1 :
◆r9HqBXUdP. :
2 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/29(月) 23:19:52.48 ID:gJ2yuU14O
第4話【空気、人気者、バケモノ】
気が遠くなるほどの異臭。女子のすすり泣く声。廊下の外のざわめき。
そんなもの僕の頭の中には入ってこない。
/ ,' 3「と、とりあえず、全員教室から出て。モナー先生、警察と救急車を」
( ´∀`)「わかりましたモナ」
( ^ω^)「・・・じゃないお」
/ ,' 3「え?」
( ^ω^)「僕じゃないお」
まだ認めたくない。もし認めたら、心が一瞬で潰れてしまいそうな気がする。
(;^Д^)「ウソだ!おまえがドクオを殺した!俺見たもん!殺人鬼め!」
( ^ω^)「黙れお!」
教室の蛍光灯が全部割れた。
女子たちが悲鳴をあげて教室から逃げ出した。
3 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/29(月) 23:22:17.89 ID:gJ2yuU14O
(;^Д^)「ひっ・・・!」
( ^ω^)「僕は!僕は!」
/ ,' 3「落ちついてくれ、ブーンくん。とりあえず話を聞くから着いてきてくれ」
僕は荒巻先生に連れられて部屋を出た。
クラスのみんなが僕を見つめる。
やめろ。そんな目で僕を見るな。見るな。僕を見るな。
ツンだけは僕を見ていなかった。
今はただの黒く焦げた塊となったドクオを、死んだような目で見つめていた。
泣いていない。冷たい表情で、ただドクオを見つめていた。
荒巻先生に連れられて教室を出るとき、プギャーが呟いた。
(;^Д^)「バケモノめ・・・」
( ^ω^)「その目をやめろって言ってんだお!」
また光った。
青い稲妻がプギャーの目めがけてまっすぐ走った。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/29(月) 23:22:34.75 ID:qyBPmpgb0
支援
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/29(月) 23:23:58.51 ID:Wtxn9QVaO
これ地味に待ってたんだよな支援
6 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/29(月) 23:25:21.83 ID:gJ2yuU14O
( “Д”)「い゙や゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!目があ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!」
プギャーは目を押さえて床を転がり回った。
/;,' 3「プギャーくん!誰か救急車を!」
僕は自分の手を見つめた。
今のは僕がやった?
僕はあの目が嫌いだ。
あの目が憎い。
あの目を見たくない。
でもそれだけだ。僕はプギャーの目を焼きたいなんて思ってない。
でも、間違いなく僕の手から稲妻は走った。じゃあ僕がやったんだ。
ドクオを殺したのもきっと僕だ。そうだ。全部僕がやったんだ。プギャーは間違ってない。
/;,' 3「ブーンくん、どこに行くんだ!」
( ^ω^)「ドクオは僕が殺したんだお。もういいですお」
僕はプギャーの叫び声を聞きながら教室を出た。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/29(月) 23:27:37.93 ID:Wtxn9QVaO
支援
8 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/29(月) 23:28:48.23 ID:gJ2yuU14O
いつのまにか、自分がバケモノになっていたら?
鏡を見ると、そこには人間ではなく醜いバケモノが立っている。
目は真っ赤に充血し、牙は鋭く、爪で今にも他の人を引き裂いてしまいそうだ。
自分の醜い姿が憎くて、自分で自分を傷つける。血まみれになり、痛みで人間の心を失う。
そして完全なバケモノになるんだ。
自分が怖い。
通りですれ違う人が、いつの間にかドクオみたいに黒い塊になるんじゃないか。
まるで自分が、いつ牙を剥くかわからないバケモノのような気がする。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/29(月) 23:29:47.85 ID:C3RrTFSUO
支援してやんよ
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/29(月) 23:30:32.29 ID:e+m18dSjO
支援
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/29(月) 23:31:52.76 ID:Wtxn9QVaO
支援
12 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/29(月) 23:32:50.94 ID:gJ2yuU14O
手には賞状がまだあった。
さっきからずっと握っていたみたいだ。
( ^ω^)「おまえのせいだお…」
この賞状さえなければ、何も起きなかった。
そう思おうとした。
責任転嫁しないと、耐えれなかった。
賞状を破いてやろうとした瞬間、賞状に勝手に青白い火がつき、一瞬で灰になった。
( ^ω^)「なんでだお!」
僕は自分の顔をひっかいた。顔から血が出た。
それでも何もおきない。ただ痛いだけ。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/29(月) 23:34:40.13 ID:sVqKl+RW0
雷ktkr
支援
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/29(月) 23:34:45.64 ID:RqMfuMUVO
これは良作の予感
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/29(月) 23:36:15.98 ID:qyBPmpgb0
支援
16 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/29(月) 23:36:55.98 ID:gJ2yuU14O
僕はそのまま、歩いて家にたどり着いた。
玄関の扉を開ける。
(;^ω^)「しぃ!」
しぃの黒焦げになった死体が、玄関に倒れている。
(*゚ー゚)「おかえりー。あれ?どうしたの、かお?」
(;^ω^)「!?」
ただの見間違えだった。
よっぽど怖かったのかもしれない。
このままではしぃまで殺してしまうかもしれないという恐怖が、心の底にたまっていた。
(*゚ー゚)「早くてあてしようよ。しぃがお医者さんになったげる」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/29(月) 23:41:23.79 ID:SvpTaRnr0
支援
18 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/29(月) 23:41:37.38 ID:gJ2yuU14O
しぃは救急箱を持ってきた。
(*゚ー゚)「ちょっとがまんしてくださいねー」
消毒液が傷にしみる。
涙が出てきた。痛いからじゃない。
( ;ω;)「しぃ。最低だお、僕は」
(*゚ー゚)「そんなことないよ!優しいし、たよりになるし、かっこいいし、世界一だし、最高のお兄ちゃんだよ!」
優しくない。頼りにもならない。かっこよくない。
人間の皮をかぶった、ただのバケモノだ。
人殺しだ。
( ;ω;)「ごめんお。しぃ。ごめんお…」
(*゚ー゚)「泣かないの!男の子でしょ!」
しぃは僕を慕ってくれている。
でも僕にそんな価値はないんだ。
申し訳なくてならなかった。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/29(月) 23:43:27.80 ID:Wtxn9QVaO
これはあっちのドックンと対決すべき支援
20 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/29(月) 23:45:45.10 ID:gJ2yuU14O
急に玄関のチャイムがなった。
( ^ω^)「はい」
「ニュー速市警の者ですが」
( ^ω^)「わかりましたお」
やっと来た。これでいいんだ。
僕がしぃのそばにいたら、いつかその牙で喰い殺してしまうかもしれない。
バケモノは天使と同じ世界では暮らせない。
僕は死ぬべきだ。
( ^ω^)「しぃ、ちょっと出かけてくるお」
(*゚ー゚)「うん!」
( ^ω^)「困ったことがあったら隣の素直さんちに言うんだお」
(*゚ー゚)「うん!」
( ^ω^)「僕がいなくてもちゃんとしてるんだお」
(*゚ー゚)「うん!」
( ^ω^)「しぃ、ごめんだお。じゃあ行ってくるお」
(*゚ー゚)「早く帰ってきてね!お夕飯作っとくからね!」
支援
22 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/29(月) 23:51:07.03 ID:gJ2yuU14O
〜〜〜〜〜〜
昔から嫌な予感だけはよく当たる。
なんとなくわかるのだ。
仕事を休み、VIP高校へ行ってみた。
用事があるわけではない。行かなきゃいけない気がしたのだ。
( ,,゚Д゚)「やっぱな。ちくしょう」
VIP高校は騒然としていた。パトカーが何台も止まり、救急車が来ていた。
( “Д”)「目が痛いぃ!助けて!熱い!」
目に大火傷を負った少年が担架で運ばれていた。あの少年、この間取材に来たとき教室にいたな。
それからしばらくして、また人が担架で運ばれてきた。布を被せられているから、恐らくもう死んでいるんだろう。
そばにはひとりの女の子がいた。
ブーンと一緒に下校するという、あの美少女だ。
しかし、俺がインタビューしたときのようなはにかんだ可愛らしい表情はどこにもなく、
人形のような無機質な目でただ遺体を見つめていた。
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/29(月) 23:51:28.57 ID:qyBPmpgb0
支援
24 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/29(月) 23:54:14.19 ID:gJ2yuU14O
( ,,゚Д゚)「いったい何が起きたんだ?」
俺は近くの女子高生に声をかけた。
川 ゚ -゚)「わからない。ドクオという生徒が死んだらしい」
ドクオ。
俺はなぜか教室の隅にいたあの生徒を思い出した。違うといいが…
( ,,゚Д゚)「1−6の内藤ホライゾンに会いたいんだが」
川 ゚ -゚)「ブーンはドクオという生徒と同じクラスだ。事情聴取とかされてるんじゃないか?」
ブーンは事件の起きたクラスと同じクラスか。
しかし警察にそれ以上通してもらえなかった。
( ,,゚Д゚)「ブーン…どうしてんだ?」
俺は学校をあとにした。
25 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/29(月) 23:57:37.82 ID:gJ2yuU14O
〜〜〜〜〜〜
僕が連れてかれたのは、狭い個室だった。中央に机がひとつある。
ここで取り調べをするらしい。
(`・ω・´)「君のことは知っているよ。テレビで見たからね。電気を使えるんだろ?」
僕は黙ってうなずいた。
(`・ω・´)「君のクラスメイトは、残念だが、死亡が確認されたよ」
クラスメイトの死亡を確認。
聞いただけじゃぱっとしない。だけどそのクラスメイトっていうのはドクオなんだ。僕が殺したんだ。
人間としての面影を失ったドクオの顔。ただの窪みとなった目。
体が震える。
(`・ω・´)「君はそのとき、彼と口論をしていたよね?」
思い出したくない。
(`・ω・´)「…。そのときの様子を詳しく教えてくれないか?」
いやだ。
そんなこと聞かなくていいじゃないか。
僕がドクオを殺したんだ。早く僕を殺してくれ。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:01:37.94 ID:iGFb6RPT0
支援
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:02:08.43 ID:2/VVjP6Z0
私怨
28 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/30(火) 00:02:52.57 ID:zXV2frytO
(`・ω・´)「うーん、じゃあ質問の仕方を変えよう。君は彼に何かしたかい?」
(`・ω・´)「じゃあ、なんで彼は死んだかわかるかい?」
目の前の警官が、鬱陶しい。
こいつは僕をどうしたいんだ。
苦しい記憶だけを思い出させて、楽しんでるんじゃないか?
「キミがドクオを殺したんだろ?」
やめろ。
「おまえはバケモノだよ」
やめてくれ。
(*#')「よくも俺を殺したな」
(*゚ー゚)「お兄ちゃんは私のことも殺すんでしょ?」
(*#')「みんなー!ブーンに近づくと殺されるよー!」
行かないでくれ。
(*#')「バケモノ」
( “Д”)「バケモノ」
ξ゚听)ξ「バケモノ」
29 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/30(火) 00:05:42.18 ID:zXV2frytO
(;^ω^)「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
(`・ω・´)「大丈夫か、君?」
警察官が僕の肩に触れる。
その瞬間、激しい嫌悪感に教われた。
(;^ω^)「僕にさわるなお!」
青い光と共に警察官は吹っ飛び、壁に当たって動かなくなった。
頭から血が流れている。
僕は黙って部屋を出た。
「キミ、どうし…うわっ!」
外にいた警官が僕を止めようとしたが、勝手にはじかれた。
「待て!」
何人かの警官が後ろから追いかけてきた。
だけど僕にはさわれない。
僕に近づくと、青い光にはじかれて吹っ飛んでしまう。
彼らを傷つけようなんて思ってないのに。何もしてないのに。
ひとり、またひとりと戦意を失っていく。
目に輝いてた警察官としての正義感が、ふれることすらできないことへの絶望に変わっていく。
みんな僕から逃げていく。
僕は人を傷つける。死ぬべきなんだ。
でもひとりにされるのはイヤだ。自己中だ。
でもイヤだ。
行かないで。
逃げないで。
僕をひとりにしないで。
31 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/30(火) 00:12:49.93 ID:zXV2frytO
〜〜〜〜〜〜
俺は学校を後にし、適当にぶらぶら歩いていた。なんだか家に帰る気にはならなかった。
少しして、見覚えのある影が向こうから来るのが見えた。
( ,,゚Д゚)「ブーン?」
ブーンだった。
しかし、明らかにいつもとは様子が違った。
( ^ω^)「…」
ブーンは俺に気づくと足を止めた。
( ,,゚Д゚)「どうしたんだ?」
( ^ω^)「ギコさんは僕が怖くないんですかお?逃げないんですかお?」
( ,,゚Д゚)「?」
( ^ω^)「僕は人を殺しましたお。腹がたったから親友を殺しましたお。
僕から逃げるから警官を殺しましたお」
( ,,゚Д゚)「…」
( ^ω^)「今度はギコさんを殺すかもしれませんお」
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:15:09.52 ID:KO5LydtB0
へー
33 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/30(火) 00:15:40.64 ID:zXV2frytO
生気のない目で俺を見つめる。
どうやら人を殺したのは本当らしい。
目の前に殺人鬼がいる。
でも、嫌悪感もなければ恐怖感もなかった。
なぜか冷静にいられた。
( ,,゚Д゚)「俺には家族もいねえし、俺がいなくなって困るのは猫のボブだけだ。お前が俺を殺したきゃ殺せばいい」
( ^ω^)「・・・僕は誰も殺したくないですお」
( ,,゚Д゚)「・・・」
( ^ω^)「ドクオも、殺したいなんて一瞬も思わなかったお。警官たちだって!」
( ^ω^)「なのに雷が勝手に!雷のせいで!」
ブーンは塀を殴りつけた。拳から血が流れた。
( ^ω^)「・・・すみませんお、ギコさんは何も悪くないのに、怒鳴ってしまいましたお」
( ,,゚Д゚)「・・・」
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:18:06.80 ID:KO5LydtB0
へー
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:18:13.88 ID:vlZG5QPT0
支援
36 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/30(火) 00:18:45.72 ID:zXV2frytO
俺はブーンを助けたいと思った。
ブーンが親友を殺してしまったのも、俺らがテレビに無理やりださせたからかもしれない。
( ,,゚Д゚)「何か手伝えることがあったら言ってくれ」
( ^ω^)「ありがとうございますお。でも、もうないですお」
ブーンは俺を通りすぎた。
( ,,゚Д゚)「これからどうするんだ?」
( ^ω^)「もうこれ以上誰も殺さないようにしますお」
ブーンの顔は見えないが、声は震えていた。
( ^ω^)「やっぱお願いですお。僕の妹を手助けしてやってくれませんかお」
( ,,゚Д゚)「わかった」
( ^ω^)「ありがとうございますお」
そう言ってブーンは駅の方へ向かった。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:18:48.72 ID:JBQYnpSPO
投下遅い…
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:20:56.00 ID:KO5LydtB0
へー
俺は30分ぐらい堤防を散歩したあと、家に帰った。
ブーンの最後の頼みが気になった。ブーンはこれからどうするんだろう。
俺はボブを膝に乗せ、テレビをつけた。
VIPテレビはニュースをやっていた。
『少年は同級生の毒田ドクオさんを殺害し…』
ブーンのことだ。皮肉にも、最初にブーンを超人だと放送した『USO!ビップ』もVIPテレビだった。
『少年はニュー速警察署を逃走。警察官7人が死亡、6人が感電するなどで意識不明の重体です』
画面には煙が立ち上るニュー速警察署が映されていた。
支援
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:23:38.45 ID:JBQYnpSPO
支援
42 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/30(火) 00:23:59.73 ID:zXV2frytO
急にアナウンサーの画面に切り替わった。
『たった今入ったニュースです。先ほど、雑談県ニュー速市のVIP線ニュー速駅で、列車が爆発したとのことです。
現場のヒートさんにかわります』
画面はヘリからニュー速駅を映す映像に変わった。
列車は真っ黒焦げで、激しい炎に包まれている。消防車や救急車が何台もいる。
『現場では、消防と救急が慌ただしく動いており、また一般人の避難のため、駅に近づけない状況です』
『列車の中には乗客がまだいるんですか?』
『炎の勢いが強すぎて救急隊も中に入れない状況ですので、乗客はまだ車内に取り残されてると思われます。
現在、消防の懸命な消火活動が行われています。
あっ!今、車内から乗客が…あっ!!』
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:25:29.01 ID:KO5LydtB0
スピードあげるより、もう投下やめたら?
44 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/30(火) 00:25:42.83 ID:zXV2frytO
俺は見たくないものを見てしまった。
現場のアナウンサーの声と同時に、カメラは電車から逃げ出した乗客の姿を一瞬だけ映した。
全身が黒く焦げた、もはや人の形だけしかしてないたんぱく質の塊を。
腕には小さい塊を抱えていた。子どものようなもの。
そして、列車から数歩離れて、その塊は倒れた。
アナウンサーは少し黙ってから報道を続けた。
『炎上の原因は不明ですが、多数の目撃者の証言によりますと、
列車がホームに入ってきた瞬間、激しい青白い光とともに炎に包まれたとのことです』
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:26:58.34 ID:KO5LydtB0
もういいよ、お前
支援!
47 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/30(火) 00:28:05.71 ID:zXV2frytO
〜〜〜〜〜〜
『まもなく3番線、快速ガイドライン行きが参ります
危ないですので、黄色い線の内側にお下がりください』
列車が僕の前を通り過ぎて、止まった。
これで7本目だ。
一歩踏み出せば、一歩踏み出せば終わる。なのに足が動かない。
『ドアが閉まります。駆け込み乗車は危険ですのでおやめください。』
僕は生きているだけで人を殺す。生きてちゃいけない。
だから死ななきゃいけない。
僕が生きていると迷惑なんだ。
『まもなく3番線、普通シベリア行きが参ります
危ないですので、黄色い線の内側にお下がりください』
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:28:40.80 ID:KO5LydtB0
文章力はなかなかだな
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:29:45.78 ID:KO5LydtB0
ほらほらがんばれ!
50 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/30(火) 00:29:54.84 ID:zXV2frytO
8本目。
あれだけ人を殺したのに、まだ僕は死のうとできないのか。
自分が憎い。殺したい。
『まもなく3番線、快速オカルト行きが参ります
危ないですので、黄色い線の内側にお下がりください』
ホームに列車が入ってくる。
それと同時に僕は駆け出した。
ホームぎりぎりで足が止まった。一瞬にして死の恐怖がこみ上げてくる。
しかし、僕の足は勢いに耐えきれず、僕はホームに落ちた。
目の前に列車が迫ってくる。
間違いなく死ぬ。
死ぬ。
死ぬのは怖い。
死ぬのは怖い。
死ぬのは怖い。
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:30:27.95 ID:KO5LydtB0
内情描写はもっとリアルにできるだろ
生ぬるいぜ
このスレにはツンデレがいる・・・!
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:31:26.09 ID:svAgaoD/0
ID:KO5LydtB0 話が重くて耐えられなくなったのか?
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:31:44.53 ID:JBQYnpSPO
支援す
55 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/30(火) 00:32:17.76 ID:zXV2frytO
爆音。
閃光。
もう二度と見たくないものを、また見てしまった。
列車は物理的法則をほとんど無視したように、僕の目の前で無理やり止まった。
さっきまで見ていた列車とは明らかに違っていた。
黒く焦げ、激しい炎に包まれている。
運転席のガラスが溶け、運転手が這い出て来た。
運転手は、ドクオと同じ姿をしていた。
(;^ω^)「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
あちこちで悲鳴や、消防を呼ぶ声が聞こえる。
僕は、息絶えた運転手の前にいるだけだった。
(;^ω^)「ああ…ああ……」
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:33:37.59 ID:KO5LydtB0
設定はなかなかだ
文章力はバラつきがあるな、ぎりぎり及第点といったところか
ただ構成と魅せ方がやや難あり。
盛り上げるところは盛り上げないと退屈だ
総合批評 C+
まだまだ序盤だし、期待している
おれをおどろかせてくれ
57 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/30(火) 00:35:00.24 ID:zXV2frytO
しばらくして、列車から人が出てくるのが見えた。
黒く焦げた人間。腕には子どもを抱えている。
そして、そのまま倒れた。
あれも、僕がやったんだ。
全く知らない人間までも、何も悪くない人間までも、何人も殺してしまった。
あの人は今日子どもの誕生日だったかもしれない。
あの人は今日結婚記念日だったかもしれない。
あの人は今日プロポーズする予定だったかもしれない。
あの人は今日彼女と久しぶりに会える日だったかもしれない。
奪った。
全部僕が奪った。
命も、未来も、夢も、喜びも、悲しみも、家族も、全部。
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:36:59.29 ID:KO5LydtB0
>間違いなく死ぬ。
死ぬ。
死ぬのは怖い。
死ぬのは怖い。
死ぬのは怖い。
> あの人は今日子どもの誕生日だったかもしれない。
あの人は今日結婚記念日だったかもしれない。
あの人は今日プロポーズする予定だったかもしれない。
あの人は今日彼女と久しぶりに会える日だったかもしれない。
>奪った。
全部僕が奪った。
命も、未来も、夢も、喜びも、悲しみも、家族も、全部。
繰り返し表現多用しすぎだ
工夫しようぜ
支援
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:37:18.50 ID:Tx39jDU00
支援
支援!
>>KO5LydtB0
本スレで野暮なことするな
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:39:24.52 ID:hep0FppCO
黙って支援
62 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/30(火) 00:39:25.38 ID:zXV2frytO
(;^ω^)「もう嫌だお!嫌だお!嫌だお!」
こんな力要らない。雷なんていらない。
「君は…!」
ホームの人たちが僕を見つめた。
たくさんの目が僕を見る。
恐怖の目。
驚きの目。
軽蔑の目。
いろんな目が、僕を見る。
(;^ω^)「見るなぁぁぁぁぁぁぁ!!」
僕はその場から駆け出した。
何が起きても見えないように、振り向かなかった。
後ろから悲鳴が聞こえてきても、振り向かなかった。
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:39:50.26 ID:JBQYnpSPO
遊ぶのはもっと人多いスレにしろよ
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:41:05.82 ID:Tx39jDU00
支援
65 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/30(火) 00:43:18.19 ID:zXV2frytO
ひたすら走った。
転んだ。
膝から血が出た。
でも走った。
また転んだ。
唇を切った。
血の味が広がった。
苦しくて、地面をひっかいた。
爪が割れた。
吐きそうになった。でも、もう吐く物は何も残ってなかった。
僕にはもう、何も残っていなかった。
支援
sienn
68 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/30(火) 00:46:23.98 ID:zXV2frytO
気がつくと『秘密基地』に向かっていた。
小さかったころ、よく『秘密基地』で遊んだ。
僕らはただの空き地を『秘密基地』と呼び、カードゲームをしたり、ひなたぼっこをしたりして過ごした。
『秘密基地』に行けば、仲間がいた。
『秘密基地』は、僕にとって、もう一つの家だった。
『秘密基地』に行けば、昔に戻れると思った。
( ^ω^)「ドクオ、何読んでるんだお」
('A`)「心理テストの本」
ξ゚听)ξ「おもしろい?」
('A`)「よくわからない」
ξ゚听)ξ「なにが?」
('A`)『あなたの恋人とお母さんが溺れています。浮きわは一つで、どちらか片方しか助けることしかできません
どちらを助けますか?』
( ^ω^)「難しいお」
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:48:17.47 ID:Tx39jDU00
しえん
70 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/30(火) 00:50:07.29 ID:zXV2frytO
('A`)「解答が2つしかないんだ。恋人は未来を大事にするひと、母親は過去を大事にするひとらしい」
ξ゚听)ξ「何それ、カスじゃない」
('A`)「だろ?でも、本当にそうなったらどうしたらいいんだ?例えばツンとブーンが溺れてたら?」
( ^ω^)「僕だったら、ツンとドクオのどっちか迷って、そのまま2人とも助けれないお」
ξ゚听)ξ「ダメじゃない。私を助けなさいよ」
('A`)「俺だったらなんとしても2人助けたい。無理だとしてもだ」
( ^ω^)「ツンだったらどうするんだお?」
ξ゚听)ξ「私か…。私だったら、2人と一緒に流されるかな?
誰か1人が寂しい思いしたら可哀相じゃない」
('A`)「みんな死んじまうのかよ」
ξ゚听)ξ「いいじゃない。一緒のほうが楽しいし」
『秘密基地』には、ツンがいた。
71 :
◆r9HqBXUdP. :2007/10/30(火) 00:54:48.73 ID:zXV2frytO
第4話終わりです
第5話はできれば今週中にしたいです
次ぐらいで最後だと思います
支援してくれてた方、ありがとうございました
貴重なアドバイスをくれた方、ありがとうございました
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:55:25.27 ID:kXrRs9brO
乙
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:55:47.25 ID:bRUPEbuo0
乙
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:55:49.59 ID:pI9PqBbq0
まとめで最初から読んでようやく追いついた。
面白いなこれ
支援
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:56:39.93 ID:KO5LydtB0
表現方法がかたより過ぎだ
もうちょい表現の引き出しを作る事をおすすめする
まぁ、新人にしては読めなくないし期待もしてる
がんばれ
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:57:07.46 ID:svAgaoD/0
乙
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:57:38.07 ID:Tx39jDU00
乙
乙
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/30(火) 00:59:28.14 ID:O7pE2/2HO
乙です
次も楽しみに待ってますよ
乙!
俺は繰り返しの表現が逆に心情を良く表していると思う