1 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :
( -ω-)「zzz」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
キュッ、キュ(風船を捻る音)
( -ω-)「zzz」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
キューッ、キュッ(風船をひねry)
パン!!
( -ω-)「zzz」
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 22:07:35.75 ID:liltML5G0
wktk
3 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:07:49.19 ID:CnzcQItg0
ξ#゚⊿゚)ξ「…」
がしっ!
こちょこちょ……
( -ω-)「zzz……おっ」
(;^ω^)「……おっおwwwwwく、くすぐったっ、ツン!」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン、おはよ」こちょこちょ
(;^ω^)「ちょっwwwくすぐらっwwwwないで!」
ξ*゚ー゚)ξ「嬉しいくせにー」こちょこちょ
ξ゚⊿゚)ξはいたずらっ子のようです
ξ゚⊿゚)ξ「デュクシ!」
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 22:09:13.21 ID:scjX8KToO
支援だッ
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 22:12:09.62 ID:ph58Ym7L0
支援
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 22:12:46.72 ID:ScQLHYc8O
デュクシ援
キテル━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 22:14:49.35 ID:wtjAqrgS0
/ ̄ ̄ ̄ \ ホジホジ
/ ― ― \
/ (●) (●) \
| (__人__) |
\ mj |⌒´ /
〈__ノ
ノ ノ
____ ,
/ \ -
/ ― ― \` ・・・。
/ (● ) (● ) \
| (__人__) |
\ . `⌒´ /
. mj~i
〈__ノ
ノ ノ
____
/ \
/ ⌒ ⌒ \
/ (●) (●) \
_|__ (__人__) |
/ \ `ー'´ /
/⌒⌒⌒/ ..:::::::::::.. ヽ ピトッ
| | | { .::::::●::::: }
| | | \ ::::::::::::::/
ヽ ヽ ヽ `ー一'´
10 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:16:32.89 ID:CnzcQItg0
11 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:17:38.42 ID:CnzcQItg0
( ^ω^)「ねむ……おはようだお」
ξ゚⊿゚)ξ「うん。おはよう」
時計をみると……いつも通り6時。
クー先輩が卒業してから、ツンは毎日6時にはブーンの家に来るようになったんだお。
( ^ω^)「さむ……まだまだ寒いお」
ξ゚⊿゚)ξ「4月なのにね」
( ^ω^)「ところでツン」
ξ゚⊿゚)ξ「?」
( ^ω^)「クローゼットに仕舞ってあったブーンの制服が夏服になってるんだけど、なんでか知ってるかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「さすがブーン。もう夏服でも大丈夫なのね」
(;^ω^)「…」
12 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:18:28.66 ID:CnzcQItg0
何者かによって部屋の外に丁寧に折りたたまれて出されていた冬服に袖を通して
廊下で着替えるのも日課となったブーンが部屋に入ると、ツンがブーンの本棚の……
(;^ω^)「ちょっww漫画のカバーを入れ替えないでくれおwww」
ξ゚⊿゚)ξ「え?なに?ん?」
(;^ω^)「おっお」
ξ゚⊿゚)ξ「あ」
( ^ω^)「?」
ξ゚⊿゚)ξ「なんかある。これ……なに?」
( ^ω^)「!」
ツンが本棚の後ろから取り出したのは古い大きなアルバム。
でも分厚くて、ブーンは頻繁に出し入れしていたアルバムだお。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 22:19:04.64 ID:CnzcQItg0
( ^ω^)「なんだと思うお?」
ξ゚⊿゚)ξ「わかんない。鍵……なんで鍵閉めてるのよ」
( ^ω^)「いたずらっ子にいたずらされないようにだお」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
めりめり…
Σ(;^ω^)「ちょっ、無理に開けようとしないでくれお」
ξ#゚⊿゚)ξ「なによなによ!どうせエッチなものなんでしょ!」
( ^ω^)「ち、違うお!」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあなによ?」
( ^ω^)「気になるかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「こっち来るお」
14 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:19:34.31 ID:CnzcQItg0
ツンをブーンのベッドに座らせて、机の中から……だれだお。ブーンの机に落ち葉を詰めたのは。
そうじゃなくて、机の引き出しの敷板の下の……ほら、ここに鍵があるんだお。
ξ゚⊿゚)ξ「なによそれ怪しいわね」
( ^ω^)「おっお。アルバム貸してくれお」
ξ゚⊿゚)ξ「はい」
カチャ
ξ゚⊿゚)ξ「……?」
( ^ω^)「今までツンに貰った絵だお。」
ξ゚⊿゚)ξ「え?」
ブーンの宝物。
小さい頃から、ツンが描く度にブーンにくれてた絵。それをこうやってアルバムに挟んでおいたんだお。
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「ブーンが嫌だっていうのに無理矢理変な帽子を被らされて、それをツンが描いた絵だお」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 22:19:43.05 ID:dZ1QBeKNO
支援
16 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:20:38.86 ID:CnzcQItg0
( ^ω^)「こっちは小学校の遠足でツンが描いてた風景画だお。水色がなくて池が真っ白なままだお」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「これは中学の時に、文化祭にツンが出した絵だお。なにかの賞に出すんだと思ったら、ブーンにくれたからびっくりしたお」
ξ゚⊿゚)ξ「これ、お祭りに行ったときに撮った写真の絵」
( ^ω^)「お?そうだお。ツンに命令されて射的でいっぱい景品とったときの絵だお」
ξ゚⊿゚)ξ「これは天体観測した時の……」
( ^ω^)「おっお」
ξ゚⊿゚)ξ「全部……保管しててくれたの?」
( ^ω^)「もちろんだお。ツンからもらった大切な絵だお。一枚たりともなくした絵はないお」
ξ゚⊿゚)ξ「……ブーン」
( ^ω^)「ん?」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 22:21:25.83 ID:dZ1QBeKNO
支援
18 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:21:50.29 ID:CnzcQItg0
ξ*゚⊿゚)ξ「ば、ばか。ブーンのバカ!こんなの幾らでも描いてあげるのに、保存なんかしなくていいのよ!」
( ^ω^)「そんなこと言われても、ブーンが勝手にそうしてるだけだお。ツンには関係ないんだお」
ξ*゚ー゚)ξ「なによその言い草!ブーンの……バカ!」
ぽふっ!
(;^ω^)「ちょっ、重いお。なんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「うるさいうるさい!べ、別にブーンのために描いてたわけじゃないんだからね!」
( ^ω^)「はいはいお」
ツンを膝にのせて、二人でアルバムを捲るお。
あの日、ツンがブーンに大学を受験するって言ってくれたあの日から……ツンとの距離はどんどん近くなって
本当のコトを言うと、このままツンとバイバイするのは……
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン?」
( ^ω^)「?ど、どうしたお?」
ξ゚⊿゚)ξ「なにぼーっとしてんのよ?えいっ」
こちょこちょ
(;^ω^)「おっおww」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 22:22:26.81 ID:TJN8Rj/70
支援
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 22:22:27.02 ID:Ee9VB3KM0
漏れら極悪非道のageブラザーズ!
今日もネタもないのにageてやるからな!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧_∧ ∧_∧ age
(・∀・∩)(∩・∀・) age
(つ 丿 ( ⊂) age
( ヽノ ヽ/ ) age
し(_) (_)J
21 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:22:47.31 ID:CnzcQItg0
ううん。
ブーンはなんにも変わらないお。
ツンが自分の進みたい道に進むんだから、ブーンがそれを応援しないでどうするお。
ξ゚⊿゚)ξ「いっぱい描いてたんだね。私」
( ^ω^)「うん。ツンはそれを全部ブーンにくれたんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「ブ、ブーンが描いてって言うから」
( ^ω^)「そうだっけかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「そうなの」
( ^ω^)「じゃあそうだお」
ξ*゚ー゚)ξ「…」
( ^ω^)「ツンはこれからも、いっぱい絵を描くんだお」
ξ*^ー^)ξ「うん。残念ながらブーンにはみせられませんけどねー?」
( ^ω^)「おっおww」
しえん
23 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:24:36.60 ID:CnzcQItg0
そうこうしてると登校時間になってたお。
そういえば今年に入ってブーンは一度も自分の自転車のサドルを見ていないお。
ツンの自転車に跨ろうとすると、今日はツンが漕ぐって言ってきかないお。
ξ゚⊿゚)ξ「ほらブーン後ろ」
(;^ω^)「大丈夫かお?」
ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫。何歳だと思ってるのよ?」
( ^ω^)「じゃあお願いしますお」
ξ゚⊿゚)ξ「うん」
ガシャ
ξ゚⊿゚)ξ「あれ……ブーン太った?重い」
( ^ω^)「それはいつと比べてるんだお。急激には変わってないお」
ξ゚⊿゚)ξ「しばらく後ろに乗せないうちに大きくなって……」
( ^ω^)「さっきツンを抱っこしたときは、若干のどっしり感を――」
ギュゥゥ
Σ( ;゚ω゚ )「いだだだっ!ご、ごめんなさいだお!嘘だお!ほっぺだるだるになるお!」
24 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:25:57.26 ID:CnzcQItg0
キコキコ
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「あの」
ξ゚⊿゚)ξ「うん?」
( ^ω^)「どこに向かってるんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「海」
(;^ω^)「学校はどうしたお!?」
ξ゚⊿゚)ξ「いいじゃない。たまには遅刻するの」
(;^ω^)「自転車漕がせろってこういうことかお」
ξ゚⊿゚)ξ「う、動くなー!バランス崩れるでしょ!」
(;^ω^)「うおっww」
('A`)「なんだあいつら。なんで逆方向?」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 22:28:04.79 ID:CnzcQItg0
ξ゚⊿゚)ξ「?」
( ^ω^)「どうしたんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「なんか、今ドクオの気配が」
( ^ω^)「?気のせいだお」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね」
海はもう、波の花はひとつも浮いてないお。
ただ風が吹いてるだけの寂しい海になってたお。
ξ゚⊿゚)ξ「なんにもないなぁ」
( ^ω^)「仕方ないお」
ξ゚⊿゚)ξ「……また年末かぁ」
( ^ω^)「おっお。すぐにまた見れるお」
ξ゚⊿゚)ξ「すぐなんて嫌よ。ゆっくりでいいの」
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 22:28:44.96 ID:iYO6a/Pw0
支援
27 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:30:16.44 ID:CnzcQItg0
( ^ω^)「お?」
ξ゚⊿゚)ξ「なんでもない」
( ^ω^)「そういえばツン」
ξ゚⊿゚)ξ「?」
( ^ω^)「去年描いてた、波の花の絵はどうしたんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「……あぁ、あれ?」
( ^ω^)「最近見かけないお。でも完成してる様子も……」
ξ゚⊿゚)ξ「受験に向けて忙しいからね。ストップしてるの」
( ^ω^)「そうかお」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「ん?考えてみたら……この海をツンが描いてる絵がないお」
ξ゚⊿゚)ξ「!」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 22:31:59.44 ID:YGYqIYAz0
>>10 ちょ、ブーンwwwテラスキンヘッドwwwwwwwwwww
29 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:33:09.58 ID:CnzcQItg0
( ^ω^)「あれ?おかしいお……でも見せてもらった記憶が……あれれ?」
ξ゚⊿゚)ξ「き、気のせいよ!いっぱい描いてるわよ!忘れっぽいなぁブーンは」
( ^ω^)「お?」
ξ゚⊿゚)ξ「さ、学校行くわよ!遅刻したって知らないから!」
(;^ω^)「え?ブーンは走るの!?」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ学校でね」
(;^ω^)「ちょっ、ツーン!!」
ξ゚⊿゚)ξ「仕方ないから鞄は持っていってあげるわ!」
(;^ω^)「そういう問題じゃないおー!」
ξ゚⊿゚)ξ「……波の花の絵か……そっか」
30 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:35:54.40 ID:CnzcQItg0
さすがに冷や汗が出たお。
バス亭でツンが待っててくれたけど、そこからは漕がされて学校についたときにはもうクタクタだったお。
おかげで先に靴箱に入っていったツンに上靴を奪われて、取り返す前に教室に走られて、鉢合わせになった先生に
「おめーの席ねーからぁ!!」とか言われたお。ってなんでブーンんだけなんだお?
ξ゚⊿゚)ξ「先生に怒られてたね」
(;^ω^)「なんでブーンだけなんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「私ギリギリセーフだったもん。で、ブーンはゆっくり歩いてきてますよって言っといた」
(;^ω^)「それだお」
('A`)「ヘビーウェーイチャンピオーン」
( ^ω^)「その掛け声はなんだお。おはようだお」
('A`)「はい、おはようさん」
ξ゚⊿゚)ξ「おはよう」
('A`)「おはよう。ほらツン、クー先輩からなんか小包。大学の資料とかなんとか」
ξ゚⊿゚)ξ「え?あ、うん。ありがとう」
31 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:38:21.04 ID:CnzcQItg0
MANOWARとレイジ買ったよ。
スタティックも買おうと思ってたけど2ndしかなかったからやめたwwww
32 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:38:42.67 ID:CnzcQItg0
ちょっwwwwwwwwwwwwww
ごめっ、誤爆wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 22:39:06.29 ID:Ee9VB3KM0
プギャーしてやんよ
∧_∧
( ^Д^)=9m≡9m
(m9 ≡m9=m9
/ ) プギャプギャプギャプギャー
( / ̄∪
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 22:39:06.18 ID:GnkJJhhm0
誤爆乙wwwwwwww
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 22:39:12.15 ID:lEHPowx+O
はやくせっくすしろ
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 22:39:29.98 ID:eFBw4/la0
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 22:39:46.85 ID:wILyvHwbO
38 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:39:48.36 ID:CnzcQItg0
('A`)「それじゃ、ゴッドブレスユー」
ξ゚⊿゚)ξ「……なんでドクオを介して?」
( ^ω^)「部長だからじゃないかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、そういうことかな」
( ^ω^)「多分」
ξ゚⊿゚)ξ「開けてみよっと」
ゴソゴソ
(;^ω^)「おわ、なんかいっぱいプリント出てきたお……」
ξ゚⊿゚)ξ「それに参考書?あ、クー先輩が使ってたんだって……わー」
( ^ω^)「ほんとに先輩には頭が上がらないお。あとでありがとうの電話しとくんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「もちろん」
昼休みになると、中庭でツンと二人でクー先輩からの贈り物を広げてみたお。
大学の資料、過去問題集。過去の平面構成の資料。あとは大学周辺地図やブーンには見せてくれなかったけどツン宛ての手紙。
さすがに大きな街だから、地図を見てるだけでも飽きないお。
39 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:41:04.50 ID:CnzcQItg0
( ^ω^)「すごいお。この街なんて比較することすらできないお」
ξ゚⊿゚)ξ「都会っ子になれるわね。クー先輩水が不味くって大変だって」
( ^ω^)「おっお」
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと先輩にお礼の電話してくるね」
( ^ω^)「言ってらっしゃいだお」
( ^ω^)「……ほんとに大きな街だお」
( ^ω^)「ツン、一人で大丈夫なのかお?心配だけど……ううん、きっと大丈夫だお」
('A`)「ブーン、なにしてるんだ?もしくはなにをしていないんだ?」
( ^ω^)「ドクオ。地図眺めてたんだお」
('A`)「海図?」
(;^ω^)「地図っつってんだろうが」
('A`)「ごめんごめん。海賊王に見えたからさ」
40 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:41:53.54 ID:CnzcQItg0
そういえばドクオが冬に送ってた漫画。
見事に新人賞を勝ち取ってたお。なんだか異例の若さとか言われてたお。
高校生が描く任侠漫画って……まあとにかくすごいお。
('A`)「おぉ、さすが都会。クー先輩の大学だけじゃなくていろいろあるなこれ」
( ^ω^)「大きなマンションやショッピングモール、専門学校なんかも沢山だお」
('A`)「俺も来年なぁ……あー」
( ^ω^)「頑張れお」
('A`)「まあ頑張るよ。で、お前どーすんの?」
( ^ω^)「だからブーンはここに残るお。ここでみんなが帰ってくるのを待ってるお」
('A`)「いやん。田舎にこんな可愛い子を残して俺寂しいわぁ」
( ^ω^)「友達やめていいかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「ただいま。先輩元気そうだったわ」
('A`)「おかえり。ご飯は炊けてないしお風呂も沸いてないわよ。そのうえ私は」
41 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:42:55.84 ID:CnzcQItg0
( ^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
('A`)「……二次元が大好きです……」
( ^ω^)「もう昼休み終わるお。教室に帰るお」
ξ゚⊿゚)ξ「はいじゃあブーン。資料持ってきてね」
( ^ω^)「おっお」
パサ。
( ^ω^)「おっ?一枚落ちたお」
( ^ω^)「……?」
42 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:43:43.55 ID:CnzcQItg0
―放課後―
( ^ω^)「ツン、ブーンの革靴しらないかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「?」
( ^ω^)「これじゃあ帰られないお」
ξ゚⊿゚)ξ「帰らなければいいじゃない」
(;^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「私部室行くから一緒に行く?そのうち出てくるかも」
( ^ω^)「出てくることを願うお。部室行くお」
43 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:44:36.06 ID:CnzcQItg0
('A`)「こぉーんやもぉーさぁけをーあおーおーって」
( ^ω^)「…」
ξ;゚⊿゚)ξ「なにあれ」
( ^ω^)「みてないことにするお。やっぱり上靴でもいいから帰るお」
ξ゚⊿゚)ξ「そ、そうね」
('A`)「しずかにぃーねむるぅのぉでしょうぉー」
('A`)「行ったか。まったく、部室を二人っきりで使わせるわけにはいかないんだからね!」
('A`)「……世話の焼けるカップルだな……んもう」
44 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:46:44.24 ID:CnzcQItg0
ξ゚⊿゚)ξ「部室で平面構成の練習したかったのに」
( ^ω^)「平面構成?あぁ、色がいっぱい混ざったあれかお」
ξ゚⊿゚)ξ「結構めんどくさいのよね」
( ^ω^)「そうかお?ツン得意そうだお」
ξ゚⊿゚)ξ「頭使うからいやなの。私はいつもちゃんと理由立てて絵を描いてるから……」
( ^ω^)「理由?」
ξ;゚⊿゚)ξ「!な、な、なんでもない!あ、ほらブーン?」
( ^ω^)「お?」
45 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:49:13.27 ID:CnzcQItg0
ξ゚⊿゚)ξ「誰かが私の靴箱に間違えてブーンのクツ入れてたみたい。よかったね、これで帰れるよ」
(;^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「どっか連れてって」
( ^ω^)「どっか?」
ξ゚⊿゚)ξ「静かなとこ。絵が描けるところ」
( ^ω^)「なら家に送ろうかお?一人なら静かで」
ξ゚⊿゚)ξ「いいから連れてってよ。連れてけ!」
( ^ω^)「……わかったお」
46 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:50:55.78 ID:CnzcQItg0
ξ゚⊿゚)ξ「海じゃないの?」
( ^ω^)「ツンは本当に海が大好きだお。だからたまには山だお」
ξ゚⊿゚)ξ「どこで絵を描けるっていうのよ」
( ^ω^)「ひとまず登るお。自転車から降りてくれお」
キッ、シャァァ…
( ^ω^)「坂を滑っていくなおww」
ξ゚⊿゚)ξ「……!」
( ^ω^)「雪が解けて、このあたりにもちょっとずつ花が咲いていくるだお」
ξ゚⊿゚)ξ「花畑?」
( ^ω^)「そこまではいかないけど、原っぱだお」
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 22:51:04.04 ID:3raQP1edO
支援
48 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:52:38.91 ID:CnzcQItg0
ツンがまるでそこに置かれたかのような切り株に座る。
ブーンもツンの隣に、ツンの切り株に背中を掛けるように座るお。
ξ゚⊿゚)ξ「あ、なんか思い出した。小さい頃何回か来たかも」
( ^ω^)「多分すっごく小さい頃だお。ブーンもなんとなくで連れてきたんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「……もうずっと一緒にいるね」
( ^ω^)「おっお」
ξ゚⊿゚)ξ「……あと一年か」
( ^ω^)「お?」
ξ゚⊿゚)ξ「ううん。じゃあ何か描くから、適当に題材言って?」
( ^ω^)「じゃあ……春の空」
ξ゚⊿゚)ξ「春の空?……ん」
( ^ω^)「…」
49 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:55:19.19 ID:CnzcQItg0
ツンの目つきが変わって
その目線は原っぱに立てられたイーゼルに向かったお。
真っ白な紙の上に、ツンにしか見えてない春の空が広がっていくお。
ξ゚⊿゚)ξ「……ねぇブーン」
( ^ω^)「お?」
ξ゚⊿゚)ξ「この絵、完成したらあげるから」
( ^ω^)「お。ありがとうだお」
ξ゚⊿゚)ξ「……私、予備校通うね」
( ^ω^)「…」
ツンは真っ直ぐ描いている絵を見ながらブーンに話しかけてくれた。
ξ゚⊿゚)ξ「私だけじゃ、私の力だけじゃ無理だから」
( ^ω^)「…」
50 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:57:27.53 ID:CnzcQItg0
ξ゚⊿゚)ξ「うちの学校じゃ、本格的に絵を教えてくれる先生いないから……来週から、ちょっと遠いけど隣町まで」
( ^ω^)「そうかお」
ξ゚⊿゚)ξ「だからね?ブーンに描いてあげられる絵……多分これで最後」
( ^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「いたずらなら幾らでもしてあげるけど。絵はこれが最後だよ」
( ^ω^)「うん。わかったお」
ξ゚⊿゚)ξ「ちゃんとアルバムに挟んでてよね。なくしたりしたら、許さないから」
( ^ω^)「お」
ξ゚⊿゚)ξ「二度と自転車のサドル、返さないから……わかった?」
( ^ω^)「約束だお」
51 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:58:32.23 ID:CnzcQItg0
二時間、三時間?
わからないけど暗くなるまで、ツンは絵を描いたんだお。
ブーンにくれる最後の絵だって。
ブーンにだけ描いてくれる、最後の春の空。
夏の海、春の空、秋の山、冬の風。
ツンにはいろんな平面構成を描いてもらった。
ブーンの顔、お祭りの帰り道、遠足の公園。
ツンにはいろんな風景を描いてもらった。
唯一
波の花だけは間に合わなかったけど。
それでもブーンは満足だお。波の花は……ツンと二人で、これでもかってぐらい見つけてきたお。
ブーンの隣でツンが絵を描いてくれるのも……
52 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 22:59:49.18 ID:CnzcQItg0
ξ゚⊿゚)ξ「はい」
( ^ω^)「ありがとうだお」
ξ゚⊿゚)ξ「あとね、これ」
( ^ω^)「……サドル?」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンに返そうと思って、今日はずっとカバンに入れてた」
( ^ω^)「通りでカバンがパンパンだと……」
ξ゚⊿゚)ξ「一人で自転車乗れる?」
( ^ω^)「もちろんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「ほんとに?油断してたら後ろから蹴っ飛ばすからね?」
( ^ω^)「ふふっ、かかってこいお」
ξ゚⊿゚)ξ「……海見て帰る」
( ^ω^)「もちろんだお」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 23:01:38.58 ID:7dM9ZP7X0
支援
54 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:03:07.77 ID:CnzcQItg0
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「頑張れお。ブーンは……頑張れしか言ってあげられないけど……」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「ツンは……頑張れお」
ξ゚⊿゚)ξ「なにそれ。言葉になってない」
(;^ω^)「おっおww」
ξ゚⊿゚)ξ「変な言動をしたから、約束通り噛み付くね」
( ^ω^)「おっ!?」
むご。
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「……おっ」
ξ*゚ー゚)ξ「ありがとう、ブーン」
(*^ω^)「…」
56 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:05:27.61 ID:CnzcQItg0
―次の日―
( -ω-)「zzz」
( -ω-)「zzz」
( -ω-)「zzz」
(;^ω^)「おっおww素の遅刻なんて久しぶりだおwwブーンの自転車こんなに漕ぎ辛かったかお!?」
―1週間後―
('A`)「よお、ツン全然部活こねーな。どうした?」
( ^ω^)「予備校に通ってるんだお。仕方ないお」
('A`)「……仕方ないねぇ」
57 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:06:23.80 ID:CnzcQItg0
―1ヶ月後―
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンパス!」
( ^ω^)「おっ?」
ベシャー
Σ(;^ω^)「!?な、なんだこれお!」
ξ゚⊿゚)ξ「水風船よ。知らないの?」
( ^ω^)「知ってるけどなんでブーンの」
ドブシッ
('A`)「問答無用!女っ気がなくなった部活の恨み!」
(;^ω^)「それはブーン関係ないお!」
ξ゚⊿゚)ξ「それっ!」
あれからの日々は、びっくりするぐらいなにも変わらないまま進んだお。
相変わらずツンはいたずらっ子で、暇さえあればいたずらしに来て……
愚痴ひとつ言わないで、ツンは頑張ってるんだお。
58 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:08:14.09 ID:CnzcQItg0
( ^ω^)「びしょびしょだお」
('A`)「俺なんて濡れすぎて下の口ま」
ξ゚⊿゚)ξ「あー楽しかった」
( ^ω^)「どうだお。予備校は?」
ξ゚⊿゚)ξ「別にどうも。ただ、ちょっと退屈なだけ」
( ^ω^)「そうかお」
('A`)「それよりツンよぉ、お前あの絵どうす」
ξ゚⊿゚)ξ「そうじゃなかったらわざわざブーンにいたずらしに来ないわよ」
(;^ω^)「そ、そうかお」
('A`)「……何ゾーンだこれ」
59 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:12:11.78 ID:CnzcQItg0
ξ゚⊿゚)ξ「さてと、もう行かないと。今日は一時間だけなんだけど出ないと大変だから」
( ^ω^)「近くまで送るお」
ξ゚⊿゚)ξ「よしきた。じゃあカバンと銅像もって」
( ^ω^)「銅像は置いていけお」
('A`)「なんだかなぁ……でもどうするんだろあの絵。置いたままにすんのか?」
('A`)「……仕方ないから綺麗に保存しててやるか。やっさしぃージャイアーン♪」
60 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:13:29.79 ID:CnzcQItg0
ξ゚⊿゚)ξ「なんかブーンが一人で自転車乗ってるの見るの久しぶり」
( ^ω^)「ブーンもだお。ツンと二人で自転車漕ぐの初めてじゃないかお?あと危ないからブーンのハンドル掴まないでくれお」
ξ゚⊿゚)ξ「……はぁ」
( ^ω^)「?どうしたのかお?ちょっ、ブーンのベル鳴らすなおww」
チリンチリンチリン……
ξ゚⊿゚)ξ「ううん。別に。ちょっと疲れただけ」
( ^ω^)「予備校忙しいかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「もちろん。毎日毎日課題だなんだで、ずーっと絵描いたり勉強したり」
( ^ω^)「そうかお。でもツンなら大丈夫だお」
ξ゚⊿゚)ξ「……ん」
61 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:14:12.84 ID:CnzcQItg0
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンはどうするの?やっぱり就職?」
( ^ω^)「今更なにをするにももう見つからないお。ブーンは働くんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「そっか……」
( ^ω^)「心配しなくても大丈夫だお。ツンが帰ってくるときはいつでも休みにするお」
ξ*゚⊿゚)ξ「そ、そんな自分の都合で簡単に休めるわけないでしょ!期待なんかしないからね!」
( ^ω^)「おっお」
62 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:15:59.05 ID:CnzcQItg0
ξ゚⊿゚)ξ「それじゃ、行ってくるね」
( ^ω^)「行ってらっしゃいだお。帰りに向かえにこようかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「いいわよ。遅くなるし」
( ^ω^)「じゃあ気をつけて帰るんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「ん」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 23:16:17.45 ID:ph58Ym7L0
支援
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 23:16:25.61 ID:5NMS0TM/O
/⌒ヽ
( ^ω^)
/ つwktkc
しー-J
65 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:17:04.19 ID:CnzcQItg0
( ^ω^)「おっお」
キコキコ
川 ゚ -゚) 「?おや、ブーンじゃないか」
( ^ω^)「!クー先輩!」
川 ゚ -゚) 「久しぶり。なんだ、今日はツンは一緒じゃないのか?」
( ^ω^)「どうしたんですかお?帰ってきたのかお?」
川 ゚ -゚) 「あぁ、家の都合で一日だけな。急に帰ってくることになったから君達には連絡できなかった」
(;^ω^)「いきなり現れるからびっくりしたお」
川 ゚ -゚) 「それよりツンは?なぜ一緒じゃない?またお得意のいたずらかなにかか?」
( ^ω^)「ツンは予備校に行ってますお」
川 ゚ -゚) 「あぁそうか。そんなこと言っていたな」
( ^ω^)「おっお」
川 ゚ -゚) 「ならブーン一人か……丁度いい。時間あるか?」
( ^ω^)「?」
支援
67 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:20:22.48 ID:CnzcQItg0
川 ゚ -゚) 「これだ」
( ^ω^)「なんですかお?」
川 ゚ -゚) 「開けてみろ」
( ^ω^)「?」
バリバリ
( ^ω^)「……これは」
川 ゚ -゚) 「そうだ」
(;^ω^)「で、でもブーンは」
川 ゚ -゚) 「わかってる。考えるのも実行するのも君次第だ」
( ^ω^)「…」
川 ゚ -゚) 「それじゃあな、また逢える日まで。ツンとドクオにもよろしく伝えておいてくれ」
( ^ω^)「クー先輩っ……お」
( ^ω^)「…」
68 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:21:48.71 ID:CnzcQItg0
その日ブーンは
久しぶりにお父さんのパソコンを使わせてもらったお。
前にツンとパソコンで遊んでいたときに、ツンが変なの開いたせいで調子悪くしてしまって以来だお。
こういうのは得意じゃないけど……
クー先輩がブーンに伝えてくれたことを、確かめるんだお。
そこには、ブーンが思いもしなかったことと
でも少し考えれば誰にだって見つけられる答えがあったお。
それにブーンが気がついたときは、普通の人のそれより少し遅くて……
でもブーンは……
69 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:24:54.19 ID:CnzcQItg0
―翌日―
('A`)「おはようブーン。ブーンブーン」
( ^ω^)「…」
('A`)「ブーンブーンサテラ……??」
( ^ω^)「…」
('A`)「ハーッ!ローッ!ハレルーヤッ!!」
Σ( ^ω^)「うおっ!?」
('A`)「なに朝から無の境地に入ってんだよ。大丈夫か?」
( ^ω^)「ドクオ……おはようだお」
('A`)「おう」
( ^ω^)「…」
('A`)「???」
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 23:25:11.40 ID:7dM9ZP7X0
支援
71 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:26:14.37 ID:CnzcQItg0
('A`)「どうしたんだお前。あとツンはどこへ?」
( ^ω^)「ツンは今日は学校に来れないお。勉強が忙しいとか……」
('A`)「そうなの?まあ出席日数足りてるもんな」
( ^ω^)「……ドクオ」
('A`)「なによ」
( ^ω^)「今何月だお」
('A`)「6月?」
( ^ω^)「みんななにしてるお?」
('A`)「ナニしてるか受験勉強じゃない?」
( ^ω^)「…」
('A`)「なんだよ気持ち悪いなぁ。あぁ?」
( ^ω^)「……実は」
72 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:27:59.76 ID:CnzcQItg0
('A`)「…」
( ^ω^)「…」
('A`)「で?」
( ^ω^)「お?」
('A`)「どうすんのさ」
( ^ω^)「……それを悩んでるんだお」
('A`)「いやそうじゃなくて、」
( ^ω^)「?」
('A`)「早くしないと手遅れだろ。さっさと帰ってするとかさ」
( ^ω^)「お……」
('A`)「お前がどうすればいいかなんて、俺が言わなくてもわかってるだろ?」
( ^ω^)「…」
('A`)「だって、お前ツンのこと好きじゃん」
( ^ω^)「…」
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 23:29:13.21 ID:Yy6TUvoBO
支援
74 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:29:57.89 ID:CnzcQItg0
('A`)「ならお前、やるしかないだろ。なんでこのままでいいって思っちゃうわけ?」
( ^ω^)「それは……」
('A`)「言っとくが、なにするにしても遅いなんてないんだよ。やるかやらないかだ」
( ^ω^)「…」
('A`)「そんぐらいわかるだろ。少数精鋭、一騎当千。半端モンなんていらねぇがわが美術部のモットーだ」
( ^ω^)「…」
('A`)「どんなに大きな爪を持ったタカでも、永遠に隠していれば策士でもなんでもない」
( ^ω^)「…」
('A`)「それはただの鳥だ。分けられることもないただの鳥」
( ^ω^)「…」
('A`)「飛ぶだけの鳥を羨ましく思うのは、飛ぶことができないやつだけだ」
( ^ω^)「…」
75 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:31:05.78 ID:CnzcQItg0
('A`)「飛びたいやつは誰だって飛ぶさ。その中でも飛ぼうとしないやつは」
( ^ω^)「……飛ぼうとしないだけ」
('A`)「そう。ただ、それだけ。脳ある鷹は爪を磨くんだよ」
( ^ω^)「…」
('A`)「隠すだけじゃあ獲物は採れないぜ?」
( ^ω^)「それも漫画の引用かお?」
('A`)「もちろん。俺の漫画のな」
( ^ω^)「……そうかお」
('A`)「なに?俺カッコいい?惚れた?」
( ^ω^)「…」
('A`)「さてと、どうするよブーン?お前の大切ないたずらっ子は頑張ってるぞ?」
( ^ω^)「……帰るお」
('A`)「おう、帰れ」
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 23:32:59.48 ID:ph58Ym7L0
支援
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 23:34:17.57 ID:jI8vyAqmO
支援
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 23:34:24.48 ID:8imhKNlLO
支援
79 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:34:27.51 ID:CnzcQItg0
('A`)「……お人よしほど口が巧いってやつかねぇ」
('A`)「いいなぁ、ドラマってのは案外身近にあるもんだ」
('A`)「っつーかなにこれ。俺恥ずかしくない?うっはwwwwwテラナルシストwwwww」
ブーンは決めた。
遅くなんてない。あyるだけやってみるんだお。
ブーンは、ツンの応援をしたいんじゃなかったんだお。
80 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:35:22.34 ID:CnzcQItg0
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「!ブーンだ!」
( ^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「おーい!ブーン!」
ξ゚⊿゚)ξ「……行っちゃった」
ξ゚⊿゚)ξ「せっかく水鉄砲作ったのに……」
ξ゚⊿゚)ξ「……またブーンにみてもらいたいな。私の絵」
ξ゚⊿゚)ξ「で、でも課題なんて見せるものじゃないわよね。私なに言ってるのかしら?」
ξ゚⊿゚)ξ「……予備校行ってきます。ブーン」
81 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:36:24.70 ID:CnzcQItg0
その日からブーンはちょっとだけ不良の高校生になったお。
毎日ツンが早起きしてブーンを起こしてくれたから、ブーンはもうそんなに学校に行かなくてよかったから。
そういえばブーンは学校を休んだことがなかったお。
毎朝ツンがブーンの家に来てくれてたから……
ブーンはツンの傍にいたい
でもツンもブーンと同じだったんだお。
頑張れって言うのは
ツンにだけじゃなかったんだお。
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 23:38:24.77 ID:pBbm22ahO
支援
83 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:39:20.57 ID:CnzcQItg0
ξ゚⊿゚)ξ「おはようブーン」
( ^ω^)「おはようだお」
ξ゚⊿゚)ξ「?どうしたの?最近全然顔みないけど?」
( ^ω^)「それはツンもだお」
ξ゚⊿゚)ξ「私は予備校が……」
( ^ω^)「ブーンも出席日数は足りてるんだお。無理して学校に来なくても大丈夫だお」
ξ゚⊿゚)ξ「そうかもしれないけど……大丈夫?」
( ^ω^)「なにがだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「目、すっごいクマ」
( ^ω^)「気のせいだお」
ξ゚⊿゚)ξ「?」
84 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:42:10.24 ID:CnzcQItg0
( -ω-)「zzz」
ξ゚⊿゚)ξ「……寝てる」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン、ブーン」
( ^ω^)「なんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「海。海行くわよ」
( ^ω^)「え?今日は予備校は行かなくていいのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫よ。ほら自転車」
( ^ω^)「……今日は遠慮するお」
ξ゚⊿゚)ξ「え?」
( ^ω^)「というか、しばらくはブーンもツンと会えないお」
ξ゚⊿゚)ξ「な、なんでよ?」
( ^ω^)「なんでもだお。だからブーンのかばんを返してくれお」
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 23:42:45.92 ID:pBbm22ahO
支援
86 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:43:22.75 ID:CnzcQItg0
ξ゚⊿゚)ξ「知らない」
( ^ω^)「……じゃあいいお。このまま帰るお」
ξ゚⊿゚)ξ「あっ!ちょ、ちょっと待ってよ!ほらカバンあった!ここ!」
( ^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「ほ、ほらカバン」
( ^ω^)「ありがとうだお」
ξ゚⊿゚)ξ「あのねブーン、私ね」
( ^ω^)「ごめん。急いでるんだお。また今度だお」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、ちょっとブーン」
ξ゚⊿゚)ξ「……ブーン」
少しずつ
少しずつブーンにもゆとりがなくなって
ここにきて初めてツンのいたずらに嫌悪感を抱いてしまったお。
それならまだよかったお……
87 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:44:47.13 ID:CnzcQItg0
( -ω-)「zzz」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
ペタペタ…
( -ω-)「……んn」
ξ゚⊿゚)ξ「!」
(;^ω^)「あっつい!」
ξ゚⊿゚)ξ「おはようブーン」
( ^ω^)「暑っ……なんだツンかお。なんだおこのカイロの山は」
ξ゚⊿゚)ξ「ほら、まだ夜は寒いかなぁって」
(#^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「お、怒ってるの?」
(#^ω^)「怒ってないお。もう少し寝かせてくれお」
88 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:45:26.61 ID:CnzcQItg0
ξ゚⊿゚)ξ「!待って、寝ないでブーン」
( ^ω^)「?」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
ぽんぽん。
( ^ω^)「…」
バサ……
ξ゚⊿゚)ξ「ほんとだ。布団暑い」
( ^ω^)「だからそう言ってるお」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「どうしたんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「最近なにしてるの?」
( ^ω^)「なんにもしてないお」
89 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:46:56.69 ID:CnzcQItg0
ξ゚⊿゚)ξ「嘘。なんかイライラしてるじゃない」
(#^ω^)「イライラなんかしてないお」
ξ゚⊿゚)ξ「……私のこと嫌い?」
( ^ω^)「おっ?そんなことないお」
ξ*゚ー゚)ξ「…」
( ^ω^)「ツンはどうだお?最近頑張ってるのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「当たり前じゃない。なんのために予備校通ってると思ってるのよ」
( ^ω^)「ならいいお」
ξ゚⊿゚)ξ「……そ、それでねブーン」
( ^ω^)「なんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「今日ね、絵が描きたいから海行きたいの」
( ^ω^)「今日かお?今日は……」
支援
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 23:48:38.81 ID:Yy6TUvoBO
支援
92 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:48:54.48 ID:CnzcQItg0
ξ゚⊿゚)ξ「べ、別に無理にはお願いしないけど?」
( ^ω^)「じゃあ勘弁してくれお。今日は用があるお」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「それと今日は暑いお。布団から出てもらっていいかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「……あ、ごめん」
( ^ω^)「おっお」
ξ゚⊿゚)ξ「私、いっぱい絵描いたんだ」
( ^ω^)「そうかお。やっぱりツンは頑張ってるお」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンがいたずらしても反応してくれないから」
( ^ω^)「そうかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「そうなの」
( ^ω^)「おっお。それはすまないお」
ξ゚⊿゚)ξ「でね?その絵なんだけど……あのね?」
( ^ω^)「?」
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 23:48:55.54 ID:8imhKNlLO
支援
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 23:49:06.52 ID:pBbm22ahO
支援
95 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:49:57.57 ID:CnzcQItg0
ξ゚⊿゚)ξ「あの……えっと」
( ^ω^)「あ、ごめん。もうこんな時間だお。今日は用事があるから、ここまででいいかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「え?あ、あの」
( ^ω^)「また今度聞くお」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
久しぶりにブーンの布団に潜り込んできたツンの体温は
鬱陶しく思えるほど熱かったお。
それからしばらくは、ツンがブーンの目覚めの先に現れることはなくなったお。
あんなに毎日逢ってたのに……日に日に逢える回数も減っていったお。
でも、これでいいんだお。今はこれで……いいんだお。
96 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/26(水) 23:50:42.65 ID:CnzcQItg0
さてと
少し休憩をいただきます
10分ぐらいで戻ってきます。
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 23:52:28.38 ID:pBbm22ahO
ほ
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 23:53:46.95 ID:Yy6TUvoBO
支援
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 23:54:05.76 ID:F+jqgQocO
っ
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 23:55:36.59 ID:7IsA28FZ0
保守
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 23:56:24.98 ID:s6lzhXD8O
追いついた
102 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:00:49.67 ID:UbsKR27d0
―数ヶ月後―
('A`)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
('A`)「…」(なんだかなぁ)
ξ゚⊿゚)ξ「ねぇ、ドクオ」
('A`)「なんだ?」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン知らない?」
('A`)「え?や、ツンが知らないならわかんねーな」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
103 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:02:26.12 ID:UbsKR27d0
('A`)「なんだよ。どうかしたのか?」
ξ゚⊿゚)ξ「なんか最近、ブーンが冷たい気がする」
('A`)「ほほう」(あれ?なにこれ、やけに素直じゃないの)
ξ゚⊿゚)ξ「昨日なんてね……」
('A`)「ほうほう」(うはwwwこれは寝取られフラグwwwww)
104 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:02:45.52 ID:UbsKR27d0
ξ゚⊿゚)ξ「で、全然相手にしてくれないっていうか、ちょっと怒ってるみたいで」
('A`)「あぁ、そうなの」(どうみてものろけ話です。本当にありがとうございました)
ξ゚⊿゚)ξ「今までのぶーんなら怒ることなんてなかったのに」
('A`)「今まで怒らなかったブーンがすごいんだろ」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
('A`)「なんつーか、ほんと仲いいなぁおまえら」
ξ゚⊿゚)ξ「!そ、そんなんじゃ」
('A`)「もういいじゃん。もうすぐ卒業なんだし」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
('A`)「ほら、あと少しすりゃツンの好きな冬の花だって」
ξ゚⊿゚)ξ「でも全然海連れてってくれないもん」
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:03:02.04 ID:jzaNIrLlO
支援
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:03:06.38 ID:UGmk7XxEO
支援
wktk支援
108 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:04:21.12 ID:UbsKR27d0
('A`)「そこまではしらねーよ……なんだかなぁ」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンってなにしてるの?もうずっと何してるか教えてくれないの」
('A`)「なにってそりゃ」
ξ゚⊿゚)ξ「?」
('A`)「……あれ?」
ξ゚⊿゚)ξ「??」
('A`)「あいつ……んん?」(なんにも教えてないの?)
ξ゚⊿゚)ξ「なにか知ってる?」
('A`)「……ドラマ過ぎるのもどうかと思うけどなぁ」
ξ゚⊿゚)ξ「なにが?」
('A`)「いや。俺はなんも知らないよ」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
('A`)「それよりツンよぉ」
ξ゚⊿゚)ξ「?」
109 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:05:51.37 ID:UbsKR27d0
('A`)「そろそろ俺ら卒業生の作品をまとめてるんだけど、あの絵どうすんの?」
ξ゚⊿゚)ξ「あの絵?」
('A`)「ほら、丁度一年前ぐらいから描いてた絵」
ξ゚⊿゚)ξ「……あ」
('A`)「ちょっと待ってろよ。持ってきてやる」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
('A`)「ほらこれ。海の絵だよな」
ξ゚⊿゚)ξ「これ……そっか」
('A`)「なんかお前予備校行くようになってから全然部室こないしさ、もう捨てていいのか?」
ξ゚⊿゚)ξ「だ、だめ」
('A`)「だよなぁ。ほら、持って帰れって」
110 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:07:09.37 ID:UbsKR27d0
ξ゚⊿゚)ξ「……もうちょっと置いてもらってていい?」
('A`)「え?あ、まあいいけど……」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
('A`)「…」(ブーンのやろう……そういうことかぁ)
('A`)「それじゃ、俺帰るから。鍵頼んだ」
ξ゚⊿゚)ξ「わかったわ」
('A`)「……あんま考えこむなって」
ξ゚⊿゚)ξ「え?」
('A`)「いいや。さーてと、帰って漫画描くか……」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:07:37.61 ID:jzaNIrLlO
支援
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:08:12.41 ID:UGmk7XxEO
支援
113 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:09:03.18 ID:UbsKR27d0
ξ゚⊿゚)ξ「…」
ξ゚⊿゚)ξ「……波の華……こんな色だっけ?」
ξ゚⊿゚)ξ「もっと白くて、綺麗な色で……あれ?」
ξ゚⊿゚)ξ「私はこの絵をブーンに見てもらいたくて」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンが応援してくれるから、こんなに頑張って予備校にも通って」
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:09:56.00 ID:UGmk7XxEO
ブーン…
115 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:10:09.85 ID:UbsKR27d0
ξ゚⊿゚)ξ「私……この絵、忘れてたの?」
ξ゚⊿゚)ξ「なんで?あんなに……あんなに必死に描いてたのに。こんな大きな絵なのに」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
ξ;⊿;)ξ「……ひっく……あ、あれ?なんで?」
ξ;⊿;)ξ「この絵……ブーンに最後に描いてあげる絵だったんだ」
ξ;⊿;)ξ「なかなか言い出せなかったから、なかなか前に出られなかったから……」
ξ;⊿;)ξ「だっ、だからブーンが頑張れって言ってくれて安心して……っ」
ξ;⊿;)ξ「本当にあげたい絵は、この絵なのにっ!」
ξ;⊿;)ξ「ブーンに見せて、綺麗だって言ってほしくて!でも……これが最後なんて嫌……」
116 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:10:49.26 ID:UbsKR27d0
ブーン
寂しいよ
私、ブーンと離れるのやだ。
ずっとずっと、ブーンにいたずらしていたい。
ずっとずっと、ブーンの傍にいたい。
私が、私が絵を描いてるのだって……
ξ;⊿;)ξ「ブーン……私……」
もう、わかんないよ……
私、誰のために、なんのために絵を描いてるの?
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:10:53.07 ID:cihGWXkj0
私怨
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:11:33.86 ID:0Rn0CfIdO
ブーンてめえ
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:13:08.81 ID:UGmk7XxEO
ツンてめえ
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:13:47.51 ID:jd4mfH5A0
クーてめぇ
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:14:03.66 ID:HCT7T0ld0
ドクオてめぇ
122 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:14:44.00 ID:UbsKR27d0
( ^ω^)「おはようだお」
('A`)「おう」
( ^ω^)「なんだか今日は眠気すっきりだお」
('A`)「そりゃよかったな。ところでブーン」
( ^ω^)「?」
('A`)「お前さ、ツンになんか言った?」
( ^ω^)「ツンに?特になにも」
('A`)「なにもって……なんにも言ってないの?」
( ^ω^)「お」
('A`)「ま、まさかお前……びっくりさせようと?」
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:14:46.82 ID:RaSC9xxe0
クーうめぇ
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:14:48.37 ID:nN0rV1VF0
おまえら落ち着けwww
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:14:56.18 ID:UGmk7XxEO
またんきてめえ
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:15:03.51 ID:Gb3xUri30
wktkが止まらなぃぃぃぃぃぃぃぃぃ
127 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:15:25.55 ID:UbsKR27d0
( ^ω^)「ツンに余計な負担を掛けたく――」
('A`)「ばっかおまっ、それ逆効果だよ!」
Σ( ^ω^)「!?」
('A`)「お前ただでさえ普段ツンにやさしいんだから、そんなことしてたらツンがびっくりするじゃんか!」
(;^ω^)「そ、そんなことなんてブーンはなにも」
('A`)「なんにもしてないのが……ああもう!爪持ってないのに爪隠してどうすんだよ!」
Σ( ^ω^)「!!??」
128 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:16:31.25 ID:UbsKR27d0
( ^ω^)「……じゃあツンは」
('A`)「お前がなんか冷たくなったって。俺に相談するぐらいだぜ?」
( ^ω^)「…」
('A`)「言えよ……なに変なところでカッコつけてんだよ」
(;^ω^)「…」
('A`)「お前、あの絵覚えてるか?」
( ^ω^)「どの絵だお?」
('A`)「ほら部室にあるツンの……ちょっ、部室行くぞ」
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:17:44.11 ID:cihGWXkj0
寝れねえええええええ
130 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:17:45.10 ID:UbsKR27d0
( ^ω^)「なんもないお」
('A`)「あれ……持って帰ったの?」
( ^ω^)「そういえば、今日もツン休みだお」
('A`)「…」
( ^ω^)「…」
('A`)「お前あの絵、どこ描いてるか知ってる?」
( ^ω^)「だからどの絵だお」
('A`)「あぁもうどんくせぇ。海の絵だよ」
( ^ω^)「!」
('A`)「あのでっかい絵。去年ツンが描いてたじゃん。ずっと」
( ^ω^)「あれかお」
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:18:38.55 ID:0Rn0CfIdO
ブーンアホス…
132 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:18:48.01 ID:UbsKR27d0
('A`)「そうそう。急に描くのやめてたからどうしたのかと」
( ^ω^)「ツンは忙しいから……」
('A`)「一枚の絵も完成させられないぐらい忙しいわけないだろ。ただでさえあんな沢山いたずら覚える子だぞ?」
( ^ω^)「…」
('A`)「そんな要領いい子が、描きかけのまま絵を置いとくわけないじゃん」
( ^ω^)「じゃあなんで」
('A`)「描けなくなったんだよ。なんかしらの理由で」
( ^ω^)「理由?」
('A`)「昨日だって、あの絵見せたらなんか思い出したような顔してさ」
( ^ω^)「…」
133 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:20:30.30 ID:UbsKR27d0
('A`)「……ツンが今まで作品を完成させなかったこと、ないだろ?」
( ^ω^)「ないお。ツンは全部ちゃんと完成させて……あ」
('A`)「完成させてなんだよ?」
( ^ω^)「完成させて、全部ブーンにくれたお」
('A`)「……じゃああの絵も……ブーンのために?」
( ^ω^)「ツンは昔から、ブーンのために絵を描いてくれてるって」
('A`)「でも、あいつ最近はずっと勉強のために」
( ^ω^)「それにブーンも、全然かまってあげられなくて」
('A`)「絵に行き詰ったツンが、またあの絵を思い出したとしたら」
( ^ω^)「…」
('A`)「……やばいんじゃね?」
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:22:33.69 ID:UGmk7XxEO
支援ん
135 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:23:10.42 ID:UbsKR27d0
(;^ω^)「ツ、ツンはどこだお!?どこにいるお!?」
('A`)「ちょっ、落ち着け!」
(;^ω^)「ブーンなにしてたんだお!ツンはブーンに聞きたいことあるって言ってたお!」
('A`)「落ち着け!よけい混乱する!えっと……そうだ海!あの絵の海だよ!」
(;^ω^)「そこにツンはいるのかお!?」
('A`)「知るか!と、とりあえずいけ!」
( ^ω^)「行ってくるお!」
バタバタ!!ガシャン!
('A`)「うわー……なにこの急展開……ブーンなにしてんだよ。なんで黙ってんだよ」
('A`)「へんなところでカッコつけやがって……こんなネタいらねーよwww」
136 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:24:13.25 ID:UbsKR27d0
ブーンは走ったお。
ブーンの自転車の鍵、また誰かに隠されてたお。
ブーンの革靴、誰かに持っていかれてたお。
今日はまだツンを見かけていないけど……こんないたずらするのは、一人しかいないお!
ブーンに話したいって言ってたこと、ブーンまだ聞いてなかったお!
ツンは、それをブーンに伝えたかった!聞いてほしかったんだお!
ブーン自分のことしか……見えてなかったお……ツン、ごめんなさいだお!
海に近づくにつれて風が強くなってきた。
このぐらいの風なら、波の花は綺麗に咲いていて、ツンも喜ぶだろう。
そう思ったお。
だけど、海岸に着いたとき
広い海岸の真ん中で、イーゼルを広げて絵を描いていたツンは、どこも嬉しそうじゃなかったんだお。
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:24:54.28 ID:0Rn0CfIdO
支援
支援
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:25:34.14 ID:tu6c3cQHO
支援
140 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:25:43.17 ID:UbsKR27d0
(;^ω^)「はぁっ、ツ、ツン」
ξ゚⊿゚)ξ「……ブーン?」
( ^ω^)「なにしてるんだお。こんなところで!」
ξ゚⊿゚)ξ「なにって、絵を描いてるのよ。見ればわかるでしょ?」
( ^ω^)「そうじゃなくて!」
どうみても普通じゃないお。
風に舞う波の花の真ん中で、まっすぐと海を見つめて筆を進めるツンは
ブーンが今までに見たことないぐらい寂しそうな顔をしてるんだお。
141 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:26:13.70 ID:UbsKR27d0
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「風邪ひくお。もう帰るお!」
ξ゚⊿゚)ξ「この絵、思い出したんだ」
( ^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「ほら、私言ったでしょ?今までずっと……ブーンに絵を描いてあげてたんだよって」
( ^ω^)「ツン」
ξ゚⊿゚)ξ「思い出したんだ。小さい頃からさ、いたずらばっかりする私に……手先が器用なんだからツンは芸術家に向いてるって」
( ^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンが言ってくれたんだよ?」
( ^ω^)「……そうだお」
ξ゚⊿゚)ξ「だから私、それが嬉しかったから……嬉しかったから、ずっとブーンのために絵を描いてたんだ」
( ^ω^)「ブーンも嬉しかったお」
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:26:51.55 ID:UGmk7XxEO
支援
143 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:27:03.19 ID:UbsKR27d0
ξ゚⊿゚)ξ「でもね」
( ^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「最近の私、いったい誰の為に絵を描いてるんだっけって……」
( ^ω^)「それは」
ξ゚⊿゚)ξ「ううん。私は誰に見せたいからこうやって絵が巧くなったんだろうなって」
ツンは筆を動かすのをやめた。
ブーンの方を振り向かず、その小さな肩を震わせたんだお。
( ^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「……ブーンに見せれないのに、なんで私は絵を勉強するの?」
( ^ω^)「…」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーンが傍にいないのに、私は誰の為に絵を描くの?」
144 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:28:36.24 ID:UbsKR27d0
( ^ω^)「ツン……」
ξ;⊿;)ξ「ブーンに見てもらえないなら……私の絵なんかなんの価値もないのっ!」
( ^ω^)「そんなこと」
ξ;⊿;)ξ「ブーンがいたから!ブーンが傍にいたからっ!……だから私は頑張ったの!」
( ^ω^)「…」
ξ;⊿;)ξ「もうやだ……描けないよ。これがブーンにあげる最後の絵だなんてやだ!」
( ^ω^)「…」
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:28:38.19 ID:UGmk7XxEO
支援
146 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:29:07.71 ID:UbsKR27d0
ξ;⊿;)ξ「ずっとブーンの傍にいたい。一分、一秒でも離れたくないの!」
( ^ω^)「ツン」
ξ;⊿;)ξ「ずっとずっと!ずっとブーンには私の絵を見ててもらいたいの!」
( ^ω^)「ツン!」
ξ;⊿;)ξ「……もういい」
( ^ω^)「…」
ξ;⊿;)ξ「ブーン、ごめんね?私、いたずらばっかりして悪い子だよね?」
( ^ω^)「そんなことないお」
ξ;⊿;)ξ「そうしないと、ブーンが私から興味なくなるんじゃないかって」
( ^ω^)「そんなことないお!」
147 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:29:35.05 ID:UbsKR27d0
ξ;⊿;)ξ「素直じゃなくてごめんね?もう……絵なんか描かないから」
( ^ω^)「…」
ξ;⊿;)ξ「こんなに辛いなら、絵もいたずらもしないで……ずっとブーンの傍にいたいよ」
( ^ω^)「そんなのだめだお」
ξ;⊿;)ξ「こんな絵、もういらない!」
( ^ω^)「おっ!?」
ツンは、海に向かって絵を放り投げたんだお。
その絵は風に乗って、波の花に混ざりながら海に飛んでいったんだお。
まるで薄い薄い和紙のように、波の中に……
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:30:02.00 ID:mhMR5rlF0
やべぇww
支援
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:30:26.22 ID:UGmk7XxEO
支援
150 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:30:51.05 ID:UbsKR27d0
気がつけばブーンも、その絵を追ってたんだお。
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:30:55.61 ID:0Rn0CfIdO
支援
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:30:56.66 ID:Ep72bjbN0
/(^o^)\シエッンー
153 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:31:10.43 ID:UbsKR27d0
ξ;⊿;)ξ「!ブ。ブーン!?」
バシャーン!
( ^ω^)「わっぷ!」
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと!ブーン!?」
( ^ω^)「おっお!だめだお!この絵はブーンの絵だお!海になんかあげないお!」
ξ゚⊿゚)ξ「危ない!おぼれちゃうよ!ブーン!」
(#^ω^)「うおおおおおっ!!!」
154 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:31:41.50 ID:UbsKR27d0
ξ゚⊿゚)ξ「ブ、ブーン!大丈夫?ねぇブーン!」
( ^ω^)「うぅ……だ、大丈夫だお。絵も、なんとか表はげほっ!濡れなかったお。奇跡だお」
ξ゚⊿゚)ξ「そんなのどうでもいいわよ!あ、あんた死ぬ気じゃ」
( ^ω^)「どうでもよくなんかないお!!」
びしょびしょになったブーンの制服に
無理やりツンを埋めたお。
凍えそうな体に……ツンのあったかい体温が広がっていったお。
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:31:45.36 ID:tu6c3cQHO
支援してやんよ
∧_∧
( ・ω・)=つ≡つ
(っ ≡つ=つ
/ ) ババババ
( / ̄∪
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:31:49.62 ID:cihGWXkj0
うおおおおおおおおおおおおおおお
私怨
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:32:07.22 ID:deHemOEE0
支援
158 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:32:33.47 ID:UbsKR27d0
ξ゚⊿゚)ξ「…」
(#^ω^)「どうでもいいなんていうなお!ブーンは……ブーンはツンが大好きだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「えっ……」
( ^ω^)「ツンのこと大好きだから……だからツンにもらった絵は全部大切にしてるんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
( ^ω^)「ツンにいたずらされるのも、ツンが大好きだから……誰よりもツンが大切だから、それすらも愛しいんだお!!」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン……」
( ^ω^)「ごめんなさいだお……ブーン、忘れてたお。ブーンは誰よりもツンと離れるのが嫌だったんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「…」
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:32:45.23 ID:0Rn0CfIdO
支援支援
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:32:45.52 ID:UGmk7XxEO
男は黙って支援
161 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:33:29.67 ID:UbsKR27d0
( ^ω^)「ツンの応援なんかしたくなかったお!ツンにはずっと傍にいてほしかったお!」
ξ;⊿;)ξ「…」
( ^ω^)「それなのに、ツンのためだからって……ブーンは自分に嘘ついてまでツンを突き放そうとしてたお!」
ξ;⊿;)ξ「…」
( ^ω^)「もう放さないお。ツン、大好きだお。ブーンは、ツンの傍から離れない。だから……だからずっと、ブーンのために絵を描いてくれお」
ξ;⊿;)ξ「……ひっく……な、なに言ってるのよ!そんなこと……無理にきまってるじゃない!」
( ^ω^)「無理じゃないお」
ξ;⊿;)ξ「じゃあどうするのっ!ブーンはここに残って!私は大学に行って!二人とも離れ離れになっちゃうじゃ――」
( ^ω^)「ブーンはここには残らないお」
ξ;⊿;)ξ「……え?」
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:33:42.64 ID:yV/TQW07O
どうでしょう実況をせず支援
163 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:33:53.51 ID:UbsKR27d0
( ^ω^)「ツン、いままで黙っててごめんなさいだお」
ξ;⊿;)ξ「ど、どういうこと?」
( ^ω^)「実は……ブーンも大学を受験するんだお」
ξ;⊿;)ξ「!」
( ^ω^)「ツンの受ける美大じゃないけど……ツンの大学と同じ町にある、ちょっとだけバカな大学だお」
ξ;⊿;)ξ「えっ……な、なに」
( ^ω^)「でも、ブーンはスタートが遅れたお。だから、ツンにも内緒で必死に勉強してたんだお」
ξ;⊿;)ξ「…」
( ^ω^)「それで眠れなくなって、イライラして……ツンがこんなに弱ってるのに、なにもしてあげられなかったお」
ξ;⊿;)ξ「…」
( ^ω^)「まだ合格するかなんてわからないけど、ブーンもツンと同じように頑張ってるんだお」
164 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:34:16.80 ID:UbsKR27d0
ξ;⊿;)ξ「…」
( ^ω^)「ツンは一人にしないお。卒業したら、二人で一緒に小さなアパートでも借りるお」
ξ;⊿;)ξ「ブーン……」
( ^ω^)「そこで、ツンはブーンに絵を描いてくれお。ブーンはなにができるかわからないけど……」
( ^ω^)「ずっとツンの傍で、ブーンはツンを支えるんだお!」
165 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:34:38.85 ID:UbsKR27d0
ξ;⊿;)ξ「…」
( ^ω^)「ごめんね、ツン?ツンとはずーっと仲良しだったから……なかなか言えなかったんだお」
ξ;⊿;)ξ「私も……私もね」
( ^ω^)「ツン、ブーンはツンが大好きだお。もう二度とツンを放さないお。泣かさないお。ツンにずっと絵を描いてもらうお」
ξ;⊿;)ξ「私も……私もブーンのこと大好きだよ」
( ^ω^)「……うん」
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:35:05.61 ID:UGmk7XxEO
男は黙っ……あああああああああああ支援!
167 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:35:14.90 ID:UbsKR27d0
ξ;⊿;)ξ「私もブーンが傍にいないとやだ。私、ずーっとブーンにいたずらするのっ!」
( ^ω^)「うん」
ξ;⊿;)ξ「ブーンに絵を描いてあげて、それを褒められて……ずっとずっと、ブーンの傍にいるからっ!」
( ^ω^)「……約束するお」
ξ;⊿;)ξ「ブーン……大好きだよ」
( ^ω^)「ブーンもツンのこと、ずっとずっと大好きだお」
168 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:35:33.51 ID:UbsKR27d0
風は弱くなって
それでも波の花は舞っていて
ツンはブーンの腕の中でやさしく笑っていて
しっかりとブーンもツンを抱きしめていて……
長い間ツンと過ごしていたから
ツンが傍にいるのが当たり前になってたから
ツンがいなくなることがこんなに辛いことだって気がつけたんだお。
ブーン一人じゃ、この波の花は多すぎるお。
ツンと二人だから
ブーンとツンだから
だからブーンは幸せだったんだお。
もう
二度とツンを放さない。
この真っ白な海岸で、ブーンはツンに約束したんだお。
169 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:35:53.78 ID:UbsKR27d0
ξ゚⊿゚)ξ「ひっく……」
( ^ω^)「ツン、泡が服についちゃうお」
ξ゚⊿゚)ξ「いいの。そんなことよりブーンが大切なの」
(*^ω^)「おっお」
ξ゚⊿゚)ξ「約束だからね?春から……一緒にこの町を出て行くんだからね?」
( ^ω^)「頑張るお。ツン一人になんて絶対しないお」
ξ*゚ー゚)ξ「…」
(*^ω^)「よっこいしょっと……」
ツンを抱っこして、イーゼルの前まで運んだお。
ツンはブーンから離れなくって……二人でひとつの筆を持って
白い花が一面に咲く海岸に、二人分のシルエットを書き足したお。
大きな大きな冬の海には
ブーンとツン。二人だけの世界が広がったんだお。
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:36:20.52 ID:UGmk7XxEO
支援
支援
172 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:36:40.45 ID:UbsKR27d0
('A`)「……ライフイズビューティフルってか」
川 ゚ -゚) 「うむ」
('A`)「ってなにやってんだよ先輩」
川 ゚ -゚) 「いいじゃないか。ツンとブーンの祝福だ」
ドクオとクー先輩の気配がしたけど
ブーンは気にせずツンと引っ付いてたお。
だって、ツンが離れないから……ブーンも離れたくなかったから。
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:36:40.59 ID:cihGWXkj0
あれ?
画面が見え・・・ない?
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:36:40.94 ID:deHemOEE0
支援
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:37:13.70 ID:yV/TQW07O
(;∀;)イイハナシダナー
176 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:37:19.78 ID:UbsKR27d0
海岸に落ちてた花を拾って、ツンは無邪気にブーンの顔に塗ってきた。
ブーンも避けながら、それでもツンを放さなかった。
ツンは、もう二度と離さない。
ずっとずっと、ブーンの傍でいたずらしててもらうんだお。
その代償に……ずーっとブーンは幸せを貰っておくんだお。
('A`)「よっしゃぁぁぁ!ザ・エンドォ!!」
最後の最後までドクオはうるさいお。
177 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:37:38.48 ID:UbsKR27d0
―数年後―
_
( ゚∀゚)「おっぱいおっぱい!」
(*゚ー゚)「ちょっ、おっぱいじゃないよー。そこは制服だよぉ」
('A`)「おいおい、なにやってんだ」
(*゚ー゚)「あ、先生!またジョルジュ君が暴走してて……」
_
( ゚∀゚)「暴走じゃないっすよ!ここはおっぱいが必要なんすよ!」
('A`)「……チーフ。バット持ってきて」
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:37:50.95 ID:0Rn0CfIdO
支援
179 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:37:57.39 ID:UbsKR27d0
川 ゚ -゚) 「チーフじゃないぞ」
('A`)「ばっかおめー、何回言えばいいんだよ。仕事中はチーフでいいの。クーはそれ以外」
川 ゚ -゚) 「ふむ。常にその名前で呼ばれたいものだな」
('A`)「……なんだかなぁ」
_
(;゚∀゚)「ななn、なんすかそのバットは!」
アッー
(*゚ー゚)「ねぇ先生」
('A`)「なに?そこは63番張っといて」
(*゚ー゚)「あのそうじゃなくてですね。あの絵ってなんなんですか?」
180 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:38:17.68 ID:UbsKR27d0
('A`)「え?あー、あれ?」
川 ゚ -゚) 「あれはな、私の後輩で旦那の同級生の描いた絵だ」
('A`)「んまーそんな感じ。ってだから先生って言えっつーの」
_
( ゚∀゚)「おっぱいっすか」
メコォ
('A`)「綺麗な絵だよなぁ。幾らすんだっけこれ、すっげ高いと思うよ」
(*゚ー゚)「そうなんですか?」
('A`)「うん。この絵描いてるやつの旦那がなかなか売りやがらなくてなぁ。まあ本人も売る気ないみたいなんだけど」
川 ゚ -゚) 「今もここの近くで暮らしているぞ。二人仲良く」
('A`)「二人じゃぁないだろう?」
ピンポーン
('A`)「あ、ほらあれだ」
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:38:23.48 ID:eoZUP9U90
支援
し
え
ん
183 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:39:05.59 ID:UbsKR27d0
ガチャ
('A`)「よぉ、久しぶり。おっきくなったなぁ琴欧州ぐらいあるんじゃないか?」
(#^ω^)「おまっ、久しぶりにあった友人の娘になんてことをっ!」
川 ゚ -゚) 「ドクオの漫画のヒロインのように可愛いじゃないか。よかったなお母さんにそっくりで」
ξ゚⊿゚)ξ「ほらほら、外寒いからお家の中入ろうねー?」
ガチャン
(;^ω^)「だからなんでドアを閉めるんだおwwwそんな所ばっかりツンそっくりだお!」
終。
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:39:24.16 ID:UGmk7XxEO
支援
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:40:34.30 ID:QNAszm0bO
乙
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:40:47.84 ID:Ep72bjbN0
おつ
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:40:54.59 ID:mhMR5rlF0
乙。
作者ありがとう
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:41:02.58 ID:UGmk7XxEO
乙
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:41:04.08 ID:cihGWXkj0
おおおおおおおおおおおおおつかれさまっす
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:41:23.73 ID:FWgM7HawO
おつ!
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:41:33.28 ID:6lSLnEqCO
乙
乙!
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:41:55.94 ID:yV/TQW07O
乙
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:42:04.57 ID:0Rn0CfIdO
乙
ただもうありがとう
195 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:42:04.76 ID:UbsKR27d0
とかそんな。
いやあ、初めてブーン小説ってのを書いてみましたけどどうでしょう?
ありきたり?うっせー!死ね!
美術部だとか受験とか全然わっかんねーけど、まあ頑張れよ受験生!
ありがとうございました。
乙!
とっても感動した
最後がようわからん
乙
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:42:58.83 ID:UGmk7XxEO
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:43:02.44 ID:deHemOEE0
乙
最後がよくわからない俺は頭の悪い子
200 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:43:53.64 ID:0nlhFYsZO
素敵な作品でした
波の花 RoseDust…………
乙
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:44:24.75 ID:R7lgb0ApO
作者乙
ガチで泣いた
202 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:44:39.94 ID:cihGWXkj0
初めての作品ってすご。
203 :
甘sk2 ◆r5XONj/Bfg :2007/09/27(木) 00:45:31.39 ID:UbsKR27d0
('A`)漫画家
川 ゚ -゚)アシスタントチーフ
_
( ゚∀゚)アシスタント見習い
(*゚ー゚)中堅アシスタント
ドクオは漫画家になりましたとさ。
眠かったんです、わかり辛いけど眠かったんですwwwwwwwww
フヒヒ、ごめんなさい。
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:47:47.74 ID:g6dzEgJrO
乙
これ大好きなんだぜ
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:47:51.67 ID:zBsEvYlCO
乙!!!!
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:49:13.57 ID:4oc5CVxUO
面白かった!乙ー!
207 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/27(木) 00:49:23.20 ID:g6dzEgJrO
あともうちょっとで0:47:47.47だったのに…
208 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
乙すぎるだろ・・・