1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
代理ですです
2 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 17:39:05.84 ID:3/o6WRi6O
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 17:39:58.65 ID:KJT4WHlf0
まてまて、先に言わせて貰おう
何でこの時間に代理にスレ立てしてもらう必要があるんだ?
どう考えても宣伝です、本当にありがとうございました
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 17:40:23.94 ID:18eHZHnl0
「お前地図なんか見てどうしたんだよ?」
「新しい島を発見しようと思って」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 17:41:43.90 ID:D3nBqvtD0
6 :
自分でスレ立てられないんだぜ ◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 17:43:53.63 ID:3/o6WRi6O
〜前回までのあらすじ&登場人物紹介〜
・('A`) ドクオ 20歳
主人公。偶然出会った老人に誘われ、島の外からやってきた。前回、日本に一時帰国し、親との別れ経て再び島へ帰ってきた
・(*゚ー゚) しぃ 17歳
女神からお告げを賜り、ドクオと屋敷に住み始めたメイド少女。ドクオとは現在喧嘩中
・(,,゚Д゚) ギコ ?歳
ドクオの島からの脱出を手伝った、「ロストアイランド計画」の構成員。
・ξ゚听)ξ ツン 17歳
はじまりの村にて、1人で鍛冶屋を営む金髪の少女。恋人が現在、行方不明
・川 ゚ -゚) クー 20歳
はじまりの村にて八百屋を営んでいるクールビューティー。ドクオ・しぃの仕事のお得意様。
7 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 17:49:00.62 ID:3/o6WRi6O
静かな高原の上に、ポツンと屋敷が建っている。
夕暮れに赤く染まっていた草たちが、徐々に日の光を遮ってゆく暗い雲により、赤みを失い元の深緑の色を取り戻していく。
(*゚ -゚)「……あれ、なんか雨降りそうだなぁ……」
段々と闇に染まっていくあぜ道を、しぃはゆっくりした足取りで登っていった。
8 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 17:51:06.54 ID:3/o6WRi6O
('A`)は地図に無い島へ行くようです・第11話
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 17:51:36.75 ID:8tVoEkhu0
しえ
10 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 17:56:49.39 ID:3/o6WRi6O
(,,゚Д゚)「え――、前回の感動の旅立ちとは一変。今、私達は荒れ狂う海の上で船の揺れと戦ってます」
(;'A`)「ちょ、ギコさん! 1人でナレーションしてないで手伝って下さい!!」
夕方になって急に降ってきたスコールによって、海上は大時化になっている。
(,,゚Д゚)「あぁ、わりぃわりぃ」
ドクオが必死になって叫んでいるのを聞いて、ギコはそそくさと作業を手伝いに行く。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 17:56:59.66 ID:ALhoxTrH0
支援
12 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 18:02:26.48 ID:3/o6WRi6O
(;'A`)「全く……天気予報くらい、ちゃんとチェックしといて下さいよ」
甲板の上でロープを引っ張っているドクオが、ギコに向かって溜め息をつく。
(,,゚Д゚)「まぁ、そう言うなや。どのみち時間が無かったから、こうなるとわかってても船は出してたさ。
それに……」
よっ、とギコが掛け声をしてロープを引くと、海上に一隻のボードが着水した。
(,,゚Д゚)「今回は前よりかは大分マシだろう?」
大荒れの海の上を、一隻の小さなボートが船から降ろされた。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 18:03:31.96 ID:UEFiOGb/0
支援
14 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 18:06:52.22 ID:3/o6WRi6O
眩いばかりの白い個体。
その優雅なデザインは初めて見る物を圧巻させる。
そして、その機能性。電気に頼らない環境に優しいその船は、推進力は人力ながらも、自動車のハンドル式を採用した舵取りによって、水上交通にて高い自由性を発揮する――
(;'A`)「いや、ただのアヒルボートじゃないですか」
(,,゚Д゚)「前回のバナナよりはマシだろうが」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 18:09:15.13 ID:8tVoEkhu0
環境にはやさしいなw
16 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 18:09:40.64 ID:3/o6WRi6O
(;'A`)「いや、しかしね、ここからこの荒れた海の上をこんなモノで渡っていけって、それなんてイジメ……」
(,,゚Д゚)「思えば長い旅だったな。全く、お前はオモシレー奴だったよ」
(;'A`)(なんか勝手に回想始めちゃったよこの人)
ドクオの訴えを全く気にせず、ギコはどこか遠いところを見つめると、淡々と語り始めた。
(,,゚Д゚)「思えば、俺は今までこのプロジェクトに裏方として関わってきたが、この島に来たのは初めてだったんだ。
お前を連れ戻すのが任務だったとはいえ、少しばかり心が踊ったもんだよ」
('A`)「……へぇ、そうなんですか」
ギコの話にドクオは適当に相槌を入れている。
17 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 18:12:36.09 ID:3/o6WRi6O
(,,゚Д゚)「そんなプロジェクトに突然大抜擢されたお前だからな……どんな奴かなって思ってたら」
('A`)「……思ってたら?」
ドクオが怪訝な顔をしているのを見て、ギコはニヤリとほくそ笑む。
(,,゚Д゚)「そんな大した奴じゃなくて逆に安心した」
('A`)「……そりゃどうも」
ドクオは苦笑いしながら舌打ちをした。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 18:15:07.38 ID:SI72dd570
エデンの戦士か・・・
19 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 18:17:43.42 ID:3/o6WRi6O
(,,゚Д゚)「……まぁ、これから頑張れよ。
今度いつ会えるかわからんが、次に会うときにどうなってるか楽しみにしてるぜ」
船から海へと垂れ下がっているロープを掴んでいるドクオを見て、ギコがどこか名残惜しそうに見送っている。
('A`)「……そうですね、ギコさんには色々お世話になりました。ありがとうございます」
縄の締まり具合を確認しながら、ドクオは淡々と話している。
('A`)「……そんじゃ、行きます。ギコさん、お元気で」
(,,゚Д゚)「あぁ、達者でな」
2人の間に、少しの沈黙が続いた。
そして一瞬、互いに会釈し合うと、ドクオは船から勢いよく飛び降りた。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 18:20:12.49 ID:fmeM9LCqO
支援
21 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 18:22:01.53 ID:3/o6WRi6O
キコキコキコキコ……
(;'A`)「やべぇ、これ想像以上に疲れるわ」
アヒルボードに乗ったドクオが、リズミカルにペダルを踏みながら海の上を進んで行く。
かれこれ小一時間ボートを漕いでいるが、未だに島が見える気配が無い。
(;'A`)「ったく、骨が折れるぜ……」
転覆しまくるバナナボートよりかは数段マシとは言え、この荒れ狂う波の上を本当に進めているのかさえ危うい状況だ。
(;'A`)「くそ! やるっきゃない!!」
焦燥感に煽られそうになる自分を叱咤しながら、ドクオはペダルを踏み込む力を更に強くした。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 18:23:59.07 ID:MSo6rgPr0
アヒルボード…?板なのか
23 :
23>それ誤植ですわw ◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 18:26:21.05 ID:3/o6WRi6O
('A`)「――ん?」
一瞬、ドクオは何かを感じとった。
('A`)「……気のせいか?」
ドクオは足を止めて、ボートの周りを見渡してみる。
一見すると、相変わらず荒れている海が、ただ大きく波打っているように見える。
――――ぉ―
('A`)「……!」
再び、ドクオが何かを感じとった。
「……れ…か……たす…て…」
(;'A`)「何だ!?」
ドクオが気配のしたところへ向かって、振り返った。
24 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 18:29:14.40 ID:3/o6WRi6O
――風に乗って、何者かの叫び声が聞こえてきた――
(;^ω^)「誰か〜〜助けてくれお〜〜」
(;'A`)「なっ……あれは!?」
ドクオの視線の先に、大波に飲まれながらも必死に立ち泳ぎをしている人影が見えた。
(;´ω`)「そ、そろそろ限界だお……これはもう駄目かもわからんね」
ドクオの目からも、この大時化の海上に取り残されたその人物はかなり衰弱しているのが伺えた。
25 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 18:33:26.50 ID:3/o6WRi6O
(;'A`)「まだだ! まだ終わらんよ!!」
ドクオはその光景を見るなり、ボートに備え付いていた縄のついた浮き輪を手にとると、溺れかかっているその人物に向かって放り投げた。
(;^ω^)「なっ! あんたは!?」
浮き輪を投げつけられてようやくこちらに気がついたのか、向こうは驚きの声をあげている。
(#'A`)「いいから黙ってそれに掴め!! 今助けてやる!!」
(;^ω^)「わ、わかったお……」
ドクオの剣幕に少し戸惑いながらも、その人物はしっかりと浮き輪にしがみついた。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 18:36:05.66 ID:8tVoEkhu0
しえ
27 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 18:37:55.98 ID:3/o6WRi6O
(;'A`)「ハァ……ハァ……」
(;^ω^)「た、助かったんだお……」
疲労しきっているドクオの側から、びしょ濡れになった男がボートに這い上がってきた。
(;^ω^)「すまん、通りすがりの人。お陰様で助かったお」
水を吸った服を脱ぎながら、男はドクオに礼を述べた。
(;'A`)「いや、いいってことよ。
それより、お前は何なんだ?」
幸いにも、アヒルボートが2人乗り用であったので、ドクオは男を助手席に座らせて、自分は元の座席にへたり込んだ。
( ^ω^)「そうだお、自己紹介が遅れたお。
僕の名前はブーンだお。島のラウンジ教かi……」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 18:40:09.52 ID:MSo6rgPr0
支援
29 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 18:41:57.32 ID:3/o6WRi6O
ギ ギ ギ ギ ギ
('A`)「?」
ブーンが自己紹介をしていると、突然ボートから鈍い音が発せられた。
(;^ω^)「――! 大変だお!!
船底から浸水しているんだお!!」
(;'A`)「な、何!?」
ブーンが指差すところをドクオが見ると、船底から海水がジワジワと染み出しているのが見えた。
(;'A`)「あー、重量オーバーなのかね」
(;^ω^)「……すまんお、僕がピザなばかりに……」
ふくよかな巨体を揺らしながら、ブーンがドクオに平謝りした。
30 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 18:45:11.71 ID:3/o6WRi6O
(;^ω^)「てか、ヤバいお! 段々と船が沈んで来てるんだお!!」
ブーンの言う通り、徐々に船体が傾き始めていた。
(;'A`)「あーもう、次から次へと!」
(;^ω^)「一体どうすればいいんだお!?」
ドクオは決心したかのように、ハンドルを強く握った。
(#'A`)「こうなったらやるしかねぇ!
おぃブーンとやら、お前もペダル漕ぎやがれ!!」
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 18:46:29.52 ID:sHC/OkJF0
しえん
32 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 18:48:38.53 ID:3/o6WRi6O
ドクオがブーンに向かって叫んだ。
(;^ω^)「ペダルって……これかお?」
ブーンは屈みこんで、足元にあるペダルを確認した。
('A`)「そう、それだ」
( ^ω^)「把握したお」
そう言うと2人は、ペダルに足を掛けた。
(#'A`)「では、行くぞ!!」
(#^ω^)「オイッス!!」
2人は掛け声を合わせると、勢いよくペダルを漕ぎ始めた。
(#'A`)「ドラドラドラドラドラドラドラドラドラァ!!!11」
(#`ω´)「どんなもんじゃーい!!!111」
2人分の推進力を得て、船は勢いよく荒れ狂う波の上を進んでいった。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 18:50:11.75 ID:8tVoEkhu0
しえしえ
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 18:52:16.62 ID:X8E9Ilj0O
追い付いた支援
35 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 18:52:31.92 ID:3/o6WRi6O
(ヽ´ω`)「つ、着いたんだお……」
ブーンは力無く、砂浜の上に倒れ込んだ。
(ヽ'A`)「あぁ……死ぬかと思った……」
浜辺に倒れ込む2人の側には、ブレーキが無かった為に止まれずに岩に突っ込み、大破したアヒルボートの残骸が波に佇んていた。
(ヽ'A`)(スワンちゃん……お前の犠牲は、決して忘れ無いぜ)
ドクオは波に浮かんでいたボードに付いていたアヒルの首の部分を拾い上げ、それを見つめながら呟いた。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 18:54:33.76 ID:X8E9Ilj0O
必死の形相でアヒルボートを漕いでる男二人の図を想像したら吹いた
37 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 18:56:42.32 ID:3/o6WRi6O
('A`)「……さて」
ドクオが静かに立ち上がると、辺りを見渡した。
浜辺の砂にまで生い茂った木々達が、植物の発育の宜しい「地図に無い島」への到着を告げてくれる。
('A`)「着いたのか……」
( ^ω^)「どうしたんだお?」
1人でボーっとしていたドクオを見て、体力が回復したブーンが立ち上がって声をかける。
('A`)「……いや、何でもない」
少し表情を固くして、ドクオがブーンの問いを流した。
( ^ω^)「?……まぁいいお。
とりあえず、今日は疲れたから、近くに村があるからそこで休むんだお」
('A`)「……あぁ、そうだな」
ドクオはブーンに促され、浜辺から出ていった。
38 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 19:00:05.25 ID:3/o6WRi6O
すっかり日も暮れて、辺りは闇に包まれている。
いつの間にか止んでいた雨は、生い茂った樹木の葉に水滴として残り、時たまポツリと雫が落ちてくる。
('A`)「………」
( ^ω^)「………」
ドクオとブーンは、村へと続く道に所々に置かれている雨除けのついた松明の灯りを頼りに、黙々と歩いていた。
( ^ω^)「あ」
水分を吸った服を絞りながら歩いていたブーンが、遠くに見えた明るい光に声をあげた。
('A`)「あれは……はじまりの村か……」
ドクオは見覚えのある建物の数々を見て、いつの日かにしぃに教えられたその名前をポツリとこぼした。
(*^ω^)「やったお! ここまで来れば大丈夫だお!!」
('A`)「……そうだな、良かったな」
ハシャぐブーンを見て、ドクオは冷めた表情をしながら呟いた。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 19:01:27.67 ID:8tVoEkhu0
しえん
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 19:03:38.38 ID:7jV5/y0e0
私怨
41 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 19:03:45.20 ID:3/o6WRi6O
村に入った2人は、一件の家の前で立ち止まった。
('A`)「……よし、もう夜も遅いから、今日はここに泊めて貰うか」
(;^ω^)「えぇっ!? ちょ、いきなりココかお!?」
ドクオの呟いた言葉に、何故かブーンが戸惑いを見せた。
('A`)「あ? どうした、何か不満でもあるのか?」
様子のおかしいブーンを見て、ドクオは不思議な表情を見せる。
(;^ω^)「いや……まぁ、何でもないお」
('A`)「……?」
問いかけに答えないブーンに、ドクオの頭に疑問符が浮かぶ。
しかし、今はそれを気にしている場合では無いので、ドクオは気を取り直して家の扉をゆっくりと開けた。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 19:05:22.36 ID:X8E9Ilj0O
支援
43 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 19:06:34.82 ID:3/o6WRi6O
パチパチと炎によって、薪が鳴る音がする。
少し火薬の匂いがするその部屋のいつもの場所に、その人は座っていた。
ξ゚听)ξ「あら? こんな時間にお客さんなんて珍しいわね。いらっしゃ……」
金色の巻き毛をフワフワさせながら、カウンターにいた少女が振り向いた。
('A`)「……よぉ、久しぶり」
ツンと視線が合ったドクオが、少しためらいがちに挨拶をした。
ξ゚听)ξ「……」
('A`)「……」
少しの沈黙の後、ツンは椅子から降りるとカウンターから出てきてドクオの前で立ち止まった。
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 19:11:06.66 ID:sHC/OkJF0
しえーん
45 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 19:12:15.79 ID:3/o6WRi6O
狭い部屋の中に、乾いた音が響いた。
ξ#゚听)ξ「〜〜っ! 何が『よぅ、久しぶり』よ!!」
頬を平手打ちされたドクオが、顔をさすりながらツンへと話しかける。
(;'A`)「おま、いきなりビンタするなよ」
ξ#゚听)ξ「五月蝿い!! みんなを心配させといて!!
てゆうかアンタ今までどこ行ってたのよ!?」
ツンが怒鳴り散らすのを見て、ドクオが苦笑いした。
('A`)「あぁ……、まぁ、色々あってな。
まぁそれは後で話すから、今晩ちょっと泊めてくれよ」
ξ#゚听)ξ「何がいろいろよ!! 今話しなさい今!!」
(;^ω^)「ちょ、ツン、落ちつくお!!」
頭に血が登りきっているツンを、ドクオの後ろから現れたブーンがなだめた。
ξ#゚听)ξ「あんたも五月蝿い! 大体こいつのせいでしぃちゃんが……」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 19:13:39.53 ID:X8E9Ilj0O
支援
47 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 19:14:03.90 ID:3/o6WRi6O
ドクオに振り上げたツンの手が、止まった。
ξ゚听)ξ「……あれ?」
( ^ω^)「しぃがどうかしたかお?」
キョトンとしているツンを、ブーンがまじまじと見つめた。
ξ;゚听)ξ「え……嘘……ブーン!?」
(*^ω^)「ただいまだお、ツン!」
訳も解らずに驚いているツン見て、嬉しそうにブーンは抱きつこうとした。
「寄るな」
ξ゚听)ξ=つ)ω^)
「うぷっは」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 19:14:44.93 ID:X8E9Ilj0O
再会キター!
49 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 19:18:21.13 ID:3/o6WRi6O
(#)ω;)「やっぱりこうなるかお……久しぶりの再会なのに酷いんだお……」
ξ#゚听)ξ「五月蝿い、このピザ。何も連絡寄越さなかった罰よ!」
(;^ω^)「だからそれには訳が」
ξ#゚听)ξ「問答無用!!」
ドクオを蚊帳の外にして、いつの間にかツンとブーンの格闘戦が始まっていた。
50 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 19:21:21.50 ID:3/o6WRi6O
(;'A`)「……もしかしてコイツ、お前の彼氏か?」
ブーンを殴りつけているツンを見て、ドクオが呟いた。
ξ゚听)ξ「……そうよ、私の言った、行方不明になってた彼氏のブーン」
(;´ω`)「ツン……久しぶりの恋人の再会なんだから、もちっと喜べお」
淡々と話を進めるツンを見て、ブーンは情けない顔をした。
('A`)「……そんなこと無いぞブーン。
お前が居ない間、コイツかなり落ちこんでたんだぞ」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 19:24:09.24 ID:X8E9Ilj0O
支援
52 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 19:25:48.19 ID:3/o6WRi6O
ξ;////)ξ「ちょ、何言ってんのよあんた!?」
ドクオの言葉を聞いて、ブーンが顔に輝きを取り戻す。
(*^ω^)「な!? マジかお!?」
('∀`)「あぁ。そりゃあもう病的に」
(*^ω^)「うはww
み な ぎ っ て き た w w」
顔を真っ赤にさせているツンには目もくれず、ドクオは悪戯な微笑みを浮かべて、興奮しているブーンと楽しそうに語り始めた。
53 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 19:28:06.14 ID:3/o6WRi6O
('∀`)「それでなそれでな、不安で堪らなくなって、何時間も俺をここに留まらせて、延々と愚痴をだな……」
(*^ω^)「フヒヒww マジかおww」
盛り上がっている男達の会話を聞いて、顔をのぼせながらツンが叫ぶ。
ξ;////)ξ「う、う〜ウルサイ!!
それより何でアンタとブーンが一緒にいるのよ!?」
(;'A`)「んぁ……まぁ、色々あってな(これ以上話してると後で殺されかれないな)」
ドクオが顔を真っ赤にしているツンを見て、冷や汗をかきながら答えた。
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 19:29:05.24 ID:X8E9Ilj0O
これでこそツン
55 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 19:32:03.83 ID:3/o6WRi6O
( ^ω^)「……この人は僕の命の恩人なんだお!!
てか、ツンと知り合いだったんおね!?」
ブーンが明るい表情をしながら答えたのを聞いて、ツンはドクオに向かって怪訝な顔をした。
ξ゚听)ξ「……へぇ? ドクオがブーンの命の恩人ねぇ?」
ツンが呟いた言葉に、ブーンがピクリと反応した。
56 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 19:36:17.72 ID:3/o6WRi6O
( ω )「……え、『ドクオ』?」
ブーンの反応を見て、ドクオがふと我に返った。
('A`)「あ、そう言えば自己紹介まだだったな。
俺はドクオだ。トウハト草原の屋敷に住んでいて―――」
ドクオが喋ったのを聞いて、ブーンが何故か興奮し始めた。
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 19:37:10.60 ID:X8E9Ilj0O
支援
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 19:39:26.65 ID:wrOY9lGjO
支援
59 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 19:40:34.26 ID:3/o6WRi6O
(*^ω^)「お前、ドクオかお!?」
(;'A`)「……あぁ、そうだが?」
興奮してドクオを鷲掴みにしているブーンに対して、ドクオは少し引き気味に答えた。
(*^ω^)「お前があの『神の使い』かお!!
やっと、やっと会えたんだお!!」
ξ;゚听)ξ「ブーン、ドクオがどうかしたの?」
ツンもドクオと同じく、ブーンのリアクションに少し戸惑い気味になっている。
60 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 19:41:57.94 ID:3/o6WRi6O
(*^ω^)「風の噂で聞いてたんだお!
『世界を救うべく、神の使いがはじまりの村にやってきた』って!!
いやぁ、まさかあなたが神の使いだったとは、感謝感激なんだお!!」
(;'A`)「はぁ……」
「やぁ、今日は賑やかだな」
ドクオが溜め息をつくと同時に、店の扉がゆっくりと開いた。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 19:43:46.60 ID:X8E9Ilj0O
支援
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 19:44:22.19 ID:JQwJ04WB0
支援
63 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 19:45:36.45 ID:3/o6WRi6O
川;゚ -゚)「おや……そこにいるのはブーンか?」
( ^ω^)「クー! 久しぶりだお!」
店に入ってきたクーは、ブーンの顔を見るなり、驚きの表情をみせる。
ξ゚听)ξ「こんばんは、クー。
そうなのよ、このバカ、やっと帰ってきたのよ」
川 ゚ ー゚)「そうか……ふふ、良かったな、ツン」
そう言うとクーは、ツンに向かって微笑みかけた。
ξ゚听)ξ「……そして、もう1人」
ツンがそう言うと同時に、クーの視線がブーンからドクオに移った。
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 19:45:45.56 ID:6lCCNpAO0
支援
65 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 19:50:22.05 ID:3/o6WRi6O
川 ゚ -゚)「……」
('A`)「……よぉ、久しぶり」
クーと目が合ったドクオが、クーに軽く挨拶をした。
( ^ω^)「……おろ? クーもドクオと知り合いなのかお?」
クーはブーンの問いかけに答えるでもなく、スタスタとドクオの前に歩いていった。
川 ゚ -゚)「ドクオ、目を瞑れ」
('A`)「……へいへい」
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 19:50:23.33 ID:HIiSZhwtO
しえ
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 19:52:38.77 ID:HIiSZhwtO
ヘッヘッヘッヘ
68 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 19:53:05.83 ID:3/o6WRi6O
クーの真剣な表情に何かを悟ったかのような顔をしたドクオは、溜め息を出しそうになるのをこらえながら静かに目を瞑った。
( ^ω^)「お? キスでもするのかお?」
ξ゚听)ξ「……アンタはちょっと黙ってなさい」
ツンがそう言った次の瞬間。
クーがドクオの頬に渾身のストレートを見舞った。
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 19:53:34.37 ID:HIiSZhwtO
しえ
70 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 19:55:03.53 ID:3/o6WRi6O
顔を抑えているドクオを見て、ブーンが思わず叫んだ。
(;^ω^)「ちょ、いきなり何するんだお!?」
(#)A`)「……ブーン、いいんだ」
顔を赤く張らせたドクオが、ブーンをなだめる。
川#゚ -゚)「……ほぉ、最初から殴られる覚悟はあったというわけか」
(#)A`)「……まぁな」
珍しく顔を紅潮させて興奮しているクーを、いつもと変わらない表情でドクオは見つめた。
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 19:57:38.81 ID:X8E9Ilj0O
支援
72 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 19:58:14.23 ID:3/o6WRi6O
(#)A`)「……しぃにあんな事したんだ、お前にしろモララーさんにしろ、ここの村人全員に殴られる覚悟で帰ってきたんだ」
川#゚ -゚)「ほぅ、そいつは大した覚悟だな。
何か言い訳はしないのか?」
クーは辺りに怒気を撒き散らしながら、ドクオに再度詰め寄った。
(#)A`)「……無いね」
川#゚ -゚)「そうか、なら死ね」
クーはそう言って、ドクオの腹に再び拳をぶち込む。
73 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 20:02:39.86 ID:3/o6WRi6O
ξ;゚听)ξ「ちょ、ちょっとクー!?
いくらなんでもそれはやり過ぎじゃ……」
怒り狂って無抵抗のドクオを袋叩きにしているクーを見て、ツンが躊躇いがちに言った。
(#)A`)「……へっ、さっきビンタしたお前が言うなや」
ξ#゚听)ξ「あら、何よ? あれでも手加減してあげた方なんだけど?」
(;^ω^)「ちょ、いい加減みんな落ちつくお! ドクオも余計な火種撒くなお!!」
憎まれ口を叩いたドクオに反抗したツンを見て、ブーンが焦りながら止めに入る。
川#゚ -゚)「……フン。まぁいい、今はこれ位にしといてやる。
どのみち、モララー親方やビロードに出会った瞬間、もれなく撲殺されるだろうさ」
そう吐き捨てると、クーは掴んでいたドクオの襟をパッと離した。
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 20:03:59.21 ID:X8E9Ilj0O
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75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 20:04:00.31 ID:wrOY9lGjO
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76 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 20:06:43.17 ID:3/o6WRi6O
ξ゚听)ξ「まぁ、いいザマだわ」
クーにボコボコにされて、体中アザだらけになったドクオを見て、冷たくツンが言い放った。
(#^ω^)「クーもツンも酷いお!! 何で僕の命の恩人のドクオに、こんな仕打ちするんだお!?」
力無くうつむいているドクオの体を支えながら、ブーンが2人に抗議した。
川 ゚ -゚)「……命の恩人?」
ブーンの言葉に、クーが反応した。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 20:08:17.49 ID:HIiSZhwtO
しえ
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 20:09:31.65 ID:2erGTylo0
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79 :
◆ZB7B4XJvSk :2007/11/01(木) 20:10:25.88 ID:3/o6WRi6O
ξ゚听)ξ「そういやアンタ、さっきもそんな事言ってたけど、どういう事よ?」
( ^ω^)「わかった、説明するお」
川 ゚ -゚)「三行で頼む」
把握、とブーンが呟くと、明るくハキハキとした声でブーンが事情を読み上げた。
( ^ω^)「海で溺れていた僕を
ドクo」
川 ゚ -゚)「なる程な」
ξ゚听)ξ「一行で十分だったわ」
(;^ω^)「ちょ、まだ全部言ってないお!」
狼狽しているブーンを尻目に、落ち着いた表情をしながらクーはドクオに向かって話しかけた。
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/11/01(木) 20:11:48.91 ID:8tVoEkhu0
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81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
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