1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/29(土) 21:02:14.09 ID:Wa1Hbcup0
この系統のスレ本当にもういらない
パー速でやれ
3 :
◆tOPTGOuTpU :2007/09/29(土) 21:02:32.20 ID:SRqM6Nim0
tori
4 :
◆tOPTGOuTpU :2007/09/29(土) 21:04:32.01 ID:SRqM6Nim0
第22話
心臓が甚く締め付けられている、息も震え震えになっていく。
直視したくない現実だ。
まさかバルコニーから落ちるとは思わなかった。
既にフーの脚は僕の身体から外れていたが、
今の時点でそれは何の意味も為さない。
落下していく中、ソォっと目を開けた。
暗闇だった。フーの姿も渡辺さんの姿も分からない。
わずかに、地面で何かが小さく動いているような気がするが、
まともに認識出来る物は1つも無かった。
ホール・ロビーの光源は全て仕事をしておらず、
高級感溢れる穏やかな装飾は全く目に映らない。
身体の芯から冷え切っていた。
上へと吹き荒ぶ風が身体を貫いていくようだ。
先の全く見えない闇の中、
いつ地面と衝突するのかが分からなく、
それが、堪らなく怖くて、泣きたい気分だった。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/29(土) 21:04:34.08 ID:vKWDYGQrO
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/29(土) 21:05:13.17 ID:3/7aKE06O
草加支援
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/29(土) 21:06:21.27 ID:Ql5sQUWe0
支援
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/29(土) 21:07:39.22 ID:IavbQC21O
創価&たけし擁護作者ウゼェ
支援
9 :
◆tOPTGOuTpU :2007/09/29(土) 21:08:01.44 ID:SRqM6Nim0
(;^ω^)「ぅう……ううッ!」
歯がガチガチと鳴る。心臓は竦み上がっている。
もう僕は、どうしようもな―――……
(;^ω^)「ブヘッ!?」
突然、身体前面に痛みが生じた。
しかし、それは落下したにしてはあまりにも弱すぎるものだった。
まるで、はたかれたような痛苦だ。
僕は面食らいながらも、今の状況について把握しようと
身体を恐る恐る動かした。
(;^ω^)「ぁ、ありゃ……?」
今自分が触れているこの地面らしきものは、
硬いが、ゴムのような弾力を持っていて、起き上がるのに苦労してしまった。
実際立とうとすると、重心の置き場に困り
何度もよろけてしまい、
最終的には立ち膝をすることにした。
(;^ω^)「これは一体……」
「テントの上みたいだよ」
どこからか渡辺さんの声が響いた。
と同時に、今の危険な状況、フーがこの暗闇の中に
潜んでいるという事実を思い出したのだった。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/29(土) 21:10:28.67 ID:SRqM6Nim0
(;^ω^)「ッ!? フーは!?」
「今は……いない、テントから降りたのは分かったけど……」
もう一度、このザラザラした感触のテントを撫でてみた。
何となくだが、触った感覚と張られた具合からして
運動会にある本部席のテントを更に広げたようなものだろう、と推察出来た。
(;^ω^)「……ありがとうだお……渡辺さんは注意力が、凄すぎだお」
「えぇぇ〜? そんなことないよ〜」
おどけた口調だったが、どことなく喜びみたいなものが滲んでいた。
僕は息を吐くと、これからどうすればいいか、考えることにした。
まず、地の利は圧倒的にフーが得ているはずだ。
ここ「ホール・ロビー」の構造を奴なら、完全に知り尽くしているに違いない。
だからこそ、この暗闇の中フーは
素早くこのテントの上を降りたのだろう、何か策を狙いながら。
今の時点ではどうしようもない。
渡辺さんも、口振りからして詳しいここの地形は覚えていないようだった。
(;^ω^)「ッ!? フーは!?」
「今は……いない、テントから降りたのは分かったけど……」
もう一度、このザラザラした感触のテントを撫でてみた。
何となくだが、触った感覚と張られた具合からして
運動会にある本部席のテントを更に広げたようなものだろう、と推察出来た。
(;^ω^)「……ありがとうだお……渡辺さんは注意力が、凄すぎだお」
「えぇぇ〜? そんなことないよ〜」
おどけた口調だったが、どことなく喜びみたいなものが滲んでいた。
僕は息を吐くと、これからどうすればいいか、考えることにした。
まず、地の利は圧倒的にフーが得ているはずだ。
ここ「ホール・ロビー」の構造を奴なら、完全に知り尽くしているに違いない。
だからこそ、この暗闇の中フーは
素早くこのテントの上を降りたのだろう、何か策を狙いながら。
あの身体で、このテントを飛び降りて暗闇の中を駆けることが出来るほどの。
しかし、今の時点ではどうしようもない。
渡辺さんも、口振りからして詳しいここの地形は覚えていないようだった。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/29(土) 21:12:49.50 ID:tn60LMGn0
待ってた支援
支援
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/29(土) 21:14:00.79 ID:XMcK/coGO
支援
15 :
◆tOPTGOuTpU :2007/09/29(土) 21:16:27.97 ID:SRqM6Nim0
( ^ω^)「渡辺さんはバルコニーの下がこうなってるのを知ってたのかお?」
テントの硬い布を何度か手触りしながら尋ねると、
緊張感の無い、ふんわりした声が返ってきた。
「うん、監督本部テントのこれは明日外すって聞いたから……
ここでも落とせばフーは死ぬかと思ったんだけどね〜……」
さらりと毒のある言葉だったが、深く追求するのは
止めておく。
フーの手がどういったものなのか、知りたい。と
渡辺さんに話しかけようと思ったとき、
既に彼女の気配は無かった。
(;^ω^)「え? え? え?」
どういうことだ、と何も見えない暗闇をキョロキョロと
何度も見渡すと、ふいに渡辺さんの小さな声がテントの下の辺りから聞こえた。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/29(土) 21:18:32.15 ID:XMcK/coGO
支援
17 :
◆tOPTGOuTpU :2007/09/29(土) 21:18:42.10 ID:SRqM6Nim0
「ちょっと、いいこと思いついたから待っててね〜」
(;^ω^)「……渡辺さん?」
パタパタと駆けていく足音が、遠くに向かっていくのが聞こえた。
もう、行ってしまったか。。。
普段より多少語気の入った言葉に少しだけ
安心しつつも、「無責任だな」と考えつつも、
渡辺さんを待とうとした、
そのときだった。
突然、下や横、あらゆる場所から強い光が発せられた。
暖色の電球、埋め込み型のシャンデリアが一斉に動きだしたのだった。
予想していなかった出来事に面食らいながらも、
僕は今、何が起こったのかを理解した。
ホール・ロビーの灯りは、何者かによって点けられたようだ。
18 :
◆tOPTGOuTpU :2007/09/29(土) 21:21:49.12 ID:SRqM6Nim0
ホール・ロビーの全景が突然目の前に
ライトアップと共に現れた。そのなんとも
煌びやかな姿に形容し難い、軽いショックを
受けてしまった。
随分前に兄者に見せてもらった時よりも
更に装飾を凝らせているようで、それは
もうロビーとは言えない、完全に町長の
趣味の集大成のようなものに変貌していた。
流線型のクリスタルの壁が円のロビー内を
縦横無尽に駆け巡っていて、その壁には
ヒスイを埋め込み、描かれた女神――
まさしく、女神像公園にも居る、あの女神が、
まるで往来のポスターのように、そこにいくつも配置されていた。
床板は恭しいほどに丁寧に研磨された大理石の石畳で、
歩くのも躊躇われるほど、美しく光を反射している。
噴水が突然動き出した。
公園の噴水よりも豪勢な造りの"女神像の噴水"は、
音を立てずに多量の水でアーチを描かせながら、
石畳の間の堀に、沿うようにして水を与えていく。
その川の中に埋め込まれたいくつものオレンジ色のライトが
水の中でボンヤリと光を浮かばせていく。
僕の乗っているこのテントの薄汚さが際立ち、
何となく居心地の悪さを感じてしまうほど、ロビーは輝いていたのだった。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/29(土) 21:23:12.02 ID:tn60LMGn0
支援
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/29(土) 21:23:12.17 ID:XMcK/coGO
支援
21 :
◆tOPTGOuTpU :2007/09/29(土) 21:23:50.09 ID:SRqM6Nim0
かと思えば今度は魔方陣のような埋め込み型のシャンデリアが
眩しく光踊り、狂って――周辺の描かれた薔薇も、
ボウっと存在を浮かべさせていくのだった。
するとそれらは、ユックリと時計回りに動き出していった。
緋色の素晴らしいドレスを飾った亡霊のダンスのようだ。
思わず見惚れてしまうほど、確かに此処
ホール・ロビーは美しい場所だったのだが、
今ではもう、混沌に、ゴタゴタと装飾を施したようになってしまっている。
人は落ち着けないだろう、中央の
ラウンジにある深々としたソファに座ったって、
気休めにもならないはずだ。僕なら確実に。
地響きのような音が微かに聞こえたような気がした。
フト気がつけば、僕達の居るテントの近くに、
既にフーは居た。こちらを見上げながら、
怒りを顔に出しながら。
ミメ,,メД゚彡「……わざわざ、点けてやったぜ」
( ^ω^)「そうかお」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/29(土) 21:25:02.46 ID:IavbQC21O
創価支援
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/29(土) 21:28:08.73 ID:XMcK/coGO
支援
24 :
◆tOPTGOuTpU :2007/09/29(土) 21:31:06.76 ID:SRqM6Nim0
横を見ると、ジョルジュから貰ったバットが横になって
テントの上で右へ左へと小刻みに動いていた。
咄嗟にそれを拾うと、
遠くのフーを睨む。
(#^ω^)「ジョルジュに謝らせてやるお」
ミメ,,メД゚彡「血迷ったか、渡辺はどうした。何処にいった?」
(#^ω^)「………」
ミメ,,メД゚彡「まあいい、お前もこれで終わりだろうがな」
ニヤリと肩頬を歪めてフーは笑うと
不自由なはずの身体を動かして、右の方にある
銅飾りされた巨大なドアを見た。
また、地響きのような音が聞こえた。
さっきよりも、確実に強くなっていた。
・・・ ・・・・
25 :
◆tOPTGOuTpU :2007/09/29(土) 21:34:10.81 ID:SRqM6Nim0
・・ ・・・
(´・ω・`)「方角的には、正しいはずさ」
隣の席に座っている、瀕死のドクオに
勇気付けるために呟いた一言だったが
それはただの独り言に変わっていってしまった。
運転操作を誤らないように注意しながら、
横目でドクオの状態を観察した。
正面より少し上を向きながら、まるで何物にも
興味が無いように、その瞳はウロウロとさまよっていた。
目を閉じれば、死んでしまったのか、と
恐ろしい不安に苛まされそうだ。
息も、よく見なければ、しているのかどうか、
分からないほど弱いものだった。
僕には、僕には……どうしようもないのか。
(;´・ω・`) 「……くそっ…」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
支援