1 :
◆YnecR1MhsM :
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 20:12:56.60 ID:JwfEB5Xz0
2!
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 20:13:53.43 ID:JwfEB5Xz0
支援しますよ。
4 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 20:15:47.72 ID:sXjdEU3h0
八
('A`)「今の時間は混浴なんだってー。聞こえてるー?
とりあえず、入ってもいいなら返事してくれるかな?」
腰にタオルを巻き、脱衣場の出口から呼びかける。
しぃはここに来るのは2度目だから知っていても良さそうなものだが、
あの態度ではおそらく知らないか、もしくは忘れているのだろう。
入浴時間の紙も、あの小ささでは見逃しているに違いない。
('A`)「返事しないと入っちゃうよー」
しばらく待ったが、バシャバシャという水の流れる豪快な音が聞こえるだけで、しぃからの返事はなかった。
もしかすると、カラスの行水で、もう先に上がってしまったのかもしれない。
だとすれば、俺にとっては好都合だ。
('A`)「入っちゃうよー」
俺は脱衣場の扉を開けて、露天風呂へと足を踏み出した。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 20:15:49.75 ID:owm30es5O
今日も某スレきてね☆
あなたの合作叩きが大好きです(はぁと
6 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 20:17:51.65 ID:sXjdEU3h0
('A`)「へ〜、自慢のって言うだけあって、広いし綺麗だな……ん?」
天然石で囲まれた露天風呂は十メートルほどの広さがあった。
その露天風呂の中央に激しく水しぶきをあげる白い桃が浮かんでいる。
先ほどの水音の元はどうやらこれらしい。
(;'A`)「う〜ん。混浴で偶然女の子の裸を覗いてしまうという、嬉しいシュチュエーションのはずなのに……」
露天風呂に浮かんでいるのは、しぃのお尻だった。
しぃは何故か知らないが、顔をお湯の中に浸けたまま、バスタオル片手、
一心不乱にばた足で泳いでいた。
('A`)「なんて言うか、アホの子供みたいだ……」
綺麗なお尻を眺めながら呟く。
(*゚ー゚)「ぶっはーっ! 新記録達成!」
しぃが俺の目の前で勢いよく水面から飛び出した。
いったい何の新記録だか知らないが、いろんなところが丸見えのまま、満面の笑みを浮かべていた。
(* ー )「え……?」
その笑顔が、目の前に俺がいることに気付いて瞬時に固まる。
7 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 20:20:01.98 ID:sXjdEU3h0
('A`)ノ「やあ」
しぃに向かって、気さくに手を上げた。
(*゚ー゚)「……い、いい、いやーーっ! へんたーいっ!!」
しぃが旅館全体を震わせるような絶叫をあげると、バスタオルを体に巻き付けつつ、お風呂の中に頭まで沈めた。
ぶくぶくと水泡が上がる。
(*゚ー゚)「……ぷはっ!」
しばらく待つと、しぃは息が苦しくなってきたのか、と顔だけ外に出した。
(*;゚ー゚)「な、なな、何でドクオさんが女湯にいるんですか!」
かわいそうにしぃは今にも泣きそうな顔になっている。
('A`)「あのね、さっきおかみさんから聞いたんだけど、ここのお風呂は脱衣所は別れてるけど、
どっちもここのお風呂につながってるんだって。で、時間によって男女の入浴時間を分けて使ってるんだけど、
今の時間は混浴の時間になってるらしいよ」
(*;゚ー゚)「うぅ……そんなこと知りませんでした」
しぃが再び口の辺りまでぶくぶくと沈んでいく。
8 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 20:22:36.93 ID:sXjdEU3h0
('A`)「一応、声はかけたんだけどね……。
返事がないからもう上がったんだと思ってたよ」
(*;゚ー゚)「……聞こえませんでした」
まあ、あんな事をしていたら聞こえないのは当たり前だろう。
(* ー )「うぅ……見られた」
しぃがまたぶくぶくと潜水していった。
(;'A`)「えーと、ごめんね。俺は脱衣所の方に戻ってるから、上がったら教えてね」
故意にやった訳ではないのだから謝る必要などないのだが(いや、半分は故意です。ありがとう)
泣きそうな顔で湯の中に沈んでいるしぃを見ていたら、罪悪感みたいなものが沸き上がってきた。
(*゚ー゚)「ま、待ってください」
('A`)「ん?」
俺が踵を返して脱衣場に戻ろうとしたら、しぃから呼び止められた。
(*; ー )「……あ、あの……待ってもらうのも悪いですし……。
ドクオさんも入りませんか?」
しぃがお湯で火照ったからか、それ以外の理由でか、頬を染めながら言った。
9 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 20:25:35.47 ID:sXjdEU3h0
('A`)「いいの?」
(*; ー )「は、はい」
俺の問いかけにしぃが恥ずかしそうにコクリと頷いた。
女の子にここまで言わせておいて、辞去するのも失礼だろうか?
(*'A`)「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうよ」
しばし迷った後、俺はそう言うと、風呂の手前に設置されている体を洗うための、
大理石で作られた流し場に座った。蛇口をひねりお湯を出す。
それを手桶にためて頭から被ると、持ってきた使い捨てのシャンプーの袋を開け頭を洗い始めた。
10 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 20:27:25.90 ID:sXjdEU3h0
(*゚ー゚)「ドクオさん、あの……」
('A`)「ん? おしっこしたくなった? でも、お風呂ではしないでね」
(*゚ー゚)「ちがいます! それにお風呂の中でおしっこする人なんかいません!」
('A`)「いや、そんなことないよ。俺やったことあるし」
しぃの目が驚愕に見開かれる。
('A`)「あれは忘れもしない小学校の卒業旅行……広いお風呂に感動した俺は、御機嫌でお風呂に浸かってたんだけどね。
その時、ある疑問が浮かんだんだ。……もし、今ここでおしっこしたら、果たして誰か気付くのだろうか。
という高尚極まりない疑問が」
(*;゚ー゚)「どこが高尚なんですか!」
即座にしぃの突っ込みが入った。
ブーンほどではないが、なかなかいいタイミングだ。
11 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 20:29:10.78 ID:sXjdEU3h0
('A`)「いやー、あれだけ広いと気付かれないもんだね〜。
ブーンなんか、体に良いよって適当に嘘ついたら、おいしそうにゴクゴク飲んでたよ。
なんて言うか、輝かしい青春の1ページだね」
さわやかな笑みを浮かべながらそう言うと、しぃは呆れたように小さく息を吐いた。
(*゚ー゚)「……ドクオさん、下品です。最低です」
(*'A`)「そんなに褒められると照れちゃうよ」
(*;゚ー゚)「褒めてないです! むしろ引いてます!」
またまたしぃの突っ込みが入る。
('A`)「ところで、おしっこじゃないとしたら何?
まさか、大のほうじゃ……さすがに俺もそこまでのチャレンジは――」
一部マニアが聞いたら喜びそうではあるが、あいにく俺にはそこまでコアな趣味は無い。
(*;゚ー゚)「ちがいます! いいかげんそこから離れてください!」
('A`)「ちがうの? それじゃ、何?」
俺がそう言うと、しぃは顔を赤くして俯いてしまった。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 20:30:52.78 ID:mS6UZZrgO
たけs…支援してやんよ
13 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 20:31:03.38 ID:sXjdEU3h0
(*'A`)「もしかして、僕の裸に欲情したとか?」
いやん、と体をくねらせてみる。
(*゚ー゚)「ちがいます! せっかくだから、背中を流してあげようかと……思って……」
しぃはそう言うと、恥ずかしそうに顔を伏せた。
何だか少し背徳的な感じもするが、せっかくのしぃの申し出だ。
断るのも失礼というものだろう。
('A`)「えーと……じゃあ、お願いしても良いかな?」
しぃが湯の中で恥ずかしそうに頷く。
(*゚ー゚)「……はい。あの……少し目を閉じててもらえますか?」
('A`)「了解」
俺は頭から湯を被り、シャンプーを綺麗に洗い落とすと、しぃの言うとおりに目を閉じた。
('A`)「はい、閉じたよー」
俺がそう言うと、ザパッという音が聞こえた。
そして、水の滴る音と、ぺたぺたという小さな足音が近づいてきて、俺の後ろで止まった。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 20:31:58.07 ID:mS6UZZrgO
たkし
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 20:33:48.62 ID:mS6UZZrgO
Tけし
16 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 20:34:56.05 ID:sXjdEU3h0
(*゚ー゚)「もう、目を開けても良いですよ。でも、後ろは見ないでくださいね」
('A`)「了解。それじゃ、悪いけどお願いするよ」
俺はそう言うと、持ってきたタオルと石鹸を肩越しにしぃに渡した。
クシュクシュと石鹸を泡立てる音がした後、背中に濡れたタオルがつけられ、ゆっくりと上下運動を始めた。
(*゚ー゚)「どうですか?」
後ろから少し心配そうなしぃの声がかかる
('A`)「……人に背中を洗ってもらうのは初めてだけど、気持ちの良いもんだね」
俺の言葉を聞いて、しぃがほっと息を吐き出す。
(*゚ー゚)「良かった。……これで少しは日頃の恩が返せます」
上から下へ、小気味好くタオルが往復していく。
なるほど。
しぃは日頃の恩返しのために、恥ずかしいのを我慢して俺の背中を洗ってくれているようだ。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 20:35:23.42 ID:aUxn1oR5O
支援してやをよ
ジャイアン
19 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 20:37:33.14 ID:sXjdEU3h0
('A`)「気持ちはありがたいけど、無理してこんなことしなくても良いからね」
(*゚ー゚)「無理なんかしてないです……ちょっとは恥ずかしいですけど。
こんなにいろいろしてもらってるのに、私は何もお礼できなくて……」
どうやら今までずっと気にしていたようだ。
こちらが好きでおせっかいを焼いているだけなのだから、気にする必要なんてないと思うのだが。
しぃの側からすれば、そういうわけにもいかないらしい。
('A`)「いいよ。そんなこと気にしなくてもさ……。
それに、お礼ならさっき十分すぎるほど見せて≠烽轤チたから」
タオルの動きがぴたりと止まった。
(*'A`)「いやはや、綺麗なお尻もさることながら、無いと思っていた胸も、あれでなかなかどうして」
背中に当てられたタオルがピクピクと震え出した。
(* ー )「……お願いですから、忘れてください」
('A`)「無理」
即答すると、タオルの震えが大きくなった。
(*'A`)「いやぁ、しっかりと目に焼き付けさせてもらったよ。
こうして瞼を閉じればいつでも鮮明にいだっ!」
タオルの感触が消え、代わりに鋭い痛みが背中に走った。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 20:39:56.41 ID:mS6UZZrgO
ネスレ
21 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 20:41:02.77 ID:sXjdEU3h0
(* ー )「忘れて……くれますよね」
しぃが僕の背中に爪を食い込ませつつ、低い声で言った。
どうやら本気で怒らせてしまったらしい。
(;'A`)「えと、本気で痛いからやめてくれますか?」
(*゚ー゚)「じゃあ、忘れると誓ってください」
しぃの爪がさらに食い込む。
(;'A`)「誓います! 誓わせてください、しぃさま!」
二十二にもなったいい大人が、女子中学生の脅しに屈するのもどうかとも思ったが、
怒った時のしぃの恐ろしさは、1カ月以上にも及ぶ共同生活の中で嫌というほど思い知らされている。
(*゚ー゚)「分かればいいんです。分かれば」
ようやく、背中から鋭い爪の感触が消え、再びタオルが乗せられた。
ゆっくりとタオルが往復運動を再開する。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 20:41:07.13 ID:jap/jMNQO
たけ支援
23 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 20:44:25.39 ID:sXjdEU3h0
(;'A`)「あの、しぃさま? ちょっと染みるんですが……」
どうやら先ほどのしぃの攻撃で背中に傷が付いたようで、タオルが往復するたびに、
石鹸が染みてヒリヒリとした痛みが走る。
(*゚ー゚)「何か言いましたか?」
背中の痛みがわずかに増した。
('A`)「いえ、何でもありません……」
後悔先に立たずという諺を噛み締めながら、俺は何も言わずに痛みに耐えることにした。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 20:44:39.94 ID:mS6UZZrgO
ビクンビクン
25 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 20:46:00.63 ID:sXjdEU3h0
※ ※ ※
結局、旅行での収穫は何もないまま、俺たちは帰路に就くことになった。
('A`)「で、何でまた君は僕の上に座るかな?」
帰りの電車の中、俺の膝の上に座りながら、ぐったりと背を預けてくるしぃに尋ねる。
(*つー゚)「ん……気にしないでください。ちょっと疲れただけですから」
一瞬だけ体を起こしたしぃだが、言い終わると同時に再び俺にもたれ掛かってきた。
('A`)「……いや、俺だって疲れてるんだけどね……」
しぃは俺の呟きを完全に無視すると、頭まで僕の胸に預けて目を閉じた。
どうやら、本当に疲れているらしい。
しばらくじっとしていると、小さな寝息が聞こえ始めた。
いくら女の子とは言え、ずっと上に乗られたままではかなり足に負担がかかるのだが――。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 20:46:12.44 ID:aVl4AwT80
tranceparent girl
27 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 20:48:57.36 ID:sXjdEU3h0
('A`)「……これは、我慢するしかないかな」
本心を言えば、いますぐしぃをどかしたいところではあるが、
自分を信用して身を預けて眠るしぃに、少しばかりのうれしさも感じていた。
ちょっとくらい足が痺れようとも、男としてここは我慢するしかないだろう。
('A`)「それにしても……これからどうすればいいのかな?」
(* ー )「ん……すぅ……」
寝ているしぃに小声で語りかける。
もちろん、しぃからは静かな寝息が聞こえるだけで、答えなど返ってはこない。
('A`)「ふぅ」
小さくため息をつく。
この旅行で、しぃの春休みのトレース作業は終了だ。
旅行という日常から外れた行為に少しは期待していたのだが、残念ながら収穫はゼロだった。
28 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 20:51:45.78 ID:sXjdEU3h0
('A`)「困ったな……」
正直、これからどうしたものか決めかねている。
もちろん、しぃのことを諦めるつもりなど微塵もないが、
それでも進むべき方向さえ分からない今の状況は、不安で仕方がなかった。
今は明るく振る舞っているしぃも、俺以上に内心は不安でいっぱいに違いない。
そして、この状況が続けば、いつその不安が爆発するとも限らない。
そうならない為にも、何としても解決の糸口くらいは掴んでおきたいのだが――
……はっきり言って糸口どころか、糸屑ひとつ見つけられないでいるのが現状だ。
再び小さくため息を吐き出す。
('A`)「いや、俺が焦ったところでどうしようもないよな……」
自分に言い聞かせるように、小さくそう呟く。
そう、こういう作業に焦りは禁物だ。
焦って行動しても、結果がよくなるわけではない。
それどころか、焦りは目を曇らせる。こういう時にこそ、冷静に行動しなくては。
('A`)「もう一度、見直してみるか」
俺は、今回の旅行について、もう一度頭の中で整理することにした。
29 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 20:54:36.26 ID:sXjdEU3h0
――……
(*゚ー゚) 「ふぁぁ……よく寝ました。
……えーと、ドクオさん? 何でそんなところでうずくまってるんですか?」
電車を降りてすぐ、しぃがうんと伸びをしながら言った。
('A`)「あのね……2時間も重たい荷物をひざの上に乗せて電車に揺られ続ければ、
俺の気持ちが分かると思うよ」
(*゚ー゚)「私はそんなに重くないです。
それに……そんなに痛くなるまで我慢しないで、途中で起こしてくれればよかったじゃないですか」
('A`)「いや、こっちにも男の面子とかいろいろあってね……」
もっとも、こんな状態では面子も何も丸つぶれだとは思うが。
(*゚ー゚)「もう、しょうがないですね……」
一応、悪いと思っているのか、しぃが僕の荷物を持ってくれた。
('A`)「えーと……ごめんね」
(*゚ー゚)「もういいですよ。……それに、ドクオさんのひざの上は、とっても気持ち良かったですから」
少し恥ずかしそうに笑いながら、しぃが言った。
その笑顔に少しだけ救われた気分になり、俺は痺れる足に鞭打って改札口へと歩きだした。
30 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 20:58:20.52 ID:sXjdEU3h0
※ ※ ※
('A`)「ああ……やっぱり家はいいね」
自宅に戻った俺は、荷物をその辺にほうり出して床に横になった。
たった一泊二日の旅なのに、家がこんなに恋しくなるとは思わなかった。
(*゚ー゚)「あの、さすがに床にほお擦りするのは気持ち悪いと思いますよ」
(*'A`)「もしかしてジェラシー?」
(*゚ー゚)「違います!」
('A`)「いいよ、恥ずかしがらなくても。
さあ、存分に俺の頬に君の頬を擦り付けなさい」
仰向けになって、さわやかな笑顔で両手を広げてる。
すると、しぃもまたさわやかな笑顔で、肘を突き出しながら倒れ込んできた。
31 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 21:00:09.60 ID:sXjdEU3h0
(;'A`)「はうっ」
胸にかなりの衝撃を受け、呼吸が一瞬止まる。
(;'A`)「かっ……はっ……あ……あのね……」
(*゚ー゚)「なんですか?」
しぃは苦しむ俺に、さわやかな笑みを浮かべながら返事をする。
(;'A`)「いや……愛情表現にエルボードロップを使うのはどうかと思うんですけど……」
(*゚ー゚)「フライングクロスチョップの方がよかったですか?
それより、早く顔を洗ってきてくださいね」
胸の前で腕を十字にクロスさせ、ニコニコと笑顔で話しかけてくるしぃに恐怖を感じつつ、
俺は素直に洗面所へ向かうことにした。
32 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 21:06:14.78 ID:sXjdEU3h0
(*゚ー゚)「……」
顔を洗って居間に戻ると、しぃがソファに座りながら何やら考え込んでいた。
('A`)「どうしたの?」
(*゚ー゚)「ドクオさん……なんでもないですから」
無理やり作った笑顔でしぃはそう言った。
('A`)「いいよ、無理しなくても……」
そう言いながら、俺もしぃのとなりに腰掛ける。
('A`)「えーと、ごめんね」
俺はそう言ってしぃの頭に手を乗せる。
(* ー )「なんで……なんで、ドクオさんが謝るんですか?」
声が少し奮えている。
しぃの横顔を見ると、目に涙が溜まっていた。
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 21:10:30.81 ID:mS6UZZrgO
ああん
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 21:10:37.93 ID:DcaAv4BN0
sien
35 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 21:11:03.99 ID:sXjdEU3h0
('A`)「いや、なんとなく。
……それより、つらい時は無理しちゃだめだよ。泣きたい時は泣いた方がいいんだ」
これは、俺の実体験からだ。
つらい時、悲しい時は、泣けば少しは楽になる。
(* ー )「ドクオさんの意地悪……こんな時にばっかり優しくして……」
しぃの瞳から、ポタポタと滴が零れる。
('A`)「……ごめん。でも、きっと君のことはどうにかしてあげるから。
だから、泣き終わったら笑ってくれるかな?」
(* ー )「……どうして」
ぽつりと、しぃが声を漏らした。
(*;ー;)「どうして……こんなっ……ヒクッ……私っ……が……!」
しぃの手が、俺の服を思い切り掴み、感情をぶつける。
(*;ー;)「……ック……寂しっ……ヒク……お母さ……!」
36 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 21:13:29.38 ID:sXjdEU3h0
俺はその華奢な肩を抱き締めながら、静かにしぃが泣き止むのを待った。
どれほど泣き続けただろうか。
しばらく経って、ようやくしぃが顔を上げた。
目は泣き腫らし、鼻水まで垂れている。
(*;ー;)「ドクオさん、ティッシュ」
('A`)「あいよ」
俺がしぃのまえにティッシュの箱を置いてやると、しぃはティッシュを乱暴に引き出し、豪快に鼻をかんだ。
(*゚ー゚)「あー……、なんだかすっきりしました」
('A`)「そっか。うん、いいことだよ」
俺は泣き腫らした顔で笑うしぃに笑顔を返すと、ティッシュでペタペタと顔を拭いてやる。
しぃは少しくすぐったそうにしながらも、うれしそうな顔でされるがままにしていた。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 21:14:53.21 ID:1N7lQx5K0
セクロスまだ〜
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 21:15:36.14 ID:mS6UZZrgO
まだー
39 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 21:15:58.11 ID:sXjdEU3h0
(*゚ー゚)「ドクオさん……ありがとうございます」
顔を拭き終わると、しぃが少し恥ずかしそうな笑顔でそう言った。
('A`)「お礼を言われるようなことはしてないよ。それより、ごめんね。
俺なんかじゃなくて、もう少し頼りがいのある人だったら良かったんだけど……」
本当にそう思う。
しぃが見えるのが俺なんかではなく、もっとしっかりした人間だったなら、
しぃをこんなに泣かせるようなこともなかったかもしれない。
だが、しぃはゆっくりと首を横に振る。
(*゚ー゚)「そんなことないです。こういうことになったのは悲しいですけど……
でも、ドクオさんに出会えて本当に良かったと思ってます」
('A`)「……それは、愛の告白と思ってもいいのかな?」
(*゚ー゚)「えっ!?」
しぃの顔が瞬時に耳まで赤く染まる。
いやはや、そういう初々しい反応はこちらまで恥ずかしくなってくるのでやめてもらいたいのだが――。
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 21:18:23.38 ID:Tq0hFNXUO
支援
41 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 21:18:26.96 ID:sXjdEU3h0
(*'A`)「えーと……幸せにしてね?」
体をくねらせながらそう言うと、しぃがいきなりがばっと立ち上がった。
怒らせてしまったかと思い、次に来るだろう衝撃に耐え得るべく、すぐに防御姿勢をとる。
だが、いつまで経ってもしぃの攻撃はなかった。
('A`)「……あれ?」
(*; ー )「〜〜〜〜ッ」
不思議に思い、腕の透き間からしぃを覗くと、しぃは顔を真っ赤にしたままこちらを睨みつけていた。
やはり、怒っているようだ。
(;'A`)「あの……優しくしてね? きゅん♪」
少し上目づかいにそう言ってみると、しぃの体が怒りにぷるぷると震え出した。
やめればいいのにと思うのだが、こうなってくると歯止めが効かないのが、俺の悪い癖だ。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 21:19:19.93 ID:5X7HqiPM0
wktk
43 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 21:20:43.99 ID:sXjdEU3h0
(;'A`)「その……初めてだから痛くしないでね? いやんっ」
(* ー )「……」
頬に手を当てて、恥ずかしそうにうつむきながら言ってみた。
俺の言葉に反応して、しぃが目の前でゆっくりと両手をクロスさせていく。
(;'A`)「あの……それは何の構えでしょうか?」
(* ー )「……ふふ」
俺は本格的な危機を感じて、しぃを刺激しないようにソファから立ち上がる。
そのまま、しぃの動きに注意しつつ、ゆっくりと後退する。
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 21:21:56.64 ID:S2uLd7z3O
支援
45 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 21:23:08.61 ID:sXjdEU3h0
(;'A`)「どうどう……いい子だから怒っちゃだめだよ……」
ある程度距離をとったところで、振り返って一気にダッシュで逃げようと試みる。
――――だが、しぃは一瞬にして距離を詰め、そして、飛んだ。
(*゚ー゚)「零式クロスチョップ!」
(;'A`)「ぐあっ!」
首筋に衝撃を感じて、俺はそのまま頭から床に突っ込んだ。
('A`)「い、痛くしないでって言ったのに……」
床に突っ伏したままそう呟くと、今度は背中をしぃに踏まれた。
(*゚ー゚)「ほんとに鈍感!」
しぃはそう言うと、ぐぐもった呻きを漏らす俺を残して、そのまま居間から出て行ってしまった。
('A`)「……痛い」
俺は首をさすりながら、なんとか立ち上がる。
被害は甚大だが、なんとかしぃはいつもの調子を取り戻してくれたようだ。
('A`)「……せっかくだから、しぃちゃんをもう少し元気づけてあげようかな」
俺はポツリとそう呟くと、書き置きをテーブルの上に残し、一人買い物に出掛けることにした。
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 21:23:09.10 ID:mS6UZZrgO
しぃ
47 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 21:23:55.13 ID:sXjdEU3h0
八話は以上です。
ではでは、ありがとうございました。
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 21:24:37.43 ID:1N7lQx5K0
セクロスのかまえかと
思ったよ (´・ω・`)
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 21:27:02.50 ID:5X7HqiPM0
乙
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 21:28:39.99 ID:DcaAv4BN0
乙
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 21:33:08.16 ID:YdA33EzM0
乙
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 21:37:16.27 ID:ZL49nyRKO
乙
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 21:50:24.30 ID:2bXlXFWZ0
乙と言わざるを得ない
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/04(木) 21:51:57.63 ID:DcearkeD0
55 :
◆YnecR1MhsM :2007/10/04(木) 21:53:36.58 ID:sXjdEU3h0
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
>>55 いや・・・昨日はまとめれなくてすみませんね
言い訳する気もありません
以後、気をつけます!