たちは並んだまま座って、出口がくるのを待っていた。

 お互い顔がはっきり見えるようになったからだろうか。
 目が合うと、どちらからともなく目をそらし、何も言わず座っていた。

 観覧車の位置が低くなるにつれて、差し込む光が強くなってきていた。

 それにしても、このまま何も言わないわけにもいくまい。
 ハルヒとはいえ、一応女の子にあんなことやこんなことをして、何事もなかった
かのように振舞うのも、どうかと思う。
709以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:45:39.10 ID:Ju474cLb0
30分wwwww吹いたwwwwwww
710以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:45:46.37 ID:XLhiXSwH0
支援
711ハルヒオン(えっちはしてない……お):2007/12/05(水) 00:46:00.55 ID:OsVi+jkY0
 しかし、想定外の事態だけに、セリフは何も用意していない。
 今まで読んだマンガの知識を総動員して、さまざまな脳内シミュレーションを
繰り返す。

 気持ちよかったか?・・・いや、違うな。

 おまえもなんだかんだ言ってエロいんだな?・・・論外だ。

 色々考えても童貞くさいセリフしか思いつかん。いや、童貞なんだが。

 そういえば、以前にハルヒが、私も健康な女だし、たまに若いからだを
もてあます、みたいなことを言っていたような、ということを思い出していると。
 
 ハルヒからそっと俺の左手の上に右手を重ねてきた。
 ハルヒがそのような行動をすることにちょっと戸惑ったが、今までどおり
あっけらかんとされるのもおかしいし、ハルヒもあんなことをしたあとなら、
少し素直になってみるのもいい、と考えているのかもしれない。
 いや、俺が色々考えている間に、こいつなりにどうすればいいか考えていた
のかもしれないな。

 まあ、都合のいい解釈かもしれないがな。
 途中チラリとハルヒの横顔を覗いたが、今度こそはっきりと分かるくらい
顔を真っ赤にしていた。
712以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:46:53.98 ID:uLe3zonzO
甘酸っぱいおっp‥‥支援
713以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:47:01.22 ID:Ju474cLb0
支援
714ハルヒオン(にやけてる俺きめぇw):2007/12/05(水) 00:47:20.83 ID:OsVi+jkY0
 観覧車を降りると、ハルヒが店員につかみかかって抗議するのではないか、と
思ったが、拍子抜けするほど何事もなかったかのように、通りすぎようとする。

 手はつないだままだ。
 しかし、俺は何が起こっていたのか、気になっていたので、ハルヒに聞こえない
ように、店員にこっそり聞いた。

「観覧車ずっと止まってましたけど、何があったんですか?」
「え?止まってませんけど・・・何か問題ありましたか?」
「あ、いや、それならいいんです。すいませんでした。」
「あ・・そうですか。ありがとうございました。」
 ま、大方時間でも止まっていたんだろう。
 俺は今更何があっても驚かないぞ。
 
 出口まで歩いていく途中に、ハルヒがようやく口を開いた。
「なんで・・・あんなことしたのよ。」
 
 ごもっとも。
 俺は今回のことを通して、はっきりと自覚してしまった。
 ハルヒが消息したときに感じた感情よりもっと深いものをだ。

 あの時は、ハルヒを同じSOS団の大切な仲間として認識したくらいだったからな。
 男として、行動に及んだからには、言葉にして伝えた方がいいのだろう。
715以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:47:53.32 ID:nHwVcUlx0
何か死にたくなってきた支援
716ハルヒオン(にやけてる俺きめぇw):2007/12/05(水) 00:48:28.04 ID:OsVi+jkY0
 しかし、いつも天真爛漫、自由奔放に振舞い、それに振り回されていた俺は
、今の、ちょっと普通の女の子らしく、しおらしいハルヒが可愛く思えたので、
ちょっと意地悪をしたくなった。

「そういうおまえはなんで振りほどかなかったんだ?おまえは絶対嫌がる
と思ってたけど。」
 このとき俺は、してやったり、という表情をしていたと思う。

 困った表情で、「お、女の子にそんなこと言わせる気?」と弱弱しく言う様子とか
「そ、そんなの決まってるじゃないの!」と照れ隠しに少し声を荒げて言う様子とか
を妄想して、それに返すセリフを考えていた。
 しかし、ハルヒは何一つ困惑した様子がなく、こともなげに言った。

「そんなの好きだからに決まってるでしょ。」

 うれしいことを言ってくれるが、まったく動揺が見られないことに
多少くやしさを覚え、
「そうか、ああいうことが好きなんだな。よーくわかったよ。まかせとけ。」
 と、言ってやった。
717以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:48:36.85 ID:uLe3zonzO
消失じゃね?

支援
718以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:49:28.52 ID:Ju474cLb0
くそ、寝ようと思ったのに寝れねーじゃねえか。
719以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:50:06.17 ID:uLe3zonzO
キョンがSっ気丸出支援
720ハルヒオン(にやけてる俺きめぇw):2007/12/05(水) 00:50:13.99 ID:OsVi+jkY0
 殴られるかと思い、多少身構えたが、ハルヒはひとつ溜息を吐くと
「今日どこか泊まって行くんでしょ?」
 と、なんとハルヒの方から誘われた。すぐに続けて

「し、仕方ないわよね。帰りの電車ももうないだろうし。」
 少し慌てて付け加える。
 
 そうだった。
 ハルヒは時間が止まっていたことを知らないのだ。
 体感時計ではすでに終電を逃すくらいは時間が経過している。
 
「だな。泊まって行くか。」
 まあ、俺が嘘を言ってるわけじゃないし、ゆるされるだろ。
 
「その前に!!ちゃんと言うことあるでしょ?そゆことは、しっかりしないとね。」
 意外と古風な一面をお持ちのハルヒは腕を絡めてきながら、
さっきの答えを催促してくる。

 今日の俺はどうかしていたのだろう。
 さっきまでの興奮と緊張からか冷静な判断力を欠いていた。
 まあ、相手がハルヒじゃなきゃ絶対言わなかっただろうがな。

「おまえとやりたいんだ!」

 グーで殴られた。
                        〜finish〜
721以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:51:23.96 ID:Ju474cLb0
いいニヤニヤSSだった、GJ。
投下は初めてか?
722以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:51:31.48 ID:uLe3zonzO
>>720
自分で書いてにやけんなwwwwwwきめぇwwwwww
そしてGJwwwwww
723ハルヒオン(にやけてる俺きめぇw):2007/12/05(水) 00:51:56.66 ID:OsVi+jkY0
投下してみたらあんまり長くなかったお

みんなでニヤニヤできたかな? 俺はずっとニヤニヤしてパソコンに
向かいあってるお。恥じることはない……はずだお

皆支援ありがとん
724以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:51:57.10 ID:25Cx0jyh0
>>720
きめえwwwww
そしてGJ!
725以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:52:12.16 ID:XLhiXSwH0
>>720
乙、キョン最悪だなwwww
726ハルヒオン(にやけてる俺きめぇw):2007/12/05(水) 00:52:36.25 ID:OsVi+jkY0
>>721

727以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:52:58.74 ID:oRVDkmLz0
どっかで前に読んだことがあるのは気のせいかね?
728以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:53:01.58 ID:UEGwQzj/O
オナ禁一日目にして脱落
729以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:53:17.17 ID:nHwVcUlx0
>>720
全くニヤニヤさせやがって
730以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:53:37.78 ID:O+e0NCgz0
書いてるときニヤニヤは日常茶飯事
投下のときニヤニヤも日常茶飯事

そして俺は読んでてめっちゃニヤニヤしてましたとさ乙
731以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:53:44.64 ID:Ju474cLb0
>>726
そうなのか。いや、なかなかいいテンポで良かった。
名前欄を変えることはお勧めしないが、この雰囲気の中でならOKかもなw
乙。
732以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:54:37.15 ID:W90Negtd0
>>726
嘘つくな。
いやホントなら転載ということだから余計たちが悪いな
733以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:56:20.13 ID:DXTdoDt/O
要するに甜菜なのか?
734ハルヒオン(にやけてる俺きめぇw):2007/12/05(水) 00:56:27.22 ID:OsVi+jkY0
>>727

大分前に、投下したことあるが、そのときはすぐに落ちた(自分でスレ立てたからかな)

それを見た人がいるとはおもわんかったよw。 相当のVIPPERだね?w
735以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:57:27.61 ID:25Cx0jyh0
なんだそういうことか。

全く関係なく電波だけ受信したが、投下は当分先になるな。
736以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:58:02.04 ID:W90Negtd0
確か去年の今頃にVIPが三日ほど落ちたことがあって、そのときに建ってたような記憶があるぜ。
737ハルヒオン:2007/12/05(水) 00:58:25.49 ID:OsVi+jkY0
今回の自体は大分前に作ってあって、投下は、その自分で立てたスレでなら
したことあるけど、見た人はほとんどいなかったまま落ちたはずだから
それで初と言っただけだお。

盗作ではないお。

というか、あんな一瞬で落ちたスレをよく見てたなw
738以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 00:59:18.25 ID:oRVDkmLz0
最後まで読んだ記憶があるんだけどな。

プリンとかじゃなくて個別スレ立てたのか
739ハルヒオン:2007/12/05(水) 00:59:48.35 ID:OsVi+jkY0
>>736

ああ、それくらいかもしれん!

おまえすげえよww

なんで覚えてるんだよw 俺も忘れてたぜ
740以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 01:15:28.18 ID:O+e0NCgz0
ほし
741以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 01:37:26.53 ID:y8IOaSRfO
保守
742以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 01:37:32.60 ID:25Cx0jyh0
ひゆうま
743以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 02:07:48.39 ID:y8IOaSRfO
保守
744以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 02:17:15.29 ID:XLhiXSwH0
保守
745以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 02:33:46.31 ID:PThGRXRjO
さっき質問していた者だが……

現実って何処で読めるんだ?
746以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 02:52:41.32 ID:y8IOaSRfO
>>745
ググればVIP系まとめブログで読める。
ただし、長いから携帯からだとキツいかも。
747以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 03:03:45.15 ID:u4doh83w0
>>745
現実なんて夢からさめればいつでもあるさ
認めたくはないがな……
748以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 03:18:16.09 ID:dEhDYZgi0
>>>>206
今さらだけど長編大作乙
749以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 03:53:59.90 ID:8fy2ohjNO
保守
750以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 04:31:33.31 ID:8fy2ohjNO
保守
751以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 05:25:48.83 ID:dEhDYZgi0
ほすほす
752以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 06:25:26.67 ID:I/8ACfxQO
保守
753以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 06:47:38.19 ID:syQJ+d+o0
コンポタ飲みながら学校いく保守
754以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 07:07:30.13 ID:XL+T/9OvO
軌跡書いた作者の他の作品教えてください
どこで聞けば良いかわからなかったのでここで
755以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 07:36:02.26 ID:UIDZXO6e0
756以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 07:36:22.16 ID:PThGRXRjO
遅れたが
>>746thx
757以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 07:37:36.22 ID:UIDZXO6e0
758以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 07:43:31.21 ID:XL+T/9OvO
>>757
ありがとー
759以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 08:52:36.66 ID:lvX5q6Id0
ほしゅ
760以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 09:13:04.42 ID:rP3vOIyBO
本当に落ちにくくなったよな保守
761以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 09:41:04.56 ID:k3QCZYhA0
保守
762以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 10:07:39.58 ID:uvm/xtI9O
SSもう少しで仕上がるのに、題名おもいつかね

皆どうやって決めているだ?
763以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 10:16:01.90 ID:rP3vOIyBO
>>762
分かる分かるw

取りあえずSSから身を引いて、テレビや他の本やらを読んだり、他のことをしてみる。
他のメディアからヒントを思い付くことがあるし、無くても一旦SSから離れることで閃くことがある。
764以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 10:24:01.36 ID:uvm/xtI9O
>>763
なるほどね。

そうしてみるよ。
まとめサイトにあるのと被りたくないしな
765以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 11:16:42.56 ID:/0UeAfCxO
ほっしゅ
766以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 11:49:27.75 ID:y8IOaSRfO
保守
767以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 11:56:51.27 ID:uLe3zonzO
SSの内容からつまみ出せば楽じゃね?
つか、俺は逆に題名ないとSS書けない位題名大事なんだが‥‥。
768以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 12:26:07.36 ID:uLe3zonzO
保守
769以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 12:54:55.47 ID:FDmDCOm60
保守
770以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 13:01:17.08 ID:k3QCZYhA0
ここはお題をもらって書くタイプのスレ?
771以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 13:04:32.54 ID:G1tcfm2B0
それでもいいし、自分で書いてもいい。エロすぎる以外ならなんでもいい
772以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 13:04:32.94 ID:b4rccKmGO
完全自由
773以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 13:05:25.85 ID:b4rccKmGO
『軌跡』が携帯から読めない……orz
774以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 13:05:48.57 ID:8fy2ohjNO
>>770
いや、もらいたい人がもらうだけ
775以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 13:06:05.89 ID:k3QCZYhA0
>>771
そうなのかdクス
776以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 13:41:00.10 ID:FDmDCOm60
保守
777以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 13:53:37.55 ID:FDmDCOm60
保守
778以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 14:11:14.03 ID:rP3vOIyBO
本日23時落下か。
投下があれば>>1000行くかな?

あのムカつく>>1001のAAは見たくないがw
779以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 14:48:51.95 ID:k3QCZYhA0
保守
780以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 15:10:04.75 ID:c3GSNTAFO
1000なら驚愕発売決定
781以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 15:19:57.50 ID:OZlNv9Tq0
>>780
つまり、あり得ないと?
782以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/12/05(水) 15:29:14.91 ID:m64sO9zA0
やっぱあれか?
「驚愕」はアニメ二期と同時なのか?話題性もあるしさ。
783以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 15:40:23.03 ID:FDmDCOm60
センターの国語、小説が驚愕
784以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 15:41:42.25 ID:i9edCHA1O
キリン「ちょたハョン!あとしのプルヒしでた食べょし!?」
785以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 15:42:55.97 ID:fiYBM/uP0
めちゃくちゃ期待してたのになぁ、驚愕
なんかいつの間にか12月だし
786以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 15:47:17.02 ID:y8IOaSRfO
佐々木が表紙のコラ画像が出回ったのも良い思い出です……
787以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 16:14:06.17 ID:FDmDCOm60
保守
788以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 16:27:57.55 ID:XLhiXSwH0
保守
789以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 16:28:50.31 ID:Fgec6h8W0
最近wktk連載作品が多くて困る
790以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 16:34:57.20 ID:W90Negtd0
そう思えるあなたが裏山だぜ…
791以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 16:49:04.42 ID:Fgec6h8W0
いやいや。期待度が 原作:SS で 4:6 になっちまった俺は落ちぶれ者さ。
792以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 17:03:20.49 ID:8fy2ohjNO
保守
793以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 17:11:13.45 ID:XLhiXSwH0
保守
794以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 17:19:11.09 ID:jc7ayfGTO
マリオ―キョン
ピーチ―ハルヒ
クッパ―古泉
マロ ―みくる
ジーノ―長門

こんなSS誰か知らない?
795以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 17:22:48.46 ID:wJh4EK/l0
>>794
テラRPGww
796以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 17:27:07.41 ID:0KSg4ENj0
涼宮ハルヒの憂鬱【トリビアの泉】副音声
http://vision.ameba.jp/watch.do?movie=663466
797以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 17:49:05.55 ID:ovORSUwZ0
>>796
コレの実際にハルヒがトリビア読んでる動画が見たいんだよなぁ……
798以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 17:53:43.34 ID:k3QCZYhA0
つらつら書いてったら8レスいってしまった件
799以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 17:54:40.77 ID:G1tcfm2B0
すぐに4レスまで削る作業に戻るんだ
800以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 17:54:59.80 ID:uLe3zonzO
>>798
意外と普通にあるから大丈夫。
801以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 18:16:04.48 ID:8fy2ohjNO
保守
802以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 18:35:41.92 ID:8JVgPWbWO
>>799
それ結構いい場合があるよな。シェイプアップするのって意外と効果的だったりするし
803以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 18:36:45.18 ID:tUpDZaUUO
>>798
俺からすると普通だから大丈夫
804以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 18:40:48.25 ID:wJh4EK/l0
つらつら書いたら8レス、が普通って凄いなww
超長編がすぐに出来上がるじゃねーかw
805以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 18:47:30.20 ID:tUpDZaUUO
一話一話がだいたい10前後レスだからな。今日は通夜で暇だろうしSS書いて暇潰しだな。PS2を持ち込んだのは言いがテレビが古くて遊べないし
806以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 18:52:35.03 ID:uLe3zonzO
>>805
自重しろwww
じいちゃんに手を合わせてこい。
807以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 19:02:59.92 ID:0FhiaA4t0
通夜は行けよwwwwww
808以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 19:21:56.78 ID:OyoBix0v0
ほしゅ
809以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 19:37:08.47 ID:uLe3zonzO
保守
810以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 19:39:04.02 ID:9XhSEt4xO
2レス程度の1シーンが一週間書けない時もあるのに、長めの短編が一日で書ける時もある。
うまくいかんね。
811以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 19:46:57.51 ID:iNTdoUAl0
今日こそ止まってるシリーズものの続きを書くぞ・・・!
まだ10行で止まってるけど。
812以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 19:55:20.58 ID:UIDZXO6e0
ハルヒ「寒いわねぇ」
キョン「寒いな」
ハルヒ「ちょっとキョン、ちょっと面白い事言って場を暖めなさいよ!」
キョン「何で俺が!」
ハルヒ「いいから早く!」
キョン「やれやれ……じゃあ、いくぞ――」



続き頼む。
813以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 19:57:06.07 ID:k3QCZYhA0
キョン「あーまて、恥ずかしいから目を閉じろ」
814以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 19:57:58.56 ID:iNTdoUAl0
キョン「ふぇ〜、なんなんですかぁ〜、なんで私ここにいるんですかぁ〜(裏声で)」
815以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 20:00:12.88 ID:tUpDZaUUO
みくる「極死・七夜・・・」
816以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 20:17:06.79 ID:OyoBix0v0
保守
817キョンとハルヒの事実懇請買う:2007/12/05(水) 20:19:56.00 ID:FDmDCOm60
「さー有美ちゃん、ここが新しいお家ですよー」
2人で住むのに充分な広さの家なんだ。1人、しかも赤ちゃんが増えたくらいじゃ変わらん
「ひーひー」
何をひーひー言ってるかって?荷物持ちだよ
赤ちゃんに必要なものとして粉ミルクとかオムツとか着替えとかを長門に大量に持たされたからな
「でもほ乳瓶は2、3本あれば充分だ。20本もいらんだろ」
「大は小を兼ねるのよ。ほーら、ひくいひくーい」
「きゃっきゃっ」
「あと、1日預かるのに粉ミルク20キロって」
「だからー大は小を(ry」

保守
818キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/05(水) 20:29:16.54 ID:FDmDCOm60
「・・・・・おんぎゃーおぎゃー」
「あれ?泣き出したわ・・・・どうして?」
「どうしてって・・・・オムツ交換か?」
「・・・・オムツしめってないわよ」
「それじゃお腹がすいたんだろ」
「ならミルク作ってくるわ」
「お前、粉ミルクのやりかたわかるのか?」
「それなら大丈夫!有希にこの本を借りたわ」
「それは伝説の育児雑誌・・・・ た ま ぴ よ !」
長門の読書傾向もよくわからんな
「えぇっと・・・・人肌に冷ますのね」

保守
819以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 20:33:45.13 ID:k3QCZYhA0
っしゃあ!初めてSSっつーの書き終わったぜ!
9レスいったけど気にしない

みんな大体何レスくらい?
820キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/05(水) 20:34:47.65 ID:FDmDCOm60
>>819
投下しますか?
821以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 20:36:25.41 ID:k3QCZYhA0
>>820
させてもらうよ。クオリティは最底辺だと自覚している
822以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 20:36:47.33 ID:FDmDCOm60
では支援
823以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 20:37:12.74 ID:mXdzqFHA0
なんという横切り横断ww
だが支援
824以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 20:37:16.74 ID:k3QCZYhA0
いきなりだが俺にとって冬とは12月からなので今はまだ秋にあたる。
一応11月だが、あと一週間もしない内に師走が訪れる。
そろそろクリスマスの足音が聞こえ始め、CMでは竹内まりやや山下達郎がいつものように歌っている。
家族持ちやカップルには楽しいイベントかも知れないが独り者の俺には外に出るのが嫌な時期だ。
それに俺は寒いのが得意ではない。うん、家に帰ったらマフラーを出そうじゃないか。
去年のはあっただろうか。もしかしたら妹や従兄弟に放流してしまったかもしれないな。
そうだったらどうするか・・・・・・まぁいい、マイスイートエンジェルにダメ元で製造依頼を出してみるさ。
そんなことを考えながら俺は廊下を歩いていたわけさ。
視界の端には紅葉を終え、風の女神様に丸裸にされていく木々が流れていく。
風も気を利かせて女子高生を丸裸にしてくれたって良いじゃないか。なあ?
これから四月まで俺の体を遠慮なしに冷やすんだからそれくらいのサービスをお願いしたいね。
下校時刻なので廊下にはけっこうな数の生徒が歩いていた。
すれ違う生徒の何人かはもう手袋をしていて、なんというか冬季の到来を実感させる。
夏は冷房冬は暖房の我が部室はいかんせん季節感というのが欠けている。
こうして服装の変化で気が付くくらいだしな。
しかし、かといって冷暖房器具なしで良いかと聞かれると勿論ノーである。
この感覚はテレビで戦車みてかっこいいと思うがいざ乗って戦えと言われると断固拒否なのと似ているよね。
そうだ、手袋で思い出した。妹に手袋とマフラー、こんど一緒に買いに行くって約束したんだっけな。
天真爛漫な妹君はいまごろなにして遊んでるんだろうか。俊足だし体力もあるから鬼ごっことか強そうだ。
しかし小学校高学年の女の子が鬼ごっこなどするだろうか。
いやまてよ逆に小学校高学年の女子とはなにをして遊んでるんだ? まったく想像つかんぞ。
うーん、ゲーム・・・じゃないし、なぁ。外で体使う遊びも考えにくい。
街に繰り出してなにかやってるのだろうか。それなら遊びには困らないしな。
しかし街には危険がいっぱいだぞ妹よ。
お前は人見知りしないから悪いお兄さんにもひょいひょい付いていってしまいそうだ。
そして悪いお兄さんにとっつかまって縛られてあんなことやそんなことをされて・・・・・・・・・
いかん。なんだか心配になってきたぞ。
などと、昨日若気の至りで立ち読みしてしまった少女漫画の影響が抜けきらない中俺は一路部室へと向かった。
部室の前にたって中から朝比奈さんの可愛らしい悲鳴が聞こえるかどうか一瞬チェックして俺はドアを開けた。
室内は暖房がいちおう効いていてまあまあ暖かかった。
825以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 20:37:52.42 ID:k3QCZYhA0
いつものように本をよむ宇宙人。その本の厚さは広辞苑なみだと思うぞ長門よ。
「長門だけか。朝比奈さんやもう一人の男はどうした?」
顔をわずかに上げて、これまた目をほんのわずかに動かして宇宙人は言った。
「わからない」
「そうか。まぁいいさ、俺は溜まってる宿題やっちまうがお前はどうする?」
「これ」
と、腿の上に置いた本を少し持ち上げたのち、長門は読書態勢に突入した。
いつもの無表情で本を読みふける彼女の横顔を眺め続けるのも乙ではあるが、俺には宿題があるからな。
しかもまったくもってやってられん数学という悪魔だ。
別に俺は好きで球体に内接する立方体の体積をだしている訳ではない。
ましてや二本の三次関数が作る面積なんかに興味はないのだ。
いやいやノートを開いて問題を始める。しかしなかなか調子が出てこない。
シャーペンの尻をこつこつを参考書にあてて何か良い回答が湧いてこないかと思案する。
うーん、この三次関数は、第四象限に一部が入ってるのか・・・・・だからつまり・・・・・・・
よって、こいつの面積はだな・・・あれ!?虚数になっちまった! 
どこ間違ったんだ・・・ここか、なんて馬鹿なんだ俺は、3×8が28になってやがる。
そんな感じでやりなおしにやりなおしを重ねて徐々に宿題を消化していった。
そうしてひと段落したとき、さっきの不安がよみがえってきやがった。
つまり、小学校女子の遊びについての不安だ。
長門に聞いても分からんだろうし、朝比奈さんは未来人だしなぁ。ハルヒは言わずもがなだ。
なんてことだSOS団には三人も女子がいるというのに誰も参考にならない。
もし、もしもだぞ、妹があの年で彼氏なんか連れてきてみろ。
俺は父と一緒にそいつを秘密裏に暗殺するだろう。でもそうすると妹が悲しむよな・・・・・・
どうしたものか。と、その時だった。
ドアが開いて、朝比奈さんと古泉が入ってきた。
「こんにちはぁキョン君。今日も寒いですね」
「おや、長門さんと二人きりですか。これはうらやましい」
ちゃかすな古泉。ええ朝比奈さん今日も本当に寒いですね、赤くなった鼻もかわいらしいですよ。
「なにか考えてたようですが」
「ん? ああ、ちょっとな」
826以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 20:38:50.96 ID:k3QCZYhA0
「悩み事ですかぁ?」
「いえ、そういったレベルじゃないんですが。ちょっと気になることがありまして」
はてな、と首をかしげるエンジェル。非常に愛らしい。ええい古泉、お前はなぜ俺を見つめる。
「どんな事ですか? 涼宮さんと痴話げんかでもいたしましたか?」
「それはない。いやそもそも俺とアイツは付き合ってないし付き合う気も無いぞ。妹のことでちょっとな」
「妹・・・ああ、あなたのあの可愛らしい妹さんのことですか。なにかあったんですか」
「そういったわけじゃないんだがな」
仕方ない、聞かれちまった以上は答えるさ。
と、俺は心配事を朝比奈さんと古泉に言った。
「ふむ、妹さんの素行が心配」
「大丈夫ですよぉ、キョンくんの妹ちゃんすっごく素直ですし」
「そうはいってもですね朝比奈さん。やはり妹も女の子ですし」
「そういえば、最近の探偵事務所はJCの素行調査も受けるそうですよ」
なんだよJCって。JAなら知ってるが。
「おっと失礼。専門用語でした」
朝比奈さんがジロリと古泉を睨んだような気がした。
「うーん、妹ちゃんに直接聞いてみたらどうですかぁ?」
「そうですね、それがいいですかね」
そうだな。下手に尾行とかすると勘のいい妹のことだ。きっとばれるに違いない。
それで嫌われたりしたら俺はもう泣きはらすね。
「わたしお茶いれてきますね、キョンくん飲みますか?」
「ええもちろん」
「僕もいただけますか」
「私も・・・」
「はい、じゃあ五ついれときますね。涼宮さんすぐ来るでしょうし」
なんと気遣いのきくかいがいしい少女だろうか。男という男ならこの魅力にのされること間違いなしだ。
10分後。俺と古泉はというと、いつものようにボードゲームを始めることにした。
やつが鞄からとりだしたのは一見将棋のようなものだったが、駒が大きい。
しかもなんだこれ、中尉って書いてあるぞ。こっちのはスパイ。なんだこれは。
「おい古泉」
827以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 20:39:05.00 ID:FDmDCOm60
支援
828以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 20:39:24.97 ID:k3QCZYhA0
「はい?」
「これはなんなんだ? 中尉とかスパイだとか」
「今日はちょっと珍しいのをやってみようと思いまして。軍人将棋といいます。
 これ、ルールブックです。将棋とほとんど同じですから簡単に理解できますよ」
わたされたルールブックは確かに薄かった。これは将棋経験ありが前提なのか。
中を見ると簡潔にルールのみが記されている。軍人口調なのはどういうわけなんだ。
「古泉はやったことあるのか?これ」
「ええ、数回程度ですがありますよ」
「おいおい、初心者の俺じゃ勝てんだろう。せめてコツとか教えろよ」
「そうですね、経験上これは飛行機と戦車の使い方が重要だと思います。
 スパイと中将とセットで行動させ、相手の大将を叩きに行くのが鉄板ですがそれゆえ相手に読まれます。
  なのでそれを考えにいれた上で飛行機や戦車をどう使うか、ですね」
「なんのヒントにもなってないじゃないかよ」
「ははは、まあやってみれば分かりますよ。習うより慣れろです。それにオセロとかではマンネリでしょう」
「確かにな」
「ではマップを広げますよ」
マップは駒が大きいせいか広かったが、
将棋のように駒の配置が決まってないのと形が本当の地形を模していてそれなりに面白そうだ。
朝比奈さんがにっこりしながら持ってきてくれたお茶を片手に俺達は一風変わった将棋を開始した。
うーむ。これは難しいな。工兵は飛車と同じ動作をするのでそれなりに自由が利くが突破口がな・・・・・・
三戦続けてやっとコツを掴めてきたときだった。
なにか遠くから騒がしい音が近づいてきた。そう、まるで人が走るような音が。
さよなら平和な時間。こんにちは騒々しい時間。
「やっほー!みんな元気!? あの教師ったらこの私に教室掃除してけなんて言ってきたのよ!」
それはお前が日直だからだハルヒよ。それとドアにもうちょっと優しくしなさい。
「なによキョン呆れたような目でこっち見て! なにか文句でもあんの?」
「いや。なにもない、なにもないですとも」
「ふーん、ま、いいわ。なにやってんのそれ? 将棋?」
ハルヒがズイっと覗き込んできた。胸があたってるから離れてくれ。
「軍人将棋というものですよ」
829以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 20:40:12.53 ID:k3QCZYhA0
古泉がさわやかな微笑を浮かべつつ述べる。あいかわらず貼り付けたような笑みだな。
「へえーそんなのあるんだ。面白いの?」
「まぁまぁ面白いぜ。なんならやるか? ハルヒ」
「遠慮しとくわ。わたし将棋苦手だもん」
そいつは初耳だな。万能のお前のことだ、将棋くらいちゃちゃっとマスターしてるもんかと思ったが。
「だって突撃するとする負けるじゃない。王を守んなきゃいけのもメンドくさいわ」
それはお前らしいといえばお前らしいな、なんてことは当然言わない。
例の空間が発生すると厄介だからな。
「じゃあお前は大富豪とかトランプでも突撃するのか?」
「突撃かどうかわかんないけど2出して牽制して革命起こして早々とあがるのが戦略ね」
これまたお前らしいな。こんどみんな呼んでトランプ大会でもやるか。
鶴屋さんはどうだろう、彼女もハルヒと似て突っ走るからな、革命で場をぐちゃぐちゃにしてくるかもしれん。
長門は必ず勝つだろうな、遠慮なしに。
妹はどうだろう。あっ! そうだ妹だ。はぁ〜・・・・・・。
「どうしのよキョン、ため息なんかついて。らしくないわね」
熱でもあるの? とデコをあわせようとしてくるハルヒ。
顔が赤いぞハルヒ。おまえのほうが熱があるんじゃないのか? それに俺は風邪じゃない。
「べ、別に顔は赤くないわよ! 蛍光灯のせいね! そ、それで風邪じゃないならなんなのよ」 
「妹のことが心配でな・・・・
そうして俺はさっき古泉と朝比奈さんに話したことをもう一度繰り返した。
ただ心無し妹が彼氏を云々の辺りを強調してしまった気がする。
聞き終わったハルヒはバカにしたような目つきでこっちを見てきやがった。
「あんたねぇー、妹ちゃんのこと信用して上げなさいよこのシスコン。兄妹でしょうが
 大体ねぇ、妹ちゃんが色恋沙汰なんてありえないわ。まだ中学生にもなってないのよ」
「むぅ・・・・・・確かにな」
そうだな。俺が妹のことを信じてやんなくて誰が信じてやるんだ。
きっと妹はDSでポケモンでもやってるんだろう。いまの小学生がやるか怪しいが。
街に行くにしても友達と一緒で映画でも見てるのさ。
「どう?改心した?」
「ああ、したよ。改心した。ありがとな」
830以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 20:40:46.13 ID:k3QCZYhA0
たまにはちゃんと感謝を伝えてもいいよな。なんだかんだで世話になってるし。
「あ、あんたにしては素直じゃない! いい心がけね」
なんだなんだハルヒ、見る見る顔が赤くなっていくぞ。暖房がきついのか?
「だから蛍光灯のせいだって言ってるでしょ! バカっ!」
理不尽にも俺に一吠えしてハルヒはズカズカと団長席にあぐらで座ってパソコンの電源をつけた。
まったく、なんでったって俺はこうも怒鳴られなきゃならんのだ。
「幸せ者ですねあなたは」
ニヤニヤ顔の古泉が目の前にあった。
顔が近い。気味が悪いぞ。
「これは失礼。しかしあなたの鈍感ぶりといったら無いですね」
やけに小声の古泉。もっと聞こえるように喋ろよ。
それになんだ鈍感って。俺は自慢じゃないが嫌な予感だけは鋭くてな、鈍感じゃないんだ。
「分かりましたよ。では将棋を続けましょう」
「流したな・・・・・・まあいい。次は勝ってやる」
「そんなセリフをあなたから聞けるなんて。これはますます負けられませんね」
「ようやくコツを掴んだんだ。もう三戦したあとにはお前がこのセリフを言うようにしてやるさ」
「それは楽しみですね」
俺の本気ってやつを見せてやる。
さて、軍人将棋で勝つにはあいての駒を全てとるか、相手総司令部コマに自軍少佐以上の駒を置けばいい。
各駒にも優劣があって、基本的には階級が下のやつは上を倒せない。これが軍人たる由縁だろう。
なので王を囲えば勝ちという将棋よりも時間がかかる。が、なかなか面白いなこれ。
妹に教えてこんどやろうかね。
そうして一時間がたとうとしていた。
軍人将棋は白熱した、朝比奈さんもルールブック片手に観戦したくらいだからな。
ふーむ・・・・・・だが勝てない。もっと経験がいるんだろうな。
「おやおや? いつ僕にセリフを言わせてくれるんですか?」
「くっ、いつも俺が勝ってるからって憂さ晴らしかよ」
「滅相も無いですよ、ただこんなに僕が勝ち続けているのも珍しい、いや初めてじゃないですかね」
「そうかもしれんな」
「さきほどの妹さんのことが気がかりですか? やはりお兄さんなのですねぇ」
831以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 20:40:56.07 ID:mXdzqFHA0
支援
832以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 20:41:29.97 ID:k3QCZYhA0
俺がむっとして黙ると、古泉は白い歯を見せて笑った。
クソ、なんて歯の白いやつだ。塗料でも塗ってんじゃないのか。
しかし、古泉のいったことも確かかもしれないな。いくら信頼してるとはいえ心配なものは心配だ。
この時期はすぐ暗くなるからな。妹がさらわれやしないかとかいろいろな懸念が浮かんできてしまうんだよ。
「そんなキョンにぴったりのテストを見つけたわ! ちょっと来なさい!」
なんだハルヒ。いきなり大声出すよ、朝比奈さんが驚いただろう。
「いいから来なさい」
「はいはい。っと、なんだこれは?」
画面にはなにかのアンケートのようなものが表示されていた。
題名は『しすこん☆ちぇっく』。なんてセンスのない文字だ。
可愛くしようとしすぎて日本語かどうか怪しいくらいのデフォルメが施されているな。
しかも背景に二次元美少女とはどういうことだ。
「見ての通りのシスコンチェックよ。あんたちょっとやってみなさい。
  いやとは言わせないわよ、さっきの恩があるしね」
「わかった。わかったよやってやるよ」
あー、問い@『妹の安否が気がかりだ』。これはY/N式なのか。Y、と。
A『妹が小5まで一緒にお風呂に入っていた』これはN。妹とは小3が最後だぜ。
B『妹が可愛いと思う(性的な意味で)』これは・・・YではないだろうからNだな。
C『妹が成長するのは嬉しいようで悲しかったりする』Yだ。
D『運動会を終えた妹の体操着の匂いにいままでにない興奮を感じたことがある』なんだこれはNだよ。



S『妹を大事に思ってますか?』当然Yだ。
さて、結果結果。
『けっか☆ひょうじ』をクリックする。エクスプローラーの旗が回転し始めた。
ハルヒはさっきからニヤニヤニヤニヤしている。
古泉と朝比奈さん、長門まで気づけば画面を覗き込んでいた。
「これは気になりますね」
「楽しみですねぇ」
833以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 20:42:00.88 ID:k3QCZYhA0
「しす・・・こん・・・?」
「いいキョン! もし犯罪予備軍レベルだったら監禁アンド教育だからね!」
「断じて俺は妹に劣情など抱いておらん!」
「おっと、結果が出たようですよ」
なんだと?!振り返るとそこには結果の文字。
なになに? シスコン度76、予備軍と正常の境界線だと!?
『普通なようで普通じゃない、そんな感じです。妹さんのお風呂上りの香りなどでスイッチが入る危険有』
なんだスイッチって?!俺はそんなもん持ってないぞ。それと古泉あらあらなんて顔すんな!
朝比奈さんそんな野獣を見るような目で俺を見ないでください、けっこう傷つきます。
長門よ、軽蔑のまなざしを向けるなんてお前も表情が豊かになったもんだ・・・・・・
「キョ、キョンくぅん・・・わたし、それでもお友達ですよ・・・」
暖かいようで全然暖かくないですよ朝比奈さん。それになにかすごく誤解していますね。
「血の繋がった人間に性的関心を抱くのは社会的にタブーとされている。
  わたしも個人的に推奨できない」
もちろんですとも長門さん。重々わかってますからそんな冷たい口調で言わないでくれ。
「これはこれは、中々面白い結果ですね。度が過ぎる妹思い、といったところでしょうか」
それはけっこうだ。だからもう突っ込まないでくれ、一番驚いてるのは俺なんだ。
それとハルヒ、さっきからなにを震えている? 表情が見えないぞ。
「キョ、キョ、キョ、キョ、キョ・・・・・・・」
どうした? 鳥の鳴き声の真似か?
「このクズーーー!!!!!」
ハルヒの放った超高速右フックによって俺はイスから吹き飛んだ。
床に転がったまま俺は当然の抗議をする。
「い、いきなりなにをする!」
「失望したわ! まさかアンタに近親相姦願望があったとはね!」
なにをいいだすんだコイツは。
「待て! これのどこにそんなことが書いてある?!」
「ふ・つ・う・じゃ・な・い!!ってここにしっかり書いてあるでしょうが!!」
液晶に指をつけて文字列をなぞる。そんなことすると跡がついちまうぞ。そもそもだな、
「俺は普通だ!それにちゃんと全部読め、俺は境界線に立ってるんだぞ!」
834以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 20:42:28.89 ID:FDmDCOm60
支援
835以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 20:44:29.82 ID:FDmDCOm60
ニヤニヤ支援
836833:2007/12/05(水) 20:45:15.15 ID:4KnokuUlO
サルさん食らったwwww
次で最後なのに。
837以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 20:45:57.82 ID:FDmDCOm60
さるwwwwwwwwwwwwwww
838以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 20:45:58.10 ID:mXdzqFHA0
最近の初SSはアッチ系統の作品が流行ってるのかね?
839833続き:2007/12/05(水) 20:54:45.15 ID:4KnokuUlO
「なんのフォローにもなってないわ! つまりは一線を簡単に越えちゃうってことじゃないの!」「うっ・・・・・・」
二の句がつげない俺を見て、小さくハルヒはため息をついた。
そして口の端を吊り上げて、左手を腰に、右手人差し指を俺にビッと向けて言い放った。
「アンタには教育が必要ね!!」
「教育だと?」
「そうよ! アンタに正しい貞操観念ってやつを叩き込んでやるわ!」
「そんなものいらん」
「いいのよ? この結果を印刷してアンタの家族全員に配ってやっても」
なんて卑怯なやつだ、おおかたヒマだったんで俺を出汁に潰そうって魂胆だったな。
つまり俺はその策略に思った以上にきれいにはまっちまったってことか。「もう好きにしてくれ・・・・・・」
力なく崩れ落ちる俺。まったく今日はどうしたってんだ。厄日ってやつか?
「まずはアンタの家いくわよ! みくるちゃん、有希、古泉君準備して!」
「は、はいぃ!」
「了解です」
「わかった・・・」
ハルヒは床に突っ伏している俺の襟を持って、思い切り持ち上げた。
「まてまてまて!ハルヒ!首、クビ!絞まってる!!」
「アンタがいつまでたっても起きないからでしょう! ほら立って、アンタの家に行くわよ!」
ここで行かないとか言うと学校中にこの結果が貼られるんだろうな。
なんてこった。やれやれというレベルではないぞこりゃ・・・・・・分かったよ行きましょう行きましょう。
ハルヒは俺の右手をつかみ、部室からカタパルト発進する戦闘機のように元気よく飛び出す。
妹の笑顔が一瞬浮かぶ。はぁあああああああああ、お兄ちゃんを許しておくれ。
ところでハルヒ!結果をいつのまに印刷したんだお前は!!置いてけ!いや今すぐ捨てろー!!
終わり。
840以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 20:56:20.88 ID:UIDZXO6e0
ID:k3QCZYhA0氏

ちょっと投下間隔が早いかも?
1分過ぎた頃に投下するほうがいいかと。
841以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 20:56:52.56 ID:FDmDCOm60
しえn・・・お、おわりだと!?
842以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 20:57:02.36 ID:UIDZXO6e0
ああ、終わってたorz
843以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 21:02:22.08 ID:4KnokuUlO
4レス云々あったんで早く纏めるべきかと思ったんです。スレ汚しすいませんでした
844以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 21:04:25.62 ID:mXdzqFHA0
>>843
俺の勝手な主観だが、「・・・」ではなく「……」を使用することを推奨する。
こっちの方が読み手として読み易いからね。
乙っ
845以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 21:07:35.98 ID:FDmDCOm60
三点リーダーの方がいいのか・・・
846以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 21:11:33.38 ID:h0LJCoUl0
個人的には改行を含ませるともっと読みやすくなっていい感じ
俺にも八つ下の妹がいるからキョンの気持ちはよくわかるwww
847以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 21:12:32.43 ID:uLe3zonzO
長門「‥‥獣。」
848キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/05(水) 21:24:07.31 ID:FDmDCOm60
「んぐんぐ……げぷ」
「はい、ごちそうさまー。よく飲んだわね」
「いや、7本分とか飲みすぎだろ」
「有希の家系って大食いなのかしら」
「粉ミルク20キロも肯けるな」
「……おぎゃー」
「オムツかしら?……しめってないわ」
「もうお腹空いたとか言わないよな」

保守
849以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 21:27:09.76 ID:fiYBM/uP0
「なあ、長門よ。久しぶりにダウンしちまってる俺のお見舞いに来てくれたのは感謝するよ。
だがなぁ、なんで俺のクローゼット漁ってるんだ?」
「私がここに来た目的は、あなたのお見舞いだけではない。涼宮ハルヒの命により、あなたの身辺調査も兼ねている」
「身辺調査って……浮気調査かよ。そもそも、そんなのあいつが出向いてくればいいじゃないか」
「今日は外せない用事があると言っていた。」
「あいつのことだから団員の健康管理は団長のうんたらとか言ってお見舞いの品持参で来てくれると少し期待してたんだが」
「涼宮ハルヒにも私情はある。仕方のないこと」
「ところで長門、身辺調査ってクローゼット漁ることなのか?」
「違う。これは身辺捜査の過程。
最終的な目的は、女性の裸や男女の性行為等が記録された冊子やVHS、DVD等の記憶媒体を探し当てること」
「馬鹿かあいつは!そんなもん長門に探させてんのかよ!!」
「そう。俗に言う"エロ本"、"エロビデオ"を探すよう指示された。
また、クローゼットの中やベッドの下が隠し場所になる場合も多いというアドバイスを受けた」
「で、探し当ててどうするんだよ」
「涼宮ハルヒが何を意図しているかはわからない。しかし、私自身人間の生殖活動等の性的な営みに非常に興味をいだいている」
「お前もそういうことが気になるのか……っておい、その棚はダメだ!!!!!!!!!!!!」
「"巨乳先生が教えてあげる"、"爆乳大帝"、"乳さえあれば"、"その乳に埋もれたいんですけど"……」
「遅かったか……頼むからタイトルを淡々と読み上げるのはやめてくれ、恥ずかしすぎる」
「このビデオに出演している女優は乳房が非常に発達している。なぜ?」
「……頼む、もう勘弁してくれ……。」


貧乳長門保守
850キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/05(水) 21:32:07.70 ID:FDmDCOm60
「なぁハルヒ……俺たちもお腹空かないか?」
「そういえば、もうこんな時間ね。買物行きましょ」
「有美ちゃん連れて行くよな?ベビーカーベビーカーっと」
「外は寒いわよね……上着上着っと」
「……だぁ」
「準備よし!キョン、行こ」
「戸締り戸締りっと、よし行くか」
「あぅー」

保守
851以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 21:35:24.81 ID:k3QCZYhA0
明日もスレ立つよな
これから挑戦しよう……
三点リーダを一発で出したいんだが。毎回毎回「三点」で変換するの面倒くさい
852以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 21:36:23.00 ID:O+e0NCgz0
・ で辞書登録するとか
853キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/05(水) 21:37:00.06 ID:FDmDCOm60
「今日は何にするんだ?」
「んーそうね……何か食べたいものとかある?」
「そうだな……肉じゃがなんてどうだ?」
「じゃがぁ」
「じゃぁ肉じゃがで決定!」
「ってい!」
「…なんか有美ってよく喋るわね」
「1歳にもなってれば、これぐらいじゃないか?」

保守
854ハルヒオン:2007/12/05(水) 21:37:31.51 ID:OsVi+jkY0
>>839

終わりかよwww

性的教育的指導のシーンにwktkしてたのにw
855以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 21:39:21.53 ID:mXdzqFHA0
>>854
ちょww投下時とID変わってねぇww
856以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 21:39:28.61 ID:DXTdoDt/O
支援
857キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/05(水) 21:40:02.54 ID:FDmDCOm60
「さて、肉じゃがなら、ジャガイモににんじん、しらたき…」
「おい!」
後ろから声掛けられたけど……デジャブが
「…やっぱり親父か」
「あら、おじ様。こんばんは」
「やぁハルヒちゃん。また会ったね」
「今日もお使いか?」
「いや、この時間帯にブラブラしてれば会えるかなと思って」
「ストーカーだな」
「ストーカーね」
「はっはっは!間違いないね…ところでハルヒちゃん」
「なに?」
「おしさんの忠告は聞いてもらえなかったみたいだね」
「忠告?なんかされてたのか?」
「心当たりはないわ」
「だってその子、お前たちの子だろ?」
「あんたの親父って相当バカね」
「面目ない」
「じゃぁ誰の子なんだ?」

保守
858以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 21:41:50.33 ID:uLe3zonzO
>>855
変わるわけないだろ。
859ハルヒオン:2007/12/05(水) 21:42:10.39 ID:OsVi+jkY0
>>855

ああ、だって、深夜だもんww まだ日は変わってないお
860以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 21:43:03.29 ID:k3QCZYhA0
>>854
ごめんね!
10レス以上はさすがにやめるべきだと思ったんよ
861以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 21:43:29.55 ID:uLe3zonzO
>>859
お前はさっさとコテ外せ。それは終わっただろ。
862以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 21:43:39.31 ID:mXdzqFHA0
>>858-859
いや、そういうことじゃないw
そうかLANじゃないもんなw
863キョンとハルヒの事実婚生活:2007/12/05(水) 21:45:16.53 ID:FDmDCOm60
「友達の親戚の子を預かってるだけだ」
「そうだったのか。てっきりおじさんのプレゼント使わずに」
「わーわーわー!!」
「……なに騒いでるんだ、お前は」
「なななななななんでもないわよ!こんなバカ親父ほっといてい行きましょ」
「人の親をバカ呼ばわりするとは流石ハルヒだな」
「じゃぁな、元気でやれよー、元気すぎて寝不足になるなよー」

「何か言ってるぞ……」
「ほっときなさい!」

保守
864以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 21:46:11.18 ID:FDmDCOm60
今日はココまで
続きは土曜くらいに……
865以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 21:49:16.63 ID:DXTdoDt/O
>>864
乙です!wktkしながら待ってます!
866以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 21:50:47.03 ID:XLhiXSwH0
>>864
乙、土曜日が楽しみだ
867以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/05(水) 21:59:27.30 ID:FDmDCOm60
あと1時間
868以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
2スレ連続1000は無理かねw