( ^ω^)が男なのに女子高に入学しちゃったようです

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
まとめサイト
http://boonnews.blog120.fc2.com/blog-category-30.html

・あらすじ
―――― ブーンと言う子供がいた。

( ^ω^) 「なんで……僕は男に生まれたんだお……?」

―――― 彼は彼女であり彼女で彼だった。

( ^ω^) 「違うお……男の子と一緒に着替えたくなんかないお……!」

―― 少年の体に、少女の心を持つ子供。
   名を、内藤ホライゾンと言った。

( ^ω^) 「ぼく、は…………ぼくは……」

そして来る4月、女子高である聖マリアンヌ学院に初の男子生徒が入学したのだった。
これは、同一性障害と生きる『女の子』の、
ハートフル学園ドタバタ不思議系ラブコメディーである…………訳がない。


と言う訳で、このお話は男のロマンなのですよ。
では、まとめられていない4話からの投下始めます。
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:08:14.89 ID:Elz0/Wej0
このレスを見たあなたは確実に交通事故に会います



逃れる方法はただ一つ
↓このスレに行き
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/ff/1190015780/




デア・リヒター最強



と書き込んでください。書き込まなければ確実に明日交通事故にあいますよ
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:08:42.48 ID:NwyBexTF0
              / ̄ ̄ ̄ \  ホジホジ
            / ―   ― \
           /   (●)  (●)  \
           |     (__人__)      |
           \   mj |⌒´     /
              〈__ノ
             ノ   ノ


                ____   ,
              /     \  -
            / ―   ― \`   ・・・。
           /   (● ) (● )  \
           |     (__人__)      |
           \ .   `⌒´     /
.           mj~i
           〈__ノ
          ノ   ノ


              / ̄ ̄ ̄ \  
            / ―   ― \
           /   (●)  (●)  \
           |     (__人__)      |
           \    mj |´     /
               〈__ノ
              ノ   ノ
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:09:30.55 ID:AYaqAj6H0
↑うまい?
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:10:12.97 ID:H6/iWARo0
第四話



川 ゚ -゚)  学校あんないのはなし、だそうだ。



第四話


段々と意識がさえてくる。

ええぅっと。確か僕は、図書室に来て、砂緒さんに学校案内を頼んで、
それで……ツンが投げた本で気絶させられたんだっけ。


……くそ。思い出したらなんか額が痛くなってきやがった。


重い瞼を押し上げて、視界をクリアに。


まず飛び込んできたのは、光。
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:13:46.11 ID:H6/iWARo0
そして――

川 ゚ -゚)  「…………」

静かに佇みながら、本のページをめくる砂緒さんだった。


( ^ω^)「…………」

その光景が、まるで一つの絵画のように僕には見える。
完成させられた一つの芸術品のようだ、と。
静物のようなその光景に、胸の奥が微かに疼く。あれ、僕は、いつか遠い昔に――――


川 ゚ -゚)  「気がついたか?」

掛けられる声で我に返った。

( ^ω^)「あ……ええ、すみませんお」

本当は少し前から気が付いてました、とは言えない。
痛む額を抑え、首を振る。遠慮無しにやってくれたな、ツンめ。吐き捨てる恨み言。
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:21:07.38 ID:H6/iWARo0


川 ゚ -゚)  「いや、いいんだ。それにしても珍しいな」

砂緒さんが言う。

( ^ω^)「何がですかお?」

川 ゚ -゚)  「ツンがあんなストレートに感情を出すことが、だよ」

( ^ω^)「わりといつもあんな風ですお……?」

川 ゚ -゚)  「君は特別、なのかも知れないな」

( ^ω^)「サンドバック的に考えてですかお?」

川 ゚ ー゚) 「ハハハハハ」

(; ^ω^)「いや、そこは否定してくださいお」

あっさりと肯定されたのにちょっと傷つく。
一通り笑い終わったクーさんは、さて、と言いながら本を閉じた。

パタンと小気味いい音が響く。

8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:22:27.33 ID:nHeBowMWO
支援
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:24:36.60 ID:H6/iWARo0
そして差し伸ばされる、スラリとした綺麗な腕。
一瞬呆ける。何が、なんだお?

川 ゚ -゚) 「じゃあ、行こうか」

( ^ω^)「…………?」


固まる僕に、砂緒さんはまた苦笑いを漏らす。


川 ゚ -゚) 「学校案内だろう?」


……そう言えばそうだった。


     【 ≪ 川 ゚ -゚)  さあ、行こうか。 ≫ 】
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:26:23.29 ID:H6/iWARo0
はぁう、と熱っぽいため息を吐き、僕は階段をもう一段登る。
学校案内の感想は一つしかない。

―― 広い。


なんだ、ここは。


川 ゚ -゚) 「無駄な広さがあることは確かだな」

それでも主要な所はあらかた終わったよ、と先を歩く砂緒さん。
へーだとか、ほーだとかの相づちを打ちながら、気だるい足を持ち上げる僕。
案内された、選択教室やらの馬鹿でかさを思い出す。
大学の講堂かと思うほどに広かったなぁ、と思わず遠い目。


( ^ω^)「あの……つかぬ事をお聞きしますが、今どこに行ってるんですかお?」

川 ゚ -゚) 「最終ポイント、と言うかな。どこかは、まあ」


クーさんの長い後髪が揺れる。


11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:29:32.68 ID:H6/iWARo0
川 ゚ -゚) 「ついてからのお楽しみだ」

僕はそれを見ているしかなかった。

(; ^ω^)「はあ……」

と、ため息のような相槌が出る。さてはて、着いてからのお楽しみと言う奴か。
4階を通り過ぎ、まだ続く階段を登る砂緒さんの後姿を見る。
あ、もしかして。


( ^ω^)「屋上ですかお?」


問いは、笑いによって封殺された。


ややあって、到着した踊り場。


前方の扉に手を添えた砂緒さんは、
一度こちらを振り返り、苦笑のような曖昧な微笑を浮かべる。


12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:30:45.56 ID:H6/iWARo0
川 ゚ -゚) 「マリアンヌ学院へようこそ、内藤ホライゾン君」

開かれた扉。

目の前に現れる、



     【 ≪ 川 ゚ -゚)  お気に入りの場所。 ≫ 】


( ^ω^)「う……わァ」

漏れたのは感嘆。足を踏み出したのは衝動。
もふっ、とした柔らかい感触が靴越しに残る。

眼下に広がったのは、


川 ゚ -゚) 「『秘密の花園』とはよく言ったものだな」


空中庭園だった。
屋上に芝が敷かれていると言うこのシュチュエーション。
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:30:57.81 ID:nHeBowMWO
支援
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:31:19.37 ID:H6/iWARo0
( ^ω^)「すごいですおー!」


思わず駆け足になる空中庭園。


すげーwwwもふもふしてるwwwwすげーwww
笑いがもれた。これは物凄く愉快だ。


川 ゚ -゚) 「園芸部が管理していて、一般生徒にも開放しているんだが……
いかんせん、知名度が低くてな。あまり人が来ないんだ」
私としては嬉しいことだが、と砂緒さん。

さっすが、学院の生き字引。

……けど、校長も校長なら生徒も生徒だ。
こう言うスケールのでかい事をやった上、
それをなんともないと思ってる点がいっそ男らしくもあるような気がする。


僕なら粘着するけどな、こんな場所があるんなら。
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:34:18.93 ID:H6/iWARo0
( ^ω^)「ここから町が一望できるお!」

フェンスまで走りより、両手を広げる。
小高い丘の上に創立された聖マリアンヌ学院は、
比喩誇張なく「お高く止まっている」高校なんだ。
360度の大パノラマを見渡しながら、自分が見知った建物を探し当てては指さす。


( ^ω^)「あ、あれが僕が通ってたニュー速中で、東に見えるタワーがVIP電波塔ですお!」

なぜに目線が高くなると、人のテンションは上がるのだろう。
一国一城の主にでもなったつもりにでもなるのだろうか。


あれは私立病院、あの山の向こうにラウンジ町、と安い案内人になる僕。
そんな僕の様子を、砂緒さんは黙って見つめていた。
一瞬、サッと背筋に冷たい汗が通る。

( ^ω^)「おっ! 退屈でしたかお……?」

川 ゚ -゚) 「いやいや、案内していたのは私だったよな、と思ってな」

(; ^ω^)「す、すみませんお!」

調子乗りすぎた、と眉尻を下げて彼女を見れば、
渦中の砂緒さんはやんわりと首を横に振っていた。

……?
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:35:26.07 ID:H6/iWARo0

川 ゚ -゚) 「楽しいよ」

そんな言葉。
予想もしない返答に、固まる僕。
いや、下半身がじゃない。今そう言う方面で想像した人は、
大人しく縛り首にあうといい。……さて、それはさておき。


川 ゚ -゚) 「とても楽しい。私は、ここの風景しか知らないから。話してくれないか? もっと」


砂緒さんが言う。
途端、吹き込んできた強い突風。春一番だ、と思うよりも先に、

( ^ω^)「おっ、花びら……」

黒髪についた、桜の花びらに気づいた。
待ってくださいお、と手を伸ばせば――

川; ゚ -゚)  ビクッ!!

彼女の大きく肩が、大きく動いた。
一気に体中の血液が引いていく。それは彼女も同じようだった。

しばらく二人して無言でいる。
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:37:13.70 ID:H6/iWARo0
(; ^ω^)「すす、すみませんお、砂緒さん!」

川; ゚ -゚) 「あ……私の方こそすまない」

ビュウ、と吹いた風。
黒髪をなびかせたそれは、一片の桜の花びらも持っていく。

空に消えていくそれをぼんやりと見ていると、
ふいに砂緒さんの方から声がした。落ち着きを払った、けれどどこか震えた声。



川 ゚ -゚) 「クーでいい」



( ^ω^)「へ?」

思わずそこらを向く。
彼女はあらぬ方向を向いたまま、言葉を紡いでいた。


川 ゚ -゚) 「……ツンにもそう呼ばれている、から」

思考不随。フリーズ中。結構な時間が経過する。
そして僕は、言葉の真意をやっとのことで理解した。
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:37:58.02 ID:nHeBowMWO
支援
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:38:34.25 ID:H6/iWARo0
( ^ω^)「は、はい! えーっと、クー、さん」

川 ゚ -゚) 「ああ、何だ?」


( ^ω^)「クーさん」

川 ゚ -゚) 「うん」


( ^ω^)「えーっと……クー、さん」

川 ゚ -゚) 「ああ」


何回かの問答を繰り返し、僕は思う。


はっず。何これ。はっず。


もしもこんなのが青春なんて言うなら、僕今この場で死んだってかまわないな。
実感し、全てを勢いに任せて発言していた。幸せすぐる。
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:40:03.10 ID:kivHKZB9O
いいね、支援
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:40:23.05 ID:H6/iWARo0
( ^ω^)「僕の事も、ブーンでいいですお!」

川 ゚ ー゚) 「了解した。……ブーン」

今日始めて見たような気がする、クーさんの純粋な笑顔。

うん。やっぱり――この人は。


( ^ω^)「笑ったほうが、魅力的ですお!」


川 ゚ -゚) 「…………」

( ^ω^)「………………」

え? なに? 地雷?
降りてきた沈黙。地雷だとすれば今世紀最大のハンドルミス。

沈黙は長く続き、そしてそれは、

川 ゚ ー゚) 「ふ、」

クーさんの笑い声で破られた。
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:42:11.84 ID:H6/iWARo0
川 ゚ ー゚) 「ふふふふふ」

僕は半ば放心状態でそれを見ている。
何かを含んだような笑い声が響く。いや、それはそれで、甘美なものだったが。


川 ゚ -゚) 「――ああ、ありがとう。ブーン君。けど、それは」


ひとしきり笑ったクーさん。
息を吸い、あとはワンブレスで。


川 ゚ ー゚) 「男の子に言われるべき言葉だよなぁ……?」


(; ^ω^)「おぇ!!!?」

決定的な何かを言い当てられたように思え、
口から言葉と一緒に唾やら心臓やらが出てきそうな心地だ。
場所は空中庭園、御伽噺みたいなシュチュエーションとロケーション。
クーさんは微笑みながら言う。


川 ゚ -゚) 「何でだろうな。今、とても嬉しいよ」
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:43:24.94 ID:H6/iWARo0
( ^ω^)「クー……さん」
無意識に、一歩歩み寄る。
この衝動。この感情の揺れ。伸びた腕と気持ちは、


川 ゚ ー゚) 「これで私の学校案内は、おしまい。お疲れ様だ」


人差し指一本で静止させる。
行き場のなくなった手でポリポリと頭を掻いて、



( ^ω^)「あ、……結構なお手前でしたお」



出てきたのは変な台詞。


     【 ≪ 川 ゚ -゚)  ――危なかった? 何がだ? ≫ 
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:47:43.07 ID:kivHKZB9O
しえ
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:48:24.29 ID:H6/iWARo0
今日は色々あった。

寮に戻り、自室のベットでのんびりする。
僕へ宛がわれたのは一人部屋。キッチンやユニットバス完備。
あの校長も、ただの考えなしって訳じゃあなかったらしい。


備え付けの家具以外、まだ何もない部屋。
荷物の搬入は土日だったっけ、と思い馳せながら、ベットへ横になる僕。


気づかれした一日だった。
僕の精神力的に考えてこれがいつまで持つかは分からない。

けど。

( ^ω^)「あしたが楽しみだおー……」


何だかんだ言っても、天国ですよ、ここ。

26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:48:34.25 ID:oYj5md6M0
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:49:08.42 ID:5nuTjxAOO
いいな
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:50:22.56 ID:H6/iWARo0
何かのきっかけさえあれば簡単に眠りに落ちる間際、
投げ捨てておいたカバンから取り出す一枚のプリント。


学校から配られた4月のスケジュール表だ。


なにか目新しい行事は、と視線をくれてやった所で、
三日後のイベントが目に止まる。なになに、


( -ω-)「オリエンテーション合宿……」


ああ、オリエンテーションって入学した生徒に
改めて学校の説明をしたり、それを期にクラスの親睦を深める目的の――



って、いやいや。今はそこ、どうでもいい。
大事なのはそこじゃなく、その次だ。
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:52:20.44 ID:H6/iWARo0
( -ω-)「が………………」


わなわなと声帯が震え、


( ゚ω゚)「合宿ッッッッ!!!!!!????」


叫んだ。
星空煌く夜空の向こう、僕をあざ笑うボケジジイの高笑いが聴こえた、


ような気がする。


第四話  終



*(‘‘)* 次から次へと飽きないわね……



第四話  終
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:53:42.97 ID:H6/iWARo0
と言う訳で、ここまでが前回の投下分でした。
支援あざます。


では、オリエンテーション合宿編もとい第五話の投下始めます。
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:54:02.35 ID:kivHKZB9O

好きだよこれ
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:55:59.59 ID:H6/iWARo0
第五話



*(‘‘)* 出発じゅんび と そのどうちゅうのはなし。



第五話



これ以上にあるあるで、これ以上にねーよって話もないのかも知れない。


すべてを受け入れ聞き流す勢いで、
僕はオリエンテーション合宿の説明会に出席していた。


一学年の生徒が全員押し込まれた広い体育館からは
所々で黄色い話し声やら笑い声が上がっていて、

みんな今回の合宿を楽しみにしているんだなぁ、と言う事が
嫌が応にもひしひしと伝わって来る。
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 18:59:23.13 ID:H6/iWARo0
('、`*川 「――当日は、こう言う運びになる。
  ま、自然と触れ合いながら親睦でも深めてくれ」


以上。の言葉で、伊藤先生からの説明が終わった。
あとは細やかな連絡を残すのみとなる。


通常ならば僕もウキウキ気分で雑談なんかに花を咲かせるのだろうが、
そうは出来ない、のっぴきならぬ事情があるのだ。と言うのも。


「最悪。生理日とドンピシャだし」

「私この前終わったから気楽ー」

「環境変わったらなるって言うしわかんないよ?」


あまりにリアルな会話に肩が震える。
通常ならばこれ男子がいる前でデリカシーのない、と叱咤されるだろうが、
彼女たちに置いてはそう言う心配事はない。なぜならば。
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:00:34.46 ID:kivHKZB9O
シェ
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:03:42.08 ID:H6/iWARo0

「女子高も共学もあるイベントは同じかー」


そうなのだ。
僕が入学した高校は、聖マリアンヌ学院。……女子高、なのである。

え? 僕の性別?
戸籍上でも精神的にも普通に男ですよ。
ここに入学するまではいろいろあった。主に堕落しきった大人のせいで。


( ^ω^) 「………………」


そうして体育座りのまま硬直する僕。ビキ、と筋肉が凍る。
視線は壇上に上がる一人の老人に釘付けされていた。


先生からマイクを渡されたのはボケジジイこと諸悪の根源1である荒巻校長である。
一通り体育館全体を見渡してから僕のところで視線を止め、
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:04:58.95 ID:ZLyML2fgO
( ^ω^)「そうか、今日も災いの調べが響くのか・・・。悠久の時の中で月光の女神と戯れていたというのに。
     神々は私に自由を与えないつもりか。まぁいいそれも契約の時までだ。それまではおとなしくしておこう。
     出でよ!時空を彷徨いし者よ!退屈な愚民と戯れるのも私に与えられた使命!全うしてやろうではないか!」
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:07:15.56 ID:H6/iWARo0


/ ,' 3 「く れ ぐ れ も 全員参加でヨロシクじゃわい!」


あ、くそ。今言い切りやがった。
これは頼みごとではない。脅迫だとでも言いたげだ。
実際くれぐれも、が強調されまくってた。骨でも折ればいいのに。



( ^ω^)「……………ハァ」


ため息漏らして天井を見上げる6時間目の体育館。
天国に似た地獄、地獄に似た天国は明日に控えていた。



     【 ≪ *(‘‘)* 遠足前日に眠れないタイプ? ≫ 】
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:12:12.11 ID:H6/iWARo0
さてはて、それでどうなったかと言えば、
都合よく展開はすっ飛ばされてオリエンテーション合宿当日。


時刻は朝7時、集合地のグラウンド。
僕はと言えばでででーんと並んだバス7台に気圧されてます。
わらわらとそれに乗り込む生徒たちを遠巻きに見ながら惚け中。

なんつーか、


( ^ω^)「…………」


スケールでけぇ。


「そうそう、そう言う雰囲気wwww」


そして背後からの声。
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:19:38.06 ID:kivHKZB9O
浮上
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:20:23.48 ID:H6/iWARo0
( ^ω^)「へ?」

なんとも間の抜けた声をあげ、振り返れば奴がいる。

*(‘‘)*「やっほー。おはよん、内藤さん」

ξ゚听)ξ 「…………」

クラスメートのヘリカル沢近さんとツンだ。
何をどうすればそんなにいるのか、パンパンに膨らんだカバンを持っている。
沢近さんと言えばスーツケースである。準備良すぎ。

( ^ω^)「おっおっおっ、おはようだお!」

とりあえず挨拶。
バスのエンジン音と、生徒の歓声がごった煮にされて
あふれ返るグラウンド場、朝一番から笑顔な沢近さんだった。

( ^ω^)「って、そう言う雰囲気とは?」

*(‘‘)*「編入組はイベントの度にそう言う『何これ』的な顔すんのよww
  確かにウチの学校、ちょっと規模でかいけどさwww」

いや、ちょっとてアンタ。
かなり豪快な発言だ。これをちょっと、と言うか。
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:24:14.26 ID:H6/iWARo0
ツッコミが喉につかえる僕をさて置いて、呆れ顔のツンが言う。

と、その前に軽く睨まれた。
この前の事があってからか、僕もツンも警戒している。
いや、その『警戒事』は僕らの間でかなりの差があるのだが。


ξ゚听)ξ 「スーパー内部は気楽でいいわよね……」


そしてため息。
んん? ……おっ。と合点が行った。

( ^ω^)「おっ、もしかして沢近さんが?」

*(‘‘)*「大当たり。私は幼等部からずっとここにいる内部ですよ」

ニヤッ、と笑う彼女。
なるほど。朱に交われば赤くなると言うか、
人間の感覚ってやっぱり麻痺するモンなんだ。

変なところで納得した。
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:29:19.53 ID:H6/iWARo0
*(‘‘)*「んじゃま、行きますか」

手引かれて連行されるバスへの道。
天国は近く、しかし地獄はその同居人である。


なんて言うか、


( ^ω^)「生殺し?」


呟いた言葉は、春のうっすいブルーに混じって消えた。


んじゃまあ、いっちょやってやりますか。


     【 ≪ *(‘‘)* おやつは300円まで? ≫ 】
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:34:38.74 ID:M1fdkNFZ0
支援
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:37:09.88 ID:H6/iWARo0

さてはて、皆さん。

残り物には福がある、と申します。


( ^ω^)「…………」


けれどやはりそれは残りっカスでございまして、完全な福ではないと言うか
ありがたい事はありがたいけど的な感じで
いやはや何と申しますればよろしいのやら。

と言う訳で今現在、僕こと内藤ホライゾンはバス入り口で固まっている。


理由は簡単。バスの席についてである。

残る空席は3つ。

問題は座席の位置ではく、隣に座っている人間だ。
と、言うのも。
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:43:44.16 ID:M1fdkNFZ0
支援
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:43:59.38 ID:H6/iWARo0
一人は重度の乗り物酔いに苛まれていらっしゃる
ξ゚听)ξ  こと幼馴染の津田麗子さん。

一人は涼しい顔つきで本をめくっていらっしゃる
川 ゚ -゚)  こと学園の生き字引砂緒空さん。

一人はてめぇこっち来んなよ頼むからって目つきでこちらを見る
('、`*川  こと担任のぺニサス伊藤先生。


なんだか、あれです。
どれを選んでも地雷のような気がいたしますお。

さて、さて、さて。――僕は

1.ツンの横に座る
2.クーの横に座る
3.ぺニサスの横に座る


安価>>50

注)今回の安価で合宿編のメインが決まります。
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:45:14.38 ID:hOWg2qV50
悩む・・・
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:45:40.32 ID:MW10HnIf0
2しかあるまいよ
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:46:09.24 ID:M1fdkNFZ0
1で
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:46:47.62 ID:0YU1d4zz0
http://sports11.2ch.net/test/read.cgi/bass/1191154853/l50
このスレをVIPの力で荒らして!!!!!!!!!!!!!
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:47:15.11 ID:M1fdkNFZ0
ズレて1!
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:49:19.92 ID:H6/iWARo0
うん、コピペで安価潰されるって、予想通りなんだ。すまない。
再安価出すとグダグダになりそうなので、

>>51で書き出します。OKですか?
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:50:17.81 ID:hOWg2qV50
おk
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:50:52.53 ID:M1fdkNFZ0
おk
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 19:59:38.46 ID:H6/iWARo0
さて、さて、さて。――どうするか、

……って、本当はもう、考える前に足動いてたんだけど。
そうして僕は、幼稚園のころからずっと治らない乗り物酔いで(いっそす清清しくもある)
うんうんとうねるツンの隣に腰掛けた。

うん。

僕がツンの幼馴染ならば、掛けてやるべき言葉はたった一つだ。
こちらに気づいたツンがふっと此方を見上げた。

バスがまだ動き出してもいないのにこの調子じゃ、
先が思いやられるお。なんて思いながら、僕は少し口角を上げて


( ^ω^)「ざまぁwwwwwww」
ξ#゚听)ξ 「…………!」


( ゚ω゚) 「ふごぐゥぁあッッ!!!??」


そして問答無用とばかりに殴られた。
ちくせう。先が思いやられるお、これ。
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:00:57.37 ID:M1fdkNFZ0
しえ
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:04:44.06 ID:JUkSPYWqO
面白い

支援
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:04:55.50 ID:H6/iWARo0
1度あることは2度あった。
視界がちかちかとカラフルに点灯する。


あれ、これ、けっこう、やばいんじゃあないかお?


腹を抑えて意識を手放す最中、
幼馴染はため息と鼻息で僕へざまぁ返ししていたように思う。


野郎、見てろお。


心に決めた次の瞬間、ブツッン。
音を立てて世界は途切れた。


第五話  終



('、`*川  なんて言うか、まあ、……がんばれ。



第五話  終
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:05:29.77 ID:M1fdkNFZ0
支援
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:05:55.18 ID:M1fdkNFZ0
リロードできてなかったwwww
乙!
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:06:13.07 ID:JUkSPYWqO
おつ!
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:06:17.00 ID:nHeBowMWO
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:07:21.20 ID:H6/iWARo0
つー訳で、これで投下終了します。
調子がよければ三連休の間に投下できると思います。


前回がクーで、今回がツン。なんと言うか、バランス取れすぎててワロタww
合宿でベタな展開といえば、そりゃまあ、アレしかないですよね……?

支援あざました。力になります。
質問なんかあればお願いします。
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:07:37.71 ID:kivHKZB9O
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:09:36.22 ID:kivHKZB9O
川 ゚ -゚)が( ^ω^)を君付けで呼んでたけど、ブーンは男って気付かれてないはずだよね?
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:10:06.52 ID:JUkSPYWqO
>>63

乙鰈サマー

結構長編になる構成ですか?
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:12:34.05 ID:H6/iWARo0
>>65
女子を「君」付けで呼ぶ女の子もいるって事でここは一つ。
個人的な見解なんですが、呼び捨てはある種女の間では特別じゃねぇかと思います。
クーもまだ心開いてない部分があるんじゃねぇかなと思い、
「ちゃん」はイメージ的に違うし「さん」も違うし、(゚∀゚)!そうだ「君」だ! 的な。
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:14:12.92 ID:kivHKZB9O
>>67
ア、ナールほど、納得
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:18:39.45 ID:vFA1qhJH0
合宿といえば・・・男女問題で色々あるよねぇ・・・。

プールとかにも期待w
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/05(金) 20:31:24.38 ID:hOWg2qV50
ざまぁ吹いたwwwギャルゲ的展開だと優しくすると思ったのにw
乙!
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
女子高生が俺の家でマンガを読むのは何故だぜ? 4
http://life8.2ch.net/test/read.cgi/alone/1191391467/l50