1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
( ФωФ)代理だ
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/28(水) 00:32:19.84 ID:hY5n+VVd0
(;ФωФ)代理……なのだが……?
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/28(水) 00:32:44.25 ID:ZqkaS2nCO
釣りなのか…
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/28(水) 00:33:03.81 ID:rrS/zz42O
('A`)アナリスク
5 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 00:33:15.80 ID:AnQnzmZRO
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/28(水) 00:33:42.61 ID:hY5n+VVd0
支援
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/28(水) 00:34:20.46 ID:iMec1qluO
ああぁあぁあ目覚めちゃう!!!!!!!!!
ブーンのアナルが目覚めちゃうよぉ!!!!!!!!!
ブーン!!ブブブブー――――ン!!!!!!!!
ブーン飛びまー――――す!!!!!
キテル!!!!!アナルに!!!!ブーンのアナルキテル!!!!!!!!
目覚めますぅうぅぅ!!!!!!ウェイクアップブー――――――ン!!!!!!
支援
8 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 00:34:39.35 ID:AnQnzmZRO
‐終‐
水葬
(´・_ゝ・`)「村……隊長。こんな事を訊くのも何ですけど、隊長はこの戦い、勝てると?」
盛岡は、ミルナの他誰にも聞こえないように、ひっそりと言った。
南方の装束のように派手な防具を鳴らしながら、ミルナはしばらくそのまま歩いていた。
( ゚д゚ )「……元々、勝つ可能性などゼロに等しい戦いだが……?
語弊はあれ、そう言わなかったか?」
(;´・_ゝ・`)「……あまりそれらしい事は、聞き覚えがありませんね」
( ゚д゚ )「何と。盛岡はもうボケがやってきたか」
(´・_ゝ・`)「……まぁ、何でも構いませんよ。回避できる可能性があるなら、僕は賭けますよ」
盛岡は、村の存亡を気にかけていた頃よりも、ずいぶん良い顔つきをしていた。
9 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 00:36:15.76 ID:AnQnzmZRO
( ゚д゚ )「……盛岡よ」
(´・_ゝ・`)「はい?」
( ゚д゚ )「お前も強くなったな……好ましい心根だぞ」
思いがけなく、盛岡は一瞬固まってしまった。
ジャラジャラうるさい装飾の音が離れるのに気付いて、盛岡は歩きだす。
(´・_ゝ・`)「ありがたいお言葉です……」
この村に生まれて35年。何十人もの子供たちと生き、そして別れた。
知らぬ間に、強い心が育っていたのだろうか。
(´・_ゝ・`)「……負けたくないな」
こんな所で、全てを無為にはしたくない。この戦いを生きよう。
支援
11 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 00:37:39.85 ID:AnQnzmZRO
( ゚д゚ )(生きようとする力は、如何なる恐怖も凌駕する。……よく望んでくれた、盛岡。
最大の敵は、恐怖だ。恐れるから、力が出ない……。皆が気付けば尚良いのだが)
ミルナは考え込みながら、薄暗がりを行く。
( ゚д゚ )(そうなれば、或いはこの戦い……)
そこまで思って、ミルナは思考をやめた。
そして、軍配を振るうように右手を上げる。
丘の麓へ、戦い慣れぬ兵士たちが並んだ。先頭には、ビコーズ夫妻がいる。
もちろん、武器を持つことなど初めての二人だが、その眼差しは熟練した兵士のようだ。
( ゚д゚ )「彼らも、期待できそうだ……」
12 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 00:39:16.93 ID:AnQnzmZRO
( ∵)「……」
彼の鉄板を折り曲げて作った即席の胸当ての結びはすこし緩いらしい。
嵐の前に吹くかのような、静かな風に揺れていた。
( ∵)「ねぇ、ペニサス……」
('、`*川「何?」
ビコーズは、散切りの髪が風に靡くのを感じながら、傍らのペニサスを見た。
彼女もまた、その黒髪を艶やかに靡かせていた。
( ∵)「この戦い、勝てると思う? 僕らは仇を討てるかな?」
ビコーズが恐怖に耐えかね、逃げるつもりで質問した訳ではないのは、
彼の瞳を見ればすぐ分かった。
('、`*川「……あなたは、どう思う?」
( ∵)「僕? ……僕は、絶対に勝てないと思うよ。やってみなきゃ分からないけど。
僕なんて、所詮脳みそだけが取り柄だし……娘も守れなかった弱い父親だし」
支援
14 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 00:41:52.48 ID:AnQnzmZRO
('、`*川「ビコーズ、自分を貶さないの。あれは……仕方なかったなんて言えないけど、
私にだってどうにも出来なかった。だから、今度こそ、出来る限りの事をしましょう?」
( ∵)「解ってる。……僕は恐れないよ。奴に触れる前に消えるかも知れなくても、
僕は突っ込んでみる。もしかしたら、僕が消える前に伸ばした槍が刺さるかも知れないから」
('、`*川「私だって。村のみんなに任せてまで、命を乞うつもりはないわ」
( ∵)「……うん」
ビコーズが、少しだけ頬を緩めた。その笑顔は、幸福のまま死した老人のようでもあった。
( ゚д゚ )「なぁ、ビコーズにペニサスよ」
二人の前に、隊長ミルナが歩いてきた。
15 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 00:44:17.47 ID:AnQnzmZRO
( ∵)「隊長。どうしたんです?」
ミルナはうむ、と唸り、頂上にある館を指差しながら言う。
( ゚д゚ )「今、ひとりが様子を見てきたのだが、どうやらあそこの扉が壊れているらしい。
侵入は簡単だが、相手は神聖の存在だ。奇襲をかけても傷をつけられるかは微妙だが……」
ちらちらビコーズを見ている目は、語る。
「行くか?」と。
( ∵)「それなら、行きましょう。今なら倒せるのかも知れません」
( ゚д゚ )「よし……」
ミルナは頷き、そして、なるべく小さな声で皆に言った。
( ゚д゚ )「これより、全軍の進撃を開始する。だが、これは奇襲作戦だ。
無駄な物音はなるべく立てるな。……行くぞ」
現代に還った抗神軍が、始動した。
16 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 00:46:05.48 ID:AnQnzmZRO
クーに手渡された、凶悪な形の棒を見つめて、ドクオは多くの疑問符を浮かべた。
('A`)「……なんだ、こりゃ?」
戸棚にある薄めの外套と見合っているクーは、ドクオが持っているものをちらりと見た。
川 ゚ -゚)「あぁ、槍だ」
その棒が、刃を付けて鈍く光っている事を、まるで当然のようにクーは一言で表した。
(;'A`)「いや、そうじゃなくて……今日は話を聞きに行くんじゃ?」
_,、_
川 ゚ -゚)「あと1日」
ドクオが逡巡した後に言うが早いか、クーは眉をひそめた。
(;'A`)「うーん……」
時間が無いのは百も承知だ。承知しているのだが、どこにそんなものを用意する理由がある。
あくまで話を聞くだけだ。
17 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 00:48:19.85 ID:AnQnzmZRO
(;'A`)「やっぱさ、こんなの……いらないと思う」
もう、この世界に戦いの道具は必要ないはずだ。
ドクオは真っ赤な愛槍を机に置いて、刃に布をかけた。
そして、それはまたクーに押し返されるのだった。
川 ゚ -゚)「要らない訳がないだろう。ドクオ、ちょっと外を見てみろ」
('A`)「外?」
目を閉じて、耳をそばだてた。そして聞こえた、いくつかの音。
足音だ。一人分のものではない、行進でもしているような多くのもの。
それから、聞き慣れた剣戟のぶつかる音。
('A`)「そういや、何だか騒がしいな……ちょっくら行ってくるわ」
川 ゚ -゚)「ドクオ」
('A`)「ん?」
川 ゚ -゚)「もう分かっているのだろう? 外で何が起こっているか」
('A`)「……あぁ」
川 ゚ -゚)「なら、グングニルを持っていけ。これはお前の武器だ」
そうして推されるままに、ドクオは紅槍を手に取った。
18 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 00:50:32.57 ID:AnQnzmZRO
('A`)「まぁいい」
制服の背中につけたバンドで槍を留めて、ドクオは準備を完了した。
('A`)「使わなければ、それで良いんだ……」
川 ゚ -゚)「……ドクオ」
そうして交番を後にしようとした矢先、クーに肩を叩かれた。
振り向いて答えようとすると、指先が頬に刺さった。
( #)A`)「ん? 今度は何だ? ……おい、ツンツンつつくな」
半ば不機嫌な様子で、ドクオは指を刺したまま言う。
川 ゚ -゚)「その槍……使うぞ。多分だがな」
( #)A`)「……よせよ。……なぁ、ぷにぷにすんなよ」
クーの刺突からようやく解放されたドクオは、一歩引いてから体ごとクーを見た。
川m9゚ -゚)「むぅ」
('A`)「ふう……なぁ、クー。お前、何か知ってるだろ」
何となく、今日の様子はいつもの彼女とは違う。感覚的にそう思った。
支援
20 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 00:52:39.09 ID:AnQnzmZRO
川 ゚ -゚)「……」
クーは黙っていた。
('A`)「なぁ、休みの間に何があったんだ? クー、話せることを全部……」
川 ゚ -゚)「……すまない、今はまだ無理だ」
その返答は、ドクオに疎外感すら与えた。
若干人の感情に疎いクーでも、そのくらいは分かる。
('A`)「そう……か。でも、いつか絶対に話してくれよな」
クーの表情を見ていると、何となく追及する事は憚られた。
川 ゚ -゚)「分かっている。だからどうか今は、私を信じていてくれ」
('A`)「はーく。……じゃあ、行くか?」
準備は終わった。これ以上グズグズ屯している時間はない。
ガラス戸を足で開け、暗い中へと歩んでいく。
('A`)「そういや、クーは武器持ってかんのか?」
川 ゚ -゚)「あぁ、私は持っていてもどうしようもないからな」
('A`)「?」
川 ゚ -゚)「いや、すまない。行こうか」
21 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 00:53:49.38 ID:AnQnzmZRO
('A`)(心配しなくて……平気なんだよな?)
川 ゚ -゚)「?」
('A`)「……よし」
問い質したい気持ちを抑えて、ドクオはそのまま歩いていった。
目指すは、日の昇る丘に立つ彼の洋館ひとつ。
('A`)「行くぞ!」
降ってきそうな星の下、ドクオとクーは駆け出した。
自分が信じ、そして愛した者の為。二人は今、戦いを始める。
(;'A`)「ちょっと待って、盾忘れた」
川 ゚ -゚)「萎えたわ」
(;'A`)「ごめん」
22 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 00:54:48.76 ID:AnQnzmZRO
一方、彼らの目的地では。
(;^ω^)「何かドアが曲がってて鍵がかけられなかったお」
ξ;゚听)ξ「え、ほんとに?」
(;^ω^)「本当に本当だお。しかしまずいお……ここを最後の砦にする他ないお」
二階最奥にある部屋に鍵をかけ、内藤とツンは籠城を決め込んだ。
まだ、敵がやって来るには時間がかかりそうだ。
( ^ω^)「……」
外はもうすっかり暗い。窓から外を見ても、誰かが歩いてきている様子は見られない。
自分の耳だけが頼りになる。現を抜かしていれば、背中から刺されかねない。
ξ゚听)ξ「ブーン……」
( ^ω^)「お?」
掠れたような声で名を呼ばれて、内藤は扉の覗き穴から外を伺うのをやめた。
23 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 00:56:29.61 ID:AnQnzmZRO
ξ゚听)ξ「ねぇ、ブーン……どうしてそんなに私の為に頑張るの?」
突然の質問だった。
もちろん答えは出ている。内藤とて理由も無く死にたがるような馬鹿ではない。
彼は恥ずかしそうに口ごもりながら答える。
(;^ω^)「……うーん、何て言うか……、僕はツンが好きだから……」
内藤の告白を受けても、ツンは照れた様子もなかった。
ξ゚听)ξ「何で? 私は人を喰らう鬼なのよ?」
( ^ω^)「うーん……」
内藤は迷った。
彼女の言うとおり、ツンは鬼。少なくとも人ではない存在なのだ。
なのに何故、彼女に恋したのか。よく覚えていない。
( ^ω^)(僕は、ツンと会ったあの日、お祭りに行かされてて……)
24 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 00:58:32.38 ID:AnQnzmZRO
( ^ω^)(思えば……僕は独りだったお。一人でいることが好きだって思ったお)
内藤の脳裏に、いつだかの光景が浮かび上がる。
伸びきったビデオテープの映像のように、明確なものでは無いが、
そこには誰が見てもそれと判る、寂しげな少年の姿があった。
( ^ω^)(そうか……僕は寂しかったんだお。みんなの事を幼稚だって馬鹿にしておきながら、
僕自身、大人ぶった子供でしかなかったお)
そんな時、ツンは現れた。初めて自分から作った友達、それがツンだ。
ツンと過ごした日があったから、内藤は自分の幼さに気付けた。
人と笑い合うのはこんなにも楽しい。自分は人と一緒に生きていきたいんだ。
( ^ω^)(それを、ツンが教えてくれたって事に気付いたから、僕はツンを好きになったお)
またツンに会えると信じたから、自分の母親が父親を殺した事でいなくなっても、
生きる希望が見いだせた。自分が誰より感謝しているのは、信じているのはツンだ。
( ^ω^)(それが多分、好きって感情に繋がったんだお)
支援
26 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 01:00:08.52 ID:AnQnzmZRO
ξ゚听)ξ「……答えられないわよね。やっぱり人を食べるような悪魔に」
( ^ω^)「ツン、聞いて欲しいお」
内藤はドアノブを掴んで立ち上がり、寝台の隣の椅子に腰掛けた。
ξ゚听)ξ「……うん」
( ^ω^)「僕は、ツンと出会う前は、人間嫌いのクソッタレだったお。
けど、それからは人と話すのが楽しくなったお」
(;^ω^)「ツンと会った日、ちょっと悲しい事もあったけど、
君が忘れられなくて、もう少し生きてみようと思ったお」
ξ゚听)ξ「……」
( ^ω^)「……そのうちに、友達も出来たお。毎日生きていく事に、苦痛は無くなったお。
でも、足りないんだお。僕を地獄から引き上げてくれたのはツンだし、
そうして一番感謝しているのはツン、一番信用しているのもツンだお。
そこに、柊が消せるとか傷を癒せるとか、人間だとか鬼だとか関係ないお」
内藤はそこで間を開けて、語気を強めた。
( ^ω^)「僕の場合、そこから愛しい気持ちが出ちゃっただけだお。
ツン、確かに僕は君を愛してるお。だから助けるお!」
27 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 01:02:06.43 ID:AnQnzmZRO
内藤は立ち上がり、ドアの前に立ちはだかると、剣を抜いた。
外では楓が葉を落としながら、風にざわめいていた。
ξ゚听)ξ「ぁ……」
ツンは、何かがこみ上げて来ているような声を上げて、布団を被った。
ξ )ξ「……うん、分かったわ。ブーンを信じて、ここを任せるわ。
でも、少しでも危ないと思ったら、」
内藤の真横に、空色の渦巻く円が現れた。
ξ )ξ「それに飛び込んで。きっとあなたを安全な場所に連れて行ってくれる」
( ^ω^)「……うん、分かったお」
内藤は頷き、剣を構えた。扱った事など無いが、何も持たないよりマシだ。
幸いにも握ったのは細身の剣。振るうくらいは出来そうだ。
( ^ω^)「!」
そこでちょうど、足音が聞こえた。体で扉を押さえながら、覗き穴から外を見る。
支援
29 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 01:03:53.55 ID:AnQnzmZRO
('A`)「おーい、なーいとー」
(;^ω^)(うわっ、顔近っ)
ドクオだった。
何度もドアを叩いて、こちらを呼び出している。
銃くらいは持っているだろうが、不意をつけば何とかなるかも知れない。
('A`)「?」
鍵を静かに開き、一気にドアを蹴り開けた。
(;'A`)「うおっ!?」
ドクオは体勢を崩している。今しかない。
(#^ω^)「ハアァッ!」
包丁でも振り回すかのように、白いレイピアを八方から振る。
(;'A`)「うわっ、わっわっ」
しかしその攻撃の全ては、すんでの所で大きな盾に防がれていた。
(;^ω^)「何……だと……?」
そうしている内に、ドクオが背中の毒々しい色をした槍に手をかけてしまった。
本能から、危険だと分かった。慌てて下がり、ドアを閉め、鍵も掛けた。
(;^ω^)「な、何であいつあんなに強いんだお! 反則だお!」
30 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 01:05:55.13 ID:AnQnzmZRO
ξ゚听)ξ「ブーン、逃げる?」
しばらく息が整わなかった。肩で息をしなくても平気になったころ、漸く質問に答えられた。
(;^ω^)「まさか……こんなもんじゃ退かないやああぁぁぁっ!」
その言葉と共に爆発が起こり、支えを無くした戸が吹っ飛んできた。
ξ;--)ξ「ケホッ、ケホッ……」
_,、_
( ^ω^)「……」
粉塵が収まった頃、内藤は亀の甲羅のようにドアを背負って、
不機嫌そうにドクオの方を睨んでいた。
('A`)「や、まだ生きてたか」
川 ゚ -゚)「私もいるぞ」
ドクオは内藤から軽くドアを剥ぎ取ると、適当に放って座り込んだ。
('A`)「埃っぽい部屋だな」
_,、_
( ^ω^)「誰のせいだか」
31 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 01:08:12.20 ID:AnQnzmZRO
('A`)「さて、少し話をしようか」
ドクオは、内藤の胸ぐらを掴んで無理やり彼を立たせた。
(;^ω^)「……でも、僕は!」
('A`)「あぁ、心配すんな。まだ来るには時間がかかるよ」
その言葉を信じていいのか分からなかった。
自分が呑気に座っている間に何人かが突撃して来て、彼女は殺されてしまうかも知れない。
川 ゚ -゚)「信じていいのか分からない、とでも言いたげな顔をしているな」
(;^ω^)「……あぁ、到底信じられんお。何で今日という日にここを訪れたあんたらが、
彼女を殺さないと考えられる! 有り得ねえお!」
ドクオの手を振り解いて、もう一度剣を抜いて突き付けた。
(;'A`)「っ!」
川;゚ -゚)「ドクオ!」
支援
33 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 01:10:34.87 ID:AnQnzmZRO
(;'A`)「大丈夫だ……悪いが、クーは外で見張っててくれるか?」
川;゚ -゚)「……あぁ。分かった」
クーを外へと追いやると、ドクオは再び槍を握った。
('A`)「さて、内藤さん……話が聞けないなら、少し痛い目見てもらいますよっと」
(;^ω^)「……」
彼は危険だ。命ある者なら誰でもそう感じるだろう。
内藤とて例外ではない。だが、内藤の後ろにはツンがいる。
自分だけが彼女を守ろうとしている。彼女が頼れるのは自分だけなんだ。
(#^ω^)「ふん……馬鹿言うなお! 話をする? んなことしてる場合じゃないんだお!
僕には守りたい者がいるんだお! お前らなんかにツンを殺させるかお!」
内藤の叫びに、ドクオは呆れたような仏頂面を見せた。
('A`)「勘弁してくれ…… お前の欲望の為の世界じゃないんだよ。
お前が何を想うかなんてどうでも良いさ」
ドクオがグングニルを解放する。紅刃の威圧が、内藤を怯ませた。
殺されるかも知れない。だけど、ここで自分が退いたらツンが死ぬ。
内藤は震える手で剣を握り直して、その軽さを不安がりながら、ドクオを睨んだ。
34 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 01:12:57.87 ID:AnQnzmZRO
喉元にカタカタ揺れ動く刃があっても、ドクオは汗一つ垂らさず話していた。
その語調も滑らかで、全く焦りが見えない。
('A`)「お前があの子供をそんなに守りたがる理由なんて見えてるさ。
お前が鬼なんか解放して何がしたいかなんてどうでも良い。ただ、彼女は危険だと分かればな」
赤い軌跡が剣を払った。柄を握っていた手が体の横に来て、じんじんと痛みだす。
(;^ω^)「……」
(#'A`)「俺にはな、どんなに短い一生でも、一緒に過ごしたい仲間がいるんだ……。
こんな所でお前の為に死んでやるつもりはさらさらねえ! 覚悟しろ、内藤!」
槍と剣の相性は悪いと、誰かが語っていたが、まさかここまでとは。
相手を舐めきった初撃くらいは躱せると思っていた。
そこだけが勝機だと、落ち着いて狙いに行ったはずだった。
(;゚ω゚)「っ!」
35 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 01:15:28.68 ID:AnQnzmZRO
('A`)「……よく外したな。だが、次で最後だ」
首から生温かいものが出てきている。触ってみると粘っこく、赤いあの液体だと分かった。
(;゚ω゚)「ちょ、ちょっとタンマ……」
('A`)「あ?」
二撃目に移ろうとするドクオに、右手を翳した。
(;゚ω゚)「話を聞こうか……それで文句は無いだろう?」
('A`)「……」
気まずい沈黙が流れる。血も流れる。あまり時間は割いていられない。
レイピアを窓の外へ放り投げた。
(;゚ω゚)「ほーら! 武器まで捨てたよ! これは内藤ブーン話し合うしかないですね!」
('A`)「……ふん」
床に手を着いている内藤目掛けて、ドクオの槍が振り下ろされた。
支援
37 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 01:17:47.11 ID:AnQnzmZRO
フローリングの床に、グングニルは立っていた。
('A`)「その言葉を待ってたぜ」
(;^ω^)「ど、どうも……」
翳していた右手を掴んで引っ張ってもらい立ち上がる。
落ち着いて確認すると、首元の出血もそう酷いものではないようだ。
椅子に座った内藤の目を見ながら、ドクオは口を開いた。
('A`)「そうだな……まず訊こう、お前は夢に出てくるカウントダウンを知っているか?」
( ^ω^)「夢に……何?」
(;'A`)「だろうな……そこは期待してなかったよ。簡単に言うとな、
何時だかお前を家まで送ってやったとき、変な影を見た。
その日以来、夢に女の子が出て来て「あと7日」「あと6日」とカウントをする。
そして今日が最終日、「あと1日」のカウントを受けた日だ」
(;^ω^)「はぁ……」
それが自分と何か関係あるのだろうか。内藤にはチンプンカンプンであった。
38 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 01:19:01.57 ID:AnQnzmZRO
('A`)「内藤、夢の中に出てくる女の子は、コイツ……お前がツンって呼んでる子なんだよ」
今の今まで気付かれていないと思っていたのか、
布団を掴んでいた手をビクッと震わせて、ツンはそっと顔を出した。
ξ゚听)ξ「……」
(;^ω^)「ツン、そうなのかお?」
ξ゚听)ξ「……えぇ」
淡々とした答えだった。別にこちらが多くを求めた訳では無いから良いのだが、
内藤はそこに空しさを感じて、少し寂しくなった。
('A`)「で、だ。これはどういう意味なんですか? ツンさん」
ξ゚听)ξ「……それは、私の寿命よ」
内藤はどうしようもなく泣きたくなった。
ドクオは予想外の返答に、しばらく返す言葉を失くしていた。
('A`)「……え、あんたの?」
ξ゚ー゚)ξ「そうよ。自分のものだと思った? バカね……」
少女の微笑みに、全身の力が抜けていくのをドクオは感じていた。
安堵なのだろうか、ため息をつきながらへたり込んでしまった。
39 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 01:20:13.11 ID:AnQnzmZRO
(;'A`)「……は、は」
( ^ω^)「分かって貰えたかお? 僕がどういうつもりか……」
ドクオはしばらく気が触れたかのように笑っていたが、急に落ち着くと内藤を睨んだ。
('A`)「いや、分からんな。何でこの子をそんなに護ろうとする?
どっちにしたってあの子は死ぬんだ。お前まで一緒に死んでやる理由は無いだろう?」
( ^ω^)「……」
内藤は目を伏せて、ドクオの威圧的な視線を逃れた。
彼の目を見ながら話せるような事柄では無かった。
( ^ω^)「……ごめんだお。目の前で消えてく命を放っておけないんだお。
僕は……ドクオに勝てるほど強くはないけど、ただ単純に彼女を守りたいんだお」
ドクオはしばらく「あー」とか「んー」とか言いながらうろついていたが、
内藤の思い詰めたように俯く姿を見て、ついに決意したらしかった。
('A`)「はぁ……お前は全く馬鹿なんだな。良いさ、好きにしてくれ。陰ながら応援してますよっと」
40 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 01:22:04.31 ID:AnQnzmZRO
('A`)「安全装置は外してある」
ホルダーから拳銃を取り出し、内藤の前に置いた。
ドクオはゆっくりとした足取りでドアのあったほうに向かっていく。
('A`)「引き金を引けば撃てるはずだ。お前にその勇気さえあれば、
もしかしたらその子を護れるかも知れない……」
川;゚ -゚)「おーい、ドクオ! 第一線があと一刻で到着する。もう行くぞ!」
階下からクーの声が響いた。
('A`)「! あぁ、分かった。じゃあな、内藤!」
適当に戸が嵌め込まれると共に、ドクオの姿は見えなくなった。
( ^ω^)「……」
真っ黒い銃を拾い上げ、しげしげと眺める。
辺りは、既に虫の声も聞こえず、自らの呼吸しか聞こえないほどに静かだった。
風が、楓を揺らした。葉がいくつも落ちていった。
( ^ω^)「……ツン?」
支援
42 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 01:26:48.49 ID:AnQnzmZRO
( ゚д゚ )「さて、創歌はここにいる……と思うのだが」
戸枠に寄りかかって、ミルナは明かりの付いた玄関ホールを眺めていた。
元より何一つ確証など無いのだが、ミルナは鬼が本当にここにいるのか不安になっていた。
村の保安官たるドクオとクーがここを去って凡そ一刻。
彼らが出て来た時は、作戦に気付かれたかと慌てたが、彼らはそのままどこかへ消えてしまった。
( ゚д゚ )(そこに創歌は居なかったのか、はたまた彼らが既にケリをつけたのか……。
迷っている時間は無いな。今すぐにでも突撃を仕掛けよう……)
( ゚д゚ )「よし、みんな」
壁から離れ、背中の戦斧を握ると、ミルナはそれを高く掲げた。
(´・_ゝ・`)「……」
( ∵)「……」
('、`*川「……」
ΩΩΩ「……」
兵たちが一斉に武器を構え、頷いてくれる。
神に抗う事など恐ろしいことではないと思えた。
( ゚д゚ )「行こうk……」
その瞬間だけは。
43 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 01:28:04.00 ID:AnQnzmZRO
みんなに小さく掛けた声は、気泡となって上の方へ昇っていく。
( ゚д゚ )(何……だ? 外で水計など、有り得ない……)
絶望感を得ながら、水面を目指す視界がどんどん暗くなっていくのが分かった。
( ゚д゚ )(そうか……これが、邪使と呼ばれる者の……力か……)
そしてミルナの体は力を失い、ゆっくりと遠い水面へ昇っていった。
その顔は、自らの過ちを認め、13階段を上る死刑囚のようであった。
次々と、意識を失った者が浮かんでいくのは、あまりに異様な光景だった。
何故、自分たちの周りには空気があるのだろうか。
('A`)「……俺が馬鹿だったよ。全く、何で奴を見逃したんだか」
ドクオは冷酷な嘲笑を浮かべた。空気溜まりの中央には、紅刃の槍が無造作に置かれていた。
川 ゚ -゚)「……すまんな、ドクオ。お前に掛けるべき言葉が見つからない」
むしれるような草も見当たらない。何に八つ当たりして良いのか分からずに、ドクオはクーを睨んだ。
44 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 01:30:14.35 ID:AnQnzmZRO
('A`)「なぁ、クー……まさかお前、こうなる事を分かってた、って事は無いよな……?」
川 ゚ -゚)「……」
('A`)「おい、クー……なんか言ってくれよ!」
クーの不自然な沈黙を誤魔化そうと、ドクオは必死に叫んだ。
川 ゚ -゚)「……すまない」
(#'A`)「っ! 「すまない」じゃないだろ!
お前は……一緒に暮らしてきた町人達の命を奪うにも等しい事をしたんだぞ!」
クーに掴みかかって、塀に叩き付けた。
獲物にかかろうとする猛虎のように、ドクオは息を切らしていた。
(#'A`)「何とか……何とか言えよ!」
川 ゚ -゚)「……ならば訊くが、私がドクオに洗いざらい話していたら、お前は皆を救えたのか?」
揺らめく水のテントに、鋭く頬を叩く音が響いた。
(#'A`)「救ったさ……絶対に、命に代えてもだな。あの元凶を討っていたさ。
俺はお前の希望を優先して、あいつを生かした……。
その結果が、この光景だ! 違うのか!」
川;゚ -゚)「!」
クーを丘の方向に投げ飛ばす。落ちた体がグングニルを弾き飛ばした。
45 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 01:32:05.65 ID:AnQnzmZRO
それと同時に、二人の前から空気は消えた。
僅かな空間を水が満たすのに、ほとんど時間はかからなかった。
('A`)(なっ……そんな……)
それがあまりに一瞬の事過ぎて、ドクオは一気に水を飲み込んでしまった。
(;'A`)(がっ……)
口から吐き出された最後の空気が去って見えたのは、じっと佇むクーの微笑みだった。
(;'A`)(俺は……このまま……?)
手が、足が、意識しないまま水を掻いていた。だんだんとクーが近くに来ている。
だけれど、ドクオが最後に意志をもって触れたのは、冷たいばかりの水だった。
川 ゚ -゚)(……虚しいな。人間の通信手段が言葉でなければ良かったのにな……)
いつしかクーも、体の芯まで染み渡るような冷たい水の中で、一人意識を失くした。
サルが怖くないのかwww支援
47 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 01:34:10.96 ID:AnQnzmZRO
浮力というのは複雑だ。
もっとツンの近くに居たかっただろうに、何故だか内藤は天井に張り付いている。
( ^ω^)(……ツン)
手を伸ばして届く範囲ではない。内藤はやがて諦めたらしく、大人しく天井に鎮座した。
( ^ω^)(ツンがどうしてこういう結論に至ったかは知らないお。
ツンはひょっとしたら、あの青い所から逃げて欲しかったのかお?)
内藤は、困ったように頭を掻いた。
僕は泳げないんだお、なんて。
こうして浮いていると、幽霊みたいだお、なんて笑いながら。
( ^ω^)(……でも、僕はツンのいない世界も、みんなのいない世界も御免なんだお)
だから、と内藤は空気を吐いて、そっと目を閉じて、何かを抱き締めるように腕を交差させた。
それっきり、内藤が何か行動をとることは無かった。
48 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 01:36:13.39 ID:AnQnzmZRO
続く ?
49 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 01:38:03.56 ID:AnQnzmZRO
あとがき
えー、以上で「( ^ω^)ブーンの中から目覚めるようです」はおしまいです。
そうです。処女作です。作・童貞です。いろいろと見苦しい点もあったようですね。
この作品についてなんですが、実際の所、これは童貞の考えたお話の序章ぐらいのもんなんです。
はい、続きます。まだまだ続きます。ですが、俺は一旦修行を始めることにしました。
自分が成長を感じたら、続きが始まると思います。
では、それまでしばしのお別れです。この度初体験を果たした童貞は普段総合に入り浸っているので、
何かあったら、気軽に呼んでください。
まとめサイトの花束さん、並びに読者の皆さん、ありがとうございました。
では、また会うときまで。 ◆WlNWAJKHjA
でも、このスレにもうちょっと居ます。
51 :
◆WlNWAJKHjA :2007/11/28(水) 02:01:51.95 ID:AnQnzmZRO
おー、どもです
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
よかったこれで終わりじゃなくて
乙