【いよいよ】( ^ω^)ブーンがマジ切れしたようです【後半】
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
規制うぜぇ……
でも根性で携帯から投下します。
Bグループ初日です。
まずはアイマスさんによるBグループ共通前編から。
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:54:29.82 ID:0tuhDrT80
レスつかなくてかわいそ〜〜〜〜wwwwププwwwwwww
君が死んでからもう1年。
君は今も僕を見守ってくれているのかな?
君は、僕の生まれて初めて出来た彼女だった。
すごく嬉しくて、幸せだったなあ。
突然、白血病だって医者に宣告されてから、君は病室で日に日に弱っていった。
「病院ってひまねえ」って笑う君を見て、僕はいつも泣いていたんだ。
君の為に、僕の小汚いノートパソ\コンをあげたら、君はすごく喜んでくれたよね。
ネットをするようになった君がいつも見ていたサイト、それが「2チャンネル」だった。
ある日君はいつものように、笑いながら言った。
「ほら、見て今日も2ゲット出来たよ。」
「あまりパソ\コンばっかいじってると身体に障るよ」
なんて僕が注意すると、
「ごめんねえ。 でもね、これ見てよ。
ほら、この3のひと、2げっとぉ!なんて言っちゃってさぁ、ふふ」
僕は黙っていた。君がすごく楽しそうで、僕は何も言えなかった。
「ほらみて、この3のひと、変な絵文字使ってくやしぃ〜!だって。
かわいいねえ。 ふふ。」
僕はまだ黙っていた。笑う君を見て、どうしようもなく悲しくなった。
「憶えててくれるかなあ」 君がふと言った。
「…この3のひと、私がいなくなっても、あの時変な奴に2をとられたんだよなー
なんて、憶えててくれないかなあ……無理かな……憶えてて、ほしいなぁ……」
それから数ヶ月後、君は家族と僕に見守れながら息を引き取った。
君はもうこの世に居ない、なのに僕は今F5を連続でクリックしている。
君の事を、3のひとが忘れないように、いつまでも、いつまでも忘れないように。
天国にいる君と一緒に今ここに刻み込む
2 ゲ ッ ト
4 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 19:55:55.44 ID:PyfP737gO
円卓に男たちが座っていた。全員黒の礼服を一分の隙もみせずに着こなし、目深に帽子をかぶっている。
おかげで顔を伺い見ることはできない。だが、その声の調子からして、彼らが話している内容が
ただ事ではない、ということだけは見て取れた。
???「くっ、なんてこった」
???「それが世界の選択か……」
???「畜生、俺達は何もできないのか? この事態をただ静観するしかないのか?!!」
(咒)「いえ、はたしてそうでしょうか」
???「!!」
???「……何か策でもあるのですか、メシア翁」
メシアと呼ばれた老翁に皆の視線が集まる。参加している男達のなかで唯一帽子をかぶらず、たくわえた髭を
揺らして柔和な笑みを携えたまま、老人は語りだした。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:56:43.34 ID:0lhwzVDyO
ばんばって
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:57:16.94 ID:WU5c6wlW0
支援
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:57:32.74 ID:3WzFqdrxO
wktk
8 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 19:58:00.59 ID:PyfP737gO
(咒)「以前のDAT騒動と違って、今回のケースでは世界の基盤はしっかりしています。
おそらく自浄作用が働くでしょう。ならば私たちはその手助けをすればいいのです」
???「な、なるほど……」
???「しかし『手助け』といっても、具体的に我々は何をすればいいのでしょう?」
(咒)「実は今回の件に関しまして、ひとつ解決策らしきものを思いつきました。よければこの件、
私に一任していただけないでしょうか?二週間で世界を戻してみせましょう」
???「二週間で?!」
(咒)「ええ。あなた方からしたら、私のような引退したはずの老人に仕事を奪われるというのは心苦しいこととはおもいますが、
この老いぼれとて、世界の安定を望む気持ちはみなさんとかわらないつもりです」
???「……わかりました。ではジャム・メシア。あなたに今回の一件、一任させていただきます」
(咒)「感謝しますよ」
見た目は同じだが、その男が会議の中心だったのだろう。それで男たちが席を立っていく。
やがて、円卓に残ったのはジャムと呼ばれた老人一人だけになった。
(咒)「さて、それでははじめますか……」
そう言うと老人は音もなく、電気の落ちた会議場の闇の中へと姿を消していった……
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:59:27.67 ID:UFDbGIU2O
携帯から支援
10 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 20:00:58.00 ID:PyfP737gO
代わり映えしない風景が右から左へ流れていく。一定のリズムで電車は揺れ、小さな軋んだ音をたてている。
特に外を見たいわけではなかったが窓際に肘を置き、ドクオはひとり窓から見える景色を眺めていた。
('A`)「わたくし、生まれも育ちもヴィップ町、帝釈天で産湯に浸かり、性はモイタン名はドクオ。
人よんで「スペシャルのドクオ」と申します……」
なんとなく某国民的旅人の口上を真似てみる。幹部候補生。おちこぼれの高校生だった自分を変えてくれるかもしれない光。
だが、とりあえず今はそんな事は関係ない。少なくとも、明日までは喧嘩別れした友人達のことは蚊帳の外においておける。
実家に荷物をとりにいってくれ、という普段なら断る母親の頼みをあっさり受けたのは、そういう面もあった。
('A`)「そうだよな。男のひとり旅、ロマンでも求めてのんびり行くとするか」
のどかな田園風景に少々飽きがはいり、眠気が回る。ちょうどトンネルに入ったところで、
ドクオは静かに目を閉じた。
11 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 20:02:53.08 ID:PyfP737gO
川 ゜ -゜)「お、ようやく起きたか。おはよう」
从'ー'从「おはよう」
ドクオ「……おはようござい、ま、し、た」
目の前に座る、見知らぬ美女二人。寝起き一番の光景としては至福なのだろうが、ねぼけた頭では
イマイチその幸福を解せない。それよりも、ドクオにはこの状況の不自然さのほうが気になった。
ドクオ「えと、どちらさん?」
川 ゜ -゜)「私はクー。女子高生だ。レアだ」
从'ー'从「あたしは渡辺、OLです。そんなにレアじゃないです」
ドクオ「……ドクオです。男子高校生、普通です」
川 ゜ -゜)「何をいう、高校生にもなって童貞というのはかなりレアだ。自分を偽るのはいけないぞ」
ドクオ「どどど童貞ちゃうわ!」
川 ゜ -゜)「まぁ、魔法使いまではあと十数年か、精進しろよ、ドクオ」
从'ー'从「クーちゃん、何言ってるの……」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:03:52.73 ID:UFDbGIU2O
支援
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:04:15.61 ID:mgYCI7qK0
支援
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:04:19.57 ID:3WzFqdrxO
支援
15 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 20:05:04.63 ID:PyfP737gO
ドクオ「魔法使いはともかく……なんで俺の席の前に座ってるんですか?」
川 ゜ -゜)「嫌なのか? こんな美人二人が前にいるというのに我侭なヤツだ」
ドクオ「いえ、そうじゃなくて……」
平日昼間。ド田舎の沿線。
古びた扇風機が耳障りな音をたてて回っているのがよく似合う、現代社会から隔離されたような車両空間。
首をのばして見回してみても、自分と目の前の二人以外に乗客の姿は見受けられない。
从'ー'从「ごめんね。いきなり目の前に知らない人がいたらやっぱりびっくりするよね」
ドクオ「い、いえ。クーの言ったようにラッキーですよ。はははは」
从'ー'从「そういってもらえたらうれしいな、ありがと」
ドクオ「(おいおいおい、これはもしかして本当に俺の時代が来たのか?)」
ちょっと不思議な言動をするクーも、しっかりとした感じの渡辺さんも確かにかなり美人の部類に入る。
そんな二人が初対面のフツメン高校生である自分と仲良く向かい合って話しているのだ。
これではドクオがフラグでも立ったのかと期待するのも当然である。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:06:22.46 ID:UFDbGIU2O
僕にフラグを下さい
17 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 20:06:40.18 ID:PyfP737gO
从'ー'从「でね、ドクオ君。あたしたち、君に言わなきゃいけないことがあるの。実は……」
川 ゜ -゜)「君のかわいい寝顔に私たちは心を奪われてしまった。これはもしかしてLOVEの予感というヤツなのかもしれない」
ドクオ「(フラグ飛び越えて告白キター!!)」
从;'ー'从「ちょ、ちょっとクーちゃん」
川 ゜ -゜)「すまない、渡辺さん。思わず先走ってしまった。二番煎じかもしれないが、はやく告白するんだ」
从'ー'从「ちーがーうーの。えっと、ドクオ君……はい」
ドクオ「ん?」
渡辺が差し出した鏡を手に取る。そこに写っていたのは……
川 ゜ -゜)「すまない。君があまりにもバカ面で眠りこけていたからつい……」
(肉'A`)「……」
ドクオの 肉質が 3ポイント あがった!
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:07:25.22 ID:raWLw0laO
肉質www
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:07:52.06 ID:DhLJWJCn0
20 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 20:07:57.72 ID:PyfP737gO
('A`)「実家に里帰りですか。俺と一緒ですね」
从'ー'从「えっ、ドクオ君もなの?」
('A`)「ちょっとお袋に頼まれて、じーさんの所に物借りにいくんです。今日は創立記念日なんで たまにはひとり旅もいいかな、なんつって」
川 ゜ -゜)「お使いか、まったくこれだからいい子は困る。」
('A`)「そういうクーは平日の昼間っからなんでこんなところにいるんだ? 学校はどうした」
川 ゜ -゜)「あぁ。私は修行中だ」
('A`)「へ?」
从'ー'从「ふふふ、クーちゃんは好きな男の子を驚かせるため、全国をまわって見識を広めているそうです」
川 ゜ -゜)「授業に関しては大丈夫。なんたって私は元・天才少女だからな」
21 :
サザソのトリヴィア:2007/10/05(金) 20:08:21.28 ID:PPzzH2/I0
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:08:55.37 ID:iAMKjBT4O
志村ー!AA!AA!
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:09:18.50 ID:0lhwzVDyO
しえ
24 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 20:09:49.28 ID:PyfP737gO
『次は終点〜『FUJIYAMA』〜『FUJIYAMA』〜』
川 ゜ -゜)「むっ、終点か。それでは降りることにしよう。旅は道連れ世は情け。
ドクオも途中まで一緒に行かないか」
('A`)「ああ。じゃあご一緒させてもらいますか、っと。渡辺さんもいいですよね?」
从'ー'从「う、うん。よろしくね」
川 ゜ -゜)「(さて、アイツは間に合うかな……)」
('A`)「(アバンチュールの可能性、まだ死んでないぞ)」
从'ー'从「(おばあちゃんの家までで『FUJIYAMA』なんて駅、それも終点になるようなところあったっけ……)」
三者三様の思いを胸に、電車は駅へと到着した。
('A`)「こーゆう寂れた駅もいいなぁ。俺の町はちょっと味気ないし」
昭和の香りが色濃く残る改札口。駅員に切符を切ってもらい、ドクオは外に出た。
川 ゜ -゜)「悪い、ちょっと待ってくれ」
25 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 20:11:51.78 ID:PyfP737gO
('A`)「どうしたんだ?」
从'ー'从「まさか、切符を落としたとか…」
川 ゜ -゜)「いや。ところでこの切符を見てくれ。これをどう思う」
('A`)「すごく……入場券です」
記載された駅名は青森。どうやってここまで乗り継いでこれたかのほうが不思議だった。
('A`)「うわ……これは精算に時間かかりそう」
从'ー'从「駅員さん、乗り越しでいくらくらいですか?」
青森の入場券を見て駅員がギョッとする。奥にひっこみ、やがて時刻表と運賃リストを手に戻ってくる。
駅員「えっと……37564円だね」
('A`)「(なんで端数があるんだ……)」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:15:52.84 ID:mgYCI7qK0
支援
27 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 20:16:19.97 ID:PyfP737gO
川゚ -゚)「ふむ」
ザックからかわいらしいキャラクターものの財布を取り出し、クーは口をあけてひっくりかえす。
チャリーンチャリーン
川 ゜ -゜)「さんじゅうはちえん」
川 ゜ -゜)つIII@@@@@@@@
3人「「「……」」」
川 ゜ -゜)「案ずるな。すでに手は打ってある」
そう言うと、クーは右手を天に掲げた。
川ドモン ゜ -゜)「出ろぉぉぉっ、ガンダァァァァム!!」
パチンッ
途端、どこからともなく音楽が流れてきた。
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:16:25.78 ID:ozqVJFFf0
しえん
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:19:57.08 ID:U/CSpIVK0
支援
30 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 20:23:09.23 ID:PyfP737gO
从'ー'从「このBGMは……って、アレは何?!!」
('A`)「鳥か」
駅員「飛行機か」
川゚ -゚)「いや、違う……アレは」
(炎^ω^)「萌えろファイヤー!! 戦え」
赤く煌くサンバイザー ニートを引退やってきた
熱血パワーが奇跡を起こし 書かれたPOPは必笑だ
売れる 人気グッズが売れる 並ぶ 客がたくさん並ぶ
あれは誰だ 誰だ
(炎^ω^)「俺だ」
俺が噂の店長だ
萌える プロのメイドで萌える はしゃぐ 女装店員オタクはしゃぐ
アキバの魂 充電完了 俺が炎の(アニメ)店長
挿入歌「炎のアニメ店長」作詞:アイマス 作曲:島本和彦 編曲:田中公平 歌:アニメ店長ブーン
(参照:
http://www.youtube.com/watch?v=l_r065d0ECc)
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:24:45.06 ID:2msWxtoB0
どんだけ歌のストックあるんだよwwww
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:26:03.79 ID:PyfP737gO
(炎^ω^)「俺の名前はブーン、アニメ店長ブーンだお!」
川゚ -゚)「よく来てくれたな、アッシー・ミツグ君」
(炎;^ω^)「ちょwwヒドスwwww」
J
(炎^ω^)「まったく、クーもクー店長も人使いが荒いお」
川゚ -゚)「いや、本当に助かったよ。駅弁の買いすぎでお金がなくなってしまったから親戚の素直姉さんに
頼んだんだが、まさかこんなに早く助けをよこしてくれるとはな」
('A`)「あのアキバハラからここまでスクーターで来たのか……すげぇ」
(炎^ω^)「おっおっおっ、熱血に不可能はないんだお」
从'ー'从「えっと、はじめまして。渡辺です」
(炎^ω^)「内藤ホライゾン、ブーンでいいですお
(『G@mers』の渡辺さんにそっくりだお……)」
川゚-゚)「私の名はクー、住職と呼んでくれ」
('A`)「……ねぇ。おかしくない?」
川゚-゚)「ひどいぞドクオ。人の名前を笑うなんて……」
('A`)「違う、そんなことじゃなくて」
33 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 20:28:32.19 ID:PyfP737gO
いつの間にか、霧がでていた。
(;'A`)「おいおい、やっぱりおかしいぜ」
十数メートル後ろにあるはずの駅もみえない。互い3人の姿を確認するのが精一杯なほど
その霧は濃く、早く広がっていく。
从'ー'从「山の中だからといって……こんなに早くなるものなの?」
川 ゜ -゜)「違う、これは天候の変化じゃない……スタンドだ!」
('A`)「『正義<ジャスティス>』ッ?!」
(炎^ω^)「体に穴が開いちゃうお!」
从'ー'从「(それはないと思うけど……)」
???「残念ですが、ここはJOJOの世界ではありません」
カツーン カツーン カツーン
34 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 20:31:10.56 ID:PyfP737gO
はたして、霧の中を歩いてきたのは白い髭を蓄えた老人だった。皺ひとつない黒の燕尾服。
年ゆえか背丈は短いものの、ピシリと背筋をのばし、靴音をひびかせて4人へ向かってくる。
(炎^ω^)「この土の上で靴音がするなんて……新手のスタンド使いかッ」
从'ー'从「ブーン君、失礼だよ! 申し訳ありません、おじいさん……」
(咒)「気にしないでください渡辺様。それに内藤様、残念ですが私はスタンド使いではありません」
('A`)「……二人とも、知り合い?」
(咒)「いえ、初対面ですよドクオ様。私の名前はジャム・メシア。しがない管理人です」
ジャムの足が止まる。途端、霧は幻のように消え去った。
霧があけたそこは、どう見ても寂れた駅前ロータリーではなかった。
天井にシャンデリアがつらされている。赤の絨毯が部屋いっぱいに広がり、古めかしくも手入れのいきとどいた
時計がコチコチと振り子を揺らしている。汚れひとつない壁掛かった、どこかで見たような油絵。
サロンのような腰の低いテーブルとクッション椅子。大理石でできたカウンターに白のレースカーペットに乗った
花瓶がひっそりと、白い空間の中で自らの青をアピールしている。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:32:50.81 ID:3WzFqdrxO
支援
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:33:59.48 ID:PyfP737gO
从'ー'从「ホテルみたい……」
(咒)「そのとおりでございます。渡辺様」
('A`)「……まるで夢だな」
(咒)「驚かれるのも無理はありませんが、とりあえずそちらにお掛けになりませんか。
まもなくもうひとりの客人がおいでになります」
ξ゜ -゜)ξ「ジャム様、ショボン様がおいでになりました」
ちょうどそのとき、無人のホールにジャムと4人以外の人間が姿を現した。
いたって普通に奥の廊下からやってきたのは、まだほんの中学生ほどにしかみえないメイド服の少女。
そして土で汚れた服をきたひとりの男だった。眉ひとつ動かさないメイド少女と対照的に、ものめずらしげに
ホールを見渡す男。それだけで、自分たちと同じ来客者だとわかった。
(咒)「はじめまして、ショボン様。今回はこのように手前どもの都合でお呼びさせてしまい、申し訳ありませんでした。」
(´・ω・`)「……まったく、強引ですね」
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:34:40.17 ID:mgYCI7qK0
支援
38 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 20:35:31.65 ID:PyfP737gO
(咒)「返す言葉もございません。あなたの世界は少々特殊でして、こうしてこちらから強制的に
お呼びさせてもらいました。もちろん、今回の埋め合わせは後ほどきちんとさせていただきます」
(´・ω・`)「気になさらずに。案外、これも『虹』に到達するプロセスかもしれないし……おっと。君たちもボクと同じかい?」
('A`)「はい。俺たちも気づいたらここにいたんです」
(´・ω・`)「僕の名前はショボン、『虹』を探している男さ」
川 ゜ -゜)「二次を探しているのか?」
(炎^ω^)「是非アキバハラに来るお!」
(´・ω・`)「……おそらく、僕のいう『虹』と、君たちのいう“ニジ”は別のものだね」
(咒)「立ち話も何ですし、みなさんお座りになりませんか」
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:36:07.48 ID:2msWxtoB0
支援
40 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 20:37:18.51 ID:PyfP737gO
ξ゜ -゜)ξ「紅茶をお持ちしました」
よく沈むクッションに体を沈め、互いに自己紹介をしていると先ほどの少女が台車を押して戻ってきた。
6人全員にソーサーとカップを並べ、ポットから紅茶を注いでいく。スコーンの載った皿と手受け皿。
ミルクや角砂糖のはいった小さな籠と一緒に中央に置いて軽く一礼し、台車を引いて無言でホールを出て行った。
从'ー'从「……あ、おいしい」
(炎^ω^)「(メイド長のハインリッヒさんほどではないけど、おいしいお)」
('A`)「(これ、あの子が淹れたのかな……)」
川 ゜ -゜)「まずい、もう一杯!」
(咒)「あの子もなかなかうまく淹れられるようになりましたね」
空になったクーのカップにジャムが紅茶を注いでいく。
(咒)「さて、みなさん見当はついているでしょうが先に申し上げておきます。
ここはあなた達の世界ではありません」
スコーンの皿が半分になり、ティーポッドの中身が空になる。再び戻ってきたメイド少女がスコーンを継ぎ足し、
ポットを変えて持ち去ったところでジャムは唐突に切り出した。
41 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 20:39:23.72 ID:PyfP737gO
从'ー'从「…………」
('A`)「(世界、と来たか)」
川 ゜ -゜)「やはり、か。まさかnのフィールドに招待されると思ってみなかった。アリスゲームが始まるのか」
(炎^ω^)「俺のローゼンメイデンは誰だお?」
【同時刻? アキバハラ 『ふぃぎゅ@めいでん』店内】
(*´_ゝ`)「この流・翠星石様ですぅ!!!」
(´<_` )「藪から棒にどうした兄者。ついに狂ったか」
(*´_ゝ`)「いや、時空を超えて言わなきゃいけない気がしてな……」
(咒)「残念ながら違います。もちろん、閉鎖空間でも固有結界でも精神と時の部屋でもありません」
(炎;^ω^)「(先読みされたお……)」
(´・ω・`)「……世界の狭間」
(咒)「さすがはショボン様。確かにその言葉がしっくりときますね」
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:39:32.25 ID:3WzFqdrxO
クー自由だなwww
44 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 20:41:02.45 ID:PyfP737gO
(咒)「ドクオ様、渡辺様、ブーン様、クー様。あなたがたはたまたま同じ電車に乗り、たまたま駅で出会いましたね。
クー様とブーン様にはお互い、見識があったとお聞きします」
川 ゜ -゜)「……あぁ。だが、何故それを貴方が知っている」
(咒)「私がそうであるよう、細工をしたからです」
从'ー'从「細工?」
(咒)「はい。『『anim@te』に勤める内藤と、ネジのとれたクーは知り合いである』というように設定をいじらせていただきました。
さらにいうと、ドクオ様や渡辺様の帰省にいたった経緯、どの世界にも存在しない架空の『FUJIYAMA』駅に来るように
仕向けたのも、すべては私の差し金にございます」
从'ー'从「(やっぱり……)」
彼女の記憶に『FUJIYAMA』なんて地名は存在しない。今思い返してみれば、何故仕事を休んでまで
帰省しようとしたのかも吾事ながら朧だった。だからこの人智を越えた事象を目の前の老人の仕業と聞き、逆に渡辺は安心した。
(咒)「あなた方はそれぞれ、異世界の人間なのです。ドクオ様のヴィップ町もブーン様のアキバハラも、
今のあなた方の記憶には存在しても、あなた方本来の世界には存在しないのです」
45 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 20:43:04.58 ID:PyfP737gO
('A`)「ややこしくなってきたな……」
(咒)「気にしない事をお勧めします。世界の狭間、別世界の住人などとは言いますが、人種や文化にそう大きな違いはありません。
感覚時間的に10日後にはみなさん、それぞれの世界に完全に帰還できるよう私のほうで手配させていただきます」
(炎^ω^)「10日間もかお?!」
从'ー'从「(会社どうしよう……)」
(咒)「10日後までの予定については気になさらないでください。みなさまの都合のいい時間軸に送るように致しますので。
私からの願いはこれから10日間。ここ『鮫島ホテル』に滞在していただきたいということです」
川 ゜ -゜)「……『鮫島ホテル』だって!」
('A`)「まさか、あの鮫島事件と関係あるのか?!」
建物の名称に何人かが反応する。
(咒)「鮫島事件、ですか……噂には聞いたことがありますがそれとは関係ありません。
このホテルの名前は主の名前から来ております」
(´・ω・`)「ところでジャムさん。聞いてもいいだろうか」
从'ー'从 「ジャムのおじいさん、質問いいでしょうか?」
二人の声がかぶった。
46 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 20:44:42.01 ID:PyfP737gO
(´・ω・`)「渡辺さんだったね。お先にどうぞ」
从'ー'从「う、ううん。ショボン君から先に言ってよ。まだちょっと言葉がまとまってないし……」
(´・ω・`)「じゃあ僭越ながら。ジャムさん、あなたは何者だい?」
(咒)「見ての通り、鮫島家に仕える執事でございます。現在ではこの鮫島ホテルの使用人監督役ですね」
眉ひとつうごかさないジャム。その返答自体想定内だったのか、口調をかえずにショボンは続けた。
(´・ω・`)「あなたはボク達を──世界の異なるところからボク達を、さらに別の世界へと集めた。
ボクはともかく、渡辺さんやドクオ君たちにはある程度の因果まであたえている。
これだけでも十分、並の人間の仕業じゃないことは明らかだ」
川 ゜ -゜)「ヒソヒソ(設定をいじれば普通にできるよな、それくらい)」
(炎^ω^)「ヒソヒソ(それをできるのはクーくらいのもんだお)」
47 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 20:46:08.65 ID:PyfP737gO
(´・ω・`)「それこそ“設定いじり”や“DAT”、もしくは“虹”でもないとできる事じゃない」
(咒)「“DAT”を知っているのですか」
(´・ω・`)「これでも死ぬほど勉強しているんだよ。“虹”にたどり着くため、超常現象に関してはね。
そんなあなた──あなた達はここにボク達を呼び出して何をしたいのか、何故10日だけなのか。
そこの所はボク達に話してくれてもいいんじゃないだろうか」
口調こそ丁寧だが、そこには有無を言わせぬの迫力があった。
从'ー'从「うん。私もそれが聞きたかった。ジャムさん、何で私達を呼んだの?」
(咒)「そうですね、それは先にお話しておくべきでした」
カップを手に取り、半分ほど残っていた紅茶を飲み干すジャム。新たに入れようとする渡辺を
制し、再び口を開いた。
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:46:11.88 ID:VZjC2b0C0
sarusann?
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:46:34.16 ID:2msWxtoB0
支援
50 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 20:47:52.73 ID:PyfP737gO
(咒)「みなさんの住む世界というものは、もともと同一のものが発展してできあがったものです。パラレルワールド、というと
少々語弊が発生しますが、世界というのは無数に、『世界平面』といわれる時空軸上に平行して存在します。
もちろん、世界によっては平和なところもあれば情勢が不安なところもありますし、みなさんのように
『世界』にまつわる研究がされていない世界もあれば、私の世界のように『世界』にまつわる研究が進んでいる世界もあります」
(咒)「今回、原因はわかりませんが世界平面に異常が発生しいくつかの世界が突如混ざってしまいました」
さながらおもちゃ箱をひっくりかえしたようにね。
意味ありげにジャムがそんな事をつぶやいた。
(咒)「あなたたちが所属する5つの世界もまた、混合の危機に瀕していています。現在、私たちはこの『鮫島ホテル』と
『鮫島遊園地』を拠点に、世界の無秩序な混同を回避するため動いています。
あなたたちには、その楔となってほしいのです」
(咒)「ここからは見えませんが、ホテルの敷地内には十数個のアトラクションが備え付けられた
遊園地があるのです。といっても、普通の遊園地ではありません。それぞれの遊具がワープ装置になっています」
(炎^ω^)「ワープかお?」
51 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 20:49:24.11 ID:PyfP737gO
(咒)「はい。その遊具に入ると、それぞれ決められた世界にワープすることができます。行き先の中にはもちろん、
あなた方のいた世界も存在します。もちろん、そこにあなた方は存在しませんが」
从'ー'从「自分の世界──自分の町には帰れるんですね」
(咒)「一定時間は、ですが。ワープ遊具を使う場合、最長でも3日たてばこちらに強制送還されるでしょう。
……くわしい事はこれを見てください」
懐から5枚のパンフレットをとりだし、5人に手渡す。どこぞのネズミ園のパンフレットによく似ていた。
('A`)「本当に遊園地だ……」
(炎^ω^)「クオリティタカスww」
(咒)「ジェバンニが一晩でやってくれました」
(咒)「それで皆様、虫のいい話だとは十分理解しておりますが、どうか老人の戯れに付き合うと思って、
このホテルに滞在し、各世界独立の潤滑油としていくつかの世界を回っていただけないでしょうか?」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:49:54.52 ID:2msWxtoB0
ほいほい支援支援
53 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 20:50:38.68 ID:PyfP737gO
(炎^ω^)「任せるお」
从'ー'从「いいですよ」
川 ゜ -゜)「もちろんだ」
(´・ω・`)「かまわないですよ」
('A`)「……わかりました」
ワンテンポ遅れて、ドクオも答えを出した。それを聞いて、ジャムが微笑む。
(咒)「本当にありがとうございます。主やここの使用人を代表し、お礼をいわせていただきます」
54 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 20:52:13.64 ID:PyfP737gO
(´・ω・`)「いえ、気にしないでください。滅多にない経験ですしね」
从'ー'从「他のみんなの世界を観光する、というのも楽しそうだね」
川 ゜ -゜)「いっておくが、私の世界のカオスは108式まであるぞ」
(炎^ω^)「おっおっおっ、面白くなってきたお」
ξ゜ -゜)ξ「ジャム様、お客様の部屋の準備が整いました」
(咒)「ご苦労様です。それではみなさん、これからメイドのツンがみなさんをお部屋にご案内します」
(炎^ω^)「(ツンに似てるお……)」
从'ー'从「(この子、中学のときのツンちゃんに似てるなぁ……)」
('A`)「(なんかツンっぽいな、この子……)」
川 ゜ -゜)「(こっちも貧乳だな……)」
さわぎながらツンについていく5人を見届け、静かに微笑むとジャムは文字通り、そのロビーから姿を消した。
55 :
◆GoKuglY1Jo :2007/10/05(金) 20:54:49.68 ID:PyfP737gO
ξ゜ -゜)ξ「こちらが最後、ドクオ様の部屋になります」
ドアを開き、ツンは中を確認させた。
ξ゜ -゜)ξ「3階の客室は奇数と偶数で内装は同じとなっています。服や必要と思われるものは全て準備させていただきましたが、
何か入り用なものがありましたら、私や他の使用人にお申し付けください」
从'ー'从「わかったわ。ありがとう、ツンちゃん」
川 ゜ -゜)「ひとつ、質問があるんだが……」
そう言いながらクーは木製の扉が並ぶ廊下に不釣合いな、妙にメカメカしい扉を指差した。
川 ゜ -゜)「あれは何だ?」
ξ゜ -゜)ξ「ゲストルームにございます」
('A`)「ボク達のほかにも、まだ誰かいるの?」
ξ゜ -゜)ξ「いえ……」
56 :
◆GoKuglY1Jo :
ξ゜ -゜)ξ「ここはゲストを『呼び出す』部屋になります。皆様の世界などから人やモノを
このホテルに招き入れることができます」
川゚ -゚)「なるほど……では『顔文字』のクーでも喚んでもらおうか」
(´・ω・`)「『ギアス』のショボンと会ってみたいな」
(炎^ω^)「『アイマス』のリョーコ・モモヤマに会いたいお」
从'ー'从「『ツン止め』のツンさんも呼べますか?」
('A`)「俺はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールちゃん!!」
ξ゜ -゜)ξ「……ある程度常識をわきまえてもらうとありがたいです。
夕食は7時からとなっております。その席で、またジャム様から話があるでしょう」
仕事があるから。
そう言ってメイド少女・ツンは静かに階段を下っていった。