( ^ω^)彼等は青春を謳歌するようです('A`)
1 :
代理:2007/09/30(日) 15:05:40.80 ID:VyebRzw70
代理
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/30(日) 15:07:11.41 ID:7PZ5ESkL0
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/30(日) 15:09:18.66 ID:+8ExNgLsO
4げと
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/30(日) 15:09:36.73 ID:7PZ5ESkL0
『僕は絶対に正義のヒーローになるんだ!! 」
幼い時、誰しもそう夢見たことはあるだろう。
正義。その言葉は格好良く、憧れたものである。何より道徳に生きる純粋な子供だったからこそ憧れ、
成りたかったのだ。
だが、今ではどうだろうか?
正義。その言葉が恥ずかしくて、格好悪いとさえ思ってないだろうか?
正義。つまり、何かを守る。そんな当たり前の事さえも恥ずかしいと思ってないだろうか?
正義。その言葉が、彼に夢を持たせた。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/30(日) 15:10:43.17 ID:7PZ5ESkL0
第二話 もう一人の主人公
───アタシの名前はアイ。心に傷を負った女子高生。モテカワスリムで恋愛体質の愛されガール♪
アタシがつるんでる友達は援助交際をやってるミキ、学校にナイショで
キャバクラで働いてるユウカ。訳あって不良グループの一員になってるアキナ。
友達がいてもやっぱり学校はタイクツ。今日もミキとちょっとしたことで口喧嘩になった。
女のコ同士だとこんなこともあるからストレスが溜まるよね☆そんな時アタシは一人で繁華街を歩くことにしている。
がんばった自分へのご褒美ってやつ?自分らしさの演出とも言うかな!
「あームカツク」・・。そんなことをつぶやきながらしつこいキャッチを軽くあしらう。
「カノジョー、ちょっと話聞いてくれない?」どいつもこいつも同じようなセリフしか言わない。
キャッチの男はカッコイイけどなんか薄っぺらくてキライだ。もっと等身大のアタシを見て欲しい。
「すいません・・。」・・・またか、とセレブなアタシは思った。シカトするつもりだったけど、
チラっとキャッチの男の顔を見た。
「・・!!」
・・・チガウ・・・今までの男とはなにかが決定的に違う。スピリチュアルな感覚がアタシのカラダを
駆け巡った・・。「・・(カッコイイ・・!!・・これって運命・・?)」
男はホストだった。連れていかれてレイプされた。「キャーやめて!」ドラッグをきめた。
「ガッシ!ボカッ!」アタシは死んだ。スイーツ(笑)
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/30(日) 15:11:27.58 ID:9DThWoq5O
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/30(日) 15:12:01.86 ID:7PZ5ESkL0
(*^ω^)「やっぱり正義の味方は格好いいお!! 」
テレビの前で無邪気にはしゃぐ子供。
その瞳はキラキラと輝いており、彼の純粋さを物語っていた。
(*^ω^)「そうだお!! 僕が正義の味方になるんだお!! 」
突拍子もない事であったが、内藤は夢を持った。
馬鹿げた夢だと笑った者もいた。可哀想な目で見てくる者もいた。
だが、彼はそれでも成ろうとした。
正義。成る為に何が必要か?
幼い頭で考えに考えた答えは、単純明快至極当然。
そう、『強さ』であった。
それからというもの内藤は『強くなる』為に、雨の日も風の日もどんな日も筋トレに明け暮れた。
大雨警報発令中? でもそんなの関係ねぇ!!
洪水警報発令中? でもそんなの関係ねぇ!!
雷警報発令中? でもそんなの関係ねぇ!!
不審者多発気をつけよう? でもそんなの関係ねぇ!!
光化学スモッグガス? でもそんなの関係ねぇ!!
筋トレは、家でやる派の内藤であった。
筋トレ開始から三日。内藤は、夢を諦めた。
現実を、直視したのだろう。彼の顔は、仕方のないことだと悟った清々しい顔であった。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/30(日) 15:15:22.12 ID:7PZ5ESkL0
それからは筋トレに費やした時間を取り戻すべく、内藤は様々な事に挑戦した。
サッカー、野球、テニス、水泳、そろばん、パソコン教室、etc…
どれもこれも、過酷な物ばかりでありました。
時には挫けそうなこともありました。挫折しそうなときもありました。逃げだそうとしたときもありました。
それでも、それでも内藤は頑張ったのです。長く苦しい戦いに、勝ったのです。
そしてその結果、彼は逞しい肉体を手にすることが出来たのである。
皮肉にも、それは正義の為に欲した肉体でもあった。
顔色が良くはないが、気の置けない友人も出来た。
走る時にブーンと言ってしまう癖が発覚し、からかわれもした。
様々な事に挑戦したのに比例し、様々な出会いや出来事を通し、内藤は内面的にも逞しく成長したのである。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/30(日) 15:18:50.87 ID:7PZ5ESkL0
そして、高1の夏。正義に成りたいという夢をすっかり忘れた内藤に、転機が訪れた。
('A`)「助けてブーン」
ひょろっとした体格に、あまり良いとは思えない顔色をした男
――――――毒島は、絶体絶命の危機に陥っていた。
何故こうなってしまったのだろう。
原因を探れば、運が悪いとしか言えなかった。
いつものように、登校して内藤と戯れる。
いつものように、授業を受けつつもノートにラクガキをする。
いつものように、体育をしてる女子を視姦する。
いつものように、可愛い子が落ちてないか探しながら帰宅する。
いつものように、いつものように。
その帰宅の時であった。イレギュラーが現れたのは。
('A`)「お兄ちゃんどいて! そいつ殺せない♪」
肩に、誰かぶつかる。聞こえてきたのは謝罪の言葉ではなく、慰謝料請求の声であった。
しまったぁぁ!!! そう思っても、もう遅い。
MDを聴きながら歩いていた為、注意が足りなかった。
可愛い子が泣きながら蹲ってるのを探していた為、他に目がいってなかった。
\('A`)/「本当に運が悪いとしか言えない。何て可哀想な俺」
毒島が悪いのは、言わずもがなという処か。
11 :
◆a/xqzpDeGo :2007/09/30(日) 15:21:42.00 ID:7PZ5ESkL0
「いでででででででで」
大袈裟に、膝を押さえる片ピアスの男。
当たったのは肩なのに。
「おいおめぇどうしてくれんだあああ!? えこらいってみやがれってんだばかやろう!! 」
句読点も無しに捲し立てる、金髪の男。ふにゃふにゃとしたしゃべり方で、漢字を使うのが勿体ない。
('A`;)「ぶつかっただけで折れないでしょう?常識的に考えて…」
飽く迄、毅然とした態度を貫き通す毒島。逆に、これが彼等を挑発する結果となってしまうのに気がつかない
のだろうか。
金髪「はああああああああああああああああああああん!? おいおめぇなんだってんだころすぞお!? 」
いい加減まともに喋って欲しい。
切実に思いながらも、右から入った声を左へと聞き流す。
あ、今の『はあああああああああああああん』って演歌歌手みたいだ。
金髪「おい、舐めてんのかてめぇ。痛い目みないと分かんねぇのか?」
まともに、まともに喋りやがった…!!
そんな事に驚いてしまうのだから、自分がピンチだと言うことをすっかり忘れてしまう。
片ピ「調子に乗ってると、マジで殺すぜ?」
シュッシュ。口で言いながら、リズミカルにジャブをする片ピアス。
元気じゃないですか。そんなツッコミもさせてくれないまま、毒島の体は軽く吹っ飛ぶ。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/30(日) 15:23:24.44 ID:+xIzfTd7O
支援。
13 :
◆a/xqzpDeGo :2007/09/30(日) 15:24:21.29 ID:7PZ5ESkL0
何が起こったんだ?頬に残る、熱さ。口に広がる、鉄の味。
一瞬戸惑うも、殴られたという事が分かった。
どうしようどうしよう。
ひょっとして邪気眼覚醒のフラグじゃね?
いやいや可愛いおんにゃのこが助けてくれて…フヒヒ的なフラグじゃね?
可能性は低いけど超能力開花→フルボッコ→謎の組織が→世界の悪と戦う→結婚endの流れじゃね?
以上のように焦れば焦る程、まともな考えは出来なくなるのが人間なわけで。
ただ毒島は考えることが特殊なだけで。だから、毒島も人間だと言うことを分かって頂きたい。
('A`*)「ふ、ふひひっww」
先程まで考えていたことに、思わず笑みがこぼれてしまう。
それが彼等二人を逆撫でする結果となるのに、だ。
金髪「何が可笑しいんだコラ!! 」
片ピ「殴られて笑うとか…」
流石に引いたのだろう。ヒソヒソと話ながら、軽蔑の目を向ける。
それを見た毒島は、してやったりといった表情をした。
('A`#)「話し込んでる今のうちいいいいいいいいいいいいいいい!!! 」
猛然と走る毒島。最初から狙っていたのか…!! 恐るべき策士、現る!!
/('A`)\「バナナの皮ですってんころりんすっとんとん。ころころころりんすっとんとん」
14 :
◆a/xqzpDeGo :2007/09/30(日) 15:27:28.26 ID:7PZ5ESkL0
即座に回り込まれ、囲まれてしまう毒島。
流石の毒島も絶体絶命のピンチだと気がつき、思わず苦笑い。
('∀`;)「誰か、誰か―――――」
小さく呟いたその望みは、未だ吠え続ける彼等二人の声によって掻き消されてしまうのであった。
否、神様だけは聞いてくれたのかもしれない。
彼等二人の隙間から見えた、希望の光。やや大きめで、少し臭う光。
内藤が、歩いてくるのが見えた。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/30(日) 15:28:48.23 ID:+xIzfTd7O
支援が…支援が少ねぇんだよぉぉぉ。
16 :
◆a/xqzpDeGo :2007/09/30(日) 15:31:02.02 ID:7PZ5ESkL0
(*^ω^)「今からお前に何話そうかなどうやってこの感じ伝えよかな♪」
素直に綺麗な歌声だと、格好いい歌声だと思えた。
顔を見れば、それもおじゃんであるが。
(*^ω^)「何かこれから良いことがありそうな気がするお」
人目を気にしないのか、独り言を堂々と言いのける内藤。スッキプしながら、これから起こることに心躍らせ
ドキドキしていた。その時である。
不意にどこからか、良からぬ声が聞こえたのは。
なんだろう、喧嘩だろうか?それとも修羅場なのか。
どっちにしても、僕には関係ない。そう思いながら、通り過ぎようとした時である。
('A`)「助けてブーン」
腑抜けた声が、耳に入ったのは。
誰だろう。ブーンを知ってるのは、小学校からの付き合いの奴しか知らない。
思わず、探す自分が居た。
( ^ω^) ('A`)
(;^ω^) ヾ('A`*)ゝ"
18 :
◆a/xqzpDeGo :2007/09/30(日) 15:38:23.08 ID:7PZ5ESkL0
おk、成る程状況は分かったぜベイビー。後は任せておきな。警察を呼ぶぜ。
アイコンタクトで伝え、急いで立ち去ろうとした時であった。
('A`#)「おめぇら覚悟しな!! 天下の内藤様のご登場でぇ!! 」
急に開き直り、親指で内藤を指す毒島。
突然の出来事に、焦る内藤。
しかし金髪と片ピアスはニヤリと笑うと、内藤を呼び出す。
金髪「ほほう、良い友情じゃないか」
片ピ「今時珍しいな。だが、俺たちに勝てるとでも?」
余程自身があるのか、体格の良い内藤を見ても怖じ気つかない二人。
異様にニヤニヤする。すっげーニヤニヤする。負けじと内藤もニヤニヤする。
毒島もニヤニヤする。お婆さんもニヤニヤする。犬も、猫もjkもニヤニヤ。もう世界中みんなニヤニヤ。
19 :
◆a/xqzpDeGo :2007/09/30(日) 15:40:33.28 ID:7PZ5ESkL0
金髪「行くぜコラ!! 」
叫び声を上げながら突っ込む金髪。
別段、そんな声など必要ないのに。
だがその速さは尋常ではなかった。内藤までの距離は約8歩分。避けるのには苦労しない距離である。
にも関わらず、金髪は内藤を殴り当てたのだ。
8歩。確かに8歩であった。走ってくるのは見えた。むしろ遅いくらいである。
速かったのは、そのパンチであった。
視認する事もなく、その拳は内藤の頬を直撃した。
運動こそしていたものの喧嘩は初めての内藤だ。
初めて味わう痛みに不自然なほど汗が流れ、足が震える。
背中に、気持ち悪いくらいに服が張り付くのが分かった。
20 :
◆a/xqzpDeGo :2007/09/30(日) 15:40:52.84 ID:7PZ5ESkL0
金髪「オラァ!! 」
またしても、見えなかった。
痛い。痛い。痛い。何度も何度も、殴られる。
逃げ出したい。何度どう思ったことか。でも、自分を頼ってくれ、助けて欲しい友ガイル。
負けたくない。勝ちたい。絶対、勝つ。勝たなければ、ならないのだ。
そう思っても、体は動かなかった。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/30(日) 15:41:08.94 ID:bHvToV+iO
支援
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/30(日) 15:41:15.44 ID:+xIzfTd7O
支援
23 :
◆a/xqzpDeGo :2007/09/30(日) 15:42:25.65 ID:7PZ5ESkL0
('A`;)「何で、何でなんだよ」
先程から、内藤が苦戦している。いや、完全に一方的な暴力であった。
戦ってさえ、ない。
だが疑問には思う。
長年内藤と付き合ってたから分かるのだが、運動神経は良いはずである。
それなのに、どうして一方的に殴られてるのだろうか?
一発くらい、殴れるのでは無いのか?
反撃出来ないほど、速いのか?
金髪「サwwwんwwwドwwバッッグwwおkwwっww」
そして、気になっていたことが一つ。
金髪のフォームが、妙におかしかった。
左部分が、やけに下がっている。あれでは防御出来ないのではないのか?
いや、それでも喰らってはないのだが。
金髪「俺wwwさっいwwwキョーwww」
鞭のように撓ったパンチだ。
あれじゃあまともにダメージが与えられないのでは?
しえん
25 :
◆a/xqzpDeGo :2007/09/30(日) 15:43:55.30 ID:7PZ5ESkL0
('A`;)「鞭…か。え、えs…SMクラブ…?」
ボソっと呟いた声に、片ピアスが反応する。
いやごめんなさい別に興味はありませんよ?ただ以前から痛みが好きになったっていうか…
片ピ「…鞭、か。確かにそうだな」
妙に馴れ馴れしい片ピアス。喧嘩するまえはあんなに怖かったのに、ちょっと対等な気分。
('A`)「これが…全国レベル!! 」
思わず口が滑る。
片ピアスが睨んできた。ごめんなさい。
金髪「オラ!! 」
田舎者が自分のことを呼ぶときのような掛け声と同時に、振りかぶる。
ただそのパンチは先程のような、鞭のようなパンチでは無かった。
左足で左へと蹴り、右足を前に出す。一気に近づいたところで、拳を前に突き出す。
思わず、目を瞑る内藤。
だが、それはフェイクであった。
目を瞑る内藤を余所に直ぐさま腕を引き、脇を開いて肘を体の軸と垂直に張り出す。
そして、そのまま体を、回転させた。
腰、肩の順に勢いが付いたまま回転をする。そのまま拳は軌道にしっかりと従い、内藤の顎を、打ち抜いた。
所謂、フックパンチである。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/30(日) 15:46:43.38 ID:+xIzfTd7O
支援支援支援
27 :
◆a/xqzpDeGo :2007/09/30(日) 15:48:01.59 ID:7PZ5ESkL0
( ω )「ぉ…おぉ…」
意識が、朦朧とする。
殴られ続けて、頬が熱い。熱い以外に、何も感じられない。
喧嘩は初めてだったけど、痛いもんだね。なんとかなるだろうと思ってた自分が、甘かったわ。
自分の意思とは無関係に、崩れ落ちる体。
何も出来なかった自分が悔しくて、あまりにも悔しすぎて泣けなかった。
('A`;)「ブーン!! 」
内藤の元へと駆け寄る毒島。だが、それは片ピアスによって止められてしまう。
片ピ「おっと、落ち着け。まだ勝負は終わっちゃいねーよ」
勝負?内藤はもう戦える状態じゃない。なのに、まだするというのか。
動けない者を、これ以上甚振って何になると言うのか?
金髪「そーらーよっと」
倒れている内藤へと足を振り上げ、そして――――――
('A`#)「やめろおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!! 」
それは、毒島によって、食い止められた。
('A`#)「俺が相手してやる。かかってこいや」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/30(日) 15:48:33.13 ID:bHvToV+iO
しえーん
29 :
◆a/xqzpDeGo :2007/09/30(日) 15:50:38.81 ID:7PZ5ESkL0
自分が不甲斐ないばっかりに、大好きな友人が酷い目にあってしまった。情けない。実に、情けない。
からかえば本気にして怒る。でも、すぐに仲直り。
いつも笑顔で、優しい。
そんな内藤をこんな目に遭わせた自分が、憎い。そして、此奴等を打ちのめしたい。
毒島は、初めて死ぬ気でやる事を知った。
金髪「ボッコボコにしてやんよwww」
片ピ「いや、俺にやらせてくれ」
金髪「把握ww」
肩をブンブンと振り回しながら、毒島を睨み付ける。
片ピ「お前格好悪い奴だと思ってたけど、格好いいじゃねぇか」
毒島は苛立った。
理由はその上から目線の発言である。明らかに、自分が強い。強者。絶対的有利者。
そう思ってる者の、発言であったからだ。
絶対に、一泡吹かせてやる。
自然と、目がギラつくのが分かった。
('A`#)「!! 」
30 :
◆a/xqzpDeGo :2007/09/30(日) 15:51:05.00 ID:7PZ5ESkL0
先手を打ったのは、毒島であった。
喧嘩もしたことがない。体格だって良くない。力だって平均以下だと自負している。
それでも、勝ちたい。内藤を守る為に、勝ちたい。
勝ちたいという気持ちだけは、負けたくない。
フォームも力のいれ具合もてんで駄目駄目なパンチ。
当たっても、大したダメージは与えられないだろう。ましてや、当たることも無いだろう。
思っていたことに反しその拳は、片ピアスの腹へと吸い込まれるように入っていった。
何故だ?自分でも悔しいが、簡単に避けれるはずだ。
それなのに、どうして?
考えなくとも、分かる。アイツは、態と喰らったのだ。
現に、アイツは少しも痛がりはしない。
自分の非力さを目の当たりにして、改めて絶望した。
31 :
◆a/xqzpDeGo :2007/09/30(日) 15:55:12.22 ID:7PZ5ESkL0
('A`#)「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおお!!! 」
しがみつくように、絡みつくように、抱きついた。
力じゃ、何も出来ない。腕力は、皆無だ。
だから、残ったのは、そう。
片ピ「いってえええええ!! 」
噛み付くことしか、残ってなかった。
格好悪いだろう。ダサイだろう。気持ち悪いだろう。情けないだろう。惨めだろう。みっともないだろう。
でも、それしか残ってないのだ。だから、毒島はそれに全力を出した。
噛み付いてても、殴られる。
痛い。凄く、痛い。内藤は、何十発も受けていたのだ。だからこんなもの屁でもないんだ。
肉を食いちぎるように、噛みきるように強く強く噛んだ。
強く噛みすぎて、血が滲む。それでも、やめなかった。
どんな形であれ、一矢報いたい。その一心で体を動かした。
片ピ「いい加減に、しやがれ!! 」
今までよりも重い一撃。それを、何発と喰らっただろうか。
気がついたら、毒島は倒れていた。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/30(日) 15:56:23.73 ID:lYDadkQc0
支援
33 :
◆a/xqzpDeGo :2007/09/30(日) 15:56:25.23 ID:7PZ5ESkL0
片ピ「情けねぇ。俺はお前を少しだけ、格好いいと思ったのによぉ。情けねぇよ!! 」
倒れた毒島を、蹴る。
片ピ「仲間の為に立ち上がる!! 良いじゃねぇか!! 最高じゃねぇか!! 」
意識のない毒島を、蹴る。
片ピ「立てよ立てよ!! 仲間がピンチなんだぞ!! 立てつってんだろうがあああああああああ!! 」
執拗に、蹴る。
金髪「お、おい。そんな気合いの入ったのいれちゃ…マズイだろ。落ち着け」
片ピアスを押さえつけると、そのまま壁に身を寄せ座り込ませる。
興奮状態の片ピアスは、未だ鼻息を荒くしつつ暴れる。
こりゃあしばらく続きそうだな。
ため息混じりに思いながら、毒島を眺めた時、その顔は驚愕に満ちたものとなった。
いつの間に。どうして。まさカ。アリエナイ。ウソダ。
( ω )「ぉ」
34 :
◆a/xqzpDeGo :2007/09/30(日) 15:59:52.59 ID:7PZ5ESkL0
赤黒く晴れ上がった体をしつつも、毒島の元へとゆっくりだが、確実に歩み寄る内藤が、居た。
金髪「フ…フハハハハハwwwwなんだなんだ、やるじゃねーかwwwwそう来なくっちゃなww」
自分でも分かるくらい、鳥肌が立っていた。
立ち上がれないくらいまで、殴ったのに。
だが、その男はこうして立っている。ましてや、歩いているのだ。
笑うしか、無かったのだ。
( ω )「ドクオ…」
ドクオ。毒島に向けられた声は、耳に入ったのだろうか。呻き声を上げる彼にしか、それは分からない。
( ゚ω゚)「お前らタダで済むと思うなお!! 」
助けを求めていたのに。
自分を頼ってくれたのに。
それなのに、自分は守れなかった。
守りたかった。
守れない自分が、嫌だ。
その気持ちが、内藤を奮い立たせる。
それは、まさに正義の気持ちであった。
( ゚ω゚)「おああああああああああああああああああああああああ!!! 」
満身創痍のハズである体をしながらも、金髪へと襲いかかる。
走りながらの蹴り。威力は申し分ない。
35 :
◆a/xqzpDeGo :2007/09/30(日) 16:02:57.01 ID:7PZ5ESkL0
金髪「っ! 」
眼前。一コンマの差で避けることが出来た。速い。先程とは比べ物にならないほど、速い。
避けれた自分を、褒めたいとさえ思えた。
が、避けてはいけなかった。
内藤の狙いは、金髪ではない。
片ピ「ゴフっ」
後ろにいた、片ピアスだった。
壁へと頭を打ち付け、気絶する。興奮し、状況を掴めなかったのが悪かったのである。
金髪「しまっ―――――」
片ピアスの方へと、向いてしまった。
当然、内藤が見えなくなるわけだ。
それは、隙。
内藤にとっては、好機。
逃すわけは、無かった。
( ゚ω゚)「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!! 」
唯の、何の変哲もないストレート。
だが、それは防御も何も出来ない相手を倒すのには、十分すぎる威力を持っていた。
金髪「!! 」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/30(日) 16:06:48.12 ID:+xIzfTd7O
支援
37 :
◆a/xqzpDeGo :2007/09/30(日) 16:10:05.63 ID:7PZ5ESkL0
一撃必殺。
この言葉が当てはまる事はそうそう無いだろう。
だが、内藤のは、正にそれであった。
鬼神の如き表情。その拳はさながら死神の振り下ろす鎌の如く痛烈であった。
声を上げることなく、崩れ落ちる金髪を尻目に毒島へとかけよる内藤。
( ;ω;)「大丈夫かお!? ドクオ!! 」
ガクガクと激しく振る内藤。
('A`)「あ、やめ…ぉぅぇっぷ」
ゲロゲロと内容物をぶちまける毒島。
どうやら見た目よりは無事であるようだ。
口元を拭きながら、立ち上がる。
若干蹌踉めくも、踏ん張る。
38 :
◆a/xqzpDeGo :2007/09/30(日) 16:10:25.11 ID:7PZ5ESkL0
('A`)「あのよ、ドクオって言わないでくれよ」
( ^ω^)「ドクオはドクオだおwwww一生独身毒島wwwほらドクが二つもwww」
('A`#)「うっせーうんこ!! 」
(#^ω^)「あっ言いやがったおね!! 生理現象だから仕方ないお!! 」
('A`#)「それでバスに乗り遅れて修学旅行の日程が崩れたんだよ!! この国会議員!! 」
( うω;)「それは酷すぎるお!! 」
泣きながら走り去る内藤。
その背中は哀愁漂う雰囲気を持ち、見ていて悲しくなる。
助けて貰ったのに、何て事言うんだ俺は。
大好きな友達じゃねーか。
すぐに、謝りに行こう。
すぐさま内藤の後を追う毒島。
ヽ /
.('A`*) ┏ <うんこうんこ!!
┌ヽ ノ┘
┛
その顔は、とても満ち足りた顔であった。
( うω;)「うわああああああああああああああああああああああ!!! 」
39 :
◆a/xqzpDeGo :2007/09/30(日) 16:11:13.83 ID:7PZ5ESkL0
夕日に照らし出され、むくりと起きあがる影が二つ。
一人は夕日の光さえも跳ね返す、金色の髪を持った男。
一人は夕日の光さえも跳ね返す、緑色のピアスをした男。
金髪「いててwww派手にやられたわwww……悔しいなぁおい」
片ピ「少しは俺たちも有名だと思ったけど、上には上がいるんだなぁ」
金髪「…見返すか?」
片ピ「その為にはまず努力だな」
金髪「努力する俺たち」
「流石だよな」
40 :
◆a/xqzpDeGo :2007/09/30(日) 16:11:44.51 ID:7PZ5ESkL0
以上で終わりです。支援等ありがとうございました。
質問等ありましたらどうぞ。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/30(日) 16:13:46.52 ID:aEMdk+RYO
片ピと金髪は双子ですね?
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/30(日) 16:14:32.20 ID:+xIzfTd7O
乙
流石…兄弟……か?
43 :
◆a/xqzpDeGo :2007/09/30(日) 16:17:58.67 ID:7PZ5ESkL0
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/30(日) 16:22:07.55 ID:YR+xvGg4O
良かった
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/30(日) 16:24:25.69 ID:+xIzfTd7O
何でいつもこう人が少ないのかと
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/30(日) 16:30:39.62 ID:+xIzfTd7O
そういえば前とスレタイ違う件
47 :
◆a/xqzpDeGo :
>>46 今回ジョルジュやモララーが出てませんので、ブーンとドクオにしました。
これからもそういう事があると思いますので。