1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:25:32.22 ID:2khGwBiT0
『ねえ、クーって――――なの?』
『えーそれマジ?変わってる人だなーとは思ってたけど〜』
『あたしらも狙われてるんじゃない?あーこわいこわい』
『キャハハハ!おまえそりゃねーよ!』
カツ、カツカッ…
f''(x)>0となる区間では、曲線y=f(x)は下に凸
f''(x)<0となる区間では、曲線y=f(x)は上に凸
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:27:03.28 ID:2khGwBiT0
川 - )「………むう…」
川 ゚ -゚)(……夢か)
目を擦る。
腕の跡が額についていて赤くなっている気がするが
授業が終わる頃までには消えるだろう。クーは時計を見た。
川 ゚ -゚)(あと10分か。もうすぐだな)
y=logxとすると、y'=1/x , y''=-1/x^2<0であるから
川 ゚ -゚)「ふぁぁ…」
曲線y=logxは区間x>0で上に凸になります。
図で表すと、x=1の点を通ってこのように曲線を…
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:28:00.96 ID:2khGwBiT0
川 ゚ -゚)「つまらんな、そう思わんか」
前に座る背中をつつく。
彼は不機嫌そうに振り返った。
( ´_ゝ`)「そんなこと言われても困るのだが」
それでは問9,10をやってみてください。
なるべく図もかくように。
川 ゚ -゚)「つまらん。簡単すぎだ」
( ´_ゝ`)「じゃあ教えてくれ。俺は4章に入った時点で既に意味がわからん」
川 ゚ -゚)「どこがわからんのだ、みせてみろ」
椅子を動かし、体全体を後ろに向けた。
クーの教科書を覗き込み、ノートを手に持つ。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:28:52.88 ID:2khGwBiT0
川 ゚ -゚)「まず(1)。y=e^xは微分すると?」
( ´_ゝ`)「e^xはe^xだろう」
川 ゚ -゚)「うむ。y''=e^x>0。これをグラフにしてみろ」
( ´_ゝ`)「こう?」
川 ゚ -゚)「逆。f''(x)>0となる区間では、曲線y=f(x)は下に凸ってさっき言っていただろう」
( ´_ゝ`)「下に凸ってこれではないのか」
川 ゚ -゚)「どうみても上に凸だ。兄者が今まで間違っていたのは、その認識だ。
とりあえず(2)もやってみろ」
クーは机の上を整理して、兄者のノートをおけるスペースをつくる。
見回っていた教師が一度覗き込んで、頷きながら通り過ぎていった。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:31:12.07 ID:2khGwBiT0
教師は戻りながら窓の外を見る。
先日壊された校舎も、日、月曜が休みになっただけで元に戻っていた。
日曜の分の文化祭がなくなってしまったのは、大半の生徒にとっては残念なものだったが。
川 ゚ -゚)「なあ、兄者」
( ´_ゝ`)「なんだ」
ノートから目線を話さず答える。
ペンはくるくると指の上を踊って、時々思い出したように紙に字を描く。
それがクーには不服だったようで、兄者の顎を掴んで自分に向かせた。
掴まれた方は不思議そうに眉を寄せる。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:31:31.35 ID:LDf064QF0
wktk支援
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:32:51.96 ID:2khGwBiT0
川 ゚ -゚)「付き合ってみんか?」
( ´_ゝ`)「いいけど、どこに?」
川 ゚ -゚)「そういうベタな返事はいらん」
( ´_ゝ`)「?」
何故そう言ったのか、兄者には理解できなかったし
クーは対象外だったために、結びつかなかった。
川 ゚ -゚)「ふむ。言葉で言ってもわからんか」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:33:12.37 ID:2khGwBiT0
口の端を吊り上げて
掴んだ顎を持ち上げ、唇を重ねる。
(;´_ゝ`)「!?」
触れるだけの単純なものだったが、兄者は真赤になって仰け反り
(;゚A゚)「〜〜〜〜〜!?!?」
偶然これを見てしまったドクオが、盛大に音を立てて立ち上がった。
( ^ω^)「おっ?ドクオどうしたんだお?」
(;'A`)「あっいや…なんでもねえ、なんでも…」
椅子を引いて座りなおす。
下を向いてぶつぶつと何かを呟いたあと、こっそりひっそりクーを見た。
皆さんできたみたいですね、それでは回答します。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:33:28.15 ID:2khGwBiT0
(;´_ゝ`)「なっ…おま…」
川 ゚ -゚)「はじめてでもあるまい。それともファーストキスだったか?」
(;´_ゝ`)「ちが、う、が」
はじめましてはジョルジュでした。
思い出したくもないことを思い出して、穴があったら入りたい気分になる。
兄者は両手で自分の顔を覆った。
川 ゚ -゚)「ためしに1週間でどうだ。それとも私じゃ不満か」
(;´_ゝ`)「変人だからなぁ」
川 ゚ -゚)「むう。本人の前でそういうことを言うのか」
( ´_ゝ`)「本当のことだろう」
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:33:49.79 ID:2khGwBiT0
クーは何やら考えるポーズを取る。
表情は変わらないので、ポーズをとっただけのようにしか見えない。
川 ゚ -゚)「それなら、本職を休もう。それでどうだ」
( ´_ゝ`)「本職?」
川 ゚ -゚)「メガネンジャーだ。世界の平和を守るために働かねば。
だが、私がいなくなっても仲間はみなしっかりしているから――」
(;´_ゝ`)「あーもういい、いい」
川 ゚ -゚)「なら付き合ってくれるのか」
(;´_ゝ`)「1週間だけ、須名の暇つぶしに付き合ってやるよ」
川 ゚ -゚)「暇つぶしというのか。私は本気だぞ」
( ´_ゝ`)「はいはい」
きりの良いところまで進んだのだろう。
数学教師が授業を切り上げた。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:34:08.91 ID:2khGwBiT0
きりーつ、れーい。
着席はなく。
一人の男子生徒が彼らの元に走ってくる。
(#'A`)「兄者!!てめえ!!!」
( ´_ゝ`)「どうしたドクオ」
(#'A`)「どうしたじゃねえだろ!クーさんに…クーさんによくも…!」
唾が飛びそうな勢い。
兄者は気の毒そうな、哀れみの目でドクオを見る。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:35:11.10 ID:2khGwBiT0
言い表しようのない感情がドクオを包んだ。
文化祭の準備をしているときの、あの、ブーンの気持ちが今のドクオにはわかる。
けれど、ドクオの勢いはクーが会話に混ざることによって消失した。
川 ゚ -゚)「ああドクオ。私たち付き合うことになったのだ」
(;'A`)「……WHAT…?」
川 ゚ -゚)「付き合うことにした」
(;'A`)「……WHY…?」
川 ゚ -゚)「それを聞くのは無粋というものではないか?」
( ´_ゝ`)「意味なんかないだろ、何となくだろ」
川 ゚ -゚)「黙れ」
( ´_ゝ`)「そうですか、俺は邪魔ものですか」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:35:46.80 ID:2khGwBiT0
ドクオがクーのことを好いていることを兄者は知っていた。
それがどこまでの感情なのかはわからないが
趣味が悪いなとしか言いようがない。
確かに彼女はスタイルもよく、顔も良い。
道を歩いていたら誰しもが振り向かざるを得ない。
そのへんのモデルと比べてしまっては、モデルがかわいそうなほどだ。
実際何度もスカウトをされているが、そのつど断っている。
( ´_ゝ`)(性格…性格なんだよ問題は…)
一般人と一緒にいれば、変人と言われるほどの兄者だというのに
クーと一緒にいると普通の人にしか見えなくなる。
生徒の殆どは彼女についていけてないんじゃないかと思うほどに。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:36:02.44 ID:2khGwBiT0
( ^ω^)「兄者…」
机の中に教科書ノートをしまいこんで、次の授業の教科書を取り出す。
目線を上げると、ブーンが兄者の席の前に立っていた。
少し泣きそうに見えた。
( ^ω^)「頼みがあるんだお」
( ´_ゝ`)「頼み?」
( ^ω^)「次の日曜日、暇かお?」
( ´_ゝ`)「暇ですが何か?」
( ^ω^)「ツンと遊びに行く約束をしたんだお」
( ´_ゝ`)「ほほう、それはよかったではないか」
兄者は首を傾げた。そこは嬉しがるところではないのか。
いつものブーンであったら、デートだおwwwwwwwwとか言いふらしているというのに。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:36:18.09 ID:2khGwBiT0
( ^ω^)「その日に告白をしていると思っているのですお…」
( ´_ゝ`)「おお、やっとか!」
( ;ω;)「それで、不安だからついてきてほしいんだおおお!!」
(;´_ゝ`)「はあ?」
( ;ω;)「だって怖いんだおー!ムリだお!頼むお〜〜」
(;´_ゝ`)「なんというキングオブへたれ。てか何で俺」
( ;ω;)「ドクオは絶対邪魔しにかかるお。ジョルジュもだお。
でも兄者はクーと付き合うことになったなら…」
邪魔はしないで応援してくれるだろう。ということだ。
それにしても、さきほどのドクオとクーの会話を聞いていたのか。兄者は呆れる。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:36:46.58 ID:LDf064QF0
しえん
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:37:39.30 ID:2khGwBiT0
( ´_ゝ`)「ブーンとツンに混じって俺か?浮きまくりだろう」
( ;ω;)「誰か誘ってもいいから…ホント頼むお…」
(;´_ゝ`)「わかった、わかったから泣くなよ、きもい」
(*^ω^)「それじゃあ交渉成立だお!日曜10時に8モナ公園だお!」
( ´_ゝ`)「やべえぶち殺してえ」
次の時間中には、変人同士のカップル誕生としていつの間にかクラス中に広まっていた。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:38:28.07 ID:2khGwBiT0
川 ゚ -゚)「兄者、口を開けろ」
( ´_ゝ`)「AAの特性上これ以上はあけられません」
川 ゚ -゚)「嘘をつくな」
(;´_ゝ`)「やめろって、俺弁当あるんだからいらんというに」
川 ゚ -゚)「ならばそれを私がもらおう。食わせろ」
(;´_ゝ`)「嫌にきまってんだろ!むりやりいれようとすんな!」
(*^ω^)「ツン、あーん」
ξ///)ξ「な、何させんのよ!…あーん」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:39:19.48 ID:2khGwBiT0
( 'A`)「………」
_
( ゚∀゚)「………」
4人と、それを冷ややかに見つめる2人。
見る、といっても、元祖バカップルの方ではなくて。
川 ゚ -゚)「ふふ…うらやましいか。うらやましかろう」
そんな2人をクーが挑発する。
彼女のいない者を笑ったクーであって、ドクオが自分を好いているなどとは欠片も思わない。
( ´_ゝ`)「須名、そういうことを言うのは」
彼女いない暦=年齢が覆された兄者だったが、あまり喜ばしいとは思えなかった。
見る分には、見目よければ誰でも良い。が、
付き合う時は性格がかなり反映してくる。
( ´_ゝ`)(地雷を踏み捲くりで当方ヒヤヒヤものです)
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:39:36.17 ID:2khGwBiT0
ならば何故断らなかったかというと、彼女が寂しそうに見えたから。
感情を表に出さない表情のAA仲間として、特に弟者との付き合いが長いため
クーの無表情の中に隠れる変化を、兄者は感じとってしまっていた。
(;´_ゝ`)「ってうわ!何すんだ、バカ!」
川 ゚ -゚)「よいではないか、私たちは付き合っているのだから」
(#´_ゝ`)「人としてのモラルを考えろ!」
川 ゚ -゚)「正直兄者に言われたくないな」
だがそれが失敗だったのではないかと、時折思う。
普段から、多くの生徒に対してセクハラ行為を働いている人間なのだ。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:40:35.80 ID:2khGwBiT0
_
(#゚∀゚)「アッー!!兄者おいいい!」
(#'A`)「てめええ兄者ああああ!!」
(;´_ゝ`)「なんで俺に言うんだ!須名にいってくれ!!」
川 ゚ -゚)「何を騒ぐことがある」
クーが兄者の胸やら尻やらをなでまわしているのを見て、
ジョルジュとドクオは二人を引き剥がしにかかった。
_
(#゚∀゚)「もうすこし抵抗とかしねえのかよおめえは!」
(;´_ゝ`)「既に実行済みだ!」
川 ゚ -゚)「人のものにべたべたと汚い手で触るな」
_
(#゚∀゚)「汚い手だと!?ちゃんと洗ってるっつーの!つか、いつクーのものになったんだ!」
川 ゚ -゚)「今日。問題はそこじゃない、お前の存在が汚いんだ」
_
(#゚∀゚)「存在まで否定するか!?てめえ俺に喧嘩売る気か!?」
ジョルジュが立ち上がる。それとほぼ同時にクーも立った。
兄者を挟んで二人がにらみ合う。
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:40:44.10 ID:LDf064QF0
支援
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:40:59.49 ID:2khGwBiT0
(#'A`)「よくもクーさんに…クーさんに…!」
それに便乗して、ドクオが兄者ににじり寄った。
川 ゚ -゚)「ああ売ってやろう!レンズ戦隊の名は伊達ではないぞ!」
(#'A`)「誰が許そうと俺がゆるさねくぇdrtぐはああああ」
ジョルジュを殴ったはずのクーの拳が、見事にドクオに当たる。
何度も側転をしながら遠くに転がっていった。
川 ゚ -゚)「彼氏だ!」
_
(#゚∀゚)「んなもん関係ねえ!」
(;´_ゝ`)「ああ…なんかもててる気分」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:41:57.05 ID:hIXQWSDgO
支援
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:44:23.39 ID:2khGwBiT0
ドクオに気付くこともなく、二人は罵倒を続ける。
徐々にヒートアップしていったあと、今度はおっぱい議論に走り始めた。
険悪だった雰囲気がすぐに和気藹々としたものに変化してゆく。
その内容に、ブーンと兄者は何度か興味深げに、口を開いた。
けれど二人の間に入り込める隙がない。
ξ゚听)ξ「あんたらいい加減にしなさいよ!恥とかないの!?」
_
(*゚∀゚)「そんなもんはとっくに捨てたね!」
(*´_ゝ`)「それでこそジョルジュだ!」
_
( ゚∀゚)「だろだろ?」
( ^ω^)「ほめてないと思うお」
川 ゚ -゚)「私も恥を捨てよう!だからほめてくれ!」
( ´_ゝ`)「おっと、昼休みが終わるぞ」
川;゚ -゚)「まて、兄者。話が終わっていない」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:45:20.04 ID:LDf064QF0
支援
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:45:27.94 ID:2khGwBiT0
振り返る。
( ´_ゝ`)「須名が何を思って俺と付き合うとか言い出したのかはわからんが…」
兄者はクーを見上げる。
男が女よりも背の低いカップルというのは珍しくはないが、兄者にとって嬉しくはない。
かなり惨めな気分になった。
川 ゚ -゚)「うむ?」
クーは兄者の細い目を見つめた。
距離が近い。兄者は一歩下がり、その度にクーは一歩進む。
あまりの迫力に、言葉を飲み込んでしまう。
(;´_ゝ`)「…いや、なんでもない」
川 ゚ -゚)「なんだ、はっきり言え」
( ´_ゝ`)「…次の日曜にブーンたちと遊びに行くんだが、須名も行くか?」
川 ゚ -゚)「おお、是非行こう。楽しみだな」
( ´_ゝ`)「なら、日曜の――――」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:47:22.85 ID:2khGwBiT0
―――――晴れだ。
快晴とまではいかないものの、太陽が雲に負けじと人々を照らす。
影に入ってしまうと肌寒さは否めない。それでも過ごしやすい日になるだろう。
( ´_ゝ`)「うーむ…」
ξ#゚听)ξ「おっそいわねー!まったく何してんのよ!」
( ´_ゝ`)「須名には、集合時間の30分前を言っておいたんだが…
1時間前の方がよかったかな」
ξ゚听)ξ「遅刻魔だものね…それにしてもブーンは!!」
集合場所で有名な8モナ像の前で二人は待機をしていた。
ツンは携帯のボタンを高速で何度も打ち付けては、打ち付ける。
外れないことが奇跡に近い。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:48:30.34 ID:hIXQWSDgO
支援
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:49:53.70 ID:ViFbAYuQO
やった支援
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:50:40.26 ID:2khGwBiT0
( ´_ゝ`)「そんなにメール送っても意味ないんじゃないか?」
ξ゚听)ξ「いいのよ、遅刻する方が悪いわ。
兄者もクーにメールしなさいよ」
( ´_ゝ`)「須名は携帯を持っていないぞ?」
ξ;゚听)ξ「えええ?ならどうやって連絡するのよ?」
( ´_ゝ`)「『あの☆に向かって呼んでくれれば、いつでも駆けつける!』って」
兄者が空を見上げたので、ツンもつられて空を見上げる。
昼間に星はあるとは言っても見えない。どこに向かって呼べばよいのか。
ξ゚听)ξ「夜限定?夜限定なの?昼はこないの?」
(;´_ゝ`)「俺が知るかよ〜。本人に聞いてくれよ〜〜」
ξ゚听)ξ「変態同士のテレパシーでどうにかならないの?」
( ´_ゝ`)「変態同士とは失礼な」
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:54:17.06 ID:hIXQWSDgO
支援
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:55:33.47 ID:2khGwBiT0
兄者はもう一度空を見た。サイタマが楽しげに飛んでいる。
脳内に響くサイタマの歌があまりにも強烈すぎて、一瞬意識がとんだ。
ξ゚听)ξ「いえ、結構なんで」
一瞬だと思っていたら実は一瞬ではなかった。
いつの間にかツンが誰か変な男に絡まれている。
( ´_ゝ`)(まぁツンはかわいいからな)
暴力さえなければ。そう何度も思う。
何故自分の周りには普通の女の子が少ないのだろう、とも。
「ねえねえ、暇なんでしょ?」
軽い声色。待ち合わせ場所にいるのに、暇も何もあるものか。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:58:12.72 ID:G+JNEY1UO
支援
周りは兄者がおにゃのこだって知らないんだっけ?
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 22:59:02.72 ID:ZWwZefezO
きてた!
支援
( ´_ゝ`)「これから用があるんで」
兄者はツンと男たちを遮るように立った。
(*´_ゝ`)(やっべえwww俺かっこいいwwww)
見事に彼女をかばう彼氏だ。これこそが自分の求めていた理想像。
自分自身に惚れてみたら、男の一人はよりによって兄者の肩に手をのせ
「君も一緒にいく?」とか言うものだから、
兄者はサイタマの歌がまだ脳内に残っているのかという錯覚を起こしかけた。
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:04:37.58 ID:LDf064QF0
支援
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:05:04.11 ID:2khGwBiT0
(#´_ゝ`)「はあ?」
と聞き返せば、訝しげな表情をする。
ツンが彼らを見下したように、鼻を鳴らした。
ξ#゚听)ξ「男と女の区別もつかないようなやつについていくほど、私は尻軽じゃないわ」
携帯を持ったまま、指をぽきぽきと鳴らす。
ブーンがあまりにも遅いので苛立っていることは明白。
(;´_ゝ`)「津出、落ちつけ」
ξ#゚听)ξ「良い?男っていうのはレディを待たせちゃいけないのよ。
勿論レディを苛立たせてもだめ。つまりあんたらは男失格」
(;´_ゝ`)「津出さん、ツンさん。筋が…」
ξ#゚听)ξ「問答無用ー!!」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:05:16.55 ID:ViFbAYuQO
あれ?クーにもばれてるの?
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:07:25.66 ID:ZWwZefezO
支援
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:09:27.73 ID:2khGwBiT0
兄者はツンを後ろからおさえた。
でなければ、彼女はきっとこの男たちに殴りかかっていることだろう。
(;´_ゝ`)「ちょwwwwwバカ力wwwwwwww」
ξ#゚听)ξ「なんだとー!!!誰がバカだとおおお!!」
(;´_ゝ`)「あなたのことじゃなくてですねwwwwwww」
気付いた時には男は消えていた。
必死だった兄者は、今日が始まって間もないのに非常に疲れている。
つっこみ役っていうのは非常に損だ。と、心底思った。
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:09:56.07 ID:xBUd+VvX0
クーしってるのかwww
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:13:10.72 ID:ViFbAYuQO
支援
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:13:41.34 ID:2khGwBiT0
川 ゚ -゚)「いやー待たせた待たせた」
ξ#゚听)ξ「待ったわ!そして舞ったわ!」
( ´_ゝ`)「それはそれは美しい舞でした。完」
ξ#゚听)ξ「終わらせるなー!!ブーンはどうしたあああ!」
( ´_ゝ`)「っていうか須名、遅すぎだろう。40分の遅刻だぞ」
川 ゚ -゚)「すまんすまん。何を持っていこうか悩んでな」
クーが何かを鞄から取り出そうとしたのを、兄者は止めさせた。
遅い。それにしても遅い。
辺りを見回してみるも、彼の姿はない。
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:13:50.44 ID:zb3fe+TEO
支援
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:17:41.48 ID:ZWwZefezO
支援
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:18:18.35 ID:2khGwBiT0
(;^ω^)「…やっぱり駄目だお……ブーンには無理だお……」
それはそのはず。ブーンは彼らから見えない位置で、3人の様子を伺っていたのだ。
手には携帯を持ち、ガクブルと震わせている。
迷惑メールやメールボムもびっくりな件数のメールが、彼のフォルダを満たしていった。
(;^ω^)「今日はやっぱり…」
もう片手には紙袋。大事に握った場所は手汗で滲んでしまっている。
プルル、と電話を鳴らした。
( ´_ゝ`)『はい、こちら寿司の流石ー』
( ^ω^)「あ、流石さんですか?
先ほど注文した内藤と申しますが、キャンセルさせていただきたいのですが」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:19:37.27 ID:4P2gS7nM0
支援!
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:21:03.13 ID:zb3fe+TEO
なんというヘタレ
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:21:19.72 ID:2khGwBiT0
( ´_ゝ`)『キャンセルですか?それは困りましたね。既に配達してしまったんですよ』
(;^ω^)「え?もうですか?でも今もらっても困るんですけど」
( ´_ゝ`)『いやーあと5秒くらいで着くと思いますよ』
(;^ω^)「え?5秒?」
ぶつっと切られた。何が起きたのか理解できない。
首をかしげ、携帯をじっと見ていたら、ブーンの体に影が覆いかかった。
ξ# )ξ「ブーン?」
(;^ω^)「…おっ?」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:21:21.01 ID:hIXQWSDgO
支援
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:24:43.37 ID:ZWwZefezO
支援
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:25:30.91 ID:2khGwBiT0
ξ#゚听)ξ「よくも遅れてくれたわねええええええええええ」
(;^ω^)「す、すみませんですおおおおおおおおおおおおおおお」
半径100mは軽く聞こえるほどの声でツンは叫んだ。
それに負けず劣らずの声量でブーンが謝る。
ツンに殴られる。と、ブーンは覚悟して目を瞑った。
いつまで待ってもその衝撃は訪れなかった。
ξ#゚听)ξ「ほら、早く行くわよ」
(;^ω^)「おっ?いいのかお…?」
ξ#゚听)ξ「あんたが遅れてきた分を巻き戻さないとでしょ!」
(*^ω^)「ツン……」
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:25:39.14 ID:zb3fe+TEO
支援
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:26:11.14 ID:2khGwBiT0
( ´_ゝ`)「あーはいはいおなかいっぱいおなかいっぱい」
川 ゚ -゚)「ところでどこに行くのだ?私は何も聞かされていないのだが」
(;^ω^)「あっ…ごめんだお」
ξ#゚听)ξ「考えてなかったとか言わないわよね?」
( ^ω^)「勿論だお!ブーンがスペサルなコースをエスコートするお!」
どこに行く?
>>58
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:26:48.71 ID:6wG6U8xJ0
USJ
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:27:26.30 ID:zb3fe+TEO
ディズニーシー
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:32:07.31 ID:96ToQBFcO
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:32:50.37 ID:2khGwBiT0
ξ゚听)ξ「へえ、ブーンにしては中々マシなセレクトじゃないの」
(*^ω^)「当たり前だお」
( ´_ゝ`)「それなのにキャンセルとか普通有り得ないよな」
川 ゚ -゚)「有り得ないな。人間として有り得ないな」
(;^ω^)「本当にすみませんでしたお」
ブーンの先導でバスに乗り、4人は夢の国へ降り立つ。
Wデートみたいだ。とブーンが言ったら、ツンは真赤になってブーンの顔に紅葉を作った。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:34:55.54 ID:hIXQWSDgO
支援
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:36:51.76 ID:zb3fe+TEO
しえ
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:37:15.43 ID:ZWwZefezO
支援
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:38:12.57 ID:2khGwBiT0
その国には、夢を求め、夢を生きる人。
人数が多い。見渡す限り人。
中学の時に修学旅行で行ったディズニーランドよりは空いているな。と、ツンは思った。
川 ゚ -゚)「ふむ。結構混んでいるな」
(;^ω^)「日曜だから仕方ないお」
ξ*゚听)ξ「……ねえ、早く行きましょう!どこに何があるの?」
( ^ω^)「えーっと、ちょっと待って欲しいお…来たことないからわからないお…」
ブーンは地図を片手に、建物を見渡した。
どこから行こう、とか綿密に考えていたはずなのに、頭が真っ白になって全てがふっとぶ。
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:41:53.26 ID:4P2gS7nM0
兄者結構モテてるよなw
支援
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:43:44.67 ID:2khGwBiT0
ちょっとまってwww行ったことないから調べてくるwww
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:44:27.79 ID:ViFbAYuQO
支援
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:46:18.68 ID:zb3fe+TEO
正直スマンカッタ
別にスプラッシュマウンテンで濡れる兄者が見たかった訳では
ん?誰かきた(ry
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:47:54.87 ID:2khGwBiT0
ξ゚听)ξ「私ね、インデージョーンズってのに行きたい!」
(;^ω^)「インディーショーズ?」
ξ゚听)ξ「アトラクションだったっけ?友達が行って面白いって言ってたの」
( ´_ゝ`)「俺はどこでもー」
川 ゚ -゚)「右に同じ」
(;^ω^)「ちょっとまって欲しいお、えーと場所場所…」
何度も地図と現在地を確認する。
おのぼりさんも良いところだが、はじめてならそんなものだろう。
( ^ω^)「あ、あっちだお」
指を刺した方向に、ツンは小走りで走っていった。
よほど嬉しいのか。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:52:12.27 ID:2khGwBiT0
(;´_ゝ`)「あー人、人、人…」
川 ゚ -゚)「どうした、人に酔ったか。介抱なら任せろ」
( ´_ゝ`)「絶対まかせられん」
ξ゚听)ξ「兄者は本当にひきこもり体質ね。たまには外に出ないとだめよ」
( ´_ゝ`)「でてるぞ?学校に行きに」
( ^ω^)「雨が降ったり雪が降ったりするくらいで休むのにかお?」
待ち時間は普段通りの会話が弾む。
この時間すら心臓が弾む。ツンはブーンの手をさりげなく握った。
(;^ω^)「おっ…」
けれどブーンは慌ててその手をはじく。
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:54:26.54 ID:le9FgR/QO
支援
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:54:43.63 ID:zb3fe+TEO
支援ー
ξ;゚听)ξ「っ…」
ツンは思いもよらぬブーンの反応に驚いて、勢いよく彼から顔を逸らした。
怒鳴り散らそうと、殴ってやろうと息を吸いこむ。
が、緊張で、悲しみのせいでまともに呼吸ができなかった。
( ´_ゝ`)「ブーン?」
(;^ω^)「ご、ごめんだお…その…」
ξ;゚听)ξ「………」
気まずい雰囲気が流れる。
前が少し開いたけれど、歩もうとする人はいなかった。
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/01(月) 23:59:14.50 ID:zb3fe+TEO
俺恥ず……支援
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:01:07.84 ID:ZF/bKjjhO
支援
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:01:12.69 ID:swHfgOci0
( ´_ゝ`)「汗はズボンで拭いたって大してかわらないんだぜ」
(;^ω^)「う、うんだお…」
ξ;゚听)ξ「え?」
( ´_ゝ`)「津出もそのくらい気にせんだろうに、堂々と繋げよ」
ξ;゚听)ξ「………」
(;^ω^)「ツン……その、ごめんだお…汗っぽくて…」
ξ#゚听)ξ「バカ!!バカ!!!死んでしまえ!!!」
(;^ω^)「汗っぽくてごめんなさい!!反省してますがどうにもできません!!」
やれやれ、と肩をすくめながら、兄者は数歩前に進んだ。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:02:30.63 ID:t71TqOBUO
支援
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:04:32.28 ID:kA0hZZlNO
兄者ナイスフォロー
兄者かっこいいよ
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:04:47.16 ID:eWjZQlPXO
支援
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:06:39.15 ID:swHfgOci0
結局それから二人は一度も触れずに乗り場まで到着した。
暗い雰囲気が彼らを飲み込む。
つくりものだとわかってはいても、ドキドキしてしまうのが人の性だ。
隣合わせに座り、前を向きながらツンはぼそりと呟く。
ξ゚听)ξ「ブーン」
( ^ω^)「なんだお?」
ξ///)ξ「その、ありがとう」
前に行ってみたいと言っていたことを、ブーンは覚えていたのだ。
それが結構前のつぶやきだったとしても、ツンは嬉しかった。
(*^ω^)「このくらいなんでもないお!」
ガクン、と体が揺れて、動き出した。
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:07:28.07 ID:AKpm2EE40
しえ
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:11:36.43 ID:swHfgOci0
( ´_ゝ`)「なあ、津出。何回乗ったら気が済むんだ?」
ξ;゚听)ξ「あと1回!あと1回でいいから…!」
( ´_ゝ`)「別に俺は外で待ってるだけだからいいんだが」
(;^ω^)「そろそろ別なところに…その前にちょっと休憩…」
川;゚ -゚)「随分と気にいったんだな…」
5回ほどツンはくり返し乗った。
他のところを回ってからでも良いだろうというブーンの主張を押さえ。
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:13:07.92 ID:swHfgOci0
ξ;゚听)ξ「しょうがないじゃない!楽しみだったんだから!」
( ´_ゝ`)「何度も同じ夢を見てたら、逆に悪夢になりそうだが」
(;^ω^)「今回ばかりは兄者に同意だお」
ξ;゚听)ξ「わ、わかったわよ!」
口をとがらせて、ツンは歩く。
どこに行こうという意思がなかったため、ただぶらぶらと。
先頭を、元気なツンとクーが。
よろよろと歩くブーンに合わせて、兄者らが後ろを歩く。
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:15:00.83 ID:ZjeFxBXrO
支援
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:17:36.88 ID:MNUGH2YKO
支援
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:17:58.26 ID:swHfgOci0
(;^ω^)「うーん……」
( ´_ゝ`)「どうした?」
(;^ω^)「すごい、不釣合いなんだお」
二人とも可愛く、美人なのだ。
周りを歩く人が男女関係なく二人を見る。
( ^ω^)「それに比べて…」
彼女たちと居るのは、冴えないピザ男と、女々しさを感じるほど細い男。
並んで歩いたとしても、荷物もちにしか見えない。
ブーンは溜息をついた。
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:18:58.96 ID:t71TqOBUO
支援
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:20:57.55 ID:ZF/bKjjhO
支 援
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:22:36.28 ID:swHfgOci0
( ´_ゝ`)「なんだ、まだ悩んでいるのか。いつもの自信はどうした」
(;^ω^)「それとこれとは別問題なんだお!」
( ´_ゝ`)「どうでも良いところばかり臆病だよな、内藤は」
( ^ω^)「言い返す言葉もないお…」
ブーンは地面を、足元を見ながら彼女らについていった。
あまりにも情けなさ過ぎて、兄者は噴出しそうになる。
( ´_ゝ`)「人のことを殴っておいて、それはないんじゃないのか?
その程度の意思で俺を殴ったのか?」
(;^ω^)「うっ…」
申し訳なさ気に、ブーンは更に俯いた。
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:22:44.97 ID:eWjZQlPXO
支援
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:26:44.69 ID:eWjZQlPXO
支援
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:27:36.67 ID:kA0hZZlNO
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:27:47.40 ID:ZjeFxBXrO
支援
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:30:06.52 ID:swHfgOci0
ξ゚听)ξ「ちょっとー2人とも何ちんたら歩いてるのよー」
( ´_ゝ`)「靴ヒモがほどけた。先に行っててくれ、すぐ行く」
川 ゚ -゚)「あれが食いたい」
ξ゚听)ξ「じゃあ、あそこで待ってるわね」
2人は屋台のようなところに歩く。
それを見届けてから、兄者は笑いながらブーンの背を叩いた。
( ´_ゝ`)「好きなんだろ」
( ^ω^)「好きだお」
( ´_ゝ`)「それで良いだろう。それ以上は俺はしらん」
俺らしくないなぁ。とぼやいて兄者は二人の後を追う。
少し遅れて、ブーンは走った。
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:31:56.85 ID:swHfgOci0
そんな感じ。かわいいなそれw
知ってる知ってる
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:33:48.77 ID:eWjZQlPXO
支援
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:34:59.69 ID:ZjeFxBXrO
しえん
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:37:37.39 ID:swHfgOci0
ξ゚听)ξ「そろそろ帰らないと」
紺に染まった空を見上げて、ツンは言った。
それに頷いて、兄者は携帯の時計を見る。
川 ゚ -゚)「最近はめっきり日が沈むのが早いな」
( ^ω^)「そうだおー。まっくらだお」
誰が言うことなく、足が出口へと向かう。
今日ももう終わりだ。バスに乗って、家に帰って…。
( ´_ゝ`)「……」
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:40:42.84 ID:ZjeFxBXrO
支援
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:41:09.29 ID:swHfgOci0
そっと。そっとだ。
そっとだが、そっとではいけない。
( ´_ゝ`)「おおっと手がすべったあ」
(;^ω^)「おおうっ」
ξ;゚听)ξ「きゃっ」
衝撃。ブーンがバランスを崩してツンにぶつかる。
支えようとして、ツンはブーンを抱きしめる形になった。
( ´_ゝ`)「いかん、用事を思い出した、須名、ちょっと付き合え」
川 ゚ -゚)「まかせろ。悪なら退治してみせよう!」
(;^ω^)「あっちょっと…」
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:46:03.83 ID:swHfgOci0
ξ;゚听)ξ「いっちゃった…」
二人はそのままの体勢のまま、海の上の橋に立ち尽くす。
(;^ω^)「うん……」
ξ;゚听)ξ「あっ、ごめん」
支えていた手をツンは放す。あまりにも近い距離を置こうと、足を後ろに下げて
ξ;゚听)ξ「ブーン?」
ブーンの腕がツンを囲った。
(;^ω^)「ツン、ごめんだお」
ξ///)ξ「何言ってるのよ!謝るくらいなら放しなさいよ!」
( ^ω^)「でもやだお」
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:46:03.87 ID:ZF/bKjjhO
支援
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:46:53.02 ID:ZjeFxBXrO
支援
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:49:35.92 ID:swHfgOci0
二人の間には沈黙。周りではにぎやかな音。
ブーンはそっとツンの肩に手を回す。
( ^ω^)「ツン、好きだお」
夜が風に乗って吹きぬける。
水の香りが、ツンの髪をくすぐる。
それよりも、ツンはくすぐったかった。
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:51:51.65 ID:eWjZQlPXO
支援
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:52:12.08 ID:ZjeFxBXrO
支援
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:54:46.66 ID:swHfgOci0
(;´_ゝ`)「あー甘い。甘い甘い。だるいー気持ち悪いー俺のキャラじゃないー」
川 ゚ -゚)「自分でやっといて随分な言い用だな」
そこよりも少し離れたところ。兄者とクーは人にまぎれて、二人を見ている。
( ´_ゝ`)「ぶっちゃけ甘いのって食べ物だけで良いと思うんだが」
川 ゚ -゚)「そうか?」
( ´_ゝ`)「うむ」
しばらく彼らを観察していたら、人前で堂々とキスなんかをしたので
兄者は顔を赤くしてその場を離れた。
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:56:42.61 ID:eWjZQlPXO
支援!
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:56:52.51 ID:ZjeFxBXrO
支援支援
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 00:59:35.01 ID:swHfgOci0
川 ゚ -゚)「これでいいのか?」
( ´_ゝ`)「今回はこれで良いんだよ。これで」
川 ゚ -゚)「ふむ」
兄者は空を見た。
地上が明るすぎて星など見えやしない。
月すら霞んで見える。
( ´_ゝ`)「夢の国には夢がないと思う」
川 ゚ -゚)「そのこころは」
( ´_ゝ`)「目が覚めたときに哀しくなるだろ」
夢を見るなら、最後まで見ていたい。
できぬと言うなら、はじめから見させないでほしい。
兄者は自分の胸に手を置く。
ここには何があるのか。
ここは夢の中なのか。
川 ゚ -゚)「それなら哀しくならないように、起きた時に私が迎えに行ってやろう」
( ´_ゝ`)「例え話だ、例え話」
空は空。夢は夢。
自分がどこに行くかもわからず、けれど帰路は確実に。
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 01:01:29.17 ID:swHfgOci0
今回はこんな感じで終わり
付き合ってくれた方々サンクス
軽いお題とか質問とかない?
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 01:02:46.56 ID:ZjeFxBXrO
乙なんだぜー
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 01:03:53.23 ID:hxeJT1WiO
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 01:04:26.57 ID:eWjZQlPXO
乙!
お題というか…次は姉者とジョルジュとかが見てみたい
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 01:07:47.31 ID:swHfgOci0
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 01:09:49.73 ID:kA0hZZlNO
( ^ω^){乙だお)
お題「ジョルジュと弟者」で。
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 01:17:40.83 ID:PLFsvTO70
乙乙ー
弟者と兄者の掛け合いが楽しみだが、
クーと兄者って意外と合いそうでいいなw
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 01:17:43.73 ID:swHfgOci0
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 01:28:07.19 ID:eWjZQlPXO
保守
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 01:45:13.52 ID:PLFsvTO70
ほしゅー
>>118 だろだろ?
>>117 「ジョルジュと弟者」
時系列は気にしない。眠くてうまくできんかった
115のは次回までまってくれ、色々考えんとでてこない
カシャ カシャ
無機物的な、乾いた音が定期的に、不規則に。
その音を消すように、足音と、叫び声が体育館の中に響いている。
荒い声。時折やんでは、また浮上する。
「集合ー!」
一段と大きな声が張り上げられ、足音は一旦止む。
カシャ
_
( ゚∀゚)「…まあこんなもんかな」
最後の一枚。取り終われば自動的に巻き返される。
取り外してポケットへ。新しいものをまた装着させる。
(´<_` )「せいがでるな」
ボールを片付けながら弟者が声をかける。
ジョルジュはいつもの笑みを浮かべた。
_
( ゚∀゚)「そっちこそ。高総体はどうなのよ」
(´<_` )「別に普通だよ。この学校強いわけでもないし」
_
( ゚∀゚)「ふうん」
弟者はタオルで汗を拭った。
片付けも終わり、あとはチャイムが鳴る前に教室に戻るだけ。
(´<_` )「そっちは写真部だっけ」
_
( ゚∀゚)「ああ、そうだ。って言っても俺は元々写真を取るのが趣味だからな」
(´<_` )「ふーん」
_
(;゚∀゚)「おいおい、聞いといて興味なさそうな声だすなよ」
(´<_` )「いや実際興味なかったし」
_
( ゚∀゚)「失礼なやつだなー!兄者とは正反対だ」
ふうん。今度は含んだ声色で弟者は流す。
あまり会話を楽しもうという気はなさそうだ。
_
( ゚∀゚)「そういえば、兄者抜きで話するのは始めてだっけ?」
(´<_` )「ん、そうかもな」
ポケットから財布を取り出して、硬貨を何枚か自販機に入れる。
迷う様子もなく、スポーツドリンクのボタンを押し
ガタン
(´<_`#)「…おい?」
_
(;゚∀゚)「いや、わざとじゃねーって!!骨が丈夫になると良いよって神様が!」
(´<_`#)「へえ、神様がね」
_
(;゚∀゚)「本当悪かった。それは俺が買い取らせていただく」
同じ値段の硬貨を入れ、今度こそ目当てのボタンを押す。
ペットボトルが落ちてきて、途中で詰まったのを何とか引っぱり出した。
_
(;゚∀゚)(会話続かねぇ…)
双子っていうのはこんなにも違うものなのか。とジョルジュは頭を悩ます。
似ているようで似ていないし、体格も違うし、性格も違うし。
(´<_` )「何みてんの?」
_
( ゚∀゚)「あ?いや、なんでもねえけど」
(´<_` )「けど?」
_
( ゚∀゚)「すまん、そこで終わりだ。なんでもねえ」
(´<_` )「ふーん」
_
(;゚∀゚)(気まずいぜええええ)
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 02:07:55.52 ID:YCWaxfC1O
質問いいか?
ブーンがメイド服を来てた時ってツン達は本当に怒ってたんだよな?
でも、その後すぐに普通に戻ってる(10〜15の流れ)のは何故?
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 02:10:17.28 ID:YCWaxfC1O
×来てた
○着てた
階段を上る。
前に歩いていた女子生徒のパンツが見えそうで見えなかった。
(´<_` )「そういえば、写真部って写真売ってるって本当か?」
_
( ゚∀゚)「お?あるぜあるぜー!全校生徒分!行事ごととか、人ごととかー」
(´<_` )「それって、俺とか兄者の分もあるんだよな?」
_
( ゚∀゚)「なんか欲しいのでもあんのか?」
滅多に笑わない弟者が、にっこりと微笑んだ。
ジョルジュの肩にぽんと手を置く。
(´<_` )「兄者のうつってる分全部だせ。ネガもだ」
_
( ゚∀゚)「へ?」
(´<_` )「早くだせよ」
_
(;゚∀゚)「いや、これはですね…てか今持ってないって言うか…」
(´<_` )「つべこべ言わずだせよ。今すぐ燃やしてやる」
_
(;゚∀゚)「俺の努力の結晶!!日々の汗と涙と!」
(´<_` )「海に沈むのとどっちがいい?」
_
(;゚∀゚)「明日までに持ってきます」
怒ってない、表現は比喩っていうか、ブーンの感覚に近い感じで完全に第三者じゃない
ツンたちがブーンを避けてたのは、メイド服がきもかったから
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 02:13:25.07 ID:PLFsvTO70
話の間の状況が一番気になるのはあるwww
あえてかと思ってた
兄者ローター使われた日の夜、弟者と家でどんなやりとりがあったのかとか
ジョルジュの家にお見舞い行く前のケンカの後どう仲直りしたのかとか
あっそう。と微妙な返事を残して弟者は自分の教室に消えていった。
残されたジョルジュは呆然として、彼の先ほどまでいた場所を眺め続ける。
( ´_ゝ`)「む?長岡、何をぼーっとしているのだ?」
_
(;゚∀゚)「…弟者って本当はこええんだなあと思って…」
( ´_ゝ`)「弟者が?あの泣き虫のどこが?」
_
(;゚∀゚)「うん。そうだなぁ」
兄者に促され席へと戻り
首からかけていたカメラを取り外し、ケースへと丁寧に入れる。
いくつか入っているレンズやネガを見渡し、ジョルジュは溜息をついた。
おわりおわり。
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 02:18:24.86 ID:PLFsvTO70
乙ー
おとじゃ…ww
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 02:20:51.20 ID:kA0hZZlNO
超絶乙!!!
期待通りだった。
ありがとう
産まれてくれありがとう!!!
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 02:21:23.51 ID:YCWaxfC1O
ああ、やっぱり?
地の文でツンがブーンといることに耐えられないとか、ドクオが友達じゃないとか言ってたからさ。
答えてくれてどうもです。
ジョルジュと弟者って意外と難しかった
今思えば2人に絡みが今まで殆どなかったから当たり前だった
>>131 あえてなんだw
書いてなかったんだがわかりにくかったか。気をつける
見たいなら、読みたい人いるなら、話の間もかくけど。俺遅筆だけどなw
それじゃおやすみ\(^o^)/
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/02(火) 02:33:34.04 ID:PLFsvTO70
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
あ、あともし見てたら
ローター使った後の保健室での声枯れの原因も
飢えててスマソww
おやすー