ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」
乙!
いちもつ!
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 21:07:34.74 ID:DDI/klGf0
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 21:08:52.34 ID:Usm5ie1ZO
乙です
いちもつ!
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 21:22:41.93 ID:E3nWAZnpO
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 21:25:53.94 ID:yx3MnSrw0
いちおつw
保守
今夜24時ジャストにちょっとしたSSを投下させてもらいますねー
一乙
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 21:48:03.81 ID:zUJgW933O
いちおつ
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 22:00:56.29 ID:Usm5ie1ZO
ほ
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 22:06:30.37 ID:I7H+R8YTO
あげ保守
都道府県スレにご注意を。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 22:10:32.88 ID:jqgVLr9RO
保守間隔短くしなきゃな
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 22:11:47.03 ID:pTLz1Z1RO
一体なんなんだこの騒ぎは
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 22:14:15.08 ID:H0aJsifY0
あげ。
ネタ浮かんだらなんか書く。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 22:14:37.10 ID:zUJgW933O
保守
hoshu
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 22:19:19.37 ID:H0aJsifY0
ほしゅ
保守。なんかすごい乱立してる?
何の騒ぎだこれはwwww
去年もやってたぜ。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 22:24:44.11 ID:H0aJsifY0
保守 都道府県すごい騒ぎ
自分の県が落ちまくっているのに萎えつつ保守
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 22:29:34.43 ID:I7H+R8YTO
保守
乱立中だけどスレの保持数が増えたおかげか、20分以上書き込みのなくても
落ちないスレもあったな。
保守
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 22:39:33.67 ID:OZoabwk90
保守
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 22:39:53.18 ID:H0aJsifY0
hosyu
ほしゅ
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 22:53:58.40 ID:B8NyaOan0
大阪スレが見当たらない保守
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 23:00:15.59 ID:H0aJsifY0
hosyusyu
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 23:05:31.45 ID:zUJgW933O
ほ
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 23:15:04.30 ID:ZHysFS9Y0
24:00に投下予定があるようですので、その前に投下して良いですか?
きゃもん
44 :
遠恋番外編1・GWの対決 ◆FQXicS41TE :2007/11/23(金) 23:16:54.25 ID:ZHysFS9Y0
第十話 対戦〜午後〜
休憩ブースを出た俺は、午前中とは逆にまず佐々木のブースへと向かった。順番というのもあるが、まずそれ
よりも「佐々木が何をやっているのか」が気になったからだ。佐々木のブースに近づくと、かなりの人集りが
出来ている。よく見ると……ん?これは行列か?って、行列?慌てて行列を横切り、その奥にある販売ブース
へ出た俺は、その光景に唖然とした。
そこにはどう見てもスペースが2倍以上になった佐々木ブースがあったからだ。饅頭を販売している場所とは
別に、試食会場というよりは簡易喫茶のような感じのスペースが出現している。その簡易喫茶の中を和服姿に
襷掛けをした佐々木と朝倉がにこやかに笑顔を振りまきながら飛び回っていた。そうか、先ほどの行列はこの
簡易喫茶に入るための行列か。
「やあ、キョン。どうだい?」
あまりの販売ブースの変貌に俺が簡易喫茶の入り口で呆けていると、そんな俺に気付いた佐々木がぱたぱたと
小走りに駆け寄ってきた。
おい、これは一体どういう事なんだ?何で販売ブースが広がっている?それにこの簡易喫茶は……??
「ああ、これはね。お隣さんが午前中で店終いするという事だったのでね。鶴屋さんに頼んでブースを広げて
もらったのさ。当初の予定とは違ったけど、ラッキーだったな」
午前中で店終いって……まさか朝倉が情報操作を……あ、今は出来ないんだっけ。じゃあこれは偶然なのか?
「何でも、昼過ぎの飛行機に乗らないと今日中に地元に帰れないんだとさ。羽田で乗り継ぎもあるらしいから
大変そうだったよ」
そっか。それは大変そうなことで……で、この簡易喫茶なんだが、これは一体?
「これもこんなに大きく場所を取るつもりはなかったんだ。昨日朝倉さんの煎れてくれたお茶がとても美味し
かったんで、お茶付きの饅頭試食+αで行こうと思っていたのさ。ただ、さっき説明した嬉しいハプニングで
スペースが広げることになった。そこで、急遽『購入した饅頭をその場で美味しいお茶と一緒に食べられる』
ように作戦変更したんだよ」
なるほどね。って、+α?まだ何かやっている事があるのか?
「それはね……朝倉さん、ちょっと来てくれ」
ぱたぱたと簡易喫茶の中を走り回っていた朝倉が、饅頭とお茶が入っているだろう紙コップと何か小さな物が
乗ったお盆を手にこちらへやってきた。
45 :
遠恋番外編1・GWの対決 ◆FQXicS41TE :2007/11/23(金) 23:17:48.79 ID:ZHysFS9Y0
「あ、キョン君!凄いのよ!午前中に比べて物凄く売れてるの!流石は佐々木さんのアイディアね!」
喜色満面と言った顔で興奮気味に話す朝倉は、佐々木にお盆を渡すとぱたぱたと簡易喫茶に戻っていった。
俺は佐々木の手の中にあるお盆の中を改めて見回し、その中にある+αを見つけた。
それは、ちんまりと盛られた色とりどりの『漬け物』の小皿だった。
赤はしば漬け、黄色はたくあんの細切り、緑は……大根葉の浅漬けか?それらの上に散らばっている黒のつぶ
つぶは紫蘇の実だろう。
全てほんの一口サイズの量しかないが、それはいかにも食欲をそそりそうな色合いだった。
「美味しいお茶と饅頭の組み合わせは確かに絶品さ。特に、朝倉さんの煎れてくれたお茶はこの鶴屋饅頭にと
ても良く合うんだ」
佐々木は、まるで推理小説の種明かしをする探偵のように語り始めた。
「ただ幾ら美味しいお茶との組み合わせでも、饅頭のような甘いものを食べると舌が麻痺して飽きてしまう。
だからまあ、一度に食べることが出来ても数個と言ったところが関の山だ。そこでこれ、お漬け物だ。これが
有れば舌に新しい刺激が加わって、また甘味を感じることが出来る。これでまた新鮮な味覚でこの鶴屋饅頭を
味わうことが出来るようになる。まあ、これが僕の考えたアイディアと言うことさ」
……確かに甘い物を食ったあとにしょっぱい物をほんの少し食べると、口の中がサッパリするからな。まあ、
そこら辺に気付いたのは流石と言うべきだろうか。
「佐々木さんゴメン、手が足りないわ!手伝って!」
朝倉の悲鳴のような声が聞こえると、佐々木は俺ににっこり笑って手を挙げた。
「じゃあ、僕は戻るよ。ああ、何ならブースの内側に饅頭とお茶とお漬け物を用意しようか?」
ああ、俺のことなら気を遣わんでも良いぞ。ブースの中から暫く状況を見物させて貰うわ。
「そうかい。では、ごゆっくり」
それだけ言うと、佐々木は簡易喫茶に戻っていった。
しえn
47 :
遠恋番外編1・GWの対決 ◆FQXicS41TE :2007/11/23(金) 23:19:09.24 ID:ZHysFS9Y0
ブースの内側から売り場を見物するというのは中々面白い物だ。
まず売り場で饅頭を注文し、空いた席に着く。そこに佐々木と朝倉がお茶と漬け物と饅頭の載ったお盆を配る
訳だ。ただし、食べ終わった後片付けは客がするという、まるでどこぞのセルフサービス形式の食堂だ。実際
お客の平均滞留時間は大体僅か10分ほどのはずだが、列に並ぶ客はどんどん増えていく。
中年の主婦グループや老齢のご夫婦の方々も見えるが、大半が男共だ。中には、何回も並んでいる猛者もいる
ようだが……まあ、確かに佐々木と朝倉の襷掛けした和服姿に一見の価値があるのは俺も認めざるを得ない。
でもな、なんつーか……オトコのサガだねぇ、などと達観したような顔で売り場を見物していた俺の目の前に
お茶の入った紙コップが差し出された。
「キョン君、どうぞ」
朝倉か。良いのか、こんな所で油売ってて。あっちはまだ大変そうだぞ?
「うん、でも佐々木さんがキョン君にお茶を出してあげてって」
そっか。流石に気がつくね、アイツは。じゃあ、遠慮なくいただくわ。
「お茶のお味はどう?結構自信があるんだけど……」
……あれ?この味は……最近どこかで飲んだような……いや、違うな。ちょっと違う。でも、とても懐かしい
味だ……って、これ朝倉が煎れたのか?
「そうよ。美味しくなかった?」
いや、そう言う訳じゃない。何だかどこかで飲んだような感じがしたんでな。気のせいだと思うが。
「……流石はキョン君ね。これ、あなたの先輩……朝比奈さんが煎れたお茶のデータを参考にしたの」
朝比奈さんの煎れたお茶?あれ?そう言えば長門も同じ事を言ってたよな?データベースがどうしたとか。
「ふふ、そういうこと。情報統合思念体のデータベースに、朝比奈さんが今まで長門さんに提供したお茶の
データが全て登録されているの。長門さんが登録していたんだけどね、それを参考にさせて貰ったわ」
ああ、なるほどね。そう言えばお前は、現在は能力は制限されているもののデータベースにはアクセスできる
とか言ってたもんな。
「長門さんは『2B−87682D−HARIGANE』を選んだみたいだけど、私は『4C−97824E
−GYOKURO』にしたわ。お漬け物とお饅頭の両方に合うのっていったらこれしかないもの」
……スマン、朝倉。お前の言っていることは俺にはサッパリ理解出来ん。だがまあ確かに、これは納得できる
旨さなのは間違いないぜ。
「ありがと。じゃあね」
朝倉はそう言うと素早く俺にウインクを飛ばし、再び売り場へと戻っていった。
しえn
49 :
遠恋番外編1・GWの対決 ◆FQXicS41TE :2007/11/23(金) 23:20:30.03 ID:ZHysFS9Y0
う〜〜む。
簡易喫茶に漬け物のアクセントに(複製)朝比奈印のお茶か。佐々木と朝倉が、午前中有る意味余裕だったのが
分かった様な気がする。これではハルヒブースは、午後の部はキツイかもしれないな。
そろそろ向こうに行ってみるか。
俺は紙コップに残った温いお茶を一気に喉に流し込み、ブースを出た。
ハルヒのブースに近づくにつれ、午前中に聞いたあの朗々とした売り口上ではなく軽快なポップスが聞こえて
きた。ん?なんだ?ハルヒのところも午後から作戦を変更したのか?。
しかし俺がハルヒのブースを目にしたとき、俺は頭を抱えてしゃがみ込んでしまった。
有る意味、先の俺の想像は当たっていた。斜め上の方向でな。
佐々木のところと同じように販売ブースの広さが倍くらいになっている。おそらく鶴屋さんの仕業だろうが、
まあそれはいい。だがその広がったスペースに居たものは、俺の想像を超える物だった……ってか、これって
何のコスプレ?もしかしてこっちでやっていないアニメか何かか?
バニースーツの上に燕尾服のような白いジャケット&白手袋。映えるようなラメの入った黒タイツが眩しい。
頭の両側に装着された、鶴の頭を象ったようなコサージュがキラリと光る。そんな格好をした美少女二人が、
CDプレイヤーから流れ出る軽快なポップスに合わせダンスを踊っていた。おそらく即興なのだろうが見事に
マッチしている……もちろん、ハルヒと長門だ。
曲が終わると、美少女達は取り巻いていた観客たちに決めポーズを取った。
おお、とどよめきが起こり拍手がわき起こる。
「お集まりの皆さんっ!まだまだ「つるまん」ダンスは続くわよっ!続きを見たいなら「つるまん」を買って
からねっ!お茶はサービスしてあげるから、一人最低5個は買いなさい!以上!」
ハルヒがそう宣言すると、うぉう!と何だか地鳴りのするような男どもの声があたりを振るわせる。
それと共に饅頭の販売ブースは都会の朝の通勤ラッシュ並の混み用を見せ始めた。
ハルヒは、その光景を見て満足そうに頷くと長門を引き連れて販売ブースの中に戻っていった。
先ほどから感じる目眩をあえて意識しないようにしながら販売ブースの中に入ると、そこには汗一つかかずに
お茶を紙コップに注いでいる長門と、汗だくに成りながらも自分のコップに注がれたお茶を旨そうに飲み干す
ハルヒが居た。
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 23:20:32.94 ID:8VXbbXs60
シアン化合物
51 :
遠恋番外編1・GWの対決 ◆FQXicS41TE :2007/11/23(金) 23:21:33.49 ID:ZHysFS9Y0
「……おい、何をやって居るんだお前は」
「あ、キョン!見てくれた?思ってたよりもキツイのよ、これ!」
「いやそれよりも、なんだこれは?何時の間にここはストリートパフォーマンスの会場になったんだ?」
「何言ってんの?昔から大道芸で客を寄せてから物を売ったりするのは、定番中の定番じゃない?アタシは
単にそれを現代風にアレンジしただけよ」
「大道芸ねぇ……それより、このコスプレ衣装はどこから持ってきたんだ?」
「ああ、これ?古泉くんが手配してくれたわ」
あの野郎、この案が出た時点で断れよ。せめて反対くらいはしろってんだ。『それは無理な相談ですね』と、
俺の頭の中の古泉はニヤケながら断言したがな。
「どう?凄い注目度でしょ?これなら佐々木さんにも勝てるわ!」
「……そうかもしれんが、これは『鶴屋家』の名前を貶めるようなことにはならないのか?鶴屋家は一応名家
なんだし、それは確か今回の勝負のルールの中にもあったような気がするんだが?」
「鶴屋さんは大賛成してくれたわよ?『鶴屋饅頭の販促用イメージキャラクターとして、採用しても良いかも
ねっ!』って言ってくれたし」
……鶴屋さん……あなたは面白ければ何でも良いのですか?
「あ、そろそろ次の講演の時間ね!じゃあ有希、行くわよ!」
「……了解」
次の講演て。お前はいつからミュージカルの出演者になったんだ?
そんな俺の突っ込みなど聞こえていないようなハルヒと長門は、俺を販売ブースの中に残したまま再び売り場
……いや、ダンス会場へと戻っていった。
先ほどのポップスとは違う軽快なユーロビートが流れ始めた。目の前ではコスプレ姿のハルヒと長門の完璧な
ダンスが繰り広げられる。ハルヒのメリハリのある軽快な動きにはやはり目を見張る物があるが、それを同じ
ようにコピーして踊っている長門も凄い。しかも、全く正反対の動作だ。動きだけを見ると、まるで鏡を見て
いるようだ。一つのユニットでのダンスとしては完璧だろう。
暫くハルヒと長門のダンスを見ていた俺は、改めてこちらの販売ブースを見渡した。
ポップな色合いの看板や何やらはともかくとして、集まっている客の数を見る限りこちらもかなり売れている
ようだ。しかも佐々木ブースの方には殆ど居なかった子供連れの客が目立つ。子供達は、目の前で繰り広げら
れているハルヒと長門のダンスをきらきらした目で見ていた。中には手足でリズムを取ったり見よう見まねで
踊り出している子供もいる。もちろん佐々木ブースに負けず劣らず男共も多いがな。
しえn
53 :
遠恋番外編1・GWの対決 ◆FQXicS41TE :2007/11/23(金) 23:22:41.54 ID:ZHysFS9Y0
曲が終わり、ハルヒの「つるまん買って!」宣言で一段落。男共の怒号はともかくも、子供や母親とおぼしき
女性達の黄色い声援を背中に受けながら、ハルヒと長門がブースに戻って来た。それと同時に俺は席を立つ。
「あれ?キョン、戻っちゃうの?」
顔に付いた玉のような汗をタオルで拭きながらハルヒが俺に尋ねた。長門もお茶を入れる手を止め、こちらを
向く。何となく二人とも寂しそうな表情になっているのは、俺の気のせいだろう。
ああ。実は、まだ昼飯食ってないんだ。なんつーか、お前らが心配で食えなかったんだよ。でも、大丈夫そう
だから、俺は休憩ブースに戻るわ。
「そう、判ったわ。あ、ついでに佐々木さんと朝倉に伝えて。勝ちは貰ったわ!ってね」
……その自信は一体どこから出てくるのだろうという根本的な疑問を頭の片隅に追いやり、俺はああ、判った
とだけ答え、ブースを後にした。
ハルヒと佐々木、どちらのブースもそれぞれに別の客層を掴み、それなりに売れているようだ。果たしてこの
勝負、どっちが勝つんだろう?などと考えながら俺は休憩ブースに戻った。机に突っ伏して虚ろな目で何かを
ぶつぶつ呟いている会長を横目に弁当置き場に目を向けたが、あれだけあった弁当が既に一つも残っていな
かったのは既定事項なのかもしれない。くそ、二日連続で昼抜きかよ……。
54 :
遠恋番外編1・GWの対決 ◆FQXicS41TE :2007/11/23(金) 23:23:42.78 ID:ZHysFS9Y0
第十一話 勝負の行方
物産展終了の16時が近づくにつれ、双方のブースの動きが慌ただしくなってきていた。残り時間で1つでも
多く販売をしなければならないからな。双方の売り上げ数を正確に把握しているのは鶴屋さんだけなのだが、
その鶴屋さんはさっきから姿が見えないが、そろそろ最終集計に掛かっている頃か。
俺は休憩ブースの中でやきもきしながら備え付けのお茶をちびちび飲んでいた。う〜ん、長門や朝倉のお茶を
飲んだ後だと何とも味気なく感じてしまうね。ティーバッグの緑茶をポットのお湯で煎れた物だから、これは
しょうがないことなのだが、こんな時こそ正真正銘、本物の朝比奈さんのお茶が飲みたいぜ。
「そろそろ販売終了ですよ。見に行かなくて良いんですか?」
俺の向かいに座っている呉服屋の若旦那……古泉は、0円スマイルを貼り付けた顔で聞いてきた。
そうだな……だが俺が行っても何の役にも立たんし販売を邪魔するようなことはしたくない。俺はここでこの
勝負の行方を見守るさ。
「そうですか……ところで、あなたはどちらに勝って欲しいと思ってるんですか?」
う〜〜ん、正直どっちにも勝って欲しいし、どっちにも負けて欲しくはない。
佐々木の方は「老舗の高級和菓子」という高級感を演出していたし、漬け物というアクセントをうまく使った
ことで、試食会場は凄い人気だった。特に、年配の方々がまるで自分の孫でも見ているような顔で、佐々木と
朝倉を見ていたのが印象に残った。
ハルヒの方は逆に、今まで「高級和菓子」には興味がなかった層を引き込んでいたな。若い親子連れって言う
のは、今まで「高級和菓子」には興味がなかっただろうから、そういった層にアピールしたのは凄いと思う。
特に子供と若い母親達を取り込んだのは、ある意味盲点だったかもな。
二人とも、よく頑張ったと思うぞ。だから、引き分けってのが俺的にはベストかな。
支援開始
しえn
支援
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 23:24:37.95 ID:8VXbbXs60
ブタシエン!
59 :
遠恋番外編1・GWの対決 ◆FQXicS41TE :2007/11/23(金) 23:24:38.25 ID:ZHysFS9Y0
そこまで話した俺は、こちらを真剣な目で見つめている古泉に気がついた。
……なんだ?何か言いたいことがあるのか、古泉?
「涼宮さんと佐々木さんが、何故こんな戯れの勝負事に拘っているのか、考えたことはありますか?」
ん?それはほら、お互いに負けず嫌いって言うか、意地の張り合いってヤツなんだろ?
「当たらずとも遠からずですが……では、何故涼宮さんと佐々木さんはその意地の張り合いをして居るんで
しょう?」
東京周遊チケットが懸かっているからじゃないか?女ってのは商品が懸かるとマジになるって言うしな。
「……間違っては居ませんが、彼女たちが意地を張り合っているのは、その商品が『ペアチケット』だから
なんです。あなたはそれを理解していない」
何故俺が理解する必要がある?例えどっちが勝ったとしても、俺には関係のない話だろう?
そこで、会話が途切れた。ふと古泉の方を向くと、哀れみと羨望と非難が混じった目で俺を凝視している。
「……本気でそう思っているのですか?」
気圧されるような勢いで問いつめられた。いや、待て待て。俺は何も変なことは言ってないぞ?確かに俺は
関係者ではあるが、この勝負に関しては部外者だ。張本人のハルヒが言ったんだ、お前も聞いていただろ?
「確かにそうですが、それでも僕は…………いや、良いです。ですが、まさかこれほどまでとは」
先ほどの気圧されるような雰囲気が跡形もなく消えた古泉はため息をついて腕を組む。
「勝敗の結果については、我々機関も関知していません。もちろん長門さんを始めとするTFEI達もです。
それでも……恐らくは、涼宮さんが望んだ形になると思います」
そうか、ならそれで良いじゃないか。有る意味、いつも通りだろ?
「それはそうなんですがね。相手が佐々木さんで無ければ、ですが……と、そろそろ時間ですね」
古泉が壁に掛かった時計を見る。俺もつられて時計を見たその時、物産展終了のアナウンスが流れ始めた。
支援
61 :
遠恋番外編1・GWの対決 ◆FQXicS41TE :2007/11/23(金) 23:25:41.14 ID:ZHysFS9Y0
「いやぁ〜〜〜、疲れた疲れた!めがっさ疲れたよっ!」
その言葉とは裏腹に、まだまだ元気一杯の鶴屋さんが休憩ブースに戻ってきた。お疲れ様でした、鶴屋さん。
「おお〜〜、キョン君!有り難とさんっ!キョン君のおかげで、売り上げ目標突破したよっ!」
それは何よりでしたね……って、俺のおかげですか?売っていたのはハルヒと佐々木と長門と朝倉で、俺は
何もしていないのですが。
「ふっふ〜〜ん、分からないなら良いにょろ!何はともあれ、鶴屋饅頭は来年もこの物産展に参加することに
なりそうっさ!あたしは来られないかもしれないけどねっ!」
そ……そうですか。ところで、あいつらはどうしました?
「ハルにゃんと佐々木さんかいっ?有希っこと朝倉っちと売り場の後片付けしてるよっ!もうそろそろ来るん
じゃないかなっ!……って、噂をすれば来たにょろ!お〜〜い、こっちこっち!」
俺が入り口の方を振り向くと、和服姿に襷掛けの佐々木と朝倉、バニースーツに燕尾服のハルヒと長門が丁度
入り口に姿を現したところだった。
「いや〜〜、みんなお疲れさまっ!とりあえず、ここに座って座って!」
ハルヒと佐々木にぶんぶん手を振った鶴屋さんは、俺の座っているテーブルを指し示した。
バニースーツに燕尾服というダンスの時の格好そのままで俺の右手側に座っているハルヒと長門。和服に襷と
いう姿で左手側に座っている佐々木と朝倉。その奥両側には古泉、会長、喜緑さんの姿も見える。で、俺はと
言えばテーブルの端、議長席のようなところにいるわけだ。え、何で?
「さあさあ、では結果を発表するよっ!じゃあキョン君、読み上げてっ!」
え、俺ですか?でも俺は今回は部外者みたいな立場ですから、脇の方で見てますよ。慌てて席を立とうとする
俺を、鶴屋さんは俺の両肩をがっしりと掴んで座らせ直した。
「何言ってるのかなっ?君が逃げちゃいけないにょろよっ!」
何言ってるんですか……そう言おうとして改めて場を見回すと、ハルヒと佐々木の射るような視線がこちらを
捕らえていた。なんだ?俺は確か今回は部外者のはずなんだが……まあ、しょうがないか。
俺はため息を一つつき、鶴屋さんを振り返った。
「結果を見せて下さい」
神人支援
63 :
遠恋番外編1・GWの対決 ◆FQXicS41TE :2007/11/23(金) 23:26:55.21 ID:ZHysFS9Y0
「では、発表します!まず、実売数!」
だららららら……と、鶴屋さんが後ろでドラムの真似をして盛り上げてくれる。ああ、いいですよ鶴屋さん。
そこまでしなくて。
「こんな時にはやっぱり効果音が無くっちゃねっ!キョン君は気にせずに発表してくれれば良いっさ!」
……そんなもんですか。気を取り直した俺は、目の前の紙に目を落とした。
「ハルヒブース、販売数644。193,200円!」
ほう、というため息とも付かない声が流れた。俺は続けてその下に書いてあった結果を読み上げる。
「佐々木ブース、販売数588。176,400円!」
よっしゃ!という声が俺の右手側から聞こえる。もちろんハルヒだ。奥の方を見ると古泉がほっとしたような
表情でこちらを見ていた。ただし、反対側の佐々木と朝倉は一瞬引きつったような顔をしていたが。
「こっちのブースは親子連れが多かったからね。一組のお客さんが幾つも買ってくれるのよ。あたしの狙いは
当たったわ。やっぱりこういうのは基本に戻らなきゃ!ね、有希?」
自慢げに感想を話すハルヒと、その脇で微かに頷く長門。お前はさっき大道芸がどうのとか言っていたが、
あれが基本なのかよ。
「確かに実売数では負けたけどね、まだ完敗した訳じゃないよ、涼宮さん?」
ハルヒの言葉を聞いた佐々木が、珍しく抗議の言葉を口にした。
「こちらのブースは主婦の方やお年を召された方が多かったんだ。その場で飲食されないで、お使い物として
購入された方も多い。手放しで喜ぶのは、次の結果を聞いてからでも遅くはないと思うんだが」
ハルヒに抗議の言葉を投げかける佐々木の隣で、朝倉がうんうん頷いている。
「こっちだってそれなりに予約・注文してくれる人もいたのよ?アンタのところに負けるとは思えないけど」
「それはこっちのセリフさ。まあ結果を聞けば、あなたにも理解できるだろうね」
火花を散らした二人の視線は、そのまま俺の顔を直撃した。
「キョン!さっさと結果を発表しなさい!」
「キョン!さっさと結果を発表したまえ!」
しえn
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 23:27:35.79 ID:8VXbbXs60
シエンドウ豆はさやえんどうが一番
支援
67 :
遠恋番外編1・GWの対決 ◆FQXicS41TE :2007/11/23(金) 23:28:04.00 ID:ZHysFS9Y0
「………え〜〜と、次に予約・注文数の発表です。まず、ハルヒブース」
ハルヒと佐々木の視線に焼き殺されそうになった俺は慌てて手に持っていた紙に目を落とした。
「10個パック5つ、18個パック7つ。総数176、52,800円」
ふふ、と微笑むハルヒ。既に勝利を確信したのか、俺に早く先を告げろとでも言うように視線を送ってくる。
それとは反対に、佐々木はいつもの平然とした顔ではなく真剣な顔をして俺を見上げた。
「佐々木ブース……10個パック7つ、18個パック9つ。総数232、69,600円」
え、と言うハルヒの驚いた顔。一瞬にして先ほどまでの余裕が無くなったようだ。だが佐々木と朝倉も唖然と
した表情をしている。奥に座っている古泉も、先ほどの0円スマイルのまま固まっていた。
計算の速いコイツらのことだ、結果がどうなったのかは理解して居るんだろう。
ハルヒ、佐々木、長門、朝倉、古泉、会長、喜緑さん……全員の視線が俺に集まる。
「最終結果を発表するよっ!ハルにゃんブースには合計820個売り上げて貰って246,000円!対する
佐々木さんブースも合計820個、246,000円!」
俺の後ろに仁王立ちした鶴屋さんは、この勝負の結果を朗々と読み上げた。
「従ってこの勝負、引き分けにょろ!ハルにゃん、佐々木さん、お疲れさまっ!」
唖然、呆然、愕然……その場にいた俺たちが浮かべていた表情は、そんな物では言い表せない物だったろう。
ただ一人、鶴屋さんを除いてな。
「えーと、つ、鶴屋さん?」
いち早くハルヒが混乱から抜け出し、鶴屋さんに問いかけた。
「ん??何かなっ?言っとくけど、数え間違いはないからねっ!厳正な数量計算で出てきた結果だよっ?」
「そ、そうなんだ……じゃ、じゃあ、ご褒美はどうなるの?東京周遊3日間の旅・ペア宿泊券は?」
「ん〜〜、そうっさねぇ……」
ハルヒと鶴屋さんの会話に聞き入っていた俺がふと周りを見渡すと、会長と喜緑さんの姿は既に無く、その
代わりハルヒと鶴屋さんの会話に真剣に聞き入っている佐々木、長門、朝倉、古泉の姿が俺の目に飛び込んで
きた。全員爛々と目を光らせ、ハルヒと鶴屋さんの会話を一言も聞き逃さないように、耳を欹てている。
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 23:28:20.66 ID:H0aJsifY0
しっえーん↓
支援
支援にょろ!
71 :
遠恋番外編1・GWの対決 ◆FQXicS41TE :2007/11/23(金) 23:29:04.40 ID:ZHysFS9Y0
暫く考え込んでいた鶴屋さんは、ぱっと顔を上げた。だがその顔にはいつもの笑顔は無く、真剣な光が宿って
いた。
「勝負の結果が引き分けだから、昨日約束したご褒美をあげるわけにはいかないねぇ!それはハルにゃんも
佐々木さんも分かってくれるよねっ?」
「……そ、それは分かってるけど……」と、諦めきれない様子のハルヒ。
「……悔しいが、そう言う約束だったからね」と、複雑な表情の佐々木。
確かに引き分けでは件の『ご褒美』とやらは貰えないだろうな。
ただ……ハルヒも佐々木もあれだけ頑張ったんだ。お互いに作戦を立てて、それぞれ全く違うアプローチで、
この地域には全く知名度のない『鶴屋饅頭』を、当初の売り上げ目標を達成するほど売り込んだんだ。それを
幾ら引き分けとはいえ「お疲れさまっ!」の一言では終わらせて欲しくないよな。
そんな顔をしていた俺の顔を覗き込んだ鶴屋さんは、まるで俺の考えを読み取ったような顔でウィンクした。
「でもねっ!うちの商品を頑張って売ってくれたみんなに、な〜んのお礼もしない程、あたしは恩知らずじゃ
ないよっ!」
悲痛な沈黙に支配されたような休憩ブースを打ち破るように、鶴屋さんの明るい声が響いた。
「今回の販売応援に参加してくれたみんなに、ささやかなお礼をしたいと思うっさ!」
ん?と全員が顔を上げる。鶴屋さんはそんな俺たちを一通り見回してから佐々木に問いかけた。
「佐々木さんと朝倉っちは、まだ時間あるかなっ?」
「は……ええ、大丈夫です」
「ええ、大丈夫よ」
突然の問いかけに、お互い顔を見合わせながら答える佐々木と朝倉。それを見て「うんうん」と大きく頷いた
鶴屋さんは、今度は古泉に目を向けた。
「古泉くん?君たちは確か今日の夜行で帰るって言ってたよねっ?」
「……ええ、その予定です」
「実はね、あたしもその夜行で帰るんだよっ!だから……」
支援
支援
すえん
75 :
遠恋番外編1・GWの対決 ◆FQXicS41TE :2007/11/23(金) 23:30:04.01 ID:ZHysFS9Y0
鶴屋さんはそこで再び皆を見回して宣言した。
「時間までご飯でも食べようじゃないかっ!場所はもう押さえてあるよっ!もちろん、み〜んなあたしの奢り
だからさっ!何でもかんでも食べ放題っ!あ、お酒はダメにょろよ?……まあちょろっとなら良いかなっ?」
その言葉に真っ先に反応したのは長門と朝倉の両TFEIだった。
「……行く」
「じゃあ、着替えてくるわ」
椅子を揺らして立ち上がる2人。おい、お前ら昼にあれだけ食ったのに、まだ食う気か?
「……そうね。終わったことをくよくよしてもしょうがないわ。アタシも行く」
「既に結果が出てしまったことだし、今更悩んでもしょうがないというのは僕も同感だ。僕も行くとしよう」
あっけにとられた俺が休憩ブースを出て行く長門と朝倉の後ろ姿を見送っていると、ハルヒと佐々木も立ち
上がった。
「じゃあ、決まりだねっ!着替えたら裏の従業員出入り口に集合っさ!ハルにゃんと佐々木さん、悪いけど
有希っこと朝倉っちにも集合場所伝えてねっ!」
ぱんぱんと、鶴屋さんはまるで小学生の遠足を引率する教師のように合図をする。それにつられるように俺と
古泉も席を立った。
……そうだな。俺たちもさっさと着替えようか。
女性達が従業員用の更衣室に向かうのを見送り、俺と古泉は休憩ブース脇の簡易更衣室で着替えを始めた。
「なあ、古泉」
「なんでしょう?」
しゅるしゅると帯を解きながら俺は隣の更衣室にいる古泉に話しかけた。
支援
支援
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 23:30:55.57 ID:G0SeNla5O
79 :
遠恋番外編1・GWの対決 ◆FQXicS41TE :2007/11/23(金) 23:31:02.23 ID:ZHysFS9Y0
「お前としては納得のいかない結果だったんじゃないか?」
「……そうですね。まさか、引き分けになるなんて夢にも思いませんでした」
「俺としては希望通りというか、願ったり叶ったりってところだが……」
「ええ。そうですね。でも、この結果を涼宮さんが望んだのでしょうか?」
「分からん。つーか、お前は俺よりもアイツの考えを理解出来るんじゃないのか?ハルヒが望んだからこそ、
この結果になったんだろ?違うのか?大体、それはお前が言ったことだぞ?」
「分かってますよ。だからこそ、夢にも思わなかったと言ったんです」
「まあ、ハルヒも佐々木もお互いのことを認めた、だからこんな結果になった……と、こういった解釈で良い
んじゃないか?あんまり深読みすべき事じゃないと俺は思うぞ」
「……確かに現時点では、それが一番納得のいく回答ですね」
先ほどまで着ていた和服を丁寧に畳み、側にあった脱衣かごに入れる。シャツを身につけ、ジーンズを履く。
簡易更衣室のカーテンを開けると、それとほぼ同時に古泉も隣から出てきた。
「……閉鎖空間は発生していないようです。やはり、涼宮さんはあの結果で納得されているようですね」
「そっか。アイツも大人になったと言う事さ」
「やはりあなたの方が涼宮さんのことを、より理解していらっしゃると言うことですかね?」
「何のこった」
「いえ……それより、早く行かないと、また涼宮さんの機嫌が悪くなってしまいます。さ、行きましょう!」
俺たちはそそくさと、まだ喧噪の残る休憩ブースを後にした。
その後、鶴屋さんが押さえてくれた駅前の高級イタリアンレストランの支払いが果たして幾らになったのか、
俺は知らない。ただ、俺たちが店を出るときにキャッシャーの方から「……にょろ〜〜ん」という呆然とした
声が漏れ聞こえてきたのは俺の聞き間違いではない、と思う。
ご馳走様でした、鶴屋さん。
支援
支援
支援にょろ!
支援
84 :
遠恋番外編1・GWの対決 ◆FQXicS41TE :2007/11/23(金) 23:32:05.76 ID:ZHysFS9Y0
第十二話 そして日常へ
翌日。
GW明け、久々の教室の自分の席で朝っぱらから俺は頭を抱えていた。あー、別に何か懸念事があった訳では
ない。朝起きたら、頭の中で重量級力士が四股を踏んでいただけ……早い話が単なる二日酔いだ。
「おはようキョン君……具合でも悪いの?保健室行こうか?……あら?この臭い……」
俺が席に着くのと同時に前の席の朝倉が心配そうに声を掛けてきたが、俺の周囲にほのかに漂う熟柿のような
臭いに顔をしかめた。ジト目で俺を見る朝倉に、俺はかすれた声で「大丈夫だから」とだけ答えた。
この状態で保健室になんぞ行ったら、下手すると停学になっちまうからな。
昨日の夜、鶴屋さん主催の打ち上げ会があったのだが、そこで「一杯だけ」と言う約束で出された口切りの
ワインで「乾杯」したのが拙かった。止めを刺したのはの後のワインの追加の方だろう。俺はワインの値段
など知らないし知りたくもないが、あれだけの本数を開けたらと相当な値段になるだろう事は容易に想像が
つく。会計が終わってレストランを出た後の鶴屋さんは、かつて長門に情報連結解除を宣言された後の朝倉の
ように呆然としていたからな。もっとも、何やら古泉が耳打ちした後は、徐々に普通に戻っていったが。
それよりも、良い具合に酔いが回ったのだろうと思われるハルヒと佐々木が、駅に向かう道すがら口論じみた
恋愛談義をしていたのは驚いた。正直俺は飲み過ぎて幻覚でも見ているのかと思ったほどだ。大体「恋愛感情
なんて精神病の一種」と公言していた二人が「恋愛談義」をしているだけでも、俺はこれは夢の世界なのかと
勘違いしてしまいそうだったのに、その恋愛談義の端々に何度も「キョン」という俺の事を指すのであろう
固有名詞が出てくるのを聞くと、俺はもう恥ずかしいのを通り越して妙な笑いがこみ上げて来ていた。
鶴屋さんや古泉や長門、朝倉の生暖かい視線がハルヒ達と俺の間を行ったり来たりしていたしな。
まあハルヒに関しては、転校直前の件があったからある程度想像は付くが、佐々木は一体どんなことを話して
いたんだろ?何となく興味が湧く話ではあるが、多分あいつに言っても絶対に話してはくれないだろうな。
「……おはよう、キョン、朝倉さん」
頭の痛さを忘れるために昨日の夜のことを色々と思い出していた俺は、ふと掛けられた声にズキズキと響く
頭を無理矢理後ろに振り向かせると、そこには苦虫を噛み潰したような表情の佐々木が自分の席に着くところ
だった。
支援
支援
しえn
88 :
遠恋番外編1・GWの対決 ◆FQXicS41TE :2007/11/23(金) 23:33:06.84 ID:ZHysFS9Y0
「……今日ほど学校を休もうと思った日はなかったよ、キョン」
なんだ、お前も二日酔いか?俺はそう言って、改めて佐々木の顔を見る。色白の佐々木の顔が、更に青白く
見えると言うことは、余程調子が悪いのだろう。
「……お前も、と言うからには君も御同類のようだね?しかし噂には聞いていたが、二日酔いというものが
こんなに辛いとは思っても見なかったな。今朝、僕はもう二度とお酒は飲まないと心に誓ったよ」
はあ〜〜と、ため息を漏らす佐々木。ああ、そうだな。その考えには大いに同意するぜ。
「ところでキョン、ちょっと聞きたいことがあるんだが……実はレストランで、涼宮さんにワインを無理矢理
飲まされてから記憶がないんだ」
……は?そうなのか?じゃあ、もしかしてレストランを出た後は全く覚えてないのか?
「ああ、だから気がついたときには僕は自宅のベッドの上だった。キミが送ってくれたのかい?」
まあな。だが佐々木、お前はあまり酔っぱらっているようには見えなかったぞ?あいつらを見送って駅前から
こっちに戻ってきた時も、俺や朝倉と普通に会話していたし、お前の家の前で解散した時だって、いつも通り
だったしな。
「そうか……ところで僕はレストランを出た後、何か妙なことはしでかしていなかったかい?」
……妙なことねえ……例えばどんなことだ?
「ん……ああ、いや。何もなかったなら良いんだ」
目線を俺から逸らす佐々木。おそらく佐々木はハルヒと恋愛について激論を交わしていたなんてことは、全く
覚えていないのだろう。『実は昨日の夜、お前とハルヒは夜行の発車時刻まで延々と恋愛談義をしていたぞ』
なんて本当のことを教えたら、下手すると佐々木の自我が崩壊しかねんしな。本人も自覚がないようだし、
ここは武士の情けで黙っておいてやるかね。
支援
支援
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 23:33:48.41 ID:8VXbbXs60
シエンド!
92 :
遠恋番外編1・GWの対決 ◆FQXicS41TE :2007/11/23(金) 23:34:04.53 ID:ZHysFS9Y0
GW明け初日の午前中の授業を久々の睡眠学習で過ごした俺は、昼休みになってようやく生気を取り戻した。
佐々木も午前中は集中力が途切れてかけていたようだったが、午後にはいつもと変わらぬよう授業に集中して
いたようだ。そんなこんなで、授業が終わる頃に俺と佐々木はやっと普段の調子を取り戻していた。
「じゃあ帰ろうか」
「おう」
鞄を手に持ち、俺と佐々木は席を立つ。えーと、今日は月曜日だから朝倉先生の日か。そう思いながら朝倉の
方を見ると、朝倉は席に着いたまま何かを取り出し一生懸命書き込んでいる。ん?それはクラス日誌か?
「……うん、4月分のクラス日誌のまとめ。これ今日まで出さなきゃいけなかったんだけど、まだかかりそう
なの。だから」
朝倉はこちらを振り向き、すまなそうな顔をして手を合わせた。
「キョン君ゴメン、今日行けなくなっちゃった」
「そう言うことなら仕方ないさ。でも、僕もこれから塾に行かなければいけないし……じゃあ、キョン」
佐々木は俺の顔を見ながら言った。
「今日は自習と言うことにしよう。ただし!サボって良いと言うことではないからね。GW直前まで僕と朝倉
さんが教えた内容の復習をしたまえ。いいね!」
俺の鼻先に右の人差し指を突きつけ、左手は腰に添える。あー、あのな。誰かを思い出すから、そのポーズは
やめろ、佐々木。
学校前に止まっている旧市街行きのバスに佐々木が乗り込んだことを確認した俺は、自宅へと歩き始めた。
それにしても自習か。初めてだね、こんなのは。確かにGWに色々あったせいで、忘れているものもあるかも
しれんしな。一応今日は、真面目に今まで二人から教わって来たことの復習をして、早めに寝るとしようか。
そんなことを考えながら家に着いた俺は、リビングにいたお袋に「今日の家庭教師はお休みだそうだ」と一言
告げた。「今日涼子ちゃん来ないの〜〜??」という妹の不満そうな声を背中に、俺は部屋へと戻った。
部屋に入り制服を脱ぎ捨てて部屋着に着替えた俺は、とりあえず机の上に置いてあった携帯を開くが、電源が
切れていた。ああ、そう言えば昨日の夜電源切ったままだったっけ。今朝はそれどころじゃなかったしな。
電源を入れて少し経つと、着信音と共にメールが届いていることが表示された。
メール着信2件。どちらもハルヒだった。
支援
支援
支援
96 :
遠恋番外編1・GWの対決 ◆FQXicS41TE :2007/11/23(金) 23:35:03.61 ID:ZHysFS9Y0
「本当に楽しかったわ。おやすみ」
「無事に着いたわ。アタシ達はこれから学校だけど、アンタもちゃんと行きなさい」
時間と文面から考えておそらく夜行列車内からのメールと、今朝到着した駅からのメールだろう。
意外とマメだね、アイツは。
返信のメールでもと思ったが、ふと思い直して直接電話を掛けることにした。んー、まだ団活中の時間かなと
思いつつ、俺は携帯のメモリーを呼び出す。
以前のハルヒなら1コールもしないうちに出るのだが、今日は中々出ない。10コールを数えた辺りで出た。
「もしもし」
「キョン?どうしたの?」
「……いや、お前メールくれたろ?だから、何となく電話したくなってさ」
「ふうん。アンタらしくないわね」
ふと、電話口のハルヒの周りが騒がしい事に気付いた。何というか、喧噪がこちらに漏れ聞こえてくる。
「お前今どこに居るんだ?部室じゃないみたいだが」
「……駅前よ。ちょっと参考書を買いに行こうと思ってね。昨日の今日でしょ、だから団活は休みにしたの」
「そうか。ところで、お前は今朝は大丈夫だったのか?」
「今朝?全然オッケーよ?久々の気持ちいい目覚めだったわ!」
「……いや、実は俺、今朝二日酔いでさ。おまえはどうだったのかと思ってな。こっちは酷かったんだぜ?」
「だっらしないわねー、あの位で。有希だって全然大丈夫だったのよ?」
「長門が平気なのは分かっているさ。古泉はどうだった?」
「……言われてみれば、少し青い顔をしていたような気がするわね……あ、それよりアンタ、何で日中携帯に
出ないの?」
「今の学校は携帯持ち込み禁止なんだ。だから、日中は家に置いてる。だから、日中掛けられても出ることは
出来ん」
「はあ?何時の時代の話なのよ、それ?」
「しょうがないだろ、校則で決まってるんだからさ。だから、メールの方が確実だな」
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 23:35:27.50 ID:8VXbbXs60
Si en do monfole
98 :
遠恋番外編1・GWの対決 ◆FQXicS41TE :2007/11/23(金) 23:35:52.95 ID:ZHysFS9Y0
「そっか、分かったわ。でも、偶には今日みたいに掛けてきなさいよ?」
「そうだな。時々はハルヒからも掛けて来いよ。こっちからだけだと、流石に辛い」
「でもアンタ、夜も電源切ってるじゃない?」
「夜って言うか、勉強中は『気が散るから携帯の電源を切っておけ』と、佐々木と朝倉からのお達しが出てる
んだ。だから、あいつらとの勉強が終わる夜の10時以降だったらOKだ」
「……ふうん。ところで、アンタ頑張りなさいよ?佐々木さんや朝倉にも迷惑掛けてるんだから、大学に合格
しないと死刑だからね!」
「分かってるよ。俺だって頑張ってるんだぜ。その、おまえと約束したからさ」
一瞬、会話が途切れた。携帯の向こうからは、駅のアナウンスが聞こえてくる。
「どうした?」
「……バカ、何でもない!じゃあ、そろそろ電車が来るから切るわ」
「ああ、そうか。無駄話して済まなかったな」
「全くよ……勉強頑張って。じゃあね」
その言葉と共に、携帯は切れた。
やれやれ。
俺はいつものセリフを口にしながら、改めて自分の机を見回した。
佐々木と朝倉お手製の高校一年生レベルの問題集と、それらの回答と解き方が記載されたノート。目の前には
古泉から貰ったノートパソコンと北高時代の1,2年の教科書がある。
俺はまず勉強をする前に必ず行う儀式、つまり勉強机のライトに引っかけられたハルヒのカチューシャに手を
合わせた。
「神様仏様ハルヒ様、なにとぞ志望大学に合格できますように」
暫く拝んだ後、俺は佐々木と朝倉が用意してくれた高校一年生の問題集を取り出し、最初のページを開く。
さて、やるか。
99 :
遠恋番外編1・GWの対決 ◆FQXicS41TE :2007/11/23(金) 23:36:16.20 ID:ZHysFS9Y0
以上で「遠距離恋愛番外編1・GWの対決」終了です。
実はこれ、本来ならば本編内に入れていたエピソードの一つなんですが、思いの外長くなってしまったので
本編投下時には泣く泣くカットした物です。もちろん、今回番外編として投下するにあたってかなり変更を
加えました。とりあえず、蛇足にならないようにしたつもりです。
多大なる支援、有り難うございました。
では、また!
支援
支援
乙
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 23:38:53.08 ID:8VXbbXs60
小津!
保守代わりに、先週も書いた歴史物をやってみたのだが収拾がつかなくなったww
どうしよっかなあ・・・
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 23:39:55.19 ID:GENBpkYF0
乙
本編見てたときから思ってたけど、これってハルキョンモノに見せかけた佐々キョンSSだよなぁ。
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 23:45:06.41 ID:zUJgW933O
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/23(金) 23:48:55.89 ID:iNOUyrXhO
佐々木の悲恋といった面では佐々キョンものにありがちなやつだけど今回の場合本質的にはハルキョンだろう
ああ、今回はそうでもなかったけどハルキョンにしてはハルヒの出番少ないなぁ、と思って
なんてゆうか、すまんかった
112 :
111:2007/11/23(金) 23:57:10.58 ID:yx3MnSrw0
てゆーか、キョンのハルヒに対する態度が、告白した男のそれに思えないんだよな。
>>113 キョンフィルターをなめてもらっては困るw
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 00:00:51.53 ID:LOaTXuNrO
wktk
やあ皆さん、朝見ている方へ、おはようございます。昼間見ている方へ、こんにちは。夜見ている方へ、こんばんは。今仕事から帰って来た方、お疲れ様です。今閉鎖空間で戦ってる同士の皆さん、頑張ってください。
今から寝る人へ……って、あ、長いですか? どうもすみません、冒頭部分の語り方がいまいちよく解からないもので……では気を取り直して。
皆さんこんにちは。SOS団副団長に加え、『機関』の一員で超能力者であるというステータスを持った男子高校生、古泉一樹です。
実は今日の話に”彼”は出てきません。つまりあの彼のような喋り方がない、まるで鳥の骨のように中がスッカラカンな話になってしまうこと請け合いですが、どうかそこらへんは大目に見てくれたら光栄に思います。
ですので必然的に――まあ僕も結構な重要人物ですから――僕が語り手をさせていただくことになりました。はい? 何故彼が出てこないかって? そりゃあ当たり前ですよ。なんたって今日は、『機関』内でのお話ですからね。
説明するより見せた方が早いでしょう。百聞は一見に如かずです。では今日僕が体験した話を、ちょっとだけ鑑賞して頂きましょう。
「……で、何なの? 古泉。」
「僕に訊かれても困りますよ、僕だって何も知らされていませんから。」
「じゃあなんで古泉の家に集合なわけ?」
「だから、知りませんてば。」
今、僕の家のリビングで二人っきりで話している相手はそう、同じ『機関』での同士、森園生さんである。あ、喋り方ですか? 普段はこうなんですよ、女性なんだからもう少し清楚な感じの喋り方にして欲しいものです。
「古泉、何か言った?」
「い、いいえ何も。」
怒る時も怖いんです。僕の中での、一種のトラウマでもあります。
「それで、何でわたしを呼んだの? せっかくの休みだっていうのに。」
あなたは人の話をちゃんと聞いているんですか? 僕だって知らないって、さっきからあれほど……
「そんなの意味分かんないじゃない。誰かにわたしを呼べ、とか言われたんじゃないの?」
「ええ、新川さんに。」
「……それを教えなさいって言ったんでしょーがっ、このバカ古泉!」
うわ、そんなに怒鳴らないでくださいよ。鼓膜が破れたらどうしてくれるんですか。
「あ、そういえばね。鼓膜って、破れても1ヶ月くらい経てば治るらしいわよ。」
「へえ。」
「…………」
「…………」
「何!? この空気! もうちょっと面白いリアクションしなさい。わたしが馬鹿みたいでしょ!」
もうこの人滅茶苦茶です。ずいぶんと疑問符が多いし、なんだか辛い……長門さんも呼べば良かった。
「それで、新川も来るんでしょ? まだなの?」
「もう既に来ているはずの時間なんですが……おかしいですね。」
「……さっきから、ここに居ますよ……」
う、うわわっ!? ちょっと新川さん、僕の首筋に吐息を吹きかけるように喋らないでくださいっ! 背後からの登場も、これからは禁止です!
「いつから居たの? 新川……」
「森が来る前から居ましたよ……ずっと気付いていくれなかったから、寂しかったのです。」
それなら一言声をかけてくれればいいのに……影薄いなあ。
「それで、話があるなら早く本題に移ってくれない? わたし、これからちょっと用事があるんだけど。」
僕だって長門さんと会う約束があります。手短にお願いしますよ、新川さん。
「やはり……気付いていないのだな……」
「はい?」
「今日が何の日か……全く覚えてないのだな2人とも……!」
「今日が何の日か? ええっと、そういえばイヴの日の丁度1ヶ月前ね。で?」
「あんまりですぞ2人ともぉっ! 今日はわたしの、誕生日ではないかぁっ!」
……失礼かとは思いますが――僕のキャラ的にもこんな言葉は不適切だと思いますが――、言わせてもらいますね。
「「知るかっ!」」
僕と森さんの声がシンクロしました。シンクロ率200%です。……それはさておき、ちょっと言い過ぎたでしょうか。新川がとてつもなく可哀想な顔をしています。
「『機関』結成の時に皆で自己紹介をしたではないか! ちゃんと名前と誕生日と、趣味とか特技とか、好物や週末の過ごし方などなど! しっかりと教えあったではないか!」
「あのね新川。わたしは過去は見ないことにしてるの。わたしは未来だけを見続けてやってきたのよ、だから覚えてないわ。」
まるで涼宮さんのような志ですね。涼宮さんと気が合うのではないでしょうか、森さん。……ってあああ、新川さんの哀愁の表情がMAXに達してしまいそうですよ。
「あ、新川さん、これからお祝いしましょうか、ねっ?」
「こ、古泉……」
「気付けなくてどうもすみません。僕でよければ、一緒にお誕生会をしていただけますか?」
「おお、そう言ってくれるか古泉!」
ふふふっ、今の僕、良かったですか? 好感度の滝登りですねこれはっ! ……いやいや、気をしっかりと保て古泉一樹!
「まあそんなことなら仕方ないわね。わたしもお祝いするわよ新川。」
「感謝感激ですぞ、やはり2人を信じていて良かった……!」
さっきの顔とは一変、涙腺を震わせそうな表情になった新川は僕の手を握り締めてブンブン腕を振り回してきます。ちょっと痛いですよ、それに少し汗ばんでる……?
と、ここで僕の着ているジャケットの内ポケットが振動しています。メールが着たようですね、ちょっと失礼して。
メール1件 長門さん
件名:確認
本文:今日は予定通りに行ける? ……会える時が待ち遠しい。
1時からでも大丈夫?
長門さんからのメールです! 即座にメールを返信。1時からでも、大丈夫ですよ……っと。ふふふ、僕も待ち遠しいです。
ちょろっとテレビの方に目をやると、あの国民的お昼の番組、『笑っていい○も』がやってます。テレフォンショッキ○グですか、今日のゲストはあの方なんですね……ってありゃれあれーっ!?
ちょっと、今12時30分じゃないですか! 待ち合わせ場所に行くには20分程度かかるし……まずいまずい、緊急事態です! あ、メールだ。
メール1件 長門さん
件名:了解
本文:解かった。楽しみにしてる。
なんとっ、長門さんがもう楽しみにしちゃってます、これは絶対に裏切れぬ約束! っく……ここはやはり!
「『解かった。楽しみにしてる』? 何これ、古泉の彼女? ああしかも、これ長門有希じゃない!?」
森さん、人の携帯を盗み見るものではありませんよ! これは人としてのマナーです!
「どれどれ? 『会える時が待ち遠しい』だって、熱々じゃない古泉!」
しかも勝手に画面を操作されてしまいました。全くもう、どこまでエチケットがないんですかあなたは!
って、そうこうしてる間に33分! 長門さんを待たすわけにはいきません!
「すいませんお2人共! 僕は急用があるのでこれで!」
「なっ、古泉……!?」
「あれ、もうこんな時間だったの? さっきも言ったけど、わたしも用があるの! ごめんね新川!」
「え、あれ……うそ?」
「とりあえず僕は行かなければならないのでっ! 新川さん、別にここに居てもいいですけど、帰る場合は鍵を閉めて行ってくださいね、鍵はここに置いておきますから。」
「じゃあね新川、また任務の時にでも。」
「そ、そんなぁ……。」
ああ、間に合うかどうか心配です! とにかく急がなければ!
「古泉っ、せめてケーキでも買って来てはくれまいか!?」
「ええ、解かりました!」
ガタン、と扉を閉めて待ち合わせ場所に向かう僕。新川さんには……また後日、謝っておくことにしましょう。とりあえず今日のところは諦めて帰っているでしょうから。
……だから、僕は驚きました。長門さんとのいわゆるデートから帰って来て、家の鍵が空いてると思ったらリビングに体育座りで新川さんがポツンと座っていたんですから。思わず変な声を出してしまいました、てっきり幽霊かと。
「古泉、お帰りなさい……」
「あ、ただいま帰りました。」
「ケーキは……?」
「…………あ。」
新川、ケーキ、待ち合わせにて end
------------------------------------------------------------
……と、いうことで今日は新川の中の人、大塚明夫さんの誕生日です。
大塚明夫さん、お誕生日おでめとうございますw
初めて新川さんに萌えたwwwww
GJ!
大塚明夫さん、誕生日おめでとうございます!
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 00:05:24.32 ID:LOaTXuNrO
新川さん切ねぇ!w
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 00:05:25.85 ID:qI47QhTT0
おめ〜!!!
大塚さん好きっさ!!!
乙〜
さて次は誰なのか。あえて調べずにいよう。
GJ!!
流石スネーク、気配を殺すのが巧い
でも可哀相wwww
hosyu
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 00:19:45.62 ID:VF+av6PtO
森さんに萌えた俺はダメ人間
新川さんかわいそうwwwwwwでもGJ!
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 00:37:11.11 ID:owHuW5x30
保守
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 00:44:25.07 ID:+3oGYp+kO
保守
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 00:50:40.79 ID:PsgnT1o00
ねるほ
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 00:59:21.23 ID:owHuW5x30
保守
只今書きだめ分80kb……
時々思うんだが、超長編をほぼ全部書き上げてから投下する人って稀だよな
ねるほ
プリンでは稀かもな。
>>134 そうかな?
微笑とか◆Etq65eJh4c氏の超長編とか長門有希の憂鬱とかは完成後に投下されているし、
遠恋も8割方完成していたことを考えると、意外と完成後投下の人の方が多いような気が。
137 :
136:2007/11/24(土) 01:08:04.76 ID:K/I6TLYH0
……といいつつも未完のやつも考えれば、大多数は連載か。失礼。
連載っていうと聞こえは良いけどなwでも確かに超長編はそんな感じかも。
連載自体が珍しいんだけどね。
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 01:27:47.54 ID:mW0kYyOVO
ほ
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 01:39:57.48 ID:EgA1xPe50
ほしゅ
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 01:53:47.32 ID:EgA1xPe50
おやすみ
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 02:03:24.86 ID:+3oGYp+kO
☆
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 02:24:27.45 ID:+3oGYp+kO
☆
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 02:35:13.72 ID:sGNO+Vfb0
ほ
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 02:51:31.81 ID:RAnTPEH3O
「ちょっとキョン!?あたしのプリンたえひゃぁぁぁあああん」
ひさしぶりにスレを覗いた保守
今書いてるSSの容量がどうやらある種の罠を超えたようだ 今月中にかたをつけたいorz
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 03:15:56.57 ID:ox9x8dew0
>>148 素のテキストで480Kある SSの良し悪しは長さじゃないのは分かってるんだがまだ止まらん
またしばらくVIP断ちするわ 読んでるとSS書けないからw
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 03:25:08.84 ID:fCVqDwJMO
>>149 やっぱり人それぞれ個性があるんだな。
今自分もSSを書いているが、長いのは書けない。
むしろどうやって話を膨らますかに毎回苦労している。
1スレ分www
むしろそんなに書けるのが羨ましいぜ。
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 03:56:26.05 ID:fCVqDwJMO
ほ
小出しにしていくと噛み合わない部分がちらほら…orz
もう僕は完成してから投下することにしますプンプン
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 04:58:16.84 ID:Pa+S7gV20
>>47 亀で申し訳ないが
朝比奈さんが煎れたお茶は
「はりがね」ではなく「雁ヶ音(かりがね)」だぞ
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 05:03:52.81 ID:AvcuW5S3O
SSだから好きにすればいいけど、文を書くのって短く面白くまとめるのも大事なことなんじゃないか?
>>154 朝比奈さんが針金入った茶を出すMADがあったな
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 06:50:30.76 ID:LOaTXuNrO
ほ
>>148 助かった。自分のも恐らく500kbちょっと(今450kb)のSSになるだろうと予測しているけど、
早々にそれを越えてくれる仲間がいるなら気が楽だ。
159 :
158:2007/11/24(土) 06:55:54.53 ID:K/I6TLYH0
>>158 →
>>147だった。
>>155 全くその通りだと思う。なぜこんなに肥大化するか。
わかっていて注意しているはずなのに、SSを書く度にどんどんでかくなっていくorz
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 07:15:49.18 ID:LOaTXuNrO
保守
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 07:42:56.41 ID:8GuQEdnO0
保守
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 08:04:53.75 ID:LOaTXuNrO
ほ
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 08:30:26.30 ID:r/eQg6ob0
保守
おは酔う保守
165 :
◆FUYSNYFbfg :2007/11/24(土) 08:43:34.69 ID:jmVxemqL0
朝から悪いが、わっかーめ↓スペクタクルの続き投下する
10レス拝借
166 :
わっかーめ↓スペクタクル ◆FUYSNYFbfg :2007/11/24(土) 08:44:49.97 ID:jmVxemqL0
潮の香りが鼻を突き抜ける。一面に広がる大きな海。波はそんなに高くはなく穏やかな状態である。空模様は一
変し、青空が広がっている。うん、コンディションはバッチシだ。
しかし、後ろを振り返れば、ゾンビどもが固まってわけの分からないものを形成し、その上空はこことはまった
く違い、どんよりとしている。
最終ステージだと思われる、海。
俺と九曜は、波打ち際で海と向かい合うようにして立っていた。
ここで大きな問題がある。
若布はどこにある、と尋ねられたら、簡単なことで海と答えるだろう。それはそれで大正解だ。ならば、その若
布を採って来い、と言われたらどうするべきか。これも簡単だ。潜ればいい。しかし、それでは大きな問題が生
じてしまう。それは何かって? それはだな……
「俺、潜水とかできねえよ。それに息も長くは続かねえし」
と、言うことだ。口から思わず漏れてしまう。
これが大きな問題だ。海は危険がいっぱいだ。これは周知の事実であろう。俺はダイビングの免許なんか持って
いないし、訓練すら受けたことがない。そのド素人がどうやったら危険な海にダイブできるというのだろうか?
答えは、NOだ。俺はそんなことできない。困ったな。やれやれ。
「――大丈夫」
横から九曜の声がする。何が大丈夫なんだ? 確かにお前の力を使えば、潜ることぐらい簡単になりそうなのだ
が、今のお前にはリミッターが付いている。どうすr……
「――これ――」
どうにかなったようです。一応訊いてやる。それは何だ?
「――ギリウィード――」
何だよそれ? それは灰緑色でヌルヌルした団子だった。ん? これって、もしかして…
「――食べると……鰓が――できる。水の中――息できる――」
やっと分かった。これは某三大魔法学校対抗試合の第二の課題で使われたやつだ。えーと、日本語で言うと、鰓
昆布だっけ? 鰓昆布……昆布……ね。だから、九曜もギリウィードと言うけったいな名称を……
九曜は殺意しかこもっていない目線で睨んでくる。こいつ、人の考えを読めるのかよ……
167 :
わっかーめ↓スペクタクル ◆FUYSNYFbfg :2007/11/24(土) 08:46:15.03 ID:jmVxemqL0
「す、周防。これさえあれば海に潜れるんだな?」
「――――――できる」
妙に長い沈黙の後、答えてくれた。変なこと考えるのはよそう。
「これって、今作ったのか?」
「違う――私物――」
何でそんな物持っているんだよ……お前はホグワーツの生徒か? 俺が組み分け帽子なら、たぶん九曜をスリザリ
ンに入れるだろうな。ハルヒはグリフィンドールで、朝比奈さんや長門は……って、話が逸れた。スマン
「取り敢えず、これを食えばいいんだな?」
コクンと頷く九曜。なんか見た目からして不味そうだ。嫌だなぁ。でも、嫌とも言ってられない。俺は海に潜って
若布をゲットしなければいけないんだ。意を決して鰓昆布を口に含んだ。うぇ……まずっ……
なんとか鰓昆布を飲み込む。食べるとどうなったかと言うと、首に鰓ができた。ただそれだけだ。詳しく知りたい
人は本家の魔法使い少年物語でも読んでくれ。
九曜は顔色を少しも変えずに食べた。共食いみたいだ……
しっかり準備体操もしたし、準備万端だ。そして、最後に鰓昆布を一個岸辺に残しておく。これは後から追いつい
てくる予定の古泉の分だ。俺は古泉が必ず追いついてくると信じている。
俺と九曜はザブンと海に飛び込んだ。さあ、ゴールはもうすぐだ。
海の中は幻想的な世界が広がっていた。水の中の泡が太陽に反射して、キラキラしている。そんで、元からキラキ
ラしている小さな魚もいて、たくさん泳いでいる。すげーな、おい!
鰓昆布のおかげで、呼吸はもちろんのこと、視界もはっきりし、泳ぐスピードはオリンピック選手も真っ青なほど
のスピードだ。これまたすげーな、おい!
俺と九曜は迷うことなく若布がある所を目指す。実際、その先に若布がある証拠なんてどこにもない。でも確信は
あった。どっかの奴が言うように、分かってしまうから仕方がない、と言うところだろう。
ちなみに九曜の髪の毛は水中だからであろうか、ブワァーってなっていた。ブワァーってな。
だが支援
169 :
わっかーめ↓スペクタクル ◆FUYSNYFbfg :2007/11/24(土) 08:47:54.66 ID:jmVxemqL0
快適に海の旅を進めていると、前方からミサイルと思しき黒い物体が向かって来た。
目を凝らしてソレをよく見る。ありゃ、サメだな。……って、やばいだろ!
向かってくるサメは遠目からでもかなりの大きさであることが確認することができる。大きく口を開けて、無数の
鋭くて白い牙をこちらに向けている。
「ぶんぼっぶ!」
こんな情けない声を出してしまうとは……「ふんもっふ!」が「ぶんぼっぶ!」になってしまったことではない。
それは水の中だから仕方のないことだ。俺が情けないと思うのは、古泉菌がうつってしまっていたことだ。そうい
えば、町の中でもあいつとシンクロして「ふんもっふ!」とか言ってたな。俺も古泉の仲間入りか…何故か頭の中
で、「ふふ、計画通り!」とか言う古泉の声が聞こえてくる……
情けない声ながらも、俺が放った赤い玉はしっかりとサメに命中し、サメは消滅した。
朝倉が言っていたボスってこれか? いくらなんでもこれはないだろうな。
その後も、でっかいサザエ、でっかいカツオ、でっかいタラ、でっかいイクラなどなど様々なモンスターが襲って
きた。その全てを俺が倒した。九曜があまり力を使えないと言うこともあるが、古泉との約束もあったからな。九
曜は俺が守るって。次はもしかして、でっかいワカメじゃ……そんなことないか。
しばらく進んでいると、金色に輝く洞窟を発見した。俺達は躊躇うことなく、その洞窟に近づく。
俺の勘だと、あれは宝部屋だな。そして、きっと中には、輝く喜みどr……じゃなくて、若布の山があるんだろう。
光る海底洞窟の入り口に到着し、そのまま中に入る。
少し進むと、開いた空間に着いた。そこはドラゴンと戦った場所と同じように室内ドームだった。そこより少し小
さいようだ。空気もあるようで、地面もしっかりとしている。どうやら上陸できるようだな。
俺と九曜は海から上がる。それと同時に鰓昆布の効果は消えてしまい、元に戻ってしまった。えらいタイミングが
良いな。
濡れていた服が乾くのを待っている間休憩をし、俺たちは若布を探すために先へと足を進める。
海の中にこんな洞窟があるなんてな。ちゃんと歩くこともできるし、空気もある。ここが水没していないのも、ゲ
ームの世界だからというのだろうか。やっぱ、ハルヒはすげーや。
しばらく洞窟内を探索するも、若布を見つけることはできなかった。ここは宝部屋じゃなかったか。ここには若布
はないかもしれないな。ボスとやらもまだ倒していないし。
若布は一体どこにあるんだろうね。早く見つけて帰りたいぜ。
支援
171 :
わっかーめ↓スペクタクル ◆FUYSNYFbfg :2007/11/24(土) 08:49:38.69 ID:jmVxemqL0
「やあ、キョン。やっと到着したんだね」
いきなり俺を呼ぶ声がした。誰だ? 九曜じゃないよな。九曜は俺のことをキョンとか言うふざけたあだ名では呼
ばない。俺は声のするほうに振り向く。
「遅いよ。流石の僕でも待ちくたびれた」
「さ、佐々木……何でお前がここにいるんだ? 橘たちと一緒に来たのか?」
「橘さんここにはいないよ。ここにいるのはキョンと九曜さん、そして僕の3人だ」
俺たちの前に現れたのは、中学時代の親友であり、ハルヒと並び神と崇められている存在、佐々木だった。
「佐々木、何でお前がここにいるのかは知らないが、危険だ。俺の知ってる奴が言ってた。ここら辺には危険なボ
スがいるらしいんだ」
「君の知っている人というと、朝倉涼子さんのことだね。長門さんの仲間の1人の。それに、ボスが危険というの
は少しひどくないか? 親友に対してそれはないんじゃないかな」
は? 何で佐々木が朝倉のことを知っているんだ? いや、何で朝倉が言ってたって分かったんだ? それと、ボ
スってもしかして……俺の頭の周りには?が無数に浮いていた。
「まだ気付かないのかい? キミの鈍感さに呆れるよ。だから、僕もこんな世界に召喚されてしまったんだろうね。
キョン、この世界のボスと言うのは僕のことだ」
全世界が沈黙した。いや、沈黙したのは俺だけだがな。佐々木は含みのある微笑をしているし、九曜は元から沈黙
を続けている。佐々木がこの世界のボスだって? そんなの信じれるか。
「まだ納得できていないようだね。だが事実は事実だ。僕がこの世界の最後のボスであることは間違いない。その
役割を果たすために僕は呼ばれたんだから」
「さっきから、召喚や呼ばれたとか言っているが、どういうことだ? 誰かが仕組んだのか?」
「ああ、仕組んださ。涼宮さんがね」
またハルヒか。今度はハルヒがどのようなことをしたんだって言うんだ?
「僕はキミたち、キョンや九曜さん、古泉くん、朝倉さんたちのように能動的にこの世界に来たわけじゃない。強
制的にこの世界に連れて来られたんだ。本当にびっくりしたよ。予備校で授業を受けていたら、いきなり目の前の
世界が変わっていたんだ。でも不思議なことに、自分がどういう存在で、どういうことをしなければいけないのか
全て分かっていた。僕はずっとキミを待っていた。ただ倒されるためだけにね」
くっくっ、と独特の笑いをしながら話を続ける佐々木。
ぶんぼっぶ!とでっかいアナゴに期待しつつ支援
173 :
わっかーめ↓スペクタクル ◆FUYSNYFbfg :2007/11/24(土) 08:51:35.30 ID:jmVxemqL0
「僕はキミたちがここに到着するまでどんな旅を続けてきたか全て知っている。頭の中に勇者キョン一行が旅を続
ける映像が勝手に流れてきてたんだ。これも涼宮さんのおかげかな。古泉くん、かっこよかったね。特に、誰かさ
んと違って自分の気持ちに正直になれる部分がね。キミも見習うべきだ」
そう言うと、佐々木は九曜の方をちらっと見る。九曜はただじっと佐々木を見つめている。
「古泉は生きているのか?」
そう俺は尋ねる。俺の懸案事項の一つだ。
「残念だが彼は死んだ。少なくともこの世界にはいない。この世界にはね」
あっさり告げる佐々木。人の命をそんな軽々と……
古泉、また活躍できなかったな。悪いが、おいしいところは俺が貰っていくぜ。
「もう1ついいか? 何でボスの役目がお前なんだ? ほかの奴でもよかったんじゃないのか?」
そう訊くと、佐々木は半ば呆れ顔で答えた。
「さっきも言ったが、キミは真性の鈍感ようだね。ほかの人じゃ駄目なんだ。涼宮さんにとっての最大の敵、つま
りボスとは、僕じゃないと駄目なんだ」
何がなんだかさっぱりだ。取り敢えず、俺は鈍感らしい。失礼な。俺は自分で言うのもなんだが、結構鋭い方だぜ。
「確かに、キミは日常での洞察力はなかなか鋭いかもしれない。でも、女心という分野においてはからっきし駄目
だ。虫以下だね。涼宮さんは僕という存在に対して脅威を感じている。何故だか分かるかい? 分からないだろう
ね。キミは虫以下なんだから。あまり核心めいたことは言えないが、涼宮さんは僕にキョンを奪われてしまうと恐
れているのだろう。そこら辺をはっきりさせるために、僕をここに召喚させた。涼宮さんか僕、キミがどちらの女
性を選ぶかね」
人を虫、虫言いやがって。ショックのあまり、絶望の世界に逝ってしまうところだったじゃねえか。
そして、余計に何がなんだか分からなくなった。俺がハルヒか佐々木を選ぶ。……って、なんのこっちゃ。
「そこからは自分で考えた方がいい。いや、自分で気付かなければいけない。期待しているよ。キミが僕を選んで
くれることをね」
佐々木は笑みを浮かべながら言う。後ろに悪魔の影が見えるのは幻覚だよな?
「佐々木、お前が何故ボスだということは置いとこう。今は考えても無駄だ。それよりも、ボスということはそれ
なりの力を持っているはずだよな? そんで、俺はお前を倒す。これで、この世界の旅は終了。ってことだな?」
「確かに、僕を倒せばこの先にある『若布の間』に行くことができる。その若布を入手した時点でこの世界は崩壊
し、僕たちは元の世界に戻ることができる。しかし、一つだけ間違いがある。僕はボスというポジションにありな
がらも、なんの力もない。無力同然だ。先程も言ったように、ただ倒されるだけの存在だ」
支援
175 :
わっかーめ↓スペクタクル ◆FUYSNYFbfg :2007/11/24(土) 08:53:38.67 ID:jmVxemqL0
さらに混乱してきた。ボスが何の力もないって? そんな馬鹿な。ゲームとは全然違うじゃねえか。普通、ラスボ
スは一番強く設定されているはずだ。それなのに、この世界では違う。簡単すぎないか? 俺が佐々木を倒すって
ことは今まで通りに……そうか……そういうことか。やっと、朝倉の言ってた意味が分かった。
俺は佐々木を倒すことができない。何故かって? 愚問だな。佐々木は俺の大事な親友だ。それを倒すってことは、
殺すことと同義だ。俺は親友を殺すことができない。当然だ。くそっ……どうすれば……
「遠慮することはないよキミは勇者で、僕は敵だ。キミが僕を倒さなければ、元の世界に帰ることができないから
ね」
佐々木は平然として言うが、だからと言って、佐々木に牙を剥くことはできない。
「キミがどうしても無理だと言うなら、九曜さんに任せるかい? 九曜さんは元の世界では僕の大切な友人の1人
だが、この世界ではキミの仲間。そして、僕の敵だ。どちらが僕を倒しても構わないはずだ」
「――――」
九曜もどうすることもできないようだ。敵対関係の朝倉と違って、佐々木は重要な観察対象だ。それだけじゃない。
九曜にとっても佐々木は大切な友達のはずだ。それを倒すなんて……
「佐々木、さっき、俺にお前かハルヒを選べみたいなこと言ってたよな?それはこの場を打開することには繋がら
んのか?」
取り敢えず、他の方法を探す。何か少しでも可能性が見つかれば……
「よく気付いたね。この状況を打開する方法はあるよ」
意外にあっさりしたもんだな。で、それってどんなんだ?
「それはね……えっと……」
急に口ごもる佐々木。一体どうしたんだ? 早く教えてくれ。
「それは……キスだ。キミと僕がキスをすることだ」
再び沈黙する俺。今回は俺だけじゃなく、顔が真っ赤になっている佐々木も一緒だ。
「キ、キスって、て、ど、どういうこ、ことだ?」
ようやく絞り出した声が震えている。情けないとか言うなよ。
「そのままの意味だ。キミが僕とキスをすれば元の世界に帰ることができる。でも、その方法では帰った直後に、
世界が崩壊してしまうだろうけどね。涼宮さんの力によって」
佐々木のわけの分からない説明を始める。
「以前、キミは涼宮さんと2人で閉鎖空間に行ったことがあるはずだ。キミはその時どのようにして帰ってくるこ
とができたか思い出して欲しい」
支援
177 :
わっかーめ↓スペクタクル ◆FUYSNYFbfg :2007/11/24(土) 08:55:06.41 ID:jmVxemqL0
思い出さなくても、覚えている。忘れることができないほどのしてしまったからな。ハルヒとキス。人生最大の汚
点に違いない。っていうか、何でお前がそのことを知っているんだ?
「あの時のキスは世界を救うためのキスだ。しかし、今この状況でのキミと僕とのキスは世界を救うためのもので
はない。世界を崩壊させることに繋がるキスであるんだ」
キスの力って凄いね。世界の存続に関わるってどこのアホが考えたんだろうね。
「涼宮さんか僕を選ぶ。これはこのことに繋がる。涼宮さんを選ぶなら、今ここで僕を倒す。僕を選ぶなら、今こ
こでキスをする。さあ、どっちがいい?」
どっちがいいって、僕にはあなたが何を言っているのかさっぱり分かりませんよ。
「心配することはない。もし、キミが涼宮さんを選んでも僕は何も言わない。喜んで祝福させてもらうよ。そして、
仮にだ……もし、キミが僕を選んでくれると言うのなら……一生キミに尽くすことを誓う。必ずキミを満足させる」
あのー、話が明後日の方向を向いてきてませんか?
「世界崩壊は気にしなくていい。僕にも力がある。涼宮さんに対抗しうるね。そして、僕の力で涼宮さんの力を相
殺する。できるか分からないが……。キミは後のことは何も考えなくていい。僕が全てを取り繕う」
なんとなく俺のするべきことは分かってきた。佐々木を倒すか、佐々木とキスをする。これらしか、方法はないよ
うだ。どっちを選べばいいんだろうね。こんなに悩むなら、ラスボスは朝倉100人の方がマシに思えてくるぜ。
「どうも腑に落ちない点がある。何で俺とお前がキスをしたら、世界崩壊に繋がるんだ? お前は嫌かもしれんが、
ハルヒにしてみれば、どうでもいいことなんじゃないか?」
その瞬間、周りの空気がピシッってなった。本当にピシッって聞こえた。
「キミは今までの話を聞いて理解することができなかったのかい? やっぱりキミは虫以下。いや、比べられる虫
ですらかわいそうだ。涼宮さんの苦労が痛いほど伝わってくるよ」
「――天然――記念物」
「あなたは本当に困った人ですね」
最後、死んだ奴の声が聞こえなかったか? 妙に腹が立ってくる。
「キョン、決心は着いたかい?」
しばらく時間を貰い、俺はどっちにするか考えた。テスト中ですら使わないほどの脳細胞を使ったんだが、答えを
出すことはできなかった。
支援
179 :
わっかーめ↓スペクタクル ◆FUYSNYFbfg :2007/11/24(土) 08:57:25.82 ID:jmVxemqL0
俺が考えている間、佐々木と九曜は世間話をしていた。専ら、佐々木が話してばかりだったがな。途中、「へタレ」
や「チキン」という言葉が俺の方に向かって飛んできたのは気のせいだ……たぶん。
「悪いが、俺にはどっちの方法も選ぶことができない。お前を倒すなんて俺には絶対できない。それに……キ、キ
スの方は、俺らそういう関係ではないし……まずいんじゃないか?」
「というと、キョンと僕がそういう関係になればキスはしてもいいということだね?」
何を仰っておられるんですか、このお嬢さんは。俺と佐々木がそういう関係。つまり、彼氏と彼女。つまり、カッ
プル。つまり、アベック。つまり……って、もういいな。それはマジか?
「大マジさ。僕はいつでもキミを受け入れる覚悟はある。襲ってくれても構わない。僕の寝込みでもね」
色々と危ない発言だな。それがどういう意味か分かっているのか?
「……それとも、僕を選べないということは、……す、涼宮さんのことが好きだからか?」
俺がハルヒのことを好きかって? 今さら何言ってるんだ。そんなの決まってるじゃないか。
「ああ、俺はハルヒのことが好きだ」
もちろん、1人の人間としてな。
ハルヒは信頼できる大切な仲間だ。好きでもない奴と一緒にずっといるか? いないだろ。ハルヒは俺に今まで味
わったことのない刺激を与えてくれた。始めは後悔してたが、今は違う。あいつと出会えたことに俺は感謝してい
る。あいつは最高の団長様だ。
「そ、そうか、キミはやっぱり涼宮さんのことが……」
佐々木の奴なんか勘違いしてないか? 俺はハルヒのことを団長と団員の関係として好きと言ったつもりだったん
だがな。やれやれ。佐々木もおっちょこちょいな奴だ。早とちりもいいとこだぜ。
「キミが涼宮さんを選ぶと言うのなら、この世界での僕の存在意義はなくなってしまう。ひと思いにやってくれ」
佐々木は自分を倒してくれと懇願する。まだ説明が必要なようだな。
「佐々木、何か勘違いしてないか? 俺はハルヒのことが好きだ。そして、俺はお前のことも好きだ」
「……それは、二股と言うものじゃないのかい? 確かに、僕はそういう恋愛もありだと思う。むしろ歓迎するさ。
1人の男をめぐる2人の女のドロドロとした醜い戦い。その方が興奮してくるよ。僕は負けない。必ず、涼宮さん
からキョンを奪ってみせる」
やっぱり駄目だ。どんな思考回路をしてるんだよ。
「俺はハルヒと佐々木のことが好きだと言った。しかし、それが恋愛感情だとは一言も言っていないぞ。友達、い
や、親友として2人のことが好きなんだ」
どうだ? これで納得してくれるはずだ。佐々木はもう少し、俺の言葉の意味を理解してk……
「バカァーーー!!!」
支援
181 :
わっかーめ↓スペクタクル ◆FUYSNYFbfg :2007/11/24(土) 08:59:18.09 ID:jmVxemqL0
いきなり大声を出した佐々木。何だよ? 何か変なこと言ったか?
「ふふ……ふふふ……、僕はキミを見くびっていたようだ。そうだよ……キミは昔からそんなやつだった。キミの
言葉に喜んでしまった僕が愚かだったよ」
何でバカと言われなきゃならんのだ? 九曜、教えてくれ。
「――女の敵――くたばれ」
……俺そんなに悪いことしたか? 変なこと言った覚えはサラサラないぞ。
「キスの話をしていて、好きかどうかと問われたら、恋愛感情の好きに決まっているだろう!それを友情の好きと
して捉えるのは、宇宙中を探してもキミしかいないはずだ。間違いない!」
えっ……そういう意味での好きだったのか? と言うことは、俺さっき、ハルヒと佐々木の両方が好きだとほざい
てしまった…………なんてこっ恥ずかしいこと言っちまったんだ、俺はよ!
「あー、佐々木。その……悪かったな。思考回路がどうかしてたのは俺の方だったな」
「もういい。キミがそういう性格をしているのに気付かなかったこちらにも非がある。仕方の無いことだ。それと、
改めて訊こう。キミは僕か涼宮さん、どちらが好きなんだい? 言うまでもなく、恋愛感情としてね」
「答えきゃだめか?」
「当然だ。ここまできて答えられないのはかなりの臆病者と言うものだ」
「言え――へタレ――」
何でこうなるんだよ……若布とまったく関係ねえ……。あと、何故九曜まで怒ってるんだよ。もう訳ワカメだ!
俺の仲間であった黒髪萌えの超能力者は言いました。
「人間は愛がないと生きていけません。愛こそが人間の全てなのです。愛するものがあるからこそ、人間は希望を
持てるのです。愛こそ正義。愛は世界を救うのです」、と。
このセリフは何ヶ月か前に聞いた気がする。うん、覚えていても、何の助けにもならんね。
ハルヒと佐々木。どちらも超が付くほどの美人だ。両者とも性格に多少いや、多々難があるが、それを差し引いて
もお釣りがたくさん出る。こんな一般人の俺には釣り合わん存在だ。
「佐々木、何で俺はそんなこと決めなきゃならん? もしかして、お前は俺のこと……」
「それ以上先は言わないでくれ。流石に恥ずかしくなってくる」
どうやら、そういうことらしい。佐々木が俺のことをね……。意外すぎる。恋愛は精神病じゃなかったのか?
俺は佐々木のことをどう思っているのか? 恋愛対象として好きなのか? 正直、分からん。嫌いじゃないのは確
かだし、友達として見れば好きの部類に入るだろう。それは恋愛感情に発展するものなのか?
支援
183 :
わっかーめ↓スペクタクル ◆FUYSNYFbfg :2007/11/24(土) 09:01:07.71 ID:jmVxemqL0
「ハルヒもお前と似たような気持ちを抱いているのか?」
「それは答えることができない。僕は涼宮さんの本当の気持ちがよく分からない。おおよその見当は付くのだけど
ね。それにたとえ、はっきりと分かっていたとしても、僕は他人の心の内は簡単に晒すようなことはしないよ」
そういうことらしい。ハルヒの本当の気持ちはハルヒ自身しか知らないということだ。
俺は男であり、思春期真っ盛りの高校生だ。可愛い彼女とイチャイチャしたいと思うことはよくあるさ。谷口ほど
発情はしてないが、それなりに興味はある。じゃあ、その可愛い彼女の役は誰がしてくれるんだ? ハルヒか?
朝比奈さんか? 長門か? 違う。中学時代の親友でもあり、神と位置づけられいている佐々木が自ら名乗りを上
げてくれている。佐々木に不満でもあるか? いや、ない。俺にとって佐々木は申し分ないほどの存在だ。じゃあ、
佐々木と付き合うのか? 分からない。自分の気持ちが分からないんだ。
佐々木はこっちを祈るような目で見つめている。目には涙を浮かべているような気がしないでもない。
こうやって見ると、やっぱ、すげー美人じゃねえか。
俺は剣を片手に佐々木に近づく。佐々木は少しビクッとなったが、逃げずにその場に立ち尽くしたままだ。
手を伸ばせば、佐々木に手が届くほどの距離に近づいた時、俺は剣を投げ捨てた。
「……佐々木。これが俺の答えだ」
「……キョン」
俺はそう言って、佐々木の肩に手を置き、顔を近づける。
これでいいんだよな? 間違ってないよな?
俺は佐々木にある言葉を述べる。その瞬間、俺の目の前は真っ暗になり、意識を失った。
最後に黄色いカチューシャがちらついた。どうなるんだ、俺?
支援
185 :
わっかーめ↓スペクタクル ◆FUYSNYFbfg :2007/11/24(土) 09:03:18.64 ID:jmVxemqL0
今回はここまでです
支援感謝しまふ。次で本編は完結する予定です
もうひとふんばりします
乙!
ヘタレまっしぐらかと思ったぜwww
まぁ、ヘタレあってこそのキョンだけど。
続きwktk
乙だっぜ!
最終回読めた!
途中から蔑ろにされたわっかーめこと喜緑さんが出てきて三つ巴の戦いに!!
あれ?こんな朝早く誰か来た。
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 09:17:03.34 ID:U5dzOiFQO
キョンを虫呼ばわりする佐々木かわいいよ佐々木
ラストwktk
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 09:48:45.12 ID:LOaTXuNrO
ほし
アナルが限界を向かえました
●<ここが楽園か!でてこいルヴェルト!
ミヨキチ「ここはプリンですよ」
キョン「保守」
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 10:26:35.34 ID:S5jcGwpO0
保守
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 10:43:04.33 ID:LOaTXuNrO
ほ
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 11:14:28.27 ID:2mPv8FwYO
保守
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 11:27:45.17 ID:xuVcOCYT0
h
ほ
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 12:06:08.30 ID:LOaTXuNrO
ほし
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 12:27:26.44 ID:MpECzGgN0
ほしゅ
わっかーめスペクタクルってどんな話?俺時間無いから読めない(悲)
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 12:36:25.73 ID:EgA1xPe50
読むのか読まないのかハッキリしてくれ
202 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 12:49:45.10 ID:LOaTXuNrO
ほし
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 12:56:01.28 ID:tRNtO3IZ0
らき☆すたss板から来ました。
小説は書けるかわかりませんが、ネタくらいなら書けるかも知れません
よろしくお願いします
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 13:07:37.27 ID:tRNtO3IZ0
☆
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 13:25:32.50 ID:tRNtO3IZ0
☆
保守
207 :
1/2:2007/11/24(土) 13:37:41.35 ID:BR9reCgFO
天然と呼ばれる人種には、それがいい具合に働いている人間と、そうでない人間がいる。要するに、その特性を持って周りを和ませたり盛り上げたりするタイプと、周りに災厄をもたらすタイプだ。
何故こんなことを唐突に語り始めたのかというと、俺が所属する団体には天然に分類出来る人間が二人いるからだ。
一人は……まぁ、仕方ない。なんせ生まれて三年目らしいからな。
今問題なのは俺の唯一の心のオアシスである先輩の方だ。
さて、状況を説明しよう。
目の前にはニコニコと微笑んでいる、メイド服姿の朝比奈さん。今文芸部の部室には俺と彼女しかいない。
普段なら滅多にないシチュエーションに、緩みまくる頬をどうにか引き締めようと苦心するところなのだが……今の俺の頬は自然と引きつっていた。
何故なら俺に出された飲み物は……湯飲みからはみ出んばかりの針金の山の湯付けだったからだ……。
「さ、どうぞ♪」
いや、どうぞ、と言われましても……。
しげしげと眼前の物体を観察する。
……針金を刻んでお湯に浸けたモノにしか見えないな。
「どうしました?冷めますよ?」
……やはり針金も温かい方が美味しいのか?いやいや、ひんやりと冷たい方がいいよな……などと意味不明な思考を数回ループさせている内に、朝比奈さんの顔色がだんだんと曇ってきた。
「キョンくん……わたしの淹れたお茶がそんなに嫌なんですか?」
「いえ、そんなことはありません。決して」
……そうだ。お茶なんだよ、これは。一見針金に見えるが、実はそういうお茶葉なんだな。俺もお茶に詳しい訳じゃないからな。きっとそうだ。
……よし!
「では……」
俺は改めて湯飲みを手に取り、いつものように朝比奈さんの癒しの笑顔を眺めつつお茶を飲むという、至福の一時を得ようとした…………が、
「う……」
湯飲みに口を付ける寸前で、俺の手は本能的に止まった。
……ジャラって音がした。
「…………」
香りを楽しむように見せかけて、鼻先で湯飲みを揺らす。
ジャラジャラ……
「……はは」
……神様、どう見てもこれは金属です。
208 :
2/2:2007/11/24(土) 13:38:30.55 ID:BR9reCgFO
「あ、朝比奈さん?これお茶ですよね?」
「もちろんです。張ヶ音って種類らしいんですよ」
「……針金、ですか」
この時、俺の頭に浮かんだのは自分の命と朝比奈さんの悲しむ顔が架けられた天秤だった。
……迷うことはない。女の涙のために命を賭けるなんてかっこいいじゃないか。
……さぁ、いっちまえ。
「……いただきます」
俺は湯飲みの中身を飲み干した。
「……部室で針金をのどに詰まらせている彼を涼宮ハルヒが発見、極度のパニックのために閉鎖空間発生……か」
「そういうことですね」
「……何故彼はそんなことをしたのかしら?」
「……彼は口をつぐんでいるのでなんとも……」
「……そういうプレイかしら?」
「……森さん、真面目に考えて下さいよ」
END
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 13:40:40.96 ID:Ln+Lhz1x0
「キョン君、死んで♪」
「よろこんでぇ!」
「本当?」
「もちろん!ただし一つお願いがある!
俺が死ぬまでキスをしていてくれ!」
「え…」
「いいだろ?死んでやるんだからさ。
あー、老衰で死ぬのか、事故で死ぬのかと嘆いていたのに、まさか朝倉見たいな美少女がきすしながら殺してくれるなんて!
嬉しいなぁ!!!」
「あ、ええ…」
(何、このエラーは!解析不明、理解不能、削除しきれない!)
「さぁ、早くキスしてくれ!
その図太いナイフで俺の腹をズボズボグチュグチュしてくれぇぇぇ!」
(わかったわ長門さん、これが恐怖という物なのね…)
「ハァハァハァハァ……。朝倉ぁ!早く、早くぅ!」
「もうイヤァァァァアアア!!!!!」
「彼が鍵に選ばれたのにはやはり理由がある。
彼は一見するとまともだが、おそらく宇宙有数の真性の変態。
涼宮ハルヒはおそらく潜在的に宇宙人などの突飛な物の他に、見かけそうで見かけない露出狂など変態を求めていた。
そのもろもろの変態的要素を満たしているのが、キョン」
「長門さん、冷静に解説してないで早くたすけてぇぇ!」
「おお!長門!肉欲の泉にようこそ!」
「…情報連結解除」
「え?そんなぁ!あとちょっとで朝倉さんのナイフでズコバk…」
>>207ー208
>>156を見て書いた。寝る前に書いたのでカオスだった。そのまま投下する、反省はしない。
211 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 13:46:01.14 ID:GW9r+1TA0
アナル池www
じゃあ俺が変わりに反省するよw
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 14:17:36.07 ID:EgA1xPe50
hosi
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 14:25:59.01 ID:TvM71BrPO
キョン「 /\___/ヽ
もりさん / :::::::\うわあああい _(o)_ _(o)_,:|
ハルヒ | < :|
くーた \ /([三])ヽ:/
さきいか /`香山ー―――-´\
いーと
サラや 田谷さ穴間か亜旗な
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 14:29:08.76 ID:TvM71BrPO
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 14:32:15.12 ID:d0V8A0zP0
218 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 14:42:23.67 ID:LOaTXuNrO
ほ
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 14:53:22.05 ID:HX8lL2p90
保守
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 15:26:25.49 ID:EgA1xPe50
ほしゅ
保守
保守
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 16:22:07.78 ID:ZydxqLRNO
ほ
225 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 16:38:03.56 ID:fCVqDwJMO
今日は投下ないのね(泣)
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 16:46:14.89 ID:LOaTXuNrO
ほ
そんな…どこに目ぇ付いてんだ……
228 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 17:00:53.21 ID:LOaTXuNrO
ほ
229 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 17:03:25.89 ID:gg7PfP7U0
人いますか?投下してもいいでしょうか
ok
231 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 17:05:11.99 ID:TvM71BrPO
ハルヒ「……wwwwwwwwww」
キョン「…まさか………毒!?」
古泉「手遅れです。………非常に残念ですが。」
キョン「おまいら………」
オレの意識が消え、人生オワタ
こんにちは。朝比奈みくるです。
今日は日曜日!不思議探索もありません!つまりなーんもすることが無い日です!
なーんもすることが無い上にだーれとも会う予定がありません。
特にSOS団の皆さんと会うことは無いでしょう。何故かって?
それはキョン君は涼宮さんと、古泉君は長門さんと……デートしてるからだよこの野郎!!!
……あ、別に私自身はそのことをなんとも思ってはいませんからね。
彼らがデートでいちゃいちゃしてるおかげで私はこうしてひたすらグータラ出来るワケですからね。
親元を離れ別の時代で過ごす私にとって精神的な疲労は蓄積される一方なのです。
だからこそ一週間に1回は誰にも会わずに引き篭もる休息日が必要なワケですよ。
それなのにもしもですよ?もしも私が誰かと付き合ったりとかしたら、
本来休息日のはずの日曜日ですらデートとかしなきゃいけないんですよ。
ワクワクして待ち合わせ時間より1時間早く来ちゃったりとか、どこでご飯を食べるか迷って結局昼の二時ぐらいにようやく決めるとか、夜の夜景スポットでいい雰囲気になるとか、
まったくめんどくさいことこの上ないですよ。ホントにめんどくさい。
めんどくさいけどそれがやってみたい!!
……って言っちゃう人いると思います。中にはね。
でも私は違いますから。何よりも一人身を愛する人ですから、こうようなことに憧れたりはしませんよ、まったく。
まあそんなワケで家でせんべい食いながらゴロゴロしてたワケですが、昼前になってあることに気付きました。
「……なんにもない。」
そう、冷蔵庫の中身がからっぽだったのです。流石にこれではいけません。
仕方がないので買出し行くことにしました。念入りにオシャレをして……
え?なんでオシャレする必要があるのかって?やだなあ、女として生まれたからにはいついかなる時でもオシャレをすべきなのですよ。
オシャレは女の子にとっての義務と言っても過言ではありません。
決して、誰かカッコイイ男の人にナンパとかされたらどうしようとか妄想したりはしませんよ。
何度も言いますが私は一人身を何よりも愛する人間ですからね、ほんとに、マジで。
そしてショッピングセンターに着いた私。しかしここに来たのは間違いでした。
カップルカップルカップルカップル……なんでカップルしかいねぇんじゃー!!
う〜ん行く場所もオシャレにしようと考えたのがマズかったですかね……
素直にご愛用の近所のスーパーにしとくべきでした。もうレジのおばさんと顔なじみになってますしね。
と、引き上げようと踵を返したその時、なんだか知ってる声が聞こえてきました。
「やれやれ、ここにはカップルしかいないのかな。」
「当然なのですよ。ここはカップルの聖地的な場所ですからね。一人身で来る人なんて空気の読めない人ぐらいですよ。」
うはwwwwwwwww私KYwwwwwwwwww
……じゃなくって!この声は確か……そう!佐々木さんと橘さん!
支援
「おや、となると僕らは空気を読めてないことになるね。」
「何言ってるのですか?私達は立派にデートしてるじゃないですか!」
「……あのね橘さん、何度も言うけど僕と君は女の子同士であり生物学的には……」
「でもそんなの関係ねぇ!です!愛があれば性別なんて関係ないのですよ!
……どうしても気になるなら、私が姓転換手術しても」
「それだけはやめてくれ、頼むから。」
「じゃあ、今の私を愛してくれるってことなのですね?ふふっ。」
「やれやれ、もう反論する気にもならないよ……」
コレだああああああああ!!
この二人の会話を聞いて、私の脳に電撃が走りました!
何故今まで私に恋人が出来なかったのか、そう!それは周りの男達がダメダメだったからです!
ミスターフラグ折りに球体型イエスマン!その他も特に特徴の無い男達ばかり!
これでは私が一人身になってしまうのも仕方がありません!
そう、時代はレズ!狙うべきなのは最初から女の子だったんです!
さあ、そうと決まればさっそく家に帰って計画を練らなければ!レズレズ大作戦、スタートです!
支援
翌日、私は6限の授業を途中で抜けて部室にやってきました。準備をするためです。
しかしあの糞教師……私が「あの……お腹痛いんで保健室に行ってもいいですか……?」と渾身の演技をしたってのに、
なんで「ん?なんだトイレか?しょうがないなあ。」って返してくるんですか……
しかもそれでクラスも爆笑してたし……おかしいなあ、私はアイドルからお笑い芸人に転向する気はないのに!
まあいいです。では早速作戦です。ズバリ!『朝比奈みくるの反逆』!妄想スタート!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「み、みくるちゃん、そんな格好でどうしたの?」
「涼宮さん……いつも私の胸を触ってますよね?
実はそれ……すごく快感だったんです。だから、涼宮さんにもそれを感じてもらおうと思って……」
「みくるちゃん、なにす……あっ、やめっ……」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
続きはwebで!
じゃなくて、この続きは実際に実行に移した時のお楽しみです。
つまり、涼宮さんに女同士の快感を植え付けてしまおうという作戦なワケです。
まずは下準備で上着を脱いで……ふふっ、こんな刺激的な格好をすればあの涼宮さんだって……
支援
「むふ、むふふ、むふふふふ……」
「……」
「そしてその後で彼女を家に呼び出して……」
「……あの、朝比奈さん?」
「そして……え?」
そこには、呆然とした表情で固まってるキョン君と古泉君が居ました。
ちょ、ちょっと!なんでここに!!
「いや、普通に来たんですけど、話しかけてもなんの反応も無くて……」
「仕方なく彼とボードゲームをしてたら、突然あなたが上着を……」
時計を見ると、もう放課後の時間になってます。どうやら妄想してる間に時間が過ぎて、二人が入って来たことにも気付かなかったのでしょう。
今回の作戦において男共は邪魔です!こうなったら……
「ミクルハンマー!!!」
「うごっ!」
私はポッドを手に取り、キョン君を思いっきり殴りました。
一瞬で気を失い倒れるキョン君。そして次は……
「ひっ!あ、朝比奈さん、落ちつ……」
「スーパーミクルハンマー!!」
「スーパーってさっきと同じ……ぐほっ!」
古泉君も地に伏せました。ククク、これで邪魔者はいなくなりましたね。
二人の遺体(死んではいない)を掃除ロッカーに押し込み、さあ後は涼宮さんを待つだけです!
さあ、来い来い来い来い来い!!
支援
「やっほー!!……ってみくるちゃん、また着替えてるのに鍵かけわすれたの?」
きたああああ!!さあ、作戦スタートです!
「いいえ違いますよ……涼宮さんを待ってたんです……」
「え?」
「ずっと私あなたに胸を揉まれたりしてましたよね?実はそれ……すごく気持ち良かったんです。
だから今度は私が涼宮さんに、この快感を……」
ククク、完璧すぎる演技!これを見れば流石の涼宮さんも……フフフフフ。
さあ、これから妖悦な時間の始まりです!
あ、ここから先は18禁SSになるので、高校生以下の方は引き返してくださいねー?
……ってあれ?涼宮さん、どうしたんですか?なんか顔がひきつってますが……
「き……」
「き」?ああ、「来て」ですか!言われなくてもあなたの傍に……
「気持ち悪い……」
へ?今なんと……
「す、涼宮さん……」
「いやああ!!こっち来ないでええええええ!!へんたいいいいいいいい!!」
叫びながらドアを蹴破って外に全力疾走していきました。
へ、変態だなんて!私はただ脱一人身をしようと……あ、長門さん。
涼宮さんとすれ違って来たようです。遅かったですね。
支援
「コンピ研の手伝いをしていた……彼女はどうしたの?」
その疑問には答えずに、私は長門さんに近づきます。もちろん下着姿で。
「な、長門さん、私実は……あなたのことが……って長門さん?」
「……なに?」
私が必死に誘惑しているにも関わらず、長門さんは既に読書モードに入っています。
……完全にスルーですか……まだ気持ち悪がられた方がいいですよ……
「わ、私がこんな格好をして誘惑してるのに、何か言うことは無いんですか!」
ちょっとムッとしながら長門さんに叫ぶと、長門さんは本をパタンと閉じて、私のことをじっと見つめました。
あっ、やめてくださいそんなまっすぐな目は、汚れた私の心にはまぶしすぎます……
そして長門さんは口を開きました
「あなたは彼と涼宮ハルヒ、私と古泉一樹が交際しているにも関わらず自分には恋人が出来ずにいる現状に不満を抱いた。
そして異性に絶望して恋愛の対象を異性に移そうとしているものと思われる。」
うっ、その通りです。なんでわかるんですか、エスパーですか?
エスパーはあのスマイリー君一人で充分ですよぉ。
支援
「しかしあなた自身には女性に恋愛感情を持つという感情は芽生えていない。
ただ一人を避けるためだけの手段として女性との関係を持とうとしている。
たとえそれで一人身から脱出できたとしても、そのことにはなんの意義も無ければ幸せも無い。
あなたはまず、恋愛は「手段」では無いことを理解すべき。」
うごっ!ほぐっ!へあっ! 長門さんの的確な指摘が、私の心をヤリのようにつついて着ます。
痛い!正論すぎて痛いですよ長門さん!
そして最後に長門さんがトドメの一言。
「あなたは間違っている。」
完全に私の心はヤリで貫かれました。KOです。ぐうの音も出ません。
気付いたら私は長門さんに土下座をしていました。
「……すいませんでした。」
あ、その声は……鶴屋さん!
「鶴屋さんも今から帰りですか?」
「そうさ!ちょっと先生の手伝いをしててね〜?みくるはいつものかい?」
「はい、いつもの団活です。それでもちょっと早いですけど……」
「おやぁ〜?」
鶴屋さんは私の顔を覗き込んできました。な、何か私の顔についてますか?
「なんか元気無さげだよ〜?なんかあった?」
……びっくりです。鶴屋さんはあっけらかんとしてるけど、いつも核心をついてきます。
もしかしたら私が未来人だということも……まさかね。
とりあえず私は、今回の出来事を鶴屋さんに話してみました。
そしたら……
「あっはっはっは!!」
大爆笑です。ちょっと、そんなに笑わないでくださいよ!私は真剣だったんですからね!
「いやだってまさか有希っこに説教食らうなんて……あっはっはっは!」
「もう……鶴屋さんのイジワル……」
「でもでも、なんならあたしがみくるの恋人になってあげてもいいっさ?」
……本当に鶴屋さんは優しいですね、そういう冗談を言って慰めてくれるなんて。
でもいいです。もう長門さんに言われて自分が間違ってたことは理解しましたから。
支援
支援
支援
さるかな? 支援
支援
252 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 17:15:22.81 ID:EgA1xPe50
支援
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 17:15:30.72 ID:VqqwfHB20
支援
支援
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 17:18:26.01 ID:TvM71BrPO
超
欲
求
不
満
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 17:19:36.47 ID:BQ4wyRaIO
支援
257 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 17:20:44.68 ID:BQ4wyRaIO
支援
258 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 17:21:26.84 ID:BQ4wyRaIO
支援
支援
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 17:23:00.20 ID:BQ4wyRaIO
支援
しえn
262 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 17:24:21.20 ID:BQ4wyRaIO
支援
「ふふ、元気づけてくれてありがとうございます、おかげで元気が出てきました。」
「そうかい?それならあたしとしても嬉しいっさ!みくるは笑ってるのが1番かわいいからね!」
鶴屋さんもそうですよ。鶴屋さんの笑顔はいつも私を元気づけてくれる。何度も救われています。
「……みくるとなら、本当に恋人になってもいいんだけどね……」
え?何か言いましたか?声が小さくてよく……
「なんでもないっさ!ほら、早く家に帰らないと!みくるはかわいいから狙われちゃうっさ!」
「大丈夫ですよぉ。じゃあ、また明日学校で会いましょう。」
「うん。まったね〜!」
鶴屋さんは笑いながら手を振って去っていきました。
でもその顔がなんとなく切なげに見えたのは……私の気のせいですよねっ。
……あれ?ところで何か忘れているような……
264 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 17:25:33.13 ID:BQ4wyRaIO
支援
支援
「なあ古泉。」
「なんでしょうか?」
「何故俺らは、こんな密着して掃除ロッカーの中に入っているんだろうな?」
「さあ……何故か記憶の一部が飛んでいるようです。まったく思い出せません。」
「俺もそうなんだ。着替え中の朝比奈さんに会ったことまでは覚えているんだが……」
「スケベですね。」
「俺は事実を言ったまでだ!やましい気持ちはまったくない!
つーか、早く出ようぜ。」
「無理のようです。何故ならほら、鍵がかかっています。外から。」
「冗談じゃねぇぞ。このSSは「レズレズ大作戦」であって「ホモホモ大作戦」じゃないはずだ。
大体ここはプリンだ。こんなの続けてたらまた「アナル池」って言われるだろうが!」
「知りませんよそんなこと……僕だってこのSSでは長門さんと交際してる健全な男子学生なんですから……」
「………」
「………」
二人はただ願うのみだった。
『誰か、出してくれ……』と……
終わり
267 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 17:26:51.37 ID:EgA1xPe50
乙でした
乙! みくる……追いつめられてついにそこまで来てしまったかw
ところでひょっとして桃色の作者?
269 :
朝比奈みくるのレズレズ大作戦!:2007/11/24(土) 17:27:11.88 ID:gg7PfP7U0
以上です。……さるさんキツすぎました。何故10レス以上支援してもらっても解けない・・・・・・orz
鯖が変わっていろいろ設定が変わった影響でしょうか。
本当に支援ありがとうございました
270 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 17:27:26.98 ID:EgA1xPe50
鶴屋×みくるはアナルで待ってます
271 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 17:31:23.16 ID:gg7PfP7U0
>>268あの人とは違いますw昔はしっと団とかやってました。
シリアスなシリーズ物に行き詰まったので1番書きやすいネタで気分転換しようとしたら暴走した。
だが反省はしていない。
>>271 しっと団のほうだったか。これは失礼。どちらにしてもGJ!
乙そしてGJ!!
みくる相変わらずw
ところで
>>245-246の間って抜けたりしてない?
274 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 17:36:19.56 ID:gg7PfP7U0
>>273本当だ!これが入ります
〜〜〜〜〜〜〜〜
帰り道、すっかり凹んだ気持ちで歩いていました。
はぁ……やっぱりこの作戦はダメだったかぁ。
「ん?おーい!みくるじゃないかいっ!」
〜〜〜〜〜〜〜〜
GJwwww
後、尻穴スレでは何時でも貴方をお待ちしております
276 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 17:46:05.65 ID:GW9r+1TA0
GJ!!wwww
277 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 17:48:41.10 ID:8Vo6OmbG0
プリンで投下するSSに2ちゃん用語を含めるのはお勧めしない
「じゃあ一体あんた誰が好きなのよ!?ハッキリしなさい!!!」
「俺は朝比奈さんが好きなんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
この世界……完
ほしゅ
h
281 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 18:26:17.09 ID:EgA1xPe50
あげ
282 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 18:46:21.82 ID:yzrFJVKnO
喜緑「わっかーめwwww」
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 18:57:57.00 ID:EgA1xPe50
ほし
285 :
◆6bBZr2k2Rw :2007/11/24(土) 19:18:43.03 ID:VF+av6PtO
10時くらいに投下したいと思います
朝か! というツッコミは置いといて、wktk。
287 :
◆6bBZr2k2Rw :2007/11/24(土) 19:25:42.15 ID:VF+av6PtO
うぇーん22時だよー
ほしゅ
保守
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 19:57:12.07 ID:LOaTXuNrO
ほ
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 20:08:01.72 ID:sGNO+Vfb0
ほ
ほしゅ
保守
294 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 20:43:57.67 ID:sGNO+Vfb0
ほ
ほしゅ
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 21:03:40.00 ID:EgA1xPe50
297 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 21:05:48.69 ID:EgA1xPe50
さて、と。今日は物理だったか?少しは予習しておかないと。
・・・・・・点数が悪かったときのハルヒのこれ以上ないくらいの悲しそうな顔を見たくないしな。
なぜ俺のためにそんな悲しむのかはわからんが。
「キョン!ちゃんと予習して・・・・・・してる・・・・・・?」
なんだそのUFOを見るような目は。俺が勉強してるのがそんなに珍しいか。
「も、もちろんいいことよ。やる気出してくれたみたいでうれしいわ!じゃ、小テストね」
「予習しても結局これなのね」
お許しください団長様。
「こんなんでT大行けると思ってるの?」
いや行けませ・・・・・・T大?T大と言ったか?俺にそんな大学行けるわけが・・・・・・
「あたしが行くんだからあんたも行くのよ!そうじゃなきゃSOS団がバラバラになっちゃうじゃない!」
お前T大行く気だったのか。いやそれでも俺は無理だし朝比奈さんは・・・・・・
「あら、みくるちゃんもT大行くのよ。鶴屋さんと一緒に」
マジですか。
「マジよ」
そういや最近来ないことが多かったような・・・・・・長門はまあいいとしてやはり古泉も?
「そうよ」
あれ?もしかしてSOS団って勤勉クラブ?
キョンの入院生活とハルヒの見舞い保守(東大スレに影響されたわけじゃないんだからねっ!)
298 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 21:07:38.91 ID:EgA1xPe50
そういや明日には腕のギプス取れるってさ。
「ほんと!?良かったじゃない!」
この調子で行けばもうじき退院できるだろ。
「・・・・・・ごめんねキョン、あたしのせいで・・・・・・」
だからそれはもう十分謝ってもらったからいいって。それよりも俺は元気なハルヒが見たい。
「え?」
おっと、要らないことまで口走ってしまった。気にするな、お前はいつでも十分輝いてるからそれでいい。
「え?え?」
あれ?何で俺こんなことを? 今日のテンションはなんかおかしいな。何だろう、T大のショックか?
「わかったわ!これからもずっと責任持って輝いてあげるから感謝しなさい!」
まあ、ハルヒの機嫌がいいみたいだし何でもいいか。
キョンの入院生活もそろそろ終わり保守(ぶっちゃけ骨折がどのくらいで治るのかわからない)
299 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 21:11:46.02 ID:EgA1xPe50
「・・・・・・」
久々にハルヒはルービックキューブを回している。とは言っても完成させるためではなく、ひたすら崩すためだ。
俺の両手が自由になったから実力を見せろ、ということらしい。
いくらやっても大して違いは無いのに、ハルヒはこれでもかと言うくらい崩している。まあ、満足するまでやればいいさ。
「・・・・・・もういいかしらね」
はいはいっと。
「5分でできたら褒めてあげるわ」
そりゃまた結構な余裕があるな。はいスタート。
はい完成。今日は調子良かった。
「はやっ! 32秒って・・・・・・」
世界レベルだと10秒台とかザラだぞ。
「1面に苦労してたあたしって一体・・・・・・」
それより褒めてくれないのか?
「え?あー、うん、えーっとね・・・・・・」
どうやら5分でできるわけがないと思っていたらしく、褒め言葉を賢明に探しているようだ。
「・・・・・・うーん、惚れそうになった?・・・・・・違う違う違う!」
勝手に一人突っ込みを始めた。ルービックキューブで惚れられてもねえ。
「ま、まああんたにしては上出来じゃない!?」
そんなもんだろうと思ったよ。
キョンの入院生活とハルヒの見舞い保守
300 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 21:16:27.25 ID:EgA1xPe50
「・・・・・・へっくし!・・・・・・うー」
おいどうした?風邪か?
「昨日のアレで体冷しちゃって・・・・・・スカートがこんな短いのが悪いのよ」
最近寒いもんな。しかし女子は大変だよな、こんな寒いのにスカート穿かなくちゃいけないし。
「女は辛いのよ。というわけで布団を貸しなさい。足が冷えてるの」
嫌だ。俺だって寒い。
「じゃあこ、こっちから行くわよ」
そう言うとハルヒはいつかのように勝手にベッドに潜りこんできた。またか・・・・・・
その瞬間である。
「キョンくーん、おみまいだよー!あっハルにゃん!」
「あ」
あ。
「い、妹ちゃん!これはね?違うの、だからね?寒かっただけなのよ!わかる?寒くてね」
「あたしもはいるー!」
言うまでも無く俺は妹のボディプレスを食らった。
現在俺のベッドは3人がひしめくというなんとも定員オーバーな状況にある。
実際妹だけで良かった。親も来てたら何言われるかわからないしな。
「ねえハルにゃんはリンゴのかわむけるー?」
「もちろんよ。女ならできなくちゃダメよ」
「やってやってー」
ハルヒの皮むきは相当上手かった。きっといい嫁さんになれるよ。
「なんとなく素直に喜べないのよね」
なんでだよ。
キョンの入院生活とハルヒと妹の見舞い保守
302 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 21:18:48.90 ID:EgA1xPe50
そんなこんなありつつもようやく足のギプスを外して退院できる日がやってきた。
それにしてもあの電動ノコギリは怖いな。いつかテレビで新型のカッターが開発されたとか見たが・・・・・・
足の裏の絵の解読を試みるもしっかりと塗りつぶされていて無理だった。永遠の謎となったか。
「キョン!退院おめでと!」
お、迎えにきてくれたのか。ありがとな。
「さ、行くわよ」
どこにだ。
「学校よ、学校。今日もSOS団の活動はあるのよ!」
まさかこの病み上がりの身体であの坂を登れと?
「いいから文句言わずについてきなさい!」
やれやれ。
キョンの退院とハルヒのお迎え保守
退院したから終わりかな?取りあえずGJ!
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 21:23:12.01 ID:EgA1xPe50
入院で衰えた足で坂を登るのは流石に堪えたが、なんとか部室まで這ってたどり着いた。
「はい、入りなさい!」
勧められるがままに俺はドアを開けた。そこで俺が見たものとは!
「「「「「退院おめでとー!!」」」」」
華やかに装飾された部室と団員三人、名誉顧問になぜか俺の妹、そしてクラッカー。
これは・・・・・・?
「はい!主役も来たことだし、『ハルにゃんキョンくん退院記念”ラブラブ”パーティー』を始めるよっ!」
「えっ!?ちょっと鶴屋さん、あたしラブラブなんて入れてないわよ!?」
「いーのいーの気にしない!ちょっとの遊び心は必要にょろよ?」
どうやら俺たちのためにパーティーを開いてくれたらしい。なんて皆優しいんだろう。
手書きの看板を良く見るとパーティーの前に赤ペンで小さくラブラブと書いてある。きっと鶴屋さんだろうな。
キョンとハルヒの退院パーティー保守 まだちょっとだけ続くよ
305 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 21:25:50.44 ID:EgA1xPe50
「じゃあ僭越ながらあたしが乾杯の音頭を取らせていただくにょろ!
ハルにゃんキョンくん、お見舞いにいけなくてホントごめんね!受験近くてちょっと忙しくてさー」
なんてったってT大ですもんね。
「ありゃ?知ってたのかい?そうなんだよねえ。しかもみくるもだよ?イメージと違うよね!
おっと話がずれちゃったにょろ。ま、あたしが行けなくても毎日二人でお楽しみだったみたいだったからねー。
で、どこまで行っちゃったのかな?」
「つ、鶴屋さん、あたしとキョンは別になにも・・・・・・」
「おんやー?そいつはもったいないねえ。若い男女が一つの部屋にしかもベッドまで用意されてたってのに。
おっとまた脱線。まあとにかく、ハルにゃんとキョンくんの全快を祝いまして、かんぱーい!!」
「「「「「「かんぱーい!!」」」」」」
おいどうしたハルヒ、酒も入ってないのに真っ赤だぞ。
「う、うるさい!気にしなくていいのよ!」
キョンとハルヒの退院パーティー保守
306 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 21:29:00.96 ID:EgA1xPe50
「涼宮さん、ちょっといいですか?」
「なに?みくるちゃん」
「素直に好きと 言えない君も 勇気を出して Hey Attack」
「・・・・・・それ・・・・・・」
「これ、涼宮さんが書いた詞じゃないですか」
「そうだけど・・・・・・」
「勇気を出してアタックすればきっとキョンくんだって振り向いてくれますよ!ファイトです!」
「・・・・・・ありがとうみくるちゃん。あたし頑張る」
パーティーの片隅での出来事保守
307 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 21:31:11.80 ID:EgA1xPe50
そんなこんなで(今日使うの二回目か?)パーティーもお開きの時間となった。
受験生もいるしハルヒにしては早めの時間設定だったな。
「みんなお疲れ!今日はありがとう。後片付けはあたしがするからみんな帰っていいわ」
「いや、僕も手伝いますよ?」
「あたしも手伝います」
「わたしも」
「勉強なんて1日サボっても変わんないにょろよ」
ちなみに妹は寝た。いや、流石にお前だけってのは・・・・・・
「何言ってるの?キョンもやるに決まってるじゃない。雑用係が休んでどうするのよ」
結局そういうことですか。まあ皆も手伝ってくれるみたいだし・・・・・・
「それならば、僕は帰らせていただきますね」
「あたしも帰ります。あ、妹さんはあたしが送ってあげますね」
「帰る」
「そういうことなら帰らせてもらうよっ!」
あれ?さっきと話が違ってません?そういうことならって・・・・・・
キョンとハルヒのパーティー後保守
308 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 21:33:07.07 ID:LOaTXuNrO
このシリーズいいなw
wkwktktk
310 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 21:37:05.12 ID:7Fhje09a0
今北 支援いるのか?
311 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 21:38:34.72 ID:7Fhje09a0
もいっちょ。
支援!
313 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 21:39:14.20 ID:7Fhje09a0
支援
314 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 21:40:04.72 ID:7Fhje09a0
支援
315 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 21:40:53.83 ID:7Fhje09a0
支援
( ;∀;)イイミクルダナー支援
317 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 21:41:38.41 ID:EgA1xPe50
やっぱりあの量を二人で片付けるのは辛いものがあった。
「でもこういうのって 仕事したっ! って感じにならない?」
まあな、たまにはこういうのもいいかもしれんな。
って雨降ってるじゃねえか。傘持ってきてないぞ?
「あたしのが一本あるからそれでいいじゃない」
あのときみたいにか?
「うん・・・・・・ダメ?」
いやいいけどさ。お前はいいのか?
「べっ別に相合傘はカップルがやるものとかそんなんはどうでもいいのよ!意識するから恥ずかしいの!」
なんか話が飛躍したな。
キョンとハルヒのパーティー後保守
支援
バイト行く時間だ最後に支援!
320 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 21:44:51.86 ID:EgA1xPe50
やることも終わったので俺たちは帰ることにした。
そして適当に雑談をしつつ部室棟の階段を下りた、その時だった。
「きゃっ!」
俺の隣りでハルヒはまたも足を滑らせた。このままいつぞやの悪夢が繰り返されるのだろうか。
結果として繰り返しはしなかった。なぜかって? 俺がハルヒをしっかりと抱きかかえていたからさ。
「キョン・・・・・・あ、ありがと・・・・・・」
お前にもうケガなんてさせねえよ。
と、上の気障なセリフを喋ったのは誰だ。俺か。俺なのか。またこの前みたいなテンションなのか俺は。
しょうがない、このテンションのまま最後までいっちまえ。
「え?ちょ、ちょっとキョン!な、なにするのよ!」
何って背中と膝裏を支えて抱きかかえてるだけだぜ?世間的にはお姫様抱っこと言うらしいが。
降ろしてほしいか?
「・・・・・・別にこのままでもいいけど・・・・・・」
ダイヤモンドは大事に運ばないとな。
「・・・・・・」
ありゃ、流石に今のはクサすぎたか?
「・・・・・・前から言おうと思ってた大事な話があるんだけどいい?」
ああ、いいぞ。聞いてやろうじゃないか。
そう返すとハルヒは俺の首に腕を回してきた。
「あたしね、ずっとキョンのことが・・・・・・」
二人は階段から落ちたが、そのおかげで――
新たな階段を一段上ることができたのかもしれない。
キョンとハルヒの入院生活保守 fin
うおおおおお、乙!
322 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 21:46:57.90 ID:EgA1xPe50
読んでくださった皆様、支援してくださった皆様本当にありがとうございました。
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 21:48:32.41 ID:M1+/1lnS0
乙
326 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 21:51:05.69 ID:7Fhje09a0
乙!! 甘甘でよかったー!
乙!
予告した通り投下したいと思います
329 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 22:04:58.91 ID:EgA1xPe50
いやっほう
〜素直改変前日〜
………………
………
…
「――は!?俺が素直になるだと?」
「そう」
夜も遅くに携帯の着信音で起こされた俺はイライラ半分イヤイヤ半分、つまり嫌悪感丸出しでディスプレイを確認した。
ディスプレイに表示される非通知の文字。ここで急速に頭が回転する。非通知の電話、それすなわち長門。
長門からの電話と理解した瞬間、何か起きたのだろうと思い急いで電話に出た………の、だが、長門から俺に告げられた言葉は俺の予想の斜め上をコンコルドの如きスピードで駆け抜けていくものであった。
「……すまんがもう一度説明してくれんか、長門」
「わかった。ここからはルー語で説明する」
「いや、普通に…………」
「イエス。ユーはトゥナイトの0時をもってキャリックターがチェーンジする」
ちょーわかりにきいいいいいいいいぃ!!!!!!!!!!
支援
「アズアリザールト、ユーはナチュラルにマウスから言葉を出してしまう。ジェネラリースピーキングでスッネーオになるということ」
今スッネーオって言っただろ、お前。どこの骨川だよそれ。素直というよりむしろ卑屈じゃねえかあいつ。
「アーンド、ユーはその間今の意識がナッスィングの状態に陥る。言葉で表すなら二重人格のようなもの」
「…………最後ルー語じゃなかったぞ」
「気のせい。作者の英単語の知識が乏しいということはまったくない。ルー語が面倒くさいから止めただけ」
ルー長門w支援
www支援
「俺としても助かるから是非そうしてくれ。………まあそれよりも、だ。俺が素直になるってどういうことだ。俺はいつも素直だから改変しようがないだろ」
「………本気?」
「ああ、本気も本気だ」
「……………また図書館に」
「え?」
「また図書館に」
「ん、ああ、そうだな。今度行ってみるか―――――SOS団みんなで」
「死ね」
ブツッ
…………………何なんだ一体。だってそうだろ俺なんかと2人きりで行っても長門はつまらんだろうし。
ってもう0時になるじゃねえか!えっと長門の話によると俺の意識はなくなるんだよn………………やべ…………………………頭が……重い…………よく解らんが…もう一人の俺、頼むぞ………。
支援
337 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 22:12:01.95 ID:sGNO+Vfb0
死ねwwwww
338 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 22:12:39.59 ID:EgA1xPe50
フラクラ王は伊達じゃない
『急造タイトル〜やって来た休日、それぞれの結末〜の巻』
―――ふっふっふっ、遂にこの日がやってきたわ。
キョンと三日前に約束した後、あたしはまともにキョンのことを見ることが出来なかった。
だって恥ずかしかったんだもん、しょうがないでしょ。キョンが…あたしのことを可愛いなんて…………………………ブッホァッ…………ボタボタ……………ティ、ティッシュティッシュ。
フキフキ
ふう、まだ時間もあるしお風呂にでも入ろうかしら。髪に鼻血付いちゃったしね、それに…………………ち、違うんだから!べ、別に深い意味はないのよ!
支援wwww
カポーン
……結局お風呂に入っちゃった。あ、話を戻さなきゃね。
あたしは全然キョンの方を見れないんだけど、キョンのやつはあたしの方ばっかり見て楽しみだなー楽しみだなーって言ってくるの。おかげでクラスの連中には生暖かい視線で見られて……………まあ、良いんだけどね。
だって今日からあたしとキョンは恋人同士になる予定だし。出来たらキスまで、そうキョンの唇がこうあたしに向かって…………………ボハァッ…ダラダラ………ブクブクブクブク…………………………………
ハルママ「いやーーっ、ハルヒーーーーッ」
ルー語ナツカシス
アスィスト
風呂で鼻血ww支援
キョンカワユスwww
支援
346 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 22:17:39.18 ID:EgA1xPe50
貧血になるぞ
目が覚めると額には冷えピタが貼ってあった。
…………あれ、あたし何やってんだろう?
確か鼻血が出たからお風呂に入って、キョンのこと考えてたらまた鼻血が出ちゃって…………………そっか、あたしのぼせちゃったんだな…………………………って今何時なの!?
ああっ、もうこんな時間じゃない!キョンに遅れをとるわけにはいかないわ。
よし、財布持った、携帯持った、ボックスティッシュ持った。
じゃあ行ってきます。お父さん、お母さん、あたしは今日旅立つかもしれません。
箱ティッシュww支援
―――くっくっくっ、今日という日をどれほど待ち望んだことか。以前にも話した通り僕は今日という休日に決着を着けるつもりなんだ。
よし、まずはキョンに電話をしよう。まだキョンには何も言ってないからね。こういうものはサプライズがあったほうが印象に残っていいんだよ。
プルルプルル…………
『もしもし、佐々木か?』
「そうだよ」
『何か用でも………あ、もしかしてこの前の返事のことか?それならすまんがまだ考え中なんだ』
くっくっ、それはわかっているさ。だからこそ僕はこうやって電話をしているんだ。
「まあそれもあるけど、実は今、キョンの家の前にいるんだよ」
『へ?』
「じゃあお邪魔します」
「……………お前なあ。……まあいいか、久しぶりに佐々木の顔見れて嬉しいしな」
おっと、これは予想GUYの言葉をもらえたね。しかしこれは好都合。
くっくっ、まず第一段階は成功と言ったところか。このまま一気呵成に……………む、キョン、やけにお洒落な格好をしているじゃないか。そんな胸元の空いた服を着て……………ボフッ………タラリ…………
350 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 22:19:21.34 ID:EgA1xPe50
修 羅 場 の 予 感
佐々木も箱ティッシュ用意しとけwww
「どうした鼻血でてるぞ?」
「な、何でもないんだ」
フキフキ
「それよりどうしたキョン、どこかに出掛ける予定でもあるのかい?」
「ああ、ハルヒとデートの予定があるんだ」
………………………………………………聴力が衰えているのかな。変な戯れ言が聞こえた気がする。
さてキョン、もう一度訊くよ、今日は何の用事があるんだい?
「だからハルヒとデーt……………あ、ち、違うぞ。別にハルヒのことを選んだというわけじゃないからな」
……………くっくっ、もう少しでまたキャラが壊れてしまうところだったよ。
今回は簡単にはキャラを壊す気はないからね。キョンにも不用意な発言は気を付けてもらいたいものだ。
それにしてもだ、キョン。涼宮さんとデートとは頂けないね。
353 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 22:21:51.08 ID:sGNO+Vfb0
興奮して鼻血出すやつなんて見たことねーよwww
「いや、これはお前が告白する前から予定していたことなんだ」
「おや、そうなのかい?しかしだね……………………そうだ、僕も付いて行っていいかな?」
「いや、ちょっと待て佐々木!いくら何でもそれは………」
「僕のことも好きなんだろう?」
「うっ…………そりゃ好きだけど」
「じゃあいいじゃないか。さあ、早く行こう。どうせ集合場所はいつもの駅前なんだろう」
「おい佐々木、引っ張るなって」
くっくっくっ、涼宮さん。どうやら全面戦争のときが来たようだ。
キョンの想いを知っているからアドバンテージは僕にある。くっくっ、精々無駄なあがきをするがいいさ。
さあ、いざ行かん、決戦の地へ。
ktkr
修羅場www
357 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 22:24:22.47 ID:VF+av6PtO
今回はここまでしか書いてません
急造タイトル消化し切れてねえorz
358 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 22:24:37.53 ID:M1+/1lnS0
乙
乙! 次回に期待!!!
つーか鼻血出し過ぎwww出血多量wwww
続き気になるww乙
361 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/24(土) 22:30:33.37 ID:FgFCHfuc0
乙でした。
佐々木が黒いよ〜〜
362 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 22:35:12.25 ID:sGNO+Vfb0
ほ
修羅場〜修羅場〜
たっぷり、修羅場〜
364 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 22:45:04.75 ID:LOaTXuNrO
ほ
14レスほどお借りしてもいいですか?
2ヶ月前ぐらいから放置してたやつの続きなんですが
かもん
どぞ
ではいきます。
桃色空間奮闘日記の番外編です。
支援……ってかめちゃくちゃ久しぶりだw
桃色ktkrwwwwww
戦慄の前編から約2ヶ月ぶりの後編、もう覚えてない人もいるだろう。
前回、所属する機関内に裏切り者がいることを森さんから聞かされた僕。あ、僕古泉です。
なんだかんだで森さんが僕ん家に泊まりこむことになり、なんだかんだで協力して犯人を捜すハメに。
事情聴取、現場検証、プロファイリングなどを行いなんだかんだで犯人が僕達の仲間、
多丸(裕)さんであることをつきとめる。
裏切り者である多丸(裕)さんをなんだかんだでとっちめ、見事事件を解決した森さんと僕。
これで森さんとの共同生活もお終いだ!と歓喜したのも束の間、実はまだ裏切り者が存在するらしく
どうやら僕の苦労はまだまだ続くようだやれやれ。
的な感じで意気揚々と後編に続く!と書き込んだのだがこれがまた後から読み直すととんでもない駄作で、
「さすがにこれは自重した方がよさそうだ。」とリアルで思いしばらく投下せずに読み手に回っていたのだが、
そろそろみんな忘れてるころかなと思い意気揚々とキーボードを叩く。が、しかし事件の続きを書く
気力がわかない。完全にあの頃と気分が変わっている。
くそう、なにか、なにかおもしろい話はないか…。なにか、読み手をシビれさせるような新要素をこの『桃色奮闘』にも…!
「じゃあアレよ。オリキャラを主役にしてSOS団内で大活躍する話を…」
それはらめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
桃色空間奮闘記
番外編『古長が読みたい。ああ、長古でもいいよ。』の巻き
二ヶ月はまだマシな方だぜ!
ちょw解決編はwww
支援
とにかく前編の最後の引きは無かったことにする。
いや、無かったことにするのはマズイ。
結局残りの裏切り者は多丸(圭)と新川さんとええと、あとアレ会長だった。そんで
全部捕まえた。うん、それでいいや。
「そんな適当でいいの?」
いいんですよ森さん。どうせコレでホントに最終話なんだし。
…ってか森さん。なんでまだ僕の家に住んでるんですか。今度こそ事件は解決したはずでしょ?
「うーん。なんてゆーか、いちいち荷物持って帰るのがめんどくさいのよねぇ〜」
ソファーの上でくつろぎながらふとももをバリボリ掻く森さん。深い溜息をついて部屋を見渡す。
見覚えのないテーブルに、見覚えのない棚。見覚えのないジョーバに見覚えのない健康ぶら下がり機。
見覚えのない各種テレビゲーム機に見覚えのないカラオケ機材その他もろもろ。カラオケて。
いつの間にか居間の半分以上が、森さんの私物で埋め尽くされていた。
「なぜこんなことに…。」
「そんな露骨にガックリしなくていいじゃない。散らかしてるわけじゃないんだし…あ、そうだ古泉、コレ。」
ヒラリ、と一枚の郵便物を僕に差し出す森さん。怪訝に思いながらも受け取り、確認する。
「え、NTT? 光フレッツ?」
ネット料金の支払い。それの請求書。だが…
「あのぅ…僕の家はADSLのはずなんですが…」
「ああ、アレ解約したの。」
ええ!?
「別にいいでしょ?こっちの方が速かったし。」
…なんで森さんが僕がした契約を解除できるんですか。
「それはまぁ、いろいろな方法を駆使してよ。」
「いろいろって…」
軽い眩暈を覚えながらもどうにか持ちこたえる。ふんばれ僕。この人の無茶苦茶ぶりは今に始まったことじゃないじゃないか。
支援
「それよりあんた時間平気なの?学校でしょ?」
あ、ヤバイ忘れてた!
そう、今日は平日。普通に学校がある。
「…森さんて僕が帰ってくると必ず家にいますけど、普段なんの仕事してるんですか?」
「…聞きたい?」
…。
…いいです。
うんざりしながら玄関に向かう。
まあいい、とりあえず今は学校だ。
変わってしまった我が家よりも、学校の教室や文芸部室の方が少しは落ち着けるかもしれない。
そんなことをのんきに期待しつつ僕は玄関の扉を開いた。
その学校で、自分に関するとんでもない噂が流れ始めていることも知らずに。
――――――――――
教室の扉を開くとすぐに違和感に気付いた。
クラス中の視線が僕に集まっているのだ。ズボンのチャックを触る。うん、閉じてる。
いぶかしげに思いつつ自分の席に座る。
なにやらあちらこちらでヒソヒソ話が聞こえてきた。どうやらその話題の主役は僕らしい。
なんだ…いったいなにが…
内心ドッキドキでいると1人のクラスメイトがヒソヒソ話から抜け出し僕の方に近づいてきた。
支援
379 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 22:56:31.11 ID:qI47QhTT0
し
彼は…まずいな…オリキャラはまずい。…どうする?彼が『教科書文通』の山田君ばりのナイスキャラでなくては…いや、
でも無理だな。うん。無理無理。リスクが大きすぎるよオリキャラは。とりあえずコイツはA君でいいやもう。
「おや、どうかしたんですかA君?」
にこやかに応える。
「A君?なに言ってやがる古泉。俺の名前は神宮領 龍牙(しんぐうりょう りゅうが)だぜ?」
おい!なに勝手に名乗ってるんだ!しかも何でそんなカッコいいんだ!A君でいいんだよお前なんか!
「それで、なにか御用ですかA君?」
あくまでA君で貫き通す僕。だってまずいよ。神宮領は。
「…まぁいいけどよ。それよりみんなお前に聞きたいことがあるんだが。」
「聞きたいことですか。」
なんでしょう?と笑顔のまま答える。
「お前、すげぇ綺麗な女の人と同棲してるだろ?」
ピキッ
笑顔のまま固まる。
な、ななな、ななななな、
「な、なんのことでしょう?」
どうにか笑顔を保ったまま返事をする。
「とぼけんなよコイツ!」
ガッ、と急に変なテンションで僕の肩に腕を回すA君。
「5組の谷口って奴が見たって言いふらしてたぜぇ〜?『9組の古泉の家にものすごい
美人が出入りしてるのを見た』って。」
あのクソカス野ろ…じゃなかった谷口君。あなたはなんてことを…
「な、なにかの間違いではないでしょうか?僕はそんな…」
「証拠ならあるぜ。」
ヒラリ、と写真を渡される。そこには僕の家に入ろうとしているスーツ姿の森さんの姿があった。
「これも谷口が撮ったらしいぜ。なんでも後日張りこんでシャッターチャンスを狙ってたんだと。」
あのクソカス野郎!!
支援
382 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 22:57:58.91 ID:EgA1xPe50
クソカス野郎支援
「さあ、これでもとぼけ続けるかな古泉君はぁ〜?」
下品な笑顔。あんま調子乗んなよ神宮領。
「ちょっと待ってください。それは…『バギャーン!!』
更なる言い訳をしようとした途端、教室の扉がけたたましい音をたてて開いた。
僕も含め、クラス全員がいっせいにそちらを向く。そこには…
「聞いたわよ古泉君!!
女と同棲だなんて、よくもそんな面白い事あたし達に黙ってたわねぇ!」
我らがSOS団長。涼宮ハルヒと
「ちょい、落ち着けってハルヒ!」
彼女にネクタイを引っ張られ、苦しそうに小さく意見する彼の姿があった。
ああ、
そうか…
今回はそういう…
そういう話なのか…
静まり返った教室の中、僕はこれから起こるであろう惨劇を予感しながら、1人絶望に身を委ねていた。
「オ、オレ、ソレシラナイ。ソレ、ワカラナイ。」
「なに片言で言い訳してんの。古泉君そんなキャラじゃないでしょ。いいからこっち来なさい。」
彼を掴んでいる手とは逆の手で僕の後ろ襟を掴む涼宮さん。そしてそのまま引きずられ、強制的に席を立たされる。
支援
支援
「オ、オレ、ホントニワカラナイ。シラナイ。」
オレ、ニンゲン、キライ。ニンゲン、コロス。
「…古泉。気持ちは分かるがとりあえず落ち着け。」
僕と同じくズルズル引きずられている彼からなだめられる。器用に僕の耳に顔を近づけてきた。
(しかし、どういうことなんだ?谷口から写真見せてもらったが、あれ森さんだろ。
ハルヒは気付いてないみたいだったが…。)
(ええ、これにはとても不快いや違う深い理由がありまして…)
(話してみろ。)
(実は…かくかくしかじか…ということがありまして…。)
(かくかくしかじかじゃ分かんねぇよ。)
あーもう、めんどくせー
(詳しい話は開設して1周年を過ぎてなお、日々斬新で素晴しいSSが更新されているまとめサイト
『涼宮ハルヒのSS in VIP @Wiki』のトップページから長編→古泉一樹→桃色空間奮闘日記の順番で入って、
その中にある番外編 前編をご覧になって下さい。)
(『涼宮ハルヒのSS in VIP @Wiki』というとあれか?多彩なジャンル、カップリングが楽しめ、数ある
ハルヒ系SSサイトの中でも群をぬくバリエーション数を誇るあのまとめサイトか?)
(ええ、王道のハルヒ×キョンから、非常にコアな森×国木田まで、かゆいとこまで手が届く充実したカップリング。
そして甘〜いラブラブ話からハンカチ必須の感動モノ。意外と良作が多い鬱モノなど、どんなジャンルにも対応、
あなただけの名作が必ず見つかる、あのまとめサイトです。)
(さらには腹を割って感想を書ける雑談所を始め、コンテンツ充実の避難所。
過去3回行われた企画も好評を得、これからますます盛り上がりを見せるであろうあのまとめサイトか?)
(そのまとめサイトです。)
(そのまとめサイトのトップページから長編→古泉一樹→桃色空間奮闘日記の順番で入って、その中にある
番外編 前編を読めばいいんだな?)
(そうです!それを読めば全てが分かるはずです!)
(そうと分かれば今すぐCheck It Upだぜ!)
Upだぜ!
支援
「あんた達、至近距離でなに訳わかんないことゴニョゴニョ言ってんの。」
涼宮さんから急に声をかけられた。気付くと文芸部室の扉の前にいた。いつの間にか連れて来られていたらしい。
「あの、涼宮さん。そろそろ朝のHRが始まってしまうんですが…」
「そんなのどうでもいいわよ!」
言い放つやいなや扉をドーンと開ける涼宮さん。引きずられたまま強引に部室に入れさせられた。
中にはいつもの定位置でハードカバーの本を読んでいる長門さんとメイド服姿でお茶を淹れる朝比奈さんの姿があった。
「あ、古泉君おはようございますぅ。」
「…」
いや、おはようじゃないでしょ。
「あ、あの、みなさんHRは…」
「あたしが召集を掛けたの。なんてったって、天下のSOS団副団長に汚職の疑惑が挙がってしまったんだもの。
これは早急に原因の究明とその解決法を話し合う必要があるわ!」
「いや、汚職って…」
言葉とは裏腹に嬉しそうで楽しそうな涼宮さん。彼の方をチラリと見ると口パクで「あきらめろ」と言われた。
もう泣きそう。
――――――――――
「で、実のところどうなの?」
「どうなの?と、言われましても……」
他の団員が全てイスに座っている前で、1人立たされている僕。
頭には鉢巻が巻かれており、そこにマジックで『被告』と書かれている。
「女と同棲してるって事よ。結局本当なの?
言っとくけど、下手な黙秘は立場を悪くするだけだからね。さっさと言ったほうが身のためよ♪」
楽しそうに僕を取り調べる涼宮さん。他の団員も僕の方を見てるが、助けなどは期待できなさそうである。
クソッ、なんで僕ばっかり。
支援
しかしどうしようか。下手な言い訳をすると涼宮さんには逆効果だろうし、さりとて認めてしまうのはそれはそれでマズイ。
もちろん機関の事なんて言えるわけないし…
ん?
ふと、長門さんが僕の方を凝視している事の違和感に気付いた。
いや、朝比奈さんも彼も僕の方を見ているのは一緒なのだが長門さんがこういう時、
本を読まずに話題に入ってくるのは珍しい。
どんな話題の時でも、彼女は大抵話しに入らず手元の本を読んでいるのがデフォだというのに。
しかも僕の女性関係の話題なんかで……
んん…?
これは
これはもしや、
『古泉に同棲している恋人がいるという噂が広がって長門有希嫉妬フラグ』来たかコレ?!
いやだってそうでしょ。古長って他では割とタブー視されてますけど、プリンでは人気カプのひとつだし、
ここで古長展開に持っていけば新たな展開を開くことも可能なわけで
現に今こうやって長門さんが僕の方をじーっと見てるわけだからこれはもうそうとしか考えられないですよ!
いやっほう! ついに僕も放課後いちご練乳を食べたり、教科書を貸しあったり、水族館に行ったり出来る!
――――――――
「今日は、楽しかったですか。長門さん。」
「…?」
支援
そういや電子手紙いつまでも待ってるんだぜこのやろうォォォォォォ……まだ終わってなかったよね
しえn
「僕は今日、とても楽しかったです。涼宮さんがらみの事から久々に解放されて、朝から晩まで、いろんな所に行って、
なにより、いつもと違う長門さんが見れたのが、なにより嬉しかった……。」
「……。」
「でも、時々不安になるんです。…恥ずかしながら、僕はあまり女性とお付き合いした経験がなくて、
長門さんが心から楽しんでくれているか。『彼』のように、長門さんを心から楽しませる事が…
安心させることが僕に出来ているか……」
「……」
「フフ、すみません。らしくないですねこんなこと。いくら頑張っても、僕は『彼』のようにはなれないというのに。」
「古泉一樹。」
「はい?」
「…あなたでいい。」
「え…」
「あなたはあなたでいい。『彼』のようになる必要はない。」
「長門さん…?」
「今日は、わたしも楽しかった。常に部室や自室にしかいないわたしにとって、今日あなたと共に
見た数々の景色は、とても新鮮。いつもと違う笑顔を見せてくれたあなたも、わたしにとってとても新鮮だった。」
「長門さん…」
「古泉一樹。わたしは……わたしは、あなたがいい。」
「!……。」
「『彼』ではない。あなた自身のあなたがいい。つらいことがあっても、悲しいことがあっても、わたしたちの前では
決してそれを見せない儚い笑顔を一生懸命作り、SOS団を影から力強く支えてくれるあなたが。」
「……。」
「古泉一樹。わたしは、わたしはあなたが…」
「長門さん……」
それ以上言葉は要らなかった。
僕は長門さんの両肩に手を置き、切なそうに僕の瞳を見つめる長門さんの少し濡れた唇に、
ゆっくりと自分の唇を重ねた―――。
支援
桃色からたったの2ヶ月でこんなになるとは‥‥
―――――――――
みたいな展開を築ける!こりゃたまらねぇ!
僕が内心でものすごく恥ずかしい妄想をしていると
「?どうしたの有希。古泉君の顔を凝視して。あんたがこういう話題に入ってくるの珍しいじゃない。」
涼宮さんナイス質問!。さぁ、ここからスキヤキを作ったり、猫を拾ったりするフラグがバッキバキ立つぜぇ!
「別に…。」
へ?
「あなたが女と付き合っているとは意外。わたしはてっきりそのケがあるのかと思っていた。」
場が凍りつく。
「や、やーね有希ったら。いつそんな冗談覚えたのよ。」
「そ、そうですよ長門さん。びっくりさせないで下さい〜。
「長門。冗談を言うのはおおいに結構だが、内容には気をつけて発言しろよ。」
「……。」
「こ、こほん。
ま、まぁいいわ。ところで話は戻るけど…って、古泉君?」
……
支援
…ぼくの、一レス以上にもおよぶあの妄想は、一体…
こみあげてくる涙を必死にガマンする。
そうさ、僕にそんなのあるはずないじゃないか。僕が誰かと結ばれるなんてありえないのさ。
古泉一樹の一人身万歳!
「フフ…フフフ……」
「こ、古泉君?」
「ハッ、す、すみません。」
「どうしたの?大丈夫?」
「え、ええ大丈夫です。」
いかんいかん。マジ落ち込みは後だ。とりあえず今は本題をどうにかしなきゃ。
「で、そろそろはっきり聞かせてほしいんだけど。彼女と同棲してるの?どうなの?」
フム。ここは少しお約束ですがこれしかないでしょう。
「残念ですが、僕にはお付き合いしている女性なんていませんし、同棲なんてまったくの誤解ですよ。」
いつもの笑顔で言い返す。涼宮さんはにやりと笑って
「ふーん、でもあの写真はどう説明するわけ?ばっちり女の人が写ってたけど。」
「ええ、その話ですが、おそらくその方は、僕の家のお手伝いさんではなかと。」
「お手伝いさん?」
「はい。みなさんには黙っていましたが、実は僕、両親から離れて独り暮らしでしてね。理由は大した事ではないのですが。」
「え?そうなの?」
「はい。それで、僕1人では心配だ。と、親がお手伝いさんを雇ったんです。言ってみれば、メイドさんですね。」
ちらりと彼と目を合わせる。彼は少しだけ笑みを浮かべ「そう来たか」といった表情をしていた。
「ふーん、メイドさんねぇ〜」
涼宮さんが疑惑の目で睨んでくる。
「ええ、確かに素敵な女性ですが…年齢も離れてますしね。がっかりさせて申し訳ないのですが。」
支援
「ふーん、まぁ、確かに古泉君の家ってお金持ちっぽいしね。そういうこともあるかしら。
あーあ、せっかくおもしろそうな話だと思ったのになー」
申し訳ありません。と言葉では言っておきながら僕は内心かなりホッとしてた。
よかった。どうにか信じてくれたようだ。これでどうにかこの危機は乗り切ったな。
「ま、古泉君が彼女なんて作るわけないしね。さ、もうみんな教室に戻っていいわよ。悪かったわねわざわざ呼び出して。」
一部気になる発言もあったがこれでめでたく古泉一樹の裁判も閉廷だ。
彼と朝比奈さんが自分の席を立ち、涼宮さんが文芸部室の扉を開けようとした その時
「まだ。」
「「「「え?」」」」
僕を含め、帰ろうとする4人がいっせいに長門さんの方を振り返る。
「有希?なにがまだなの?」
「彼の同棲疑惑は、まだ解決していない。」
な?!
「え?え?どういうことなの有希?」
涼宮さんの瞳に再びわくわくの炎が灯る。
「彼は被告人。その被告人の証言をそのまま信じるのはナンセンス。」
な、長門さん?あなた一体なにを…
「家政婦などというのは事実を隠すためのただの嘘という可能性がある。
事実をつきとめるには、やはり直接確認するべき。彼の家に行くことを提案する。」
ちょっ!
「そうよ有希!あんた今すっごいいいこと言ったわ!さすがあたしの見込んだ女よ!」
「それほどでもない。」
キラリ、と目を光らせる長門さん。
支援
403 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 23:10:20.51 ID:M1+/1lnS0
支援
「そうよそうねその通りよ!決定的な証拠がない限り、まだ判決を下すわけにはいかないわ!
今日の放課後、古泉君ん家に直接確認しにいくわよ!」
「ちょ、ちょっと待ってください涼宮さん…」
必死に止めようとするが、こうなってくると涼宮さんは止まらない。
「だーめ、意見は却下よ。行って直接この目で確認するまでは、古泉君の言葉は信用しません!」
そ、そんな…
「さーて、放課後が楽しみになってきたわ!いいわね古泉君。逃げたりしたら承知しないから!」
そう言い放つやいなや彼をひっぱって部室を飛び出す涼宮さん。すごいスピードで自分達の教室へと帰っていく。
なんだこの強引な展開は。
「あ、あのう古泉君。わたしもこれで…また、放課後。……ご愁傷様ですぅ。」
ぺこり、と頭を下げて朝比奈さんも帰っていった。
唖然としていると最後まで部室に残っていた長門さんが僕の方まで寄ってきた。
そして
「他人を使って、勝手に変な妄想をした罰。」
そう一言残し、長門さんも部室を出て行った。
……
………
…誰か、助けて。
後編に続く
支援
おっと乙! 後半に期待……って2ヶ月前も同じことを言ったようなw
よっしゃ追い付いた支援……ってあれ?
408 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 23:17:56.18 ID:M1+/1lnS0
乙
長門www
そしてこの続きも2ヶ月後……ってことはないよなw
乙
どうしたんだ長門wwww何が狙いだwwww
411 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 23:24:06.28 ID:gg7PfP7U0
GJwwwwww
メタネタの多さは流石だwwwww
後編も期待。・・・・・年は越さないよね?
ほしゅ
しっと団の人が投下したかと思えば桃色閉鎖空間の人まで来てるとは
今日はなんて良い日なんだ………
414 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 23:46:25.76 ID:owHuW5x30
保守
415 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/24(土) 23:48:00.41 ID:EgA1xPe50
新しい保守ネタを思いつくまで寝よう
キートン山田「後半に続く」
書いてた長編、どこまで投下したか分からなくなった…
418 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 00:04:34.99 ID:X9ZFyENyO
今日の投下よかた
完成しないと投下しない俺には縁の無い悩みだw
420 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 00:12:09.78 ID:sVDWtN8iO
みくるが一番だろ!紅茶に何入れてるかわからないんだぜ!
今日もみくるでオナニーだ
421 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 00:12:49.32 ID:sVDWtN8iO
ごめん誤爆
422 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 00:27:16.59 ID:vzS334Ve0
保守
h
424 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 00:38:50.82 ID:kS9HcrvH0
保守
425 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 00:52:59.34 ID:Cy5zg3Z+O
保守
保守
桃色久々に読んだけど江頭2:50みたいなSSだwいい意味でw
私の名前は山口健三、北市警察署の刑事である。
家族は妻、娘、そして祖母がいる。
娘は今年で18になる、まったく構ってもらえなくなってしまった、
妻ともここ2週間は会っていない、
早く妻の幸恵の作った飯が食べたいものだ。
「山さん大丈夫ですか!?ボーっとしてますよ。」
「横から人の回想を邪魔するな」
「なんスか?回想って・・・」
「なんでもねーよ」
この口減らずの男、立花 百合助は俺の部下、
3ヶ月前に北署に来たばかりの新人である。
立花「あっ!あいつらじゃ無いですか?」
山「・・・ようやく来たか」
高校生の5人組、女子3人と男2人
真ん中の女子が飛び跳ね取る、
立花「あいつらを見張っとけばいいんですよね?」
山「部長が言うにはな・・・」
立花「しっかし、どっからどう見ても普通のガキじゃねぇですか。」
山「俺たちは上に言われたことをすればいいんだよ、おい行くぞタツ!」
立花「了解っス」
山「ああ、あとタツ」
山口が足を止め、振り返り
立花「なるだけ口閉じてろ」
山「・・・了解です」
429 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 01:28:38.76 ID:m2xXxvA00
保守
keepdefense
古泉「あなたにとって涼宮ハルヒとはどのような存在なのでしょうか?」
みくる「うーん」
古泉「いえ、その、女の子同士の関係、とでも言うのでしょうか」
みくる「そうですね……。SとMですね」
古泉「え?」
みくる「不思議と惹きつけられちゃうんです。吸い寄せられてしまうみたいに」
古泉「……それはそれは。まさにSとNですね」
みくる「はい! SとMです!」
432 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 01:51:01.52 ID:q7pvMzQaO
よく考えてみるとみくるって可哀想だよな
プリンはキョンみくや古みくが少ないからいつも一人になる
誰かみくるの幸せになるSSを書いてくれ
鶴屋さんが居るジャマイカ
無いんだったら作るか、逆にむしろ惨殺してやればいいのよ。人間だもの
435 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 02:20:41.63 ID:Qkt9OXJ90
く 「びびるびるびるびびるび〜る♪」フヒヒw
436 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 02:40:00.85 ID:H89oyX1MO
保守
深夜は筆が進むぜ保守
438 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 03:07:26.80 ID:m2xXxvA00
保守
439 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 03:30:37.80 ID:It4Iutt50
ほ
440 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 04:03:31.65 ID:Qb8I+kNeO
ほし
441 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 04:20:42.90 ID:KeIqBm4MO
☆
442 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 05:03:08.29 ID:Qb8I+kNeO
ホ
443 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 05:29:41.50 ID:AumAyubAO
保守
保科
保守
保守
エロパロの保管庫行ったら書いてる話とネタが完全に被っていたのを発見してやる気がなくなった保守
俺の一晩を返せ……
448 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 06:51:37.09 ID:qR05tR8V0
>>447 いやいや文章まで全く被る事はないだろうし少なくとも俺は楽しみにしてるぜ
お伊勢参りに行って来る保守
451 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 07:20:52.94 ID:/SLrxEm50
>>447 話のかぶりなんてプロも諦めてる
だが、最後にもう2回ひねれば、新しい話に早変わりだ
それに、元ネタよりうまく書ければ前の話はなかったことにされるんだぜ
452 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 07:39:40.37 ID:QmEaGft3O
ほ
SSを書く旅に出てくる保守
454 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 08:13:07.60 ID:1gr885ES0
保守
なんか意味わからんスレが乱立してるな
保守
456 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 08:30:21.45 ID:QmEaGft3O
ほ
457 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 08:47:54.04 ID:1gr885ES0
保守
458 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 09:03:49.02 ID:QmEaGft3O
ほ
459 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 09:34:58.75 ID:X9ZFyENyO
ほ
460 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 09:53:43.50 ID:QmEaGft3O
ほ
ほああぁあぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!
462 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 10:15:04.92 ID:e7iujGhX0
た
463 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 10:18:13.98 ID:K57IdqBBO
俺が扉をあけると、そこはもののみごとにもぬけの殻であり時計の針はすでに部活終了時刻を軽くオーバーし、
窓の外は鈍色にくすみどこかはるか遠くからバレー部かバスケ部かは知らんがホイッスルの甲高い響きが波打って聞こえ、
あいつ鍵閉め忘れてんじゃねぇかなどと思い誰もいない部室に飾られた溢れんばかりの衣裳を見て鼻を擦り付けたい衝動に駆られはしても、
厚い雲がキャパシティを越え今にも降りだしそうだったため素早くきびすを返してきまぐれな神様にどうか降りませんように、
などと祈って廊下を走ると案の定バケツを返したように土砂降りの雨が室内でもわかるくらいに校舎を叩き、
悲嘆に暮れたまま玄関に着くと一本の傘を差した後ろ姿が目に入り、そいつは俺に気が付いたようでゆっくりと振り返えって傘の片側を空けながらこう言った。
「お待ちしていました。どうです、相合傘なんて胸がドキドキするでしょう?」
というガチホモ保守。。。
464 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 10:39:01.84 ID:X9ZFyENyO
アナル池www
尻穴スレ何時でも貴方をお待ちしております
466 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 11:07:07.74 ID:QmEaGft3O
ほし
467 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 11:20:58.88 ID:J9oMS5PZ0
最近投下ラッシュだなw
保守
468 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 11:22:13.33 ID:mF7vSsQs0
「ねぇ、キョン。事実婚って知ってる?」
「・・・・なんだそりゃ」
「籍を入れずに結婚生活を送るってやつですか?」
「そう、それ!」
「ヨーロッパの方では広く普及していると聞いております」
今日のハルヒは俺が部室に来たときには既にパソコンでなにやら調べていた
「流石、副団長。物知りね・・・・ねぇこれなんだか楽しそうじゃない?」
ハルヒの笑顔が輝いている・・・・いやな予感がするぜ
「これやってみない?」
保守
469 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 11:27:53.15 ID:mF7vSsQs0
「やってみない?って言われたって誰と誰がやるんだよ」
「そんなのあたしがやらなかったら、あたしが楽しくないじゃない!」
「・・・・・となりますと、相手は必然的にあなたということになりますね」
「俺かよ!」
「・・・・なによ・・・・・嫌なの?」
っう・・・・目を潤ませての上目使いは反則だ!
「い、嫌じゃないが・・・・・親にも聞いてみないとな。それに何処でやるかも」
「それならご安心を。僕の知り合いにちょうどマンションの一室を(ry」
「じゃぁ決まりね。あとはキョンの親の許可が下りるのを待つだけね!」
・・・・・やれやれ
保守
470 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 11:37:24.00 ID:NaCt5sbp0
ふんもっふ
保守
471 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 11:45:49.20 ID:X9ZFyENyO
472 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 12:00:14.87 ID:mF7vSsQs0
その夜
「なぁ親父」
「ん?なんだ・・・」
「お願いがあるんだが」
「ok!ok!許可する」
「いや、まだ何も言ってないだろ・・・・実は部活で長期合宿に行くんだが」
「よし、言ってこい!かあさんには俺から話しとくよ」
放任主義にも程があるだろ・・・・
「『親の許可は下りたぞ』っと・・・・送信」
・・・・・・
「『わかったわ。明日古泉くんの紹介で部屋を見に行くからそのつもりで。明後日の土曜日からは引越しよ』」
「『了解』っと」
保守
473 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 12:06:45.79 ID:X9ZFyENyO
474 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 12:08:18.64 ID:mF7vSsQs0
えぇ、一生になるかもしれません・・・
475 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 12:20:59.69 ID:QmEaGft3O
wktk
476 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 12:22:49.85 ID:gVnQqRZr0
wktkwktk
477 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 12:26:48.02 ID:X9ZFyENyO
誰か軽い保守的な合作しませんか、と訊いてみる保守
面白そうだからやりたいけどぉ・・・・・・・後悔しても知らないぞ。
479 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 12:36:15.47 ID:mF7vSsQs0
「広くもなく狭くもない、ちょうどいい部屋ね。流石、古泉くん。やるわね」
「お褒め頂くとはありがたき幸せ」
あ、あれ?違和感感じているのは俺だけか?
なんかさっき起きたと思ったら学校の記憶がないまま午後の住居見学になってた
お〜い、古泉。ちょっと話がある
「えぇわかってます。恐らく涼宮さんが『早く部屋が見たい!』とでも願ったのでしょう。特に問題はありません」
そんなに楽しみだったとは・・・・可愛いところもあるんだな
「わ〜お風呂が広い!」
相変わらずはしゃぎっぱなしのハルヒ、いい笑顔だ
保守
480 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 12:36:58.83 ID:X9ZFyENyO
人間はよく(ry
と朝倉さんも申しておりましたから
wktk
482 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 12:40:43.45 ID:Hkf/qtLD0
保守
483 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 12:50:37.29 ID:mF7vSsQs0
古泉(の機関)に紹介された部屋というのはなかなか綺麗で
2人で住むには丁度いい大きさだった
さらにサービスがいいことに家具家電の一式が最初から備え付けられていた
「ふふ、結婚&引っ越し祝いだと思ってください」
まだ結婚しとらんわ
「『まだ』っと申しますと・・・・結婚式には呼んで下さいね、では」
あぁ墓穴掘った・・・・ハルヒは顔真っ赤だし
保守
484 :
事実婚:2007/11/25(日) 12:55:46.07 ID:mF7vSsQs0
今日はココまで
485 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 12:59:52.53 ID:X9ZFyENyO
書きながら投下してたの?
488 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 13:00:52.88 ID:mF7vSsQs0
>>485 そんな恐ろしいことできませんwwwwwwwwww
489 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 13:12:22.71 ID:X9ZFyENyO
>>487 三人は欲しいですね
ss古泉くん保守でもあったように前中後編で
490 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 13:37:03.61 ID:QmEaGft3O
保
491 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 13:46:56.22 ID:jUKHxRi50
>>489 そして、作品の属性が全く違う3人が集まって
最後の人がまとめるのに苦労するわけですね?
492 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 13:51:14.27 ID:X9ZFyENyO
その通り
1人当たりノルマは2〜4レス程度で急速展開を慣行しましょう
今のところ2人?いるからあと1人募集
493 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 14:08:03.70 ID:QmEaGft3O
ほ
494 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 14:12:44.29 ID:Hkf/qtLD0
保守
SS書きの旅から帰還。
>>492 ちょうど気分転換したいから、最後を務めさせてくれるなら参加したい。
ただし超展開を覚悟してもらう必要があるけど。
496 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 14:31:12.64 ID:X9ZFyENyO
497 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 14:33:03.41 ID:X9ZFyENyO
>>487の人いますか?
いたらどんな感じでもいいから適当に序盤をお願いしたいのですが
498 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 14:46:12.44 ID:T/k6VQvQO
保守
とりあえず適当にトリをつけてみては?
支援
501 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 15:00:01.43 ID:bmXcjDSP0
んじゃ俺やってもいいですかね?
502 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 15:03:48.42 ID:7yIxk4KnO
支援だす
503 :
◆s1XLOUXSjw :2007/11/25(日) 15:04:56.70 ID:X9ZFyENyO
504 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 15:06:04.10 ID:bmXcjDSP0
なんか注文はありますかね?キャラは誰がいいかとか、どんな傾向の話(甘orギャグ)がいいかとか
505 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 15:09:08.11 ID:X9ZFyENyO
>>504 自由に想うがまま書いてください
SOS団何人殺しても、会長と喜緑さんのSMでも文句はいいません
506 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 15:12:05.84 ID:7yIxk4KnO
>>503 ヤマジュン展開じゃなければなんでも楽しみですw
>>505 > 会長と喜緑さんのSMでも
ちょwww
あと外野からやじ飛ばす様で悪いんだけど、時間制限設けたほうが良いと思う。
508 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 15:20:37.61 ID:X9ZFyENyO
あ、じゃあタイトルだけ決めさせて貰います
〜カオスに魅せられた男たちの大和〜
509 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 15:21:56.47 ID:X9ZFyENyO
>>507 そうですな
大体どのくらいあればいいもんかね
510 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 15:27:00.93 ID:x1vtzuIH0
カオスになるならアナルでやったほうが
出来た!なんでも言いって言うからカオスチックにしてしまったよ/(^o^)\
〜〜〜
ふおぅ……んぐっ……結構キツいなコレは。なんでまたハルヒはこんなことを企画したんだ……!
え?何をやってるかって?それは部室にデカデカと書いてある看板を見てもらえば……
え?SSだから見えない?しょうがないな、じゃあ今から読み上げるぞ。
『第1回!チキチキ!空気椅子大会!最後まで生き残るのは誰だ!』
……これで把握して頂けただろうか。実にくだらない大会だろう?そう、俺達5人は今、空気椅子をしている。
空気椅子というのは、椅子が無いのに椅子があるかのように座ったポーズをすることで、
この体勢を維持するのは結構……というか相当キツい。
一種のトレーニングとも言えるこの行為だが、これを使って今俺達は我慢大会をしてる。
要は、この体勢で1番長く居られた人が優勝ってことだ。
このような企画を提案したのは誰か。もう言うまでも無く分かるだろうが、我等が団長である涼宮ハルヒ様だ。
「不思議を探すには忍耐力が必要よ!そしてあんた達にはその忍耐力が足りないわ!特にキョン!」
「言わせてもらうがな、毎回奢りとかしてる時点で俺の忍耐力は相当……」
「というわけで!今日はみんなの忍耐力をテストします!」
これが今日部室にハルヒが入ってきた瞬間に繰り広げられた会話である。
いや「会話」じゃないな。自分の言いたいことを言うだけで俺の悲痛な主張は綺麗にスルーされている
相変わらず俺の意見などミジンコ程度にしか気にしないヤツである。
>>509 18時までに完了するぐらいではどう?
あまりだらだらとやっていると他の投下する人の妨げになる。
さて、回想もこの辺で切り上げ、俺以外の面々の様子を観察するとしよう。まずはハルヒだ。
「ふん、まだまだ余裕ね!」
と強がってはいるが、どう見ても辛そうだ。かなり汗をかいているし、相当キツいと思っているに違いない。
もっとも、そんな素振りは絶対見せたがらないだろうけどな。ハルヒはそういうヤツだ。
「涼宮さんは流石ですね。僕はかなりキツいですよ。いやはや、これほどまでにハードだとは……」
と余裕そうに言うのは古泉。口で言う割にはまったく辛そうに見えないのは俺だけだろうか。ここらへんはハルヒとは真逆だな。
まあ真夜中に閉鎖空間に呼び出されたり、機関で訓練を受けたりと、忍耐力が強くなくてはやっていけなさそうな感じはするな。
「……」
で、長門だ。なんとコイツは、空気椅子をしながら本を読んでいる。当然だが、いつもと表情はまったく変わらない。
もはやその体勢が自然と感じているかのようなそぶりである。どう考えても優勝候補です本当にありがとうございました。
そして我等がエンジェル、朝比奈さんですが……ああ、プルプルしてらっしゃる。ああ、涙目になってらっしゃる!
「ふ、ふぇ〜」
そしてとうとうバランスを崩し、尻餅をついてしまわれた。脱落者第一号だ。
こんな意味の無い労働を強いられて可哀想に、一足先に身体を休めてくださいね。
「もうみくるちゃん終わり!?情けないわね!」
そういうハルヒの声だが明らかに無理している。コイツも相当キツいと感じてそうだな……
え?俺か?もうさっきから限界ギリギリですが何か?
さてこの無意味な闘い、いつになったら終わるのか、そして誰が優勝するのか……
514 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 15:33:11.74 ID:X9ZFyENyO
>>510 大丈夫。この合作の場合タイトルなんてあってないようなものだから
一番手の方はタイトルに縛られずに甘々にしてくれてもいいですから
ここで終わりです。続きは任せた!
516 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 15:35:04.73 ID:7yIxk4KnO
支援
517 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 15:35:12.97 ID:X9ZFyENyO
もう来てる早いな
キョン「あのプリンには毒が入ってたのか」
ハルヒ「よし、計算通り。冷蔵庫にプリンを入れるところから始まりすべて計算しつくされていた。始めからお前は私の手のひらの中で踊ってたのさ。」
キョン「涼宮ハルヒ、なんて女だ!…ぐは?」
古泉「いいじゃないですか」
520 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 15:49:04.00 ID:bmXcjDSP0
今ニ番手の人が書いてるのかな?
このまま放置されたら俺的に物凄くやるせないww
>>520 2番手はID:X9ZFyENyO氏だから大丈夫。
んで、ラストとして待機中。
522 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 16:05:04.52 ID:jUKHxRi50
wktk支援
何か面白そうな事やってるな。
フェリー乗ってる間暇だから、お題ください。
時間の都合上、一つで。
>>523 把握
炬燵の中で我慢大会ってのが浮かんだが、リレーSSで我慢大会ネタ使われたからオワタ
別の考える
526 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 16:31:33.60 ID:/jE738NJ0
保守
527 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 16:33:03.00 ID:X9ZFyENyO
続きいきます
そのとき事件は起きた。
なんとあの長門が立ち上がってしまったのだ。これには俺以外の団員も相当驚いているらしくみんなで長門を凝視している。
そして長門は何を考えたのかいきなり古泉の元まで歩いていき、絶賛空気イス中の古泉の膝の上に座り本を読みだしてしまった。
「え!?ちょっ長門さん!?きついんですけど!いや、もう無理ですって!!駄目、もう駄目!」
「黙れ豚野郎」
それから古泉は一言として何も喋らず白目を剥いたまま長門専用のイスとして機能していた。
時々ビクンビクンと動いているがそのたびに鬼畜長門による平手打ちが古泉の太ももを的確に捉え大人しくさせている。
「大人しくしてろ、リアルゲイ」
長門、程々にしとけよ。
「古泉くんはもう駄目ね。気絶しちゃったから失格よ失格」
古泉は哀れにも失格を宣告された。しかし長門は一向に古泉の膝から動こうとしない。どうやら古泉の膝がお気に入りのようだ。羨ましいぜ古泉。
528 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 16:35:02.74 ID:X9ZFyENyO
さて優勝争いの件だが、俺とハルヒに絞られたらしい。どうしたもんか、もう限界だから負けようかな。
「あ、キョン。負けたら窓から投げるからね」
さあ、頑張るか。
そう意気込んだ次の瞬間、喜緑さんと会長と鶴屋さんと国木田と佐々木と橘と周防と森さんと、まあとにかくいろんな人達が部室の中に突っ込んできた。何なんだろう一体。
これだけでも充分驚くべきことなんだが、何を間違えたのかそいつ等は一斉に俺を応援し始めた。ちょっと嬉しかったのは内緒だ。
ハルヒを見ると泣きそうな顔しながら俺を睨んでいた。
「何よ何よ、キョンばっかり!あたしも応援しなさいよ!!」
みんなは一度ハルヒを見た後、再び俺を応援し始めた。
そのとき、目の前が真っ暗になったと思ったら俺はなんと反町隆史になっていた。
529 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 16:36:04.61 ID:x1vtzuIH0
カオスwwwwwwww
こwwれwwwはwwwwwww
531 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 16:43:26.58 ID:X9ZFyENyO
ラストお願い
532 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 16:43:41.04 ID:x1vtzuIH0
ただリレーというのはバトンを投げて渡すものではない
こんなバトンパスじゃ受け取れないだろ
534 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 16:46:45.71 ID:X9ZFyENyO
535 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 16:47:51.71 ID:7mG2uQ5N0
一人目のネタ振りを台無しにしつつ、三人目に無茶な投げ方をする
ここまで糞な繋ぎ役は中々いない。ある意味すごいよ
536 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 16:49:35.14 ID:X9ZFyENyO
>>533 頼みます
それにしてもすみませんorz
>>536 裸で校庭10周!
「緑色の火星人が追っかけてくる〜」って叫びながら!!
539 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 17:12:49.83 ID:C09iBkOX0
ho
緑色の火星人って、ワッカーメの喜みど(ry
…サラサラ
541 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 17:25:02.00 ID:mF7vSsQs0
喜緑わろsサラサラ
ちっ。CoCo壱番屋に行ってる間になんたる急展開・・・・おのれぇ。
543 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 17:47:55.62 ID:m2xXxvA00
保守
>>528の続き行きます。予想外に長くなってしまったorz
何と言うことだ。この俺が反町隆史だと? 場違いにもほどがある。
これもお前が望んだことなのか、ハルヒ……ってどこをどうやったら空気椅子我慢大会と反町隆史がつながるんだ!
足がしびれ、視界が朦朧とする中、延々と俺に対する応援が続いた。
「がんばれ!」
「もうちょったです!」
「キミの根性ならまだまだいけるさ」
「もう少しの辛抱です。がんばってください」
「――ファッキン――ジャップ――」
「いけ! もうゴールはすぐそばだ!」
「相手の息は上がっている。負けるな!」
「最期まで諦めてはいけません!」
いろんな人の声が脳内に反響していく。ところでだれだ、どさくさに紛れてファッキンジャップとか抜かした野郎は。
――キョン!――
そうだ。俺はもっとやれる。何せ反町隆史だからな。負けるわけがない。根拠なんてないが、負けるわけがないのだ!
俺は最後の一踏ん張りとばかりに腰に力を入れる。
ああ、声援と痛みが混じり合って何だか気持ちよくなってきた。これが痛みが快楽に変わる瞬間なんだ
――ちょっとキョン!――
誰だよ。俺は必死なんだぞ。呼びかけてくんな……
「人の話を聞きなさいよ、このバカキョン!」
…………
はっ!?
突然、俺の視界がオレンジ色に染まった。
見れば、文芸部室が夕日に染め上げられ、さんさんと輝いていた。何だ、一体何が起きたんだ。
「さっきからよだれをだらだら垂らしてなにぼーっとしてんのよ! きもちわるい夢を見ているんじゃないわよ!」
声の方に振り返ってみればハルヒの顔が。なぜか眉をピクピクさせてこっちへ怒鳴り散らしている。
俺は唐突に悟った。
そうか。空気椅子我慢大会は夢だったんだな。つい暖かい陽気に騙されて部室でうたた寝を――
だが、現実は過酷だった。視線の先をハルヒの下半身へと向けると、やっぱり空気椅子状態だった。
続いて自分の足元を見てみれば、やっぱり空気椅子状態である。
あたたたた! 現実を認識したとたん、俺の全身に痛みが蘇ってきた。さっきまでの脳内麻薬中毒状態から
完全に目覚めてしまったらしい。
なんてこった。空気椅子我慢大会は現実かよ! 何でこんなことをしながら俺は夢想の世界に旅立っていたんだ。
ここでハルヒは引きつっている上半身を強引に動かし、強気に腕を組むと、
「ふふん、中々やるじゃないキョン。まさか、あんたがここまでがんばるとは思ってみなかったわ」
そう言いつつもかなり苦しそうだ。と言うか俺もまたあっちの世界に旅立ちそうな状態なんだが、
何で続けていられるんだ?
ん? ところで古泉の姿が見えないぞ。どこいった?
「彼なら自分の仕事へと行った」
いつの間にやら定位置の椅子に座っている長門が言葉。何だあいつ。一人だけトンズラかよ。
ちなみに朝比奈さんは不安そうな顔でこっちを見つめていた。その手にはすでに救急箱が置かれている。
おお、さすが俺のエンジェル。気の利くことだ。朝比奈さんに介抱されるなら今すぐ倒れても良いですよ。
つーか、マジで限界だ。一体俺は何時間続けているんだ……と時計を見れば何と1時間が経過している。
無駄にがんばりすぎだろ俺。
しかし、ここまで来て敗北というのもショックが大きい。ここはがんばって最後まで(ピキキキと腰の音)
――もう……ゴールしても良いよな……俺がんばったよな……
なんて思いながら足を崩そうと……あれ? どっかの神経でも行かれたのか、空気椅子体勢から全く身体が動かない。
どーなっているんだ?
546 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 17:52:02.49 ID:xA7TklvF0
もともと超展開前提で始めたものだから
この流れでも良いかと…
ここで俺のポケットに入っていた携帯が鳴り始める。誰だ、こんな緊急事態に。
姿勢を崩すことができないものの、上半身は動くらしい。俺は悲鳴を上げる全身を押さえつつ、携帯を取り出す。
電話主は古泉だった。
『やあどうも』
「こんな時に一体何だ」
『ひょっとしたら足を崩せないのではないかと思いまして電話を』
なにい? ひょっとしてこの姿勢が続いているのはお前の仕業か?
『誤解しないでください。僕は今閉鎖空間で神人と戦っている真っ最中ですよ? そんないたずらをしている余裕などありません』
もう耐えるだけで精一杯なハルヒはこっちの会話なんて聞き取る余裕がなさそうなのを確認しつつ、
「じゃあ、どうして俺はこの状態のままなんだ?」
『いえそれがですね。僕の前に神人が二体いるんですが、なぜか空気椅子状態なんですよ。しかもこっちの攻撃を全く受け付けなくて』
我慢に耐えかねて閉鎖空間を作ったのかハルヒは。でもそこでまで空気椅子やっていたら意味無いだろうが。
『全くその通りですが、ひょっとしたらこの二体の神人は涼宮さんが密かにずっとあなたと空気椅子で張り合っていたいという
願望が反映されているのではないでしょうか?』
うおーいハルヒさん、一体あなたは何を考えているんですかっ。だからさっき気絶してもまだこの状態を維持していたのかよ。
古泉は困ったような声で、
『しかし、閉鎖空間は拡大し続けています。そっちを何とかしてくれないと神人の処分も出来ません。
早急に何とかしていただきたいんですがね』
俺だって何とかしたいんだが! と言うか助けてくれマジで。
だが、古泉に言っても無駄だろう。原因がハルヒというならそっちを何とかせねばならん。つまりハルヒを負けさせればいいのだ。
とは言っても天下無敵の負けず嫌い、それがSOS団団長様だ。正直に言うわけにも行かんし、どうする?
しかたがない、正攻法でいこう。
俺は引きつった挑発的な笑みを浮かべて、
「おいハルヒ。そろそろ諦めたらどうだ? お前も正直限界なんだろ? ここで負けておけば、あとはパラダイスが待っているぞ
家に帰れば温かいスープやご飯もあるんだ。どうだ、いい加減苦しいことなんて止めないか?」
「ば、バカ言ってんじゃ……ないわよ! あたしがこの程度で根を上げると思っているの!?」
ハルヒはますます強情に空気椅子を続行する。なんてやつだ、どこまでがんばる気だよ。
よーしこうなったら持久戦だ。ハルヒが本当に持たなくなるまで放っておけば……
『大変です! 閉鎖空間の拡大スピードが加速しました! このままではあと10分も経たないうちに世界が飲み込まれてしまいます!』
とってつけたような急展開だ!
ちくしょう……どうすれば……どうすれば……ああ、何だかまた意識が朦朧としてきた。今度は俺の姿がジャン・レノにでも
なっちまいそうだぜ……
いや、このままでは空気椅子我慢大会で滅んだ世界という末代までの恥が出来てしまう。いくらなんでも、
それは全世界でまじめに働いている方々に失礼すぎるってもんだ。
ええい、頭に血が上らなくなってきたぞ。こうなったら思ったままだ!
「おいハルヒ!」
「何よ!」
「俺が勝ったら結婚してくれ!」
「いいわよ!」
……今一体俺は何を言ったのか。
気が付いてみれば、拳を振り上げたハルヒが立ち上がっていた。
『あ』
俺とハルヒの声がハモる。どういうわけだか、ハルヒは自ら空気椅子状態を放棄してしまったのだ。
しばらく気まずい沈黙が流れる――
『助かりました。今神人が崩壊を初め閉鎖空間も時期に消えるでしょう。あなたのおかげです……聞いていますか? もしもーし?』
古泉からの電話をとっとと切ると、俺はハルヒに背を向ける。いや……その……何というか……
一方のハルヒはつばを飛ばしながら俺の前に立ち、、
「汚いわ! 卑怯よ! あんな……あんなふざけたことを言われたから驚いて立ち上がっちゃったじゃない!」
「……俺の作戦勝ちだ」
取り繕うようにそう言うと、ハルヒは腕を組んで視線を外しつつ、
「と、ところでさっき言ったのは当然嘘よね……?」
「当たり前だ、バカ野郎」
〜終わり〜
これにて終わりです。前のお二方、ありがとうございました、
18時までは間に合ったか……時間制限つきはスリルがあるなw
550 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 17:54:09.82 ID:fREAbVAB0
観鈴がいるなw
551 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 17:55:14.84 ID:x1vtzuIH0
よく繋げた 頑張った
552 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 17:57:20.55 ID:X9ZFyENyO
>>549 いやいやむしろありがとうと言いたいのはこっちです
本当にありがとう°・(ノД`)・°
553 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 17:57:31.50 ID:xA7TklvF0
お疲れ様!
なんだか後日談がありそうな終り方ですねw
GJwww
556 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 18:01:01.08 ID:X9ZFyENyO
じゃあ後日談は
>>487の方に(ry
いや自重する
何と言うバトンタッチw
機会があれば俺もやりたいね。
盛り上がってるところすまんが、
>>523のお題できたから投下する。
558 :
こたつ1/3:2007/11/25(日) 18:05:50.10 ID:QEfKRJR0O
小雪が過ぎた今日この頃。俺のさして大きくもない部屋には、やたらと大きい、多人数用の炬燵が敷かれていた。
もちろん俺が所有している炬燵などではない。いや正確には、俺の家で所有している、購入から十年以上が過ぎた古炬燵などではなく、先ほど買って来た新品のそれである。
どうして俺の部屋にこんな大きな炬燵が装備されたかを推察するのは、日々俺の活躍振りを大いにご観賞下さっている方々ならば、何故実数がゼロで割ることができないかを説明するよりは簡単だ。
そう、我らが団長の陰謀が渦巻いていたのだ。それでは少し思い返して見よう――
事の始まりは昨日の放課後、全ての期末テストが返却され、その点数は原付の学科試験か?と一人ツッコミを入れながら凹んでいた時の事であった。
さあて、親にはどうやって言い訳をしようかな。このままだと塾送りだな、俺。
「ったく、何よその点数。この二次不等式なんて簡単じゃん。何で間違えるのよ!」
そうは言うがなハルヒ。何でaとxと二つも文字がある式なんて分る訳ないだろうが。
「何言ってんのよ。aは定数よ、定数。式に応じて場合分けするのよ!場合分け!」
ばあいわけ?なんだそりゃ?
「っあー!もうっ!あんた救いようがない馬鹿ね!マニアックな知識は豊富にあんのに、学校の勉強はからっきしね!」
ああ、俺も時々そんな風に思う。自分では決して馬鹿ではないつもりだし、それなりに勉強に励んでいるつもりなんだが、何故かそれが反映されなくてな……。
「全く、これから先が思いやられるわ……って、どうしたの、キョン。そんなボケーっと突っ立って」
ああ、いや。何か昔同じ事言われたような気がしてな。ちょっと懐かしくなってな。
「昔?誰に言われたのよ?」
あ?ああ、あれは確か、中三の冬、ちょうど今ごろだったかな――
559 :
こたつ2/3:2007/11/25(日) 18:08:54.81 ID:QEfKRJR0O
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「キョン。また間違いだ。二次方程式の解が間違っている。全く、こんな事では先が思いやられる」
とはいってもな、佐々木。あんな訳の分らない公式を覚えるのに当たって、脳がそれを拒否しているんだ。
「覚えようとするからいけないんだ。一度実際に解いて見れば答えが導き出せると言うものさ。この場合、二次方程式の一般式を因数分解の形に持っていけばいいんだ。まず、両辺をaで割って……」
木枯らし吹く冬のある日。俺は佐々木に勉強を教わっていた。何故そんな事になってしまったか説明しよう。
学校から帰ってきた俺は自転車をとり、いつものルーチンワークのように佐々木と一緒に塾へ向かおうとしていた。
その時俺の成績の悪さに嘆いた母親がボソッと言った、『ねえ佐々木さん、ちょっとこの子の勉強見てくれないかしら?』という意見に佐々木が二つ返事で了承した為である。
何故か二人は意気投合し、いついつの何時と何時に何時間お願いしますと勝手に話を始めてしまった。
俺はというと、反論しようとした瞬間二人に成績の件で徹底的に叩かれ、こうして涙を飲んで佐々木と向かい合っているのである。炬燵のに足を入れ、向かい合って。
「ん……キョン。足下が冷えるね。もしかしたら炬燵の暖房機能が無効になっているのではないかな?」
ん?そういえばちょっと冷えてきたか。よいっ……しょ、ああ。やっぱりな。切れてやがる。
「炬燵のスイッチはオンのままだし、プラグもコンセントに刺さったままだ。となると、故障かい?」
ああ、ここんところ調子が悪くてな。まあ叩けばまた復活するんだ。ドンドンドンッ――ほらついた。
ふむ、とは言えこの炬燵もかなりの年代物だ。新しく買った方がいいんじゃないのか?」
ああ、そうかもしれないが、だが俺はこの炬燵が好きなんだ。一人や二人でこうやって勉強するにはピッタリだしな。時々切れるのは玉に傷だが、今のところまだ大丈夫だ。しばらくはだましだまし使っていくさ。
「……くくっ、そうかい。それは素晴らしいことだ。物資が氾濫するこのご時世、最後まで使い切ろうとするその精神は大したもんだ。できればこのままずっと使用して欲しいものだ」
なんだ、さっきと言っていることが違うぞ。どういう風の吹き回しだ?
「なに、その理由は簡単なことさ。聞きたいかい、キョン」
ああ。是非。
――僕も、この炬燵が気に入ったからね――
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
560 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 18:10:15.88 ID:5km/3fCZO
外出してるので携帯からだが一人目です
空気椅子なんつ変な題材にしてすまんかったw
繋げてくれて感動した!次あったら今度は後ろもやってみたいな
561 :
こたつ3/3:2007/11/25(日) 18:10:35.32 ID:QEfKRJR0O
――まあ、そんなことがあったわけだ。
「…………」
ん、どうしたハルヒ。渋柿を貪ったような顔しやがって。
「ふーん、そうやって、二人っきりで勉強してた訳ね……」
ああ、そうなるのか?だが二人っきりと言っても、今には母親がいたし、妹だってたまに珍入して来たし……」
「…………」
どうしたんだハルヒ。何でそんなに不機嫌なんだ?
「別に。不機嫌じゃないわよ。……そうだ!みんなで炬燵を買いに行きましょう!」
な、なんでいきなりそうなる?
「今の話を聞いてたら、あんたのとこの炬燵、相当古いんでしょ!買い換えてあげるわ!折半で!」
つまり、俺も払うって事かよ。
「あったり前じゃない!それでみんなで勉強するんだから!うん、我ながら良いアイデアだわ!良いわよね、有希、古泉くん、みくるちゃん!」
「……いい」
「大変素晴らしい考えかと」
「みんなで入れる炬燵、いいですねぇ〜」
「というわけで全員賛成!さあ買いに行くわよ!」
おい、俺はまだ賛成なんて……いいや、どうせ俺の意見なんてないがしろにされるからな、いつもいつも……
――ってわけだ。
しかし、これだけ大きいと、俺の部屋のスペースが殆ど無くなってしまった。寝る以外の楽しみが無くなってしまったではないか。
「うにゃあ」
この炬燵を導入した事で、一番喜んでいるのは、恐らくシャミセンだろう。四六時中、暇あれば炬燵に潜り込んでいるからな。次点で妹だ。俺の部屋に来る率が上がってしまった。
ああ、そうそう。あの炬燵は妹へのお下がりになった。ハルヒは最初捨てるって言ってたんだが、親の許可もなしに捨てられないからな。
まあ、それはどうでもいい、それより、今から始まる勉強会に向けて、部屋の整理と準備をしなければな。さもないと――
「キョンー!来たわよー!勉強始めるわよー!!」
――あの騒がしい団長様が余計に五月蠅くなるからな。
乙! しかし、1時間半でしかも携帯でこれを書き上げるとはすごいな。
563 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 18:19:58.60 ID:wGakH+nrO
佐々木カワイソス…
564 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 18:26:50.90 ID:X9ZFyENyO
佐々木かわいそすぐる
リレースレで何も決まってないうちにやるなよ。
楽しみだったのに‥‥
566 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 18:36:38.96 ID:seJwVycPO
佐々木ってだれだよ
ただの保守ネタ程度だし。
最終的には企画を目指しているリレースレとは重みが違うよ。
570 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 18:40:38.78 ID:X9ZFyENyO
どうぞどうぞ
アナルスレで提案したときよりスムーズに進んだみたいで激しく裏山と思った。
保守ネタの割には3時間も続けたのか。
573 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 18:58:03.27 ID:QmEaGft3O
ほ
保守
保守
今日はずいぶんと賑わってるなw
保守
わざわざ別スレとか非難所に行かれると嫌だな。
>>565 あれ、まとまるのか?
カオスになってもいいから順番だけ決めて始めようって、さすがに無茶すぎる気がする。
参加出来そうにないから意見を出さなかった自分が言えることじゃないかも知れないけど。
>>578 全員がジャーマンで繋げるんだから、そりゃカオスになるだろうさ。
まぁ、俺も参加表明したわけじゃないからいろいろ言えないんだけどね。プリンでのカオスは避けてたし。
>>579 カプなりジャンルなり決めてからやるんだったら、内容次第じゃ無理にでも参加したんだけど…。
まぁ今回はテストって割りきってるみたいだし、次回以降の形式に期待。
それに読むのは楽しみだ。
581 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 20:07:41.47 ID:QmEaGft3O
ほ
>>580 取り決めの度合いが丁度よくなったら俺も参加したい。
前の人から後の人に繋げる段階で、ちょっとしたスパイス入れたりして楽しみたいしw
保守
保守
585 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 20:46:50.43 ID:m2xXxvA00
保守
古泉くん保守みたいなリレー長編にすれ
保守
588 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 21:02:21.09 ID:fREAbVAB0
ho
保守
590 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 21:30:33.92 ID:fREAbVAB0
ほ
あと20分
そういや今日予告の日だったっけ。
すっかり忘れていた。
593 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 21:42:14.64 ID:Af8jGSMu0
594 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 21:42:58.61 ID:KeIqBm4MO
こなあぁぁぁぁゆきいぃぃぃぃぃ!!!
595 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 21:47:36.21 ID:Af8jGSMu0
>>592 あ、そうか
今から投下しようと思ったんだが、
先に予告されてる「幻惑小説」が終わってからにする。
今、風邪で寝込んでて暇なんだ。
携帯からで悪いが、お題を2、3個プリーズ。
597 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 21:56:39.53 ID:baePXl+P0
>>595 お先に失礼。流れを断ち切るようで悪いのですが、22時になったので「幻惑小説」を投下させていただきます。
随分前から予告していたのでこの頃に投下しようかなと思っていた長編書き手さんにお詫び申し上げます……。
最近あまり無い(人気無い?)長キョンSSですので、耐性のないかた等はスルーを推奨します。
>>601 「ろうあ」って読むんだ。
耳が聞こえないために言葉を喋ることができない人のことだよ。
支援
わたしはいつものように本を読んでいる。朝比奈みくるがお茶を出し、彼と古泉一樹が遊戯を愉しみ、涼宮ハルヒが黙々とパーソナルコンピュータに打ち込んでいる中で、ひとつの”楽しみ”を淡々と味わっている。
読んでいる本の物語はそろそろ中盤へさしかかろうとしていて、わたしが頁をめくる速度も、残り頁が少なくなるにつれて徐々に早まっていく。途中で面白い本だと気付いて残り頁を確認したわたしは、まだかなりあることに安堵する。
それと、この物語の登場人物は謎が多い。主人公である『彼』は、物語中では名前が一切出てこない。『彼』と表記されるだけであり、ヒロインである『彼女』も同様。それだけではなく他の登場人物の名前は全てない。『女友達A』や『男友達A』、『先生A』等で表記されてい
るだけ。非常に読みにくい。
けれどわたしは読み続けた。物語の『彼女』の趣味は読書でわたしはほんの少しの愛着を持ったから。『彼』と『彼女』の出会いから始まるこの二人の高校生活を描いた小説を、わたしは読み続けた。
◇◇◇◇◇
木製の文芸部室の扉を彼がノックする。朝比奈みくるが受け答え、彼の進入を許可する。広げたパイプ椅子に座って小さい疲労の溜息をつく彼を見て、わたしはふと思った。
「……似ている。」
「ん、何か言ったか?」
思考が声として漏れてしまった。うかつ。
「……今のは独り言。気にしないで。」
「ふぇ、長門さんも独り言なんてするんですねぇ。」
朝比奈みくるは驚いた顔の中に嬉しみを孕ませた表情でお茶を差し出した。わたしにはこんな器用な表情は作れない。今のわたしの言動は、朝比奈みくるを驚かせるもの? 嬉しがらせるもの? ……解からない。
一連の会話が終わると、わたしはまた文字の海に視野を覆わせる。それに合わせて聞き慣れたドアノブを捻る音が聞こえ、同時に扉が開いた。いつもの順番で、次は古泉一樹、最後に涼宮ハルヒ。
そして数分もしない内に団員全員が集結する。これがいつもの日常。いつも通り。日々を重ねていく内に、わたしにとって当たり前になった自然体。
そのまま何事もなく団活が終わり、わたしの一日も終わる。
――似ている。わたしが独り言と誤魔化した言葉。これは彼と小説中の『彼』を見比べて出た感想。性格も言動も全て似ている。まるで、『彼』が彼の分身かのように。
わたしは時間を忘れて挿絵が一切ない十数センチもある厚い小説を、ただただ読み続けた。
支援
◆◆◆◆◆
萎れた木々からポツポツと零れていた紅葉も全て抜け落ち、あと一ヶ月もするとクリスマスの予定を立て始める様々なカップルや、慌しくケーキをせっせと用意する店が増え、それに加え街はネオンの光に包まれる頃合いになるだろう。
だが所詮一ヶ月後の話であって、平々凡々と高校生活を真っ当――超が付くほど非常識ではあるが――している俺にはクリスマスの日に愛する女のために尽くすことも、ましてやケーキを作る……なんてことは地球がひっくり返っても有り得ないことだ。
俺の予想としては、時事イベントをことあるごとに制覇していく我等が団長さんか、はたまた冷静でスカした性格とハンサムフェイスを併せ持つ超能力者さんのどちらかが頼んでもいないのにどんどん面倒ごとを持ち出して来るから、イヴの日もイエスさんの誕生日も俺はそれ
らを消化していかなければならない使命にあるだろうね。
今頃いつかの喜緑さんや阪中のような訪問客が来ることも考えにくいから、これからこの約一ヶ月間は大した事件もなく過ごせることと踏んでいる。というか、これは俺の願望そのものだ。
そういえば去年のクリスマスは何をしたっけか? 年越し近くに吹雪の中あの不気味な館を訪れた記憶は鮮明に残っているが、他に脳に保存してあった記憶は朝比奈さんのミニスカサンタ姿くらいのものである。それだけでも充分な記憶であり、今年もその姿が拝めると
なれば万々歳だ。今回は長門との共演というのも興味をそそるぜ。
――さて。本日もSOS団はいつも通りに活動しており、俺は片手にコマを持ち視界はオセロ盤に集中させて、時折お茶をすするという最高のリラックス状態の中でのほほんとゲームに興じている。
俺がコマを打つ度に表情を少しずつ変化させていく対戦相手は、今日もニヤケっ面を披露してくれている。その笑みはもう癖になっちまってるようだが俺にとってそれは何のメリットもなく、それはSOS団女性団にとっても同じことであって、喜ぶとしたらお前のことを密かに好
いている隠れファンくらいだ。
結論としてその癖は止めたほうがいいってことで、それがお前のキャラ設定なんだとしてもそれは何かの設定ミスだ。今すぐ誰かに取り消してもらいに行ってくれ。
「何度言われても、直りませんよ。」
コマを打ちながら話す古泉は、そのまま声のボリュームを小さくして「これが涼宮さん望む、一団員としての性格なんですよ。」と耳打ちするように呟いた。そんなこと知ってる。知ってるけど納得出来ないから困ってるんだ。まあお前が無表情な日ってのもそれはそれで気味
が悪いから結局のところ……どうでもいいか。今に始まったことじゃないしな。
古泉は微笑して、またオセロの世界へ身を投じた。四隅全てを取られているというのにこの笑みはどこから沸いてくるんだろうね。こいつには負けて悔しいという感情は生まれないのか?
そろそろゲームの勝負が見え始めたところで俺にも”飽き”が生じて、改めて部室内を見渡してみる。
ハルヒは今日もパソコンと睨めっこ、朝比奈さんは俺らが興じるゲームの観戦、そして長門は今日も黙々と……ん?
「……おや? どうしたのですか?」
俺は驚いた顔をしていたようで、それに気付いた古泉は俺の視線を沿うように視線を合わせた。それを追うように、朝比奈さんも。
長門が読書に励む姿勢はいつもと変わってないが、まさかこんな小説があるんだなと俺はまたひとつ知識を備えた。
支援
支援
支援
「な、長門さん……そんな重そうな本読んでて、辛くないんですかぁ?」
朝比奈さんの抱く疑問にも同感できる。長門の読んでいる本は広辞苑の如き、いやそれ以上の分厚さ――いつものより2倍増程の量だ(当社比)――で、太ももの上に置いているだけで痛みを感じるような代物だった。しかもそれを両手で持って顔に近づけ、ページをめく
る度に一度置いてはまた持ち上げるという動作を繰り返しているんだから、俺らの驚愕にも同感してほしいね。
長門は皆からの視線に気付いたのか、ショートヘアを揺らして仰向き、不思議そうに首を傾げた。もちろんミリ単位でだ。予想通りの反応というか、よくこんな時に長門はこういった仕草をする。もう一年半以上の付き合いだ、そこらへんも上手く把握できる。
何故か沈黙が部室を支配し、長門は徐々に困惑の表情を露に――むろん、ミクロン程の極僅かな変化だが――しだし、状況が掴めない感じに耐え切れなくなったのか、
「……なに?」
と、遂に問い始めた。その返答はカチカチとマウスの音を立ててネットサーフィンを続けていたハルヒがしやがった。……別に悪くないけどさ、何かを取られたような錯覚に陥るぜ。
「それ、何の本? ずいぶん分厚いけど、面白いの?」
声に芯の通ってないようなハルヒの質問に、長門は三秒程度間を空けて「面白い」と答えた。当然面白くなければ読む気も失せるし、俺の場合ではたとえどんなに面白くてもあんな何百ページあるか解からない本なんて読破出来るかどうかすら危うく、長門の開いているペ
ージが半分近くまで到達してることに感服というか、尊敬の意に値するような感情を抱けるぜ。
そのまま長門は元の状態に戻り、軽く何キロかありそうな本を持ち上げる。見てるだけで手首を痛めてしまいそうなその光景は、メンバー全員の興味をそそった。ハルヒと朝比奈さんは密かに長門に近寄り、ページを覗こうとする。
「…………」
長門は無言の抵抗で、開いていた本をひっくり返した。
「ああん、いいじゃないの有希っ!」
「気になりますぅ。」
「だめ」
長門が拒絶する理由がからかいの意を込めているのからなのか特別な理由があって見せられないのかは解からないが、もし前者だとしたらそれはそれで可愛らしい長門の一面を見ることが出来た、って感じの解釈にもなるが後者だとしたら異様にその理由が気になっち
まう。
美少女2人組の特攻隊も諦め、改めて長門がページを開くと同じ頃にオセロの勝負がついた。勝敗は一目瞭然、俺の黒が盤の八割以上を占めているという結果だった。
「やはり、あなたには敵いませんよ。」
「何度も言うがお前が弱すぎるんだ。図形のこと全般に関しては得意なのに、どうしてゲームになると極端に弱いんだ?」
……まさか全てが演技なわけじゃねぇだろうな。いや、そんなこと考えたくもないから考えないことにする。うん、単純で実に良い。
「それより、長門さんの顔を見てください。」
やはりこいつにはゲームの勝敗などどうでもいいようで、すぐに話題を切り替え始めた。長門の顔? 長門の顔がどうかしたのか?
長門の顔への注視はでかい本に遮られていて、そのおかげでうまく見ることが出来なかったが、ページをめくった時に一度本を置いたから数秒間だけ見ることが出来た。
「あんなに楽しそうな顔で読書をしている長門さんなんて、初めて見ましたよ。相当お気に入りのようですね、あの本。」
だろうな。長門の笑みはかなり特別で、見ている者を微笑ましい心情にさせてくれるという特殊効果を備えている。あの本は長門にとってもかなり上位な方なのだろう。自称――あくまで自称だが――長門鑑定士の称号を持つ俺が言うんだから間違いはない。
「もう一度、やりましょうか?」
「いや、朝比奈さんと代わってやっててくれ。」
さっきの長門の拒絶振りを見ていなかったわけじゃないが、気になったっていいじゃないか、人間だもの。それに自意識過剰だがなんとなく俺には見せてもらえそうだなんて自信があったのさ。
朝比奈さんに席を譲ったところで、長門の定位置と化したパイプ椅子に近寄る。長門は俺の気配をすぐに察知したようで、横に立つ俺を上目遣いで注視してきた。
「……なに?」
「いや、なんで見せてくれないんだろうと思ってさ。」
すると長門は、そういえばなんでだろう、みたいな表情で考え直し、その後でぽけーっとした顔で「理由が見つからない」と返してくれ、その後に続けた。
「有機生命体の心情変化についての概念がよく理解できない。わたしの知識能力の限りを尽くしても、それは解からない。」
また電波なことを言いやがる。はっきり言って、そんな心情変化だか概念だかは当の有機生命体である俺にだってよく分からないさ。感情ってもんは無意識に生まれてくるもんであって、難しく考えてもただ損なだけだ。そういうことは心理学者にでも任せときゃいい。
「……なんとなく。」
「ん?」
「なんとなく、見せてあげない。」
なんとなく――なんて、長門の口から聞くこともあるんだなと思った。いつもの平坦な声でお茶目なことを言う長門は、そりゃあ可愛かったさ。
「でも、いつかは見せてもいい。」
俺にだけ聞こえるようなそのほのかに甘い声は、何故か俺の心に大きな刺激を与えた。好奇心? いや全然違う、だったら何なんだ、このドギマギは。
「そうか、じゃあいつか、頼むぜ。」
長門は機械的な動きで肯定の仕草をしたあと、また読書に移る。木製の長机の方に視線を落とすと、なかなかいい勝負を繰り広げている朝比奈さんと古泉の姿があった。
ああもう、そこはそうじゃなくてもっと……おい古泉、お前は馬鹿か、何故わざわざ相手に隅を取らせるようなことを……って朝比奈さんも何故隅を取らないんですか!
何かいたたまれない気持ちでゲームを観戦していたその日も、時計が刻々と時を刻むにつれて外の景色も暗くなり、いつもより早く活動が終了した。
今日は長門の可愛げな一面を見れただけでも大きな収穫だったね。そんな妙な満足感に包まれながら、俺は床に就くのだ。
支援
◇◇◇◇◇
この本は、とにかく色々なことが細かく表記されている。些細なことでも、何かがあった日はその日ごとに描写されていて、いわば簡易化した日記みたいなものだ。
物語中の彼と彼女は大抵一緒に居て、同じ部活仲間である他の三人と一緒に事件に遭遇したりなどすることが多い。わたしは、どんどんこのミステリアスな本に魅かれていく。
有機生命体がコートを羽織ることが当たり前になった冬の十一月二十五日。その日曜日に彼らは街へと繰り出した。所謂高校生同士の遊戯。
いつも五人一緒にいた彼らは、今日は二ペアに分かれて行動していた。
***************************************************************************************************
彼と彼女は、一緒のペアになった。雑踏が混雑する街中を二人は歩く。
彼が彼女の名前を呼びかけてから、
「何処へ行こうか?」
「図書館。」
彼は微笑して、
「じゃあ行くか、早くしないと集合時間までに余裕がなくなるからなっ。」
彼は小走りで颯爽と、似合わない爽やかさで駆けて行った。彼女も、それを追うように地を蹴り始めた。
***************************************************************************************************
いつのまにか、30秒になってたんですね;
ほんの少し投下スピードが落ちてますがご了承を;
支援
支援
619 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 22:07:43.41 ID:u9FKhPtKO
支援支援
◆◆◆◆◆
SOS団恒例の休日不思議探索は寒さが吹き荒れるこの日にも当然あって、俺は渋々家を出た。外に出た瞬間に俺はまたこの季節が嫌いだってことを再確認し、まだ暖かい手でチャリのキーを開錠した。
つい最近あったように思える俺のチンケな誕生日会の日からもう一ヶ月以上が経ち、十一月ももう終わろうとしている今日は十一月二十五日。ああ、そういえば丁度一ヵ月後がクリスマスか。本当に、面倒ごとにならなければいいが。
そんなことを道中考えていると、これまたSOS団恒例の待ち合わせスポットの駅前に着き、団長さんからの罵倒が入り混じった説教をBGMにして喫茶店に入った。
「今日は北と南に分かれましょ。じゃっ、くじ引いてーっ」
隅にあった爪楊枝を五本引き抜いて二つに印を付けたハルヒは、握り込んだ手をテーブルの中央へ寄せた。
赤い印――今日は二人の組か。となると重要なのはもう一人だが……ハルヒと古泉だけは御免だね。あいつらは色々とうるさい。
「印有りは誰だ?」
問いかけると、本を片手に離さない有機アンドロイドが先端に印のある爪楊枝を見せ付けてきた。……良かった、長門か。
ハルヒはふう〜んとした顔で俺を一瞥すると、残っていたカフェオレを飲み干して立ち上がった。
「じゃ、また一時にここ集合ね!」
俺の横に、やはり分厚い本を腕に抱えている長門が並んで歩く。体中から『本読みたいオーラ』なるものが流れ出ていたのを見逃さなかった俺は、長門への配慮のつもりで提案する。
「図書館行くか? 俺も行きたい所なんてないし……ほら、お前も座って本読みたいだろ?」
長門は瞬きひとつせず俺と本を交互に見て、肯定の仕草を見せた。こいつも素直な奴だな、自分から言えばいいものを、まあそれが出来ないのが長門の良さでもあるが。
いつもはびっしりと読書に励む人が埋め尽くしている図書館の椅子にも、今日は都合が良く空きがあった。読書好きでない奴にとって図書館は絶好の涼みの場所で、俺にもその認識はあった。つまり冬である今は、本当に本が好きな奴くらいしか図書館には来ないものな
のさ。
「俺は本棚漁ってくるけど、お前はここでずっと読んでていいからな。」
長門は音もなく座って、特大小説を広げ始めた。さあて、何を読もうかね。そう思って俺が本棚へ歩き出そうとしたところで、大きなあくびが漏れた。
支援
支援
そういえば今日も早起きだったな。だから睡魔に襲われるのも当然というもんであって、ここは昼寝が得策と言える。集合時間まではあと三時間以上もあるし、まあ大丈夫だろう。
俺はそのまま顎を掌に乗せて、浅い眠りに就いた。
***************************************************************************************************
図書館に着くなり、すぐ眠ってしまった彼を見て彼女は困った。
――起こしたほうが良いのだろうか。
気付けば時刻は午後十二時半。けれど彼は気持ち良さそうに眠っているし……
***************************************************************************************************
「おわっ……!?」
俺の眠りを妨げるバイブの振動を尻ポケットから感じて、俺は飛び上がるように目覚めた。情けない声を出しちまったせいか、周りの目が痛いぜ。そんな痛い子を見るような目で俺を見てないでくれよ。
とりあえずかかってきた電話には出るというのが人間最低限のマナーであるから、俺は起き上がって館外まで出て行き、そこで――あまり気が進まないが――電話に出た。
『こらバカキョン!! 今何時だと思ってんの!?』
知らん、今までぐっすり寝てたからな、なんて言えば俺の人生も終わりが近づいちまうことになるから、俺は恐る恐る時計を見る。
「……一時半、ですね。」
『そーよ! 一時半! 早く来なさいこのバカ! アホンダラゲ!!』
そんなバカバカ言っても俺の頭の悪さは治らないんだから、少しは俺の心のケアのことも考えてくれよ。次の罵倒が来ないと思っていたら、既に電話は切られていた。寝坊か……くそっ、またやらかしちまったぜ。
俺が寝る前と全く同じ姿勢で本を読んでいた長門を引きつれ、俺はこれまた恐る恐る喫茶店に入る。
「それで……どういう言い訳をしてくれるのかしら?」
腕を組んで椅子にふんぞり返って座っている団長様は、まるで獲物を捕らえるライオンのような目で俺を凝視した。まずい、マジで怖いぞこいつ。
「その、あれだ。実は道に迷って」
ギロッとした漆黒の目が俺を睨む。今のナシ、うそ。
「図書館に行っててな、あまりに本が面白くて……」
「なんていう本読んでたの?」
「それは……」
今度はニヤリとした表情でハルヒはテーブルに身を乗り出して聞いてきた。
「本当のことを言いなさい。何してたのよ。」
もう万事休す。心を落ち着かせて真実を述べようとしたその時。
「悪いのはわたし。寝ている彼を起こさなかったのは、わたしの責任。」
まるで送りバント目的だった球が場外ホームランになっちまったバッターのようにハルヒは目を丸くした。朝比奈さんと古泉も目を見開いているようだ。
「わたしが起こしていれば問題はなかった。気付いていたのに……ごめんなさい。」
「ゆ、有希が謝ることはないのよ? そもそも、居眠りしてたキョンが悪いんだからねっ!」
確かにそうかもしれないが、……いや、そういうことでいいや。というか、本当にそうだしな。長門、お前が気を追うことはないぞ。
「……そう」
長門はいつもの無表情で無感動な顔に戻った。内心ではもうちっと残念そうな長門の顔を見てみたいとも思ったが、自分は何を考えているんだと我に帰り、まあつまりはほっとした。いつもどおりの長門は俺にとって、何よりの安心グッズに他ならないからな。
ん? でも待てよ。それに気付いてたんなら、なぜ長門は起こしてくれなかったんだ? 「わたしの役目は観測だから」って言い張るのは以前までの長門だ。今現在の長門なら、きっと優しさの心を持って俺を起こしてくれるはずだが……
「あなたが疲れていたように見えたから、それに気持ち良さそうに眠っていたから。……わたしはそれを妨げることは出来なかった。」
……なるほどね。これは長門の精一杯の思いやりの気持ちだったのか。気付かなくてすまんな、長門。
「いい」
長門はいつのまにか読書に移っており顔は下を向いて見えなかったが、表情には笑みがあると信じたい。癇癪を起こしてる長門なんてのもまた希少価値があるが……いやいや、また俺はそんなことを。
そのまま昼食を終え、食後のティーを堪能もせず数秒で飲み干したハルヒは、早速午後の部のペア決めを開始した。
しかし当然っちゃあ当然だが、午後の部も不思議な出来事は何ひとつなかった。そもそも俺は非現実的な出来事なんて探したくもなく、これは俺の体験談だが、もし出会ってもろくなことにならない。ハルヒもまだ探す気があるのかも疑わしいところだ。もはやあいつはこの行
為自体を楽しんでるわけで、別に何も起きなくても何の不満もないだろう。まさに古泉含む『機関』が喜びそうなことだね。
とりあえず、俺の高校生活はこれでいいはずだ。ハルヒも俺も満足してるなんて、これ以上理想的なことなんて無いじゃないか。
だがこのまま何事もなく卒業までの日々を送ることは出来ないってこともおおよそ予測出来るぜ。ハルヒが何の願望も持たず、ずっと大人しくしてるなんてそれこそ異常事態だ。こういう平穏な日々は何か良からぬ事の予兆だと思って間違いはないと、俺は思っている。
まあ今からいくら心配しても未来は変わらないから、俺は明日も平凡に登校するしかないのさ。
支援
支援
◇◇◇◇◇
***************************************************************************************************
いよいよ年の最後の月に入り、高校生たちが二学期の終わりを楽しみにすると同時にテスト勉強に励んでいる中、
彼らは今日も駅前に集い、馴染みの喫茶店へ足を運んだ。
五人の中でも一番活発的な女友達Aは、いつもと違う刺激を求めてある提案をし出した。
「今日は、どっか遠い所に行ってみない?」
***************************************************************************************************
十二月一日。一年の終わりの月。ディセンバー。
街は真冬を感じさせる人の雑踏が溢れている。この土曜日にも涼宮ハルヒ創造SOS団の義務化した休日行事、不思議探索のためにわたしはマンションを出た。
不自然に思われぬよう、コートを羽織って。わたしには体温調節機能が設けられているから、別に要らないのだけれど。
午前八時半ジャスト。パーソナルネーム古泉一樹を駅前で確認。たまにわたしより先に到着している、律儀な人間だ。
その十二分五十二秒後。涼宮ハルヒがパーソナルネーム朝比奈みくると一緒に駅前到着。
これは、その時の音声記録。
「さっきばったりみくるちゃんと会ったのよ。で、やっぱりキョンはまだなのね……。」
「待ち合わせ時刻は九時ですし、彼は朝に弱いようですから仕方が無いんじゃないでしょうか。」
「ダメよ古泉くん、苦手なものは克服していかないと、どんどん人間はダメになっていくわ! キョンも苦手なことを無くしていかないとダメ人
間になっちゃうもの。」
「なるほど。」
「誰がダメ人間だと言うんだ、おい。」
彼が駅前に到着。今日は珍しく――わたしが観測した限りの情報では――八時四十四分三秒と、早い内に到着した。
「あらキョン、今日は珍しく早いのね。特別に罰金は無しにしてあげるけど、喫茶店代は払ってよね。」
彼が「罰金無しになってないじゃねぇかっ!」と言いたげな表情で涼宮ハルヒを見て、その後に小さく溜息をついて肩をすくめた。
「とりあえず喫茶店に入りましょ。立ち話も寒いしねっ。」
わたしたちはカランカランと音をたたせて喫茶店の扉を開き、店員の案内の許、それぞれ椅子に腰掛けた。
支援
支援
◆◆◆◆◆
「十二月に入ったってことで、今日はどっか違う場所に行ってみない?」
それが席に着いたハルヒの第一声だった。まず”十二月突入”と”違う場所に行く”という言葉の関連性から説明してもらおうか。
「それでね、今日は不思議探索は中止して電車で遠い所へ行ってみようと思ってるんだけど、どう?」
この女め、俺の話は無視か。とことんマイペースだな、くそっ。
「何か行く場所の当てがあるんですか?」
「ううん、ないけど。何処か行きたい場所ある?」
もう必然と言っていいだろうが、ここで突然挙手した後に立ち上がって「○○に行きたいです!」なんてことを言う好奇心旺盛な奴なんかこの団――ハルヒを除いて――には居ないわけで、だからハルヒの意見が押し通されてしまうってのが俺たちの日常のプロセスになっ
ている。
「うーん……あっ、そうだ!」
ハルヒは目にいつもの輝きを潜ませ、人差し指を顔の前に持ってきて、
「休日の遊び場所の代名詞、遊園地なんてどうかしらっ!」
と希望に満ち溢れたような表情を浮かべて提案してきた。どうせ否定しても押し通すんだろうに。
「思い立ったが吉日よねっ!早速行きましょ。」
「待てハルヒ、一体何処の遊園地に行くというんだ?」
「ああそういえば。」
というのは古泉の前置きで、手をポンと叩いた後に、
「僕の遠い親戚に遊園地を経営していた人が居たのを思い出しましたよ。ここから八駅ほど離れていますが、そこはどうでしょう。」
とことん『機関』の力は絶大だなおい。お前らはハルヒの動きを予測出来るのか? 限りなく不自然なのは今や問題ないだろうから、目を瞑っておいてやる。
「本当ね古泉くん! じゃあそこへ行きましょう!」
そうなんだ、この涼宮ハルヒという女は楽しけりゃなんでもいいのだ。不自然とか違和感だとか、そんなもんは塵同然なのさ。
その場の成り行きで電車で揺られること八駅分。駅のホームを出ると、目線の一直線上に十分の一ほどに縮小された観覧車が視野に飛び込んできた。
「あれがそうなのね。みんな、今日は思いっきり遊び尽くしちゃいなさいっ! 今日は大出血サービスよ!」
誰が大出血するんだか。
そう言ってから駆け出すハルヒに、朝比奈さんと古泉が続いて俺と長門も後を追う。やれやれ、今日も盛大に疲れそうだ。だが個人的にもそこそこ興味はある。遊園地なんて何年振りだ? ずいぶん昔に妹がキャッキャとはしゃいでいたくらいしか覚えてない。
支援
支援
支援
十分ほど歩いたか。俺らが歩を進める度にゆっくりと、確実に大きく見えつつあった観覧車は、遊園地到着後にもう一度顔を見上げて見ると風貌ある巨体でしっかりと地面に直立していた。
受付で入園権五枚をひらひらさせて持って来た古泉はそれらを配り終わったと思うと、
「それでは、行きましょうか。」
と珍しく先陣を切って歩き始めた。ハルヒはさっきからずっと変わらずニカニカとした笑顔で、朝比奈さんはワクワクとした子供っぽい――そしてなにより可愛らしい――表情を見せてくれ、長門も心なしか面白そうにそれぞれのアトラクションを注視しているように見える。
俺もニヤニヤした顔になっていたのかもしれないな。さっきから高い声の奇声と轟音のハーモニーを奏でているあのジェットコースターにも興味がある。妹も連れてきてやりたかったな。
遊園地内は休日ということもあって、親子連れの客がほとんどだった。なんとなく子どもたちのワイワイと騒ぐ声も心地良いね。妹の面影を感じるからなのかもな。
そんな脳内モノローグを続けていると、子どもたちと混ざっても不審がられないんじゃないかと思うくらいはしゃいでいる我等が団長さんが言い放った。
「ね、ねねっ、ねぇ! 最初は何に乗ろうかしらっ! うんと、じゃああれに決定! みくるちゃん行くわよっ!」
朝比奈さんの手首を掴んでジェットコースター乗り場に一目散に走って行る二人の姿は雑踏の中へ消えて行った。
「では、僕はちょっとだけ用がありますので、数十分ほど失礼しますね。」
「お前の組織関係か?」
「ふふ、ご察しの通りですよ。本当にちっぽけな用ですので、どうぞ遊戯をご堪能ください。では。」
古泉のニヤケ面も奥の方へと消えて行った。……さて、何故か俺は長門とのツーショットの時間が与えられたわけだが。
「……長門、興味あるか?」
「…………」
長門は何かそわそわしている。どうしたんだ? まさかまた地球外から運ばれてきた珪素なんとかウィルスが居るとか言うんじゃないだろうな。
***************************************************************************************************
彼らが訪れた場所。そこは休日なこともあってか、耳に余るほど子供達がガヤガヤ騒ぐ声で満ちた遊園地だった。
彼女にとって初めて訪れたその場所は、彼女の興味をそそり、そして彼も嬉々を感じさせる笑みをこぼしていた。
***************************************************************************************************
支援
◇◇◇◇◇
似ている……いいや、全く同じと言ってもいい。今日のこれまでの出来事は、ことごとくこの本の描写と一致している。
「長門、どうした?」
彼がわたしを呼んでいる。でも、まだ続きが読めていない。
――この本の通りに動けば、全て上手くいく。
そんな感情が、わたしの心の片隅に置かれた。その根拠はない。その理由はない。ただの直感。とりあえず、わたしは続きを読まなくてはならない。
すぐに栞を挟んだページを開く。そして、速読する。
***************************************************************************************************
「じゃあ何に乗る?」
「……あなたが選んで。」
「俺がか? うーんと……じゃああいつらが乗ったジェットコースターでもどうだ?」
「うん、それでいい。」
彼は「じゃあ決まりだな」と言って彼女を誘うように駆ける。彼女も、誘われるように駆けた。
***************************************************************************************************
支援
支援
支援
支援
◆◆◆◆◆
あの……長門さん? 黙ったかと思えばすぐに本を広げちゃって……どうしたんだい?
俺がもう一声かけようとすると、パタン、というお馴染みの効果音が聞こえてようやく長門がこっちを見てくれた。
「えーとだな、何に乗りたい? それともそれ読んでるか?」
「……あなたが選んで。」
「俺がか? いいのか、それでも。」
「そう」
「そうか、ならあのジェットコースターはどうだ? 結構スリリングで面白いぜ。」
長門は一瞬目を見開いたあと――珍しい表情だな――に肯定の仕草を見せてくれた。
「じゃ、行こうぜ。」
俺たちは首尾よくジェットコースターの最後列に乗ることが出来た。最前列の方を覗いてみると、ハルヒが片手で朝比奈さんの細い腕を掴んで離さず、ニンマリとした笑顔で輝きを放っていて、その隣の朝比奈さんはというと「これから何が始まるの?」といった表情を隠せず、
いかにも不安そうな顔をしていた。
席に座ると、シートベルトらしき黒物体が降りてきた。いつも思うけど、なんかこれじゃあちょっと心配になるよな。
段々ビビってきた心を紛らわすため、目線と左へ落としてみる。そこにはいつも通りの長門がいつもの表情で、そして腕には本を……っておいっ! 本は置いて来いよ、長門!
「……平気。」
まあバレなきゃいいのかもしれないな。その代わり、しっかり持ってろよ? その大事な本。
「了解」
カタカタカタカタとまるで俺の心臓を叩くような音をたてて上がっていくジェットコースターはまだまだ上るのをやめようとしない。おいおい、何処まで上るんだよこれ。
「……高い。」
長門の可愛い感想が漏れた。それは俺もさっきから身に感じてるさ。どうして最高潮の高さに達した観覧車のゴンドラの中の人と目が合うんだよ。ここまで高いのは生まれて初めてだぞ、おい!
最後列だから何処までレーンが続いているのか確認できない。何処までも笑顔なハルヒと顔を真っ青にして硬直している朝比奈さんを伺い見ても、情報は何ひとつ得ることが出来ないぜ。
「……来る。」
支援
長門が降下の合図を知らせてくれた。出来れば一生来ないで欲しかったのだが、冷静に考えるとそれもかなり危ういことなので俺は思考するのを放棄して必死に耐えてみることにした。乗らなきゃ良かったぜ、チキショウ。
「キャーッ!!」
「きゃあああああああぁぁぁぁれぇぇぇ〜たすけっ……きゃあああああぁぁぁっ!!」
視界が遮断された世界で二人の叫び声が聞こえる。俺は目を瞑っているから視界ゼロなのさ。
「…………」
長門の無表情顔が見なくとも察することが出来る。もしかすると「これのどこが楽しいんだよ。それに隣の男は何故目を瞑ってるんだアホみたい」なんて思ってるのかもしれないけどな。
一分ほどの地獄を味わったあとに、放心状態の朝比奈さんを引き連れたハルヒと合流した。
「すごかったわね、今の! みくるちゃんなんてもう顔がすごかったんだからっ!」
お前は朝比奈さんの顔を伺う余裕まであったのか。是非お前が怖がるものが知りたいね。今後、何かに利用できそうだ。
「もっかい乗りましょ、ほら行くわよみくるちゃん!」
硬直したままの朝比奈さんがもう一度ハルヒに引っ張られてコースターに乗り込む。ご愁傷様です。
「あんたらも乗ったら?」
「遠慮しとくよ。」
トラウマになっちまったら困るしな。
丁度良い場所にベンチを見つけて、そこに座ってハルヒたちを待つことにした俺は大きな溜息をこぼす。ただの安らぎの一腹というやつだ。
「おや、お二人ともまだ何にも乗ってないんですか?」
随分早かったな、古泉。
「ちっぽけな用だって、言ったでしょう? ちょっとした挨拶をしてきたんですよ。」
この遊園地にもお前らの組織のエージェントたちが散乱してるのか?
「ええまあ、少々。ですが気に留めなくて大丈夫です、たった数人ですから。」
最初から気に留める気はない。というか、俺が気に留める理由はないね。そんな役はハルヒだけで充分だ。
古泉はふふふと不適な微笑を浮かべる。どうせ、それでは意味がないですよ、とか言いたいんだろ? 今のはジョークだ、気にするな。
「おっ、みんな集まってるわねっ! やっぱり全員で行動した方が楽しそうだわ、みんなで行きましょ!」
もはや人形と化してしまった――巨乳美少女というオプション付きの置物だが――朝比奈さんの先を歩いて団長さんが帰ってきた。
まず朝比奈さんの生死の確認をしなければならないかもしれない。
支援
支援
「で、次は何に乗る?」
「涼宮さん、あれなんかどうでしょうか?」
まるで訊かれるのを待っていたかのように古泉が即答で提案した。人差し指を向けたその先にあったのは、ゆっくりと回る大きな円――観覧車だ。
「ふふん、こういうゆっくりしたのもいいわよねっ、早速乗りましょ!」
「ちょっと待てハルヒ。そこの定員数をちゃんと見ろ。」
「定員数? えーっと、四人……?」
「そういうことだ。つまり一気に全員は乗れないようだ。」
「えーっ? 仕方ないわね、じゃあ二つのペアに分かれましょ。」
ここで俺は勝手な妄想を始めた。アトラクションの説明を見ると、一周十五分と書いてある。観覧車といえばゴンドラがあるな。ゴンドラといえば個室だ。その個室の中で、もし男女が二人っきりの状況になったらどうなる? しかも十五分間も。いや卑猥なことなんて考えてな
いが、この美少女三人の内どの人とペアになっても、俺は精神的な急勾配にに侵されちまうだろうぜ。
ハルヒはどこからか五本のクジを取り出して、引け、という合図を送る。直感でクジを引いてみると赤い印が目に飛び込んできた。落ち着け、俺。赤い印ってことは二人のペアだ。ってことはだな、ってことはだな……!
「高いですねぇー、街が一望できますよ。ほら、見てください。……あ、もしかして高所恐怖症ですか?」
何たる神様のいたずらか。それともハルヒの陰謀か。ああ、神とハルヒは同義だったか? まあそんなことはどうでもいい、俺が言いたいことは何故こいつとペアになっちまったんだってことだ。
天国が見え始めたところでまた地獄に叩き落されちまったぜ。
「もしかして、僕一緒になって残念ですか?」
別にどうもでいい。どうせ俺にデメリットはないし、俺とお前との間には結構な信頼関係があると思ってるしね。少なくとも残念とは思ってないさ。
「それは光栄です。ほら、涼宮さんが手を振ってますよ。」
光栄なら光栄で、もうちったぁ嬉しそうな顔をしろ。お前は常時ニヤケ顔でないと死んでしまう呪いでもかけられているのか?森さんあたりに。
古泉はいかにも紳士的な雰囲気を醸し出しながら女性三人が乗っているゴンドラに手を振っている。とりあえず俺はこの景色で残り数分を楽しむことにしよう。
さっきの恐怖にまみれての見物ではなく、このゴンドラ内という安全地帯で。お、ジェットコースターの奴と目が合った。……グッドラック。
「ああ、そうだ。」
古泉が俺の心地よい気分を打ち破ってきた。なんだよ、唐突に。
「長門さんのあの厚い小説……詳細が解かりましたか?」
「いいや、まだ何も。ん、何故お前がそのことを?」
「あなたと長門さんの会話を聞き逃すわけがないでしょう? この僕が。」
盗み聞きかよ。なんか誇らしそうだが、それは良いことではないぞ。むしろ悪趣味だ。
「僕としても興味がありましてね。機関の監視対象としてではなく、僕一個人として。」
ほほう。だが、長門はお前に教えてくれるだろうかね。俺はもう見せてくれるという約束を交わしたんだぜ、ザマミロ。
「そんな水臭いことを。もし解かったら教えてくださいよ?」
「分かったよ、いつかな。」
古泉は安堵した顔で肩をすくめた。そんなに気になるのか? まさかお前、長門のことが……?
「馬鹿なこと言わないでください、僕は悠長に恋をしていられる身ではありませんから。そうですね……ある意味で、涼宮さんのことで頭がいっぱいですよ。」
古泉が微笑するのに釣られて、俺も笑みをこぼした。……たまにはいいな、こういう世間話というのもね。
それから俺たちは普通の高校生五人グループかのように――実際そうであって、そうではないのだが――数時間この遊びのテーマパークで楽しい時間を共有した。
帰りの電車でも今日の出来事を振り返るように雑談をして、いつもの駅前で皆と別れを告げた。
いつしか俺は、徐々に近づいてくる一年の大イベントを、何の不安要素もなく待つことが出来ている。本当はこれが本来の待ち方だったんだな。ごく普通の一般人として、街が色付いていくのを心ときめかしながら待つのが常識ってもんなんだ。
無邪気にシャミセンとじゃれ合っている妹を見ていたから、改めて知ることができたぜ。
「サンキュな。」
「え? キョンくん何か言った〜?」
「いいや、なんでもない。」
黄昏るのもこれくらいにしておこう。キザなナルシストと間違われては敵わないからな。
---------------------------------------------------------------------------------
ここまでです。テンポが遅い投下でしたが、多大なご支援ありがとうございましたw
支援
支援
支援
支援
乙! 続きwktk
支援
乙
支援だっぜ
ええと、ではいまから5レス程度の短編を投下したいのですがかまいませんか
どぞ
お、お題はちょっと無理です……
誰か他の方にお譲りします。
では、5レスお借りします。
題名は「後日談」です。
モンスターや異国の敵を倒して世界を救う類の漫画やテレビゲームのエンディングを見て、ふと疑問に思うことはないだろうか。この後、主人公はどうなるのだろうかと。
あるテレビのコメンテーターは、シンデレラは王子様と結婚してハッピーエンドになっているが本当の試練は結婚の後にやってくる、と言っていたけど、俺のこの疑問はこのコメンテーターの言っている事とよく似ているのかもしれない。
たいていの物語は英雄が世界を救ったところで終わっているが、世界を救った後も件の英雄の人生は続いていくのだから、彼がその後どのように生きたかはもっと問題視されていいはずだ。
ゲームのエンディングなどでは、世界を救った勇者が最後に国王から王位を譲り受けて王様になるというものもあるが、戦士としての才能と政治家としての才能は全く違う。
権謀術数の渦巻く宮廷の中で彼ら英雄は果たして幸せな晩年を過ごせたのだろうか。
現代であれば書籍を出版したり講演をしたりすれば十分生活はできるだろうが、スキャンダルを起こさないよう常に品行方正でなければならないのがちょっと窮屈な感じがする。
まあ、ある種の特権と引き換えに、みんなが持っている権利を放棄することはよくある話なので、これはこれでバランスが取れるのかもしれない。
しかし、これらは世界を救って英雄になった者の話である。
ではもし、人知れず世界を救った者は、その後どうなるのだろうか。
もちろん答えは簡単である。彼には世界を救おうとした以前の平凡な日常が戻ってくるだけだ。
しかし問題はそういうことではない。ここで問題にしたいのは、世界を救うほどの活躍をした者が、世界を救おうと志した以前の平凡で退屈な日常に戻ることができるかどうかである。
世界を救おうと決意した時、彼は他に比類することのない大儀を掲げて行動できたはずだ。そして彼はその行動のひとつひとつに細心の注意を払い、信念を持って行動したはずだ。
彼は、仮に肉体的な苦痛があったり挫けてしまいそうな精神的困難にぶつかったとしても、自らの人生に生きがいを持てたことだろう。
そして、他人と比べてより困難な人生の坂道を登っていたとしても、普通の人間が歩むことのできない稀有な人生を歩んでいる自分に優越感を感じていたかもしれない。
そして彼は、例え誰に知られることがなくとも、世界を救おうとする自分に誇りを持っていただろう。
そのような経験をした人間が、もう一度怠惰な日常に戻ることができるのだろうか。
クドクドと説教地味たことを述べてしまったが、じつはこれらのことは、いま実際に俺の身に降りかかっている出来事を多少大げさに表現したにすぎない。
朝比奈さんが卒業式を迎えたあの日、俺は、ようやく自分の心に素直になることができ、一大決心をしてハルヒに告白をした。
その結果、俺とハルヒは付き合うこととなり、古泉曰く、俺は鍵としての役割をまっとうすることができたというわけだ。
その日を境にハルヒの変態的な能力はだんだんと消失し、3月が終わる頃には完全に消滅してしまった、という説明を長門から受けた。
ハルヒが能力を失ったことにより、SOS団の三人はその役割を終え、朝比奈さんは卒業、古泉は転校、長門は情報操作によりもともと北高にいなかったというかたちで、俺達の前から去って行った。
「この世界で長門さんや朝比奈さんのことを、特に長門さんのことを覚えているのは、おそらく僕達ふたりだけになるでしょう。彼女達のためにもSOS団での思い出を大切にしてください」
これは転校していく古泉を見送りにいったとき、奴が俺の耳元で囁いた言葉だ。俺は咄嗟に言葉を返すことができなかった。
俺がそのときどんな顔をしていたのか知り得る術はない。しかし古泉は、言葉に詰まった俺の顔を見て、いつものニヤケ顔で
「そんな顔をしないでください。きっとまた五人全員でめぐり会う日が来ますよ。そんな保証はどこにもないですけど、なぜかそう確信できるのです」
そう言いながら片目をつむった。そのときの古泉の顔が今でも鮮明に思い出せる。普段なら気持ち悪いと怒りを覚えるところだが、このときはなぜか古泉の胡散臭い言葉に救われたような気になった。
長門や朝比奈さんと別れなければならない状況で、情緒不安定だった俺の勘違いだと思いたい。
昔話が長くなったが、こんな具合に俺の世界を救う物語は幕を下ろし、本来の日常が戻ってきた。いまではあの当時の思い出のひとつひとつが、まるで夢の中の出来事であったかのように思える。
それに比べて、いまの日常がなんと退屈でつまらないことか。
俺は、目の前の机の上に置かれた一枚の紙切れを見つめて、心の底からそう思った。その紙切れの上部にはこう書かれてある。
『センター試験対応模擬試験』
たった一枚の紙切れで、世界を救った男の人生が左右されるなどといった不条理なことがあっていいのだろうか。
虚ろな目つきで答案用紙を見つめてそんなことを考えていると、視界の横から伸びてきた手が俺の見つめていたその紙切れを奪っていった。
「何よキョン、ぜんぜん特訓の成果が出てないじゃない! 今の時期にこんな体たらくじゃ行ける大学が無くなっちゃうわよ!」
「な、何を言ってるんだよく見ろハルヒ、志望校はC判定が出てるじゃないか」
俺の反論を聞いて、ハルヒはあきれたように両手を広げて首を左右に振り、大きな溜息をついた。
「あんたねえ、CやDで満足してたら受かる大学も受かんなくなるわよ。もっと性根をいれてがんばってよね!」
「そんなこと言ったって仕方ないだろ。俺としてはここまで伸びただけでも上出来だと思ってるぜ。もともと俺は国立を受ける気はなかったんだからな。だいたいお前の志望校の偏差値が高すぎるんだよ」
「あのねえ、あんたそれでも誇りあるSOS団の一員なの! 本来であれば、あたし達が目指すのは常に一番上でなければならないのよ!
ただ、大学ごときで県外に出て行くのがめんどくさいのと、あんたが不甲斐ないせいで、あたしは県内の国立大学まで志望を落としたの。
だからこの程度で弱音を吐くんじゃないわ。死に物狂いで勉強しなさい!」
ハルヒは俺の目の前に人差し指を突きつけて、そう叫んだ。うーん、高校生にして教育ママの素養が十分にあるな。
俺が、将来ハルヒが子供の教育で暴走しないかと心配していると、隣の席で俺達の様子を窺っていたヘリウムガスより軽そうな男が横から茶々を入れてきた。
「お前等本当に仲がいいな。それになにか、キョンはもう涼宮の尻に敷かれているのか」
ハルヒがへらへら笑っている声の主をギロリと睨みつけると、谷口は慌てて俺達から目をそらし、国木田のほうを向いて無言で助けを求めた。
「でもキョン、涼宮さんの言うとおりだと思うよ。僕から見てもキョンはまだまだ努力が足りないんじゃないかな。もっと伸びる素質はあると思うんだけど」
おいおい国木田、そこでまたそっちに話題を振るのか。谷口はそれで助かるだろうが、俺は見殺しにするつもりか。ハルヒは腕組みをして、国木田の言葉をうんうんと頷きながら聞いていた。
「国木田の言うとおりよ! キョン、あんたにはまだまだ努力が足りないわ。いい、掃除が終わったらまたSOS団で特訓だから。必ず来なさい! 遅れたらぶっ飛ばすわよ!」
そういい残して、ハルヒは俺の返答も聞かずに教室から出て行った。
「おい……国木田……」
俺は恨めしそうに国木田を睨むが、国木田は飄々とした顔で
「まあまあ、結局落ち着くところは同じなんだし、長い目で見ればキョンのためになると思うよ」
と笑顔で誤魔化した。
「うらやましいなあ、放課後に涼宮と残って特訓かあ。変な勉強するんじゃねえぞ、キョン」
そう言いながら、谷口が国木田といっしょに教室から出て行く姿を見送った後、俺は大きな溜息をついた。
大学受験を目前に控え、試験に追われる一介の高校生。北高に入学して以来、俺が経験してきた様々な非日常的体験に比べると、あまりにも平凡で退屈な日常だ。
あの当時は平凡な日常に憧れたものだが、こうやって実際に平凡な日常を過ごすと、心にポッカリと穴が開いたような寂しさのようなものを感じる。
いまの俺の感情は大学受験から逃げたいという気持ちもあるのだろうが、自分の今後の人生を考えると長門や朝比奈さんや古泉とSOS団で活動したような稀有な経験はおそらくないだろうという確信がある。
そんなふうに考えると、俺の人生は最盛期を終えて、下り坂に入ったような虚しさを覚えるのだ。
掃除を終え、鞄を手に取ると、俺はゆっくりとした足取りでハルヒの待つ文芸部室へと向かった。部室の扉を開けると、
「遅い! 掃除ごときにいつまでかかってんのよ!」
と、ハルヒの無駄に元気のある声が飛んできた。
「いつもこんなもんだろ。それにそんなに急ぐこともないだろう」
「あんたねえ、人生は一度っきりなのよ! 時間の浪費はなるべくしないに越したことはないわ!
あんたの言ってることを聞いてると、やるべきことをやり終えて隠居したじいさんの妄言みたいに聞こえるわ。昔はよかったみたいなね。
大して年もとってないのに、そんな風に惰性で人生を過ごしてると、将来必ず後悔する日が来るわよ!」
ほんのちょっとだけハルヒの言葉にドキッとした。
結局、最後までハルヒは何も知らないままだったが、本当にハルヒが自分の能力のことや長門や朝比奈さんや古泉の正体を知らなかったかどうかは、正直自信を持って断言できない。
時々、気づいていたのではないかと思わせるような言動をすることもあるが、勘のいいハルヒがそれらしいことを無意識に言っているような気もしないでもない。真相はいまだ闇の中だ。
ハルヒはそんな俺の気も知らずに、黄色のメガホンで机をパカパカ叩いて、俺に鞄から教科書と今回の模擬試験を出すように催促した。
「じゃあ、今日は数学をみっちりとあんたの頭の中に叩き込むことにするわ。次の試験で少なくとも全国区で名前が載るくらいにね」
「おいおい、無茶を言うなよ。そんなことになったら岡部が教壇の椅子からひっくりこけるくらい腰ぬかすぞ」
「それは面白いわね」
ハルヒはケラケラと笑いながら、自分の鞄から教科書と参考書を取り出した後、真剣な表情になって、俺の模擬試験の間違った部分の解説を始めた。
「…………というわけよ。わかった。じゃあ、後は類似問題で復習しなさい」
ハルヒは自分の参考書をペラペラっとめくって、俺の前に開けると、
「このページの最初からこのページのこの問題までを終業のチャイムが鳴るまでに解きなさい。いい、これは団長命令なんだから、できなかったら罰ゲームよ!」
そう言った後、一仕事を終えたといった表情で両手を上げて大きく背伸びをしてから団長席に座った。
その後は、ハルヒが団長席でネットサーフィンをする傍らで、俺が参考書の問題をせっせと解くという、ここ最近の見慣れた光景が繰り広げられた。
さすがにハルヒの教え方は的確に要点を整理していて、授業を聞いているよりも理解し易く、ハルヒに指定された問題も苦戦しながらであるがなんとか解くことができた。
そんなこんなで最後の問題をやり終えて、ハルヒに終わったことを伝えようとしたとき、ふと先ほどの寂しさのような虚しさのようなやるせない思いとともに、ある疑問が俺の頭に思い浮かんだ。
『ハルヒは、長門や朝比奈さんや古泉が去ってしまったこの状況を、どのように思っているのだろうか』
チラッとハルヒの座る団長席に目を移した瞬間、俺は、いままで心の中に抱いていた虚しさも、目の前の数学の問題さえも忘れてしまい、頭の中が空っぽになった状態でハルヒを見つめてしまった。
部室の窓から差し込む真っ赤な夕日に照らし出されたハルヒの横顔は、どのような名画も足元に及ばないほどの、完成された一枚の絵画のように美しく思われたからだ。
その光景は、触れてはいけないような荘厳な神聖さと初めて山の頂上で日の出を見たような感動を併せ持っており、過去の思い出にばかりすがりついている自分を卑小でつまらない人間と思わせるのに十分であった。
時が経つのも忘れてハルヒの横顔に見惚れていると、呆けたような表情で自分を見ている俺に気づき、ハルヒは俺を睨みつける。
「あんた何じろじろ見てんのよ! それよりあたしの言った課題は全部終わったの!」
「え、あ、ああ」
我に返ってノートを差し出そうとする俺から、ハルヒはノートをひったくって参考書も見ずに答え合わせをした後、こちらの方に顔を向けてニヤっと笑った。
「ふーん、あんたにしてはなかなか頑張ったわね」
なぜか今日は、そう言ってハルヒに誉められたことがとても嬉しく感じられた。ハルヒがそう言ってノートを閉じた瞬間、まるでタイミングを見計らったように終業のチャイムが鳴り響く。
「ぎりぎり間に合ったようだから罰ゲームは免除してあげるわ。明日からまたびしびししごいてあげるから覚悟しなさい」
ハルヒはそう言いながら俺にノートを突っ返すと、教科書と参考書を鞄の中に入れて帰り支度をし始めた。そんなハルヒの様子を見ながら、俺は勇気を振り絞って先ほどの疑問をハルヒにぶつけてみる。
「な、なあハルヒ、お、お前はいまの長門や朝比奈さんや古泉がいないSOS団をどう思ってるんだ」
ハルヒは、俺の言葉を聞いて一瞬キョトンとした表情を見せた後、すべてを見透かしたような顔で俺を見つめながら答えた。
「ふーん、最近様子がおかしいと思ってたら、あんたそんなことばっかり考えてたのね。過去ばかり振り返るような女々しいことしてるんじゃないわよ。
あんたにそんな風に思われたって、有希もみくるちゃんも古泉くんも喜んだりしないわよ。むしろ迷惑だって思ってると思うわ。
だいたい、あんたがそんなことをあたしに言うこと自体、あたしは情けないわ。目の前にあんたが本当に大切にしなければならない人がいるんじゃないかしら」
ハルヒの言葉には、過去を振り返るといった感情は一片もなく、ただ前だけを向いて歩いているような感じがした。
その言葉を聞いて、俺の頭の中に高校に入学してからのSOS団での活動風景が走馬灯のように浮かんでは消えていく。そして俺は重大なことに気がついた。そうだ、どうして俺はこんなことに気がつかなかったんだろうか。
俺はあの当時、何度も古泉にこう言っていたはずだ。「お前達のためにやったわけではない」と。
つまり俺は、あの当時から、世界を守るためにSOS団にいたわけではないのだ。そんなつもりはまったくなかったのに、結果的に世界を救うことになっただけなのだ。
ハルヒに告白したのだって世界平和のためでも、ましてや古泉の属する機関のためでもない。俺自身がハルヒのことを好きだと思ったからだ。そしてその気持ちはいまでも変わってはいない。
それなのに俺は、長門や朝比奈さんや古泉が去ってしまったときに、自分の物語が終わってしまったように思っていたんだ。しかしそうではない。これから俺の、いや俺とハルヒの物語は始まるんだ。
第一幕が終わっただけなのに、俺は物語がすべて終わってしまったと勘違いしていたんだ。そう考えると、いままで退屈なだけに思われた日常が、なぜか全く違うように感じられた。
そう、よくよく考えれば長門や朝比奈さんや古泉はいなくなったが、ハルヒは相変わらず俺の傍にいるじゃないか。
いつも俺のもとに面倒な面白い出来事が集まって来た原因はハルヒだ。能力が無くなったいまも、その性質はそうそう簡単に変わるものではない。
それに俺の周りにはハルヒ以外にも鶴屋さんや谷口、国木田といった愉快な仲間もいる。佐々木もいるしな。なぜか佐々木の話題を出すとハルヒは不機嫌になるから大きな声ではいえないが……
結局は、俺の気持ちの持ち方の問題に過ぎなかったのかもしれない。まあ、大学入試が近づいてきたから情緒不安定になったということで勘弁してくれ。
「あんた何ひとりでニヤニヤしてるのよ。傍で見てると気持ち悪いわよ」
怪訝そうな表情で俺を見るハルヒの方を向いて、俺はいまの自分の素直な気持ちを伝える。
「ハルヒ……」
「な、なによ!」
「ありがとう」
「はあ?」
ハルヒは、照れてるのか怒っているのかわからないぐらい顔を真っ赤にして、プイっと俺から顔を背けると
「馬鹿なこと言ってないでさっさと帰るわよ!」
と言って、俺を置き去りにしたまま部室から出て行った。
「やれやれ」
以前、封印したはずの感嘆詞が思わず口から漏れてしまう。
教科書やら筆箱を鞄の中に放り込み、帰り支度をして部室を出て扉を閉めようとしたとき、ふと気になって、誰もいないはずの部室の中を振り返る。
もちろん部屋の中には寡黙な宇宙人の姿も、愛らしい未来人の姿も、ニヤケ面の超能力者の姿も無かった。
過去を振り返るのはもっと後でいい。いまはハルヒとの愛を少しずつ大切に育んでいこう。
そう心に誓い、俺は静かに扉を閉めた。
〜終わり〜
以上です。
今回はかなり短めですが、読んでいただけると嬉しいです。
では、失礼します。
GJ!
これは良い最終回系だ。
厳しいようだが、こういう書きかたをするなら段落をつけるのと変なところでの改行をなくすことを推奨する。
671 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 22:47:51.63 ID:fREAbVAB0
長門は最初からいなかったことになってたんじゃないの?
何でハルヒは長門を知ってるの?
>>668 これはいい。実にいい。胸に来た。永久保存する。
ただちょっと聞きたいんだが古泉が「長門さんを覚えてるのは僕たちだけ」ってセリフは古泉の勘違い?
キョンが「長門たちの正体を知ってたんじゃね?」と考えているから
いいんじゃね?
また改行厨か。
>>673 2レス目のハルヒの台詞の中の改行が、自分としては違和感を覚えたんだ。
改行ぐらいどうでもいいだろ…
読めりゃそれでよし。
という訳でGJ
>>676 できれば今後の参考にしたいので、詳しく教えていただければ嬉しいのですが……
いいじゃないいじゃないいじゃない〜。これでいいじゃない〜。
確かに、あれ?ハルヒは長門を‥‥あれ?って思ったが。
保守
681 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 23:02:13.10 ID:x1vtzuIH0
ブラウザの幅で右で折り返されるところが変わるからそれはどうにもならんね
wikiでもそれが言えるし
ヘタに改行しないほうが見やすい気がする。
大概のブラウザは自動で折り返されるし。
携帯でも。
>>676 把握。なるほど確かに。ちょっと切るとこが難しかったのかな。
>>671 >>672 >>679 申し訳ありません。作者の推敲不足です。確かにハルヒが覚えていてはおかしいですよね。
もう一度推敲したうえで、訂正をしたいと思います。
ご指摘ありがとうございました。
>>676さん、もし
>>681さんのおっしゃるとおりなら仕方ないと思います。
読んでいただき本当にありがとうございました。
では、失礼します。
>>678 文章を横にずらずらと並べて書いてある形式なので、右端で折り返される形になるような構成にしたのはわかる。
改行を自然に任せたのだろうけど、先ほど指摘したハルヒの台詞のところだけ何故か意図的に改行されていたので
そこに疑問を感じてしまったということ。
ごめん、あともう一つ言いたいことがあったんだけど……ってもう行ってしまわれたか。
>>685 数えてみたらそこのセリフ文字数が128合った。なので単純に改行しただけだろう。
なんかウルウルしてしまった
688 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 23:32:06.78 ID:u9FKhPtKO
保守
保守
690 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/25(日) 23:51:25.20 ID:fREAbVAB0
ho
まとめサイトに触発されて初めてSSを書いてみたが締めだけが書けないw
途中だけど投下してみてもいいだろうか
では、タイトルはこんな感じで。
ハルキョンの予定がハルキョンまでたどり着いていない
古泉の話が長いのでモテる古泉が許せない人はスルーでよろしくお願いする
見切り発車は止めた方が…
自分で体験しておおきくなるんだよ
◆0
夢と希望に充ちあふれて始まったような気がしないでもないような高校生活一か月目にして涼宮ハルヒと関わりを持ってしまってからというもの俺の人生はちょっとしたスペクタクルとでも言うべき出来事の連続ではあるが、
しかし上には上が下には下がいる、と昔から言うように俺以上に意味のわからない存在に振り回されて恐ろしく充実した人生を送っているやつというのも世の中には確かに存在する。
今回はハルヒと俺と、そんな一人の男子生徒にまつわる、不幸とも幸福ともいえないような騒動の話だ。
……え?誰だ、だって?やれやれ、言わなくてもわかるだろう。
いつだって騒動のきっかけはハルヒであり、そしてハルヒに巻き込まれた俺以外の男子といえば、あいつしかいないじゃないか。いや、谷口ではない――古泉一樹。赤玉変態型超能力者、である。
◆1
「キョンくん、ちょっとお願いされてほしいことがあるのね」
と、同じクラスの阪中が話しかけてきたのは、長い一日の授業が終わってさて団活へと赴くかなと俺が座りすぎで重たくなった腰を上げたころだった。
ちなみにハルヒはホームルームが済んだ瞬間ロケットスタートでぶっ飛んでいってしまったので、後ろの席は空っぽである。
「ん、なんだ?ハルヒへの言付けとかだったら頼むから本人を探してくれ」
探すまでもなく部室にいると思うが、それはさておき、最近のハルヒはクラスの女子とよく話をしているようだし、出来ればこのまま普通にクラスに馴染んで
普通の女子高生になってほしい……と俺は思うのだ。って、俺に何の権限があってあいつにそんなことを望むのか、という話だが。
「違うのね」
阪中はそう否定するとなんだか恥ずかしそうにもじもじと身をよじり、上目遣いで俺を見上げた。
なんだよ可愛いな〜さすが某国木田の一押し……すまん、妄言だ。
「えっと、用があるのは涼宮さんじゃないのね……」
ごそごそとどこからともなくファンシーな色のものを取り出し、阪中は頬をさくらんぼ色に染めながら、
「これ……」
おいおい、マジか!
「えらくマジなのね!これ、古泉さんに渡してください!」
お願いなのねー(のねー)!とエコーを響かせつつ阪中はどこへともなく走っていき、俺の手の中にはご丁寧に赤いハートのシールが貼られた、どっから見てもラブレター然としたものが残された。
……はは、お約束だな。
>>693のスーパーブローは間違いなくローリングサンダー。
「ちょっとキョン、今阪中さんに何かもらってなかったかい?」
「いやもらってたよな、それは俺が見るところずばりラブレターだろう!」
……うるせー。
阪中の声の残響が消えたとたんに話しかけてきた国木田と谷口。お前ら目がギラギラしてるんだが。ああもらったとも、見ろ、この可愛い丸文字で書かれた宛名を。まだ本邦未公開の俺の名前だぞ。
「フルイズミカズキ……?あれ、お前そんな名前だっけ、忘れちまったよ。どのへんがキョン?」
はい、馬鹿ー。
「なんだ……そうだよね、まさか阪中さんに限ってキョンってことはないよね」
さりげなくものすごく失礼だぞ、国木田。残念ながら反論材料がないが。
「つーかまた古泉かよ。キョンもかわいそうになー、あんなのがそばにいたら余計モテなかろう」
お前今のボケだったのかよ!ボケで終わらせずにノリツッコミにまで昇華させてくれないとさっぱりだ。
「食いつくところそこかよ!俺のことなんかほっといて話を進めろや!」
「よし。……で、なんだ、古泉は実はそんなにモテモテだったのか」
まああの胡散臭い整形疑惑さえ抱かせる顔だからな、わからないでもないでもない。ああ認めたくない。どうせ俺の知らんところで彼女の一人や二人や三人くらいは作っているのだろう。痴情のもつれから刺されちまえ。
すると谷口国木田両名はいかにもうんざりしましたーと言うように首を振り、
「かぁーっ、キョン、鈍いにもほどがあるぜ。あんなに露骨にモテてる奴があるか、忌々しい」
何?そうなのか?
「そうだよ。SOS団だって朝比奈さんとか、たまに見てもわかるくらいあからさまにアタックかけてるよ」
「そのうえ、それになびかない、と来たもんだ。あいつガチホモか?Sランクだぞ?」
待て待て待て待て、待て!
朝比奈さんが、古泉に懸想しているだと?有り得ない。ハルヒに好きな男がいるというくらい有り得ん。
国木田は哀れむような目つきで俺を見やると、「認めたくないのはわかるけどね……」と言った。
違う。断じてそうじゃない。認知するしないの問題ではないぞ。朝比奈さんが古泉に猛烈アタックって、いったいいつの話だ。映画撮影は随分昔に終わったし結局まだ続編は撮っていない。
「毎日お弁当作って九組にいったり、してるらしいけど」
有り得ない。それを俺が知らないなんていくらなんだって、さすがにおかしいじゃないか。
俺の知る限り、未来人の朝比奈さんと超能力者の古泉は実はあまり仲がよくなかったはずじゃないのか?
俺は手にした阪中の手紙を見下ろした。俺の知らないところで、何か異常なことが起きている。
◆2
古泉か朝比奈さん、あるいは第三者だが長門に話を聞く必要があったのだが――部室まで急行する途中で、俺はハルヒに引き止められた。正確には、部室のドアを目前にした廊下の真ん中で、であるが。
「何してんだ?」
「しっ、静かにしなさい」
ドアに張りついて片耳を押し当てながら、ハルヒはとんとんとドアを指差した。どうやら同じようにしてみろ、という意味のようだ。俺としては急いで三人のうち誰かに会いたいのだが、仕方がない――
『あっ、朝比奈さん!?何のおつもりですか!』
聞こえてきたのは、何やら切羽詰まった古泉の声だった。朝比奈さんもいるようだが、穏やかではない。
『うふ、お茶にちょっと仕込んじゃいました。古泉くんちっとも振り向いてくれないんだもの。流行りのヤンデレってやつですよ〜』
『いや、僕はヤンデレとかキョンデレとか、そういうツンデレに似てるものはもううんざり……ではなくてですねっ』
それですよぅ、と朝比奈さんの可愛らしいはずの声。
『古泉くん、嫌じゃないんですか?あたしは嫌です、こんなに魅力的なのに、立場に縛られて独り身のままなんて』
『それはっ……あなたには、関係のないことですよ』
『そんなことありません。このまま何もしないで手に入る未来は、孤独なだけ……そんなのは嫌!』
『意味のわからないことを言わないでください!わかってるんですか、ご自分が何をしているのか』
『現場の独断で変革を強行しちゃっても、いいじゃないですかぁっ!既成事実さえあれば、規定事項が……』
――待て待て待て、こらハルヒ、目を輝かせてる場合かっ!
「そこの二人、ちょっと待ったぁ!」
「「きゃっ」」
ハルヒが張りついているのも無視して、ドアを蹴開ける。部室内では……朝比奈さんが、ウェイトレス姿だった。
「キョン!何す……」
「ふぇえっ!ご、ごめんなさぁい」
「あっみくるちゃん!待ちなさい、どこ行くのっ」
朝比奈さんは本物とは思えない勢いで部室を飛び出して行き、床に転んでいたハルヒはバネのように跳ね起きて朝比奈さんを追いかけてあっという間にいなくなった。
>はい、馬鹿ー。
に笑っちまったw
支援
古泉、いつまでも床に寝ころんでる場合か?まさか、朝比奈さんに押し倒されたんじゃないだろうな。
「いえ、申し訳ないのですが、彼女にいただいたお茶が妙な味でして」
それはまさかあれか、痺れ薬というやつか!朝比奈さんはそんなものをいったいどっから持ってきたのやら。
「長門さんに、あなたから頼んでいただきたいのですが」
ああ長門な、長門……ってうおっ!いたのか長門!
「……最初から」
助けてやれよ、もっと早く……いや悪い、今からでも遅くないからここに転がってるのを何とかしてくれ。
長門はこくりと頷くと、いつもの本から離した手のひらをこちらへかざした。きゅるる、と呪文。
「……いやあ、あなたが来て下さって助かりましたよ……」
むくりと起き上がって古泉が情けない笑顔を浮かべた。もう少しで貞操を失うところでした、か。古泉、お前も普通に童貞だったのか……で、朝比奈さんか……いや、特に何も考えてないぞ。
「……これ、お前宛てに、阪中から預かってきたんだが」
俺はとりあえず持ったままであった手紙を古泉に突きつけてやった。別に怨念など込めていない。
「阪中さん、というと……」
三月に幽霊騒ぎを持ち込んできたあいつだよ。当然覚えてるよな?向こうはラブレターまでよこしてるんだ。
「ラブレター」
古泉は溜息をつきつつ立ち上がると、机の上に置いてあった通学鞄の中からごっそり紙の束を取り出した。
「これは全て、本日いただいたものです。大半は朝下駄箱の中に入っていたんですが」
ばらばらと机の上一面に広げられた、手紙と思しきハガキ大のカラフルな物体たちに、阪中の手紙を加えて古泉は再び溜息をついた。谷口あたりが見たら何を贅沢に悩んでいるのかと思いそうだが、
「普段からもらうのか?」
「まさか……今日が初めてですよ。それをこんなに」
なるほど、やはり異常事態である。
「朝比奈さんがお前にお弁当を作ってくるそうだが」
「確かに今日はいらっしゃいましたが、それも今日が初めてです」
しかし国木田の話では、毎日猛烈なアタックということだったのだが……いったい何がこんなことに。
助けて長門さん。俺と古泉は揃って読書中の長門に目線をやった。長門は俺にまっすぐ顔を向け、
「朝比奈みくるがここへ戻るまであと五分三十二秒。退避を推奨」
俺がか。
「……違う。古泉一樹が」
だと思ったよ。
◆3
「で、長門、説明してくれるか?」
校内のどこかで待機している、と言う古泉を早急に追い払い、俺は長門に向き直った。もう少しで朝比奈さん達が戻ってくると言ったが、どうやら長門は朝比奈さんとは逆に古泉を避けたいようだ。
「……説明する」
ありがとな。古泉には後から伝えられるかね。しかし待機って、いったい学校のどこに隠れるんだろうな。
「……古泉一樹には、涼宮ハルヒによる情報改変が施されている」
---
「情報改変……ですか」
はい、と彼女は微笑み頷いた。
僕が校内でのとりあえずの待機場所に選んだのは、生徒会室だった。ここなら涼宮さんには見つからず、その他の生徒も生徒会長が閉め出しているだろう、との判断であり、
それは八割は正解だったのだが、しかし僕がすっかり忘れていたのは……相変わらず、生徒会には僕の計算外の人物がいる、ということであった。
「古泉さんの存在を認識した女性キャラクターが、好意を持つよう設定されています」
生徒会書記にしてTFEI端末である喜緑江美里さんが、うっとりと僕の手を撫でながら言った。非常に、なんというか、居心地が悪い。なんでこの人こんなにぴったりくっついて座ってくるんだ!
後頭部にヤンキー上がりのきっつい視線がザクザク刺さってるんですが。痛い痛い痛い。神人のパンチよりはマシながら、何かタバコを押しつけられてるようなジリジリした痛みが……。
「つまり、今なら古泉さんはあらゆる女性を――涼宮ハルヒさんを除きますが――落とし放題というわけです。誰でもおっけーですよ、長門さんでも、あの二人が結婚したらキョンキョンになってしまうお嬢さんでも頭部で昆布を養殖しているような奇怪な生き物でも、
涼宮ハルヒさんの認識上は女性ですから。まああのような髪の毛の妖怪を選ぶのはよほどの黒髪フェチさんだけでしょうけれど……ところで古泉さんは、髪の綺麗な女性はお好きですか?わかめは髪の毛に良いんですよ」
知ってますけど、わかめ……ていうか、なぜそのチョイス……すごい敵対心が感じられるんですが。
いや待て、そこじゃない。
「……今、涼宮さんを除く、とおっしゃいましたよね?」
「うーん、江美里とお付き合いしてくれたら、もっといろいろ教えちゃいますよ?」
痛っ!なんかあらゆる空気が痛い!前門の虎後門の狼!
「……喜緑くん。今日はもう帰りたまえ。会長命令だ」
支援
704 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 00:19:48.06 ID:3j+zIVr80
支援
「会長、それは権力の乱用です。不信任案出しますよ」
「我が生徒会にそのような規定はない。早く帰りたまえ」
そもそも、高校の生徒会長には、役員に命令する権限もないんだけどな……と思ったが、余計なことを言っても自分の首を締めるだけだと知っている賢い僕は黙っておいた。喜緑さんはふうと溜息をつき、
「仕方がありませんね、諦めましょう」
とあっさり手ぶらで部屋を出ていった。仕事とか、してたんじゃないのか……。
「古泉……俺が生徒会室でボヤ騒ぎを起こしたくなる前にそのアホ女の思いつきを解決しろよ……」
了解、しました、が……さて、どうしたら彼が僕の思い通りに動いてくれるだろうか。それと今から、部室に戻っても気まずくないだろうか……。はあ。
---
で、結局、部室に古泉が戻ってきたころにはハルヒによって活動は解散となっており、朝比奈さんはハルヒに付き添われて先に帰っていた。長門も古泉が来る少し前に帰ってしまい、俺は一人であいつを待つ羽目になっていた、というわけなのだが。
「大体の事情は、ある方がご親切にも教えて下さったのですが……長門さんは、今後について何か言ってませんか」
なぜか、ご親切にも、を強調する古泉。よっぽど親切な人にあったのだろうか。事情を知ってる人って誰だ?
「長門は、ハルヒがこんなことをするに至った理由がわからなければ解決不可能だと言っていたが」
あいにく、長門にわからないことは俺にもわかりそうもない。何せハルヒの考えを当てようなんてな。
すると古泉は、ふっと呆れとウンザリが八割くらいのこちらが見ていてムカつく笑みを浮かべた。
「あなた方にもこれくらいはわかっていただけるかと期待していたのですが……相変わらず疎いんですね」
馬鹿にしてんのか。そうなんだな?帰っていいか。
「聞いてください。僕が会う女子生徒すべてにアプローチを受けているのは涼宮さんが望んだからです。しかし涼宮さんは僕のためを思ってハーレムにしてくれようとしたわけではない。これはいいですね?」
そうだな、まあそうだろう。あのハルヒが他人中心の世界を作ろうと思うはずがない。
「では、何のために涼宮さんは世界を改変したのか――答えは簡単、要はあなたのためなのです」
俺かよ。お前は毎回毎回俺に責任をとらせて楽しいのか!今回ばかりはさすがに心当たりがまったくないぞ。
支援
「単純な話です……ライバルなんかいなければいい、自分以外が、あなたではない誰かを好きになればいい、と涼宮さんは考えたのでしょうね。あなたでなければ、別に誰でもよかったんじゃないですか」
毎回毎回、だから僕は宝くじが当たらないんですよ、と古泉が呟く。意味不明だ。
「つまり……どういうことだよ」
「心変わりしない、と涼宮さんに誓ってください」
いつ、どこで、なぜ、どうやって。
「明日にでも、ラブレターというのはいかがですか?幸いここに見本が大量にありますし」
「悪趣味だぞ、古泉」
「失礼……わかっていただけた、ということでよろしいですか?」
いや、正直お前の論理の飛躍にはあまりついていけていない。そもそも俺の心の何がどう変わるのか。
「とにかく、時を見て、行動してください」
と、いつになく真剣な声音で古泉が言った。こいつも追いつめられるとグレる、というわけらしい、が……冗談でもなんでもなく、俺はいったいどう行動すべきなんだろうかね。
---
ここまで。
この後キョンがハルヒと閉鎖空間で愛を確認して終わる予定だったんだがな…
ん?
ハルキョンの結末が見えてきたよ?
709 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/26(月) 00:23:08.95 ID:LdnJrSUkO
ウイウイシイノウ
710 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/26(月) 00:23:54.47 ID:3j+zIVr80
しえーーーん
支援くれた方々どうもありがとうござんした。
712 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/26(月) 00:27:27.71 ID:LdnJrSUkO
乙
個人的には佐々木が古泉に惚れてキョンが嫉妬するやつが見たかた
冬、文芸部室の放課後。
ハルヒ「ちょっと、小泉君!教室のキョンを呼んできて!」
古泉「(小泉じゃないんだけど・・・)まあ、いいでしょう」
涼宮ハルヒは今日も団員をこき使う。いつものことです。まあいいでしょう。
古泉「しかし、今日は非常に寒いですね。廊下の底冷えは、本当に困ったものです。」
ハルヒ「早くいってきて!」古泉「まあいいでしょう」
教室に着いた古泉
キョン「お、古泉、どうした?」
古泉「涼宮さんが呼んでいましたよ。いますぐにと。」
キョン「ああ、俺はいまから補習があるんだ。そう言っといてくれ」
古泉「そうですか。まあいいでしょう」
キョン「なあ古泉」古泉「なんでしょう」
キョン「いや、細かいことなんだが、まあいいでしょうってのは口癖なのか、座右の銘なのか」
古泉「まあいいでしょう。お教えします。」
キョン「・・・・・・・」
乙!
いい感じ続きwktk!
ラストは別に閉鎖空間の中で告白の展開にしなくてもいいんじゃないかなぁ。
ハルキョンものの定番とはいえ。
ははっ!
俺の初SSより遥かに上手いじゃないかっ!!
GJwまさに王道な結末にするつもりなのかw
俺の会見を述べさせてもらうと、その終わり方では勿体無い希ガス。
ありきたりというか、テンプレート化してる終わり方だから、新しいのが見たいw
まあ俺の我侭だけどねw
718 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/26(月) 00:37:58.25 ID:LdnJrSUkO
>>713 ●<シュールなら尻穴スレでお待ちしております
あれだ。キョンが嫌われる奴の応用だw
だがまぁ、とりあえず期待。
誤爆した
読んでくれてありがとう
>>714>>716 まあ確かにすごくありきたりだし何より原作と同じってのが難しいが
ハルキョン的にはかなり綺麗な終わりかたテンプレートなんだよな
もうちょっといろいろ考えてみる
>>707 まさかの古泉ハーレムにドキドキしてる俺w
言っちゃなんだがほいほい閉鎖空間を使うのはどうかと思うもんなぁ
勝手に続きを考えた
閉鎖空間の代用の空間
・位相空間 ・位相線型空間 ・関心空間 ・距離空間 ・真空間 ・線形空間 ・線型空間
・ソボレフ空間 ・ハウスドルフ空間 ・ベクトル空間 ・リーマン空間 ・双対空間
さぁ、好きなのを選べ。
726 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/26(月) 00:57:47.90 ID:+wnrGDLS0
保守
古泉をコロス
これは今の俺の至上命題である。
ハルヒの変態パワーが働いたからといってあいつがもてるのはうらやまむかつく。
朝比奈さんだけでなく長門も被害にあってると考えるともう・・・。
今日もハルヒが文学部室のドアに張り付いている。
・・・許せん。
朝比奈さんとイチャつくなど・・・っ!!
俺はドアに手をかけた。
が、ハルヒに手を止められた。
「離せ」
「何するつもり?」
「俺は朝比奈さんの目を覚まさなければならない」
「何で?」
「古泉に朝比奈さんを取られたくないからだ」
「だから、何で」
「そりゃ、おまえ・・・」
「あ、あたしがいればいいじゃない」
キョン「そうだね。プロテインだね」
微妙に良いところでプロテイン出すなwwww
730 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/26(月) 01:17:07.47 ID:0ARhZlXQO
保守
ちなみに某漫画のパクリである
最後の台詞でググれ
735 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/26(月) 01:34:38.82 ID:LS0t3Mjc0
プロテイン?
今、デジモンとのクロスオーバーを考えているんだが、名字しか出ていない
登場人物をパートナーデジモンに、なんて呼ばせればいいんだろう
どうしたものか・・・
737 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/26(月) 02:14:10.66 ID:hSesMrvk0
738 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/26(月) 02:19:53.75 ID:+tiE377hO
ボンボンか‥‥
739 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/26(月) 02:34:33.73 ID:LdnJrSUkO
>>736 やべぇwww超wktk
普通に名前でいいんじゃないか原作も全員名前で読んでたし
光四郎はん
保守
保守
今、投下するべきか、せざるべきか。それが問題だ。
やめておこう、眠すぎる。
744 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/26(月) 04:48:57.31 ID:pGxaWQRr0
保守
745 :
目覚めたら……:2007/11/26(月) 05:07:11.56 ID:J/O7tdSSO
描きなぐった骨組みを投下
ただの短編にww
『あの……お名前教えてくれませんか?』
……ってキャラだったらどんなに楽だったのかしら。結局あたしは好きだけど恥ずかしくてごまかしてる。
あいつのこと。大好き。でも言えない。恥ずかしい。気付いてよ、鈍感。
「また一人で昼メシか? たまには誰かと食えよ」
よけーなお世話。なんならあんたが一緒に食べてよって話。
そんなこと考えると……ほら。顔が熱くなってきた。
「顔赤いぞ。熱があるんじゃないか?」
おでこ触んないでよ。恥ずかしい。……気持ちいい。あー、ダメ。
「おい。フラフラしてるぞ? 大丈夫なのか? ハルヒ?」
あたしおかしい。キョンに触られて……気持ちいい。抱きついていいかな? 倒れるフリすればいいかな。
「ハルヒ? タチのわるい冗談はやめろ。……ハルヒ?」
あははは。ほんとにドキドキして気が飛びそう。あれ? あたし今キョンに抱えられてるの?
そっか。ほんとに気が飛んじゃったんだ。あたしバカねー……。
「ハルヒ。目さめたか? どうしたんだいきなり」
「あんたのせいよ。……寒い。暖めて」
「は? 待ってろ。暖房……」
違う。わかりなさいよ。バカ。
「……正気か?」
嫌ならいいわ。あたし帰るから。
「やれやれ。ほら。これでいいか?」
あ、抱かれてる。気持ちいい。うん。ごめん。好き。ずっと好きだったの。
「そうか。なんとなく知ってたぞ。でも今日のお前は病気で気が弱ってる。元気な時にいつものハルヒの声で聞かせてくれ」
キョンのくせにぃ……。うん。あたし寝るわ。ずっと一緒にいなさいよ。起きたら一番に言うから。
『大好き』……ってね。
おわり
甘――――――い!! GJ!!!
寝る前に糖分採りすぎだww
涼
748 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/26(月) 06:38:02.29 ID:sf2bj5fM0
し
749 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/26(月) 07:14:18.11 ID:paa810E00
保守
涼しいどころか寒いぞ保守
751 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/26(月) 07:15:16.07 ID:qaYIo6uyO
ほ
電車乗り逃して30分待ちオタワ\(^o^)/保守
!vip2:stop:
本スレ止められたな
---
MP50使ってへっぽこの呪文を唱えた
このスレは1回目のダメージを受けた (50/500)
!vip2:stop:
ハルヒ厨死ね
---
MP50使ってへっぽこの呪文を唱えた
このスレは2回目のダメージを受けた (100/500)
!vip2:stop:
むしろ平野死ね
---
MP50使ってへっぽこの呪文を唱えた
このスレは3回目のダメージを受けた (150/500)
!vip2:stop:
---
MP50使ってへっぽこの呪文を唱えた
このスレは4回目のダメージを受けた (200/500)
!vip2:stop:
---
MP50使ってへっぽこの呪文を唱えた
このスレは5回目のダメージを受けた (250/500)
!vip2:stop:
---
MP50使ってへっぽこの呪文を唱えた
このスレは6回目のダメージを受けた (300/500)
!vip2:stop:
---
MP50使ってへっぽこの呪文を唱えた
このスレは7回目のダメージを受けた (350/500)
!vip2:stop:
---
MP50使ってへっぽこの呪文を唱えた
このスレは8回目のダメージを受けた (400/500)
!vip2:stop:
9ー
---
MP50使ってへっぽこの呪文を唱えた
このスレは9回目のダメージを受けた (450/500)
スレ住人のみんなへ
/ ̄ ̄ ヽ,
/ ',
.l {0} /¨`ヽ}0},
.l ヽ._.ノ ',
リ `ー'′/ ̄/ ̄/
( 二二つ / と)
| / / /
|  ̄ ̄| ̄
いつもばかばっかやってたりするけど
/ ̄ ̄ ヽ,
/ ',
.l {0} /¨`ヽ}0},
.l ヽ._.ノ ',
リ `ー'′/ ̄/ ̄/
( 二二つ / と)
| / / /
|  ̄ ̄| ̄
\ U /
\ U /
/ ̄ ̄ ヽ,
/ ', / _/\/\/\/|_
\ ノ//, {0} /¨`ヽ {0} ,ミヽ / \ /
\ / く l ヽ._.ノ ', ゝ \ < !vip2:stop: >
/ /⌒ リ `ー'′ ' ⌒\ \ / \
(  ̄ ̄⌒ ⌒ ̄ _)  ̄|/\/\/\/ ̄
` ̄ ̄`ヽ /´ ̄
| |
---
MP50使ってへっぽこの呪文を唱えた
このスレは10回目のダメージを受けた (500/500)
このスレは・・・
停止しました。